ZENSHIN 2004/01/26(No2134 p06)

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第2134号の目次
 
1面の画像
(1面)
空自本隊のイラク侵略出兵絶対阻止! 1・22小牧現地総決起へ
「国益」を叫び賃下げ強要する奥田経団連と04春闘で対決を
3・20全世界数千万デモ爆発へ
記事を読む  
最高裁反動判決に屈服し闘争終結図る本部を倒せ
1・31国労中央委闘争への訴え
記事を読む  
(2面)
全逓委員会の04年決戦宣言
小泉=奥田路線と対決し郵政民営化阻止へ闘おう 全逓中央打倒、119中央委闘争へ
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動労千葉 結成25周年の旗開き
「鉄路に生きる」誇り高く 反戦・組織拡大春闘へ(1月10日)
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労組3団体呼びかけで 女たちの集会 “イラク派遣即刻中止を”(1月13日) 記事を読む  
20労組 有事法制の先取りとなる自衛隊のイラク派遣に反対する共同アピール 記事を読む  
世界の労働運動 イラク 抵抗の軸に労働運動が 70%の失業率に怒り爆発(湯村宏則) 記事を読む  
(3面)
年金改悪・大増税に反撃を 政府予算案 労働者犠牲に大資本救済
帝国主義支配は破産している(岩谷芳之)
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介護保険大改悪許すな 利用料を2〜3倍化 20歳から保険料徴収 記事を読む  
“農地死守の原則貫く” 三里塚反対同盟 団結旗開きで闘争宣言 記事を読む  
(4面)
革共同各地方委員会 04年の決意(下) 戦争と資本攻勢に反撃を 記事を読む  
もんじゅ廃炉に 運転再開策動弾劾 全国から700人が結集(12月6日) 記事を読む  
日誌 '04 1月1日〜13日
陸自先遣隊30人に派兵命令 小泉が元旦に靖国参拝強行
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(5面)
1・22小牧闘争の戦闘的爆発へ
侵略派兵と階級戦争しかける小泉を大衆反乱でうち倒そう(早乙女優)
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北富士忍草母の会 天野美恵事務局長の戦闘宣言
天野組合長、渡辺会長の遺志守り 粟粒一つ崩れず闘いぬく
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改憲阻止決戦シリーズ 今、問い直す侵略と戦争の歴史
第6部 総動員体制(1) 戦争支える国内体制
天皇制教育の下で駆り立てる(高田隆志)
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(6面)
団結広場 投稿コーナー
大学自治が問われる吉本学長の収賄事件 東北大学 K・A
自衛官の家族らから署名に寄せられた声 神奈川 青田 健
「給料2割カット」の通告をはね返した パート労働者 矢部希理子
三里塚の皆様、反対運動展開して下さい 神奈川 W・M
岡山で教育基本法改悪反対の集会とデモ 岡山 S・T  
三里塚反対同盟の皆さんへ 神戸市 T・S
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1・23天皇訪沖許さぬ 派兵情勢下の沖縄圧殺攻撃 記事を読む  
呉で3千人の大デモ 「出撃基地にするな!」(1月12日) 記事を読む  
沖縄 那覇基地に抗議 1・11 全国に呼応して(1月11日) 記事を読む  

週刊『前進』(2134号1面1)(2004/01/26)

空自本隊のイラク侵略出兵絶対阻止! 1・22小牧現地総決起へ
「国益」を叫び賃下げ強要する奥田経団連と04春闘で対決を
 3・20全世界数千万デモ爆発へ

 日本帝国主義が兵士と労働者階級人民を強制的に動員し、再び他民族虐殺の侵略戦争の道に大きく踏み出そうとしている。陸海空自衛隊1000人のイラク派兵が12月9日に閣議決定された。空自・陸自先遣隊の派兵に続いて22日にも小牧基地から空自本隊150人が、2月には呉基地から海自本隊が、さらに2〜3月に陸自本隊が3波に分かれて出発する計画である。絶対に阻止せよ。1・22小牧闘争に総結集しよう。小牧・北海道・呉で派兵阻止に立とう。1〜2月闘争の力を総結集して、3・20国際反戦統一行動に、全世界数千万人の決起と連帯し、首都・東京を10万人、20万人の反戦デモで埋め尽くせ。1・31国労中央委闘争から04春闘―3・20闘争へ、全産別・全職場からの総決起を訴える。

 第1章 世界戦争促進する日帝のイラク参戦

 自衛隊のイラク派兵とは何か。小泉首相は、「戦争をしに行くのではない。人道的復興支援だ」などと大ウソを言っている。だが、自衛隊のイラク派兵は、米英帝のイラク侵略戦争に日帝が本格参戦することである。「人道復興支援活動」「安全確保支援活動」と称するあらゆる活動が、米英日帝のイラク軍事占領とイラク人民虐殺戦争の一環である。日帝の参戦は世界史を一変する事態なのだ。
 実際、小泉首相は、「日本国民の精神が試されている」「国家としての意志が問われている」「テロに屈してはならない」などと言い、自衛隊に向かって「命をかけて国益のために闘え」とけしかけている。だからこそ、元旦に靖国神社を参拝し、侵略戦争の戦死者を「英霊」「靖国の神」と賛美し、イラク派兵の自衛隊に反動的エネルギーを吹き込もうとしたのだ。同時に労働者人民に向かって「国家を守るのは国民の義務だ。国家のために戦え、国家のために働け」と強制しているのだ。
 派兵が予定されている自衛隊は、日夜激しい戦闘訓練を繰り返している。元陸自北部方面総監(東京都参与)の志方は“テロリストを一人たりとも生きて帰すな”と叫んでいる。
 このように12・9閣議決定で小泉首相と政府・自衛隊は、はっきりと侵略戦争突入を決断し、自衛隊から戦死者を出す決断をして、イラクに兵士を送り込もうとしているのだ。そして、侵略と軍事占領に対して民族解放を闘うイラク・中東人民を「テロリスト」と決めつけて皆殺しにしようとしているのだ。
 この時、日本人民には「再び侵略戦争の歴史を繰り返し、アジア・中東人民に敵対するのか」ということが問われている。
 1920〜30年代に日本帝国主義は、「これは戦争ではない」「事変だ」「居留民保護だ」「匪賊(ひぞく)を取り締まるのだ」などと言って、どんどん兵隊を中国大陸に送り、中国人民を虐殺していった。そして、泥沼の侵略戦争を拡大していった。その先には、アジアへの全面的侵略戦争と対米戦争、第2次世界大戦があったではないか。
 今起きていることは、これと同じことだ。さまざまな口実を設けて米英帝のイラク侵略戦争に加わり、イラク・中東人民を虐殺し、石油資源の略奪と中東支配をめぐる帝国主義間の争闘戦に軍事的に参入しようとしている。それは、米対独仏の帝国主義間の対立が非和解的に激化する中で、帝国主義世界の分裂化、ブロック化を一層進め、最終的には帝国主義間戦争―第3次世界戦争に至る以外にない道への踏み込みである。それほどまでに日帝・自衛隊のイラク派兵=参戦は、世界史的な事態である。
 「日本は中東石油がなければ生きていけない」とか「日米同盟が重要」と小泉らは言う。だが、石油を大量に消費し必要としているのは、帝国主義である。イラク・中東人民を虐殺して石油を奪い取ってこなければ成り立たないような経済と社会のあり方。これが帝国主義体制だ。帝国主義の強盗同盟である日米同盟。これと石油強奪の先にあるのは、帝国主義の全面的侵略戦争であり、世界戦争である。帝国主義こそ戦争の根源なのだ。

 第2章 労働者犠牲にする国家は打倒すべき

 小泉は「国家あっての国民」「国益」「国を愛せ」と強調している。だが、人民にとって、今の日本は守り愛すべき国家なのか?
 大多数の労働者人民が生活に苦しんでいる。平均賃金は5年連続引き下げられ、首切りと不安定雇用化、労働強化、増税と社会保障切り捨ての攻撃が吹き荒れている。
 04春闘に向けた日本経団連の「経労委報告」は、「ベアは論外」と言い、定昇廃止と「ベースダウン(一律賃下げ)」を真っ向から提唱した。これは戦後初のことであり、資本攻勢はついにここまで来た。“もう資本家は、これまでの労働者の生活水準を保障しない。生活向上など論外だ。労働者は貧乏を耐え忍んで、資本家のために働け”と言っているのだ。
 青年の状況は深刻だ。政府統計でも15歳〜24歳の10%が失業している。高校を卒業しても正社員の職に就けず、フリーターが約4割だ。多くの若者が年金や健保の保険料も払えない状況に追い込まれている。
 ところが奥田日本経団連会長は、こうした未払い者を「悪者」扱いし、なんと“国民の義務を果たさないやつからは健康保険証や運転免許証を取り上げろ”とか“消費税に反対する者は異星人だ”(文芸春秋1月号)と叫んでいる。
 追い打ちをかけるように所得税の配偶者特別控除や各種控除が廃止されて増税となり、さらに年金大改悪(保険料値上げや給付削減)、介護保険制度大改悪、消費税大幅アップが狙われている。
 労働運動のナショナルセンター=連合がまったく闘わず、資本の先兵となっていることによって、資本攻勢と戦争への動きが加速されているのだ。
 労働者人民が生きていけなくなっている時に、今年3月期には上場企業の2割が過去最高の経常利益を上げる見通しだ。しかもその2割の大企業が全産業の6割の利益を独占する(1月9日付日経新聞)。このようにトヨタ、日立など一握りの金融独占ブルジョアジーが、労働者の血と汗を搾り取って莫大(ばくだい)な利益を上げているのだ。しかもこれと結ぶ小泉・自民党は、首相の給料を年間5000万円に引き上げることすら狙っている(特別職給与法改悪案)。
 労働者の家庭が「1円でも安いものを」と日々の生活に苦労し、失業や破産で年間3万人もの労働者が自死に追い込まれる状況の中で、こんなことがまかりとおっていいのか!
 まさに日本国家とは、ほんの一握りの金融独占ブルジョアジーのための帝国主義国家なのだ。
 このどこが「愛すべき国」なのだ! 労働者階級にとって、一片の守るべき価値もない。こんな帝国主義の支配する国は、本当に労働者の怒りで吹っ飛ばさなければならない。

 第3章 階級性と国際性が労働運動再生の道

 働く者の人間としての尊厳を奪い去るような激しい資本攻勢の中で、労働者が誇りを取り戻す道、それは動労千葉のように団結し、原則的に闘うことだ。
 動労千葉の組合員は、階級的立場に立った労働運動を不屈に貫き、組合のもとに固く団結し、堂々と、胸を張って労働し、闘い、生きている。『俺たちは鉄路に生きるU』には、そうした闘いの教訓が豊かに語られている。これこそ労働運動の戦闘的再生の武器だ。
 そして韓国・民主労総やアメリカの港湾労働者とともに、国境を越え、民族を超えて団結し、共同の敵=帝国主義と闘おう。
 労働者の決起は世界的な流れだ。帝国主義の攻撃が、逆に全世界の労働者階級と被抑圧民族をひとつに結びつけている。世界で反戦運動の中心となっているのは、資本攻勢と階級的に闘いぬく労働組合だ。労働組合が先頭に立つことで、数十万人、数百万人の巨大な決起が実現している。
 そして、日本でも11・9労働者集会の大高揚が階級闘争に巨大なインパクトを与え、連合の「産業報国会」化を突き破って、昨秋から労働運動の大きな転換がかちとられつつある。
 12・9イラク派兵の閣議決定と対決し、12月12日に陸・海・空・港湾労組20団体は「イラク派遣反対の共同アピール」を発した。とりわけ12月23日の教育基本法改悪反対の集会・デモでは5千人の労働者・市民が全国から集まり、日比谷公会堂からあふれ出た。この闘いには、日教組中央と全教中央の対立を超えて両組合員が合流した。石原都政を先兵にして全国の教育労働者に激しい攻撃が吹き荒れている中で、自治労に続き、教育労働運動にも完全に火がついたのだ。
 笹森連合会長が年金攻防で「逮捕者が出るぐらいの運動を覚悟しなければならない」(1月5日)とペテン的に言わざるをえない状況だ。それほど日帝の資本攻勢は激しく、また闘わない連合中央に対する怒りが高まっているのだ。
 だからこそ資本家階級は労働者の団結を恐れ、JRの採用差別をめぐる12・22最高裁反動判決や国労5・27臨大闘争弾圧を加え、団結を犯罪と見なす「共謀罪」の新設や、労働組合法改悪による労働者の団結権否定の策動を強めている。
 だが、どんな弾圧も、全世界の労働者の決起を押しとどめることはできない。それは帝国主義打倒―プロレタリア世界革命の勝利までやむことのない歴史の流れだ。国際連帯の旗のもと、3・20闘争の空前の大爆発でさらに前進しよう。
 3・20闘争に向かって問われているのは、日本の東京で10万、20万の決起をなんとしても実現することだ。あらゆる労働組合、労働者に3・20決起を呼びかけよう。この闘いで小泉打倒へ、資本家と労働者の力関係を大転換させるのだ。
 19日から始まる通常国会には、北朝鮮侵略戦争のための有事関連5法案(国民保護法案、米軍支援法案など)、北朝鮮に対する経済制裁法案(外為法改悪)、年金改悪法案、労組法改悪、共謀罪新設、憲法改悪のための国民投票法案、入管法改悪など、〈外への侵略戦争〉と〈内への階級戦争〉の攻撃が目白押しだ。帝国主義の絶望的危機の中で、労働者は闘わなければ、本当に殺されてしまう時代が来たのだ。春闘―国会闘争に総決起しよう。
 1・22小牧現地闘争の大爆発へ全力で決起しよう。1・31国労中央委闘争―国鉄決戦を軸に04春闘をすべての産別・職場で戦闘的に闘おう。1・25関西新空港反対闘争に立とう。名護新基地建設阻止! 沖縄人民と連帯して、米軍基地全面撤去へ闘おう。
 革命に勝利する労働者党の建設に向かって、1・25中四国革共同集会、九州革共同集会に結集しよう。
 最後に、機関紙拡大と財政闘争に意識的に全力で取り組むことを訴える。

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週刊『前進』(2134号1面2)(2004/01/26)

最高裁反動判決に屈服し闘争終結図る本部を倒せ
 1・31国労中央委闘争への訴え

 「JR復帰」を放棄する本部

 1月31日、国労の第174回拡大中央委員会が東京・新橋の交通ビル(国労会館)で開かれる。今回の中央委は、小泉=奥田路線による日本帝国主義の生き残りをかけた戦争と一大資本攻勢に対決すべき階級的労働運動の再生に向けた大決戦である。
 昨年12月22日に出されたJR採用差別事件の最高裁反動判決を徹底弾劾し、1047名闘争の新たな発展に向けて、国労本部の現執行部、酒田一派、反動革同、チャレンジ一派を打倒し、国労の革命的再生のために闘うことを訴える。
 第一に、最高裁判決に全面屈服し1047名闘争の幕引き=「闘争終結宣言」を策動する酒田―吉田執行部を打倒することである。
 最高裁判決は、「JRに使用者責任なし」の司法判断を確定させる、断じて許しがたいものである。憲法28条の団結権保障規定と労組法を解体し抹殺する攻撃である。それは憲法改悪に直結する大攻撃だ。
 だが、そもそも4党合意で「JRに法的責任なし」を認め、訴訟の取り下げを狙っていた国労本部は、この判決に全面屈服し、「国の解決責任を求めていく」「一日も早い政治解決をめざす」として、「解雇撤回・JR復帰」に向けたJR資本との闘いを全面的に放棄することを宣言した。
 国労本部は1月13日、全国エリア委員長・書記長会議で、「国家賠償訴訟」の準備を始める方針を中央委で提起することを決定した。これには、闘争団が闘う鉄建公団訴訟を全面的に否定し、「解雇撤回・JR復帰」の闘いを最後的に投げ捨て、闘争団を切り捨てようとする反動的意図が貫かれている。
 この訴訟方針自体、「政治解決」を求めて「政府側が前向きに応じなかった場合、速やかに提訴する」というものだ。4党合意の破棄により全面的に破産した、敵と闘わない「政治解決路線」にしがみつき、一刻も早く闘争終結を図ろうとするものなのだ。
 さらに重大なことは、これと一体のものとして、「全国の闘争団の体制を整理する方針」を打ち出すということだ。闘争団員22人の権利停止処分を居直り、すべての闘争団員を組織から切り離すことさえ狙っているのだ。そうして国労の自己解体―連合合流を強行しようとしているのだ。
 今回の中央委から、場合によっては臨時大会、定期大会の過程が、その重大な決戦となった。
 酒田一派、反動革同、チャレンジ一派ら裏切り者どもを一刻も早く退陣させ、なんとしても国労からたたき出さなければならない。

