ZENSHIN 2010/03/29(No2433 p06)

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第2433号の目次

3・20イラク反戦7周年闘争。デモに出る全学連と法大文化連盟(東京・代々木公園)

1面の画像
(1面)
●特集 新入生諸君! ともに学生運動やろう
労働者と団結し世界革命へ  戦争と「教育の民営化」うち破れ
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ふざけるな! 倉岡さん(法大・人環学部3年)に停学1年
4・23法大闘争で処分撤回させよう  大学の主人公は学生だ(3月17日)
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日程 4・23法大解放総決起集会、4・28沖縄デー集会in東京 記事を読む  
 闘う学生・労働者の週刊政治新聞『前進』を毎週読もう 記事を読む  
(2面)
関西 “人道的解決”ふざけるな  「和解案」弾劾、JR西にデモ(関西・K)(3月24日) 記事を読む  
日逓中野 K君先頭に就労闘争
“雇い止め許さず闘う”  労働者分断の資本に怒り(3月20日)
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郡山国鉄集会 “解雇撤回、外注阻止を”  幕張、勝田など一堂に会し(3月16日) 記事を読む  
日教組解体・労働運動絶滅狙う  北教組への起訴弾劾する(3月22日) 記事を読む  
広島 卒業式ビラで不当逮捕  極右と警察が事件をねつ造(広島・K)(3月19日) 記事を読む  
“青年労働者を代表し証言する”
西郡住宅裁判 八尾市の悪行を暴ききる(投稿/全国連西郡支部 植村清)(3月19日)
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(3面)
解雇撤回・外注化阻止 全国大運動へ
国鉄・沖縄闘争を軸に鳩山打倒を 3・20集会の発言要旨(3月20日)
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一つに団結し闘おう  星野文昭さんのメッセージ 記事を読む  
(4面)
●特集 新入生諸君! ともに学生運動やろう
法大闘争は全世界を獲得する 法大文連・全学連大いに語り合う
大学を学生の手に取り戻せ
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(5面)
〈焦点〉 「定昇維持」も大幅賃下げ  10春闘での連合の総屈服 記事を読む  
〈焦点〉 派遣法は撤廃しかない!  非正規拡大する「改正案」 記事を読む  
(6面)
●特集 新入生諸君! ともに学生運動やろう
全学連訪米闘争の総括と展望
記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
日誌 2010年 3月17日〜23日
岡田外相 有事の核寄港「時の政治判断」/4月25日に読谷村で沖縄県民大会
記事を読む  

週刊『前進』(2433号1面1)(2010/03/29 )

 ●特集 新入生諸君! ともに学生運動やろう

 労働者と団結し世界革命へ

 戦争と「教育の民営化」うち破れ

3・20イラク反戦7周年闘争。デモに出る全学連と法大文化連盟(東京・代々木公園)

全学連訪米団は「教育の民営化阻止」を掲げカリフォルニア大バークレー校のストに参加し、オークランドまで8`の大デモ行進を闘いぬいた(3月4日)

 新入生のみなさん。資本主義は完全に破産し行き詰まり、世界中に戦争と大失業、貧困をまき散らしています。これに対して、全世界で労働者と学生が闘いに立ち上がっています。団結した力で世界を革命し、労働者階級が主人公となる新しい社会を築こう。闘う全学連と法大文化連盟がみなさんに呼びかけます。(編集局)

 闘う全学連の旗の下に 全学連委員長 織田陽介

 すべての新入生のみなさん! 大恐慌がますます深まり、資本主義というひとつの社会が崩れ去ろうとしている。学生が団結して行動に立ち上がり、社会を根本から変革する時が来た。3月4日、アメリカでは100万人の学生・労働者が教育ゼネストに立った。「学費をなくせ!」「教育をマネーゲームにするな!」「公教育を守れ!」「大学はおれたち学生のものだ!」。世界の学生の闘いはまずアメリカから始まった。リストラ、就職難、戦争、こんな言葉はもうたくさんだ。日本の学生も続こう! 戦争と大失業を進める民主党政権を、資本主義体制もろともぶっ飛ばせ! 巨大な学生運動を今こそ登場させよう!

 「停学1年」許さない

 3月17日、倉岡雅美さん(法政大学人間環境学部3年)に「停学1年」の不当処分が下された。処分を下した教授は「理事会に言われたからしょうがない」などと言っている。処分の正当な理由など何もない。これで学生が「停学1年」だと!
 何より処分理由は昨年4月24日の1500人の学生集会だ。倉岡さんはこの集会を呼びかけて最先頭で闘った。これを「建造物侵入」と「威力業務妨害」などという主張で法大が110番通報し、警察に倉岡さんを売り渡した。自分の大学で「建造物侵入」で逮捕、こんなことがあるだろうか! 当日、数百の学生が自分の意志で授業を抜けだし集会に参加した。最後は1500人の学生が「こんな大学のあり方はおかしい」という意思を集会で示した。倉岡さんが逮捕されるのを目の前で見て、怒りと悔しさに打ち震えた。この思いと行動を否定することなど誰もできはしない。
 1500人集会への法大当局の回答は、集会をやった倉岡さんの逮捕、処分だ。これは学生の意思を絶対に認めないということだ。「学生は黙って従え」。これが法大の本音なのだ! こんな処分は絶対に許せない。学生の団結で絶対に撤回させようじゃないか!
 これは法大だけの問題ではない。倉岡さんという一学生の問題ではない。大学のあり方を根本から問う問題だ。

 学生の自由奪う大学

 第一に、大学の主人公は学生だということだ。「学生は黙って従え」、これが教育と言えるだろうか。未来とは若者が古い価値観をうち破って切り開かれるものであるならば、学生こそが教育の主人公であり、大学は学生にとって自由でなければならないはずだ。
 しかし、法大はどうだ。ビラまきが禁止され、サークル団体を解散させ、学生の自由が奪われている。学生の学費が、監視カメラや、弾圧職員や暴力ガードマンの給料となって学生の自由を奪っている。東北大学では寮食堂が学生の声を無視して廃止され、富山大学では寮の廃止に反対する学生が退学処分になっている。学生が主体性を奪われ、モノのように扱われている。こうしたあり方を根本から問う闘いだ。
 第二に、教育の民営化に反対する闘いだ。大学の学費は年々上げられている。法大の総資産の3分の1、653億円もの金がマネーゲームに使われ、すでに2年間で37億円もの学費が消えてなくなった。こんな使い方をされる学費を払えないことをもって、多くの学生が大学からたたき出されている。奨学金という借金を背負って、職もないまま社会に放り出されている。教育が学生の未来を食い物にする「ビジネス」に成り下がっている。
 学生を苦しめている大学のあり方が、「学生は黙って従え」というこの処分に詰まっている。すべての学生は「不当処分撤回」の声を上げよう。
 第三に、学生が団結と誇りを取り戻す闘いだ。大学を私物化して金もうけする理事会など大学からたたき出し、大学を学生の手に取り戻そう。そのために団結しよう。処分された仲間のために声を上げる、これが団結だ。処分撤回闘争こそ、学生の手で大学のあり方を根本から変える闘いだ。
 大失業、非正規職、就職難。学生がここまで競争させられている現実につけ込んで、大学が学費をつり上げボロもうけしている。そして学生は点数で評価され、教育が生存競争の手段におとしめられている。学生が団結すればこんな状況はぶっ飛ばせる。学生の団結こそ、教育を本質的な豊かなものにする無限の可能性だ。受ければ受けるほどに人間性を失う教育の現実を変える力は私たち学生の中にこそある! 

 根本的変革の先頭に

 4月23日、すべての学生は法大解放総決起集会に集まろう! そして、学生は社会を根本から変革するために闘おう。
 第一に、労働者と団結し、資本主義社会を転覆する共産主義革命だ。世界中で膨大な数の労働者が職を失い、家を失い、路頭に放り出され、食うこともできなくなっている。学生が学校に通えず、教育も未来も奪われている。資本がもうけられなくなれば労働者・学生は生きることもできない。働くこと、住むこと、学ぶこと、一切の生活が資本家の金もうけのためにある。これが大恐慌で明らかになった資本主義の真の姿だ。こんな社会でいいのか。根底から問われる時代だ。そして、変革の手段もまた、人間が人間らしい団結を取り戻し、非人間的な階級支配を打ち倒すという根底的なものだ。
 労働者とともに立ち上がることの中に、学生の未来もある。とりわけ23年間、解雇撤回を貫いてきた国鉄1047名解雇撤回闘争だ。また、学生は『資本論』を学習し、マルクス主義の思想を復権しよう。
 第二に、安保・沖縄闘争だ。「基地撤去」の怒りが4月25日、10万人の沖縄県民大会として爆発しようとしている。戦後世界は憲法9条の装いとは逆に、絶えず戦争が行われ、72年沖縄返還後も沖縄から爆撃機が飛び続けた。1929年の世界大恐慌は、世界戦争を引き起こした。戦後もその矛盾は一切解決されていない。米軍基地の75%が集中する沖縄の怒りが、戦争のための日米安保体制を、帝国主義世界体制そのものを粉砕しようとしている。
 5月に国民投票法が施行され、実際に改憲ができるようになる。民主党政権は「東アジア共同体構想」を打ち出し、アジアの権益を狙って独自の軍事大国化をめざしている。これを許していいのか。戦争に動員されるのが学生・労働者なら、戦争をとめるのも学生・労働者の団結だ。沖縄の怒りとひとつに、反戦・反基地闘争に立とう。
 第三に、学生は自らの組織をつくって闘おう。闘う全学連の旗のもとに、学生自治会を復権しよう。一人の仲間も見捨てるな! 大恐慌の時代に立ち向かう団結を!

 未来奪うやつらと闘え 法大文化連盟委員長 斎藤郁真

 新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます! みなさんは、何を思い大学に入ったでしょうか? 学生時代は、自分のモノを創(つく)り上げるときです。周りの言葉の何を聞くべきか、みなさん自身が選ばなければなりません。
 みなさんは、大学に何を求めますか? こんな時代ですから、私は訴えます。「学生運動をやろう!」と。人生は一度しかありません。若いうちに情熱を、さまざまな状況の中で封じ込められているあなたのその情熱を呼び起こし、学生運動をやろう!

 全世界で学生反乱が

 私は、「新自由主義」と呼ばれる風潮がまん延する中、今の大学が「教育=商業」「学生=商品」と見なし、その結果どんどんつまらなくなっていることに危機感を持っています。そしてそれに抗し、法大キャンパスで文化連盟の委員長として闘っています。この新自由主義は1970年代以来の世界資本主義の生産過剰状態を背景とし、それゆえに世界同時的な攻撃としてあらわれます。新聞などではあまり報道されませんが、いま世界では学生反乱が、すさまじい規模で急速に燃え上がり始めています。私たちが極東の地で「教育の民営化(商業化)反対!」を訴えるとき、アメリカの学生は「教育は商業ではない!」と訴え、ドイツの学生は「教育は金もうけの道具ではない!」と訴えている。このスローガンは誰かが意識的に主導したのではないにもかかわらず、この2〜3年の間にほぼ同時に、世界中で行動的な学生たちが掲げ始めたものです。
 金融・経済危機が政治危機へと発展し、2010年は世界が動こうとしています。だからこそ私は、みなさんに自信をもって「ともに闘おう!」と訴えます。世界史を動かす壮大な物語にかかわることは、みなさんの人生にきっと大きな何かを、普通に授業に通っているだけではけっして学ぶことができない何かを残すでしょう。未来は私たちのものです。

 文化連盟は断固闘う

 もちろん、闘いの中での処分や弾圧という問題はあります。法政大学では、この4年間でのべ118人がビラまきや集会などで逮捕され、33人が起訴されています。私自身、08年12月以来「無期停学処分」にあり、先日は文化連盟の倉岡雅美さんに不当な「停学1年」の処分が下されました。
 しかし、それでも私は何度でも「一緒に学生運動をやろう」と訴えます。
 文化連盟は、今も昔も変わらずサークル連合ですが、法大当局によって08年に、半世紀近く続いた公認を一方的に取り消されました。そして、それに抗議するビラをまけば、教職員が暴力的弾圧を加えて処分で黙らせようとする状況に憤り、サークル連合の域を飛び出て闘争を開始しました。
 学生を「原材料」と見なし、授業やカリキュラムを「学生の加工」とみなす。知識と自我を持つ(持ちうる)若者をベルトコンベヤーに乗せ、そこから外れるものに苛烈(かれつ)な制裁を加える。それを「教育的措置」と言いなす大人たち。私が「学生運動をやろう!」と訴えるのは、私たち学生の未来を奪う、こういう大人たちを許してはならないと思うからです。
 法大当局、警察・検察権力、そして資本家たち。もう墓場に片足つっこんでいるにもかかわらず、次の世代の未来をおとしめるやつらをそのままにしておいちゃいけない。アツく、熱く、いっしょに学生運動をやりましょう! 4月23日、法大市ケ谷キャンパス正門で会いましょう!

