ZENSHIN 2003/02/24(No2090 p06)

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第2090号の目次

 
1面の画像
(1面)
イラク人民を殺すな!石油のための侵略戦争反対!
2・23国際連帯 首都大結集を
3・16革共同集会−反戦デモへ
資本攻勢の先兵=連合打倒し国労弾圧粉砕・03春闘爆発を
4月選挙勝利へ総決起しよう
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都革新への不当捜索弾劾
立候補予定者説明会の当日 選挙妨害を許すな(2月12日)
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●九州支社 口座番号変更のお知らせ 記事を読む  
(2面)
「日の丸・君が代」決戦アピール
イラク反戦・教基法改悪阻止へ全人民の共同闘争をつくろう
革共同教育労働者委員会
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教育基本法改悪を批判する 戦争体制と闘う教育労働者  第1回
長田真雄さん 神奈川(小学校)
有事法攻撃と一体 反戦闘争の高揚で反撃へ 基地県の労働者が先頭に立つ
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1047名闘争勝利へ
東京西部共同旗開き 3労組の旗を掲げて(2月5日) 
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03春闘勝利へ
三菱重工労組委員長 「愛国心」発言
戦争翼賛の造船重機労連
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(3面)
介護・福祉とり戻そう 介護保険は廃止しかない (1)
4月からの保険料引き上げ阻止へ
高齢者の主体的決起と結び統一地方選で政治変えよう
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日本経団連「経労委報告」路線 終身雇用制解体を許すな(3)
労働法制の全面改悪 労働者の権利奪う法制へ大転換
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鉄鋼現場から怒りの報告
労災死亡事故が激発 労組のリストラ協力許せぬ
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反弾圧と春闘に全力 交流センターが第10回総会(2月1、2日) 記事を読む  
(4面)
米帝の侵略戦争を「文明の衝突」とする反マルクス主義の極致
カクマル『解放』新年号批判 工藤俊夫
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ワシントン大行動に参加して 全学連代表団 記事を読む  
学生は行動求めている
2・1PEACE MEETING 首都圏11大学100人が参加
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日誌’03 2月5日〜11日
独仏がトルコ防衛に拒否権 パウエルがデッチあげ証言
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(5面)
有事立法阻止の大決戦
北朝鮮への先制攻撃と国家総動員体制を狙う
イラク反戦と結合し闘おう
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しもきた出航弾劾
広島反戦共同行動 呉現地で阻止闘争(2月4日)
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改憲阻止決戦シリーズ 今、問い直す侵略と戦争の歴史 第4部
日帝の中国侵略戦争(7) 「満州国」デッチあげ  武装し入植した「満蒙開拓団」
記事を読む  
(6面)
3・8国際婦人デー精神復権へ
イラク反戦闘争に立とう 失業と生活破壊に対決を 魚住洋子
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2〜3月『前進』拡大闘争へ
意識性と構えが一切だ大胆に『前進』持ち込め−−前進経営局−−
記事を読む  
2・5東京 共謀罪阻止へデモ 法制審に抗議の申し入れ 記事を読む  
公判日程 記事を読む  

週刊『前進』(2090号1面1)

イラク人民を殺すな! 石油のための侵略戦争反対! 2・23国際連帯 首都大結集を
 3・16革共同集会−反戦デモへ
 資本攻勢の先兵=連合打倒し国労弾圧粉砕・03春闘爆発を
 4月選挙勝利へ総決起しよう

 世界史の様相は完全に塗り替えられようとしている。戦後史は決定的な転換点に立っている。米英帝を軸とした対イラク開戦が2月下旬から3月上旬にも切迫し、帝国主義が世界戦争―第3次世界大戦への不可逆的過程に突進しつつあるからだ。米対独(米対EU)を軸とする帝国主義間争闘戦の新段階、世界史的亀裂も進行し始めている。これに対してイラク開戦前の反戦闘争が全世界で爆発し、国際階級闘争、日本階級闘争の革命的胎動も完全に始まった。今こそ立つ時だ。2・13〜21国際反戦統一行動と連帯し、2・16横須賀闘争から2・23日比谷野音での全国大結集闘争に総決起し、イラク開戦阻止・有事立法粉砕闘争の大爆発をかちとろう。これと一体の闘いとして国労臨大闘争弾圧粉砕、03春闘爆発、4月統一地方選絶対勝利へ、全党と全人民の根底からの決起を実現しよう。

 第1章 空母が6隻体制、地上軍20万人体制に

 米英帝は今やイラク攻撃の最終的なカウントダウンに入った。ブッシュは2月6日、「ゲームは終わった」と声明し、8日には週末ラジオ演説で国連の支持がなくても「米国は増えつつある同盟国とともに、いかなる行動もとる」と表明した。査察継続と戦争回避の対抗的方針をとる独仏ロなどに対し、イラクの「即時武装解除」を叫んで強硬路線を突き進んでいる。
 軍事力の展開においても、横須賀が母港の第7艦隊の空母キティホークと、サンディエゴが母港のニミッツに出動命令が出され、空母機動部隊6隻体制となる。地上軍も2月末には18万人〜20万人体制(最終的には25万人)となり、完全に臨戦態勢が整う。
 米帝は古典的帝国主義さながらの、あるいは新帝国主義そのものの凶暴性をもって、イラクの「大量破壊兵器」や「国連決議違反」なるものを言い立て、人民大虐殺と政権転覆の侵略戦争を開始しようとしているのだ。今こそ「イラクの人民と子どもたちを殺すな!」「石油のための虐殺戦争反対!」を真っ向から掲げ、イラク侵略戦争阻止、開戦阻止に嵐のように決起しなければならない。

 第2章 石油の分割と支配めぐる大国間の死闘

 米帝ブッシュはなぜかくも凶暴なのか。米帝足下を始め全世界で反戦闘争が爆発し、独仏などとの対立・亀裂がいかに深刻化しようとも、なぜ武力行使をやめようとしないのか。
 それは第一に、この戦争が帝国主義間、大国間でのイラク・中東石油の略奪、再分割・再支配、帝国主義的独占的支配のための戦争、すさまじい死闘戦だからである。
 石油は帝国主義の存立と世界支配にとって最大の戦略物資である。米帝は現在、国内石油消費量の55%を輸入に依存している。これが2025年には68%に拡大する。特に中東石油依存度は2001年には28・6%にまで再拡大している。その中東石油の埋蔵量は依然として全世界の65%以上に達する。しかもその大半がサウジアラビアとイラクに集中しているのだ。
 イラクはサウジに次いで世界第2位の埋蔵量をもつ。しかも乱掘を続けるサウジに代わり、近い将来イラクが世界最大の石油資源国になるとさえ予測されている。ところが91年イラク・中東侵略戦争(湾岸戦争)以降、米英帝はイラクへの経済制裁を続け、飛行禁止空域を勝手に設定し、空爆を繰り返してきた。そのためフセイン政権との敵対関係の中で、米英帝もメジャー(国際石油資本)も、イラク石油を略奪・支配することから基本的に排除されてきたのだ。
 こうした状況につけ込む形で、フランス、ロシア、中国などがフセイン政権との間で石油採掘契約を結び利権を獲得し、イラク石油支配で先行してきたのであった。この関係を転覆し米英帝とメジャーがイラク石油を強奪し、再分割・再支配することは、サウジが盟主をつとめるOPEC(石油輸出国機構)を弱体化し解体することと並んで、ブッシュやブレアの帝国主義的野望そのものなのだ。
 「大量破壊兵器の脅威」とか「テロ支援=アルカイダとのつながり」といった、米英帝がデッチあげるイラク攻撃の口実の背後にあって帝国主義を突き動かしているものは、実に石油なのである。米英帝はイラク人民を大虐殺し、フセイン政権を転覆し、イラクを軍事占領してカイライ政権をデッチあげ、イラク石油ひいては中東と全世界の石油を強奪し、独占的に支配しようとしているのだ。
 米帝は今や、「フランスやロシアがフセイン政権崩壊後の石油の分け前をほしいなら、軍事行動に参加すべきだ」(米共和党ルーガー上院議員)などと、露骨に独仏やロシアをけん制し、恫喝している。ここにこの戦争の最大の帝国主義的本質がさらけ出されている。日帝にとってもイージス艦派兵に際し防衛庁幹部が「イラクには石油がある。米国のおこぼれにあずかれるかどうか、ということだ」(02年12・31付毎日新聞)と公言しているように、イラク参戦の物質的動機はまさに石油なのだ。
 第二に、この戦争は、9・11反米ゲリラ戦を歴史的契機に、全世界のムスリム人民、被抑圧民族人民の総反乱によって打倒される恐怖にかられた米帝による、民族解放闘争圧殺の戦争である。米帝はムスリム人民の反乱の芽を摘み取り、鎮圧するために、アフガニスタン侵略戦争を強行し、イスラエルをとおしてパレスチナ人民の決起を圧殺し、今またイラクの反米的なフセイン政権を転覆して、イラクの軍事支配=再植民地化を行おうとしているのだ。
 第三に、この戦争は、帝国主義の基本矛盾が爆発し、世界経済が29年型大恐慌―大不況の過程に突入している中で、米帝の延命と、戦後世界体制、新植民地主義体制の再編をかけた帝国主義的侵略戦争だ。
 帝国主義の過剰資本・過剰生産力はいくつかの帝国主義国がつぶれない限り解決しようがないものだ。そうした帝国主義相互のつぶし合いの争闘戦を、米帝は圧倒的な軍事力・経済力・政治力を行使して、ブッシュ・ドクトリン=世界戦争計画の凶暴な推進として貫こうとしているのだ。
 米帝は今や独仏を「古い欧州」「イタチの枢軸」などと呼び、「ドイツの現政権はもう用済み」(米国防政策委員長リチャード・パール)と完全に戦争的敵対的言辞さえ吐いている。2月10日には、イラク攻撃に参戦するトルコのNATO(北大西洋条約機構)による防衛を独仏とベルギーが拒否した。同時に独仏ロがイラク開戦回避をねらって「査察の継続・強化」を要求する共同宣言を発表した(中国も支持)。
 米英帝のイラク侵略戦争突入を前に、米対独(米対EU)を軸とした激しい帝国主義間対立の構図、世界史的亀裂が発生・発展しているのだ。戦争突入はそれをさらに泥沼的に促進する。結局、帝国主義は米帝を先頭に二大陣営に分裂して、世界戦争―第3次世界大戦へと突き進んで行くのだ。そういうすさまじい世界史的過程が、いま眼前で始まっているのである。
 米帝は「ショックと畏怖(いふ)」作戦と称し、開戦後48時間で湾岸戦争時の10倍に達する3千発の精密誘導爆弾やミサイルをイラクに撃ち込み、「圧倒的な軍事力格差」を見せつけて、フセイン政権を転覆しようとしている。

 第3章 開戦48時間で3千発の爆弾とミサイル

 大空爆後、間髪を入れずクウェートとトルコから南北挟み撃ちで地上戦に突入し、イラクを軍事制圧しようとたくらんでいる。
 これによって、いったいどれだけのイラク人民と子どもたちが殺されるのか。湾岸戦争の比ではない核兵器としての劣化ウラン弾が投下されるのか。石油のための、米帝の延命のための、こんな残虐で汚い虐殺戦争を絶対に許すわけにはいかない。死すべき、倒されるべきは、イラク人民や子どもたちではなく、帝国主義の方だ。
 今、全世界の労働者人民の70〜80%以上がイラク攻撃に反対している。反戦闘争に立ち上がっている。この2〜3月の国際反戦決起が勝負だ。「開戦阻止!
石油のための虐殺戦争反対!」の闘いの大爆発をかちとろう。国際的内乱の発展で、戦争の根源である帝国主義の革命的打倒へ前進しよう。
 2・13〜21国際反戦統一行動と呼応して闘おう。
 2・23日比谷野音の大集会と銀座大デモに総決起しよう。
 こうしたイラク開戦情勢の急迫は、米日帝の北朝鮮侵略戦争策動と一体的に連動している。
 米帝はアフガニスタンのタリバン政権の打倒に続いて今、イラク・フセイン政権の転覆に全精力を注いでいる。イラクの次は北朝鮮・金正日体制の転覆だと公言している。米帝の01年版QDR(4年ごとの戦力見直し)とブッシュ・ドクトリンに基づく世界戦争計画とはそういうものだ。米帝の今現在の対北朝鮮政策は、ただただ対イラク戦の重大性との関係で、北朝鮮問題の爆発は当面“鎮静化”しておきたいということに尽きる。
 だがここに来て米帝ブッシュは、イラク攻撃と同時に、「2正面作戦」をも辞さず、北朝鮮・金正日政権打倒に突入する凶暴な策動さえ強めている。沖縄米海兵隊の待機、B1・B52爆撃機24機のグアム島配備、空母機動部隊の極東展開、ソウル米韓軍増強計画などの動きは、完全にそれを示している。

 第4章 日帝の参戦と有事立法を絶対阻止せよ

 米日帝は北朝鮮の核開発問題やミサイル問題、あるいは拉致問題をキャンペーンし、北朝鮮スターリン主義の反人民性と瀬戸際政策をつき、それを絶好の口実として、北朝鮮への侵略戦争と政権転覆をやろうとしているのだ。北朝鮮スターリン主義は南北朝鮮人民を裏切ってきた。核開発は労働者人民とは相入れない。だが米日帝が北朝鮮の「脅威」をデッチあげて侵略戦争を行うことなど絶対に許されない。イラク反戦の闘いと固く結合して、北朝鮮侵略戦争阻止を断固闘わなければならない。
 すでに昨年12月、イージス艦派兵を強行し、イラク参戦へと歴史的に踏み切った日帝・小泉は、米英帝のイラク攻撃切迫を前に、福田官房長官が衆院予算委で「日本が(米国とイラクの)どっちの立場に立っているかは明白だ」と述べ、事実上正式に支持を表明した。日帝は米英に次いで第3の参戦国、凶暴な戦争推進国である。
 2月10日にはインドネシアのマカッサルで、日本総領事館に、500人のムスリムによる日本のイラク参戦に抗議する反日デモが起こった。今こそ闘うムスリム人民、闘うアジア人民と連帯し、日帝・小泉のイラク攻撃支持、侵略戦争参戦を絶対粉砕するために闘おうではないか。
 有事立法3法案と個人情報保護法案が、通常国会で完全な決戦となった。日帝は今度はどんなことがあっても有事立法の成立をはかる気である。それはこの法律がイラク・北朝鮮侵略戦争と完全に一体の攻撃だからである。日帝は激しい帝国主義間争闘戦にはじき飛ばされないで、イラク・中東石油の分け前にあずかるために、日帝の絶望的延命策動として、イラク参戦と有事立法に全力をあげてきているのだ。
 有事立法とは何か。それは北朝鮮侵略戦争のための法案であり、日帝が米帝と共同=競合しつつ、北朝鮮に先制攻撃をかけるための法律である。1月24日の衆院予算委で石破防衛庁長官は何と言ったか。「『東京を火の海にしてやる』という表明があり、その実現のために(ミサイルに)燃料を注入し始めたら、それは(攻撃の)着手ということではないか」。つまり石破は「燃料注入」段階で日帝が北朝鮮のミサイル基地を先制攻撃することは可能だ、と言ったのだ。
 昨年5月の国会答弁で福田官房長官は、「攻撃意図が明示され、燃料注入やその他の準備を始める」にいたった事態を、武力攻撃着手とみなすと言明している。要するに「燃料注入」段階はすでに「武力攻撃事態」なのだ。「武力攻撃予測事態」とはそれ以前の段階である。核開発問題や拉致問題などあらゆる口実を利用し、「武力攻撃予測事態」と強弁して、北朝鮮への先制攻撃と侵略戦争がいくらでも可能となるのだ。そのための国家総動員体制が構築できるのだ。それが有事立法である。
 個人情報保護法案は有事立法第4法案であり、侵略戦争に向けて世論を誘導するための、言論・表現活動圧殺法である。憲法第21条「集会・結社・表現・言論・出版の自由はこれを保障する」は、憲法第9条と一体のものだ。これを解体し、9条改憲を先取りする戦時立法こそ個人情報保護法案である。
 この2〜3月からが決戦だ。直ちに有事立法・個人情報保護法案の暴露・批判と絶対阻止の闘いをつくりだしていこう。

