ZENSHIN 2004/10/25(No2171 p06)

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第2171号の目次

三里塚に1250人 全国総決起集会をかちとり反対同盟先頭にデモに出発(10月10日)=記事4面

1面の画像
(1面)
ブッシュ打倒! 小泉打倒! 日米韓連帯!  11・7日比谷野音大集会へ
郵政の分割・民営化絶対阻止 4大産別決戦に勝利しよう
安保・沖縄闘争の本格的爆発を
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MWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)全米の労組 続々賛同 記事を読む  
(2面)
11・7集会へ労働者党員の訴え
マルクス主義の労働者自己解放の思想をかけた決戦へ
革共同中央労働者組織委員会 大原武史
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労組法改悪阻止を  労働運動の絶滅狙う小泉 団結権解体の突破口開く
連合、全労連、野党の協力許すな(長沢典久)
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(3面)
都労連04賃金闘争 都人事委が「勧告なき報告」
公務員賃金闘争破壊の大攻撃  成績主義・格差拡大阻もう(10月7日)
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「君が代」起立の「生徒指導」  都立高2校長が職務命令(10月2日) 記事を読む  
東京教組が200人集会
「君が代」不当処分撤回求め(投稿/東京教組 吉川美枝子)(9月22日)
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動労千葉冬季物販に全力を  1047名闘争の正念場に 記事を読む  
国立病院独法化と対決
雇い止め・賃下げ撃つ闘いに  〈投稿〉医療労働者 矢野聡史
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武力攻撃事態法に基づく「指定公共機関」  160法人の指定に強く抗議する!
動労千葉第33回定期大会決議(10月4日)
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(4面)
10・10三里塚 39年間の勝利の地平に確信
空港の軍事使用と対決  土地強奪の暴挙阻む
現闘本部裁判 支援する会拡大を訴え(10月10日)
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イラク 解放区拡大で米軍窮地  サマラ無差別虐殺に怒りを 記事を読む  
岩国 NLP移設阻止へ  労組を先頭にデモ(投稿/広島・飛松厳)(10月9日) 記事を読む  
日誌'04 10月6日〜12日
米イージス艦が新潟に入港  海兵隊「自衛隊と基地共用」
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(5面)
『前進』武器に11・7の爆発へ
闘う労組の総結集をめざし大胆な拡大計画を立てよう
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改憲阻止決戦シリーズ 今、問い直す侵略と戦争の歴史
第8部 戦後の出発(4)  沖縄への犠牲強要
天皇延命のため沖縄売り渡し(室田順子)
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(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 11月労働者集会の成功へ!
肌で感じた小泉へのうらみや怒りの声 北信越・民間労働者 山口慎也
広島から11・7への総結集宣言の集会 広島 岡部徹
カヌー隊で1カ月間調査船に超接近抗議 東北大学 矢吹徹弥
「教師は労働者」実感誰もが読むべき本 広島・民間労働者 河合典子
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寺尾判決30カ年糾弾 10・31狭山中央闘争へ
差別の元凶=国家権力糾弾し狭山特別抗告審勝利−再審へ  全国部落青年戦闘同志会
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迎賓館・横田デッチあげ裁判 福嶋同志奪還今度こそ
第9次保釈請求を提出(10月4日)
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神藤同志笑顔で出獄  デッチあげと14年闘う(10月7日) 記事を読む  
公判日程 記事を読む  

週刊『前進』(2171号1面1)(2004/10/25)

 ブッシュ打倒! 小泉打倒! 日米韓連帯!

 11・7日比谷野音大集会へ

 郵政の分割・民営化絶対阻止 4大産別決戦に勝利しよう

 安保・沖縄闘争の本格的爆発を


三里塚に1250人 全国総決起集会をかちとり反対同盟先頭にデモに出発(10月10日)=記事4面

 10月17日、アメリカの労働者階級人民はMWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)に決起し、米の首都ワシントンDCで空前の労働者大行進を実現した。日本の動労千葉は国外からの賛同団体として招請され、全米から結集した人民との大合流をかちとった。帝国主義の総本山である米帝の足元で、その支配を打ち倒すために闘うアメリカ労働者階級の巨大な隊列があらゆる制動を打ち破って登場した。このMWMを日本でも実現しよう! 労働者階級の国際的団結の力でブッシュと小泉を打倒し、全世界の根底的な変革に突き進もう。全日建運輸連帯関西生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3組合が呼びかける11・7労働者集会がその出発点だ。11月7日、日比谷野音を全国・全産別から結集した闘う労働組合の赤旗で埋め尽くそう。歴史を本当に変える闘いをやりぬこう。

 第1章 米と共に侵略戦争の先頭に立つ小泉

 アメリカの労働者階級と人民の怒りは、米帝ブッシュを実力で打ち倒す闘いとして今や大爆発を始めている。これに連帯し、ブッシュの最大の盟友である小泉政権を打倒する闘いに、日本の労働者階級が全力で立ち上がるときだ。
 イラクに戦争をしかける口実とされた「大量破壊兵器の脅威」は、ブッシュ政権がねつ造した大ウソであったことが判明した。だがブッシュは恥知らずにもこれを真っ向から居直った。そればかりか、「アメリカの安全」(実は石油資本を始めとした米の大独占ブルジョアジーの利害)を脅かすものには、理由が何であろうと先制攻撃をしかけてたたきつぶす権利があると宣言している。そしてこの米帝ブッシュを誰よりも率先して支持しているのが、日帝・小泉政権だ。
 10月12日から始まった臨時国会の所信表明演説で小泉は「イラク戦争を支持したことは間違っていない」と言い放った。13、14の両日には東京で「イラク復興支援国会議」を開催した。米占領軍がデッチあげたカイライ暫定政権を財政的に支え、来年1月の総選挙を乗り切らせ、軍事占領の永続化を図るための会議である。そこに「国際社会の合意」を取り付けたとみせかけるためのものだ。
 小泉政権はさらに、12月末で期限が切れる自衛隊のイラク派兵の1年延長と陸自の1千人への増派を画策している。来年3月に撤退と言われるオランダ軍に代わって「治安維持」にも全面的にのり出すということだ。
 この背後には、米英軍が今、イラクからたたき出される寸前まで追いつめられているという現実がある。マスコミの報道管制により覆い隠されているが、9月以降、レジスタンス勢力は農村地帯とともに都市の大半を実質的支配下におき、9月29日にはバグダッド南部の米軍基地に大規模攻撃をしかけてついに撤退を強いるほどの大攻勢を浴びせている。1日に100件に迫る戦闘がイラク全土で闘われ、占領軍の中枢があるグリーンゾーンも攻撃の対象となっている。
 これに対して米軍は、サマラ、ファルージャ、サドルシティーなどの都市にこれまでにもまして残虐きわまりない無差別空爆を強行した。サマラでは8時間の爆撃で計3万9千個ものクラスター爆弾と1万8千個のナパーム弾を投下した。文字どおり殺し尽くし、焼き尽くし、破壊し尽くすことでイラク人民の抵抗を抑えつけ、崩れかかった軍事支配体制を立て直そうというのである。今やこの不正義の戦争に米軍兵士の中からも大量脱走と反乱が起き、ブッシュ打倒の声が日に日に高まっている。
 だが米帝・米軍にとってイラクからの撤退は不可能である。それはイラクにとどまらず、中東全域の米帝による支配の崩壊を意味する。米帝は、独仏・EU帝国主義との石油をめぐる争奪戦に勝ちぬくためにも、イラク侵略戦争を逆に中東全体に拡大していく以外ない。さらには中国・アジアを含む世界市場の再分割をかけて、北朝鮮・中国侵略戦争を始めとする新たな世界戦争の道に突き進もうとしてきている。
 日帝・小泉政権はこの米帝の戦争政策に呼応し、日米同盟を今や全世界への侵略戦争遂行の枢軸へと押し上げようとしている。それをテコに、憲法9条の制約をかなぐり捨てて再び「世界に侵略戦争をしかけられる国」として登場しようとしているのだ。
 10月4日、首相の私的諮問機関である「安全保障と防衛力に関する懇談会」が提出した報告書は、「国際の安全なしに日本の安全なし」を掲げて日米安保の大エスカレーションに踏み切ることを提言した。海外派兵を自衛隊の主任務とし、先制攻撃力の保有や武器輸出三原則撤廃、集団的自衛権行使へ向けて9条改憲にも踏み込むことを打ち出した。「専守防衛」をも公然と投げ捨て、自衛隊をむきだしの侵略軍隊に変えていくものだ。
 小泉が沖縄の「基地負担の軽減」を言い出しているのも、沖縄人民の怒りにこたえるものでは全然ない。まったく逆だ。名護新基地建設をあくまで強行しようとしていることに明白なように、沖縄を新たな日米同盟の侵略最前線拠点として、戦争体制全般を再構築する動きの一環である。
 まさに、今やブッシュと並んで小泉が、ムスリム人民を始めとする全世界の被抑圧民族人民の怒りと憎しみの的となり、世界戦争を拡大する張本人となろうとしている。小泉の打倒は反戦闘争を闘う全世界人民の共通課題だ。闘うイラク人民との連帯を掲げ、日米韓の労働者の国際連帯の力を発揮して、11・7で小泉打倒の戦闘宣言を発して闘おう。

 第2章 資本の暴虐に怒り大民営化と闘おう

 小泉政権の正体は何かを今こそはっきりさせよう。小泉が体現しているのは日帝の一握りの金融資本や大独占資本の利害である。戦争を本気でやりたがっているのはこの連中だ。帝国主義ブルジョアジーが国家権力の中枢を牛耳り、金で議会を買収し、この国を戦争国家へと変える一方、労働者階級人民から一切の権利を奪い取り、あらゆる矛盾と犠牲を押しつけて、人民を最後は兵士として戦争に動員される以外に生きることもできない状態にたたき込もうとしているのだ。
 実際に今、どんな恐るべき現実が労働者階級に襲いかかっているのか。日本経済を支配しているトヨタを始めとする大独占企業38社は本年3月、過去最高の経常利益を記録した。景気が回復し売上高が伸びているからではまったくない。その一切は労働者への大量首切り、リストラ、大幅賃下げなどの徹底した搾取強化によって得たものだ(本紙前号5面島崎論文参照)。非正規雇用が拡大し、若者の失業率は2けたになり、大都市には路上生活者があふれている。しかもこれはまだ序の口だ。
 奥田を会長とする日本経団連と小泉政権は「骨太方針W」で、大民営化攻撃と社会保障制度の全面解体を打ち出した。金融・独占資本の救済と強化のために、労働者階級を一層の大失業の地獄にたたき込むと同時に、年金も福祉も医療もすべて奪い、資本の金もうけの手段に変えてしまおうとする攻撃だ。他方で消費税率を15%にも引き上げ、貧しい者から徹底的にしぼりとることで巨額の戦費をもひねり出そうとしている。そして人民の抵抗を圧殺するために、共謀罪の導入など治安弾圧の拡大に突き進んでいる。
 これらの攻撃の当面する最大の突破口が郵政民営化の攻撃である。第2次小泉改造内閣は何よりも、郵政民営化突撃内閣である。小泉は05年をその最大の決戦として、来年1月から始まる通常国会に郵政民営化法案を提出すると宣言し、全体重をかけて臨んでいる。
 小泉や奥田らが狙っているのは、民営化をテコに40万人の郵政労働者(正規職は28万人)の大量首切り・リストラを一気に強行することだ。国鉄分割・民営化、NTT大合理化に続くこの大攻撃を突破口に、全逓、教労、自治体などの公務員労働運動を壊滅させ、労働組合を解体して戦前の産業報国会のような労働者の戦争動員機関に丸ごと変質させることである。そして民間を含めた全労働者に、一層の賃下げ、社会保障の剥奪(はくだつ)と大増税の資本攻勢をもって襲いかかろうというのである。
 今春、都の教育労働者にかけられた「日の丸・君が代」強制攻撃の異様なまでの凶暴さを思い起こそう。これこそ日帝・資本家階級が全労働者階級に強制しようとしている「外への侵略戦争・内への階級戦争」の真の姿だ。そこでは、教育労働者や子どもたちが人間であることは根本から否定されている。労働者は国家権力と資本の奴隷として、どんな業務命令にも黙って従い、命じられるままに戦場に駆り出される存在になれ、ということだ。
 この小泉や奥田や都知事石原らのやり口にこれ以上黙っていられるか! 今立ち上がらないでどうするのか。全労働者階級の力を総結集すれば小泉政権を打ち倒すことは必ずできる。都の教育労働者数百人の決起が石原と都教委に大打撃を与えたように、労働者階級が腹の底から資本や権力と闘う決意を固め、団結して立ち上がるならば、小泉の首などただちに吹っ飛ぶ。必要なのは行動だ。米のMWMと同じ運動をこの日本でも起こすことだ。その出発点が11・7である。

 第3章 11・7こそ日本のMWMの始まりだ

 小泉政権とそれを支える奥田経団連への怒りは、今や全国に充満している。にもかかわらず、許しがたい攻撃が次々とまかり通っているのはなぜか。答えはただひとつだ。連合や全労連など労働運動の既成のナショナルセンターが、資本に買収された労働貴族や日本共産党中央に直結するスターリン主義者に支配されている中で、労働組合がこれらの攻撃と正面から闘わなくなっているからだ。この現実をのりこえる、ランク・アンド・ファイル(現場労働者)の決起こそが求められているのである。
 10・17米MWMの爆発はILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10など少数の戦闘的左派組合が、全米の労組や諸団体にブッシュ打倒の大統一戦線を呼びかけて実現したものだ。その訴えが全米の労働者階級の魂を打つものであり、彼らが心から待ち望んでいた行動への呼びかけであったことが、大運動への発展を生み出した。AFL―CIO(アメリカ労働総同盟・産別会議)指導部によるMWM参加禁止の通達にもかかわらず、現場組合員の決起はこの制動を突き破って拡大し、ついには米の巨大労組を丸ごと動かすまでに至ったのだ。
 (別掲記事参照)
 MWMが呼びかけているのは「体制を変革しよう」「米国の権力を握る一握りの富者と巨大企業から、この国を奪い返そう」ということだ。そして全労働者階級の闘う団結を求める次のような訴えだ。
 「小さな争い、組織的な懸念、細かい問題をめぐる相違は横に置いておこう。共通の願いを思い出し、他のことを忘れよう。それができるならば、われわれの歴史の中でかつてなかった運動を作るチャンスになる。もしそれができなければ、われわれの前には、果てしなき戦争と国内・国外の至るところでの苦難しかないということになる」
 闘う3労組が呼びかける11・7労働者集会は、まさにこの米MWMとまったく同質の訴えを全国の労働者と労働組合に発している。その呼びかけは、大資本攻勢の中で苦闘を強いられている全産別の労働組合と、すべての労働者に共通する思いであるはずだ。11・7への大結集こそ、労働者階級が決然と小泉政権への反撃に転じる力を生み出すことができるただ一つの道である。
 何よりも、ILWUローカル10のジャック・ヘイマン氏らMWMの中心的活動家が、11・7集会に合流して発言する。韓国民主労総からソウル地域本部の代表が参加する。11・7は第一に、この日米韓労働者の国際連帯の圧倒的な強化をかちとる闘いだ。
 11・7は第二に、郵政民営化を始めとする大民営化攻撃を打ち砕き、教労を先頭とした4大産別決戦に勝利する闘いの出発点だ。第三に、沖縄人民の怒りの決起と固く結合し、第3次安保・沖縄闘争の巨大な爆発を闘いとっていく出発点である。第四に、共謀罪導入絶対阻止、治安弾圧粉砕へ全労働者の総決起をかちとる集会だ。そして第五にそれらの一切をかけて、日本労働運動の階級的再生へ向けた新たなネットワークを作り出す闘いである。
 11・7の成功のために、MWMに学んであらゆる組合から大胆に賛同を組織しよう。執行部に直接訴えると同時に、支部や分会からランク・アンド・ファイルの決起を作り出して闘おう。何よりも青年労働者の大決起を! 組織・未組織を問わず、すべての労働者の決起を! 労働者家族丸ごとの決起を!
 反戦闘争を闘うすべての団体、帝国主義のもとでの差別・抑圧と闘うすべての人民、国家権力の弾圧や人権侵害と闘う人民に、11・7への共同の決起を呼びかけよう。ここから日本の歴史を変えるのだ。労働者階級が本物の主人公となれる社会を作り出すために、今こそともに立とうではないか。

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週刊『前進』(2171号1面2)(2004/10/25)

MWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)全米の労組 続々賛同

 ILWUローカル10、34が呼びかけた10・17MWM(百万人労働者行進)は、アメリカ労働運動を大きく揺るがしている。組合員250万人の全国教育協会(NEA)や、33万人のアメリカ郵便労組(APWU)が大会で賛同を決めた、さらに公務員や交通・運輸、サービスなど賛同は全米に広がった。

