ZENSHIN 2007/07/16(No2303 p06)

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第2303号の目次

法大包囲デモ 7月6日、「学友会の廃止を許さない」と法大生が第5波デモ(東京・千代田区)=記事4面

1面の画像
(1面)
戦争・改憲-民営化にのめり込む安倍自公政権をぶっ飛ばそう!
青年・学生を先頭に革共同集会へ
記事を読む  
労働者の団結で核と戦争なくそう
8・6ヒロシマ大行動へ
実行委呼びかけ
記事を読む  
安倍=御手洗と闘う熱烈なカンパ訴えます 記事を読む  
日程 7・29東西革共同政治集会 記事を読む  
日程 8・2関西新空港2期供用開始阻止/新陸上ルート案反対!/関空の軍事空港化絶対反対! 記事を読む  
(2面)
大民営化と対決し闘おう
1047名闘争は勝てる闘い 敗北強いる国労本部うち倒せ
国労第75回全国大会の課題は何か
記事を読む  
社保庁労働者に訴えます!
座して死を待つより立って闘う時
闘いだけが状況を変える
資本家から年金を奪い返そう
記事を読む  
イギリス 郵便労働者がスト
民営化・合理化に大反撃(村上和幸)(6月29日)
記事を読む  
(3面)
「偽装請負」の合法化狙う
「規制改革要望」日本経団連に反撃を
記事を読む  
国鉄分割・民営化との闘いから学んで勝利きり開こう
自治労・日教組破壊攻撃粉砕へ
記事を読む  
電機連合大会にビラ
“中央打倒”の訴えに共感(7月5、6日)
記事を読む  
〈焦点〉 7月参院選の最大攻防
「2010年改憲発議」粉砕を
記事を読む  
(4面)
「大日本帝国」復活狙う安倍
日本会議「新憲法大綱案」批判する
自民党草案をも超える中身(5月3日)
遠藤保雄
記事を読む  
改憲大綱案の背景は何か? 労働者の闘いへの恐怖 記事を読む  
これが日本会議の正体だ 記事を読む  
法政大 圧殺態勢破り第5波デモ
“学友会廃止は許さない!”(法政大学・B)(7月6日)
記事を読む  
2007年日誌 7月3日〜10日
「集団自決」削除撤回を文科省拒否
空自イラク派遣計画1年延長
記事を読む  
(5面)
8・6ヒロシマ-8・9ナガサキへ
改憲・核武装へと進む日帝を労働者の総反乱で打ち倒そう
反戦反核闘争アピール
村上秀彦
記事を読む  
日教組再生教労集会 不起立闘争中軸に 
職場支配権へ熱烈な討論
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
「脳死」は人の死ではない!
臓器移植法改悪許すな
「尊厳死」法制化粉砕へ
記事を読む  
沖縄星野さんを取り戻す会
万人(うまんちゅ)の力で星野奪還を
暁子さんが訴え“無期を覆していく”(投稿/佐和田由子)(7月1日)
記事を読む  
高田普次夫さんを悼む
沖縄県民の会 座覇光子(6月23日)
記事を読む  

週刊『前進』(2303号1面1)(2007/07/16 )

 戦争・改憲-民営化にのめり込む安倍自公政権をぶっ飛ばそう!

 青年・学生を先頭に革共同集会へ

法大包囲デモ 7月6日、「学友会の廃止を許さない」と法大生が第5波デモ(東京・千代田区)=記事4面

 日帝・安倍自公政権は、改憲投票法や教育4法改悪を始めさまざまな悪法の成立を、通常国会で次々に強行した。そして今また、年金問題などの爆発で政治危機にあえぎながら、参院選の強権的のりきりをかけて、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃に遮二無二(しゃにむに)のめり込んでいる。これに対する労働者階級の怒りは煮えたぎっている。07年前半戦において革共同は、階級的労働運動路線のもとに、2000万人のロストジェネレーションと結合して、3・18と6・9の集会とデモを闘い、「労働運動の力で革命を」の、鮮烈で若々しい運動を登場させた。青年労働者と学生が数十年ぶりに革共同の中軸に立ち、労働運動と階級闘争の最先頭に躍り出た。労働者の団結と決起で、今こそ安倍自公政権をぶっ飛ばせ。青年労働者と学生を先頭に7・29東西革共同政治集会に総結集し、11月労働者総決起と改憲阻止決戦へ進撃しよう。

 労働者階級こそ革命の主体

 「今何よりも求められているのは、自らのもつ力と可能性を自覚し、社会のすべてを動かしているのは労働者であるという誇りを取り戻すことです。われわれ労働者階級こそ、歴史をつくり、社会を変革する主体であると真っ向から宣言しなければなりません」
 昨年11月5日、日米韓3国の労働者4900人が日比谷野音でこう宣言し、都心をデモした。集会を呼びかけた全日建運輸連帯労組関西生コン支部、全国金属機械港合同、国鉄千葉動力車労働組合の3労組は、今年もさらに意気高く、階級的労働運動を前進させようとしている。闘う労働者と労働運動が、歴史の大舞台に登場する時代がやってきた。
 自宅に「無駄な時間を過ごした」と書き残し、過労自殺に追い込まれた派遣の青年労働者。過労で病院に運び込まれ、血圧が200を超えた労働者に対し「今度は血圧の低いのを採用しろ」と吐き捨てる資本。トヨタを筆頭に資本家階級は「史上空前の利益」をあげて、平然と「正社員なら2倍のコストがかかる」などとぬかしている。派遣・請負という「合法化された人身売買」がまかり通っている。これが格差社会の実態だ。労働者は奴隷じゃない! 今こそ労働者階級の腹の底からの怒りを、安倍・御手洗にたたきつけよう。
 はっきりさせたいことは、どんなに悔しく、奴隷のように搾取されていようとも、そしてどんなに支配階級が事態を隠そうとも、「この社会の主人公は労働者だ」という事実は変わらない、ということだ。動労千葉の闘いを見よ。もうけのために安全や人件費を削り、地方線を切り捨てるJRに対し、ストライキをやって闘い抜いている。「闘いなくして安全なし」「内房線は俺たち労働者に任せろ」「JR当局なんてじゃまだ」「ストライキですべてが止まる。社会の主人公は労働者だ」と言い切り、闘っている。これが労働者の団結した力だ。これが労働運動というものだ。
 労組の執行部が腐敗しようとも、労働者一人ひとりには資本・当局と闘う力がある。今こそ闘う労働運動を再生しよう! 労働者こそが団結して時代を切り開こう!

 許すな自治労・日教組破壊

 ロシア革命を勝利に導いたレーニンは、革命的情勢の三つの指標として@「古い支配の方法はすでに崩壊し、新しい方法は確立されていない」、A「誰もが現状の変革を望んでいる」、B「労働者階級が自発的に行動を開始している」、という諸点を挙げている。
 先の国会でついに安倍は、改憲のための国民投票法を成立させた。3年後の2010年に改憲を発議すると言っている。戦後憲法体制は完全に支配の効力を失った。それどころか、支配階級は戦争をしなければ生きていけないがゆえに、古い支配の方法を自ら破壊しにかかっている。新憲法制定まで、まさに「新しい方法」は確立されていない。「参院選の争点は自治労・日教組の壊滅」と森喜朗元首相はうそぶいている。改憲発議までの3年間で4大産別の労組を壊滅し、労働運動をたたきつぶして、新憲法を作ろうというのだ。
 だから労働運動こそが2010年の改憲案発議を粉砕する力だ。とりわけ焦点となっている自治体労働者・教育労働者は先頭に立ち、今こそ誇り高く立ち上がろう。
 通常国会では10年ごとの教員免許更新制の導入など教育4法改悪や、社保庁解体・公務員制度改革など、日教組・自治労の労組活動家をパージする法律が通った。「全員いったん解雇、選別・再雇用」の攻撃だ。しかしこれは国鉄分割・民営化で行われ、1047名の解雇撤回闘争や、そして何よりも動労千葉のストライキによって破綻(はたん)した攻撃である。
 そもそも現場を回しているのは労働者だ。やれるものなら全員クビにしてみろ。安倍よ、お前が年金データの打ち込みをやれるのか? 生産も交通も行政も、すべてを担っているのは労働者だ。
 安倍は社保庁労働者に対し「45分やったら15分休憩、小学校の授業ではありません」などと悪罵(あくば)を投げつけている。ふざけるな! 赤城農相の1億円にも及ぶ事務所経費虚偽報告、談合の限りを尽くして自殺・辞任する閣僚ども、そしてそれを開き直る安倍! お前たちに労働者を批判する資格など一切ない! 自治体労働者を「ムダ」だの「ゴミ」だのと言うが、安倍こそ最大のムダではないか!
 「消えた年金」問題の責任は安倍にある。そもそも年金制度は破綻し、日帝・政府には支払う気などさらさらなかった。今度はそれを民営化するという。コムスンの破綻が明らかになっているのに! 社会保障は自治体労働者の闘いによって守られてきた。「俺たちの仕事を悪徳資本家なんかにまかせられるか!」。これが自治体労働者の怒りと誇りではないだろうか。
 こうした怒りが今、安倍を追い詰めている。3月18日に続き、6月9日には「労働運動の力で革命をやろう!」と叫ぶ青年労働者・学生を先頭とするデモが、渋谷に登場した。街行く若者が真剣に聞き入り、「革命」をめぐって討論を開始、「一気に合流してきそうな雰囲気」が生まれた。
 まさに「労働者の自発的行動」とは、労働者一人ひとりが闘いに立ち上がることだ。労働者の決意、仲間との団結を組織することそのものが、革命情勢の到来なのだ。

 職場・生産点で闘う団結を

 一方で全逓(JPU)の全郵政との統合など、体制内労働運動の屈服は激しく進んでいる。しかし、こうした屈服を見てあきらめるのではなく、それへの現場労働者の怒りを見て展望を語り合い闘うべき時だ。ついに屈服と腐敗の連合や全労連指導部を打倒する情勢が来たのである。
 参院選に対する労働者階級の闘う方針は、安倍=御手洗路線を粉砕し、安倍自公政権をぶっ飛ばすために、何よりも職場から体制内労働運動を打破する団結をつくることだ。「抵抗勢力」などとなじられている労働組合を、革命勢力に変革するために闘うことだ。労働者の力を民主党支持などの一票にとどめようとする執行部と闘い、労働者の誇りと団結を取り戻していくことである。
 確かに労働運動で物をとれない時代だ。体制内労働運動との決別・打倒に立ち上がっている青年労働者たちも、「物がとれなくて団結が維持できるだろうか」と何度も不安になりながら、「物がとれなければ団結できないと労働者を見下しているのが体制内労働運動の腐敗した執行部の連中ではないか!」と自分を奮い立たせ、闘っている。労働運動再生の闘いは、資本・当局との闘い、腐敗した執行部との闘い、そして自分自身との闘いだ。その中で今、時代を切り開く革命的リーダーが登場してきている。
 労働者はそもそも金や物だけのために闘ってきたのではない。労働運動がだめになったとたんに、社会は格差や戦争という破滅へ向かう。労働者の闘いが社会を変え、戦争をとめてきたのだ。その誇りにおいて団結しよう。「労働者が資本家なしで社会を運営できるわけがない」と労働者を見下して革命をあきらめてきた体制内労働運動を打破し、労働者の力を信頼し、労働者の誇りと団結を取り戻そう。労働者を見下す既成指導部と決別し、自分自身が革命的リーダーになろう。
 今や資本家階級が労働者階級の賃金奴隷としての生存すら保障できない時代である。団結して資本主義を打倒し、新たな社会を組織する力を持つ労働者階級と、社会を動かす力すらなくなった資本家階級とが、一ミリも妥協できない段階に入った。これこそ革命情勢、労働者の時代の到来だ。
 11月労働者集会で日米韓の労働者は、国際連帯で戦争を止めようと宣言した。労働者はひとつだ。国境を越え、正規・非正規、あらゆる差別や競争などの分断をのり越えて団結し、その力で世界を変えうる存在だ。今こそ世界革命のために闘う時がきたのだ。
 私たち革共同は、今秋11月労働者総決起への非常の決意をもって、7・29革共同政治集会を開催する。革命的情勢をプロレタリア革命に結実させるのは、革共同の路線と時代認識、そしてマルクス主義である。
 世界革命を切り開く労働運動のリーダーとして新たな決意を固める労働者のみなさん。とりわけ未来を担う青年労働者・学生のみなさん。7・29東西革共同政治集会に総結集し、労働者の誇りと熱気と決意にあふれる歴史的な集会を実現しようではありませんか!

