ZENSHIN 2004/03/16(No2141 p06)

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第2141号の目次

大きな前進をかちとった2月闘争突入前夜に抗議行動に立った動労千葉組合員(2月9日 千葉駅前)

1面の画像
(1面)
3・20日比谷 イラク反戦大集会へ
有事関連法案粉砕・改憲阻止
動労千葉のスト決起に連帯し階級的労働運動の大前進開け
記事を読む  
動労千葉
2月闘争勝利の地平に立ち 3・13ダイ改阻止闘争へ
反合・運転保安確立を掲げ
記事を読む  
(2面)
春闘ストに立つ動労千葉と共に3・20へ
ついにJR体制に風穴開けた
動労千葉2月闘争の画期的意義
記事を読む  
レールが折れた! 安全崩壊の危機に 記事を読む  
教基法改悪反対で集会
広島 戦前教育くり返すな 県教委に抗議申し入れ(Y・S)(2月7日)
記事を読む  
教基法改悪反対で集会
福岡 改悪提出を阻もう 福教組の組合員先頭に(H・N)(2月8日)
記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2004 2・16〜2・27
労組法改悪案、3月国会提出へ
トヨタ・日産で定昇廃止/昨年失業率17道県で悪化
記事を読む  
(3面)
04春闘 労組法改悪を阻止しよう
労働委制度の無力化狙う
戦後憲法の解体に直結する
〈団結権保障〉否定の攻撃(長沢典久)
記事を読む  
“イラク派遣中止を”
女たち集会パート2 闘いの強化を訴え(2月26日)
記事を読む  
全逓労働者は3・20日比谷へ連合をぶっ飛ばす大結集を
小泉−奥田−生田を打倒しよう〔革共同全逓委員会〕
記事を読む  
世界の労働運動 イギリス
ブレアを弾劾し3・20へ 戦闘的労働組合が先頭に(藤沢明彦)
記事を読む  
(4面)
3・20日比谷10万決起で階級的力関係と世の中を変えよう
有事7法案を絶対阻止しよう
日米共同の北朝鮮侵略戦争法案
国民保護の名で臨戦体制づくり
記事を読む  
派兵抗議デモ 2・20大阪(2月20日)
100人天神デモ 2・29福岡 (2月29日)
記事を読む  
成田の軍事空港化許さぬ 3・28へ反対同盟が訴え(上) 記事を読む  
日誌'04 2月25日〜3月2日
裁判員制度法案が国会提出 ACSA改定へ日米が署名
記事を読む  
(5面)
3・20日比谷10万決起で階級的力関係と世の中を変えよう
日帝の侵略戦争突入下での沖縄闘争の発展かちとろう 革共同沖縄県委員会
記事を読む  
6者協議は何を示したか
米帝主導で対北朝鮮侵略戦争発動を狙うプロセス
記事を読む  
イラク人民虐殺訓練を弾劾 日本原闘争(2月25日) 記事を読む  
(6面)
団結広場 投稿コーナー
「君が代」ピアノ伴奏拒否裁判の控訴審へ 元教員 茅野芽衣子
「派兵拒否を」の訴え隊員の反応予想以上 全学連北海道現地行動隊 N
「賃金・価格・利潤」の学習の成果を春闘へ 兵庫 水木優介
組合の赤旗を掲げて春闘要求の統一行動 関西合同労働組合 佐久ミチル
セクハラに日々悩む女性の投書を読んで 東京・南部 小倉千鶴子
記事を読む  
3・25完全無罪判決で日帝の心臓を撃とう
迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判被告団
記事を読む  
九大弾圧 有罪判決許すな(2月3日) 記事を読む  
ビキニデー50年 杉並・広島で集会(2月27日) 記事を読む  
公判日程 記事を読む  

週刊『前進』(2141号1面1)(2004/03/16)

3・20日比谷 イラク反戦大集会へ 有事関連法案粉砕・改憲阻止
 動労千葉のスト決起に連帯し階級的労働運動の大前進開け

 3・20国際反戦統一行動が2週間後に迫った。3・20は動と反動、革命と反革命が激突し、どちらが天下のヘゲモニーをとるかの「関ケ原」である。首都・東京の日比谷に全国から10万人の労働者階級人民の大隊列を絶対に登場させよう。3・20は全世界のイラク反戦の大デモと連帯して、階級的力関係を変え、侵略戦争突入と一大資本攻勢の日帝・小泉政権を揺さぶり打倒する、千載一遇のチャンスである。連合や全労連など既成のナショナルセンターの垣根を越え、自治労、教労、国鉄、全逓を始め全産別の労組から、日比谷へと津波のように労働者の隊列を大結集させよう。動労千葉の3月ストと連帯し、総決起しよう。10万人結集の原動力は勝利への確信だ。世の中を変えるのだというあくなき意欲だ。夢を持つことだ。あと2週間、すべての努力を傾けて、3・20へ突き進もう。 

 第1章 力関係を変えよう

 3・20の10万人決起の実現に今後の日本階級闘争の一切の帰趨(きすう)がかかっている。労働者階級の命運がかかっている。3・20で日帝・小泉=奥田と対決し、労働者人民の側が階級的ヘゲモニーをとれるかどうかである。そのためには絶対に10万人決起を実現しなければならないのだ。
 3・20の合言葉は、階級的力関係を変えよう、世の中を変えよう、歴史を変えよう――である。10万人が集まれば絶対に変えられる。小泉=奥田をぶっ飛ばし打倒できる。
 自衛隊イラク派兵の強行をもって新たな「15年戦争」―世界戦争の過程に突入した日帝。北朝鮮(中国)侵略戦争のための有事関連7法案と3条約・協定の成立を狙い、教育基本法改悪や改憲に突き進もうとしている小泉。春闘解体=「春討」化を傲然(ごうぜん)と叫び、定昇廃止・ベースダウンを始めとした賃下げと生活水準の切り下げ、「東アジア自由経済圏」という名のアジア侵略=勢力圏化政策を叫ぶ奥田。この日帝・小泉=奥田のしたい放題の攻撃を、労働者はこれ以上我慢するのか。許すのか。
 絶対に否だ。3・20の10万人決起で階級的反撃をたたきつけ、一矢を報い、力関係を変えれば、小泉=奥田をガタガタにして打倒できる。陸・海・空・港湾労組20団体を始めとした大統一戦線の中に、勝利の壮大なイメージが具体的に提起されている。願ってもない勝利のチャンスだ。
 アメリカや韓国やヨーロッパの労働者階級が、すでに昨年の3・20イラク開戦を前に実現した数十万人、数百万人の反戦デモを、今度こそ日本でもこの3・20に10万人決起として実現するのだ。そして政治の流れを変え、階級的力関係を変えて、日本の労働者階級人民自身が勝利への環を握りしめるのだ。
 3・20日比谷10万人結集に日本の労働者階級の未来をかけよう。連合や全労連の枠を越えた労働組合の組織的決起。そのための労組工作とオルグ。街頭とキャンパスでの宣伝と署名活動。首都キャラバンの展開。残る2週間、職場と街頭を熱くする宣伝戦、組織戦に総力決起しよう。
 エンゲルスやレーニンも言っているように、何事かを実現するものは「意識的な意図」であり、「意欲された目標」である。革命的な「夢想」である。勝利の確信と決意をたぎらせて、3・20総決起へ驀進(ばくしん)しよう。

 第2章 侵略戦争の泥沼化

 3・20とは何か。第一に、国際反戦大統一行動の一翼として、日本の労働者階級人民がイラク反戦闘争に総決起する闘いである。
 イラク情勢が示していることは、帝国主義の基本矛盾の全面的爆発ということだ。イラク侵略戦争はベトナム以上にとてつもない世界史的大戦争である。米帝は帝国主義としての自己の世界支配の危機を突破するために、本質的に帝国主義間争闘戦での他帝国主義、特にEU・独仏帝国主義(さらには日帝)の打倒を狙ってイラク侵略戦争を開始した。それは同時にイラク人民・ムスリム人民の民族解放闘争の圧殺、中東の制圧、石油資源の独占的支配を狙った攻撃である。
 しかもイラク侵略戦争は、イラン・シリアへのその拡大、とりわけ北朝鮮(中国)侵略戦争への拡大、そこから帝国主義間戦争―世界戦争へと後戻りすることなく転化していく、とてつもない歴史過程の始まりなのだ。
 しかし、03年3・20イラク開戦から1年、今や米帝は完全に侵略戦争、軍事占領の泥沼にはまり込んでいる。イラク人民・ムスリム人民は民族解放・革命戦争の組織的展開に向かって必死のゲリラ戦争を積み重ねており、米帝の占領政策をズタズタにしている。04年6月のペテン的「主権移譲」による戦争と治安の「イラク化」といった小細工は、早くも吹き飛んでいる。ゲリラ戦争は組織化し高度化している。反占領の内戦状態も激化している。せん滅される米軍の死者数は毎日のように増え、すでに550人を超えた。
 ブッシュは秋の大統領選を控え、軍事的政治的に追い詰められ、あがきにあがいている。しかし米帝は帝国主義であるかぎり侵略戦争をやめられない。それが泥沼化をいよいよ促進する。米帝・ブッシュが危機突破を狙って、どんな凶暴な反革命的手段を使うか、まったく予断を許さない。
 先の北朝鮮の核をめぐる6者協議(6カ国協議)は、米日帝が北朝鮮に対して一切の核武装・核開発の放棄(=完全武装解除)を要求し、核を絶対に放棄できない北朝鮮がそれを対抗的に拒否することによって破産し、共同発表文も出せなかった。これが示したことは、拉致問題をも使った米日帝の北朝鮮(中国)侵略戦争の衝動の激しさであった。だが米帝は、イラク情勢と米大統領選の利害から、また在韓米軍や在沖・在日米軍を始めとする東アジアの米軍事力の再編のために、当面は対北朝鮮の重圧を強めつつ、戦争発動への時間を稼ごうとしているのである。

 第3章 派兵阻止=撤退を

 こうした中で日帝・小泉は、ついに侵略戦争の戦場に、憲法9条を持つ国の自衛隊3軍を派兵した。侵略戦争の泥沼と国際的孤立にあえぐブッシュと英帝ブレアを助けて、侵略軍、占領軍として乗り込んだのだ。他国の領土の一角を占拠し、勝手に掘り起こし、コンクリートで固め、軍事要塞(ようさい)を築いている。これで何が「人道支援」「復興支援」か。自衛隊が米英軍やオランダ軍と同じように、イラク人民・ムスリム人民の民族解放闘争、ゲリラ戦争の対象と化すことは早晩不可避だ。
 日帝は、今や米英軍と共同=競合する形で、イラク侵略戦争と軍事占領に参戦した。これは新たな「15年戦争」の開始であり、第3次世界大戦の道へののめり込みそのものである。
 日本の労働者階級は今や「戦時下の階級闘争」に突入した。外への侵略戦争と内への階級戦争(資本攻勢と治安弾圧)に対する闘いに突入した。しかしこれは同時に、革命的情勢の急速な接近、それへの端緒的な移行、そのもとでの闘いへの永続的突入でもある。
 革共同と日本の労働者人民は、米英日帝のイラク侵略戦争、軍事占領の帝国主義的本質を暴き、日帝のイラク派兵=侵略戦争参戦が大変な帝国主義的反動的飛躍であることを暴き、世界と日本の労働者人民の階級的決起、国際的内乱への決起が必要であることを訴えて、3・20へと総蜂起していく時である。
 3・20は第二に、4―6月過程で決戦となる有事関連7法案と3条約・協定を絶対に阻止する闘いだ。
 国民保護法案・米軍支援法案を始めとする今回の有事関連法案は、米日帝の北朝鮮侵略戦争発動のための法体系を完成させる攻撃であり、米軍と自衛隊が人民の私権を踏みにじって軍事最優先で自由に行動し、労働者を戦争動員していくとんでもない法案である。成田の軍事空港化が現実となり、すべての空港、港湾、鉄道、通信、医療機関が軍の支配下に入る。有事関連法案粉砕はイラク反戦と完全に一体だ。3・20の爆発で反撃を開始しよう。
 また3・20は、日帝・小泉が次々とかけてきている教育基本法改悪、労組法改悪、司法改悪、共謀罪新設などの大反革命に総反撃する闘いだ。
 さらには、イラク派兵の強行で新たな「15年戦争」に突入した日帝が本格的に踏み込んできている改憲攻撃(=9条改憲)との一大政治決戦を開始する大闘争にしなければならない。

 第4章 春闘の勝利開こう

 3・20は第三に、04春闘に立ち上がる労働者と結びつき、動労千葉の3月ストと連帯・結合して闘われる大決戦である。春闘の山場と重なり、それ自身が春闘勝利を切り開く闘いそのものである。
 動労千葉は、組合員であるベテラン運転士の強制不当配転拒否を軸とした2月の指名ストと非協力闘争で、分割・民営化以降の17年間の現実に風穴をあける画期的勝利を実現した。そしてこの感動的成果を集約し、3月ダイ改阻止の山場で、反合・運転保安を真っ向から掲げて、スト配置を含めた全組合員の決起をかちとろうとしている。
 3月ダイ改でJR当局が総武線の千葉―御茶ノ水間で最大6分40秒の時間短縮を強行しようとしていることは、運転保安を完全に無視した暴挙だ。労働者と乗客を無視して、88年の東中野事故を何度も繰り返そうとするものだ。この第二の分割・民営化攻撃、戦時下の資本攻勢(=組合圧殺)と真っ向から対決して、動労千葉は3月ストを打ち抜く。これはすべての労働者人民の階級的利害を必死に体現した闘いである。
 動労千葉は、3月ストに決起することが3・20を真に爆発させ、3・20に階級的心棒を入れるのだという自覚をもって闘っている。また同時に、3・20に大勝利することが04春闘勝利を切り開くと確信して闘っている。3・20への総決起を春闘そのもののテーマとして位置づけ、闘っているのである。
 動労千葉が春闘をストで闘い、それを3・20と固く結合して決起していることは、〈外への侵略戦争と内への階級戦争>に対する闘いを全一体のものとして闘うという、戦時下の階級的労働運動の王道を体現している。この動労千葉と連帯し、すべての産別、組合、職場で春闘に決起し、それをバネに3・20に総結集しよう。3月春闘集会をかちとった力を3・20の総決起へと転化しよう。
 中野洋動労千葉前委員長の『俺たちは鉄路に生きる2』と『動労千葉24』を全労働者の武器とし、手引きとして、3・20へと突き進もう。

 11・9集会の継承・発展へ

 3・20は第四に、03年11・9労働者集会の陣形を継承・発展させる闘いだ。11・9が切り開いた日韓米3国の国際連帯と、関西生コン・港合同・動労千葉の3組合共闘の地平は、階級的=国際的、国際的=階級的ということを典型的に指し示した。それが04年3・20構想を準備する内在的な力ともなった。
 この11・9集会の3国連帯と3組合共闘の陣形を、さらに世界的陣形として、日本労働者階級の大多数を結集する闘いとして、3・20をバネになんとしても発展させようではないか。
 そして最後に訴えたい。3・20への闘いのただ中でこそ、革命党建設が死活的であり、党勢倍増闘争、機関紙拡大闘争を3・20結集運動と一体的に結合して闘いぬこう、と。党勢倍増闘争は「科学」である。現状の分析に基づく数量化した目標と、絶えざる点検・総括なしに前進しない。またレーニン主義の「党活動の3原則」の厳格な貫徹とマルクス主義の学習が、党建設の決定的基礎である。
 党建設の展望、その実践と固く結合して、あと2週間、3・20への10万人大結集運動を展開しよう。

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地図 日比谷音楽堂

やめさせようイラク占領! 自衛隊はイラクから撤退を!

3・20世界同時反戦行動デー

3月20日( 土)午後1時 日比谷公園

■WORLD PEACE NOW 3・20

 日比谷野外大音楽堂

■世界の人々とともに!