●主要な賛同労働組合

全国教育協会(NEA、250万人。全国大会で1万2千人の代議員により賛同決定)
アメリカ教員連盟第2121支部(サンフランシスコ)
アメリカ郵便労働者組合(APWU、33万人)
 ●APWU大会のMWM賛同決議
 アメリカ人の大多数が、健康保険・賃金・雇用・年金保障・教育・環境保護・労働組合保護の後退に苦しみつづけている。また、国連の調査が完了する前にニセの口実によって開始された戦争の結果に苦しんでいる。……アメリカ郵便労働者組合は、民主主義を回復し、労働者に力を与え、今の米国の外交を支配している果てしない戦争推進を終わらせる組合運動である10月117日の百万人労働者行進に賛同することを決議する。
カリフォルニア州郵便集配連盟(郵便集配労働者5万人の労組)
アメリカ州・郡・市従業員労組(AFSCME、日本の自治労に相当)
 第37地区協議会(ニューヨーク、12万5千人)、同メリーランド州立大学などの支部、同第1550支部(テキサス州ヒューストン)、同ニューヨーク市第1707地区協議会(2万3千人)、同第37地区協議会第1930支部(ニューヨーク公共図書館の組合)執行委員会、中央本部ルーシー書記長、その他多数の支部、地区協
アメリカ通信労組(CWA)第9410支部(サンフランシスコの電話労働者)
合同都市交通労組(ATU)ローカル1555(サンフランシスコの湾岸高速鉄道労組)
ATUローカル100(約3万人、ニューヨーク市)
サービス従業員国際組合(SEIU)第535支部(3万人、カリフォルニア州)
AFL―CIOカリフォルニア州連盟(AFL―CIO1200万人の6分の1勢力)
 その他多数の各地域評議会
チームスターズ(トラック輸送などの労組)第808支部(ニューヨーク州ロングアイランド)
都市交通労組(TWU)第100支部(3万8千人、地下鉄・バスなど)
国際港湾倉庫労働組合(ILWU)ローカル10(サンフランシスコ)
ILWU港湾部会(西海岸全体)
ニューヨーク市反戦労組連合
黒人労組活動家連合(CBTU)(AFL―CIOの公式組織、全国大会で賛同決議)

●諸団体

ANSWER連合、サンフランシスコANSWER
平和と正義のための連合(UFPJ)、その他多数

●個人賛同

ダニー・グローバー(俳優)ダニー・グローバー(俳優) われわれには、「体制変更」が何がなんでも必要なのだ。……これは、われわれ自身の闘いだ。われわれは、すべての働く人民のために闘う必要がある。わが国の外交政策によって、略奪された人民のために、・・・・・・全世界の労働者の仲間のために。=写真

 

 

 

バーバラ・リー下院議員(イラク開戦に米議会でただ1人反対)バーバラ・リー下院議員(イラク開戦に米議会でただ1人反対)=写真

ノーム・チョムスキー(教授)
ハワード・ジン(歴史家)ほか

●海外労組

国鉄千葉動力車労働組合=日本
鉄道・海運・運輸労組(RMT)=イギリス

 

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週刊『前進』(2171号2面1)(2004/10/25)

 11・7集会へ労働者党員の訴え

 マルクス主義の労働者自己解放の思想をかけた決戦へ

 革共同中央労働者組織委員会 大原武史

 資本主義社会の根底的な批判を

 私は、約30年間にわたって現場の労働運動を闘い抜き、党の旗を立てて闘い続けてきました。そして今、11・7全国労働者総決起集会の大成功のために、これまで自己の中と外に蓄積し築き上げてきたもののすべてをかけて決起しています。その立場から、私はすべての同志と労働者の皆さんに以下のことを訴え、11・7集会の大成功へ、ともに総決起することを心から呼びかけたいと思います。
 この社会に生きる人間は、社会的生産関係と国家的暴力による支配の中でその生を蹂躙(じゅうりん)されているだけでなく、その内面世界を絶えず抑圧されています。人間生命の本質である積極性・能動性を抑圧し、自己自身と他者との関係を分裂・疎外する社会への根底的で実践的な批判。これこそマルクスの共産主義思想でありプロレタリア革命論だと考えます。
 私は、マルクスの『共産党宣言』を学ぶことによって、社会に蹂躙され続けてきた自己と家族の歴史、さらにはさまざまな幻想に支配されてきた自分の意識から解放され、自由になることができました。故本多延嘉書記長が表現した「魂の叫び」が自分にとって何であったのかが分かったということです。それ以来、若い時期は徒手空拳(くうけん)ではありましたが、旧社会党、日本共産党、カクマル派などの思想や運動と本質的なところで、存在をかけて対決−対峙し、勝ち抜いてきたという自信があります。
 もちろん、彼らの思想をいっしょくたには語れませんが、あえて言えば、彼らがそれぞれ良しと思っている資本主義体制であれ、スターリン主義党であれ、あるいは「黒田思想」であれ、自己を他者に明け渡し依存している点と、同時に現実の労働者階級への信頼やその勝利への確信などまったくないという点で思想的には共通しているということです。労働組合運動「指導部」を自認しながら階級を信頼せずその勝利など信じてもいないところに、彼らの根本的敗北性と、彼ら特有の人間観や労働者観があります。この人間観を基礎として彼らの路線や方針は形成されていますから、国家権力が出てくると恐怖感に支配され、いざとなると労働者を簡単に売り渡してしまうことになるのです。
 さて、「批判は、主体的かつ実践的でなければ批判たり得ない」ということですが、すでに彼らへの根底的実践的批判は、中野洋動労千葉前委員長の『俺たちは鉄路に生きる2』の中でケリがついています。私は一番大切なことは、この著書の中に流れているマルクス主義の生きた思想とその勝利性をつかみ取ることにあると思います。この点を強調した上で、11・7集会の勝利に向けた思想的実践的な核心問題を提起したいと考えます。
 周知のことと思いますが、マルクスは資本主義社会の基本的特徴を「労働力の商品化にある」としました。それゆえ資本主義社会においては、人間の意識自体を「所有」することを最大の価値基準として支配しています。人間自体も商品化し、人間自体さえ「所有」するものであるかのような社会を生み出しています。すなわち商品として価値の高いものを所有する者こそが「勝者」であり「成功者」であり、所有していない者−持たざる者は「敗者」になるわけです。人間存在を、所有している「もの」に置き換えていくので「持つべきものが多ければ多いほど存在することが少なくなり」(マルクス)、絶えざる不安−疎外にさいなまれることになります。
 それは、家や車など物質的な所有だけでなく家系や子ども、友人、知識、健康に至るまで「持っている」ことに最高の価値基準が置かれ、私たちの意識や関係を深く支配していることに現れています。これが、マルクスの言う「自己自身の疎外、そして他者との関係の疎外」ということです。資本主義社会における人間的関係の諸問題の大半はここに起因しています。
 私たち自身も、無自覚的にこういった支配の影響下にあることを深く見据えなければなりません。他者を所有の対象と見なしたり、商品的価値基準を当てはめてはいないでしょうか? 子どもや仲間を「持っている」あるいは「持っていない」と表現したり、あるいは他者に対して「使える」「使えない」という評価をしていないでしょうか。こうして表現される言葉が自己自身や他者に対する人間観をどれほどゆがめていることでしょうか。
 スターリン主義によるマルクス主義−共産主義の思想的歪曲というのは、一国社会主義すなわち帝国主義との共存を前提化し、資本主義以上の生産と「所有」を実現できるとした点にあります。共産主義を物質至上主義に置き換え、人間存在をこれに従属させてしまったわけです。ですから、人間生命の積極性や能動性と無縁な社会体制であるばかりか、人間性を暴力的に粉砕・抑圧することによってのみ延命が図られる非人間的体制になり、必然的に崩壊することになります。

 労働者を解放の主体に据えきる

 私たちは、昨年来のイラク反戦−有事立法阻止闘争を全力で闘い抜く中で、帝国主義的労働運動に急速に変質している連合、あるいは旧社民勢力、そして日共スターリン主義の影響下の全労連による日本労働運動の制圧を突破しなければ、闘いが一歩も前進しないところにまで登りつめてきました。これは、党自体がそうした課題に直面したというばかりでなく、国鉄闘争、「自治労21世紀宣言」をいったん阻止した自治体労働者の闘い、不起立闘争への教育労働者の大量決起を始め、日本労働者階級自身の切実な課題となりつつあるのです。
 この焦眉の課題を突破することこそ革命的前衛党の役割であり、11・7労働者集会の核心的課題があるということです。
 小泉−奥田路線のもとで日本帝国主義は、日本労働者階級人民との関係を労働、生活、そして生死も含め、全面的に蹂躙する関係に転換しようとしています。これに対する根本的批判は、帝国主義に屈服した思想をうち破り、党が労働者階級人民との関係をマルクスの人間解放−労働者自己解放の革命的思想をもとに劇的に転換していくところにあります。その場合、労働者階級人民を商品的価値基準−「消費」や「所有」の対象ではなく、解放の主体として徹頭徹尾据えきり、真の人間的共同的関係を形成し、この思想的実践的あり方において一切の反動勢力を凌駕(りょうが)することが核心です。
 私たちは、11・7労働者集会になんとしても5千を超える結集を実現しようと闘っています。これは単純な結集運動ではなく、根本的に党としての思想的・路線的な決戦−蜂起としてあります。
 しかし、地方の集会や会議を見てみると、参加者の数についてのみ総括の第一基準が置かれ、たとえ少数であってもそこに参加した人びとと真剣に呼吸しあい、その人びとを闘いの新たな組織者−主体として獲得することに最大の精力を傾けていないと思われることがしばしばあります。
 党外の人びととの関係を変え、ともに闘う立場に獲得していくためには、党内の同志たちを獲得し、一致し、団結して闘うことが一切の前提となります。会議で党員が獲得され、集会の獲得目標をはっきりさせ、一致してその成功のために奮闘する。そして成果と課題をはっきりさせ、さらに次の豊かな実践に発展させていく。この中で党員と活動家、労働者階級大衆の意識的部分が相互に鍛えられていく。こういった運動の発展過程が意識的に生み出されていないように感じることがあります。
 私たちの目標が大きければ大きいほど、充実した会議や小集会の積み重ねが重要になります。無駄な会議や集会は一切ありません。実際、いくつかの地区では、こうした会議や小集会の成功を積み重ね、労働者大衆とともに呼吸し、信頼を獲得し熱気あふれる雰囲気をつくりだし、11・7集会に登りつめようとしています。問われているのは、まさに党的思想とこれに基づく実践の質的転換だと思います。こうしたことが実現できれば、必ず数に転換していくという弁証法的な実証があるのです。

 ブッシュ・小泉の階級戦争と対決

 9月末の出来事では、日米首脳会談と国連総会での小泉演説があり、小泉はここから帰って内閣改造を行いました。また、ブッシュは大統領選挙に向けた政策綱領を発表しました。その核心は、イラク戦争は継続する、どんなことがあってもイラクは渡さないということです。
 それだけではなく米軍の世界規模のトランスフォーメーションによって、北朝鮮−中国への戦争準備を強化する、民族解放闘争をどんなことがあっても圧殺するということです。米帝が圧倒的な軍事力で世界支配を貫徹することをあらためて宣言しています。そして、そのために日米同盟を重視すると言っています。日帝・小泉が突出してブッシュを支持しています。この流れから、日本に改憲や武器輸出三原則の見直しを迫っています。
 さらに、ブッシュは「オーナーシップ(所有者)社会の実現」と言っています。もっと徹底した所有者中心の社会をつくる、「持たざる者」は奴隷状態でいいということです。小泉は、このブッシュの政策と一体化する中で自らの延命を図ろうとしています。
 戦時に動員される指定公共機関160法人が指定され、国民保護法(総動員法)が施行されました。有事法の成立を受けて戦時体制の圧倒的強化が進められています。
 沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落しました。この時に米軍が銃で武装して突入し、警察も立ち入らせないということが起きました。有事法が成立したということは、座間であれ横須賀であれ、日本全土でそういうことが可能になったということです。日米同盟を盾に自衛隊自身がそういうことをできる体制になったのです。
 小泉内閣は、こうした戦時体制の確立と一体で日本の労働者大衆の反撃の拠点を破壊し無権利状態に追い込んだ上で、搾取を自由にやる体制をつくろうとしています。「骨太方針W」は本当に激しいものがあります。郵政分割・民営化攻撃は、郵政労働者を非公務員化し、いったん全員解雇とすることによって戦後労働運動を牽引(けんいん)してきた全逓労働運動を完全に解体する攻撃です。これは、国鉄分割・民営化型の攻撃であり、内実的にはそれ以上にひどい攻撃です。これで、国家公務員の労働運動の中軸をたたきつぶそうとしています。また、公務員制度改革によって地方公務員100万人を組織する自治労をつぶそうとしています。そして「日の丸・君が代」強要と教育基本法改悪による教育の国家統制によって教育労働運動−日教組運動を絶滅しようとしています。
 これらの労働運動が解体されることは、日本の労働運動の中軸がへし折られるということであり、そうなった時に、日本経団連・奥田の言う改憲や9割の労働者の不安定雇用化の道が掃き清められ、一部の「所有者」が社会に絶対的に君臨することになります。臨時国会では、治安弾圧立法としての共謀罪の新設も狙われ、同時に天皇制国家主義に労働者大衆を隷属化する攻撃が強化されます。労働組合運動を根絶やしにして、それで初めて戦争体制を推進できるし、労働者大衆を蹂躙する基盤ができるということなのです。
 日本共産党は「階級闘争」という概念を捨て去りました。だが、支配階級は日本が階級社会であることをはっきりと認識し、階級戦争を仕掛けてきています。国鉄闘争を始め4大産別労働運動解体にかけた彼らの執念は、この脈絡から完全にはっきりします。闘う側が、これを見据えないのでは、お話にならないのです。

 歴史的な教訓と革命的労働者観

 ナチス・ドイツ時代について、ニーメラー牧師が「ナチスは最初に共産主義者を弾圧したが、私は闘わなかった。それは私が共産主義者でなかったから。次に社会民主主義者を弾圧したが私は闘わなかった。なぜなら私は社会民主主義者ではないから。……最後に自分たちが弾圧されたが、その時は手遅れだった。もはや周りには誰もいなかった」という歴史的教訓を語っています。
 なぜ初めに共産主義者を弾圧するのか。それはやはり、真の共産主義の思想で労働者階級が統一して闘うことが、支配階級にとって最大の脅威であり、最大の危機だからです。これがロシア革命以来の支配階級の鉄則です。歴史的には共産主義者の弾圧に次いで、労働組合の弾圧を猛然と行っています。当時のドイツは、ドイツ労働総同盟450万を先頭に数百万人の労働者が組織され世界最強を誇ったのですが、やがて組合指導者を始め労働金庫の長まで組合財産も奪うなど徹底的に弾圧されました。この敗北は、当時のスターリン主義共産党指導のとんでもない誤りに起因しますが、それで済ませるわけにはいきません。
 まさに今、そういった攻撃が私たちの目前で全逓や教労、自治労、国鉄にかけられているのです。これに対する反撃の闘いは、核心的には労働者階級を自己解放の思想で武装し団結させていくことですし、現実の攻防の中で階級的目覚をかちとっていく、勝利の確信を積み重ねていくということなのです。党は、これにがっちりとかみ込み、責任を取りながら、労働者階級大衆の不抜の支持をかちとる中で、階級大衆を「プロレタリア独裁の綱領に引き上げる」現実性をつかみ取ることができるのです。
 労働者階級が蹂躙されたままで終わってしまうと見るのか、それとも必ず反撃に立ち上がる、いやすでに立ち上がっているのだと見るのかでは、闘いの展望はまったく違ったものになります。経済的矛盾や社会的矛盾はどうしようもないほど進みます。労働者の意識は急速に変化しますし、この中で労働者を信頼しきることの中に展望はあるのです。現段階は、労働者組織が粉砕されるのかどうかという、激しい決戦攻防の渦中にあります。この最中に、自分たちが敗北しているのではないかと思っていては、お話になりません。
 旧社会党や共産党は、決定的な闘いをしないうちから「敗北する。労働者は勝てない」という考えをふりまいています。「勝てない」と言うのは支配階級がつくりあげた幻想です。目前の労働者階級を信頼できないことそれ自体が思想として蹂躙されているのだということをはっきりさせなくてはなりません。