 動労千葉に学び連帯して

 第二に、JR資本の第2の分割・民営化攻撃粉砕へ、JR資本と徹底的に闘いぬくことである。
 JR東日本の車両メンテナンス第V期計画―検修基地・工場の大再編を始め、職場を奪い、安全を徹底的に破壊する大リストラ・合理化攻撃が激化している。貨物の賃下げ、格差賃金、さらに04春闘での「賃金の白紙的見直し」=年功賃金・定昇制の解体が狙われている。JR本体の組合員は、今や闘うことなしには生きられない。「政治解決路線」によってJRとの闘いを徹底して抑圧してきた国労本部を打倒し、職場の怒りを今こそJR資本とJR総連にたたきつけよう。
 その闘いの道筋を動労千葉が示している。今こそ、動労千葉に学び連帯して闘う時だ。そして、国労、全動労(建交労)、動労千葉が一体となった1047名闘争の発展をかちとろう。

 国労弾圧被告の闘いに続け

 第三に、最高裁判決と同日に保釈をかちとった国労5・27臨大闘争弾圧の8被告の不屈の闘いに続き、彼らの闘いを心から称揚し、ともに闘うことである。
 被告のうちJR西日本、JR貨物に所属する組合員は職場復帰―就労を果たした。あくまでも闘争団切り捨てに反対し、団結権を守り、国労本部打倒を求めて闘ってきた彼らの正義はあまりにも明らかだ。その闘いは、すべての闘う労働者を激励し、闘えば勝てるという気運を生み出している。裁判闘争に絶対に勝利しよう。弾圧の張本人である酒田ら反動執行部どもを打倒する、最先端の闘いである。
 このように国鉄労働運動をめぐり、87年国鉄分割・民営化以来の大反動攻撃が襲いかかっているのは、国労と1047名闘争を根絶しない限り、連合による新たな「産業報国会化」も完成しないからだ。
 国労・国鉄労働運動の階級的再生をかちとり、1〜2月イラク派兵阻止闘争と3・20の10万、20万労働者の国際反戦大統一行動の最先頭に、なんとしても闘う国労の旗を打ち立てようではないか。そのことが、国家権力・資本との力関係を変え、第2の分割・民営化攻撃粉砕、1047名闘争勝利をかちとる道なのだ。その緒戦として1・31国労中央委闘争に立ち上がろう。

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週刊『前進』(2134号2面1)(2004/01/26)

全逓委員会の04年決戦宣言
小泉=奥田路線と対決し郵政民営化阻止へ闘おう
 全逓中央打倒、119中央委闘争へ

 大激動の04年を迎え、闘う全逓労働者、すべての労働者の仲間に年頭のアピールを送ります。日帝・小泉政権は昨年12・9にイラク派兵を閣議決定し、自衛隊の派兵を強行している。他方、日本経団連・奥田は、04春闘に向け、国益主義むき出しの方針を打ち出している。04年、小泉=奥田路線による“海外への侵略戦争と自国内の階級戦争”に対して、国鉄、全逓を始め、あらゆる産別・職場が激しく激突する戦場となる。世界の帝国主義が全面的破局の時代に突入した中で、世界革命―日本革命の成否がかかった階級決戦情勢に突入していることをしっかりと確認しよう。腹の底からの階級的怒りと“チャンス到来”の時代認識をもって闘い抜こう。殺人的深夜勤の2月実施を阻止し、3・20国際反戦闘争に大結集しよう。

 <新指導路線>実践し3・20国際反戦闘争へ

 まず、04年前半の戦略的方針を明らかにしたい。
 日帝・小泉=奥田は、帝国主義間の市場争奪戦・勢力圏分割戦の相互絶滅戦争の現実の中で、存亡をかけて政治・国家体制、労資関係、社会体制の全面的な「構造改革」を階級戦争的に遂行しようとしている。
 これに対して、首都・東京におけるイラク開戦1カ年3・20国際反戦闘争で数十万の労働者人民の政治決起を実現し、グラグラの反動小泉政権を打倒することだ。そして、この闘いの大きなうねりは必ずや全逓労働者の階級性を呼び覚まし、郵政民営化阻止・連合全逓中央打倒の水路となることは間違いない。
 〈新指導路線>を実践し、11・9労働者集会でかちとった国際主義の旗を高く掲げ、戦闘的階級的労働運動の発展と帝国主義打倒の闘いを実現するために、動労千葉の労働運動に学び実践しよう。3・20国際反戦闘争の組織者として最先頭で闘い抜くことを、すべての闘う全逓労働者に声を大にして訴えたい。
 この1〜3月過程は、大きな歴史的転換点である。01年9・11で歴史は変わり、昨年のイラク侵略戦争がそれをさらに加速した。イラク開戦をめぐる米英日と独仏の対立という形で、帝国主義ブロック同士の対立が明らかとなり、泥沼化したイラク侵略戦争が現在も進行している。
 そこに小泉が戦後初めて日帝の軍隊である自衛隊を派兵し参戦するのだ。それは、日帝が国益のために、その帝国主義間争闘戦の泥沼に足を踏み入れるということであり、日本帝国主義の本性をむき出しにするということである。
 また、ムスリム人民を先頭とする帝国主義に対する激しい怒りと闘いが巻き起こり、それと連帯する反戦闘争が03年に全世界で数千万人規模で起きた。それは、ベトナム反戦闘争を上回る闘いだ。戦争に反対する闘いと、世界の労働者にかけられている大失業・資本攻勢に対する闘いが一体となって、労働者人民の総反乱が起きたのである。04年3月、国際連帯を求めて、昨年を上回る世界の労働者人民の革命的・階級的胎動が起きることは間違いない。3・20国際反戦闘争の爆発で、小泉=奥田路線粉砕、郵政民営化阻止、連合全逓中央打倒に向けて全力で闘い抜こう!
 小泉政権は、昨年4月1日に日本郵政公社をスタートさせた。4月郵政公社化をめぐる攻撃のすべてに、小泉「構造改革」と一体の攻撃である03年版経労委報告と「奥田ビジョン」の内容が貫かれている。 「中期経営計画・目標」、公社発足後に出された「アクションプラン」、「人事制度改革」による賃下げと能力給の導入や労働組合的団結破壊の攻撃、NTT型リストラ―子会社への転籍・出向の強要、さらにはトヨタ生産方式の導入などだ。
 03年版経労委報告は、全面的な賃下げと終身雇用制の解体を狙い、「春闘終焉(しゅうえん)」を呼号し、労働運動と労働組合を真っ向から否定し一掃することを宣言した。「奥田ビジョン」は、実践的結論として戦前の「大東亜共栄圏」そのものと言える「東アジア自由経済圏の形成」を打ち出した。小泉のイラク侵略戦争参戦、朝鮮侵略戦争策動と資本攻勢とはまったく一体の攻撃だ。
 04年版経労委報告はさらに国益主義むき出しのものとなっている。 第一部では、「国際競争に勝てる企業経営の課題」として、国際争闘戦に勝つために「奥田ビジョン」の徹底を掲げ、「東アジア自由経済圏」の確立へ向かって「貿易立国」から「交易立国」への転換を打ち出し、その中心に中国市場をすえている。FTA(自由貿易協定)により関税障壁を取り払い、農業や中小企業、社会保障などを切り捨てる。「高付加価値経営と多様性人材立国」と称して、一部の大資本の利益のために、大多数の労働者人民を犠牲にすると宣言している。
 第二部では、定期昇給制度の廃止・縮小、さらにベースダウン(一律賃下げ)も労使の話し合いの対象とし、「春闘」から「春討」=「春季労使協議」へ変えていくことを宣言し、労働組合運動の破壊・変質をさらに貫徹するというものだ。
 日本帝国主義は、もはや労働者階級を食わせることも、生活させることもできず、支配体制として破産しているのだ。そして“国益=資本の利益のために、賃下げも年金解体も受け入れ、アジア侵略と侵略戦争に協力せよ”と言っているのだ。このような帝国主義は労働者階級の闘いで打倒すべきなのだ。

 殺人的深夜勤導入の2月実施強行を阻め

 こうした奥田らのすさまじい資本攻勢は、連合などの労働運動指導部の屈服と転向なしにはありえなかった。経労委報告は結論として「労使、さらには政労使が一致協力して、現在の難局を乗り越えなければならない」と、連合に「現代の産業報国会になれ」と要求した。 
 こうした中で、連合は04春闘をなんら闘う方針も出さず、「組合が変わる必要がある」として定期昇給確保も投げ捨て、小泉=奥田路線に全面屈服している。
 現に連合全逓中央は、“人事制度改革、夜間労働の見直し、NTT型リストラ、アクションプランも組合側から当局への提案として出したものであり、これは組合の方針だ”と言っている。そして「公社時代に相応しい労働組合運動の構築」をキーワードに、昨年6月定期全国大会での夜間労働改悪、能力給導入、1万7000人定員削減の推進、さらには12月臨時全国大会での組合名称変更(日本郵政公社労働組合)と、組織・財政・規約改悪=全逓労働運動解体に突き進んでいる。

 成果主義賃金導入を許すな

 2月12〜13日の全逓第119回中央委員会で、連合全逓中央は、昨年12月26日に「大綱整理」=妥結を強行した「人事制度改革」=能力・実績主義の賃金制度の4月実施の承認を強行しようとしている。年功型賃金を解体し、「降任・降格」=賃下げもあり得るというものであり、国家公務員に初めて成果主義賃金を導入するものである。まさに04年版経労委報告の攻撃そのものだ。
 「コミュニケーション・ルールの見直し」とは、現場から団体交渉権を奪い取り、中央本部が独占することで、公社との密室での「合意」を組合員に押しつけるものだ。「郵政事業が……競争に打ち勝つことができなければ市場からの撤退を余儀なくされる」「労使は、公社経営を支えるパートナーであり運命共同体である」として、まさに労働組合の解体―「産業報国会」化を進めるものだ。
 さらに中央委では、社宅使用料の値上げと、世帯用は50歳で、独身用は35歳で追い出すという「社宅定年制の導入」にも承認を取り付けようとしている。
 殺人的夜間労働の2月強行実施に対する怒りをも爆発させ、今こそ中央本部を総退陣に追い込む時だ。
 連合を先兵とする労働者支配の大転換の攻撃は、実は日帝の労働者支配の破綻(はたん)点だ。今や労働者の生存そのものが脅かされる時代が到来しているのだ。闘う労働者の団結がある限り、連合路線と連合指導部は労働者の階級的憎悪の対象となり、連合支配は必ず崩壊する。公明党に支えられた脆弱(ぜいじゃく)な小泉政権と連合支配を頼みの綱とする奥田路線は、一度労働者人民の闘いに火がつけば、必ずや粉砕できることは間違いない。

 日本労働運動の存亡がかかった全逓決戦

 全逓労働運動は、国鉄労働運動とともに常に日帝の攻撃との決戦場となってきた。戦後労働運動の戦闘的背骨をなしていた春闘=賃闘、そして戦後労働運動総体を牽引(けんいん)してきた国鉄、全逓さらには教労、自治労、この4大産別の労働運動を解体することが、日帝の“外に向けての侵略戦争、内に向けての階級戦争”の中軸にある。
 郵政公社発足から1年、さらに強まる民営化攻撃との闘いは、国鉄決戦と一体となった、21世紀の労働運動の存亡をかけた階級決戦となっている。
 まさに、全逓の78越年反マル生実力闘争の前夜を思い起こさせる情勢が到来している。日帝の全体重をかけた攻撃が現場労働者に激しく襲いかかり、これに対して階級性と戦闘性を守り続けてきた全逓労働者の怒りが、既成指導部を踏み越えて必ずや噴出する。郵政民営化攻撃との闘いの勝利は、階級決戦全体の革命的高揚の中でこそ、かちとることができる。
 78越年闘争の爆発は、当時の階級情勢と密接に結び付いていたからこそ、治安問題として発展し、日帝を震えあがらせた。そこに勝利の展望があったからこそ、労働者階級の敵カクマルが労働者の物ダメ闘争に敵対し、全逓中央は闘争の終結のために総力をあげた。また、日帝はその報復として、58人の免職を始めとする79年4・28の大量処分に踏み切ったのである。
 今、日本においても、全世界の労働者人民と連帯して有事法制下の闘う労働運動として、陸・海・空・港湾労組20団体を始めとする労働組合を中心とした広範な決起が始まり、継続されている。動労千葉・動労総連合と戦闘的国労組合員を先頭とする国鉄決戦は、4党合意を粉砕し、国労中央の裏切りを粉砕して発展し正念場を迎えている。日帝国家権力の国労5・27臨大闘争弾圧と完黙・非転向で闘い抜いて奪還された国労の仲間とともに「許さない会」の運動が大衆に大きく広がりつつある。
 こうした闘いと連帯し、一体となって、全逓決戦に総決起する時が今なのである。3・20闘争の爆発で、小泉=奥田路線と対決し、郵政民営化阻止、連合全逓中央打倒の大道を必ずやこじあけよう。
 わが全逓委員会は、〈新指導路線>を実践し、会議・機関紙・財政の党活動の3原則を貫いて不抜の党建設をかちとる。そして、新生マル青労同建設の最先頭に立つ決意である。

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週刊『前進』(2134号2面2)(2004/01/26)

動労千葉 結成25周年の旗開き
 「鉄路に生きる」誇り高く 反戦・組織拡大春闘へ

 動労千葉は1月10日、千葉市のDC会館で「2004年団結旗開き」を開催した。今年は、79年3月31日に動労千葉地本が動労本部から分離・独立し、現在の動労千葉が結成されてから25周年に当たる。国鉄分割・民営化攻撃に対する激闘を始め、四半世紀にわたる歴史を刻み、新たな出発点とするにふさわしい熱気に満ちた“闘春”を迎えた。組合員を始め150人が結集した。
 君塚正治副委員長が「25年間、動労千葉が組合の原則にのっとって闘ってきたことに勝利の展望がある。1年間、元気に闘いぬく」と開会あいさつし、田中康宏委員長が年頭のあいさつを行った。
 田中委員長は、「イラク派兵は戦争するためであることは明らかだ。04年は歴史の分岐点だ。動労千葉は未来に向かって、労働者こそが社会の主人公だという気概で、この現実に立ち向かう。結成25周年の節目の年に問われていることは、動労千葉が労働組合らしく胸を張って団結を守ってきた、その原点を再確認することだ。組合員が動労千葉を信頼し、誇りを持ち続けてきたことに尽きる。中野洋前委員長の『俺たちは鉄路に生きる―2』に凝縮されている動労千葉の歴史と教訓を全組合員がかみしめ、打ち固めることを新たな出発点にしたい」と訴えた。
 04年の闘いの課題について、「3・20国際反戦闘争に数十万の労働者が大同団結して結集することが、われわれの闘いを前進させる。04春闘は反合・運転保安、団結権・年金・生活防衛、そして1047名闘争勝利、JR労働運動再生をかけた春闘だ。大幅賃上げを掲げ、3月ダイ改を山場に闘う」と訴えた。そして、「JR東労組の分裂の焦点は千葉だ。今年こそ、平成採を結集させ、組織拡大を実現しよう」と檄(げき)を飛ばした。
 三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長は「労農連帯の両輪として、地球の平和まで闘いぬく」とあいさつし、動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士は「昨年12月22日に最高裁反動判決が出た。同じ日に国労弾圧被告の組合員が保釈をかちとった。闘いが強まれば不当労働行為も強まる。この時代に動労千葉に関与していることを誇りに思う」と語った。家族会、OB会、中江昌夫前船橋市議、水野正美勝浦市議、中村俊六郎御宿町議ら、多くの来賓、支援者があいさつした。
 中野洋前委員長が「昨年は二ついいことがあった。11・9集会の国際連帯と、JR体制を打破する風穴を開けたことだ。『俺たちは鉄路に生きる』のスローガンを発展させよう」と訴えて乾杯の音頭をとった。
 「勝負の年が来た!」。04年にかける組合員の意気込みが伝わった。

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週刊『前進』(2134号2面3)(2004/01/26)

労組3団体呼びかけで 女たちの集会 “イラク派遣即刻中止を”

