ZENSHIN 2004/12/13(No2178 p08)

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第2178号の目次

鉄建公団訴訟で1047名の団結へ

国鉄労働者1047名の解雇撤回を掲げた「鉄建公団訴訟勝利12・1全国集会」が4300人の結集で大成功した(12月1日 日比谷野音)=記事2面

1面の画像
(1面)
革共同の12月アピール
派兵延長の閣議決定粉砕を
世界戦争に突き進むブッシュと小泉を国際連帯で打倒しよう
12・19国鉄集会の成功かちとれ
記事を読む  
韓国 非正規労働法の改悪阻止へ  民主労総16万がゼネスト(11月26日) 記事を読む  
(2面)
権力の介入を自ら呼び込むカクマル「告訴」運動完全粉砕を
来春「日の丸・君が代」闘争を全都・全国で爆発させよう!
労働者の団結こそ勝利の力だ
記事を読む  
12・1全国集会  国労・全動労・動労千葉が共闘
“1047名解雇撤回を”  鉄建公団訴訟勝利へ団結(12月1日)
記事を読む  
(3面)
「酒田、鈴木の勧めで被害届」
国労弾圧公判 革同・江田証人が認める(11月29日)
記事を読む  
国労5・27臨大闘争弾圧を許すな!  12・19全国集会に総結集を 記事を読む  
「軍需輸送は拒否すべきでない」
松崎が“労組は業務命令に従え” 『創』12月号で発言
記事を読む  
資本攻勢&労働日誌 2004 11・15〜11・30
日本経団連 労働法制の大改悪を提案
政府・国家公務員10%削減方針/日比FTA締結へ
記事を読む  
(4面)
11・7集会の感動を語る 記事を読む  
革共同の旗の下に結集しこの社会の根底的変革を
年末一時金カンパのお願い
記事を読む  
(5面)
福祉としての保育を解体 病院半減と福祉施設廃止
05年都議選勝利で石原倒せ  石原都政の福祉解体暴く
記事を読む  
三里塚農民への脅迫行為
収用委再建許さない  堂本知事の責任を追及する
記事を読む  
コミューン 1月号  米軍再編下の沖縄 記事を読む  
(6面)
共謀罪の審議入りを阻止
通常国会が廃案のチャンス
労働者の団結破壊最大の狙い 国際連帯の闘いで粉砕しよう(野村秀夫)
記事を読む  
各地でイラク反戦に立つ
王城寺原 米軍の砲撃弾劾  沖縄−イラクと直結(東北大 A)(11月23日)
記事を読む  
各地でイラク反戦に立つ
岩国 訓練中止申し入れ  民族解放闘争鎮圧やめろ(11月29日)
記事を読む  
各地でイラク反戦に立つ
佐世保 イージス艦が出兵  15隻目の派兵を弾劾(11月26日)
記事を読む  
日誌'04 11月24日〜30日
放送局が「有事」訓練に参加  ミサイル迎撃「現場に権限」
記事を読む  
(7面)
辺野古にかけつけ座り込みに参加を
辺野古がどうなるか、それが明日の沖縄の運命を決める
沖縄労働組合交流センター
記事を読む  
単管ヤグラの上の攻防  カヌー隊海上で決死阻止(11月16日) 記事を読む  
世界の労働運動 中国
全土で拡大する人民反乱  “血と汗の賃金を返せ”(河北恵一)
記事を読む  
(8面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
全国から280人が熱い思い
“再審の壁をうち砕こう”  星野さんとり戻そうと誓う(11月24日)
記事を読む  
投稿  難病患者に憎しみを表すカクマル『解放』  名古屋 AT 記事を読む  
公判日程 記事を読む

週刊『前進』(2178号1面1)(2004/12/13)

革共同の12月アピール
派兵延長の閣議決定粉砕を
世界戦争に突き進むブッシュと小泉を国際連帯で打倒しよう
 12・19国鉄集会の成功かちとれ

鉄建公団訴訟で1047名の団結へ

国鉄労働者1047名の解雇撤回を掲げた「鉄建公団訴訟勝利12・1全国集会」が4300人の結集で大成功した(12月1日 日比谷野音)=記事2面

 動労千葉など闘う3労組呼びかけによる11・7労働者集会は圧倒的にかちとられ、白熱的な国際連帯と階級的団結を実現した。そして、05年に向かってはじけるような戦闘力を獲得・充電した。イラク侵略戦争=世界戦争と大失業、民営化と労組破壊の大攻撃に、闘う労働組合の防衛・強化を軸に総反撃していくことが、燃えるような熱気と感動の中で確認されたのである。この秋アメリカ、日本、韓国で爆発したひとつながりの闘いは、労働者階級が世界革命の主役として登場したことを示している。日米韓の労働者の連帯した闘いは、必ず新たな国際的大統一行動の道を切り開くだろう。全世界はイラク情勢を基軸に大激動に突入している。プロレタリアートと被抑圧民族が、「対テロ戦争」を叫び世界戦争に突き進む米英日の帝国主義支配階級と非和解的に激突している。ムスリム人民の民族解放・革命戦争の炎が燃え上がっている。今こそ全世界の労働者階級は国際的に団結し、イラク・ファルージャの不屈の闘いとその魂をわがものとして、帝国主義打倒、プロレタリア世界革命の勝利に向かって進撃しよう。労働運動の革命的・階級的再生と発展をかけて、12月決戦から05年階級決戦へ闘い進もう。

 第1章 米軍と軍事的に一体化し侵略戦争する自衛隊  

 米帝のイラク侵略戦争が泥沼化を深める中で、小泉政権は自衛隊のイラク派兵期間の1年間延長を10日の閣議で決定しようとしている。これは単なる延長にとどまらず、日帝・自衛隊がいよいよ米帝と軍事的にも一体となってイラク侵略戦争への参戦をエスカレートさせる決定的な契機となる。

 米帝は戦略的に敗北

 ブッシュ再選直後に強行された米帝のファルージャ総攻撃は、まさに「第2の3・20イラク開戦」だ。米帝はこれから本格的かつ絶望的にイラク侵略戦争に突入していく。米帝は、ファルージャ大虐殺のようなとてつもない残虐な侵略戦争をイラク全土で続けるしかない。そして日帝・自衛隊は、自ら積極的・能動的に参戦し、米軍の大虐殺戦争を全面的に支えようとしている。
 ファルージャで米軍は勝利したのか。断じて否だ。優勢な火力、ハイテク兵器にものをいわせて、原始的とも言える無差別的・物理的破壊による制圧を強行した。そして2000人以上のゲリラ戦士を虐殺し、1600人以上を捕虜にしたなどと言っている。だが、こうした攻撃によってもイラク人民の闘いを圧殺することなどけっしてできない。米帝は勝利宣言も出せず、戦略的に敗北したのだ。
 実際、今回のファルージャ攻撃で、米軍も多数の死者と負傷者を出した。イラク人民の闘いはバクバやモスルにも拡大し、米軍は1万2千人の増派に踏み切るしかなくなっている。
 ファルージャのゲリラ戦士と住民は、激烈な戦闘をとことん闘い抜いて、米軍に屈しなかった。パリ・コミューンと並んで、世界史に刻まれる英雄的戦闘を闘い抜き、米帝に「第2の9・11」というべき、あるいはそれをも超える衝撃と打撃を与えた。イラク全土にファルージャ的精神の戦闘が広がっていくことは確実だ。米軍はファルージャ攻撃によって、「第2、第3の、無数のファルージャ」をつくり出してしまったのだ。米軍は兵力の限界にあえいでおり、1月のペテン的な総選挙のスケジュールは基本的に粉砕された。
 こうした中で自衛隊は、ますますイラクから撤退できなくなる。派兵期間の1年延長の閣議決定に対して、イラク人民の激しい怒りと闘いが爆発することは不可避だ。日本階級闘争を激しく揺さぶる事態が、12月〜05年に必ず発生する。
 闘う労働者人民は、このような米・英・日帝国主義の絶望的な凶暴化と真っ向から対決して、イラク反戦闘争の全世界的な爆発のために闘い抜こう。

  「戦時大統領」の再選

 米大統領選=ブッシュ再選とファルージャの結果から出てくることは、米帝が死の泥沼に百パーセントはまりこみ、「中東民主化」と称する中東侵略戦争の全面的拡大にのめりこんでいくということだ。そして、さらに対イランや北朝鮮・中国侵略戦争―世界戦争へと突き進んでいくしかないのだ。
 問われているのは世界戦争の道か、それとも労働者階級の国際的団結による全世界の根底的変革=世界革命かである。中間の道はない。ブッシュ再選でそのことはますます鮮明になった。
 11月の米大統領選は、ブッシュ共和党が米国内を二分するような未曽有(みぞう)の大激戦を制して、民主党ケリーに勝利した。ブッシュ再選は、上下両院での共和党の勝利と併せて、きわめて重大な政治的勝利を意味している。
 ブッシュ勝利が示すものは、米帝のイラク侵略戦争が、「大量破壊兵器」をめぐるブッシュの判断の誤りなどというレベルの問題ではまったくなく、危機を深める米帝国主義の体制的存亡をかけた帝国主義的侵略戦争そのものだということ、そしてそれは世界戦争の始まりだということである。
 米帝はいまや世界戦争に突入しているのであり、米階級闘争は戦時下の階級闘争なのだ。この中で米帝国主義は、国家の存亡をかけて、外への侵略戦争=内への階級戦争をむきだしに実行する戦時大統領としてブッシュを選んだのだ。
 超反動的な大統領がその業績の超反革命性が暴露され、これに対する怒りが大爆発している中で、しかもなお再選されたことは、アメリカ階級闘争において「内乱の論理」が始まっているということである。むきだしの帝国主義的愛国主義・排外主義と、宗教右派=キリスト教原理主義的な超反動勢力が米国の体内から噴き出し台頭しているのだ。
 学校で進化論を教えることを禁止すべきというような宗教右派勢力の動員とその活発化は、米帝の絶望的危機と凶暴化の現れである。帝国主義が本当に腐り果て、そのおぞましい体内から、あらゆる反動的・反革命的な魑魅魍魎(ちみもうりょう)が生みだされている。しかも、これはアメリカに限ったことではない。日本でも帝国主義の危機のもとで、北朝鮮へのすさまじい排外主義があおられ、天皇制と戦争を賛美する、まさに非合理の極みと言うべき「日の丸・君が代」が、学校で生徒と教員に強制される事態が起きているではないか。
 帝国主義の体制の存亡のかかった危機的情勢のもとでは、プロレタリア革命の展望で突破する道筋が鮮明に示され、それが力ある運動として労働者階級を獲得しないならば、このような排外主義・愛国主義・反動的イデオロギーの嵐がおそるべき猛威を振るうのだ。
 だからこそこうした大反動の中から、「ブッシュ打倒、ケリーもノー」を掲げて、MWM(百万人労働者行進)運動が姿を現したこと、そして日本で11・7労働者集会が大高揚したことは決定的に重大である。MWMの闘いは、「帝国主義侵略戦争を内乱へ」のアメリカ革命の闘いが始まったことを意味している。労働者階級を民主党のしっぽに縛りつけて自己解放闘争の力を抑え続けてきたAFL―CIO(アメリカ労働総同盟―産別会議)の制動を突き破り、戦争と貧困への労働者階級の怒りを根底から解き放つことこそが、ブッシュを打ち倒す唯一の道である。このことがMWMの闘いによって鮮明に示されたのだ。
 アメリカMWM運動、韓国の11・26ゼネストと連帯して闘おう。11・7労働者集会の大成功を徹底的に総括し、その革命的・階級的意義を豊かにつかみとり、その地平を発展させよう。結集した3600人の力をさらに十倍百倍へと強めていくために闘おう。

 小泉の反革命が加速

 ブッシュ再選は日帝・小泉の反革命的突出を促進する。それがイラク派兵延長の閣議決定であり、どれほど血みどろの事態になろうとも撤退しないという英帝ブレア的レベルの決断である。さらに米軍再編(トランスフォーメーション)への全面的協力である。米軍再編は、イラク・中東での戦争と、対北朝鮮・対中国の戦争に備えての再編である。しかも、それは、米英日の同盟を枢軸化し、独仏などとの分裂も辞さない世界戦略を背景として推進されている。
 世界戦争に突き進む米英日枢軸と全面的に対決し、自衛隊のイラク派兵延長絶対阻止・即時撤兵、沖縄・名護新基地建設絶対阻止、イラク反戦闘争の大爆発へ闘おう。

 第2章 不起立闘争を解体するカクマルの「告訴」運動

 11・7労働者集会の大高揚は、労働運動の〈分岐・流動・再編・高揚>の情勢を一段と促進している。そして、それが、とりわけ教労、国鉄戦線においてファシスト・カクマルや日共スターリン主義の大反動を呼び起こし、これとの対決が12月決戦の重大な攻防となっている。
 教労戦線での大反動が、カクマルの「告訴・告発」運動だ。1日に大学教授や弁護士を巻き込んで、石原都知事、横山教育長らを「脅迫、強要、公務員職権乱用」などで告訴・告発した。
 カクマルの狙いは、「告訴・告発」で権力の介入を自ら呼び込んで、教育労働者の階級的闘いとしての「日の丸・君が代」闘争を解体することである。なによりも来春の卒・入学式闘争を未然に封殺しようとするものである。
 考えてもみよ。カクマルの提唱する「告訴・告発」運動とは、労働運動弾圧の元凶である警察・検察を、教労運動の中に呼び込むものではないか。警察・検察こそ「日の丸・君が代」闘争弾圧の張本人ではないか(東京・板橋高校のFさんに対するデッチあげ弾圧を見よ)。その警察・検察の前に、「事情聴取は、なにもこわいものではありません」(11・25付ビラ)などと言って、教育労働者を一人ひとりばらばらにして差し出そうとしている。それは労働者階級が団結して権力・資本家、警察の弾圧と闘う階級的労働運動とはまったく無縁のものであり、逆にそれを解体するものである。「柔道のように敵の力を利用して敵を倒すこともできるのです」(同)などと言うのは「敵の敵は味方」というおぞましいへりくつであり、超反動的な主張である。こんな運動は断じて認められない。

 “業務命令に従え”と叫ぶカクマル松崎明

 そもそもカクマルとは、動労カクマルを先頭に国鉄分割・民営化に闘わずして屈服し、国鉄労働者20万人の首切りに率先協力し、労組破壊の先兵となった労働者の敵である。
 カクマル=JR東労組元委員長の松崎明は雑誌『創(つくる)』12月号で、なんと新右翼「一水会」顧問の鈴木邦男と対談し、決定的な言辞を吐いている。
 「もし戦争が起これば軍需輸送ということもあり得ますよね。……しかしわれわれがはっきりしているのは、法律で決まっていることは犯さないということ。労働組合としてははっきりしているわけですよ」
 「軍需輸送だから断固拒否してストライキなんてことは一言も言ったこともないし、そんなことはすべきじゃない」
 本当に、怒りなしには読めない発言だ。松崎は、労働者の戦争協力拒否の闘い、反戦闘争を真っ向から否定したのである。労組は法律を犯さず、業務命令にも無抵抗で従えと言っているのだ。
 これがカクマルの反労働者的な正体だ。松崎発言は石原・都教委の03年10・23通達=「日の丸・君が代」強制に対して、「教育労働者は闘ってはならない。業務命令=10・23通達には従うべき」と言っているに等しい。
 こういうカクマルが進める「告訴・告発」運動とは、権力を介入させ、労働者の団結と反戦闘争の破壊を狙うものでしかない。
 カクマルの「告訴・告発」運動を粉砕し、来春の「日の丸・君が代」闘争を大爆発させ、ファシスト石原を打倒しよう。この闘いの爆発をかちとることが教基法改悪・改憲攻撃を打ち破る最大の力である。そして、自民党とのパートナー路線で屈服を深める日教組中央を打倒し、日教組運動の階級的再生をかちとろう。全国の教育労働者は、今こそ東京の闘いに続き、団結して闘いに立ち上がろう。戦争への道=教基法改悪を絶対に阻止しよう。

 第3章 日共の大反動うち破り国鉄闘争勝利を開こう

 さらに国鉄1047名闘争をめぐっても、日共スターリン主義と国労本部執行部の大反動が激化している。
 5・27国労臨大闘争弾圧で組合員を警察に売り渡すまでに転落した国労本部=酒田・革同執行部は、1047名闘争の圧殺を狙い、鉄建公団訴訟の妨害に総力を挙げてきた。彼らは鉄建公団訴訟勝利12・1集会の爆発を恐れて、連合幹部や全労連の一部幹部と結託して11・26集会を対置した。だが、なにひとつ闘う路線を打ち出さず国鉄闘争の早期終結を狙うだけの11・26集会は、当然にも労働者にその裏切り性を見抜かれて大破産した。
 酒田・革同執行部は国鉄闘争からの動労千葉の排除だけでなく、1047名闘争そのものの解体を策したのだ。彼らは「イラク鉄道復興支援」を叫び、1047名のイラク追放を画策するほどに腐敗・転向を深めている。
 12・1集会は、このような国労本部による許し難い敵対を、動労千葉を始めとする国鉄労働者と支援労働者が打ち破ることをとおして大成功した。そして国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団が固く団結し、鉄建公団訴訟を武器に1047名の解雇撤回闘争の勝利のために不屈に闘うことを、全国から結集した4300人の労働者とともに誓い合った。これは11・7労働者集会の成功を力にしてかちとられた巨大な階級的勝利である。
 日本共産党中央の国鉄1047名闘争に対する敵対は、23回党大会での綱領改定(階級的労働運動の解体路線)の帰結である。だが、これは全労連の内部に大きな分岐と流動をつくり出している。3闘争団・争議団の団結と勝利の路線を妨害しているものは誰か――国鉄闘争をめぐるこの論議をあらゆる職場・組合の中に持ち込み、〈分岐・流動〉情勢を促進し、「11・7―12・1集会派」の巨大な流れをつくり出そう。
 12・1集会の成功に続いて、「国労5・27臨大闘争弾圧を許すな/12・19全国集会」がきわめて重要な闘いとなっている。無罪獲得・国労再生、1047名闘争の勝利をめざし、「許さない会」の呼びかけにこたえて全力で結集しよう。

 骨太方針Wと対決を

 教労、国鉄、全逓(郵政)、自治体の4大産別をめぐって、労働者階級の存亡をかけた決戦が到来している。闘わない連合指導部や日共中央、全労連一部幹部をぶっ飛ばし、現場組合員が労組権力を握って、闘う体制をうち固め、05年決戦に突入しよう。
 小泉政権と日本経団連・奥田による「骨太方針W」は、国家権力機構の中にあって、戦後労働運動の戦闘性を代表してきた公務員労働運動を、郵政民営化を軸として最後的に解体する攻撃であり、同時に社会保障制度の全面的解体と大増税の道である。日帝・小泉は、こうして戦争への労働者動員と強権支配、改憲の道を開こうとしているのである。
 今こそJPU指導部の屈服と裏切りを粉砕し、全逓労働者を先頭に郵政民営化絶対阻止の05年決戦に立とう。職場の団結で物ダメ・ストライキ闘争を闘う体制をつくり出そう。
 自治体労働者は民営化=公務員リストラ、労組破壊と対決し、有事立法=「国民保護法」をもってする戦争動員の攻撃を粉砕して闘おう。

