ZENSHIN 2010/03/15(No2431 p06)

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第2431号の目次

カリフォルニアに全学連の訴え響く 全学連訪米団はカリフォルニア大学バークレー校の全学ストと8`の大デモを共に闘い、到着地のオークランドで3千人の参加者に「ともに教育民営化粉砕を」と連帯アピールを行った(3月4日 オガワ・プラザ)=記事4面

1面の画像
(1面)
1047名解雇撤回・外注化阻止!  沖縄米軍基地撤去・日米安保粉砕!
3・20大結集で民主党・連合政権倒せ
記事を読む  
中野洋 動労千葉前委員長の逝去を悼む  2000人が集い葬儀盛大に(3月4日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
日程 3・28三里塚全国総決起集会 記事を読む  
日程 イラク反戦7周年全世界一斉デモ 記事を読む  
(2面)
労働者を愛し労働運動にかけた生涯  中野さんの遺志継ぎ労働者解放を誓う(3月4日) 記事を読む  
海外からの弔電(3月4日) 記事を読む  
■中野洋さん略歴■ 記事を読む  
国労解散策す裏切り者を倒せ  1047名解雇撤回を貫こう
全面降伏に走る4者4団体幹部
記事を読む  
(3面)
国際婦人デー各地で(3月6日、7日) 記事を読む  
学校現場の怒りは爆発寸前だ
不起立闘争で団結し公教育の民営化粉砕-日教組本部打倒へ(芹 誠一)
記事を読む  
関合労大和分会 岡田分会長を直ちに奪還しよう
組合つぶし狙い「詐欺」デッチあげ  5カ月の長期勾留は無実の証明(関西合同労組大和分会 武田一豪)
記事を読む  
(4面)
全学連訪米団 バークレー校ストを共に闘う
“教育費削減と民営化を許さない”  カ州100万教育ゼネストと合流(3月4日)
記事を読む  
春闘集会 全国で熱気あふれ  青年の決起が展望開く 記事を読む  
日誌 2010年 3月2日〜9日
平野官房長官「辺野古」強行を示唆/自民は「徴兵制導入」の検討へ
記事を読む  
(5面)
3・16成田市議会闘争から3・28現地大集会へ  団結街道廃道化阻止!市東さんの農地守れ!
三里塚反対同盟が全国に訴え
記事を読む  
“中野さんの思い受け継ぐ”  三里塚勝利千葉県集会 青年が労農連帯を牽引(3月6日) 記事を読む  
「資本の原蓄過程」の再来  資本主義打倒の革命が回答だ
新自由主義と民営化攻撃が生み出したアメリカ労働者階級のすさまじい現実
記事を読む  
(6面)
全国連中央本部による前進社襲撃を弾劾する
展望失い権力の手先に転落
記事を読む  
迎賓館・横田差し戻し審
決戦の最終弁論公判へ  被告団から傍聴闘争を訴える
記事を読む  
第2次再審勝利へ  三多摩「救う会」の決意
労働者階級は必ず決起すると確信  革命の力で星野同志を奪還できる
三多摩・星野文昭さんを救う会 加納敏弘
記事を読む  
制度廃止へ共感広がる
鳥取地裁裁判員裁判 2週間の「緊急行動」(投稿/鳥取・T)
記事を読む  
法大弾圧裁判 3月5日、3月8日 記事を読む  
訂正 記事を読む  

週刊『前進』(2431号1面1)(2010/03/15 )

 1047名解雇撤回・外注化阻止!

 沖縄米軍基地撤去・日米安保粉砕!

 3・20大結集で民主党・連合政権倒せ

カリフォルニアに全学連の訴え響く 全学連訪米団はカリフォルニア大学バークレー校の全学ストと8`の大デモを共に闘い、到着地のオークランドで3千人の参加者に「ともに教育民営化粉砕を」と連帯アピールを行った(3月4日 オガワ・プラザ)=記事4面

 国際連帯と反戦闘争の新時代を告げる歴史的な闘いが実現した。3・20イラク反戦7周年全世界一斉デモへの大結集の展望を、全学連が感動的に切り開いた。3月4日、全学連訪米団の6人の学生がカリフォルニア大学バークレー校の全学ストをともに闘い、100万人教育ゼネストに大合流したのだ。この地平を3・20大爆発へと転化し、国鉄1047名解雇撤回・外注化阻止、沖縄米軍基地撤去・日米安保粉砕、民主党・連合政権打倒をかけて、3・20代々木公園に総結集しよう。

 全学連訪米と動労千葉スト

 全学連の訪米団はカリフォルニア大学バークレー校の全学ストライキをともに闘いとり、そして8`のデモで到着したオークランドでの3000人集会で、訪米団全員が登壇して法政大学の洞口朋子さんが法大弾圧を報告し、「教育の民営化粉砕! 資本主義打倒の国際連帯を!」と熱烈に訴えた。日帝権力の2・5法大弾圧を打ち破り合流した洞口さんと全学連を、割れるような拍手と歓声が包み込んだ。
 サンフランシスコでは州立大学教員のストライキが闘われた。現地マスコミは「全州で100万人以上が参加」と報じた。カリフォルニア以外の州200カ所以上でも連帯行動が取り組まれ、教育の民営化反対の歴史的大闘争となった。
 法大闘争をひっさげた全学連訪米団は、アメリカ学生運動と熱い合流を実現し、時代認識と路線で白熱的な議論を行った。今回かちとられた日米学生運動の国際的な団結は、実にベトナム反戦以来の歴史的地平であり、大恐慌下の新たな国際連帯の発展である。
 そして日本では何よりも動労千葉が、中野洋常任顧問(前委員長)を失った悲しみをのりこえて、怒りと不屈の決意に燃え3・12〜14の第3波ストに立ち上がった。
 国鉄1047名闘争解体と検修業務全面外注化・組織破壊の攻撃に対する、動労千葉のこの間のスト決起は、JR東日本の4月1日外注化実施計画を実力で粉砕し、逆に組織拡大をかちとる地平をつくり出している。今や当局・JR総連カクマルの制動や4者4団体派の転向・総屈服を打ち破り、青年労働者が雪崩をうって立ち上がる情勢が生み出されている。
 だが国労本部と4者4団体派は、3与党と公明党、自民党、日本共産党などの密集した大反動―1047名解雇撤回闘争の最後的解体を狙った「和解案」を「白紙委任」でのみ、許し難い全面降伏を行おうとしている。1047名解雇撤回と検修外注化阻止は、国鉄闘争の生命線であると同時に、すべての労働者の重大問題なのだ。
 今こそ1047名解雇撤回の解体策動に怒りを爆発させよう。動労千葉の3波にわたる不屈のスト決起に続き、国鉄決戦の爆発と勝利、大失業と戦争の民主党・連合政権打倒をかけて、3・20大闘争に総決起しよう。

 労働者の団結で戦争阻止へ

 現在、世界大恐慌の激化のただ中で、米帝と国際帝国主義のイラク・アフガニスタン侵略戦争が長期化・泥沼化している。危機にあえぐ米帝は、イランに対する侵略戦争の強行にさえ踏み切ろうとしている。
 中東海域には複数の米空母機動部隊が常時展開し、中東を管轄する米中央軍は、イラン核問題に対処する軍事計画を作成し、イスラエルを使った大空爆も可能だとしている。イラク・アフガニスタンに続くイラン開戦―世界戦争危機激化の情勢に、全世界の労働者は団結して大反撃すべき時だ。
 米帝オバマは「雇用創出」と「輸出2倍化」を叫び、保護主義と争闘戦=世界市場の再分割戦に訴え、他帝国主義を力ずくで粉砕する政策に踏み出している。これは侵略戦争激化と世界戦争への道だ。3・20の労働者の国際的団結で、戦争を阻止するために闘おう。
 オバマは、一般教書演説で4年ごとの国防政策見直し(QDR)でも「対テロ戦争強化」を強調し、「アフガンとイラクの二つの戦争で勝利をおさめる」と宣言した。しかし米軍のイラク完全撤退・権限移譲が計画どおりに実施できる展望はほとんどない。アフガンでもオバマは、「アフガンは『第2のベトナム』という声がある」「タリバンが盛り返してきている」と危機感と恐怖を募らせながら、大規模な掃討作戦を強行し、許し難い人民大虐殺を繰り返している。
 昨年12月1日のオバマのアフガン新戦略演説は「私は最高司令官として3万人の増派を決めた」で始まっている。わずか半年で3万人の増派は、ブッシュがイラクでやった作戦と同じだ。いや特にアフガンで、ブッシュ以上に凶悪な戦争を拡大している現在の最高司令官こそ、オバマなのである。
 だが米帝はもはや、志願兵制度も戦争継続能力も維持できなくなっている。体制崩壊の危機だ。その原因はこれらの戦争がまったく不正義の侵略戦争だからだ。しかも帝国主義の侵略戦争は、国内では労働者への階級戦争を激化させる。大恐慌下の外への侵略戦争と内への階級戦争に、労働者の職場生産点と街頭からの決起で大反撃をたたきつけよう。

 沖縄闘争は安保を揺るがす

 1995年の米兵による少女暴行事件とSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)最終報告以来の米軍基地撤去・辺野古新基地建設阻止の闘いは、いまや決定的段階を迎えた。それはついに日米安保体制そのものを揺るがし粉砕する地平をたぐり寄せた。
 普天間基地即時閉鎖・辺野古新基地建設阻止の闘いを、大恐慌下の新たな米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒の闘いとして発展させ全力で闘い抜こう。3・20はその大闘争だ。
 「普天間問題は日本による米軍基地供与を規定した日米安保条約6条の核心に行き着く。実現できないなら条約自体の信頼性にかかわる」(米戦略国際問題研究所のマイケル・グリーン)。「移設が白紙化して普天間飛行場が現状のまま固定化した場合、沖縄で全軍事施設を対象とした抗議活動に発展する危険性がある」(鳩山首相のブレーン・岡本行夫)。まさに普天間問題は、日米安保の土手っ腹をうがち、射抜いているのだ。
 「日米密約問題」の核心は、安保条約6条に関わる米軍の世界的展開と基地自由使用(朝鮮有事体制や前方展開戦略)を、沖縄や横須賀などへの「核持ち込み」を始めとした密約によって維持・保障してきたということだ。レーニンも言うように秘密外交は戦争を不可避とする帝国主義の本質的手段であり、密約は日米安保同盟そのものなのだ。
 だが、鳩山政権が労働者人民をペテンにかけ闘いを抑えつけるつもりで日米安保の根幹をなす普天間と「密約」の問題に手をつけたことは、逆に墓穴を掘るものだ。「沖縄県民の意思など斟酌(しんしゃく)する必要はない」という民主党・連合政権による労働者階級への居丈高な挑戦に、3・20で激しい怒りをたたきつけよう。
 普天間移設問題が、あたかも沖縄基地の縮小計画であるかのように宣伝されている。だが逆だ。沖縄基地は侵略最前線基地として再編強化されるのだ。基地移設は普天間の代替ではなく、まったく新しい巨大な侵略出撃基地の建設だ。米QDRでは米軍再編について「在日米軍の長期駐留」と「地域の安全保障活動の拠点としてのグアム」の双方を確かなものにすると明記しているのだ。
 「不安定の弧」に対する軍事的な要=最大拠点としてのグアム基地を、沖縄海兵隊などの移設で圧倒的に強化し、在日米軍を侵略戦争の「前方駐留」と位置づける。こうして日米安保同盟を使ったアジア・中東支配を強め貫徹しようとしているのだ。
 米帝オバマは、小沢・鳩山の「米軍駐留なき日米安保」「緊密で対等な日米同盟」「東アジア共同体構想」の対米対抗性に激しい危機感をもち、「在日米軍の長期駐留」を強調している。しかし米軍再編も米帝の世界支配も、半分は日米同盟に依存しているのだ。それを今や沖縄闘争が揺るがしている。まさに必要なのは安保粉砕と革命だ。
 沖縄基地の「県外・国外移設」の議論は、「基地=戦争」「日米安保=戦争」という核心をぼやかす害毒そのものだ。全世界の労働者階級と団結し、沖縄米軍基地撤去と日米安保粉砕へ、3・20大闘争に決起しよう。
 3・20代々木公園大集会と渋谷デモへ、職場生産点とキャンパス・街頭から大結集をかちとるために、青年労働者・学生を先頭に、残る1週間を総力で闘おう。
 2・25千葉地裁闘争に続いて3・16成田市議会闘争に決起し、団結街道廃道化粉砕・市東さんの農地死守を真っ向から掲げ、3・28三里塚現地大集会へ全国から総結集しよう。

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週刊『前進』(2431号1面2)(2010/03/15 )

