ZENSHIN 2009/10/26(No2413 p06)

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第2413号の目次

(写真 “JR東日本は謝罪しろ! 組合つぶしを許さないぞ”闘う労働組合の登場に沿道からは圧倒的注目が集まった【10月16日 新宿】)

1面の画像
(1面)
国際連帯の日比谷デモを
国鉄解雇撤回! 派遣法撤廃! 道州制=360万人首切りを許すな
民主党・連合政権の反動うち破り 辺野古新基地建設阻止を
記事を読む  
JR東日本本社抗議 “違法企業JRを倒せ”
動労水戸、第4波ストで決起(10月16日)
記事を読む  
中央街宣で圧倒的な手応え(10月17、18日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
集会要項 記事を読む  
(2面)
11・1国際連帯集会に大結集しよう  動労水戸 第4波ストで本社前結集
“労務政策の根幹撃つ闘い”(茨城・滝見)(10月16日)
記事を読む  
動労西日本が連帯行動
JR広島車両所前で宣伝戦(広島・N)(10月16日)
記事を読む  
世界の闘う労組がやって来る 記事を読む  
「派遣村村長」湯浅が政権入り 革命圧殺を狙う取り込み 記事を読む  
(3面)
4大産別を先頭に職場生産点から
日本郵政 西川体制をついに打倒  現場の怒りが民営化揺るがす
記事を読む  
JP労組中央委 民営化推進を居直り
中央本部を弾劾し情宣(10月15、16日)
記事を読む  
道州制と一体の賃下げ
神奈川人事委 平均16万円ダウンの勧告
記事を読む  
免許更新制は即時廃止を 民主党改革案をつぶせ!
現場の力で日教組本部打倒へ
記事を読む  
広島 倉澤さん 人事委に提訴  “8・6処分”撤回署名広がる(10月15日) 記事を読む  
都人事委闘争 「不起立で団結」貫く  米山さん解雇撤回へ闘い進む 記事を読む  
(4面)
カクマル松崎の復権策動粉砕を
「戸塚論文」のウソと犯罪性暴く(7月30日、10月1日)
分割・民営化での大裏切りを隠蔽し国鉄1047名闘争の破壊を狙う
記事を読む  
日誌 2009年 10月14日〜20日
アフガンで「自衛隊活用も」/ゲーツ米国防長官「普天間移設は現行案で」
記事を読む  
(5面)
法大生先頭に11・1日比谷へ
10・16法大 2学生不当逮捕弾劾
処分攻撃を打ち破って キャンパスに堂々登場(10月16日)
記事を読む  
普天間基地の県内移設粉砕!  11・8沖縄県民大会へ 記事を読む  
北延伸滑走路の供用弾劾  三里塚反対同盟 怒りの声明(10月20日) 記事を読む  
“成田30万回発着へ”
「羽田ハブ化」と一体の攻撃 前原発言を許すな
記事を読む  
市東さん農地裁判 “不在地主”の違法追及
県、NAAの居直り許さず(10月20日)
記事を読む  
三里塚裁判傍聴とデモへ 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
迎賓館・横田爆取 私たちは無実だ!  攻めの弁護側立証へ冒陳(10月15日) 記事を読む  
法大暴処法弾圧裁判 当局・権力と激突
10・16不当逮捕に怒り(10月21日)
記事を読む  
弾圧粉砕し2名奪還(10月19日) 記事を読む  
天野美恵さんへの弔辞
母の会が数々のゲリラ 原則貫いた北富士闘争
婦人民主クラブ全国協議会代表相模原市議会議員 西村綾子(10月7日)
記事を読む  
迎賓館・横田爆取デッチあげ差し戻し審 記事を読む  

週刊『前進』(2413号1面1)(2009/10/26 )

 国際連帯の日比谷デモを

 国鉄解雇撤回! 派遣法撤廃! 道州制=360万人首切りを許すな

 民主党・連合政権の反動うち破り 辺野古新基地建設阻止を

 11・1労働者集会は、「国鉄1047名解雇撤回! 派遣法=非正規雇用撤廃! 道州制=公務員労働者360万人首切り粉砕!」をメインスローガンに掲げた、労働者国際連帯の総決起大会である。それがいよいよ1週間後に迫った。青年労働者・学生を先頭に11・1へのうねりは、この間、職場・学園・地域・街頭を日々席巻し、闘いが闘いを生み、新たな仲間を結集し、拡大している。権力・資本と体制内派の敵対を全力で打ち破り、1万人結集実現へ最後の力を振り絞ろう。
(写真 “JR東日本は謝罪しろ! 組合つぶしを許さないぞ”闘う労働組合の登場に沿道からは圧倒的注目が集まった【10月16日 新宿】)

 最後の1週間全力で闘おう

 10・11三里塚全国闘争の熱気に満ちた大爆発、動労千葉・動労水戸・動労連帯高崎が呼びかけた10・16JR東日本本社緊急抗議行動の大成功、2学生の不当逮捕をはねのけて打ち抜かれた法大解放闘争。この間の闘いの勝利は、11・1への決定的な号砲となった。
 この闘いを引き継ぎ、11・1を歴史的・画期的に大成功させ、国鉄1047名解雇撤回闘争の本格的な大爆発を切り開こう。社保庁1000人解雇絶対反対を突破口に、道州制・民営化粉砕へ決起しよう。首切り・賃下げ・労組破壊、消費大増税、社会保障制度解体と戦争推進の民主党・連合政権打倒へ攻め上ろう。
 同時に今年の11・1は、動労千葉と日米韓を軸とした労働者国際連帯を、さらに飛躍的に発展させる闘いだ。党と労働組合をめぐる国際的な革命と反革命の党派闘争に勝利し、「大恐慌を世界革命へ」の闘いの歴史的発展をかけて、最後の1週間を全力で闘おう。
 民主党・連合政権は、政権発足後1カ月もたたない中で、足元の大恐慌から資本主義を救済する、新たな政策や発展があたかも可能であるかのような変革幻想を必死になって振りまいている。9月25日の鳩山の国連演説=「五つの挑戦」などはその最たるものだ。とりわけ「東アジア共同体」構想は、日本帝国主義の危機をアジア勢力圏化と侵略戦争に向かって突破していこうとするものである。しかし、この「東アジア共同体」構想なるものへのハードルはすさまじく高い。
 そこには、激しい帝国主義間・大国間の争闘戦がはらまれている。特に米帝との矛盾・対立は一線を越えようとしている。内政面でこれと対応するのが道州制・民営化攻撃だ。これも絶望的な反革命的飛躍が伴う。しかしこの二つとも、日帝ブルジョアジーにとってそれ以外に選択の余地のない政策だ。
 そのために自民党下の旧支配構造をぶち壊し、「変革運動」の装いをこらしながら、労働運動・階級闘争をぶっつぶすことに民主党・連合政権は全力をあげてきている。連合を政権の最大の基盤とし、連合の帝国主義労働運動のダラ幹を政権中枢に取り込んで、労働者階級に侵略戦争政策や首切り・賃下げ・労組破壊の攻撃をのませようとしている。今や階級攻防の勝利は、労働組合を革命と反革命のどちらが握るのかにかかった。

 政権にすり寄る体制内勢力

 今回の連合大会(10・8〜9東京)は、民主党・連合政権の反動性と危機性を鮮明に指し示した。連合のダラ幹どもは、ブルジョア政党である民主党の政策と労働者階級の怒りに挟撃され、大恐慌下で労働者支配の危機をむしろ深めている。今や民主党・連合政権にとって、自己の基盤の連合そのものが最大の弱点、破綻点に転化しようとしている。
 連合の各産別大会は、来年の参議院選挙への組合員の動員が方針のすべてだ。他方では今まで闘いの陣形にあった部分からも、民主党政権に対する幻想と要請運動へののめり込みが進んでいる。4者4団体や塩川一派を始め、JR総連カクマル、日共スターリン主義に至るまで、一切の体制内派が総屈服し、民主党政権にすり寄っている。
 しかし国交相・前原の「羽田ハブ空港」発言やJAL再建=労組解体攻撃は、羽田・成田一体化による新たな三里塚闘争解体攻撃であり、同時にアジア侵略政策の根幹をなす攻撃だ。それは日共を屈服させ先兵にした執拗で悪らつ極まる攻撃でもある。狭山闘争の解体を狙う「三者協議」路線も絶対許せない。そしてこうした激烈な攻防の中で、最大の焦点として国鉄1047名闘争をめぐる大攻防がある。分割・民営化強行以来の一切の闘いの決着をかけて、これに断固勝利しよう。 

 松崎と戸塚の反革命的策動

 こうした中で、JR総連カクマル=松崎の反革命策動との一大党派闘争が、労働運動をめぐる最大の攻防になっている。
 4者4団体路線は今や完全に破綻した。4者4団体の「政治決着路線」では何も進展しないことが明らかになった。そこにつけ込み、1047名闘争圧殺の最後の先兵として登場したのがJR総連カクマル=松崎だ。松崎は、自己の復権と延命をかけて、国鉄分割・民営化における自らの大裏切りと転向を開き直り、また松崎に買収され松崎と結託した戸塚秀夫・樋口篤三らが、松崎のファシスト労働運動を賛美するとんでもない事態が生まれている。
 戸塚は、「試論 動力車労働組合の軌跡について」なる文書で、「分割・民営化時の動労の選択は正しかった」「あれは裏切りではない」「労働者の対案戦略運動だ」などと事実を百八十度ねじ曲げ、黒を白と言いくるめ、動労カクマルのファシスト運動賛美の大合唱を始めた。
 ここでは、分割・民営化の時に、松崎と動労カクマルが、国労など他労組を犠牲に自分たちだけが生き残るために日帝・中曽根の先兵となって強行した、労働組合にあるまじき悪行が、一切語られず隠ぺいされている。同時にこれと徹底的に闘い、動労本部から分離・独立して、分割・民営化に唯一ストライキで立ち向かった動労千葉の闘いについて、完全に無視・抹殺している。そして分割・民営化を突破口として、日本の労働者階級がどれほど激しい新自由主義攻撃にさらされてきたのかも、一顧だにしていない。
 それどころか、カクマル松崎の希代のファシスト労働運動の論理を、大恐慌下の大失業攻撃の中での、労働運動の裏切りと体制翼賛の論理にしようとしているのだ。
 しかし事態はこの逆なのだ。7月サンフランシスコ国際会議が示したように、全国の青年労働者・学生の闘いが示すように、分割・民営化絶対反対、解雇撤回の23年間にわたる1047名闘争の不屈の前進と動労千葉がつくりあげた団結の力が、今や全世界を獲得しようとしている。1047名闘争と動労千葉に襲いかかる松崎・戸塚の反革命を粉砕し、11・1へ全力で総結集しよう。

 物販・賛同署名・チケットで

 残り1週間、すべてのエネルギーを集中して闘おう。8・30総選挙情勢は、組合・職場を丸ごと組織することがまったく可能な情勢を全国でつくり出している。
 何よりも物販闘争は、4者4団体の政治解決路線を最後的に粉砕し尽くす闘いだ。動労千葉は物販闘争を職場闘争として位置づけ、1047名闘争の柱に据えきって、総評解体下で危機に瀕(ひん)する労働現場に入っていった。物販闘争を被解雇者だけの闘いとせず、組合員が年休をとり全国の労働現場を歩いて回った。ストを頂点とした職場生産点における闘いと物販闘争こそ、動労千葉の団結をつくり出した最大の核心だ。
 全国100万人と言われる1047名闘争支援陣形の中心に4大産別の労働者がおり、広範な物販陣形がある。ここにまた11月結集の最大の源泉がある。残り1週間、動労千葉物販をもって全力で大胆に分け入ろう。職場生産点からの総決起こそ勝利への核心だ。
 いま一つの組織化の武器は街宣だ。中央街宣だけでもすでに賛同署名1230筆、チケット240枚、人にあたるだけ動員は増える。郵政職場などでの反応も日々高まっている。最後の最後まで、大恐慌・大失業下の労働者階級人民に1047名解雇撤回と民主党・連合政権打倒を訴え、国際連帯の発展を訴え、11・1日比谷野音大結集を訴えよう。
 11・1大結集を、11・7〜8訪韓闘争、11・8沖縄県民大会、11・12〜13オバマ訪日阻止闘争と一つの闘いとしてやりぬこう。11月27日の5・27国労臨大闘争弾圧判決公判へ、1万人大結集の力で労働者階級の勝利を開こう。最後の1週間、死力尽くして、いざ11・1日比谷野音へ!

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週刊『前進』(2413号1面2)(2009/10/26 )

 JR東日本本社抗議 “違法企業JRを倒せ”

 動労水戸、第4波ストで決起

 動労千葉・動労水戸・動労連帯高崎が呼びかけたJR東日本本社への緊急抗議行動が10月16日、意気高く闘い抜かれた。組合員たちはJR資本への積もりに積もった怒りを爆発させ、新宿の街を揺るがした。闘う国労組合員、労働者・学生も駆けつけ参加者は280人にふくれあがった。動労水戸はこの日、全組合員がストライキに決起してJR本社前に集まった。(関連記事2面)
 午後5時、運転士登用差別事件当該である動労水戸・木村郁夫書記長のリードで本社前抗議行動が始まった。「JRは最高裁判決を守れ!」「違法企業JRを許さないぞ!」。新宿駅南口は闘う労働者に制圧され、圧倒的解放感の中で11・1集会のビラがどんどん手渡された。
 動労水戸の石井真一委員長は「いま9人の組合員がまったくデタラメな研修を強制されている。絶対に許せない。さらに攻撃を続けるなら、われわれは徹底的に闘い続ける」と宣言。動労総連合の川崎昌浩書記長は「いま日本中で数万人、数十万人、百万人単位で労働者が首を切られている。こんな状況に労働者を突き落としたのは誰なのか! この渦巻く怒りを11・1日比谷に総結集しよう」と訴えた。
 新宿中央公園に移動した参加者は、デモに先立って集会を開催した。動労千葉の田中康宏委員長は「当該の仲間たちは23年前に一生懸命勉強して運転士の免許を取ったんです。それを“動労千葉や動労水戸にいる限りは運転士にはしない”と差別を続け、最高裁で負けてもひどい不当労働行為を続けている。片道4時間もかかる運転職場に異動を迫って“最高裁判決の履行だ”なんて、はらわたが煮えくりかえる思いだ。千葉では安全も何もかも放り出し、ベテラン組合員を検修業務から外して組織破壊を続けている。JRの民営化体制はもう終わりだ。われわれはけっして負けてない。23年間、一切節を曲げずに勝利してこの場に結集している。ここで敵の攻撃をぶっ飛ばし、分割・民営化以来の一切の現実を覆す反転攻勢に打って出よう」と訴えた。
 動労連帯高崎の和田山繁委員長は「高崎では、派遣切りにあった労働者とも連携を強め闘っている。JR総連カクマルもちんたらして元気がない。カクマルの牙城(がじょう)であった高崎でもチャンスが到来している」と発言。
 研修センターで闘っている動労水戸組合員は、当局が強制している研修がいかにデタラメな内容であるかを怒りをこめて具体的に暴露し「現場に戻ったら、しっかり仇(かたき)を取らせてもらう」と述べた。法大文化連盟の洞口朋子さんは、10・16法大解放集会での2学生逮捕を弾劾し「学生も連帯して闘う」とアピールした。
 午後7時、JR東日本本社へのデモに出発した。本社前にさしかかるとデモ隊の怒りはひときわ高まった。「不当労働行為を認め謝罪しろ!」「1047名の解雇を撤回しろ!」。デモ隊は、意気軒高とJR代々木駅までのデモを貫徹した。
 解散地では、動労水戸の辻川慎一副委員長が「われわれは“仲間を絶対に守る”という一点で4波のストに立ち上がった。今こそ動労総連合が多数派に飛躍する時だ。ハローワークは毎日、労働者の行列になっている。そこでも新たな団結と闘いが始まっている。“目の前の労働者が必ず立ち上がるんだ”という確信を持って11・1労働者集会へ突き進もう!」と総括を提起した。
 この日の闘いは、国鉄闘争こそが〈民営化と労組破壊>〈戦争と改憲>に対して渦巻く怒りを総結集できる闘いであることを示した。「国鉄1047名解雇撤回!」の旗を高々と掲げ、11・1集会へ全力疾走しよう。
(写真 動労水戸はストライキに立ち組合員が総結集。代表して石井委員長が熱く訴えた【新宿中央公園】)

