ZENSHIN 2005/03/28(No2191 p06)

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第2191号の目次

ブッシュと小泉に反撃
「(すべての外国軍隊はイラクから)出ていけー!」「(自衛隊のイラク派遣をただちに)やめろー!」の叫びがとどろいた(3月20日 日比谷野外音楽堂)

1面の画像
(1面)
3・20国際共同行動 日比谷野音に6000人
イラク撤兵・改憲阻止とどろく  動労千葉スト・教労決戦が合流
20労組を軸に大統一行動  開戦2年目の国際連帯熱く
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動労千葉 ストと安全運転貫く
3・17〜19、運休は270本に(3月17〜19日)
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(2面)
都立高校卒業式  さらに卒・入学式闘争へ
石原・都教委の圧殺を破り 堂々「君が代」不起立貫く
記事を読む  
大阪 290人が「不起立宣言」  創意工夫こらし抵抗続く(教育労働者 K) 記事を読む  
山田杉並区長 「支那の発砲で始まった」  中国侵略戦争を居直り(3月7日) 記事を読む  
「つくる会」教科書採択阻め 記事を読む  
都教委に抗議デモ  全国学生 教育労働者に連帯(3月10日) 記事を読む  
前進社、都革新への不当捜索を弾劾する(3月15、16日) 記事を読む  
(3面)
カクマル打倒へ誓い新た
3・14反革命30年、新指導路線下で本多同志をしのぶ会開く
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遺志継ぎ21世紀革命へ  革共同書記長 天田三紀夫 記事を読む  
“黒田に必ず報復”  革命軍代表 真田真人 記事を読む  
解雇・ロックアウト打ち破り 全金本山が職場復帰
34年の闘い完全勝利(3月16日)
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全金本山 東京で報告集会  喜びにあふれ勝利祝う(3月11日) 記事を読む  
動労千葉 鉄建公団訴訟始まる  不当解雇の撤回を訴え(3月11日) 記事を読む  
(4面)
解同全国連第14回大会 差別糾弾闘争復権を宣言
戦争と差別の洪水に対決
中田書記長、5つの指針提起  「人権擁護法案」粉砕訴え(3月6、7日)
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「人権擁護法案」に反対し、国会闘争に決起する決議 記事を読む  
革共同の連帯メッセージ  全国連と団結して 記事を読む  

反戦の砦=三里塚へ  3・27集会 反対同盟の訴え(下)
労農連帯追求する 事務局次長・萩原進さん / 革命が必要な情勢 本部役員・鈴木幸司さん

記事を読む  
共謀罪 “4月成立を阻止しよう”
弁護士ら国会デモ(3月15日)
記事を読む  
日誌'05 3月9日〜15日
自民憲法起草委が中間報告  横浜事件の再審開始が決定
記事を読む  
(5面)
4-5月入管闘争アピール
戦争と排外主義攻撃うち破り  在日・滞日アジア人民との国際連帯闘争の強化発展を〔平山宏昌〕
記事を読む  
スパット台船を撃退  辺野古は決戦、駆けつけよう(3月16日) 記事を読む  
民主労総 “非正規職法案阻め”  「交渉」拒否しゼネストへ 記事を読む  
3・8国際婦人デー
生活破壊と世界戦争阻止  今こそ行動の時(3月6日)
記事を読む  
(6面)
百万人署名運動 3・20の前段集会を開く
不起立の教育労働者に熱い拍手
田中動労千葉委員長がスト報告 (3月20日)
記事を読む  
全世界で一斉行動 記事を読む  
レール破断への対策求め  動労千葉が安全運転闘争
スト突入と一体 大衆的な支持と共感
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狭山棄却に緊急行動 解同全国連が最高裁糾弾
石川さんと怒りを共有(3月16日)
記事を読む  

週刊『前進』(2191号1面1)(2005/03/28)

3・20国際共同行動 日比谷野音に6000人 イラク撤兵・改憲阻止とどろく
 動労千葉スト・教労決戦が合流 20労組を軸に大統一行動
 開戦2年目の国際連帯熱く

ブッシュと小泉に反撃
「(すべての外国軍隊はイラクから)出ていけー!」「(自衛隊のイラク派遣をただちに)やめろー!」の叫びがとどろいた(3月20日 日比谷野外音楽堂)

 陸・海・空・港湾労組20団体などの呼びかけで「いまこそ平和を守るとき国際共同行動3・20集会」が3月20日、東京・日比谷野外音楽堂で行われた。イラク侵略戦争の開戦から2年目のこの日、世界中の反戦集会やデモと連帯して、日比谷野音を立錐(りっすい)の余地がないほど埋めつくし、組合旗が林立した。動労千葉の3日間にわたる春闘スト、「日の丸・君が代」強制拒否の3月卒業式闘争の激しい攻防を引き継ぐ大きな闘いとなった。
 会場となった日比谷野外音楽堂は6千人の参加者が埋めつくした。あまりの数に会場に入れない人や通路で立つ人も多かった。拍手ひとつも迫力が違う。ステージから向かって右側には航空連や全港湾など20労組ののぼりが林立し、左側には、17〜19日までの3日間、大幅賃上げや運転保安確立を要求して春闘ストに決起した動労千葉が存在感を示した。
 航空安全推進連絡会議の中川香副議長が司会、まず平和をつくりだす宗教者ネットの木津博充さんが開会あいさつに立った。99年5月の周辺事態法反対の5万人集会以来続いてきた「共同行動の輪を一層発展させ広げよう」と訴えた。
 20労組の航空安全会議の大野則行議長、全労連の熊谷金道議長、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)の美浦克教議長が闘いの決意表明を行った。
 大野議長は改憲をめぐり「国防の責務」と称する戦争動員の動きを批判し、「陸・海・空・港湾労組20団体は職場で平和、安全、安心で働けるよう要求する。そのために労組の幅広い連帯が必要」と訴えた。美浦議長は「すでに情報統制は始まっている。私たちは戦争協力の報道を拒否する。戦争を止めるためにペンやマイクをとる」と力強い決意を示した。
 国会からは、日本共産党の志位和夫委員長、社会民主党・福島瑞穂代表の代理で保坂展人氏が発言。各界からの発言では、前レバノン大使の天木直人さん、映画人9条の会の神山征二郎さん、イラクから派兵差し止め訴訟原告のハッサン・アリー・ハッサン・アボットさんが登壇した。
 天木さんは2年前、イラク戦争を支持する日本は間違っていると小泉首相に直談判した経緯を説明。「外務省を去ることになったが、悔いはありません。失って余りある大きな支援を得た」と語り、ひときわ大きな拍手を受けた。
 ハッサンさんは、劣化ウラン弾の影響で7人兄弟のうち4人がガンで死んだり、検問所に気づかず通過して米兵に射殺された近所の19歳の青年の話など、イラク侵略戦争の実相を生々しく報告した。
 連帯あいさつや職場・地域からの発言に続いて集会アピールが提案された。「私たちは、このような有事法制の完成と発動、さらには憲法の改悪に断固として反対します」「アメリカのイラク占領に反対し、自衛隊の即時撤退を求めましょう」「有事法制の発動を許さず、引き続き廃止に向け奮闘しましょう」。満場の拍手で採択された。
 全日本海員組合教宣副部長の宮川栄治さんの音頭でシュプレヒコール。こぶしを高く挙げて怒りの叫びをとどろかせた。直ちにデモに出発した。20労組を先頭に長蛇の隊列が続いた。最後尾が出発したのは1時間近く後だった。動労千葉が加わる隊列からは宣伝カーがストライキの報告をし、ひときわ注目を集めた。

 4〜6月闘争へ前進しよう

 3・20集会の大高揚と動労千葉の春闘スト決起の地平をさらに押し広げ、4〜6月の闘いへ進もう。
 第一に、「日の丸・君が代」強制拒否の卒・入学式闘争をさらに闘い、「つくる会」教科書採択粉砕、教育基本法改悪・国民投票法案の国会提出阻止、改憲阻止を闘おう。共謀罪新設法案を廃案に追い込もう。
 第二に、動労千葉の05春闘ストに続き、全国の職場・産別で春闘を爆発させよう。郵政民営化阻止を始め、国鉄・教労・全逓・自治体の4大産別決戦の前進を実現しよう。
 第三に、戦争への「教育改革」・大学支配、社会保障制度解体、労組破壊に対して、全国・全産別・全大学で反撃しよう。都議選に勝利してファシスト石原打倒の突破口を切り開こう。
 第四に、米軍再編(トランスフォーメーション)と闘い、辺野古・座間・横須賀・横田闘争に立とう。3・27三里塚に結集しよう。
 第五に、一切の出発点であり帰結点は、イラク占領軍撤退闘争だ。自衛隊撤兵闘争を闘おう。

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週刊『前進』(2191号1面2)(2005/03/28)

動労千葉 ストと安全運転貫く 3・17〜19、運休は270本に

線路が危ない!
スト突入後、JR千葉支社への抗議行動に向けて「安全対策を行え」「ベア実施しろ」とシュプレヒコールを上げる動労千葉組合員(3月17日 千葉駅前)

 国鉄千葉動力車労働組合(動労千葉)は3月17〜19日、旅客の全組合員を対象とした72時間の春闘ストライキを貫徹した。17日正午から地上勤務者がストに突入し、本線運転士は同日の泊まり勤務から突入し、19日まで打ち抜いた。3日間で昨年の春闘ストを上回る270本の運休を出した。また15〜19日には、全本線運転士を対象とした安全運転闘争に決起し、レール破断の続発に対する安全対策の実施を求めて闘い抜いた。総武快速線と特急列車の120本以上で1分から4分の遅れを出した。ストと安全運転闘争の参加者は延べ約550人に上る。
 動労千葉の05春闘は、帝国主義による戦争と民営化(労組破壊)の攻撃に対する日本労働運動の最先端の闘いだ。また、教育労働者の「日の丸・君が代」強制拒否の闘いと連帯し、3・20国際反戦共同行動へと合流した戦争協力拒否の闘いでもある。
 16日には金属大手を始めとする集中回答が行われ、軒並みベアゼロだった。連合の大手労組はベア要求すら行わず、率先してベアゼロを受け入れた。JR西日本、東海もベアゼロ回答で、西日本は来年度から定期昇給を廃止する。JR東日本とJR貨物の回答は週明けに持ち越された。東日本は、人員を削減し史上空前の利益を上げているが、ゼロ回答を狙っている。貨物は賃金制度の改悪をたくらんでいる。
 動労千葉の春闘ストは、こうした現実に抗して、何よりも大幅賃上げ、賃金制度改悪阻止を掲げて闘われたのである。

 3・17集会からJR抗議行動

 スト突入後、17日午後2時から千葉市文化センターで「05春闘勝利! 安全運転闘争―スト貫徹! 動労千葉総決起集会」が開かれ、JR東日本千葉支社への抗議行動、千葉駅前での街頭宣伝が行われた。これらの一連の行動には支援の労働者を含めて250人が参加した。
 田中康宏委員長は、集会で「素晴らしい闘いに突入した組合員に感謝する。こういう団結こそ社会を変える力だ。労働組合が労働組合としての本当の姿を失っている現状でいいのか。動労千葉は一糸乱れることなく闘いに入ることのできる労働組合であることを示した。本日を期して闘いを貫徹し、JR体制を打倒する決意をあらためて確認したい」と意気高く宣言。
 「労働者の置かれている現実は、生活保護世帯100万世帯、143万人で100人に1人が生計を立てられない。大民営化攻撃がかけられ、一方で自衛隊がイラクに派兵され、憲法改悪や教育基本法改悪が狙われている。労働組合と教育、報道がつぶされたら戦争の道だ。国家を維持するためには戦争をしてもいいという考え方と、労働者の団結した力が社会を動かすという考え方が衝突している」と情勢の特徴を明らかにした。そして「動労千葉は国鉄分割・民営化に対して2波のストライキを闘って20周年になる。国鉄改革の次は教育改革と言われたが、ここまで教基法改悪―改憲を遅らせてきた。この闘いがなければ1047名闘争もなかった。いよいよ国鉄分割・民営化20年に向かって勝負の時だ」と今春闘の意義を鮮明にした。
 三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長が「労働者と農民の連帯、国際連帯で戦争を許さず闘う。三里塚は反戦の砦(とりで)として未来を開く」とあいさつ。また、全金本山労組の青柳充書記長が、「34年間闘い続けて2名の解雇撤回、年齢を問わず就労を希望する者の就労を果たした」と報告、「受けた支援にこたえて闘い続ける」と決意を表明した。
 長田敏之書記長による基調報告などで安全運転闘争を始めとする闘争の課題を明確にし、組合員一丸となって闘い抜いた。

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週刊『前進』(2191号2面1)(2005/03/28)

都立高校卒業式 さらに卒・入学式闘争へ
石原・都教委の圧殺を破り 堂々「君が代」不起立貫く

 「10・23都教委通達」から2年目の東京都立高の卒業式において、教育労働者が「日の丸・君が代」強制を断固拒否して不起立闘争に立ち上がった。これに連帯し門前ビラまきが行われた。“2度目は減給処分”や強制異動、嘱託解雇の恫喝、のべ千人もの警察の弾圧体制など、あらゆる重圧で教育労働者に屈服を強制しようとした石原と都教委のもくろみは、完全に破産に追い込まれている。この偉大な決起に続き、3月下旬の卒業式から4月入学式へ、さらに東京で・全国で、「日の丸・君が代」不起立闘争を大きく広げよう。

 不屈に不起立闘った労働者

 石原・都教委・警視庁の不起立闘争圧殺体制、そして都高教本部の制動など、あらゆる重圧を突き破って、今卒業式でも東京の教育労働者は堂々と不起立闘争に立ち上がった。
 A高校では、門前でビラまきをしていた労働者のところに出てきた教育労働者が、「私は今日、立ちません。ビラまきをしているからうれしくなって出てきました。座る人はもう1人います」と声をかけてきた。
 B高校では十数人がビラをまき、弁護士も2人かけつける中、教育労働者が「2度目の不起立をやります!」と宣言し、拍手に送られて学校に入った。「君が代」斉唱時は教育労働者とともに数十人の生徒が着席し、都教委あいさつの時に座った生徒も多い。
 C高校でも、ビラをまく労働者に教育労働者が「今年も生徒と討論をしています。私ももちろん座ります」と声をかけて、校内に入った。
 D高校では、「本当は都高教が闘う方針を出すべきなのに、おかしい」という声がうずまいていた。とりわけビラまき弾圧には「こんなことが起きたら高校じゃなくなる」と怒りが広がり、分会で「警察を呼ぶな」と校長交渉を行った。分会で討論を積み重ね、今年も不起立者を出した。
 E高校では、昨年の被処分者が引き続き不起立を貫いた。式では、校長の祝辞と都教委のあいさつの時、在校生のほぼ全員が「起立」の号令に従わずに不起立して抵抗の意思を示したという。門前ではビラまきとともに、弁護士が生徒や保護者に「歌わない自由、立たない自由があります」と呼びかけ、「座るつもりで来ました」とこたえて学校に入る保護者もいた。
 今回は会場外に出た教育労働者にも「来年は3年の担任。来年の卒業式では座ります」などの声が多い。「10・23通達をまかりとおらせるわけにはいかない」「なんとか反対を貫かなければ」「ここで屈するわけにはいかない」という思いがうずまいているのだ。
 断固とした不起立決起は、闘う方針を求める都高教組合員を大きく揺さぶり、大きな共感を集めている。その中で、3月8日の都高教本部委員会において、本部提案の春闘方針案が3分の1の賛成票しか得られずに否決されるという事態が起きた。“「日の丸・君が代」卒業式闘争に一言も触れない春闘方針とは一体なんだ!”という組合員の怒りがたたきつけられたのである。

