ZENSHIN 2007/11/12(No2319 p06)

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第2319号の目次

11・4銀座デモ。戦争・改憲と民営化・労組破壊に怒りが大爆発 11・4全国労働者集会後、銀座・数寄屋橋で道いっぱいに広がるデモを実現。警察と右翼を圧倒し、労働者階級の怒りをたたきつけた

1面の画像
(1面)
11・4の団結の力で帝国主義打倒へ
対テロ給油新法絶対阻止を
4大産別の労働者の闘い先頭に階級的労働運動の全面的発展へ
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10・17法大弾圧
クラス討論で不当起訴 法大闘争の前進でうち破れ
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(2面)
闘う労組の全国ネットへ3労組共闘の新たな挑戦が始まった
職場から闘い巻き起こそう  11・4集会 日韓米が団結固く
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(3面)
闘う労組の全国ネットへ3労組共闘の新たな挑戦が始まった
デモの熱気受け交流  “今日から新たな闘いを”
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不起立世界とつながる
11・3国際連帯集会 日米韓教育労働者が合流
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(4面)
「生産性向上」で労組破壊狙う
「骨太方針」への回帰を絶叫  資本の焦りを示す御手洗講演
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民主労総三里塚へ  反対同盟と労農連帯の誓い 記事を読む  
農地取り上げ違憲訴訟 市東孝雄さんの陳述
祖父の代から90年間耕作 精魂込めた農地なぜ奪う
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「自立支援法」廃絶へ
日比谷に6500人  「障害者」らの怒り結集
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2007年日誌 10月31日〜11月6日
「集団自決」で2社が訂正申請  対テロ特措法期限切れで撤収
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国労5・27臨大闘争弾圧公判日程 記事を読む  
(5面)
改憲派の正体さらした民主党
福田政権救済に動く小沢  「国連」タテに侵略派兵推進
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起訴弾劾!法大を学生の手に奪還する!
平林打倒の包囲デモへ
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自治体職場からの報告
人事評価導入許さない  職場ビラと団交で追及
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浜岡原発 差し止め拒む反動判決  安全無視の暴論に怒り 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
世界の労働者と手をつなぎ政権倒したい 東京 田中康子
東北大学への11・6不当捜索を弾劾する 東北大 青葉繁
金剛山歌劇団への排外主義を跳ね返す 岡山 物理重久
吉田義久さんの画期的反核本出版を祝して 東京 南村久史
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12・1星野全国集会へ  星野暁子さんが参加を呼びかけ
絵も詩も2人で積み上げてきた  33年目の獄中から取り戻したい
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沖縄戦と教科書 B
有銘政夫さんに聞く  “玉砕の島”を生きて
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週刊『前進』(2319号1面1)(2007/11/12 )

 11・4の団結の力で帝国主義打倒へ

 対テロ給油新法絶対阻止を

 4大産別の労働者の闘い先頭に階級的労働運動の全面的発展へ

11・4銀座デモ。戦争・改憲と民営化・労組破壊に怒りが大爆発 11・4全国労働者集会後、銀座・数寄屋橋で道いっぱいに広がるデモを実現。警察と右翼を圧倒し、労働者階級の怒りをたたきつけた

 集会大成功と戦闘的なデモ

 動労千葉と関西地区生コン支部、港合同の3労組が呼びかけた11・4労働者集会は、日比谷野音を埋めた5700人の大結集と、銀座・数寄屋橋一帯を解放区と化した戦闘的デモとして闘われ、大高揚を実現した(前号既報。発言を今号2、3面に紹介)。11・4は、沖縄の9・29決起を受けついで、首都のど真ん中で戦争・改憲攻撃粉砕の巨大な火柱を噴き上げるものとなった。
 この11・4は、21世紀のプロレタリア世界革命勝利へ向けた、労働者階級の本格的進撃の開始を満天下に告げ知らせるものである。その大集会とデモの迫力は、日帝国家権力を圧倒し、危機に立つ福田政権とその救済に動く民主党・小沢を直撃した。日本階級闘争は今や決定的に新しい段階に入った。11・4集会が発した「労働者が団結して歴史の最前線に登場し、その力で社会を変えよう」という訴えを、今こそ全労働者の中に持ち込もう。11・4が切り開いた地平をさらに拡大し、対テロ給油新法絶対阻止、福田政権打倒へ突き進もう。

 職場から決起

 11・4は、今日の日帝の体制的危機と階級的大激動への突入の中で、労働者階級の闘いの前進にとって実に大きな地平を切り開いた。
 第一に、青年労働者と学生を先頭に、体制内労働運動と決別し、打倒して、資本・権力との真っ向からの激突に突き進む労働運動の闘う新潮流の圧倒的な登場である。
 5700人の結集は、11・4を前にしかけられた権力の弾圧や資本の圧殺攻撃、体制内労働運動幹部による敵対など、あらゆる密集した反動を実力で打ち破ってかちとられた。全逓を始め4大産別での歴史的決起が開始された。結集した一人ひとりが動労千葉に学び、自らの職場で階級的労働運動の実践に必死に取り組んだ。個人ビラを出して仲間に真正面から闘いを訴え、激烈な党派闘争をくぐりぬけて、昨年を上回る結集をもぎとったのである。
 それはまさしく、大量の「革命家集団」の鮮烈な登場である。そこに生み出された比類なき戦闘性と全世界を獲得する階級性が会場全体にみなぎり、感動的な集会をつくりだした。
 これを受けて3労組共闘の団結は一層拡大・発展し、日本労働運動の階級的再生を牽引(けんいん)する不動の地位を確立した。沖縄高教組・松田委員長のメッセージや不起立闘争を闘う根津さんの発言は、今後の闘いの発展に向けて重要な位置をもった。さらに3労組から「11・4アピール」として、全国各地に闘う労働組合の共同センターと労働学校形成の方針が出されたことは決定的である。11月集会派が労働運動の主流派へと躍り出ていく闘いがここに始まった。
 第二に、集会と一体の闘いとして、戦闘的な大デモをついに復権させたことである。

 「解放区」実現

 大衆的デモはそもそも闘いの威力を示す「示威行進」として行われるものだ。日帝権力は70年闘争の爆発以降、都心でのデモを厳重に規制し、警察権力の完全な統制下に抑え込むことに全力を注いできた。11・4はこの屈辱的な規制をぶち破り、労働者階級の団結の証である本来のデモを、全隊列がひとつの怒りの火の玉となって進むすごい迫力をもったフランスデモとして実現した。
 銀座・数寄屋橋交差点では道路を制圧したデモ隊が機動隊を逆包囲し、沿道の大衆と合流して一種の「解放区」をつくりだした。労働者人民の怒りを解き放つ、戦闘的アジテーションとしてのデモが数十年ぶりに奪い返された。

 労組が結集軸

 第三に、革命的情勢の急接近の中で、階級的労働運動こそあらゆる闘いの推進軸であり、結集軸であることが鮮明になったことである。
 11・4集会は、闘う3労組の呼びかけにより、帝国主義の危機が大恐慌と戦争として爆発する情勢に対して、今こそ労働者階級が社会の主人公として躍り出る時代が来たと訴えた。何よりも、労働組合がその本来の姿を取り戻し、体制変革のために全責任をとって闘うことを提起した。このことが、労働者階級を軸にして、農民、部落大衆を始めとする被差別人民など、帝国主義の支配と闘うすべての人民の力を結集し、ひとつの巨大な団結をつくりだしていくものとなった。
 それは本質的に、ソビエト形成への萌芽をもはらむものだ。この意味で、三里塚反対同盟が闘う農民を代表して登壇し、労農同盟の新たな出発点が築かれたことの意義はきわめて大きい。

 改憲と戦争への決定的反撃

 したがって11・4集会は第四に、日帝の戦争・改憲攻撃への労働者階級人民の一大反撃として、一個の改憲阻止決戦の爆発としてかちとられた。
 実際に11・4は、参院選から安倍政権崩壊、沖縄12万人決起へと続く労働者人民の怒りの高まりの中で、これに対する日帝ブルジョアジーの必死の巻き返し策動との白熱的な激突の中心に位置していた。「沖縄の怒りに続け」を合言葉に11・4へ向かってのぼりつめた闘いは、ついに海上自衛隊をインド洋からの撤退に追い込んだ。支配の崩壊に直面した日帝は、唯一の延命策として福田・小沢の党首会談による自民・民主両党の大連立を画策した。だが11・4の爆発はこれを文字どおり直撃し、全面破産にたたき込んだのだ。
 もはや従来のような、国会内での既成党派の合従連衡の政治や取引によっては、何ひとつ決着のつかない情勢に突入した。沖縄12万人決起に続く11・4の闘いが、それを全支配階級に強制したのである。労働者階級の怒りの決起と革命への前進こそが情勢の決定権を握る時代が、ここに開かれた。

 国境越え団結

 第五に、国際連帯の一層の強化と、世界革命への巨大な展望が切り開かれたことである。
 11・4集会に結集した日米韓3国労働者の連帯と団結は、労働運動の実践そのものにおいて互いに学び合い、国際帝国主義の新自由主義攻撃・戦争攻撃を真っ向からともに打ち破っていく同志的結合へと発展した。とりわけ職場で戦争協力拒否の実力闘争を闘う教育労働者の、国境を越えた団結が築かれたことは決定的である。
 11月労働者集会が生み出したこの国際連帯は今や、在日・滞日人民の決起を始め全世界の闘いを糾合する可能性をもったものとして、ますます発展しようとしてきている。

 11・4出発点に革命の道開け

 11・4集会はこのように、激しい階級激突の真っただ中で、この激突を革命の勝利に転化していくための戦略的地平を全力をふりしぼってもぎとる闘いとしてかちとられた。だが、11・4の地平に一瞬といえどもとどまること、これで満足することなど断じて許されない。
 敵階級の破産と危機は今や予測をこえて進んでいる。5700人の決起は確実に福田政権と民主党・小沢を直撃した。それは、今日の情勢にぎりぎりのところで間に合い、敵の危機突破へのあがきを阻むものとなった。だがもし1万人の大結集を実現していたら、もっと比較にならない大きな情勢をたぐり寄せることができる。そこからプロレタリア革命に行きつく洋々とした大道が切り開かれるのだ。
 このことを、勝利の中になお残る課題としてはっきりと自覚し、11・4を出発点に、全国・全産別・全戦線で直ちに、一層激烈な闘いに突入しよう。戦争・改憲と民営化攻撃粉砕の一大階級決戦は、まさに今からその本番が始まるのだ。
 その当面する最大の攻防点は二つある。ひとつは4大産別決戦で、体制内労働運動打倒への勝負をかけた現場からの闘いにさらに猛然と打って出ることだ。いまひとつは、国会での対テロ給油新法案の成立=自衛隊派兵の再開を絶対に阻止することである。
 とくに対テロ給油新法案の成否には、現在の日帝の帝国主義としての存亡がかかっている。侵略派兵の継続がなければ、世界大恐慌の切迫下で死闘化する帝国主義間争闘戦において、日帝はもはや生き残ることができない。9条改憲攻撃も完全に挫折し、総破産する。
 福田政権は国会会期を大幅に延長し、民主党の抱き込みをぎりぎりまで追求した上で、参院否決の場合は与党単独の衆院再議決をしてでも強行成立させようとしている。小沢・民主党もまた派兵恒久法の制定を掲げ、海外派兵積極推進の立場をむきだしにしている。福田も小沢も、労働者階級にとって完全打倒の対象だ。11〜12月国会闘争に断固として総決起し、新法案を葬り去る闘いに立ち上がろう。
 国会闘争の勝利のためにも、4大産別決戦を軸とした階級的労働運動の職場での実践を強力に推し進めよう。法政大学をめぐる日帝権力・当局との激突にかちぬこう。4者・4団体路線粉砕の国鉄決戦に勝利し、「国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会」の12・9全国集会に結集しよう。獄中33年の星野文昭同志奪還へ、12・1集会の大成功をともにかちとろう。

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週刊『前進』(2319号1面2)(2007/11/12 )

 10・17法大弾圧

 クラス討論で不当起訴

 法大闘争の前進でうち破れ

 11月7日、10・17法大弾圧で逮捕された3学生のうち1学生を奪還した。だが、権力・東京地検は1人を起訴、また家庭裁判所が未成年の1学生を少年鑑別所に送る不当な決定を行った。
 起訴・鑑別所送致は、法大闘争が権力・法大当局のなりふり構わぬ弾圧をうち破って前進していることに対する日帝の恐怖の現れである。また11・4労働者集会が大高揚したことに対する支配階級の報復弾圧である。満腔(まんこう)の怒りをもって弾劾する。弾圧に対して学生と労働者は一層の闘いの爆発をもってこたえるだろう。
 そもそも3学生が逮捕されたのは、なぜか。法大の教室で討論を呼びかけたからだ。3人は昼休みに教室でビラをまき、学生とクラス討論をやっていた。その最中に「建造物侵入」を口実に逮捕されたのだ。いったい、昼休みに学生同士で学内問題や政治・経済や革命や労働者階級の解放について語り合うことのどこが犯罪だというのか!
 勾留中の21日間、日帝権力は「取り調べ」と称して、3学生に対して「建造物侵入」とはまったく関係のない卑劣な転向強要、脅迫を行った。「学生運動をやめろ」とか「家族がどうなってもいいのか!」などと、連日朝から夜まで8時間を超える「取り調べ」を行い、腐りきった日帝の本性を丸出しにした。
 だが、3学生は、卑劣な転向強要と真っ向から対決し、逆に怒りを幾倍にもかきたてて完全黙秘・非転向を貫き、権力の狙いを完全にうち破ったのだ。
 11・4労働者集会と解放感あふれるデモが示すように、どんな弾圧も労働者階級の闘いを押し止めることなど、絶対にできない。獄中では4・27弾圧で逮捕・起訴された新井君と友部君が不屈に闘っている。闘う多くの学生・青年労働者が監獄にぶちこまれる時代は、革命の時代の到来だ。勾留されているすべての仲間を直ちに奪還しよう。プロレタリア革命の勝利へ、労働者と学生の団結を打ち固めよう。(5面に法大支部のアピール)

