ZENSHIN 2010/08/30(No2453 p06)

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第2453号の目次

自治労徳島大会 「正規の賃下げで非正規賃上げ」 徳永委員長発言に怒り 労組交流センターなど大宣伝活動(写真は会場のアスティとくしま前)

1面の画像
(1面)
民主党=菅と小沢を打倒しよう
大恐慌と戦争・大失業攻撃を労働者の国際連帯で迎え撃て
軍事空港粉砕! 10・10三里塚へ
記事を読む  
11・7全国労働者集会へ  闘う3労組と国鉄全国運動が呼びかけ 記事を読む  
自治労徳島大会 「正規の賃下げで非正規賃上げ」
徳永委員長発言に怒り  労組交流センターなど大宣伝活動(8月26日)
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
国会審議を暴く
「生首をバサッと切る」が公務員制度改革の正体だ
“労働基本権付与”でリストラ
記事を読む  
連合が原発建設推進に転換
原発輸出の最先兵を担い 反戦反核闘争圧殺を宣言
記事を読む  
山陽新幹線事故 重層的下請け体制が元凶
全面外注化を強行したJR西に全責任がある
記事を読む  
(3面)
派遣法・非正規職撤廃へ
超低賃金と「首切り自由」で労働力も再生産できぬ現実
労働組合と団結の破壊狙う(湯村宏則)
記事を読む  
新成長戦略は大失業・戦争の道
非正規雇用拡大と道州制導入  「インフラ輸出」でアジア侵略(島崎光晴)
記事を読む  
(4面)
国際連帯こそ学生の団結の武器だ  全国学生は全学連大会に結集しようB
民族・国境越え同じ闘い  革共同中央学生組織委員会
記事を読む  
訪日したドイツ学生の発言 記事を読む  
日誌 2010年 8月17日〜24日
米戦闘部隊がイラク「撤退」/連合、原発推進に踏み切り
記事を読む  
日程 全学連第71回定期全国大会 記事を読む  
(5面)
戦争切迫で変貌する沖縄基地
米軍基地撤去・安保粉砕を貫き 北朝鮮侵略戦争阻止の闘いを
国鉄・沖縄決戦で菅と小沢を倒せ
記事を読む  
辺野古新基地 政府が偽りの説明  飛行経路をごまかす 記事を読む  
〈焦点〉 アフガンは敗勢と泥沼化  「オバマ新戦略」が破綻へ 記事を読む  
〈焦点〉 米軍5万と傭兵部隊残留  「イラク撤退」演出のウソ 記事を読む  
(6面)
闘う婦民全国協の新時代へ 第27回総会
国鉄と反戦で組織拡大を  新代表に丹治孝子さん選出(8月21、22日)
記事を読む  
星野同志への獄中弾圧弾劾
面会拒否・「スミ塗り」許さない  一部証拠の開示かちとる(8月11日)
記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
日程 三里塚裁判、法大裁判 記事を読む  

週刊『前進』(2453号1面1)(2010/08/30 )

 民主党=菅と小沢を打倒しよう

 大恐慌と戦争・大失業攻撃を労働者の国際連帯で迎え撃て

 軍事空港粉砕! 10・10三里塚へ

 2010年11・7労働者総決起集会の呼びかけが発せられた。今年の11月集会に1万人大結集を実現するための、三つの具体的実践方針は、@資本との非和解性を明確にした職場闘争への決起、Aこの職場での生きた攻防と結合し、全産別・全職場で動労千葉物販闘争に取り組むこと、Bそしてそれを水路に「動労千葉を支援する会」を始めとした国鉄闘争支援組織を職場に組織することだ。国鉄全国運動の発展、会員拡大こそ11・7大成功の最大の環である。

 国鉄全国運動を全職場で

 11・7労働者集会は、大恐慌下の今年最大の階級決戦、政治決戦だ。その成功をかちとるための戦略的な課題と内容は何か。
 第一に、「すべての労働者の権利と未来をかけ、労働運動復権に向けた最大の課題として、国鉄闘争全国運動を全国の職場・地域に組織する」(11・7集会の呼びかけ文)ことだ。
 2010年の11月労働者集会の呼びかけと主催は、これまでの3労組(関西生コン支部、港合同、動労千葉)に、国鉄闘争全国運動が加わった4団体である。メインスローガンには〈職場・地域に「国鉄闘争全国運動」を広げよう!>が入った。国鉄闘争全国運動を全国の職場・地域に猛然と組織することこそが、労働者階級の未来と労働運動復権の最大の課題である。呼びかけ4団体はこのことを第一に訴えている。まさにここに今年の11・7の大成功がかかっている。
 「4・9政治和解」の攻撃こそ、日本労働運動の終焉(しゅうえん)を企図した大反革命であった。6・13大集会と国鉄全国運動の立ち上げで、その恐るべき姿が暴き出されてきた。この夏に開催された産別大会の驚くべき現実は4・9が何であったかを示している。
 まず7月国労大会は、「雇用ゼロ」で闘争団を切り捨てることを決定した。組合費を取らず、代議員の選挙資格も被選挙資格もない「特別組合員」とは、切り捨て以外の何ものでもない。そして7億円のスト基金の取り崩しである。全国各地で4・9の「報告集会」と称するパーティーを行い、スト基金をも飲み食いで使ってしまおうというのだ。
 さらに各地本の資産も取り崩し、職種別協議会も解散。全国単一組織としての国労の完全な解体と連合への合流に踏み切るのだ。しかも菅民主党・連合政権の「強い経済、強い財政、強い社会保障」を、「国民的課題」として国労の路線にすると表明し、「戦後行政の大掃除」と「新成長戦略」貫徹の手先になることを国労は宣言したのだ。
 続く8月自治労大会は、「持続可能な日本社会のグランドデザイン構想」という日帝救済路線を基本路線として決定した。自治労は「強い経済、強い財政、強い社会保障」と「基本的方向性において一致する」と表明し、菅政権や経団連と連携しつつ〈戦争と首切りと大増税>の攻撃、360万公務員の大量解雇の推進を宣言した。
 「多様な雇用形態」「労働市場の弾力化」「ワークシェアリング」「解雇・離職に手厚い手当」「セーフティーネット」などは、まさに首切り、賃下げ、非正規化の推進宣言だ。その上に自治労は消費税引き上げや「納得感のある総人件費の削減」まで提言した。
 国労も自治労も、国鉄分割・民営化攻撃と今後一切闘わず、青年労働者の未来も、戦争の危機も一切関係ないとばかりに、日帝ブルジョアジーの救済に走り出した。これこそ4・9政治和解がもたらした現実なのだ。
 今こそ11月労働者総決起に向かって、全力で〈国鉄1047名解雇撤回・動労千葉支援>の国鉄全国運動を組織化し発展させよう。

 派遣法・非正規職撤廃を

 11・7労働者集会の課題は、第二に、「正規・ 非正規、官・民の分断を打破して職場から闘いを組織する」ことだ。これは大恐慌の激化のもとでの民営化・労組破壊、すさまじい首切りと賃下げ、分社化、外注化、非正規化の攻撃に総反撃する闘いである。
 日本の15〜24歳の青年労働者の完全失業率は10・7%(6月)で、全世代の平均の2倍超。今春卒業した大学生の就職率は60・8%で、4人に1人は失業状態か留年だ。高校生の就職も同じように厳しい。300万人を超える完全失業者の3分の1以上が、1年以上の長期失業者だ。しかも非正規雇用が当たり前になり、正規雇用の道はほとんど閉ざされている。非正規労働者は超低賃金の上「首切り自由」で、保険も年金もない。
 この非正規化は、国鉄分割・民営化攻撃の全社会化による民営化、アウトソーシング、分社化攻撃によってもたらされた。それが4大産別の全体に拡大している。非正規職撤廃こそ、今や4大産別での正面課題であり、第2次国鉄決戦の最大の激突点でもある。
 今こそ派遣法・非正規職の「見直し」ではなく撤廃を訴え、青年労働者の団結と闘いを組織しよう。体制内労働運動は、非正規労働者を生み出す根源との闘いを放棄し、「見直し」や救済運動に走る。だが非正規職・派遣労働そのものをなくし、派遣法を撤廃することが問題の核心である。
 労働組合をつくり、青年部を組織しよう。今こそ青年部運動をよみがえらせよう。

 戦争・改憲・安保への怒り

 11・7労働者集会の課題は、第三に、大恐慌が「改憲と戦争の危機として、労働者階級に襲いかかっている現実に対し」「改憲・安保・沖縄・政治反動に反対する怒りの声を結集」するために闘うことだ。
 今年の11月に向かう過程は、東アジアにおける米日韓による北朝鮮侵略戦争の切迫情勢、侵略最前線基地=沖縄と日米安保をめぐる戦争的緊迫、さらにAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議情勢と完全に重なる。
 横浜市の「みなとみらい」で開催するAPECを「防衛」するために、日帝権力はあらゆる治安弾圧体制と超厳戒態勢を敷き、11・7集会の破壊に出てくる。11・7はこの攻撃との激突であり、これ自体がまさに大恐慌下の改憲・戦争の攻撃との闘いそのものだ。
 8月7〜8日、大分県別府市でAPEC閣僚級会合「成長戦略ハイレベル会合」が開かれた。これを受け、11月の首脳会議で2015年までの域内21カ国・地域が取り組むべき成長戦略と行動計画の素案を正式に決定する(来年から実行に着手)。菅政権が6月に閣議決定した「新成長戦略」は、これに合わせて作った日帝のAPEC戦略、すなわち「東アジア共同体」構想をベースとする侵略と戦争、大失業=非正規化と公務員制度改革、道州制・民営化の攻撃そのものである。
 非核3原則・武器輸出3原則・PKO参加5原則の「見直し」を打ち出した新安保懇報告も、米韓合同軍事演習への自衛官の参加も、沖縄・先島諸島(中国との国境に近接)への自衛隊配備も、すべてこれと一体だ。
 帝国主義の侵略戦争は、労働者の階級的団結を破壊し、労働組合を資本家階級の行う戦争に率先協力する機関に変質させることによって、初めて可能になる。労働者階級が戦争動員を拒否し、国境を越えて団結し決起するなら、侵略戦争を阻止できるのだ。まさに労働組合と労働運動が死活的なのだ。
 資本主義の救済か打倒かをめぐる労働運動の一大分岐と激突は、最後は必ず、資本家階級の行う戦争を支持し協力するのか、絶対反対を貫いて闘うのかの選択に行き着く。4者4団体など体制内派が「解雇撤回」を投げ捨てた次の瞬間には、日帝・菅政権の政策スローガンを自ら叫ぶに至った。大恐慌がこうした激しい分岐を促進している。4・9反革命に国鉄全国運動を立ち上げ、戦後労働運動の階級的転換をかけた挑戦を開始したことは決定的だった。
 米帝を先頭にして世界大恐慌と大失業・戦争の危機にあえぐ帝国主義を、今こそ労働者階級の国際的団結と決起で打倒し、プロレタリア世界革命に転化しよう。

 国際連帯を発展させよう

 11・7労働者集会の課題は、第四に、「労働者の国際連帯闘争を大きく発展させること」に全力をあげることだ。
 日帝は国際帝国主義の「最弱の環」だ。その日本の革命の勝利は、南北分断打破・革命的統一を目指す韓国・朝鮮労働者階級の闘い、中国スターリン主義打倒をめざす中国労働者階級の闘いと固く連帯してかちとられる。そしてこの勝利は、帝国主義の総本山=アメリカ帝国主義の打倒へ向けた米労働者階級の歴史的決起と結合して、今日の大恐慌をプロレタリア世界革命に転化する巨大な突破口となる。
 11月労働者集会の国際連帯闘争が切り開いてきたのは、まさにこれだ。日韓米の国際連帯がさらにブラジル、ドイツ、中国へ、全世界へと、拡大・発展しつつある。この感動的で画期的な地平をさらに推し進めよう。
 以上、11・7労働者集会の四つの戦略的課題と三つの具体的方針で固く武装し、猛然と実践して、「組織! 組織! また組織!」の闘いに画然と打って出よう。この9月以降、11月までの全過程を同時に組織建設闘争として貫き、闘う労働者党を築きあげよう。
 9月全学連大会の歴史的成功をかちとり、10・10三里塚闘争を全国大結集で圧倒的に爆発させよう。北朝鮮侵略戦争切迫下で、三里塚軍事空港粉砕・農地死守の原点に立ち、反対同盟との固い血盟、労農同盟の真価をかけて、10・10全国集会に全力で総決起しよう。
 民主党は9月14日の代表選に、菅と小沢が立候補し、大恐慌情勢下で、日帝救済=資本主義救済をかけて、党を二分する争いに突入している。どちらが勝っても労働者階級にとっては最悪だ。非正規化=大失業と戦争、道州制と民営化・外注化、公務員制度改革、消費大増税攻撃の民主党を、菅と小沢を、労働者階級の怒りと団結で打倒しよう。そして11月総決起へと進撃しよう。

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週刊『前進』(2453号1面2)(2010/08/30 )

 11・7全国労働者集会へ

 闘う3労組と国鉄全国運動が呼びかけ

 「11・7全国労働者総決起集会への賛同と参加のお願い」が3労組と国鉄全国運動から発せられた。呼びかけ文の全文は以下の通り。これに全力でこたえて職場、学園、街頭で奮闘し、日比谷野音を1万人の大結集で埋め尽くそう。(編集局)

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合港合同
国鉄千葉動力車労働組合
国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動(国鉄闘争全国運動)


