ZENSHIN 2009/08/24(No2404 p06)

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第2404号の目次

(写真 “靖国神社参拝阻止”叫んでデモを貫徹 炎天下、法大前を出発し右翼の敵対を蹴散らして進んだ【8月15日】=記事3面)

1面の画像
(1面)
国鉄・三里塚決戦の爆発を原動力に 11月1万人結集へ驀進しよう
大恐慌と自民党崩壊を革命へ これこそ労働者の歴史選択だ
道州制推進の自治労本部打倒を
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8・15集会 “改憲阻止の力は労働者だ”
民主労総を迎え710人が集う(8月15日)
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前進速報版から 記事を読む  
(2面)
現場の怒りで自治労本部打倒を
労働組合運動の原点投げ捨て道州制・民営化推進する本部
自治労熊本大会決戦に総決起しよう
記事を読む  
「つくる会」教科書採択の中田打倒した力で11月へ
革共同神奈川県委員会
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都教委の「つくる会」教科書採択弾劾する(投稿/東京・M)(8月14日) 記事を読む  
(3面)
8・15 右翼を蹴散らし靖国デモ
改憲・戦争の攻撃と対決
民主労総ソウル本部 “心ひとつに闘おう”(8月15日)
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8・15集会 民主労総ソウル本部の発言
労働者の団結と闘争だけが資本の暴力と野蛮終わらせる(8月15日)
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動労水戸 さらに新組合員が加入
ストライキを打ちぬき前進(茨城/滝見)(8月18日)
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(4面)
11月集会1万人決起のために
労働者の〈階級的団結〉はいかにして形成されるか
関東・元教育労働者 駿河 俊彦
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日誌 2009年8月12日〜18日
杉並と一貫校で「つくる会」教科書採択/野田担当相が靖国参拝
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(5面)
全国の学生は全学連大会へ
学生運動の復権の時が来た 教育を学生の手に取り戻せ
織田陽介委員長が獄中から訴え
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〈焦点〉 「臨調」で道州制推進狙う
日本経団連の策動粉砕を
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〈焦点〉 「専守防衛」からの大転換
“防衛懇”報告を弾劾する
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(6面)
「毎日、毎時間、組織せよ」(レーニン)
機関紙を11月結集の武器に
前進経営局は心から訴える
記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
裁判日程 記事を読む  

週刊『前進』(2404号1面1)(2009/08/24 )

 国鉄・三里塚決戦の爆発を原動力に 11月1万人結集へ驀進しよう

 大恐慌と自民党崩壊を革命へ これこそ労働者の歴史選択だ

 道州制推進の自治労本部打倒を

 東京・関西・東北の革共同政治集会の歴史的成功、青年労働者や学生の若々しい息吹の爆発は、8月広島・長崎反戦反核闘争と8・15闘争に引き継がれ、階級闘争の大地を根底から塗り替えようとしている。7月都議選の結果が突き出した自民党支配の歴史的崩壊は、労働者階級の怒りの爆発が生み出したものであり、その大激動・大動乱の情勢は、8・30総選挙の過程により大規模に引き継がれようとしている。民主党が政権を取っても危機と大動乱の情勢はいよいよ激化する。問われているのは、破産し歴史的生命力の尽きた資本主義体制の救済ではなく革命だ。総選挙情勢と全面対決し、労働者の階級的力で自民党を決定的に打倒しよう。11・1労働者集会1万人決起への2カ月間の大決戦に突入し、全力で進撃しよう。

 8月総選挙情勢つき破り

 11月1万人決起の実現にこそ、日本革命の展望がかかっている。8月21〜22日の国労大会(伊東)、25日〜28日の自治労大会(熊本)をめぐる決戦攻防を全力で勝ち抜き、また8月21日の動労水戸の第2波ストを貫徹した労働者の力こそが、11・1労働者集会1万人大結集を組織し、可能とする力である。
 本紙夏季特別号で真正面からはっきりさせたように、「世界大恐慌と自民党支配の崩壊をプロレタリア革命へ」のスローガンと路線のもとに、労働者の下からの、職場・生産点からの総決起をかちとることこそが決定的だ。労働者階級人民の怒りを根底から解き放ち、革命勝利を開く唯一の道は、裏切りと転向を深める体制内指導部と闘い、文字どおり11・1労働者集会に1万人を集めきることだ。今こそ階級的労働運動路線をさらに推進し、〈絶対反対論〉と〈階級的団結論〉で闘う真価と爆発的な威力を発揮する時である。
 11月1万人大結集への息吹と勝利の展望を、あらゆる職場、街頭、キャンパス、そして地域と戦線に持ち込もう。7月サンフランシスコ国際労働者会議が示したように、11月集会の成功は世界の労働者階級の共通の思い、心からの欲求となっている。今こそ11月までの2カ月決戦に突入し、猛然と闘おう。
 「マニフェスト論争」や議会主義的幻想一色の総選挙情勢を突き破り、国鉄・三里塚決戦で、1047名解雇撤回・三里塚農地死守・国際連帯で、10・11三里塚と11・1日比谷野音へ驀進(ばくしん)しよう。
(写真 “靖国神社参拝阻止”叫んでデモを貫徹 炎天下、法大前を出発し右翼の敵対を蹴散らして進んだ【8月15日】=記事3面)

 労働者の力で自民打倒へ

 今日の世界大恐慌は、1929年〜30年代を超えるもはや後のない大恐慌だ。このもとでの自民党支配の崩壊は、まさに戦後の日帝ブルジョアジーの「議会制民主主義」による階級支配・労働者支配のあり方が、根本から崩れたことを意味する。それは、レーニンが『第2インターナショナルの崩壊』で、「一つとして明日に確信をもっている政府はない」「あらゆる政府は噴火山上に生きている」と書いた、革命的情勢の到来でもある。
 民主党政権がたちどころに破産し崩壊したとしても、もはや自民党がそのまま再浮上することはありえず、またそれに取って代わる議会主義的政党も政権も、本質的にありえない。それほどまでに日本の政治情勢・階級情勢は「大動乱期」に突入したということだ。
 自民党の存在と政治支配自体が、国家独占資本主義政策の一定の展開と戦後発展のもとで、一方では階級闘争の相対的平和的な発展、体制内勢力による労働運動の主流の制圧、労働組合の取り込みを前提とし、他方では大恐慌の爆発や革命的情勢の本格的な到来ということを基本的に想定しない中でのみありえたものだった。そうした自民党の存在自体が戦後日帝のあり方を象徴していたのだ。
 自民党の結成は1955年で、その政治支配は「日本における唯一の革命情勢だった」(新版『甦る労働組合』)ところの戦後革命期の、2・1ストの圧殺や国鉄労働運動への弾圧の上に初めて成立したものだった。だが今やそうした戦後の自民党支配の経済的・社会的・政治的な基盤自身が、大恐慌のもとで完全に崩壊し、吹き飛んでいるのである。
 まさに自民党支配の崩壊、戦後のブルジョア議会制的支配の崩壊で問われているのは、この歴史的大激動を革命へと転化する闘いである。それは労働者階級の団結と力に依拠し、革命党と労働組合が一体となってプロレタリア革命を闘い取る時代の始まり、ファシスト的勢力と激突し、労働者と労働組合が社会民主主義やスターリン主義の敵対をはねのけて、階級的団結の力で勝利していく時代の始まりだ。8月の闘いはその扉を大きく開けた。
 11月大結集運動へ、道州制・民営化推進を最大の焦点とするマニフェスト選挙と対決し、労働者階級自身の怒りと決起をもって、自民党を打倒しぶっつぶすために闘おう。

 国労・自治労大会の攻防

 8月の国労大会、自治労大会をめぐる攻防が示すものは、こうした日帝の未曽有の危機の中で日本労働者階級の進むべき道が、国鉄1047名解雇撤回と道州制・民営化攻撃絶対粉砕の中にこそあるということだ。
 国労大会では4者4団体と国労本部の腐敗しきった姿に、全国の国鉄労働者・闘争団の怒りが爆発した。「政治解決」路線が自民党の崩壊と同時に大破産する中で、4者4団体一部幹部・鉄建公団訴訟原告団幹部は、なんと国労本部とともに総選挙での民主党応援にすべてをかけた。そのことは、1047名闘争の闘争団員を、道州制導入と公務員360万人の首切り攻撃の先兵に差し出すことであり、それで「政治解決」の最後の機会を狙うという、とんでもない階級的大罪である。
 1047名解雇撤回の国鉄闘争は今、国鉄分割・民営化以来、20年を超える大攻防の決着をかけた決戦に突入している。動労千葉を先頭とする国鉄闘争の不屈の前進に追い詰められた日帝ブルジョアジー、JR資本・権力は、4者4団体の屈服を取り付け、これをも使って動労千葉に襲いかかり、平成採獲得と青年部結成をなんとしても阻止するために、幕張支部への組織破壊などのなりふり構わぬ攻撃を強めている。動労水戸に対する組織破壊攻撃もこれと一体のものである。これに対して動労千葉と動労水戸は、全組織を挙げて総力で反撃に立ち上がっている。
 日本労働者階級の未来は、国鉄決戦の帰趨(きすう)にかかっている。まさに国鉄闘争は、今や1980年代の分割・民営化阻止決戦以来の歴史的な大決戦へと、今後の階級闘争の勝利の展望をかけて突入したのだ。
 8月25日〜28日の自治労大会をめぐる闘いも、これと一体で道州制・民営化絶対反対の歴史的大闘争として闘い抜かれようとしている。本紙前号の自治体労働者委員会アピールのとおり、今大会で道州制推進と北朝鮮制裁支持へと大転向のかじを切る自治労本部打倒こそ現場組合員の声だ。全力で闘い抜こう。

 組織、組織、また組織を

 韓国・民主労総の全国金属労組双龍(サンヨン)自動車支部は、資本とイミョンバク政権に対する77日間に及ぶ壮絶な階級戦争に基本的に勝利した。新自由主義を突き破り、労働者の団結のみにかけたその闘いは、世界のプロレタリアートの魂を揺さぶっている。
 今こそこの日本で、サンヨン闘争を引き継ぎ、11・1労働者集会1万人結集を実現するために全力決起する時だ。国鉄・三里塚決戦の爆発こそが、その決定的な原動力だ。22年間の不屈の国鉄1047名解雇撤回闘争と、43年間の「空港絶対反対、農地死守・実力闘争、一切の話し合い拒否」の三里塚闘争が労農連帯で結合した時に、勝利は絶対に可能だ。しかも国鉄1047名闘争と三里塚闘争は、韓国の民主労総を始め、全世界の労働者にとっても国際連帯の輝ける星である。
 4者4団体派や塩川一派などの、最も悪質な体制内反動をうち破り、10・11三里塚全国闘争から11・1全国労働者集会へ、階級的団結論と絶対反対論で武装し組織した空前の大隊列を登場させよう。今や11月1万人結集を組織し実現する力が全階級情勢を決める。大恐慌と自民党支配の崩壊を革命へ! 総選挙情勢−議会主義的幻想と虚構を突き破る階級的労働運動路線の全面的発展を闘い取ろう。

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週刊『前進』(2404号1面2)(2009/08/24 )

 8・15集会 “改憲阻止の力は労働者だ”

 民主労総を迎え710人が集う

 8月15日、「改憲は阻止できるぞ!2009−国益と排外に憲法は屈するのか」の集いが、東京・なかのZEROホールで開催された。戦後50年を問う8・15労働者・市民のつどい全国統一実行委員会の主催のもと、710人の労働者・学生・市民が大結集した。

 組合をめぐる攻防こそ核心

 司会の法政大学文化連盟・洞口朋子さんの元気な発言と葉山岳夫弁護士の主催者あいさつで、集会が始まった。
 「改憲阻止の最前線から」と題して、国労5・27臨大闘争弾圧裁判被告団長の富田益行さん、裁判員候補の通知が届いた男性、全学連委員長代行の坂野陽平君が発言に立った。
 富田さんは、「国鉄1047名闘争は全国の労働者に改憲阻止を呼びかける闘いだ。自民党への政治解決・土下座路線がいまや完全に破産した4者4団体派をふきとばし、この大恐慌時代に1047名闘争を登場させる時が来た。それが11月集会1万人結集だ」と訴えた。裁判員候補の通知が届いた男性は、「裁判員制度は現憲法無視の上に立つ。制度反対は改憲阻止の最前線。制度反対と言わないで改憲阻止と言う勢力はインチキだ」と最後まで裁判員拒否を貫き「みんなの拒否へ」と拡大していく決意を表明した。坂野君は、「法大暴処法弾圧は戦争・改憲そのもの。絶対にぶち破る」と闘志を燃やし、拍手と歓声を受けた。
 続いて、鈴木達夫弁護士が基調提起を行った。自民党支配の崩壊という歴史的事態をとらえ、現情勢と闘いの方向を以下のポイントで提起した。
 @世界恐慌とは戦争と大失業の時代。帝国主義である限り必ず世界戦争に行き着く。A改憲攻撃の中心は侵略戦争・帝国主義間強盗戦争とそれを遂行するための統治形態の転換にあり、それは道州制攻撃に集約される。B国鉄分割・民営化が総評・社会党ブロックを解体し改憲することが狙いであったように、改憲阻止決戦は労働組合を巡る攻防が核心。帝国主義戦争絶対反対と国際連帯で労働組合が闘おう。
(写真 「改憲は阻止できるぞ!」と勝利への確信 鈴木達夫弁護士が基調提起。大恐慌下の階級闘争の展望が明らかに【8月15日 なかのZERO】)
 鈴木弁護士はこのように改憲阻止決戦の全体像を説き明かし、「われわれには勝てる展望がある」と力を込めた。
 その展望を、国鉄分割・民営化攻撃の根幹を打ち破ってきた国鉄1047名闘争、青年・学生の怒りの結集軸である法大闘争、そして「現代の赤紙」である裁判員制度を粉砕する闘いの前進の中で、われわれは現実につかみつつある。
 鈴木弁護士はしめくくりに「10・11三里塚闘争から一切は11月労働者集会へ! 1万人のデモで首都を席巻しよう」と熱烈に呼びかけた。

