明渡請求権時効裁判 南台農地を奪うな 市東さんが意見陳述に立つ

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週刊『三里塚』02頁(1193号01面04)(2026/10/12)


明渡請求権時効裁判
 南台農地を奪うな
 市東さんが意見陳述に立つ

(写真 鈴木秀孝裁判長)

(写真 強制執行で奪われ放置されている天神峰農地)

(写真 報告集会であいさつする市東さん【10月1日】)


 千葉地裁民事第5部(鈴木秀孝裁判長)で10月1日、土地明け渡し請求権時効裁判の第1回口頭弁論が開かれた。
 成田空港会社(NAA)は天神峰の市東孝雄さんに対し、南台農地の一部(B土地=2面に関係土地図)について、NAAに明け渡し請求権があることの確認を求めて裁判を起こしたのだ。2016年の農地法裁判「明け渡し判決確定」から10年、時効成立の直前になってNAAは「このままでは土地がとれなくなってしまう!」とあせりに駆られて、「時効更新」を求めてまたも市東さんを被告席に座らせたのである。
 開廷し、証拠提出の手続きなどを行った上、市東さん本人の陳述が行われた(要旨2面)。
 市東さんはまず「NAAの明け渡し請求権自体が間違っている」と怒りをあらわにした。そもそも明け渡しを認めた前訴判決は、農地法で禁じられた耕作者に無断での底地買収を不問に付すなど不当なものだが、判決確定後も営農を継続し、賃借料も供託してきた。NAAからの催告もなかった。そして「自らの不手際で強制執行できない状態を長く続けながら今になって新たな裁判に巻き込むことは著しく不当、不公平」と語気を強めた。
 また写真を示し南台農地は土壌づくりにこだわった有機農業の最適地であることを解説。他方、改良工事などで「への字」誘導路の直線化が必要なくなっていることなどから、前訴判決には「私の営農権等の基本的人権を犠牲にしても保持すべき高い価値や合理性は認められません」ときっぱりと言い切った。
 さらに23年に強制執行で奪われた天神峰農地跡地の写真を示し、「空港施設を造る目的もなく、私に対する営農妨害のためだけで行った強制執行です。南台農地についても、時効延長の目的は、同様の営農妨害の強制執行だとしか言えません」と断じた。
 怒りに満ちた20分に及ぶ陳述に、傍聴席から大きな拍手が湧いた。
 続いて反対同盟顧問弁護団が、答弁書の内容を陳述した。「原告の訴えを却下するとの判決を求める」と言い切った上で、「本件土地に対する強制執行権の維持をもくろむ本件請求は訴権の濫用(そけんのらんよう)に当たる」と批判した。
 また、1993~94年の「空港問題シンポジウム」「円卓会議」で空港公団(NAAの前身)が「用地取得のために、あらゆる意味で強制的手段を用いない」と社会的に確約した事実をあらためて突きつけ、今回の提訴が強制執行権を維持するための公約破り、信義則違反であることを指摘。
 さらに国連の「小農の権利宣言」を引きながら市東さんの営農権を位置づけ、71年強制代執行における小泉よねさんへの暴力と破壊・強奪行為を断罪した。
 最後に、現在成田空港が敷地面積の2倍化の拡張、機能強化へと進んでいることを「重大な後発的事情」として示し、明け渡し請求権を認めた確定判決について「もはや被告市東孝雄の基本的人権を犠牲にしても保持するに足りるだけの『高い価値や合理性』は認められない」と結論付けた。
 次回期日を来年2月4日と確認し、閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、事務局の伊藤信晴さんが司会を務め、報告集会と記者会見が開かれた。最初に市東さんが発言に立った。「強制執行された天神峰農地には空港施設も何も造られず、結局私を追い出すことだけが目的の執行だった。これからも体の続く限り、南台農地でみなさんにおいしい安全な野菜をつくり続けるのでよろしくお願いします」
 弁護団は今回の裁判にいたる経緯を解説し徹底的に闘う姿勢を示した。また現在、またも土地収用法を用いてNAAが第3=C滑走路予定地住民の土地の強制収用を行おうとしていることを激しく弾劾した。
 動労千葉執行委員の川崎昌浩さんが連帯発言に立ち、「車の両輪」として闘う決意を述べ、11・1労働者集会への結集を訴えた。最後に伊藤さんが、「今日の市東さんの陳述は三里塚闘争の核心を明らかにした」と述べ、10・11全国集会への結集を訴えた。

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