 中野洋 動労千葉前委員長の逝去を悼む

 2000人が集い葬儀盛大に

 動労千葉の中野洋常任顧問(前委員長)が3月4日、逝去された。享年70。その未完の遺志を継ぎ、勝利まで闘うことを誓う。
 4年にわたる壮絶な闘病の末、中野顧問は旅立った。病苦を押して常に階級的労働運動の発展に心を配り、労働者階級解放の実現に思いをはせてきた中野顧問は、逝(い)く直前まで後進の指導に余念がなかった。
 労働運動の傑出した指導者である中野顧問を失ったことは、あまりに無念だ。中野顧問には、思い残すことが幾多もあったに違いない。
 しかし、今われわれは、労働者階級の解放を願ってやまなかった中野顧問の遺志を真に実現する決定的な情勢に立っている。世界を覆う大恐慌のただ中で、資本主義はついに終わりの時を迎えている。激しい敵愾(てきがい)心をもって動労カクマルと対決し、動労千葉の分離・独立をかちとり、国鉄分割・民営化という未曽有の攻撃に立ち向かってきた中野顧問の闘いとその指導が、今日の時代を迎え撃つわれわれの陣形と団結を築き上げている。
 だからこそ、われわれはひとときも立ち止まるわけにいかない。階級的労働運動を発展させ、プロレタリア世界革命の勝利に突き進む。それが中野顧問にこたえる道だ。
 中野顧問は、反合理化・運転保安闘争路線を基軸に団結する動労千葉と、その動労千葉を手本に労働運動の階級的発展をめざす全国労組交流センターを始めとした「動労千葉派」「11月集会派」というかけがえのない遺産を残した。その連帯は、海を越え国際的に発展している。
 今、国鉄決戦を基軸とする階級決戦は、激烈な攻防の渦中にある。1047名闘争解体の攻撃が襲いかかる一方で、動労千葉を先頭とする階級的労働運動勢力は、JR東日本の検修外注化と全面的に対決し、労働者の総反乱に向けた突破口をこじ開けている。この闘いが勝利へと着実に発展していることを見ながら、中野顧問は逝った。
 労働者を誰よりも愛し、労働者のもつ可能性に最大限の期待をかけていた中野顧問は、愛情を持ってわれわれを時に厳しく叱咤(しった)してくれた。その中野顧問は、労働者を酷使し搾取する資本や、労働者を蔑視し敵対する反革命を人一倍憎んでいた。
 われわれは、中野顧問の遺志を全面的に引き継ぐ。中野顧問の逝去に小躍りするような反革命分子は震撼(しんかん)するがよい。その浅薄な思惑など、粉みじんに打ち砕かれるであろう。
 中野顧問の逝去という形で、時代はわれわれに新たな試練を課した。だが、われわれは中野顧問の不屈の精神に導かれ、必ず勝利を切り開く。

 故人の遺志継ぎさらなる闘いへ

 7日の通夜と8日の告別式に、2000人を超える人びとが弔問に訪れた。労働者を心から愛し、信頼していた故人の人柄が、これほど多くの人びとを引きつけたのだ。海外からも多くの仲間が参列し、中野顧問の旅立ちを見送った。
 葬儀委員長を務めた動労千葉の田中康宏委員長は、労働運動にすべてをささげた故人の人生を振り返り、労働者階級解放に向けて変わらぬ夢を追い続けた故人の遺志を引き継ぎ闘う決意を万感の思いを込めて表明した(2面に掲載)。
 三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長が弔辞を読み上げ、「車の両輪として闘ってきた動労千葉と三里塚反対同盟のきずなは切っても切れないものだった」と故人の足跡を振り返り、「三里塚はあなたの遺志にこたえ必ず勝利します」と、一言一言をかみしめながら遺影に向かって語りかけた。
 韓国から駆けつけた民主労総ソウル地域本部指導委員のコジョンファンさんは、「国家を越えて労働者はひとつだということを実践しようとしたのはまさにあなたでした」「あなたの大志は常に私たちの心の中にあります」と弔辞を述べた。海を越えて、中野顧問は労働者に慕われた。
 参列者はそれぞれに花を手向け、故人との最後の別れを惜しんだ。中野顧問の遺志を胸に刻み、その思いを必ず実現すると厳粛に誓い合った。

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週刊『前進』(2431号1面3)(2010/03/15 )

前進速報版から 前進速報版から

▼ビキニデー56周年・東京で反戦反核集会▼国際婦人デー広島行動▼ギリシャで今年2波目のゼネスト▼英公務員労働者27万人がスト

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週刊『前進』(2431号1面4)(2010/03/15 )

 日程 3・28三里塚全国総決起集会

 「第3誘導路」計画粉砕! 団結街道廃止許すな!
 現闘本部の破壊を阻止し、市東さんの農地を守ろう!
 改憲阻止・軍事空港建設粉砕!
 3・28三里塚全国総決起集会
 3月28日(日)正午 成田市天神峰 反対同盟員所有地
 主催/三里塚芝山連合空港反対同盟
 【会場への行き方】JR成田、京成成田駅からタクシーで「東峰十字路」まで約2500円。車は成田インターから国道295号線に入り芝山町(空港)方向、日航ホテル手前で小見川県道を小見川方向へ。

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週刊『前進』(2431号1面5)(2010/03/15 )

 日程 イラク反戦7周年全世界一斉デモ

 〈改憲・戦争、民営化・外注化、労組破壊>攻撃粉砕!
 国鉄1047名解雇撤回―沖縄の怒りで鳩山政権ぶっ飛ばせ!
 3・20ワーカーズアクションin渋谷
 3月20日(土)午後1時 東京代々木公園B地区野外ステージ
 主催/ワーカーズアクション実行委員会
 ※集会後、渋谷デモを行います

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週刊『前進』(2431号2面1)(2010/03/15 )

 労働者を愛し労働運動にかけた生涯

 中野さんの遺志継ぎ労働者解放を誓う

国鉄千葉動力車労働組合結成大会(1979年3月30日)

全国労組交流センター第1回総会。右は佐藤芳夫さん(94年2月19〜20日


 動労千葉の中野洋前委員長の通夜と告別式には、動労千葉の組合員やOBはもとより、11月全国労働者集会をともに闘ってきた全日建運輸連帯労組関生支部や全国金属機械労組港合同を始めとする広範な労働組合、さらに三里塚芝山連合空港反対同盟を始めとする闘う人民など全国各地から実に多くの人びとが参列した。固い国際連帯の絆(きずな)で結ばれた韓国・民主労総ソウル本部のイジェヨン指導委員、コジョンファン指導委員らも駆けつけた。あらためて日本階級闘争と戦後労働運動における中野さんの存在の大きさを実感させた。葬儀委員長を務めた田中康宏動労千葉委員長のあいさつ、三里塚反対同盟の北原鉱治事務局長と民主労総ソウル本部のコジョンファン指導委員の弔辞、会場で朗読された海外からの2通の弔電を紹介します。(編集局)

 葬儀委員長あいさつ 中野顧問の“見果てぬ夢”引き継ぎ 国鉄千葉動力車労働組合委員長 田中康宏さん

 本日は、お忙しい中を参列いただきましてまことにありがとうございます。故人は、自分の近くに人を集めて話をするのが何よりも大好きな人でしたので、今日は本当に喜んでいることと思います。
 実は4年少し前に胆管にガンが発見され、医者には手術もできないと言われました。「年内には起きられなくなるでしょう」というのがその時の医者のご意見でした。それから4〜5年間、私はそばで見ていましたが、本人は本当に頑張ったんです。
 中野顧問にはやりたいこと、やらなければいけないことが頭の中にはまだまだ山ほど詰まっていて、見果てぬ夢がいっぱいあったと思います。1959年国鉄入社ですからちょうど半世紀、労働運動にすべての人生を捧(ささ)げた人でした。労働者が大好きで、泣き、笑い、怒り、こういう一人ひとりの労働者が本当に大好きで「労働者が団結した時には何でもできるんだよ」と言い続けてきました。労働組合というのは本当に素晴らしいものなんだ、だから自分は一生これに人生のすべてをかけるんだ。これが彼の生き方でした。
 でも現実の労働組合はそうではないということに本当に烈火のごとく怒り、この現状を変えるために50年間、半世紀を費やしました。いわばその結晶が動労千葉です。
 ですから動労千葉は、中野顧問のあの人情深さ、人なつっこさが乗り移って、本当に人間くさい家族以上の団結をした労働組合になりました。僕は中野顧問が残してくれた動労千葉が、本当に他の何にも代えがたい宝石だと思ってずっとやってまいりました。
 本人は国鉄に就職してからちょうど半世紀、やれることをやり尽くしたと思っているんです。あと、彼の見果てぬ夢は、残された私たちが引き継ぐ決意でおります。
 まだまだ私は、本当に中野顧問の足元にも及びません。でも、中野顧問がやってきたことを一つも割り引かず、それに付け加えることもなく、同じことをやり続けたい。私たちが願っていることは、社会のすべてを動かしている労働者が胸を張り、一歩でも前に進み、明るい顔をすることです。それだけを目ざして顧問の遺志を引き継ぎたいと思っています。
 労働運動に本当にすべてを捧げた方ですから、ご家族には本当にご迷惑をかけながら組合員に尽くしてくれました。私からもお礼を申し上げたいと思います。
 本日は本当にありがとうございました。
あなたが心砕いた三里塚は勝利する

 弔辞 あなたが心砕いた三里塚は勝利する 三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長 北原鉱治さん

 中野洋さん! あなたの突然の訃報(ふほう)に大変驚いています。「早すぎる! もっともっと長く生きてほしかった」というのが率直な気持ちです。本当に惜しい人物を亡くしたと残念な思いでいっぱいです。
 思えば、あなたとの出会いは三里塚闘争が始まった翌年の1967年でした。それ以来、動労千葉と空港反対同盟は「車の両輪」として固い絆のもとで今日まで闘い続けてきました。とりわけ、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争のときには、当時の委員長であった関川さんと書記長であった中野さんの3人で深夜2時ごろまで闘争をめぐって真剣に語りあったことを鮮明に覚えています。「労働者には労働者としての闘いがある。労働者が職場を追われることは、農民が農地を奪われることと同じ。労働者の闘いと農民の闘いは一体のものだ」と、お互いの共闘関係を深めました。そして動労千葉の労働者のみなさんは鉄路を武器に、ストライキでジェット燃料貨車輸送阻止闘争に決起し、5名もの解雇処分攻撃を受けながらも三里塚闘争をわがものとして闘い抜かれました。この歴史的闘いを契機にして反対同盟と動労千葉との絆は切っても切れないものとなりました。
 しかしこの闘いに対して動労本部が「三里塚闘争との絶縁」を迫り、あらゆる妨害や破壊攻撃をかけてきましたが、これを断固としてはね返して動労千葉は本部からの分離・独立をかちとり、労農連帯を不動のものとして今日まで闘ってこられました。労働者の皆さんは「一人は万人のために、万人は一人のために」を実践して、仲間を絶対に見捨てない、裏切らない闘いを資本・国鉄当局と真っ向から対決して貫いて来られました。私たち反対同盟も国家権力と不屈・非妥協で「空港絶対反対・農地死守、実力闘争、一切の話し合い拒否」の闘いを44年にわたって貫き、今なお国策を阻み続けて、敵を追いつめています。
 あなたが先頭に立って牽引(けんいん)してきた動労千葉の闘いは、いまや韓国、アメリカ、ブラジル、ドイツなど国際連帯の拡大を切り開くに至っています。世界の労働者人民と連帯して社会を変えようという、あなたが目指した闘いは大きく発展しつつあります。
 看護にあたった動労千葉の同志から、意識が行きつ戻りつする中で、中野さんは北原の名を呼んでいたとお聞きしました。最期まで三里塚の勝利のために心を砕いて下さったことに、身の震えを抑えることができません。
 洋さん、本当に長い間頑張ってこられました。あなたが切り開いた足跡は決して消えることはありません。三里塚はあなたの遺志にこたえ必ず勝利します。そしてそれは必ずや多くの若い青年労働者に引き継がれるでしょう。どうか安らかに眠って下さい。
国家越え“労働者
はひとつ”を実践

 国家越え“労働者はひとつ”を実践 韓国・民主労総ソウル地域本部指導委員 コジョンファンさん

 中野同志!
 あなたとは7年前に民主労総ソウル本部で初めてお会いしましたね。私たちは互いに言葉は通じなかったものの、労働者だというその一点で連帯を始めました。
 誰も手を付けようとしなかった国家を越えて労働者は一つだということを実践しようとしたのはまさにあなたでした。あなたが踏み出されたその1歩を、韓国民主労総ソウル本部の労働者が2歩、3歩とさらに前に進めるために努力します。
 あなたの献身的な労働運動と理念、実践と闘い。私たちはそのすべてを尊敬します。そして大切にします。
 生涯を労働者のために生き、そして逝かれたあなたを私たちは絶対に忘れません。また忘れることもできません。
 あなたが恋しくなった時、あなたの歩んでこられた道が無駄にならぬよう、韓日労働者の連帯をさらに打ち固めるよう努力します。
 中野同志よ! 安らかにお眠り下さい。あなたの大志は常に私たちの胸の中にあります。ご心配なさらずに安らかにほほ笑んで下さい。
 この世で成し遂げられなかった労働解放。あの世の労働者解放の世の中で、あなたの大志をとどろかせて生きて下さるようお願いします。
 同志よ! 私は悲しい。しかし立ち上がります。

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週刊『前進』(2431号2面2)(2010/03/15 )

 海外からの弔電

 深い哀悼と弔意を表明します 韓国・チョンテイルに続くサイバー労働大学代表 キムスンホさん

  貴労働組合の中野顧問の逝去に深い哀悼とともに弔意を表明します。
 事情により、告別式に出席できないことを遺憾に思いつつ、同志たちのご理解をいただければと思います。
 国鉄1047名解雇撤回闘争、検修全面外注化阻止、強制配転反対など、貴労組の闘いによい結果がもたらされることを祈念します。