 サンヨン闘争の報告に感動

 特別報告には、韓国・民主労総ソウル地域本部のチョヒョノ副本部長とチョジョンミ組織部長が登壇し、双龍(サンヨン)自動車闘争の報告を行った。
 冒頭、77日間の工場占拠闘争を闘いぬいたサンヨン自動車闘争のビデオが上映され、文字どおり命がけで警察との白兵戦を闘う労働者の姿に会場全体が胸を打たれ、万雷の拍手で応えた。
 チョヒョノ副本部長は、「労働者弾圧と解雇攻撃に闘うには、現場の労働者の団結だけが希望だ。これは全世界共通の課題」と述べ、日本と韓国での11月労働者集会での再会を誓い合った(発言3面)。
 田中康宏動労千葉委員長は、これを受け「絶対に日本の労働運動の現状を変えたい」とあらためて決意を表した。そして国鉄分割・民営化攻撃が改憲・非正規職化攻撃の始まりであったことを指摘し、「今こそ国鉄分割・民営化反対闘争の原点に戻って闘おう」と訴えた。さらにサンフランシスコ国際労働者会議にふれ、「今、全世界では新自由主義攻撃の中で階級的労働運動が新しく生みだされている。自分たちも階級的労働運動を圧倒的に強化し拡大しよう。11月集会に1万人を集め、誇りをもって各国労働者を迎え入れよう。ここに改憲を打ち砕く力がある」と強調した。
 平和遺族会全国連絡会代表の西川重則さんは、来年5月の国民投票法施行に向け国会では明文改憲の動きが始まっていることを報告し、「国際連帯こそが戦争と改憲を止める」と述べた。
 動労千葉国際連帯委員会の山本弘行事務局長がサンフランシスコ国際会議の訪米報告を行い、「君が代」解雇被処分者の米山良江さん、自治体労働者、沖縄のうるまユニオンの富田晋さんが発言、東京西部ユニオンの青年労働者がカンパアピールを行った。
 今年もハイライトは松元ヒロさんのコント。法大OBでもあるヒロさんの強烈な政治風刺を効かせたギャグの連発に、会場は笑いの渦に包まれた。
 最後にス労自主委員長の入江史郎さんが「改憲阻止の最前線は自分たちの職場にある。すべてを11・1労働者集会1万人結集へ」とまとめた。入江さんの音頭で団結ガンバローを三唱し、全参加者が改憲阻止の展望をがっちりと握りしめた。

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週刊『前進』(2404号1面4)(2009/08/24 )

前進速報版から 前進速報版から

▼東北石けん労組全一日行動、地労委審問開始決定かちとる▼都教委による「つくる会」教科書採択弾劾!▼韓国サンヨン自動車闘争

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週刊『前進』(2404号2面1)(2009/08/24 )

 現場の怒りで自治労本部打倒を

 労働組合運動の原点投げ捨て道州制・民営化推進する本部

 自治労熊本大会決戦に総決起しよう

 自治労弟81回大会(8月25〜28日、熊本)は歴史的な大決戦となった。世界大恐慌と自民党崩壊のなか、自治労本部は8・30衆院総選挙での民主党への政権交代をめざす一方、自治労熊本大会で労働組合運動の原点を捨て去り、道州制・民営化推進、戦争協力へ大転向を遂げようとしている。現場労働者の怒りの総決起で本部を打倒しよう。大会決戦の爆発を跳躍台に職場を組織し、11月労働者集会1万人結集をかちとろう。大会決戦をどう闘うかを以下に提起したい。

 階級間激突が情勢決める

 第一に「大恐慌を革命へ」の革命的時代認識・路線を鮮明に掲げよう。
 世界は1930年代を超える大恐慌情勢に突入した。帝国主義は保護主義と公的資金の大量投入、大幅赤字予算によって資本救済、景気回復を図る一方で、民営化・労組破壊、大量解雇と大幅賃下げ、労働強化の新自由主義攻撃をますます強め、イラク・アフガニスタン侵略戦争を長期化・泥沼化させ、イラン、北朝鮮への戦争衝動を強めている。ドル暴落と世界戦争の危機が切迫している。世界のあらゆる国の労働者は現場からのストライキ・実力闘争に立ち上がっている。
 自民党支配と戦後日帝の議会制民主主義による階級支配とが崩壊する時を迎えた。問題は、自民党や民主党などいずれのブルジョア政党を選択するのかということではない。階級と階級の激突、力勝負がすべてを決する時代に入ったのだ。
 労働者階級の実力で自民党にとどめを刺し、階級支配を根底から打ち破り、革命情勢をたぐり寄せよう。労働組合をよみがえらせ、その団結と決起をつくり出すなかで、労働者階級を資本家階級に代わる新たな支配階級として形成しよう。
 革命情勢においては革命的労働者党―戦闘的労働組合を破壊・絶滅しようと大反動が襲いかかってくる。資本、国家権力、右翼ファシスト、体制内労働運動指導部と革命派との党派闘争が激化する。最大の戦場は国鉄1047名解雇撤回闘争と三里塚闘争である。

 国鉄・三里塚決戦の爆発を

 第二に、闘う自治体労働者は国鉄1047名解雇撤回闘争と三里塚闘争を自らの中心的課題として取り組もう。
 〈戦争・改憲、民営化・労組破壊〉攻撃と闘う4大産別決戦の基軸的闘争が国鉄1047名闘争と三里塚闘争だ。国鉄分割・民営化絶対反対・解雇撤回を貫く22年、空港絶対反対・農地死守・一切の話し合い拒否を貫く43年。絶対反対と階級的団結を核心とするこの2大闘争は、世界と日本の階級闘争の光り輝く金字塔だ。この地平を守り勝利を切り開くことが階級闘争の最大の課題だ。
 現に国鉄1047名闘争と三里塚闘争は労働者の国際連帯を飛躍的に強化する拠点となっている。
 だからこそ支配階級は、国鉄1047名闘争と三里塚闘争を解体・壊滅しようと躍起になっている。この2大闘争を解体せずして、4大産別労働運動の解体も、道州制=公務員360万人首切りも、戦争・改憲もできない。したがって国鉄1047名解雇撤回闘争と三里塚闘争の勝利は自治体労働者にとって死活的な課題なのだ。熊本大会のすべての代議員、傍聴者に国鉄闘争、三里塚闘争への決起を訴えよう。
 国鉄1047名闘争支援陣形の最大勢力は自治体労働者だ。自治体労働者が自治労本部を打倒し、また解雇撤回を降ろした4者4団体と決別し、動労千葉派として闘うならば、国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利の展望は大きく開かれる。

 「生活と権利守る」を解体

 第三に、自治労本部の大転向を暴露し、自治労本部を打倒しよう。
 大会議案が示すように自治労本部は@これまでの自治体労働運動からの質的転換をはかるA道州制議論に参加し民営化・合理化を積極的に推進するB北朝鮮への制裁=戦争と排外主義を扇動する――ことに踏み切った。労働組合から産業報国会に転換し、戦争・改憲、道州制・民営化を積極推進する路線を選択したのだ。
 自治労本部は、この歴史的大転向・大裏切りを熊本大会で決定し、全体に押し付けようとしている。現場組合員の怒りの総決起で本部を包囲し打倒しよう。自治労本部は、労働者の生活と権利を守り向上させるという、労働組合運動の原点をなす最も基本的な活動をもうやめると宣言している。
 「組合員の利益の維持・向上のみを追求するこれまでの労働運動ではなく」「社会的な公正・公平の実現をめざす運動への質的転換を」
 大恐慌のなかで絶体絶命の危機に立つ日本の国家財政・地方財政を救うためには、労働組合は自らの権利や利益を追求してはならないというわけだ。公務員バッシングへの屈服だ。こんなことを労働組合が組合員に強制するのは6000万労働者階級への敵対であり、許されない。
 大恐慌下の今、自治体の現場では非正規職の増大、首切り、賃下げ、長時間労働、極限的労働強化の攻撃がますます激化している。これに対し労働者の怒りと要求、闘いの希求はますます高まっている。「こんな賃金では生活できない」「もう体がもたない」「人員削減を許すな」と具体的な要求が広がっている。
 この職場の怒りと要求を道州制・民営化攻撃としてとらえ、その先頭に立って闘うことが労働組合指導部の役割だ。動労千葉は、組合員の低賃金や労働強化への怒りと労働条件改善の要求を闘いの出発点にして、路線を確立して闘ってきた。ところが自治労本部は、こうした労働組合にとって必要な当然のあり方を原点から否定し解体しようとしているのだ。
 今や自治労本部は、大恐慌下で資本と国家を救済する新自由主義攻撃の担い手になろうとしている。議案で「構造改革路線からの転換」と称して「持続可能な日本社会のグランドデザイン構想」を提案している。
 「公平な負担と給付」「消費税引き上げ、『社会保障目的税』化」「地方消費税」「納税者番号制の導入」
 破綻国家・日本を救うための処方箋(しょほうせん)だ。だが、労働者が生きていけないような社会をどうして持続させる必要があるのか!?
 「新たな公務員制度の実現」として「新たな人事評価制度の確立」「勤務実績の賃金への反映」「現業任用替えの対応」「雇用保険制度適用の検討」を挙げる。競争と分断と差別、労働強化、整理解雇の前提化だ。

 2割カットの「標準的給与」

 そして「地域民間賃金準拠への圧力」「下方圧力をはねのけることはきわめて困難」として「自治体職員の標準的給与」の「合意と確立に向けた基盤整備」を提案する。
 「標準的給与」として自治労本部労働局は5月に2割賃下げ案を提起した。民主党マニフェストの「公務員人件費2割削減」に合わせた提案だ。賃金闘争を闘うなと屈服を迫る。本部は、総務省の現業賃金3〜5割カット方針にあらかじめ屈服し、現業に「単組の交渉力を」と恫喝する。

 11月1万で道州制粉砕へ

 自治労本部は「道州制議論に参加」すると議案に明記した。「新たな地方分権の動き(道州制導入のことだ!)を見すえながら公共サービスを再生させる」とも言っている。
 道州制とは日本全体の分割・民営化であり、改憲・戦争国家化であり、大資本の道州私物化による延命策である。その核心は360万人首切り=選別再雇用による自治労、日教組破壊の反革命だ。4大産別労働運動破壊、階級闘争解体なくして戦争も改憲も大恐慌突破も不可能だからだ。
 今日、御手洗冨士夫が会長を務める日本経団連、橋下徹・大阪府知事、中田宏・横浜市長、山田宏・杉並区長らの「首長連合」が道州制の先兵として動いている。
 御手洗は7月23〜24日の日本経団連夏季セミナーで道州制基本法の早期制定を提唱、橋下に道州制をテーマに講演させた。続く25日に橋下と対談し、道州制国民運動を起こすことで一致した。
 「首長連合」は8月11日、民主党支持を打ち出した。民主党の最大の支持者が自治労本部だ。自治労本部―民主党―首長連合―日本経団連の道州制連合ができている。
 道州制連合は同時に北朝鮮侵略戦争ための国家体制、総動員体制づくりの推進部隊である。
 道州制・民営化推進、戦争協力路線を粉砕し、自治労の産業報国会化、戦争動員機関化を阻止しよう。資本救済、祖国防衛を拒否しよう。絶対反対を貫き、階級的団結を固め、国鉄・三里塚決戦に立ち、国際連帯を強化しよう。大恐慌を革命に転化せよ。自治労本部打倒―熊本大会決戦に勝利し、11月労働者集会1万人結集を実現しよう。
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 大転向はかる自治労本部 (大会議案より)

●労働組合としての運動を全面否定
 「労働運動が、個別労使関係における組合員利益の維持・向上のみを追求するのでは、社会的共感は得られず、運動が孤立しかねません」
 「社会的な公正・公平の実現をめざす運動へと質的転換をはかる」
●「道州制議論に参加」で道州制推進へ
 「道州制の検討は、真に地方分権に寄与するものとなるかどうか、国民合意が形成されているかどうか、を判断基準に議論に参加します」
●北朝鮮への制裁=戦争と排外主義を扇動
 「6カ国協議を一方的に離脱した北朝鮮によるミサイル発射や地下核実験が行われるなど北東アジアの緊張は一気に高まりました。こうした行動は許されるものではありません」

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週刊『前進』(2404号2面2)(2009/08/24 )

 「つくる会」教科書採択の中田打倒した力で11月へ

 革共同神奈川県委員会

 未曽有の世界大恐慌のもとで労働者階級の怒りが解放を求め全世界で大爆発する時がやってきた。全世界の労働者の未来をかけて、労働者階級の怒りを「国鉄1047名解雇撤回! 11月労働者集会」1万人結集の一点に組織しうるか否かに世界革命の命運がかかっている。神奈川での7・28横浜市長・中田宏辞任−8・4横浜市「つくる会」教科書採択−8・30衆院選・市長選という激動的展開が示すものは、支配階級のとてつもない危機と凶暴化であり、体制内勢力の反動的密集だ。同時に動労千葉派と革共同が情勢のヘゲモニーを握り、世界大恐慌と自民党の崩壊を革命に転じる大チャンスの到来を示している。革共同神奈川県委員会は、11月1万人結集へ全力で突き進む決意だ。
(写真 7月3日に横浜で「道州制・民営化絶対反対、国鉄1047名解雇撤回」の集会とデモが闘われた)

 反動的教科書の強制は道州制攻撃そのものだ

 8月4日、横浜市教育委員会は、2010年度から使用する中学校の歴史教科書に「つくる会」教科書(自由社版)を採択した。絶対に許すことができない。この怒りを11月に結集し、大反撃に立とう。
 横浜市の採択区は18区。うち8区で「つくる会」教科書を採択した。全145校の市立中学校のうち計71校(生徒数3万9千人)。採択を決定した教育委員会で、教育委員長・今田忠彦は「日本人としての誇りを取り戻させた日露戦争を、愛情をもって書いている」と述べた。”帝国主義戦争に誇りと愛情をもって殉ぜよ”というのが彼らの本音なのである。
 05年採択時に「つくる会」教科書を推した教育委員は今田1人だけだった。そこで中田市長は、その今田を教育委員長に据え、教育委員を推進派に入れ替え、採択を強行したのだ。
 しかし敵もギリギリだ。7月に入り「つくる会」の藤岡信勝が直接乗り出し、教育委員長・今田と何度も謀議を重ね、採択強行を決断した。また採択された8区中2区(金沢区、緑区)では採択区の教科書採択審議会ではまったく推薦されていないにもかかわらず、教育委員の一方的専権で採択を決定した。教育委員の投票は無記名投票。どれも前代未聞の暴挙だ。
 それだけではない。06年7月から委員長となった今田のもと、横浜市教委は『横浜教育ビジョン』(06年10月)と『横浜版学習指導要領』(08年3月)を策定した。これは「つくる会」教科書をテコに、労働組合や職場の団結をことごとく破壊することをとおして、教育労働者に帝国主義戦争を誇りとし、日本のために何ができるかを考え実践させようという大攻撃だ。道州制と「つくる会」教科書採択は一体であり、絶対に粉砕あるのみだ。
 大恐慌の爆発と労働者階級の高まる怒りの中で、敵はトコトン追い詰められている。新自由主義攻撃を推進してきた中田を打倒した労働者の怒りは、中田辞任をも契機に爆発している。まさに階級と階級の力の激突が全面的に始まっているのだ。