 全校ビラまき暗雲切り裂く

 闘う教育労働者に連帯して、あらゆる産別の労働者や市民団体が1〜3月、連日の門前ビラまきに立ち上がったことが、学校現場の暴力的な制圧をうち破る決定的な力となった。
 さらに地域の労組や保護者、地域住民、卒業生などの校長申し入れも数十校で取り組まれた。式前日のリハーサルでも卒業生にビラがまかれた。
 こうして迎えた卒業式当日、都立高のほぼ全校でビラまきが行われ、その参加者はのべ千数百人に及んだ。全国労組交流センター、全学連はほぼ全校に登場。ほかにも都教委包囲ネット、百万人署名運動や各労組、市民団体・住民団体など、何種類ものビラが教育労働者と生徒・保護者に手渡された。弁護士も人権侵害と警察の弾圧を監視する行動に立ち上がった。
 この闘いに震え上がった都教委と警視庁は3月4日に都立野津田高校で2人、8日に都立農産高校で1人を不当逮捕した。しかし「建造物侵入」のデッチあげもできず、野津田高校の2人は翌々日、農産高校の1人も翌日に釈放された。
 この事態は弾圧が百パーセント不正義であることを暴き、教育労働者を大きく激励した。ただちに多くの分会が「校長は警察に通報するな」「警察を招き入れるな」と校長交渉に立ち上がり、校長が警察に通報することを断念した高校も多い。それでも式当日に警察官がやってくると、分会員が駆けつけて警察官に「あなたたちは誰に頼まれてここに来ているんだ」と抗議したり、「帰れ」と追い返したりした。
 警視庁の総力をあげた不当弾圧をうち破ったことが、現場を覆う暗雲を切り裂き、教育労働者の自己解放的な決起をいたるところでつくり出したのである。

 卒業生も抗議の声を上げる

 教育労働者の抵抗闘争とともに、生徒たちも自主的に行動を起こした。
 F高校では式の中で、卒業証書を授与された生徒がマイクを握り、「校長先生と都教委にお願いします。これ以上、先生方をいじめないでいただきたい」と訴え、会場の拍手が鳴りやまなかった。答辞を述べた卒業生も「国旗・国歌」強制と思想統制への危機感を訴え、「『茶色の朝』を迎えないために」と結んだ。
 G高校でも卒業生が声を上げた。同校の校長は、都教委から送り込まれて「都立高校改革」をごり押ししてきた人物。答辞を述べた卒業生は、「進学指導重点校」として「難関大学現役合格者数の向上」ばかりに傾注する現校長が来てから学校の自由な雰囲気が壊されてしまったと全面的に批判し、感動を呼んだ。
 卒業生自身が「立たない・歌わない」行動をまわりに呼びかけ、みなで話し合ってともに不起立した高校も複数にのぼる。

 保護者・地域住民も行動に

 地域住民や保護者も、さまざまな行動に立った。
 H高校では地域住民が数度のビラまきを行い、校長が警察を呼んだことに対して抗議行動を展開した。式当日は20人を超える人が正門前でビラまきやさまざまな訴えを行った。「あの高校の校長はひどい!」と地域でも大きな話題になる中で、式場では生徒も保護者も「君が代」をまったく歌わず押し黙り、校長と都教委職員の声だけが響くというぶざまな姿をさらした。
 I高校では正門でビラをまく人たちに保護者2人がが「こういうビラまきをもっとやるべきよ。私にも配らせて」と一緒にビラをまき、その後、「クラスに行ってまきます」と百数十枚のビラを持って会場に入った。複数の高校で保護者が校内でもビラを配った。
 東京の教育労働者は昨年に引き続いて堂々と不起立闘争に立ち上がり、多くの労働者・市民の共同闘争をつくり出し、「日の丸・君が代」闘争を文字どおり階級闘争の一大焦点に押し上げたのである。
 3月下旬の卒業式、そして4月入学式へ、さらに「日の丸・君が代」不起立闘争を大きく広げよう。

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週刊『前進』(2191号2面2)(2005/03/28)

大阪 290人が「不起立宣言」 創意工夫こらし抵抗続く

 卒業式を前に、今春の取り組みをどうするかを、ともに闘ってきた被処分者(「日の丸・君が代」処分と闘う大阪教育労働者の会)の仲間や職場の同僚と話し合いました。
 @東京の闘い、「被処分者の会」「被解雇者の会」「予防訴訟をすすめる会」とどう連帯するか、A大阪で取り組まれているさまざまな抵抗、各職場での取り組みをどのように団結した闘いにしていくか、Bこれから出てくるであろう大阪版「10・23通達」とどう対決するか、などを何度も討論しました。その中から「不起立宣言」をしよう、「私のひと言」を集めようという方針がつくられました。
 討論に時間がかかり、2月5日に予定していた「不起立宣言」集会まで2週間しか残されていませんでした。私たちはこれまでつながりのあるあらゆる人にお願いし声をかけました。その結果、2・5集会は154人の参加で成功し、286人の「不起立宣言・私のひと言」が寄せられました。この「不起立宣言」を持って翌日の東京の2・6集会に参加しました。
 「不起立宣言・私のひと言」には、教育労働者・保護者・生徒らさまざまな人の生の声が集まりました。
 「知花さんの〈日の丸焼き捨て>本当に感動的でした。そして、君が代演奏を拒否して、トランペットをひざの上に置いていた中学生の姿を忘れることはできません。05年春の不起立から闘いは始まります」
 「『君が代』は賀の歌でなく、本歌は『万葉集』の挽歌にあります(藤田友治編『君が代の起源』明石書店より)。葬儀に歌われた歌を卒業式・入学式の『祝』に強制するのは思想・良心の自由を侵害しています」
 こうしたものや、「窮鼠(きゅうそ)ネコをかむぞー」と思わず笑ってしまうものまであります。これを職場で配布しました。「面白かったね」という感想があり、雰囲気が変わりました。もっと多くの人に伝えたいと思います。
     *
 2月24日から府立高校の卒業式が始まりました。「反戦福祉議員ネット」や市民団体から校長に申し入れが行われ、式当日はビラがまかれました(写真)。ある学校では、三つの組合のビラがまかれ市民団体のビラも2種類まかれました。
 教育労働者が式場の様子を支援のビラまきの人に話してくれます。「生徒の多くが着席だった」「『君が代』のテープがうまく流れなかった」「保護者が生き生きと着席していた」「来賓の府議会議員(自民党)が無断欠席した」などなど。あるいは「多くの生徒が起立していた」と悔しそうに話す人もいました。校長が「ビラまきはやめて欲しい」と言ってきたところも多かったようです。
     *
 今年は「不起立宣言」とビラまき・申し入れ行動でずいぶん多くの職場の様子が分かりました。創意工夫をこらして執拗(しつよう)に創造的に抵抗が続いています。これからの課題は、各学校での取り組みを連絡しあい励ましあい、連帯していくことです。もちろん大阪だけでなく全国から連帯する動きをつくり出していく必要があります。
 私は「こんなことをしているのは自分の職場だけではないのだろうか?」と不安に思うことがありました。しかしこの数年間闘い続け、東京(他府県)の不起立決起があり、今年はまだまだ限られた数ですが各職場の様子が分かって、不安はなくなりました。
 全国で「たったひとりで」抵抗を続けている教育労働者に、「絶対ひとりではないよ」「『日の丸・君が代』闘争は教育労働者が闘わざるを得ない闘争だ。だからこんなにたくさんの人たちが処分を受けても闘い続けているんだ」と“生の声”と“現実の闘い”で伝えたいと思います。
 最後に、これは本来労働組合のすることではないでしょうか? 「日の丸・君が代」闘争の進展の過程で、闘う日教組の再生が現実の要請になっていると思います。(教育労働者 K)

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週刊『前進』(2191号2面3)(2005/03/28)

山田杉並区長 「支那の発砲で始まった」 中国侵略戦争を居直り

 ファシスト石原の先兵=山田杉並区長が、日帝の侵略戦争を居直り正当化する暴論をまた吐いた。山田は今年の成人式で「特攻隊」を賛美する発言を行い、それを区議会で結柴議員から追及されると「大東亜戦争は自衛戦争」と公言、「つくる会」教科書と同じファシスト的歴史観で第2次世界大戦と、アジア・太平洋戦争を正当化した。

 極右衛星テレビ

 そして今度は3月7日の区議会で、「大東亜戦争の記録と精神を後世に伝える」ことなどを目的とする極右衛星テレビ「チャンネル桜」を杉並区と教育委員会が後援していることを追及され、「支那事変と蘆溝橋事件は支那側からの発砲で始まった」とうそぶいたのである。これを結柴議員、新城議員に再三追及されたが、発言を頑として撤回せず、逆にそれが山田のファシスト的持論であることをますます居直った。
 だが、そもそも「支那事変」という言い方自身が国際的にまったく通用しない。日帝の中国への民族差別と排外主義の許しがたい呼称である。その上で日帝の全面的な中国侵略戦争=日中全面戦争の原因を中国側の「発砲」に求めるのは、歴史を180度ねじ曲げる暴論だ。居直り強盗の論理よりももっとひどい。

 夜間演習と銃声

 そもそも1894年の日清戦争以来の日帝の中国侵略史を直視して見よ。
 @まず日帝は日清戦争で中国から台湾を奪い取り植民地化した。A1900年の義和団の乱の鎮圧に際しては帝国主義8カ国連合軍の一角で1万2千人の最大部隊を派兵し、以後、北京や天津およびその周辺に軍隊を駐屯させ続けた。B日露戦争をへて1910年には、大軍でソウルを制圧し朝鮮を併合した(植民地化)。Cそして第1次大戦に参戦すると同時に1915年に、中国を半植民地化するに等しい「21カ条の要求」を突きつけた。
 D1927〜28年には中国革命に干渉するため「居留民保護」を口実にして3次にわたる山東出兵を強行。Eそして1931年、関東軍が「柳条湖事件」を仕組み中国東北部への宣戦布告なき侵略戦争を開始した(いわゆる満州事変)。Fこうして日清戦争以来、帝国主義の争闘戦激化の中で連綿と継続・拡大された日帝の侵略と植民地化攻撃の上に、必然的に起きたのが1937年7月7日の「蘆溝橋事件」だった。
 この事件ぼっ発に先立って日帝は華北一帯の駐屯軍を3倍に増強している。こうした中で北京郊外、蘆溝橋付近に駐屯する日本軍が7月7日、夜間演習を強行した。この過程でまず「3発」、続いて「10数発」の銃声がとどろいた。日帝はこれを口実に、日本軍が中国側から攻撃されたと言い掛かりをつけ、中国への侵略戦争を仕掛けた。

 全面侵略戦争へ

 これが「蘆溝橋事件」であり、まさに日中全面戦争の発端であった。
 日帝は当初「不拡大方針」を決定した。だが「暴支膺懲(ようちょう)」を叫んで侵略戦争はどんどん拡大し、全面的な戦争に発展した。そしてついには1941年12月8日の対米開戦、米英帝とのアジア・太平洋をめぐる帝国主義的大戦争に転化していった。日帝は日中戦争を長く「支那事変」と呼び、ついで「大東亜戦争」と呼称を変えて、1945年8・15の敗戦まで破滅の道をひたすら突っ走ったのである。
 山田や「つくる会」教科書はこれを「大東亜戦争」「自衛戦争」と美化し、「支那事変は支那側の発砲から始まった」と強弁して、中国侵略戦争をごう然と居直り、正当化しているのだ。その目的は過去の侵略戦争を賛美しつつ、すでに始まっている「新たな15年戦争」を推進していくためだ。青年を再び「特攻隊」へと動員するためだ。これこそファシスト石原と山田の「教育改革」の狙いであり、正体であることを暴露して闘いぬこう。

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週刊『前進』(2191号2面4)(2005/03/28)

 「つくる会」教科書採択阻め

 山田は石原と同様に「教育」を最大のターゲットにしている。一連の暴言はすべて教育を戦争教育に変えるためのものであり、「つくる会」教科書採択への正面突破の攻撃である。
 山田は何よりも教育労働者を憎悪し、攻撃を集中しようとしている。山田は「チャンネル桜」集会や区議会で「教師は聖職だ。教育労働者などと称し、権利ばかりを主張しているような教師に教育は任せられない」と発言している。
 3月15日の区議会で「つくる会」系の極右反動議員が「学校の敷地内に組合の事務所があるのはおかしい」と質問すると、山田は「それは許されない」と答弁した。これは教育労働者と教職員組合に対する襲撃宣言だ。
 杉並区の幹部職員や区教育委員会も山田支持者で固められ、急速にファシスト的変質を遂げてきている。ファシストによる「杉並区乗っ取り」ともいうべき事態が進行しているのだ。
 区と区教委が「チャンネル桜」を公然と後援していることは、戦慄(せんりつ)すべき事態だ。「チャンネル桜」とは「特攻隊のように日本人は今こそ『桜』にならなければならない」(チャンネル桜通信第2号)という主張のもと設立された極右ファシスト団体だ。創設メンバーは「つくる会」につながる極右反動分子がずらりと名を連ねる。放送の中では「天皇のために死ぬということでなければ自衛隊員は命をかけて戦えない」(「防人の道」なる番組での西村真悟の政策秘書の発言)などと憶面もなく語られている。山田と幹部職員、区教委はこのような極右ファシスト集団と一体化しているのだ。
 杉並をファシストの手に明け渡すな! 6月都議選決戦をファシスト石原=山田打倒の階級決戦として闘い、必ず勝利しよう。

