ZENSHIN 2011/08/15(No2499 p06)

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第2499号の目次

核と原発に怒りの広島大行進
被爆66周年の8・6広島−8・9長崎闘争は大恐慌・大震災情勢と対決し、核・戦争と原発への怒りを一つに結合して闘いぬかれた。写真は6日午後のヒロシマ大行進。アメリカの反戦活動家シンディ・シーハンさん、反戦被爆者の会の下田礼子さん、ビキニ被爆者の大石又七さんらがデモの先頭に立った(関連記事3、4、5面

1面の画像
(1面)
世界大恐慌を今こそ革命へ  8・6広島-8・9長崎闘争が大高揚
国鉄決戦と反原発闘争の爆発で菅政権を打倒し11月へ驀進しよう
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三里塚現闘本部破壊に反撃
追い詰められた敵の破産と犯罪  “市東さんの農地を守るぞ”(8月6日)
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
革共同政治集会 青年と学生がけん引  党の飛躍へ感動的な成功(7月31日) 記事を読む  
“真実にフタをするな”  動労千葉鉄建公団訴訟 結審強行に怒りの渦(8月3日) 記事を読む  
教科書闘争 杉並で育鵬社採用阻む  教育労働者が怒りの声 各地の教育委で激突 記事を読む  
(3面)
国労大会 歴史的裏切りを徹底弾劾
“闘争終結など絶対認めぬ”(7月28、29日)
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8・6広島関連企画 社会変える青年の力
青年労働者集会 青年部が続々登壇  “原発なくせ 非正規なくせ”(8月7日)
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“職場から反原発を”  産別ごとに全国交流集会(8月5日) 記事を読む  
全国学生集会 全学連大会―9・11へ  反原発闘争で自治会建設を(8月7日) 記事を読む  
郵政非正規ユニオン 「支える会」発足  加入・問い合わせが相次ぐ 記事を読む  
(4面)
“核も原発もなくそう”と闘う世界大会  8・6大行動 広島と福島の怒り一つに
“労働組合こそが団結の軸だ”(8月6日)
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原爆ドーム前から全世界へ  「ヒロシマ宣言」を発信(8月6日) 記事を読む  
450人が祈念式典を糾弾  菅と中国電力に怒りのデモ(8月6日) 記事を読む  
(5面)
ヒロシマ・ナガサキ、フクシマくり返すな  8・5広島 「な全」結成集会に700人
反原発全国運動がスタート(8月5日)
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すべての原発いますぐなくそう!全国会議 結成宣言
核も原発も世界から一掃を
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8・9長崎 核・戦争・原発へ怒り新た  菅弾劾デモと熱気の集会(8月8、9日) 記事を読む  
2011年日誌 7月26日〜8月8日
米国債格下げで金融危機再突入/防衛白書、対中対決を前面に
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(6面)
“基地、核・原発なくそう”  8・11那覇 新たな沖縄闘争の開始
シーハンさんと連帯して集会(8月11日)
記事を読む  
全国学生は全学連大会に結集しよう@
反原発のうねりの中から学生自治会を復権させよう
記事を読む  
西郡住宅裁判 “絶対出て行かない”  大阪高裁が明け渡し判決 記事を読む  

週刊『前進』(2499号1面1)(2011/08/15 )

 世界大恐慌を今こそ革命へ

 8・6広島-8・9長崎闘争が大高揚

 国鉄決戦と反原発闘争の爆発で菅政権を打倒し11月へ驀進しよう

 7・31革共同政治集会は、国鉄決戦と反原発闘争で革命勝利へ突き進む路線と展望を鮮明にさし示した。8・6広島―8・9長崎は、ヒロシマ・ナガサキとフクシマを結ぶ反原発・反失業の闘いの新たな爆発を切り開き、戦後の反戦・反核闘争の地平をさらに革命的に発展させた。8・6の日を狙った権力の卑劣な三里塚現闘本部撤去の攻撃に対し反対同盟は全力で怒りの反撃をたたきつけた。世界大恐慌が本格的に激化し、米日を先頭に全世界の株価が暴落と激しい乱高下を繰り返す中で、8月決戦は激しく火を噴いている。11月労働者総決起へ、今こそ大攻勢に打って出よう。
(写真 核と原発に怒りの広島大行進 被爆66周年の8・6広島−8・9長崎闘争は大恐慌・大震災情勢と対決し、核・戦争と原発への怒りを一つに結合して闘いぬかれた。写真は6日午後のヒロシマ大行進。アメリカの反戦活動家シンディ・シーハンさん、反戦被爆者の会の下田礼子さん、ビキニ被爆者の大石又七さんらがデモの先頭に立った【関連記事3、4、5面】)

 株価暴落の連鎖と乱高下

 内外情勢は未曽有の危機と革命的激動に突入している。世界大恐慌の激化・深化は、「これはリーマン・ショックの第2幕の幕開けか」と全世界の政府権力とブルジョアジーを恐怖と絶望のふちにたたき込んでいる。
 欧州の債務危機は、ギリシャ国債が事実上の債務不履行(デフォルト)に陥り、巨額の財政赤字を抱えるイタリア、スペインなども破綻寸前である。この財政危機に対する恐怖から、4日の米株式市場は08年リーマン・ショック以来の大暴落を記録し、さらに5日、米格付け会社が史上初めて米国債のランクを最上位から引き下げるや、米欧日を始め世界の株式市場はパニックとなった。8日早朝、G7は緊急電話協議で市場安定の共同声明を発表したが、紙切れに過ぎなかった。
 8日のニューヨーク株式市場ではダウ工業株平均の終値が前日比635jも暴落し、米債務上限引き上げ法が成立した2日以降の5日間で世界の株式時価総額は、日本の1年間のGDP(国内総生産)を超える約7兆jが吹き飛んだ。昨年11月から6月末までの米FRB(連邦準備制度理事会)によるQE2(量的緩和第2弾)で、あたかも景気が回復したかのように装ってきた米経済・世界経済は、その株価上昇分を一挙に帳消しにし、大恐慌の「2番底」への転落寸前にある。
 だがこの危機の中で、帝国主義諸国とブルジョアジーは、「世界株安からの反転はQE3(量的緩和第3弾)しかない」と、すでに米国債がデフォルト寸前までいった米帝とFRBに必死にすがりつく以外に危機突破の策がない。しかしゼロ金利と超金融緩和政策の継続は、ドル安と為替戦争(通貨安競争)の激化であり、それはドル暴落を歴史的に不可避とする。と同時に「超円高」を加速し、日帝経済をいよいよ直撃するものとなる。
 さらにQE3を発動し、FRBが米国債の購入を再開して市場にジャブジャブの資金供給を増やせば、食糧・資源の先物市場と中国など新興諸国に過剰マネー・投機マネーが殺到し、インフレが爆発する。今でさえ中国は豚肉などの食料品を中心にして物価が高騰し、労働者人民の生活を痛撃し、それがストライキや暴動を生み出しているのだ。
 こうした大恐慌の本格的な激化・深化は、今や帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制が破綻し、崩壊過程に突入していることを示している。それは労働者への大失業の攻撃と階級戦争を激化させると同時に、戦争(世界戦争)を不可避とする。この点では今や米中の対峙・対決が重大な段階を迎えつつある。
 7月末のASEAN地域フォーラム(ARF)では、南中国海をめぐる中国・ベトナムの対立がきわだった。直前に中国の軍参謀総長は、射程1500`以上で米空母や在日米軍基地などを直撃できる対艦弾道ミサイルを開発中であることを公式に認め、10日には空母「ワリャーグ」の初試験航行を行った。大恐慌下に、東アジア地域での中国スターリン主義の大国主義的な動向が強まっている。
 これにつけ込む形で米帝は、「統合空海戦闘(ジョイント・エア・シー・バトル)」構想に着手している。沖縄米軍基地の地下化など、対中国の大戦争をにらんだ沖縄基地強化へ決定的に踏み出そうとしている。さらに8月16〜26日の「朝鮮半島有事」を想定した米韓合同軍事演習を前にして、延坪島(ヨンピョンド)付近の黄海上で、昨年11・23以来の砲撃戦が再び起きているのだ。
 今年の後半戦は、国鉄決戦と反原発闘争を2本柱に、大恐慌・大震災下での大失業と戦争の攻撃の激化に対する重大な決戦の時だ。

 世界でストライキと暴動

 帝国主義とスターリン主義(中国)による大恐慌下の階級戦争に対して、すでに全世界で暴動やストライキが大爆発している。
 ロンドンで始まった若者の暴動は、瞬く間にイギリス全土へ広がった。4日、貧困層の多いトットナムで29歳の無職の黒人男性が警察官に射殺された。「麻薬密売のゴロつき」と差別・排外主義的に主張する警察に家族が猛然と抗議する中で、警察署前でデモが暴動へと発展。キャメロン政権は警察力を増強して暴動を抑え込もうとしたが、十代の若者を中心とする暴動は、多数の逮捕者を出しながらも地方都市へと拡大、政権を揺さぶっている。
 イギリスでは24歳以下の若年層の失業率は22%で、今や生きること自身が闘いになっている。大恐慌と大失業に対する青年労働者の回答、それこそが「生きさせろ!」の暴動なのだ。
 イスラエルでは6日、低賃金と物価高騰に抗議するイスラエル史上最大の30万人超のデモが起きた。首都テルアビブの大通りはタハリール広場のように、学生たちの延々と続くテントで占拠された。医者や公務員はストに決起し、タクシー労働者は大通りを封鎖した。デモの中心は青年で「エジプトのように進もう」というプラカードを掲げた。
 米帝の中東支配の拠点であるイスラエルで階級的自覚に目覚めた決起が始まり、ユダヤ人とアラブ人の労働者の分断を打ち破る闘いが始まった。これは決定的だ。新自由主義に対する怒りの決起が、宗教や民族を越えて労働者が団結し、社会を変革する主体と希望・展望を生み出しているのである。
 さらに中国で鉄道労働者の闘いが起きている。8月2日、湖南省長沙機関区の全運転士300人以上が残業代の支払いを求めてストに入り、100人以上が駅構内に座り込んだ。7月23日の中国高速鉄道事故でスターリン主義体制下の安全崩壊と、奴隷労働強制の現実が全世界に暴露された。この中で残業代支払い要求をテコにして、本質的に反合・運転保安闘争が闘われているのだ。中国革命の原点には1920年代の鉄道労働者の闘いがあった。新たな中国革命の主人公として、再び鉄道労働者が立ち上がろうとしている。
 この到来した国際階級闘争の新段階と結び、国鉄決戦と反原発・反失業の闘いを爆発させ、21世紀世界革命の扉を押し開こう。

 8・30外注化阻止集会へ

 大恐慌と3・11大震災情勢のもとで、今や生きるための闘いが革命の路線そのものとなっている。福島原発大事故に対する「福島を返せ! 職場を返せ! 線路を返せ! 未来を返せ!」という根源的な怒りと要求。この中に国家と資本を打ち倒す革命の路線がある。すべての原発を直ちに止め、廃絶せよ。核と人類は絶対に共存できない。反原発を徹底的に貫くことこそ帝国主義を打倒し、プロレタリア革命を実現する道である。
 3・11以来の被災地での生きるための闘い、そしてそれと一つに結合した必死の格闘を通して、連合・全労連を先兵にした「政治休戦」「挙国一致」の3・11反革命を打ち砕く道が、国鉄闘争と反原発闘争の一体的推進にあることを誰もがつかんだ。11年後半戦をこの路線で徹底的に闘おう。
 11月労働者集会で1万人を超える決起を実現することは絶対に可能だ。核心は党派性と大衆性、原則性と柔軟性を正しく統一して闘うことだ。そのためにこそ、国鉄闘争全国運動の発展と8月5日に結成された「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」(な全=NAZEN)の闘いを、職場生産点を主戦場に徹底的に推進し、運動と組織をつくろう。
 JR大再編下の国鉄決戦はこれからが勝負だ。7月末の国労大会での「JRの職員でないものは組合員ではない」とする規約改正は、1047名闘争の放棄のみならず、契約社員やグリーンスタッフの首切りを国労本部が認めたということだ。国労の階級的再生は平成採の青年労働者の決起にかかっている。動労千葉が呼びかける「外注化阻止、非正規職撤廃、JRの偽装請負を告発する8・30大集会」へJR青年労働者の決起をかちとろう。同時にそれは、8月末の郵政非正規職の大量「雇い止め」なる死刑宣告に対する一大反撃でもある。4大産別から大結集しよう。
 9・11「再稼働阻止、反原発」全国百万人行動の実現に向け、職場・地域で徹底的に闘いを巻きおこそう。菅政権による北海道・泊原発の再稼働策動を絶対に許すな。ボナパルティズムの菅政権は(もちろんあらゆる後継民主党政権もだ)、原発推進・大増税の極反動政権だ。国鉄決戦と反原発闘争の爆発で菅を革命的に打倒し、11月総決起へ突き進もう。
 最後に、今年の後半決戦を闘いぬくために、夏期カンパ闘争の達成を心から訴えます。

