ZENSHIN 2011/05/23(No2488 p06)

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第2488号の目次

青年・学生先頭に350人が国際通りデモ 「原発なくせ! 基地なくせ! 辺野古新基地建設とめよう」との訴えに飛び入りが続出(5月14日 那覇市)

1面の画像
(1面)
福島原発メルトダウン
6・5国鉄闘争集会の大成功から全原発の停止・廃炉、菅政権打倒へ
三里塚仮執行つき判決弾劾 5・29緊急現地闘争
記事を読む  
5・l4那覇 “基地も原発もいらない”  沖縄の怒りと結び大デモ 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
6・5国鉄集会の大結集へ全力を  反失業・反原発に総決起し闘う労働組合を甦らせよう
革共同中央労働者組織委員会
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動労千葉鉄建公団訴訟 「結審」叫ぶ裁判長に怒り  “6・5集会で力関係転換を”(5月18日) 記事を読む  
国労5・27臨大闘争弾圧裁判 “被告の決起は正当防衛”
弁護団、重厚な最終弁論(5月17日)
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(3面)
連合支配打ち破り沖縄-本土-被災地貫く総決起
5・15青年集会 青年部再建へ前進  “労働組合指導部になろう”(5月15日)
記事を読む  
県民大会に3300人  基地・原発に現場の怒り(5月15日) 記事を読む  
5・16名護 デモが市民と大合流  新基地反対と反原発は一つ(5月16日) 記事を読む  
交流センター拡大運営委 “震災解雇と闘う”
4大産別先頭に6・5へ(5月15日)
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自治労中央委闘争アピール
国鉄-反失業・反原発闘争へ  1割賃下げにストライキを
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(4面)
一時金3割カット弾劾
JPEX赤字1千億全額を転嫁の暴挙  雇い止め「郵政リストラ」と全面対決へ
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文科省は20ミリシーベルト通知撤回せよ
子どもたちの安全を守るためすべての原発の停止・廃止を
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震災解雇&大失業と闘う  リーマンショック超える危機
「6月」焦点に大量雇い止めも  “職場・地域、共同性奪い返す”(日高隆)
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福島原発で労働者死亡  過酷・危険な作業強いる東電(5月14日) 記事を読む  
2011年日誌 5月10日〜16日
原発はメルトダウンしていた/嘉手納基地で有事即応訓練
記事を読む  
三里塚裁判傍聴を 記事を読む  
(5面)
大学から反原発闘争の嵐を
6・5国鉄集会-6・11反原発大行動の最先頭に立って闘い学生自治会再生へ
マルクス主義学生同盟中核派・法政大学支部
記事を読む  
5・15沖縄学生集会 “学生運動復権の時だ”  戦後世界体制を覆す闘いへ(5月15日) 記事を読む  
〈焦点〉 天皇使い被災地慰撫狙う  「戦後巡幸」の再現許すな 記事を読む  
〈焦点〉 あたご無罪を弾劾する  海自の傍若無人を合法化 記事を読む  
法大裁判に集まろう 記事を読む  
(6面)
八尾市議選勝利の総括  革命を準備する闘い貫く
(革命的共産主義者同盟東大阪地区委員会)
記事を読む  
星野再審闘争 検察が「棄却」迫る意見書  接見妨害はね返し再審を 記事を読む  
沖縄で全国交流集会  全国再審連絡会議 星野暁子さんが訴え(5月15日) 記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  

週刊『前進』(2488号1面1)(2011/05/23 )

 福島原発メルトダウン

 6・5国鉄闘争集会の大成功から全原発の停止・廃炉、菅政権打倒へ

 三里塚仮執行つき判決弾劾 5・29緊急現地闘争

 6・5国鉄集会への大結集をかちとり、大成功させよう。ここにこそ、闘う労働組合と労働運動を再生させ、腐りきった資本主義・帝国主義を打倒し、プロレタリア革命の勝利をもってこの社会を根本から変革していく道がある。福島原発は1号機、2号機、3号機のメルトダウンという、衝撃的な新事態への突入がはっきりした。大恐慌下で、震災解雇・大失業への怒り、原発事故への怒りなど、労働者人民のあらゆる怒りを6・5日比谷公会堂に結集し、大爆発させよう。5・20三里塚現闘本部裁判控訴審での仮執行つき反動判決と大量不当逮捕を徹底弾劾し、5・29緊急現地闘争(午後1時半)に全力結集し大反撃しよう。震災解雇・大失業粉砕、すべての原発の停止と廃炉、日帝・菅政権打倒へ突き進もう!
(写真 青年・学生先頭に350人が国際通りデモ 「原発なくせ! 基地なくせ! 辺野古新基地建設とめよう」との訴えに飛び入りが続出【5月14日 那覇市】)

 被災地の闘いと一体で

 6・5集会は、何よりも宮城や福島を始め被災地現地で闘う労働者の怒りと全国の労働者の怒りが結びつき、労働者が生き抜くために団結する集会だ。6・5集会から巨大な反失業・反原発の闘いを巻き起こし、新自由主義と対決する労働運動をつくり出そう。
 3・11大震災と原発事故は、国家と資本による大犯罪である。資本主義が延命すれば労働者が殺される。金融独占資本の利潤がすべてという新自由主義が、労働者の命と生活を破壊した。「殺されてたまるか!生き抜いてやる!」という根底的な怒りと闘いが被災地を先頭にわき上がっている。この怒りと闘いこそが資本主義を打倒し、労働者が主人公の新しい社会をつくり出す力だ。被災地の怒りに全国の労働者人民の怒りが結びついた時に、資本主義を根本からひっくり返す巨大なエネルギーが爆発するのだ。
 被災地で闘う労働者は「職場で闘いを起こすことが最大の被災地支援だ。大震災と原発事故を引き起こした新自由主義を倒そう!」と訴えている。被災地の闘いに応え全人類の未来をかけ6・5集会をかちとろう!
 被災地では、破壊された生活基盤の再建などで膨大な労働者が必要であるにもかかわらず、数十万人の労働者が解雇されている。岩手・宮城・福島の3県だけで震災後に失業手当の受給手続きを行った労働者がすでに10万人を超える。圧倒的な人手不足の中での膨大な失業者。資本主義の転倒した姿がここにはむき出しだ。この転倒した社会をひっくり返す力は労働運動にある。被災地では、未曽有の大失業・震災解雇に立ち向かい、労働組合をつくり闘っている。6・5集会を突破口に反失業・反原発闘争の大爆発へ闘おう。
 6・5集会は、反失業と同時に、原発に対する怒りを爆発させる集会だ。原発大事故で恐るべき事態が新たに起きている。3・11大震災当日、福島第一原発1号機は原子炉が空だき状態となり、核燃料の大部分が溶け落ち(炉心溶融)、溶けた燃料が圧力容器や格納容器をも破壊するメルトダウンに突入していたのだ。これにより何十万dもの放射能まみれの汚染水が、海や土地に垂れ流しとなった。2号機、3号機も同じ状態だ。原子炉建屋は放射線量が高く、今も近づけない。政府や東電は一貫して情報を隠し、「直ちに人体に影響はない」と言って労働者人民に被曝(ひばく)を強制しているのだ。絶対に許せない!

 原発事故に新たな怒り

 5月14日には、福島第一原発で働いていた労働者が被曝し、殺された。体調不良を訴えたが2時間も放置され、殺されたのだ!政府や東電は被曝労働を強制しながら、医師を常駐させていなかった。こんなことが許されるのか! しかも死因を「心筋梗塞(こうそく)」などと言い、被曝との関係を抹殺しようとしている。そもそも1976年以降、原発労働者が労災認定されたのはたった10人だ。膨大な労働者が被曝労働で亡くなっているにもかかわらず、闇から闇に葬ってきた。
 今も福島第一原発では、内部被曝の検査を受けている労働者が全体のわずか1割だ。原発労働者の放射線管理手帳に書くべき被曝線量の記載もあいまいにされている。劣悪な食事と雑魚(ざこ)寝の状態。労働者に最低限の敬意も払わない政府や東電。これこそ腐りきった資本主義の行き着いた姿である。
 本来、労働は人間の生命力の発現であり、人間が生きる行為そのものだ。だが原発労働は被曝を不可避とし、命を削る。最初から自然と人間の関係が断ち切られ、安全など存在しない。核兵器・原発と労働者、全人類は非和解であり、絶対に共存できない。
 しかも、原発労働者の9割以上が非正規雇用だ。電力会社は外注企業を通して原発労働者を卑劣な手段でかき集め、その原発労働者から不当にピンハネし、過酷に搾取している。失業した労働者、新自由主義で生活を破壊された農漁民などが、やむなく原発労働者となっている。原発労働者の現実は、非正規職でギリギリの生活を強いられている青年労働者と同じだ。この労働者を人間として扱わない資本主義など、ぶっ倒して当然だ!
 菅政権はなんと、放射性廃棄物の最終処分場を、日米共同でモンゴルに建設することを極秘で進めていた。資本主義は腐りきっている! 全原発を直ちに停止し廃炉にせよ! そこにしか労働者と人類の未来はない。

 解雇・賃下げに大反撃を

 6・5集会は、菅政権と資本家たちの「復興」と称したあくなき金もうけと労働者への大攻撃=階級戦争に怒りを爆発させる集会だ。
 福島原発事故は、歴代政権、電力会社、原発製造メーカー、ゼネコン、裁判所、マスコミ、御用学者、そして電力総連や連合などが、腐りきった利権集団=「原子力村」を形成している事実をあばき出した。この国家的犯罪者集団はグルになって、原発は「絶対安全」「クリーン」と大ウソをつき、国家暴力で人民の怒りと闘いを抑え込み、労働者から搾り取って利益をむさぼってきた。この腐った構造を革命的に転覆しひっくり返さなければ、労働者は生きていけない。
 菅政権と資本家階級は大震災と原発大事故の責任をまったく取らず、居直り、破綻した新自由主義をさらに激しく進めようとしている。民主党幹事長・岡田は「東通原発を再稼働させる」、日本経団連副会長・中村芳夫は「東北地方に先行的に道州制を。民間が自由闊達(かったつ)に活動できる環境を整備する」、宮城県知事・村井嘉浩は「漁業特区をつくって、民間資本参入を」などと言っている。
 この期に及んでも彼らは原発推進を掲げ、「復興」と称した金もうけを狙っているのだ。復興構想会議は、復興財源のために消費税や所得税などの大増税を前面に押し出した。菅政権は、東電が被害者に賠償を支払う資金に公的資金(税金だ!)を投入することや、電気料金の値上げも認めようとしている。
 また菅政権は「復興」を口実に、国家公務員の賃金1割削減を労組に提案した。これは労働3権の否定と憲法停止を意味する大攻撃だ。これを許せば、民間で働く労働者に対する首切りや賃下げ、非正規化攻撃も激化する。さらには日米安保の強化や改憲攻撃へと直結する。「復興」と称した階級戦争と真っ向から対決して闘おう。

 関生支部大弾圧粉砕を

 6・5集会は何よりも、全労働者の怒りを結集し、国鉄1047名解雇撤回をかちとる集会だ。新自由主義攻撃の突破口であった国鉄分割・民営化との闘いに勝利せずして労働者の勝利はない。連合や全労連などの資本主義擁護の労働運動を打倒し、国鉄1047名解雇撤回をかちとる国鉄全国運動の発展こそ闘う労働運動再生の道だ。
 反原発デモに立ち上がった青年労働者は、「原発を止めるためにはどうしたらよいのか。デモだけで止まるのか」と言っている。青年労働者や子どもをもつ母親が、自分の命や子の未来のために、原発を止めるために立ち上がっている。この怒りと結びつき、ともに闘う時こそ今である。
 かつて電産中国は反原発ストを闘い、地域の労働者や農漁民とともに、山口県の豊北原発建設を中止に追い込んだ。全原発を停止・廃炉にさせ、失業のない社会をつくり出せるのは労働者であり、労働運動だ。「闘いなくして安全なし」。反合理化・運転保安闘争路線をもって車両の検査修繕業務の全面外注化を10年にもわたって阻止してきた動労千葉のように闘い、勝利の展望を切り開こう。
 国家権力と資本家どもは、関西生コン支部の産業別ゼネストの闘いが、反失業・反原発で闘う労働者の怒りと結びつくことに恐怖し、闘う労働組合への大弾圧をかけてきている。これに怒りを爆発させて、6・5集会への大結集で関西生コン支部への大弾圧を打ち破ろう! 職場で、組合で、街頭や大学で仲間を組織し、6・5集会に大結集しよう!

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週刊『前進』(2488号1面2)(2011/05/23 )

 5・l4那覇 “基地も原発もいらない”

 沖縄の怒りと結び大デモ

 「復帰」39年目の5・15、沖縄平和運動センターは大震災を口実に全国動員を取りやめ、平和行進をわずか2時間に縮小した。体制内勢力は一斉に「米海兵隊の被災地支援は評価できる」「思いやり予算を被災地復興に」などと「政治休戦」「自粛」を決め込み5・15沖縄闘争を投げ捨てるに至った。これが許せるか! 3・11以降の日米軍事作戦を見よ! 辺野古V字沿岸案の強行策動を見よ! 沖縄人民の怒りは沸騰している。全学連と全国労組交流センターは沖縄の労働者・学生とともに350人の大部隊で14日から3日間の闘いに決起した。東日本大震災の被災地からも労働者・学生が駆けつけ、沖縄―本土―被災地を貫く団結を打ち固めた。
 5・14那覇国際通りデモを皮切りに5・14沖縄集会、5・15平和行進と県民大会への登場、15日の青年労働者集会と学生集会、16日には6・5国鉄集会を呼びかける大宣伝と名護市街デモを闘い、沖縄闘争と反原発、震災解雇と闘う国鉄闘争の結合をかちとった。(記事3、5、6面)
(写真 熱気にあふれた5・14沖縄集会【那覇市民会館】)

 国際通りデモ

 14日、「原発なくせ! 基地なくせ! 日米安保粉砕! 辺野古新基地建設をとめよう」を掲げて、全学連の学生と全国労組交流センターの闘う労働者など350人が那覇・国際通りを大迫力のデモで席巻した。
 デモに先立つ県庁前の集会で、坂野陽平全学連委員長代行が「基地と原発を必要とするような社会を根本的に変えよう」と真っ向から訴えた。
 「原発いらない! 基地もいらない! 震災解雇許さないぞ!」−−青年労働者・学生を先頭に太鼓のリズムにあわせたデモ隊列は国際通りを一変させた。圧倒的声援と飛び入り参加者が続出!
 この日、デモ出発前に県庁前と三越前で呼びかけた反原発1千万人署名は、約2時間で600筆が集まった。この署名で出会った高齢の男性は国際通りデモの先頭に立ち、中学生のグループも一緒に最後までデモを貫徹した。