 米韓の労働者にこたえ大結集を

 最後になりますが、11・7労働者集会の考え方についてです。この集会の呼びかけは動労千葉、全日建運輸連帯労組関西生コン支部、全国金属機械労組港合同の三つの闘う労働組合です。それぞれの運動スタイルや立場の違いをのりこえて、全国に闘う労働組合の再生と総結集を訴え続けて7回目の開催になります。
 昨年の11月集会が、米国西海岸の闘う労働組合であるILWU(国際港湾倉庫労組)、韓国民主労総ソウル地区本部の参加によって国際連帯にまで発展したことは、周知のことです。この集会を起点に、3カ国の連帯は動労千葉の存在と闘いを軸により一層固く、深いものに発展しています。
 この背景には、日米韓で闘う旗を死守してきた戦闘的労働組合とその指導部が、本質的に同じような状況、攻撃に直面し、同様な課題を抱えているということがあります。例えばILWUも、AFL−CIO(米労働総同盟・産別会議)という日本の連合のようなナショナルセンターの支配と反動を突破しなければ一歩も前進できないという課題を抱えています。それどころか、この反動を放置すれば自分たち自身が右派によって一掃されてしまうというギリギリのせめぎ合いの中で闘っています。MWM(百万人労働者行進)もこのような状況を突破するために決断され、闘われています。ですからここに動労千葉が招待されたということには特別の意味があるのです。
 また、韓国民主労総も闘いの前進とともに右派的潮流が台頭し、闘う左派はやはりギリギリの闘いを貫徹しながら11月集会に参加しようとしているのです。
 この米韓の闘う労働者のギリギリで、しかも熱い連帯の呼びかけに、どうこたえるのかということです。
 私たちの課題も同じです。日本共産党が悪い、連合が悪いと口で言うことは簡単です。しかし、核心問題は、私たち自身がその制動や幻想を突き破る勝負をしているかどうかです。資本主義社会の現実と対決して人間解放をめざす。そうした闘いを口先だけではなく、行動でやり抜くこと、話しかけ方も内容も変革すること、労働者大衆とのかかわり方を根本から変えて批判を実践的に貫徹し11・7集会の大結集をかちとってみせるということです。
 05年に私たちはさらに壮大な闘いをしなければ大反動に吹き飛ばされてしまいます。11・7集会は、これを闘って05年の確かな展望をつかみとる闘いです。敗北は許されません。その意味では、私たちと心をひとつにしてともに闘い、次なる闘いの決定的な組織者となる人びとがどれだけ生み出されるのかを基準に置くべきだと考えます。
 残り1カ月間を切りましたが、自分自身の解放をかけ、そしてさまざまな人びとの解放をかけた素晴らしい運動を展開できるかどうかが11月集会の大結集の成否を決めると思います。それは、労働者階級への呼びかけを軸としながら、当然にもすべての被差別・被抑圧大衆を始め全人民の解放と未来をかけた集会でもあります。「労働者階級とすべての人民の力でともに社会を変えよう! 未来を切り開こう! そのために11・7集会に集まろう!」と熱烈に訴え、悔いのない闘いを貫徹しましょう。

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週刊『前進』(2171号2面2)(2004/10/25)

 労組法改悪阻止を

 労働運動の絶滅狙う小泉 団結権解体の突破口開く

 連合、全労連、野党の協力許すな

 小泉政権は、労組法改悪案を今国会の冒頭にも押し通そうと狙っている。労働者からの権利剥奪(はくだつ)と不安定雇用化、賃金切り下げをすさまじい勢いで推し進める小泉政権と奥田・日本経団連は、戦闘的労働組合の解体を目指し、ついに労働者の階級的団結そのものに手をかけてきた。今回の労組法改悪は、労働委員会制度の実質的な解体を手始めに、団結権のあからさまな否認に向けての突破口を押し開こうとするものだ。労働者がその団結権を維持し抜けるか否かをめぐる攻防が始まった。11・7労働者集会への大結集を実現し、闘う新たな労働運動をつくり出すことに、この攻撃を打ち破る道がある。

 労働委制度の解体狙う改悪

 労組法改悪案の狙いは、「労働委員会の審査迅速化」を口実に、労働委員会への申し立てやそこでの労働者の主張・立証を厳しく制限し、労働委員会制度を無力なものとすることにある。また、「労働委員会命令が裁判によって取り消される率が高い」として、労働委員会を反動化した司法なみに改組することを狙っている。それは、労働委員会を労働者の団結擁護の機関ではなく、資本の攻撃を押し貫くための機関に再編するということだ。
 改悪案は前国会に提出され、継続審議となっていた。民主党、日本共産党、社民党などの野党や連合中央、全労連中央は、「審査迅速化」に飛びついて、これを積極推進する立場をとっている。改悪案は「対決法案」にすらならず、まともな審議もないままに成立させられかねない。この情勢をなんとしても覆さなければならない。
 今日のすさまじい資本攻勢の中で、全国の地労委には年間300件を超える救済申し立てがなされている。こうした形をとって労働者は資本との闘いに立ち、労組的団結を回復しようと苦闘している。今回の労組法改悪は、連合中央や全労連中央の裏切りの中で、ぎりぎりのところから闘いに立った労働者の訴えを容赦なく切り捨て、階級的団結の萌芽(ほうが)さえも押しつぶそうとすることに狙いがある。

 救済命令守らぬJRが先兵

 小泉・奥田の大資本攻勢のもとで、非正規雇用労働者の割合は30%を突破した。労働者を分断し団結を破壊する攻撃によって、労働組合の組織率は20%を切っている。すでに大多数の労働者にとって、団結し資本と闘うことそのものが奪い去られていると言って過言ではない。
 多くの組織労働者にとっても、連合幹部が「経営協議会」と引き換えに団交を放棄する中で団交権は実際上なきものとされている。争議権に至っては完全に消え去ったも同然だ。小泉・奥田は、その上さらに団結権そのものを否定し去ることを狙っている。
 労働委員会制度の解体も激しく進んでいる。その頂点に位置するのが、JR採用差別事件に対する昨年12月の最高裁判決だ。最高裁は“国鉄が行った不当労働行為の責任をJRは負わない”とすることで中労委命令を葬り去った。これは不当労働行為を禁止した労組法と憲法第28条を真っ向から踏みにじるすさまじい反動判決だ。
 すでに98年のJR採用差別事件の東京地裁反動判決以来、労働委員会の命令は実質的に空無なものになってしまっている。裁判に持ち込めば救済命令は覆るという「常識」がはびこり、JRを先頭に命令を守らない資本の違法行為が横行しているのが実態だ。
 労組法改悪案は、こうした事態をさらに促進する。労働委員会命令を守らない資本は容認する一方で、“裁判で取り消されるような命令を出す労働委員会に問題がある”という立場で労働委員会制度を再編すれば、今度は労働委員会自らが反動司法に先んじて不当な命令を乱発するようになることは明らかだ。
 80年代半ば以来、日経連は「少数組合の団交権否認」や「労働組合による『不当労働行為』禁止規定の新設」「背景資本の責任追及の禁圧」を繰り返し唱えてきた。今回の改悪を許せば、こうしたさらなる改悪に道を開きかねない。それは労組法をもはや労組法とはまったく別のものに変えてしまうことになる。

 戦争と民営化促進する攻撃

 だがそれは、労組絶滅に向けた攻撃の手始めに過ぎない。小泉政権は、「骨太方針」を掲げて郵政民営化を頂点に公務員労働運動の解体に突き進もうとしている。それはまた、すべての労働者から団結を奪い、日経連が95年に打ち出した「新時代の『日本的経営』」路線、つまり労働者の9割を無権利の不安定雇用にたたき込むことをもくろむものだ。この攻撃は、労働者を徹底的に分断し、労働組合を絶滅することなしには貫徹できない。
 さらに、イラクに自衛隊を派兵し、有事立法を制定し、日米安保の大改定を策す小泉にとって、労働者の戦争動員を貫くためにも労組法は障壁になっている。今や小泉は憲法第9条の解体を公言し、日本経団連・奥田も公然と改憲論を唱え始めた。連合会長・笹森も第9条2項の見直しを叫んでこれに唱和しつつある。第9条解体は、労働基本権を保障した第28条の解体と一体なのである。

 労働基本権は憲法の根幹だ

 労組法は1945年12月、憲法公布に先だって制定された。団結権、団体交渉権、争議権を保障した労組法をテコに、労働者は続々と組合を結成し闘いに立ち上がった。戦後革命の激動は、労働組合という団結体を獲得した労働者の自己解放的決起の上に押し開かれた。戦後革命の敗北の後も、資本はそこで築かれた階級的力関係を根本から覆すことはできなかった。
 憲法第28条が労働3権を保障しているのは、その法制的な表現だ。日本の労働者階級は、団結する権利を闘いの中で獲得し、その憲法上の保障を資本と国家に強制したのだ。
 労組法は、「労働者が……自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること」をその目的に掲げている。労組法に規定された争議行為の刑事罰からの解放や民事免責、不当労働行為の禁止などは、憲法下で労働基本権の保障を具体化するものだった。
 労組法は、教育基本法と並んで戦後憲法の支柱をなしてきた法律だ。その改悪は、歴史を画する重大事態である。労組法の改悪が問題になる情勢とは、戦時ということだ。労組法の抜本改悪は1949年以来である。48年に官公労働者はスト権を奪われ、基本的に労組法の適用外に置かれた。49年には、不当労働行為を行った資本家に刑事罰を科していた旧労組法が廃止され、現行労組法が制定された。これらの改悪は、50年朝鮮戦争を前にした労働運動鎮圧策の一環だった。
 だが、今日の攻撃はこれをはるかに超えている。小泉政権は、労働者階級の戦後的獲得物の一切を奪い去ろうと総力を挙げ始めた。

 反労働者法と闘う米MWM

 帝国主義が労働者階級を食わせていけなくなり、侵略戦争にのめり込むほかになくなった今、全世界で民営化という階級的団結を破壊する攻撃が吹き荒れている。これとの攻防が、どの国の労働運動でも死活的なテーマになっている。
 アメリカのMWM(百万人労働者行進)は、その要求のひとつに「労働組合結成の権利の要求と、タフト・ハートレイ法やすべての反労働者法の廃止の要求」を掲げている。
 米ILWU(国際港湾倉庫労組)の02年労働協約改定闘争に際して、ブッシュは資本の側のロックアウトを口実にタフト・ハートレイ法を発動し争議差し止め命令を出した(『国際労働運動の新時代』参照)。この攻撃との攻防をとおして、アメリカの労働者階級は露骨な争議禁圧法であるタフト・ハートレイ法や、01年9・11後に制定された戦時弾圧法の愛国者法と根底的に対決する課題を鮮明にさせたのだ。
 日本の労働者階級が直面する攻撃も根本的には同一だ。その鋭い現れこそ、共謀罪の新設である。それは労働者が団結し行動しようとする意志そのものを罰する悪法だ。資本は今や歴史を数百年も逆転させ、団結そのものが犯罪とされた暗黒の時代を再現しようとたくらんでいる。
 開始された労働運動の分岐・流動・再編・高揚情勢がさらに進めば、それは国家による暴力的な争議禁圧攻撃との対決に発展する。日本の労働関係調整法も、首相が50日間の争議禁止を命令できる緊急調整の制度を設けている。これは1952年12月に炭労の全山無期限ストに対して発動された例があるだけだ。だが、こうした攻撃との対決が問われる情勢は必ず来る。

 団結権死守は国際的課題だ

 労働者階級にとって、団結を維持することは生死に直結する課題だ。労働力を売るほかに生きるすべのない労働者は、団結して資本と闘う以外に自らの生存と権利、尊厳を守りぬく道はない。団結こそ労働者の最も確かなより所だ。
 その団結を壊し尽くそうとする資本と国家の攻撃は、労働者を体制につなぎ止める最後の留め金を外すものになる。帝国主義・資本主義を打倒しなければ労働者は生きていけない。その時が訪れたのである。
 11・7労働者集会に総結集し、労組絶滅の攻撃に国際的な団結で反撃しよう。4大産別を軸に労働運動解体攻撃と立ち向かい、闘う労働運動をつくり出そう。
 (長沢典久)

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週刊『前進』(2171号3面1)(2004/10/25)

 都労連04賃金闘争 都人事委が「勧告なき報告」

 公務員賃金闘争破壊の大攻撃

 成績主義・格差拡大阻もう

 公民較差是正の勧告見送り

 東京都人事委員会は10月7日、賃金の改定を見送り(据え置く)とする「東京都職員の給与に関する報告(意見)」を出した。6年ぶりの前年水準維持となった(表1)が、都人事委が出したのは「勧告」ではなく「報告(意見)」のみである。これは東京都で現行制度が発足して以来初めての事態だ。
 東京都人事委は、公民較差の結果、民間賃金が729円(0・17%)上回ったにもかかわらず、これを「きわめて低い較差。改定を行わないことが妥当」とし、給料表、一時金とも改定せず、是正のための措置すら勧告しなかった。
 都人事委は、ファシスト石原慎太郎都知事の先兵となって、実質上の賃下げ攻撃をかけてきたのだ。都の労働者は、昨年までのマイナス勧告や特例条例による減額で5年間に100万円以上の収入減を強いられてきた。もう我慢ならない。都労連04秋季賃金確定闘争を怒りのストライキで闘おう。賃下げ・民営化攻撃と闘う全国の自治体労働者との団結を固めて総反撃に立ち上がるために、11・7全国労働者総決起集会(日比谷野音)に都労連労働者の大結集をかちとろう。
 都人事委が比較した都の民間賃金は、全国最低水準(7位)である(表2)。都が独自に行った小規模事業所の調査結果を加味し、民間賃金を低く見せようとしている疑いがある。
 全国の政令指定都市は、東京都より公民較差が小さくても、広島市(524円)などで、公民較差を解消する措置をとるよう勧告した。
 東京都人事委員会の「勧告」なき据え置き「報告」は、人事委員会が自ら制度を否定する大暴挙である。公務員制度改悪を先取りして人勧制度を解体し、公務員賃金闘争を破壊するものだ。そして、都労連の解体を狙う大攻撃だ。断じて許すわけにはいかない。

 人事考課強化と諸手当廃止

 都人事委は「人事制度等に関する報告(意見)」で「これからの給与制度・構造の見直し」として超ど級の反動的な提案を行った。
 すなわち、@年功的な現行定昇制度を廃止するA業績評価に基づく査定給制度へ転換するB職責・能力・業績を反映する給与・処遇に見直すC手当制度を見直すD教員給与を国準拠制度廃止に伴い任命権者の意見を踏まえたあり方への転換を検討する――などだ。
 特に、すでに矛盾が爆発している人事考課制度による成績率の一般職員への導入と成績率の賃金へのリンクについて「成績率の強化及び一般職員の適用対象の拡大などが必要」などと言っている。“さらに成績主義を推し進めて賃金格差を拡大せよ”という意味だ。
 職場では人事考課制度の適用によって、成績結果に伴う昇給延伸など、結果開示や苦情処理などで大混乱している。東京都当局でさえ、人事考課制度の矛盾を認め、2年間にわたって都労連と都当局の間で「人事考課制度検討会」を設置し、検討している最中だ。その中での東京都人事委の提案は、石原都政に加担し、反動的施策の先鞭(せんべん)をつける攻撃だ。
 さらに「手当制度の見直し」について、「本給を含め給与制度全般に深く関連するものであり、その取り扱いについては、国の検討状況を注視しつつ、慎重に検討」と踏み込んでいる。
 国の検討状況とは、公務員制度改革関連法案にある「全国一律賃金から地域別給与へ転換」に対応したものだ。具体的には、現行賃金表を一律に20%切り下げ、20%を上限に地域加算するということだが、公務員賃金を大幅に下げることが目的である。
 これに対応して8月6日、人事院勧告の「報告」部分では、地域給与制度という新しい概念を導入し、公務員賃金の地域別格差拡大を提案している。
 この制度の導入は、調整手当を全廃し地域手当とすることで、他の生活給的諸手当を切り捨てていこうとする方針でもある。すでに今回の公民比較では、あらかじめ通勤手当が除外されて比較されている。われわれの立場は、地域給導入に反対し、諸手当廃止を阻止し、調整手当の本給繰り入れを実現することである。
 いよいよ04賃金確定闘争は公務員賃金制度をめぐって本格的攻防に突入する。

 石原都知事に人事委が追従

 都人事委員会が据え置きを「勧告」とせず、「報告(意見)」としたことは、人事委員会の役割に自ら幕を引く政治的行為にほかならない。労働基本権制約の代償措置の役割をまったく果たすことなく、第三者機関としての立場を放棄し、東京都当局の意向を全面的に代弁している。都人事委は完全に石原都政の軍門に下り、石原都政が推し進める「第2次財政再建推進プラン」や「第2次都庁改革アクションプラン」の先兵となろうとしている。
 特に、賃金構造の見直し=賃下げと「地域公務員給与の適正化」の具体化は、小泉構造改革=「骨太方針W」が打ち出した路線そのものである。また、すでに条文化されている公務員制度改革関連法案は、人事委員会勧告制度の廃止、人事委員会の縮小と首長との直接交渉による賃金確定方針を具体化している。今回の「勧告なき報告」に現れた都人事委の姿勢は、これらを単に追認しているだけでなく、国に先駆けて人事・給与制度を改悪しようとする反動性に貫かれている。断じて認められない。

