ZENSHIN 2007/07/30(No2305 p06)

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第2305号の目次

”都教委はいやがらせの研修をやめろ!” 都高教大会日に再発防止研修をぶつけてきたが、分断をのりこえて多くの教育労働者や支援者が駆けつけた(7月23日 水道橋)

1面の画像
(1面)
広島・長崎から安倍打倒の火柱を
青年労働者・学生を最先頭に帝国主義打倒の革命的激闘へ
すべての原発を停止し廃絶せよ
記事を読む  
「君が代」被処分者 “転向強要許さぬ”  再発防止研修に反撃(7月23日) 記事を読む  
プロレタリア革命勝利へ 闘う革共同にカンパを! 記事を読む  
日程 被爆62周年 8・6ヒロシマ大行動 記事を読む  
(2面)
“社保庁解体・職員解雇”許せるか 胸はって怒りをぶつけよう
闘えば必ず展望は開かれる
記事を読む  
国労再生・無罪獲得へ 
「許さない会」関西集会開く(投稿/大阪東部許さない会 S・I)(7月6日)
記事を読む  
国労5・27弾圧裁判 “団結破壊と闘いぬく”
国労本部弾劾し被告が表明(7月25日)
記事を読む  
日程 国労5・27臨大闘争弾圧公判日  記事を読む  
“コムスン問題の責任とれ”
厚労省に第2弾の抗議行動(福祉労働者/N・K)(7月20日)
記事を読む  
“こんな研修は違憲” ―被処分者の怒りの声―(7月23日) 記事を読む  
(3面)
動労千葉を支援する会
“職場で会員拡大を” 結成20年 定期総会を開く(7月22日)
記事を読む  
『俺たちは鉄路に生きる3』 国鉄分割・民営化20年 動労千葉の闘い
労働者学習センターが新刊
記事を読む  
第13回8・15集会へ 〈改憲・靖国・貧困〉を問う 記事を読む  
地方自治破壊・200万人首切りと闘う自治体労働者 A戦後自治制度解体許すな
改憲と道州制導入を狙う 地方自治は戦後革命の中で確立(東北・富田実)
記事を読む  
〈焦点〉 6者協議は米朝交渉の様相に 「次の段階」は合意できず 記事を読む  
〈焦点〉 中越沖地震で自動車生産停止 トヨタ方式のもろさ露呈 記事を読む  
(4面)
柏崎原発損壊 あわやチェルノブイリ級の大惨事
大地震で放射能汚染が拡散 点検修理で大量に被曝 原子炉は直ちに廃炉に
記事を読む  
安倍の式典出席阻止へ 全国被爆者青年同盟の8・6アピール
「原爆投下しょうがない」の久間と安倍を許さない
記事を読む  
「骨太方針07」と対決を
リストラ・労働強化・労組破壊〈労働生産性の向上〉が国策に
記事を読む  
2007年日誌 7月18日〜24日
柏崎市長が原発に「停止命令」 米軍再編で岩国2010年着工へ
記事を読む  
(5面)
イラク戦争 米帝の深まる敗勢
増派「新戦略」はすでに破綻 中東危機で争闘戦も激化へ
記事を読む  
天神峰本部裁判 仲戸川裁判長を忌避
1日で却下に 早期結審策動許すな(7月20日)
記事を読む  
法大弾圧裁判が始まる 新井君友部君 “腐りきった当局裁く”(7月26日) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
関空 8・2 2期開港を許すな “軍事空港化を阻む”
7・22 泉佐野で150人がデモ(7月22日)
記事を読む  
“無期の獄から解放を”
高崎で星野全国総会開く(群馬星野文昭さんの再審を実現する会/伊藤成雄)(7月13、14日)
記事を読む  
GAKKOU党学校通信 マルクス・エンゲルス『共産党宣言』 記事を読む  

週刊『前進』(2305号1面1)(2007/07/30 )

 広島・長崎から安倍打倒の火柱を

 青年労働者・学生を最先頭に帝国主義打倒の革命的激闘へ

 すべての原発を停止し廃絶せよ

”都教委はいやがらせの研修をやめろ!” 都高教大会日に再発防止研修をぶつけてきたが、分断をのりこえて多くの教育労働者や支援者が駆けつけた(7月23日 水道橋)

 安倍首相は参院選の選挙演説で、「戦後レジームからの脱却」とそのもとでの「改革」の推進や「成長戦略」なるものを叫んできた。そして選挙結果に関係なく(いかに惨敗であったとしても)、「退陣は絶対にしない」と公言してきた。つまり、あくまでも安倍政権として戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃を貫くということである。自治労・日教組への攻撃を一層強めると同時に、大企業・大銀行の最大限の利益のために非正規雇用を拡大し、青年を始めとする労働者階級の極限的な搾取と使い捨て、貧困化を進めると言っているのだ。その先には改憲と青年・学生の戦争動員がある。こんなウルトラ反動の日帝・安倍政権は、労働者階級の怒りの反乱と階級的労働運動の発展で、直ちに打倒しなければならない。8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争が、その当面する最大の決戦場だ。青年・学生を先頭に全国からの総結集を訴えたい。

 貧困・格差の先に戦争動員

 参院選後の政治情勢、階級情勢は、大変な激動過程に突入する。それは青年・学生を先頭に8・6広島―8・9長崎から安倍打倒の火柱を上げ、日帝打倒を切り開くための革命的激闘へと総決起していくべき情勢だ。
 安倍が叫んできた「戦後レジームからの脱却」とは、戦争・改憲と民営化・労組破壊の攻撃であり、戦後体制を破壊して戦前型の「大日本帝国」を復活させる攻撃だ。
 この安倍の政策の基礎にあるものこそ、レーガン、サッチャー(そして中曽根)以来の新自由主義(新保守主義)であり、市場原理主義だ。これは独占金融資本(大企業・大銀行)の利益と生き残りを最優先する政策であり、日本では小泉政権以来、急速に強まってきた。このもとで「スポット派遣」「ネットカフェ難民」「ワーキングプア」という言葉や現実が常態化し、90年代のいわゆる就職氷河期を経てきた2000万人もの青年労働者が、非正規雇用化と貧困、格差拡大の中にたたき込まれてきた。
 今や日本の労働者の3分の1が非正規雇用だ。こんな劇的な労働力構成の変化は世界に例がない。具体的には1995年の日経連プロジェクト報告、および99年と03年の労働者派遣法改悪で、パートに加え派遣・請負・契約などの非正規労働者が激増し、賃金も2分の1、3分の1に切り下げられた。生活保護費以下という最低賃金も各地でまかり通っている。結婚もできず、子どももつくれない労働者が大量に生まれているのだ。
 こうした極限的な労働者への搾取と貧困化の上に、独占金融資本は空前の収益をあげ、この5年間で国内総生産(GDP)は22兆円増加し、大企業の役員報酬は3倍になった。だが逆に労働者の賃金は5兆円も減り、社会保障制度解体や介護・医療の負担増、定率減税廃止と住民税大幅アップが、労働者の生活を痛撃している。
 だが安倍も日本経団連・御手洗も、こうした貧困化や格差拡大という現実を打開しようなどとは、夢にも考えていない。いや逆に安倍や御手洗は、大企業の最大限の収益増のために、偽装請負も合法化し、残業代ゼロのホワイトカラーエグゼンプション(WE)の導入も、次の国会で強行しようと画策している。安倍の「再チャレンジ」とは貧困と格差をなくすのではさらさらなく、もっとダイナミックな格差社会にしようということでしかないのだ。
 労働者階級へのこうした非正規化、貧困化、格差拡大の攻撃と一体のものとして、安倍による民営化攻撃と公務員バッシングがある。それはとりわけ不明年金問題の責任を社会保険庁の労働者・自治体労働者に転嫁する攻撃だ。さらには自治体労働者、教育労働者は「ハローワークに行ってもらう」(自民党幹事長・中川秀直)という、大リストラと自治労・日教組破壊の攻撃である。
 労働者階級へのこうした攻撃が行き着く先が戦争と改憲だ。非正規の「ワーキングプア」の膨大な青年労働者が、学生とともに戦場に送られる。それが9条改憲であり、集団的自衛権の行使である。イラク戦争の前線にいる米軍兵士の平均年収は日本円で約180万円だ。安倍や御手洗は今、米帝のイラク戦争と同じことを狙っているのである。まさに青年労働者と学生が、非正規雇用と「ワーキングプア」にたたき込まれることは、改憲・戦争動員と一体のことなのだ。
 「戦後レジームからの脱却」を叫び、新自由主義政策で労働者階級を首切り、非正規雇用、貧困の地獄にたたき込み、改憲と戦争動員を狙う安倍自公政権は、即刻、打倒されなければならない。求められているのは戦争ではなく革命だ。
 危機の安倍政権を打ち倒せるのは、労働者の団結と反乱だ。しかし腐敗を極める既成の体制内労働運動に展望はない。階級的労働運動の前進にこそ未来がある。青年労働者と学生を先頭に闘われた3・18と6・9の集会とデモ。この「労働運動の力で革命を」の闘いをさらに発展させよう。

 階級的労働運動にこそ未来

 戦争・改憲と核武装に突き進む日帝・安倍を打倒するために、青年労働者と学生を先頭に、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキに総決起することをあらためて訴えたい。
 日帝・安倍の正体と本音は、久間前防衛相の「原爆投下はしょうがない」発言によって、衝撃的に突き出された。これは帝国主義戦争(第2次大戦)と原爆投下を居直り、合理化し、今また再び戦争をやり、核武装し、核兵器を使おうとしている帝国主義者の本音である。
 久間は「しょうがない」発言で、原爆投下により「戦争が終わった」「ソ連の対日占領を阻止できた」と、歴史偽造に等しい理由をもって広島・長崎の惨劇を「正当化」した。戦争をやり、革命を鎮圧して資本主義・帝国主義が生き残るためだったら、一瞬にして数十万人の労働者人民の命が失われてもなんとも思わない。それが帝国主義というものだ。
 すでに疲弊しきって敗北寸前だった日本に二つの原爆を投下した米帝は、それで「戦争終結が早まり、米兵100万人の命が助かった」と言っている。この歴史偽造と原爆投下正当化が、米帝の「公式見解」だ。久間発言はこの米帝の立場と完全に対応している。
 広島・長崎、沖縄戦、東京大空襲の惨禍こそ、第2次大戦の帰結だった。久間発言と一体のものとして、沖縄戦での日本軍による「集団自決」強制の歴史を抹殺する教科書検定が、安倍政権と文科省によって強行された。断じて偶然ではない。日帝と安倍は、軍の歴史的犯罪を抹殺し、沖縄戦への反省を拒否することで、再び沖縄戦を繰り返すと表明しているのだ。これが安倍の改憲攻撃、「戦後レジームからの脱却」の攻撃である。
 原爆は第2次帝国主義戦争の中から生まれた究極の反人民的兵器だ。帝国主義は原子核反応(核分裂や核融合)という太陽など宇宙空間にしか存在しない、地球上の生物の化学反応体系とは異次元の現象にまで手をつけ、それを人間がコントロールできると錯覚、強弁して、帝国主義戦争で使うために原爆を造った。だがこれは、労働者階級人民とは絶対に相入れないしろものである。
 中越沖地震でチェルノブイリ級の大惨事寸前までいった柏崎刈羽原発。原発も核兵器とその原理は同じことである。どちらも人間がコントロールできない世界だ。それを支配階級は、帝国主義戦争に勝つために大量虐殺兵器たる原爆を造って使った。大資本の利益のために原発を次々に増設してきた。しかも今、日帝は「原子力立国」を国是とし、原発建設を推進し、核武装化をも狙っている。
 この核兵器を廃絶し、帝国主義戦争・核戦争を阻み、また原発を即時停止し廃絶することができる主体は、被爆労働者を軸とする労働者階級だ。
 核兵器を始めとする兵器を生産し、運搬しているのは労働者である。原発を建設し、運転しているのも労働者だ。労働者なしに生産活動も、交通も、行政、教育、医療も、一切が成り立たない。労働者が団結して決起すれば、帝国主義社会は止まり、腐敗した権力を倒して、革命も実現できるのである。
 しかし体制内労働運動では、帝国主義と闘うことも、革命をやることも不可能だ。階級的労働運動にこそ未来がある。
 原発・核燃サイクル推進の核禁会議と合同した既成の原水禁運動は、完全に破産し、無力化した。これをのりこえ反戦反核闘争を革命的に担うのは、階級的労働運動だ。青年労働者・学生を先頭として「労働運動の力で革命をやろう」を実践する闘う新潮流だ。
 改憲・核武装を狙う安倍自公政権打倒と核廃絶へ、8・6ヒロシマ―8・9ナガサキに全国から総結集しよう。そこから11月労働者総決起へと攻め上ろう!

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週刊『前進』(2305号1面2)(2007/07/30 )

 「君が代」被処分者

 “転向強要許さぬ”

 再発防止研修に反撃

 「都教委はみせしめ研修をやめろ!」「教え子を戦場に送らないために闘うぞ!」――7月23日、都教委による「再発防止研修」が行われた水道橋の教職員研修センター前は、大きなシュプレヒコールに包まれた。
 研修の対象とされたのは、今春の卒業式・入学式で「君が代」斉唱時に不起立や伴奏拒否などで懲戒処分を受けた教育労働者のうち、退職者や停職中の根津公子さんを除く36人である。
 この日はそもそも都高教の定期大会が当初から決められていたが、昨年に続き都教委は同じ日に研修をぶつけてきた。しかし被処分者を先頭に、現場の教育労働者や支援者など約150人が結集し、不当な「再発防止研修」への怒りをたたきつけた。6カ月の停職処分を受け、連日、職場門前での就労闘争を続ける根津公子さんの元気いっぱいの姿もあった。
 研修は午前と午後の2回に分けて行われた。停職処分を受けた被処分者は、なんと「1対4」の個別研修を強制された。被処分者を分断し、”研修”に名を借りて転向強要することを絶対に許すことはできない。
 これまでの「再発防止研修」に比べて、今回は都教委側が「儀式での職務命令違反」を強調し、より露骨な転向強要に踏み出してきたのが特徴だ。「教育現場でのあらゆる職務は上司の命令である」という強圧的なことまで宣言した。停職3カ月の処分を受けた河原井純子さんに対しては、「懲戒免職になったら退職金はない。年金にも影響が出る」という露骨な脅しを加えてきた。
 しかし被処分者は、意気高く質問攻めで都教委を圧倒した。「なぜ基本研修なのに1人にされるのか」「都民の7割は『日の丸・君が代』の強制に反対している」「職務命令は憲法違反ではないか」――追い詰められた都教委は、質問時間をたった5分に制限し、時間が来たらさっさと逃げてしまう有様だ。
 研修を終え会場から出てきた被処分者の表情は明るい。「こうして支援の人がいっぱいいるとうれしい」「人間扱いされないことへの怒りをもって専門研修に臨みたい」――次々と発言した被処分者の声は、都教委への怒りと、多くの仲間と闘える喜びに満ちていた。(2面に被処分者の声)

 都高教大会で修正案を可決

 同日行われた都高教の定期大会では、「歴史的な9・21判決の意義を広める取り組みをするために日教組をとおして全国的な取り組みを訴える」「2年連続で、都高教大会当日に再発防止研修をぶつけることは、組合に対する挑発であり、明確な不当労働行為です」といった被処分者などによる21本の修正案が可決または受け入れとなった。また「再発防止研修」を強制された被処分者が大会に参加できるために、「議場閉鎖後も被処分者が会場内に入ることができる」という緊急動議が都高教本部の敵対をうち破って可決され、「再発防止研修の強行に抗議する緊急・特別決議」が圧倒的多数で採択された。
 これに先立つ19日、「再発防止研修」の不当性を訴えた裁判の判決が東京地裁で行われた。被処分者の訴えをすべて棄却する不当判決だ。判決後の記者会見で、原告の被処分者は怒りを込めて不当判決を弾劾した。7・23闘争は、これに対する真っ向からの反撃としても闘われた。

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週刊『前進』(2305号1面3)(2007/07/30 )

 プロレタリア革命勝利へ

 闘う革共同にカンパを!