 第5章 資本攻勢と対決して勝利する道は何か

 外に向かっての侵略戦争への突入は、内に向けての階級戦争、資本攻勢・治安弾圧の激化と一体である。今日のアメリカの階級闘争の高揚も、労働者階級の反戦決起と資本攻勢への怒りが結合して生み出されているのだ。
 われわれはイラク反戦・有事立法阻止への総決起と結合し、この2〜3月、日帝の激しい資本攻勢と対決し、国労5・27臨大闘争弾圧粉砕の大衆的闘いと動労千葉労働運動を展開軸として、国鉄決戦勝利と03春闘爆発へ猛然と決起しなければならない。
 世界経済の29年型大恐慌過程への突入、日帝経済のデフレスパイラルと恐慌化のもとで、資本主義はもはや労働者を食わせられなくなっている。労働者は資本主義のもとではもう生きていけなくなっている。
 03春闘は、日帝ブルジョアジーの側からの「春闘終焉(しゅうえん)」攻撃、賃金が半減するような賃下げ、ベアゼロ・定昇見直しの攻撃、首切り・大失業の攻撃、不安定雇用化や終身雇用制解体の攻撃が吹き荒れている。
 通常国会には、「解雇ルール新設」「有期雇用拡大」「裁量労働制の要件緩和」など首切りと労働者の権利圧殺の労働基準法の全面改悪や、労働者派遣法、職業安定法、雇用保険法などの労働法制の改悪法案が目白押しである。社会保障制度の解体、消費税16%化などの大増税、「東アジア経済圏」構想=新たな「大東亜共栄圏」攻撃などが強まっている。
 日本経団連の「03年経労委報告」と「奥田ビジョン」こそこうした資本攻勢の集大成なのである。
 しかし連合は、完全に資本と一体化し、戦争動員と春闘解体、賃下げ、生活破壊の先兵と化している。全労連やJR総連は攻撃に全面屈服している。連合指導部を弾劾し、打倒して進むことなしに、労働者の未来はない。
 勝利の道は何か。国労臨大闘争弾圧粉砕の裁判闘争と大衆運動に総決起することである。動労千葉の決起に学び連帯して闘うことである。警察労働運動に転落した国労本部を打倒し、「政治解決路線」を脱却して、国鉄決戦勝利=国労再生をかちとることである。「資本主義にノー」を突きつけ、全産別で03春闘に総力で決起し、3月春闘大集会に総結集していくことである。
 全力で闘おう。

 第6章 統一地方選必勝へ住民と党の総決起を

 統一地方選挙闘争は、03年4月という厳格な勝負の決着点をもつ「一個の蜂起戦」であり、最大の決戦だ。革共同が現代的=現実的な革命的議会主義を創造しうるか否かがその勝利にかかった、死活的闘いである。杉並区議選での3人当選=一個の会派としての登場をかけた選挙戦を軸に、全員の勝利をもぎりとるために総決起しよう。
 反戦と介護を二本柱に、さらに増税、年金、支援費制度問題などを、創造的に政策化し、訴えていこう。党建設を前進させる選挙活動、労働運動の前進のテコとなる選挙活動、議会=議員活動、そして何よりも党の決起を媒介に住民(区民・市民)自身が主体的、大衆運動的に決起していく選挙闘争を生き生きと展開し、勝利を切り開こう。
 そのために全党員が、立ち上がる住民とともに、自己のもつ力を全面的に、あらゆる決起の形態で発揮し、生き生きと活動し、労働者と地域に根ざした党建設の前進をかちとっていくことを訴えたい。そして必ず勝利しよう。
 3・16革共同政治集会とイラク反戦デモの大成功に向け闘おう。
 今春3大決戦のただ中で、機関紙拡大闘争、財政闘争、マル青労同建設、獄中同志奪還の闘いを断固推進しよう。

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週刊『前進』(2090号1面2)

都革新への不当捜索弾劾 立候補予定者説明会の当日 選挙妨害を許すな

 療養中の同志をデッチあげ逮捕

 2月12日、日帝権力・警視庁は、わが同志をデッチあげ不当逮捕し、それを口実にして杉並区上高井戸にある都政を革新する会の事務所に対して、昨年10月、11月に続いて不当な家宅捜索を強行した。
 この日、警視庁は、病気で長期療養中の武井公彦同志をまったく不当にも「免状不実記載」で午前9時に逮捕した。その直後に家宅捜索と現場検証を強行した。「免状不実記載」などというのは、百パーセントのデッチあげである。これでは、入院中、療養中の患者はすべて逮捕されることになる。まったく許すことのできない弾圧である。
 この弾圧は、4月の統一地方選挙で都政を革新する会が、けしば誠一前区議、新城せつこ区議、北島邦彦事務局長の3人を押し立てて「杉並に区議団を」と、奮闘していることに恐怖した日帝国家権力による許しがたい政治弾圧である。われわれは怒りを込めてこの不当弾圧を徹底弾劾する。
 この日は、2カ月後に迫った区議会選挙の立候補予定者への説明会の日だった。警視庁は、意図的にこの日を選んで、武井同志を逮捕し、家宅捜索を行ったのだ。そして、事務所を半日にわたって占拠した。だが、権力の狙いは完全に粉砕された。
 この暴挙に対して、都政を革新する会は直ちに抗議声明を発表した。01年都議選の前後にくり返されたけしば事務所への家宅捜索に対して、都政を革新する会は国家賠償請求裁判を起こしている。この裁判では、区民の勇気ある決起によって現職警察官による選挙妨害活動が次々に暴かれている。にもかかわらず、警視庁はまたもや不当な家宅捜索を行ったのだ。
 イラク侵略戦争に全面的に参戦する日帝・小泉の戦争と大失業攻撃に対する労働者階級人民の怒りはますます高まっている。杉並でも国際反戦闘争と連帯して、イラク反戦の大きなうねりがまきおこりつつある。権力の卑劣な選挙妨害を粉砕し、選挙戦の必勝をかちとろう。警視庁は、病気療養中で、無実の武井同志を直ちに釈放せよ!

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週刊『前進』(2090号1面3)

●口座番号変更のお知らせ

 九州支社の振替口座番号が変更になりました。新しい口座番号は、01700-6-105428です。

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週刊『前進』(2090号2面1)

「日の丸・君が代」決戦アピール
イラク反戦・教基法改悪阻止へ全人民の共同闘争をつくろう
 革共同教育労働者委員会

 全国の闘う教育労働者のみなさん! すべての労働者人民のみなさん! 今春の卒業式・入学式における「日の丸・君が代」闘争は、イラク侵略戦争開戦情勢の真っただ中での闘いとなる。それは同時に、有事立法と車の両輪をなす教育基本法改悪といかに対決し打ち破るかという、教育労働運動の階級性と、教育労働者の°生きざま″が試される歴史的な分岐点でもある。革共同教育労働者委員会は、イラク反戦闘争、有事立法=教育基本法改悪阻止闘争を全力で闘う。そして、今春の「日の丸・君が代」闘争を、すべての労働者人民との共同闘争へ押し上げ、勝利の展望を切り開くことを宣言する。ともに闘おう!

 「日の丸・君が代」は教基法改悪の先取り

 教育基本法改悪は、改憲への突破口であり、戦争国家体制づくりへと直結する大攻撃である。有事立法がハード面としての「国家総動員」体制づくりであるならば、教育基本法改悪はソフト面としての「国民精神総動員」に向けた戦時教育体制づくりである。
 今国会に提出されようとしている教基法改悪案の核心は、次の4点にある。
 @「愛国心」を身につけた「日本人の育成」を教育目的とする国家主義教育の確立、A行政権力による教育内容への支配、B能力主義貫徹による複線型教育体系への転換、C教育労働者への管理・統制の強化と教育労働運動の解体である。
 これらの核心のすべてを包摂し、そのかなめとして先取り実施されているのが、まさに「日の丸・君が代」攻撃である。
 「日の丸・君が代」攻撃は、80年代の臨教審以来本格化した。85年の「日の丸・君が代」徹底通知と悉皆(しっかい)調査に端を発し、89年の学習指導要領の大改訂、さらに99年の「国旗・国歌法」の制定と教育改革国民会議と続いてきた。そして今や、「日の丸・君が代」に抵抗する教育労働者に対しては、職務命令をふりかざした恫喝にとどまらず、処分の発動、「不適格教員」認定による排除へと進み、「自死」へと追い込むほど凶暴化してきている。
 日帝・文部科学省が「日の丸・君が代」を戦争国家づくりのかなめとしていることは、逆に言えば、侵略戦争への参戦という泥沼に突き進むことでしか延命できない日帝の危機の深さと脆弱(ぜいじゃく)性を示すものである。
 「日の丸・君が代」攻撃との対決は、有事立法=教育基本法改悪を阻止する、最も核心的かつ具体的な闘いである。戦争協力拒否を原点とした教育労働者の自己解放をかけた闘いでもある。
 そして「日の丸・君が代」闘争をすべての労働者人民との共同闘争へと発展させることは、闘う日教組運動を再構築していく契機でもある。

 狙いは教育労働者の侵略戦争への動員だ

 「日の丸・君が代」攻撃を打ち破り、闘いを発展させていくためには、第一に、何よりも攻撃の本質が教育労働者の戦争動員であることをはっきりと確認することが必要である。第二に、強制する側の論法(根拠)の不当性・違憲性を徹底的に暴露し糾弾すること、第三に、職場の怒りや危機感を団結の強化へと組織し、子ども・保護者・労働者人民の共同闘争へと押し上げていくことである。
 文科省―地方教育委員会―学校長は、次の論理をふりかざしてくる。
 「@学習指導要領には法的拘束力があり、国旗掲揚・国歌斉唱は義務づけられている。A『日の丸・君が代』は平和国家日本のシンボルであり、すでに国旗・国歌として定着している。B国旗・国歌の実施は、日本人としての国民の育成を目的にするもので、個人の思想・信条の問題とは別問題であり、強制にはあたらない。C教育公務員である教職員は、上司である校長の指示に従い、国旗・国歌を率先垂範して指導するのが職務である。D個人的信念はどうであれ、抗議行動や妨害行為は教職員としての信用失墜行為であり、処分の対象となる」
 これらの強制の論法がいかに不当なものであるか、以下、要約してみよう。
 (1)文科省は、°学習指導要領は官報に「告示」された法規の一種で、68年の旭川学テ最高裁判決でも法的拘束力が認められている″と言う。これは実に身勝手な事実の歪曲である。判決は、「(学習指導要領は)大綱的基準としての性格をもつ」と判示しているが、「法規としての性格」や「法的拘束力」が認められるとは一切述べていない。
 言うまでもなく委任立法は上位法の規定に制約される。教育基本法第10条を見るまでもなく、教育行政が教育内容に介入するのは「不当な支配」であり、許されるものではない。
 文科省が判例までも歪曲し、教育行政の「聖職性」を強弁するこの論法は、戦前の「国体教育」論に依拠したものである。戦前の教育は「天皇大権」に属し、「国民学校令」などの教育に関する法令では、教職はすべて勅令に基づく「聖職」とされていた(勅令主義)。°学習指導要領に法的拘束力がある″とする「日の丸・君が代」強制の論法は、本質的に虚構にすぎず、違憲・違法そのものである。力ずくでしか強制できないゆえんである。
 なお、現行学習指導要領は、「入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする」となっているが、教育基本法が改悪されれば、「国旗を掲揚し、国歌を斉唱しなければならない」と義務づけられるのは必至である。
 (2)政府は、有事立法と一体で「国民保護法制」を制定して、国家総動員体制をつくることをもくろんでいる。個人を国家に従属させ、人権さえも制限しようとする攻撃は、すでに「日の丸・君が代」強制で先取りされている。
 そしてこの論法もまた、戦前の「国体教育」論に依拠している。1937年に全国の教師に配布された『国体の本義』は、「我が国の教育は……自我の実現、人格の完成というが如き個人の発展のみを目的とするものとは本質を異にする。即ち国家を離れた単なる個人的心意・性能の開発ではなく、我が国の道を体現するところの国民の育成である」と述べている。帝国憲法が「臣民タルノ義務ニ背カサル限リニ於テ」と規定(法律の留保)したように、神社参拝や奉仕活動などは「日本人(国民)」の当然の義務とされ(国民習俗論)、「非国民」をあぶり出す「踏み絵」となっていた。
 子どもや保護者を「とらわれの聴衆」へと囲い込み、「日の丸」敬礼・「君が代」斉唱を迫りながら、「なんら強制ではない」「説明は不要」と居直る当局の論法を、どうして黙認できるだろうか。さらに「意味はわからなくても、雰囲気で覚えよ」とする発想は、これもまた戦前の「錬成・感得教育」(教化)の再来そのものである。
 (3)「天皇の官吏・聖職者」とされた戦前の教師は、上位下達・命令服従の職務体系に組み込まれていた。国民学校令には「学校長は地方長官の命を承け」「訓導は学校長の命を承け」と明記されていた。しかし日帝の敗戦後に制定された教育基本法・学校教育法は、こうした教育のあり方を全否定したのである。しかし文科省は、「日の丸・君が代」実施を教職員の「職務」とし、職務命令を発しようとしている。
 教育基本法のもとで、教育公務員の職務の基本は、その精神の体現であり、何よりも子どもたちの「生命と安全」を守り育むこととされてきた。不条理極まりない「日の丸・君が代」を黙認し、侵略戦争の先兵になり下がることは断じてできない。教育基本法改悪の核心である「教育目的」の転換と「教員統制の強化」は、教育公務員の「職務」の実現に直結する。それは日常の教育実践や学校運営、さらには教育労働者の労働条件の変質へとつながるものである。「日の丸・君が代」との対決は、単に個人的・市民的自由の領域にとどまるものではない。すぐれて職場の団結にかかわる課題であり、階級的決戦課題であるのだ。

 労働運動解体攻撃と対決する教育闘争を

 すべての労働者のみなさん! 戦争情勢が深まる中で、日帝・小泉政権は有事立法・教育基本法改悪に加えて、労働運動解体攻撃を開始した。日本経団連の奥田会長は「闘う労働組合はもはや不要だ」と言い放った。国労5・27臨大闘争弾圧はまさに「産業報国会」運動への前ぶれである。連合・日教組本部のパートナー路線は今や破綻(はたん)し、その存在さえも否定されようとしている。
 「日の丸・君が代」闘争を教育闘争の中軸に据え、これを水路に、一大共同闘争を爆発させよう。情勢は厳しくとも、勝利への展望は私たちの側にある。「日の丸・君が代」闘争の強靱(きょうじん)で不屈な闘いこそが、現状に風穴をあけ、国際的な反戦闘争との連帯をかちとる道である。
 イラク侵略戦争阻止・有事立法阻止、改憲・教育基本法改悪阻止の闘いのただ中で、今春「日の丸・君が代」闘争を全人民の共同闘争として発展させよう!