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週刊『前進』(2413号1面3)(2009/10/26 )

 中央街宣で圧倒的な手応え

 11・1集会1万人結集へ、土日に都内中央街宣が展開されている。30〜40人が参加して17日は新宿駅東南口(写真)、18日は亀戸駅前で行われた。9月中旬からの行動で賛同署名合計1230人、チケット販売240枚の成果が上がっている。18日の御茶ノ水の街宣では女性労働者が1万円をカンパした。「働く人が分断されず、一人ひとりが大切にされる世の中をつくるために」と。
 人にあたれば、結集は増える! あと1週間、全力で闘おう。

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週刊『前進』(2413号1面4)(2009/10/26 )

前進速報版から 前進速報版から

▼10・16法大集会の動画▼広島・倉澤さんの県教委申し入れの動画▼プエルトリコで公務員大量解雇阻止の島ぐるみゼネスト

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週刊『前進』(2413号1面5)(2009/10/26 )

 集会要項

 国鉄1047名解雇撤回! 派遣法撤廃!非正規雇用をやめろ! 道州制=360万人首切りを許すな!
 11・1全国労働者総決起集会
 11月1日(日)正午開会 集会後デモ
 東京・日比谷野外音楽堂
国労闘争団・動労千葉争議団から

韓国から
民主労総ソウル地域本部
アメリカから
ILWU(国際港湾倉庫労組)
IBT(チームスターズ)
UTLA(ロサンゼルス統一教組)
TWSC(運輸労働者連帯委員会)
ブラジルから
CONLUTAS(全国闘争連盟)

高山俊吉(憲法と人権の日弁連をめざす会)
西川重則(とめよう戦争への道!百万人署名運動)
三里塚芝山連合空港反対同盟
職場で闘う青年労働者から

 ●呼びかけ 全日本建設運輸連帯・関西地区生コン支部/全国金属機械労組・港合同/動労千葉

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週刊『前進』(2413号2面1)(2009/10/26 )

 11・1国際連帯集会に大結集しよう

 動労水戸 第4波ストで本社前結集

 “労務政策の根幹撃つ闘い”

 動労千葉・動労水戸・動労連帯高崎の動労総連合3労組が呼びかけた10・16JR東日本本社抗議行動は、組合員と闘う労働者280人が結集し大高揚をかちとった。新宿にあるJR東日本本社は「JRは最高裁判決を守れ!」「違法企業JRを許さないぞ!」という熱いシュプレヒコールに包まれ、都庁から代々木駅までのデモは週末の新宿駅周辺を席巻した。
 とりわけ動労水戸は、当日勤務の全組合員がストライキを打ち抜き、最大限の結集で闘い抜いた。7月から実に第4波となるストだ。
 動労総連合の3組合がこの闘いを呼びかけたのは、動労千葉・動労水戸にかけられている新たな組織破壊攻撃との攻防が決定的な局面を迎えているからだ。
 JR東日本は、動労千葉に対しては、幕張支部を先頭とする組織拡大闘争の力強い前進に大打撃を受け、階級的憎悪を丸出しにして支部役員の強制配転攻撃に出てきた。
 動労水戸に対しても、運転士登用差別事件を巡る最高裁での動労水戸完全勝利判決(昨年12月)を逆手にとった、卑劣きわまりない組織破壊攻撃を続けている。会社は、「動労水戸組合員を運転士に就労させよ」という判決を履行しなければならなくなった。だが、会社はこの判決を盾に、通勤に片道4時間もかかる遠隔地に転勤させるとか、構内運転士を希望する者に無理やり時速130`運転も含む本線運転士のハンドル訓練をやらせるなどの条件をうちだし、“それが嫌なら運転士を辞退しろ”という攻撃をかけてきた。
 とりわけ、この動労水戸をめぐる攻防は現在の国鉄決戦の頂点的課題そのものだ。この攻防に勝利することなしに国鉄決戦の展望はない。というのも、動労水戸への運転士登用差別の攻撃は、動労水戸―動労総連合解体攻撃の基軸をなす政策であり、JRの労務政策の根幹にかかわる問題だからだ。
 これに対して最高裁が、JR東日本の不当労働行為を認定した意義は限りなく大きい。JR東日本は、国鉄分割・民営化以来の労務政策について最高裁から「NG」を突きつけられたのだ。
 この最高裁判決以降、情勢は一転し、東京高裁は9月30日、動労千葉組合員への同様の運転士不登用事件に対して、組合側逆転勝訴の判決を出さざるをえなかった。
 こうした中で追い詰められたJR東日本は、最高裁判決に従う形をとりながら、動労水戸の当該組合員の意思をくじき、屈服させることに攻撃の一切を集中してきている。なんと卑劣な、なんと許しがたい攻撃か! 
 そうである以上、当該の動労水戸組合員をなんとしても守りぬき、動労水戸の団結破壊の攻撃をすべての労働者階級の団結の力ではね飛ばすことこそ、現在の最大の階級的課題だ。また、国鉄1047名解雇撤回闘争も、こうしたJR資本の労務政策を根底的に批判・断罪する闘いと、職場・生産点での労働者の闘いが結合するところから大きな展望が開けることは明らかだ。
 10・16抗議行動は、われわれの怒りの大きさと深さを満天下に示し、JR東日本に大打撃を与えた。何よりも決起した動労水戸組合員が「絶対に負けられない。これからも闘い抜く」と断固たる決意を固めたことが決定的勝利だ。この勝利をバネにJR東日本の組織破壊攻撃を粉砕しよう。11月集会1万人結集の力でJRに目にもの見せよう!
 (茨城・滝見)
(写真 ストで決起した動労水戸の組合員はひときわ存在感を示した【10月16日 JR東日本本社前】)

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週刊『前進』(2413号2面2)(2009/10/26 )

 動労西日本が連帯行動

 JR広島車両所前で宣伝戦

 動労西日本と動労千葉を支援する会・広島は10月16日、動労水戸第4波ストライキとJR東日本本社への緊急抗議行動と連帯して立ちあがった。
 大江照己委員長を先頭に、広島におけるJR総連・貨物労組の牙城(がじょう)であるJR貨物・広島車両所の門前に登場した。「動労西日本」と「11・1労働者集会」の赤いのぼりを林立させ、旧執行部の脱落・逃亡を粉砕して再建をかちとった動労西日本の「本部情報」と11・1集会ビラを配布した。
 JRの職場では、今も露骨な不当労働行為、団結破壊の攻撃が続いている。運転士の国家資格を持っているのに動労水戸や動労千葉の組合員であるというだけの理由で20年以上も運転士に発令しないという露骨な組合差別を続けてきた。千葉では、ベテランの組合員を本来の仕事である車両検修業務から外し、組合役員を狙い撃ちで強制配転する攻撃がかけられている。こんな卑劣なやり方は絶対に許せない! 闘いはこれからが正念場だ。
 西日本では、2005年の福知山線尼崎事故を巡り、事故調査委員会の委員に飲食接待を繰り返し、報告書を改ざんさせようとしていたばかりか、意見聴取会の「公述人」に見解の変更を求めて賄賂(わいろ)を送っていたことまで明らかになっている。107人の乗員・乗客の生命を奪っておきながら、事実を隠ぺいすることしか考えていなかったのだ! JR東日本による信濃川不正取水問題など、違法行為が平然と繰り返されている。事故や車両故障が多発し、安全は根幹から崩壊している。これこそが民営化の結果だ。
 国鉄分割・民営化は、戦後最大の労働運動解体攻撃だった。その結果もたらされたのは、1千万人を超す労働者が非正規職に突き落とされる現実だ。そして今また、社会保険庁解体―1千人の首切りを始め、道州制導入を巡って「国鉄方式」で公務員労働者360万人をいったん解雇し、選別再雇用するという究極の民営化・労組破壊攻撃をかけようとしてる。
 すべての労働者の怒りの声の先頭に、国鉄1047名解雇撤回闘争の旗を押し立てて闘おう! 10・16行動から11・1労働者集会に攻めのぼろう。動労西日本の仲間を先頭に、広島から巨万の隊列を東京・日比谷野音に登場させるぞ!
 (広島・N)
(写真 JR広島車両所前で大江照己動労西日本委員長らが訴え【10月16日 広島】)

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週刊『前進』(2413号2面3)(2009/10/26 )

 世界の闘う労組がやって来る

 韓国民主労総 ゼネスト情勢の韓国 ソウル本部と全解闘が訪日

 11・1労働者集会には、アメリカ・韓国・ブラジルなど世界各国から例年をはるかに越える参加者がやって来る。国際連帯の発展という意味でも、新たな大飛躍の扉を開くものになることは間違いない。1万人の大結集で会場を埋めつくし、各国からの代表を迎え、共に闘おう。(編集局)

 日韓の被解雇者が合流する

 待ちに待った革命情勢が到来した! 民族・国籍・国境を越えた労働者たちが一つの階級として団結する場が11・1日比谷野音だ。
 今春から今夏、金属労組サンヨン(双龍)自動車支部の工場占拠闘争が世界の資本家どもを震え上がらせた。ストを率いたハンサンギュン支部長は「壮絶な双龍自動車77日間闘争を終え、いまもわれわれすべての労働者に与えられた宿題は、まさに団結、また団結の道だけです」と獄中から訴えている。「11・1日比谷で会おう!」「日比谷から世界を変えよう!」――世界革命に向けた出会いと団結がここから大きく広がろうとしている。
 今年も韓国から民主労総ソウル本部とその傘下労組から数十人の代表団がやってくる。
 民主労総の全国16地域本部の一つであるソウル本部は、組合員数16万4000人、傘下単組数250(08年11月現在)。1970年11月13日、ソウル清渓川(チョンゲチョン)の被服工場で「勤労基準法を守れ!」と叫んで焼身したチョンテイル烈士の精神を継承し、中小零細企業や非正規職労働者、女性労働者、外国人移住労働者などの組織化に力を注いでいる。
 今年は全国解雇者復職闘争委員会(全解闘)の被解雇者たちが初参加し国鉄1047名闘争と合流する。国鉄分割・民営化攻撃と果敢に闘って団結を維持し、今や世界の労働者階級の結集軸となっている動労千葉と、全解闘との結合は、日韓労働者の新たな共同闘争を切り開くに違いない。
 道州制の先兵を自認する大阪府知事・橋下が7月、ソウル青瓦台を訪ねた。イミョンバク大統領はその際、「短い間に多くの変化をもたらしたと聞いている。公務員の給与カットは韓国ではなかなかできない」と橋下を称賛した。イミョンバクは今や、公務員労組の解体に躍起となっている。
(写真 公共運輸連盟1万人集会【10月10日 ソウル】)

 公務員労組への攻撃に怒り

 公務員特別法の受け入れをめぐって分裂していた全国公務員労組と全国民主公務員労組、法院公務員労組が組織統合を決めた。この18万人公務員労働者の統合の動きにイミョンバク政権は激甚に反応し、7月には時局大会に参加した公務員労働者への懲戒攻撃を開始。9月30日には罷免2人を含む11人の重懲戒が行われた。さらに、公務員労組の民主労総への加盟そのものについて「公務員の政治的中立」に反すると弾圧に出てきた。
 10月に労働部長官に就任したイムテヒは「健康な労使文化が緊急の課題」として最初の訪問先にソウル・メトロを選んだ。ソウル地下鉄労組は、行政安全部とともに「労使政平和宣言」を結び、民主労総脱退を進めている。
 さらにイムテヒは、実施を延期してきた「複数労組許容」と「労組専従賃金支給禁止」を来年1月に実施することを宣言した。これに御用労総=韓国労総が反発、11月7日に全国20万人を集めて労働者大会を開き、12月末にゼネストを構えるに至った。民主労総も11・8全国労働者大会を開き、イミョンバク政権と激突しようとしている。現場労働者の怒りが両労総を突き動かしている。
 公共運輸連盟は、傘下の鉄道・ガス・発電・社会保険・年金・医療などの労組が、イミョンバク政権が推し進める公共機関先進化方案=民営化を阻止する闘いに入った。10月10日には公共部門労働者大会を開き、公共機関の民営化中断と公共部門での雇用拡大のために共同で闘うことを決め、11月6日からストライキを含む共同闘争に突入することを宣言した。
 11・1日比谷で団結を打ち固め、ゼネスト情勢下の11・8韓国労働者大会に駆けつけよう!