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週刊『前進』(2499号1面2)(2011/08/15 )

 三里塚現闘本部破壊に反撃

 追い詰められた敵の破産と犯罪

 “市東さんの農地を守るぞ”

 8月6日午前3時半、政府・成田空港会社(NAA)は天神峰現闘本部撤去の強制執行を1千人近い警察機動隊と警備員を動員して強行し、上告審で係争中の現闘本部建物全体と木造の旧本部建屋もろとも重機で破壊し撤去した。執行官の立ち会いや通告もなく、撤去の前提となる成田治安法解除手続きも放棄した。ブルジョア法秩序さえ自ら踏み破る成田空港建設で繰り返してきた闇討ちだ。
 反対同盟農民と現地支援部隊は、敵の攻撃開始と同時に隣接する市東孝雄さんの畑に結集し、機動隊とフェンスで守られた撤去工事現場に肉薄、急を聞いて駆けつけた動労千葉や反対同盟顧問弁護団、市東さんの農地取り上げに反対する会などの仲間たちとともに6時間におよぶ徹底的な弾劾闘争をたたきつけた。
 反対同盟の北原鉱治事務局長は現場で、「まだ裁判も終わっていない。撤去できない証拠となる旧本部建物を調査拒否のまま破壊している。これを国家暴力と言わずに何と言うか。この破壊行為は人の血を吸っている!」とアピール。これに呼応して「本部撤去に報復するぞ!」と怒りを込めたシュプレヒコールが、全学連現地行動隊を先頭に続けられた。
 今回の現闘本部撤去は成田空港建設の歴史そのままの違法行為であり国家犯罪だ。地上権が存在する証拠物件だった旧本部建屋(本部内にそのまま保存)の現地検証を、千葉地裁は最後まで拒否し、東京高裁の5・20仮執行付反動判決強行の際には、反対同盟を含む50人の仲間を裁判所内で逮捕するという大弾圧が強行された。
 そしてこの日、権力・NAAは、民事執行法に定められた裁判所の執行官による通告も権利者の立ち会いも行わずに未明の執行を強行した。また裁判の争点だった旧本部建屋の存在を隠滅するために、記者を排除して撮影させない状態にして、始めに反対同盟と支援部隊のいない南側の壁だけをはがして内部の木造建屋を破壊し、それから本部全体を破壊するという、実に露骨な隠蔽工作を行った。裁判所とNAAがぐるになった文字通りの証拠隠滅、犯罪行為である。
 現場での記者会見で萩原進事務局次長は「こんなことが許せますか? 裁判も本日の撤去攻撃も、”国策”と称してこんなことしかできないのですか? 皆さん、国民の一人としてどう考えますか?」と怒りをこらえて訴えた。顧問弁護団も「最高裁への上告審の最中に、しかも8・6広島の当日に裁判所が夜襲をかけるという卑劣な手口」と厳しく批判し、闘いの正義性を強調した。
 市東さん宅で行われた総括集会で萩原さんは「国が留守宅にこそ泥に入るという禁じ手を使った。ぶざまな姿だ。広島闘争に参加している仲間も地団駄(じだんだ)を踏んでいると思うが、市東さんの農地をめぐる決戦本番はこれからだ。今日の借りは必ず数十倍にして返そう」と力を込めた。北原さんも「三里塚は社会を変える闘いと自負してきた。今日の闘いを廃港に向けた第一歩としよう」と檄を飛ばし、8月30日の市東さん農地裁判(千葉地裁=10時30分行政訴訟/11時30分農地法裁判)への傍聴闘争を呼びかけた。
 反対同盟は翌7日に弾劾声明を発し「福島と全国の農漁民、被爆地ヒロシマ・ナガサキ、基地全面撤去を求めて闘う沖縄の人々と固く連帯し闘う」と農地強奪阻止決戦への決起を訴えている。全力で立ち上がろう!
(写真上 反対同盟、現闘、全学連が一体で破壊を徹底弾劾)
(写真下 記者会見で不動の決意を述べる萩原進事務局次長)

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週刊『前進』(2499号1面3)(2011/08/15 )

前進速報版から 前進速報版から

▼「つくる会」系教科書採択と闘う・杉並/東大阪/横浜▼イスラエルで労働者30万人がデモ▼中国湖南省で鉄道労働者がストライキ

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週刊『前進』(2499号2面1)(2011/08/15 )

 革共同政治集会 青年と学生がけん引

 党の飛躍へ感動的な成功

 東京 織田陽介同志が基調を提起 “革命の道筋つかんだ”

 7月31日、東京と関西で革共同政治集会が行われた。3・11情勢下で革共同がプロレタリア革命の勝利へ決定的な飛躍が問われる情勢の中で開かれた今年の政治集会は、24日の東北集会に続いて圧倒的な成功を収めた。階級的労働運動路線でプロレタリア世界革命へ、反原発と国鉄闘争を闘い11月労働者集会1万人結集へ――革共同の飛躍をかけた挑戦が始まった。
 東京の革共同政治集会は豊島公会堂に首都圏から870人が結集し開催された。大恐慌と3・11反革命と対決し、プロレタリア世界革命に進撃する革共同の熱烈な戦闘宣言が発せられた。「国鉄闘争と反原発闘争の爆発で11月労働者集会の1万人結集へ」――2011年後半の決戦方針は鮮明だ。全学連委員長・織田陽介同志の基調提起をはじめ、司会、決意表明などを青年労働者、学生中心で担った。革命は青年の事業である。マル青労同、マル学同の同志たちが革命的労働者党の指導部になる決意にあふれ、革共同を青年・学生の党、未来を代表する党へつくり変える歴史的な政治集会となった。
(写真 「世界革命をたぐり寄せよう!」――満場の熱意が一つに【7月31日 東京】)

 熱烈な提起に皆が奮い立つ

 織田同志が渾身(こんしん)の基調を提起した。3・11反革命と真っ向から闘い抜いてきた激動の4カ月半を「革命をたぐり寄せる道筋を明確につかみとった。階級的労働運動路線のもと、国鉄と反原発の闘いを革共同が先頭に立って闘うことだ」と総括し、11月労働者集会の1万人結集への総決起を訴えた。
 基調は「フクシマの現実こそヒロシマ・ナガサキと被曝労働につながる一個の戦争だ」と怒りをたぎらせ、「3・11は新自由主義の破綻であり、世界大恐慌の爆発だ。ブルジョアジーとプロレタリアート人民との階級戦争として世界革命情勢が生み出されている」と資本主義社会の打倒へ突き進むこと、国鉄闘争を軸に新自由主義と対決する労働運動を再生させていくことにその展望があることを明らかにした。
 さらに織田同志は「大衆決起が反原発の一点をめぐって政府・国家と非和解的に前進している」と反原発闘争の先頭に立つことを呼びかけた。最後に「反スタリーン主義の革命党とは『労働者が社会の主人公だ』という立場だ。職場から資本と徹底的に闘い労働組合指導部として党を形成しよう」と革命的労働者党の建設を熱烈に訴えた。織田同志の鮮烈な提起に会場全体が奮い立った。
(写真 基調報告を行う織田陽介同志)

 反対同盟4氏本部決戦訴え

 集会の冒頭に、司会を務めた全学連の坂野陽平君が開会を宣言し、各団体・各界から連帯のアピールが行われた。
 三里塚芝山連合空港反対同盟からは萩原進事務局次長、鈴木謙太郎さん、伊藤信晴さん、宮本麻子さんが登壇し、現闘本部を死守する固い決意が全員から述べられた。萩原さんが「同盟は決戦態勢に入った。情勢は3・11で一変した。大衆運動に大胆に踏み込み多くの青年・学生を三里塚の旗のもとに結集させよう」と気迫に満ちた決戦アピールを発すると、会場は盛大な拍手で応えた。
 沖縄民権の会の座覇光子さんは「シーハンさんを沖縄に迎えともに闘う」と語った。「星野文昭さんを取り戻そう全国再審連絡会議」共同代表で星野文昭同志の連れあいの星野暁子さんは星野同志の革共同集会へのアピールを読み上げた。法大弾圧弁護団の闘う弁護士は「弁護士会で反原発の決議を上げたい」と決意を述べた。部落解放同盟全国連杉並支部の田中れい子さんは「新自由主義と対決する部落解放の旗を高々と掲げていく」と発言した。
 後半は、被災地を代表して福島県委員会の特別アピールから始まった。
(写真 「決戦態勢に入った」と訴える反対同盟。右から萩原進さん、伊藤信晴さん、宮本麻子さん、鈴木謙太郎さん)

 被災地の福島県党アピール

 福島県党が団結を打ち固めて3・11情勢に立ち向かってきた闘いが感動的に語られた。
 闘う国鉄労働者からの決戦アピールでは、国労共闘の仲間が国労大会決戦を報告し「われわれが主流派になる地平を切り開いた」と発言。また解雇撤回と闘う国鉄労働者の「最後の勝利まで人生かけて闘い抜く」という決意は感涙を呼んだ。動労千葉の労働者は基地統廃合・外注化の攻撃に「青年部建設こそ勝ち抜く道だ」と訴えた。動労水戸の労働者は「原発事故で奪われた常磐線を絶対に取り戻す」と力強く語った。
 決意表明では郵政、教育、自治体、交通、合同・一般、医療・福祉、マル青労同の労働者と全学連の斎藤郁真君が登壇。「現場労働者に依拠して闘い抜くなら勝利できる」(郵政)、「教え子を再び戦場に送るな、と闘ってきた日教組組合員にとって反原発闘争は目の前に突きつけられた課題」(教育)、「労働組合こそ反原発を地域の中心で闘う」(自治体)、「民営化に反対し支部権力を」(交通)、「職場から闘い労働組合を復権させよう」(合同・一般)、「医療現場で反合理化・運転保安闘争を徹底して組織する」(医療・福祉)、「職場闘争、労組交流センター青年部と『な全』を全国に無数につくろう」(マル青労同)、「反原発・大学奪還で全国の大学に学生自治会を建設する」(学生)と躍動感あふれる決意表明が続いた。
 最後に全学連の倉岡雅美副委員長が「時代は青年・学生の登場を求めている。プロレタリア世界革命をともにたぐり寄せよう」と閉会宣言。インターナショナルの大合唱が会場に鳴り響いた。

 関西 解放闘争の綱領的提起も “生きる闘い”が革命だ

 7月31日、革共同政治集会が大阪市立中央会館で開催され、全関西から220人が結集し、大成功をかちとった。
 冒頭に、2011年前半決戦をふりかえるDVDを上映。司会を務めたマル青労同の女性同志が意気高く開会を宣言した。連帯アピールを部落解放同盟全国連西郡支部の岡邨洋支部長が行い、3・11情勢と対決しプロレタリア革命を担う支部1千人建設への決意を熱烈に表明し、新自由主義攻撃との攻防の先端で西郡更地化=廃村化攻撃と闘いぬくと宣言した。 
 黒沢肇同志が基調報告を行った。「本集会はプロレタリア革命勝利への総決起集会である。3・11反革命と闘い、エジプト革命に続いて、労働組合の力と学生自治会の力でプロレタリア世界革命へ進撃しよう。その鍵は被災地、フクシマの怒りと結びつくことだ」「国鉄決戦と反原発闘争で11月労働者集会の1万人結集を実現しよう」と訴え、2011年前半決戦をそうした観点から確信も高く総括した。
 米帝のデフォルト(債務不履行)―ドル暴落過程への突入、戦後の帝国主義とスターリン主義支配の崩壊というとてつもない時代の到来を、「生きるために闘うことが革命」となる時代としてとらえ、労働者階級の決起が澎湃(ほうはい)とわき起こっている中で、日本における新自由主義攻撃との闘いの環としての国鉄決戦と反原発闘争を全面的にとらえきり、すべてを革命的にひっくりかえす闘いとして8〜11月決戦を打ち抜くことを訴えた。
 そして、何よりも3・11反革命をぶち破って決起してきた労働者・学生の仲間に、革共同に結集して階級闘争全体の勝利をともに担おうと、党への結集を熱烈に訴えた。
 次に関西地方委員会を代表して青年労働者が地方委員会報告と今秋決戦方針を提起した。3・11反革命を見据え、突き抜けて闘われてきたこの間の党建設の闘いをマル青労同建設を軸に報告し、9・11反原発闘争―10・2青年集会を跳躍点として11月1万決起に革命の勝利をかけて闘う決意を表明した。
 特別報告に立った同志が「新自由主義と対決する新たな部落解放闘争をつくりだそう」と題して部落解放闘争における綱領的路線的=実践的到達地平を提起した。80年代地対協路線を国鉄分割・民営化、原発推進と一体をなす日本における新自由主義攻撃の核心としてとらえ、それとまったく闘えなかった解同本部派や全国連本部の路線的破産を突き出し、今日の西郡闘争がその一切を打ち破るものとして登場してきている決定的意義を熱烈に訴えた。西郡支部1千人建設こそはプロレタリア革命の主体そのものである部落解放闘争の本来持つ革命性・プロレタリア性を徹底的に解き放つ闘いであり、革共同は支部員の皆さんとともにその勝利のために全力で闘う決意であると表明した。
 決意表明では国鉄、全逓、教育、自治体、医療・福祉、合同・一般、マル青労同の労働者とマル学同の代表が登壇。国鉄委員会の同志は先日闘われた国労大会決戦を報告し、「国鉄決戦が決定的情勢に突入した。外注化決戦に勝利し、青年労働者の組織化に全力をあげる」と力強く決意を述べた。
 自治体労働者は、自治労富山保育集会において切り開いた決定的情勢について報告し、「組合権力奪取と党建設こそすべての鍵だ」と宣言した。マル青労同の同志は、「青年労働者こそが11月労働者集会の組織化の先頭に立つ」と全体に檄を飛ばした。マル学同の同志は、大学自治会建設へ全力をあげて闘い、勝利すると発言した。
 多くの参加者から「プロレタリア革命を現実のものとして感じることができた」「党に結集することの重要性がよくわかった」との感想が寄せられている。
 今秋決戦勝利への画期的な革共同集会として成功した。
(写真 「組合権力奪取と党建設がカギだ」と宣言【7月31日 大阪】)