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週刊『前進』(2303号1面2)(2007/07/16 )

 労働者の団結で核と戦争なくそう

 8・6ヒロシマ大行動へ

 実行委呼びかけ

 「改憲阻止!ヒロシマの力で/労働者の団結で、核と戦争をなくそう! 被爆62周年 8・6ヒロシマ大行動」(要項5面)の呼びかけが実行委員会から発せられたので紹介します。呼びかけにこたえ、全国から8・6広島、さらに8・9長崎に大結集しよう。(編集局)
 全国のみなさん!
 8月6日、広島に集まりましょう。被爆者とともに核と戦争に反対する怒りの大行動を行いましょう。
 被爆62周年を迎える今年、米ブッシュ政権がイラク戦争と占領を継続し、さらにイランや朝鮮民主主義人民共和国、中国への圧力を強めて世界中で戦争を拡大しています。劣化ウラン弾使用、小型核兵器の開発、ミサイル防衛など、核戦争を含んだこの戦争拡大を絶対に許す事はできません。また、安倍内閣は、昨年の教育基本法改悪に続いて、米軍再編、イラク派兵継続、改憲手続き法制定から憲法改悪に一直線に向かっています。「原爆投下はしょうがない」(久間前防衛大臣)発言こそ安倍内閣の正体です。
 そうした今、私たちは、二度とアジア侵略、ヒロシマ・ナガサキ、オキナワを繰り返さないために今年のメインテーマを「改憲阻止!ヒロシマの力で」とする第9回目の「8・6ヒロシマ大行動」を開催します。
 戦争と生活破壊に対する労働者・市民の怒りは国境を越え、世界で大きなたたかいとなっています。被爆者とともに、労働者の団結を固め、8・6ヒロシマ大行動から改憲阻止ののろしを上げましょう!
     ◇
【呼びかけ人】 北西允(広島大学名誉教授)/内海隆男(広島の強制連
行を調査する会)/宇野昌樹(広島市立大学教員)/大江厚子(セイブ・ザ・イラクチルドレン広島代表)/太田弘(広島県沖縄県人会会員)/岡本三夫(第九条の会ヒロシマ代表)/小武正教(僧侶)/栗原君子(元参議院議員)/下田礼子(反戦被爆者の会)/中島敦史(広島大学生)/原田豊己(カトリック広島司教区司祭)/平岡誠(三次市議・とめよう戦争への道!百万人署名運動広島県連絡会事務局長)/湯浅一郎(ピースリンク広島・呉・岩国世話人)/吉村慎太郎(広島大学教員)/李実根(広島県朝鮮人被爆者協議会会長)/由木栄司(広島県日本中国友好協会青年委員会委員長)/吉田良順(医師)/大石又七(ビキニ被爆者・元第五福竜丸乗組員)/大内裕和(松山大学助教授)/鎌仲ひとみ(映画「ヒバクシャ」監督)/桑江テル子(うないネット・コザ主宰)/佐久川政一(沖縄大学名誉教授)/知花昌一(反戦地主)/西川重則(平和遺族会全国連絡会代表)/野田隆三郎(元岡山大学教員)/吉田義久(元相模女子大学教授)〈6月15日現在>

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週刊『前進』(2303号1面3)(2007/07/16 )

 安倍=御手洗と闘う熱烈なカンパ訴えます

 すべての同志、支持者、『前進』読者の皆さんに、革共同への夏季一時金カンパを訴えます。
 いま社会保険庁の全職員がボーナスの一部自主返上を求められています。これは「自主返納」とは名ばかりの強制徴収です。事実、塩崎官房長官は「ボーナス返上に応じるかどうかは日本年金機構への採否の判断基準になる」と公言しました。
 これに対して、労働者の利害を貫くべき社保庁の労組である全国社会保険職員労組は、「積極的に応じるべき」と表明しました。とんでもありません。不明年金問題の一切の責任は、政府・国家権力にあります。労働者にはありません。
 年金制度はアジア侵略と日米開戦の1942年、郵便貯金と並んで労働者から戦費を巻き上げるためにつくられました。花澤・初代年金課長は「年金を払うのはずっと先だから、今のうち、どんどん使ってしまっても構わない」と言っていました。そもそもが労働者の老後を心配して生まれた制度ではなかったのです。この在り方は戦後も変わらず、日帝ブルジョアジーは、はなから労働者に年金をまともに支払う気などなかったのです。
 労働者民衆の巨大な怒りに追いつめられた日帝・安倍政権は、百パーセント自分たちの責任である不明年金問題を社保庁の労働者になすりつけて、自治労攻撃で延命しようとしています。追いつめられているのは日帝・安倍の側です。安倍はグラグラです。動労千葉が国鉄の分割・民営化攻撃にストライキで闘い、その後の組織破壊攻撃に対し労働者の団結を武器に跳ね返しているように、いま自治労が闘いに立ち上がれば安倍をぶっ飛ばすことができます。ところが日帝の攻撃に震え上がり屈服し、これを支えているのが自治労本部を始めとした既成労働運動指導部です。
 日本帝国主義は、もはや「労働者を食わせていく」ことはできません。不明年金問題で私たち労働者に問われていることは、「完全な年金制度を」と日帝ブルジョアジーにお願いすることではありません。また、選挙で民主党など既成政党に投票することではありません。今こそ職場と地域で闘う労働組合をつくりだし、こんな労働者階級をなめきった帝国主義を既成労働運動指導部ごとぶっ飛ばしてしまうことです。 
 革共同は皆さんの怒りの先頭で闘います。労働者階級とともにこの腐りきった日帝・安倍政権を打倒し、労働者の未来を切り開きます。そのために圧倒的な闘争資金を革共同に寄せて下さい。

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週刊『前進』(2303号1面4)(2007/07/16 )

 日程 7・29東西革共同政治集会

 階級的労働運動路線の全面的な推進で、戦争・改憲攻撃をプロレタリア革命に転化しよう
〔東京〕基調報告 高原 洋三
 7月29日(日)午前11時30分開場
 豊島公会堂 豊島区東池袋1−19−1
〔関西〕基調報告 革共同書記長 天田三紀夫
 7月29日(日)正午開場 1時開会
 尼崎市立労働福祉会館 尼崎市東難波町4−18−32

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週刊『前進』(2303号1面5)(2007/07/16 )

 日程 8・2関西新空港2期供用開始阻止/新陸上ルート案反対!/関空の軍事空港化絶対反対!

 関西新空港反対全国集会
 7月22日(日)午後1時半集合、2時開会
 泉佐野市末広公園コミュニティひろば (泉佐野市羽倉崎駅下車)
主催 大阪湾岸住民4団体(泉州・淡路・明石・東灘)/関西反戦共同行動委員会
協賛 三里塚芝山連合空港反対同盟
  ※集会の後、りんくうタウンまでデモ

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週刊『前進』(2303号2面1)(2007/07/16 )

 大民営化と対決し闘おう

 1047名闘争は勝てる闘い 敗北強いる国労本部うち倒せ

 国労第75回全国大会の課題は何か

 国鉄1047名闘争はいよいよその真価を発揮すべき時を迎えている。革命的情勢の急接近下、安倍政権はその巻き返しをかけて戦争・改憲と民営化・労組破壊の大攻撃を仕掛けている。安倍は、自治労・日教組に攻撃を集中し、統治機構の内部にある労働組合を解体・一掃して、改憲クーデターに突進しようと策している。だが、これはあまりに絶望的な攻撃だ。今こそ巨大な反撃をたたきつけ、プロレタリア革命の突破口を切り開こう。国鉄分割・民営化と20年にわたり対峙してきた国鉄闘争は、改憲と民営化を阻む労働者の闘いの最先頭に立ち、革命に向けて勝利を切り開くべき階級的責務を負っている。8月2〜3日の国労第75回定期全国大会(静岡県伊東市)は、こうした情勢の中で開かれる。国鉄闘争を自滅に追いやる国労本部を打倒し、国労再生の道をこじ開けることが、この大会の課題だ。

 国鉄闘争の真価問われる時

 参院選を前に安倍政権は、年金問題や介護(コムスン)問題で労働者の怒りに迎え撃たれ、久間防衛相の辞任や赤城農相の政治資金問題の発覚などでグラグラになりながらも、さらに凶暴な公務員バッシングにのめり込むことに唯一の延命の道を求めている。
 社会保険庁の労働者に投げつけられる「がん、ゴミ」という支配階級の悪罵(あくば)は、国鉄分割・民営化を前に吹き荒れた「国鉄労使=国賊」論と何ひとつ変わらない。思い起こせば、国鉄分割・民営化の際のヤミ・カラキャンペーンは、添乗旅費(ブルトレ手当)の削減から始まった。今や安倍は、社保庁の労働者に対して「夏季一時金の返納に応じない者はクビ」というすさまじい攻撃をかけている。
 だが、自治労や日教組に攻撃を集中し、その壊滅に全力を挙げる支配階級のやり方には、決定的な破綻(はたん)点がある。何よりそれは、彼らがいまだに国鉄闘争−1047名闘争を解体できていないということだ。
 強行成立された社保庁解体法は、2010年に社保庁を廃止し、日本年金機構を設立すると定めている。新機構の職員の採用手続きは、@新機構の設立委員が、社会保険庁長官を通じて社会保険庁職員に新機構の労働条件を提示する、A応募した職員の中から、社会保険庁長官が新機構職員の採用名簿を作成する、B設立委員の採用通知を受けた者が新機構の職員となる――とされている。国鉄改革法23条とまったく同じだ。安倍政権は「新機構に採用されない者は分限免職にする」と言ってはばからない。
 だが、20年かけても1047名闘争をつぶせなかった支配階級が、3年のうちに社保庁とその労組を跡形もなく解体しきろうなどと思い描くこと自体、労働者をなめきった夢想だ。
 教育4法改悪によって導入された教員免許更新制も同じだ。国鉄労働者を採用・不採用のふるいにかけた87年2・16と同様のことを、110万人の教育労働者を相手に10年ごとに強行するなどということが、国鉄1047名闘争を抱えたままどうして可能なのか。
 確かに今、支配階級の総力を挙げた攻撃に直面し、公務員労働者はただならぬ社会的重圧の中に置かれている。だが、労働者は、「年金がきちんと払われないのは社保庁の労組のせいだ」「子どものいじめ問題は日教組のせいだ」などという支配階級のデマにいつまでも沈黙を続ける存在ではない。全国社会保険職員労組執行部の屈服を突き破り、社保庁労働者の「返納拒否」の闘いが始まっている。
 国鉄分割・民営化に際しても、「国鉄赤字は国鉄労働者が怠けているせいだ」というデマがまき散らされ、労働者の尊厳を否定する極限的な攻撃が吹き荒れた。これに対して動労千葉は、労働者が誇りを取り戻し、労組の団結を維持する道はこれしかないと、首をかけて渾身(こんしん)のストライキに立ち上がった。また、現場の国労組合員は、「大胆な妥協」を唱える執行部を修善寺大会で打ち倒し、分割・民営化反対の旗を守りぬいた。
 分割・民営化の嵐をくぐり抜け、20年にわたり継続されてきた国鉄1047名闘争は、一大民営化攻撃に立ち向かう労働者の闘いを牽引(けんいん)すべき位置にある。
(写真 現場の国労組合員が主体となり、1047名闘争の勝利と国労の再生を誓った6・3国鉄集会【東京】)

 民営化との闘いは改憲阻止の軸

 国鉄分割・民営化以来進行した労組破壊と首切り・リストラ、権利はく奪の攻撃は、3分の1の労働者を不安定雇用に突き落とした。今や2000万人の青年労働者がワーキングプア状態にたたき込まれ、資本主義のもとではなんの将来展望も持てないところに追い込まれている。だが、その青年労働者の中から階級的労働運動再生の巨大なうねりが巻き起こり、「労働運動の力で革命を」を掲げた、時代を変える闘いが始まった。
 この闘いは、民営化攻撃になすすべもなく屈服する日教組本部や自治労本部を根底から打ち破る青年労働者の闘いを至る所に生み出している。
 民営化への労働者の怒りは、全社会を覆い始めた。国鉄分割・民営化の結果は尼崎事故だった。介護・福祉の民営化の結果はコムスンら民間資本による保険料のだまし取りだった。さらに安倍政権は、社会保険庁を民営化して労働者からわずかな年金さえ奪い取ろうとしているのだ。国鉄分割・民営化を先駆けに始まった民営化は、あらゆるものを資本のえじきに投げ出し、社会をまともに成り立たせないところにまで行き着いた。まさに資本主義・帝国主義は末期的危機にある。
 アメリカで、韓国で、全世界で労働者は80年代以来の民営化攻撃への一大反撃に立っている。その潮流の先頭に立ってこそ、国鉄闘争の勝利をわがものにすることができるのだ。その決定的チャンスが訪れている。
 「戦後レジームからの脱却」を叫ぶ安倍が、改憲に全力を挙げているのも、民営化攻撃と完全に一体のものだ。公務員が労組の団結を維持している限り、またすべての労働者が団結権を基礎に生存確保のために資本や国家と立ち向かっている限り、侵略戦争は強行できない。だから安倍は、道州制導入で自治体もろとも自治体労働運動を一掃して戦争のできる国へと統治形態を転換し、一大民営化を強行することで労働者の階級的団結を破壊しようと必死なのだ。
 民営化は改憲攻撃の最先端に位置している。だからこそ、民営化阻止の闘いは改憲を阻む戦略的闘いなのである。

 「解雇撤回」捨てた大裏切り

 かつて中曽根は、「行政改革でお座敷をきれいにして立派な憲法を安置する」とうそぶいて国鉄分割・民営化を強行した。その野望を今日まで阻んできたのが国鉄1047名闘争だ。
 1047名闘争は、今日まで継続された国鉄分割・民営化反対闘争である。その闘いに多くの労働者が惜しみない支援を送ってきたのは、まさに改憲が問題となる時代にあってこそ、国鉄闘争が最先頭で闘うことを熱く期待してきたからだ。国鉄闘争は、20年のすべてをかけて改憲と民営化攻撃に立ち向かう資格と責任を有している。
 国鉄1047名闘争がその総力を挙げて安倍政権と階級的に対決すれば、安倍による公務員労組たたきなど封じ込めることができる。国労本部の裏切りと政治解決路線へののめり込みは、国労の団結を腐食させているだけでなく、安倍をつけあがらせて公務員労組解体に向けた凶悪な攻撃を許してしまっている。
 1047名闘争の原則的な貫徹は、国労の再生のみならず、自治労や日教組、全逓(JPU)を始めとする全労働者に、労組の階級的再生に向けて限りない激励を与えるものになる。そこに国鉄闘争の勝利もある。一大民営化攻撃の激しさは、勝利の条件をもつくり出しているということだ。
 ところが国労本部は、勝利の情勢が訪れたこの時に、みすみす国鉄闘争を自滅に追いやろうとしているのだ。
 国労本部が職場に下ろした「2007年度運動方針(案)第1次草案」には、「4者・4団体によるJR不採用事件の早期解決」という言葉はあっても「解雇撤回」の文字はどこにもない。解雇撤回を引き下ろし、動労千葉を排除して進められる「政治解決」とは、安倍政権にどこまでも屈服を誓うものでしかない。
 昨年11月に東日本エリア本部が強行した出向協定締結と包括和解は、1047名闘争とともに国鉄闘争の両輪をなすJR本体の闘いを圧殺する許し難い裏切りだった。
 これに加え、東日本エリア本部はJR東日本との総合労働協約の締結を策している。西日本エリア本部に至っては、今や完全にJR西日本の代弁者に転落した。彼らは、尼崎事故に関する国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会の最終報告に対しても、「日勤教育は事故再発防止に向けた教育に改められているから問題はない」とJRを擁護しているありさまだ。
 国労本部を握るチャレンジ一派や革同は、JR資本と権力の手先と化し、企業防衛主義を満展開して延命しようとあがいている。彼らの裏切りの最たるものは、組合員を公安警察に売った5・27臨大闘争弾圧だ。
 だが、国労本部が4党合意を受け入れて最終的に権力・資本の軍門に下って以来、現場の組合員は自らの力で闘い、勝利を切り開いてきた。政治解決路線に抗して1047名闘争を原則に立ち返らせようと奮闘する鉄建公団訴訟原告の闘いがあり、職場から安全問題を追及して反合闘争を復権しようと苦闘する組合員の闘いがある。国労本部が投げ捨てた不当労働行為の追及を自力で貫く闘いがあり、国労再生を目指して無罪獲得へ総力を挙げる5・27臨大闘争弾圧被告の闘いがある。原則を貫くこれらの闘いは、国労本部の妨害をはね除け、「学校政治」の壁を突き破り、着実に勝利を切り開きつつある。