 5・14沖縄集会

 14日夕、那覇国際通りデモの勝利感を引き継ぎ、那覇市民会館ホールで「復帰」39年5・14沖縄集会(実行委員会主催)が開かれ、350人の熱気あふれる集会となった。掲げられたスローガンは「国鉄1047名解雇撤回! 安保粉砕・基地撤去を! 闘う労働運動を甦(よみがえ)らせよう!」。
 集会呼びかけ人で沖縄北部合同労組・うるまユニオンの富田晋委員長は基調報告で、反原発・反核闘争と沖縄闘争が一体のものであることを圧倒的な迫力で提起した。「3・11情勢下の安保・沖縄闘争は、安保粉砕・基地撤去・全原発廃棄を掲げて闘うということだ。原発で働く労働者が被曝労働をさせられているように、基地労働者も戦時の危険な仕事をさせられている。この点でも同じ課題の闘いだ。職場生産点から反基地・反原発を解雇撤回と一体で闘いとっていこう。職場闘争を燃え上がらせれば、反基地や反原発の言葉もわき出る。エジプト革命に続き、拠点職場を建設し、地域を変え、社会を動かす存在になろう」と呼びかけた。
 連帯あいさつには国鉄全国運動・沖縄の呼びかけ人の崎浜秀俊さん、星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議の星野暁子さんが立ち、特別報告として東日本大震災現地救援対策本部の神保美彦本部長と福島合同労組の仲間が「被災から2カ月、労働者の団結を一つひとつつくって闘ってきた。労働組合を社会を変える武器にしていこう。6・5国鉄集会に被災地からも大挙駆けつける」「1日8時間、外に立ち働いている。福島現地にしがみついて闘って労働組合の力をつける。現状を突破する力はここにある」と訴えかけた。
 もう一つの特別報告として動労千葉の田中康宏委員長、動労水戸の国分勝之副委員長、国労原告団の羽廣憲さんが6・5大集会の結集を呼びかけた。決意表明が法政大学、合同労組レイバーユニオン福岡、沖縄の青年労働者、基地労働者から意気高く行われた。
 富田さんは基調報告の最後を「3日間の沖縄行動をもって沖縄5月革命の火柱を上げ、この闘いを全国の職場に持ち帰って6・5国鉄集会に3千人を組織しましょう!」と結んだ。この提起は全参加者のものとなり、力強い「団結ガンバロー!」が会場にこだました。

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週刊『前進』(2488号1面3)(2011/05/23 )

前進速報版から 前進速報版から

▼鉄道運輸機構に解雇撤回申し入れ▼動労千葉鉄建公団訴訟、結審策動を弾劾▼「ムセベニ大統領は退陣せよ」とウガンダ大使館デモ

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週刊『前進』(2488号2面1)(2011/05/23 )

 6・5国鉄集会の大結集へ全力を

 反失業・反原発に総決起し闘う労働組合を甦らせよう

 革共同中央労働者組織委員会

 国鉄闘争全国運動が呼びかける6・5大集会は、今や国家権力・資本家階級と労働者階級の重大な激突点となっている。それは大恐慌と3・11大震災情勢の中で、国家権力の治安弾圧や連合を使った労働運動圧殺攻撃を打ち破り、闘う労働組合の再生と創造に向かって新たなスタートを切る集会だ。あと2週間、組織化のために全力で奮闘しよう。

 大恐慌・大震災情勢と階級的な大激動

 3・11大震災と福島原発事故で階級情勢は激変した。死者1万5千人、行方不明者9千人という、ひとつの戦争にも等しい犠牲者を出した東日本大震災。そして今も大量の放射能をまき散らし、労働者と農漁民の生活・生業を破壊し続けている福島原発事故||。これは労働者人民を犠牲にして利潤追求を最優先に進めてきた日帝国家と資本家階級が引き起こした階級的犯罪であり、絶対に許すことはできない。彼らにすべての責任をとらせ、支配の座から引きずり下ろさなければならない。
 ここに来て、福島第一原発事故は1〜3号機すべてがメルトダウン(炉心溶融)していることが明らかになり、一層深刻な事態となっている。避難を強制された周辺住民と放射能汚染にさらされる福島県民の「先が見えない」不安感、怒りはどれほど深いものがあろうか。菅政権と東電資本がやっていることは、うそと情報隠しで人民を欺くことであり、自分たちがどう延命していくかだけである。そのために一切の犠牲と矛盾を労働者人民に押しつけようとしている。
 そもそも、そこで働く労働者の被曝(ひばく)なしに運転できない原発など、あってはならないのだ。全原発の即時停止・廃止あるのみだ。それができるのは労働者階級、労働組合以外にない。闘う労働組合の再生は切実な課題であり、そのために6・5集会の位置は決定的に重大だ。
 3・11大震災ではっきりしたことは、資本家階級とその政府が、どれほど無責任でごまかしの政治をやってきたかということである。その一切が暴かれた。そして、被災者・原発避難者に住居も仕事も生活再建も保障せず、「がんばろう」「自己責任」で放り出している現在の日帝政府の対応も「労働者人民はこの末期的危機の資本主義社会ではもう生きられない」ことを突き出している。
 今や、資本家階級の行うすべての行為は、一片の正当性も道理も失った。正義は労働者階級の側にあることが完全にはっきりした。これから労働者階級は、解雇など絶対に許さず、ごまかしと無責任の資本家階級を徹底的に追及し、やつらを打ち倒すまで、とことん闘い抜こうではないか。
 大震災被災地であらゆる苦難・試練に直面しながら労働者階級は団結して立ち上がっている。被災地労働者の決起の意義は重大だ。全力で支援し合流して闘おう。
 東京の反原発デモ1万5千人(4・10高円寺、5・7渋谷)を始め、全国で青年・学生が決起を始めている。その根底には、原発への怒りにとどまらず、労働者が使い捨てにされ未来に希望を持てない現社会に対する根底的な拒否がある。まだ決起の序の口であり、これから壮大な規模で青年・学生の決起は拡大するだろう。戦後革命期にも匹敵する階級的激動期の到来だ。
 このような情勢下で開かれる6・5大集会はこれからの労働運動の行方を決める集会だ。なんとしても大成功させよう。

 労働組合をめぐる攻防こそ勝利の鍵

 資本家階級は統治能力を失っている。一日も早く資本家階級を打ち倒しプロレタリア権力を樹立しよう。団結した労働者の手に一切の生産手段を移し、労働者が生産と分配を管理・運営し“働く者が真に人間として生きられる社会”“原発も失業もない社会”を実現しよう。それは労働者階級の団結した闘いで絶対に実現可能だ。
 労働者階級が勝利するための現在的課題は何か? 核心は、職場生産点での労働組合をめぐる攻防に勝利することだ。
 日帝権力と資本家階級は、労働者階級を賃金制度で強制労働させ、そこから搾取した剰余価値を自らの支配力の源泉としている。職場生産点は、搾取の現場である。ゆえに労働者階級が職場生産点で団結して闘うことは資本家の力の源泉、急所を決定的に攻撃することになる。職場生産点の制圧は資本家にとって死活的であり、資本家は労働者の団結を恐れ、その粉砕に躍起となる。
 実際、いま資本家階級は闘う労働組合への弾圧を強めている。11日、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の組合員13人が不当逮捕された。関生支部は昨年夏〜秋、139日間にわたる歴史的ストライキで大手ゼネコンに生コン価格の引き上げを認めさせた。この闘いは資本家階級を震え上がらせた。同時に関生支部は、国鉄闘争全国運動と11月労働者集会を動労千葉とともに闘っている戦闘的労組である。今回の弾圧は、この関生支部つぶしを狙う凶暴な攻撃であり、すべての闘う労働者に対する攻撃だ。
 政府・資本家階級はまた、連合を使って労働者階級に対する攻撃を強めている。「震災復興」を口実に国家公務員の賃金10%削減の攻撃をかけている。人事院勧告を待たずに労使協議で賃下げを決めるのは戦争直後を除けば例がない。まさに労働基本権否定、憲法停止の暴挙だ。財務省は地方自治体にも圧力をかけ、地方公務員の大幅賃下げを狙っている。これを受け都知事・石原は13日、「(公務員は)野放図なことをやってきたから自業自得だ」と言い放った。石原は、大震災直後に「大津波は天罰だ」と犠牲者と被災者をむち打つ暴言を吐いたが、それと同様の労働者人民に対する侮蔑(ぶべつ)発言だ。絶対に許すな。
 ほかにも市長が勝手に市職員の残業代を半額カットしたり(宮城県名取市)、規定通りに有休をとった職員を「市民の信用を失墜した」と処分する(茨城県土浦市)などの暴挙があちこちで強行されている。これは公務員360万人の首を切る道州制攻撃の先取りだ。
 JP(日本郵便)は、一時金1・3カ月分削減、年間50万円賃下げをJP労組との交渉で決めた。
 政府・資本家階級は休戦など考えていない。それどころか、これまでできなかった「首切り自由・賃下げ自由」の新自由主義攻撃を推し進めるチャンスと考えている。労働組合がこんな暴挙と闘わなければ、その影響は全労働者階級に及ぶ。労働者は丸裸にされ、最後は戦争に動員されてしまうだろう。逆に、労働組合が絶対反対で団結して立ち上がれば攻撃は思い通りに進まず必ず勝利の展望が出てくる。すべては労働組合がどう闘うかにかかっている。
 問題は連合だ。連合が政府に入り、「オールジャパンで復興を」と叫び、資本家階級に全面協力していることで、とんでもない暴挙がまかりとおっているのだ。全労連、4者4団体派も連合に追随し、闘いを放棄している。労働者階級の深部で巨大な流動化が始まる一方で、このように既成の労働運動が総崩壊の状況を呈し、階級の指導部が不在という危機的状況だ。なんとしてもこの状況を突破しなければならない。
 労働組合をめぐる攻防の激化は日本だけではない。全世界で激化している。アメリカではILWU(国際港湾倉庫労組)に対して、ウィスコンシン州議会占拠闘争への連帯ストを口実にタフト・ハートレー法を使った組合つぶしが襲いかかっている。韓国・民主労総への攻撃も強まっている。
 要するに全世界的に帝国主義の危機が進み、階級的激突が煮詰まっているのだ。それはつまるところ<世界革命か帝国主義世界戦争か>をかけた世界史的な階級決戦である。日本階級闘争も国鉄闘争全国運動も、こうした全世界ひとつの階級闘争の一環として、しかも<帝国主義の最弱の環=日帝>を攻撃する決定的な戦線として闘いぬかれているのだ。

 国鉄闘争全国運動で労働運動再生へ

 国鉄分割・民営化で総評が解体され、連合のもとで労働組合が決定的に変質したこの二十年余り(新自由主義の時代に対応)、国鉄1047名解雇撤回闘争は、闘う労働者・労働組合の唯一最大の結集軸となってきた。支援陣形は自治労、日教組の組合員を始め百万人を超える。昨年の「4・9政治和解」で困難に直面しているが、三里塚闘争45年と並んで20年以上の長きにわたって闘いぬかれてきた国鉄闘争は、労働者階級の不屈性と勝利性の証しである。闘争の継続それ自体が政府・資本家階級に脅威を与え続けている。
 国鉄闘争は20年前の過去の国家的不当労働行為の責任を追及しているだけではない。国鉄労働運動は、戦後の労働者階級の闘いを最先頭で牽引(けんいん)してきた。それゆえ資本家階級の憎しみの的となりながら、分割・民営化攻撃をも跳ね返して今日まで闘い継がれてきた。その戦闘性は今、動労千葉の闘いの中に脈々と受け継がれている。大恐慌―大失業の時代に、この国鉄労働運動の位置は決定的に重大であり、断じて敵に明け渡してはならない。
 この闘いを堅持することがどれほど決定的か。それは、全面屈服的な内容で4・9政治和解に走った4者4団体派の今日の姿が反面教師的に示している。国労本部は闘争団を国労から追放し、職場闘争も放棄してJR資本に自らを安売りしている。かつて「反連合」で全労協を立ち上げた過去もかなぐり捨て、なんの総括もなく、「連合からオファー(申し出)が来ている」と言って連合への合流願望をむき出しにしている。3・11大震災が起きると、雇用問題での対政府要請行動もやめてしまった。全労連も同様である。「政治休戦」とは労働運動の解体・屈服に他ならない。
 これに対して動労千葉はこの1年間、4者4団体派の国鉄闘争解体策動が日本労働運動にもたらす深刻な危機を見すえ、1047名闘争の全責任を引き受ける決意で国鉄闘争全国運動を呼びかけた。全国の闘う労組、人士がこれに応えて立ち上がった。同時に、それと一体でJR職場で外注化阻止と組織拡大を闘い大きな勝利をかちとった。
 動労千葉が10年にわたって検修部門の外注化を阻止し、今年も4・1実施強行を粉砕したことは決定的勝利である。団結さえ崩されなければ、組合員数400人の組合がJR東日本という巨大資本と互角に渡り合って勝利できるのだ。動労千葉の闘いはそれを実証した。そして、絶えず襲いかかる組合破壊攻撃を動労千葉は闘って闘って団結を日常的に打ち固めることで跳ね返している。
 この動労千葉を基軸とする国鉄闘争全国運動は被災地労働者の闘いと結合し、大恐慌・大失業の時代に労働者はどう生き闘って、未来を切り開くべきかを示している。
 核心は、労働者の団結を最も大切にし、それを総括軸・獲得目標にして闘うことだ。少しでも資本家の支配に依拠したり、あるいは前提化することなく、労働者の団結こそがあらゆる困難をのりこえる力であり、新しい社会を生み出す根源的な力であることを確信して闘いぬくことだ。国鉄闘争全国運動6・5大集会は、そうした新たな労働運動の創造と発展をかけた大集会である。