 1月13日午後、航空労組連絡会議長の内田妙子さん、日本新聞労連中央執行委員長の明珍美紀さん、日本医労連中央執行委員長の田中千恵子さんの3人の呼びかけで、小泉首相に対する「自衛隊のイラク派遣の即刻中止を求める緊急要請」の申し入れが行われた。続いて午後2時から衆議院第1議員会館第1会議室で「自衛隊のイラク派遣の中止を求める女たちの集会」が行われ、女性を中心に160人以上の労働者・市民が参加した。
 「女たちの集会」では冒頭、日本医労連の田中委員長が集会の位置づけと経緯について発言し、「昨年末に3人で集まり、やむにやまれぬ思いで『できることから行動を起こそう』と一致し、今日の行動を呼びかけるにいたった」と報告した。続いて航空連の内田議長が「私たちは働く者として命と安全を守る責任を負うために、小泉首相に『自衛隊のイラク派遣の即刻中止を求める緊急要請』の申し入れを行ってきました」と報告し、「自衛隊のイラク派遣によって、自衛隊が犠牲になるような事があってはならないと同時に、イラクで人を殺したりすることも許されるものではありません。……私たち3団体は、医療・報道・航空の労働者として……国民の命と安全を守る立場から日本国民を危険にさらす自衛隊のイラク派遣に反対です。……戦争状態が続くイラクへの自衛隊派遣の即刻中止を求める」という要請書を紹介。また緊急の呼びかけにもかかわらず61人・4団体から賛同が寄せられていることを報告した。
 リレートークでは労組・労働者の立場から、女性運動に取り組む立場からなど活発な発言が続いた。日本共産党の井上美代参院議員、社民党の福島瑞穂党首も参加し発言した。
 閉会のあいさつに立った新聞労連の明珍委員長は「私たちは日本の敗戦後、『戦争のためにペンは握らない。輪転機はまわさない』と誓ってきた。今日をきっかけに、さらにイラク派遣反対の運動を強めよう」と訴えた。
 戦争に真っ先に動員される航空、報道、医療の労働者が、自衛隊のイラク派兵を阻むため、ナショナルセンターの枠を越えて緊急行動に立ち上がった。「こういう取り組みを大きく広げ、力をあわせてイラク派兵を阻もう」という思いを熱くする集会となった。
   ◇   ◇
 陸・海・空・港湾労組20団体は昨年12月12日、「有事法制の先取りとなる自衛隊のイラク派遣に反対する共同アピール」(別掲)を発し、業務従事命令の対象となる労働組合に賛同を呼びかけた。賛同団体は昨年末で12団体にのぼる(全建総連、出版労連、新聞労連、全港湾、動労千葉など)。戦争動員を拒否する労働者の闘いを大きく広げ、自衛隊のイラク派兵を阻止しよう。

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週刊『前進』(2134号2面4)(2004/01/26)

20労組 有事法制の先取りとなる自衛隊のイラク派遣に反対する共同アピール

 国連と世界中の世論の反対を押し切って開始されたイラク戦争は5月の大規模戦闘終結宣言後も戦闘状態は続き、最近ではテロ行為のイラク国外への拡散化とともに、イラク国内においては戦闘がいっそう激化しています。11月29日には、イラク国内で日本人外交官が殺害される事件も発生し、こうしたなかで政府は12月9日、「復興支援」を名目にイラクに自衛隊を派遣する基本計画を閣議決定しました。
 しかし、現状のイラクは米英の占領下にあり、かつ戦争状態にあることは米軍自身が認めているところで、こうした状況下での自衛隊派遣は占領政策支援とならざるをえず、イラク国内の混乱に拍車をかけることが危惧されます。国際テロ組織アルカイダの指導者を名乗る人物が「自衛隊をイラクに派遣すれば、東京にテロ攻撃を加えると警告した」との報道もされており、自衛隊を派遣すれば日本が報復攻撃の対象となる可能性が極めて高くなり、日本国内はもとより、世界中の日本国民と日本企業に働く人々への危機が増大する恐れがあります。
 イラク特措法では「民間協力」が謳われており、自衛隊派遣とあわせて民間協力が行われれば事実上の戦争協力とならざるをえず、そのことはまた、業務従事命令や有事法制の先取りと受けとめざるをえません。
 私たちは、イラクへの自衛隊派遣の中止を強く求めるとともに、「有事法制を完成させない、発動させない」取り組みを引き続き強めていきます。  以上
 2003年12月12日

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週刊『前進』(2134号2面5)(2004/01/26)

世界の労働運動 イラク
 抵抗の軸に労働運動が 70%の失業率に怒り爆発

 日帝・小泉政権は昨年12月9日の「基本計画」閣議決定をもってイラク侵略派兵に踏み切った。日本の労働者階級人民の自衛隊イラク派兵阻止闘争が死活的に求められている。この闘いと3・20国際反戦闘争の勝利に向け、イラクで爆発的に高揚を開始したイラク労働運動を紹介したい。

 職を求めてデモ

 フセイン政権崩壊後、イラクにおいて続々と労働組合が結成され、労働運動が高揚している。
 1月3日には陸上自衛隊の派兵が予定されているイラク南部のサマワで失業労働者2千人とイラク警察が激突し銃撃戦にまで発展した。1月13日には南部のクークで失業労働者約1千人が職を求めてデモに決起し、ウクライナ軍と衝突した。抵抗闘争の中軸に労働者階級が立っているのだ。
 失業者労組を含むこれらの労働組合は、ナショナルセンターを結成してCPA(米英暫定占領当局)と闘っている。

 続々と組合結成

 バース党独裁のフセイン政権時代、石油産業を始め大多数の産業が国営化されてきた。フセイン政権は、1987年制定の法律によって国営企業における労働組合を禁止し、多くの労組活動家を処刑・投獄してきた。その結果、多数の活動家が地下にもぐり、海外に亡命してきた。残った労組は御用組合化し、フセイン政権の労働者支配の先兵になった。
 だが、米英帝によるイラク侵略戦争によりフセイン政権が崩壊したことで、イラク国内に続々と新たな労働組合が結成されている。ある種の「戦後革命的」事態が今、イラクにおいて現出しているのだ。
 第2次大戦後、イラクでは石油産業がきわめて重要な位置を占めてきた。圧倒的な石油産業の存在によって、イラク国内はかなり工業化された。98年の推計によれば労働力に占める農業人口の割合は30%にまで減少し、サービス業448%、工業22%となった。この結果、イラクにおける抵抗闘争の中軸を、都市部の工業やサービス業で働いている労働者階級が担うことになっているのだ。

 CPAの弾圧

 CPAは、このイラクの労働者階級の決起を徹底的に弾圧している。CPA代表のブレマー長官は、フセイン体制下で制定された労組弾圧法を撤回するどころか維持すると表明した。占領政策にとって労働組合がじゃまだと言うのだ。
 アメリカ占領軍は昨年12月6日、イラクのナショナルセンターの一つであるイラク労働組合連盟(IFTU)の本部を襲撃し、組合の活動家8人を逮捕した。これに対して、アメリカのUSLAW(全米反戦労組連)や、イギリスのSWC(戦争阻止連合)は、抗議の声を上げている。全世界の反対を前に、米軍はその後8人を釈放した。
 イラクの失業率は70%だと言われている。国連などが昨年10月に発表した報告書でも50%だ。これは、長年にわたる国連の経済制裁と、米英帝の侵略戦争、さらにCPAが、フセイン元大統領の影響を除くという口実で、公務員や軍人を大量解雇したことが原因だ。
 一方、職に就いている労働者には、激しい賃下げと解雇攻撃が襲いかかっており、労働者はストライキで闘っている。
 米帝が進めているイラクの国営企業の民営化攻撃は重大だ。すでにCPAはイラクの多くの企業を、米副大統領チェイニーが最近まで代表を務めていた石油大手ハリバートン社や、プラント建設大手のベクテル社、建設大手フルーア社などに入札抜きで払い下げている。さらに米帝はアメリカが発注するイラク復興事業の元請け企業から仏、独、露など開戦に反対した国は除外した。
 イラクの労働者階級は、米帝の帝国主義的利害むき出しの民営化攻撃と最も戦闘的に対決している。アメリカやイギリスの反戦団体は、このイラクの労働者階級の決起に注目し、連帯を呼びかけている。
 自衛隊イラク派兵を阻止し、3・20国際反戦闘争に東京で数十万人のデモを実現しよう。
 (湯村宏則)

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週刊『前進』(2134号3面1)(2004/01/26)

年金改悪・大増税に反撃を 政府予算案 労働者犠牲に大資本救済
 帝国主義支配は破産している

 昨年末、小泉政権は04年度政府予算案と03年度補正予算案を決定した。その中身は、年金制度改悪を始めとした労働者階級人民への生活破壊を押し貫く一方で、一握りの大銀行・大企業の延命のために依然として巨大な資本救済費を支出し、イラク戦費にも多額の金をつぎ込もうというものだ。小泉政権が奥田・日本経団連と一体となって推し進める「外への侵略戦争」と「内への階級戦争」の攻撃は、国家予算においてもむき出しになった。日帝は、労働者人民を食わせていくこともできなくなると同時に、凶暴な侵略戦争にのめり込もうとしているのだ。しかもこの予算には、戦後最悪の財政赤字という形で、帝国主義の歴史的命脈が尽きたことが明確に刻印されている。自らつくりだした巨大な矛盾を解決できない帝国主義は、労働者階級によって打倒される以外にない。

 戦後最悪の国債依存度 累積債務は719兆円に

グラフ 国債残高と国債依存度 まず、日帝の国家財政は、すでに破綻(はたん)状態にある。04年度の新規国債発行額は36・6兆円に達する。国債依存度(財政収入全体に占める国債発行額の割合)は44・6%と戦後最悪だ。
 04年度末の累積国債残高は483兆円に達する見通しだ。地方自治体の債務も含めれば、長期債務残高は719兆円にも上る。GDPの144%に匹敵する巨大な額だ。GDPを超える長期債務を抱える国は、帝国主義諸国の中では日本とイタリアだけだ。イタリアでさえ、それは117%ほどの水準だ。日帝の累積債務の規模は、ずば抜けて大きい。「財政再建」を旗印に登場した小泉政権のもとで、財政赤字はとめどもなく拡大したのである。
 財政赤字を生みだした責任の一切は日帝資本にある。バブル崩壊以降、資本救済のために繰り返し発動された景気対策こそ、これほどまでの財政赤字の原因だ。とりわけ98年以降は、大規模な資本減税が繰り返される一方で、毎年30兆円を超える国債が発行され、そのもとで膨大な資本救済費がつぎ込まれてきた。
 日帝は、こうした赤字政財から脱却することも、このまま赤字財政を続けていくこともできない。膨大な資本救済支出を止めれば、日本経済は直ちに奈落の底に突き落とされる。かといって、赤字財政を続ければ、その先にあるのは国家そのものの破産だ。
 04年度の国債発行額は、それが本当に消化できるのかどうかという水準に達しつつある。借換債の発行額も84・5兆円と過去最大の規模になる。これは、03年度より9・5兆円も大きい。バブル崩壊後、大量に発行された国債が次々と償還期を迎える中で、今後、借換債の発行額も必然的に増大する。金融の超緩和状態の中でかろうじて維持されている国債バブルが崩壊すれば、総計で110兆円を超える国債発行計画はたちまち破産しかねない。事実、昨年6月に10年物国債の金利は0・5%を割り史上最低になった(国債価格は上昇)かと思うと、9月には1・6%に急上昇(国債価格は下落)した。きわめて不安定な状態が続いているのだ。
 現在、国債の最大の保有者は銀行だ。膨大な不良債権を抱えた銀行に湯水のように注ぎ込まれた公的資金は、国債に化けた。それが累増する中で、今や銀行は国債暴落におびえ、財政当局は国家が借金できなくなる事態におののいている。それは日帝にとってはただならない危機である。帝国主義は国家財政でも体制的に破産しているのだ。
 それを小泉は、すべてを労働者人民に押しつけて、危機を暴力的に突破しようとしているのだ。

 年金課税で家計に負担 人民は生きていけぬ

グラフ 税収構成比の推移 これまで小泉は、「財政再建」の名のもとに労働者人民への大増税と社会保障制度の切り捨てを強行してきた。04年度は、それがさらに激しく貫かれる。家計の負担増は、増税と年金保険料の増額を併せて、総計1兆円を超えるともいう。
 すでに昨年度の税制改悪で、今年1月から配偶者特別控除の上乗せ部分を廃止することが決まっている。地方自治体が徴収する住民税も、来年1月から引き上げられる。
 年金への課税も来年1月から重くなる。老年者控除(現在50万円)は廃止、公的年金控除も縮小される。年金収入が年300万円の世帯の場合、年間の増税額は6万2000円に上る。
 これは年金改悪と一体をなす攻撃だ。現在13・58%の厚生年金保険料率(労資折半)は、10月から0・354%引き上げられる。保険料率の引き上げは、18・35%に達するまで毎年続く。国民年金の保険料も、05年4月には月額600円増となる見通しだ。
 他方で、年金給付は大きく削られる。04年度は物価スライドで0・2〜0・3%の支給減となるが、さらに大幅な削減がたくらまれている。現在の年金給付水準は、夫婦2人の高齢者世帯の年金収入が現役の男性労働者の平均年収の59%となるように設定されているが、やがてはこれを50%にまで引き下げるというのである。約15%の削減だ。
 しかもそれは、厚労省が設定する「モデル世帯」を前提にした数値だ。「モデル世帯」には、現行制度のもとで月23万円程度の年金を受給している層が想定されている。「モデル」に当てはまらない大多数の層では、支給減は3割以上にもなる。
 国民年金しかもらっていない人びとの平均受給額は、月5万円そこそこだ。その年金が15%も30%も削られたら、とうてい生きていくことはできない。退職後の労働者は死んでも構わないというのである。こんな改悪は小泉政権もろともたたきつぶす以外にない。

 消費税増税への突破口狙う

 これに伴い、消費税の大増税が強行されようとしている。昨年末の与党合意では、遅くとも09年度までに年金財源の国庫負担率を3分の1から2分の1に引き上げ、そのための「安定した財源」の確保について07年度までに結論を出すことが確認された。「安定した財源」とは、消費税以外にありえない。
 日本経団連は、昨年1月の「奥田ビジョン」で消費税率16%化、18%化を打ち出した。04年版経営労働政策委員会報告でも、消費税増税を声高に叫んでいる。
 社会保障制度の中でも最も大きな位置を占める年金制度の改悪に小泉政権が手を着けてきた背後には、奥田らブルジョアジーの強烈な階級意志がある。彼らは、社会保険料の企業負担を徹底的に削減するために、年金をなきに等しいものにしようとしている。他方でもともともの“宿願”である消費税率の大幅アップを軸とした大衆収奪を貫こうとしているのだ。
 今日、奥田・日本経団連は、さらなる法人税の軽減を迫っている。すでにこの間、資本に対する減税は繰り返し行われてきた。98−99年にかけて法人税率は37・5%から30%へと大きく引き下げられた。03年度には「投資減税」「研究・開発減税」と称して1・3兆円もの法人税減税が行われた。04年度には、株式譲渡益や土地譲渡益への課税が軽減される。こうした資本減税のつけは、すべて労働者人民に回されるのだ。
 すでに、日帝の税収構造は大きく変容を遂げている。消費税の税収は法人税の税収を上回っている。所得税の累進税率も大きく緩和されている。その上さらに消費税の増税が加われば、税収の大半を大衆課税に依存する戦前型の税収構造が完全に復活する。

 税金で高速道路は建設 小泉構造改革粉砕へ

グラフ 国から地方への財政支出 さらに歳出面でも、大資本の延命のために労働者に犠牲を集中する構造は露骨に貫かれている。
 銀行救済のために、預金保険機構に新たに2兆円の政府保証枠が設定された。これにより銀行への公的資金の投入枠は59兆円に拡大する。大銀行の延命のために今後も膨大な税金をつぎ込み続けるということだ。
 小泉改革のペテンと反動性は、道路公団問題にも現れている。小泉政権は“採算のとれない高速道路建設を中止し、約40兆円に上る道路公団の債務を処理するために日本道路公団などを民営化する”と称してきた。ところが昨年末の政府・与党合意では、05年に日本道路公団などを分割・民営化するが、不採算路線を含む高速道路の建設は依然として続けることが確認された。建設費用は民営化後の新会社に負担させ、従来はなかった「新直轄方式」を新設して3兆円の税金を直接つぎ込むことさえ決められた。建設資本や自動車資本の利益、支配階級の巨大な利権は温存されたのである。
 他方で小泉は、構造改革の名のもとに公務員や特殊法人労働者の権利を奪い、全労働者階級への資本攻勢を激化させ、中小企業や農民をも切り捨てようとしているのだ。ここに小泉改革のペテンと反人民性がある。労働者人民の怒りで粉砕しなければならない。

