明日も耕す 農業問題の今 植物工場は「日本の勝ち筋」 高市がせき立てる成長戦略
週刊『三里塚』02頁(1183号02面04)(2026/05/11)
明日も耕す 農業問題の今
植物工場は「日本の勝ち筋」
高市がせき立てる成長戦略

(写真 葉物野菜を栽培する植物工場)
高市政権は3月10日、植物工場で生産された農産物や工場設備などを合わせた国内外のシェアについて、2040年までに3割の獲得を目指す方針案を示した。これは「看板政策が動き始めた」という話にとどまらない。
植物工場は、気候変動や労働力不足、農地面積の制約などに対応するとして、「食料自給率100%」とともに高市が農政の目玉に掲げていた。
その具体的方針を検討しているのが「日本成長戦略会議(議長=高市早苗首相)」だ。
日本成長戦略会議とは、高市内閣が2025年11月に設置した日本成長戦略本部の下に設置された有識者会議で、「危機管理投資」「成長投資」の名の下に「AI・半導体」「デジタル・サイバーセキュリティー」「防衛産業」「航空・宇宙」など17の戦略分野で官民投資を促すというものだ。
各戦略分野の下にはワーキンググループが設置され、目標や具体策などを盛り込んだ工程表を5月までにまとめる。
勝ち残りかけて
植物工場は「フードテック」という戦略分野で扱われている。4月9日、農林水産省において「第3回フードテックワーキンググループ」が開催され、官民投資ロードマップ素案が示された。農水省のサイトでは「植物工場、陸上養殖等の現状・課題を整理しつつ、日本の勝ち筋を見定め、投資内容やその時期、目標額などを含めた官民投資ロードマップ等を検討します」と報じている。
「勝ち筋」という露骨な言葉に注目したい。各分野のロードマップ素案は、現状認識と目標を掲げた上で「勝ち筋の特定と官民投資の具体像」という項目を立てて道筋を示している。つまり、いかにして他国を蹴落とし、日帝が勝ち残るのか、それを17の分野(全社会)で推し進めようというのが成長戦略だ。
植物工場の勝ち筋は、「施設園芸及び工業(空調、照明等)の優れた技術や、大規模植物工場をビジネスとして継続させてきたノウハウ等の強みを活かし」「日本品質の農産物+植物工場システムの販売で収益化する」としている。
狙いは企業支配
そして「植物工場で生産する農産物で稼ぐ」の前に「植物工場システムの販売で稼ぐ」を掲げ、システム販売も「国内向け」の前に「海外向け」を掲げている。具体的には「水不足、日照不足で生鮮野菜が不足する島しょ国や砂漠地域、高緯度地域に植物工場システムを販売。生産資機材や栽培技術の提供により継続して海外から稼ぐ」などとしている。 システムにせよ、できた農産物にせよ、投資の主体に挙げられているのは企業、大学、国研、国、自治体等だ。農水省で議論していても農民は対象外。もはや農業という言葉すら出てこない。食料安保をこえて、狙うのは食料支配だ。
日本成長戦略は戦争体制づくりの社会大再編だ。断じて許すな!