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週刊『前進』(2090号2面2)

教育基本法改悪を批判する 戦争体制と闘う教育労働者 第1回 長田真雄さん 神奈川(小学校)

 有事法攻撃と一体 反戦闘争の高揚で反撃へ
 基地県の労働者が先頭に立つ

 日帝のイラク侵略戦争参戦・有事立法攻撃と一体で、教育基本法改悪の動きが急迫しています。現場で闘う教育労働者による教育基本法改悪への批判を連載します。(編集局)

 戦争動員のための教育に大転換

 私たち神奈川の教育労働者は、この03年、イラク反戦・有事立法阻止、教育基本法改悪阻止の大決戦の先頭に立って闘う。
 昨年12月、イージス艦「きりしま」出兵阻止の横須賀現地闘争は、「基地の街」横須賀を一変させる大きな衝撃力を持った闘いだった。今年1月の米空母キティホーク出港阻止闘争では、キティホークの乗組員や横須賀基地で働く労働者からの反響も続々と寄せられた。
 さらに昨年秋以来、神奈川県下の大学キャンパスや駅頭で行ったイラク反戦・有事法反対の署名活動では、横須賀に住む学生や中高生などが画然と多く署名に応じていると聞く。それだけ横須賀の子どもたちには、米軍と自衛隊、「戦争」というものが身近な問題としてあり、敏感に感じているということの表れである。
 こうした中だからこそ、私たちは「基地県・神奈川」の教育労働者としての位置と責任の大きさをひしひしと感じている。
 日帝の戦争国家づくり攻撃のハード面とは、昨年12月のイージス艦出兵に見られる自衛隊の実戦部隊化・侵略軍隊化であり、労働者の戦争動員のための有事立法・国民保護法制の制定ももくろまれている。
 そしてそのソフト面として、教育基本法改悪と「教育改革」がある。つまり経済競争に勝ちぬくための徹底した競争原理・能力主義の導入であり、さらに「国家のために生き、死ぬ国民づくり」へと教育を大転換する攻撃である。すでに進められてきた「国家戦略としての教育改革」を、さらに激烈な帝国主義侵略戦争をも遂行していくための教育へと大転換させるものとして、教育基本法「見直し」攻撃があるのだ。

 戦後の教基法体制の解体狙う

 しかし、である。日帝はこの「戦争と大競争の時代」に、いまだ帝国主義軍隊を「自衛隊」としか言えず、堂々と海外出兵もできない現実におかれている。
 能力主義教育が進められてきたとは言え、戦争動員の対象である労働者階級の子どもたちには、公立学校で愛国心教育が行われるどころか、平和教育として戦争の悲惨さや平和の大切さを教えられている。
 さらに「国旗・国歌法」を制定し、「日の丸・君が代」で教育労働者への処分を強行しているにもかかわらず、いまだに現場の抵抗闘争はとまらない。
 これが、帝国主義戦争を目前にした、日帝にとっての戦慄(せんりつ)すべき階級的現実なのである。
 そして、日帝の戦争国家への転換を「体制的に阻むもの」が、日帝自身の戦後教育基本法体制であり、戦後憲法体制そのものであることを、私たちははっきりと自覚しなければならない。この現実が、戦争国家への転換を図る日帝にとって、体制的桎梏(しっこく)となっているのだ。そのことをあけすけに語ったのが、民間教育臨調に参加したある校長の「『教育は不当な支配に屈することなく』との条文が悪用されている」という、教育基本法第10条への敵意をあらわにした発言である。
 教育基本法改悪による教育目標の「たくましい日本人の育成」への転換は、全教科の教育目標や、検定教科書基準にも、国家主義・愛国主義が貫徹されることを意味する。
 教育基本法の改悪が戦時教育体制への転換を一挙に推し進める攻撃であることをつかむ必要がある。教育基本法改悪は、その瞬間から平和教育と日教組への一斉攻撃を招き、有事立法攻撃とあいまって、教育労働者と子どもたちや保護者に侵略教育として襲いかかってくるからである。
 教基法改悪との闘いは、侵略戦争に突き進む帝国主義と対決する労働運動の正面課題であり、侵略戦争と差別・排外主義に抗して闘うすべての労働者人民の共同闘争の課題である。

 教組の戦争協力拒否する闘いを

 とりわけ「基地の街」で闘う教育労働者の責任は大きい。沖縄に次ぐ基地県・神奈川から、イラク反戦闘争の大高揚をつくり出し、米兵・自衛隊、家族に出兵拒否を訴え、軍需産業の労働者、指定公共機関の労働者の戦争協力拒否の闘いをつくり出すのだ。その時、帝国主義の巨大な戦争機構も「粘土づくりの人形」(1月18〜19日の全世界一斉反戦闘争で、アメリカの反戦運動団体・ANSWERから寄せられたメッセージ)と化すのである。この闘いにおいて、地区労運動とその中心を担ってきた教職員組合は、巨大な戦略的位置を持っている。
 「日の丸・君が代」強制への大反撃が「基地の島」沖縄から始まったように、「日の丸・君が代」闘争は、陸・海・空・港湾労組20団体を先頭とする戦争協力拒否の闘い、兵士の出兵拒否の闘いとつながる、戦争協力拒否の闘いである。
 教育労働者がイラク反戦闘争・有事立法阻止闘争の先頭に立つことこそ、教育基本法改悪阻止の大衆的な力となる。ともに闘おう!

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週刊『前進』(2090号2面3)

1047名闘争勝利へ 東京西部共同旗開き 3労組の旗を掲げて

 2月5日夕、渋谷勤労福祉センターにおいて、「国鉄闘争の勝利をめざす東京・西部共同旗開き」が開催され、110人が集まりました。
 会場の正面には、国労と動労千葉、建交労鉄道本部(旧全動労)の3組合の旗が並び、四方の壁は国鉄闘争を闘う労働組合・団体の旗やのぼりで埋めつくされました。
 主催者あいさつでは、新しくつくられた「国鉄労働者一〇四七名の解雇撤回/東京西部実行委員会」ののぼり旗が紹介され、「ナショナルセンターや労働組合の主義・主張を超えて実行委員会を結成し、のぼり旗もつくりました。国鉄闘争勝利まで、この旗を掲げて闘いぬきましょう。この運動と闘いを、全都・全国に広めていきましょう」と訴えられました。
 乾杯の音頭に続いて、西部地区の労組が、連合・全労連・全労協など上部団体の違いを超えて、次々と発言しました。東京北部・南部・東部からも「1047名の不当解雇撤回、国鉄闘争に勝利する共闘会議」に結集する労組などからの発言がありました。誰もが生き生きとした明るい笑顔で、解放感に満ちていました。
 最後に、主催者から国労闘争団と全動労争議団、動労千葉争議団にカンパが渡され、続いて3組合の被解雇者が発言しました(写真)。動労千葉争議団は「4党合意は破綻(はたん)したが、今もなお8人の国労組合員らが獄にとらわれている。この弾圧を打ち破って仲間を取り戻し、われわれが復帰を求めているJR資本と徹底的に闘う中にこそ、国鉄1047名闘争の勝利がある。動労千葉は03春闘をストライキで闘う」と発言しました。
 今、官民を問わず激しく襲いかかる大資本攻勢と闘う労働組合と労働者が、勝利の道筋を心の底から求めています。だからこそ、国鉄闘争勝利に向けた「1047名闘争陣形」=3争議団の共闘を支え合い、連帯しようとしていることを実感しました。
 この運動を全都・全国へ広げましょう!
 (投稿/U)

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週刊『前進』(2090号2面4)

03春闘勝利へ
三菱重工労組委員長 「愛国心」発言 戦争翼賛の造船重機労連

 経労委報告への全面屈服を宣言

 造船重機労連の最大単組である三菱重工労組の岡田秀憲委員長は「愛国心」を真っ向から主張するとんでもない発言を行った。
 岡田は03年の新年あいさつの中で、「昨年を振り返ってみますと、日本の政界や経済界において、数々の不祥事が発覚するなど頽廃(たいはい)が目立ちました。また、わが三菱重工社においても、社会の信用を失墜しかねない幾つかの出来事が発生しました。これらは、愛国心や愛社精神の欠如にほかなりません」などと発言した。
 だが、そもそも政界や経済界の不正・腐敗や企業の危機が爆発したからといって、それに労働者が責任を感じなければならないのか。とんでもない。労働者階級は支配階級の責任を追及することはあっても、責任を感じなければならないなどということはまったくない。岡田発言は支配階級を免罪し、労働者階級の階級意識を解体させることを狙った犯罪的発言である。
 岡田はさらに、「国家や企業の衰退・崩壊を招かない為に、今こそ私たち一人ひとりが、自らの属する組織に愛着と誇りを持つことが必要」「事業存続の為懸命の努力を傾注する」などと発言している。
 「国家や企業の衰退・崩壊を招かないために……懸命の努力を傾注」とは、何たる言いぐさか。日帝は、経労委報告では「春闘から春討へ」、奥田ビジョンでは「公を担う民の育成」と言って労組の変質を強制している。そのただ中でのこの発言は、経労委報告への全面屈服を意味する。
 ここからは、労働者の生活と権利を守るなどということは一ミリも出てこない。それどころか°企業と国家が危機だから″と、労組が自ら進んで既得権を放棄して首切り・リストラ、賃下げをどこまでも受け入れ、労働者階級に強制していくだけだ。こんな労組指導部を許しておくと、労働者階級は無限の労働強化を強制され、職場安全の無視・抹殺によって死までも強制されるのだ。「愛国主義」の行き着く先は戦争協力以外ありえない。
 だが、第2次世界戦争でアジア人民を殺戮(さつりく)すると同時に自らもすさまじい犠牲を受けた日本の労働者階級人民は、政府や権力者の戦争宣伝というものをけっして軽々しく信じてはいけないことを痛切に思い知った。
 この戦争への真剣な反省と、敗戦直後の飢餓状態からの脱却を求めて戦後労働運動は出発した。岡田の発言は、この原点を根本から否定するものだ。絶対に許してはならない。

 「私兵を雇ってテロから守る」

 01年9・11反米ゲリラ戦争直後の10月に開かれた連合大会で、造船重機労連の田中書記長(当時、現委員長)は、「私たちの産業からも、世界中に今仕事をしている。ところによっては、テロからの攻撃を恐れて私兵を雇って仕事をしているところもある」「日本の国民と世界の人々をテロから守る、テロに屈服しないという視点での論議を」などと発言、連合がテロ根絶論に賛成し、有事立法に賛成しろと強調した。
 このように造船や電機、自動車などのJC幹部たちは、日帝の権益を守る立場から一切を考えている。だがこの世界大的に展開した日帝の権益が、帝国主義間争闘戦と、闘うムスリム人民を先頭にした民族解放闘争の世界史的爆発によって総破綻の危機に直面している。このことに岡田は打撃を受け、危機感を絶叫しているのだ。欧米とアジア諸国間のFTA締結に追いつめられ、「東アジア自由経済圏構想」=新たな大東亜共栄圏構想を打ち出した奥田ビジョンといったいどこが違うというのか。
 1月16日のJC討論集会で造船重機労連の内藤書記長は、経労委報告を「経済や社会を扱った部分にはうなずけるところがたくさんある」などと全面的に賛美し、日帝・資本との完全な一体化を暴露した。
 造船重機労連は、電機連合と並んで03春闘でベア要求放棄の先兵となるなど犯罪的な役割を果たしている。新たな産業報国会と化した造船重機労連の「愛国主義」を粉砕して、03春闘の爆発をかちとろう。

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週刊『前進』(2090号3面1)

介護・福祉とり戻そう 介護保険は廃止しかない (1)
4月からの保険料引き上げ阻止へ
 高齢者の主体的決起と結び統一地方選で政治変えよう

 4月からの保険料の大幅値上げと制度見直しによってこれまで以上に介護が奪われ、生きる権利が奪われようとしている。今や「介護保険を廃止せよ」の要求は、すべての高齢者の命の叫びだ。4月統一地方選は、高齢者が立ち上がれば政治は変わる、介護保険は廃止できることを示す決定的な場となった。今こそ、高齢者の自主的決起による「4月保険料値上げ反対」の一大運動をつくりだし、統一地方選勝利を切り開こう。シリーズで介護保険によって引き起こされている高齢者の現実と運動の課題を明らかにする。

 高齢者に一層の負担を強制

 4月からの保険料値上げは、全国平均で約15%という大幅なものだ。北海道の鶴居村で7千円以上、沖縄では県平均で5千円以上の保険料になるといわれている。保険料値上げによって膨大な高齢者がこれまで以上に食費や医療費を削らざるをえなくなる。
 国・厚労省は、保険料値上げによって広がる高齢者の怒りを抑えるためのキャンペーンを始めた。ひとつには、今後予想される保険料の値上げに対し、これまでの40歳以上からの保険料徴収を20歳からに引き下げる、ないしは消費税を15%に引き上げるというものである。これは、介護保険反対の怒りの決起を一層促進し、全人民的規模に拡大するものとならざるをえない。いまひとつは、多くの自治体で留保してきた介護保険財政の黒字を取り崩し、その財源で保険料の値上げ幅を抑える「政治的配慮」を行うというものである。杉並、高槻、東大阪では「高齢者のために努力している」「本来の値上げ幅を抑えている」と言って、保険料値上げへの怒りを抑え込もうとしている。
 冗談ではない。黒字分とは保険料を取りすぎていたということであり、無条件に高齢者に返還されるべきものである。3月議会での保険料値上げ条例阻止のための議会傍聴や座り込み、行政交渉などの高齢者自身の決起による取り組みをつくりだそう。介護保険が始まった時、数百人、数千人もの怒った高齢者が行政の窓口に押しかけ、行政機能を停止させる事態が生み出された。今回の値上げをめぐって、さらに巨大な決起が巻き起こることは間違いない。こうした高齢者の決起と結んで、闘いをさらに広げよう。
 保険料値上げと一体となった制度見直しは、「在宅重視」を口実とした介護報酬改定による財政負担の強制だ。それは、高齢者から介護そのものを奪うものにほかならない。
 一つには、在宅重視とは国・自治体の財政負担を削り、高齢者に新たな負担を強制するためのペテンだということである。厚労省はその理由として「これまで施設は黒字であり、在宅介護事業者は赤字になっていた。そのため施設介護については値下げし、ヘルパーを派遣していた事業者が黒字となるよう、在宅介護を値上げした」と言っている。ここには在宅介護を受けている高齢者への思いやりや配慮などかけらもない。ヘルパー利用料の値上げ分は、高齢者の負担に直ちにはね返ってくるのだ。
 二つには、在宅介護ではこれまで@身体介護、A家事援助、B複合型の三つに分かれていたヘルパー派遣を、見直しによって@身体介護、A生活援助の二つに統合し、それぞれ値上げした。それだけでなく、「在宅生活支援ときめ細かなサービス促進の観点から、短時間サービスを重点評価した」として、身体介護で1時間半、生活援助で1時間以上のヘルパー派遣が基本的にできない料金体系にしたのだ。介護事業者にとってそれは、30分単位で介護を打ち切り、ヘルパー労働者にいくつもの高齢者宅を回らせることが、一番もうかるということだ。

 労働者の誇りさえ奪う攻撃

 これはきわめて重大な問題だ。長時間介護を必要とする高齢者の生き死にの問題であるだけでなく、介護そのものから人間的温かさやぬくもりを奪い、介護を単なる機械的労働へと変質させるものである。介護保険の名によって、介護そのものが否定されようとしているのだ。ヘルパー労働者の多くが、これまで無権利状態のもとでの低賃金労働を強制されてきた。交通費や待ち時間をサービス労働として強制されながら、介護への人間的誇りを支えにして頑張りぬいてきたと言って過言ではない。今回の見直しによって、こうした労働者の誇りすらずたずたに引き裂き、介護そのものを追放しようというのだ。
 三つには、見直しによって施設はどうなるか。全体として4%値下げされ、その赤字分をカバーするために、これまで以上に要介護度の高い高齢者を優先して入所させることになる。それは、入所の長期化=老健(老人保健施設)の特養(特別養護老人ホーム)化を引き起こす。さらに、経営維持のため常勤のヘルパーに代わってアルバイトが大量に導入され、責任ある介護体制が維持できなくなり、介護事故の多発は避けられない。
 特養については、厚労省が「家にいるときの雰囲気を味わってもらう」という口実で「ユニット化(個室化)」を促進しており、入所者の負担は増大せざるをえない。結局、金を払えない高齢者は施設からも排除されるのだ。
 以上、簡単に見ただけでも、4月からの保険料値上げ・見直しは、高齢者への負担を強制するだけでなく、人間の生きる権利としての介護を最後的に奪いとるものでしかない。こんな介護保険は直ちに廃止するしかない。

 怒りの大きさ今こそ示そう

 重要なことは、4月保険料値上げ・見直し問題が、4月27日投票の統一地方選と完全に一つに重なったということである。介護保険に怒る高齢者が、政治を変える主人公として力を発揮する決定的チャンスが到来した。高齢化社会のもとで、高齢者の一票は政治を動かす力を持っている。高齢者が立ち上がることで政治を変え、介護保険を廃止に追い込むことができるのだ。
 すでに公明党や日本共産党を始め、あらゆる政党が統一地方選の重要な争点に介護保険問題をすえ、減免制度要求などの主張を掲げている。だが、こうした連中こそ介護保険を推進し、高齢者を塗炭の苦しみに追い込んできた張本人だ。統一地方選で、高齢者の怒りの大きさを断固として示さなければならない。
 「介護保険に異議あり、全国ネットワーク」は、杉並で、高槻で、東大阪で介護保険廃止を掲げた唯一の運動として発展してきたかけがえのない存在だ。全国ネットに結集する闘う高齢者とともに、全国ネット推薦の全候補の当選をかちとろう。
 (蒲原俊也)

(表) 第1号被保険者の保険料
段階
対象者
保険料
構成比
(%)
基準額が
3000円の場合
第1段階
生活保護受給者もしくは住民税世帯非課税
かつ老齢福祉年金受給者
基準額 X 0.5 2.2 1500円
第2段階
住民税世帯非課税 基準額 X 0.75 28.2 2250円
第3段階
住民税本人非課税 基準額 X 1.0 46.0 3000円
第4段階
住民税本人非課税で本人の合計所得金額が250万円未満 基準額 X 1.25 14.2 3750円
第5段階
住民税本人非課税で本人の合計所得金額が250万円以上 基準額 X 1.5 9.2 4500円

 (伊藤周平著『介護保険を問い直す』より)

 ■介護保険とは

 2000年4月に実施された介護保険制度は、それまで憲法第25条のもとで措置制度として国や自治体によって行われてきた高齢者の介護を、社会保険方式とした。介護サービスの提供は営利企業が事業として行うものとなった。保険料は40歳以上の国民すべてに課せられるが、65歳以上は最高と最低の差が3倍しかない。保険料は、低所得者にはきわめて重い負担だ。しかも介護報酬の1割の利用料負担があるため、低所得者は介護を受けられない、抑制せざるをえない仕組みになっている。「介護の社会化」というスローガンが掲げられたが、実際には、国は福祉の責任を放棄し、介護は個人が金で買うものに変えられた。低所得者から介護が奪われたのだ。