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週刊『前進』(2499号2面2)(2011/08/15 )

 “真実にフタをするな”

 動労千葉鉄建公団訴訟 結審強行に怒りの渦

 動労千葉鉄建公団訴訟の第28回口頭弁論が8月3日、東京地裁民事11部(白石哲裁判長)で行われた。この場で白石裁判長は、JR東海会長であり1047名解雇の張本人である葛西敬之の証人採用を最後的に拒否し、問答無用に結審を強行した。判決日は追って指定される。
(写真 口頭弁論の前に地裁前を席巻する大街宣を行う動労千葉の組合員たち【8月3日 東京】)

 地裁前を席巻する大宣伝戦

 口頭弁論前に、午後2時から地裁前を席巻する大街宣が行われた。集まった動労千葉組合員と支援する会会員は、大横断幕を広げ、「白石裁判長による結審策動を絶対に許さない!」「歴史の真実にフタをしてはならない!」と訴えるビラを配りながら渾身の訴えを行った。 
 長田敏之書記長は「恣意(しい)的な不採用基準(停職6カ月または停職2回)が闇の中でつくられ、動労千葉組合員を含む100人以上の国鉄労働者が採用候補者名簿から削除されて清算事業団に送られた。これを指示した張本人が葛西敬之であることを、動労千葉はこの裁判を通して暴き出してきた。分割・民営化から20年以上たって初めて明らかになった重大事実だ。この一点をとっても葛西の証人尋問は絶対に必要だ」と声を大にして訴えた。
 午後4時に始まった口頭弁論で、原告側からすでに提出した準備書面の趣旨説明が行われた。

 葛西の喚問求め第4次申請

 原告代理人弁護士は@国鉄労働運動つぶしを目的とした「停職6カ月または停職2回」という不採用基準作成の違憲・違法性、A原告のJR不採用の根拠となった1985〜86年の2波のストをめぐる重処分の不当性、Bいったん採用候補者名簿に登載された原告らを、鉄道労連(現JR総連)の突き上げにより、本州では定員割れが確実なのに名簿から削除したことには明白な不当労働行為の意志が存在することなどを明らかにした。
 さらに、8月1日付で行った葛西敬之の4度目の証人申請の趣旨を説明し「裁判長は国策に同調するのではなく葛西敬之証人を採用せよ」とあらためて強く求めた。
 しかし3人の裁判官はいったん退席し合議した結果、あらためて葛西敬之証人の採用を拒否した。傍聴席の組合員たちは「ふざけるな!」「裁判官の自己保身じゃないか!」と鋭い弾劾をたたきつけた。原告代理人弁護士も直ちに異議を申し立て、食い下がったが、白石裁判長はこれも却下。結審を宣言して顔を引きつらせながら法廷から逃げ去った。
 総括集会で田中康宏委員長は、「今日の裁判を見ても、今の体制が何から何まで腐りきっていることが明らかだ。すべては裁判官の自己保身だ。体制を丸ごとぶっ飛ばすような闘いが必要だ。基地統廃合絶対反対、業務外注化阻止の闘いに全力で決起し“資本と闘う解雇撤回闘争”をやり抜こう。闘いはこれからだ」と提起した。そして8月30日に予定されている「外注化阻止・非正規職撤廃! JRの偽装請負を告発する大集会」への結集を呼びかけた。

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週刊『前進』(2499号2面3)(2011/08/15 )

 教科書闘争 杉並で育鵬社採用阻む

 教育労働者が怒りの声 各地の教育委で激突

 来春からの中学教科書採択が全国各地で行われ、「つくる会」系の育鵬社・自由社の歴史と公民教科書採用を阻むため、教育労働者や保護者が大奮闘している。東京では6年前から育鵬社版の前身・扶桑社版歴史教科書を使ってきた杉並区で採択を阻む画期的勝利をかちとった。他方、7月28日に都教委が都立中高一貫校で育鵬社の歴史・公民教科書を、特別支援学校で育鵬社の歴史教科書と自由社の公民教科書を採択。8月4日に大田区教委、5日に武蔵村山市教委が育鵬社の歴史・公民教科書を採択した。杉並、神奈川、東大阪から寄せられた報告を掲載します。(編集局)

 ■杉並区

 「勝ったぞ!」。杉並区役所前で歓声が上がった。駆けつけた労働者市民は手を取り合い、抱き合って勝利をかみしめた。杉並区教育委員会は8月10日、歴史・公民ともに帝国書院の教科書を採択したのだ。
 東京・西部ユニオンと反原発署名1千万署名運動・東京西部は、区役所前でビラを配り続けて、田中区長と杉並区教委を揺さぶった。採択当日は朝から300人以上が区役所を取り巻いた。右翼は30人ほどで登場したが、労働者市民は整然とアピールを続け、署名がどんどん集まった。1382筆の署名(第1次提出分と合わせ2012筆)を提出した。
 教育委員会では大蔵委員長、宮坂委員が育鵬社支持の意見を述べたが、2年前に扶桑社版の採択を主導した井出教育長が「地理・歴史・公民は同じ会社がいい」と帝国書院を推し、PTA出身の委員2人は「杉並はほかの教科に比べて社会科の学力が低い」「今の教科書は使いづらいと教員が言っている」と表明。追い詰められた大蔵委員長が「帝国が多数なので、歴史も公民も帝国書院に決定します」と述べ、傍聴席から拍手がわいた。
 違法・不当な採択から6年間、採択撤回を訴えてきた粘り強い闘いが、ついに勝利をもぎり取った。特に原発への怒りと結びついた反原発闘争の高揚と団結の勝利だ。
 (東京西部・飯野依子)
(写真 「採択を阻止した」の報に手を取り合って勝利をかみしめた【8月10日 杉並区役所前】)

 ■神奈川

 横浜市教委は8月4日、育鵬社の歴史・公民教科書を採択した。来春から149校約2万7千人の中学生が使用する。7月28日には藤沢市教委が歴史と公民に、8月2日には神奈川県教委が県立中等教育学校平塚校の歴史に、それぞれ育鵬社を採択した。許せない。
 神奈川労組交流センターととめよう戦争への道!百万人署名運動・神奈川県連絡会は、採択に先だって教組の分会と自治労教育支部の3ケタの職場を訪問し、怒りと阻止の意志を共有した。
 採択当日は教育文化センターに浜教組、自治労横浜を始め労働者市民が700人以上集まった。
 今田忠彦委員長は「過去の歴史を現代の視点から批判するのは一方的。若者が祖国に誇りを持てない。領土問題も扱いが小さい」と語り、別の委員は「育鵬社版の教科書で若者の意識を変えたい」と育鵬社版採択の目的をあらわにした。
 教育労働者の団結と職場支配権がある限り、戦争教育を貫徹することはできない。労働者階級の国際的団結を発展させることこそ横浜市教委への回答だ。新たな闘いが始まった。
 (神奈川・N)

 ■東大阪市

 東大阪市教育委員会は7月26日、育鵬社の公民教科書を採択しました。教育労働者、保護者、校長会からごうごうと非難の声が上がっています。
 採択は通常、現場から3冊が選定され、その中から最終的に1冊が決まります。今回、3冊に育鵬社は入っていませんでした。ところが採択過程で4番目として育鵬社が入れられ、西村保教育長と長田守弘東大阪公立中学校社会科教育研究会会長が強引に押し切って採択したのです。しかも傍聴者を6人に限定した密室同然での採択です。
 連合派の市教組執行部の屈服を突き破り、「『教え子を戦場に送る』教科書なんか1冊たりとも子どもたちに渡すものか」という怒りは燃え盛っています。
 今回の採択は教育労働者の団結を破壊し、東大阪市教組をつぶす攻撃です。各学校で分会決議を上げ、教育労働者の団結を拡大し、白紙撤回まで闘いぬくぞ!
 (東大阪市教組・A)

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週刊『前進』(2499号3面1)(2011/08/15 )

 国労大会 歴史的裏切りを徹底弾劾

 “闘争終結など絶対認めぬ”

 7月28〜29日に静岡県伊東市で開かれた国労第80回定期大会で、国労本部は国鉄闘争終結宣言を含む運動方針と、組合員資格をJR及びその関連企業に雇用された者に限定する国労規約の改定、闘争団員からの組合員籍の剥奪(はくだつ)を強行決定した。これは、国労を御用組合にするための歴史的裏切りだ。
 警察権力と結託した国労本部は、現場組合員を暴力的に排除してこの大反動に突き進んだ。和解を拒否した闘争団員を先頭に「共に闘う国労の会」と労組交流センターは裏切り大会を徹底的に弾劾した。資本の手先と化した国労本部を打倒する展望は切り開かれた。外注化・非正規職化阻止へ、9月6〜7日の国労東日本エリア大会を巡る攻防に突入しよう。
(写真 和解を拒否した闘争団員を先頭とする怒りの訴えが大会会場を直撃した。発言者は小倉闘争団の羽廣憲さん【7月28日 静岡県伊東市】)

 「連合加盟」を露骨に表明

 大会冒頭あいさつで高橋伸二(前)国労委員長は「JR不採用問題の終結を迎え、未来に向かって不幸な労使紛争が再び起きることのない健全な労使関係の確立を」「わが国最大のナショナルセンターである連合への加盟を真剣に議論し……決断と実践に移す時が来ている」と言い放った。
 規約改定案に対しては11人の代議員が修正動議を提出した。だが、この動議は賛成12、反対50、棄権1で否決された上、本部提案の運動方針案は「拍手」で採択された。また、闘争団員から「特別組合員」としての資格を奪う決定も、組織検討委員会答申の拍手承認というきわめて安易な手続きで押し通された。
 新執行部は、委員長に石上浩一(東京地本)、副委員長に田中博文(北陸地本、留任)、書記長に真子俊久(九州本部)が就任した。石上と真子はチャレンジ一派として、田中は革同として国労の変質を一貫して推し進めてきた人物だ。まさに史上最悪の執行部だ。だがそれは、反革命を反革命として押し貫く力も欠いたきわめて脆弱(ぜいじゃく)な執行部だ。こんな体制は国鉄分割・民営化と24年にわたり対決してきた現場組合員とは絶対に相いれない。本部を打倒して国労を階級的に再生させる闘いは、いよいよ決定的な段階に入ったのだ。
 「共に闘う国労の会」は大会前日の27日から3日間の闘いを貫徹した。
 27日は伊東駅前を制圧して街頭宣伝行動を行った。会場のホテルに前泊する代議員や傍聴者に、本部方針を弾劾するビラや討議資料が次々と手渡された。また、闘争団の解雇撤回を求める署名や反原発署名が伊東市民から続々と寄せられた。

 組合員排除の大会に怒り

 大会初日の28日、会場のホテル聚楽前は、国労本部を痛撃する弾劾集会の場になった(前号既報)。国労本部は静岡県警と結託し、代議員、傍聴者以外は一切、ホテル敷地内に立ち入らせない体制をとった。闘う国労組合員は防衛隊と静岡県警に詰め寄り、傍聴させろと要求した。これを拒む本部に対し、直ちに大音量での弾劾のアジテーションがたたきつけられ、怒りの訴えは大会会場をまさに直撃した。