 新自由主義との闘いの指導者 ILWU(国際港湾倉庫労働組合)第10支部 ジャック・ヘイマンさん

 今朝早く中野さんが亡くなられたとの知らせを受け、深い悲しみに暮れています。
 この事態を、今朝ユニオンホールに集まった幾人かの港湾労働者に伝え、彼らからもお悔やみのあいさつを送るよう要請されました。
 過去何年かにわたり、動労千葉が呼びかける集会・デモや国際会議に参加してきたILWUの代表者たちになり替わり、動労千葉に対して、ここに心からのお悔やみをお伝え致します。
 日本と世界の労働者階級は、その断固とした指導者を失いました。中野洋は動労千葉の創設者であり前委員長であっただけではなく、日本と世界の労働運動の解体を狙う新自由主義諸策に対する闘いの重要な指導者でした。労組官僚たちが、一層の抑圧と安全無視の労働条件を意味したこれらの政策の実施に協力していった時、中野さんは、この攻撃に反対する鉄道労働者など多くの労働者を動員していくため、困難だけれど必須の闘いを実現しました。
 幸運なことに私は彼の生前に、彼ととても有意義な話し合いをもつ機会を得ました。彼の労働運動への貢献は、世界中の労働者の記憶にとどめられるでしょう。
 私たちが中野さんを追悼できる最善の道は、民営化と労働者の非正規職化と闘い、帝国主義戦争に執拗(しつよう)に反対していくため彼の階級闘争路線を継承していくことです。
 同志的抱擁をもって。

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週刊『前進』(2431号2面3)(2010/03/15 )

 ■中野洋さん略歴■

船橋事故闘争(76年1月26日)
ジェット燃料輸送延長阻止スト(81年3月)
国鉄分割・民営化絶対反対を掲げ日比谷野音で第1波スト突入を宣言(85年11月17日)

1940年2月12日生まれ
1959年 国鉄入社
1963年 動労千葉地方本部 青年部長
1965年 千葉県反戦青年委員会結成、同議長就任。ベトナム反戦、安保・沖縄、三里塚の闘いに決起
1969年 動労千葉地本千葉支部支部長
1972年3月〜 船橋事故闘争。地本執行部の無方針を突き破り闘いを展開
1973年9月 動労千葉地本書記長
1977年12月〜78年3月
ジェット燃料貨車輸送阻止・100日間闘争を指導
1979年3月 動労本部から分離・独立、国鉄千葉動力車労働組合結成。同書記長
1979年12月 79春闘ストとジェット闘争の指導を理由に公労法解雇
1981年3月 ジェット燃料輸送延長阻止闘争を指導
1983年10月 動労千葉委員長
1985年11月〜86年2月 国鉄分割・民営化反対の2波のストを指導
1989年2月 佐藤芳夫・元中立労連議長とともに全国労組交流センター結成を呼びかけ、同代表
1991年5月 反戦共同行動委員会結成、同代表
1994年9月 闘う労働運動の新しい全国潮流をめざす労働者集会。新潮流運動スタート
1998年11月 全日建運輸連帯労組関生支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組が呼びかける11月全国労働者総決起集会を開始
2001年4月 労働者学習センター発足、同代表
2001年10月 動労千葉委員長を勇退、同常任顧問
2010年3月4日逝去。享年70


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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週刊『前進』(2431号2面4)(2010/03/15 )

 国労解散策す裏切り者を倒せ

 1047名解雇撤回を貫こう

 全面降伏に走る4者4団体幹部

 国鉄1047名闘争は最大の決戦局面を迎えた。民主党・連合政権とそれに屈した4者4団体幹部は、1047名闘争の解体に全力を挙げている。だが、その対極で動労千葉−動労総連合を先頭に激しく闘われている検修外注化阻止決戦は、JR体制打倒の展望を確実に切り開いている。
 国交相の前原が3月9日の記者会見で、与党3党と公明党がまとめた「解決案」について、「裁判所の判断よりかなり金額的に上積みされていて、はい分かりました、と言える内容でない」などと発言したことが報じられた。支配階級は4者4団体が掲げる「雇用・年金・解決金」の要求に対し、ゼロ回答を突きつけ、みじめな屈服を迫ってきたのだ。
 権力の意志がむき出しとなる中で、あくまで解雇撤回・JR復帰まで闘う決意を固めた闘争団員が、4者4団体幹部に公然と反旗を翻す情勢が訪れている。
 だが、国労本部を始めとする4者4団体幹部は、3月中にも出される政府の「解決案」が示されれば、それがどんな内容であれ丸のみし、1047名闘争を終結させようと策している。
 それは、国労本部が国労を自ら解散し、連合に合流しようとたくらんでいるからだ。そのために彼らは、闘う組合員を国労から放逐することさえ策している。自治労社保労組解散の過程で、分限免職者は組合員資格を奪われた。それと同じことを、国労本部は強行しようとしているのだ。
 だが、1047名当該はもとより、JR資本の横暴と立ち向かい、国労にとどまってきた現場組合員は、断じてこんな暴挙を認めない。00年の4党合意をめぐる攻防をはるかに超えて、裏切り執行部打倒へ根底的な怒りをたたきつける時が来たのである。5・27臨大闘争弾圧被告団は、この攻防に勝利する突撃路をすでにこじ開けている。
 今、深刻な危機にあるのは民主党・連合政権と資本の側だ。1047名闘争をたたきつぶさなければ、彼らは支配を維持できない。だから民主党・連合政権は、心にもない甘言をも弄(ろう)しつつ、あらゆる手段で1047名闘争を解体しようと必死なのだ。
 これは、1047名が解雇撤回の原則を頑強に貫けば、勝利を実力でもぎりとることができる局面が到来したことを意味している。

 外注化を阻止しJR体制打倒を

 JR東日本の検修外注化4月1日実施は、もはや全面破産した。動労千葉を先頭とする闘いは、JRをそこまで追いつめたのだ。東労組カクマルのファシスト的制動をぶち破り、青年労働者の決起が開始されている。
 青年労働者の外注化への怒りは、JRを根幹から揺るがしている。JRは、この青年たちが動労千葉−動労総連合に結集することに恐れおののき、それを食い止めようとすることで手一杯だ。
 もちろんJRは外注化を断念してはいない。だから、一切の攻撃は動労千葉の組織破壊に集中している。だが、動労千葉は中野洋前委員長の逝去という試練をのりこえ、総力でこの攻撃を跳ね返している。動労千葉は3月12〜14日、第3波ストでJRを追撃した。
 外注化をめぐる攻防は数年がかりの決戦となった。情勢の主導権は労働者が握っている。外注化阻止決戦を貫く中で、JR体制打倒の展望は確実に開かれる。この闘いと結合してこそ1047名闘争は勝利できるのだ。

 鳩山政権と対決する3・20闘争へ

 この時に、4者4団体一部幹部は、解雇撤回を投げ捨て、1047名闘争を解体し、国労を解散しようとしているのだ。
 大恐慌は一層深化し、首切りと賃下げ・非正規職化の攻撃が激しく吹き荒れている。民主党・連合政権は社保庁や日航の労働者の首を切り、また道州制導入を狙っている。この攻撃は、北教組への大弾圧に示されるように、労働組合の全面否定にまで行き着くのだ。
 1047名闘争はこうした攻撃への抵抗拠点をなしている。その解体を策す極悪幹部は、資本・権力の完全な手先となったのだ。まして国労解散とは、文字どおり戦後労働運動を最後的に葬り去るということだ。
 1047名解雇撤回を不屈に貫き、国労解散策動を真っ向から粉砕して、民主党・連合政権打倒へ闘おう。3・20闘争へ総決起しよう。

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週刊『前進』(2431号3面1)(2010/03/15 )

 国際婦人デー各地で

 東京 “女性が団結の中心に” 170人が国鉄決戦勝利へ熱気

「民主党・連合政権打倒」を訴え、池袋の繁華街を元気にデモ(3月7日)
 今年の3・8国際婦人デー行動は、3月6日・7日の両日にわたって、仙台・相模原(6日)、東京・大阪・広島・福岡(7日)の全国6カ所で行われた。以下、東京と大阪の報告を掲載します。(編集局)
 3月7日、東京・コアいけぶくろで2010年3・8国際婦人デー行動「労働者民衆に力あり! 国鉄1047名解雇撤回 戦争と大失業の民主党・連合政権打倒!」が開催され、首都圏から女性労働者、青年・学生ら170人が結集し、熱気あふれる集会とデモを行った。
 司会は東京労組交流センター女性部と婦人民主クラブ全国協議会豊島支部が担った。冒頭、動労千葉の中野洋前委員長を追悼して黙祷(もくとう)を行い、「故人の遺志を継ぎ、元気に集会とデモをやりとげよう」と確認した。
 三里塚芝山連合空港反対同盟婦人行動隊の宮本麻子さんは、千葉地裁仲戸川裁判長による2月25日の現闘本部裁判の極反動判決に怒りを表明し、団結街道廃道化攻撃を徹底弾劾した。
 2月に続いて3月1〜2日のストライキに立ち上がった動労千葉の中村仁執行委員が「労働者には売れないものがある。解雇は撤回しかない。4者4団体派のように闘争を終わらせたら、国鉄分割・民営化が正しかったことになる。今のような世の中が正しいことになる。僕たちが23年闘ってきたのは自分のためだけじゃない。若い人が暮らしていけない、こんな世の中を変えよう」と訴え、重大局面に入った国鉄1047名闘争への動労千葉の決意を語った。
 続いて部落解放同盟全国連杉並支部の田中れい子支部長と品川支部の代表が、前進社本社を武装襲撃して権力の手先に転落した全国連中央本部を徹底的に弾劾し、「階級の団結で真の部落解放運動を闘いとっていく」と訴えた。
 国際婦人デーの基調を婦民全国協会員の東京の自治体労働者が提起した。「革命的大動乱の時代、団結して闘えば大恐慌から戦争に行く道を変えることができる。前人未到の闘いだからこそ、わくわくしながらやっていこう。女性労働者が先頭に立って闘おう」と確信に満ちて提起した。
 続く「闘いの報告」では、医療の現場で資本と一体化した共産党と対決して勝利している闘いが報告された。神奈川ジェコー労組行田分会の女性労働者は、7年間の深夜連続労働ゆえの身体破壊を徹底弾劾し、資本と闘う宣言を行った。教育労働者は単組権力戦で「現執行部打倒」を訴えて青年とともに大躍進したことを報告。
 婦民全国協は、退職強要と闘う会員の報告と、「今こそ婦民全国協を各地につくろう」という呼びかけ。全学連は、教育の民営化粉砕の闘いを訴え、海を越えて米カリフォルニア全土で闘われている100万人のゼネストに全学連が決起していること、それと呼応して法大を先頭に闘いが爆発している様子を生き生きと語った。
 ワーカーズアクション実行委員会の青年は「イラク反戦、沖縄闘争、国鉄決戦を掲げた3・20集会に参加を」と発言。東京労組交流センター女性部の自治体労働者が4・28沖縄闘争を呼びかけた。さらに5月入管集会への参加が訴えられた。
 最後に「成田市による天神峰団結街道(市道)廃道化絶対反対」の決議を採択し、集会実行委員会が「星野文昭さんにはがきを送ろう」と呼びかけた。労組交流センター全国女性部長の長谷川ユキさんがまとめと「団結ガンバロー」を行って、デモに打って出た。
(写真 「私たちには力がある! 闘えば絶対に勝てる!」。力強い基調報告に熱い共感)

 関西 “階級全体に責任とろう” 資本・権力・体制内派と激突を

 3月7日、関西の3・8国際婦人デー闘争が大阪・阿倍野区民センターで開催され、70人の結集で大成功した。
 冒頭、国賀祥司・泉佐野市議会議員と関西労組交流センターが連帯のあいさつを行った。
 続いて婦人民主クラブ関西ブロック代表の山本美知子さんが基調報告を行った。「@昨年8・30で自民党支配が終わり、民主党・連合政権が登場し、革命的大動乱の時代が始まった。労働者階級自身が主人公の社会をつくる時が来た。A昨年の2・26西郡決戦、そして3・6国際婦人デー闘争から1年の勝利をかちとった力こそ〈時代認識〉と〈絶対反対〉〈階級的団結〉の路線だ。B3月外注化阻止決戦の爆発へ。資本・権力との非和解を貫き、体制内労組幹部との激突をとおして、婦民を先頭に女性労働者・労働者家族丸ごとの決起で闘おう!」という3点をポイントに、日々の実践と格闘の中でつかんできた確信を提起した。
 次にパネルディスカッション&フリートークに移った。国労5・27臨大闘争弾圧被告の東元さんは、国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる「解決案」はまったくのデマであることを暴き、「自分の職場の廃止攻撃を第2の国鉄決戦として闘う」と決意を述べた。また「5・27裁判は、旧弁護団の解任をとおして階級裁判として自己解放的に闘えるようになった。病気だって闘える。これが自分の誇りだ」という発言は、全参加者に感動を与えた。
 関西合同労組の東理恵さんと八尾北医療センター労組の灰垣美佐子さんは、労働者階級の自己解放性にかけきってストを決断して貫徹するまでの格闘を語り、労働者階級全体に責任を取る闘いへの決意を表明した。豊中市職女性部の深町加代子さんは「絶対反対で屹立(きつりつ)して、労働者の団結にこだわってきた。体制内労組幹部と激突する中で、それまでの友人などが去っても、闘う団結をつくることは必ずできる」と述べた。
 こうした討論を受けて、婦民大阪北支部、大阪南支部、阪神読者会、奈良市従業員組合、学生、高槻医療労組・団結グループ、関西合同労組かねひろ分会、ス労自主などから活発な発言が続いた。「闘えば勝てる」という確信を全参加者がつかんだ集会だった。
(写真 「革命的大動乱の時代、階級的団結を」と訴える基調報告を聞く参加者【3月7日 大阪】)

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週刊『前進』(2431号3面2)(2010/03/15 )

 学校現場の怒りは爆発寸前だ

 不起立闘争で団結し公教育の民営化粉砕-日教組本部打倒へ

 国鉄1047名解雇撤回闘争の解体攻撃、そして北教組弾圧は絶対に許せない。民主党・連合政権とすべての体制内勢力が、渦巻く労働者の怒りと革命的情勢を恐れ、労働者の団結を破壊するために全力で襲いかかっている。この決戦に勝利し、労働者が総反乱に打って出る時がきた。
 学校現場にも爆発寸前の怒りが充満している。以下、神奈川県内を中心に現場の実態を暴き、闘いへの決起を訴えたい。