 反撃を強化し11・7集会へ

 都労連、都庁職は直ちに都人事委に抗議する見解を発表した。「もはや労使当事者以外の第三者機関としての役割を喪失し、財界及び使用者側にスタンスを置いていることは明白である」「都当局の能力・業績主義の強化による人件費削減の方針を全面的にバックアップする内容」と猛烈に抗議した。
 都労連6単組は3波に及ぶ都庁前集会に決起し、11月中旬決着に向け、闘いの火ぶたを切った。
 東水労は、当局の業務手当廃止提案に対して、7月30日に第1波、10月1日に第2波の1時間ストを貫徹した。引き続き10月22日に第3波の3時間ストに突入する。10月15日には都庁前決起集会を設定し、上下水道局での座り込み闘争に入っている。東京清掃労組は、現業調整手当の廃止に対して1964年以来の祝日業務返上の戦術を駆使する方針を決定、さらにストライキへ戦術のエスカレーションは必至である。
 23特別区長会は、給料構造の見直しの突破口として区職現業への行政職(一)俸給表の援用を廃止しようとしている。各区職労は10月6日に決起集会を実現し、反撃を開始した。
 全国各自治体の人事委員会勧告が出そろった。特に全国自治体のリーディングケースにもなる「勧告」なき東京都人事委「報告(意見)」、特別区人事委「報告」に対して、都労連、特区連に結集し、団結して04秋闘に決起しよう。もって石原都政に反撃しよう。
 「官から民へ」「官の改革」を旗印にする小泉構造改革=骨太方針W路線による公務員労働運動解体攻撃を粉砕しよう。賃金の差別と抑制、郵政民営化を始めとする現業切り捨て、首切りと公務員労組への団結破壊攻撃に対して、全国の公務員労働者は反撃しよう。11・7集会こそ今秋闘最大の総決起集会だ。国際連帯の旗を掲げ、戦争・民営化反対の決戦を宣言しよう。

〔表1〕 都人事委員会の勧告による給与の増減

年度 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度
例月給 給料表の引き上げ (較差0.29%、1,306円) 扶養・住居手当の引き上げ(較差0.13%、568円) 特例一時金の見送り(較差0.09%、402円) 給料表の引き下げ、扶養手当の改定(較差△1.64%、△7,393円) 給料表の引き下げ、扶養手当の改定(較差△0.80%、△3,542円) 給料表、手当とも改定見送り(較差0.17%729円)
特別給 5.25月→4.95月
△0.3月
4.95月→4.75月
△0.2月
4.75月→4.70月
△0.05月
4.70月→4.65月
△0.05月
4.65月→4.40月
△0.25月
4.40月
増減 約△11.0万円 約△8.0万円 約△2.2万円 約△14.7万円 約△14.7万円 ――

 都の特例条例による給与減額の状況

  2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度
給与減額措置による減 給料月額の4%減額(00/4/1〜02/3/31) 給料月額の4%減額(02/8/1〜02/12/31) 給料月額の2%減額(03/4/1〜04/3/31) なし
給料月額の2%減額(03/1/1〜03/3/31)
約△17.6万円 約△17.7万円 約△11.8万円 約△8.8万円 ――

〔表2〕各人事委員会の民間賃金調査結果

大阪市 41.3歳 448,311円
神戸市 44.6歳 447,663円
千葉市 43.5歳 441,212円
広島市 43.2歳 437,592円
名古屋市 42.9歳 433,839円
さいたま市 43.0歳 430,796円
東京都 43.6歳 426,454円
横浜市 42.1歳 426,250円
特別区 43.9歳 425,749円

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週刊『前進』(2171号3面2)(2004/10/25)

 「君が代」起立の「生徒指導」

 都立高2校長が職務命令

 10月2日に創立記念式典などが行われた都立高校2校の校長が、「日の丸・君が代」に関して「学習指導要領に基づき、適正に生徒を指導する」という一文を盛り込んだ職務命令を初めて出した。生徒に起立と斉唱を強制する新たな職務命令を徹底弾劾する。
 職務命令を出したのは4月に開校した千早高(豊島区)と創立80周年を迎えた深川高(江東区)。全教職員に「君が代」斉唱時の起立を求め、生徒に対しても「適正に指導」するよう命令、事実上、生徒に起立などを指導するよう求めた。
 今春「君が代」不起立闘争の広がりの中で、都教委は5月に「不適切な指導等を行った」として教職員67人を「厳重注意」などとした。6月都議会では横山教育長が「児童生徒を指導することを盛り込んだ職務命令を出す」と表明。さらに9月7日の校長連絡会では「生徒指導」を盛り込んだ職務命令を出すよう口頭で指示した。これらを受けて生徒への指導を命ずる「職務命令」を出したのだ。
 しかし都教委は現在のところ、昨年10・23通達のような通達を出していない。都教委は明らかに卒業式の時より後退している。今春の不起立闘争の地平がつくり出した成果だ。国歌斉唱義務不存在確認訴訟(予防訴訟)の中で、都教委は“職務命令を出したのは各校長であり、都教委を提訴するのは筋違い”と主張している。職場で「校長は職務命令を出すな」と追及して闘う余地は大いにある。何よりも来春の卒・入学式で「君が代」不起立闘争を貫徹・拡大することが攻防の決定的な焦点となったことを示している。

 板橋高元教員を書類送検

 警視庁は10月7日、今年3月の都立板橋高校の卒業式で参加者にコピーを配布した元教員を、威力業務妨害の疑いで書類送検した。
 2年前まで同校に勤務していた元教員は卒業式に来賓として出席し、「日の丸・君が代」に関する雑誌コピーを配布後、校長に退去を命じられて退出した。その後の卒業式では、参列した土屋敬之都議が「君が代」斉唱時に「起立しろ」と怒鳴り散らす中、卒業生の9割が着席した。これに震え上がった土屋都議らが警察を差し向けて同校に被害届を提出させ、威力業務妨害をデッチあげたのだ。
 まったく不当な書類送検だが、元教員の自宅の家宅捜索や度重なる事情聴取の呼び出しなどの逮捕恫喝に対して、3500筆の署名を集めて反撃し、逮捕を打ち破った結果でもある。学校現場の攻防に刑事弾圧で襲いかかる暴挙を許してはならない。

 神奈川県教委「懲戒処分も」

 東京の大量処分に続こうとする動きも始まった。神奈川県の曽根教育長は9月28日、卒・入学式で起立しないなど指導に反した教職員を懲戒処分すると表明、12月に「起立」を明記した通知を出そうとしている。
 来春の卒・入学式が勝負だ。東京を始め各地で数万の教育労働者の「日の丸・君が代」闘争に立とう。

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週刊『前進』(2171号3面3)(2004/10/25)

 東京教組が200人集会

 「君が代」不当処分撤回求め

 9月22日、新宿農協会館で、「『君が代』不当処分に抗議し、撤回を求めよう9・22集会」が開かれました。東京教組「君が代」不当処分撤回を求める会の主催する初めての集会でした。会場は200人を超える参加者で満杯、東京教組組合員とそれ以外の方が半々ぐらいの参加で、熱気あふれる会になりました。
 8人の被処分者が全員発言しました。今春の処分で小中学校合わせて14人が処分されましたが、そのうち8人は東京教組の組合員です。一人ひとりが処分の恫喝を前にやむにやまれぬ思いで座ったことを報告しました。たとえ覚悟はしていても処分は教育労働者としての誇りを傷つけること、苦しい時期もあったが開き直った時に自らの闘いに確信が持てたこと、仲間の支えや励ましが何よりの力になったことなどが語られました。特に、戒告処分に重ねて強制配転された仲間の報告は、聞いていて悔しさがこみ上げてきました。
 その後、担当弁護士から人事委員会で何を争点に闘っていくかの説明があり、不服申し立ての理由書が参加者に配布されました。
 続いて日野「君が代」処分対策委員会から「ピアノ裁判」で最高裁に上告するに至った経過、「君が代」に対する意見提出の協力要請がありました。
 参加者からは、「傍聴の取り組みが大事」「組合は職場でこの問題にどう向き合っていくか、闘いを組織すべき」「攻撃を加えている一握りの都議会議員を再選させない取り組みを」「石原が恐れているのは200名を超える処分を恐れぬ者がいたことであり、今後もこうした闘いを続けていくことが重要」「再発防止研修を拒否した者への重ねての処分の動きを許さない取り組みを」などの意見が続きました。
 東京教組は、「日の丸・君が代」処分、不当な人事異動に対して裁判闘争を闘っている仲間を支援して闘ってきた実績があります。今回の処分に際しても「闘った仲間を支援しよう」と直ちに取り組みを開始し、会を立ち上げ、東京教組執行部、処分された組合員の所属する単組の執行部を中心に闘ってきました。
 8人そろっての人事委員会への提訴、夏の再発防止研修に対する支援行動など、組合内の有志、会の事務局を中心にして組合全体の取り組みを目指して運動を進めてきました。
 八王子、国分寺、東大和、そして板橋に異動した人も含めて多摩地区に被処分者が集中しています。組合員の職場での取り組みと保護者、市民の行動が結びついて、これまで強制を排除し続けてきた学校がこの地域に多いからです。今春、国立処分以来の攻撃が都立校と一緒に集中しました。団結して反撃しましょう。
 (投稿/東京教組 吉川美枝子)

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週刊『前進』(2171号3面4)(2004/10/25)

 動労千葉冬季物販に全力を

 1047名闘争の正念場に

 10月中旬から動労千葉の04年冬季物販闘争が開始される。動労千葉は執行部を先頭に全国オルグを展開する。これにこたえて全力で取り組もう。
 まず第一に、1047名解雇撤回を中心とする国鉄闘争の勝利の展望を切り開くことができるかどうかはこの秋・冬の闘いで決まるということを全力で訴えることだ。物販闘争で全国のすべての職場を訪問し、1047名解雇撤回闘争支援の大運動を巻き起こそう。
 国鉄闘争は、1987年国鉄分割・民営化強行から17年目を迎え、1047名解雇撤回闘争を中心に不屈に闘いぬかれている。動労千葉は、分割・民営化攻撃に対して2波の決戦ストライキを打ちぬき、04春闘においても3波のストに決起し、団結を打ち固め、先頭に立って闘っている。
 闘う国労闘争団は、鉄建公団訴訟を武器に、国労中央の制動を打ち破って闘いぬいている。そして、動労千葉争議団、全動労争議団も鉄建公団訴訟の取り組みを決定している。鉄建公団訴訟を軸とした1047名の団結が1047名解雇撤回闘争の大きな展望を切り開く。郵政民営化を突破口とする国家・地方公務員労働者そして公営企業労働者に対する全面的民営化攻撃が07年をメドに強行されようとしている中で、1047名闘争はますます決定的な位置を占めている。
 第二は、1047名解雇撤回闘争を先頭に郵政民営化―全面的民営化攻撃との闘いに総決起することを全力で訴えることだ。
 この全面的民営化攻撃は、国家権力、国家機構・機関の中に存在する労働組合(全逓、日教組、自治労など)を解体しつくすことをとおして、全労働者を戦争に動員していく攻撃である。それなくして教育基本法改悪、改憲も絶対にできない。17年前の国鉄分割・民営化攻撃が国鉄労働運動―総評労働運動解体を狙いとして全労働者階級にかけられた攻撃であったことを今こそ教訓化しなければならない。
 小泉政権は、郵政民営化(9月10日閣議決定)で、40万人の全員解雇・選別再雇用方針のもと、07年4月に向かって退職強要=大量首切り、活動家パージ―団結破壊、そして年功賃金制の破壊―低賃金化、不安定雇用化を強行しようとしている。
 また小泉政権は、現業を中心とする自治体の全面的民営化を推進している。同時に、公務員制度改革として地域給与制の導入による賃金闘争解体、能力等級制度―人事評価・業績主義の導入による年功賃金制解体、そして定数削減・不適格化で分限免職、終身雇用制廃止を狙っている。総じて自治体労働運動を根絶しようとしている。
 さらに、教育労働者に対しては、教育基本法改悪、「日の丸・君が代」強制、「教育改革」の攻撃が吹き荒れ、日教組運動を解体し、教育労働者に戦争協力の先兵になることを強制している。その中で、都立高校の教育労働者を先頭に石原都政の「日の丸・君が代」強制(10・23通達)に対して、卒・入学式で数百人が不起立闘争に立ち上がった。この闘いは、教基法改悪阻止への職場生産点からの決起であり、日教組運動再生の闘いである。
 同時に、全面的な民営化攻撃は、国家が年金などの財政給付や公的保護を施す制度を一切やめる社会保障解体の攻撃と一体である。
 このような諸攻撃に対して動労千葉のように闘うことを全力で訴えよう。
 第三は、物販闘争への協力を全力で訴えると同時に、10・17アメリカの百万人労働者行進(MWM)と韓国労働者のゼネスト決起と連帯して闘いぬかれる3組合呼びかけの11・7全国労働者総決起集会(東京・日比谷野音)への参加を全力で訴えることだ。
 11・7集会の成功をかちとり、闘う労働組合の新しい潮流を大きくつくり出そう。全面的民営化を粉砕しよう。戦争と民営化のブッシュ・小泉を倒そう!

 ◇販売品目◇

番号、品目、(円)
1 焼たら棒       400
2 天津甘栗       500
3 焼カシューナッツ   600
4 黒酢黒糖       900
5 豆アラカルト     1000
6 真いかのあたりめ   850
7 プリンセスカレンダー 1600
8 ナルトカレンダー   1600
9 かつお生ぶし     1800
10 落花生(八街産)   2000
11 純米焼酎       2000
12 山梨ワイン      2900
13 特別純米酒      3200
14 丸大ハム詰合せ    3000
15 パスタとソースセット 3000
16 球体パズル      2800
17 静岡茶        600
18 モカブレンド     1000
19 メイトーのど飴    700
20 松前漬        750
21 ポケットチーズ    700
22 アソートチョコレート 1300
23 種ぬきプルーン    1000
24 ペリカン石けん    1200
25 もずくスープ     500
26 即席みそ汁      1200
27 白菜キムチ      600
28 喜多方ラーメン    1000
29 博多ラーメン     1000
30 寒干しラーメン    1200
31 讃岐うどん      1350
32 北信濃手折りそば   1600
33 ドライカットわかめ  500
34 ひじき        600
35 根昆布しょうゆ    600
36 日高昆布      1000
37 だしパック     1200
38 ナガイ焼のり10帖  1700
39 紀州南高梅      2000
40 ビーフカレー20食   3000
申込先/動労千葉協販部 TEL043(227)7833 FAX043(227)8125

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週刊『前進』(2171号3面5)(2004/10/25)

 国立病院独法化と対決

 雇い止め・賃下げ撃つ闘いに

 〈投稿〉医療労働者 矢野聡史

 私の働く医療職場では今、激しい首切り・合理化が吹き荒れています。小泉「構造改革」に先立ち、90年代末からの橋本行革の中で中央省庁改革―独立行政法人化攻撃が加えられ、医療や教育・林野業などに大合理化攻撃が襲いかかりました。公務員25%削減・労働組合解体の大攻撃です。
 マスコミも大きく取り上げた国立病院・療養所の独法化では、国鉄分割・民営化型の激しい権利破壊・生活破壊・団結破壊が強行されました。国立大学と同様、全国154カ所の国立病院・療養所は、この4月1日から全国で単一の「独立行政法人国立病院機構」に移行しました。
 病院機構は、その事業をすべて引き継ぎながら、@役職を除く35歳以上の一般常勤職員全員の賃金を一方的に切り下げ(切り下げの最高額は月額4万1200円にも及ぶ)、A約6千人の賃金職員(定員外職員)全員の雇い止めを強行し、夜勤のできる看護師や検査技師など(約3千人強)は常勤で採用したものの、他の職員は6時間パート(約1千人)や委託・派遣(約1千人)でしか採用しなかったのです。年収平均は233万円から150万円への大幅な引き下げです。そのため退職を余儀なくされた人が続出(約1千人)、それは今も続いています。
 攻撃に先立ち厚労省は、庁舎管理規則を乱用して組合活動を徹底して弾圧した上、「管理運営事項」だとして労働組合との協議を一切拒否して計画を一方的に通告し強行してきました。
 地方自治体についても地方独立行政法人法が成立し、市町村合併と絡みながら民営化・非正規雇用化攻撃がかけられています。また独法化された国立大学でも攻防が始まっています。
 それらと一体で国公立、公的病院の縮小・再編成の攻撃がかけられています。小泉構造改革(「骨太方針W」)は、郵政民営化・公務員制度改革とともに社会保障制度解体の方針を掲げ、支援費制度の介護保険への統合など、戦後の社会保障制度を根底から解体する攻撃が激化しています。医療も福祉も労働者階級が闘いとってきた権利です。
 7月28日、国立病院・療養所で働く労働者28人が独法化攻撃に対して「不利益変更・雇い止め是正」を掲げて初めての訴訟に立ち上がりました。闘わずに権利と団結が守れるはずはありません。団結して立ち上がり、連帯を広げていくことの中に勝利はあります。
 プロ野球選手会は「たかが選手ごときが」とうそぶく経営者に対してストライキを闘いました。私たちの目にはオーナー側と厚労省・病院機構側の姿がダブって映ります。
 国鉄闘争18年、そして郵政民営化阻止決戦を迎えた今、すべての労働者が「戦争と民営化」と対決し、非正規雇用化と闘うことが必要です。これまでの垣根を越えた労働者の新しい団結を11・7労働者集会を機につくり出しましょう。

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週刊『前進』(2171号3面6)(2004/10/25)

 武力攻撃事態法に基づく「指定公共機関」

 160法人の指定に強く抗議する!