 闘う労働者党建設へ

 11・7労働者集会の成功のために、革共同は3労組共闘の労働者とともに全力で闘いぬいた。先進的労働者同志と労働運動にキャッチアップし、食らいつき、吸収し、学び、実践することをとおして自らを変革する闘いを懸命に遂行してきた。そして、その苦闘の中で実に貴重な前進を切り開いてきた。
 11・7集会の歴史的高揚と国際連帯の前進、内外情勢の激動は、革共同に一層の飛躍を迫っている。党員一人ひとりが、これまでの自らの殻を打ち破って、革命的情勢の到来を糧として飛躍していくことが実践的に求められている。
 革命的情勢下における革命党の役割は決定的に重要である。〈党の革命〉を推し進め、戦闘的労働者が求める真の労働者党の建設に向けて、全力で闘おう。
 全世界で戦争と大失業攻撃が吹き荒れる中で、時代は大きく一回りした。青年労働者・学生の間には、資本主義の歴史的限界性を感じ取り、社会の根底的変革をめざす思想と運動への関心、熱望が高まっている。21世紀の変革の展望を示しうるのは、労働者階級自己解放闘争によって階級と階級対立の根底的廃絶をめざすマルクス主義、プロレタリア世界革命の思想と実践だけである。マルクス主義の原理・原点の真剣な摂取は党建設の一切の基礎である。マルクス主義を学習し、マルクス主義で労働者階級を獲得しよう。マルクス主義青年労働者同盟の建設をともに闘い抜こう。
 05年決戦の勝利をかけて年末一時金カンパ闘争に総決起しよう。財政の規模が05年決戦の大きさを決める。すべての労働者人民に11・7労働者集会の熱気と感動を伝え、労働者階級解放の勝利の展望と革共同の決意を語り、ともに闘うことを熱烈に呼びかけよう。そして、これまでを倍する圧倒的なカンパを訴えよう。真剣な訴えに労働者階級人民は必ずこたえてくれることに確信をもって闘おう。その闘いの中で機関紙拡大闘争を圧倒的に前進させよう。
 闘う労働者は革共同に総結集せよ。国際連帯闘争をともに担い、プロレタリア世界革命の勝利をめざして闘おう。

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週刊『前進』(2178号1面2)(2004/12/13)

韓国 非正規労働法の改悪阻止へ 民主労総16万がゼネスト

 民主労総は11月26日、派遣労働の拡大などを狙う非正規労働法改悪案の撤廃を掲げて、13産別連盟と地域本部加入の275労組(398事業場)16万人あまりが午前10時から6時間の警告ゼネストを行った。11万余の隊列で主軸を担った金属産業連盟・金属労組を始め、民主タクシー、化学繊維、病院、公共、建設などがゼネストを闘った。蔚山(ウルサン)の現代自動車労組は、非正規職労組4200人を含む全組合員がストに入り、巨大な自動車工場を完全に止めた。
 公共、大学、事務金融などでは組合員総会形式でストに合流、民主タクシーは2000台の車デモを行い、全教組は3000人が早退闘争、非正規職教授労組は1000人で総決起大会を開いた。この日、民主労総は、総勢21万人が団体行動に立ち上がった。
 6時間ストを打ち抜いた後、全国23カ所で計4万人が「民主労総第1次ゼネスト闘争勝利決意大会」に結集した。ソウルでは国会前に2万人が集まり、イスホ民主労総委員長は「きょうのゼネストに続き、最も強力な団結と最も効果的な闘争戦術により勝利を確定していく計画だ」と語った。

 国会で高空籠城

 他方、韓国労総も11月21日に全国労働者大会を2万人でかちとり、ゼネストも辞さずと宣言した。
 11・26ゼネストが打ち抜かれていた正午過ぎ、「800万非正規職の運命がかかったゼネスト闘争の先鋒(せんぽう)に立とう」と非正規連帯会議所属の4人の非正規職労働者が国会内の工事現場のタワークレーンを占拠、「政府案撤廃と非正規職権利保障立法戦取」を要求して無期限の高空籠城(ろうじょう)に突入した。この決死の闘いは、民主労総全体を奮い立たせるものだった。
 現在、民主労総には約120労組、6万人の非正規職労働者が組織され、03年9月から全国非正規職労組代表者連帯会議(準)を構成して闘っている。
 パクテギュ非正規連帯会議議長は、「今や拘束など怖くない。盧武鉉(ノムヒョン)政権が非正規改悪案を強行しようとするなら、(24日からストに入っている)1500人の非正規代表者全員を拘束しなければならないだろう」と覚悟を語り、正規職と非正規職の連帯闘争を力説した。

 法案処理を留保

 国会前ではタワークレーン上で闘う非正規職労働者を支持する集会が連日開かれ、警察部隊との激突も起こった。さらに29日、国会前には民主労総を始め、韓国労総も詰めかけた。環境労働委員会が開かれ、非正規改悪法案を公聴会に回すことが決まった。これで法案処理は事実上、次の会期となった。闘う労働者階級の力で非正規関連法案を押し返したのである。
 しかし同時に、盧武鉉政権は時間をかせぎながら民主労総の労政使委員会への取り込みを図ろうともしている。民主労総内部でも非正規連帯会議を始め現場労働者の中から「留保ではなく撤廃まで闘うべき」「ゼネストで闘おう」などの激しい突き上げが起こっている。その根底には、民主労総の労使政委員会参加をめぐる路線闘争があり、階級的労働運動を貫く激しい攻防となっている。
 全国公務員労組は29日から「不当懲戒撤回、政府立法案阻止、公務員労働3権保障」を要求して国会前籠城闘争に合流、12月1日には指名手配中のキムヨンギル委員長と副委員長ら6人が「公務員特別法阻止」を掲げて無期限のハンストに突入した。また、来年1月1日の鉄道公社転換を前に特別団体協約交渉で鉄道公共性強化と人員補充を要求している全国鉄道労組は、12・3ゼネスト突入を宣言。鉄道庁はセマウル号の女性乗務員31人への解雇通告をするなど、露骨な攻撃に出ている。鉄道労組とともに運輸連帯を構成する民主タクシー連盟、貨物連帯なども共同闘争に出る。
 激しい攻防を闘う民主労総、韓国の労働者人民とともに戦争と民営化攻撃粉砕へ、国際的共同闘争を闘おう。

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週刊『前進』(2178号2面1)(2004/12/13)

権力の介入を自ら呼び込むカクマル「告訴」運動完全粉砕を
来春「日の丸・君が代」闘争を全都・全国で爆発させよう!
 労働者の団結こそ勝利の力だ

 11・7全国労働者総決起集会は、日米韓労働運動の国際連帯と闘う労働組合の全国ネットワークの飛躍的な発展を押し開く歴史的な集会となった。この集会に被処分者を先頭に「日の丸・君が代」攻撃と闘う教育労働者が結集したことは、階級的労働運動の発展にとっても、「日の丸・君が代」闘争の勝利にとっても、決定的な橋頭保となった。こうした中で、カクマルが「日の丸・君が代」闘争の破壊を狙う「告訴・告発」運動を仕組んでいる(本紙2176号で既報)。本紙の暴露に追いつめられたカクマルは12月1日、都知事・石原、都教育長・横山ら3人を「被疑者」として告訴したが、告訴人はたったの7人、カクマル党員が丸裸で登場するという惨状をさらけ出した。カクマル「告訴」運動を完全に粉砕し、05年卒・入学式における「日の丸・君が代」闘争の大爆発をかちとろう。

 被処分者先頭にした1年間の勝利の地平

 カクマルが「告訴」運動によって「日の丸・君が代」闘争に国家権力の介入を呼び込もうとしているのはなぜか。被処分者を先頭とした闘いが11・7集会に合流し、来春に向かって躍進していることに震え上がったからである。カクマルの策動を完全に粉砕することは、すべての教育労働者のテーマだ。このことをはっきりさせるためにも、「日の丸・君が代」闘争のこの1年間の前進をしっかりと確認していきたい。

 職場・生産点から反撃を開始

 今春、東京の教育労働者数百人が卒・入学式における「日の丸・君が代」強制に抗して「君が代」不起立決起を闘いぬいた。この闘いは、「従わなければ処分」の恫喝で「君が代」起立と斉唱を命じた「10・23都教委通達」への怒りを爆発させた闘いであった。同時に、都知事・石原の教育改革攻撃による極限的な抑圧と労働強化に対して、教育労働者が積もりに積もった怒りを解き放って立ち上がったものだった。
 この闘いは、急迫する教育基本法改悪と敢然と対決する決定的な闘いだった。教基法改悪とは、戦後教育の一切を解体して「教育勅語」体制下の教育へと大転換する大攻撃である。これは教基法の条文改悪と並んで、学校現場の一切の抵抗を封じ、教育労働者を天皇主義教育・侵略教育の担い手としなければけっして貫徹できないものである。
 まさにこの時、教育労働者は「日の丸・君が代」に対して不退転の闘いをたたきつけたのである。この退路を断った闘いは、全国の心ある労働者を勇気づけ、ともに闘う決意を呼び覚ました。動労千葉は「動労千葉の最大の援軍が現れた」と高く評価した。
 今春「日の丸・君が代」闘争は、教育労働者の職場・生産点からの抵抗闘争こそが教基法改悪を阻止する最大の力であることを示した。教育労働者は、教基法・憲法改悪を阻止する1年間決戦の主役の座に躍り出たのである。

 処分はね返して力強く前進

 決起した教育労働者は、248人の大量不当処分をはね返して力強く前進してきた。とりわけ8月の三つの大きな闘いが守勢から攻勢への転機となり、闘いを新たな発展段階に押し上げた。8月2日と9日、被処分者に思想改造を迫る再発防止研修に対して、被処分者全員が「反省」をきっぱりと拒否し、会場内外を貫く抗議闘争をたたきつけた。8・6ヒロシマ大行動と全国教育労働者団結交流会は、大量の不起立処分をはね返して不屈に闘いぬいてきた広島の闘いと、東京の新たな闘いを結びつけ、全国の教育労働者が合流し、不起立闘争を全国に拡大していく突破口となった。8・30都教委包囲行動は、東京の攻防を教基法改悪阻止の最大の焦点へと押し上げ、政治闘争としての発展の第一歩となった。
 被処分者の闘いは、7月都高教大会で、処分撤回闘争支援を組合の方針としてもぎとり、日教組をも突き動かし始めている。
 11月6日の「教育基本法改悪をとめよう!全国集会」は、日共・全教系による「日の丸・君が代」闘争の後景化の策動を打ち破って被処分者を中心にすえた集会としてかちとられた。集会では不起立闘争の継続と全国への拡大が訴えられ、「処分覚悟の不起立闘争こそ、教基法の改悪を阻止する運動そのものである」とたたえる集会アピールが採択された。
 日教組の11・21教基法改悪反対集会では、「日の丸・君が代」攻撃に一切触れない森越委員長発言に会場の被処分者から弾劾の声が浴びせられた。
 12月3日には、日教組傘下の東京4単組が主催する「学校に『命令・強制』はいらない! 子どもの人権侵害は許さない! 12・3全国総決起集会」が日比谷野音で開催された。被処分者はのぼり旗を林立させて参加し、戦闘的にけん引した。被処分者の闘いは、全国の教育労働者の共感を呼び、闘う日教組の再生へ向かう巨大な力を持ち始めているのである。

 11・7に大合流し熱烈に訴え

 「日の丸・君が代」被処分者は、11・7集会に大挙かけつけて登壇し、「日の丸・君が代」闘争を熱烈にアピールした。被処分者があらゆる反動を打ち破って11・7集会に合流し、新潮流運動の担い手として登場したことの意義は、計り知れないほど大きい。
 被処分者たちは、自らの闘いが歴史を動かしていることを実感しつつあった。アメリカのMWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)や日米韓労働者の国際連帯は、世界戦争へと突き進む帝国主義を打倒する現実的展望を示すものであった。自ら退路を断って都教委との倒すか倒されるかの闘いに踏み出した被処分者たちは、国際連帯を自らの抵抗闘争の最大の糧として受けとめ、決起したのである。
 「日の丸・君が代」闘争は、戦時下の国家主義・愛国主義との最も鋭角的な対決点であり、労働者階級の自己解放性をとことん信頼し、依拠して闘う階級的労働運動としてのみ勝利することができる。典型的なランク・アンド・ファイル(現場労働者)運動である被処分者の闘いは、アメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)や韓国民主労総の闘いと共鳴しあう中で、今ひとつの飛躍を実現し、力強い、確信に満ちた歩みを開始したのだ。
 「日の丸・君が代」攻撃とは、日教組の最後的な解体攻撃であり、「骨太方針W」による公務員労働運動解体攻撃の一環である。「日の丸・君が代」闘争勢力の11・7への合流は、自治労「21世紀宣言」反対勢力、全逓の郵政民営化絶対反対派、国鉄1047名闘争陣形とともに、小泉=奥田路線と対決する陣形を築いたのである。
 06年度にも法整備が狙われる教員免許更新制は、郵政民営化におけるいったん解雇・選別再雇用方式、自治体の業務の民間委託に伴う「廃職・過員」による分限免職に対応するものだ。改悪教基法のもとで、「日の丸・君が代」を国家忠誠の最大の踏み絵とする「血の入れ替え」がもくろまれているのだ。国鉄分割・民営化攻撃と同様の試練が全産別に問われている。動労千葉の教訓が実践的指針となる時が到来している。
 11・7集会への被処分者の堂々とした登場は、不起立闘争の意義を全面的に開花させている。「教育者としての良心」をかけた決起を原点としつつ、被処分者たちは、今や労働運動の階級的再生の旗手へと躍り出たのである。
 05年卒・入学式闘争は、05年の階級攻防全体の推移を決する最大の焦点となっている。不起立・不服従闘争が東京と全国でうちぬかれることは、改悪教基法案の国会提出を阻止するのみならず、07年にいたる4大産別決戦の一大突破口となり、開戦から2年を迎えるイラク軍事占領反対・自衛隊撤退闘争の勝利を切り開く位置をも持っている。

 天皇発言による弾圧を許さず闘い貫こう

 「日の丸・君が代」闘争の前進を目の当たりにして、ついに天皇までもが10月の園遊会で、都教育委員・米長に「強制になるということではないことが望ましい」と述べた。
 この言葉は政府中枢と都知事・石原を震えあがらせ、「日の丸・君が代」闘争を第一級の治安問題に押し上げた。日帝支配階級が、“天皇の神経を逆なでした『不逞(ふてい)の輩(やから)』どもをつぶせ”と、総力をあげて「君が代」不起立闘争の圧殺にのり出してくることは間違いない。
 教育をめぐる攻撃の核心は、「天皇のために命を投げ出し、他民族を殺す子ども」をつくる教育へと大転換させることである。この時に学校現場で、天皇の旗「日の丸」と天皇の歌「君が代」に真正面から反撃がたたきつけられたのだ。支配階級は、闘いをたたきつぶすまで弾圧をゆるめることはない。教育労働者が闘いを貫くかぎり、敵・支配階級との激突はますます激化する以外にない。
 「日の丸・君が代」闘争の勝利のために、教育労働者を先頭に全労働者階級の闘いに押し上げ、労働者の団結の力によって勝ちぬくという、階級闘争の原則を正面から貫くことこそが問われている。
 被処分者は、「日の丸・君が代」闘争を押しつぶすために襲いかかるあらゆる重圧を打ち破り、不起立・不服従闘争を断固として継続し拡大することを決意し、05年卒・入学式に向けて闘いを進めている。その核心は、被処分者・被解雇者の団結である。
 まさにこの時、「日の丸・君が代」闘争の破壊を策して登場したのがカクマルの「告訴・告発」運動なのである。

 「告訴」運動の本質は不起立闘争の破壊だ

 不起立闘争の発展への恐怖

 東京の教労カクマルは昨年「10・23通達」以降、都高教本部の「職務命令には従う」という指示を忠実に実践し、卒業式では「君が代」不起立闘争のらち外にいた。しかし3月の卒業式で不起立闘争が爆発すると、急きょ、都高教本部への突き上げ運動に転じた。このことは、組合員であれば誰でも知っていることだ。カクマルにとっては、不起立闘争のさらなる爆発は、「革命」の仮面を着けたファシスト党派としての政治生命を最終的に絶たれることを意味する。それゆえカクマルは、来春「日の丸・君が代」闘争の爆発をなんとしても抑え込むために、「告訴・告発」運動で国家権力の弾圧を引き込もうとしているのである。
 カクマルの本音は「組合運動とは別のところで戦闘的闘いをハミダシ的につくりだそうとする一部の傾向をも克服する」(『解放』8・16付・大地論文)という言葉に示されている。カクマルにとって、やむにやまれぬ思いで「君が代」不起立闘争に立ち上がった組合員は「ハミダシ」という罵倒(ばとう)の対象なのだ。不起立闘争を「自爆テロ」「打ち上げ花火」と罵倒した都高教本部となんら変わらない、いや「左翼反対派」を装おうとする意味でより悪らつな「日の丸・君が代」闘争への敵対者である。
 カクマル「告訴・告発」運動は、国家権力による「日の丸・君が代」闘争への弾圧を呼び込むものだ。言うまでもなく「告訴・告発」とは、捜査機関に対して犯罪被害を報告して処罰を求めることである。資本主義社会、つまり資本家階級が労働者階級を支配する階級社会において、検察権力や警察権力は資本家階級の利害に基づき労働者支配を貫徹するために存在する暴力装置である。労働者階級とは絶対非和解の対立関係にある検察を「労働運動に活用しよう」などという発想そのものが、まったく反労働者的である。
 先にも述べたとおり、「日の丸・君が代」闘争の勝利の道はただひとつ、教育労働者が不退転の闘いを断固貫き、職場で仲間を増やし、さらに全国各地に拡大して来春卒・入学式で今春を上回る「日の丸・君が代」闘争に立ち上がることである。教育労働者が依拠すべきは、労働者の団結の力以外にないのである。
 「告訴・告発」運動は何をもたらすのか。検察庁に告訴・告発するいわゆる直告事件でも、検察は警察を指揮して捜査を行う。告訴・告発の捜査処理マニュアルには「告訴・告発人の取り調べは、被告訴・告発人の取り調べ前に実施する」「被告訴・告発人については、都合により取り調べをまったく省略することも許される」とある。
 被処分者・被解雇者が横山教育長らを「告訴・告発」したら、検察が「日の丸・君が代」闘争の破壊だけを目的として捜査に乗り出す。このことをカクマルは、以下のように自認している。「告訴人・告発人となっていただくと、場合によっては検察庁から『(告訴・告発に至った)事情を聞きたい』等と言ってくることがあるかもしれません」(「『告訴・告発する会』事務局」文書)。
 まさにそのとおり、検察は、告訴人・告発人はもちろん、職場の同僚の教職員までも事情聴取の対象とすることができる。検察・警察が一体となって被処分者・被解雇者に介入と情報収集を繰り広げるという、国家権力の介入を自ら招き入れる運動なのだ。
 しかも「告訴・告発」運動は、被処分者の会・被解雇者の会・予防訴訟をすすめる会に結集して団結して闘いぬいてきた被処分者・被解雇者の団結を破壊し、分断を招くものである。
 さらにカクマルは「告訴・告発する会」の「趣意書」において、「ここまで歪みきった東京の教育行政を今こそ糾(ただ)」すことが運動の目的だと記している。カクマルは、今春「日の丸・君が代」闘争の爆発に心底震え上がり、来春の闘いをなんとしても抑え込むために、「『君が代』不起立闘争ではなく、告訴・告発運動を」と、闘いをねじ曲げ変質させようとしているのだ。
 「告訴・告発」運動を持ち出したカクマルの本心が「日の丸・君が代」闘争の破壊と解体にあることは明らかである。

