ZENSHIN 2007/11/26(No2321 p06)

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第2321号の目次
 

沖縄地区本部マリン支部のスト拠点、キャンプ・フォスター第2ゲート前

1面の画像
(1面)
対テロ給油新法粉砕の11〜12月決戦に立とう
恐慌・戦争・労組破壊と対決し帝国主義打倒・世界革命勝利へ
記事を読む  
4・27法大弾圧 新井君・友部君を奪還
平林体制打倒の勝利へ前進(11月19日)
記事を読む  
第9波の法大デモ  演説禁止・処分策動に怒り(11月16日) 記事を読む  
全駐労が全国統一スト 11・21沖縄先頭に賃下げ阻止へ(11月21日) 記事を読む  
日程 国労5・27臨大闘争弾圧を許すな12・9全国集会 記事を読む  
(2面)
労働契約法案絶対阻止を
労働者の団結を破壊する悪法  民主党・連合の屈服許すな
記事を読む  
参院の審議に反撃  闘う合同労組が連続決起(11月20日) 記事を読む  
都労連・特区連の賃金確定闘争
現業給料表水準見直し9%引き下げ許すな
記事を読む  
来春不起立拡大へ
「日の丸・君が代」再発防止研修意気高く反撃(11月19日)
記事を読む  
動労千葉を支援する会
平成採組合員を囲んで 幕張支部と交流会(11月16日)
記事を読む  
革命の時代を切り開く圧倒的な冬期カンパを 記事を読む  
国労5・27臨大闘争弾圧公判日程 記事を読む  
(3面)
米教育労働者の11・4報告  “私たちの闘いはひとつだ” 記事を読む  
11・4労働者集会 報告集発刊! 記事を読む  
仏・公務員がゼネスト  独でも史上最大の鉄道スト(藤沢明彦) 記事を読む  
〈焦点〉 福田訪米と首脳会談の結果  米帝の対日争闘戦に拍車 記事を読む  
〈焦点〉 患者を公園に放置する病院  労働者の団結力で反撃を 記事を読む  
(4面)
11・4の感動を仲間に
集会報道号で機関紙拡大を  前進経営局
記事を読む  
中国共産党第17回大会  胡錦涛体制への怒り全土で爆発
残存スターリン主義の矛盾第2革命が不可避な情勢に  野田利一
記事を読む  
2007年日誌 11月14日〜20日
宴席に額賀・久間元防衛庁長官  改悪入管法で指紋採取・顔写真
記事を読む  
(5面)
世界革命への扉が開かれた  11・4集会の勝利の核心点
階級的労働運動の実践が5700の革命主体生む
革共同中央労働者組織委員会
記事を読む  
PAC3配備阻止へ  11・18習志野駐屯地デモが高揚(11月18日) 記事を読む  
日本原 共同訓練を弾劾  農民先頭に怒りの決起(11月11〜23日) 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー
 11・4を闘って 初めて日比谷野音に決起 北陸  寺崎進
  11・4を闘って 本気で怒って実現したデモ 広島 竹林かな
  11・4を闘って 「革命こそ究極の対案」と確信 京都 碧海
  11・4を闘って 韓国・アメリカの参加に感動 広島 河合典子
  11・4を闘って 共産主義社会現実のものに 広大 ジョン滝沢
  獄壁をぶちやぶって仲間を奪還したぞ! 学生 村雨省吾
  腐敗した日本に対しデモで思い示したい 埼玉 吉崎文夫
記事を読む  
九州大 公安警察が学生使い情報収集
スパイ西川を摘発・粉砕  原則的組織活動であぶり出す
記事を読む  
紹介  未決勾留16年 迎賓館・横田事件の被告は無実だ
「現代の大逆事件」に反撃 心とらえる非転向の闘い
記事を読む  
12・1星野集会成功へ  兵庫と広島で闘い前進 記事を読む  

週刊『前進』(2321号1面1)(2007/11/26 )

 対テロ給油新法粉砕の11〜12月決戦に立とう
 恐慌・戦争・労組破壊と対決し帝国主義打倒・世界革命勝利へ

 帝国主義の危機が激化し、恐慌と戦争の時代に突入し、革命的情勢が急接近している。サブプライムローンを引き金に起きた世界金融危機は、住宅バブルの崩壊から米経済・世界経済全体のバブルの崩壊、世界大恐慌の爆発へと進んでいる。世界革命へのチャンスが到来しているのだ。11・4集会はこの情勢に真っ向から切り結ぶ闘いとしてかちとられた。11・4を引き継ぎ、階級的労働運動路線を全面的に発展させ、対テロ給油新法案粉砕・福田政権打倒へ11〜12月決戦を闘おう。

 イランへ開戦通告に踏み込んだ米帝

 世界金融大恐慌の時代は一大資本攻勢と戦争の時代である。米帝は今や07〜08年の過程で、イラクとアフガニスタンへの侵略戦争をイランへのより大がかりな侵略戦争に拡大しようとしている。現在の情勢はまさに、米帝によるイラン侵略戦争開始前夜だ。
 10月25日、米政府は、国務長官ライスと財務長官ポールソンの共同声明の形で、イランへの「追加制裁」を発表した。その内容は、イランの「革命防衛隊(IRG)」を大量破壊兵器を拡散する組織、IRGの最精鋭部隊「アルクッズ部隊」を「テロ支援組織」に指定するというものだ。これは完全に「開戦通告」に等しいものである。
 重要なことは共和党のみならず民主党、とりわけヒラリー大統領候補もこれを支持していることだ。米上院は9月26日、「イラン革命防衛隊をテロ組織に指定すべき」との決議を76対22の大差で可決した。ヒラリーはこの決議に賛成し、「戦争を急ぐのは反対だが、何もしないのはよくない。最後の選択肢は排除しない」と事実上、対イラン開戦を支持した。先ごろ来日したゲーツ米国防長官は、石破防衛相との会談で、イランへの軍事力行使を「最後の手段」として肯定している。
 9月下旬には米上院で「イラク準分割案」が可決された。これは、イラクをクルド系、シーア派系、スンニ派系に3分割し、バクダッドの中央連邦政府は「国境と石油収入を管理する」というもので、分断統治する古典的な植民地支配政策だ。
 06年米中間選挙は、イラクからの「即時撤退」を求める米労働者階級の必死の闘いがブッシュの共和党を大敗に追い込んだ。だがサブプライムローン問題をも引き金として米帝の没落と危機が激烈に進行している中で、米帝支配階級は民主党を含めて、米軍のイラクへの長期駐留方針で一致しつつあるということだ。何よりも中東石油の支配に米帝の死活がかかっている中で、イラク占領支配が不可欠であり、これを放り出すことは絶対できないという階級的反動的本質をあらわにしてきたのだ。
 とりわけブッシュ政権は、08年米大統領選で民主党への巻き返しを図るためにも、再びイラク戦争、イラン戦争という帝国主義にとって生きるか死ぬかをかけた戦争という絶対的テーマをクローズアップさせている。
 こうした新たな侵略戦争情勢はアメリカ階級闘争をさらに激化させ、米帝打倒の情勢を成熟させる。対外侵略戦争と労働者階級への一大資本攻勢は一体だからだ。
 アメリカの労働運動は今、1930年代に続く第2の高揚期を迎えている。11・4集会に結集したアメリカの闘う労働者はその先頭に立っている。さらに06年の1000万人メーデーを皮切りに、今年9月には全米自動車労組(UAW)のストライキが闘われ、5月にはオークランドで教育労働者がイラクへの軍需物資輸送阻止のストライキを闘い抜いた。アメリカ労働者階級による米帝打倒・世界革命の時代が始まっているのだ。

 職場闘争で団結し改憲阻止へ進撃を

 国際帝国主義の危機が絶望的に深まる中で、日帝の体制的危機もものすごいものがある。この危機を突破するのはプロレタリアートによる帝国主義打倒の革命しかない。
 7月参院選は日本の政治過程を新たな危機的段階に突入させた。自民党(自公)体制がどん底に突き落とされた。しかし体制内野党である民主党は、否応なく第2の自民党化を迫られ大動揺する以外にない。小沢の「大連立」の動きはその大がかりな始まりであったが労働者階級人民の怒りが爆発し、「大連立劇」は撤回された。
 この小沢の無様な「撤回劇」を見すかした福田は、きわめて攻撃的に行動を起こしている。臨時国会の会期を12月15日まで延長した上で、労働契約法案や対テロ給油新法案の衆院通過を直ちに強行した。
 福田は、対テロ給油新法の早期成立を日米安保と日帝の存立にかかわる問題、「祖国防衛」の問題として民主党に突きつけている。福田は新法案が参院で否決されても衆議院の3分の2で可決し成立させる決断を固め、いざとなれば国会解散をも断行するというダンビラを振りかざして民主党に脅しをかけている。
 福田は国会解散で主導権を握り、衆院選で自民党が過半数を獲得することを絶対の課題として勝負に出ようとしている。福田・自民党と日帝ブルジョアジーは、大恐慌と戦争の時代の中で、死力をつくした階級決戦に延命の一切をかけて突っ込もうとしているのだ。
 まさに対テロ給油新法案阻止闘争は、福田政権打倒・日帝打倒を真っ向から掲げる闘争だ。労働者階級の側から「攻めの改憲阻止決戦」に猛然とうって出る時だ。今こそ階級的労働運動路線を軸に、職場闘争を闘い、国会闘争に決起しよう。
 さらに福田政権は、日本経団連・御手洗と結託し、小泉・安倍の路線を継承して民営化、労組破壊、社会保障解体、大増税、教育改悪、戦争と改憲の道をますます突っ走ってくる。とりわけ「骨太方針Z」の中にある「生産性の伸び率の1・5倍化方針」を実行に移そうと、強労働・長時間労働・非正規雇用の拡大を始め、労働者階級への一大資本攻勢に出ようとしている。労働契約法案はまさにこのためのものだ。断固粉砕しよう。
 消費税増税についてもその足固めを策動している。とんでもない攻撃であり、絶対に許せない。階級的大反撃をたたきつけよう。

 巨額の軍需利権に群がる資本家倒せ

 米軍再編・日米安保強化に伴って発生する巨額の軍需は、経済の低迷にあえぐ日帝ブルジョアジーに新たなぼろもうけの絶好のチャンスを提供した。そして「死の商人」と化した軍需資本と政府高級官僚・防衛族議員が癒着し、国家財政を食い物にして私腹を肥やしてきた。前防衛事務次官・守屋の腐敗はその一角にすぎない。
 参院における守屋の証人喚問で、守屋の腐敗に額賀財務大臣と久間前防衛大臣が関与していることが明らかになった。福田内閣の中枢閣僚の腐敗問題だ。この一事をもってしても福田政権を打倒しなければならない。
 守屋証人喚問で「日米安保戦略会議」の存在がクローズアップされた。この会議は毎年2回、日米交互に行われ、そこには日米の軍需産業、政府高官・防衛族議員らが群がり、巨額の軍需の分捕り合戦を繰り広げていた。この中心にいたのが額賀と久間だ。
 米軍再編費用は、海兵隊のグアム移転費7000億円を含め8年間で3兆円。MD(ミサイル防衛)ではさらに巨大な金が動く。これは序の口であり、これから天文学的な軍需が発生する。
 すでにアメリカの国家財政の半分は軍事予算で占められ、ブッシュ政権の中枢も軍需産業の関係者が多数おり、米帝は戦争を拡大する以外に延命できない国家体制になっている。日帝もそうした戦争国家体制に移行しようとする渦中でこの腐敗が発覚した。
 こうした腐敗しきった最末期の帝国主義は一刻も早く命脈を絶たなければならない。労働者階級がその怒りを爆発させ、自ら権力をとって、社会の根底的変革に突き進む時代がついに来た。この労働者革命の勝利のためには、帝国主義の最後の防壁となっている体制内労働運動を打倒して進むことが必要だ。それが動労千葉労働運動を先頭とする階級的労働運動だ。青年労働者を中心に4大産別で職場の支配権を奪取しよう。
 国労5・27臨大闘争弾圧裁判の勝利へ、12・9全国集会へ結集しよう。法大決戦に勝利しよう。12・1星野集会に結集しよう。年末一時金カンパ決戦に総決起しよう。

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週刊『前進』(2321号1面2)(2007/11/26 )

 4・27法大弾圧 新井君・友部君を奪還
 平林体制打倒の勝利へ前進

勝利のこぶしをあげる新井拓君【右】と友部博文君【左】(11月19日 東京拘置所門前) 

 11月19日、4・27法大弾圧で逮捕・起訴されていた新井拓君、友部博文君の保釈・奪還をかちとった。7カ月もの不当勾留を、完黙・非転向でぶち破っての大勝利だ!
19日夕方、東京拘置所門前に、2人との再会を果たそうと続々と全学連の学生が駆けつけた。午後7時、東京拘置所の門扉が開き、2人の姿が見えると大きな歓声がわき上がった。7カ月ぶりの再会に抱き合う姿。固い握手。インターナショナル。東京拘置所前は、勝利者の笑顔と笑顔が大合流する場となった。
新井君と友部君は、7カ月の獄中闘争を闘い抜き自信と誇りに満ちあふれている。初めて2人を間近に見る学生もいる。革命に向けた連帯と一体感。闘いの中ですでに獄壁はぶち破られていた。
2人の奪還は、実に決定的な勝利だ。
法大当局、東京地検、警視庁公安部は、06年3・14弾圧以来の法大闘争の前進に恐怖し、この4・27弾圧に法大闘争圧殺のための全反動を集中してきた。
そもそも、「暴行」容疑自体が完全なデッチあげだ。事実は、大学当局による学生の暴力的拘束、公安刑事のキャンパス乱入・違法逮捕であった。裁判闘争にも「機動捜査班」なる検事グループを導入、分離公判や公判前整理手続きの適用を狙うなど、司法改悪の先取り攻撃を加えてきた。
全学連は「弾圧は見せしめにすぎない」「彼らにかけられた手錠は自分たちにかけられたものだ」と、新入生を先頭に全力で闘い抜いた。9月全学連大会では、人生をかけた真剣な討論をとおして「新井君・友部君のように闘おう」という路線をうち立てた。一人ひとりが真の革命家となって11月決戦を闘う決意を固め、逮捕・処分を覚悟して法大決戦に飛び込んでいった。新たな学生が次々と闘いを担った。
追いつめられた警察権力と法大当局が手を染めた10・17クラス討論弾圧は、若き革命家集団が11・4労働者集会を生き生きと宣伝・扇動することへの恐怖に満ちた大反動だった。しかし、逮捕された学生の完黙・非転向の闘いで、この弾圧も粉砕しつくした。
そして、これらすべての怒りを爆発させて11・4集会への大結集と解放的デモを、全学連が先頭でこじ開けたのだ。
これらの闘いの一切の土台は、新井君・友部君の完黙・非転向の獄中闘争だった。「闘いなくして弾圧なし。弾圧なくして団結なし」を合言葉に、全学連は最高の闘う団結をつくってきた。裁判闘争では、この団結で東京地裁を震撼(しんかん)させ続けている。
こうした闘いのすべてが敵のもくろみを完全に破産させ、大反動をぶち破り続けてきたのだ。
4・27弾圧との闘いをとおして全学連は、革命的情勢の到来にふさわしい飛躍と団結をつくってきた。破産しきった資本主義はもはや、国家暴力を振りおろすしかない。しかしそれは、強靱(きょうじん)な革命家を次々と生み出すものでしかないことを証明してきたのが法大闘争だ。
この勝利をひきつぎ、10・17クラス討論弾圧と闘う2学友を絶対に奪還しよう。裁判闘争に勝利しよう。平林体制を打倒し、法大を革命の砦へ!
【写真】 獄中の仲間と連帯し、第9波法大包囲デモを打ち抜く(11月16日 市谷・九段校舎前)

