ZENSHIN 2004/08/09(No2161 p10)

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第2161号の目次
 
1面の画像
(1面)
青年を先頭に8月広島・長崎へ
マル青労同1000名建設を
労組青年部運動の復権を軸に闘う労働運動の高揚かちと 革共同中央労働者組織委員会
記事を読む  
夏期カンパのお願い いま一度心から訴えます 記事を読む  
8・6(集会要項)−8・9反戦反核闘争日程 記事を読む  
(2面)
1047名闘争への大反動に警鐘乱打する
酒田・革同の「早期収拾路線」うち破れ
動労千葉を支援する会総会講演 中野洋動労千葉前委員長の訴え
“和解願望”はあまりに主観的 分岐・高揚を11月集会の成功へ
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“改憲反対”で多彩な内容 8・15労働者・市民の集い(集会要項) 記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2004 7・11〜7・23
日本経団連夏季セミナー 9条改憲狙う本格論議
自殺者、過去最高3万4千人超/非正規雇用35%に
記事を読む  
国労5・27臨大闘争弾圧公判日程 記事を読む  
(3面)
教育労働者は1年間決戦に立とう
「君が代」不起立攻防に勝利し教育基本法改悪・改憲阻止へ〔革共同教育労働者委員会〕
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再発防止研修執行停止申立
東京地裁が不当却下 研修の違憲性にも言及(7月23日)
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「つくる会」教科書 阻止へ310人が集会
新設一貫校で採択狙う(投稿 永田哲郎)(7月20日)
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(4面)
自治労大会に向け訴える
「21世紀宣言」否決の地平から本部打倒へ
小泉構造改革−大民営化、戦争動員、改憲との対決を 革共同自治体労働者委員会
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部落解放同盟全国連婦人部 “全支部に婦人部を”
山口で13回大会を開く(7月18日〜19日)
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日誌'04 7月20日〜26日
米韓が在韓米軍再編で合意 「憲法9条、日米同盟の妨げ」
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(5面)
超低金利政策は完全に限界 借金依存経済が破綻を開始
Q&A アメリカ経済の現状 29年型恐慌の本格化(秋月丈志)
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イスラエルによる分離壁建設を許すな
壁で包囲し生存権奪う 国際司法裁が違法認定(7月9日)
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全金本山 完全勝利へ全国闘争 120人が結集、全面解決迫る(7月25、26日) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
『真珠の首飾り』から日本国憲法を考える 千葉 宮崎進一
参院選スローガンにもやもや吹っ切れる 神奈川 大久保 仁
動労千葉物販拡大へどんどん組合回ろう 東京・東部 N
「昭和天皇記念館」の建設に反対し学習会 東京・三多摩 野口 博
仙台で1年生先頭に「派兵許すな」とデモ 東北大学 A
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弾圧と闘う 福嶋裁判 爆取違憲を立証
“共謀共同正犯は成立しない” ただちに福嶋同志保釈を(7月16、21日)
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紹介 共産主義者141号 新しい闘う時代へ指針
榊原論文 総括と今秋決戦への課題
播野論文 反革命路線走るJR総連
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(7面)
11月労働者大行動へ驀進を
労働者階級の国際的団結で世界革命勝利の展望開こう
革共同書記長 天田 三紀夫
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(9面)
座り込み100日突破 辺野古で新基地阻止へ500人 記事を読む  
世界の労働運動 韓国
地下鉄5労組がゼネスト 職権仲裁・労組弾圧と対決(室田順子)
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(10面
 『共産党宣言』はマルクス主義の原点
労働者は救済の対象ではない
階級社会の廃止へ闘う主体だ 仲山 良介
記事を読む  
新刊紹介 『コミューン』9月号 民主労総の闘争史 記事を読む  

週刊『前進』(2161号1面1)(2004/08/09)

青年を先頭に8月広島・長崎へ マル青労同1000名建設を
労組青年部運動の復権を軸に闘う労働運動の高揚かちとれ
 革共同中央労働者組織委員会

 戦後革命期を上回る革命的大激動期が到来している。01年9・11反米ゲリラと03年3・20イラク戦争開始で一変した世界情勢の中で、03年11・9日韓米の戦闘的労働組合による国際連帯闘争が切り開かれた。この真っただ中から、青年労働者の手によって新生マルクス主義青年労働者同盟が誕生した。われわれ革共同は、新生マル青労同の闘い、とりわけ機関誌『Solidarity(ソリダリティ)』創刊号に示されている基本路線を高く評価し、支持する。われわれは、今こそマル青労同の同志たちと固くスクラムを組み、1000名組織建設方針を自らの方針として実践し、労働組合運動に深く根ざしプロレタリア革命の勝利へ前進する〈新指導路線〉のもとで全力で決起する決意である。8・6広島―8・9長崎に青年労働者を先頭に大結集し、04年後半〜05年決戦の大高揚へ突き進もう。

 第1章 新指導路線を実践し階級闘争の分岐・流動・再編を促進させよう

 プロレタリア国際主義掲げ

 マル青労同1000名建設の階級的意義は何か。
 第一に、それは、全世界で開始された、帝国主義の外への侵略戦争と内への階級戦争に対する国際的な労働者階級の総反撃の一翼をなす闘いである。
 今年の3・20イラク国際反戦闘争で全世界1000万人の労働者人民が立ち上がり、全世界で地殻変動が始まった。重要なことは、アメリカでも韓国でもヨーロッパ各国でも闘いの中心に労働組合が座っているという事実だ。全世界で階級戦争との激突が一大焦点となり、労働組合の存亡をめぐる歴史的な大決戦となっている。その中で、スターリン主義や帝国主義社民ら既成指導部の支配・制動を下から突き破る新たな労働運動の胎動が世界史を確実に揺るがし始めている。
 今年10月にはアメリカのILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10など戦闘的労働組合が「ブッシュもケリーもNO!」の主張を掲げてMWM(労働者百万人行進)を呼びかけている。全世界で青年労働者の決起がかぎを握っている。
 マル青労同は、プロレタリア世界革命、プロレタリア国際主義を真っ向から掲げ、階級的労働運動を実践しようとしている。マル青労同1000名建設は、国際連帯闘争を確実に前進させる。
 第二に、マル青労同1000名建設は、開始された日本階級闘争の〈分岐・流動・再編〉情勢を激化・促進させ、一挙に大高揚を切り開く闘いだ。
 昨年8月自治労大会での「21世紀宣言」否決の壮挙や、今年3月の東京の教育労働者の不起立闘争の爆発を見よ。日本階級闘争の〈分岐・流動・再編・高揚情勢〉もいよいよ本格化しつつある。

 だれが青年を組織するのか

 連合、全労連やあらゆる政党・党派を巻き込み、動と反動が入り乱れる戦国時代的様相を濃くしている。参議院選挙の投票結果はそのことを実証した。自民党は、企業、農村など伝統的集票基盤がなだれ的に崩壊し、歴史的な敗北を遂げた。一方で、労働者階級はけっして民主党に積極的支持を与えてはいない。
 一切のかぎは、青年労働者・学生の決起をだれが組織するのか、である。
 70年以降、70年安保・沖縄闘争に対する国家権力と民間反革命カクマルによる大反動攻撃と、帝国主義の大量生産・大量消費の社会状況の強制によって、青年労働者・学生の決起は抑え込まれてきた。その中でソ連崩壊による「マルクス主義の崩壊」のキャンペーンが張られ、89年の総評解散―連合結成が、青年労働者の階級的労働運動への決起を決定的に封じ込めてきた。
 しかし、世界史は再び三たび、大激動情勢に入った。日本においても青年労働者・学生の決起を封じ込めてきた全構造が崩壊し、分岐・流動・大高揚情勢が到来した。青年労働者・学生を獲得する勢力こそ時代の覇者となる。マル青労同1000名建設方針こそ日本階級闘争の大高揚情勢をわが手に手繰り寄せる決定的な大方針だ。

 マルクス主義と青年部運動

 第三に、マル青労同1000名建設の闘いは、日帝の戦後体制打破の大攻撃をその核心においてぶち破り、戦後革命期を上回る労働運動、労組青年部運動の爆発をつくり出して、すべての青年労働者の中にプロレタリア革命とプロレタリア独裁の思想・運動を爆発的によみがえらせる闘いだ。
 革共同は1962年の第3回全国委員会総会で「戦闘的労働運動の防衛と地区党建設」の路線を打ち出した。この3全総路線下の闘いは、戦後直後の爆発的な労働組合結成のうねりから47年2・1ゼネストへ上りつめていった日本労働者階級の闘いの歴史を反スターリン主義の立場から「戦後革命」と把握してよみがえらせ、その闘いを継承・発展しようとする闘いだった。
 戦後革命を牽引(けんいん)したのは、当時の青年労働者であり、結成されたばかりの組合青年部の闘いであった。青年労働者は、マルクス主義と労働組合を要求し、その要求は青年部をとおして噴き上がり、青年部はまさに組合の中核体としての行動力を発揮して戦後革命を牽引した。
 その後、日本共産党の裏切り・制動、闘争歪曲によって戦後革命は敗北させられたが、日本労働者階級は、反スターリン主義・革命的共産主義運動を生み出して、60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争を大爆発させてきた。その先頭には常に青年労働者・学生の決起があった。
 こうした闘いは、戦後革命期に形成された階級的力関係の全面的転覆を許すのか、逆に戦後革命の敗北をのりこえてプロレタリア革命を今度こそやり抜くのかという攻防であった。
 今日、日帝は、ついに戦後的諸関係を根こそぎ総転覆する大攻撃に踏み込む以外に延命できなくなった。労働組合の解体・絶滅がその核心にある。
 この日帝の大攻撃を最も鋭角的に、核心において打ち破る闘いがマル青労同1000名建設方針だ。それは、戦後革命期をエピソードとしてしまうような労働組合運動、労組青年部運動の荒々しい再生をかちとる闘いの出発点の形成であり、青年労働者の中にプロレタリア革命、プロレタリア独裁の思想と運動を爆発的によみがえらせる大方針なのだ。

 第2章 新生マル青労同結成の自己解放的な決起から学ぶことが核心

 われわれは、新生マル青労同の闘いから何をつかみとらなければならないのか。
 何よりも結成大会以来のこの半年、青年労働者自身の手による自主的な青年組織の結成がつくり出した爆発的とも言うべき自己解放的決起を感動をもって受け止めてきた。
 一方で、この闘いは、われわれのマルクス主義者としての飛躍、自己変革を問うものでもあると厳粛に受け止めてきた。

 動労千葉労働運動の実践へ

 われわれが、新生マル青労同の結成大会以来の闘いからつかみとるべき核心は、まず第一に、動労千葉が体現してきた階級的労働運動こそ青年労働者の総決起をつくり出す環だということである。
 青年労働者たちは、動労千葉労働運動の実践を開始する中で、新生マル青労同の運動の中に、プロレタリア世界革命という壮大な事業の一角を「一介の労働者である自分が占めるんだという誇り、血沸き肉踊る感覚を」(中野洋・動労千葉前委員長著『俺たちは鉄路に生きる2』)強烈に覚えて、爆発的な決起を開始した。
 この中に、労働者自己解放闘争=プロレタリア革命の神髄があり、革命の現実性がある。
 マル青労同結成準備段階から中心を担ってきた革共同の青年同志たちは、動労千葉の労働運動を主体的に格闘してつかみとる中で劇的な飛躍を遂げた。
 労組の青年活動家たちはもちろんのこと、イラク反戦などを水路に決起した多くの青年労働者たちも、動労千葉の闘いに触れることをとおして、自分たち労働者階級こそがこの社会を動かしている主人公なのだと強烈に自覚した。
 そして、一握りの資本家階級が生産手段と国家権力を握っている、この転倒した階級社会を労働者階級の手で根本からつくり変えよう、そのためには動労千葉のような労働運動をつくり出そうと決意して、新生マル青労同に結集してきている。だからこそ、これらの闘いは、革共同が新指導路線を実践的に貫徹して04年の階級闘争を前進させるにあたっての推進力そのものであった。
 第二に、マル青労同が結成大会で〈階級的労働運動の実践とマルクス主義の学習〉の二つを基本任務として掲げたことの階級的意義をつかみ取ることだ。さらにその豊富化された点をつかむことだ。

 「二つの任務」の階級的意義

 一つには、この二大基本任務のイメージは、単に〈労働運動プラス学習会〉と静的にバラバラに理解してしまうと間違う。動労千葉の闘いを見れば分かるように、両者は切っても切り離せない不可分一体の関係にある。
 情勢をどう捉えるか。労働運動をどう見るか。職場闘争の方針をどう考えるか。仲間をどうオルグするか。これらすべての中でマルクス主義が問われる。そういうことと無関係に『共産党宣言』や『賃労働と資本』などの学習があるはずもない。マルクス主義とは、労働者階級の自己解放闘争、階級的労働運動の実践のための武器なのだ。
 さらに、労働運動・労働組合運動を経済闘争の窓からのみ理解して、それにマルクス主義の学習を外から注入させるというような理解に陥ってはならない。階級的労働運動は、労働者階級自身の自己解放運動であるがゆえに、その日々の展開自身の中に常に労働者階級の本源的要求としてのプロレタリア革命・プロレタリア独裁・革命的労働者党の建設などの要素が溶け込んでいる。階級的労働運動それ自体がマルクス主義の実践なのだ。
 二つに、マル青労同の同志たちは、結成大会から3・20イラク国際反戦闘争、5〜6月有事法制反対闘争の激闘を闘い抜く中で、二大基本任務の内実を豊富化してきた。
 革命的激動期において青年労働者を組織化し、マル青労同1000名建設をやりぬくためには、職場闘争と学習会を基軸にしつつも、日々激化する帝国主義の侵略戦争と階級戦争に対する青年労働者のストレートな怒りの爆発を青年労働者独自の大衆運動、労働組合運動に集約して、それを同時にマル青労同建設に結実させていくという闘い方が必要だった。その実践の新たな挑戦が5・15沖縄闘争だった。さらに今次8・6ヒロシマ行動である。
 今日、マル青労同の同志たちは、労組青年部運動の復権を軸に据え、労働組合運動として青年労働者の大衆行動を爆発させることに賭けようとしている。
 この闘い方によって、青年労働者の決起をつくりだす闘いと11月労働者大行動の大成功をかちとる闘いを一体のものとして位置づけることができる。

 若いリーダーの獲得をかけ

 第三に、マル青労同が1000名建設方針にかけている精神をわがものとすることである。
 マル青労同の同志たちは、歴史の分水嶺(ぶんすいれい)にあって、「断崖絶壁」に身を置いて、あと半年で一挙に1000名建設を成し遂げようと決意している。青年労働者、青年労組活動家のリーダーたちを一挙にマルクス主義、プロレタリア革命の旗のもとに獲得する闘いに踏み込もうと決意している。
 マルクス主義でぶっ立った青年労働者が1000名登場したら、連合指導部、全労連指導部をぶっ飛ばし、階級的労働運動を再生することができる。革命的情勢が急接近する中でプロレタリア革命の展望を一挙に切り開くことができる。
 革共同は、この1000名建設方針にこめられた革命的精神をわがものとし、その実現に自らの未来をもかけて決起する。中央指導部から全職場細胞−地区党に至るまで、すべての党組織が自己の正面課題に据えて闘う。正面課題に据えること自身が全細胞での白熱的討議を不可欠とする。この変革的闘いをやり抜き、全党が労働者同志を先頭に、だれひとり例外なく青年労働者を組織する闘いに踏み出そう。
 この壁をぶち抜いた時、6回大会決定―党勢2倍化方針―新指導路線も打ち抜けるのだ。

 中央書記局の闘い支えよう

 第四に、マル青労同中央書記局建設の意義について触れたい。中央書記局に決起した、学生運動出身者を基本とする20代、30代の青年同志たちは、青年労働者とともに驚くべき自己変革的決起を開始している。革共同は、この書記局の闘いを支持し全力で支援する。
 革共同は、長きにわたる二重の内戦に勝ち抜くために、学生運動出身の職業革命家が大挙して労働運動を担っていくというあり方を十分にとれなかった。しかし、新生マル青労同の誕生と中央書記局の建設は、新指導路線下での新たな学生運動の展開と一体になって、本来のプロレタリア革命党のあり方への再生的変革の決定的テコとなる。

 第3章 〈4大産別〉を先頭に小泉=奥田路線との階級決戦を闘おう!

