営農と地球環境を破壊する成田空港の大拡張をめざす 土地収用法適用(事業認定)策動に反対する声明 要旨 「成田空港から営農と地球環境を守る会」など5団体
営農と地球環境を破壊する成田空港の大拡張をめざす
土地収用法適用(事業認定)策動に反対する声明 要旨
「成田空港から営農と地球環境を守る会」など5団体


1 政府・空港会社の横暴は許されない
成田空港は、地元住民が長年耕してきた農地を地元住民の意思を無視して強制的に取り上げ、これに抵抗する住民の運動を警察機動隊の暴力で押し潰す等のありとあらゆる非民主的手法を駆使して造られました。しかも成田は伊丹空港の夜間規制(21時から翌朝7時迄は飛行禁止)水準を無視して深夜23時まで航空機騒音をまき散らして毎晩人の睡眠を奪い健康を侵害し続けている人権侵害の塊のような施設です。
成田空港は「国策優先・住民無視」の姿勢が貫かれ利潤追求のために個人の生活や権利を犠牲にした「高度経済成長政策」が生んだ典型的な「負の産物」です。成田空港が「陸の水俣」と呼ばれる所以です。
そのような成田空港を今から大拡張しようということには当然根本的な疑問があります。しかも「あらゆる意味で強制的手段を用いない」という社会的公約を踏みにじる暴挙ですから、空港周辺の住民のみならず日本の大多数の国民が驚きあきれて強烈な異論を持っています。
2 事業認定は明白な憲法違反
(1)強制的に農業適地を奪い営農を破壊
成田空港計画は、そもそも根本的に内陸空港という社会的・経済的にも又環境的にも致命的な不合理性を持つ巨大空港です。しかも日本有数の農業適地である北総台地を潰して農業破壊を推し進めた点で明らかに誤った国策に基づく国際空港建設でした。この点の誤りは成田空港の最大かつ根源的な問題点です。
しかも成田空港の運用実績は、新型コロナ禍で空港需要は激減し、B滑走路は約3か月間閉鎖されました。コロナ禍前の年間発着回数は19年の26万4千回が最高ですが現在でも年間発着回数は25万回に止まっています。
今後もいくら努力して海外からの観光客を呼び込んでも、日本経済はかつての高度成長期を過ぎて低落と低迷の一途という状況にありますから、海外渡航者を頼みとする航空需要が増加する見通しは現実的には皆無と言わざるをえません。「他空港に奪われる」と危機感をいくらあおっても、真の意味での公共性を根本的に欠いています。
(2)地球環境を破壊
3本の滑走路がフル稼働される事になると、より大量に二酸化炭素が放出されて地球温暖化が大きく促進されて地球環境は急速に破壊されます。
千葉県はもともと農業を通じて地球温暖化抑制に大きく貢献してきました。しかし成田空港が建設されたために農業の基盤である貴重な農地と森林が潰されて温暖化抑制が効かなくなりました。
例えば24年の芝山や横芝を含む山武郡市農協の夏野菜の出荷量は平年の30%まで大幅に減少しました。24年の成田アメダス月別平均気温の7月下旬、8月下旬は「29・2度」。更に「0・8度」上昇すれば「30度」になって活動限界温度を超えてしまい、そうなるとアブラナ科・ウリ科・ナス科は育たなくなると専門家は警告しています。
(3)睡眠妨害=健康被害を激化させる「深夜早朝の発着時間の拡大」
内陸空港で深夜早朝まで飛ばしているのは成田空港だけです。
政府・空港会社は「早番・遅番のスライド運用にして7時間の運用制限を作る」と言っていますが、「空港の運用に従って住民が寝る時間を調整しろ」と言うに等しく、著しい人権侵害の大攻撃に他なりません。
(4)田畑森林と住宅を土地収用法で取り上げることは憲法違反
人が耕す田畑(農地)は農業生産の土台ですし、人が住む住宅は居住福祉の根幹をなす命綱です。この様な人の命を支えている「生存権的財産」を土地収用法に基づく強制収用で奪って農民の営農活動を破壊することは憲法に違反する暴挙で許されません。
3 「事業認定」は公約違反の暴挙
「成田空港問題シンポジウム」では、当時の空港公団は大木よねさんへの強制収用を謝罪し、かつ93年5月のシンポジウムにおいて、過去の行為を反省しBC滑走路計画を白紙に戻すとして、収用裁決申請を取り下げを表明し、空港公団は6月に全て取り下げました。
また「成田空港問題円卓会議」では94年10月に空港公団と当時の運輸省は「平行滑走路のための用地の取得のために、あらゆる意味で強制的な手段が用いられてはならず、あくまでも話し合いにより解決されなければならない」との最終所見を受け入れ、二度と土地収用に基づく強制収用はしない事を全ての人に約束しました。
4 結語
私たちは《成田空港の大拡張》と《土地収用法適用(事業認定)策動》は、営農と地球環境を破壊する憲法違反であり、政府・空港会社が誓約した成田空港建設の為の強制収用しない旨の公約に違反する暴挙ですから強く反対します。
政府・空港会社に対して、土地収用法に基づく「事業認定」策動を直ちに中止し全面的に撤回することを要求します。
各地方自治体の皆様に対しても誤った空港拡張方針に同調されることのないよう強く求めます。