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派兵再開狙う国会延長弾劾 反戦共同行動委員会は11・4大勝利を引き継ぎ、対テロ給油新法案採決阻止の緊急国会闘争に決起した。福田内閣は会期を大幅に延長した上、今週にも法案の衆院通過を狙っている。全力で国会闘争に立とう(11月8日 国会前)

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週刊『前進』(2319号2面1)(2007/11/12 )

 闘う労組の全国ネットへ3労組共闘の新たな挑戦が始まった

 職場から闘い巻き起こそう

 11・4集会 日韓米が団結固く

呼びかけ3労組と韓国・アメリカの労働者を先頭に、元気にデモに出発!(11月4日 日比谷)

 11・4全国労働者総決起集会は、東京・日比谷野音に5700人が結集して大成功した(前号速報)。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同、動労千葉の3労組の呼びかけにこたえ、職場・生産点で資本・既成労組幹部と激突しながら闘う労働組合運動をつくるために奮闘する労働者が大結集した。集会での主な発言(要旨)を紹介します。(編集局)

民主労総・イーランド一般労組の律動グループ「夜明け」の律動が会場を大いに盛り上げた

 韓国・民主労総から 

 労働者の武器は団結と闘争 民主労総ソウル地域本部副本部長 チェジョンジンさん

 20万ソウル地域本部組合員を代表してあいさつします。
 1987年の労働者大闘争をとおして民主労組を建設し、「この地の主人公である」ことを宣言して立ち上がった韓国の労働者は今、新自由主義攻撃で政府と資本家から権利を奪われています。
 ノムヒョン政府が「非正規職保護法案」という名で制定した悪法は、非正規職労働者を大量生産するものです。この悪法が今年7月1日から施行されました。イーランド・ニューコアを始め多くの非正規職労働者が、悪法によって生存権を奪われ、すさまじい闘いを繰り広げています。
 この中で10月、2人の非正規職組合員が焼身しました。非正規職労働者は、今や自らの体に火をつけなければならない状況にまで追い込まれてしまったのです。
 しかしみなさん! 歴史の主人公はいつもわれわれ闘う労働者でした。「お前らは少しずつかじり取るが、われわれは一挙に取り戻す」という労働歌の歌詞のように、民主労総はノムヒョン政権に反撃を加えるための闘いを準備しています。
 11月11日は「非正規悪法廃棄」「韓米FTA国会批准阻止」を掲げ20万全国労働者大会で闘います。ソウル本部は11月27日、非正規職悪法廃棄に向けた組合指導部の1日闘争を組織しています。
 労働者の武器は団結と連帯と闘争です。新自由主義に対抗して闘うわれわれは一つです。闘う世界の労働者は一つです。
 「闘いは口で言うものではなく、手と足で行うもの」。実践と闘争の中でわれわれは希望を持つことができます。アメリカの政治的・軍事的覇権秩序も世界中で崩れているこの時、資本に立ち向かい、戦争に反対し、貧困と差別に抵抗する労働者こそ希望です。強固な連帯で闘おう!

 非正規職千人の解雇と対決 イーランド一般労組律動グループ夜明け(セビョク)/ハンミョンヒさん

 私たちはイーランド・ホームエバーに勤務する組合員です。2007年7月、非正規職法の施行を前に1000人の職員を解雇したイーランド資本に立ち向かい、ストライキ闘争を始めました。解雇された人の中には9年間、非正規職として差別を受け続けながら働いてきた人もいます。
 私たちの闘いでは、3度にわたる店舗占拠闘争とソウル労働庁庁長室占拠、そして継続的な店舗封鎖闘争を展開しながら、1000人を上回る労働者が連行され、また逮捕者も増えています。
 私たちの闘いはイーランド・ニューコアだけの闘いではありません。全国850万人を超える非正規職労働者の象徴的な闘いであり、志を同じくするたくさんの労働者が一緒に闘っています。現在、ニューコア労働組合の同志の一人が、高さ40bの監視カメラ塔の上でろう城を続けています。
 しかし、今もなおイーランド会長のパクソンスは「聖書には労働組合などない」と、交渉の場に出てきません。国政監査の証人に決まったにもかかわらず、国会に出頭していない状況です。
 資本を守る政府、また労働者を機械の付属物と考える資本に対し、労働者の団結した闘いだけがこの問題を解決できるという真理を私たちは知るようになりました。
 日本に来て三里塚や動労千葉の同志の皆さんたちと出会い、私たちの要求はあまりにも正しく、またこの力で世の中を変えることができるものだと改めて考えました。
 正規職・非正規職、日本労働者・韓国の労働者、女性労働者・男性労働者の差別の枠を取り払って、労働者はみな一つに団結し、闘っていきましょう。私たちもねばり強く力いっぱい闘い、必ずや勝利するでしょう。トゥジェン!

 アメリカの労組から

 「貧困による徴兵」を止めよう UTLA(ロサンゼルス統一教員組合)CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)代表/アーリーン・イノウエさん

 アメリカではアフリカン・アメリカンとラティーノの高校生は卒業後、大学に行くより刑務所に行く方が多い。公立学校に支出される予算の3倍が有色人の青年の募兵活動のために使われています。これは「貧困による徴兵」です。
 みなさん、真実のための闘いを断固として貫きましょう。何を教えるか、どう教えるかをみなさんに指図する者との対決を貫きましょう。
 ラティーノが98%を占めるロサンゼルスの貧しい地域の高校では、軍の募兵官があらゆるところに浸透していました。募兵官が学校中を歩き回って生徒に話しかけ、家までついて行く。軍の宣伝ポスターやカレンダーが張られ、「落ちこぼれゼロ法」は生徒の連絡先を軍の募兵官に教えることを学校に強制する。そしてGI人形、銃、バズーカ砲などのおもちゃがあふれかえっている。 
 国防省はビバリーヒルズなど裕福な地域には1年に1回しか行かず、貧しい地域の青年たちを募兵していくのです。
 私は学校における軍国主義を止めるために生徒、教師、保護者、地域組織の大きな連合体をつくりました。われわれはロサンゼルス地域の50以上の学校で活動しています。さらに全米70組織と一緒に全国ネットワークをつくって統一キャンペーンをしています。
 米国民は、自分たちの名で数百万の罪なき人びとが拷問され殺されていることに血が凍る思いです。数百万人が街頭に繰り出して闘っています。われわれの闘争は、団結した普遍的な闘争です。
 日本の「日の丸・君が代」による軍事化に抵抗しているみなさんの勇気に感謝します。そしてわれわれはみなさんとともに訴えます。「教え子を再び戦場に送るな!」

 444兄弟の誇り高き団結 AMFA(航空整備士労働組合)ローカル33委員長/テッド・ルードウィックさん

 AMFA中央本部を代表して、全国労働者集会を開催し、世界中の労働者との連帯を推進されていることに感謝します。私たちは強く闘い抜く民主労総、ILWU、UTLAそして動労千葉とともにあることを誇りに思います。ともに株式会社の貪欲さと政府の腐敗に打ち勝っていこう!
 昨年の集会の時はAMFAはノースウェスト・エアーラインとストライキで闘っていました。AMFAはノースウェストでは一番小さな組合でしたが、26%の賃金カットと53%の整理解雇に反対して唯一立ち上がりました。ノースウェストは他労組に大量の解雇を承認させ、私たちのピケラインを越えさせました。しかし私たち4400人は、ある人が「人間と巨人の闘い」と比喩(ひゆ)した闘い、444日間のピケラインに断固として立ち続けました。
 私たちはストライキを収拾し全員職を失いましたが、最高齢の組合員たちの職を保障させました。組合はストライキという荊(いばら)の道を通ってきた組合員を守り抜くことを決意しています。ノースウェストの企業欲に屈せずに自らの職を捨てた労働者は今日、誇り高き「444兄弟」として団結しています。どんな企業や政府の役人も想像すらできないほど誇り高く、一層の高潔さを有しています。私たちは「一人の痛みはみんなの痛み」の真の意味を理解しています。
 AMFAはこれからも「世界中のどこでもピケラインはけっして越えない」ことを誓います。動労千葉、民主労総、ILWU、UTLAそしてAMFAの連帯に感謝します。国境を越えた労働者の団結は世界を変える。「DANKETSU!」

 米政府の労働者弾圧と闘う ILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル34/ラッセル・K・ミヤシロさん

 米政府は2001年9・11の翌10月に愛国者法(パトリオット・アクト)を成立させました。02年には国土安全保障法、海事保安法を制定しました。「国家安全保障」の建前で、米国民、とりわけ労働者や貧しい人びと、少数民族をターゲットにしたものです。
 これらの法律により、今後港湾労働者は電子手錠とも言える「運輸従事者身分証明書」を携帯しなければなりません。現在、デラウェア州ウィルミントン港でこのカードが試験実施され、数週間後にはオークランド港にも導入されます。
 8月に、カリフォルニアのサクラメント港で荷役会社SSA社の仕事をしていた2人の港湾労働者が、昼食から戻る時に民間警備員に止められ、身分証明書の提示を求められました。警備員が「車内を捜索したい」と言うので、2人は「法的根拠を示せ」と言いました。ところが警備員はそれには応じず、市警を呼んで2人を逮捕させました。この2人は午前中そこで働いていたのです!
 10月にはSSA社が経営する船内で、経験の浅い臨時雇いの労働者が、監督者もいないところで働いて事故死しました。労資間の安全対策チームがつくった安全規則で何十年間も多くの事故を防いできたのに、ここにきてそれが崩れたのです。
 来年、ILWUの港湾部門は西海岸全体の協約改定交渉を迎えます。国の内外を貫いて労働者の連帯を深め、私たちは必ず勝利します!
 為政者による憲法改悪を許してはなりません。自らの地域・国内に、そして世界中に、労働者の連帯を打ち立てよう。みんながともに生きられるすばらしい世界を築くという、私たち労働者の夢をぜひとも実現しよう。

日比谷野音をぎっしり埋めつくして、「団結ガンバロー」を三唱

 1047名解雇撤回を

 4者・4団体路線に絶対反対 国労小倉地区闘争団 羽廣憲さん

 国鉄闘争に重大な分岐が生まれています。「解雇撤回・JR復帰」という原則を投げ捨て、国労本部など「4者・4団体」によって敗北へと引きずり込もうとする策動です。なんとこの先頭に「4党合意」に反対してきた鉄建公団訴訟原告団指導部が立っています。
 クビを切った相手に解決を「お願い」することなどない。「元に戻せ! 解雇を撤回しろ!」――これ以外にない。
 4者・4団体は「雇用と年金、解決金」まで求めているが、責任追及を放棄してどうして補償させることができるのか。
 もっとも許せないのは「労働処分を受けた職員の不採用は正しい」とした9・15判決を踏まえてこの策動を進めていることです。本州闘争団と動労千葉争議団を丸ごと切り捨て、「一人の首切りも許さない」という原則を踏みにじるものです。
 私は02年5月27日の臨大ビラまきにより国労本部によって警察に売り渡されました。その国労本部と席を一緒にすることなど絶対にできません。
 4者・4団体による政治解決路線に絶対反対です。1047名は私の気持ちがわかってくれます。闘いの発展を信じ民営化反対を貫こう。

 「解雇撤回」の原則曲げない 動労千葉争議団 高石正博さん

 国鉄分割・民営化は戦後最大の労働運動解体攻撃でした。動労千葉はその中で2波のストライキに立ち上がり、今も団結を守って闘っています。全国のあらゆる怒りを一つに結合する、1047名闘争の位置はますます大きくなっています。
 しかし今、深刻な危機が生み出されています。解雇撤回要求を取り下げ、政府に頭を下げて「政治解決」をお願いする「4者・4団体」です。10月14日の団結まつりでは「解雇撤回を求めるのは玉砕の道だ」とまで主張し、20年間の闘いを汚そうとしています。
 もしそれが真実ならば、動労千葉は「玉砕」して今ごろ存在していないはずです。しかしわれわれは分割・民営化と真正面から闘ったからこそ団結を守ってJRにのり込みました。そして業務の外注化をとめ、事故を起こした仲間を守りぬき、強制配転された仲間を取り戻すなど、大きな成果をあげています。
 自ら「解雇撤回」を投げ捨てることは絶対にできません。動労千葉争議団は、原則を絶対に曲げずに闘いぬきます。JR体制は矛盾の固まりだ。分割・民営化に最後の決着をつける闘いに立ち上がろう。われわれは1047名の解雇撤回闘争に絶対勝利し、労働運動の復権のために闘います。