 すべての同志のみなさん。『前進』読者のみなさん。夏季一時金支給時にあたり、革命勝利に向けた圧倒的なカンパを訴えます。
 今、戦後革命期以来の大激動期に突入しています。青年労働者の半数が非正規雇用の仕事にしかつけず、膨大な青年がワーキング・プア、ネットカフェ難民の状態に追い込まれています。それどころか、6000万労働者が「食えない」現実。「生きさせろ!」という叫びは、社会のあり方の根底的変革を求め3・18日比谷、6・9ワーカーズアクションの大高揚を切り開きました。職場からの反乱が始まったのです。
 安倍・自民党は、参院選で「社保庁解体・職員解雇」などという新聞全面広告を出しました。公務員労働者を「ゴミ」呼ばわりし、「自治労や日教組はハローワークに行ってもらう」などと、とうてい我慢できない発言を繰り返しています。郵政民営化に続いて今、自治労・日教組に、国鉄分割・民営化とまったく同じ大攻撃が襲いかかっています。
 ところが、自治労・社保労組本部は一時金返納の恫喝(どうかつ)に屈し「積極的に応じる」と表明しました。日教組本部は、教育4法改悪に対して闘う方針すら出さず、国会闘争の最中に、文部科学省と免許更新講習の費用負担の交渉をしている始末です。こんな労組幹部などぶっとばせ! 国鉄分割・民営化も、動労カクマルがブルートレイン手当返納に応じたところから始まりました。これに対して動労千葉は、解雇も覚悟で2波のストライキを打ち抜き、闘う団結を守り抜いています。動労千葉のように闘うことこそ、労働者の生きる道です!
 安倍政権への怒りが急速に拡大している今こそ、体制内労働運動の屈服を突き破って、階級的労働運動の大前進を切り開かなくてはなりません。問題は、闘う労組指導部です。階級的指導部を生み出す革命党の存在です。噴出する労働者階級の怒りを、ゼネスト・国会包囲大デモへ、そして全国一斉蜂起に導く革命党がなくてはなりません。
 革共同は、鉄火の中で「党の革命」を遂行し、「党と階級は一体である」という地平を確立しました。あとは革命を成し遂げる資金の問題です。
 内外情勢は、帝国主義の体制的危機―争闘戦の激化を基底として文字どおり〈戦争か革命か〉の大激動に突入しました。安倍政権の凶暴化は危機の現れであり、労働者階級にとってはチャンスです。プロレタリア革命勝利に向け、全力のカンパを訴えます。

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週刊『前進』(2305号1面4)(2007/07/30 )

 日程 被爆62周年 8・6ヒロシマ大行動

 労働者の団結で、核と戦争をなくそう!
 被爆62周年 8・6ヒロシマ大行動

 8月6日(月)12時30分〜午後3時 広島県立総合体育館小アリーナ(広島市中区基町4−1)
 デモ行進/午後3時〜5時(平和公園解散)
■国際連帯集会 8月5日(日)午後1時〜4時
 広島市東区民文化センター大ホール(広島市東区東蟹屋町10−31)
■碑巡り 8月7日(火) 午前9時〜12時 平和資料館下集合
〈関連行事〉
☆オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会 HIROSHIMA
8月4日(土)午後6時〜8時半
広島市東区民文化センター
☆教育労働者交流集会
8月5日(日) 午後2時〜 広島市東区民文化センター
☆労働者産別交流集会
8月5日(日) 午後5時〜 広島市東区民文化センター 
〈スローガン〉改憲阻止!ヒロシマの力で!
○アジア侵略、ヒロシマ・ナガサキ、オキナワをくり返すな!
○被爆者―二世を先頭に世界の人々と連帯して核戦争をとめよう! 米ブッシュをたおそう!
○9条を変えるな! 安倍改憲内閣をたおそう!
○歴史わい曲を許さない! 朝鮮、アジアへの侵略戦争をとめよう!
○日本の核武装を許さない! 原発と核燃サイクルを今すぐとめよう!
○イラク戦争反対! 劣化ウラン弾を使うな! 自衛隊は今すぐ帰れ!
○米軍再編反対! 沖縄・岩国―すべての米軍基地を撤去しよう!
○「日の丸・君が代」強制反対! 教育を戦争の道具にさせないぞ!
○民営化と労組つぶしは戦争への道、労働者の団結で戦争と核・差別のない社会をつくろう!

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週刊『前進』(2305号2面1)(2007/07/30 )

 “社保庁解体・職員解雇”許せるか

 胸はって怒りをぶつけよう

 闘えば必ず展望は開かれる

 デマに屈してなるものか

 社会保険庁で働くすべての労働者の皆さんに訴えます。
 自民党は参院選向けに主要な全国紙すべてに出した全面広告で、「社会保険庁は徹底解体・職員解雇」と言いました。年金業務・社会保険庁監視等委員会の委員長になったJR東海会長の葛西敬之は、「社会保険庁を廃止、分割しても現在の職員がそのまま移行するようでは、改革の効果は上がるまい。全ての職員は新機構による新規採用とし、現職のうち勤務成績の良い者だけが新規採用にあずかれる仕組みとすべきだ」(読売新聞7・23付)と息巻いています。
 冗談じゃありません。労働者が働かないから記録問題が起きたのか! 何十年も前から記録に不備があることを知りながら、「支給開始時に再計算する」とか「年金支給時の申請を待って対応する」というやり方を命じてきたのは社保庁当局です。度重なる年金制度改悪で膨大な入力作業が発生することを知りながら、人員も増やさず無理な作業を現場労働者に命じ、アルバイトを雇ってその場をしのいできた当局こそ、一切の責任を負うべきです。
 労働者には、記録の不備を発見してもそれを訂正する権限さえ与えられていませんでした。なのに、記録消失が社会的に問題になった途端、「労働者が働かないことが原因だ」と言い立てる自民党や財界、社保庁当局のデマにはもう我慢ができません。
 そもそも額に汗して多くの高齢者に向き合い、真剣に相談に応じてきたのは現場の労働者です。なんの責任もとらない自民党や資本家に、どうして労働者がののしられなければならないのか。
 だいたい、「勤務成績の良い者だけを新機構に採用しろ」と叫ぶ葛西は、かき集めた年金をリニア新幹線事業などで食い物にしてきた張本人です。年金業務の現場も知らないこんな無責任な連中に、われわれ労働者が責任をなすりつけられる筋合いなど1ミリたりともありません。

 労組の団結が労働者守る

 全国社会保険職員労組執行部は、組合員の雇用を守るためには積極的にボーナス返上に応じよう、サービス残業・休日出勤をしよう、と言っています。当局と示し合わせたこんな労使結託方針は絶対に認められない! こんなことを認めたら、社保庁だけでなく全労働者が同じ境遇にたたき込まれてしまいます。
 それこそ安倍政権の思うつぼです。安倍の攻撃に屈服することは、年金問題の責任が現場の労働者にあると認めることです。誇りを奪われ、労働者だけが悪者だというデマに屈して何が残るというのでしょうか。
 安倍は、社会保険庁を解体して、公務員型ではない新しい組織をつくると言っています。まさに国鉄分割・民営化と同じ「全員解雇・選別再雇用」の攻撃がかけられています。
 これに対して、今の組合の方針では、労働者はバラバラになり、敵の思うがままに分断され、選別されてしまいます。
 確かに、敵の攻撃は生易しいものではありません。しかし、労働者にとって本当に地獄のような状況が現れるのは、労組執行部が敵の攻撃に屈し、労働者の団結が破壊され、職場がズタズタに分断された時なのです。
 逆に、敵の攻撃がどんなに厳しくても、労組が団結を維持し、闘う方針を貫く限り、次への展望は必ず生み出されます。団結だけが労働者の生活と権利を守るのです。

 闘って活路を開いた動労千葉

 国鉄分割・民営化に際して、当時の動労は当局と一体となって国労を攻撃し、国労組合員をクビにすることで生き延びようとしました。国労はまったく無方針のまま敵の攻撃にさらされ、20万人の組合員が分割・民営化後には4万人になってしまいました。
 しかし、動労千葉は唯一ストライキで闘いました。40人の解雇者を出しましたが、その後も組合の基本骨格を守り抜き、今も意気高く闘い抜いています。「オレたちがこの鉄道を動かしている」という労働者の誇りに依拠して闘い、活路を切り開いてきたのです。
 今、社保庁労働者が誇りをかけて立ち上がり、社保庁当局と官僚どもへの怒りをたたきつけて闘えば、絶対に展望を切り開くことができます。
 自民党の中川秀直幹事長や森元首相は「参院選の最大の焦点は自治労・日教組の解体だ」と言いました。彼らの最大の危機突破の方針は、世の中の労働組合を全部ぶっつぶすことなのです。
 自治労をつぶして自治体で働く労働者を戦前のような国家官吏にし、労働者や住民を支配させ、労働者から福祉を取り上げる先兵に仕立て上げようとしています。
 日教組をつぶし、国家が教育を支配して、学校を愛国心教育とエリート教育一色に塗り替え、教育労働者に「一部エリート以外は一生ワーキングプアで我慢しろ」「戦争になったらお国のために命を捨てろ」と教えさせようとしています。
 自民党が公務員の労働組合を攻撃するのは理由があります。安倍は「戦後レジームからの脱却」を政治信条にしていますが、戦前との大きな違いは、私たち公務員が国家の手先ではなく、労働者階級の一員として労働組合をつくり、労働者の側に立っていることです。ここに勝利のカギがあります。

 安倍をぶっ倒す時が来た

 安倍政権の攻撃の激しさは、彼らの危機の反映です。安倍の支持率は2割台。参院選に敗北し、その政治生命は風前のともしびです。年金問題は支配者たちが統治能力を失ったということです。
 この10年、自民党と財界の「労働者の9割を非正規に」という攻撃によって、若者の2人に1人はアルバイトや派遣労働者にされました。「一生時給800円」が当たり前となり、年金も払うことができない多くの労働者が生み出されました。若者に未来を保障できないこんな社会が、長続きするはずがありません。
 他方でイラク侵略戦争は泥沼化し、安倍政権は憲法を変えて日本を再び戦争国家につくり変えようとしています。私たちを徹底的にこき使って搾り取り、揚げ句の果てに戦争に駆り立てる――こんな社会は私たちの手でひっくり返してやろう。
 事実、青年労働者を先頭に、本来の労働組合のあり方を取り戻し、この社会を覆そうという新たな運動が起きています。
 私たち労働者こそが、この社会を動かしている。現実に職場を回しているのは私たちだ。胸を張って闘おう! 団結した労働者の力でこの社会を変え、自分たちが主人公の社会をつくろう!
 闘えば展望は必ず切り開ける。安倍なんか、私たち労働者のストライキで葬ってやろう!

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週刊『前進』(2305号2面2)(2007/07/30 )

 国労再生・無罪獲得へ 

 「許さない会」関西集会開く

 7月6日、吹田市立勤労者会館で「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の関西集会が開かれた。80人が参加し、熱気あふれる集会となった。
 「5・27臨大弾圧国労家族の会」の一員で、自治体労働者の青年が司会を務めた。「労組が組合員を権力に売り渡すことは絶対に許せない。自治体労働者へのバッシングも厳しいが、同じようなことが起きたらどう闘うか、一緒に考えたい」という元気に満ちた発言で集会が始まった。原田隆司被告の解説で証拠のビデオが上映された。
 熊本闘争団の仲間は、「尼崎事故以降、被告の皆さんを始めJRの組合員と一緒に学習会や尼崎現地集会を行ってきた。1047名闘争とJR組合員の闘いを結合することが重要だ。一刻も早い解決が必要だが、納得できる解決でなければならない。最後まで闘う」と連帯のあいさつをした。
 国労東京地本品川事業所分会の仲間が、国労バッジ処分撤回の労働委員会闘争の報告をした。
 部落解放同盟全国連からは、03年の寝屋川弾圧を打ち破り無罪判決をかちとった仲間が発言に立った。この間の全国連に対する弾圧を弾劾し、9月東大阪市議選に絶対勝利すると宣言した。
 富田益行被告団長が基調報告を行った。「公判闘争に勝利し国労再生をかちとりたい。1年3カ月の長期勾留に対し、全員が完全黙秘・非転向を貫いたことが決定的だった。公判では『中核派による暴力事件』という検察側の主張を粉砕してきた」とこれまでの闘いを総括。「われわれは国鉄闘争の中についに弾圧粉砕の闘いを打ち立てた。鉄建公団訴訟原告とともに勝利まで闘う。職場から安全闘争に立つ」と鮮明な方針を提起した。
 佐藤昭夫弁護団長は、「国鉄分割・民営化は、戦争と改憲をするために行われた」と喝破。05年11月、中曽根元首相がNHKの番組で「国労をつぶすために国鉄分割・民営化をした」と発言したことに対し、全国金属機械港合同や全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、動労千葉、国労組合員らが不当労働行為として申し立てていた事件で、大阪府労働委員会が7月3日に不当な却下決定を出したことを怒りを込めて弾劾した。
 また、「JRは事故で労働者人民を殺し続けている。職場の闘いでJRを追い詰める以外に1047名闘争の勝利もない」「『許さない会』は党派を超えた団結権侵害反対の陣形だ。労働運動破壊の攻撃に対する最前線の闘いだ。絶対に勝利しよう」と熱く訴えた。
 北大阪「許さない会」を代表して自治体労働者が闘争の強化を訴え、国労兵庫保線分会の組合員は「尼崎事故を許さないため毎月25日のビラまき行動を開始した。職場闘争、分会活動、国鉄闘争を闘い、国労を再生したい」と闘志を示した。
 小泉伸被告が「最後まで闘う」と決意を表明。
 橘日出夫被告がまとめの提起を行い、「裁判は最大の山場に突入した。裁かれるべきは権力と国労本部だ。各地で『許さない会』を再建し、全力で傍聴をお願いしたい。改憲阻止闘争を最先頭で闘う国労にしたい。11月労働者集会の成功に向けて頑張ろう」と訴えた。
 裁判闘争と「許さない会」運動の重要性は鮮明になった。参加者は関西での「許さない会」運動再建へ決意を固めた。
(投稿/大阪東部許さない会 S・I)
(写真 関西における「許さない会」運動の発展を80人の参加者が誓いあった【7月6日 大阪府吹田市】)