 南北アメリカ 体制内派の制動破り 民営化と闘う新潮流が台頭

 米労働運動の軸=ILWU

 11・1全国労働者総決起集会に、ILWU(国際港湾倉庫労組)から、ローカル10(第10支部)などが参加する。今年7月に動労千葉が参加したサンフランシスコ国際労組会議を主催した組合だ。ILWUは、1934年ゼネスト以来のアメリカで最も戦闘的な労働組合の伝統を引き継いでいる。
 ILWU本部が体制内化している中、08年メーデーでイラク戦争反対を掲げて西海岸29港をスト破りゼロで全部封鎖できたのも、これらのローカルの奮闘があったからだ。同日、イラクの港湾労働者は、アメリカの労働者に呼応し、歴史的な「銃を突き付けられた占領下の1時間連帯スト」を貫徹した。

 教育の民営化攻撃との激闘

 全米第2の大規模地域教組であるUTLA(ロサンゼルス統一教組)からは、セシリー・マイアトクルス西部地域議長らが参加する。
 オバマ政権は大恐慌の犠牲を労働者階級に転嫁し、とりわけ公務員労働者に攻撃を集中している。特に労働組合の組織率が高い教育労働者については、オバマ自身が何度も「教育問題演説」をするなど直接乗り出し、チャータースクール(公設民営校)化や、生徒のテスト点数と教員賃金との連動化を叫んでいる。
 こうした政権をあげた攻撃を最も集中的に受けているのがUTLAだ。この激突の中で、250校のチャータースクール化攻撃に対する路線を巡って、UTLA執行部とランク&ファイル(一般組合員)の間でかつてない分岐・流動が起きている。
 世界史的な民営化攻撃である国鉄分割・民営化と真正面から闘い、団結を守り、拡大している動労千葉労働運動の路線が、11・1集会の国際交流で生かされていく。
 このほか、元AMFAローカル9(米航空整備士労組第9支部)で現在IBT(国際トラック運転手労働組合、チームスターズ)に所属して闘っているジョセフ・プリスコ氏らや、TWSC(運輸労働者連帯委員会)のスティーブ・ゼルツァー氏も参加する。
 また、カリフォルニア大学バークレー校で9月、ストライキと大集会を組織したSWAT(学生・労働者行動チーム)も来日する。

 ブラジル2百万労組の代表

 南アメリカからは、ブラジル労働党ルラ政権と闘う労働組合のナショナルセンター、コンルータス(全国闘争連盟)の代表が参加する。
 労働党は、同党が市政を握るポルトアレグレ市で01年から3回の世界社会フォーラムを開き、それを利用して02年の大統領選に勝利した。そして「労働党」「労働組合」の名の下にアメリカとのFTA(自由貿易協定)や年金破壊、公共事業民営化などの新自由主義政策を強行した。
 世界社会フォーラムのスローガン「もう一つの世界は可能だ」は、「資本主義でもなくプロレタリア革命でもない、もう一つの道は可能だ」という意味だ。これは、資本主義に対して巨大な決起を開始した南米の労働者人民に対して「労働者階級が主体になって資本主義を打倒してはならない」と説教するものだ。
 ブラジル繊維産業トップを副大統領とし、米巨大銀行の頭取を中央銀行総裁にしたルラ政権のように「良い資本家」と協力せよというのだ。これを賛美しているのがJR総連や第4インター、そして塩川派だ。
 第4インターブラジル支部は農地改革相としてルラ政権に入閣。ロセッチ農地改革相は、土地なし農民に対して警察と大地主私兵による大弾圧までやった。世界最大級の貧富の格差があったブラジルでは、さらに格差が拡大している。
 ルラ政権による戦争と民営化・労組破壊と必死に闘い、体制内労働運動と決別して団結を拡大しているのがコンルータスだ。昨年は、GMの世界最大級の工場=サンジョゼドスカンポス工場の労組執行権を既成労組から奪取した。コンルータスは、中南米の諸労組との連帯活動を展開し、「帝国主義諸国の労働者との団結が死活的に重要だ」と言っている。
 この200万コンルータスの11月集会への参加は、日本、いや世界の階級闘争を塗り替える画期的な事態だ。
 さらに、ドイツの左翼紙記者も来日する。
 11・1集会に全力で結集し世界革命の突破口を開こう。
(写真 ILWUの港湾封鎖に連帯しイラク反戦集会をするコンルータス【08年5月1日 リオデジャネイロ】)

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週刊『前進』(2413号2面4)(2009/10/26 )

 「派遣村村長」湯浅が政権入り

 革命圧殺を狙う取り込み

 昨年末、日比谷公園に開設された年越し派遣村の「村長」を担った湯浅誠が、鳩山政権の国家戦略室の政策参与に就任する。湯浅は、自立生活サポートセンター・もやい事務局長や反貧困ネットワーク事務局長を務め、日本の貧困問題に関する発言と活動で知られる人物だ。

 体制内派の正体

 湯浅の政権入りは何を意味するのか?
 民主党・連合政権にとって最大の恐怖は、数千万人の労働者が団結して、労働者の貧困の根源である資本主義に対する反乱に決起することだ。湯浅を国家戦略室に据えた民主党・連合政権の狙いは、まさに労働者階級がこうした闘いに立つことを何としても阻止し、プロレタリア革命を圧殺することにある。
 湯浅は貧困問題に取り組む第一人者のように振る舞ってきたが、その内実は、資本主義を大前提に、その中での労働者の「救済」を求める体制内派だ。そうした彼の本質が、政権入りという形でむき出しになったのだ。
 経済・金融・財政政策、社会保障政策、貧困・失業対策、治安対策……鳩山政権の一切の政治の目的は、世界大恐慌にまで至った資本主義を延命させることにある。何よりも労働組合を懐柔・屈服させ、政府に取り込み、労働者をバラバラに分断し、闘いを未然に防ぐことにある。
 そもそも湯浅は、鳩山政権の閣僚連中と一緒に何をしようというのか?

 連合の犯罪性!

 資本家階級そのものである鳩山や小沢は言うに及ばないが、例えば平野官房長官は、パナソニック労組出身で偽装請負や派遣切りに協力してきた人物だ。派遣法撤廃に反対する代表的人格だ。直嶋経済産業相はトヨタ労組出身で、製造業への労働者派遣を推進してきた人間ではないか。
 彼らが反省して、態度を改めたとでも言うのだろうか? UIゼンセン同盟出身の川端文科相は、派遣法は「やみくもに規制を強化するのではなく、もっと良い方策を」と言っている。あくまで派遣労働の温存を画策しているのだ。川端は民主党の「派遣制度の改善を推進する議員連盟」会長だ。
 こうした非正規職化の攻撃は、日本の労働者階級にすさまじい貧困を強いている。
 厚生労働省が20日に初めて公表した「相対的貧困率」では、07年の貧困率は15・7%。6人に1人近くが貧困状態で暮らしている。日本の貧困率は、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも最悪レベルだ。
 この社会を支える何千万人の労働者が失業や不安定雇用、低賃金、長時間労働で苦しんでいる。これが国鉄分割・民営化の強行以来、新自由主義の満展開がもたらした貧困の実相だ。
 直接にはこの十数年、日本経団連や自民党政権が労働者を痛めつけてきた結果だ。だが同時に、労働組合のナショナルセンターである連合の全面屈服と協力なしにはなかった現実でもある。
 湯浅はこういう連中と一緒に何をするのか? 労働者の団結した闘いに依拠するのではなく、政府・ブルジョアジーのわずかばかりの涙金=偽善策にすがり、根本的問題を永続化させ、永遠に労働者を貧困にしばり付ける構造を維持するということだ。湯浅の政権入りは、労働者に幻想を与え、闘いを抑制する以外に何の意義があるのか。

 労働者の団結を

 もちろん労働者が生き抜くために、あらゆる闘いが必要だ。打開の一切のかぎは、労働者階級が団結して資本や政府と闘うことだ。これこそが労働者階級をめぐる状況を一変させるのだ。資本家階級が最も恐れているのはこれなのだ! ささやかな政府への「要求」さえ労働者の団結と闘いなしには実現しない。
 何よりも資本主義は、もはや労働者を食わせることができない。世界大恐慌は過剰資本・過剰生産力を露呈させた。資本主義は、労働者を働かせて賃金を払うこともできない。労働力の商品化=賃金奴隷制に基づく資本主義は世界大恐慌という自己崩壊に至ったのだ。
 万国の労働者が団結して、資本主義と闘うこと――これが労働者の生きる道だ。あらゆる闘いを労働者の団結に結びつけよう。労働者階級こそ本当の社会の主人公だ。団結することこそ労働者の生きる展望を生み出す。
 動労千葉と国鉄1047名の闘いは「解雇撤回」「民営化絶対反対」の原則を貫く闘いだ。原則的な闘いこそが展望を生むのだ。11・1労働者集会へ大結集しよう。

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週刊『前進』(2413号3面1)(2009/10/26 )

 4大産別を先頭に職場生産点から

 日本郵政 西川体制をついに打倒

 現場の怒りが民営化揺るがす

 郵政小包を子会社化し日通との統合事業とするJPEX計画の破産など、郵政民営化の破綻が広がる中で、日本郵政社長・西川善文が20日、ついに辞任に追い込まれた。民営化による猛烈な労働強化や人員削減、非正規雇用の拡大(首切りの自由化)などに対する現場労働者の怒りと闘いが高まり、西川体制を最後的に打ち倒したのである。西川を後ろ盾に横柄な振る舞いを続けてきた職制たちは狼狽(ろうばい)し、「西川応援団」を自認してきた御用組合=JP労組中央本部は顔色を失っている。
 小泉「構造改革」の柱とされた郵政民営化は、労働者人民の資産を一部の資本家が私物化・簒奪(さんだつ)し、その一切の矛盾を現場労働者に転嫁する攻撃だった。かんぽの宿売却の巨額横領・背任事件、西川利権そのものである三井住友による郵貯カード事業の私物化、障害者割引制度悪用による背任と汚職、博報堂への広告一括発注による裏金づくり等々。民営郵政の闇は、表面化したものだけでも罪万死に値する。来年度に予定されていた郵貯と簡保の300兆円にのぼる超大型資産の株式上場計画は、こうした一部資本家による郵政資産争奪戦の頂点だったのだ。
 この一方で、民営化後の全国の郵政職場で要員削減が進み、労働密度は3倍になり、健康を破壊する深夜勤務が限度を超え、“自爆営業”や“ただ働き”が横行し、いつでも首を切られる非正規雇用が全労働者の65%にまで広がった。
 そしてこれらすべての民営化施策を容認し、「スト絶滅宣言」まで出して現場労働者の闘いを押さえつけ、西川体制に協力してきたのがJP労組中央本部だった。
 しかし闘う全逓労働者は、この民営化攻撃に絶対反対を掲げ、JP労組中央の度し難い裏切りを突き破って、3年間にわたる職場生産点でのあらゆる抵抗闘争を組織してきた。そしてこの闘いは、民営郵政の「戦略事業」とされたJPEX子会社化攻撃に対する全面的な反撃の開始をテコに、全国で現場労働者の怒りと結びつき、ついにJPEX計画そのものを完全破綻に追い込んだのである。
 これらの現場労働者の闘いが、8・30総選挙での労働者人民の“一票革命”となって爆発し、日本郵政・西川体制への致命的な打撃となった。
 西川体制を打倒した全国の郵政労働者は、「民営郵政を倒せ!」「職場は現場労働者のものだ!」「西川の手先となってきたJP労組中央を打倒せよ!」と叫び、新たな闘いを開始している。資本家の支配に終止符を打つための闘いは、これからが本番だ。11・1労働者集会に総結集し、産別や国境を越えた労働者階級の怒濤(どとう)の進撃を!

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週刊『前進』(2413号3面2)(2009/10/26 )

 JP労組中央委 民営化推進を居直り

 中央本部を弾劾し情宣

 全逓部会が決起

 10月15〜16日、JP労組第4回中央委員会が千葉県浦安市のホテルで開催された。初日の15日、全国労組交流センター全逓部会の仲間は、この期に及んで民営化推進の立場を開き直る中央本部を弾劾する情宣を行った。
 今中央委は、民主党・連合政権発足後初の委員会となる。小泉政権による郵政民営化に全面的に協力してきたJP労組中央は、資本と結託した御用組合として民主党政権を支える立場を明確にしているが、今中央委は、そうしたJP労組中央の反階級的立場をむき出しにするものとなった。
 JP労組中央は、民主党・連合政権に中井洽(国家公安委員長)、赤松広隆(農水相)、小沢鋭仁(環境相)ら5人の「組織内議員」を送り込んだ。そして「郵政見直し」が問題になる中での本中央委である。彼らは「民営化推進」の立場を開き直った。現場労働者を苦しめている民営化の現実や、それへの怒りは完全に抹殺された。これが「郵政見直し」への中央本部の立場なのだ。
 郵政民営化から3年、JP労組中央は何をやってきたか?
 闘いを始めた者に「組織破壊者」のレッテルをはり、闘いをつぶすことに全力をあげた。人員削減を次々と受け入れ、民営化以前の3倍と言われる労働強化に沈黙、健康を破壊する深夜勤の拡大を承認した。そのあげくが「スト絶滅宣言」とJPEX計画の承認、さらに強制出向攻撃の手先化だった。この中央本部が、政権政党となった民主党と結託したのだ。
(写真 民営化を開き直るJP労組中央委員会を直撃し弾劾行動【10月15日 浦安市】)

 まるで経営陣だ

 中央委の議案は怒りなしに読めない。
 第一に、民主党・連合政権の「郵政見直し」について、彼らは「経営者の視点」を強調し、「経営の自由度を担保せよ」と主張する。「経営の自由」とは賃下げや首切りの「自由」だ。民営化後、現場を黙らせれば、郵政資本は賃下げや労働条件改悪を「自由に」やれるようになった。現場を黙らせるのは労組の幹部たちだ。彼らは「郵政見直し」で、この「経営の自由」がなくなることを心配している。
 そして新政権で予想される郵政民営化法「改正」についても、彼らの関心事は民営化で破壊された労働条件の改善ですらなく、「経営力の向上」だ。恥知らずとはこのことだ。彼らは完全に現場労働者の敵である。
 第二に、前回中央委で打ち出した賃金3割カットと成果主義賃金導入の「人事・給与制度」について、「組合員から多くの不安や不満が出された」にもかかわらず開き直った。彼らは賃下げを労組の側から申し出たのだ。総額賃金を3割も削り、残ったパイを「成果主義」で現場で奪い合う最悪の分断攻撃だ。

 JPEXも推進

 第三に、全国の現場労働者の怒りで粉砕されたJPEX計画について、この期に及んで「推進する立場を変更しない」と開き直った。
 はっきりさせよう。JP労組中央は、空前の労働強化と合理化計画だったJPEX事業を「戦略事業」と公言し、率先して受け入れてきた。そのために「スト絶滅宣言」まで出して現場の闘いに敵対してきたのだ。
 なぜ彼らは破綻したJPEX計画にしがみつくのか? 非正規職化のさらなる推進(8割を非正規職に置き換える)を承認しているからだ。郵政職場25万人の労働者のうち、非正規雇用が16万人(65%)を超えた現実は、JP労組中央の承認の下で生まれたのだ。
 第四に、このような反労働者的立場から打ち出された「組織拡大運動」の反動性である。ますます「労働運動内部の資本家の手先」となって、現場の闘いをつぶす力を「拡大」する運動だ。

 出世の道具か!

 「前書記長の次期参議院選出馬」なる方針もまったく同じである。「会社の重役に納まった前委員長・山口を見ろ。組合が出世の道具にされてたまるか!」――現場では怒りが噴き出している。
 西川体制打倒に続き、JP労組中央を現場の怒りで打ち倒そう! 