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週刊『前進』(2433号1面2)(2010/03/29 )

 ふざけるな! 倉岡さん(法大・人環学部3年)に停学1年

 4・23法大闘争で処分撤回させよう

 大学の主人公は学生だ

 法政大学人間環境学部教授会は3月17日、同学部生の倉岡雅美さんに対してまったく不当な「停学1年」の処分を決定した。昨年の「停学6カ月」に続く、3度目の処分だ。
 処分理由は昨年4月24日の1500人集会開催だ。不当処分に声を上げたことが処分理由である。大学を批判したら警察に売り渡して処分する。こんなやり方が許されていいはずがない。大学からたたき出されるべきは、大学を私物化し学費をマネーゲームに使う理事会ではないのか!
大学の主人公は学生だ。学生の力で処分を撤回させよう!
 処分には1ミリの正当性もない。人環教授会が3月11日に行った倉岡さんの事情聴取では、教授会執行部主任の長峰(教授)自身が「理事会に言われてやっているだけだ」と、理事会の命令でやっているにすぎないことを暴露した。この長峰教授は4月から学部長に就任する。学生を処分して、自らは出世する。こんなことが許されていいはずがない。
 反撃はすでに開始された。「僕たちは法大の犬じゃない! ふざけるな!」――これは倉岡さんへの処分撤回に向けてサークル員が書いたメッセージだ。法大当局よ、震え上がるがいい! これが学生の力だ! 学生は学友の不当処分に対してストレートに声を上げている。3月17日の処分決定以降、処分撤回メッセージが続々と集まっている。
 学費高騰、就職難、サークル規制、教育が金もうけの手段にされている現実……。学生の怒りは爆発寸前だ。倉岡さんへの処分を許さないという声は、「学生は商品じゃない!」という学生の根源的怒りであり、叫びだ。
 仲間の処分に怒り行動することこそ、学生が団結を取り戻す闘いだ。学生が団結して立ち上がれば、大学を学生の手にとり戻すことはできる。大学を批判する学生を処分しキャンパスからたたき出してきたやり方がいつまでも通用すると思ったら大間違いだ。
 学生は今こそ声を上げよう。4・23法大解放総決起集会で処分を撤回させよう!
(写真 法大キャンパスの倉岡さん。多くの学生と日々討論し、闘いの輪を広げている。不当処分に学生の怒りが高まる)

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週刊『前進』(2433号1面3)(2010/03/29 )

 日程 4・23法大解放総決起集会、4・28沖縄デー集会in東京

 4月23日(金)正午/法大市ケ谷キャンパス
 呼びかけ/3・14法大弾圧を許さない法大生の会、法大文化連盟、全学連

 4・28沖縄デー集会in東京
 4月28日(水)午後6時30分/日比谷野外音楽堂
 主催/4・28集会実行委  ※集会後デモ

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週刊『前進』(2433号1面4)(2010/03/29 )

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週刊『前進』(2433号2面1)(2010/03/29 )

 関西 “人道的解決”ふざけるな

 「和解案」弾劾、JR西にデモ

 3月24日、闘う闘争団と国鉄闘争を支援する関西共闘会議準備会の主催で「JRは不当労働行為を謝罪し23年の争議の解決を! 国鉄1047名と家族が納得できる解決を!」の集会とJR西日本本社デモが闘われた。
 今回の集会とJR西日本本社デモは「人道的解決」でしかない「4党和解案」を原則的階級的に弾劾し、あくまで1047名解雇撤回・国家的不当労働行為と対決しぬくことを鮮明にして闘われた。同時に1047名陣形に新たな分岐と流動化が起こっていることを突き出す闘いとなった。

 関生支部や港合同先頭に

 午後6時、会場の上福島北公園に全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部や全国金属機械労組港合同の組合員が結集してきた。関西労組交流センターに結集する労働者も1047名闘争解体と国労解散、労働運動壊滅を狙う民主党・連合政権による「和解案」への怒りをたぎらせ総決起した。
 雨をものともせず200人以上の労働者が結集する中で、港合同・中村吉政副委員長の司会で集会が始まった。
 主催者あいさつで関生支部の高英男副委員長が「『人道的解決』ふざけるな! 謝罪もない、解雇撤回もない解決は労働運動に汚点を残すものだ。解雇撤回で闘おう」と1047名闘争の方向性を鮮明に提起した。
 闘う闘争団から熊本闘争団と佐賀闘争団の3人が「職場に戻るまで闘う」「支援の仲間に恥じない解決を」と発言した。港合同の労働者は「27年間にわたる国鉄臨職・和田弘子さんの解雇撤回闘争と1047名解雇撤回闘争は一体だ」と確信をこめて訴えた。
(写真 国労5・27臨大闘争弾圧被告団を先頭に関西労組交流センターに結集する労働者も総決起、JR西日本本社へのデモを闘った【3月24日 大阪市】)

 4・1外注化を阻止したぞ

 関西労組交流センターを代表して国労兵庫保線分会の富田益行さんが「1047名闘争の火を消してはならない。火を消すどころか全国に火をつける時がきている。2千万青年労働者の怒りと結びつき解雇撤回で闘っていこう。JR資本と闘い、解雇撤回を実現しよう。JR東日本検修全面外注化に対し動労千葉は4波のストで4・1実施を阻止した。尼崎事故を弾劾し、4・25尼崎闘争に結集しよう」と提起した。
 塩川一派は集会全体に渦巻く怒りの対極で、なんと「4党和解案は闘った成果だ」と天まで持ち上げる始末だ。「民主党政権公約を実現する大衆運動を」と言ってはばからない塩川派は1047名闘争解体の先兵であることを自己暴露し、完全にバリケードの向こう側に転落したのだ。
 関生支部は「謝罪なき解決は問題にならない」と「和解案」を弾劾し闘うことを提起した。その後、港合同南労会支部、八尾北医療センター労働組合の決意表明を受けJR西日本本社に向けてデモを戦闘的に打ちぬいた。
 (関西・K)

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週刊『前進』(2433号2面2)(2010/03/29 )

 日逓中野 K君先頭に就労闘争

 “雇い止め許さず闘う”

 労働者分断の資本に怒り

 

 3月20日、日本郵便輸送(旧日逓)中野営業所に対する就労闘争が闘いぬかれた。
 昨年5月31日、日本郵便輸送中野営業所はJP労組組合員の青年労働者・K君を始めとする集荷パート労働者14人を雇い止め=解雇した。K君は地元の東京西部ユニオン、西部労組交流センター、労組交流センター全逓労働者部会などとともに解雇撤回を求めて闘い続けている。
 朝7時半、営業所前に登場した。早速、出勤してくる労働者や集荷車両で出発する労働者に対してビラ配布を始める。
 K君がハンドマイクを使って中野営業所への抗議と、営業所で働く仲間への呼びかけを行った。
 「日本郵便輸送中野営業所の雇い止め=解雇を許さず撤回まで闘いぬく。中野営業所では今度は“沖縄班”の労働者に対し短時間雇用への契約変更を通告した。収入が半分以下となる。解雇通告そのものだ。本日のワーカーズアクション・イン渋谷を闘い、労働者の団結で反撃しよう」
 “沖縄班”とは、失業率の高い沖縄県出身の労働者たちのことで、中野営業所ではそのように呼称されている。低賃金・不安定雇用のうえに寮住まいさせ、住民票を東京に移させないという差別・分断支配が行われているのだ。絶対に許せない。
 続いて全逓の青年労働者が「雇い止め解雇は許せません。残された労働者も要員不足の中で朝から晩まで働かされ、人間関係まで息苦しくなる。労働者の権利を守るのが労働組合だ。団結して闘おう」と訴えた。西部ユニオンの労働者は「資本は外注化によって労働者にしわ寄せして生き延びようとしている。安全・雇用に責任を取らない」と資本を徹底的に弾劾した。さらに、西部ユニオンの女性労働者など参加した全員が自らの闘いを報告し団結を訴え、最後にシュプレヒコールを上げて就労闘争をやりぬいた。
 日本郵便輸送でも外注化が進んでいる。K君たち14人の労働者を雇い止め=解雇した会社は、その業務を全面的に下請けに出した。外注化のためにK君たちを解雇したのだ。労働条件・人件費を切り下げ、コスト削減で利益を出す戦略だ。JRの検修業務全面外注化とまったく同じだ。
 国鉄1047名解雇撤回闘争の勝利まで闘いぬくことこそ労働者の生きる道だ。昨年、JPEX子会社化を破産させたように労働者の現場からの闘いが勝利を引き寄せる。雇い止め=解雇を許さず闘いぬこう。
(写真 【左】集荷車両で出発する労働者にビラを配布【右】「雇い止め=解雇を許さない」とシュプレヒコール【3月20日 中野区】)

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週刊『前進』(2433号2面3)(2010/03/29 )

 郡山国鉄集会 “解雇撤回、外注阻止を”

 幕張、勝田など一堂に会し

 「国鉄1047名解雇撤回! JR検修業務全面外注化阻止! 郡山労働者集会」が3月16日、福島県郡山市で開催され50人を超える結集で大成功しました。解雇撤回を闘う国労秋田闘争団や、JR東日本の各車両検修職場で働く労働者らが連帯と交流を求めて参加しました。
 国労郡山工場支部の橋本光一さんは基調提起で、3月4日に亡くなった中野洋動労千葉前委員長の思い出を紹介し「自分も中野さんのように死ぬまで労働運動を貫きたい」と決意を語りました。そして、現代は資本主義の終わりの時代だと時代認識を明らかにし、「今こそ民主党・連合政権を打倒しよう!」と訴え、郡山工場の外注化の実態、JRの全面外注化攻撃の矛盾を暴露しました。「既成指導部は外注化に反対できない。外注化絶対反対は資本主義の否定だからだ。ここで反撃できなければわれわれに未来はない。外注化絶対反対闘争には勝算がある。第2次分割・民営化阻止決戦、今度は勝つ!」と熱烈に訴えました。
 1047名闘争について国労秋田闘争団の小玉忠憲さんが特別報告に立ちました。小玉さんは資料を示しながら、JRの本州3社はもともと定員割れで全員採用だったこと、小玉さん自身も23年前にいったんは「採用名簿」に登載されていたにもかかわらず、鉄道労連(現JR総連)カクマルが当時の国鉄総裁・杉浦喬也にねじこみ、現JR東海会長・葛西敬之の指示で意図的・計画的・自覚的に秋田鉄道管理局に連絡して採用名簿から外した事実を怒りを込めて暴露・断罪しました。また今回の和解案について「解雇を認めろ!JRに法的責任はないと認めろ!不当労働行為はなかったと認めろ!というもので『解決案』ではまったくない」とし「屈服と裏切りの『和解』をキッパリ拒否してあくまで解雇撤回を求めて闘いぬく!」「1047名解雇撤回闘争は2千万青年労働者の未来がかかった闘い。われわれの23年の闘いはこれから光り輝く。国労を闘う労働組合につくり変えよう」と訴え、最後に4・11秋田集会への結集を呼びかけました。
 車両検修職場からの報告として、勝田車両センター(茨城県ひたちなか市)から動労水戸勝田支部が、幕張車両センター(千葉県千葉市)からは国労幕張電車区分会と動労千葉幕張支部の関道利本部執行委員の報告を受けました。
 動労水戸は「去年1年間の闘いで路線、方針、指導さえちゃんとしていれば勝てるという確信を持った」と報告。国労幕張電車区分会からは、職場で起きている矛盾の数々が報告され「全面外注化で収拾がつかなくなる。何か起きてからでは遅い。一番知っているのは現場労働者だ。外注化阻止で闘う」。動労千葉の関さんからは、この間の動労千葉への組織破壊攻撃の実態が語られ「この攻撃は動労千葉組合員がいたら外注化ができないことからきている」と連続ストライキで検修外注化の4月実施を阻止した闘いが自信に満ちて報告されました。
 全金本山労組の長谷武志副委員長、国労新潟支部執行委員の星野文男さん、自治労の青年労働者、ふくしま合同労組の仲間、郵政労働者が発言。「第2次国鉄決戦は自らの職場生産点にあり」ということがそれぞれ語られました。
 特別決議採択後、集会のまとめと行動提起をNTTの仲間が行い、団結ガンバローで集会を締めくくりました。
 (福島・O)
(写真 国鉄闘争のさらなる発展へ画期的な地域集会となった【3月16日 郡山市】)

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週刊『前進』(2433号2面4)(2010/03/29 )

 日教組解体・労働運動絶滅狙う

 北教組への起訴弾劾する

 団体も不当起訴

 札幌地検は3月22日、北教組の長田秀樹委員長代理と自治労北海道の木村美智留財政局長の2人を政治資金規正法違反で起訴、さらに同法の両罰規定にもとづき団体としての北教組を起訴した。組合そのものを起訴するというのはおよそ前例のない大弾圧だ。北教組つぶしの不当な政治弾圧を徹底弾劾する。
 北教組だけでなく、自治労北海道の役員をも起訴したこの弾圧は、まさに労働組合の存在を全否定するものだ。連合幹部を取り込んだ民主党政権は、連合の容認と支持のもとに、戦闘的労働運動を解体する攻撃をますます強めている。
 3月23日には、全北海道開発局労働組合に対して、「ヤミ専従」「違法組合活動」などという言いがかりで計4119人もの労働者に大量不当処分が下された。
 こうした攻撃の先端にあるものこそ、国鉄1047名闘争解体の攻撃であり、JR東日本の検修業務外注化と全面対決してきた動労千葉への組織破壊攻撃だ。
 何よりもこれは、「日の丸・君が代」不起立を闘い、日常的な職場闘争を積み重ねて日教組本部打倒へ闘う全国の教育労働者にかけられた弾圧だ。民主党・連合政権打倒の総反撃に立とう。

 政治活動弾圧も

 3月1日の逮捕以来、政府・文科省、さらに与党も野党も北教組つぶしへ猛然と動いている。
 鳩山は早々に、教育公務員特例法に罰則を設けて教育労働者の政治活動を制限することを検討すると表明した。また文科相・川端は、教特法違反について道教委に調査を指示。「日の丸・君が代」についても「(抵抗闘争が)学校に持ち込まれてはいけない。関係教委とも連携して指導する」と述べた。
 文科省の指示を受けて道教委の高橋教一教育長は「(国歌斉唱時の)教職員の起立などの改善が見られない」として「PTAなどから(実態を)うかがう」「職員を各学校に派遣し実際の様子を把握する」と表明。さらに「教員の政治的行為、勤務時間と組合活動の状況を早期に実態把握したい」として保護者などから情報提供を受ける仕組みを整えると表明した。
 国会では、自民党文部科学部会会長・義家弘介や衆院議員・馳浩らが、北教組バッシングを猛然と展開している。主任や学力テスト、自宅研修、初任者研修などをめぐり各分会が校長交渉を行っていること、「日の丸・君が代」に抵抗闘争を続けていることなどを取り上げ、組合活動の絶滅を狙っている。
 自民党とみんなの党は10日、公立学校教職員の政治活動に「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科す教特法改悪案を提出した。
 日本共産党北海道委員会も声明を出し「特定政党支持義務付け、強要に一番の根っこがある。ただちにやめるべき」と北教組バッシングに唱和し、北教組弾圧に全面加担している。

 日教組本部弾劾

 絶対に許せないのが日教組本部の対応だ。3月1日に「深くお詫(わ)び申し上げます」と談話を発表したのに続き、15日の日教組臨大では委員長・中村譲が「強制捜査という事態が生じたことは大変残念。法令順守の徹底を図っていく」と述べ、弾圧に一言も抗議しないばかりか、弾圧者に深々と頭を下げ、北教組を敵に差し出したのだ!
 日教組本部を徹底弾劾し、現場から弾圧への総反撃を組織して闘おう!