 マル青労同1000名建設を成し遂げるために、何が求められているのか。
 第一に、革命的大激動期の到来に勝ち抜く一切のかぎは、青年労働者の決起にかかっていることをはっきりさせねばならない。
 イラク侵略戦争の泥沼化、世界大恐慌の切迫の危機は、世界的な革命的大激動期の到来を引き寄せている。米帝を基軸とする戦後世界体制が崩壊過程に入り、帝国主義間争闘戦が激烈化する中で、日帝は、未曽有(みぞう)の体制的・経済的危機に陥り、戦後体制を転覆する絶望的な攻撃にのめり込んでいる。
 小泉=奥田路線は、日帝にとって他に選択肢のない唯一の生き残りをかけた路線である。それは、日本の戦後的あり方、「国のかたち」を根本からつくりかえ、統治形態そのものを大転換しようという大攻撃だ。労働者階級にとっては、戦争動員と階級戦争の激化である。
 有事法制、教育基本法改悪、9条改憲、治安弾圧立法、労組法改悪、「骨太方針」など、攻撃は全産別にわたっているが、核心は労働組合の解体・絶滅であり、それをとおした労働者階級の闘いの一掃である。
 したがって4大産別を始め全産別で労働者階級の労働組合防衛・強化をかけた闘いが大決戦となる。
 とりわけ「骨太方針W」で打ち出された郵政民営化を始めとする大民営化攻撃と、9条改憲をめぐる大決戦が目前に迫った。
 しかし、この情勢は歴史的な大チャンスの到来だ。青年労働者・学生が立ち上がれば、プロレタリア革命へと一挙に歴史を塗り替えられる情勢なのだ。

 労働組合論の確立と一体で

 第二に、青年労働者の総決起を切り開けるか否かは、青年労働者の中に労働運動・労働組合運動を復権させられるか否かにかかっているということである。
 5・15沖縄闘争−普天間基地包囲行動では全国から多くの労組青年部が決起した。多くの組合の中でマル青労同の同志たちが影響力を拡大して闘った。しかし、その闘いで示された、あれだけの労組青年部の持っている力を本当の意味ではだれも引き出しきれていない。それは既成指導部がマルクス主義を投げ捨ててしまっているからだ。
 これに抗して、マル青労同の同志たちは、今こそすべての青年労働者に真っ向からプロレタリア革命を訴えるチャンスだと猛然たる闘いを開始している。
 とりわけ、プロレタリア革命の戦略的観点をふまえて、教労、全逓、自治労、国鉄の4大産別を軸に、青年部運動の復権の闘いに精力を集中しようとしている。
 また、4大産別を軸にした上で、中小零細、不安定雇用など多くの未組織の青年労働者を合同労組などに組織し、階級的団結をよみがえらせる闘いをしっかりと位置づけようとしている。
 わが革共同も、〈新指導路線>の主体的実践とその発展に向けて〈労働組合論の革命論的確立>を開始した。マル青労同の同志とともに、4大産別、拠点職場の青年部、青年労働者の中に動労千葉の階級的労働運動を圧倒的に持ち込もう。日本労働者階級が戦後歴史的に形成し、今日に至っている闘争組織である労働組合自体をわれわれがあらためて再認識し、青年労働者のものとしていくために全力を挙げよう。

 反戦青年委員会などを学ぶ

 第三に、戦後労働運動史や動労千葉地本青年部の闘いと反戦青年委員会運動の歴史から学び、労組青年部運動の復権の闘いのイメージを豊かにすることだ。
 とりわけ動労千葉地本青年部の闘いと、70年闘争を学生運動とともに牽引した、3全総時代からの反戦青年委員会運動の教訓をつかみ直す作業が重要だ。
 中野洋氏は『俺たちは鉄路に生きる2』の中で、動労千葉の60年代10年間の闘いを「当時の青年部の活動家たちが、動労千葉地方本部の権力を自らの手に奪取する闘いであった」と振り返っている。61年に結成された動労千葉地本青年部は「@組合の体質改善! A封建制の打破! Bまじめに組合活動を!」の3本のスローガンを掲げ、国鉄当局と組合ダラ幹に対する怒りを基礎に、いつか組合の権力を握ってやるという激しい目的意識性を貫いて闘った。
 こうした中で総評・社会党のもとで65年に結成された反戦青年委員会運動は、学生運動とともに、階級闘争のヘゲモニーをとり、70年闘争の高揚をつくり出した。旧マル青労同の青年労働者たちは3全総以来、全産別で職場に根を張ってきた。この青年労働者たちが革命的統一戦線戦術のもと反戦青年委員会に結集してヘゲモニーを握り、労働運動の右傾化に抗して、街頭闘争に決起しながら、ただちに職場に帰って、国鉄や全逓や東交などの反合闘争の高揚を切り開き、民同労働運動からの脱却の萌芽(ほうが)をつくった。
 革共同の闘いの全地平を新指導路線と労働組合論の革命論的再確立のもとでよみがえらせよう。
 8月広島―長崎を始めとする04年後半戦のすべての闘いを、労組青年部運動の復権を軸に、青年労働者の組織化へ闘い抜こう。マル青労同の同志とともに1000名建設を実現し、青年労働者を先頭にした巨大な統一行動を発展させよう。

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週刊『前進』(2161号1面2)(2004/08/09)

夏期カンパのお願い いま一度心から訴えます

 すべての支持者、読者のみなさん! 革共同への圧倒的なカンパを今一度、熱烈に訴えます。
 今期のカンパ闘争は、歴史的な闘いになりつつあります。日帝・小泉―奥田の資本攻勢下、生きていくことそのものが闘いである現実の中で、この間すでに多くの皆さんから貴重なカンパが次々と寄せられています。心から感謝します。
 しかし、04年後半戦から05年の本格的な戦時下階級決戦に勝利するためには、またいかなる弾圧も粉砕して、膨大な労働者階級と結びつく非合法・非公然の革命党の建設のためには、資金はまだまだ足りません。
 日本歯科医師連盟による自民党への1億円単位のわいろが暴露されましたが、これはほんの氷山の一角です。自民党への献金は裏表合わせて数千億円に上ると言われます。さらに「泥棒に追い銭」のように政党助成金が毎年数百億円もあります。年間80兆円を超える国家予算も自民党の地盤固めと反戦運動、労働運動の弾圧に使われます。
 こんな状況と対決し打倒して労働者が新しい社会をつくるためには、巨額の資金が必要であり、それは労働者人民一人ひとりのカンパに依拠して初めて成り立つのです。
 21世紀の国際階級闘争は、世界革命へのとびらを押し開く大決戦に突入しました。日本労働者階級の闘いは、日韓米を始めとする労働組合の国際的団結を開始し、3・20国際反戦闘争に連なり、世界各国の闘いの高揚へと発展しています。
 国鉄1047名闘争、陸・海・空・港湾労組20団体の闘いに連動し、教育労働者の「日の丸・君が代」反対の実力決起が、階級的団結を奪還する闘いとして巻き起こっています。
 参院選の結果は、小泉自民党の惨敗と労働者党の不在を示し、階級闘争はまさに分岐・流動から高揚の過程に入りました。今こそ本物の労働者党、革命党の圧倒的な登場が必要です。
 04年後半の闘いは、まず何よりも、危機に立つ小泉=奥田による「改革」(骨太方針)の強行と徹底対決し、労働者階級の力をストレートに解き放ち、小泉打倒・大リストラ粉砕を闘う新潮流が躍り出ることです。
 労働者は団結すれば勝利できるのです。「われわれこそ社会の主人公だ。資本・当局、権力になめられてたまるか」という誇りに満ちて闘うこと、ここに総団結と勝利の道があることを示そうではありませんか。
 さらに、自衛隊のイラク即時撤兵・軍事占領反対の国際連帯闘争を一層強め、辺野古の闘いをわが闘いとし、沖縄闘争を強力に推進しましょう。
 また、8月反戦闘争をテコに、改憲阻止、教育基本法改悪阻止、労組法改悪阻止の一大運動を、11月労働者決起に向かって闘いましょう。21世紀初頭の新たな大衆運動を大きく創造していこうではありませんか。
 半世紀の血と汗が結晶した革命的共産主義運動は、いま大きな飛躍点を迎えています。青年労働者の自己解放的な決起とマルクス主義青年労働者同盟への結集を訴えます。未来はわれわれのものです。革共同への圧倒的なカンパをあらためて訴えます。猛暑に負けず、ともに闘おう!
【送り先】東京都江戸川区松江1・12・7前進社
振替00190―0―88857

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週刊『前進』(2161号1面3)(2004/08/09)

 集会要項

−被爆59周年− 今こそ、ありったけの力を集めて、戦争をとめよう
 8・6ヒロシマ大行動
 8月6日(金)正午広島県立総合体育館小アリーナ(広島市中区基町4の1)
▼被爆者の訴え
 下原隆資さん(原爆被爆教職員の会)
 大石又七さん(第五福竜丸元乗組員)
▼労働者は戦争動員を許さない
 村中哲也さん(航空労組連絡会副議長)
 広島県教職員組合のコント集団「もみじまんじゅう」
 東京・広島の「日の丸・君が代」強制被処分者
 大内裕和さん(松山大学助教授)
 湯浅一郎さん(ピースリンク広島・呉・岩国世話人)
▼自衛隊家族の願いは即時撤退
 三尾雅信さん(とめよう戦争! 隊員家族と元自衛官連絡会)
▼世界の反戦・反核運動との連帯
 韓国−崔鳳泰(チェボンテ)さん(弁護士、原爆被害者と共にする会顧問)
 イラク−医師
 中国−重慶大爆撃被害者と研究者
▼米軍基地撤去を闘う沖縄から
 石川元平さん(元沖縄県教職員組合委員長)
▼ヒロシマから世界へ〜若者のヒロシマアピール
デモ行進(午後3時出発〜5時平和公園解散)
主催 8・6ヒロシマ大行動実行委員会


 8・6−8・9反戦反核闘争日程
 主催 8・6広島−8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
8月5日(木)
 ヒロシマ反核の集い 午後5時開場 アステールプラザ(加古町4−17)
 ◎講演「『劣化ウラン弾』の人体への影響」−松井英介医師(放射線医学)
 ◎特別報告「世界のヒバクシャ」−鎌仲ひとみさん(「ヒバクシャ」監督)
 ◎被爆者からのアピール−大槻泰生さん(反戦被爆者の会)
8月6日(金)
 小泉首相出席弾劾!祈念式典糾弾デモ 午前7時 東千田公園(旧広大本部)
 核廃絶・被爆者解放集会 午前9時開場 アステールプラザ
 8・6ヒロシマ大行動参加(要項別掲)
8月7日(土)
 海のフィールドワーク・佐世保基地 午後4時 長崎県佐世保市
8月8日(日)
 長崎・中心地デモ 午後3時 長崎市・丸山公園
 被爆59周年8・8長崎反戦集会 午後4時半 長崎県勤労福祉会館大ホール
8月9日(月)
 爆心地・長崎市内デモ 午前10時 天主公園

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週刊『前進』(2161号2面1)(2004/08/09)

1047名闘争への大反動に警鐘乱打する 酒田・革同の「早期収拾路線」うち破れ
“和解願望”はあまりに主観的 分岐・高揚を11月集会の成功へ
 動労千葉を支援する会総会講演 中野洋動労千葉前委員長の訴え 

 国鉄闘争は1047名闘争の成否をかけた重大な決戦に突入した。この局面にあって、中野洋動労千葉前委員長が7月25日、04年度動労千葉を支援する会定期総会で行った「和解路線をうち破り、国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利を」と題する講演から、その要旨を紹介します。(編集局)

 動労千葉が再度訪米 日韓米の連帯が前進

 先日、われわれ動労千葉の田中委員長がアメリカ・サンフランシスコで行われたレーバーフェスタに招かれ、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)やサンフランシスコ労働者評議会と交流してきました。今年の11月労働者集会には、ILWUローカル10のリーダーであるジャック・ヘイマン氏が来日します。国際連帯に本格的に踏み出した昨年の11・9労働者集会が、アメリカでも大きなインパクトを与えています。
 アメリカのイラク軍事占領に対し、全世界で数千万の人びとが立ち上がり、ベトナム反戦闘争とは比較にならない闘いが巻き起こっている。その中心には、労働組合が座っています。
 こういう情勢では、労働組合に激しい攻撃がかかってくる。アメリカでは、これに対してMWM(ミリオン・ワーカーズ・マーチ)と言って、10月17日にワシントンに100万人の労働者が集まろうという運動を、ILWUのローカル10とローカル34の2支部とサンフランシスコ労働者評議会が中心になって呼びかけています。そのスローガンは「ブッシュ打倒」「ケリーもノー」です。
 AFL−CIOというアメリカのナショナルセンターは民主党ケリー支持です。その恫喝と妨害を跳ね返して、100万人を集めようとしている。どこの国でも、労資協調の幹部、労働貴族に対して、労働組合を現場の労働者の手に取り戻そうという運動が起こっている。アメリカでは「ランク・アンド・ファイル」運動と言っている。一兵卒の運動という意味です。
 韓国でも、民主労総が民主労働党をつくり10人の国会議員が当選した。一方、盧武鉉は鉄道の民営化を提案し、非正規雇用化攻撃にも拍車をかけています。
 労働組合の団結を守る闘いが、世界のあらゆる国でイラク反戦闘争と一体となって進んでいる。

 教育労働者が先陣を切った

 われわれも同じです。小泉政権の攻撃と闘う場合、連合という巨大なナショナルセンターをひっくり返さなかったら勝てない。
 去年の11・9集会をきっかけに、動労千葉のように闘わなければいけないという大きな共感が生まれ、波紋が広がり始めている。その象徴が東京の教育労働者の決起です。日本の労働運動の地殻変動が教育労働者から始まった。
 これは間違いなく、今年後半から来年にかけて日本の労働運動の中心軸に座ります。これで教育基本法改悪反対−改憲阻止闘争の展望ができた。
 これは今年の3・20イラク開戦1周年で、東京・日比谷に6万、日本全国で50万とも100万とも言われる労組を中心とした決起が久方ぶりに生まれたことと水脈は一致しています。
 日本の労働者の中に間違いなく分岐と流動が始まっている。再編・高揚過程に入っている。僕の四十数年間の労働運動の経験から言って、そういう状況だと感じます。
 今年の参院選の結果もそうでしょう。議席数でも政党支持でも民主党が上回った。世論調査では、民主党がなぜ伸びたのかという設問に「自民党に問題がある」というのが73%。つまり、民主党がいいからというのはあまりいない。この時に求められているのは、韓国のように新しい労働者の党をつくることです。

 最高裁判決に屈服しJR復帰捨てるのか

 そういう状況の中で、有事法制反対闘争をめぐり20労組に対する激しい攻撃がかかっている。権力、資本、それと日本共産党が、闘いを抑えようと画策している。一方、それと対抗する闘いも生まれている。例えば6月4日に20労組が集会をやると言った時も、20労組の中の最大勢力である全労連傘下の組合が参加しないと言い出して、直前に取りやめになった。
 帝国主義の危機の時代には、必ず労働者は立ち上がる。これは動だ。動に対して反動が生まれるのは当たり前だ。敵が攻撃をかけるのも反動だけれど、味方の中からも敵の攻撃に呼応する反動が生まれるんです。この両方を見据えて闘わなければいけない。

 1047名の陣形壊す策動

 そういう立場で国鉄闘争について言うと、去年12月にJR採用差別事件で「JRに責任はない」という最高裁判決が出た。これで国鉄闘争は法的には判断が下されたというのが国労本部などの考え方です。
 そういう状況でなんとか1047名を団結させ、争議の基本を踏まえて闘おうという動きも一方では起こり、4月13日に1047名の解雇撤回・JR復帰を求める集会が日比谷公会堂で行われ、3500名以上が結集した。
 それから数カ月もたたない今日になって、またガラッと変わってきている。国鉄労働組合が8月26〜27日に全国大会を開くけれど、それに向けて、この1047名陣形を大きく右から打ち砕く策動が表面化しています。これは本質的に言うと、最高裁でも負けて、もう17年もたってみんな年をとっているから、早く収拾しなければまずいんじゃないかという「早期収拾願望」ですね。
 国労の全国代表者会議が「7・1アピール」を発表した。そこで「総団結・総決起」をうたっているけど、団結を崩したのは国労本部でしょう。4党合意を採用したから、国鉄戦線が分裂したわけです。
 国労本部の酒田委員長は、東京地本の委員長だった時に、一昨年の5月27日の国労臨時大会をめぐって国労組合員を警察に売り渡した張本人。それが全国大会を前にいろんな画策をし、それに共産党が合流している。
 1047名はみんな被解雇者ですから、大同団結するのは当たり前です。1047名が団結して足並みをそろえてやろうという構造が生まれつつあった。これに敵意を持っている連中がいるんです。そこからいろんな反動が生まれている。

 日本共産党が反動の先兵に

 その核心は、特に共産党が、彼らの言葉で言うと「トロツキスト」「過激派」を排除するということ。こういう左の部分と一緒にやっていると票が減ってしまうということだね。
 共産党は今年の1月に綱領を改定した。「労働者階級」という言葉が全然なくなった。それなら「共産党」という名前をやめろということだ。彼らはそうやって右に寄せればなんとかなると思ったけど、今回の参院選で共産党は改選15議席が4議席に減った。
 そうなるのは当たり前なんです。今の情勢に対してどうするべきかをみんな求めている。資本主義社会を打倒して革命を起こそうと言うべきなんです。小泉は「改革しよう」と言ったわけです。中身は分からないけれど「改革」してくれると思ったから、80%もの支持を得た。それも化けの皮がはがれて40%ぐらいになっている。彼の「改革」は労働者をいじめて、もっと戦争の方向に行くということだから。
 その時に共産党は、「今の世の中をひっくり返そう」と言わないで「なんとかうまくやろう」と言っている。うまくやれっこないのに、うまくやろうなんて言っているところに、票が集まるはずがないんです。