 告訴はカクマルの常套手段

 カクマルは、70年安保・沖縄闘争の大高揚の中で「対立党派が弾圧されることはいいことだ」と言い、警察権力が破壊活動防止法を発動して闘う労働者・学生に弾圧を加えてくることを大歓迎した連中である。そして機関紙で「国家権力が首根っこを押さえている時に、われわれ(カクマル)は下の急所を蹴り上げる」と公言し、他党派を暴力的に襲撃したのだ。
 しかもカクマルは「敵の敵は味方」と言う。カクマルにとって「敵(他党派)の敵(国家権力)」は「味方」なのである。それゆえ「他党派をつぶすためには、国家権力を『革命的に利用』すべき」と、警察の弾圧に全面協力し、進んで水先案内人になってきた。
 カクマルが、闘う労働組合をたたきつぶすためには手段も選ばない卑劣な連中であることは、カクマルが牛耳った動労本部と動労千葉地本との闘いを見れば明らかである(詳しくは中野洋・動労千葉前委員長の著書『俺たちは鉄路に生きる2』参照)。反合理化・運転保安闘争や三里塚闘争などを闘う動労千葉地本の闘いを、不正義のテロ・リンチで屈服させようとしてきたのだ。千葉地本がそれにも屈せず、動労本部からの分離・独立を決断し「動労千葉結成大会」をかちとると、国鉄本社の容認のもと、拠点職場に竹やりやバールで武装襲撃を繰り広げ、79年4月の津田沼電車区襲撃事件では、津田沼支部長が頭蓋骨(ずがいこつ)骨折の重傷を負わされるまでに至った。
 さらに動労カクマルは81年6月、こともあろうに「暴力行為」をデッチあげて動労千葉組合員10人を告訴、6人逮捕・3人起訴という大弾圧をかけさせた。告訴はカクマルの常套(じょうとう)手段なのだ。
 カクマルの本性は、1980年代の国鉄分割・民営化攻撃に対して、当局の最も悪らつな先兵になったことが示している。動労カクマルは、カクマル組織の温存のために「働こう運動」を提唱して合理化に全面協力し、当局と「労使共同宣言」を調印し、国労・動労千葉つぶしの先兵となった。分割・民営化攻撃は20万人の国鉄労働者の首を切り、200人を自殺に追い込んだ。87年4月のJR発足時には7600人がJR採用を拒まれ国鉄清算事業団に送られ、3年後の90年4月に1047名が整理解雇された(この1047名の存在が、国鉄分割・民営化反対闘争を継続した1047名闘争となって今も闘いぬかれている)。
 分割・民営化に全面協力したカクマルは、JR資本にJR総連の組合権力を与えられた。カクマル・JR総連は、90年4月を前にして、清算事業団に送られた国鉄労働者をJRに雇用することに反対して、日比谷野音で総決起集会を開催した。そして「もし清算事業団の労働者を少しでもJRに雇用するようなことがあったら、ストライキを闘う」と宣言したのである。労働組合が「首切り反対」に反対、つまり労働者の解雇を求めるなどというのは、およそ前代未聞の反労働者的暴挙である。

 妨害うち破り来春闘争へ

 「告訴・告発」運動は、国鉄分割・民営化における動労カクマルの裏切りに匹敵する、教育労働運動への破壊策動である。教育労働運動の敵としての永遠に消えない紋章をカクマルの額に刻印するものである。すべての教育労働者の手で、完全にたたきつぶそう。
 教育労働者の勝利の道は、労働者の団結を強化・拡大し、労働者の力で「日の丸・君が代」闘争を巨大に発展させていくことにある。11・7労働者集会に結集した3600人の闘いをさらに押し広げ、日教組・全教指導部に代わる労働運動の新潮流運動を教育労働者の中に打ち立てよう。
 カクマルの妨害と敵対を打ち破り、来春卒・入学式において数万人規模の「日の丸・君が代」闘争を闘いぬこう。来年の通常国会への教育基本法改悪法案提出を阻止しよう。

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週刊『前進』(2178号2面2)(2004/12/13)

12・1全国集会
国労・全動労・動労千葉が共闘 “1047名解雇撤回を” 鉄建公団訴訟勝利へ団結

 国鉄闘争が新たな陣形で発展へ

 国鉄1047名闘争は、新たな発展に向けて大きな一歩を踏み出した。12月1日、日比谷野外音楽堂で「国鉄労働者1047名の解雇撤回、政府はILO条約を守れ!鉄建公団訴訟勝利12・1全国集会」が実行委員会の主催で開かれ、4300人が結集した。
 集会は、国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団が、さまざまな反動をのりこえ、ともに手を携えて鉄建公団訴訟に立つことを宣言する場となった。解雇撤回・JR復帰に向けて、1047名闘争の陣形は打ち固められた。
 動労千葉は会場最前列に陣取り集会を終始戦闘的に牽引(けんいん)した。
 集会に参加した国労闘争団・全動労争議団・動労千葉争議団の全員が登壇すると、会場からは大きな拍手と歓声が上がった。3者が勢ぞろいした姿は壮観だ。1047名の統一にこそ、JR採用差別を容認した昨年12月の最高裁反動判決をのりこえ、国鉄闘争の勝利を切り開く展望がある。集会参加者は、ついに具体的な形を取り始めた3闘争団・争議団の共闘に、国鉄闘争が新たな発展段階に入ったことを確信した。
 3闘争団・争議団を代表して鉄建公団訴訟原告団の酒井直昭団長が決意を述べた。酒井さんは、集会前日の11月30日、国労闘争団の9人が新たに鉄建公団訴訟を提起し、第2陣の闘いが始まったことを報告した。そして「建交労、千葉動労の皆さんからこれに続き原告としてともに闘う決意をいただいている。1047名陣形が広がりつつある」「国労闘争団の中からも同志が生まれた。この流れを大きくしたい。建交労、千葉動労と一丸となって、闘いに勝利することが支援にこたえることになる」「勝利判決まで闘いをしっかり頑張りたい」と発言した。
 全動労争議団の梅木則秋副団長も、「全動労争議団は総会で提訴を決定し、建交労鉄道本部の大会でも12月中に提訴することを決定した。先行した原告団ともども、最後まで奮闘する」と報告した。
 主催者を代表してあいさつした集会呼びかけ人の下山房雄九州大学名誉教授は、「国鉄分割・民営化の際、公然と露骨に行われた組合差別がこのまま許されるなら、日本の政治や社会全体の民主主義も危ういものになる」と不当解雇を弾劾した。そして、「JR解雇撤回闘争では18年目にしてようやく1047名の統一に手を着けようとする団結の立ち遅れがあった」と指摘した上で、今日、1047名の統一行動が始まったことに勝利の道はあると述べ、「4党合意以来、動揺することなく一貫して闘争つぶしに反対し、解雇撤回の基本的要求を堅持し、さまざまな困難をのりこえて闘い続けてきた全動労争議団、闘う闘争団、動労千葉争議団の努力が、勝利のための新局面を必ず開くだろう」「この共闘が発展し、国労闘争団全国連絡会議、全動労争議団、千葉動労争議団の主催による大集会が開かれることを心から願う」と呼びかけた。
 集会を呼びかけた経済学者の伊藤誠さん、評論家の佐高信さん、高知大学名誉教授の芹澤寿良さん、東京大学名誉教授の戸塚秀夫さんが、それぞれの立場から1047名闘争の勝利を訴えた。特に芹澤さんは「闘争団全国連絡会議の中で鉄建公団訴訟に加わっていない人びとや、1047名を構成する千葉動労争議団の粘り強い闘いを含め、連帯し闘う運動をつくることがこれからの国鉄闘争を前進させる」と強調した。
 集会後、数寄屋橋交差点を通り常盤橋公園までのデモが行われ、「1047名の解雇を撤回しろ」「国家的不当労働行為は許さないぞ」のシュプレヒコールが沿道にとどろいた。

 鉄建公団訴訟は大詰めの段階に

 12月2日、鉄建公団訴訟の第20回口頭弁論が東京地裁で開かれた。北海道の3人の闘争団員と九州の3人の闘争団員、九州の闘争団家族が証言に立ち、それぞれに国鉄分割・民営化に際して吹き荒れた国労破壊攻撃や採用差別への怒りを語り、国鉄清算事業団における「就職あっせん」の実態を暴露した。
 国労5・27臨大闘争弾圧被告でもある小倉闘争団の羽廣憲さんが証言し、弾圧に屈せず鉄建公団訴訟に勝利し、解雇撤回・JR復帰をかちとる決意をきっぱりと鉄建公団に突きつけた。
 この日の口頭弁論で原告の個別立証は終了し、訴訟は3月結審を前に大詰めの段階を迎えた。
 同日夕、文京区民センターで開かれた裁判報告集会で、原告弁護団長の佐藤昭夫さんが「これまでの立証で国鉄分割・民営化がいかにひどい人権侵害であったかは明らかになった。裁判官が事実を受け止め、良心に従って判断すれば原告の勝利は間違いない。だが、訴訟を妨害する勢力がいる。原告を統制処分にかけ、それに反対した国労組合員を警察に差し出した勢力を許さず、1047名闘争の初心を忘れず運動を強めていただきたい」と訴えた。一審勝利へ、参加者はさらなる奮闘を誓った。

 国労弾圧粉砕が勝利のかぎ握る

 12・1集会の勝利は、国家権力やJR資本の手先に転落した国労本部=酒田・革同執行部の敵対と抑圧をはねのけてかちとられた。鉄建公団訴訟と1047名闘争を破壊するために酒田・革同執行部が設定した11・26集会が1200人にとどまったのに対し、12・1集会はそれをはるかに上回る結集で闘われた。今年の4・13日比谷公会堂集会に続き、1047名の統一と団結が深まっていることを鮮やかに示したのだ。
 だが、国鉄闘争が一層力強く発展するためには、酒田・革同執行部を打倒し、国労の再生をかちとることが絶対に必要だ。そのかぎを握るのは5・27臨大闘争弾圧との闘いだ。「国労5・27臨大闘争弾圧を許すな!12・19全国集会」への大結集を実現し、05年決戦勝利の突破口を開こう。

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週刊『前進』(2178号3面1)(2004/12/13)

「酒田、鈴木の勧めで被害届」 国労弾圧公判 革同・江田証人が認める

 11月29日、東京地裁刑事第10部(青柳勤裁判長)で国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第32回公判が開かれた。前回に続き「被害者」と称する江田雄次・国労東京地本調査部長(革同)への弁護側尋問が行われた。
 この弾圧は、02年5月27日の国労臨時大会に際し、闘争団員を査問にかけるとした本部方針に反対して、本部役員らが宿泊するホテル前で国労組合員が展開したビラまき・説得活動が「暴力事件」にデッチあげられたものだ。警察権力と結託して弾圧の先頭に立った江田証人への追及は、被告の無罪をかちとる上で重要な意味を持っている。
 冒頭、富田益行被告が国鉄闘争の現状と本裁判の関連について意見を述べ、国労本部が国鉄闘争破壊のために強行した11・26集会を弾劾し、「警察に逮捕を請求した酒田充委員長や笹原助雄・東京地本書記長は、法廷で事実を明らかにすべきだ」と声を強めた。
 弁護団が江田証人への尋問に立った。前回公判で証人は、「臨大当日の朝、被告たちがビラまきをしていた事実はなかった」と述べていた。萱野一樹弁護人が、当日の被告たちの行動を撮った検察側提出のビデオテープを再生しながら、証言の矛盾を追及した。ビデオには、ビラを渡そうとする被告たちの様子と、それを無視して被告たちを押しのける笹原財政部長(当時)ら本部派の姿が映っている。だが、江田証人は「ビラは見えなかった。被告はビラまきをしていなかった」と言い張った。
 再生されたビデオから重大な事実が判明した。ビデオには、3列縦隊を組んで被告らに突き当たる本部派の映像に重なって、「そこをどきなよ、お前」という音声が入っていた。誰の声かと問われた証人は、「私の声です」と白状した。さらにビデオは、橘日出夫被告の腰をつかんで押しのける江田証人の姿もとらえていた。「ビラは見ていない」という証言は、こうした事実を押し隠すための言い逃れだったのだ。
 一瀬敬一郎主任弁護人が決定的な事実を突きつけた。02年10月に作成された江田証人の供述調書には、「(被告の中には)ビラを持っている者も何人かいた」と書かれている。問い詰められた証人は、渋々「ビラは見えました」と事実を認めた。
 佐藤昭夫弁護団長と大口昭彦弁護人がそれぞれ「ビラを受け取り、被告の話を聞こうとしなかったのか」と問い詰めた。証人は「そこにいたのは組合員と思わなかった」と居直った。

 「神田警察署でビデオを見た」

 弁護団の尋問でさらに重大な事実が暴かれた。
 江田証人の被害届は02年10月17日に出されている。その直前の7日には被告のうち6人が逮捕されるとともに、国鉄闘争支援者が当日のビラまき・説得活動の様子を撮影したビデオテープが押収された。江田証人が被害届を出したことで29日にはさらに2人の被告が逮捕された。江田証人の被害届が弾圧の拡大をもたらしたのだ。
 一瀬弁護人が被害届を出すに至った経過を問いただした。すると証人は、次のような事実を告白した。
 10月初旬、鈴木勉・東京地本法対部長から「警察が話を聞きたがっている」と告げられた証人は、10月10日ごろ神田警察署におもむいて、星、関らの公安刑事とともに押収ビデオを見た。そこに自分の姿が映っていることを確認した証人は、鈴木法対部長や酒田委員長と相談の上、彼らの勧めに従って17日に神田警察署で被害届を出したというのである。
 つまり、支援者撮影のビデオを押収した警察は、それを「証拠」に弾圧の拡大を画策し、酒田や鈴木をそそのかして江田に被害届を出させたのだ。江田はそれに積極的に呼応した。
 彼は、「証拠があればと思っていたが、押収ビデオが出てきたから被害届を提出した」と言い放った。法廷は強い怒りに包まれた。
 江田証人への尋問は次回も続く。緊迫した攻防の中にある12・21公判闘争に結集しよう。8被告の無罪獲得へさらに闘いを強めよう。

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 無罪獲得・国労再生! 国鉄1047名闘争勝利!
 国労5・27臨大闘争弾圧を許すな!12・19全国集会
 12月19日(日)13時開場
 東京・星陵会館(千代田区永田町2−16−2)
 ○発起人からの提起 下山房雄(九州大学名誉教授)
           中野洋(国鉄千葉動力車労働組合前委員長)
 ○被告・家族の発言
 ○まとめとお願い  佐藤昭夫(早稲田大学名誉教授・弁護団長)
 主催 国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会
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週刊『前進』(2178号3面2)(2004/12/13)

国労5・27臨大闘争弾圧を許すな! 12・19全国集会に総結集を

 国労5・27臨大闘争弾圧被告8人の無罪獲得、国労再生、1047名闘争勝利を掲げて開かれる12・19全国集会への「賛同と参加のお願い」を紹介します。12・19全国集会に結集し、国鉄闘争勝利へともに闘おう。(編集局)
 「無罪獲得・国労再生・国鉄1047名闘争勝利12・19全国集会」への賛同と参加のお願い
 国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会
 連絡・集約先/東京都港区南青山5−10−2第2九曜ビル505号 葉山法律事務所 電話03-3797-3690 FAX03-3797-3950
 佐藤昭夫(早稲田大学名誉教授・臨大闘争弾圧事件弁護団長)、加藤晋介(鉄建公団訴訟主任弁護士)、土屋公献(日弁連元会長)、高山俊吉(弁護士)、宮島尚史(労働法学者)、北野弘久(憲法学者)、山口孝(明治大学名誉教授)、立山学(評論家)、六本木敏(国労元委員長)、針生一郎(美術評論家)、芹澤壽良(高知短期大学名誉教授)、師岡武男(評論家)、大和田幸治(全国金属機械労働組合港合同事務局長)、武建一(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部執行委員長)、手嶋浩一(国労九州本部元書記長)、岩崎隆次郎(元福岡県評事務局長)、下山房雄(九州大学名誉教授)、石村善治(福岡大学名誉教授)、中西五洲(全日自労三重県本部委員長)、小野坂弘(新潟大学名誉教授)、中野洋(国鉄千葉動力車労働組合前執行委員長)
 私たち「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」は、12月19日(日)、午後1時から東京・星陵会館大ホールにおいて「無罪獲得・国労再生・国鉄1047名闘争勝利12・19全国集会」を開きます。
 国労5・27臨大闘争弾圧から2年余り、「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の発足2周年を迎えた今日、闘う闘争団300名の起こした採用差別の責任を問う鉄建公団訴訟も近く結審となり、これに続いて建交労争議団も訴訟を提起するという、1047名闘争にとって重要な時期を迎えています。このとき、「許さない会」運動に全国のいっそう広い賛同を得て、その発展を図ろうとする本集会は、弾圧裁判にたいする無罪判決、そして1047名闘争勝利をかちとるための重要なステップになります。
 国労5・27臨大闘争弾圧事件は、国労が02年5月27日に臨時全国大会を開こうとしたことから始まりました。国労本部は、「政治解決」と称して自民党など与党のいうままに、これに反対する闘争団を切り捨て、統制処分にするためにこの大会を開こうとしたのです。こうした本部の屈服による闘争終結に反対する組合員らは、ホテルから貸切バスで会場に向かおうとする本部役員や会場係に抗議し、「闘争団の仲間を除名するな」とビラまき・説得活動を行いました。これにたいして警視庁公安部は「暴力行為等処罰法」を使って組合員らを逮捕・勾留・起訴するという弾圧を加えてきました。
 この団結自治にたいする権力の介入を放置したら、どんな団結権侵害も権力の思いのままになると、日本弁護士連合会元会長の土屋公献氏をはじめ学者、文化人、弁護士、労働運動の指導者ら21人が発起人となって「許さない会」が結成され、今日まで活動を続けてきました。現在、呼びかけ人は36団体と363人の個人、賛同会員は2千数百人を数えます。
 公判廷では、本部役員らは、ビラまきをし説得しようとする組合員を3列縦隊で突破し、東京地本法対部長があらかじめ用意したビデオカメラでバス内から混乱の状況を隠し撮りしたテープを警察に提出し、処罰を求めた事実が明らかになっています。これにたいして8人の被告人らは、1年3か月の長期勾留に屈せずに保釈をかちとり、裁かれるべきは「組合員を警察に売った国労執行部と権力だ」として、弁護団や「許さない会」と共に「無罪獲得・国労再生」に向けて運動を進めています。
 「国鉄改革」と称する分割・民営化と国労つぶしは、権力を批判する労働運動や反対勢力を消滅させようとする「国家的不当労働行為」であり、今日の郵政民営化や公務員を含む大リストラの原点をなす大攻撃でした。こうした攻撃は今や教育基本法や憲法にも向けられ、自衛隊のイラク出兵にまでなっています。
 国労闘争団、全動労争議団、動労千葉争議団が大同団結した1047名闘争は、これと対決し、労働運動を再生させる不可欠の道です。私たちの闘いはこの国鉄1047名の闘いと一体です。この闘いの敗北は、労働者と民衆への一層の抑圧を意味します。国労5・27臨大闘争弾圧粉砕と国鉄1047名闘争勝利のため、この集会への皆さんの賛同・結集を、心からお願いします。

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週刊『前進』(2178号3面3)(2004/12/13)

「軍需輸送は拒否すべきでない」 松崎が“労組は業務命令に従え” 『創』12月号で発言

 JR総連カクマルの頭目である松崎明(JR東労組元委員長)が、「軍需輸送拒否などということは労働組合としてやるべきではない」と言って、またしても戦争協力の推進を公然と表明した。国鉄分割・民営化と労組破壊の張本人である松崎が、自衛隊がイラク侵略戦争に派兵され、有事法制が成立した戦時下に、労働者を戦争動員する先頭に立つことを表明したのだ。

 新右翼・鈴木邦男と意気投合する

「軍事輸送を拒否しない」と語る松崎明(『創』12月号) 松崎は、雑誌『創(つくる)』12月号で、新右翼「一水会」顧問の鈴木邦男と対談し大いに意気投合しているが、その中で、軍需輸送について次のように語っている。
 「有事立法といわれるいろんな憲法違反の法律が通って、もし戦争が起これば軍需輸送ということもあり得ますよね。……しかし我々がはっきりしているのは、法律で決まっていることは犯さないということ。労働組合としてはっきりしているわけですよ 」
 「(70年代はスト権を奪還するためにストをやったが)しかしここまで世の中が変わってきて、軍需輸送だから断固拒否してストライキなんてことは一言も言ったことないし、そんなことはすべきじゃないと私たちは思ってるんですよ……現段階では労働組合がやるべきこととは違う。そんなことをやったらますます孤立するだけですよ」
 この対談は全編がウソとデタラメと居直りとで構成された許しがたいものだが、とりわけこの個所はとんでもない反革命的な思想が語られている。
(写真 新右翼・鈴木邦男と対談し「軍事輸送を拒否しない」と語る松崎明【『創』12月号】)