 新自由主義の先兵・中田打倒した労働者の怒り

 02年の市長就任以来、中田は教育や医療・福祉を切り捨ててきた。市営バス・地下鉄の障害者や生活保護受給者への無料パスの廃止。医療費削減と健康保険料の厳しい取り立て。健康保険証を交付されない子どもの数が横浜市で突出していることは、マスコミでも大きく取り上げられた。児童・生徒1人当たりの義務教育費は全国最低だ。
 そして徹底した民営化だ。市立大学、市民病院、市営バス、市立保育園、学校給食などの民営化や民間売却。ごみ収集、図書館、公園管理などの民間委託。中田の就任以来7年余りで実に7000人近い労働者が削減された。
 徹底した競争と管理で労働者を絞り上げた結果、中田の在任中にメンタルヘルスでの休職者は倍増した。中田はこの中で「この時代、公務員は、給料がもらえるだけありがたいと思った方がいい」とまで公言した。
 「労使は主従関係」という池田交通局長のもとで横浜交通労組解体−市営バス民営化の攻撃が激化している。他方で、売却先資本との癒着や取引など腐敗の限りを尽くしてきたのが中田だ。
 松下政経塾出身の中田は1999年、衆議院議員時代に民主党会派に属しながら、自民党の小泉純一郎や民主党の松沢成文(松下政経塾出身、現神奈川県知事)らと超党派の「郵政民営化研究会」を発足させ、01年の首班指名選挙で小泉に投票し、除名されたゴリゴリの新自由主義者だ。中田こそ、小泉構造改革を推進してきた張本人だ。
 だからこそ中田の辞任は新自由主義に対する労働者階級の怒りの深さを示すものであり、世界大恐慌と自民党崩壊情勢と完全に一体だ。根底に革命への恐怖がある。中田は今年6月の講演で「自治労はとんでもない。前近代的な社会主義者の集団だ」と悲鳴を上げた。それは、今日、道州制推進に大転向した自治労本部への悲鳴ではない。中田に怒り不屈に闘う現場労働者と、その先頭で道州制・民営化絶対反対を掲げて闘う動労千葉派への恐怖の表れだ。
 2月19日、神奈川労組交流センターは県職員賃金カットに対し県庁前座り込みストライキを闘うと同時に、中田に辞職要求を直接突きつける弾劾行動に立ち上がった。7月3日には青年労働者を先頭に、自治労横浜の動労千葉派の労働者を中軸にして、体制内労働組合指導部と激しく権力戦を闘う教育労働者らが、「国鉄決戦勝利、道州制・民営化絶対反対、中田・松沢打倒」を掲げ、密集した軍団として決起した。この絶対反対の闘いがついに現場の怒りと結合しだした。この力こそが中田を恐怖の淵(ふち)にたたき込み、打倒したのだ。

 資本家の市長候補担ぐ自治労横浜本部許すな

 衆院選に向けて、動労千葉派を先頭とする闘う労働者と、資本・政治権力、体制内勢力とが激突している。中田は7月初めに首長連合を結成し、道州制推進に向け政界再編に突き進もうとしている。7月28日の辞任会見で中田は「民主党後を見据える」と語った。ファシスト的な道州制導入運動へさらに純化するということだ。中田があえてこの時期に辞任を表明したのも、この大反動の中で労働者階級の怒りを少しでも抑え込むためだ。
 しかし道州制は中田自身によってすでに破綻が刻印されている。こんな破廉恥な連中が資本家と一体となって起死回生の「究極の構造改革」=道州制の旗振り役にならねばならないところに資本家階級の危機がある。
 みんな中田が進めてきた道州制・民営化攻撃に怒りまくっている。今やこの怒りを資本や当局に代わって抑えつけようとしているのが体制内労組指導部だ。
 「つくる会」教科書採択に対し、神教組本部は「公正な手続きを踏んでいたか説明を」という見解を表明した。彼らは、大恐慌下の階級的激突関係とはおよそ無縁で危機感すらない。教科書問題などどうでもよく、民主党支援に全力をというのが本音なのだ。
 自治労横浜本部は、恥ずべきことに、今次市長選では民主党推薦の林文子を連合神奈川のもと推薦している。林文子はダイエー会長や東京日産自動車販売社長を務めた資本家そのものだ。日産は県や市と一体化し、利益をむさぼってきた。その本家本元が横浜市という自治体の制圧に乗り出してきたのだ。
 しかも自治労本部は8月定期大会で「道州制議論への参加」という道州制推進方針を決定しようとしている。360万人首切りが議論の対象か!?もはや我慢の限界だ! 労働者階級の怒りを解き放ち、現場からの闘いで体制内指導部を今こそ打倒しよう。
 総選挙情勢という大激動の最大の焦点は労働組合をめぐる体制内指導部との大党派闘争だ。この党派闘争に勝利する路線は、国鉄1047名解雇撤回闘争であり、三里塚闘争であり、国際連帯を戦略的武器に11月集会1万人結集を実現することだ! この路線を職場で真正面から打ち立てたとき、労働者階級の怒りが一個の潮流となり、必ずや勝利できる。
 現下の世界大恐慌は後のない恐慌だ。資本主義の終わりが完全に始まっている。戦争と革命の時代がやって来たのだ。
 労働者階級の団結した力で資本家の支配を打倒し、プロレタリア革命に突き進もう。労働者階級の団結にはその力があるし、労働組合には無限の可能性がある。労働者階級の本来の力が体制内勢力との激突をとおして今全世界で爆発を開始している。闘う労働組合を現場からよみがえせよう!
 全職場で、国鉄1047名解雇撤回と10・11三里塚現地闘争への総決起を訴え、11月1万人結集をかちとろう。すべての労働者・学生は革共同、マル青労同・マル学同に結集しよう! ともに11月へ、組織し、組織し、組織しぬこう!

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週刊『前進』(2404号2面3)(2009/08/24 )

 都教委の「つくる会」教科書採択弾劾する

 8月14日、東京都教育委員会は臨時会を開き、来年4月から都立中高一貫校と特別支援学校で使用する教科書として、扶桑社版の歴史・公民教科書の採択を強行した。都立中高一貫校では、既設の6校で扶桑社版の歴史が、4校で公民がこれまでも使用されてきた。今回の採択で歴史は10年度に開校する4校の新設校とあわせて10校で使用されることになる。また、公民は10年度に1期生が3年生となる2校で今回新たに扶桑社版が採択された。断じて許すことはできない。
 午後3時から開かれた臨時会では一切の議論もなしに6人の教育委員が無記名で投票、票数のみが報告された。歴史では5人が扶桑社、1人が日本書籍新社を選び、公民では5人が扶桑社、1人が教育出版を選んだ。
 05年の採択では「全委員が一致して推薦したものは協議しない」との方針でなんの議論もなく「つくる会」教科書を採択した。今回は反対する委員が出たにもかかわらず、まったく審議をしない。委員間で交わされた会話といえば、内館牧子委員と瀬古利彦委員の「陸上競技がどうだこうだ」というふざけた雑談だけだった。
 なぜ戦争・改憲を肯定する「つくる会」教科書を推すのか、なぜ出版元が分裂して著作権争いまでやっている教科書を採択するのか、石原都知事選任の教育委員たちはまともに語ることができない。
 都議選での自民党大敗で石原の教育支配もまたぐらつきを開始している。今こそ10・23通達、大量不当処分を始めとした積年の教育破壊の悪行に断を下す時だ。戦争教育と道州制・民営化攻撃と、「つくる会」教科書採択への怒りと主任教諭導入や賃下げ攻撃への職場の怒りを結合して闘おう。都労連本部の屈服方針をぶっ飛ばし、11月労働者集会1万人結集の力で秋闘ストライキを切り開こう。麻生・鳩山もろとも石原打倒へ総決起しよう。
 (投稿/東京・M)

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週刊『前進』(2404号3面1)(2009/08/24 )

 8・15 右翼を蹴散らし靖国デモ

 改憲・戦争の攻撃と対決

 民主労総ソウル本部 “心ひとつに闘おう”

 「閣僚の靖国神社参拝を許すな! 靖国参拝阻止デモ」が8月15日朝、反戦共同行動委員会の主催で戦闘的に打ち抜かれた。闘う法大生や青年労働者を先頭に、靖国神社のすぐ裏にある法政大学市ケ谷キャンパス正門前に220人の労働者・学生が結集した。この日の闘いには韓国・民主労総ソウル本部の代表2人も参加し、日米帝の朝鮮侵略戦争を阻止する国際連帯行動として闘われた。
 9時に法大正門前を出発したデモ隊は、「閣僚や民主党議員らの靖国神社参拝を許さないぞ! 改憲・朝鮮侵略戦争阻止! 麻生政権打倒! 法大弾圧粉砕! 国際連帯の力で革命を!」などのコールを靖国神社にとどろかせつつJR飯田橋駅前にさしかかった。
 すると、日の丸を打ち振り、メガフォンでわめきたてる右翼どもが警察に守られながら挑発を加え、デモ隊に襲いかかろうとした。しかしわが隊列は、右翼分子どもに徹底弾劾を浴びせるとともに、一糸も乱れず右翼と警察の弾圧を敢然と跳ね返して前進した。デモが外堀通りを行く間も、右翼は隊列の周りにつきまとって妨害を試みたが、デモ隊は完全にこれを圧倒してデモを貫徹した。労働者・学生の反戦と靖国粉砕の強い意思と固い団結を示したのだ。
(写真 デモ出発前に力強くシュプレヒコール【8月15日 法政大学正門前】)

 法政大学前で戦闘的集会

 デモの前に法大正門前で集会が持たれた。
 司会は、法大の被処分者である久木野和也君だ。久木野君は「6・15労学共闘の大集会から2カ月、全力で闘ってきた。この間、新たに3人の法大生に対して不当処分が加えられた。絶対に許せない。われわれは8・6―8・9でオバマ賛美を許さない闘い、8・6広島での田母神講演会弾劾の闘いを圧倒的に貫徹した。8月12日には杉並で『つくる会』教科書採択を許さない闘いを打ち抜いた。韓国から駆けつけてくれた民主労総ソウル本部の仲間とともに、本日の闘いを打ち抜こう」と呼びかけた。
 反戦共同行動委員会を代表して杉並区議の北島邦彦さんが発言。「この法大前で闘っていることに決定的な意義がある。麻生は本日の靖国参拝をやめたが、多くの民主党議員が参拝しようとしている。ここに『政権交代』なるものの本質が現れている。政権交代ではなく革命が必要だ。靖国神社境内では日本会議などが今日、田母神講演をメインにした集会をやろうとしている。徹底的に弾劾しよう。杉並での『つくる会』教科書採択を徹底弾劾し、道州制を粉砕しよう」とアピールした。
 続いて動労千葉の川崎昌浩執行委員が11月労働者集会への1万人結集実現にむけて力強いアピールを発した(別掲)。
 司会から韓国・民主労総ソウル本部のチョヒョノ副本部長とチョジョンミ組織部長が紹介され、大きな拍手と歓声があがった。チョヒョノ副本部長が「労働者・学生・民衆は、韓国であれ日本であれ一つです。体は今日一日だが、心は毎日一年中皆さんとともにあります。戦争、改憲に反対する闘いは人間の未来を尊重する闘いだ」と感動的なあいさつを行った。
 最後に全学連の石田真弓書記次長が、9月全学連大会から今秋決戦にむけた烈々たる決意を表明した(別掲)。
 各発言をとおして、参加者は戦闘意志と団結をあらためて打ちかため、デモ行進に出発した。

 田母神「靖国講演」を直撃

 今年の8・15靖国闘争は7〜8月杉並、8・6広島現地における田母神反革命との激突と勝利を引き継ぎ、日本帝国主義の絶望的な危機の中で突出する極右ファシスト勢力と全面対決し、直撃する闘いとなった。
 前空幕長・田母神俊雄は15日、日本会議などが靖国神社参道で開催した集会で発言し、「日本はフィリピン、ビルマ、インドネシアで白人国家を次々と打倒した。日本の戦争の結果、人種平等の世界になった」と許しがたい暴言を吐いた。また元首相の小泉純一郎、安倍晋三を始めとする与野党の前衆院議員と参院議員が靖国神社に参拝を強行した。参拝した前・現国会議員は44人。麻生太郎首相は参拝せず、現職閣僚は野田聖子消費者行政担当相だけだった。
 民主党代表の鳩山由起夫は、この間の会見で靖国神社に代わる国立追悼施設建設を前向きに検討する意向を表明し、「天皇陛下が心安らかに行かれるような施設が好ましい」と述べている。靖国神社国営とどこが違うのか。国立追悼施設建設については、社民党も含め現野党では推進論が大勢だ。平和遺族会全国連絡会代表の西川重則さんは8・15労働者・市民の集いで、国立追悼施設建設を「国家神道の復活そのものだ」と弾劾した。
 大恐慌と絶望的な財政破綻の中で、支配階級は道州制・民営化と改憲・戦争国家化に延命の道を求めている。日帝権力・資本や右翼ファシストどもとの内乱的激突は、われわれの望むところだ。職場生産点での闘いを土台に、11月にむけてさらに進撃しよう。
(写真 青年労働者と学生を先頭に、右翼の敵対をはね飛ばして飯田橋駅前を進むデモ隊)
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 労働者階級が権力を握る時 動労千葉執行委員 川崎昌浩さん

 本日の8・15闘争をばねに、労働者が権力を握る闘いをつくり出そう。
 いま右翼の宣伝カーが靖国神社の周りを徘徊(はいかい)している。右翼の妨害・敵対をはね飛ばし、闘う熱い「8・15」にしよう。
 韓国・民主労総は、サンヨン(双龍)自動車ストが示すように労働者の権力を目指して闘っている。国際連帯をかけて8・15を闘おう。
 7月のサンフランシスコ国際労働者会議では、「1047名闘争」「法大闘争」「11月集会への結集」の決議が上がった。われわれ「11月派」の闘いが世界と日本に通用することが明らかになった。全世界で労働者階級がいかに闘い、権力を握るのかが問題になっている。今日のデモと集会を大成功させ、10・11三里塚から11・1労働者集会に1万人を組織化しよう。われわれにはその力がある。