 「日の丸・君が代」被処分者

 戦争協力拒否し不起立貫く 「日の丸・君が代」闘争被処分者/根津公子さん

 私は「君が代」不起立で来年3月に解雇されるかもしれない状況にあり、今、解雇をさせないために闘っています。アメリカの仲間が不起立支持の決議を上げ、日本領事館に処分反対行動を起こして、今日この場にも来てくれました。もっともっと東京から全国から声を上げていきたい。
 都教委は2003年10月、「君が代」斉唱時の起立・伴奏を求める通達を出し、従わない教職員を処分し始めました。しかも回を重ねるごとに処分量定を増やすという例を見ない処分です。
 東京の教職員のほとんどが「君が代」強制をおかしいと思っています。しかし大半の教職員が起立命令に従ってしまいました。教職員組合も阻止する闘いを組めていません。これ以上、ものを言わない、言えない社会にしてはなりません。
 私は07年3月に停職6カ月処分を受けました。4カ月後の卒業式で不起立をしたら免職=解雇にされる危険性が大です。
 私は05年3月までは「免職は避けた闘いをしよう」と考えていました。生徒に事前に謝って「君が代」の途中まで起立し、途中から座りました。この時の自分の気持ちに嘘をつき起立した行為はとても辛いものでした。その体験から「自分に嘘をつくのはやめよう」と、それ以降は不起立を続けてきました。
 今は2年前よりもっと「理不尽な命令に従えない」と思っています。子どもたちの「少国民」化が進んでいるからです。「子どもたちを再び戦場に送らない」ため、私は「君が代」に反対し不起立行動をしていきます。
 私たちの不起立行動は、アメリカや韓国の闘いともつながる、教育現場での戦争協力拒否の闘いです。アメリカ・韓国のみなさんとともに闘い続けます。労働現場、生活の現場から戦争協力を拒否していきましょう。

 決意表明

 動労千葉の団結力めざして 愛媛県職員労働組合委員長/宇都宮理さん

 私たちの先輩は20年前、動労千葉の分割・民営化反対ストに感動して「動労千葉のように闘おう」と決意し、一時的に大成功しました。しかしその後挫折を味わいました。なぜか? 『俺たちは鉄路に生きる2』も『3』も発行されていなかったからです。動労千葉の本当のすごさは、いかなる攻撃にも壊れない団結、そのための日々の努力であると気づいたのはつい最近です。
 しかし当局がどんな攻撃を加えても組合幹部が過ちを犯しても、現場組合員の闘いの火種は消えませんでした。そして新しく青年が立ち上がっています。組合はどんなに傷ついても再生できることを経験しました。
 組合の60周年を記念してこの旗をつくりました(写真)。この旗に負けないように頑張ります。

 闘う労組を無数につくろう 全金本山労働組合委員長 中野七郎さん

 本山資本による青柳組合員解雇、1500人が負傷する暴力、33年に及ぶロックアウト、百三十数人の逮捕、上級機関からの除名、不当判決にも崩れず「一人の首切りも許さない」を合言葉に団結を固め、34年の闘いで勝利し、職場復帰・就労して2年半になります。
 全金本山の闘いを継承する新たな組合員の合流をかちとることと、34年の闘いの成果をどのように労資関係に反映させることができるかが緊急の最大の課題です。
 労働組合がないところは労働組合をつくろう。少数派労働組合は多数派の労働組合を目指そう。御用組合が牛耳る職場では組合執行権を握ろう。組合活動に全力を注ぎ、労働組合を復権させよう。全国に無数の闘う労働組合をつくろう!

 「民営化絶対反対」貫いて闘う 全逓労働者 西田貴広さん

  郵政民営化強行に対し「郵政民営化絶対反対」を貫き、超勤拒否闘争で迎え撃ちました。動労千葉労働運動に共鳴する勢力だけが実力決起できたのです。この闘いは緒戦で郵政当局に打撃を与え、民営化攻撃に勝利する展望をつかみました。
 われわれが超勤拒否闘争を宣言したとたん、全逓支部執行部は郵政当局の忠実な先兵として登場し、当局は即決処分をしてきました。しかし処分を恐れず体制内組合の重圧と対決すれば、勝利することができます。
 そもそも労働組合とは、資本・当局と対決し要求を闘いとる闘争組織です。処分や重圧は当たり前です。本来の労働組合を取り戻すために、体制内組合と激突し組合権力を動労千葉派が握るために闘いを発展させていく決意です。

闘う労働組合のデモ隊列は片側車線いっぱいに広がり参加者は解放感に満ちあふれた。先頭は動労千葉の隊列(11月4日 東京・数寄屋橋交差点)

  若い力を先頭に革命の息吹 青年のリレーアピール

 体制内執行部と激突し勝利 自治体労働者

 今、現場労働者は闘う方針を求めています。闘う方針で仲間は生き生きとし、盛り上がります。これが労働者の力です。
 昨年秋、県の財政危機による賃金カット攻撃に対し、「現場の労働者に一切責任はない」「絶対に白紙撤回だ」という現場労働者の闘いを、既成の指導部が密室でねじ曲げ妥結した。「夕張のようになったら困る」「会社・当局あっての労働者だ」という体制内執行部の現場労働者への恫喝(どうかつ)に現場から怒りが噴出しました。
 県職の定期大会で執行部と真っ向からぶつかった。昨年の賃金カットに対し、執行部は「現場に闘う体制がなかった」と現場に責任転嫁する許せない総括。そして、人事評価制度を許すのか、絶対阻止かをめぐって激突しました。人事評価制度絶対阻止という私たちに対し、執行部は「法律で決まるんだ。この制度でないと給料が上がらない」と言う始末です。
 私たちは採決で全代議員の3分の1の支持をかちとりました。私たちの完全勝利だと思っています。体制内指導部・当局もグラグラです。ともに反撃を開始しましょう!

 職場の主人公は労働者だ! 東京西部ユニオン青年部

 私は都内の小さな会社で働いています。職場には就業規則も有給休暇もありませんでした。昨年7月、同僚の賃金カットに一緒に抗議しました。その時社長が「うちには有休はない」と言ったのに抗議し、私は3日間の有休をとりました。その後、3日休んだのを理由に解雇通告されました。西部ユニオンに加入し解雇を撤回させました。
 ところが昨年12月のボーナスが8割もカットされました。労組加盟を理由にした不利益扱い、不当労働行為です。ユニオンで団交をし労働委員会で闘っています。6月の団交で社長に「全員に有休があることを知らせろ」と要求したら、社長はふて腐れて「お前がやれ」と言いました。とことん言ってやろうと思い7月の会社の全体ミーティングで「全員に有休の権利がある」と説明しました。全従業員が喜んでくれ、全員が有休をとれるようになりました。
 職場の主人公は労働者です。仲間を増やし団結して会社を変え世の中を変えたい。自分も1年前までは一参加者でした。今はこの壇上に立っています。絶対あきらめず、ともに頑張りましょう。

 民営化攻撃を絶対許さない 全逓労働者

 職場は10月に民営化されました。民営化が生み出すもの、それは地方、弱者、そして現場労働者の切り捨てです。仲間をうつ病や現職死亡にまで追いやるこの民営化攻撃を絶対に許しません。
 組合本部が完全に屈服し民営化推進の立場に立っている今、僕は現場から闘いをつくり出そうとアンケート集めや、民営化反対で1週間の超勤拒否闘争をやっています。
 闘うということは確かに大変なことです。自分自身が先頭に立つしかないのです。まず、自分自身が変わらなければなりません。時には、それがすごい苦しみとなることもあります。逃げ出したくなる時があります。
 しかしそれこそ資本・国家権力の狙いです。そこに気づいた時、周りの労働者はみんな仲間だ、自分は一人じゃないと分かった時、あらゆる苦しみをのりこえていく力が生まれます。それが団結の力だと思います。
 民営化との闘いは、これからが本番です。組合執行部が屈服しようとも動労千葉のような闘いを現場でやっていきたい。
 僕たちの未来を僕たち自身が闘ってかちとり、革命をやりましょう。

 不起立は自己解放の闘いだ 広教組青年部組合員

 私は革命をめざす教育労働者です。教科書を書き換え、「日の丸・君が代」を強制し、教え子を戦場に送る教育をやらせようとする支配者たちを打ち倒したい。
 その革命は沖縄から始まった。これに続きたい。そして今こそオキナワとヒロシマがしっかりと結びつき、「戦争教育断固拒否!」と打って出る時だと思います。
 勝負は08年春の「日の丸・君が代」不起立の闘いです。この闘いで根津さんの解雇をぶっとばしましょう。
 体制内の組合幹部は自分たちが闘わないために起きていることの責任を現場組合員に転嫁します。「現場が動かないからだ」と。そのくせ組合員が闘い始めると途端に抑圧します。「お前らがそんな過激なことをやるからつぶされる」と。
 ふざけるな! 私は根津さんを始め全国の、そして世界の闘う仲間とともに不起立者を増やすために先頭に立って闘います。処分を覚悟し、解雇も辞さず、退路を断って闘う「君が代」不起立の闘いは、教育労働者を縛り付けている体制の鎖から自分を解き放つ闘いです。労働者の誇りを感じながら闘いましょう。

 労働者の団結が社会変える 沖縄の青年労働者

 9月29日の沖縄県民大会には12万人にも及ぶ県民が参加しました。私の乗り合わせたバスには、父親は赤ん坊を抱き、母親は臨月の大きなおなかにもかかわらず県民大会に参加する姿を目にしました。私は会場で、「検定意見を絶対に撤回させる」という怒りの爆発と、沖縄県民としての誇りを感じました。
 この県民大会には学生や青年労働者、つまり沖縄の若者が膨大に決起しました。中高生や大学生が学校ごとに、あるいは友達同士誘い合わせて参加し、青年労働者は会場整理やカンパ隊など集会成功の核を担いました。
 私たち労働者は資本や当局の指示、命令で動かされていると思い込まされている。しかしけっしてそうではない! 9・29県民大会は労働者階級が本当の社会の主人公だということ、労働者が団結すれば検定意見も撤回できるし、この世の中を変えることができることを鮮明に示しました。
 私たち労働者はこの誇りをもって、全世界の労働者の団結をつくりあげていかなければならない。青年労働者こそ、その先頭に立って世の中を変えていきましょう。

 学生は革命を必要とする! 東北大学学生 織田陽介さん

 法政大学では10月17日に3人の学生がクラス討論を理由に逮捕されました。キャンパスではマイクさえ使えなくなりました。学校のビラには、「安定した職に就くことが学生の夢」だと書かれています。こんなものが大学でしょうか。今、逮捕されている5人がいる牢獄と大学は、何ひとつ変わらない。
 学生は未来の労働者です。学生が仲間と団結して闘うことのおもしろさを覚えた時、資本主義なんて終わりなんです。
 学生は革命を必要としています。クラスで訴えれば学生部に取り囲まれ、抗議すれば暴行される。しかし、そんなものにはびくともしない怒りが満ちあふれています。法政大学の闘いは、人間がますます強くなって、腹の底からの怒りで自分が生き生きしてくる、そういう解放感を獲得しています。法大当局に憎しみを燃やす自分こそが正しいと確信して、自分自身を取り戻す。これが人間解放なんです。
 学生の力を見せつけてやろうじゃないですか。沖縄12万人の決起に続く闘いをこの後のデモで実現したいと思います。

集会の発言者全員が登壇し、肩を組んでインターナショナルを歌った。5700人の参加者とともに、新たな闘いに打って出ることを誓いあった(日比谷野音)

 連帯のあいさつ

 労組つぶしに団結の拡大を 国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会発起人代表 佐藤昭夫さん

 20年前の国鉄分割・民営化は、日本でも新自由主義、民営化の流れを本格化するために強行された。しかも闘う労働組合を破壊し、戦後の平和憲法を破壊する道筋をつけるものでした。
 当時の首相、中曽根康弘は、分割・民営化は国労をつぶすためにやったと公言しています。ところが国労は、国家的な不当労働行為責任を追及する鉄建公団訴訟の原告らを除名する大会を開き、大会の中止を訴えた組合員を公安警察に売った。これが5・27国労臨時大会闘争弾圧事件です。
 権力と資本による労働組合つぶしが進んでいるのに多くの組合は声を上げることさえできない。労働者一人ひとりが自らの団結と連帯の行動でこたえるほかありません。
 去年、民主労総のキムチャンソプさんは、「われわれ労働者は、国境を廃棄します。戦争に反対し、平和を守る闘いに国境は存在しません」と宣言した。私たち「許さない会」や被告たちもこれを力に闘い続けます。

裁判員制度はもう破産した 憲法と人権の日弁連をめざす会代表 高山俊吉さん

 裁判員制度は、お国のために一身をささげる人間をつくる戦時司法体制づくりです。しかしそれは、人民の総反撃を受ければ破綻を余儀なくされ、国の進む道を彼らの狙いとは正反対の方向に向けさせます。多くの弁護士が裁判員制度粉砕行動に立ち、これはすでに破産しています。私たちの闘いの成果です。
 弁護士は国営弁護士組織「司法支援センター」解体に向けて立ち上がっています。弁護士を大量に生み出し、国営弁護士に取り込むあざといもくろみに若い弁護士たちは拒絶でこたえています。
 司法改革は、行動する弁護士に対する攻撃であり、改憲攻撃です。弁護士を切りつけるやいばの切っ先は人民の心臓をも貫きます。私たちが、闘う労働者・労働組合・労働運動と連帯し決起する理由はそこにあります。
 11月13日午後6時から弁護士会館で「見えた!裁判員制度の崩壊」と題して、裁判員制度を粉砕する集会を開催します。