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週刊『前進』(2191号2面5)(2005/03/28)

都教委に抗議デモ 全国学生 教育労働者に連帯

 3月10日、法政大学法・文・経営・二教自治会の呼びかけで、「『日の丸・君が代』強制をやめろ! ファシスト石原打倒! 3・10都教委抗議デモ」が闘われた。都立高で「日の丸・君が代」強制粉砕の卒業式決戦が激しく闘われる中で、全国の学生が東京に結集し、ファシスト石原・都教委打倒を真っ向から掲げてデモに決起したことは決定的に重要だ。高校生も参加し、ともにデモを闘いぬいた。
 午後3時、全国の学生と高校生100人が新宿・柏木公園に結集した。この日、全国の学生は、労組交流センターや地域の労働者とともに、早朝から都立高卒業式へのビラまきに決起した。さらに卒業式前日にリハーサルが行われる高校にも登場し、高校生へのビラまきを行ってきた。その行動をやりきって結集した学生たちは、ビラまき時の教育労働者からの激励や、高校生の反応などを早速、お互いに報告しあっていた。
 デモに先立つ集会で、法政大学4学部自治会の代表が基調報告を提起した。3月「日の丸・君が代」決戦を、日帝の世界戦争参戦を阻止する戦時下の階級決戦として大爆発させ、闘う教育労働者と連帯して昨年を超える不起立闘争の拡大をかちとり、ファシスト石原を打倒しようという熱烈な訴えが発せられた。
 続いて東北大、富山大、京都大、広島大の4人の学生が決意表明し、ただちに都庁に向けたデモ行進に出発した。
 「石原知事による『日の丸・君が代』強制反対!」と大書されたのぼり旗と全国の自治会旗を先頭に、デモ隊は新宿西口の大通りへ。沿道の労働者・学生・高校生が圧倒的に注目し、ビラを受け取った。ビルの窓を開けて手を振る労働者の姿もあった。歩道橋にも若者が鈴なりになり、デモに注目した。
 石原都知事のいる都庁第1庁舎前で、デモ隊はひときわ大きく「『日の丸・君が代』強制をやめろ!」「ファシスト石原打倒!」のシュプレヒコールをたたきつけた。さらに隣の第2庁舎内の都教委に対しても、「教育労働者への不当処分をやめろ!」と怒りのシュプレヒコールをあげた。
 右翼の街宣車が対抗的に軍歌を大音量で流しながらやって来た。これこそ石原と都教委の進める「日の丸・君が代」強制の正体だ。デモ隊は右翼の敵対を粉砕してデモを最後まで貫徹した。
 石原は、労働者と学生が団結し決起することを最も恐れている。そして、労働者人民は、ファシストと真っ向から闘う学生運動・労働運動の登場を求めている。3・10都教委抗議デモは、そのことを鮮明に示している。
 全国学生は、ファシスト石原打倒、小泉=奥田打倒を真っ向から掲げ、3月決戦を引き継いで4月新歓闘争の大勝利をかちとろう。

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週刊『前進』(2191号2面6)(2005/03/28)

前進社、都革新への不当捜索を弾劾する

 警視庁は3月15日朝、東京都江戸川区の前進社本社を、翌16日午後に杉並区の都政を革新する会事務所を、不当な口実をデッチあげて家宅捜索した。徹底的に弾劾する。
 捜索の口実は、2〜3年前の神奈川県内のマンション賃貸借契約での「氏名不詳」者による「有印私文書偽造・同行使、詐欺」容疑である。しかし、これは、前進社および都革新とはまったく無関係なことである。ただただ革共同および都政を革新する会の政治活動を妨害し弾圧するための口実にほかならない。
 捜索に来た刑事は、「氏名不詳者の事件で、どうして前進社を捜索するのか」という当然の追及に、何ひとつ答えることもできなかったのだ。
 警視庁の理不尽きわまる暴挙は、原則的な闘いによって完全に粉砕された。
 権力の狙いは、「日の丸・君が代」強制拒否−卒業式闘争への政治弾圧であり、同時に3・20イラク反戦、3・27三里塚闘争への予防反革命である。
 捜索が行われた15日朝、警視庁のリークを受けた反共右翼の産経新聞が「都立高に国旗・国歌反対ビラ――中核派 強制捜査へ」というでたらめ記事を掲載した。教育改革攻撃の先兵・産経が、警察の狙いを露骨に表明したのだ。
 不当弾圧に対する革命党と労働者人民の回答は、一層の闘いの爆発だ。さらに入学式闘争の爆発をかちとろう。3・27三里塚闘争に決起しよう。

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週刊『前進』(2191号3面1)(2005/03/28)

カクマル打倒へ誓い新た
3・14反革命30年、新指導路線下で本多同志をしのぶ会開く

 革共同の偉大な指導者、本多延嘉前書記長が憎むべき反革命カクマルによって虐殺されてからちょうど30年目の3月14日夜、「本多延嘉同志をしのぶ会」が都内で開かれた。会には、三里塚芝山連合空港反対同盟から北原鉱治事務局長、北富士から天野美恵忍草母の会事務局長、動労千葉から滝口誠特別執行委員が参加し、党内外から60人が集まった。新指導路線のもと、カクマルへの復讐の誓いを新たにし、ともに闘う決意を固めた。

 6回大会の勝利宣言を再確認

 会場には本多同志の遺影と花が飾られた。本多同志とともに破防法被告として裁判闘争を闘った藤原慶久同志が司会を務めた。
 最初に天田三紀夫書記長が革共同からのあいさつを行った。(要旨別掲)
 天田書記長は、3・14反革命を見すえ、そそぎ、のりこえる闘いを貫徹して、今やカクマルとの力関係を完全に逆転し、革共同第6回大会でカクマルに対する勝利宣言を行うところまで到達したことを力強く宣言、本多同志の提起した革命の現実性、労働者階級の自己解放闘争論が、今再びよみがえっていることを強調した。
 59年革共同全国委員会結成以来四十数年、今日われわれは清水丈夫議長のもとに営々たる継承性をもって闘いぬいており、だから必ず勝利できることを宣言した。そして、階級情勢のあまりの激しさ、「日の丸・君が代」強制阻止の連日の闘い、翌日からの動労千葉の順法闘争・春闘ストライキ、3・20国際連帯闘争、3・27三里塚闘争などの連続の中で、今年からこのような形で行うことになったことを説明した。
 そして、今やすべての政治勢力が戦時下の階級闘争において屈服している中で、革共同が唯一無二の革命勢力として存在していることを自覚し、闘うことを呼びかけ、自ら本多同志の遺志を引き継いで先頭に立って闘う決意を表明した。
 カクマルに対するけっして薄れることのない憎悪と敵意、そしてそのファシスト的反動を打ち破ってきた勝利感をもって05年決戦勝利を宣言する烈々たる発言が集いの基調を決定した。

 三里塚、北富士、動労千葉が参加

 破防法弁護団長として、被告団長の本多同志とともに破防法裁判闘争を闘った葉山岳夫弁護士が献杯の音頭をとった。
 葉山さんは、本多さんが逮捕された69年の4月27日に前進社に行ったところから破防法裁判闘争が始まったこと、第1回公判で本多さんが「われわれは裁かれに来たのではない。日本帝国主義・国家権力を裁くためにこの場に来たのだ」と堂々と陳述したことをあらためて想起し、紹介した。カクマルによる本多さんの虐殺を「生涯これほど悔しい思いをしたことがなかった」と振り返り、国鉄分割・民営化をとおしてこの悔しさは全労働者人民のものとなったと語って、革共同とともに闘う決意を明らかにした。参加者全員がカクマルへの復讐の念を新たにしつつ、本多さんをしのびグラスを高くかざした。
 三里塚、北富士、動労千葉から来賓のあいさつを受けた。三里塚の北原さんは、反対同盟と革共同との40年に近い共闘関係について述べ、その中で本多さんとの出会いもあったことを明らかにした。本多さんが北原さんの自宅を訪れ、話をして肝胆相照らす仲になったと回想した。「本多さんの闘いはここにいるみなさんの中にある」と語り、革共同が不屈に前進をとげてきたことをたたえ、これからも革共同と連帯して三里塚に勝つまで闘いぬくことを力を込めて約束した。
 北富士の天野さんは、亡き天野重知組合長が見込んで中核派とのつきあいが始まったと語り、「本当にあなた方と一緒にやってきてよかった」と語った。60年安保闘争の時に国会闘争に行って母の会を結成したこと、それ以来「日の丸」を村から一掃し「闘魂」の旗に代えて闘ってきたこと、「富士を返せ」と自衛隊と米軍に対するゲリラを革共同とともに闘ってきたことを確信をもって語り、最後に杉並都議選での長谷川さんの勝利こそが本多さんにこたえることだと訴えた。
 北原さんと天野さんの、高齢を感じさせない迫力ある連帯の言葉は、参加者全員に強い励ましとなった。
 春闘ストに向かって全力で闘いぬく最中の動労千葉からは、滝口さんがあいさつした。「明日からの順法闘争とそれに続くストライキを、歴史的転換点におけるストとして貫徹したい」と前置きし、彼自身が東京東部の国鉄労働者として本多さんと出会い、その指導を受けたことを懐かしく語った。労働運動を身をていして指導した本多さんの人柄がしのばれた。

 同志、友人らが人柄をしのぶ

 会場から、多くの参加者が発言した。
 『前進』編集長の城戸通隆同志が、「本多さんは早稲田大学新聞の編集長の経歴を持ち、新聞に関する見識を持っていた。新聞とは何かということを含めて多くの教えを受けた」と語り、「情理を兼ね備えた指導者」であった本多同志の遺志を継いで3・14復讐戦を貫徹し、日本革命勝利へ闘う決意を表明した。
 労働者の古参同志として、元全逓労働者の神子高人さんが発言した。神子さんは、「人間は年をとって老いるのではない。夢を失った時に老いるのだ」と述べ、階級的激動期に突入し、まさに夢が開くかどうかというところに来ていると述べた。当局の首切り処分と組合中央の統制処分の二重の処分と闘いぬいた全逓羽田の闘い以来の闘いを踏まえた発言だった。
 獄中17年の迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧の3人の被告(須賀武敏、十亀弘史、板垣宏の3同志)が参加し、代表して須賀同志が発言した。「われわれが困難な時、常に本多さんの言葉に励まされてきた」として、本多同志の論文「70年安保闘争と革命的左翼の任務」(本多著作選第4巻所収)の一節を朗読し、「激動期の行動原理」を貫いて闘うことを表明した。
 早稲田大学で本多さんの後輩として革共同に結集して闘ってきた小野正春さんが、60年安保闘争からカクマルとの分裂過程の思い出を語り、カクマルにとって統一戦線とは相手をつぶすためのものであって、本多さんはそれと真っ向から闘ったことを強調した。
 革共同創成期以来、本多同志とともに闘ってきた宗像啓介さん(部落解放理論センター)が、本多さんは理論と実践が一致した人だったと語った。
 60年安保闘争以来闘いをともにしてきた女性同志が、「マル青労同書記局にあって、労働者同志に信頼されることが重要だと本多さんが教えてくれた。労働者階級の自己解放性への信頼が革共同の神髄だ」と述べた。
 元都議会議員の長谷川英憲氏が、「本多さんが虐殺されたあの朝のことは永遠に忘れない」と述べてカクマルを打倒する決意を表明し、都議選に勝利し石原を打倒する闘いの意義を語った。「石原を過小評価することは30年代ドイツの二の舞いであり、逆に石原を倒せば、日帝打倒の道が開かれる」
 元全学連委員長の金山克巳同志は、「本多さんは『悪いことを報告しろ、組織はそのためにある』と指導してくれた」と思い出を語るとともに、同じ75年に逮捕されて獄中30年を強いられている星野文昭同志をなんとしても奪還することを訴えた。
 さらに多くの発言が続いた後、革命軍から寄せられたメッセージが代読された(別掲)。「(30年たって)カクマルに対する報復戦貫徹・完全打倒の戦闘気概は30倍化している」として、新指導路線のもとに闘いぬくとともに、「必ずや黒田を地獄の底から引きずり出して歴史的大罪の責任をとらせる」と決意が記されていた。それは参加者全員の決意であった。
 カクマルに対する復讐の決意と05年決戦勝利の意志を込めて、全員でインターナショナルを斉唱した。

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週刊『前進』(2191号3面2)(2005/03/28)

遺志継ぎ21世紀革命へ 革共同書記長 天田三紀夫

 私たちは、3・14反革命をあいまいにせず、見すえ、そそぎ、のりこえる闘いをこの30年間やってきました。そして6回大会で、JR総連カクマルとカクマル中央派への分裂、黒田哲学の破産、カクマルの死を宣言して、21世紀早期に革命をやり遂げることを宣言しました。
 今、情勢は激しく世界戦争に向かって突入しています。本多同志の言葉で言えば、革命の現実性を現実の革命に転化する、労働者階級自己解放闘争論がここによみがえってきています。
 本多同志は反スターリン主義・革命的共産主義運動の創始者の一人であり、革共同を不抜の労働者党として建設しようとした。60年安保闘争を総括し、革共同の3全総・3回大会路線を築き上げる闘いを牽引(けんいん)しました。それが67年10・8羽田闘争から69年、71年の二つの11月決戦を闘いぬく力になった。
 70年安保・沖縄決戦の理論的基礎は、本多同志が築きました。そして自ら10・8羽田闘争の先頭に立って闘いぬいた。理論的指導者であると同時に実践的指導者でした。
 70年闘争の地平の大きさゆえに国家権力は、本多同志に破防法を発動し、警察=カクマル連合をもってわれわれに襲いかかった。これに対して、73年9・21以来の報復戦を戦いぬいた。その中で私自身彼から重大な指導を受けました。そして75年3・14からはい上がって全党全人民の力で闘いぬいてきました。
 今日われわれは社・共に代わる労働者党をつくっていく、労働組合の権力をとって日本階級闘争の前進をかちとるという新指導路線を確立して闘っています。
 今日のわれわれは59年全国委員会結成以来、四十数年間の実践が6回大会以来の闘いの中で、清水議長のもとで全力で指導されています。営々たる継承性をもって存在している。だから、その力は必ず勝利に転化することができます。
 私たちは同時に75年以来獄中30年の星野文昭同志の奪還を必ずかちとることを誓います。
 私たちは今、本多同志の遺志を引き継いで発展させることが火急の任務であることを確認し、その実践の先頭に立つことをお誓いしてあいさつとします。

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週刊『前進』(2191号3面3)(2005/03/28)