3・20平和コンサート in HIBIYA
 日比谷公園小音楽堂

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週刊『前進』(2141号1面2)(2004/03/16)

動労千葉 2月闘争勝利の地平に立ち 3・13ダイ改阻止闘争へ  反合・運転保安確立を掲げ


大きな前進をかちとった2月闘争突入前夜に抗議行動に立った動労千葉組合員(2月9日 千葉駅前)

 動労千葉は、3月13日に予定されているダイヤ改定に対して、いよいよJR東日本の全本線運転士の組合員を始めとした全面ストライキを配置して闘いに立ち上がろうとしている。(2面に関係記事)
 今回のスト配置を含む闘いは、3万8000円の大幅賃上げなどとともに、ダイ改時の運転時分短縮による安全破壊に対して反合理化・運転保安要求を掲げた闘いになる。
 特に問題なのは、総武緩行線の千葉〜御茶ノ水間での最大6分40秒もの短縮だ。動労千葉は、この計画の撤回を求めて団体交渉を繰り返しているが、千葉支社当局は、計画どおり強行しようとしており、スト突入必至の情勢である。
 動労千葉は、2月10日からの指名ストと非協力闘争の勝利を断固として確認し、その切り開いた地平に立って、いよいよ春闘本番の闘いに総決起しようとしているのだ。
 このストは、ベア要求さえ放棄して定昇解体などの「賃下げ回答」を受け入れようとしている連合指導部などの大裏切りに抗し、すべての労働者に闘いの道筋を指し示すものだ。特に国鉄1047名闘争勝利の展望を切り開く闘いだ。
 そして何よりも、3・20日比谷のイラク反戦闘争への10万人総決起に巨大なインパクトを与える闘いになることは間違いない。この動労千葉スト決起をあらゆる労働組合・労働者に伝えよう。
 「われわれは勝利した!」――動労千葉は2月26日付の『日刊動労千葉』で宣言した。その闘いの意義をすべての労働者に訴えることが重要である。
 動労千葉がこのように勝利を宣言することができたのは、国鉄分割・民営化攻撃以来、初めてのことである。それは、動労千葉が国鉄分割・民営化反対を貫いて、直接に要求が前進しなくても階級的な団結を固めることを総括軸にして闘い抜いてきたからである。
 それが敵である資本の矛盾を拡大し、そこに的確な闘争を突きつけることによって、ついに敵の攻撃の裂け目をつくり出し、国鉄分割・民営化以来の動労千葉の要求を大きく前進させることに成功したのだ。
 さらに、重要なことは、〈外への侵略戦争、内なる階級戦争>という帝国主義の凶暴な攻撃も、実は帝国主義の側がこのままでは延命することができない危機に陥っているからであると見抜いていることだ。
 動労千葉は、この闘いへの突入にあたって「戦時下の労働運動」という認識を打ち出した(機関誌『動労千葉24』)。これは、01年9・11(反米ゲリラ)から03年3・20(イラク侵略戦争開戦)によって世界史が一変し、帝国主義は労働者階級を食わせることもできなくなり、もはや戦争をする以外に延命することもできない時代になったということである。同時に、労働者の闘いも一変し、全世界の労働者階級の闘いが燎原(りょうげん)の火のように広がるという時代認識だ。そして、04年が国鉄労働運動を焦点にして労働運動の勝負の年になるとの確信である。
 この時代認識と労働者階級の決起への確信があったからこそ、断固として闘いに突入することができた。
 特に、3・20世界同時反戦決起の一環として、日本においても日比谷10万人結集の機運が高まっていることだ。動労千葉は、昨年の国際連帯闘争の前進―11・9全国労働者総決起集会の成功を自ら主導することによって、そのことを確信した。そこから04年の闘いの展望を完全につかみとったのだ。
 資本の大攻勢の中にある弱点をしっかりと押さえ、味方の労働者の団結を最大限にかちとる闘いの形態を創造していくこと――ここにこれからの労働組合が進むべき普遍的な方向が示されている。
 動労千葉とともに、3・20―04春闘に総決起し、小泉=奥田らとの階級的力関係を変え、労働者階級の怒涛(どとう)の進撃をかちとろう。

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週刊『前進』(2141号2面1)(2004/03/16)

春闘ストに立つ動労千葉と共に3・20へ ついにJR体制に風穴開けた
 動労千葉2月闘争の画期的意義

グラフ JR各社の死亡事故者数(社員および外注作業員) 動労千葉の指名ストと非協力闘争は、2月10日から2週間余りにわたって闘われた。その2月闘争の切り開いた勝利の地平はきわめて大きい。その意義を明らかにするとともに、3・13ダイ改阻止へ闘われる春闘ストに続いて、ともに総決起することを訴える。

 不退転の闘いで要求が大前進

 動労千葉の2月闘争は、H運転士の強制配転を発端にした闘いだった。1月に幕張電車区木更津支区での組合員1人の死亡という予期せぬ事態の中で、運転士(気動車)に欠員が生じた。動労千葉は、直ちに木更津支部の組合員で運転士資格を持っている組合員を運転士に登用するよう求めた。だが、JR東日本千葉支社は、これを拒否しただけでなく、千葉運転区のH運転士に強制配転を通知したのだ。58歳で、定年まであと1年半の電車の運転士に気動車の運転をさせようとした。さらに当局自身が言い続けてきた「高齢者を配転の対象にしない」という慣行も踏み破った。
 H運転士の断固たる配転拒否の決意を受けて、動労千葉はH運転士を指名ストに入れ、時間外・休日労働を拒否する非協力闘争を争議行為として行うことを通告した。これに対して当局は、休日労働やATS―Pの訓練を予備勤務者にやらせる業務命令を乱発した。動労千葉は直ちに当該の組合員を指名ストに入れた。
 特に、総武快速線が錦糸町から東京への地下ルートに乗り入れる際に、保安装置がATCからATS―Pに切り替わるのが2月29日に迫っていた。当局としても、この訓練を受けさせないまま動労千葉組合員を乗務させるわけにはいかない。かといって、千葉の運転職場で多数を占める動労千葉組合員を乗務させなければ、列車の運行は確保できない。
 動労千葉の渾身(こんしん)の決起が当局を徹底的に追いつめた。動労千葉は22日の定期委員会で、要求が大きく前進したことを確認し、25日をもって闘争集約を指令し、新たな闘いの態勢を打ち固めたのだ。

 不当労働行為粉砕の諸要求

 動労千葉は、国鉄分割・民営化攻撃に対して2波のストライキを闘い、組織の団結を維持しながらJR体制に乗り込んだ。
 その中で、@28人の解雇と12人の不採用(9人が清算事業団からも解雇)の計40人の解雇者を出した。動労千葉は、本体の組合員が先頭で物資販売を行うとともに、あくまでもJR資本との闘いを軸に解雇撤回闘争を進めてきた。
 Aまた、国鉄分割・民営化攻撃以来、昇進・昇職の差別を受けてきた。特に、1982年で国鉄の新規採用が停止になる前に運転士資格を持った予科生として採用された組合員で、運転士に発令されていない組合員が多い。
 Bさらに運転職場をはずされ、駅や売店などに強制配転されたまま“塩漬け”にされている組合員が多数いる。
 動労千葉は、これらの三つの懸案要求の解決を求め、大幅賃上げや貨物の格差賃金粉砕などの要求と結合して、毎年のように春闘ストを闘ってきた。要求が前進しなくてもストを打ち抜き、それをとおして団結を打ち固めてきたのだ。
 その上で、ついに分割・民営化以来の懸案要求を前進させるという大きな成果をかちとった。

 JR総連との結託が危機に

 この勝利は、分割・民営化攻撃の矛盾を突いた闘いが敵を追いつめたということである。
 その矛盾の第一は、分割・民営化―JR体制を資本と結託して支えてきたJR総連カクマルが分裂したことだ。千葉では特に動労千葉の存在と闘いがあったからこそ、最も激しい亀裂を彼らに強制してきた。権力・資本をバックにした松崎のファシスト支配は崩壊の危機に陥っている。これは、カクマルを使った労働者支配を唯一の「労務政策」としてきたJR資本の危機でもある。
 第二は、要員問題の矛盾である。JR資本は人員削減を進め、特にメンテナンス部門の外注化を前提として、要員を補充しなかった。定年退職した高齢者を「シニア制度」により超低賃金で雇うことを狙っていたのだ。だが、検修・構内業務の外注化については、動労千葉の2000年の「シニア制度」反対の闘いや01〜03年の春闘スト、幕張支部など検修職場の職場闘争をつうじて、千葉支社管内だけは提案さえできない事態を強制してきた。
 こうした中で、業務に必要な要員が確保できず、技術力を持った労働者が次々退職するという事態を目前にしているのだ。
 第三は、安全が崩壊的な危機に陥っていることである。要員の削減と外注化、そして規制緩和(国土交通省令の改悪)により車両検査などが簡略化されたことが原因だ。そしてJR総連カクマルとの結託体制がもたらしたものだ。JR総連カクマルは、ファシスト的な「労使協力」論のもとで、事故問題について、「責任追及から原因究明へ」なるスローガンを掲げた。これは、JR資本の責任は絶対に追及しないということだ。その一方で、事故を起こした労働者に責任をなすりつけ、JR資本の安全無視の合理化を推進してきたのだ。

 固い団結が敵を追いつめた

 このように敵に矛盾を強制したのはなぜか。その核心は、何よりも動労千葉が団結を維持して闘ってきたことである。労働組合が闘わなければ、資本の側の矛盾も明らかにはならない。その矛盾がすべて労働者に押しつけられるだけだ。
 戦後の民同労働運動は、高度成長のもとで一定の賃上げなどを獲得することによって存続することができた。しかし、それが破産し、連合は今や要求を掲げることもできず、資本と一体化している。
 動労千葉の闘いは、このような戦後労働運動をのりこえてきたからこそ、団結を維持するだけでなく、要求の前進をかちとることもできるのだ。
 現在、日本帝国主義は完全に行き詰まっている。奥田ビジョン―04年版経労委報告は、日帝・資本の側がこのままでは体制そのものを維持することができず、労働者を食わせていくこともできなくなったことの表明である。戦後の労働者支配の仕組みであった、憲法と終身雇用制をすべて破壊し、社会保障制度も解体しようとしている。
 こういう時代に、動労千葉のように団結して闘えば、資本の側を危機に追い込むことができるのだ。

 運転保安が春闘の重要課題に

 動労千葉は04春闘で反合・ ・運転保安確立を最重要の課題としている。
 JR東日本は、別掲のグラフのように、JRの中でも特に死亡事故が多い。99年に山手貨物線で外注会社の労働者5人が保線作業中に列車にひき殺された事故を始め、121人(うち外注会社の労働者が105人)も死亡しているのだ。
 04年版経労委報告でも、03年に相次いだ大企業での事故について「高度な技能や知的熟練をもつ現場の人材の減少、過度の成果志向による従業員への圧力が原因ではないか、との指摘もある」と、資本のこの間の攻撃がもたらしたものであることを認めざるを得なくなっている。
 だが、これも労働組合が闘わなければ、労働者が犠牲にされるばかりである。
 動労千葉は、一貫して、この安全問題をテーマにして反合・運転保安確立を掲げて闘い抜いてきた。合理化とは資本の利益のために労働者に犠牲を強いるものであるとともに、資本主義社会において直接に利潤を生み出さない安全に対する投資を徹底して抑制することだ。その矛盾が爆発しているのだ。動労千葉の反合・運転保安闘争は、その矛盾を突く闘いである。

 総武緩行線を6分40秒短縮

 今回のJR東日本のダイ改では、総武緩行線の千葉〜御茶ノ水間で最大6分40秒も運転時分が短縮されようとしている。総武緩行線の運転時分短縮は、88年12月1日のダイ改で千葉〜三鷹間が3分40秒短縮されて以来のことである。この4日後の12月5日に東中野駅で列車追突事故が起こり、運転士と乗客の2人が死亡する大惨事となった。動労千葉は翌年、この東中野駅事故1カ年を期して、分割・民営化後初の運転ストに立ち上がり、元の運転時分に戻させ、それ以来、運転時分短縮には手を着けさせていない。
 3・13ダイ改阻止闘争は、動労千葉の路線の真価をかけた闘いとなる。

 「会社を守れ」と叫ぶ東労組

 他方で、JR総連カクマルは、この安全破壊を進めるJR資本にすがりつき、全面協力して延命しようとあがいている。
 JR東労組が2月10日に開いた中央委員会では、JRの安全問題についての「JR経営陣への非難」を、「JR東日本会社にどす黒い攻撃の刃(やいば)をむけるものであり、政治的意図をもったJR東日本労使への攻撃に他ならない」として、「JR東日本とJR東労組を守り発展させよう」と意思統一したというのだ。(JR東労組機関紙『緑の風』2・15付)
 JRの労働者は、このようなJR総連・東労組と決別し、今こそ動労千葉に結集しよう。
 すべての労働者は動労千葉春闘ストに連帯し、ともに04春闘を闘い、3・20日比谷に総結集しよう。

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週刊『前進』(2141号2面2)(2004/03/16)

 レールが折れた! 安全崩壊の危機に

総武快速線下りの津田沼〜幕張間で2aもの隙間ができたレールの破損個所 習志野電車区検査4番線のレール折損個所。2本のレールが折れている

 1月6日、総武快速線の津田沼〜幕張間でレールが完全に切断し、2aもの隙間(すきま)が生じる重大事態が発生した。貨物列車の運転士が信号の異常に気づいて点検したところ分かった。1月13日にも、習志野電車区の検査4番線で、レールが2本も折れた。外注会社の社員が「レールが燃えている」と言うほど火花が散っていた。
 01年に鶴見駅構内で起きた貨物列車の脱線事故は、レールがゆがんだのが原因だったが、ついにレールが折れたのだ。いつ大事故が起きてもおかしくない。
 イギリスでも、民営化の結果、『折れたレール』が本のタイトルになるほどで、多数の死亡者を出す脱線事故が相次いでいる。このため、鉄道の再国有化が課題となっている。
 昨年9月の中央線における大規模な輸送混乱などに関して、JR東日本に国土交通省の立ち入り調査が行われ、12月17日には業務改善命令が出されている。
 動労千葉は、昨年来の事故や業務改善命令に対する会社の姿勢を問うとともに、今回のレール折損を含め、車両故障や信号機故障、保安装置故障など100件を超える事故などの解明を求めて千葉支社に対して申し入れを行っている。
 今回予定しているストでも、事故の経営責任の明確化などを要求として掲げている。

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週刊『前進』(2141号2面3)(2004/03/16)