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週刊『前進』(2321号1面3)(2007/11/26 )

 第9波の法大デモ
 演説禁止・処分策動に怒り

 闘う法大生は11月16日、第9波の法大包囲デモを打ちぬいた。
 法学部教授会はデモ前日の15日、「保証人同伴の事情聴取」なるものをぶつけてきた。法大当局は11月から突如「キャンパスでの演説禁止」を打ち出した。これに対し、「学生無視・言論弾圧のルールは認めない」と立ち上がった法大生への弾圧、新たな処分策動だ。
 教授会執行部らは事情聴取で、「退学者と行動をともにしたら君も同じにみられるぞ」「君は浮いている」「たとえ悪法だろうと法なのだから従え」などと言い放った。そして、本人に席を外させた上で、家族に「中核派と関わらせると人生がダメになる」「明日のデモにはお子さんを行かせないように」と恫喝(どうかつ)したのだ。
 昨秋、副学生部長の藤村耕治が、M君に「被処分者と手を切れ」と迫ったのとまったく同じやり方だ! 公安警察と同じ転向強要ではないか!
 当該の学友は「『手を切れ』との恫喝は彼らがどれだけ団結を恐怖しているかを示すもの」「教授がよってたかって『浮くな』とか『空気読め』などといっていることは大学の最末期の姿そのものだ」と一蹴している。
 デモ当日は、当局によるこうした暴挙に怒りを燃やして立ち上がった。
 昼休み、被処分者が代わるがわる訴えに立つ。退学処分者は「『悪法も法だ、ルールには従え』と言う教授こそ、学生を支配しようとする側の傲慢(ごうまん)だ。これを認める必要はない。学生を支配しようとする平林総長と、それを許さない学生とは非和解だ。学生は闘って自己の利害を貫こう!」と呼びかけた。さらに、前日の恫喝をはね返して1年生が発言。「法大の現状は許せない。表現活動は学生部から『許可』されてやるものではない。周知もせず一方的に規制を押しつける大学に抗議する」。この力強い発言に圧倒され、こっそり様子をうかがいにきた法学部長は一瞬で引っ込んだ。
 参加者は公安デカどもを圧倒して、市ケ谷を制圧するデモを打ち抜いた。「新井君・友部君に地裁が保釈決定」の知らせが入ったのはこの日の夕方だ。

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週刊『前進』(2321号1面4)(2007/11/26 )

 全駐労が全国統一スト 11・21沖縄先頭に賃下げ阻止へ 

沖縄地区本部マリン支部のスト拠点、キャンプ・フォスター第2ゲート前

   全駐労は21日、日本政府・防衛省が提案している日本人基地従業員の格差給(基本給の10%)・語学手当廃止などに反対し、4時間の全国統一第1波ストに突入した。
  ◇    ◇
 「ストライキは労働者の権利だ! 沖縄の労働者の先頭で、全軍労以来の団結の力を示そう!」
 全駐労沖縄地区本部は19日の総決起集会を成功させ、21日には米軍基地40あまりのゲートに3支部(マリン・ズケラン・空軍)でピケ。マリン支部は、キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセンなどの海兵隊施設でピケを張ってストを貫徹。
 全駐労は沖縄のほか、青森、東京、神奈川、広島、山口、長崎の1都5県でストライキを実施。今後の交渉しだいでは、11月30日に第2波8時間ストを、12月12〜14日には3日連続8時間リレーストを設定している。   
 政府・防衛省の攻撃は、自治体現業を始めとした公務員への大幅賃下げ攻撃と完全に連動したものだ。
 9・29沖縄県民大会の大高揚を引き継いで決起した沖縄の基地労働者の闘いに続こう! 大幅賃下げ阻止の闘いに全国で立とう!

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週刊『前進』(2321号1面5)(2007/11/26 )

日程 国労5・27臨大闘争弾圧を許すな12・9全国集会

無罪獲得・国労再生・1047名解雇撤回へ
2008年こそ正念場!
国労5・27臨大闘争弾圧を許すな
12・9全国集会
 12月9日(日)午後1時半
 かつしかシンフォニーヒルズ
 (京成「青砥」または「立石」下車)
主催/国労5・27臨大闘争弾圧を許さない会

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週刊『前進』(2321号2面1)(2007/11/26 )

 労働契約法案絶対阻止を
 労働者の団結を破壊する悪法
 民主党・連合の屈服許すな

 労働契約法案は、民主党と連合の裏切りで11月8日に衆議院本会議で可決、攻防の舞台は参議院に移った。参院厚生労働委員会では民主党が絶対多数を占め、委員長を握っているにもかかわらず、早期成立を求める連合の声に押されて20日には委員会で審議入り、今週中にも委員会と本会議での採決を強行しようとしている。徹底的に弾劾し、成立を絶対に阻止しよう。
【写真】 労働契約法案の参議院での審議初日に「たたかう合同労組全国交流会」は国会闘争に決起し、絶対廃案を訴えた(11月20日 国会前)

 対案路線は大政翼賛会

 労働者の怒りの声で自民党が惨敗し、「ねじれ国会」が現出しているにもかかわらず、民主党は労働者階級の利益を体現して闘うのではなく、福田・小沢会談を契機にして「大連立的」な政策協議路線にのめり込んでいる。これこそ日本帝国主義のがけっぷちの危機を前にした現代の大政翼賛会そのものだ。
 労働契約法に関してこのことが最も顕著に表れている。徹底的に弾劾しなければならない。
 そもそも連合中央は「雇用・就業形態の多様化に対応するためには労働契約法が必要」などと言って完全に敵の土俵に乗り、独自の労働契約法案をつくるなど完全な労働契約法推進派だ。
 11月1日に開いた「政策実現集会」の場で高木会長は労働契約法案について、「与野党間で修正し、可能ならばぜひ通してほしい」と述べた。
 民主党は労働契約法の対案を9月28日に国会に提出していた。だが、連合の要請を受け、衆議院の厚生労働委員会の民主党筆頭理事である細川律夫が密室で自公両党と修正協議を行い、8日の衆議院厚生労働委員会に民主・自民・公明3党の共同修正案を提出し、賛成多数で可決させた。
 細川は自らのホームペで、「いわゆる『ねじれ国会』のなかで、政府案に対し与野党の共同修正で法案が通るのは初めてのことでもあり、国会の中では大変注目されているところです」などと自画自賛している。03年の有事法制成立の時にも民主党が賛成し、翼賛国会が出現したが、その際に現在防衛庁の汚職事件で問題になっている久間と密室協議して修正案をつくった前民主党代表の前原のような役割を果たしているのだ。
 労働契約法を突破口に対案−共同修正案という政策協議路線が音をたてて進行しようとしている。対テロ給油新法をめぐっても民主党は対案路線をとっている。民主党の裏切り・屈服を絶対に許すな。

 「工場法以前」狙う攻撃

 労働契約法は改憲と戦争攻撃そのものである。労基法や労組法などの戦後労働法制は、資本家を罰則をもって取り締まることで労働者の権利を守るものとしてあった。そして労働者階級は労働組合を結成し、この法律をも武器にして闘うことで自らの権利と団結を守ってきた。
 帝国主義間の争闘戦が激化する中で、支配階級は国家が資本を規制するあり方を「労働ビッグバン」などと称して全面的に破壊し、新自由主義的な規制緩和路線で労働者階級を「工場法以前」の食えない、生きられない状態にたたき込もうとしている。新自由主義的な民営化と労組破壊の攻撃は全世界的な攻撃であり、これとの闘いには国際連帯がかかっている。
 彼らは、労働法とは違う民法として労働契約法をつくり、罰則規定のある労基法・労組法を解体しようとしている。現に日本経団連は05年版経労委報告で、「労働契約法制は……工場法の時代の遺制を引きずる労働基準法などの関係法令を、今日の環境にふさわしいものに抜本的に改革する……ことを強く期待したい」と述べている。
 実際、厚生労働省の労働政策審議会において労働契約法が論議されていた過程では、解雇の金銭解決や労働組合の役割を否定する労使委員会制度の強化など、労働組合の存在と闘いを全否定する支配階級の本音が露骨に出ていた。
 現在、審議中の労働契約法は、労働者階級の反対を恐れてこれらの点をはずし、「小さく生んで大きく育てる」路線をとっている。だが労働者派遣法を見よ。最初は専門職だけだったのが今やほとんど全業種に拡大してしまっているではないか。法律はいったんできれば、どんどん改悪されてしまうものなのだ。
 しかも現在の労働契約法案に盛り込まれている「就業規則の変更による労働条件の不利益変更」は、労働者階級にとって今までの闘いの地平を解体し、資本が好き勝手に労働条件を切り下げることを許すとんでもない内容だ。(前号参照)
 労働契約法反対の声は広がりつつある。今週中にも参議院での委員会採決と本会議採決・可決かと言われている。民主党・連合中央を徹底弾劾し、成立阻止の国会闘争に総決起しよう。

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週刊『前進』(2321号2面2)(2007/11/26 )

 参院の審議に反撃
 闘う合同労組が連続決起

 11月20日に労働契約法案と最低賃金法改悪案が参議院の厚生労働委員会で審議入りした。これに対して「たたかう合同労組全国交流会」は11月8日に引き続いて国会闘争に決起した。
 20日午前11時過ぎ、国会前に全国労組交流センターに結集する東京西部ユニオン、なんぶユニオン、福祉労働者連帯ユニオン、ユニオン東京合同、茨城県地域連帯労組がのぼり旗を立てて登場し、ビラまきを開始した。
 昼休みにはマイクを使って労働契約法の問題点を暴露し、参議院での絶対廃案を訴えた。
 共謀罪と労働法制改悪に一貫して闘ってきた首都圏の争議団の活動家たちもこの日、国会前で労働契約法反対を訴えるなど反対運動は盛り上がってきている。民主党の屈服で今週中にも委員会採決と言われている。絶対廃案をめざして、28日(水)午前11時に国会闘争に決起しよう。

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週刊『前進』(2321号2面3)(2007/11/26 )

 都労連・特区連の賃金確定闘争
 現業給料表水準見直し9%引き下げ許すな

 

【写真左】11月14日、都労連総決起集会で”ストライキで闘うぞ”(都庁モール)【右】11月19日、特区連総決起集会で”賃下げ許さず団結して闘うぞ!”のシュプレヒコール(江戸川区立総合文化センター)

 都労連、特区連の今秋季年末闘争、2007賃金確定闘争の最大の攻防点は、現業賃金すなわち業務職給料表の水準引き下げの大攻撃に対してストライキで反撃できるかどうかに絞られた。現業、非現業の差別・分断を許さず、組合の団結を守って闘おう。

 都労連はストライキを中止

 石原・都当局は今秋、マイナス人勧、現業賃金見直し、再雇用制度廃止、成績率拡充、病気休暇・休職制度見直しなど、強硬に幾つもの重大攻撃を仕掛けてきた。
 都労連は11月14日から15日未明にかけて都当局と最終交渉を行った。その結果、業務職給料表の「行(一)給料表横引き」を現行どおりとし、現業系職員の任用給与制度について引き続き労使で協議することで合意した。成績率の拡大は次席までとなったが、基本的に「13日再雇用制度」は廃止(再任用制度に一本化)となった。月例給、特別給(一時金)、地域給については都人事委員会のマイナス勧告どおりの実施となった。
 都労連執行部は、▼業務職給料表の行(一)横引きという現行水準を維持した▼賃金・労働条件に関する「労使協議・労使合意による自主的解決」の原則を都当局に「遵守させた」――ことを最大の成果として、15日朝の2時間ストライキを回避した。今年もまた配置したストを中止し、反撃しなかったのだ。
 石原都政の8年間、賃金・労働条件は低下するばかりだが、都労連は一度もストライキで反撃せず、ずるずると後退を重ねてきた。組合員には怒りといらだち、不満が累積している。現場はストライキで闘う機運に満ちている。「ストライキで闘おう」のシュプレヒコールを実際の行動に移す時が来ているのだ。さびついた刀は抜けなくなる。闘ってこそ組合の団結を強めることができる。動労千葉を見よ。

 特区連こそストで闘おう

 特区連の賃金確定闘争の最終段階となった11月21日、区長会は特区連との団交で「業務職給料表の平均9%引き下げ」を提案してきた。当然、団交は決裂した。
 区長会はかねてから特別区の現業賃金が国より30%高いと主張、「是正」を求めてきたが、「他団体(都)の動向を注視する」としてきた。都は15日、業務職給料表は現行どおりとして都労連と合意した。ところが区長会は21日、突如として具体的に見直しを提案してきた。区長会の脆弱(ぜいじゃく)性は明らかだ。(東京清掃は給料表9%引き下げで21日先行妥結)
 区長会は、退職手当の支給率削減(最大で2カ月ダウン)、地域手当支給率引き上げ(→給料表引き下げ)、育児休業、労働時間などについても譲ろうとしていない。
 28日の最終交渉での提案受け入れ妥結を阻止し、ストライキに立とう。29日の早朝29分の各区職場大会を報告集会にさせてはならない。
 「ストライキをやるべきだ」「闘うべき時に闘わなくては労働組合としての存在意義を失う」「闘う姿を見せなければ組合の存続もない」
 現場を始め特区連全体に闘いの機運、ストライキの要求は満ち満ちている。23の区職労が一斉にストライキをやったらすごい事態が生まれる。労働者が働かなかったら区政も都政も回らないという現実を区長や石原に見せつけてやろう。
 全駐労1万6千人は21日、始業から4時間のストライキを全国で貫徹した。防衛省が基地労働者の賃金は国の現業賃金より30%高いとして、10%賃金引き下げ攻撃をかけてきた。これに実力で反撃したのだ。全駐労への攻撃は、現業への給料表9%引き下げ攻撃と同質だ。全駐労に続き、特区連はストで闘おう。

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週刊『前進』(2321号2面4)(2007/11/26 )

