10・12三里塚全国集会へ 首都揺るがす10・5反戦デモを 「機能強化粉砕しよう」 反対同盟の訴え

週刊『三里塚』02頁(1168号01面01)(2025/09/22)


10・12三里塚全国集会へ
 首都揺るがす10・5反戦デモを
 「機能強化粉砕しよう」 反対同盟の訴え

(写真 3・30現地闘争で反対同盟を先頭にデモ)


 首都中枢を揺るがす10・5反戦デモの大爆発をかちとり、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける10・12全国集会に集まろう。今号は反対同盟事務局3氏のアピールです。自らの性加害と女性差別を居直り革命党破壊に手を染めた石田反革命は、中国侵略戦争=革命情勢の現実化と戦時下弾圧の激化に恐怖し、国家権力に投降して革共同を変質させ破壊する転向そのものだ。三里塚闘争の最先頭で実力闘争に立ち、とりわけ23年の市東さん天神峰農地死守決戦で日本階級闘争の大転換の先陣を切り開いた学生戦線の同志のみなさん。自分たちが切り開いた三里塚闘争の地平を汚してはならない。石田反革命に加担し、正真正銘の反革命へ転落する者が三里塚の地を踏むことは決して許されない。革命党の下に結集し、中国侵略戦争阻止の反戦闘争、市東さん南台農地決戦を共に闘おう。  

農地を耕し守りぬく
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 みなさんの日頃からのご支援に感謝します。
 3月24日に19年も続いていた耕作権裁判の一審判決が千葉地裁で出されました。祖父の代から耕し続けてきたうちの南台農地について、成田空港会社(NAA)が「不法耕作だから明け渡せ」と起こした裁判ですが、向こうの言い分をすべて認める不当判決でした。
 そもそもなぜ19年もかかったのかといえば、私の父が署名押印したという「同意書」「境界確認書」を偽造するなど、NAAが不正・違法の限りを尽くし、そのことが法廷で明らかにされたからです。そして、NAAが土地の位置の特定を誤っていることなどをたくさんの証拠を出して明らかにしました。
 しかし判決は、空港側を勝たせるために「位置特定は関係ない、面積が合っていればそれでいい」と決めつけるとんでもないものでした。19年かけてこちらが立証したことを一切認めず、真実を切り捨てたのです。
 農地法裁判の時も千葉地裁は、話し合いがとん挫したら強制手段を使っていい、離作補償を出すからその金でなんとかしろとか、NAAが言っていないことまで言って反動判決を下しました。千葉地裁は、悪い裁判官が集まってきて、三里塚で悪い判決を出し、そこから出世の道を進んでいくというとんでもないところのようですね。
 2年前に強制執行で破壊していった天神峰農地については、今も鉄板で囲ったまま何に使うわけでもなく放置してあるだけで、強制執行は私への嫌がらせと反対運動つぶしだけが目的だったことが明らかです。
 裁判は悪い結果にはなりましたが、ここであきらめたり投げ出したりすることはできません。すぐに控訴しましたが、東京高裁での日程が決まるのはもう少し先のようです。
 今、米の問題が大きく取り上げられています。政治家は第1次産業は大事だとか口先では言いますが、本当に農家がどうすれば続けていけるのかについて考えていません。経営規模を大きくすればいいとか言ってますが、それは中小の農家はつぶれろということでもあり、何の解決にもなりません。
 一人ひとりが声を上げていかないと、政府やNAAのやりたい放題を許してしまうことになる。声を上げることでしたら私一人でもできます。ですから私も農地を守り、農民の権利を守り、空港機能強化を許さず、戦争に反対するために声を上げ今まで通り闘います。
 地元の人たち、支援の人たちとともに、また、動労千葉をはじめ労働者、学生、市民との連帯を大事にして、沖縄・福島・三里塚を一つの闘いとして、これからも強い気持ちで自分を奮い立たせて闘っていきます。あらためて皆さんの熱いご支援をお願いします。
 10・12全国集会でお会いしましょう。