 10・11三里塚から11月へ! 全学連書記次長 石田真弓君(東北大)

 世界大恐慌で支配階級は戦争衝動を強めている。北朝鮮に対する侵略戦争を絶対阻止しよう。暴処法弾圧と闘う獄中の8人は、支配階級の戦争衝動と闘っている。新たな暴処法弾圧も絶対に粉砕する。
 8・30衆院選で、すべての人民が党派選択を考えている。大チャンスだ。改憲・戦争、民営化・労組破壊との闘いを4大産別を先頭に闘えば人民を獲得し、歴史を変えられる。オバマの戦争政策を徹底的に暴き、オバマ賛美を打ち砕こう。
 学生は「大学と教育を取り戻せ!」をスローガンに、来る9月に全学連大会をかちとり、11月へ攻め上る。
 7月国際労働者会議では、現場から労働組合をよみがえらせ、闘う労働者の党を建設することで一致した。7・25青年労働者集会も同じだ。今日を出発点に10・11三里塚闘争から11・1労働者集会に総決起しよう。

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週刊『前進』(2404号3面2)(2009/08/24 )

 8・15集会 民主労総ソウル本部の発言

 労働者の団結と闘争だけが資本の暴力と野蛮終わらせる

 帝国主義の暴力と資本の野蛮に立ち向かい、憲法改悪阻止と労働者階級の団結のためにこの場に集まられた同志の皆さんに、民主労総ソウル本部副本部長・チョヒョノが熱い連帯のごあいさつを申し上げます。トゥジェン!
 64年前の今日8月15日は、朝鮮が日本帝国主義の植民地支配から脱却した歴史的な日でもあります。けれども、韓国の労働者民衆が帝国主義から解放されたわけではありませんでした。いわゆる親日勢力は親米勢力へと変貌(へんぼう)し、アメリカ帝国主義と結託したイスンマン政権の登場により、帝国主義の暴力と搾取は続きました。
 日本でも8・15以降、1947年に戦後憲法がつくられ施行されましたが、これは戦後の激変期に労働者階級の闘いでかちとった側面と、天皇制打倒と労働者階級の革命を阻止するためにアメリカ軍政と日本の政権が妥協してつくったという二つの側面があると認識しています。
 私たちは、8・15を前後して韓国と日本で展開された歴史を振り返るとき、労働者民衆自らの力による解放でなければ真の解放ではありえないという事実を重視すべきと考えます。特に、今日のように資本主義が克服不能の危機に陥り、すべての危機の責任を労働者民衆に暴力的かつ一方的に転嫁している中では、一層そのように言えます。保守政治と進歩政党を含む体制内政治が、労働者民衆の政治的代案となり得ない今日、下からの闘いと団結による政治的代案と権力の創出こそ、労働者階級の政治となるべきです。
(写真 “トゥジェン【闘争】!”であいさつするチョヒョノ副本部長【左】とチョジョンミ組織部長)

 77日間の比類なき工場占拠スト

 同志の皆さん、今年の日本の8・15に向かう道は、これまでになく心に重くのしかかるものがありました。日本において裁判員制度を含む司法改革―憲法改悪が推進されているのと同様、韓国でも言論統制のためのメディア法改悪など民主主義を後退させる措置が、権力と資本によって暴力的に進められています。両国ともに、社会全般の保守反動化攻撃が執拗(しつよう)に繰り広げられています。
 さらに、民主主義の最も基本的な土台であるべき生存権を、権力と資本が無残に蹂躙(じゅうりん)する姿を、われわれはサンヨン自動車の事態をとおして目の当たりにしました。
 動労千葉の同志たちから貴重な闘争支持の声明までいただきながら、民主労総と金属労組はサンヨン自動車の労働者を守ることができませんでした。77日間の比類なき工場占拠ストは、サンヨン自動車労働者の命をかけた献身的な努力によって可能となったのです。「解雇は殺人だ」という切実な叫びは、催涙液と電子衝撃銃で武装した警察特攻隊と、資本の攻撃によって分断された救社隊労働者の集団暴力で踏みにじられました。
 サンヨン自動車の大量解雇事態は、経済危機のもとで強行される雇用の柔軟化攻撃と大量解雇の実験台でした。今後、現代自動車や起亜自動車など大規模製造業において強行される構造調整の突破口であることを、われわれは痛いほどわかっていました。サンヨン自動車が崩れれば、今年後半から大々的な構造調整と整理解雇、労組抹殺が強行されるのは火を見るよりも明らかでした。
 しかし、金属労組と民主労総は「ゼネスト」の約束を履行しませんでした。現代自動車、起亜自動車、GM大宇など金属労組自動車支部の連帯には失望しました。サンヨン自動車闘争の結末は、政権と資本の激烈な弾圧のせいだけではないのです。すでにウィニアマンドとクムホタイヤで大量解雇を含む構造調整が推進されています。

 サンヨン労働者決起に応える道

 同志たちの前で恥を承知でサンヨン自動車闘争の裏側を詳しくお話しした理由は、「労働者階級の団結」を実現するための努力と闘いがどれほど重要かを、サンヨン自動車闘争をとおしてあらためて身にしみて感じたからです。経済危機のもとで現場の労働者大衆はとても萎縮(いしゅく)しています。闘いよりも妥協のほうが、とりあえず自分の雇用を守ることになると考えています。
 これは、この10年間、韓国の産別労組や民主労総など民主労組運動がとってきた実利主義路線によるところが大きいのです。メディア法が改悪され、サンヨン自動車に警察が投入されましたが、庶民に対する支援策を乱発したイミョンバクの支持率は40%台へと上がりました。怒りよりもあきらめ、闘いよりも妥協を選んだ結果です。
 あらためて現場を整え、今年後半、広範な解雇反対闘争を組織しなければなりません、団結と闘いだけが希望だという真実を、労働者階級が実践をとおして語らなければなりません。萎縮した現場労働者の心を動かし、現場から労組弾圧政策と構造調整策動に断固対決する準備をしなければなりません。労組の幹部と活動家が敗北意識をのりこえ、献身的に現場を再組織しなければなりません。一つひとつの闘いを大切にし、死活をかけて闘わなければなりません。産別労組とナショナルセンターを階級的団結の軸として新たに打ち立てねばなりません。これは韓国だけでなく、経済危機のもとでの全世界の労働者運動の共同の課題です。私は、それこそが誇り高きサンヨン自動車の労働者の気持ちに応える道だと思います。
(写真 サンヨン自動車支部の労働者は77日間、決死の闘いを貫いた【写真は8月5日】)

 11月に熱い心で再会しましょう

 各国で景気沈滞がしばし好転したような指標が発表されていますが、これは、今日の資本主義が慢性化した長期不況にあることを隠すためのものです。こんな小手先のやり方は、間もなく行き詰まるでしょう。
 最終的な危機の瞬間に労働者階級と変革運動が民衆の代案としてそびえ立つよう、ともに頑張りましょう。資本主義の暴力と野蛮、戦争と搾取を終わらせるのは、ひとえに全世界の労働者階級の手にかかっています。この場におられる同志たちと私たちの手にかかっています。憲法改悪など保守反動化攻撃を粉砕し、構造調整と解雇をやめさせましょう。戦争と暴力に反対し平和と人権の旗を高く掲げましょう。下から労働者大衆の闘いを強化しましょう。資本の危機をのりこえ、労働者民衆の代案へと進みましょう。その道を、民主労総ソウル本部は常に皆さんとともに進みます。
 それぞれの現場がわれわれみんなの現場だと考え、力いっぱい闘い、日本の11月労働者総決起集会と韓国のチョンテイル烈士精神継承全国労働者大会の場において、熱い心で再会しましょう。

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週刊『前進』(2404号3面3)(2009/08/24 )

 動労水戸 さらに新組合員が加入

 ストライキを打ちぬき前進

 JR勝田車両センター(茨城県ひたちなか市)で8月18日、動労水戸にさらに新たな組合員Uさんが加入した。これはすさまじい決起だ。
 新たに加入したUさんは国鉄入社以来、勝田電車区(現勝田車両センター)で働く生粋の労働者、検修のエキスパートだ。常磐線の車両の安全は、彼のような筋の通った労働者に支えられてきた。職場の労働者の信頼が厚いUさんが動労水戸に加入した意味は限りなく大きい。
 最高裁まで争われた運転士不登用問題の不当労働行為(組合差別)事件は昨年12月、動労水戸の完全な勝利で決着がついた。JR会社が動労水戸組合員に運転士職を発令しないことは不当労働行為であることが認定され、最高裁は「会社は対象者13人全員を12年前にさかのぼって運転士に発令し、運転士として就労させること」「乗務したら得られたであろう賃金との差額を支払うこと」を命じたのだ。
 しかし、JR資本はこの間の組合との団体交渉の中で、不当労働行為をやったことは認めない、謝罪はしない、まともに運転士にさせない、金は払わない、という裁判の決定にも従わない対応をしてきた。この組合破壊に対して、ものすごい怒りが渦巻いている。
 この攻撃は、ひとり動労水戸組合員に対してかけられているものではなく、職場で働く全労働者にかけられているものだ。労働者を人とは思わないやり方、安全など二の次、三の次にするやり方なのだ。怒りは職場全体に充満している。
 組合員のほとんどが直営売店やベンディングに隔離されてきた動労水戸は、22年間一貫して分割・民営化絶対反対を貫き、今年4月にほぼ全組合員が現場復帰をかちとった。「動労水戸のように団結すれば勝てる」という確信が多くの労働者のものとなろうとしている。動労水戸が職場の主流派となり、闘う団結が拡大していくことにJR資本は心底恐怖している。一見、居丈高な当局の対応は危機の現れだ。
 動労水戸は職場生産点からの闘いに立ち上がった。この7月攻防の渦中、不当配転のその日にNさんが動労水戸に加入した。Nさんは、労働者をモノのように扱う資本に対してけっして屈しない誇り高き労働者の姿を示した。さらに動労水戸は、7月23日のストライキ決起で組合員への不当配転を阻止し、26日の茨城県労働者総決起集会で団結を打ち固め、JR資本と真っ向から激しく闘いぬいてきた。
 そして、この7・23ストライキの衝撃の力で、Uさんが新たに動労水戸に加入したのだ。
 新組合員2人を迎え、動労水戸は乾坤一擲(けんこんいってき)の闘いに立ち上がった。8月21日正午から半日(泊まり勤務者は終了時まで)、当日勤務の組合員全員がストライキを貫徹した(詳報次号)。この闘いは動労千葉幕張車両センターでの闘いと固くつながっている。韓国・サンヨン自動車で77日間の壮絶な攻防に勝利し団結を守りぬいた民主労総の闘いと固く団結している。
 11・1労働者集会へ、動労水戸に続いて、全国の職場で決意を込めた闘いに立ち上がろう。
 (茨城/滝見)

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週刊『前進』(2404号4面1)(2009/08/24 )

 11月集会1万人決起のために

 労働者の〈階級的団結〉はいかにして形成されるか

 関東・元教育労働者 駿河 俊彦

(写真 昨年の11・2労働者集会【日比谷野音】)

 地区で闘っている労働者同志から、〈絶対反対論〉や〈党建設論〉と一体のものとしてある〈階級的団結論〉についての、以下のような力ある論考が寄せられました。階級的労働運動路線をさらに推進し、11月1万人決起を組織する今秋の闘いにとって、有効な武器になると考えます。掲載に当たっては、スペースの関係で編集局の責任で原文をかなり圧縮し、編集し直しました。多くの同志と読者の皆さんの積極的な活用を訴えます。(編集局)

 人間の根源的共同性に根ざした類に生きる力

 6・14集会で法大文化連盟の洞口朋子さんは次のように発言した。
 「全員が完全黙秘・非転向で団結を固め暴処法弾圧との闘いの第一ラウンドに完全勝利しました」「私たちは仲間を絶対に裏切っちゃいけない。それが法大闘争の核心です。戦争を止め、この社会を根本的に変革する道は、資本家と徹底的に闘い、奪われてきた団結を取り戻していく闘いの中にこそあります」(本紙2396号)
 私たちは法大決戦の先頭で不屈に闘う、文化連盟と全学連の若き戦士の闘いを目の当たりにするとき、動労千葉と革共同が血と汗を流して闘いとってきた階級的労働運動路線が若き青年たちをとらえ、力強く根づいて発展していると確信することができる。彼らは、動労千葉労働運動とその階級的団結論に徹底的に学んで闘ってきたのだ。
 法大解放闘争は、日本階級闘争の最前線に躍り出た。この闘いに勝利することが、労働者階級の勝利の展望を切り開く。法大解放闘争をわがものとし、一日も早く獄中の学生同志を奪還し、国鉄1047名解雇撤回闘争を基軸に4大産別決戦に猛然と決起しよう。
 本稿では階級的団結論について考えてみたい。階級的団結は、労働者階級が資本家階級を打倒してプロレタリア革命に勝利するための唯一無二の武器である。しかし、それは体制内指導部によって踏みにじられ、ないがしろにされてきた。今こそわれわれは、マルクス主義の原理である階級的団結論を復権しなければならない。
 階級的団結の力をもってすれば、いかなる試練も困難ものりこえられる。それは人間の根源的な共同性に根ざしているがゆえに、死の恐怖さえのりこえることのできる力である。個に死して類に生きる力である。
 階級的団結を質的に深化し、量的に拡大していけば、その先にプロレタリア革命がある。ブルジョアジーはこのことを本能的に知っているからこそ、労働者の団結を恐れ、それを破壊するために手段を選ばず攻撃してくるのだ。
 では、労働者の階級的団結はいかにして形成されるか。11月労働者集会1万人決起のために、以下、いくつかの視点から考えてみたい。