 全逓職場 闘いは進む

▼東京A局……JPEXの破綻に続いての西川社長辞任に職場は沸き立っている。「組合が問題だ。西川を支えてきた本部派の組合執行部は全員退陣だ」の声。
▼東京B局……門前にて1時間強で賛同署名が13人。チケットは3枚売れた。50歳代半ばの労働者が「おれは国鉄だった。郵政も民営化で職場がバラバラにされた」
▼東京C局……1時間強で賛同署名19筆。日本郵便輸送(旧日逓)の労働者が郵便車の列をなして署名に応じた。26歳の郵便外務の非常勤労働者が「交流会に参加したい」
▼東京D局……ビラを受け取った20歳代後半の労働者が「西川は許せない。首にしろというビラの主張は正しい」
▼栃木A局……ビラを受け取った古参の労働者。「ビラの内容はうちの局の状態と一緒だ。非正規雇用の全員に読ませるから30枚持ってきて」

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週刊『前進』(2413号3面3)(2009/10/26 )

 道州制と一体の賃下げ

 神奈川人事委 平均16万円ダウンの勧告

 神奈川県人事委員会は10月6日、年額平均16万3千円(2・3%減)に及ぶ大幅賃下げ勧告を行なった。月例給の公民較差を0・16%縮小の647円に加えて、一時金については過去最大の0・35月引き下げ。さらに、05年の給与構造改革により給料表が平均4・8%引き下げられ、中高年齢層の多くは現給保障を受けているが、この現給保障額も引き下げを行うというものである。
 県財政の危機を理由にこの4月より強行された3%賃金カットと合わせ過去最大の賃下げで、絶対に認められない。またこの間の連続的な賃下げ攻撃は、公務員労働者の年功賃金や終身雇用を最後的に破壊するものだ。その先に来るものこそ道州制導入、自治体丸ごと民営化による360万人首切り攻撃だ。

 道州制・民営化攻撃と一体で

 神奈川県知事の松沢は「道州制こそ霞が関解体と地方分権を実現し、地域主権型社会をつくる究極の構造改革」「道州間の善政競争が進み、地域特性を生かした国際競争力のある産業を育て、日本を再生できる」(『道州制による日本大改造マニフェスト』)として、先の総選挙に向けては各政党マニフェストに道州制推進を明記させる運動を担ってきたゴリゴリの道州制推進論者だ。
 就任以来、道州制実現に向けた首都圏連合を提唱し、県財政の危機の中で「財政再建団体入り回避」をテコに県職員に賃下げをのませ、行政組織の統廃合と人員削減を極限まで進めてきた。さらに「インベスト神奈川」(大企業誘致助成制度)により日産やソニーなどの大企業に巨額の税金を投入し、それが世界不況で破綻するや、4月から2年間の県職員3%賃金カットを強行した。

 連合指導部を倒し反撃を!

 県労連指導部は、これまでも「自主交渉・自主決着」という名の労使談合により現場の闘いを一切封殺し、当局提案を組合員に受け入れさせてきた。人事評価・査定給を「われわれがつくってきた制度」と言ってはばからない連中だ。
 さらに民主党・連合結託政権の誕生で、県労連議長(神教組委員長)は「今後は与党の立場から政策提言能力を高めることが重要」などと、労使一体での労働者支配と資本主義救済運動を宣言している。これが国鉄1047名解雇撤回闘争を投げ捨てた連中の姿だ。現場からの闘いで連合指導部を打倒しよう! 11・1日比谷への1万人結集こそ労働者の怒りの結集軸であり、闘う労働運動をよみがえらせる道だ。現場労働者の怒りを爆発させ、09秋闘ストライキで闘おう!

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週刊『前進』(2413号3面4)(2009/10/26 )

 免許更新制は即時廃止を 民主党改革案をつぶせ!

 現場の力で日教組本部打倒へ

 鳩山政権の教育改悪が明らかになってきた。道州制の推進と一体で、教育労働者に大量首切りと、極限的な長時間労働・強労働、賃下げを強いる攻撃ばかりだ。

 大量首切りと国定教師づくり

 教員免許更新制がついに廃止に追い込まれた。免許更新制は今年度に本格実施が始まったばかり。しかしこの夏、免許更新のための大学講習はガラガラ、39大学で228の講習が中止になるという惨状だった。日ごろから地獄のような長時間労働と労働強化を強いられている教育労働者が、更新研修を事実上「ボイコット」し、その力が、免許更新制度を完全に粉砕したのだ。
 しかし問題なのは、代わって導入されようとしている民主党免許改革案が、更新制をも超える極悪の労働者首切り制度だということだ。
 民主党案は「法令に故意に違反」「非行」を理由に、文科相による現職教員の「教員免許の取上げ」を明記。これではストライキ参加も不起立でも、免許状取り上げによる失職が可能になる。現役教員も、新制度に伴う検定試験に合格しなければ免許を奪われる。試験を実施する教育委員会による恣意(しい)的な選別と排除は容易になる。
 これから教員免許を取得する者は、大学院の修士課程を修了しなければ取得できない。しかも「特別の奨学制度を設ける」というが、戦中の師範学校のような「国定聖職者教師」づくりを狙うものだ。

 「全国学テ廃止」実質は参加強制

 「全国一斉学力テスト廃止」も、内容はとんでもないものだ。
 「全員調査から抽出調査に切り替え『希望参加方式』を併用」「4割実施」「希望参加の場合、模範解答を元に学校ごとに自己採点を行う」ことで「20億円削減」と宣伝している。
 しかし07年度から実施されてきた全国一斉学力テストは、これまでも地方自治体に参加の法的義務はなく、「希望参加」と言いながら全国で強制実施されてきた。抽出調査とは一般的には1%でも0・5%でも十分なのに、それを4割にするのは、実際はすべての学校に「希望参加」を強制するためだ。自治体が「希望参加」を決定すれば、各学校に押しつけられることに変わりはない。
 違いは、これまで国が金を出してベネッセなどの民間企業にやらせていた採点業務やデータ比較を、現場労働者に押し付けることだけである。長時間労働にあえぐ現場の教育労働者にさらに労働強化を強いながら、学校間競争と格差をますます拡大するものだ。
 許せないのは、日教組本部がこれらの教育改悪を率先して推進していることだ。10月14日、日教組委員長・中村譲が文科相・川端達夫を「表敬訪問」した。その場で中村は、民主党の教員免許改革案に賛同を表明し、日教組全国教研集会への出席を要請した。
 日教組本部が文科省と一体で教育労働者への攻撃を担うことの表明だ。

 文科省と一体化する日教組本部

 さらに中村が川端に提出した12項目の「要請書」のうちの1項目は、「教員免許制度については、教員の専門性向上につながる養成・採用・研修一体とした抜本的改革を行うこと。また、それに伴い、教員免許更新制については、早期に廃止すること」。つまり「教員免許更新制の即時廃止」ではなく、“更新制の代わりに民主党案を早期に成立させよ”という要求だ。
 教育労働者は11・1集会に集まり、「鳩山政権打倒! 日教組本部打倒」に立ち上がろう。

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週刊『前進』(2413号3面5)(2009/10/26 )

 広島 倉澤さん 人事委に提訴

 “8・6処分”撤回署名広がる

 原爆の日の8月6日に設定された官制研修(10年目研修)に参加しなかったことを理由に、広島の青年教育労働者・倉澤憲司さん(8・6ヒロシマ大行動呼びかけ人)に戒告処分を発した広島県教委(榎田好一教育長)に対して、大反撃が始まった。10月15日に、倉澤さんと「倉澤さんへの『8・6処分』を撤回させる会」は、広島県人事委員会への不服審査請求と、県教委への抗議申し入れを行った。
 当日朝は県庁舎に「不当処分を撤回せよ」と訴えるビラを配布。抗議申し入れと記者会見には広教組組合員・青年部員、被爆2世、長年8・6ヒロシマ大行動の呼びかけ人を務めてきた広島大学名誉教授の北西允さんら20人以上が集まった。
 抗議申し入れでは、広教組組合員が抗議文を読み上げた。倉澤さんは年休権を侵害した処分の不当を訴え、8・6にあえて研修を設定した県教委を弾劾した。特に多忙化の中で「処分書を取りに来い」と言ってきた市教委を強く弾劾。98年「文部省是正指導」以来、教育現場もそっちのけで不起立闘争弾圧と組合破壊に総力をあげた県教委への怒りを爆発させた。
 反戦被爆者の会・下田礼子さんは「被爆地の教師が被爆の日に8・6ヒロシマ大行動に参加することが悪いなどと言うことは、被爆者の平和運動をつぶすこと。そのことの方が不当です」というメッセージを寄せ、被爆2世は「この処分はヒロシマと全世界の反戦反核を闘う労働者への挑戦状だ」と迫った。
 その後に行った「倉澤さんへの『8・6処分』を撤回させる会」の会合には、県内を物販オルグ中の動労千葉執行委員・高石正博さんも駆けつけて倉澤さんを激励した。
 倉澤さんへの処分に対し、広教組本部は「個人的な問題だから組織としては取り組まない」と言っている。一人の組合員への処分を全組合員への攻撃として団結して闘うのが労組ではないのか。しかし現場組合員は「こんな処分は絶対に許せない」と、処分撤回署名に続々と応じている。
 処分撤回の闘いをとおして組合員の積年の怒りを爆発させ、教育労働者の11・1結集のバネにしよう。オバマに「ノーベル平和賞」、闘う青年教育労働者には「処分」という許しがたい現実を全国、全世界の労働者に暴き、世界戦争情勢のもとで焦点化する核とヒロシマをめぐる攻防に勝ち抜こう。
 (広島R・H)
 【ユー・チューブで「8・6処分」と検索すると動画が見られます
(写真 不起立闘争への弾圧を続ける県教委への抗議を申し入れる倉沢さん【中央】【10月15日 広島市】)

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週刊『前進』(2413号3面6)(2009/10/26 )

 都人事委闘争 「不起立で団結」貫く

 米山さん解雇撤回へ闘い進む

 08年3月の「君が代」不起立による戒告処分と解雇(非常勤教員の合格取消)と闘う東京教組の米山良江さんの、処分撤回を求める都人事委員会不服審査請求の口頭審理が7月30日と10月1日の2回にわたり行われた。

 都教委-区教委の直轄指導暴く

 7月30日は米山さんの意見陳述に続いて、処分時の葛飾区立東綾瀬小学校・本間正校長の尋問が行われた。07年春の卒・入学式では、米山さんが職員会議で「不起立します」と表明して不起立しても、本間校長は不起立を現認しなかったこと、08年1月の職員会議で不起立を表明しても職務命令を出さなかったことが明らかになった。職務命令で起立を強制する都教委や三多摩地区の一部市教委こそ異常であることが浮き彫りになった。
 その本間校長の態度が豹変(ひょうへん)したのは、米山さんが08年3月19日、都教委に「私もずっと不起立しているが一度も処分されてない。根津さんの解雇は許せない」という要請書を出して以降だった。都教委から葛飾区教委へ、区教委から校長へ、「職務命令を出せ」という指導が行われたことは明らかだ。職務命令を出した経験のない本間校長は、区教委から書式を受け取り、それをもとに職務命令書をつくって米山さんに渡したことを認めた。
 卒業式当日の25日は、区教委指導主事3人が式監視に訪れるという、区立小学校では異例な事態になった。指導主事の派遣も、都教委から区教委への指導によるものであることは明らかだ。

 「都教委の分断支配許さない」

 10月1日は、葛飾区教委の蓮沼千秋指導室長への尋問から始まった。蓮沼室長は、式当日に指導主事3人を東綾瀬小学校に派遣したと証言。この派遣が不起立の現認のためであったことは、式後の校長の米山さんへの事情聴取に3人が同席したことからも明らかだ。
 続いて米山さんの本人尋問。85年以来ずっと「君が代」不起立を続けてきたこと、さらに03年「10・23都教委通達」以降、「不起立で闘おう」と呼びかけて不起立してきたことを述べた。
 また都教委に「要請書」を出したことについて「私の不起立は見過ごされ根津さんが解雇されるという、都教委の分断支配は許せないとの思いだった」と述べた。
 反対尋問に立った都教委の弁護士は「不起立は根津さん解雇阻止のためか、自分の思想信条からか」と迫ったが、米山さんは「都教委の不当な教育支配には従わない。両方が重要です」ときっぱり答えた。
 審理では、処分が都教委の強さの表れではなく、教育労働者の勝利の証しであることが示された。11・1集会に大結集し、来春、さらに不起立闘争を拡大しよう。

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週刊『前進』(2413号4面1)(2009/10/26 )

 カクマル松崎の復権策動粉砕を

 「戸塚論文」のウソと犯罪性暴く

 分割・民営化での大裏切りを隠蔽し国鉄1047名闘争の破壊を狙う

 大恐慌・大失業が激化する中、国鉄1047名解雇撤回闘争はいよいよ全労働者の死活を決する闘いとなっている。この時に、あろうことか、国鉄分割・民営化時のカクマル松崎による大裏切りを公然と免罪し、逆に美化する者が現れた。戸塚秀夫東大名誉教授による「試論 動力車労働組合運動の軌跡について――『JR総連聞き取り研究会』中間報告」なる論文と、それに連なる樋口篤三・元「労働情報」編集長らの動きである。そこで彼らは、JR総連との「大同団結」こそが1047名を救う道だなどという、とんでもない主張を始めている。松崎は自己とJR総連の延命を図るために戸塚らを手先に使い、1047名闘争の破壊を必死に策動しているのだ。われわれはこの醜悪なあがきを断じて許さない。階級的労働運動の前進への反革命的敵対として徹底的に断罪し、粉砕しつくすことを宣言する。本稿はその第1弾である。