 JR体制打倒の好機が到来

 動労千葉は、館山運転区・木更津支区廃止の攻撃に対し、春闘ストライキを頂点とする9カ月の攻防を貫いて勝利した。組合の拠点を破壊する凶悪な攻撃の中に敵の弱点を見抜き、現場組合員の力を徹底的に信頼し依拠して、団結の強化を目的意識的に追求し闘いぬいた大きな成果だ。
 今やJR体制は根底から破産をあらわにしている。尼崎、羽越線、伯備線と続いた重大事故はその極限的な現れだ。
 資本=カクマル結託体制も、東労組から嶋田派が公然と分裂し、松崎支配は最後的な崩壊の時を迎えている。
 人員問題でもJR体制の破産は明らかだ。駅業務の委託化が進行し、JR東日本は40歳以下の運転士を駅に強制配転する「ライフサイクル深度化」をこの10月にも強行しようとしている。これは平成採の青年労働者の怒りをかき立てている。平成採のJR総連からの離反もまた必至だ。
 JR体制打倒の好機が来たのだ。JR資本の懐に飛び込み「労使正常化」することに国労の未来があるのでは断じてない。「包括和解で国労差別はなくなった」などというのは完全なデマだ。
 分割・民営化以来20年の闘いは、確実にJR体制を追いつめている。「味方の疲弊」のみを言い立てて、「早期解決」の名で1047名と国労組合員全体に敗北を強いようとする国労本部に、組合員の未来をゆだねてはならない。修善寺大会で誓った「敵よりも1日長く」の実践的な貫徹が、今ほど問われている時はほかにない。
 今回の国労大会を国労再生の突破口を開く決戦として闘おう。JRの青年労働者をマルクス主義のもとに組織しよう。職場から闘いを巻き起こし、JR職場から11月労働者総決起の大隊列を生み出そう。国労本部を打倒し、国鉄闘争が改憲阻止決戦の最先頭に躍り出て、勝利を手にする時は来ているのだ。
 〔革共同国鉄委員会〕

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週刊『前進』(2303号2面2)(2007/07/16 )

 社保庁労働者に訴えます!

 座して死を待つより立って闘う時

 闘いだけが状況を変える

 資本家から年金を奪い返そう

 社会保険庁で働く労働者のみなさん。座して死を待つより、立って闘おう! 年金問題の責任を現場の労働者になすりつける安倍政権の攻撃に、このまま黙っているわけにはいきません。
 年金制度の破綻(はたん)も年金記録問題も、歴代自民党政権に全責任があることは、現場労働者が一番よく分かっている話です。新組織(日本年金機構)への採用を脅しに使い、現場労働者に責任転嫁するやり方は本当に許せません。
 しかし、今のままでは真実はやみに葬られてしまいます。現場の労働者が立って闘う以外に、年金を食い物にしてきた支配階級の犯罪を暴き出すことはできません。
 核心は、年金制度そのものの破綻にあります。

 年金制度破綻が記録問題の原因

 歴代の自民党政権は、巨額の年金積立金に群がり、財政投融資として鉄道・高速道路・ダム・原発建設などに湯水のごとく使い込んできました。財投の不良債権は100兆円ともいわれています。政府は絶対に、その実態を明かしません。
 年金記録問題も、政府が年金制度を破綻させたことが根本的な原因です。基礎年金(国民年金)部分が破綻する中での年金統合、支給年齢引き上げなど、政府が制度をいじくり回すなかで引き起こしたのです。
 しかも、多くの青年労働者は今、年金保険料すら払えず、将来をまったく展望できないワーキングプア状態にたたき落とされています。2人に1人は非正規雇用、1週間も休めばホームレスになりかねない格差社会、貧困社会です。他方、一部上場企業は空前の利益を上げ、法人税もまともに払っていません。この十年余りで、いくらまじめに働いても労働者が生きていくことすらできなくなり、社会が社会として成り立たなくなっている――ここに年金破綻の核心問題があります。

 組合員を守らない執行部打倒を

 社保庁の現場の労働者は、高齢者(退職した労働者)の生活を守るために毎日深夜まで残業し、ダイヤルセンターなどでは24時間働いています。年金問題は、本当に切実です。現場労働者も、胸を痛めています。
 しかし安倍政権は、社保庁の労働者を「国民の敵」呼ばわりして責任をかぶせ、責任逃れしようとするばかりです。結局、年金をまともに払うつもりなどないのです。
 これは20年前に、国鉄分割・民営化攻撃の中で起きたことと同じです。
 歴代の自民党政治家は「我田引鉄」と言われるほど自分の選挙区にどんどん鉄道を引き、膨大な借金をすべて国鉄に押しつけました。そして、「国鉄労働者がサボって働かないのが借金の原因だ」と猛烈な「ヤミ・カラ」キャンペーンをしたのです。
 これに対して、動労本部は民営化の手先に転じ、国労本部は闘いの方針を出せませんでした。執行部が敵の攻撃に屈した結果、20万人の国鉄労働者が悩み、傷つき、敗北感をもって職場を去りました。200人もの自殺者も出ました。
 団結して闘わなければ労働者は無力です。一人ひとりがバラバラでは、絶対に勝てません。すでに多くの仲間が、社保庁の職場を去り始めています。うつなどの精神疾患、過労などで生命すら奪われかねない状況になっています。決然と立って闘う以外に、職場を守り、仲間を守る方法はありません。
 社会保険庁の労働組合が敵の軍門に下り、安倍政権が叫んでいる「全責任は労働組合、現場労働者にある」というデマを認めてしまったら、いったいどうなるのでしょう。労働者として、人間として、これだけは絶対に認められません。
 国鉄分割・民営化攻撃に対して唯一、ストライキで闘い、団結を守り抜いたのが動労千葉です。全組合員が「ふざけるんじゃない!」と怒りを爆発させ、解雇を覚悟し、バッシングの重圧も全部引き受けてストライキを打ち抜いたのです。その時初めて、政府のペテンは暴かれ、分割・民営化攻撃の本質が明らかになり、世の労働者の共感と支援を呼び起こしたのです。動労千葉は、20年たった今も団結を守り、意気軒高と闘っています。尼崎事故など安全問題が噴出する中で、JR資本の責任を追及し、正々堂々と筋を通して闘い抜いています。こうした闘いが今こそ必要ではないでしょうか。

 年金の運営・管理を労働者の手に

 そもそも安倍政権に、年金破綻の責任などとれるわけがありません。彼らには、労働者階級を食わせていく力はもうありません。年金制度そのものを破綻させた張本人に年金問題を語る資格も解決能力もありません。
 この社会を動かしているのは労働者階級です。年金を労働者階級の手で運営・管理する以外に、解決の道はありません。年金を食い物にしてきた銀行や大企業から、取り返す必要があります。この腐敗した資本主義社会を転覆する革命こそ必要なのです。
 安倍政権の狙いは労組を解体し、労働者を屈服させて支配することにあります。社保庁の労働者は、絶対にバラバラになってはなりません。
 いつまでも権力者どもの思い通りになっていてたまるか! 社保庁で働く労働者のみなさん。敵の軍門に下った執行部を打倒し、ともに闘おう。

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週刊『前進』(2303号2面3)(2007/07/16 )

 イギリス 郵便労働者がスト

 民営化・合理化に大反撃

 イギリスの郵便労働者が6月29日、全国ストライキを貫徹した。さらに第2波、第3波のストを構えている。

 “炭労のようにつぶす”と恫喝

 ブラウン新首相は、ブレア以上の民営化=労組破壊推進派だ。就任前から実権を握ったブラウンのもとで、当局は大弾圧、解雇・不安定雇用化の恫喝で、組合員を大量に切り崩そうとした。
 6月3日のデイリー・テレグラフ紙は、ロイヤル・メール(イギリス国営郵便会社)最高幹部の言葉を伝えた。
 「労働組合との闘いは数カ月の激烈なものになる」「血なまぐさくなる。炭鉱を経験してきたが、今は郵便だ」
 “炭鉱”とは、1984年〜85年の炭鉱労組とサッチャー政権の激突のことだ。最強の労働組合といわれたNUM(鉱山労働者全国組合)の破壊のために、サッチャー政権は国営炭鉱の大量閉山と首切りを強行した。そして、ストライキ、ピケットラインを警察が襲撃・暴行し、大量に労働者を逮捕した。さらに、長期の無給で困窮する労働者家族から、一切の社会保障給付を奪った。
 ブラウン政権は、あのすさまじい大弾圧の再現を狙っているのだ。
 当局は、ストの前には「業務は平常どおり行われる」と宣言していた。組合員を切り崩せるとふんでいたのだ。だが全英で郵便がストップした。これまで組合が存在しなかった地方の中小局でも、非組合員がピケットを張り業務を停止させた所がいくつもある。
(写真 ロンドンのフィンズベリーパーク局でピケットを守る郵便労働者【6月29日】)

 郵便参入自由化で統廃合が加速

 2006年1月、イギリスの郵便事業への参入が自由化された。ロイヤル・メールは06年の1年間で、郵便市場の40%を奪われた。これまでは、大口と小口、郵便の受け付けと配達が一体となって経営が成り立ってきた。しかし郵便事業への参入自由化は、その構造を破壊・分断した。収益率が高い部分だけに新規企業が参入することになり、ロイヤル・メールの収益は急激に悪化した。
 むちゃくちゃな競争環境にたたきこまれる中で当局は、「競争力を高めるため」として大規模統廃合=人員整理を提案した。賃金も「2・5%アップ」の回答だった。インフレ率は4・5%だから実質的な賃下げだ。これは、CWU(通信労働組合)解体攻撃である。
 CWU本部は、戦争と民営化を進める労働党を支持し、ストライキも抑えつけてきた労組官僚だ。だが、CWUの現場労働者は非常に戦闘的だ。本部の抑圧に抗して多くの山猫ストを行ってきた。イギリス全体のスト日数の半分が郵政労働者のストで占められるといわれる。
 イギリス帝国主義は、すさまじい危機にあえいでいる。イラクでの敗北の打撃は米帝以上だ。EU諸国との争闘戦でも敗北している。だから、延命をかけ、労働者の闘いの絶滅のために攻撃をかけてきているのだ。

 鉄道・港湾などに連帯スト広がる

 サッチャー政権に始まるイギリスの新自由主義の流れの中で、労働法が改悪され、連帯スト、政治ストは違法とされた。労働者階級を分断することを狙ったものだ。
 労組官僚は、この改悪労働法の枠内に運動を抑えこもうとしてきた。
 だがイギリスの労働者階級は、80年代の炭労弾圧の時、炭労とともに闘った誇りを持っている。鉄道、港湾、海運の諸労組は石炭輸送を拒否し、解雇者を出しながらも不屈に連帯を貫いた。
 今、郵便労働者と同時にストをしようという動きが、鉄道・港湾・海運以外にも、金属、医療、地方・国家公務員の諸労組などに広がっている。体制内労働運動を突破し全労働者階級の団結で闘おうという潮流が台頭している。 
 (村上和幸)

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週刊『前進』(2303号3面1)(2007/07/16 )

 「偽装請負」の合法化狙う

 「規制改革要望」日本経団連に反撃を

 大資本の利潤追求へ205項目

 6月29日に日本経団連は、毎年発表する「規制改革要望」の07年度版を公表した。今年の政府への要望は、14分野205項目からなっている。
 この14分野とは、労働者階級を工場法以前にたたき込もうという「雇用・労働分野」を筆頭に、社会保障や年金制度の解体を意味する「社会保障分野」「企業年金分野」、金融資本の好き勝手な収奪を狙う「金融・保険・証券分野」、国家の規制を撤廃して安全崩壊を促進する「運輸・流通・貿易諸制度分野」「エネルギー分野」、外国人労働者を導入し低賃金での搾取・収奪を目論む「外国人材分野」などが列挙されている。
 さらに、三里塚闘争の中で明らかになってきた農業切り捨て、農民の犠牲転嫁を狙う「農業分野」など諸階層人民をも切り捨て、「大資本の利潤追求がすべて」という独占大ブルジョアジーの本音(「御手洗ビジョン」)を赤裸々に列挙したとんでもない代物だ。
 しかも重大なことは、この項目すべてが、戦後的労働者支配を転換させ、改憲と戦争国家化攻撃を推し進める安倍内閣の路線そのものでもあるということだ。まさに「戦後レジームからの脱却」を狙う安倍=御手洗路線そのものであり、日帝の基本政策なのだ。
 特に労働者階級への攻撃を列挙した「雇用・労働分野」が昨年の23項目から34項目に激増している。ここにこそ今年の要望書の凶暴性が現れている。以下、「雇用・労働分野」に絞ってその反動性を暴露したい。