“黒田に必ず報復” 革命軍代表 真田真人

 75年3・14反革命から30年、革命軍は、あの日の衝撃・慟哭(どうこく)・憤怒と必勝への信念を総反攻完遂への力の源泉に、本多書記長とともに「一度(ひとたび)の死」をのりこえて、「死地に赴く決意」を体現・発揮して流血と屍(しかばね)の修羅場を強靱不抜に全力疾走してきた。本多書記長を卑劣極まりない目的・手段をもって虐殺した現代のファシスト・反革命カクマルに対する煮えたぎる敵意と憎悪、報復戦貫徹・完全打倒の戦闘気概は30倍化している。
 第6回大会で宣言されたとおり、対カクマル戦の歴史的勝利はすでに決した。黒田・中央派と松崎・JR総連派への大分裂、国鉄・早稲田・沖縄失陥、残存逃亡分子の権力への自首・投降へ行き着いたカクマル組織の現実こそ、黒田無責任指導の必然的帰結であり、そのカルト「哲学」そのものも腐臭放つ残骸(ざんがい)でしかない。
 昨年の11・7労働者集会は、日米韓の戦闘的労組・労働者が戦時下において国際的=階級的団結をもって戦取した歴史的巨弾である。(中略)
 『戦争と革命の基本問題』で本多さんが喝破したとおり、この30年間とは、革命の原理が内乱の論理をとおして再び革命の原理のうちに止揚されていく現代革命の戦略的現実化の過程にほかならなかったのだ。
 ついに、反スターリン主義・革命的共産主義運動の大躍進が始まった。革命軍は、戦後60周年、3・14反革命30周年の05年を革命本番第1年として戦う。革命軍は、新指導路線のもと、動労千葉を先頭とした労働組合運動の階級的発展を支持・防衛・促進する階級の部隊への新次元での飛躍を戦い取って行くとともに、必ず、黒田を地獄の底から引きずり出してでも歴史的大罪の責任を身をもって取らせることを誓う。本多書記長の不滅の闘魂は革命軍の中に生き続けていくことを宣言し、追悼のアピールとします。

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週刊『前進』(2191号3面4)(2005/03/28)

解雇・ロックアウト打ち破り 全金本山が職場復帰 34年の闘い完全勝利

 3月16日、全金本山労働組合が34年間にわたる闘いに完全勝利し、職場復帰をかちとった。2人の解雇撤回と定年年齢を過ぎた人も含め希望者全員が職場に復帰するという歴史的な勝利だ。この日早朝、大衡村本社工場正門に自らへの解雇を撤回させ就労をかちとった熊谷春男氏など、就労を希望する17人の組合員が勢ぞろいした。同じく被解雇者であった青柳充書記長は、解雇を撤回させたうえで定年退職し、この日から組合専従として本社工場構内の組合事務所に出勤する。結集した全金本山の労働者と支援の労働者・学生の顔には勝利の喜びがあふれた。8時20分、支援者の拍手に送られながら組合員は工場の門を入り、笑顔で手を振ってこたえながら工場建物へと入っていった。
 この日、朝7時50分には全金本山の労働者を先頭に80人が本社工場正門に結集した。全金本山労組は「解雇もロックアウトも撤回された。32年ぶりに職場に戻ります」と大書した横断幕を掲げ、支援の労働者も「解雇撤回・原職奪還おめでとう」の横断幕を掲げて職場復帰の集会が開かれた。経過説明を行った青柳書記長は、会社を追いつめたことによってかちとられた勝利であることを明らかにし、「横のつながりを求めていきたい」と今後、地域での共闘の拡大と労組組織の拡大をめざしていくことを表明した。八重樫友美前委員長は、職場に戻れない組合員の思いを代表して「何かあったら外にも組合員がいますから」と就労する組合員を激励し、支援者に感謝の言葉を述べた。
 職場に入る組合員を代表してあいさつした長谷武志委員長は、「わたしたちは、資本・権力・暴力ガードマンの弾圧をはね返してここまで来ることができました。労働者と資本の本来の関係から言えば、いつまた激突に戻るかわかりません。いつでもそういう闘いに戻る決意です。『職場に砦(とりで)、地域に共闘を』のスローガンを掲げ、全国の労働者の団結を大きくつくっていくためにここを砦にして、これからも頑張ります」と語った。
 熊谷春男組合員は、「私は解雇されて最高裁判決も受けたが、それをはねのけて今日職場に戻る。これは他に例がない意義のあることだ。闘いの中で亡くなった2人の遺志を継いで元気に働き、元気に闘っていく」と決意を語った。
 組合からのあいさつに続いて、花束が渡され、組合員一人ひとりにも花が贈られた。最後に長谷委員長の音頭で団結ガンバローを行い(写真上)、拍手に送られながら全金本山の労働者が工場へと入っていった(写真下)。こうしてついに32年間のロックアウトが打ち破られ、34年間の闘いに完全に勝利したのだ。

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週刊『前進』(2191号3面5)(2005/03/28)

全金本山 東京で報告集会 喜びにあふれ勝利祝う

 3月11日、東京都庁ビルの一角にあるカフェテリアで本山闘争勝利東京報告集会&レセプションが開かれた。会場は首都圏各地から本山闘争を支援し、ともに闘ってきた労働者が満杯に結集し、勝利の喜びにわきかえった。
 開会のあいさつを庄子和副委員長が行った。主催者あいさつに立った長谷武志委員長は、「34年間にわたって労働組合つぶしの攻撃を全部かけられて、それをはね返して勝利した」と闘いの激しさを語った。特に上部団体である総評全国金属による闘争つぶしの圧力をはね返して闘い抜いたことの意義を強調した。そして「『一人の首切りも許さない』というスローガンを掲げて闘ってきて、それを断固として守り抜いた」と、原則を貫いた勝利であることを明らかにした。さらに、「32年間のロックアウトを粉砕して職場に復帰する。ここに本山闘争勝利の地平がある」と巨大な意義を明らかにした。そして「『職場に砦、地域に共闘を』をスローガンに大きな団結をしっかりつくり、ともにこの時代を闘い抜いていく」と決意を語った。
 青柳充書記長が経過報告を行い、続いて自治労東京都庁職員労働組合や争議団連絡会議、東京交通労働組合、光文社労働組合など各団体・労働組合の代表がつぎつぎと祝辞を述べた。
 動労千葉の田中康宏委員長は「この勝利は、本当に見事な勝利です。何よりも解決の中身が完全勝利と言っていい内容だ。さらに34年間、解雇やロックアウトなどの攻撃をかけられながら団結を守り抜いたことが見事だ。これほどの闘いが日本の労働組合の歴史にあっただろうか」とたたえ、感謝の気持ちを表した。
 発言が続く中で乾杯が行われ、途中、参加した全金本山労組の組合員が前面に並び、組合員の紹介が行われ、花束が贈呈された。最後に中野七郎書記次長がメッセージを紹介し、小野万東京分会長がまとめと閉会のあいさつを行い、長谷委員長の音頭で団結ガンバローを行った。全金本山の歴史的勝利を祝うにふさわしい熱気と歓喜にあふれた報告集会となった。

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週刊『前進』(2191号3面6)(2005/03/28)

動労千葉 鉄建公団訴訟始まる 不当解雇の撤回を訴え

 動労千葉の清算事業団被解雇者9人が鉄建公団(現鉄道建設・運輸施設整備支援機構=旧国鉄清算事業団)を相手に雇用関係存在確認などを請求して提訴した訴訟の第1回口頭弁論が、3月11日、東京地裁民事第11部(三代川三千代裁判長)で開かれた。
 この訴訟は、3月7日に結審した国労闘争団の鉄建公団訴訟に続いて昨年12月24日に提訴された。同27日に提訴した全動労争議団を含めて、1047名の三つの闘争団・争議団が団結する重要な闘いである。
 国労闘争団の原告団も多数が傍聴に駆けつけ、「一緒に頑張りましょう」とエールを送った。
 口頭弁論では、代理人を代表して葉山岳夫弁護士が原告側意見陳述の趣旨を提起し、まず浅野史生弁護士が訴状の概要を説明した。この事案は、87年の国鉄分割・民営化の際に動労千葉に所属するがゆえに採用差別され、清算事業団でもまともな就職あっせんをされず、90年に解雇されたものだ。「その原状を回復し、原告らの名誉回復を求める」と述べた。
 佐藤昭夫弁護士は、国鉄再建監理委員会委員長の亀井正夫が「国労、動労を解体しなければならない」と発言したこと、同委員の住田正二(初代のJR東日本社長)が「房総の動労千葉の首を切ってくれ」と国鉄副総裁に言っていたことを暴露した。そして「国家的不当労働行為の存在を明らかにし、人権侵害の救済を図る、憲法の団結権に従った判決を」と訴えた。
 原告の高石正博さんが意見陳述に立った。動労千葉組合員は、原告の9人を含む12人が新会社への採用を拒否された。その後、千葉地労委の審問で85年11月と86年1月のストの際の停職6カ月または2度の停職が理由であることが明らかになった。ストに対して解雇28人を始めとする処分が強行されたが、一審で13人が解雇無効となり、高裁では28人全員の解雇撤回で和解した。停職処分も不当だったことを物語っている。応募が募集人数に達しなかったにもかかわらず採用を拒否したことは不当である。
 高石さんは、「清算事業団の3年間、再就職先について管理者からは説明を受けず、朝夕の点呼だけで、『90年3月まで再就職しないで置いておくだけの職員だと確認できれば、片付いている』と、最初から解雇を目的にしていた。解雇はさかのぼって撤回されるべきだ」と訴えた。
 次回の口頭弁論は、5月25日、東京地裁710号法廷で開かれる。

 中労委に命令交付求め宣伝

 動労千葉組合員は、この後、春闘総行動の一環として中央労働委員会に対する宣伝を行った(写真上)。動労千葉に対する不当労働行為事件で中労委に係属している事件のうち6件がすでに結審している。運転士登用差別事件は10年以上も命令待ちである。これらに対して直ちに救済命令を交付するよう求めた。

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週刊『前進』(2191号4面1)(2005/03/28)

解同全国連第14回大会 差別糾弾闘争復権を宣言
戦争と差別の洪水に対決 中田書記長、5つの指針提起
 「人権擁護法案」粉砕訴え

 部落解放同盟全国連合会第14回全国大会が3月6日に奈良市で、7日に東大阪市で開かれ、大成功した。全国の闘う部落大衆、労働者、学生ら1150人が結集し、「差別糾弾闘争を復権し、戦争の時代の部落解放闘争を切り開こう」のメインスローガンのもと、ともに闘う決意を打ち固めた。特に42年間不屈に闘う石川一雄さんと連帯し、無罪判決をかちとるまで狭山闘争を闘うことを固く誓った。全国連創立以来13年の闘いを踏まえ、戦時下の部落解放運動の基軸に差別糾弾闘争を据え直した重要な大会となった。
 第1日目は奈良県文化会館(奈良市)で行われた。
 初めに主催者として全国連中央本部の瀬川博委員長があいさつ。「時代は戦争と差別のさなかにある。イラクに自衛隊が派兵され、北朝鮮への侵略戦争が切迫している。『日の丸・君が代』が強制され、教育基本法改悪、憲法改悪が狙われている。小泉政権は日本を戦争がやれる国に改造しようとしている。差別が洪水のようにあふれ、(同和対策事業の)『法』なき後の3年間の激変緩和措置が切れる中、私たちの生活はますます苦しくなっている。私たちは団結を固めて堂々と要求闘争を闘う。『人権擁護法案』は、差別糾弾闘争を国が取り締まり、解放運動を翼賛団体に変えてしまう。断固反対する。部落民自身による差別糾弾闘争を軸に闘い、全国連の5万人組織建設をかちとろう」と高らかに宣言した。
 来賓あいさつの最初に動労千葉の繁沢敬一副委員長が「動労千葉は3月中旬05春闘ストライキに立ち、3・20イラク反戦闘争に総決起する」と決意表明。次に港合同の辻岡尚執行委員が「激化する雇用形態の重層的差別、低賃金・長時間労働の攻撃、民営化、教基法改悪策動、倒産攻撃に対して全国連とともに闘う」と語った。さらに都政を革新する会の長谷川英憲代表が「差別糾弾闘争、狭山闘争を全国連とともに闘う。ブッシュ、小泉、奥田、石原都知事らが進める世界戦争への道と対決し、3月卒業式闘争、3・20闘争を闘い、6月都議選に勝つ」と固い決意を述べた。
 続いて北富士忍草母の会、革命的共産主義者同盟、辻元清美元衆議院議員の連帯のメッセージが紹介された(別掲「革共同の連帯メッセージ」)。
 階級闘争の最大の焦点となっている「日の丸・君が代」強制と闘う教育労働者の特別アピールを大阪の教育労働者が発した。「『日の丸・君が代』強制反対の闘いは憲法・教基法改悪阻止、戦争国家化阻止の闘いの最前線。勇気ある労働者の決起に都教委と石原都知事は追いつめられている。違憲・違法の10・23通達、校長の職務命令を許さず闘う」という都高教の教育労働者の連帯のメッセージを紹介、自らも「東京の闘いに連帯し、闘いを全国に広めたい。大阪では2月24日までに300人が不起立宣言をしている。『教え子を戦場に送るな』のスローガンを守り、弾圧を恐れず前進する」と宣言し、万雷の拍手を受けた。
 1月13日に武建一委員長ら4人に対するデッチあげ刑事弾圧を受けた全日建運輸連帯関西地区生コン支部の小路健太郎副委員長が弾圧粉砕のアピールを行った。「1・13弾圧は、関生の29年の闘いの成果を奪い、3労組(動労千葉、港合同、関生支部)陣形を解体することを狙った弾圧であると同時に、戦争・反動と闘うすべての人びとへの弾圧である」と述べ、全国連大会参加者と連帯して闘う決意を表明した。
 議案提起の初めに全国連中央本部の楠木吉秀事務局長が04年度活動報告を行った。楠木事務局長は「昨年は10・31狭山中央闘争を戦争と差別、生活破壊と闘う部落民総行動として闘い、また戦争と民営化に反対する11・7労働者国際連帯集会と呼応して闘った。差別糾弾闘争をよみがえらせる手がかりをつかんだ」と総括し、「今大会をもって差別糾弾闘争の本格的実践に踏み出そう。戦争と差別の時代に村を挙げた差別糾弾闘争として要求闘争を闘い、全国連を大きくしよう」と展望を示した。
 次に05年度運動方針を全国連中央本部の中田潔書記長が提起した。中田書記長は、「米帝はイラク侵略戦争の泥沼化の中で北朝鮮、中国、全世界へ侵略戦争を拡大しようとしている。小泉政権は米帝の世界戦争戦略に積極的に参加する姿勢を示し、イラク派兵を延長し、防衛計画大綱で自衛隊を米軍と一体化させ、海外派兵を自衛隊の主要任務とすると言っている。日本を戦争ができる国に変えようとしているのだ。そのために教育基本法と憲法を改悪しようとしている。小泉の『構造改革』『骨太方針』で部落民への生活破壊、権利剥奪(はくだつ)が一挙に強まり、部落民は生きていけない状況にある。差別事件が続発・激増している。こうした攻撃に対して差別糾弾闘争を爆発させるべき時が来ている」と情勢認識を明らかにした。
 そして、「ところが解同本部派も全解連も差別糾弾闘争を闘えず、転向・解体の道を歩んでいる。『部落差別は封建制度の残りかすであり、近代化によって解消する』としてしまい、部落解放運動に差別糾弾闘争を正しく位置づけてこなかった結果だ。解同本部派は差別糾弾を要求闘争の手段におとしめ、今やそれすら放棄した。全解連は一貫して差別糾弾闘争を抑圧してきた」と鋭く批判。「全国連は、第2回大会で部落差別を『日本帝国主義の階級支配の一環としての身分的差別』と規定し、差別糾弾闘争を部落解放運動の基軸として位置づけてきた。この全国連の力で部落大衆の差別への怒りを解き放ち、差別糾弾闘争の爆発で小泉政権の部落差別攻撃を粉砕し、部落解放運動を再編しよう」と力強く訴えた。
 中田書記長は部落差別糾弾闘争の指針として、@身分的差別を受けているという自覚を促すA部落民自主解放の自覚を促すB部落民の単一の身分的闘争組織を建設しなければならないという自覚を促すC差別糾弾闘争の対象は帝国主義の階級支配の全体であるという階級的認識を確立するD地域における大衆的支配権の確立へと発展させる――という5点をあげ、直ちに実践しようと呼びかけた。
 さらに、今国会への提出が策されている「人権擁護法案」は差別糾弾闘争を禁圧する法案だと暴露、法案成立に躍起となっている解同本部派を弾劾し、法案粉砕を訴えた(別掲「大会特別決議」)。最後に5・22狭山中央闘争に全国から総結集することを訴えた。