 分割・民営化以来の転落の歴史

 もともとJR総連カクマルの原点は、80年代の国鉄分割・民営化に率先協力したことにある。彼らは、中曽根が「国労をつぶし、総評を崩壊させる」ことを狙って国鉄分割・民営化の攻撃を加えてきた時に、その手先となって労働者に襲いかかることで延命を図った。JR資本と一体化し(松崎はそれを「労使協力論」で合理化した)、国労と動労千葉つぶしの先頭に立つことで、権力と資本からJR総連の組合支配権を与えられてきたのである。
 松崎は、「日の丸・君が代」を容認し、安保も自衛隊も容認する発言を繰り返してきた。例えば95年6月の「仙台講演」では、「現に自衛隊が存在することは事実だから、私は労働組合としてそのことをどうこういうつもりはない」とあけすけに語っていた。
 その後、99年に周辺事態法が成立すると、直後のJR総連大会の後に、当時の柴田委員長は、「新ガイドライン関連法により、JRは『周辺事態』に際して武器・弾薬や兵員の輸送を担わされることとなった」「JRは、軍事輸送・戦争加担を拒否できないのである」と、今後は闘わずに戦争協力すると明言した。
 今年6月のJR総連大会では、山下書記長は、「国民保護法によって、JRは指定公共機関として、有事の際、あるいは周辺事態の予測事態の際、あるいは大規模テロの際には、まさに国家によって動員される訳である」と述べている。だからどう闘うかを一切抜きにこのように言うことは、動員に応じるという意思表示にほかならない。
 現実にJR総連カクマルが、周辺事態法から有事法制、国民保護法の成立に応じて次々と軍需輸送に協力する態度表明していることに、この松崎発言は裏付けを与えているわけである。

 教育労働者の決起の破壊も狙う

 松崎とJR総連幹部が言っていることは、要するに労働組合は戦争動員を拒否してはならない、という驚くべき態度表明だ。これは、有事立法に対して陸・海・空・港湾労組20団体が「有事法制を完成させない、発動させない、協力しない」として闘ってきたことに真っ向から敵対するものである。労働組合が戦争動員に対して闘うことなしに、いったいどうやって戦争を阻止することができるだろうか。今や、松崎は戦前の総同盟の道、さらに産業報国会の道を先頭を切って突進しているのだ。
 さらに、今の時期に松崎がこういう発言をしていることは、明確に教育労働者の「日の丸・君が代」強制拒否の闘いへの敵対を意図している。闘う教育労働者は、組合が闘う方針を出さなくても、戦争への協力はできないと敢然と不起立闘争に決起し、身をもって組合総体の決起を促した。松崎は、このような職務命令拒否の闘いは絶対に許されないことであると態度表明したのだ。松崎はファシスト石原と同じ立場に立っているのだ。松崎は闘う教育労働者の敵としての正体を現した。JR総連が反戦闘争や改憲阻止闘争などに介入してくるのは、こういう反階級的立場からの破壊活動であることをはっきりさせよう。
 また、カクマル中央派はJR総連のこうした反労働者的な戦争協力をただの一度も批判したことがない。全面容認しているのだ。JR総連=松崎と“腐った妥協”をし、それにしがみついて延命しようとあがいている。
 この一点でも、カクマルの推進する「告訴・告発運動」の犯罪性は明白だ。カクマルは、闘う教育労働者の「日の丸・君が代」決起に恐怖しており、この闘いと教育基本法改悪反対の闘いを破壊するためにのみ、権力の介入を引き出す反動的な策動に全力をあげてきているのだ。絶対に許さず、JR総連もろとも粉砕しよう。

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週刊『前進』(2178号3面4)(2004/12/13)

資本攻勢&労働日誌 2004 11・15〜11・30
 日本経団連 労働法制の大改悪を提案
 政府・国家公務員10%削減方針/日比FTA締結へ

●沖電気、退職金・年金制度を成果型に 沖電気工業は退職金・年金制度を変更する。退職金は現役時代の「成果」で、年金は職務の階級と勤続月数で計算。年金の終身の給付も廃止する。(15日)
●日本経団連、04年度の規制改革要望書を発表 日本経団連は2004年度の規制改革要望書を発表した。(16日)=要旨別掲
●公務員制度改革、自民が連合との協議打ち切り 自民党の公務員制度改革委員会は、公務員制度改革関連法案の連合との協議を打ち切る方針を政府側に伝えた。来年の通常国会に関連法案を修正せず提出する可能性も。(24日)
●経団連、献金基準に安保・外交政策も 日本経団連は加盟企業に政治献金を呼びかける際の判断基準に安全保障・外交政策を盛り込むと発表。(24日)
●神奈川県、賃金カット打ち切り
 神奈川県は一般職員の賃金の2%カットを来年度から打ち切ると発表した。(24日)
●連合が05春季闘争方針、4年連続ベア要求放棄を決定 連合は中央委員会を開き、「2005春季生活闘争方針」を正式に決定。賃金の統一ベア要求は、大手と中小の労組間で折り合いがつかないとして4年連続で見送った。(25日)
●大卒初任給4年ぶり減 厚労省が発表した賃金構造基本統計調査によると、今春の大卒初任給は平均19万5000円で、昨年より3100円(1.6%)減少。前年水準を下回ったのは4年ぶり。(25日)
●サービス残業に家宅捜索 ビックカメラがサービス残業をさせていたとして、東京労働局は労基法違反容疑で、都内にある同社の本部などを家宅捜索した。(25日)
●国家公務員定数、5年で10%以上削減 内閣府は経済財政諮問会議に「2005年度予算編成の基本方針」原案を提示。郵政民営化などで国家公務員の定数を「05年度から5年間で10%以上削減を目指す」方針を示した。12月2日に最終案を決定する。(26日)
●日比FTA最終合意、看護師など受け入れ 小泉首相はラオスのビエンチャンでフィリピンのアロヨ大統領と会談、FTAを柱とする経済連携協定について最終合意した。初の労働市場開放で、看護師や介護福祉士の資格を持つフィリピン人を受け入れる。(29日)
●労組の街宣活動に禁止命令 解雇に対する労組の抗議の禁止を命じる不当判決を東京地裁の難波裁判長が行った。(29日)
●10月の完全失業率前月比0.1ポイント上昇 総務省が公表した労働力調査によると、10月の完全失業率は4.7%で、前月に比べ0.1ポイント悪化。厚労省が発表した一般職業紹介状況によると、10月の有効求人倍率は0.88倍で、前月を0.04ポイント上回った。(30日)

 日本経団連の規制改革要望書(雇用・労働分野)

 「多様な雇用機会を創出・拡大し、働き方の選択肢を多様化させるためには、……労働基準法や労働者派遣法、職業安定法などの見直しを図るとともに、通達等の行政立法による過度に厳格な運用を慎むべき」
 ・病院など派遣禁止業務の解禁など派遣法の制限緩和
 ・トンネル工事など坑内作業への女性の就労禁止の撤廃
 ・解雇の金銭的解決制度の早期導入
 ・時間外労働の上限規制の緩和
 ・休日の勤務への賃金支払いなしの振替休日(コンプ・タイム制)の導入
 ・労働時間適用除外(ホワイトカラーイグゼンプション制)の導入
 ・就労時間のタイムカードやICカードによる記録の廃止

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週刊『前進』(2178号4面1)(2004/12/13)

11・7集会の感動を語る

 11・7全国労働者総決起集会での日米韓労働者の国際連帯の熱気と躍動感は、3600人の参加者に大きな感動と勇気を与え、反響を呼んでいる。多くの労働組合からの結集には、さまざまな教訓が満ちている。今号から、集会の成功のために先頭で闘った労働者・労働組合活動家のインタビューや投稿により、11・7集会に参加しての感動や組織化の教訓を紹介します。(編集局)

 去年の連帯が「つぼみ」なら今年は花が開いた 動労千葉新小岩支部長 佐藤正和さん

 ――集会に参加して、いかがでしたか。
 ものすごい達成感があり、やればできると思いました。最前列で楽しませてもらいました。夜の交流会まで「夢じゃないか」と思いましたが、でも本当に実現したんです。去年の11月集会が日米韓の初めての国際連帯集会でしたが、それが「つぼみ」とすれば、今年は「花が開いた」という気がします。昨年11月から04春闘、イラク反戦の3・20闘争、沖縄と広島の闘いがあり、11・7集会の爆発があった。
 3600人が集まり、これまでの壁を突破して、化学変化が起こる。動労千葉としては集会を成功させることが、参加した人たちへの何よりのオルグになると思って頑張ってきた。闘いを牽引(けんいん)して、参加者が元気になって、現場や職場で闘いを始めるのが一番の獲得目標でした。

 組合員がみな元気になった

 ――新小岩支部の組合員の感想は。
 集会実行委員会の報告集に、支部の組合員が最前列でスタンディングオべーションをしている写真が載っていますが、みんな元気で空気入っている。新小岩支部は11人で、「新小岩イレブン」と言うけど、8人が結集し、増えています。
 組合員は、頑張ってよかったとみんな思っている。「やっと動労千葉がやってきたことをみんなが分かってくれたかな」と。
 動労千葉は「過激派だ」と言われるけれど、「過激派で文句あるのか」という感じです。ILWUローカル10のジャック・ヘイマンさんは、集会で、中野前委員長の『俺たちは鉄路に生きる2』を引用して、「最もラディカルな組合」と言っていたけれど。
 支部の共闘部長が、東京東部の国鉄闘争支援共闘の担当をしているけれど、国労闘争団や全動労が動労千葉と一緒にやることにグチュグチュ言っていることに対して、「おれたちがやっていることとは違うよ」と言っていました。
 動労千葉を色眼鏡で見たり、「あそこは過激だ」とか言うけれど、「悔しかったら11・7のようにやってみろ」と。当たり前のことをやっているわけです。日比谷野音をいっぱいにして、「おれたちがやろうとしているのはこういうことだ」と一発で分からせた感じです。
 次の日にはファルージャへの攻撃が始まり、PLO(パレスチナ解放機構)のアラファト議長が死んだり、世界史の大激動の中で11・7が闘われた。「世界と自分の職場がつながった」という感じです。中野前委員長が、「大きな闘いを成功させないと、職場の小さな闘いも進まない。そういう弁証法を分からなければいけない」と言っていたけれど、まったくそのとおりです。『俺たちは鉄路に生きる2』の神髄がはっきり示されたと思います。
 闘いが進むと、あいまいさが許されなくなるから、カクマルや共産党の反動や本性が明らかになってきて、権力の弾圧も来るだろうけど、これをのりこえて打ち砕く過程で、ぐいぐい革命を引き寄せるということだと思います。
 ――アメリカのMWM(百万人労働者行進)にも参加していますね。

 米韓労働者との一体感が

 11・7集会を成功させることによって、アメリカの労働者の信頼をかちとったと思います。アメリカの労働者は「おれたちはMWMをやったけれど、日本はどうだろうか」という思いで来たでしょう。翌日の8日にはサンフランシスコのホテル労働者と連帯した国際興業闘争もあり、アメリカでILWUローカル10などと動労千葉が一体となったようなことが、日本でも実現した。民主労総ソウル地域本部のパクサンユン事務処長とDC会館で交流した時も、すごく一体感がありました。10月にMWMがあり、日本の11・7があり、次は韓国の労働者大会とゼネストです。
 ――国際連帯についてどう考えますか。
 資本家は「国際競争力」と言って、競争社会の中にわれわれを置いて、労働者同士を競争させる。そうやって甘い汁を吸っているのは資本家で、労働者を戦争にも動員する。それに対して、おれたちは国際連帯で闘う。JR貨物も、トラックとか海運と競争する。労働組合が強ければ、労働者をみんな組織して、仲良くすればいい。「競争なんかやめようぜ」と。それを世界的レベルでやれば、「戦争なんかやめようぜ」となる。競争しなくても、おれたちが権力を握ればいい。それが社会主義です。
 ――動労千葉の元青年部長として、5月の沖縄闘争や8月の広島闘争では、青年労働者とともに闘っていましたね。
 11・7も青年労働者が牽引したのは明らかです。一緒に呼びかけアピールを出して、闘う青年労働者と時間や空間を共有できたことをうれしく思っています。
 ――教育労働者の被処分者が並びましたが。
 故中村書記長が、生前、「援軍が現れた」と言ったけれど、「日の丸・君が代」闘争がこれからの基軸になっていくことがよく分かりました。教育基本法改悪とか憲法改悪を阻止するためには、実際に現場の闘いが爆発しなければダメだと思うんです。日本の労働者も捨てたものじゃないという雰囲気です。

 組織拡大・職場闘争へ活性化

 ――今後の闘いの課題は。
 11・7の成功が組合員を勇気づけ、元気づけたというのが大きい。これを組織拡大闘争、運転保安闘争、JR体制に対する闘いに結びつけていくことです。11月集会とかイラク反戦の闘いと職場の闘いは一体のものです。
 この後、支部大会で高らかに総括して、みんなが突き進む過程に入るわけです。11・7の成功を肌で感じていることが職場闘争も活性化させるし、団結を固める。来年は05春闘と3・20へと向けて闘います。
 合理化攻撃があっても、うちの職場は雰囲気が明るい。生き生きしている。職場に国労など他労組もいるけれど、抑圧された感じです。組合の掲示板も暗い雰囲気です。動労千葉は組合員のエネルギーを引き出している。ほかは役員だけの運動で、組合運動をやっているという感じがない。
 ――最後に決意をうかがいます。
 MWMの報告で『日刊動労千葉』にも書いたけれど、「この道を行け!」というのが一層はっきりした。動労千葉も青年労働者の決起に向けて、組織拡大へ頑張りたいと思います。

 初参加の青年労働者が世界観、価値観変えた 動労水戸書記長 木村郁夫さん

 今年の11・7集会は、本当に熱い集会が開催されたと思います。支配階級と闘おうとする労働者が3600人も結集できたことは、実際に社会変革に向けた闘いが開始されることを実感させられました。労働者の国際連帯も一層の飛躍を成し遂げ、闘いにうって出ようという雰囲気が充満していて、本当にすばらしい集会が実現できたと思います。
 私は、今年の11・7集会に向けて、職場の青年労働者に本物の闘いを伝えようという思いで、集会への参加を呼びかけてきました。青年たちは、今日の屈服した労働運動の中で、戦争と大失業の攻撃の前に、これからの人生に展望すら持てないと感じていました。こうした青年たちに、労働者の可能性をなんとしても実感してもらいたい、その思いを必死で呼びかけ、3人の青年に一緒に参加してもらうことができました。
 その過程では、私たちの組合での映画会に参加してもらい、今の日本でも本当にストライキで闘っている労働運動があることを知ってもらいました。
 青年たちは、映画の中での激しい職場闘争やデモ隊列の迫力に大きな衝撃を受け、11・7集会への参加を決意しました。私は、彼らがこれまでの閉塞(へいそく)を突き破って、可能性を求めて動き出したと感じています。
 11・7集会の後の彼らの感想は、「参加していた人たちはみんな本気で闘おうとしているのを感じる」「自分たちの組合とは全然違う」「力強くて衝撃的だ」「世の中には政府によって隠されているものがいっぱいあると感じた」などでした。こうした感想は、彼らの世界観が大きく変わったことを私に感じさせます。11・7集会が、彼らの現実と価値観を変えたのです。
 私は今、この間の取り組みであらためて階級闘争のスタートラインに立っていることを感じています。そして、大きな変化を見せる青年労働者の姿に、闘いの勝利を確信しています。
 これからも厳しい闘いは続くだろうけれども、労働者はこの道を進むんだという決意を感じた11・7集会だったと思います。

 動労千葉の闘いに学び勇気と元気を持ち帰る 運輸労働者 森村裕樹さん

 私は80年代の激闘を闘い抜き、革命家としての魂を絶やすことなく、今日まで育んできました。20数年の歳月を経て、つかみ取った新指導路線をとらえ返すという点において、非常に重要な11・7集会となりました。
 私の職場はスクールバスを運行しているバス会社で、組合の執行委員として闘っている。普段はのんびりとして半農半労の職場で、年金がいくらもらえるとか、5月には田植えがどうのということが日常の主要な会話で、どこにでもある民間の一小企業である。

 スクールバス競争入札反対

 しかし、自治体財政の破綻(はたん)のもとで3年前から一部に一般競争入札が導入されている。これにより職場の中は雇用不安が渦巻いている。執行委員会は毎回4時間にもわたる白熱的な討論となり、その中から闘う方針をつかみ取ってきた。
 入札の問題は、予算がないからと安い業者に委託するというものであり、利用している児童、生徒とその保護者に負担を強いるものである。児童、生徒、保護者と教育労働者と結びついて全県民運動にすることが職場を守る道であることをハッキリさせ、執行部の一致をつくりだし署名方針を打ち出した。組合員は文字どおり一人の例外もなく署名活動を展開した。同時に地域の労働組合にも働きかけてきた。そしてスクールバスをつうじて全保護者に署名用紙を配布し、ついに1万6千筆の署名を集めきった。ただちに県教育長あての署名提出行動を計画し、8月に児童、生徒、保護者と教育労働者、組合の三者を中心に70人が県庁に結集し怒りをぶつけてきた。その後、三者による新たな会を結成し、闘いは続いている。
 県内では今まさに不況、リストラの嵐の中で、既存の労働組合が元気を失い、まったく闘えない状況の中にあって、非常に元気である。その元気はいったいどこから生まれてくるのか。その答えは、動労千葉の闘いに少しずつ学んできたことであり、毎年開催されている全国労働者集会に参加してきたことである。いつも物販オルグに来てくれる動労千葉の支部員の方々は、なんだかうちの組合とは波調が合う。あんな普通の労働者があれだけの闘いができることをいつもうらやましく感じてきた。
 動労千葉の呼びかけで労働者集会に最初に参加した時は、委員長、書記長だけの参加で、大勢の私服警察を目の前にドキドキしながら行ってきた。そして勇気と元気をもらい、それを職場に持ち帰り職場で頑張る。これを10年にわたり積み重ねてきた。回を重ねるごとに、組織を強化していくためには集会が大きな力になることを、委員長、書記長は感じ始め、執行部全体に呼びかけることを始め、動員は広がりをつくりだしてきた。集会そのものがオルグである。

 正しい方針で立ち上がる

 組合結成の一時期を除いてはストライキを打てるほどの力を持ち合わせていたわけでなく、毎年の賃金交渉だけが一大イベントであった。私自身がそういう職場に飛び込み、仕事の面でも組合活動の面でも労働者の信用をつくりながら、職場で起きている問題の一つひとつに対して、自らが委員長になった気持ちになって考え抜き、組合三役と徹底討論してきた。方針を形成する過程そのものが闘いであり、組合員一人ひとりの顔を思い浮かべて、職場の誰よりも積極的に行動し、訴えかけた。自分自身がこれでやれると腹の底から確信を持って方針を練り上げ、全身でオルグした時に初めて動き出した。ここで打ち抜けた時、さらに大きな信頼をかちとるし、組合員はこたえてくれる。
 もともと地域的には保守大国であり、自民党を支持していたり、普段は組合の活動には積極的ではない組合員も多いが、働く職場と仲間を守ることなんだと確信を持った時には、今まで見たことのない生き生きとした顔で頑張る。そのことをこの間の闘いをつうじて学んだ。普段どうしようもないと思えるような労働者も正しく方針を提起したならば必ずや立ちあがる存在なんだと、身をもって実感した。今回の11・7に向かっても、元気をもらいに行く集会として自然な形にまで成長してきた。
 しかし、今年の動員は非常に苦戦した。ひとつは、毎年攻防になるのが業務との関係で、11月は観光シーズンで繁忙期を迎え、多くの乗務員、組合役員が乗務に当たらざるをえない運輸労働者としての宿命である。もうひとつは、労働組合は動員ごとに動員費を支給している。この1年間だけでもかなりの運動を展開してきたことにより非常に出費がかさんでいる。情勢が求めているもの、すばらしい集会であることは理解している。しかし情けない話かもしれないが、動員費の重圧は委員長には重くのしかかっていた。さらに、さまざまな日程が重なり一時は一ケタまで動員が落ち込んでしまった。最終段階で自ら顔色を変えて巻き返しのオルグを展開した。そして会社とも交渉し、なんとかギリギリのところで動員を確保した。
 この中で大きな役割を果たしたのが女性役員の頑張りだった。会社の半数は女性組合員で、これまでもあらゆる組合の動員は女性組合員によって大きく支えられてきた。最後の段階での役員の奮闘に本当に支えられた。 