 “今こそ責任勢力に” 共に闘う国労の会が集会

 28日午後には「共に闘う国労の会」が主催して、伊東市内で「闘争団切り捨て、労資一体化を許すな!7・28総決起集会」が開かれ、55人が結集した。
 司会を務めた国労奈良電車区分会の橘日出夫さんは、「3・11以降、労働組合を根絶やしにする攻撃が激化している。JR資本はJR総連も動労千葉も解体し、JR総連の代わりに国労を使って外注化・非正規職化を貫徹しようとしている。これに応じて行われているのが国労大会だ。この裏切りを絶対に粉砕する。その決戦態勢に入った」と宣言した。
 動労千葉を支援する会・静岡、神奈川労組交流センターから連帯のあいさつを受けた後、国労新宿駅分会の白石滋さんが基調報告に立った。
 白石さんは、「本日を『共に闘う国労の会』が主流派・責任勢力になるスタートにしなければならない」と提起し、「主流派になるためには、本部を批判しているだけではなく、職場で労働者が何に苦しみ、何と闘ってほしいかをくみ上げ、形に示さなければならない。国労を闘う労働組合に変えていくのがわれわれの最大の任務だ」と訴えた。そして、国労大会代議員選挙の経験を踏まえて「『共に闘う国労の会』300人の組織化に向け、オルグに次ぐオルグを」と呼びかけた。また、契約社員の雇い止め問題を闘争課題とすることや、国労原告団物販の一層の強化を強調した。
 国労の現場組合員が次々と決意表明に立った。小倉闘争団の羽廣憲さんは、「解雇者を組合から排除する大会は絶対に許せない。国労から切られるためにこれまで闘ってきたのではない。われわれの和解拒否の正しさは明らかになった。私は最先頭で闘う」と熱烈に訴えた。
 集会のまとめを行った郡山工場支部の橋本光一さんは、工場が高濃度の放射能に汚染されているにもかかわらず、JRが放射能の測定さえ拒否していることを強く弾劾、またこれを容認している国労執行部に激しい怒りを表明して、「本部は勝手に闘争終結を宣言し、国労を会社あっての労働組合に変えようとしている。だが、本部の思い通りにはさせない。職場生産点で資本と闘い、その中で『共に闘う国労の会』300人を組織しよう」と提起した。
 秋田闘争団の小玉忠憲さんの音頭で全参加者が団結ガンバローのこぶしを突き上げた。
 翌29日も「共に闘う国労の会」は大会会場のホテル前を制圧、現場組合員を排除した大会を徹底的に弾劾するビラを配布し、激しい怒りをたたきつける宣伝行動を貫徹した。
(写真 「闘争団切り捨て、労資一体化を許すな」、怒りの総決起集会を伊東市内で開催【7月28日】)

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週刊『前進』(2499号3面2)(2011/08/15 )

 8・6広島関連企画 社会変える青年の力

 青年労働者集会 青年部が続々登壇

 “原発なくせ 非正規なくせ”

 オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者集会in Hiroshimaが8月7日、広島工業大学で開かれた。「原発なくせ! 非正規なくせ! 首切りなくせ! すべての闘う青年部は広島に集まれ!」を掲げて全国から270人が結集、3・11情勢と対決し新自由主義を覆そうという青年労働者の怒りとエネルギーがほとばしる集会となった。会場には労組青年部旗が林立し、青年部建設が具体的に前進し始めていることを示した。
 広島連帯ユニオンの井上亮青年部長が基調を提起した。福島第一原発事故を目の前にして「ヒロシマ・ナガサキが繰り返されている。悔しい」と唇をかみしめ、7月23日に結成した青年部について「電産労働運動解体の上に原発政策があり、国鉄民営化の先にいまの社会がある。反戦・反核運動の中心だった広教組・広高教、自治労や原水禁運動は原発への怒りを抑え込んでいる。これを打ち破る突破口としたい」と思いを語った。そして「闘う労働組合をよみがえらせる具体的方針は闘う青年部をつくること。今集会を青年部建設運動の出発点に」と訴えた。
 『証言・電産労働者の闘い』のDVD上映後、被災地の青年労働者が発言に立った。福島の自治体労働者は「原発を必要とする社会は変えなければならない」と訴え、郵政労働者は「世界のフクシマとして闘う」と決意表明。みやぎ連帯ユニオンの仲間は震災解雇撤回の勝利を報告した。
(写真 会場には闘う労組青年部の旗が林立し、新自由主義を覆す青年労働者の怒りとエネルギーがほとばしった【8月7日 広島市・広島工業大学】)

 反原発・反失業を闘う青年部を

 全国の労組青年部による溌剌(はつらつ)としたアピールが続いた。
 動労千葉青年部再建準備委員会は「会社にものを言う労働者は邪魔だというのがJR当局だ」「僕らはまだ少数派。職場の仲間は理解を示すが立ち上がっていない。しかし動労千葉青年組合員1人で東労組千人分の力がある。組織拡大は全国共通の課題。全国で若い人が立ち上がっているから頑張れる」と全国の青年との団結を固めた。
 青年部準備会を立ち上げたA県の自治体労働者は「広島闘争など一つひとつが青年部として初めてのこと。この中に労働運動を担う力が育つ。反原発闘争も実践していく」と意欲を燃やした。職場丸ごとの民営化と闘うB県や人事評価制度や行政改革による首切りに絶対反対で闘うC県の自治体労働者も発言した。
 非正規職教員として解雇を通告されたことがある広島の教育労働者は「解雇は自分に力がないからではない。資本主義の波に負けてはいけない」と教訓を語った。
 東京の精研労組青年部は、非組合員もまきこんだ残業代請求をテコにした人員補充の闘いを報告。反原発闘争のうねりと結びついてきた東京西部ユニオン青年部やちば合同労組青年部も登壇した。労組交流センター青年部準備委員会は「交流センター青年部をつくり非正規職撤廃、反原発・反失業を闘う労組青年部をあらゆる職場につくり出そう」と呼びかけた。
 決意表明ではJRの青年労働者が「外注化で労働者は競争させられ資本にこき使われる。青年部が闘えば、分会の幹部や会社なんて動かせる」と述べた。雇い止め解雇撤回を闘う郵政非正規ユニオンは「会社にいつでも首を切られるのが非正規雇用。死刑宣告だ。16万非常勤を束ねて国策と闘う。正規・非正規を超え郵政24万でストライキやろう」と呼びかけると会場は拍手喝采で応えた。D県の自治体労働者は「支部権力をとる」と職場の仲間と宣言。
 弾圧と闘う広島連帯ユニオン草津病院支部は「組織を拡大した。職場から排除された支部委員長も団交に参加した」と勝利宣言を発し、沖縄からはうるまユニオン委員長の富田晋さんが「基地と4大産別の労働者が決起し辺野古新基地建設を止める」と熱く訴えた。
 最後に郵政労働者が「今日は日本の階級闘争の中に闘う青年部がよみがえることが示された。国鉄闘争全国運動と『な全』を武器に青年労働者は2011年後半戦に突入しよう」とまとめた。

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週刊『前進』(2499号3面3)(2011/08/15 )

 “職場から反原発を”

 産別ごとに全国交流集会

 8月5日午後、広島市の東区民文化センターで産別ごとの全国交流集会が開催された。
●国鉄
 国鉄労働者全国交流集会では、国労東京地本上野支部の吉野元久さんが基調報告を行い、動労千葉からは川崎昌浩執行委員が基地統廃合と外注化に対する闘争報告を行った。動労千葉争議団の高石正博団長、国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんを始め、動労千葉、動労水戸、動労西日本、「共に闘う国労の会」の仲間が職場報告と課題を出しあった。国鉄分割・民営化以来のJR大再編情勢に立ち向かい、今秋決戦の先頭に国鉄労働者が立ちきること、その核心が青年労働者の決起にあることが突き出された。
●郵政
 郵政労働者交流集会は司会の「例年より大勢の参加で新しい顔ぶれがたくさん来ています」という発言で始まった。東京多摩局で結成された郵政非正規ユニオンの仲間を始め、所属組合の違いも超えて各地から初めて参加する郵政労働者が次々と発言した。多くの職場で既成の体制内指導部の制動を揺るがす闘いが始まっている。参加した仲間は、郵政当局が8月末にも強行しようとしている非正規労働者の大量雇い止め攻撃への全国的な反撃を誓い合った。
●教労
 教育労働者交流集会は「すべての原発を停止・廃炉に! 『文科省通知』を撤回させ、原発推進教育にトドメを!」を掲げて開かれ、宮城、福島からの報告も受けて活発な討論が行われた。
 各地の教組大会で原発や文科省通知と闘う方針を求め奮闘している報告、授業で原発を取り上げたことを理由にした不当な市教委の呼び出しに反撃して処分を打ち破った報告、講師の首切り撤回を求めた闘いや業績評価との闘い、激しい多忙化の実態と格闘する青年労働者の報告などを受けて、闘う日教組を奪い返すために国鉄闘争と反原発闘争を柱に闘いぬくことが確認された。
●自治体
 自治体労働者交流集会は70人を超える結集。被災地―全国で吹き荒れる現業切り捨て、民営化・外注化、首切り・非正規職化との闘い、「子ども・子育て新システム」導入で幼保労働者30万人首切りを進める連合・自治労本部を暴露・追及した7月末全国保育集会での闘い、御用学者を使い放射線被曝を強制する自治体当局との攻防、公務員制度改革批判など、報告と討論を熱烈に行った。8月自治労長野大会決戦から9月反原発闘争、11月集会へ職場生産点で闘う決意を固めた。
●医療・福祉
 医療福祉労働者交流集会は、「3・11」で決定的に加速した新自由主義攻撃を打ち破ってきた闘いの熱気で会場が満杯となった。「反合・安全、増員闘争で職場の仲間と結びつこう」との基調報告の後、福島の福祉職場で民営化と対決して合同労組分会を立ち上げた闘い、広島連帯ユニオン・草津病院支部からはデッチあげ弾圧をうち破って分会を拡大した闘いが報告され、人員削減や事故に対して増員闘争で団結を拡大した教訓などの発言が続いた。医師の仲間の「放射線治療に従事する医療労働者こそがフクシマについてのウソを暴き反原発闘争の先頭に立とう」との発言を拍手で確認、11月集会1万人結集を誓い合った。
●合同・一般
 合同・一般労組全国協議会の交流集会には第1部159人、第2部90人が参加した。全産別の非正規労働者が参加した第1部では、地元の広島、原発被災地の福島、雇い止め解雇撤回を闘う郵政の労働者が次々と報告と決意表明。東京北部の労働者が基調報告を行い、「大恐慌・大震災情勢と対決して労働者階級が主人公の社会をつくろう」と呼びかけた。
 第2部は全国20余りの合同労組がこの間の闘いを報告し、全国協1千人組織建設へ闘う意欲があふれた。
●民間交運・電通・金属
 このほか民間交通運輸、電通、金属労働者の交流集会でも熱気あふれる討論が行われた。

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週刊『前進』(2499号3面4)(2011/08/15 )

