ZENSHIN 2011/10/17(No2508 p06)

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第2508号の目次

フクシマ連帯・農地死守決戦へ 市東孝雄さんは「自分の農地を守り抜くことが福島農民との連帯だ」と語った(10月9日 成田市東峰/壇上は萩原進さん)=4面に記事

1面の画像
(1面)
11・6反原発大デモを
再稼働阻止・非正規職撤廃へ 労働者のストライキに続こう
「復興特区」=大民営化うち破れ
記事を読む  
動労水戸
外注化と被曝労働を許さない  2波のストで検査止める(10月8、13日)
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
日程 11・6全国労働者総決起集会 記事を読む  
(2面)
外注化と被曝労働にストで対決  原発・放射能問題は労組の試金石
辻川慎一労組交流センター事務局長 11・6へ大いに語る
記事を読む  
国労臨大弾圧裁判 高裁有罪判決弾劾する(10月13日) 記事を読む  
中四国青年労働者集会 “職場からの反撃を”
呉市営バス民営化と闘う(広島/マル青労同YK)(10月8日)
記事を読む  
(3面)
福島と共に反原発・非正規職撤廃を闘い11・6大結集へ!
労働組合が歴史を動かす時  革共同教育労働者委員会
記事を読む  
橋下・大阪職員基本条例粉砕を
自治労大阪の平松翼賛許さず「首切り条例案」と徹底対決へ(川上憲一)
記事を読む  
首都圏青年労働者集会 “労組青年部を甦らせよう”
反原発・非正規職撤廃を闘い(10月8日)
記事を読む  
(4面)
10・9三里塚 “市東さんの農地守りぬくぞ”  福島連帯・TPP反対を宣言(10月9日) 記事を読む  
“廃道処分は違法”  10・11団結街道裁判  鑑定のデタラメを追求(10月11日) 記事を読む  
“6万人の渦の中へ” 反対同盟は訴える 記事を読む  
2011年日誌 10月4日〜10日
欧州金融大手デクシアが破綻/秘密保全法案作成に着手
記事を読む  
(5面)
10・10福島 NAZENフクシマを結成
“福島を返せ! 全部補償しろ!”  再稼働阻止、今すぐ原発とめよ(10月10日)
記事を読む  
“福島と世界のために” 集会の発言から(10月10日) 記事を読む  
『前進』を青年・学生の隊列に
階級闘争の責任勢力へ飛躍を 機関紙武器に11・6組織しよう  前進経営局
記事を読む  
(6面)
“原発容認の日弁連変えよう”  福島と結び弁護士・市民集会
「原発の番犬」裁判所に怒り(10月7日)
記事を読む  
“被災地は団結し闘う”
仙台で福島県教組迎え集会(東日本大震災現地救援対策本部・T)(10月7日)
記事を読む  
“年内の闘いが勝負だ”  共謀罪国会提出阻止へ檄(東京・T)(10月1日) 記事を読む  
紹介 共産主義者170号  外注化阻止へ国鉄決戦論  反原発闘争の戦略的論考 記事を読む  
日程 10・31狭山闘争 記事を読む  

週刊『前進』(2508号1面1)(2011/10/17 )

 11・6反原発大デモを

 再稼働阻止・非正規職撤廃へ 労働者のストライキに続こう

 「復興特区」=大民営化うち破れ

(写真 フクシマ連帯・農地死守決戦へ 市東孝雄さんは「自分の農地を守り抜くことが福島農民との連帯だ」と語った【10月9日 成田市東峰/壇上は萩原進さん】=4面に記事

 世界大恐慌は、金融大手デクシアの破綻などヨーロッパ金融恐慌の再爆発から、07年パリバ・ショック、08年リーマン・ショックをも前史とする本格的爆発過程に突入した。このまっただ中で、新自由主義に対する世界の怒りと闘いの最前線に日本の9・19反原発6万人決起が躍り出た。この衝撃は世界に波及し、アメリカで青年労働者と労働組合による「ウォール街を占拠せよ!」の闘いに発展した。9・19の大結集は、労働者が職場と地域で、家族や友人間で、怒りをたぎらせて生み出したものだ。11・6労働者集会は、この9・19をさらに原発絶対反対・再稼働阻止と外注化粉砕・非正規職撤廃・偽装請負弾劾へ発展させる闘いだ。「生きさせろ!」の根底的要求を11・6集会1万人結集へ結実させるために全力を挙げよう!

