団結街道
週刊『三里塚』02頁(1171号01面04)(2025/11/10)
団結街道
ハロウィンと言えば、「フリーズ(動くな)」と「プリーズ(どうぞ)」を聞き間違え(とされていた)、米国で撃ち殺された1992年の日本人留学生射殺事件を想起する▼当時はまだ耳慣れなかったハロウィンも今ではすっかり定着したようだ。嚆矢(こうし)として知られているのは原宿の「キディランド」が83年に行ったグッズ販売促進のパレードだ。同年に開園した東京ディズニーランドでは97年、USJでは02年からイベントを開始。10年代に入ると渋谷にDJポリスが出動した▼広まった理由として指摘されるのがSNSの拡大だ。「映え」の影響もあるが、何より子どものための行事だからではないかと思う。子どもを喜ばせるイベントにはお金も時間も惜しみなく使う日本の大人の何と多いことか▼故郷の神戸市では毎年8月23日、小銭を握りしめた子どもが近所のお地蔵さんを回って、お参りしてはお菓子を貰う「地蔵盆」が行われている。大きなゴミ袋いっぱいにお菓子を詰めて歩く姿はサンタの仮装と見紛う▼長田区(靴の生産が盛んで、外国人も含め多くの労働者が長屋にひしめきあって暮らしていた。衛生環境が悪く、伝染病などで亡くなった子どもの供養のための地蔵が多数建てられた。また他地域よりも空襲で焼けずに済んだため、地蔵が多い)では今も盛んなようだが、ほぼ見なくなった▼地蔵はすでに「フリーズ」状態、魔物(生産力)を制御できなくなった魔法使い(資本家)も退去「プリーズ」。地獄のようなこの世界で子どもを救えるのは資本主義の墓掘り人(労働者)の団結の力以外にはない。