 松崎がやった歴史的な大罪は絶対に消せない

 松崎明は、労働者階級にとって歴史的な裏切り者であり、正真正銘のファシストであり、不倶戴天(ふぐたいてん)の敵である。日本における新自由主義攻撃の突破口だった国鉄分割・民営化を、日帝・中曽根政権と一体となり、その手先となって推進したのが松崎を頭目とする当時の動労(現在のJR総連)カクマルだ。今日の労働者階級の膨大な非正規職化、ワーキングプア化の恐るべき現実も、その一切の出発点はここにある。この歴史的大罪は、どんなへりくつをこね回そうと、絶対に消すことはできない。
 だがこの国鉄分割・民営化は、これに真っ向からストライキで立ち向かった動労千葉の闘いと、1047名の解雇撤回闘争の不屈の継続によって、根底で打ち破られてきた。JR資本とJR総連カクマルの結託によってかろうじて成立したJR体制は、日帝の新自由主義攻撃の柱であると同時に、その危機と矛盾の最大の集中点となった。そして当然にも破産した。JR資本との結託体制が破綻し、権力からも見放された松崎は、JR総連の分裂、松崎による巨額の組合費横領という歴然とした犯罪行為の露呈などによって、非常な窮地に追いつめられた。
 戸塚、樋口らを引き込んで行われた松崎を囲む「聞き取り研究会」なるものは、松崎が自らの階級的犯罪と腐敗の数々を隠蔽(いんぺい)して窮地からの脱出を狙う手段として設定された。そこにはゴリゴリのカクマル分子とともに、戸塚や樋口のほか、社会主義協会代表代行の山崎耕一郎などが集められた。松崎はそこで”JR総連はカクマルではない。分割・民営化当時も松崎はカクマルとは一線を画していた。悪いのは党派の介入であり、そのために松崎がやってきたことが誤解されている”などという、歴史を根本から偽造する大ウソをまくしたてた。
 松崎のこのファシスト的なデマと自己合理化を全面的に擁護して書かれたのが、今回の戸塚論文である。それは松崎から裏切り者の汚名をぬぐい去り、逆に松崎の所業を公然と正当化し美化してその復権を図ることを最大の目的にしたものだ。しかも「学者」を装い、あたかも「中立的立場」からの提起であるかのようにみせかけた、きわめて悪質なものである。
 松崎はこの戸塚論文を武器に、民主党・連合政権の成立を自らの反革命的再登場のチャンスとして、今や1047名闘争への介入と破壊を狙う策動を公然と開始した。同時に、戸塚論文をハングルに訳し、本にして、JR総連が金をばらまいて立ち上げたICLS(国際労働者交流センター)という組織を使って韓国の労働者に無料で配り、JR総連こそ「闘う労働組合」であるかのようなデマを意識的に流している。動労千葉と11月労働者集会への破壊と敵対だ。断じて許せない。
 ICLSとは、松崎が韓国・ソウルを拠点に設立した、JR総連の「国際活動」のための組織である。事務局長はカクマルの四茂野修だ。松崎は90年代以来、JR総連の組合費を私物化し、その潤沢な資金を使って「国際活動」を展開し、松崎自身の私腹をも肥やしてきた(前述の横領事件もここで発生した)。それを再編して03年以降に新たに立ち上げたのがICLSだ。それは松崎の危機と破産が深まる中、その反労働者性ゆえに国内の労働者からまったく相手にされないJR総連が、「労働組合」の仮面をつけて生き延びるための柱であった。
 彼らはこれを使って松崎とJR総連のダーティーな部分を覆い隠し、他方で浦和電車区事件を大々的に宣伝して、JR総連こそ「権力から最も弾圧されている労働組合」という大ウソをばらまいた。(この浦和事件は、JR総連カクマルによる組合員へのファシスト的恫喝と支配が権力・JR資本の容認する一線を越えたために起きた事件であり、労働組合として「闘った」ことへの弾圧などでは断じてない)
 今回の戸塚論文による松崎の新たな反革命策動との徹底対決・粉砕は、今や日本の労働者階級にとって必要であるだけではない。世界大恐慌が進む中、全世界で深まる労働者階級と資本家階級との生きるか死ぬかの激突のまっただ中で、労働組合と労働運動がまさに革命と反革命とが真っ向からぶつかる国際的規模での一大戦場となっている。この戦場に、ついにカクマル松崎とJR総連が決定的に引きずり込まれてきたということだ。
 民主党・連合政権下、階級的労働運動の道か、産業報国会の道かをめぐる大分岐と激突はますます激しくなっている。韓国では、イミョンバク政権の新自由主義攻撃との死活をかけた闘いが、サンヨン労働者の決起をもって新たな段階に入っている。
 松崎・JR総連とその先兵・戸塚らは、ここにおいて、日帝による国鉄1047名闘争解体・動労千葉破壊攻撃の最大の担い手として登場することで、松崎の延命と復権を必死に図ろうとしているのだ。それはまた、イミョンバク政権による韓国民主労総の解体と変質を狙う攻撃とも完全に連動して推進されている。
 だが松崎がどんなにずるがしこく立ち回ろうと、その背中に深々と刻印された「反階級的裏切り者」の文字とファシスト労働運動の正体を隠すことはできない。松崎の悪あがきを断じて許すな! 松崎を擁護し美化する一切の連中も同罪だ。階級的労働運動と国際連帯の前進をかけて、徹底的に断罪し、怒りを込めて粉砕・打倒しよう。

 “他労組を解体し動労カクマルが生き残る”

 戸塚論文の最大の目的は、国鉄分割・民営化で松崎と動労カクマルが日帝・中曽根の先兵としてやった悪事をことごとく塗り隠し、逆に「松崎がやったことは正しかった」と公然と主張し、美化することにある。松崎の階級的大罪をこれほどまでに擁護し賛美した者はいない。怒りなしには読むことができない。
 戸塚論文は言う。「当時の動労指導部の言説を先入観なしに読み返す者には、彼らが手探りで進むべき道を選択しようとしていたその緊張感が伝わってくる。未曽有の合理化攻撃にたいして、血気にはやる活動家の声をおさえて、既得権を譲っても反撃の拠点を固めようとする主張。玉砕戦法への誘惑をしりぞけて組織を維持し、包囲網を突破していく道を探ろうとする主張。そこからさらに、教条にたよらず、組合員の英知を集めて労働者的な合理化プランを作成し、その実現を追求しようとする主張が生まれてくる。……それが『大転換』のプロセスであったというのが私の辿(たど)りついた解釈である」
 「『集中豪雨的』な国鉄叩(たた)きに直面して、動労は労働者の『既得権防衛』の闘いに猪突猛進する道をさけた。一歩後退し、『エリを正して』反撃のための拠点を準備しながら、国鉄改革の嵐に立ち向かう方向を選択したのである」
 こんな恥知らずなデマ宣伝はない! 80年代の国鉄分割・民営化の過程で起きたことは、戸塚が描くようなきれいごとの話ではまったくない。40万人いた国鉄労働者の半数、20万人が問答無用に首を切られ、職場を追われた。実に許し難い非人間的な仕打ちを受ける中で、200人を超える労働者が自殺した(実際には虐殺だ)。この大量首切りと虐殺は、単に当局の攻撃によるのではなく、松崎と動労カクマルがそのお先棒を率先してかつぐことで初めて可能になったのだ。
 実際に彼らが現場でやった悪行は、今思い返してもはらわたが煮えくりかえるほどのすさまじいものだ。そこで国鉄労働者が目にしたのは、松崎の「路線転換」のもとで動労カクマルが大量解雇攻撃に全面協力し、とりわけ分割・民営化に反対する動労千葉や国労組合員の首を「直ちに切れ」と当局に繰り返し迫る姿だった。
 他組合をつぶして動労カクマルだけが生き残る――これが、戸塚が歯の浮くような美辞麗句で絶賛する動労の「路線転換」の実態である。そのために当局と結託し、合理化でローカル線が廃止された北海道や九州から「広域配転」の名で動労カクマルの運転士を東京や大阪に送り込み、玉突きで国労の活動家を運転職場からすべて排除した。そして「人材活用センター」という名の収容所に「余剰人員」として隔離していったのだ。「余剰人員」とは、こうした当局と動労松崎の結託によって国労つぶし、動労千葉つぶしのために意図的につくりだされたものなのだ。残った国労の組合員には、「お前も首だぞ」と脅しをかけて国労からの脱退を露骨に強要したのである。これが「労働組合」と名のつくもののやることか!
 動労千葉の中野顧問は、これを激しく弾劾し、次のように証言している。「その時に松崎が言ったことは、『俺は動労の委員長なんだから、動労の組合員の雇用を守ればいいんだ』と。『別に、国労の組合員の雇用なんか守る必要はさらさらないんだ』と。しかし、そういうことは、たとえ口実としてでも言えない。国鉄労働者全体の利害を守る立場に立たない限り、個別の動労や国労の労働者の利害も守れない。これは本質的なことだ」(中野洋著『新版 甦る労働組合』第9章)
 実際に松崎は、松崎本人と戸塚が必死に強弁するように、動労組合員の雇用を「守った」のか? これもとんでもない大ウソだ。事実はまったく逆に、松崎は自分の組合員にも出向や派遣や一時帰休を強要し、さらには退職を公然と要求した。労働組合の幹部が職制に代わって、先頭に立って労働者の肩たたきをやるという、前代未聞のことを彼らはやった。年輩の組合員に「いつまで鉄道にいるのだ」「早く辞めろ」と強要し、応じない者にはロッカーや靴の中に泥水をぶち込むという陰湿ないじめさえ行った。
 この結果、彼らが牛耳る職場には50歳以上の労働者はほとんどいないという状態にまで行き着いた。「動労組合員の雇用を守る」を口実に、実際には動労の組合権力を握る松崎とカクマルが生き残るためには何でもやる。権力・資本とのどんなどす黒い取引にも応じる。これが松崎の本質だ。
 これらのことは当時の労働者には決して忘れることのできない天下周知の事実だ。戸塚が知らないとは言わせない! だが、だからこそ戸塚は、現実に職場で展開された動労カクマルを最先兵とする首切り攻撃の実態に一言も触れない。触れられない。
 今ひとつ、戸塚が徹底して避けて通っていることがある。松崎とは正反対に、全国鉄労働者の怒りの先頭で、分割・民営化に唯一真っ向からストライキをもって立ち向かった動労千葉の闘いだ。戸塚は松崎を「玉砕戦法への誘惑をしりぞけて組織を維持し」たなどと擁護するが、動労千葉はまさに、組合員全員が首をも覚悟して階級的団結の力のみに依拠して絶対反対の闘いに総決起し、そのことによって自らの組織を守りぬいたのだ。
 それは「一人の首切りも許さない」という労働組合の原則を文字どおりに貫く闘いだった。権力・当局と動労カクマルの一体となった組織破壊攻撃により、「日本労働運動の最強の組合」と言われた国労は20万人以上いた組合員が5分の1以下に激減し、崩壊の寸前まで追いつめられた。だが動労千葉は闘って逆に団結を強化し、一人の自殺者も出さなかった。戸塚はこの事実に絶対に触れない。そこに触れた瞬間に、戸塚が描く一切の虚構は崩れ落ちるからである。
 その上で戸塚は、松崎をとことん免罪するために、「裏切る」という言葉の意味をわざわざ広辞苑で引いてきて、松崎は裏切り者とは言えないと必死に強弁している。「組合の指導部はなによりも組合員との約束、組合員への信義を大事にすべきだ、という立場にたてば、動労の指導部は決して『裏切り』などしていない」と! 語るに落ちるとはこのことだ。これこそ、松崎がやったことの犯罪性を戸塚が強烈に意識している証拠ではないか。
 ここには、戸塚が「学者」としても実にインチキな人物であることが示されている。そもそも戸塚は、元自動車総連会長で反共・御用組合幹部の代表的人物だった塩路一郎や、アメリカのAFL―CIO前会長のスウィーニーのような典型的な労働貴族を、「すぐれた労働運動指導者」と呼んで賛美してきた。戸塚は一貫して体制の側に立ち、現場労働者の苦闘や思いとはまったく無縁なところで、労働運動を食い物にして生きてきた人物だ。
 松崎はこの戸塚を宣伝隊長にすえて自己とJR総連の「復権」を図ろうとしているが、それは逆に松崎の墓穴を掘るものだ。労働者階級は裏切り者を絶対に許さない。どんな装いを凝らそうと、その正体を必ず見抜く。戸塚ともども、徹底弾劾されて葬り去られる運命が待つだけだ。

 「働こう運動」を「対案戦略運動」と全面美化

 カクマル松崎が戸塚を使ってこれほどまでに分割・民営化時の裏切りの隠蔽と正当化に必死になっているのは、ここに松崎とJR総連の最大の弱点があるからだ。
 松崎と戸塚の目的は、危機を深めるJR総連の復権にある。世界大恐慌の爆発は、階級対立の急速な非和解化と、資本の支配を打ち倒すための青年労働者を先頭とした労働者階級の根底的な大決起、総反乱の情勢を世界的規模で生み出している。これに松崎は心底から恐怖している。今始まった労働者階級の歴史的決起が動労千葉・動労水戸・動労総連合、さらに国労5・27臨大闘争弾圧被告団を先頭とする国労共闘の闘いと結びつき、国鉄1047名解雇撤回闘争の不屈の発展を切り開いていった時、JR体制は完全に打倒される。それはJR総連のファシスト労働運動の息の根をも絶つ闘いとなっていく。
 だからこそ松崎とJR総連は今日、4者4団体に急接近し、その屈服・取り込みを図り、1047名闘争への介入とその破壊・解体を狙う策動を全力で開始した。それが、戸塚や樋口が松崎の意を受けてにわかに提唱し始めた「大同団結」論だ。”民主党・連合政権ができた今こそ、JR総連を含めた大同団結が必要だ。それが1047名を救済する道だ”などというとんでもない議論である。だがそのためには、新たなファシスト的デマとペテンを使って松崎の裏切りを公然と免罪することがどうしても必要だった。その役割を買ってでたのが戸塚論文だ。
 松崎と戸塚は第一に、松崎とJR総連から「カクマル」のレッテルをはぎ取るためのペテンに熱中した。だがこれは最初から破産している。松崎と動労本部が日帝・中曽根の手先となって国鉄分割・民営化に率先協力し、総評解散に道を開いたのは、カクマルの組織的方針によるものだ。カクマルとは「左翼」の仮面をかぶったファシストであり、松崎こそそれを労働運動の現場において誰よりも強烈に体現し続けてきたのである。JR総連カクマルの中央派カクマルからの分裂をもって、「JR総連はカクマルではなくなった」などというのは「論証」にさえならない。戸塚のような松崎のちょうちん持ち以外、信じる者は誰もいない。
 彼らが第二にやったことは、分割・民営化への松崎の屈服と大裏切りを「新たな労働運動を生み出すための苦闘」だったと美化して積極的に意義付与することである。”資本主義の危機の時代は労働者階級にとって冬の時代だ。この時代には、既得権の擁護や合理化への絶対反対を掲げる闘いは通用しない。これまでとは違う新しい運動が必要だ。松崎は実はその先駆者だった”というわけだ。
 ここには何重ものウソとペテンがあるが、紙面の都合で最大の核心点だけをはっきりさせておきたい。すなわち、その狙いは、松崎が動労組合員に強要し、現在のJR総連組合員にも一貫して強要し続けている「働こう運動」の美化にある。
 松崎は、分割・民営化の際に20万人首切りの最先兵として行動しただけではない。「国鉄の赤字は労働者が働かないからだ」という日帝の激しい国鉄労働者攻撃のデマキャンペーンに屈服し、動労組合員に「エリを正せ」と号令して、一生懸命働いて効率を上げろという運動を強要した。それも「骨身を削る覚悟が必要だ」と言って、賃金も満足に支払われない状態での超長時間労働や過密労働を暴力的に強制していったのだ。
 戸塚は、この松崎の「働こう運動」を「労働者の対案戦略運動」などと持ち上げ、あたかもそれが大恐慌・大失業の時代に労働運動が生き残る唯一の道であるかのように言うのだ! だがこれは正真正銘の産業報国会の思想である。帝国主義の危機、資本の危機を救済するために労働者は進んで犠牲になれ、企業のため、お国のために働け、文句は言うなとするものだ。それを労働組合が先頭に立って推進し、抵抗する者はたたきつぶす。最後は侵略戦争・帝国主義戦争に動員して、命まで差し出せとなっていくものだ。
 その根底にあるのは、昔ながらの「会社あっての労働者」というイデオロギーだ。資本主義は永遠に続く、労働者は闘っても勝てないという奴隷の思想だ。底の底まで腐りきっている。
 松崎と戸塚はこれを、今日の自治労本部などが掲げる「攻めの民営化対応」論を積極的に後押しし合理化する立場から押し出し、それをもてこに松崎とJR総連の復権を図ろうとしている。自治労内のカクマルがその先頭に立っている。
 だがこの「新しい労働運動」なるものはすでに完全に破産し、恐るべき腐臭を放っている。今日のJR体制の現実を見よ。尼崎事故が暴露したものは何だったか。利益を一切に優先し安全の崩壊に何の関心も払わず、一切の責任を労働者に押しつけて自らは卑劣な隠蔽工作に走る資本の姿。運転士への過酷な「日勤教育」が示す職場の恐るべき非人間的な現実。いったい誰がこの現実をつくりだしたのか! JR資本だけではない。松崎のJR総連を先頭とする労働組合の腐敗と変質こそがその最大の元凶ではないか。
 すでに戦後自民党支配の打倒を突破口として、社会の根底的変革へ向けた労働者階級の大決起は開始された。その先頭に動労千葉と11月集会派に代表される階級的労働運動の新たな潮流が立っている。大恐慌・大失業下で、絶対反対を貫き階級的団結の力に依拠して闘う者だけが、労働者の権利と生活を実際に守り、資本主義を本当に終わらせて新しい社会を築くことができるのだ。その時代はもう始まっている。
 それをひしひしと感じ、恐怖するからこそ松崎は、1047名闘争の圧殺に一切をかけて新たな反革命策動にのめり込んだのだ。逆にいえば、階級的労働運動の前進と1047名闘争の不屈の貫徹が、ここまで松崎を追いつめたということだ。
 松崎の反革命的あがきを粉砕し、JR総連カクマルの完全打倒に突き進もう。動労千葉派が今こそ日本労働運動の主流派に躍り出よう。11・1労働者集会を大成功させ、大恐慌を革命に転化する闘いに総決起していこう。

