団結街道
週刊『三里塚』02頁(1166号01面05)(2025/08/25)
団結街道
例年にも増して今年やたらと目にするのがゴキブリだ。わが家の内でも外でも縦横無尽に走り回っている。飛べば最強なのだが、実際は大して飛ばないのでかなりの数を踏みつぶしている▼先日、飼い主が無尽蔵にやっているネコのエサの食べ残しをゴキブリがこっそりと食べているのを発見。これではネコを飼っているのかゴキブリを飼っているのかわからない。もちろんネコに(ゴキブリにも)罪はないのだが、「ネコは良くてゴキブリはダメ」という人間のエゴに気づき、やや気が滅入る▼「三里塚でゴキブリと言えば機動隊を指していた」。千葉西警察署の留置係が自虐的に(いや正確にか?)言っていたことを思いだした。空から見た姿がそっくりだとパイロットやキャビンアテンダントによく言われたそうだ。その見た目もさることながら、忌み嫌われている存在のメタファーとしても確かにピッタリだ▼かつて参加したデモで右翼から赤いゴキブリと罵倒されたことがあった。国家権力からは赤いバチルス(ばい菌)なんて呼ばれたことも。だが、右翼や国家権力から忌み嫌われるのはある意味では名誉なことであるし、生命力・繁殖力が強いたとえとしても全く正しいので、ののしられている気がしない▼そう考えてみると、俄然ゴキブリにシンパシーがわいてくるから不思議だ。早速デスク周りのごきぶりホイホイを撤去し、ネコの皿にはたっぷりのエサを盛り付けた。