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週刊『前進』(2090号3面2)

日本経団連「経労委報告」路線 終身雇用制解体を許すな(3)
労働法制の全面改悪 労働者の権利奪う法制へ大転換

 資本攻勢貫く武器へと改変

 不安定雇用化の攻撃は、すでに激しく進行している。日帝資本は、それを一層徹底し、ほとんどすべての労働者を不安定雇用にたたき込もうとしている(前号参照)。そのためにたくらまれているのが、労働法制の全面改悪だ。
 日本経団連の「経営労働政策委員会報告」は、「円滑な労働移動を可能にする環境条件を整える必要がある」「種々の規制が多いわが国の労働市場改革が求められる」と叫びながら、派遣労働や有期雇用の拡大、労働時間規制の抜本的見直し、解雇の自由化などを具体的に要求している。
 その背後には、「日本の国際競争力は低下した」という日帝ブルジョアジーの絶望的な危機感がある。そこから日本経団連は、「行政の役割は、これら産業の低生産性を維持させている規制や保護を撤廃することである」と政府を突き上げているのである。資本にとって、「規制・保護」の最たるものは、労働者の権利擁護を目的としてきた労働法制にほかならない。
 小泉政権は、こうした資本の意志を全面的に体現し、今通常国会で労働法制の抜本的な改悪を押し通そうとしている。それは、労働法制を、資本攻勢を貫徹するための法的武器につくり変えようとする、きわめて激しい攻撃だ。
 昨年末、厚労省の労働政策審議会は、@労基法、A労働者派遣法・職業安定法、B雇用保険法の改悪案の骨子をまとめ、厚生労働大臣への三つの「建議」として提出した。これほど多岐にわたる労働法制の改悪が、同時並行で進められること自体、異例の事態である。厚労省は、これらの「建議」に基づく具体的な法案作成作業を急ピッチで進めている。

 「解雇は資本の自由」と宣言

 一連の労働法制改悪の中でも、重大なものは「解雇ルールの法制化」だ。
 労働政策審議会の建議は、労基法に「使用者は、労働者を解雇できるが、正当な理由がなく行った解雇は、権利の濫用(らんよう)として、無効とする」という規定を置くべきだと述べている。これは、一見すると「正当な理由のない解雇は認めない」ことに眼目があるように見える。だが、その目的は、労基法の上で「解雇は原則自由である」と大上段に宣言することに置かれている。
 しかも、「正当な理由のない解雇は無効」と言っても、「解雇の正当性」など資本はいくらでも強弁できる。「国策に反する者は解雇されて当然」とした全動労採用差別事件判決のように、国家や資本にとって「必要」な解雇はすべて「正当」なものとされるのだ。厚労省は、「整理解雇の4要件」を労基法に明記すべきという労働側の要求さえ拒んでいる。
 さらに許しがたいのは、裁判で解雇無効とされた場合でも、資本が一定の金銭を支払えば雇用契約を打ち切ることができる「金銭賠償条項」が提案されていることだ。どんな不当な解雇でも、涙金を払えばまかり通ってしまうのだ。
 さらに、労政審建議は、就業規則に「解雇の事由」を明記することを義務づけるとしている。それは、労働者は「解雇があり得ること」を納得した上で就職しろということだ。
 こうして資本に全面的な首切りの自由を与え、解雇撤回闘争を未然に封殺しようとしているのだ。
 労基法は、これにより労働者保護法から首切り推進法に決定的に転換する。ここに攻撃の激しさがある。
 今ひとつ重要なことは、有期雇用の徹底的な拡大が狙われていることである。厚労省は、有期雇用契約の期間の上限を現行の1年から3年に延長することを打ち出した。
 今日、すさまじい資本攻勢が労働者を襲っているが、それでも日本の労働者の8割以上は「期間の定めのない雇用契約」のもとで働いている。こうした状況を根本的に覆し、ほとんどの労働者を契約期間の終了とともにたやすく首を切ることのできる無権利の存在へと落とし込めることが、この改悪の目的だ。

 労働時間規制も全面撤廃へ

 さらに、裁量労働制の拡大を突破口とする、労働時間規制の大幅緩和が打ち出された。
 裁量労働制とは、労働時間を含めた業務遂行の方法を労働者の決定にゆだねる一方、賃金計算においては実際の労働時間とは関係なく「一定時間労働したことと見なす」とする制度だ。どれだけ長時間労働を強いられても、一定の時間を超えれば、それはただ働きとなってしまう。その適用対象の拡大と導入手続きの緩和が、労基法改悪案に盛り込まれようとしている。
 さらにすさまじいのは、ホワイトカラーやセールス業務の労働者について、労働時間制限を全面撤廃する「ホワイトカラー・イグゼンプション(適用除外)」の導入が、「今後の検討課題」とされたことだ。労働時間は無制限に延長するが、時間外手当は一切なくすというのである。労働者の生命さえ脅かす攻撃だ。
 その手本はアメリカにある。日本経団連の経労委報告は、アメリカの制度をこと細かく紹介して、その導入を政府に迫っている。そのアメリカでは、ホワイトカラーだけでなく運輸関連の労働者も労働時間規制の対象外に置かれている。
 労働時間をめぐる労働者階級の闘いは、賃金闘争と並んで労働者の生存に直結する根源的な問題だ。「標準労働日の創造は、長い期間にわたって資本家階級と労働者階級の間に多かれ少なかれ隠然と行われていた内乱の産物なのである」(マルクス『資本論』)

 全産業に派遣労働を導入

 今や資本は、歴史を数百年も逆転させ、労働者階級が不断の闘いの中でかちとってきた権利を、ことごとく奪い去ろうとしているのだ。
 さらに、派遣労働の全面解禁がたくらまれている。派遣労働期間の上限を現行の1年から3年に延長するとともに、製造業への労働者派遣を解禁するというのである。
 これは重大な意味を持っている。派遣労働はほぼ全業種にわたって解禁されることになる。アウトソーシングや正規雇用の派遣への置き換えが、全産業で雪崩を打つように進行するだろう。すでに、派遣でなければ働き口がないという現実が青年労働者を襲っているが、すべての年代の労働者が同じ状況にたたき込まれようとしているのだ。
 また、民間の職業紹介事業に対する規制緩和なども打ち出されている。求職者からの手数料徴収に対する規制も緩められる。首を切られ失業した労働者が職を探せば、それがまた資本のもうけ口とされるのだ。
 雇用保険法も改悪され、失業手当は大幅に切り下げられる。一方で、保険料率は05年度から1・6%にアップする。雇用保険の保険料率は、昨年10月に1・4%に上がったばかりだ。
 日帝は、“失業手当の給付水準が高いから、失業者は再就職したがらない”などという暴論で、こうした攻撃を合理化している。だが、好きこのんで失業を続けている労働者がどこにいるというのか!
 さらに特徴的なのは、失業者に「誠実かつ熱心に求職活動を行う」義務を課し、失業認定を厳格化するとしていることだ。“失業して再就職できないのは失業者本人の責任だ”というまったく転倒したイデオロギーが、職業安定行政の基本思想となるのである。これは、「勤労の権利」(憲法第27条)の国家的保障を、少なくとも建前に置いてきた職業安定行政の根本的転換を意味している。
 また、「不正受給」の場合の返納金を「倍返し」から「3倍返し」に強化することが打ち出された。失業者は、完全に治安弾圧の対象にされている。
 これらとともに、国労5・27臨大闘争弾圧のような団結権否定、治安弾圧の攻撃も激しく進んでいる。「司法制度改革」と一体のものとして、労働委員会制度を内外から破壊する攻撃が強まっている。

 裏切る連合を打倒し闘おう

 日帝が労働法制の全面改悪に踏み込んできたことの背後には、連合の裏切りがある。連合は、昨年12月4日に政府・日本経団連とともに「雇用問題に関する政労使合意」を結び、「就業形態の多様化を進めるため、必要な規制改革を推進し、労働法制の見直しを行う」ことに合意した。
 連合に対する労働者の激しい怒りは必ず噴出する。連合指導部を打ち倒し、労働者が団結と闘いを取り戻せば、この攻撃は粉砕できる。03春闘を全力で闘い抜き、労働法制改悪を阻止しよう。
 (長沢典久)

 労働法制改悪の要点

《労働基準法の改悪》

@解雇ルールの法制化
・「解雇は原則自由」を労基法で宣言
・「正当な理由のない解雇は無効」だが、正当な理由がないことの立証責任は労働者が負う
・裁判所が解雇無効を認めても、資本が一定の金銭を支払えば労働契約は終了
・就業規則や労働契約締結時の書面に「解雇の事由」を明記
A有期雇用契約の拡大
・契約期間の上限を現行の1年から3年に延長(専門職と60歳以上の労働者については、現行の3年を5年に延長)
B労働時間規制の緩和
・企画業務型裁量労働制について適用対象範囲を拡大し、導入手続きも簡素化
・「ホワイトカラー・イグゼンプション(適用除外)」制度について検討を開始

《労働者派遣法の改悪》

@派遣労働期間の上限を現行1年から3年に延長(専門職26業種については現行3年の期間制限を撤廃)
A製造業への労働者派遣の解禁
《職業安定法の改悪》
・民間職業紹介事業の規制緩和

《雇用保険法の改悪》

@失業給付の給付額を削減
・離職前賃金の60〜80%の給付水準を50〜80%に(60歳以上の労働者は50〜80%の給付水準を45〜80%に)
・給付日数も、低く抑えられてきた短時間労働者の水準に統一し、切り下げる
A保険料率を1.4%から1.6%に
B高齢者雇用継続給付なども削減
C失業認定の厳格化と「不正受給」への罰則強化

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週刊『前進』(2090号3面3)

鉄鋼現場から怒りの報告
労災死亡事故が激発 労組のリストラ協力許せぬ

 鉄鋼資本による労働者の虐殺が激化している。首切り・リストラという容赦ない虐殺である。その中で、労働災害による死亡事故が多発している。鉄鋼資本は、生き残りをかけて資本の統合・再編に突き進んでいるが、その結果、文字通り労働者の命そのものを奪う存在になり果てた。しかも、労働組合までもがこの前にひざまずいてしまっている。闘わなければ職場の安全も守れない。鉄鋼労連中央を打倒して、闘う労働運動を再生させよう。

 1年で10年分に迫る事故が

 昨年9月に、NKKと川崎製鉄が統合して純粋持ち株会社である「JFEホールディングス」が発足し、今年4月に両社の全部門は5グループに分社化される。その川崎製鉄の千葉製鉄所で労働災害による死亡事故が多発している。昨年だけで4件5人が虐殺された。10年分まとめて発生したほどの頻度である。
 6月には、ステンレス再加工工場の精錬炉を点検していた61歳と48歳の労働者が大やけどで死亡。9月には52歳の労働者が突然閉まったドアに挟まれて死亡。10月には天井クレーンと柱に挟まれ、11月にはバランスウエイトと床に挟まれて、それぞれ1人の労働者が死亡している。
 死亡災害激発に対して千葉工場の所長は、「異常すぎる状況である。……しかし、外や一般の家庭に比べれば災害発生は少ない」などと許しがたい発言を行った。だがこの「異常」を生み出すようにしたのはだれなのだ、と言いたい。ここには、資本が生き残るためなら労働者は何人死んでも意に介さない、という資本主義・帝国主義の冷血性だけが存在する。
 あまりの死亡事故の多さに、川鉄資本は昨年11月5日付で千葉製鉄所の所長を、労災死亡事故の続発の責任を取らせて更迭した。経済産業省は10月8日に、鉄鋼業の資本家団体である日本鉄鋼連盟に対し、製鉄関連の事故が多発しているとして、異例の注意文書を出し、保安面の強化を指示するまでにいたっている。
 ところが、川鉄労組の委員長は、「言葉には表現できない悲しみである。痛恨の極み」などと発言するだけだ。本来ならばこれだけの仲間が殺されたら、ストライキをもって会社に抗議するのが労働組合の最低限の義務であろう。にもかかわらず何もしようとしないのだ。許せない。

 3分の1に激減した労働者

 これらの死亡事故の背景には、千葉工場では労働者が3分の1にまで激減するという極限的なリストラ攻撃がある。
 川崎製鉄は、生き残りをかけて87年から3次に及ぶ「中期経営計画」を策定して実行してきた。「総固定費の削減」の目玉に1万4千人(約50%!)の労働者を「削減」し、1200億円の経常利益を上げていくことを据えたのだ。
 第1次「中期経営計画」が発足した87年には、千葉工場に1万1千人の労働者が働いていた。出勤時には駅から工場へ向かう労働者の群れが絶えることなく続いたと言われる。しかし今は3700人余となった。7300人、すなわち3分の2(66%)の労働者が去っていったのだ。しかも、川鉄資本は人減らしと労働強化によって生み出した利潤で千葉工場に3千億円の設備投資を行った。7300人もの鉄鋼労働者がいなくなっても、87年当時と同じ月産30万dの生産をしているのだ。このことがどれほど職場の安全を脅かしているかは明らかである。
 94年からの第3次の「中期経営計画」では、従来は復帰を前提としていた出向(在籍出向)から出向先の社員となる移籍出向(転籍)が強行された。事実上の首切りである。このような膨大な労働者の犠牲の上で、川鉄は粗鋼生産量を16%強(99年実績)も伸ばした。全国の伸びが8%弱だから2倍を超える増産である。すさまじい労働強化が行われてきたのが、だれにも想像できよう。
 NKKと川鉄は合併を発表した。両社の合併で世界第4位の大製鉄会社が誕生し、日本鉄鋼業は新日鉄とJFEとの二大対立の時代に入る。だが、世界的な鉄鋼資本の大再編の中で、日本で二つの鉄鋼資本が生き残れることがあらかじめ保障されているわけではない。鉄鋼資本の生き残りをかけた二大対立は、労働者階級にさらなるリストラの激化をもたらすだけだ。
 鉄鋼資本は膨大な失業者の群れを街頭に放り出すことに何ら痛みを感じていない。リストラの前にはいつくばり、「大譲歩運動」にのめり込む連合と鉄鋼労連中央に助けられて大資本攻勢の激化は不可避だ。労働者は帝国主義をこの手で打倒する以外に生きる道がない時代へすでに入った。労働者の命まで奪う安全破壊との闘いは、資本攻勢との闘いの重要な柱だ。闘う労働運動の再生をかけて03春闘に総決起しよう。
 (投稿/鉄鋼労働者 阪東達郎)

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週刊『前進』(2090号3面4)

反弾圧と春闘に全力 交流センターが第10回総会

 全国労働組合交流センターの第10回定期全国総会が2月1〜2日、横浜市内で開かれた。3日に国労5・27臨大闘争弾圧の初公判を控え、この闘いに総力を挙げて取り組むことなどの運動方針を決定した。
 入江史郎副代表が「反弾圧運動を押し開いたら、われわれが日本労働運動の先頭を切る資格を得る。爆発的な飛躍を」と開会のあいさつを行った。
 佐藤芳夫代表のメッセージが紹介され、辻川慎一事務局長らが運動方針を提案した。辻川事務局長は「国労の被告たちを守り、階級的反撃を組織しよう。03春闘で労働者階級が社会の主人公であることを示す闘いをやろう」と強調した。
 国労闘争団員が「この寒さの中で拘置されている仲間を奪還してほしい。国鉄闘争は4党合意が破産した今が重要だ。政治解決路線を粉砕して闘おう」と連帯のあいさつを行った。
 討論では、国労弾圧被告の九州闘争団員からの「正義は必ず勝利する」とのメッセージが紹介された。動労総連合からは「03年は歴史的分岐点。労働者の団結した力こそ歴史を動かす。経労委報告の全面的な攻撃と対決し、生活防衛・反弾圧・反戦国際連帯の春闘に立とう」とのアピールが行われ、全金本山労組などの争議組合の訴えを受けて、各地域・産別から活発な討論が行われた。
 中野洋代表が、「戦争をしなければ生き延びられない資本主義・帝国主義の危機を見すえて闘うことが核心だ。われわれのやりようによっては最大のチャンスだ。『国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会』の呼びかけにこたえて賛同会員を拡大することが最大の組織方針だ。3・29春闘総決起集会に勝負をかけよう」と討論をまとめた。
 そして、@国労弾圧粉砕、Aイラク攻撃阻止・朝鮮侵略戦争阻止・有事立法粉砕、B4月統一地方選勝利の三つの課題について特別決議を採択した。
 89年の結成以来、中野代表とともに代表を務めてきた佐藤代表は顧問に就任し、入江副代表が新たに代表に選出された。中野・入江両代表を始めとする新役員体制が確立された。