教基法改悪反対で集会 広島
 戦前教育くり返すな 県教委に抗議申し入れ

 2月7日、広島市中区八丁堀の広島YMCA国際文化ホールで、12・23全国集会の広島版「子どもはお国のためにあるんじゃない」教育基本法改悪反対ヒロシマ集会が開催された。
 広教組・広高教組の教育労働者を始め、労働者、若者、被爆者、市民など、幅広い層の参加があり、通路もあふれる320人が集まった。集会後、市内のメインストリートをデモ行進し、「イラク派兵と一体の教育基本法改悪反対」「戦前の教育を繰り返すな」と市民にアピールした。途中、県教委に抗議の申し入れを行い、怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。原爆ドーム前で解散集会を行って締めくくった。
 集会は冒頭、実行委員長の由木栄司さんが「広島では平和教育・解放教育が破壊されている。アジア・世界の人びとが尊敬しあって平和に暮らす中で子どもたちを育てたい。この運動をその一歩にしたい」とあいさつした。
 続いて、戦前教育を体験した3人が証言した。中国帰還兵の中川勝さんは「『教育勅語』を暗記させられ、天皇に忠誠をつくすように教育された。日本軍は『天皇のために』と中国人・朝鮮人を殺害した」。被爆者の沼田鈴子さんは「勤労奉仕で『一人でも多くの敵を殺すように』と大砲の弾を磨いた。戦前の教育は軍国少女をつくった」。在日朝鮮人被爆者の李実根さんは「皇民化教育で、日本の神社が建てられ、『東方遥拝』が強制され、歴史・名前まで奪いつくされた。今でも差別が継続している」。自らの体験を踏まえて、教育基本法改悪を徹底的に弾劾した。
 教職員などでつくった即席のコントグループ「もみじまんじゅう」が「ゆとり教育は『言う通り』教育」と授業が統制されていく様子を披露し、「教育基本法が変わればこうなる」と鋭い警告を発した。
 松山大学の大内裕和助教授が「ヒロシマから問う―教育基本法改悪とは何か」と題して講演した。「教育基本法改悪は新自由主義と派兵に対応するもの。教育によって子どもたち=労働者のランクづけを進め、ほんの一握りの『A』ランクのエリートと多数の『C』ランクの失業者予備軍を生み出し、そこから派兵志願兵をつくり出そうとしている。教基法改悪反対はすべての市民・労働者の課題。教基法改悪阻止の運動を新たな反戦平和運動、新しい教育、新しい世界への第一歩にしよう」と訴えた。
 広教組の山今彰委員長は「県教委が今、目をつけた62校の調査に入り、スリッパやお茶の出し方に文句をつけ、権限が確立されていない校長を叱責(しっせき)している。教職員は報告書提出や校内研に追われ、多忙化を極めている。『基礎・基本をやれ』と毎日、多くの就職のできない子どもたちをつくらされ、子どもたちを戦場に送るための教育をやらされている。銃弾に負けないで頑張る」と決意を述べた。
 呼びかけ人で千葉大学助教授の三宅晶子さんはイラクへの劣化ウラン弾の爆撃、現在の核兵器使用に怒りを表明し、2月6日に明らかとなった小泉首相の「先生は自衛隊の貢献を教えろ」という発言を弾劾した。「『愛国心』は人を殺し、人を服従させる時につくるもの。『心のノート』は国家による教育介入だ」と批判した。
 保護者、学生、宗教者なども次々と意見表明した。
 元参議院議員の栗原君子さんが行動方針を提起し、県教委への抗議文、「ヒロシマは教育基本法改悪を許さない集会宣言」が採択された。運動を継続して発展させるため、実行委員会を継続することを決定した。
 12・23集会は全国に波紋を広げ、教基法改悪の国会提出を許さない巨大なうねりに発展しようとしている。教基法改悪反対集会を発展させよう。
 (Y・S)

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週刊『前進』(2141号2面4)(2004/03/16)

教基法改悪反対で集会 福岡
 改悪提出を阻もう 福教組の組合員先頭に

 2月8日、福岡市天神の都久志会館に100人の労働者・市民が集まり「侵略と戦争への道を許すな! 教育基本法改悪反対!2・8福岡集会」とデモが行われた。福教組の組合員が中心となって広く呼びかけた実行委員会が主催した。
 開会前から、福教組の組合員が集まって集会を準備し、デモのプラカードをつくった。この集会にかけた組合員の意気込みがビンビンと伝わってきた。
 集会は冒頭、実行委員会を代表して、闘う市教組組合員が主催者あいさつを行った。教基法改悪攻撃がイラク・北朝鮮侵略戦争への国民総動員攻撃としてかけられていることを弾劾し、「今闘わずしていつ闘うのか」と、教育労働者が先頭で闘う決意を表明し、参加者に熱烈に呼びかけた。
 続いて12・23全国集会の呼びかけ人の一人、東大教授の小森陽一さんが「イラク派兵・教基法改悪・『心のノート』は戦争する人づくり」と題して1時間の講演を行った。小森さんはイラク戦争と憲法9条改悪、教基法改悪をわかりやすく説き起こし、石原都知事の「教育改革」の現状を弾劾しながら、教基法改悪の狙いを明らかにした。
 福教組や高教組の現場の組合員、退職者や「母と女教師の会」に参加してきた女性などが発言し、「『教え子を再び戦場に送るな』の真意を肝に銘じて闘う」と熱く訴えた。
 集会まとめを実行委員会が行い、「教基法改悪は侵略戦争をする国民づくりだ。今日から改悪反対の大きな運動をつくっていこう」と提起した。
 集会後、天神を一周する福岡市内デモを行った。講師の小森さんも先頭に立ち、教育基本法改悪反対を力強くアピールした。福岡市内で初めての教基法改悪反対のデモは、沿道の市民の大きな注目を浴びた。解散地の警固公園での総括集会では、若い女性2人が飛び入りで参加し、元気よく「戦争反対! 教育基本法改悪反対!」のシュプレヒコールを上げた。
 この集会は、実行委員会に集まった教育労働者が先頭に立って成功させた画期的な集会だった。分会オルグに回ってチケットを売り、参加を呼びかけた。職場討議をつくり出し、集会への参加を実現した。集会の準備と内容、動員、運営をやり抜き、「闘えば勝てる、やれる」という大きな勝利感をつかんだ、実りの大きい集会だった。
 闘いは始まったばかり。この集会を起点に、イラク反戦・派兵阻止闘争と一体で、教基法改悪阻止の一大国民運動をつくりだし、改悪案提出阻止へ闘っていく決意だ。
 (H・N)

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週刊『前進』(2141号2面5)(2004/03/16)

資本攻勢&労働日誌 2004 2・16〜2・27
 労組法改悪案、3月国会提出へ
 トヨタ・日産で定昇廃止/昨年失業率17道県で悪化

労組法改悪案を諮問 坂口力厚生労働相は労働組合法の一部改悪案を厚労省労働政策審議会に諮問した。(16日)
厚生年金加入企業、5年連続減 社会保険庁がまとめた02年度末の加入事業所は162万8841で前年度末に比べ約2万事業所の減となった。減少は5年連続。(16日)
「年齢給」をトヨタ全廃 トヨタ自動車は技能職社員の賃金の2割を占める「年齢給」を廃止し、4月から「習熟給」と「役割給」を導入すると発表。(17日)
日産が定昇廃止 日産自動車は4月から定昇制度を廃止するとともに、人事評価を絶対評価に転換すると発表。(17日)
労災事故会社、下請けとの連携不十分 厚労省は、労災の発生率が高い大規模会社は下請け会社の作業場所を巡視しないなど安全管理面での連携が弱いなどとする調査結果を公表した。(17日)
自動車労組が春闘で要求書提出 トヨタ自動車や日産自動車など自動車総連傘下の12組合が会社側に要求書を提出した。ベア要求を行ったのは1000円要求の日産とヤマハだけ。(18日)=自動車各労組の要求
電機各労組が要求書を提出 日立、三菱電機、シャープが18日に松下、東芝、三菱電機が19日に要求書を提出した。いずれもベア要求を放棄した。(18日)
連合中闘、「春季生活闘争 当面の方針その3」を確認 連合は中央闘争委員会で「年金改正に対する取り組み」などの方針を決めた。賃金闘争を後景化。(19日)
労組法改悪案要綱を答申 厚労省の労働政策審議会は、労組法改悪案要綱の諮問について、妥当と答申した。3月上旬をメドに国会に改正案を提出する。(23日)
動労千葉JR不採用事件で東京高裁が反動判決 東京高裁第12民事部・相良裁判長は、動労千葉12人のJR不採用事件の中労委命令をめぐって争われてきた行政訴訟について、初審に続いてJRの使用者性を否定する反動判決を出した。(27日)
1月の失業率5.0% 総務省発表の1月の完全失業率は5.0%と前月比0.1ポイント上昇。15-24歳では男性は10.5%で前月比0.5ポイント悪化。厚労省が発表した1月の一般職業紹介状況では、有効求人倍率は前月と同水準の0.77倍に。(27日)
松下、定昇廃止など正式発表 松下電器産業は、定昇廃止などを柱とする人事処遇制度の改革を4月に実施すると発表。(27日)
昨年の失業率、17道県で悪化 総務省発表の03年都道府県別の平均完全失業率は17道県で悪化。東北、近畿、九州地方で依然として5%を超える地域が目立つ。完全失業率が最も高かったのは沖縄県の7.8%で、次いで大阪府の7.6%、青森県の7.0%。(27日)

 04春闘をめぐる定昇解体攻撃の動向

日立 勤続1年ごとに平均で約2%上がっていた基本給を廃止する。(03年11月に労資合意)
ソニー 70に分かれ、降格がなかった「職能資格」に基づく賃金を、年功的要素が残るとして廃止する。(同上)
松下電器 定昇に相当し45歳まで自動的に昇給する「基礎給(年齢給)」を廃止する。(同上。2月27日に発表)
三菱電機 定昇に相当し、一律に毎年3000円増える基礎給を30歳超の労働者を対象に廃止。(2月2日に発表)
トヨタ 年齢給を全廃し、習熟給と役割給を導入。年功要素を削減する。(2月17日に発表)
日産 本給、年齢給など6項目に分かれた賃金を月次給に一本化し、年齢給を廃止する。(2月17日に発表)

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週刊『前進』(2141号3面1)(2004/03/16)

04春闘 労組法改悪を阻止しよう 労働委制度の無力化狙う
 戦後憲法の解体に直結する 〈団結権保障〉否定の攻撃

 2月23日、厚生労働省の労働政策審議会は、労働組合法改悪案の法案要綱を了承した。厚労省は、3月中にも今国会に労組法改悪案を提出する構えでいる。また、3月2日には労働審判制導入を含む司法制度改革関連法案が国会提出された。これらは、労働者の団結権をめぐる重大な決戦の到来を意味している。3・20への10万人大結集を実現し、その力で労組法改悪を阻もう。全労働者の未来をかけて立ち上がった動労千葉の春闘ストに続き、階級的団結をよみがえらせて、団結破壊の攻撃を根幹から打ち砕こう。

 階級的団結を守ろう

 労組法改悪の当面の狙いは、「労働委員会の審査迅速化」や「裁判での労働委員会命令取消率の高さへの対処」を口実に、労働委員会への申し立てやそこでの労働者の主張・立証を厳しく制限し、労働委員会制度を無力なものとすることに置かれている。(表参照)
 それは、労働者から団結権を全面的に奪い去る攻撃の一環だ。資本は、アメリカのタフト・ハートレー法をまねて労組法に「労働組合による不当労働行為の禁止規定」を置くことや、少数派組合から団交権を奪うことをかねてから主張してきた。今回の改悪を許せば、こうした攻撃が矢継ぎ早に仕掛けられかねない。
 自衛隊をイラクに送り、北朝鮮侵略戦争を目的とする有事法制の完成を急ぐ小泉政権にとって、労働者が団結して資本と対抗することそのものが許容しがたいものになっている。
 日本経団連の04年版経営労働政策委員会報告は、「労働組合が実力行使を背景に賃金水準の社会的横断化を意図して闘うという『春闘』は終焉(しゅうえん)した」「企業の存続、競争力強化の方策を討議し、検討する『春討』『春季労使協議』へと変えていく」と言い放った。労組との団交によって労働条件を決定するという考えは、そこでは一掃されている。産業報国会化しない限り、労組の存在そのものを認めないというのである。
 奥田・日本経団連が狙っているのは、解雇や賃下げを徹底推進するために、資本の行動を縛る一切の制約を振り捨てるということだ。昨年改悪された労働基準法には「資本の解雇権」が明記された。総合規制改革会議の議長を務めるオリックス会長の宮内義彦は、「雇用する権利はあるけれど解雇する権利はないなんて、おかしい」「今の時代に労働組合が必要なのか」と放言している。労組法や不当労働行為禁止規定も、小泉=奥田路線のもとでは廃絶の対象なのである。
 3・20に向けて開始された激動情勢は、階級的労働運動再生への大道を一挙に押し開く可能性をもっている。だから日帝は、「外への侵略戦争」と「内への階級戦争」の攻撃のかなめをなすものとして、団結の暴力的破壊に突き進もうとしているのだ。司法改革や共謀罪の新設、労働運動への治安弾圧の激化は、その重大な一環に位置している。

 戦後体制の要を転覆

 労組法改悪は、教育基本法改悪と並んで改憲に直結する攻撃だ。憲法第28条は団結権、団交権、争議権の労働3権を保障している。労組法は、それを具体化するため「労働者が……自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること」を目的とする法律だ。
 労働者の団結権保障は、戦後体制の骨格の一つであり、その前提をなしてきた。労組法は、憲法の公布に先立つ1945年12月に制定された。労働者階級は、これをも一つのテコに続々と労働組合を結成し、闘いに立ち上がった。ここから始まった戦後革命の激動を鎮圧することで、戦後憲法は成立した。だが、日帝は労働者人民への多大な譲歩をすることなしにブルジョア秩序を再建することはできなかった。戦後革命期=憲法制定期の階級的力関係を直接に規定した労組的団結体に憲法上の保障を与える以外に、戦後体制は成り立ちようがなかったのである。団結権保障は、こうして戦後体制の骨格を形成するものとなったのだ。
 今日、小泉政権は憲法第9条の改悪を頂点とする改憲を公然と唱えている。それは、団結権否定の攻撃と一体であり、それをとおして初めて現実化するものなのである。だがそれは、労働者階級を体制内につなぎ止める最後の鎖を、帝国主義が自らの手で打ち砕くことにほかならない。
 資本主義社会の発生以来数百年にわたり、支配階級は労組の結成自体を犯罪と見なしてきた。だが労働者階級は、いかなる抑圧があろうとも絶えず団結をつくりだし、資本と闘ってきたのである。国家権力のどのような暴虐も、結局は労働者から団結を奪い去ることはできなかった。労働力を売るほかに生きるすべのない労働者にとって、自らの生存と権利、尊厳を守りぬく方法は、団結して資本と闘う以外にないからだ。
 団結をめぐる労働者階級の闘いは、ロシア革命や30年代危機を経て、資本制国家をして「労働者の団結擁護」をその責務の一つとさせるところにまで行き着いた。資本にとってそれは、体制を延命させるために余儀なく強いられた巨大な譲歩であった。
 団結した労働者の闘いがいかに資本・権力に脅威を与えるかは、動労千葉のスト決起が実証している。これに続き、3・20への労働者の大流動が起きている。
 今や帝国主義は労働者人民を食わせていけず、侵略戦争にのめり込む以外になくなった。こうした時代に、労働者が自らの生存を託しうる最も確かなよりどころは団結のほかにありえない。その団結を解体しようとする帝国主義の攻撃は、労働者の一大反撃を必ず呼び起こすものになる。

 国鉄闘争軸に反撃を

 団結破壊の攻撃との最先端の攻防を貫いているのが国鉄闘争だ。国鉄分割・民営化に伴う採用差別について、最高裁は昨年末、「JRに使用者責任なし」とする反動判決を下した。これは、労組法改悪とあいまって、全労働者から団結権を奪い去ろうとするものだ。
 国鉄分割・民営化を遂行した中曽根は、「(国鉄分割・民営化を軸とする)行政改革でお座敷をきれいにし、立派な憲法を安置する」と言い放った。だが、分割・民営化以来17年を経て国鉄闘争は闘いぬかれ、他方でJR体制の矛盾は今日に至ってとめどなく噴出しつつある。動労千葉の04春闘ストは、この矛盾に攻め込む闘いとして貫かれている。国労の最終的な解体を目指した4党合意も破産した。国労をめぐる攻防は、5・27臨大闘争弾圧粉砕の闘いを軸に国労再生をかちとるべき新たな局面に入っている。
 国鉄闘争を押しつぶすことができないままに団結破壊と改憲に突き進もうとしている小泉政権は、すでに大きな破産を抱え込んでいると言っていい。3・20の10万人大結集は、敵階級にこのことをはっきり突きつけるものになるだろう。
 労組法改悪阻止の戦線を早急に築き上げ、闘いに立とう。
 (長沢典久)

 労組法改悪のポイント

○労働委員会は審問開始前に争点、証拠、証人数などにつき審査計画を立てる。労使双方は計画に従う
○審問を妨げる者に退廷を命じる規定を新設。違反者には刑事罰
○証人に宣誓義務。偽証には刑事罰
○文書提出命令や証人出頭命令に関する労働委員会の権限を強化。ただし文書提出命令に際しては「事業上の秘密の保護」に配慮する
○労組法に「和解条項」を新設

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週刊『前進』(2141号3面2)(2004/03/16)