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週刊『前進』(2305号2面3)(2007/07/30 )

 国労5・27弾圧裁判

 “団結破壊と闘いぬく”

 国労本部弾劾し被告が表明

 7月25日、国労5・27臨大闘争弾圧裁判の第80回公判が東京地裁刑事第10部で開かれ、前回に続き橘日出夫被告への被告人質問が行われた。
 この弾圧は、鉄建公団訴訟原告への統制処分手続きが強行決定された02年5月27日の国労臨時大会に際し、本部方針に抗議してビラまき・説得活動に立った国労組合員らが、吉田進書記長ら国労幹部の手で公安警察に売り渡されたものだ。
 弁護人の質問に答え、橘被告はこの弾圧に加担した国労本部を厳しく弾劾した。被告が不当逮捕される中で、被告の家族は保釈要求署名などの取り組みを国労本部に要請した。これに対し国労本部は、家族の要請文をゴミ箱に投げ捨てる暴挙に出た。国労本部が02年11月に出した「闘争指示第55号」は、5・27臨大当日の被告のビラまき・説得活動を「中核派の活動家が国労組合員に暴力をふるった」と決めつけ、「国鉄労働組合の運動とは無関係」「(保釈要求)署名等の活動に対して間違って協力することがないよう組合員に徹底をはかること」と言い放っている。
 これに対する思いを聞かれた橘被告は、「闘争団を切り捨てるために百パーセント不正義のことをした本部が、それを開き直り、反対した組合員を『国労と関係ない』と決めつけた。腹の底から怒りが込み上げてきた」と答えた。
 橘被告は職場の奈良電車区で不当逮捕された。ところが勾留状には「職業不詳」「住所不詳」と書かれていたという。橘被告は「公安警察は、われわれを国労とは縁もゆかりもない外部の者と描こうとした」と弾劾した。国労本部は、こうした公安警察の意図に乗り、被告を「国労と無関係」と決めつけ、そのデマに基づき本部派組合員に被害届を提出させ、検察側証人に仕立てあげたのだ。
 しかし、こうした弾圧の構図は、4年半に及ぶ公判闘争の中で完全に暴かれた。裁判で明らかになった真実を訴える被告や「許さない会」の闘いは、国鉄闘争の勝利の方向を指し示してきた。
 橘被告は、「この裁判闘争は国労再生の闘いの一翼を担っている。中曽根以来の労働運動つぶしに警察・検察が加担し、過激派キャンペーンで国労の団結を破壊することがこの弾圧の核心だ」「裁判所は憲法に定められた団結権保障の立場で正しい判決を出していただきたい」と語った。
 検察側は、「橘被告が本部派組合員に暴行した」という彼らの主張を認めさせようと反対質問を試みたが、その策動は完全に打ち破られた。
 「許さない会」運動を発展させ、国労再生と被告の無罪獲得へ闘おう。

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週刊『前進』(2305号2面4)(2007/07/30 )

 日程 国労5・27臨大闘争弾圧公判日 

 第81回 9月5日(水)/第82回 9月26日(水)/第83回 10月10日(水)/第84回 10月31日(水)
※いずれも午後1時15分から、東京地裁

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週刊『前進』(2305号2面5)(2007/07/30 )

 “コムスン問題の責任とれ”

 厚労省に第2弾の抗議行動

 7月20日、厚労省と社会保険庁に対する抗議行動を行いました。7月3日のグッドウイル・コムスン本社と厚労省に対する抗議行動を行った5団体(介護と福祉を要求する杉並住民の会、人として生きられる福祉・介護を求める神奈川県民の会、東京西部ユニオン、福祉労働者連帯ユニオン、全国労働組合交流センター医療福祉部会)が、「今度は請願の回答をもらいに行こう」と、第2弾の抗議行動に立ちました。今回は新たに「公的介護と福祉を求める女たちの会」が参加し6団体となりました。
 午後1時から、前回の請願の回答を要求して請願行動を行いました。厚労省は前回の「門前払い」を許さない怒りの糾弾に懲りたのか、すぐ出てきました。しかし7月3日の請願書に対して何ひとつ回答がないことに対して、参加者の怒りが爆発。
 コムスンの介護報酬の不正請求と介護労働者の使い捨ての責任は、すべて厚労省にあることはあまりにも明らかです。福祉の公的責任を放棄して、資本家の利潤追求の市場に投げ出した結果がこれではありませんか! 保険料は年金から天引きし、その上、利用料を払わなければ介護を受けられない。昨年の制度改悪では生活援助が制限されました。改悪につぐ改悪で制度の枠組みそのものを変え、制度を複雑にして使えないものにしたのは厚労省です。
 さらに今、介護労働者はどういう状況に置かれているのでしょうか。この制度改悪で多くの介護労働者が職場を去りました。「この仕事を続けたいが生活ができない」という労働者が圧倒的です。コムスンで働くケアマネジャーの年収は200万円台、夏季・冬季の一時金はありません。本当に許せない。
 私たちは怒りも新たに請願書を読み上げ、厚労省の職員に受け取らせました。

 社保庁労働者に連帯の訴え

 今回の行動の目的はもうひとつ、同じ庁舎内の社会保険庁の労働者に対する呼びかけです。昼休みに厚労省前でビラまきを行い、庁舎から出てくる厚労省や社会保険庁の労働者に訴えました。
 自分から意識的にビラを受け取る人が多く、用意した1000枚のビラは1時間足らずですべてなくなるほどでした。ビラをきちんとたたんでしまっている労働者が多かったことも、関心の高さを物語っています。
 「労働者に責任はない、一時金返納を拒否しよう!」「国鉄分割・民営化との闘いの教訓をいかそう」「動労千葉のように闘えば勝利できる」「年金居直る安倍政権を打倒しよう」と呼びかけ、労働者としての連帯を感じました。
(福祉労働者/N・K)
(写真 「介護保険制度をやめろ」「福祉と介護に競争を持ち込むな」――福祉労働者を先頭にして、厚生労働省への怒りがたたきつけられた【7月20日】)

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週刊『前進』(2305号2面6)(2007/07/30 )

 “こんな研修は違憲”

 ―被処分者の怒りの声―

●Nさん/これまでの研修と比べて儀式の場での職務命令違反に一歩踏み込んだ内容になっていた。質問の時間はあったが、都合の悪い質問には答えず、さっさといなくなるという対応でした。
 9月に専門研修を受けることになります。今回以上に異常な嫌がらせと抑圧の研修が行われることになります。多くの人に来てもらい、抗議の声を上げていただきたい。私自身、人間として正当に扱われない、そういう怒りでいっぱいです。その怒りで専門研修ものりきっていきたい。
●Kさん/個室で研修を受けました。「こういう研修をくり返すと、違憲・違法の疑いが出てくるという判決をご存じですか」と質問しました。
 10・23通達が出た時は3ケタの不起立者が出たが、今回は卒業式は35人、入学式は7人。数は少なくなっているがゼロではない、やはり不起立者が出ていることに都教委は苦慮していました。
 今回はかなり懲戒免職のことを言ってきました。「免許がはく奪され、退職金が出ない。年金もかなり影響が出る」などと脅してきました。
●Iさん/研修自体が年々ひどくなっている。進めている人たちもロボットみたいで、「あなたこんな仕事してて楽しいの」って言ってやりました。教育行政を担っている人間があんなんだったら絶対にダメだ。
 講師も言い方を変えている。「職務命令に明白な瑕疵(かし)がある場合は……」というところで、昨年度は「疑義があっても第三者機関が判断をするまでは従わなければならない」と言っていたが、今年は「取り消すまでは」という言い方をしている。つまり最高裁まで行くんだから、それまでは文句言うなよ、ということだ。
 専門研修では今回腹が立ったことを全部書いて、長文のレポートを出すつもりです。
●Wさん/停職処分を受けたものは、個室で1対4で研修を受けさせられました。「基本研修なのになぜ1人なのか」と追及すると「研修を深めるためだ」と言ってきた。
 今回は「公務員は全体の奉仕者だから」と何回も言ってくるので、「”全体”とは都民を指すのか、都の行政を指すのか」と聞くと、「都民です」と答えてきた。「しかし都民は7割の人が『日の丸・君が代』の強制に反対しているじゃないか」と追及すると、「それは解釈が違う。都民の選挙で選ばれた議員などがつくった法令に従うことが都民に従う、ということなんだ」と言ってきた。また「憲法に抵触する法律は制定されないんだ。だからあらゆる法令を守れ」などとも。めちゃくちゃですよね。
 だから最後に「職務命令は違憲・違法、それに基づいた処分・研修も違憲・違法である、ということがよくわかった」と書いて提出しました。
●Iさん/初めての研修でした。講義では自分たちのやったことが「非行行為だ」と規定されました。今までは一般的な服務事故の話がされていたようですが、今回は「日の丸・君が代」問題に特定してきました。
 教育の場では多様性を認めるとか、少数意見に耳を傾けるなどの寛容性が失われたら目的は達成できません。教育という職務、そして自分の信念に従って行動した。そのことを「非行」と断定されて屈辱的な思いです。
●Sさん/「たとえ意見が異なったとしても、命令に従うことは公務員のルールだ。違反は許されない。卒・入学式、そして儀式的なものに従わないものが多くなってきている」と言っていた。今年はかなり踏み込んできて本当に腹立たしい思いです。
(写真 再発防止研修に立ち向かう被処分者を支援者が拍手で激励【7月23日 水道橋】)

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週刊『前進』(2305号3面1)(2007/07/30 )

 動労千葉を支援する会

 “職場で会員拡大を”

 結成20年 定期総会を開く

(写真左 全参加者が肩を組んでインターナショナルを斉唱。支援する会結成20周年の飛躍を誓い合った【7月22日 DC会館】)
(写真右 参加した動労千葉の組合員がずらりと並び、闘いの中でつかんだ勝利感をそれぞれ語った)

 動労千葉を支援する会の定期総会が7月22日、千葉市のDC会館で開かれ130人の労働者・学生が集まった。動労千葉からも本部執行委員、各支部長、OBなど多数の組合員が参加し、会員との交流を大いに深めた。

 11月労働者集会の最先頭に立つ

 動労千葉を支援する会は、国鉄分割・民営化反対の2波のストライキを打ち抜き、40人の解雇者を抱えながら奮闘する動労千葉を支援するために結成された。今年は、会の結成から20周年の節目の総会となった。
 支援する会の山本弘行事務局長が、「国鉄分割・民営化以来20年の動労千葉の勝利は、共同の勝利だ」と、支援する会結成以来の闘いを総括し、「@動労千葉の反合・運転保安闘争路線に学び、11月集会1万人結集を実現しよう。A1047名解雇撤回、国鉄闘争支援陣形の再構築を。B職場・地域の労働者を支援する会に組織しよう」の三つのスローガンを軸とする07年度の運動方針案を提起した。
 その上で、「職場・地域の労働者を大胆に支援する会に組織しよう。とりわけ青年労働者の加入を働きかけよう」と強調した。職場で公然と“動労千葉派”として登場することと、職場闘争に決起して職場の仲間を組織することは表裏一体の闘いだと述べ、ここに支援する会運動の飛躍の課題を据え、11月集会1万人結集の先頭に会員自身が立とうと熱烈に訴えた。
 総会では、開会あいさつに続いて、ス労自主の中村和憲さんが連帯あいさつ、動労千葉争議団の高石正博執行委員が日ごろの支援へのお礼と07年夏季物販での前進について報告した。

 “怒りを組織し展望を語ろう”

 動労千葉からの提起を行った田中康宏委員長は、「いま、動労千葉が国鉄分割・民営化の時に直面したのと同じ状況に、日本のすべての労働組合がたたき込まれている。表面だけみれば日本の労働運動の現状はひどいものです。だけど私は、こんなチャンスはないと思っている。労働運動の復権にとって、今ほど可能性がある時代はない」と、確信に満ちて提起した。そして、「時代は変わっている。われわれの訴えがストレートに響く時代だ。社会に満ちあふれる怒りの声をストレートに組織しよう。そして展望を語ろう」と述べ、夏から秋の闘いへの総決起を訴えた。また、この日の総会に合わせて『俺たちは鉄路に生きる3』を発刊(記事別掲)したことを報告し、「11月集会への組織化の武器として大いに活用してほしい」とアピールした。
 事務局からの会計報告に続いて、活発な討論が交わされた。
 3・18日比谷集会―6・9渋谷集会の先頭に立った青年労働者は、「私は動労千葉労働学校の1期生。今の自分もここからつくられた。自分の職場で闘うことが“動労千葉を支援する”ということだ」と語った。結成したばかりの合同労組が組織決定で支援する会に加入したことも報告された。“第2、第3の動労千葉”をつくる闘いが、分厚く始まりつつあることを感じさせられる発言が続いた。
 第2部の懇親会では冒頭、ヨッシーとジュゴンの家によるミニライブが行われ、会場の熱気を高めた。参加者は、大いに杯を酌み交わしながら交流を深めた。
 最後に、動労千葉の各支部長をはじめ組合員が前列に勢ぞろいし、支援への感謝と闘いの決意を表明、大きな拍手がわき起こった。
 この間の動労千葉の勝利と支援する会運動の前進を踏まえ、ここ数年で最高の盛り上がりを示した総会となった。

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週刊『前進』(2305号3面2)(2007/07/30 )