 狭山棄却決定許さない

 次に狭山闘争のアピールが行われた。狭山闘争は第2次再審棄却に対する特別抗告審の段階にある。無実の石川さんの上申書、弁護団の補充書、新証拠・新鑑定が提出され、いつ最高裁の決定が出されてもおかしくない情勢にある。5月狭山闘争が決定的だ。
 2月20日、埼玉県で狭山支部結成大会が開かれたことが報告された。支部結成は、石川一雄さんが仮出獄して以来、10年にわたる狭山現地と全国の仲間の苦闘の結晶であると報告された。石川さんと全国連のきずなが強められ、感銘を呼び起こした。
 続いて、寝屋川弾圧との闘い、東京・杉並さんじゅ阿佐谷糾弾闘争、同和住宅家賃値上げ反対全国連絡協議会の闘い、学業促進闘争、清掃労働者の自治体民営化との闘いがそれぞれ報告された。茨城、長野、大阪・荒本、奈良・古市、福岡・天神町、大阪・寝屋川、広島、東京・品川の各県連・各支部が意見を表明した。
 特に、寝屋川弾圧と闘う4被告は全員元気に登壇し、滝口敏明支部長を先頭に勝利まで団結して闘う決意を表明した。杉並さんじゅ阿佐ケ谷糾弾闘争の報告は、全国連の差別糾弾闘争の方向を指し示す先駆的な地平を切り開いていることを示した。
 2日目は場所を東大阪市荒本に移し、@差別糾弾闘争・狭山闘争A生活要求闘争B共同闘争C理論闘争の4分科会と全体議事が行われた。新役員を代表して瀬川博委員長が「狭山闘争を基軸に差別糾弾闘争を闘う。3大闘争を大衆的に闘う」と力強くあいさつした。最後に「狭山差別裁判をうちくだこう」を全員で歌って団結を打ち固めた。

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週刊『前進』(2191号4面2)(2005/03/28)

「人権擁護法案」に反対し、国会闘争に決起する決議

 いま自民党と解同本部派の裏取引のもと、「人権擁護法案」が再び国会にあげられようとしている。全国連は断固、反対する。
 「人権擁護法案」とは、「人権を守る」かのような名前とはうらはらに、法律で差別糾弾闘争をとりしまり、運動団体を国がリードして融和主義のもとに一本化しようというものだ。また、「人権擁護法案」は、「報道による人権侵害をなくす」などと称して、国や権力者に反対するすべての言論を弾圧するものだ。
 そのあまりにも暗黒さのために一度は廃案になっていたものを、解同本部派は小泉を手助けし成立させようとしている。私たちは、部落民自主解放の魂を小泉にうりわたす解同本部派を絶対に許さない!
 そもそも、小泉や自民党は部落民をどのように扱っているのか! 小泉はイラクへ自衛隊を送り、さらにブッシュと「日米枢軸」をくんで、全世界で戦争をやろうとしている。そのために小泉や自民党は、「日の丸・君が代」を学校に強制し、「特攻隊」を賛美し、「再び天皇のために死ね」と叫んでいる。戦争のために、同和事業を全廃し、家賃は値上げ、医療、介護・福祉の改悪から、失業のおしつけ、まさに差別だけ残して身ぐるみをはいでいる。小泉に「人権」を語る資格はない!
 政府、国家権力は1986年の「地対協意見具申」、1989年の「法務省見解」いらい、「差別糾弾闘争は犯罪。糾弾すれば、ブタ箱いき」「差別者の人権を守れ」と、糾弾闘争をつぶす攻撃を20年にもわたってかけてきた。無実の石川一雄さんにたいして差別裁判を続けているのも、国家権力だ。小泉政権による「人権擁護法案」は、差別攻撃の総仕上げにほかならない。小泉政権こそ、部落差別の元凶だ。
 私たちは「人権擁護法案」を木っ端みじんに粉砕する。部落差別にたいしては、団結して徹底糾弾する。それは私たちの正当な権利なのだ。
 本日を期して、私たちは差別糾弾闘争の復権を宣言する。断固として国会闘争にたちあがり、「人権擁護法案」を粉砕する!
 右、決議する。
 2005年3月7日
部落解放同盟全国連合会第14回全国大会参加者一同

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週刊『前進』(2191号4面3)(2005/03/28)

革共同の連帯メッセージ 全国連と団結して

 世界戦争の時代に大衆的糾弾闘争を本格的に推し進めようと決意も新たに集まられた全国連の皆さんに心から敬意を表します。
 イラク侵略戦争と民営化と部落差別、排外主義が一斉に襲いかかっています。「日の丸・君が代」が強制され、戦争教育への転換が図られています。同和対策事業全廃から3年、「激変緩和期間」も3月で終わります。帝国主義は労働者や部落大衆を食わせられず、侵略戦争―世界戦争にのめり込んでいます。凶暴化する帝国主義は実は破滅の道を転落しているのです。
 戦争と民営化、労働組合つぶしと部落差別の激化の時代こそ、労働者階級が労働組合に結集して団結すること、労働者階級と部落大衆が団結することが本当に切実に求められています。
 労働者階級は部落差別を許さず、差別撤廃をプロレタリア革命の不可欠の一環として闘う階級です。
 3月卒業式闘争をともに爆発させましょう。3・20イラク反戦国際連帯闘争に総結集しましょう。長谷川英憲氏の6月都議会選挙にご支援をお願いします。
 革共同は、反帝国主義・反スターリン主義世界革命の勝利、プロレタリアート独裁権力の樹立へ、全国連の皆さんと固く団結して闘いぬくことを誓います。

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週刊『前進』(2191号4面4)(2005/03/28)

反戦の砦=三里塚へ 3・27集会 反対同盟の訴え(下)

 労農連帯追求する 事務局次長 萩原進さん

 今の暫定滑走路自体が計画より北側にずらして、暫定のまま開港している。この矛盾が噴き出している。暫定滑走路開港を強行してジェット機を飛ばせば、東峰住民は逃げ出すと思っていたが、逆に農家の頭上40bでジェット機を飛ばす暴挙に対して、より大きな反発を招く結果になった。
 彼らは暫定滑走路の欠陥性も北延伸の非現実性も知り尽くした上で、なお北延伸を進めている。この犯罪性はあまりに巨大だ。
 南がダメなら北延伸だというやり方は当事者じゃなくても怒りを持つ。
 現実問題として南は不可能だ。しかし北にも延ばしたくないというジレンマの中で空港会社はもがいている。彼らは反対農家が悪いという論調で言うが、そもそも暫定滑走路の矛盾は2度の事故で証明された。欠陥滑走路で飛ばす方が危険だ。彼ら自身がその矛盾、危険を知り尽くしていながら、なお延伸に固執している。空港会社は北延伸はあり得ないと言明すべきだ。
 現闘本部裁判は、三里塚現地の実力闘争が導いた裁判闘争だ。現闘本部の存在は滑走路を阻んでいる。裁判闘争支援を三里塚現地の闘いと結んで全国で広げたい。三里塚は、全国の反基地闘争、住民闘争のかなめをなす。何より勝利できる内容を持っている。だから裁判の勝利で市東さんの土地を守り、暫定滑走路の延長も許さないし、暫定滑走路そのものを廃港に追い込む意味を持っている。
 米軍再編は、北朝鮮、中国をにらんだアジア支配、世界戦争の体制づくりだ。その基軸が日本で、全国の軍事基地や空港が対象となっている。その中で成田空港の位置は大きい。
 「日の丸・君が代」強制との闘いは、民衆の戦争動員との闘いだ。そういう闘いを集約して3・27全国集会を成功させたい。三里塚は40年間、国家と対決して今日も意気軒高と勝利の道を歩んでいる。農民切り捨てと労働者の賃下げや首切りは一体だ。農民の決起と同時に、労働者階級、世界の人民との連帯も目的意識的に追求していく。

 革命が必要な情勢 本部役員 鈴木幸司さん

 国土交通省と成田空港会社が暫定滑走路の北延伸の3月決定を画策しているようだが、まったく許せない。先日、一坪共有地の立ち入り調査に行ってきた。暫定滑走路は幅が狭い。すごく危険だ。事故がないとは限らない。いや、むしろ事故を呼び込む危険がある。しかも、暫定滑走路を北に延ばせば騒音区域がものすごく大きくなる。
 なぜ今、暫定滑走路の北延伸なのか。まず戦争が考えられる。米軍再編が言われているが、暫定滑走路を延長して軍事空港として使おうと狙っている。結局、反対同盟が当初から言ってきた「軍事空港反対」のスローガンは正しかった。当初は、もう2度と戦争は起きないという感じでいまひとつピンと来なかったが。
 今の情勢は本当に革命が必要な情勢だよ。三里塚闘争の40年は、山あり谷ありだった。しかし、日本の過去の歴史にないようなすごい闘いをやってきた。
 天皇制は本当に危険だ。自分たちは60数年前、お国のために戦死すれば靖国神社に祭られ、金鵄(きんし)勲章をもらえると教育された。これが冗談話ではなくなっている。東京の都立高の卒業式で石原都知事が「日の丸・君が代」を強制しているが、戦前の教育とまったく同じだ。おれらも毎朝、宮城遙拝(ようはい)をやらされた。なぜ「日の丸・君が代」教育の強制なのか考える必要がある。
 やっぱり戦争は殺しあいだから、イラクの自衛隊も銃器を持っていれば必ず戦闘になる。スマトラ島から帰国した自衛隊は迷彩服で堂々と空港で会見していた。成田空港の軍事使用に強い抗議が必要だ。
 中郷ではうち1軒になった。「ここで一生農業をやるために成田用水が必要」と言っていた連中はみんな土地を売っている。共生委員になって金をもらったり、脱落派は三里塚闘争を食い物にしている。本当に許せない。
 全国の人たちが一致団結して闘うことが大切だ。3・27三里塚で会いましょう。

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週刊『前進』(2191号4面5)(2005/03/28)

共謀罪 “4月成立を阻止しよう” 弁護士ら国会デモ

 3月15日夕方、東京・霞が関で「共謀罪を廃案へ!国会デモ」が20人近い弁護士を先頭に労働組合・労働者、市民団体など130人の参加者で闘われた。主催は自由法曹団・日本労働弁護団・日本民主法律家協会・社会文化法律センターの4団体。
 国会デモは「日の丸・君が代」強制反対闘争の高揚と動労千葉の春闘・72時間ストライキ闘争、3・20国際共同行動と一体の闘いとして取り組まれた。参加者は、共謀罪廃案のシュプレヒコールを通常国会にたたきつけ、4月共謀罪阻止決戦突入を宣言した。
 デモ出発前の集会で日本労働弁護団が「共謀罪は、労働運動(争議)での資本への要請活動を『面会の強要』や『住居侵入』で弾圧する」と暴露し、日本民主法律家協会が「都立高201校の卒業式すべてに公安警察が張り付き、ビラまきで2件(3人)の逮捕があった。共謀罪を許せば、これが日常化する」と警鐘を鳴らした。
 デモは総理官邸前交差点で「イラク侵略戦争反対! 自衛隊を直ちに撤兵せよ」のシュプレヒコールを小泉首相にたたきつけた。
 共謀罪法案をめぐる国会情勢は緊迫している。日帝・小泉政権は民主党を、法務省は日弁連執行部を取り込むことで、4月中にも法案の成立を狙っている。
 ところが、郵政民営化法案の審議と改憲のための国民投票法案の強行提出をめぐって、本会議の審議日程自身が早まっている。さらに衆院法務委員会は、監獄法改悪、少年法改悪、会社法改悪、刑法改悪などの重要法案が目白押しとなり、日帝・法務省は追い詰められている。共謀罪廃案へ、4月は決定的攻防局面に突入する。国会攻防の政治決戦に国民投票法案、郵政民営化法案阻止闘争とともに、全力で決起しよう。
 3月26日(土)の「戦争と治安管理に反対するシンポジウムU」(豊島区民センター。分科会は午後1時開会。全体集会は午後6時)に結集しよう。

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週刊『前進』(2191号4面6)(2005/03/28)