 派遣労働の規制緩和が核心

 今年の「雇用・労働分野」の要望の特徴は派遣労働に関する項目が激増し、しかも優先順位が上がっていることである。
 34項目中11項目、しかも重点7項目中5項目までが派遣労働関係だ。経団連がいかに派遣労働の規制緩和を必要としているかが分かる。(昨年は23項目中5項目、重点6項目中3項目)
 昨年来の「偽装請負」の現実への青年労働者を先頭とした労働者階級の怒りの決起と、社会的反響の大きさに経団連は大打撃を受けた。だが、「偽装請負」の張本人であるキヤノン会長の御手洗を始めとした大ブルジョアジーは、正規雇用の労働者の3分の1の低賃金で労働者をこき使って空前の経常利益を上げている派遣労働をやめることなど絶対にできない。なんとか「偽装請負」を合法化し、派遣労働を継続・拡大しようと必死にあがいているのだ。
 左上の表を見て欲しい。最大の問題点は、「派遣労働者への雇用契約申込義務の廃止」をあげていることだ。これは、現在の法律では派遣労働者を3年以上連続して受け入れる派遣先は派遣労働者を直接雇用する義務がある、という規定を撤廃しろというものだ。この規定を回避するために「偽装請負」をやっているわけだから、そのような回りくどいことをしなくても堂々と派遣労働者として一生こき使おうというのだ。
 さらに「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準の見直し」をあげている。これも「偽装請負」問題に対する資本の防衛策だ。派遣と請負の境目を限りなくあいまいにし、請負でも発注主が指揮命令できるようにし、現在の「偽装請負」状態をそのままで「合法」にしてしまうという強引なやり方だ。
 このような要求は、まさに御手洗が昨年10月に発言した”法律に無理がある。現実に合わせろ”という主張そのものだ。資本の都合のいいように法律を変え、労働者を徹底的に搾取することを絶対に許してはならない。
 その上で、派遣労働の全面解禁を要求する項目が並んでいる。まさに、日帝は一部のエリートを除いて日本の労働者階級総体を、雇用義務がなく低賃金でいつでも首が切れる派遣労働者にして、死ぬまでこき使おうというのだ。

 「残業代ゼロ」も名前変えて

 今回の要望書では、昨年は重点項目になっていた「ホワイトカラーエグゼンプション(WE)」が「労働時間規制の適用除外制度の拡充」として名前を変えて盛り込まれている。
 これは、昨年の厚生労働省によるWE導入策動に対して「残業代ゼロ法案」反対の怒りの大衆行動が爆発し、参議院選挙を控えた安倍政権がその導入を断念したという事実がある。この大打撃から、経団連はWEという名前を変えてなんとか8時間労働制の解体=WE導入を強行しようとあがいているのだ。
 その上で、「解雇の金銭解決制度の導入」を掲げていることが重要だ。
 このように、この要望書には、@終身雇用制解体=労働者階級総体の不安定雇用化、低賃金労働者化、A8時間労働制解体=長時間奴隷労働の強制、B首切り自由、という「労働ビッグバン」の攻撃の中身がすべて書かれている。
 派遣労働への怒り、WEへの怒りなど、「労働ビッグバン」への労働者階級の怒りの決起は確実に始まり、拡大しつつある。「労働者を食わせることのできない資本主義を打倒しよう」という青年労働者の怒りの決起を先頭に、11月1万人決起を実現しよう。
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「偽装請負」の合法化狙う経団連
・いわゆる自由化業務における派遣労働者への雇用契約申込義務の廃止
 雇用契約申込義務が派遣先に課されることによって、派遣先がこの義務を回避するため、一定以上の派遣労働者の交代を要求するケースが見受けられ、派遣労働者の雇用や就業場所がかえって不安定化しかねない。
・労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(告示37号)の見直し
 同基準では、発注主から請負労働者への指揮命令は原則禁止されているが、近年の製品サイクルの短期化や技術革新に対応していくためには、日々のコミュニケーションが欠かせない。これができなければ、生産効率の低下を招く。

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週刊『前進』(2303号3面2)(2007/07/16 )

 国鉄分割・民営化との闘いから学んで勝利きり開こう

 自治労・日教組破壊攻撃粉砕へ

 日帝・安倍政権は、「戦後体制からの脱却」というナチスばりのスローガンを掲げて労働者階級への攻撃を全面的に強めている。「戦争・改憲、民営化・労組破壊」との闘い、とりわけ自治労と日教組をめぐる攻防は、労働組合と労働運動の存亡をかけた最大の決戦である。労働者階級は日帝の体制的危機の深まりをはっきりと見抜き、職場闘争を戦闘的・階級的に闘いぬこう。破産した体制内労働運動の反動をうち破り、11月労働者総決起へと進撃していこう。

 総屈服の体制内労働運動

 安倍政権は参院選公示目前の10日、「年金記録問題検証委員会」の「中間報告」なるものを発表した。そこでは5000万件もの不明年金の原因について、「親方日の丸的な組織・人員」だとか「オンライン化反対闘争など職員団体の行動に問題」と、労働者・労働組合へ実に許せない責任転嫁を行っている。
 これは、1980年代中期の国鉄分割・民営化の時の国労・動労千葉破壊攻撃と同じ手口だ。この時も「国鉄労働者は怠けている」「親方日の丸体質だ」とか「国鉄赤字の最大の原因は国鉄労働者にある」というデマ宣伝が激しく行われた。
 帝国主義ブルジョアジーは、国家や国家財政を好き勝手に食い物にしその結果起こった破綻(はたん)や危機は、すべて労働者階級への攻撃の口実として使うのだ。
 元首相・森喜朗は「日教組、自治労を壊滅できるかどうかが次の参院選の争点だ」と語り、中川秀直・自民党幹事長は、「いよいよ今回の改革は最後の牙城である。自治労、日教組という諸君から……公共サービスを国民の手に取り戻す」「日教組・自治労はハローワークへ行ってもらいたい」と敵意をむき出しにしている。
 まさに自治労・日教組は今、国鉄分割・民営攻撃で労組破壊攻撃が吹き荒れたのと同じ大攻撃に直面している。
 ところが、この暴挙に対して、自治労本部、日教組本部、連合中央は反撃ひとつ組織せず、屈服の道を歩んでいる。彼らは政府・資本家階級の攻撃の激しさにおののき、組合員を無方針のまま攻撃にさらしている。本当に許せない。体制内労働運動の歴史的破産が突き出されているのだ。
 帝国主義の戦後発展の時代は終わった。帝国主義各国は「死の苦悶(くもん)」にのたうち回り、生き残りをかけた死闘戦に突入している。だから労働運動も、資本主義体制の存続を前提にして、資本と適当に折り合いをつけていくような体制内労働運動のやり方は、到底通用しなくなったのだ。労働者が文字どおり奴隷的境遇にたたき落とされるか、それとも労働者階級自己解放をとおした全人民の解放、階級社会の廃絶に向かって突き進むのか――このことが正面から問われる時代になったのだ。
 労働者が本当に苦境に立った時こそ、労働組合の存在理由があり、団結の威力を発揮する時ではないか。だから動労千葉の闘いに徹底的に学び、戦闘態勢を築くことが死活的になっている。
(写真  「改憲阻止!倒せ安倍・御手洗!」と、青年労働者を先頭に東京・渋谷の街をデモ【6月9日】)

 闘って団結守る動労千葉

 動労千葉は、国鉄分割・民営化攻撃に対して2波のストライキで対決し闘った。80年代10年間に50人もの組合員の首を切られながら、組合ぐるみ、家族ぐるみの闘いによって団結を守り抜いた。そして今、労働者国際連帯の旗を掲げて世界に羽ばたいている。今春闘でも、館山・木更津の拠点廃止攻撃に対してストライキで闘い、組合の団結を断固守り抜いた。
 さらに今、3・18日比谷や6・9渋谷の闘いに示されるように、全国に”動労千葉のように闘おう”という青年労働者、労組活動家をたくさん生み出しつつある。ここに動労千葉の闘いの勝利性が示されている。
 85年の国鉄分割・民営化攻撃に直面し、中野洋委員長(当時)は組合員に闘う決意を訴えた。「『去るも地獄、残るも地獄』だ。民営会社に行っても、激しい合理化と労働強化の嵐の中にたたき込まれることは間違いない。賃金もどうなるか分からない」と。
 この時を振り返って中野委員長は、『俺たちは鉄路に生きる2』の中で次のように語っている。
 「世の中は、とてもじゃないけど分割・民営化に反対してストライキをやるなんて雰囲気じゃない。それはものすごく重たかった。しかし、国鉄労働者はみな、『冗談じゃない。おれたちは朝から晩まで、夜中も仕事をしているのに』『おれたちのせいで赤字になったんじゃない』『一発異議申し立てしなかったら、腹の虫がおさまらない』という気持ちはみんな持っていた。問題はそれにどう正しく火をつけるかということでした。組合員が『もうここまで来たら首になっても闘う』と腹を固めていたから闘うことができた」
 こうした動労千葉の闘いの教訓はこんにち、激しい攻撃と闘う社会保険庁や自治体の労働者、教育労働者にとっても重要な闘いの指針となるだろう。
 中野委員長は、「3人に1人の首切りに対して闘わなかったら、組合の団結は絶対に破壊される。残りたい組合員が仲間を裏切って当局にすり寄り始めたら、組合員同士が疑心暗鬼になる。職場の仲間の連帯感は破壊されてしまう。……闘うことによってしか、団結を守れないんだ」と熱烈に訴えた。
 そして、「おれたちが必死になって闘えば、必ず日本中の労働者が支援してくれる。食べていく道はいくらだってある」「闘って、組合の団結を絶対に守ろう。労働者は仲間を裏切っちゃいけない」と訴えた。
 もとより動労千葉の戦闘的な組合の体質は一朝一夕にできたものではない。職場闘争の経験蓄積、組合員と執行部のねばり強い討論、労働者的な世界観・時代観(マルクス主義)獲得のための集会・学習会が積み重ねられた。さらに動労カクマルとの闘いや三里塚闘争も組合を鍛えた。そうした闘いの中で、団結と相互信頼のきずなを培い、「職場の主人公はおれたち労働者だ」という誇りと自信、職場支配権を確立していったのである。
 しかし、動労千葉の労働者は「普通の労働者」だ。動労千葉はけっして特別な組合ではない。動労千葉の闘いをとことん学ぶことによって、先進的な労働者が1人でも職場から闘いを開始し、仲間を獲得して主流派となり、組合の権力を確立していく――その闘いはどこの職場・組合でも絶対に可能である。
 中野委員長はつねに組合員に対して次のような時代認識を語っていたという。
 「支配階級の側が盤石な時には、労働者がどんなに闘っても敵はびくともしない。しかし危機の時代には、われわれの闘いようによって敵を揺るがすこともできる。労働者階級の側からみれば、チャンスの時代なんだ」
 自治労、日教組の組合員の皆さん。体制内労働運動を打破し、階級的労働運動を職場に復権しよう。3・18―6・9の地平を発展させ、職場闘争を闘い、11月労働者総決起へ進撃しよう。
(写真 館山運転区・木更津支区廃止に反対し館山運転区庁舎前で抗議闘争を闘う動労千葉【2月4日】)

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週刊『前進』(2303号3面3)(2007/07/16 )

 電機連合大会にビラ

 “中央打倒”の訴えに共感

 7月5日〜6日、大分市の総合文化センターで電機連合の第55回定期大会が開催された。その初日に全国労組交流センターの電機労働者が結集した代議員と傍聴者に、ともに闘おうと訴えるビラまき闘争に決起した。
 電機連合の役員たちは「まさか大分にまでビラまきに来るとは」と、交流センターの電機労働者の執念に圧倒され、妨害行為を行うことができなかった。
 「労働運動の力で世の中変えよう」と大書したビラは、リストラと賃下げ攻撃のもとで苦闘する多くの電機労働者に共感をもって受け入れられ、ビラを大切にしまう労働者が続出し、約500枚をまききった。
 現在の「ワーキングプア」や「ロストジェネレーション」の現実は、日本の大企業が終身雇用制を解体し、多くの労働者を不安定雇用にたたき込んだことで起きている。これは、電機連合中央を先頭としたIMF−JC(金属労協)のダラ幹どもが、資本の手先になって積極的に攻撃に屈服・加担することで初めて成り立っているのだ。
 だが、この現実を放置していては、次は自分達の番だということを電機労働者はひしひしと感じている。安倍−御手洗が狙う「労働ビッグバン」とはまさにそういうことだ。電機連合中央を打倒し、正規と非正規の壁をのりこえて団結して闘おうという訴えが、多くの電機労働者の心をとらえ始めているのだ。
 中村委員長は大会冒頭の委員長あいさつで07春闘について触れ、「闘争終盤で柔軟な戦術に転換しました」などと恥ずかしげもなく主張した。これは、「24時間ストというドスを突きつけて、これ以下の回答は認めないというやり方がいいのか」などと言い放ち、基準未達成の場合の闘争戦術として、従来の24時間のスト権確立ではなく、無期限の時間外・休日出勤拒否を行うことにしたことを意味している。
 ところが中村は続けて、「闘争終盤におけるこの戦術転換は、拡大中闘組合や地闘組合においてはわかりづらい面があったことも否めない」と述べ、このスト放棄に対する怒りが中小企業の組合で渦巻いていることを認めざるをえなかった。
 電機労働者の怒りは爆発寸前だ。電機連合中央を打倒し、闘う労働組合として再生させよう。

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週刊『前進』(2303号3面4)(2007/07/16 )