 闘う労働組合の全国ネットワークをつくろうと訴えてきた11月労働者集会は今年で13回目を迎えます。
 一方、私たちは、国鉄1047名解雇撤回闘争が「政治解決」という重大な局面を迎える中で、「国鉄闘争の火を消してはならない。新自由主義攻撃への対抗軸となる新しい労働運動をつくりあげることを展望し、国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回に向けた全国的な運動(略称国鉄闘争全国運動)を呼びかける」ことを決意し、6・13集会をもって新たなスタートラインに立ちました。私たちはこの二つの力を固く結合し、10年11月労働者集会を、深刻な危機にたつ日本労働運動の再生に向けた出発点にしたいと願っています。
 国鉄分割・民営化は戦後最大の労働運動解体攻撃でした。ここから今日に至る民営化・規制緩和の大きな流れが始まり、1千万人をこす労働者が非正規職、ワーキングプアに突き落とされました。「国鉄民営化で国労をつぶし、総評・社会党を解体し、立派な憲法を安置する」。これが彼らの「コース」でした。
 この攻撃に30年近くにわたり頑強に抵抗し続けた国鉄労働者の闘いは、新自由主義に対する決定的な対抗力であり、戦後の労働運動の歴史の中で画期的な意味をもつものでした。
 新自由主義政策は、この30年余り、労働者の雇用や賃金、権利、社会保障制度、教育、医療、地方自治、農業を破壊して吹き荒れました。その過程で生み出されたのは「世界の労働人口の6割にあたる18億人が正当な労働契約も、社会保障もない奴隷的労働に従事している」(OECD)という現実です。しかし、民主党・菅政権は、財政危機を口実として、公務員労働者へのさらなる全面攻撃を行なおうとしています。360万人の公務員労働者を一旦解雇し、民営化した事業所等に選別再雇用するという究極の民営化・労組破壊攻撃が始まろうとしています。それと一体で、沖縄米軍基地と日米安保体制の強化、改憲と戦争に向けた政治反動が進み、国家主義や排外主義が煽りたてられています。今、国鉄闘争に終止符を打とうとする背後にあるのは、こうした新たな攻撃です。
 恐慌が世界をのみ込んで進行する中で、失業と貧困が拡大し、巨額の財政投入による国家財政の破綻がさらなる労働者への攻撃となって襲いかかっています。ギリシャをはじめ、吹き荒れる攻撃が全世界で労働者人民を深い眠りから呼び覚まし、世界中にストライキやデモの嵐が轟いています。情勢に負け、展望を失い、変質と屈服を深める既成の労働組合の支配に抗し、現場からの怒りの声が噴出し、労働運動の新しい潮流が生まれ出ようとしています。沖縄では基地撤去に向けた怒りの声が燃え上がっています。労働組合がいかなる役割を果たすことができるのかが問われています。
 歴史は大きな転換点に立っています。今何よりも求められているのは、現場から闘いをつくりあげることです。不一致点は留保し、一致点を拡大してその闘いを全国的なネットワークにつなげることです。労働者の団結した力が時代の最前線に登場しなければいけないときが来ました。労働者の団結した闘いこそが歴史をつくり、社会を変革する力です。団結を取り戻し労働組合を甦らせよう。自らのもつ力と可能性を自覚し、誇りを取り戻そう。
 私たちは11月労働者集会に向けて三つのことを訴えます。第一に、すべての労働者の権利と未来をかけ、労働運動復権に向けた最大の課題として、国鉄闘争全国運動を全国の職場・地域に組織することです。第二に、資本主義の行きづまりが、一方で労働者への首切り、賃下げ、外注化、非正規職化攻撃となり、他方で改憲と戦争の危機となって襲いかかっている現実に対し、正規・非正規、官・民の分断を打破して職場から闘いを組織することです。民営化・労組破壊攻撃粉砕、派遣法・非正規職撤廃、改憲・安保・政治反動に反対する怒りの声を結集しなければなりません。第三に、労働者の国際連帯闘争を大きく発展させることです。今ほど万国の労働者の団結した力が求められているときはありません。
 志を同じくするすべての皆さんの賛同と参加を心よりお願い申し上げます。
 2010年8月

●集会名称「たたかう労働組合の全国ネットワークをつくろう! 国鉄1047名解雇撤回! 職場・地域に『国鉄闘争全国運動』を広げよう! 改憲−戦争と民営化−労組破壊にたち向う労働者の国際的団結を!
11・7 全国労働者総決起集会」
●とき 11月7日(日)正午開会
●ところ 東京・日比谷野外音楽堂

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週刊『前進』(2453号1面3)(2010/08/30 )

 自治労徳島大会 「正規の賃下げで非正規賃上げ」

 徳永委員長発言に怒り

 労組交流センターなど大宣伝活動

 全国労組交流センター自治体労働者部会と徳島労組交流センター、星野暁子さん始め星野全国連絡会議は自治労徳島大会第1日目の8月26日、50人を超す参加で会場前を席巻し、結集する自治労組合員4千人に「社保庁型公務員360万人首切り協力の自治労グランドデザイン構想粉砕、自治労本部打倒」、国鉄全国運動、沖縄闘争を訴える大宣伝活動をやりぬいた。(写真は会場のアスティとくしま前)
 宣伝行動では労組交流センターのビラとグランドデザイン構想批判リーフレット各2千枚を代議員、傍聴者らにまききった。国鉄全国運動の賛同は朝と昼休みと合わせて107に上った。昼休みには国鉄全国運動署名に列ができた。『前進』は11部売れた。
 大会の冒頭、自治労本部の徳永秀昭委員長があいさつの中で重大な発言を行った。「非正規の賃上げと引き換えに正規の賃下げの検討に入る必要がある」「普天間問題で社民党が連立政権から離脱したのは残念」
 前者にはあいさつに来た民主党枝野幸男幹事長や連合古賀伸明会長も称賛した。当日配布された議案書にもないこの大反動方針の提起に代議員・傍聴者から驚きの声が上がった。後者も自治労が民主党の辺野古新基地建設強行方針を支持することを意味する。大会議事では第2議案の「グランドデザイン構想」、自治労が支持する政府の「子ども・子育て新システム基本制度要綱」を徹底弾劾しなければならない。

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週刊『前進』(2453号1面4)(2010/08/30 )

前進速報版から 前進速報版から

革共同集会で上映したビデオ「2010年前半期の闘い」ダイジェスト版を公開。
@国鉄闘争 A三里塚闘争 B反戦闘争 C法大闘争

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週刊『前進』(2453号2面1)(2010/08/30 )

 国会審議を暴く

 「生首をバサッと切る」が公務員制度改革の正体だ

 “労働基本権付与”でリストラ

 2012年度実施をめざす公務員制度改革の狙いは、360万公務員労働者に対する大幅賃下げと大量首切りであり、それをとおした自治労、日教組などの公務員労働運動の解体だ。世界大恐慌―プロレタリア革命の時代の到来の中で、支配階級は危機感に駆られ、凶暴な攻撃をかけてきているのだ。国鉄闘争の解体を狙う4・9政治和解と公務員制度改革は、完全にひとつの攻撃であり、国鉄全国運動の発展を軸にこれを打ち破ることに6千万労働者階級の未来がかかっている。

 「給料4分の1に」みんなの党が要求

 12年度「公務員制度改革」の狙いをあけすけに語っているのが8月3日の衆院予算委員会の審議だ。ここでは次のような、断じて許せない討論が行われた。
 玄葉公務員制度改革担当相「(人事が滞留する)そういった人たちをどうするのか。生首をバサッと切るのか、あるいは……希望退職のようなものを募るのか」「能力主義、成績主義を徹底させていく、そういう公務員制度改革にしていきたい」
 江田憲司(みんなの党)「とにかく労働基本権を公務員に早く付与してください。それで民間並みのリストラ、人員整理ができるようにしましょう」「もうひとつは、給与法を改正してください。できのいい人には2倍、3倍給料あげてもいいんだけれども、できの悪い人には3分の1、4分の1給料を下げられる、総体的には給料を下げる」
 原口総務相「江田さんがおっしゃったように給与体系を変える」「出先機関を原則廃止して地方へ移管する」「共済制度そのものにも踏み込む」
 江田「今の制度があるから生首が切れないんですよ」「JALだって生首切るんでしょう」「早く生首が切れるような、リストラできるような法改正をしてください」
 ――本当に怒りに堪えない発言だ。「労働者の生首をとばせ、給料を3分の1、4分の1下げろ」ということが担当相や議員の口から平然と言われている。しかも、労働基本権の回復が、実はそのための手段であることもあけすけに語られているのだ。

 人勧制度の廃止で「給与抜本見直し」

 公務員制度改革の狙いは何よりも、労働協約締結権の付与と引き換えに人事院勧告制度を廃止し、労使交渉で公務員労働者の賃金を大幅に下げられるようにすることだ。
 公務員労働者は現在、労働3権のうち団結権は認められているが争議権(ストライキ権)を奪われ、団体交渉権も制限されている。団交はやれても労働協約は締結できない(現業職員はできる)。
 戦後公務員労働運動は「スト権奪還」を大テーマとして、激しい刑事弾圧と行政処分を受けながらも、実力でストを打ち抜くことで闘ってきた。
 今回の改革では争議権を奪ったまま協約締結権だけを回復するという。実は「フルセットの解禁は困る」「スト権は与えないでくれ」と政府に働きかけたのは連合幹部だったのだ(渡辺喜美『公務員制度改革が日本を変える』)。争議権を回復したら現場労働者が幹部の思惑を超えてストライキに立ち上がることを、連合幹部は心底から恐怖しているのだ。なんという裏切りか!
 今回、協約締結権を付与することで政府が狙っているのは、2割、3割という大幅な賃下げを強行することである。これは現行の「民間準拠」という縛りのかかった人勧制度のもとではとうてい不可能なことだ。官房長官・仙谷はその狙いを、国家公務員法改正案をめぐる春の国会審議で公然と語っている。
 「新たな制度のもとでは、つまり労働基本権を付与するという前提の制度のもとでは、人事院勧告に代わって労使交渉で公務員給与が決定されることになるわけでありますが、これによりまして、人勧制度のもとではなしえなかった……給与体系の抜本的見直しが可能となるのではないか、こう考えているところでございます」(5・20参院内閣委)
 本来、労働者の労働条件を守るための労働基本権が、あろうことか支配階級と連合幹部によって大幅賃下げの武器にされようとしている。絶対に許してはならない。

 「賃下げ人勧実施」叫ぶ公務員連絡会

 連合や自治労本部、日教組本部は日帝・菅政権のもとで、この公務員制度改悪の先兵になっている。日教組本部は、「公務員の労使関係が変わる!―2012CHANGE」「労働協約締結権が付与される方向となりました」(日教組リーフレット)と、まるで「一歩前進」であるかのように宣伝し、絶賛している。彼らは支配階級の狙いを十分に知った上で(彼ら自身が公務員制度改革案づくりに参画している当事者だ!)、組合員をだまし、“毒まんじゅう”を組合員に押しつけようとしているのだ。
 その全面屈服ぶりを示すのが8月10日の人事院勧告に対する連合・自治労・日教組本部の対応だ。人勧の中身は、年間給与1・5%削減という2年連続の引き下げ勧告だ。断じて許せない。
 ところがこれに対して公務員連絡会(自治労、日教組などで構成、政府・人事院に対する統一交渉組織)は、口先では「きわめて不満」と言いつつ、賃下げ人勧粉砕の闘いをなにひとつ呼びかけてはいない。それどころか政府に対して「人事院勧告を無視した一方的給与引き下げは断じて認められない」(8・10声明)と言っている。つまり、菅政権が人勧を超える大幅賃下げを決定することを恐れ、「賃下げ人勧を実施せよ」と要求しているのだ。
 連合・自治労・日教組本部は、このように現下の賃下げ攻撃と対決しないどころか、民主党政権と一体化して組合員に賃下げを押しつけようとしている。ここに、彼らが進める「労働基本権回復=公務員制度改革」の反労働者的な正体が隠しようもなく明らかだ。
 大量首切りと大幅賃下げのための12年度「公務員制度改革」を、労働者階級の総決起で粉砕しよう。都労連を先頭に、賃金確定闘争を「大幅賃下げ粉砕」を掲げてストライキで闘おう。
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 “生首切れる法改正を” (8月3日 衆院予算委)

 玄葉公務員制度改革担当相
 「生首をバサッと切るのかあるいは……希望退職のようなものを募るのか」「能力主義、成績主義を徹底させていく」
 江田憲司(みんなの党)
 「とにかく労働基本権を公務員に早く付与してください。それで民間並みのリストラ、人員整理ができるようにしましょう」「もう一つは、給与法を改正してください。できのいい人には2倍、3倍あげてもいいけど、できの悪い人には3分の1、4分の1下げられる、総体的には給料を下げる」
 原口総務相
 「江田さんがおっしゃたように、給与体系を変える」「出先機関を原則廃止して地方へ移管する」「共済制度そのものにも踏み込む」

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週刊『前進』(2453号2面2)(2010/08/30 )

 連合が原発建設推進に転換

 原発輸出の最先兵を担い反戦反核闘争圧殺を宣言

 連合は19日、エネルギー政策に関する基本方針を初めて策定した。現在計画中の原子力発電所の新増設について「着実に進める」という立場を鮮明にした。
 これは断じて見過ごすことのできない決定的踏み込みだ。連合はこれまで、積極推進派である電力総連、電機連合などと「脱原発」を掲げる自治労などとの間で意見が分かれていたため、「原発は重要なエネルギー源」「現状の原発は維持」という位置づけにとどめてきた。今回、初めて新増設を積極的に推進する立場を明示した。
 連合は08年秋、自治労も含めた産別労組代表で「エネルギープロジェクトチーム(PT)」を発足させ、09年9月に「原発の新増設容認」を明記したPT報告書を作成した。これを土台に今回の基本政策が作成された。19日の会見で南雲弘行連合事務局長(電力総連会長)は「これまでより踏み込んだ方向性が出た」と述べ、特に「途上国への原子力技術や人材開発支援、IAEA(国際原子力機関)への貢献を通じて原子力の平和利用、核不拡散に貢献する」という立場を強調した。
(写真 直嶋経済産業相が原発売り込みのため原発関連企業8社のトップとベトナムを訪問【8月25日】)

 国家総ぐるみの受注合戦を先導

 日帝ブルジョアジーと菅民主党政権は、新幹線や上下水道施設などと並んで、原発の輸出というとんでもない政策を柱に据え、官民をあげて売り込みに躍起になっている(3面論文参照)。
 原発輸出は、核と被曝労働の輸出であり、チェルノブイリ事故(86年)のような原発大事故の輸出だ。建設後の運営・管理も含めたパッケージ型輸出は、日帝がその国のエネルギー政策の根幹を握る侵略そのものだ。
 現在、世界中で432基の原発が運転中だが、老朽化による建て替えや将来的なエネルギー需要を見込んで新たに66基が建設中で、74基の建設計画がある(2010年1月現在)。中国は2030年までに100基の原発を建設するとしている。中長期的には500基とも1000基とも言われる原発建設が見込まれており、1基あたり5千億円という巨大利権をめぐってフランスやロシア、日本、韓国などが国家的な受注合戦を繰り広げている。日本政府は国内でも2030年までに14基の原発を新増設する方針を打ち出している。
 連合は「持続的成長と雇用確保」「温暖化対策」「CO2削減」をも口実に、絶対に許されない原発輸出を労組の名をもって称揚し、その先兵となることを表明した。しかもそれを「国際社会への貢献」「核不拡散の取り組み」と強弁し、労働者階級の階級性を解体し、日帝の核政策―核武装政策の道に引きずり込もうとしているのだ。米日韓による北朝鮮侵略戦争情勢が一触即発の危機にある中で、連合が原発の「積極的推進」を表明した意味は重大だ。
 ほとんどの民主党議員が原発推進の立場だが、その中でも連合出身議員どもは原発推進の最先兵の役割を果たしている。民主党内の原発推進派の中心とされる大畠章宏衆院議員は日立労組出身だ。電力総連出身の小林正夫(東京電力労組)、加賀谷健(同)、藤原正司(関西電力労組)らも同様だ。自治労協力国会議員団長の仙谷由人官房長官、自動車総連出身の直嶋政行経済産業相は原発関連企業トップとともに原発売り込みを先導している。