 動労千葉排除が反動の狙い

 国鉄闘争の場合もそうなんです。1047名闘争解体という大反動の核心は、闘う闘争団を酒田・革同体制のもとに屈服させることと動労千葉を排除すること。1047名闘争の核心は、動労千葉が入っていることです。動労千葉が入らないと1047名マイナス9にしなければいけない。9人と言えども動労千葉が存在しているんです。
 今まで「1047名」と言っていた諸君だって、動労千葉は一生懸命闘っているから一緒にやるべきだと思っている人が多いけれど、動労千葉とはつき合いたくないと思っている人たちもいる。「動労千葉のやっていることは過激で間違いだ」と言うのなら、本来の労働組合はこうあるべきだということを示してほしい。それもしないで、ひとのことに文句を言うんじゃない、ということです。
 4党合意も大反動だったけれど、この時は国労闘争団の3分の1は猛然と反対した。これは闘う闘争団という形をとって、鉄建公団訴訟を続けながら一応頑張っている。問題なのは、この闘う闘争団も下手をすると国労本部の「総団結」論、「早期収拾」路線に大きく絡め取られる動きが出てきていることだ。闘う闘争団を軸に1047名陣形をつくろうと頑張ってきた人たちも、これに大きく巻き込まれている。だから僕は、1047名闘争始まって以来の大反動が生まれていると言っているんです。
 4党合意の時は、少なくとも国労内部で賛成派と反対派が激突した。対立があるうちはまだいい。今回は、全体が総ぐるみで「早期収拾」で行くみたいな雰囲気になっている。国労の全国大会の前の8月23日に、国労と全動労(建交労)が合同集会をやる。動労千葉はお呼びじゃない。“国労、全動労の要求が一致し、JR復帰も含む雇用確保、バックペイ、年金、不当労働行為に対する慰謝料請求の4本でまとまった”と言っている。JR復帰と言うけれど、それは枕ことばにすぎない。だから、そこに動労千葉が出てきてもらっては困る、と。
 これが1047名闘争の団結破壊であり、酒田執行部による国労大会の反動的のりきり策動です。
 4・13集会の時に、動労千葉の高石君が「JRを引っ張り出さなかったら解雇撤回は成り立たない。だから、動労千葉は本体の組合員が春闘でもあらゆる闘争でも必ず1047名の解雇撤回を掲げてストライキに立ち上がっています」という話をした。真っ当でしょう。資本と闘わない解雇撤回闘争なんてありますか。動労千葉や国労の本体の労働者が一生懸命に闘って、JR当局が困って出てきた時に、初めてJRに戻せということになるわけです。
 動労千葉の場合は、解雇された人も頑張っていますが、それ以上に現場の組合員が頑張っている。物販だって、オルグに行くのは現場の本体の組合員。国労は本体の組合員は何もやっていない。それで被解雇者が必死になってやっている。
 全動労争議団と国労闘争団の一部の諸君が、その高石君の発言に「違和感を覚える」と言う。「ストライキだとか春闘なんて争議団の言葉じゃない」んだそうです。「首を切られた人たちはもっと悩みや苦しみがあるでしょう」と。そういう話をしろ、泣き言を言えということなんです。「自分たちは何も悪いことをしていないのに、差別されて首になりました」と。お涙ちょうだいが好きな人たちは、それでやればいい。けれど、動労千葉は誇りを持っているから、そんなことは言わない。ひざを屈してなんとかして下さいなんて言わない。正々堂々と解雇撤回を要求する。それが動労千葉のやり方です。その動労千葉の闘い方に「違和感を感じる」と言うわけでしょう。

 長期・不屈に闘えば勝てる

 6月30日、全逓4・28裁判が勝ちました。1979年の懲戒免職から25年頑張ったんです。これで「おれたちも勝てる」と思わなければダメだ。ところがある人は「おれは25年間もやる気ない」と言う。だけど闘いは長期にわたるんです。
 だれだって早期に解決したい。でも今の世の中は、労働者の要求なんか簡単に認めるような体制じゃない。今までの既得権もどんどん奪っちゃう。とうとう有事法制も通って、労働者の権利を保障した労働組合法まで解体しようとしている。その時に、自分の方で何か要求をまとめれば解決すると思う方が、超主観的だ。これはものすごく惨憺(さんたん)たる結果を生むんじゃないかと思う。
 僕は、国労闘争団の諸君が全部それに賛成するとは思わない。国労の中にだって真っ当に考えている諸君はいっぱいいるから、彼らは反撃するとは思うけれど、いずれにしても、国労の大会をめぐって非常に大きな反動が生まれ始めている。こういう状況について、当該組合の一つとして警鐘を乱打しなければいけないということで、あえて訴えたいわけです。
 労働組合だから、和解ということはある。動労千葉だって28名の公労法解雇は和解した。たまたま向こうがどうですかと言うから、僕は、「公労法解雇を撤回すれば和解に応じます」と言った。そしたら和解になっただけの話で、動労千葉の方から和解するとは一言も言わない。最初から和解してくれと言ったって、和解なんか成り立つはずがない。そんなに甘くないんです、階級社会は。
 全金本山だって、30年たって勝利的に争議解決する情勢に入っている。裁判は全部負けたけれど、原則的に闘ってきたからこそ敵の矛盾が出てきたわけです。

 JR体制の矛盾突き闘う

 JRでも敵の矛盾ははっきりと出てきている。何よりもJRとカクマルの結託体制です。総評内の最強の組合といわれた動労がカクマル主導でひっくり返ったから、分割・民営化ができたわけだ。そいつらがJR総連という労働組合の権力をいただいて、JRの労働者を支配していた。これが完全に真っ二つに割れた。嶋田派だ、松崎派だと言って本当に醜い利権争いをやっている。松崎は今や「横領、脱税、贈収賄」という罪名で警視庁に追われているといううわさがJR総連の中で流れている。もはやJR総連は労働組合の体をなしていない。組合員にとってはいい迷惑だ。これは敵の矛盾です。
 安全問題でも矛盾が出ている。だけど国労はその矛盾を突こうとしない。JR本体が闘うという意識がない。JR総連をやっつける方法は、その傘下の労働者を獲得するということでしょう。その矛盾を突いて闘っているのは動労千葉だけなんです。
 それだけじゃなくて、1047名闘争の陣形、国労、全動労、動労千葉の3組合が団結していますか。何よりも最大組合の国労がバラバラ。それで和解なんかできるわけがない。
 それなのに「3月に鉄建公団訴訟の判決を迎える。勝っても負けても判決を出させてはまずい。なぜなら高裁に行くから」と言っている人がいる。高裁に行くとあと3、4年はかかるから、ここが和解のチャンスだなんて、超主観的に言っている。じゃあいったいその和解とはなんなのか。これは屈服と言うんです。「おぼれる犬はたたけ」ということになる。
 彼らは、国鉄闘争の展望についてまったく考えていない。6月に出たILO勧告に基づいて解決しろと言っているけれど、その勧告だって4党合意に基づく解決をしろというもの。そういう動きを僕は「早期収拾路線」だと言っている。
 もう大変だ、みんな60歳に近い、もう何年もやってられないという意識が先行しちゃう。確かにそれはあると思う。だけど、これで少し涙金をもらって放り出されても、働く場所はないですよ。国労でやっていた方が飯が食える。若者も就職難で大変な世の中になっているのに。
 国労の全国大会を目前にして、そういう早期収拾策動が強まっている。そこをこの1カ月間でなんとか巻き返さなければいけないと思います。

 労働運動の命運かけ闘う体制をつくろう

 そのためには、世の中が今どう動いていて、どこに矛盾があって、労働者は何をなすべきかを、正しく、労働者の立場から見極めることが必要なんです。

 4大産別軸に大決戦に突入

 小泉が登場してから3年たった。この中で日本経団連会長の奥田がものすごく突出している。奥田は明確に「憲法9条を変える」と言い出した。教育の問題も経団連がリードしている。
 今度の参院選で小泉は惨敗したけど、彼はますます凶暴化しますよ。教育基本法改悪との勝負は通常国会だと思うけれど、労働法制も共謀罪も公務員制度改悪法案も全部、秋の臨時国会に出てくる。郵政民営化も急ピッチで法案をつくり、通常国会には出る。それが「骨太方針」です。最後の牙城(がじょう)の公務員の終身雇用制と年功賃金をバーンとぶっつぶす。
 だから本質は、日教組、自治労、全逓をつぶすということだ。国鉄、全逓、自治労、日教組の4大産別がここで本当に生まれ変わって、闘う体制をつくれるか否かに、日本の労働者の命運がかかっていると僕は認識しています。
 もう帝国主義は労働者を食わせていけなくなった。戦争をやる以外に生きていけなくなっている。
 それに対して、労働者の闘いも大きく盛り上がり始めている。もうこの世の中に引導を渡す時代に来ている。有事法制が通り、自衛隊の多国籍軍参加が表明され、年金法が改悪されて、あとは労働法制、教育基本法、憲法の改悪。これが行われたらもう戦後は終わりなんだ。これはこの1〜2年の話なんです。
 しかし、今日の反動の嵐は、必ず弱点を持っています。労働者がいるから世の中は動いている。労働者がいなければ、この世の中は止まっちゃう。だから矛盾は絶対に起きてくる。11月全国労働者総決起集会は、日比谷野音を満杯にして、なんとしてもこの攻撃に労働者の怒りをたたきつけたい。11・6には教育基本法改悪反対集会があり、11月は連続闘争です。
 そのためには、国鉄闘争が中心軸を担わなければならない。その動向が全体に影響します。そのためにも、動労千葉は一層頑張る決意です。

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週刊『前進』(2161号2面2)(2004/08/09)

“改憲反対”で多彩な内容 8・15労働者・市民の集い

 8月15日午後1時から、東京・中野ZERO小ホールで「『国益』と『排外』に憲法は屈するのか? 第10回労働者・市民のつどい」が開かれる。主催は「戦後50年を問う8・15労働者・市民の集い全国統一実行委員会」だ。
 実行委は95年から毎年8・15「敗戦の日」に集会を開き、今年で10回目。自衛隊のイラク派兵と有事立法が強行され、改憲攻撃が本格化している中で、今年の8・15集会はかつてなく重要だ。実行委は多くの人の参加を呼びかけている。
 今年の8・15集会は、改憲攻撃との対決を真正面から掲げる。メインの講演は大久保史郎さん(立命館大学・憲法学)の「改憲論は、なぜ9条を敵視するのか」だ。
 特別アピールとして昨年に続き、韓国・民主労総(全国民主労働組合総連盟)の闘う労働者が「日本民衆への連帯アピール」を行う。また、航空労組連絡会議長の内田妙子さんの「労働者は戦争動員を拒否する」、「日の丸・君が代」処分との闘いの現場から「私も教え子も戦場に行かない」とのアピールが行われる。松元ヒロさんの「ボクは改憲派」と題したコントがあり、司法改革・治安立法に反対して闘う弁護士、国鉄千葉動力車労働組合、自治体労働者の発言が予定されている。

 集会要項
 「国益」と「排外」に憲法は屈するのか?
 第10回 8・15労働者・市民のつどい
8月15日(日)正午開場、午後1時開会
東京・中野ZERO(西館)小ホール
(JR中野駅南口下車、線路沿いを新宿方向に徒歩6分)
主催/戦後50年を問う8・15労働者・市民の集い全国統一実行委員会

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週刊『前進』(2161号2面3)(2004/08/09)

資本攻勢&労働日誌 2004 7・11〜7・23
 日本経団連夏季セミナー 9条改憲狙う本格論議
 自殺者、過去最高3万4千人超/非正規雇用35%に

連合、比例の組織内個人名得票伸び悩み 参院選で連合が民主党の比例区に擁立した組織内候補8人が全員当選。ただし、3年前の個人名で約170万に対し、今回は173万票で伸び悩んだ。(11日)
不当労働行為、個人にも申し立て資格 組合員個人が地労委に不当労働行為の救済を申し立てられるか否かが争われた訴訟で、最高裁は「団結権や団体行動権を侵害する不当労働行為から労働者を保護する制度の趣旨に照らせば、組合員も申し立て適格がある」との初判断を示した。(12日)
人事院、寒冷地手当支給地域を45%削減する案を提示 人事院は関係する公務員労組に対し、寒冷地手当見直しの「最終案」を提示した。「現行の約55%が支給地域として残る」(公務員連絡会)とみられる。(13日)
郵政公社側が上告 日本郵政公社は、全逓労働者7人の懲戒免職処分取り消し訴訟で、東京高裁判決を不服として、最高裁に上告受理の申し立てをした。(14日)
経団連、改憲論議をスタート 日本経団連は、憲法改悪も視野に検討を行う「国の基本問題検討委員会」の初会合を開いた。日本商工会議所も改憲論議を始めており、両団体の議論の結果は年末にも公表される見通し。(15日)
経団連、武器輸出3原則の緩和を提言 日本経団連は、武器輸出3原則の緩和と宇宙の平和利用原則の解釈見直しを求める提言をまとめ、発表した。(20日)
非正規雇用が34.6%に 厚生労働省が発表した「03年就業形態の多様化に関する総合実態調査」結果によると、労働者の割合は正社員65.4%、非正社員34.6%(パート23.0%、契約社員2.3%、派遣労働者2.0%、出向社員1.5%など)となっている。非正規雇用の労働者は前回1999年の27.5%から7.1ポイント上昇した。(21日)
医労連が大会 医労連は24日まで定期大会を開いた。田中委員長は「憲法の改悪を許さない。戦後史をかけた闘いを展開したい」と語った。(22日)
経団連の夏季セミナー、9条改憲を論議 日本経団連の夏季セミナーが23日まで非公開で開かれた。最終日には小泉首相があいさつした。現職首相の出席は23年ぶり。(22日)=議論要旨別掲
自殺者、03年は過去最悪に 昨年1年間の自殺者が3万4427人と前年より2284人(7%)増え、78年以降最悪を記録したことが警察庁の調査で分かった。「経済・生活問題」が動機とみられる自殺者が急増し、初めて8000人台に達した。(22日)
都高教大会で修正案通る 「君が代」不起立闘争の被処分者らが提出した修正案がすべて可決された(23日)

 日本経団連夏季セミナーでの論議要旨

奥田碩(会長)
 国家の基本的な枠組みや新たな国家像を検討することは経済界にとり重要。
 憲法9条はその都度、解釈が変わる神学論争。国のあり方を明確にする。
 私は改憲論者と考えてもらって結構。
 (リーダーシップをとるためには)軍事力充実も必要。
 タブーを打破しない限り、日本を変える真の改革は断行できない。
三木繁光(国の基本問題検討委員会委員長/東京三菱銀行会長)
 安全保障がなければ経済成長は難しい。憲法9条の見直しは不可避。
 集団的自衛権や武器輸出3原則などのあり方も見直す必要がある。
勝俣恒久(東京電力社長)
 武器を持たないことで貢献してきた。

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週刊『前進』(2161号2面4)(2004/08/09)

 国労5・27臨大闘争弾圧公判日程

第27回 8月5日(木)/第28回 9月6日(月)/第29回 9月27日(月)/第30回 10月19日(火)
 ※いずれも午後1時15分から、東京地裁

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週刊『前進』(2161号3面1)(2004/08/09)

教育労働者は1年間決戦に立とう
「君が代」不起立攻防に勝利し教育基本法改悪・改憲阻止へ

 都知事・石原と都教委によるファッショ的な「日の丸・君が代」攻撃に敢然と立ち向かった教育労働者の闘いが、不当処分をのりこえて、大きく発展している。開始された闘いは、教育労働者が戦後展開してきた勤評闘争、学テ闘争を始めとする闘いをも越える、歴史的な教育労働者の決起の始まりである。それは教育基本法改悪による戦時型教育への大転換と憲法改悪を阻む闘いであり、自衛隊のイラク多国籍軍参加、有事法発動と全面対決する闘いである。教基法改悪阻止・改憲阻止へ、この1年間が最大の決戦の時となった。教育労働者は全産別の労働者の先頭で1年間決戦に立ち上がろう。被処分者を守り、支え、05年「日の丸・君が代」闘争の大爆発をかちとって、教育基本法改悪を阻もう。8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ反戦闘争の先頭に立とう。