 動労千葉第33回定期大会決議

 動労千葉が第33回定期大会で採択した「指定公共機関の指定に抗議する」決議を紹介する。(編集局)

 政府は9月7日、武力攻撃事態法に基づいて戦争協力を義務づける「指定公共機関」160法人を指定した。指定公共機関には、JR各社をはじめ鉄道・運輸事業者78社、通信事業者16社、放送事業者20社、医療事業者2社、電気事業者12社等が含まれている。
 指定された法人は、05年度中に「事業計画」を作成しなければならず、またこれに基づいて、指定公共機関で働く労働者には、戦争協力のための日常的な訓練を実施することも義務として強制される。
 政府は、この措置が国民を保護するためのものであるかのようにうちだしているが、それは全くのごまかしである。今回の指定公共機関の指定は、武力攻撃事態法第6条に基づくものだが、その条文は「指定公共機関は、……武力攻撃事態等への対処に関し、その業務について、必要な措置を実施する責務を有する」というものであり、「国民保護」の言葉などひと言もない。
 われわれは、政府のこの決定を満腔(まんこう)の怒りを込めて弾劾する。またJRに対しては、指定公共機関としての戦争への一切の協力を行なわないよう強く要求する。
 戦争をもたらすための「法」を法と呼ぶことはできない。われわれは武力攻撃事態法をはじめとした有事関連法を認めることは断じてできない。それは、違憲だからというだけではない。誰よりも法を守るべき義務を負うはずの政府が、憲法をふみにじってイラクへの自衛隊派兵を強行し、憲法と相容れない有事立法の制定を強行し、その既成事実をもって改憲を追認せよと迫る政治過程そのものがもはや「法の支配」を逸脱している。国会さえ通過すればどんなものでも正当だというならば、ナチスの授権法も、またそれによってもたらされた諸結果も、すべて正当であったということになる。だからわれわれは、これに断固として抵抗し、闘う権利と義務をもつことを改めて宣言する。
 われわれは歴史の分岐点にたった。教育基本法―憲法改悪がついに具体的な政治日程にのぼろうとしている。かつての戦争への深刻な反省を込めて制定されたはずの憲法9条は換骨奪胎され、戦争への歯止めが外れようとしている。戦争への道を断つために力の限り闘わなければならないときがきたのだ。その闘いをどこまで広く、深く燃え上がらせることができるのか、大切なのは今だ。有事立法―戦争の発動を許さない闘い、そして戦争協力拒否の闘いが、労働運動の重要な課題として浮上している。これは平和を願う労働者の特別の任務である。鉄道を戦争のために使わせるわけにはいかない。われわれは戦争歯車として組み込まれ、加担者となることを拒否する。
 戦争への衝動と表裏一体で、労働者の諸権利に対する激しい攻撃が吹き荒れている。外への戦争の野望と内に向けた労働者への戦争とひとつのものだ。われわれは労働運動の戦闘的再生をめざして、大失業と戦争の時代にたち向かう。労働者の団結した闘いこそが、戦争を止める力だ。
 われわれは、アジア―全世界の労働者と連帯し、力を合わせて戦争反対の闘いにたちあがる。平和のための任務として、鉄道の軍事使用を許さない。鉄道に働く労働者として、一切の戦争協力を拒否する。

 右、決議する。
 2004年10月4日
 国鉄千葉動力車労働組合
 第33回定期大会

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週刊『前進』(2171号4面1)(2004/10/25)

 10・10三里塚 39年間の勝利の地平に確信

 空港の軍事使用と対決

 土地強奪の暴挙阻む

 現闘本部裁判 支援する会拡大を訴え

 成田市東峰で10月10日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で三里塚全国総決起集会が開催され、全国から1250人が集まった。成田空港の軍事使用反対や天神峰現闘本部裁判などの課題が提起され、今日の情勢に対応して三里塚闘争の新たな発展を築くことを誓った。

 反対同盟が闘争宣言

 前日、非常に強い台風22号が首都圏を直撃、交通ダイヤが大きく乱れ、当日も影響が残る中、全国から続々と闘う人民が結集した。会場となった反対同盟事務局次長の萩原進さんの畑は、畑を取り囲む空港の影響で排水できず大きな水たまりができている。空港の存在が敷地内農民の営農に著しい困難を強制していることを目の当たりにした集会参加者は、空港への怒りを新たにした。
 反対同盟の宮本麻子さんらの司会で集会が始まり、本部役員の鈴木幸司さんが開会宣言を発した。
 「悪天候の中、全国から多数の結集にお礼を申し上げます。反対同盟は本日、重大な決意で集会を開催する。市東さんの畑、天神峰現闘本部、一坪共有地、野戦病院、岩山団結小屋などの土地強奪の暴挙を絶対に許してはならない。反対同盟は39年前から軍事空港絶対反対で闘い続けている。われわれは先祖伝来の土地を武器に闘い続ける」
 続いて事務局長の北原鉱治さんが基調報告を行った。北原さんは、39年間の徹底非妥協の闘いが成田空港の完全空港化を阻み、軍事空港の正体を鮮明に暴き出してきたと語り、泥沼化するイラク戦争や小泉首相の国連安保理常任理事国入り表明などを批判しながら、この間だけでも9回、自衛隊が成田空港を使用したことを明らかにし、「自衛隊は非公開で私服という卑劣なやり方で成田空港を軍事使用している。この自衛隊がイラクに人殺しの戦争に行っている。反対同盟は反戦・反核の砦(とりで)として闘う」と力強く宣言した。
 さらに39年間の農地死守の実力闘争の歴史をひも解きながら、市東さんの農地を守る闘いや現闘本部裁判の取り組みを訴えた。最後に国際連帯の重要性を呼びかけ、「39年間なんのために闘ってきたのか。三里塚は必ず勝利できる」と締めくくった。
 今回の全国集会は、第1部「軍事空港反対の闘い」、第2部「天神峰現闘本部裁判闘争」、第3部「方針提起と決意表明」の3部構成で行われた。

 関実、北富士など連帯表明

 第1部「軍事空港反対の闘い」では、まず反対同盟の伊藤信晴さんが軍事空港反対を重要な柱としてあらためて位置付けたいとの提起を行った。伊藤さんは、今春の有事法制の審議で有事法制担当大臣の井上が「成田空港の軍事使用」を明言したことを指摘し、「いよいよ成田の軍事使用との対決が始まった」と決意を示した。
 反基地闘争や戦争協力拒否を闘う住民団体や労働組合から発言が続いた。
 関西新空港反対で東灘区住民の会の山本善偉さん、淡路町空港反対同盟の永井満さん、泉州住民の会の国賀祥司さんが登壇し、山本さんが発言した。「関西新空港も指定公共機関に指定された。神戸空港も同様。有事とは戦争のこと。関空は地盤沈下し、財政破綻(はたん)している」と2期工事阻止と廃港の決意を表明した。
 北富士忍草母の会から3人が登壇し、天野美恵事務局長が、「どんな嵐だろうと闘わなくてはダメ。闘ってこそ権力を倒せる。自衛隊はサマワ訓練施設を北富士演習場につくった。富士を戦争のために使うのは許せない」と、11月228日の北富士集会への結集を呼びかけた。
 婦人民主クラブ全国協の西村綾子代表は「三里塚は全国の闘いの機関車。身をもって戦争協力拒否で闘おう。神奈川の座間キャンプへの米陸軍の司令部移転が狙われている。故戸村委員長は『全国に三里塚を』と呼びかけた。婦人民主クラブは三里塚で闘い、全国で闘う」と話した。
 部落解放同盟全国連合会の滝岡広治さんは、「三里塚を闘う中で、部落差別撤廃・徹底糾弾を掲げて全国連をつくった。いま部落は、闘いを求める人であふれている。三里塚のように権力と徹底的に闘う」と語り、10月31日の狭山中央闘争への決起を呼びかけた。

 田中動労千葉委員長が訴え

 第1部の最後に動労千葉の田中康宏委員長が「本当に正念場の情勢。小泉政権の3年間で260万人の正規雇用が失われ、195万人の不安定雇用に代わった。今本当に必要なのは組織すること。11・7は日本の労働者の未来をつくる闘いだ。米国では10月17日、米労働運動の歴史を塗り替えるMWM(百万人労働者行進)が行われる。これを呼びかけた国際港湾倉庫労働組合(ILWU)ローカル10が11・7に来ます。わずか1200人の組合が100万人を組織し、AFL−CIOの制動をはねのけてブッシュ打倒を闘っている。国際連帯の力でブッシュと小泉を倒そう」と、11・7労働者集会への大結集を熱烈に訴えた。
 第2部「天神峰現闘本部裁判闘争」では、顧問弁護団の葉山岳夫弁護士、一瀬敬一郎弁護士が登壇し、葉山弁護士が、空港会社と政府の農地強奪攻撃に対して、現闘本部裁判、一坪共有地裁判、暫定滑走路建設差し止め裁判と市東さんの畑をめぐる闘いを提起し、「現地攻防と一体で法廷で闘う」と決意を表明した。
 支援する会の関西の世話人の永井満さんが「三里塚闘争の具体的闘いとして裁判闘争がある。反対同盟を先頭に全国の私たちの総決起が必要だ」と、支援する会を全力を尽くして拡大しようと訴えた。

 “親父の畑を守る”市東さん

 敷地内天神峰の市東孝雄さんが「親父(市東東市さん)の遺志を継いで丸5年。空港会社(NAA)の卑劣なやり方にますます闘う意思を強めている。NAAが小作契約の解除を申し入れてきた。成田市の農業委員会への小作権解除申請が報道されたが、NAA社長の黒野は『勝手に新聞が報道した』とコメントした。言語道断だ。この畑は、父・祖父が開墾した畑だ。親父が復員の遅れで自分の土地にできず、小作地として営農してきた。この畑は守り抜く。自衛隊派兵阻止の闘いは大切。イラクでの人民虐殺は許せない。イラクや世界の人びとと連帯して闘っていく」と決意表明した。さらに野戦病院代表が、支援する会会員拡大を訴えた。
 第3部「方針提起と決意表明」で事務局次長の萩原さんが発言。第一の軍事空港化との闘いについて「歴代の首相が『軍事使用しない』と明言したにもかかわらず、国際貢献の名のもとに『軍事使用ではない』と軍事使用している。この正体を暴き、軍事使用を許さない闘いが必要だ。軍事空港反対の闘いを三里塚で爆発させ、全国の闘いを先導しよう」と語った。第二の裁判闘争について「追いつめられたNAAは勝算のない裁判に出ている。あえて受けて立ち、全国的な闘いとして組織したい」として裁判費用300万円確保のため、支援する会の拡大を訴えた。

 反戦・反基地闘争の強化を

 共闘団体の決意表明が続き、全学連の原田幸一郎・新書記次長が成田空港の軍事使用と暫定滑走路延長粉砕へ実力闘争に決起する決意と11・7労働者集会への大結集を呼びかけた。
 最後に、婦人行動隊の萩原静江さんが集会宣言を読み上げた。「4月の公団民営化から半年、欠陥による空港経営の破綻とイラク参戦・有事法制で三里塚闘争は新たな段階に突入した」「動労千葉とともに切り開いた労農連帯と、全国の反戦・反基地闘争の強化が、今ほど求められているときはない。反対同盟は、この情勢に応えて三里塚闘争の新たな発展を闘いとる決意である」。鈴木謙太郎さんの団結ガンバローで集会を終え、敷地内デモに移った。
 反対同盟を先頭にデモに出発。会場から東峰十字路近くを通り東峰を周回。時折、頭上を巨大なジェット機が轟音とともに離着陸した。天神峰の市東さん宅と畑の横を抜け、団結街道を進んだ。鉄板フェンスと鉄柱、有刺鉄線などで封鎖された現闘本部の前から暫定滑走路と並行に行進した。

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週刊『前進』(2171号4面2)(2004/10/25)

 イラク 解放区拡大で米軍窮地

 サマラ無差別虐殺に怒りを

 追いつめられ米軍が大侵攻

 イラクにおける民族解放勢力と米侵略軍との戦闘は、10月1日の米軍によるサマラ侵攻作戦を突破口に、イラク全土に広がる民族解放勢力の支配地域への大侵攻作戦開始によって新たな段階に入っている。
 10月1日、米軍はイラクかいらい軍とあわせて5千人の地上軍をバグダッドから北へ100`ほどのサマラに投入し、F16とF14による無差別空爆を行った。
 続いて、10月6日には、武装解放勢力が支配権を握るバグダッド南部のラティフィアとユスフィアに3千人以上の米軍とイラクかいらい軍が侵攻した。
 またサドル派民兵組織が支配権を握るバグダッドのサドルシティーに対しても激しい空爆を加え、サドル派民兵を包囲せん滅する作戦を開始している。

 毎日87件ものゲリラ戦闘

 米帝は4、5月のファルージャと7、8月のナジャフでの戦闘に満を持した態勢で臨んだにもかかわらず、惨めに敗退し、両都市の奪回に失敗した。そればかりか、この戦闘を契機に全国40都市が民族解放勢力の支配下に入ったことは、米軍支配を完全に空洞化させてしまった。
 さらに9月に入ってからは、各地で共同戦線を形成し始めたイラクの武装解放勢力による大反攻作戦が開始された。とりわけ9月中旬以降、米軍は各地で基地内に封じこめられたばかりか、基地そのものが何十回にもわたって攻撃された。基地から出た米軍に対しても激しい攻撃がたたきつけられた。
 9月21日にはバグダッドのバイヤ地区で起きた武装解放勢力の自動車爆弾の大爆発で、米兵40人の乗った兵員輸送車2台と多用途軍用車ハンビー2台が吹き飛ばされ、多数の戦死者を出した。
 9月29日には、バグダッド南部の基地が攻撃され、全米軍がこの基地を放棄して逃亡した。逃走中の車列には自爆戦闘がたたきつけられ、15人の米兵が戦死した。同日、シリアとの国境地帯のカイムでは武装解放勢力の攻撃で、米海兵隊員計27人が死亡した。
 アブグレイブでは9月30日、米軍司令官たちと対米協力を行う地元部族の指導者との秘密会談が自爆戦闘によって爆砕され、25人の米兵が戦死した。同日、サダム国際空港に至る路上で、米軍車列に2度にわたる自爆戦闘が連続的にたたきつけられ、米兵39人が戦死した。
 こうして、9月25日から10月1日までに毎日平均87件の戦闘が米軍にたたきつけられたのだ。
 この恐るべき大攻勢に震え上がった米軍は、いかなる手段をもってしても各地の武装解放勢力をせん滅するという重大な決断を行った。このままでは、来年1月に行われる予定の暫定議会選挙などとてもおぼつかないばかりか、米軍の占領支配そのものが崩壊してしまうからである。
 米軍はこの作戦をまずバグダッド周辺地域から開始した。サマラ、ラティフィア、サドルシティーなどが、バグダッドに対するゲリラ攻撃とバグダッドから作戦に出発する米軍への攻撃の拠点とみなされたからだ。

 クラスター爆弾を大量投下

 この侵攻作戦にあたって、米軍がこれまでの無差別空爆を質的量的にはるかに上回る規模の空爆作戦を行ったことは徹底的に弾劾されなければならない。米帝は、何万人のイラク人民を虐殺しても武装解放勢力の支配する都市を奪回しようと、一切の留め金をはずしたのだ。
 10月1日、米軍は戦闘ヘリに支援された地上軍のサマラ侵攻作戦がいったん失敗したのち、8時間にわたる大規模空爆を行って大量の非人間的な爆弾を投下した。3万6000個の1`クラスター爆弾と1万8000個のナパーム弾と、何トンもの誘導爆弾、熱線誘導爆弾がサマラの市民の頭上に降り注がれた。10月4日にも、米軍はサマラに1万6000発の1`クラスター爆弾を投下した。
 これらの爆弾は、民間人も含めたすべての人間を皆殺しにする大量殺りく兵器である。こうした皆殺し兵器がこれほど大量に投下されたのは、昨年5月以降初めてだ。それほど米帝は危機感と焦りにかられ、追いつめられているのだ。
 だが、イラク人民は米軍の激しい侵攻作戦に対し、果敢に闘い続けている。サマラでは10月3日までの大規模侵攻作戦とその後の空爆にもかかわらず、武装解放勢力は市内の50%近くを保持し続けている。
 闘うイラク人民は米軍のサマラでの無差別虐殺に激しく怒り、ファルージャでもナジャフでもバグダッドのサドルシティーでも断固たる戦闘態勢を打ち固め、米占領支配の打倒まで闘う決意を燃やしている。
 このイラク人民の闘いにこたえるために、11・7労働者集会に大結集し、“内への階級戦争と外への侵略戦争”に突進するブッシュと小泉を打倒しよう。

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週刊『前進』(2171号4面3)(2004/10/25)