 『俺たちは鉄路に生きる3』 国鉄分割・民営化20年 動労千葉の闘い

 労働者学習センターが新刊

 

(監修 中野 洋 A5判 300n 頒価1500円)

『俺たちは鉄路に生きる3/国鉄分割・民営化20年 動労千葉の闘い』が発刊された。全編が、動労千葉の闘いを現場で担っている本部役員や各支部役員などの座談会で構成されている。
 監修にあたった中野洋動労千葉前委員長は、動労千葉組合員の日々の闘いを知ってもらうことで「職種が違おうと、どんな条件の差があろうと、動労千葉のような闘いを始めることはできる」ことを示したかった、と述べている。階級的労働運動の実践、11月集会1万人結集にむけた決定的武器だ。職場にどんどん持ち込もう。
◆注文先 千葉市中央区要町2−8 DC会館/TEL 043-222-7207/FAX 043-224-7197/E-mail:doro-chiba@doro-chiba.org

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週刊『前進』(2305号3面3)(2007/07/30 )

 第13回8・15集会へ

 〈改憲・靖国・貧困>を問う

 8月15日に、東京・なかのZEROホールで、「8・15労働者・市民のつどい実行委員会」が主催する8・15集会が開催される。
 実行委は95年の戦後50年集会以来、8月15日の「敗戦の日」に毎年集会を開催してきて今年で第13回目になる。
 今回は、「改憲、靖国、貧困――国益と排外に憲法は屈するのか」と題して、今年5月の改憲投票法の成立強行と、安倍=御手洗路線による民営化と労組破壊、労働者階級全体の貧困化の進行、とりわけ青年労働者2000万人が「生きさせろ!」と怒りの決起を開始している情勢下、改憲阻止の本格的闘いを宣言する集会として開催される。
 メーンの講演は、1995年から路上で暮らす野宿者の支援活動をしてきた湯浅誠さん(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長)が「〈貧困>は自己責任じゃない」と題して行う。
 松元ヒロさんによるコント「俺はブルジョア」も上演される。
 もう一つの講演は、憲法と人権の日弁連をめざす会代表の高山俊吉弁護士による「戦後革命と憲法」。
 昨年に引き続いて韓国の民主労総ソウル地域本部の労働者から、非正規職撤廃闘争についての報告がある。
 そのほか、沖縄・辺野古から、改憲国会の現場から、ストライキで闘う動労千葉から、「君が代不起立」で6カ月の停職処分を受けて闘う根津公子さんから、さらには権力・右翼と激烈な靖国闘争を貫徹した全学連からの報告など。
 呼びかけにこたえて結集しよう。

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改憲、靖国、貧困――国益と排外に憲法は屈するのか 

 第13回 8・15労働者・市民の集い

8月15日(水)正午開場、午後1時開会
なかのZERO小ホール(JR中野駅南口下車、新宿方向へ6分)
講演 湯浅誠さん(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長)
   「〈貧困〉は自己責任じゃない」
コント 松元ヒロさん「俺はブルジョア」
講演 高山俊吉さん(憲法と人権の日弁連をめざす会代表)
   「戦後革命と憲法」
報告 民主労総ソウル地域本部「非正規職撤廃に向けて闘う韓国労働者」/富田晋さん(沖縄・辺野古から)「海に座る」/西川重則さん(平和遺族会全国連絡会代表)「改憲国会の現場」/田中康宏さん(動労千葉委員長)「団結の復権」/根津公子さん(「君が代不起立」に対する停職6カ月処分と闘う都立養護学校教員)/織田陽介さん(全学連委員長)
主催 戦後50年を問う8・15労働者・市民の集い全国統一実行委員会

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週刊『前進』(2305号3面4)(2007/07/30 )

 地方自治破壊・200万人首切りと闘う自治体労働者

 A戦後自治制度解体許すな

 改憲と道州制導入を狙う

 地方自治は戦後革命の中で確立

 自治体破壊の財政健全化法

 小泉構造改革以来、規制緩和・民営化、市町村合併、行財政の三位一体改革などをつうじて、地方丸ごと切り捨て、地方自治解体の動きが強まっている。その最先端が北海道夕張市への攻撃だ。
 夕張市では財政再建計画が決まった昨年度、職員の半数130人が退職した。残った職員は4割減の低賃金でサービス残業を強いられ、生活できず、今年度も退職希望者が続出している。
 この中で6月15日、夕張市のような財政破綻(はたん)を防止すると称して「自治体財政健全化法」が成立した。現行財政再建団体制度を改め、自治体財政の「健全度」を示す新たな指標の公表制度を導入する。指標が一定基準を超えると「財政健全化計画」の作成を義務づけられ、早期に財政を立て直さなければならない。さらに悪化した場合は地方債の発行が制限され、「財政再生計画」の作成を求められる。小規模自治体の一掃、労組破壊が狙いだ。
 全国の多くの自治体が自治体財政健全化法の適用が始まる08年度決算をにらみ、財政立て直しを掲げて行政サービス削減、民営化、公共料金値上げ、職員削減、賃金引き下げを強行している。

 戦争動員体制構築との闘い

 さらに道州制導入の動きが強まっている。安倍・自民党は参院選政権公約に道州制導入をうたった。7月3日には、地方制度調査会(第29次)が再開し、安倍首相が合併を含む市町村の基盤強化について諮問した。政府は2月に道州制ビジョン懇談会を、4月に地方分権改革推進委員会を設置した。地方制度調査会の再開で、3組織が地方分権の名で地方自治破壊の論議を進める。
 道州制案は第2次大戦末期の総動員体制諸案に始まる。今また帝国主義が最末期を迎え、朝鮮・中国侵略戦争が切迫する中、05年10月の自民党新憲法草案、06年2月の第28次地方制度調査会答申、今年1月の日本経団連・御手洗ビジョン、3月の経団連「道州制の導入に向けた第1次提言」などが出されている。
 都道府県を統合した10前後の道州が約300の基礎(的)自治体を包括する。国は軍事・外交を強化する一方、内閣府や総務省が地方団体を統括する。道州は、国並みの強力な権限を持ち、国際競争力を養い、金融資本―大独占体の望む政策を直接実施する。
 地方制度の基本組織、基礎自治体は、国―道州に完全に従属させられ、「住民に身近な行政」を実施する。戦後自治体が中心に行ってきた社会保障・福祉は家庭・個人の「自立・自助」に任される。新自由主義だ。
 道州制導入は、階級支配の危機を突破し、戦争を遂行するためになされる。「明治維新以来150年近くにわたって続いてきたわが国の統治機構のあり方を根本から変革する『究極の構造改革』」(日本経団連「道州制の導入に向けての第1次提言」)なのだ。
(写真 夕張市の「石炭の歴史村」の中心施設、石炭博物館。歴史村は現在、加森観光が指定管理者となり、関連会社の夕張リゾートが運営している

 廃藩置県反対の内乱の結果

 地方自治は、幕末・維新の内戦、廃藩置県反対の反乱、自由民権運動、ロシア革命の影響、大正デモクラシーなどを鎮圧し、天皇制国家を確立するために導入されたのに始まる。
 1871(明治4)年、旧幕藩体制の解体、明治専制政府の確立のために廃藩置県が強行された。強力な内務省をつうじて官選知事を府県に送り込み、新しい支配を末端まで貫こうとした。明治政府はその前後20年の内戦に勝ちぬいたが、府会・郡会設置の要求にこたえざるを得なかった。
 第2次大戦後の地方自治制度は、戦後革命の高揚と敗北、帝国主義とスターリン主義とが対峙する戦後世界体制の成立を背景に、日帝の戦後憲法体制、国家独占資本主義政策と福祉国家政策の枠組みの中でつくられた。
 連合国軍総司令部(GHQ)は、内務省解体・地方自治導入を天皇制国家・軍部解体、民主主義政策の重要な柱とした。
 1946年5月の都労連の10日間にわたる業務管理闘争、都市部での労働協約締結闘争、官公庁民主化闘争・戦犯追放・官僚制打破の闘いが展開された。それらは47年の2・1ゼネスト(中止)まで上り詰めた。
 この中で完全普通選挙制、直接請求制度、知事公選制と都道府県の自治体化を柱として地方自治制度が確立された。

 労働運動の力で革命やろう

 地方自治は今、戦争と改憲、地方自治破壊=道州制導入の攻撃の前に戦後最大の危機に直面している。自治体労働運動も同じだ。自治体も自治体労働運動も戦後憲法と戦後民主主義の上に形成されてきたが、それが全否定されようとしている。
 自治体労働者は、戦後憲法体制の枠内で住民生活に不可欠な労働を誇りを持ってやってきた。この地方自治が存亡の危機に瀕(ひん)し、住民の命が奪われている。
 このとき自治体労働運動は、体制内労働運動として帝国主義に屈服して生き延びることなどできない。それは戦争と赤紙配りの道だ。階級的労働運動をつくり出し、プロレタリア革命を切り開く闘いの中に展望がある。
 もともと自治体=コミューンは、原始時代から共同体として存在していた。私有財産と階級が発生すると、「社会の共同利害は社会から切り離され、より高い一般的利害として社会に対置させられ、社会の成員からもぎり取られ、統治行為の対象とされた」(マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日』)。プロレタリア革命は、国家に奪われた社会の成員の自主活動をブルジョア国家権力を打倒することによってプロレタリアートに奪い返す闘いだ。
 自治体労働者は安倍政権による地方自治破壊に反対し、プロレタリア革命とプロレタリアート独裁を対置して闘おう。300万自治体労働者の団結を強固につくり出そうう。 (東北・富田実)

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週刊『前進』(2305号3面5)(2007/07/30 )

焦点 6者協議は米朝交渉の様相に

 「次の段階」は合意できず

 北京で開かれていた北朝鮮の核をめぐる6者協議の首席代表会合が7月20日、3日間の会期を終えた。しかし、北朝鮮のすべての核計画の申告や核施設の無能力化なるものを盛り込んだ「次の段階の措置」に履行期限を設けるという合意はできなかった。
 報道発表文によると、5作業部会(日朝国交正常化や非核化、経済・エネルギー協力など)の再開後の9月初め、「全般的なコンセンサスを実施するロードマップ(行程表)を作成するため」の6者協議の全体会合を開き、それを受けて「可能な限り早期」に北京で6者協議を開くことになった。
 次の段階では、高濃縮ウランによる核開発計画を北朝鮮が申告に含めるか否かや「無能力化」の定義をどうするか、その見返りとして北朝鮮に提供される重油95万d相当の経済・エネルギー支援をどのように実施するかという問題を解決することになる。北朝鮮は米国が「テロ支援国家」指定を外し、経済制裁を解除することを求めている。これらの問題は、すべて5作業部会以降に詰める。
 注目すべきは、今回の6者協議の首席代表会合は、核問題をめぐる話し合いが米朝主導で進められていることを決定づけたことだ。「まるで2(米朝)+4(日中韓ロ)じゃないか」とは関係筋の評価だ。議長国・中国さえ米朝主導により協議からはずされ、「情報不足」に怒り、焦っていると言われる。1月のベルリン協議以降、この傾向は強まる一方だ。
 これは6者協議の過程が長期化する中で、イラク―中東での絶望的危機を深める米帝と、中国、ロシア、日本との間で、帝国主義間・大国間の矛盾と争闘戦が深刻化していることを意味している。
 公式の会合が淡々とした話し合いに終始する一方、ヒル米国務次官補と北朝鮮の金桂寛外務次官は開幕前日の17日から会談をもち、米大使館と北朝鮮大使館を行き来した。両代表は互いを思いやるような言動に終始したが、「次の段階」への前進はなかった。
 米帝は、イラク―アフガニスタン侵略戦争の泥沼化から抜け出す展望がない中で、対北朝鮮侵略戦争(朝鮮半島全体の戦場化、対中国侵略戦争への転化・発展の可能性を含む)の発動は困難なため、米朝主導の6者協議を続け時間稼ぎをしようとしている。ここでの米帝の狙いは、あくまで北朝鮮の核開発阻止と武装解除だ。
 北朝鮮も、今日の米帝の危機を見透かし、あいまいな態度をとり続けることで時間稼ぎをしている。寧辺の原子炉を停止した北朝鮮にとっては、経済制裁解除や重油供給など見返りの十分な保障がないまま「非核化」の動きを加速させたくない。北朝鮮は米朝協議を軸に、米帝の「テロ支援国家」指定と経済制裁解除を引き出すことを最大の狙いとしている。
 北朝鮮への排外主義と拉致問題を声高に叫ぶことしか何も政策のない日帝・安倍政権は、6者協議で米帝からも埓(らち)外に置かれ、焦り、危機を深めている。
 米朝主導の6者協議の長期化と遅延の中で、歴史的に激化する米日帝の朝鮮侵略戦争の策動に対する闘いを強めなければならない。

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週刊『前進』(2305号3面6)(2007/07/30 )

焦点 中越沖地震で自動車生産停止

 トヨタ方式のもろさ露呈

 7月16日に起きた中越沖地震では、柏崎刈羽原発の重大事故とともに、自動車部品メーカーのリケン柏崎事業所が被災し、生産停止したことで、国内の全自動車メーカー12社と関連部品メーカーの各工場が一斉に生産停止に追い込まれるという、日帝経済の根幹にかかわる危機が現出した。
 リケンは、自動車部品の大手専門メーカーで、エンジン部品のピストンリングで国内シェア5割、変速器部品のシールリングで7割のシェアを維持している。
 ピストンリングはエンジンにとって必須の部品だ。エンジンの筒(シリンダー)とピストンはじかに接触しておらず、ピストンにはめ込まれたリングがシリンダー壁面を上下する。燃焼時の圧力にも耐えられる強度や耐久性が求められ、燃費向上のため摩擦抵抗も極限まで減らされており、エンジンごとにリングも設計する。このため簡単に代替生産がきかない。
 従業員わずか1300人の工場が1週間操業停止しただけで、最重要の基幹産業である自動車工業の全工場と関連部品工場が全面ストップした。その結果、業界全体の減産規模は、現在分かっているだけでもトヨタの5万5千台を筆頭に全社で約12万台に達した。阪神大震災時を3倍も上回るほどの大打撃となったのだ。ここには日帝経済の脆弱(ぜいじゃく)性が劇的に突き出されている。
 これは、トヨタ自動車が先頭になって進めてきた「カンバン方式」(ジャスト・イン・タイム方式)や「集中購買戦略」などと呼ばれる、下請け工場の労働者および運輸労働者の犠牲の上に、完成車メーカーが在庫を極力持たないようにし、さらに特定部品メーカーに集中発注して、コストを極限的に切り縮める生産システムのもろさが、爆発的に露呈したものだ。実際、エンジンリングについては各社1日から3日分の在庫しかなく、震災から約1週間で全社のラインが止まったのだ。
 資本主義・帝国主義は、生き残りをかけた国際的争闘戦をますます激化させ、個別資本は部品の在庫を持つ余裕すらなくしている。「乾いたタオルを絞る」というほどの過酷なコスト削減策が労働組合の屈服のもとであらゆる場面で露骨に貫徹されている。そしてその矛盾は最終的に労働者階級に押し付けられている。部品産業も含めた自動車産業と運輸業こそ、派遣・請負や独立自営業という名の不安定雇用が最も広がっている産業分野であり、低賃金構造が強制されている分野である。
 今回の事態は、労働者階級の犠牲の上につくられた極限的なコスト削減の体系が、実はガラスのようにもろいことを衝撃的に示した。リケンのわずか1300人の労働者が、もしストライキに立ち上がれば、日本の全自動車産業をストップできるのだ。そしてそれは、リケンだけではない。
 トヨタ方式は、基幹部門の労働者がたとえ少数であってもストライキで闘えば日帝の生産全体をストップさせることができる可能性をつくり出した。まさに資本主義の墓掘り人を生み出したのだ。