 「10・23通達」の暴挙に数百の労働者が反撃 石原ファッショとの闘い

 昨年10月23日、都教委が都立校校長に発した10・23通達(別掲)は歴史を画する重大攻撃であった。
 その内容は、「学習指導要領に基づき、入学式、卒業式等を適正に実施すること」「別紙『入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針』のとおり行うものとすること」とした上で、「教職員が……職務命令に従わない場合は、服務上の責任を問われる」と処分の恫喝を振りかざした。
 別紙「実施指針」は「国旗の掲揚」「国歌の斉唱」「会場設営等」の3項目からなり、「国旗は、式典会場の舞台壇上正面に掲揚」「教職員は、会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱」「ピアノ伴奏等により行う」「児童・生徒が正面を向いて着席するように設営する」などと事細かに指示した。
 教育勅語体制下と同様の儀式の復活を、処分という権力と暴力によって強制する――これこそ日本を戦争をする国家体制にするための大攻撃である。10・23通達は、全都の教育労働者にファシスト石原の重大攻撃に屈するのか否かを鋭く突きつけるものだった。

 周年行事から反撃が始まる

 10・23通達をめぐる激突は周年行事から始まった。
 年末までに創立記念の周年行事が予定されていた15校の都立校では、ただちに10・23通達に沿った儀式に激変させられた。校長は教職員全員に職務命令を出した。式当日は都教委が職員を大量に送り込み、教職員を監視。「現認」役の教頭は、司会の「国歌斉唱」の声と同時に教職員の座席に近づき、不起立の教職員がいると、何回も「○○先生、立って歌ってください」と大声をかけた。
 「戒厳令」とも呼ばれたこの現実の中で、各校で不起立を貫いた教育労働者の存在が、全都の教育労働者を大いに勇気づけた。
 また大きな意義を持ったのが、日比谷公会堂をあふれる5000人が結集した「教育基本法改悪反対! 12・23全国集会」だった。4人の学者の呼びかけにより、日教組・全教傘下の教育労働者が合流して、教基法改悪反対の画期的な統一戦線が実現したのだ。特に東京都下では、東京教組と都高教(日教組)・都教組(全教)から膨大な教育労働者が主体的に決起した。集会では「日の丸・君が代」被処分者や予防訴訟を準備する都高教組合員も発言。集会の成功は教育労働者を大いに激励した。
 1月30日、228人の教育労働者が原告となって、石原と都教委を被告とする予防訴訟(=「国歌斉唱義務の不存在確認訴訟」)を提訴した。この訴訟は都教委の凶暴な攻撃への反撃の突破口となると同時に、不起立闘争の闘争センターの役割を果たした。都高教本部の「処分を出さない」「職務命令が出たら引く」という屈服方針の中で苦悩を強いられた現場組合員が、予防訴訟原告団や会員となって横のつながりを持ったことが、数百人の不起立闘争の力となった。
 都教委は2月17日、異例のスピードで周年行事での「君が代」不起立者10人に戒告処分を発令。2月24日には再任用職員に「服務事故があれば任用しない」とする「通達」を発表。卒業式闘争を封じようとする攻撃が次々と襲いかかる中、3月卒業式を迎えた。

 卒業式で数百人が不起立

 あらゆる脅しを突き破って、卒業式では数百人の教育労働者が決起した。
 自衛隊がイラクに派兵された今、職務命令に黙って従い、立って「君が代」を歌うことは、ファシスト石原の手先になって、子どもたちに「命令には考えずに服従せよ」「戦争に行き、天皇と国のために命を投げ出せ」と教える戦争教育の担い手になることを意味する。こんな戦争加担を繰り返さないために自分たちは闘ってきたのではないのか。10・23通達に屈したら教育というものは成り立たない――一人ひとりが式当日まで悩んだ末に、誠実に真剣に、自らの生きざまをかけて不起立を決断した。
 起立やピアノ伴奏を拒み抵抗を貫いた教育労働者は数百人、被処分者は300人を超えた。239人が戒告処分、2回目の処分で4人が減給。生徒の不起立を理由に67人に厳重注意・注意・指導。嘱託職員・時間講師9人が解雇された。
 処分の恫喝はまったく逆に「ここまでやられて黙っていられるか!」という労働者魂に火をつけ、数百人の決起を生みだしたのだ。

 処分撤回闘争に続々と立つ

 大量処分の乱発も労働者の意思をくじくことはできなかった。198人が処分撤回を求め人事委員会に審査請求を行った。9人が解雇撤回を求め訴訟を提訴した。「再発防止研修」命令取り消しを求めて被処分者139人が提訴した。10・23通達そのものの違法性を問う予防訴訟は、第2次原告団を加え345人の大原告団で闘いぬかれている。
 6月22日には、大量不当処分への怒りを結集して、都高教、東京教組、都教組の3単組委員長の呼びかけによる6・22全都教職員総決起集会がかちとられた。日教組、全教、独立の枠をこえた9労組の統一戦線が実現し、都庁前に1500人の労働者が結集した。
 6月23日の都労連第59回定期大会では、宮部民夫元都労連委員長が「『日の丸・君が代』処分は憲法違反、全都の労働者が取り組むべき運動」とあいさつし、運動方針で「日の丸・君が代」問題への取り組みが確認されるという画期的地平がかちとられた。
 確かに石原の攻撃は激しい。しかしそれは、労働者がその激しさの前に震えあがって屈した時に初めて力を持つものであり、処分やクビも覚悟で立ち上がった時には威力を失うのだ。
 今、被処分者たちの表情は底抜けに明るい。都教委に一矢報いた勝利感と、歴史に恥じない行動をした誇りに満ちあふれている。都教委のあまりの暴挙が、処分を恐れない、自己解放性に満ちた闘う主体を次々と生み出したのだ。

 従事命令拒否の先陣石原と都教委に痛打 今春決起の階級的意義

 新たな「日の丸・君が代」闘争は、これまでの「日の丸・君が代」闘争の延長線上にはない巨大な階級的意義を持っている。
 第一に、教育労働者が歴史的な反撃に立ち上がり、教基法改悪と憲法改悪を阻止する04年後半〜05年の1年間決戦の主役の座に躍り出たということである。
 今春「日の丸・君が代」闘争は、昨年11・9労働者集会の画期的な国際連帯闘争と、動労千葉のスト決起を先頭とする04春闘、そして3・20国際反戦闘争のただ中でかちとられた。数百人の教育労働者の決起は、ファシスト石原を震えあがらせた。この闘いこそ、日本労働運動において連合結成以来の分岐と流動・再編が始まり、新たな高揚局面に突入したことを象徴している。動と反動が逆巻き大激突しながら労働運動が大前進していくという、戦後革命期以来の大激動期を迎えたのである。
 「日の丸・君が代」攻撃と教基法改悪の狙いの核心は、日教組の解体である。教育労働者は、日教組解体の総攻撃に対して、陸・海・空・港湾労組20団体の闘いに続いて、戦争協力=従事命令を拒否する大闘争でこたえたのだ。
 今秋は、小泉政権の「骨太方針W」による全逓・日教組・自治労などの労組解体攻撃との全面激突が不可避となる。教育労働者に対しては「三位一体改革」による義務教育費国庫負担制度の廃止・縮小が策動され、教基法改悪と一体で、国家による教育支配と資本攻勢・賃下げ攻撃が全面的に襲いかかろうとしている。教育労働者が全逓、自治労の労働者とともに闘うべき時がきている。
 教育労働者は自らの闘いが労働運動全体に巨大なインパクトを与えたことに誇りを持って、全逓・自治体・国鉄労働者と並び連帯して、1年間決戦を牽引(けんいん)しよう。

 ファシスト石原への怒り

 第二に、日帝と石原都政の教育改革攻撃による極限的な抑圧に対して教育労働者が積もりに積もった怒りを爆発させて立ち上がったことは、ファシスト石原に決定的な打撃を与えた。
 99年4月に都知事に初当選した石原は、「東京から日本を変える」と叫び、政府の教育改革―教基法改悪を先取りする重大攻撃を推進してきた。03年に再選されると「2期目はもっと過激に」と公言し、やりたい放題の悪行を重ねてきた。
 勤務時間改悪、勤務時間内組合活動の権利の大幅制限、長期休業中の自宅研修権のはく奪など、既得権をことごとく奪い去る攻撃を乱発。00年度から人事考課制度による業績評価システムを導入。01年に都の教育目標を改悪し、「日本国憲法及び教育基本法の精神に基づき」の言葉を削除。03年度から新たな中間管理職として主幹制を導入、職員会議を解体して上意下達の学校運営を目指した。
 「日の丸・君が代」をめぐっては就任直後から国立市の教育つぶしに躍起となり、00年に17人を不当処分した。昨年秋には、都立七生(ななお)養護学校の性教育を攻撃し、116人に不当処分を発した。
 昨年の人事異動要綱改悪では、短期間での異動の乱発と、最長往復4時間の長時間通勤まで強制した。
 教育労働者にはまったく無意味な書類提出や数々の研修が強いられ、労働条件は極限まで劣悪化し、その結果、若年退職や病気休職者が激増している。
 この現実に対して、「もう我慢できない!」という教育労働者の激しい憤りが噴き出し、今春の巨大な闘いとなった。日帝と石原の教育改革―教基法改悪攻撃に対する教育労働者の総反撃が始まったのである。
 第三に、教基法改悪攻撃がいよいよ切迫する中で、教基法改悪に対する最大の反撃が「日の丸・君が代」闘争として開始されたということである。「教育労働者は教基法改悪を絶対に許さない」ことを体を張った闘いで示したのだ。
 教基法改悪とは、教育現場を国家権力が完全に支配し、教員を「国のため・天皇のために尽くす聖職であり、子どもたちを戦場に送るのが使命」とする侵略教育の先兵にさせる攻撃だ。
 したがって、国会闘争などと並んで、職場・生産点からの抵抗闘争こそ教基法改悪による戦時教育への大転換を阻む最大の攻防点なのである。現場からの抵抗闘争の中心に「日の丸・君が代」闘争を据え、全国・全人民に押し広げていくことによって、教基法改悪は絶対に阻むことができる。

 都高教大会で修正案を可決

 第四に、開始された「日の丸・君が代」闘争は、日教組の階級的再生へ向けた巨大な突破口を開いた。
 組合本部の屈服方針をうち破って立ち上がった被処分者の闘いの正義性と大衆的広がりは、都高教本部を揺り動かす大きな力を持った。都高教本部は6月に被処分者に「経済的損失の工夫」「弁護士費用の補助」として財政支援を決定したが、「日の丸・君が代」闘争と処分撤回闘争を闘う姿勢を持たない本部への怒りは高まるばかりだった。
 こうした本部の屈服方針を突き破って、7月23日の都高教定期大会では、被処分者や予防訴訟原告が提出した40本の修正案が賛成多数で可決され、執行部に事実上の不信任を突きつけるという画期的な勝利がかちとられた。6月22日の全都教職員総決起集会の開催も、組合員の中に都高教の再生への大きなうねりが広がっていることを示した。
 東京の闘いに続き、全国で「日の丸・君が代」闘争に立ち上がり、連合日教組をグラグラに揺さぶろう。その闘いの中から日教組本部打倒、日教組の階級的再生へ突き進もう。
 第五に、教育労働者の不起立闘争が、「日の丸・君が代」闘争と教育基本法改悪阻止闘争をすべての労働者人民のテーマに押し上げたことである。
 とりわけ、今春の闘いが「日の丸・君が代」をめぐる国論二分情勢を切り開いたことの意義は大きい。それを象徴するのが、3月卒業式の渦中で、商業新聞同士が社説で批判と反批判を応酬するという前代未聞の事態が生まれたことだ。
 このような国論二分情勢が現出してしまったこと自身が、敵の攻撃の破産を意味する。「日の丸・君が代」攻撃(=天皇制攻撃)とは、思考を停止させ無条件に服従させることによって力を持つものであり、国論二分の議論が噴出してしまっては、その威力は失われるのである。
 教育労働者の闘いがこれほどの社会的反響を生み出したのは、勤評闘争以来のことである。そして今、全国各地で「日の丸・君が代」闘争や教基法改悪反対の集会が、会場を満杯に埋めてかちとられている。多くの労働者が〈戦争と教育>〈教基法改悪と憲法改悪>の一体性を感じ取り、怒りと危機意識を持って行動を開始している。教育労働者の体を張った闘いが切り開いた情勢である。

 闘う動労千葉と共に11月労働者決起へ! 教労運動の勝利の展望

 「日の丸・君が代」闘争を闘いぬき、教育基本法改悪阻止・改憲阻止の1年間決戦に立とう。以下、その闘いの方針を提起したい。
 第一に、東京の闘いに続き、全国の教育労働者が不起立闘争に立ち上がり、新たな「日の丸・君が代」闘争を再構築しよう。その力で、被処分者の闘いを守り、発展させよう。
 8月2、9日の被処分者「服務事故再発防止研修」を絶対に許すな。自らの闘いの正当性を堂々と人事委闘争で争おうとしている被処分者に「再発防止」の名で「反省文」を書かせることなどどうして許せるか。不当極まりない暴挙を「大衆団交」で粉砕しよう。
 都教委は来春に向けて、さらに攻撃をエスカレートさせようとしている。6月8日の都議会で横山教育長は、来春の卒・入学式に向けて教職員に「児童や生徒に起立して歌うよう指導せよ」という職務命令を出すと宣言した。教育労働者の抵抗を封じることができなかった現実に震え上がり、凶暴化して、法も何もかなぐり捨てた暴挙に打って出ようとしているのだ。
 都教委の暴挙に対しては、労働者の闘いを大きく広げることこそ勝利の道だ。都高教7千組合員の全員が順繰りに不起立闘争を貫くことができれば、処分は完全に無力となるのだ。05年卒・入学式闘争に、全国で数万人の「日の丸・君が代」決起を実現しよう。
 8・6ヒロシマに教育労働者の大結集を実現しよう。都教委包囲ネットワークが呼びかける8・30都教委包囲行動に集まろう。
 第二に、「日の丸・君が代」闘争を押し広げ、教育基本法改悪を絶対阻もう。
 12・23集会を出発点につくられた「教育基本法の改悪を止めよう! 全国連絡会」は、11月6日に日比谷野音で全国集会を開催する。全国各地から教育労働者の大結集を実現し、野音を満杯にしよう。
 組合本部の屈服を突き破って決起した教育労働者の闘いは、産別を越え、地域を越え、広範な労働者に共感と感動を与えている。教育労働者が先頭に立って闘い、教基法改悪阻止闘争―改憲阻止闘争に全人民の総決起をかちとろう。
 第三に、今こそ動労千葉の労働運動に学び、教育労働者が全労働者人民の先頭に立って闘おう。
 動労千葉の労働運動から学ぶべきもっとも重要なテーマとして、教育労働者が労働者階級の一員として闘うことの死活性を提起したい。戦時下の教育労働者に対する攻撃の最大の核心は、教育労働者から労働者としての階級性を奪うことである。そのことなくして、教育労働者を戦時教育の担い手・先兵とすることは不可能だからである。
 「教師は労働者である」「教師は団結する」(日教組が1952年に決定した「教師の倫理綱領」より)という立場を今こそ鮮明にさせよう。労働者階級の一員として、階級的なものの見方を貫き、階級的団結を総括軸として闘うことによって初めて教育労働者の勝利も切り開かれるのだ。
 この対極にあるのが、日本共産党の「教師=聖職」論であり、「ストライキ否定路線」である。戦時下においては、「聖職」論は侵略教育の担い手となることに直結している。
 教育労働者は、教労産別の枠内にとどまらず、他産別の労働者と合流し、学び、ともに闘おう。階級的労働運動の前進をかちとる闘いの先頭に立とう。11・6教基法改悪阻止集会に総結集し、闘う労働運動の全国ネットワーク運動―11月労働者集会に教育労働者の大隊列を登場させよう。
 最後に、被処分者を始めとする闘う教育労働者に、革共同に結集して、社・共に代わる闘う労働者党の建設に向けてともに闘うことを心から呼びかける。第3次世界大戦の過程が始まり、階級的大激突の時代に突入した今、革共同に結集して、闘う日教組の再生をかちとり、命脈の尽きた帝国主義を打ち倒して労働者階級の階級的解放をかちとるためにともに闘おうではないか。04年の階級闘争の牽引車として決起した教育労働者こそ、労働者人民の先頭に立って闘おう。青年教育労働者はマル青労同に結集して闘おう。
〔革共同教育労働者委員会〕

 (資料)10・23都教委通達

平成15年10月23日
都立高等学校長殿
都立盲・ろう・養護学校長殿
東京都教育委員会教育長
 横山洋吉
入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(通達) 

 東京都教育委員会は、児童・生徒に国旗及び国歌に対して一層正しい認識をもたせ、それらを尊重する態度を育てるために、学習指導要領に基づき入学式及び卒業式を適正に実施するよう各学校を指導してきた。
 これにより、平成12年度卒業式から、すべての都立高等学校及び都立盲・ろう・養護学校で国旗掲揚及び国歌斉唱が実施されているが、その実施態様には様々な課題がある。このため、各学校は、国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について、より一層の改善・充実を図る必要がある。
 ついては、下記により、各学校が入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱を適正に実施するよう通達する。(中略)