 時給810円の現実! “普通の工場なら暴動”

 「時給810円」――神奈川県内の中学校で再任用職員(定年後の再雇用)として働くAさんの1カ月の賃金を実働時間に換算したものだ。神奈川県の最低賃金は789円。膨大な教育労働者が実際には最低賃金ギリギリで働かされている。
 Aさんの再任用職員の契約は週20時間。しかし学校という現場の仕事はは細切れの時間の労働では成立しない。授業を受け持つには、学校や生徒の状況を把握するため朝の打ち合わせから出勤せざるを得ない。仕事は授業だけではない。授業準備や試験問題の作成・採点、成績つけ、生徒との討論など授業時間以外の仕事も山積みだ。1日4時間の勤務ではそもそも不可能で、ただ働きすることが前提なのだ。
 06年、小泉の「三位一体」改革で義務教育費国庫負担金は2分の1から3分の1に減額された。先立つ04年には各都道府県が国庫負担金の枠内で賃金水準や教職員数を決定できる総額裁量制が導入された。これと年金給付年齢の引き上げにより、再任用職員は急増。「年金破綻」と国家・県財政破綻のつけを60歳以上の労働者に払わせている。JR職場で定年退職者を「エルダー社員」として低賃金で酷使しているのと同じだ。
 総額裁量制導入と義務教育費国庫負担金の減額は、同時に膨大な青年労働者を非正規職にした。
 「普通の工場ならもう暴動ですよ!」――神奈川県内の小学校で臨時任用職員(フルタイムの非正規職員)として働く青年労働者Bさんは怒りを吐き出すように言った。小学校も午後8時、9時までの残業が当たり前だ。非正規職員であっても、夕方に行われる会議や打ち合わせを欠席すると翌日の仕事ができない。結局、正規職教員と同じ仕事をやる。しかし賃金はまったく違う。
 非常勤職員(パートタイムの非正規職員)になるとさらにめちゃくちゃだ。契約は年単位だが、賃金は授業時間分しか出ない。授業準備や採点はただ働きが前提。しかも長期休業中(夏休みなど授業のない期間)は賃金がまったく出ない。「教育者」の美名のもとで行われる奴隷労働だ。
 非常勤として働く青年労働者Cさんは、常に学校と二つの塾のアルバイトを掛け持ちするトリプルジョブ。賃金のない長期休業中はさらに派遣の仕事もしている。心も体もクタクタだ。それでも長期休業中は本当にギリギリの生活だ。
 Bさんは続ける。「教育委員会は教員の使命感につけ込んでいる。労働組合だって一緒だ!」
 非正規職員の激増は正規職員の多忙化=労働強化に拍車をかけている。神奈川県内の中学校のアンケート調査では、4割が「過労死ライン」の月80時間以上の時間外勤務。休日出勤を含めると職場の半数を超える。1カ月まったく休みを取れなかった労働者も2割。過去最多の8578人の病気休職者(文科省調査、08年度、全国)の背景がこの実態だ。
 新人教員の試用期間1年後の不採用が全国で315人。うち3割の88人が精神疾患による依願退職だ。自殺に追い込まれたケースも後を絶たない。青年労働者を食べていけない現実に突き落とし、病気に追いやり、殺している。これほど異常な職場がどこにあるか!

 外注化の進行で学校は偽装請負のオンパレード

 教育現場の非正規職化は外注化と一体だ。外注化が今、学校を解体し、公教育を破壊し、資本を肥え太らせている。しかも実態は違法・脱法行為のオンパレードだ。
 小学校での英語教育の開始も契機に小中高校に多数の英語補助教員(ALT)が導入されている。これまではJETプログラム(=語学指導等を行う外国青年招致事業)という国が窓口になり自治体が雇用者となる制度での導入がほとんどだったが、全国で民間委託=外注化が進み、今やALTの75%がインタラックなどの英語教員派遣会社による請負だ。
 神奈川県でも、JETによるものが05年のピーク時の44人から08年には10人に。徹底した民営化を推進した前市長・中田のもとで横浜市ではピークの51人(01年)からたった1人(08年)に。09年には全面委託した。これまで働いていた外国人教員は解雇。まさに外注化は首切りと非正規化職化だ。しかもALTとして派遣されてくる労働者はネットなどをつうじて職を求めて海外からやってきた青年労働者だ。
 業務請負である以上、本来現場の教員がALTに指導することや、ともに作業を行うことは「偽装請負」だ。しかし実際には授業の打ち合わせなどは不可欠。そもそも教育現場で業務請負など成立するはずがない。「偽装請負」が日常化されている。他方で「目の前のALTに指示してもらうため電話してくる先生もいる」(英語教育関連会社)という考えられない事態も起きている。
 しかも、外国人教員たちはこれまでの自治体雇用の半分以下の賃金で働かされている。さらに賃金の遅配も日常茶飯事。食べていくこともできないケースも多い。外注化で安く請け負った上、資本が低賃金でさらに労働者を買いたたく。資本が教育であくどくもうけている。あまりに過酷な労働条件に、逃げ出すALTもいるほどだ。
 外注化は今、学校で激しく進んでいる。学校給食や学校用務、学校事務の民間委託だ。神奈川県でも学校用務は座間市などが100%。学校給食も全県で22%を超える。東京では学習塾と連携し授業の委託も始まっている。どれも請負だ。しかし、不測の事態の多い学校現場でそれぞれが別個に対応していくことなど不可能だ。実際は「偽装請負」が横行している。
 違法・脱法行為のたまり場になっているのが、外注化と非正規職化として起こっている「教育の民営化」の実態だ。学校は解体され、資本に食い散らされ、労働者が奴隷にされる。
 臨時任用や非常勤という非正規職、そしてALT。学校が青年労働者たちを生きられない現実にたたき込み、青年労働者の未来と子どもの教育を食いつぶしているのだ。

 奴隷労働を強制している元凶は体制内組合幹部

 こんな現実をつくり出したのは一体誰だ!
 まず、県・市当局であり、資本だ。「学習指導要領に基づく適正な指導」と言って「日の丸・君が代」を強制してきたのはどこのどいつだ! 「授業の指揮・管理権限は教育委員会や校長にある」と言い続けてきたのは誰だ! 他方でもうけのためなら違法・脱法行為もお構いなし。英語教員派遣企業は教育委員会に対して「(請負の方が)労組を結成される問題がない」「団体交渉の義務がない」と吹聴してまで売り込んでいる。
 そして当局と一体となった体制内労組指導部だ。世界大恐慌がもたらした戦争と大失業の中で、日教組本部の最大方針は「子どもの貧困」に対する「労働教育」だ。
 「労働教育」とは、子どもたちに労働者としての権利を教えることだと言う。しかし、当の教育労働者こそ、違法超勤と非正規職化、低賃金、揚げ句の果てに「偽装請負」という脱法行為にさらされている。この現実と闘わず、教室で子どもに労働者の権利を語ることが組合の方針だというのだ。こんなペテン、マヤカシがあるか!
 Bさんが言うように体制内組合幹部は当局と同じように”教師であること”につけこみ、当局と一体で教育労働者に奴隷労働を強いている。日教組本部は資本や当局の最悪の手先だ!
 当局・資本と体制内労組幹部の結託体制をぶち破らない限り、教育労働者の現実は1ミリも変わらない。日教組本部打倒、鳩山民主党・連合政権打倒こそ教育労働者の未来を切り開く闘いだ。

 北教組への不当弾圧に全国から総反撃しよう!

 すべては国鉄分割・民営化から始まった。労組破壊、公的部門の解体と資本による収奪。今や鉄道の安全崩壊、教育、医療・福祉の破壊が労働者・学生の命と未来を奪っている。今こそ「一人は万人のために、万人は一人のために」の労働組合の原点に立ち返り、よみがえらせる時がやってきた。1047名解雇撤回で団結し、労働者・学生の未来を奪い返そう。
 北教組弾圧の根底にあるのは労働者階級の総反乱への恐怖だ。1047名闘争解体攻撃と一体だ。しかし団結して闘えば絶対に勝てる。動労千葉は検修外注化の4・1実施を阻んだ。青年教育労働者は動労千葉平成採の決起に続こう。民主党と一体で北教組を弾圧する日教組本部を倒そう。
 「営業権」のために大学を憲法停止状態にたたき込む法大の現実は、全教育労働者の現実と一つだ。教育の民営化と対決した3・4カリフォルニアの労学100万人ストライキに続こう。
 職務命令による強制を「内心の問題」として逃げ回り、「日の丸・君が代」不起立闘争を弾圧する体制内組合幹部。これでどうして労働運動が成立するのか! 教育の民営化がここまで進んできたのは、日教組本部が不起立闘争の弾圧者となり、職場闘争に敵対して職場支配権を投げ捨ててきたからだ。この労働運動の現実を変革しない限り何も変わらない。
 不起立闘争を貫いてきた動労千葉派が教育労働者の未来を切り開こう。不起立闘争こそ日教組本部打倒のランク&ファイルの大運動だ。そして公教育の解体=教育の民営化を粉砕する力だ。今春不起立闘争から3・20イラク反戦闘争に立とう。
 (芹 誠一)

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週刊『前進』(2431号3面3)(2010/03/15 )

 関合労大和分会 岡田分会長を直ちに奪還しよう

 組合つぶし狙い「詐欺」デッチあげ

 5カ月の長期勾留は無実の証明

 私たち関西合同労組大和分会は、国家権力による組合つぶしの不当極まる弾圧と非妥協で闘い抜いています。
 昨年10月14日早朝、兵庫県警公安3課は岡田尚分会長を「失業等給付金詐取」をデッチあげて不当逮捕しました。さらに許せないことに、神戸地方検察庁は11月2日に不当起訴し、神戸地方裁判所は「罪証隠滅のおそれ」なる理由にならない理由で5カ月が過ぎた今も岡田分会長を勾留し続けています。
 この逮捕―起訴が完全なデッチあげであることは、不当逮捕直後の兵庫県警公安3課自身の言葉によって完全に証明されています。公安3課の佐野修は「いつまでも否認していると足利事件の菅家さんのように出られなくなるぞ」と脅し、家族を使って否認をやめさせようとしたのです。怒った家族が「夫は無実だ。なんで公安3課が出てくるのか。別件逮捕じゃないか」と詰め寄ると、佐野は「別件逮捕であることは否定しない。本当の目的は、岡田が自分の意志で組合運動をやっているのかを見極めるためだ」と居直ったのです。
 さらに、取り調べにあたった刑事は、岡田分会長に向かって「お前のとこの組合は会社と一緒につぶれたはずなのに、まだ生きている。このことに一番腹が立つんや」と怒鳴りました。兵庫県警公安3課は組合つぶしだけを目的にして岡田分会長をデッチあげ逮捕し、神戸地裁は公安検事の言いなりで5カ月以上も不当勾留を続けているのです。こんなことは絶対に許しておけません!
 岡田分会長は獄中から「長期勾留こそ『詐欺』の証拠がないことの証明です。この裁判を、公安警察と公安検事に対する弾劾裁判に転化して徹底的に闘う! 国労5・27臨大闘争弾圧被告団の歴史的勝利、法大弾圧被告8学生全員奪還の勝利に続いて必ず勝利する!」と訴え、怒りを込めて闘っています。
 「失業等給付金詐取」容疑は事実無根のデッチあげです。ハローワークや税務署は逮捕までの2年近く、岡田さんに問い合わせや請求をしたことはまったくありません。そしていきなりの逮捕。デタラメだらけです。逮捕を指揮したのが公安3課(政治警察)であることを見ても、この「事件」が「詐欺」などではなく、労働組合・労働運動つぶしの政治弾圧であることは明らかです。
 私たちは1995年に関西合同労働組合大和分会を結成し、岡田さんは分会長として先頭で頑張ってきました。職場である大和設計の2007年倒産=組合つぶしを許さずに、さまざまな困難をのりこえてより一層、労働者階級の団結を固めて前進してきました。
 今回の弾圧は、民主党・連合政権の首切り・倒産攻撃によって大量の失業者が生み出されている中で、私たちの闘いが多くの失業者と合流して爆発的に発展することを恐れた予防弾圧です。追い詰められているのは資本家であり国家権力の側です。私たちが資本と国家権力を追い詰めていることに自信を持ってさらに闘い抜きます。
 神戸地裁は無実の岡田分会長を保釈しろ! 神戸拘置所内で闘う岡田分会長を1日も早く奪還しよう!
 (関西合同労組大和分会 武田一豪)
(写真 岡田分会長の釈放を求めて神戸地裁行動【2月2日】)

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週刊『前進』(2431号4面1)(2010/03/15 )

 全学連訪米団 バークレー校ストを共に闘う

 “教育費削減と民営化を許さない”

 カ州100万教育ゼネストと合流

バークレーからオークランドへ道幅一杯を占拠した大デモを貫徹した。色鮮やかな全学連の横断幕に熱い注目が集まった(3月4日)