“イラク派遣中止を” 女たち集会パート2 闘いの強化を訴え

 2月26日、「自衛隊のイラク派遣の中止を求める女たちの集会 パート2」が衆院第2議員会館で開かれ、140人を超える女性たちが集まった。航空労組連絡会議長の内田妙子さん、日本新聞労働組合連合委員長の明珍美紀さん、日本医療労働組合連合会中央執行委員長の田中千恵子さんの3人が呼びかけた1・13集会に続くパート2。
 開会あいさつで内田さんが、2月13日には有楽町で派兵中止を訴えて1700個のバレンタインデーチョコを30分で配りきった行動などを報告し、「国会に有事関連7法案が提出ということで、国民保護法制も非常に問題のある中身になっています。この中で、イラクへの自衛隊派遣を中止させるという行動を粘り強く、あきらめずにやっていこう。継続が大きな力になります」とアピールした。
 イラクの白血病の子どもたちを撮影したビデオ上映やイラク調査報告が行われ、イラクの現状にあらためて闘いの決意が固まる。
 川田悦子さんが旭川に駆けつけて派兵反対を訴えた報告をし、日本共産党の女性議員たち、社民党の土井たか子議員も参加し、激励のあいさつを行った。
 医労連の田中委員長が、今後の運動について、全国にカンパ活動を提起しようと呼びかけた。
 その後、1時間弱、10人を超える参加者から次々に活発な意見が交わされた。 
 航空連の女性労働者は母親の空襲体験を語り、「私は職場で『息子に、戦争に行って人殺しをしてこいと言うのか』と伝えています。絶対に戦争反対、自衛隊の方たちがイラクから早く帰ってこられるようにしたい」と訴えた。労組交流センターの女性労働者は、「労働運動で戦争協力を拒否する闘い、これを包み込む市民の大きな闘い。この二つで自衛隊派兵と有事法制7法案を阻止しよう。3月20日、10万人で日比谷公園を埋め尽くして、日本の状況を変えていきましょう」とアピールした。
 新聞労連の明珍委員長が閉会のあいさつを行い、「3月20日の大きな集会に続き、5月に集会を開ければと思っています」と、闘いの継続を呼びかけた。

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週刊『前進』(2141号3面3)(2004/03/16)

全逓労働者は3・20日比谷へ連合をぶっ飛ばす大結集を
 小泉−奥田−生田を打倒しよう

 自衛隊イラク派兵を弾劾し撤退させよう

 小泉政権は、自衛隊のイラク派兵の強行に踏み切った。ついに陸上自衛隊本隊の主力部隊の派兵までが強行されたのだ。戦後史を画する自衛隊の侵略派兵を強行した日帝・小泉の暴挙を徹底弾劾する。すべての自衛隊は直ちにイラクから撤退せよ!
 昨年12月の調査団の派兵以来、これまで派兵された自衛隊は、航空自衛隊がC130輸送機3機と約200人、海上自衛隊は輸送船「おおすみ」、護衛艦「むらさめ」と約330人、陸上自衛隊は本隊の第2陣の出発で270人となり、さらに3月13日、21日に派兵が計画され、約550人が派兵される。文字どおり本格的な帝国主義軍隊としてのイラク侵略戦争への参戦だ。断じて許すことができない。
 小泉が言う「復興支援」はアメリカの侵略戦争と占領政策への加担であり、イラク人民への敵対以外の何ものでもない。「日の丸」をつけ、武器を持ち、人民に銃口を向けて威圧するイラクでの自衛隊のおぞましい姿。これが侵略軍隊でなくて、いったい何か。
 3・20国際反戦統一行動に向かって世界中で闘いのうねりが巻き起こっている。これにこたえて、この日本で3・20日比谷への10万人の大結集を実現することが、歴史を変える力となる。連合指導部をぶっ飛ばす労働者階級の決起をなんとしてもつくり出そう。
 労働者階級人民の中には、資本攻勢による生活破壊と、その手先とさえなった連合指導部に対して怒りが満ち満ちている。労働者階級人民を食わせることもできなくなった帝国主義が、他方でイラクへ自衛隊を派兵し、侵略戦争を開始している。「外への侵略戦争」と「内への階級戦争」に対する闘いをひとつのものとして闘わなければならない。戦争に反対しない労働組合は労働者の生活も権利も投げ捨てるのである。
 昨年来の世界のイラク反戦闘争の高揚を支えているのは労働運動である。原則的に闘い抜いてきた国際的な労働運動が、反戦闘争の大衆的爆発にも大きな力を発揮している。日本においても、昨年の11・9日韓米国際連帯集会の成功によって、そうした高揚を実現していく出発点がかちとられた。国際的な階級的労働運動の反戦闘争への決起と連帯し、日本の労働運動の転換をかちとろう。

 119中央委方針に現場から怒りの声

 2月12〜13日、春闘方針を決める全逓119回中央委員会が開かれた。許しがたいことに、昨年12月の臨大で名称変更を決め、「全逓」としての最後の中央委になった。
 連合全逓本部は賃上げ要求を放棄した。そればかりではない。公務員で初めて賃金制度に能力・実績主義を導入する人事制度改革を受諾することを提案した。これは高齢者に徹底してリストラを強制し、終身雇用制も破壊し、実質的な賃下げを強いるとともに、団結を破壊するものである。
 さらに「コミルール(コミニュケーション・ルール)の見直し」は、労働条件を守るための労働組合の存在意義を根本から否定するものである。憲法で保障された労働3権すら奪われてきたわれわれは、長年の苦労の中で労基法36条の時間外・休日労働の協定(三六協定)締結権を武器として当局への要求闘争を闘ってきた。年間締結への移行は、これを組合が自ら投げ捨てるだけでなく、労働組合としての存在価値すら自ら投げ捨てるものである。
 2月8日から導入された連続深夜勤の強行に対して「こんな勤務じゃ殺される! 直ちに廃止しろ」という怒りの声が全国で上がっている。
 われわれは、民営化攻撃に不安と怒りを感じている職場の仲間ととことん職場討議を行ってきた。これを受けて地方委員会では、ほとんどが本部議案反対の声で埋まったのだ。
 「連続賃下げ、手当削減には我慢ならない。賃上げ要求を」「三六協定年間一括締結反対。交渉の場を売り渡すな」「相次ぐ減員、深夜勤、労働条件の低下に反対せよ」「イラクの自衛隊派遣に反対。労働組合が許していいのか」
 発言する代議員のほとんどが本部議案に反対の意見を表明し、労使一体で裏切りを強める中央本部と現場労働者との決定的対立が生まれている。
 それを受けた中央委員会では、代議員のほとんどが専従にもかかわらず、深夜勤や逓送部門での労働条件切り捨てなどに対する不満と怒りが表明された。さらにイラク派兵に対して、「自衛隊派遣の暴挙に対しては、全逓として毅然(きぜん)とした対応を04春闘で」「自衛隊派遣の即時中止を求めよ」などと4地本から発言があった。

 「コミルールの見直し」で現場の激突始まる

 119回中央委員会によって「コミルールの見直し」は強行的に決められ、三六協定の年間締結―隔月締結の破棄、事後対処方式の導入と単局折衝の廃止―「労使の経営協議会」への置き換えが決められた。これまであった現場での反撃の機会を奪い、人員削減、リストラ、労働強化を中央本部と公社が一体となって推し進めようというのだ。
 しかし現場の怒りと矛盾は爆発点にある。このことは、現場労働者にとって従来の組合的ルールに規制されない直接の当局との激突が始まるということだ。
 「権利の全逓」とは何か。われわれが労働3権、支部団交権を奪われて以来、それを交渉のルールに頼るのではなく職場の抵抗闘争によって、一つひとつもぎりとって闘いとってきたのだ。権利とは上から与えられるものではなく、奪い取るものなのである。
 今こそ職場の団結を打ち固めて、職場支配権をめぐる当局との攻防に打って出よう。連合全逓中央の裏切りは、労働者の階級的闘いの始まりを意味する。
 われわれは、この119回中央委員会でも、あらためて全国各地で闘う支部、分会の息吹を知った。組合員の声を知った。組合が反動化すればするほど、われわれの真骨頂が試される時だ。職場闘争の復権と日常的組合活動の実践を職場支配権にまとめ上げる力が試されるのである。60年代の全逓空港支部の闘いや、動労千葉の闘いに学び、これに続こう。

 3・20総決起で階級的力関係ぬり替えよう

 この職場攻防を地殻変動的に塗り替える息吹が3・20イラク反戦闘争にある。
 東京・関東では、1・25日比谷のイラク反戦闘争に全逓労働者が全逓旗を押し立てて結集し、さらに3・20国際反戦闘争に向けて新たな決起が始まっている。
 連合全逓の反動化にもかかわらず、そうだからこそ、全逓の各地から「イラク侵略を許すな! 自衛隊派遣反対!」の声が巻き起こっている。「戦争に反対しないで労働組合と言えるのか」。この声はわれわれの階級的労働運動の声である。「イラク反戦を闘おう!」という職場の声は当局への反撃と本部の制動をぶち破る階級の魂の声だ。
 「イラク反戦・自衛隊派兵阻止・小泉内閣打倒」のスローガンを掲げて、3・20日比谷に10万、20万の日本の労働者階級の総決起を実現しよう。
 全逓決戦こそ、日帝・小泉―奥田路線と真正面から激突する決戦場である。日本郵政公社=生田(総裁)体制は、小泉―奥田路線のもと、日本帝国主義ブルジョアジーの生き残りのために対外侵略と労働者への階級戦争を宣言した日本経団連の経営労働政策委員会報告を推進している。
 反動小泉と対決し、世界の労働者の闘いとその連帯の力で大きく階級的力関係を逆転しよう。この世界的規模での政治決起で、小泉―奥田―生田路線と連合全逓中央への全逓労働者の総反撃の出発点としよう。
 〔革共同全逓委員会〕

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週刊『前進』(2141号3面4)(2004/03/16)

世界の労働運動 イギリス
 ブレアを弾劾し3・20へ 戦闘的労働組合が先頭に

 統一戦線の核に

 イギリスでも3・20国際反戦行動に向かって、1〜3月、3・20の準備会議やさまざまな反戦行動・集会が行われている。
 イギリスの戦争阻止連合(SWC=ストップ・ザ・ウォー・コアリション)は、01年の米英のアフガニスタン侵略戦争に反対して設立されて以来、一貫して米帝ブッシュの世界戦争計画発動とそれを積極的に支持・参戦する英帝ブレアを弾劾する闘いを推進している。03年2月14日には首都ロンドンで100万人の労働者階級・被抑圧民族人民の反戦デモ・集会を行い、歴史的な世界2千万人同時決起の核となった。
 イギリス労働者階級人民がこのように自分の国の帝国主義政府と真っ向から対決して大反戦運動を起こしたことはかつてなかった。
 しかもこの反戦運動は、イギリスの労働者階級だけでなく、旧植民地出身者を始めとする被抑圧民族人民との共同行動として闘われている。さらに、米帝とイスラエルによるパレスチナ人民に対する虐殺・抑圧に反対する闘いとしても常に闘われている。
 SWCの闘いは、自国の帝国主義的侵略戦争に反対する闘いと人民の権利を守る闘い、他民族抑圧に反対する闘いを常に結びつけている。〈外への侵略戦争と内への階級戦争>を全一体のものとしてとらえている。まさに労働者国際主義、革命的祖国敗北主義に貫かれた「侵略戦争を内乱へ」の闘いとして実践されているといえる。
 このことは、SWCの主要構成団体が労働組合運動の新潮流やイギリスの主要なムスリム組織である英イスラム連盟、学生団体、核武装反対運動(CND)などであることに示されており、彼らはブレア首相の唱える「ニューレイバー」路線――労働党・政府によるサッチャー路線すなわち新自由主義路線、新帝国主義路線――と対決している。
 SWCは、政府に最大の打撃を与える闘いとして首都ロンドンでの大行動を組織することに力を注いできた。その大動員の中心軸は労働組合である。
 SWCは3月20日の国際反戦行動に向かって2月12日に第3回年次総会を開き、3・20行動の方向性を討議し、決議を採択した。その中にレイバー・アゲンスト・ザ・ウォー(LAW、労働党と労働組合会議=TUCの反戦派)の提出した決議案が入っている。

 労働党と対決し

 LAWには、反ブレア派=左派の労働党員・議員、戦闘的労働組合――TGWU(運輸一般労組)、AMICUS(製造業労組)、FBU(消防労組)、CWU(通信労組)、UNISON(公共サービス労組)などの単組や支部――が参加している。
 いずれの労組も今年もストライキを含む闘いを展開し、3月13日に大会を開くブレア労働党との対決を構えている(新潮流の一角を占め、SWCを支える戦闘的労組であるRMT=鉄道海員運輸労組は労働党支持をやめた)。
 LAW提出の決議は「われわれはイラクの占領、すなわちイラク人民に対する軍事的支配や、占領列強による多くの国内インフラストラクチャー民営化に反対しなければならない。イラク侵攻が法的な根拠をもっていないのとまったく同様、イラク占領と民営化も国際法に反している。占領と民営化に反対しなければならない」と述べている。
 侵略戦争の継続としての米英帝国主義のイラク軍事占領、そのもとでの米英巨大資本によるイラク国営企業・石油資源・社会基盤の民営化、乗っ取りを厳しく弾劾している。
 そして、この占領と民営化を阻止するために、イギリスの主要な労働組合がイラクを訪問し、イラクの自立的な労働組合の再建を助けることを提起している。実際、英米の戦闘的労組との連帯のもと、イラクの労働組合運動再建は急速に進み、賃金闘争、雇用保障闘争などが闘われている。
 イギリスでも労働運動の新潮流を先頭に3・20ロンドン総結集に向けて闘いが進んでいる。
 (藤沢明彦)

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週刊『前進』(2141号4面1)(2004/03/16)

3・20日比谷10万決起で階級的力関係と世の中を変えよう
 有事7法案を絶対阻止しよう 日米共同の北朝鮮侵略戦争法案
 国民保護の名で臨戦体制づくり

 小泉政権は9日にも国民保護法案など有事7法案と関連3条約の締結承認案を閣議決定し国会に提出しようとしている。この法案は政府が宣伝するような「日本への武力攻撃から国民を保護するためのもの」では断じてない。それは米帝が準備している対北朝鮮(対中国)の侵略戦争に日帝が全面的に協力し、参戦していくためのものである。日帝は自衛隊のイラク派兵に続き、加速度的に侵略戦争の道にのめり込んでいる。3・20闘争の大爆発をかちとり、さらに有事立法粉砕へ巨大な反戦闘争を巻き起こそう。

 イラクに続き北朝鮮の転覆を狙う米日帝

図 有事関連法案の相互の関係 いまや世界の帝国主義は戦争をしなければ生き延びられなくなっている。米帝はソ連崩壊後、91年に湾岸戦争(イラク・中東侵略戦争)を強行し、多くのイラク人民を虐殺した。94年には北朝鮮の「核開発」を口実に残存スターリン主義政権・金正日体制の軍事的転覆を狙い、北朝鮮侵略戦争を起こそうとした。だが、日帝の戦争体制づくりの立ち遅れで一旦中断した。日帝はこれ以降、戦争体制づくりに全力を挙げてきた。
 米帝は99年にユーゴスラビア侵略戦争、01年9・11反米ゲリラ戦直後にアフガニスタン侵略戦争、03年3月からイラク侵略戦争に突入した。このように米帝は、戦争に次ぐ戦争で帝国主義体制を維持している。
 他方、日本帝国主義は、米帝の激しい戦争政策(戦争で帝国主義的権益を奪い取る)に直面して体制的な危機を深めながら、軍事と戦争をもってする帝国主義の植民地・勢力圏の奪い合いに加わろうとしている。自衛隊のイラク派兵も「人道復興支援」とは名ばかりで、真の狙いはイラク・中東の石油資源と帝国主義的権益の確保のための参戦である。
 日帝は日米安保新ガイドライン、周辺事態法などで戦争体制づくりを進め、昨年6月に武力攻撃事態法など有事3法を成立させた。そして今国会で7法案の制定を狙っている。これが成立すると、米帝の北朝鮮侵略戦争を日帝が全面的に支え、自ら積極的に参戦する体制がひとまずそろう。
 米帝はイラク人民の不屈の闘いでイラク侵略戦争の泥沼化にあえいでいるが、北朝鮮をめぐって「6者協議」で時間稼ぎをしつつ、米帝の都合のよいタイミングを選んで北朝鮮への侵略戦争を起こそうとしている。
 日帝はこの米帝の朝鮮侵略戦争に「共同と競合」の関係で食らいつき、参戦準備を進めている。それが、「核と拉致」問題を使い、スターリン主義の反人民性を絶好の口実とした北朝鮮に対する排外主義のキャンペーンであり、北朝鮮を狙い打ちにした外為法改悪の強行と特定船舶入港禁止法案(前号参照)による「経済制裁」攻撃である。「経済制裁」は北朝鮮に対する宣戦布告に等しい。そして有事7法案の制定策動である。
 有事7法案は別表のように米軍と自衛隊の軍事行動の自由を保障し、労働者人民の生活・権利を圧殺し戦争体制への組み込みを狙う歴史的大攻撃である。