日誌'05 3月9日〜15日
 自民憲法起草委が中間報告
 横浜事件の再審開始が決定

●米兵、那覇空港で銃携行 那覇空港国内線の駐車場に、弾倉の付いていないM16自動小銃を肩にかけた在沖米海兵隊員が立っているのを同空港国際線の保安検査員が見つけた。(9日)
●横浜事件、再審開始へ 多数の雑誌編集者らが治安維持法違反に問われた戦時下最大の言論弾圧、横浜事件(1942年)で45年に有罪判決を受けた元被告の5人の遺族が裁判のやり直しを申し立てた第3次再審請求に対し、東京高裁が再審開始を認めた横浜地裁決定を不服とする検察側の即時抗告を棄却する決定をした。被告たちが拷問で自白を強制されたことを認定した。15日、東京高検が特別抗告を断念し、再審開始が決定した。(10日)
●島根県議会委員会で「竹島の日」案を可決 独島(竹島)をめぐり、島根県議会に提案された「竹島の日」制定の条例案が県議会総務委員会で可決された。(10日)
●「ミサイル防衛、配備可能」 米ミサイル防衛局(MDA)のオベリング局長は、記者会見し、イージス艦発射の迎撃ミサイルSM3で中距離弾道ミサイル(IRBM)を撃ち落とすミサイル防衛システムについて「緊急事態など必要な場合には実戦配備可能である」ことを明らかにした。(10日)
●嘉手納騒音、月3千回 沖縄県嘉手納町は、米軍嘉手納基地から発生する航空機騒音の被害に関する04年度統計をまとめた。町内で最も騒音が激しい屋良地区で、70デシベル以上の月平均発生回数は3201回だった。4年連続で3千回を上回った。(11日)
●自公民が国民投票法案で協議機関設置へ
 自民、公明、民主3党の憲法調査会長らが会談し、与党側が民主に対し憲法改正手続きを定める国民投票法案の今国会提出に向けた協議に入るよう申し入れた。民主党は基本的に応じる考え。自公民3党の協議機関が4月にも設置される見通し。(11日)
●英で反テロ法改正 英ブレア政権が議会に提出した反テロ法改正案が成立した。テロを計画する疑いのある人物に対して、従来の反テロ法は裁判の手続きを経ずに拘束できたが、改正法では拘束をやめて、対象となる人物に発信装置を装着したり、自宅からの外出を制限するほか、インターネットや電話の使用を制約できる。(11日)
●稲嶺知事、代替案提示を否定 稲嶺・沖縄県知事は、大野防衛庁長官が米軍普天間飛行場の辺野古沖移設について沖縄側から代替案があれば再検討すると発言したことに「(県案は)あり得ない」と否定した。また嘉手納飛行場への統合案についても「毛頭考えられない」と反対の姿勢を表明した。(11日)
●石垣市長が釣魚上陸を検討 石垣市の大浜市長が「行政区の首長として、石垣市管内の尖閣諸島を視察する責任を果たしたい」と述べ、海上保安庁の協力を得て釣魚島に上陸する意向を示した。(11日)
●嘉手納で米軍機が早朝爆音 米軍嘉手納基地で午前5時半から午前6時にかけ、KC130空中給油機など計6機が事前通告がないまま相次いで離着陸を繰り返し、周囲の住宅地域に爆音を響かせた。日米合同委の騒音防止協定では午後10時から午前6時までは米軍機の飛行は制限されている。(12日)
●反国家分裂法が成立 中国が台湾独立阻止を狙った反国家分裂法が国会にあたる全国人民大会(全人代)で賛成多数、反対0、棄権その他5で採択され、成立した。(14日)
●自民憲法起草委が中間報告 自民党新憲法起草委員会が新憲法起草案の4月策定に向けた中間報告(論点整理)をまとめた。焦点の9条に関しては、自衛権や軍隊の保持を明確化し、国際協力を中心的業務として明記した。また国民の権利・義務規定として「国防の責務」を新設するほか、表現の自由は一部制限する。(14日)

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週刊『前進』(2191号5面1)(2005/03/28)

4-5月入管闘争アピール
戦争と排外主義攻撃うち破り
在日・滞日アジア人民との国際連帯闘争の強化発展を

 労働者自己解放闘争としての入管闘争

 03年3・20イラク侵略戦争の開始は、おそるべき世界戦争過程への突入を告げた。世界史は未曽有(みぞう)の革命的激動期の到来、革命的情勢の急速な成熟過程に入った。基軸帝国主義である米帝が没落と衰退の最末期の危機をさらけ出し、侵略戦争を拡大するとともに、民営化攻撃と労組破壊攻撃を激しく推し進めている。労働者階級と被抑圧民族にすさまじい圧迫と犠牲を強制している。
 05年1月20日に行われたブッシュの大統領就任演説は世界戦争宣言にほかならない。日帝は小泉施政方針演説でこれに呼応し、日本経団連は1・18「提言」で日帝ブルジョアジーの階級意志として戦争を行うことを宣言した。世界的米軍再編の中での2月の日米安保協(2プラス2)は日米安保の世界安保化、世界戦争へ向かうものだ。まさに堤防決壊的事態が進行している。
 しかし、労働者階級と被抑圧民族人民は唯々諾々とこれに屈するものではない。イラク人民の民族解放戦争を見よ。あるいは世界の反戦闘争の03年、04年、05年の爆発を見よ。アメリカや韓国の労働者の階級的労働運動、日本の新潮流運動を見よ。まさに世界戦争かプロレタリア世界革命かの歴史的分岐と流動の時代に突入したのである。
 05年〜07年は歴史的決戦だ。イラク・中東侵略戦争阻止、北朝鮮・中国侵略戦争阻止、教育基本法改悪・改憲阻止の戦後最大の決戦期の到来である。戦争は日教組、自治労、全逓、国鉄の4大産別の労働組合の解体なしにはない。労働者階級を戦争に総動員する狙いを粉砕することに4大産別決戦の核心がある。新指導路線を実践し、党の革命を成し遂げてこの決戦に勝利することこそ、革共同の責務である。

 ついにつかんだ新指導路線

 新指導路線は、この革命的情勢の急速な成熟過程を現実のプロレタリア世界革命へ発展させ勝利する、ついにつかんだ路線である。
 労働力を商品として売る以外に生きることのできない根底的に疎外された労働者階級という世界史的普遍的存在こそが、その階級性(階級意識と階級的団結)において資本制社会を転覆することのできる唯一無二の存在であり、その世界史的普遍性ゆえに全世界を獲得するのだ。
 新指導路線は、プロレタリア自己解放闘争として国際連帯を推し進めて国際的な単一の階級として自己を組織し、労働運動の階級的再生と戦闘的発展を切り開く闘いである。労働運動の徹底した実践であり、それをとおした労働組合権力獲得の闘いで、労働運動、階級闘争の分岐・流動・再編・高揚を促進して国内的・国際的に闘う労働組合運動の階級的潮流をつくり出し、発展させていく闘いである。
 昨年の11月労働者集会は、日米韓3国労働者の国際連帯闘争として画期的地平を実現した。アメリカ・ILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10、MWM(百万人労働者行進)および民主労総ソウル地域本部との連帯は、プロレタリア世界革命の現実性を実感させるものとなった。
 これこそ階級的労働運動の底力であり、動労千葉がその核にがっちりと座ることによって、そして階級的労働組合である3組合が共闘し連帯することによって実現した。さらに、ソウル地域本部との合流は、ついに朝鮮人民がつかんだ自己解放の階級的部隊との結合である。日韓労働者の階級的連帯の実現が在日・滞日アジア人民のあふれんばかりの感動とともに、入管闘争のこれまでのあり方の狭さを突き出したのだ。
 入管闘争は、新指導路線の実践の鉄火の中で本格的発展を実現できるのである。労働運動の階級的再生の闘いの中でのみ、長きにわたる社・共の影響下で阻害されてきた国際連帯が再生できる。入管闘争は日本労働者階級の自己解放闘争の不可欠の一環であり、在日・滞日人民の民族解放の闘いの決定的な柱である。労働者階級の国際的存在こそが、その階級性において帝国主義的排外主義を打ち破ってプロレタリア世界革命を実現し、その一環としての民族解放闘争を勝利に導くのである。
 新指導路線の豊かな実践は、入管闘争の中にある誤った傾向との徹底した思想闘争の問題をはっきりさせるものとなっている。糾弾主義的・受けとめ主義的な立場、労働者の階級性への不信などの傾向と根底的に闘いぬくことである。
 あるがままの労働者が自己を階級として組織し、党をつくり、世界革命を実現しプロレタリア独裁権力を樹立していくのだ。このマルクス主義の不動の確信なしに入管闘争の前進もないし、現に流動化し分岐する在日アジア人民の闘いへの主体的接近もできない。
 新指導路線のもとでの入管闘争を発展させるということは、誤った傾向を根底から総括しのりこえる力となる。労働者階級の階級性への無限の信頼と確信こそがこれまでの入管闘争の歴史的壁を突破するのだ。
 在日アジア人民は、労働組合運動の階級的再生の闘いと結合して自己の民族解放闘争を推進すること、それを力としてスターリン主義の内政不干渉路線や日本社会との共生論を打ち砕いて日帝打倒−プロレタリア世界革命の主体として自らを形成することで勝利の展望をつかむことができる。新指導路線に在日人民を獲得することこそが入管闘争であり、労働者階級自己解放闘争の一環としての入管闘争である。

 独島略奪策動粉砕、対北朝鮮侵略阻止

 4〜5月入管闘争の第一の課題は、対北朝鮮・中国排外主義攻撃と必死に格闘する在日朝鮮・中国人民と連帯して、北朝鮮・中国侵略戦争阻止の階級的共同闘争の陣形を強力に形成することである。
 排外主義攻撃は戦争の始まりであり、改悪油濁法による経済制裁攻撃や朝鮮と中国固有の独島(ドクト、「竹島」)、釣魚台(「尖閣列島」)への領土略奪攻撃は戦争の第一段階である。強烈な危機感をもってこれと闘いぬこう。
 また、朝鮮・中国への排外主義攻撃との闘いはけっして生やさしいものではない。日本共産党を先頭に既成指導部やマスメディアまでがこぞって「救う会」や石原の北朝鮮制裁論に屈服し、賛成しているのだ。独島に対する日帝の領土権主張は、百年前の植民地化攻撃で強奪したものを日本領土だと盗人猛々しく主張する攻撃である。日帝はでたらめな島根県議会の領土権の主張(「竹島の日」条例なるものの制定)を強行し、領土を強奪して北朝鮮・中国侵略戦争発動の布石にしようとしている。
 日帝のどん詰まりの体制的危機は、外への侵略戦争と内への階級戦争となって労働者階級に襲いかかっている。階級的労働運動、労働組合運動こそがこれを阻止する唯一の闘いであり、在日人民との戦闘的連帯を実現する唯一の道である。そして「日の丸・君が代」強制拒否の闘いとしてそれは開始されている。
 この時、排外主義攻撃の先頭に立っているのがファシスト石原だ。石原は北朝鮮スターリン主義による日本人拉致事件で経済制裁要求を決定した03年の「救う会」の大集会に出席し、北朝鮮への戦争発動を要求した。救う会は経済制裁要求とともに朝鮮総連関連施設の税務調査運動を決定した。その中で総連東京都本部や茨城県本部の税未納問題を反動的に攻撃し、江東区枝川の朝鮮第二初級学校の土地に対しては支払不能な高額を要求、これを解体し奪い去ろうとしている。
 また、東京都は、都職員の鄭香均(チョンヒャンギュン)さんの管理職任用を国籍を理由に拒否したが、最高裁はこれを認める判決を出して在日人民への攻撃を強めている。石原は判決後には「日本に帰化せよ」と言い放った。都労連・都庁職労働者の連帯闘争が求められている。
 既成在日団体は、この石原による攻撃や日帝の朝鮮・中国への排外主義攻撃を前に、その攻撃をかわそうと真正面からの闘いを避けている。こうした屈服に対して、在日朝中人民は新たな指導部を求めて激しい流動化を開始している。労働運動の階級的闘いの力強い発展こそが、出口を求める在日人民に闘いの展望をもたらす。労働運動、労働組合運動の階級的団結の前進のために闘おう。
 在日朝鮮人・中国人運動はスターリン主義の強い影響下で、日本の労働者との連帯を長期に分断されてきている。だが今、日帝の侵略戦争を自らへの攻撃として肌で感じ、分岐・流動の真っただ中で自己解放を求めて情勢に立ち向かおうとしている。
 労働者階級にとっては、朝中人民は戦前、戦後をとおして経験したように、ともに日本帝国主義打倒を闘う存在である。何よりも朝鮮、中国の民族解放・革命戦争はプロレタリア日本革命の最大の援軍であり、国際連帯の対象である。労働運動の階級的再生は在日人民との連帯を自らの闘いとして形成するし、入管闘争の発展を生み出していく。逆に、入管闘争にとって労働組合運動の階級的団結の強化と結びついて闘うことこそが勝利の道である。
 大流動情勢下にある在日人民を獲得した時、階級的労働運動の力は幾倍にも高揚し発展していく。4大産別決戦の階級的前進が流動化する在日情勢を再編・高揚させていくのである。何よりも動労千葉の3月ストライキ決起は、全労働者を鼓舞し闘いに心棒を入れ、在日人民の無限の信頼をかちとる闘いである。

 相次ぐ入管法の改悪粉砕を

 4〜5月入管闘争の第二の課題は、相次ぐ入管法改悪攻撃との闘いを、在日・滞日人民の生きるための人間的要求として労働者階級の要求の中に位置づけ、具体的な支援防衛の闘いを実現し、被抑圧民族人民との国際連帯の内実を形成していくことである。
 昨年12月施行の新入管法は、戦時下の入管体制の全面的再編を狙い、主として難民不認定制度をより強固にして難民の入国をこれまで以上に制限した。また入管法違反の罰則を重くし(罰金は最大300万円、再入国拒否は10年)、「テロ・ゲリラ」対策と称して入国審議官・警備官を大量増員、治安攻撃を前面に押し出したものに転換した。
 その最初の攻撃が本年冒頭の、国連がマンデート難民と認定したトルコ国籍のクルド人の強制収容と即日の強制送還である。これこそ新入管法の本質だ。オーバーステイでも自主出頭すれば1年で再入国させるという宣伝とはまったく逆の攻撃である。出頭する途上で職質されればその場で収容・送還なのだ。
 現実の戦争情勢が入管法の新たな編成を行わせ、難民や安全と生活の安定を求めた外国人労働者の大量入国をもたらすのである。日帝はこの事態に、施行すぐの入管法の数次にわたる改悪計画を発表し、この3月にはその第一次案が国会に提出される。
 その最大の攻撃は、入国時の指紋採取であり、外登法上の指紋押捺制度粉砕の闘いの成果を否定し、本体である入管法にそれを導入することである。世界戦争に突進しつつある日帝の戦争政策が入管法の相次ぐ改悪攻撃となり、滞日外国人労働者の民族的抑圧を強め、生活を圧迫し、難民認定を拒絶する入管攻撃を強めているのである。
 地域に在住する外国人労働者との連帯は、単一の階級として自己を国際的に組織し団結する闘いである。
 日本に在住する外国人労働者は、日本の労働者階級にとって世界への“架け橋”であり、決定的存在である。労働組合運動の団結の圧倒的強化なしには滞日人民との連帯もない。入管闘争の飛躍のキーポイントはここにある。
 ファシスト石原は、新宿に入管局の外国人摘発専門の出張所を設置させ、入国拒否の入管政策のためにやむを得ず「法外入国」「法外滞在」している外国人への排外主義的摘発攻撃を激化させている。石原は日帝の強制収容・強制送還攻撃の激化の先頭に立っている。石原を打倒しよう。