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週刊『前進』(2090号4面1)

米帝の侵略戦争を「文明の衝突」とする反マルクス主義の極致
 カクマル『解放』新年号批判
 工藤俊夫

 ファシスト・カクマルの『解放』新年号巻頭の長大駄文は、12月のカクマル政治集会の基調報告を転載したものである。カクマルの党的指導力が疲弊しきっていることは誰でも知っているが、新年号論文すらもまともに書けなくなっているのである。しかもこの駄文は、内容的には、黒田の無責任な、緊張感の欠如した時事放談をもとにした大ざっぱな国際情勢論である。米帝のイラク侵略戦争を軸に論じながら、アメリカ対イスラムの対立は「文明の衝突」である、と露骨に言い切っていることがその最大の特徴だ。昨年の政治総括にあたるものはまったくない。また、今年も「カクマル議長」植田琢磨は登場せず、完全失脚が確定した。もはや党派の体をなしていない。JR総連問題に関する死の沈黙を依然として続けている。新年号の駄文は、実践的には日帝権力との対決からの逃亡宣言である。命脈尽きたカクマルを今こそ打倒せよ。

 ブッシュの「世界戦争計画」と帝間争闘戦が位置づかず

 アメリカ人民や欧州の労働者人民は、イラク・中東アラブ人民と連帯して、大規模に決起している。これらにこたえる日本の闘いを必死でつくり出し、米帝のイラク侵略戦争の強行と日帝の参戦協力に対して、帝国主義国の反戦闘争が内乱的に爆発するような情勢を切り開かなければならない。だがカクマルは、こうした闘いを自らつくり出し、その先頭に立とうとする気概も意志もない。
 カクマルは、偉そうに全世界人民に号令する。
 「全世界労働者人民に訴える。――米英帝国主義による対イラク軍事侵略戦争を絶対に阻止せよ! 米英帝国主義の対イラク軍事侵略戦争に参戦・協力・加担する自国政府の打倒をめざしてたたかおう! とりわけ中洋アラブ諸国人民は、自国政府の打倒をめざしてイスラミック・インター-ナショナリズムにもとづいて断固として決起せよ!」
 カクマルはこんな号令を発する前に、まずもって「日本の地で」自分自身はどう闘うのかをはっきりさせるべきである。
 だがカクマルは、米帝のイラク侵略戦争と北朝鮮侵略戦争に参戦する自国政府=日帝・小泉政権打倒を目指して決起することなど初めから否定し、反対している。そうした闘いが内乱的な階級闘争の鋭い発展となることに恐怖しているからだ。レーニン主義の神髄である革命的祖国敗北主義(自国帝国主義打倒)に彼らは全面的に敵対しているのだ。それなのにカクマルは日本以外の国の人民(とりわけ中洋イスラム諸国の人民)は「自国政府打倒」に決起すべきだと言う。こんな言辞は絶対許せない。
 カクマルは、米帝のイラク攻撃がなぜ何のためにかくも凶暴な形で強行されようとしているのかを正確に説き明かすのではなく、もっぱら「ブッシュ=狂気」という差別言辞を振りまき、戦争の階級的本質をごまかし覆い隠している。
 カクマルは、「唯一の世界帝国」となった米帝の危機の深さとそれがつくり出している世界危機の激しさをまったくとらえていない。一方ではアメリカの高慢さについて語っているかと思えば、すぐにアメリカは自滅自壊するかのような主張に移行する。
 とりわけ問題なのは、ドイツやフランスが自己の権益をかけて米帝と駆け引きしていることの歴史的な深刻さがまったくつかまれていないということである。この戦争の開戦をめぐってこれだけの帝国主義間の対立とかけひきがあるということは、歴史的な重大事態なのだ。ロシア・中国をも巻き込んで、二大陣営に分かれて石油と今後の世界支配のあり方をめぐる抗争が繰り広げられているのだ。それはイラク侵略戦争が帝国主義世界戦争の始まりであることを物語っている。
 カクマルは、こうした核心問題をすべてごまかし、アメリカの力と謀略によって、「世界規範」が形成されているのが9・11後一周年の現実であるなどと言っている。とんでもない逆立ちした認識である。
 「各国権力者どもの腐った談合によって、ヤンキー帝国主義は、その対イラク戦争遂行に『国際世論』の認知を与えられた。(アメリカにつくことが)いまや『世界規範』と化した」
 カクマルは、「パックス・アメリカーナ」の貫徹などと言い、ブッシュ・ドクトリンを「神懸かりのアメリカ原理主義」と言っている。そして次のようなペテン的言辞をもてあそぶ。
 「この戦略と理念を、外にむかって強引に貫徹することによって、アメリカ帝国主義は、『ポスト・コロニアル』と称せられてきた戦後の第三世界を、自国にとっての新たな植民地へと転化させようとしている。〈軍事的新植民地主義>とでもいうべきこの強権的な後進国支配」「血のしたたるネオ・コロナイゼーションのグローバルな貫徹(パックス・アメリカーナの暴力的貫徹)にほかならない」
 しかし、「パックス・アメリカーナ」「ネオ・コロナイゼーション」などは、第2次大戦後の戦後世界体制のもとで(米ソ対決を前提に)成立していた米帝主導の帝国主義世界支配体制を指す言葉だ。それが、今や歴史的に完全に崩壊し、スターリン主義(の破産)をも巻き込む大争闘戦=世界再分割戦に、当の米帝が先頭きって突入しているということが問題なのだ。
 ところがカクマルは、ソ連崩壊の後10年間、アメリカの一元的世界支配が可能となるという世界観を繰り返し開陳してきたのだ。
 ここでの問題は、第一に、ブッシュ・ドクトリンが、中東・イスラム世界を軍事的に支配することをテコに、最終的には、中国を制圧転覆することを戦略としていること、それを通して米帝が全世界を暴力的に再編しようとしていること、それはかつて例を見ない激烈な、帝国主義間争闘戦=世界再分割戦であるということなのだ。カクマルはこれを完全に無視しているのである。
 第二に、ブッシュの新たな中東支配の中身にかかわることとして、「〈軍事的新植民地主義>とでもいうべき強権的後進国支配」なる規定を持ち出していることだ。第2次大戦後の米帝の新植民地主義支配はアジアでも、中東アラブ世界でも分割基地国家を軸に米帝軍事力を張り巡らせ、その力で超軍事的な支配としてなされてきた。また絶え間ない人民殺りく、侵略戦争を繰り広げることによってそれは維持されてきた。
 ところがカクマルは、「ポスト・コロニアル」などと戦後のこれまでの米帝支配があたかも平和的なものであったかのようにとらえている。戦後の米帝による新植民地主義とその軍事的貫徹の歴史を否定し、植民地主義も強権的軍事支配もなかったかのように言っているのである。このことは同時に、これからの中東が、米帝のむき出しの軍事に対して、ムスリムの反乱を軸にした人民の反帝的な総反乱の激突となっていくことの否定でもある。

 反階級的な反米民族主義の立場で欧州の「嫌米」を賛美

 「このような欧州各国権力者のブッシュ政権への反発は、……労働者人民の『反米』の気運に押されたもの。旧宗主国として中洋アラブ諸国との人的・文化的・経済的交流を続けてきたばかりではなく、移民・難民を多く抱えているこれらの諸国の労働者人民は、アメリカやイスラエルにたいして激しい怒りを燃やしている」
 カクマルは、ヨーロッパの「反米・嫌米の気運」の説明として、とんでもないことを言っている。「旧宗主国としての交流」とイスラム系の移民・難民がたくさんいることからそのまま、「反米や嫌米」を説明し、しかもそれを積極的なものとして礼賛している。
 カクマルの認識からは、権力者(つまりヨーロッパの帝国主義各国権力者)と労働者人民の間の対立・闘争がすっぽりと抜け落ちているのだ。両者を「反米」でくくっているだけだ。また、旧宗主国としてのヨーロッパ諸帝国主義のムスリムに対する植民地主義的な差別と抑圧の問題を完全に無視している。ヨーロッパの労働者階級は、闘いの中で現在の状況を切り開いてきたのだ。資本攻勢に対する労働者の階級的反撃がネオ・ファシストとの闘いを通したイスラム系の人民との結合をテコに、従来の労働者支配の構造を下から突き破るような巨大な反戦闘争の高揚となって爆発している。つまり、労働者人民は、アメリカやイスラエルだけでなく、自国の支配階級への怒りを激しく燃やして決起しているからこそ反戦闘争をもつくりだせているのだ。
 カクマルはこのことをまるで見ようとせず、必死で否定しようとしている。これは、カクマルがもっぱら国家間・民族間の対立の文脈における「反米・嫌米」の側に自分の身をおいてものを言っていることを物語る文章である。没階級的でエモーショナルな反米民族主義に転落していることを証明しているのだ。
 次に、「文明の衝突」論がかつてなくはっきりと肯定され、カクマルの世界観として打ち出されていることを確認しよう。
 「第三世界においては、『反米』の闘争がかつてない激しさと規模で巻きおこっている。その最先頭に立っているのはムスリム人民」「『反米・反シオニズム』闘争の激烈な展開は、アメリカが十字軍としてふるまう限り、さらに高まらざるをえない」「これを、『文明間の衝突』と言わずして何と言えよう」
 「アラブ・中洋諸国の権力者たちもまた、『反米』『嫌米』の姿勢を濃化している。ブッシュ政権が、神懸かりのアメリカ原理主義をあくまでも貫徹しようとする限り、――ハンチントンが言う意味においてではないとしても――世界民衆を『文明間の衝突』へと導きかねない」
 ここで言っていることが、この新年号の核心をなす思想と言える。
 米帝のイスラム諸国人民への侵略戦争と、これに対するムスリム人民の反撃が今、激烈に闘われている。だが、これは「文明間の衝突」なのか。〈キリスト教的欧米世界対イスラム世界>の衝突という事態なのか。とんでもない。これは、米帝の中東石油略奪・独占的支配を核心問題とする帝国主義侵略戦争であり、帝国主義の利害のための人民虐殺であり、それに対する中東イスラム人民のギリギリの反撃、反帝国主義・民族解放戦争である。
 しかも、「世界民衆を文明間衝突に導きかねない」などとふざけたことを言っている。階級的根源をもち階級的利害のための戦争であることがはっきりしているため、「世界民衆」は帝国主義の侵略戦争反対の国際的な反戦闘争に立ち上がっているではないか。「石油のための戦争反対」のスローガンがはっきり掲げられていることをカクマルはもみ消そうとするのか。
 カクマルの思想は、帝国主義のデマゴギーを全力で拡大しようとするものであり、労働者階級の国際主義の完全な否定だ。カクマルはついにここまで明確にそれを言い切ったのである。

 革命的情勢に恐怖し逃亡

 「アメリカ『一超』支配の崩壊は、〈歴史の必然>というべきである。それゆえに問題はただひとつ、この必然的崩壊を世界の革命的変革にむかって主体的に切りひらきうるか否か、ここにこそある」
 この腰の引けたものの言い方は何だ。「世界の革命的変革」とは、帝国主義国家権力を打倒する革命ではないのか。プロレタリア革命、反帝・反スターリン主義世界革命ではないのか。米帝ブッシュの世界戦争への突進は否応なくこうした情勢(革命的情勢への移行期)をつくり出しているのだ。そこから顔を背け、革命的情勢におけるレーニン主義的課題を否定し、逃亡を決め込み、「アメリカ一超支配の崩壊は必然」などとしたり顔で確認している超客観主義者、階級闘争からの逃亡者、裏切り者がカクマルなのだ。

 日帝・小泉の北朝鮮侵略戦争への突入策動をあいまいに

 カクマルには、日帝・小泉はよほど平和主義者と映っているらしい。
 「日本政府権力者・小泉政権は、『間接支援』と称してなしくずし的に対イラク侵略戦争参戦にひた走っている。金正日が『日本人拉致』を自白したことを逆用して、好戦ムードを大々的にあおり立てながら」
 イラク情勢と結合した北朝鮮侵略戦争への米帝=日帝の現実的な構えがカクマルにおいてはイラクへの参戦(間接支援)のために、ムードとして利用するだけのものとなっている。イラク情勢と北朝鮮情勢が戦争として完全に一体のものであることがあいまいにされ、否定されている。
 「『戦争のできる普通の国』への現実的飛躍を賭けて、そしてまた、社会不安の噴出を防ぎ止めるためにも、(小泉は)日本型ネオファシズム体制の一挙的強化に狂奔しているのだ」
 この最後の文章に実践的意味がある。「普通の国」はもちろん小沢一郎の言葉である。だがカクマルは、今、実際に日帝が戦争に現実的に突入しようとしていることを否定するために、この言葉をあえて使っているのだ。日帝が死活をかけて、自分自身の戦争に突入することによってしか対応できない情勢になっていることが肝心なことなのだ。戦争突入を前提にして日帝は動いているのだ。
 カクマルは、対北朝鮮排外主義の問題をこれと切り離して語っている。
 北朝鮮侵略戦争政策をめぐって、日米の間にもすさまじい帝国主義的な利害の衝突がある。日帝はこれに必死で対応しようとしている。この矛盾が動力となって、北朝鮮問題への日帝の独自のアプローチも展開されたのだ。9・17自身が日帝としての必死の帝国主義的侵略外交としてあった。日帝はまさに戦争のリアリズムに対応しようとしているのだ。
 カクマルは長い間「朝鮮侵略戦争は中核派の妄想」などと言い続けてきた。今や、現実の情勢の進展の中で、カクマルの主張の破産、反動性は全面的に明らかとなったのである。

 「在日への檄」は腐敗の極み

 最後に、カクマルだけが「在日朝鮮人民に熱烈な檄をとばし、キム・ジョンイル政権の裏切りを弾劾して、『南北朝鮮の革命的統一』にむけた新たな闘いを訴えている。わが反スタ革命的左翼の革命性」などと言っていることについて。
 日帝は北朝鮮侵略戦争を自分自身の死活的な戦争として全面的に構えている。自国帝国主義の敗北、自国帝国主義の打倒の立場で闘わないかぎり、反戦平和の闘争など成立しないという情勢が到来しているのだ。カクマルは、その実践的つきつけから逃げるために一般的に排外主義問題への態度を議論することでごまかしているのだ。今や日本人民は、南北・在日朝鮮人民と命がけで連帯し、また支援・防衛して闘わなければならないのだ。
 自らが自国帝国主義打倒のために全力で闘うことを抜きに、「革命的統一に向かって在日に檄を飛ばす」などというカクマルは、客観主義的腐敗の極致である。実際には、階級的自己批判の立場に立って血債を貫徹するという「7・7」的闘いを「被抑圧民族迎合主義」とののしり、民族排外主義者として敵対の限りを尽くしてきたのがカクマルである。カクマルには「南北の革命的統一」が民族解放闘争であるというとらえ方すらもないのだ。そうした自己の歴史と帝国主義的排外主義にまみれた姿を開き直り、エセ「連帯」論を振りまくことを許してはならない。
 03年、カクマルを今一段の解体的危機にたたき込むことは可能という確かな感触を与えてくれる新年号である。カクマル打倒の条件は成熟している。今こそ、カクマル打倒へ大攻勢をかけよう。

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週刊『前進』(2090号4面2)

ワシントン大行動に参加して 全学連代表団

 アメリカ労働者の巨大な決起を実感 東北大学 S

 18日の集会は、ベトナム反戦以来最大と言われた昨年10月の集会よりも多い50万人でうち抜かれた。
 集会では、「NO WAR ON IRAQ」の声が鳴り響いた。私たちはアメリカ労働者階級人民とともに、反戦の思いを米国会議事堂とブッシュに直接たたきつけた。
 19日は、FBI前の広場を占拠する集会に始まり、ホワイトハウスへ向けたデモでは千人を超える青年・学生がホワイトハウスの敷地内に突入し、十数人が逮捕される実力闘争となった。この弾圧に抗議し、ホワイトハウス前が完全に制圧された。連日、全米各地で取り組まれるイラク反戦の数万、数十万人の集会・デモは米帝ブッシュに決定的な打撃を与えている。
 強く感じたことは、何よりもアメリカ労働者階級の根底からの決起が始まっているということである。米帝ブッシュが世界戦争を発動しようとする中で、アメリカ労働者階級に対する搾取が強まっている。「もはや黙っていられない」「闘わずには生きていけない」という現実の中で、生活・権利破壊との闘いが反戦闘争と結合して50万人の実力決起となったのだ。
 また、アメリカ国内に膨大に存在する被抑圧民族人民との連帯闘争、RACISM(人種差別、民族抑圧)との闘いが、あらゆる闘いで最重要の環として据えられている。イラク侵略戦争が切迫する情勢下での愛国主義・排外主義の攻撃をうち破り、「帝国主義の侵略戦争を内乱へ」を階級的感性でとらえて決起しているのだ。
 日本での闘いが決定的だ。在沖米軍基地に対する闘い、イージス艦派兵阻止の闘いが、アメリカと世界の労働者階級人民の熱い注目と連帯をかちとっている。「日本は、アメリカ、イギリスに次ぐ第3番の敵国」というイラク人民からの糾弾を受け止め、日本の参戦を絶対に阻止しよう。イラク侵略戦争阻止・有事立法粉砕闘争の大爆発をかちとろう!