 1年間の闘い地域にも影響

 こうした1年間の闘いの積み上げによって、その総合力によって動員が生み出された。この1年間のわが組合の闘いは、地域においてもあらゆるところに影響を与えてきており、県内の運動的にも深みをつくりだしてきた。それは、活動家が必死になって運動を行っているという姿だけではなく、一人ひとりの組合員が、普通の労働者が自分の課題として取り組み、全体の力として原則的に闘ったからである。これまでわれわれとはけっして結びつくことのなかった全労連系の労組であったり、社民系の組合に組織された労働者が元気を求めて集まってくるという構造がつくられつつある。しかし、元気は大切だが、元気だけでは本当の勝利を導くことはできない。組合役員はあまり勉強は好きではないし、居眠りしてしまうことも多いが、生きた勉強や、自分たちが勝つために必要な勉強は真剣に聞いているし、意見も言う。闘いながら勉強し、また闘っていくことをつうじて、動労千葉のような強い労働組合をめざして今日から闘っていきたい。
 今年は会場で初めて組合旗を立てて、そして歴史的な集会に合流し、感動をもらってきた。全国で、世界で元気に闘う労働者と触れあうことができたことが一番の収穫だった。ミリオン・ワーカー・マーチのTシャツを購入し、何と書いてあるか読めないけど記念に家に飾っておくんだと会場で自慢げに同僚に見せていた組合員の姿が印象的だった。

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週刊『前進』(2178号4面2)(2004/12/13)

革共同の旗の下に結集しこの社会の根底的変革を 年末一時金カンパのお願い

 革命的都議会議員登場させよう

 すべての『前進』読者、支持者、友人、仲間の皆さん。11・7全国労働者総決起集会の感動を全日本・全世界に広げ、この闘いを労働者階級の自己解放闘争ののろしとしよう。
 すでにイラク侵略戦争−世界戦争の開始から2年、帝国主義の戦争と暴虐、搾取と収奪、抑圧と差別の攻撃の極限的な強まりは、労働者階級人民の根底からのやむにやまれぬ反撃を爆発的につくりだそうとしています。労働者が社会の主人公として、自己の力を自覚し、帝国主義ブルジョアジーになり代わり、歴史の前面に立つ以外、この帝国主義の暴虐の嵐を止めることはできません。
 「われわれ民衆、つまり働くすべての人びとは、眠れる巨人のようなものです。だが、その巨人は、今まさに目覚めようとしており、闘いの中で自分の力を試そうとしている。この闘いは必要な闘いであり、民主主義を世界史上、かつてないほどに最大限拡大するものとなるでしょう」(11・7集会でのMWM事務局長、キース・シャンクリンさんの発言)
 今こそ、万国の労働者、被抑圧民族人民の団結を力強く前進させるときです。世界革命を担える、本物の労働者党、革命党をこの日本の地から、11・7の熱気と躍動の中からつくり出すときです。
 私たち革共同は、11・7のすべての地平を受け継ぎ発展させ、05年革命の実現=教育労働者の闘いを先頭にした4大産別決戦の勝利へ全力で闘う決意です。そしてその闘いの飛躍的前進の真っただ中で、労働者、労働組合運動に深く根ざし、ファシスト石原都知事と真っ向から対決する労働者議員、革命的都議会議員の登場のために05年都議選決戦をすべてをかけて闘う決意です。
 11・7を引き継ぐ、05年の闘いは尋常一様の闘いではこじあけることはできません。11・7集会の地平の転覆をめぐって今激しく襲いかかっているすべての反動、反革命を粉砕し、世界革命−日本革命実現に向かって、本当の正念場が到来しました。
 すべての仲間の皆さん。今こそ、革共同の旗のもとに結集し、断固として前進しましょう。皆さんのすべての力を革共同に寄せて下さい。この年末一時金カンパ決戦こそ、私たちすべての未来がかかった決戦、ここから世の中すべてを変える一大決戦にほかなりません。

 11・7集会の感動を労働者の中へ

 11・7を生み出した力は、日本とアメリカ、そして韓国の労働者階級人民の烈々たる闘いの歴史と蓄積です。動労千葉を始めとした日本の3労組の奮闘と苦闘、ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10、19、34の闘い、韓国・民主労総の原則的で不屈の闘い、このすべてが全世界プロレタリアート人民の自己解放の営々たる闘いの精華にほかなりません。今、この闘いの息吹を、分断され、差別され、日々激しい資本攻勢の嵐にさらされているすべての労働者人民に心からの感動をもって伝えるときです。
 3600人の参加と149労組、348人の賛同、これを支え、これに連なる100万になんなんとする労働者民衆の存在が11・7集会に結集した力です。しかしこれはまだほんの始まりです。
 11・7集会は、戦争と民営化に反対する日米韓の国際連帯集会として感動的に闘いとられました。それは、「日の丸・君が代」闘争を闘う教育労働者を始め、4大産別・全産別の労働者の総決起によってかちとられました。それはまた、小泉=奥田の「骨太方針W」による労働組合解体と社会保障制度解体を断じて許さない、という労働者民衆の闘いが文字どおり一つになって闘いとられたものです。
 「あらゆる戦線で激しい分岐がおきています。危機と可能性が交差する情勢の中から、社会の根本的な変革に向けた新たな闘いが開始されようとしています。富める者はますます肥え太り、貧しい者はますます最底辺へと追いやられ、生きる権利が奪い尽くされようとしています。労働者の団結した力で、今こそ貪欲な資本家たちの支配に終わりを告げよう」(11・7集会の基調報告、動労千葉・田中康宏執行委員長)
 戦争と民営化に反対する闘いをひとつの課題とし、全世界の労働者民衆の共通の課題として断固として闘いぬくことを宣言したのです。それこそまさに、戦争する以外に生きられなくなった資本主義・帝国主義、労働者民衆を食わせられなくなった資本主義社会を根本から転覆する、私たちすべての共通の闘いです。
 その結論は、われとわが手で日本における真の労働者党、革命党を建設し、21世紀の早い段階におけるプロレタリア世界革命−日本革命を実現するために、その担い手へと一人ひとりが自己の歴史を変革することをかけた闘いに立ち上がることです。この年末一時金カンパ闘争こそ、その最大・最良の水路です。ともに断固闘いましょう。

 小泉・奥田・石原打倒のカンパを

 11・7が切り開いた歴史的地平の大きさ、とりわけ、米・日帝国主義のイラク、ファルージャでのすさまじい民族大虐殺の侵略戦争と真正面から対決し、全世界の労働者階級、被抑圧民族人民が団結して社会の根本的変革=プロレタリア革命の実現へ闘い進む大激動の時代をついに切り開いたことの大きさと、私たちに課せられた階級的責務の大きさを今、あらためてしっかりと確認したいと思います。
 それはまさに11・7集会アピールにあるとおり、「歴史は大きな曲がり角にたち、大失業と戦争の時代が到来している。世界の労働者はいま暴風雨のなかにいる。しかし労働者はその嵐のなかから、世界中で怒りのこぶしをあげ、自らがもつ力を自覚して起ちあがろうとしている。今、何よりも求められているのは、労働運動の現状を変革し、労働組合を甦(よみがえ)らせること」にほかなりません。
 しかもこれを来春の「日の丸・君が代」決戦の爆発、4〜6月、教育基本法改悪−改憲阻止、郵政民営化絶対阻止の戦後史上最大の階級決戦のまっただ中で実現していくことです。今期年末一時金カンパ闘争はこのすべてをかけた決戦です。小泉、奥田、石原、帝国主義ブルジョアジーどもが心底仰天する、労働者階級人民の闘いの魂、心意気を大カンパの実現として示そうではありませんか。
 首都東京をフアシスト都知事・石原が牛耳り、都議会はフアシスト石原の前に沈黙し、これと対決して労働者階級の階級的利害をかけて闘う議員(都議)は誰一人としていません。昨秋「10・23都教委通達」のような暴虐な攻撃をこれ以上放置して、11・7の地平の発展も、日本のMWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)の実現もありません。05年は言葉の真の意味で日本の歴史のすべての帰趨(きすう)を決める階級決戦にせりあがりました。
 また、沖縄・辺野古で新基地建設攻撃を決死の実力闘争で阻止している仲間を支え、労働者階級の国際的な団結の力で第3次安保・沖縄闘争の爆発をかちとらなければなりません。
 この決戦を闘うにふさわしい例年を倍するカンパをお願いします。まとまった年末一時金を手にする方は10万円単位のカンパを、その条件のない方も職場、地域の仲間に心からの思いをこめて、全力をあげて訴え、集中するために決起されることを心より訴えます。ともに勝利しよう。

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週刊『前進』(2178号5面1)(2004/12/13)

福祉としての保育を解体 病院半減と福祉施設廃止
05年都議選勝利で石原倒せ
 石原都政の福祉解体暴く

 ファシスト石原による都政が2期目に入り、いよいよそのファシスト的反動性をむき出しにした攻撃を強めている。石原は日帝・小泉=奥田路線のファシスト的先兵となって帝国主義の危機の時代における「外に向かっての侵略戦争、内に向かっての階級戦争」の突破口を切り開こうとしているのである。05年都議選決戦はこのファシスト石原との真っ向からの対決である。ここでは特に石原の福祉・社会保障解体を中心に石原の反動攻撃を暴き、それとの闘いを訴えたい。

 市場原理を持ち込み低所得者を切り捨て

 まずはっきりさせたいことは、2期目の石原都政は、日帝・小泉=奥田路線のファシスト的突撃隊としての姿をむき出しにしているということである。
 すでに2期目に入って真っ先に行った攻撃が、昨年の都教委の10・23通達による卒入学式での「日の丸・君が代」の強制と、それに従わない教育労働者への処分攻撃だった。この攻撃は、教育を戦争教育へと抜本的に転換させ、戦争に向かって国民精神を総動員しようとする攻撃である。それと同時に、教育労働者の闘いを全面的に圧殺し、戦後社会そのものを根本から転換する攻撃である。
 だが、処分を恐れない教育労働者の決起はこの攻撃をその根幹においてうち砕いた。この教育労働者の決起は、闘う労働者階級を鼓舞激励し、11・7労働者集会の感動的な大成功の決定的な一翼となった。
 石原都政はさらに、都労連労働者の闘いの圧殺を狙った賃下げや民営化、戦争協力強制の攻撃をかけている。これは、日帝・小泉の戦争と民営化、「構造改革」の先兵を担う攻撃であり、労働者階級の闘いを全面的に圧殺し、戦争国家化を真っ先に進める攻撃である。2期目の石原都政による社会保障解体攻撃もこうした激しさをもってかけられてきているのだ。
 石原による社会保障解体の攻撃は、福祉=社会保障を市場原理にゆだね、民営化によって資本の金もうけの場として明け渡すことを核心にしている。日帝が2000年の介護保険制度導入を突破口に進めている社会保障制度解体の先兵となっている。特に美濃部都政以来、日本の社会保障・福祉をリードする立場にあった東京都の社会保障を全面的に解体することで、一挙に戦後社会保障制度を解体しようと狙っているのだ。
 日帝が95年以来進めている社会福祉基礎構造改革は、@措置制度の廃止、A民間企業の社会福祉分野への参入、B費用徴収の応能負担から応益負担への転換、C憲法的原則としての権利保障(25条)の放棄が柱になっている。そして97年の介護保険法の成立と00年介護保険制度実施を突破口に、戦後社会保障制度の原理的転換=解体が進められている。
 石原の社会保障解体は、こうした流れを先頭で推し進めるものとして「選択」「競い合い」「地域」をキーワードに強行している。ここで言われている三つのキーワードとも、福祉分野を民間資本に丸投げし、資本の利潤追求の場にしようとする意図を示している。
 「選択」とは、利用者のサービスの選択であるかのように言いながら、実際には福祉を金で買わなければならないことであり、低所得者は福祉が切り捨てられるのだ。
 「地域」という言葉も、「住み慣れた地域で一緒に暮らしたい」という高齢者や「障害者」の願いにこたえるかのようなペテン的表現をとりつつ、都立の福祉施設を解体し、民間資本による施設へと追いやり、高額の料金を払わなければ入れなくする。公的な福祉施設を切り捨てるためにのみ言われている。石原の社会保障解体との闘いは労働者人民の生死がかかった問題となっているのである。

 「認証保育所」制度で措置制度解体を狙う

 石原の社会保障解体はどのように行われてきたのか振り返ってみよう。
 石原の社会保障解体の柱として「認証保育所」制度の導入がある。認証保育所とは、無認可の保育所に対して東京都が「認証」し、都と区がそれぞれ4分の1ずつ運営費を負担し、保育の分野への民間企業の参入を促進するものである。
 97年の児童福祉法改悪で保育所入所を一部契約制度に転換したのを受けて、児童福祉法による「保育に欠ける児童」の市町村による措置制度としての入所ではなく、「保育が必要な児童」が必要に応じて選択して保育サービスを買い取る制度として00年に導入された。駅前保育所を中心とするA型と小規模保育所のB型とがあり、A型には3000万円を限度とした経費補助がある。
 この東京都の認証保育所制度は、福祉としての認可保育所ではなく、企業との契約による保育サービスだからという理由で、保育料に消費税が上乗せされている。「子育てと仕事を両立させたいという都民のニーズにこたえる」という口実のもとに、3歳未満の子どもの受け入れの拡大と保育時間も13時間以上が義務づけられる。その結果、労働者には低賃金と強労働が強制され、子どもの保育が劣悪化すると同時にお金のない人たちは子どもをあずけることができなくなる。
 東京都は04年5月の「東京都児童福祉審議会意見具申」で保育の民営化戦略を打ち出している。認可保育所も「直接契約」ができるように「保育に欠ける要件」を見直し、24時間型保育にすることを狙い、認可保育所への都加算補助(私立保育園で働く保育士の賃金を支える役割を果たしてきた)の打ち切りを狙っている。その一方で、認証保育所が入ったマンション建設には都の補助金を助成することを可能にしようとしているのである。

 都立病院統廃合

 石原都政の社会保障切り捨てのもうひとつの柱は、医療福祉の解体である。
 石原は知事就任後「公共事業なんてみんな民営化したらいいんだ」「病院も含めて民営化できるものはすべて民営化する」と発言。その方針の具体化としての「東京発の医療改革」で都立病院改革を位置づけた。
 それに基づいて東京都衛生局が具体化した都立病院改革マスタープランでは、16カ所ある都立病院を8カ所にし、統合・民営化・廃止する案を打ち出した。豊島病院と老人医療センターは統合して民営化し、荏原病院、大久保病院、多摩老人医療センターは保健医療公社に移譲して公社化し将来的に民営化する、清瀬小児病院、八王子小児病院、梅ケ丘病院を統合・移転してセンター化する、母子保健院は廃止するというのである。
 そうした中でも戦争体制の一環として確立を狙う総合緊急診療科(ER)は墨東病院、広尾病院、府中病院に開設されている。だが、措置された医師の人員が少なく、あまりの低賃金・過密労働で人員が確保されず、患者の待ち時間も4時間にもなるなどの事態が起こっている。

 福祉施設も廃止

 さらに石原都政での福祉解体攻撃の大きな柱に、都立福祉施設改革推進委員会が打ち出した都立福祉施設の全面的な廃止、民間移譲の攻撃がある。大まかに10の項目(別表)があるが、同委員会の報告書は38の施設を始め膨大な施設の廃止、民間移譲を打ち出している。大半はこれからだが、すでに民間に移譲されたものや、利用者が廃止に反対して激しく闘っているものもある。
 この都立福祉施設の全面的な廃止・民間移譲は、02年2月の「TOKYO福祉改革STEP2」に基づいて設置された委員会で検討され、開始からわずか2カ月後の報告書で「全面廃止」が打ち出されたことに示されているように、初めから廃止・民間移譲を目的としていたことは明白だ。石原の福祉解体の意志をむき出しにしたものである。
 このほかに石原が行った福祉解体の項目を列挙すると、@シルバーパス(70歳以上が対象)は全面有料化、A老人医療費助成(65〜69歳が対象)は06年で廃止、B「寝たきり老人手当」=老人福祉手当(65歳以上が対象)は03年廃止、C心身障害者医療費助成(無料)は本人負担導入、D重度心身障害者手当は所得制限導入、E心身障害者福祉手当は所得制限導入、Fひとり親家庭医療費助成(無料)は本人負担導入、G乳幼児医療費助成(4歳未満が対象)は本人負担の導入、H児童育成手当は所得制限強化などである。
 以上見てきたように、石原がこれまで行ってきた社会保障解体だけでも実にすさまじいものである。しかもこれらは全体としては、人民に受け入れやすいようにする、だましのテクニックで「激変緩和措置」がとられている第1段階であって、第2段階はより一層激しいものになるのだ。
 もともと石原は、帝国主義の絶望的危機からくる差別主義、排外主義イデオロギーを根幹に持ったファシスト政治家であり、ビッグレスキューなどに見られるように、日帝・小泉の戦争国家化の最先兵になっている。その石原の福祉に対する基本姿勢は、全面切り捨てである。
 石原は、99年に都内の障害者施設を視察した後で「ああいう人ってのは人格があるのかね」と発言した。「障害者」の人格と生存を抹殺する発言であり、断じて許せない。さらに石原は、「生殖能力を失った『ばばあ』が生きていることは人類にとって最大の災厄」と女性差別発言を行い、高齢者の女性の抹殺を扇動した。
 これらは、単なる失言ではなく、日帝が社会保障解体、「尊厳死」導入をテコに高齢者、「障害者」などを「価値なき命」として抹殺する戦争国家体制づくりを、先頭に立って進めようとする意図的な発言である。だからこそ石原は、「三国人」という排外主義発言を含め、こうした差別発言が問題になり、追及されても、けっして謝罪したり撤回したりせず、居直り続けたのである。
 石原は、現在ある福祉は、民間資本の利潤追求の「食い物」とする以外はすべて解体しようとしているのである。この日帝・小泉の戦争と民営化攻撃の先兵である石原都政をなんとしても打倒しなければならない。
 その重大な決戦として05年都議選になんとしても勝利しよう。東京・杉並で長谷川英憲元都議を押し立てて、都議選決戦に全力をあげて決起し、勝利しよう。

 都立福祉施設改革推進委員会報告の内容

特別養護老人ホーム 廃止に向けて順次規模縮小
養護老人ホーム 廃止、規模縮小、民間移譲
軽費老人ホーム 早期廃止
都外児童養護施設 規模を縮小し漸次廃止
都内児童養護施設 民間移譲
知的障害者更正施設 小規模施設は順次民間移譲
大規模施設は規模縮小し民間移譲
知的障害児施設 規模を縮小し移譲
身体障害者療養施設 民間移譲
身体障害者更正施設 民間移譲
身体障害者授産施設 廃止または施設種別変更や統合

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週刊『前進』(2178号5面2)(2004/12/13)

三里塚農民への脅迫行為 収用委再建許さない
 堂本知事の責任を追及する

 (1)

 千葉県収用委員会が崩壊してから16年。千葉県・堂本知事は過去の強制収用が流血の歴史を導いたことへの反省もなく、同収用委を再建する方針を決めた。
 収用委再建は三里塚闘争への敵対とともに、11・7全国労働者総決起集会の歴史的成功で新たな高揚を開始した労働者階級の闘いへの反革命攻撃である。
 すでに成田空港建設にかかわる土地収用法の事業認定(強制収用の法的根拠)は失効・消滅しているので、空港関連の強制収用はできない。しかし強制収用(行政代執行)権者である県知事が、国家的暴力行使の歴史を開き直り、02年暫定開港の暴挙にも加担し、その上に収用委再建に手を染めることは、いかなる理屈をつけようとも許されない。空港予定地内外では、今もなお反対同盟・地権者農民が甚大な騒音・排ガス被害に苦しみながら、農民無視の国家犯罪を告発し続けているのだ。収用委再建は、この不屈に闘い続ける三里塚農民への言語道断の脅迫行為である。
 任命される収用委員全員の氏名と住所を秘匿する方針だという(11・17東京新聞)。農民殺しの歴史ゆえに再建の“正当性”を主張することもできないのだ。
 わが革共同と労働者人民は、収用委再建攻撃を絶対に許さない。労働者人民への新たな暴力行使を公言する千葉県知事と収用委員全員の責任を徹底的に追及することを宣言する。

 (2)

