南台農地死守の決意新たに 第3滑走路粉砕、機能強化許すな 芝山現地闘争に労農学345人が結集

週刊『三里塚』02頁(1133号01面01)(2024/04/08)


南台農地死守の決意新たに
 第3滑走路粉砕、機能強化許すな
 芝山現地闘争に労農学345人が結集

(写真 「成田軍事空港粉砕!芝山廃村化阻止」反対同盟を先頭にデモ行進【3月31日】)

(写真 反対同盟のビデオ上映)

(写真 芝山文化センターに345人が結集し、ガンバロー三唱)

(写真 反対同盟が先頭で闘う決意を表し)

(写真 結成45周年を迎えた動労千葉の隊列)


 岸田首相は4月10日の日米首脳会談で、中国侵略戦争のために米軍と自衛隊の司令部機能を一体化し、「64年ぶりとなる日米安保同盟の最大のアップグレード」(英紙フィナンシャル・タイムズ)を強行しようとしている。絶対に許すことはできない。実力で粉砕しよう。三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける芝山現地闘争が3月31日に開かれ、全国から345人が結集した。国家権力と成田空港会社(NAA)による市東孝雄さんと反対同盟の闘志をくじこうという天神峰農地への強制執行から1年。敵の思惑を完全に粉砕して、この日の集会とデモを貫徹した。
 午後、会場の芝山文化センターホールを熱気で満たして開会。最初にビデオ上映が行われ、昨年2・15強制執行との激突、今年2月の第3滑走路建設準備工事に対する現地闘争、3月の市東さんの耕作権裁判闘争の記録映像が映し出された。参加者はかたずを飲んでスクリーンに見入った。
 反対同盟事務局の太郎良陽一さん、婦人行動隊の宮本麻子さんが司会のあいさつを行い、東峰の萩原富夫さんが主催者あいさつに立った。(発言要旨別掲

準備工事に怒り

 萩原さんは、2月28日に行ったB滑走路北延伸準備工事弾劾のフィールドワークと、自身も初というかつての成田用水決戦の激戦地=芝山町菱田地区でのデモを報告し、集会の意義を強調した。成田の軍事空港化を念頭にした新滑走路建設、1ターミナル化などの計画が進められていることを弾劾し、「三里塚は大きな課題を背負って闘っていく」と反戦闘争の先頭に立つ決意を表した。
 連帯のあいさつの最初に、動労千葉の関道利委員長が登壇。JRダイヤ改定阻止を掲げて48時間ストを貫徹したことを報告した。さらに前日に結成45年を迎えた動労千葉にとって、反対同盟の存在と闘いが決定的だったことを自らの体験から説き明かし、労農連帯にかけて市東さんの南台農地を守る決意を語った。
 関西実行委員会の連帯メッセージの紹介に続いて、「市東さんの農地を守る沖縄の会」の川野純治・前名護市議会議員が発言した。前日のうるま市の陸上自衛隊勝連分屯地に対するミサイル部隊配備反対の闘い、石垣島での米艦船寄港に対する全港湾のスト、辺野古新基地建設阻止の闘いを報告し、三里塚に連帯して闘うことを誓った。
 続いて、3・11反原発福島行動実行委員会共同代表の椎名千恵子さんが発言。3・18耕作権裁判報道記事での、故市東東市さん(孝雄さんの父)の「空港公団と反対同盟は水と油の関係、ひざを交えたら終わりだ」との言葉を紹介し、その敵との非和解性において「3・11実行委は一体だ」と確信を述べた。そして、8・6広島暴処法弾圧を弾劾し、低線量被曝、汚染水海洋放出という福島の現状に鋭い怒りを表した上、故萩原進事務局次長の「霞が関に攻め上ろう」との呼びかけを引き「今こそその時が来ていると思う」と、反戦・反核・反原発の闘いの先頭に立つ決意を表した。
 ひときわ大きな拍手に迎えられて市東さん本人が発言に立った。
 昨年の強制執行後の営農再建の支援に対するお礼を述べた。さらに耕作権裁判でNAAの不誠実極まる訴訟態度を徹底弾劾し、残された南台農地を守るために全力を尽くして闘う決意を述べ、支援を呼びかけた。
 続いて反対同盟顧問弁護団が、この間の耕作権裁判でNAAを追いつめたこと、今年末頃に判決となることなどを報告し、現地実力闘争と一体で南台農地を守り抜く決意を表した。
 市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会の人々が壇上に並び発言した。群馬の会の労働者は、天神峰農地への強制執行と群馬の森の朝鮮人追悼碑破壊への怒りと悔しさを訴え、自らの職場でストに立ち反戦闘争を闘っていることを報告。
 全国農民会議共同代表の小川浩さんは、「福島・沖縄・三里塚の連帯の闘いにこそ農民の生きる道がある」と訴え、「戦争反対」を第一に掲げた新調ののぼりを披露した。(発言2面)
 白枡の伊藤信晴さんが「機能強化粉砕に向けた戦闘宣言」と題して、芝山町での移転強要攻撃の激化を報告した。戦争情勢の中、地域崩壊の現実、北総台地の破壊と立ち向かうためにも市東東市さんの闘魂を自身のものとする決意を語り、耕作権裁判勝利、南台農地強奪実力阻止を誓った。
 空港周辺住民2人が登壇し、機能強化による騒音激化、生活破壊に対して4地区150人の住民が原告となって深夜早朝の飛行差し止め訴訟に立ち上がっていることを報告した。被告の国は卑劣にも「空港の運用時間は国に権限がない」と無関係を装って訴訟の門前払いを主張したが、裁判所もそれを認めず釈明を求めた。次回期日は6月25日と告知し、裁判傍聴を要請した。
 共闘団体の発言として、矢嶋尋全学連副委員長が決意表明を行った。岸田政権の対中国を想定した戦争準備、成田軍事空港化を実力で粉砕し、8・6広島暴処法弾圧を打ち砕き、獄中の大坂正明さんと連帯し、4月新歓闘争で新入生と合流して全学連の隊列を強化することを誓った。鮮明な決意に会場の熱気が最高潮に達した。

廃村化阻止訴え

 太郎良さんが行動提起として、今後の耕作権裁判(5月13日、7月8日、9月30日)の傍聴、7・7農楽まつりへの結集、千葉地裁あての「成田空港の拡張に反対する署名」、国交省あての「すべての空港拡張計画の撤回を求める署名」への取り組みを訴えた。さらに、機能強化策のもとで農地を奪われ地域が破壊され騒音に苦しめられる芝山住民の苦境に触れ、「空港なんてつぶしてしまえ! コンクリートを引っぺがして世の中を変えよう! 戦争反対の声を上げともに闘おう」と叫び、団結ガンバロー三唱をリードした。
 会場前から反対同盟を先頭にデモ行進に出発。宣伝カーからは宮本さんが「南台農地死守、空港機能強化粉砕!」「芝山廃村化を許さない!」「戦争反対!」の訴えを一帯にとどろかせた。機動隊の厳重警備が敷かれている町役場前を通過。途中、「反対同盟の歌」を響かせ、再び県道62号線(芝山はにわ道)を南下。芝山町の雰囲気を「空港絶対反対」に塗り替えながら、意気高く周回デモを貫徹した。

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