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週刊『前進』(2413号4面2)(2009/10/26 )

日誌'09 2009年 10月14日〜20日

 アフガンで「自衛隊活用も」/ゲーツ米国防長官「普天間移設は現行案で」

●沖縄県民大会、自民不参加 自民党の沖縄県連が普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設に反対する県民大会への不参加を決めた。翁長幹事長は「まず政府が意志を示した後に、知事もわれわれも判断すべきことだ」と述べた。(15日)
●「普天間、来年中に決着」 鳩山首相は、米軍普天間飛行場の移設問題について、来年中に決着を図る考えを示した。来年1月の名護市長選と同11月にも想定される沖縄県知事選を挙げて「その中間くらいの中で結論が必要になってくる」と述べた。(16日)
●米世論6割がアフガン増派反対 米CNNは、アフガニスタンでの米国の戦いについて、ベトナム戦争のような泥沼状態に陥っているとの回答が半数を超えたとする世論調査の結果を発表した。米軍の追加増派への反対は約6割にのぼった。(19日)
●普天間移設、14年の完成期限見直し示唆 平野官房長官は会見で、米軍普天間飛行場の移設問題について代替基地の完成期限が2014年となっていることについて「鳩山政権として責任をもってそのことが遂行できるかどうかも含めて今検討している段階だ」と述べ、14年の移設完了時期を見直す可能性を初めて示唆した。(19日)
●日米共催のPKO幹部養成訓練 国連平和維持活動(PKO)に従事する幹部要員を養成する日米共催の訓練コースが外務省で2週間の日程で開講した。アジア太平洋地域の13カ国、25人の軍人、警察官、政府関係者らが参加した。(19日)
●アフガン「自衛隊活用も」 北沢防衛相は記者会見で、インド洋での補給支援活動に代わる新たな活動について「民生支援だけで代替案になるのかという懸念を少し持っている。自衛隊がどういう形で参画できるか、個人的に案を検討していきたい」と述べ、自衛隊の活用に含みを残した。(20日)
●国会議員54人が靖国参拝 超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の54人が、秋季例大祭が開かれている東京・九段の靖国神社に参拝した。鳩山内閣の閣僚や副大臣、政務官の参加はなかった。(20日)
●普天間移設「現行案で」 ゲーツ米国防長官が来日し、岡田外相と会談した。普天間飛行場を名護市辺野古に移設する日米合意について「唯一実現可能な案だ。米軍再編を着実に実施することが必要だ」と述べて、履行を求めた。(20日)
●アフガン大統領選、決選投票に アフガニスタンの選挙管理委員会は、8月20日に投票があった大統領選の決選投票を11月7日に実施することを決めた。暫定1位のカルザイ現大統領の得票率が不正票の調査の結果、過半数を割り込んだため。(20日)
●海兵隊、オスプレイ辺野古配備を明記 米海兵隊が、次期主力機となる垂直離着陸機MV22オスプレイを名護市のキャンプ・シュワブ沿岸に建設予定の米軍普天間飛行場代替施設に配備する計画を決めた。「2010会計年度海兵航空計画」で示した。代替施設への配備の明記は初めて。(20日)

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週刊『前進』(2413号5面1)(2009/10/26 )

 法大生先頭に11・1日比谷へ

 10・16法大 2学生不当逮捕弾劾

 処分攻撃を打ち破って キャンパスに堂々登場

(写真 キャンパス内の学生に向かって門前で11・1決起を呼びかける。マイクを握るのは坂野全学連委員長代行【10月16日 法大正門前】)

  10月16日昼、法政大学キャンパス中央で法大解放闘争が打ち抜かれた。「停学処分」をうち破り堂々と凱旋(がいせん)を果たした経済学部2年・洞口朋子さんを先頭に、全国から駆けつけた学生・労働者が法大当局を徹底的に弾劾した。
 昼休みのキャンパス中央広場に「文化連盟」ののぼりをもって登場し、勝利感いっぱいのアピールを行う洞口さん。驚がくした法大当局は、暴力職員やマスクをつけた正体不明の男ら数人を使って、洞口さんの持っていたトラメガのコードを引きちぎるなど許しがたい暴行を働いた。だが、洞口さんは一歩も引き下がらず、その場で肉声での大演説を開始!
 「自主法政祭への規制を絶対にはね返したい!8人の仲間を今すぐ取り戻したい! 私は訴えます。学生には、今の社会も大学も変える力があるんだということを!」
 全法大生に共通する思いを代弁した訴えに、圧倒的な注目が集まる!
 洞口さんの学内アピールに続いて、門前からも怒りの訴えが続く。法大生の久木野和也君は「学生の自主的な法政祭をつぶし、大学の『営業』のための学祭にしようとしている。黙っていられるか!」と声を張り上げた。続いてマイクを握った全学連委員長代行・坂野陽平君は、「自主法政祭が大学によって否定される、こんな屈辱的なことを、おれは絶対に許せない!」と徹底弾劾。
 追いつめられた法大当局は、またも警察権力に久木野君ら2人の学生を「公安条例違反」で逮捕させた。当局の無法極まる暴力行為を前にして、その場に駆けつけた学生や労働者が当然にも抗議の声をあげたことを「無届け集会」だと言うのだ。絶対に許せない!
 だが、起きている事態の核心は、法大当局と権力による大学支配が路線的にも実態的にも破産していることであり、その中で法大生の新たな決起と11・1への結集が開始されつつあることだ。
 ひとつに、洞口さんが処分延長策動をうち破って、キャンパス中央に登場した地平の大きさだ。これまで法大当局は、「停学処分」が明けた学生はただちに「無期停学」や処分延長にしたりして、闘う法大生の再入構をことごとく妨害してきた。しかし今回は、全社会的な抗議の拡大を前に動揺した経済学部教授会が、追加処分を下すことができなくなったのだ。9月の中島君・新井君への「無罪判決」に続き、処分策動においても敗北したことで、今や当局による学生支配は決定的に破産しつつある。
 ふたつに、またしても暴力行為と弾圧に手を染めた法大当局の不正義性と路線的破産がまざまざと暴かれたことだ。洞口さんのあまりにも正当な主張に対し、キャンパス中央に面する窓のブラインドをすべて下ろし、暴力職員を使ってビラまき妨害・トラメガ破壊の暴挙を働き、「見るな、聞くな、話すな」を法大生に強要した当局。しかし、ビラを受け取り、教室やピロティ下で訴えに聞き入り、弾圧に抗議してキャンパス中央に出てくる法大生が続々と現れた。この事態に追いつめられたからこそ、当局は警察権力への通報・逮捕を強行したのだ。実に大学としてあるまじきこの姿こそ、「教育の民営化」の実態であり、民主党・連合政権の本性を示してあまりある。
 みっつに、10・16闘争を経て、法大生との討論の輪が飛躍的に拡大し、11・1への議論が開始されていることだ。多くの法大生が、当局の暴力支配と自主法政祭への規制に怒り、大失業の現実と腐りきった社会に憤り、展望を求めている。どうすればこの時代を変えられるのか。これに応える勝利の方針こそ11・1労働者集会だ。法大で起きている現実のすべては「教育の民営化」の結果であり、だからこそ国鉄1047名解雇撤回を軸とする11・1を1万人の大結集でかちとることが、3万法大生の勝利の道だ。ここに学生の生きる未来がある! 
 10・16闘争の勝利の地平を11・1に結実させ、獄中8学生奪還・法大闘争勝利へ攻め上ろう!
(写真 暴力職員と正体不明の男らの妨害をはねのけてキャンパスで訴える洞口さん)

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週刊『前進』(2413号5面2)(2009/10/26 )

 普天間基地の県内移設粉砕!

 11・8沖縄県民大会へ

 沖縄県民の根底的怒り

 11・12オバマ訪日を前に、11月8日、沖縄県民大会が行われる。11・1労働者集会の大高揚をかちとり、その力で闘う沖縄労働者階級と戦闘的に合流し、「普天間基地の県内移設阻止、米軍再編=辺野古新基地建設阻止、すべての米軍基地撤去」を掲げ、「侵略と戦争のオバマ訪日阻止、民主党・連合政権打倒」の旗を鮮明に、断固沖縄労働者階級の先頭に立って闘い抜こう。
 大恐慌下、帝国主義が体制として成り立たない末期的危機の中で、労働者階級人民の積もり積もった自民党支配に対する怒りが爆発し「8・30情勢」が生み出された。この中で沖縄米軍基地撤去の闘いも、まったく新しい段階に突入した。
 沖縄の怒りの決起は、8・30情勢の最先端の決起であり、帝国主義の体制そのものを揺るがす根底的なものである。それは日帝の大失業攻撃を最も集中的に受けている沖縄労働者の怒りだ。
 鳩山政権は、「対等な日米関係」や「東アジア共同体」を掲げて日帝として米帝に対抗的・争闘戦的に対応しようとしている。しかし、現実にはそれは連合の力をテコにして労働者階級に自民党以上の戦争政策、侵略政策をのみ込ませるたくらみである。オバマやクリントンに会った鳩山はただちに「日米同盟基軸」を誓約している。

 闘いの沈静化図る鳩山

 鳩山民主党・連合政権は、普天間基地の県外移設の幻想をあおってペテン的に登場したが、彼らには米帝と激突し辺野古新基地建設の日米合意を白紙に戻す意志などない。自民党・公明党政権に対する労働者階級の怒り、米軍基地の現実に対する沖縄労働者階級の怒りの大きさに恐怖し、それを必死に体制内に取り込もうとしているのだ。
 20日に来日したゲーツ米国防長官は、辺野古移転を決めた日米合意について「唯一実現可能な案だ。米軍再編を着実に実施することが必要だ」と述べて、岡田外相に現実には破綻している現行計画の履行を求めた。また、21日の北沢防衛相との会談後には、「普天間飛行場の移設は(米軍再編の)行程表の要だ。それなしに沖縄の海兵隊のグアムへの移転はない」と強調し、「(代替施設の)滑走路を少しだけ(沖合に)移すことは、沖縄と日本政府の間の問題だ」と述べた。「民主党政権の責任で日米合意実施を貫徹せよ」と恫喝し迫ったのである。
 総選挙中に鳩山は「県外移設、国外移設が望ましい」とペテン的に表明してきた。だが、9月9日の民主・社民・国民新党の3党連立協議で「米軍再編や在日米軍基地の在り方についても、見直しの方向で臨む」として「普天間の具体的記述」を避けた時点で、方向は鮮明になった。鳩山も岡田も北沢も前原沖縄担当相(国交相)も、日米関係の緊張に戦慄(せんりつ)しつつ、さまざまなペテンをろうし、連合と社民を先兵に県内移設を貫徹するための時間稼ぎをしているに過ぎない。
 結局は「県外移設に踏み切れば、新たな移設地の確保に時間がかかり、普天間飛行場の危険はそれだけ続く」という論理で「県内移設に反対する県民感情に理解」を示しつつ、踏みにじっていくのが既定のコースだ。
 鳩山が来年以降に問題を先送りにしようとしているのは、沖縄の労働運動をたたきつぶし、民主党・連合政権のもとに押さえ込んで沈静化を図ろうとしているからにほかならない。

 体制内派の策動粉砕を

 したがって、民主党・連合政権の本質を知りつつ自覚的にその共犯者になった社民党を始めとする体制内勢力との対決が決定的だ。道州制・民営化・労組破壊の攻撃に屈服している体制内派は、米軍基地との闘いでも必ず闘いの抑圧者になる。
 昨年6・29サミット粉砕闘争で逮捕された沖縄の青年労働者を、弾圧されたことを口実に辺野古から排除する暴挙に走った体制内指導部は今日、日米交渉への「期待」を述べ、「新政権を支えよう」と、サポーター=ちょうちん持ちを自認している。
 新基地建設絶対阻止の闘いは、帝国主義と真っ向から対決する徹底非妥協の闘いだということが、これから容赦なく明らかになってくる。
 民主党政権の登場は、労働者階級の怒りが革命に向かって進むことへの恐怖と憎悪を本質としている。だから帝国主義的労働運動である連合指導部を基盤として、労働者の闘いを抑圧しようとしているのだ。
 だが、県民大会に数万の規模で労働者が結集する時、それは指導部の思惑をはるかに超えて「辺野古新基地反対、米軍基地撤去」の怒りとなって爆発していくことは必至である。それは民主党政権に対する怒り、連合指導部に対する怒りから帝国主義打倒の根底的な怒りへと発展する。民主党・連合政権こそ日帝の最大の弱点であることが満天下に明らかになる。まさにそのような革命的情勢をたぐり寄せるまたとない機会だ。
 闘えば勝てる。辺野古新基地建設阻止、すべての米軍基地撤去、民主党連合政権打倒の巨大なうねりをつくり出そう。

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週刊『前進』(2413号5面3)(2009/10/26 )

 北延伸滑走路の供用弾劾

 三里塚反対同盟 怒りの声明

 三里塚芝山連合空港反対同盟は、暫定滑走路北延伸の供用開始攻撃に対し、これを粉砕して廃港まで闘う決意をこめた「弾劾声明」を、10月20日市東孝雄さん農地裁判の記者会見で発表した。革共同は反対同盟との血盟にかけて、三里塚闘争に勝利することをあらためて宣言する。