 千葉県収用委員会が崩壊したのは1988年10月だ。空港公団(現NAA)は当時、同年春から2期工事用地への土地収用法適用を公言、これを受けて県知事は1971年以来中断していた収用審理再開の準備を始めた。用地取得のメドがたたないままでの2期着工(86年)に追い込まれた運輸省(現国土交通省)は、自らが事実上認めていた事業認定の失効時期(認可から20年目)が翌89年に迫り、最後の賭けにうってでたのである。公団総裁も「収用法の剣を突きつける」と公言した。
 78年の1期開港後、「話し合い」をうたい文句に反対農民の切り崩しに奔走してきた彼らは、一転して再び国家暴力の行使に踏み切ったのである。これに対して反対同盟と全国の労働者人民は、千葉県及び収用委に対する猛然たる抗議闘争に立ち上がった。収用委員会には「農地強奪に手を貸すな!」の声が殺到した。
 それでも政府・空港公団、千葉県・収用委の態度は変わらなかった。彼らは反対同盟の抗議を顧みるどころか、「強制収用は既定の事実」という姿勢をむき出しにした。
 こうした中で、ついに収用委会長に対する9・21せん滅戦闘が炸裂したのである。「話し合い」を掲げながら結局は国家暴力を振りかざし、農民を一顧だにしなかった運輸省・公団は、痛烈な反撃にあい、狼狽(ろうばい)した。収用委員全員が辞任表明に追い込まれ、以後16年にわたって県収用委は完全に空白状態となった。成田のみならず県内の強制収用が完全に不可能化するという空前の事態が生まれたのである。
 こうして権力機関の一角が人民の実力闘争によって16年間崩壊し、三里塚は国家の暴力支配が及ばない空間となった。三里塚闘争が到達した偉大な地平だ。

 (3)

 土地収用法に基づく成田空港の事業認定は、以上の経過で89年12月に最後的に失効した。成田の強制収用は不可能になった。この問題を若干解説しておく。
 元来、土地収用法は「土地に対する死刑執行法」と言われている。事業認定が認可された対象地は改築や造成などが一切禁じられ、地権者は法律上収用そのものに反対できない。収用委員会は権力による収用にお墨付きを与える(収用裁決=強制収用の決定)ことを前提に補償問題を審理する。したがって「私有財産の擁護」というブルジョア社会の根本原理を自ら否定する法律でもある。
 ゆえに土地収用法は、人権尊重という建前で「早期の補償・決着」をうたい、法文上も、事業認定の認可から1年以内に収用裁決の申請がなされない場合は、事業認定そのものが失効する(29条)と明記されている。成田の場合は、収用裁決申請が出された状態での長期中断(例外規定としての一年ごとの更新)という形になっている。
 しかし事業認定から10年で地権者に「買受け権」(買い戻す権利)が発生する。「中断」状態にある成田空港の事業認定も、実はこの10年の時点=79年12月で失効している。当時、反対同盟はこの問題を社会的に明らかにし、建設省(当時=事業認定の認可権者)に確認を強く迫った。ところが同省及び運輸省・公団はこれを認めず、事業認定は20年目まで有効であるとの立場を取った(買受け権自体の消滅による失効)。
 しかしその20年を目前にして収用委員会は崩壊し、ついに成田の事業認定は89年12月の期限を過ぎてしまった。政府・運輸省はどうしたか。土地収用法に明文規定がない(20年間も収用できない事態を想定していない)ことにすがって、事業認定の失効を正式には認めようとしなかった。
 しかし失効は常識で、しかも成田の強制収用は事実として不可能化した現実が決定打となった。ついに政府は91年段階で当時の運輸大臣(村岡兼造)が「成田空港への強制収用は未来永劫(えいごう)放棄する」と声明したのである。最終的には93年段階で運輸省が収用裁決申請を取り下げ、成田空港の事業認定は失効したことを政府自身も追認した。土地収用法に基づく成田の強制収用は、もはや完全に不可能になった。

 (4)

 堂本知事が今回の収用委再建決定に関して「成田空港には適用しない」などと言うことは許し難い欺瞞(ぎまん)だ。成田空港の事業認定は失効したのだから(政府も公式に認めた)「適用できない」のだ。それを「適用しない」などと、あたかも事業認定はまだ生きているかのような言い回しで、地権者農民たちを脅迫している。堂本は、これであわよくば屈服を強要しようと目論んでいるのだ。したがって、このような悪らつな意図が込められた収用委再建攻撃を断じて許すことは出来ない。
 そして決定的な問題は、収用委という権力機関を16年間も崩壊させ続けた三里塚闘争の地平を転覆しようとする日帝・国家権力の意図である。イラク戦争の泥沼化、朝鮮侵略戦争の切迫によって、有事法制の発動=戦時体制への転換が日程に上っているが、収用委を実力で崩壊させ、成田の土地収用を不可能化させた三里塚闘争の地平は、それ自体が侵略戦争に対する革命的反乱である。政府は米軍に対して“朝鮮有事”の際に成田空港を兵站基地として提供することを約束している。有事法制の決定的な柱の一つは強権的な土地収用だ。三里塚闘争の地平はこの有事体制の根幹を揺るがしているのである。
 したがって、事業認定の失効という歴史的勝利の上に立って、三里塚闘争はなおかつ収用委員会再建攻撃を絶対に許すわけにはいかないのである。

 (5)

 「他の公共事業が進まないから収用委が必要だ」という堂本の弁解も容認できない。県内の公共事業(鉄道や自動車道)の遅れが強調されているが、収用委の崩壊を導いた沼田前知事の「話し合いによって十分に対応可能だ」という反省の弁を覆す暴言でもある。
 統治権力として民主主義を尊重するなら「事業の遅れ」は受け入れるべき問題である。「経済効率とスピード」だけを優先し、地権者無視の強制収用がくり返されてきた現実を、三里塚闘争は根元的に批判してきた。それは自宅を強制収用(71年)された故・大木よねさんを始め、国と県の強制収用で傷つき、倒れた多くの農民たちが命がけで世に問うた問題でもある。三里塚闘争は国家の暴力行使に対して、強制収用機関たる収用委を解体するという形で、未来社会に通じるラジカルな問題をも提起してきたのである。

 (6)

 堂本知事に告ぐ。どこが「市民派知事」なのか。収用委再建は絶対に許されない。三里塚闘争への悪らつな挑戦に対して三里塚農民と全国の心ある人びとは断固として受けて立つ。「委員の秘匿」は強制収用の責任を秘匿するという意味でも最悪だ。「就任を了承した」(11・17朝日新聞)とされる委員たちは、三里塚闘争の流血の歴史を真摯(しんし)に教訓化せよ。自分たちの行為がどれほど農民・人民の命と尊厳を踏みにじるものであるかを自覚せよ!
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 千葉県収用委員会の再建を許すな!
 12・6堂本知事弾劾闘争
 12月6日(月)午前9時30分 千葉中央公園
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2178号5面3)(2004/12/13)

 コミューン 1月号 米軍再編下の沖縄

 4月の辺野古のボーリング調査開始、8・13の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故、米大統領にブッシュ再選の激動下で、日帝・防衛施設庁は11月16日から辺野古でのボーリング調査作業に突入した。
 第1章は、決戦局面に突入した辺野古攻防になんとしてでもかちぬくことを訴えている。95年の少女暴行事件と10・21県民大会10万人決起、その闘争圧殺のためのペテン的SACO路線と対決した普天間基地撤去と名護移設阻止の8年間の闘い、そして04年、普天間と名護での巨大な闘いと展望を切り開いてきたことを総括し、辺野古決戦に絶対勝利しなければならないと呼びかけている。
 第2章は、米軍のトランスフォーメーションとの闘いを提起している。ブッシュ再選によって米帝の世界戦争計画はこれから本格化し、安保は世界安保へと拡張し、沖縄米軍基地は削減どころか徹底的に強化される。
 第3章は、第3次安保・沖縄闘争に勝利するための闘いの柱として沖縄労働運動の階級的再生を提起している。そして「復帰」後の沖縄労働運動における最大の総括点として80年代の沖縄「日の丸・君が代」闘争におけるカクマルの裏切りを暴いている。
 翻訳資料は「アメリカのホテル労働者の闘いの記録」。サンフランシスコの4大ホテル労働者のストライキと資本の全面的ロックアウトとの闘いを生き生きと伝えている。

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週刊『前進』(2178号6面1)(2004/12/13)

共謀罪の審議入りを阻止 通常国会が廃案のチャンス
 労働者の団結破壊最大の狙い 国際連帯の闘いで粉砕しよう

 12月3日に閉会した臨時国会で刑法改悪案という超ど級の反動法案が成立した。徹底弾劾する。一方、サイバー弾圧法や強制執行妨害罪の拡大・重罰化と一緒になった共謀罪法案は、衆議院での審議入りさえできず、来年1月末からの通常国会へ継続審議となった。しかし、小泉政権は共謀罪法案をなんとしても成立させようとしている。通常国会でこそ廃案に追い込もう。その力は、11・7労働者集会の大高揚(戦争と民営化に反対する労働者の決起と日米韓の国際連帯)の中にある。通常国会では国民投票法案・教基法改悪案などとともに、監獄法改悪法案や人権擁護法案、「反テロ法案」、刑法改悪第2案など反動治安立法が目白押しである。侵略戦争をする国家−そのための国内総動員体制を確立する攻撃に立ち向かい、これらの反動治安立法とともに共謀罪法案を全力で廃案に追いこもう。

 5人の訪米団派遣とハンストの地平

 共謀罪法案の廃案に向けてまず確認したいことは、今秋臨時国会において衆議院法務委員会での審議入りを阻止した決定的力は何か、ということである。それは、11月7日の労働者集会で示された、戦争と民営化に反対する日米韓の労働者の国際連帯闘争の高揚である。この高揚が生み出される過程をともに闘い抜くことで、共謀罪の新設阻止闘争の飛躍的前進がかちとられた。
 今秋の闘いは、10月12日の臨時国会の開会日前から、日帝・法務省との激しい攻防に突入した。そして、法務省の思惑に先行して、いくつもの集会や行動を設定し闘い抜いた。この中で、多くの労働者人民が(国会議員を含めて)、政府・法務省の思惑を木っ端みじんに粉砕して、共謀罪の恐ろしさを知るきっかけをつかんだ。その決定的な引き金となったのは、反治安弾圧を闘う潮流から5人の派遣団が10・17MWM(ミリオン・ワーカー・マーチ)に参加して「共謀罪、米愛国者法、韓国国家保安法反対」の国際連帯闘争の柱を打ち立てたことと、10月20日から、延べ150人が決起し、59時間にわたり貫徹した共謀罪廃案を訴える国会前ハンスト闘争だ。
 ソ連スターリン主義の崩壊以降、一挙に進んだ帝国主義間争闘戦と米帝の戦争政策、そして民営化攻撃。アフガニスタン・イラク侵略戦争の開始とともに、反戦と反民営化を合言葉に急速に世界の労働者が結びついた。この時、全世界の労働者人民がインターネットを国際連帯闘争を推進する武器として活用した。この現実への危機感が、帝国主義者がサイバー弾圧法の立法化を急ぐ一因となったと言われている。
 具体的に国際連帯闘争(イラク反戦での全世界2000万人の決起など)が発展する中で、世界の労働者にとって「ブッシュ・ブレア・小泉打倒」を闘い抜くことは、同時に労働者の生活と権利を守り国家権力による治安弾圧の攻撃と闘うことであることがしっかりと確認され始めた。このような形で、労働者が国際連帯の絆(きずな)を確立する闘いはその緒に着いたのだ。
 それが結実したのが11月7日の労働者の国際連帯集会であり、翌日のILWU(国際港湾倉庫労働組合)を先頭に行われた米ホテル労働者のストライキ闘争と連帯する国際興業本社に対する抗議闘争であり、その後の共謀罪反対の国会前集会と共同声明運動だった。
 さらに今問われている問題は、いかにして共謀罪を廃案にまで追い込むかということである。共謀罪との闘いは労働者階級自身の闘いである。労働者の団結権を侵害する共謀罪はただ廃案あるのみだ。来年1月末の通常国会の開会に向けて、労働者階級を先頭にすべての人民が廃案に向けた闘いの火ぶたを切ろう。
 そのためにも、労働者が団結権をかちとる歴史的過程に光をあてながら、米愛国者法と対決するILWUの闘いに大いに学ぼう。

 共謀罪は団結破壊の歴史

 共謀罪は、労働者の団結(団結し要求し行動すること)に向けられた弾圧法である。共謀罪が弾圧の狙いとして定めたのは、市民的な権利一般ではなく、労働者階級人民が資本家階級に対して自らの命と生活をかけて闘い抜くために団結する権利であった。
 初めて共謀罪が歴史に登場したのはイギリスである。14世紀にはコンスピラシー(「共謀」)として、偽証や裁判官の買収で人を陥れるなどの裁判上の腐敗行為を取り締まるものとして存在していた。
 1700年代に入ると、労働者の賃上げなどに関する団体行動をこの法理で処罰するようになった。1702年、賃上げを要求して仕事を拒否したケンブリッジ仕立工事件の判決は、「彼らが共謀して仕事を拒否したのでなかったら起訴を免れていたであろう。いかなる種類の共同謀議も、当事者が単独で行えば合法である場合も、共謀することによって違法になる」と述べ、労働者の行動が複数で取り組まれたことに大きな敵意を向けている。
 1783年のエレック事件では、「共同謀議の罪は、害悪が成就されたか否かには関係なく、いかなる方法によるにせよ害悪を企画して数人が謀議することによって成立する」とし、実行行為を問題にしない共謀罪の核心をあらわにした。
 さらに1799年のハムモンド事件では、共同謀議の前提として組合を組織すること自体が罪を構成するという立場で裁判が行われた。組合規約を作り、印刷し、結成を呼びかけ、会議を開き、組合費を集めたという証拠が採用され、労働組合に対する予防弾圧的性格が濃厚となった。翌年の1800年には労働者の組合的団結をすべて違法とする労働組合禁止法が制定された。こうして共謀罪の制定は、必然的に労働組合の非合法化に行き着くのだ。
 「資本は集積した力である。これに対して労働者がもちあわせているのは自分の労働力だけである。だから労使の契約が対等な条件でおこなわれることはありえない……労働者がもちあわせる唯一の社会的な力は彼らが多数なことである」(前進社刊、マルクス主義基本文献学習シリーズ『賃金・価格・利潤』205n)。労働者は、資本に対し、団結して不断に要求し行動することで、自らの生活を守り人間らしく生きることを求めてきた。
 これに対して国家権力は、資本の側に立ち、組合の活動を拘束し制限しようと襲いかかった。共謀罪は、労働者の団結自体を犯罪とみなし、それを根幹から破壊しようとするものと
してあった。

 愛国者法の廃止へ共謀罪廃案で連帯

 あらためて国会に提出され、歴史の表舞台に再登場した共謀罪新設の法案が狙うことは、労働者が生存のために資本と闘うことを犯罪とし、賃金奴隷として資本の言うがままになれ、ということにほかならない。資本と権力に対して怒り、団結して生きるために立ち上がろうとする労働者は全員牢獄にたたき込む、という攻撃である。
 日帝・小泉政権が共謀罪の新設法案に執念を燃やすのは、労働者階級の闘う意志と団結を心底から恐れているからだ。帝国主義としての危機的状況に追いつめられているのは、小泉政権と資本家の側なのだ。
 共謀罪は、その適用対象を4年以上の刑期を定めた557罪種に広げることによって、革命党を始めとして労働組合、市民団体など労働者の利害を代表する組織をまるごと弾圧しようとする、大掛かりな団結禁止法である。労働委員会の形骸化を図る労働組合法の改悪(今秋臨時国会で成立)と一体となって、労働者の団結を根底から解体しようというのだ。労働者こそ共謀罪の新設阻止闘争の先頭に立とう。
 共謀罪は、いくらでも大掛かりなデッチあげができる、警察権力がフリーハンドで人民に恣意(しい)的に適用できる、戦時下の治安法として出されてきている。それは、同時に警察権力の肥大化と社会への浸透の強化(監視社会化)・入管体制強化を不可避とする。こんな悪法は絶対に廃案に追い込まなければならない。

 ILWUの闘いに学ぼう

 アメリカの愛国者法は、戦時下に突入した帝国主義国の治安法攻撃の典型であり、労働者の決起に敵対する団結禁止法である。愛国者法Tは、01年9・11事件直後の10月26日に成立した。例えば、「脅迫的強制によって」政府の政策に影響を与えたと「思われる」行動を新たに「国内テロリズム」と規定した。これにより、令状によらない逮捕・拘禁などが激発した。一方、03年の2月に法案がリークされた愛国者法U(下院に未提出)は、「反テロ戦争」に反対すること、ストライキで経済に打撃を与えることをすべて「テロリズム」と断定している。そして、テロリズムにかかわった者(物資や手段の供給並びに供給源の隠ぺい)は、市民権をはく奪し、年金を含めた一切の財産を没収し、国外追放ができるとなっている。恐るべき治安弾圧法案だ。ちなみに、「物資や手段」には、現金、通貨証券、金融有価証券、住宅、専門家の助言や援助、通信機器、設備、人材、輸送などが含まれるとされている。
 ILWUが参加するサンフランシスコ労働者評議会の愛国者法U委員会は、愛国者法Tの「国内テロリズム」というあいまいな規定が、ストライキ、スローダウン、ボイコット、通告ピケッティング、組織化、団体交渉などの労働組合の通常の行動に適用されうると指摘している。また、愛国者法Uの修正によって、国内の労働運動に対するあらゆる支援行動・組織活動が罪に問われる、と訴えている。
 実際に、ILWUの02年協約闘争に対し、国防長官のラムズフェルドと国土安全保障局長官トム・リッジは、ILWUのストライキは国家安全保障上の重大な脅威とみなすと警告し、海軍を導入してスト破りを行うと脅迫した。それは、まさに「国内テロリズム」を口実とした労働運動への弾圧そのものであった。
 こうしたブッシュに対して、ILWUを先頭に「愛国者法Tを廃止せよ、愛国者法Uの制定を阻止しよう」の闘いが進められている。

 排外主義うち破り戦時下弾圧粉砕へ

 米帝ブッシュ政権は、労働者階級人民に「アメリカをとるのか、テロリストをとるのか」という恫喝を突きつけて自らの危機を乗り切ろうとしている。
 戦時下の治安弾圧は、国益と排外主義を強力に押し出し、これに屈しないものをすべて国家の敵(非国民、反政府分子)として牢獄にたたき込み、侵略戦争へ労働者人民を動員するための挙国一致体制をつくり上げようとするものだ。
 レーニンは『社会主義と戦争』の中で、帝国主義戦争とは、「別の(暴力的な)手段による」植民地の略奪と他民族の抑圧、そして労働運動弾圧の政治の継続であり、その結果資本家はプロレタリアートを分裂させ押さえつけ、戦争で金をもうけ、民族的偏見をあおりたて、反動を強化して得をしている、と暴露している。それは国外に向けては「他国の土地を奪い、他国を征服し、競争国を破滅させ、その富を強奪」するものであり、国内に向けては「政治的危機から勤労大衆の注意をそらせ、労働者を分裂させること、彼らを民族主義であざむき、プロレタリアートの革命運動をよわめるために労働者の前衛をみな殺しにする」ことであると強調している。
 戦時下の治安弾圧は、祖国防衛の名のもとに「戒厳令と戦時検閲の体制は、戦時の今でも、外敵よりも『内敵』の方をはるかに多く迫害している」のだ。
 戦争と治安弾圧は相互に強めあい密接に連携し、労働者階級の団結を破壊し、労働者や他のあらゆる諸団体の正当な要求までも利己的(反国家的)なものとみなしていく。共謀罪を頂点とする治安弾圧の強化も、日帝のイラク侵略参戦と日米安保強化の中で、排外主義と一体となった戦時下の治安弾圧としての性格をむき出しにして、資本家階級の利害を貫く手段となることは不可避だ。
 労働者階級人民の団結と命と生活は、この「外への侵略戦争と内への階級戦争」との徹底的な対決抜きに守ることはできない。11・7労働者集会の切り開いた成果を打ち固め、国際連帯の旗を高く掲げ排外主義を打ち破り、団結を固め、戦争と治安弾圧をはね返そう。改憲・教基法改悪攻撃を跳ね返す闘いと一体になって、来年1月末開会の通常国会で共謀罪を廃案に追い込もう。
 (野村秀夫)

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週刊『前進』(2178号6面2)(2004/12/13)