 岩国 NLP移設阻止へ

 労組を先頭にデモ

 10月9日、岩国市体育館で「在日米軍基地機能強化反対!10・9中国ブロック岩国集会」が平和運動フォーラム主催のもと1500人を結集して行われた。集会終了後、参加者は岩国駅前通りを一周して、岩国基地北門ゲートまでの5`のコースをデモ行進した。自治労、教組を始め中国地方5県から多くの青年労働者がバスを連ねて結集し、この日の闘いの先頭を担った。
 広島県労働組合交流センター、5・27国労臨大闘争弾圧を許さない会・広島、百万人署名運動広島県連絡会が、結集した労働者に宣伝活動を行い、10・17MWM連帯行動から11・7全国労働者集会に向けたアピールを行った。5・27国労臨大闘争弾圧を許さない会の「無罪要求署名」と、百万人署名運動の「イラク自衛隊撤退署名」に多くの労働者が応じ、闘う交流の輪があちこちでつくられた。
 この日の闘いは、▽日米地位協定改定▽NLP(夜間発着訓練)受け入れ反対▽普天間基地無条件返還▽辺野古代替基地建設反対をスローガンに、沖縄の闘いと連帯して闘われた。
 今、岩国基地では、@沖合拡張による滑走路・敷地の倍増(571f↓782f)、A大型艦船が寄港可能な岸壁の建設、B厚木の空母艦載機移駐とNLPの移設と広島・大黒神島への訓練場(飛行場)の建設、C新ヘリポート建設など、基地機能を2倍どころか2乗化する大規模な基地拡張が行われようとしている。この上、沖合埋め立ての土砂採取の跡地である愛宕山住宅地に米軍住宅を建設し、厚木の米軍部隊を移駐させる構想まで検討されている。
 8月13日に沖縄で墜落した米軍ヘリCH53Dは、岩国基地所属であり、同型機が今年4月には広島県戸河内町の太田川河川敷に不時着していた。沖縄と岩国は一体であり、「米軍トランスフォーメーション」の最大の焦点となっている。
 沖縄で、横須賀で、佐世保で、米軍基地撤去の闘いが労働組合を先頭に闘われている。全国の仲間と連帯して岩国基地撤去の闘いに取り組み、11・7労働者集会の歴史的大成功をかちとろう。
 (投稿/広島・飛松厳)

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週刊『前進』(2171号4面4)(2004/10/25)

日誌'04 10月6日〜12日

 米イージス艦が新潟に入港

 海兵隊「自衛隊と基地共用」

●米軍再編、自治体意向の調査指示 米国が世界規模で進める米軍再編をめぐり、小泉首相が防衛庁に対し、米側との協議で部隊や司令部の移転先として浮上している自治体に米国案を伝えるとともに、自治体側の意向を調査するよう指示していたことが明らかになった。また、日本政府は、沖縄に駐留する第3海兵師団の第4連隊(歩兵3個大隊、約2千〜3千人)の国外移転を、9月20日に開かれた日米局長級会談で米側に提案していた。(6日)
●在韓米軍、08年までに3段階削減 韓国国防省は、在韓米軍(3万7千人)兵力の約3分の1に当たる1万2500人を08年9月までに段階的に削減することで米韓両国が正式合意したと発表した。(6日)
●「イラク備蓄なし」最終報告 イラクで大量破壊兵器の捜索に当たってきた米調査団は、生物・化学兵器の備蓄は一切なく、核兵器開発計画も91年以降頓挫していたとする最終報告書を発表した。フセイン政権からテロ組織への兵器や情報の供与、さらには9・11との関係についても「証拠はない」と結論づけた。(6日)
●「自衛隊と基地共用」 米太平洋軍のグレグソン海兵隊司令官(中将)は、在日米軍再編に伴う沖縄の海兵隊移転問題について「自衛隊との共用基地を主張してきた。より緊密な連携が図られなければならない」と述べ、自衛隊との基地共用化のため、自衛隊基地・駐屯地の隣接地への移転が望ましいとの見解を表明した。(6日)
●小泉「国外移転も」 小泉は、米軍再編問題で「(在沖米軍の国内移転と国外移転の)両方あると思う。抑止力(維持)も含めて、国外移転があってもいいと考えている」と述べた。(7日)
●事故同型10機が飛行再開 4日に沖縄南方近海上空で接触事故を起こしたF15戦闘機と同型の10機が嘉手納基地で飛行訓練を再開した。(7日)
●米軍再編、「閣僚級で協議」合意 町村外相は、パウエル米国務長官、ラムズフェルド国防長官と個別に会談した。パウエルとの会談で、町村は米軍再編について「米との協議を密接に続けたい。今後は私も関与する」と述べ、これまで日米の事務当局間で進めてきた協議を閣僚級に引き上げる考えを伝えた。パウエルも同意した。(7日)
●ヘリ墜落、米が報告書 沖国大ヘリ墜落事故について、米側が事故調査報告書を公開した。事故機は整備後の機能点検飛行中だった。整備士は3日連続17時間勤務だったことなど、イラク作戦に間に合わせるための無理な日程が組まれていたとしている。(8日)
●米イージス艦、新潟へ 米海軍のイージス巡洋艦「レイクエリー」が、新潟市の新潟東港に入港した。米軍艦の新潟入港は1998年7月の掃海艇「ガーディアン」以来だが、イージス艦の入港は初めて。米国はミサイル防衛の一環として、北朝鮮の弾道ミサイルを監視・警戒するとして、10月から日本海にイージス艦1隻を配備、年内に2隻態勢にする方針。今回の入港は新潟を将来の前線基地とする狙いがあるとみられる。(11日)
●臨時国会始まる 第161臨時国会が召集された。会期は12月3日までの53日間の予定。小泉首相が衆参両院本会議で所信表明演説し、あらためて構造改革の断行を強調。外交・安保問題では国連安全保障理事会常任理事国入りへの決意や米軍再編問題で米側と本格的に協議する意向を示した。(12日)
●イラク自衛隊の駐留延長を要請 訪日したアーミテージ米国務副長官が大野防衛庁長官と会談し、基本計画が12月14日で期限切れとなる自衛隊のイラク派兵について「(日本が)前向きな方向で決定することを希望する」と駐留の延長を求めた。(12日)

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週刊『前進』(2171号5面1)(2004/10/25)

 『前進』武器に11・7の爆発へ

 闘う労組の総結集をめざし大胆な拡大計画を立てよう

 10・17MWM(ミリオン・ワーカー・マーチ=百万人労働者行進)と11・7労働者集会をめぐる攻防を突破口に、階級闘争は一層巨大な決戦過程に突入している。問われているものは、〈プロレタリア世界革命の時代〉の時代認識と勝利の確信であり、戦時下階級闘争の中での革命的任務の全面的な実践である。動労千葉など闘う3労組が呼びかけている11・7労働者集会を断固支持し、〈戦争と民営化〉攻撃を打ち破る国際連帯集会として大成功させよう。今こそ『前進』を武器に、労働者階級を革命に向かって組織しよう。一切の基礎として、機関紙活動の飛躍的強化を訴える。以下は9月の全国機関紙担当者会議での提起をもとにまとめたものである。

 世界革命の勝利の展望指し示す新聞

 歴史的大激動期がついに到来した。米帝のイラク侵略戦争の戦略的敗勢がはっきりしてきた。米帝はその泥沼から抜け出ることはできない。日帝もまた、イラク侵略戦争の泥沼にはまりこんでいる。
 ここで必要なことは、帝国主義の侵略戦争を階級的に暴き、帝国主義打倒のみが戦争と資本攻勢、民営化攻撃を阻止できることを明らかにすることである。あらゆる出来事、事件、事象に対する革命党の見解が求められている。それができるのは唯一、革共同の機関紙『前進』のみである。日帝・小泉=奥田(日本経団連会長)による「骨太方針W」に基づく大民営化攻撃と社会保障制度解体攻撃に対して、『前進』のみが闘う方向を示している。
 MWM運動を伝えるものが『前進』以外にあるだろうか。教育労働者の「日の丸・君が代」決起、郵政の分割・民営化阻止を始めとする4大産別決戦を提起し、階級的労働運動の展望を語っているものが『前進』以外にあるだろうか。
 機関紙で党を組織し、労働者階級を組織しよう。激動期には革命党の機関紙が集団的組織者としての威力を発揮し、労働者人民、青年労働者、学生を組織し、大闘争を実現する。大衆自身が『前進』を求める。
 そうした情勢だからこそ機関紙と党勢力の拡大が一切のカギである。大胆な計画をもって闘いぬこう。
 11・7集会の後ではなくて、11・7に至る過程を機関紙拡大闘争の革命的転換点として闘おう。拡大目標を決定し、意識的・計画的な機関紙拡大に突進しよう。11・7労働者集会の成功のためには、その闘いの世界史的、革命的な意義を鮮明に訴えている唯一の労働者新聞『前進』を、どれだけ労働者の中に持ち込んだかが決定的なのである。とりわけ10・17MWMというアメリカの画期的な労働者行動の報道号の販売運動は決定的に重要である。積極的な活用計画をすべての組織で検討しよう。
 同時に、11・7集会の成功を直ちに全国の労働者人民に伝え、『前進』拡大へと転化する活動についても、あらかじめ具体的に立案しておこう。

 革命へ強力な党派闘争を

 アメリカMWM運動の巨大な発展から学ぶべき最大の核心は何か。それは、階級的労働運動の発展のためには、プロレタリア革命の思想と立場を打ち立て、強力な党派闘争を貫くことが絶対に必要だということである。
 11月集会の大結集をともにかちとるためには、闘わない組合執行部を打倒し、組合権力の獲得に挑戦する闘いが不可欠である。その実践的核心は、11・7集会への賛同の機関決定をかちとることだが、そのための基底的な力は機関紙拡大闘争の前進である。プロレタリア世界革命の現実性が、そうした飛躍を求めているのである。
 労組の重要な活動家など『前進』の購読者となる可能性が高いのに、膨大な人びとが放置されている。党の側の自己規制が原因であることを率直に確認し、大胆に打破しよう。
 今期のチャンピオンは学生戦線である。この飛躍的拡大は、けっして偶然ではない。その教訓は本紙2158号(7・19付)6面に掲載され、大きな反響を呼んだ。成功の要因を一点に要約すれば、大衆の前に真っ向から党として登場したことである。

 労働組合の指導権を握ろう

 革共同は「8・1提起」で労働組合運動の革命論的位置づけを一層鮮明にした。実践的核心は、全力を挙げて労働組合権力を握り、プロレタリア革命の拠点とすることである。
 労働組合への革命党の指導的な影響力の拡大抜きに、階級的労働運動の前進はない。動労千葉のような階級的労働運動を全国に広げるためには、そのことは絶対に不可欠である。
 本紙2163号(8・30付)5面の経営局アピール「『プラウダ』の歴史的教訓と戦時下の労働者細胞の闘い」は、労働組合運動の革命論的位置づけを明確にした立場から、ロシア革命の重要な実践的教訓を明らかにしている。
 一つは、1917年のロシア革命に至る過程で、ボルシェビキはペトログラードの主要な大工場のほとんどすべての指導権を奪取していたということである。そうした基礎の上に、ロシア革命の勝利は切り開かれたのだ。
 二つには、労働組合の指導権を握ることを基礎に、ストライキを含む労働組合の闘いを激烈に展開し、発展させながら武装蜂起に突き進んだことである。
 定期的に発行される全国政治新聞『前進』の全面的活用を軸とした党活動の確立こそ、革命勝利の道である。『前進』を拡大し、配布する能力――これが革命をやり遂げる力である。〈『前進』を労働者大衆の中へ〉――これが革命党の活動の中心テーマである。
 階級的労働運動の発展のためには、機関紙をテコとした職場細胞建設が絶対に必要である。これを目的意識的にやり抜かなければならない。
 4大産別を軸とする全産別の党勢2倍化を目標とし、その最大の環=突破口としてマルクス主義青年労働者同盟1000人建設を設定し、意識的に努力することである。
 そのためには、新指導路線のもとで、労働者の中に機関紙がどのように持ち込まれ活用されているか、職場における細胞建設と機関紙活動はどういう関係をつくり出しているのかが最大のテーマである。
 とりわけマル青労同の建設が党勢拡大の核心であり、『前進』拡大と結合したこの闘いの全党を挙げた推進がカギを握っている。この点での指導部の意識的な努力が重要である。世代による増部動向で、30代までの増が前期は41%だったが、今期は57%である。

 拡大への道開いた今年前半期の活動

 04年前半期総括の核心は、「この道を進めば確実に前進と飛躍が可能だ」と断言できるということである。今期の拡大は全体で前期に続いてプラスとなり、6期にわたり拡大が続いている。拡大率は1・0%であり、これは第6回大会後の最高値である。しかし、この数値は過去の5期の延長線上にとどまっており、今期にめざした飛躍的な拡大とはなっていない。
 しかし、いくつかの組織で画期的前進を遂げた。この成果の内実はとても大きく、「この道を行こう」と確信を持って断言できるものがある。このことが重要なのだ。3月の機関紙担当者会議の方針と本紙春季特別号(2148号、5・3付)の提起は正しいし、有効であることを6カ月間の実践は百パーセント実証したのだ。3月方針と2148号提起をきちんと討議し、真剣に実践に移そうと努力した組織が着実に前進をかちとった。この点が総括の核心である。
 3月に党建設と機関紙活動に関して決定的に重大な方針上の確認を行ったのである。党建設を独自の領域としてはっきり自覚し、組織会議の中心的議題として据えきり、数値目標をはっきり決定し、その意識的実践を必ず貫くべきであるということである。
 全党の組織活動の中心に機関紙活動を据えきり、全党員が『前進』の全紙面を熱烈に読破し、自己の体内からわき出るような情熱をもって『前進』販売運動を巻き起こそうと確認した。そしてマル青労同1000人建設を中軸に据えて、4大産別を始めとする全産別で、また学生戦線とあらゆる戦線で機関紙拡大の数値目標を設定し、その実現のために街頭宣伝、ばら売りを積極的に行い、宣伝紙を活用し、フラクを形成し、マルクス主義の学習会を組織し、『前進』の購読を大胆に提起しようと確認した。
 この方針の正しさは、先進的な地区の実践として完全に実証された。だが問題は、組織によるばらつきがあまりに大きいことである。党建設―機関紙拡大の意識的実践という点で、かなりの差が生じている。

 先進的地区の活動に学ぼう

 D県の機関紙活動は、党がめざす機関紙活動を最も典型的に成功させており、教訓として真剣に学ぶべきものである。D県の03年後期の拡大結果は2部=4・0%であり、今期が2部=4・0%で、1年間で4部=8・0%である。拡大した4部のすべてが30歳以下の労働者である。
 D県の今期の拡大対象について次のように報告されている。
 「@3月Tさん(23歳・女性・民間労働者)
 このオルグについては、H同志が団結ひろばに投稿し掲載されました(2149号、5・17付)。
 3・20日比谷集会を直後の学習会フラクで報告することをとおして、もう一人の女性労働者の協力も得てTさんを読者にすることに成功しました。それまでにお茶飲み会をやったり、自宅に招いて学習会を行うなど、教訓にすべきことが多々あります。何よりH同志が『オルグ対象ができて、毎日職場に行くのが楽しくなった』と語っているように、新指導路線で労働者党員が自己解放的に決起していることの現れとして、職場での機関紙拡大につながっていることを確認したいと思います。
 今日まで、3人のフラクションが順調にもたれています。
 A8月N君(30歳・男性・民間労働者・合同労組)
 N君は、今年になってから入管問題を水路に接点ができた労働者です。マル青労同の責任者が中心になって、県委員会が全面的に協力して学習会を開催。共産党宣言の学習会をていねいに行い、8月ヒロシマ行動の直前に読者オルグをしました。彼の反応は『おもしろそうですね』と二つ返事。ヒロシマ行動への参加のあと、お盆明けに学習会を行い、その後マル青労同加盟オルグをし、これも快く応じてくれました。今後の軸になりそうな、しっかりした労働者同志が生まれました」
 以上であるが、D県の「04年前期機関紙活動総括」は、次のように述べている。
 「03年の新指導路線提起から1年、路線的な一致が画然たる実践と組織的前進を生み出すことがはっきりしてきている。この1年の実践は、拡大数こそ4部にとどまったが、内容的には画期的な前進の予兆を至る所で示している。
 まず、拡大した4部はすべて労働者同志が、細胞会議での検討と決定に基づいて、これまでの壁を突き破って、党としてのオルグに決起した成果である。しかも、対象は、民間○○産別労働者、自治労、民間○○産別、合同労組であり、マル青労同の中心をなすであろう可能性を持った青年労働者である。
 また、定期購読拡大には結びつかなかったが、バラ売り、見本紙として贈呈するなどの形で『前進』でオルグする闘いが開始されている。これも大衆との関係を一変させる闘いであり、一定の実践の中で大きな成果に結びつくと確信している。
 さらに、現在の時点で、8人の同志が9月〜10月時点でオルグする対象を組織決定している。そのためのバラ売り、討論、学習会に入っている。決定的なことは、労働者同志がきわめて意欲的に『前進』オルグに立ち上がり、立ち上がろうとしていることである」
 さらに次のように展望と決意を込めて、全党へのアピールを発している。
 「04年後期〜05年は爆発的な機関紙活動の時だと考える。それができるし、その闘いが基軸に座り、全同志の闘いになるという確信を持てる。そのために、今こそ新指導路線で完全に一致し、全同志の機関紙闘争の嵐のような展開を実現するために党中央を始め指導部が全知全能を振り絞り、力を振りむけ、紙面改革のさらなる前進を闘いとるべきだと考える。今こそ、11・7集会の呼びかけ文、ビラを持ち、さらに必ず機関紙数部を持って労働者階級の中へ入ろう。D県の全同志は全党の最先頭で決起する」
 D県の機関紙活動に続こう。