 自衛隊が行政に介入平時から訓練・備蓄

 「国民保護法」では、外国からのミサイル攻撃やゲリラ戦争を想定し、あたかも不当な相手国からの攻撃への対応であるかのように言っているが、とんでもないすり替えである。実際には、米帝と日帝が北朝鮮に軍事的圧力をがんがん強め、侵略戦争をしかけるからこそ、北朝鮮からの必死の反撃が想定されるのである。もしこれによって日本人民に人的物的被害が発生するとしたら、この事態の真の責任は日帝そのものにある。
 具体的にはミサイルやゲリラ戦争で原子力発電所への攻撃すらありうると想定している。つまり、この巨大な犠牲を人民におしつけることを辞さずに侵略戦争を強行しようとしているのだ。
 また国民保護法では、法制定後、国は「基本指針」、都道府県・市町村はそれぞれ「計画」を作成することが義務づけられる。この計画作成のために各自治体に「国民保護協議会」が設置され、そこには自衛隊が参加する。つまり、自衛隊主導のもとに市町村末端まで朝鮮侵略戦争時の避難=住民統制計画や物資統制の計画が立てられ、また平時から避難訓練や物資の備蓄、啓発などが行われるようになるのである。
 まさに日本の社会を挙国一致の戦争体制に作り変える攻撃が決定的に強められるのである。
 日帝支配階級はもはや労働者階級を食わせていけなくなり、労働者階級の怒りと闘いの爆発を心底から恐怖する情勢に入っている。だからこそ有事立法体制を強め、そのもとで労働者階級の闘いを圧殺しようとしているのである。
 3・20日比谷10万人結集をなんとしても実現し、その力でイラク派兵阻止、有事7法案粉砕、日帝・小泉政権打倒へ突き進もう。

北朝鮮侵略戦争を狙う有事立法の体系

昨年6月に成立した3法
法律(法案)のポイント
こんな重大な攻撃
●武力攻撃事態法
「武力攻撃(予測)事態」の認定で国が「対策本部」を設置、対処基本方針を決定▽対策本部長(首相)のもとに全権限を集中▽国、地方公共団体、指定公共機関に対処の責務▽国民の協力(義務)▽自衛隊が防衛出動▽事態対処法制(有事立法)の整備 有事法体系の中心となる法律▽侵略戦争突入を「対処措置」とごまかす▽攻撃されなくても「切迫」「予測」と勝手な判断で北朝鮮を先制攻撃▽閣議決定だけで戦争突入命令が可能(国会承認の希薄化)▽「対策本部」は戦争総合司令部。首相独裁▽国、都道府県、市町村、公共機関、国民の国家総動員、総力戦態勢
●改悪自衛隊法
76条「防衛出動命令」の改悪で「国会の事前承認」を解体▽民有地・家屋の使用・収用や建築・輸送・医療労働者などの業務従事命令を出す手続きを簡素化▽防衛出動命令前でも展開予定地域で陣地構築などができる▽消防法、建築基準法、医療法などの特例、適用除外の拡大で自衛隊の自由な軍事行動を保障▽物資保管命令の違反者を処罰(従事命令も強制力を持つ)
国会無視、首相権限で「防衛出動命令」▽103条の圧倒的拡充で自衛隊は必要とするどんな施設や土地・家屋も使用・収用できる▽食料・燃料・医薬品その他あらゆる物資の徴発(保管命令)、労働者の徴用(従事命令)▽「予測段階」から自衛隊はどこでも土地を収用し、陣地やミサイル発射基地を造り、道路を改造できる▽これらの権限は米軍支援法などですべて米軍にも同等に保障される
●改悪安全保障会議設置法
審議事項に新たに「武力攻撃事態への対処に関する基本的な方針」などを加える▽議員に新たに総務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣を加えた。戦争動員体制上必要な議員構成に▽事態対処専門委員会を常設 諮問機関的役割を一変し、首相を長とする戦争方針策定機構=戦争最高指導会議に実戦的に強化。統幕議長も出席(従来から)▽防衛庁・自衛隊などが加わる専門委員会は政策決定や法案づくりに主導権▽専門委員会は日米の「包括的メカニズム」「調整メカニズム」とも連動
今国会に提出の7法案 ●国民保護法案
国や自治体による有事の際の避難・救援のための措置を規定▽あらかじめ政府は基本指針、都道府県・市町村は計画を作成▽平時から備蓄や住民の避難訓練、啓発を行う▽有事の際、知事は業者に医薬品や食料の保管を命令、売り渡しを要請。拒否すれば収用、処罰▽原発への「武力攻撃災害」も想定▽大規模テロ(緊急対処事態)にも対応 「国民保護」は大ウソ。国家・自治体・国民挙げての侵略戦争体制づくり▽平時から都道府県、市町村で自衛隊がリードする戦争体制づくりが進められる。住民の避難訓練などをとおして戦争体制への動員▽国民の協力義務▽食料、燃料などを国家統制。軍隊最優先。商売も自由にできなくなる。違反者は処罰▽「避難」は軍事行動のための住民排除と統制
●米軍行動円滑化法案
有事の際、米軍が円滑に行動できるよう物品・役務の提供を規定▽米軍が私有地や家屋を使用できる。使用のための立入検査を拒否すれば罰則▽米軍によって発生した損失は国が補償 軍事行動中の米軍が民有地や家屋を勝手に使用、破壊できる。米軍車両は田畑でも私有地でも民家でも、どこでも踏みつぶして通行できる(補償はあとから国が行うと!)。米軍の問答無用の戦闘行動をすべて合法化
●自衛隊法改悪案
日米物品役務相互提供協定(ACSA)改定に伴い、物品・役務の提供や決済の手続きを規定。弾薬も提供できる ACSAの改定で、これまでの「共同訓練」などに加え「武力攻撃事態」「武力攻撃予測事態」などで弾薬を含む物品・役務を相互提供。来援する数十万人の米兵を全面的支援
●交通・通信利用法案
有事の際、自衛隊や米軍が空港、港湾、道路、海域・空域、電波などを優先的に利用できるよう首相が管理者に要請。拒否しても首相権限で利用可能に 全国の民間空港や港が軍隊によって制圧され、出撃基地とされる。高速道路も民間排除し、軍隊最優先に▽三里塚空港・関西新空港などが完全に軍事基地となる
●外国軍用品等海上輸送規制法案
有事の際、敵国への武器・弾薬の海上輸送を阻止するため船を停止させ検査(臨検)できる▽積み荷の引き渡しか日本への回航を求める▽従わない場合は武器使用もできる 日本が攻撃されていなくても海上の北朝鮮船舶への先制攻撃を合法化。食料・燃料輸送船も臨検の対象に
●捕虜等取り扱い法案
自衛隊が捕虜を拘束できるよう規定▽陸海空3自衛隊共同の捕虜収容所を設置 「防衛」の名目で北朝鮮(朝鮮半島)の領土・領海に攻め込み、また海上戦闘で北朝鮮軍を捕虜にすることを想定
●国際人道法違反処罰法案
ジュネーブ条約に違反する行為のうち、刑法に定めのない重要文化財破壊罪や捕虜送還遅延罪、占領地域移送罪、文民出国妨害罪などを規定 占領地域での違反行為にかかわる法律。北朝鮮の占領を想定

 

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週刊『前進』(2141号4面2)(2004/03/16)

派兵抗議デモ 2・20大阪

 陸上自衛隊本隊が派兵される前夜の2月20日、大阪の中之島公園で「とめよう戦争World Action in 大阪実行委員会」主催で緊急抗議デモが闘われた。(写真上)
 同日の北海道・旭川の現地闘争に参加した国賀祥司・泉佐野市会議員から送られてきた写真を会場に展示。集会はA&Uの若者から元気な発言やイラク写真展の成功の報告などが行われた。飛び入り参加も多くあり、約120人が米領事館前を通り大阪中心部をデモした。

100人天神デモ 2・29福岡

 2月29日、「アメリカのイラク攻撃を許さない実行委員会」主催で福岡・天神の警固公園で集会が行われた。
 「カトリック福岡地区正義と平和協議会」の青柳行信さんが「派兵の既成事実化を許さず闘おう」とあいさつ。初参加者など約100人がデモに出発した。右翼街宣車の妨害をはねのけるデモに注目が集まった。(写真下)
 デモの後で再び集会。筑紫住民の会の代表、ゴミ処分場建設に反対する久留米の市民などが次々とアピールした。前宮田町議のわたなべひろやすさんは、靖国参拝違憲訴訟の報告を行った。アムネスティの代表もイラク反戦を訴えた。
 九州大学学生自治会、女たちのデモ実行委、労組交流センターがあいさつした。九大自治会の代表は「3・20は労働者の反転攻勢の日。東京・日比谷公園に10万人結集を」とアピールした。

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週刊『前進』(2141号4面3)(2004/03/16)

成田の軍事空港化許さぬ 3・28へ反対同盟が訴え(上)

 三里塚芝山連合空港反対同盟の3・28全国集会へ向けたアピールを今号と次号に掲載します。全国から総結集しよう。(編集局)

 再び戦争への道 事務局長 北原鉱治さん

 米ブッシュ政権は、世界の頂点に立とうとして大量殺人の侵略戦争の道をまっしぐらに進みつつある。日本でも小泉政権がついにイラクへ自衛隊を派兵し、かつての戦争の道へ足を踏み入れてしまった。
 なぜ完全武装の自衛隊がイラクへいかねばならないのか。なぜ日本の労働者や農民が兵士として人殺しの戦争にいかねばならないのか。この問題に関心をもたないものはいないだろう。
 小泉首相は「戦闘地域は避ける」「人道復興支援である」と言って自衛隊を派兵したが、武器をもっている限り、相手を撃つことは必然である。わずか半世紀前の日本の侵略戦争によって、2千万人以上のアジアの人びとが命を奪われたのである。その傷さえ癒えぬうちに、日本は再びその道をたどりつつある。
 私は「侵略戦争は絶対にだめだ」と絶えず訴えてきた。いまこそ日本の人民が決起する時である。
 ブッシュは、大量破壊兵器の疑惑を口実にイラクを攻撃したが、現在に至るも何も出てきていない。もはや一片の正義もない。米ブッシュ政権は、イラクの次は北朝鮮を狙い、成田空港を米軍の拠点として位置付けている。すでに成田空港ではテロ対策として自動小銃や機関銃を装備した狙撃部隊が配備されている。
 これまでも自衛隊は、民間機を使ってPKO派兵してきた。今回のイラクへの派兵で政府は、民間機を使用するため航空会社と交渉したが、拒否され、政府専用機で千歳からの出兵を余儀なくされた。
 成田空港は、ベトナム戦争の激しい時代に国際空港として計画された。反対同盟は羽田空港に実地調査に行き、ベトナム行きのチャーター機が離発着する事態をみた。機体は攻撃を受けた跡もあった。成田空港も必ずこうなるという強い印象を持ち「軍事空港反対」のスローガンを掲げた。
 空港公団は、暫定滑走路の北側延伸の工事を強行しようとしている。敷地内の同盟員を先頭に決意をもって闘い続ける。
 三里塚は38年間、国家権力の暴挙の連続だった。しかし、どのような攻撃がかけられようが、全国の人びとと力をあわせ、暫定滑走路の北側延伸を破産に追い込む決意である。
 3月20日のイラク反戦国際統一行動で、反対同盟も東京・日比谷公園に参加します。3月28日には、三里塚現地において全国集会を開催する。成田軍事空港粉砕へ大結集を訴えます。

 身勝手な空港公団 天神峰 市東孝雄さん

 空港公団は、4月の民営化と3年後の株式上場に向けて、暫定滑走路の「完成」を狙い北側延伸の工事を強行しようとしています。空港公団は私の畑の底地の権利を元の地主から買収したと言って、私の耕作権の解約を要求してきています。また一部の土地については「明け渡し」を要求してきました。
 この要求に応じる気はまったくありません。この土地は祖父の代から70年間耕してきた畑です。耕作権は完全に私にある。もともとこの土地は、戦後の農地改革で親父の畑になる予定だった。しかしビルマからの復員が遅れて、手続きが取れなかっただけです。実質的には親父の所有地と言ってもいいくらいです。正式な契約部分はもう50年以上、それ以外も20年以上、地主との合意の上で耕してきた。法律的にも耕作権は確定しています。
 大体、頭上40bにジェット機を飛ばしたり、騒音や排ガス、私服警察やガードマンが24時間監視する、こんな嫌がらせを続け、その挙げ句に土地を明け渡せと要求してきた。空港公団は本当に身勝手で許されない。私の畑は公団の勝手にはさせない。
 成田空港は4月から民営化するが、羽田空港では09年にD滑走路が完成し、来年には中部空港も開港する。成田からのアジア便や貨物便が大幅減になるのは確実です。こんな無駄な工事、税金の無駄遣いはやめてほしい。
 反対同盟の「軍事空港反対」のスローガンは間違ってなかった。小泉首相は、「人道支援」とか「復興支援」と言っているけど、自衛隊は完全武装してイラクに乗り込んだ。機関銃などで実弾訓練をやっている。あれは戦争そのものです。また国会では共謀罪の新設が狙われています。これが通れば、戦前の憲兵が民衆を威圧していたような社会になってしまいます。
 成田空港でも機動隊がサブマシンガンを持って警備し、戦時体制そのものにはいっている。北朝鮮への侵略戦争になれば、成田空港が出撃基地になる。戦争反対と空港反対をひとつにして訴えていきたい。3・28集会には、ぜひ全国から参加して下さい。

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週刊『前進』(2141号4面4)(2004/03/16)