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週刊『前進』(2433号2面5)(2010/03/29 )

 広島 卒業式ビラで不当逮捕

 極右と警察が事件をねつ造

 3月19日、広島市内の小学校卒業式での「日の丸・君が代」強制反対のビラまきで広島県労組交流センター会員Aさんが不当逮捕された。
 この不当逮捕はビラまきを妨害しにきた極右団体・日本会議広島の蓼(たで)雅治による「暴行があった」という作り話による百パーセントのデッチあげ弾圧だ。蓼らは昨年8月6日の原爆の日に、核武装を主張する田母神俊雄元航空幕僚長の講演会を開き、ごうごうたる非難を浴びた連中だ。
 蓼はビラまきを行っていたAさんの前に立ちはだかり、Aさんが声を上げて抗議すると「殴ったな」と叫んで即座に携帯電話で110番した。さらに許しがたいのは、この蓼の作り話をそのまま受け入れ、即座にAさんを逮捕した安佐南警察署だ。
 これは国鉄1047名闘争解体攻撃や北教組弾圧と一体の、不起立闘争絶滅の弾圧だ。絶対に許さない!
 広島県労組交流センターは直ちに緊急抗議声明を発し、この日の卒業式で不起立闘争を貫徹した広教組組合員を先頭にして、百万人署名運動広島連絡会や婦人民主クラブ全国協とともに怒りに燃えて安佐南警察署への弾劾行動を行った。さらに今回の弾圧を引き起こした張本人である広島県教育委員会に対する追及行動も行った。在室していた教育次長は、卑劣にも秘書らを盾にして奧の部屋に閉じこもった。これが居丈高に「日の丸・君が代」を強制している連中の正体だ。
 怒りの反撃に打ちのめされた広島県警は23日午後、交流センター事務所への不当捜索を行い、交流センター議案書、ビラなどを押収した。
 だが弾圧は怒りの火に油を注ぐのみだ。翌24日に広島県内で行われた卒業式では、さらに2人の広教組組合員が不起立闘争に決起した。
 今回の弾圧は、「日の丸・君が代」と労働者階級との絶対非和解性をあらためて浮き彫りにした。そして「是正指導」による絶滅攻撃を打ち破って闘われてきた広島の不起立闘争の永続化が、資本・権力に決定的打撃を与える闘いとなることを示した。
 Aさんを直ちに取り戻そう!
 (広島・K)
(写真 仲間を不当逮捕した広島県警安佐南警察署前で猛然たる抗議闘争に決起【3月19日 広島市】)

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週刊『前進』(2433号2面6)(2010/03/29 )

 “青年労働者を代表し証言する”

 西郡住宅裁判 八尾市の悪行を暴ききる

 西郡住宅裁判が3月19日、大阪地裁民事25部(稲葉重子裁判長)で開かれ、画期的で決定的な勝利がもぎ取られた。
 裁判を前に、岡邨洋部落解放同盟全国連合会西郡支部長を先頭に大阪市役所から大阪地裁へ昼休みデモ。裁判が開かれる202号大法廷には西郡支部、八尾北命と健康を守る会、八尾北医療センター労組、全関西から青年労働者が休暇を取って駆けつけ敵を圧倒した。
 証言に立った西郡の青年労働者A君は「2千万青年労働者を代表して証言する」「私は森精機のストに参加し勇気と希望をもらった。派遣労働者が首を切られ寮から追い出される。これは応能応益で住めなくなり生きていけない西郡と同じだ。分断を打ち破り『使い捨てにする資本に対して団結して闘おう』と呼びかける派遣労働者の姿にとても感動した。労働者は差別すると教えられてきたが違っていた。西郡の旗を立てたいと思った」と堂々と証言した。
 A君は10年かけてコツコツ貯金した結婚資金をごっそり差し押さえられた。八尾市の代理人は「払えという最高裁判決が出ている」と難癖をつけたが、A君は「不当判決だ。自分たちはここに住む権利があり、供託で団結しなければバラバラにされ村はなくなっていた」と八尾市をたたきのめした。傍聴者は大拍手でこたえた。
 A君に先立って最初に証言に立った末光道正八尾市議は、応能応益は住民追い出し=住宅民営化であり、一切を供託つぶしに据えて襲いかかる八尾市のうそとだまし、脅しの実態を丸裸にした。
 例えば八尾市は、供託して闘った生活保護者に「収入を申告してないから」と本来の家賃は8600円なのに4万3300円も請求し、本人が亡くなったらその「借金」を子どもに押しつけた。
 また「不執行の合意」(「期日までに来庁しないと強硬手段に訴える」という通知の期限を解除して話し合う約束)をなかったことにして今回の差し押さえを強行した。その手口は、「延期できないと断った」という公文書のねつ造だ。
 これについて弁護団はやりとりが鮮明に記録されたテープを証拠として突きつけた。法廷に引きずり出された橋本安夫元建築長と石田広次元住宅管理課次長は「隠しどりはひどい」と泣き言しか言えなかった。一斉に傍聴席の怒りが爆発した。追いつめられた市の代理人は傍聴席に八つ当たりし墓穴を掘った。
 私たちは八尾市をグウの音も出ないまでに追いつめた。昨年の2・26住宅明渡し強制執行と闘った森本政二さんは「スカッとした。かたきをとってくれた」と述べた。
 原告・支部と弁護団は、準備過程で真剣に激しい討論を積み重ねた。「裁判所に救済をお願いするのではない。自ら闘って応能応益を裁き、八尾市の団結破壊を暴き、道州制=民営化への6千万労働者の怒りと結びつく証言をやりぬきたい」という原告・支部の魂が弁護団を揺り動かした。ここでの団結が応能応益絶対反対の正義性と八尾市の悪行を満天下に明らかにした真の力だ。
 私たちが2・26で始めた差別・分断を打ち破りひとつの労働者階級として団結して闘う解放運動の路線が、国家権力相手に決定的勝利を切り開いたのだ。私たちはさらに八尾市を追いつめ、八尾北医療センター売却粉砕! 3・31を突き抜け数年がかりの大闘争に突入する。国鉄1047名解雇撤回、外注化阻止の国鉄決戦で民主党・連合政権打倒! ともに闘おう。
 (投稿/全国連西郡支部 植村清)
(写真 部落解放同盟全国連西郡支部の岡邨支部長を先頭に大阪地裁へデモ【3月19日 大阪市】)

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週刊『前進』(2433号3面1)(2010/03/29 )

 解雇撤回・外注化阻止 全国大運動へ

 国鉄・沖縄闘争を軸に鳩山打倒を 3・20集会の発言要旨

 イラク反戦7周年全世界一斉デモの3・20ワーカーズアクションin渋谷は1880人の参加で大成功した。大恐慌下における階級決戦の柱を国鉄闘争と安保・沖縄闘争に据えきり、青年労働者・学生を先頭にその巨大な突破口を開く闘いとなった。支配階級と4者4団体派が総ぐるみで進める国鉄1047名闘争解体攻撃を敢然と拒否して闘う国労闘争団の仲間の激しい怒りと決意に応え、動労千葉は戦後労働運動の全地平の上に国鉄決戦の勝利へ全国運動を呼びかけた。そして沖縄闘争は、あらためて日米安保体制そのものを粉砕する戦略的な闘いとして、民主党・連合政権を土台から揺るがす段階に突入した。わが動労千葉派の青年労働者・学生が「資本主義の危機は労働者の好機だ」と言いきり、「今こそ労働者階級の多数派獲得へ踏み出そう」「世界のすべてを資本主義から取り戻そう」と宣言し、飛躍的な組織拡大への路線と決意を鮮明にしたことは、決定的な地平である。代々木公園での集会は、飛び入りの参加者も多く、あらゆる戦線からのはちきれるような勢いの発言で熱気に包まれた。前号の記事に続き、集会での発言(要旨)を紹介します。(編集局)

 特別アピール

 4波のストで外注化阻んだ 動労千葉委員長 田中康宏さん

 動労千葉は今春闘で1047名解雇撤回、検修外注化阻止、そして貨物の定昇廃止阻止を掲げ4波のストライキを闘い、この場に結集した。そして外注化の4・1実施を阻止する勝利をかちとった。小さな組合でも本気で闘えばJR全体を揺るがすことができた。JR資本は動労千葉への労働者の合流を恐れ、スト破りも命じられず、戒厳状態を敷いて他労組と分断することに必死だ。しかし安全の崩壊は、資本主義の根幹の崩壊でもある。今や数千万の労働者が貧困と無権利のどん底から立ち上がる情勢だ。だからこそ動労千葉は闘い続ける。
 この情勢で、政府・与党と4者4団体など体制内指導部が、国鉄1047名解雇撤回闘争を奴隷的な「和解案」で終わらせようとしている。87年の国鉄分割・民営化に次ぐ重大事態だ。闘う組合員だけの首を切る国家的な不当労働行為と23年間も闘ってきた。その結論が国労解散なのか! 連合への全面屈服・合流なのか! 動労千葉だけで40人の首を切られても団結を守ってきたのだ。分割・民営化攻撃は何も決着していない。
 やつらはなぜここで決着させたいのか? 敵も立ち往生している。道州制で公務員360万人の首を切る。そのために労働者の闘いを絶滅する。これだけが支配階級の目的だ。ここに今の時代認識の核心問題がある。
 こんなことで国鉄闘争を終わらせてよいわけがない。世の中に怒りはあふれている。
 動労千葉は、この局面で絶対に国鉄闘争の火を消してはならないとの趣旨で全国運動を呼びかける。これは戦後労働運動の限界をのりこえる闘いだ。大勢の若い仲間を結集し、ここで何としても組織拡大を実現するために闘う決意です。

 23年の闘いと思い忘れない 動労水戸委員長 石井真一さん

 本日、動労水戸は春闘ストに突入している。JR貨物は「赤字だから定昇なし」だという。赤字で賃金も上げられないとは民営化の破産だ。分割・民営化から23年で、JR資本は「間違いだった」と自認したのだ。
 動労水戸は運転士の登用差別を受けてきただけではない。23年間一度も昇級なしという昇級差別も受けてきた。検修外注化の4月実施を阻止した力で粉砕しようと意志一致してきた。労働者が団結すれば、そんなに資本は強くないことを証明したではないか。
 国鉄1047名解雇撤回闘争を解体するための談合が行われている。23年の闘いと思いを忘れたか。人材活用センターなる収容所に送られ、売店に飛ばされ、昇級でも差別され、闘う組合員は運転士にも登用しない。おれたちはあらゆる差別に耐えて闘ってきた。200人が自殺に追い込まれたことを忘れたのか。カネで闘いを終わりにするとは絶対に許せない。
 イラク戦争の開戦から7年目で、米軍基地が集中する沖縄で闘いが爆発する情勢を迎えている。インチキ鳩山政権を倒し、ともに闘おう。
「解決案」拒否
して闘いぬく

 国労秋田闘争団/鉄道運輸機構訴訟原告 小玉忠憲さん

 1047名解雇撤回闘争で、与党3党と公明党の「解決案」を4者4団体が受け入れると声明を出した。われわれ闘争団有志は、これをキッパリ拒否して解雇撤回まで闘い抜くことを宣言する。
 「和解」の前提は、JRに法的責任がないことを解雇された当事者が認めろというものだ。不当労働行為はなかったことにしろ、解雇の責任者はいない、謝罪もしない、裁判も取り下げろと。これを全部認めたらカネをくれてやるということだ。
 「JRに雇用を要請」だって? 「要請」なら猿でもできる。ふざけるんじゃない。その2400万円はどこから出すの? 労働者からふんだくったゼニだ。そのカネでわれわれのほおをひっぱたいて、奴隷になれと。分割・民営化を認めろと。新自由主義を認めろ、解雇撤回なんて言うなと。これで何が「和解」だ。おれたちは絶対認めない。こんな「和解」で国鉄1047名闘争を根本的に解体し、国鉄労働組合を解体して解散に追い込む攻撃なのだ。絶対に認められない!
 民主党・連合政権もJR資本も追いつめられている。70%台の支持率が30%まで落ちた。当たり前だ。昨年11月集会で、日本に1047名闘争ありと世界に誇れる階級的団結をつくった。2月にはJR東日本会社への大デモ、本日の集会、そして3・24JR西日本本社へのデモ。敵の攻撃は悲鳴なのだ。
 敵に土下座しなくても労働者の力で勝てる時代が来た。ギリシャでは300万人がゼネストで反撃している。日本にも生きさせろという怒りはあふれている。闘う労働組合が最前線で闘おう。私たちは微動だにしません!

 怒りの沖縄から

 基地撤去こそ沖縄の民意だ 沖縄北部合同労組の労働者

 沖縄は怒りに満ちている。辺野古のキャンプ・シュワブ陸上案で結局、米軍基地は沖縄に戻ってきた。もう我慢の限界なのだ。1月の名護市長選では反対派が当選し、8・30総選挙に続き自民党の長年の沖縄差別政策に鉄槌(てっつい)を下した。基地撤去こそ沖縄の民意だ。平野官房長官は「民意をくむ必要はない」と暴言を吐いた。民主党・連合政権、体制内労働運動指導部は沖縄労働者人民の敵であり、ぶっ飛ばす対象だ。
 「基地はカネの成る木だ」とのデマは吹き飛んだ。沖縄県内の失業は本土の2倍。全市で生活保護受給が倍増した。名護の地域振興と称して5年間で500億円もばらまかれた結果がこの大失業だ。
 4月県民大会には、日米安保粉砕、米軍基地撤去、労働運動の力で辺野古の基地建設をぶっ止めよう、沖縄闘争の力で鳩山を打倒しよう、の旗で合流します。動労千葉労働運動が勝利の一切を決める。動労千葉と三里塚の労農同盟に裏打ちされた実力闘争の旗を辺野古に打ち立てよう! 