 戦後労働運動の原点守り抜こう

 〈核と戦争には絶対反対>こそ戦後日本階級闘争の原点中の原点だ。自治労や日教組などの単組レベルでは、今も地域住民と一体となって原発建設反対の取り組みが広範に続けられている。多くの現場組合員が、赤旗を掲げて六ケ所村現地闘争や、「もんじゅ」再稼働阻止の闘い、ヒロシマ―ナガサキ反戦反核闘争に決起している。自治労・日教組本部を含めた連合中央は、今回の基本方針策定をもってこうした闘いを積極的にたたきつぶす立場を鮮明にした。
 連合のこの踏み込みは傘下の組合員、労働者人民との間にさらなる矛盾を引き起こすものとなる。例えば自治労本部は、一方で連合の核政策を承認しながら、他方で「脱原発のとり組み」「原発の新増設反対」を定期大会議案に書き込まざるをえない。まさにペテンだ。連合ダラ幹は、現場との矛盾を解決することは絶対にできない。職場から闘う労働運動を復権し、安保・沖縄、反戦反核の闘いをも水路に連合支配を打ち破ろう。

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週刊『前進』(2453号2面3)(2010/08/30 )

 山陽新幹線事故 重層的下請け体制が元凶

 全面外注化を強行したJR西に全責任がある

 JR体制の矛盾はますますあらわになっている。そのひとつが、極限的な外注化によって引き起こされた安全の徹底的な崩壊だ。菅政権とJR資本は、国鉄分割・民営化から25年を迎える2012年度を前に、「国鉄改革25年」を叫び、JR会社の再編を含むすさまじいリストラ攻撃を強行しようとしている。1047名闘争の解体をもくろむ4・9政治和解も、この攻撃と一体のものだ。国鉄全国運動をさらに発展させ、職場から反合・運転保安闘争を貫いてJR体制を打倒しよう。
(写真 レール削正車に衝突し脱線、前の車両に乗り上げた保守用車)

 下請け−孫請けに業務を丸投げ委託

 7月22日、山陽新幹線・新神戸−西明石間の須磨トンネル内で起きた保守用車どうしの衝突事故は、JRが強行してきた外注化の破綻をまざまざと示した。この事故は、レールを研磨するレール削正車(停車中)に、トンネル内のすき間にコンクリートを流し込むトンネル保守用車が衝突し、トンネル保守用車が脱線、その運転士が負傷したというものだ。
 事故の原因は何よりも、JRによる重層的な業務の下請け化にある。レール削正車とトンネル保守用車は、それぞれJR西日本のグループ会社であるレールテックと大鉄工業が所有していた。これに加え、トンネル保守用車で実際に作業していたのは、大鉄工業がさらに外部委託した孫請け会社だった。しかも、トンネル保守用車の運転作業はエーエムジー社、コンクリートを流し込む土木作業は清水建設という形で、業務は別々の会社が請け負っていた。
 元請―下請け―孫請けが混然一体となって一つの業務を遂行していながら、指揮命令系統はバラバラで、保守ダイヤの確認もまったくなされていなかった。勝手な解釈や思い込みで保守用車が運行されるという事態が、日常茶飯になっていたのである。
 しかし、その責任は現場の労働者には一切ない。新幹線の夜間保守労働は本来、労働者どうしの連携がなければ行えない。極限的な外注化でこれを根本的に解体したJRにこそ、すべての責任があるのだ。
 新幹線での保守用車の作業には運行ダイヤが組まれる。ダイヤ設定と運行管理の責任は当然にもJRにある。しかし、現場にはJR西日本の社員は一人もいなかった。
 JR社員は、現場に出て設備の変状を自分で確かめることもなく、レールテックという検査会社から上がってくる検査報告をもとに、昼間、パソコンと向き合って機械的に定期保守・随時保守業務の計画とその進捗(しんちょく)状況を管理することだけを強いられている。JR社員が行なっている現場の業務は、せいぜい線路巡回ぐらいしか残ってない。レールの傷を検査することも、分岐器(ポイント)などの細密検査も、レールテックに全面外注化されてしまっている。変状の原因を突き止め、その対策を立てて業務をやりきった時の達成感や喜び、労働者どうしの団結や保守に携わる労働者としての誇りも奪われている。
 逆にJR社員が現場に立ち会い、作業を指揮すれば、それはそれで偽装請負という違法行為になる。同じ線路上での保線作業が複数の子会社・孫請け会社に丸投げされていること自体が、根本的に間違っているのだ。
 今回の事故についてJR西日本やマスコミは、「保守用車が30`の制限速度を守っていなかった」「レール削正作業で発生した粉じんにより赤外線が散乱し、衝突防止装置が作動せず、非常ブレーキがかからなかった」「超音波による車両接近警報装置が鳴動しなかったのは、始めから電源を入れてなかったのではないか」などと叫び、事故の原因を現場労働者の「規程違反」に押しつけている。国鉄分割・民営化と外注化という真の原因を押し隠そうと必死なのだ。
 赤外線による衝突防止装置は、99年に起きた保守用車どうしの衝突事故以降、「安全支援装置」として配備されたものだ。だが、どんなに優れた「安全支援装置」も、どんなに厳格な「規程」も、それを生かす組織体制が外注化により根本から崩壊しているところでは何の役にも立たない。
 重層的下請け体制の中で精神労働と肉体労働は完全に分離され、団結破壊が日常不断に拡大されている。JR社員と下請け労働者は支配−被支配の関係に置かれ、労働者どうしの階級的連携=団結は奪われている。この中で事故は必然的に起きたのだ。

 底が抜けたような安全の崩壊が進行

 東京から博多までの新幹線の夜間の線路保守や電気設備保守に携わっている労働者はすべて下請け労働者であり、JR社員はほぼ皆無となっている。1夜あたりで保線関係は3〜4千人、電気関係は千人ほどの下請け・孫請けの労働者が保守作業にあたっている。つまり、数百台の保守用車と4千人以上の労働者がひしめき合って線路や電気設備を修繕していることにより、時速300`の高速走行は支えられているのである。それらの作業は、驚くべき安全崩壊の中でなされている。
 外注化により、安全は「底が抜けた」ように解体された。
 07年3月には天王寺駅構内でケーブル炎焼・損傷事故が起きた。これはガス溶断で切り落とされた鋼材の破片から古枕木に火が燃え移り、仮置きされていた信号ケーブルを焼損させたというものだ。この作業に当たっていたのは、初めてJR現場の仕事を請け負ったひ孫受けの鉄工所だった。
 06年10月には、西明石駅構内で工事用資材を運んでいたトラックが踏切内で下り電車と衝突する事故が起きた。孫請け会社のトラック業者は、この現場の仕事は初めてであり、カーブとなっている踏切を曲がりきれずに立ち往生していたところに、電車が突っ込んだ。
 今年5月25日には、山陽新幹線の六甲トンネル内で、ロングレール交換の作業中、CO(一酸化炭素)中毒で8人が倒れ、うち3人が救急病院に搬送されるという大事故が起きた。ロングレールの交換作業は、短い夜間作業時間の中で25bまたは50bの定尺レールを溶接することが要をなす。当日は作業量自体が過大だった。時間に間に合わなくなり、予備のガソリン発電機もフル稼働させ、トンネル内の無風状態の中でCOを大量に発生させて中毒事故に至ったのだ。しかも、元請会社の大鉄工業は、労働安全衛生法で定められているCO濃度の測定をまったく放棄していた。まさにこれは殺人行為だ。

 青年の怒り組織しJR体制の打倒へ

 JRは、事故が起こればその責任を労働者に転嫁してくる。その攻撃は青年労働者に集中している。今回の事故に遭遇した保守用車の運転者は27歳の青年だ。05年4月に起きた尼崎事故の運転士は23歳、06年1月の伯備線事故で触車死亡した青年労働者は21歳、その責任をとらされて禁固刑を科され解雇された労働者は25歳だった。
 JRは分割・民営化のすべての矛盾を青年労働者に押しつけ、青年の未来を奪い、殺している。他方でJR幹部は関連会社に天下り、尼崎事故の真の原因を押し隠すために事故調査報告書の改ざんを企て、事故調査委員への贈賄という犯罪に手を染めた。そのJR幹部どもが「合理化」「効率化施策」を叫んで安全崩壊の至極をやっている。
 こんなJR体制は絶対にひっくり返さなければならない。動労千葉の反合理化・運転保安闘争路線を、今こそJRの全職場で実践しよう。闘いなくして安全なし!
 今日の大恐慌下、JRは「国鉄改革25年」を叫び立て、87年の分割・民営化をも超える大攻撃に乗り出そうとしている。業務を徹底的に細分化し外注化するとともに、大首切りと大幅賃下げが狙われている。これは尼崎事故級の重大事故を必ずもたらすものになる。
 JR総連やJR連合はもとより、1047名解雇撤回闘争圧殺の4・9和解案に屈服した国労本部も、この攻撃の手先に転じた。だが、国労組合員にはさまざまな職場で意識的創造的闘いを展開してきた伝統がある。こうした闘いを押しつぶすために国鉄分割・民営化は強行され、その攻撃はJR体制下で継続されている。だからこそ「分割・民営化絶対反対、1047名解雇撤回」は絶対に譲ることができないスローガンだ。
 この闘いを貫くものこそ国鉄全国運動だ。これは青年労働者の未来を切り開く闘いだ。JR東日本の検修外注化を阻止した動労千葉の闘いは、労働者には闘う力があることを鮮やかに示した。
 国鉄全国運動を全力で推進し、外注化・非正規職化の攻撃と徹底的に対決して、今こそJR体制打倒へ総決起しよう。

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週刊『前進』(2453号3面1)(2010/08/30 )

 派遣法・非正規職撤廃へ

 超低賃金と「首切り自由」で労働力も再生産できぬ現実

 労働組合と団結の破壊狙う

 米帝経済の再減速、円高と株価の暴落で、世界大恐慌は「2番底」の様相を呈しつつある。新自由主義が破綻し、資本主義の歴史的生命力が尽き果てようとしているのだ。だからこそ資本家どもは生き残りをかけて、戦争と労働者階級への攻撃を必死になってエスカレートさせてきている。一方で、全世界で労働者階級の怒りのゼネストが渦巻いている。日本においても、怒れる青年労働者を先頭に労働運動をよみがえらせよう。非正規職―派遣法撤廃を掲げ、正規職と非正規職の団結を実現し、闘う労組青年部をつくろう。それはまったく可能だ。

 国鉄分割・民営化以降 非正規雇用が約3倍に

 青年労働者と女性労働者の約半数が将来を展望できない非正規雇用を強いられている。正規職においてもサービス残業、労働強化、雇用不安がまかりとおっている。現在の日本は雇用が不安定で低賃金の非正規雇用か、倒れるまで働く超長時間労働の正規雇用かの二者択一的な働き方しかなくなっている。
 非正規化の現実を統計数字から見てみよう(左のグラフ参照)
 国鉄分割・民営化が閣議決定された1985年に労働者派遣法が制定された。この前年の84年には正規雇用が3333万人で非正規雇用は604万人、労働者全体の15・3%だった。
 ところがそれから25年たった今年の4―6月の調査では、正規雇用が3339万人で非正規雇用が1743万人と34・3%を占め、3分の1をはるかに超えてしまった。非正規雇用の労働者の数がこの25年で約3倍にも激増しているのだ。
 その第一の特徴は、青年労働者に非正規雇用が集中していることだ。在学中を含む15歳から24歳の青年労働者の非正規比率は約半数の46・7%にものぼる。学生を除いても29・8%である。
 これは男性労働者の場合、より鮮明だ。男性では15歳から24歳の非正規率が44・3%(学生を除けば25・8%)にも上るのに対して、25歳から34歳は12・4%、35歳から44歳は8・5%、45歳から54歳は7・6%と著しい対比をなしている。
 このように35歳以上の男性の非正規率は10%以下ときわめて低い。学卒者の多くは正社員として就職できた。いわゆる終身雇用の世代である。それに比して91年のバブル崩壊以降に成人した25歳から34歳の就職氷河期世代(ロストジェネレーション)からは非正規雇用の比率が激増している。
 第二には女性労働者への攻撃の集中だ。女性労働者の場合、全体の非正規率は、54・0%と過半数を占める。しかも全年齢層をつうじて3分の1を超えている。
 この非正規雇用の激増は賃下げ攻撃と一体だ。98年以降、年収200万円以下のいわゆるワーキングプアの労働者は増え続け、06年には1千万人を超えた。
 非正規労働者の平均年収は正社員の半分程度であり、生涯賃金でみれば男性でおよそ1億円、女性でおよそ8千万円もの差が生まれている。しかも社会保険や年金も保証されていない。いつ「雇い止め」になるか、おびえながら働くことを余儀なくされている。
 こんな状態では結婚もできない。現に未婚率は急上昇し、子どもの出生率は低下し続けている。まさに社会的に労働力が再生産できないような状態に直面している。資本主義自身の破産と自己崩壊である。
 当初は女性と製造業から始まった非正規化攻撃が今や4大産別を含む全産業に波及するにいたっている。国家財政破綻の危機におびえた民主党・連合政権は公務員360万人全員首切りと、賃下げ・選別再雇用の手段として非正規化・民営化攻撃を行おうとしている。
 このように非正規化攻撃は、帝国主義国内での新自由主義攻撃の核心部分をなす攻撃なのだ。

