明日も耕す 農業問題の今 「強い農業だけ残ればよい」 骨太26が叫ぶ国力強化の道
週刊『三里塚』02頁(1190号02面04)(2026/08/24)
明日も耕す 農業問題の今
「強い農業だけ残ればよい」
骨太26が叫ぶ国力強化の道
7月21日、高市政権は「経済財政運営と改革の基本方針2026」(骨太方針2026)と「日本成長戦略」を同時に閣議決定した。経済財政の方針だが、その内実は中国侵略戦争に向けた「国民総動員」方針だ。
骨太方針2026は「責任ある積極財政」の名の下に、歯止めのない財政拡大へと踏み込んだ。例えば370兆円もの「危機管理投資」のうち国の支出分について、通常歳出とは別に「『強く豊かな日本』投資枠」を設けて上限を撤廃し、複数年度にわたる予算措置を講じている。
市場ではこの積極財政路線への警戒から円安・長期金利上昇が進み、早くも「骨太ショック」とやゆされる事態となった。
財政拡大の狙い
では、この野放図な財政拡大で何がもくろまれているのか。注目すべきは「第2章 日本の成長力強化と安全・安心の確保」である。ここには「強い外交・安全保障の確立」が掲げられ、中国の軍事力強化を取り上げて「同盟国としての役割」を強調している。その実現手段として、防衛力のみならず、経済・技術・情報・人材などを有機的に連携させた「総合的な国力の強化」がうたわれている。この方針は冒頭から「日本と日本人の底力を活かし、総合的な国力を徹底的に強くする。これが高市内閣の使命である」と語る。人材力の強化においても「国民一人ひとりが活躍し、日本人の底力を解き放つ」と言いなしている。断じて許せない。高市やブルジョアジーの利益のために、ましてや侵略戦争のために「活躍」させられてたまるものか!
成長戦略一辺倒
「強さ」へのこだわりは、農業政策にも如実に表れている。第2章の「強い地域経済の構築」の項目では、「農林水産業の構造転換による成長産業化」が語られている。
「生産者の急減が見込まれる中で」と他人事のように現状を綴りつつ、提示された方針は、「国内外の需要拡大と供給力の強化を図るため投資を促進する」「植物工場や陸上養殖等のフードテックへの投資及び国内外市場への展開、スマート技術や新品種の開発・実装、輸出産地の育成等を促進する」と企業的な発想の「成長戦略」一辺倒だ。
既存の農業に対しても「農地の大区画化」や「収量に応じた単価支援」などが並び、生き残れる農業だけが残れば良いという「構造転換」にほかならない。農業すらも「強い」ものでなければ認めないという姿勢である。
京都大学の藤原辰史教授がこの骨太方針について「『強』という漢字の洪水」と評したが、実際に数えてみると全42㌻中に実に301文字もの「強」が躍っていた。強さを極端に誇張するのは、戦時体制そのものである。
今こそ労働者・農民の実力で高市政権を打倒し、中国侵略戦争への道をとめよう。