 「絶対反対論」と不可分一体

 第一に、「階級的団結論」と「絶対反対論」は不可分一体である。階級的団結は、職場生産点において、資本と国家権力に対して日常的に非和解的に闘い抜くことをとおして形成される。「賃金制度を撤廃せよ」――資本・権力に対する根源的な批判と怒り、これが絶対反対論である。したがって「絶対反対論」は、資本主義・帝国主義打倒をめざす革命の論理なのである。
 今日、ブルジョアジーはのたうち回りながら、労働者階級に対する極限的な搾取と侵略戦争に突き進んでいる。ブルジョアジーは労働者を奴隷としても食わせていけなくなった。帝国主義の最後の延命策である新自由主義政策が破綻し、その矛盾が世界大恐慌となって爆発しているにもかかわらず、ブルジョアジーは新自由主義政策を絶望的に推し進めるしかないのである。道州制攻撃こそ、むき出しの市場原理、弱肉強食の競争原理を振り回して、民営化を全社会的規模で推し進めるものである。それは労働者階級の9割を非正規化し、低賃金化と首切りをもたらす。それは、改憲と戦争への道である。
 体制内指導部は、民営化攻撃と闘っても勝てるはずがないとあらかじめ屈服し、労働者を敵の攻撃の前に武装解除させ、敵に売り渡そうとしている。労働者にとって、より良き民営化などあるはずがない。これでは労働者の団結は破壊されるばかりだ。民営化は絶対反対あるのみだ。体制内指導部を打倒し、労働者の階級的団結を取り戻そう。

 労働組合が基礎的団結形態

 第二に、労働者階級の階級的団結は、労働組合の闘いをとおして形成される。
 労働組合は労働者の基礎的団結形態である。だから、労働組合のないところでは労働組合を建設しよう。また、既成の労働組合の大半は民同やスターリン主義者に支配されている。体制内指導部を打倒して、闘う労働組合をよみがえらせよう。そのためには、労働組合の権力を取ることを目指して目的意識的に闘わねばならない。
 労働者階級の究極的団結が革命だとすれば、それは、労働組合の階級的団結の強化と発展によってかちとられる。労働組合はソビエトの萌芽形態であり、プロレタリア独裁の樹立に向けて、階級的団結を拡大するためにある。とりわけ4大産別の労働組合の階級的団結を強化することが、プロレタリア革命勝利に向かっての最重要な課題である。

 階級の指導部の世界観と路線と労働者観が鍵

 第三に、階級的団結を形成する闘いは、革命的指導部(党)の建設なしにはありえない。陶山健一同志は「70年闘争において労働者が主力たりうるか否かは、労働者一般の問題ではなく、どれだけ多くの『革命的労働者』が、『革命家』が生まれるかによって測られるであろう」(『反戦派労働運動』第4章)と言っているが、その言葉は今も生きている。また、動労千葉の中野洋前委員長は、「労働者が団結するには核となる中心がなくてはならない」と言っている。
 労働者は活動家(指導部)を中心に団結する。活動家になるとは、階級の指導部になっていくということである。
 また、労働者階級の団結の力と質は、指導部の世界観=時代認識と路線、労働者観によって決まる。動労千葉の労働者は、「連合の団結がスポンジだとすれば、動労千葉の団結は鉄の塊だ」と言っている。鉄の塊のように強い団結は、中野さんの思想とその路線によってつくられたものである。
 中野さんの労働者観は、「労働者は必ず決起する」という信念と、労働者の持つ戦闘性、革命性に徹底的に依拠して闘うという立場に示されている。労働者階級の解放は労働者自身の事業であるということだ。この思想はマルクス主義の核心であるが、中野さん自身、労働者はすべからくマルクス主義者にならねばならぬと言っている。
 マル青労同5回大会報告の中で、以下のような総括文があった。「2人の同志に共通するのは……『隣の仲間』を徹底的にオルグしている。労働者の怒りに依拠して、階級的に怒りをあおって、職場の労働者を闘いの渦中に置いている。そうした時、職場の青年たちが階級的に急速に自己変革する。そして、この闘いの中で自分自身も自己変革したということだ」(『ソリダリティ』5号、6n)
 私はこのくだりを読んで、目の覚めるような思いをした。そうなのだ。隣の仲間と団結するとは、ただ仲良くなることではない。肝心なのは、「仲間を闘いの渦中に置く」ということだ。ともに闘うことで仲間が変わり、自分も変わる。指導部自身も自己変革しなければならない。これこそ、マルクスがフォイエルバッハテーゼで提起した、実践的唯物論(共産主義)の立場ではないだろうか。
 指導部が絶対に正しくて、労働者はそれに無条件に従えばよいのだ、という態度は、労働者の上に党を置くという、カクマルや日共スターリン主義者の官僚主義である。ここには、労働者の主体的な自己解放の闘いが完全に欠落している。これはマルクス主義ではない。マルクス主義の解体だ。
 動労千葉元副委員長の水野正美さんは、「中野前委員長は、けっして上から命令するような人ではなかった」「中野前委員長は、動労千葉の労働者たちによって最高の指導者に育てられた」と証言している。
 私はここに「党は階級そのものである」「党と労働組合は限りなく一体のものである」という、革命的共産主義運動と動労千葉が到達した歴史的地平を見る。一人ひとりの労働者の中に革命のヒドラが宿っているという確信をもち、労働者から徹底的に学び、その戦闘性と革命性を引き出そうとする努力。指導部と組合員、組合員相互、指導部相互の強固な団結と信頼関係の形成の闘い。動労千葉の階級的団結はこのようにして形成されたのだ。
 動労千葉は義理人情に厚いと言われるが、水野さんが「動労千葉の真の強さは、路線の正義性にある」と言っているように、「義理人情に厚い」「仲間を大切にする」というのは、正しい時代認識と路線で闘う中で形成された階級的団結の別の表現にほかならない。

 一人の解雇も許さない原則

 第四に、「一人は万人のために、万人は一人のために」「一人の首切りも許さない」という原則を貫いて闘うことが重要である。
 この問題を考える上で、やはり、動労千葉の船橋事故闘争に触れないわけにはいかない。1972年3月の船橋事故で、動労千葉の高石正博運転士が逮捕され起訴された。この事故はスクラップ・アンド・ビルドという、徹底した合理化と運転保安無視・労働強化の結果として起きた。
 これに対して動労千葉は、一人の組合員を守るために全組合員が処分を覚悟して立ち上がった。数波にわたるストライキ、何十波にわたる順法闘争、道路を埋め尽くす街頭デモ、裁判闘争には動員指令の2倍の組合員が参加した。
 この闘いをとおして、動労千葉は反合・運転保安闘争路線を確立し、その精神は今日も脈々と受け継がれており、動労千葉の階級的労働運動の原点となっている。ここにわれわれは、階級的労働運動の神髄を見ることができる。階級的団結は徹底的に労働者の立場に立って闘うことから形成されるのである。

 団結の強化・拡大が総括軸

 第五に、労働者の階級的団結は、〈団結〉を総括軸にして闘うことによって形成される。
 職場・生産点における資本とのゲリラ戦では、労働者は負けることの方が圧倒的に多い。政治闘争においても、現在的に彼我の力関係から、たとえばソマリア沖への自衛隊の派兵を阻止することはできていない。しかし、こうした闘いをとおして、仲間が一人増えたとか、ともに闘った労働者の階級意識が形成されたとか、自己変革がかちとられたとなれば、圧倒的に勝利したのである。
 法大決戦では、逮捕され起訴されても誰一人屈服せず完黙・非転向で闘い、団結はより強固なものとして形成されつつある。また獄中の仲間に鼓舞されて、陸続として学生や労働者が新たに決起している。これだけでも、法大解放闘争の偉大な勝利の展望が切り開かれているのだ。
 あらゆる闘いは、階級的団結を形成するために闘うのだと言っても過言ではない。

 労働者階級自己解放と諸階級・諸階層の解放

 第六に、階級的労働運動路線と「07年7月テーゼ」は完全に一体のものである。差別・抑圧や排外主義との闘いは、労働者階級の階級的団結とその強化にとって絶対不可欠の柱である(本紙08年新年号論文)。
 資本・権力による差別・抑圧、排外主義攻撃の本質は、労働者階級の団結破壊である。したがって、労働者階級の階級的団結を形成する上で、被差別・被抑圧人民の自己解放の闘いに学び、支援・連帯・防衛の闘いを断固貫徹していくことが必要である。
 しかし、塩川一派は「日本の労働者は排外主義・差別主義にまみれているから、そのままでは革命の主体にはなれない」と言って、労働者の自己解放能力、革命的本質を否定し、部落解放闘争、障害者解放闘争、女性解放闘争等の闘いをプロレタリア革命の上に、あるいは並列的に並べ、党はこれらの戦線の連合体であるとして、労働者階級の単一の党の建設に反対し、プロレタリア革命を永遠の彼方に追いやろうとした。
 労働者人民の中に初めから差別意識があるわけではない。それは、資本・権力の分断攻撃に屈服した結果としてある。したがって、われわれはまずもって、差別・抑圧の元凶である資本・権力と闘わなくてはならない。資本・権力の分断攻撃に対して、労働者は階級的団結を打ち固め、資本と非和解的に闘い、プロレタリア革命を実現していく中で初めて差別を克服していけるのである。その逆ではない。
 また、諸戦線の闘いは労働者階級の革命的な闘いと一体のものとして闘う中でこそ、勝利できる。
 階級的団結を形成する上で、労働者階級の自己解放性と、労働者階級が革命の主体であることを否定する一切の党派、潮流と闘い、粉砕することが重要である。
 血債主義、糾弾主義は一時期、わが地区党の中にも横行したことがある。それが本来の党のあり方をゆがめた。今こそ、血債主義、糾弾主義を粉砕し、真のマルクス主義を復権しよう。
 第七に、労働者階級への階級移行の問題である。
 労働者階級が革命の主体であるというとき、私も含めて党の常任、個人商店主、学習塾の経営者、小説家、画家、音楽家などの芸術家、農民、漁民、その他、直接には賃金労働者として職場・生産点に身を置いていない者は革命的たりえないのだろうか? そんなことはない。
 「労働者階級以外の諸階級、諸階層の人民は、労働者階級の解放のなかに自らの究極的解放があることを直視し、労働者階級の立場に自らを立たせ、労働者階級と一体となって闘うこと(階級移行するということ)によってプロレタリア革命の一翼を形成するものとなっていくのである」(07年7月テーゼ)
 この階級移行のための闘いは、労働者階級とともに闘うことでしかなしえない。労働者階級との階級的団結を命がけで形成することである。

 インターナショナルな本質

 第八に、労働者の階級的団結は本質的には国境を越えたインターナショナルなものである。労働者階級の存在は世界的なものであり、帝国主義もまた世界的なものである以上、プロレタリア革命は一国では完結せず、世界革命としてしか勝利できないものである。
 時代認識をゴリゴリと確認することから、動労千葉の労働者は、自己の産別の課題だけでなく、日本の全労働者、世界の労働者階級の利益のために闘ってきた。三里塚闘争に連帯してジェット燃料貨車輸送阻止のストライキを闘った。戦後政治の大転換攻撃であった国鉄分割・民営化攻撃に対し、権力の集中砲火を浴びながらストライキで闘って団結を守った。また、動労千葉は02年3月にイラク戦争開戦に断固反対し、72時間のストライキを打ちぬいた。
 これらの闘いは直接的には動労千葉の個々の労働者にとって一銭にもならない闘いである。しかし、全日本と世界の労働者の利益を守る闘いであった。だからこそアメリカのILWU(国際港湾倉庫労組)や韓国の民主労総をはじめ、世界の最も戦闘的な労働組合が注目し、高く評価し、動労千葉の闘いから根底的に学ぼうとしているのである。ひとつの職場における闘いが職場を超えて、やがては世界の労働者にもつながっていく。教育労働者、根津公子さんの「日の丸・君が代」反対の不起立闘争は、アメリカの闘う教育労働者につながっているではないか。世界大恐慌=革命情勢の到来にあって、今こそ世界の労働者階級の団結が死活的に求められている。

 体制内指導部との党派闘争

 第九に、階級的団結を形成する上で、体制内党派との党派闘争を推進することが決定的に重要である。
 今日、帝国主義が崩壊的危機に陥り、資本主義の枠組みそのものが崩壊し始めるや、体制内党派はブルジョアジーの完全な下僕になり下がった。国労、全逓、自治労、日教組指導部に巣食う社民・協会派、日共スターリン主義は打倒対象となった。彼らは資本主義の枠にしがみついて生きてきたので、それを壊そうとする者に対して、ものすごい憎しみをもって襲いかかってくる。革命勢力と体制内勢力との間に中間の道はなく、非和解的な敵対関係になったのである。体制内指導部を打倒し、そのもとにいる膨大な労働者の中に分岐をつくり出し、獲得しなければならない。

 大恐慌と革命的情勢は国際的団結拡大の好機

 第十に、国内的・国際的に、階級的団結が急速に進む条件が成熟している。
 世界の支配階級は統治能力を完全に失っている。経済的下部構造の崩壊は、その上部構造である統治形態とブルジョアイデオロギーの根底的崩壊をもたらす。自民党麻生内閣の支持率の急速な低下はこのことを如実に示している。また、資本主義は永遠であるとか、会社のために一生懸命に働けば労働者も幸せになれるとか、こうしたブルジョアイデオロギーをもはや誰も信じなくなっている。
 現代の青年労働者・学生は、戦後民主主義の恩恵にあずかっておらず、資本主義に何の幻想も期待もしていない。新自由主義は2千万人のワーキングプア、非正規労働者を生み出した。労働者は資本主義を倒さなければ生きていけなくなっている。また、新自由主義は人間の本質である労働とその共同性を極限にまで奪いつくしたため、労働者は、資本に対する怒りとともに、階級的団結を渇望している。
 だからこそ、「団結」という二文字が、青年労働者・学生が生き、闘っていく上で、欠くことのできない死活的問題となっているのだ。そうした中で、動労千葉と革共同の思想と路線が青年労働者、学生をとらえる情勢がますます煮詰まっている。
 また、ブルジョアジーは金もうけのために巨大な交通手段とインターネットなどの通信手段をつくり出した。ブルジョアジーは自らに向かってくる武器と、それを使う墓掘り人=労働者を生み出したのである。労働者階級はこれらを十分に使わせてもらって、労働者の階級的団結を世界的規模でつくり出すことがより一層、容易になったのである。