日誌'04 2月25日〜3月2日
 裁判員制度法案が国会提出 ACSA改定へ日米が署名

●「国のために死ねる人を」 自民、民主両党の国会議員約60人が参加し、「教育基本法改正促進委員会」の設立総会が開かれ、民主党の西村真悟衆院議員が「お国のために命を投げ出しても構わない日本人を生み出す」「お国のために命を投げ出すことをいとわない機構、つまり国民の軍隊が明確に意識されなければならない。この中で国民教育が復活していく」などと述べた。(25日)
●改悪外為法が施行 日本独自の判断で経済制裁を可能にする改悪外国為替及び外国貿易法が施行された。閣議決定で送金を許可制にしたり、輸出入を承認制にできる。(26日)
●「防衛省」へ自民が「会」結成 自民党の有志議員による「防衛庁を『省』にする国会議員の会」の設立総会が開かれ、今国会に法案提出を目指す方針を確認した。(26日)
●ACSA改定案に署名 日本政府は日本有事の際に自衛隊が弾薬を含む物品・役務を米軍と融通できるようにするための日米物品役務相互提供協定(ACSA)改定案を閣議決定し、川口外相とベーカー駐日米国大使が署名した。政府は、今国会に締結承認案を提出する。「武力攻撃事態」「予測事態」で従来認められていなかった米軍への弾薬の提供も可能となる。福田官房長官は、米軍への弾薬提供は武器輸出3原則の対象外とする談話を発表した。(27日)
●「集団的自衛権、改憲で」 小泉首相は参院本会議で、憲法解釈上禁じられている集団的自衛権の行使に関連して「解釈の変更によるのではなく、正面から憲法改正を議論することで解決を図るのが筋だろう」と述べた。(27日)
●靖国参拝「公的」と判決 小泉首相の01年8月の靖国神社参拝は「憲法の定める政教分離原則に反する」として、国と首相、靖国神社を相手に損害賠償を求めた訴訟の判決が大阪地裁であり、村岡裁判長は、首相の職務としての公的な参拝との見方を示し、「原告の信教や良心の自由は侵されていない」として、賠償請求を却下した。(27日)
●6者協議、次回6月末までに 北朝鮮の核開発問題をめぐる6者協議は、北京の釣魚台国賓館で、実務レベルで課題の検討を続ける作業部会の設置を決め、次回協議を6月末までに開くことで合意して閉会した。(28日)
●九電、08年度めどにプルサーマル 九州電力は、ウランとプルトニウムを混ぜた燃料を普通の原子力発電所で燃やすプルサーマル計画を08年度をめどに佐賀県玄海町の玄海原子力発電所で実施する方針を固めた。(29日)
●入港禁止法案、公明容認へ 公明党は北朝鮮を念頭においた特定船舶入港禁止法案の今国会成立を容認する方針を固めた。(1日)
●自衛隊に「国際貢献」部隊 防衛庁は、国際貢献、対テロ、ミサイル防衛に対応した防衛庁長官直轄の専門部隊を06年度にも創設する方針を固めた。今年中に9年ぶりに全面改定する「防衛計画の大綱」に専門部隊の設置を明記する。(1日)
●裁判員法案を閣議決定 重大な刑事裁判の審理に市民が参加し、裁判官とともに有罪・無罪や刑の重さを決める裁判員制度をつくる法案が閣議決定した。裁判員は20歳以上の有権者から無作為に選任される。合議体は、裁判官3人、裁判員6人の計9人が原則。裁判官・員の各1人以上が賛成する過半数で成立する。この制度で審理されるのは、死刑または無期の法定刑があるか1年以上の犯罪のうち故意に被害者を死なせた事件。(2日)
●拉致議連が改悪外為法の早期発動を決議
超党派の拉致議連が、@改正外為法を速やかに発動し、送金や貿易停止などの経済制裁措置をとる、A北朝鮮を想定した特定船舶措置法案を早期に成立させる――ことを政府や国会に求めることを決議した。(2日)

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週刊『前進』(2141号5面1)(2004/03/16)

日帝の侵略戦争突入下での沖縄闘争の発展かちとろう
 革共同沖縄県委員会

 自衛隊のイラク派兵は情勢を一変させている。憲法9条破棄、有事立法の完成を待つまでもなく、情勢は戦時下ヘと突入した。かの「15年戦争」下の社会状況、階級情勢が現実になりつつある。情勢の核心は「戦争と革命の時代」の到来ということである。目の前の反動の嵐(あらし)、反革命の大洪水の中にあっても、いや、そうであるからこそ、いま確実に始まりつつある労働者階級人民の新たな決起の胎動は、日帝・小泉の侵略戦争の政治もろとも帝国主義の体制そのものを吹き飛ばすようなプロレタリア人民の歴史的闘いとならざるをえない。「イラク開戦1周年3・20」は、そのような歴史的決戦場となった。3・20首都・東京に10万、20万の人民が結集し、反動的情勢の流れを逆転させることは、まったく可能である。もはや生きていけない、もう我慢できないという労働者階級人民の怒り、不満、歴史的変革を求める人民の声は満ち満ちている。3・20に大同団結し、全人民が総決起、総結集することは、まさに地の声となっている。3・20首都・東京と沖縄で巨万人民が総決起し、自衛隊のイラク派兵、日帝の侵略戦争突入を小泉政権もろとも粉砕すること、日本プロレタリアートの階級的再生と階級的力関係の逆転をかちとること――この中にこそ、ほかでもない21世紀の沖縄の命運もかかっている。

 米軍基地問題めぐる激動的攻防の始まり

 イラク侵略戦争の泥沼化、日帝のイラク侵略戦争参戦という情勢は、沖縄を激動の中にたたき込んでいる。その中で既成政党の枠組み、制動を突き破る新たな人民の決起が始まっている。沖縄は、1995年10・21の10万人決起の原点に螺旋(らせん)的に回帰しつつある。3・20決戦の爆発を一大転回点に、日帝・稲嶺体制、SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)路線=県内移設強行の反動を打ち破る沖縄闘争の前進を切り開こう。
 沖縄米軍基地問題が激動的となり、沖縄人民の怒りと政治的活性化が急速に高まっている。
 2月13日付毎日新聞が「米国防省高官が辺野古移設を前提にしない普天間基地の返還(嘉手納統合、本土移転など)を検討している」と報道した。関連して、ラムズフェルド米国防長官が昨年11月に来沖した際に普天間基地を上空から視察し、宜野湾市街地のど真ん中にある普天間基地の危険性について言及した、と報道された。また、米側から日本政府に「代替なしの普天間返還」が具体的に打診されたとも報道された。
 これらの報道は、名護新基地建設のためのボーリング調査の開始をめぐる情勢を直撃している。マスコミ報道の論調にも規定され、幻想や希望的観測、願望や期待なども含めて、沖縄人民の気持ちを大きく揺さぶっている。そしてそれらは結局、「普天間基地を名護に移設して基地の撤去を実現するという『県内移設』路線(SACO)は、もともと無理な話なのだ」というところに収斂(しゅうれん)していかざるをえない。小泉政権は、これらの報道の否定に躍起となり、「SACOの貫徹=名護新基地建設の推進」を表明している。
 現在、名護新基地建設に向けての辺野古海域ボーリング調査は、形式的にはすべての手続きを終え、県当局による水面使用の許可を待つだけとなっている。だが稲嶺県政は、ボーリング調査へのゴーサインを出すことができないで立ち往生している。稲嶺知事や岸本名護市長は、この間の報道に「一喜一憂しない」「もし報道が事実なら喜ばしい」、また「名護の建設は進める」などと発言しつつ、明らかに「振興策という名の日帝による『施し政治』がほごになりはしないか」という一点のみに神経を集中している。
 一方、普天間基地を抱える宜野湾市の県内移設反対派・伊波市長は「SACO発表からすでに7年経過している。宜野湾市民の我慢も限界」と発言し、「5年以内に返せ」という新たな行動を起こしている。
 SACO=名護新基地建設路線はもう破綻(はたん)している。白紙撤回しかない。契機が何であれ、沖縄問題の本質からくる必然として、この認識が県民の中に急速に広がっている。そして、この認識と県民の要求に対するあまりにも「冷たい」日帝政府ヘの怒りが高まっている。同時に、大田知事打倒後の稲嶺―岸本体制の本質が日帝の先兵として沖縄人民に「基地との共生」を押しつけるものであったことが完全に明らかになりつつある。沖縄の中で大地震の地鳴りが始まっている。

 SACO路線の破綻と米軍展開の見直し

 沖縄の基地をめぐって何が進行しているのか。
 米帝はイラク侵略戦争の泥沼化に決定的に追いつめられている。しかし米帝は危機になればなるほど基本的にはますます戦争を拡大していく。こうした状況に規定されて、北朝鮮情勢(日米帝による北朝鮮侵略戦争―金正日政権転覆の策動)が急迫している。米帝はイラク危機の打開に集中するために、北朝鮮侵略戦争情勢(それは中国スターリン主義を転覆する侵略戦争に行き着くものである)の急速な成熟を一時「塩漬け」にしたいという力学も確かに働いている。しかし、そうであればあるほど、基本的には米帝は侵略戦争の拡大へと不可逆的に突き進まざるをえない。追い詰められた北朝鮮スターリン主義の動きは、その意図とは裏腹に、逆に米帝を本格的軍事行動(戦争突入)に追いやる。しかもブッシュ政権はイラク情勢と国内階級情勢に追いつめられ、余裕を失っている。
 米帝はこの中で、普天間返還・名護移設が、この先15年後まで実現されないことに完全にしびれを切らしたのである。現状のままでは、普天間基地を使用して北朝鮮情勢に対応することは不可能と判断したのである。そこから米帝は、名護基地をただちに着工し無条件で米帝が使用できるようにすること、普天間を使用して戦争に突入することが困難であるならば、嘉手納基地や本土の自衛隊基地をも米海兵隊が使用することを日本政府が認めること、嘉手納が狭くなる代わりに宮古の下地島空港を米空軍基地にすることなどを要求している。これはSACOの全面的見直しを意味するような激しいものである。この根底には北朝鮮情勢の戦争化に関する米帝の判断があるのである。
 要するに、@米帝はブッシュ・ドクトリンの徹底貫徹として、米軍の世界展開を全面的に見直し、Aアフガニスタン侵略戦争、イラク侵略戦争を軍事技術的に総括し、そのさらなる推進として戦術核兵器の使用を含むハイテク兵器の集中で勝利する戦争方式を追求し、Bそのために機動性を重視した米軍の世界配置の全面的見直しを検討している。そのもとでC北朝鮮侵略戦争の準備と東南アジア・ムスリム武装勢力掃討のための実践的な戦力配置替えに着手し、在沖米軍の配置替えからオーストラリアまでを含む縦深性を持たせた戦略展開を準備し、Dその中で米軍基地のハブとしての沖縄の位置付けの強化を図っている。E米帝はこうしたことをいま直ちに全面的に具体化しようとしている。
 日米地位協定問題についてここで確認しておこう。
 稲嶺と連合沖縄は、地位協定改定運動をペテン的に展開して人民の怒りをかわそうとしている。だが、日帝・小泉は「改定ノー、運用改善のみ」の態度をとり続けている。政府・自民党の内部にも、「地位協定を改定して有事法制と米軍の関係を整理する」と主張する者はいるが、現在の日米関係はこうした主張を完全に非現実的なものにしている。それどころか、事態は「運用改善」すらもまったく成立しない関係になりつつある。
 米帝は、イラク情勢および北朝鮮情勢がらみで、沖縄基地と全在日米軍基地の無条件的自由使用を従来以上に要求しているのである。その際、米軍基地に関する一種の治外法権としての「地位協定」が重要なテコとなる。稲嶺が大田知事時代の延長であるかのようにペテン的に始めた「地位協定改定運動」は、今や小泉と連合中央を窮地に追い詰めるものへと「転化」しつつあるのだ。
 04年の5・15に向かって、イラク派兵阻止・有事立法粉砕と結合し、「普天間基地の即時無条件全面撤去、地位協定抜本改定=全面的基地撤去」の闘いに立ち上がろう。

 小泉=奥田路線下で激化する<階級戦争>

 日帝・小泉政権は、昨年12月9日の自衛隊イラク派兵基本計画の閣議決定をもって、歴史的反革命の第一歩、新たな「15年戦争」に踏み出した。このもとで沖縄は激変しつつある。
 いわゆる小泉=奥田路線下の階級戦争は、沖縄社会、沖縄労働者人民を直撃しているだけでなく、日帝・稲嶺体制のペテン、SACO路線下の買収政策、これへの幻想をも根底から吹き飛ばしている。基地の県内移設、新基地建設の受け入れと引き替えに施される「振興策」で沖縄経済がなんとかなるという考え方などすでに全面破綻している。
 小泉構造改革は、その本質どおり弱肉強食の猛威を沖縄に対し振るっている。「三位一体」改革は、沖縄のほとんどの自治体を財政破綻に追い込み、その一切がこれまでとは次元を画する自治体労働者への攻撃と住民福祉の切り捨てとなっている。また地元資本の経営破綻、倒産・首切り攻撃も激化している。

 琉球バス全員解雇を許すな

 2月20日、琉球バスは突然、経営危機・会社再建の危機を理由に、3月末に全労働者680人を解雇し、賃金を大幅ダウンした上で希望者を再雇用すると発表した。また200人の退職者に対し未払いの退職金の5割カットを打ち出した。琉球バス労組は当然にもこれを拒否した。
 この全員解雇は経営形態の変更や経営権の譲渡を一切伴わないむき出しの首切りであり、完全に違法である。この攻撃と琉球バス労働者の状況は、日帝・稲嶺体制の反人民性とその破綻のなせる業であり、今日の沖縄の普遍的現実である。
 琉球バス問題の一切の責任は経営者にある。さらに、ここまで事態を破綻的にさせた責任は、日帝政府と稲嶺県政にある。
 琉球バスのみならず、沖縄の唯一の公共交通手段であるバス会社総体が破綻の危機にある。これは、自家用車の増大とバス離れという社会の変化のみに起因することではない。日帝の沖縄差別政策の結果なのだ。
 「復帰」以降の日帝による沖縄振興開発計画は、そのかけ声とは裏腹に沖縄の地場産業を破壊し、「最大の産業が公共工事である」ような経済・社会構造を作り上げてきた。次々と公共工事それ自身を追い求め、それが止まればすべてが崩れるという構造に沖縄社会を追い込んだ。
 しかも、このような政府が投入する資金も最終的には本土大手資本がゴッソリ吸い上げて持っていってしまう。いつまでたっても「本土との格差是正」「沖縄経済自立のための基盤整備」は実現しない。それは逆に、沖縄の旧来からの地場産業とその循環性をズタズタに崩壊させ、むしろ植民地経済的な現実へとますますたたき込んでいる。
 すでに琉球バスは一昨年、企業的には安定的収入部門であった米軍用バスの営業権を本土の会社に取られた。本土資本がデッチあげたに等しい会社が超低額で営業権を落札した。そのからくりは、沖縄の高失業率のもとにある労働者を低賃金で雇って営業するというものである。
 この事態は、沖縄の経済全体を基地維持のための振興策の延長と考える日帝の沖縄政策の破綻ということなのだ。
 日帝・小泉の沖縄政策の特徴は、沖縄に甘い顔、「特別扱い」をしない、沖縄が何を言おうが無視する、というものである。それだけではなく、その構造改革攻撃が日本・沖縄関係、差別支配構造の中で沖縄に極限的な反人民的姿をとって襲いかかるという構造となっている。
 さらに有事立法の完成に向けて今国会に提出されようとしている国民保護法案、米軍支援法案は、「沖縄戦時代の再来」プラス「米軍政時代の再来」として、戦後沖縄人民の思想、精神、アイデンティティーの根本的全面的否定となる。日帝・小泉と沖縄人民との決戦的激突は不可避だ。

 3・20総決起てこに階級的な力の爆発へ

 沖縄闘争の決戦期が迫っている。もはや生きていけないという現実は「新たな移民時代」とでも言うような状況を現出させている。高校、大学を卒業しても職を求めるには本土へ行くしかない。こうした事態は、家庭崩壊、自殺増加に見られるように、沖縄の歴史と「県民性」からいえば考えられないような社会現象まで引き起こしている。それは一方では、基地労働者の募集・試験に交通渋滞を引き起こすほど人が集まるということや、在沖自衛隊の過半数を県出身者が占めるまでになっているようなことも含んでいる。
 このことは、県民の意識が右に変化しているということではない。帝国主義の沖縄圧殺の重圧が極限的にかけられているのである。重要なことは、こうした事態に対して沖縄人民の怒りが爆発的にたたきつけられるのは確実という情勢に入っていることだ。日本・沖縄関係、沖縄差別支配体制そのものを空中に吹き飛ばさなければ収まらないところへ向かっている。
 既成政党にはもはや「自己保身」と「延命」の2文字しかないことは、すべての人民が見通している。こうした中から、一つには、もはや既成政党のあれこれの組み合わせではなく、文字どおり下からの、一からの大衆運動の再構築の要求が巻き起こっている。
 二つには、「沖縄の大同団結」というスローガンが新鮮な響きを伴って人民の中に広がり始めている。95年10・21の「新たな人民反乱」が、それへの反動としての日帝・稲嶺体制、SACO路線を突き破って、再び新たな躍動を開始しようとしている。この根幹に階級的柱が立つかどうか、ここに一切が絞られているのである。
 3・20はあらゆる意味で、このような沖縄闘争の新たな段階を闘いとる場である。要するに、沖縄問題の根幹において総対決する構図、すなわち日帝対沖縄人民の闘いに持ち込めるかどうかということである。沖縄の労働現場、生活の場におけるさまざまな攻撃、生きていけないような現実、また米軍と基地をめぐるさまざまな攻撃、名護新基地建設攻撃などを、沖縄労働者階級人民総体の階級的な力全体で押し返すことが必要なのだ。その軸は沖縄の労働者階級である。
 沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒――これこそ本質的にいま沖縄人民が要求していることなのだ。3・20に総決起し、新指導路線のもと、沖縄労働運動の階級的再生をかちとろう。