 9条改憲阻む民衆の連帯を とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長 西川重則さん

 百万人署名運動は、とめよう戦争への道!を合言葉に10年前の9月22日に発足しました。その翌日、日米新ガイドラインを決定しました。侵略・加害の歴史を繰り返した日本が再び憲法9条を踏みにじる宣言でした。
 百万人署名運動のモットーは次のことです。
 @小異を残し、大同に着くこと。一人ひとりの思想・信条を大切にし、ひとりで闘い、そしてともに闘うこと。A戦争は答えではない、それが歴史の教訓です。B民衆の国際連帯で戦争を阻止しよう。「民衆のみが戦争を止めることができる」という訴えに共感して署名運動を進めています。
 福田内閣は憲法改悪と戦争に向かっています。とめよう戦争への道!の闘いはこれからです。新テロ特措法案を葬りましょう。自衛隊の全面撤退をかちとりましょう。パトリオット3配備など米軍再編を粉砕しましょう。戦争絶対反対の百万人署名運動を粘り強く展開していきましょう。

 農地は絶対に明け渡さない 三里塚芝山連合空港反対同盟事務局次長 萩原進さん

 空港敷地内に住む市東孝雄さんへの農地収用攻撃が始まっています。政府は、農民を守るための農地法を使って市東さんの農地を取り上げようとしている。もはや憲法も法律も人権も、社会的な正義も何もありません。
 なぜ私たち三里塚農民は、42年間も闘い続けてきたのか? 政府は、成田空港を「朝鮮有事」の際には米軍基地にすると公言しました。反戦の砦=三里塚を、今ここで敵に明け渡すわけには絶対にいきません! 市東さんは農地を武器にして、権力のノド元に迫る闘いをやっています。
 もうひとつ大きな問題があります。政府・財界の新農政です。自動車など大企業の輸出先を確保するために、農業を丸ごと切り捨てる農政です。
 今こそ労働者と農民の分断を打ち破って決起する時です。食糧の値段が下がると労働者の給料はもっと下がります。労働者と農民の敵は同じです。連帯して闘わなければならないのです。

 特別アピール(メッセージ・抜粋)

 沖縄戦の実相をゆがめる検定意見の撤回まで闘う 沖縄県高等学校障害児学校教職員組合委員長 松田寛さん

 「戦後レジューム」からの脱却を唱えた前安倍政権により教育基本法が改悪され、憲法改悪のための「国民投票法」の成立など次々と戦争政策を推し進められてきました。とりわけ沖縄においては、一層の基地強化とそのためのあらゆる手段を強行しています。
 そのような中、来年度から使用される高校歴史教科書検定で沖縄戦における集団死・「集団自決」にかかわって「日本軍の関与」を削除・修正していることが3月30日に明らかにされました。
 私たち教職員の責務は、子どもたちに真実を教え伝えることです。しかし、その真実が時の為政者によって強権的に変えられようとしています。危険で許しがたいこの策動との闘いは「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを掲げる教職員にとって今後の「平和教育、平和運動」の進路を占う上でもきわめて重要であり、横断的な全国連帯の強化が急務となっています。
 多くの体験者は「今、伝えなければ大変なことになる」との思いに駆られ、最後の力を振り絞っているように思えてなりません。文科省によるデタラメな「審議会の検定意見」で体験者の傷口を否定し死者を冒涜(ぼうとく)することはとうてい許されません。
 こうした沖縄県民の怒りが「9・29教科書検定意見撤回を求める県民大会」で示されたのです。沖縄戦における集団死・「集団自決」の日本軍の関与を削除し、「軍官民共生共死」の関係におかれた上に、「軍隊は住民を守らなかった」という沖縄戦の実相をゆがめようとする動きを許さない県民が続々と結集してきたのです。集会は11万6千人による復帰後最大規模の抗議行動となりました。仕事や家庭の都合で会場に行けなかった人々も「テレビ・ラジオ局の生中継」での参加が明らかにされており、その数は40〜50万とも言われていることを「つくる会」は知るべきである。
 私たち沖縄高教組は「沖縄戦の実相」を引き継ぐためにも、「戦争政策」に抗(あらが)うためにも、引き続き全国の仲間と、そして県民とともに「検定意見撤回」まで奮闘することを誓い、メッセージとします。

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週刊『前進』(2319号3面1)(2007/11/12 )

 闘う労組の全国ネットへ3労組共闘の新たな挑戦が始まった

 デモの熱気受け交流

 “今日から新たな闘いを”

 労働者集会と戦闘的なデモを闘いぬいた後、都内で開かれた「日米韓労働者交流のつどい」には約150人が参加した。
 司会を動労千葉の長田敏之書記長が務め、「圧倒的なデモの高揚感があるが、まだ小さな勝利。現場から階級的労働運動を」と総括した。動労千葉の田中康宏委員長は、「一番いいことは若い仲間が増えたこと。元気のいいデモもできた。だけど私は満足していない。各地域・職場で新たな闘いを始めよう」と訴え、闘う労働組合の共同センターや労働学校を無数につくろうと呼びかけた。
 関西生コン支部の高英男副委員長が乾杯の音頭をとり、「今日は久しぶりに楽しいデモを経験させてもらった。職場で資本との攻防戦を行おう。現場の要求に基づく運動をすれば、間違いなく集会は1万人を超え何十万人になる」と訴えた。
 韓国・民主労総ソウル地域本部のチェジョンジン副本部長は「日米の同志たちと一緒に集会・デモをして誇りに感じる。韓国に帰っても熱い連帯精神で闘います」と決意を表明、11月11日に民主労総が開催する労働者大会への参加を訴えた。
 ソウル地域本部のコジョンファン前本部長、TWSC(運輸労働者連帯委員会)のスティーブ・ゼルツァー広報部長、AMFA(航空整備士労組)ローカル9のブライアン・マッキーバー副委員長の発言が続き、無実の政治犯・星野文昭さんの妻・暁子さんが「星野を取り戻すために国際連帯の力を」と訴えた。
 闘う労働者は国境を越えて団結できる。肩を組んでインターナショナルを歌い、団結ガンバローのこぶしを突き上げた。
【写真】 戦闘的なデモを終え日米韓の労働者が交流会。労働者階級の国境を越えた連帯を強く打ち固めた

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週刊『前進』(2319号3面2)(2007/11/12 )

 不起立世界とつながる

 11・3国際連帯集会 日米韓教育労働者が合流

 教育労働者国際連帯集会が11月3日、東京・南部労政会館において集会実行委員会の主催で行われ130人が参加した。
 アメリカからUTLA(ロサンゼルス統一教組)に所属しCAMS(校内の軍国主義に反対する連合)の代表アーリーン・イノウエさんと、同副代表のグレゴリー・ソティアさんが参加。また韓国から全教組ソウル支部政治委員長のチョヒジュさんが参加し、日本全国から駆けつけた教育労働者とともに日米韓の教育労働者が国境を越えて団結を固める画期的な集会となった。
 まずイノウエさんが「公立学校予算の3倍もの額が有色人の青年の募兵活動のために使われている」ことを暴露し、不起立闘争との連帯をアピールした。
 停職6カ月の不当処分と闘う根津公子さんは「10・23通達という理不尽な命令には従えない。不起立を貫いて闘う」と決意を語った。また10月20日に訪米し国際労組反戦集会に参加した動労千葉の清水匠執行委員は「不起立の闘いにアメリカの労働者が共感し行動を開始している。労働者は国境を越えひとつ。労働組合の現実を現場の力で変えよう」と訴えた。
 圧巻はパネルディスカッションだ。アメリカにおいて公立学校の軍事化と「落ちこぼれゼロ法」という学校の民営化攻撃が一体の攻撃として襲いかかっていることがリアルに紹介され、ソティアさんは「先生が教えることができる最大のものは『正義のために立ち上がる』ということです」と確信をもって訴えた。
 またイノウエさんが「“波風立てないで”という日本の文化がある中での不起立はすごい。私ってすごいかも!ってことが大切」と元気いっぱいに発言し、会場は圧倒的な拍手に包まれた。
 広島の青年労働者は「波風を立たせたいから座る。それで組合を変えていきたい。不起立の闘いですべての労働者とつながりたい」と決意を語った。また動労千葉の清水さんは「職場で資本や当局と闘い、この社会は自分たちのものだと組合員がつかんだ時に真の団結が生まれる。それが戦争協力拒否の闘いになる」と提起した。
 こうした発言を受け、座長を務めた神奈川の教育労働者が「CAMSの闘いはブッシュの戦争政策に打撃を与えている。教育労働者が本気になって不起立を闘えば世の中をひっくり返せる」と闘いの方向性を提起した。
 続いて韓国のチョさんが特別アピールで「韓国では教師間の競争を強化し、教師を序列化する教員評価制度と闘っている。新自由主義教育政策を破綻(はたん)に追い込み、労働者民衆のための新たな教育秩序をつくろう」と力強く訴えた。
 最後に、東京の教育労働者が「イノウエさん、根津さん、沖縄高教組の闘いは、ひとりの決断が情勢を揺り動かす力があることを示しました。教育労働者には戦争を止める力がある!」とまとめの提起を行い、団結ガンバローで集会を締めくくった。
【写真】 元気いっぱいのイノウエさんの訴えは参加者を勇気づけた(11月3日 南部労政会館)

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週刊『前進』(2319号4面1)(2007/11/12 )

 「生産性向上」で労組破壊狙う

 「骨太方針」への回帰を絶叫

 資本の焦りを示す御手洗講演

 民主党代表・小沢の辞任表明とその撤回という茶番劇は、安倍辞任とあいまって日帝の体制的危機をまざまざと示した。他方、労働者階級は11・4集会を5700人の結集で闘い、プロレタリア革命への巨大な一歩を踏み出した。この階級的激動のただ中で、福田政権はますます危機を深めている。その背後で「構造改革」の強行を声高に叫んでいるのが御手洗・日本経団連だ。

 偽装請負で労働者を酷使した張本人

 日本経団連会長の御手洗は、10月23日、秋田市で「『希望の国、日本』の実現に向けて」と題する講演をした。その中身は、@経済の成長力強化、A道州制の導入、B働き方の改革、C社会保障制度の改革、の四つを軸に、今年1月に日本経団連が打ち出した御手洗ビジョンを全面的に貫徹せよというものだ。
 「経済の成長力強化」として御手洗が何よりも強調しているのは、労働者一人あたりの労働生産性を引き上げることだ。つまり、労働者を徹底的に酷使しろというのだ。それを御手洗は、「人口減少に打ち勝つ新しい日本型成長モデル」などとうそぶいている。
 実際、御手洗自身がキヤノンの会長としてやってきたことは、偽装請負の形で膨大な労働者を無権利状態にたたき込み、とことんまで搾り尽くすことだった。東証一部上場企業1200社は、08年3月期決算で過去最高の経常利益を上げる見通しだ。こうした膨大な企業収益は、労働者をワーキングプア状態に突き落とすことによって生み出されたのだ。
 だが、そうした資本のうたかたの繁栄も、低所得者層を食い物にしたサブプライムローンが焦げ付く中で、ついに崩壊の時を迎えている。だからこそ一層激しく労働者を搾り取れというのが、御手洗の言い分だ。
 さらに御手洗は、東アジアを重点にしたEPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)の締結加速を唱えている。帝国主義間争闘戦における敗勢をアジア勢力圏化によって暴力的に突破せよということだ。それが米帝との激突を引き起こそうとも、それ以外に日帝の延命策はないからだ。

 道州制で自治解体消費税は大増税に

 この講演で御手洗は、あらためて道州制の導入を叫び立てた。経団連が「究極の構造改革」と位置づける道州制の導入は、地方自治を解体し、住民生活を破壊して、戦争のできる中央集権国家をつくる攻撃だ。それは改憲そのものであり、自治体労働運動の解体と完全に一体をなしている。
 すでに、小泉−安倍政権下で強行された「三位一体改革」で、地方は徹底的に切り捨てられた。これを「地方の自立」の名のもとに、どこまでも貫こうとしているのだ。
 さらに御手洗は、「働き方の改革」として、労働者をこれまで以上の低賃金・不安定雇用に突き落とすことを宣言した。御手洗はそこで、成果主義賃金のさらなる徹底化を求めている。
 社会保障制度については、年金保険料などの企業負担をなくし、社会保障支出を極限まで削り込んだ上で、なお財源が足りなければ消費税増税でまかなえ、と言っている。経団連が基礎年金の全額税方式を唱え始めたのも、ひとえに企業負担を免れるためだ。経団連はこの9月、消費税率を3%も5%も上げろという提言を打ち出した。他方で彼らは、競争力強化を口実にさらなる法人税減税をあからさまに求めている。福田もこれに完全に同調し始めた。
 御手洗のこんな主張がまかり通ったら、労働者は生きていけなくなる。
 御手洗が求める「経営者像」をそのまま実践してみせたのが、倒産したNOVAの前社長・猿橋だ。猿橋は、消費者をだまして膨大な金を巻き上げる一方で、労働者には賃金不払いを決め込み、社会保険にも加入させていなかった。そして自らは、05年度〜06年度の2年間だけで5億5千万円もの役員報酬を懐にし、サウナや茶室までしつらえた社長室で豪勢な生活にふけっていたのだ。
 御手洗ビジョンはもともと、衆院で圧倒的多数を占める自公体制と、その上に乗った安倍政権の存続を大前提に策定されたものだ。教育基本法改悪や改憲投票法、社会保険庁解体法などを強引に押し通した安倍のもと、経団連は一挙に「構造改革」の総仕上げに突き進もうと策していた。