 戦後労働法制解体と派遣法

 では、この非正規化攻撃は、いついかなる形で始まったのか。
 日本では第2次世界大戦後、膨大な労働者が決起し、戦後革命の一大高揚期を闘いとった。
 その結果、憲法に労働3権が明記され、8時間労働制や労働組合活動の広範な自由を明記した労働法制をかちとった。
 労働基準法6条は「中間搾取」を禁止している。これは「我が国の労働関係に残っている封建的弊習である親分子分の従属関係や、労働者の人格を無視した賃金のピンハネ等を排除」するためだとされた。この具体化として、職業安定法44条には「労働者供給事業の禁止」がうたわれた。
 しかし建設業や造船業などにおいては「労務下請」と呼ばれる特有の下請制度が存続したが、一部の産業にとどまっていた。この「労働者供給事業の禁止」の大原則を破壊したのが1985年の労働者派遣法の成立だ。
 日本の人材派遣業の出現は、66年米国マンパワー社の進出によるマンパワー・ジャパン社の設立からと言われている。アメリカから日本に上陸した派遣事業は、70年代に秘書・受付・テレックスオペレーターなどの業務を中心に拡大し、「事務請負サービス」などと請負を偽装した。
 厚生労働省(当時は労働省)は事務労働を中心に拡大したこの違法な「偽装請負」の実態を是正するのではなく、「法の網をかぶせる」などと主張し、現実を追認する形で85年に「労働者派遣法」を成立させた。
 派遣法成立は、同年に成立した男女雇用機会均等法と、それに基づく女子保護規定緩和と表裏一体である。そして同年に閣議決定された国鉄分割・民営化攻撃とも密接に絡み合っている。それは、74−75年恐慌で行き詰まった日本帝国主義が延命をかけて、戦後労働法制を解体し、戦闘的労働運動を解体することで階級支配を転覆する一大攻撃=新自由主義攻撃に打って出ようとした端緒の攻撃だった。

 「途上国並みの賃金」へ03年には製造業も解禁

 85年の派遣法成立当初は、対象が16業務に限定されていたが、それが今日のように全社会に拡大するにいたった契機となったのが、99年の抜本的大改悪と03年の製造業への解禁である。
 日本帝国主義は、91年のバブル崩壊の後、「失われた10年」と言われる大不況期に突入する。日帝・資本がそこからの脱却をかけて打ち出したのが95年の「新時代の『日本的経営』」である。
 そこでは、それまでの終身雇用制を解体し、1割の幹部社員を除く9割の労働者を非正規にし、そのことで賃金を大幅に引き下げるとした。
 グラフを見てほしい。95年までは正規・非正規とも増え、両者併存だ。ところが95年以降は正規が減り続け、非正規は増え続けている。まさに正規の非正規への置き換えが劇的に進行したのだ。
 この動きを追認する形で、99年には派遣法をそれまでの許可業務に限定(ポジティブリスト)から、指定された業種のみ禁止(ネガティブリスト)に抜本改悪した。労働者派遣が原則自由になったのだ。これでさらに非正規化が拡大した。
 その上で決定的だったのが、03年の製造業への解禁だ(施行は04年)。
 この改悪の引き金になったのが01年のITバブル崩壊と02年の電機産業を中心にする大不況だ。それに震え上がった当時の日本経団連会長・奥田は03年経労委報告の原案で「国際競争のためには途上国に追い上げられている産業では賃金も同じ水準に下落するという圧力が働く」と、「途上国並み」賃金への賃下げを宣言した。これを受けて製造業ではびこっていた違法な偽装請負を「合法化」したのが製造業への派遣解禁だった。これによって製造業で派遣労働が大手を振って横行していく。
 まさに非正規化攻撃は中国・アジアの労働者の超低賃金と無権利での搾取と完全に一対のものだ。中国・アジア労働者との団結した闘いこそが求められている。
 この後、小泉−奥田路線の下、「工場法以前に戻せ」という労働法制解体と民営化・労組破壊の攻撃が吹き荒れることになる。だが、新自由主義への労働者階級の怒りは昨年8・30自民党政権を打倒するにいたった。
 代わって登場した民主党・連合政権は、連合を取り込むことで労働者支配を貫徹しようとしている。4・9反革命はその象徴だ。国鉄1047名解雇撤回闘争こそ、非正規職・派遣法撤廃、外注化・民営化阻止と並んで新自由主義との要をなす闘いだ。国鉄全国運動を全国に拡大し、正規・非正規、官・民の分断を打破し、青年労働者を先頭に11月労働者集会の1万人結集をかちとろう。
 (湯村宏則)

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週刊『前進』(2453号3面2)(2010/08/30 )

 新成長戦略は大失業・戦争の道

 非正規雇用拡大と道州制導入

 「インフラ輸出」でアジア侵略

 菅政権の新成長戦略は、日本経団連が4月に出した「豊かで活力ある国民生活をめざして――経団連成長戦略2010」がベースとなっている。そのすべてが、大恐慌下で苦悶(くもん)する日本の資本家階級の絶望的なあがきだ。国内的には「雇用・人材戦略」と称する非正規職化攻撃、および「地域活性化戦略」と称する道州制攻撃、対外的には「インフラ(社会的資本基盤)の海外展開」というアジア侵略のエスカレートが柱をなしている。労働者階級には、一層の大失業と戦争をもたらすものでしかない。今号では特に、インフラ海外展開戦略を暴露し批判する。

 「経団連成長戦略」がベース

 新成長戦略での「健康大国戦略」とか「観光立国・地域活性化戦略」とかの独特の言い方は、すべて経団連の提言そのままである。しかも経団連提言が「六つの戦略分野」となっているのに対し、新成長戦略では「金融戦略」が加わって「七つの戦略分野」となった。金融戦略が新たに加わったという点では、政府計画の方が資本家階級の要求をよりむきだしにしたものとなった。
 かつての歴代自民党政権の政策、特に小泉政権の「構造改革」政策は、ことごとく資本家団体の提言に基づいたものだった。菅政権はこれとまったく同じことをやっているのだ。昨年の総選挙の際の「マニフェスト」なんか一切関係ない。しかも連合は、この新成長戦略を「高く評価する」と公言した。これほどまでに資本家階級の利害をむきだしにした菅民主党・連合政権に怒りをたたきつけ、即刻打倒しなければならない。

 「第3の道」は絶対に不可能

 政府の新成長戦略が経団連提言と異なっている点は、「第3の道」と称していることだ。”「公共事業中心の経済政策」である「第1の道」も、「行き過ぎた市場原理主義に基づく、生産性重視の経済政策」である「第2の道」も、どちらも失敗したので「第3の道」=新成長戦略を採用する”と言う。こういうごまかしで、資本家階級の意のままに動いていることを隠そうとしているのだ。
 「第3の道」などあるはずもない。あるのは、最末期帝国主義の延命策だった新自由主義が大破産したという厳然たる事実だ。そして、新自由主義に対する労働者人民の積年の怒りが、昨年の総選挙での自民党支配の打倒、そして7月参院選での民主党大敗という形で噴出しているという事実だ。もはやプロレタリア革命以外に、どんな「道」もない。民主党・連合政権は、資本家階級の利害を体現してプロレタリア革命を押しとどめることを唯一の使命としている。そのためにあたかも「第3の道」があるかのように、労働者階級をたぶらかそうとしているのだ。
 日本の資本家にはもはや”新たな成長”などない。そもそも74〜75年世界恐慌からずっと過剰資本・過剰生産力状態が続いている。日本経済は80年代後半のバブルとその崩壊、長期のデフレにより地価・株価暴落で累計1500兆円もの損失を出した。これに対する長年の膨大な財政投入は日帝の財政を破綻させ、「基礎的財政収支(プライマリーバランス)11年度黒字化」という財政再建計画も破産した。一方で80年代後半以来の日帝のアジア勢力圏化も、米・欧・中国との争闘戦での敗勢により挫折と後退を繰り返してきた。そして今、世界大恐慌の本格的激化のなか、日本経済は4〜6月期に再びマイナス成長に陥り、「2番底」に転落しはじめた。日本の資本家階級に未来などないのだ。
 今や日本の資本家階級は、一層の非正規職化と道州制による強搾取・強収奪、そして一段のアジア侵略に延命の道を求めようとしている。新成長戦略とはそういうものだ。労働者階級が生きるには、こういう資本家階級を打倒して共産主義社会を実現するしかない。

 官民で原発と人工衛星輸出

 インフラ輸出戦略は新成長戦略の「目玉」(経産省)をなす。これも日本経団連が09年11月に提言した「アジア経済の成長アクション・プランの実現に向けて」が原案である。そのすべてが、日本の資本家階級の利益のためにある。インフラ需要なるものは、資本の利益のために帝国主義の側が無理やりつくりだしているものだ。例えば日本の新幹線車両を海外で初採用した台湾の高速鉄路は07年に開業したが、乗客数が見込みの半分で、公的資金の投入でかろうじて経営破綻を回避している(7・4日経)。日本資本がもうけられれば、あとはどうなってもいいのだ。
 日帝はアジアへの商品輸出、資本輸出(対外投資)を展開してきたが、それに加えて大規模なインフラ輸出に乗り出そうとしている。それを設備・資材・プラントなどハードの輸出だけでなく、企画から建設後の運営・管理まで含めてすべて「パッケージ」にしてやろうとしている。しかも民間大企業だけでなく政府・官僚が一体となって推進し、政府開発援助(ODA)、国際協力機構(JICA)などから公的資金を大々的に投入しようとしている。要するに大企業と国家が総ぐるみでインフラ輸出をやろうとしているのだ。
 日帝は、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の締結で、米・欧・中国に負けており、これをインフラ輸出でなんとか巻き返そうとしている。また、中国などがインフラ整備と一体で国外の鉱物資源を確保しており、これに対抗して日帝も資源確保を狙ったインフラ輸出に乗り出しつつある(『国際労働運動』9月号「世界経済の焦点」参照)。さらに、国内公共事業が10年間で半減するなかで、インフラ輸出で延命しようとしている面もある。

 アジアめぐる争闘戦の激化

 インフラ輸出の最大事業として狙われているのが原子力発電だ。そもそも日本経団連が「官民一体でのインフラ輸出」という方針に転換したのは、09年12月にアラブ首長国連邦の原発受注で日立製作所が敗退したことがきっかけだった。労働者階級にとって核はすべて廃棄の対象であり、絶対に認められない。かつて国内の原発建設で反対運動が起きなかったところはない。ましてや原発輸出とは核の輸出、核兵器の基盤の輸出であり、原発で働く労働者の被ばくと原発事故の輸出である。絶対に許されるものではない。
 経産省のインフラ輸出の重点分野には、人工衛星の日本による打ち上げ事業がある。政府の宇宙開発戦略本部(本部長・菅首相)が5月に発表した「宇宙分野の重点施策」では、「10年後に宇宙産業を2倍の14〜15兆円にする」とし、その方策としてアジア諸国の人工衛星打ち上げを挙げた。5月には前原・宇宙担当相などがベトナムを訪問し、原発や新幹線とともに人工衛星の売り込みをした。当初は商用と称して打ち上げられた人工衛星も、軍事的役割を持つことができる。宇宙兵器の輸出であり、絶対に粉砕しなければならない。
 新幹線の輸出も、大事故の輸出そのものだ。
 また、上下水道事業の輸出は、「水の商品化」「水ビジネス」「水資源争奪戦」に日帝が参入するものとしてある。日本では水道事業が自治体にあるため、自治体と商社やプラント企業とが組んで水道事業の輸出に動いている。自治体の水道部門は最大の現業の一つであるが、その労組である全水道を日帝はインフラ輸出に取り込み、労組をアジア侵略の担い手にしようとしている。
 こうしたインフラ輸出は、米・欧・中国とのアジア市場再分割戦を一段と激化させ、帝国主義戦争の危機を促進する。帝国主義戦争に絶対反対し、国際連帯で帝国主義を打倒する闘いは、ますます労働者階級の正面課題となっている。
 (島崎光晴)

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 「新成長戦略」の7戦略分野(6月18日閣議決定)

@グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略
Aライフ・イノベーションによる健康大国戦略
Bアジア経済戦略
C観光立国・地域活性化戦略
D科学・技術・情報通信立国戦略
E雇用・人材戦略
F金融戦略

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 「経団連成長戦略」の6戦略(4月13日)

@環境・エネルギー大国戦略
A健康大国戦略
Bアジア経済戦略
C観光立国・地域活性化戦略
D科学・技術立国戦略
E雇用・人材戦略

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週刊『前進』(2453号4面1)(2010/08/30 )

 国際連帯こそ学生の団結の武器だ

 全国学生は全学連大会に結集しようB

 民族・国境越え同じ闘い

 革共同中央学生組織委員会

 われわれ全学連は2010年前半、アメリカ、ブラジル、そしてドイツの学生たちとの結合をかちとり、画歴史的な国際連帯闘争を成功させてきた。国際連帯こそは、新自由主義によって分断されてきた学生の団結を回復させるための武器だ。全国学生は、新たな歴史の主人公として第71回全学連大会へ結集しよう!
(写真 全学連訪米団が3月4日、カリフォルニアの学生デモに参加)

 全世界で教育の民営化への学生の大反撃が始まった!