 平成採の労働者が先頭に

 〈3・11〉以来の被災地を先頭にした全国における日々の激戦・激闘を通して、巨大な勝利の地平が闘い取られている。
 動労千葉は、民営化=外注化阻止・非正規職撤廃・偽装請負粉砕の闘いを、JR大再編情勢と切り結びながら、職場の団結を拡大し、10年間におよぶ外注化阻止の闘いの地平の上で、ついに京葉車両センターでの構内業務外注化の10月1日実施を阻止した。
 そして2012年4月の大決戦に向け、検修・構内業務の全面的外注化阻止、基地統廃合絶対反対へ、ライフサイクル制度撤廃、人事・賃金制度改悪阻止、65歳まで働ける労働条件の確立要求を掲げて、ストライキ決起をもってするさらに新たな闘いを開始した。
 この動労千葉の外注化阻止・非正規職撤廃・偽装請負粉砕の闘いと固く結合し、検修外注化阻止とJR東日本による被曝労働強制を絶対に許さない、職場からの不退転の感動的な反撃が始まった。10月8日、動労水戸が、福島第一原発から30`圏内の常磐線広野駅までの営業運転再開反対、検修業務外注化阻止を掲げ、勝田車両センターに所属する組合員11人全員の全一日の指名ストに立ち上がったのである。
 そして9日、汚染された列車の回送強行に対する徹底弾劾を行った。13日には、検修作業を丸のみして政府・JRの安全キャンペーンの先兵に転落した東労組を弾劾し、再度のストライキに決起した。しかもこの先頭には平成採の青年労働者が立った。
 動労千葉の田中康宏委員長は本紙2505号のインタビューで、「新自由主義政策が始まってから30年で、非正規雇用という形で雇用が破壊され、ワーキングプアが膨大につくり出されてきた。その結果、社会保障、医療、年金、教育などすべてが破壊され、社会が崩壊しかねない危機に陥った。これに立ち向かうことができなければ、闘う労働組合をこの社会に復活させることなどできない」「民営化や外注化に正面から立ち向かうことは困難な課題だが、この闘いを本気で現場労働者に訴えた時、必ず現場の仲間を獲得できる」と訴えている。
 今こそ、反原発・再稼働阻止と同時に「民営化=外注化阻止! 非正規職撤廃! 偽装請負弾劾!」の闘いを4大産別を先頭に全産別・全職場の路線方針として確立し、職場から闘いを開始し、11・6へ猛然と攻め上ろう。1万人大結集を実現する環がここにある。転換・飛躍を闘いとり、11・6へ!

 福島に新たな団結と闘い

 NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の10・10フクシマ結成集会に350人が結集した。〈3・11〉以来の闘いの地平をすべて集約した感動的な結成大会として大成功した。そこには一人ひとりの発言に「生きるための闘い」の真剣さ、必死さがあり、万人を獲得する中身があった。とりわけ福島現地で闘う母親、農民、労働組合の仲間と闘う弁護士、闘う医師たちが大合流したことは決定的だった。
 長年にわたり広島の被曝医療にたずさわってきた高陽第一診療所の医師・吉田良順さんの「闘わなければ政府は動かない」というヒロシマの教訓は、被災現地で闘う仲間に勇気と確信を与え、長崎の被爆者・城臺(じょうだい)美弥子さんの「被爆者自身が『原子力の平和利用』論を信じ込まされてきてしまったことが今日の現実をつくり出した。広島・長崎・福島がつながって、核も原発もない社会を」という心の底からの訴えが熱い感動を生んだ。
 文字どおり「すべての原発いますぐなくそう!」が、全参加者の熱い総意となり、NAZENフクシマは結成された。ついに原発被災地・福島にすべての原発停止・廃絶までやまない新たな闘いと階級的団結が生まれたのだ。
 原発推進・再稼働をめぐる動と反動の激突に勝ち抜き、闘って闘って闘い抜き、原発再稼働絶対阻止へ、11・6労働者集会で9・19の地平をさらに発展させよう。9・19をともに闘った職場、地域、キャンパスの仲間たちの中に飛び込み、集団的な討議と決定で11・6に大結集する組織者、オルガナイザーをつくり出そう。1万人結集への実践と飛躍に挑戦し、火の玉となって闘おう。
 9・19の6万人決起は、政府・支配階級を震撼させた。彼らは必死の反動・反革命に出てきている。その反革命的な巻き返しの大攻撃こそ、一方でのJR大再編と動労千葉労働運動解体の攻撃であり、他方での「震災復興特区」攻撃と原発再稼働の策動だ。この大反動を打ち破った時、より巨大な大衆的うねりがつくり出され、階級的力関係を決定的に変えることができるのだ。
 今こそ帝国主義ブルジョアジーの最大の攻撃=原発再稼働策動を打ち破るために闘おう。日本経団連は「経団連成長戦略2011」(9・16発表)で原発再稼働を要求し、首相の野田は国連で再稼働宣言を行った。
 さらに大会で再稼働を容認した連合を許さず、打倒しよう。「復興特区」=大民営化攻撃の先兵として登場したJR東日本を被災地の怒りの鉄火で痛撃し打ち砕こう。いっさいは11・6集会の爆発にかかっている。