 来春不起立拡大へ
 「日の丸・君が代」再発防止研修意気高く反撃

 11月19日午前、今春卒業式における「日の丸・君が代」不起立で停職6カ月の処分を受けた根津公子さんと、ピアノ伴奏拒否で減給3カ月処分を受けた都立高教員Iさんの2人に対して、東京都教育委員会が「服務事故再発防止研修・専門研修」を強行した。被処分者・被解雇者をはじめ支援する労働者が駆けつけて、都教委弾劾行動を闘いぬいた。
 研修は文京区の東京都教職員研修センターで、午前9時から行われた。すでに10月4日に「再発防止研修・基本研修」を強制した上、今回の専門研修でも対象者2人を別々の会議室に分け、1人を都教委の講師、司会、記録係と校長の計4人が取り囲む。2時間40分の研修で、被処分者に屈服と反省を迫ろうとするものだ。
 しかし東京の教育労働者は、03年「10・23都教委通達」以来4年間の闘いをとおして、「再発防止研修」に「再発防止」効果など何一つないことを示してきた。何度も繰り返し「再発防止研修」を受講させられても誰も「反省」などしないどころか、逆に都教委への怒りを倍加させて意気軒高と闘いぬいている。もはや都教委は闘いを封じるすべをまったく失っている。
 正午前、研修を終えて会場から出てきた2人は、口々に都教委の不当な研修への怒りをたたきつけた。(別掲)
 そして「見せしめ研修をただちにやめろ」「不当処分を撤回しろ」「10・23通達を撤回しろ」と意気高くシュプレヒコールをたたきつけた。
 海を越えてアメリカや韓国から、「日の丸・君が代」闘争に熱いエールが送られている。根津さんを先頭とする東京の闘いに触発されて、全国の教育労働者が来春、不起立闘争に立ち上がろうとしている。
 来年3月卒業式で「日の丸・君が代」不起立闘争を拡大しよう。教育労働者の団結した力で根津さんの解雇を阻もう。
 被処分者の声
●根津公子さん 事前に都教委に出した質問について、一昨日「当日説明する」と言われたが、結局回答されなかった。「05年の世論調査で60〜70lの人が『この処分はおかしい』と答えた。なのに『信用失墜行為』と言えるのか」と問うと「新聞社の報道は民意とは言えない」。さらに私に対して「地公法をちゃんと読んだか」と言ってきたので、「これほど処分されている私が、地公法を知らないわけがないでしょう!」と怒鳴りつけました。本当にそういう気持ちです。きょうは学園祭の予行練習なのに校長も私も研修で不在。こんな研修はおかしい。
●都立高教員Iさん 研修資料の「教職員の主な非行」に「いじめ」があったが、都教委のやっていることこそ悪質で常習性のあるいじめです。
 事前に提出させられたレポートに「『日の丸・君が代』処分をめぐっては地裁が『違憲・違法』と判示した。違憲・違法な職務命令を出さなければ『服務事故』は起こらない」と書きました。それ以上言うことはない。あきらめず、みんなで「おかしいことはおかしい」と行動してつながっていきたい。みなさんと一緒に歩んでいきます。
【写真】 研修を受ける被処分者を、都教委を徹底弾劾するシュプレヒコールで送り出した(11月19日 水道橋)

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週刊『前進』(2321号2面5)(2007/11/26 )

 動労千葉を支援する会
 平成採組合員を囲んで 幕張支部と交流会

 11月16日、動労千葉を支援する会が開いた「幕張支部との交流会」に参加しました。一日の仕事を終えた組合員、東京・千葉を中心とした支援する会会員、三十数人が船橋市内の会場に集まりました。(写真)
 支援する会はこれまで、数年がかりで動労千葉全支部との交流会を積み重ねてきました。今回は交流会2巡目の最初。幕張構内事故闘争や組織拡大など、動労千葉の先頭に立つ幕張支部との交流となりました。
 前半は本部執行員の関道利さんの司会で、組合員への質問コーナーが大いに盛り上がりました。「検修というのは、どんな仕事ですか?」「支部の組合員の数は?」「自分は派遣で働いているが、JR職場では派遣労働者は入ってるんですか?」など、さまざまな質問が続きました。
 質問は平成採の組合員に集中。「動労千葉に加入しようと思った決め手は?」と聞かれてA君は、「幕張でずっと働いてきて動労千葉がストをやっている意味がだんだん分かってきた。心は前から決まってた」と。B君は、「自分はウジウジしてるのとかが嫌い。自分の決めたことは最後まで貫き通したいので、みんなと一緒にがんばりたい」ときっぱり。
 「職場闘争で一番大切にしていることは?」という質問に山田護支部長は、「仲間と一緒にやるのが大事。当局は、おれが怖いんじゃなくて、おれにみんながついてきてくれてるから怖い。一人でやり合って勝つより、みんなで勝ったほうが向こうも悔しいはずだよね」。
 千葉の青年労働者は、自らの解雇撤回闘争の勝利を報告。「自分の職場で動労千葉労働運動をやろう」という闘いが各地で始まりつつある中で、実のある論議が続きました。
 後半は場所を居酒屋に移し、おおいに杯をくみ交わしながら”本格的”な交流会に。私が話した組合員のCさんは、「動労千葉はすごいってみんな言うけど、ほんとに普通のことやってるだけなんだよね」と、くり返し語ります。85〜86年の国鉄分割・民営化反対ストライキの渦中で国労から動労千葉に加入したCさんは、「あの時は、おれもクビを覚悟したよね」とサラッと言っておられました(こういう一言がなかなか言えないよなぁ、と思わされます)。
 今回は、11・4労働者集会、訪韓闘争の興奮もさめやらぬ中での交流会で大盛況となりました。私は初参加でしたが、『俺たちは鉄路に生きる3』の世界そのままに、参加した誰もが「おれも労働運動やってみたい」「自分の職場でもこういう団結をつくりたい」と思えるような集まりでした。今後は、より多くの青年・学生に声をかけ、この交流の場をもっと生かしていければと思います。(投稿/動労千葉を支援する会・K)

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週刊『前進』(2321号2面6)(2007/11/26 )

 革命の時代を切り開く圧倒的な冬期カンパを

 すべての『前進』読者、支持者の皆さん。革共同への圧倒的な冬期一時金カンパを訴えます。
 私たちは本紙前号で「その全額を革命運動へ投ずる決断を」とアピールしました。かつてない階級的激動情勢を迎えて、真にこの時代をきりひらく巨大な決戦資金が必要とされているからです。
 07年1年間は動と反動の入り乱れた、本当に激動の1年間でした。安倍・御手洗は07年冒頭から「美しい国」を掲げて襲いかかってきました。5〜6月、改憲国民投票法やイラク派兵延長法、教育4法改悪の強行と自治労・教労など労働運動への解体攻撃を激化させてきました。
 しかし皆さん、日本の労働者階級はこのような反動が一方的に吹き荒れることを断じて許しませんでした。3月18日「労働運動の力で革命をやろう!」というスローガンを掲げて、青年労働者、学生を先頭に戦闘的な集会とデモが打ち抜かれ、労働者人民の反撃が至る所で開始されました。
 それが、7月参院選で安倍自民党に大敗を強制し、安倍政権を倒しました。労働者階級と農民の怒りの大反乱です。そして9月29日、沖縄戦の歴史教科書記述の改ざんに対して、12万人の県民集会がかちとられ、戦争と改憲攻撃に対する労働者人民の決起情勢が加速しています。
 一方で、アメリカ帝国主義のイラク侵略戦争の歴史的敗勢・泥沼化や、住宅バブルの崩壊に端を発したサブプライムローン破綻(はたん)の全世界的爆発など、戦後帝国主義世界体制の根幹を揺るがす大激動が開始されています。
 すべての皆さん。こうした情勢が指し示すものは一点、08年が掛け値なしに戦後史を画する大決戦になったということです。
 労働者階級は、11月4日、日比谷野音を埋めつくす5700人の日米韓労働者の国際連帯の大集会と、銀座外堀通り4車線をぶちぬく実力デモを打ち抜きました。この集会とデモを先頭でけん引した青年労働者と学生の背後には、搾取と貧困を強制されている2000万人の青年層がいます。さらには年間3万5千人もが自殺に追い込まれている6000万労働者階級、300万農民をはじめとする、全人民の怒りが存在します。
 08年、革共同は帝国主義の危機を救済する体制内労働運動を打倒し、労働運動の革命的力をよみがえらせて、帝国主義打倒の巨大な階級決戦につき進みます。そのための圧倒的な資金カンパを心から訴えます。

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週刊『前進』(2321号2面7)(2007/11/26 )

 国労5・27臨大闘争弾圧公判日程

 第85回 12月5日(水)/第86回 12月26日(水)
 第87回 1月11日(金)/第88回 1月25日(金)
 ※いずれも午後1時15分から、東京地裁

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週刊『前進』(2321号3面1)(2007/11/26 )

 米教育労働者の11・4報告
 “私たちの闘いはひとつだ”

  11・4労働者集会にアメリカのUTLA(ロサンゼルス統一教員組合)CAMS(校内の軍国主義に反対する連合)の代表として参加したアーリーン・イノウエさん、グレゴリー・ソティアさんの報告がCAMSのホームページに掲載されました。その翻訳を紹介します。(編集局)

11・4労働者集会で発言するイノウエさん。左から3人目がソティアさん(日比谷野音)

 国境を越えた連帯 アーリーン・イノウエさん

 100年以上前に自分の祖先が旅立った島に太平洋を渡って訪れることができることを想像してほしい。そしてそこで、大きな個人的な犠牲(慣行遵守を当然だとする社会の否定的な反応はもとより、停職、配転、解雇の脅しなど)を賭(と)して、東京都教育委員会の軍国主義的な命令に反対する道を選択した日本の教師たちを抱きしめ支持することができることを想像してほしい。
 この勇気ある教師たちは、第2次世界大戦において差別・排外主義と大虐殺、大規模なリンチを扇動するために使われた象徴である日本の国旗に敬意を払うことを拒否した。そして、2千万人のアジア人民を殺戮(さつりく)したあの侵略戦争への道を開いた「君が代」(天皇の治世)を歌うことを拒否した。
 この教師たちは「教え子を再び戦場に送るな」と宣言したのだ。
 この兄弟姉妹たちと団結してともに立ち、ロサンゼルス統一教組と校内の軍国主義に反対する連合の4万8千人の教師を代表して、これらの闘いを支持する決議を手渡すことができるとは、なんという名誉と特権であろうか。
 私たちはまた、日本の労働者とコミュニティーが沖縄や日本中の軍事基地の拡張に反対し、戦争の否定と平和を宣言し、すべての人民のための持続可能な世界を誓約している憲法9条を堅持するために闘い、第2次大戦における日本軍による虐殺と組織的性奴隷化の歴史的事実の記載を削除するという教科書の改変に反対して闘っているがゆえ、これらの闘いを支持するためにここにやってきた。
 また私たちは、非人間的な状況のもとで企業の利潤追求のために虐げられている日本、韓国、アメリカの労働者が連帯して、国際的な共闘を実現することができた。農地を奪われる農民、権利の剥奪(はくだつ)と差別に直面している移民や難民の労働者、奴隷のような扱いを受けている労働者たちとともに手を組んだ。
 これらの人びとと私たちは手を取り合い、スクラムを組んで、東京の繁華街の銀座をデモした。私たちはまた、韓国の労働者とともに立った。彼ら彼女らは、「今日、アメリカの政治的・軍事的秩序とヘゲモニーは世界中で砕け散っている。われわれの希望は、戦争に反対し、貧困と差別に抵抗する労働者・人民の中にある。同志たちよ、固い連帯のもとに闘い続けよう」と言っている。
 世界中の民営化、企業買収、軍事力強化に対する闘いは、私たちの連携を互いに強化させる。私たちの闘いはまったく同じである。権力の座につく者どもがより多くの人民を貧困と弱者にたたき込もうとしているが、私たちは惑わされることはないし、ばらばらにされることはない。国際連帯なのだ! 思いやり、愛情、支援という人間的精神は普遍的である。平和、愛、正義と自由への希求は、すべからく人間が切望するところである。
 ガンバロー! 団結してガンバロー!

 日本で学んだこと グレゴリー・ソティアさん

 意識するか否かにかかわらず、旅行は自分の存在についての意識と思考を広げる。もともと旅行は新しいものを経験することだから、教育的な過程なのだ。
 私は、11月初旬に初めて日本に行って、いくつかのことを学んだ。一つ目は、闘争の共通性ということだ。企業の本能である戦争推進から良心を守り、表現の自由のために闘うことは、アメリカと日本、韓国の活動家、教師、労働者に共通のことだ。
 われわれはアメリカの中に隔離され、ウソと単純化を騒音のように垂れ流すメディアとガラクタ消費文化の檻(おり)に閉じ込められている。戦争と傲慢(ごうまん)なアメリカに対する世界中の人民の闘いのほとんどが、われわれ自身の闘いより力強いものであることは忘れられがちだ。いうまでもなくアメリカ主導の企業支配に対する全世界的な怒りと闘いはCNNの報道で見るものとはまったく違う。商業メディアはわれわれをそういう怒りと闘いから隔離することにたけている。
 私が学んだ二つ目のことは、民営化とグローバル化との闘いは、多くの所、多くの国で闘われていて、教師に影響を与えているということだ。
 NCLB法(落ちこぼれゼロ法)は、われわれを攻撃しているだけでなく、輸出されているのだ。テストを実施し、カリキュラムを統制し、公立学校を軍事化し、生徒を無思考化・従僕化し、そして教師をあらかじめ作られた無味乾燥な授業を伝達するだけのロボットにしたてることは、アメリカだけでなく全世界的に行われている。これは、民営化勢力によるカリキュラム決定を許してしまった結果なのだ。
 「説明責任」という棍棒(こんぼう)が、教師の自由で独立した思考を殴り倒すために使われている。もちろん、これは一方通行の説明責任だ。地球を破壊する者たちには、説明責任はけっして適用されない。
 三つ目のことは、私には強力な組合(ロサンゼルス統一教組)があって良かったということだ。もしも強力な組合がなかったら、生徒に感動する感性と自由を教育しようとする私の努力は実らなかったであろう。そして権利章典〔基本的人権を規定した米国憲法修正第1条〜第10条〕、批判的思考、人種差別反対、良心的兵役拒否など――つまり平和と正義にかかわること――を教えようとすれば、厳しく罰せられてしまうであろう。
 自由放任の資本主義は、収益によってのみ突き動かされるのであり、生態学的な破滅の深刻な予兆など意に介さない。自由放任資本主義の勢力は、「人類に対する戦争」を宣戦布告しているに等しい。意識的か否かにかかわらず、今や多国籍企業は単なる人間よりも力を持ち、時代遅れになった共和国よりも力を持っている。平和をつくり出そうとするわれわれの努力を非現実的だといってあざ笑い、ますます地球と全生物を消滅に追いやっている。
 代議制の政治家は選挙民からかけ離れ、民主主義が人類の多数の生活改善のための機構として働かなくなることを止めようとしない。逆に、今や民主主義は結局、企業のメカニズムの中に一層多くの力を集中させるために存在しているのだ。企業と軍の億万長者にならって、わが代議制の「リーダーたち」は、公正で合理的な文明を犠牲にして、無知、奴隷労働と終わりなき戦争を基礎にした半封建制に移行しようとしている。
 われわれは、人類に対するわれわれの戦争を終わらせなければならない。「われわれの」と書いたが、これは、われわれが戦争を許しているからだ。われわれは破壊者のために働いている。若者が新たな破壊者となるように訓練している。NCLBは、将来の道を破壊者になる道のみに狭めている。だから、われわれは、意識するか否かにかかわらず、人類に対する戦争で人間性を破壊する兵士となるのだ。それを拒否しない限りは。
 非人間化を拒否し、団体交渉権と世界平和のために闘う国際的な同朋(どうほう)たちに対し、私は言う。「団結! 不滅の団結を!」

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週刊『前進』(2321号3面2)(2007/11/26 )

 11・4労働者集会 報告集発刊!