原則曲げず反戦貫き
 芝山町白桝 伊藤信晴さん

 三里塚闘争が60年近くの長きにわたって、「空港絶対反対、農地死守・実力闘争」の原則を曲げずに闘い続けてこれたことの背景には、やはり反対同盟の諸先輩方の、戦争を二度と繰り返すまいとの強い誓いがあったことが大きいと思います。
 生涯を同盟員として全うした北原鉱治事務局長、本部役員の鈴木幸司さん、三浦五郎さん、副行動隊長の宮本嘉さん、誰よりも市東東市さん(孝雄さんの父)など、みな戦場に駆り出され過酷な体験をへて、戦争と圧政への深い怒りを胸に抱いていた。だから国家権力が機動隊の暴力で襲いかかってきた時にも、ひるまず立ち向かっていけた。これを許したら戦争だという強い確信があった。それを自分のものにしなければと思います。
 今芝山町では、多くの人が町や国への信頼、期待をまったく失っていることを強く感じます。世間では芝山町は、空港関連で入ってくる税収によって一人あたりだと日本一裕福な自治体だみたいな言われ方もする。町当局は企業誘致とか農業振興策とかいろいろやっているが、人口減少は止まらない。そして成田機能強化が完成したら、今の倍以上の飛行機が頭上を365日飛びまくるんです。それが一生続くとしたら、とても人が住む環境じゃない。
 芝山町では死亡原因の第1位は心疾患です。それ以外の千葉県下ではすべて1位はがんなのに芝山だけが心疾患。それは騒音の影響としか考えられない。早朝から深夜まで飛行機を飛ばし、それで芝山は発展するか、成田空港と共存共栄できるか。できない。
 芝山町の生きる道は「空港粉砕」しかないことははっきりしているんです。観光立国だ、インバウンドだと騒いでアジアのハブ空港をめざすとか言っても、資本主義経済を前提に、金のことしか考えない発想そのものがもう限界に来ていると思う。そして有事の際には軍事空港として使われようとしている。
 二度と戦争を繰り返さないと誓って戦後の80年はあったのに、今や「国益」「自衛」が前提にされて戦争準備が進められ、排外主義が横行している。結局それは今の支配体制を守ることでしかありません。
 今や資本主義は生命力を失い、その危機を乗り切るために政府は戦争へと進むしかない。だからわれわれは、体制を変えなければ戦争を止められないし、こんな体制を覆し革命をやろうということを明確に訴えなければいけない時です。
 以前には地域を回ると反対同盟のビラを受け取るのを拒絶する人がいたが、今はそういうことは全然なくなりました。手応えが変わってきたと感じます。
 騒音地域住民の飛行差し止め裁判が続いていますが、原告の住民には「私たちは空港そのものには反対しない。反対同盟とは一線を画す」という立場の人が少なくなかった。現在はNAAや国の横暴さ、態度の悪さを法廷で見るにつけ、反対同盟の原則的非妥協的な闘いが理解されるようになってきました。
 市東さんと反対同盟に対し、耕作権裁判、団結街道裁判と立て続けに反動的判決が下されました。千葉地裁は団結街道裁判では、営農上必要不可欠の道路の廃道処分について、管理しているのは自治体、住民にとっては「反射的利益」でしかないから文句を言うなというとんでもない判決を出しました。許せません。農地を実力で守る気概をもって、どちらも控訴審に臨みます。
 今の情勢は、原則を貫くことの厳しさが問われている中での闘いです。 10・12三里塚全国集会に結集し、ともに闘いましょう。

成田軍事空港廃港に
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 「機能強化反対」を掲げてかれこれ12年くらい闘ってきました。NAAはこの5月には「本格着工」と言って空港内で着工式セレモニーを開いたり、機能強化とその関連事業を「第2の開港」と名付けて宣伝したものの、肝心の工事は第3滑走路予定地の住民に「ご理解頂けてない」、つまり買収を拒まれていることで用地取得が思うように進んでいません。騒音下住民の飛行差し止め訴訟も進み、反対同盟も空港拡張差し止め裁判を闘っています。
 やはり、反対同盟が不屈非妥協にねばり強く闘ってきたことが、多くの人への励ましとなり、正当な権利として住民が反対の声を上げられる状況を作ってきたと自負しています。
 巨大空港、ましてやその拡張は時代の流れに逆行するものです。
 この夏、成田空港では猛暑のせいで誘導路のアスファルトが溶けて飛行機の自走のさいに誘導路にわだちができ、車輪がはまって立ち往生する事故が立て続けに起きています。気候変動、温暖化の影響・被害が全世界的に深刻化しているこの時、好き放題に飛行機を飛ばしてきた報いを受けたと言えるでしょう。
 三里塚闘争でも環境破壊や気候変動について取り組むことを最初に提唱したのは私ですが、マルクスも資本主義による自然破壊についてどこかで言及してたと思います。
 投資し、開発を進め、金もうけを際限なく追求することが当たり前とされる風潮ですが、そうなると農業というのは遅れた産業という位置づけになり、利益も出ないからお荷物でしかない。でも本当にそうですか。農業・食料なしに社会は成り立ちますか。
 環境の激変の中で、米の問題だけじゃない、野菜も作りづらい状況でいろんなものが値上がりし、猛暑の影響で乳牛の乳量が減少し、ニワトリの産む卵もサイズが小さくなり個数が減少している。そして農業で食べていけず多くの農家がやめていく現状も続いている。農業についての位置づけを変えさせないと、社会の存続自体難しい。
 ところが今年、耕作権裁判、団結街道裁判、それぞれ一審千葉地裁で出された判決は農家・農業を踏みにじる、不当極まりないものでした。空港の「公共性」のために、農民は犠牲になれと言い放ちました。本当に心から許せません。市東さんは今、自宅四方を誘導路に完全に包囲された中で闘っています。こんな状況は人権無視です。控訴審で必ず逆転するという決意を固めています。
 戦争準備と排外主義の攻撃が重なり合って襲いかかってきています。核武装の主張までが選挙に現れました。巨大空港が有事には軍事空港、兵站(へいたん)基地として使われることは、火を見るよりも明らかです。24時間空港にすれば、ますます好都合でしょう。われわれは戦争準備のために農業が犠牲になることなど絶対に認めない。市東さんの農地を体を張って守り抜きましょう。
 軍事空港と戦争、農業つぶし、環境破壊、そして投資詐欺(ゲートウェイ成田=みんなで大家さん)と、今や成田は資本主義の矛盾の一大集積地と化しています。
 この空港を私たちの力を合わせて実力で粉砕し廃港に追い込みましょう。10・12全国集会に大結集してください。

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