 3労組と被災地が結んで

 被災地の怒り、フクシマの怒り、農民・漁民、すべての民衆の怒りと結合し、動労千葉・動労水戸、そして「不況こそ労働組合が闘うチャンス。労働者が主人公の社会だ」(武建一委員長)と大手ゼネコンを相手に139日間の産業ゼネストを打ち抜いた関西生コン支部の闘い、職場で不屈の闘いを貫く港合同と結びつき、今や労働組合運動の責任勢力への飛躍をかちとる時だ。
 その闘いの環こそ、国鉄闘争全国運動を各地で建設し、全職場に「動労千葉を支援する会」と「共に闘う国労の会」を建設することだ。4・9政治和解から1年、7月の国労大会での闘争団員の組合籍剥奪から各闘争団の「解団式」が進行する中で、国鉄1047名闘争の不屈の魂は新たな国鉄闘争全国運動として確実に引き継がれ、いまも赤々と燃えている。和解を拒否して闘う動労千葉、国労闘争団員の裁判闘争、物販闘争をいよいよこれから本格的全面的に発展させよう。
 1047名闘争の先頭で体を張って闘い、外注化・非正規職化・偽装請負と対決し、職場から尼崎事故弾劾を全力で闘いぬいてきた5・27国労臨大闘争弾圧被告団も、「フクシマの怒りと一体となって全生涯かけて闘う」(富田益行団長)と戦闘宣言を発している。
 11・6労働者集会こそは、3労組とフクシマの怒り、国鉄闘争全国運動がひとつになり、反原発・反失業、反原発・非正規職撤廃の巨大な怒りがマグマとなって爆発する闘いだ。チュニジア・エジプト革命として始まった全世界の労働者人民の怒りの決起と結合し、プロレタリア世界革命に進む新たな闘いの日だ。国際連帯の壮大な発展をもかけて、11・6日比谷野音に大結集しよう!
 1万人を超える巨大な再稼働阻止の反原発デモを東京電力にたたきつけ、霞が関―新橋―銀座の都心を圧倒的に席巻しよう。

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週刊『前進』(2508号1面2)(2011/10/17 )

 動労水戸

 外注化と被曝労働を許さない

 2波のストで検査止める

 動労水戸は、JR東日本による被曝労働強制と外注化に反対し、10月8日と13日の両日、ストに立ち、安全を無視した汚染車両の検修業務、清掃作業をいったん中止に追い込む決定的勝利を切り開いた。この闘いの中で1人の青年労働者が動労水戸に加入した。
 野田政権による緊急時避難準備区域の指定解除(9月30日)を受け、JR東日本は10月10日から常磐線久ノ浜駅(福島県いわき市)〜広野駅(同県広野町)間の営業運転を再開した。広野駅は福島第一原発から20`余り。原発事故は何ら収束していない。にもかかわらずJR東日本は、深刻な汚染の事実を塗り隠して「安全だ」と強弁、原発再稼働を狙う野田政権のお先棒を担いで運転再開に踏み込んだのだ。
 JR東日本は”国が安全を確認したから駅や線路の除染は必要ない”と言い張り、放射線量の測定もやらないと言い続けてきた(動労水戸の追及によって初めて測定)。9日には、大震災以降、広野駅構内に放置されていた電車(K544)の勝田車両センターへの回送を強行、そのまま児童公園の直近にある洗浄機にかけて洗浄水を周辺にまき散らした。公園では直前まで子どもたちが遊んでいた! いったいJRは何を考えているのか! JRはK544の交番検査を13日に行い、その後営業運転に使用する方針を打ち出した。
 これは現場労働者と周辺住民の命のかかった問題だ。検修業務の大半を担っているのは平成採の若い労働者だ。「仲間を守れるのはおれたちしかいない」。動労水戸は3日のプレス発表以来、猛然たる闘いを開始した。
 7日には、いわき市役所と茨城県庁の記者クラブで会見を行い、会社のでたらめなやり方を暴露して大反響をまきおこした。職場の他労組の仲間、下請け会社で車両清掃をしている労働者たちからも激しい怒りと不安の声が噴きだした。
 動労水戸はその先頭に立ち、8日には勝田車両センター所属の11人が第1波ストに決起。9日にはK544の回送強行に対する抗議闘争に立った。こうした中で会社は、K544の清掃作業と、13日に予定していた交番検査の中止を表明せざるをえなくなった。
 しかし会社はあきらめていない。動労水戸はさらに13日、被曝労働の強制に反対し、専門家の指導によるきちんとした除染を求めて第2波ストに決起した。
 「被曝労働を許さないぞ!」「会社はきちんと除染しろ!」「広野までの営業運転反対!」――13日早朝から車両センター前に陣取った組合員と支援のコールが構内に響きわたった。構内で働く労働者の中からも、こぶしを上げて呼応する労働者がいる。圧倒的な一体感の中で第2波ストは打ち抜かれた。
 勝田車両センターで働く辻川慎一副委員長は「動労水戸が追及しなかったら会社はなんの問題もないかのように交番検査も車両清掃も強行していた。組合が要求するまで線量すら計らなかった。本当にふざけている! 絶対に職場の青年たちにK544には触らせないぞ!」と怒りをたたきつけた。同時に、東労組が「広野まで乗務する乗務員にマスクを用意しろ」などという「要求」でJR資本の暴挙を容認していることを弾劾し、職場の仲間に「動労水戸とともに闘おう」と呼びかけた。
 その後、JR東日本水戸支社前に移動して抗議行動を貫徹した。13日の行動には国労郡山工場支部の橋本光一さんや、ふくしま合同労組の組合員、動労千葉、全学連なども駆けつけ、ともに闘い抜いた。橋本さんは「職場の仲間は『動労水戸がストをやっている。すげえなあ。おれたちもやりたい』と言っている。被曝労働強制に反対し、職場の除染を求めて闘う」と発言した。
 闘いなくして安全なし! 安全なくして労働なし! 動労水戸は反原発を職場の課題として正面から闘い、階級的労働運動の真骨頂を示した。この闘いに続こう!
(写真 ストに入った組合員を先頭に勝田車両センター前抗議行動。職場の仲間に「ともに闘おう」と訴える辻川副委員長【10月13日 ひたちなか市】)