 本物の組織者集団に全党の大変革を

 そのためにも党の一層の飛躍と変革が求められている。
 本紙春季特別号論文は第5章で「革共同が真の労働者階級の党、マルクス主義・レーニン主義の党としてぶっ立つこと。党の全組織が一つ残らず本物の組織者集団に生まれ変わること」、そしてそのためには「自分たちだけの小さな世界に閉じこもって自己満足しているようなあり方はもう許されない。……革命党の党員が、巨万の労働者人民の怒りと完全に結合することだ。この怒りを国家と資本に向けて解き放つ闘いの先頭に立ち、その決定的な組織者となること」を求めている。
 連合や全労連による労働運動の歪曲・破壊と徹底的に闘い、独自の勢力と運動を、大きな社会的影響力を持つ一大勢力としてつくり出すことが今こそ問われている。その実践的前進を抜きに、ただ「階級的原則を守りとおす」だけの<守りの姿勢>では、けっして勝利できない。いや階級的原則すら守り通せない。一切は実践の中にあり、実践で試され、ふるいにかけられるのだから。
 広範な青年労働者の中に「労働組合」に対する不信、怒り、憎悪があるのは、ある意味では当然だ。なぜなら、彼らが身近に接する労働組合は連合や全労連であり、労働者の要求を踏みにじり、怒りを抑えつける組織でしかないからだ。
 言い換えれば青年労働者たちは真の闘う団結体を心底から求めているのだ。それは労働組合以外にない。労働組合を甦(よみがえ)らせる闘いは、労働者階級自己解放の思想であるマルクス主義を生き生きと労働運動の中に復権することである。労働組合で闘うことで団結と自己解放性と「生きて闘う喜び」を青年たちが獲得していくのである。それをなんとしても成し遂げよう。
 「労働運動の消滅」として現れている危機は、連合を使った資本家階級の労働者支配の破綻でもある。連合の影響力=抑圧力が低下し、あちこちの組合に「労働者支配の空白」が生まれている。真にわれわれが職場闘争で飛躍するなら、この危機は<闘う労働組合>を甦らせる絶好のチャンスにできる。国鉄闘争全国運動はそのための決定的な武器なのだ。
 連合は、新自由主義の時代、すなわち資本主義の末期の時代における、支配階級の労働者支配の道具だ。連合は日本におけるプロレタリア革命の最後の阻止線だ。これを打ち破ることぬきにプロレタリア革命の勝利はない。連合の支配を打ち破ること――この課題こそ労働者階級が革命勝利のために突破すべき最大テーマであり、プロレタリア革命の主戦場である。だからこそ最も大きな困難もそこにある。階級的勢力が連合を打ち破って労働運動の一大勢力に飛躍すれば、プロレタリア革命は半ば以上、勝利したに等しいのだ。
 連合の労働者支配を打ち破り、国鉄(JR)・郵政・自治体・教労の4大産別を先頭に、闘う労働者がいくつもの地本・分会・支部で執行権を握る闘いに挑戦しよう。そのために、職場でどんなに少数派でも、たった一人でも、職場の全労働者に責任を持つ立場から「労働組合ならこれを提起し、こう闘う」という具体的方針を練り上げ、職場闘争を組織する力を持とう。資本の具体的な攻撃に対して職場の怒りを引き出し、闘争方針を練り上げて闘いを組織しよう。そして国鉄闘争全国運動をつうじて、それを産別をこえた階級的なもの、巨大な奔流にまとめ上げていこう。
 「闘う労働組合づくり」に一切をかけて決起しよう。その一大飛躍に向けて6・5大集会3千人結集のために全力で闘おう。反失業「震災解雇労働相談センター」の闘いを全力で支援し、ともに闘おう。

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週刊『前進』(2488号2面2)(2011/05/23 )

 動労千葉鉄建公団訴訟 「結審」叫ぶ裁判長に怒り

 “6・5集会で力関係転換を”

 動労千葉鉄建公団訴訟の第27回口頭弁論が5月18日、東京地裁民事11部で開かれた。白石哲裁判長はこの場で、首切りの張本人である葛西敬之(現JR東海会長)の証人請求を却下し、次回で結審することを宣言した。絶対に許せない。
(写真 「葛西を証人採用しろ! 結審を許さないぞ!」と東京地裁デモに決起【5月18日 千代田区】)

 2人の争議団員が怒りの証言

 口頭弁論に先立って東京地裁包囲デモが行われた。前回を倍する動労千葉組合員が集まり、国労の闘う仲間、動労千葉を支援する会会員とともに「結審策動を許さないぞ! 葛西証人採用しろ!」と叫びながら霞が関デモを闘いぬいた。
 口頭弁論では、まず動労千葉争議団の江口治男さん、塩崎昭広さんの証言が行われた。
 国鉄に就職した江口さんは電車運転士となって津田沼電車区、千葉運転区で勤務した。10万`無事故の表彰を4回も受けた優秀な運転士だった。
 国鉄分割・民営化反対を掲げた1985〜86年の2波のスト当時は、千葉運転区支部執行委員で、「ストの指導責任」を理由に3カ月の停職処分を2回受けた。江口さんは「そもそも支部にはストを決定・指導する権限はない。処分はまったく不当だ」と述べた。そして「この処分がJR不採用の理由だという説明を正式に受けたことは、今に至るも一度もない」と怒りを込めて語った。最後に江口さんは「首を切った張本人を法廷に呼んでもらい直接話を聞きたい」と葛西の証人採用を強く求めた。
 続いて証言した塩崎さんは、新小岩機関区での勤務を経て館山運転区で電車運転士になった。
 85〜86年のスト当時は館山支部書記長だった。塩崎さんは「10万人もの国鉄職員の首が切られようとしていた。全組合員が団結して闘おうという気持ちだった」と当時の熱い思いを振り返った。塩崎さんは「第2波ストの指導責任」を理由に6カ月の停職処分を受けたが、同じ理由で公労法解雇となった館山支部長の笹生亘さんの処分は1997年の和解で撤回されている。「それよりも軽い私の停職処分も撤回されて当然だし、それを理由としたJR不採用も撤回されるべきだ」と怒りを込めて言い切った。
 2人の証言の後、原告代理人はあらためて葛西の証人採用を求めたが、裁判長は採用を却下、次回の8月3日で「結審したい」と告げた。
 傍聴者や原告代理人は国鉄分割・民営化攻撃の真実を覆い隠そうとする白石裁判長を猛然と追及、法廷はさながら団交のような状況となった。白石裁判長は「もう裁判を終結させるべき時期だ」「葛西さんは他の裁判でも証言している」と理由にならない言い訳を並べ立てたが、最後には顔を引きつらせて「これ以上、答えません」と言い捨てて逃げ去った。
 地裁前での総括集会で田中康宏委員長は「きわめて不当な停職処分を理由にJR不採用とされたのに『停職処分の無効確認』の訴えも却下する。首を切った張本人である葛西も調べない。こんなものは裁判でもなんでもない。震災解雇が吹き荒れ、公務員労働者への国鉄型大量解雇が狙われている中、なんとしても1047名闘争を終わらせようという政治的決定そのものだ」と白石裁判長を徹底弾劾した。川崎昌浩執行委員は「国鉄闘争全国運動を軸に力関係の転換をかちとり実力で解雇を撤回させよう」と訴え、6・5大集会への大結集を呼びかけた。

 鉄運機構本社に抗議・申し入れ

 この日の午前中、国労秋田闘争団の小玉忠憲さん、国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんを先頭に鉄道運輸機構本社(横浜市桜木町)への抗議・申し入れ行動が行われた。
 機構側は当初、「裁判で係争中なので裁判の場で争う」と申し入れ拒否の姿勢を示していた。しかし、早朝からの機構本社前ビラまきと抗議の大情宣に追い詰められ、対応せざるをえなかった。
 小玉さんは和解を拒否した4人の国労闘争団員連名の申入書を読み上げ職員課の担当者に手渡した(写真)。参加者は怒りのシュプレヒコールを機構本社に再度浴びせ、動労千葉鉄建公団訴訟に向かった。

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週刊『前進』(2488号2面3)(2011/05/23 )

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判 “被告の決起は正当防衛”

 弁護団、重厚な最終弁論

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判の控訴審第4回公判が5月17日、東京高裁第10刑事部(村瀬均裁判長)で開かれ、弁護団が最終弁論に立った。
 弁護団の弁論は、東日本大震災と福島原発事故の中で、国鉄1047名解雇撤回闘争と5・27決起の意義はますます大きくなっているという宣言から始まった。大震災は新自由主義の矛盾の極限的な爆発であり、既成の労働組合が資本に屈してきた結果だ。その発端は国鉄分割・民営化にあった。
 国鉄分割・民営化が強行された80年代、その推進者であった中曽根は、日米原子力協定を締結し野放図な原発建設に道を開いた。中曽根はまた、50年代、電産解体攻撃の先頭に立った張本人でもある。国鉄分割・民営化は、電産解体のために行われた電力9分割を教訓に強行された。弁護団はこうした事実を暴き、5・27弾圧との闘いと反原発闘争が一体のものであることを突き出した。
 弁護団はまた、今日の震災解雇情勢の中で、国鉄闘争全国運動を基軸に階級的労働運動をよみがえらせる闘いの決定的な位置を明らかにした。
 その上で弁護団は、6被告を「暴行罪」で有罪とした一審判決の誤りを徹底的に暴き出した。圧巻だったのは、被告団の5・27決起を正当防衛と位置づけた論述だ。
 2002年5・27臨時大会で、国労本部は鉄建公団訴訟を起こした闘争団員を除名を含む統制処分の手続きにかけようとした。これは、被解雇者が解雇撤回闘争を闘う基本的な権利に対する「不正の侵害」そのものだ。しかも、被告たちが本部方針を弾劾してビラまき・説得活動を展開したその時には、機動隊制圧下の大会で本部方針が押し通される危険が「急迫」していた。これを防ぐために決起した被告たちの行動は、まさに正当防衛の要件を満たしている。
 こうした弁護団の弁論は、権力に哀れみを請う立場と完全に決別したことによって生み出された。旧弁護団解任を始めとする被告団の壮絶な闘いの地平が、そこには凝縮されていた。
 弁護団は弁論の最後に、結審に当たっての被告団の声明を引用し、その全文を読み上げた。
 被告団声明は、本件弾圧を警視庁公安部、自民党・甘利らと国労本部が結託し、分割・民営化絶対反対派を根絶して1047名闘争を葬り去ろうとしたものであったと弾劾し、被告団の闘いはその狙いを根幹において打ち砕いたと宣言した。そして、4・9政治和解を拒否した4人の国労闘争団員の決起を切り開いたのも被告団の闘いだと総括した。また、原発差し止め訴訟でことごとく住民敗訴判決を出してきた裁判所を断罪した。さらに、尼崎事故弾劾闘争をともに担った全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部に対する弾圧を徹底的に弾劾し、こうした反動を打ち破って国鉄闘争全国運動を前進させる鮮明な決意を表明した。
 弁護団が最終弁論を読み終えると、法廷は大きな拍手に包まれた。その後、裁判長が判決日を10月13日と指定した。
 被告団は「どのような判決が出されようと、われわれはすでに弾圧を打ち破り勝利した」と述べている。裁判官と検察官を圧倒しきって5・27裁判控訴審は結審した。

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週刊『前進』(2488号3面1)(2011/05/23 )

 連合支配打ち破り沖縄-本土-被災地貫く総決起

 5・15青年集会 青年部再建へ前進

 “労働組合指導部になろう”

 5月15日夜、「オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会in Okinawa」が那覇市青年会館で開催された。闘う労働組合をよみがえらせようと職場で奮闘している青年労働者が全国から結集した。職場闘争の教訓を持ち寄り、6・5国鉄大集会と8・6ヒロシマ世界大会へ向け、自らが労組の指導部へと飛躍し、青年部を再建していく展望を握りしめる画期的集会となった。
 集会の冒頭に被災地、動労千葉青年部再建委員会、沖縄の青年労働者が特別報告を行った。
 宮城の郵政労働者は「JP労組本部は、大震災で組合員60人が死んでも公式コメントなしだ。被災地も関係なくボーナスカットする当局にみんな怒っている。連合宮城はメーデーを放棄した。俺たちが労働組合を担おう。大震災を生み出した新自由主義の社会を根本から変えよう。職場から闘いを起こすことが最大の被災地支援だ」と力強くアピールした。福島合同労組の仲間は「資本のアキレス腱は安全問題。安全に金をかけたら原発は造れない。労働組合の闘いが原発を止める」と6・5国鉄集会への全力結集を誓い、6・19福島現地闘争を呼びかけた。動労千葉の青年労働者は「ライフサイクルをつぶす。組織拡大で外注化を阻止する」と青年部建設へ意欲を燃やした。
 沖縄北部合同労組の仲間は「職場の労働者の全生活に責任をとる立場で組織化をしよう。外注化・民営化と闘って職場から原発反対、辺野古新基地建設阻止へ組織していく」と意気込んだ。
 続いて基地労働者が講演を行った。全軍労牧港支部青年部(牧青)の歴史的闘いをふまえて労働運動再生への展望を熱く語った。
(写真 全国青年労働者交流集会での熱い討論の後、沖縄闘争勝利と6・5国鉄大集会の3000人結集へ団結ガンバロー!【5月15日 沖縄・那覇市青年会館】)

 よみがえる牧青の闘い

 全軍労が70年闘争時、3千人の解雇通告に対して37日間のストライキを闘い抜いた後、職場に戻ると執行部への大量処分攻撃が待っていた。これに立ち向かっていったのが牧青だ。この闘いに全責任をとる青年の指導部をつくりだし、基地内でデモや座り込み闘争に決起した。世界初の米軍基地内での闘いを展開したのだ。これが全軍労全体の闘いとなり、今日の全駐労の土台をつくりだした。当時の牧青は「労働者は死んではならない。死すべきは基地だ」に並ぶスローガンとして「大衆に支持され、かつ言行一致の青年部運動」を掲げていたという。こうした牧青の闘いと、2007年に本土では16年ぶりとなるストライキを見事に打ち抜いた全駐労の闘いを総括して、「方針を出して闘争をつくりあげていく指導部がいることが決定的だ」と労働運動再生への核心を突いた。そして現在かけられている基地内解雇攻撃との闘いについて報告した。この牧青の闘いを、会場の青年労働者は新鮮な感動をもって受け止めた。
 医療労働者が基調提起で「労組の指導部になろう」と訴え、原発を止め米軍基地をなくし震災解雇に反対する闘いの一切が職場から労働組合をよみがえらせることにあることを明らかにした。
 全国の職場闘争の教訓が出された。郵政民営化絶対反対の路線をいかに大衆のものにしていくのか。郵政労働者は「非常勤の賃下げ撤回闘争を若手役員とともにみんなで必死で考え行動したことがよかった。闘えば勝てると肌身を通してつかむことが重要」と述べ、職場に労働者の権力を打ち立てる展望を熱く語った。

 「言行一致」の青年部を

 職場の仲間を初めて沖縄に連れてきた自治体労働者は、震災情勢で自治労本部が方針も出さない中で組合活動を自ら担ってきた。「青年が自分の思いを実現する組織として『言行一致』の青年部をつくりたい」と抱負を語った。関西の自治体労働者は「職場の労働者と向き合って時代認識と路線で議論して具体的な方針を出していく。6・5集会の爆発で関西地区生コン支部への弾圧を打ち破ろう」と訴えた。茨城の自治体労働者は、震災を口実にした自治体労働者への処分や賃下げ攻撃への怒りを語った。
 広島合同労組の仲間は労組破壊を狙ったデッチあげ刑事弾圧に対して、断固無罪だと訴え、弾圧に負けずに団結を守り抜くと固く決意した。
最後に広島の青年労働者が「今年の8・6ヒロシマを世界に向かって戦争も核もいらないとアピールする世界大会としてかちとろう」と訴えた。

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週刊『前進』(2488号3面2)(2011/05/23 )