 11・4労働者集会実行委員会から『全国労働者総決起集会報告集』が発行されました。
 集会アピールを発する動労千葉の長田敏行書記長の印象的な写真の表紙。巻頭の「写真でみる11・4労働者集会」は、銀座を解放区にした戦闘的デモや5700人の参加者の圧巻の団結ガンバローのグラビア写真。韓国・米国労働組合の代表団の発言や青年労働者のリレーアピールなど、11・4集会の全発言が掲載されています。
 さらに不起立被処分者の根津公子さんや米軍による校内での募兵活動を阻止する教育労働者が参加した教育労働者の国際連帯集会、民主労総と三里塚芝山連合空港反対同盟との交流など、記事も満載です。このパンフで11・4の感動を仲間に広げよう。
◆11・4集会実行委発行/B5判60n/頒価500円
◆注文先 千葉市中央区要町2−8DC会館/рO43−222−7207/FAX043−224−7197/E-mail:doro-chiba@doro-chiba.org

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週刊『前進』(2321号3面3)(2007/11/26 )

 仏・公務員がゼネスト
 独でも史上最大の鉄道スト

 フランスで始まった交通・エネルギー労働者のストライキは大学生・高校生、公務員、教員を巻き込む“ゼネスト”へ発展している。ドイツでも鉄道運転士がドイツ史上最大のストライキを闘っている。仏独帝国主義の新自由主義政策とアフガニスタン侵略戦争に労働者階級が内乱的な決起で対決しているのだ。

 交通ストに公務員が合流

 フランスの交通・エネルギー労働者を組織する主要8労組は、右翼サルコジ政権による特別年金制度改悪攻撃に反対して10月17―18日にストを敢行、続いて主要6労組が11月13―14日から無期限の公共交通機関ストに突入した。
 学生も、大学民営化政策に反対して2週間にわたる学内占拠・封鎖闘争を展開し、交通スト、公務員ストに合流した。
 さらに、1週間に及ぶ公共交通機関ストに合流する形で11月20日、主要8労組に所属する国家・地方公務員、公立学校教員、公立病院医師・看護師らが公務員削減反対と賃上げ・待遇改善を掲げて24時間ストに立ち上がった。フランステレコム(電話電信)、税関職員、航空管制官、気象予報士もストに入った。公立小学校の約半数が閉鎖、エールフランスも欠航。520万公務員のうち150万人がストに参加した。教育労働者の60%がストに参加した。
 同日、パリの7万人を始めフランス全土の主要都市の街頭で総計70万人のデモが行われた。
 19日、仏国鉄(SNCF)、パリ交通営団(RATP)の労働者は各職場で総会(AG)を開き、交通スト続行と公務員スト連帯デモ参加を96%の賛成投票で決めた。20日は、RATPは4分の3が運休、TGV(新幹線)も700本中300本が動いたにすぎない。19日よりも運休が多い。道路はますます大渋滞だ。1週間に及ぶストによる経済的損失は、1日あたり約4億ユーロ (約650億円)に達するという。生産を握り社会を動かす労働者階級の実力を示した。
【写真】 11月21日、政労使交渉が始まる中、フランス北部リールの車両基地で8日目のスト継続を決める鉄道労働者たち

 特別年金制度改革に反対

 交通・エネルギー関連労働者は、特別年金制度改悪方針の撤回を求めている。鉄道・バス運転士、鉱山・海運労働者、パリ・オペラ座職員らは重労働者とみなされ、年金負担金支払い期間が37・5年で、ほかより2年半短い(2003年の改革で公務員の負担金支払い期間は37・5年から民間労働者並みの40年に延長された)。重労働者は50歳で年金を満額受給して退職することも可能だ。サルコジは鉱山、海運を除き40年にする方針だが、長年の闘いでかちとった権利は譲れない。
 公務員、教員は定数削減に反対し、賃上げを要求している。サルコジの公約は、就業人口の約20%を占める公務員を大幅に削減すること、とりわけ教員ポストを5年間で8万5千人(約10%)削減することだ。だが、生徒は5年で14万人も増えるのだ。サルコジは、2008年の公務員退職者のうち2万2900人(約50%)のポストを補充しない方針だ。うち約半数が教育部門だ。教育労働者の怒りは激しい。
 教員の賃金は2000年の水準よりも10%も下がった。物価スライド制の年金受給額は15年で20%も下がった。他方で食料、エネルギー・燃料など物価が高騰し、サルコジの購買力アップの公約は実現からほど遠い。
 学生は、サルコジが成立させた「大学の自由と責任法」の撤回を求めている。この新法は私企業からの資金流入を容易にし、特権的な階層だけに高等教育を受ける機会を与え、大半の人民の教育水準を低下させる大学自治破壊法だ。学生は、鉄道スト継続を望み、85大学のうち43大学を占拠・封鎖して闘っている。

 各職場総会で3者協議反対

 サルコジは11月21日、「ストを中止しない限り交渉は始まらない」と宣言し、労組を牽制(けんせい)した。また「数百万人の国民を人質にとるストをやめろ」と叫び、10月18日にパリで右派学生ら2万人に交通スト反対デモをやらせた。べルトラン労相は、退職労働者の賃上げと引き替えに特別年金制度の根幹を堅持しようとしている。
 社共や仏労働総同盟(CGT)、仏民主労働連盟(CFDT)などの労組指導者は早くから、ストを中止し、政府、経営、労組の3者協議を開こうと提言してきた。これに対してSNCF、RATPの下部労組員は19日、各地で職場総会を開き、指導部の3者協議参加反対を決議した。しかし諸労組指導部は11月21日に3者協議を始めた。唯一、連帯・団結・民主(SUD)―RATPがボイコットした。
 3者協議で労組側が譲歩する可能性も高まっているが、ストは続いている。追いつめられているのはサルコジ政権だ。

 30%賃上げ求め運転士スト

 ドイツ鉄道の機関車運転士労働組合(GDL)も、10月12日に22時間ストライキを行ったのに続き、11月14日に貨物輸送のスト、15日に全国で旅客輸送のストに入り、17日まで62時間ストを貫徹した。ドイツの鉄道史上で最大規模のストだ。
 労組側は30%の賃上げ要求を掲げた(11月21日、要求を15%に切り下げたという)が、経営側が10%の賃上げと2000ユーロ の一時金という回答水準を譲らないため、闘いは続いている。
 貨物輸送は40%以上が運休した。部品が届かず、一部の自動車工場が操業停止に追い込まれた。旅客輸送について経営側は臨時ダイヤを編成、長距離列車の3分の2を確保したが、近距離電車は旧西側地域で50%、旧東側地域で10%しか運行できなかった。
 ドイツ鉄道のトランスネット、GDBAの両労組は7月に2008年1月からの4・5%の賃上げと600ユーロ の一時金で妥結したが、運転士組合が闘い続けているため、要求をグレードアップする機運を見せている。
 ドイツでは、5月にドイツ・テレコム労組が5万人の出向に反対して大規模ストを行い、3月にはエアバスの労働者が再建合理化計画への大規模な抗議闘争に決起した。
 最末期の帝国主義が資本主義の本性をむきだしにして攻撃を仕掛けている。だがそれは命脈の尽きた帝国主義の死の苦悶(くもん)にすぎない。労働者階級は生きるために、自己解放をかけて決起し始めている。急接近するこの革命的情勢を実際の革命に転化するためには、社共に代わって労働運動をプロレタリア革命に向かって指導する革命党を登場させることが急務だ。 
 (藤沢明彦)
【写真】 ドイツの鉄道スト3日目の11月16日。ハンブルク北港の鉄道橋上で貨物コンテナがじゅずつなぎ

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週刊『前進』(2321号3面4)(2007/11/26 )

焦点 福田訪米と首脳会談の結果
 米帝の対日争闘戦に拍車

 11月16日(日本時間17日)、米ワシントンのホワイトハウスで日帝・福田と米帝ブッシュの日米首脳会談が行われた。会談はわずか1時間で、昼食会も含めて2時間足らずという簡素なものだった。
 今回の首脳会談で日帝にとっての一番の狙いは、日米枢軸を再確認することによって米帝の対日争闘戦を緩和することにあった。そのために福田は、19、20日に開かれたASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議の前に訪米の日程を押し込んだ。
 前首相の安倍は、首相の初の外国訪問はアメリカにするという慣例をはずし、「戦後レジームからの脱却」を公然と掲げ、「日米枢軸」をうたう陰で対米対抗の意図をあからさまにしてきた。それは米帝の対日争闘戦の激化を引き起こしていた。その象徴的な出来事は、自衛隊の次期主力戦闘機の選定で日帝が米最新鋭ステルス戦闘機F22の導入を望んだのに対し、米帝が売却を拒否し、選定問題が暗礁に乗り上げていることだ。
 福田の訪米と日米首脳会談の結果はしかし、米帝の対日争闘戦にますます拍車をかけるものとなった。何よりも最大の懸案であるインド洋・ペルシャ湾での海自の給油活動が中断され、対テロ給油新法案の成立のめどすら立っていない中で、日帝・福田の「早期再開に向けて全力を尽くす」という表明だけではほとんど意味を持たないのだ。海自がインド洋からの撤退に追い込まれたことは、帝国主義間争闘戦における日帝の立場を決定的に追いつめている。
 会談で日帝・福田は、北朝鮮の核放棄とセットで進められている米帝のテロ支援国家解除問題で、拉致問題の進展なしには解除しないように求めた。これに対し、米帝ブッシュは「拉致問題は忘れない」という言葉を繰り返すだけに終始し、日帝の要求を事実上はねつけた。この問題では米帝の要求により、会談内容は一切極秘扱いにされている。
 米帝は今日、イラク侵略戦争の破産がつきつけられる中で、米軍の軍事占領体制をあくまで維持することに中東石油支配の死活をかけている。そのためにイラクの内戦をあおり、他方で侵略戦争のイランへの拡大に全力で動き出している。事態はすでにイランへの空爆開始前夜だ。これとの関係で、北朝鮮情勢をも米帝の徹底したコントロール下に置くために、米朝交渉に踏み切っているのだ。
 だが、対北朝鮮戦争政策を戦争国家化の中軸に位置づけてきた日帝にとって、米朝が日帝の頭越しに合意すること自身が打撃だ。また、戦略的資源の位置が高まっている中で、米朝が経済協力で合意し、北朝鮮に豊富に埋蔵されているレアメタルをめぐって米帝が開発に乗り出せば、日帝だけが取り残される事態は避けられない。
 米帝の側からは給油問題だけでなく、米軍再編のための政策の実施や駐留軍経費の日本側負担(思いやり予算)の削減中止、米国産牛肉輸入規制の全面撤廃の要求が突きつけられた。総じて今回の日米首脳会談は、日帝が帝国主義の最弱の環であることをあらためて突き出した。今こそ危機に立つ福田政権を打倒しよう。

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週刊『前進』(2321号3面5)(2007/11/26 )

焦点 患者を公園に放置する病院
 労働者の団結力で反撃を

 大阪・堺市の豊川病院が長期入院の糖尿病患者を車で公園まで運び放置した。63歳の重度視力障害の男性患者は行く当てもなく大きな荷物を持ってベンチに座らされていた。最近になって9月のこの事件が報道された。続報によると、8月にも同じ病院が行き先のない生活保護患者を車で駅前に放置している。
 豊川病院の院長らは「職員が独断でやったこと」「誰も指示していない」と現場の労働者に全責任をなすりつけ、さらに「厄介払いと思われてもしかたない」などと開き直っている。アメリカの病院が車でメディケイド(公的医療扶助)の高齢女性患者を街頭に放置する映画「シッコ」の衝撃的な映像とぴったり重なるとんでもない事件だ。「シッコ」を見て「アメリカの医療制度はひどい」と驚いたが、同じことがすでに日本の医療現場で起きている。
 豊川病院の患者放置事件は、最末期の帝国主義の医療破壊の氷山の一角である。資本主義とは、労働者階級を賃金奴隷として、労働力商品とすることによって成り立っている。資本にとって「労働廃兵」はもともと生かしておく必要がない。これに対して労働者階級は、団結して長い歴史の中で社会保障制度を闘いとってきた。だが最末期を迎えた資本主義・帝国主義はもはや「革命に対抗する社会の安全弁=予防反革命」としての社会保障制度さえ維持できなくなった。規制緩和・民営化攻撃による社会保障制度の解体、医療の破壊は、帝国主義が延命のためには労働者人民を平然と死に追いやることを示している。
 小泉政権以来急速に進んだ医療制度の改悪は、非営利主義=皆保険原則の公的医療制度を激しく解体した。06年度医療制度改悪攻撃は、全国1013の公立病院を始め中小病院の収入減(賃下げ・人員削減・医師不足)と経営難をもたらした。夕張市立病院が解体されただけでなく、民間でも東十条病院(東京都北区)などが廃院にされた。さらに総務省は「病床利用率の民間並み効率化」という経営改善指針をテコにして、赤字公立病院に「民間譲渡か独立行政法人か」の選択を迫っている。
 厚労省の民間病院・診療所を含む医療経済実態調査によると、診療報酬削減は3・16%、2年間の人件費(給与費)削減は5・3%である。この数字にみるように、「経営改善」とは何より現場の医療・福祉労働者の労働条件の低下である。そしてそれは他方で患者の切り捨てと直結している。
 豊川病院の患者放置事件では、病院経営の方針のもとで4人の病院労働者が直接手を下した。患者放置は、社会保障・医療解体による病院現場の危機と矛盾に直面した労働者が経営と闘わずに、階級の一員である患者に敵対した階級的敗北の事件だ。資本攻勢と闘わない体制内労働運動こそがこの敗北を生み出した。医療・福祉の現場労働者が体制内労働運動の壁を打ち破り、労働者階級としての団結を奪い返して闘う中に突破の道がある。医療・福祉の破壊を許さず、民営化攻撃に反撃しよう。

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週刊『前進』(2321号4面1)(2007/11/26 )

 11・4の感動を仲間に
 集会報道号で機関紙拡大を
 前進経営局

 11・4全国労働者集会は、階級的労働運動と国際連帯の両面において、これまでのすべてを超えて成功し、参加者に深い感動を呼び起こしている。この感動を『前進』で職場の仲間に、集会を呼びかけたすべての仲間に伝えよう。これが11・4労働者集会を一人ひとりが主催者として担った者の合言葉でなければならない。

 集会の大きな写真にこれはどこの新聞?