各地でイラク反戦に立つ
 王城寺原 米軍の砲撃弾劾 沖縄−イラクと直結

 11月23日、宮城県の陸上自衛隊王城寺原演習場での在沖米軍海兵隊による実弾砲撃演習に対して、百万人署名運動・宮城県連絡会の呼びかけた現地闘争が闘われた。
 王城寺原は、まさに沖縄―イラクと直結している現場だ。「沖縄の痛みを分かち合う」として沖縄から実弾演習が移転されて以来7回目の実弾砲撃演習だ。
 米軍がファルージャ大虐殺の主要兵器として使用しているのが演習で使用される155_榴(りゅう)弾砲だ。
 集会は、現地住民が所有する栗畑で行われ、県内各地から70人の労働者・市民・学生が集まった。集会中も、ドーンと大きな音が聞こえ、地震のような底から響く振動、そして遠くには土煙が見える。この激しい演習に接して、米軍がイラクで行っている無差別虐殺の映像が頭をかけめぐる中、怒りのシュプレヒコールをあげた。
 地元で闘う教育労働者からは、「演習に対して毎回反対の行動をすることが、地元の人たちに非常に勇気を与えている」ことが訴えられた。
 デモ行進では、「実弾砲撃演習をやめろ」「米軍はファルージャ虐殺をやめろ」と声を上げ、地元の人たちも家から出て、私たちとともに声を上げた。
 11・7集会の偉大な地平を引きつぎ、イラク人民・沖縄人民と連帯し、ただちに米軍基地を撤去させよう! 自衛隊をイラクから撤退させよう。イラク侵略戦争を終わらせよう。
 (東北大 A)

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週刊『前進』(2178号6面3)(2004/12/13)

各地でイラク反戦に立つ
 岩国 訓練中止申し入れ 民族解放闘争鎮圧やめろ

 11月29日、広島反戦共同行動委員会は、米軍岩国基地に対して日米共同の「対テロ訓練」の中止を求める申し入れ行動を行った。
 陸上自衛隊第13旅団(広島県海田町)は、来年1月末にも第5次派兵としてイラク侵略戦争への参戦が狙われている。この部隊が11月30日から3日間、米海兵隊と共同で「テロを想定した警護訓練」を行うのだ。小銃や機関銃を装備し、基地周辺の監視、「不審者の捜索や確保」などを訓練するという。まさに米軍や自衛隊のイラク軍事占領に対する不屈の民族解放闘争を「テロリスト」とし、これを鎮圧・虐殺するための訓練にほかならない。
 午後2時、岩国基地正面ゲートに「日米共同警護 訓練やめよ!」の横断幕を掲げた抗議団が登場した。緊張が高まる中、対応に出て来た海上自衛隊第31航空群の速水広報室長に対して、訓練の中止を求める申し入れ書が読み上げられた。「この訓練はサマワにおいて、自衛隊のイラク占領に反対するイラク民衆を鎮圧・殺りくするための訓練だ。米軍によるファルージャの全市民を対象とした皆殺し・無差別大虐殺を許さない! そしてこれに命がけで抵抗するイラク人民をテロリスト呼ばわりすることを許さない! ただちに訓練を中止せよ!」と迫った。速水室長は抗議団の迫力の前に「私の責任で関係者に伝えます」と約束せざるをえなかった。
 岩国基地は11月10日から行われた日米共同統合演習の一環としても使用された。沖縄と並ぶ米海兵隊基地が、イラク侵略戦争の激化の中で日米共同の実戦演習の舞台として明らかに強化されている。これがトランスフォーメーションの中で起こっている実態だ。
 被爆地ヒロシマはイラク侵略出兵を許さない。自衛隊はただちにイラクから撤退せよ! 闘う沖縄県民とともに、あらゆる米軍基地・自衛隊基地に対して怒りをたたきつけよう。

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週刊『前進』(2178号6面4)(2004/12/13)

各地でイラク反戦に立つ
 佐世保 イージス艦が出兵 15隻目の派兵を弾劾

 11月26日、反戦共同行動・長崎と同福岡は、イージス艦「ちょうかい」のインド洋・アラビア海への出撃を絶対に許さない決意で佐世保地区労傘下の労働者とともに決起した。
 集会場の長崎県佐世保市前畑埠頭(ふとう)は風雨吹きすさぶ嵐の中だった。紺地の九州大学自治会旗、労組交流センターの赤旗が引き裂かれんばかりにはためく。
 インド洋・アラビア海への自衛艦派兵は、今月で3年を経過した。イージス艦「ちょうかい」の派兵は、今回が初めて。これで海自が保有するイージス艦4隻すべてがアラビア海に派兵されたことになる。海自艦の派兵は延べ42隻。佐世保基地からの自衛艦派兵は、海自基地で最も多い通算15隻となり、名実ともに最前線出撃基地だ。
 激しい風雨の荒天の中、佐世保地区労主催のイージス艦「ちょうかい」派兵反対現地集会は80人の労働者、学生、市民の参加で始まった。主催者を代表して谷村事務局長は「3年前の11月9日、小泉政権はここ佐世保から自衛艦3隻を初めて海外派兵した。今回『ちょうかい』と一緒に参戦する補給艦『ましゅう』は最新鋭の海自最大艦である。海自はこれまで給油38万1千`リットル、約145億円を無償提供、新たに水とヘリコプター用燃料の補給の任務が追加された。12月14日の自衛隊イラク派兵期間延長に反対しよう」と早期撤退を訴えた。
 午後1時前、「ちょうかい」が立神岸壁を離れる。反戦共同行動・長崎と福岡は佐世保地区労の労働者と「イージス艦『ちょうかい』は出ていくな」「自衛隊は今すぐ撤退しろ」「派兵延長許すな」などと力強い抗議のシュプレヒコールを上げた。

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週刊『前進』(2178号6面5)(2004/12/13)

日誌'04 11月24日〜30日
 放送局が「有事」訓練に参加
 ミサイル迎撃「現場に権限」

●経団連の献金基準、安保・外交も 日本経団連は、政治献金のための政党評価基準に使う優先政策事項の見直しを発表した。これまでは政策項目を税・財政など経済的テーマに限定してきたが、安全保障・外交政策を初めて採用した。(24日)
●首相参拝「公式」と認定 小泉首相が01年8月に靖国神社を参拝したことをめぐり、千葉県に住む牧師や僧侶ら63人が「首相の参拝は国が特定の宗教に特権を与える行為で憲法の政教分離の原則を侵す」などとして、首相と国を相手に慰謝料を求めた裁判の判決が千葉地裁で言い渡された。「(首相の)の参拝は職務行為だった」として公式参拝と認定した。しかし、憲法判断には踏み込まず、慰謝料請求も退けた。(25日)
●ジュゴン保護再勧告 世界最大の自然保護団体の国際自然保護連合(IUCN)の総会である世界自然保護会議は、米軍普天間飛行場の移設をめぐり、ジュゴンなど希少野生生物保護と環境影響評価(アセスメント)の見直しを日米両政府に求める勧告案を採択した。(25日)
●「3原則」見直しで海自同型機の輸出検討
 海上自衛隊の次期救難飛行機US1A改を、航空機メーカーが消防飛行艇などに改造して輸出しようとしていることが分かった。実現すれば、自衛隊機と同じ国産機が海外で初めて利用されることになる。政府の武器輸出3原則見直しの動きを受けて、積極的に売り込みを始めた。(27日)
●サマワ治安維持、英に要請 政府は、12月14日に期限が切れる自衛隊のイラク派兵の延長を前提に、陸上自衛隊が駐留するサマワの治安維持を担当するオランダ軍が来年3月に撤退した後の治安維持を英軍に要請した。英軍側からの治安維持部隊派遣の確約は今のところ得られていないという。(27日)
●文科相「慰安婦や強制連行の言葉減って良かった」 中山文部科学相が大分県別府市で開かれたタウンミーティングに出席し、歴史教科書について「極めて自虐的で、やっと最近、いわゆる従軍慰安婦とか強制連行といった言葉が減ってきたのは本当に良かった」と述べた。(27日)
●ミサイル迎撃手続き「個別に事前承認を」
 大野防衛庁長官はテレビ番組で、他国が日本に向けて弾道ミサイルを発射した場合の迎撃ミサイルの発射手続きについて「権限を現場に付与するしかない。個別的に事前承認を与える」と述べた。(28日)
●陸自120人イラクへ 陸上自衛隊の第4次イラク派遣部隊(約500人)の第3波120人が仙台空港から民間チャーター機で出発した。(28日)
●武器輸出緩和、官房長官談話で 武器輸出3原則の緩和をめぐり、政府・与党は、12月に閣議決定する「防衛計画の大綱」には見直し内容を盛り込まず、官房長官談話で表明する方針を固めた。3原則の対象から外すのはミサイル防衛(MD)に限定せず、それ以外の武器輸出も将来的に認めることに含みをもたせるという。(29日)
●イラク派兵、来年12月まで延長 イラクへの自衛隊派兵が12月14日に期限切れとなる問題について、政府は派兵期間を1年間延長するための基本計画変更を12月10日に閣議決定する方針を固めた。(30日)
●靖国参拝「適切処理を」 ラオスの首都ビエンチャン市内で行われた日中首脳会談で、中国の温家宝首相は、小泉首相の靖国神社参拝をとりあげ、胡錦涛国家主席に続いて中止を求めた。(30日)
●放送局が「有事」訓練参加 有事の際の対応などを定めた国民保護法に基づいて、指定公共機関とされたNHKと民放キー局、ラジオ局の計10社が参加して、政府による初めての図上訓練が行われた。(30日)

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週刊『前進』(2178号7面1)(2004/12/13)

辺野古にかけつけ座り込みに参加を
辺野古がどうなるか、それが明日の沖縄の運命を決める
 沖縄労働組合交流センター

 沖縄労働組合交流センター発行の「やんばる通信」号外を転載します。闘う沖縄の労働者の呼びかけにこたえ、辺野古現地に駆けつけよう。沖縄を差別し、基地を押しつける小泉政権を倒そう。
 辺野古が風雲急を告げています。心あるすべての皆さん! 辺野古に一度でも行ったことがある人、辺野古新基地建設に心痛めている人は、辺野古にかけつけて、すわり込みに参加して下さい。いや、一度も行ったことがない人も、いま現地に行って、何が起こっているのか、どんなに豊かできれいな海なのか、それを巨大な工事船で破壊することがどんなに無謀で許されないことなのか、自分の目で確かめて下さい。

 辺野古の海の破壊が始まった!毎日、座り込みと海上での必死の闘いが続いている

 11月16日、とうとう防衛施設局は、辺野古の海の破壊に手をかけてきました。辺野古の基地建設予定海域に63カ所もの巨大なヤグラを組み、海底に穴をあける工事に着手しました。初日の16日、辺野古のお年寄りたちは浜で海に向かい、「海の神様、どうか私たちをお助け下さい、(船で阻止行動に出ていった)若者たちを守って下さい」と祈りをささげました。その祈りが通じ工事をじゃまするかのように、辺野古海域は荒れています。辺野古への基地建設反対の世論が約80l、県が諮問した専門家さえこのボーリング調査の環境への影響と法的問題性を指摘しているにもかかわらず、稲嶺県知事は一切聞こうとせず「早期着工と完成」を公言してはばからない。
 年寄りを泣かせ、8割の世論に逆行し、自分の一族と企業の金の計算ばかりしている、こういう人間が知事を名乗っていること自体、がまんなりません。だまって見すごしていいのか。辺野古・命を守る会代表の金城祐治さんは「今たち上がらないで、いつたち上がるのですか。この問題は辺野古だけのことではなくてみんなの問題です」と訴えています。

 デラタメ! なし崩し! 違法!既成事実先行で「あきらめ」を誘う小泉、稲嶺、岸本

 このたびのボーリング調査は、すべてがデタラメです。
 @これはボーリング「調査」といっても、その規模の大きさ、海の破壊度からいって工事着工そのものであること。Aそれがいわゆる「環境アセス法」のデタラメな拡大解釈で強行されていること。Bそういうデタラメを稲嶺県知事が認めていること。C8月13日の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故を契機に、基地の撤去の要求がたかまり、沖縄県民の8割が辺野古移設に反対していること(97年名護市民投票以来、各種世論調査で賛成が多かったことなど一度もない)。D普天間基地の米軍ヘリ墜落事故をもって「普天間基地が危険だから早く辺野古に移せ」という主張は、「宜野湾市民は死んではいけないが、辺野古の人間ならいい」あるいは「普天間だと100人死ぬ危険があるが辺野古なら3人ですむ」という非人間的でデタラメな主張以外の何ものでもない。E辺野古基地建設で名護、北部の経済が振興するなど、大ウソ。8000億円とか1兆円とか言われている建設費用(それも全部国民の税金)は、全部本土大手資本が持って帰り、残りカスの中からほんの少し、稲嶺知事やそれにつらなるごく一部の沖縄の建設企業が御利益(ごりやく)にあずかるだけ。名護、北部住民もふくめ県民のほとんどは関係ない。
 そういうデタラメと無謀なことを、ただただ強引に推し進め、既成事実の前にあきらめを誘う、それが小泉首相、稲嶺県知事、岸本市長などの狙いです。

 辺野古新基地建設は新たな戦争準備! 整理でも縮小でもない

 米ブッシュ政権はいま「トランスフォーメーション」と呼ばれている米軍の世界的再編を行おうとしています。このトランスフォーメーションに合わせて、沖縄の基地を縮小してもらえるようにアメリカと交渉するチャンスだ、というような主張があります。
 これはとんでもない勘違いです。トランスフォーメーションとは米軍の世界展開の縮小などではなく、逆にイラクをはじめ中東からアジア全域に戦争を拡大する「一大戦争計画」にほかなりません。トランスフォーメーションの一部として韓国の米軍を減らすことが進められていますが、これは北朝鮮との戦争、中国との戦争を具体的に考えているからこそ、「第一撃」を米軍が受けないよう、ミサイルの到達範囲から米軍を後方(沖縄・グアム・オーストラリアなど)へ下げるというものです。だから「在韓米軍の削減」とは「よいこと」などではなく「戦争の危機が迫っている」ということです。
 だから小泉政権に「もっと沖縄の基地問題を解決するようアメリカに強く言え」などと期待することは、幻想でしかありません。小泉首相が「沖縄基地の本土移転、海外移転」などと言い出したことは、まったくのペテンであり、沖縄県民世論をグチャグチャにして、基地の反対世論をうやむやのうちに抑え込んで居直ろうとするこん胆です。

 沖縄の未来を決めるのは、労働者人民! 10万人県民大会、1000人の辺野古結集で決着はつく!

 すべての県民の皆さん! 沖縄の未来を決めるのは、「歌を忘れたカナリア」ならぬ「県民世論を聞こうともしない稲嶺知事」でも「金に心を奪われた裏切り者・変節者・岸本市長」でも、ましてや米国・ブッシュ大統領、イギリス・ブレア首相とならんで「世界の3大悪人」として、世界中に戦争の火種をばらまこうとしている小泉首相でもありません。
 沖縄の未来を決めるのは沖縄の主権者たる沖縄の労働者・人民自身です。沖縄の主人公である私たち労働者がたち上がる以外に、基地問題の解決も沖縄の基地の撤去もありません。また、私たちがたち上がることこそ、唯一の勝利の道です。それはむつかしいことではない。9月12日に宜野湾市・沖国大グラウンドに3万人が結集し、「普天間基地即時閉鎖、辺野古への移設反対」を叫び決議しました。誰もが「次は10万人の県民大会をやろう!」「県民の思いを爆発させよう」と考えていました。しかし、連合の幹部などは「稲嶺知事も参加できるよう『基地の県内移設反対』を降ろしてはば広く」などと、一見正しいようでまったく間違ったことを言い出して「訳がわからなく」してしまいました。重要なことは原点に返ることです。
 今必要なことは、辺野古の闘う住民が教えているとおり、正しいことを正しいと、間違っていることを間違っていると、引いてはならないことは一歩も引かずに主張し、主張するだけでなく行動することです。80%の世論を一点、辺野古に集中することです。辺野古に駆けつけることです。年休制度がある人は1日半日仕事を休んで、年休がない人は土・日・休日に辺野古に来て下さい。
 労働組合こそその先頭にたとう。辺野古の海を守ることと職場の利益を守ることはまったく一緒です。辺野古の海を守ることと関係ない職場の利益などないし、もしあるとするなら、そんなものは本質的にも現実的にも守れっこないのです。いますぐ心ある人は辺野古にかけつけよう。

 辺野古の海に巨大基地

 2000b滑走路の海上基地は本体と護岸部分で合計207f。辺野古に水平線がなくなる。大浦湾を埋め立てて作業ヤードに。ボーリング調査2億円、本体工事1兆円とも言われる。すべて日本政府が負担する。

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週刊『前進』(2178号7面2)(2004/12/13)

単管ヤグラの上の攻防 カヌー隊海上で決死阻止

 「どうしても譲れないものだから、命がけの行動も辞さない」――海上新基地建設阻止の命がけの闘いが沖縄県名護市辺野古で続いている。11月16日、那覇防衛施設局が海底掘削作業のための足場建設に着手してからは激しい海上攻防となっている。
 早朝7時、海上阻止行動の主力であるカヌー隊が抗議船に引かれて、リーフ内に建設中の単管ヤグラ5ポイントに到着、カヌーをヤグラにつなぎ、思い思いの場所で待機に入る。こうして作業ポイントを押さえ、施設局がやってきて作業を進めるのを阻むのだ。
 11月24、25日と海は荒れ、リーフ内でも3bに及ぶ高波だ。この悪条件でも「海上座り込み」は続けられた。阻止行動によって単管ヤグラ建設は遅々として進まない。焦りにかられた施設局の作業員らは凶暴化、カヌー隊1人を数人がかりで押さえ込み、はがい締めにし、海に突き落とすなどの暴行を繰り返した。
 この日、定例記者懇談会で那覇防衛施設局の西正典局長は、「スパット台船」設置によるサンゴ礁破壊が発覚したことについて、「サンゴが死滅して岩となったサンゴ礁と生きているサンゴは別だ。足場設置でサンゴ礁が削られたのは確かだが、われわれが作業上で細心の注意を払っているのはサンゴを守ることだ」とうそぶいた。事実は、再生していたサンゴがスパット台船の台座によって無残に破壊されたのであり、ボーリング調査の全過程が豊かな海の破壊なのだ。
 翌26日も単管足場に座り込んだ反対派と、ここに掘削機材を積み上げようとする作業員の攻防となった。午前10時ころ、施設局はキャンプ・シュワブの辺野古の浜辺側から資材などを船に積み込んでポイントへとやってきた。米政府は、ジュゴン訴訟で「辺野古沖の代替施設は日本政府の事業であり、米国は関係ない」と反論してきたが、シュワブ基地こそボーリング調査の「兵站(へいたん)・出撃基地」であり、米軍の関与は明白だ。
 午前11時ころ、6人のカヌー隊が守る単管ヤグラに40人が分乗した8隻の作業船が集中、カヌー隊6人に18人が群がった。この攻防に海上保安庁が介入、施設局に作業を中断させる事態となった。そこまで施設局、作業員の暴行はエスカレートしていた。
 土日をはさみ月曜日29日、早朝からカヌー隊は海上に布陣、しかし8時になっても作業船は出て来ない。代わりにキャンプ・シュワブの辺野古側の浜辺で水陸両用戦車6両が列をなして出て来るではないか。米軍演習の間、施設局の作業はストップ、軍事優先というわけだ。
 昼過ぎには国頭村から海人(うみんちゅ=漁師)が船で応援に駆けつけ、感動的な合流をかちとった。この日の午後は抗議船7隻とカヌー13艇で施設局に応戦、激戦が展開された。
 SACO(日米特別行動委員会)の最終報告から12月2日で丸8年。返還合意された11施設のうち7施設が県内移設条件付きであり、「整理・縮小」とは正反対の基地機能の統合・最新鋭化の要求だった。日米軍事同盟のもとで沖縄基地が強化され、新たな侵略出撃拠点とされる。怒りに燃えて絶対阻止あるのみだ。
 台風27号が接近、リーフ外に設置されたスパット台船はクレーンで引き揚げられ、固定ブイヤグラを載せて大浦湾に停泊していたクレーン船も避難した。リーフ内の単管ヤグラも1基は解体、その他も機材と足場板を回収した。16日からこれまでの作業は御破算になった。海上基地建設は絶対に止められる。辺野古に駆けつけ、ともに闘おう。

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週刊『前進』(2178号7面3)(2004/12/13)

