明日も耕す 農業問題の今 放射線育種が有機農業!? 「認めるな」の声相次ぐ
週刊『三里塚』02頁(1187号02面04)(2026/07/13)
明日も耕す 農業問題の今
放射線育種が有機農業!?
「認めるな」の声相次ぐ

(写真 これが有機米なのか?)
国会での戦争法案だけでなく、高市政権は日本成長戦略会議や経済財政諮問会議を通して、国家総動員体制を構築しようと狙っている。そうした中で、放射線育種を「有機農業」に仕立てる動きに反発が高まっている。
農水省は、有機農業推進基本法(2006年制定)に基づく「有機農業推進基本方針」の見直し(5年ごと)を行い、7月をめどに新しい基本方針を取りまとめる。
3月24日には改定に向けた「基本方針 骨子(案)」が公表された。 「広域流通」「大ロット化やスマート農業の利用等による需要に対応した産地づくり」「規模拡大による低コスト化」などがうたわれている。
現行「基本方針」(20年4月)の後に出された「みどりの食料システム戦略」(21年)と「みどりの食料システム法」(22年)による工業化、技術開発が強く押し出されたものだ。理念を形骸化し、「有機農業推進」と言いながら、有機農業とは名ばかりの別物にしてしまうことが狙われているのだ。
重イオンビーム
そうした中、世界120カ国以上の有機農業関係者・団体で構成されるIFOAM(国際有機農業運動連盟)は、25年11月25日、「あきたこまちRは有機JAS認証の対象として認めるべきではない」と農水大臣、秋田県知事など宛てに公開書簡を送付した。あきたこまちRは、重イオンビームという放射線育種でつくられた米だ。秋田県は、従来の「あきたこまち」に代えて25年から「あきたこまちR」に作付けを全面転換している。
このあきたこまちRについて、農水省は「有機JAS制度でも使用可能―放射線育種は禁止されていない」という見解を示していた。
これに対してIFOAMは、ゲノム編集、組み換えDNA技術、重イオンビーム等の放射線育種など、遺伝子を改変させる工学的な人為的技術介入があれば、それを有機認証の対象外とし、禁止技術としているのだ。
戦時食料支配へ
IFOAMの書簡に対する農水省の回答は「放射線育種は問題ありません」というものだった。しかし、これをきっかけとしてあきたこまちRに対する怒りと危機感が広がっている。
日本有機農業研究会などは、有機農業基本方針の見直しで、IFOAMが提唱する4原則(健康、生態系、公正、配慮)を明記し、それに反する「重イオンビーム育種」利用の種苗を禁止するよう要求している。
7月5日には、秋田市で「あきたこまちを守る会」主催の全国集会が開かれ、『なぜIFOAMは「あきたこまちR」に「ノー!」を突き付けたのか?』と題して講演が行われた。
有機農業推進基本方針も放射線育種も高市政権の輸出戦略、戦時食料支配にかかわる問題だ。
オンラインで集会に参加したので、次回はそれを踏まえてあきたこまちRを取り上げたい。