 ◆弾劾声明◆

 わが反対同盟は、政府権力・国交省と成田空港会社による10・22暫定滑走路北延伸の前倒し供用を怒りをこめて弾劾する。北延伸がもたらすものは欠陥空港のさらなる危険である。滑走路南端の航空機横断と東関東自動車道の航空保安区域通過、「へ」の字誘導路手前の停止撤廃など、民営化と利益追求による人命軽視は絶対に認められない。
 だが問題はそればかりではない。国交省と空港会社は北延伸に続けて、天神峰現闘本部の破壊と市東孝雄さんの農地強奪を策動している。「第3の誘導路」で市東さんの家と畑を空港の中に囲い込み、東峰地区を追い出してコンクリートの下にしようとしている。飛行直下の住民の暮らしを同時並行離着陸でおびやかし、「年間飛行回数30万回」「24時間空港化」をねらっている。まさに71年強制代執行と変わらぬ農地収用、騒音下住民への犠牲の強要だ。
 反対同盟は10・11全国総決起集会で宣言したように、農地死守・実力闘争で敢然と立ち向かう決意である。
 さらに、前原国土交通相の一連の発言と、森田知事や空港周辺首長の無責任な暴言を許すわけにはいかない。10月13日、前原国交相は羽田を国際拠点空港(ハブ空港)とする考えを表明した。これに対して知事や周辺首長が「寝耳に水」「民主主義に反する」などと騒いでいるが噴飯ものだ。国の言うままに住民の声を踏みにじり、空港づくりを推進したのは当の首長たちではないか。「年間30万回」で経済波及効果が「1兆1388億円」(成田国際空港都市づくり推進会議)などという無責任なデマ宣伝はなんだ!
 これに対して、反対同盟は空港建設の不当を訴え一貫して闘い続けてきた。その正しさが今、明らかになったのである。成田空港の破綻は、農民を虫けらのように扱ってきた暴挙の結果である。
 しかも前原発言は成田からの撤退を意味するものではない。成田空港の破綻は、住民への攻撃をいっそう激しくさせる。それが10・22供用攻撃であり、現闘本部破壊策動、市東さんの農地強奪攻撃、東峰地区の追い出し攻撃だ。大恐慌は戦争をもたらす。航空需要が底なしに下がり続ける今、「年間30万回」「24時間空港化」を打ちだすのは、鳩山政権が鳴り物入りで掲げる「東アジア共同体」構想と軍事空港建設のためである。
 成田空港は廃港あるのみ。反対同盟は闘いの正義と勝利を確信し不屈に闘う決意である。
 2009年10月20日
 三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2413号5面4)(2009/10/26 )

 “成田30万回発着へ”

 「羽田ハブ化」と一体の攻撃 前原発言を許すな

 前原誠司国土交通相は10月12日、これまでの羽田空港は国内、成田空港は国際という首都圏でのすみ分けを取り払い、羽田を24時間稼働するハブ空港(国際拠点空港)にする方針を明らかにした。成田空港の利権に群がる地元の財界や首長らは、「寝耳に水だ」「地元に何の相談もない」などと反発した。千葉県の森田健作知事は「怒り」の表明を行った上で前原と会談し、「大臣とは成田が国際線の中心という位置づけは変わらないと確認した」と「成田格下げ」の打ち消しに躍起となった。世界大恐慌の圧力はブルジョアジーを締め上げ、利権の配分をめぐる見苦しい衝突と調整が繰り広げられている。
 これらの一連の事態が表していることは何か。成田の位置づけが下がるので、攻撃が少しでもゆるむのか。いや、まったく逆だ! 敵はますます農地強奪、農民追い出し、反対同盟つぶしをエスカレートさせてくる。
 前原発言は、「韓国のインチョン空港に負けるな、アジア最大のハブ空港を造れ、成田と羽田は競い合って発展しろ」ということだ。その基盤には、鳩山政権がぶち上げた「東アジア共同体構想」がある。航空産業でアジアに遅れをとるな、アジアを日帝の力で制圧せよ、という徹頭徹尾侵略的、帝国主義的な思惑である。実際に前原は「首都圏の空港の発着需要が2030年に94万回に増えるが、成田と羽田の現行の拡張計画では71万回しかまかなえない」というとんでもない試算をもとに、どんどん増便しろとけしかけているのである。10月20日の延伸記念セレモニーでは、「発着回数の年30万回に向け、皆様の尽力で一日も早く合意を」とあいさつした。空港会社(NAA)や自治体、地元の利権まみれの反動勢力に向かって、反対運動をつぶして早く30万回化、24時間化を実現しろと要求しているのだ。
 また前原は12日泉佐野市で大阪府の橋下徹知事と会談し、関西空港のハブ化を求める橋下に対しまずは羽田のハブ化だとの意思を伝え、「いい道州制にむかっていくために首長さんと議論をする、そのために橋下知事の突破力、発信力に期待する」などと述べた。道州制導入で橋下の力を動員すると持ち上げ、ここでも羽田との競争をけしかけたのである。
 われわれは、43年の三里塚闘争が日帝の戦略的空港づくり、航空産業に致命的な打撃を与え破綻に追い込んできたこと、その勝利の地平を確認できる。そして農業破壊・農民切り捨て、アジア侵略・軍事空港化の攻撃の前に三里塚が敢然と立ちはだかっている。10・11全国集会の大成功が、日帝をとことん追いつめた手応えを実感できる。
 前原や森田がいくら見て見ぬ振りをしようと、暴力的空港建設を許さず原則を貫き闘いぬいてきた三里塚農民と労働者人民こそが、成田空港問題の当事者中の当事者なのである。反対同盟とこの労農連帯の陣形がある限り、空港は絶対に完成しないことを思い知れ。
 われわれは絶対に、天神峰現闘本部と市東さんの耕作地を守りぬく。

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週刊『前進』(2413号5面5)(2009/10/26 )

 市東さん農地裁判 “不在地主”の違法追及

 県、NAAの居直り許さず

 10月20日千葉地裁で、三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの農地をめぐる二つの裁判(@行政訴訟、A農地法裁判)が連続して開かれた。反対同盟と労働者・学生・農民・市民が、10・11三里塚全国集会の大成功の熱気を携えて、傍聴に参加した。
 農地法第6条1項には「国以外の者は、何人も次に掲げる小作地を所有してはならない。――その所有者の住所のある市町村の区域の外にある小作地」と書かれている。空港公団(後のNAA)が市東さんの農地を旧地主から買収したのが1988年。この時公団の本社は東京にあり、成田に移転したのは96年だ。つまり買収から8年間空港公団は農地法6条が禁止している「不在地主」そのものだった。買収は違法であり無効だ。NAAが市東さんに向け地主のような顔をして「土地を明け渡せ」などと言う根拠は完全に崩れた。
 10時半から、市東さんが耕作権解除の許可を出した千葉県を訴えた行政訴訟が開廷。被告の千葉県は、反対同盟と顧問弁護団の「不在地主」問題での追及に対し、「NAAが農地法6条に反しているかどうかは考慮されることではない」などと「反論」した。とんでもないことだ。行政が「違法をやっても問題ない」などと臆面もなく言い張っているのだ!
 さらに、成田市農業委員会、千葉県農業会議での審議過程の問題については「釈明の必要はない」と居直りを決め込んだ。堀内明裁判長はこうした千葉県代理人の逃げ口上と居直りに、たびたび助け船を出した。傍聴席から怒りの声が次々と上がり、「公正にやれ!」との弾劾に裁判長は思わず「公正にやってます!」と必死に弁明する始末だ。
 11時10分から、NAAが市東さんに対し土地の明け渡しを請求した農地法裁判が開廷した。ここでも「不在地主問題」が鋭く追及された。NAAの弁明はなんと「一時的に不在地主と同様の状態が生ずる」としても問題ないという、これまた驚くべき暴論だ。8年間が「一時的」だと? こんなデタラメがあるか! しかも買収の事実をひた隠しにして、旧地主に市東家から何食わぬ顔をして地代を取り続けさせたことについて、反対運動からの「いやがらせを加えられる恐れがあったから」だというのだ。何という卑劣さ。まさに盗人の居直りだ。
 裁判終了後、弁護士会館で記者会見と報告集会が開かれた。この日は成田空港内で前原国土交通相や森田千葉県知事が来て、2日後に控えた暫定滑走路北延伸供用開始のセレモニーが大々的に行われている。絶対に許すことはできない。
 冒頭に事務局の鈴木謙太郎さんが、10・22前倒し供用への「弾劾声明」を読み上げた(別掲)。
 北原鉱治事務局長が怒りの発言に立った。「ここに43年間闘っている農民がいる。この千葉県民を無視して騒いでいる森田は、物取り主義の典型だ。廃港まで闘います」
 続いて市東孝雄さんがあいさつした。「裁判で県は肝心要のところで逃げるばかり。さらに追い込んでいく。22日から供用開始されてもこれまでどおり闘うのみだ」と鮮明な決意を表した。
 葉山岳夫弁護士を始め弁護団が次々と発言し、県とNAAのデタラメで傲慢(ごうまん)な居直りを徹底追及していくことを明言した。
 最後に萩原進事務局次長がまとめの発言で、「記者からは大臣や知事に何か言うことはないかという質問もあったが、こっちから頭を下げて言うことは何もない。彼らの頭には利権のことしかない。われわれの闘いにこそ正義性、勝利性がある。空港は完成しない」と不動の決意を示した。この反対同盟の断固たる記者会見が、仰々しい空港内のセレモニーがまったくの空騒ぎに過ぎないことを容赦なく暴いた。
(写真 「裁判で逃げる県をさらに追い込む」と決意を語る市東さん【10月20日 千葉市】)

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週刊『前進』(2413号5面6)(2009/10/26 )

 三里塚裁判傍聴とデモへ

 ★市東さん耕作権裁判
 ●11月9日(月) 千葉地裁 午前10時30分開廷
 *傍聴券抽選のため1時間前に集合を

 ★現闘本部裁判
 ●11月12日(木)
 集会とデモ 午前9時 千葉市中央公園
 弁論法廷 午前10時30分開廷 千葉地裁

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週刊『前進』(2413号6面1)(2009/10/26 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 日逓中野で大量解雇西川社長はクビだ! 東京 馬入川鐵郎

 いま全国の郵便局で、画期的なことが起きています。全国労組交流センター全逓部会による「西川社長はクビだ!」という見出しのビラを中心に「そうだっ!」という反応です。10月20日、西川社長は「辞任」しましたが、何の責任もとらないばかりか、「民営化は間違っていない」と居直っています。ふざけるのもたいがいにしろっ! 西川社長は辞任ではなく、クビだ! おれよりあいつをクビにしろっ!
 実際に日逓中野営業所でも、5月末に一方的な会社都合による非正規職の雇用打ち止めを強行し、私も含めた何十人もの労働者を大量解雇した責任は重大です。さらには同じ大量解雇を目黒営業所でも繰り返し進める会社は、絶対に許せません! いま目黒では、派遣労働者を9月末で解雇したのを皮切りに、直接雇用の非正規職社員をも11月末で雇い止め解雇に追い込んでいます。
 10月22日の早朝、日逓中野営業所前で大量解雇撤回の抗議闘争をやり、夕方、中野郵便局で退勤時ビラまきと11月集会の賛同署名運動をやり抜きました。ビラの受け取りも良好で、賛同署名も全体の4割近く集まりました。朝も職場の同僚からの応援の声を受けつつ、会社と闘わない職場の労組執行部の実態も伝わりました。
 労働者のために会社資本と闘う本来の組織のあり方をねじまげて、会社の手先に成り下がることで組合員を裏切り続けるJP労組執行部も西川同様クビにすべきです。どうせ闘っても勝てないという絶望を組織し、あらゆる手段で現場の怒りを圧殺するやり方に展望はありません。
 だからこそ現場労働者から求められる展望、それが民営郵政打倒であり、大量解雇が吹き荒れるいまの時代にこそ1047解雇撤回闘争の存在が勝利への道筋です。
 この展望を具体的に指し示す11・1集会の1万人結集は決定的。そこに一人でも多くの同僚、仲間と参加できるように、全力をかけます。11・1に日比谷でボクと握手!

 10・11三里塚闘争から新たな関空闘争へ! 泉州住民の会 H

 10・11三里塚全国総決起集会は、全国から1780人が結集し大成功した。3月より参加者が増え、決戦勝利の決意がものすごく強くなっていることを感じた。
 集会では、現闘本部裁判と市東さん裁判が緊迫した決戦情勢に突入していることを反対同盟の発言で確認し、反対同盟と支援団体、党派の決意が表明された。
 泉州住民の会・元代表の森田恒一さんが開会宣言で「92歳になったが、強制代執行の時には体を張って闘う決意です」と鮮明に決意を述べられた。泉州住民の会として誇りに感じた。
 他方で関実代表の永井さんの発言は、決戦に向けた決意が語られなかったし、「関西で反対同盟が主催した集会を開いてほしいと実行役員会で要請した」という発言には驚いた。9月関実集会が失敗だったのだろうが、主体的に総括せずに「反対同盟主催」に頼るとは情けない限りだ。
 関実は関西で三里塚支援陣形を拡大するために結成された。この発言は、その目的を投げ捨て「関実を解散」するに等しい発言ではないだろうかと思った。
 もう一つ言えば、「関西新空港反対住民団体代表」で特別報告しながら、関空闘争について一言も語られなかったのはいったいどういうことなのか。(泉州住民の会に失礼だ)
 関空情勢は、日航が破綻し、関空が倒産情勢に陥り、日航社員9000人解雇、泉佐野市職員200人削減、税金を160億円投入など、許せない攻撃が激化している。それに対し、泉州住民の会と関合労が果敢に闘っている。7・19全国集会は275人で大成功した。日常的な宣伝活動には多くの住民と労働者が賛同・激励している。闘いはまさに恐慌情勢下の決戦になっている。

 国鉄、道州制・民営化絶対反対を掲げ集会 宮城 G

 10月9日、仙台市内で「10・9宮城労働者集会」が65人の参加でかちとられた。
 基調報告には、道州制・民営化攻撃と闘わない労組執行部との路線的激突を開始した自治体労働者が立った。「自民党を倒した労働者の叫び・怒りと結びつき、労働組合が先頭に立って世の中を変える時代がやってきた。国鉄1047名解雇撤回闘争に団結し、首切り反対、戦争反対の日本の労働者の大きな決起をつくり出そう。うちの組合の執行部は、首切り・賃下げを明言する市長と話をつけてやっていくとしているが、実際に働いている労働者が団結して闘うことが一番の核心だ。闘っても勝てない、労働者には力がないという労働組合を変えていこう。11・1全国労働者集会へ結集し、日本の労働者の闘いを示そう」
 国労秋田闘争団の小玉忠憲さんは「国鉄分割・民営化を絶対に許さない。JR会社と包括和解した国労本部を打ち倒す。闘ってきた原告団の一部が情勢に負けて国労本部とくっついた。政治解決というが解雇撤回はない。国鉄赤字をつくった張本人の小沢・鳩山に土下座するのは裏切りだ。11月1万人決起で力関係をひっくり返そう。新自由主義にとどめさそう」と訴えた。
 年収100万円以下の青年の怒りのカンパアピールに続き、決意表明に次々と労働者・学生が立った。「現場の怒りでJPEXを粉砕した。労働者は団結すれば勝てる。国鉄決戦に勝利して時代を動かそう」(全逓労働者)、「自己評価シートの提出を拒否し闘っている。仲間をつくって闘う」(教育労働者)
 国鉄1047名解雇撤回、道州制・民営化絶対反対を鮮明に掲げた今集会には、体制内労組執行部と対決し、職場に分岐・激突を持ち込み、本物の労働者の団結・闘いをつくってきた仲間が集まった。11月集会1万人結集へ、みやぎからも全力で闘う。