 石原を打倒し教基法改悪・改憲阻止へ

 4〜5月入管闘争の第三の課題は、教育基本法改悪・改憲阻止決戦を正面にすえて闘うことである。1〜3月の大激闘、教育労働者の「日の丸・君が代」強制拒否の卒業式闘争を引き継ぎ発展させて闘おう。
 その環はファシスト石原の打倒である。石原の最大の攻撃は「戦争教育」であり、「教育で国を変える」攻撃である。石原はヒトラーと呼ばれる横山を教育長に任命し「10・23通達」を出して東京の教育労働者に「日の丸・君が代」を強制し、従わなければ処分を強行して教育労働者の戦争協力拒否の闘いを根絶・一掃しようとしている。教育労働者に強制することをとおして生徒や保護者にも強制し、地域丸ごとの戦争動員、戦争協力をつくり出そうとしているのだ。
 そして教育労働者の労働組合的団結を解体一掃し、侵略戦争・世界戦争へ踏み切るための戦争教育、戦争動員にかじを大きく切っていこうとしている。
 05年卒業式闘争は石原、都教委、警視庁の大弾圧と闘いの圧殺の狙いを打ち砕き、「日の丸・君が代」強制拒否へ大爆発した。地域の多くの労働者が保護者としてこれに合流し、生徒や学生が立ち上がった。
 この事態は、在日、滞日の被抑圧人民の決起も同時に生み出すものとなった。労働者階級の闘いが在日・滞日人民の決起をより強力に生み出し、新たな連帯の闘いが開始された。また、戦争のための「つくる会教科書」採択阻止の闘いと重なりつつ、教育基本法改悪・改憲阻止の歴史的決戦の火ぶたが切られた。
 ファシスト石原は東京都知事の権力を最大限利用して「東京から日本を変える」と言い放って日帝・小泉と日本経団連・奥田の反動路線の先頭で労働者への攻撃を強めている。
 中国領・釣魚台の略奪を狙う石原は、97年、自動小銃や砲弾を積み込んだ漁船に乗り込んで釣魚台に向かい、同行した西村真悟(現・民主党国会議員)を上陸させた張本人だ。この西村上陸の写真を「つくる会」教科書は巻頭グラビアに掲載しているのだ。台湾総統就任式にはかつての台湾総督然として登場した。さらに南京大虐殺や日本軍軍隊慰安婦制度の歴史を否定・歪曲した。防災訓練と称して自衛隊の戦車を銀座で走らせ、軍人気取りで自衛隊を閲兵し、そこで「三国人、外国人は犯罪者」と排外主義的デマ宣伝をもって戦争国家への反革命的飛躍をあおった。この石原を在日・滞日人民との共同闘争で打倒しよう。
 4〜5月入管闘争は、イラク侵略戦争と北朝鮮経済制裁の攻撃の激化の真っただ中での闘いだ。教育基本法改悪、改憲攻撃との歴史的決戦、国民投票法案攻撃や、治安攻撃の軸としてある共謀罪攻撃との対決のさなかでの闘いである。
 在日・滞日被抑圧人民を階級的労働運動の潮流に獲得し、国際連帯の闘いを前進させ、日帝のアジア侵略を内乱に転化しよう。日本プロレタリア革命−世界革命の勝利を実現する05〜07年決戦へ闘いを進めよう。
 革共同をアジア・ムスリム、世界の労働者の単一の革命党、労働者党として強大に建設しよう。
 〔平山宏昌〕

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週刊『前進』(2191号5面2)(2005/03/28)

スパット台船を撃退 辺野古は決戦、駆けつけよう

 3月16日未明、ボーリング調査に使われる可動式大型やぐら「スパット台船」が辺野古沖合に運び込まれた。那覇防衛施設局は闇(やみ)にまぎれてタグボートでスパット台船を曳航(えいこう)、夜間作業を強行したのである。施設局自ら、ジュゴンへの影響を避けるためとして「作業時間は、日の出1時間後から日没1時間前までに設定する」という作業計画を提出しているのだ。この期に及んで闇討ちとはなんと卑劣なことか!
 即、反撃が開始された。抗議船5隻とグリーンピースのゴムボート2艇が出動、反対派十人近くが海上に浮遊するスパット台船上に登り、座り込んだ。スパット台船を抗議船が取り巻き、固定設置を断固阻止する。それに群がる施設局、パシフィックコンサルタンツ、海上保安庁の船……30隻以上が入り乱れての攻防が延々と続いた。
 11管区海上保安本部は上空にヘリを飛ばし、大型船3隻ほかで警備に出動。作業が阻止され続ける中、海保は抗議船・ゴムボートを停止させ、ロープで引っ張って台船から遠ざけるという暴挙に出た。
 平和市民連絡会の平良夏芽共同代表は、「台船に近づいただけで暴力的に制止され、排除された。強引な牽引(けんいん)で船舶1隻のハンドルが破損して操船不能となり、ボートのエンジンが海中に脱落。女性1人が殴られた」と話し、「海保側に相当な危険行為があった。正当とは言えず法的措置も検討する」と抗議している。
 海上での攻防10時間! 「この海に新基地やならん!」の反対派の闘魂はスパット台船の固定設置を許さなかった。午後4時、クレーン船がクレーンでスパット台船をつり上げて回収し、中城湾港へと撤収せざるをえなかった。「やったー!」「勝利したぞ!」。リーフ内の単管や浜のテント村で大歓声が上がった。

 焦りを強める防衛施設庁

 辺野古沖の海上基地建設は、3月16日現在、「8年プラス332日」(昨年4月19日からボーリング着工攻撃との攻防日数)の座り込みで完全に阻止し続けている。63カ所のボーリング(掘削)調査は、ただの一カ所もできていない。
 4月6日の海域使用期限切れを前に、那覇防衛施設局は3月2日、1年間の延長を求める公共用財産使用協議書を県に提出した。
 14日付琉球新報によると日帝・防衛施設庁は、「護岸構造を検討する上で最も地質を調べたいのは沖合側である」として、反対派が阻止するリーフ内での掘削を大幅に減らす方向で検討に入った。63カ所の掘削予定を十数カ所以上減らして、夏までに終えるというのだ。
 スパット台船は沖合の水深4〜25bの海底掘削用の作業台。昨年11月に設置された際には34カ所のサンゴを破壊する大問題を引き起こした。12月の台風で撤去、今年に入って1月13日に再び辺野古沖に姿を現したが、抗議船によって阻止・撃退されており、今回三たびスパット台船を撃退したことの意義は大きい。
 世界戦争に突き進む米帝の米軍再編(トランスフォーメーション)が沖縄基地の縮小をもたらすというのはデマキャンペーンだ。その米帝と反動枢軸を形成する日帝・小泉政権が、沖縄への基地集中と沖縄差別政策を「軽減」することなどありえない。今こそ原則的な闘いを継続・発展させることが求められている。
 辺野古は決戦中の決戦に突入した! 今こそ全国から海上基地建設絶対阻止の海・陸での座り込み闘争に駆けつけ、命を守る会とともに闘おう。海上阻止船チャーターのためのカンパを集中しよう。

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週刊『前進』(2191号5面3)(2005/03/28)

民主労総 “非正規職法案阻め” 「交渉」拒否しゼネストへ

 「イスホ執行部の社会的交渉は労使政対話体制への復帰だ。いくらイスホ委員長が堂々と交渉すると言っても、社会的交渉の議題に上程されるのは……不正規職の保護という美名のもとに非正規職制度を拡大し、民主労組運動の戦闘的気風をなくそうとする労使関係ロードマップであることは明らかだ」「資本の攻撃が労組を抹殺しようとしている時、交渉ではなく現場を組織して闘いを組織しなければならない」(3・12社会的合意主義阻止・ゼネスト組織全国現場活動家決意大会の決議文より)
 南朝鮮・韓国では昨秋以来、非正規職関連の労働法制改悪攻撃に対して緊迫した攻防が続いている。民主労総は16万人が立ち上がった11・26ゼネストをもって改悪案の国会提出を阻んだ。さらに1〜2月の攻防を闘い、国会をめぐる攻防は4月となった。
 すでに民主労総は、国会動向にかかわらず4月1日に非正規職法案廃棄と非正規職権利保障立法戦取を掲げて全面警告ゼネストを闘うことを決定した。1月から不法派遣撤回と正規職化を掲げてストを続けている現代自動車非正規職労組を始め、多くの争議組合が資本と激突、階級的労働運動を貫徹しながら4・1ゼネストへと進撃している。
 この闘いは、同時に社会的合意案のごり押しを図り、労使政交渉路線に走るイスホ執行部との闘いだった。そしてその激突の場が、社会的交渉案件を議題とする代議員大会だった。
 「社会的交渉」の推進はイスホ執行部の公約であり、新執行部発足後、「労使政委改編方案」を議論する目的で構成された「労使政代表者会議」に参加したが、昨年8月の地下鉄労組ストをめぐる職権仲裁回付などによる労使関係悪化で中断。その後、9月冒頭にノムヒョン政権が非正規職化法案とも言うべき派遣法改悪などの労働法制改悪を打ち出したことから、全面的な労政激突局面となり、11月全国労働者大会−ゼネストをもって総反撃がたたきつけられてきた。
 1・20〜21定期代議員大会では、社会的交渉案反対派の代議員が緊急動議をもって激しい議論を展開、徹夜の末に流会に持ち込んだ。さらに2月国会攻防の切迫下で開かれた2・1臨時代議員大会では、この時期になってなお社会的交渉方針を最優先させるイスホ執行部に怒りが噴出した。
 現代自動車アサン社内下請け労組代議員は、「98年当時、民主労総執行部は整理解雇制と派遣制に合意するために労使政委員会に入ったわけではなく、交渉と闘争を並行するために入った。しかし、1カ月で合意され、今のような非正規職がつくられた。今も同じだ」と詰め寄った。
 これらの反対の声に執行部は「公約だ」と繰り返し、イスホ委員長は議長職権で議論終結を宣言、反対派を封殺にかかった。傍聴席からは「非正規悪法、社会的交渉案件を廃止しろ」などのシュプレヒコールがたたきつけられ、ついに代議員や傍聴席の組合員約百人が押し寄せて壇上を占拠、激しい激突の末、再び流会。さらに3月15日の臨時代議員大会も、全国労働者闘争委員会が事前集会を開き、集まった300人が防衛隊を突破して会場に突入、壇上と会場内に居すわって粉砕した。
 この攻防こそ、非正規職法改悪案を強行し、労使関係正常化方案(ロードマップ)をもって民主労総を解体しようと狙うノムヒョン政権との真っ向からの闘いだ。世界戦争の時代に階級的労働運動を打ち立て、日韓米労働者の国際連帯で共通の敵、帝国主義を打ち破る決戦が火を噴いている。3・20国際反戦行動から4・1ゼネストへ、闘う韓国労働者人民と熱く連帯しよう。

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週刊『前進』(2191号5面4)(2005/03/28)

3・8国際婦人デー 生活破壊と世界戦争阻止 今こそ行動の時

 3月6日、2005年国際婦人デー東京行動として「さあどうする! 子どもたちの教育 女(わたし)たちの未来、生活破壊と世界戦争 きっぱり拒否!」と題した集会が東京・四谷で開かれた。集会実行委員会の中心となった婦人民主クラブ全国協議会、東京労組交流センター女性部を始め老若男女153人が集まった。集会後は街頭に飛び出し、「自衛隊はイラクから撤退を! 辺野古に基地をつくるな!」と訴えて市ケ谷の防衛庁に向けてデモ行進した。
 集会冒頭、西村綾子婦民全国協代表が主催者を代表してあいさつ、「『日の丸・君が代』強制拒否が闘われ、世界中から三たびの世界戦争を許さずと立ち上がっている。今は暗い時代の始まりではない。私たちが歴史をつくる、社会を絶対に変える時だ」と訴えた。
 北富士忍草母の会の天野美恵事務局長は、「“富士をイラクにつなぐな”が忍草のスローガン。これからもゲリラとなって闘う」と決意を示した。
 「教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会」の呼びかけ人、千葉大学教授の三宅晶子さんが教育基本法改悪を阻もうと講演した。「『教育改革』は教育現場で子どもたちを人材と心の両面から国・資本のためにつくりあげようとするもの」だと断言。02年に全国の小中学校に配布された『心のノート』のページを示しながら具体的に教基法改悪を暴露し、「自分自身が置かれている状況を知ることができたら労働者、生活者の圧倒的マジョリティ(多数派)が戦争反対。一人ひとりの力を信じて闘いましょう」と結んだ。
 パネルディスカッションは会場発言も交えた活発な意見表明の場となった。「日の丸・君が代」被処分者である2人の女性教育労働者の発言は感動を呼んだ。Aさんは、「教育は批判力を育てること、それが民主主義の基本になる。教育の原点をまず考えよう」と訴えた。養護学校で働くBさんは、「私が自分らしくあるために不起立を貫きます。教育現場に命令と服従が蔓延(まんえん)していますが、だからこそ、ここから始まる。あきらめません」。ジャーナリストでイラク派遣中止を求める女たちの会の明珍美紀さん(前新聞労連委員長)は、「メディア規制と教育基本法や憲法の問題は同じライン。政府や財界の情報垂れ流しでないものをめざしている」。都立高校生の保護者の結柴典子さんは、「杉並区では山田区長のもとで『つくる会』教科書採択が狙われている。採択阻止の闘いを強めましょう」と訴えた。会場からは都庁職の労働者、石原差別発言裁判原告、教育労働者などが発言し、石原都政への怒りが噴出した。
 最後に東京労組交流センター女性部の大畠信子代表が、卒業式闘争の奮闘が続く中、今後の行動方針を提起した。

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週刊『前進』(2191号6面1)(2005/03/28)