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週刊『前進』(2305号4面1)(2007/07/30 )

 柏崎原発損壊

 あわやチェルノブイリ級の大惨事

 大地震で放射能汚染が拡散

 点検修理で大量に被曝 原子炉は直ちに廃炉に

 施設内各所で事故・損壊

 7月16日に発生した新潟中越沿岸地震は東京電力の柏崎刈羽(かりわ)原子力発電所で原発事故を引き起こした。燃え上がる黒煙の映像は、地元を始め日本と世界の人びとを震え上がらせた。
 同原発は大型原子炉7基、総出力821万2千`ワットの世界最大の原発基地だ。この間近を震源としてマグニチュード6・8の地震が発生し、ヒロシマの死の灰の数千倍もの膨大な放射能を内蔵する巨大核施設群を直撃したのである。メルトダウン(炉心溶融)→放射能の大量放出・被曝(ひばく)、数十万人の急性死、農・海産物の壊滅……。チェルノブイリのような大惨事になりかねない恐るべき事態だ。重大な危機は現在も続いている。このことが、安倍ファシスト政権・東電資本の許しがたい報道管制にもかかわらず、日々明らかになってきている。
 地震直後、7号機の排気筒からヨウ素、コバルトなどの放射性物質が大気中に放出された。半減期が約20・8時間と短いヨウ素133が検出されたことから、制御棒挿入時の核燃料棒の破損が危惧(きぐ)されている。原発は、事故がなくてもクリプトン、トリチウムなどの放射能を大量に空や海へ放出している。放射能は微量でも体内に取り込まれると内部被曝を起こす。海藻や魚などの生物濃縮と食物連鎖の問題がある。「微量で影響ない」と言う東電の言葉はまったくデタラメだ。
 また、使用済み核燃料(死の灰が一杯詰まっている)プールでは、全号機で放射能を帯びた冷却水が外に飛び散り、床を水びたしにした。4、7号機では同プールに重さ200`の作業台が落下した。6号機では放射線非管理区域内で放射能を帯びた1・2dの水がたまっていた。また、原子炉の真上にあるクレーンが破損した。1号機では強い放射能で汚染された地下室に水が外部から侵入し、2千dたまったままになっている。
 放射線非管理区域も、侵入した放射能でかなり汚染され、機器・建物の点検・処理・清掃などの過程で労働者が被曝している。今後予定されている原子炉格納容器内の点検・修理では、労働者の被曝が一挙に増える。
 柏崎刈羽原発で働く労働者は約6千人、そのうち東電職員が1千人で、下請け職員が5千人いる。ほとんどが周辺に住んでいる。地元の労働者とりわけ下請け労働者は地震の被害に加え、過酷な被曝労働が強制されている。1〜7号機すべての点検・修理、しかも放射能を浴びながらの短時間の交代労働だから、労働者の大量の投入と被曝をもたらす。機器の損傷が無数にある中での点検・修理自体が、巨大原発事故を誘発しかねないきわめて危険な仕事となる。労働者住民にとって原発は絶対に共存できないのだ。
(写真 6号機の作業フロア。右が使用済み核燃料プール。左で床にあふれた水を労働者が紙ぞうきんで拭き取る。被曝をかなり受けている。手前は拭き取った水を集めた大量のビニール袋【7月25日】)

 直近の活断層が動いた

 

(【図1】(左)柏崎刈羽原発周辺の断層 【図2】(右)新潟中越沿岸地震の余震分布図)

 東電は、原発地域にある椎谷(しいや)・真殿坂(まどがさか)の両活断層(図1)の存在を否定し、原子炉建設・運転を強行してきた。05年に東京高裁も、この断層の存在を追及する主張について、「断層ですらないもので、地震の原因にならない」と足蹴にした。
 図2は、余震分布図である。本震の震源断層について地質学者の生越(おごせ)忠氏は、「震源位置から考えると椎谷断層の海底延長部の可能性が最も高い」と言っている。また余震が陸域にも及んでいることから、同原発敷地内を走っている「真殿坂断層も動いたのではないか」と推察している。
 これに対し、東電は原発および余震分布密集群とはかけ離れたはるか沖合の海底断層(図1のA)を震源断層と主張する。原発直近の椎谷・真殿坂の両断層が今回の地震で動いたとする説にこそ信憑(しんぴょう)性がある。東電側の見解は我田引水で、破産は明らかだ。
 柏崎原発の1号機は、耐震設計基準値の2・5倍の680ガルの揺れを記録した。他の号機も大幅に基準値を超えた。防災科学研究所の柏崎市内の地震計は813ガル(加速度の単位)、126・8カイン(地震の大きさを速度で示す単位。1秒間に1・26b動く)の値を示した。全機で使用済み核燃料棒の貯蔵プールの水(水面は上の縁から40a)が外へ飛び散ったことと併せ、地震の激しさが想像できる。
 「考えられる最大の地震も考慮して設計している」と東電は言い続けてきたが、耐震設計基準そのものがデタラメだったのだ。安全係数を3倍以内でとっているから、かろうじて原子炉建屋倒壊を免れたにすぎない。本震源地が南南西にもっと下がっていたり、地震が震度7(1500ガル)以上だった場合、原発震災の地獄が確実に出現していた。甘利明経済産業相は、「日本の原発管理技術は世界で最も安全だと断言できる」とほざき、東電の原発運転を尻押ししてきたが、絶対に許せない。

 自衛隊が演習と治安出動

 災害派遣の名目で自衛隊が出動したが、その中身は北朝鮮・中国侵略戦争へ向けた軍事演習の一環にほかならなかった。イージス艦、戦車揚陸艦、中央即応集団などもくり出し、のべ6千人の自衛隊兵士を動員して、東日本、山陰の部隊を中心に大規模な軍事作戦を展開したのだ。これは、さらに放射能大量放出事故を想定して住民の移動を禁止する目的をもった治安出動でもあった。

 労働者は就労拒否を!

 原発事故でまっさきに殺されるのは電力労働者である。東京電力の労働組合も加盟している電力総連(連合傘下)は、「原子力発電所に重大な事故等があった場合は、最初に被害を受けるのは我々であることから、……原子力発電所の安全性に問題があるならば就労は拒否する」と宣言している。今がその時ではないか。しかし連合中央は、廃炉を主張せず運転再開に同意している。
 電力労働者が団結して原発・核燃施設の労働を一斉に拒否すれば、原発・核燃施設を確実に止めることができる。自分と家族、仲間の労働者そして日本・アジア・世界の労働者階級人民の生命を守るため、原発関連労働者は団結して就労を断固拒否しよう。搾取・被曝労働から自らを解放するために労働組合をつくって闘おう。
 すべての労働者は、改憲阻止大決戦の中で、電力労働者と連帯して原発・核燃廃止、日帝の核武装阻止の闘いに決起しよう。(河東耕二)

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週刊『前進』(2305号4面2)(2007/07/30 )

 安倍の式典出席阻止へ

 全国被爆者青年同盟の8・6アピール

 「原爆投下しょうがない」の久間と安倍を許さない

 人民の命踏みにじる米日帝

 久間防衛大臣は原爆投下に関して、「あれで戦争が終わったんだ……しょうがないと思っている。米国を恨むつもりはない」と発言した。久間を擁護した安倍首相ともども断じて許すことはできない。われわれ被爆2世・3世は、被爆者とともに全身が張り裂けんほどの怒りをもって久間と安倍を弾劾する。絶対に打倒する!
 アメリカ帝国主義は、戦後の世界支配(対ソ対決)に向けて開発・製造した原爆を、実験場としてあらかじめ選んでいた広島と長崎に投下した。そこには日本の労働者と家族、日帝の植民地支配下にあった朝鮮、中国、アジアの被抑圧民族人民、さらにアメリカなど連合軍兵士(捕虜)も存在していた。米帝権力者たちはそのことを十分に知った上で、われわれと彼らを核の実験台にしたのだ。この蛮行を「戦争を終わらせた」「たくさんの命を救った」「資本主義体制を守った」として今も開き直り続けているのが、米帝なのだ。
 天皇や日帝支配層もアメリカ帝国主義と同罪だ! 久間ら日帝支配階級が「原爆投下はしょうがない」などと言って平然としていられるのは、天皇制と日本の資本主義体制の延命こそがすべてで、労働者の命などなんとも思っていないからだ。
 そもそも1945年の初めには日帝の敗戦は完全に確定していた。元首相の近衛文麿は、45年2月の段階でこれ以上戦争を続けると「共産革命」が起こると天皇に言った。しかし天皇は「もう一度戦果をあげなくては、天皇制の維持が保障されるか分からない」と、戦争の終結を引き延ばした。その結果、沖縄戦の悲劇、ヒロシマ、ナガサキの原爆被爆を結果したのだ。
 こんな日帝は戦後ただちに打倒されるべきだった。わが父母、祖父母たちは被爆労働者として、労働者階級の一員として原爆症や差別と闘いながら組合結成に加わり、戦後革命期の闘いを担った。占領軍の弾圧をはね返し、朝鮮戦争での原爆使用阻止へ闘った。被爆者青年同盟は、この被爆労働者の闘いを革命的に引き継ぎ、被爆2世・3世の労働者の団結をつくりだして、核武装と戦争に突き進む日本帝国主義を打倒する。

 改憲は核武装と核戦争の道

 安倍が掲げる「戦後レジームからの脱却」とは改憲をやり、ヒロシマ・ナガサキまで行き着いた帝国主義戦争をもう一度やることだ。被爆者・労働者人民を北朝鮮・中国侵略戦争=核戦争へ動員する攻撃だ。そのために被爆者の「核兵器廃絶」の叫びと闘いをたたきつぶし、被爆者を「国のための尊い犠牲者」として英霊化し、ヒロシマを「靖国」にしようとしている。被爆者を核戦争の実験試料としてきたABCCを引き継ぐ放射線影響研究所に「被爆2世には原爆の影響なし」という報告を出させ、被爆者の闘いを引き継ぐ2世・3世の闘いを根絶やしにしようとしている。
 チェルノブイリの再現もありえた柏崎原発の地震被害は、日帝が労働者人民の命など何とも思わず、核武装のための原発と核燃サイクルを推進してきたことを暴露した。しかし日帝は一切を開き直り、なお原発を動かし、プルトニウム生産と核武装へ突き進んでいる。こんな日帝は一日も早く打倒しなければ労働者は殺される。
(写真 昨年の8・6小泉糾弾デモを闘う被爆者青年同盟)

 怒りの弾劾を叩きつけよう

 8・6祈念式典に安倍が来ることなど絶対に許さない。安倍を広島で迎え撃ち打倒しよう。被爆者の心の底からの怒りをデモで爆発させよう!
 祈念式典は午前8時から平和公園で行われる。私たちのデモ隊は同時刻、川ひとつ挟んで200bまで安倍に肉薄する。安倍は否応なしに私たちの弾劾シュプレヒコールにさらされる。改憲・核武装論者の安倍を広島からたたき出そう。8・6の朝デモに決起しよう!(要項1面)

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週刊『前進』(2305号4面3)(2007/07/30 )

 「骨太方針07」と対決を

 リストラ・労働強化・労組破壊〈労働生産性の向上〉が国策に

 6月19日に閣議決定された「経済財政改革の基本方針2007(骨太方針07)」は、日帝資本家階級が帝国主義間争闘戦の激化の中で、労働者階級に対する階級的攻撃を必死に強めようとするものである。本紙2302号(7月9日付)に続き、追撃的に批判する。

 「5年で5割の向上」を目標化

 安倍は「小泉構造改革」の矛盾が格差問題の爆発、「ロストジェネレーション」、強搾取・殺人的長時間労働、社会福祉の解体などの諸問題の爆発として進行している中で、なおかつペテン的に攻撃を再編しつつ、強行しようとしている。帝国主義の危機、争闘戦の激化の中で、「最弱の環」である日帝が生き残る道は、労働者階級への攻撃、階級支配の強化しかないからである。
 安倍の攻撃のテコとなっているものがいわゆる「成長戦略」であり、その核心は「労働生産性の向上」である。今回の「骨太方針07」の路線的基軸にすえられているものが、これである。
 「骨太方針07」はペテン的に数値目標を後退させているが、〈労働生産性〉については大々的に数値目標をあげている。いわく、「1人当たりの労働生産性の伸びを5年間で5割高める」と。現状の労働生産性の伸び率=年平均1・6%を2・4%にまで向上させるというのである。この「1人の労働者当たりの労働生産性」という言い方そのものに、この政策のおそるべき本質が示されている。
 2月に出された米帝ブッシュの「米国経済白書(大統領経済報告等)」の第2章は「生産性の成長」というタイトルである。「骨太方針07」は、それとぴったり対応している。このことは、国際争闘戦の激化の中で、国際競争力の決め手になるものとして、各国帝国主義が〈労働生産性の向上〉を競い合っていることを示している。
 「米国経済白書」では、労働生産性の向上の要因として、@資本の深化(設備・機械への資本の投入)、A労働者の技能の向上、B効率性の向上を挙げている。
 「骨太方針07」も基本的に同じである。前記@に対応するものはIT化であり、そのための前提となる最先端技術の研究・開発である。Aに対応するものは、教育の資本家的利害へのストレートな従属や、労働者の技能・能力による差別的支配と分断、格差賃金体系である。
 Bに対応するのは、@のIT技術の全面的導入をテコとしたサービス産業の全面的再編であり、核心は雇用労働者の極限的削減である。
 「骨太方針07」では、「生産性向上の阻害要因を徹底的に除去する」と宣言している。1960年の三井三池争議で、職場活動家が「生産阻害者」と呼ばれて指名解雇されたように、資本家にとって「阻害要因」の最たるものは労働組合であり、労働者の団結だ。ここに明らかなように、労働運動をめぐる攻防が日帝の死命を制する重大な決戦となっているのだ。

