明日も耕す 農業問題の今 放射線育種米に農家の怒り 秋田で全国集会を開催
週刊『三里塚』02頁(1189号02面04)(2026/08/10)
明日も耕す 農業問題の今
放射線育種米に農家の怒り
秋田で全国集会を開催
7月5日、秋田市で「あきたこまちを守る会」主催の全国集会が開かれ、オンラインを含めて178人が参加した。「あきたこまちR」の有機認証に反対し、禁止を求めたのだ。なぜ農家たちは反対の声を上げたのか。
「あきたこまちR」とは、カドミウムの吸収を低減させることを目的に、重イオンビームという放射線育種で農研機構と秋田県が連携して育成した新品種だ。
秋田県は従来の「あきたこまち」に代えて2025年から「あきたこまちR」に作付けを全面転換した。しかし、従来のものと変わらないとして、そのまま「あきたこまち」として流通させている。
農家が「従来のあきたこまちを作りたい」と言っても「どうしても作りたければ他県から購入してください」というのが行政の対応だという。消費者はどちらを食べているのか知ることもできない。本当に安全なのかという疑問も消えない。こうした不安や怒りがまず県内に広がり、前号で取り上げた有機認証の是非をめぐる問題をきっかけに全国からも注目を集めるようになった。
農水省が推進中
農水省は18年に、米の主要品種を低カドミウム米にする指針を発表。約300の主要品種のうち200品種で放射線育種米開発を進めている。兵庫県は27年に放射線育種に全面転換する方針だったが、集会では、多くの反対の声でこれを未定に追い込んだ闘いも報告された。
農水省は「米に含まれるカドミウム濃度を低減し、国民の摂取量を減らすため」と推進の理由を説明する。
だが、鉱山や火山の多い日本列島は各地にカドミウム高濃度汚染農地があったが、汚染を減らす様々な取り組みで、現在は全農地の0・3%以下といわれている。
放射線育種でカドミウム低減米に切り替えたいのは、カドミウムの残留基準値を厳しくしている海外への米の輸出を促進するためだ。
政府は7月21日、中国侵略戦争に突き進むための経済財政運営の指針「骨太の方針」を閣議決定した。農業には食料安保が貫かれている。
一部の輸出米のために暴力的で有無を言わせない放射線育種への転換は、高市政権の食料支配の一環に他ならない。
禁止を求める声
集会は「有機農業の信頼を守る あきた宣言2026」を採択。「あきたこまちR」を有機認証の対象と認める取り扱いの見直しを求め、従来の「あきたこまち」の栽培を希望する生産者への種子の安定確保や「あきたこまちR」の表示、透明性の高い情報提供を求めた。怒りはこれに収まるものではなかった。
「『見直し』ではなく『禁止を求める』とすべき」「裁判闘争をやるべきだ」「県庁に対してデモをやるべきだ」と怒りの声が相次いだのだ。
あきたこまちRの押しつけを許すな!