 党建設と党の団結の強化を

 最後に、階級的団結論の結論は、革命的労働者党の建設と党の団結ということである。
 労働者階級の中に階級的団結を形成するということは、労働者階級の中に深く根を張った党を建設していくことにほかならない。あらゆる職場、とりわけ4大産別の中に、党の細胞を建設していくことを追求しなければならない。労働者階級は自分たちの真の党なくしては、プロレタリア革命は絵にかいた餅となる。
 ブントから革共同に結集した陶山同志は、「われわれが60年安保の総括をとおして『党』の形成を執拗に追求してきたのは、いざという時にものを言うのは結局、『党』の力だからである」と言っている。
 党と労働者階級の生き生きとした関係は、党がもっともっと階級的団結を強め純化していくことによって形成される。塩川一派との闘いは、自己の内にある体制内的な思想と発想との決別であり、一切のあいまいさなく党の同志の思想的、路線的一致をかちとることである。階級的団結を土台にして、同志間の激突を恐れぬ活発な路線論議を進めることが、党の団結を一層強化するものとなる。
 戦争か革命かが問われる今日の時代に、インターナショナルな党の建設が焦眉(しょうび)の課題となっている。世界大恐慌をプロレタリア革命の勝利に転化するために断固、この課題をなし遂げよう。11月労働者集会1万人決起のために、全力で闘おう。

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週刊『前進』(2404号4面2)(2009/08/24 )

日誌

2009年8月12日〜18日

杉並と一貫校で「つくる会」教科書採択/野田担当相が靖国参拝

●杉並区が「つくる会」教科書を採択
東京都杉並区教育委員会は、来年度から2年間、区立中学校全23校で使う歴史教科書について、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版の教科書を採択した。扶桑社版の採択は05年に続き2度目。(12日)
●普天間基地、ヘリ相次ぎ帰還 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場にCH53E大型ヘリやCH46中型ヘリなど同飛行場所属機十数機が相次いで帰還した。7月6日から26日まで実施の米豪共同軍事演習「タリスマン・セーバー」に参加していたとみられる。所属機の帰還で同市は今後の騒音悪化を懸念している。宜野湾市によると、同飛行場所属部隊の軍事演習の参加は4月に実施した米軍とフィリピン軍の定期合同軍事演習「バリカタン2009」以来、今年3度目。(12日)
●米軍ヘリ沖国大墜落から5年 米海兵隊のCH53D大型輸送ヘリコプターが宜野湾市の沖縄国際大学に墜落してから5年になった。住宅地上空をヘリが旋回する光景は変わらない。沖国大は「普天間基地を使用する航空機の飛行中止を求める学内の集い」を墜落現場の大学本館前で開いた。大学が集会を主催するのは初めて。(13日)
●都立31校も「つくる会」教科書を採択 東京都教育委員会は、来春開校の4校を含む都立中高一貫校10校と都立特別支援学校21校(分教室含む)で、来春から使う中学校の歴史と公民の教科書として、「新しい歴史教科書をつくる会」主導の扶桑社版を採択した。(14日)
●野田担当相が靖国神社参拝 小泉、安倍両元首相が東京・九段北の靖国神社を参拝した。閣僚では野田消費者行政担当相が参拝。「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の41人も集団参拝した。同会によると参加者は自民、民主、改革クラブの衆院前職29人と参院12人。麻生首相は参拝しなかった。(15日)
●ソマリア沖海賊対策第1陣の海自2艦が帰港 ソマリア沖海賊対策で、第1陣として自衛隊法の海上警備行動に基づき日本関連船舶の警護を行った海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」など2隻が広島県・呉基地に帰港。指揮官の五島浩司1等海佐は「緊迫した任務だった」と述べた。(16日)
●米空母ニミッツが横須賀寄港へ 米海軍の原子力空母ニミッツが8月下旬、物資補給などを名目に、神奈川県の米海軍横須賀基地へ寄港を計画していることが政府関係者の話で分かった。同基地に配備された原子力空母ジョージ・ワシントンは演習などのため不在。(17日)
●総選挙公示 第45回総選挙が公示された。立候補者数は小選挙区1139人、比例代表235人(重複立候補者を除く)の計1374人。小選挙区比例代表並立制が導入された96年衆院選以降、最少だった前回05年の1131人を大きく上回り、小選挙区の競争率は3・8倍(前回3・3倍)に。比例代表には計12党が届け出。小選挙区との重複を含む候補者総数は888人、前回の778人を上回った。(18日)

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週刊『前進』(2404号5面1)(2009/08/24 )

 全国の学生は全学連大会へ

 学生運動の復権の時が来た 教育を学生の手に取り戻せ

 織田陽介委員長が獄中から訴え

 法政大学暴処法弾圧で東京拘置所に勾留されている織田陽介全学連委員長から、全学連大会への大結集と歴史的成功を訴える熱烈なアピールが寄せられたので紹介します。(編集局)

 「監獄大学」から甦る団結

 全国300万の学生のみなさん! 来る9月10日〜12日、私たち全学連は大恐慌と対決し、教育を学生の手に取り戻すため、学生の団結の歴史的復権をかけて、第70回全国大会を開催します。
 110人の逮捕と33人の起訴を数えた3年半の法大闘争の激闘の結果として私自身は東京拘置所の独房にいるため、大会参加もままならない状況です。しかし、この3年半の闘いは、本大会を呼びかけるためにあったのではないかと思えてなりません。本大会の歴史的重大性を訴え、すべての仲間に結集を呼びかけたいと思います。
 第一に、「不当処分撤回! 監獄大学粉砕! 8学生奪還!」をかけた法大闘争は学生運動復権の前夜を迎えています。
 6〜7月、またしても闘う法大生に不当処分が下されました。4・24法大1500人集会、6・15法大1200人労学集会に対する報復の停学処分です。その「理由」たるや「教育環境の侵害」です。
 法大総長・増田が「侵害」されたとする「教育環境」とは、何のことを指すのか? 公安警察に29人の学生を逮捕させてつくった「立て看板・ビラまき禁止のキャンパス」か? それとも「サークル活動・学祭の規制」のことか? 「150台の監視カメラと暴力ガードマンによる監獄化」のことか? もしくは「法外な学費をむさぼって、学生を借金漬けにしてたたき出していること」か? 「その学費のうち37億円を2年間ですってしまったこと」か!

 学生の魂揺さぶる法大闘争

 経済的理由や心の病で大学に来られない仲間がいる。学生が通うことのできない大学とは何なのか? 大学の主人公は学生ではないのか! 4月24日の1500人の怒りの意思表示は、あまりにも当然でした。
 しかし、これに対する法大総長・増田の回答は何だったのか? それはキャンパス中央広場封鎖=集会禁止であり、呼びかけた学生の逮捕・起訴であり、参加したすべての学生を「利用されている」と見下し、その意志を踏みにじることでした。「学生は黙って従え!」――これこそが「回答」でした。これが「教育」か? 「営業権」と矛盾なく語られる法大総長・増田の「教育」を「支配」や「詐欺商売」といった言葉に置き換えてもなんの違和感もありません。そう、それは「教育の破壊」以外の何ものでもない!
 ある仲間は、暴力職員への抗議を「暴行」にデッチあげられ処分されている。ならば、これまで暴力支配されてきた3万法大生は、中央広場封鎖をぶっとばして結集し、全学ストライキにたたき込み、理事会も暴力職員もガードマンもまとめて「退学処分」にするくらいの権利は少なくとも持っているというわけだ!
 処分覚悟で仲間の処分に反対して声を上げる、「一人の仲間も見捨てない!」という法大文化連盟の仲間たちの生き方は、学生の魂を揺さぶり、キャンパスを席巻しようとしています。監獄大学=法政から、学生の団結は歴史的に復権されます。そう、それは仲間への思いを行動に移すその時から! 
 不当な処分は撤回しかない。監獄大学は粉砕しかない。当たり前の声をあげよう! 私物化されたキャンパスを実力で奪い返そうじゃないか! 学生の本来持っている力と可能性を取り戻そう!いま確信すべきは、「教育を学生の手に取り戻すのは、唯一われわれ学生の団結した力だ」ということではないだろうか!

 世界戦争を世界革命へ!

 第二に、いま時代が動こうとしています。世界大恐慌は一方で世界戦争を生み出し、しかし他方で革命情勢を生み出しているのです。一つに、「景気底打ち」「株価1万円台回復」の大キャンペーンが何を意味するのか? GM破綻を契機に、トヨタやGMが支配してきた自動車市場をめぐり、「エコ」をスローガンとした帝国主義自動車資本による醜いぶっかき合い、すなわち再分割戦が始まりました。各国政府は、自国の資本を「保護」する目的で、「バイ・アメリカン条項」や補助金を出す政策で、この再分割戦に拍車をかけています。
 保護主義は世界経済の分裂とブロック化を引き起こし、さらなる激烈な恐慌を準備します。「景気底打ち」なるデマは、帝国主義同士の激突の非和解化の産物です。労働者を大失業にたたきこんでもうける資本家の限りない欲望が、資本主義社会を確実に破滅に向かわせているのです。
 二つに、これこそが世界戦争の動力なのです。アフガニスタン・パキスタンやイラク、もしくはソマリアでの戦争、北朝鮮やイランへの戦争の危機は、オバマや麻生がどれだけ正当化しようが、市場や資源をめぐる帝国主義強盗同士の腐った争闘戦でしかありません。
 強盗たちのスポークスマン・オバマは、「核廃絶」を掲げて核戦争を準備する、どうしようもない詐欺師です! オバマ賛美の日本共産党や、愛国主義・排外主義でこの戦争を正当化するファシスト連中には、高尚な理論を並べれば並べるほど、金で腐ったその魂をますます際立たせるだけだと忠告しておこう!

 戦後世界体制の崩壊始まる

 三つに、戦後世界の支配体制の全面的崩壊が始まっています。
 戦後世界体制は、「唯一の戦勝国」=アメリカ帝国主義が、日本の戦後革命を含めた世界中のプロレタリア革命に向かっての怒涛(どとう)のうねりを、ソ連スターリン主義と手を組んでつぶしてまわり、ようやく確立した支配体制です。
 その限界性は、朝鮮革命や中国革命、日本の安保・沖縄闘争、もしくはパレスチナ解放闘争やイラン革命、9・11反米ゲリラ戦闘という形で、歴史的にくり返したたきつけられてきました。
 帝国主義とスターリン主義による戦後世界体制は、日米安保軍事同盟を含め、彼らの没落と争闘戦の非和解化によって崩壊し、ますます革命の嵐を呼び起こします。見てほしい、命をかけて立ちあがる韓国やイランの労働者たちを! 中国のウイグル人民の闘いを!
世界中を覆うストライキの嵐を! 日本においても、選挙で示された労働者・農民・学生の怒りや、わが法大闘争もこの一端なのです。
 そして、これこそが世界戦争を止める力です。労働者・学生を動員して初めて成り立つのが戦争なら、それを止めるのもまた労働者・学生の団結です。だからこそ、労働運動や学生運動に対する団結破壊や取り込みの一切の表れに対して、立ち向かって団結を固めなければならないのです。
 総じて、大恐慌は「反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命」の条件を日々つくり出していることを確認したいと思います。

 11月集会に1万人決起を

 第三に、だからこそ、日本において動労千葉が先頭となって呼びかけ、「国鉄1047名解雇撤回闘争勝利!」を中心的スローガンとする11月労働者集会を、1万人の大結集でぶち抜き大成功させよう!
 一つに、11月1万人大結集は、日韓米の労働者の国際連帯を大前進させます。ここに、帝国主義の北朝鮮侵略戦争を止める展望があります。そして、戦後世界体制の重大な一環としての日米安保軍事同盟と沖縄分断政策をぶっとばし、戦後世界体制をさらなる内乱にたたき込んで転覆していく力があります。何より、世界革命に向かう、国境を越えた労働者党の建設の展望があります。7月にサンフランシスコで開催された国際労働者会議において、法大弾圧に抗議し私を含む8学生の即時釈放を求める決議があがり、国際連帯の重大な力になれたことは極めて光栄な事態です。
 二つに、11月1万人大結集で、新自由主義に断を下そう。
 今や高校や大学から学生がたたき出され、教育が奪われています。授業料が払えずに中退を余儀なくされる大学生、通学定期が買えずに学校を休む高校生。なぜ学生がこんなにみじめな思いをしなければならないのか。私たち学生の家族に解雇・賃下げをしたのは誰だ! 学生の未来をワーキングプアに突き落としたのは誰なのか!
(写真 6・15法大闘争で市谷をデモ。たなびく全学連旗)

 新自由主義に断を下そう!

 それは新自由主義を推し進めてきた中曽根や小泉といった自民党連中であり、資本家連中です。80年代の国鉄分割・民営化から始まる新自由主義政策によって労働組合の団結は破壊され、民営化・規制緩和によって労働者の権利も社会保障もズタズタにされ、これによって資本は「空前の利益」をたたき出してきました。ブルジョアどもはそれでもあきたらず、金融規制をとっぱらい、ボロもうけした揚げ句に世界を大恐慌に突き落としました。その彼らが今度は巨額の税金をのみ込んで生き延び、労働者はクビを切られて殺されています。いったいこの構図は何なのか! 
 「教育手当」? 「敗者の救済」? ふざけるんじゃない! 今すべきことはそんなことではない。今こそ新自由主義に断を下そう! 国鉄分割・民営化から22年、1047名解雇撤回を掲げ、動労千葉を先頭に国鉄労働者が不屈に闘い抜いている。この動労千葉労働運動と1047名解雇撤回闘争、そして国労5・27臨大闘争弾圧被告団の闘いを中軸とする国鉄闘争が、日本階級闘争の最先端で今ものすごい展望を持っています。ここにすべての怒りを合流させよう!
 三つに、11月1万人大結集で、道州制に突き進む自民党・民主党をぶっつぶし、「労働者に権力をよこせ!」の声をあげよう!
 これだけ社会を破壊し、大恐慌と戦争に行きついても、資本家階級はどこまでも新自由主義政策に突き進もうとしています。教育・自治体・医療・福祉を民営化する道州制の導入を狙っています。それは労働組合解体、改憲・戦争国家化の攻撃であり、社会の土台を際限なく破壊する攻撃です。すべての学校を法大化するということです。「どうせ労働者は使い捨てるんだから、教育なんて必要ない」「戦場で死ぬやつには医療も年金も必要ない」ということです。もう、やつら資本家は社会を運営する気などありません。自民も民主もぶっつぶし、労働者が権力をとろう!
 全人民的蜂起の環は4大産別決戦(国鉄・郵政・自治体・教育)にあります。道州制で大焦点化する教育や医療・福祉の民営化などは、全労働者家族が抱える矛盾であり、全人民的蜂起をかけた一大階級決戦です。だからこそ、学生運動も決定的な位置を持ってきています。選挙の枠をこえて爆発している新自由主義への怒りを大結集させよう。資本家階級の恐怖は、戦前の法体系に向かう改憲を必要としています。それを、戦前の弾圧法=暴処法の発動が示しているのです。

 三里塚闘争で全人民蜂起を

 そして、全人民的蜂起に向かってのもう一つの環は、道州制で農地を奪われようとしている農民との連帯です。成田軍事空港が農地を奪おうとする三里塚の構図は、資本の金もうけと戦争が農業を破壊するという、世界の農民が置かれた状況そのものです。この攻撃と真っ向から対決し、43年にわたって空港建設を阻み続ける三里塚反対同盟の存在がそびえ立っていることは、青年労働者・学生にとっての圧倒的な展望です。10・11全国闘争の爆発で労農学連帯をうち固め、11月への道を切り開こう。
 4大産別決戦と、農民との同盟で、道州制決戦の爆発の中からプロレタリア独裁権力を樹立する展望を、11月1万人決起で大きくつくり出そう。

 学生の団結を取り戻そう

 第四に、今こそ学生自治会と全学連運動を復権させ、学生の団結を取り戻そう。
 私たちは問いたい。大学とは何か? そして学生とは何なのか? 未来を体現すべき学生が、古い価値観を自由にぶち破るどころか自由を奪われています。人間の未来を創造すべき学問・研究が資本の金もうけですり減らされ、軍事研究・兵器開発という破滅に突き進んで学生を戦場に送り出す。大学の可能性はこんなものなのか?
 私たちは、法大闘争から復権されようとしている学生の団結にこそ未来があると確信します。それは、「戦争と民営化に反対する」という歴史的原点を持った学生自治会、全学連運動の復権です。またそれは、全国大学を法大化する道州制攻撃と真正面から対決する中でこそ復権されると確信します。だからこそ法大のように闘おう!