 財政問題の解決は革命の普遍的課題

 革命的情勢の急速な接近のもとで、党の活動の全面的発展・拡大のために財政問題での大格闘が求められている。
 一方で権力の弾圧を粉砕し非合法・非公然体制を堅持して闘い続けること、他方で巨大な大衆的決起に先行して革命的大衆行動を切り開いていくこと、こうした多重的で巨大な任務が革命党に大きな財政的試練と困難をもたらす。だがそれは革命党が革命党であろうとする限り、避けることのできない試練だ。財政闘争は革命運動の普遍的課題であり、党建設の価値創造的なテーマである。財政闘争こそが党員の党的・革命的資質を形成する。また、労働者人民が革命運動に決起する重要な水路である。
 機関紙財政は機関紙活動の絶対的基礎である。党の非合法・非公然体制を建設・防衛し、『前進』を発行することが党建設の出発点であり、原則である。党はその第一歩において、全党の力を集中して財政と人を投入して、党の非合法・非公然体制を構築し、機関紙を発行するのである。
 機関紙・誌は組織の資金で発行するのであり、『前進』の発行は結党以来、分担金制度によって党員が必要な資金を分担し実現してきた。それ以外のどんな方法もない。その必死の闘いが党を確立していく。
 財政闘争を重要な課題として、今秋決戦のまっただ中で闘いとっていかなければならない。

 『前進』を読み仲間と討論を

 機関紙拡大闘争の第一の最大のポイントは『前進』読了運動である。
 機関紙活動で全党が求められている飛躍は、全党員の総決起を実現できるか否かである。機関紙財政での今日的困難は、全党員が1部の拡大を実現すれば解決する。ところが、それがなかなか実現できない。
 突破の核心はどこにあるのか。まず何よりも、党員自身が『前進』をとことん読み込み、自らの血肉と化すことである。それが党員の生活と活動の一切の基礎だ。そうすれば必ず拡大の意欲がわき、1人が1部を拡大することはまったく可能になる。
 「忙しくて読めない」という声があちこちで聞かれる。まさに『前進』を読んだり討論したり学習したりする時間も与えないほどの労働強化と労働条件の破壊が進行している。それは資本の攻撃によるものである。だからこそ、労働条件をめぐる闘いが決定的に重要なのである。
 資本の攻撃によって『前進』を読む時間をも奪われていることに怒りを倍加させ、不屈の意志力を発揮して『前進』を読み、仲間と討論し、自らの武器を鍛え、資本を倒す闘いに決起しなければならない。
 第二に、フラク活動と新たなフラクの建設数は、党勢拡大、機関紙拡大闘争の重要なメルクマールである。革命的激動期において『前進』読者がフラクに組織されているか否かは、重要な意味を持っている。読者をフラクに組織しよう。
 第三に、バラ売りは拡大闘争の重要なバロメーターであり、決定的に重視しよう。
 第四に、宣伝紙の大胆な活用が進んだことが、今期の大きな特徴である。大きな拡大を成し遂げた組織はすべて、宣伝紙の大胆な活用を意識的・計画的に行っている。
 宣伝紙を有効に使っているかどうか、その積極的な政策を持っているかどうかは、組織間での違いが一番大きかった点である。
 第五に、『前進』の街頭販売、街頭宣伝の意義は今期の実践をとおして一層明白となった。その意義・効果・反響は、従来考えていたよりもはるかに大きい。街頭宣伝での販売から定期購読になった例が5例生まれた。
 学生戦線で大学街宣(正門前、キャンパスでの『前進』販売など)が行われ、大きな成果をあげている。このような創造的活動を積極的に行っていこう。
 前述の本紙2163号で紹介されているロシアのボルシェビキの機関紙活動をみると、組織配布(定期購読)と、街頭での売り子による販売が半分半分である。労働者街における街頭販売が意識的に行われている。このような実践から大いに学んでいこう。
 第六に、当面の拡大闘争の環として、@次号の10・17MWM報道号、A11・6―7労働者集会報道号の大胆な活用計画をつくり、全力で売りまくろう。
 『前進』の圧倒的な拡大を実現しよう。

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週刊『前進』(2171号5面2)(2004/10/25)

改憲阻止決戦シリーズ 今、問い直す侵略と戦争の歴史 第8部 戦後の出発(4)

 沖縄への犠牲強要

 天皇延命のため沖縄売り渡し

 占領支配の開始

 沖縄戦は、本土防衛・「国体(=天皇制)護持」のための時間かせぎの「捨て石作戦」だった。日本で唯一、住民を巻き込んだ地上戦であり、“鉄の暴風”と言われる激しい戦闘が1945年4月から3カ月以上も続いた。その結果、県民の4人に1人が犠牲となり、地上は山の形も変わるほどに破壊され、琉球文化の遺産も多くが焼失した。沖縄では現在も無数の遺骨が埋もれたままであり、不発弾の処理も続いている。
 そればかりではない。沖縄戦の終結は平和の始まりではなく、それ以後現在に至る60年にも及ぶ「米軍基地の島」の始まりだった。沖縄戦では米兵の犠牲もおびただしく、米帝は血を流して勝ち取ったこの島を絶対に死守するという姿勢を一層強めたのである。
 沖縄戦によって難民となった人びとは、各地に設置された米軍の収容所に送り込まれた。雨露をしのぐだけのテントの中に押し込まれ、わずかな食糧で毎日を暮らさなければならなかった。マラリアや傷病が原因で亡くなる者も多かった。米兵による殺傷事件や暴行事件も人びとを苦しめた。10月ごろにはそれぞれの居住地に帰ることが許されたが、帰り着いた故郷も荒廃していた。
 それでもまだ故郷に帰ることのできた者は幸運だった。県民が収容所にいる間、米軍は広大な土地を軍用地として囲い込んだのである。土地を奪われた人びとは、山間地や荒れ地を切り開いて生活するしかなかった。政策的に八重山やボリビアなどに集団移住させられた者も少なくない。

 過酷な軍政支配

 米帝は、沖縄の地理的歴史的位置に着目、ここを戦後のアジアにおける軍事的支配のカナメとして確保することをもくろみ、沖縄戦を戦った。沖縄に上陸した時点で、米軍は沖縄を日本から切り離して占領することを決めており、ただちに発せられたニミッツ布告(米国海軍軍政府布告第1号)で「日本帝国政府のすべての行政権を停止」して南西諸島を米国海軍軍政府の管轄下に置くことを宣言した。
 日本が敗戦を迎えた45年8月15日、中部・石川の民間人収容所では、米軍政府の招集による初めての住民代表者会議が開かれ、志喜屋孝信を委員長とする「沖縄諮詢(しじゅん)会」が設けられた。諮詢会は地方行政機構の整備作業を進め、9月には沖縄島の各収容所(12市)で市長と市会議員の選挙が実施された。この選挙では本土に先んじて初めて満25歳以上の女性に選挙権が与えられた。わずか半年で沖縄諮詢会は、配給機構の整備、教科書の編集作業、学校設立、財政計画など戦後行政の基本的事業を集中的にこなした。
 46年4月、沖縄諮詢会は沖縄民政府となり、沖縄議会も設置された。米軍政が知事に志喜屋孝信を任命、議会議員も任命だった。公選制要求は実現せず、沖縄の自治権は制限された。米軍が掲げた「民主政治」の正体は「軍政府はネコで沖縄はネズミである。ネズミはネコの許す範囲でしか遊べない」(46年4月、ワトキンス少佐)というものでしかなかった。
 日本本土では戦後初の総選挙が46年4月10日に行われ、11月3日に新憲法が公布されたが、米軍政下の沖縄は排除され、沖縄県民には選挙権もなかった。本土への渡航も自由ではなく、パスポートが必要だった。
 そのころ、本土の疎開先から引き揚げてきた帰還者たちを軸に沖縄の民主化闘争が始まった。知事・議会議員の公選を要求する政治集会が開かれ、政党も次々と結成された。軍政府は市町村長・議員の選挙は認めざるを得なかったが、配給物停止、食糧品の一方的値上げ、さらに議会を解散して政党関係者を排除するという弾圧に出た。

 天皇メッセージ

 日帝の敗北後、アジア全域での民族解放・独立運動が高まった。これに対して米帝が戦後の帝国主義支配のカナメとして沖縄基地を強化しつつある中で、進んで協力することを誓ったのが47年9月の「天皇メッセージ」だった。
 これは宮内庁の御用掛だった寺崎英成がGHQの政治顧問シーボルトに伝えたもので、シーボルトの国務省への報告によると天皇ヒロヒトは米帝に次のようにアピールした。
 「沖縄に対する米軍の占領は、ソ連の脅威に備えるとともに、日本国内の治安維持のためにも重要で、アメリカと日本双方の利益にもなる。琉球列島の軍事占領方法は、主権を日本に残し、25年から50年あるいはそれ以上の期間をアメリカが租借することが望ましい」
 東京裁判(極東軍事裁判)が進む中、天皇が自身の命ごいのために沖縄を差し出した! 新憲法が成立しすでに天皇の政治的権限は失われたことになっている中で、天皇はそれを踏み破ってなりふり構わない「提案」をしたのだ。1879年の「琉球処分」以来の差別政策、そしてその究極の沖縄戦――この張本人である昭和天皇ヒロヒトが、今度は沖縄をアメリカに売り渡したのだ。天皇制と沖縄県民の非和解的な関係はけっして過去の問題ではないのである。これによって米帝は“日本の独立後も沖縄を保持し続ける”という意志を固めた。
 51年9月、サンフランシスコ講和会議が開かれた。そもそもこの会議は日帝の侵略戦争の最大の被害者である中国・朝鮮が招請されず、インドなど多くの国が抗議する中、日帝は48カ国との間で講和条約を締結した。その3条は、琉球列島を日本から分離し、米施政下に置くと明記されていた。講和条約と、同時に締結された日米安保条約は、52年4月28日に発効し、日本は独立したが、沖縄・奄美は日本から切り離され、米軍の施政権下に置かれることとなった。
 以来27年間にわたる過酷な米軍支配が続き、沖縄人民の復帰闘争にペテン的にこたえる形をとった72年5月15日の「返還」後も、「基地の島」として固定され、日帝の差別的な沖縄政策によって犠牲を強いられてきた。
 それは同時に新植民地主義体制諸国に対する米帝の侵略戦争=大量虐殺戦争の出撃基地の役割を担わされることだった。沖縄こそ帝国主義の矛盾の集中点であり、沖縄での労働者人民の戦後一貫した不屈の闘いはきわめて大きな意味を持っている。
 (室田順子)

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週刊『前進』(2171号6面1)(2004/10/25)

団結ひろば 投稿コーナー 11月労働者集会の成功へ!

 肌で感じた小泉へのうらみや怒りの声 北信越・民間労働者 山口慎也

 教育労働者が「日の丸・君が代」反対に立ち、プロ野球選手もストライキに立ち上がりました。アメリカでは百万人労働者行進が闘われるというように、全世界で労働者の闘いが巻き起こっています。
 党の変革というときに、われわれ自身が大衆運動のリーダーになっていくという構えが必要だと思います。まだまだ外に出ていない、井の中の蛙(かわず)ではないか、と自分自身を振り返りながら思います。
 この間2回ほど、合同労組の仲間と一緒に団地を回りました。未組織の人に、「組合大会をやりますからぜひ来て下さい」と訴えていったわけですが、回って感じたことは、「帝国主義は労働者を食わせていけなくなった。帝国主義は末期的危機だ」と言ってきたことが、まさに真実だということです。
 あるおばあちゃんは、「毎月2万円の年金で暮らしているが、そこから介護保険料や税金を取られる。それでどうやって生きていけるのか」と怒っていました。
 失業中の58歳の男性は、「年金ももらえないし、仕事もない。小泉なんか本当に爆弾でぶっ飛ばしてやりたい」と言っていました。初めて会った人からこういう言葉が飛び出して、ぼくはびっくりしました。
 若いお母さんは、「小さな子どもがいて大変なのに会社から深夜勤をやれと言われている。そんなことをしたら、いったいどうやって子どもを育てるのか」と困っていました。
 このように小泉政権の政治には、うらみや怒りの声が満ち満ちています。ぼくたちはそれを肌で感じて、そしてそのことを自分の闘いのエネルギーにして闘っていかなければいけない。生活苦にあえいでいる未組織の労働者を組合に、さらには党に結集して、ともに歩んでいきたいと思います。
 11月労働者集会に総決起をかちとるために、全力で闘っていきます。

 広島から11・7への総結集宣言の集会 広島 岡部徹

 10月2日、広島市西区民文化センターにおいて、「小泉−奥田をぶっとばせ! 連帯・団結広島集会」がたたかう労働組合ネットワーク広島の主催で開催されました。
 この集会は、メインスローガンに「11・7(11・6)への総結集」を掲げて、広島の労働者の10・17MWM連帯行動から11月総行動への総決起集会として行われたものです。
 司会は、動労西日本の労働者が行い、開会のあいさつを三次市議会議員の平岡誠さんが行いました。動労千葉などのメッセージ紹介の後、11・7全国労働者集会へのアピール(基調報告)を広大生協労組委員長が行いました。
 集会の4つのスローガンにもとづいて各節を展開し、スローガンを参加者全員で唱和するなど、ユニークな方法をとりいれた基調報告でした。
 特別アピールとして、教育基本法改悪反対−11・6全国集会へのアピールを広教組の青年労働者が行いました。
 発言は、国労、医療労働者、広島連帯ユニオン、NTT労働者、全逓労働者から行われました。それぞれ大資本攻勢と職場生産点を拠点として闘い、11月総行動に決起するとの決意が明らかにされました。
 最後に、まとめを広島連帯ユニオン委員長が提起し、発言者全員が登壇して11・7(11・6)への総結集を力強く宣言しました。

 カヌー隊で1カ月間調査船に超接近抗議 東北大学 矢吹徹弥

 8・13沖国大への米軍ヘリ墜落事故を受けて、沖縄人民の日本政府による基地押しつけ政策への怒りのマグマが噴き出した。今や沖縄県民の80%以上が「普天間基地撤去、辺野古への移設にも反対」だ。しかし小泉政権、稲嶺沖縄県政はどうか。なんと米軍ヘリ事故をむしろ絶好のチャンスととらえ、「普天間基地は危険だということがはっきりしたから早く辺野古へ移設しよう」と言い出した。ふざけるな! 私はいてもたってもいられず辺野古現地へ飛んだ。そこでカヌー隊として約1カ月間闘い抜いてきた。
 9月9日、那覇防衛施設局はついにボーリング調査を強行した。本当は基地建設に反対している海人(うみんちゅ)が施設局に雇われ、調査船や警戒船などを出す、ダイバーが潜水調査をする。これも「振興策」に似たものか? 人の心をもカネで奪い取ってしまう政府に怒りが爆発。
 防衛施設局が潜水調査をしようとする。そこへカヌー隊と阻止船の連携プレーが展開される。阻止船に曳航(えいこう)されたカヌー約10艇は潜水調査地点で展開し、2隻の調査船、2隻の警戒船の間に割って入り込み、潜水調査しているその真上へ。「基地ができて人が死んで、あなたは責任取れるのか!」「人殺しの基地は絶対に造らせません!」、施設局の乗る船に超接近し抗議する。施設局は「船から離れて下さい」と繰り返すのみ。おまけに定例記者懇談会では、カヌー隊と阻止船の阻止行動により調査が阻止され、調査計画はガタガタに崩れていることを自ら暴露してしまった。
 9・12の3万人宜野湾市民大会、10・2県民大集会、カヌーとボートの連携した海上攻防で、施設局を追い詰めている。国会前座り込みを始め、闘いはヤマトにもドンドン広がり、辺野古移設を強行する小泉政権、稲嶺県政をグラグラに揺さぶっている。
 まさに、闘えば勝てる情勢が到来しているのではないだろうか。「今やれば変えられる! 今やらなくていつやるのか!」(命を守る会代表金城祐治さん)
 新たな基地建設を止めるため、辺野古へ駆け付けよう。各地で闘いを広げよう。

