明日も耕す 農業問題の今 野放しのゲノム編集食品 食料安保で各国が推進へ

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週刊『三里塚』02頁(1181号02面05)(2026/04/13)


明日も耕す 農業問題の今
 野放しのゲノム編集食品
 食料安保で各国が推進へ

(写真 ゲノム編集で育てられたマッチョ豚)


 ゲノム編集食品の開発が世界で広がりつつある。その大きな要因は、EU(欧州連合)が「ゲノム編集食品は規制しない」方針を打ち出したことだ。活発化する開発競争の中で市場化の先陣を切る日本はどうか。
 EUは遺伝子組み換え食品に対しては、安全審査や表示など厳しい規制があり、同域内ではほとんど流通することがなかった。
 そのEUが、植物由来のゲノム編集食品に対しでは、日本や米国などと同様に基本的に規制しないとしたのだ。
 「週刊金曜日」(1月23日号)に掲載されたジャーナリスト天笠啓祐さんの寄稿によれば、2025年12月3日、欧州委員会、欧州議会、欧州理事会の3者協議が開催され、この方針が合意されたという。内容の詳細は省くが、環境や健康へのリスク評価の必要はない、追跡調査できることも必要ない、表示も必要ない、監視も必要ないというものだ。

EU半年で転換

 天笠さんが2025年4月に著した『食品添加物よりはるかにこわいゲノム編集食品』では、まだ「EUでは推進に向けた動きがあるものの、まだ方向が定まらない状況が続いている」と書かれていた。
 EUはこの半年あまりで反対の声を押し切り、ゲノム編集食品推進に転じたことになる。
 その背景にあるのは、米日帝による中国侵略戦争=世界戦争情勢の激化であり、これと一体で進む帝国主義間争闘戦の激化だ。ゲノム編集食品の開発は食の支配、食料安全保障をめぐってしのぎを削っているのだ。
 EUを離脱したイギリスでは、すでにゲノム編集食品推進で動き出している。

日本は積極推進

 ゲノム編集食品の市場化を最も積極的に進めてきたのが日本だ。
 すでに日本で届け出されているゲノム編集食品には、高GABAトマトをはじめ、もちトウモロコシ、高糖度トマト、小粒だが多数の実がなるジャガイモなどがある。
 日本での届け出で特徴的なのは、各国が慎重な姿勢を示す魚を相次いで認めた点にある。リージョナルフィッシュ社のマダイ、トラフグ、ヒラメで、さらに米国で開発されたゲノム編集豚の承認も検討されている。
 今、最も積極的に開発が進められている作物は、稲、大豆、小麦といった穀物で、アメリカ、中国の企業がしのぎを削り、日本も参入している。
 天笠さんは前述の著書の中で、日本政府がゲノム編集食品をごり押ししてきた背景にあるのは食料安全保障であり、「戦争ができる国作りは、私たちの身近な食卓にまで忍び寄りつつある」と喝破している。
 家族経営が担ってきた農業を切り捨て、大企業と先端技術による食料安保に突き進む高市政権。ゲノム編集食品はその先頭に位置するものだ。 
 資本の金もうけのための食料支配、戦争のための食料破壊を許すな!

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