 全国学生集会 全学連大会―9・11へ

 反原発闘争で自治会建設を

 全学連は7日、全学連大会―9・11反原発デモの爆発に向かって全国学生集会を開いた。
 法政大学文化連盟の斎藤郁真委員長が「反原発・大学奪還! 全学連大会から9・11―11・6世界行動へ!」と題して基調提起を行った。
 まず「ヒロシマの核への怒りとフクシマの原発への怒りが合流した。3・11以来の反原発の大衆行動の爆発はヒロシマ世界大会へと上り詰め、11月世界1千万人行動への決定的土台がつくられた」と広島闘争を総括。「膨大な人びとの価値観が変化し、万の規模で行動を始めている。今こそ法大のような闘いを巻き起こそう」と訴えた。
 さらに、新自由主義攻撃が人間存在を根本から否定する攻撃として青年・学生に襲いかかってきたこと、その究極の姿が原発にあることを明らかにした上で、これと立ち向かい、学生の誇りと大学の復権をかけて闘われてきたのが5年間の法大闘争だと述べた。そして「生き抜くための組織、学生自治会をつくり上げていこう」と全大学での学生自治会建設方針を提起した。
 基調提起を受け、全国大学からの報告と決意表明が行われた。広島大、被災地の学生、東北大、富山大、京都大、首都圏の学生が発言。坂野陽平委員長代行は「秋の行動に全原発廃止の展望がかかっている。福島・広島が先頭に立ち、学生の怒りをひとつにする」と全学連大会の意義を鮮明にさせ、全学連国際部の松室しをりさんは訪独への決意を語った。
 初参加の学生も次々とマイクを握った。「原発をなくすために全学連大会に参加したい。危険な道かなとも思ったが、学生の団結を壊し、労働者を人間として扱わない社会の方が危険だ」「3月には怒りをどこにもぶつけられなかったが、9月に怒りをぶつけることができる!」「反原発の怒りは最終的に支配階級をぶっ飛ばせる。国境を越え労働者、学生、みんなを結びつけ世界的な革命を起こせる」「自分の大学で反原発のデモをやった。大学の中でやることが大事だが、それが難しい。大会に友だちを誘って参加したい」。法政大の1年生は「学生決起の時代を迎える学生として自分の人生が始まった! 法大・全国の学生の怒りに火をつけたい。法大闘争のように反原発闘争を闘う」と宣言した。
 最後に織田陽介全学連委員長が「沸き上がる学生の思いと真正面から向き合い、とことん議論することだ。新自由主義の現実はすべて人為的につくり出された。〈教育の民営化〉で積み上げられてきた全矛盾が原発で爆発した。この怒りを僕らがつかまえられるかが勝負だ。新自由主義を打ち破ることはできる。法大闘争はそれを示している。学生が大学で組織をつくり、学生として団結する。ここに可能性が詰まっている。歴史的な全学連大会にしよう。キャンパスから新しい運動をつくり出そう」とまとめた。全国の学生は団結を固め、後半戦に目の色を変えて打って出た!
(写真 「全大学に学生自治会建設を」と法大・斎藤郁真君が基調を提起【8月7日 広島市南区民文化センター】)

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週刊『前進』(2499号3面5)(2011/08/15 )

 郵政非正規ユニオン 「支える会」発足

 加入・問い合わせが相次ぐ

 広島に結集した全国の仲間の前に郵政非正規ユニオンが力強く登場、5日〜7日のすべての集会とデモにユニオンの旗がひるがえった。
 自ら不当な雇い止めを撤回させ、職場の仲間たちと協議を重ねてユニオン結成に踏み切った若い委員長は、合同・一般労組交流集会と郵政労働者交流集会の両方に参加、「全国各地で非正規労働者を組織しよう!」「郵政非正規労働者は日本郵便だけで16万人。1千人、1万人の組合にして、この力で日本をかえよう!」と檄(げき)を飛ばし万雷の拍手に迎えられた。
 同時に、労組交流センター全逓労働者部会と合同・一般労組全国協が中心になって「郵政非正規ユニオンを支える会」が結成され加入が呼びかけられた。早くも入会の申し込みや、全国の非正規労働者からユニオンへの問い合わせが相次いでいる。郵政非正規ユニオンの組織拡大と支える会組織化に全力をあげよう。
(写真 郵政労働者交流集会では初参加者が次々と発言【8月5日 広島市東区民文化センター】)

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週刊『前進』(2499号4面1)(2011/08/15 )

 “核も原発もなくそう”と闘う世界大会

 8・6大行動 広島と福島の怒り一つに

 “労働組合こそが団結の軸だ”

 被爆66周年の8・6ヒロシマ―8・9ナガサキ闘争が画期的な大高揚をかちとった。3・11大震災と福島第一原発の空前の大事故という情勢下で、反原発闘争から逃げ回る既成指導部の大裏切りをうち破り、被災地・福島の怒りと広島・長崎の被爆者の怒りが一つにつながった。そして核も原発もない社会を労働者の力で実現するために、新たな反戦・反核、反原発闘争をつくり上げていく大きな一歩を築いた。
(写真 ヒロシマ大行動の会場を埋めた1685人の参加者。集会の最後に、7月に結成された広島連帯ユニオン青年部の井上亮部長の音頭で「団結ガンバロー」【6日午後 広島県立総合体育館】)

 被災地労働者が大結集

 8月6日午後、「ヒロシマ・ナガサキ、フクシマをくり返すな! すべての核と原発をなくせ! 戦争をとめよう」と掲げた被爆66周年8・6ヒロシマ大行動が広島県立総合体育館小アリーナで行われた。地元広島、そして遠く福島から駆け付けた労働者・学生を先頭に1685人が集まった。
 動労西日本の大江照己委員長の開会あいさつに続いて、「ヒロシマ、フクシマ、ヒバクシャの怒り」と題して4人が発言した。広島からは反戦被爆者の会の下田礼子さんが「私たち被爆者は核の恐ろしさを誰よりも知っている。核と人間は共存できません。原発反対の1千万署名に取り組んで欲しい」と訴えた。
 1954年にアメリカの水爆実験によりビキニ環礁で被爆した第五福竜丸元乗組員の大石又七さんは「米軍は1946年から58年にビキニとエニウェトク環礁で67回の核実験を行い、100メガトンの核爆発を行った。広島原爆を毎日1個ずつ、18年間続けた量だ。その放射能が人間の骨の中に入り込み、染色体を傷つけながら体の内側から攻撃するという内部被曝を起こした。ビキニ事件を隠した結果、2万3千発の核弾頭ができあがった」と弾劾した。
 福島・宮城の労働者が大挙登壇し、ふくしま合同労組の市川潤子委員長が発言。「あらゆる政党や労組が原発反対を言わない中で6・19怒りのフクシマ行動を打ち抜いた。労働者の命、子どもの未来より核武装や一握りの資本家のもうけを選ぶ社会を断固拒否する。私たち福島の労働者は、全世界から核も原発もなくすための闘いの先頭に立つ」。被災地の訴えに大きな拍手がわいた。
 主催者を代表して被爆2世の中島健さんが「被爆66周年/8・6ヒロシマ大行動アピール」を提起した。冒頭、平和記念式典における松井一実市長の「平和宣言」を弾劾し、「原発廃止を求めて立ち上がる被爆者を抑え込むために、松井市長は自らを被爆2世として押し出している。許せない」と訴えた。そして「@福島原発事故を絶対に許さないAフクシマとヒロシマの怒りをひとつにB人間をカネと核の下にひれ伏させる新自由主義との闘いC労働組合こそ反原発を闘う団結の軸にD国際連帯の力で勝利しよう」という5本の柱のアピールを提起した。

 シーハンさん「革命が必要」

 大きな注目が集まったのがアメリカの「反戦の母」、04年にイラク戦争で息子を殺され、反戦闘争の先頭で闘いぬいてきたシンディ・シーハンさんの発言だ。「アメリカは民主主義国ではない。帝国主義の独裁政権だ。原発を廃止するためにも戦争をやめさせるためにも必要なのは革命です。唯一必要な闘いは階級戦争です。私たちが闘いをやめない限り、敗北することはけっしてありません。くじけない限り、必ず勝利します」。力強い訴えに参加者は熱い拍手で応えた。
 続いてイラクの小児科医のフサーム・サリッヒさんが「われわれは腐敗や正義と闘って、新しい光を求める。けっしてあきらめない。イラク民衆はよりよい未来とより豊かな生活を求めている。生き抜く闘いの象徴の街だからこそ、私はヒロシマにやってきた。今この場にいることに誇りを感じる」と訴えた。
 青森県六ケ所村で核燃料サイクルと闘い続けてきた坂井留吉さんのメッセージを、地元でともに闘う南部バス労組の馬場光秀書記長が読み上げた。「私の一生は反核運動だった。生きるために闘っているのだから、怖いものは何もない」。86年の人生を反核闘争に捧げてきた坂井さんの熱い思いが伝わるメッセージだった。
 愛媛県職員労組の宇都宮理委員長は「地元に伊方原発がある。いざ事故が起これば、原発立地県の自治体労働者は原子力災害対策業務が命じられる。そのため県知事に『伊方原発をただちに停止、順次廃炉にせよ』と要求した」と報告。広教組の倉澤憲司さんが「反原発と言い切り、行動する広教組をつくるために闘う」と述べ、星野暁子さんが徳島刑務所で闘う無実の星野文昭さんのメッセージを代読した。
 動労千葉の田中康宏委員長は「僕たちは今、この社会を変えるチャンスを迎えている。もっともっと怒りの声を上げよう。原発・失業に反対して闘い、11・6全国労働者総決起集会にすべての労働者の力を集めよう」と呼びかけた。
 全国の学生を代表して広島大学の学生と東北大学学生自治会の石田真弓委員長が発言。広大の1年生は「平和記念公園の慰霊碑には『過ちは繰り返しませんから』とある。これは核兵器を使用させない、戦争しない、被爆者を出さないということ。全原発をただちになくそう」と訴えた。
 医師の吉田良順さんの閉会あいさつを受けて、ただちに広島の街にデモ隊が飛び出した。
 「原発いらない! 核もいらない」「すべての原発なくそう」。被爆66年を迎えた広島の街に、エネルギッシュなデモコールが響きわたった。先頭の隊列は青年労働者と学生だ。沿道からは若者をはじめ次々と飛び入り参加者が合流してきた。広島の人びとも、原発と原発事故への怒りを解き放つ行動を求めているのだ。
 原水禁などの幹部は「原発についてはいろいろな意見があるから態度表明できない」と、被爆者が原発反対闘争に立ち上がることを必死で封じようとしている。原水禁大会が8月4日に採択した「ヒロシマからの平和アピール」は福島原発事故への弾劾も原発廃止の言葉もなく、「一日も早い収束と、徹底した事故原因の究明」「国民の信頼回復」を掲げた。“信頼回復して安全な原発稼働を”と求めるものなのだ。とんでもない!
 こうした大裏切りを突き破って、ヒロシマとフクシマの怒りが一つにつながって、全原発の停止・廃炉へと突き進む巨大なうねりが始まった。この道をさらに進もう。
(写真上 「闘いをやめない限り、私たちは必ず勝利します」と力強く訴えるシンディ・シーハンさん)
(写真下 広島市内の繁華街を進む青年労働者・学生のデモ隊には、街頭から飛び入り参加者が続出した)

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週刊『前進』(2499号4面2)(2011/08/15 )

 原爆ドーム前から全世界へ

 「ヒロシマ宣言」を発信

 「私たちは、フクシマとヒロシマの怒りを一つにして、すべての原発をただちに、一つ残らず廃絶する闘いにたちあがることを宣言する」――全世界が注目した「フクシマ」後初めての8・6ヒロシマで鮮明な宣言が発せられた。6日午前9時から原爆ドーム前で「すべての原発を今すぐなくそう!8・6ヒロシマ宣言集会」が行われた。1100人が集まり、集会後、市内デモを闘った。
 青年・学生を先頭にした実行委員会は、早朝から原爆ドーム前に陣取り熱烈なアピールを始めた。10bの大横断幕に大書された「ヒロシマ・ナガサキ、フクシマをくり返すな!すべての原発をなくそう!」という訴えは圧倒的な注目を集め、全世界からの式典参加者に「8・6ヒロシマ宣言」を刷ったビラ1万2千枚が配布された。
 首相・菅の式典出席を弾劾する早朝デモが到着するとドーム前は一気に1千人を超えた。労働者市民の圧倒的な注目の中で集会が始まった。
 被爆者を代表して反戦被爆者の会の下田礼子さん、福島から仲間とともに大型バスでやってきた福島労組交流センターの渡辺馨さん、イラクで劣化ウラン弾被害と闘っている小児科医フサーム・サリッヒさんが次々と発言に立った。さらにアメリカのシンディ・シーハンさんは「世界中の労働運動を立て直し、平和と革命のためにともに立ち上がろう」と訴え、ビキニ被爆者の大石又七さんは「再び福島原発事故が起きてしまった。こんなことを何度繰り返すのか!」と激しい怒りをたたきつけた。戦後66年間、帝国主義の核支配と最先頭で闘い抜いてきたヒロシマ、ビキニ、アメリカ、イラク、そしてフクシマの代表が原爆ドーム前に結集した。奮い立つような歴史的集会だ。
 最後に、広大生協労組の一貫田康博委員長が「8・6ヒロシマ宣言」を読み上げて提案、圧倒的拍手で採択された。
 午前10時、参加者は原爆ドーム前を出発して元安橋のたもとから市内デモへ。圧倒的な注目が集まり、デモが進むごとに隊列が拡大した。
(写真 6日午前9時、原爆ドーム前をびっしり埋め尽くして行われた「すべての原発を今すぐなくそう! 8・6ヒロシマ宣言集会」。多くの式典参加者もチラシを受け取って続々と合流した)