 ホワイトハウス前占拠しデモと集会 九州大学 T

 ワシントンDCでの50万人大集会が行われる1月18日の朝、私たちが泊まっていた宿舎も、多くの人がロビーなどに集まり即席の交流の場となりました。プラカードを書いている人、全学連のビラを読んで話しかけてくる人、白ヘルをかぶって写真撮影に応じてくれた人もいました。
 地下鉄・バス・徒歩などあらゆる手段でひっきりなしに会場を目指していく光景は圧巻です。会場はマイナス5度だということを忘れてしまうほどの熱気であふれていました。多くのムスリム人民、朝鮮人民が参加し、文字どおりの国際連帯として闘われました。
 私たちの横断幕やビラを見て多くの人が話しかけてきました。「日本からこの戦争に反対するためにやってきた学生だ」と言うと握手を求められました。わざわざ日本語で「ありがとう」と言ってくれる人もいました。
 19日の学生のデモはホワイトハウスに突入し、周辺の路上を半ば占拠して集会を行いました。「自分たちには戦争を止める権利があるんだ。それは絶対できる」という確信が、あんなに自由に、躍動感あふれたデモを可能にしているんだと感じました。
 日本の闘いに関心と期待が向けられています。昨年12月の横須賀闘争は感動をもって受け入れられました。今回かちとった連帯をさらに強め、巨大なイラク反戦闘争をつくり上げていきましょう!

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週刊『前進』(2090号4面3)

学生は行動求めている 2・1 PEACE MEETING
 首都圏11大学100人が参加

 2月1日法政大学で、「ACT for the FUTURE! イラクの人々を殺すな! 2・1PEACE MEETING」が、首都圏11大学から100人が参加者して行われました。
 始めに、イラク大使館二等書記官のアブドゥルワハブ・M・ガザル氏が講演し、イラク侵略戦争の不正義性と日本の学生への期待を訴えました。そして、イラク市民調査団に参加した中島宏明さん、1月18日のアメリカ50万人大集会に参加した松尾純一さんの2人の法大生から報告を受けました。
 その後のフリートークでは、参加者がマイクを奪い合うように、イラク反戦の思いを訴えました。どうやって運動を広げて戦争を止めるか、どのように訴えたらよいかという実践的な問題意識に貫かれた発言ばかりでした。
 ある女子学生は、「こういう運動を始めたのはごく最近。普段も昼休みとかに署名を集めている。どうやったら多くの学生にわかってもらえるか、他の大学で活動しているみなさんのやり方を教えて下さい」と発言しました。これに対し、「遠くの国の出来事なのではなく、僕らに直接関係があることを示すことだと思う」とか、「みんな戦争反対だということに確信を持ち、どんどんあたっていくことだと思う。2・1に向かって、たくさんの人と話をし、チケットを買ってもらった」という意見が出ました。
 また、「たまたま9・11の時にカイロにいた。10万人から20万人の単位でデモをやっていた。9・11はムスリムの反撃であって、テロではない。ムスリムの心を知ってほしい」「本当の悪の枢軸は、アメリカやイスラエルだ」という発言もありました。
 さらに、「僕は自分の大学では1人だけど、他の大学の人に協力してもらってやっている。今日の集会で終わりではなく、みんなで協力しあって広げていこう」「自分の大学でもサークルをつくり、学生がこういう問題を考えられるようにしたい」「今日せっかく来たので、みなさんとともにやっていきたい」などの発言が続きました。
 「PEACE WALK」は、参加者が自分でメッセージボードや横断幕、のぼり旗を作成して、イラク侵略戦争を止めようというかけ声をあげ、防衛庁に向かって行いました。沿道からデモ隊にガッツポーズを送る人がいるなど、大きな注目を浴びました。
 「PEACE MEETING」は、これまで集会やデモに参加したことがない学生を中心に、全員が主人公の企画として大成功しました。学生は、自分の意見を言う場や行動の場を求めています。
 イラク侵略戦争を止めるのは、労働者や学生の闘いです。集まった学生は、「人を組織したい。運動を広げたい」という意欲に満ちています。その思いを大事にして、もっと大きなイラク反戦のうねりをつくっていきたいと思います。
 (投稿・H)

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週刊『前進』(2090号4面4)

日誌’03  2月5日〜11日
 独仏がトルコ防衛に拒否権 パウエルがデッチあげ証言

●パウエル、証拠示せず パウエル米国務長官は国連安保理で、米が主張する「イラクの大量破壊兵器開発の証拠」を提示した。長官は通話傍受テープや衛星写真などを使ってイラクの推定有罪を印象づけることを狙ったが、大量破壊兵器開発を示す直接の証拠を出すことはできなかった。(5日)
●自民が防衛政策見直し提言 自民党の防衛政策検討小委員会(委員長・浜田靖一衆院議員)は、「日本の防衛政策の構築」と題する防衛政策の見直し案を発表した。緊迫する北朝鮮情勢などに対処するために、新たな日米防衛協力の指針(ガイドライン)を作成し、集団的自衛権の行使を認めるよう提言している。憲法9条を改正し、自衛隊を軍隊と位置づけることも明記した。(5日)
●「ゲームは終わった」とブッシュ ブッシュ米大統領は、国連安保理に対イラク決議の早期採択を求める一方で、「ゲームは終わった」「米国は数を増しつつある同盟国とともに自らを守るためにいかなる行動をもとる」との声明を発表した。(6日)
●在沖米軍犯罪が最悪に 沖縄県内の米軍関係者による犯罪検挙件数が1996年以降6年連続で増加し、昨年は過去11年間で最悪の100人に上ったことが、県警のまとめでわかった。(6日)
●北朝鮮に軍事的手段も ブッシュ大統領は朝鮮民主主義人民共和国の核開発問題で「すべての選択肢がテーブル上にある」と軍事的手段を排除しない姿勢を示した。(7日)
●イージス艦、米軍に情報提供も 石破茂防衛庁長官は衆院予算委員会で、テロ対策特別措置法に基づきアラビア海に派遣しているイージス艦が、イラク攻撃に参加する米軍に情報を提供しても集団的自衛権の行使にあたらないとの見解を示した。(7日)
●キティホークに派遣命令 ラムズフェルド米国防長官は、イラク攻撃に備えて横須賀基地を母港とする空母キティホークのインド洋派遣を命じた。同時に、緊迫する北朝鮮情勢をにらんで空母カールビンソンを現在のハワイから朝鮮半島周辺に派遣することも命令した。(7日)
●ミサイル実験時、自衛隊出動 政府が99年以降検討を進めてきた「北朝鮮によるミサイル発射事態対応方針」の全容が明らかになった。北朝鮮のミサイル試射に対する制裁措置を検討し、もしミサイルが日本の領土・領海に着弾した場合には自衛隊を「災害派遣」の名目で緊急派遣する。2発目以降の試射の兆候があるなどの場合は、首相が自衛隊に防衛出動を命じるとしている。(8日)
●イラク攻撃反対が78% 共同通信が行った全国電話世論調査で、米国のイラク攻撃に「反対」が78・7%に上り、「賛成」の15・5%を大きく上回った。(9日)
●独仏が拒否権 対イラク攻撃に備えて米国が北大西洋条約機構(NATO)に要請しているトルコ共同防衛計画に関して、フランス、ドイツ、ベルギーの3カ国がNATO理事会で事実上の「拒否権」を行使し、決定を先送りした。ブッシュ大統領は「失望した。同盟に悪い影響を与えるだろう」と3カ国を強く批判した。(10日)
●仏独ロが共同宣言 フランスのシラク大統領はロシアのプーチン大統領との会談後の記者会見で、ドイツを含めた3カ国の共同宣言を発表し、対イラク国連査察の継続・強化を訴えた。(10日)
●トルコ、ヨルダン支援 政府は、イラク攻撃時の周辺国支援について、ヨルダン、トルコに重点的に政府開発援助(ODA)による緊急経済支援を行う方針を固めた。「戦闘の影響を最も受ける両国を経済的に支えることが、米国への間接支援にもつながる」(外務省幹部)との判断。(11日)

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週刊『前進』(2090号5面1)

有事立法阻止の大決戦
北朝鮮への先制攻撃と国家総動員体制を狙う
 イラク反戦と結合し闘おう

 日帝・小泉政権は、米帝のイラク侵略戦争にイージス艦の派遣をもって共同参戦し、さらに北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への侵略戦争を準備している。有事法制は北朝鮮・中国侵略戦争法案であり、軍事最優先と国家総動員体制づくりのための攻撃である。私たち日本人民はかつての朝鮮・中国侵略戦争と植民地支配、第二次世界大戦への痛切な反省から、「二度とアジア侵略戦争を許さない」と誓ったはずだ。今、この誓いを貫けるのかどうかの歴史的試練に直面している。2〜3月からの闘いが決定的に重要だ。イラク・北朝鮮侵略戦争阻止、有事立法阻止に全力で立ち上がろう。2・23日比谷野音に総結集し怒りのデモにうって出よう。闘うムスリム人民、朝鮮・中国・アジア人民と連帯して、戦争の元凶=帝国主義を打倒しよう。

 石破発言は有事法の本質 北朝鮮(と中国)への侵略戦争発動の法案

 有事法制は北朝鮮・中国侵略戦争のためのものだ。政府・自民党は今や、このことをストレートに叫んでいる。
 小泉は2月3日、国会で「米中枢同時テロや北朝鮮による拉致事件は国民に不安を与えている。有事関連法案は今国会での成立を期す」と述べた。自民党幹事長・山崎拓は1月、「北朝鮮が日本に何らかの軍事行動をとるのはまさに侵略だ。その侵略対応の法整備ができていないのは政治の責任だ」と述べ、有事法案について「いかなる事態が起こっても通す。野党が審議に応じなければ与党だけでもやる」と述べた。強行採決してでも絶対成立させる反動的決意を明らかにしたのだ。
 さらに1月24日の衆院予算委で防衛庁長官・石破茂は、民主党議員の排外主義的で挑発的な質問を呼び水に、次のように答弁した。
 「『東京を火の海にしてやる、灰じんに帰してやる』という表明があり、その実現のために(ミサイルに)燃料を注入し始めたということになれば(日本への攻撃の)意図も明白。それは(攻撃の)着手と言うのではないか」
 これは、北朝鮮がミサイルへの燃料注入を始めたらそれを日本への武力攻撃の着手と見なして北朝鮮を先制攻撃できるというものである。「自衛、防衛」の名による帝国主義の強盗的侵略戦争の論理そのものだ。
 今、ブッシュが「大量破壊兵器」を口実にしてイラクに対する石油略奪のための虐殺戦争を策動しているように、日帝もまた米帝とともに「核兵器の脅威」を口実にして、北朝鮮侵略戦争にうって出ようとしているのだ。
 北朝鮮侵略戦争の準備は恐るべき勢い、テンポで進められている。米国防長官ラムズフェルドは5日、「北朝鮮はすでに1〜2発の核爆弾を持っている。さらに短期間に6〜8発を製造するおそれがある」と議会でデッチあげ証言した。さらにCIA長官テネットは12日、「北朝鮮は核弾頭搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)をすでに開発している」と証言した。北朝鮮スターリン主義の反人民的対抗的な軍事的冒険政策を「えじき」にして、「北朝鮮の脅威」をあおり立てているのだ。

 「北朝鮮攻撃の能力を」と叫ぶ

 この米帝のデマ情報を根拠にして、防衛庁幹部も参加した12日の自民党国防部会(防衛政策小委員会)では、「米軍に頼るばかりでなく、自衛隊が北朝鮮のミサイル基地を直接攻撃できる能力が必要だ」ということが公然と議論された。
 米帝はイラクと北朝鮮で同時に戦争をやれる「2正面作戦」を準備している。その場合に日帝は、北朝鮮侵略戦争で決定的な役割を果たそうとしている。そのために有事立法の成立を全力で狙っているのだ。
 北朝鮮・金正日政権の拉致や核兵器保持策動は、南北朝鮮人民の統一と解放の願いに敵対する反人民的なものであり、断じて許すことはできない。だが、現在の最も核心的な問題は、北朝鮮とは比べものにならないたくさんの核兵器と通常兵器で武装した米帝と日帝が、金正日政権の反人民的政策を口実として北朝鮮に襲いかかろうとしていることだ。米帝がアフガニスタン、イラク、北朝鮮……と侵略戦争を立て続けに強行し、全世界を戦争にたたき込もうとしていることだ。
 日帝は、世界大恐慌と世界戦争の時代に、この米帝と結託して、イラク侵略戦争に続き北朝鮮侵略戦争を強行しようとしているのだ。そのための決定的な攻撃が有事立法制定である。

 日本が戦争国家へと一変 首相独裁で戦争突入 すべてが軍事最優先

 有事法制の核心は以下のようなものである。
 @武力攻撃事態法案
 「武力攻撃事態」さらには「武力攻撃予測事態」などという、いくらでも拡大解釈できる規定をもって、日帝が侵略戦争に突入することを合法化するものである。
 国会の承認なしに閣議決定だけで自衛隊出動を始めとする戦争突入が可能となる。首相独裁による戦争指導本部(武力攻撃事態対策本部)が設置される。この「対策本部」が、国家の全機構・全機関、地方自治体を戦争に向かって組織し命令を出す。国会や自治体の権限は実質的に停止され、奪われる。
 また自衛隊と米軍の軍事行動の自由を法的に保障し、土地・物・人についての使用・徴用・徴発の権限を規定し、これを拒否する者への罰則を定める。
 有事3法案を通せば、政府は「国民保護法制整備本部」を設置し、個別的な有事立法を「2年以内」に整備するとしている。
 政府が昨秋示した「国民保護法制の輪郭」の項目には、「国民生活の安定のための措置」「社会秩序の維持」などの項目があげられており、こうした名目で反戦運動や労働者のストライキを警察や軍隊によって弾圧しようとしている。政府は国民保護法制について、自治体と民間機関への説明会を1月下旬から始めた。法律の成立を待たずに、先取り的に開始したのである。
 また、この武力攻撃事態法案では、いわゆる「不審船」事件や中小のゲリラ戦なども「緊急事態」として武力攻撃事態法の枠内に取り入れ、戦争的・軍事的に対応するとしている。
 A自衛隊法改悪案
 自衛隊法の単なる一部改悪というレベルではない。戦時自衛隊権限法というような、本来独立して提出されるべき重大な有事立法である。武力攻撃事態法に対応して、自衛隊が実際に軍事行動を起こすことを想定して、その時に必要とする様々な権限を自衛隊に与える法案である。
 具体的には自衛隊法第103条(防衛出動時における物資の収用等)が実戦に向けて圧倒的に拡充される。自衛隊は防衛出動時にはどんな施設でも土地・家屋でも使用できる。また、必要とする軍需物資について、(原料段階から製品に至るまで)生産、集荷、販売、配給、保管、輸送の全過程を掌握し、命令を出し、軍隊のために使用することができる。要するに、国家・自衛隊が民間の産業活動のすべてに介入し掌握し命令する権限を手中にするということである。
 戦前の国家総動員法下では、労働者の雇用・賃金・労働条件・労働組合にまで国家が直接介入した。同様の国家統制を狙っている。
 また、自衛隊は「防衛出動待機命令」の段階で、これまではできなかった部隊展開、陣地構築、武器使用などの軍事行動が可能になる。つまり、この時点で戦争行動に突入できるのだ。
 さらに、自衛隊が戦車を街に走らせ、自由に動き回るために、また防御施設や軍用道路を造り、土地・河川などを自由に利用するために、道路交通法や港湾法、海岸法、河川法、消防法などの諸法律の適用除外や特例措置を圧倒的に拡大する。要するに、自衛隊=軍隊は、超法規的に行動する権限を手に入れるのである。
 B安保会議設置法改悪案
 安保会議とは、首相がかつての天皇大権に等しい戦争大権を発動するための前提的な機関である。改悪の狙いは、安保会議をこれまでの一般的な安保方針や国防計画を審議する機関にとどめず、「武力攻撃事態」の発動に対応して具体的な戦争方針・軍事方針を審議し策定する最高戦争指導会議に役割を高めるものである。このために補佐機関として、軍人を中心に据えた常設の「事態対処専門委員会」を設置する。
 C個人情報保護法案
 この法案は、日帝にとって都合の悪い情報を隠ぺいし、戦意の高揚をはかる「大本営発表」のようなものに報道や言論を変質させるものである。その一方で反戦の言論・思想を弾圧し封じ込めるものである。1月に出されたペテン的な修正案は、言論・思想弾圧法案としての核心を何ひとつ変えるものではない。

 労働者総決起で絶対廃案へ

 有事立法で日本の社会は戦時体制、戦争国家に一変する。自民党国防部会・防衛政策検討小委員会は5日、「日本の防衛政策の構築」と題する提言(骨子案)を発表した(注)。その中では、憲法の改正、武器輸出解禁による軍事産業の育成、国防省の創設などを提唱している。日帝・小泉政権は、有事立法を今国会で成立させることを突破口に北朝鮮・中国侵略戦争に踏み切り、朝鮮・中国人民を虐殺し、日本人民を絶望的・破滅的な戦争の道に引きずり込もうとしているのだ。
 それはまた、社会を戦争体制にたたき込むことで治安弾圧を徹底的に強化し、戦争と大失業、生活破壊に対する労働者人民の怒りの爆発を抑えつけ、階級支配の危機を暴力的に乗り切ろうとしているのだ。外に向かっての侵略戦争と内に向かっての階級戦争(労働者階級に対する圧殺攻撃)が一体的に進められている。
 戦争になれば真っ先に動員され、命の危険にさらされる全日本海員組合は1月8日、アメリカのイラク攻撃に反対し、有事法制の廃案をめざす声明を発表した。陸海空港湾労組20団体は有事法制廃案へ、全人民的な決起を呼びかけている。2、3月の段階で有事立法反対の闘いを圧倒的に強めよう。全国で有事立法反対の署名運動、集会、街頭宣伝を繰り広げよう。イラク・北朝鮮侵略戦争反対、有事立法阻止へ、全国で闘いを巻き起こそう。2・23闘争に大結集を!