 県民大会に3300人

 基地・原発に現場の怒り

(写真 〈上〉沖縄平和運動センターの自粛を打ち破り全国から3300人が集まった5・15県民大会。〈下〉立ち止まり、次々と反原発署名に応ずる平和行進参加者【5月15日 宜野湾海浜公園】)
 「復帰」39年目を迎えた5月15日、宜野湾海浜公園野外劇場で「平和とくらしを守る県民大会」が3300人の結集で開催された。3・11情勢下、5・15闘争を「復興支援」と称して自粛する動きが広がり、沖縄平和運動センターは平和行進の全国動員を中止し、毎年3日間だった日程も半日に短縮した。この屈服方針を突くかのように菅政権は辺野古V字沿岸案の強行とオスプレイの普天間基地配備を明言した。
 これが許せるか! こんな時に何が自粛か! 普天間基地即時閉鎖・辺野古新基地建設阻止へ、体制内指導部の制動をはねのけ、自治労、高教組・沖教組、全港湾を始めとする沖縄労働者2500人、本土からも800人を超える青年労働者が5・15平和行進に参加し、県民大会に合流したことは決定的だ。
 朝9時、宜野湾市役所で出発式を行った後、普天間基地を南回りと北回りの2コースに分かれて県民大会会場のまでの平和行進に出発した。
 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」と沖縄民権の会は星野暁子さんを先頭に北回りコースを歩いた。
 「原発反対! 基地撤去!」「公務員賃金1割カット許さねえ!」のシュプレヒコールに周りの労働者が呼応する。「原発止めよう!」ののぼりを手にした自治体労働者、「ファイト! 公務員給与引き下げ反対」とTシャツに書き込んだ青年労働者もいる。
 野外劇場前では6・5国鉄大集会と反原発1千万人署名を呼びかける全学連と労組交流センターの仲間が平和行進団を迎えた。立ち止まり、署名に応じる労働者が続出。「参加者の進行を妨げないで!」などと介入する主催者を尻目に討論の輪が広がった。

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週刊『前進』(2488号3面3)(2011/05/23 )

 5・16名護 デモが市民と大合流

 新基地反対と反原発は一つ

(写真 「原発なくせ! 基地なくせ! 日米安保粉砕!」「若者の行動で辺野古新基地建設とめよう!」の訴えに名護市民から共感【5月16日 名護】)
 沖縄闘争3日目の5月16日、早朝からの宣伝活動と辺野古現地訪問の後、250人で名護市内デモを闘いぬいた。
 沖縄労組交流センターと本土から参加の労働者・学生が一体となり、@キャンプ瑞慶覧で基地労働者へのビラまき、A沖縄県庁では自治体労働者への朝ビラ、B辺野古現地(辺野古・久志・豊原)での全戸ビラをそれぞれ貫徹した。
 午前10時すぎ、辺野古の浜で沖縄北部合同労組・うるまユニオンの富田晋委員長から現地報告を受けた。キャンプ・シュワブとの境界線にこれまでのバラ線に替わってコンクリートの壁ができたばかりだ。民主党政権にすり寄り、「海兵隊の被災地派遣は評価できる」などと絶対反対を投げ捨てた結果が、このコンクリートフェンスだ。
 富田さんは「このキャンプ・シュワブで海兵隊の新兵たちが目が合った人間をちゅうちょなく殺すことができるように訓練を受けている。辺野古新基地建設阻止闘争と反原発はまさに一つの闘いだ」と強調した。
 午前11時すぎ、全部隊が名護市役所前に集まって集会を持った。早朝からの各行動の報告を受けた。県庁前でビラまきを行った宮城連帯ユニオンの金子哲夫さんは「県庁前では40人ぐらい、マイクを持って被災地宮城から来ましたと自己紹介をして、公務員賃金の10%削減に絶対反対、原発を止めようと訴えました。すごい雨の中、みんな雨にぬれたビラを受け取ってくれ、すごい感動しました」。基地ビラをまいた関西の学生は「カービン銃を持った米兵がいる中、多くの基地労働者が車の窓を開けて受け取り、ご苦労様と言ってくれた。沖縄の基地労働者と心を一つにして闘っていきましょう」。仙台の郵政労働者が「ものすごい雨の中、50〜60人で久志・豊原・辺野古でビラまきをしました。振興策でできた大きな箱物が建っていて、地域を分断して新基地建設を進めようとしている。これは被災地と一緒だ」と報告した。
 最後に「全国の闘いと名護の労働者・市民、労働組合の闘いが一体となった時に1本のくいも打てない。嘉手納基地の統合案だとか言い出したが、ここでとどめを刺さなきゃいけない。だけど辺野古現地だけでなく、それぞれの職場で沖縄闘争を闘う仲間を組織することが沖縄闘争そのもの。明日から全国で頑張ってほしい」と名護の労働者がアピールし、市内デモに打って出た。
 デモ出発時には雨がやみ、なんと晴れ間も出てきた。「辺野古新基地阻止!」「基地も原発もいらない!」「震災解雇を許さないぞ! 賃下げ・首切り反対!」など元気なシュプレヒコールが響くと、市民がビルの窓から手を振り、沿道
はともにこぶしを突き上げる。そこここで「ありがとうね」「久々にデモを見た」「頑張ろうね」の声が寄せられた。
(写真 米海兵隊キャンプ・シュワブと辺野古の浜を隔てるコンクリートフェンスを前に新基地阻止の展望を語る富田晋さん【中央】)

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週刊『前進』(2488号3面4)(2011/05/23 )

 交流センター拡大運営委 “震災解雇と闘う”

 4大産別先頭に6・5へ

 5月15日、沖縄・那覇市内で全国労働組合交流センター第22回臨時拡大全国運営委員会が開催されました。
 3・11大震災以降の階級情勢は明らかに変わりました。「農業に対する補償を行え」「漁場を返せ」「子どもたちの命を奪うな」−−この労働者人民の根底的怒りと結びつくために、交流センターの組織と運動が具体的にどのように変わらなければならないのか、ここに今回の全国運営委員会の核心がありました。
 本部事務局から提起された方針は四つです。当面する一切を6・5国鉄集会への大結集とし、@「全国震災解雇労働相談センター」の闘いを開始すること、A4大産別の職場において非正規職の雇い止め絶対反対の闘いに立ち上がること、B6・11に全国で反原発行動に取り組むこと、C青年部結成と機関誌の変革を軸に組織拡大をかちとることです。本部を先頭に交流センターが労働運動の実践集団・組織者集団になろうという決断が込められていました。
 田中康宏代表は「1989年に反連合・反全労連を掲げて結成した労組交流センターの力が今こそ発揮されなければならない。震災情勢と立ち向かい、階級的労働運動の創造に全力で突入しよう」と呼びかけました。
 討論では「いかに職場で闘うか」が議論の中心でした。
 宮城の仲間が「震災を口実とした雇い止め解雇にどう立ち向かうかという方針を激論しながらつくってきた」と語り、「まずは自分の職場で震災解雇と闘うことだ」と合同労組の分会結成を報告しました。沖縄の仲間は「思いやり予算を削減して震災復興に回せという議論から基地労働者の解雇攻撃が始まろうとしている。基地の中から青年リーダーをつくり出したい」と発言しました。
 青年部結成準備委員長に指名された青年労働者が「自分も非正規労働者で最初は労働組合が嫌いだったが、今は闘う労働組合が本当に必要だ実感している。国鉄闘争を闘い、戦争と対決する青年部をあらゆる職場につくり出そう」と訴えました。
 震災解雇、原発事故との闘いは、労働組合をめぐる資本家との死闘戦です。辻川慎一事務局長は「とりわけ4大産別の闘いが決定的だ」と言い、「『資本家が全責任をとれ』とハッキリさせて職場闘争を開始しよう」と訴えました。
 大弾圧と闘う関西生コン支部に全力で連帯し、今全国運営委員会の成功から6・5集会に向けて、交流センターも残り2週間全力で闘います。(投稿・労組交流センター事務局)

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週刊『前進』(2488号3面5)(2011/05/23 )

 自治労中央委闘争アピール

 国鉄-反失業・反原発闘争へ

 1割賃下げにストライキを

 大恐慌下の大震災と原発事故、未曽有の階級決戦情勢の到来の中、5月26〜27日に奈良市で自治労第142回中央委員会が開催される。
 「震災復興」の名による階級闘争の圧殺、労働組合運動の最後的解体・変質と極限的な新自由主義政策の続行を許すのか。それとも連合路線をぶっ飛ばして闘う労働組合を再生させ、国鉄闘争を基軸に資本主義を打ち倒す反失業・反原発の大闘争を職場生産点から巻き起こしていくのか。6・5国鉄大集会を前に今次自治労中央委員会は重大な路線的激突の場となった。

 「震災非常時」掲げ憲法停止

 3・11東日本大震災は階級情勢を一変させた。原発事故と放射能汚染の拡大、震災解雇攻撃の激化は本格的な階級決戦の到来を告げ知らせている。
 国鉄分割・民営化に始まる新自由主義の横行が、大震災による3万人を超す死者・行方不明者を生み出し、被災地・全国で数百万人規模の大失業をもたらし、若者の未来を奪い、土地も海も大気も放射能によって汚染され続けるという未曽有の事態を引き起こした。
 それだけではない。菅民主党政権は、存亡の危機に立つ資本主義の護持と巨大資本の最大利潤確保のために、「震災復興」を掲げた新自由主義の極限的な階級戦争を開始した。資本主義・新自由主義がつくり出した大惨事であるにもかかわらず、「震災非常時」と称して憲法停止・労働法制廃棄に等しい震災解雇、賃下げ・非正規職化、大増税・公共料金値上げと社会保障制度解体、道州制・「復興特区」なる規制緩和・民営化、漁業権・耕作権剥奪(はくだつ)、そして原発政策の継続と日米安保・沖縄米軍基地強化に一挙に踏み出そうとしている。それら総体が新たな人殺し攻撃だ。
 国と資本によって奪われた命を返せ。原発止めろ。職を返せ。生活を返せ。住む土地を、農地を、漁場を返せ。青年の未来を返せ。被災地を先頭に労働者人民の怒りは根底から噴出しつつある。
 もはや資本主義の支配のもとでは労働者人民の未来はない。資本主義の存続による地獄か、プロレタリア革命によるその打倒か。ロシア革命のスローガン「パンと平和」の問題が再び全労働者人民に問われる壮大な階級決戦が始まっている。
自治体労働者はいかなる立場と路線でこの情勢に立ち向かうべきか。

 スト禁止の公務員制度改革

 「震災非常時」を口実に争議権(スト権)を剥奪したままでの公務員制度改革と労使交渉による公務員1割賃下げをどうして認めることができるか。国家公務員賃金1割引き下げとともに出されようとしている国家公務員制度改革関連法案では、労使交渉決裂時でもストライキ禁止のまま中央裁定機関によるあっせん命令をもって大幅賃下げを強制される。
 これは、労働基本権の制限と引き換えに形だけは確認されていた公務員の身分保障を撤廃し、首切りを全面的に自由化するということだ。「国鉄型」=「社保庁型」全員解雇・選別採用攻撃が何の制約もなく全公務員に襲いかかる。長期の闘いの中でかちとられてきた「整理解雇4要件」の廃棄、無際限の首切りが全社会化するのだ。
 「憲法停止」の一大攻撃との決戦が始まった。道州制=公務員360万人首切り、全労働者の総非正規職化に直結する大攻撃との決戦だ。奪われたスト権を取り戻し、被災地をはじめとしてわき起こる全労働者の怒りの先頭でストライキに打って出よう。公務員1割賃下げ絶対反対、震災解雇・雇い止め粉砕、全原発の即時停止へ、全国で闘いを巻き起こそう。

 自治労本部は菅政権の手先

 連合・自治労本部は「挙国一致」の「震災復興」を掲げる菅民主党政権の手先となっている。
 今次中央委員会議案を見よ。公務員制度改革法案を丸のみするとともに、資本主義の擁護、国と地方の財政再建の立場から公務員大幅賃下げ交渉に応じ、「社会保障と税の一体改革」による社会保障制度解体・消費増税、納税者番号制度導入、幼保一体化=30万人首切りに直結する「子ども・子育て新システム」導入を提唱し積極的に進めようとしている。
 同時に今次中央委員会は、自治労共済の全労済への統合で、組合活動を支えてきた組合書記の大量選別解雇を強行しようとしている。いったいこれが労働組合の方針か。自治労中央委員会議案は粉砕あるのみだ。
 「震災復興」をめぐる階級決戦は、連合・自治労本部を打倒すること、被災地を先頭に全国で闘う労働組合を再生させることをぬきにありえない。青年部結成に向け奮闘する青年労働者を先頭に国鉄闘争全国運動6・5大集会の成功をかちとり、国鉄・公務員決戦の勝利へ闘いぬこう。

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週刊『前進』(2488号4面1)(2011/05/23 )

 一時金3割カット弾劾

 JPEX赤字1千億全額を転嫁の暴挙

 雇い止め「郵政リストラ」と全面対決へ

 労働者一人あたり50万円の削減

 「こんな妥結など絶対に認められるか」という怒りが全国の郵政職場に渦巻いている。
 5月13日、JP労組中央本部は一時金年間3・0カ月とする会社側回答を丸のみし妥結した。前年4・3カ月から1・3カ月分もの賃下げだ。労働者一人あたり平均50万円にもなる。「これでは生活できない」「住宅ローンを払えなくなる」と訴える労働者たちの怒りが噴き出している。しかも3・11大震災で自らの家族、職場、地域が被災し、苦闘を続ける被災地の仲間の一時金まで無慈悲にカットされたのだ。なんというひどい仕打ちか。
 郵政資本はこの一時金減額によって総額1150億円を会社の利益に移し替えた。これはJPEX(小包子会社化の失敗と再統合)計画の破綻による赤字の総額とちょうど同額だ。西川・日本郵政前社長と斎藤・現社長、鍋倉郵便事業会社社長らが経営判断の失敗で出した赤字を、全額労働者の賃金カットに転嫁したのである。なんという恥知らずか。
 この内容で交渉を妥結したJP労組中央本部は、「郵便事業会社の債務超過を避け、組合員の雇用確保と事業の存続を第一義に考え、苦渋の決断として妥結・整理をはかった」などという。ふざけるんじゃない。これほど大幅な賃金カットを突きつけられて、なぜ一時間のストさえ構えず妥結したのか。「2週間の交渉先延ばし」も、「会社がつぶれるからやむなし」という組合員へのお決まりの恫喝で妥結を正当化する芝居だったのだ。あまりに重大な裏切りである。
 中央本部は妥結に際して「斎藤社長メッセージ」なるものを組合文書として流した。そこで斎藤は「(債務超過の)原因はゆうパックだけではない。むしろ郵便物の減少で毎年、郵便の営業収益が500〜600億円ずつ減少することの方が構造的に深刻」などと大ウソを振りまいている。
 現場組合員は全員知っている。「郵便物の減少」にもかかわらず郵便事業は黒字で回ってきた。それが昨年、突如として「1000億円超の赤字」になった原因はひとえにJPEX計画の失敗と破綻だった。これは政府の諮問機関「郵政民営化委員会」の審議でも総務省が認めてしまった事実だ。

 JP労組中央の裏切りに怒り

 裏切りを正当化するために、こんなうそと恫喝を資本になりかわって流すJP労組中央に対する怒りは全国の職場に充満している。今回の妥結も、3・11大震災を理由にした連合中央の「労使休戦」に便乗した大裏切りなのだ。断じて認められない。
 大恐慌下の大震災情勢で、非常勤職員の大量雇い止め=解雇や賃金カットを中心とする「郵政大リストラ」攻撃との闘いはこれから決定的な正念場に突入する。中央本部の度し難い裏切りにもかかわらず、すでに多くの職場で現場労働者の反撃が始まっている。労働組合の再生こそが問われているのだ。
 今こそ郵政資本の横暴と非妥協的に闘いぬく労働組合を現場労働者の手でよみがえらせ、腐りきった連合JP労組中央を打倒しよう。生きるために、闘う団結を職場生産点から再生しよう。国鉄をはじめ全産別の労働者と連帯し、破綻した資本主義・新自由主義を打倒しよう!