  怒りを解き放つ

 6日に広島市内で会見した菅は「原発依存度の低減を段階的に進める」と表明した。これは、原発事故に対する怒りをペテン的にかわしながら、日帝の核・原発政策を絶対的に護持する反革命宣言にほかならない。
 また、平和記念式典で「平和宣言」を読み上げた松井一実広島市長は、「脱原発を主張する人びとがいます」と超客観的に述べるにとどめた。
 さらに原水禁、核禁会議、連合の共催で開かれた広島大会(4日)では「3団体は『核兵器廃絶』『被爆者援護』の課題で共闘します。それ以外の課題は会場内ではご遠慮ください」などと書かれた冊子がわざわざ配られた。まさに労働者人民の決起を圧殺するための“大会”ではないか!
 6日朝の原爆ドーム前集会は、菅を直撃し、連合・全労連などの既成指導部の反動的制動をぶっ飛ばし、反戦反核、反原発の怒りを根底から解き放つ“闘う世界大会”として圧倒的求心力を持って打ち抜かれた。
(写真 シンディ・シーハンさん、大石又七さんを先頭に平和公園内を進んでいくデモに大反響)

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週刊『前進』(2499号4面3)(2011/08/15 )

 450人が祈念式典を糾弾

 菅と中国電力に怒りのデモ

 「菅の式典出席弾劾! 核も原発も許さないぞ! 労働組合の力で原発を廃止に追い込むぞ」
 被爆66年を迎えた8月6日早朝、広島の街に怒りのシュプレヒコールが響き渡った。全国被爆者青年同盟と被災地で闘う仲間を先頭に450人が8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会が主催した菅来広・祈念式典弾劾デモに決起し、「原発推進の菅政権打倒」の叫びがヒロシマの怒りと一つになり祈念式典を直撃した。
 朝7時、デモに先立ち日赤原爆病院前の東千田公園で決起集会が開かれた。司会の被爆者青年同盟の一貫田康博委員長(広大生協労組委員長)はストライキを決行して参加、「菅を打倒する絶好のチャンスだ。元気にデモをやろう」と呼びかけた。原爆症と闘い近年は車いすで参加していた反戦被爆者の会の大槻泰生さんのメッセージを家族が紹介し、病床の大槻さんと気持ちを一つに闘う決意がみなぎった。
 統一実行委の三角忠事務局長が「核開発・原発推進の菅を辞任ではなく打倒し、すべての原発の停止・廃炉、新規建設阻止へ8・6を闘おう」と提起し、これを受けて青年が次々と発言に立った。司会が「三里塚で今朝5時から天神峰現闘本部の破壊が始まっている」と告げると参加者に衝撃が走り、闘志が最高潮に達し平和公園に向けてデモに打って出た。
 労組旗を林立させ猛暑で噴き出る汗をぬぐいながら進むデモ隊の前に中国電力本社がある。中電はこの瞬間も島根原発を動かし、上関原発建設を狙い、住民に「原発は安全。放射能は危険ではない」と宣伝している。「稼働中の原発をとめろ! 再稼働するな! 新たな原発を造るな」と徹底的に弾劾した。
 平和公園前では式典を直撃する「原発廃止! 菅は帰れ!」のデモコールに対岸からパンフを振る参加者も。式典参加者との一体感を増しつつ、原爆ドーム前で待ち構えた労働者と合流した。
(写真 「全原発を廃止しろ! 菅はヒロシマから帰れ」と訴えてデモ【6日朝 広島市内】)

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週刊『前進』(2499号5面1)(2011/08/15 )

 ヒロシマ・ナガサキ、フクシマくり返すな

 8・5広島 「な全」結成集会に700人

 反原発全国運動がスタート

 8月5日、広島市東区民文化センターで「すべての原発いますぐなくそう!全国会議(略称・な全)」の結成集会が開かれ、全国から700人の闘う労働者人民が結集した。被爆66周年の8・6ヒロシマ大行動を翌日に控え、日本と世界の全原発を停止・廃炉にする国際的大運動の開始を宣言する歴史的な大集会となった。
(写真 団結ガンバローに備えて呼びかけ人が舞台に勢ぞろい。全原発廃止へ新たな全国運動が始まった【8月5日 広島市東区民文化センター】)

 3発起人が意義を語る

 集会の司会を全国会議事務局次長で「闘うアーティスト」の富田翔子さんと法大文連委員長の斎藤郁真君が務めた。
 開会のあいさつを発起人の三角忠さん(8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会事務局長)が行った。三角さんは「広島、長崎、沖縄、ビキニ、福島を原点に、日本の核政策、原発を国策とする支配のあり方を根底からひっくり返す日が来た」と結成集会の意義を確認、全国各地に全国会議の組織をつくること、9・11の反原発全国行動に決起することを訴えた。
 発起人の発言として青森県八戸の南部バス労組委員長の間山正茂さんが「労働組合の課題として原発をなくす闘いを進める」と決意を表明、青森の六ケ所核燃施設計画や大間原発建設を阻止するために「地方から闘う」と宣言を発した。
 もうひとりの発起人、弁護士の鈴木達夫さんは日放労長崎分会委員長時代の経験を交えて話し、「1968年の原子力空母エンタープライズ佐世保入港阻止闘争は空前の反核闘争だった。その先頭に立った被爆労働者を忘れない」と切り出した。そして「原子力の平和利用」「原発と原爆は違う」なる虚偽を弾劾。さらに福島第一原発事故を「3発目の原爆」ととらえ、「事故の責任追及こそ二度と事故を起こさせない道だ」と訴えた。闘いの原動力として労働者、青年、学生に限りない期待を寄せ「全世界の人びとの団結で核と原発をなくそう」と結んだ。

 シーハンさんが鮮烈に

 3発起人のあいさつに応える拍手が鳴りやまない中、アメリカから「反戦の母」シンディ・シーハンさんが鮮烈にアピールした。
 シーハンさんはまず、「な全」に賛同の意を表明し、「世界中どこでも闘いは同じ。邪悪な新自由主義と一般の人民との対決だ」と言い切った。そして、広島、長崎に原爆を投下し、戦争を繰り返す自国アメリカを弾劾し、「戦争は自由や民主主義のためではなく資本主義の普及と利潤のために行われている」「その戦争を止められるのは私たちだけだ」「労働者階級人民が生きるためには資本家階級を打倒しなければならない」と革命を訴えた。最後に「危険なエネルギーや政府との闘いを国際的なものにし、戦争と地球の汚染を止めましょう」と国際連帯を呼びかけた。勇気と確信を与える熱い発言に、会場は割れんばかりの拍手と歓声で沸き立った。日米の労働者階級人民がつながった瞬間だ。
 続いて国労郡山工場支部書記長の橋本光一さんが「フクシマから」の発言に立った。政府基準の数十倍の放射能で汚染されているJR郡山車両センターでの労働を強制するJR資本とその手先・東労組幹部を怒りもあらわに弾劾し、職場の除染を求めて断固闘う意思を表明した。さらに福島の母親や福島原発で被曝労働を強制されている労働者とも結びつき原発廃止へ闘う決意を述べた。
 「ヒロシマから」の発言を反戦被爆者の会で8・6ヒロシマ大行動呼びかけ人の下田礼子さんが行った。若者がはつらつと闘う姿に信頼と期待を寄せつつ、「私たち被爆者は66年前から原発に反対してきた」と不動の確信を述べ、反原発署名運動の推進を訴えた。また山口県の上関原発に30年間反対し建設を阻止してきた祝島の闘う女性からの手紙を紹介し、連帯の意思を共有した。

 ビキニ被爆者から訴え

 「ビキニ被爆者から」は元第五福竜丸乗組員の大石又七さんが発言。大石さんは「だれがなぜ核兵器にも匹敵する危険な原発を地震大国である日本に導入したか、(1954年の)ビキニ事件を調べていくうちにわかってきた」と自らの考察を披瀝(ひれき)。戦後日帝が日米安保同盟政策のもとで核武装化するために原発が導入され、その結果が福島原発事故となったと怒りをこめて暴露し、闘いの決意とした。
 カンパアピールを挟んで動労千葉の田中康宏委員長が「労働組合から」発言した。田中委員長は「原発事故は、腐りきったこの社会を一層の怒りをもって根底から変えなければならないことを教えた」とし、労働組合の再生をかけて新自由主義と闘い、11月6日に東京・日比谷公園を埋め尽くす結集で全世界連帯行動を実現しようと訴えた。
 さらに呼びかけ人として福島出身の花澤俊之弁護士、医師、青年、学生が発言に立った。全国会議の結成宣言案(別掲)を被爆2世で広大生協労組委員長の一貫田康博さんが読み上げ、全体で採択した。
 最後に全国会議事務局長の織田陽介全学連委員長が「すべての原発の再稼働を絶対に阻止し、来年3月に全原発を停止させよう」と方針を提起。職場・キャンパスで再稼動阻止の署名を全力で集め、全世界1千万人行動として11月6日の日比谷野音結集を呼びかけた。
 8・5「な全」結成集会をもって開始された反原発の大運動は、全国各地の反原発の闘いに勝利の方向性・展望を指し示し、ひとつに結びつけ、社会全体をつくり変える闘いだ。反原発闘争と国鉄闘争を2大基軸に革命へ突き進もう。

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週刊『前進』(2499号5面2)(2011/08/15 )

 すべての原発いますぐなくそう!全国会議 結成宣言

 核も原発も世界から一掃を

■すべての原発いますぐなくそう!全国会議 結成宣言
 私たちは、この集会を出発点とし、この場に示された限りない団結の力に確信を持って、新たな反原発全国運動を開始します。
 福島第一原発の大事故は、ヒロシマ、ナガサキに続く「三度目の原爆投下」ともいうべき、国家・資本による歴史的大犯罪です。今もなお大気・大地・海への放射能の放出が続き、汚染の規模はますます拡大しています。無数の人々に被曝を強制し、人間の生きる社会を破壊している責任を、絶対にあいまいにすることはできません。政府、電力会社をはじめ、原発を推進してきた全勢力にいっさいの責任をとらせるまで、私たちは闘います。
 今、何より求められていることは、被災地フクシマの腹の底からの怒りと闘いを全国で共有し、起きている事態に全力で立ち向かっていくことです。原発事故の速やかな収束、放射能の除染、地域の完全復旧、そして子どもたちをはじめとする全住民の生活と命を守るために、あらゆる叡智(えいち)を結集して立ち上がりましょう。
 「核と人類は共存できない」――ヒロシマ・ナガサキ、そしてビキニの被爆者たちが訴え続けたこの言葉を、今こそ声を大にして訴えなくてはなりません。
 原発は、「原子力の平和利用」の名の下に、核武装・核兵器開発を押し隠すものとして導入され、数限りない労働者に被曝労働を強制しながら推進されてきました。日本の歴代政府は、「ヒロシマ・ナガサキをくり返すな!」という被爆者の訴えと闘いのみならず、多くの住民の疑問、怒り、決起を踏みにじり、原発を増設し続けてきました。その行き着いた先に、フクシマが引き起こされたのです。
 今こそ、核・原発との「共存」を強いられてきたこれまでの歴史を乗り越え、核も原発もこの世界からなくすために立ち上がる時です。フクシマとヒロシマ・ナガサキの怒りを一つに結び、全世界に向けて反原発・反戦反核闘争を呼びかけます。
 核・原発をなくす闘いの鍵を握るのは、労働者・労働組合です。労働組合をよみがえらせ、電力労働者をはじめ、あらゆる職場の労働者、農民、漁民、全住民が生きるために団結し、立ち上がれば、全原発を廃炉にできます。青年労働者はその中軸です。
 それと一体で、学生が先頭に立って、大学キャンパスから反原発のたたかいを巻き起こすことが求められています。原発推進に加担する研究機関と御用学者を許さず、大学を反原発の発信源にしましょう。
 歴史は大きく動き始めました。青年・学生をはじめかつてない巨万の人々が、日本中で、そして世界中で反原発の声を上げ、怒りと決意を胸に行動を開始しています。原発をなくし、社会を根底から変革する力は、このたたかいの中にこそあります。
 今こそ、すべての原発の即時停止・廃炉を! 新たな原発の建設と停止中原発の再稼働を絶対に許さず、いっさいの核と原発を世界から一掃しましょう!
 ここに、「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」の結成を宣言します。
 2011年8月5日
(写真 被爆者青年同盟で広大生協労組委員長の一貫田康博さんが な全の結成宣言を提案、満場の拍手で採択された)

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週刊『前進』(2499号5面3)(2011/08/15 )