 3月4日、米カリフォルニア大学バークレー校で教育の民営化に反対する全学的大ストが敢行され、全学連訪米団6人がともに決起した。このストを中軸に全州で100万人がゼネストに合流。州の財政破綻と教育予算の大幅削減、教育労働者の大量解雇、学費の超大幅値上げ、公教育の破壊と民営化に対する、学生と労働者の怒りの総決起となった。全学連とアメリカ学生運動とのこの歴史的な合流は、世界の階級闘争の歴史的な転換点となった。(次号以降に続報)
(写真 全学連は「教育の民営化粉砕! 団結」と大書した横断幕を掲げピケをともに守りぬいた【3月4日】)
 早朝7時半より「セイザー・ゲート」と呼ばれる正門にピケットラインが張られた。全学連も前日にバークレーの学生たちと作った「団結」横断幕を掲げてスクラムを組んだ。ハンドマイクでのコールが始まった。
 「削減も値上げも反対! 教育を無償に!」
 1964年、この同じ場所、セイザー・ゲートとスプラウル・ホール前の広場に学生が大挙結集し、フリースピーチ運動(政治活動禁止への抗議)が大爆発した。バークレーはその反権力と自由の気風に満ちた大学ゆえに、その後、新自由主義攻撃の発端を作ったレーガンによる学生運動つぶしの標的となった。
 ストに参加した学生にマスコミのカメラやマイクが向けられる。コールが続く中で気温も上がり、数十人のピケットが百人、数百人と増え、色とりどりの旗、幕、プラカードが密集し熱気が高まる。大学職員の組合も参加し、高校生たちも駆けつけた。時おりピケットを越えて通ろうとする者がいると、学生たちは総出で説得してピケットを守った。法大闘争で鍛えた日本の訪米団も全力でコールを唱和し、ともにピケを守りぬいた。
 正午、広場の熱気は最高潮に高まり、満を持して学生たちはキャンパスから飛び出した。大学前の目抜き通り・テレグラフアベニューの十字路に大スピーカーを搭載したトラックを停め、大集会が始まった。学生・労働者が教育破壊攻撃に満身の怒りをアピールした。
 午後1時、テレグラフ通りを大デモ行進。オークランドまで6マイル(8`)の長大コースを速いペースで進んだ。広い道路がデモで完全に占拠され、奔流が流れ出したようだ。沿道の人びとが笑顔でエールを送り、デモに合流した。子どもたちも多い。色鮮やかな横断幕の全学連に多くの人びとが話しかけた。
 到着地点のオークランドのオガワ・プラザで3千人規模の大集会が開かれた。高揚したアピールが続くなかで「日本から来たゼンガクレン」が紹介された。全員が登壇し、法大生・洞口朋子さんが元気いっぱいのアピールを行い、全学連書記長代行の松室しをりさんが通訳した。「法政大学では4年間で118人の学生が逮捕された」と報告すると怒りのブーイングが起きた。「私たちの敵は一つ、大学資本と資本主義だ。ともに教育の民営化と闘おう」と叫んだ。
 最後に洞口さんが英語で「大学は誰のものか」と叫び、全会場が割れるような声量で「われわれのものだ!」と応じた。
 「誰の社会か」「われわれの社会だ!」「誰の世界か」「われわれの世界だ!」「誰の未来か」「われわれの未来だ!」
 夕方から全学連は、サンフランシスコのシビックセンター前で1万人集会に参加した。バークレーのブランカ・ミッセさんは赤い団結はちまきで登壇し、全学連との海を越えた連帯を力強くアピールした。
 カリフォルニアは、元大統領レーガンが州知事時代に新自由主義の原型を作った中心地である。この地で100万人が民営化反対のストに決起、組織化の中軸となったバークレー校で、全学連がアメリカ学生運動指導部と団結を固め、21世紀の不抜の国際連帯を切り開いた。まさに法大闘争4年間の死闘がたぐり寄せた歴史的地平である。

カリフォルニア大学バークレー校の「セイザー・ゲート」が、学生たちのピケットラインで完全に封鎖された。ここはかつてベトナム反戦運動の中心地でもあった(3月4日)

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週刊『前進』(2431号4面2)(2010/03/15 )

 春闘集会 全国で熱気あふれ

 青年の決起が展望開く

 全国の各地区で一斉に10春闘集会が始まった。大恐慌情勢に真っ向から対決し、プロレタリア革命をめざす階級的労働運動が、圧倒的な青年労働者の闘いと合流し始めている。資本の別働隊・連合中央を吹き飛ばし、動労千葉のストライキと連帯して闘い抜こう。(編集局)

 反戦も外注化阻止も闘おう 東京東部春闘集会

 3月5日、東京東部春闘討論集会が55人の参加で行われました。動労千葉の2〜3月ストと、3・4全カリフォルニア州闘争の速報ビデオが上映され、デモ先頭の全学連旗が感動的でした。
 集会は冒頭、逝去された動労千葉・中野洋常任顧問への黙祷で始まりました。基調は東交の青年労働者。「反戦も外注化阻止も青年労働者の未来のかかった闘いだ。青年労働者はその先頭に立とう」と訴えました。動労千葉新小岩支部の佐藤正和支部長は「組合員は意気軒高とストに突入した。勝利の展望は自分の中にある。国鉄1047名闘争の『解決案』で解雇撤回を下ろしてはならない」と述べました。
 星野さんを取り戻す会のアピールを受け、各職場から闘争報告。委託される側と本体の連帯を訴えた自治体委託労働者。教育現場の非正規化の現実を暴露した青年教育労働者。JRと同じ安全崩壊を暴露した東交の青年。民営化と闘う自治体労働者が発言し、フリートークに。スト支援の朝ビラで出会った外注労働者から「今月10人が解雇される。必ず撤回させる」と強い決意が述べられ、集会は盛り上がりました。
 最後に「成田市は団結街道廃道を中止せよ」の決議を上げ、東部ユニオンの青年労働者が中野顧問への思いを語りつつ3・20反戦デモへのアピールを行いました。
 非常勤教員の青年が4〜5校のかけもちと、スーパーでのバイトなしに生活できない過酷な現実を語ったことが特に衝撃的でした。(相馬修)

 闘う青年の力 未来は明るい 東京三多摩春闘集会

 3月5日、八王子市で「闘う時代が来た! 青年の怒りで闘う労働組合を取り戻そう3・5労働者集会」が40数人の参加でかちとられました。
 民間バス会社で不当解雇撤回闘争を闘う青年労働者が司会を行い、日本機械工業労組の労働者が「動労千葉・中野洋顧問の遺志を引き継ぎ、青年労働者が闘う労働組合をよみがえらせる先頭に立とう」と訴えました。
 国労豊田電車区分会の中村幸夫さんが、正念場の国鉄1047名解雇撤回闘争をアピール。4者4団体が3与党に「白紙委任」で「政治解決」に動いたことを弾劾し「平成採の青年労働者の怒りがJRの検修業務外注化を阻もうとしている」と訴えました。
 金属の青年労働者が基調報告。「JR検修外注化阻止の闘いは労働者全体の命運がかかっている。階級的労働組合と労働者党に結集し、大動乱の主導権を握ろう」と訴えました。
 医療労働者は「派遣労働者全員の解雇攻撃と闘っている」と報告、私鉄バス労組の青年労働者は「闘わない組合では安全は守れない」と訴えました。さらに自治体労働者は「社保庁の被解雇労働者とともに闘う」と発言、合同労組八王子の委員長は「闘う青年労働者が出てきている。未来は明るい」と強調しました。(中原一朗)

 JR体制打倒の怒りのデモ 東海春闘集会

 3月7日、「国鉄1047名解雇撤回! JRの鉄道業務外注化阻止!大失業と戦争の鳩山民主党・連合政権打倒! 3・7東海労働者総決起集会」(呼びかけ・愛知労組交流センター、ス労自主、東海合同労組)とJR東海本社弾劾デモを大雨の中を絶対反対派25人でかちとりました。
 司会が「雨でデモは中止との連合愛知の裏切りを弾劾し、本日のデモをやり抜こう」とあいさつ。動労千葉の反合・運転保安闘争のDVD上映を受け、田中動労千葉委員長、石井動労水戸委員長、国労5・27弾圧被告団の富田団長のメッセージが紹介されました。
 基調提起を東海合同労組委員長が行い、解雇撤回なき和解金で「政治解決」に動く国労本部や闘争団幹部を弾劾、1047名解雇撤回闘争こそ全労働者の未来をかけた闘いだと確認しました。また検修外注化攻撃に動労千葉が2波のストで反撃し「外注化4・1強行」を止めたことに会場はどよめきました。
 集会後のデモは、名古屋駅周辺の労働者に10春闘勝利、解雇撤回、鳩山政権打倒を訴え、3・20イラク反戦デモを呼びかけるビラが手渡されました。東海の労働者は、この3・7デモの勝利に確信を深めて職場闘争に決起し団結を拡大していきます。(労働者・SK)

 基地建設阻止は労組の問題 沖縄春闘集会

 3月7日、那覇市で沖縄労組交流センター呼びかけで「国鉄1047名解雇撤回、沖縄闘争への総決起、10春闘勝利」の春闘集会が行われた。
 センター代表の柿本博人さんが「国鉄1047名闘争で全労働者の総決起を。とりわけ青年の決起が重要だ」と提起した。青年労働者は基調報告で、「国鉄1047名解雇撤回、検修業務全面外注化阻止の闘いは沖縄と日本の労働運動全体を決める闘いだ」「動労千葉のストライキと連帯し、10春闘から5・15沖縄闘争の決戦性を鮮明にして闘おう」と訴えた。
 北中城村議会議員の宮城盛光さんと「沖縄万人の力で星野さんを取り戻す会」の和田邦子さんのあいさつを受け、各職場からの報告が続いた。NTT労働者、うるまユニオン(沖縄北部合同労組)、民間パート労働者、南部合同労組、基地労働者らが発言。うるまユニオンの富田晋副委員長は「青年労働者は闘いに飢えている。そういう僕らがいることが決定的。新基地建設阻止は労働者と労働組合の問題だ」と訴えた。NTT労働者の真喜志康彦さんは「青年労働者の獲得で勝負しよう」と訴えた。
 参加者は国際通りの戦闘的デモを打ち抜いた。(沖縄・安里盛昌)

 路線を鮮明に熱気ある討論 関西自治体春闘集会

 2月28日、関西地区の7自治体9単組と公的医療部門2労組から25人が参加し、自治体労働者春闘討論集会が行われた。
 豊中市職の深町加代子さんは「民主党・連合政権は闘う労働組合つぶしに出てきた。『新しい公共』による公務員大量首切り攻撃に、今こそ解雇撤回で闘おう」と基調提起。さらに社保労組福山分会の平口雅明さんが特別報告を行った。「525人分限免職は現場の青年労働者の決起だ。敵は外注化で生じた“消えた年金”問題を現場に押しつけて社保庁を解体した。組合幹部は、自分だけが生き残るために屈服した。現場を信頼して闘えば勝てる」と訴えた。
 討論では「一人でも立ち上がれば社会を変えられる」「525人を闘う勢力と見られるのが11月派」「自治体労働者の闘いの中心に社保庁の闘いを」などの意見が出された。交流センター事務局が「『新しい公共』攻撃は自治体労働者に“時間外労働をボランティアでやれ”というもの。人員削減・労働強化・賃下げに反合闘争で闘おう」と提起。さらに青年労働者は「人勧廃止攻撃も道州制攻撃そのものだ。自治労本部打倒、解雇撤回で組織しよう」と訴えた。闘いの路線は鮮明になった。(関西・S)

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週刊『前進』(2431号4面3)(2010/03/15 )

日誌'10 2010年 3月2日〜9日

 平野官房長官「辺野古」強行を示唆/自民は「徴兵制導入」の検討へ

 ●平野官房長官が米大使と会談 平野官房長官と北沢防衛相が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先をめぐり、ルース駐日米国大使と会談。キャンプ・シュワブ陸上案(同県名護市など)を軸に検討している状況を説明したとみられる。(2日)
●米国務次官補、現行案「最善」 キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は、米軍普天間飛行場移設問題に関し、現行計画のキャンプ・シュワブ沿岸部移設案以外の選択肢について「大半はわれわれも検討済みだと言わざるを得ない。(現行計画が)依然として最善だと考えている」と述べ、06年の日米合意に沿った履行をあらためて求めた。米下院外交委員会東アジア・太平洋小委員会の公聴会で証言した。(3日)
●自民、徴兵制導入の検討を示唆 自民党憲法改正推進本部は、徴兵制導入の検討を示唆するなど保守色を強く打ち出した論点を公表した。国民投票法が施行される5月までの成案取りまとめを目指す。論点では「国民の義務」の項目で「民主主義国家における兵役義務の意味や軍隊と国民との関係について、さらに詰めた検討を行う必要がある」と記述。直接的な表現は避けたものの徴兵制復活を思わせる主張を盛り込んだ。(4日)
●4月にも県民大会 「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書」を可決した沖縄県議会で超党派による県民大会開催について調整が始まった。新たな移設先について政府が5月末までに結論を出すとしているので4月にも開催したい考え。(4日)
●小沢、普天間陸上案に否定的 民主党の小沢幹事長が米軍普天間飛行場の移設問題で政府が検討しているキャンプ・シュワブ陸上部などの県内移設案について「(参院選前に政権の)イメージダウンも甚だしく、選挙にならない」と否定的な見解を与党幹部に示していたことが分かった。(7日)
●名護市議会が抗議決議 米軍普天間飛行場の移設問題で、沖縄県名護市議会は、鳩山政権が検討している米軍キャンプ・シュワブの陸上部への移設案に反対する意見書と抗議決議を全会一致で可決した。(8日)
●平野「決議を超えてお願いも」 平野官房長官は定例会見で、名護市議会が米軍キャンプ・シュワブ陸上案に反対する抗議決議案などを全会一致で決議したことについて、「一般論だ」とした上で「沖縄に限らず、決議を超えてそれぞれの地域の自治体に理解してもらうためにお願いしなければいけないケースはある」と述べた。(8日)
●核密約、歴代首相ら黙認 岡田外相は、日米の密約に関する外務省調査結果と有識者委員会の検証報告書を公表した。政府が1968年に核兵器搭載の疑いがある米艦船の寄港・通過を黙認する立場を固め、その後の歴代首相や外相らも了承していたことが判明。寄港の可能性を知りながら、「事前協議がないので核搭載艦船の寄港はない」と虚偽の政府答弁をくり返していた。(9日)

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週刊『前進』(2431号5面1)(2010/03/15 )

 3・16成田市議会闘争から3・28現地大集会へ

 団結街道廃道化阻止!市東さんの農地守れ!