 支配の崩壊に直面した日帝のあがき

 だが、参院選での自公の大敗と安倍のみじめな辞任は、彼らの浅薄な思惑を打ち砕いた。小泉以来の「構造改革」に対する労働者の怒りはますます激しく渦巻いている。
 これに対して支配階級は、一方で「衆参ねじれ国会」の現実を覆して「安定した支配」を取り戻そうと自民・民主大連立の大バクチに打って出た。他方で、”御手洗ビジョンを寸分もゆるがせにせず貫徹せよ”と絶叫し始めたのだ。彼らを突き動かしているのは、支配体制がまさに崩壊に直面しているという絶望的な焦りにほかならない。
 御手洗講演の核心をなす「労働生産性の向上」も、安倍が辞任直前に策定した骨太方針Zで打ち出されたものだ。骨太方針Zは、「生産性向上の阻害要因を徹底的に除去する」と挑戦的に述べている。資本にとって「生産性向上の阻害要因」の最たるものは労働者の団結と闘いだ。骨太方針Zは4大産別を始めとした労組を絶滅に追いやるという宣言であり、労組に産業報国会への全面的な転換を迫っている。
 郵政民営化の先兵となって「生産性運動の推進」を叫ぶJP労組を先頭に、体制内労働運動指導部はこぞってこうした道に転落しつつある。
 帝国主義の支配は、今や連合・全労連の体制内労働運動が労働者を制圧している限りで維持されているということだ。
 すでに労働者階級は、11・4で体制内労働運動を踏みしだく新たな闘いを開始した。自民・民主大連立の策動とその破産は、連合幹部を窮地に追い込んでいる。こうした中で御手洗ビジョンを押し貫けば、労働者の壮大な反乱は必ず引き起こされる。労働者が階級的団結を打ち固め、プロレタリア世界革命に向けて突き進む時が訪れたのだ。

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週刊『前進』(2319号4面2)(2007/11/12 )

 民主労総三里塚へ

 反対同盟と労農連帯の誓い

 11月2日午後、韓国民主労総ソウル地域本部訪日団が三里塚現地を訪れた。11・4労働者総決起集会参加に先立ち、42年の不屈の実力闘争を貫く反対同盟との熱い交流が実現した。
 動労千葉の田中康宏委員長の案内で一行は真っ先に天神峰の市東孝雄さん宅を訪問。旅の疲れも見せず現地調査が始まり、小雨の降る中、出荷作業途中の市東さんが出迎えた。畑に立つ監視台に交代で上り、「へ」の字誘導路を観察。東峰十字路から、東峰開拓道路、東峰神社、暫定滑走路飛行直下の東峰部落を見て回り、この日の最後に反対同盟事務局次長の萩原進さん宅を訪れた。
 午後7時から宿泊所で交流会が開かれ、現闘員が用意した心づくしの料理が並べられた。
 冒頭、事務局長の北原鉱治さんがあいさつし、日帝の侵略と植民地支配の歴史を謝罪して「有事の際には50万の米軍が成田を拠点に侵略戦争を行おうとしている。今闘わなければアジアの未来はない」と訴えた。
 これにこたえてチェジョンジン訪日団長は、「韓米FTAに対する農民の怒りは激しく、民衆大会には20万人の農民がソウルに集まる。労働者、農民が一緒に新自由主義に立ち向かう時だ。三里塚のみなさんの不屈の精神をわがものとして闘う」と決意を語った。
 鈴木幸司さんの音頭で乾杯! 三里塚の豊かな大地で育った野菜に舌鼓を打ち、また檄布や記念品の交換など、和やかな交流が進んだ。
 萩原進さんが不屈・非妥協の原則を貫いてきた闘争の歴史を語り、「韓国では農民が国会に対して労働者とともに決起した。こういう闘いを日本でも実現しなくては」と決意を述べた。
 市東さんは、「今日の現地調査の中で自分の畑が『いい土だ』とほめられたことが農民としてうれしい」と語った。
 訪日団の組合員はそれぞれ、三里塚闘争への感想を感激の面もちで語った。歴戦の活動家たちが、今なお日帝の「国策」との激烈な闘いの中にある三里塚42年の歴史と接して、自らの闘いにあらためて希望と確信を得たのだ。
 田中委員長は、「ジェット燃料貨車輸送阻止闘争は動労千葉の闘いの原点。労働者はゼニ金で左右される存在じゃない。そういう闘いでこそ本当の力が発揮できることを三里塚から学んだ」と会をしめくくった。
 最後に日韓労農連帯のの発展を誓い、団結ガンバローを三唱。11・4日比谷での再会を約束し、会場のあちこちで固い握手が続いた。

【写真】 日韓労働者・農民の連帯を誓い、全員で「(トゥジェン闘争)!」(11月2日 三里塚現地)

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週刊『前進』(2319号4面3)(2007/11/12 )

 農地取り上げ違憲訴訟 市東孝雄さんの陳述

 祖父の代から90年間耕作精魂込めた農地なぜ奪う

 三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんは、千葉県知事による耕作地解約許可処分の取り消しを求める行政訴訟を起こし、第1回弁論が10月30日、千葉地裁で行われた(前号既報)。市東さんの陳述を紹介します。(編集局)
 私は、成田空港会社による農地の賃貸借契約解除請求を、不当に許可した知事の決定の取り消しを強く求めます。
 祖父の代の開墾から、代々90年間耕作してきた農地を、なぜ奪われなければならないのでしょうか。私は、成田空港会社が農業委員会に申請した時から、その不当を訴え、申請書に現れた数々の農地法違反や畑の位置の誤りを調べるように求めてきました。しかしこれは聞き入れられず、書類が千葉県に送られた後も、農業会議は調べることなく、事情を聞くこともしませんでした。私は当事者でありながら会議を傍聴するしかなく、採決の時にやむにやまれず抗議の声を上げましたが、議事は事務的に処理されてしまいました。そして知事の許可決定となったのです。農水大臣に対する審査請求は、不正を問われ自殺した大臣によって棄却されました。
 この経過の上に、空港会社は畑の一部を「不法耕作」とする裁判を起こし、その他の畑については、1年後を限りに契約を打ち切ることを通告してきたのです。
 耕作者としての私の権利はいったいどこにあるのでしょうか。必死の訴えにもかかわらず、手続きが事務的に進み裁判にまで行き着く事態を、私はたいへん恐ろしく思います。        
 私に対する権利侵害の出発点は知事による不当な許可決定にあります。私はこの裁判で、耕作者としての権利を守るよう訴えます。農業つぶしを告発する裁判として闘いたいと思います。
【写真】 市東孝雄さん(10・7集会)
●大正期の開墾から3代90年間耕した農地
 私の畑は、戦後の農地改革のはるか以前から耕してきた小作地です。親子3代90年間、休むことなく耕してきた畑が農地法によって奪い取られる事態が、私にはどうしても納得できません。
 空港会社が地主の藤崎政吉氏と岩澤和行氏から畑を買い上げた事実を私が知ったのは、4年前の新聞報道でした。売買は父・市東東市にまったく無断で1988年に行われていました。その後、じつに15年間、空港公団(現空港会社)は藤崎氏と岩澤氏と示し合わせてその事実を隠し続け、登記もせず、地代を両名に受け取らせてきたのです。このような小作者無視があってよいのでしょうか。
 父も私も知らないうちに、空港用地にするために畑が売られ、ある日突然、空港会社が地主だと名乗り出て、「契約解除だ」「不法耕作だ」「明け渡せ」と言われることなど、到底、納得できることではありません。
●かけがえのない農地をつぶす農業政策
 農業会議を傍聴した時に、農地課の役人は、「離作補償の1億8000万円は農業収入の150年分にあたる」として「転用相当」と報告しました。
 このようなカネは要りません! 開墾から大切に耕し続けてきた農地は、何物にも代えることができないからです。
 農業を守る立場の役人が、金さえ出せば農民の命である農地を取り上げてもいいなどという姿勢に、たまらなく腹立たしさを感じました。精魂込めて作ったかけがえのない農地で農業を続けたいという希望は、行政をあずかる者には通用しないのです。
 いま農耕地が激減しています。国は「これ以上の減少は食料生産の危険水準」だと言いますが、維持すべき最低線の470万fをすでに切っています。財界は「2015年までに300万農家を14万に」と、農家つぶしを叫んでいます。(中略)
 私は農業に誇りをもっています。本格的な有機農業と産地直送を始めてから、延べ3000軒以上の消費者に野菜を届けてきました。畑には微生物が生きています。生殖異常や免疫異常を引き起こす農薬はけっして使いません。畑は長い時間をかけてつくられてきたのです。そこから作られる作物が、多くの人々の支えとなっていることに私は誇りを感じています。
 農地と農業はかけがえのないものであり、私たちの命です。私の農地問題の背景には、国と県の農業切り捨てがあることをこの場をとおして訴えたいと思います。
●土地収用法に代えて農地法で取り上げる不当
 さらに、私が強く訴えたいのは、土地収用法で取り上げることのできなかった畑を、農地法で取り上げようとすることの不当です。
 空港会社の目的は誘導路の直線化です。しかし空港建設のための事業認定は1989年12月に失効し、土地を強制的に取り上げることはできません。平穏を得たはずの農地が、こともあろうに農地と農民の権利を守るために制定された農地法で取り上げられようとしている。これは農地法の死を意味します。
 身勝手な法の運用で、私の耕作権を奪うことは絶対に許されません。
(中略)
 以上のとおり、私は知事によって不当になされた、農地の賃貸借契約解除の許可処分の取り消しを強く求めます。

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週刊『前進』(2319号4面4)(2007/11/12 )

 「自立支援法」廃絶へ

 日比谷に6500人

 「障害者」らの怒り結集

 10月30日、東京・日比谷野外音楽堂で、「今こそ変えよう! 障害者自立支援法、全国大フォーラム」と題して日本障害者協議会、DPI、全日本ろうあ連盟など各「障害者」団体の共催で、集会や国会請願が行われた。全国から「障害者」や労働者家族、ヘルパー労働者ら6500人が結集した。労組交流センター医療福祉部会や福祉労働者連帯ユニオン、東京東部ユニオンの仲間は、障害者自立支援法完全撤廃と11・4労働者集会への結集を訴えるビラまき宣伝を行った。
 障害者自立支援法は昨年10月に本格実施された。これは、高齢者に対する介護保険と同様、福祉領域全般を商売に変えるものだ。利用者は金が払えなければ福祉が受けられず、もうからなければ福祉事業所も労働者もつぶされる。しかし、同時にこの攻撃は膨大な「障害者」や労働者の怒りを生み出した。昨年の日比谷公園1万5千人集会に続き、今年も熱気と怒りに包まれて大集会が開催された。
 集会は政党シンポジウムと各地の実態報告を中心に行われた。主催団体は、反撃の火の手を与野党国会議員への請願という形に押しとどめている。しかしシンポジウムでも実態報告でも、自立支援法の完全撤廃以外に道はないという怒りの発言が会場をおおった。
 自民党や公明党は、「見直しは検討しているが、来年の通常国会まで待ってくれ」と口先で懐柔をちらつかせ弁明に躍起だ。民主党は「利用料の1割負担凍結」法案を臨時国会に提出したと宣伝している。だが、それは自立支援医療費や補装具・地域サービス料等の全応益負担の廃止、給食費・光熱費も含めた全面撤廃の要求からはほど遠い。一切が自民党との駆け引きに終始している。また共産党や社民党、国民新党も「見直し」の論陣は張るが、介護保険の撤廃も自立支援法の廃止も本気で提起できず改良に終始している。
 会場からは実態が報告された。「利用料に加えて給食や光熱費の負担が始まり、工賃をもらっても1日10円しか手元に残らない」「職員は年収200万円がほとんどで、結婚もできず長く続かない」「6割以上の事業所で1割〜2割の収入が減ったので常勤の給料も維持できない」など悲痛な訴えが飛び交った。
 まさにここまでして福祉を商売にしなければ生きられない資本主義になっているのだ。「労働者に権力をよこせ!」。こう言い切って闘う時代を迎えている。「障害者」も、労働者と一体となって「資本主義にNO!」と言える労働運動の力で生産手段を根本的に資本家から奪い取り、結合された労働者の力で社会的生産を自ら担い、福祉を本気で取り戻していく闘いに決起しよう。ここから勝利の道が開かれる。
【写真】 10・30日比谷野音集会。地域でも日比谷野音でも「法」撤廃へ怒りの闘いは続く

〈闘いのスローガン〉

●すべての応益負担を無くせ!(定率負担、自立支援医療、補装具・日常生活用具、地域サービス利用料などの1割負担)
●いっさいの新たな利用料を負担させるな!(給食費、水光熱費、個室利用料など)
●判定区分を撤回しろ!
●国庫負担基準押しつけによる福祉切りすてをやめろ! 地方財政圧迫をやめろ!
●低い報酬単価や日割り制導入、「減産」の名による補助金カット、事業所つぶし、ヘルパーの常勤はずし=超過勤務・サービス残業・不安定労働・低賃金化をやめろ!
●ヘルパー資格で労働者に差別を持ち込むな!
●必要な人に必要な介助・介護を! 介助・介護は全額公費で行え!
●消費税増税反対! 介護保険とともに障害者自立支援法を廃止しよう!