世界の労働運動 中国 全土で拡大する人民反乱 “血と汗の賃金を返せ”

 中国労働者・農民の闘いが9月以降、爆発している。特徴は何よりもその規模の大きさであり、闘いが長期化していることだ。蓄積・充満していた人民の抑えがたい怒りが「些細(ささい)な事件」をきっかけに「反腐敗」の闘いとして一瞬にして数万人の決起になっている。まさに人民反乱だ。中国スターリン主義がその生き残りをかけた「改革・開放」路線の野放図な展開は、中国経済危機の爆発からいよいよ体制そのものを完全に揺さぶろうとしている。

 重慶で5万人が武装警察と衝突

 中国・重慶市万州区で10月18日午後、市民同士のけんかをきっかけに政府役人への不満が広がり、市民5万人が区政府庁舎を取り囲んで警察車両が焼かれる暴動に発展した。けんかをした片方(夫婦)が果物市場の臨時管理人職でありながら「政府役人だ」と自称して作業員を殴打した。さらに「自分は役人だから作業員の命を20万元(260万円)で買い取れる」「自分は金持ちだから作業員への平手打ちは1回20元(260円)でできる」と話したといううわさまで広がり、不満の矛先が政府役人に向けられて大規模な暴動となった。地元警察は武装警官数千人を動員して催涙弾などで応戦、同日夜にはリーダー格数十人を拘束し鎮圧した。
 重慶の中心から300`離れた万州区は人口が167万人、重慶市が97年に直轄市になった際に万県が重慶市に組み入れられて万州区となった。
 暴動の背景には、重慶市民の三峡ダム移転問題や貧富の格差への不満のうっ積がある。三峡ダム建設地域に指定され多額の補助金が中央から交付されているにもかかわらず、その多くが役人、警察官僚の懐にわいろとして入っている。さらに国有企業の約90%がレイオフ状態にあるといわれ、こうした怒りが爆発した。

 農民数万人デモ土地補償に不満

 11月1日付香港紙「東方日報」などによると、中国四川省漢源県で10月27日、地元政府が収用した土地の補償に不満を持った農民ら数万人が抗議行動を起こし、多数の警官と衝突して農民男性1人が死亡した。さらに農民側は男性の遺体を掲げて翌28日「汚職役人打倒」「(地元政府は)温家宝首相の言う通りにしろ」などと叫んでデモ行進した。政府や学校、商店が一時閉鎖された。さらに10月31日には農民2、3万人が建設現場に座り込み、出動した武装警察と衝突、農民一人が死亡、多数が負傷した。11月3日、5日にも警備側と衝突、双方に死傷者が出たという。工事は凍結にたたきこまれている。さらなる激突は不可避だ。
 中国各地で土地収用をめぐる衝突が激発している。中国誌「財経」最新号によると、今年6月までに、土地収用にかんし農民らが集団ないし個人で政府に苦情を訴えた件数は4226件で、昨年1年間の総数を上回った。当局が開発業者と結託し強引に土地収用を進め、しかも保証金を地方官僚と業者が自らの懐に入れていることに対する農民の怒りが爆発している。
 中国政府は今年2月、「3農問題」(農業、農村、農民)が重要な政治問題であるとの認識に立ち、農民の収入増加策と負担軽減策を発表した(「党中央1号文書」)。しかし事態はより深刻になっている。
 農民が農民として生きていけない! どうすればいいのか。生きるために実力決起する以外ない――そうした過程に入った。

 合理化・首切り、劣悪な労働条件

 労働者も決起を開始した。国有企業改革は国家による大合理化・リストラ・首切りであり、大量の労働者への失業の強制である。賃金未払いも深刻だ。「小康」(まずまずの生活)どころではない。
 9月14日、陝西省咸陽市で西北第七棉紡織廠の労働者は国有企業の私有化とリストラに抗議してストライキに決起した。工場ゲートには「われわれの血と汗の賃金を返せ」「労働者の合法的権利を守ろう」の横断幕が掲げられた。
 10月18日、山東省済寧市ではデパート労働者たちがデモとストライキに決起した。デパートを吸収した南京中央グループ資本は、労働時間を5時間も延長し、あいさつを怠ると数百元の罰金をとるなどの過酷な業務規則を押し付けてきた。これに対して新装開店から2日後の10月18日、数百名の労働者は「労働法に従って労働者の権利を守れ!」「南京人は出て行け! われわれの職場を取り戻そう!」と横断幕を掲げた。
 10月22日には安徽省で、紡績工場を退職した女性ら1万人が年金を不満として、市内の幹線道路を占拠、抗議行動を展開した。さらに重要なことは、「改革・開放」政策の拠点・中軸である深せんで「民工」(農村からの出稼ぎ労働者)が低賃金、強労働に怒り、10月、11月と工場周辺の道路を封鎖する抗議行動に決起したことである。
 「改革・開放」路線は89年「天安門」事件で闘う中国人民を血の海に沈めることによって初めて可能となった。胡錦涛(総書記、国家主席)はチベット・ラサでのチベット族の暴動を、中国建国以来初の戒厳令を敷いて武力弾圧した人物だ。胡錦涛はトウ小平、江沢民以上に反革命的な姿を登場させるだろう。
 中国スターリン主義と労働者・農民の激突は不可避である。中国人民の怒りは中国スターリン主義打倒の第2革命へと向かうことは間違いない。新たな決起を開始した中国の労働者・人民と国際主義的連帯を強め、日帝・小泉を打倒しよう。
(河北恵一)

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週刊『前進』(2178号8面1)(2004/12/13)

団結ひろば 投稿コーナー 11・7労働者参加して

 韓米の代表はゲストでなく共に闘う仲間 広島・民間労働者 河合典子

 11月全国労働者集会に、昨年に続いて参加しました。今年で2回目です。
 私は以前、労働運動は労働組合に入っている人がするもので、組合のないところで働いている自分には関係ないと思っていました。
 しかし、この集会に参加したことで、首切り・リストラ・賃下げなどは、組織・未組織を問わず襲いかかっているものであり、それと闘うためにも、連合や全労連のような翼賛化した組合ではなく、動労千葉のような闘う組合が求められているのだと実感することができました。
 韓国とアメリカの代表団の発言を聞いているときも、彼らがゲストという気はまったくしませんでした。本当に一緒に闘っているという気迫がみなぎっていて、労働者の国際連帯を肌で感じとれたという思いがします。
 「日の丸・君が代」被処分者の会と被解雇者の会が連帯のあいさつをしましたが、前日の教基法改悪集会よりも戦闘的でした。
 鳥海巌・都教育委員の「『日の丸・君が代』に反対する人間は半世紀にわたって巣くうガンだから、徹底的につぶさないと将来に禍根を残す」という暴言に対し、徹底的にガンになって闘うという発言が出たときは、熱烈な拍手を送りました。
 戦争と大失業をとめるために、私も力の限り闘おうという決意を強めることのできた一日でした。

 日本でもMWMは可能と確信し組織化 東京・中部 吉井 治

 今年の11月労働者総決起集会は、本当に感動的であったが、私は、何よりも10・17MWM以降、11月7日までの過程に、日本でも百万人労働者行進(MWM)が絶対に可能であると確信を持って集会への組織化に取り組めたことに感動しています。
 イラク開戦1周年の今年3・20の大闘争以降、最大の自己変革だったと思います。3・20過程では、そんな集会を呼びかけるのは、過激派だというキャンペーンがはられましたが、よく考えれば「世の中を変えよう」という者が、いつの時代でも過激派と呼ばれてきたのである。
 今、戦争と大失業の時代、この世の中を変えようと言うのは、労働者の当然のスローガンではないですか。ILWUローカル10のジャック・ヘイマン氏が中心に呼びかけたランク・アンド・ファイル運動、「これだ!」と本当に思いました。労働組合は、ダラ幹たちを食わせるためにあるのではない。現場の我々の手にとりもどして、闘う労働組合を現場からつくっていきたい。そして、百万人労働者行進を実現したい。それ自体、革命だ。
 今回、アメリカの労働運動から学んだことは、かなり大きかったと思います。来年の11月に向けて、今からMWMのように、要求をかかげ、賛同を得ていくようなスタイルで、今年結集した3600名が、それぞれの職場でただちに開始するならば、倍を超える(いや、もっとだ)結集が可能であると思います。これを日米韓でやれば、世界革命は見えてくる。本当に、ワクワクしてきます。今年の11月労働者集会は、革命の現実性が見える集会になったと思います。

 波長の合う国際連帯を感じさせられた 広島 タクシー労働者 下平 宏

 私たちは、「韓日FTA阻止!」闘争の時、不当逮捕された関生の労働者を取り戻すための抗議行動に丸の内警察署に行って、その後会場に参加しました。ですからずいぶん早い参加となりました。
 会場はいつのまにか、多くの人でいっぱいになっていました。今年の結集は今までで最高だと一目でわかりました。韓国、米国の代表団、とくに米国の代表団はMWMの雰囲気のままだったようで感激しました。
 日・韓・米の国際連帯、今まであったいろんな国際連帯をあらゆる意味においてこえている。それは参加者の誰もが感じたであろう「波長の合うこと」。これこそ固い連帯を感じさすものです。
 今度こそ帝国主義打倒に勝利することができる力を感じます。そんな集会でした。

 1年半かけて読んだ『共産党宣言』の迫力 兵庫 永山景信

 私たちは昨年夏より「マルクス主義原典を読む会」を立ち上げた。月1回およそ3時間のペースである。
 そして12月の「党宣言総括・なんでも感想の集い」で、やっとあの薄い、しかし、内容豊富な『共産党宣言』を読了することとなった。
 参加メンバーは月ごとに変わった。党宣言を全く読んだことのない人、学生時代かじっただけで放棄した人、私のように速読を繰り返し、読んだ気になっていた人など様々である。
 しかし、学習するうちに私たちはとてつもない古典にチャレンジしていることに気づかされた。「妖怪がヨーロッパに出没している――共産主義という妖怪である」に始まり、「プロレタリアは、この革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。プロレタリアが獲得すべきは全世界である。万国のプロレタリア、団結せよ!」の間に展開される、若きマルクスとエンゲルスの苦闘と苦悩、そしてあくまで現場労働者の目線に立ち、ブルジョワ社会の矛盾と無慈悲を徹底的に糾弾し、検証を重ねた上で、展開される労働者自己解放の闘い、共産主義革命のうたい上げの迫力に、改めて圧倒されたのである。
 たかだか100ページ余りのペーパーバック。なのにその一行一行に凝縮された言葉と論理、その背景を様々な資料で裏づけ確認し、討論を重ねていくと、月1回3時間かけながら1ページしか進まない時もあった。文字通り私たちは流行の「スローライフ・スタイル」で共産党宣言を学んだのだ。
 1年目の今年8月には仲山良介さんを招き、盛大に「いまマルクス主義を考える−戦争の時代に変わる資本主義でない社会へ−」と題して1周年記念講演会を開催した。
 さて来年は何にチャレンジするか。私たちはこの厳しい諸情勢の中で闘いながら改めてマルクス主義を極める旅に船出している。

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週刊『前進』(2178号8面2)(2004/12/13)

全国から280人が熱い思い “再審の壁をうち砕こう”
 星野さんとり戻そうと誓う

 11月24日、都内で開かれた星野集会に参加した。集会の名称は「かえせ星野文昭/くだけ再審の壁/獄中30年/無期からの解放を/11 ・24集会」。主催は「11・24集会実行委員会」と「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」。会場は東京・下北沢の「北沢タウンホール」。全国の救う会など280人が集まった。平日の夜だったが、再審を必ず実現し、星野文昭同志を今こそとり戻そうという熱気で会場はあふれた。(本紙 清水敏行)

 ロビーで星野同志の絵画展

 早めに到着して、ロビーで行われていた星野文昭絵画展を見た。彼が獄中で描き、05年カレンダーになっている絵が6枚と、これまでのカレンダーが展示されている。パステル画と間違えそうな、やわらかな色調だが、実は水彩画である。彼の人柄がそのまま伝わってくるような、やさしい絵が照明に浮かび上がっていた。これとは別に、迫力のある大きな絵が展示されていた。弟の星野修三さんの作品だとキャプションにあった。
 場内が暗くなると、舞台上の絵に人の影が映り、アナウンスもないままに星野修三さんのパフォーマンスが始まる。

 パフォーマンスに思い込め

 題は『キジムナーからの便り』。最初は影だった修三さんが紙を破って枠の中に出る。さらにそれも突破して、ついには客席まで転がり出しての熱演。説明がないので、自分で考えながら見るしかないが、30年もの獄中生活を強いられている星野同志の苦悩と怒り、そして家族としての思いが込められていると感じた。
 これが終わった後、演壇が出され、普通の集会形式になる。
 司会は、東京連絡会の杉浦映子さん。続いて、共同代表である柴田作治郎牧師の主催者あいさつ。連帯のあいさつとして、「ムミアの死刑執行停止を求める市民の会」の今井恭平さん、奥深山免訴弁護団の山本志都弁護士の二人が発言した。
 鈴木達夫弁護士、和久田修弁護士、岩井信弁護士の弁護団が登場し、再審実現に向けての決意を語った。岩井弁護士は、9月28日に提出した補充書の内容を解説しながら裁判の問題点を整理し、星野同志が無実であることを分かりやすく明らかにした。話を聞いた人が「星野さんが無実であることに確信を持った」と語るなど、好評であった。この内容をもっともっと広げて行かなくてはならない。

 リーディング『藍の記録』

 後半は、メイン企画のリーディング『藍の記録』から始まった。星野同志がすでに出獄をかちとった200X年から振り返るという形をとって、星野同志と暁子さんの出会い、拘禁症の苦しみとその克服、無実の訴え、強い絆(きずな)で結ばれた二人の結婚などが、舞台上に再現されていく。二つのイスがあり、一つには星野同志がいるはずなのに姿が見えないという演出になっていた。それが逆に星野同志の存在感を浮かび上がらせていた。福地一義さんが声だけで星野同志を演じたのも印象的だった。
 この後、福地さんが星野同志のメッセージを読み上げた。徳島刑務所の風景、闘いの映像、若いころの写真、そして最近の自画像などが背後のスクリーンに映写され、それを見ながら語られるメッセージは、胸に迫るものがあった。
 共同代表である平良修牧師が『沖縄・辺野古に生きる』と題して講演した。彼は毎朝4時に起きて辺野古で闘っている。その厳しい闘いを具体的に紹介し、「星野さんは、今の沖縄を見通して闘いに立ち上がった。星野さんを囚(とら)われのままにおいてはならない」と静かに、そして力を込めて訴えた。
 印象に残ったのは、「継続は力なりと言うが、継続は消耗でもある。辺野古現地はそういう危機に直面している。この闘いを支え、ともに闘ってほしい」という訴えだった。講演の後、平良さんが「星野さんに見せたい」という、辺野古の闘いに密着したビデオが上映された。
 各地の救う会の代表が並び、共同代表の松永優さんがあいさつした後、星野暁子さん、弟の修三さん、従兄の誉男さんが家族としてあいさつし、母・美智恵さん、長兄の治男さんのあいさつもビデオで流された。集会呼びかけ人・山際永三さんが閉会のあいさつを行った。
 全体をとおして照明と音響は素晴らしいものだった。パフォーマンスもリーディングも照明と音響によって質の高いものに仕上がっていた。
 会場からの帰り道、何としても星野同志をとり戻そう、とあらためて決意を固めた。この思いは、集会に参加した280人全員のものだろう。

 最高裁に請願行動 再審開始請求署名を提出

 翌25日、集会に参加した家族と共同代表を中心に最高裁への請願行動が行われた。昼過ぎから、国会前で行われている辺野古新基地建設阻止の座り込みに合流した。静かに座っていると、沖縄からの旅行者が平良修さんに語りかけるなど、新しい出会いがあった。
 その後、最高裁に向かった。17人が構内に入り、再審の開始を求める1万7671筆の署名を提出した(提出総数は8万4159筆)。徳島の戎野浩史さんが@事実調べを行うA検察官に全証拠の開示を命令する――ことを求める請願書を読み上げた。星野暁子さん、柴田作治郎さん、平良修さんが係官に訴えを行った。
 星野再審闘争は特別抗告審に闘いの場を移している。全国に闘いを広め、再審無罪、星野同志奪還をかちとろう。
 (05年星野カレンダー発売中。1200円。前進社でも受け付けます)

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週刊『前進』(2178号8面3)(2004/12/13)

投稿 難病患者に憎しみを表すカクマル『解放』 名古屋 AT

 まず、難病(患者)とは、1972年の国の「難病対策要綱」によると、行政上は、@原因不明、治療方法未確立で後遺症を残すおそれが少なくない疾病、A経過が慢性で経済的、家族的、精神的な負担が大きい疾病――を対象範囲としている。
 現在121の疾病が特定疾患=難病とされている。その中でも保険適用自己負担分の3割を公費負担とし、その医学的データを国が集め、難病治療研究が行われている。それを特定疾患治療研究事業といい、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄小脳変性症、ベーチェット病など45の疾患(と小児難病10)がその対象となっている。
 また、難病を主たる原因として、失語症、自立困難等、いわゆる「障害」1級程度の後遺症を併発した場合、重度特定疾患患者として、自己負担となった食費1日780円分が公費負担となる。
 それでは、今どれほどの患者がいるかというと、45の特定疾患患者数は、2002年度で52万8000人と報告されている。その調査対象外となっている76の難病患者の数は想像もつかない。難病とは、現在の医療技術では治療方法が確立していない、苦しい闘いの続く疾病なのだ。
 ところが、カクマル海郷薫は、『解放』1837号で、われわれ難病患者を「引き取り手がなく、病院をたらい回しされがちな、特殊な医療行為(なんたる言葉!)を必要とする難病……」と定義し、迷惑でやっかいな患者として扱い、「そんな患者を(病院が)引き受けるから安月給で過酷な労働を強いられるのだ」と言わんばかりの、憎悪と悪意に満ちた主張をしている。
 一体、誰が好き好んで難病などにかかる人間がいるものか。降ってわいた病気に夢や希望を失い、絶望の淵(ふち)で、「結果が期待した人生と逆行していったことにより、“生きている価値がない、生き甲斐(がい)もない迷惑人間だと自分を責め……」(『1リットルの涙』あとがきより)。
> ほとんど絶望の中で難病と闘い、死んでいった多くの難病患者。それに今も日々「死」と直面し、必死に原因不明の病と闘っている難病患者と、それを見守る家族の苦しみの側に立ってものを考えることなど、彼らはできない。そこにあるのは、差別と偏見だけである。
 だからこそ、カクマル海郷は、「手足が動かないなら、私の言うことを聞け」などと口走るベテラン介護人(?)を擁護し弁護して回るのだ。
 “倍返し的コール”とか、“職制への「告げ口」”などとよくぞ言ったものだ。
 (難病)患者に憎しみをもって接しているカクマル海郷よ。「働く仲間たちの健康や命を守るため」には闘うが、わが(難病)患者の健康や命のために闘うことは、それほどいやなのか。
> われわれ難病患者と家族は、そんなベテラン介護人(?)や、それを擁護するカクマルのいる施設など一日たりとも入りたくないのだ。
> まして、われわれは特殊な医療行為など求めていない。われわれが求めているのは、すべての難病を解決する高度な医療と、人として生まれた以上、人間らしく生きる権利と、それを見守り保障する環境・制度なのだ。
 さらにカクマル海郷は、聞き慣れない「特殊疾患病棟」なるものを引用して、ナチスのアウシュビッツをわれわれに想像させ恐怖に落とそうとする。
 だが現実は、「うちにできる治療は終わった」という理由で、3カ月、6カ月単位で難病患者といえども、病院から追い出しにあうのだ。
 カクマルはそういう医療制度と闘う気がないのか。まったく許せない。
 難病患者は、現代の医療・福祉問題を一体として、一身に担っている。私は三十数年来、病と闘いながら各患者会を組織し、全国の難病連を結成して闘ってこられた諸先輩に学び、連帯し、ともに闘っていきたい。

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週刊『前進』(2187号8面4)(2004/12/13)

 公判日程

☆迎賓館・横田裁判
 福嶋昌男同志裁判
12月16日(木)午後1時15分
1月18日(火)午後1時15分
 *東京地方裁判所

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