「就寝時の騒音、もっとひどい」 NAAの測定方法に疑問呈す 成田夜間飛行差し止め民事訴訟

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週刊『三里塚』02頁(1175号02面02)(2026/01/12)


「就寝時の騒音、もっとひどい」
 NAAの測定方法に疑問呈す
 成田夜間飛行差し止め民事訴訟


 成田空港騒音被害訴訟団による民事訴訟第8回口頭弁論が12月17日、千葉地裁(村主隆行裁判長)で開かれました。
 この裁判は、成田空港の周辺住民(成田市、芝山町、多古町、横芝光町、茨城県稲敷市)が成田空港会社(NAA)に対し、午後9時から午前7時の飛行差し止めと損害賠償を求めているものです。
 この日の原告の意見陳述は、成田市の騒音地区の住民Aさんです。Aさんは「同じ地域に住み、がんなどの病気で裁判所に出られない他の原告を代表する気持ちで」と前置きして意見を述べました(要旨別掲)。
 つづけて弁護団は、被告・NAAが実施した防音工事完了後の効果確認試験について、「被告の測定方法は、1点のみを測定する簡便測定法で調査結果は信用できない」「建物の構造などによっては工事を行ったサッシ窓の近くだけで測定しても、夜間就寝時の騒音は正確に測れない」など、測定方法には疑問、不自然な点が多いことを批判しました。
 また、「防音工事の効果は個々の住宅の状況によってさまざまであり必ず達成できるとまでは認められない」と指摘した第4次厚木基地訴訟の高裁判決を再度引用し、「防音工事が航空機騒音暴露を防止するものとはなっていない」ことを明らかにしました。
 裁判終了後の報告会(写真)で弁護団は、「行訴も民訴も佳境に入っている。次の行訴が重要な期日になる。もっと多くの人を傍聴に集め、メディアの関心も高めていこう」と呼びかけました。
 また、騒音被害に苦しむ高感受性の人が原告の家族から見つかったことに触れ、「人知れず苦しんでいる人が埋もれていてまだまだたくさんいる。地域の日常の会話の中で見つけて被害の実態をもっと明らかにしていこう」と提起しました。
 次回の裁判(民事訴訟)は3月18日(水)午前11時開廷。行政訴訟は2月17日(火)午前11時開廷です。ぜひ傍聴に駆けつけましょう。
(神部俊夫)
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約束を守ってほしい
 成田市Aさんの意見陳述

 私の住む地区はA滑走路の真下にあたり、昼夜にわたって航空機騒音被害を受けて苦しんでいます。
 開港当初は主に昼間から夕方にかけての便が中心で、夜10時以後の発着便はそれほど多くありませんでした。
 しかし、その後住民と約束した発着時間の制限は徐々に破られて、発着時間が延長されていきました。2013年に「弾力的運用」が始まり、2019年にはA滑走路は例外的に24時半まで、B滑走路は24時までの発着が可能となりました。
 私は16年前に定年退職して家にいるようになり、昼間も飛行機騒音にさらされるようになっています。夜、23時以後まで飛行機が飛ぶようになると、1回の飛行機騒音で目が覚めてしまい、その後なかなか寝付けず不眠に苦しむことが起きてきました。
 今は、23時頃に多くの飛行機が集中して発着するため、私は比較的発着が少ない夜21~22時頃の時間帯に就寝するようにしています。23時頃に寝ようとすると、うるさくて寝付けないからです。それでも23時以後に飛ぶ飛行機の単発騒音で起こされてしまうこともあるのです。
 発着時間を伸ばす変更を行うために、成田空港株式会社と国、市町村などは「説明会」を開催して住民の理解を求めてきました。私と、同じ地区に住む同じ思いを持つ住民たちは、地元で説明会があるたびに必ず参加して、夜中に飛行機が飛ぶと眠れなくて困るので開港時点の住民との約束を守って6時から23時までに制限してほしいということを繰り返し求めました。
 しかし、「説明会」は住民の話を聞いて検討するような場ではありませんでした。会社や国が一方的に説明をして、住民に発着時間の拡大を受け入れさせる場でしかありませんでした。何度言ってものれんに腕押しで、これ以上どうしたらいいのかわからず途方に暮れていました。
 裁判という手段があると気がついて、地区で話し合って本件訴訟に加わりました。もっと早くこの裁判を起こしておけば良かったと思います。
 裁判所には、公正・公平な裁判を期待しています。

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