 記
1 学習指導要領に基づき、入学式、卒業式等を適正に実施すること。 
2 入学式、卒業式等の実施に当たっては、別紙「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針」のとおり行うものとすること。
3 国旗掲揚及び国歌斉唱の実施に当たり、教職員が本通達に基づく校長の職務命令に従わない場合は、服務上の責任を問われることを教職員に周知すること。

(別紙) 入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針
1 国旗の掲揚について 
 入学式、卒業式等における国旗の取扱いは、次のとおりとする。
 (1) 国旗は、式典会場の舞台壇上正面に掲揚する。
 (2) 国旗とともに都旗を併せて掲揚する。この場合、国旗にあっては舞台壇上正面に向かって左、都旗にあっては右に掲揚する。
 (3) 屋外における国旗の掲揚については、掲揚塔、校門、玄関等、国旗の掲揚状況が児童・生徒、保護者その他来校者が十分認知できる場所に掲揚する。 
 (4) 国旗を掲揚する時間は、式典当日の児童・生徒の始業時刻から終業時刻とする。 
2 国歌の斉唱について 
  入学式、卒業式等における国歌の取扱いは、次のとおりとする。
 (1) 式次第には、「国歌斉唱」と記載する。 
 (2) 国歌斉唱に当たっては、式典の司会者が、「国歌斉唱」と発声し、起立を促す。 
 (3) 式典会場において、教職員は、会場の指定された席で国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する。 
 (4) 国歌斉唱は、ピアノ伴奏等により行う。 
3 会場設営等について 
 入学式、卒業式等における会場設営等は、次のとおりとする。
 (1) 卒業式を体育館で実施する場合には、舞台壇上に演台を置き、卒業証書を授与する。
 (2) 卒業式をその他の会場で行う場合には、会場の正面に演台を置き、卒業証書を授与する。
 (3) 入学式、卒業式等における式典会場は、児童・生徒が正面を向いて着席するように設営する。 
 (4) 入学式、卒業式等における教職員の服装は、厳粛かつ清新な雰囲気の中で行われる式典にふさわしいものとする。 

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週刊『前進』(2161号3面2)(2004/08/09)

再発防止研修執行停止申立 東京地裁が不当却下 研修の違憲性にも言及

 東京都教育委員会が「日の丸・君が代」被処分者に「服務事故再発防止研修」を命じた問題で、研修命令を出された教育労働者139人が処分の取り消しおよび行政処分執行停止を求めていたが、東京地裁は7月23日、不当にも却下を決定した。
 ただし、決定内容においては「何度も繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与えれば、違憲違法の問題を生じる可能性がある」とも指摘。しかし結論としては、まだ研修が実施されていないこと、後で金銭賠償を求めたりすることが可能だと述べるなどして、申立を却下した。
 139人の被処分者は、即時抗告した。
 同研修は「日の丸・君が代」被処分者223人を対象に、8月2、9日の2日間に分けて、東京都総合技術教育センターで実施されようとしている。都教委は研修により、「君が代」強制に対して不起立などで抗議したことを「反省」させ、「報告書」という名の反省文を書かせようとしているのだ。こんな「思想改造」は絶対に許せない。
 被処分者の闘いを支援し、8月2、9日、ともに抗議闘争に立ち上がろう。

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週刊『前進』(2161号3面3)(2004/08/09)

「つくる会」教科書 阻止へ310人が集会 新設一貫校で採択狙う

 来春、東京都台東区の白鴎(はくおう)高校に都立初の中高一貫校が開設され、その中学1年生用に「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書(扶桑社刊)の採択が狙われている。
 01年の採択時に惨敗を喫した「つくる会」一派が、ファシスト石原都知事や横山都教育長らと結託し、05年の中学教科書一斉採択の突破口として、都立一貫校での採択を8月にも強行しようとしている。
 6月14日には自民党国会議員らによる「つくる会」支援の集会に、まったく許せないことに横山都教育長や河村文科相も参加した。
 そして石原・都教委は中高一貫校の顧問に三浦朱門や米長邦雄という「つくる会」一派をすえた。
 こうした動きに対決して「都立中高一貫校での『つくる会』教科書採択を阻止する東京ネットワーク」が結成され、署名運動が開始された。そして7月20日に78団体の賛同で緊急集会が開かれた。日教組、全教の違いを越えて結集した教育労働者を先頭に、310人が参加した。
 講演に立った小森陽一さん(東大教授)は「小泉政権は有事関連7法案の成立から、最終段階である憲法9条の改正で集団的自衛権の行使を狙っている。しかし本当に戦争をする国に大転換するには国民の意識を大転換させ、国民を実際に戦争を担うように変えなければならない。歴史教育をテコにそれを行おうとしている。だからこの闘いは、単に教科書の選択をめぐる闘いではなく、私たちの生活と国のあり方を選択する闘いだ」と熱く訴えた。
 そして都高教の「日の丸・君が代」被処分者の訴えを始め、在日本大韓民国青年会の代表や都立高と七生養護学校の保護者である在日台湾人2世が怒りの発言を行った。また「日の丸・君が代」処分に反撃する8・30都教委包囲大行動の呼びかけも行われた。
 最後に、子どもと教科書全国ネット21の俵義文事務局長から署名の拡大、申し入れと提出行動、街頭宣伝と署名行動、はがきやファックス運動などの方針が提案され集会を終えた。
 23日には、集会宣言と5230筆の署名をもって都教委に申し入れを行った。
 この闘いは、05年の一斉採択をめぐる闘いの始まりであり、来春へむけてさらに発展する「日の丸・君が代」闘争と一体の、石原を徹底的に追いつめる闘いである。また教基法改悪と対決する教育労働者の大闘争にしなくてはならない。
 8月26日とも言われる都教委の採択阻止へ、署名を拡大し、都庁にかけつけて闘おう。全国から石原・都教委に抗議を集中しよう!
 (投稿 永田哲郎)

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週刊『前進』(2161号4面1)(2004/08/09)

自治労大会に向け訴える
「21世紀宣言」否決の地平から本部打倒へ
 小泉構造改革−大民営化、戦争動員、改憲との対決を
 革共同自治体労働者委員会

 8月25―27日、東京有楽町の国際フォーラムで第75回自治労定期大会が開催される。今大会は中間年大会として中間総括と当面する運動方針が主要な議題となる。しかし、有事法制の成立、小泉構造改革による地方自治体・自治体労働運動解体の大攻撃の中で重要な大会となる。昨年の横浜大会で闘う自治体労働者は「『自治労21世紀宣言』は階級的労働運動を投げ捨てる転向綱領だ」と喝破し、全国の代議員は「21世紀宣言」を事実上否決した。今や「21世紀宣言否決の地平から自治労本部打倒へ!」を旗幟(きし)鮮明に掲げる時だ。自治体労働者の皆さん! 自治労解体を許さず、「戦争と民営化」と全面対決する「闘う自治労の再生」へ奮闘しよう。

 参院選での「惨敗」で「政治方針」は破産へ

 労働者階級は、7月参院選で小泉=自民党に怒りの鉄槌(てっつい)を下ろした。自衛隊のイラク多国籍軍派兵と年金改悪にNOをつきつけた。自民党=日本帝国主義の政治支配は破綻(はたん)しているのだ。小泉政権打倒―日帝打倒の闘いが始まったのである。
 労働者階級の怒りの鉄槌は、連合―自治労中央に対しても下ろされた。
 今回、自治労本部は組織内候補、高島良充元中央本部書記長の当選に全力を挙げた。本部主流派の政治路線を貫き連合内で自治労の発言力を確保するためだ。そのためには得票数でも上位を占める必要があった。
 にもかかわらず、高島は17万弱しか得票できなかった。97万人の組合員のわずか17%しか投票せず、前回の組織内候補よりも5万票近く減らし、連合推薦8候補中、7位に沈んだ。連合最大の約百万人を誇る労組としては惨敗なのだ。
 自治労本部が94年来掲げ追求してきた「民主リベラルの総結集による2大政党制」の政治方針は破産した。2大政党制が擬似的にせよ現実化しかけた時、組合員は一斉にそっぽを向いた。今や2大政党制的安定ではなく、階級的分岐・流動・高揚情勢に全面的に突入しているのだ。
 前回の参院選でも、中央本部のメンツは丸つぶれだった。社民党支持13県本を中心とする反主流派が又市征治富山県本部委員長(当時)を当選させた。
 巻き返しを期した今回参院選では、指導力、求心力を低下させた自治労本部は組合員を選挙動員できず、一部幹部だけが走り回り、ポスターは組合室に山と積まれたままだった。大会で本部の「民主リベラル総結集論」の破綻(はたん)をつきだし、追及しよう。

 「戦争業務」の強制と民営化は一つの攻撃

 03年3月、世界帝国主義の危機の中で米英日のイラク侵略戦争が始まった。この不正義の戦争に対して、侵略戦争反対、帝国主義打倒の闘いが全世界で爆発した。軍事占領下、イラク人民は民族解放のために強靱(きょうじん)な武装闘争を闘っている。パレスチナやサウジアラビアでも民族解放の闘いが帝国主義の凶暴な暴力を跳ね返して爆発している。そして、アメリカ、イギリスを始めフランス、ドイツ、スペイン、イタリア、韓国など世界中の労働者人民が同時に反戦デモに立ち上がった。
 日本においても、03年11月の日韓米国際連帯集会を引き継ぎ、04年3・20首都6万―全国50万人の労働者人民がイラク反戦の世界統一行動に参加した。
 “WAR ABROAD,WAR AT HOME”という二つの戦争への反対は全世界労働者の共通のスローガンだ。労働者階級と被抑圧民族の連帯で帝国主義を打倒し、世界戦争を世界革命に転化する闘いが始まった。
 この世界史的大激動の中で日帝・小泉の「戦争と民営化」攻撃との対決は、自治体労働者と日本の全労働者階級の未来を決する一大決戦となっている。
 有事法制が成立し、侵略戦争総動員体制づくりが始まった。また「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004(骨太方針W)」が6月に閣議決定された。これはイラク侵略戦争参戦下における国家と社会の全面的改造計画だ。徹底した民営化と地方自治体破壊、社会保障制度解体、労働者の総不安定雇用化など、労働運動をつぶし、強権的な支配体制をつくる攻撃だ。自治体と自治体労働運動は「戦争と民営化」との決戦の主戦場だ。

 戦争協力拒否へ団結強化を

 現在、国民保護法に沿って、消防庁は「国民保護実施本部」を設置し、政府は「国民保護に関する基本指針」を策定中である。今後、都道府県、市町村に「国民保護協議会」が組織され、ここで「国民の保護に関する計画・業務計画」が内閣との「協議」のもとに作られる。この協議会は、自衛隊・警察を軸に、自治体の長・職員、自衛隊員、県警本部長、消防長、教育長、指定公共機関役員・職員らで構成される。
 すでに自衛隊と自治体(防災担当課)との協議が始まっている。「戦争が始まる前」から組織(国民保護協議会)を整備し、そのもとで防災訓練、有事避難訓練を繰り返しておき、「武力攻撃事態等」が閣議で承認されるや否や、都道府県、市町村が「国民保護対策本部」を設置し、すぐさま戦争体制に移行する。
 現在ある「自主防災組織」は国民保護協議会の指導下で有事避難訓練を実施し、戦災用の防災組織となり、「新しい隣組」の機能を果たすことになる。
 また、有事には実際に国民保護法のもとで自治体労働者が「避難、救援」を指導する。改悪自衛隊法、米軍行動円滑化法、交通・通信利用法に基づく米軍・自衛隊への協力、軍事使用に関する業務などを行う。特定港湾では、すでに、厳重な出入りチェックなど「テロ対策」「危機管理」が先取り的に実施されている。
 このように、地方行政の基軸に「戦争業務」が位置づけられ、地方自治体は国家の戦争遂行のための末端機構に変えられる。自治体労働者は、労働者や住民を戦争(防災、避難、救援)に組織し動員する戦争業務に従事することを当局から強制される。単なる「戦争協力者」ではない。
 しかし、実際に地方自治体が戦争推進機構として機能するかどうか、その鍵(かぎ)を握っているのは自治体労働者と自治体労働運動だ。陸海空港湾労組20団体が唱える「有事法制を完成させない、発動させない、従事しない」闘いは正念場に入った。労働組合的団結、職場的団結を固め、戦争行政阻止、「3ない運動」を実践しよう。

 労組破壊の公務員制度改革

 こうした地方自治体の戦争推進機構化と一体の攻撃が小泉構造改革とその基本方針「骨太方針W」だ。「官から民へ」「国から地方へ」「官の改革」のスローガンのもとに、郵政民営化を強行しつつ、戦後地方自治の最後的解体のために、国・自治体の民営化を徹底推進し、「三位一体改革」・「市町村合併」=「道州制」導入で自治体破壊を進めようとしている。
 700兆円を超える国・地方の財政赤字を地方自治体に押しつけ、公務員制度改革で公務職場を一変させようとしている。「地方行革」で進められた民間委託・公的事業の民間開放を、さらに全面的に広げようとしている。
 有事法制成立と「骨太方針W」、人事院の国家公務員の給与制度の全面改悪方針――人事評価と能力主義の全面推進――が時を同じくして打ち出された。これは、どんづまりの政治・経済危機にある日帝の正面突破攻撃だ。その核心は、自治体労働者の団結を破壊し労働組合運動を解体することにある
 今、国庫補助・負担金や地方交付税交付金の削減で、存続が立ち行かない地方自治体が次々と生まれている。保育や学校教育など住民の生活に直結する行政が徹底的に削られる。
 職場では、人員削減と労働者管理の徹底で心身の病気を訴える労働者が続出している。社会保障制度の解体=福祉切り捨てなど悪法の続出で、労働者は窓口で連日住民の怒りに直面している。その上、新たな人事評価制度が労働者間に分断を持ち込んでいる。
 小泉構造改革の「規制改革」は、地方独立行政法人法のもとでの公営交通や上下水道・ガスなど公営企業の民営化、改悪地方自治法のもとでの「指定管理者制度」による福祉や教育など住民サービスの民営化として進んでいる。市場原理を持ち込み、行政を利潤追求のマーケットに変える。「公共民間」の労働者を含めて、労働者を数年ごとの首切りの不安に陥れる。不安定雇用を自治体職場に全面化する。「小泉政治を止めないとダメ!」――これが現場の声だ。

 本部はすでに改憲の議論を重ねている!