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週刊『前進』(2488号4面2)(2011/05/23 )

 文科省は20ミリシーベルト通知撤回せよ

 子どもたちの安全を守るためすべての原発の停止・廃止を

 「福島の子どもたちを放射能から守れ!」――福島で保護者、労働者、地域住民の怒りが沸騰している。この怒りとつながって、子どもたちにとてつもない被曝(ひばく)を強いる文部科学省を徹底的に弾劾し追及しよう!
(写真 対政府交渉で「20_シーベルト撤回を」と文科省に迫った福島の保護者【5月2日】)

 一挙に20倍に引き上げ

 4月19日、文科省は福島県教育委員会に通知を発し、「1〜20_シーベルト/年を学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安」とした。これまで一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度とされてきた1_シーベルト/年を、一挙に20倍に引き上げたのだ。
 具体的には「校庭・園庭で3・8マイクロシーベルト/時間以上の空間線量率が測定された学校については……校庭・園庭での活動を1日あたり1時間程度にする」。3・8マイクロシーベルトを超えない学校や保育園の屋外活動は無制限にOK、超えた学校や保育園でも1日1時間はOKということだ。
 20_シーベルト/年とはどれほどの数値か。1986年のチェルノブイリ原発事故の避難基準では、1_シーベルト/年を超えると「移住権利」が発生し、住民は移住するか否かを自分で選択した。さらに5_シーベルト/年を超える場合は「移住義務」とされた。
 もともと文科省は「3月間につき1・3_シーベルトを超えるおそれのある区域」を放射線管理区域と定め、労基法は、18歳未満の者の同区域への立ち入りを禁じている。3月間につき1・3_シーベルトとは5・2_シーベルト/年だ。
 原発で働く労働者の被曝はどうか。労災認定された数少ない事例でも、労働者が被曝した年平均の放射線量は、5・6_シーベルト(慢性骨髄性白血病)、6・8_シーベルト(急性単球性白血病)、10・08_シーベルト(急性リンパ性白血病)などである。
 20_シーベルトという数値のとんでもなさは明らかだ。チェルノブイリ事故では、0〜18歳の甲状腺がんの年間発症数が1998年に事故前13年間の58倍となった地域もあった。成人と比べて放射線への感受性が数倍高い子どもたちにこれほどの被曝を強いることは絶対に許されない。

 原発被曝労働の強制と一体

 文科省は、原発労働者の被曝線量の上限を引き上げた張本人でもある。従来、5年間で100_シーベルト、1年間で50_シーベルトだった上限を、事故直後の3月14日、文科省の放射線審議会が「緊急作業時」には「年250_シーベルトとする」と答申し、一気に5倍に引き上げた。
 この判断基準は、労働者の健康に影響をきたすかどうかではない。福島原発における作業は現場経験のある者でないと困難で、年50_シーベルトのままでは作業員が足りなくなるため、上限を引き上げたのだ。それでも人手が足りなくなったため、500_シーベルトに再引き上げしようという審議も始まっている。
 郡山市は4月27日、独自に市立小中学校と保育所の校庭の表土を削る作業を始めた。重機で土の表面を5aほど削り、トラックの荷台に積み込む作業だ。

 郡山市の汚染土除去を非難

 作業後に放射線量を計測したところ、地表付近で毎時3・3マイクロシーベルトだった値が、除去後は毎時0・5マイクロシーベルトにまで下がった。子どもを守るための最低限の行動だ。
 すると文科相の高木は翌28日、「土や砂を入れ替えなくても、1時間当たり3・8マイクロシーベルト未満の放射線量なら通常の屋外活動ができる。3・8を若干超えても1日1時間に収めれば屋外活動ができる」と述べ、その作業を非難した。子どもたちの命など何一つ考えず、原発の維持だけにしがみつく高木。本当に怒りに堪えない。

 「過剰に心配するな」!?

 文科省はさらに4・19通知の翌20日、「放射能を正しく理解するために@em教育現場の皆様へ」「同保護者の皆様へ」という文書を作成し、都道府県教委を通じて全国の小中高校に配信した。
 その文書では「今後大量の放射性物質の飛散が抑えられていけば、今回の事故による甲状腺がんの発生はほとんどない」などと、ひたすら“心配するな”と書き連ねている。のみならず「放射能のことをいつもいつも考えていると、その考えがストレスとなって、不安症状や心身の不調を起こします。……毎日、明るく、楽しく、仲良く、安定した生活を送ることが心身の病気を防ぐ一番よい方法」「放射能について過剰に心配しない、させないことが大切」と、放射能が降り注ぐ現実に危機感を持つことこそ害悪だとしている。
 しかも教育労働者にこの文書を保護者へ配らせ、“放射能は安全”と宣伝する先兵にしようとしている。全国の学校で配布阻止・撤回の職場闘争を巻き起こそう!

 福島の怒りと結びつき

 文科省がこのような対応を続けるのは、原発と核武装政策をあくまで貫くためだ。文科省こそ高速増殖炉「もんじゅ」も所管する、原子力研究開発・核武装推進の中軸官庁なのである。
 福島では怒りが沸騰している。5月1日には福島市で250人が集まって「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」が結成された。同ネットは5月23日に「文部科学省にみんなで最終決断を迫りに行こう」と100人以上で文科省に押し掛けようとしている。
 福島県教組も放射線量調査や表土除去要求なども含めて、保護者とともに立ち上がっている。
 他方、日教組本部は4・19通知に抗議せず、「東日本大震災に関する情報まとめサイト」では4・19通知を何も批判せず紹介している始末だ。「文科省とのパートナー路線」を突き進む日教組本部こそ、子どもたちに被曝を強いているもう一方の加担者だ。
 福島の怒りと結びつき文科省に20_シーベルト撤回を迫ろう! 全原発の廃止へともに闘おう!

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週刊『前進』(2488号4面3)(2011/05/23 )

 震災解雇&大失業と闘う

 リーマンショック超える危機

 「6月」焦点に大量雇い止めも

 “職場・地域、共同性奪い返す”

 「全員、失業なんだよ!」――5月4日に福島県内の避難所に「謝罪」に訪れた東京電力社長・清水に避難住民から激しい怒りがたたきつけられた。
 福島県労働局は、福島第一原発事故の影響で半径30`圏内の事業所で働く約5万8千人の大半が失業する可能性があるとの見通しを示した。これには労働保険に加入していない事業所は含まれず「離職者はさらに増える懸念がある」としている。
 また、3・11大震災以降、宮城、岩手、福島の3県で離職票や休業票の交付を受け、失業手当を受ける手続きを始めた労働者が約7万人に達することが4月下旬の各労働局のまとめで明らかになった。宮城県では、前年同月比で88・2%増、とくに石巻市では昨年の9倍の5709人、気仙沼市では約10倍の2509人だ。

 失業手当給付を7万人が申請中

 現地救援対策本部のメンバーである東北せっけん労組の小原豊書記長は、解雇撤回闘争を貫きつつ自ら求職中だが、被災地での雇用情勢について「水面下では途方に暮れている労働者がもっともっといるはずだ。ハローワークに求職や雇用保険申請に来ている人は雇用問題に一定の知識がある人だから」と述べた。
 「私は多賀城市に住んでいるので塩釜のハローワークに行っている。数にまず圧倒される。みんな正社員どころか“働ければなんでもいい”という感じだが、その仕事もない」とのことだ。「職場がなくなり連絡もないまま放置されているケース。会社に問い合わせても『少し待っててくれ』と自宅待機で放っておかれたままの労働者も多い。離職票、求職票がないと雇用保険も出ないし求職活動もできない。首になっているのかそうでないのかも分からない。だけど働かなければ食べていけないから、みんなハローワークに来ている」と小原さんは語る。
 マスコミでは「津波で会社が流されたから解雇は仕方がない。すぐに首を切ってあげたほうが明日から雇用保険が出る。そのほうがマシ」なんてことが言われているが、こんなものは、労働者を犠牲にして資本家だけが生き残ろうとする都合のいい開き直りだ。
 職場が流されたら解雇は仕方がないのか。会社が倒壊したら首を切られてもしょうがないのか。冗談ではない! 労働者になんの責任があるというのか。
 原因があって結果があるのだ。地方の徹底した切り捨て、公的部門の民営化、あらゆる企業で強行されてきた外注化・非正規化、そして何よりも大震災と原発事故によって2万5千人にも及ぶ人々の命が奪われ、膨大な労働者の職場が奪われているのだ。
 そのことは、実際に職場を回している現場労働者が一番分かっている。“お前たちのやってきたことは全部失敗に終わった! 人事・予算も含めた一切の権限を現場に寄こせ!”という怒りと闘いを、今こそ資本・当局にたたきつける時なのだ。

 百万人規模で解雇の可能性が

 しかも実際に、震災を契機に資本がやっていることは「なんでもあり」の解雇、雇い止め、賃下げだ。会社が無傷でも「今後の業績見通しが立たない」と首を切り、「家が流された人はもっと大変なんだ。ぜいたく言うな」と恫喝して労働者を黙らせている。
 帝国データバンクの調査では、東日本大震災による直接、間接の影響を受けた倒産は、5月11日までに判明しただけで87社。これは阪神大震災の2倍以上のペースだ。しかも宮城・岩手・福島での倒産は19社(21・8%)で、震災倒産は被災地だけでなく北海道から九州にまで及んでいる。
 トヨタや日産などの完成車メーカーは生産を再開したものの、現在は在庫部品をかき集めながら稼働している状態で「部品の在庫が切れる6月にもう一度危機が訪れる」と話す関係者もいる。リーマン・ショック以降、非正規職労働者の雇用契約は1カ月や3カ月の細切れ契約とされているケースが多く、6月に未曽有の大量解雇が強行される恐れがある。「100万人規模の労働者が解雇に直面する可能性がある」とも言われる。
 4大産別においても同様のことが問題になっている。宮城県名取市の市長は4月21日、市職員の3月の残業代の半分を勝手にカットして支給し、県の是正指導が入った。市長は「震災で無収入の市民が大勢いる。ボランティアが無給で働いている。割り増し手当を満額受け取るのは許されない」と完全に居直っている。
 なによりも日帝・菅政権と日本経団連を始めとする資本家どもは、戦後の人事院勧告制度を踏みにじり、国家公務員の賃金を10%も削減する歴史的な攻撃に踏み込んでいる。
 現地救援対策本部事務局の田村昌也さんは「動労千葉の田中康宏委員長がかつて“答えは現場にある”と言っていました。われわれがもっともっと現場に密着していくことが必要です。かぎになるのは、地域の拠点となる労働組合であり、その核となって闘う青年活動家づくりにあると感じています。街頭でも職場でも怒りはすさまじい。みんな行動を激しく求めている。だからこそ、それを一つに束ね、展望を示していく国鉄闘争と闘う労働組合の存在が決定的になってくる。国鉄全国運動6・5大集会の意味はそこにあるのではないか」と語っている。

 労働組合の持つ力にかけよう

 また、ふくしま合同労組の市川潤子委員長は「被災地発/5・1怒りのメーデー」で、「失業はこれからどんどんおきる。資本主義を倒さなければ生きられないということがどんどんはっきりしてくる。労働組合には本来、労働者を結びつけ激励する力がある。原発を造るのも労働者だけど、被災地支援を担い、原発の爆発をとめるために必死になっているのも現場労働者です。労働者がすべての権利を握り、資本家に奪われたものをすべて奪い返していく。職場、地域、学校、医療、そして労働者の共同性も奪い返し、新しい社会をつくっていく。そういう力が労働者の団結、労働組合にかかっている」と訴えた。この根底からの訴えの中にすべてが凝縮されている。
 今こそ職場生産点での実践に頭から飛び込もう。全原発即時停止の闘いと不可分一体で、全国のあらゆる職場から震災解雇との闘いをつくり出そう。
(日高隆)

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週刊『前進』(2488号4面4)(2011/05/23 )

 福島原発で労働者死亡

 過酷・危険な作業強いる東電

 心筋梗塞強弁

 5月14日午前6時50分、福島第一原発で機材の搬送をしていた東京電力の「協力企業」の60歳代の労働者Aさんが、体調不良を訴え意識不明となり、いわき市内の病院に運ばれたが、午前9時33分に死亡した。この原発事故によって、またしても一人の労働者の命が奪われたのだ。
 東電は「防護服を着ていて被曝線量は0・17_シーベルト以下だった」「身体に放射性物質の付着はなかった」などと言い、「心筋梗塞(こうそく)」による死と強弁しているが、なんの言い訳にもならない!
 原発はクリーンで安全だと宣伝し、科学技術の粋をこらした装いをとりながら、大震災で福島第一原発が制御不能に陥ると、東電はメルトダウンの事実を隠し、放射性物質を大量にまき散らす原子炉に対しなんら打つ手がない。結局下請けや孫請けの労働者の手作業に頼り切りで「復旧作業」を続けてきたのだ。
 その労働は昼夜を問わず続けられ、満足に食事や睡眠もとれず、休憩・休息もままならない、しかも被曝を伴うとてつもない過酷で危険なものだった。Aさんは東電と国家に殺されたのだ。
 電力会社は、原発の補修、点検、汚染除去などの作業に、出稼ぎ労働者、日雇い労働者、非正規労働者らを次々と動員してきた。原発や放射線に関する基本的な知識も与えられずに、原発労働者は死と隣り合わせの労働を強制されてきた。

 被曝事故は闇へ

 これまで日本の原発で働いた総労働者数は約200万人、総被曝者数は約50万人と言われる。原発内の強い放射線を浴び続け、病気になり命を失う労働者の存在を電力会社は闇に葬ろうとしてきた。役所も裁判所も共犯者で、労災認定はほとんど認められてこなかった。
 今、東電の幹部らが一片の誠意もない「おわび」を口にしながら延命を策す一方で、日々刻々原発労働者の健康が損なわれ、命が奪われている。絶対に許せない!
 東電はAさん死亡の責任をとれ! すべての事故の責任をとれ! 労働者階級には「全原発廃止」以外の結論はない。