 訪米闘争報告

 3・4教育スト上回る闘いへ 全学連訪米団

 アメリカの学生運動、階級闘争と歴史的な合流を果たした。公教育を守れのスローガンで、全米32州100万人の労働者・学生がゼネストに決起し世界を揺るがした。その震源地のカリフォルニアでデモの先頭に立った。カリフォルニアは、刑務所予算が全米1位で、教育予算はなんと48位。監獄大学の法大もびっくりの現実に学生も労働者もたたき込まれている。教育の民営化に反対し、未来を取り戻す反撃が開始された。
 訪米で二つの目標を立てた。法大闘争を伝え団結を広げる。そして私たち自身が3・4教育ゼネストのような大衆闘争を組織するリーダーになることだ。アメリカの学生たちのスローガンはわれわれと同じだった。「団結すれば負けない! 団結した学生は分断されない!」だ。
 沖縄基地をめぐり日米対立が激化し、その足元で団結が海を越えてひとつになっている。ここに戦争を止める力がある。全学連は3・4を上回る大闘争をやり抜くことを決意する。

 青年労働者の基調報告

 戦争とめるのは現場労働者 ワーカーズアクション実行委員会

 イラク開戦から7年。世界戦争のパンドラの箱が開き、大恐慌が起き、多くの青年労働者に絶望を強いてきた。しかし労働者は団結すれば勝てると確信が広がっている。動労千葉のように闘わなければ生きていけない膨大な青年労働者があのJR東労組の中からも生まれている。海の向こうのギリシャでは、国家財政の破綻に労働者はゼネストで反撃している。世界はますます革命情勢だ。
 日本では、国家財政が破産し、搾取と収奪、民営化、全面外注化、首切り、9割の非正規化、大増税、偽装請負、そして国鉄1047名闘争を終わらせ、闘う労働組合を破壊する。これがJRをはじめすべての職場で起こっている。教育では学生が金もうけの手段におとしめられた。医療は「どっちがもうかるか」で治療が決められる。そして米軍基地再編と改憲・戦争の道。全部が資本家たちの生き残りのあがきだ。
 資本主義の危機は労働者の危機ではない。ここが大事だ。戦争を止められるのは国会ではなく現場の労働者だ。労働者の首切りを止める力と戦争を止める力は同じだ。
 民営化と現場で闘い、闘う労働組合をよみがえらせ、安保粉砕の立場で戦争と基地問題と闘おう。労働者は団結すれば勝てる。世界のすべてを資本主義から取り戻すチャンスだ。
 動労千葉はイラク開戦の時、「軍事物資は運ばない」と72時間のストライキに決起した。この闘いで、私はかつて絶望の労働者から目覚めた。体制内の指導部がどんなに裏切っても労働者は闘いの原則を選ぶ。原則はこの会場の中にある! 渋谷の街を制圧しよう!

 連帯あいさつ

 青年・学生は3・28三里塚へ 三里塚芝山連合空港反対同盟事務局長 北原鉱治さん

 三里塚も決戦となった。市東孝雄さんという農家の畑に通じる生活道路を廃道にして、住居を空港の中に取り込んでしまう攻撃が切迫している。親子三代が耕し、今も人が住んでいる農家を空港の中に孤立させるとはどういう攻撃か。44年間、三里塚は多くの若い労働者・学生たちとともに権力の農地取り上げに反対し、闘い抜いてきた。この闘いの砦をつぶすことが政府の狙いだ。
 米軍の司令官はかつて、沖縄と成田はアジアを支配するために堅固にしなければならないと語った。朝鮮半島有事の際には50万人の米軍が成田に来る計画も報道された。有事には全土が基地になる。これと闘い抜くことが沖縄と三里塚で問われている問題だ。
 成田空港は1966年の一方的な閣議決定から44年もかけていまだ完成できない。このぶざまな姿を見てほしい。これこそ労働者・農民・学生の正義の抵抗闘争の証しだ。未来を背負う学生・労働者諸君! 3・28の三里塚全国集会に多くの皆さんが集まることを呼びかけます。

 戦争いらない思いを一つに とめよう戦争への道!百万人署名運動事務局長 西川重則さん

 7年前、イラク侵略戦争の開戦時に、私たちは百万人署名運動の使命を帯びて国境を越え、米ワシントンDCで実現された50万人もの集会に参加した。この時、一番大切に思ったことは、労働者、市民、学生、すべての人びとが思いを一つにして、世界の平和のために「戦争はいらない」と決意を示したことだ。以来私たちは「とめよう戦争への道!百万人署名運動」を地味ではあるが展開してきた。
 日本は1930年”暗夜の予兆”の日から始まった10年以上の間、アジア侵略の加害の歴史を繰り返してきた。私も宗教者としてその歴史を肝に銘じてきた。今日、イラク開戦7周年で全世界同時に一斉デモが行われていることは素晴らしい。
 今年の5・15沖縄の本土復帰の日、百万人署名運動有志は沖縄に行く。”命こそ宝”と信じ、侵略戦争の歴史を繰り返さず、アジアから信頼される国になるために、「沖縄に基地はいらない。本土も世界も基地はいらない」の闘いをともに展開しよう。


 日弁連新執行部と徹底対決 弁護士 森川文人さん

 日弁連の宇都宮新執行部は、わが高山俊吉候補を懲戒攻撃で選挙から排除し、破産に向かう「司法改革」をなんとか延命させる体制側の救世主、いわば”ケレンスキー内閣”だ。裁判員制度に逆らわず、改憲阻止も反戦も言わず、民主党政権におもねっている。大学入学金で搾取され、法科大学院で搾取され、無給採用制となる司法修習が終わると平均650万円の借金を背負って仕事もない世の中にほうり出される。これが弁護士の現状だ。
 沖縄基地問題は「どこそこへ移転」という話ではない。「県外」というなら大気圏外にでも行けという問題だ。憲法と人権の日弁連をめざす会は弁護士会2万8千人に対して、新執行部と闘う宣言を出した。レーニンも言うように「最後に笑う者が一番よく笑う」。ともに頑張ろう。

 青年・学生の決意表明

 ●強制配転と闘う動労千葉の青年労働者

 私は動労千葉の津田沼派出所を名乗っている。ライフサイクルの攻撃で強制配転になり、JR東日本に輸送のプロはいないことが分かった。東労組(JR総連)の掲示板に「民主党の候補を応援しよう」と書いてあり、それに疑問を持つ若い労働者もでてきた。今闘わなければどうしようもない。管理者の言いなりにはならない。3年後には必ずハンドルを取り戻します。

 ●動労西日本副委員長 山田和広さん

 岡山駅で3月末で雇い止め通告にあった。動労西日本は、13日に第1波を岡山で、17日に五日市で第2波、そして本日第3波ストを打ち抜いてこの会場に結集した。JRは契約社員制度を廃止せよ! たった5年で青年労働者を使い捨てる制度は認められない! これが現場労働者の声だ。解雇撤回まで動労千葉のように闘う。

 ●東京の全逓労働者

 イラク戦争7周年、全逓労働者は民営化絶対反対で闘う7年だった。民営化で職場は極端に人が減らされ、事故が増え、6割が非正規職になる異常事態となった。JP労組中央はついに「国益」を守る運動を言い出した。この行き着く先は戦争だ。民営化で殺された仲間のかたきを必ず取る。腐った労働組合の現状を現場からひっくり返すために闘う。

 ●関西の自治体労働者

 体制内派が青年を組織できない時に、本日の闘いの先頭に青年・学生が立っていることが勝利だ。連合は沖縄基地をどこに移すかと裏切りを決めた。自治労中央の「平和行進」のウソも暴かれた。非正規職化を自ら進めてきたのが自治労中央だ。自治体で解雇が広がり怒りが蓄積している。国鉄1047名闘争という決定的な武器で路線をぶっ立て闘おう。

 ●神奈川の教育労働者

 学校でも非正規職の労働者が激増し、分断が進み、教育者の美名のもとに奴隷労働を強いられている。『甦る労働運動』を読んだ青年労働者が「教員も労働者だ」と気づいた。三浦教組の役員選挙では、若者が私たちを支持する確かな手応えを得た。昨日の卒業式はアメリカの教育ゼネストと連帯し四十数秒の「君が代」不起立を闘った。反戦の闘いは学校からだ。ともに連帯しよう。

 ●関西の金属労働者

 動労千葉の3波のストに連帯する独自行動をやり抜いた。昨日は大阪地裁で西郡住宅裁判を闘い、絶対反対の闘いが6千万労働者とつながるとの決意が法廷を圧倒した。10春闘を1047名闘争勝利、沖縄闘争連帯、派遣法撤廃、大幅賃上げを掲げて打ち抜き、地域の注目を集めた。労働組合の大再編だ。”11月派”が闘いの中心に立とう。

 ●東京北部の精研労組の組合員

 病院の経営陣は1億円の経費削減、正規職登用をしない、組合副委員長の解雇、組合への誹謗(ひぼう)中傷など、JRと一体の合理化攻撃をかけてきた。現場の安全を守れないのは資本の責任だ。地域の仲間が精研の闘いをともに担い、非組合員もストに参加し春闘集会に結集した。定昇も確保した。闘えば勝てる。

 ●法政大学文化連盟委員長 斎藤郁真さん

 4年間で118人が逮捕され33人起訴という大学から来た。本集会の司会の倉岡さんにも先日、1年の停学処分が出た。しかし逮捕も処分も闘いの終わりではなく始まりだ。新自由主義は資本の運動が人間を踏みつぶすが、闘いは世界とつながると訪米団が証明した。4月23日、法大門前で処分撤回・教育民営化粉砕集会をやる。大勢の参加を。

 ●カンパアピール 東北の青年労働者

 本集会の運営はすべて皆さんの熱いカンパでまかなわれています。私の所属する東北石けん労組では、昨年2月の解雇攻撃から現在まで、新工場前での門前闘争や地労委闘争などを始め、全国の仲間と連帯し、解雇撤回をめざして闘い続けている。私はアルバイト先でも青年を獲得する新たな闘いを始めた。圧倒的な連帯を呼びかけます。

 まとめと方針提起

 国鉄と沖縄闘争で主流派へ 全学連委員長 織田陽介さん

 闘いの方向性は明確だ。労働者階級の闘いの原則と革命のスローガンが、独りよがりではなく全大衆をわしづかみにする時だ。動労千葉が呼びかけた国鉄1047名闘争の全国運動を、全職場・全キャンパスでやり抜こう。この力で労働運動の主導権を取る。ここに11月集会1万人結集の力がある。
 そして沖縄闘争だ。大虐殺戦争を強行している帝国主義は、沖縄の怒りで根底からグラグラだ。第1波の反撃は3・28三里塚闘争だ。そしてすべてを組織拡大へ。われわれは多数派を取ってこの世の中を変える。私自身も組織建設を総括軸にここ数カ月を闘いぬく。国鉄と沖縄闘争で労働運動の主流派へ。労働者、学生、農民の団結を!

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週刊『前進』(2433号3面2)(2010/03/29 )

 一つに団結し闘おう

 星野文昭さんのメッセージ

 歴史的生命力を失った資本主義があらゆるものを食いものして生き延びるために、民営化―大量首切り・非正規化・労働強化によって職場も教育・生活の場も破壊し、争闘戦―戦争を激化させている。この新自由主義に対して国鉄、沖縄、三里塚、法大を先頭に大反撃しよう。それは、闘う大拠点となり、全世界の労働者人民のプロレタリア革命への決起を一つにつくりだすものになっている。
 闘えば勝てることを身をもって示す1047名闘争の歴史的貫徹が、今日の大失業・非正規化・戦争に対する2千万青年労働者を始めとした労働者階級全体の決起をつくりだすし、そのように闘おう。労働者と、ともに闘う人民こそが、世の中を変える力をもっている。あらゆる分断を打ち破って一つに団結して闘えば、本物の人間社会を実現できる。

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週刊『前進』(2433号4面1)(2010/03/29 )

 ●特集 新入生諸君! ともに学生運動やろう

 法大闘争は全世界を獲得する 法大文連・全学連大いに語り合う

 大学を学生の手に取り戻せ

 法大文化連盟と全学連の学生が、新学期を前に大いに語り合った。「監獄大学」の現実に立ち向かい処分・弾圧の試練に打ち勝った自負と確信、新自由主義=教育の民営化攻撃への怒り、キャンパス解放への決意と展望が時間を忘れてそれぞれから述べられた。新入生、法大生、全国の労学人民へ発せられたこの熱いメッセージにこたえ、4・23闘争の大爆発へ!(編集局)
(写真 3・20イラク反戦闘争。新自由主義との最先端攻防、法大の闘いに拍手と大声援【代々木公園】)

 出席者(敬称略)
 斎藤郁真 法政大学文化連盟委員長
 恩田 亮 法政大学文化連盟副委員長
 増井真琴 法政大学文化連盟企画局長
 倉岡雅美 全学連副委員長 法政大学人間環境学部
 洞口朋子 法政大学経済学部
 坂野陽平  上智大学 全学連委員長代行
 佐々木舜 都内A大学
 村田弘行  京都大学
 吉野一則  富山大学
 井野川浩介 東北大学
 篠崎雅久  広島大学
 冨山小太郎 京都大学
 全学連書記長(司会)