 「国の基本政策検討委」の正体

 自治労は「21世紀宣言」の強行採択後、昨年12月の中央委員会で「国の基本政策検討委員会」を設置し、岡部副委員長のもとに10数回の会合を開いた。これは改憲のための組織である。
 昨年12月の中央委員会で反対派13県本部の中心、道見新潟県本部委員長が「国の基本政策を検討するとはいかなることか。自治労は憲法を守るという点で何ひとつ変更はない」と喝破すると、本部は絶句した。大会や中央委員会のたびに自治労本部は「憲法9条と積極的平和主義は守る」と答弁するが、「国の基本政策検討委員会」を設置したことの中にすでに改憲の意図は明らかなのだ。
 すでに連合は一昨年「国の基本政策検討委員会」を設置した。日本経団連も今年「国の基本問題検討委員会」を設置した。自治労本部は、連合とリンクして連合の検討結果を自治労に還流させようとしている。
 自治労は91年に新政治方針を採択し、自衛隊の容認と安保防衛政策の大転換を行った。ここには、ソ連崩壊と多国籍企業によるグローバル化で労働組合の目的は社会主義の実現ではなくなり、階級的労働運動は終焉(しゅうえん)したという認識が根底にある。それが安保基本法制定運動となって収斂(しゅうれん)していった。
 この流れの中で民主党の小沢一郎と横路孝弘は国連待機軍構想で一致した。自衛隊を中心にして公安警察や海上保安庁、消防庁なども出向という形式で国連待機部隊を結成し、この部隊には海外での集団的自衛権を承認して交戦権も認めようということだ。民主党全体もこれで一致しつつある。そして、このことは、イラクでの自衛隊の多国籍軍(国連安保理決議に基づく)参加によって現実になりつつある。
 問題は、すでにこの内容を自治労が発案していることだ。自治労は、05年5月の中央委員会で「国の基本政策検討委員会」の最終報告をまとめ、05年8月の大会で報告を運動方針化しようとしている。自民党の05年「憲法改悪案」に合わせて「改憲」の議論を始めているのだ。自治労本部は明白な改憲勢力なのだ。
 「国の基本政策検討委員会」を徹底して重視し、暴露・弾劾しなければならない。戦争と改憲に踏み出した自治労本部を打倒し、闘う新しい執行部を樹立しなければならない。

 本部の打倒なしには自治労の再生はない

 自治労本部は今次定期大会で、@自治労不祥事問題をあいまいにしたまま幕引きするA有事法制=戦争国家づくりとの対決を放棄し、改憲への道筋をつけるB大民営化と公務員制度改革とは闘わない態度を内外に宣言するC自治労組織は公共産別統合で生き残る方針を打ち出す――ことを狙っている。
 本部方針の核心は、帝国主義の戦争政策に反対しないこと、そして自治体労働者の階級的な力をまったく認めないことだ。
 13県本部=反主流派は「国の基本政策検討委員会」に委員を送り、「意見反映」を方針とするだけの無力な存在だ。
 「公務員は全体の奉仕者」と、政府の「公務員制度改革方針」とまったく同じ言葉で自治体労働者を規定する自治労連にも未来はない。
 自治労本部は、「新政治方針」や「分権自治構想」、そして昨年大会の「21世紀宣言」と帝国主義の危機の深まりの中で屈服を重ね、現場役員からは「民主党より小泉に近い」と言われる始末だ。「交渉・協議」といっては国の官僚と「知恵を出し合って」いる。「本部は現場より霞が関」と言われているのだ。一時金削減・連続マイナス勧告に対して大会や中央委員会のたびに「全国統一闘争」を求められても、何ひとつ「闘争」を組織しない。「退職特別昇給廃止・寒冷地手当削減・地域給与の導入はやむなし!」の立場なのだ。

組合の戦争業務への積極参加を唱える自治労本部岡部副委員長

「国民保護の計画を作っていくとき職員、労働者の安全性の問題もふくめ、計画作り等々に組合側の意見や職員参加が欠くことができない」
(片山鳥取県知事との対談 『自治労通信』7・8月号)

 『自治労通信』7・8月号では、「有事がまちにやってくる」ことを前提に「法案づくりで地方の意見を取り入れてくれた」「戦争の場合は国の押しつけは仕方がない」という片山鳥取県知事を持ち上げ、「国民保護の計画を作っていくとき職員、労働者の安全性の問題もふくめ、計画作り等々に組合側の意見や職員参加が欠くことができない」(岡部副委員長)と主張している。組合参加で戦争業務の動機づけを、と主張しているのだ。
 また「集団的自衛権行使はなし崩しではだめ」(大門政治政策局長)と、「有事法制廃案」とは絶対言わない。「指定管理者制度」についても「いい面と悪い面がある」(同)と学者以下の無責任な姿勢なのだ。
 「戦争と改憲」の本部は、自治労の自己解体の道を歩んでいる。「21世紀宣言」の否決の地平は必然的に本部打倒にまで行き着く。闘う自治体労働者の任務は階級的労働運動の復活を掲げる新しい闘う執行部を樹立することだ。この結論をきっぱり宣言しよう。

 「新指導路線」を実践しよう

 闘う自治体労働者は革共同の「新指導路線」の実践として、昨年の横浜大会で新転向綱領=「21世紀宣言」をひっくりかえした。そして今や「労働組合論の革命論的確立」で自らを武装し、「戦争と革命の時代」に立ち向かおうとしている。
 自治体労働者は、「国家権力の末端機構」にいながら、労働者やあらゆる住民と毎日接し、彼らの暮らしと人生のさまざまな場面に密接にかかわっている。いわば「国家の墓掘り人」である。
 自治体労働者は、労働組合の団結を打ち固め、国内外のあらゆる労働者と連帯して「労働者の生活を破壊し、戦争に突き進む」帝国主義と闘う時、巨大な力を発揮する。自治労大会決戦に全力で決起しよう。全自治体に党組織をつくり、とりわけ青年・女性労働者の結集をかちとろう。
 東京都の教育労働者は、卒・入学式で「日の丸・君が代」不起立闘争に決起し、大量処分を跳ね返し、8月実施予定の「再発防止研修」攻撃と闘っている。都労連は6月大会でこの闘いの支援を決定した。小泉改革の本丸=郵政民営化と闘う全逓労働者、国鉄闘争勝利・国労再生を闘う国労組合員、全国の闘う労働者が新たな闘いに立ち上がっている。
 「新指導路線」の実践的結論は、動労千葉の階級的労働運動を徹底的に学び、それに続くことだ。200万人自治体労働者、430万人公務員労働者の総決起をかちとろう。自治労の階級的再生をめざし、責任ある勢力として自己を奮い立たせなければならない。そして11月、従来に倍する自治体労働者の総決起を実現しよう!

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週刊『前進』(2161号4面2)(2004/08/09)

部落解放同盟全国連婦人部 “全支部に婦人部を” 山口で13回大会を開く

 7月18日―19日、部落解放同盟全国連合会の婦人部第13回大会が山口市で開かれ、「婦人のあらゆる要求を組織し全国の支部に婦人部をつくろう!」のスローガンのもと、2004年度の闘いの方針を決定した。全国連の各県連・支部の婦人、労組交流センター女性部、婦人民主クラブ全国協など共闘の女性ら180人が参加した。
 第1日目の18日、解放歌斉唱と荊冠旗入場のあと全国連婦人部の中田照美副部長が開会を宣言。主催者あいさつでは全国連中央本部の中田潔書記長が「同和事業の全廃から3年、今や闘う組織は全国連しかない。部落大衆の要求にペンとノートの取り組みで結びついていこう。その軸になるのが婦人の闘いだ」と訴えた。また、喪中で参加できなかった北浦寿恵子婦人部長のメッセージを小林あや子副部長が代読した。開催地地元あいさつで山口・陶支部の婦人は「子や孫たちに戦争のない平和な時代を残すために、みんなで全国連婦人部を大きくしましょう」と語った。
 来賓あいさつでは、北富士忍草母の会の天野美恵事務局長、婦人民主クラブ全国協の西村あや子代表(相模原市議)、全国労組交流センター女性部の代表が、全国連と連帯し戦争と差別と闘いぬく決意を明らかにした。
 議事の最初に狭山企画があり、本部派による武装解除を許さず、特別抗告審闘争勝利−事実調べ・再審実現へ、今秋狭山決戦に総決起する決意を打ち固めた。
 次に二つの特別報告が行われた。西宮・芦原、神戸・番町の婦人が同和住宅家賃値上げ反対裁判で勝利判決をかちとったことを報告した。また、番町の事務局から6月17日に住民が対神戸市闘争に立ち上がり、7年間にわたる幹部職員の暴言の数々、裁判書類での「特殊地区」記載を始め市の部落差別を徹底糾弾し、市職員に謝罪させたことが報告された。
 続いて広島支部の婦人が、中学校で部落の生徒に対して教師が「クズ」と暴言を吐きクラスから排除した恐るべき差別教育に対して福島町の婦人が怒りの糾弾闘争に立ち上がっていることを報告した。これが「日の丸・君が代」攻撃、教育基本法改悪攻撃のもとで起こっている事態だ。また被爆から59年、「被爆と部落」という二重の差別によって沈黙を強いられてきた婦人が、「原爆手帳」の要求を掲げて立ち上がっていることを紹介し、ともに8・6広島に決起することを呼びかけた。そして、この二つの大きな闘い、とりわけ教育闘争を闘う婦人が中心となって7月29日に広島支部婦人部を結成することを高らかに宣言した。
 03年度活動報告を風間裕子事務局員が提起した。昨年のさかぐち選挙の勝利、寝屋川弾圧の4人の仲間を奪還した勝利と荒本で始まった理論学習の取り組みを報告し、これらは戦争と差別の時代、法なき時代の闘い方と5万人建設への道筋を示していると総括した。
 04年度運動方針は岩崎喜子事務局長が行い、「自分の村に婦人部をつくろう。今日を本格的な婦人部建設の出発点の日としよう」との鮮明な呼びかけのもと、村の生活全般にわたる要求闘争の課題、婦人が独自に集まれるサークル活動の取り組み、教育問題を提起し、さらに機関紙、財政、会議など組織3原則の闘いと理論学習を提案した。
 1日目の議事の最後に、地元の山口、広島のきょうだいが劇、「長州藩の部落の歴史」を演じた。
 夕食後に恒例の全国交流会がもたれ、翌19日には、「保育・教育」「介護・医療、福祉」「住宅闘争」「仕事保障」の四つの分科会が行われた。「どうやって婦人部を大きくするのか。そのために具体的に何を取り組むのか」をめぐって活発に意見を交換した。
 全体集会が再開され、中田書記長が2日間の論議をまとめ、議案の一括採択が行われた。新役員には北浦婦人部長(5選)を先頭とした現体制を軸に選任し、代表して中田副部長が「この1年間、みんなとともに婦人部をより強く、大きくしてきます」と、あらためて婦人部組織建設への決意を語った。
 戦争と差別を打ち破る全国連婦人部の建設の本格的な闘いが始まった。全国連婦人部に学び、連帯し、狭山再審勝利、教育基本法改悪阻止−小泉政権打倒へともに闘おう。

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週刊『前進』(2161号4面3)(2004/08/09)

日誌'04 7月20日〜26日
 米韓が在韓米軍再編で合意 「憲法9条、日米同盟の妨げ」

●沖縄海兵隊「大幅削減ない」 自民党の中川国対委員長がワシントンで国家安全保障会議(NSC)のグリーン上級アジア部長と会談。グリーンは在日米軍再編の中で沖縄駐留の米海兵隊の一部訓練を将来、オーストラリアで実施する構想を明らかにしたが、大規模削減は想定していないと述べた。(20日)
●小泉訪韓 小泉首相が韓国・済州島を訪問し、盧武鉉(ノムヒョン)大統領と会談した。会談後の記者会見で、廬武鉉は小泉の靖国神社参拝などについて「任期中は公式に争点として提起しない所存だ」と述べた。(21日)
●米兵死者900人に イラク駐留米軍によると、昨年3月のイラク侵略戦争開戦以来、死亡した米兵が900人に達した。(21日)
●「憲法9条が日米同盟の妨げに」 アーミテージ米国務副長官が自民党の中川国対委員長らと会談し、「憲法9条が日米同盟関係の妨げのひとつになっているという認識はある」「(国連の)常任理事国は国際的利益のために軍事力を展開しなければならない」と述べた。(21日)
●米、名護移設見直し打診 1996年に日米が合意した沖縄の米軍普天基地の名護市への移設について作業の遅れに米政府が不満を抱き、合意撤回など全面的な見直しを打診してきていることが明らかになった。(22日)
●都市型訓練施設、建設反対の旗持ち去る
沖縄の金武町伊芸に立てられていた都市型戦闘訓練施設建設反対ののぼりを車に載せ、キャンプ・ハンセン第2ゲートに入る外国人男性を、区民が目撃した。別の場所では折られた看板も発見されている。(22日)
●在韓米軍、面積3割に 韓国の釜山や春川など都市部の米軍9基地について、米側がこれまでの計画を前倒しして来年中に韓国に返還することが決まった。再配置が完了する11年までに現在34カ所ある基地数を半減させ、総面積は34%に減らす。(23日)
●アラスカに迎撃ミサイル配備  
 米国務省は、長距離弾道ミサイルを使った米本土攻撃に対抗する地上配備型の迎撃ミサイル1基をアラスカ州フォートグリーリー基地に初めて配備したと発表した。このミサイルは弾道ミサイルを、飛来する中間(ミッドコース)段階(大気圏内)で迎撃する。同基地には年内にさらに5基が配備され、05年中に10基が追加配備される予定。(23日)
●陸自にPKO教育隊 防衛庁は、年末に予定されている「防衛計画大綱」に向け、陸上自衛隊に100人規模の国連平和維持活動(PKO)教育隊と千人規模の緊急即応連隊を新設するなど、自衛隊部隊と装備見直しの主要項目を固めた。空自では主力戦闘機のF15の一部を偵察任務が実施できる多用途機とする。(24日)
●敵基地攻撃力の保有検討 「防衛計画大綱」に向け、防衛庁が他国の弾道ミサイル発射基地などをたたく「敵基地攻撃能力」の保有を検討していることが明らかになった。昨年に政府が導入を決めた精密誘導爆弾を敵基地攻撃にも使用するほか、「ハープーン2」や巡航ミサイル「トマホーク」、軽空母の導入が検討課題になっている。(25日)
●三沢基地に司令部 在日米軍三沢基地(青森県三沢市)に新設された海軍哨戒・偵察機部隊の司令部が、西太平洋からインド洋、ペルシャ湾までのアジア全域の司令部機能をハワイから引き継いでいたことがわかった。(26日)
●日本主催で拡散阻止訓練 政府は10月下旬にも大量破壊兵器(WMD)などの密輸阻止を狙った「核拡散防止構想」(PSI)に基づく多国間合同訓練を日本近海で開く。日本の主催は初めて。米、豪などのほかアジア諸国にも参加を呼びかける。(26日)

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週刊『前進』(2161号5面1)(2004/08/09)

Q&A アメリカ経済の現状
超低金利政策は完全に限界 借金依存経済が破綻を開始 29年型恐慌の本格化

 アメリカ経済は、金利引き上げに転換した。それは、より巨大な危機を招く。Q&A形式でアメリカ経済について考える。

 金利引き上げ策に転換

Q アメリカが利上げを行ったが。

AA 6月30日に米連邦準備理事会(FRB)は01年1月から続けてきた超金融緩和政策を転換し、0・25%の利上げを実施した。利上げはITバブルが過熱し、インフレ懸念が高まった2000年5月以来4年ぶり。FRBは現在のところ8月にも同率の追加利上げを予定している。“米経済は順調に回復しており、これ以上低金利政策を続けると経済活動に勢いがつきすぎてインフレを押さえられなくなる”というのがFRBの見解だ。

Q 勢いがつきすぎインフレになるほど米景気はよくなっているのか。

A いや、実は全然そうではない。確かに最近の米帝経済は石油価格の高騰や消費の拡大によって、一時のデフレ傾向は薄れてはいる。だが、それはとても「景気回復」によるものとは言えない。石油価格の高騰は、景気が良くなって国内の需要が増えたからというわけではなく、イラク侵略戦争の泥沼化やサウジ情勢の不安定化など米帝の中東支配の破産的な危機に主な原因がある。また、消費の拡大についても、〈生産・投資の拡大>→〈雇用と所得の増加>といった景気の「自律的回復」の中で起きているわけではない。
 アメリカの設備稼働率はこの間、回復し続けてきたとはいえ70%台後半にとどまったまま。6月は77・2%で従前の予想に反し0・4%の減少に転じている。ITバブル崩壊で打撃を受けた通信は50%台、ハイテク関連全体も71%程度で過剰設備の重石はとれていない。半導体は「デジタル家電景気」で一定伸びてきたが、早くも息切れしようとしている。7月16日に発表された鉱工業生産指数も前月比マイナスとなった。企業業績に対する過剰期待で上げてきたニューヨーク株価(ダウ)も再び1万jを割っている。

Q なるほど。だが「雇用が回復している」というニュースも聞くが。

A 最近になって雇用が増えていると宣伝されているが、大統領選に向けた政治的宣伝に近い。労働省の統計では過去半年で雇用が約120万人増えたことになっているが、AP通信などの世論調査では回答者の57%が逆に同期間に「仕事は減った」と答えている。
 ブッシュ政権が発足してから雇用者数は百万人以上減ったままだし、賃金も労働条件もどんどん切り下げられ、労働者に雇用回復の実感はまったくない。増えているのはサービス業を中心とした低賃金・無権利の不安定雇用ばかりだが、それも伸びが衰えている。

 住宅バブルと消費拡大

Q そんな状態なのに、統計では個人消費が「順調に」伸びていて、米経済は回復しているということになっているが。

A 答えは簡単だ。家計部門を中心にめちゃくちゃに借金を増やしてITバブル時代のレベルの消費を維持してきたということだ。アメリカの家計債務残高動向を示すグラフ(下)を見ると、01年のITバブル崩壊後に急増しているのがわかる。03年には手取り年収の96・4%にまで達し、年収の全部が借金の山に飲み込まれかねない状態だ。さらにブッシュ政権が国家財政が大赤字になることも顧みず大減税を実行し、その減税分も消費に回った。

グラフ 米家計部門における債務残高の対可処分所得比率の推移

Q 家計はどうしてそんなに借金を増やせたのか。

A ITバブル崩壊後、急激に金利が引き下げられていったからだ。01年初めに6・5%だったアメリカの金利は、01年中に11回も引き下げられ、03年6月までに1・0%という史上最低水準まで低下した。01年のITバブル崩壊と、そこに畳みかけるように起きた「9・11」、不正会計ショック、さらにイラク戦争への突入という一連の大激震は、米帝経済・世界経済を29年以来の大恐慌にたたき込まずにはおかないものだった。これに対して米帝は金融の蛇口を最大限に開放し、市場にマネーをあふれかえらせることによって株価の暴落や信用の収縮を防ぎ、恐慌の爆発を回避しようとしたのだ。
 この01年以来の超低金利政策によって、消費者物価上昇率を差し引いた実質金利はマイナスとなり、この状態がすでに3年も続いている。この空前の超金融緩和で、住宅ローンと住宅を担保にした消費者ローンが急増した。史上最低水準まで金利が下がった今こそ住宅の買い時だと銀行もさかんに宣伝し、貸し出しを増やした。ITバブル崩壊で企業向け貸し出しでのもうけを減らした銀行や金融機関は、個人向けの住宅ローンや消費者ローンの拡大でもうけを増やそうとした。
Q それにしても住宅ローンの増え方は普通ではない。

A 住宅ローンの増加分のかなりの部分を実はローンの「借り換え」が占めている。01年以来、金利の低下が続いたため、住宅ローンを低い金利で借り換える〈借り換えブーム>が起きた。自宅を担保に低くなった金利で資金を借り直し、それで古いローンを一括返済すれば金利負担が軽くなるというわけだ。しかも住宅需要の増大で住宅価格が上昇し、その分だけ担保価値が上がるから借入額を増やすこともできた。こうした低金利と住宅価格の上昇を背景にした借り換え=借り増しで、家計は消費や債務返済のための金を手に入れることができた。

Q 住宅ローン借り換えで資金を手に入れるなんて、ピンとこないが。

A アメリカでは住宅も「財テク」の手段になっているわけだ。リフォームなんかも、少しでも住宅の担保価値を上げて借りられる金を増やすために行ったりする。この借り換え=借り増しを盛んにあおったのも銀行や住宅関連の金融機関だ。FRBの02年上半期調査だと、借り換えを行った世帯が手にした現金の額は平均で2万6723j、ざっと300万円。かなり高級の新車1台が買える額だ。これがいわゆる「住宅バブル」の中身。この住宅バブルがITバブル崩壊後も家計部門の消費支出を支えてきた。

Q でも結局は借金を増やしただけだよね?