 民営化・公務員リストラ攻撃

 〈労働生産性の向上〉の国策化は、小泉改革以来の労働者階級への大攻撃をさらに激化させていくものである。〈労働生産性の向上〉を言うとき、まずもって公務員労働者(4大産別全体)への全面的な民営化とリストラが最大級の課題とされているのである。
 「労働生産性」の大幅な向上は、IT技術の導入や新しい機械設備の導入と、それによる労働者数の極限的削減、労働強化、低賃金化で実現される。だから、正規雇用を低賃金の非正規雇用労働者に置き換える攻撃もますます激化する。
 だから、”日本の大企業が国際競争戦で勝利していけば、そのうちに景気が良くなり、労働者−国民の生活は次第によくなる”などというのは百パーセント、デマである。資本が国際競争戦に生き残ることと、労働者階級の貧困化、権利破壊は、ひとつのことの裏表である。
 すべての帝国主義国が、こうした階級的な〈戦争〉を自国および国外で労働者階級に対して繰り広げているのであり、帝国主義間の対立と争闘は激化する一方である。挙げ句の果てには、労働者階級を動員して侵略戦争にのめり込んでいくしかない。

 職場・生産点で怒りの反撃を

 

また、世界経済の長期不況化は早晩不可避であり、金利の上昇も不可避であり、日帝の財政収支の危機が深まっていくことは確実である。「骨太方針07」は、参院選をにらんで消費税攻撃を隠しているが、日帝の国家財政の破綻(はたん)はちょっとした景気動向による税収回復で解決できるものではなく、消費税の大増税との決戦は不可避である。
 この日帝資本家階級、安倍政権に対して、職場・生産点から階級的怒りを爆発させ、労働者階級の究極的解放、帝国主義打倒=プロレタリア革命の勝利に向かって闘いぬこう。

資料 「労働生産性の向上」を叫ぶ骨太方針07

「人口減少下で何より重要なことは、一人当たり生産性の向上である」
「成長力強化はすべての経済政策の基本である」
「今後5年間のうちに労働生産性の伸び、すなわち一人当たり時間当たりの生産性伸び率が5割増に高まることをめざす」
「生産性向上の阻害要因を徹底的に除去する」

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週刊『前進』(2305号4面4)(2007/07/30 )

日誌'07 7月18日〜24日

 柏崎市長が原発に「停止命令」

 米軍再編で岩国2010年着工へ

●柏崎市長が原発施設の停止命令 新潟県中越沿岸地震の影響で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所で火災が発生するなどした問題で、柏崎市の会田市長は、消防法に基づいて発電所内の全基の危険物施設について緊急使用停止命令を出した。(18日)
●イラク撤退法案廃案に 米上院は、イラク駐留米軍の主要戦闘部隊を来年4月末までに撤退させる法案を採決にかけるための動議を否決した。下院では来年4月1日を撤退期限とした同様の法案を可決しているが、上院では採決できず、事実上の廃案となった。(18日)
●沖縄県民大会準備委が発足 沖縄戦の「集団自決」をめぐる日本軍関与の記述を修正・削除した高校歴史教科書検定意見を撤回させるため、「教科書の改ざんに抗議する沖縄県民大会」(仮称)開催準備実行委員会が発足した。検定意見を撤回させる共通目標を確認し、党派を超えた県民ぐるみの大会とするため、県議会議長に大会開催を要請することを決めた。(18日)
●養護学校に装甲車 沖縄県宜野座村の村加工直売センター「未来ぎのざ」の駐車場に米軍の装甲車両が相次いで乗りつけた。さらに、うるま市田場の県立沖縄高等養護学校に米軍装甲車1台が無断で侵入し、同校陸上部生徒20人が走っているコース上でUターンを行った。(18日)
●原発10社、消防不備 経済産業省が全国の原発を調査したところ、原発10社ではいずれも専従の消防隊が24時間常駐せず、夜間や休日は人員を呼び出さなければ出勤できないことがわかった。同省は、使用済み核燃料再処理工場を抱える日本原燃を含む計11社に対し、化学消防車の設置など消火体制の見直しを指示した。(19日)
●「君が代」研修適法の不当判決
入学式や卒業式で「日の丸」に向かって起立せず、「君が代」を歌わなかったとして、東京都教育委員会から懲戒処分を受けて研修を命じられた都立学校教職員127人が、研修は憲法で定められた思想・良心の自由を侵害するとして、都に1人1万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は「研修は思想・良心の自由を侵害しない」として訴えを退けた。(19日)
●柏崎刈羽原発IAEA調査受け入れ決定
 経済産業省原子力安全・保安院は、東京電力柏崎刈羽原発に、国際原子力機関(IAEA)の調査団を受け入れることを決めた。IAEAは2年前から防火対策の不備を指摘していた。(22日)
●「岩国、2010年に工事着工」 在日米海軍のジェームス・ケリー司令官は、在日米軍再編で日米両政府が合意した米海軍厚木基地(神奈川県)の米空母艦載機部隊の岩国基地(山口県)移転に向け、08年末までに移転計画を正式にまとめ、10年から岩国基地で必要施設の工事に着工する方針を示した。(23日)
●V字形沖合移動あらためて否定 防衛省の守屋武昌事務次官は定例会見で、米軍普天間飛行場の移設をめぐって県や名護市が求めているV字形滑走路の沖合移動について、「現在の政府案を変えることはまったくない」と述べ、あらためて否定的な見解を示した。(23日)
●原子炉上クレーン破損、地下浸水2千d
 東京電力柏崎刈羽原発は、6号機原子炉の建屋の天井クレーンが破損しているのを確認した。原子炉の真上にある。また1号機の原子炉建屋近くの地中に埋没された消火用配管が破裂し、建屋地下の電気ケーブル引き込み口から生じたすき間から水が建屋内に入り、放射性物質がある放射線管理区域に約2千dが流れ込んでいたことも分かった。(24日)

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週刊『前進』(2305号5面1)(2007/07/30 )

 イラク戦争 米帝の深まる敗勢

 増派「新戦略」はすでに破綻中東危機で争闘戦も激化へ

 米兵死者3カ月連続100人超 ゲリラ戦争勢力が拡大

 1月のブッシュのイラク「新戦略」によって行われてきた米軍2万1千人の増派は、その後約3万人に拡大され、米軍は6月15日に増派が完了したと発表した。米軍は、この増派完了後「矢じり作戦」と称して、バグダッド市内やアンバル州、ディヤラ州の州都バクバなどで大部隊による掃討作戦を続けている。
 新戦略は、イラク軍・治安部隊を補完的に動員しつつ、米軍が先頭に立って対ゲリラ戦争を進める形で展開されている。これはイラク人を治安部隊として形成して補完させながら植民地支配体制をつくるという計画が破産したことを自認し、新たな再戦争過程に突入するようなものである。
 そしてこの戦略は、バグダッドについては、反米的なサドル派を制圧・制御しつつ、シーア派とスンニ派の間の内戦(宗派間対立)を抑止し、結局スンニ派を屈服させようとするものである。また、中西部スンニ派ゾーンでは、地元の武装勢力とアルカイダ系スンニ派武装勢力とを分断・対立させて、アルカイダ系スンニ派武装勢力を米軍主導による米軍・イラク軍体制でせん滅一掃しようとするものであった。
 しかし、この新戦略はすでに7月半ばで、ほぼ破産が明確になりつつある。米兵を前面にさらす作戦であることによって、当然ながら米兵の死亡数が4、5、6月と急増している。増派米軍の展開と新しい作戦の動向をみていたスンニ派系武装勢力がアルカイダ系を中心として動きを強めており、米軍の月間の死亡者数は、3月が81人、4月は104人、5月は126人、6月は101人となっている。
 開戦以来月間の死亡が100人を超えた月は、04年4月、11月、05年1月、06年10月、12月、07年4月、5月、6月の8回ある。3カ月続けて100人を超えたのは、この4〜6月が初めてだ。米兵の月間死亡数が126人というのは、04年11月の137人、04年4月の135人に次ぐ3番目の多さである。
 04年の4月と11月は米軍がファルージャ掃討作戦を展開した月であり、米軍の直接戦闘であり、また作戦規模も大きかったことによって米兵の戦死も増えている。だが、07年における米兵の戦死者の増加は、イラク人民のゲリラ戦争能力の高まりによって恒常的な米兵の損害の拡大となっているところに特徴がある。米軍の発表でも、07年6月は米軍やイラク治安部隊に対する1日あたりのゲリラ戦争が178件に上っている。米軍の大規模作戦の全力展開にもかかわらず、鎮圧に失敗していることがここにも示されている。

 ゲリラ兵器IEDの威力

 米兵死亡者数の03年3月〜07年7月の総計はすでに3600人を超えている。負傷者数(これも重大な意味をもつ)は2万6千人ものレベルに達している。しかもこれは米軍の発表を集計したもので、ここには心的外傷後ストレス症候群(PTSD)などは含まれていない。米復員軍人省(VA)によれば、今年初めの段階で15万人以上の帰還兵が傷病手当金を受給しているのだ。
 米兵の死傷の増大は、ゲリラ兵器としてのIED(手製爆破装置=仕掛け爆弾)による米軍車両の爆破が着実に増加していることが大きい。今や米兵の死者の約70%がこのIEDによるものである。しかもIEDが高度化され、戦車や装甲戦闘車両の装甲を確実に貫くものになったため、乗員全員が死亡するというケースが増えている。米軍はこれに対して戦闘地域では車両から出て歩くようにしているが、そうするとゲリラ兵士の小火器で攻撃されるという状態に陥っている。
 米帝は、このIEDについて、イラン製の武器だと言ってイランに圧力をかけているが、旧軍の砲弾の改造などで大量に生産できるもので、イランを脅せば解決するというものではない。
 また、アルカイダ系は、米軍車両を待ち伏せし、数人のゲリラ兵士が一斉に手製爆弾を投げつける方式を展開し始めていて、米軍兵士が一度に数人死亡するという、新しい戦闘方法をあみだしつつある。これも米兵の大量露出を伴う作戦の弱点をつく戦術として、米軍にダメージを与えている。これらの戦闘方法の発展は、ゲリラ戦争としての恒常性をより強く獲得するものである。
 また内戦化という点でも、米帝の戦略が@シーア派やクルド民族に政治的主導権を与えて、A石油資源などについても連邦制のもとで地域政府の権限を一定認める形で、Bカイライ政権をデッチあげ、その下にスンニ派をくみしくというものである以上、スンニ派系人民の怒りの爆発とスンニ派系武装勢力の戦闘行動を抑えることは不可能である。したがって、スンニ派系の国際性をもつ武装勢力としてのアルカイダ系を、スンニ派部族やスンニ派系武装勢力と対立させて一掃しようとする新戦略なるものは、所詮(しょせん)成功するものではない。
 また、米帝はスンニ派の地元部族有力者の引き込みを必死で画策しているが、そうして持たれるはずだった会合の場所がスンニ派武装勢力の自爆戦闘を受け、裏切り者の部族指導者が一気にせん滅されるなど、米帝の思惑は完全に外れている。
 実際、この間の内戦化の様相をみてもそれはいえる。つまり、スンニ派系の怒りが米帝と結託するシーア派に向かって爆発することは不可避であり、そしてそれを抑圧するためにカイライ政権側のシーア派民兵が激烈なあくどい行動をとることはまた不可避なのである。この間の米によるイラク侵略戦争下の内戦での、イラク民間人の死亡者数の統計をみても、内戦化の勢いは再び激化の方向に向かっている。
 民間死亡者数は、4月1498人、5月1951人となって、増加しつつある。かつて最も激しく内戦状態が激化したときの月3千人に対して、約2千人となってきている。米軍の今日の軍事力では、結局イラクの全面的制圧などできないのである。
 しかもこの間、米軍の空爆による民間人の死者が一層増加している。米軍は、戦死者の増加を抑えるために武装勢力との地上戦を行わず、武装勢力がいたと思われる建物を空爆するやり方をとっており、家族全員が空爆によって殺されるというケースが圧倒的に増えているのだ。こうした米軍の作戦自体がイラク人民の怒りを駆り立て、ゲリラ戦争勢力がさらに大衆的支持のもとに拡大しているのである。

 ブッシュの国内支配も危機 労働者の総決起情勢に

 このように、すでにブッシュの新戦略―最後のかけは破綻(はたん)し、米軍は敗北しつつある。そうした中で、米帝下のプロレタリアートのイラク侵略戦争への反対は、いまや決定的なものになりつつある。イラクでの最も汚い戦争に駆り立てられ、膨大な死者や、それに10倍するような重傷を負わされたり、心的障害を強制された兵士の数の意味するものは何か。これらの兵士たちの圧倒的大多数はまさにプロレタリアート人民大衆なのだ。このことへのプロレタリアートの階級的怒りはもはやおしとどめようもない。
 ブッシュ政権の支持率が26%、イラク政策支持率が23%という世論調査結果の示していることは、ブッシュの国内支配も完全に破綻しつつあるということだ。ブッシュ政権のボロボロ化の中で、ブッシュ批判を開始する政府高官や軍人などが続出している。
 08年大統領選をめぐる情勢は、共和党の敗勢が強まる中で、国際的な帝国主義間・大国間の争闘戦を激化させることは不可避である。米帝がイラク、アフガニスタンを始め中東情勢で苦況にある中で、独仏などの帝国主義が隠然・公然と対米対抗を強めることが避けられないからだ。
 それと同時に、この情勢は内外のプロレタリアートの決起を決定的に促進する。とりわけ、石油強奪のための不正義の侵略戦争に駆り出され、低賃金と無権利化の中で生活破壊に追い込まれているアメリカ労働者階級が、民主党・共和党という2大政党の枠組みを打ち破って登場する情勢がつくり出されている。労働者人民は、ブッシュ与党の共和党だけでなく、イラク戦争に賛成し、支持してきた民主党にも怒りを強めているからだ。