 「誰の教育か? 私たちの教育だ!」「戦争と監獄にではなく、雇用と教育に予算を!」――3・4カリフォルニア教育ゼネストで私たちは、教育の民営化に対する100万人の学生・労働者の決起を目の当たりにし、州全体、国全体を揺り動かすこの巨大な大衆運動をともに担った。ブラジルでは新自由主義への怒りが社会主義革命への情熱となって沸騰し、「今こそ労働者自身の組織を!」という現場労働者の思いが階級闘争の新たなページを押し開こうとしている。
 国際連帯の発展の中でわれわれは、地球上のあらゆる場所で同じ思いとスローガンのもとに闘う仲間の存在を知ることができた。民族も国境・国籍も越えて、同じ闘いの中で一瞬にして理解しあい、団結を誓う。これほど感動的なことがあるだろうか! 「教育の民営化粉砕」は、全世界をつなぐ世界革命のスローガンだ。
(写真 6月5日、ブラジルの学生集会で織田全学連委員長が発言。全員でコール)

 教育の民営化と闘う中にこそ全学生の未来が

 この夏、世界大恐慌は欧州経済危機を起爆剤として新たな局面に突入した。とりわけ、崩壊を開始したアメリカ帝国主義のもとでの学生の状況は衝撃的だ。学費を払えなければ選択肢は軍服を着るか、サリー・メイのような学資ローンを借りるしかないという現実!
カリフォルニア大学バークレー校では、多くの院生が学費免除の条件としてただ働き同然で搾取されている。
 ヨーロッパにおいても状況はまったく同じだ。今年から本格化したEU教育改革計画「ボローニャ・システム」のもとで、学生は企業にとっていかに「規格のそろった」「高品質な」商品となるかを競い合わされている。そのもとで、企業や財界が授業や研究の内容にまで公然と介入を行っているのだ。
 こんな現実をもはや1秒たりとも許しておくことはできない! われわれ学生は誇り高い未来の体現者であり、この根底的な怒りは社会の未来を食いつぶす資本主義の打倒まで収まることはない。
 全世界の学生が例外なくこの攻撃と向きあい、悩む中で社会変革の闘いに立ち、デモやストライキを先頭で担っている。こうした激動の時代のただ中で、第71回全学連大会が開催されようとしているのだ。

 動労千葉に連帯する闘いと法大闘争が世界の牽引車に

 全学連のいかなる闘いが、全世界の学生の心をつかんだのか。
 第一に、教育の民営化と真っ向から対決して闘いぬかれてきた法大闘争だ。118人の逮捕や処分を受けながらも団結を固め、キャンパスにこだわって闘うことを通して、われわれは、学生こそ誇り高い社会変革の主体であること、大学・教育を学生の手に奪い返す中にこそ社会の未来もあることをつかみとってきた。この中で新たな指導部を生みだしながら、爆発的な組織拡大への挑戦が始まっている。
 第二に、国鉄分割・民営化と真正面から立ち向かい、勝利し続けてきた動労千葉との連帯である。新自由主義攻撃に立ち向かって勝利してきた歴史は世界でも類例がない。現場からの闘いで体制内指導部をのりこえ、6・13をもってついに自らが責任勢力として飛躍してゆく壮大な挑戦を開始した動労千葉の存在そのものが、まったく同じ闘いの中にある全世界の労働者階級に感動と展望を与えているのだ。

 全学連の飛躍と闘いは世界史を決する使命もつ

 第三に、反帝国主義・反スターリン主義の労働者党をつくりだしてきた日本階級闘争の地平だ。労働者階級のもつ自己解放的な力に確信をもって闘ってきた指導部が、帝国主義のみならず社会民主主義やスターリン主義をも圧倒してきた。法大の闘い、動労千葉の闘いを実現した決定的な根拠もここにある。
 こうした中で、日本の全学連の闘いは世界の学生運動を牽引(けんいん)する位置を担っている。全世界の学生の未来は、われわれの闘いにかかっていると言っても過言ではない。
 世界では今、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、フランス、イタリアを先頭にゼネストやデモなどの大闘争が火を噴き、中国、韓国の労働者も歴史的なストライキに決起している。これらの闘争は一層激しさを増し、発展しつつある。とりわけギリシャを先頭とした欧州の労働者は、9月に計画されているヨーロッパ全土のゼネストに向かって今この瞬間にも闘いを加速させているのだ。
 一方でこの闘いをつぶす以外に延命の道がない各国帝国主義は今、足並みをそろえて公務員への大攻撃にうって出ようとしている。教育の民営化はその重要な一環だ。労働組合を壊滅し、階級意識を解体しようとするこの一大反革命攻撃に対して真正面から反撃に立ち、労働組合や学生自治会の大衆的復権・労働者階級の党の建設をなしとげられるかどうか――これこそが全世界の労働者階級の世界史的な焦点だ。
 全世界の学生の最先頭で、今こそ全学連運動を復権しよう!

 11月集会1万人の大結集で国鉄全国運動に勝利しよう

 大恐慌の後のない爆発のただ中で、全世界は怒りと現状変革へのエネルギーに満ちている。菅政権打倒の11月集会1万人結集へ、戦争と大失業への渦巻く怒りを今こそひとつにしよう。全世界の闘いと固く連帯し、道州制攻撃を突破口とする労働運動壊滅攻撃への大反撃に立とう。
 支配階級は4・9「政治和解」をもって、国鉄闘争を主軸に闘われてきた日本階級闘争を根絶することに必死になっている。菅政権は、国鉄闘争をつぶさなければ道州制導入など問題にもならないというすさまじい危機感から生みだされた政権であり、打倒あるのみだ。
 同時に菅はこの11月、アジア侵略と沖縄米軍基地建設を焦点にAPECを開催しようとしている。戦争を阻止する力も、国際連帯と労学連帯の中にある。国鉄闘争を最先頭に、11・7全国労働者総決起集会に1万人の隊列を登場させよう。

 一切の集約点は組織建設にある

 アメリカで、ブラジルで、そしてドイツで……全世界の学生が今、帝国主義と対決し、スターリン主義をのりこえて真に労働者・学生を代表する組織をつくり上げる挑戦を開始している。
 日本のわれわれは今こそ一丸となって、大学を団結の砦(とりで)へと転化する壮大な挑戦を開始する時だ。全国の大学に学生自治会の旗を翻らせ、キャンパスに学生の支配権をうち立てよう。この団結を武器に、全国的な政治闘争をうちぬく中で学生の可能性を奪い返そう。学生の団結した行動こそが新たな歴史を切り開く。
 法大生への不当処分撤回を求める全国署名運動は、学生の普遍的な怒りと力を引き出す強力な武器だ。道州制攻撃と真っ向対決し、学生の団結を回復してゆく巨大な運動としてさらに発展させよう。

 国際的な団結で全世界の変革を成しとげよう!

 国際連帯こそ、学生自治会の綱領の重要な柱だ。われわれ学生が国際連帯闘争の中で自らの生きる時代をつかみ、展望を握りしめた時に発揮する力は無限大だ。世界革命への挑戦権はわれわれの手の中にある。自らの手で新たな社会をつくりだす壮大なスケールをもって、新自由主義と闘う学生の国際的な団結を復権させよう。
 全学連はこの間、韓国、アメリカ、南米、ドイツの仲間と闘いを共にする中で国際的な団結をつくりあげてきた。12月には満を持して、こうした仲間とともに全世界の学生統一行動にうってでる。全国のすべての学生のみなさん! 世界を変える力はここにある。全学連大会に結集し、世界を揺るがす大闘争をやろう!
 全学連大会で300万学生の指導部をつくりだし、学生の隊列を先頭に日比谷野音を1万人の労働者・学生で埋めつくそう。全世界の仲間にこの闘いを届け、新たなインターナショナルの建設をたぐり寄せよう!

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週刊『前進』(2453号4面2)(2010/08/30 )

 訪日したドイツ学生の発言

 この8月、ドイツから3人の学生が来日し、炎暑の中、全学連の学生とともに8・6広島―8・9長崎、8・15闘争を闘いぬいた。集会での発言の抜粋を紹介します。(編集局)
(写真 8・6ヒロシマ大行動で3人のドイツ学生が登壇、会場が拍手と歓声に包まれた)

 戦争絶対反対の闘いを 8・6ヒロシマ大行動で

 同志のみなさん、私はドイツ代表団の一員でイングリット・ブラウンと言います。私たちは、ドイツの学生運動の中で活動していますが、このかん「レーテ(労働者評議会)デモクラシー」という委員会を新たに立ち上げました。このメンバーでもあります。私たちを招待してくれたのは全学連と動労千葉です。おかげで、私たちはこの感動的な集会に参加することができています。どうもありがとうございます。
 私は今日みなさんに、ドイツの戦争政策が金もうけのために行われており、そのことで世界中にどれほどの苦しみを引き起こしているかについて述べたいと思います。アフガニスタンとコソボに、いまドイツの兵士たちが約5500人駐留しています。この戦争は明らかに経済的理由で行われています。アフガニスタンを経由するガス・パイプラインが計画されていますが、それなしにはヨーロッパはロシアに依存したままでしょう。今になってアフガニスタンに価値の高いリチウムが偶然に見つかったと言っていますが、これは本当ですか?! 初めから知っていたんでしょう。
 ボスニアでコソボでイラクで、そしてアフガニスタンで、西側諸国はどこでも新自由主義的経済政策を貫徹しようとしています。全面的な民営化によって国有財産は投げ売りされ、市場は外国の資本と商品に開放され、外国企業に対する税の軽減化が行われています。
 ドイツ軍は今、軍の構造改革に手をつけようとしています。それによってドイツ軍の(NATO軍=米軍からの)独立性を強化しようというのです。社会民主党(SPD)と緑の党はこの改革案を支持しているのです。ドイツ人の70%はドイツ軍のアフガニスタン派兵に反対しています。でも、反対運動の力が弱いために、派兵・駐留は今も続いています。
 ヨーロッパでは今、どこでも、徴兵制の廃止が取りざたされています。そうなれば、ヨーロッパ諸国の軍隊は将来、傭兵の軍隊になります。でもこれは、平和のためにそうしようというわけではありません。民衆の多数が戦争に反対しても戦争をしやすくする、それがこのプランの狙いです。
 みなさん、情勢はますます熱くなっています。世界大恐慌は日々激化し深化しつつあります。そして、アメリカのオバマ大統領は絶望的なアフガニスタン戦争をますます激化させ、ゲーツ国防長官は「北朝鮮とイランは核攻撃の対象」と公言しています。
 このように、資本主義=帝国主義はますます反人間的姿をとり、身動きできない労働者をあざ笑っています。その反人間的行動と利潤追求のための政治は、ますますあつかましくずうずうしいものになっています。
 しかし、希望はあります。世界中どこでも、正規軍がゲリラに勝ったためしはありません。日本でも、成田空港をめぐるみなさんの闘いが勝利的に闘われているではありませんか。
 でもなんと言っても、階級的労働運動の全世界的復権こそ私たちの最大の希望です。ヨーロッパでは、特にギリシャにおいて、労働者階級が今年になって6回のゼネストを闘いました。その巨大な影響は全ヨーロッパに広がりつつあります。
 全世界におけるこのような革命的情勢の中で、国際連帯はますます重要に、ますます不可欠なものになっています。この国際連帯をさらに発展させるためにこそ、いま私たちはここに立っています。全世界にわたる革命的ネットワークはきわめて強力なものです。
 ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな! 戦争絶対反対! 国境を越えた労働者階級・民衆の国際連帯で核を廃絶しましょう!
 私たちには、資本家と闘い、その不正義の体制を一掃する力があります。利潤追求も搾取も抑圧もなく人間が生きられる社会、そのような公正な世界のためにともに闘いましょう。

 みなさんの団結に感激 8・5全国学生集会で

 親愛なる学友のみなさん、同志のみなさん! 私の名前はローラ・アイゼンベルクと言います。
 全学連と動労千葉が私と二人の仲間、モニカとイングリットを招待してくれました。みなさんの前でお話しできるなんて本当に光栄です。
 数年前、EUはボローニャ改革を決定しました。それはヨーロッパの大学における教育改悪を大きく進めるものでした。それに伴いドイツでは、これまで無料だった学費が求められるようになりました。その結果どのようなことになったでしょうか。大学に行けるのは裕福な家庭の子どもたちだけになってしまったのです。それに、就職のため、大学在学中に企業と接触しなければならないようになったのです。この結果、学生は成績を上げるため大変な圧力のもとにおかれるようになりました。
 はっきりしているのは、これらが資本のために行われていることです。こんなことは私たちは反対です。このような中で、ヨーロッパのすべての国で巨大な抗議の嵐が巻き起こりました。ドイツでも「暑い秋」と言われる闘いが高揚し、数千人の集会・デモが何度も闘われました。多くの大学が占拠されました。
 私たちは、日本における勇敢な闘いについて聞いています。全学連は、教育の民営化に反対し不屈に闘っています。私たちは、とりわけ、学友のみなさんに対して法政大学当局が行った弾圧について本当に怒りました。私たちはドイツの地から法大当局と日本政府に対して圧力をかけました。なぜかというと、一緒に闘えば私たちは強いからです。ドイツの私たちは、みなさんの結束に感激していますし、全世界の学生の「団結」を達成したいと考えています。
 私たちがここに来たのは、同時にみなさんから学ぶためです。みなさんはすでに重要な学生組織をつくりあげることに成功しています。この課題は私たちにとってはこれからの課題です。
 現在、ドイツでは既成政党つまり社会民主党、緑の党、そして左翼党(旧共産党)が介入して運動の成果を奪い取ろうとしています。彼らの目的は明確です。学生の要求をねじまげ、大衆のエネルギー・ダイナミズムを統制しようとしているのです。学生運動を議会主義の道に引きずり込もうとしているんです。
 それに反対して私たちは闘わなければなりません。社会民主党、緑の党、そしてスターリン主義は、「私たちの要求は資本主義の体制内では実現できない」ということをごまかそうとしているのです。
 自由な教育を求める私たちの闘いは、同時に反人間的な資本主義の体制に対する闘いでもあります。地域で全国で、そして国際レベルで、この闘いのために、私たち学生と労働者は力をあわせなければなりません。国際的ネットワークをつくりましょう!
 みなさんはすでにブラジル・アメリカなどの学生としっかりとしたコンタクトを形成しています。そして今、私たちがヨーロッパから、ドイツから来ています! 経験をお互いに学びあいましょう。知識と情報を交換しあいましょう。もっている力を共有し、支えあいましょう!
 資本主義=帝国主義反対、スターリン主義反対で力を合わせましょう! 全世界の革命的・戦闘的運動のために力を合わせましょう! 未来は私たちのものです!