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週刊『前進』(2508号1面3)(2011/10/17 )

前進速報版から

▼中国安徽省でタクシースト▼首都圏青年労働者集会が大成功▼三里塚・団結街道裁判▼福島県教組と動労千葉迎え10・7みやぎ集会

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週刊『前進』(2508号1面4)(2011/10/17 )

 日程 11・6全国労働者総決起集会

 反原発・非正規職撤廃
 11・6全国労働者総決起集会
 反原発・反失業の国際統一行動を! 国鉄1047名解雇撤回! 非正規職撤廃! 新自由主義とたたかう労働組合の全国ネットワークを!
 11月6日(日)正午/東京・日比谷野外音楽堂
  集会後デモ行進(午後3時30分出発予定。途中、東電前抗議行動を予定)
 【呼びかけ】
 全日本建設運輸連帯労働組合関西生地区コン支部/全国金属機械労働組合港合同/国鉄千葉動力車労働組合/国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動

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週刊『前進』(2508号2面1)(2011/10/17 )

 外注化と被曝労働にストで対決

 原発・放射能問題は労組の試金石

 辻川慎一労組交流センター事務局長 11・6へ大いに語る

 11・6全国労働者総決起集会まであと3週間を切った。11・6に至る攻防の最先端で、動労水戸は放射能に汚染された車両の検修と営業運転を労働者に強いるJRとの決戦攻防を闘っている。反原発闘争を職場における労働組合の正面課題とする典型的な闘いが始まった。全国労組交流センター事務局長で動労水戸副委員長の辻川慎一さんに、この闘いの意義と11・6集会への課題を語っていただいた。(聞き手/本紙 長沢典久)

 労働者・乗客・住民の命を守りぬく闘いを

 ――動労水戸は、JR東日本による被曝労働強制との重大な攻防の渦中にあります。この闘いの意義について聞かせて下さい。
 辻川 政府が福島第一原発から20〜30`圏内の「緊急時避難準備地域」の指定を解除した。大変な放射能が存在しているのに「安全だ」と宣言し、避難している人たちに「地元に戻れ」と言っている。これは、来年の原発稼働がゼロになるかもしれない危機をなんとしても突破するためでしょ。
 その攻撃の先鞭(せんべん)をJRが付けている。広野町の住民は「危なくて帰れない。除染していないじゃないか」と言っているのに、JRは「復旧しています。営業運転を再開します」という形で国の攻撃を推進している。営業運転と言っても、乗客なんかいない。直接的な資本の論理ではなくて、政府・東電と一体となって「安全だ」と言い張るために、広野まで開通させたんです。
 しかも、広野駅に半年以上放置され、被曝している電車を勝田車両センターまで持ってきて、JRの労働者に検査・修理させる。検修作業をすれば当然、ほこりも出る。それを吸い込めば放射能が体内に入り、内部被曝する。車両の掃除をする関連会社の人も含めて、被曝労働が強いられる。
 検修を終えたらその車両を営業運転に使うんですよ。労働者にとっても、車両センター周辺の住民にとっても、乗客にとっても、きわめて重大な問題です。
 ところが東労組や国労は「会社の決めたことだからひっくり返せない」という態度をとっている。でも、青年や女性労働者はこの攻撃と絶対非和解です。これから生命を生み育てていく者と放射能は非和解に決まっている。女性社員が本当に涙を流して「広野に行きたくない」って言っている。泣く泣く行かざるを得ないかもしれないし、一生悔やむようなことになるかもしれない。それは彼女だけの問題ではないはずです。
 なのに東労組や国労も含む体制内労組は、非和解なものをこの期に及んで和解させようとする。「マスクを用意しろ」という程度の要求で、労働組合が組合員に被曝労働を強制する。
 動労水戸は、検修外注化反対の闘いの中で、外注化はさせない、青年の未来を守ると言ってきた。その青年労働者たちに被曝労働をやれなんて絶対に言えない。おれたちもあらためて問われた。JRのやり方に対して、「それはしょうがないんだ」という方針をとる労働組合だったら、労働組合として根本的なところで終わっている。だから、「おれらの本気さが問われている」と組合員と徹底的に議論して、この闘いに突入した。
 この闘いに入って、組合員の顔つきが変わった。「腹を固めて闘えるのはおれらだけだ」と組合員が思った時に、本気になって職場の仲間をオルグする。すると必ず相手は応えてくる。青年たちは「動労水戸の言うとおりだ」と思っている。この過程で1人の青年労働者が動労水戸に加入した。
 放射能問題は、資本と労働者の非和解性をあいまいさなく示す。ここで労働組合はウソか本当かを問われて錬磨される。原発問題、放射能問題はその試金石です。

