「岩山開発」に乗り出す千葉県 エアポートシティ構想は軍事空港化だ
「岩山開発」に乗り出す千葉県
エアポートシティ構想は軍事空港化だ



成田A滑走路南端に接し、1977~78年の開港阻止決戦が激烈に闘われた岩山地区において、千葉県と芝山町によって「開発」「産業誘致」が大々的に進められようとしている。機能強化とそれにまつわる開発プロジェクトは、成田を航空宇宙関連などの先端産業育成と国際的物流の拠点機能を備えた軍事空港、巨大兵站(へいたん)基地へと造り上げるものであることが一層鮮明になってきた。
前のめりの熊谷
千葉県の熊谷俊人知事は、2月17日の定例県議会で自民党県議の質問に答え、成田空港を中心とした産業拠点形成の目玉として「芝山町の岩山地区において県が産業用地を直接整備していく」との姿勢を打ち出した。
県は、成田空港周辺での物流や航空宇宙産業などの集積に向けて、場所特定と用地確保を検討してきた。その結果、空港内の航空機整備地区に近接しNAAが用地の一部を所有する岩山地区を選定し、「県が直接整備する」と決定したのだ。今後、県の推進部署を新設・強化し、民有地の地権者との買収交渉や企業誘致を進めるという。造成・整備が予定される面積は15~20万平方㍍(東京ドーム約4個分)で、4月から測量を始めようとしている。
けたたましいキャンペーンとともに県は熊谷を先頭に、「エアポートシティ」構想と銘打った開発事業に前のめりだ。
これを受けて芝山町の麻生孝之町長も、県と提携しつつ新年度から「エアポートシティ推進室」を新設することを明らかにした。町はMRO(航空機エンジンの整備、修理、分解点検)関連産業や航空関連人材の訓練施設を誘致することに躍起になっている。
帝国主義体制の危機がイラン侵略戦争として爆発し、中国侵略戦争、世界戦争へ向けて加速する現在、この芝山町岩山地区「巨大開発」をめぐる動きは、単なる経済投資ではなく、成田の軍事空港化へ向けたあからさまな攻撃である。
自前のMROを
MROは日本帝国主義の戦争国家への「跳躍」の上で、最大の弱点とも言える。現在日本国内ではジェット旅客機の大型エンジンを整備する十分な施設がなく、半分を海外(特にシンガポール)に委託している。つまり航空機の大型エンジンを点検・整備するためにわざわざ海外に運び、また国内に戻しているのが現状なのだ。
こうした海外への依存状態を打開するための国策として、MRO巨大工場を国内に造ることを模索し、その建設場所の最有力候補となったのが成田空港だ。それを成田エアポートシティ構想の目玉として打ち出し、航空宇宙産業育成へ向け企業を誘致し、投資を呼び込み、技術者養成・雇用促進・技術開発などの起爆剤にしようとしている。
このMRO施設からは、エンジンテストなどで必ず甚大な騒音と振動が大量発生する。建物のコンクリート壁の厚さを60~80㌢にすることで騒音を条例基準値内に抑えるというが、当てになどならない。
航空宇宙産業は、国家の軍事的水準そのものを規定する分野だ。MROにかかわる技術と人材の育成、素材部品の補給・調達、その集積地の建設は、世界の航空網をめぐる競争力強化であることに加え、戦時となれば「継戦能力」に直結し戦争の行方を左右する。
破綻に追い込め
支配階級は、航空機エンジンを国内で十分に整備・修理・点検できないような現状に激しく危機感を募らせ、「これで有事に対処できるのか」「MROは日本の安全保障の強靭(きょうじん)化として不可欠」とあせりに駆られ「岩山開発」にのめり込んでいる。
だがこれらはすべて、「機能強化」すなわちB滑走路延伸とC滑走路新設が滞りなく進展することを前提にしている。機能強化に成田の「起死回生」をかけるNAAと周辺市町は、滑走路用地の買収が完全に暗礁に乗り上げていることに大打撃を受けている。
芝山町は今、成田軍事空港化動向をめぐる重大焦点となった。3・29芝山現地闘争に全力で立とう。「岩山開発」を許すな。われわれの闘いで、機能強化を破産に追い込むことはできる!