 イラク戦費で軍事費拡大へ

 さらに許しがたいのは、軍事費拡大に向けてのとば口が開けられようとしていることだ。
 03年度補正予算には1188億円、04年度予算には317億円の「イラク復興支援経済協力費」が盛り込まれた。イラク派兵に伴う自衛隊経費は135億円だ。また、ミサイル防衛システム構想の費用として1068億円が計上された。
 イラク人民は、命をかけた民族解放戦争に立ち上がっている。それを圧殺するために、労働者人民から搾り取った税金がつぎ込まれるのだ。しかも、ひとたびイラク侵略戦争に参戦すれば、日帝は米英帝とともに際限のない泥沼にはまり込むことになる。イラク戦費の計上は、軍事費の無際限の拡大への留め金を外すものになりかねない。
 さらに、警察官や刑務官の増員、入国審査体制強化のための予算も大きく増えた。イラク戦争と一大資本攻勢に対する全世界の労働者階級と被抑圧民族人民の怒りが高まり、国境を越えた闘いが広がりつつある中で、日帝はそれをむき出しの治安弾圧で抑え込もうとしているのだ。

 地方自治体に矛盾おしつけ

 小泉政権は、国の地方自治体への補助金、交付金を削減し、財源を地方に移譲する「三位一体の改革」なるものを唱えてきた。
 自治体財政は、バブル崩壊後、国の景気対策、恐慌対策に重ねて動員されてきた結果、崩壊寸前の状況にある。補助金・交付金の削減は、国家財政の危機を自治体に転嫁し、自治体を文字どおりの破産に追い込むものだ。
 地方交付税交付金は、前年度比6・5%の大幅減となった。削減は5年ぶりだ。地方財政の規模自体も、国の方針のもとで厳しく抑え込まれている。
 小泉は「自治体への補助金を1兆円削減した」とうそぶいている。それにより、公立保育所運営費の補助や、教育労働者の退職金に充てるべき義務教育国庫負担金が削られた。
 地方財政へのこうした犠牲強要の一方で、財源移譲はいまだに何ひとつ決まっていない。自治体に譲るべき税源など国にはないというのである。そのため、04年度予算案では、国の税収の一部を地方に回す「税源移譲予定交付金」や「所得譲与税」の制度が設けられた。実質的にこれらは補助金や交付金と変わらない。
 だが、それはあくまで「経過措置」だ。自治体財政を極度に締めつけ、労働者人民の生活に密着する予算をどこまでも削り取ることが小泉の狙いだ。
 今や、帝国主義のもとでは労働者人民は生きてはいけない。帝国主義は、一握りの大銀行・大企業の延命のために人民の生活を破壊し、侵略戦争で命まで差し出せと叫んでいる。だが、それは帝国主義自らがつくりだした支配の破綻の結果なのだ。帝国主義を打ち倒す歴史的チャンスは到来した。1〜2月イラク派兵阻止、3・20国際統一行動と春闘を一体のものとして闘い、プロレタリア世界革命への大道を押し開こう。
 〔岩谷芳之〕

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週刊『前進』(2134号3面2)(2004/01/26)

介護保険大改悪許すな 利用料を2〜3倍化 20歳から保険料徴収

 厚生労働省は1月8日、介護制度改革本部を発足させ、介護保険の大改悪作業に着手した。介護保険利用の自己負担を現行の1割から2〜3割に引き上げ、特別養護老人ホーム入所者からは住居費などとして月5万円程度を徴収し、さらに保険料徴収の対象を現在の40歳以上から20歳以上に引き下げるというものである。厚労省は6月末までに素案をまとめ、9月末に厚労省試案を示し、12月に改革大綱をまとめ、05年通常国会で介護保険関連法の改正法案を成立させ、05年度から強行しようとしている。1月2日には財務省が介護保険制度の見直しについて上記の方針を打ち出しており、小泉内閣の基本方針として介護保険制度大改悪が強行されようとしているのである。
 怒りを込めてこの攻撃を徹底弾劾する。労働者人民の怒りの総決起でこの大改悪を阻止し、“介護は全額公費負担せよ”の大運動を推進しよう。
 福祉を解体する介護保険制度の実施以来4年近くになるが、その生み出してきた現実はどのようなものか。年金など収入の少ない高齢者は、利用料の1割自己負担があるために必要な介護を受けることを削減、あるいは断念せざるをえなかった。それまでは収入の少ない人については自己負担なしで公費で介護が受けられたのだ。さらに、65歳以上の第1号被保険者から保険料が徴収されるようになり、収入の少ない高齢者は生活していけない現実が生み出された。
 こうした中で、介護を受けたいのに受けられず孤独死する高齢者、悲観した高齢者夫婦の心中、介護殺人という事件まで全国各地で引き起こされている。これは日帝の政策による高齢者(人民)虐殺であることをはっきりさせなければならない。しかも、こうした「事件」に至らなくても、介護保険実施による高齢者のうめきは全国各地に充満しているのである。
 厚労省は介護保険利用者の増加、介護サービスの給付費の伸びを改悪の根拠としてあげている。しかし、低収入の人は保険料は取られるが介護サービスは受けられない。反面、高収入の人は、これまで全額自己負担で介護を受けていたが、1割の自己負担になったことで介護を受けやすくなったという事情もある。低収入の人から徴収した保険料によって、高収入の人が介護を受けるという逆転構造になっている。
 利用料を2割もしくは3割に引き上げるということは、この構図を一層強くするということだ。低所得者からますます介護を奪おうとしているのである。

 住居費も徴収 施設追い出し

 さらに特養など施設入所者から「ホテルコスト(住居費や光熱費など)」として月5万円を徴収すれば、そのお金が払えない人は施設から追い出されることになる。
 十分な介護が受けられるのなら、地域(自宅)で暮らしたいというのは、誰もが願うことである。しかし福祉がきわめて貧困な現実の中で、施設入所を選択せざるをえなくなっている。介護保険実施によってこの傾向はますます強まり、施設不足が深刻な問題となっている。ところが政府は、必要な介護施設を充実させるのではなく、入所者の費用負担を一挙に激増させることによって低所得者を施設からたたき出そうとしているのだ。
 さらに、保険料徴収の対象を20歳以上に引き下げることは、大増税、大衆課税にほかならない。日本経団連は、年金・医療と絡めて介護を論議することによって、消費税の18%化を狙っている。国家と資本が生き残るために、労働者人民・高齢者に一層の犠牲を強いようとしているのである。
 介護保険の強行に対し、介護保険に異議あり!全国ネットワークを始め、全国の高齢者は怒りに燃えて介護保険廃止の闘いに立ち上がっている。「介護は全額公費負担で」のスローガンを掲げ、区や市などの自治体、厚労省との交渉を重ね、保険料・利用料の減免などを要求して闘っている。こうした闘いが全国の高齢者を勇気づける一方、東大阪では国保と健康を守る会・介護要求部会の4年間にわたる闘いで、昨年ついに保険料減免制度を実現させた。
 厚労省はこうした高齢者の怒りや闘いに真っ向から敵対し、利用料の大幅引き上げ、保険料負担の拡大を強行しようとしているのだ。
 この攻撃を絶対に許してはならない。しかもこの攻撃は、小泉政権が自衛隊をイラクに派兵し、イラク侵略戦争に参戦しようとしていることと一体の攻撃である。大資本が生き残るために膨大な資金を投入する一方で、すべての犠牲を高齢者や労働者人民に転嫁しようとしているのである。介護保険制度の大改悪を許さず、介護保険廃止に向かって全力で闘いぬこう。

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週刊『前進』(2134号3面3)(2004/01/26)

“農地死守の原則貫く” 三里塚反対同盟 団結旗開きで闘争宣言

 三里塚芝山連合空港反対同盟の04年団結旗開きと新年デモが1月11日に行われた。
 午前10時、暫定滑走路に真横から突き刺さる形で延びる開拓道路に反対同盟を始め約100人が結集した。直近でジェット機が轟音(ごうおん)を立てて離着陸をくり返している。伊藤信晴さんが反対同盟の04年闘争宣言を高らかに読み上げた。
 「2004年の新年を迎え、反対同盟はますます意気高く闘いぬいている。成田空港民営化のための暫定滑走路延長攻撃を粉砕し、成田空港を使った自衛隊のイラク出兵と総力をあげて闘う決意である」「『労農連帯』の旗のもと、動労千葉を始めとする闘う労働者と連帯して闘おう。陸自派遣阻止の1・16現地闘争に決起し、3・28全国集会で民営化を迎え撃ち、暫定滑走路延長を阻止する三年間決戦に勝利しよう」
 事務局長の北原鉱治さんが、東峰神社裁判の勝利や敷地内の生活防衛闘争などの昨年の闘いを振り返り、「闘ったからこそ神社の土地も奪還できた。人権も闘わないと守れない」と総括した。自衛隊のイラク派兵について「反対同盟は38年間、軍事空港反対のスローガンで闘ってきた」と派兵阻止闘争への決起を呼びかけ、世界の労働者・農民との連帯を訴えた。
 法政大学の学生が派兵阻止の決意を表明し、イラク侵略戦争開戦1年目の3・20に東京で100万人のデモを実現しようと訴えた。顧問弁護団事務局長の葉山岳夫さんは、空港公団による市東孝雄さんの耕作地の底地の買収を「農地強奪」「農民殺し」と厳しく糾弾し、「農地死守」の原則で闘うことを訴えた。
 その後、開拓道路から東峰十字路を抜け、市東さん宅の防護林の植林の成果を確認し、団結街道をデモ行進した。デモ終了後、東峰神社へ移動し、北原さんが東峰神社裁判の勝利に至った経過を説明しながら、神社の鳥居に新しいしめ縄を飾り、暫定滑走路の延長阻止を祈願した。

 公団の脅迫に市東さん怒り

 午後は成田市内の焼き肉屋へ会場を移し、団結旗開きが行われた。約150人が駆けつけ、盛大な旗開きとなった。反対同盟の木内秀次さんがあらためて04年闘争宣言を読み上げ、北原さんが年頭のあいさつを行い、鈴木謙太郎さんが乾杯の音頭をとった。
 続いてあいさつに立った市東さんは、耕作地の底地を買収した空港公団が1月15日までに契約を解除するとした脅迫文書を送ってきたことを明らかにし、「はらわたが煮えくり返る思い」と強い怒りを示し、「祖父、父が70〜80年耕作してきた土地。農地死守で闘う。逆に闘志がわいた」と決意を表明した。
 北富士忍草母の会の天野美恵事務局長、動労千葉の田中康宏委員長、動労水戸、都政を革新する会の長谷川英憲さん、関西実行委員会の安藤真一さん、婦人民主クラブ全国協、革共同の天田三紀夫書記長などのあいさつが続いた。
 最後に事務局次長の萩原進さんが東峰神社裁判勝利を報告し、3・28全国集会に大結集して、暫定滑走路延長を阻む3年間決戦に立つことを訴え、団結ガンバローで締めくくった。

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週刊『前進』(2134号4面1)(2004/01/26)

革共同各地方委員会 04年の決意(下) 戦争と資本攻勢に反撃を

 東北地方委員会 労組拠点を打ち立てて戦時下の階級決戦へ

 東北地方委員会はイラク派兵突入下の階級決戦を死力を振り絞って闘いぬくことをきっぱりと決意する。そしてすべての労働者人民に陸自北部方面隊(第2師団・旭川)のイラク派兵−イラク侵略戦争への参戦を阻止するために、職場生産点からの根底的決起と街頭への進出を統一して総決起することを熱烈に訴える。
 石破防衛庁長官は1月9日、派兵命令を下した。16日編成完結式−先遣隊派兵に続き、1月下旬に施設部隊(80人)、2月中旬に本隊(440人)が派兵されようとしている。それは戦後体制を一変させ、日帝を再び侵略戦争へ突入させる歴史的反革命攻撃だ。
 日帝・自衛隊のイラク派兵がイラク侵略戦争への参戦=イラク人民の民族解放闘争の圧殺である以上、一定の必然性をもって「日本版9・11」のようなゲリラ戦争が日本国内で発生する。この時、帝国主義者の反革命的・排外主義的扇動に屈したら、労働者階級の闘い(反戦政治闘争と資本攻勢との闘い)は窒息させられてしまう。そうなれば日帝は、引き続いて北朝鮮侵略戦争に突入していくにちがいない。それゆえに、ここで階級的闘いを打ち立てることができるかどうかに日本階級闘争の命運がかかっているのだ。
 この歴史的階級決戦に勝利する道は労働者階級の根底からの総決起を実現することである。陸・海・空・港湾労組20団体は自衛隊のイラク派兵に反対する共同アピールを発した。有事立法を「完成させない。発動させない。従わない」と宣言した労働者階級の決起は、その闘いで自らの未来を切り開く歴史的過程に突入している。
 問われているのは革命党だ。労働者階級の中へ入り、自衛隊イラク派兵が日帝の侵略戦争への参戦であることを階級的に暴露し、決起を促そう。「危険だから行くな」という運動ではなく、祖国敗北主義を貫く戦時下の階級闘争をここで本当に爆発させなければならないのだ。
 そのために闘いの二つの方向を鮮明にさせよう。第一に、東北の全県下に階級的労働運動(労働組合)の拠点を打ち立てずに、戦時下の階級闘争を闘いぬき勝利することはできないということである。動労千葉のように、「外への侵略戦争、内への階級戦争」と真っ向から対決する労組の拠点を激動情勢の中でこそ性根を据えきって闘いとることだ。新指導路線の貫徹が問われている。われわれは昨年の階級的攻防を経て、その可能性と大いなる展望をがっちりとつかむことができた。4大産別に党の拠点を打ち立てよう。
 第二に、決定的な時に決定的な党的闘いが必要だということである。派兵阻止現地闘争を戦闘的大衆闘争として断固としてたたきつけよう。学生戦線はその最先頭に立って闘い、労働者階級の闘いを支え牽引(けんいん)しよう。労働者の反戦闘争への決起は職場生産点における階級的決起をつくりだす決定的バネに必ずなるだろう。反戦・反軍闘争へのカクマルの敵対を粉砕し、北海道の労働者人民と圧倒的に合流して、陸自先遣隊−施設部隊−本隊派兵を阻止する大闘争に立ち上がろう。そして、3・20国際反戦統一行動の歴史的爆発を実現しよう。
 同時に、反戦政治闘争と資本攻勢との闘いを一体的に推進しよう。戦時下の資本攻勢は労働組合運動にかかわる一切合切を攻撃対象とする。04春闘は小泉−奥田路線との死活をかけた攻防戦だ。この闘いをとおして、全金本山を軸に東北での新潮流運動の一大発展をかちとろう。
 国鉄決戦は、動労千葉の存亡をかけた闘いと固く結合し、国労の最も戦闘的な拠点を一掃する大合理化攻撃とのかつてない闘いに突入している。この試練にうちかち国労の階級的再生をかちとっていこう。
 全逓労働者は、郵政民営化にむけたトヨタ方式なる徹底した労働者奴隷支配の攻撃と対決し、職場における階級的団結の強化−党建設へ不退転の決意で突き進もう。
 自治体労働者は反戦政治闘争の先頭に立ち、階級的原則を貫いて不抜の拠点建設へ邁進(まいしん)しよう。教基法改悪−改憲決戦への総決起を教育労働者を先頭に実現しよう。民間職場における苦闘を地区党建設に結実させよう。
 労働運動は党派闘争=権力闘争である。機関紙『前進』を軸とした原則的な党活動こそ勝利の原動力だ。『前進』をいつも鞄(かばん)に入れ労働者オルグに飛び回ろう。
 昨年の新生マル青労同結成を受け、各県下に支部が立ち上げられている。東北地方委員会はこの結成を感動をもって全面的に支持し、青年労働者の自主性・主体性へ全幅の信頼を寄せてともに一千人組織建設へ闘いぬくことを誓う。マル学同はきょうだい同盟としてこれに負けず劣らず自己の飛躍をかけて組織建設へ驀進(ばくしん)しよう。
 イラク侵略戦争は帝国主義世界戦争の始まりであり、同時にプロレタリア世界革命の新たな時代の始まりなのだ。6回大会の「反帝・反スターリン主義世界革命の旗のもと、万国の労働者と被抑圧民族は団結せよ!」のスローガンを掲げ、11・9労働者集会で切り開いた国際連帯の新次元をさらに発展させるために闘いぬこう。東北地方委員会はその先頭に立って闘うことを決意する。