 ストに立つことが説得力を持つ

 うちの組合員はずっと冷や飯を食ってきたから、青年を動労水戸に入れたら苦労させる、かわいそうだという意識がある。そこを突破しなければいけなかった。
 今度の問題は、動労水戸が本当に青年を団結させて守れる労働組合なのかどうか、本気になって闘争するのかどうかを非常に明確な形で突きつけました。
 動労水戸が、放射能に汚染された列車の回送や検査、営業運転に絶対反対してストライキを構えたら、追いつめられている人にはすごい救いになる。「そういう闘いをしている労働組合がいる」ということだけでも勇気が出る。「私の組合は何でやらないの。あんたたちは口先だけだ」という声が必ず出てくる。この問題をめぐって労働者がストライキに立つことが、階級的説得力を持つんです。
(写真 ストライキに立った動労水戸。JR東日本水戸支社前で「被曝労働を強制するな」とJR当局を徹底的に弾劾【10月13日 水戸市】)

 国鉄分割・民営化に必ずリベンジする!

 ――これは、国鉄分割・民営化に労働者の側から決着をつける闘いでもありますね。
 辻川 JR資本が、ライフサイクルだ、検修外注化だ、新賃金制度だと好き勝手にやってくることに対して、青年労働者が疑問を感じていないはずがない。東労組の支配だってガタガタになっている。今、青年たちの中からバーンと火柱が立ち指導者が出てきた時に、わーっと行く可能性がある。
 さしあたって自分たちの身は小さくても、本当に全体に対して責任をとる闘いをやる。その立場から自分たちの立ち居振る舞いや方針を考えるべきです。
 動労水戸は、組合員の3分の2くらいが鉄道を外されて、二十数年、ベンディングセンターや売店に飛ばされました。
 でも、強制配転をされても最終的にもう団結は崩れないとなった時に、会社の方が苦しくなってどうしようもなくなった。結局、資本の攻撃というのは、それによって労働者の団結が解体されたところだけで貫徹される。
 06年にベンディングが廃止されたけれど、大変だったのは、組合員には「鉄道本来の仕事に戻るのはやぶさかじゃないけれど、戻ったら平成採の下で見習いについて、一から仕事を教われっていうのか」という思いが強烈にあったこと。その屈辱感は本当によく分かる。けれど「それでも行ってくれ。分割・民営化へのリベンジはこれからなんだ。リベンジするためにはどうしたって職場に戻らなきゃいけないんだ」っていう議論をした。「そこまで言うんだったら組合をやめる」とか、相当なぶつかり合いをやって本来業務に戻ったんです。
 一番大変だったのは、勝田車両センターに戻った組合員です。勝田は常磐線の心臓部だから、仕事も含めてここが一番きつい。でも、うちの組合員はすごいと思いますよ。3年くらいのうちに交番検査という一番難しい仕事を中軸でやっている。そうなるまでは、平成採に年上ではないような扱いをされて屈辱を味わいながら、車両センターにもともといた組合員にもサポートされて、必死に仕事を覚えた。今では若い人たちを指導するようになっている。しかも、若い人たちに自分と同じ苦労はさせないと言って面倒見もいい。だからうちの組合員は職場で圧倒的に人気がある。
 僕が勝田車両センターに戻ったのは2年半前ですが、一番大変なところに組合員を送り込んだのは自分だから、「おれはもう50歳を過ぎたから楽なところに行かせてくれ」とは言えない。そんなことをしたら組合がまとまるわけはない。組合員から「おれのした苦労を辻川さんも味わってくれ」と言われたっておかしくないのに、勝田車両センターに行ったということだけでみんな喜んでくれた。うちの組合員は本当に苦労しながら誇り高く頑張ってきたんです。

 最高裁判決後の攻防に勝利した

 ――運転士登用差別の最高裁判決後も、激しい攻防になりましたね。
 辻川 運転士登用差別の最高裁判決で勝って、みんな小躍りして喜んでいたら、会社は「運転士になりたかったら言うことを聞け。このテストを受けろ」と攻撃してきた。実際、運転適性検査を受けるとバンバン落とされる。
 揚げ句に、未払い賃金も基本給の差額だけを勝手に計算して個人の口座に振り込んでくる。「組合なんか関係ない」という攻撃です。それをいったん組合に供託することにしたけれど、家族に説明するのは大変なんです。「裁判に勝ったのは組合のおかげかもしれないけれど、あなたのお金でしょ、何で組合に出さなきゃならないの」という話になる。会社はこういう形で組合を崩そうとする。
 そういう攻撃をしながら、会社は「運転士になったとしても、どこの職場に行くか分からないぞ」「どこに行くか分からないけれど、運転士になりたければとにかく白河の研修所に行け」と言ってきた。だから、白河の研修所に行く前はみんな顔面蒼白(そうはく)です。後になって「研修所でストライキをやったのはすげえな」となったけれど、当初はそれこそ水杯みたいな気持ちだった。
 それに対して、「全員が運転士になることをあきらめずに白河に行けば、向こうが音を上げる。社員教育、昔で言えばマル生教育のメッカの白河でばんばんストライキをしたら、絶対向こうが音を上げる」と説得した。実際、白河で華々しくストをやって、本社デモもやって会社に音を上げさせたけれど、白河に行った組合員は研修所で酒を飲みながら「おれたちはどうなっちまうんだろう」って泣いていたというんです。
 その過程ではいろいろあったけれど、組織拡大も実現してこの攻防に勝ちきった。