焦点 7月参院選の最大攻防

 「2010年改憲発議」粉砕を

自治労・日教組をターゲット
 安倍自民党が6月5日に発表した、7月参院選マニフェスト(公約)で掲げている最大の政策課題は「新憲法制定の推進」、すなわち2010年の改憲案発議だ。
 参院選後、秋の臨時国会で「憲法審査会」を発足させ、そこで改憲案を審議し、10年に改憲案を発議して、国民投票にかけようとしているのだ。年金問題の焦点化で改憲問題は後景化したかのように見える。だが安倍自民党の参院選マニフェストは改憲を第一政策として掲げている。参院選は実は改憲阻止が最大の焦点である。
 安倍政権は、不明年金問題、介護保険(コムスン)問題、閣僚の事務所費問題などで窮地に立たされ、ボロボロだ。この危機をのりきるため自民党はマニフェストで「年金記録の徹底調査」「年金の完全支給」などをペテン的に約束した。しかし、年金問題はこんなレベルにはとどまらない。日帝の最弱点であると同時に、労働者人民への一大攻撃としてある。
 7月11日の党首討論(日本記者クラブ主催)で安倍は、年金問題に関連し「社会保険庁を解体し、あしき労働慣行を一掃する。公務員制度を改革する。それが私の『戦後レジームからの脱却』だ」と公言。さらに年金・社会保障の財源問題で「秋以降の国会で税制問題を論議する」と述べ、消費税率アップの意思を表明した。
 安倍は、年金記録の不備など年金制度崩壊の責任を、自治労の公務員労働者に転嫁し、社保庁の解体と民営化で大量首切りを断行し、社保労組をたたきつぶそうとしているのだ。それを突破口に公務員制度改革を全面的に推進し、道州制を導入し、改憲を断行して、200万人の公務員労働者の首を切ろうとしているのだ。
 6月5日、安倍は都内での講演で「社会保険庁には、あしき労働慣行、労使癒着のがんがはびこっている。そうしたゴミを一掃する決意だ」「われわれは社保庁を解体する。今までのようにダラダラ仕事をしている人は雇うわけにはいかない。去ってもらう」とうそぶいた。だが逆に安倍こそが不要物であり、悪であって、労働者の手で一掃されなければならない。
 もともと安倍の「戦後レジームからの脱却」「美しい国」の目標は、戦争と改憲、民営化・労組破壊であり、究極的には戦前の「大日本帝国」の復活、天皇制ボナパルティズム体制への回帰である。そして、切迫する朝鮮侵略戦争を米帝と共同で遂行することだ。
 戦争と改憲のためにこそ、民営化と労組破壊を強行し、労働者階級の抵抗と反乱を圧殺する。その最大の焦点が、4大産別の労働運動、とりわけ自治労、日教組を解体・絶滅することなのである。
 すでに社保庁では、職員労働者に土・日出勤、残業、そしてボーナス返納を強要している。地方交付税削減などの締め付けで、夕張市のみならず全国の自治体を押しつぶしている。全国学力テストや「不適格教員」排除攻撃で、教育労働者に総屈服を迫っている。
 また、安倍は7月4日、久間の後任の小池新防衛相に辺野古新基地建設など米軍再編の推進を命じた。7月10日に有識者懇談会の柳井俊二座長は、集団的自衛権の行使容認を求める報告書を、今秋まとめるとの意向を表明した。
税制改革で消費税率アップも
 そもそも自民党の参院選向けマニフェストは、「成長を実感に!『美しい国、日本』に向けた155の約束」と題されている。
 それは第一に、「美しい国の礎を築く」と称して、▽新憲法制定の推進=2010年の国会での憲法改正案発議を目指し、国民投票による承認を得るべく国民運動を展開する、▽教員免許更新制や不適格教員排除システムを導入する、▽国家安全保障会議を内閣に設置する、▽集団的自衛権問題を含め、憲法との関係を整理し、安全保障の法的基盤を再構築する、▽歳入・歳出一体の財政構造改革=秋以降、早期に具体的議論を行い、07年度を目途に消費税を含む税体系を改革する、▽道州制導入を国家戦略と位置付け、究極の構造改革として推進する、▽公務員の人事評価に能力・実績主義を導入、「官民人材交流センター」を設置、公務員制度のあり方を検討――などを掲げている。
 また第二に、「美しい社会と暮らしのために」と称して、▽社保庁解体や年金問題への拙速なペテン的諸対策、▽実際には不安定雇用の拡大を意味する「再チャレンジ支援」や若者の雇用確保などなどを打ち出している。
 第三に「美しい郷土をつくる」として、▽「低炭素社会づくり」に向けた国民運動の推進=「サマータイム」の導入を前向きに検討する、などと言っている。
 第四に「美しい国・日本の指針を世界に示す」として、▽拉致・核・ミサイル問題を包括的に解決する、▽北海道洞爺湖サミットに向け「環境外交」を戦略的に展開する、▽自衛隊の海外派遣が迅速に可能となる「国際平和協力に関する一般法(国際協力基本法)」を制定――などとうたっている。
階級的労働運動路線の推進で
 要するに、安倍自民党の「公約」とは、2010年の改憲案発議、集団的自衛権行使、地方自治解体と道州制導入=戦争国家化、公務員リストラと200万人首切り、消費税率大幅アップ、教育改革推進、などなどなのである。
 まさに、参院選の最大の争点は年金問題であると同時に、改憲だ。階級的労働運動路線の全面的な推進で自治労・日教組破壊を粉砕し、安倍自公政権打倒、改憲阻止、11月総決起へ進撃しよう。

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週刊『前進』(2303号4面1)(2007/07/16 )

 「大日本帝国」復活狙う安倍

 日本会議「新憲法大綱案」批判する

 自民党草案をも超える中身

 遠藤保雄

 5月3日、「日本会議」の国会議員が中心となった「新憲法制定促進委員会準備会」が発足し「新憲法大綱案」(以下大綱案)を発表した。天皇の元首化や集団的自衛権の明記など、戦前の大日本帝国の復活を狙った恐るべきものだ。だが、それは支配階級の危機の現れであり、労働者階級の反乱に恐怖して出されてきたものである。大綱案が出てきた意味とその内容を怒りをもってとらえ、改憲阻止決戦の圧倒的前進に転化していこう。
 大綱案の中に支配階級の本音がはっきり出ている。「日本の伝統的価値観」「国柄」を強調し、天皇を国家「元首」にし、自衛隊を「防衛軍」に変え、「世界平和の維持と国際紛争の平和的解決に貢献する」(対外侵略戦争に突き進むということだ!)ための憲法に変えようとしている。
 そのために「国家非常事態」条項の新設や「国防の責務」の明文規定も盛り込むとしている。自民党の憲法改正案で出せなかった面を露骨に出し、この内容で改憲論議を進めようとしている。

 @天皇の国家元首化を狙う

 天皇の国家「元首」化――これが第一の狙いであり、大綱案の最大の反動的内容である。
 前文で「伝統的な価値観」「国柄」を強調している。
 その内容として「日本国民が、和の精神をもって問題の解決をはかり、時代を超えて国民統合の象徴であり続けてきた天皇を中心として、幾多の試練を乗り越え、国を発展させてきた」と描き出している。つまり天皇中心の国家観を露骨に提示しているのだ。
 「大日本帝国憲法の歴史的意義をふまえつつ」とまで言っている。朝鮮・中国―アジア侵略・植民地支配を進めた大日本帝国憲法の内容を継承しようとしているのだ。
 この前文をふまえて、「天皇」条項では「日本国および日本国民統合の象徴にふさわしい地位および権能を、憲法上、明らかにしなければならない」と指摘。天皇を再び国家の元首にすることを提唱している。
 しかも、「日本国という歴史的共同体の始まりから連綿として続く世界に比類なき皇統を誇り」と表現し、戦前の「万世一系」神話を引き継ごうとしている。
 座長の古屋圭司は『日本の息吹』6月号で次のように語っている。
 「自民党第一次憲法改正草案は、安倍幹事長代理(当時)、中曽根元首相が中心となって書かれたもので日本の歴史的伝統と国家としての尊厳を重んたものでした。ところが第二次草案では、その良さがかなり消されてしまい、私共としては大変残念に思っていました」。これが彼らの本音であり、歴史観なのだ。

 A「軍」規定であらゆる戦争

 第二に、自衛隊を「防衛軍」に変え、集団的自衛権の行使を明記し、あらゆる形の戦争が公然とできる国にしようとしている。
 「安全保障」条項では自衛隊を自民党の憲法草案にある自衛軍ではなく防衛軍とし、「平和主義国家の名誉にかけて、世界平和の維持と国際紛争の平和的解決に貢献する」としている。
 そして現憲法の9条2項「戦力の不保持と交戦権否認」の内容を全面削除するとしている。
 集団的自衛権について「わが国が国家に固有の個別的および集団的自衛権を保持し、これを行使する権利を当然有する」としている。また、首相の「非常措置権の行使」を明記し、国民には「国防の責務」を規定することを提示している。
 天皇を中心とした日本国家の名誉にかけて、「世界平和の維持と国際紛争の解決」のために「防衛軍」が貢献しなくてはいけない、というロジックを主張しているのだ。そのために国民には「国防の責務」があるとし、国家の行う戦争に国民を積極的に協力させる憲法にしようとしている。まさに戦前回帰を狙う恐るべき内容である。

 B基本的人権を公然と制限

 第三に、基本的人権の制限を公然と打ち出している。主権在民を否定し、憲法の原理的転換を図るものだ。
 前文に「国の基本原理」を設け、「国民一人ひとりが、公民としての自覚をもって、権利および自由を公共のために役立てる」としている。これに基づき「基本的人権」の条項で、「権利には義務が、自由には責任が伴うという共同社会の基本原則」と書き、新しく「わが国の歴史、伝統、文化に基づく固有の権利・義務観念をふまえた人権条項を再構築する」ことを提唱する。
 さらに「人権制約原理の明確化」を掲げ、「現行憲法で多用されている『公共の福祉』は曖昧(あいまい)な概念」だと批判し、人権の制約原理として、「国または公共の安全」「公の秩序」「他者の権利および自由の保護」など、「より明確な概念を規定する」としている。
 新たに「家族」条項を設け、「わが国古来の美風としての家族の価値」は「国家による保護・支援の対象」と戦前の家制度の復活を狙っている。また「公教育に対する国家の責務」を明記し、戦前と同じように戦争教育を行おうとしている。
 要は、天皇を頂点に、個人の人権を制限し、家族を国の末端の基礎単位とし、戦争に国民を総動員していった戦前・戦中の日本社会の復活を狙っているのだ。

 C「国益」条項と改憲簡単化

 第四に、新たに「国益」条項を設けようとしている。
 「国家の主権、独立および名誉を護持し、国民の生命・自由・財産を保全することが国家の最重要の役割」だと強調し、「特に重要な国益を明記し、内政干渉を排除してこれを守りぬく意志を内外に表明することが必要」と指摘している。その中で「国家領域(領土・領海・領空)の画定」をするとしている。
 ほかにも反動的内容が多々ある。「国会」について「国会と内閣の関係を再検討」と要求している。衆院で可決し参院で否決された案件を、衆院でその後「出席議員の過半数の賛成」で制定できるようにしようとしているのだ。参院の否定そのものである。
 「憲法改正」については、発議要件を「各議院の総議員の5分の3の賛成」にし、国民投票における承認は「有効投票の総数の過半数の賛成」にして簡単に改憲できるようにしようとしている。

 戦前型国家の復活が狙いだ

 大綱案に貫かれる基調は、戦争に向けた「大日本帝国」の復活だ。これが安倍が提唱する「美しい国、日本」の姿、「戦後レジームからの脱却」なのだ。天皇を中心とする戦前の「国体」の「再建」なのだ。
 「憲法審査会」での改憲論議をこの内容で進めていこうとしている。自治体労働者、教育労働者への攻撃をより激化させ、戦争の担い手にしようとしている。大綱案の恐るべき反動的内容と狙いを暴露し、9条改憲を阻止しよう。

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週刊『前進』(2303号4面2)(2007/07/16 )

 改憲大綱案の背景は何か? 労働者の闘いへの恐怖

 新憲法制定促進委員会準備会は、座長が古屋圭司(自民党衆院議員)、事務局長が萩生田光一(同)で、民主党、国民新党、無所属の国会議員25人で構成されている。すべて「日本会議」(日本最大の右翼団体。財界と直結=「これが日本会議の正体だ」参照)のメンバーだ。古屋と萩生田は、安倍の最も忠実な側近と言われている。
 こうした組織が結成され、自民党の新憲法草案とは別に大綱案を出した理由は何か。核心問題は労働者階級の決起に対する恐怖、危機感である。
 改憲攻撃とは、日帝がもはや戦後憲法体制のもとでは労働者支配を続けることができなくなり、戦前のように、労働者階級への無制限の搾取と侵略戦争への国家総動員を可能にする体制に転換することを意味している。
 それは逆に、支配階級にとっても、ひとつ間違えば労働者階級による帝国主義打倒の革命の引き金ともなるものだ。だからこそ日帝は、安倍政権の危機が深まる中で焦りを募らせ、極右勢力の突出をテコとした、むきだしの反革命クーデターにますます訴えようとしてきているのだ。まずこの点をしっかりつかむことが重要だ。

 公務員労働者の弾圧を要求

 改憲国民投票法案の「修正」をめぐって、自民党内では「このままでは改憲阻止法になる」「自治労、日教組の活動を許していいのか」という意見が強く出された。この発言をしたのが新憲法制定促進委員会準備会を発足させた日本会議のメンバーらである。
 民主党との修正協議で公務員法の政治活動禁止の「適用除外」が合意されると、彼らは適用除外の「削除」を強硬に主張した。その結果、公務員の政治活動の禁止が事実上復活し、5月16日に改憲投票法が与党案のまま成立した。
 ここに支配階級の本音と政治意志がはっきりと出ている。彼らは労働者と労働組合の決起を心底恐れているのだ。改憲投票法案の「修正」に反対したのは、昨年の教育基本法改悪反対闘争や「日の丸・君が代」強制反対の不起立闘争など、教育労働者が怒りを爆発させた決起を目の当たりにしたからだ。
 そして職場廃止という組合破壊攻撃を粉砕した動労千葉の2〜3月の勝利、青年労働者・学生を先頭にわき上がった3・18日比谷―6・9渋谷の闘争が危機に立つ支配階級を根底から脅かしているからである。
 これに対して極右勢力は、「憲法の改正ひいては新憲法の制定に向けて具体的な行動を開始することを決意し、その第一歩として、かかる行動の指針および今後の議論のたたき台とすべき新憲法大綱案を作成した」(「新憲法大綱案」の提案趣意)のである。
 一方で労組破壊に全力を尽くし、他方で労働者人民をファシスト的な改憲国民運動に取り込もうと突出を開始したのだ。

 「価値観外交」支持で運動

 そして自民党内のこのグループが中心となり、安倍首相が提唱する「価値観外交」を支持し、5月17日に「価値観外交を支援する会」を発足させた。会長は古屋圭司、事務局長は萩生田光一、顧問は自民党の中川昭一政調会長。自民党議員43人で構成する。すべて日本会議のメンバーだ。
 発足集会では、「外交は切り口だ。もう一つの趣旨は自由、民主主義、基本的人権、法の支配という『価値』の根底に相通ずる真の保守主義にある」ことを強調。皇室典範問題、靖国参拝、改憲投票法、民法772条の離婚後300日の再婚禁止規定などをあげ、「同じ価値観をもつ同志を糾合し、速やかに行動する」「議員サイドから安倍政権をしっかりサポートする」と宣言、行動を始めた。
 これらは自民党内の一部極右勢力の動きにとどまるものではない。安倍や御手洗ら日帝ブルジョアジーの中枢が労働者階級の怒りに追いつめられる中から、ひとつの決断をもって新たな攻撃に乗り出してきているということだ。

 安倍=御手洗路線の極右性

 自民党の参院選に向けた政策の第一は、あくまでも改憲だ。
 自民党は2月28日、改憲を推進していくための「国民運動」本部を設置した。本部長は安倍首相である。4月24日には、「憲法制定60周年」として「新憲法制定推進の集い」を開催した。6月15日には、9条の会に対抗した「改憲版9条の会」を各選挙区に設置し、一大運動を展開することを打ち出した。
 この中心に日本会議が存在し、改憲に向けた動きを本格的に開始している。安倍や御手洗ら日帝ブルジョアジーそのものの改憲運動だ。新憲法大綱案を粉砕し、安倍・御手洗を打倒しよう。

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週刊『前進』(2303号4面3)(2007/07/16 )

 これが日本会議の正体だ

 日本最大の右翼団体。「新しい教科書をつくる会」「北朝鮮拉致家族を救う会」などの実体をなす。政治家や財界、官僚、文化人など各界に会員を擁する。生長の家や統一教会などの宗教団体も有力な構成団体。機関紙『日本の息吹』を発行している。
 会長は三好達・元最高裁長官、副会長は小田村四郎・拓殖大前総長、山本卓眞・富士通名誉会長ら。この3人は靖国神社の崇敬者総代でもある。改憲や教育基本法改定、靖国神社参拝の推進、女系天皇を認める皇室典範改定・外国人参政権・夫婦別姓などに反対する主張・活動を展開している。
 日本会議国会議員懇談会には235人の国会議員が属する。安倍首相を始め安倍政権の閣僚の大半が日本会議議員懇メンバー。写真は日本会議議員懇が大半を占める「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の靖国神社参拝。

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週刊『前進』(2303号4面4)(2007/07/16 )

 法政大 圧殺態勢破り第5波デモ

 “学友会廃止は許さない!” 