 三里塚反対同盟が全国に訴え

 沖縄・国鉄決戦とともに、三里塚闘争は激しい攻防に突入した。青年労働者を先頭に3・16成田市議会闘争―3・28三里塚現地闘争に大結集しよう。三里塚芝山連合空港反対同盟から全国に向けたアピールを紹介します。(編集局)

 新しい世界つくる闘い 事務局長 北原鉱治さん

 2月25日、現闘本部裁判において千葉地裁が反動判決を行った。三里塚闘争はわが闘争だ、これを捨てておけるかと全国から労働者、農民、学生が集まって闘った。
 私は判決直前、「仲戸川裁判長。私は再三にわたり現地調査をやってくれと申し入れた。だがあなたは当事者の意見を聞こうとしなかった。それで判決が書けるか。裁判をやり直しなさい」と迫った。その結果、直ちに現闘本部を破壊しようと狙っていた仮執行をつけることができなかった。これは部分的な勝利ではあるが、仮執行をかけたくてもできないところに押し返したのだ。
 20年前の1990年1月15日、雪の中で強行された現闘本部の封鎖に責任者として立ち会ったのは私だった。さらに1967年12月末、現闘本部が同盟員と全国の力で現在の地に完成した時のことをまざまざと思い出している。あの時、5〜6年も闘えば勝利できると思った。だが国家権力は問答無用の居丈高の姿勢で工事を進め、その都度、奪われる側と奪う側との対決は避けられなかった。あれから44年、この不条理な2・25判決に怒りを新たにするとともに、三里塚は全国にさらなる闘いへの結集を訴える。世の中を変える、自分たちが人間らしく生きられる社会にしなければならない。その責任が三里塚闘争にあると考えています。
 私は労働者の闘いに大きな希望をもっています。未来をつくるために労働者、農民が先頭を切るということだ。若い労働者や学生は自分の未来をつくるためにその行動の先頭に立ってほしい。
 人間はどう生きたかが問われる。闘って生涯を終わる、これが人類の法則だ。私は動労千葉の関川委員長、中野委員長、現在の田中委員長、この3人の委員長と共闘してここまで三里塚闘争をひっぱってきた。これは間違っていなかった。中野さんが最期に私に言いたかったことは、「北原、後は頼むよ」ということだったはずだ。
 中野さんの葬式で韓国の民主労総の労働者と会ったけれど、日本に来て反対同盟と会うとほっとするらしい。あの第2次世界大戦、韓国やアジアに対して日本が何をやってきたのか。私自身も恥じ入ることばかりだが、三里塚闘争を闘ってきたことで恩讐を超えることができたと思う。一緒に闘ってこれから新しい地球をつくろうと、夢は大きいよ。
 動労千葉の闘いが全国の労働者に希望を与え、韓国やアメリカやブラジルにまで連帯をつくった。農民と労働者が、それぞれの持ち場で闘いながら一体となることはすばらしいことだ。法政大学で闘う学生たちが何カ月も獄中に置かれる。これが正常か! キャンパスは若者が未来を語る場なんだ。全学連はサンフランシスコに行って100万人のデモをした。若い諸君が自分自身が行動して、未来をつくる。自分が動かなかったら何も変わらない。
 3月28日には三里塚現地総決起闘争に全国から大結集し、新しい地球をつくるために闘おう。

 私がここで農地を耕す 天神峰 市東孝雄さん

 2010年は文字どおり闘いの年、動労千葉がストライキで激しい国鉄闘争を闘っていますが、三里塚も正真正銘の決戦に入りました。
 私の周りも急に慌ただしくなってきています。1月22日に現闘本部わきの竹やぶを突然伐採しました。それは2月25日に仮執行付きの判決が出たら一気に現闘本部を破壊するつもりだったのだと思います。2月3日には成田市と航空会社が、同じ車に乗って来て、団結街道を廃道にするから理解と協力をお願いしたいというわけです。絶対に認められません。
 反対同盟は2月10日、市役所に出向き抗議文をたたきつけました。対応したのが副市長の片山です。片山は国交省から来て副市長になったやつです。空港とのパイプ役ですよね。空港をつくるのに進入道路が必要だと言うだけで、あとは何も答えません。成田市も「空港ありき」なんです。
 2月18日に持ってきた抗議文ヘの回答は、天神峰は1967年に空港の用地に決定している、だから廃道にして第3誘導路をつくってもいいんだと、ただそれだけ。けれどそもそも事業認定が失効しているのだから一からやり直すべきです。
 成田市は「東側の第2誘導路では安全性と効率性を確保できない」とも言っています。この間はジャンボ機は通れないと言っていたへの字誘導路にジャンボ機を通していました。空港の安全性なんか何も考えていない、大事故が不可避です。
 2月25日の現闘本部判決で仮執行を付けさせなかったことは、ある程度勝利だった。全国から多くの人に集まってもらい、本当に力強い闘いでした。判決で一気に現闘本部を取り壊せるという敵の思惑を粉砕することができました。
 翌26日、成田市議の足立満智子さんが団結街道の廃道化の問題を追及するというので傍聴に行きました。しかし、答弁がはっきりしない。その以前に小泉市長は「交差点の中にいる人間はいない」と公言しています。天神峰の私の家を危険な交差点の中だと言うのです、本当に許せません。こうやって権力を振りかざして、私に「移転しろ」と迫っていますが、絶対に屈するわけにはいきません。
 3月1日には空港会社の用地にパイプを打ちました。たかだか100本ぐらいのパイプを打つことに私服刑事と作業員が40人ぐらいがずらっと並んだ。だから空港会社に言ったんですよ、「私が耕しているという『41の9』の畑にもパイプ打てば」って。「いやあ、向こうはできませんよ」っていう返答でした。
 こういう攻撃をやられればやられるほど、負けるもんかという気持ちが強くなりました。そこに住んで農地を耕すことが、自分がそこにいる意義だと思っています。
 それが、普天間基地全面撤去を求めて闘う沖縄の気持ち、失業攻撃と闘う労働者や全国の農民の気持ちだと思います。
 敵は一つだ。額に汗して働く者に犠牲を押しつける国のやり方は絶対に許せません。
 今、国は農業そのものをつぶそうとしている。労働者には失業攻撃、学生も法政大学でビラをまいただけで逮捕される。国に逆らったらつぶされるのか。国策に逆らった三里塚闘争は、44年かかってもつぶせなかった。
 動労千葉もストライキに決起し、三里塚と同じ敵に向かって一緒に闘っています。あらためて動労千葉の中野顧問の御逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。三里塚に託した中野さんの思いをしっかりと受け止め、全国の皆さんとともに闘い続けることをお誓いしたいと思います。
 三里塚は文字どおり決戦の年です。団結街道を廃道にさせない。現闘本部を守り抜く。農地を断固守り抜く。その決意で精一杯闘っていきます。この間の勢いをもって3・28三里塚全国集会の大結集をお願いします。

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成田市長・議会弾劾 団結街道廃道化阻止

3・16成田市内デモ

3月16日(火)午前10時
成田市役所脇・栗山公園
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2431号5面2)(2010/03/15 )

 “中野さんの思い受け継ぐ”

 三里塚勝利千葉県集会 青年が労農連帯を牽引

 市東さんの農地強奪を許すな! 3・6千葉県三里塚集会が3月6日、千葉市内のDC会館で行われ、150人が結集して大成功した。3月4日に逝去された中野洋動労千葉前委員長が最先頭でつくりだしてきた労農連帯の地平を引き継ぎ、国鉄・三里塚決戦の勝利へ闘う決意をうち固める集会としてかちとられた。とりわけ、千葉の青年労働者が集会全体を牽引(けんいん)し、労農連帯の新たな地平を生み出す決意にあふれる集会となった。
 冒頭、1983年10月の三里塚全国集会で、中野前委員長が初めて委員長として発言した映像が上映された。「三里塚闘争の勝利に労働者の未来がある!」と鮮明に発言する中野前委員長の闘いを、全員が継承して闘う決意をうち固めた。
 連帯のあいさつとして、市東さんの農地取り上げに反対する会、三里塚とともに闘う農民から発言が行われた。
 圧倒的拍手で、三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長、市東孝雄さん、伊藤信晴さん、宮本麻子さんが発言に立った。北原さんは、「三里塚闘争は44年、動労千葉とともに闘ってきました。悲惨な戦争を再び繰り返していいのか。人間は生きている限り、闘わなければだめなんだ。どう生きたかが重要です。動労千葉の闘いがどれだけ全国の労働者に希望を与えたでしょう」と発言した。
 市東さんは闘争心に満ちた決意を語った。「三里塚に託した中野さんの思いをしっかりと受け止め、闘い続けます。三里塚も正真正銘の決戦に入りました。団結街道の廃止攻撃は、やられればやられるほど、負けるもんかという気持ちが強くなりました。私はそこに住んで、農地を耕すことが、自分がそこにいる意義だと思っています。それは、普天間基地全面撤去を求めて闘う沖縄の気持ちと、失業攻撃と闘う皆さんや、全国の農民の気持ちだと思います。敵は一つです。額に汗して働く者に犠牲を押しつける国のやり方は絶対に許せません」。こう言って市東さんは最後に3・28三里塚全国集会への大結集を訴えた。
(写真 三里塚反対同盟の4氏が登壇し3・28全国集会への大結集を訴えた。発言は北原事務局長)
 動労千葉の田中康宏委員長は、「敵の側は、国鉄1047名解雇撤回闘争と三里塚闘争に始末をつけないと前に進めない。階級情勢は沸騰している。労働者の力を信じたのが中野顧問だった。支配階級は先の展望を語れない。動労千葉は、第2次国鉄分割・民営化阻止決戦に突入した。組織拡大を実現して、中野顧問の遺志に応えたい」と発言した。
 国鉄決戦を闘う決意として、動労千葉争議団の中村仁さん、国労OBの飯島幸雄さん、動労千葉を支援する会事務局長の山本弘行さんが発言に立った。中村さんは、「1047名の当該として、闘いの矛を収めるのは許さない。解雇撤回まで闘う」と決意を語った。医療労働者のカンパアピールに続き、三里塚現闘、全学連の坂野陽平委員長代行、婦人民主クラブ全国協千葉支部、千葉・星野文昭さんを取り戻す会、百万人署名運動千葉県連絡会が闘いの決意を表明した。
 圧巻は、千葉の青年労働者の決意表明だ。1カ月の停職処分攻撃と闘う千葉労組交流センター事務局長の綿貫透さん、解雇撤回をかちとり偽装請負の職場で団結を組織して闘うちば合同労組の青年労働者、日共スターリン主義の労使一体支配と闘う医療労働者、そして動労千葉の青年労働者が闘う決意を表明した。動労千葉の青年労働者は、「組織拡大を全力でがんばっていく」と述べ、参加者から盛んな拍手を受けた。
 「団結街道の廃道化を絶対に許さない決議」をちば合同労組の青年労働者が読み上げて、全体の拍手で確認。前日5日に88歳となった北原さんに花束と檄布が渡されると、会場は大いに盛り上がった。司会の青年労働者が、3・20イラク反戦7周年闘争と3・28三里塚全国集会への大結集を訴え、団結ガンバローを三唱。集会は圧倒的高揚感と闘いの決意に満ちあふれ、団結をうち固めた。
(写真 田中康宏・動労千葉委員長の「三里塚と国鉄で勝利しよう」の発言に参加者が奮い立つ【3月6日 DC会館】)

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週刊『前進』(2431号5面3)(2010/03/15 )

 「資本の原蓄過程」の再来

 資本主義打倒の革命が回答だ

 新自由主義と民営化攻撃が生み出したアメリカ労働者階級のすさまじい現実

 「経済危機後のアメリカでは、社会の貧困化が加速している。職がみつからず、学資ローンに追い立てられる若者たち。老後の生活設計が崩れた高齢者たち。教育や年金、医療そして刑務所までもが商品化され、巨大マーケットに飲みこまれている。オバマ登場で状況は変わったのか……」
 『ルポ 貧困大国アメリカU』(岩波新書 堤未果著)の見返しには、こう書かれている。これを、エンゲルスにならい現代版『アメリカにおける労働者階級の状態』として、革命の立場から読み切る必要がある。