【注 自民党提言の骨子案の抜粋】

 ▽憲法改正(9条改正により、自衛隊を軍隊と位置づける、非常事態規定)、▽国家としての危機管理体制の充実(首相の機能強化、安保会議の強化、情報収集と秘密保全の強化)、▽有事法制の整備、▽防衛庁の「省」昇格、▽防衛産業・技術基盤の維持(武器輸出3原則の見直し)など

 石破防衛庁長官の「先制攻撃」発言

「『東京を火の海にしてやる、灰じんに帰してやる』という表明があり、その実現のために(ミサイルに)燃料を注入し始めたならば、意図も明白。それは着手と言うのではないか」(1月24日衆院予算委)
 ※これは、北朝鮮のミサイル基地に対する先制攻撃を「自衛の範囲内である」として正当化する発言だ

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週刊『前進』(2090号5面2)

しもきた出航弾劾 広島反戦共同行動 呉現地で阻止闘争

 2月4日、広島反戦共同行動委員会は、強襲揚陸艦「しもきた」のアフガニスタン侵略戦争への侵略出兵阻止を掲げて、呉現地闘争に決起した。
 「しもきた」は「おおすみ」型の強襲揚陸艦で、02年3月に呉基地に配備された。今回が初めての海外出兵である。今回の出兵は、アフガニスタン侵略戦争の米軍拠点の補修のために、タイ国軍の重機と兵員をタイからパキスタンに上陸させる、という侵略軍隊としての恐るべきエスカレーションだ。しかも、イラク侵略戦争の突入情勢の中で、このイラク侵略戦争にも投入されようとしている。
 午後0時半、Fバースに係留されている「しもきた」が真近に見える「アレイからすこじま公園」に、労働者・学生が結集した。
 「しもきたの侵略出兵を許さないぞ!」「自衛官は侵略の銃をとるな!」「イラク侵略戦争を阻止するぞ!」と、侵略派兵への怒りに燃えて弾劾のシュプレヒコールをたたきつけた。

 NLP誘致計画撤回を 沖美町に抗議

 2月4日午後、広島反戦共同行動委員会は大黒神島がある沖美町にかけつけ、広島大学の学生を先頭に抗議行動を行った。防衛施設庁は瀬戸内海のど真ん中にある大黒神島に米空母のNLP(夜間離発着訓練)基地建設をもくろみ、沖美町の谷本町長を抱き込んで「誘致」を表明させたのだ。
 広島大学学生自治会は、「大黒神島へのNLP基地建設は、イラク・北朝鮮侵略戦争の拠点建設であり、再び戦争を繰り返さない、という被爆地ヒロシマの原点を破壊する暴挙である。谷本町長はただちに誘致計画を撤回せよ」という抗議文を松井助役に手渡した。(写真)
 翌5日、ヒロシマの激しい怒りの前に谷本町長は誘致計画を白紙撤回し、自ら辞任を表明した。
 しかし、防衛施設庁は大黒神島へのNLP基地建設をあきらめていない。地元町民の怒りと結合し、防衛施設庁のたくらみを完全粉砕しよう!

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週刊『前進』(2090号5面3)

改憲阻止決戦シリーズ 今、問い直す侵略と戦争の歴史 第4部 日帝の中国侵略戦争(7)
 「満州国」デッチあげ 武装し入植した「満蒙開拓団」

 昭和天皇が関東軍の柳条湖事件デッチあげと侵略をほめたたえる勅語を発した32年1月8日、桜田門事件が東京のど真ん中で起こった。朝鮮人独立運動家・李奉昌(リボンチャン)が、陸軍の観閲式を終えて宮城に帰る途中の天皇の車列に爆弾を投げつけたのだ。この激烈な闘いに震撼(しんかん)した犬養内閣は、報復として李を死刑にした。
 日本軍は、9・18柳条湖事件以後、中国東北地方の軍事占領を拡大していったが、これに対する欧米帝国主義の非難は高まるばかりだった。そこで欧米の目をそらすために、関東軍高級参謀の板垣征四郎は32年1月、「上海事変」を引き起こさせた。これも、上海で日本人僧侶への襲撃事件をデッチあげ、海軍陸戦隊を上海に上陸させ、陸軍第9師団の出動によって本格的な戦争を引き起こした。
 しかし、上海での戦争は中国軍精鋭の頑強な闘いで苦戦し、2カ月余りの期間に3千人以上の戦死傷者を出す敗北を喫した。日本軍は5月5日に停戦協定を結んで上海から撤兵した。
 だが、日本軍は、上海での戦闘を煙幕として中国東北侵略と占領を広げ、東北3省を占領するに至った。

 かいらい溥儀

 日帝はこの機に乗じて、清国最後の皇帝(廃帝)だった愛新覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ)を天津から連れ出し「満州国執政」に据えて、32年3月1日にニセ「満州国」をデッチあげた。「五族協和の王道楽土」と宣伝されたが、その実態は日本人官吏が枢要の地位を占め、政治も行政も日本が押さえたかいらい国家だった。経済も日本が牛耳っており、35年に250あった合弁会社の資本の8割は日本人が握っていた。
 日帝は、その上で「満蒙開拓団」を組織し、大量に日本からの移民を進めた。32年8月に「満州試験移民に関する件」が閣議決定され、在郷軍人会が中心になって日本の疲弊した農村の二男、三男に「満州に行けば十町歩の自作農になれる」と誘い、第1回満州移民(東北・北関東出身者423人)が組織された。
 10月、奉天(現・瀋陽)に着いた移民団を前に関東軍司令官・武藤信義は、「かつ闘いかつ耕す覚悟と準備を必要とす」と訓示した。ここでも明らかなように満州移民は、関東軍の補助兵力として「満州」の治安維持と対ソ戦略のために抗日ゲリラの遊撃地周辺やソ連国境付近に戦略的に配置されたのである。
 後に一般農民を中心とする「開拓団」になってからも日帝の侵略戦争と「満州国」の維持のための軍事的役割を担わされた。
 中国人から見れば、満州移民は侵略者以外の何ものでもなかった。第1次移民団が入植した三江省の永豊鎮では、6万6千町歩の土地を中国人から取り上げた。その3割以上は中国人農民が耕作していた土地であり、中国人は他の土地へ強制的に移住させられた。パレスチナでのイスラエル入植地建設と同様のやり方が強行されたのだ。
 さらに34年になると、関東軍は三江省一帯で大々的な土地買収に乗り出した。実務は満鉄系列の東亜勧業株式会社が行ったが、実質は関東軍の武力を背景にした土地取り上げだった。
 ニセ「満州国」デッチあげと移民政策に対して、中国人民は猛然と「反満抗日」「失地回復運動」に立ち上がった。「日満議定書」の調印が行われた9月15日から翌16日にかけて、抗日ゲリラが撫順炭鉱を襲い、日本側は多大な損害を受けた。

 平頂山虐殺事件

 奉天郊外の撫順炭鉱は、05年のポーツマス条約で日本が支配下に置いたもので、南満州鉄道株式会社が経営していた。この巨大な露天掘りの炭鉱は、日本のエネルギー源だった。
 この撫順炭鉱の南に平頂山という村があった。報復に打って出た日本軍は、16日朝、平頂山村を包囲、3千人の村人を家から追い立て、崖下(がけした)に集めて、機関銃で皆殺しにした。機銃掃射後まだ息のある者を銃剣で突き刺し、さらに翌日には遺体にガソリンをかけて焼き払い、崖を爆破して崩し死体を埋めて、事件そのものの隠ぺいを図った。
 「匪賊(ひぞく)」すなわち抗日ゲリラに通じているという理由で村全体を焼き尽くし、老若男女を問わず3千人もの住民を虐殺した平頂山虐殺事件である。その無差別性、残虐性は、日本軍の侵略戦争の実態としての「三光作戦」そのものだった。
 当時、中国側がジュネーブの国際連盟理事会で平頂山事件を問題にした時、外務省の問い合わせに「満州」駐在の武藤大使は、「匪賊との交戦中に村が発火、焼失し、匪賊と不良民が約350人死んだのであり、日本軍の自衛行為である」と打電、一般住民の虐殺を押し隠した。
 平頂山事件で家族を殺され、自らも重傷を負いながら生き残った莫徳勝、楊宝山、方素栄3氏が96年8月、日本政府を相手取って損害賠償請求訴訟を提起し、現在も裁判が続いている。遺体の埋められていた場所は、現在「平頂山殉難同胞遺骨館」となって膨大な数の焦げた人骨が展示され、日帝の侵略の実態を告発している。
 中国人民の反撃に恐怖した関東軍は、反満抗日運動を絶滅しようとして「集団部落」を考え出す。壕(ごう)・土塀・鉄条網で囲い、砲台を備えた集団部落に中国人民を強制移住させ、官憲の監視下に置いて抗日ゲリラとの接触・支援を封殺しようとしたのだ。集団部落は最初、33年に間島に設置され、39年までに「満州」各地に1万3451カ所を数えた。強制収容所さながらだったが、これでさえも抗日運動を抑え込むことはできなかった。

 国際連盟脱退

 この日帝のあからさまな侵略は、中国の領土と資源のぶんどりあいをめぐる帝国主義間の対立を決定的なものとした。
 国連リットン調査団が日本の軍事行動と「満州国」の正当性を否認する報告書を出したのに対抗して、33年3月、日本は国際連盟から脱退した。続いて36年1月にはワシントン海軍軍縮条約からも脱退した。
 こうして、国際条約に縛られずに侵略戦争を拡大することを宣言した日帝は、以降、帝国主義間の激突をも辞さず、第2次世界大戦へと突進する(ドイツの国連脱退は33年10月)。帝国主義世界は日本の戦争放火で決定的に分裂したのである。
 (室田順子)

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週刊『前進』(2090号6面1)

3・8国際婦人デー精神復権へ
イラク反戦闘争に立とう 失業と生活破壊に対決を
 魚住洋子

 世界は大恐慌と第三次世界大戦の過程に突入し、階級闘争が歴史的爆発を開始した。ムスリム人民、被抑圧諸国人民、全世界のプロレタリア人民の隊列にはすでに万余の女性たちが合流し、続々と決起を開始している。1917年、帝国主義世界戦争を内乱へ転化してロシア革命の扉をひらいた3・8国際婦人デーの精神をいまこそ復権しよう! 国際反戦闘争、国際的内乱への大合流をかちとる3・8を実現しよう。

 革命的情勢の到来と女性大衆の決起

 9・11をもって新しい段階に入った世界の階級闘争は、日々急速にその国際的、内乱的規模と激しさを拡大させ、革命的情勢の到来へと突き進んでいる。
 帝国主義による石油のための大虐殺戦争が迫っている。米帝ブッシュは、対米的な姿勢を強めている独仏帝に「協力しないと石油権益を失うぞ」と脅し、「時間はない。連合軍を率いて開戦する」(1・28一般教書)と演説した。国際帝国主義の死闘戦が急速に激化している。
 日帝・小泉は02年12月イージス艦派兵を強行し、国連決議なしの単独武力行使を支持し、事実上参戦している。北朝鮮侵略戦争情勢も急速に煮詰まっている。だからこそいま小泉はイラク復興支援法、有事立法、教育基本法改悪、新治安立法などすべての戦争法成立を強行しようとしている。対北朝鮮・アジア侵略臨戦態勢下におかれた沖縄基地、横須賀、北富士、三里塚での攻防が激化している。日本経団連は「闘う春闘は終った」と労働者に奴隷的屈従を要求している。
 しかし、階級情勢も激変している。米帝ブッシュの核の先制使用を含む世界戦争計画の発動は、巨大な国際的内乱に迎え撃たれている。米本国を始めとする世界の労働者人民は、「9・11」の衝撃を起点に、イラク反戦の闘いと一大資本攻勢と対決する闘いを一個二重の闘いとして爆発させている。
 眼前で開始された国際的内乱は、明らかに新しい質をもって発展している。パレスチナ人民を始めムスリム人民の民族解放・革命戦争の不屈の前進。そして韓国の民主労総の団結力の発揮、レーガン・サッチャー以来の80年代反動をのりこえた米チームスターズ労組の戦闘化、米西海岸港湾労組の闘い、世界最大の軍需産業GEのストライキ、イギリス労働運動の激動、そしてフランス電力労組などのゼネスト、日本の国鉄決戦の勝利的地平と20労組陣形など。こうした世界的労働運動の大高揚と新植民地諸国人民の闘いが一大国際反戦闘争として合流を開始している。
 そして、もう一つ注目すべきは万余の女性労働者・老若女性大衆が全世界の反戦運動の推進力となり、ハンドマイクを取り、座り込みやデモの先頭に立っていることである。