 「教育の民営化」絶対粉砕を

 冨山 法大闘争は06年3月14日、立て看板の一方的な撤去に抗議した学生29人が逮捕された「3・14弾圧」以来、逮捕や処分をはねのけながら闘い抜かれてきた。法大闘争とは?
 恩田 高校時代に、ビラとか立て看板が散乱している法政のキャンパスを見て、活気を感じました。3・14弾圧の時は2年生の直前で、正直ビックリしました。歴史の教科書とかに出てくる「弾圧」ですよね。それからしばらく学生運動の光景を眺めていて、ちょっとあまりにもひどいし、一応自分は法政の学生でもあるから、これに対して一言言うのは当然の権利だろうということで、批判文を書いた。それに対して、大学の教授会が処分するぞと弾圧してきた。一連のやりとりをとおして、露骨な暴力で行為や発言を封じていくのをひしひしと感じた。俺(おれ)は暴力に屈するのが一番嫌いなんで、そこで怒った。気づけば今では学生運動でキャリアアップをしています(笑)。
 増井 僕は07年法政大学文学部哲学科に入って、文化連盟というサークル団体連合に所属している哲学研究会に入りました。当時の文化連盟は、予算権も公認権もあって、自由に空間を配分したり公認をしたりする学生の自治組織でした。しかし、07年度いっぱいで大学当局によって予算権・公認権を奪われて、非公認化される事態に。当時、哲学研究会に露骨な弾圧がありました。学習会しているところを職員が双眼鏡で監視したり、学習会したいから教室借りたいと言っても、貸してくれなかったり。あげくの果てに、文化連盟を解散しろと。僕は、34サークルあった時の文化連盟でかわいがってもらっていました。だから大学当局の手で一方的に解体されるのは許しがたいことでした。解散の過程で、34サークルが10サークル、6サークルになり、4サークルしかいなくなった。自分の好きな組織なり人を守りたいって思って行動したら、こうなった。

 金もうけに走る法大資本の現実

 斎藤 立て看板とビラまきを、自由にできるか否かを争っているわけですが、でかい話をすれば資本主義と争っているわけです。
 井野川 僕らは「教育の民営化」って表現してるけど、それは教育の私物化であり教育の破壊だと言い換えることもできる。新自由主義攻撃の中で、大学が金銭勘定っていう価値尺度で画一化されていった。「金もうけになるか否かが一切だ」と。これの反対物として僕らの運動がある。大学当局や資本家や政府とは前提が相入れないんだから、必然的に「大学とは何か」「教育とは何か」「この社会はどうあるべきか」っていう根本的な問いに行き着く。
 冨山 法政大学は「営業権」まで主張し始めたけど?
 斎藤 大学ですからね。教育をする場で「これは営業だ」と言いだして、もうけにならないと学問じゃないと言ったらどうなるか。当たり前の話だけど、文学はもうけにならないでしょう。
 冨山 「学生の未来を返せ」というのはどういうことなの?
 斎藤 学生が自主的にサークル活動なりをやって、自分の思想を形成したりなんなりというのは、金銭的な価値でいったらゼロ。だからと言ってそれを排斥するのか。そういうのが一番社会を動かす原動力だし、大事なことなんじゃないのか。それを否定して、学生に対するビラなど全部許可制にしちゃう。本来であれば大学で自由にビラまいたりなんなりして、見つけることができたかもしれない学生の可能性や未来を奪っているわけだよ。だから未来を返せってことです。
 倉岡 法政大学で言えば清掃員の方は全部、孫請け・ひ孫請けだし、図書館はほとんど紀伊国屋書店の人が出向してきているし、そこでは就業規則も一切関係ない。教科書を売るにも、サークル活動をするにも、学校の清掃をするにもすべてが金もうけの手段とされる。金もうけというレベルを超えて、大学キャンパスに資本というハイエナが群がってる状態。私たちは今ここで声をあげないと、キャンパスの主人公どころか本当に搾り取られるだけの存在となって、奨学金という借金漬けにされて、キャンパスからたたき出されてしまう。だから今こそ教育の民営化に対し声を上げなければならない。
 洞口 「教育の民営化粉砕」のスローガンによって、民営化や首切り、賃下げ、それと一体で学生も労働者と同じように攻撃にさらされていると気づかされた。
 井野川 弾圧や処分が「教育的措置」としてやられているのが、法大闘争の本質を表してるよね。「資本に抵抗しない従順な労働力商品になれ」ってことなんだよね、結局。僕らはそんなものを教育だとは認めない。
 倉岡 大学の主人公が誰なのかをめぐって闘われている。法政大学は私立の大学ですけれども、大学は理事会のものなのか。学生は単なるサービス受給者なのか。違う、主人公だと。
 井野川 最近、自分としては学生自治破壊こそ最大の教育破壊じゃないかって考えるようになった。学生の主体性や共同性を破壊して、物事を批判的に見る力や問題を解決する力を奪っていく。寮に入って来た1年生が「大学の講義に出て学ぶことはひとつもなかったけど、寮自治で学ぶことはたくさんあった」って言ってたんだよね。学生自治には人間を成長させる力があって、大学当局が用意した「教育」にはそんな力はない。そんなんじゃあ支配者たりうる人格が生まれないんだから、資本主義は崩壊する以外にない。次の社会に責任を取るのは僕ら以外にいない。敵は完全に追い詰められてるってこと。

 学生の未来奪う新自由主義

 増井 いろんな人がいろんなことを言っている。それが素晴らしいわけで、それが大学だと思う。その主張自体が稚拙かもしれないけど、それを最大限表現する。そういう空間があることで、新しい文化は生まれるし、社会は前進する。それを奪っているのが新自由主義だっていうことですよ。日本の学費にしてもべらぼうに高い。これは世界がグローバル化していく中での一部の権益を持っている奴らの政策なわけで、それにあらがわなければならない。もちろん法大の問題は法大だけの問題じゃない。ビラをまいていただけで、23日間獄につながれる時代なわけですよ。そんな状態で5年後、10年後に京大熊野寮があるかって言われたら、ねえよって。
 村田 断固死守しますが。
 増井 法大闘争がなくなったら、公安警察の予算などが他のところにドンドン流れていくということは必然。だからこそ法大で阻止しなければならないし、法大闘争を貫徹することが、他大学の学生自治を守ることになる。
 村田 法大闘争で、自治を守るというのはこういうことだとわかった。ぜひ京大生、熊野寮生を全員連れてきたい。そういう場所として法大っていうのはすごい。ここで、どかっと勝ってしまえば、全国的に奪われてきた学生自治を逆に奪い返してやれるかなと、夢はふくらむわけです。
 冨山 法大闘争が最大の攻防点であることは、みんな認識しているよね。「市ケ谷を解放しよう」っていうのが、寮生の言葉になるくらい。
 吉野 富山大学って法大をマネしているところがありまして。
 恩田 法大を超えてるよ。
 吉野 ビラをまくのも禁止だし。学生自治会も非公認化して、その年から「危険な団体ですから入らないで下さい」って言ってまわり、実質的に壊滅しようとしている。最近、実際「営業権」って言ってきた。ビラまいていたら「営業権の侵害だ、お前ら」って。
 全員 おー! 来たぁ!!
 増井 国立大学でも「営業権」ってすごいな。
 恩田 どっかが言い出したら、はやるよ。あいつらの中で。「営業権」「営業権」って感じで。
 吉野 教育の民営化をわかりやすく表しているのが法大。これでいいのかって。だから実際法大で闘おうって気持ちになります。富大の管理寮化の攻撃は進んでいて、改修後の棟は大学側が一方的に決めた新しい寮規則に従わせるんですよ。一部屋一部屋に、トイレも風呂もキッチンもあって、寮費の徴収も大学が口座から自動的に引き落とし。全部大学経営のアパート。
 恩田 でも高いんでしょ?
 吉野 すごく高いです。寄宿料は、1万3000円で。もともと700円だった。
 恩田 700円だろ。そっちの方がいいよな、絶対。
 吉野 寮生は、金がないから寮に来ているわけだから。金が高くなって自治もなくなったら、反対もできなくなるじゃないかって。仲間を見捨てていいのかって。そういうのを問う闘いになるんじゃないか。「退寮までいくのはおかしいんじゃないか。入退寮権や寮委員会選挙が踏みにじられているのはおかしい」っていう寮生もいる。そういう寮生を信じてやろうじゃないかって。
 斎藤 信じるしかない。
 冨山 今回、倉岡さんに「停学1年」という不当処分が下されました。
 斎藤 人間環境学部の長嶺教授は、倉岡さんを呼び出して、「俺は上に言われて仕方なくやっているんだ」と言った。でも結局停学1年を出すじゃないですか。そんな情けない大人は初めて見た。
 倉岡 労働組合の委員長だったくせしてね。
 洞口 全世界では教職員と学生が一緒にストライキやっている。なにやってんだ、法政大学は。自分の名誉だか権威だかを守るために学生を売り渡している。学生に処分を出して出世する。そういう構造自体に学生は怒りをもって立ち上がらなければいけない。
 倉岡 今の監獄化された法政大学も、労働組合が一言「学生弾圧の動員拒否しよう」とか「ジャージ部隊おかしい」と言えば、絶対変わっていたはず。労働組合の責任でもあるし、長嶺のような組合執行部の責任でもある。

 不当処分撤回へ社会的大反撃を

 洞口 教授会だって自分たちが正しいと思っている人は誰もいない。けれども弾圧に加担する。今のこの社会の構造と同じように、資本主義だし、支配のあり方そのものが問題となっている。だから変革は根底的にならざるをえない。それに向こうが恐怖している。学生が迷えば迷うほど、悩めば悩むほど、法大当局には危機だってこと。学生が自分の生き方どうしよう、この大学はどうなのと真剣に考えることに法大がビビッている。この大学としての転倒。未来を奪ってるじゃないか、学生を何だと思っているんだ。それが法大生には伝わっているし、必ず立ち上がると思う。
 冨山 処分をむしろ学生が団結を取り戻して立ち上がる契機にできる。
 洞口 また処分されて、大学の外に叩き出されて、怒りや悲しみもあるけれども、お願いするんじゃなくて、法大生の怒りを集めて、法大生の決起によって倉岡さんの処分を撤回させる、そう思えることが法大闘争の強さ、正義性だと思います。
 倉岡 本当に撤回させたい。ちょっとでも言ったら処分というのを止めないと。全学的うねりをつくる方針を出していきたい。不当処分に社会的に反撃していきたい。法大当局に目にモノを見せてやろう。

 弾圧・逮捕には完全黙秘を貫く

(写真 昨年の4・24法大闘争。増井真琴君がマイクを握り、警察の襲撃と弾圧、学友の逮捕に猛抗議【市ケ谷・法大正門前】)
 冨山 弾圧に屈しないで闘えるっていう勝利感はどうですか? 
 恩田 生まれて初めて逮捕されたわけですよ。非行もしてないのに(笑)。すごい新鮮でした。取り調べ室は、ライトスタンドないんだよね。黙秘は自分でやってて興奮してきた。映画「ランボー3」だと、ソ連軍にランボーの上官が捕まっちゃって、拷問されて、それで黙秘している。まさにそれを今、自分がやっている。公安が「しゃべれ」って言ってきても、俺はしゃべらない。あれはちょっと興奮しましたね。「やべー、俺映画のヒーローだよ」って。
 冨山 仲間を売らないってことでは?
 恩田 逮捕を想定していたから動揺はなかったですね。「口を割ってしまって生きる方が厳しいだろうな」ってことが頭をよぎった。オススメは、映画のヒーロー気取るのが一番いい。
 冨山 弾圧されてこそ展望が見えるっていうのはあるよね。
 恩田 法大弁護団とか、仲間がいるとか、すごい支援があったわけですよ。だから闘える。東京拘置所でも団結があると闘えますよね。ぶっちゃけ闘えちゃうんだよ。東拘にいながらも有意義な時間が過ごせる。闘う仲間には、安心してくれと言いたい。
 坂野 敵がやってきている攻撃が、徹頭徹尾、団結破壊だっていう視点が決定的で、団結を固めることが核心だと明確にできた。
 恩田 獄中に入って、まわりの人間の本性が見えたんですよ。中核派は本物だっていうことははっきりしたんだけど。ノンセクトは正体が見えたよ。
 冨山 本物の団結ができる。
 恩田 全学連や文連は信頼できる団体ですからね。
 倉岡 本物だなって。118人逮捕者が全員完全黙秘っていうこと。60年、70年のころは全員完黙っていうのはなかったんだよ。歴史上初めての快挙。うちらの本物さは、ここに表れている。
 坂野 時代をつかんで、闘いに入って、弾圧があって、また時代をつかんで法大闘争は4年間で進んでいる。暴力行為等処罰法なんて、まさにそう。戦前からの法律が今出てきている。
 増井 いま社会がヤバイから、社会変革の意志を持たざるをえない。そういう意志がないとやっていけない。自分のやっていることで社会を変えられるかもしれないって思わないと、こんなひどいところでは運動はやれない。
 冨山 確信はどこから来るの?
 恩田 俺が批判文書いて、運動に入る前から思ってたことなんだけど、敵の側は説明できないんだよ、何で闘ってはいけないのかということが。教授ともあろう人が。せいぜい「ルール違反」とかそんなことしか言えない。それなんだよ、俺の確信は。さらに敵が、自ら弾圧であると自供しちゃうじゃん。「これは戦争だ」って。「これは不当逮捕であるが取り調べやるぞ」って。
 冨山 パクられてない人はどう?
 吉野 正直、パクられたらどうなるのかと思う。でも、それで終わりじゃないんだなとは思う。今まではパクられたら人生終わりだ、みたいなこと思ってたけど。
 恩田 普通に卒業しても就職できないんだから。何も終わりじゃない。みんな輝いてるんだよね。
 吉野 どうせ就職できない時代だから、パクられるくらいの活動をする覚悟がないと情けない。
 全員 強者だなー(笑)。
 斎藤 歴史的に見れば、パクられて終わりだなんて言うのは、結局日和ってるやつなんだよ。歴史を見れば、パクられながら権利を獲得しているんだから。
 増井 完黙するのって結構簡単で、友達を裏切れない。そういう気持ちさえあればいける。
 倉岡 完黙とか聞くと、むずかしいってイメージあると思う。でも私も簡単だっていうことをあえて言いたい。
 恩田 まあ楽ですよね。