 ついに共謀罪を阻止10・10勝利報告集会 東京 W

 10月10日、破防法・組対法に反対する共同行動主催の「共謀罪反対闘争勝利!報告集会」(東京しごとセンター)に参加した。
 小泉〜麻生の自民党政権と対決して、ハンストや国会前座り込み、集会・デモなどあらゆる方法を駆使して共謀罪の成立を許さず、今夏ついに廃案をもぎりとった闘いの軌跡がスライドで紹介された。「武装解除を絶対するな!」の内外の声を肝に銘じ、廃案戦取の一念で闘いを貫いた全員の苦闘の結晶だ。
 事務局からの基調報告は、10年間もの粘り強い闘いで共謀罪の廃案をかちとり、戦争・治安管理国家化に風穴を開ける巨大な成果をかちとったと勝利を宣言。「話し合っただけで罪になる共謀罪は、現代の治安維持法だ」と訴え広範な世論を獲得しつつ、現場の弾圧への怒りと結合して反撃したことが制定阻止の大きな要因と指摘した。
 リレートークでは、法大5・28暴行デッチあげ裁判で無罪をかちとった法大生、「裁判員制度はいらない!大運動」の武内更一弁護士、さらに迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧と闘う板垣宏さんらが熱烈な共闘の決意を表明した。
 共謀罪阻止の闘いを先頭で切り開いてきた足立昌勝関東学院大学教授が集会のまとめを行い、「おとり・潜入捜査」「司法取引」導入、「警察盗聴の拡大」など警察国家化を策動する国家公安委員長・中井洽を弾劾する声明が満場一致で採択された。発足と同時に不当な逮捕攻撃、労組破壊の全国一斉家宅捜索・弾圧に出てきた民主党・連合政権を、11・1労働者集会の大爆発でぶっ飛ばそう。

 「綱領草案」に感激。私も革命運動に参加 東京 本間平次郎

 革共同50年の歴史の上に、先日、ついに「綱領草案」が全世界に向けて発表され、『前進』第2410号(10月5日付)に掲載されました。この「綱領草案」は、文字どおり私たちが血と汗と涙でかちとった「現代の共産党宣言」です。
 そこで私は、かつて70年闘争をともに闘った関西地方在住の友人に、この『前進』を郵送し、「11・1集会」への参加を呼びかけました。ほどなくして、手紙が届きました。
 「綱領草案・革共運動50年史を中心とする2410号、本当にありがとうございました。涙があふれました。僕は現在、月1回程度、若き党員からいろいろと話を聞かせてもらっています。関西での政治集会や3・6道州制反対・橋下打倒の集会などに参加してきました。昨年の11月集会にも参加し、私も、皆さんと一緒にスクラム組み革命運動に参加しているのだ!という意識でいっぱいでした。それにつけてもこの間の連続した政治弾圧は本当に許せない。体が思うように動かない私ですが、先日受領した『障害者解放』創刊号を熟読し、頑張ろう! と思っています。11・1日比谷で再会しましょう」
 全国の『前進』読者の皆さん! 「綱領草案」でガッチリと武装し、11・1集会を大成功させ、世界革命に向かって、全世界の労働者階級人民は団結して頑張ろう!

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週刊『前進』(2413号6面2)(2009/10/26 )

 迎賓館・横田爆取 私たちは無実だ!

 攻めの弁護側立証へ冒陳

 10月15日、東京地裁刑事第20部(林正彦裁判長)で迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判・差し戻し審第18回公判が開かれた。前回に引き続き弁護側冒頭陳述が行われた。
 前回の冒陳で、あらためて控訴審での「一審無罪破棄・差し戻し」判決を批判・弾劾し、差し戻し審検察立証の破産を突きつけるとともに、弁護側立証において、とりわけ「金沢借家関連証拠」と「関之沢林道関連証拠」立証の無意味さを徹底的に明らかにすることを宣言した。
 その上で、今回の冒陳(その2)では、岩手借家からの膨大な押収メモの証拠開示をかちとった地平を踏まえ、その調査・分析から、あらためて検察官が「本件の証拠」だとしている岩手借家押収メモは、本件とはまったく関係がなく、鍋爆弾関係のものでしかないことを明らかにする弁護側立証を行うことを宣言した。
 その核心は何か。検察官と控訴審判決は「飛翔(ひしょう)弾と鍋爆弾は原理的な違いがあるのだから、鍋爆弾の製造のために飛翔弾関連のメモを書き写すことなど考えられず、したがってメモはまさに本件両事件の飛翔弾そのもののために作られたメモ」と主張している。これに対し、弁護側は「鍋爆弾は普通に容器を破壊するだけの通常の爆弾とは違い、内蔵された散弾を前方に扇形に飛散させる『指向性散弾』としての構造と機能を有し、一種の砲と言える。したがって鍋爆弾の開発・製造のために砲や飛翔弾に関する資料を参考にしたとしても、それは当然なことだ」と立証するのだ。
 岩手借家は鍋爆弾開発・製造のためのものであって、迎賓館・横田事件とはなんら関係がない。と同時に、岩手借家が鍋爆弾とも飛翔弾とも無関係の一般的な倉庫として利用されていたことも、新証拠により明らかになりつつある。次回公判において、冒陳(その3)を行うことになっている。
 さらに、検察官と控訴審判決は、「本件両事件で使用されたのと同じ信管を製造し、炸薬(さくやく)を装填(そうてん)するものは3名以外にいない」と何の根拠もなく決めつけているが、実は3同志の逮捕後も、同種・同構造の砲弾や信管、炸薬が使用された飛翔弾戦闘は多数敢行されており、この事実は、3同志以外に砲弾の開発・製造グループが存在していることを示している。権力による捜査資料と新聞報道を証拠として示して、この点を明らかにする。
 公判冒頭、3同志が次々立って意見表明を行った。「私たちは無実だ!」という叫び、22年間、無実であるにもかかわらず、被告席に立たされ続けていることに対する怒り、16年にもわたる徹底審理の末に出された無罪判決に対し、政治的思惑のみで出された「破棄・差し戻し」高裁判決への怒りを煮えたぎらせ、デッチあげ弾圧裁判を断じて許さず、必ずや無罪判決をかちとるという裂帛(れっぱく)の意見表明は、満杯の傍聴席のみならず、法廷全体を圧する迫力だった。
 しかし、林裁判長は動揺しつつも開き直り、年内論告求刑・来春判決の策動を強めている。迎賓館・横田裁判はまさに決戦局面に突入している。11・1全国労働者総決起集会1万人総決起をかちとり、その力で裁判所を追いつめ、デッチあげ弾圧を粉砕し勝利しよう。次回、11月24日の公判に全力で結集しよう。

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週刊『前進』(2413号6面3)(2009/10/26 )

 法大暴処法弾圧裁判 当局・権力と激突

 10・16不当逮捕に怒り

 10月21日、法大暴処法弾圧裁判の第2回公判が東京地裁刑事第1部で開かれた。公判廷は、8人奪還と11・1労働者集会1万人を闘いとる労働者・学生の戦闘性と、これに恐怖する法大当局・国家権力とが激しくぶつかり合う「戦場」となった。
 まず公判は、10月7日の「4・24集会弾圧グループ」初公判における登石郁朗裁判長の被告への不当な退廷処分、8人に対する長期勾留と接見禁止の拡大、10・16法大集会での2人の不当逮捕への激しい怒りと弾劾から始まった。
 織田陽介君は「裁判所のやっていることは、裁判を妨害し、陰険な嫌がらせや制裁をすることだ。裁判所自らが裁判を破壊する無法状態だ」と怒りを込めて断罪。続く恩田亮君も「紙切れ一枚の接見禁止決定で、ちり紙やシャンプーなどの日用品や、裁判準備に必要な文具までが買えなくなった。こんな状況が1週間も続いた。繰り返したら許さない」と、裁判長に突きつけた。裁判所前での登石裁判長弾劾のビラまきと一体となり、不当弾圧を一ミリも許さず闘い抜いた。

 デタラメ証言

 続いて検察側証人のデタラメさも徹底的に暴いた。この日は、検察側証人として、法大で夜間警備をしている柴田敏男と松本和久が登場。柴田は、今年の2月19日の未明に入構禁止看板が破壊される状況を目撃したと言う。しかし実際には、「暗くて何人いたのかも、顔もわからない。看板が構内に投げ込まれるのを見て、音や声を聞いただけ」なのだ。
 声の内容も「法大当局への抗議だと思った」などとするが、被告人・弁護団の激しい反対尋問には「気が動転していた。このとおり聞いたのではない」と答える始末だ。これでいったい何が立証できるというのか。
 また、松本は「直前に大学の周囲を巡回したが、すべての看板に異常はなかった。その後壊され、写真撮影した」と言う。しかし実際は「看板の設置時期もわからない」、看板に関心など払っていない人物なのだ。
 しかも、看板が外されたとする各門の撮影を指示されていたのに「北詰門の写真は撮っていない」という事実も明らかとなった。看板の状況をすべて把握していたかのように言う証言は明らかなウソだ。
 さらに、今年の3月に柴田と松本の供述調書をとった場所がなんと法政大学の九段校舎だというのだ。3年半の法大闘争に恐怖した法大当局と警視庁が文字どおり一体となり、学生弾圧のデッチあげを準備したという本質が明らかとなった。
 こうした弾圧ありきの検察側立証は、団結した闘いによって破産し、「こんなデタラメで長期勾留を続ける国家権力は断じて許せない」という決起を生み出す以外ないのである。
 追い詰められた法大当局は、この日の傍聴に学費を使ってバイトを雇い、抽選で当たっても傍聴せず、ただ仲間の傍聴を妨害するという卑劣なことまでやってきた。当局に正義性など主張できない。金と権力で「公正な裁判」すら破壊し、自らの目的を「制裁と団結破壊」であることを宣言する法大当局・検察・警察・裁判所は、暴処法もろとも粉砕する以外にない!
 次回は警察官証人3人が登場する予定だ。デッチあげを許さず、獄内外の団結で勝利しよう。

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週刊『前進』(2413号6面4)(2009/10/26 )

 弾圧粉砕し2名奪還

 「電磁的公正証書原本不実記録・同供用」なる口実をもって9月29日に逮捕されたA同志とB氏を、10月19日に不起訴で奪還した。闘う活動家への協力を犯罪だという卑劣な政治弾圧を、獄中獄外一体の団結で打ち破った大勝利だ。勝利をバネに11・1労働者集会へ進撃しよう。

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週刊『前進』(2413号6面5)(2009/10/26 )

 天野美恵さんへの弔辞

 母の会が数々のゲリラ 原則貫いた北富士闘争

 婦人民主クラブ全国協議会代表相模原市議会議員 西村綾子

 10月4日に急逝された北富士忍草母の会の天野美恵事務局長と生前、親密な交流を深めていた婦人民主クラブ全国協の西村綾子代表が10月7日の告別式で故人に送った弔辞を紹介します。(編集局)
 かすりのモンペにすげがさ姿の美恵さんの勇姿と、あの、私たちを奮い立たせる、凛(りん)として厳しく、そしてユーモアのあるアジテーションにもうお会いできないことは、本当に悲しく、さみしい限りです。
 60年安保の年に母の会が結成されて、若き美恵さんは事務局長として、区会事務所の主となり、ここで子育てもされながら、村中一心、村中の信頼を受けて、以来半世紀にわたって、故渡辺喜美江会長とともに忍草母の会の皆さんを束ねて、数々のゲリラ闘争の先頭に立たれました。米軍の演習を何度も何度も、体を張ってぶっ止め、米軍にも警察にも大泡ふかせて、一歩も引かず、たくましく、粘り強く、北富士反戦闘争の勝利を牽引(けんいん)してこられた生きざまは、かけがえのない、世界に誇る、歴史に深く刻まれるものであり、美恵さんこそ偉大な反戦の母でした。
 二度と侵略戦争を許さないと誓った、私たち婦人民主クラブは、常に母の会とともに生きてきたことを何よりの誇りとしています。
 とりわけ、婦人民主クラブの全国協としての再出発を、この北富士で宣言して以来、美恵さんと母の会の闘いからどれほど教えられ、励まされてきたか、計り知れません。美恵さん、本当にありがとうございました。
 梨ケ原で、桧丸尾(ひのきまるび)で、甲府の裁判闘争で、草茅(くさかや)姫祭で、たいまつデモ、座り込み、それから区会事務所のこたつの部屋で、数々の決戦の写真に囲まれて、お話も聞かせていただきました。
 本当はいつもいつも、決死の覚悟でゲリラに入られたのだと思います。でも美恵さんや母の会の女性たちの口で語られる、さまざまなゲリラ闘争のエピソードは勝利感いっぱいの武勇伝。思い出しては一緒に笑い転げ、原則を曲げずに闘うこと、正義に生きることの楽しさを、闘いの中で団結を固め、解放されていく女性たちのたくましさと優しさを教えていただきました。
 おいしいおそばやたくさんのトウモロコシ……草茅姫祭のお団子づくり……、美恵さんの声やしぐさが、懐かしい思い出があふれ出します。
 三里塚はもらろんのこと、沖縄や関西新空港闘争やヒロシマにもご一緒しましたね。婦民全国協の総会にも毎年必ず三里塚の婦人行動隊のお母さんとともに参加していただきました。
 反戦・反基地闘争の大先輩として、ゲリラ闘争の草分けとして、全国各地を駆け回って、檄(げき)を飛ばしてくださいました。
 美恵さん、いま世界は本格的な大恐慌時代に入り、戦争か革命かの岐路を迎えています。大失業と改憲、民営化と労組破壊の攻撃を支配階級は進めるしかありません。でも美恵さん、こんな世の中はもう終わりにしようと、若い学生も労働者も農民も「チャンスだ!」と張り切っていますよ。
 戦争の悲惨さや、資本家のために貧しさと死を強制されることなど、絶対に許さないと立ち上がる時代が本格的に世界的に始まりました。
 これまで闘い続けて団結を固めてきた動労千葉や三里塚が、新しい時代を開く闘いの心棒になって、全国の、そして世界の労働者の闘いを牽引(けんいん)していくと思います。美恵さんの「よーし、よし!」の声が聞こえてくるようです。
 美恵さんも参加されてきた三里塚現地闘争は10月11日に、そして全国労働者集会が今年は11月1日、1万人結集を目指してみな奮闘中です。
 美恵さん、見ていてくださいね。美恵さんが生涯かけて貫いた、戦争も差別もない社会の建設、基地を完全になくす悲願を、今度こそ実現するために、私たちも頑張ります。いつか再び霊峰富士山麓、梨ケ原の空の上でお会いする時まで、感謝を込めて、お別れの言葉といたします。
 2009年10月7日
(写真 北富士梨ケ原に集った天野美恵さん【左】と西村綾子さん、北原鉱治さん【98年7月19日】)

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週刊『前進』(2413号6面6)(2009/10/26 )

 迎賓館・横田爆取デッチあげ差し戻し審

 11月24日(火)午後1時15分 東京地裁
 12時半までに傍聴券配布所に集合を

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