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週刊『前進』(2453号4面3)(2010/08/30 )

日誌'10 2010年 8月17日〜24日

 米戦闘部隊がイラク「撤退」/連合、原発推進に踏み切り

●普天間代替、滑走路2案検討 米軍普天間飛行場代替施設の詳細を検討する日米両政府の専門家協議(課長級)が国防総省で開かれた。V字とI字の滑走路の2案を、それぞれ技術面や環境面から協議した。報告書は2案を環境や騒音の観点から比較し、その長短を併記する。(17日)
●米韓、黄海で軍事演習 韓国国防省は、米韓両軍が9月初めに朝鮮半島西側の黄海で対潜水艦戦闘訓練などの合同軍事演習を行うと発表した。両軍は韓国軍哨戒艦沈没事件を受けた北朝鮮に対する圧力の一環として年内は毎月1回のペースで演習を行う。(18日)
●自衛隊が離島奪回訓練 防衛省が今年12月、新たに策定した沖縄・南西諸島の防衛警備計画に基づき、陸海空自衛隊による初の本格的な離島奪回訓練を、大分・日出生台演習場などで実施することが明らかになった。訓練は日米共同統合演習の一環として行われ、米海軍第7艦隊が支援する。(18日)
●米戦闘部隊、イラク撤退 イラク駐留米軍の最後の戦闘部隊が隣国クウェートへの移動を終え、撤退した。戦闘部隊撤退で、イラク駐留米軍は5万人規模になる。残った部隊はイラク軍の訓練などを任務とする。駐留米軍は最大時17万人規模になった。(19日)
●パキスタンへ陸自ヘリ 菅内閣は、パキスタンの洪水の被災地援助のためとして、国際緊急援助隊派遣法に基づき陸上自衛隊のヘリコプター部隊を派遣することを決めた。(19日)
●連合、原発推進を明記 連合は、エネルギー問題に関する基本方針を初めて策定した。現在計画中の原子力発電所の新増設を「着実に進める」とし、原子力エネルギーについて推進する姿勢を明記した。これまでは2年ごとにまとめる国への政策提言の中で原発を「重要なエネルギー源」と位置づけるにとどめていた。(19日)
●下地島へ空自訓練移転を要請 国民新党の下地幹事長が北沢防衛相と面談し、那覇空港で実施している航空自衛隊那覇基地の訓練の一部を下地島空港(宮古島市)に移転することなどを求める要請書を手渡した。(19日)
●自衛隊機、民間転用の指針 防衛省の検討会議は、自衛隊向けに開発した航空機を民間転用する仕組みを盛り込んだ報告書をまとめた。民間転用する際、国に「技術利用料」を支払うことなどが柱。念頭にあるのは主に海外輸出。(20日)
●伊波市長が県知事選出馬を発表 宜野湾市の伊波市長は記者会見で、社民党、共産党、社大党からの要請を受諾し、11月28日投開票の沖縄県知事選に出馬することを発表した。現職の仲井真知事も再出馬に意欲を見せている。(20日)
●米側が飛行経路拡大を要求 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設手法の詳細を決める日米協議で、米政府が、軍用機の飛行経路(有視界飛行)に関する日本政府の従来説明が間違っているとし、大幅に広げるよう要求していることが分かった。日本政府はこれまで沖縄に対し、集落から極力遠ざけた飛行経路を提示してきた。(23日)

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週刊『前進』(2453号4面4)(2010/08/30 )

 日程 全学連第71回定期全国大会

9月9日(木)〜10日(金)
東京・文京区民センター
地下鉄大江戸線・三田線春日駅、丸の内線・南北線後楽園駅、JR水道橋駅/文京区本郷4-15-14
参加費/1000円(資料代など。宿泊費は除く)
連絡先/電話 050−3036−6464
mail cn001@zengakuren.jp http://www.zengakuren180.jp

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週刊『前進』(2453号5面1)(2010/08/30 )

 戦争切迫で変貌する沖縄基地

 米軍基地撤去・安保粉砕を貫き 北朝鮮侵略戦争阻止の闘いを

 国鉄・沖縄決戦で菅と小沢を倒せ

 米韓合同軍事演習が激しく強行され、北朝鮮侵略戦争発動の危機が、まさに「一触即発」という緊迫した情勢に突入している。そもそも今回行われている軍事演習はそれ自身が戦争挑発であり、戦争行為そのものだ。このような緊迫した情勢は「基地の島」の様相を一気に戦争の島へと変貌(へんぼう)させている。アメリカ帝国主義の侵略戦争は、つねに沖縄の米軍基地をその戦略的な拠点として遂行されてきた。沖縄の米軍基地は戦場と直結している。このことは「復帰」から38年たった今日も何ら変わってはいない。
(写真 8月13日、米軍嘉手納飛行場に飛来したF22)

 米韓軍事演習と一体化し外来戦闘機が飛来・訓練

 8・6広島で菅が言い放った「日本の安全保障」「核抑止力」とはすなわち日米安保同盟のことだ。日米安保同盟こそが、沖縄を戦後65年にわたって「基地の島」に縛りつけ、核兵器を「抑止力」と言いなしてヒロシマ・ナガサキを踏みにじってきた。日米安保同盟が朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク・中東侵略戦争、アフガニスタン侵略戦争を支えてきた。そして日米安保同盟は今日、北朝鮮侵略戦争の発動という新たな役割をも担おうとしている。われわれには、この日米安保同盟を許すのか否かの歴史的選択が再び三度問われているのである。
 沖縄の米軍基地こそ、日米安保同盟の最大の実体であり、アメリカ帝国主義の侵略戦争の出撃拠点である。
 04年8月に沖縄国際大学に墜落した普天間基地所属のヘリは、イラクへの派兵部隊であった。この事故によってイラクへ向かおうとしていた強襲揚陸艦は勝連半島沖での待機を余儀なくされた。その後米軍は県民の猛反発の中で普天間基地のヘリを強引に強襲揚陸艦に搭載してイラクの戦場へと向かわせた。
 この部隊がかのファルージャの虐殺を行った部隊であった。キャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブなどでの演習は、イラクでの戦闘を想定したものであり、辺野古の浜では、米軍基地(キャンプ・シュワブ)から流れてくるコーランも聞かれたという。沖縄の米軍基地はイラクの戦場と直結し、イラクの戦場そのものとして米軍のイラク侵略戦争を支える存在であった。
 今日、北朝鮮侵略戦争が切迫し米韓合同軍事演習が繰り返される中、この演習と一体となっている沖縄の米軍基地の姿がある。空軍の嘉手納基地の常駐機はF15戦闘機を中心にして約120機と言われている。ところが今年になって5月11日から岩国基地所属のFA18ホーネット戦闘攻撃機15機とAV8Bハリアー垂直離着陸攻撃機6機の計21機が飛来した。そして5月26日からはステルス戦闘機F22Aラプターが合計12機飛来した。6月25日には再びFA18が12機岩国基地から飛来し、この段階での外来機は報道によれば24機を数えている。
 8月13日にはF22がさらに8機飛来し、この段階で嘉手納基地の外来機はFA18とAV8B、さらにF22が合計20機と総計40機を超えるという事態になった。
 また8月20日には、F15戦闘機4機がKC135空中給油機1機を伴って事前通告なしに嘉手納基地に飛来した。同日には13日から嘉手納基地に駐留していたF22戦闘機8機がKC135空中給油機2機とともにグアムに帰還している。このF22と今回飛来したF15は同じバージニア州ラングレー空軍基地に所属し、現在グアムに一時配備されているものである。F15、FA18、F22、AV8Bが代わる代わる嘉手納基地に飛来するという激しい運用が日常的に行われているのである。
 このようにして嘉手納基地に飛来している外来機はいったい沖縄で何をやっているのか?
 5月12日にはFA18がクラスター(集束)爆弾の投下演習を行い、同17日には4機のFA18がそれぞれクラスター爆弾1発を装着して離陸した。いずれも鳥島射爆場に投下したと見られる。
 7月27日(米韓合同軍事演習時だ)には、カリフォルニア州ミラマー基地所属のFA18が2機、ナパーム弾の改良型焼夷(しょうい)弾MK77を3発投下訓練した。この時米軍は空対地射撃訓練を30日まで行うとしており、このナパーム弾は鳥島射爆撃場で落とされた可能性が高いとされている。嘉手納基地に隣接する嘉手納弾薬庫にはクラスター爆弾やナパーム弾が常備され、07年にもこれらの爆弾を使用した演習が行われている。
 昨年、クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)を日本政府が批准した際、当時の自民党政権・中曽根外相は、在日米軍を拘束するものではないと言明したが、民主党政権のもとでも、何の制約もなく投下演習が強行されているのだ。
 また、北部においては市街地でも、深夜などにもヘリの音や、レンジ10で射撃演習を行っている乾いた射撃音が聞かれているという。さらには、弾薬を積んだと見られる米軍車両が高速道路をゆっくりと移動している姿もたびたび目撃されている。
 空母艦載機であるFA18と最新鋭のステルス戦闘機F22が嘉手納基地を中心に展開し、クラスター爆弾やナパーム弾の投下演習を繰り返している中に、北朝鮮侵略戦争策動と一体となった沖縄米軍基地の今日の姿がある。戦場と一体である在沖米軍基地は、その姿から、現在遂行されている米軍の侵略戦争と、これから発動されようとしている侵略戦争(北朝鮮侵略戦争)の姿をあからさまに示している。イラク侵略戦争と同様に「作戦計画5029」の発動でもまた、在沖米軍と沖縄基地が決定的な役割を演じることになる。その場合、在沖海兵隊は言うまでもなく、空母を軸とした海軍の空母艦載機と、空軍の圧倒的な航空戦力が北朝鮮に一気に殺到することになる。
 そこで使用されるのが嘉手納弾薬庫に保管されているクラスター爆弾やナパーム弾であり、劣化ウラン弾であり、核爆弾そのものなのだ。
 これが、オバマの言う「核なき世界」という言葉のもとで帝国主義がつくり出そうとしている現代世界の真の姿なのである。
 北朝鮮侵略戦争が切迫する中、基地の島が戦場と直結した戦争の島へと変貌しつつある。沖縄の米軍基地は、北朝鮮侵略戦争の最前線基地なのだ。

 基地全面撤去の原則外れ屈服の道に進む伊波市長

 日米政府が5月28日の共同声明で辺野古崎への新基地建設を確認したにもかかわらず、8月末までの工法決定という当初の敵のプランは早くも暗礁に乗り上げている。
 米帝はあくまでも現行案(V字沿岸案)を主張するのに対して、日帝は修正案(滑走路1本のI字案)を主張し、結局のところ両論併記となり、工法の最終決定は11月県知事選以降に先送りとなっている。
 米帝側も米軍再編に伴う海兵隊のグアム移転が現地インフラ整備の遅れで2014年を断念して、早くても17年に延期すると発表している。先住民を始めとするグアム島の人民は、米軍基地拡張・強化に反対する闘いに立ち上がっている。06年に日米両帝国主義によって確認された米軍再編は、辺野古新基地建設阻止闘争によって破綻寸前となり、5・28日米共同声明は早くもガタガタだ。
 このような中で11月28日に沖縄県知事選が闘われようとしている。現職の仲井真県知事に対して、県政野党は伊波宜野湾市長を担ぎ出して対抗しようとしている。しかし社民・社大・共産の3党は早くも選挙方針をめぐって対立を激化させている。特に社民党県連は県知事選で「県外・国外移設を明示にすべき」との主張をまたぞろ持ち出し、沖縄と本土の労働者階級への分断を持ち込み、民主党・連合政権への一層の屈服を沖縄の労働者階級に押しつけようとしている。
 他方、先の参議院選挙において沖縄選挙区での候補者を擁立できなかった民主党県連は、「第三極」を掲げるグループと有無通じながら沖縄の労働者階級への分断を持ち込もうとし、連合沖縄前会長(自治労出身)を担ぎ出して、全駐労沖縄地区本部をも巻き込もうとうごめいている。
 そして菅民主党・連合政権は仲井真に秋波を送りつつ、県知事選での「第3の候補者」擁立を模索し、名護前市長や辺野古の地元有力者との会合を重ねて、辺野古新基地建設の強行へ向けた地ならしを進めようとしている。
 重要なことは、日米安保同盟を前提とし米軍基地撤去の原則を投げ捨てて「県外・国外移設」の手法を競い合うという醜悪な政治という点において、既成のすべての勢力が結局同じだということである。伊波宜野湾市長は「普天間基地撤去」を訴えてきたが、その立場は「グアムへの移設」というものであり、戦後の沖縄の階級闘争の原則であった「基地全面撤去」とは異質だ。それは民主党・連合政権と徹底的に対決する立場ではない。
 「日和見主義と社会排外主義の政治的内容は同じものである。すなわち諸階級の協力、プロレタリアートの独裁の放棄、革命的行動の放棄、ブルジョア的合法性の無条件承認、プロレタリアートへの不信、ブルジョアジーへの信頼が、それである」(レーニン『日和見主義と第二インターナショナルの崩壊』)
 彼らの一切は沖縄と本土の労働者階級への不信であり、ブルジョアジーへの限りない信頼がその根底にある。しかし、もはや資本主義はその歴史的生命力が尽き果て、最後的崩壊へのカウントダウンが始まっている。そういう意味で一切の体制内勢力もまた、基本的にその政治生命は終わったのである。
 求められていることは、労働者階級の本来持っている自己解放的な決起を大恐慌の時代によみがえらせることである。戦後日本の労働者階級の偉大な闘いの歴史そのものである、日米安保同盟粉砕の闘いを今こそ復権しよう。
 本多延嘉前革共同書記長はかつて、「われわれは、三歳の童児を革命党の成員に組織しようとはしないが、三歳の童児にまで『安保粉砕・日帝打倒』のスローガンが浸透することをいささかも恐れる必要はないのである」と書いた。
 今われわれは何も恐れることなく、6千万労働者、とりわけ2千万青年労働者の闘いのスローガンとして「日米安保同盟粉砕!」を掲げて闘おう。このスローガンのもとでの沖縄と本土の労働者階級の団結こそが、沖縄で開始された闘いを米軍基地撤去=沖縄奪還の歴史的な闘いとして発展させ、安保粉砕・日帝打倒を手繰り寄せるのである。
 この闘いを職場生産点から切り開いていく闘いが国鉄全国運動だ。国鉄全国運動の発展は、職場生産点から闘う労働運動・労働組合運動をよみがえらせていく闘いであると同時に、反戦政治闘争=安保粉砕の闘いを労働者階級自身の闘いとしてよみがえらせていく闘いでもある。
 そして沖縄において国鉄全国運動は、沖縄の労働運動の戦闘性・階級性をよみがえらせ、「県外・国外移設」という現代の「沖縄独立論」を沖縄の労働者階級自身の闘いで打ち破り、〈米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒〉の闘いを大恐慌下において本格的に切り開いていく闘いである。
 〈国鉄〉と〈沖縄〉は日本帝国主義のアキレス腱(けん)だ。そして日米安保同盟とは、歴史的にも今日的にも日帝の危機と矛盾そのものである。11月に向かう過程は、これらすべてが「ひとつ」となり階級決戦として闘われることになる。それは労働者階級にとっては「大恐慌をプロレタリア革命の勝利へ」を実現する決定的な好機が到来したということを意味する。
 国鉄・沖縄決戦で菅と小沢を倒せ! 11月全国労働者集会に1万人の結集を実現し、11月APEC首脳会談を粉砕し、米軍基地撤去=沖縄奪還、安保粉砕・日帝打倒へ!
 辺野古新基地建設攻撃を、沖縄と本土の労働者階級の11月1万人結集の団結の力で最後的に粉砕しよう!
 (革共同沖縄県委員会)
(写真 宜野湾海浜公園で行われた5・15県民大会参加者に「基地撤去・日米安保粉砕」と国鉄1047名解雇撤回闘争を訴える青年労働者と学生)