 訪米でつかんだ勝利の核心

 冨山 3月4日のカリフォルニア教育ゼネストに合流した報告を。
 洞口 カリフォルニアの学生の中心的活動家は本当に数十人くらいの規模なんだけど、そこに数千人の学生が集まってくるエネルギーがものすごくて。同じことを法大で絶対できると思った。自分としては、法大闘争に勝利するために、訪米を闘ってきた。「教育の民営化粉砕」のスローガンで、幼稚園から大学、労働者まで集まってくる。うちらのスローガンが、闘いが、正しかったってこと。世界の学生の怒りの根元はここだなって確信できた。
 佐々木 「教育の民営化粉砕」というまったく同じテーマで、幼稚園から教授を含めた人たちまで町中、全州、全社会を揺さぶる闘いがやれる。アメリカ帝国主義そのものをグラグラにできる。訪米した全員が、われわれもこの法大闘争の内容で連帯できるんだっていうことをつかんで帰ってきた。この時代をどう見るかっていうことと完全に一つだ。彼らだって、「Student Worker Action Team(SWAT)」をつくって1年も経ってない。でも半年で5000人の大集会をやっちゃう。膨大な学生や労働者が一つのスローガンで立ち上がる。向こうの学生とも闘いの中で団結した。同じピケットラインに並んで、スクラム組んで、同じスローガンを叫んでっていう中で団結した。
 洞口 私がつかんだことは、全学連すごい、文連すごいってこと。
 篠崎 向こうの指導部に全学連、文連、法大闘争が認められた。闘ってめちゃくちゃ弾圧されてるけど、その中で組織をつくっている。アメリカもすごいけど、日本も全然すごい。
 佐々木 ぶれない指導部が存在し続けて、闘いの中心に存在し続けているっていうことですね。
 倉岡 3・4に連帯デモをやりました。英語のプラカードをつくったんですが、日本ここにありっていうのができた。法大闘争のスケールのでかさだと思います。
 篠崎 アメリカの学生が喜んでましたよ。「次に何か法大でやるときはこっちはストライキやりますよ」って。
 冨山 すげーな。レベル高いな。「教育の民営化粉砕」の路線があるからつながるんだよね。
(写真 「国境を越えた学生の団結で教育の民営化を阻止しよう」と日米学生の心が一つに【3月4日 カリフォルニア大バークレー校】)

 戦争・改憲許さず沖縄基地撤去へ

 冨山 2010年はそういうスケールの大きな年。2010年をどう見るか。
 坂野 〈戦争と改憲、民営化と労働組合・学生自治破壊〉、これに労働者・学生がどう立ち向かうのかが2010年のキーワードになっている。いま政権についている民主党が言っているのは、「東アジア共同体」「道州制」。今年の5月は、2010年を左右する。国民投票法が施行されようとしている。本当に改憲ができるようになる。そして沖縄の基地問題をめぐり激しい5月になる。そこでわれわれが沖縄現地闘争をやる。アメリカの労働者・学生との団結が問われる。戦争だって止められるし、米軍基地も撤去できる。あの人たちと団結すれば、沖縄の基地も撤去できるって。
 井野川 トヨタは米市場も含め全世界の市場を食い荒らしてきたわけだけど、それが何によって成り立っていたかというと、徹底的な雇用破壊と安全切り捨てによる低コスト化。その矛盾が噴出している。一方で米オバマ大統領が一般教書演説で5年間で輸出を2倍化させると宣言した。それでやってることがトヨタたたきでしょ。世界は生産物が余って恐慌状態なんだから、実質的に他の国の市場をぶんどるしかない。こんなことを日本政府が黙認したままでいられるわけがない。こういう経済的な問題が、政治的、軍事的な問題をはらみながら進んでいる。政府が保護主義と排外主義をあおっている。危機に陥っている資本は、こうやって自らの社会を崩壊させながら、戦争まで始めようとしている。沖縄の米軍基地問題もこういう情勢の中で闘われていることをハッキリさせた時に、その重大性がますます鮮明になってくる。沖縄の人たちだけの問題じゃないんだよね。「米軍基地撤去!」「日米安保粉砕!」が世界戦争を止める闘いのスローガンになっている。
 坂野 沖縄と一体で成田軍事空港をめぐって三里塚闘争が火を噴く。
 村田 自分は三里塚のことを知って、「金で畑を売らないというのは熱い!」と思って運動とかかわるようになった。
 井野川 三里塚農民の誇り高い闘いは、必ず膨大な労働者・学生を獲得するよね。
 斎藤 ギリシャとかの国家財政も国家レベルで破綻する。スペインとかEU系の国まで失業率20%。激烈に対立軸が鮮明化する状況になってきている。対立軸が鮮明になってくると、今の法政なんかそうですが、ほとんど戦争状態になるわけで、中間がない。
 坂野 大衆的な運動の爆発は全世界的にある。そこから政治的な指導部をつくり組織をつくっていくことが問題になっている。2010年の闘いは、われわれがつくってきた団結あるいは大衆運動的高揚から組織をつくり、党をつくっていく。買収されるようなやつじゃなくて、全学連や文連のような。
 井野川 新自由主義によってつくられた、青年・学生が生きていけない現実に、怒りが爆発する寸前だ。こうなったのも始まりはすべて国鉄分割・民営化攻撃だけど、その時に動労千葉以外のあらゆる勢力が屈服した。これをもみ消すためにあらゆる勢力が1047名解雇撤回闘争を終結させようとしている。これは日本の労働運動が、闘わない指導部をぶっ飛ばすチャンス。連合に支えられた民主党政権もグラグラだ。
 坂野 ここでわれわれが踏ん張って「国鉄1047名解雇撤回」の旗を掲げ続けたらすべての労働者の怒りが結集する。時代にかみ合う。われわれは国鉄闘争で歴史を動かせる地平に立っている。
 井野川 核心はマルクス主義の思想で武装して、時代認識と路線で一致していくということ。資本家階級と労働者階級は非和解的な存在だということ、そして労働者階級には資本家階級を打倒して社会を運営する力があるし、今が打倒する時なんだということを、理論的にも実践的にもつかむことで必ず団結が生まれる。ここで一致していれば、どんなに攻撃されても絶対に崩されない。

 文連・全学連のもとに団結を

 冨山 今年の最大の課題は組織拡大ですね。つまり、闘う文連の旗のもとに全サークル員の団結をつくる闘い。
 斎藤 CSKっていうのは、大学側が用意した第二組合。会社でいったら、人事部の補完物でしかない。学生との会議が月1回なのに、CSKと学生センターとの会議は週1回。当局が要求したものをまるで学生が決めたかのように通し、当局のやっていることが学生の支持を取り付けたかのような装いをとるためだけの機関だ。
 倉岡 CSKと文化連盟との決定的違いは、発生の過程にある。文化連盟は学生の側がつくった組織で、CSKは大学当局側がつくった組織だ。その違いがあるからこそ、主体性が持てるか持てないかの決定的な違いがあると思う。文化連盟はつねに学生の側にある。
 洞口 闘っているか闘っていないかの違いがある。闘って仲間が弾圧されていることに対して、自分も処分されるかもしれない、逮捕されるかもしれないけど、でもやっぱり仲間を裏切らない。そういうことだと思うんですよね。CSKは団結とかはどうでもいいと思っているんですよ。
 冨山 サークル員と新入生に「文連に来いよ」というアピールを。
 斎藤 文連がいまのCSKの位置にいて140サークルとか統合していたら、学校破壊していますね。
 冨山 夢広がりますね。
 倉岡 「サークル活動で自己表現しよう」「自主・文化創造を取り戻そう」と。そのために、サークル活動を学生が行うために、文化連盟はその立場につねに立つし、絶対に一人の仲間も見捨てないから、サークル員のために闘う組織に来てほしい。サークル員は大学当局に従う存在ではないし、そのことを文化連盟とともに自己実現させようと訴えたいです。
 恩田 反乱っていうのを提示したいですね。俺らが突破口になって、学生に火をつけたいよね。サークルに関しても現状破壊的な表現は俺らしか生み出せない。CSKにはパワーがないからな。そういうのは魅力はないからね、官製サークルは。

 仲間を見捨てず生き方をかけて

 冨山 法大闘争というのは一言で言えば、何なの?
 斎藤 やっぱり生き方の問題でしょうね。
 恩田 授業やっている一方で、俺らが職員に尾行されて、殴られているわけですよ。同じ法大生だし、同じ年代の学生だし、いくら「あいつら左翼だ」とか、「ルール違反している」と自己納得しようともがいたところで、やっぱぶつかると思うんですよ。闘うか、闘わないかの二者択一。人間としてどう生きるか。当然俺らとしては闘わないといけないと訴えていくが、本当に、これほどの教育はないと思いますよ。生き様っていう見方からとらえると。「仲間を守る」っていう言葉一つだって深いわけですよ。映画観たり本読んでも、頭でしか理解できないわけだよ。勉強になるなーっていうのはよく感じる。
 佐々木 仲間に対して、また自らに対してもウソをついちゃいけないっていう点で、一番人間的な生き方だと思います。仲間への不当処分、ビラをまいただけで逮捕されるというこのメチャクチャな現実に対して、私たち学生は怒っていいんだ、そして怒りを一つにすることで大学から社会をひっくり返せるんだ、っていうことを毎日つかんで闘っています。
 倉岡 今の法大の現状に対してはみんながおかしいと思っているんですよ。なんで声をあげないのかっていうと「しょうがない」って思っている。法大に限らず、今「しょうがない」に支配されている。戦争起きるのもしょうがない、賃金下がるのもしょうがない……。でも、法大闘争はその「しょうがない」と対決している。展望も切り開いている。「しょうがない」をぶち破りたい。
 恩田 もうぶち破っているよ。
 斎藤 存在としてはぶち破っている。社会としてはまだぶち破っていない。
 篠崎 法大が「しょうがない」っていうことと対決できる場所だというのは、まさにそのとおり。自分が「いいや」って妥協していたことを、やはりよくないと思い直し、怒っていいんだっていうことを取り戻せると同時に、自分が問われる。それにまた自分が興奮する。
 恩田 それは強いね。
 篠崎 自分を取り戻したことで、生きているということに興奮する。これって大衆的な感覚だと思う。
 洞口 今のままじゃない社会がある、自分が変えられるって思った。
 佐々木 実際に、自分が生き方をかけて、法大闘争の中で変わってきた。一人ひとりが生き方を転換させてきたところに、この社会を変えていける根拠がある。
 斎藤 増井とかも変わったもんな。
 冨山 なるほど。法大闘争で変わった人は多いと。
 恩田 みんな変わるよ。
 村田 みんな法大に行ったら意識変わりまくる。
 恩田 思うのは「なんでみんな暴れないのかな」と。若いうちに、自分のやりたいこと言いたいことを爆発させとかないと、ろくな人生歩まないと思うんですよ。大学に来ているわけだから、そういう時間と環境は与えられているわけでしょ。一緒に法大闘争をやって、みんなで新しい価値観をつくるというか、殻を破ってみようよということです。ルールなんていうのは人間がつくるもので、そんなものに縛られたってしょうがない。自分たちでぶつかって大学を変えていく、社会を変えていく。自分たちの持っているパワーを感じる意味でもぜひ運動をした方がいい。「学生運動じゃなくてもほかに何か打ち込むものがあるじゃん」って言えない時代だから。今、法政で自己の可能性に挑戦できるものは、法大闘争しかないと思います。ぜひ一緒に学生運動やろうと。

 4・23法大解放闘争の爆発へ

 坂野 大学から社会まるごとひっくり返していく闘いとして、僕は法大闘争をとらえている。法大を革命の砦(とりで)にしたい。『きけわだつみのこえ』という、学徒動員された学生の手紙を読んで、大学から戦争が始まっていった、絶対にくり返しちゃいけないと。大学で戦争を止めなくては。
 佐々木 高校生の時にイラク戦争が始まって、大学に入ったら自分も戦争が止められるような活動ができるんじゃないかと思っていました。実際は授業に出れば出るほど、「自分には、学生には何もできないのか」と絶望しました。沖縄基地建設反対運動をやっている人と会って、そこで法大の話を聞いて、「学生の直面している課題も、戦争を止める闘いも大学を変える闘いも根っこのところは一つだ、資本主義自体をひっくり返すしかない」と思った。
 篠崎 自分は大学入る前は、イラク戦争賛成だった。それで、大学の入学式で署名集めている人と討論になり、「戦争とめれるよ」って言われて、「そんなことできるんですか」って。「とめれるもんならとめたいよね」と。動労千葉労働運動の学習会をやって、そこで「確かに彼らのようにやれば、世の中変わるな」って思い、展望を見いだした。
 斎藤 ああいう人たちが1000万人いたらホント終わるね。
 篠崎 終わるというか、終わらせるし、実際に社会を運営できるし。それが衝撃だった。
 冨山 今年の8・6ヒロシマはどういう闘い?
 篠崎 まさに広島っていうのは、戦後の労働者階級がずっとつくってきた反戦の砦。広島大学は平和を売りにしているんですよ。
 恩田 「お前が言うな」だな(笑)。
 篠崎 広大の理事会には、三菱重工が入っている。
 全員 来たあ!?
 篠崎 時代としては、本当に第3次世界大戦、また核戦争やるのかっていうことがリアルになっている時に、じゃあどうするのか。オバマに対してどういう態度がとれるのかが、今年の8・6ヒロシマの焦点になる。
 井野川 自分は広島出身なんだけど、去年小学生が「オバマ大統領にお願いするしか核兵器はなくならないんです」って署名やってて、怒りとか悔しさとか色んな感情が込み上げてきました。自分たちの力に確信を持てなくなった勢力が、本当にどうしようもないイデオロギーを振りまいて、子どもたちまで組織している。僕らはこんなものを全部ぶっ飛ばして展望を示さなきゃいけない。
(写真 イラク反戦7周年デモ【3月20日 渋谷】)

