成田機能強化 用地確保、進まず あせりに駆られ「共同声明」
成田機能強化
用地確保、進まず
あせりに駆られ「共同声明」

NAAは12月24日、11月末時点での機能強化のための用地確保率は86・9%と発表した。2カ月でわずか0・7%増(直近8カ月で4%増)。1099㌶の拡張予定用地のうち民有地は743㌶で、契約できたのは599㌶にとどまる。約2割が今なお未買収なのだ。
昨年4月、中野洋昌前国交相から「急げ」との指示を受けたNAAは、「今年度末にめど」と目標を設定したがこの現状だ。12月21日には、金子恭之国交相が現地を訪れ「県と3市町の協力が欠かせない」と行政にもはっぱをかけている。
追い詰められたNAAは12月24日、成田滑走路新増設推進会議を本社で開き、国、千葉県、地元3市町(成田市、芝山町、多古町)と共に「成田空港のさらなる機能強化の推進に関する共同声明」を採択した(写真)。用地買収に応じていない地権者に年明けに持参または郵送するとしている。
共同声明はホームページなどで今後公開されるそうだが、その核心は、「近隣アジア諸国が空港機能強化に動いており、待ったなしの状況」と機能強化が進まないのは国家存亡の一大事であると危機をあおり、他方で「多くの人々が幸せな暮らしを営んでゆくための千載一遇の機会」だとうそぶく。要は、「国家プロジェクト・地域振興の邪魔をするな」という地権者への恫喝(どうかつ)に他ならない。
藤井直樹NAA社長は「共同声明で空港の機能強化の国にとっての意義、地域の発展にとっての意義をもう一度地権者に伝え、その上で用地獲得を全力で進める」と述べた。だが、空港で地域が発展するどころか人口は減る一方、今や廃村一歩前であることは住民にとっては周知の事実。
言葉による説得が絶望的だからこそ、「推進派の一部からは、土地収用法に基づく『強制収用』を求める声も出始めている」と朝日新聞に報じさせ、国家暴力の発動をちらつかせてもいる。
だが、成田空港建設において国が全面的に放棄せざるを得なかった土地収用法をふたたび成田で使うことなど絶対できない。反対同盟農民を先頭に膨大な人民が身体を張り、血を流して国家暴力と闘った三里塚闘争60年の歴史的地平はだてではない。反対同盟が貫く「軍事空港絶対反対、農地死守・実力闘争」の思想と実践は、国家の全体重をかけた攻撃を今なお跳ね返し続けている。
ふたたび北総台地を揺るがす決起をともにつくろう。