灼熱の夏、食料難、生態系壊滅... 気候崩壊が深刻化の一途 破壊・収奪・戦争の帝国主義打倒を

週刊『三里塚』02頁(1189号02面03)(2026/08/10)


灼熱の夏、食料難、生態系壊滅...
 気候崩壊が深刻化の一途
 破壊・収奪・戦争の帝国主義打倒を

(写真 スペイン・マドリードの山火事【7月28日】)

(写真 韓国の猛暑で干上がる田)


 今年も過酷な暑さが続いている。
 2007年に全国平均で2・8日しかなかった最高気温が35℃以上の「猛暑日」は、25年には10日を超えた。今年は、気象庁が名付けた「酷暑日」(最高気温が40度以上の人体に危険な暑さ)が全国でのべ34か所において観測された。7月13日からの1週間だけで1万857人が熱中症で救急搬送された(東京消防庁)。「夏は40度が当たり前」の時代に入りつつある。

全世界に異常気象が拡大中

 これは日本だけではなく世界的現象だ。とりわけ顕著なのは、欧州を襲った猛暑、熱波。平均気温が平年を約2・79度上回った欧州では、病院や介護施設での関連死が続出し、7月だけで2万人超の死者が出ている。さらに熱波は、記録的山火事を加速させている。最も猛威をふるったスペインの山火事は、15万3千㌶(東京ドーム3万個分)の広大な森林を燃やし尽くし、焼失面積は前年比6倍増を記録。世界的に見ても山火事による焼失面積は20年間で約2倍になっている。
 また、急激な干ばつの影響で、中東欧の河川の水位が急降下し、原発の冷却ができずに運転停止に追い込まれる事態に至っている。
 欧州の異常な暑さの原因として、世界の平均気温の上昇に加え、高気圧が上空に居座り、熱い空気を押し下げてドーム状に閉じ込める現象(ヒートドーム現象)が発生していると見られている。これまでの気候科学における常識・定説が覆り、予測もつかない状況が生じている。
 さらに今年の夏以降、世界の海面水温の急上昇と「スーパーエルニーニョ現象」による台風や異常気象のリスクの危険が予測されている。世界は今、後戻りがきかない「気候崩壊」に直面している。

労働者大衆の生存を直撃し

 猛暑は真っ先に屋外で働く労働者を襲う。子どもたちの夏季のスポーツ部活や外遊びは、安全にできなくなっている。
 また、気候危機は、社会的「弱者」、貧困層、病者、厳しい条件で生きる人々を直撃する。生活格差、健康被害、労働条件悪化、食料危機、難民などの問題が一層過酷な形で突き出される。今この瞬間も熊本地震の被災者たちは、生きるために暑さと闘いぬいている。
 中でも差し迫る問題として指摘されるのは、農作物生産の落ち込みやインフレで発生する食料危機だ。スーパーエルニーニョの影響で、今後27年にかけて世界の食料価格は13%高騰すると試算されている。「最大4500万人が新たに深刻な食料不足に直面する可能性がある」(国連調査)
 ウクライナ戦争、イラン戦争と相まって、エネルギー危機が肥料や農業資材の高騰を招き、食料難や飢餓が世界を覆おうとしている。
 しかし、日本のマスコミは、この記録的猛暑を単なる自然現象のように描き、諸個人に向けて「対策しろ」「適応しろ」と繰り返すばかりだ。地球温暖化の責任は、資本家階級であり帝国主義国家にあることを真っ向から断じなければならない。
 世界の気温上昇を産業革命時よりも2度より低く抑えるというパリ協定(2015年)の目標達成は絶望的となり、3度以上高くなると世界の気候学者は予測している。
 30年近く費やしてきた国連を中心とした枠組み内での温室効果ガス排出の帝国主義的調整は、今や完全に破綻した。
 トランプをはじめ世界中の支配階級は「気候変動は史上最大の詐欺」(トランプ)とうそぶき、化石燃料にしがみつき、自然破壊、収奪、開発にのめりこんでいる。米帝トランプのグリーンランド略奪の野望、ベネズエラ侵略、イラン侵略戦争は、石油や鉱物資源の争奪戦の性格も色濃く示している。(希少金属などの採掘は多大な有毒物を発生させ、自然環境を根本的に破壊する。)
 これらはあくなき利潤を追求してやまない資本主義・帝国主義の必然的帰結なのだ。

社会基盤破壊する資本主義

 環境破壊と汚染、戦争は分かちがたく結びついている。食料や資源の争奪戦は、帝国主義者たちの戦争衝動を強める。
 そして戦争自体が最大の環境破壊である。近年の重火力の兵器を用いたおびただしい爆弾の嵐が、直接人間の命を奪うだけでなく生態系をも破壊し尽くしている。
 2月28日から開始されたイラン侵略戦争では、たった2週間で500万㌧以上のCO2が排出された。これはアイスランドの年間排出量に相当する膨大なものだった。
 戦争の被害は水や大気、土壌の汚染によって、長期にわたって生態系に影響をおよぼす。
 ガザでは農作物の82・4%が被害をうけ、食料生産そのものが不可能になっている。これらは「エコサイド」と呼ばれる。
 今、米帝による中国侵略戦争、世界戦争への危機が加速する中で、世界中の軍隊の活動によるCO2排出量は全体の5・5%とも推察され、気候崩壊のスピードを早めている。
 資本主義的生産様式はこの200年を超す歴史の中で、生産力を拡張しながら人間の生活様式をも劇的に更新してきた。その「発展」は常に自然環境破壊や土壌汚染を伴っていた。
 今日の現代帝国主義の時代においては、飛躍的に発展した生産力とテクノロジーのもとで、エネルギーを大量に浪費しつつ、人間の社会的生存基盤にまで破壊行為を及ぼしている。
 その現実こそ今日の「気候崩壊」であり、また成田空港の機能強化攻撃である。帝国主義に支配を任せている限り、その流れは止まらない。
 帝国主義は今や核武装し、中国侵略戦争―核戦争への道をまっしぐらに突き進んでいる。
 帝国主義と労働者階級人民は相いれない。打倒あるのみだ。
(是枝真琴)

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