 学生運動に無限の可能性がある

 洞口 法大闘争って、一緒に闘おうって言い切れる。弾圧も処分も、全部乗り越えて団結にかけきって闘ってきた。そういう中で、法大生自身が問われている。新入生も授業や就活に縛り付けられる。でも法大の現実は絶対おかしい、仲間を守りたいという思いもある。大学への怒り、生きていけない怒りが結びついて爆発したときに、カリフォルニアじゃないけど、法大が革命情勢になる。4・23闘争で学生は一つになろう、ということを一番言いたい。闘わなければ生きていけない時代。2010年は闘えば勝てる時代、一緒に闘いましょう。
 斎藤 今の日本は閉塞感が蔓延(まんえん)しているが、法大闘争はそれをぶち破る可能性をはらんでいる。本気になった人間の力を4・23で見て欲しい。
 増井 まじめにやるから4・23にぜひ来てくれ、と。面白いものを見せるし、あなたの何かを変えたいって思う。
 倉岡 学費がマネーゲームに使われるのも、学費が高いのも、「しょうがない」ことじゃない。4月23日、「しょうがない」をともにぶち破ろう。
 佐々木 新自由主義があらゆるものを破壊している現在で、未来に向かっての新しい創造を。本当に去年までの集会とは一線を画する闘いをやりたい。去年は、1500人だったけど、今年5千人、1万人になったら、どんなでかいことができるのか。そこに私たちの未来がある。一緒に歴史の主人公になる闘いをやりましょう!
 恩田 小中高と学生生活を送ってたまたま法政大学に来るわけじゃないですか。法大の弾圧を直視してもらって、そこで輝いている僕らの闘いを見て欲しい。自分たちの未来をつくっていくということをその場にいて実感して欲しいな。すごいものを見せてやるっていう自信はありますよ。最大級の指揮扇動をもって(笑)。破防法、扇動罪。来るかー!?
 冨山 この座談会自体が破防法の適用対象かな。
 恩田 でも逮捕は阻止しようぜ。本当の意味で実力粉砕ってことを示してやろう。
 冨山 僕らは「国境を越えた学生の団結で教育の民営化を阻止しよう」「全国学生は法大から沖縄へ」という内容で新歓をやります。新入生諸君へ、生き方をかけた熱い討論をとおしてともに団結して行動に立とうと訴えて、終わりたいと思います。

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週刊『前進』(2433号5面1)(2010/03/29 )

焦点 「定昇維持」も大幅賃下げ

 10春闘での連合の総屈服

 3月17日、連合傘下の民間金属大手への春闘の集中回答が行われた。その内容は、ベースアップはそもそも組合側が要求していないので問題外、定期昇給は組合の要求どおり実施するが、一時金については要求を認めず減額というもので、賃下げ攻撃そのものだ。
 今や労働者階級の賃金が10年間で5・5%も下がり、非正規雇用は3分の1を超え、解雇攻撃が吹き荒れている。まさに自民党政権を打倒した労働者階級の怒りのマグマは爆発寸前だ。10春闘こそ、この労働者階級の怒りを爆発させる場にしなければならない。だが連合中央は、資本の賃下げ攻撃を容認するだけでなく、積極的に推進した。まったく許し難い。
 総資本にとっては「総額人件費」が1円も増えないばかりか、実施することが当然の定昇をめぐって、あたかも労資が対決しているかのように報道されること自体が、異様でインチキである。この根底には、大恐慌下で資本主義の末期的危機にあえぐ日本経団連が、賃金水準の一挙的切り下げと労働者支配の転換をかけて経労委報告で打ち出した「定昇凍結・廃止」の恫喝に震え上がった連合中央のダラ幹どもが、統一賃上げ要求を放棄し、「定昇実施」のみを懇願するというぶざまな屈服に走ったことがある。
 定期昇給とは、毎年定期的に労働者の賃金を上げる制度だが、特に青年労働者の賃金が低い現状では、定年退職者と新規採用者の賃金の差額を原資として、それを在職者に配分しているにすぎない。そのため個々の労働者にとっては賃上げでも、資本にとっての負担が増えるわけではない。しかも昇級・昇進によるその配分(昇給)は資本が決定する。だから、定昇制度は一方では労働者階級を分断支配する手段ともなってきた。
 この定昇制度は年功賃金と同一視されるように、現実には労働者階級の闘いによって年功的に運用されてきた。1歳年をとるごとに誰もが多少の差はあれ賃金が増え、そしてそのことを前提に労働者は生活設計・人生設計をしてきた。この端的な表現が「年齢給」である。年齢給は、戦後革命期に確立された「電産型賃金」が出発点だ。その根底には「生活できる賃金」(生活給)というあり方がある。資本が定昇解体で狙うのは、まさにこの「生活給」だ。
 労働者を不安定雇用化し、賃金と生活との結合を切れば、賃金はいくらでも下げられる。それはまさに労働者階級の生存に資本が責任をとらないということだ。労働者階級を食わせることのできない資本主義は、もう革命で打倒する以外にない。定昇解体には革命を対置し闘うということだ。
 このような中で、JR貨物は2010年度事業計画で「定期昇給廃止」を打ち出した。動労千葉はこのJR貨物資本に対し、第4波のストを打ち反撃している。
 日帝・資本は、定昇廃止で年功賃金と終身雇用制という戦後的なあり方を最後的に一掃しようとしている。国鉄1047名闘争解体策動は、まさにこの攻撃と一体である。動労千葉を先頭に、1047名解雇撤回・検修外注化阻止闘争の爆発、国鉄闘争勝利の全国大運動の推進で、日本労働運動の戦闘的階級的再生をかちとろう。

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週刊『前進』(2433号5面2)(2010/03/29 )

焦点 派遣法は撤廃しかない!

 非正規拡大する「改正案」

 3月19日、政府は労働者派遣法の「改正案」を閣議決定し、国会に提出した。民主党・連合政権は、「派遣切り」や偽装請負に対する労働者の怒りにあたかもこたえるかのようなポーズを取っているが、その実、この法案の核心的な狙いは、労働者派遣制度をあくまで維持することにある。
 法案はまず、仕事がある時だけ派遣元と雇用契約を結ぶ「登録型派遣」を原則禁止するという。しかし、「専門性が高い」とされる26業種については、その例外とされている。だが、26業種には「事務用機器操作」なども含まれ、現実にはあらゆる事務作業が「原則禁止」の対象外となる。「専門性の高い26業種に限定」などというのはなんの規制にもならない。
 また、法案は「製造業派遣は常用型に限定する」というが、「常用型」とは「1年以上の雇用の見込みがあるもの」のことだ。1年単位の短期雇用は容認される。それどころか、「見込みが外れた」と言えば、資本はいつでも派遣労働者を雇い止めにできるのだ。
 さらに法案は、「日雇い派遣や2カ月以下の派遣を原則禁止する」という。だが、これ自体、雇用期間が2カ月をわずか1日でも超えれば合法だということだ。これは、短期・不安定雇用化をさらに促進するものでしかない。
 労働者にとって、こんな法案は怒りと粉砕の対象だ。労働者派遣法自体を撤廃させる以外にない。
 ところが、日本経団連など資本はこの「改正案」にさえ異を唱え「規制を強化すれば雇用不安が広がる」などと叫び、さらなる首切り攻撃に乗り出そうとしている。
 こうした資本の意を受けて、民主党・連合政権は、「登録型派遣の原則禁止」と「製造業務派遣の原則禁止」は法の施行を3年先に延ばし、さらに「政令で定める業務」に関しては施行を5年先に延ばすとする付則を法案に盛り込んだ。ここにも、大恐慌下で新自由主義の攻撃にのめり込む以外に選択の余地がない民主党・連合政権の本質が現れている。
 また連合は、「労働者派遣法案の成立は急がなければならない」「法案の早期成立に向けた働き掛けを行っていく」とする事務局長談話を出した。非正規職化の攻撃を資本の先兵として推進してきた連合は、大恐慌下で、さらにその裏切りを深めたのだ。
 労働者を非正規職にたたき込む攻撃は、民営化攻撃の推進や業務の外注化と一体となって強行されてきた。連合や全労連など既成の労働運動は、この攻撃とまったく対決せず、そのことごとくを容認してきた。それが、労働者の3割以上が非正規職にされる今日の現実を生んだのだ。
 他方、動労千葉を先頭とする国鉄闘争と階級的労働運動は、JR東日本がたくらむ検修業務の外注化と対決し、その4月1日実施を破産に追い込んだ。この闘いの意義は限りなく大きい。
 今、青年労働者を先頭に、雇い止め解雇と真正面から対決する闘いが巻き起こっている。資本ととことん対決してこそ、労働者派遣法−派遣制度そのものを撤廃させることができる。民主党・連合政権による派遣法改定案への怒りを燃え立たせ、国鉄決戦を基軸に春闘後半戦を闘おう。

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週刊『前進』(2433号6面1)(2010/03/29 )

 ●特集 新入生諸君! ともに学生運動やろう

 全学連訪米闘争の総括と展望

 教育民営化粉砕で歴史的な国際連帯 法大闘争が百万教育ゼネストに合流
 3月4日、カリフォルニア州の100万人ゼネストを中心に、全米で「教育の民営化」に反対する闘いが空前の規模で爆発した。そして全学連がこの歴史的な闘いに合流し、ともに闘いぬいた! 大恐慌の進展のもとでブルジョアジーの生き残りのために強行されている「教育の民営化(公教育の破壊)」は、社会を根幹から破壊し、われわれ学生から未来を根こそぎ奪い去ろうとしている。3・4教育ゼネストは、これに対する根底的な反撃としてたたきつけられた歴史的な闘いだ。

 組織者として全学連もピケの先頭に立つ

 「私たちは、大学を金もうけの道具にし、学生を商品のように扱う大学当局と闘ってきました。私たちの敵はひとつです。それは大学という資本であり、資本主義そのものです」「どんな暴力も、私たち学生から団結を奪うことはできません」「私たちもカリフォルニアのみなさんとともに、日本で大学と未来を学生の手に取り戻すために闘います!」――3月4日午後、オークランドに響きわたった法政大学・洞口朋子さんの発言に、会場全体から割れるような拍手が応えた。法大闘争の最先頭で闘ってきた洞口さんの訴えは、集会に結集した3000人の圧倒的共感を呼び、会場はひとつになった。全学連訪米団は、アメリカの学生とともに今回の闘いを組織者として担いぬいたのだ。
 3月4日、カリフォルニア大学バークレー校を中心に始まったストライキは、カリフォルニア州全体の学生と教育労働者、小中高校生を含めて街全体を揺るがす100万人のゼネストとなって爆発した。全米32州で連帯行動が闘われた。州の財政破綻と教育予算の大幅削減、教育労働者の大量解雇、学費の大幅値上げ――。公教育の破壊と民営化に対する怒りの爆発だ。これは、ギリシャやポルトガルでのゼネストと一体の、新自由主義攻撃に対するプロレタリアートの全世界的な大反撃の最先端で爆発した歴史的な闘いだ。
 全学連は当日朝7時からスト拠点であるバークレー校でピケットラインの先頭に立った。「大学はだれのものか? 私たちのものだ!」――同じコールでラインがひとつになり、隣の仲間とのスクラムが一層強固になってゆく。集会が近くなると幾手にも分かれて横断幕を手に教室に突入、学生・教職員に「ストライキに加わろう!」と呼びかけた。続々と結集する学生で、十数人から始まったピケットは数百人に拡大し、熱気は高まった。
 昼休みには1000人の学生がキャンパス前の交差点を埋めつくして集会。続いてデモでオークランドに向かう。8`メートルの過程でデモ隊列は3000人にふくれあがった。「法政大学での学生弾圧許すな! 民営化粉砕! 資本主義打倒! 万国の学生、団結せよ!」と大書された英語の横断幕を掲げた全学連に、参加した学生が代わるがわる話しかけてくる。沿道からは小学生や中高生、労働者が続々と合流し、車は連帯のクラクションを鳴らして通り過ぎる。街全体が解放区になった。
 オークランドからさらに移動して合流したサンフランシスコでの集会の圧巻は、バークレー校の中心的活動家であるブランカ・ミッセさんの熱烈なアジテーションだ。全学連の訪米を誇らしげに紹介し、国際連帯の闘いにこそ展望があると訴えた彼女の発言に、シビックセンター前を埋めつくした1万人は最大限の歓声で応えた。
 こうして3月4日の闘いは大成功をかちとり、開始されたこの国際連帯は、日米双方の学生運動に圧倒的な展望を与えた。
(写真 全学連はバークレーの学生とともに早朝からセイザーゲイトのピケットラインを守り、法大闘争で鍛えた力を存分に発揮した【3月4日】)

 新自由主義を覆す大反撃が開始された!