 今回の集会には1000人を超える初参加者がいる。集会とデモを大きな写真で報道した『前進』を「これはどこの新聞だ?」と食い入るように見ている。参加者に数部の『前進』を回覧に回したら、返ってこなかったという話もある。自分のものにしてよく眺め、よく読みたいという気持ちがわき起こっている。これは11・4集会に参加し、感動した者の自然な気持ちだ。
 集会に参加した仲間はもとより、チケットを買った人すべてに数十部の『前進』を宣伝紙として配布した仲間がいる。速報号はともかく、詳細を報じた次号について「バラ売りにして欲しい」という地区キャップに対して「必ずカンパとして大きく返ってくるから宣伝紙にしてくれ」と議論して、2号続けて宣伝紙にした地区もある。この闘いに労働者が共感しないはずがないと確信している限り、11月いっぱい、いや年内いっぱい宣伝紙で配布しても、それが報われないはずはない。
 11・4労働者集会と訪韓闘争、その総括と方針をめぐる『前進』を、有料・無料を問わず、大胆に労働者人民の中に持ち込もう。その収支を08年『前進』新年号での定購と年末一時金カンパと党員への獲得でつけよう。

 体制内派と激突してつかみとった感動

 11・4労働者集会は、全世界的な革命と反革命の激しい攻防の中で、職場と学園をめぐる体制内派との激突の中でかちとったものだ。今年で10回目となった集会は、これまでの延長上に実現したものではなかった。
 日本帝国主義の改憲と民営化攻撃の中で、とりわけ国鉄・全逓・教労・自治労で「体制内左派」が反動化する中で昨年までとは一変した。昨年までは11月集会への結集を呼びかけてきた職場のリーダーが体制内派として11月集会への反動として立ちあらわれ、革命を掲げる青年労働者と激突し、打ち破って結集することが拠点職場であればあるほど起こった。
 「動労千葉のように闘おう」ということが、言葉ではなく、実践で問われた。これまで一緒に闘っていた仲間も分岐した。イラク反戦4年の3・18で「労働運動の力で革命をやろう」と呼びかけた青年労働者・学生の闘いが、すべての職場・学園・地域で問われた。その必死の実践と苦闘の中でつかみとった集会であるだけに、その感動はひとしおだった。体制内労働運動、体制内政党に打ち勝てば、階級的指導部のもとで闘いぬけば、これほどまでに解放的な集会やデモをやることができるのだ。

 反動打ち破った力の基礎に機関紙活動が

 革命的共産主義運動の50年の歴史をみた時、苦闘と飛躍は一体だった。苦闘の中に飛躍の展望を見るのか、それとも絶望を見るのかである。
 67年10・8羽田闘争に始まる70年闘争は、権力の破防法攻撃と、それに恐怖し、動揺する日和見主義的翼を打ち破って進む全学連と反戦青年委員会の闘いが切り開いたものだった。闘いの隊列内の日和見主義的翼と革命的翼の分岐が進んだ。
 日本共産党やカクマルの反革命攻撃を革命的翼が打ち破る度合いに応じて闘いは前進した。それを支えたのが、闘いを報道し、宣伝し、組織を建設した『前進』販売の活動だった。闘いの勝利を組織建設につなげたのは『前進』だった。
 『前進』で闘いの勝利を確信し、仲間に真っ先に『前進』を広めていった。闘争時に駅頭や大学で『前進』は数百部も販売され、定購者は10倍にもなった。
 闘いの勝利を機関紙網に結びつけることがより大きな次の闘いを準備する。この闘いなしに、われわれは次の、より大きな闘いに向かうことはできない。

 11〜12月の組織戦の柱に読者網の建設を

 もちろん、体制内左翼・社会民主主義が主流であった40年前とは違う。しかし、より根底的で革命的な分岐が始まっている。11・4集会に米国から参加した教育労働者のアーリーン・イノウエさんが「私ってすごいかも」と語るように、国境を越えて米韓の労働者が自己の革命的位置を自覚し団結している。労働者の革命的直感が機関紙で確信になった時、それは階級的自覚になり、闘いの担い手へと飛躍していく。11・4労働者集会はこうした組織者を膨大に生みだしている。
 もちろん、闘いが大きければ大きいほど、反動も大きい。9・29沖縄闘争を「つくる会」や産経新聞が必死になって否定しようとしているように、闘いの発展に恐怖し、11月労働者集会運動から逃亡を開始する者もいる。11・4に感動せず、革命の息吹きも見えない者は体制内勢力と心中するがよい。
 3・18から始まった青年労働者・学生の革命へのうねりは、体制内勢力を徹底的に追いつめて前進した。大きな闘いは、次の闘いの発展の基礎をつくりだす。しかし、闘いの報道戦・総括戦・組織戦で、反動諸勢力との攻防に勝利することなしには08年の飛躍はない。11・4集会の勝利が大きかったがゆえに、11・4の後半戦の闘いがより重大である。ここで一休みする「お人好し」は真の勝利者にはなれない。
 11月〜12月の組織戦の最大の柱に機関紙『前進』を職場・学園・街頭で広める活動を据えよう。職場闘争と数万の読者網の建設こそが11月1万人結集の道である。機関紙拡大闘争でこの闘いに挑戦しよう。

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週刊『前進』(2321号4面2)(2007/11/26 )

 中国共産党第17回大会
 胡錦涛体制への怒り全土で爆発
 残存スターリン主義の矛盾第2革命が不可避な情勢に
 野田利一

 中国共産党第17回大会が10月15日から21日まで開催された。続いて22日、第17期中央委員会第1回総会(1中総会)が行われ、中国スターリン主義・胡錦涛政権は2期目の体制に入った。

 帝国主義の危機と重圧のもとで開かれた大会

 第17回中国共産党大会は、世界的な激動、台湾情勢の激変−中台関係の緊張の中で開催された。
 米帝のイラク侵略戦争の敗北・敗勢、さらに住宅バブル、サブプライムローン問題の爆発はアメリカのみならず世界的な経済危機−金融危機を不可避としている。ここに根底的に規定され、米帝を始めとする帝国主義列強は自らの生き残りをかけ、激しい争闘戦を中国スターリン主義(中国市場)の争奪をめぐって展開している。
 米帝は8月上旬、米太平洋軍統合演習「バリアント・シールド(勇敢な盾)」をグアム周辺で行った。ニミッツ、ステニス、キティホークの三つの空母打撃群約30隻、第7艦隊を主力に動員兵力が2万人を超える太平洋ではベトナム戦争以来の最大規模の演習となった(9・1朝日新聞)。
 完全に中国(台湾)をにらんだ演習であり、それ自身が激しい戦争重圧である。さらに米帝が新設した「アフリカ軍」の狙いは、中国スターリン主義が展開する石油、天然ガス、レアメタル(希少金属)などの資源獲得と対米対抗的な展開への激しい争闘戦でもある。
 これに対して中国スターリン主義は、中国とロシア、中央アジア4カ国(カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタン)でつくる「上海協力機構(SCO)」を強化、8月9日から約1週間「平和の使命−2007」とうたった中ロ軍を中心に6500人、80機を超える航空戦力を投入したSCOとして最大規模の大規模合同軍事演習を強行した。
 こうした中国スターリン主義の対抗的延命策は、世界革命を放棄した一国社会主義路線の本質的矛盾のゆえに、帝国主義の激しい戦争重圧の餌食(えじき)とされ、危機と激動を加速するものとならざるを得ない。
 こうした帝国主義の危機と軍事的重圧を受けている中国スターリン主義の延命をかけたものとして今回の党大会は開かれたのである。

 「改革・開放」路線の破綻性

 党大会は、「改革・開放」路線のより一層の危機と矛盾が不可避であり、より激化することをはっきりと示した。
 中国は、毛沢東時代の「計画経済」体制で強大化した官僚機構の権力を温存したままで■小平による「改革・開放」路線を推進してきた。そしてこの官僚機構が特権を利用して暴利をむさぼることを可能にしているのであり、中国は政治体制だけでなく経済体制的にも依然として残存スターリン主義そのものであり、その根本矛盾からけっして逃れられない。
 スターリン主義の強権的支配体制を残存させたまま、資本主義経済化を進めることの矛盾は必ず大爆発する。いやすでに中国全土で爆発している。中国スタは矛盾の爆発を「天安門」(89年6月4日)をはるかに上回る強権的弾圧で圧殺する以外にないのである。
 胡錦涛の総書記就任(02年11月第16回党大会)は、89年3月にチベット・ラサでのチベット族の暴動を、中国建国以来初の戒厳令で武力鎮圧した実績によるものであることをみておかなければならない。
 労働者や農民、少数民族の闘いが激発し、炭鉱事故、環境汚染も深刻だ。中国の政治、経済、全社会的な矛盾が一挙に噴出している。中国労働者・農民にとって中国スターリン主義打倒の第2革命以外に生きる道はないし、闘いは必ずそこに向かわざるを得ない。われわれは中国人民との国際連帯闘争の発展を全力でかちとるために、中国情勢に肉薄していこう。

 「科学的発展観」の名で労働者と農民を犠牲に

 胡錦涛は大会初日、「中国の特色のある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ小康社会(まずまずの社会)の全面的建設の新たな勝利をかちとるために奮闘しよう」と題する政府活動報告を行った。
 そこにある「科学的発展観」とは何か。中国スタにとってもはや覆い隠すことができない体制的危機(「少なからぬ困難と問題」=活動報告)の中で「科学的発展観を深く貫き徹底させるには、引き続き改革開放を深化させる」ということであり、これを「人間本位、基本的要請は全面的で、バランスのとれた持続可能、根本的な方法は全局的立場に立った各方面への適切な配慮」をもって行うというのである。
 そして胡錦涛政権は「科学的発展観」を党規約に明記、毛沢東思想、■小平理論、江沢民の「三つの代表」に並ぶ指導思想とし、この「権威」によって「改革・開放」路線を徹底的に推進していくことを宣言したのである。
 それは中国労働者・農民へのより一層の犠牲と矛盾の転嫁であり、「改革・開放」路線への異議申し立てや反乱は一切認めないということにほかならない。しかしそのことはむしろより一層の怒りを生み出し、闘いが非和解的な段階へと入ることをはっきりさせなければならない。

 膨大な失業者とバブル経済

 中国の国内総生産(GDP)は、1〜9月の成長率11・5%となり、07年通年では5年連続の2ケタ成長になると予測されている。他方、失業率は4・1%(06年)、失業者847万人、しかしカウントされないレイオフされた労働者を加えると9・6%にもなる。
 11月上旬、中国人民銀行(中央銀行)が公表した今年第3四半期の「貨幣政策執行報告」で、9月の主要70都市の不動産販売価格は前年同月に比べ8・9%上昇するなどの過熱気味の不動産価格について、「一部の地域で急騰しており、明らかに非理性的な要因が存在している」と指摘、銀行の不動産向け融資に対する監視を一段と強化する方針も盛り込んだ。
 中国国家統計局が11月16日に発表した1〜10月の都市部の固定資産投資(建設投資と設備投資の合計)は前年同期に比べ26・9%増となり、増加率は9月までより1・2ポイント高まった。ビルや住宅、工場の建設が急増、投資の過熱感が一段と強まっている。
 中国では90年代前半、大々的に「開発区」が推進され、不動産を外資に開放し投資ブームをあおった。01年には8%の経済成長率のうち4分の1を不動産投資が占めたと言われる。中国政府は4大銀行(中国銀行など)の不良債権を資産管理会社(日本の整理回収機構)に移し、不良債権問題をなんとか押さえ込んできたが、そもそも「改革・開放」路線が不良債権を生み出し、巨額化していくのである。
 現在、中国全金融システムの抱える不良債権は9110億jにのぼる。これは中国政府と人民銀行が保有する外貨準備(05年3月末8751億j)を上回っているといわれている(『中国の不良債権問題』柯隆著、日本経済新聞出版社)。
 不動産バブルの崩壊は金融システム全体の崩壊であり、米帝の住宅バブルの崩壊もあわせて、中国経済のみならず全世界の経済危機を引き起こすほどの大問題となっているのである。
 しかし、いかに中国スターリン主義の危機と矛盾が深まろうが、いやむしろ深まればこそ、中国スターリン主義には「改革・開放」路線を暴力的に推進する以外にいかなる選択肢もない。
 3月6日〜16日まで開催された全人代(全国人民代表大会)では「物権法」が採択された。「すべての財産の『公有制』を原則にしてきた中国が経済の一段の発展へ向けて市場経済化を加速する」(3・8日経新聞)ものとなっている。
 すでに開発業者と地方政府官僚が癒着し、農民から収用した土地をただ同然で手に入れ、開発業者に売り渡すことが行われている。03年に減少した耕地面積は2万5400平方`にもなる。これは東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、栃木など関東1都5県の土地面積の合計(2万6053平方`)に相当する。その結果、土地を奪われる農民が4000万人と一挙に拡大している。今度は物権法で合法的な土地収用を可能とし、さらに農民に犠牲を強制しようというのである。
 胡錦涛政権の最大課題である「3農問題」(農業の振興、農村の経済成長、農民の所得増と負担減)はまったく解決できないどころか、非和解的な爆発以外ない。

 中国全土でストや暴動抗議行動10万件超える

 中国労働者・農民の闘いは、大規模化、長期化、そして中国全土で爆発している。特に農地=土地収用に対する怒りが爆発している。労働者・農民の抗議行動は10万件を上回っている。
 中国広東省仙山市では、地方官僚の汚職に怒った住民が、7月から4カ月役場を占拠する闘いが続いている(10・20朝日新聞)。仙塘村は農村で人口3500人。村の官僚はここ数年強制収用した農地を開発業者に転売し、4億8000万元(1元=約16円)以上の利益を出した。しかし、住民が受け取る補償金は月60〜70元に過ぎない。「農地を失った上、この程度の補償金では、まともな生活はできない」と訴え、役場の玄関やロビーに「土地をわれわれに返せ」「腐敗幹部は辞めろ」などの横断幕を掲げ闘っている。
 党大会では、前回の党大会で確認された2020年までに1人当たりのGDP(国民総生産)を2000年比で4倍にするとの方針が再確認された。しかし02年から比べても経済格差(農村と都市、労働者と農民、地域間)はさらに拡大している。1人当たりのGDPは上海5万7310元、北京4万9505元、これに対して内陸部の四川省は1万546元、貴州省ではわずか5750元に過ぎない(06年の中国政府国家統計局調査)。政府統計でさえ格差は10倍に広がっている。
 炭鉱事故も深刻だ。8月山東省新泰市で起きた炭鉱事故では172人が生き埋めとなり犠牲になった。坑内作業中に腰まで水が入って来たので脱出しようとする労働者に対して、現場監督が100元の罰金や解雇を振りかざし作業を続けさせた(10・1朝日新聞)。炭鉱事故は今年1月〜8月に201件が発生、745人が犠牲になっている。これこそ「改革・開放」路線の本質を余すところなく示すものではないか!