百万人署名運動 3・20の前段集会を開く
 不起立の教育労働者に熱い拍手 田中動労千葉委員長がスト報告

 全世界のイラク反戦と連帯

 3・20国際共同行動の本集会に先立ち、正午から日比谷公会堂横のにれの木広場で、「とめよう戦争への道!百万人署名運動」の独自アピールが行われた。各地の百万人署名運動連絡会、労働組合、女性団体、三里塚芝山連合空港反対同盟を始めとする住民団体、全学連など1500人を超える労働者人民が大結集した。とりわけ05春闘に安全運転闘争、72時間ストライキで決起した動労千葉の大隊列が参加者を奮い立たせた。広場には組合旗やのぼり旗が林立し戦闘的熱気に包まれた。
 冒頭、司会者が、「今日の闘いは米・英・イタリアなど全世界のイラク反戦デモと連帯して闘われている」と強調し、「自衛隊の即時撤兵、戦争への道を断ち切るために全力で闘おう」と呼びかけた。
 兵庫連絡会の代表は、「イラク開戦から2年、10万人以上の人びとが侵略戦争と占領によって殺された。私たちは今春予定されている伊丹の中部方面隊第3師団のイラク派兵に反対して闘っていく。今日を皮切りに闘いを強めよう」と呼びかけた。

 「日の丸・君が代」強制に怒り

 多くの発言の中で特に、ファシスト石原・都教委の「日の丸・君が代」強制に抗して今春卒業式を不起立で闘った都立高校の教育労働者の発言に、満場の圧倒的拍手が送られた。「卒業式では警察が学校の中まで入り、教員・生徒・保護者を監視している。それでも多くの人たちがビラまきに立ち上がる中で、私たちは孤立していない。現在まで50人を超える教育労働者が不起立した。処分を恐れず闘う教職員がこれだけいるということです。この闘いこそ教育基本法改悪、改憲を阻止し、イラクから自衛隊を撤退させる闘いです。子どもたちを戦場に送らないために、労働者は戦争への協力命令を拒否してともに闘いましょう」
 ストライキを打ち抜いて大結集した動労千葉の田中康宏委員長の発言に大きな拍手が寄せられた。田中委員長は、「戦争と民営化の嵐が吹き荒れ、労働者の権利が虫けらのように踏みにじられている。民営化でJR職場では労働者が犠牲にされ、レールが折れるという現実だ。それなのに動労千葉以外に闘う労働組合がいない。これでいいのかという思いで、私たちはストライキに立ち上がった」と語った。そして、「労働者が団結して立ち上がった時、戦争を止められる。世界を変えられる。ともに団結して闘おう」と呼びかけた。
 部落解放同盟全国連合会の金平通雄共闘部長は、最高裁の3・16狭山第2次再審請求棄却決定を怒りを込めて弾劾した。そして戦時下の部落解放運動破壊と対決してイラク反戦を闘い、「5・22〜23狭山中央闘争・人権擁護法案粉砕闘争に総決起を」と呼びかけた。解同全国連と部落解放共闘は、この日の朝10時から日比谷小公園で棄却決定徹底糾弾の集会を開いた。

 元自衛官、闘う弁護士が発言

 「とめよう戦争!隊員家族と元自衛官連絡会」の三尾雅信さん(元自衛官)は、「自衛官は私たち労働者の仲間、ともに反戦を闘うべき仲間です。皆さんの呼びかけが彼らに勇気を与え決起を導きます。ともに声を上げてください」と訴えた。
 神奈川県湘北連絡会の西村綾子相模原市議は、3000人で座間基地を包囲した2・19闘争の成功を報告し、米陸軍第1軍団司令部の座間移転を、沖縄の闘いと連帯して絶対に阻止しようと訴えた。
 改憲に立ち向かう弁護士戦線から「憲法と人権の日弁連をめざす会」代表の高山俊吉弁護士が発言した。高山さんは「改憲の凶暴な動きに対して、全国の弁護士が立ち上がっている。不起立闘争に、そして改憲に向けた国民投票法案に対して、全国津々浦々で弁護士が闘っている」と述べ、「人の心の内側まで入り込んで問題にする共謀罪は権力者の瓦解(がかい)の危機の表れです。私たちの闘いが大きく進んでいるあかしです。『改憲と司法改革に反対する4・27大集会』に結集して下さい。弁護士会館大講堂クレオを、憲法を守る人民の闘いの砦(とりで)にしよう」と熱烈に呼びかけた。
 「日の丸・君が代」強制反対を闘ってきた高校生も力強く発言し、抱負を語った。「反戦を闘う高校生の組織をつくりたい。この黄色い旗のもとに高校生はぜひ集まってください。一緒に戦争協力拒否の運動を広げていきましょう」
 結びを百万人署名運動呼びかけ人の佐藤昭夫弁護士が提起した。佐藤さんは、「自民党や政府は『日本の伝統や文化』と言うが、それは侵略戦争の伝統、侵略戦争の文化ではないか」と述べ、「言葉にだまされず、現実を見よう」「イラク反戦を闘い、今日の集会を大きな一歩として憲法改悪反対運動を強めていこう」と締めくくった。
 この熱気をもって百万人署名運動は日比谷野音の本集会に大隊列で合流し、デモを戦闘的に牽引(けんいん)した。

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週刊『前進』(2191号6面2)(2005/03/28)

全世界で一斉行動

 3月19日、ロンドンではイギリス反戦連合主催の集会に15万人が結集した。イギリスで巨大な反戦闘争の高揚が再び始まったのだ。同日、グラスゴーでも反戦連合の集会があった。
 アメリカでは、全国各地で集会が行われた。ニューヨークでは2万人がデモをして、百万人労働者行進運動(MWM)やANSWERなどが呼びかけた「トゥループス・アウト・ナウ(即時撤兵)」の集会に結集した。
 サンフランシスコでは、ILWUローカル10(国際港湾倉庫労働組合第10支部)が、早朝から湾岸の全港湾の荷役作業を全面ストップして、湾岸地域の労組とANSWER主催の集会に参加した。同市のデモは1万人以上になった。
 韓国では、19〜20日にソウルを始め7都市で国際反戦闘争が行われた。
 イラクの隣国、トルコのイスタンブールでは1万5000人のデモが行われた。
 (詳報次号)

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週刊『前進』(2191号6面3)(2005/03/28)

レール破断への対策求め動労千葉が安全運転闘争
 スト突入と一体 大衆的な支持と共感

 動労千葉の春闘ストライキと安全運転闘争は、労働者人民の圧倒的な支持を受けて闘われた。特に、相次ぐレール破断などの原因究明と抜本的な安全対策を求めたことが共感を集めた。動労千葉には「スト支持」の電話やメールなどが数多く寄せられた。また、16日に幕張支部と動労千葉を支援する会が行った津田沼駅頭宣伝などでは、かつてなくビラの受け取りがよく、「1週間でも1カ月でもストをやってほしい」という激励の声もあった。動労千葉の掲げた課題は全労働者の要求なのだ。

  重大事故発生の危機を訴え

 JR東日本千葉支社管内では、2月以降1カ月足らずの間に、5件ものレール破断などが起きている(写真参照)。まず2月13日に総武快速線の津田沼〜稲毛間でレールが折れた。27日には鹿島線の鹿島神宮〜鹿島スタジアム間でレールが折れた。3月3日に成田線滑河駅でレールのつなぎ板のボルトが折損した。5日には総武快速線の市川〜船橋間でレールが折れた。さらに10日には総武快速線下りの幕張電車区のすぐ脇で、線路と枕木を締結する金具とボルトが抜け落ちているのが発見された。その周辺のボルトもゆるんでいた。昨年も同時期にレール破断などが相次いで発見され、動労千葉が抜本的な対策を求めたが、またも同様の事態が繰り返されているのだ。保線業務の外注化、検査周期の延伸、列車のスピードアップなどが原因であることは明らかなのだ。まさに国鉄分割・民営化―JR体制の破綻(はたん)である。
 イギリスでも国鉄が分割・民営化された結果、重大事故が相次いでいる。99年にラドブローク・グローブで起きた列車の脱線・転覆事故では死者32人を出した。00年のハットフィールドの事故では死者4人だ。いずれもレールが折れたことが原因だ。最近、ハットフィールド事故の裁判があり、イギリスの『メトロ』紙は、「線路は砕け300の破片と化した」「事故の原因となった線路のヒビは事故の1年9カ月前に発見されていた」「しかし補修は行われておらず、交換用のレールは用意されたが、6カ月間、ただ当該個所の横に置かれたままだった」と報じている。JRでも同様の重大事故が起きる危険があるのだ。
 これに対して、動労千葉はついに安全運転闘争(減速運転)に踏み切った。国鉄時代で言えば「順法闘争」である。反合・運転保安確立を求める闘いであり、鉄道労働者としての誇りをかけた闘いである。
 この闘争はレール破断などが起きた線区を対象にした。総武快速線(東京〜千葉間)は成田エクスプレスなどの特急列車は最高速度130`、快速列車は同120`を100`に制限。鹿島線(香取〜鹿島スタジアム間)は70`に制限。成田線滑河駅構内は10`ダウンする戦術だ。
 この安全運転闘争に対して、JR当局は管理者2人が運転士を背面監視するという許しがたい対応をとり、不当処分をも狙ったが、動労千葉は断固として闘争を貫徹した。
 動労千葉の要求は、@総力を結集して徹底した原因究明を行うこと、Aベテランの保線労働者による管内全線区の徹底した総点検を行い、その結果を明らかにすること、Bシェリング傷(貝殻模様の傷)やきしみ割れの認められる全個所についてレール交換を行うこと、C前記の対策が終了するまでの間、列車の最高速度を制限すること、D線路検査周期を延伸前に戻すこと、E保線・電力・信通などの業務について直営を中心とした執行体制に戻すこと――である。
 動労千葉は、安全運転闘争に突入し、ストを配置してJR千葉支社との団体交渉を繰り返したが、千葉支社は「原因は分からない」「安全には問題ない」などと、レール破断の隠ぺいと責任逃れに終始した。これを許さず、敢然とストに突入したのだ。

 原職復帰・運転士登用を要求

 賃上げと反合・運転保安確立の要求のほかに、動労千葉は諸要求を掲げた。
 まず、強制配転者の原職復帰だ。04春闘以来、12人が幕張電車区に復帰する成果をかちとったが、さらに運転士資格を持ちながら登用されていない組合員の運転士登用を求めた。
 国鉄分割・民営化20年に向けた「国鉄改革の総決算」情勢の中で、国労の配属差別事件について和解し、昇進差別事件についても和解しようとしている。これは国労を全面屈服させる攻撃であるが、他方ではJRが差別していたことを認めることでもある。動労千葉は、この機をとらえてJR資本とJR総連カクマルの結託体制を打倒する攻勢に打って出る構えだ。
 次に、シニア制度の撤廃だ。60歳定年で退職後に関連会社への再就職を「紹介」する制度だが、業務の外注化に反対する動労千葉組合員を排除する許しがたいものだ。動労千葉は、外注化を阻止し、シニア制度を拒否してきた。高年齢者等雇用安定法改正により、06年度から65歳までの雇用確保措置の導入が事業主の義務となる中で、JRも06年度からは動労千葉を排除することはできない。
 さらに、1047名闘争勝利に向けて、鉄建公団訴訟に立ち、JR資本と闘うことで解雇撤回・JR復帰をめざす闘いである。
 こうした中で組織拡大の実現へ全力を挙げた。
 また、昨年11・7労働者集会の地平を発展させる国際連帯闘争として、そして弾圧と闘う全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部に連帯して闘われた。この春闘ストを実現した動労千葉とともに、階級的労働運動の再生へ闘おう。

 続発するレール破断

▼2月13日、総武快速線の津田沼〜稲毛間でレールが折れた(開口30_)▼2月27日、鹿島線の鹿島神宮〜スタジアム間でレールが折れた(開口40_)▼3月3日、成田線滑河駅でレールのつなぎ板のボルトが折損(レールの遊間32_)▼3月5日、総武快速線の市川〜船橋間でレールが折れた(開口16_)=写真上▼3月10日、総武快速線の幕張電車区の脇でレールと枕木を結ぶ金具とボルトが抜け落ちた=写真下

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週刊『前進』(2191号6面4)(2005/03/28)

狭山棄却に緊急行動 解同全国連が最高裁糾弾
 石川さんと怒りを共有

 最高裁第1小法廷(島田仁郎裁判長)が狭山事件の第2次再審請求棄却に対する特別抗告を3月16日付で棄却してきた。18日、部落解放同盟全国連合会と解放共闘に結集する全国の部落大衆、労働者、学生ら50人は怒りの緊急抗議闘争に決起した。事実調べをせず、またも差別決定を出してきたことに激しく怒り、生涯かけて闘うと宣言した石川一雄さん(17日、記者会見)と固く連帯して最高裁を徹底的に糾弾した。
 午前、永田町の星陵会館で集会を開いた後、機動隊と私服の妨害をはねのけ、抗議の街頭宣伝をやりぬいた。昼休みの1時間、最高裁前を席巻、棄却決定糾弾と大書した横断幕を掲げ、怒りのシュプレヒコールとアジテーション、ビラ配りを行い、注目された。
 午後、再び最高裁前に登場し、解同全国連中央本部を始め10団体が棄却決定を激しく糾弾する文書を島田仁郎裁判長に提出した。最後に最高裁糾弾のシュプレヒコールをたたきつけた。
 午前の集会では、全国連中央の楠木吉秀事務局長が「3月24日に弁護団の文書提出を受けると約束しておきながら、このような抜き打ち決定を強行するとは許し難い。石川さんの激しい怒りと結びついて狭山闘争の爆発の機運が生まれている。これへの反動的な挑戦だ。狭山闘争を本格的糾弾闘争として発展させ、勝利の道を開こう」と訴えた。
 次に茨城県連の井橋昌夫事務局長が「決定は『(石川さんが)自らの意思、感情を的確に表現する文書を作成し得るだけの能力は身につけていた』と認定している。当時の石川さんは差別を受け、そのような能力を持っていなかった。島田は最初から石川さんを犯人と決めつけている。裁判に値しない」と糾弾した。

 勝つまで一生闘う 石川一雄さん怒りの会見

 新証拠を調べる前に裁判所から封書が届いたので悪い知らせだと直感した。中を見て棄却だと分かり、憤りをもって読んだ。これほどの怒りをもったことはない。新証拠を裁判所はきちんと見ていない。一方的な決定だ。新証拠の鑑定人への質問をしていない。裁判官を許すことができない。とりわけ怒りをもったのは私が「脅迫状を書けた」というところ。冤罪が晴れるまで一生闘いぬく。何年かかるか分からないが、勝つまで最後までやる。

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