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週刊『前進』(2488号4面5)(2011/05/23 )

日誌'11 5月10日〜16日

 原発はメルトダウンしていた/嘉手納基地で有事即応訓練

●米中が戦略安全保障対話開催 ワシントンで開かれた米中戦略・経済対話の一環として、米中両軍の高官と国防・外務官僚が一堂に会する初の「戦略安全保障対話」が開催され、アジア太平洋地域における「共通の利益や課題」を巡る新たな協議を年内に創設することで合意した。(10日)
●「あたご」衝突で自衛艦側に無罪の判決 08年に発生した海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船の衝突事故で、横浜地裁が衝突回避の責任は漁船側にあり、自衛艦側にはないとして当直士官に無罪の判決を下した。事故の責任はあたご側にあるとした海難審判とは逆の結果となった。(11日)
●米上院議員が普天間の嘉手納統合を提案 米上院軍事委員会のカール・レビン委員長ら3議員が、普天間基地問題での日米の現行計画を「非現実的で実行不可能、費用負担もできない」とし、嘉手納基地への統合を検討するよう米国防総省に提案した。(11日)
●空自が7月米空軍演習に参加 防衛省は航空自衛隊の戦闘機部隊を米空軍演習「レッド・フラッグ・アラスカ」に参加させる方針を固めた。対中抑止力の強化を目的に、7月上旬から約1カ月展開される。(11日)
●福島原発のメルトダウンが判明 福島第一原発1号機で事故発生直後に核燃料の大半が溶融するメルトダウンが起きていたことが東京電力の発表により判明した。メルトダウンの可能性は当初から指摘されていたが、これまでは否定されていた。(12日)
●与那国島に陸自配備、5年以内に 防衛省は先島諸島への陸上自衛隊配備計画の一環として、今後5年以内に与那国島に約100人の沿岸監視部隊を設置する方針を発表した。(12日)
●オスプレイ普天間配備へ 政府は普天間基地に2012年から配備が計画されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、沖縄側に説明する方向で調整に入った。これまでオスプレイ配備の可能性には言及していたが正式な説明は避けていた。(12日)
●嘉手納基地で有事即応訓練 米軍は沖縄の本土復帰の日である5月15日から5日間、嘉手納基地で有事即応訓練を実施すると発表した。嘉手納町長は「15日は県民にとって特別な日だ」と訓練の中止を求めた。(13日)
●東電賠償の枠組み決定 菅政権は福島第一原発事故の損害賠償支援の枠組みを決定した。東電の存続を前提に、債務超過にさせないため公的資金を投入し、上限は設けない。政府が東電の経営合理化を監督する。(13日)
●パキスタン議会が米非難決議 米軍によるビンラディン殺害作戦に対し、パキスタン議会が「主権侵害であり容認できない」とする非難決議を採択した。パキスタン政府にも対米関係の見直しを要求し、パキスタン内での米軍無人機による攻撃の中止がなければアフガニスタン駐留NATO軍への物資輸送禁止も検討するとした。(14日)
●2、3号機もメルトダウン 東京電力が公表したデータにより、福島第一原発の2、3号機でもメルトダウンが起きていたことが判明した。(16日)

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週刊『前進』(2488号4面6)(2011/05/23 )

 三里塚裁判傍聴を

◎市東さん行政訴訟
5月24日(火)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん農地法裁判
 5月24日(火)午前11時10分千葉地裁
(同日に同じ法廷で連続して開かれます)
※傍聴券抽選のため9時半に集合を

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週刊『前進』(2488号5面1)(2011/05/23 )

 大学から反原発闘争の嵐を

 6・5国鉄集会-6・11反原発大行動の最先頭に立って闘い学生自治会再生へ

 マルクス主義学生同盟中核派・法政大学支部

 日帝の核武装支える大学

 毎週あらゆる地域で開催される青年・学生のエネルギッシュで怒りに満ちあふれた反原発デモの嵐。エジプト革命のようなその波及性とスピード、そして根底性は、原発廃止までけっしてやむことはない。はちきれるほどの怒りと行動−−これが3・11大震災と福島第一原発事故に対する青年・学生の回答だ。
 開始された大衆運動の爆発。この巨大なうねりの中で5年間、学生の存在と自らの生き方と命をかけて新自由主義と闘ってきた法大闘争がすさまじい牽引(けんいん)力と求心力をもって真価を発揮している。逮捕や処分、団結破壊と闘いぬいてきた法大闘争とマル学同中核派法大支部の屹立(きつりつ)と苦闘・死闘は、すべてこの日のために存在していたのだ。
 求められていることは、資本主義の「改善」ではなく、資本主義を倒し新たな社会を建設する立場で、この社会をとらえ行動していくことだ。6・5国鉄集会−6・11反原発100万人行動の大爆発の先頭に立ち、大学キャンパスの激闘の中から学生自治会を甦(よみがえ)らせよう。開始された青年・学生の決起を必ずプロレタリア革命へと発展させる。被災地の仲間と連帯し、法大支部は労働者階級の最先頭で闘いぬく。
(写真 反原発署名に続々と応じる法大生【5月 法大正門前】)

 キャンパスで腐敗構造撃て

 何万人もの労働者人民の生活と命の犠牲の上に成り立ち、未来までをも破壊していく原発。その上にハイエナのごとく群がる「原子力村」と呼ばれる産・官・学・報・財の腐敗しきった構造。そこには人間存在は皆無である。こんな体制は、私たちの手でもう終わりにしなければならない。原発を止め現状を変革していく道は、学生がキャンパスで立ち上がることだ。その最前線が法大闘争だ。
 なぜ、そう言えるのか。第一に、新自由主義攻撃をテコとして日帝の核武装政策に大学を動員していることである。
 まず明らかにしたい点は、原発は安定的なエネルギー供給のためなどではなく、日本の核武装化のためにあるということだ。外務省幹部は次のように言っている。「個人としての見解だが、日本の外交力の裏付けとして、核武装の選択の可能性を捨ててしまわない方がいい。保有能力は持つが、当面、政策として持たない、という形でいく。そのためにも、プルトニウムの蓄積と、ミサイル転用できるロケット技術は開発しておかなければならない」(1992年11月29日付朝日新聞)。
 その柱に大学の存在がある。文部省と科学技術庁の統合(2001年)と国立大学法人化(2004年)は、大学全体を原発・核武装の推進機関にした。そもそも科学技術庁は、総理府原子力局が母体の一つとなっており、初代長官が中曽根康弘と一緒になって原発を導入した正力松太郎(A級戦犯)である。中曽根も2回、長官を務めている。
 文部省と科学技術庁の統合により、原子力予算が大学へ直接流入することになった。原子力予算4556億円(2011年度)のうち、経済産業省に1898億円、文部科学省に2571億円を分配。文科省の予算は経産省を上回っている。
 さらに国立大学法人化は研究活動への資本の介入を強めた。運営交付金は、2004年から2010年までで830億円減少。その一方で、「原子力工学プログラム」「原子力研究環境整備補助金」や「産官学で構成する原子力人材育成ネットワーク」(国私立大20大学参加)、「国際原子力人材育成大学連合ネット」などにカネと人材育成を充実させてきた。東大が東電から5億円ものカネをもらっていたことは、いまや有名な話となっている。

 法大から反戦決起が始まる

 これだけではない。文部省と科学技術庁の統合と国立大学法人化により、学長そのものが原発推進者となっていった。科学技術庁で原子力安全局の経験もあり、文科省事務次官から学長になった山形大学の結城章夫(07年就任)、科学技術庁の原子力局長の経験があり、原子力行政出身の広島大学副学長の興直孝(04年就任、07年には静岡大学学長に就任)。まさに教育・予算・人材育成、大学まるごと原発政策化の上に日本の54基もの原発=核武装化が推し進められているのだ。
 そして大学は今、こうした犯罪を塗り隠すために、復興イデオロギーのもとに学生を組織する先頭に立っている。
 このような攻撃の中で法大生は、反核・反基地−反戦闘争を闘い、階級性と戦闘性を甦らせてきた。開講わずか3週間で3けたを超える反原発署名が新入生を中心に集まっている。また4・22東電デモ、沖縄現地闘争を法大生が牽引し、新入生も結集した。反戦闘争の中にこそ、学生の階級性の復権があり、自治会を再建する力も宿っている。
 大2章 勝利の展望示す法大闘争
 第二に、大学の丸ごと原発政策化に対する回答は学生自治会の復権の中にあるということだ。
 原発=核武装化は、学生運動の破壊と完全に一体であり、全国の自治寮の廃寮化攻撃やサークル会館解体など、新自由主義と対決する砦(とりで)を破壊する中で強行されていった。法政大学では、2000年から始まる学生自治会非公認化、学生会館解体、学友会解体攻撃という学生自治破壊と団結破壊に加えて、2006年からは逮捕・処分の大弾圧が吹き荒れた。
 しかし法大闘争は、闘う旗=文化連盟を守り抜き、今日まで学生の団結の軸を維持してきた。どんなに攻撃が激しくてもけっして現場から逃げずに、法大生一人ひとりの力に依拠して学生の力を引き出してきた。「これ以上の大学の暴挙を許さない。ひとりの仲間も見捨てない」という文化連盟のスローガンを生み出し、「闘えば勝てる」展望を指し示してきた。
 大震災・大失業、原発問題を打ち破る力は、この法大闘争の中にある。いまや法大闘争は、開始された青年・学生の巨大な決起の牽引力と求心力となってその真価を発揮し、大学にとどまらず、階級的団結の軸として押し上がっている。

 倉岡処分撤回 大学変えよう

 第三に、学生運動と自治会建設の最大の武器こそ法大闘争であり、倉岡処分撤回闘争だ。
 3・11大震災と原発問題とは大学のあり方と学生の存在を問う問題である。その象徴が倉岡雅美さん(人間環境学部3年)の無期停学処分である。「人間環境」を掲げる学部は、3・11と福島原発事故の前では無言になった。教授会で処分否決になったにもかかわらず、声を上げる学生は総長独裁で処分。自らが決めた手続きさえも踏み破って、開講前に倉岡さんに処分を下したのだ。
 だが、この処分こそ大学の腐敗した姿を暴き、敵の最大の弱点と矛盾点を突き出した。
 倉岡処分に対する怒りは、反原発署名やメッセージとなって表されている。この怒りが大学のあり方を根底から問い、大学を実力で占拠するような闘いに発展することを大学当局自身が最も恐怖している。署名をする学生を盗撮・監視し、マイクアピールに対して恥知らずにも「授業準備妨害」なる看板を出して反原発運動つぶしに躍起になっているのだ。この行為が学生の怒りを倍加させている。膨大な法大生の怒りが行動に転化していくことは必至だ。

 中核派に結集し共に闘おう

 最後に、法大生と新入生のみなさんにマル学同法大支部への結集を呼びかける。大学の原発政策と腐敗の現実は、私たちのキャンパスの中にあると同時に、この現実に声を上げ変革していく力もまたキャンパスの中にあるということだ。学生の存在こそ、その主体だ。
 3・11と福島原発事故を前に大学と学生がいかなる立場をとるのか。この現実の前に無言や無力になる学問、人間のためではなく資本を擁護する学問とはいったい何なのか!
 大学を新自由主義と闘う砦に転化し、今こそ文化連盟の組織拡大と自治会再建をかちとろう。この闘いこそ、学問を資本家階級から奪い返し、学生が大学の真の主人公となっていく道筋であり、原発を止める力である。
 3・11情勢下で始まった巨大な大衆運動の中で、法大闘争で培ってきた闘い・団結・路線が光を解き放っている。人間としての尊厳、自分と子どもたちの未来、そして自身の生き方をかけてマル学同法大支部に加盟し、労働者階級の最先頭で闘いぬいていくことを心の底から呼びかける。

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週刊『前進』(2488号5面2)(2011/05/23 )

 5・15沖縄学生集会 “学生運動復権の時だ”

 戦後世界体制を覆す闘いへ

 5月15日夕、全国大学から沖縄に結集した学生は那覇市内で「原発廃止! 基地撤去! 法大闘争勝利! 5・15学生集会in Okinawa」をかちとった。
 全学連の坂野陽平委員長代行の開会あいさつ、5・15闘争に先行して沖縄現地で闘っていた東北大生からの報告を受け、織田陽介全学連委員長が基調提起を行った。
 織田委員長は「タイトルは『帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制の一切を覆すプロレタリア世界革命へ/フクシマとオキナワ、ヒロシマ・ナガサキ、ビキニをつなぎ学生運動の復権を』です。本当に大きな学生運動をここからつくっていく決意を今日は固めたい」と切り出した。
 「大震災は、階級戦争と新自由主義の激化だ。それを打ち破る大衆の行動が始まった。問われていることは、一つに、始まった大衆の行動をどう守り促進していくのかという立場にわれわれが立つこと。二つに、資本主義を打倒するという立場に立ち、明確な革命綱領をもって闘うこと。三つに、具体的な戦略と方針をもって闘うこと。四つに、学生自身の組織をつくることです」と課題を鮮明にし、「始まった大衆運動の季節を、帝国主義とスターリン主義の世界体制の世界的打倒に固く結びつけて闘おう」「核と放射能、基地と安保の政治的根拠をとらえたときにそれらを人間によって打ち倒すことができる」と訴えた。織田委員長の熱い提起は、全参加者を奮い立たせた。
 織田委員長はさらに具体的方針を次のように提起した。「新自由主義と対決して日本の階級闘争を復権する。それは6・5国鉄集会だ」「大学から反原発のうねりを巻き起こす。文科省という核開発の機関が教育を全部動員している。大学がここまで腐敗してきた現実をすべてひっくり返そう。僕らは団結すれば勝てる。キャンパスから立ち上がって6・11に100万人行動を。法大の闘いと被災地東北の闘いが最も重要な闘いとなってくる」
 続いて法大文化連盟の斎藤郁真委員長が法大闘争をアピール。「法大闘争は、新自由主義を大学において貫徹する攻撃と5年間闘ってきた。自分たちのキャンパスで闘いぬくことが、どれほど重要か。キャンパスの中から闘う主体をつくり上げ、倉岡雅美さんの処分撤回と6・5国鉄集会―6・11反原発闘争へ」

 1年生と初参加者が大結集

 被災地仙台からかけつけた仲間が全員登壇。割れんばかりの拍手を受け、東北大学学生自治会の石田真弓委員長が7・8東北大全国集会を訴えた。「被災地から原発絶対反対の大運動を爆発させる。学生の怒り、悩みに頭から突っ込んで向き合うと『そんなことまで考えられない』という学生もいるが、でもこういう現実をつくり出している連中がいることをあいまいにしないでキャンパスに登場する。本気で原発を止めたい、仲間を守りたいという思いが獲得する力だ。学生自治会をつくろう。7・8東北大全国集会へ」
 さらに8・6ヒロシマ大行動へのアピール、京大熊野寮生、富山大新樹寮生から学寮決戦アピールがあり、三里塚現地行動隊から5・20現闘本部裁判への結集が訴えられた。
 圧巻は、かつてない規模で参加した1年生と初参加の学生の全員登壇と決意表明だ。学生が立ち上がる時代が来たことを誰もが確信し、集会は最高潮に達した。
(写真上 「原発も基地もなくして社会を根本から変えよう! 学生自治会を甦らせよう!」と坂野君の音頭で団結ガンバロー【5月15日 那覇市】)
(写真下 被災地仙台からかけつけた東北大生も登壇)