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週刊『前進』(2319号4面5)(2007/11/12 )

日誌'07 10月31日〜11月6日

 「集団自決」で2社が訂正申請

 対テロ特措法期限切れで撤収

●空自機、離陸に失敗・炎上 県営名古屋空港で、航空自衛隊のF2B支援戦闘機が離陸に失敗し、機体が炎上。事故機は空港に隣接する三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所の小牧南工場で整備中だった。(10月31日)
●米軍再編交付金、名護や座間は除外 防衛省は、在日米軍再編に伴う基地負担の代償として支払われる「再編交付金」の対象となる地方自治体33市町を指定。普天間飛行場の代替施設移設案に反対する沖縄県名護市、岩国飛行場への空母艦載機の移転受け入れに反対する山口県岩国市などは交付金の支給対象から除外された。(31日)
●「イラクに行きたくない」 イラク勤務志願者が不足しているため米国務省が今後は強制的な異動もありうると人事方針を転換したことに、職員が猛反発を始めた。強制異動はベトナム戦争時以来、約40年ぶり。31日に開かれた職員集会では、人事担当の幹部が激しい批判を浴び、つるし上げられた。開戦以降、イラクに赴任した延べ約1500人のうち3人が死亡。(31日)
●クライスラー、1万人規模追加リストラ
 米自動車大手クライスラーは1万人規模の従業員を削減する新たなリストラ策を発表した。2月のリストラと合わせ、削減数は計2万人超の規模になる。(11月1日)
●「日本軍の強制」明記で2社が訂正申請
 2006年度の高校歴史教科書の検定で、沖縄戦の集団自決に関する記述に検定意見がついた5社のうち、東京書籍と実教出版の担当者が文部科学省を訪れ、訂正申請をした。集団自決問題で教科書会社が訂正申請したのは初めて。(1日)
●首相が民主党小沢に連立打診 福田首相は、民主党の小沢代表と会談し、自民、公明両党と民主党による連立政権樹立に向けた政策協議を始めることを提案した。さらに、そのつど特別措置法を定めなくても自衛隊の海外派遣を可能にする恒久法(一般法)の検討を条件に、インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開するための補給支援特措法案への賛成を求めた。(2日)
●テロ特措法期限切れで給油部隊に撤収命令 インド洋で海上自衛隊が補給活動を行う根拠となってきたテロ対策特別措置法が2日午前0時で期限切れとなった。石破防衛相は1日午後、海自の補給艦「ときわ」と護衛艦「きりさめ」に撤収命令を出し、両艦船は日本に向け出発した。(2日)
●東証、一時380円下落 2日の東京株式市場は、日経平均株価が一時380円を超す大幅な下落になった。他のアジア市場も軒並み下落して始まった。前日の米ニューヨーク市場のダウ工業株平均が終値で今年4番目の下げ幅を記録したのを受けたもので、サブプライムローン問題による金融不安や米国経済の先行きに対する懸念が強まり、世界的な株安が再燃している。(2日)
●シティ追加損失1兆円 米金融最大手のシティグループは、チャールズ・プリンス会長兼最高経営責任者(CEO)が辞任したと発表。また、サブプライムローンに関する新たな損失が約80億〜110億j(約9200億〜1兆2600億円)にのぼる見通しを明らかにした。(4日)
●F15戦闘機の墜落事故で飛行停止 F15戦闘機が今月2日、ミズーリ州で墜落する事故があり、米軍嘉手納基地報道部は「事故原因が特定されるまで嘉手納基地所属のF15戦闘機の飛行を停止する措置を取った」と発表した。事故原因について米空軍は「航空機に構造上の欠陥が起きた可能性」を指摘。この事故を受け、航空自衛隊のF15約200機も飛行を見合わせていることが分かった。(5日)

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週刊『前進』(2319号4面6)(2007/11/12 )

 国労5・27臨大闘争弾圧公判日程

第84回 11月14日(水)/第85回 12月5日(水)
第86回 12月26日(水)/第87回 1月11日(金)
※いずれも午後1時15分から、東京地裁 

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週刊『前進』(2319号5面1)(2007/11/12 )

 改憲派の正体さらした民主党

 福田政権救済に動く小沢

 「国連」タテに侵略派兵推進

 福田政権の危機がさらに深まる中で、福田首相と民主党代表の小沢一郎が密室協議を行い、大連立政権樹立を企てていたことが発覚した。この策動は労働者階級の怒りの前に頓挫(とんざ)したが、小沢・民主党とこれを支持する連合の反労働者的本質を決定的に暴露するものだ。対テロ給油新法案粉砕のために、民主党の第2自民党としての正体を今こそ徹底的に暴き出そう。

 派兵恒久法で連立画策

 福田と小沢の連立協議は、衆参ねじれ国会の中で福田自公政権が1本も法律を通せず、日米同盟も帝国主義としての存立も危うくなっている事態に非常な危機感を抱いた日帝支配階級が、唯一の危機突破策として画策したものだ。元首相の中曽根康弘や森喜朗、読売新聞の渡辺恒雄らが直接の仕掛け人として策動し、小沢自身も自ら積極的に呼応して、水面下での談合を重ねてきた。日帝の労働者支配が崩壊にひんし、改憲攻撃がもはや一歩も進まない現状を、大連立による新たな「大政翼賛会」の結成によって暴力的に突破しようとしたのである。
 だがそれは、労働者人民の怒りの爆発を受けた民主党内の反対によって失敗し、小沢はいったん党代表を辞めると声明せざるをえなくなった。ところが、民主党幹部がそろって小沢に代表留任を懇請し、小沢は辞意を翻した。
 この迷走とどたばた劇は、しかし笑って済ませられない。問題は、この過程で小沢・民主党が自民党以上に海外派兵=侵略戦争と改憲に熱意と執念をもっている帝国主義ブルジョア政党であることが、完全に明らかになったことである。
 小沢は連立協議に応じた理由として、派兵恒久法の制定で福田と一致したことを挙げている。小沢はもともと、国連安保理決議などで国連の正式の承認を受けた活動ならば、武力行使を含む行為であってもそこに自衛隊が参加することは構わないとしてきた。むしろ、「国連軍」や国連決議をふりかざしての多国籍軍による侵略戦争への積極的参加を一貫して提唱してきたのが小沢である。
 小沢は月刊誌「世界」の11月号に寄稿した論文で、「民主党が政権を取れば、ISAF(アフガニスタン国際治安支援部隊)への参加を実現したい」との考えを示した。小沢が対テロ特措法に基づくインド洋などでの米軍やパキスタン軍などへの海上給油活動に反対してきたのは、それが国連決議に基づいていないというにすぎない。逆に国連の名のもとで発動される軍事行動は、治安維持活動であって「憲法9条で放棄した戦争・武力行使とはまったく異質のもの」だから、自衛隊は大手をふって参加できるというのが小沢の主張だ。
 これに対して政府・与党は、武力行使を伴うISAF参加は憲法上認められないとし、「武力行使と一体とならない活動なら可能」と言って、海上給油活動による参戦を合理化してきたのだ。
 しかしプロレタリアートの側から言えば、国連安保理決議に基づく多国籍軍のISAFの活動であれ、国連安保理決議によらない多国籍軍の海上補給活動であれ、侵略戦争のための軍事力と武力行使(の一環)以外の何ものでもない。絶対に許してはならないものだ。
 小沢・民主党も福田・自民党も、いかようにでもこじつけて侵略派兵を行おうとしているのだ。自民党は日米同盟を強化する形で侵略派兵の拡大と軍備増強を追求している。小沢・民主党は、日米同盟の崩壊を恐れつつ日帝の独自利害を直接貫こうとして、日米同盟を通り越して国連を媒介することで「集団的自衛権」の制約を一気に突破しようと狙っている。
 そして今回、福田と小沢が派兵恒久法の制定で合意したことは、両者が一体となって、海外派兵の継続と拡大をあらゆる形でなりふり構わず推し進める道に踏み切ったことを示している。福田も小沢も、ともにぶっ倒す以外にない。これが労働者階級の回答である。

 ISAF通じ参戦狙う

 小沢が自衛隊参加を目指すISAFとは何か。
 ISAFは、米英を始めとする国際帝国主義がアフガニスタン侵略戦争で打倒したタリバン政権に代えて樹立したカルザイ政権を支援するための治安維持部隊として設置されている。かいらい政権を守り、アフガニスタンを軍事制圧するための部隊だ。国連安保理事会が2001年12月に採択した決議1386に基づく。03年10月の国連安保理決議で展開地域を当初のカブール周辺からアフガン全土に拡大した。06年10月にアフガン全土の治安維持支援の責任を米軍から移された。
 9月10日現在、ISAFには米英独仏などの北大西洋軍(NATO軍)加盟国を中心に37カ国、約4万1千人が加わっている。年々増強され、当初の4倍以上に増員されたのだ。展開範囲が全土に広がったからだけではない。タリバンが勢力を盛り返し、首都でも日常的に軍や警察を狙った自爆戦闘を行っているためだ。カルザイ政権は統治能力を失い、その支配地域はきわめて局限的だ。カルザイは追いつめられ、米帝の後ろ盾でかろうじて政権を維持しているにすぎない。
 ISAFの主要任務は、アフガン国軍や警察とともに治安を維持することだ。治安維持活動はアフガンの国軍や警察合同で実施するパトロールが中心。アフガン政府の重要施設警備、援助関係者の警護なども行う。任務中に武装解放勢力から攻撃を受けた場合、武力で反撃する。
 特にパキスタンと国境を接する南部と東部では、タリバンの活動が活発化し、ISAFは他地域で実施しているようなやり方で治安を維持することはできなくなっている。ISAFは、米軍主体の多国籍軍(約1万人、ISAFとは別の国連安保理決議に基づかない軍事力)と同様の戦闘行為をやっている。こうしたISAFの全土展開に伴い、死者の数も急速に増えている。

 小沢支持する連合の打倒を

 小沢のISAF参加構想は、福田による海自のインド洋派兵継続と同様、日帝が国際帝国主義のアフガニスタン侵略戦争と植民地支配の一角に食い込むために提起されている。むしろ地上部隊の派兵と武力行使への全面参加を提唱する点では、自民党以上にむきだしの侵略出兵の主張だ。
 そして、こうした民主党を支持し、その最大の支柱となっているのが連合だ。民営化と労組破壊で労働者階級の階級意識と階級的戦闘力を解体し、改憲と戦争に導く民主党と、それを支持する連合中央を打倒しなければ階級的労働運動の発展はない。プロレタリアートの階級形成、革命的労働者党建設、プロレタリア革命はなしえない。
 政府・与党は対テロ給油新法案の早期成立と海自の派兵再開へ、国会会期の大幅延長に踏み切った。民主党・小沢が再び福田政権の救済に動くことを許さず、新法案を絶対阻止しよう。

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週刊『前進』(2319号5面2)(2007/11/12 )

 起訴弾劾!法大を学生の手に奪還する!

 平林打倒の包囲デモへ

 11月7日、日帝・国家権力は、10・17法大クラス討論弾圧で不当逮捕された3学生のうち1人を起訴し、1人を少年鑑別所送りにした。1人は不起訴で奪還した。
 絶対に許さない。そもそも、11・4集会への結集をクラスで呼びかけただけで「建造物侵入容疑」で逮捕とは何事だ。クラス討論中の3学生に襲いかかって拘束し、110番通報して警察権力に3学生を売り渡した法大当局・平林総長や安東学生部長は、万死に値する。八つ裂きにしても足りない。必ずこの責任をとらせてやる!
 11・4全国労働者集会は青年労働者・学生を先頭に5700人が大結集し、警察・機動隊の阻止線をぶち破って銀座を解放する戦闘的なデモが大爆発した。日帝はこれに恐怖し、報復的に不当起訴を強行したのだ。
 だが、クラス討論弾圧のもくろみは完全に破産した。3学生は、警察権力による親をも使った卑劣な転向強要を粉砕し、完全黙秘・非転向を貫いて闘いぬき、不屈の革命家へと成長した。この闘いに続いて、全国の学生が次々と法大でのクラス討論に決起した。そして何よりも、法大生が不当逮捕・不当起訴に怒りを爆発させて、キャンパス中央で当局を弾劾する闘いに立ち上がり、11・4集会に決起した。まさに「弾圧こそ、団結拡大のチャンス」なのだ。
 11月1日、キャンパス中央広場の工事が終わって、使用が始まった。だが法大当局は、「キャンパスでの演説禁止」という新たな学内ルールを一方的に学生に通告してきた。昨年の立て看板・ビラまき規制に始まり、学友会廃止によるサークル活動解体攻撃、クラス討論妨害、のべ45人の学生の逮捕に至る弾圧は、ついに「キャンパスでの演説禁止」にまで行き着いた。これを実力で粉砕し、法大を学生の手に奪還することは、改憲阻止決戦そのものだ。
 11月1日以降、法大生は、連日、キャンパス中央に登場して、11・4集会大結集や学友会廃止反対の演説を行ってきた。これに対して、法大当局は数十人の教職員を連日動員し、演説する学生に襲いかかり、拡声器のマイクを引きちぎるなどの暴行を繰り返している。だが、それ自身が学生の注目と怒りの的になっているのだ。暴力教職員に対して、法大生は「処分するならしてみろ」「逮捕するならしてみろ」と激しく追及した。
 法大生の怒りに圧倒された教授たちは、なんと「大学が決めたことに学生が従うのは義務だ」と言い放った。「学生は奴隷だ。黙って従え」と言っているのだ。ふざけるな! さらに、法大生が「憲法第21条、集会・結社・言論の自由があるではないか」と言えば、教授どもは「憲法なんて関係ない。大学が決めたルールの方が重要だ」「日本は法治国家だ。法律に従うのは当然だ。大学の決めたルールに学生が従うのは当然だ」と言う。憲法を否定しながら、法律に従えだと! 学生を警察権力に売り渡して恥とも思わない教授たちは、ここまで腐りきっている。キャンパス支配を学生が実力で奪還する以外にないのだ。
 今の法大はまるで「刑務所」だ。新井君や友部君は手錠=監獄の鎖に現実につながれているが、法大生みんなが見えない手錠につながれている。学生、教職員の10人に1人は、「うつ病」になっている法大の現状。国家権力と結託した平林体制が続く限り学生は命を奪われていく。「もう、ふざけんじゃねえ、生きさせろ!」ということだ。闘う学生を弾圧し、学生を資本の求める人材に育成することが教育だとぬかす平林体制。教職員への締め付けも強まっている。膨大な法大生と教職員が苦しみながら激しい怒りを爆発させている。
 これは、日本の労働者階級の現実と怒りとまったく同じだ。その怒りが9・29沖縄12万人決起として爆発し、11・4集会で銀座を解放する大デモとして爆発した。
 不当逮捕、不当起訴、演説禁止――こんなものは、ますます法大生の怒りに火をつけるだけだ。 学生の怒りに追いつめられた平林総長は、安倍と同じように入院した。平林体制は崩壊状況だ。日帝・福田政権と同じように、支配する能力を完全に失っている。今こそ11・4集会で宣言したように「労働者に権力をよこせ」と言い切ることだ。労働者階級と学生にはその力がある。
 キャンパスでの演説禁止や学友の不当起訴に怒りを燃やし11・16第9波法大包囲デモに立とう!
(マル学同中核派・法政大学支部)
【写真】 法大を先頭に全国の学生は11・4労働者集会に大結集し独自集会を開いた(日比谷野音)