 「教師は労働者」実感誰もが読むべき本 広島・民間労働者 河合典子

 『教育労働者の戦争協力拒否宣言』(労働者学習センター刊)を読みました。私は教育労働者ではありませんが教科書問題に関心を持ち、自分で本を読んだり市民団体に参加しながら勉強してきました。
 私も世間一般で作られたイメージから、教師=聖職という考えにとらわれていましたが、この本で「日の丸・君が代」強制・処分と闘う教育労働者の姿や日教組の闘いの歴史を知り、教師は労働者なんだと実感でき、大変うれしく思います。
 特に「第1部第4章 国家戦略としての教育改革−その行き着く先は世界戦争」は身につまされるものがありました。教育基本法改悪は教育現場だけの問題ではなく、憲法改悪と一体で日本を戦争する国に変えるものであり、労働者を食べさせていけなくなった帝国主義が生き延びるための攻撃であることを押さえなければならないと思います。
 働き方を選べる社会は一見よいものに見えますが、実は不安定雇用を促進する社会であり、「一握りのエリート」と「大多数の無才」に二極化していくという点で国家主義教育への道と連動した動きです。引用されている宮内義彦オリックス会長の「日本全体が衰退していくよりは、一部のクリエイティブなエリートがひっぱる格差社会のほうがよい」という発言は、自分はエリートの立場にいるという傲慢(ごうまん)さからきたもので、三浦朱門や江崎玲於奈氏の発言と共通するものがあります。
 また、「10・23通達」は現代の「祝日大祭日儀式規程」だと喝破していますが、こういう視点は改悪論者が「平成の教育勅語」(河村建夫元文科相)をめざしていることを考えると、反撃のための大きな武器になるのではないでしょうか。
 東京以外でも同じような通達が出されるおそれがないとは言えないし、憲法・教育基本法改悪を許したらすべての教科書が「つくる会」のようになってしまいます。絶対に許すことはできません。
 教育労働者だけでなく、すべての労働者市民に読んでもらいたい本です。

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週刊『前進』(2171号6面2)(2004/10/25)

 寺尾判決30カ年糾弾 10・31狭山中央闘争へ

 差別の元凶=国家権力糾弾し狭山特別抗告審勝利−再審へ

 全国部落青年戦闘同志会

 きたる10月31日、1974年の寺尾判決(東京高裁・無期懲役判決)からまる30年目を迎える。部落解放同盟全国連合会(全国連)は、この寺尾判決30カ年となる10月31日に、いまなお石川一雄さんに「殺人犯」の汚名を強制し続ける国家権力を徹底糾弾し、狭山再審の実現をかけて、渾身(こんしん)の狭山中央闘争に立ち上がろうとしている。そして、続く11月1日には最高裁と最高検への要請行動を行うことを決定し、全国の部落大衆に総決起を呼びかけている。この全国連の呼びかけにこたえて総決起しよう。

 最大の山場迎えた第2次再審闘争

 「石川一雄さんの無実が明らかであっても、国家は部落差別を必要とする。だから石川一雄さんは有罪だ」――これが寺尾判決の本当の姿であった。絶対に忘れることはできないし、許すことはできない。狭山闘争の勝利は、労働者階級自己解放の闘いにとって避けて通ることのできない課題である。部落大衆と労働者階級は、この10・31という日を国家権力に対する糾弾の怒りの炎で迎えなければならない。
 狭山事件の第二次再審闘争は、いまや最大の山場を迎えている。昨年に提出された「齋藤新鑑定」は、狭山事件で唯一の物証とされる脅迫状の封筒の文字が、これまではボールペンで書かれたものだとされてきたが、実は万年筆で書かれたものであることを明らかにした。寺尾判決の事実認定をくつがえす決定的な新証拠である。また、10月末には、弁護団の要請によって実現した脅迫状・封筒の閲覧・謄写にもとづく新たな鑑定・補充書が提出される。
 だが、最高裁は、いまにいたるも事実調べを拒絶したままである。検察は、積み上げれば2bにも達するとされる膨大な証拠を開示せず、いまだに隠したままなのである。寺尾判決以来、石川一雄さんの無実を示す幾多の証拠が明らかになったにもかかわらず、上告棄却、第1次再審棄却、第2次再審棄却と異議申し立て棄却と、そのすべてが、ただの一度の事実審理も行われないまま闇(やみ)から闇に葬られてきたのだ。裁判所と検察の姿勢は、寺尾判決以来、いや、1963年の狭山事件以来何ひとつとして変わっていないのである。
 こうしたなかで、9月27日、全国連による最高裁と最高検に対する要請行動の場で、検察庁の対応係官が机の下に高性能録音機を隠して、要請団とのやりとりを盗みどりしようとしていたことが発覚した。現場での追及に対して、検察当局は「問題はない」として開き直った。ふざけた態度である。「問題はない」というのなら、なぜ堂々と趣旨を明らかにして録音しないのか。これは、部落大衆による、法にもとづく要請行動を犯罪視し、あわよくばデッチあげをたくらもうとする許し難い態度である。この事実は、狭山特別抗告審が、いまや、棄却をたくらむ権力者との緊迫した攻防局面に入っていることを示している。

 大衆的糾弾闘争が狭山闘争勝利の道

 狭山闘争の勝利、事実調べ・再審を実現する力は何か。それは、部落大衆と労働者階級が力をあわせた、国家権力に対する大衆的な糾弾闘争以外にはない。
 水平社は、1933年に起こった高松差別裁判に対して、部落の青年が一般の女性と結婚したことが「誘拐」だとした差別判決の取り消しを要求して、全国行進隊を組織し闘った。福岡を出発した行進隊は、首都に向かう沿線の各部落で真相報告集会を開催、その場に集まった部落大衆は続々と行進隊に合流した。署名やカンパも続々と届けられた。労働組合による支援カンパも大量に届けられた。上京した行進隊は、司法省と最高検に乗り込み、当時の司法大臣や検事総長を謝罪させ、無実の被告の仮釈放と、差別裁判を行った裁判官と検察官の左遷をかちとった。
 この決定的な勝利は、大衆的糾弾闘争の実力で闘いとったものであり、この上京団は、まさに300万部落大衆の差別と闘う代表団そのものであった。天皇制権力のもとで吹き荒れる戦争と差別の嵐(あらし)のなかで、こうした大衆的な糾弾闘争だけが奪われた正義を取り戻す唯一の道筋であることが示されたのである。われわれは、こうした大衆的な糾弾闘争を狭山闘争においてこそ復権しなければならない。10・31狭山中央闘争は、まさにその第一歩であり、戦闘宣言の場である。

 全国連こそ差別と闘う新しい防波堤

 10・31狭山中央闘争は、部落差別撤廃に向けた部落大衆の総結集の闘い、総行動として闘われようとしている。
 いまや全国の部落大衆は、小泉−奥田路線による大資本攻勢と、その一環としての同和対策事業全廃による既得権の剥奪(はくだつ)によって、塗炭の苦しみに直面している。部落には失業者があふれ、病気になっても医者にかかれない状態に追い込まれ、さらには大幅家賃値上げで同和住宅にさえ住めなくなる事態に追いやられようとしている。部落大衆を侮辱し、人間性を傷つける差別事件が激増している。既存の解放同盟(本部派)は、役所や権力の手先となり、いまや部落大衆を差別から守る防波堤はなくなっている。
 しかし、だからこそ、いま部落大衆は生きるために差別と闘わなければならない。そのために村全体がひとつに団結しなければならない。300万部落大衆がひとつに総団結しなくてはならないのだ。部落大衆を差別から守る新しい防波堤が必要なのだ。それが全国連であり、狭山闘争こそ、その心棒である。部落大衆は、狭山闘争勝利のためにひとつに団結することによって、差別をはねのけ、差別によって脅かされている、みずからの生きる権利を取り戻すことができる。

 寝屋川弾圧も狭山も権力の差別犯罪

 ここではっきりとさせなければならないことは、狭山差別裁判は、けっして過去の出来事などではなく、国家権力によって、いま現在も同じことが部落大衆に対してくりかえされているということである。昨年5月の寝屋川弾圧は、そのことをはっきりと示している。
 昨年3月、全国連寝屋川支部に所属する部落の青年、島田さんは、何度も職安に通い、やっとの思いで正社員に採用された会社から、仕事中にケガをして休んだことを理由に解雇された。これは明らかな労基法違反であった。島田さんはただちに労基署に問い合わせるとともに、全国連の支部役員に相談した。そして、「会社に行って話し合いなさい」という労基署の指導にもとづいて、話し合いに行った。島田さんから相談を受けた支部役員の滝口さん(支部長)ら3人は、自分の息子同然、あるいは自分の兄弟同然の島田さんをほうっておけないという気持ちでいっしょに交渉に行った。そして、この交渉の場で会社は労災申請を認め、話し合いは円満解決した。
 ところが、この交渉から1カ月もたった後、大阪府警が介入、執拗(しつよう)に会社に「被害届」を出すことを強要し、事実無根の「恐喝」罪をデッチあげ、滝口さん、島田さんをはじめ交渉に参加した4人の支部役員を逮捕した。このときに、会社幹部は警察から「解放同盟は社会のダニ、寄生虫だ。つぶすために協力しろ」と要求されたと言う。滝口さんら4人が逮捕されたのは、奇(く)しくも狭山の石川一雄さんと同じ5月23日の未明であった。
 この寝屋川弾圧は、部落解放運動に対する卑劣なデッチあげ弾圧である。しかし、同時に、部落青年のほんのささやかな人間的権利の要求さえもことごとく犯罪視する、許し難い部落差別なのである。警察は、部落民労働者が労働者としてのあたりまえの権利を要求することを「犯罪」にしたてあげ、部落民をぼろぞうきんのように切り捨てる会社を「被害者」に描き上げて部落差別をあおっているのである。いったい、部落民には、労働者としての権利は認められないのか。部落民は、どのような違法行為によって苦しめられても、文句ひとつ言ってはならないとでも言うのか。断じて許すことはできない。
 しかも、このなかで、警察と検察は、滝口さんをはじめ無実の4人を罪におとしいれるために、狭山事件で石川一雄さんに対して行ったデッチあげの手口とまったく同じことをくりかえしたのである。裁判のなかでの滝口さんの証言によると、取り調べの刑事や検事は、滝口さんが部落差別によって満足に学校にも行けず、字が書けないことを利用して、しゃべってもいない調書をつくり、読んで確認することもせず、腕をとって署名・捺印(なついん)を強要した。また、血圧が上がり、景色がゆがんで見えるようになって、命の危険を感じる状態になるほどの拷問的な取り調べが行われたのだ。
 狭山差別裁判は、けっして過去の出来事などではない。部落大衆が、いま、日々直面している現実そのものなのであり、部落大衆を苦しめる元凶の、その真実の姿なのである。だからこそ、部落大衆の人間として生きる権利をかけた闘いと狭山闘争は、ふたつにしてひとつなのである。10・31中央闘争は、同和住宅の家賃値上げ反対、就労要求の闘いをはじめとした、部落大衆のあらゆる闘いの総結集の闘い、部落差別撤廃の総行動として闘いとられなくてはならない。

 全世界の労働者と連帯して闘おう

 10・31狭山中央闘争は、同時に、10・17のワシントンでの百万人労働者大行進から11・7労働者集会へと連動する全世界の労働者階級の闘いに熱烈に連帯し、その一翼を形成しようとする闘いでもある。
 「この闘いは、戦争と首切り、差別の政治に対して、日本と世界で行動にたちあがる労働者と連帯する闘いです。……日本でも、11月7日には動労千葉などの労働組合が、大失業と戦争にたちむかう労働者の国際的連帯をかかげて行動にたちあがります。部落のきょうだいも労働者とともに、こんな世の中をかえていきましょう。10・31狭山中央闘争を、この労働者の行動のさきがけとなる全国部落民総行動としてかちとりましょう」(全国連の呼びかけ)
 部落差別からの究極の解放は、労働者階級を主人公としたプロレタリア革命の道のりのなかにある。動労千葉を始めとした新しい労働運動が、既存のナショナルセンターの枠を越えて生まれつつあるとき、部落解放運動は、文句なしにこれと真剣に連帯し、熱いエールを送る。いや、部落解放運動自身が同盟軍として、それに積極的に参画していかなければならない。10・31は、11・7労働者集会への総決起を誓い合う場でもある。差別の元凶−国家権力への怒りを燃やし、全世界の労働者との熱い連帯をこめて10・31狭山中央闘争に立ち上がろう!

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寺尾判決30カ年糾弾 特別抗告審勝利

10・31狭山中央闘争

10月31日(日)午後1時開始
東京・星陵会館(東京都千代田区永田町2−16)
地下鉄有楽町線・半蔵門線・南北線「永田町」駅
出口6番、徒歩5分
(集会後、最高裁へむけてデモ)
主催・部落解放同盟全国連合会

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週刊『前進』(2171号6面3)(2004/10/25)

 迎賓館・横田デッチあげ裁判 福嶋同志奪還今度こそ

 第9次保釈請求を提出

 10月4日、弁護団は福嶋昌男同志の第9次保釈請求を東京地裁刑事第3部(服部悟裁判長)に提出した。これに先立つ9月22日、福嶋同志の健康破壊を許さないために、医療鑑定を請求した。
 1986年迎賓館と米軍横田基地へのロケット弾戦闘の「犯人」にデッチあげられた福嶋同志は、無実であるにもかかわらず12年にも及ぶ超長期勾留を強制されている。これは憲法も法も無視した凶暴な国家暴力そのものである。
 危機に瀕(ひん)する日帝・小泉政権は、イラク侵略戦争に参戦し、大資本攻勢を労働者人民にかけ、教育基本法改悪・改憲まで政治日程に上らせた。この激しい攻撃に底の底から怒った労働者階級の闘いが不屈に開始され、階級闘争はいよいよ流動・高揚局面に入った。
 日帝が最も恐怖するのは、労働者階級の団結した闘いだ。この団結を破壊するために刑事司法の戦時型への転換を推進し、共謀罪の新設により治安弾圧体制を一挙に強化し、労働組合解体、労働運動絶滅、反戦闘争圧殺の攻撃にうって出てきている。
 福嶋同志への長期勾留、人権抹殺の攻撃は、その最先端での攻防だ。不屈に闘う福嶋同志を先頭に、大衆的で巨大な保釈・奪還闘争を裁判所にたたきつけ、絶対に長期勾留を打ち破ろう。
 保釈要求署名は、すでに4万8千筆が裁判所に提出されている。弁護団と精神科医の呼びかけで集められた79人の精神科医の署名も裁判所に提出された。
 福嶋同志と同様に「犯人」にデッチあげられ、本年3月25日に東京地裁で無罪判決をかちとった須賀武敏、十亀弘史、板垣宏同志が、裁判所正門前や有楽町マリオン前で、日帝・東京地裁を徹底弾劾し、福嶋同志の保釈を要求する大アジテーションを、激しく繰り広げている。数限りないビラがまかれている。
 「不当な長期勾留をやめさせるために! 十万人保釈署名運動」の呼びかけ人、賛同人は、裁判所と東京拘置所への申し入れを不屈に闘いとっている。
 11年間に及ぶ裁判闘争は弁護側立証の段階に入った。9月に行われた山本義隆氏(元全国全共闘議長)の証言の時には、傍聴席をあふれ出る友人・支援者が集まり、福嶋同志とともに闘い抜いた。10月の裁判は13日と27日である。書家の石川九楊氏が、「メモは福嶋同志の筆跡ではない」ことを証言される。福嶋同志の無実・無罪を明らかにする決定的証人である。
 もはや、福嶋同志をこれ以上拘禁することは断じて許されない。福嶋同志の保釈・奪還は全人民の声だ。東京地裁・服部裁判長を徹底的に弾劾し、トコトン追いつめ、今秋保釈・奪還を総力を挙げてなんとしてもかちとろう。
 「不当な長期勾留をやめさせるために! 十万人保釈署名運動」が主催する「10・9集会」は台風のために延期になった。今度は10月30日である。渋谷勤労福祉会館に大結集しよう。

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未決勾留12年の福嶋さんをとりもどそう!
破れ獄壁! 迎賓館・横田裁判勝利!

今すぐ保釈を! 10・30集会

10月30日(土)午後1時半開場 2時開会
渋谷勤労福祉会館(渋谷区神南1丁目19−8)
●講演 足立昌勝さん(関東学院大学教授)
 「共謀共同正犯の問題性」
●歌 ヨッシーとジュゴンの家
主催・不当な長期勾留をやめさせるために! 十万人保釈署名運動

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週刊『前進』(2171号6面4)(2004/10/25)

 神藤同志笑顔で出獄

 デッチあげと14年闘う

 10月7日、1年11カ月の下獄闘争を元気に闘い抜いた神藤猛雄同志が新潟刑務所から出所した(写真中央)。家族、同志、新潟県労組交流センターの仲間が出迎え、新潟市内で出獄歓迎会。神藤同志は「よく学習できました。勉強することは本当に大事。教労本と訪米パンフはすごい」と語った。
 神藤同志は、90年に88年9・21千葉県収用委会長せん滅戦闘でデッチあげ逮捕され、95年1審無罪判決をかちとった。だが98年控訴審で逆転有罪判決(実刑6年)を受け02年に下獄。14年間デッチあげ弾圧と不屈に闘い勝利した。

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週刊『前進』(2171号6面5)(2004/10/25)

 公判日程

☆迎賓館・横田裁判
福嶋昌男同志裁判
10月27日(水)午前10時
11月15日(水)午後1時15分
 *東京地方裁判所

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