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週刊『前進』(2488号5面3)(2011/05/23 )

〈焦点〉 天皇使い被災地慰撫狙う

 「戦後巡幸」の再現許すな

 天皇・皇后は、3月30日の東京・武道館を皮切りに、埼玉、千葉、茨城、宮城、岩手、福島と被災地を訪問し、避難所などを回っている。自衛隊機を使い、皇太子夫妻や秋篠宮夫妻も含めて総掛かりで強行している。これは、未曽有の危機にあえぐ日本帝国主義の救済のためであり、天皇制を押し出した労働者人民に対する激しい階級圧殺攻撃である。
 天皇は3月16日、まず「ビデオメッセージ」の形でテレビに登場し、「苦難な日々をみなが分かち合っていくことが大切」と述べた。天皇が「直接国民に語りかける」のは66年前の「終戦の詔勅(玉音放送)」以来のこと。皇室の存続にとっても「世紀の一大事」だということだ。
 この攻撃は何よりも、巨大地震と大津波と原発事故による大災害が、日帝の新自由主義攻撃によってもたらされた階級的災害であることを押し隠し、これに対して労働者、農民、漁民、自営業者が階級的大反撃に立ち上がることを押しとどめ、受忍する(耐え忍ぶ)ことを強要するものである。自らを超階級的存在であるかのように装い、その「慈悲」の前に労働者人民を平伏させようとしているのだ。「日本はひとつ」「日本は強い国」という愛国主義、民族主義のキャンペーンとともに、天皇制イデオロギーで階級闘争を圧殺しようとしているのだ。
 そもそも特定の家系に生まれたがゆえに特別に尊いという天皇制自身が、<法の下の平等>を根本的に踏みにじっている。天皇のもとにすべての国民は平等であるという虚偽のイデオロギーをもって、現実の階級対立を塗り隠しているのだ。しかし、天皇自身が東京電力の株主であることが示すように、資本家階級と共通の利害をもっているのだ。天皇制を頂く日帝国家こそ、大震災と原発事故を引き起こした元凶ではないか。
 戦後、憲法9条と引き換えに天皇は免責され、「象徴天皇制」として延命した。それは何よりもプロレタリア革命の予防のためだった。昭和天皇は足かけ9年間の「全国巡幸」で戦後革命圧殺の先頭に立ち、失地回復を図った。
 昭和天皇はかつて広島、長崎への原爆投下について「戦争中のことであるのでやむを得ない」と原爆を容認し被爆者を切り捨てた。表現は違うが今日、天皇夫妻がやっていることは、やむを得ない天災だから、誰かを恨んだり憎んだりするなということだ。
 今、日帝の絶望的危機の中で天皇が必死に立ち現れているのは、菅政権と日帝の支配体制そのものに労働者階級の根底的な怒りが噴出しているからだ。原発、大失業への怒りが爆発しているのだ。こうした革命の現実性の前に支配階級は動転し恐怖して、天皇を使って被災地を慰撫(いぶ)し闘いを封じ込めようとしているのだ。
 だが、天皇が「巡幸」よろしく回ることで労働者人民の苦難が少しでも解決するのか。痛みは和らぐのか。とんでもない。労働者人民の怒りは根底的であり、資本家階級を打倒して自らの権力を打ち立てるまでとどまることはない。
 この許し難い階級圧殺攻撃に対する怒りをバネに、労働組合再生の力で被災地救援、反失業・反原発の闘いの発展をかちとろう。

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週刊『前進』(2488号5面4)(2011/05/23 )

〈焦点〉 あたご無罪を弾劾する

 海自の傍若無人を合法化

 千葉県沖で2008年2月、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と地元のマグロ漁船清徳丸が衝突し、漁船の親子2人が死亡した事故で、横浜地裁は5月11日、業務上過失致死罪などに問われた当時のあたごの当直士官2人に無罪を言い渡した。自衛艦側の監視不十分が主な原因だったと裁決した09年の海難審判(横浜地方海難審判所)を覆す判決で、法廷は遺族や関係者の怒号に包まれた。
 すでに、「あたご」は漁船団の存在を認識しながら、衝突直前まで自動操舵(そうだ)を続けるなどのずさんな運航実態が明らかになっており、横浜地方海難審判所の裁決は、あたごの監視態勢が不十分だったことが事故の主な原因だと、安全指導の徹底を海自に勧告した。本来、艦橋の両脇の甲板にいるべき見張りを、艦橋内に立たせていたことも表面化した。また見張りの当直責任者同士が「漁船は停船している」と誤った引き継ぎをした事実が認定され、海上衝突予防法が定める包括的な注意義務に違反することも明らかだった。防衛省の事故調査委も、回避義務はあたご側にあり見張りが不適切だったとの報告を出している。
 今回の地裁判決はこれらを強引に覆したのだ。漁船が積んでいたGPS(衛星利用測位システム)の水没で不可能になった航跡の確定を裁判所が独自に推定し、それに基づき「非は漁船にあり」と決めつけた。商業紙も「検察側立証が十分かどうかをチェックする裁判所本来の使命を逸脱」(朝日)などと論評するほどの強引さだ。
 浮かび上がったのは一方で自衛官を起訴した検察「捜査」のずさんさと、他方での大震災情勢で大規模な日米統合運用に踏み込んだ自衛隊そのものへの批判を封殺しようとする権力側の意志である。自衛隊を「国防軍」とする9条改憲を主張する産経新聞などは、今回の判決で「自衛隊バッシングの海難審判」が崩されたこと自体に快哉(かいさい)を叫んでいる。1988年の潜水艦「なだしお」と大型釣り船の衝突事故や、71年の全日空機と自衛隊戦闘機との空中衝突事故なども引き合いに出し、「十分な検証を待たずに自衛隊側が指弾されてきた」などと、多くの死者を出した過去の自衛隊事故まで擁護している始末だ。
 一方で民主党は10日、党の憲法調査会(会長・前原誠司)を設置し、幹事長の岡田は「これで衆参の憲法審査会が動き出す」と公言した。菅政権はこの大震災情勢に乗じて改憲攻撃そのものを始動させようとの思惑だ。今回のあたご判決で自衛隊の犯罪を消し去ろうとする権力意志の背後で、このような政治反動がうごめいていることを軽視してはならない。
 そもそも危険回避の責任はまずもって海自側にある。あたごの事故後も、海自艦船との接触事故は続いており、千葉県の漁師は「事故直後は漁船を避けていた海自の大型船が、最近は事故前と変わらない操舵をするようになった」という(信濃毎日新聞)。東京湾入り口に近く、多くの船舶で混雑する海域で傍若無人にふるまう自衛隊イージス艦の犯罪的行為を擁護した判決への漁民たちの怒りはまったく正当である。今回の判決を強く弾劾しなければならない。

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週刊『前進』(2488号5面5)(2011/05/23 )

 法大裁判に集まろう

★暴処法弾圧裁判
 第24回公判 6月2日(木)午後1時30分
 東京地裁429号法廷
 12時30分に傍聴券配布所に集合

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週刊『前進』(2488号6面1)(2011/05/23 )

 八尾市議選勝利の総括

 革命を準備する闘い貫く

 われわれは4月の統一地方選挙闘争の一環として八尾市議選に末光道正候補を押し立てて闘い、2065票を獲得して堂々再選をかちとった。今回の選挙闘争はこれまでとはまったく次元の違う闘いだった。同時に闘われた杉並・相模原とともに3・11大震災情勢と真っ向から対決し、<革命を準備する選挙闘争>として闘いぬいたのである。
(写真 選挙戦最終日、末光候補を先頭に西郡から高砂団地へ練り歩く【4月23日 八尾市】)

 3・11情勢と対決

 大恐慌下で発生した3・11大震災と大津波、福島原発事故は階級情勢を一変させた。われわれは「国難」「挙国一致」「政治休戦」の大合唱と対決し、マルクス主義を武器に「賃労働と資本」の関係を根底に置いて、3・11こそ労働組合を破壊して一人ひとりをバラバラにし何もかも資本の金もうけの餌食にする新自由主義の本性とその破綻の現れだ、国家と資本による犯罪であり、帝国主義を打倒するチャンスだ、ととらえきった。
 そして、「4・9政治和解」を打ち破る国鉄闘争全国運動が震災解雇粉砕、全原発廃止の力だという確信を深め、団結し必死で生きぬき闘う被災地の同志を始めとする労働者、農民、漁民、自営業者の怒りを共有し、彼らとひとつになって菅民主党・連合政権を打倒する決意を固めた。
 党の時代認識を繰り返し鮮明にさせ、強烈な意識性で路線的団結を闘いとり「政治休戦」反動をぶっ飛ばした。ここに勝利の最大の核心がある。
 民営化−明け渡しと闘う西郡のムラと八尾北医療センターは被災地と同じ新自由主義攻撃と闘っている現場だとつかみとった。八尾市800事業民営化、部落差別で分断し仕事・住宅、医療・教育、人間の絆(きずな)まで奪いムラを更地にする攻撃を打ち破る3・11情勢下での最先端の闘いとして、また一個の蜂起戦−階級決戦として市議選を構え直した。
 地区党全員がこの闘いに革命の成否がかかっているという自覚に燃えて先頭に立ち、日夜献身的に闘いぬいた。新たな飛躍をかけビラを作った。瞬時にビラがまかれ、むさぼるように読まれた。末光候補のアジテーションと宣伝カーからのアピールが染み通った。
 「末光落とし」で束になる全党派を相手に当選をもぎとった根底には、3・11情勢と真っ向から対決した党の団結、路線の勝利があるのだ。

 新しい解放運動へ

 勝敗を決めたもう一つの核心は、党がかたまりとなって西郡のムラに突っ込んだことだ。部落解放同盟本部派を打倒し、地域ソビエトの拠点を打ち立てようと診療圏に団結を広げ、市役所、保育所・清掃・水道などの現業労働者、郵政労働者などとの結合を求め、最後まで猛然と闘いぬいた。
 今回の選挙には、菅政権−田中市政による西郡の住宅と八尾北医療センターの明け渡し攻撃を許すか否か攻防の行方がかかっていた。闘いの起点は3・3西郡青年交流会だった。「自分たちは革命をやる。他にお願いするのではなく、労働者とともに、労働組合と団結して新自由主義を打ち倒すまったく新しい部落解放運動をつくり出す。民営化の手先、利権まみれの解同本部派はもういらない」と宣言したのだ。
 自民党から日本共産党まで全党派が末光当選に恐怖したのは、それが部落解放運動だけではなく労働運動、社会的運動全体を革命的に塗り替えてしまうからだ。関電労組元幹部で本部派候補と同会派の候補は「末光だけは通すな」と住民を脅して回った。共産党は「八尾北をつぶせ」と差別をあおり分断を図った。
 投票日前日の4月23日朝、雨をつき西郡支部青年部が総決起した。本部派候補は追いつめられて言い訳を繰り返し、敵意をむき出しにして末光陣営の夜の練り歩きを襲撃しようとした。これを打ち破った労組・支部・守る会、共闘の仲間の団結した姿に、団地の窓からライトが振られ、拍手がわいた。次第に隊列が膨らんだ。解同本部派との力関係に歴史的決着をつけた瞬間だ。
 練り歩きの最後、西郡に隣接する府営高砂団地で末光候補は、「この団結が社会を根元(こんもと)から変える力だ。腐りきった幹部連中を打ち倒し、地域の主導権をとり、新しい部落解放運動、労働組合の闘いを一挙に爆発させよう。原発を止め、エジプトにつながろう」と熱烈に呼びかけ、勝利を宣言した。
 敵陣営は末光落としのために、JP労組組織内候補の民主党現職議員を落選させてまで本部派候補を当選させた。
 だが、このうねりは止められない。西郡支部は5・22狭山集会と7・24支部大会を決定し、新自由主義を打ち倒すまったく新しい部落解放運動−支部1千人建設へ大胆に踏み出した。プロレタリア革命を担う部落解放運動と組織の登場だ。東大阪地区委員会はこの闘いに全責任をとるために、ともに闘いぬく決意である。

 八尾北労組が柱に

 勝利の路線を貫く柱となったのは地域拠点の八尾北医療センター労組だ。労組は部落解放運動を含む一切に責任をとる飛躍をかけ、藤木好枝委員長が「道州制・民営化と闘う共闘会議」を代表して選対本部長を引き受けた。執行部を先頭にあらゆる任務を背負った。なかでも宣伝カーのウグイスに決起した24人の先頭で闘い、他陣営を圧倒した。「ひとつの目標に向かって団結して闘うのは楽しい」と労組の団結が深まり、他の組織の総決起のバネになった。
 また90歳の守る会会員は郵便投票を済ませた翌日息を引き取った。このような無数のエピソードに彩られた「命の1票」がさらに全体を鼓舞した。3・11情勢下で「八尾北を守れ」は、「ここがなかったら生きていけない」という叫びであり、新成長戦略で医療=命と健康を資本の餌食にする菅政権への怒りと、生きる団結の砦(とりで)=八尾北の存在の死活性をつきだしている。
 診療所民営化=大病院への売り渡しを粉砕して自主運営に突入した05年以来、労組が職場支配権を打ち立て、医療と介護をやりぬいてきた。それは新自由主義と闘うすべての労働者人民の団結の砦、すなわちプロレタリア権力樹立のための拠点となり全体の勝利のために闘う労組に飛躍するための日々だった。
 われわれは八尾北労組を軸に国鉄闘争全国運動で労働組合全体を階級的に塗り替える決定的一歩を切り開くと同時に、部落解放運動、国際連帯=在日・滞日外国人労働者との結合、婦人民主クラブ全国協建設、障害者解放運動との団結を意識的に追求し、地域ソビエトの展望を切り開いた。

 勝利の鍵は党建設

 総括上の最大のテーマは党の団結の問題だ。われわれは党の分担主義的・機能主義的・能力主義的な最後の残りかすを一掃し、階級的に団結した党へと飛躍しようと格闘した。鍵は<中央委員会−細胞>建設に指導部が指導部として自己を組織すること、中央委員会と細胞が獲得し合う関係を豊かに形成していくことにあるとつかみとった。「綱領草案」と国鉄全国運動を武器に、素晴らしい革命家・末光議員、労組、支部、守る会の団結と一体になって闘いぬく中で、本物の革命党へ必ず飛躍できると確信する。
 3・11をもってプロレタリア世界革命までやむことのない激動情勢に突入した。革命勢力の一掃、動労千葉つぶし、関西地区生コン支部への大弾圧と対決し、一切を国鉄闘争全国運動6・5大集会への大結集にかけ、総決起しよう。
〔革命的共産主義者同盟東大阪地区委員会〕
 ◇
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 裁判闘争日程
八尾北明け渡し弾劾裁判
 5月25日(水)午後2時半
 大阪地裁202号大法廷
住宅明け渡し弾劾控訴審
 5月31日(火)午後2時
 大阪高裁202号大法廷