 北海道地方委員会 カクマルを追撃・打倒し労働運動地図を変える

 イラク侵略戦争への自衛隊派兵と大資本攻勢、∧外への侵略戦争と内への階級戦争∨をめぐる、戦後最大の激突が不可避となっている。わが北海道地方委員会は、労働運動の闘う潮流の前進を基礎としてイラク派兵阻止と国鉄の2大決戦を軸に04年を全力で闘う。
 11・9労働者集会で資本攻勢とイラク侵略戦争に対する国際的共同闘争が始まった。闘う被抑圧民族人民と連帯し、労働者階級の団結した闘いで、世界戦争の危機をプロレタリア世界革命に転化しよう。
 昨年前半の3大決戦の総括を経て確立された新指導路線は、階級的戦闘的労働運動の前進を基軸に今日の情勢に全面的に立ち向かう実践的な指針である。11・9の成功がその正しさを実証したが、その真価の発揮はまさにこれからだ。
 軍事占領に対するイラク人民の闘いは民族解放・革命戦争として発展している。そこへの派兵はイラク人民の虐殺と自衛隊員の戦死を引き起こす。自衛隊のイラク派兵阻止闘争と3・20国際反戦闘争の爆発で日帝・小泉政権を追いつめよう。
 イラク派兵は北朝鮮侵略戦争参戦の決断に重なっている。自衛隊の実戦部隊化と参戦なしには、北朝鮮−中国侵略戦争からはじき飛ばされ、米帝との争闘戦で惨敗するしかない。日帝は、帝国主義として生き残るために再びアジアと日本の人民を犠牲にしようとしている。
 イラク派兵の攻撃は、戦時下に対応した社会保障・福祉切り捨てなど、社会の全面的改造、大資本攻勢の決断とも重なる。労働者人民の生活と生存を守る闘いを派兵阻止の闘いと結合して闘おう。
 「国民の過半数のイラク戦争反対は戦後の権利の教育の結果だ。国のために死ぬ義務を教育すべきだ」という発言が噴出している。イラク派兵は教育基本法改悪にも直結している。
 1月6日、派兵第2陣の第11師団の長である竹田は、さっぽろ雪まつり協力団の編成完結式で「会場付近で筋違いな抗議行動、度が過ぎたデモがあったら撤収する」と訓示した。北部方面総監部は、イラク派兵に賛成しない上田・札幌市長に雪まつり協力を口実に転向を迫っている。「君が代」の斉唱をやめて弦楽4重奏に代えた市の新年祝賀会にも欠席した。地元への経済効果が大きい行事を人質にして、軍部が侵略戦争への翼賛を強制する事態が発生しているのだ。
 自衛隊の言動の背後には、イラク現地の情勢と労働者人民の過半数が反対している国内情勢のもとで派兵を強行することによって、隊内が動揺することへの恐怖がある。その恐怖を現実のものとする大闘争で派兵を阻止しよう。雪まつりが吹っ飛ぼうと、侵略戦争を阻止しよう。
 自衛隊幹部の思惑と一般隊員の意識との矛盾はかつてなく拡大している。資本家階級の利益と安泰のために、下級兵士が殺し合いに行かされる。「侵略戦争への出兵命令を拒否せよ」と訴え、良心的隊員を労働者階級の側に獲得しよう。
 わが北海道地方委員会は03年、圧倒的に前進した。
 イラク侵略戦争、有事3法、北海道からの自衛隊のイラク派兵策動と対決し、国鉄闘争の蓄積が切り開いた地平で労働者人民とともに闘いぬいた。大衆運動への全面的登場をつうじて「20労組や動労千葉のように闘おう」「闘う朝鮮人民と連帯して、イラク反戦闘争をイラク・北朝鮮侵略戦争粉砕=有事立法反対闘争へ発展させよう」と訴えて共感を集めた。
 カクマル中央派の敵対を粉砕して、彼らに孤立とジリ貧を強制し、他方、軍事輸送に屈する北鉄労=JR総連を大衆運動の場からはじき飛ばした。
 労働運動においても、9月の国鉄連帯まつりを闘争団と支援の労働者人民とともに成功させ、10月の寺内らによる国労脱退−分裂組織旗揚げに対しても、闘う国労組合員とともに闘った。沖縄に次ぐ高い失業率のもとで激しい資本攻勢に直面している労働者の主体的決起とともに歩み、階級的労働運動の前進を切り開いてきた。
 わが地方委員会は、11・9を新たな出発点に、北海道の労働運動の地図を一変させる闘いに挑戦する。
 動労千葉の闘いと国労5・27臨大闘争弾圧粉砕闘争の前進は、国鉄闘争の1047名闘争としての発展の巨大な展望を切り開いている。派兵阻止決戦と国鉄決戦の戦略的結合で、カクマルを追撃して打倒する好機が到来している。
 国鉄攻防を軸に民間中小を始め全産別で労働運動の新たな潮流を発展させる。
 これら一切は、労働者階級に根を張った革命党の建設にかかっている。とりわけ新たに結成されたマルクス主義青年労働者同盟の圧倒的な発展が決定的だ。わが北海道地方委員会は、新指導路線の実践の先頭に立って闘い、さらに巨大な組織的前進を実現する。

 東海地方委員会 1月小牧闘争の爆発と3・20国際反戦総決起を

 米帝ブッシュはイラク侵略戦争をもって世界戦争へと突入した。日帝・小泉は12・9派兵計画をもってついに侵略戦争に踏み出した。
 そして、この戦後史を画する情勢下で、3・20イラク開戦1カ年に全世界でイラク反戦の大統一行動が闘われる。03年の2千万人を上回る壮大な国際反戦闘争の爆発は必至である。そして、日本においても、60年安保―70年安保・沖縄決戦以来の、10万、20万人の労働者階級人民の反戦デモが実現されようとしている。
 今、世界で起きていることは何か。それは、侵略戦争に突入した帝国主義のもと、それと一体的に資本攻勢などが強まり、もはや労働者階級人民が生きていけない状態にたたきこまれていることである。そして、この「外への侵略戦争、内への階級戦争」に対して、世界の労働者階級人民の反乱が燎原(りょうげん)の火のように広がっている。
 日本の労働者階級人民は今こそ立ち上がろう。とりわけ、1〜3月自衛隊のイラク派兵をなんとしても阻止し、国際反戦闘争の先頭で闘いの旗を打ち振ろう。
 そして、闘う勝利の方向性は、3労組共闘のもとにかちとられた昨年の11・9労働者集会の大高揚によって明らかとなっている。
 一つは、新指導路線の実践である。11・9集会の成功は、新指導路線の実践をとおしてかちとることができた。それは「党の革命」の実現をもって切り開くことができた。
 二つは、国際連帯の実現である。3100人を超す集会参加者は、日韓米の闘う労働組合が一堂に会したことを目の当たりにした。これこそ労働者階級の国際連帯であり、階級的団結の現れだった。これまで「文字」としてしか確認されなかった「万国の労働者団結せよ!」が、目の前で実現したのである。
 労働者階級は本質的に国際的存在である。それがブルジョアジーによって分断され、排外主義によって対立させられているのだ。だが11月労働者集会は、この鎖を解き放ち、国際主義のもとに万国の労働者が団結するという、歴史的な地平を切り開いたのである。
 三つは、階級的労働運動の推進である。動労千葉の労働組合運動の核心は、資本攻勢との闘いと反戦闘争の一体的推進である。11・9の国際連帯を実現した直接的契機こそ、動労千葉の03春闘ストだった。
 四つは、マルクス主義青年労働者同盟の結成である。11・9とこの快挙は一体のものである。そして、動労千葉型の階級的労働運動の担い手こそ、マルクス主義青年労働者同盟に結集する青年労働者なのである。
 東海地方委員会は、04年をこれまでにない胸の鼓動の高まりと躍動感をもって迎えている。それは、昨年の新指導路線の実践をとおして、04年の展望をたぐり寄せることができたからである。
 04年を偉大な勝利の年として切り開く方針は何か。
 @〈戦時下の階級闘争〉の厳しさを見据え、新指導路線の道をとことん進むことである。新指導路線は、労働運動・労働組合運動を本当に実践・実行し、労働者細胞建設に絶対的に勝利していくことを基本とする。日帝がいよいよ侵略戦争に打って出る事態を迎えた今、これを打倒する闘いは、労働者階級に深く広く根を張る闘いを本当にやりとげることにかかっている。これを「党の革命」を貫徹することをとおして実現するのである。
 A3・20国際反戦闘争の大爆発をかちとり、自衛隊派兵阻止・小泉政権打倒の一大突破口を切り開くことである。
 小泉は元日に靖国参拝を強行した。これは、日本の労働者階級に対してイラク人民虐殺と国家のために命をささげよと強制する一大反革命宣言である。
 そして、04春闘をめぐる情勢の特徴は、日本帝国主義が、その生き残りをかけて戦争と資本攻勢を激化させていることにある。3・20は、この「外への侵略戦争、内への階級戦争」に対する、怒りに満ちた労働者階級の歴史的反撃となる。この闘いで階級情勢を一変させていくのだ。
 とりわけ強調したいことは、1〜2月の派兵阻止闘争の爆発なくして3・20の勝利はないということである。戦後史を転換する侵略戦争への参戦という一大反革命攻撃としてのイラク派兵に対して死力を尽くして反撃することなしには、日本階級闘争と革共同の未来はない。3・20はこの1〜2月の渾身(こんしん)の総決起をとおして初めてかちとることができる。
 東海地方委員会は、1月の空自本隊派兵阻止の小牧現地闘争に全力で決起する。12月小牧闘争は、東海の闘う労働者人民の総決起を軸に偉大な勝利を実現した。1〜2月決戦は、小牧・旭川・呉の闘いが結合し、日本列島を揺るがす大決戦となる。
 東海カクマルは今日、路線的混迷と衰退の道に転がり込んでいる。東海カクマルを打倒する情勢をたぐり寄せた。反革命カクマルを絶対粉砕・打倒し党建設の前進をかちとる決意である。

 北陸地方委員会 新指導路線を全力実践 プロレタリア革命開け

 ついに帝国主義の基本矛盾が全面的に爆発し、世界戦争へと行きつく時代、日帝が深々とその渦中に突入していく時代が始まった。03年3・20米帝のイラク侵略戦争突入−12・9自衛隊イラク派兵基本計画の閣議決定はその最大のメルクマールだ。帝国主義が死の苦悶(くもん)にのたうち回る時代への突入である。労働者人民を食わせて行けなくなった帝国主義、殺戮(さつりく)と抑圧、搾取と収奪を繰り広げる帝国主義を1日も早く打倒すること――このことが世界の労働者階級と被抑圧民族人民の共同の課題、歴史的事業として現実化してきた。
 04年こそ世界戦争か世界革命かをかけた決定的な年であり、すでにその決戦は開始されている。革共同はこの歴史的事業を成し遂げるために、新指導路線を03年3大決戦の総括を進めるなかで確立した。そしてその第一歩を11・9労働者集会を戦闘的労働者とともにかちとるなかで切り開いた。
 外への侵略戦争と内への階級戦争が激しく襲いかかる現在、労働者の階級的=国際的連帯と共同行動が、世界の闘う労働者階級の根底からの結合と帝国主義打倒の力を引き出し発展させる。このことを、日韓米の闘う労働者は11・9をかちとるなかで体感し、わがものとした。労働者国際主義がひとつの現実としてつくりだされたのだ。ここに革命勝利の道がある。11・9の地平を打ち固め、04年を闘いぬこう。
 体制的危機に立つ日帝が侵略戦争に踏み込んだなか、全党員が新指導路線を全面的に実践し、プロレタリア革命を何としてもかちとろう。自らと党の飛躍・変革を今までのあり方を打ち壊して成し遂げよう。
 北陸地方委員会は労働者と労働組合の中に入り、労働者細胞を建設し、革命的労働者党の実体をつくりあげることを活動の軸に据えきり、そこに絶えず立ち返り総括していく。その実践と討議の中で路線的一致を不断にかちとり、一丸となって、この最も困難で厳しい、しかしこれしかない勝利の大道を突き進む。
 03年の世界的なイラク反戦闘争の高揚のなか、北陸においても労働者人民は既存の枠を越えて主体的決起を開始した。その闘いは年末年始から3・20国際反戦闘争への連続的決起として爆発しようとしている。昨年来の闘いの教訓をつかみとり、運動の発展と労働者階級全体の決起をつくりだすために全力を尽くす。
 日帝の侵略戦争を阻止するために決起した労働者は資本攻勢に対して階級的怒りをもって反撃に立ち上がる。労働者の中へ大胆に入り、動労千葉の労働運動、3労組陣形−新潮流運動を広めていく。04春闘にむけて開始された労組交流センターの組織拡大の闘いを全面的に支持しともに闘う。外への侵略戦争、内への階級戦争が激しくなればなるほど、この二つを全一体のものとして闘い、階級的で原則的な労働運動の飛躍的前進を必ずや切り開く。
 とりわけ重要なのは青年労働者の獲得だ。結成された新生マル青労同を青年が青年を組織する青年同盟として発展させることを最重要の課題として全力で闘いとる。そのためにも青年労働者同志の積極性と主体性を引き出す組織へと自己変革していく。
 北朝鮮侵略戦争の最前線基地となる石川県小松基地は昨年、「10・4協定」の改悪、新管制塔の建設と機能強化を進め、空自隊員がイラクへ派兵されている。兵士獲得−基地撤去の闘いを地元住民とともに闘う。
 核兵器製造施設である高速増殖炉「もんじゅ」をめぐる闘いは、地元福井県住民を先頭とする全国の労働者人民の闘いによって、昨年1月27日、控訴審で完全勝利判決をもぎ取った。日帝の改造工事着工を許さず、「もんじゅ」解体まで闘いぬく。
 日帝のイラク侵略戦争への本格的参戦と北朝鮮侵略戦争策動の強まりは、差別・抑圧攻撃、対北朝鮮排外主義の攻撃を激化させている。この攻撃との闘いは、昨年の北朝鮮籍貨物船入港拒否に対する弾劾闘争や戦争責任追及・戦後補償要求闘争の大きな前進にみるとおり、労働者国際主義、祖国敗北主義で武装された戦闘的な大衆闘争をつくりだす。
 学生戦線では、富山大で大衆的自主的拠点を破壊する攻撃に対し、学生の大衆的反撃をつくりだしている。1月冒頭からこの大衆的決起をイラク反戦闘争への決起と一体のものとして実現するなかで、学生戦線こそが反戦闘争を力強く牽引(けんいん)する。すべてをマル学同建設に結実させ、富山大の拠点化をさらに進める。
 北陸カクマルは「イラクでの日本外交官殺害は米軍の謀略」と主張し、労働者人民の闘いからはじき飛ばされるなど、情勢の激動化と労働者・学生の大衆的決起のなか、路線的破産から組織的危機を一層激しく深めている。ファシスト的に純化する脆弱(ぜいじゃく)北陸カクマルを打倒し一掃する。
 北陸地方委員会はすべての獄中同志を必ず奪還することを誓い、連帯して闘いぬく。新指導路線の本格的実践を成し遂げ、労働者国際主義の闘いで大激動期をこじ開ける決意である。

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週刊『前進』(2134号4面2)(2004/01/26)

もんじゅ廃炉に 運転再開策動弾劾 全国から700人が結集

 12月6日、「03もんじゅを廃炉へ! 全国集会」が地元敦賀市で原子力発電に反対する福井県民会議などの呼びかけで開催されました。1月27日の名古屋高裁金沢支部の住民側完全勝利判決を引き出した運動の力に確信も深く、地元住民を先頭に全国の闘う労働者、学生、市民700人が参加しました。
 日帝は、核武装政策の根幹となる核兵器施設(核爆弾材料として最適の98%の高純度プルトニウム生産工場)であるもんじゅの建設に対し、「国の安全審査に重大な誤りがあり、原子炉設置許可は無効」とした勝利判決をもぎ取った労働者人民の闘いに打撃を受けています。そのため安全問題を完全に居直り、国益を前面にたてて改造工事を強行しようとしており、県の専門調査会は改造工事後は安全との報告書を11月10日にまとめ、県と敦賀市は03年中にも工事の事前了解をだそうとしていました。
 そうした運転再開=改造工事着工の策動に怒りの反撃をたたきつけたのです。
 午前、白木海岸での小木曾原告団事務局長らの発言やもんじゅゲート前での国と核燃サイクル機構への抗議声明で強く弾劾し、その策動を許さず、もんじゅを廃炉にすることをあらためて参加者全体の決意としました。
 午後、勤労福祉センターで開かれた集会では、もんじゅ訴訟弁護団の吉村弁護士から「国上告理由への反論」が講演されました。国の上告理由は、安全審査には重大な違法があってもそれにより事故が発生する明白性の証明が不十分であるとか、まったく誤ったものであると指摘しました。
 集会の後、参加者は会場から敦賀駅前までデモ行進を力強く貫徹しました。
 富山大学学生自治会と北陸労組交流センター、関西反戦共同行動委員会の闘う仲間は、核兵器施設=もんじゅ解体、自衛隊イラク派兵阻止を訴え、地元住民を始め全国から参加した労働者人民とともに闘いぬきました。
 カクマルは、11月29日の日本外交官に対するイラク人民の怒りのゲリラ戦闘は米軍の謀略であると主張し、本格的参戦に踏み込む日帝・小泉政権との闘いを解体し、もんじゅ廃炉の闘いを解体しようと策動しましたが、会場から怒りの声が巻き起こり、惨めにも破産しました。
 もんじゅ解体=日帝の核武装阻止、イラク反戦・自衛隊派兵阻止の労働者人民の闘いの一層の高揚をかちとろう。
 (投稿 T・M)