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週刊『前進』(2141号5面2)(2004/03/16)

6者協議は何を示したか 米帝主導で対北朝鮮侵略戦争発動を狙うプロセス

 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核問題をめぐり2月25日から北京で開かれていた第2回6者協議(中国、北朝鮮、日本、韓国、ロシア、米国)は、28日に閉会した。議長国の中国が主導して調整を図った共同発表文書は、ぎりぎりまで粘っても合意できず、具体的には次回協議を6月末までに北京で開くこと、作業部会を設置することが決まっただけだった。
 マスコミ各紙は一斉に「北朝鮮への『圧力』を強める時だ」「『北』核廃棄に抜け道は許されない」などと北朝鮮を攻撃。「日本は米国と連携しながら圧力強化に動く時だ。第一歩として、北朝鮮船舶を想定した特定船舶の入港禁止法を早期成立させるべきだ」(2月29日付日経新聞社説)と排外主義キャンペーンに躍起となっている。
 だが「6者協議」とは何か。「6者協議の目標は核兵器のない朝鮮半島を外交で実現すること」(朝日新聞)なのか? 「北朝鮮が誠意ある対応を示すかが焦点だった」(毎日新聞)のか? 絶対に違う。なぜ今、北朝鮮の核(ミサイル)問題をめぐり6者協議を行う必要があったのか。

 完全武装解除求める米日帝

 今回の6者協議で米日帝は、北朝鮮がけっして応じることのできない「完全で検証可能かつ後戻りできない核放棄」(CVID)をあくまで要求した。これに対して北朝鮮は、「米国が敵視政策を放棄すれば、核兵器計画を放棄する」と述べ、その第1段階として「計画の凍結」を提案。米日帝が「完全で検証可能かつ後戻りできない核放棄」に含まれるとして突きつけた「核兵器に転用可能な高濃縮ウラン(HEU)生産計画の放棄」については、「存在しない」と否定し、協議は並行線で終わった。
 この「HEU生産計画」については、今回の6者協議の米代表であるケリー国務次官補が02年10月に特使として訪朝した際に問題となり、これを理由に米帝が米朝合意を一方的に破棄した経緯がある。これらは、米帝の世界戦争政策としての対北朝鮮敵視政策と、反人民的な核武装路線をとる北朝鮮のスターリン主義体制存続をかけた瀬戸際政策の結果なのだ。
 つまり6者協議とは、最新鋭の核兵器・大量破壊兵器などを独占的に保有し、巨大な経済力をもつ米日帝が、核(ミサイル)問題や拉致問題などの北朝鮮の反人民政策につけこみ、それを絶好の餌食(えじき)として、北朝鮮侵略戦争とスターリン主義体制の転覆を狙ったものである。
 米日帝は、近い将来の北朝鮮侵略戦争の発動をにらんで国際的包囲網を敷き、北朝鮮に戦争重圧を加えているのだ。
 外にイラク情勢を抱え、内に大統領選挙を控えるブッシュが、あくまでも自分のコントロールのもとで対北朝鮮侵略戦争を発動するために設定した時間稼ぎの場が6者協議だ。
 現に進行している米英日帝のイラク侵略戦争と軍事占領の重圧が、北朝鮮に、さらには中国に襲いかかっている。だからこそ中国スターリン主義は、6者協議の枠組みを維持し、北朝鮮を懐柔することに必死なのだ。中国では3月5日に全人代が始まり、20日には台湾総統選挙が控えている。
 6者協議で韓国は、米日帝と歩調を合わせながらも、北朝鮮が全面的な核放棄への意思を明確にすることを条件に、「安全を保証」し、韓中ロがエネルギー支援を行うことを提案した。3・20情勢のもとで米日帝に屈服し、新植民地主義国家として延命することを決断した盧武鉉(ノムヒョン)政権だが、「太陽政策」的手法をとるしかなく、矛盾を深めている。
 朝鮮半島・東アジアをめぐってはすでに在韓米軍・在沖米軍の再編として北朝鮮侵略戦争策動が進んでおり、この点からも朝鮮人民、さらには沖縄人民の反米・反基地闘争、イラク反戦闘争の爆発は不可避となっている。
 まさに第2回6者協議は、平和的解決を目指す会議でも、プロセスでもない。空前の反革命国際会議として北朝鮮侵略戦争への歴史的な過程そのものなのだ。戦争発動の時期は米帝が決めるということだ。世界は01年9・11−03年3・20を経て、世界戦争過程に突入しているのである。

 北朝鮮に「刃」を向ける小泉

 この過程に日帝もまた、独自の思惑で激しく介入している。12・9(自衛隊派兵基本計画の閣議決定)をもって日帝はついにイラク侵略派兵に踏み切った。この歴史的転換によって日帝は、対北朝鮮侵略戦争策動に激しく突進している。いまだ戦後的な制約を一掃できていない日帝は、単独で北朝鮮侵略戦争に踏み切ることができない矛盾とジレンマをもバネに、朝鮮半島における権益確保のために積極的対抗的な政策に打って出ている。米帝と共同・競合し、北朝鮮侵略戦争に主体的に打って出ようと決意しているのだ。
 日帝は6者協議の場でも、拉致問題で独自の成果を上げようと反動的に策動し、6者協議前日の24日に有事法制7法案(概要)の発表をぶつけ、開催中の26日には北朝鮮制裁法である改悪外為法(2月9日成立)を施行した。
 さらに、6者協議で拉致問題が進展しなかったと不満を噴出させる「救う会」「拉致議連」を推進力に、北朝鮮船舶を念頭に置いた特定船舶入港禁止法案の成立を目指している。まさに6者協議の前後に、イラク侵略戦争突入と対北朝鮮侵略戦争への準備のための大反革命攻撃が展開されているのである。
 小泉は3日の衆院予算委で、特定船舶禁止法案についての質問に答え、「(北朝鮮に)ギラギラ抜き身の刀をちらつかせる」ものだとうそぶいた。つまり、この法案の「検討」「提出」「衆院通過」「成立」の動きの一つひとつが、北朝鮮に刃(やいば)を突きつける激しい戦争行為であることを自覚し、効果的に進めるというのである。
 翼賛国会で行われる挑発的な有事法案の審議は、対北朝鮮排外主義の扇動そのものとして進行する。「不法滞在外国人摘発強化のため」と称する入管法改悪案も2月27日、国会に提出された。吹き荒れる排外主義攻撃を許さず、闘う在日朝鮮人・中国人と連帯し、入管法改悪阻止に立とう。
 イラク人民の根底的決起が爆発し、深々と泥沼に引きずり込まれている米英日帝は、シリア・イランへと侵略戦争を拡大し、北朝鮮・中国侵略戦争に突進する以外にないことを今回の6者協議は示した。
 〈外への侵略戦争と内への階級戦争>が労働者人民に襲いかかっている。今こそ日韓米労働者人民の国際主義的連帯が威力を発揮する時だ。労働者人民はもはや帝国主義のもとでは生きられない。共通の敵・帝国主義を打倒するために日韓米労働者人民の共同闘争を進めよう。3・20日比谷に全国から総結集しよう。

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週刊『前進』(2141号5面3)(2004/03/16)

イラク人民虐殺訓練を弾劾 日本原闘争

 2月25日、岡山県日本原陸上自衛隊基地・演習場で陸自第15普通科連隊による実弾射撃訓練が強行された。イラク・中東人民虐殺訓練だ。使用されたのは今イラクに持ち込まれている110_個人携帯対戦車弾である。装甲貫徹力700_以上といわれる強力な殺人・破壊兵器である。「自爆テロのトラックを停止させるため」(政府)などというレベルをはるかに超えている。小泉の語る「人道復興支援」などまったくのうそだ。
 岡山の闘う労働者、学生は、小牧、呉、北海道の現地闘争に続いて早朝から実射訓練実力阻止闘争に決起した。演習場内に突入し、不当な「立ち入り禁止」に弾劾のシュプレヒコールをたたきつけた(写真)。業務隊、警務隊の自衛官は「上官の指示で行っているから正しい」と正当化を図る。ここに帝国主義軍隊の本質が現れている。わが部隊は「自衛官よ! 上官の命令でアジア人民を虐殺した歴史を繰り返すのか」「小泉や大資本のために命を捨てるのか」と訴え、弾劾した。

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週刊『前進』(2141号6面1)(2004/03/16)

団結広場 投稿コーナー

 「君が代」ピアノ伴奏拒否裁判の控訴審へ 元教員 茅野芽衣子

 日野・「君が代」ピアノ伴奏拒否裁判は12月3日の棄却判決に対して即控訴し、「思想、良心に関する憲法判断を問う」裁判(全国で初めて)として着々と準備が進められています。
 1月30日夜の報告集会には寒風の中、日野教職員組合員、保護者、市民、キリスト者などが集い、棄却への怒りと控訴審への思いが力強く語り合われました。
 「音楽や文化を戦争の道具にする側に立っていなくてよかった」「みなさんの石垣になれれば」「外から学校に風穴を」という、控訴人からのお話に胸が熱くなりました。
 吉峯弁護士から決意と争点が鮮明に提起されました。「職務命令は原告に一定の外部的行為を命じるものだから、原告の内心の領域における精神活動までも否定するものではない」という判決は「踏み絵を踏めと言っているので、神を信じてはいけないと言っているのではない」ということだと批判されました。
 「公務員は全体の奉仕者であり、思想良心の自由も公共性に由来する内在的制約を受ける」という裁判所の判断は、憲法論を否定し、「全体の」の意味をはき違えている。いま現在も各国大使館は天皇の写真を飾り、官僚はその奉仕者と思っている。またそういう学校管理職が増えている。人権制約はとりわけ厳密、慎重に検討されなければならないと指摘されました。
 対策委員の方から「君が代」ピアノ伴奏拒否戒告処分と裁判の棄却は社会状況を色濃く反映しており、教育基本法の改悪を許さないためにも、棄却判決に「ノー!」の声をあげ、「公共性」「全体の奉仕者」がけっして権力のためのものではないことも明らかにしていきたいと控訴審の内容と支援が訴えられました。
 「日の丸」の小旗が振られて自衛隊がイラクに派兵されている今、この裁判は教職員はもちろん、すべての人びとの「戦争協力か否か」をも含む、思想良心の自由に関する憲法判断を問うものとなっています。
 公判は4月下旬の予定です。全国からご支援、ご意見をお寄せくださるよう、よろしくお願いします。

 「派兵拒否を」の訴え隊員の反応予想以上 全学連北海道現地行動隊 N

 2・20〜21闘争へ北海道現地行動隊は、旭川や札幌で連日闘いました。
 決定的だったのは、朝夕の駐屯地北門前での行動です。当初の予想を超えて隊員の反応が生まれました。横断幕をのぞき込む。車の窓を開けてアジテーションを聞く。「(ビラを)昨日もらったよ」「ここでやっても仕方ない。政府に言ってよ」と、話しかけてくる。
 これは、行動隊の真剣な訴えと、本当に自衛隊員を獲得するという立場が伝わったことの結果だと思います。隊員は派兵反対運動に注目しているのです。
 だから、2・20の駐屯地前での闘いは決定的でした。本当に隊員に肉薄して闘ったことが隊内反乱の現実性をつくりだしたのです。警察権力が全学連の学生を不当逮捕したのも、リアルな恐怖があったからです。そして、全学連がその弾圧をも打ち破って闘いぬいたことが、自衛隊員を獲得していく重大な地平を切り開いたと言えます。
 さらに、行動隊の連日の街頭での展開は、地元の労働者民衆の根底的な怒りと結び付き、決起を押し開く重大な闘いでした。
 街宣では、「娘の夫が派兵される。娘がずっと泣いている。あなたたちには頑張ってほしい」と高齢の女性。大学生が行動隊の街宣に合流し、3時間にわたって署名を集めてくれました。女性が街宣現場に30筆の署名を持ってきてくれました。20日の駐屯地デモには地元の労働者が参加しました。
 旭川の街頭展開は、さまざまな勢力が入り乱れる中で行われました。この党派闘争に勝ちぬいてきたことが、20日の闘争の爆発をつくりだしました。闘いはこれからが本番です。

 「賃金・価格・利潤」の学習の成果を春闘へ 兵庫 水木優介

 去年から仲間と「賃金・価格・利潤」の学習を始めた。春闘の季節を迎え、学習も終わりに近づき、この学習が必須不可欠で緊急である、と書いてあることが実感できる。
 この本をまとめると「賃上げ闘争を果敢に闘おう」「しかし、賃上げ闘争にとどまっていては労働者は鉄鎖にしばられたまま。プロレタリア革命を!」ということだと思う。「絶えず加えられている賃下げ圧力と常に闘っていなければどこまでも資本の言いなりにされる関係」、これは資本との緊張関係の大切さだと思う。労資は協調するものではなく対立するものだと。
 「資本にとっては、不健康で早死にする労働者の急速な世代交代であっても、健康で長生きする労働者による労働力の供給であっても、とにかく労働力が市場に供給され続けるならばそれでいい」とある。ひどい話だが現実はこのとおりだ。
 規制緩和でタクシーの台数が増え一台あたりの単価が下がり、乗務者の年収が生活保護世帯のそれを下回っているらしく、24時間勤務の後まだ残業したり、休日も乗車しなければならないという。その労働強化の結果、乗車中に心臓発作を起こしたり、居眠りで事故を起こして死亡する例が増えているらしい。
 労働者にとっての「労働力の再生産」は困難になってきているけれど、資本にとってはこれくらいでいい、と言うのか。労働強化に耐えられない労働者が次々死んでくれれば若くて新しい労働力に置き換えやすい、と言うのか。
 労働者は闘わなければ生きていけない時代だ! 一人でも多く、少しでも早く気づいて立ち上がってくれることを望む。私もその一助になれるようがんばる。

 組合の赤旗を掲げて春闘要求の統一行動 関西合同労働組合 佐久ミチル

 関西合同労働組合は2月17、18日の2日間、春闘統一要求行動を行いました。朝8時半から夕方4時ころまで各職場を回り、とっても楽しく充実感あふれる1日でした(体力的には少々疲れましたが)。
 私の職場では、社長に春闘要求書を持ってくるので受け取るように言いましたが、前々日には「都合が悪い」、前日には「会社が大変な時に何言うてるんや。そんなの受け取らへん」と言い、当日は逃げ出したため、事務の労働者に渡しました。第二組合の組合長が「そんな大勢で入ってくるな」と文句を言いましたが、みんなで抗議し、ハンドマイクを使って要求書を読み上げ、シュプレヒコールをあげて、提出行動をやりぬきました。
 私は99年に自分の解雇を撤回させるために関西合同労組に加入し、解雇撤回をかちとりましたが、その直後に会社が第二組合をつくり、今も一人分会のままです。親しい仲間たちは雇い止め解雇で辞めていき、一時金の団交でもゼロ回答が続いていますが、ビラをまいて労働者に訴えることしかできず、ずっと悔しい思いをしてきました。
 そんな中、組合の赤旗とのぼりをいくつも掲げて、組合の仲間と職場に押しかけるというのは、本当に気持ち良かったです。職場では日々ひとりで資本と対決しなければなりませんが、自分にはこんな力強い仲間がいるのだと思うと、元気も勇気も出てきます。
 また職場を回ってみて、どこの社長も職制も労働者をなめた不誠実な対応で、本当に腹が立ちました。私たち関西合同労組は一人分会のところが多く、みんな厳しい状況にあります。だからこそ、組合員が団結してひとりのために闘うということがどれほど大切か、今回実感しました。