 戦争と資本攻勢が家族の崩壊を強制

 日本経済の未曽有(みぞう)の危機と帝国主義としての没落のなかで、労働者人民の状況はいま激変の渦中にある。日経連が戦後日本の雇用慣行見直しを宣言した95年以来、日帝・資本家は終身雇用制解体(早期退職や解雇そして不安定雇用化)、年功序列賃金解体(賃下げ)、企業内組合解体(諸手当削除、年金・福利厚生の解体)を強行してきた。いまでは大企業管理職でさえ明日をも知れぬ失業・賃下げと老後の不安におびえている。
 ここ数年、失業率は最悪記録を更新し続け、年3万人余の自殺者の多くは、働き盛りの中年労働者である。主な家族生計維持者の世帯主が失業し、低賃金労働者である女性が主な家計維持者になる家庭が激増している。
 家族のありかたも様変わりした。女性雇用者は雇用総数の40%をこえている。女性労働者の特徴である「M字型雇用」の底(出産・育児期の30歳から34歳)の労働力率はすでに99年段階で59%にまで上昇し、年々M字の底が浅くなっている。要するに出産育児期も働きつづけることなしには食べていけなくなっている。
 「女性のニーズにあった働き方」の名のもとに無権利の低賃金労働者として女性を駆り出した資本は、いまや雇用の不安定化を全労働者へと拡大している。02年の派遣労働者数は前年比で26%増加した。パート・派遣などの非正規雇用労働者数はいまや4人に1人の割合、1500万人近くにまで急増している。とりわけ女性労働者は一時金も退職金もない非正規雇用の低賃金労働者が半数以上を占めている。女性労働者の賃金は平均すると男性の半分にすぎない。
 それだけではない。非正規雇用の女性労働者の1割がひとつの職場だけでは食べられず「ダブルジョブ」で過労をかさねている。病院の看護師など緊張と責任の重い職場さえ、就業規則から「アルバイト禁止」条項を削除している。経営側が「ダブルジョブ」を前提にして食えない給与で人を雇っているのである。こうした労働条件の劣悪化、強度の搾取の上に、医療・介護・年金など社会保障制度の改悪と大衆増税による収奪が襲いかかる。そしてとどめは労組弾圧、労働者の団結破壊であり、治安弾圧の激化である。
 この一大資本攻勢は、日本経団連が認めているように日帝の没落と危機の現れである。日本経団連は「経労委報告」(02年12月17日)で「グローバルな競争に勝ち抜くための戦略−国際競争力回復が国益」「労組は国益防衛のための存在だ」と宣言した。そして「賃上げどころか賃下げだ」「闘う春闘は終焉(しゅうえん)した」と労働者の交渉権・団結権・争議権をなきがごとくに扱い恫喝している。「円滑な労働移動のための規制改革」と称する解雇ルールの法制化や派遣労働の制限撤廃、裁量労働制・有期労働契約の拡大など、戦後労働法制の大改悪に着手しようとしている。
 さらに日本経団連会長の奥田は年頭に「総額人権費の抑制」のために「社会保障負担を軽減すべき」と、社会保障解体と16%への消費税増税と法人税減税を提言した。
 奥田の「民主導・自律型社会を目指せ」という主張は°戦後憲法の理念など捨てて弱者は切り捨て、大資本を救済せよ″ということである。さらには「大東亜共栄圏」の焼き直し版である「東アジア投資利益重視」「東アジア自由経済圏構想」で経済ブロック化を提唱している。
 世界帝国主義の危機によって、全世界の労働者人民は、あたりまえの結婚・出産・育児、教育、医療、老後生活ができなくなってきた。労働者人民は家族がもてず、子育てができない。ばらばらにされ、失業や倒産で家族崩壊を強制されている。
 生活破壊と家族の様変わりは、戦争と大資本攻勢がつくりだした現実であって、危機に陥っているのは帝国主義なのだ。労働者人民は可能な限り働ける者は働き、家族で助けあって生きている。それなのに生活破壊・家族崩壊を「家族の価値を軽視し」「家族の絆(きずな)を大切にしない」からだと、労働者人民のせいにし、追い打ちをかけて労働者人民、女性たちを脅しつけるのが天皇制右翼などの反動イデオロギー攻撃である。法制審議会は「近年の離婚の急増」を理由に、母子家庭生活保護費を削減するため「養育費の給与天引き」を検討しているという。
 戦争と大失業に女性たちはもう黙ってはいない。中東・ムスリム人民、闘うアジア人民を先頭にした最後の勝利の日までやむことのない国際的内乱の隊列には、世界中で万余の女性労働者・大衆が決起しているのである。

 女性差別・抑圧と分断・動員の攻撃

 日帝・小泉は、イラク侵略戦争参戦への踏み込みと北朝鮮敵視政策の強行の中で、排外主義と差別主義を扇動しつつ戦争国家へと突進している。民族排外主義とともに部落差別を始めあらゆる差別扇動が激化し、その中で復古的な国家主義・家族主義扇動が強まっている。女性差別と家族制度・家族制度イデオロギーの復古的・反動的攻撃が強められている。
 天皇制右翼は「ジェンダーフリー反対」「伝統的家族観否定反対」「道徳無視の性教育反対」「母性否定の男女共同参画行政反対」などと扇動し、女性解放運動への敵意をむき出しにして、女性にさらなる家族への献身と犠牲を要求する。「家族観」は教育基本法解体・教職員組合攻撃でも重大な激突点となっている。「家族の崩壊はマルクス主義の家族批判や女性解放論の影響だ」「男女共同参画は左翼フェミニストの陰謀だ」という論法で神社本庁や「つくる会」教科書運動の天皇制右翼は地方自治体の男女共同参画条例や自治体労働運動を標的にしている。
 だが、男女共同参画基本法(99年6月、共産党も含み全会一致で成立)はそもそも「男女平等」の実現をめざす法ではない。法の前文にあるように「経済社会の急速な変化に対応し」「経済社会の活力を維持する」ことがテーマである。税制改革では所得税配偶者特別控除の廃止、年金改革では年金の個人化(年金保険料徴収の対象拡大)などを男女共同参画基本法を法的根拠にしている。大衆増税と出産・育児期の専業主婦と低賃金パート労働者の500万人の女性から年金保険料徴収を理由づけるためにこの法が使われている。
 それだけではない。91年湾岸戦争時、米軍女性兵士が戦闘の最前線に参加して世界を驚かせた。現在、米軍の15%は女性兵士が占めている。帝国主義は「女性の能力活用」が戦時国家総動員の成否をにぎるとみなしているのである。そのための女性動員法こそが男女共同参画基本法である。実際に日帝・小泉政権は史上もっとも多数の女性大臣を登用し、反動的・反人民的政策を突出して推進する役を担わせている。
 このように現代の女性差別・抑圧は分断・動員の攻撃として激しく現れ、階級的激突点となっている。戦争、資本攻勢、差別・分断攻撃への反撃は階級的闘いの激突点となっている。だからこそ、帝国主義国のみならず、被抑圧諸国においても、女性労働者・女性大衆が自己解放を求め国際反戦闘争の前面に立っているのである。

 連合・日共の裏切りのりこえて闘おう

 日本共産党はだれよりも声高に「反テロ」を叫び、国連安保理決議を賛美し、資本攻勢との闘いを「資本主義の枠内」に押しとどめる反労働者的党であり、闘争の阻害物である。女性解放領域では「資本主義の枠内でも女性解放はできる」論で国連女性差別撤廃条約と男女雇用機会均等法を絶賛している。
 昨年10月、新日本婦人の会創立40周年での不破講演は「女性が美しく輝く世紀に」と題して「(マルクス・エンゲルスは『女性の世界史的敗北』について語ったが)日本の女性はそれほど簡単には『敗北』しなかったということなんです」「日本の女性の歴史には大事な特質があります−自立性と人間的尊厳をまもったDNAがある」と打ち上げた。これはきわめて反階級的で「つくる会」の「天皇制をまもった素晴らしい日本の歴史」と見紛う驚くべき暴論である。これは、プロレタリア世界革命の時代が到来している時代の反革命宣言である。賃金奴隷と家内奴隷の二重の抑圧のもとで戦争と資本攻勢と闘う女性大衆に敵対しあざ笑う言辞である。
 連合は、日帝・小泉の有事立法攻撃に屈服し、昨年12月の政労使合意では参戦・戦争国家化に翼賛して「社会の安定帯となる(=闘う組合を敵視する)」と宣言した。いまや03春闘への日本経団連の恫喝に屈服している。また連合は男女共同参画基本法を推進しておきながら、女性労働者の自主的決起をおそれ、労組女性部を廃止しようとしている。だが、このような連合の労働運動支配は必ず破綻(はたん)する。
 さらに裏切りと腐敗・破綻をさらけ出しているのがJR総連・カクマルである。02年にいたる国鉄決戦の勝利的地平が示すものは、今は少数派であろうと闘う労働組合の団結が死守されるかぎり、JR総連や連合は日帝の労働者支配の破綻点となるのだ。米欧労働運動の新潮流は裏切り指導部をはねのけて闘う勢力が組合権力をとって誕生した。日本における新潮流の飛躍の時が到来している。

 結語

 03年1・1アピールの「2つのスローガン」「3大闘争」に勝利しよう! 
 1913年の3・8国際婦人デーは第一次世界大戦の切迫の中での国際反戦行動日となった。だが帝国主義戦争が現実のものになると第二インターナショナルは、自国帝国主義に屈服して社会排外主義、戦争翼賛勢力に転落した。
 その中でボルシェビキ党に率いられたロシアの婦人たちは1917年3・8国際婦人デーに「戦争をやめろ」「パンをよこせ」と行動に立ち上がった。ペテルブルグの女性労働者(タバコ工場や繊維工場)のストライキと巨万の街頭行動はロシア帝国主義・ツァーリの支配を揺るがし、ロシア革命の引き金となった。彼女たちは全労働者に支持を訴え、ストライキを拡大し、5日後にはツァーリズムを打倒する2月革命へと発展させたのである。女性の闘いはプロレタリア世界革命勝利の不可欠にして決定的な水路なのである。
 03年3・8国際婦人デーを17年3・8ロシアの闘いに迫る全世界の女性労働者・女性大衆の団結の日、新たな闘いの出発としよう。開始された国際的反戦闘争、国際的内乱の中に大合流しよう。

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週刊『前進』(2090号6面2)

2〜3月『前進』拡大闘争へ
意識性と構えが一切だ大胆に『前進』持ち込め
 前進経営局

 闘争の爆発で圧倒的な注目

 イラク侵略戦争をなんとしても止めなければならない、そのために何かをしなければならないと広範な民衆が真剣に考えている。行動の呼びかけを待ち、独自に行動に立ち上がり始めている。これは全世界で起こり、日本で起こっている。この時、労働者人民の前に登場し、『前進』販売大運動を行おう。
 『前進』街宣は昨年末のイージス艦闘争で一変した(本紙2085号参照)。ついに横須賀駅で70年闘争をほうふつとさせるような100部販売を実現した。
 全学連のイージス艦派兵実力阻止闘争への共感が街全体を包み、『前進』販売と署名とカンパが爆発的に行われた。『前進』が中学生、高校生を始めとした青年学生を中心にあらゆる層に求められた。イージス艦実力阻止を闘う全学連の闘いの報道が注目された。闘いを求めて横須賀に来た青年労働者がその場ですぐに『前進』を定期購読した。
 これは横須賀現地だけではなかった。
 タイムリーに発行された『前進』号外とあわせて、通常号・新年号が東京、首都圏を中心にかつてなく販売された。
 東京東部のJR駅前の街宣では、昨年7月〜11月は1部売れるかどうかという状態であった。それが年末には24部売れた。少人数の街宣でも10部以上販売したところが続出した。闘争の激発と『前進』販売の拡大が一体的に始まった。
 「石油のためのイラク人民虐殺戦争」への人民の怒りはかつてなく高まっている。
 人民の怒りは、闘いを呼びかける『前進』への期待と注目となっている。闘いを呼びかけ報道するものが『前進』以外にはなくなっている。『前進』を知らない人、中核派を知らない若者も呼びかければ『前進』を買うようになっている。
 働きかけないことが、『前進』の販売を押しとどめている最大の要因だ。

 大衆と結合してこそ中核派

 東北地方で日朝声明批判の革共同のビラをまいている時に、かつての『前進』読者が声をかけてきて、「中核派はなくなったのかと思っていた」と言われたことが報告されている。
 この地方では街頭には頻繁に登場しているが、それは大衆団体としての登場で、ここ10年近く中核派として登場して党派のビラをまくことも『前進』を販売することもなかった。そのため、元読者にすら「中核派はなくなった」と思われていたのである。
 この地方では9・11以降街頭で中核派のビラまきを機会あるごとに行って、元読者と再会できた。
 ここに示されたことは、ある地方の特殊な出来事ではない。マスコミがわれわれの闘いを意識的に抹殺しているなかで、党として街頭に登場し、独自に大衆と結びつかない限り「中核派はなくなった」と思われているのである。

 機関紙販売は党の日常活動

 1月に東京南部の駅頭で『前進』街宣をしたときに、70年闘争世代の元法政大生、元和光大生、元中央大生、元早稲田大生などの労働者が次々と、「『前進』は久しぶりだな」となつかしそうに声をかけてきて『前進』を購入した。そのうちの一人は「リストラされてハローワークに行ってきたところだ」と怒りを語っていた。誰もが現状に怒り、70年闘争を再現しなければと思っている。そして、口々に「9・11以降何かをしなければならないという思いをずっと持ち続けていた」と語っている。
 ここでは、カクマルに虐殺された福島慎一郎同志の親友の元京都大学生が声をかけてきて、長く話をして行った。
 まだわれわれは、かつての中核派を知っており、また中核派に期待している人びととも交通することができていない。彼らは中核派がいることが分かれば、みずから駆け寄ってくる。
 どこの駅頭でも、どの集会でも、いつでもどこでも『前進』を販売しなければならない。これは革命党としての最低限の任務だ。こうした活動は、今アメリカでもヨーロッパでもどこでも行われている党の当たり前の日常活動である。
 われわれも70年闘争まではこのように活動していた。カクマルの反革命襲撃によってこうした活動は大きく制約され、経験の断絶が長く続いたが、今こそ復活させなければならない。
 対カクマル戦争の勝利の地平はものすごく大きい。街頭は対カクマル戦争の勝利によって切り開かれた自由な空間なのだ。街頭はわれわれが登場しないことによって放置されているのだ。ここに大胆に登場しよう。大衆と結びつこう。
 労働者人民は『前進』を求めている。職場で、大学で、大胆に拡大しよう。そして、街頭は、職場・大学とならぶ機関紙拡大闘争の重大領域なのだ。

 拡大闘争はやればできる

 「大衆闘争が忙しいので機関紙活動ができない、ましてや『前進』街宣の時間がない」と語る同志が多い。しかしこのような考えでは機関紙活動は永遠に行うことができない。なぜなら、われわれはさらに激しい激動の時代に向かおうとしているからだ。
 最も忙しく、最も激しい活動の中だからこそ、機関紙活動は最も必要な活動なのである。そのときこそ『前進』が労働者民衆から求められるからだ。
 意識性と構えが機関紙活動の一切である。
 意識性があればできる。意識性がなければできない。これが機関紙活動であり、党活動である。
 2〜3月のような時期、イラク反戦闘争を闘い、国労臨大闘争弾圧と春闘を闘い、統一地方選挙闘争の本番のこの時期にこそ、機関紙拡大闘争の飛躍をかちとろう。
 思い切って街に出よう。
 職場・大学で、そして街頭で大胆に『前進』を販売しよう。

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週刊『前進』(2090号6面3)

2・5東京 共謀罪阻止へデモ 法制審に抗議の申し入れ

 2月5日、破防法・組対法に反対する共同行動は、「結社禁止法=共謀罪新設を阻止しよう」との決意も固く、法制審議会総会への申し入れ行動と昼休みの霞が関デモに立ち上がった。
 共謀罪は、実行行為が無い場合でも、4年以上の刑を規定している犯罪について2人以上が集まって相談や話し合いを行っただけで最高「懲役5年の刑」を科すというものである。例えば、労働者が2人以上集まり「同僚を不当解雇した社長をつかまえて退職金を支払わせたい」と相談しただけで、組織的な身の代金目的略取等(最高無期懲役の刑)に違反する行為を共謀したとされ、5年も牢獄にぶち込まれるのだ。
 共謀罪には目的規定がなく運用は無制約である。労働組合、反戦団体、市民団体などあらゆる組織と運動が弾圧の対象となる。民衆から思想・表現、団結の自由を奪う。治安維持法や破防法以上の悪法だ。日弁連も1月20日に反対の意見書を法務省に提出している。
 この日、破防法・組対法に反対する共同行動は、法制審議会総会に対する申し入れ行動を行った。総会では、「組織犯罪を計画段階で処罰できる『共謀罪』の新設」の答申が行われようとしていた。法務省玄関で法制審事務局を呼び出したが、対応した職員は「連絡がとれない」の一点張り。怒りに燃えた参加者は、法務省に怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
 さらに現場で申入書を読み上げて@国際的組織犯罪条約は日本国憲法及び近代的な刑事司法の原則を破壊するものA共謀罪新設を始めとする今回の国内法整備は、刑法の全面的改悪あるいは第2刑法制定に等しいB立法に向けた答申を行わないことを申し入れた。
 続いて正午すぎに、日比谷公園の霞門から昼休みでにぎわう霞が関を一周するデモに立ち上がった。
 2月5日、法制審議会総会は共謀罪の新設を法務省に答申した。これを受けて法務省は、3月中旬に法案の国会提出、今国会での制定と共謀罪をとりこんだ国際的組織犯罪条約の批准を狙っている。
 共謀罪新設阻止の闘いはこれからが正念場だ。この攻撃の恐るべき本質を暴露して労働者人民の怒りをかきたてよう。労働組合、学生自治会、反戦運動団体などのあらゆる大衆団体で共謀罪新設反対の決議を上げ、声明を出そう。反対国際共同声明を広め、反対のパンフレットをあらゆる運動体の一人ひとりにまで拡大しよう。
 その力を3月23日の「戦争と治安弾圧に反対しよう総決起行動」(午後2時から主要駅街宣、4時から新宿区西早稲田の日本基督教団で集会)に持ち寄り、共謀罪新設阻止の大運動を実現しよう。
 (投稿/山本 茂)

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週刊『前進』(2090号6面4)

 公判日程

☆迎賓館・横田裁判
須賀・十亀・板垣同志裁判
2月26日(水)午前10時
福嶋同志裁判
2月19日(水)午後1時15分
☆水嶋同志裁判
3月14日(金)午後1時30分
☆6・12私文書弾圧裁判
3月19日(水)午後1時15分
 ※いずれも東京地裁

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