全国農民会議 共同代表 小川浩さんの決意

週刊『三里塚』02頁(1127号02面02)(2024/01/08)


全国農民会議 共同代表
 小川浩さんの決意

農民も戦争反対に立ち上がる時

 今年改悪すると政府が言っている食料・農業・農村基本法は、そもそも1961年に作られた頃、当時通っていた農業高校でも盛んに言われたんだけど、農業近代化を進めて選択的規模拡大をやれば農家も他産業並みにやっていけると。自分もそうだったけど農家の長男たちにある意味で期待を持たせたんです。だけど、長いスパンで見れば、資金を借りて設備投資してもうまくいかず、出稼ぎや兼業化がどんどん進んだ。結局それは農家・農村を収奪するものでしかなかったんです。
 今や「農家の所得確保」という大義名分も投げ捨て、「食料の安定供給」が第一。農民という言葉もほとんど消えた。さらに「食料安保」を前面に掲げて、最終的にはイモでも作れと農家に迫ろうとしている。

「イモつくれ」と農家を戦時動員

 ウクライナ戦争を契機とした肥料の値上げ問題、高齢化、後継者不足で農業そのものが危機的な状況で農家は将来の展望が描けない。これだけ普段農業つぶしをやっておいて、戦争になって食料が必要だからイモをつくれなんていうのはまったくふざけた話です。戦前のように日本の農業問題が国内だけでは解決できないから「満蒙開拓」「あっちに行けば広大な農地がある」と、中国侵略戦争の先兵として農民が動員された歴史を繰り返してはなりません。
 最初は補助金とか甘い汁をつけるかもしれないけど、戦争のための食料を農家に強制的に作らせるというのは戦争動員そのものです。
 全国農民会議も昨年世話人会を開いて反戦の立場をはっきりさせると決まりました。農家は今自分のことが精いっぱいですが戦争になればもっと大変になる。

三里塚に連帯し団結つくり出す

 今、ウクライナ戦争やガザ大虐殺が続き、沖縄・南西諸島を中心に港湾や空港に自衛隊の拠点を作り、民間空港も強化されたり、軍事利用が始まったりと、軍靴の足音が間違いなく強くなってきています。農家も戦争問題を考え、反戦闘争に立ち上がらないといけない時だと思う。そういう点でも三里塚が軍事空港絶対反対で闘い抜いてきた意義が非常に大きい。
 反対同盟事務局次長の故萩原進さんが「農民も階級闘争の一翼を担えるような闘いをやりたい」と言っていたけど、今こそ戦争反対を軸に労働者との連帯、農民の闘いを作りたい。そのために全国農民会議を作ったんです。市東さんへの強制執行でいざというときになかなか力になれなかったことを反省しつつ、ばらばらにされてきた農民全体の団結をどう作るのか。コロナもあってできなかった講演会や勉強会を地元で開きつつ市東さん、萩原さん、反対同盟と共に今年も闘います。

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