 

法政大学当局による学友会廃止の攻撃に対して7月6日、法大当局と警察権力の集会圧殺をはね返し、第5波法大包囲デモをうちぬいた。前の週からの連続闘争だ。
 法大当局はこの日も暴力ガードマンを配置し(写真左)、道路と敷地の境界にカラーコーンを置き、「立ち入り禁止」を掲示(写真右)。警察権力はものものしく機動隊バス3台と指揮官車を配備して集会圧殺を狙ってきた。しかし、どんなに姑息(こそく)な手段をとろうとも、法大生の怒りを押しとどめることは不可能である。
 この日は、デッチあげ逮捕・起訴された2人の学友、新井・友部君の主任弁護人である藤田正人弁護士が不当弾圧監視をかねて駆けつけた。
 藤田弁護士は「2人の容疑は“暴行”。体と体の接触だけで逮捕、まして起訴など通常では考えられない。目的は法大での学生運動の高揚に対して、学生を分断して支配することにある。獄中・獄外の団結、そして学生の団結で勝利しよう」と、第1回公判への参加を訴えた。
 被処分者や全学連の織田陽介委員長らが次々とマイクを握ってアピール。学友会の廃止絶対反対を貫き、裁判闘争を呼びかけた。
 「学生は団結して勝とう」の横断幕を先頭にデモに出発。九段校舎の入り口では機動隊が阻止線を張る中、総長室をシュプレヒコールが直撃した。「学友会廃止を許さないぞ」「平林を打倒するぞ」の声が一帯に響き渡った。
 デモコース途中の千代田社会保険事務所では、「労働者への責任転嫁を許さないぞ」「年金破綻(はたん)の責任者は安倍政権だ」、麹町郵便局では全逓労働者に「郵政民営化反対」「合理化許さず闘おう」と連帯のシュプレヒコールで現場労働者と合流した。この日の闘いは、法大OBを始め、裁判闘争をともに闘う幅広い陣形でかちとられた。

 学友奪還へ7・26公判結集を

 この間、学友会廃止と「新たな補助金制度」の既成事実化と切り崩しのための「ヒアリング」への参加を拒否する「絶対反対派」が登場している。これに法大当局は焦燥し、サークル団体執行部を恫喝と甘言で取り込むことを狙っている。
 執行部の中から「ヒアリングに応じるべきではないか」という動揺と裏切り方針が出される中で「条件交渉ではなく絶対反対を貫くべき」という法大生の決起が開始されている。
 学生の怒りと闘いは、これまでのサークル団体執行部の体制内的あり方を突き破るものとして前進している。
 「絶対反対」を貫くことは「平林体制打倒」と一体だ。まさに既成の体制内労働運動と激突しながら闘う団結を拡大している青年労働者の職場闘争と同じ闘いであり、革命の実践そのものだ。
 「学生と平林は非和解」であることをとことんはっきりさせ、怒りと団結を拡大して闘おう。7月26日に開かれる新井・友部君の第1回公判へ大結集し、裁判勝利・早期保釈をともにかちとろう。(法政大学・B)

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週刊『前進』(2303号4面5)(2007/07/16 )

日誌'07 7月3日〜10日

 「集団自決」削除撤回を文科省拒否

 空自イラク派遣計画1年延長

●「(原爆は)何百万もの命救った」 米国のロバート・ジョセフ核不拡散問題担当特使は、広島と長崎への原爆投下について「文字どおり何百万人もの日本人の命がさらに犠牲になるかもしれなかった戦争を終わらせたということに、ほとんどの歴史家は同意すると思う」と言及した。(3日)
●普天間移設を最優先 久間前防衛相の後任に小池首相補佐官が女性初となる防衛相に就任した。安倍首相は在日米軍再編を最優先に掲げて着実に実行するよう指示した。(4日)
●沖縄の撤回要求を拒否 文部科学省の教科書検定で沖縄戦の「集団自決」に関する日本軍強制などの記述が修正・削除された問題で、沖縄県・県議会・県市長会・県市議会議長会・県町村会・県町村議会議長会の代表6人が文部科学省を訪ね、検定撤回と記述の回復を求めた。対応した審議官は「皆さんの気持ちは分かるが、教科用図書検定調査審議会が決めたことなので、ご理解いただきたい」と従来の考えを繰り返し、撤回を拒否した。(4日)
●防衛白書 小池防衛相が防衛省昇格後初の07年版防衛白書を閣議で報告した。中国軍について「近代化の目標が台湾問題への対応などを超えるものではないかとの議論が惹起(じゃっき)されている」「中台の軍事バランスは中国側に有利な状態へと向かって変化しつつある」と警戒感を示した。(6日)
●ダルフールPKOを検討 政府はスーダン西部のダルフール紛争で国連・アフリカ連合(AU)の合同平和維持活動(PKO)の本格化に備え、自衛隊派遣の可能性について検討に入った。(6日)
●安倍、F22A情報を要求 航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定に絡み、安倍首相が4月末の日米首脳会談で、先端技術が搭載されていることなどから情報開示が米国内法上禁じられている最新鋭戦闘機F22Aに関する情報提供をブッシュ大統領に直接求めていたことが分かった。ブッシュは理解を示しながらも、防衛当局間の協議を指示したという。(6日)
●普天間代替、作業場埋め立て10f 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への代替施設建設で、那覇防衛施設局は、代替施設の埋め立て工事に必要なケーソンと呼ばれる巨大なコンクリート製の箱とブロックを製作する場所として、水深5bまでの海域を約10f埋め立てる方針であることが分かった。作業場は名護市辺野古崎周辺の沿岸部になる公算が大きい。代替施設建設で埋め立てられる約140fに加え、辺野古周辺海域が10fにわたって埋め立てられることになる。(7日)
●沖縄で枯れ葉剤 米軍がベトナム戦争で使用した、猛毒のダイオキシンを含む枯れ葉剤を1961年〜62年、沖縄の米軍北部訓練場(国頭村・東村)などで散布、作業に携わった元米兵ががんなどの後遺症を認定されていたことが米退役軍人省の公式文書で明らかになった。(8日)
●集団的自衛権「行使容認」報告へ 集団的自衛権の研究を進めている有識者懇談会の柳井俊二座長(前駐米大使)は、朝日新聞のインタビューに答え、集団的自衛権の行使容認を安倍首相に求める報告書を今秋まとめる意向を表明した。(10日)
●イラクへの空自派遣を1年延長 政府は閣議でイラクへの航空自衛隊の派遣期間を08年7月末まで1年延長する基本計画の変更を決定した。先の国会で派遣根拠となるイラク復興特別措置法を09年7月末まで2年延長したことに伴う措置。空自は現在、隊員約210人を派遣。(10日)

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週刊『前進』(2303号5面1)(2007/07/16 )

 8・6ヒロシマ-8・9ナガサキへ

 改憲・核武装へと進む日帝を労働者の総反乱で打ち倒そう

 反戦反核闘争アピール

 村上秀彦

 最末期帝国主義の全面的危機の爆発、イラク侵略戦争の泥沼化と世界戦争・核戦争突入過程の進行の中で、日本帝国主義・安倍政権はヒロシマ・ナガサキと沖縄の反戦反核闘争の全面解体攻撃をしかけてきた。久間「原爆」発言と教科書検定での「集団自決」強要の沖縄戦の史実抹殺こそ、再び帝国主義戦争・核戦争に向けての「戦後レジームからの脱却」攻撃そのものである。今夏8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争は、これと全面的に激突する闘いとして、これまでとは画然と異なる重大さをもった歴史的決戦としてある。全国の労働者、学生の総結集を訴える。
(写真 躍動的なデモを展開し平和公園に到着【06年8・6ヒロシマ大行動】)

 原爆を居直る久間発言に階級の根底的怒りを

 久間の「原爆投下はしょうがない」の大暴言に被爆者、被爆2世・3世を先頭とする労働者階級の根源的な階級的怒りを日帝・安倍にたたきつけなければならない。野党やマスコミは「大臣にふさわしくない軽率な発言」などと言っているが、これは「失言」などでは断じてない。
 久間は何が「しょうがない」と言っているのか。「原爆投下が終戦を早めソ連の対日侵略を阻止した。日本がソ連に占領されていたら自由主義・市場原理主義(=資本主義)がつぶされていた。そうなるくらいなら原爆投下もしょうがない」「そういう選択肢は正しかった」と言ったのだ。ようするに革命を阻止し、資本主義・帝国主義が生き延びるためなら、核戦争で労働者が何十万人死のうとかまわない、これこそが最末期の危機にあえぐ帝国主義ブルジョアジー、久間や安倍を始めとする日帝支配階級の本音なのだ。
 この久間暴言こそ2000万〜3000万人の青年労働者をワーキングプアにたたき落とし、「日教組や自治労はハローワークへ行け」などと言って、労働者階級の生活と命を「ゴミ」扱いしている安倍・御手洗らの本性だ。このような奴らが「北朝鮮の核の脅威から国民の生命・財産を守る」などと叫んで集団的自衛権行使、改憲へと踏み切り、核武装を公言し、そして実際に朝鮮・中国を対象とする核戦争へと突き進んでいるのだ。そしてその結果再び沖縄が戦場となり、日本の労働者階級が犠牲になろうとかまわないとしているのだ。こんな帝国主義は労働者階級の怒りで打ち倒す以外にないではないか。安倍や久間、御手洗らこそ歴史のゴミ箱にたたき込まなければならない。

 被爆労働者は核廃絶の主体

 久間が「しょうがない」と肯定する原爆とは一体なんだったか。1945年8月6日、9日、広島市と長崎市上空に相次いで投下された原子爆弾は、爆発の瞬間に放出された熱線・爆風・放射能の3つが複合した破壊力によって、広島と長崎の街を一瞬にして地獄絵図に変えた。爆心地表温度は4000度に達し、人も家屋も焼き尽くされた。風速毎秒440bの超音速の爆風(強い台風の中心風速の約10倍)は、あらゆるものを吹き飛ばし、人びとを建物の下敷きにし、無数のガラスなどのカケラが人体を突き刺した。助かったと思えた人びとも放射能に体内を冒され死んでいった。こうして45年12月までに広島で約14万人、長崎で約7万人、あわせて20数万人が死亡した。
 原爆投下から数年、数十年経った後も、放射能による原爆白内障、ガン、白血病などが被爆者を苦しめ、その命を奪い続けてきた。被爆者は常に死の恐怖に脅かされ、差別を受けてきた。久間はこれを平然と「しょうがない」と言い放ち、安倍は「問題なし」として擁護したのである。
 被爆から62年、帝国主義の被爆者抹殺攻撃の中で必死に生き、闘ってきた被爆者・被爆2世はいったい幾度、原爆をめぐる帝国主義権力者どもの暴言に胸をかきむしられてきたことか。「戦争中のことゆえやむをえない」(昭和天皇ヒロヒト)、「病は気から」(被爆者に吐いた中曽根の言)、「核武装は合憲」(安倍)……そして「しょうがない」だ。被爆者の怒りは、久間辞任などでは絶対におさまらない。それは日本帝国主義・安倍を完全に打ち倒し、この帝国主義・資本主義体制を根底的に転覆するまで絶対にやむことのないものとして爆発している。
 原爆犠牲者の圧倒的多数は労働者とその家族であり、植民地支配下にあった朝鮮人であった。戦後生き残った被爆者の多くは被爆労働者として、労働者階級の一員として闘ってきた。戦後革命期の労働組合結成から2・1ゼネストにいたる闘い、50年朝鮮戦争下で占領軍のプレスコード、戒厳令を食い破った8・6ヒロシマの闘いに多くの被爆労働者が参加している。被爆教師は原爆に焼かれた体を張って原爆症と闘いながら平和教育を担い、「教え子を再び戦場に送るな」の闘いの先頭に立ってきた。
 被爆労働者こそ、労働者階級と核・帝国主義との絶対的非和解性を体現してきた存在であり、帝国主義・資本主義を打倒し、核を廃絶する自己解放の主体である。原爆症や差別と闘いながら生きてきた被爆労働者の核と戦争への憎しみ、核戦争の元凶たる帝国主義への根源的怒りは、決して体制内労働運動やそれに支えられてきた既成原水禁運動の枠に押さえ込むことはできない。いまこそ被爆2世、3世を含む被爆者=被爆労働者を先頭にして全労働者が立ち上がる時だ。
 日帝・安倍を打倒する階級的大反乱を8・6広島、8・9長崎の地から巻き起こそう! 祈念式典に出席する安倍を被爆者・被爆2世・3世―労働者階級の怒りで徹底糾弾し、打倒しよう。