 8・9長崎 核・戦争・原発へ怒り新た

 菅弾劾デモと熱気の集会

 被爆66周年の8・9長崎反戦反核闘争は、大恐慌・大震災、原発事故による放射能被害の拡大という重大情勢のもとで被災地人民と固く連帯して闘い抜かれた。また、アメリカから「反戦の母」シンディ・シーハンさんを迎え、国際連帯の一層の発展をかちとる闘争として打ち抜かれた。
 9日朝の「長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼早朝集会」に参加した労働者・学生は、午前10時過ぎから爆心地近くの城栄公園で、菅首相の平和記念式典出席を弾劾する集会を開いた。直前に強い雨が降ったが、開会の時には雨も上がり、意気高く集会をかちとった。その後、平和公園に向かってデモに出た。
 原爆投下時刻の午前11時2分、デモ隊は式典会場に通じる坂道の下で立ち止まり、怒りのシュプレヒコールを上げた。「菅は長崎から出ていけ!」「すべての原発を今すぐ停止しろ」。原発推進の菅を徹底弾劾し反原発を真正面から掲げた反戦反核闘争全国統一実行委のデモは、平和公園を訪れた労働者人民に強烈なインパクトを与え、沿道から市民が飛び入り参加した。
 午後1時半から長崎県勤労福祉会館で「反戦反核反原発・長崎集会」が開かれた。全国統一実行委の主催で115人が結集した。
 福島労組交流センターの丹治満さんは、原発事故で家・生活・生業を奪われた福島県民の強い怒りを語り、「原発事故を絶対に許さない」と決意を語った。長崎の被爆者で被爆体験を語り継いでいる城臺(じょうだい)美弥子さんは、「私たちはもう黙っていられない。”祈りの長崎””静かな長崎”と言われてきたが、今は”反原発!”と叫びたい」と語った。
 さらに「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」発起人の鈴木達夫弁護士(元日放労長崎分会委員長)、玄海原発反対闘争を闘う吉田和生さん、全学連の安藤聡男副委員長、一貫田康博被爆者青年同盟委員長がアピールした。
 また国鉄不当解雇撤回と外注化阻止の訴えを、国鉄全国運動・九州代表の竹内良夫さん、動労千葉争議団の中村仁さん、動労西日本の山田和広副委員長が行った。
 集会の基調を羽廣憲さん(国労小倉闘争団)が提起した。羽廣さんは、「3発目の原爆を政府自らが落としたに等しい」と福島原発事故を怒りを込めて弾劾し、「反戦反核・反原発と国鉄闘争に勝利しよう」「闘う労働組合をつくり直し、その力で労働者が主人公の社会をつくろう」と呼びかけた。
 集会の後半、シンディ・シーハンさんのアピールと会場との質疑応答を45分間行った。シーハンさんは実質失業率20%のアメリカ労働者階級の現状を語り、イラク戦争で息子の命を奪った米帝の戦争政策を痛烈に批判した。そして「今、本当に必要なのは革命に向けた行動です」「原発と戦争、貧困、新自由主義と闘おう」「闘いをやめない限り、敗北することはない」と訴えた。シーハンさんのアピールは参加者を大いに奮い立たせた。全学連の学生の質問にもていねいに答えて、集会は大いに盛り上がった。
 最後に、決意表明とまとめが提起されて、集会は大高揚し終了した。
 前日8日には長崎大学への申し入れと正門前宣伝、九州電力長崎支店への抗議行動が行われた。「100_シーベルト以下なら、子どもの健康に影響ない」と福島に乗り込んで発言している山下俊一教授と、彼を擁護する長崎大当局を徹底弾劾し、長大生に決起を呼びかけた。九電支店では広報担当の責任者を呼び出し、玄海原発と川内原発の即時全面停止、「やらせメール」の謝罪と責任ある対応を強く申し入れた。夕方に繁華街で行った街頭宣伝では、市民の反原発の思いは強く、1時間で330人の反原発署名が寄せられた。
 こうして8・9長崎闘争は、原水禁運動の総屈服を打ち破り、反戦反核と反原発を一つのものとして闘い抜き、労働者階級の総決起へ大きな前進を切り開いた。
(写真上 菅の式典出席を弾劾して平和公園脇をデモ行進【9日午前 長崎】)
(写真下 熱気の集会をかちとり闘いの決意を固めた【9日午後】)

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週刊『前進』(2499号5面4)(2011/08/15 )

日誌'11 7月26日〜8月8日

 米国債格下げで金融危機再突入/防衛白書、対中対決を前面に

●米朝協議開催 ニューヨークで米朝協議が開催され、米は6カ国協議再開の条件として北朝鮮のウラン濃縮計画中止を要求、北朝鮮は拒否した。協議の継続では一致した。(28〜29日)
●震災復興基本方針を決定 政府の復興対策本部が東日本大震災の復興基本方針を決定した。期間は10年とし、当初の5年に19兆円を投入。増税の規模と実施期間は明記せず。(29日)
●米が使用済み核燃料の多国間管理を提言 米が使用済み核燃料について地下深層の最終処分場ができるまで最大100年間、一時保管する中間貯蔵施設を建設し、多国間管理についても検討する方針をまとめた。(29日)
●米が債務上限引き上げ 米の与野党が10年で2・4兆jの財政赤字削減と債務上限の2・1兆j引き上げで合意し、法案が可決・成立した。米国債の債務不履行(デフォルト)の危機は期限ぎりぎりで回避された。(2日)
●11年版防衛白書を了承 2011年版防衛白書が閣議報告・了承された。中国の海洋進出を強く警戒、日米同盟重視を打ち出し、サイバー攻撃への対処を新たな課題に掲げた。(2日)
●国連安保理がシリア非難決議 シリア政府による反政府デモへの戦車投入など武力弾圧の激化を受け、国連安保理がシリア非難を決議した。(3日)
●米国債が初の格下げ 米の格付け会社S&Pが米長期国債の格付けを史上初めて引き下げ、ドル売りと株価暴落が全世界的に始まった。(5日)
●原発輸出継続を閣議決定 政府は原発の海外輸出について「国際間の信頼を維持するために」当面継続する方針を閣議決定した。新規の輸出についても検討する。(5日)
●新防衛大綱実施へのロードマップ発表 防衛省が「防衛力の実効性向上のための構造改革推進に向けたロードマップ」を発表した。新防衛計画大綱の柱である「動的防衛力」の重点分野として@島しょ防衛APKOB有事・大規模災害対処を挙げ、首都圏と南西諸島を自衛隊配備の重点地域とし、有事の迅速展開のため民間と米軍の輸送力活用を打ち出した。(5日)
●アフガンで米軍ヘリ撃墜 アフガニスタンで米軍ヘリが撃墜され、米兵30人が死亡した。その大半は、ビンラーディン暗殺計画を実行した特殊作戦部隊の所属で、今後の作戦に支障が出るとみられている。(6日)
●イスラエルで30万人デモ イスラエル各地で住宅価格など物価の高騰に抗議するデモが行われ、全土で30万人以上が参加した。経済問題での反政府デモとしては過去最大。(6日)
●秘密保全法制の整備を提言 政府の有識者会議が秘密保全の法整備を提言する報告書をまとめた。@国の安全A外交B公共の安全及び秩序の維持にかかわる重要情報を国の判断で「特別秘密」に指定し、漏えいさせた公務員を最高10年の刑で処罰する。(8日)
●沖縄に枯れ葉剤貯蔵 米軍がベトナム戦争で使用した猛毒のダイオキシンを含む「枯れ葉剤」が沖縄の米軍基地内に貯蔵、除草剤として使われていた事実を退役米兵が証言した。(8日)

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週刊『前進』(2499号6面1)(2011/08/15 )

 “基地、核・原発なくそう”

 8・11那覇 新たな沖縄闘争の開始

 シーハンさんと連帯して集会

 8月11日夕、実行委員会が主催する「『反戦の母』シンディ・シーハン8・11沖縄講演会」が沖縄・那覇市のパレット市民劇場で開催され、160人が結集した。シーハンさんが8・6広島−8・9長崎闘争での奮闘中、体調を崩し参加できないというアクシデントをのりこえ、「すべての基地、すべての核と原発をこの社会からなくそう! 子どもたち、若者たちの未来をとりもどそう!」のスローガンを掲げた新たな沖縄闘争がスタートした。沖縄の労働者・労働組合が軸となり、3・11情勢と切り合う沖縄闘争、沖縄と福島の怒りをつないで反原発の巨大なうねりをつくり出す闘いの開始だ。(本紙・室田順子)
(写真 基地も核も原発もなくし未来をとり戻そうと新たな沖縄闘争が始まった【8月11日 那覇市】)

 福島からの熱いメッセージ

 実行委員会呼びかけ人でありシンガーのまよなかしんやさんが、「原発事故だけではなく地震そのものも人災だ。原発も軍事基地も核兵器もいらないとしっかりと声を上げよう」と語り、「昨日まであったふるさとが消えた。まるで悪夢のように町や村が消えた。負けるな友よ、怒りの声を上げろ!」と熱唱した。
 シーハンさんの体調悪化が伝えられる中、実行委員会呼びかけ人の北中城(きたなかぐすく)村議で元全軍労の宮城盛光さんが主催者あいさつに立った。宮城さんは「沖縄から日本から世界からすべての基地をなくし、すべての核と原発をなくそうという思いからシンディ・シーハンさん講演会を実行委員会で準備してきた」と経緯を語り、「米軍基地も原発も戦後日本の第一級の国策として進められてきた。原発を止めるのも、基地を撤去するのも、労働者とすべての民衆の役目です。今こそ闘う労働組合をよみがえらせ、戦争と核と原発をもたらしてきたこの社会のあり方を根本から変えていく必要がある。国鉄1047名解雇撤回闘争とともに反原発のうねりをこの沖縄で大きくつくり出していきましょう」と呼びかけた。
 被災地フクシマの電通労働者・渡辺馨さんから届いたメッセージをNTT労働者の真喜志康彦さんが読み上げた。「8・6ヒロシマの核への怒りと『死すべきは基地であり、労働者は死んではならない』という沖縄の怒り、『反戦の母』シンディ・シーハンさんの闘いとフクシマの怒りは一体です。労働組合を復権・再生し、震災解雇・大失業攻撃を粉砕しよう」との熱い呼びかけだった。
 続いて、5日に広島で結成された「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」の事務局長・織田陽介さんが登壇した。織田さんは「韓国では昨年11・23に続いて砲撃戦が行われたと報じられた。イギリスでは若者の怒りの行動が爆発している。これにつながる日本の闘いが反原発闘争です。沖縄から米軍を被災地に派遣しトモダチ作戦を行った。被災地を政治利用して増税するな、戦争をするな、基地をつくるな――沖縄からも大きな声を上げてほしい。1カ月後の9月11日、反原発行動をシーハンさんと力をあわせて世界的な運動にしよう」と、原発絶対反対、再稼動阻止の半年決戦への総決起を呼びかけた。

 シーハンさんの訴え録音で

 ここでシーハンさんが参加できないことが伝えられ、録音されたシーハンさんの声が流され、通訳された。「悪性のかぜをこじらせてしまい、参加できなくなってしまい、申し訳ありません。皆さんと一緒に戦争に反対し、基地に反対し、軍国主義に反対して闘っていきたいと思ってここまでやってきたんですが、この闘いをけっしてあきらめずに闘い続けてください。私も一緒に皆さんと闘い続けていきます」 
 さらに来日以来、通訳をしてきた動労千葉国際連帯委員会から8・9長崎闘争でのシーハンさんの発言が紹介された。「今あらゆる国の労働者たちが国境を越えて革命へと手を伸ばそうとしています。そして原子力発電と戦争に対して共同で闘おうとしています。新自由主義、この汚いやつらをどうやって打倒していくのか。私たち自身のグローバルな労働者の革命をやっていかなければなりません」。また、前日10日に訪問した辺野古でも、シーハンさんが労働者の闘いと国際連帯で闘えば勝てると語っていたことが紹介された。
 カンパアピールの後、最後に実行委員会呼びかけ人の平良修さんが閉会のあいさつを行った。平良さんは「集会の主人公の生の声を聞けなかったことは残念ですが、長崎でのメッセージを聞くことで今日のシーハンさんの思いを共有することができた」と述べ、「シーハンさんは反戦という言葉をもっと広い意味で使っている。人間を粗末にするものには、それがどんなに大きな力でも抵抗する。イラクで虐殺をしたのは沖縄の海兵隊だ。シーハンさんが一刻も早く回復され、米軍基地からの解放と反戦平和を激しく追求している沖縄の人たちとの連帯をアメリカで深めてほしい」と語った。司会が、基地も原発もない社会の実現を信じて頑張ろうと結んだ。
(写真 新基地建設を阻止し続ける辺野古を10日に訪問し、「労働者が闘えば勝利できる。アメリカでも辺野古の闘いを広げる」と語ったシーハンさん【中央。左は宮城盛光さん】)

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週刊『前進』(2499号6面2)(2011/08/15 )