 全中東・全世界の地殻変動へ

 また、イラクでの米軍の敗勢・敗北は全中東・全世界に波及し、地殻変動を生み出しつつある。
 特に今回、パキスタンで神学生が宗教施設「ラール・マスジード」に立てこもったことへのパキスタン軍の武力鎮圧が内戦に発展していることは決定的に重大である。アフガニスタン侵略戦争がタリバンの巻き返しで泥沼に入るとともに、パキスタン内戦へとへと拡大しているのだ。
 アフガニスタンではタリバンの巻き返しの中で米・英・独・仏などのNATO軍は直接の地上戦闘では対抗できず、辺り構わず空爆することで対抗しており、それがアフガン人民の犠牲者を増大させている。アフガン人民の怒りは深く、あちこちで暴動が起こっている。もはや米英、NATO軍のアフガン侵略は、勝利の展望などまったくない泥沼に入っているのだ。アフガニスタンのゲリラ戦争も、イラクのゲリラ戦経験を活用して戦われている。アフガニスタン侵略戦争は完全に新段階に突入している。
 米帝のイラク・アフガン侵略戦争の泥沼は、帝国主義の中東支配の根幹であるパレスチナ情勢にも決定的に波及している。米帝とイスラエルがファタハのアッバス議長を使ってハマスをガザ地区からたたき出そうとした策動が破産し、逆にファタハがガザからたたき出された。これは米帝・イスラエルにとって戦略的大打撃である。アッバスは、緊急事態政府をデッチあげ、暴力的にパレスチナ評議会の選挙を強行しようと焦っているが、選挙自身がパレスチナ情勢を一段と混乱にたたき込むことは明白であり、アッバスの裏切り性はさらに大衆的に暴かれていくことになる。
 米帝のイラク侵略戦争の敗勢は、米住宅バブルの崩壊と相まって帝国主義間争闘戦の激化とともに、労働者階級人民の巨大な決起を呼び起こすことは不可避である。今まさに世界革命に向けて決定的な情勢が訪れようとしているのである。

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週刊『前進』(2305号5面2)(2007/07/30 )

 天神峰本部裁判

 仲戸川裁判長を忌避

 1日で却下に 早期結審策動許すな

 7月20日、千葉地裁民事第3部(堀内明裁判長)は、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団による同地裁民事第5部の仲戸川隆人裁判長らに対する忌避申し立てをわずか1日で却下する反動的決定を行った。こんな不当な訴訟指揮容認は絶対に許されない。天神峰現闘本部裁判を年内に結審させ、反対同盟つぶしの攻撃にゴーサインを与えようとするものだ。
 7月19日、同裁判の第17回口頭弁論が千葉地裁で予定されていたこの日午前、反対同盟と顧問弁護団は、仲戸川裁判長以下3人の裁判官に対する忌避申し立てを行い、開廷は中止となった。
 弁護士会館で記者会見を行い、葉山岳夫弁護士が解説した。「状況は差し迫っている。原告の空港会社(NAA)は『新しく建てた建物に旧現闘本部建物が解体・吸収されたから登記は無意味だ』と言っている。われわれは、頑丈な梁(はり)や柱があるしっかりした建物がそこに現存していると主張している。だったら現場検証を行うのが当然だろう。ところが裁判所は検証申し立てをことごとく退けるだけでなく、旧現闘本部建物の建築に携わった人びとの証人調べまでも拒否して、たった3回の弁論で証人調べを終わらせ結審しようという意図をあらわにしてきた。明らかに原告NAAの主張に沿ったもので、公平な訴訟指揮を期待することはできない。よって忌避という措置をとらざるをえなかった」と語った。
 続いて出席した弁護士全員が、忌避申し立てに込めた拙速裁判を許さない決意を表明した。
 北原鉱治事務局長が発言した。「現地調査には私自身が責任者として案内すると言ってきた。現場をまったく見ずに拙速裁判を進めるのは不公平でおかしい。正義はこちらにある」
 記者の質問に答えて、旧現闘本部はがっしりした農家造りの建物で、「廃港の日まで闘う」との決意で同盟員が材木を持ち寄って造られたことが説明された。
 会見後、その場は仲戸川裁判長への抗議の決起集会に切り替わった。萩原進事務局次長が口火を切った。「現状を見ないなんて話にならない。また裁判所は、一日中証人調べをやってあと2〜3回で裁判を終わらせようという意図を露骨に示してきた。断じて認められない。年金問題などでの安倍政権の居直りを許さずに闘おう」。本部役員の鈴木幸司さんは、「検証まったくやる気なし。これが本当に裁判官なのか。改憲を進める安倍と同類だ」と弾劾した。
 支援する会群馬世話人の青柳晃玄さんは「忌避を断固支持する。市東さんの耕作地を守り、裁判を支援する会を全国に広げよう」と訴えた。関西実行委の安藤真一さんは「私は建築に携わった人の話をぜひ聞きたい」と語り、関西での取り組みを報告した。
 最後に鈴木謙太郎さんが「拙速審理を許さず、却下されても高裁で闘う」とまとめを行った。
 この翌日、千葉地裁はわずか1日で忌避申し立てを却下したのだ。追いつめられた敵の姿が見える。耕作地取り上げを許さず、本部裁判に勝利しよう。
(写真 記者会見で裁判官忌避の正当性を訴える反対同盟と弁護団【7月19日 千葉・弁護士会館】)

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週刊『前進』(2305号5面3)(2007/07/30 )

 法大弾圧裁判が始まる

 新井君 友部君 “腐りきった当局裁く”

 第6波総長室デモ打ち抜く

 4・27法大弾圧裁判の初公判が7月26日、東京地裁刑事第18部(福崎伸一郎裁判長)で開かれた。4月27日に不当逮捕された法大生、新井拓君と友部博文君は元気に出廷し、傍聴に集まった友人と3カ月ぶりに再会した。両君は冒頭意見陳述で「ついに法大当局・国家権力の腐りきった数限りない悪行を全社会的に暴き、全国の学生・労働者の手で裁く裁判が始まった」と断固たる戦闘宣言をたたきつけた。
 4・27法大弾圧は、「不当処分撤回! 独裁者=平林総長打倒!」を掲げた法大集会を圧殺するために、法大当局と警視庁公安部が結託し、虚偽の「暴行」をねつ造した事件だ。学生部長・安東祐希を始めとする法大教職員は、新井君・友部君を暴力的にキャンパスから排除するとともに、「暴行」事件をデッチあげて警察権力に2人を売り渡したのだ。
 法大生と全学連は昼休み、法大外濠(そとぼり)校舎前で集会をかちとり、第6波総長室包囲デモを打ち抜いて東京地裁に結集した。
 午後2時半、地裁の傍聴券配布所には、傍聴席数を倍する仲間が集まった。被処分者やサークルの仲間、家族、統一OB会、ビラやブログを見てやってきた法大生、都内と全国の学生、青年労働者……。実に多くの人が裁判に注目している。
 公判では、まず友部君が「3・14弾圧以来、法大当局が警察と結託し、どれほどの悪行を繰り返してきたのか。裁かれるべきは新井さんでも私でもなく法大当局だ」と腹の底からの怒りをこめて当局を弾劾、「この裁判をとおして団結を拡大し必ず勝利しよう」と締めくくった。
 新井君は「法大当局の弾圧は、学生の怒りが拡大する中で完全に破綻している。平林独裁体制を打倒する全学ストライキの機は熟している。私は『労働運動の力で革命をやろう』と決起している青年労働者とともに、未来をかけプロレタリア革命に向かう闘いとして闘いの先頭に立つ」と烈々たる決意を表明した。
 続いて河村健夫弁護士が意見を述べ、大学自治と建学の精神を裏切る平林総長路線の腐敗、その中で数々の刑事弾圧に手を染めてきた法大当局の悪行を暴いた。そして、そもそも本件は大量の教職員が暴力的に両君を引きずり学外に排除し、警察に売り渡したのであり、両君に暴行の事実はなく無罪であることを理路整然と明らかにした。
(写真 第6波総長室包囲デモで怒りのこぶしをあげる)

 両君を「支える会」結成

 公判終了後、「新井君・友部君の裁判闘争を支える会」の結成集会が弁護士会館で開かれた。
 冒頭、河村弁護士と藤田正人弁護士があいさつした。河村弁護士は、第1回公判の内容と今後の裁判の争点を解説、「2人の意見陳述は堂々としていた。本番に強い」とたたえた。藤田弁護士は「分離公判の決定を覆し、東京地検による『期日前整理』の要求もはねのけ、勝って今日の第1回公判を迎えた」と公判を振り返った。
 続いて、参加した法大生が「2人の堂々たる意見陳述を聞いて『今日は勝ったな』と思った」「今の法大の現状、日本の現状は好きになれない。現状を変えるための活動こそ尊重されるべき。それでこそ大学ではないか」「不当処分の動きがサークルにも拡大している。一歩も引けない」と次々と発言した。
 救援連絡センター事務局は「期日前整理、東京地検公判部機動班の動きなど、司法改革を許さない闘いとしても重要な裁判だ」と訴えた。
 被処分者の学生は「一人でも、一歩も引かず闘う学生がいれば必ず勝利できる」「さらに団結を拡大し、キャンパスで平林をぶっ倒す大運動をつくろう。学生が法大の権力を取り、法大から革命をやろう」と提起した。
 最後に司会の被処分者の学生が「2人は自らの存在をかけて闘っている。2人を一刻も早く取り戻し、一緒にキャンパスで闘いたい。そのためにも、大きな支援陣形をつくっていこう」と結成集会を締めくくった。
(写真 多くの学生・労働者が集まり「支える会」を結成【7月26日 弁護士会館】)

 次回公判は9月14日(金)午後2時半から、東京地裁429号法廷。全力で傍聴に集まろう。

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週刊『前進』(2305号6面1)(2007/07/30 )

団結ひろば 投稿コーナー

 軍命削除は沖縄の人の心に火をつけた! 沖縄 佐和田由子

 7月19日、那覇市の教育福祉会館で「沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会」主催で大江岩波訴訟7・27公判前学習会が開かれた。
 沖縄タイムス編集委員の謝花直美さんが「軍命によって追い込まれた住民―現地取材を通して見えてきたこと」と題して基調講演を行った。謝花さんは「集団自決」のあった渡嘉敷・座間味島で聞き取り調査をし、その実相を「命語り(ぬちがたい)」というタイトルで連載記事にしている。
 謝花さんは「軍命削除は沖縄の人の心に火をつけ、怒りが高まった。インターネットで沖縄の新聞は左翼新聞とバッシングを受けているが、住民の怒り、悲しみ、苦しみがわれわれの背後にあり、体験者が声をあげてくれたから」と確信に満ちた表情で語った。
 「集団自決」への軍命削除のきっかけは05年5月の「沖縄プロジェクト」(自由主義史観研究会が沖縄に来て「集団自決」を抹殺しようとしたこと)にある。
同年8月、戦争当時の座間味島、渡嘉敷島の日本軍隊長とその遺族が「隊長の自決命令はなかった」と主張し、大江健三郎氏と岩波書店を大阪地裁に提訴した。
 謝花さんは渡嘉敷・座間味での取材について、「これだけ断られる取材はほかにはない。玉砕場にいた人の話は圧倒され、聞いていても受け止めきれない」「口を開き始めた人の生き様を伝えることで、軍命を否定し、『国家のための美しい死』としようとする人びとへのストレートパンチにしたい」と語った。
 主催者は、大江岩波訴訟を家永裁判のような支援体制で闘おうと、訴訟支援と次回公判の傍聴が訴えられた。

 「1票の反乱」で済まない。まじ、革命だ! 医療福祉労働者 安田大

 きょう、職場に参院選の自民党候補が県議を連れてあいさつに来ました(事前運動)。「皆さん、○○先生は、権利権利ばかりでなく、前々から教育基本法の改正についても公の論理を主張して来られた立派な方です」
 ふーん、そうなんだぁ。
 ところで、公の論理といえば、事務所費を“公”開しないで、自分たち国会議員の権利ばかりをむさぼって来たのは誰なんだ?
 年収200万の青年からも、税金、年金を公的にしぼり取り、国会議員は事務所費だけで1000万がうやむやなんて!
 公的な社会保障を民間に売り渡して、私たち職員は不安定な職になり、入所者の生活もズタズタ。それもこれもみんな、あんたがこの6年間、国会で決めてきたことじゃないか。誰も知らないと思っているのか? この次は改憲を出してくる6年です。
 私たちは奴隷じゃない。この怒りが「1票の反乱」で済むわけないでしょ。
 まじ、革命だ!

 ■中越沖地震と原発事故 勝俣よ!いいかげんにしろ 新潟市 増田信一

 7・16中越沖地震の2日後、東京電力社長の勝俣は「原子力特有の設備は安全で無事だ。今回のことをいい体験とし、世界一安心、安全な原発として再構築したい」と語った。放射能漏れという重大な事態を引き起しながら、その責任すら感じていない。
 勝俣よ! そもそも原発の下に活断層があることは、1974年に住民が指摘し、柏崎刈羽原発設置許可取消訴訟でも明らかにされてきた。それを否定してきたのはお前らと政府だ! 18日に地元の労働組合や住民団体が激しく抗議したのはあたりまえだ。
 また、東電の職員は家族に「各室内はめちゃくちゃ、破損箇所も数え切れない。被害総額も復旧のメドもわからない。上から口止めされている」と語っているという。私は地震の翌日、水とガスボンベを持って組合関係者の救援のために原発付近の道路を通ったが、炉心から数百bの路上は波をうっており、勝俣の発言は誰も信じていない。
 安倍は参院選を意識してまず柏崎原発を訪れたが、そのパフォーマンスに誰もごまかされない。安倍や経済産業相・甘利は「厳しく反省してもらわなければ」と言うが、原発を推進してきた自民党にその資格はない。
 今回の地震の死者10人はすべてが高齢者だ。「高度成長を支えてきた」労働者とその家族であり、地震で倒壊する家屋に住まわざるをえなかったのだ。一方で税金を投入して1機5000億円の原子炉をつくりながら、一方で「ウサギ小屋」のような住宅が放置されてきた。この結果であり人災なのだ。
 原発を推進してきた連合、電力総連は沈黙を続けているが、彼らを打ち倒し、われわれ労働者こそが決着をつけなければならない。

 ■中越沖地震と原発事故 柏崎小学校に安倍が来た時 柏崎 海野啓

 地震発生の16日夕方、安倍が来柏した時の話。テレビ局が常駐している避難所である柏崎小学校に安倍が来たら、すぐに炊き出しが始まった。
 一方、他の避難所は食料を求めて大行列。菓子パン一つも配られない。食べ物もなく空腹で夜をすごした。深夜、子連れの女性が「何かありませんか」と頼んでも、物資がないと門前払い! だが、クラッカーと缶詰のシチューが段ボールに山積みになっていた。
 地震直後の道路は瓦礫(がれき)とホコリで大変だった。安倍がこの道路を歩く予定! するとホウキとチリトリを持った集団が一斉に掃除を始めた。一方でホコリまみれになって被災者を救護する市職員や市民消防団。市立保育園の保育士さんも不眠不休で風呂も入れずに頑張っている!
 ホウキとチリトリを持った集団は自衛隊と内閣府の役人だった! 大量の物資が配達できない理由は、市職員の数が足りないから。
 安倍のあとに掃除された道路を歩いて避難所に来た小池百合子。最初に指示したのは「避難所の食事のメニューに工夫を!」だった。水もガスも不自由でおにぎりもありがたいと感謝しているのに! 読売や産経は1面に「官邸の迅速な対応」とヨイショ!
 小池百合子が食事のメニューに工夫を、と言ったらカレーからシチューも出したらしい!
 原発については怒りがすごい。地元紙と市長も徹底的に批判! 柏崎港は自衛隊の輸送船や駆逐艦など多数入港! 自衛隊や米軍はトリアージやロジスティックスなどの軍事訓練を最優先。倒壊家屋も千戸どころではない。倒壊や半壊家屋はどんどん増えている!

