団結街道

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週刊『三里塚』02頁(1159号01面05)(2025/05/12)


団結街道


 全世界で14億人と言われるカトリック教徒のトップにアメリカ出身のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿が選ばれ、新教皇レオ14世が誕生した▼レオの名を選んだ理由について彼は、「レオ13世が歴史的回勅『ノールム・ノヴァールム』(1891年)を出し、産業革命の中での社会問題を取り上げたから」と答えた。トランプの移民政策には批判的だが、性的少数者の権利には不寛容で中道などと報じられているが、本質はやはり反マルクス主義にある▼19世紀、レオ13世は台頭するマルクス主義(『共産党宣言』1848年発刊)に抗し、「階級闘争」ではなく「階級協調」を説いた人物。Z世代を中心にアメリカでも広がる社会主義への渇望の中で、バチカンは生き残りをかけた選択として彼を押し上げた▼大没落する米帝トランプを先頭に各国帝国主義がむき出しの「自国第一」主義へと回帰する中、ふたたびの「国際協調」「自由貿易」などありえない。私有財産制の廃止、帝国主義の打倒なき「階級協調」路線は不可避的に進む帝国主義による労働者抹殺を容認し、さらに加担者へと転落していく道に他ならない▼映画「教皇選挙(コンクラーベ)」でも描かれているが「ガラスの天井」(性別、人種などによる差別の見えない壁)の最大の象徴がローマ・カトリック教会だ。ガラスを打ち破る主体は誰か。何より男性などのマジョリティ(抑圧者)側の変革にかかっている。
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