 中国人民襲う新自由主義化

 74−75年恐慌を転換点とする帝国主義の新自由主義攻撃は、「改革・開放」路線の中にも貫かれている。外資企業が先鞭(せんべん)をつけたが、スターリン主義権力そのものが「改革」と称して、新自由主義的政策を採用している。労働組合が党の労働者統制の手段でしかない結果、労働者や農民に対する恐るべき強搾取、解雇自由、非正規雇用の嵐が襲いかかっているのである。
 労働者・農民の怒りは資本(国有企業を含む)と帝国主義に対して向けられているが、同時にそれを背後から支えている中国スターリン主義・胡錦涛体制に向かわざるを得ない。
 すでに、カドミウム被害補償を要求して生産ラインをすべて止める無錫松下電池でのストライキ闘争(本紙2285号)、大連キヤノンでの「トヨタ方式」導入による労働強化に対して6000人のスト(同2254号)などが起きている。日帝・奥田−御手洗路線を実践する企業との闘いとして、われわれは注目していかなければならない。
 全世界的な戦争と民営化・労組破壊攻撃に対して、動労千葉労働運動を軸にした11月労働者集会=日韓米国際連帯闘争が労働者の階級的団結の強化・発展としてかちとられている。中国における労働者農民の闘いも世界の労働者の闘いとひとつなのである。われわれは世界革命・中国−朝鮮−アジア革命へ向け、中国労働者・農民と連帯し闘っていこう。
(写真 住民に占拠された仙塘村役場。玄関などに村幹部の腐敗を指弾する横断幕が掲げられている)

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週刊『前進』(2321号4面3)(2007/11/26 )

日誌'07 11月14日〜20日

 宴席に額賀・久間元防衛庁長官
 改悪入管法で指紋採取・顔写真

●国会同意人事、参院で3人不同意 国会同意人事案件14機関28人分のうち3機関3人が参院本会議で、民主党など野党の反対多数で否決された。同意人事が「不同意」になったのは、51年に参院で電波監理委員会(当時)の委員1人が否決されて以来56年ぶり。(14日)
●韓国で「慰安婦」決議案 第2次世界大戦中の日本軍軍隊慰安婦問題をめぐり、韓国の超党派の国会議員97人が日本政府の公式謝罪と法的な補償を求める「従軍慰安婦決議案」を韓国国会の統一外交通商委員会に提出した。会期末の12月8日までの本会議採決を目指す。採択されれば、法的拘束力はないが日本への謝罪を求める韓国では初めての国会決議となる。(14日)
●「宴席に額賀と久間」 防衛省の守屋前事務次官は、参院外交防衛委員会の証人喚問で、軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎容疑者=業務上横領などの容疑で逮捕=との宴席に額賀財務相と久間元防衛相が同席していたことを明らかにした。額賀、久間は防衛庁長官経験者。(15日)
●ドイツ連邦軍、派遣1年延長 ドイツ連邦議会は、アフガニスタンなどで米軍が主導する「不朽の自由作戦」への連邦軍派遣を1年間延長することを賛成414、反対145、棄権15の賛成多数で承認した。(15日)
●日米首脳会談 訪米した福田首相とブッシュ米大統領が初の首脳会談を行った。福田はインド洋での海上自衛隊による給油活動を早期に再開するため、補給支援特別措置法案の「早期成立に全力を尽くす」と約束。北朝鮮による拉致問題などを巡っては、福田が「テロ支援国家指定解除問題を含め、日米の連携が重要」と語った。(16日)
●米兵、脱走率最高 米陸軍の07会計年度(06年10月〜07年9月)の脱走率がイラク戦争が始まった03年当時と比べて80%も上昇し、1980年以降では最高になった。陸軍の脱走兵は今年9月末までの1年間で4698人、1%弱。(16日)
●久間元防衛相が軍事情報会社 軍需専門商社「山田洋行」からの接待が指摘されている自民党の久間元防衛相が、最初の防衛庁長官在任時の1997年、東京都内に「政治、経済、軍事、国際情勢に関する情報提供サービス」などを目的とする会社を設立、現在も1人取締役として経営していることが分かった。(19日)
●陸自共同使用容認の3町村、交付金対象に指定 石破防衛相は、在日米軍再編への協力度合いに応じて支払われる再編交付金の対象となる「再編関連特定周辺市町村」に、米軍キャンプ・ハンセンでの陸上自衛隊の共同使用受け入れを表明した沖縄県の金武、恩納、宜野座の3町村を新たに指定した。(19日)
●指紋採取と顔写真始まる 「テロリストの入国を水際で防ぐ」などとして、来日した外国人に指紋採取と顔写真撮影を義務付ける改悪出入国管理・難民認定法が施行された。新たな入国審査は、成田空港や関西空港など27空港と126の港で導入された。今回の制度の対象となるのは、特別永住者、外交官などを除く16歳以上の来日外国人。(20日)
●落下傘訓練で6米兵が民間地に降下 伊江島補助飛行場上空でパラシュート降下訓練を行っていた米海兵隊員6人が、施設フェンスを最大約250b外れ、サトウキビ畑やタバコ畑の民間地に降下した。最も近い住宅地までは約100bだった。降下ミスによるけが人はいなかった。同村では、昨年10月と今年2月にも米兵がフェンス外の黙認耕作地や民間地へ誤って降下している。(20日)

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週刊『前進』(2321号5面1)(2007/11/26 )

 世界革命への扉が開かれた
 11・4集会の勝利の核心点
 階級的労働運動の実践が5700の革命主体生む
 革共同中央労働者組織委員会

 動労千葉、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械港合同が呼びかけた11・4全国労働者総決起集会は、日比谷野音を満席にする5700人の結集で圧倒的成功をかちとった。11・4は9・29沖縄県民大会12万人決起と一体の闘いとして、階級的労働運動の力で帝国主義打倒のプロレタリア世界革命をかちとる壮大な歴史的闘いの出発点となった。11・4集会の勝利の地平は何によってかちとられたか、その地平を踏まえた今後の課題は何かを明らかにしたい。

 体制内労働運動と対決し革命の現実性ひき寄せた

 集会では、青年労働者と学生、4大産別の労働者を先頭に、怒りと戦闘性、自己解放性にあふれるアピールが次々と発せられた。沖縄高教組・松田寛委員長からのメッセージが寄せられ、教育労働者の国際連帯に示される日韓米労働者の国際連帯闘争が圧倒的に前進し、プロレタリア世界革命の現実性は感動的に示された。さらに三里塚反対同盟、弁護士戦線などからのかつてない結集とアピールは、階級的労働運動の新潮流が力ある勢力として発展していることを示した。そこにはプロレタリア独裁と革命的ソビエトの萌芽が存在している。
 11・4集会は、護憲運動の限界と制動をのりこえ、改憲攻撃にプロレタリア革命をもって対決する新たな改憲阻止闘争として打ち抜かれたのだ。
 また11・4は、青年労働者と学生を先頭にした団結の力で権力・右翼を打ち破り、銀座・数寄屋橋交差点を解放区と化す圧倒的・戦闘的デモを実現した。これまでの屈辱的なデモのあり方をぶち破って、労働者階級の団結が本来持っている戦闘性を解き放つデモとしてかちとられた。それは階級的団結の必然的発展であり、蜂起の意識性・計画性に貫かれた戦略的勝利であった。
 さらに、11月11日の韓国民主労総の全国労働者大会は、11・4労働者集会とひとつらなりの闘いとして、巨大な高揚と大爆発をかちとった。動労千葉と日本の訪韓団は、民主労総ソウル本部の労働者とともに、会場封鎖の戒厳体制をぶち破って大集会と街頭闘争を闘いぬいた。11・4と11・11をとおして、動労千葉と民主労総ソウル本部の階級的団結のきずなは一層強固に打ち固められた。
 何より決定的なことは、11・4労働者集会を通じて、世界革命をともに闘う5700人の同志、5700人の階級的指導部が生みだされたことだ。それは、激烈な階級激突のただ中で、階級的労働運動の全党を挙げた実践がついに切り開いた歴史的地平である。
【写真】 日比谷野外音楽堂を埋めた5700人が、階級的労働運動をさらに推進する固い決意を込めて「団結ガンバロー」のこぶしを一斉に突き挙げた(11月4日)

 動労千葉に学び階級の指導部に

 11・4労働者集会の勝利性は第一に、階級的労働運動の徹底的な実践に全党を挙げて突入し、それを体制内労働運動との決別・対決・打倒の闘いとしてやりぬいてきたことにある。そして、階級的労働運動路線とその実践にこそ、プロレタリア自己解放闘争と労働者の国際主義的団結を発展させ、帝国主義打倒のプロレタリア世界革命を切り開いていく道があることを確信も深くつかみきったということだ。
 一つに、動労千葉の存在と闘いが切り開いている前進とその巨大な階級的意義を確認したい。動労千葉は07年、館山運転区・木更津支区廃止攻撃に現場組合員の不抜の団結をもって徹底的に反撃し、これを敢然と打ち破った。そして、平成採の青年労働者が動労千葉に結集した。
 国鉄分割・民営化の大攻撃に唯一立ち向かってストライキを打ち抜き、それから20年間、JR資本・JR体制との非和解的対決を日々の職場闘争として貫き、ついに「われわれは国鉄分割・民営化攻撃と闘って勝利した」(『俺たちは鉄路に生きる3』)と言い切るところにまで来た動労千葉の勝利の地平は、世界の労働運動史においても画期的なものだ。その上に、11・4集会で「全国に闘う労働組合の共同センターと労働学校をつくろう」という方針が確認されたことは決定的だ。4大産別を中心に、職場生産点で動労千葉労働運動を実践する5700人が登場したのだ。
 二つに、決定的なことは、動労千葉に学び、動労千葉労働運動を最先頭で実践してきた青年労働者と学生が、11・4に数百の隊列をもって圧倒的に登場したことである。
 青年労働者は3・18以来、「労働運動の力で革命をやろう」のスローガンを打ち出し、4大産別を始め全産別の職場生産点で階級的労働運動を徹底的に実践してきた。青年労働者の職場闘争への決起は、すぐさまそれを圧殺しようとする体制内労働運動との激突に次ぐ激突になった。
 青年労働者は、体制内指導部のどんな弾圧や処分にも一歩も引かずに対決し闘いぬくことをとおして、ともに団結して闘う仲間を次々と獲得していった。そのために仲間内でも徹底的に路線で対決した。執行部を握っている労働組合でも、組合員の分岐を恐れず階級的労働運動で勝負してきた。徹底した実践の中で階級的指導部への飛躍、自己変革をかちとってきた。ここに11・4の最大の勝利もあるのだ。
 三つに、4大産別決戦における階級的労働運動路線の実践的苦闘とその前進である。国鉄・教労・自治体・全逓のすべてにおいて、まさに体制内労働運動との対決が鋭く問われた。国鉄1047名闘争における4者・4団体路線、改悪教基法下での「日の丸・君が代」不起立闘争、自治労解体の最先端をなす社会保険庁解体攻撃、そして郵政民営化と「生産性向上運動」を掲げたJPU・全郵政の統合。そのすべてが激突の焦点だ。
 ここにおいて4大産別の労働者同志は、今までの自己のあり方を打倒し、体制内労働運動に組み込まれることを拒否し、職場生産点を動労千葉労働運動の組織化の戦場と化して闘いに決起した。青年労働者の決起がその戦端を切り開いていった。
 それはすぐさま既成労働運動指導部、体制内労働運動指導部との激突となり、それぞれの職場に鋭い分岐をつくり出し、労働者の階級的団結と11・4への決起を生みだす巨大な力となった。プロレタリア革命の成否をかけて4大産別に「第2、第3の動労千葉」をつくり出す、その勝利の道が切り開かれたのだ。

 沖縄12万人決起と結合し日米韓労働者の団結築く

 第二に、「沖縄の怒りに続こう」のスローガンを真っ向から打ち出したことである。
 1年間の階級的労働運動の成果を踏まえ、11・4集会組織化の決定的テコとして「沖縄に続こう」を大スローガンにした。この決断は、階級的労働運動路線の地平とその職場生産点での実践によって可能となった。
 9・29沖縄12万人決起は、沖縄という日本帝国主義の弱点、矛盾点から開始された労働者階級の革命的決起である。またそれは、教科書問題という階級闘争の第一級の中心課題における闘いであった。日帝の戦争に向かっての教育動員と改悪教育基本法下の攻撃に対して大反撃した、ものすごい階級的決起である。
 沖縄12万人決起は、沖縄の戦後階級闘争の推移の中で必然化した闘いであると同時に、日本の労働者階級の巨大な革命的決起が、ついに沖縄から始まったということを意味している。
 重要なのは、労働運動の決定的位置である。沖縄高教組や自治労など、4大産別の労働者が闘いを牽引(けんいん)した。そこには、沖縄における階級的労働運動の実践とその苦闘、体制内労働運動との決別・打倒の連綿とした闘いが貫かれている。
 動労千葉が実現してきた組合的団結の強化に学ぶことで培われたプロレタリア的感性と、動労千葉物販の現実的前進によって、われわれはこのことをしっかりとつかむことができたのだ。

 国際連帯の中に世界変える展望

 第三に、3カ国国際連帯を圧倒的に前進させ、プロレタリア世界革命の巨大な展望をつかんだことである。
 革命的情勢の急接近の中で問われていることは、全世界の労働者階級と被抑圧民族人民が、社会民主主義やスターリン主義の裏切りと破産の歴史をのりこえ、帝国主義打倒のプロレタリア世界革命に向かってどのようにして階級的・国際的団結を形成し前進していくのかということである。
 動労千葉労働運動の実践と11月労働者集会の日米韓労働者の国際連帯闘争の発展にこそ、その実践的回答がある。そのことは、「世界の労働者は、団結について動労千葉から多くのことを学びつつあります」「国境を越えた労働者の団結は、世界を変える!」(AMFAローカル33委員長テッド・ルードウィックさん)、「正規職・非正規職、日本労働者・韓国の労働者、女性労働者・男性労働者の差別の枠を取っ払って、労働者はみなひとつに団結し、闘っていきましょう」(イーランド一般労組律動グループ「夜明け」ハンミョンヒさん)という、米韓の労働者同志の動労千葉労働運動への確信に満ちたアピールにもはっきりと示されている。
 革共同は、この3カ国国際連帯の前進に学びつつ、プロレタリア自己解放闘争の持つ基軸性と普遍的解放性、その勝利の展望を07年7月テーゼとして、あらためて明確に打ち出した。そして11・4労働者集会は、この7月テーゼの確立とその実践を決定的な推進力としてかちとられ、まさに世界革命の現実性を生き生きと開示するものとして闘われたのだ。

