大地の響き 投稿コーナー

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週刊『三里塚』02頁(1134号02面08)(2024/04/22)


大地の響き 投稿コーナー

援農で決意を新たに
 三多摩 新井佳代子

(写真 大根の種まき【4月1日】)

 3月31日の芝山現地闘争お疲れさまでした。私はその翌日、久しぶりの援農(共農)をさせていただきました。昨年の2月15日、強制代執行以来の訪問です。今回は初めて萩原さんの畑で里芋の植え付けができると聞いてワクワクしていました。ところが夜中からの激しい雨で午前中の作業は中止となり(涙。空いた時間でセンターの昼食を作りました☆)、午後から葉タマネギとほうれん草の収穫と、大根の種まきをしました。
 みなさん、大根の種って見たことありますか?ゴマみたいに小さくて赤いのです。それが3カ月後には大きくて真っ白な大根になって収穫できる、自然の力は本当に凄いですね!!
 そして今回は前夜に市東さんと夕食を共にさせていただけたことも貴重な時間となりました。ありがとうございました。市東さんは「いくら金をもらっても畑がなくなったら何もできない。身体が元気な限りは農業を続けたい」と仰っていました。以前「1億8千万円(離作補償料)より1本100円の大根」と仰っていたことを思い出しました。
 昨年2月15日の農地強奪は本当に許せません。目の前にバリケードが張られ、重機が小屋を壊していく音だけが聞こえる...このような悔しさや怒りはもう二度と経験したくないです。市東さんにとっての南台農地は生命そのものであり、何としても守り抜かなければと決意を新たにしました。階級の大地、三里塚。みなさんも共農にぜひいらしてください!!

原爆の父の安堵に恐怖
 千葉 水野長春

(写真 映画オッペンハイマー)

 映画「オッペンハイマー」を見た。
 「核分裂」による爆弾=原子爆弾を作ったヒロシマ・ナガサキの「加害者」=オッペンハイマーは、「核融合」による爆弾=水爆には反対した。
そのため水爆推進のストローズ(米原子力委員会委員長)らによって赤狩りの「犠牲者」に......。
 労働組合に積極的で共産党員の女性と恋仲(いわゆる不倫関係)だったオッペンハイマーが非公開の聴聞会で追い詰められていく様とストローズの公聴会での冷淡さは見どころの一つ。
 原爆製造には3つの中心技術が必要だ。①ウランの濃縮、②原子炉、③再処理。天然ウランのうち核分裂する能力を持つものはわずか0・7%。①にとんでもない手間をかけて広島型原爆は生まれた。あまりにコストがかかるので燃えないウランを核分裂する能力を持つプルトニウムに変えるために作られたのが原子炉だ。(それを発電に転用したのが原発。出自から言っても原発は原爆の擬装形態なのだ)
 ついに核分裂に必要な量の原爆の材料を手に入れた科学者たちは1945年7月、人類初の核実験=トリニティー実験を行う。彼らは連鎖反応で大気が燃え、地球を破壊する可能性は「ニアリーゼロ(わずかだがある)」と気づいていた。だが、ボタンを押す。地球が壊れなかった「成功」に安堵する様は、その破壊力よりも恐怖だ。開けられたパンドラの箱をいつ誰が閉じるのか。

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