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週刊『前進』(2134号4面3)(2004/01/26)

日誌 '04 1月1日〜13日
 陸自先遣隊30人に派兵命令 小泉が元旦に靖国参拝強行

●靖国神社参拝 小泉首相は靖国神社に参拝した。首相としての参拝は4年連続4回目で、元旦の参拝は初めて。「中国とアジア人民の反対を顧みず参拝したことに強い憤りを表明する」「今後、首相の参拝がないよう韓国政府として強力に促したい」など中韓政府が抗議。(1日)
●国民投票法案「次期国会で」 自民党の中川秀直・国会対策委員長が改憲の具体的な手続きを定める国民投票法案について「この国会で議論を始めるべきだ。参院選の議論の中心にもなる」と述べ、1月19日召集予定の通常国会に提出する方針を明言した。(4日)
●武器輸出3原則、民主見直し容認も 民主党の菅代表がNHKで、ミサイル防衛(MD)に伴う武器種出3原則の見直しについて「私たちもMDの必要性は感じている。それを進めるうえで、見直しが必要かは検討の余地がある」との考えを示した。(4日)
●自民、改憲めぐり「公聴会」 自民党が1月16日の党大会で採択する04年の運動方針案を決めた。05年に党の新憲法草案をまとめ党主催の地方公聴会を開くなど、改憲に向けた運動の段取りを盛り込んでいる。(6日)
●国連「イラクの環境破壊深刻」 イラク侵略戦争での軍事行動の結果、同国内で放射性物質や化学物質の汚染による深刻な環境問題が数多く起きているとする国連環境計画(UNEP)の報告書が明らかになった。報告書は米英軍による劣化ウラン弾の使用を確認するとともに、汚染地区を数カ所特定。周辺住民や環境への影響調査などの対策が急速に必要と提言した。(7日)
●公明党が陸自派遣を了承 公明党は拡大中央幹事会でイラクへの陸自先遣隊派遣について執行部一任を決めた。執行部はすでに了承の方針を決めており、公明党の賛成で政府・与党の自衛隊派兵の条件が整った。(8日)
●ジュネーブ条約追加議定書の批准へ 日本政府は、紛争時の捕虜の扱いや住民の保護などを定めたジュネーブ条約追加議定書について、19日召集予定の通常国会で批准の承認を求める方針を固めた。条約を履行するための国内法として非人道行為処罰法案、捕虜に関する法案も通常国会に提出する。(8日)
●教育基本法案 政府・与党は、19日召集の通常国会への教育基本法改正案の提出を断念した。(9日)
●陸自先遣隊に派兵命令 石破防衛庁長官が陸上自衛隊の先遣隊にイラク派兵命令を出した。航空自衛隊本隊(約150人)にも派遣命令が出された。(9日)
●「政権発足時から戦争検討」 オニール前米財務長官がイラク侵略戦争に絡み、「ブッシュ政権は01年の発足直後から、サダム・フセインを取り除く必要があるという信念があった」とCBSテレビに語った。(10日)
●民主、06年までに「憲法のあり方」 民主党の菅代表が党大会で「憲法公布から60年目にあたる06年までに、国民的運動を集約する形で、民主党としての新たな憲法のあり方を国民に示せるようにしたい」と述べ、06年までに党として独自の改憲案をまとめる考えを改めて表明した。小泉首相は「憲法改正は、与党と野党第1党が協力した方がいい。発議には3分の2が必要だ。民主党がそういう考えなら十分協力できる」と述べた。(13日)
●幕僚長の定例会見廃止 防衛庁は、毎週1回行っている陸海空各自衛隊トップの幕僚長による定例記者会見を19日以降廃止すると国内の主要新聞・通信、テレビ各社が加盟する防衛記者会に通告した。あわせて週1回の防衛庁副長官、週2回の官房長の定例会見も取りやめるとした。防衛庁幹部によると、福田官房長官にイラク報道をめぐる情報漏れの責任を問われ、その際に「制服組の会見数を減らす」と約束したという。(13日)

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週刊『前進』(2134号5面1)(2004/01/26)

1・22小牧闘争の戦闘的爆発へ
侵略派兵と階級戦争しかける小泉を大衆反乱でうち倒そう

 日帝・小泉政権は昨年12月9日、イラク派兵の基本計画を発表し、本格的な自衛隊のイラク侵略派兵の強行に踏み切った。日帝は二度と引き返せない帝国主義侵略戦争、世界戦争への道に突入したのだ。ここに日本の戦後は完全に終わり、新しい戦争の時代、戦時下の階級決戦に入った。日帝・小泉政権はイラク侵略戦争への突入をもって戦後的な階級関係と諸権利を粉砕し、一大資本攻勢と治安弾圧、改憲攻撃を画次元的に激化させようとしている。このことを見据えて、戦後民主主義的、平和主義的な感覚を払拭(ふっしょく)し、帝国主義を打倒する労働者階級人民の根底からの決起をかちとるために闘おう。3・20国際連帯闘争に10万、20万人の空前の反戦デモを実現し、日帝・小泉政権を打倒する労働者人民の決起のうねりをつくりだそう。そのために、小泉が振りまく国家主義・国益主義、排外主義に貫かれた侵略戦争のイデオロギーを、労働者階級の立場から徹底的に粉砕しよう。1・22小牧現地闘争に全力で立とう。小牧・北海道・呉を始め1−3月派兵阻止決戦を戦闘的に闘い、3・20へ労働者人民の階級的決起の血路を開こう。

 “テロリスト生きて帰すな”これがイラク派兵の正体だ

 日帝・小泉政権は12・9「基本計画」の閣議決定をもって、イラク侵略戦争に本格的に参戦することを宣言した。小泉は労働者人民に対する正真正銘の階級決戦を挑んできたのだ。日帝・小泉の帝国主義の危機を逆手にとった攻撃に労働者人民が屈服させられるのか、それとも資本攻勢と戦争の帝国主義を打倒するのかという歴史的な階級決戦に突入した。すでに労働者人民は闘いを求めて決起し始めている。ものすごい危機と、戦後革命期以来の好機が訪れているのだ。
 小泉は12・9記者会見で「自衛隊は戦争に行くのではない」とくり返し強調することで、これが本格的な侵略戦争への参戦であることを押し隠した。同時に、小泉は「テロとの戦い」「日米同盟」を押し出し、「日本国家の意思が問われている。日本国民の精神が試されている」と、労働者人民に激しいイデオロギー攻撃をかけてきている。日帝ブルジョアジーの激しい危機感と強烈な国家意志に貫かれた日帝・小泉の攻撃の激しさを甘く見てはならない。それは民主党、共産党など野党の裏切りと屈服の中で、一定の物質力をもって労働者階級人民に襲いかかってきている。これを真っ向から階級的に批判し、労働者階級と日帝ブルジョアジーとの非和解的な対立を徹底的にはっきりさせなくてはならない。

 他民族虐殺する侵略軍隊へ転換

 自民党は「日本の伝統・文化を尊重し国際貢献に積極的役割を果たす」ということをこれからの日本の目指す国家像として憲法前文に明記する方針を固めた。“日帝の国益をかけて侵略戦争をやっていく国家をつくる”という基本路線を憲法に掲げるということだ。
 小泉は12・9発言で、憲法の理念を持ち出し、「日本国の理念、国家としての意思が問われている。日本国民の精神が問われている」と絶叫した。小泉はこの改憲攻撃に踏み込むものとして、自衛官とすべての労働者人民に“国家のために命をかけて戦うのが日本国民たるものの精神だ”と恫喝したのだ。
 「戦争に行くのではない」というのは大ウソだ。日帝は自衛隊を戦場に突入させて、他民族人民を虐殺できる侵略軍隊、帝国主義軍隊への大転換を図ろうとしている。それを目的意識的に追求しているのだ。
 石破防衛庁長官は昨年12月24日、空自派遣隊の編成完結式で「(自衛隊員が)自己を守るために必要十分な権限と装備とを付与し、自衛隊の持てる能力の最大をもって任務を遂行できるための条件を整備する」「リスクを賭けてでも守らなければならないものがこの世の中にはある」と訓示した。元陸上自衛隊北部方面総監・元陸将の志方俊之は『朝雲(1月1日付)』で「警告や威嚇射撃を無視して検問を突破してくる人員や車両は確実にこれを破壊し、陸上自衛隊が『柔(やわ)な集団』ではないことをテロ・グループに知らしめ、自衛隊の拠点を襲ったことを後悔させなければならない。……生き残って帰ったテロリスト達は、サマーワの市民を巻き込んで次の機会に別の方法で襲撃してくることになるからだ」と述べている。日帝・軍部は“自衛隊を攻撃してきた者は一人たりとも生きて帰すな”と皆殺しを叫んでいるのだ。
 実際、派兵される自衛隊は「警告なしの射撃」でイラク人民を虐殺してもいいとされている。小泉は「テロリストに対して正当防衛はしなきゃいけない」(12月9日)などと言って、どこまでも侵略戦争を拡大していこうとしているのだ。侵略と植民地支配を「人道支援」「復興」と描き上げ、民族解放を闘うイラク人民をテロリストとして虐殺し、侵略戦争を拡大していくのは、帝国主義の典型的なやり方だ。こうした侵略戦争を許せば、国内においても労働者人民の権利が奪われ、生活が破壊され、日帝によって果てしなく犠牲が強制されていくことになるのだ。ただちに日帝・自衛隊の侵略派兵を阻止しなくてはならない。

 帝国主義間争闘戦の激化と日帝の強盗戦争への参戦

 12・9小泉発言は、米帝の「対テロ戦争」に共同=競合して参戦するという形で、侵略戦争、世界戦争に本格的に参入する日本帝国主義の決意表明である。
 イラクがどうのということが問題なのではない。米帝ブッシュの世界戦争計画がアフガニスタン侵略戦争に続いてイラク侵略戦争として本格的に発動され、帝国主義が世界戦争へと向かう侵略戦争の時代に突入したということである。その中で日帝が戦後憲法的な制約を突き破り、帝国主義の強盗戦争についに参戦したということだ。これとどう対決するのか、が問われているのだ。
 1990年代以降、米帝の歴史的な没落とソ連スターリン主義の崩壊をもって戦後世界体制が崩壊し、帝国主義の生き残りをかけた死闘が始まった。いわゆるグローバリズムの名のもとに、旧スターリン主義諸国や新植民地主義体制諸国に対する再植民地化の攻撃が大規模に行われ、帝国主義国の労働者に対する一大資本攻勢が襲いかかってきた。そしてEU通貨統合やFTA(自由貿易協定)の締結など帝国主義のブロック化・勢力圏化が進められ、帝国主義相互の市場・資源・勢力圏をめぐる争奪戦が激しく繰り広げられてきたのだ。それは同時に、帝国主義による被抑圧民族人民への搾取、収奪、虐殺の極限的な激化をもたらし、帝国主義への怒りと闘いを急速に高めた。
 グローバリゼーションによって「国境」と「国益」が消滅するどころか、帝国主義の対立と抗争はいっそう先鋭化してきた。こうした全面的な世界市場の争奪戦が帝国主義相互の関係でも、帝国主義と被抑圧民族との関係でも軍事力を抜きに争われていくということはありえなかった。
 ユニラテラリズムを掲げて、米帝の国益を一方的に押しつけるブッシュ政権の登場は歴史の画期をなした。米経済バブルの崩壊−世界大恐慌過程への突入とドル体制崩壊の危機に直面したブッシュ政権は、圧倒的な軍事力を先制的に発動し、世界を新たな米帝支配のもとに組みしき、他帝国主義の台頭を阻止する世界戦争計画の発動に踏み切った。米帝は01年9・11反米ゲリラ戦争を契機に、先鋭化する国内階級支配の危機と、帝国主義の新植民地主義体制の破綻(はたん)とスターリン主義の崩壊がもたらす世界支配の危機に対し、そこからわき上がってくる民族解放闘争を「テロ」として圧殺する侵略戦争を大々的に開始したのだ。
 これによって日帝など他の帝国主義も独自の帝国主義的な軍事力、侵略戦争を行う能力を持つ必要に迫られ、帝国主義戦争を推進する軍事同盟が新たな質をもって展開され始めた。日帝はさしあたり日米安保強化をテコに侵略帝国主義へと飛躍することを唯一の現実的な政策として選択した。

 侵略戦争めぐり2大陣営に分裂

 イラク侵略戦争は、米帝がパレスチナ解放闘争を始めとする中東支配の破綻を暴力的に巻き返し、独占的な中東石油支配権を奪取するために9・11以前から計画してきたものである。米帝は国連査察を利用した政権破壊工作や150万人ものイラク人民の命を奪った国連制裁などでもフセイン政権を転覆できなかった。それどころかイラクがフランスやロシアとの接近をはかり、石油決済をドルからユーロに切り替えるなどし、これにイランやサウジアラビアまでもが追随する局面が生み出された。これに追いつめられた米帝は選択の余地なくイラク侵略戦争に踏み切った。それは米帝とドイツ、フランス帝国主義との帝国主義間対立を基底とした戦争であった。
 米帝は世界第2位の石油埋蔵量をもつイラク石油を独占することで、他帝国主義やOPEC(石油輸出国機構)の石油支配権を奪うとともに、サウジアラビアにとってかわる恒久的な米軍基地をイラクに確保しようとしている。米帝は世界の石油資源のほとんどが集中する中東・中央アジアに覇権をうち立て、「中東自由貿易圏」を作ろうとさえしているのだ。
 独仏帝は、国連などを舞台にこうした米帝戦略を阻止するために全力を挙げた。帝国主義がイラク侵略戦争をめぐって2大陣営に分裂し、対スターリン主義対決のもとで築かれた戦後の帝国主義による国際協調体制は最後的に崩壊した。独仏帝はEU軍の司令部やEU防衛省の発足などに踏み切り、米帝への軍事対抗を強めている。

 石油利権への参入狙う日帝 アジア侵略で日米の激突へ

 日帝は世界市場・資源・勢力圏をめぐる帝国主義の争奪戦から最後的にはじき飛ばされるかどうかのぎりぎりのところに追いつめられる中で、米帝の世界戦争計画に密着してイラク侵略戦争に参戦することを決断した。日帝は中東石油利権の一角に食い込み、戦後憲法体制を打破してアジア勢力圏化へと必死で向かおうとしているのだ。
 日本共産党は自衛隊のイラク派兵を「アメリカに従属するもの」「ブッシュの言いなり」と批判する。しかし日帝は「ブッシュの言いなり」になって、イラクに派兵するのではない。日帝は日米同盟をそれしかないものとして使い切って、自らの帝国主義的利害を貫くものとして侵略戦争、強盗戦争に突入したのだ。日本共産党の「対米従属論」は、日帝との正面対決を避けるためのごまかし的な方便だ。これでは帝国主義としての延命をかけて「外への侵略戦争、内への階級戦争」をしかける日帝・小泉にたちうちできない。
 基本計画は「(イラク復興は)石油資源の9割を中東地域に依存するわが国を含む国際社会の平和と安全にとってきわめて重要である」と主張している。これは中東地域が安定しなければ石油を輸入できないというのではない。中東石油をめぐって帝国主義同士の強盗戦争になっている中で、日帝もこの強盗戦争に参戦し、石油利権をぶんどるために自衛隊をイラクに出すべきだということだ。
 しかし“イラク人民からいっさいの自己決定権を奪い、石油を始めとした国家資産を略奪しイラクを植民地化する。これに反対するものはテロリストとしてせん滅する”という米帝の軍事支配をイラク人民が認めることなど断じてありえない。日帝も米帝と同様に、後戻りのできない侵略戦争の泥沼に突入し、世界戦争に向かってどこまでも凶暴化していくしかない。
 さらに日帝は北朝鮮・中国侵略戦争を自らの戦争としてやり抜き、中国−アジア市場をめぐる勢力圏争いに踏みとどまろうと必死になっている。だからこそ日帝は日米同盟を強化し、イラク派兵と有事立法・改憲攻撃を強めているのだ。
 しかし、日帝のアジア勢力圏化への突撃は、労働者人民やアジア人民との激突ばかりでなく、いずれは必ず米帝との正面激突を生み出す。米帝はそうした日帝の野望を百も承知で、米帝戦略のもとに日帝を補完的に動員して使い切ろうとしている。それは最後は帝国主義間戦争・世界戦争に行きつくものとしてある。
 日米同盟は侵略戦争のための強盗同盟であり、世界戦争を導く同盟である。帝国主義強盗同盟を弾劾し、11・9労働者集会が切り開いた日韓米労働者階級の国際連帯をさらに推し進めよう。国民保護法制を始め有事法完成攻撃を粉砕し、北朝鮮・中国侵略戦争を阻止するために闘おう。
 現在起こっていることは、帝国主義の基本矛盾の爆発としての世界戦争過程がイラク侵略戦争をもって本格化する中で、日帝が帝国主義戦争に参戦したということである。イラク人民はこれと真っ向から対決し、民族解放闘争に立ち上がっているのだ。