A そう。ところが金利がどんどん下がり、担保となる住宅の価格は上がっていったから、借金の重みを感じない。むしろ「非常に得をした」という感じ。金を貸す銀行も「今借りなきゃ損」とあおりたてた。ところが今回利上げになった。上げ幅は0・25%と小幅だが、債務をふくらませ続けてきた家計はわずかな利上げでも打撃を受けやすい。また住宅価格もピークを打ち、借り増しなどはもはや望めない。住宅価格の値崩れが始まると、家計には借金の重圧が急激にのしかかってくる。史上空前の個人破産が発生するのは避けられない。

Q するとこれまでのように借金を増やして消費に走ることはできなくなるということか。

A そうだ。ITバブル崩壊後の消費を支えてきた「原資」が一気に枯渇する。何より住宅バブルをふくらませてきたローンの借り換えは、利下げが続かなければ成り立たない。今回の利上げで借り換えブームはピタリと終わりを告げた。昨年は住宅ローンの7割までを借り換えが占めたというのに、いまや「銀行の住宅ローン借り換え窓口に閑古鳥が鳴いている…」と報道されている(日経7・3付)。自動車など耐久消費財の販売は下降しはじめ、小売り販売も減少している。住宅着工も6月には前月比で8・5%減少した。家具や車など耐久消費財の買い換えとセットにもなっている住宅建設の減少は、米実体経済に大きな影響を及ぼす。
 実は1920年代の米経済においても株バブルが膨張する中で、ローンによる自動車などの耐久消費財消費や住宅販売が急増した。それが29年の株バブルの崩壊で一気に収縮して企業は過剰な生産能力を抱え込み、銀行も破産して大恐慌になった。01年のITバブル崩壊で米帝経済はこの29年恐慌と同じ過程に突入しそうになったが、超低金利による住宅バブルと減税が消費を支え、29年型恐慌への突入はいったんは回避された。だがそれは恐慌の先延ばしでしかなかった。

 ドル暴落・金融恐慌へ

Q 利上げしないほうがよかったのでは。

A それが米帝経済が陥ってしまったジレンマというもの。超低金利政策を続ければ、住宅バブル・家計債務はさらにふくれあがり消費の拡大も続くだろう。しかし米帝経済は寄生性を深め、輸入依存体質化しているから国内での生産や投資はそれほど増えず、勢い輸入が増えて貿易赤字が増大する。そこに原油価格の高騰も重なってきて赤字がさらに拡大する傾向にある。国から出ていく金の方が多いということは、それを穴埋めしてくれる資金が海外から流入してこなければならないということだ。そうでないとあちこちで支払いのための資金が不足し、金利が暴騰して恐慌がおきてしまう。
 アメリカの経常収支(貿易、サービスのやりとり、所得の出入りの合計)の赤字額は昨年、年間5000億j(約55兆円)を突破した。これだけの赤字を穴埋めする莫大な資金がいつまでも海外から入り続ける保証はない。アメリカの対外累積赤字額は近い将来3兆j(約330兆円)に達する。海外投資家たちのドルへの信認は揺らぎ始めている。やがて動揺が広がってパニックになると米からの資金引き揚げとなる。

Q ドル暴落ということか。

A そのとおり。米帝経済はこのまま超低金利下での借金拡大路線を突っ走り続けると、家計も銀行・企業も国家もパンクし、ドル暴落・金融恐慌をいつか必ず引き起こしてしまう。超低金利政策による借金拡大=消費拡大路線は完全に限界に達してしまったのだ。だからFRBは超低金利政策の転換を図り、米経済の「軟着陸」をめざそうとしているのだ。これが今回の利上げの「真相」と言っていいだろう。
 しかし、こんな金利の微調整で根底的に行き詰まった米帝経済を自在にコントロールできると思ったら大間違いだ。米帝の巨額の「双子の赤字」、これから顕在化してくる米銀の不良債権問題や、巨額債務を抱える住宅金融公社(フレディマック、ファニーメイ)の破たんの危機など、ドル暴落・金融恐慌の火薬庫はあまりにも巨大すぎる。

Q 革共同は29年型恐慌は不可避と言い続けてきたが、今度こそいよいよだということか。

A 帝国主義ブルジョアジーは、29年型恐慌の「恐ろしさ」をすでに経験しているので、ありとあらゆる先制的な予防策を打ってきた。しかし金利はゼロあるいはマイナスにまで下げてしまったし、財政はもうすでに一個の世界大戦をやりつくしたかのような巨額の赤字にまみれ、破たん寸前にまできている。
 労働者へのリストラ・賃下げ・首切り攻撃もすでに極限的に進んでいる。30年代大恐慌下の予防反革命政策として支配階級が自ら始めた社会保障をも解体してきた。米帝はこのような状況下で29年型恐慌の本格化を迎えざるを得なくなった。
 次期大統領選の結果は世界情勢を左右する。しかし本質的には共和党ブッシュがなるにせよ、民主党ケリーがなるにせよ、米帝は何十倍も凶暴化し、世界戦争政策に突き進むだろう。だが、アメリカと全世界労働者階級、被抑圧民族人民の反撃も必至だ。04年後半から05年に向け、世界史的な革命的情勢が一気に進むのは間違いない。労働者階級の国際的団結の力で帝国主義打倒へ闘おう。
 〔秋月丈志〕

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週刊『前進』(2161号5面2)(2004/08/09)

イスラエルによる分離壁建設を許すな
壁で包囲し生存権奪う 国際司法裁が違法認定

 国連も解体決議

図 ヨルダン川西岸の分離壁地図 イスラエルによる分離壁建設に全世界的怒りが高まる中で、帝国主義の世界支配のための機関である国際司法裁判所や国連総会でさえイスラエルを非難せざるを得なくなった。
(図 ヨルダン川西岸の分離壁地図)
 オランダのハーグにある国際司法裁判所(IJC)は7月9日、イスラエルがパレスチナのヨルダン川西岸に建設しているパレスチナ人民を狭い地域に押し込めるための分離壁(アパルトヘイトの壁)建設について国際法違反であると認定し、国連安全保障理事会にイスラエルに建設を止めさせる措置を講じるよう要請した。国際司法裁判所は15人の裁判官で、14人が分離壁建設が国際法違反と判断しており、これに反対した一人はアメリカの裁判官と見られている。
 これを受けて国連は7月20日に緊急特別総会を開き、国際司法裁判所の勧告意見を承認し、イスラエルに分離壁の建設中止と解体を求める決議案を賛成150、反対6、棄権10の圧倒的な賛成多数で採択した。反対はアメリカ、イスラエル、オーストラリアなど6カ国。決議は分離壁建設の中止と解体を要求するとともに、壁建設で生じたパレスチナ人の損失についても目録を作成するよう事務総長に要請している。
 この国際司法裁判所の判決や国連総会決議にもかかわらず、米帝とイスラエルは、「イスラエル国民の運命がこの議場で決められることはない」(ギラーマ国連大使)とこれを完全に無視し、分離壁の建設を強行することを宣言し、パレスチナ人民に対する虐殺戦争を繰り返している。この居直りをどうして許せるか。
 国連決議には法的拘束力がなく、国連における武力行使を含む一切の強制措置は、安保理決議によって行われる。拒否権を持った常任理事国5カ国によって一切が決められていく。しかも、圧倒的な軍事力を持って暴力的に世界を支配する米帝のヘゲモニーの下で一切が決められるのである。
 米帝は、中東の新植民地支配のための軍事基地国家としてイスラエルをデッチあげ、支えてきた。この米帝の支持の下で、イスラエルによってありとあらゆる暴虐がパレスチナ人民に加えられてきたのである。
 イスラエルの分離壁建設は、パレスチナ人民を牢獄のような狭い地域に閉じこめ、民族解放闘争を全面的に圧殺し、生活も生きる権利も尊厳もすべて奪い尽くす攻撃である。中東和平の「ロードマップ」で言うようなパレスチナ国家の建設がまったくのペテンであり、パレスチナ人民を軍事監獄に閉じこめようとするものであることを示している。パレスチナ人民は分離壁によって自分の農地にさえも自由に行けなくなる一方、イスラエル軍は好き勝手にパレスチナ自治区に侵攻し、住民虐殺を繰り返すということなのだ。
 極右シャロン政権の下で02年6月に開始された分離壁の建設は、すでに200`メートル以上が建設されている。分離壁は高さ8bもあり、武器を備えた監視塔、電気フェンス、塹壕、監視カメラ、センサーがあり、30〜100bの分離帯が設けられる。
 この分離壁建設でヨルダン川西岸地区5000平方qのうち2500平方qがイスラエルに併合され、その結果、もともとのパレスチナ全体の90%の土地をイスラエルが手に入れる。しかも、パレスチナ人民の家や生活手段である農地を奪って建設されるのだ。
 ヨルダン川西岸での分離壁建設と一体で、ガザ地区でもエジプトとの国境線に分離帯とフェンス、イスラエル軍監視所がつくられている。そのために国境沿いにあるラファにイスラエル軍が侵攻を繰り返し、住民の家屋を破壊し、生活基盤を破壊し、パレスチナ人民を虐殺している。

 闘うパレスチナ

 分離壁の建設に対してパレスチナ人民は激しく闘いぬいている。とりわけ分離壁建設で破壊される村の住民自身が、ブルドーザーの前に座り込んで体を張って阻止する闘いに決起している。イスラエル軍は催涙弾や音響弾、ラバーコート弾などで銃撃し、警棒で殴って住民を追い払うが、住民はすぐに戻ってブルドーザーの前に座り込んで作業を阻止する闘いに決起している。さらにこの闘いに米欧など世界から活動家が支援に駆けつけ、イスラエル人の中からも支援する平和運動家が出ている。
 分離壁建設に見られるイスラエルの凶暴化は、実はイスラエル自身が決定的に追いつめられていることによるものだ。イスラエル国内の兵役拒否や平和運動などの広がりは、労働者階級の巨大な決起へと発展することは不可避なのだ。分離壁建設を強行する米帝、イスラエルを徹底弾劾し、闘うパレスチナ人民、闘うイラク人民と連帯してイラク反戦闘争、パレスチナ反戦闘争を大爆発させよう。

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週刊『前進』(2161号5面3)(2004/08/09)

全金本山 完全勝利へ全国闘争 120人が結集、全面解決迫る

 7月25、26日、全金本山全国総決起集会と本社工場への就労闘争が闘われた。
 25日午後2時すぎからの総決起集会には、全国から68団体124人が参加。冒頭、長谷武志委員長があいさつ、「『別棟』という無期限のロックアウト、兵糧攻めに物販・カンパで闘争体制をつくり、門前闘争で団結をつくって闘ってきた。いよいよ8−9月は、構内に赤旗を立てるための重大な攻防だ。解雇撤回まで、攻勢をゆるめることなく闘おう」と、完全勝利に向けて決意を表明した。
 続いて、34年の争議をともに闘ってきた労働組合があいさつ。動労千葉の滝口誠さんは、「『きょうだい組合』として、ともに闘いの中で団結をつくり日本の労働運動を変えるために闘ってきた。ついに完全勝利への扉を押し開けつつある。納得のいく勝利をかちとろう」と訴えた。都労連の仲間は、34年前の全金本山闘争との出会いをふり返り、「本山闘争が切り開いた地平が自分たちの進むべき道でもある。争議は勝って当たり前、勝利のためにともに闘う」と決意を語った。さらに、ともに長期争議を闘う教育社労組と、地元で一貫して支援を貫いた労組の仲間があいさつ。
 青柳充書記長が基調報告し、「仙台高裁での和解協議は、9月29日までと期限が切られている。会社はなんとしても争議を解決しなくてはならない。気を許すことなく、攻勢を闘おう」「三労組の全国へのよびかけに応え、宮城でも地域の労組との団結と共闘を固め、広げてきた。改憲問題が全面化するなかで、一層街に出て、イラク戦争反対の運動を強化していくことが重大となっている。争議の勝利をかちとり、受けた支援を運動で返す。10月に完全勝利をかちとるために、全組合員、全支援が全力で決起しよう」と、方針を鮮明に提起した。
 支援の決意表明では、全国の仲間とともに県内からは東北大有朋寮、日就寮、学生自治会の学生が登壇。熱烈で初々しい決意表明に会場がわきたった。
 全金本山労組の各行動隊が決意表明。「62歳を迎えたが、職場に戻って闘う」「闘争をやっていてよかった。半ば勝利していると私は思っている。権力や暴力、金の力でも組合をつぶすことができなかったからだ。完全勝利まで闘いぬく」「20歳の時に闘争で初めてマイクを握り、34年闘ってきた。解雇撤回の攻防に勝利し、夏から秋の完全決着をかちとろう」と固い決意と熱い思いを口々に語った。被解雇者である熊谷春男さんは、「職場に戻ってこそ本当の解雇撤回、絶対に職場復帰をかちとる」と決意を述べ、満場の拍手がそれに応えた。最後に熊谷さんのシュプレヒコールで総決起集会がしめくくられた。
 26日午前8時からの本社工場門前闘争には90人を超える組合員、労働者、学生が結集し、炎天下、昼休みまでの就労要求闘争を闘いぬいた。20年ぶり、25年ぶりに門前に駆けつけた仲間から、夜行バスで駆けつけた初参加の青年労働者まで全国の仲間が次々と会社に争議解決を要求した。

 中野さん裁判第1回控訴審

 7月22日、全金本山労組書記次長である中野七郎さんへの「傷害事件」デッチあげの控訴審第1回公判が仙台高裁でひらかれた。弁護団は一審判決を鋭く弾劾し、真実を明らかにするために証拠採用を求めた。
 しかし、仙台高裁・田中裁判長は、有朋寮問題の書証以外の採用を却下するという暴挙に出た。しかも、一言抗議の声をあげた傍聴者を退廷にするという敵意むき出しの訴訟指揮だ。
 弁護団は暴挙を弾劾し、9月2日の第2回公判で弁論を行うことをかちとった。仙台高検は、「西森がけがに関する証拠化を現場で一切行っていないこと」を追及されてグラグラになり、『答弁書』で「本件傷害は、単なる擦過傷で、西森自身、本件現場で外傷の存在を明白に認識していたわけではない」などと、とんでもない主張を始めている。西森は一審で「ハンカチで押さえたら黄色い液がついた」などと、供述書にもないようなウソを重ねているのだ。検察側がこの西森の証言そのものを否定してしまうのか。
 これほどデッチあげが明らかなのに、田中裁判長はあくまで有罪判決をごり押ししようとしている。全国から抗議の声を集中し、事実を事実として明らかにさせ、中野七郎さんの無罪をかちとろう。9月2日、午後2時半からの第2回公判に大結集しよう。

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週刊『前進』(2161号6面1)(2004/08/09)