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週刊『前進』(2453号5面2)(2010/08/30 )

 辺野古新基地 政府が偽りの説明

 飛行経路をごまかす

 米軍普天間基地の辺野古移設の策動を続ける日米両政府は、工法の最終決定を11月沖縄県知事選の後に先延ばしするなど、危機と破綻を深めているが、さらに重大な事実が明らかになった。
 辺野古への移設手法をめぐる8月中旬の日米実務者、専門家協議で、米政府が軍用機の飛行経路(有視界飛行)に関して地元に騒音被害がないかのような日本政府の説明は、海兵隊の運用の実態とかけ離れていると主張して日本側と対立したという。24日付琉球新報が報じた。
 「地元に配慮して騒音被害がないようにする」という06年米軍再編の日米合意以来の説明がとんでもないウソだったことが明らかになった。
 米帝は、5月28日の日米共同声明をテコに、辺野古新基地建設を合意どおり掛け値なく実行することを迫っているのだ。
 日本政府は06年の日米合意以降、米軍機の飛行経路を周辺住宅地に極力近づかないような台形にとどめると沖縄側に説明してきた(図)。ところが米側は「航空機が台形に飛べるはずがない。標準的な楕円(だえん)形の経路で飛ぶ。沖縄に正直に説明すべきだ」と「是正」を要求した。
 専門家協議の報告書は8月末に発表されるが、それまでに折り合いをつけられず、飛行経路に言及しないインチキな報告書になる。それでなくても「I字」1本の滑走路を主張する日本と、あくまで06年合意の「V字」にすべしと言う米側との対立で、8月末決着は不可能になっていたのだ。
 要するに、米帝にとっては、戦争のための基地機能の確保が一切であって、騒音被害や環境破壊は日本政府が心配すればいいことだという認識なのだ。日帝は、この米軍基地をなんとか建設にこぎ着けるために、どんなペテンもウソもいとわず、後は既成事実を押しつけるだけという姿勢なのだ。こんなことが明るみに出てしまうのも、日米帝の辺野古新基地建設攻撃が、そもそも理不尽で、それゆえ破産的な攻撃だからである。怒りを込めて普天間基地即時撤去・辺野古新基地建設絶対阻止へ闘い抜こう。

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週刊『前進』(2453号5面3)(2010/08/30 )

焦点 アフガンは敗勢と泥沼化

 「オバマ新戦略」が破綻へ

 01年10月に始まった米帝のアフガニスタン侵略戦争は、今年7月段階で開戦から8年8カ月を超え、ベトナム侵略戦争(1964〜73年)を抜いて、アメリカ史上「最長」の戦争となった。投入兵力の規模は、オバマの大統領就任後の大規模増派によって米軍だけで10万人を超え、ISAF(国連安保理決議に基づく国際治安支援軍)全体で15万にも達しているが、戦況は米軍・ISAF側にとって完全な泥沼となった。6月から鳴り物入りで始まった「タリバンの根拠地」カンダハルへの大規模掃討作戦も開始直後から行きづまり、逆にタリバン側の攻勢で、ISAF軍の死者が1カ月で100人を超えたことが明らかになった。
 タリバン側の反撃はいまや「国土の80%以上の地域に広がっている」(国際シンクタンク「治安と開発の国際審議会」)状態で、イラクに続く「アフガン敗退」もついに現実味を帯びてきた。
 ISAF軍の死者が激増している背景には、農民を始めとしたアフガン人民全体が、米軍への深い敵意をもって対峙するに至った現実がある。その多くがイスラム復興運動のタリバンに加わり、また直接タリバンに加わらない者も、親タリバンの立場を強め、現場の情報がISAF軍には伝わらなくなり、逆に米軍の細かな動向がタリバンに筒抜けとなる状態になっているのだ。
 昨年、米軍はケシ栽培によるアヘン取引がタリバンの資金源になっているとして、収穫前のケシ畑を広範囲に焼き払う作戦を強行した。貧しい小作農民たちにとって、理屈抜きに1年間の収入を奪われた怒りの大きさは計り知れない。また米軍は、敗勢が深まるにつれて無人爆撃機による「過激派が潜む民家」への爆撃作戦を多用するようになり、誤爆による一般市民への虐殺が急増した。その数は今年だけで1300人を超えた。
 米帝は、自らの世界支配と帝国主義的権益を維持するために、ベトナムやイラクで繰り返した無差別爆撃を、いまなおアフガニスタンで続けているのだ。それにもかかわらず、この「世界最強」の米軍が敗勢濃厚となっているのだ。
 イラク戦争に続くアフガン敗退がもたらす米軍の危機は尋常ではない。大規模増派の失敗で戦局打開の展望を失った駐留米軍のマクリスタル司令官は、「政権批判」を公言してオバマ政権中枢と深刻な対立となり、ついに6月30日に解任される危機的事態となった。この事件の背景には、軍そのものの崩壊が始まった問題がある。アフガニスタンでのISAF軍の死者は2000人で、6割が米兵だ。これとは別に自殺する兵士の数も09年1年間で160人を超え、現在も激増している。軍本体が崩壊を始めているのだ。
 オバマが「アフガン新戦略」で公約した「2011年夏からの撤退開始」など、まったく問題にもならない状況だ。米軍敗退が完全に露呈すれば、中東支配全体の破綻となり、米帝の世界支配の根幹が崩れる。それは世界大恐慌の核心部であるドル暴落をも劇的に引き寄せる。世界革命で帝国主義を打倒することが問題になっているのだ。

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週刊『前進』(2453号5面4)(2010/08/30 )

焦点 米軍5万と傭兵部隊残留

 「イラク撤退」演出のウソ

 イラク駐留米軍の「主要な戦闘部隊」が8月19日、イラクから撤退したと報道された。米ブッシュ政権による03年3月のイラク戦争開戦から約7年5カ月。多くのマスコミは「米戦闘部隊の撤退は大きな節目となる」と報道した。だがわずか2日前の8月17日、首都バグダッドの軍施設で自爆攻撃があり、少なくとも57人が死亡した。1回の攻撃による死者数は今年最高となるゲリラ事件だ。
 この間、南部の都市バスラでは6月19日、50度に達する酷暑の中、頻発する停電に怒った3000人の労働者たちがデモ行進して警官隊と衝突し、4人が死亡する事態となった。6月13日にはイラク中央銀行で爆弾の爆発を含む銃撃戦があり、少なくとも12人が死亡したと報道された。まさにこれらが、オバマの「責任ある撤退」なるもののありのままの現実だ。
 そもそも7年を超えるイラク侵略戦争で米英日を軸とした帝国主義がやったことは、15万人以上のイラク軍民の大量虐殺であり、人々の生活に不可欠の電力や水などのインフラの破壊、そしてイラクの石油権益の配分を背景にした宗派間や民族間対立の激化と拡大であった。そして3月の「イラク国民議会選挙」から5カ月が経過しても組閣交渉もまとまらず、いまだ政権は発足できないでいる。
 しかもこの状況下で今、ばく大な利益を上げているのは、7000人へと武装傭兵(ようへい)を倍増しバグダッドで戦闘任務につく米民間軍事会社である。
 実は米軍は、8月末の「戦闘任務終了」後も、イラク国内に5万人の部隊を残す。その実態はほとんど報道されないが、飛行場まで備えた大型基地を含む94個所もの基地を維持し、隣国のアフガニスタンを始めとする中東支配のための軍事拠点として、あくまでイラクを確保しようとしているのだ。オバマはイラクでの敗退をアフガニスタンの制圧で巻き返す「アフガン新戦略」を立て、イラクからの撤退と増派部隊で10万人を超える米軍戦闘部隊の投入に踏み切った。しかしアフガンでも今や決定的敗北が濃厚となりつつある。
 イラク開戦以来の米兵の死者は公表されただけで4419人(国防総省=8月現在)に上る。これが示すように、米帝のイラク・中東支配の破綻と崩壊は決定的である。そもそも米帝は、「大量破壊兵器の保有」をこじつけ、英帝とともにイラク侵略戦争を強行し、大規模な空爆と殺りく戦でサダム・フセイン政権を崩壊に追い込んだ。しかし1カ月を待たずに占領政策の破産は露呈し、7年を超える泥沼的敗勢にあえいできた。
 しかもこの不正義の戦争を日帝と小泉政権は無条件で支持した。在日米軍基地はイラクへの出撃基地としてフル稼働し、自衛隊の大規模派兵にも踏み切った。この血塗られた侵略戦争の上に日帝ブルジョアジーは存在しているのだ。
 菅民主党政権は今、沖縄普天間基地問題で危機を深めつつ、日米安保体制強化と核抑止力の必要を公言し、大恐慌下に侵略と戦争の攻撃を強めようとしている。現在のイラク・アフガン情勢に対するわれわれの回答は、労働者国際連帯の発展をかけ、11月労働者集会を巨大な反戦政治闘争としても大爆発させるために闘うことだ。

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週刊『前進』(2453号6面1)(2010/08/30 )

 闘う婦民全国協の新時代へ 第27回総会

 国鉄と反戦で組織拡大を

 新代表に丹治孝子さん選出

 8月21、22日の両日、婦人民主クラブ全国協議会第27回全国総会が横浜市鶴見で開催された。1929年恐慌を上回る大恐慌の時代、戦争か革命かが問われる時代に、それをチャンスとしてとらえ、大恐慌・大失業・戦争を革命へ、国鉄全国運動を職場地域で闘いぬき、反戦闘争を先頭で担う新たな飛躍の決意を固めた。新生婦民全国協の出発として新体制が確立された。
(写真 「一人ひとりが飛躍し組織者へ」と新体制を確立した婦民全国協総会【8月21日 横浜市】)

 西村綾子さん市議選へ決意

 総会では29年恐慌を経験し戦前・戦後を生き抜き闘い抜いてきた丹治孝子さんを新代表に選出、そのもとで革命勝利へ向け闘うことを満場の拍手で確認した。さらに西村綾子前代表を特別顧問とし、2011年相模原市議選で5期目に挑戦することを決定した。
 1日目、議案の提案を鶴田ひさ子事務局長が行った。「大恐慌のもとで世界中で労働者の反乱が起き、国鉄闘争に対する4・9反動との闘いが開始された。分離独立から26年、国鉄分割・民営化、均等法や派遣法など新自由主義と対決してきた婦民全国協だからこそ、この大反動を許さず闘おう。一人ひとりが飛躍し組織者になろう。職場・地域に分け入り組織の拡大を。戦争に向かう資本主義体制をひっくり返すため新体制を確立して闘おう。活動の柱の新聞を変革し職場・地域で大胆に拡大しよう」
 特別報告は国労闘争団の成田昭雄さんから。4・9政治和解について「解雇に対しては解雇撤回しかない。和解の判を押さないことは当たり前だった」とし、「このままでは青年の未来もなにもない。みなさんにはもう一人の闘争団になってほしい」と訴えた。
 夕食交流会、2日目の分散会では全国から結集した会員・読者が自らの職場や生活の中での格闘を率直に出し合った。それぞれが最末期の資本主義社会の女性労働者・労働者家族がぶつかっている困難と闘いそのもの、日々生きることが闘いであることを示していた。
 「わが家は非正規ファミリー。一時婦民の活動を休んでいたが、職場の人員削減、労働強化とぶつかるうちに数年ぶりに会員に戻れた。気がつけばいつの間にか娘も闘っていた。今日は来ていないが娘も会員です」「職場の労組が闘わない中、一緒に闘ってきた仲間が自殺した。悔しくてつらくて仕方がないがあらためて闘おうと思う」「小学校から評価・評価で競争させられ分断される社会。娘が死にたいともらす。こんな社会を絶対変えていきたい。今日は娘と一緒に参加した。生き抜いてほしい」「10年ぶりに参加した。民生委員だが一人で350世帯も任され、困難な状況にぶつかりのみこまれそうになる。総会に参加して社会全体を見通すことが必要だとわかった」「職場の保育ルームの外注化に対し、非組の保育士さんを婦民新聞に載った記事でオルグしている」「婦民新聞を持って物販まわりをしているが楽しくて仕方がない」「退職勧奨をはねのけて闘っている」「学習会を今までより枠を広げて声をかけ開催している。軸さえぶれなければどんな人が来ても討論できる」など。
 全体討論は積極的な発言が続いた。「新代表の丹治さんは82歳になる。その下の私たちは年だ何だと言っておれない。戦争体験からの反戦、労働者の組織化の経験、みな生きてくる。みんなの飛躍で闘おう」「相模原市議選はこれまでにない対決になる。全力で闘おう」。みな実践に踏み込んでの発言だから明るい。
 総会にはたくさんのメッセージが寄せられ共闘団体からあいさつがあった。三里塚芝山連合空港反対同盟婦人行動隊の宮本麻子さん、動労千葉から争議団当該の中村仁さん、沖縄民権の会の座覇光子さん、星野再審全国連絡会の星野暁子さん、全国労組交流センター女性部長の長谷川ユキさん、部落解放同盟全国連合会杉並支部の田中れい子さんらがそれぞれの生き様を語りながら熱い連帯の訴えを行った。
 まとめと総会宣言の読み上げが行われ、新体制の承認、新旧の代表のあいさつ、団結頑張ろうで11月労働者集会1万人結集の勝利を誓い合った。

 あいさつ 団結し革命もぎとろう 丹治孝子新代表

 元気いっぱいの総会だった。私たちの誇りです。1929年の大恐慌が戦争に行きつく過程を知る者として今度こそ大恐慌を革命に転じて労働者民衆は生きようと老若男女に訴えていきたい。革命以外にこの社会は変えられない。みなさんといっしょにこの社会を切りひらいていきましょう。団結して革命をもぎとろう。