 借金地獄と年金破綻、監獄労働

 第一に、現在のアメリカはどうなっているか。
 前著『貧困大国アメリカ』(2008年)では、ハリケーン・カトリーナが暴いた貧富の格差、無保険のため病院から追い出される医療難民、貧困層を食いものとしたサブプライムローン、そして「経済徴兵制(貧困層の若者が入隊しイラク・アフガニスタン戦争に動員されていく)」と巨大戦争ビジネスの問題など、新自由主義のもとで階級社会のアメリカがどこまで行き着いたかが、衝撃的に明らかにされた。われわれはこれを、日本の姿に引き寄せて、新自由主義と民営化批判の観点から読んだ。今回は、オバマ政権となってどうなったか、が明らかにされる。そのすさまじい現実は、驚きと怒りなしに読み進めることはできない。
 まず、教育の民営化、ビジネス化によって学資ローンが貧困層の学生たちを食いものとし、彼らが借金返済に追いまわされる姿が報告される。「数十億ドルの巨大市場と破綻する学生たち」だ。財政危機に苦しむ行政と恐慌下で利潤追求に奔走する資本が一体となって、あこぎな取り立てビジネスを行っている様が明らかになっていく。
 次に、GMの労働者を襲った企業年金制度の破たんを例に、食っていけない、医者にもかかれない高齢者の絶望的状況が暴かれている。そこでは、GM資本とUAW(全米自動車労組)の瞞着(まんちゃく)と腐敗が決定的役割を果たした。民営化による年金と医療の崩壊、社会保障制度の解体は、労働者を食わせられなくなった資本主義体制そのものの問題である。
 そして「刑務所という名の巨大労働市場」こそ、「外注革命」をなした現代アメリカの行き着いた姿である。民営化された刑務所において、時給40セントの懲役労働の一方で、部屋代(!)と食費、備品代で毎日10jが取られ借金づけとされていく。電気製品・防弾チョッキ・家具の製造、有害物質のリサイクル業務、電話交換、コールセンター業務(学資ローンの苦情窓口!)を受刑者のけた違いの超低賃金で請け負うビジネスが紹介される。「いまもっともトレンディな投資先―順調に増加する有罪判決と逮捕率が確実な利益をもたらしてくれます。急成長するこのマーケットに投資を!」――これは、ギャグでもフィクションでもない。大手投資会社のパンフレットに書かれた文章だ。
 家を奪われた人びとがどんどん投獄され監獄労働を強制されていく状況が報告される。「あらゆる軽度の違反行為を取り締まる(投獄する)ためにニューヨーク市警は巨大なコンピューターシステムを導入して、個人情報を管理し始めた」。アメリカの総人口は世界の5%だが、囚人数は世界の25%を占める「囚人大国」なのだ。
 まさに『資本論』第1巻24章が描き出す資本の原始的蓄積過程の再来である。受刑者や植民地から強制連行してきた人びとを炭坑や鉱山、厳寒の地で死ぬまで働かせる。農地から追い出された貧民たちを「救貧法」と称して強制的に労働に従事させる。働かない者は額に焼印をおされて重罰が科せられ3度目には死刑。
 こうして暴力的に労働者階級を作り出し、資本蓄積の元手と担い手を歴史的に生みだしていったように、いまや最末期の資本主義において、同じことが行われている。

 「外注革命」こそ決定的な転換点

 第二に、何が決定的な転換点となったか。
 歴史的転機は、レーガン以来の新自由主義と規制緩和、労働組合破壊の攻撃、とくに80年代における労働組合をめぐる激しい攻防のもとでの既成労働組合指導部の際限ない屈服にあった(2004年前進社刊『国際労働運動の新時代』参照)。問題はそれに続く90年代以降の「外注革命」が今日のアメリカ社会の惨状を作り出していったことだ。これは日本においても国鉄分割・民営化からせきを切ったように始まる外注化・分社化・子会社化、非正規職化として進行した過程である。
 本書によれば以下のとおりだ。「アメリカの民営刑務所は19世紀末までにはほとんどの州で廃止となっていた。それから1世紀をへて、まったく別の形で復活し、100カ所以上に膨れ上がり、巨大なビジネスとなった。背景は、自由市場至上主義の熱気と連邦および州政府の財政難。90年代の外注革命のなかで、企業は非正規社員率を拡大する。しかし、もっと使い勝手の良い労働力として、数百億ドル規模の巨大市場、受刑者にスポットライトが当たった」「電話交換手は最低でも月に900ドルと社会保険等の経費がかかる。インドの労働者の初任給は月に平均159ドルから204ドル。受刑者を使えば、月36ドルから最大でも180ドル。福利厚生費は一切なし」
 今、日本においても決戦を迎えたこの「外注革命」との闘い、全面外注化阻止・JR体制打倒の攻勢的闘い、第2次分割・民営化阻止決戦がいかに決定的であるかは完全に明らかだ。

 『共産党宣言』を対置し闘おう!

 第三に、ここまで行き着いた資本主義の惨たんたる状況に対して、突破の道はどこにあるのか。
 「オバマでも変わらない」「オバマに裏切られた」ことは、この本も指摘している。だが結論は、「オバマを変えろ(鳩山を変えろ)」ではだめだ。資本主義への根底的な怒りを爆発させて、「腐りきった資本主義をプロレタリアートによる革命をもって打ち倒す時が来た、自ら立って革命をやろう」ということ以外にはない。この本が「爆発した教師と学生たち」としてカリフォルニア州立大学での学生と教職員によるストライキ闘争から始まっているのは重要なことである。この闘いは、3・4カリフォルニア全州教育100万人ストに発展している。ここにこそ、革命の希望があるということだ。
 すべては『キャピタリズム(資本主義)』の問題なのだ。マルクス『資本論』と『共産党宣言』が示すプロレタリア革命を、国鉄決戦の勝利で切り開いていくのである。
 「貧困、抑圧、隷属、堕落、搾取の総量は増大する。しかしまた、資本主義的生産過程そのものの機構によって訓練され結合され組織される労働者階級の反抗もまた増大する。……生産手段の集中と労働の社会化とは、それらの資本主義的な外被とは調和しえなくなる一点に達する。この外被は粉砕される。資本主義的私的所有のとむらいの鐘が鳴る。収奪者が収奪される。……人民大衆による少数の横奪者の収奪が行われる」(『資本論』第1巻24章)
 「支配階級よ、共産主義革命のまえに震えあがるがよい! プロレタリアは、この革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。プロレタリアが獲得すべきは全世界である。万国のプロレタリア、団結せよ!」(『共産党宣言』結語)
 (大迫達志)

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週刊『前進』(2431号6面1)(2010/03/15 )

 全国連中央本部による前進社襲撃を弾劾する

 展望失い権力の手先に転落

 「広島差別事件」をデッチあげ、革共同と動労千葉を先頭とする11月集会派への敵対を繰り返してきた部落解放同盟全国連合会中央本部は、ついに一線を越えた。

 ハンマーで殴打

 3月7日午前11時、全国連本部に率いられた30人が前進社本社前に現れ、国家権力の眼前で、重さ1・5`ものハンマーを車庫のドアめがけて振るったのだ。ドアに残された5カ所の傷跡は塗料がはげ落ちて地肌がむき出しになったばかりか、表面の鉄が削り取られている。これは革命党に対する紛れもない白色テロであり武装襲撃だ。
 しかも、階級的労働運動の偉大な指導者・中野洋動労千葉前委員長の通夜が営まれるその日に、国鉄決戦に勝利しプロレタリア世界革命を実現しようとする革共同の本部を襲撃したのだ。労働者階級と革命への憎悪に満ちた全国連本部の反革命を、腹の底から怒りをこめて徹底弾劾する。われわれはこの反革命的所業を行った全国連本部を断じて許さない。
 これまで国家権力と反革命カクマルと右翼以外に、革共同の本部に武装襲撃をかけた者はいない。こうした権力の手先に転落した輩(やから)に対し、プロレタリア暴力革命をめざすわれわれがとる態度は鮮明だ。逐一名前は挙げないが、とりわけ徒党を組んで革命党の本部への襲撃に手を染めた輩の階級的大罪は万死に値する。
 全国連本部は、前進社に警視庁公安部が24時間張り付き弾圧の機会をうかがっていることを百も承知で、「差別糾弾」と称してハンマーを振るった。権力に容認され守られているからこそ”安心して”凶行に及んだのだ。全国連本部は3・7前進社襲撃をもって、「転向し権力の手先と化した部落解放闘争」として全社会に名乗りを上げたのだ。実におぞましいファシスト「解放運動」に転落しつつあるのだ。権力への屈服から正真正銘の権力への手先に成り下がった全国連本部を必ず打倒する。

 与田と同じ腐敗

 そもそも中田潔全国連本部書記長は2007年、弾圧に踏み込んできた権力が求めるままに「任意出頭」に応じた。逮捕されてからも完全黙秘を貫けず、なんと略式起訴=司法取引に走る屈服・腐敗ぶりを示した。
 「ブルジョア国家権力との非和解的関係をあいまいにして部落解放をかちとれるのか」――マルクス主義学生同盟広大支部の中で、全国連の指導者のあり方をとおして部落解放闘争の路線をめぐる真剣な論議が行われたのは当然のことだ。これを180度ねじ曲げて「差別事件」に仕立て上げ、部落大衆を引き回すためにたくらんだのが「広島差別事件の確認会」なるものだ。粉砕以外にない。
 こうした本部の変質を見抜き、部落解放に全責任をとろうと本部批判に立ち上がったのが西郡・杉並・品川の3支部だ。だが許しがたいことに本部は昨年末に3支部への除名処分を発動した。しかしこの暴挙によって全国連本部は一層転向を深め、その中で度しがたい腐敗も進行している。06年の「党の革命」で打倒された与田とまったく同じように組織と運動を私物化し食い物にして、ついには権力の手先となり転向・腐敗の道を急速に転げ落ちているのだ。
 求心力を失い、組織的腐敗を深め、追いつめられた全国連本部が、何の成算もないまま危機の打開をかけて画策したのが3・7反「革共同」集会だ。その前段の前進社襲撃は、ドア破壊のポーズをとって革共同を「糾弾」し、報告のネタにすれば少しは反革命集会の意気が上がるのではないかという、実にさもしい魂胆が見え透いている。
 この茶番劇的「襲撃」の際にポストに投げ込んでいった「申入書」なるものの中身も「確認会に出てくれ」という泣きつきでしかないものだ。いまや「広島事件」は「確認会に出なかったことが差別だ」というものになってしまっている。「差別事件」という確信も何もなく、組織内部を固めることもできない惨状にあるのだ。これこそ革共同の1991年「5月テーゼ」に対抗して全国連を結成した本部の成れの果てである。

 国鉄決戦に敵対

 「5月テーゼ」は日本における新自由主義の最初の攻撃=国鉄分割・民営化との決戦をプロレタリア世界革命にむけて発展させるために提起された。労働者自己解放の思想と実践であるマルクス主義の復権をかけた挑戦だった。今、世界大恐慌のもとで分割・民営化との決着をつける第2次国鉄決戦が激烈に開始されている。このとき、全国連本部は公然と権力の手先に成り下がり、第2次国鉄決戦に敵対するためだけに3・7反「革共同」集会を開催した。「5月テーゼ」に対抗し糾弾主義を増幅させてきた輩の末路がこれだ。
 西郡・杉並・品川支部を始めとした部落大衆とともに、全国連本部の一切のあがきを粉砕・打倒して前進しよう。

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週刊『前進』(2431号6面2)(2010/03/15 )

 迎賓館・横田差し戻し審

 決戦の最終弁論公判へ

 被告団から傍聴闘争を訴える

 迎賓館・横田裁判差し戻し審(東京地裁刑事第20部・林正彦裁判長)は決戦局面に突入した。来る3月23日、24日の両日はいよいよ弁護側最終弁論だ。被告・弁護団は不屈・非妥協23年の闘いの全成果をもって、力ずくで無罪をもぎりとる決意で法廷に臨む。すべての同志、読者のみなさんが全力で傍聴闘争に決起することを訴える。
 爆取デッチあげ弾圧裁判の勝利は日本階級闘争の前進と一体である。国際帝国主義の「最弱の環」=日帝に対する動労千葉の第1波、第2波48時間ストを先頭にした国鉄決戦の爆発は、階級闘争の大動乱の扉を荒々しく押し開いている。<国鉄・沖縄・三里塚・法大〉の4大拠点における労働者階級人民の闘いで、民主党・連合政権打倒に攻め上るときが来た。
 この階級闘争の現実に心底震え上がっているのが、日帝ブルジョアジーと民主党・連合政権だ。それゆえに、この間の見境のない治安弾圧攻撃が強行されているのだ。われわれへの論告・求刑もその一環だ。
 昨年12月、検察は須賀武敏同志に懲役15年、十亀弘史・板垣宏同志に懲役13年を求刑するという許しがたい重刑攻撃を加えてきた。論告のなかで、二つのロケット弾戦闘が国家権力に大打撃を与え、その影響は今日に及んでいるとした上で、「3被告人には改悛(かいしゅん)の情が微塵(みじん)も見られず、……再びテロの脅威をもたらす危険性は極めて大きい」から重刑に処すべしと、裁判官に露骨に恫喝を加えたのだ。
 この論告・求刑は過去の両戦闘に対する報復であると同時に、現在の闘う労働者階級人民に対する国家権力の意思であり、予防反革命である。断じて負けるわけにはいかない。
 われわれは無実だ。二つの戦闘には一切関与していない。したがって証拠はなく、検察側「立証」は立証として成立しようがない。16年という歳月をかけた差し戻し前一審は、この検察側立証の破産を明確に指摘し、「犯罪の証明がない」ことを揺るぎなく論じきって、当然の無罪判決を出した。実質的にはそこでわれわれの無罪は確定しているのだ。差し戻し審など、そもそも開始されてはならなかったのだ。
 この不当な差し戻し審において、われわれはけっして無罪判決に甘んじることなく、とことん攻勢を貫いて闘いぬいてきた。国家権力のデッチあげ弾圧に対する怒りと革命家・革命党の矜持(きょうじ)にかけて、この2年、20回にわたる差し戻し審を闘いぬき、再び検察立証をズタズタに粉砕してきた。
 「<金沢借家関連・関之沢林道関連・橿原借家関連〉の3証拠群を調べれば、被告らの有罪は優に明らかになる」などと事実審理もせずに言いなし、「一審判決破棄、差し戻し」の判決を出した控訴審裁判所(東京高裁第3刑事部・中川武隆裁判長)の卑劣この上ない有罪策動を、あくまでも攻勢をとって打ち破ってきた。
 とりわけ、この「3証拠群」のなかで、検察側がデッチあげの柱としてきた「迎賓館・横田事件の前年の85年に、すでに金沢借家で須賀・十亀・板垣が信管の製造などを行っていた」なる虚構を完膚無きまでに粉砕した。それにとどまらず、岩手借家押収物の証拠開示をかちとり、膨大な押収物の中から、検察官がデッチあげたストーリーを突き崩す物証をいくつも掘り起こし、証拠採用させてもきた。
 裁判所が国家権力の意思を体現しようとしていることは明らかであるが、差し戻し前一審と同様、それができないまでに徹底的に追いつめなければならない。その最後の決戦が最終弁論公判であり、6月2日に予定されている判決公判までの裁判所を追いつめていく闘いだ。4月24日には「完全無罪をかちとる会」として集会を行う。
 われわれは、死力を尽くしてこの法廷に立つ。闘う労働者階級人民の団結した力でデッチあげ弾圧を打ち砕こう。全力で傍聴行動に決起しよう。
 (迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告団)
(写真 2月20日の月例街宣で十亀弘史同志の訴えに応えて女性が署名【有楽町】)
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日程 迎賓館・・横田爆取デッチあげ弾圧差し戻し審
3月23日(火)午前10時 東京地裁
3月24日(水)午前10時 東京地裁
*両日最終弁論(全一日公判)
9時30分までに傍聴券配布所に集合を