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4・27法大弾圧裁判
第7回公判 11月29日(木)午後1時半開廷
第8回公判 12月7日(金)午後1時半開廷
東京地裁429号法廷
 (傍聴は、12時30分までに東京地裁前に集合)
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クラス討論で起訴なんてふざけるな!
キャンパス中央を学生の手に奪還しよう!
11・16第9波法大包囲デモ
11月16日(金)12時40分 キャンパス中央集合
     午後1時25分 デモ出発

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週刊『前進』(2319号5面3)(2007/11/12 )

 自治体職場からの報告

 人事評価導入許さない

 職場ビラと団交で追及

 絶対反対を貫き執行委で議論

 私は福岡県の自治労のA単組で執行委員をしています。
 今回、A当局は賃金確定闘争に対する回答として人事評価制度を「2008年1月から試行導入する」という悪辣(あくらつ)な攻撃をかけてきました。人事評価(*)は労働者を差別・分断して競争に追い込み、労働組合の解体を狙うものです。団結破壊、労働条件悪化にとどまらず、道州制の導入、戦後地方自治制度の解体、改憲と戦争につながる重大な攻撃なのです。
 当局は、地方公務員法がまだ「改正」されていないにもかかわらず人事評価制度の試行導入を組合に提案してきました。これには理由があります。組合が人事評価制度にあらかじめ賛成していることです。
 自治労福岡県本部は、人事評価について「公正で公平、誰もが納得できる評価制度」を掲げ、「2008年4月からの試行導入」対処方針を提起しています。これは”国公法も地公法もいずれは改正される。人事評価が導入されるのは時間の問題である。導入を認めた上で制度を組合にとってより良いものにしていく”という、初めに導入ありきのとんでもない方針です。
 自治労福岡県本部は、人事評価制度導入を前提としたオルグ学習会を開いてきました。その方針のもとで、私の組合でも3回ほどの学習会と討論会が行われました。その結果を受け、組合執行部は08年度運動方針に「組合員から、制度導入に不安があるが、周囲の状況を考えるとやむをえないという意見が多く出されました」と総括し、「一方的に当局から人事評価を押し付けられないように、当局の動きを注視していく必要があります。組合として制度構築に積極的に関与し……みんなの理解が得られる評価基準作りをはじめとした制度構築に向けて取り組みます」と、制度導入に積極的に関与し、当局とともに「制度構築」していく姿勢を打ち出しました。
 私は組合執行委員会で「より良い人事評価制度などありえない!」と人事評価制度導入反対の意見を述べ、議論を続けてきました。
 そのような中で私は、自治労中央青年部・中央女性部が全国に発した「人事管理強化をもくろむ地方公務員法『改正』に反対する決議(案)」を読みました。この決議(案)を配布したのはわが組合です。私は次のように主張しました。「この決議案はA労組の執行部、自治労福岡県本部の方針を全面的に批判している。『自治労協力国会議員と連携を強化し、(地公法)改正案撤回へ全力で闘い抜く』と書いてあるではないか! A労組でもこの決議を上げ、人事評価制度導入反対で闘うべきだ!」

 執行部が当局と一体となり敵対

 私は労組執行部内賛成派と対決し、人事評価導入反対を訴えています。 
 私の仲間たちが職場の玄関前で、「県本部の人事評価制度試行方針は許せない!」と書いたビラをまきました。驚いた当局の管理職と組合執行部は一緒になって押しかけ、「どうしてこんなビラをまくのですか! Aのことには口を出さないで!」と仲間に食ってかかりました。
 私は、当局との団体交渉の席で「組合を無視した一方的試行導入は断固許さない!」と追及しました。当局は「08年からの試行は2月、3月まで組合と協議する。09年4月から全職員に人事評価を行う」と言うのみです。最初の団交では執行部も「これは組合として認められない」と当局提案に抗議するかのように言いましたが、実は認めていく方針なのです。
 A当局は、私の職場への人事評価制度導入を福岡県の自治体職場全体への導入の突破口にしようとしています。これは私の職場だけの問題ではありません。全国の自治体の問題です。さらにすべての労働者の問題です。絶対に阻止しなければなりません。
 自治労福岡県本部―A単組執行部と対決し、人事評価導入絶対反対を貫き闘う決意です。
 全国の闘う自治体労働者の皆さん!
 人事評価による団結破壊、労組解体を許さず、改憲・戦争、民営化攻撃を打ち砕こう! 
 ともに闘い勝利しましょう!
 (投稿・宮原邦男)
*人事評価制度
 労働者の業績や勤務態度、能力を評価し、ランク分け、それに基づいて賃金・昇給や昇格・昇任を決める制度。2004年ごろから東京都など全国の自治体で導入が始まる。

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週刊『前進』(2319号5面4)(2007/11/12 )

 浜岡原発 差し止め拒む反動判決

 安全無視の暴論に怒り

 不当判決への抗議が渦巻く

 中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)1〜4号機の運転差し止めを求め、地元住民が中部電力を訴えた本訴と仮処分の判決公判が、10月26日静岡地裁で開かれた。午前11時、同地裁6号法廷は、緊張がはりつめ異様な静けさに覆われていた。青ざめた表情の宮岡章裁判長の口が開いた。「原告らの請求をいずれも棄却する」。この一言だけで逃げるように退廷する裁判長に、傍聴席から「地震が起きたら誰が責任をとるのか」と抗議の声がたたきつけられた。待機していた数百人の人々は、「不当判決」の知らせに一斉に驚き、裁判所前は怒りのるつぼと化した。原告団団長で元静岡県議の白鳥良香さんと原告団代表の長野栄一さんは、悔しさで体を震わせながら徹底的に弾劾した。
 その後、近くの駿府公園で緊急抗議集会がもたれた。「不当判決に屈することなく、即時に控訴し、勝訴、原発運転差し止めをかちとるまで闘うことを宣言する」という原告・弁護団声明が読み上げられた。浜岡原発の被曝(ひばく)労働による白血病で命を奪われた嶋橋伸之さんの遺影を抱いた母親の美智子さんは、「裁判所・政府に頼っていたら命は守れない」と署名運動の大切さを訴えた。諸団体・諸個人からも怒りに満ちた闘いの決意が続いた。午後からは静岡労政会館で原告・地元労働者住民、弁護団、支援者が一堂に会した集会が開催された。「裁判だけでなく世論を盛り上げ幅広い運動をつくっていこう」と檄(げき)が発せられた。

 労働者の力で全原発停止を

 判決は「想定東海地震動だけでなく、東南海・南海地震との連動地震動に対しても耐震安全性が確保されている」とし、「浜岡原発の運転によって、原告らの生命・身体が侵害される具体的危険があるとは認められない」と言い放った。浜岡原発は、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界面の真上に建設されている世界一危険な原発であること。予想される東海巨大地震の想定震源域のど真ん中に位置する浜岡原発は、地震発生による原発機器の損傷・破壊で大量の放射能が放出された場合、地元そして首都圏や名古屋などが広範囲に核汚染され、地震災害の犠牲に加え放射能被害で数百万人が死亡する大惨事となること。労働者人民の生命・身体を守るためには、浜岡原発全号機をただちに運転停止・廃炉にする以外にないこと。これらの当たり前で最緊急の原告の主張と要求を、宮岡裁判長は中部電力の主張を丸写しにして全面的に否定し切り捨てたのだ。
 国の想定東海地震の3倍もの巨大地震が起きる可能性もあると地震学者は指摘している。これを無視した判決は根本から間違っている。
 マグニチュード(M)6・8の中位地震でも、柏崎刈羽原発では耐震設計を超える激しい揺れと制御棒装置など3000カ所以上が複数同時損傷する深刻な事態が引き起こされた。M8・4の東海大地震を想定するならなおさら複合故障を考慮すべきところ、判決は「単一故障の仮定による安全評価の方法は不合理でない」と言い、さらに軟岩の地盤を「堅牢であり、地震発生時に安全性に影響を及ぼさない」と言うが、これ以上の暴論はない。また、シュラウド(炉心隔壁)や配管等のひび割れ、圧力容器の中性子照射脆化(ぜいか)などについて、「点検・検査体制が適切に構築されているから安全性に影響はない」と中部電力を擁護している。だが、これまで中電は点検・検査のデータを改ざんし、事故・損傷を隠蔽(いんぺい)して居直ってきたのだ。その卑劣な犯罪行為になんら言及せず、ひび割れ放置のままの運転強行を是認したことは、本当に許せない。
 プルトニウムを生産する原発・核燃サイクルは日帝の核武装が基本目的であり、労働者の被曝労働を前提に稼働するものであり、壊滅的な核惨事を引き起こす危険がきわめて大きい。核と労働者階級人民とはけっして共存できないのだ。
 核と戦争と搾取の根源・日本帝国主義を革命で打倒する闘いは一層急務となった。改憲阻止闘争と一体で、もんじゅ運転再開阻止、六ケ所再処理工場本格稼働阻止、原発・核燃サイクル即時廃絶の闘いに立ち上がろう。
 (投稿・石野孝三)
【写真】 棄却判決に怒りの緊急集会。「止めるまでがんばろう!」(10月26日 静岡・駿府公園)

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週刊『前進』(2319号6面1)(2007/11/12 )

団結ひろば 投稿コーナー

 世界の労働者と手をつなぎ政権倒したい 東京 田中康子

 今日は参加できて良かったです。デモも参加できれば良かったですが、夜勤があり、残念です。
 私もメインは反戦デモや原発反対、それとむやみな動物実験に反対する運動を細々と継続中です。
 実は信じていただかなくても結構ですが、未来がわかるんですね、所々ですが。今後日本がまた戦争を始めること、世界恐慌がくること、大地震がくること。
 でもやっぱり地震は仕方ないとしても戦争はダメだと。昔、戦場ジャーナリストになりたくてボスニア・ヘルツェゴビナやカンボジアなど戦場にも行って来ました。現代の戦争はハイテク化されており、人を虫けらのように簡単に殺します。
 世界中がまた戦争する時代に入ってしまい、どうにか止めないとという時に、世界中の労働者と手をつないで政権を倒すのを頑張りたいと、今日の集会であらためて感じました。
 次回お会いする時は、海外の労働運動者、平和活動、運動者などのお知り合いを紹介していただければ幸いです。よろしくお願いします。

 東北大学への11・6不当捜索を弾劾する 東北大 青葉繁

 11月6日、警視庁・宮城県警は東北大学のサークルボックスに不当家宅捜索を強行した。朝7時から約2時間に及ぶ家宅捜索と、機動隊によるサークル棟全体の封鎖という暴挙に対して、40名の学生が抗議行動を打ち抜いた。
 今回の家宅捜索の要件は「建造物侵入」となっているが、10月17日の法政大クラス討論弾圧であることははっきりしている。法政大を先頭とする全国の学生運動と、11・4集会の大成功に傷をつけたい一心で行ってきた許し難い弾圧だ。
 しかし、この弾圧は、我々の闘いが当局と国家権力、敵階級を確実に追い詰めている証拠だ。警視庁は、ビラや機関紙、さらには沖縄の地元紙「琉球新報」まで押収していった(「建造物侵入」と一体どういう関係があるというのか!)。まさに、沖縄で開始された革命が本土―全国、何よりも東北大に拡大することに心底動揺していることを隠すことさえできなくなっているのだ。
 11月労働者集会は、日米韓の労働者の国際連帯が、国境を廃止し、労働者階級として一つの軍勢となり、いまの腐りきった資本主義・帝国主義を打倒するまでやむことのない、文字通り革命の開始を宣言する歴史的な闘いとして爆発した。この闘いをさらに推し進めていくことこそが弾圧への最大の反撃だ。
 法大弾圧で逮捕された学友に対して7日、国家権力は起訴を強行した。断じて許すことができない。職場・キャンパスでさらに11月陣形を拡大していこう! 全国の学生・労働者の団結の力で直ちに仲間を奪い返そう!