 相模原の位置は重要 西村綾子前代表

 丹治さんが新代表を引き受けてくれて本当にありがたい。これは新たな婦民の戦闘宣言だと思う。丹治さんと2人で天皇決戦でハンストをやったことがある。しかし、これまでのままでいけばいいということではなく発展しなくちゃいけない。(「覚悟してくださーい」の丹治さんのかけ声)
 婦民の存在意義は昨日今日の討論で十分共通のものになった。なによりみな実践の中で路線とかカギが自分のものになっていると感じた。26年間の思いは色々語り尽くすことはできないが、後は丹治さんに託したい。なにより中央事務局・本部が全国の思いや闘いを受けて先取の気持ち、責任の体系で頑張ってもらいたい。老中青・世代を越え何世代もが一度につどう組織は重要。北富士の天野美恵さんがよく「年は取っておりますがゲリラに入る」と言っていたし、中野洋動労千葉顧問は最後まで「負けるなよ」と言って逝かれた。年齢を理由にすることはできない。
 選挙は絶対負けられない。改憲・戦争、民営化・労組破壊、社会的連帯の破壊には革命以外ない。そういうときここ相模原の位置は思ったより重要。米軍の戦闘指揮所があり沖縄の基地もここから指揮している。なんで山も湖も含めて合併させたこんな地域を政令指定都市にしたのか。やはり道州制攻撃の一環で闘う拠点つぶし、私たち婦民の出撃拠点への攻撃でもある。敵が国鉄から婦民まで屈服させようとするなら相手にとって不足なし。闘っていこう。
(写真 戦争体験世代が先頭に。左から西村前代表、広島支部の下田礼子さん、丹治新代表)

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週刊『前進』(2453号6面2)(2010/08/30 )

 星野同志への獄中弾圧弾劾

 面会拒否・「スミ塗り」許さない

 一部証拠の開示かちとる

 8月11日、東京高裁第11刑事部(若原正樹裁判長)で3者協議(弁護団・裁判官・検察官)が行われ、検察側は現場関連写真の一部を開示した。
 星野文昭同志と弁護団による第2次再審請求、証拠開示の申し立てと一体で、「星野さんをとりもどそう!全国再審連絡会議」は、6月25日の高裁包囲デモをはじめ、裁判所前でのビラまきや署名活動を連続的に闘い、再審開始・全証拠の開示を熱烈に求めてきた。この運動的前進が検察官を追いつめた勝利である。
 開示されたのは公安警察の写真班が撮影した写真の一部である。写真班は1971年11・14沖縄闘争の現場である東京・渋谷の各所に配置され、無差別に隠し撮りをしていたのだ。
 弁護団は開示された写真を星野同志へのデッチあげを明らかにする「新たな証拠」にするために、直ちに検討・分析に入っている。
 しかし、これらは弁護団が開示を要求したもののごく一部であり、民間人の現場目撃者による「供述調書」などは一切開示されていない。全面的な証拠開示を求めてさらに闘い抜こう。
 この間、星野同志との面会を拒否された6人の仲間と、星野同志に郵送した手紙を「スミ塗り」された星野暁子さんは8月25日、徳島弁護士会へ人権侵害救済申し立てを行った。
 徳島刑務所は今年5月20日から7月7日までの間に星野同志に面会に行った6人全員の面会を拒否した。その中には布川事件で再審開始をかちとった桜井昌司さんも含まれている。2006年に友人面会をかちとって以降、総計94人の仲間が面会してきたにもかかわらず、徳島刑務所は突然何の理由も示さず一方的に拒否してきた。断じて許すことができない。
 さらに徳島刑務所は暁子さんが6月6日、28日、8月8日に発信した手紙にスミを塗り、一部を抹消する暴挙をなした。こんなことは1987年10月に星野同志が徳島刑務所に移監されて以来初めてのことである。しかも「スミ塗り」個所は、支援者・友人に関する部分で、抹消すべき理由などまったくない。
 日帝・徳島刑務所は大恐慌情勢のもとで大失業と戦争・改憲攻撃に対する労働者階級の闘いが前進し、これと星野再審闘争が結びつくことにとことん恐怖し、星野同志と獄外との団結を分断する不当きわまりない攻撃に出てきたのだ。刑務所のあり方についても一層強権的な転換を進めている。刑務所は今日の厳罰化の中で収容人数が激増している上に、民営化が進められたことで管理のみが強化され、受刑者の「処遇」(生活、健康、権利等)が悪化している。
 労働者階級の闘いで菅政権を打倒しよう。国鉄全国運動を前進させ11月労働者集会で労働者階級の壮大な隊列を創出し、星野同志への獄中弾圧を粉砕しよう。11月27日、全国再審連絡会議が呼びかける星野同志奪還全国集会へ結集し、星野同志を奪還しよう。

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週刊『前進』(2453号6面3)(2010/08/30 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 基地と裁判員に反対 岡山で連続行動闘う 動労西日本副委員長 山田和広

 8月21日昼、「とめよう戦争への道!百万人署名運動岡山」の主催で、岡山市内の商店街で、「普天間基地撤去!名護新基地建設阻止!」の街頭宣伝とデモ行進を行いました。ビラまきと沖縄米軍基地と9条改憲に反対する署名を集めました。猛暑でしたが、開始直後から「署名させて!」と言ってくる人がいて、反応はかなりよかったです。
 その後、商店街をデモ行進しました。沿道から手を振って激励する市民が多数いました。 
 また、24日朝、岡山地方裁判所での裁判員裁判に対し抗議行動を行いました。 
 素人を参加させゲームのように人を裁くという、とんでもない栽判員制度は廃止しようと訴え、ビラをまきました。呼び出された裁判員候補者や通行人が次々に受け取っていきました。
 「年金生活なのに裁判所へ出てこないとカネをとられるということなので、仕方なく出てきた。
ビラを読んでその通りだと思った。がんばってください」と話しかけてくる人もいました。
 市民の怒りはあふれています。職場闘争とあわせて、こうした街頭闘争も大切だと思いました。
国鉄全国運動に職場の労働者を結集させるのはもちろんですが、市民にも国鉄全国運動を訴えていきたいです。
 11月労働者集会の成功に向け闘いを続けていきましょう。

 「倉澤署名」訴え 青年教職員の怒りに火 東京 深谷義人

 8月、水道橋の都立教職員研修センター前で、研修参加者に広島の青年教員・倉澤憲司さんへの不当処分撤回の署名集めを仲間と行いました。
 8・6ヒロシマ大行動の呼びかけ人の倉澤さんは、昨年8月6日に設定された官制研修(10年研)に参加しなかったとして県教委から不当にも戒告処分を受けました。倉澤さんを先頭とする反撃で、県教委は今後は8月6日当日の研修を断念せざるを得なくなりましたが、処分は適切として取り消さないのです。
 署名の反応は上々でした。研修終了後のほぼ30分間に数百人がどっと帰途につきます。「10年研修で行われた処分撤回の署名をお願いします」と声をかけると十数人が快く応じてくれました。
 東京の20代、30代の都立高校や特別支援学校の教員、事務職員、さらに「君が代」不起立処分を受けた教員もいて討論になりました。「朝日新聞の教員の過労死・自殺の実態を暴いた『いま、先生は』は随分話題になっていますね」という反応や自前のノートパソコンを持ち込んで学校管理のパソコン強要と闘っている話、「倉澤さんの処分撤回は組合である都高教が反対すべきだ。かけあってみたい」という青年教員も現れました。
 「倉澤署名」での出会いを通して、年に何回もの官制研修で夏休みも奪われている青年教職員の怒りや不満に火をつける一歩が築けたと思います。
 教育現場の中に闘う労働組合を取り戻すことこそ国鉄解雇撤回、非正規職撤廃闘争を貫徹する闘いだと確信しました。

 「非正規職をなくせ」は どの世代にも切実 関東 新見典子

 8月23日付の本紙に載った「青年の失業率最悪に」を読んでガク然としました。ILOの発表といいますから漏れは相当ある数字でしょう。それでも15歳から24歳までの世界の若年層のうち失業中が8千万人を超え、ヨーロッパでは先進国と言われる国でさえ3割、4割が失業しているとは驚きです。
 わが身に引き寄せてみると、まわりには仕事があったりなかったりという失業、半失業状態の若い人が目立ちます。数字には表れないかもしれませんが。仕事にあぶれた若い人が実家に身を寄せる話はよく聞きます。そもそも親元を離れて独立できないのです。
 生命保険会社の研究員の話が新聞に載っていましたが、20代の男性で年収300万円を下回ると結婚意欲そのものが低下するというのです。厚生労働省の統計もありました。結婚した割合は年収200〜300万円では2割を切り、100万円未満では1割にとどかない数字でした。
 子ども手当のバラまきなんかでどうにかなる問題でないことははっきりしています。「非正規職撤廃」は、どの世代にとっても切実で必要です。

 『消費税のカラクリ』読み怒りこみ上げた 東京 穂積万作

 斎藤貴男著『消費税のカラクリ』(7月刊 講談社現代新書)を読んだ。
 自治労大会第2号議案(「持続可能な日本社会のグランドデザイン」)は「基本年金制度の財源は全額税負担方式に。消費税の抜本見直しによる年金目的税への再編。社会保障・納税者番号制度の導入」「消費税は安定的かつ有力な税財源の一つ。国民の納得を前提に消費税引き上げを検討すべき」とした。「国民の納得」とは、労働者分断のもとでの徹底した公務員人件費削減であり360万人首切りのことだ。絶対に許せない。
 この本は、消費税の許すまじき本質を次々と明らかにしている。消費税の「輸出戻し税」によってトヨタやソニーといった輸出企業の07年度還付金総額は1兆1450億円。法人税減税に加え、消費税が上がれば上がるほどもうかる。さらに、派遣や請負、外注化は人件費を削減できるだけでなく、消費税の「仕入れ税額控除」で節税にもなるため促進されたというのだ。大手の証券会社が年間数億円の節税を実現した実例が紹介される。
 消費増税は、増税分を価格に転嫁できない弱小の業者を破産させ、なけなしの資金を税務署によって差し押さえられた人びとが「消費税を財源とする社会保障で助けていただく」おぞましい構図を明らかにする。「廃業や自殺を加速させ、失業率の増加を招く、社会保障費の大幅な膨張を求める税制を、同時にその財源にしようなどというのは、趣味の悪すぎる冗談ではないか」と言い切った。読めば読むほど怒りがこみ上げてくる。
 著者は「日本の消費税率5%は欧州基準なら10%に相当」という。逆進性の強い消費税の税率を10%に引き上げるなんてとんでもない。どこまで労働者からふんだくるつもりだ。
 しかし「増税の前に徹底した無駄の削減を」(著者)ではない。大恐慌下の国家財政破綻は、資本主義の終わりということだ。労働者の力で資本主義を打ち倒そう、権力を取ろうということでなければならない。

 朝鮮学校無償化反対の石原暴言許さない 並木加代

 8月20日、東京都知事・石原慎太郎は、朝鮮学校無償化に反対との見解を明らかにした。
 定例記者会見で朝鮮学校の無償化についての見解を問われて、石原は「植民地時代の反省から、単なるヒューマニズムの問題で実施すると大きな禍根を残すことになりかねない。私は反対だ」との見解を述べた。
 高校無償化は4月1日から実施されているが、朝鮮学校については、7月参院選挙対策として4月実施を見送り、夏までに文科省が設置する第三者委員会で検討する、となっていた。この間、国会でも再三この問題で質疑がなされているが、すべてが拉致問題などにからめて朝鮮高校の存在を論じている。その発想自体が「はじめに結論ありき」の排外主義的な論議そのものだ。
 石原慎太郎が言う「植民地時代の反省」とはいかなるものなのか。私は石原の口から「植民地時代の反省」などという言葉が発せられたこと自体に深い疑念を持つが、もし仮りに「反省」の立場があるとすれば、朝鮮人・中国人に対する民族差別と排外主義にみちみちた常日頃の発言が少しは修正されるべきであろう。
 今年は韓国併合100年の年として、さまざまな記念行事が開かれている。菅首相も「談話」なるものを発表した。しかし、どの記念行事も韓国を対象に行われている。100年前、朝鮮半島全体を併合=植民地支配した、という歴史的事実をはっきりさせねばならない。
 単なるヒューマニズムなどではなく人間的・社会的権利として、すべての高校の無償化が実現されなければならない。

 戦争につながる基地はどこにもいらない 東京南部 西里通利

 4・28〜5・15沖縄現地闘争を闘った沖縄―本土をむすぶ労働者階級の力で鳩山は打倒された。「普天間問題」は政権を直撃し追いつめている。
 「最低でも県外」は沖縄の闘いを「移設先問題」にすり替える「基地を必要とする人たち」の攻撃だ。「本土は基地を引き受けろ」なる運動は「公約」を実現できなかった責任を本土労働者人民に転嫁し民主党・連合政権を擁護するものだ。
 「県外・国外移設」論は「自分さえよければ」の考え方しか生み出さない。「基地引き受け運動」は「痛みの共有」ではなく「同質の痛みの強制」だ。「沖縄人 大和人」という階級を無視した主張で沖縄−本土、沖縄−世界の労働者階級に分断を持ち込み、沖縄在住沖縄労働者−本土在住沖縄出身労働者への二重の分断を生むものだ。
 「戦争につながる基地はどこにもいらない」という反戦思想は、戦争で苦しむ世界の労働者人民の思想だ。沖縄労働者人民の「自分の(沖縄の)苦痛・苦しみを他の人たちに味わわせたくない」という「素朴で崇高」な思いはしかし、「現状は変えなければならない」という苦闘でもあるが、そうであるがゆえに「沖縄闘争」に世界の労働者が感動するのだ。
 日米政府にとっては「はじめに最新鋭の新基地建設ありき」だ。それを強要する両政府に怒りが燃え上がる。打倒以外ない。日米安保同盟こそ支配階級によって打ち込まれた沖縄と本土、日本と全世界の労働者階級を分断する「くさび」だ。
 私たちは本土に生きる! 本土労働者階級とともに「米軍基地撤去!
 日米安保粉砕! 日帝打倒」まで闘う! 

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週刊『前進』(2453号6面4)(2010/08/30 )

 日程 三里塚裁判、法大裁判

 三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん農地法裁判
 9月10日(金)午前10時30分 千葉地裁
◎鈴木さん一坪共有地裁判
 9月16日(木)午前10時30分 千葉地裁
 傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を

 法大裁判に集まろう!
★暴処法裁判
 第17回公判 9月16日(木)午後1時30分
★5・28暴行デッチあげ裁判(控訴審)
 第2回公判 9月22日(水)午後1時30分
 いずれも、東京地裁429号法廷 12時30分に傍聴券配布所に集合

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