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週刊『前進』(2488号6面2)(2011/05/23 )

 星野再審闘争 検察が「棄却」迫る意見書

 接見妨害はね返し再審を

 世界大恐慌下で3・11東日本大震災と福島第一原発メルトダウンが起こった。この国家と資本の大犯罪に対して、全原発停止・廃炉、震災解雇を許すなの闘いが全国で巻き起こっている。
 沖縄闘争を闘い、獄中36年、非転向を貫く無実の星野文昭同志は、大震災に対し直ちに東日本大震災救援対策本部に5千円の救援カンパを寄せた。星野同志の決起と被災地人民の怒りの闘いが結合することに日帝は心底から恐怖している。

 死刑もてあそぶ

 1月31日、星野同志と再審弁護団は東京高裁に補充書(2)を提出した。星野同志の無実をこの上なく明らかにした第2次再審請求書を完成させたものだ。これに対して東京高検は3月24日、「速やかに再審請求を棄却せよ」という「意見書」を東京高裁に提出した。検察の「意見書」提出は、第1次再審請求段階でもなかったことだ。第1次再審闘争が切り開いた地平の上に、第2次再審請求書と補充書が検察を決定的に追い詰めていることを示している。だが断じて許さない。
 「意見書」はうそとペテンで塗り固められた、ずさん極まりない代物である。星野同志の無実を百も承知で、一審で自ら死刑を求刑しておきながら、なんと「無期懲役の求刑」と言っている。ふざけるな! 「死刑」をもてあそぶ検察は万死に値する。さらに東京高裁による「無期懲役」判決の日にちも、事実認定における地名も間違えているのだ!
 検察「意見書」は、6人の「共犯者供述」がデッチあげられたものであることを心理学的に明らかにした「厳島鑑定書」に圧倒され、内容の「批判」には1ミリも踏み込むことができず、「これは『鑑定書』とは言えない」と逃げ回るだけだ。
 星野同志が殴打現場から離れた十字路でNHK方向の車に日の光が反射するのを見たことについては、「十字路付近の状況は当時とは著しく変貌(へんぼう)していて、その見通し状況は当時と同一であるかも不明」とけち付けをしている。だが、十字路からの見通しは当時とまったく変わっていない。警察官が当時撮影した現場写真はそのことを示している。ずさんで、でたらめな検察「意見書」を労働者人民の怒りで粉砕しよう。
 星野第2次再審闘争は、いつでも東京高裁が請求を棄却できる状況に入った。東京高裁による早期棄却を断じて許してはならない。

 秘密交通権奪う

 また、徳島刑務所は5月16日、今年4月に新たに再審弁護団に加わった藤田城治弁護人が星野同志と接見する際、刑務官が立ち合い、30分間に時間制限する暴挙に出てきた。この接見は、警視庁公安部が星野同志の無実を示す証拠のビデオテープを「紛失」したことに対して、警視庁公安部(東京都)と東京高裁(国)を相手取って起こした国家賠償請求について意見交換する場でもあった。(「ビデオ国賠」第1回期日は6月7日)
 これは星野同志から秘密交通権を奪い、ビデオ国賠訴訟と第2次再審闘争の破壊を狙う攻撃だ。4月7日の獄中処遇の3類から4類への降格(面会が月3回から2回に削減)に次ぐ新たな攻撃である。腹の底からの怒りを込めて弾劾する。
 「復興」を口実に「政治休戦」「挙国一致」が叫ばれ労働運動根絶の攻撃が激化しているが、被災地人民を始め全国の労働者人民には大震災と原発事故をもたらした新自由主義への怒りが渦巻いている。国鉄闘争全国運動6・5大集会は一切の怒りの結集軸であり、階級的労働運動を復権する場だ。全力で結集しよう。その力で6・24星野再審東京高裁包囲大デモに立ち上がろう。早期棄却攻撃を粉砕し星野同志の再審無罪・即時釈放をかちとろう。

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週刊『前進』(2488号6面3)(2011/05/23 )

 沖縄で全国交流集会

 全国再審連絡会議 星野暁子さんが訴え

 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」は、「自粛」という沖縄闘争を解体する策動を打ち破り、5・15沖縄闘争に決起した。14日の国際通りデモから16日の名護市内デモまで、獄中36年の星野文昭同志と固く連帯して闘い抜いた。
 15日、平和行進と県民大会に参加した後、那覇市内で「星野闘争勝利全国交流集会」が開かれた。「沖縄万人の力で星野文昭さんを取り戻す会」と全国再審連絡会議の共催で、首都圏、大阪、徳島、沖縄などから30人が参加した。
 司会は、沖縄万人の会の和田邦子さんと全国事務局の神藤猛雄さん。最初に星野文昭同志のメッセージを茨城取り戻す会の仲間が読み上げた。「沖縄と全ての労働者人民の解放をかけて、分断を乗り越え、基地・戦争、失業・搾取のない、労働者人民が主人公の社会を実現しましょう」という星野同志の訴えに、全員が大きな拍手で応えた。
 平良修さんが共同代表のあいさつに立ち、「今日の情勢の中で、5・15闘争を『自粛』することは許せない。今こそ星野さん解放のために闘おう」と訴えた。沖縄万人の会を代表し、宮城盛光さんが「労働運動をよみがえらせる闘いを沖縄において推し進める」と決意を明らかにした。
 全国事務局の報告、被災地訪問の報告、再審報告の後、各地からの闘争報告と熱烈な討議が次々と続いた。最後に星野暁子さんが「獄中弾圧の激化にもかかわらず、文昭は元気です。3・11の現実と必死に闘っています。6・5国鉄集会と6・19福島に結集し、6・24東京高裁包囲デモと全国総会を成功させよう」と訴えた。閉会のあいさつを共同代表の戸村裕実さんが行った。
 関西地区生コン支部への組合破壊を狙った不当逮捕を弾劾し、参加者全員が檄文を書いた。
 3・11情勢下で反失業・反原発の巨大な怒りが噴出している。これと結び付き労働運動をよみがえらせよう。沖縄米軍基地撤去、辺野古新基地建設阻止、星野同志奪還へ猛然と打って出よう。
(写真 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議が5・15平和行進に参加【5月15日 宜野湾市】)

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週刊『前進』(2488号6面4)(2011/05/23 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 沖縄闘争を闘って 基地を撤去し戦争なくそう 首都圏A大学1年 岩隈貴祐

 5月14日から16の沖縄闘争に初めて参加しました。実際に現地に行けて本当によかったです。
 今回は東日本大震災により毎年行われている県民大会は自粛ということで、規模を縮小しての実施でした。それでも沖縄県民の怒りは強く伝わりました。国際通りをデモしても非常に反応がよかったです。
 普天間基地、嘉手納基地、辺野古新基地建設予定地の見学もしました。沖縄県民の生活、そして豊かな自然を無視して基地が造られ、戦争のために住民が危険にさらされる。第2次世界大戦で戦地になった沖縄に日本の米軍基地の75%がある。こんなことが平然とまかりとおっていいのでしょうか。人間は戦争のために生まれてきたのではありません。
 基地建設には金をちらつかせ、地域の住民を押さえつけています。このアメとムチの戦略は断じて許せません。このやり方は原発政策でも同じです。目的達成のために手段を選ばず、とにかく強引に推進しています。
 東日本大震災で、裏にはいろいろありますが、米軍が「トモダチ作戦」で被災地を救援しました。だからといって基地問題をうやむやにしてはダメです。これはまったく別の問題です。
 沖縄、そして全国にある基地を撤去し戦争をなくしていくために、これからを生きていく若者が何をしていくべきか、どうしたらなくすことができるのか、これからしっかり学び、考えていく課題です。

 沖縄闘争を闘って 工場門前闘争積み重ねの力 仙台 如月有羽

 全国の仲間、被災現地の仲間のカンパに支えられ、沖縄闘争を闘い抜きました。まずそのことに感謝したいと思います。私にとっては2年ぶりの沖縄闘争で、体はボロボロ、声も出なくなりましたが、精神的にはものすごく元気になりました。
 今回の闘争で一番大きかったことは、初日の県庁前街宣でマイクを持ち、2日目の青年集会では司会をしたことです。
 2年前の私だったら、マイクを持ったら頭が真っ白になって、何も話せなかったと思います。そんな私が、急に「発言してほしい」と言われて、走り書きしたメモを持ちながら5分くらい話せたのは、地元の東北石けんの門前闘争の積み重ねによるものだと思います。
 工場の門前で話す。初めは「ふざけるなー=cd=b931」と叫ぶくらいが精いっぱいでした。そこから闘争を重ねるうちに、メモを持ちながらも、いろいろと話せるようになったのです。
 最終日、空港前で、3日間一緒に闘った仲間たちと「また来月会おうね」と手を振り合って別れました。今回の闘争も大きな宝物になりました。

 震災解雇ぶっ飛ばせ 沖縄と連帯して街宣 京都 真下信行

 5月15日に京都・三条河原町で合同労組のユニオン自立と京滋労組交流センターは5・15沖縄闘争と連帯し、震災解雇反対、反原発の街頭宣伝を10人でやりました。1時間の街宣で、ビラは300枚まき、反原発署名は20筆取れました。圧倒的に青年がビラを受け取り署名に応じてくれました。ユニオン自立は机を出して労働相談コーナーも設けました。
 京都、滋賀でも反原発のうねりは広がっています。私たちは「福島第一原発の事故は新自由主義政策が引き起こしたものであり、原発を止めるのは労働者の団結であり、今こそ労働組合の出番だ!」と街頭で訴えました。震災解雇反対、反原発の訴えを国鉄闘争全国運動6・5大集会への結集に結びつけて、職場と街頭に打って出ようと、京滋労組交流センターでも確認しました。
 ユニオン自立の青年組合員は震災解雇反対の横断幕を作って街宣に持ってきました。大失業・原発事故が非正規の青年労働者を直撃している現実を何としても労働組合の力で変えようという意気込みです。別の青年組合員は沖縄闘争に決起して現地で闘っています。
 ビラをじっくり読んでこちらに話しかけてくる青年や、隣で震災カンパを訴えていた団体と私たちの主張を聞き比べて、私たちの方にカンパをしてくれた女性など、わずかな歩みですが着実に私たちの主張は浸透しています。これに満足することなく、職場と街頭での組織化に向かって突き進んでいきたいと思います。具体的な暴露と闘う方針を明確にしたビラが労働者には読まれるということを感じました。

 危険な敦賀半島原発ただちに廃炉にせよ 東京 北国明

 ゴールデンウイークに福井県敦賀半島の原発を見てきました。
 まず美浜原発(関西電力)です。04年に3号機で11人が死傷する配管破断事故を起こしています。丹生(にゅう)湾では発電所の冷却水取水で湾内に流れができ、フグの養殖、タイやハマチの蓄養が可能になったそうです。原発労働者を乗せた送迎バスが発電所に入っていく(写真)のを見たときは気分が悪くなりました。被曝(ひばく)労働が「日常」なのです。
 次にもんじゅ(日本原子力研究開発機構)です。街中には「すぐれた技術/確かな安全/世界に示す/新生もんじゅ」の垂れ幕。しかし実際には昨年の運転再開直後に炉内中継装置(3・3d)を落下させる大事故を起こし、再び停止。運転再開の見込みが立たない中、一日約5千万円の電気代を使う「発電所」と化しています。広報施設のエムシースクエアはそういったことに触れていませんでした。日本はそこまでして核武装しようとしています。ただちに廃炉にすべきです。
 最後に敦賀原発(日本原子力発電)です。2号機が5月2日から1次冷却水の放射能濃度が上昇する燃料漏れトラブルに見舞われており、その最中に私は何も知らずに近くの敦賀原子力館を訪れていたのでした。緊急点検のため運転を停止し、9日に「微量」の放射性物質を含むガスを大気中に放出したそうです。原発の先には海に面して集落があり、そこから市街地に向かうには原発正門前を通らねばなりません。がく然としました。

 ていねいに生きる文昭さんと暁子さん 星野救援会 仙田哲也

 3月8日の面会で星野文昭さんは、新証拠の「パイプの紙」による無実の明白さ、さらに星野闘争がエジプトの状況とひとつですと話されました。
 星野闘争は『共産党宣言』第2章の「労働者階級全体の利害に立つ生き方」のくだりそのままです。震災被災者も国鉄被解雇者も、無期刑と同じく資本に未来を奪われることとの死闘です。4月に検察が提出した「速やかに棄却を」の意見書、続く獄中処遇の降格は団結破壊が狙いです。絶対はね返そう。
 そんな中で今回、文昭さんと暁子さんのお二人を通して、ひとつ発見しました。それは「ていねいに生きる」ということです。
 アクリル板越し・看守付きであろうとも、お互い堂々として、会話は相手の一言一言に、ゆっくり相づちを打って積み重なっていく。反論も含めて納得いくまでやり取りする。わずか30分の看守付きの面会時間を何倍にも豊かに、絆を強くしていく。
 生きる希望さえ奪う「無期」の厳しい試練の中で、二人が編み出した「生き方」であり「闘い方」でもあります。
 こうして革命的共産主義運動は匍匐(ほふく)前進しています。星野救援運動も、あらためてマルクス主義の原点、団結の原点を見据えて、6・5国鉄集会に向かいます。

 第11期党学校で 大震災翌々日に党の大恐慌論を軸に論議 金沢聡子

 党学校の魅力−−それは学生党員も労働者党員も常任も一緒に学び議論する場だということだ。立場の違いはなく、どんな部署に所属していようとも同じ一党員として、一共産主義者として議論・討論していく。このような場所に存在しえたことを本当にうれしく思う。
 同じ党員、共産主義者としてマルクス、レーニンを学び、現実の実践や苦闘に肉薄しながら参加者全体で議論していくあり方そのものが、革命の道筋だったように思える。
 一番印象深かったのは最終講義の「大恐慌を世界革命へ(大恐慌論)」だ。3・11大震災の翌々日に行われたこともあり、革命党としていかに立ち向かうのか? 大恐慌をプロレタリア革命へとはいかなることなのかということについて、全体で活発な論議ができたことだ。
 年間の学習を通して今後問われてくることは、“勢い”だけでなく、大恐慌情勢の中でいかに豊かに革命を語り、労働者・学生を獲得していくのかということである。
 この情勢下でゆるぎない強固なマルクス主義を貫くため、日常的な学習を一体で進め、革命運動を全力で駆け抜けていく決意をさらに高めてくれた党学校であった。

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