 イラク人民と連帯し日帝打倒へ

 小泉は危機感に駆られて「テロに屈してはならない」「イラクを泥沼にしてはならない」と絶叫している。人民の立場はまったく逆だ。イラク人民と連帯して侵略戦争を内乱へ、日帝打倒へと闘うことこそが勝利の道である。イラク人民、ムスリム人民の闘いは、ともに勝利を切り開くべき闘いであり、日本人民の闘いへの援助なのだ。
 3月20日に、昨年の全世界2千万人決起を上回るイラク反戦の国際連帯闘争が呼びかけられ、日本人民も決起を開始している。陸・海・空・港湾労組20団体はイラク派兵反対声明を発表し、3・20国際連帯行動の軸となって闘おうとしている。動労千葉は04春闘の最先頭でストライキに決起しようとしている。全港湾は出兵陸自の荷役を拒否する実力行動を宣言した。
 労働者人民の決起のうねりを促進し、3・20に10万、20万の反戦デモを実現しよう。労働者階級の魂を揺さぶる1・22小牧現地闘争、1−3月派兵阻止闘争に激しく決起しよう。
 (早乙女優)

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週刊『前進』(2134号5面2)(2004/01/26)

北富士忍草母の会 天野美恵事務局長の戦闘宣言
天野組合長、渡辺会長の遺志守り 粟粒一つ崩れず闘いぬく

 昨年12月30日、忍草入会組合長の天野重知(しげのり)氏(忍草国有入会地を守る会会長)が肺炎のため急逝されました。享年94歳でした。心から哀悼の意を表すとともに、反戦・反基地闘争の比類なき指導者であった天野重知氏の遺志を継いで北富士闘争勝利の日まで闘いぬくことを誓います。昨年7月の渡辺喜美江会長逝去に続く悲しみの中から、重責を担って奮闘している北富士忍草母の会の天野美恵事務局長に決意を語っていただいた。(編集局)
 組合長は100歳まで生きると思っていた。日本の基地闘争であれほどの偉い人はいない。すばらしい指導者だった。そのもとで闘ってきた忍草母の会、入会組合もすばらしい。
 11月の米軍実弾演習の時、組合長は前夜から自衛隊の前にテントを張って、酸素ボンベを持ち込んで零下何度という所に座り込んだ。本当に死ぬまで、最後の最後まで闘い続けた。国会前でも有事立法から自衛隊のイラク派兵、ずっと座り込みを続けてきた。94歳になって、こんな人どこにいる、いないでしょ。
 死ぬ直前、家族に200fの梨ケ原をまだ取り戻せていないんだと話したということだ。米軍演習で座り込んだ後も、今度は塔を立てて、自衛隊に向けて徹底的にやると言って、現闘に蔵からスピーカーを出していつでも使えるように点検しておけとか、看板を書く準備をしておけとか指示していた。だから本当に命の続くかぎりの闘いだった。そういう生き方がすごいと思うよ。
 三里塚反対同盟の旗開きでも話しましたが、組合長は三里塚とは絶対に手を切ってはだめだ、動労千葉や部落解放同盟全国連、婦人民主クラブ、そういう闘う人たちと縁を切っちゃだめだと繰り返し言っていた。闘い続けなければだめだ。闘わないから負ける。途中で闘いをやめるから負ける、だから闘い続けろよと、私に言い残した。
 組合長は26歳で忍野(おしの)の村長になって、以来農民運動から入会闘争、そして基地闘争に生涯をかけた。貧乏な村を立て直すには、あの基地を取り戻すしかない、国有地を入会地として取り戻すという構想だった。戦後、米軍が入ってきて、このままじゃあ忍草は一生奴隷になるぞと、60年安保闘争の時に闘争の主体を女に切り替えて、忍草母の会をつくった。
 部落差別や朝鮮人差別のこと、組合長はみんなを集めて話をした。天皇制というものが下に下にと差別をつくった。こういう政府が仕組んだ仕掛けと闘わなければ一生政府の奴隷にされてしまう。だから政府をたたきつぶすために入会闘争を闘うんだと話していた。
 あの組合長のことだから、50年一緒に飛び歩いた会長とともにいま梨ケ原を飛び回っているだろう。天国で二人で話し合って、頑張っているだろうと思う。こういう時だから権力がいよいよ崩しにかかっているけれど、闘いを続けろという組合長と会長の遺言を守って、忍草母の会は粟粒一つも崩れない。私は先頭で闘い続ける。
 2月22日に組合長をしのぶ会を北富士で開催します。どうぞみなさん、盛大にやりたいと思いますので、寒い中ですが北富士にお集まりください。

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週刊『前進』(2134号5面3)(2004/01/26)

改憲阻止決戦シリーズ 今、問い直す侵略と戦争の歴史 第6部 総動員体制(1) 戦争支える国内体制
 天皇制教育の下で駆り立てる

 今日的なテーマ

 これまでこのシリーズは、@第2次世界大戦、A15年戦争の末路、B植民地侵略史、C日帝の中国侵略戦争、Dアジア・太平洋侵略戦争、と5部にわたって日帝の侵略と戦争の歴史を見直してきた。そこでは、主として日帝がいかに朝鮮・中国・アジアの人民に対する暴虐な虐殺と抑圧を繰り広げてきたかを振り返ってきた。
 この第6部では、それでは日本の労働者階級人民はこの戦争のもとで、どのような状態におかれたのかということを、きちんと押さえていきたい。日本の労働者階級人民は、日帝の侵略と侵略戦争を阻止することができず、自らその担い手とされていったが、その結果として自らを縛る鎖を強め、搾取と抑圧を一層許すことになってしまった。侵略戦争を可能とする国内体制がどのように構築されたのかをきちんと押さえることは、きわめて実践的・今日的な意味をもっている。
 今日日帝は、周辺事態法、対テロ特措法から有事法制を制定し、米帝と共同・競合して北朝鮮侵略戦争に突入するための体制をつくりつつある。さらに侵略戦争の続くイラクへの自衛隊本格派兵が行われようとしている。この「外への侵略戦争」は、同時に「内への階級戦争」として貫徹されることを、戦前の教訓から学んでいかなければならない。

 治安維持法制定

 日帝は、1917年ロシア革命によってプロレタリア革命の現実に直面し、その日本への波及に恐怖した。事実、22年に日本共産党が結成され、その現実性はますます明らかだった。これに対する反革命として、25年の治安維持法が制定された。それは「国体を変革し又は私有財産制度を否認することを目的として結社を組織」したものを対象としている。文字どおり共産主義革命に対する予防反革命立法である。
 戦前の日帝権力は、日本共産党に対する集中的な弾圧の上に、戦争体制を構築していった。日本共産党への弾圧はそれにとどまらずあらゆる民主主義的、進歩的な思想に対する取り締まりに拡大した。このような弾圧とそれによる日本労働者階級人民の制圧なしに中国・アジア侵略戦争と対米英帝国主義戦争の完遂はなしえなかったのである。
 日本共産党のスターリン主義的変質、プロレタリア革命綱領の欠如、日帝権力との闘いの敗北という主体的な問題によって、労働者の闘いは「帝国主義戦争を内乱へ」というレーニン的な闘いを貫徹できずに敗退し、泥沼の侵略戦争と帝国主義間戦争への道を許してしまった。日共の壊滅とともに、労働組合が解体され、産業報国会が作られ、労働者は企業と国家に組織されて侵略と戦争の担い手に転落させられていった。

 国家総動員法

 国家総動員法が38年に制定された。「戦時に際し、国家総動員上必要ある時は」として、物資、生産、金融、会社経営、物価、労働など経済のあらゆる分野で政府が統制措置を実施し、言論統制、労働運動の禁止もできるとするものであった。この年、商工省は、婦人団体に物資節約と買いだめ防止を要請した。
 国家総動員法は言論弾圧を強め、検閲と発禁を手段として、戦争に対する一切の批判的言動を取り締まっていった。言論統制は激しく、日帝軍隊が中国大陸で展開した南京大虐殺を始めとする暴虐は何一つ知らされることはなかった。朝鮮・中国・アジア人民がどれほど日帝に苦しめられ、憎しみを募らせているかを何も知らずにきた。
 女性の組織化は、「国防婦人会」として、中国侵略戦争への出征兵士の増加に伴って、「銃後の務め」として強化されていった。
 日中戦争の拡大に伴い、住民の総動員体制がつくられ、隣組が地域末端にまで組織され、連帯責任制度と相互監視体制のもとに強制力をもってがんじがらめに組織されていった。太平洋戦争末期には、防火のためのバケツリレーや米軍上陸を想定した「竹槍(たけやり)訓練」が大まじめに組織され、それに加わらない者には「非国民」のレッテルを張って丸ごと動員していった。

 強制動員で増産

 戦争経済がますます強まり、その犠牲はますます労働者人民に押しつけられることになった。
 戦時下の強制労働は、徴兵と海外派兵によって若年男子労働者が減少した中で、増産が必要とされたことによる。何よりも、日帝は朝鮮人、中国人の強制連行、強制労働によってこれを突破しようとした。そして、それとともに、国内の女性、少年少女の動員をもってのりきろうとした。
 女子勤労報国隊、女子挺身隊が組織され、軍需工場などに出動させられた。その一方で「産めよ増やせよ」の標語のもとに、結婚・出産が奨励され、次の兵士を産み育てることが女性の役割だとされた。
 学校では天皇制教育が強められ、教育勅語を暗唱させられ、「御真影」(天皇の写真)を安置した「奉安殿」への敬礼が義務づけられた。宮城遥拝(東京の皇居に向かっての拝礼)も日課となった。
 このように戦前の教育が国家支配のもとで結局戦争動員に奉仕する教育であったことを否定するものとして戦後の教育基本法がつくられた。それが今日改悪されようとしているのは、再び国家のために命をささげる青年を生みだしていくためである。
 日帝の戦争は、子どもたちにも図り知れない悲惨をもたらした。小学校は41年から国民学校となり小学生も「少国民」となって、将来の兵として鍛えられた。
 米軍による大空襲の激化の中で行われた学童集団疎開もその象徴的な現れである。疎開児童たちは家族から引き離され、空腹としらみに悩まされ、泣き暮らした。疎開しなかった学校では、勤労奉仕、防空訓練に明け暮れた。
 われわれは、この総動員体制の時代をしっかりと学び直し、二度と繰り返さないために闘わなければならない。国民保護法制の名によって何がなされようとしているのか、「有事」において何が優先され、何が切り捨てられるのか、という問題の解答は、すでにこの15年戦争の中にすべて示されているのである。
 次号以降、これらのテーマについて振り返ってみていきたい。
 (高田隆志)

 15年戦争と総動員体制

31年 9月 柳条湖事件
32年12月 大日本国防婦人会発足
37年 7月 盧溝橋事件。中国侵略戦争の拡大
   10月 国民精神総動員中央連盟発足
38年 4月 国家総動員法公布
39年 7月 国民徴用令公布
40年10月 大政翼賛会発足
   11月 大日本産業報国会結成
41年 2月 言論・出版・集会結社等臨時取締令公布
    4月 生活必需物資統制令公布
   12月 対米英戦争開戦
42年 2月 食糧管理法公布。食糧の国家管理実施
   12月 大日本言論報国会結成
43年 5月 中学生以上の学徒の勤労動員決まる
   10月 学生の徴兵猶予停止される。学徒動員
44年 1月 女子挺身隊結成
    6月 国民学校児童の集団疎開を閣議決定

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週刊『前進』(2134号6面1)(2004/01/26)

団結広場 投稿コーナー 

大学自治が問われる吉本学長の収賄事件 東北大学 K・A

 東北大学では現在、吉本学長らが地方病院から不正にカネをもらっていたことが大きな問題となっています。私たちは、学長に学生の前に出てきて「収賄事件」の全容を説明することを求め、「吉本学長の『収賄事件』真相究明実行委員会」を立ち上げました。12月16日には「これでいいのか東北大! 吉本学長の『収賄事件』の責任を問う! 12・16緊急集会」を開き、学生・市民80人の結集で大成功をかちとることができました。
 「収賄事件」が発覚してからこれまで、吉本学長は公開質問状への回答を拒否し、全容説明を求めるクラス決議も受け取らず、学内に事態の説明をほとんど行っていません。同じくカネをもらっていた玉井医学部長も、初めは「今後改めたい」と言っていたにもかかわらず、「悪いという認識はない」と主張を180度転換して居直っています。
 そして、12月12日に医学部内の調査委員会による調査結果が報告されました。これは、過去5年間だけでも45の病院から1億2500万円を受け取っていたことを認めながらも、医師派遣と病院との金銭授受は関係ないとするものでした。そして、学生・教職員に秘密で臨時評議会を開き、全学に「収賄事件ではなかった」と強引に認めさせようとしたのです。
 このように吉本学長が事件のもみ消しを図っている中で、80人の結集で集会を打ち抜き、「幕引きは許されない」という意思を学内から表明したことは決定的です。集会では、吉本学長らを収賄容疑で告発している仙台市民オンブズマンの代表である小野寺信一弁護士が講演し、「病院のカネを渡す意図(=医師派遣の見返り)を、カネをもらっていた側の都合で隠している」と調査結果を批判しました。学生からは「国立大法人化情勢下で起きた事件。大学自治が問われている。学内の運動で吉本学長を引きずり下ろそう」と力強い発言がありました。
 「事件の対応に学生・研究生が絶望する時、大学は危機に陥っていく。腐敗は内攻し東北大から精気を奪う。今こそ声を上げてください」という寄せられたメッセージのように、80人が集まって吉本学長に責任追及の声を上げたことはとても意義のあることです。そして、吉本学長に全容説明を求めるアピールを参加者全員で採択しました。
 翌日、集会アピールを提出しに行きましたが、自らの不正を認識し、追いつめられている大学当局は受け取りを拒否しました。学生無視を続け、いまだにまともな事態説明を行っていません。
 自衛隊のイラク派兵情勢のもと、大学はトップダウン体制で強権的な大学運営にされようとしています。だからこそ吉本学長の「収賄事件」とその幕引きを許さず、これからも学生・教職員とともに吉本学長に責任追及していきます。みなさん、ともに闘いましょう。

自衛官の家族らから署名に寄せられた声 神奈川 青田 健

 首都圏駅頭などで自衛隊のイラク派兵に反対する署名活動を行う中で寄せられた声を紹介します。
 20代女性。「私の兄が対馬の自衛隊基地にいます。派兵は絶対反対です」(川崎)
 20代女性。「友人が今、旭川の駐屯地にいます。2カ月ほど前に愛知の基地から移されたんです。たぶんイラク派遣のためです。どうしたらいいんでしょう。署名用紙を3枚ください。私も集めます」(千葉)
 このほかにも、「息子が愛知の基地にいる」(川崎にて50代女性)、「親戚が名寄の基地にいる」(川崎にて女性)という自衛官家族の方からも署名をいただき、「本当に頑張ってください」と多額のカンパを寄せてくださいました。
 自衛官の家族以外の方からもこんな声が寄せられました。
 「私は学校の教師をやっていますから、どういう子どもたちが自衛隊に行くかを知っています。富裕層の子どもはけっして自衛隊になど行かないんです。今日も閣議決定に反対するために国会に来ました」(40代女性。12月10日、国会前で)
 「アメリカに対するテロは、アメリカがこれまでやってきたことに対する仕返し。今、小泉の官邸でテロが起きることを心から望んでいる。自民党本部なんかも燃やされちゃえばいいのよ」(千葉にて40代女性)
 署名活動の中では、応じてくださった皆さんが「本当に頑張って」と切実な表情で訴えられます。これに対して私たちは、「頑張ります」ではダメです。「一緒に行動しましょう」と具体的な行動方針を提示すべきです。特に、「自衛官と自衛官の家族の皆さんに訴える」というリーフレットをぜひ作ってください。反戦自衛官による呼びかけをメインに、具体的な行動方針(署名など)を記したものをです。