 被災地に責任をとる労組として

 ――その勝利を祝うレセプションが盛大に行われました。
 辻川 この前の最高裁勝利レセプションで一番の勝利は、うちの組合員が大挙して来たことです。職場で一番ぶつかりあった組合員が先頭で来て、職場の青年を組織しようと張り切っている。具体的な闘争を通じて組合員ともう一度団結できたということです。
 組合員が団結し、自分たちが主体になって動き始めることが一切の基点。組合員がその気になってがんがん闘争し始めないとうまくいかないんです。あのレセプションは集団の力でかちとったから、狙った以上の力が生まれている。
 レセプションをいわきでやったのは、「われわれは被災地に責任をとる労働組合だ。反原発闘争を根底的に貫く労働組合だ」という宣言です。フラガールを呼ぶっていう企画も、そう考えてやった。
 それともう一つは、労働組合というのはものすごく解放的で楽しいものだということを、集まった各産別の若い人たちに味わってほしかった。労働者大衆が本当に元気になって、自分たちの積極性、生命力を発動しながら生き生きと展開していくのが労働運動、革命運動。そんな悲壮なもんじゃないと思う。戦前、戦中、戦後初期の歴史を暗く描き出すのは、スターリン主義や右翼反動の思想、体制内的な労働者観だと思います。現場労働者は、必死な顔をして真剣に闘うこともあれば、日常的には冗談を言いあってけっこう楽しく仕事をし、生きているんです。 

 労働組合のあり方を決めるのはリーダー

 この間の闘いの中で痛感していることは、「最後に組合を決めていくのはリーダーだ」ということです。動労水戸の組合員は、どんなに苦しくても、カクマルとか日共とかでなくわれわれが一番の労働組合だと誇りを持っている。その一人ひとりの組合員は本当にすごい、すばらしい存在です。
 彼らは、動労水戸に人生をかけて闘ってきたし、動労水戸に誇りを持っているけれど、彼らが「究極的にはおれたちはあんたにかけてきたんだ」という表現で迫ってくることがあるんです。「組合の方針としてこれが正しいんだ」ということだけを主張した時に、組合員とぶつかる。どうしてぶつかるかをよくよく考えると、そこまで奮闘している組合員を本当に腹の底から信用してものを言っているのかということが問題になっている。自分ではそのつもりでいても、実はそのところで食ってかかられている。組合員は、本質的には「おれたちは銭金でついてきたんじゃなくて、あんたについてきたんだ」って言っているんです。
 そういうプロセスで自分が修正される。具体的なことで組合員とぶつかり合いながら、自分の甘さに気づかされて、思想的に深化していく。闘争をやっていく場合の腹の据わり具合とか、闘争の展開の判断基準とかは、その過程で組合員が教えてくれるんです。
 組合員は、目の前の闘争で具体的にどういう態度、物言い、かかわりをするかということによってしか、リーダーとして認めない。自分が勝田車両センターに戻ってから、そういうことが本当に問われた。その中で、闘争を通して組合員との団結を強烈に再形成してきた。そうすると、組合員が自分が思っていた以上にすごい人間だということも見えてくる。

 労働者の自己解放性に依拠する

 動労千葉や関西生コン支部がすごいのは、資本との最前線の攻防を、団結の力で押し渡ってきたことです。体制内労働運動は、「ここで激突すると労働者がついてこない」という言い方で日和っていく。だけど、最前線の闘いで最も戦闘的なのは現場労働者一人ひとり。その戦闘性、団結の力で労働者は解放されていく。体制内労働運動は、職場の最前線の攻防、資本との直接攻防を労働者階級の団結の力で押し渡ったことがない。彼らは、団結の力で労働者が解放されたら、資本と自分たちの和解的関係が破壊されることを恐れます。
 社民や日共への幻想は、彼らが1047名解雇撤回闘争を放棄して、解雇者は組合員じゃないと規定した瞬間に終わったんです。分割・民営化で崩壊のふちにあったのに、動労千葉や動労水戸との対抗上、維持されてきた社民や日共への幻想が、ついに崩壊した。
 そのもとで今のJR大再編情勢が起きている。この時代に対応する労働運動をつくり出し、多数派になるための闘いを展開しなければならない。それがJR大再編情勢に対するわれわれの回答です。

 壮大な展望を描いて11・6に突き進もう

 ――11・6へどう闘いますか。
 辻川 11・6労働者集会の決定的重要性は、この闘いによって労働者党を建設するんだという真剣な意識性を貫くときはっきりします。自分たちが何を成し遂げたいか、何を実現したいのか、という大きな夢がなければいけないと思う。僕は、JR大再編の中で他の諸党派がこれだけ見事に崩壊しているんだから、この中で強烈な青年指導部を打ち立てていくという夢を持って11月に臨んでいる。