 セクハラに日々悩む女性の投書を読んで 東京・南部 小倉千鶴子

 「働く女性は、セクハラに日々悩んでいる」という投稿(2月16日号)を興味深く読ませていただきました。今、女性の合同労組でも、セクハラの相談は、解雇、非正規契約問題、いじめなどに次いで多く寄せられています。
 私も、タイピスト兼秘書をしていた18歳の時、社長に後ろから抱きつかれ(それ以上のことはなかったのですが)大ショックでした。怖いやら悲しいやら、それに対して何も言えない自分が情けない気がしました。人に絶対言ってはならないことだと思い込み、家族にも相談できず、一人悩み、結局会社を辞めました。実社会に出ていきなりの経験でした。その経験が、今女性労働運動にかかわっている一つの要因となっています。
 今の資本主義社会の支配構造は女性差別を必要としており、女性への差別意識はこの社会でつくられてきたものです。
 セクハラというのは、男女の対立ではなく、女性の働く権利の問題です。本来なら労働組合が、女性労働者の苦情を受け、雇用主や管理職に是正を要求するものであるはずが、やってこなかったのです。
 そこをついて政府と企業は、女性の要求を取り入れた形でセクハラ防止の法律を改正男女雇用機会均等法(01年施行)に入れ、雇用者のセクハラを問題にせず、雇用者の労務管理にしてしまったのです。
 男女差別を前提とした雇用形態でありながら、それを逆用して女性の労働組合活動、労働運動を無力なものにしていく。これは、男女共同参画社会基本法とまったく同じです。
 この政府と企業の結託したやり方自体、女性差別です。許せません。こういう問題をどんどんこの投稿欄に出していきましょう。

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週刊『前進』(2141号6面2)(2004/03/16)

3・25完全無罪判決で日帝の心臓を撃とう
 迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判被告団

 いよいよこの3月25日に、私たち3人(須賀武敏・十亀弘史・板垣宏)を「被告」とする「迎賓館・横田」爆取デッチあげ弾圧事件の一審判決公判が開かれます。87年10月の獄中逮捕以来、16年を超えて延々と、そして必死に闘い続けてきた私たちの闘争に、ついに〈最初の決着〉がつけられようとしています。この3・25判決公判闘争に向けて、その闘いの重大な意義を、ここにあらためて明らかにしておきます。

 私たちは無実

 3・25判決公判闘争の内容とその意義は、大きく以下の4点に要約されます。
 何より第一には、私たちは無実であり、したがって3・25において必ず完全な無罪判決をかちとらなければならない、ということです。もちろん私たち被告団と弁護団は、すでにしっかりと検察官論告を論破し切っています。
 例えば検察官は、その「立証」の最初から最後まで私たち被告が一体いつ・どこで・何を・どうしたのかという具体的な要素を一切特定することが出来ませんでした。最も肝心の誰がについてさえ、ただただ「被告人三名が」と繰り返すばかりで、被告それぞれの誰が何を実行したのかをまったく明らかにしていません。要するに検察官は、〈いつとも知れず・どことも知れないところで・誰とも特定出来ない人物が・とにかく何かをどうかしたんだ〉ということしか主張していないのです。
 このことはまさに、事実がないのだから立証など出来るわけがないということの端的な表れです。検察官の立証と論告は、同根の異様な無内容さとそれを覆い隠そうとする奇弁の集大成にすぎません。被告団と弁護団は、検察官のそのような非論理とごまかしのすべてを、具体的な論拠をあげて一つひとつ完璧(かんぺき)に打ち砕きました。その闘いによって、私たちの無実と検察官立証の破産は、すでに厳密に論理的に、まさしく客観的に、十分に明証されています。
 しかし、そのことは直ちに裁判官による無罪判決に結実するわけではありません。私たちの階級敵は、しばしば〈無実だからこそ有罪に〉という最も卑劣な弾圧を実践します。だからこそ、今から3月25日までの、そして3月25日当日の闘いが決定的に重要なのです。後でも触れますが、詰めの闘いこそがすべてを決します。私たちは必ず無罪判決をかちとらなければならず、無罪判決がなければこれまでの闘いのすべてが無に帰します。その覚悟で共に決起し、3・25闘争に絶対に勝利しましょう。
 第二に、3・25の無罪戦取の闘いは、同時にそのまま福嶋昌男同志の奪還闘争なのです。迎賓館・横田のデッチあげによって、私たちは15年を獄中に閉じ込められ、そしていま福嶋同志は11年の独房生活を強いられています。無実の被告の勾留は、1日であっても1時間であっても許されません。まして、15年や11年は、理不尽の極みです。その上に福嶋同志は、現在、極度に密閉性の強い東京拘置所の最新舎房に閉じ込められ、超長期の未決勾留とその閉塞(へいそく)獄舎のせいで、深刻に健康を害しています。福嶋同志の釈放を、断じて直ちに実現しなければなりません。  
 私たち3人への無罪判決は、福嶋同志の即座の釈放の重大な決定要因となります。私たちは、なんとしても無罪判決をかちとり、そのことによって、福嶋同志との塀の外における歓喜に満ちた合流を、直ちに実現したいと痛切に思っています。福嶋同志の今すぐの奪還のためにも、3・25に総決起しましょう。

 共謀罪に反撃

 第三に、私たちへの無罪判決は、同時に、共謀罪の新設と司法改革の攻撃に対する一種劇的な強力な反撃となるに違いありません。
 迎賓館・横田のデッチあげ弾圧は、共謀罪の先取り攻撃の要素を数多く含んでいます。例えば検察官論告は、〈『前進』を読んでさえいればそれがそのまま両事件についての共謀の証拠となる〉という、かつてない無制限の弾圧主張を展開しています。これが、「共謀」というあいまいな概念をさらに押し広げて、組織への所属や同調また機関紙の購読さえもを直ちに「犯罪」として弾圧する攻撃であることは明白です。
 論告はそのような共謀罪的なデッチあげの手法を満展開させています。3・25の無罪戦取によって、共謀罪に痛打を与え、その新設を絶対に阻止しましょう。
 私たちは、法廷においても拘置所においても一貫して〈被告としての権利〉を拡大し続けて来ました。公判においては、裁判長も阻止しきれない迫力と自在さで発言し、きわめて痛快に攻勢を維持してきたと自負しています(少なくない傍聴者が「どちらが被告だかわからなかった」という感想を述べています)。
 権力にとっては最も憎むべき被告たちであり、最もつぶしたい超長期の法廷闘争であったにちがいありません。私たちの公判のあり方が国会でも論議されたとおり、司法改革とは端的に〈迎賓館・横田のような裁判は二度と許さない〉という権力の攻撃でもあるのです。
 そうであればなおさら、私たちは〈迎賓館・横田流儀〉の被告団と弁護団のあり方を、最後まで勝利的に貫徹しなければなりません。その意味で、3・25は司法改革の攻撃を法廷の現場において打ち砕き、裁判のあり方の未来を決する闘いにほかなりません。
 第四には、これが最も基本的なことですが、治安弾圧との闘いは常に階級闘争の核心をなしている、ということです。3・25闘争も、そこに階級闘争の全要素を凝縮的に包含しています。
 現状の治安弾圧の激化は自衛隊のイラク派兵と一体です。治安弾圧と闘い抜くことは、イラク派兵という侵略戦争に徹底して反対することです。治安弾圧はまた何よりも革命党をつぶそうとする攻撃であり、したがってそれとの対決は党を守り抜くということです。治安弾圧はさらに労働者の団結破壊の攻撃であり、したがってそれとの闘いは階級的団結を堅持し抜くということです。
 3・25を、党と労働者人民の不屈さを示して、侵略戦争に反対し、団結を打ち固める闘争として闘いぬきましょう。
 86年の4・15横田と5・4迎賓館の戦闘は、〈侵略戦争を内乱へ〉の先端をなすゲリラ戦として、帝国主義者の心臓を撃ちぬきました。その両戦闘を口実にしたデッチあげを粉砕することは、戦闘そのものとは別の一面において、その二つの闘いを最後的に完成させることにほかなりません。それは、両戦闘が敵に与えた打撃の大きさとその正義性を判決をとおして明示させるということです。3・25に勝利して、帝国主義者の心臓をもう一度撃ちぬきましょう。

 怒りの包囲を

 大きく以上のような意義を持つ3・25判決公判闘争に断じて勝利しましょう。一昨年12月の私たちの保釈実現闘争は、最後の詰めの闘いで一気に攻勢をとることの威力を、まざまざと指し示しました。勝敗は最後の一戦によって決まります。3・25の決戦に、どれほどの力を結集し、どれほどのダイナミズムを発揮できるか、そのことこそが判決の行方を決します。
 3月25日、東京地裁をデッチあげへの怒りで何重にも包囲しましょう。判決公判を厳しく、熱く傍聴して下さい。完全な無罪判決を必ず実現させましょう。
 公判後、弁護士会館で集会を開きます。判決内容がどのようなものであれ、さらに続くほかにない闘争への、その新たな決起の集会にもぜひ結集して下さい。被告団は全力で闘います!

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週刊『前進』(2141号6面3)(2004/03/16)

九大弾圧 有罪判決許すな

 2月3日、福岡地方裁判所で3・26九州大学弾圧事件の判決公判が行われた。林裁判長は、デッチあげ起訴されたM君に、懲役4カ月、執行猶予3年の有罪判決を出した。すかさず傍聴席から「反動判決弾劾!」の怒りの声が上がった。
 判決内容は、ありもしない暴力行為について、九大自治会によるアフガニスタン反戦のクラス決議運動に対するスパイ活動を行った右翼活動家・石井の証言を全面的に認めた。石井のデッチあげ証言を、「自然に説明されている」「矛盾はない」と言い放った。実際には警察の調書を何度も作り替え、証言内容が変遷しているにもかかわらず「一貫している」などと強弁したのである。さらに林裁判長は、石井の証言がM君の証言よりも信用できる理由として、石井が「暴行」を受けた後、すぐに110番通報したからだという暴論を持ち出した。
 他方、M君の証言については「不合理な点がある」と一蹴し、「酌量の余地はない」「再犯のおそれがある」と重罰を宣告した。
 林裁判長は、M君を6カ月間も長期勾留し、弁護士以外との接見も禁止し、被告の最低限の権利である防御権を奪った。その上、裁判では傍聴者には見えない別室で「ビデオリング方式」によってデッチあげ証言をさせて、林裁判長は「被害者に落ち度はない」と言い放ったのである。
 公判終了後、弁護士会館で総括集会を行った。傍聴者から「反動判決だ」「絶対に許せない」との意見が相次いだ。
 弁護団、大学時代からの友人、国労5・27臨大闘争弾圧被告などが発言し、最後にM君が「戦争に反対する者は、デッチあげてでも弾圧してくる。それこそ帝国主義が危機に陥っている証拠。そんなに反戦運動の高揚を恐れるならば、その反戦運動を大爆発させてやるのみ。3・20の爆発へ意気軒高と闘っていく」と決意を語った。
 M君は反動判決粉砕のため福岡高裁に控訴した。

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週刊『前進』(2141号6面4)(2004/03/16)

ビキニデー50年 杉並・広島で集会

 被爆者が反核対談 杉並 闘い共有する展望

 2月27日夕方、杉並産業商工会館で行われた「ビキニデー50周年東京集会」に参加しました。
 東京被爆者青年同盟の女性の司会で、第五福竜丸元乗組員の大石又七さんとヒロシマの被爆2世が反核対談。語られたビキニ被爆の真相に、80人の参加者は強い衝撃を受けました。
 多くのマーシャル諸島人民を被爆させた54年3月1日のビキニ水爆実験。約千隻もの日本の漁船(2万人近い乗組員)も被爆していたのです。第五福竜丸のみを対象に日米政府間で乗組員1人あたり200万円の見舞金で政治決着。その取引でアメリカから原子炉を導入、日本の核武装化が開始されました。
 大石さんは「私たちは偏見と差別を受けてきた。ビキニ被爆事件を過去のものにしたのは、日本の平和運動にも問題があったのではないか」と指摘し、被爆2世の男性は「原爆医療法は水爆実験の被災者を排除し、広島・長崎の被爆者のみが対象となった」「第五福竜丸の人たちが頑張ってきたからこそ今、他のビキニ被爆者が立ち上がってきている」と応じました。
 既成の原水禁運動の限界と弱点をのりこえ、ヒロシマ・ナガサキの被爆者とビキニ被爆者が真に闘いを共有できる展望が切り開かれたことを実感しました。
 対談後の質疑応答では、長崎で被爆した女性が、「60歳になって同級生がガンで亡くなり始めた。闘わなくては」と訴え、昨年イラクを訪問した男性は「劣化ウラン弾の放射能被害で多くの子どもが亡くなっている。医薬品が圧倒的に足りない」と報告しました。
 集会では、相模女子大の吉田義久教授の自主制作ビデオ「見えざる戦争―イラク劣化ウラン弾の恐怖」も上映されました。劣化ウラン弾を「健康にたいした影響はない」と米政府。吉田さんは「原爆に代わる放射能爆弾として詳細に研究されていた」と暴露し、米軍の劣化ウラン弾大量使用を強く断罪しました。反戦自衛官の小多基実夫さんが自衛隊イラク派兵反対を訴えました。動労千葉の滝口誠さんは、指名ストライキの勝利を報告し「わずか500人の組合でも闘えば情勢を動かせる」と熱弁、「二度と戦争は許さない!戦争体験者杉並100人の声の会」の90歳の女性の発言に感激しました。
 呼びかけ人を代表し結柴誠一杉並区議が、3・20日比谷10万人決起をアピールしました。
 (投稿 U)

 ウラン弾使用を弾劾 広島 「核戦略を斬る!」

 2月29日午後、広島市東区の広島県立生涯学習センターで小西のぶ子記念館主催の「ビキニ被爆50年、小西のぶ子さん追悼反核集会−ブッシュの核戦略を斬る!」 が60人の参加で開かれました。
 冒頭、司会者から1987年2月7日に亡くなった小西のぶ子さんの闘いを引き継ぎ、発展させるものとしてこの集会を成功させようと提起されました。
 主催者から静岡でのビキニ集会の報告の後、全国被青同から「日本の原子力発電はビキニ事件の早期決着と引き換えにできあがった。日本の核武装はここから始まり、今日さらに強まっている。湾岸戦争以来劣化ウラン弾による放射線被害の犠牲者は全世界に広がっている。大石又七さんやビキニ被爆者とともに核廃絶の闘いに立ち上がろう」と基調が提起されました。
 その後、相模女子大学教授の吉田義久さんが講演し、帝国主義の大量殺戮(さつりく)兵器の実態をあばき、イラク侵略戦争を弾劾しました。(写真上)
 「米帝は、ベトナム戦争の総括から、新しいタイプの核兵器として劣化ウラン弾を91年の湾岸戦争で初めて使った」と指摘、さらに「劣化ウラン弾は短期間の対敵撃滅戦力を持つと同時に、放射能汚染された敵地を長時間かけて、生活破壊とガン、白血病や悪疫の蔓延(まんえん)によって追いつめ、国力、民力を消耗・摩耗する。そして経済制裁という政治的・国家的テロが、その効果を10倍化した」と、米帝の戦争犯罪をえぐり出しました。
 その後、参加者との質疑応答、意見表明が行われ、帝国主義核戦争への怒りも新たに、ヒロシマ・ナガサキ、ビキニを繰り返さないという思いを強くしました。最後に東京・日比谷公園で開かれる3・20国際反戦集会への参加が呼びかけられました。
 (投稿 A)

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週刊『前進』(2141号6面5)(2004/03/16)

公判日程

☆水嶋秀樹同志判決
3月17日(水)午後1時30分
☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
3月12日(金)午後1時15分
須賀・十亀・板垣同志判決   
3月25日(木)午後1時15分
*いずれも東京地裁

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