 「戦後レジームからの脱却」叫ぶ安倍との決戦

 日帝は、教科書検定で沖縄戦での日本軍による「集団自決」強要の記述を削除させた。この沖縄戦の史実抹殺攻撃と久間の原爆容認暴言が相次いだのは偶然ではない。この沖縄とヒロシマ・ナガサキ(核問題)に対する正面攻撃こそ、安倍が掲げる「戦後レジームからの脱却」そのものなのだ。
 沖縄戦とヒロシマ・ナガサキの惨劇にまで行き着いた帝国主義戦争を絶対にくり返さない――これこそ戦後革命の嵐の中で階級としてよみがえった戦後の日本プロレタリアートの原点中の原点である。戦後一貫して続いてきた憲法9条をめぐる攻防も、結局はあの帝国主義戦争をふたたび許すのか否かをめぐる、労働者階級(およびアジア人民)と日帝支配階級との階級闘争そのものであった。この闘いの先頭に沖縄戦を体験した沖縄の労働者や広島・長崎の被爆労働者が、帝国主義戦争と核の告発者として立ち続けてきた。安倍は日教組・自治労を始めとする4大産別の壊滅とともに、この沖縄とヒロシマ・ナガサキの闘いの解体を「戦後レジームからの脱却」攻撃の最大の焦点としているのだ。
 日帝支配階級にとって「戦後レジーム」とは、戦後革命として爆発した日本プロレタリアートの決起を体制内に押し込み、日米安保体制のもとで帝国主義的復活を遂げていくための枠組みであった。しかし、最末期帝国主義の危機が全面的に爆発し、帝国主義間の争闘戦が世界戦争(核戦争)へと転化し始めた情勢に直面するにいたって、「戦後レジーム」は完全に桎梏(しっこく)と化すに至ったのだ。今ここで日本帝国主義を〈敗戦帝国主義のくびき〉に縛りつけてきた戦後的階級関係、憲法9条を頂点とする戦後的価値観と諸制度の一切を打破しなければ日本帝国主義は滅亡する――こうした日帝支配階級の焦燥が、安倍の「戦後レジームからの脱却」攻撃として噴き出しているのだ。これが日帝・安倍の改憲攻撃の核心にある。
 この日帝・安倍の攻撃は、日教組・自治労を始めとする4大産別の体制内労働運動指導部の屈服と事実上の改憲勢力への転落の中で、一見するとなんの抵抗もなく次々と進んでいくかのようであった。安倍は労働者階級をなめきって、やりたい放題の民営化攻撃、組合つぶし、搾取と収奪によって、改憲と戦争の攻撃を続けてきた。
 だがついに、最も犠牲を集中されてきたロストジェネレーションの青年労働者が3・18―6・9で「労働運動の力で革命やろう!」のスローガンを掲げ公然と反乱を開始した。さらに年金問題で6000万労働者階級全体の怒りに火がついた。この全階級の怒りと沖縄労働者階級、広島・長崎の被爆者=被爆労働者の核と戦争への根源的な怒りがひとつになり、日帝・安倍政権を焼き尽くす燎原(りょうげん)の火となって燃え広がっているのだ。被爆労働者の自己解放的決起を先頭に、4大産別を始め全労働者の階級的団結の力による新たな6・9闘争の発展が切り開かれようとしている。それは巨大な改憲阻止決戦の一大爆発の突破口であり、11月1万人結集をかちとり、プロレタリア革命をこじ開ける道だ。

 既成原水禁運動打破し職場から決起つくろう

  いまや問題となっているのは日本帝国主義そのものの打倒である。戦後革命期に爆発的に発揮された日本プロレタリアートの自己解放のエネルギーを体制内に封じ込め、沖縄の米軍基地を永久固定化し、「非核3原則」のペテンのもとに被爆者の核廃絶の叫びを踏みにじってきた「戦後レジーム」を、労働者階級の側から突き破ることだ。安倍の「戦後レジームからの脱却」という改憲・戦争への反革命クーデター攻撃に対して、真っ向からプロレタリア革命、プロレタリア独裁を対置して闘うことだ。
 ようするに労働者を食わせられず、青年に未来を与えられず、年金も介護も保障せず、再び核戦争の破滅に向かうしかない帝国主義ブルジョアジーは即刻退場し、労働者階級にすべての権力をよこせということだ。
 帝国主義戦争は、一国の産業、運輸、医療をはじめ官民で働くあらゆる労働者を総動員することで初めて可能となる。また銃から核兵器にいたるまで全兵器は労働者が生産している。この労働者が団結し、労働組合が職場の支配権を握るならば、すべての戦争を止め、核兵器も廃絶することができるのだ。階級的団結と国際連帯こそ核戦争を阻止し、核を廃絶する力である。核廃絶・核戦争阻止とは、労働者階級の団結した力で帝国主義を倒して核と戦争のない社会を実現していく運動、革命以外にありえない。
 革命を否定する体制内労働運動とそれに支えられてきた既成原水禁運動は、階級を超越した「人類の悲願」として核廃絶を永遠の彼方に追いやってきた。それは労働者階級の団結の力に依拠するのではなく、帝国主義とスターリン主義の権力者の「理性」にすがるものでしかなかった。それゆえ帝国主義が実際に核戦争へと踏み出そうとする時代に無力をさらけ出し、ついには北朝鮮の核の脅威を扇動し、日帝の核武装と改憲攻撃に手を貸す勢力として延命を図ろうとしている。
 原発・核燃サイクル推進の核禁会議との合同など、もはや既成原水禁運動は完全に破産しきっている。この既成原水禁運動の破産をのりこえ革命的反戦反核闘争を発展させていく道は、日教組本部・自治労本部の改憲勢力化(民主党支持)に示される体制内労働運動を根底から打倒し、動労千葉のような階級的労働運動を職場・生産点からつくりだしていく以外にない。「労働運動の力で革命やろう!」のスローガンを掲げて3・18―6・9を闘い取ってきた青年労働者と学生がその先頭に立とう。
 この夏、職場で街頭で「革命をやって戦争をとめよう!」と訴えて8・6―8・9反戦反核闘争の大高揚をかちとろう。その力で11月労働者集会1万人結集へ攻め上ろう。
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要項
労働者の団結で、核と戦争をなくそう!
被爆62周年 8・6ヒロシマ大行動
 集会/8月6日(月)12時30分〜午後3時 広島県立総合体育館小アリーナ(広島市中区基町4−1)
 デモ行進/午後3時〜5時(平和公園解散)
■国際連帯集会 8月5日(日)午後1時〜4時
  広島市東区民文化センター大ホール(広島市東区東蟹屋町10−31)
■碑巡り 8月7日(火) 午前9時〜12時 平和資料館下集合
〈関連行事〉
☆オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会 HIROSHIMA 8月4日(土)
午後6時〜8時半 広島市東区民文化センター 
☆教育労働者交流集会 
8月5日(日) 午後2時〜 広島市東区民文化センター
☆労働者産別交流集会 
8月5日(日) 午後5時〜 広島市東区民文化センター

〈スローガン〉

改憲阻止!ヒロシマの力で!

○アジア侵略、ヒロシマ・ナガサキ、オキナワをくり返すな!
○被爆者―二世を先頭に世界の人々と連帯して核戦争をとめよう! 米ブッシュをたおそう!
○9条を変えるな! 安倍改憲内閣をたおそう!
○歴史わい曲を許さない! 朝鮮、アジアへの侵略戦争をとめよう!
○日本の核武装を許さない! 原発と核然サイクルを今すぐとめよう!
○イラク戦争反対! 劣化ウラン弾を使うな! 自衛隊は今すぐ帰れ!
○米軍再編反対! 沖縄・岩国―すべての米軍基地を撤去しよう!
○「日の丸・君が代」強制反対! 教育を戦争の道具にさせないぞ!
○民営化と労組つぶしは戦争への道、労働者の団結で戦争と核・差別のない社会をつくろう!

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週刊『前進』(2303号5面2)(2007/07/16 )

 日教組再生教労集会 不起立闘争中軸に 

 職場支配権へ熱烈な討論

 教育4法改悪への怒り冷めやらぬ7月1日、「たたかう日教組を再生しよう!改憲―戦争への道を阻む教育労働者集会」が横浜市内で開催された。「日の丸・君が代」不起立を不屈に闘いぬいている教育労働者の呼びかけにこたえて、首都圏から80人もの多彩な人びとが結集したことは、闘いの確かさと勝利の展望を指し示している。とりわけ青年労働者との合流が実現できたことは画期的であった。
 不安定雇用を強いられ、〈ワーキングプア〉〈賃金奴隷〉の悲惨な境遇に突き落とされている青年労働者(教え子たち)が、ついに人間的な怒りを爆発させ、「生きさせろ」と果敢に立ち上がっているのだ。これに教育労働者はどうこたえるのか。資本攻勢(戦争と民営化)という「戦場」に、教え子を送り込む格差教育・愛国心教育の先兵に組み込まれることを断固拒否しよう! 組合つぶし、団結破壊に屈したら、教育労働者もまた非正規雇用に突き落とされ、多忙化地獄・管理地獄へと追い込まれていく。青年労働者の「もう耐えられない、革命しかない」という叫びは、「教え教えられる関係」を止揚した教育労働者の自己解放的決起(共闘)を問いかけているのだ。
 司会に立った教育労働者は、「ついに日教組本部打倒の絶好のチャンスを手にした。不起立闘争こそ改悪教基法との対決軸であり、闘う日教組再生の核心的水路です」と提起した。
 動労千葉・田中康宏委員長の講演では、階級的労働運動の神髄と今日的任務が具体的実践的に語られ、「労働運動の力で革命を」のスローガンに一段と確信を与えた。「団結の第一歩は、階級的誇りをバネに渦巻く怒りを組織すること」という提起は、職場闘争に苦闘する者に大きな示唆を与えてくれた。
 これに続いて、「君が代」不起立を貫いて停職6カ月の処分と闘っている根津公子さんが登壇。「今の田中さんのお話で、ものすごく勇気をもらいました。闘う中で人間的解放をかちとっていくのは実におもしろい。都教委の免職攻撃をはね返そう」と、熱烈なアピールをした。
 これにこたえて実行委員会から、「安倍政権の戦争と民営化攻撃は教育労働者にとっても、非和解以外の何物でもない。体制内労働運動の打倒にこそ、すべての展望がある。日教組で革命やろう! そのためにも、職場闘争の中心軸に不起立闘争を据え、職場支配権を取り戻す実践方針をうち立て、11月集会教労1千人結集を実現しよう!」と問題提起がなされ、討論に入った。
 討論の冒頭、NEA(全米教職員組合)への代表派遣となった三浦半島の教育労働者が決意表明に立ち、「明日訪米します。最大の願いは、根津解雇反対決議をかちとり、日教組の森越委員長に突きつけることです」と発言し、大きな拍手を集めた。町工場の労働者は、「ミサイル部品と知って、製造を拒否した。下請労働者にビラをまき、不起立闘争と連帯したい」と発言。医療労働者の青年は、職場闘争の経験から「不当な命令なんて、不服従で抵抗すれば跳ね返せる。今は一人の決断と決起が情勢を変える時代です」と力強く発言した。参加者からは、「怯(ひる)まずに発言しよう、分岐を起こし仲間を増やそう」といった職場闘争への熱気ある発言が続いた。
 都高教の被処分者が集会のまとめに立った。「根津さんの闘いは私たちの未来がかかった闘いだ。解雇阻止に向け、全国で不起立宣言を巻き起こそう。戦争と民営化を阻止するカギは、11月労働者集会をおいてほかにない。8・5広島での教育労働者交流集会に結集し、来春の卒業式闘争で、日教組本部にNOを突きつけよう」と行動提起。この冷めやらぬ熱気を、交流会で一段と盛り上げた。
 不起立闘争は、ついに日米韓の教育労働者の戦争拒否国際連帯へと高められてきた。11月労働者集会成功に向けて、教育労働者は最先頭に立とうではないか。
(神奈川・教育労働者/O)
(写真 根津さんの不起立闘争アピールに、参加者は解雇を許さずともに闘う決意でこたえた【7月1日 横浜市】)

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週刊『前進』(2303号6面1)(2007/07/16 )

団結ひろば 投稿コーナー

 8・6ヒロシマ大行動へ岡山集会が熱気 岡山 福田英未子

 「8・6ヒロシマ大行動に参加しよう!7・8岡山集会」が、百万人署名運動・岡山県連絡会の主催で開かれました。参加した約40名の労働者市民は、広島の教育労働者の青年と被爆2世の呼びかけに熱心に耳を傾けていました。
 教労の青年は、広島の反戦・反核・反差別の平和教育に対する文科省−県教委の攻撃と、既成の労働運動の現状を報告。「おかしいことはおかしいと態度で示さなければならない」と決意して、「日の丸・君が代」不起立を、自己解放の闘いとして貫いていることを熱を込めて語りました。「労働運動の力、団結で、核と戦争をなくそう」と訴えました。
 被爆2世は、広島・長崎とは何だったのかと問題提起し、今年の8・6は久間発言を許さず、核武装論者の安倍を倒す8・6だ、と呼びかけました。
 会場からも、教育労働者や青年や学生らが次々と発言しました。「『美しい国』というが、青年をワーキングプアに落とし込め、年金や介護も破壊したあげくに、憲法を変えて戦争・核戦争に突き進む、それが『美しい国』の正体だ」「戦争と核をなくすのは、労働者民衆の闘い。8・6ヒロシマの大結集で、新たな団結を広げ、革命を起こそう!」
 昨年までの8・6に向けた岡山集会よりも、参加者の熱気が感じられた集会でした。全国の皆さん。被爆者・2世を先頭に、8・6ヒロシマに大結集し、ともに闘いましょう。