 搾取の全体構造を撃つ闘いに

 11・6集会は「反原発」「非正規職撤廃」を正面に掲げているけど、その両者は帝国主義の成り立ちの根本にある都市と地方の問題とも密接にかかわっている。
 資本主義はプロレタリアの搾取によって成り立つんだけど、プロレタリアートは歴史的に、地方の農村部が貧困状態に追い込まれ、農地から引きはがされてつくり出されてきた。被災地の東北を始め、地方の存在を前提として都市部の資本が維持されている。マルクス主義的に言えば、相対的過剰人口が好景気の時は吸収され、不況期には吐き出される。新自由主義においては特に、地方の貧困化、疲弊が都市の「繁栄」の土台になっている。マルクスは都市と農村の分離・対立は資本主義のもとでは解決できないと言っているけど、解決するどころか、それが資本の延命の前提になっている。
 福島原発事故はこのことをあらためて突き出したと思うんです。そもそも国鉄分割・民営化でローカル線を廃止し、地方の貧困化を意図的につくり出して、大資本が自由に搾取する構造を生み出した。郵政民営化もそう。野田政権は、震災を奇貨として「復興特区」をつくり、これだけ疲弊した地方をさらに食い物にして資本主義を延命させようとしている。
 他方で、都市部では深刻な階級対立が起きてますよね。裕福な者はより裕福になり、貧困な者はさらにたたき落とされる。その日暮らしを強いられ、カップラーメンをすすりながら生活している膨大な非正規職の労働者がいる。
 地方を食わせられない状態にして原発をバンバン造り、非正規労働者も増やしてきた。だから、プロレタリア革命の問題として、都市と農村の団結を考えないといけない。地方の搾取構造も、東京、中央の支配構造をぶっ壊さなかったら変わらないし、地方を獲得するためには断固として地方と団結する闘争を打たなきゃいけない。
 9・19の6万人結集は巨大な衝撃だし、労働者大衆は怒りが深ければ深いほど本物を求めている。われわれが壮大な展望を描きつつ日々の攻防を闘いぬけば、相当でかいことが可能になる。この時代に対応する労働運動、特に大震災と原発事故に対する根底的闘いを打ち立て、今ともに闘っている人たちを根本から活性化させながら全体を獲得する闘いに打って出る。そういう闘いを11・6に向けて全職場でつくり出しましょう。

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週刊『前進』(2508号2面2)(2011/10/17 )

 国労臨大弾圧裁判 高裁有罪判決弾劾する

 国労5・27臨大闘争弾圧裁判で東京高裁第10刑事部は10月13日、国労組合員6被告の控訴を基本的に棄却し、被告を有罪とする反動判決を出した。他方で判決は、富田益行被告に関し、一審判決が認定した3人の本部派組合員への「暴行」のうち1件については検察官の訴訟提起に手続き的な瑕疵(かし)があるとして公訴を棄却、罰金60万円を40万円に改めた。判決で高裁は国労本部をかばい被告への憎悪をむき出しにした。被告団は直ちに上告の手続きをとった。(詳報次号)

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週刊『前進』(2508号2面3)(2011/10/17 )

 中四国青年労働者集会 “職場からの反撃を”

 呉市営バス民営化と闘う

 10月8日、「反原発・反失業」「職場にたたかう労働組合つくろう」「青年は団結しよう」をスローガンに中四国青年労働者総決起集会が広島市東区民文化センターで開催され、45人の仲間が集まりました。
 冒頭、9・11―9・19の9月反原発闘争の大高揚の映像とウォール街占拠のデモの映像が上映され、熱気に沸きました。
 司会の広島連帯ユニオン青年部副部長があいさつ。続いて基調提起を広島連帯ユニオン青年部長の井上亮さんが行いました。
 9・19の6万人決起の感動とともに 「9・19は新しい時代の夜明け。6万人は始まり。10倍、100倍になる可能性は大いにある」と語りました。また「アメリカ資本主義の心臓部で青年の決起が始まった。エジプトのタハリール、アメリカのウォール街、日本の青年労働者の結集方針は11・6日比谷だ」と11・6労働者集会への結集を訴えました。そして「青年の未来を自分たちで切り開こう。職場から新自由主義に反撃しよう、労働組合を組織し、労組青年部をよみがえらせよう。11・6に職場の仲間を誘って参加しよう」と訴えました。
 特別報告として、広島連帯ユニオン呉市交通局支部の仲間が呉市営バス民営化絶対反対の闘いを報告。デタラメな民営化に対し「現場の団結をとことん拡大して闘う」と鮮明な決意が表明され、会場で交通局労働者への檄布(げきふ)が作成されました。
 さらに国鉄西日本動力車労働組合の山田和広副委員長が、郵政非正規ユニオンスト、被曝強制と闘う動労水戸の闘いに続き、契約社員制度廃止へ闘うと訴えました。広島連帯ユニオン草津病院支部の中山崇志委員長は、殺人罪デッチあげ・無期懲役と37年獄中で闘う星野文昭同志とともに、組合つぶしのデッチあげ弾圧に手を染めた司法・国家権力と徹底的に闘う決意を述べました。
 会場からの発言では、8・6ヒロシマ大行動と9・11反原発デモに決起した2人の青年労働者が「みんなで革命を。新自由主義を撲滅する」とアピール。草津病院支部の青年からは、中山委員長への弾圧以後職場で団結して闘ってきた地平が報告され、「過重労働の中で労災が多発し、職場の外注化攻撃が始まっている。評価制度により職員のイジメ問題が発生している。組合は評価制度絶対反対で団結し、評価提出拒否闘争を闘う」と決意表明。さらに岡山マスカットユニオン、徳島医療福祉労働組合、愛媛や広島の郵政非正規労働者から民営化・非正規化とそれに協力する既成労組指導部への激しい怒りが表明されました。
 最後に岩国市職員労働組合の仲間が「私たちも日比谷をオキュパイ(占拠)しよう」とまとめの提起を行い、団結ガンバローで締めくくりました。
 交流会も盛り上がり、ともに11・6集会への大結集をかちとることを確認しました。
 (広島/マル青労同YK)
(写真 職場から新自由主義と対決し11・6労働者集会への結集を確認【10月8日 広島市】)

