「睡眠妨害は明らか」 騒音被害の現実を突きつける 成田夜間飛行差し止め行政訴訟

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週刊『三里塚』02頁(1185号02面01)(2026/06/08)


「睡眠妨害は明らか」
 騒音被害の現実を突きつける
 成田夜間飛行差し止め行政訴訟

(写真 裁判報告集会【15日】)


 成田空港夜間飛行差し止め請求行政訴訟の第11回口頭弁論が5月15日、千葉地裁で開かれ、傍聴しました。この裁判は、成田市、芝山町、多古町、横芝光町、茨城県稲敷市の住民が国を相手取って成田空港の深夜早朝(午後9時から翌午前7時)の離着陸禁止を求めているものです。
 この日は、これまで担当していた千葉地裁民事第3部の岡山忠広裁判長から大寄久(ごうより・ひさし)裁判長に交代したため(左右の陪席裁判官も含め3人全員交代)、弁護団による統合原告準備書面の陳述が行われました。
 開廷後、成田市の原告Aさんが意見陳述に立ちました(要旨別掲)。Aさんの実感のこもった訴えに傍聴席はみな深くうなずき、陳述後の法廷は拍手で満たされました。
 続いて、弁護団がパワーポイントを用いて、本裁判の意義と経緯、騒音被害の実態(原告の多くが11%の住民が高度睡眠妨害を訴えるエル・ナイト40デシベル超に該当)、睡眠妨害についてはNAAによる調査でも明らかであること、他の内陸空港(伊丹空港では午後9時から午前7時は飛行禁止。大阪高裁は「公共性は必ずしも絶対ではない」と判示)、新幹線騒音(6時間以上の静穏が保障、全区間騒音制限、現状以上に悪化させないことを誓約)との比較などについて簡潔明瞭に解説しました。結論として「住民の睡眠権や健康権(人格権)を明白に侵害しており、受忍限度を大きく超えている。航空行政の裁量権の逸脱・濫用、障害発生防止義務違反であり違法。原告らの請求は速やかに認められるべきである」と強く迫りました。
 被告である国は、原告と裁判所からの「騒音被害の審査基準を示せ」という当然の要求に「発着調整基準が......」とむにゃむにゃと趣旨不鮮明で今回も真面目に応えることはありませんでした。
 次回の期日は、7月17日(金)午前11時開廷。民事訴訟は、7月15日(水)午前10時30分開廷。いずれも法廷は千葉地裁です。
(土屋栄作)
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あの静けさ取り戻したい
 成田市Aさんの意見陳述

 自宅は、第1種騒音区域の隣接地区でエアコン設置などの補助はあるものの騒音そのものに対する対策はありません。退職後、自宅で過ごす時間が増え、昼夜問わず聞こえる騒音でテレビの視聴や会話が中断させられたり、ガラス戸や窓が地震かと間違えるほど振動することもあります。これが環境基準以下の騒音だとしたら、基準自体がおかしいと考えてしまいます。空港の稼働時間内に寝ようとしても騒音で目を覚ますことが頻繁にあります。一度目を覚ましてしまうとなかなか寝付けないため、毎日25時頃まで起きていることが日常的になっています。早めに寝ようと試みますが、やはり寝付けず深酒に。もっと健康的な生活を送りたくても、夜間の騒音がある以上それができません。離着陸が終了する24時半以降の成田の夜は本当に静かで、安心できます。
 年間発着回数50万回化に向けて空港会社はスライド運用を提案しています。住民の睡眠時間帯を各滑走路の稼働時間のパターンに合わせなさいという施策です。睡眠時間帯を2~3時間も日々変えられるほど私は器用ではありません。私にだって生活のリズムはあります。無理ですよ、睡眠時間帯を何時間も調整するなんて。健康を害することは明らかでしょう。
 退職前に単身赴任をした時に、成田は昼も夜もこんなにうるさかったのかと気づきました。単身赴任で体調を乱すという方も多いようですが、私は逆でした。きちんと睡眠がとれていたからだと思っています。
 新型コロナで航空機が飛ばなくなったとき、近所の方と「こんなに静かだったんですねえ」と大笑いしてしまいました。東京五輪でA滑走路の運用時間を延長したのに、無観客。2019年前に時間を戻せ、と話したことを覚えています。一時的に地域が静けさを取り戻したことがコロナ禍で唯一うれしかったことです。
 空中から降ってくる騒音は地上では逃れようがありません。ましてや外で仕事をする方からすれば、無防備状態。耳栓でもして仕事しろと言うのでしょうか。騒音下はほとんどが農業地帯です。多くの方が昼間は外で仕事をしています。航空機騒音は被害者側で防ぐのは不可能です。せめて夜間21時から朝7時までは飛ばさないでください。

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