 人間本来の力を奪還しよう

 法大における処分と弾圧との闘いでキャンパスに団結を取り戻してきたように、全世界で開始された労働者の解雇撤回闘争は、資本家をたたき出し、労働者・学生が世界を取り戻す闘いです。
 この闘いは、競争という労働者を商品とし人間性を奪う資本主義の法則を、団結によって破壊する人間的行為です。それは同時に、人間がつくり出した巨大な生産力と交通の世界的運動が資本の力となって人間を支配している転倒性を打ち破り、もって人間本来の力と可能性を取り戻す無限の自由と発展、すなわちプロレタリア革命そのものです。
 なぜ、世界を動かす労働者が生きていることもできないのか? それは、労働者が競争させられ団結を奪われているからです。なぜ、本来社会的行為であるはずの教育が、仲間を蹴落とし、成り上がるための手段に落とし込められているのか? それは、学生が競争させられ団結を奪われているからです。真の教育を奪還する力は、学生の中にこそあります。学生には、もっともっとすごい力があります。団結という熱い生き方には、もっともっと大きな可能性がある! 私はこのことを法大闘争の爆発と11月1万人大結集の実現によって、世界に向かって声を限りに叫びたい。社会には、怒りと「仲間がほしい」という声があふれています。今こそ学生運動を復権しよう!
 私はこの3年半、法大闘争を必死になって闘ってきました。気がつけば素晴らしい仲間に囲まれていた。すべての学生は、全学連大会に集まろう! ともに団結して闘おう! 全学連大会の成功から今秋法大決戦の歴史的な高揚をかちとり、10・11三里塚闘争と11・1全国労働者集会に巨大な全国学生の隊列を登場させよう!
 私自身、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命に全人生をかけ、最先頭で闘うことをあらためて誓い、300万学生への大会結集の訴えとします。

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週刊『前進』(2404号5面2)(2009/08/24 )

焦点 「臨調」で道州制推進狙う

 日本経団連の策動粉砕を

 日本経団連はこの夏、御手洗会長を先頭に、総選挙後の政権で道州制導入を推進するために「かつての土光臨調のような強力な推進機関の設置が必要」とくり返し強調している。土光臨調とは、経団連会長の土光敏夫が会長となって中曽根行革を推し進めた第2次臨時行政調査会のことだ。つまり道州制導入の攻撃を国鉄方式で推進するというのがブルジョアジーの総意なのだ。
 81年当時、鈴木内閣は第2臨調を発足させ、中曽根を起用して、取り仕切らせ、国鉄分割・民営化攻撃を推進させた。その第2臨調が分割・民営化の方向を提起。職場規律の確立をはかるためと称して、職場の労使慣行や現場協議制度に攻撃を開始したのだ。
 自民党内にも82年、三塚委員会が発足した。三塚委員会は現場協議制度を「諸悪の根源」として攻撃を集中。マスコミを使ってヤミ手当・カラ出張キャンペーンを展開した。それは労働者の生命の安全を守るために現場の闘いでかちとった労働条件や汚染職場における時間内入浴の既得権を奪うなど、従来の労使慣行を徹底的に破壊するものだった。
 そして国鉄改革法が制定された直後の86年、国鉄当局は、職員を選別のふるいにかけるために職員管理調書を作成した。処分歴や分割・民営化への賛否、ワッペン・バッジの着用など、組合差別に満ちた内容だった。
 国鉄改革法23条は、国鉄や新会社に採用すべき者を選定して名簿を作成し、そこから新会社に採用するという仕組みをつくった。国鉄当局が名簿に登載しないことで新会社に採用しないという仕組みだ。国鉄当局は全国1440カ所に人材活用センターを設置、国労や動労千葉の役員や活動家を余剰人員として狙い打ちで配転した。仕事はそれまでの技能とは関係ない草むしりや清掃だった。こうして政府と国鉄当局は、大量の国鉄職員を希望退職という形で実質的な解雇に追い込んでいったのだ。
 このような財界と自民党の手法は、社会保険庁や全農林に対してくり返し使われてきた。自治労や日教組が直面する問題だ。
 この国鉄分割・民営化に際して、当時の動労本部は、民営化賛成に転じて反対派の動労千葉や国労の組合員の首を切って自分だけが生き残ろうとした。「ヤミ・カラ」キャンペーンに対して手当返上や「働こう運動」を進めた。他労組や年配の労働者に「後進に道を譲れ」と退職を強要した。
 今日、自治労本部は、この動労本部と同じ道を進もうとしている。熊本大会の議案で自治労本部は「道州制の議論への参加」を明記し、「組合員利益の維持・向上のみを求めるこれまでの労働運動からの質的転換」とまで書いているのだ。「賃金が半分になっても、民営化を逆提案しても、雇用が確保されればよい」。これは、まさしく国鉄分割・民営化の時の動労本部の論理であり、20万人解雇をもたらした論理ではないか。
 道州制をめぐる攻防は現場で激しく鋭く始まっている。現場の労働者の怒りに依拠し、動労千葉のように闘えば必ず勝てる。自治労本部を打倒し、国鉄1047名解雇撤回闘争と結合し、「道州制・民営化絶対反対」で闘い抜こう。

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週刊『前進』(2404号5面3)(2009/08/24 )

焦点 「専守防衛」からの大転換

 “防衛懇”報告を弾劾する

 軍事外交政策の枠組みを検討・提言する首相直属の諮問会議「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・勝俣恒久東京電力会長)が8月4日、「日本の安保・防衛政策の基本方針の見直し」を要求する報告書を提出した。
 戦後自民党による「議会制民主主義」を通したブルジョアジーの階級支配、そのあり方を支えた基本理念である「専守防衛」の立場を根本的に見直すことが報告書の中心テーマである。具体的政策としては、海外派兵恒久法の制定やPKO(国際平和協力活動)参加5原則の見直し、集団的自衛権の承認、武器輸出の解禁などの重大な軍事政策上のエスカレートが盛り込まれた。この報告をもとに、年末に「防衛計画の大綱」大改定作業が予定されている。
 報告書は「軍事力の使用」を真っ向から打ち出した。戦前以来の、帝国主義的軍事外交政策の復権要求である。資本主義(帝国主義)という「国際システム」を維持し、資源・エネルギーなどの帝国主義的権益を確保するために、日本が世界的規模で「能動的に関与する」という意思表示だ。
 文中には「平和を守るためには軍事力を用いなければならない」「目標達成のために軍事力が適切に使われる仕組みを築く」など、軍事力の行使を明文で否定した戦後憲法的枠組みを根底から覆す表現がむきだしで、「これまでの防衛政策から一歩踏み出す」ということが明記されている。
 そして「専守防衛」「軍事大国にならない」「文民統制の確保」「非核三原則」などを柱とする「国防の基本方針」(1957年作成)それ自体の変更を要求し、この観点から、「世界支配力が相対的に低下したアメリカとの、日米同盟政策の強化」を001あらためて位置付けたのである。「対テロ戦争」で米帝が担ってきた国際帝国主義システムの「安全」を「日本が補完する」とも言い切った。
 重要な点は、これらの軍事外交政策の大転換が、日本帝国主義の中心実体をなす大ブルジョアジーそのものの中から噴き出していることである。同諮問会議は小泉政権時代に設置され、麻生政権で2度目の設置となったが、これを仕切ってきたのは日帝の核政策の実体である東京電力や基幹産業の中心であるトヨタ自動車資本なのだ。「専守防衛」の転換を要求しているのは、非道な“派遣切り”などで労働者階級を苦しめている張本人たちなのだ。
 米帝の歴史的没落の中で、新自由主義攻撃の大破産として爆発した今日の世界大恐慌は、保護主義を激化させ、市場や資源、勢力圏をめぐる帝国主義間・大国間の争奪戦を極限化させている。「資本主義の基礎のうえでは、生産力や植民地および金融資本の『勢力範囲』の不均衡を除去するのに、戦争以外にどのような手段がありうるだろうか?」(レーニン『帝国主義論』)という問題が、完全に現実となっているのだ。
 自民党支配の崩壊は、こうした戦争への流れをさらに促進している。今回の懇談会報告の内容は、自民党の総選挙マニフェストの中身としても貫かれている。労働者人民の階級的反撃で自民党をたたきつぶし、改憲・戦争への道を粉砕しよう。

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週刊『前進』(2404号6面1)(2009/08/24 )

 「毎日、毎時間、組織せよ」(レーニン)

 機関紙を11月結集の武器に

 前進経営局は心から訴える

 11月労働者集会への1万人結集を実現することが、世界大恐慌と戦争・大失業攻撃に対する労働者階級の最大の回答である。11月1万人決起こそが大恐慌をプロレタリア世界革命に転化する突破口である。自民党支配をたたきつぶし、民主党への政権交代による日帝ブルジョアジーの延命策動を打ち破り、道州制攻撃を粉砕し、国鉄1047名解雇撤回・三里塚農地死守・国際連帯を貫こう。その決定的な武器としての革共同政治機関紙『前進』の読者と配布網を拡大する闘いに総決起しよう。『前進』を軸に〈会議・機関紙・財政〉という党建設の三つの柱を圧倒的に強化しよう。
(写真 青年労働者を先頭にオバマ賛美運動を粉砕した8・6ヒロシマ大行動)

 世界大恐慌と自民党支配の崩壊を革命へ

 われわれは時代が激しく動きだす嵐のただ中にいる。11月1万人決起をめぐって、革命と反革命が激しくせめぎあい、死闘を展開している。すべての闘いは11月1万人決起をめぐる攻防につながっている。すべての闘いを11月1万人決起を総括軸にして闘うことが勝利の道である。
 現在の大恐慌はもはやあとのない世界大恐慌である。自民党支配の崩壊は、戦後民主主義的統治形態の最後的崩壊である。政治的大激動期が始まる。革命か反革命をめぐって、実力集団が激しくせめぎあう過程が始まる。力を持ったものが勝つ。労働者階級に求められていることは、大恐慌と自民党支配の崩壊をプロレタリア革命に転化することだ。11月集会派が歴史の命運をかけて今こそ「1万人の力を持った団結」で登場しなければならない。
 この武器として機関紙を活用しつくそう。
 「言葉を信用するな。約束に心を奪われないようにしよう。自分の力を過大視しするな。各工場、各連隊、各中隊、各街区に組織をつくれ。毎日、毎時間、組織のことに取り組め。自分で活動せよ。この活動を第三者のだれにも下請けさせてはならない。先進的な労働者にたいする大衆の完全な信頼が、しだいに、しっかりと、打ち壊せないように、つくりあげられていくような活動を目標とせよ」(レーニン全集24巻「ロシア社会民主労働党〈ボ〉第七回〈四月〉全国協議会決議集の序文」より)
 これは、1917年2月革命後に形成された労働者・兵士代表ソビエトが、体制内指導部のもとで資本家政府を支持している現状を打破するためのレーニンの全力の訴えである。ボルシェビキは見事にこの課題をやりぬき、ロシア革命に勝利した。この闘いが、今われわれに求められているのではないだろうか。
 崩壊する資本を救済し、労働者の決起を抑圧するスターリン主義や社会民主主義、転向集団、ファシストなどのあらゆる体制内勢力から、労働組合を階級的に奪還していく攻防に、プロレタリア革命の成否がかかっている。そして11月1万人結集の一切は、職場生産点での組織化にかかっている。職場生産点に必死にくらいつき、職場の怒りを階級的団結に組織化し、労働組合をよみがえらせることである。

 機関紙で職場細胞と拠点建設を進めよう

 この闘いを、とりわけ青年労働者が中軸となって実践しよう。資本の攻撃も体制内勢力の反動も青年労働者に集中している。青年労働者が絶対反対論と階級的団結論で職場生産点を組織化し、体制内派との党派闘争に勝ちぬいてこそ、11月1万人決起は実現される。
 絶対反対論での職場決起は、体制内党派との激突になる。体制内党派に勝ちぬくには、地区党と細胞の団結が絶対に必要である。職場での決起は党建設を死活的に求めるのである。
 この闘いにとって、「時代認識と路線」で地区党と細胞が団結することが決定的になる。絶対反対論とは、大恐慌時代において、資本家と労働者階級との絶対的非和解性を明確にして、革命勝利の道筋を路線として確立することだ。その勝利の路線がはっきりすれば、その路線のもとで、実践方針は柔軟に、自在に展開できる。
 これらを保証するものは、地区党の団結である。地区党の団結のもとでこそ、いまだ自らが小さな「点」でしかないとしても、決定的な存在であり、拠点職場と細胞建設への巨大な可能性を持っていることを確信して闘いぬくことができる。
 われわれがやろうとしていることは、労働者自己解放闘争を徹底的に推進するというきわめてオーソドックスな闘いだ。「日和見主義との完全な決別」こそプロレタリア革命勝利の絶対的条件だ。絶対反対論・階級的団結論を徹底的に貫き、体制内労働運動を打倒する力ある勢力(職場細胞)を、職場生産点につくり出すこと、これこそ当面するわれわれの最大の課題である。
 この党派闘争に職場で決起し、勝ちぬいてこそ、青年は決起する。青年が党派闘争の中心的担い手になって闘うことと、マル青労同が階級的指導部へと飛躍し地区党建設を担うことは、完全に一体だ。機関紙活動は、この闘いの基軸中の基軸である。機関紙を作り、機関紙から学び、機関紙を広める闘いが柱にすわってこそ、階級的労働運動と党建設は一体的に推進できる。
 青年労働者の組織化と職場闘争と党建設は一体である。絶対反対論・階級的団結論・党建設論は、機関紙活動を軸にした党活動の三原則(会議・機関紙誌活動・財政闘争)の実践を死活的に求めるのである。