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週刊『前進』(2431号6面3)(2010/03/15 )

 第2次再審勝利へ

 三多摩「救う会」の決意

 労働者階級は必ず決起すると確信

 革命の力で星野同志を奪還できる

 三多摩・星野文昭さんを救う会 加納敏弘

 

 昨年11月27日、星野文昭同志と再審弁護団は、27点もの新証拠を添えて第2次再審請求書を東京高裁に提出した。
 今回の新証拠で「きつね色の服を着た」人物が存在したこと(しかも2人も!)、それが星野同志とは別人だったことが明らかになった。「『きつね色』というのはKrの見間違い。声や後ろ姿で星野が犯人であることは確実」という最高裁の主張はこれで崩される。

 階級的共同性を

 とりわけ素晴らしいのは、星野さん自身の「陳述書」だ。
 「人は、本来一人では生きていけず、自分だけよければいいという利己的な存在ではなく、誰もが人間らしく生きられることによって心から満たされる存在であり、それを実現する力を持つ存在である。その人間的共同性、力が世の中を誰もが人間らしく生きられる世の中に変えていくし、同時に私の無実には無罪を、釈放をの訴えが人々の心に届き広がり、それを実現していくことができると確信している」
 ここにあるのは、自らの闘いの勝利性と、労働者階級は階級的共同性を取り戻し必ず決起するという確信だ。国家権力に一筆書いてなんとか出してもらおうという意識は微塵(みじん)もない。
 昨年の星野全国総会で私たちは、塩川一派とそれに追随する人びとの掲げる仮釈放路線を完膚無きまでに批判し、決別した。彼らに共通していたのは「労働者は革命になんか絶対に決起しない」という階級不信だった。
 彼らからは、沖縄が「復帰」後38年たった現在も基地地獄に置かれている現実、本土に職を求めてやってきた沖縄の青年労働者が真っ先に「派遣切り」にあって、職場からも住む家からもたたき出されている現実に対する怒りがまったく感じられなかった。沖縄の青年労働者のなかに「星野」を持ち込もうとか、青年労働者の怒りの決起と結びついて星野同志を奪い返そうとかいう気概はまったくなかった。
 あらためて、1971年11・14渋谷暴動闘争とは何だったのかということだ。それは、「本土復帰」という沖縄人民の「願い」に応えるかのようなポーズをとって、その実、沖縄を永久に基地地獄にし、侵略戦争の拠点にする「沖縄返還協定」批准に反対する実力闘争だった。本土と沖縄の分断支配をのりこえて、数千人の青年労働者と学生が「すべてをかけて」決起した。当時の佐藤政権は、公安条例を盾に一切の集会・デモを禁止し、国会では強行採決を行った。

 労働者との団結

 だから、革共同と本土の青年労働者・学生は「退路を断って」決起することで、11・10ゼネストをやり抜いた沖縄の労働者人民と団結する道をとったのだ。国家権力は、ここに「革命のヒドラ」を見た。だから無実を承知で星野同志を「犯人」にデッチあげ、35年も投獄しているのだ。
 今、沖縄は「革命の火薬庫」の導火線に火がつき、まさに爆発寸前だ。鳩山民主党・連合政権は、選挙公約で普天間基地の「国外・県外移設」を言いながら、結局「キャンプ・シュワブ」を決定しようとしている。沖縄人民をあくまで見殺しにするということだ。
 沖縄の「人士」たちの多くは、労働者階級の力に依拠することができず、民主党政権の旗振り役を任ずるに至った。その化けの皮がはがれた今、沖縄の労働者階級の歴史的決起が絶対に始まる。なぜなら「基地と労働者」「戦争と労働者」は絶対に相いれないからだ。
 かつて「革命でしか星野は奪還できない」ともいわれ、それはややもすれば「星野奪還」を「彼岸化」する論理だった。しかしいまや「革命の力で、労働者階級の力で星野を奪還できる」と言い切ることができる。労働者の中に星野闘争を広めよう。
(写真 千葉での2・25三里塚現闘本部裁判闘争に「FREE星野」ののぼりを持って参加した三多摩・星野文昭さんを救う会)

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週刊『前進』(2431号6面4)(2010/03/15 )

 制度廃止へ共感広がる

 鳥取地裁裁判員裁判 2週間の「緊急行動」

 裁判員制度導入以来初の死刑求刑となるのではないかという「強盗殺人」事件の裁判が2月23日から3月2日まで鳥取地裁で行われた。全国的に注目されたこの裁判の全過程に、百万人署名運動山陰連絡会や山陰労組交流センターなど「裁判員制度いらない!鳥取緊急行動」の仲間は、初参加の人びとを含めてのべ40人が決起し、5千枚のビラをまいた。この闘いは労働者・市民の圧倒的な共感を呼び起こし、マスコミにも連日のように報道されるなど、制度廃止への画期的一歩を記すものとなった。
 初公判を1週間後に控えた2月16日から闘いは始まった。官庁街一帯での早朝ビラまきのあと、正午からJR鳥取駅前「風紋広場」で行った集会には、広島・岡山・島根など県外の仲間や、東京から「裁判員いらなインコ」さんが駆けつけ、制度廃止を熱烈にアピールした。
 さらに圧巻だったのは、駅前から鳥取地裁までの2`の目抜き通りデモだった。用意したビラが足りなくなるほど市民の注目を集めた。すれちがうバスの乗客たちが次々と手を振り、県庁近くの高校では窓に生徒が鈴なりになって、朝配布したビラをかざしてにぎやかな声援を送ってきた。デモ参加者は、制度廃止への確かな手ごたえを感じつつ、デモを貫徹した。
 県庁での記者会見のあと、夕方からは、国鉄・教育労働者をはじめ勤めを終えた労働者が多く結集して、佐和洋亮弁護士(島根県弁護士会)の講演を受け、制度廃止にむけて学習した。参加者の発言をとおして1047名解雇撤回・検修全面外注化阻止の国鉄決戦と、裁判員制度廃止の闘いは一体のものであることががっちりと確認された。
 初公判前日の2月22日には、裁判員選任の手続きが行われる鳥取地裁前で横断幕やのぼりを掲げ、出頭してくる裁判員候補者に選任拒否を訴えた。呼び出し状を送付された候補者101人のうち、出頭してきた人は34人(出頭率33・6%)だけで、多くの人が拒否したのだ。その34人の中にも、抵抗感や拒否感を表明する人がかなりいて、いかにこの「現代の赤紙」=裁判員制度が破綻しているかを示している。
 さらに2月23日初公判から26日の結審(検察は死刑求刑を断念)まで、多数の傍聴希望者や通行中の労働者・市民に対して、地元の仲間を中心に制度廃止を繰り返し訴えた。その中から「自分にも呼び出し状が来たが拒否しましたよ。その書面を見に来てください」という人をはじめ、多くの激励が寄せられた。
 結審から3日間の「評議」を経て、3月2日に判決が行われた。これに対しても、最後まで制度廃止のアピールを幅広く行って、今回の「鳥取緊急行動」を締めくくった。完全に破綻した裁判員制度撤廃へ、力強く前進しよう。
 (投稿/鳥取・T)
(写真 沿道の注目と声援の中、鳥取駅前から鳥取地裁まで目抜き通りをデモ行進【2月16日】)

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週刊『前進』(2431号6面5)(2010/03/15 )

法大弾圧裁判 法大弾圧裁判 3月5日、3月8日

 4・24弾圧 “全法大生への攻撃だ” 倉岡さんが処分に怒り

 3月5日、法大4・24解放闘争裁判の第11回公判が東京地裁刑事第17部で行われた。倉岡雅美さんに対する被告人質問の続きから開始された。
 倉岡さんは2008年4月に法大に入学。法大当局に批判の声を上げ始めると、徹底した監視と嫌がらせが繰り返された。同年5月28日、法大前の路上を歩いていると公務執行妨害でデッチあげ逮捕された。「この様子を法大職員が笑いながら見ていた」のだ。
 不起訴で釈放されると同時に、教授会から処分のための呼び出しがあった。倉岡さんは何人もの教授に処分反対を訴えたが、「理事会と学生センターが一体化し、教授会を意のままに動かしている。誰も声を上げられないし評決すらされない。教授会自治は終わった」と話す教授と出会った。
 職員や警備員がつきまとってビデオ撮影し、「ビラはゴミだ」と奪い取り、「無職、フリーター野郎」などと罵声(ばせい)や差別発言を浴びせるなど、弾圧はエスカレートした。倉岡さんは「学生の力で跳ね返すしかない」と決断し、シール投票など創意工夫をこらし法大生とともに処分阻止に立ち上がっていった。10月末には、ジャージ部隊を追放する決定的な勝利を実現した。
 追い詰められた法大当局は、09年に入ると「学生の本分にもとる」と3カ月と6カ月の停学処分を連発した。倉岡さんは「今日、私に3度目の処分のための呼び出し通知が来た。本件で逮捕・勾留されていたのに『09年度中の行動に問題がある』という。あまりにもデタラメだ。処分は見せしめであり全法大生への攻撃だから、絶対に許さない!」と、怒りをたたきつけた。
 4・24闘争は、「不当処分撤回と監獄大学粉砕を掲げた。『集会を見るな』という分断攻撃を打ち破りたかった。大注目を浴びた」「学生は商品ではないし、裁かれる存在でもない。怒りは世界に広がっている。大学を解放し、学生が主人公となるまで闘う」と締めくくった。増井真琴君の被告人質問が開始され、次回に続行となった。

 暴処法弾圧 玉聞が裏切り認める 被告・弁護団、厳しく追及

 3月8日、法大暴処法弾圧裁判の第10回公判が東京地裁刑事第1部で行われた。法大闘争に敵対する裏切り者、玉聞祐樹に対する反対尋問が、弁護団と被告団の総決起でかちとられた。権力にひれ伏した者の証言のデタラメさと、まったく信用できない人格を徹底的に暴ききった。
 まず、検察官との事前の打ち合わせの実態だ。玉聞は「2月22日の主尋問の準備のために、20日、21日、22日の3日間検察庁に行き、その前の土日とあわせて7〜8回」の準備を重ねていたことを認めた。玉聞は「半分は検事と趣味のカメラの話」などとうそをつくが、デッチあげ証言だからこそ時間が必要だったのだ。さらに、本件当日に一緒にいた学生たちに電話で聞き込みを行っていた事実も認めた。
 暴処法弾圧が全国一斉に強行された昨年5月15日、深夜に玉聞が帰宅すると、張り込んでいた「5〜6人」の検察官と警察官によって近所の交番に連れ込まれ、被疑者として午前2時前まで取り調べを受けた。玉聞は「逮捕されるとは思わなかったし、検察官から何があったのかも聞いてない。当日の状況を話しただけ」などと言うが、弾圧に恐怖し、デッチあげに協力した事実を隠すためのうそだ。当日の調書には、検事から被疑事実を突きつけられ供述した事実が明記してある。玉聞は「撤回し、訂正します」と証言を翻した。
 「なぜ逮捕されなかったと思うか」と弁護人が追及すると、「事件のことをちゃんとしゃべったから。黙秘した学生は逮捕され、厳しい取り調べを受けたことを聞いている」と、裏切りの代償として「融通を利かせてもらった」事実を認めた。これを売り渡しというのだ。
 被告団も次々と玉聞を追及した。「サークルの学習会で恩田を知っている」などと証言したことに対し、恩田亮君自らが「学習会には出ていない」事実を突きつけ、「撤回します」と、デッチあげを認めさせた。
 反対尋問は続行となった。デッチあげと裏切り者を粉砕しよう。
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 法大裁判に集まろう!
★4・24集会弾圧裁判
第12回公判 3月17日(水)午後1時30分
 東京地裁429法廷
★暴処法裁判
第11回公判 3月25日(木)午後1時30分
 東京地裁429法廷
★5・29デモ弾圧裁判@グループ控訴審
判決公判  3月30日(火)午後1時30分
 東京高裁
★10・17、7・24建造物侵入デッチあげ控訴審
判決公判  4月23日(金)午後1時30分
 東京高裁
 ※いずれも12時半に傍聴券配布所へ

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週刊『前進』(2431号6面6)(2010/03/15 )

 訂正

 前号6面の星野再審闘争の記事で、見出しに”再審・保釈を”とあるのは”再審・釈放を”の誤りでした。おわびし訂正します。

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