「給料2割カット」の通告をはね返した パート労働者 矢部希理子

 私は小さな民間の会社でパートで働いている女性労働者です。もうすぐ、春闘の時期ですが、昨年の春に起こったできごとを思い出します。
 昨春、私は突然社長室に呼ばれ、こう言われました。「給料を2割下げたい。Tさんには了承してもらった。いやなら辞めてもらうしかない。君より安い金額で働く、代わりの人はいくらでもいる」
 私は突然のことで頭が真っ白になりました。どうしたらいいのかと。しかし、2割も下げられたら月の手取りが10万円を切ってしまいます。私は必死の思いで「そんなに下げられたら子どもを抱えて私は暮らしていけません」と、具体的な金額をあげて窮状を説明し、下げ幅を圧縮してくれるように懇願しました。
 その一方で「不当に首を切られたら私にも覚悟があります」と言い、「私の知っている労働組合では、仲間の不当解雇を撤回させるために取引先に押しかけている組合もあります」と必死に強く訴えました。
 社長もこんなことでごたごたするのは得策ではないと判断したのか、「この話はひとまずなかったことにするから」となりました。私は今のところ、以前と変わらない労働条件で働いています。その場で必死になって訴えたのがよかったと思っています。大手でのベアや定期昇給をなくそうという攻撃が民間中小ではもっと厳しい攻撃として吹き荒れていることを身をもって経験したできごとでした。

三里塚の皆様、反対運動展開して下さい 神奈川 W・M

 前略 前進社の皆様
 初めてお手紙を書きます。自分は近くの本屋で前進をたまに買います。12月のはじめごろだと思います。成田の土地の空港問題が新聞に取り上げてありました。自分は思うのですが、そもそも三里塚の問題は国が十分責任があると思います。70年代はじめ、時の首相佐藤が、空港のできる段階で強行採決したことが事の始まりです。話し合いもなくして、強制的に農民から土地をうばったことが悪いです。誰だって不満を言う権利はあるのではないでしょうか。日本の土地は私有財産です。社会主義国家のように国有ではありません。仮に自分が住んでいる所が同じことになったら反対します。抵抗したら、警察の(機動隊)を用いて逮捕する、これはすなわち国家の不当な弾圧にすぎないと思います。12月の裁判で、国が土地を買収したことは悪くないと書いてありましたが、不当判決ではなかろうか。裁判の判決をあきらめないで、これからも三里塚の皆様、反対運動を展開して下さい。そしてもりあげて下さい。勝利を共に御健闘を祈ります。

岡山で教育基本法改悪反対の集会とデモ 岡山 S・T

 12月20日に、岡山市内で教育基本法の改悪に反対する県民集会が開催されました。23日の全国集会と同じく「子どもはお国のためにあるんじゃない」「ここで止めなきゃ、憲法改悪への道」というスローガンを掲げ、150人の参加がありました。
 メイン企画の大内裕和松山大学助教授の講演では、「教育だけの問題ではなく、日本の将来を左右する問題」と、自衛隊のイラク派兵問題や賃下げ、リストラ等の労働問題と一体で教育基本法改悪問題の重要性を訴えました。そして、「教育基本法改悪と憲法改悪は一体である」とし、全国的で広範な運動への参加を呼びかけました。会場から、「教育基本法のことは、教育現場の労働者や子どものいる人の問題だと思いがちだったが、きょうの講演で自分たちにとっても大変なことだと実感できた」という発言もあり、今後の運動の広がりを感じさせました。
 その後、集会参加者でアーケード街をデモ。通行人にメッセージをつけた風船を配るなどして、注目を集めました。
 この企画の実行委員会は、百万人署名運動を始め、県内の労働組合、市民グループ、宗教団体など六十数団体で構成され、教育基本法改悪阻止の大きな取り組みの第一歩を記すことができました。

三里塚反対同盟の皆さんへ 神戸市 T・S

スケッチ 三里塚反対同盟の皆さんへ

 貴紙「団結ひろば」に投稿します。ていねいに読むとき、ちょいちょい読むのをさぼるときがありますが、真実と人民の道を指し示して下さることに感謝しています。ことしもよろしくおねがい致します。

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週刊『前進』(2134号6面2)(2004/01/26)

1・23天皇訪沖許さぬ 派兵情勢下の沖縄圧殺攻撃

 1月23日に、天皇が来沖しようとしている。「国立劇場おきなわ」完成記念の「こけら落とし公演」を参観するという。1995年の9・4事件を契機とする沖縄の「新たな人民反乱」に恐れをなし、以来沖縄に足を踏み入れることを避けてきた天皇が、自衛隊イラク派兵の重大情勢のもと、またぞろ沖縄にやってこようとすることに対し、心の底からの怒りをもって弾劾する。(1面に闘争要項)

 95年以来の闘いの平定狙う

 「まつろわぬ民・沖縄」を平定すること、天皇制のもとに組み敷くことを、天皇ヒロヒトとアキヒト、天皇一族、および日本帝国主義は一貫して追求し続けてきた。71年沖縄青年委員会の皇居突入闘争はこれと真っ向から対決する歴史的な闘争だった。ペテン的な72年「返還」への沖縄人民の怒りに直面した日帝は、87年の沖縄国体開催を画期点としながら、93年植樹祭、その他さまざまな催し物への参加という口実を設けては、執拗(しつよう)に天皇・皇族を沖縄に送り込んできた。だが、75年海洋博・ひめゆり火炎ビン決起、87年知花昌一氏の「日の丸」焼き捨て決起などに見られるように、その都度沖縄人民は怒りの反撃をたたきつけた。
 95年以来、日帝は天皇の沖縄行きを計画しなかった。それには理由がある。それは、「新たな人民反乱」が米軍基地と日米安保体制に対する沖縄人民の根底的な怒りの爆発であり、同時に〈72年「復帰」>から〈戦後沖縄の売り渡し>、そして〈沖縄戦>にまでさかのぼり、不可避に天皇の戦争責任の追及(日帝打倒)にまで行き着く性格のものであると認識し、恐怖したからだ。日帝・天皇と沖縄人民との非和解性がそこにある。
 そもそも「国立劇場おきなわ」は、95年沖縄の「新たな人民反乱」の平定=米軍基地・日米安保体制護持政策としてあるSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)路線に伴う「買収政策」のひとつである。沖縄人民にあくまでも基地を押しつけ、県内移設をゴリ押しする代わりに、やれ国立工専をつくってあげます、大学院大学をつくってあげます、そして108億円をかけ技術の粋を集めた「組踊り」を中心とする沖縄の伝統芸能のメッカとして、国立劇場おきなわをつくってあげます、となったものである。
 まさに「アメとムチ」のアメであり、たぶらかしである。SACO路線の基軸である米海兵隊・普天間基地の名護市辺野古への移設計画を貫徹し、日帝が「沖縄の人民反乱は終わった」と平定・鎮圧を宣言する場・式典として、国立劇場完成・天皇出席は位置付けられていたのだ。しかし、根本的にSACOは破綻(はたん)し、新基地建設計画は辺野古にクイ1本打ち込むことさえできないまま、天皇が完成式典に出席しなければならなくなった。これ自身、日帝の沖縄支配の破綻の姿でもある。

 小泉靖国参拝と一体の攻撃

 だが同時に、今次天皇来沖は、新たな位置付けと使命をもった日帝・小泉の超ど級の反動攻撃でもある。
 小泉は、元日の靖国神社参拝で今年の幕を開けた。イラク侵略戦争の泥沼化の中で日本軍・自衛隊を本格派兵し、日本の戦後史のかじを完全に転換し、帰ることのない戦争政策と戦争国家化への道をやみくもに進むという反革命的意志を表明したのである。天皇来沖は、これと完全にセットの攻撃だ。
 天皇と天皇制は、日本帝国主義にとって危機を打開するための「最後の切り札」である。米帝ブッシュのイラク侵略戦争は、北朝鮮情勢とも絡んで、日帝を根本的危機にたたき込んでいる。自衛隊のイラク派兵への人民の反対の声を押し切ると同時に、支配階級内部にある動揺をも押しつぶしていくためにも天皇を担ぎ出したのだ。天皇来沖は、破産的事態に立ち至ったSACO・名護新基地建設を推し進めるために、沖縄人民に屈服を迫る大攻撃である。同時に、沖縄の支配層の分裂・稲嶺の動揺と日米地位協定をめぐる小泉政権との「あつれき」などに対する日帝・小泉の恫喝でもある。
 3・20イラク侵略戦争開始、自衛隊のイラク派兵情勢、そして有事法制の強行は、沖縄を規定する国際関係、日米関係を根底から変えつつある。本質的な日米間対立をはらみながら、現実的には日米安保の重要性を振りかざして、イラク侵略戦争にとことん突き進む日帝・小泉は、それゆえに歴代内閣の中でも突出した沖縄への差別・抑圧の政策を深めている。
 この小泉の政策のもとで米帝も米軍基地の再編強化を野放図に進めている。キャンプ・ハンセン内への都市型ゲリラ訓練施設の建設計画、天願桟橋拡張、辺野古新基地建設のために新たな工事の拠点として大浦湾を埋め立てる計画など、やりたい放題である。さらに米軍は、イラク情勢の悪化に対応するために、在沖海兵隊3000人とヘリ数十機を派兵しようとしている。この状況に沖縄人民の怒りが高まらないわけがない。こうした沖縄の政治状況に帝国主義の立場から「問答無用」とばかり全面屈服させるという反革命的政治的意志の表明として天皇を沖縄に送り込むのだ。

 沖縄に「執着」するアキヒト

 天皇アキヒト自身は、沖縄戦の責任者、先代天皇ヒロヒトが(沖縄のお年寄りに言わせれば「沖縄の神々の怒りにふれ」て)死んで以来、その“遺志”を引き継いで、天皇がおいそれと行けないところ(沖縄)が日本の国内に存在することを、なんとしてもなくすることに異様な執念を持っている人物である。天皇誕生日記者会見などでは、繰り返し沖縄のことを話し、沖縄を理解している自分を一生懸命アピールしてきた。しかし、こんな言い草はまったくのいんちきであり、ますます許しがたい。
 沖縄人民の今日の苦しみの根源は、沖縄戦と、沖縄戦後の天皇ヒロヒトのいわゆる「天皇メッセージ」(沖縄のアメリカへの売り渡し)にあると言っていい。要するに、一貫して沖縄は天皇と天皇制によって今日に至るまで殺され傷つけられ、じゅうりんされ続けてきたのだ。このことにほおかむりしたまま、あたかも沖縄人民の苦しみが自然災害か何かであるかのような言い方をして、「日本国民は沖縄のことに思いをいたさなければならない」などと、したり顔で述べるなど本当に許しがたい。
 1・23天皇来沖に断固とした怒りをたたきつけよう。国立劇場こけら落とし参観を阻止しよう。1・23デモに立ち上がろう。
 (革共同沖縄県委員会)

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週刊『前進』(2134号6面3)(2004/01/26)

呉で3千人の大デモ 「出撃基地にするな!」

 1月12日、「自衛隊のイラク派兵反対! 1・12中国ブロック呉集会」が平和フォーラム中国ブロックと広島県実行委員会の主催で開催された。会場となった呉市中央公園には、広島県内を始め、岡山、山口、島根、鳥取の中国5県から3000人が結集した。
 海上自衛隊呉基地からは、陸上自衛隊の装備・車両などを輸送するため、「おおすみ」型強襲揚陸艦が1月末から2月初めにかけて出港しようとしている。「呉を侵略戦争の出撃基地にしてはならない」という労働者の激しい怒りと危機感が一つになった。
 参加者・参加組合は、自衛隊派兵に対する怒りを込めた横断幕やさまざまなデコレーションなどを持ち寄り、組合旗やのぼりを林立させ、広い公園を埋め尽くした。特に各組合の青年部を中心に青年労働者が大結集の中心を担っていた。
 この闘争は、緊急行動として年末・年始を返上して準備されたものだ。連合や民主党の屈服をはね返し、旧総評系の労働組合を中心として自主的主体的に取り組みが拡大し、動員もエスカレートしていった。
 自治労は「21世紀宣言」をめぐる攻防と広域市町村合併に伴う合理化攻撃と闘う中から大量動員を実現した。12・23教育基本法改悪反対集会の大爆発の先頭に立った教育労働者は、「JTU・日教組」のノボリを先頭に、各県とも最大限動員。とりわけ広島県教組・広島県高教組は十数年ぶりの動員を実現し、集会全体をリードした。また、北海道で陸上自衛隊装備の積み込みのための荷役作業を拒否することを決定した全港湾(全日本港湾労働組合)は、中国ブロックのみならず広域から動員し、組合のマーク入りのそろいのジャンパーで参加した。関西からは全日本建設運輸連帯労組・関西地区生コン支部の労働者もかけつけた。
 中小民間の労働者も大動員を実現した。前日に広島で旗開きを開催した動労西日本の仲間は、大阪・北陸からも参加した。広島連帯ユニオンの仲間は、新たな労働争議を闘う中、組織をあげて参加した。
 「とめよう戦争への道!百万人署名運動連絡会」は中国四国から会員が集まった。反戦共同行動委員会と労組交流センターはビラを配布し全力で参加した。「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会・広島」は保釈奪還報告のビラを配布した。広島大学学生自治会を始めヒロシマストリートアクションなどの若者は、午前中から呉駅前で座り込み行動を行い、多くの自衛隊員の家族や呉市民に派兵阻止を訴えて合流した。
 集会は、主催者を代表して平和フォーラム中国ブロックの竹谷代表と、広島県平和運動センターの田中議長が発言した。現地呉からの報告を湯浅一郎さん(ピースリンク広島・呉・岩国代表)が行った。
 デモは呉市の繁華街を抜けて、海上自衛隊呉地方総監部を通り、Fバース(潜水隊前)までの約4`。3000人のデモ隊が、「自衛隊のイラク派兵反対!」のシュプレヒコールをあげて、呉市内を席巻した。途中、成人式会場の横を通り過ぎると、晴れ姿の若者がデモ隊に手を振る場面も見られた。
 解散点のFバース(潜水隊前)には「おおすみ」と今回イラク派兵の最有力とされる「くにさき」が着岸していた。デモ隊は自衛隊員に向かって大音量のスピーカーで「派兵命令を拒否しよう」と呼びかけた。

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週刊『前進』(2134号6面4)(2004/01/26)

沖縄 那覇基地に抗議 1・11全国に呼応して

 1月11日、沖縄でもイラクへの自衛隊派兵反対の行動が闘われた。平和市民連絡会が米ロサンゼルス市と全国21カ所同時の抗議行動にあわせて行った。正午にはあいにくの雨にもかかわらず、航空自衛隊那覇基地ゲート前に約50人が集まった(写真)。官舎の中の自衛隊兵士に「行くな、死ぬな、殺されるな」と心から反戦の呼びかけをリレートークで展開した。
 共同代表の崎原盛秀さんは「小泉首相はイラクに派遣される自衛官に日当3万円、死亡したら1億円を支払うという。貴重な自衛官の生命を金に換算するとは何ごとか。兵士のみなさんは小泉の憲法違反の命令には従う必要はない」と呼びかけた。
 また開戦前後にイラクを訪問した平良夏芽さんは「結局イラクに大量破壊兵器などなかった。米国がイラクに戦争をしかけた大義は何もない。自衛官のみなさんは、『人道支援』という言葉にだまされてはいけない。あなた方が銃をもってイラクに行くということは、イラクの人たちにとって日本が卑劣な戦争に加担することなんです。出兵を拒否して下さい」と切々と訴えた。
 時刻が1時11分を刻むと参加者が思い思いに鈴やサイレン、太鼓などを1分間打ち鳴らし、派兵反対の意志をたたきつけた。
 この後、参加者は県庁前広場で反戦歌やフリートークを展開し、「イラク派兵をとめよう!」「イラクはイラク人のもの。米軍も英軍も自衛隊もいらない」と訴えながらビラ3000枚を道行く人に配って訴えた。集会後、国際通りをデモし、成人式で街にくりだした若者にともに立ち上がることを呼びかけた。
 沖縄に駐留する米海兵隊約3000人の派兵と、普天間基地に所属するヘリコプター数十機のイラク配備が決定した。
 沖縄のイラク出撃基地化が加速度的に強まっている。また名護・辺野古への新基地建設策動も重大な事態を迎えつつある。事実上の着工を意味する「ボーリング調査」が「県の許可」を残すのみとなっているからだ。自衛隊のイラク参戦反対の闘いと名護新基地建設を許さない闘いが一体となって高揚を開始している。

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