 地区党の路線による団結が決定的な力に

 今年前半、階級的労働運動を職場で猛然と実践した。その闘いを基礎にして国鉄闘争を軸とした4大産別決戦を革命戦略として確立することができた。動労千葉労働運動に敵対し、小ブル反革命に転落した塩川一派と全戦線にわたる闘いを推し進め、革命の戦列の純化と強化をかちとってきた。

 「組織、組織、組織」の武器

 この中で機関紙活動は、首都圏をはじめ担当者会議の定着を柱に着実に前進してきた。いうまでもなく、機関紙活動は意識的な拡大闘争なしには一歩も進まない。担当者会議を粘り強く実践し、地区党の活動に定着させていくことは決定的な柱である。機関紙の拡大・青年の組織化は、路線による地区党の団結の強化と一体で闘われたときに大きく進む。
 今年前期の組織的前進の最大のものは、国鉄闘争を軸とした4大産別決戦を革命戦略として確立したことによる地区党の団結の強化である。これが、あらゆる弾圧をはね返す力となっている。資本・体制内派との党派闘争に勝ちぬく力となっている。
 これは資本の存亡をかけた激しい攻撃との闘いであり、一直線に前進するとは限らない。しかし、この攻防をとおして階級と党が鍛えられ、団結を強化していることが核心である。これが闘争や集会のたびに結集が拡大し、高揚する力となっている。党を求め、党勢拡大を求める欲求が青年労働者にあふれているのだ。
 青年労働者が地区党の中軸を担い、機関紙を縦横に駆使できる力をもったとき、党勢は飛躍的に発展する。カギは党の団結と機関紙活動だ。
 今年前期、地区党を中心に絶対反対論と階級的団結論で職場闘争に決起し、体制内勢力と闘いぬいた組織では、例外なく機関紙を拡大している。
 機関紙活動の前進を示すものは何か。第一に、4大産別で例外なく拡大が始まっていることである。戦略的環における拡大であり決定的である。
 第二に、日本共産党や体制内派との党派闘争をとおして、拠点建設と青年の組織化が前進し、青年が地区党の指導部へと飛躍を開始していることである。
 第三に、合同労組を組織して職場闘争に決起して、職場丸ごと数人の規模で読者と党に獲得した地区があることである。「3・19―20決起とバラ売りから『前進』フラクションを進めたことが成功したと思う。争議を闘い、労組運動の中で読者化していくあり方をつかんだ」と報告された。
 こうして青年の合同労組への組織化が進み、職場闘争が拡大している。
 第四に、街頭宣伝で出会った人や大衆集会への参加者が読者になり、党に加盟する青年・学生が拡大していることである。
 4・24法大闘争のように、闘いが前進すれば暴処法まで使った弾圧が来る。だが、弾圧を糧に転化し、闘いを戦略的に前進させ、戦線を広げていくことができている。
 これらの拡大は、すべて路線の力による。
 地区党の指導部は青年の組織化において、「値引かない」「あきらめない」で闘いぬいたから勝利したと言っている。絶対反対論について青年労働者は、「資本の攻撃に対して一言一句絶対反対を言い、その意図を職場の労働者に暴露し、労働者の先頭に立って闘うことだ」と言っている。こうした闘いは「地区党があるからできる」と。
 「時代認識と路線」に確信をもち、青年労働者を先頭に闘いが革命戦略のもとに前進しはじめたことに勝利の核心がある。『前進』に体現されている時代認識・路線は、スターリン主義や社民のくびきのもとにある労働者を獲得する力を圧倒的に持っている。三十年来の日本共産党支持者(『赤旗』読者)がわれわれのオバマ批判に確信持ち、読者からさらに党へ結集している。

 今年前期1割拡大の実現で1万人結集へ

 機関紙(フラクション)を軸に細胞建設を推し進め、拠点建設へ前進していこう。
 09年前半における路線の確立をとおして、われわれは、ついに革共同の綱領草案を発表する地平に到達した。この草案の綱領としての最終的な完成は、結成50周年を迎えた革共同が、党としての途上性を最終的に克服することを意味している。
 今年前期、機関紙1割拡大を実現し、11月集会1万人結集へ驀進(ばくしん)しよう。
 機関紙担当者を中心に、毎月集約・毎月総括をやりぬき、機関紙活動を地区党全体の活動へ、全党の闘いへと画然と発展させよう。
 機関紙活動の根幹に機関紙財政確立の闘いをすえ、機関紙財政・党財政の強化をかちとろう。

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週刊『前進』(2404号6面2)(2009/08/24 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 11月集会1万人結集で自治労本部打倒を 広島 中西雅明

 8・6ヒロシマ大行動と一体で8月5日に全国自治体労働者交流集会が行われました。80人が参加し、司会は地元広島で闘う仲間が務め、岡山の自治体労働者のあいさつで始まりました。
 基調報告では「今年の自治労大会は、道州制の議論に参加し、民営化推進・北朝鮮排外主義を扇動する自治労本部の歴史的踏み切りの大会だ。明日から職場で本部打倒を組織し、現場の怒りを総結集して熊本大会を闘おう。11月1万人結集で本部を打倒しよう!」と鮮明に提起されました。
 大阪市職の青年労働者から7・29関西青年労働者集会の報告。「仲間同士でも激しく論議しながら『絶対反対』で分岐をつくって路線で勝負する」と核心をつかんだ発言でした。豊中市職女性部の仲間は、保育職場での事故を口実にした処分攻撃に対し「事故の責任はすべて当局にある。保育職場安全闘争を闘おう」「資本主義を終わらせる確信=マルクス主義で獲得しよう。自分たちこそが主流派だ」と提起しました。
 東京の自治体労働者は「5・9全都労働者集会から道州制粉砕の闘いが次々と成功し、実行委員会が道州制粉砕決戦の闘う軸に座った」と報告。さらに「千葉の青年労働者への組合除名に続く”定昇ストップ”という、体制内執行部と当局が一体となった攻撃は絶対に許せない! これが道州制攻撃です」と訴えました。社会保険庁の労働者も、「解雇は絶対許さない」と怒りをこめて決意表明しました。
 行動提起で労組交流センター自治体労働者部会の労働者から、「大会議案の中身を職場で暴露して組織しまくり、熊本大会闘争へ進撃しよう! 職場から10人を11月集会へ組織しよう。それで時代を変えよう。交流センターに入って団結して闘おう」と熱烈な訴えがありました。
 集まった全員が今の組合役職や経歴などは関係なく、道州制・民営化絶対反対で自分が突出して徹底的に闘うことで日々新しく団結をつくることを確認しました。この階級的団結こそが闘う力です。11月労働者集会1万人結集で自治労本部を打倒しよう!

 8・6ヒロシマ大行動に24年目の初参加 古川康三

 1985年の蜂起戦に決起し、指名手配攻撃を粉砕してすべての同志と合流し、今年09年、革命運動に結集後24年目にしてはじめて8・6広島闘争に参加しました.
 朝デモからのあの熱気! 集会での沖縄・富田晋さんの火を吹くようなアジテーション!
 ILWUローカル34のホアン・デルポソさんが発した「オバマを絶対に許さない」という強力なメッセージは、当日朝の広島・秋葉市長による「オバマジョリティー」なる妙ちくりんな造語を使った体制内政治を完全に打ち破るものでした。
 圧巻は、夕方のデモに引き続く田母神講演弾劾行動です。会場のメルパルクへ向け、ファシストの跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)を許さない決意を込め、絶対許すもんかとみんなで声をからして叫びました。
 気がつくと周囲にいた一般の人たちも拳を突き上げ、私たちと一緒に弾劾の声をあげていました。みんな闘う結集軸を求めているのだと改めて実感しました。
 焦りに駆られた天皇制右翼がたまらず街宣車を回してきましたが、われわれの部隊の迫力に圧倒されて、なんと「進軍ラッパ」を鳴らしながら退却したのです。労働者・学生の団結した力はどこまでも強い!
 今回同行した23歳の若者は往路、「田母神だけは許さない!」と広島行きを決意したいきさつを熱く語ってくれてましたが、彼も田母神講演を粉砕した勝利感に浸りつつ帰途につきました.
 この力を11月1万人決起へ集中しよう!

 街頭カンパにこの場を借りてお礼します 宮城 河野あおい

 宮城では8月30日に「団結して暴処法をぶっ飛ばそう! 8・30大行動」が開催されます。
 先日、この大行動への参加を呼びかける街宣を行い、8学友奪還の署名も集めました。
 私はビラを掲げるように持ちながら配っていたのですが、掲げているのを見て近づいてくる人が何人かいました。
 また、あちこちで署名板を手に話し込む姿が見られました。
 私も「自分は在日外国人だ。警察権力が結託してるのも、裁判所が結託しているのも、すべて知っている。大行動に参加する」という方と出会いました。
 そして何と、名前も名乗らず、署名板の上に折りたたんだ1万円札を2枚置いて行った方がいらっしゃいました。
 とっさのことで、お礼が言えなかったので、この場を借りて「有り難うございました」と伝えたいです。

 学生弾圧に抗議して「全国声明」に賛同 関東・元教育労働者 T・K

 私は、動労千葉を支援している者のひとりとして、法政大学の闘う学生たちに対する前代未聞で不当極まる弾圧に腹の底からの怒りを覚えます。
 法大当局と検察・警察権力を徹底的に弾劾し、一刻も早く8人の学生を奪還しなければなりません。
 いかなる弾圧にも屈せず、それを糧として完全黙秘・非転向で団結を一層固めて闘いぬいている獄中の8人の革命的な学生たちは、日本の労働者階級人民の宝です。弾圧すればするほど、学生たちは団結をより一層打ち固め、一回りも二回りも大きくなって戻ってくる、その学生たちに法大当局と国家権力は消耗し切っています。
 先進的な学生たちの闘いに触れるとき、私は、動労千葉の闘いを貫く労働者魂が乗り移ったのではないかと思うのです。両者に共通するものは、日本帝国主義の新自由主義攻撃、民営化と労働者・学生への団結破壊の攻撃に対して、階級的団結を武器として反撃し、非和解的に闘い抜いていることであり、それがまた巨大な学生大衆の決起をつくり出しつつあることです。「決して仲間を裏切らない」「一人はみんなのために、みんなは一人のために」と、普通の学生たちが「団結」を唯一の武器として決起しているのです。
 とりわけ私が深い感銘を受けたのは、獄中で闘う学生たちの家族の皆さんがこの全国声明の呼びかけ人になっていることです。私は涙を禁じえないほどの感動を覚えます。
 動労千葉の闘いも、家族ぐるみの闘いでした。法大闘争は、その不撓(ふとう)不屈性とその大衆性において、60年代、70年代学生運動を超えています。
 これまで、労働戦線と学生戦線が別々に進みながら、ともに連帯して闘うとしてきましたが、今はそうではないように思います。法大闘争は、労働者階級の闘いそのものとして闘う必要があります。この賛同署名の集約先が動労千葉になっているのは、そういう意味だと思うのです。
 獄中の革命的な学生たちは、日本の労働者人民にともに決起せよと呼び掛けています。私たちはこれに応えなければなりません。私たち労働者は、獄中で闘う8人の戦士たちを、何としても防衛しなければなりません。一日も早く、私たちの手に奪還しようではありませんか。
 そのために、職場や街頭で賛同署名と支援カンパを集めよう。また、裁判闘争に結集しましょう。そして、極悪の法大当局と検察・警察権力をギャフンと言わせてやりましょう。

 地労委審問かちとる一日行動で資本圧倒 東北石けん労組 洞口 明

 8月20日、東北石けん労働組合は、愛島台門前闘争から地労委闘争の全一日行動で画期的地平を切り開いた。地労委ではついに審問の開始決定をかちとった。解雇撤回・原職奪還へ闘いは新たな段階へ突入した。
 名取市愛島台の新工場門前に20人の仲間が登場した。ブラインドを下ろして恐怖に震える会社を圧倒し、弾劾の嵐をたたきつけた。「解雇を直ちに撤回しろ!」「門前実力闘争で勝利するぞ!」「地労委で佐藤・畑を打倒するぞ!」「不当労働行為を暴きつくすぞ!」
 当該の成田副委員長が決意表明。「会社は釜出し一番石けんをエキナカで千円もの値段で売っている。労働者は群れてなんぼだ。新工場で働くみなさん、私たちは、あなたたちを奴隷として毎日搾取し、ぼろもうけしている佐藤吉範・畑文雄の息の根を止めるべく、地労委で徹底的に弾劾し、釜ゆでにしていきます。職場復帰を果たし、資本主義を終わらせる革命勝利まで闘いぬく!」
 地労委第4回調査は、30人を超える当該と支援が審問廷を制圧した。畑惣商店が解雇と不当労働行為の当事者そのものであり、組合員の雇用に責任を負っていることを突きつけた。そして労働委員会はついに審問開始を決定した。重大な勝利である。
 東北石けん労組は、審問で佐藤・畑の行った不当労働行為を暴き、解雇撤回・原職奪還をかちとる。門前実力闘争を基軸に、あらゆる闘いで資本を追い詰め、解雇撤回まで闘い抜く!

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週刊『前進』(2404号6面3)(2009/08/24 )

 裁判日程

★法大5・28暴行デッチあげ裁判
  9月14日(月)午後1時30分 東京地裁(判決)
★迎賓館・横田爆取デッチあげ裁判
  9月17日(木)午後1時15分 東京地裁

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