 改憲阻止決戦の大発展へ道開く

 第四に、4大産別を先頭に、護憲運動の限界を打ち破る改憲阻止闘争をつくり出してきたことである。
 階級的労働運動路線は、賃労働と資本の非和解的対決を職場生産点において貫くことを土台にして、「あらゆる経済闘争は、必然的に政治闘争に転化」(レーニン)することを踏まえ、経済闘争と政治闘争を目的意識的に緊密に結合させ、両者を労働者階級の単一の階級闘争に発展させようとするものである。
 われわれは、動労千葉を先端として、これに学びながら、4大産別決戦を職場生産点を土台にして闘いつつ、これと一体かつ緊密に結合して改憲阻止決戦を全面的・階級的に発展させるために全力を挙げてきた。
 11・4労働者集会は、この路線を実践的に貫くことをとおして、4大産別決戦を職場からプロレタリア革命へと発展させる闘いとして前進させるものとして闘いとられた。同時にそれは、護憲的制動を打ち破り、改憲阻止決戦を労働組合運動を推進軸にプロレタリア革命をかちとる階級決戦として闘うものとなったのだ。
 それは、階級的労働運動の実践をプロレタリア革命をかちとる強烈な目的意識性をもって貫いてきたことによって、ついにかちとられた地平なのである。

 職場ゆさぶった個人ビラの意義

 第五に、職場での実践の中で、宣伝・扇動の圧倒的変革をかちとってきたことである。
 青年労働者を先頭に、職場生産点で「個人ビラ」を出して訴える決起は、自己が文字どおり本物の革命家として登場することを意味した。この決起は、例外なく体制内労働運動指導部との激突となった。またそれは、われわれの今までのあり方が体制内に組み込まれていたことを鋭く突き出すものでもあった。そこから体制内労働運動からの決別の闘いが強烈な目的意識的性を持って全国的に開始された。
 職場の現実の攻防と真正面から対決し、怒り、闘いを訴え、団結を取り戻し拡大することを訴えたビラが次々とつくり出されていった。その渾身(こんしん)のアピールは、職場の仲間に感動と激励を与え、労働者階級の階級的覚醒(かくせい)を促進し、団結と決起を生み出すものとなった。

 4大産別に拠点をつくり決戦の08年に躍り込もう

 11・4集会5700人の結集は、あくまでも目標としてきたものへの出発点だ。まだ1万人の結集に届いていない悔しい現実をなんとしても打ち破ろう。1万人結集の実現があれば、4大産別を先頭にして革命的情勢に対応したどんな闘いも可能となる。労働者階級の怒りは、まだまだこんなものではない。共産主義者、革命家として今まで以上に徹底的に純化して、職場での階級的労働運動の実践にさらに激烈に突き進もう。
 米帝の没落の急激な進行、サブプライムローン問題の爆発を引き金とした金融恐慌−世界恐慌の現実化、帝国主義間争闘戦の激化、国際階級闘争の激化と発展、民族解放・革命戦争の激化と発展――こうした帝国主義の危機の中で、米帝がイラク侵略戦争をイランに拡大し、世界戦争に突入していくことは不可避となっている。その中で日帝は帝国主義の最弱の環として翻弄(ほんろう)されている。参院選における自公の大敗と安倍のぶざまな辞任に示される国内政治支配の危機は、それを一層加速させている。日帝・福田政権は、安倍から引き継いだ危機にあえぎながら、結局は、帝国主義として小泉や安倍以上のすさまじい大反動に突き進んでいく以外にない。
 帝国主義の最末期の危機の爆発と革命の恐怖にかられたブルジョアジーは、搾取と戦争、民営化とリストラ、非正規雇用の拡大、労組破壊の攻撃を極限的に激化させている。これに対して、2000万青年労働者−6000万労働者階級の怒りが爆発し、生きるための闘い、職場生産点における革命的決起は日々、急速に広がっている。
 こうした中で、ますます決定的になるのは、労働者階級の職場生産点からの階級的決起によって体制内労働運動を本格的に覆していくことである。労働運動のヘゲモニーは依然として圧倒的に連合・全労連や体制内労働運動指導部に握られている。4大産別決戦を先頭にこの現状を打破し、階級的労働運動の拠点を全国的につくりだしていくことである。
 動労千葉の決起を先頭として、階級的労働運動の職場での実践、体制内労働運動との決別・打倒の闘いをさらに徹底的に推し進め、4大産別の職場生産点に拠点をつくり出そう。
 何よりも全党の総力を挙げて、マル青労同1000人建設の闘いに目的意識的かつ激烈に突入しよう。職場細胞建設を総括軸に、組合権力の奪取をめざして職場闘争を闘い、フラクションを建設し、マルクス主義の学習を全力で組織しよう。
 最後に、プロレタリア世界革命に向けて、革共同を単一の労働者党として建設する闘いに絶対に勝利しよう。

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週刊『前進』(2321号5面2)(2007/11/26 )

 PAC3配備阻止へ
 11・18習志野駐屯地デモが高揚

 「習志野駐屯地への新型ミサイル配備反対!」「労働者は職場で戦争協力を拒否するぞ!」。シュプレヒコールが響きわたり、11・4労働者集会の勝利で自信をつかみ取った労働者が次々にマイクを握った。ビラを見て来たという住民が最後まで集会に聞き入り、散歩中の人や自転車で通りかかった女性が発言に耳を傾ける姿が印象的だ。
 「労働運動の力でパトリオットミサイル配備をとめよう実行委員会」の主催する集会とデモが11月18日、駐屯地に隣接する千葉県船橋市の薬円台公園で行われ、約50人が参加、PAC3配備阻止に決起した。
 主催者の開会あいさつに続き、動労千葉の長田敏之書記長が「戦争を阻止する道は労働運動の復権にある。一人ひとりが職場生産点で闘いをつくり上げていこう」と発言。三里塚現闘本部、パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会、千葉労働組合交流センターの発言が続く。ちば合同労働組合青年部(ワーカーズボンド)は「ミサイルなんかいらない、生活費をよこせ。敵は『テロリスト』ではなく、資本家、政治家だ」と力強く訴えた。
 基調報告を自治体の青年労働者が担った。「今日は職場に戦争協力拒否の闘いと団結をつくっていくことを呼びかけ、宣言する闘いです」「侵略戦争に自治体労働者や住民を動員する『11・21国民保護共同訓練』を弾劾し、労働者・兵士へ戦争協力拒否を呼びかけましょう」「現場から力をつけ、今の自治労本部を打倒する闘いをやります」と宣言。高揚感が言葉の端々にあふれた。
 さらに、医療、私鉄、自治体、教育の労働者、とめよう戦争への道!百万人署名運動、法政大学の学生の発言が続いた。
 午後2時デモに出発。駐屯地前に到着すると、デモ規制をしていた機動隊が正門前で妨害を図った。内側には迷彩服姿の自衛官が整列している。デモ隊は声を強めてシュプレヒコールを繰り返す。権力を圧倒して正門前を制圧し、申し入れ書を責任者に渡した。
 次は国道296号線を元気いっぱいのデモ。交通規制で止まっている乗用車の運転席から女性がガッツポーズでこたえ、家族連れや女子中学生のグループも手を振った。
 今回の闘いは職場から戦争協力拒否の闘いをつくり出し、階級的労働運動を発展させる闘いとして大きな一歩を記した。体制内労働運動との激突を最先端で切り開いてきている青年労働者、退職強要攻撃を打ち砕いて組合づくりにチャレンジしている青年労働者など、青年がこの闘いを中心で担い、牽引した。

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週刊『前進』(2321号5面3)(2007/11/26 )

 日本原 共同訓練を弾劾

 農民先頭に怒りの決起

   

 11月11〜23日、岡山県北部にある日本原演習場で日米共同訓練が強行された。11日、これに反対する集会が、地元農民の田んぼで開かれた。
昨年2月、日本原で初めて日米共同訓練が強行された。だが、労働者・農民の怒りは、その後1年以上も共同訓練を阻止し続けてきた。2度目となる今回の共同訓練は、規模・内容ともに前回を上回り、ファルージャでイラク人民を虐殺した沖縄第3海兵隊と善通寺の第14旅団の500人による朝鮮侵略戦争訓練だ。しかもそれは、弾道ミサイル防衛や島嶼(とうしょ)侵攻対処などのシナリオに基づき、日米双方で3万1000人を動員した過去最大規模の日米統合演習の一環だ。
集会には、岡山県内を始め中国地方5県から1200人の労働者・市民が続々と参加した。
地元農民の内藤秀之さんが「昨日からすでに演習場は立入禁止になっており、夜間訓練が行われることも心配だ。安心して農業をし平和に暮らしたいという願いと共同訓練は相容れない」と弾劾した。県教組や自治労の労働者が先頭に立ち、駐屯地まで3`のデモ行進を行った。(写真上左)

 実弾演習阻止に立つ

 続く14日、とめよう戦争への道!百万人署名運動岡山県連絡会は、日米共同訓練阻止行動を行った(写真上右)。まだ暗い朝6時、霧の中の山道を通り、米軍・自衛隊のキャンプ地にデモ隊が進んだ。「共同訓練阻止」「No War」とシュプレヒコールを上げながら自衛隊のテントの間を「新テロ特措法」反対の旗をもって練り歩いた。マイクの音で目を覚まし、次々と出てくる自衛隊員に、「反戦自衛官とともに闘おう」と訴えた。
演習場東地区で行われる実弾射撃に対しては、急勾配の山の斜面を登り、林道から着弾点まで接近して徹底弾劾した。
今回、自衛隊は日本原演習場全域を約2週間立ち入り禁止とした。耕作地を持つ農家は毎日立ち入りを要求し、地元宮内部落は18日の秋祭りのための立ち入りを求めた。しかし自衛隊は、実弾演習や全域の使用を口実に立ち入り日数を制限してきた。絶対に許せない。日本原農民と連帯し、侵略演習を阻止しよう。
(投稿/岡山 KM)

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週刊『前進』(2321号6面1)(2007/11/26 )

団結ひろば 投稿コーナー

 11・4を闘って 初めて日比谷野音に決起 北陸  寺崎進

 15年ぶりの東京、行きたくても遠かった11月集会。私は、長く重いうつ病との闘いの中で『前進』を友とし心の糧とし生きてきました。北陸の集会に体調が良い時に参加する程度でした。今やっと簡単なパートが出来るまでに回復してきました。11月集会に参加してうれしかったことが三つあります。
 一つは、何といっても全国のなつかしい顔、顔、顔にあえたこと。私が病床に伏せている長い年月、この同志たちが雨の日も風の日も倦(う)まず弛(たゆ)まず闘いの先頭に立ち続けてこられた。この成果が11月集会の大成功に結実している。この感激・感謝の念で胸が熱くなりました。
 二つは、青年学生の力強い登場です。時代は激変している。青年学生、労働者が、この情勢を革命に転化する巨大な力、新しい軍勢となって階級的労働運動路線のもとに団結して闘っている。我々の未来、勝利の展望ここにあり!を体感しました。
 三つは、韓米労働者との絆(きずな)の一層の深まりです。我々が夢にまで見た世界革命の切り口、現実的環ががここにある!を実感しました。
 「3・18革命」。私はここで変わった。それは私にとって「勝利にむかっての試練」、「3・14宣言」であった。3・18集会にむけてのアピールと集会の基調報告は、私の魂を揺さぶり、射抜いたのだ。「君はどう生きるのか」。深い感動と決意が体中に漲(みなぎ)った。雷鳴が轟(とどろ)き、革命勝利への進軍ラッパが鳴り響いたのだ。
 私は今、改めて決意している。活動家・組織者として自己批判と飛躍を成し遂げる。11月労働者集会勢力を北陸の地に断固として拡大する。党と運動にとって、11月集会はすばらしい結集軸であり、わかりやすい総括軸である。わが党は無限の力を蓄積してきている。今こそ、この力を集中しよう。

 11・4を闘って 本気で怒って実現したデモ 広島 竹林かな

 デモ! めちゃくちゃ楽しかった! あんな解放感あるデモは初めてです。呼びかけて下さった3労組、実行委員の皆さんにホント感謝です。
 『俺鉄3』の中で「全員首をかけたから、あそこまで闘えた」というフレーズがありました。その意味が、11・4でようやく分かった気がします。古い話になりますが、例えば85年10・20での「空港突入、占拠、解体」、90年の「皇居突入」、そうしたスローガンが単なるスローガンではなかったということ。その闘争に参加した全員がそのことを本気で目指し、本気でやろうとしたからこそ、「10・20」ができたし「90年天皇決戦」が貫徹できたんだと気がつきました。
 今回の11・4も、主催者も参加者も本気で怒っていたからこそ、あの集会とデモができたんだと思います。
 何はさておいても、動労千葉の田中委員長が職場の現状や今の社会に本気で怒り、全責任を引き受けるものとして闘っておられるからこそ、可能となったと思います。デモの先頭で民主労総の同志たちと共に走ってる田中委員長の笑顔が最高です。カメラマンさん、Good job!
 この間の安倍の辞任や小沢・民主党の事態を見て、ブルジョアジーは権力を握り続けることさえままならない状態、そして本当に労働者階級が権力を取る存在として名乗りをあげ、「権力とるぜ!」と宣言した集会・デモだと思いました。

 11・4を闘って 「革命こそ究極の対案」と確信 京都 碧海

 大学に入ってから反改憲・反新基地建設・反戦争……と、自分なりに「反○○」という様々な(場当たり的な)活動をしてきましたが、「いつも反対反対って言ってるだけじゃ何にもならない」という知り合いの冷たい言葉が突き刺さったままでした。
 でも、大学の仲間と団結し、自分自身が初めて周りをオルグするという11・4への過程で、わたしは大きく成長することができました。それは「革命こそ究極の対案だ」ということを確信できるようになったことです。「革命」は昔話でもファンタジーでもSFでもない! 職場で「君が代」不起立をする、学校から募兵官をたたき出すなど、自分の持ち場を守る一つひとつの具体的な行動がすでに革命なんです。
 今までたくさんの葛藤(かっとう)がありましたが、ようやく道が開けてきたようで気持ちいいです。今こそ一人ひとりが革命を起こすときです!