 金剛山歌劇団への排外主義を跳ね返す 岡山 物理重久

 在日朝鮮人の芸術団体である金剛山歌劇団の公演会場に自治体施設を使わせないようにするという異様な事態は、昨年の倉敷市に続き、今年も仙台市、岡山市と、とどまるところをしらない。
 「岡山シンフォニーホール」は、金剛山歌劇団の岡山公演に対して、極右団体の「抗議」行動を「理由」に使用を不許可とした。
 公演実行委員会側は9月11日、(岡山市当局の指定管理者である)財団法人岡山シンフォニーホールを相手取り、処分取り消しと許可の義務付けを求め岡山地裁に提訴した。
 同日、百万人署名運動岡山県連絡会など岡山県内の9団体は、無法な不許可処分の撤回を求め、岡山市役所に行き抗議した。
 「憲法は表現の自由を保障している。これが危機にさらされたときには行政はこれを擁護する努力をしなければならない。今回の不許可処分はそれとは正反対の行為であり、到底許されることでない。さらに地方自治法244条は『地方公共団体(指定管理者を含む)は正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない』また『住民が公の施設を利用するについて、不当な差別的扱いをしてはならない』と定めており、今回の不許可処分がこの規定に反することは明らかである」
 使用不許可処分は現行法にさえ違反している。
 岡山地裁は10月15日、ホール使用を許可するよう命じる決定を出した。公演は予定どおり11月12日に行われる。
 在日朝鮮人に対する排外主義、無法な迫害行為を極右勢力が扇動し、地方自治体当局がそれに加担する動きを労働者階級は絶対に許してはならない。

 吉田義久さんの画期的反核本出版を祝して 東京 南村久史

 吉田義久著『アメリカの核支配と日本の核武装』の出版記念会が10月27日、東京・四谷の主婦会館プラザエフで盛大に行われました。著者と発行元「編集工房 朔」にゆかりのある人々が嵐と多忙の中にもかかわらずかけつけ、出版を祝福しあいました。
 「この本は言いたい放題だけど、十分理解できて心から共感。大勢の人に読まれますように。核戦争の動きを止めるため、万国の労働者・市民・学生、団結せよ!」と、元日弁連会長の土屋公献さんが乾杯の音頭。
 広島からは、8・6ヒロシマ大行動の呼びかけ人であり元参議院議員の栗原君子さんが「核と人類は共存できない」と訴え、反戦被爆者の会の下田禮子さんが核問題を大々的に扱った本書の出版に歓迎の言葉を贈りました。
 迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判被告の板垣宏さんと十亀弘史さんは「物理学上の検証と帝国主義の核武装政策への根底的反撃が結びついた抜群の本」とたたえ、自著『未決勾留 16年』の近日発刊をアピール。次に動労千葉執行委員の川崎昌浩さんが、同書を読んだ組合員の評判はいいと語り、2人の労働者が殺されたJCO臨界事故に触れながら「労働組合が核問題に対してきっぱりと反対の立場に立ち、帝国主義の支配を打倒する闘いをやっていかなければならない」と核心問題を提起しました。
 その他、杉並原発問題研究会や婦人民主クラブ全国協議会、杉並区議会議員の北島邦彦さんをはじめ、各方面から祝辞が述べられました。また、元第五福竜丸乗組員の大石又七さんと部落解放理論センター所長の西村豊行さんのメッセージが紹介されました。
 最後に、著者の吉田義久さんが出版にこぎつけるまでのエピソードをまじえながら、「核は労働者全体が被害を受ける。それを動かしているのは労働者。核ミサイルを向け合うなかで自分のところの核を止めないで何が連帯かということになる」と根本的問いを投げかけ、ヒロシマ・ナガサキへの11・4勢力の大挙結集、核廃絶、金融資本打倒が今後の課題と、闘いの決意を表明しました。
 本書の画期的意義を共有し、核と戦争をこの世からなくしていくために力を合わせて頑張ろうと参加者一同が誓いあい、新たな反戦反核闘争の出発点を築いたすばらしい出版会となりました。

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週刊『前進』(2319号6面2)(2007/11/12 )

 12・1星野全国集会へ

 星野暁子さんが参加を呼びかけ

 絵も詩も2人で積み上げてきた

 33年目の獄中から取り戻したい

 11・4労働者集会の熱気を引き継ぎ、12・1星野全国集会へ! すべての読者、同志に12月1日、東京・四谷区民ホールへの結集を呼びかけます。今年6月8日、再会がかなわぬまま星野文昭同志の母・美智恵さんが逝去されました。この無念と怒りをバネに運動は全国に広がっています。詩画集『FumiAkiko』が発行され、全国各地で絵画展、朗読会が成功しています。全国集会にかける思いを星野暁子さんにうかがった。(編集局)
【写真】 新調した横断幕「星野文昭さんを自由に!」を掲げてデモ行進。中央が星野暁子さん、右は文昭さんの弟・星野修三さん(11月4日 銀座)
 ――11・4労働者集会に参加した感想は?
 勢いのある労働者集会として成功したと思います。星野救う会も今回、五十数名が集会に参加し、独自隊列でデモを行いました。集会では、非正規職撤廃を必死で闘っている民主労総やアメリカの労働者の闘いにあらためて感銘を受け、励まされました。毎回、お互いの距離が近くなっていると感じます。
 私も11月11日の民主労総の労働者大会にはソウルに行き、韓国の労働運動、救援運動を学んでくる予定です。
 ――集会プログラムに星野文昭さんのメッセージが載っていましたね。

 ☆労働者と共に

 大変うれしかったです。集会主催者に感謝しています。文昭はつねに獄外の闘いの場に心を寄せながら、獄中で闘っています。獄中と獄外の闘いを伝えあうことは、お互いを強く激励しあうことになります。
 夜の交流会にも参加しました。民主労総の若い労働者をはじめ、熱い交流を果たすことができました。星野文昭の闘いを正面から受けとめていただき、署名もたくさん集めていただきました。「星野カレンダー」を差しあげたら、大変喜んでくださいました。
 アメリカの労働者からは、私たちも星野を取り組むと言われました。来年は、アメリカにも行きたいと思っています。
 ――08年の星野カレンダーができましたね。
 獄中のペースで12枚の絵をそろえるのは大変なのですが、皆さんに喜んでもらえたらうれしいと思います。文昭は、手紙の中で、「絵も詩も二人で積み上げてきたものであり、星野の運動をさらに広げるものになると思う」と言っていました。
 今年4月に詩画集も発行しましたが、各地の新聞で取り上げられ、新たな人たちとの出会いが広がっています。この詩画集は、20年間、無期懲役と闘いながら二人でつくってきたものの結実です。人間として譲れないもの、一緒に生きる豊かさを表現しています。私たちが弾圧との闘いの中で生きるために与え合ってきた絵と詩によって、「励まされた」「癒された」と言ってくださる人たちと出会えて大変励まされました。
 ――暁子さんの朗読会も好評ですね。
 私の詩は、文昭との対話の中で生まれたものです。その朗読をとおして、聞いてくださる人たちとの対話も進みます。私にとっても大切な時間と空間になっています。

 ☆お母さん逝去

 獄中33年という長い年月の中で、文昭は両親と死別しました。親の死に目に会えないという過酷な現実があります。しかし、義母は最後まで息子を信じて、私たちと一緒に闘ってくれました。それが救いだと思います。
 今も新たな米軍基地建設を阻止し、沖縄戦の歴史を歪曲しようする教科書検定意見の撤回を闘う沖縄、広島をはじめ全国で星野の闘いを続けてくださっているすべての人たちに感謝しています。一人ひとりの思いと向き合って運動を広げていきたいと思います。
 ――新たな救う会も広がっていますね。
 11月24日には仙台で18番目の救う会が結成されます。東北は私の故郷なのでうれしいです。
 昨年から友人面会ができるようになって、文昭の生身の姿が全国の皆さんに伝わるようになりました。会った方たちは、「年より若い」「生き生きして元気だ」と驚きます。文昭が獄中で自分をみがき、獄外の一人ひとりに向き合っている姿勢に感動され、本気で取り戻さなければと思うようになったと言います。自分と同じ熱い血が流れている人間が獄中につながれている、と伝えることが重要です。
 星野は政治的冤罪です。再審で取り戻し、仮釈放でも取り戻す闘いが必要です。そのために、運動の広がりが重要です。33年の投獄という重さを、逆に、武器に変えて闘いたいと思います。

 ☆会場を満杯に

  ――最後に、12・1全国集会にむけてのアピールをお願いします。
 33年目の獄中から文昭を取り戻すための集会です。無期という厳しさを見据えて生きる中で生み出してきた、文昭と私の人間として大切なもの、生命の輝く世界を表現し、皆さんと共有する場として成功させたいと思っています。弾圧と闘って勝利できることを示し、そのことで具体的に取り戻す次の展望をつくっていきたいと思います。
 徳島刑務所で新たに進んでいる厳罰主義に歯止めをかけることも重要な課題です。500人の会場を埋め尽くす皆さんの参加をお願いします。
【写真】 2008年FumiAkikoカレンダー

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無実なのに獄中33年
星野文昭さんを自由に!
12・1全国集会
12月1日(土) 午後6時開場/6時半開会・9時終了
四谷区民ホール(四谷区民センター9F 新宿御苑前駅)
主催/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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週刊『前進』(2319号6面3)(2007/11/12 )

 沖縄戦と教科書 B

 有銘政夫さんに聞く

 “玉砕の島”を生きて

 戦前は天皇を中心にした明治憲法が徹底的に貫徹された。いわゆる沖縄戦を含めて、玉砕というところまで、「集団自決」を決意させるまで徹底して貫徹された。
 そして、最悪の事態で迎えた戦後、なお沖縄は軍事占領されたまま日本の独立の犠牲にされ、27年にわたる米軍事支配に置かれた。さらに復帰が実現しても基地は自由使用。沖縄に主体性を持て、もう少ししっかりしろと言われても、しっかりしようがないわけさ。
 軍用ヘリが沖国大に墜落(04年8月)した時も米軍が学長の許可なく大学構内を取り仕切った。これが民主主義か。基地問題の抜本解決を求めても、運用改善で抑え込む。何も変わらない。
 今でもよく言われる、イラクの自爆テロは、戦時中の特攻隊みたいだなと。しかしどっちを否定しているかというと、特攻隊は過去のもの、現代のテロは悪者だとなるわけ。戦争も外交だといって、力で抑える発想が続くかぎり、抵抗する手段がほかにあるのか。
 問い直さないといけないわけよ。特攻隊がなぜつくれたのか、国のために死をもいとわないといって、その国家が間違った時はどうするのか。
    ◇
 こういう状況の中で戦争体験者が一番癇(かん)に触って、これは許せんと思ったのは「軍命はなかった」と言われたことだ。冗談じゃないと怒った。
 どの人もその渦中にあった時には口にできないほど悲惨な状況でしょ。だから今、軍命はなかった、強制じゃなかった、自分で決意し、率先して国のために死んだんだと言われたらさ、冗談じゃないとなる。あの世まで心にしまい込んで持ち去ろうとしたものを我慢できなくて全部吐き出したわけだ。
 今度の沖縄のうねりはかつてないものだ。この沖縄の痛み、怒りを全国に広げれば、北朝鮮バッシングをテコにして再軍備をしようとする風潮も戦争も、完全にノックアウトできる。僕は、最後のチャンスだと言いたいぐらいだが、全国的な広がりが持てるところまで行くかどうかな。
    ◇
 集団自決も、敵がそこまで来た!という切羽詰まった時に起きた。まさに軍隊と一緒に地上戦の真っただ中に放り込まれたから起こりえた。
 僕は沖縄で広範に集団自決があったのは、1年前の「サイパン玉砕」が大きいと見ている。沖縄で起きたことは全部サイパンで起きたことだ。
 僕は家族でサイパンに住んでいた。「サイパン玉砕」の44年は13歳だった。1931年生まれだからね。
 僕の家族も上の姉2人は「自決」に絶対賛成だった。父親は住民のリーダーで「自決」用の手榴弾(しゅりゅうだん)を持っていたから、みんな集まれとやったけど、妹は死ぬのが怖いと言ってその輪に加わらんわけさ。それが幸いして生きてきたんだ。
 僕は怖いというんじゃないよ、まだ戦える、最後まで戦おうと言ったんだ。その時に僕の母親がね、子どもが嫌だというのに殺すわけにはいかんと言って、その輪を離れるわけさ。
 母親は軍事教練にも反対していた。イチニ、イチニとバケツをリレーして水をかける消火活動で、母は「本当に焼夷(しょうい)弾が落ちたらこんなことをする人はいないよ」と言って叱られた。母は庶民感覚で否定していたんだと思う。
 結局、逃げる過程ではぐれた父は帰らぬ人になってしまった。
    ◇
 僕らは最後、銃剣を構えた米軍に包囲されて捕虜になった。死ぬ覚悟はできているとはいっても本能的には死は怖い。金縛りにあって身動きできなかった。
 米兵が缶詰とかお菓子を食べさせようとする。毒が入っているかもと警戒する。すると片言の日本語で「食べなさい、大丈夫」って食べて見せた。なんでもないと分かったらみんな食べた。そのころから次第にわれに返るわけ。次は車に乗せて連れ出そうとするから、どこかに行って銃殺するのだろうとまた不安が出てくる。
 そうして車でキャンプに着いた時、ゲートが黒山の人だかりなんだ。その瞬間、「みんな生きているんだ」とびっくりした。捕虜になったのは自分らだけだと思い込んでいたからね。
 捕虜になっても生きられることを知っていたら逃げるわけないさ。もう一つは捕虜になろうと出ると後ろから撃ち殺されるという恐怖だった。出るのも怖いけど、後ろも怖い。これが戦争だ。
 今度の教科書問題で妥協をしたらとんでもないことになる。日本政府は油断もすきもない。
 僕は9・29県民大会に集まった若者たちに期待している。若い者の感性というのは想像以上だ。あの場に来て、どれだけ多くの人たちが目覚めたかわからない。
【写真】 反戦地主・有銘政夫さん

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