 3・4ストライキは、もはや公教育すら保障できず、資本の金もうけの手段にして破壊する以外には存立しえなくなった資本主義体制に対する、反撃の号砲だ。この決起の背景には、アメリカにおけるすさまじい「教育の民営化」の現実がある。
 一つに、理事会によるキャンパスの私物化だ。バークレー校の学生会館ではテナントが学生からたまり場を奪い、高額な使用料をとる上階は企業しか使えない。ワコビア銀行の上級副社長が長を務める理事会のメンバーにはロスアラモス国立研究所(ここで開発・製造された原爆がヒロシマ・ナガサキに投下された)を運営する会社や金融会社、不動産会社などのトップが名を連ねている。極め付きはキャンパスを闊歩(かっぽ)する学内警察だ。
 二つに、この1年間だけで43%も上げられた学費だ。2001年から10年もたたずになんと2倍以上だ。その上に学資ローンが新たなビジネスとなり、サリーメイなどのローン会社が学生を借金漬けにし未来を奪っている。
 こうしたなかでバークレー校では、教養の授業の75%もが授業料免除を求める大学院生によって担われている。多い学生は月から金まで週5日の低賃金労働者として搾取されているのだ。
 三つに、徹底的な学生の分断だ。高額な学費は、貧しい家庭の有色人種の子どもから教育を奪う。バークレー校では、アフリカ系の学生の占める割合は5%に満たない。人間を自由にするはずの教育が、逆に人種差別を固定化・再生産して学生を分断しているこの転倒! こうした差別を打ち破るのは学生の団結した闘いだけだということを、3・4ははっきりと示した。
 3・4大闘争はあらゆる意味で決定的だった。
 まず、米レーガン政権以来の三十数年にわたる新自由主義攻撃を覆す歴史的な転換点として、しかもそれを大恐慌下のアメリカで爆発させたことだ。カリフォルニア州は、レーガンが州知事時代に新自由主義攻撃の原型をつくったところであり、その際標的となったのが、1964年フリースピーチ運動以来のバークレー校の学生運動だった。今回、そのバークレーから大反撃が始まったのだ。
 次に、このような闘いが教育・大学というテーマでうちぬかれたことだ。民営化の矛盾が最も集中的に教育の場において現れ、青年・学生の未来を奪っているという事実ほど、資本主義の歴史的破産を示すものはない。
 だからこそ「教育の民営化」との対決は、全社会に満ちあふれた怒りに火をつけ、すべての学生・労働者を団結させる。革命によって社会のすべてを奪い返すそのときまでやむことのない闘いが、ついに開始されたのだ。
 さらに、この闘いが学生を先頭に爆発し、全社会をとらえたことだ。大学院生を先頭としたピケットは数千人のデモとなって街全体を獲得した。学生が先頭で立ち上がったとき、その闘いは必ずや街全体、社会全体を揺り動かし、時代を切り裂くエネルギーとなる。新自由主義が全社会を破壊しているいま、団結した学生・労働者の力のみが唯一未来を指し示すことを、3・4の闘いは示したのだ。

 世界革命への展望を開いた日米学生の絆

 今回の闘いで、われわれは限りなく豊かな教訓をつかみとった。
 第一に、訪米団の全員が「教育の民営化粉砕!」の路線で、絶対に日本でも巨万学生の決起を実現することができるという揺るぎない確信を得たことだ。学生に襲いかかる教育の破壊は全世界共通であり、日本の学生が直面している現実そのものだ。「教育の民営化粉砕!」の闘いこそ、日本で学生運動を爆発させる普遍的テーマだ。
 第二に、法大闘争のもつ獲得性をわれわれ自身が再確認したことだ。それは、「教育の民営化」の現実に対し、学生のもつ力と可能性にとことん依拠し、現場から学生の団結を組織して立ち上がること、この困難さから絶対に逃げないこと、そしてそのなかから、困難をのりこえるために必要な原則的な路線や時代認識とそれを体現する指導部とを生みだしてきたことにある。これこそ、動労千葉労働運動と11月労働者集会に貫かれてきた精神だ。
 118人の逮捕、33人の起訴というすさまじい弾圧に対し、国家権力と非和解的に闘って逆に団結を強め、仲間を増やしてきた闘いは世界にも類がない。この法大闘争がカリフォルニアの闘いの中心的活動家と固い団結で結びついた。3・4の行動を組織した中心的な活動家たちは誰もが法大闘争に圧倒的な共感を抱き、われわれに対して結合を求めてきている。
 第三に、こうした巨大な大衆闘争のなかから新たな党をつくる闘いが開始されていることだ。「動員だけが目的ではない。動員した人・学生を組織することをつねに考えなければならない」「国際的な労働者の党を新たにつくる必要がある。これは自分たちの世代の責任だ」(ブランカさん)。アメリカにおいても党建設という課題はわれわれとまったく同じであり、その展望は圧倒的に切り開かれている。
 最後に、なによりこの闘いの核心は、いよいよプロレタリア世界革命の時代が幕を開けたことだ。3・4ゼネストそのものが一つの革命情勢だ。「教育の民営化」に対する根底的な怒りの爆発は、資本主義体制打倒までやむことのない闘いとして始まった。
 日米プロレタリアートの団結こそ戦争を阻止し、帝国主義を打倒する決定的な武器だ。今日の大恐慌のもと、一方では民営化攻撃が、他方では保護主義・ブロック化と戦争の攻撃が吹き荒れ、その最大の焦点として沖縄の米軍基地建設がある。そうしたなかでわれわれ日米学生の団結が海を越え、闘いがひとつになったことが決定的だ。米軍基地を撤去し、日米安保を粉砕して帝国主義を打倒する闘いの展望を、今回の訪米闘争がつくりだした。全学連はこの訪米闘争の勝利の地平の上に、2010年、ヨーロッパへ南米へアジアへと、さらに国際連帯を拡大する。
 すべての学生のみなさん! カリフォルニア教育ゼネストが示したように、学生運動には無限の可能性がある。学生の決起は労働者・学生の連帯を生み出し、街全体・社会全体を揺るがす。あなたが立ち上がったときに社会は変わり、歴史は動き始める。世界の学生とともに立ち上がろう!
 3・4を上回る闘いを、ここ日本の地からともに爆発させよう! 国境を越えた学生の団結で教育の民営化を粉砕しよう! 4・23法大解放総決起集会から4・28〜5・15沖縄闘争に攻め上ろう!
 (浜中みなみ)
(写真 オークランドで3000人の歓呼の声に迎えられた全学連は、労働者・学生の力で教育と未来を取り戻すことを熱くアピールした)
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 法大裁判に集まろう
 ★5・29デモ弾圧裁判@グループ控訴審判決公判
 3月30日(火)午後1時30分 東京高裁
 *12時半に傍聴券配布所へ

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週刊『前進』(2433号6面2)(2010/03/29 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 仲間の笑顔に労働者階級は一つだと実感 みやぎ連帯ユニオン 金子哲夫

 一昨年9月に塩竈(しおがま)市職労執行部選挙に立候補し、体制内執行部によって組合員籍を剥奪(はくだつ)されてからも、門前チラシまきや外部職場回りを続けています。私が組合から追い出されても現場の労働者はこれまで同様変わらずチラシを受け取り、「ごくろうさま」と声をかけてくれます。受け取らなくなった人はまったくいません。このことに空気が入っています。
 先日、2・13集会を訴えたタブロイド判と私のチラシを一緒にして保育所職場を回っていたら、ちょっとうれしいことがありました。私がA保育所の分として16枚チラシを持っていくと、玄関に受け取りに来たBさんが「うちは組合員は8名なので8枚でだいじょうぶです」と言うのです。私が「正規も非正規も同じ労働者だと思うので、16枚持ってきました」と言うと、Bさんはうれしそうな顔をしてくれ、「わかりました」と受け取ってくれたのです。その笑顔を見て、Bさんも正規・非正規の壁を壊して団結したいと思っているんだな、と感じられ、うれしくなりました。
 執行部は非正規の労働者には組合ニュースは渡しません。私自身も数年前まで体制内的分断の影響下にあり、労働者階級は一つだ、階級的団結こそが目的だという確信を持つまでは「同じ労働者ですから」と自信を持って言えませんでした。そう言えるようになって本当にうれしい。
 昨年、地域の仲間とともに、みやぎ連帯ユニオンを結成しました。自分の解雇撤回闘争のことをこの間きちんとやってこなかったので、ユニオンの課題の一つとしてちゃんと再開していきたいと思っています。

 街頭で署名した女性が絵を描いてくれた 東京 国木田亨

 「私は署名をした者です。あの学生さんの絵を描いたんですけど、どうしたらいいでしょうか」。先日突然、携帯電話に見知らぬ番号から電話がかかってきました。
 2月5日に不当逮捕された学生を取り戻そうとひと月以上前に街頭で署名を集めていたときに、すぐに署名をしてカンパもしてくれたのが高齢の女性Aさんでした。そのときのチラシに載っていた法大生の洞口朋子さんの写真を見て、「この子はとてもいい顔をしていますね。この子の顔を描いてもいいですか?」とおっしゃって、仲間の方と去って行かれたのでした。
 まさか本当に絵を描いてくれるとは思っていませんでした。
 待ち合わせをした場所に、Aさんは私が思ったよりもはるかに大きな絵を、額縁に入れて持ってきてくれました。「昨日の電話で釈放されたと聞いたので、そのお祝いで赤いリボンをつけたのよ」「そこの文字も書いておいた方がいいかなと思って」と言うので、見るとゼッケンのストライキの文字がくっきり書かれていました。
 Aさんが「この子は今どうしているの?」と聞かれたので、「アメリカの教育ゼネストに元気に参加していますよ」と『前進』の写真を見せると、まじまじと眺めてカバンにしまわれました。
 お年は85歳で戦争中ずっと東京で暮らしてこられ、こういう運動にかかわったことは一度もなかったけれど、おかしいことにはおかしいと言い続けてきたのだそうです。
 法政大学の闘いは、本当にさまざまな世代のさまざまな歴史を積んできた人たちの心をも揺さぶり、団結を拡大して進んでいると実感しました。

 店の前の立て看板で『前進』を24時間宣伝 東京北部 町野立子

 私たちの職場では、店の前で『前進』を立て看板に貼(は)り、地域の労働者にアピールしています。「労働者が社会の主人公だ!という新聞『前進』」「『前進』取扱店」と書いて、「くわしくは店内へどうぞ」と貼り出しました。
 初日から立ち読みをしている人、仕事中の労働者、自転車に乗ったまま立ち止まって見ていく人、ベビーカーを押したお母さん、夜になると仕事帰りの労働者も。立て看板は、24時間ずっとアピールしているので、遅く帰ってくる労働者も、ものすごく早朝に出勤する労働者も、毎朝晩『前進』を見ていきます。
 そして先日ついに「1部買いたい」という若者が! 聞けば、この地域でビラ配りのアルバイトをしているとか。立て看板の『前進』を見て、興味があると言っていました。給料が安いのでダブルジョブしていて生きていくのがぎりぎりだとか。しばらく話し、また遊びにきます、と帰って行きました。地域には『前進』を必要としている労働者がもっともっといるはず! 立て看板のアピール、続けます。

 1万1千筆の署名で星野再審開始を迫る 東京三多摩 神藤猛雄

 私は2月24日、東京高裁申し入れ行動に参加した。昨年11月27日に第2次再審請求書を提出したばかりだが、今回は1万1千筆を超えた署名の力で東京高裁に星野文昭さんの再審開始を迫った。
 星野さんに無期懲役を言い渡した確定判決の根拠は、1971年11月14日の渋谷闘争参加者に強制した供述調書のみ。
 第2次再審請求は、それらのデッチあげられた供述調書を、根幹のところで打ち砕く内容だ。新証拠の写真は、@星野さんの持つ鉄パイプはまっすぐで何の変化もないこと、A殴打現場から離れた十字路に立つ星野さんが見たとおりNHK方向の車のフロントが光っていたこと、BKr証人が供述した「きつね色」の服装の人がデモ隊にいたことなど、星野さんが機動隊を殴っていないことを明らかにしている。東京高裁は第2次再審請求に真摯(しんし)に向き合わなければならない。
 東京高裁は、二十数人で駆けつけた私たちに、「室内には20人しか入れない」と言ってきた。さらに、第2次再審請求を検討している裁判官が誰なのかを言わない。そもそも検討しているのかさえ言わないのだ。主任書記官の名前も言わない。これほどひどい話はない。デッチあげで人を拘束することなど一日たりとも許せないのに、星野さんの場合は35年だ。人の生き死に、人生がかかっているのだ。
 ペテン的な沖縄返還協定が再び問題になっている。星野さんたちの闘いは今、普天間基地即時全面閉鎖、新基地建設絶対阻止の闘いとして沖縄の人びととともに闘うことで貫徹される。
 戦争を必要としている資本主義と徹底対決し、階級的労働運動の力で星野再審をかちとろう。

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週刊『前進』(2433号6面4)(2010/03/29 )

日誌'10 2010年 3月17日〜23日

 岡田外相 有事の核寄港「時の政治判断」/4月25日に読谷村で沖縄県民大会

●有事の核寄港「時の政治判断」 岡田外相は衆院外務委員会で、有事の際の核兵器を積んだ米艦船の日本寄港について「その時の政権が決断する」などと述べ、受け入れ可能性は排除できないとの見解を示した。(17日)
●ひき逃げで海軍兵を逮捕 名護市辺野古で米軍四輪駆動車が2台の民間車両に衝突し、軍雇用員の男性と2人の子どもの計3人に軽傷を負わせて逃走したひき逃げ事件について、在沖米海軍は、米ミシシッピ州の米海軍第1工兵大隊分遣隊に所属する米海軍3等兵曹が事故を起こして逃走したとして逮捕したことを発表した。(17日)
●日米、同盟深化で公式協議 米国防総省のシファー副次官補(東アジア担当)は、下院外交委員会アジア・太平洋小委員会での日米関係に関する公聴会で、米国が提供する「核の傘」による抑止やミサイル防衛(MD)など安全保障分野の幅広いテーマについて日米両政府が公式協議を始めたと証言した。米軍普天間飛行場の移設問題では現行計画が最善との立場を重ねて示した。(17日)
●4月25日に沖縄県民大会 米軍普天間飛行場移設問題をめぐる超党派による県民大会の開催に向け沖縄県議会の各派代表者会議が行われ、4月25日午後3時から読谷村運動公園広場で開催することを決めた。大会名は、県議会意見書に基づき「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める県民大会」。事務局長の新里米吉県議は「10万人参加を目指す」と述べた。(18日)
●鳩山「県外は難しい」 鳩山首相は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先について「県外は難しい」とした上で「県外というものも当然、沖縄の県民の皆さん方のお気持ちからすれば、望ましいという気持ちを大事にしたい。難しいけどもがんばっている」と述べた。(19日)
●イラク特措法「違憲ではない」 鳩山内閣は閣議で、イラク復興支援特措法(2009年7月に失効)が「違憲であったとは考えていない」との答弁書を決定した。菅副総理は民主党代表だった04年にイラク自衛隊派遣を「明らかに憲法違反」として批判していた。(19日)
●自衛隊の海外派遣「武力行使なら制約」 鳩山首相は参院予算委員会で、自衛隊の海外派遣について「国連が決議をしてOKを出しただけで安心して自衛隊を派遣する考えを持ち合わせていない」と述べた。従来の政府方針どおり、武力行使にあたる活動は憲法の制約上、参加できないとの見解を示したもの。民主党の政策集では、国連の平和活動には武力行使を伴う場合も積極的に参加するとしている。(23日)
●米国防副次官補、計画変更に否定的 
 米国防総省のミッチェル副次官補(アジア・太平洋安全保障担当)は上院歳出委員会公聴会で、米軍普天間飛行場移設と在沖縄米海兵隊グアム移転の両計画について「10年以上にわたりあらゆる代案を調べたが、現在の計画が最善だ」と証言、計画変更に否定的な考えを示した。(23日)

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