 全国学生は全学連大会に結集しよう@

 反原発のうねりの中から学生自治会を復権させよう

 全国学友のみなさんに、被災地・東北大より全学連大会への大結集を訴える。ともに今秋の反原発大行動に立とう。
 これまでの社会の枠組みは崩壊した。いよいよわれわれ青年・学生が社会の主人公に躍り出る時だ。世界大恐慌の深化の中で、基軸通貨・ドルの暴落が迫っている。米帝オバマ政権は、8月2日に「滑り込み」で債務上限引き上げを決定したが、それでも「ドル売り」と史上初めての米国債格付け引き下げにより、全世界的な株価暴落が進行している。
 他方で8月6日早朝、菅政権とNAAは三里塚・天神峰現闘本部収去の強制執行(暴力的破壊)に踏み込んできた。全国の農民・労働者・学生の闘う拠点を、8・6広島闘争の最中に1千人近い機動隊を使って闇討ち的に襲撃したのだ。絶対に許せない! これが国家権力の正体だ。
 青年・学生に鬱積(うっせき)するあらゆる怒りが、原発事故をきっかけに一気に爆発し始めた。イギリスでも失業した青年が暴動闘争の先頭に立っている。われわれの未来を奪ってきた真の犯罪者であるブルジョアジーに今こそ鉄槌(てっつい)を下そう。全国学生は、9月9〜10日の全学連大会を反原発の全国学生総決起集会として大成功させ、大震災・原発大事故から半年目の9・11反原発行動、11月全世界1千万人の反原発行動を大高揚させよう。そして、全原発の廃絶をかちとろう。東北大生はその最先頭で闘い抜く。
(写真 反原発闘争への訴えに座って聞き入る学生たち。キャンパスは解放空間になった【8月7日 仙台・東北大学】)

 階級的潮流が反原発の軸に

 今夏広島・長崎闘争は、核への怒りと原発への怒りが固く結合し、「3・11」から5カ月の闘いを飛躍的に前進させた。階級闘争に対する反動的体制内的抑圧を打ち破って、階級的潮流が8・6広島闘争の主軸に鮮明に押し上がった。
 一つは、原水禁など既成潮流が支配階級との非和解的激突に恐怖し、「原発にはいろいろ意見があるから態度表明しない」と言って被爆者と福島原発事故被災者を分断することを打ち破り、青年・学生を先頭に新たな反原発闘争の開始を宣言したことだ。
 8月5日の「すべての原発いますぐなくそう!全国会議」の結成で、反原発の全国的大衆運動の大きな柱が打ち立てられた。
 二つに、3・11を契機に始まった反原発の巨大な大衆運動の高揚が、広島における世界大会の成功へと上りつめたことだ。ビキニ水爆実験の被爆者である大石又七さん、反戦被爆者の会の下田礼子さん、世界的反戦活動家のシンディ・シーハンさんらが先頭で闘うなど、国際連帯闘争が飛躍的に発展している。
 三つに、労働組合運動の解体と「原子力の平和利用」という労働者・学生の決起を抑え込んできた体制が打ち破られる情勢をついにたぐり寄せたことだ。8・6広島闘争を突破口に、9・11反原発行動、そして11・6全世界1千万人行動への決定的な土台がつくられた。
 四つに、全学連が新たな活動家を生み出しながら、反原発闘争と全国学生運動の高揚に向かって強固な団結を形成したことだ。
 8月7日の広島現地における学生集会が決定的だった。「全学連大会に参加したい。闘う危険性よりも、労働者を人間として扱わず学生の団結を壊していく社会の方が危険だ」(広島大1年生)。「3月11日以後、未来への不安をどこにもぶつけられなかった。しかし、今ある怒りを9月にぶつけることができる。糸口を見つけた」(広島大1年生)。「反原発の怒りにすごい展望がある。支配階級をぶっ飛ばせる。日本だけでなく、国境を越えてみんなを結びつけ、世界的な革命ができる」(京都大2年生)。「原発反対をキャンパスの中でやることは難しいが、それが大事であり自分にできることをやる。全学連大会に友だちを誘って参加する」(首都圏学生)。「監獄大学=法政大学から、必ず法大生は立ち上がる。理不尽に対する怒りの決起を起こせる。全国の仲間は法大闘争のように反原発闘争を闘おう!」(法大1年生)
 この高揚を土台に全学連大会と今秋闘争の爆発へ攻め上ろう。

 被災地からの決起を全国へ

 東北大生は大震災・原発事故と真っ向から対決してきた。震災直後の「ライフライン停止」から始まった5カ月の闘いは、「反原発・大学奪還 7・8東北大集会」の成功にまで上りつめ、学生の団結した力と学生自治会の可能性を示してきた。その土台は5年間の法大闘争であり、「教育の民営化」との対決でつくり出した団結にある。
 大学が原発政策の大焦点であるからこそ、支配階級は学生をこれまで以上にがんじがらめに単位や就職で縛りつけ、決起を押しとどめようとする。しかし、全学連はその重圧を打ち破り、学生が自らの未来をかけきる内容と展望を法大からつくり出してきた。これが全学連大会に向けて第一に訴えたいことだ。
 第二に、自らが先頭で怒りを爆発させ、主流派として全学生の前に登場すれば、怒りの結集軸になれる。福島大学ではわずか1週間で100筆以上の反原発署名が集まり、それが集会や行動への参加に結びついている。
 7・8東北大集会に参加した福島大生は、「福島大学キャンパスは何ごともなかったかのように『平和』です。しかし、みんな興味がないのではなく、動き方が分からないんです。周りの目が気になりますし、それぞれ背負うものもあります。ですが、何もできないというのも違います。みんな、このままじゃだめだと思っています。だから、『方法』を示し、できることから始めてもらえるように友だちに話します」と訴えている。明確な行動方針、そして全原発廃炉の展望を訴えれば必ずキャンパスで応えてくれる。ここに確信をもとう。

 団結する場をつくり出そう

 第三に、反原発闘争の中で団結を取り戻し、学生自治会を建設することは絶対にできる。「学費−就活−奨学金」の三重苦への怒りはキャンパスに充満している。これと原発への怒りは必ず結合する。
 反原発闘争とは人間関係も未来も奪ってきた新自由主義との対決だ。すべてが金で価値をはかられ、人間主体が無視される。出身大学や就職先がすべてとなり、学生の個性は切り捨てられる。「非正規がいやなら資格を取れ」と競争があおられ、学生を授業に縛りつける一方で、サークル活動は切り捨てられる。この元凶こそが新自由主義だ。
 政府や資本家どもが「レベル7」の放射能汚染を目の前にしてもなお「ただちに影響はない」「原発を再稼働しろ」などと、人命よりも金もうけを優先させて絶叫している光景はまったく同じではないか。この骨の髄まで腐りきった社会をぶち壊さなければならない。そして、原発と「原子力村」を廃絶する中でそれは絶対にできる。
 「僕たちに必要なことは学生が団結する場を設けることです。それが自治会の復権です。私たちが行動すれば国は変わる。それをどんどん示していけば理解も深まる。そして、『国民がみんな怒っているぞ』という状況をつくりたい。東北大にも『節電は仕方ない』とあきらめる人もいますが、『やっぱり原発が必要だ』という人はいません。新自由主義がいいという人も一人もいません。労働組合や学生自治会がどんどん解体されていく中で、今回の原発事故を契機に僕たちは再び団結しよう」(7・8集会での東北大1年生の発言)
 原発事故こそ新自由主義とその破綻の象徴だ。反原発闘争を高揚させ、学生の団結をつくり出し学生自治会を復権させよう! 全学連大会をその出発点としよう。
 第四に、原発への怒りを中心軸として、キャンパスに渦巻くすべての怒りを束ね、行動に立ち上がらせていく巨大な可能性を学生自治会は持っている。
 「大学は04年の法人化以降に国家の出先機関となり、新自由主義と原発推進のお先棒を担いできました。そういう中で、われわれの仲間である日就寮生が東北大当局によって不当に弾圧されています。これが本当に大学のすることか! 本来あるべき大学の姿を取り戻そう」(7・8集会での東北大2年生の発言)
 反原発闘争を被災地で最先頭で闘う寮生を、「大学の決定だ」「ルールだ」などと言って問答無用で学生寮からたたき出そうとする東北大当局の恥知らずな姿。しかし、日就寮は寮生の怒りを束ね、団結を固めて仲間を守り抜いている。

 大会を反原発総決起集会に

 学生が団結すれば、どんなに不当な攻撃も絶対にはね返せる。学生の怒りを一つの巨大な行動へと束ね上げる学生自治会の存在が決定的だ。全国キャンパスに学生自治会をつくり出すことが、全原発を廃炉にし、学生が社会の主人公として登場していく最短の道だ。
 全学連大会まで残り1カ月を切った。大会への大結集の可能性は大きく開け、原発への怒りに燃えて日々新たな仲間が行動に立ち上がり始めている。全学連大会を反原発総決起集会として大成功させよう。そして、9月−11月の闘いに万の規模での学生決起を実現しよう!
 〔マルクス主義学生同盟中核派・東北大学支部〕
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 全学連第72回定期全国大会

 9月9日(金)〜10日(土)
 東京都内
 参加費/1000円(会場費、資料代など。宿泊費は除く)
 連絡先/電話 050-3036-6464
 mailcn090@zengakuren.jp
 http://www.zengakuren.jp/

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週刊『前進』(2499号6面3)(2011/08/15 )

 西郡住宅裁判 “絶対出て行かない”

 大阪高裁が明け渡し判決

 7月26日、西郡住宅明け渡し弾劾裁判控訴審で大阪高裁第12民事部・安原清蔵裁判長は、部落解放同盟全国連西郡支部の岡邨(おかむら)洋支部長、辻西幸子書記長、田中由加さんの3人に対し、「控訴棄却・住宅明け渡し」判決を下した。絶対に許すことはできない!
 「八尾市と結託した反動判決を許さないぞ!」202号大法廷は怒りのるつぼと化した。大法廷を埋め尽くした80人を超える大傍聴団は被告3人と一つになって、法廷から逃げるように出て行く裁判長を徹底弾劾した。八尾市は被告・住民の怒りを恐れて、またもや法廷に誰一人現れなかった。
 判決闘争には、西郡支部、八尾北医療センターを休診にして決起した八尾北労組、八尾北命と健康を守る会、全国連品川支部、関西労組交流センターの仲間が決起した。
(写真 大阪高裁の反動判決への怒りに燃え、直ちに八尾市に対する弾劾行動に立った【7月26日 八尾市役所前】)

 ただちに上告

 総括集会で3人は明け渡し阻止の戦闘宣言を発した。辻西書記長は「私らの訴えや証拠を裁判所はまともに調べていない。このままではすまさない」。田中さんは「裁判を許せません。不当判決と闘っていく」。岡邨支部長は「14年間の闘いがたった1分(の判決)。こんな裁判所ならいらない。支部1千名建設の力で打ち砕いていこう。すべてを奪い返そう」。3人は直ちに最高裁に上告した。
 続いて八尾市役所前に移動し、八尾市徹底弾劾闘争に決起した。岡邨支部長は「私らの土地建物を提供して建てた団地だ。出て行けと言われる筋合いはない。絶対に出て行かない」と宣言。そして退庁する労働者に、「闘う労働組合をよみがえらせ、田中市長の八尾市800事業丸ごと民営化攻撃粉砕、田中市政打倒をともに闘おう」と呼びかけた。
 その後、荊冠(けいかん)旗と労組旗を押し立てて八尾駅からアリオまでデモを打ちぬいた。

 村が動き出した

 西郡支部は7月24日の支部大会で新自由主義と闘う新たな解放運動の路線を打ち立て、「300万部落のきょうだい、6千万労働者全体に責任を取る司令塔」への飛躍をかけ、支部1千人建設に向かって突き進んでいる。
 大会に先立ち6、7月に行った四つの懇談会と青年交流会には、新しい人たちが八尾市と解同本部派=地区協への怒りをあらわに参加した。八尾市の「市営住宅機能更新計画」による西郡更地化・廃村攻撃への怒りは根底的だ。支部1千人建設方針のもとで、ついに村が動き出した。
 この闘いに追い詰められた八尾市は7月29日付で、応能応益家賃制度に反対し供託で闘う供託者全員に「8月29日までに滞納家賃を全額納付するか納付相談に来庁」せよ、さもないと「入居承認を取り消す」という催告書を送ってきた。断じて許さない。これこそ西郡支部1千人建設への恐怖の表れであり団結破壊攻撃だ。
 供託者は住宅闘争14年の闘いが更地化攻撃に怒る1千人の住民と一つになれば必ず勝利できると確信し、決意を固め意気軒高と闘っている。
 西郡支部は八尾北労組との団結を軸に、3・11情勢を革命に転化する闘いと一つになって、住宅明け渡しを実力阻止する。
 (投稿/全国連西郡支部・植村清)

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