団結ひろば 投稿コーナー

 『真珠の首飾り』から日本国憲法を考える 千葉 宮崎進一

 『真珠の首飾り』という劇は、日本国憲法を、アメリカのGHQの下の人間たちが、悪戦苦闘をしてつくった過程を、ユーモラスに再現したものです。
 その中では、日本国憲法の各分野、つまり各章各条文について、それぞれの地位の老若男女が激論をして、各章各条文を、真珠のようにすばらしいものにして、それを首飾りのようにつなぎあわせて、民主的な日本国憲法にしていました。
 その物語の中から、「極東委員会は、天皇の戦争責任を問おうとしているが、GHQは天皇制を保持して、日本に民主主義を根づかせようとしている」ことなどが読みとれて、歴史的にも、憲法学的にも、非常に興味深いものでした。
 ただ、一番印象に残っているのは、主人公の女性が、当時の日本の女性の立場に立って、女性の人権を日本国憲法の中にもり込もうとしている一生懸命さです。
 ちなみに、彼女自身は、学生時代、成績優秀で頭が良くて、各国の憲法を引き合いに出して、女性の人権や外国人の人権など、日本において抑圧されている人たちの人権のために行動している姿は、素人ぽくて、真の女性解放運動のあるべき姿を発見したかんじがします。
 マルクスだとか憲法だとかフェミニズムだとかいったインテリ的なことをふりかざすのではなく、素人ぽい目線で、だけど一生懸命に活動するところに、真の解放運動のあるべき姿があるのではないかと思いました。
 ちなみに、この劇の最後では、今の時代に戦争放棄のための憲法9条を守ることを訴えていましたが、われわれが、素人ぽくっても一生懸命に反戦運動や解放運動をやっていかなければ、この劇に出てきた人たちがつくってくれた日本国憲法という真珠の首飾りが、ブタに真珠をやってしまった、という結果になってしまうのだろう、と強く思いました。

 参院選スローガンにもやもや吹っ切れる 神奈川 大久保仁

 私は、金属加工の中小企業に勤める者ですが、先日、職場の仲間がオシャカの多いことを口実にして、会社をやめさせられました。その分、残った私たちにしわ寄せがきて、夜8時をこえる残業がザラになっています。わずかな残業手当とひきかえに身を削るような毎日です。こん畜生! と思っても、こんな会社で反抗的な態度をとるとすぐ首を切られるので、どうしようもないと半ばあきらめています。
 参院選を前にした先日、知人に「本物の労働者の新聞だ」と紹介されて、初めて前進を読みました。「小泉政権を今こそ倒せ」の見出し、「参院選政治決戦スローガン」に共感しました。特に「民主党は第2自民党だ。社民党・日本共産党に代わる闘う労働者党を建設しよう!」のスローガンを見て、これこそ現状を打開する道だと、それまでのもやもやした思いが吹っ切れました。
 参院選の結果、自民党は議席を減らしたとはいえ、第2自民党の民主党が肩を並べたにすぎず、スペインで前政権を敗北させイラクから撤兵させたようには劇的に転換しませんでした。既成の政党のていたらくを見るにつけ、やはり革共同が労働者党建設に責任をもって、今回候補者を立てるべきだったと思います。なぜ立てなかったのでしょうか? そこが残念で悔やまれます。投票したくても投票すべき候補者がいなかったからです。立候補者がいれば、私でもまわりに投票を呼びかけることはできました。今回の参院選は、小泉政権を打ち倒すための大きな一歩を踏み出す絶好のチャンスだったと思います。次回の国政選挙には必ず革共同の候補者を立てて下さい。微力ながら応援しますので頑張って下さい。

 動労千葉物販拡大へどんどん組合回ろう 東京・東部N

 動労千葉の物販をお願いするために、都立校の全教系の組合分会を訪れました。返事は「分会長にも相談して決めます」とのことでしたが、あとで動労千葉に直接その分会から申し込みがあったことを知り、大変うれしく思いました。
 正直言って、たいしたオルグをしたわけではありません。国鉄の組合差別で首を切られた人の闘いを語り、「日刊動労千葉」のコピーを渡して、動労千葉が組合員一人ひとりを大事にして闘っていること、線路破断などを許さず運転保安のために闘っていることを簡潔に話しただけです。要するに動労千葉の闘いそれ自身が、労働者の魂をつかむ力を持っている、労働者の心は必ず通い合うということではないでしょうか。
 初訪問でしたが、次はどういう話をし、連帯を深めようかと楽しみです。先入観をもたず、どんどん組合訪問をやろう。

 「昭和天皇記念館」の建設に反対し学習会 東京・三多摩 野口博

 東京・立川市の陸上自衛隊立川駐屯地に隣接した「昭和記念公園」の一角に「昭和天皇記念館」なるものが建設されている(昨夏に工事着工、来秋開館と発表されている)。戦犯天皇ヒロヒトを賛美するための施設を完成させてはならないと、7月24日、「天皇賛美にNO!『昭和天皇記念館』建設反対7・24学習会」が立川市内で行われ、三多摩各地から50人の労働者市民がかけつけた。
 主催者の「とめよう戦争への道!百万人署名運動推進三多摩連絡会」の西山勲事務局長があいさつ。「自由民権運動発祥の地であり、砂川闘争勝利の歴史のある三多摩に『昭和天皇記念館』など絶対反対だ。有事法制は完成したが、発動を命がけで阻止する」と訴えた。
 平和遺族会全国連絡会事務局長で百万人署名運動事務局長の西川重則さんが、「『今、なぜ、昭和天皇を賛美するのか』−昭和天皇の戦争責任と戦後責任を考える−」と題して講演した。
 西川さんは、「『昭和天皇記念館』に反対するには、昭和天皇が在位60年の間に何をやったのかという事実をもって闘わなければならない」と、日帝の侵略の歴史を明らかにした。
 「昭和天皇には戦争を開戦した責任、戦争を継続した責任、戦争の結果に対する責任、そして戦後責任がある」と、ヒロヒトを断罪した。ヒロヒトは、1931年の9・18事変後、関東軍をほめたたえる「勅語」を発した。この「勅語」に基づいて関東軍は、侵略を拡大していく。南京大虐殺も、731細菌部隊による中国人民への人体実験も、ヒロヒトの名のもとに行われた。また、「国体」を守ると称して沖縄人民を犠牲にし、1947年の「天皇メッセージ」で沖縄をアメリカに売り渡し、沖縄人民を「軍事監獄」に押し込めた。
 西川さんは、「歴史の真実はどうだったかを明らかにすることが必要。それは天皇を処刑できなかった日本人民の責任です」と強調した。
 この後の基調報告では、「『昭和天皇記念館』の建設主体である『昭和聖徳記念財団』は綿貫民輔・自民党元幹事長を始めとして、小泉=奥田路線を推進している政財界の連中で成り立っている。これは日本の改憲・教基法改悪と一体であり、自衛隊の派兵に『精神』を入れる攻撃だ」と暴露された。
 天皇・靖国問題に取り組んでいる市民、処分攻撃と闘う教育労働者、立川市職の労働者が決意を述べた。
 西川さんが講演で訴えたように、過去の侵略の歴史を知り、日帝の自衛隊イラク派兵−多国籍軍参加を阻止することが、私たち日本人民のアジア人民に対する責任の取り方だ。
 「昭和天皇記念館」の建設を絶対に阻止しよう。

 仙台で1年生先頭に「派兵許すな」とデモ 東北大学A

 7月25日、東北地方の学生は「イラクから自衛隊をただちに撤兵させよう! 東北からの派兵を許すな!」と訴えて、仙台市内で50人の集会・デモを打ち抜きました。
 東北大学学生自治会が呼びかけた今回の行動は、先日の自治会執行部選挙での大勝利を受け、基調提起から行動方針提起、名護現地座り込み行動への決意、リレーアピールまでのほとんどを1年生が担い、大きく盛り上がりました。東北大学日就寮と山形大学の学生から闘う決意表明がなされました。
 「自衛隊は占領に加担するな! 戦争すすめる小泉はやめろ! 学生は戦争協力しないぞ!」、学生単独での元気のある市内デモは、アーケードで市民から全身を使ってのエールと激励を受けるなど、圧倒的な高揚で大成功しました。
 私たち東北の学生は、今回の闘いをバネに、8・6ヒロシマ大行動と8・8自衛隊派兵阻止青森現地行動を全力で闘います。ともに闘いましょう! 

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週刊『前進』(2161号6面2)(2004/08/09)

弾圧と闘う 福嶋裁判 爆取違憲を立証
 “共謀共同正犯は成立しない” ただちに福嶋同志保釈を

 7月21日、東京高裁第1刑事部(村上光鵄裁判長)は、東京地裁刑事第3部(服部悟裁判長)による福嶋昌男同志への保釈却下決定に対する、弁護人の抗告申立を棄却した。服部裁判長による11年5カ月にも及ぶ超長期の不当勾留を追認する許すことのできない反動的決定である。
 弁護側立証に入っている今、「罪証隠滅のおそれ」などの保釈を認めない理由は何ひとつない。決定は、裁判所による極悪の人権侵害であり、違憲・違法である。不当な長期勾留を徹底弾劾し、一刻も早く福嶋同志を奪還しよう。
 これに先立つ7月16日、福嶋裁判の第181回公判が開かれ、弁護側証人として関東学院大学の足立昌勝教授が法廷に立った。
 足立証人は、爆発物取締罰則(爆取)は1884年、元老院の審議・議決を一切経ることなく太政官布告32号として布告され、直後の元老院でもまったく審議・議決を経ていない事実、さらに、その後の二度の改正も量刑を減じるなど部分的なもので、今日まで一度として立法府による法律制定手続きを経ていないことを明らかにした。足立証人は、最高裁の合憲判決は立法手続きの違法性・違憲性を無視し、解釈によってつじつま合わせするものであって、司法のとるべき道ではないと批判、裁判所は誤りを正し、今こそ爆取は違憲であり、違憲状態にあることを認めなければならないと証言した。
 また足立氏は、福嶋同志に対する爆取1条の「共謀共同正犯」の適用は誤っており、成立しないことを明らかにした。
 福嶋同志は無実である。1986年迎賓館・横田ロケット弾戦闘に一切関与していない。
 福嶋同志は、岩手爆取弾圧の際に岩手借家から不当押収された「メモ」を根拠にデッチあげられた。だが岩手借家は迎賓館・横田戦闘から3カ月後に設置されたものであり、迎賓館・横田戦闘とは一切関係ない。須賀武敏、十亀弘史、板垣宏3同志に対する一審東京地裁判決も、その事実を認めて無罪を出したのだ。
 「メモ」の内容も両戦闘に関連するものではまったくない。さらに福嶋同志が「メモ」を書いたというのは完全なデッチあげで、福嶋同志は「メモ」についてまったく知らない。
 福嶋同志の無実は明白だが、あえて足立証人は検事がデッチあげた内容にまで踏み込んで、検事の主張を論破し、爆取1条の「共謀共同正犯」は成立しないことを鮮明にした。
 足立証人は、共謀のみで実行行為に加わっていない者まで正犯として処罰する「共謀共同正犯」は、近代刑法の行為原則を逸脱したものであり許されないと断言した。その上で、刑法の規定を解釈によって拡張適用した「共謀共同正犯」が、裁判の判例として定着している現実に対し、仮にそうであっても「共謀」立証は合理的疑いを差しはさむ余地がないほどに厳格でなければならないと証言した。
 そして足立証人は、次のように明確に証言した。
 「この裁判では『爆発物の使用の共謀』が問われている以上、実行者との共謀の具体的内容、いつどこで誰と、どのような内容の謀議が行われたかの立証がなされなければならない。しかも、その共謀の内容において爆発物の使用という意思において合致し、具体的任務の分担等がなされたという、実行についての共謀の具体的内容が立証されなければ共謀は成立しない。具体的な共謀の内容は分からないが、全体的に見て共謀があったはずだなどとするのは立証の放棄であり、立証とは言えない。本件『メモ』の記載によってそのような共謀の内容が明らかにされるとは思わない」
 足立氏の証言によって、福嶋同志の無実・無罪は一層明白になった。3同志に続いて早期の保釈実現と無罪戦取に向け、9月公判での弁護側証人の証言を闘い取ろう。
 次回9月1日の公判は、福嶋同志が「砲弾の飛距離計算を行った」とする検察官のデッチあげを暴く物理学者の証言である。
 公判傍聴に集まろう。無実の福嶋同志の保釈を実現し、無罪をかちとろう。
 公判日程
 ☆迎賓館・横田裁判
 福嶋昌男同志裁判
 9月1日(水)午後1時15分
 *東京地方裁判所

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週刊『前進』(2161号6面3)(2004/08/09)

紹介 共産主義者141号
 新しい闘う時代へ指針
 榊原論文 総括と今秋決戦への課題 播野論文 反革命路線走るJR総連

 参院選挙における自民党の惨敗は、労働者階級の流動と高揚を鮮明に示している。本号は、新指導路線1年間の実践でつかんだ核心点を躍動的に突き出し、革命的激動期の到来における革命的労働者党の任務と方針を提起している。

 ●労働組合運動の戦略的意義を全面的に深化

 巻頭論文は、イラク侵略戦争泥沼化の情勢を軸に展開された今年前半期の階級闘争を、新指導路線確立以来の実践を総括する立場からとらえ返した、04年後半戦―05年に向けた革共同の路線論文である。新しい闘いの時代の始まりを強烈に印象づけている。
 新指導路線とは、一切の闘いの基軸を労働者階級に根を張った労働者細胞を建設することにおき、そのために労働組合運動を階級的に発展させる路線である。その核心は、動労千葉労働運動から徹底的に学び、実践することにある。動労千葉は、ストライキや職場闘争をとおして、労働者階級こそが社会の主人公であることを確信し、団結を固めてきた。この階級的労働運動の意義をつかみ、あらゆる職場で実践し、労働運動の大統一戦線を形成するために闘うこと。ここでの真の路線的一致と実践が問われているのである。
 本論前半では、今年3・20世界統一行動、4〜6月有事・年金国会決戦と6月反動との闘いに至る動と反動の激突の過程を総括。新指導路線の正しさ、勝利性を再認識させるとともに、その物質化の途上性と課題を鮮明にした。このためにも、イラク侵略の破綻(はたん)がもたらす帝国主義の危機をえぐり、全世界の労働者階級の決起を展望した革命的時代認識をおさえることが重要である。実践的結論として、開始された教育労働者の決起を、05年に向かって教基法改悪・改憲阻止へと発展させることが強く訴えられている。
 第4章は、労働組合の戦闘的組織化のもつ決定的役割を提起した、本論文のポイントである。小泉―奥田の政治=経済攻勢が体制の存亡をかけた「内への階級戦争」としてかけられているとき、プロレタリア革命の思想と運動のみが危機を打開し展望を開くことができる。労働組合をプロレタリア革命の立場から位置づけ、プロレタリア自己解放をかちとるために闘う意義を転換的に確立した。
 その核心は、国鉄・自治労・教労・全逓の4大産別を軸とした産別委員会建設および労働者細胞を主体にすえた地区党の建設であり、何よりもマル青労同1000人建設にある。党と革命運動の未来をかけ、党勢倍増の決定的環としてマル青労同建設を党全体の正面課題にすえようと訴えている。11月に向かって労働組合の組織化に入ろう。
 教労・国鉄・全逓主要論文は、巻頭論文を補足する目的で再録された04年前半の重要論文だ。合わせて学習してほしい。
 反核論文は、米英帝のイラク侵略戦争が核戦争としてあることを怒りをもって暴き、世界核戦争危機と日帝の核武装化に対する新たな被爆者解放闘争論を提起している必読論文だ。
 JR総連カクマル批判は、カクマル中央派及び嶋田派との分裂と泥仕合が黒田「組織現実論」の破産であることが鮮明に暴露されている。その対極に、プロレタリア自己解放の立場から組織された動労千葉の階級的労働運動があることが、確信深くつかまれるはずだ。今こそJR総連解体・「平成採」獲得へ。
 獄中同志奪還論文が2本。星野同志再審論文は、豊富な資料を使って確定判決と異議審棄却決定を徹底的に批判している。最高裁に再審開始を迫る理論武装に最適だ。11月東京星野集会に向け、学習しよう。
 迎賓館・横田裁判、水嶋裁判論文は、3月にかちとられた2大無罪判決勝利の核心点を意気高く明らかにした。革共同が築いてきた「完全黙秘・非転向」の思想と闘いは、戦時下階級闘争において燦然(さんぜん)と光り輝いている。70〜80年代の死闘の意義と勝利性を生き生きと伝える好論文だ。

 ●世界革命・労働者自己解放論を党宣言に学ぶ

 好評のマルクス主義講座第3回目は、『共産党宣言』の解説。帝国主義の命脈が尽きた21世紀冒頭の今こそ、青年労働者が『共産党宣言』の思想を自らの生き方とすることを力強く訴えている。平明に資本主義社会の歴史的限界と没落の必然性が提起されている。その核心は、資本主義を倒す主体としての労働者階級が自らの自己解放性を自覚し、階級的に団結して資本主義=帝国主義打倒に立ち上がることである。これこそ、新指導路線と労働組合の革命論的確立の内実をなす。『共産党宣言』の大学習運動を起こそう。
 闘いの中で倒れた桐村明美さん、動労千葉の中村栄一書記長の遺志を継ぎ、イラク撤兵・改憲阻止へ!

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