 「子の障害」退職勧奨理由にする都に怒り 東京 岸田稔

 7月8日の毎日新聞を見て驚いた。都の教育庁が教職員に退職金割り増しの早期退職を勧めるケースとして「子の障害」や介護、育児を抱えている場合を例示した文書を都内の市区町村教委や都立高校などに3月27日付で通知していた、と報道されたのだ。
 学校現場から「介護を抱えて全時間出勤できない教員は不要ということか」と抗議の声が上がっているという。当然だ。
 厚生労働省でさえ「職業と家庭の両立を目的とする育児介護休業法の趣旨に照らして好ましくない」と指摘している。日本が95年に批准した国際労働機関(ILO)の「家族的責任を有する男女労働者の機会および待遇の均等に関する条約」にも反するとされる。
 「心の東京革命」とか言って「憲法を破る」発言や「三国人」発言、「障害者に人格があるのか」発言など次々と暴言を発して居直り、「日の丸・君が代」強制・処分、福祉切り捨て・民営化など、自公政権に先んじて反動的な施策を強行してきた石原都政のやりそうなことだが、断じて許せない。
 介護・育児の必要な家族を抱える労働者はごく普通にたくさんいる。こうした労働者から働く権利、雇用を奪い、職場から差別的に排除しておいて、フルタイムで効率よく働ける労働者だけで学校を運営しようということか。介護・育児を労働者個人の自己責任・自己負担とすれば、都の人件費も減らせるだろう。
 労働者は石原や安倍を倒し、自ら権力を握って社会を運営しなければ生きていけないことがますますはっきりしてきた。

 闘いなくして安全なし〜駅のホームで〜 東北・学生 河北まりも

 この前、駅のホームでびっくりした光景を見たんです。夜10時ころ、ホームで笛を鳴らしたり、乗客が乗ったことを確認して旗を振っている人。当然、駅員のはずが……。警備員がやっていたんです。これって外注化!? 安全は大丈夫なのだろうか!? この警備員の人もたいした時給ももらってないんだろうな……。そんなことを思いました。
 そして去年、韓国で鉄道に乗った時のことを思い出しました。改札口にもホームにも駅員はまったくおらず、電車の扉は超早く閉まって、人がはさまろうがなんだろうがおかまいなし。命よりも利益を求めて電車が走っていた。
 韓国KTXの女性乗務員も非正規。JRの社内販売をする労働者(JRは色んな分野で外注化しているが)も契約社員、でかでかと募集ポスターが張り出されています。どんどん非正規職化して命よりも安全よりも利益優先の道をまっしぐらって感じです。
 でも絶望だけじゃなく、展望も見えます。韓国のように非正規職化してるってことは、韓国労働者のように、日本の鉄道労働者も怒って立ち上がるってことだし、なんてったって動労千葉がいる!! 「闘いなくして安全なし」を実行している組合。
 今、本当に動労千葉のように労働者が立ち上がらないと、安全も命も守れない。みんなで立ち上がろう!!

 痛快な獄中通信『団結パンチ』をぜひ読もう 学生 村雨省吾

 4・27弾圧で不当逮捕された2名の学生の獄中通信『団結パンチ』の第1号を読みました。
 『獄中通信』というと堅くかしこまった印象を持ちがちですが、読んでみるととっても面白く一気に読めました。
 『団結パンチ』の内容は、裁判闘争ニュース、2人の獄中の状況、弁護士のインタビューなど盛りだくさんです。2人は、自分なりのペースを保ちながら、意気軒昂(いきけんこう)と、国家権力と最前線で闘っているんだと感じました。表紙の新井君の似顔のイラストがとってもチャーミングなのも魅力の一つです。
 『団結パンチ』は、一部200円。売り上げは、すべて救援カンパになります。2人を早期奪還するためにも、みなさん読みましょう!
 問い合わせは、3・14法大弾圧を許さない法大生の会、または、救援連絡センターまで。7月26日第1回公判(東京地裁前、午後2時半集合)に集まりましょう!
(写真 200円【カンパ込み】)

 「護憲」映画の上映会でうれしかったこと 東京・西部 新谷洋介

 7月5日、世田谷区民会館で、実行委員会主催による『日本の青空』世田谷上映会がありました。映画は、日本国憲法制定過程での憲法学者の鈴木安蔵の奮闘を中心に描いたもので、趣旨は、「現憲法はGHQによって押し付けられたものだと宣伝されているが、治安維持法で弾圧された民主的な学者が全力を傾けて作成した草案がGHQを動かして、今の憲法に結実したものだったのだ」というものです。
 いろいろ学ぶべきことはあるものの、やはり致命的な弱点と限界を持った映画です。最大の問題は、終戦直後から起こった労働者階級の革命的決起についての問題意識がないことです。革命が問題になっている時に、GHQと二人三脚で民主化を実現するということは、賛美できません。
 とはいえ、憲法9条改悪の攻撃の強まりに強い危機感を持った労働者市民が大結集しているという点で、評価すべきだという気もします。
 この夜、一番感激したのは、上映後の大澤豊監督の言葉。「大分県で上映会をやった時、90歳ぐらいのおばあさんに『この映画に元気をもらったので、明日からまた署名運動をがんばる』と言われた」とのこと。国会前で頑張っていたあの人の姿が目に浮かびました、彼女に違いないと。
 やはり憲法9条改悪の策動に対しては、したたかな実践こそが問われていると思いました。

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週刊『前進』(2303号6面2)(2007/07/16 )

 「脳死」は人の死ではない!

 臓器移植法改悪許すな

 「尊厳死」法制化粉砕へ

 「脳死」を「人の死」としながら医療切り捨て・患者抹殺を拡大しようとする臓器移植法改悪攻撃が労働者人民に襲いかかってきている。6月20日、衆院厚生労働委員会は議員立法のA案(中山案)、B案(斉藤案)といわれる改悪2案を前国会に続き再度審議入りさせた。しかも通常45人の厚労委員会ではなく、18人に縮小させた小委員会での審議(委員は議席数に比例)という実にペテン的なやり方だ(衆議院規則43条だという)。
 結局1回も審議できないまま7月5日、閉会中審査を含む継続審議を決定。秋の臨時国会での法制化に向け突進している。絶対に粉砕しなければならない。
 1997年に制定された現行臓器移植法は、「臓器提供の本人の書面承諾および家族承諾」を条件にしながら「法的脳死判定」を医療現場に導入し、たとえ生きていても「死んだ」と見なせば呼吸器をはずし心臓などの臓器を摘出できるとした。患者殺害が公然と開始されたのだ。健康保険本人1割負担から2割へのアップや受診抑制という医療改悪と同時期の攻撃だった。

 「本人承諾」要件とりはずし

 今改悪案は、その「本人承諾」の条件も取りはずし、「意思不明の人」に対象を拡大する。「本人の拒否の意思表示」が確認されなければ、治療打ち切りと臓器摘出=提供ができると書き換えるのだ(A案)。実際、0歳からの小児を始め「臓器提供に反対している人とは見なせない」と判断されれば家族同意を取り付け、誰からでも心臓などが摘出できる。労災、交通事故、小児救急、災害などで一挙に治療打ち切りの現場に直面させられるのだ。
 他方、「本人承諾」要件は残しつつも、臓器摘出年齢の制限を現行の15歳以上から12歳に引き下げるB案も提出された。しかし両案とも「親族への優先的臓器提供」を認めるなど、私利私欲のルールを持ち込むペテン師ぶりだ。
 「脳死」は「人の死」ではない。救命を待つ患者であり、労働者やその家族である。
 ところが法的脳死判定は、いよいよ「救うべき命と犠牲になる命」という命の価値選別の道具として医療現場に強制されようとしてきている。「脳死」と判定されれば、その瞬間から保険治療がはずされ、自費負担に追いやられる。
 「脳死判定」自体が無呼吸テストを始め患者殺傷行為を含み、検査を十分やればいいという話ではない。脳波や脳血流測定も、機械だけで「死」を合法化することはけっしてできないし、ありえないのだ。
 厚労省は法制定後10年、▽ドナーカードの推進▽診療報酬改悪による脳低体温療法(脳障害回避に効果ありとされる術)の保険適用はずし▽臓器摘出時の麻酔投与保険化(死体に麻酔は本来考えられないが)――で誘導に努めてきた。
 しかし今日、「脳死判定」57例、臓器移植56例で、「欧米の4分の1以下だ」と嘆かざるをえないほど破綻(はたん)している。多くの反対の声に包まれている証拠だ。
 現行法容認の上に成り立つ一切の対案(早川案や金田案などが予定されている)を拒否し、臓器移植法そのものの廃止をかちとろう。

 「臨死状態」で延命措置中止

 一方、「尊厳死」法制化攻撃も激化している。超党派の「尊厳死法制化を考える議員連盟」(中山太郎会長、議員約80人)は6月7日、「回復の可能性がなく死期が迫った場合」を「臨死状態」と名づけ、15歳以上の患者本人の意思を条件に医者2人の判定で呼吸器や水分補給を含む延命措置を中止できるとする法案要綱を発表した。
 厚労省も4月9日、「延命治療中止のプロセス」指針を発表し、「本人や家族の同意がなくても専門家の検討・助言」で中止を判断できるとしている。
 安倍首相は、著書『美しい国へ』で「病気で苦しんだり寝たきりの不健康期間を短くして医療費や介護費を節約しろ」と叫び、日本経団連も03年「単に自分の死に方ではなく家族負担の軽減を」と政財界が積極的に「尊厳死」を提言している。
 療養病床23万床削減、診療報酬改訂・病院経営破綻、後期高齢者医療制度来年4月開始、障害者自立支援法施行、医療改悪・社会保障解体の攻撃とともに進む「尊厳死・安楽死」法制化攻撃。この攻撃を、戦争・改憲、民営化・労組破壊の攻撃と対決する動労千葉を始め4大産別労働者・青年労働者とともに、安倍政権もろとも粉砕しよう!
 〔伊能 進〕

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週刊『前進』(2303号6面3)(2007/07/16 )

 沖縄星野さんを取り戻す会

 万人(うまんちゅ)の力で星野奪還を

 暁子さんが訴え“無期を覆していく”

 7月1日、読谷村文化センターで「沖縄万人(うまんちゅ)の力で星野さんを取り戻す会」の第13回総会が、星野暁子さんを迎え、多くの会員の参加で開かれました。
 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」共同代表でもある平良修さんが「沖縄との連帯を含め、日本人は、琉球処分をしてきたような天皇制国家日本と対決せねばならない。星野さんはそれをやった。そういう人が刑務所の中にいてはならない」と開会のあいさつをしました。
 次に、6月8日に逝去された星野文昭さんの母・星野美智恵さんに黙祷(もくとう)をささげ、議事に入りました。
 会長の知花昌一さんが総括や方針など議案を提起し、再審事務局から再審や仮釈放の闘いの現状が報告されました。質疑応答の後、採択しました。
 第2部は、暁子さんの話と詩画集「FUMIAKIKO」からの詩の朗読。文昭さんとの出会いから獄中結婚、その後の20年がギターの音色をバックに何編かの詩の朗読とともに語られました。
 「分かり合える、共有する、理解し合う、その一つひとつが闘い。この20年、無期懲役と闘ってきた。それは解放に向かう過程としてではなく人生そのもの。そういう人生を最近肯定し受けとめられるようになった。人間は無期の中でも生きることができるということをつくり上げて来た。その力で無期を覆していく。再審や仮釈放を運動の広がりで実現したい」との心に響く話に続き、文昭さんからのメッセージが読み上げられました。
 島田善次さんが、普天間爆音訴訟原告団長としての経験から、「星野さんが懸念したことが沖縄で現実になっている。彼がやったことがいかにあたっていたか知らせるチャンス。裁判は裁判所と大衆との闘い。大衆の力を裁判所にぶつけていこう」と閉会あいさつを行い、総会を終了しました。
 翌2日、暁子さんは辺野古の座り込みに参加、星野の全国の運動からのゴムボートカンパも届けました。新基地建設予定地とされている辺野古崎、大浦湾まで船に乗せていただき、説明を聞きました。
 3日には、暁子さんとともに琉球新報と沖縄タイムスを訪問し、星野闘争と詩画集発行について取材を受けました。7月6日の琉球新報に掲載されました。
 (投稿/佐和田由子)
(写真 第13回沖縄万人の力で星野さんを取り戻す会総会で総括・方針を提起する知花昌一会長【7月1日 読谷村】)

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週刊『前進』(2303号6面4)(2007/07/16 )

 高田普次夫さんを悼む

 沖縄県民の会 座覇光子

 6月23日に杉並で開かれた「沖縄−本土をむすぶ6・23労働者集会」で発表された沖縄民権の会、座覇光子さんの故・高田普次夫さん(6月14日、享年89歳)への追悼文を掲載します。(編集局)
 高田普次夫様
 御逝去の報に接し、心より哀悼の意を捧(ささ)げます。
 「沖縄民権の会」創立以来、種々助言頂き、私たちを精神的に支えて下さいました。私たちは「沖縄民権」をともに闘って来られた大切な方を失いました。
 高田さんのお人柄は、温かく大らかで沖縄の慈父そのものでした。
 いつも心にかけて下さり、ある時「あんたの夢を見たよ」とおっしゃった時、ああ、私のことを心配していらっしゃる、「元気でがんばってよ」という思いが伝わってきました。
 「インドネシアには、私の弟妹が居る。父親の責任を私が果たさねばと、里親をして、何人かの子どもの学費を送っている」とも、聞きました。
 又、「昔、私たちはハンセン病の方々の施設建設に反対して、とても申し訳ないことをした。あなたがその方々と親しくして、ハンセン病の差別をなくそうとしている。ありがたいよ! 嬉(うれ)しいよ!」と率直におっしゃり、精神の柔らかさ、謙虚さを私たちも見習わなくてはと思ったことです。
 その人間性を私たちは心にしっかりと納めて、闘いのエネルギーに替えていきますから。あなたの歩んで来られた「沖縄の道」を、「民衆の道」を、私たちも歩んでいきますから。どうぞ、私たちを見守ってください。
 高田さん! あなたはいつも私たち闘う者のそばにいらっしゃる。
 想(おも)い出しては力を頂き、決して悲しみはしない。信頼感は永遠にゆるぎないことをあなたは教えて下さいました。
 あなたに出会えて本当に良かった。深く深く感謝致します。
 簡単ではありますが、追悼の意に替えさせて頂きます。
 2007年6月23日
(写真 04年6月24日、名護市辺野古の座り込みテントを訪れた高田普次夫さん【右)と命を守る会の故・金城祐治代表。2人は旧知の友人のように話がはずんだ)

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