 11・4を闘って 韓国・アメリカの参加に感動 広島 河合典子

 私は11月労働者集会への参加は5回目です。特に、韓国からイーランドの現場労働者の律動グループと、アメリカの教育労働者が参加してくれたことがうれしかったです。
 韓国ではイーランド・ニューコア資本は千人の労働者を解雇したので、怒った労働者が売り場を占拠して闘っています。このような大変な状況の中で仕事と闘いの合間をぬって律動の練習をし、日比谷に来てくれたことに、日本の労働者との連帯への熱い思いを感じることができました。
 アメリカでは高校に募兵官が公然と出入りして、経済的に苦しい家庭の生徒に軍への入隊をあおっています。「生徒を軍隊に渡さない」という闘いは「教え子を再び戦場に送るな」という闘いと一体であり、闘う日本の教育労働者とアメリカの教育労働者が一つになったと実感することができました。闘う労働者に国境はありません。
 今回の労働者集会が9・29沖縄県民大会と連帯して開かれたのも大変意義のあることです。私たちの要求は検定意見撤回です。沖縄の怒りと日韓米労働者の国際連帯で「対テロ新法」制定を阻止しましょう。

 11・4を闘って 共産主義社会現実のものに 広大 ジョン滝沢

 11・4、訪韓と、闘いを経て今の僕が思うところを言いたいです。
共産主義という社会が今まさに現実のものにならんとしていることを強く感じます。時代の息吹を全身で感じとれます。
私たちがなぜこうまでして闘うのか。それは私たちが人間であるということ。私たちが最も人間的であるはずなのに、現実において最も非人間化され、誇りを奪われ、モノのように扱われ、一部の権力者どものために死んでいく。
だけどそんな状況にいつまでも黙っているわけはなかったんです。11・4の5700人、そして韓国の労働者大会。名も知らず、話したこともない人たちと同じ思いでその場所にいたことが僕はたまらなくうれしかった。世界の労働者はひとつであるということをこの2大大会を通じて感じ取りました。
韓国の労働者のデモはすさまじかった。「権力をとりに行く」とはこういうことなのかっていうのを教わりました。あれを日本でやりたい。1000人の学生の隊列を作り、国家権力と真正面から闘いを挑みたい。そして今は正に青年が1000人中核派に結集できる情勢なのです。
学生はとことん労働者と団結して、モノ・金が支配する資本主義社会を打倒して、人間が支配する共産主義社会をピコッと作ります。世界革命だ! わっしょい!

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動労千葉訪韓団をストライキで温かく迎え、昼食のもてなしやお土産におもちまでつくって下さったハイテックRCDコリアの労働者【写真】の心づくしに感激。87年以来闘い続けてきた女性労働者に訪韓団が連帯の拍手(11月12日 韓国・九老工業団地)。  文・写真=原 三男

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 獄壁をぶちやぶって仲間を奪還したぞ! 学生 村雨省吾

 16日、裁判所前で「新井君・友部君を保釈しろ!」と座り込みをやっている最中に、弁護士事務所から連絡がきた。「検察の抗告を却下。保釈決定」。この一報に、高裁前が沸き、握手が交わされた。
 ただちに、仲間たちは、東京拘置所の門前へ飛び、2人を出迎えた。寒風の吹きすさぶ中、2時間待ってようやく2人の姿が見えた!
 「ついに2人を取り戻したぞ!」「ついに自由をかちとった!」2人と感動の握手! 東拘前は歓喜に包まれた。2人の顔を見た瞬間、不当逮捕されてから7カ月の記憶が、一気によみがえってきた。まだ東拘に勾留されている1人の仲間に届くようにと、大声でインターを歌った。
 その後、酒を酌み交わし、2人と色々な思い出を話したが、7カ月ぶりという時間的隔たりはまったく感じなかった。獄壁で分断されていても、心は一つにして闘ってきたのだと実感。しかし、言葉の端々には、獄中闘争を闘った勝利者としての誇りと自信にあふれていた。「闘えば勝てる!」何よりも彼らの闘いがそれを示した。
 「あと2人!」。獄中の仲間の奪還をかちとるために、星野同志の奪還をかちとるために、決意をあらたに闘おう!

 腐敗した日本に対しデモで思い示したい 埼玉 吉崎文夫

 私は最近日本の政治的腐敗及びアメリカの下においての企業主義体制での人権侵害など、不満に思っています。
 私は共産主義者時代があり、最近では大分緩和して市場社会主義支持派なのですが、また戻ろうかと考えています。
 一回腐敗した日本そのものに対しデモをしたいので、いつするか日時を教えてください。

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週刊『前進』(2321号6面2)(2007/11/26 )

 九州大 公安警察が学生使い情報収集
 スパイ西川を摘発・粉砕
 原則的組織活動であぶり出す

 革共同九州地方委員会は、公安警察のスパイとなって九州大学学生運動を権力に売り渡していた九州大学理学部化学科4年・西川裕昭を摘発し、これを粉砕・追放する大勝利をかちとった。
 西川は、絶対に許すことができない極悪のスパイ分子である。1万2千九大生の敵であり、労働者階級の敵である。西川は自分が参加した集会の内容や参加者などについて警察権力に詳しく報告し、ビラや資料などを提供してきた。また権力の「防衛指導」を積極的に受け入れ、九州大学理学部の大学院に進学が決定して以降も、自覚的なスパイ分子としてわが組織に潜入することをたくらんでいた。
 警察権力は、西川をつうじて九大学生運動の情報を入手し、大学当局と一体となって九大学生運動圧殺を策動してきた。昨年10月の自治会室閉鎖、今年に入っての大学祭の分断・破壊策動などの学生運動つぶしは、西川のスパイ情報をも利用して行われてきた。スパイ西川の摘発・粉砕の闘いの勝利は、警察−当局一体となった九大学生運動つぶしの攻撃を打ち破り、戦闘的九大学生運動を再生させる突破口である。
 われわれが入手した「宮崎」名で記された「警察調書」(写真)によれば、今年8月までに西川は、公安警察・宮崎と「35回接触」していた。西川は8・8ナガサキ反戦反核集会に参加した後、JR長崎駅で乗車、途中JR鳥栖駅で下車し、われわれの尾行がないことを確認した上で権力の用意した乗用車に乗り込んだ。そして福岡市内・箱崎の下宿までの過程で前日の佐世保行動も含めて集会の様子を詳しく報告している。
 そして西川は、「担当さん(=宮崎)と会うときは今まで以上に十分注意してきます」と公安警察への全面協力を約束している。宮崎は、「今後の方針」として、「対象(=西川)の心に訴えるきめ細やかな世話役を行いながら関係醸成をはかる」と記している。
 これらから分かることは、警察権力は、西川に九大学生運動の情報提供を行わせつつ、いずれは革共同の組織に潜入させ、組織破壊のために暗躍させようと長期的に育成してきたのである。わが九州地方委員会は、こうしたわが党へのスパイ西川の潜入策動を断固摘発・粉砕する大勝利をかちとったのである。
 この勝利は原則的闘いの勝利である。警察のスパイ化工作が日常的に策動されていることへの革命的警戒心を怠ってはならないことは言うまでもない。重大なことは、党活動の3原則をはじめ原則的な組織活動を展開すること、何よりも党組織の細胞性の確立が決定的だということである。原則的な組織活動を展開し、生き生きとした細胞性を実現していくならば、必ずこのようなスパイの潜入策動を摘発し、粉砕することができる。それは今回もはっきりと実証されたのである。その面からも絶えず党細胞の路線的一致と組織的団結をかちとっていくことが決定的である。
 九州の闘う労働者、闘う労働組合の昨年を上回る11・4集会への決起と闘いは、この勝利の上にかちとられている。わが革共同九州地方委員会は、こうした勝利の地平を踏まえ、階級的労働運動路線をさらに徹底的に推進し、プロレタリ革命勝利へ11〜12月決戦から08年階級決戦に進撃していく決意である。
(写真 九州大学学生運動の敵権力のスパイ西川裕昭)

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週刊『前進』(2321号6面3)(2007/11/26 )

新刊紹介

 未決勾留16年 迎賓館・横田事件の被告は無実だ
 「現代の大逆事件」に反撃 心とらえる非転向の闘い

未決勾留16年 迎賓館・横田事件の被告は無実だ 迎賓館・横田裁判闘争の完全勝利をめざす人びとにとって待望の書が発刊された。すべての同志、『前進』読者の皆さんにぜひ読んでいただきたい。四六判354n(うち裁判資料87n)。実に深みと広がりを持った内容になっている。
 須賀武敏・十亀弘史・板垣宏同志に対しては、10月16日に上告が棄却され、異議申し立ても却下され、控訴審判決(一審無罪判決破棄・差し戻し)が確定した。3同志は、一審で20年間も闘わざるをえなかった上に、さらに差し戻し審を強制されている。しかし、彼らは一切ひるむことなく、無罪をかちとるために新たな闘いの決意を固めている。
 福嶋昌男同志は、12月13日に控訴審第1回公判で一審有罪反動判決に対する反撃を開始しようとしている。
 二つの裁判闘争が新たな段階に突入するにあたり本書が発刊されたことの意義は計り知れない。

 デッチあげ暴露

 迎賓館・横田裁判がいかなるデッチあげ弾圧であるのかが、本書を読めばきわめて鮮明になる。しかもこの弾圧を「現代の大逆事件」として歴史的にとらえ返している点がこのデッチあげ弾圧の本質を鋭く突いている。
 「(大逆事件とは)日本帝国主義が本格的に朝鮮の植民地化を進めるために、国内の反対勢力を一掃しようとして仕掛けたデッチあげ弾圧でした。当時の革命運動はこの弾圧に恐怖して、『冬の時代』を迎えてしまったのです。現代の革命運動は、弾圧にひるむことなく前進していますが、『迎賓館・横田』のデッチあげ弾圧自体は、改憲や戦争準備のための政治的冤罪事件として現代の『大逆事件』ともいうべき本質を有しています」(14n第1部の扉)と述べているとおりである。

 広範な連帯の声

 その上で、本書のもうひとつの圧巻は、第2部「たたかいの広がり−被告とともに」である。獄中33年の星野文昭同志はもとより、権力の弾圧と闘い抜いている多くの人びとから党派を超えて熱い連帯のメッセージが寄せられている。
 「戦時司法を打ち破ろう」をテーマに「司法の現場から」2人の弁護士が、「知の現場から」3人の学者が執筆している。労働運動の現場からのアピールもある。400字の連帯アピールも短文にもかかわらず、それぞれに熱い、個性あふれる文章となっている。
 第2部に登場する人びとは、二つの座談会参加者を含めると実に50人にも及ぶ。未決勾留16年とその期間を含む20年もの歳月、不屈・非転向で闘い抜く同志たちに深い共感を示す人びとが存在するのは自然なことであるとはいえ、その幅の広さに驚嘆させられるだろう。
 帝国主義の最末期、戦争と革命の時代への突入の中で、希代のデッチあげ弾圧をなんとしてでも打ち破り、完全無罪をかちとる闘いは、戦争を阻止し、革命をたぐり寄せる闘いでもある。まさに「闘いはこれから」なのだ。本書を武器に反撃を開始しよう。
〔迎賓館・横田裁判事務局〕
(写真 『未決勾留16年』 刊行委員会編・著 発行 編集工房 朔   定価 本体1800円+税【前進社でも扱います】)

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週刊『前進』(2321号6面4)(2007/11/26 )

 12・1星野集会成功へ
 兵庫と広島で闘い前進

 12・1星野全国集会の成功へ向け、11月16日〜18日に兵庫県宝塚市と広島市で、なんとしても労働者人民の力で「星野さんを自由に!」するんだという熱気あふれる絵画展と集会、総会が行われた。

 〈宝塚〉18番目の会が発足

 11月16日〜18日には、宝塚市で絵画展と星野集会が開催され、地元の新聞にも紹介記事が写真入りで掲載された。
 11月17日の集会は、「獄中33年 無実の政治犯 星野文昭さんをうばい返すぞ! 兄をかえせ、夫をかえせ、私たちの友をかえせ!」と題して、豊中、京滋、関西連絡会、兵庫(準)、徳島の五つの星野救援会の共催で開催された。50人を超える人びとが結集して「星野奪還」の決意を固めた。
 集会のメイン企画は、弟・星野修三さんの舞踏パフォーマンスとおつれあいの星野暁子さんの「詩の朗読とお話」。星野文昭同志の新作を含む絵画が展示されている会場を中心に演じられ、獄中の星野同志への深い絆(きずな)と強い信頼がアピールされた。暁子さんはピアノの伴奏をバックに、星野同志とともに闘い続けた21年間を豊かに表現し、厳しい状況の中にあっても自己解放、人間解放を貫く生き方を提示した。
 修三さんは、支援の人びととの熱い交流の中で、新作舞踏を披露した。兄・文昭、母・故美智恵を全身をふりしぼって表現する修三さんに、こみ上げるものをこらえながら全員が「星野奪還」を誓った。
 こうした熱気の中で、18番目の星野救援会「兵庫・星野文昭さんを救う会」の発足が宣言された。東の「みやぎ星野文昭さんを救う会」とともに、星野救援運動の新たな前進がかちとられた。

 〈広島〉結成1年総会開催

 11月18日、会場いっぱいに掲げられた「無実なのに獄中33年 今、生命を輝かせ反戦を生きる 星野文昭さんを自由に!」の大横断幕のもと、広島星野文昭さんを救う会の結成1周年総会が40人を超える結集で開催された。
 総会は、星野同志のメッセージと暁子さんのビデオメッセージが紹介される中、共同代表の大槻泰生さん、下田禮子さん(再審無罪と釈放を求める新署名運動呼びかけ人)らによる力強い発言があった。
 星野再審パネルディスカッションが行われ、パネリストの教授が「星野さんデッチあげは許されない。なんとしても再審を実現するため力を尽くしたい」と真剣に問題を提起した。総会議案を共同代表の増上昭典さんが提起し、「ヒロシマは星野さんの原点だ。絶対に取り戻そう!」と固く誓って拍手で確認された。
【写真】 五つの星野救援会が共催した11・17星野集会で詩を朗読する星野暁子さん(兵庫県宝塚市)

 激励の手紙を

 6月8日、星野同志の母、美智恵さんが逝去されたため、星野同志とご家族から年賀状を辞退するあいさつが届いた。全国から年賀状に代わる激励の手紙を送ろう。
〒779−3133
徳島市入田町大久200−1 星野文昭様
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無実なのに獄中33年 星野文昭さんを自由に!
12・1星野全国集会

12月1日(土)午後6時開場/6時半開会
東京・四谷区民ホール(四谷区民センター9階)
地下鉄丸ノ内線「新宿御苑前」下車徒歩5分
主催 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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