 ■中越沖地震と原発事故 東京電力本社前で抗議集会 東京 小野正春

 7月25日正午から小1時間、新橋近くの東京電力本社前で、東京の反原発諸団体、市民30余名が集まり、柏崎刈羽原発の地震火災放射能漏れに抗議した。新潟県出身の自分としてもこれは無視できないことなので、怒りをもって参加した。
 まず、ストップザもんじゅの高木代表が、「7月16日に起きた中越沖地震は原発で火災を発生させ、絶対漏れてはならない放射能汚染水を大量にあふれさせた。東電は事故を隠蔽(いんぺい)せず情報を公開せよ」と口火を切った。
 次いで、たんぽぽ舎の柳田さんが「きょうの新聞を見てください。火災は別棟。重要な器機はなんともないと東電勝俣社長は言ってきたが、原子炉建屋6号機のクレーンが破損しているではないか」、山崎さんが「マグニチュード6・8という地震は特別大きいものではない中程度だ。『原発は地震に耐えられる』というのは現在の地学や科学を無視否定するものだ」と続く。
 菅井益郎國學院大教授が、「自分は刈羽出身。原発には当初から取り組んで、警告し続けてきた。地盤が悪い、断層があるなんてことは地元ではみんな知っている。切り通しで目でも見られるし、道路が陥没し何回土を盛ってもまた低くなるので今では橋を架けている。東電は知らぬ顔をして原発をつくった」。
 東電は警察を呼んでわれわれを追い払うこともできなかったが、「電力不足になる」と卑劣な情報操作を行い、運転再開を早々と狙っている。絶対に許せない。すべて廃炉にしよう。

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週刊『前進』(2305号6面2)(2007/07/30 )

 関空 8・2 2期開港を許すな

 “軍事空港化を阻む”

 7・22 泉佐野で150人がデモ

 7月22日、大阪・泉佐野市の末広公園で「関西新空港2期開港に反対する全国集会」が大阪湾岸住民4団体と関西反戦共同行動委員会の主催で開かれた。地元住民・労働者50人を中心に150人が参加した。
 安倍政権は、8月2日に関空2期事業を開港する。泉佐野現地で「関西新空港2期供用開始阻止・新陸上ルート案反対! 関空の軍事空港化絶対反対!」をスローガンに2期開港を許さない強い気持ちを出して集会を行った。
 便数が減りガラガラ、赤字経営で、関空2期事業はまったく必要ない。国土交通省は、当面「朝と夕方のラッシュ時しか使わない」と言うのだ!
 では、2期供用開始を急ぐのはなぜか。朝鮮侵略戦争計画=「日米共同作戦計画5055」のためである。関空2期は米軍が使う軍事空港として建設しているのだ。
 集会は、安藤真一淡路町空港反対同盟事務局長の司会で始まった。
 山本善偉東灘区住民の会代表が「2期を造る必要はない。戦争を阻止する力がここにある。仲間を増やそう」と主催者あいさつを行った。
 連帯のあいさつは、三里塚反対同盟の伊藤信晴さん、弾圧を跳ね返して闘う全日建連帯労組近畿地本副委員長の川村賢市さんが行った。
 伊藤さんは、「三里塚41年と関西39年の闘いは安倍の弱点を握っている。改憲前に三里塚闘争つぶしを狙っている。市東さんの農地を守り、必ず勝とう。10・7三里塚へ」と力強く訴えた。
 川村さんは、5波にわたる関生弾圧支援へのお礼と7・1反弾圧集会の成功を報告し、関空2期に反対してともに闘う連帯のあいさつをした。
 全国被爆者青年同盟が、久間発言と日米帝の核政策、柏崎刈羽(かりわ)原発事故の情報隠しを弾劾し、「核武装と改憲は一体で行われる。8・6広島で安倍を打倒しよう」と訴えた。
(写真 2期供用反対!関空の軍事使用を許さないぞ!と泉佐野市内をデモ【7月22日】)

 労働者に矛盾しわよせ

 次に、基調報告を泉州住民の会事務局長の国賀祥司泉佐野市議が行った。国賀さんは、「関空2期事業は必要ない。便数は11万6千回しかない。2期供用を開始すれば借金は9千億円も増え、合計2兆円にもなる。6月に『国際貨物ハブ空港』構想を発表し、アジア市場を巡る争闘戦に関空を拠点に乗り出すことで関空の危機をのりきろうとしているが、展望はない。また、『日米共同作戦計画5055』を進めるため、春から関空や市立病院の現地調査を始めているが、市や大阪府、関空会社は『承知していない』と隠している。軍事機密扱いで戦争計画を立て、労働者、住民を動員していく、これは実質的な戦争体制であり、戦争国家だ。関空2期阻止は朝鮮侵略阻止闘争だ」と関空闘争の核心を提起し、さらに新陸上ルートや空港借金、市立病院の危機など地元への矛盾しわ寄せの激化を弾劾した。
 泉州住民の会前代表・森田恒一さんと動労千葉・田中康宏委員長、部落解放同盟全国連荒本支部・阪口克己支部長からメッセージが寄せられていることが紹介された。
 明石住民の会のカンパアピールに続き、泉州住民の会、東灘区住民の会、関西労組交流センター、関西合同労組泉州支部、解同全国連、婦人民主クラブ全国協議会、全学連から力強い決意表明が行われた。泉州住民の会の青年労働者が集会決議案を読み上げ、8月2日関空会社にたたきつけることを拍手で確認した。
 最後に永井満・淡路町空港反対同盟代表が集会のまとめを行った。「40年前、淡路島から始まった空港反対運動は、一貫して軍事空港を造らせてはならないと闘ってきた。また空港ができれば必ず陸上を飛ぶと予測してきたが、そのとおりになってきた。憲法があっても軍隊を戦場に送っている。約束をひっくり返し、平和を覆そうとする者に対し全力で闘おう」と訴えた。
 さあ、デモ出発だ。宣伝カーを先頭にりんくう公園マーブルビーチまでデモ行進した。公園にいた若者や家族連れが声援を送ってくれた。デモ隊は対岸の関空島に向かって、「2期供用開始を許さないぞ!」「関空の軍事空港化を絶対阻止するぞ!」と大きなシュプレヒコールをあげて、8月2日、2期供用開始を阻止する闘いを誓った。
(写真 末広公園で開かれた集会で基調報告を行う国賀祥司市議【7月22日 大阪・泉佐野市】)

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週刊『前進』(2305号6面3)(2007/07/30 )

 “無期の獄から解放を”

 高崎で星野全国総会開く

 

 7月13、14の両日、群馬県高崎市で「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の07年全国総会が開催されました。星野文昭さんが学生時代を過ごした高崎経済大学のある群馬の地に全国から集い、星野文昭さんをなんとしても取り戻そう、無期の獄から解放しようと、熱い思いがみなぎる総会としてかちとられたことは、決定的な意義があったと思います。
(写真左 星野釈放へ熱心な論議【7月14日 群馬・高崎】)
(写真右 講演する和久田修弁護士【左】。右は星野暁子さんと兄の星野治男さん)

 2日間にわたった総会には、台風直撃で飛行機が欠航したため参加できなかった沖縄を除く全国16の救う会の代表、55人が参加しました。
 最初に6月8日に逝去された母・星野美智恵さんに黙祷しました。
 開会のあいさつで柴田作治郎共同代表は、「星野文昭さんが自分はやっていないと、これが星野再審運動の原点。これを運動のエネルギーとしてこじ開けていこう」と決意を込めて訴えました。
 お母さんを最後まで看(み)取った兄の星野治男さんが、半年にわたった美智恵さんの闘病を報告した後、「群馬は文昭の原点。これからの新しい運動のきっかけになればよい」と語りました。妻の星野暁子さんは、出版された詩画集について「20年間、無期懲役と闘ってきた生きるメッセージを絵に込めている。運動に生かしてほしい」と呼びかけました。
 沖縄の平良修共同代表のメッセージが読み上げられた後、全参加者が自己紹介しました。

 4救う会発足

 私が基調報告を読み上げて提案しました。1年間の闘いを振り返り、特に美智恵さんの病状が悪化した1月以降、「文昭さんをお母さんに会わせたい」という思いが全国に広がり、刑の執行停止を求める裁判所前ハンストが行われ、「上申書」署名は総計4007筆に達しました。この1年間、全国に新たに四つの救う会が発足し、9月にも新しい会がつくられようとしています。
 08年に向けた運動として、星野文昭さんの釈放要求を前面に掲げようと提起しました。あらゆる運動を「星野さんを直ちに出せ」という声に集約して闘っていくのです。各地で行われた絵画展と「上申書」署名が、この間の前進の大きな武器になっていることなどを確認しました。
 1日目の議事の最後に共同代表の松永優さんがまとめを行いました。
 夜の交流会では、地元の方のフルート演奏、三線やバイオリンまで飛び出し、各地の参加者が次々と報告を行って交流を深めました。

 12・1東京集会

 2日目は、地元を代表しての青柳晃玄さんの歓迎あいさつに続いて、再審弁護団の和久田修弁護士が講演を行いました。ホワイトボードに地図と時間を記入しての説明は分かりやすく、参加者は確定判決の矛盾をあらためて確認しました。
 昼食の後は、「奥深山さんの免訴を実現する会」からの報告があり、その後、方針をめぐる討論が活発に行われ、新たな署名運動を強力に発展させて、12月1日の全国集会を成功させようと確認しました。
 共同代表でもある星野暁子さんがまとめと閉会のあいさつを行って、全国総会は終了しました。

 「圧殺の森」上映

  全国総会と並行し、7月12日から16日まで高崎シティギャラリーで「星野文昭絵画展」が開かれ、地元紙でも報道されました。延べ300人が訪れ、大盛況でした。12日には、同じ会場で「群馬星野文昭さんの再審を実現する会」の第10回総会も行われました。
 さらに14日には、シネマテーク高崎で映画「圧殺の森」が上映され、早朝8時からにもかかわらず満杯の盛況でした。
 当時の文昭さんを知る人びとも駆けつけ、あらためて星野さんを一刻も早く取り戻そうと誓い合いました。全国の皆さん、ともに闘いましょう。(群馬星野文昭さんの再審を実現する会/伊藤成雄)
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獄中の星野文昭さんに暑中見舞いを出そう

(送り先)〒779―3133徳島市入田町大久200―1 星野文昭様
(星野さんからの発信は制限されています)

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週刊『前進』(2305号6面4)(2007/07/30 )

党学校通信  マルクス・エンゲルス『共産党宣言』

  07年度第8期党学校が開講し、第1課、マルクス・エンゲルス『共産党宣言』の講義と討論が行われました。受講者の感想を掲載します。(編集局)

 労働者が革命の主力部隊だ F 

 今回の提起は、マルクスが当時のエセ社会主義諸党派と論争しつつ、自らの共産主義理論を形成していった過程がよくわかりました。プロレタリアートのブルジョアジーへの怒りを反動的に組織していった封建的社会主義、階級闘争から超越したところに身を置いた観念論的なドイツの「真正」社会主義、労働者を救済の対象としてみているプルードン派に対して、労働者こそ来るべき革命の主力部隊なのだと主張したのが、『宣言』第3章です。
 プロレタリア革命の主体は、いうまでもなく労働者階級自身です。この事実に立つのか立たないのか、マルクスは、われわれに対して『宣言』のまとめをとおして問うているように感じました。
 講師も強調していたように、マルクスは、単に政治革命としての意味で暴力革命を強調していたのではなく、賃労働と資本という所有関係を転覆するという労働者階級の蜂起として提起していたのです。
 階級的労働運動路線をめぐる討論の深化が問われている今だからこそ、この点を「前提」であるとして素通りするのではなく、ガッチリと押さえていかなければならないと感じた次第です。

 プロレタリアの側への獲得 P 

 ルンペン・プロレタリアートについての討論が非常に良かったと思います。マルクス主義に対する批判のひとつとして、「ルンペン・プロレタリアートを腐敗した連中であると非難している」という批判があります。しかし、『党宣言』は、「ルンペン・プロレタリアートとは、旧社会の最下層の人びとの受動的な腐敗現象」と規定しているわけであり、資本主義の成立期の歴史的事態として言っているということがわかりました。批判する人たちは、マルクス主義者が、今日のホームレスの人たちなどを「ルンペン・プロレタリアート」として非難していると言わんとしているわけですが、まったく的はずれだということです。そういう人たちについて、帝国主義段階の過剰労働力の問題としてとらえていくことで整理できると思います。
 今回、1840年代のヨーロッパの労働者の闘いと、その中で、マルクス・エンゲルスの闘いが位置づけられて提起され、理解が深まりました。とりわけ正義者同盟−共産主義者同盟への飛躍とそこでのヴァイトリングとの討論が大きな意味を持ったということです。ヴァイトリングの思想(キリスト教的友愛思想)からプロレタリアートを解放主体とする思想への飛躍が成し遂げられ、組織としてもプロレタリアートの党としての共産主義者同盟への飛躍がかちとられたということです。
 ここにおいては、マルクス・エンゲルスが一方的に労働者をオルグしたということではなく、労働者の側におけるヴァイトリングの思想からの脱却と、マルクス・エンゲルスがプロレタリアートの側に獲得されたという面があったということです。この面については、これまでの学習でも学んではきましたが、よりプロレタリアートの闘いに結合した形であったのだと理解できました。

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