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週刊『前進』(2508号3面1)(2011/10/17 )

 福島と共に反原発・非正規職撤廃を闘い11・6大結集へ!

 労働組合が歴史を動かす時

 革共同教育労働者委員会

 全国の教育労働者のみなさん。「反原発・反失業」を掲げる11・6全国労働者総決起集会に組合・職場・地域の仲間とともに参加することを訴えます。福島の教育労働者の闘いに連帯し、職場にあふれる原発への怒りを一つに束ねて、全原発を廃止する闘いの先頭に立とう。職場から団結をつくり出し、闘う労働組合をよみがえらせよう。

 職場から組合員が自主的に決起

 9月19日、6万人が明治公園を埋め尽くし、道路にまであふれた。「原発なくそう! 子どもを守れ!」の大合唱が都心にとどろいた。巨万の大衆行動の時代が始まった。ヒロシマ、ナガサキに続きフクシマを体験した日本の労働者人民は、核と原発を全世界からなくすまでやむことのない闘いを始めたのだ。
 労働組合員は動員指令をはるかに超え、職場から自主的に決起した。これにNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)数千人が合流した。労働組合が本気で闘いをつくり出せば世の中を変えることができることを示した。労働組合が底力を発揮し歴史を動かす時が来た。革命党の課題は原発と大失業と戦争に真っ向から対決する闘う労働組合を職場の労働者とともにつくり出すことだ。

 再稼働・被曝強制の野田倒せ

 11・6集会に向かって訴えたいことは第一に、経団連と連合、財務官僚を支柱とし、原発再稼働と大増税を策す超反動・野田民主党政権を打倒しようということだ。
 政府や財界の言う「復興」とは、被災地丸ごとの民営化であり、被災地に道州制、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)を先行実施し、法人税を免除し、労働法制を適用せず、アジア並みの超低賃金にする「復興特区」=”資本の別天地”をつくることだ。併せて「復興財源捻出のため」として公務員に大量首切り、大幅賃下げの攻撃が襲いかかろうとしている。
 中川文科相は、福岡県教組出身の神本美恵子を文科政務官に据えて原子力開発を担当させ、日教組本部を原発再稼働の先兵にしようとしている。12年度概算要求では342億円のもんじゅ予算を維持する一方、児童生徒の放射線被曝防護はたったの15億円。「福島の再生なくして日本の再生なし」と言う野田政権がやっていることは、御用学者を総動員した「放射能安全」デマキャンペーンと自治体、住民を総動員した「除染運動」だ。
 しかし次々と積み上げられる汚染土の中間処理施設は「県内に」というのが政府の方針だ。それは現実には「年間1_シーベルトは不可能」として、高線量被曝、内部被曝を福島県民と子どもたちに強制するものでしかない。福島県民を「モルモット」にするな!

 「命よりカネ」の社会を変える時

 被曝による健康被害に「しきい値」はない。とりわけ子どもたちをこれ以上被曝させてはならない。福島原発事故を引き起こしたのは、人間の命より経済活動、資本の利潤を優先する資本主義社会そのものだ。腐りきったこの社会を根本から変える以外に、フクシマの怒りに応え、原発をとめる道はない。
 野田政権をはじめ原発再稼働・原発輸出に血道をあげる者たちと労働者階級人民との関係は絶対的に非和解だ。再稼働阻止! 野田政権打倒! 11・6集会と大デモの爆発で決着をつけよう。

 教育基本条例は首切り条例

 訴えたいことは第二に、原発再稼働を阻止し子どもたちを放射能から守る反原発の闘いは、民営化・外注化阻止、非正規職撤廃、反失業の闘いと一つだということだ。
 被災地は非正規職しか働き口がない深刻な状況だ。多くの教え子が原発で働いている。7次、8次に及ぶ下請け構造の中で、非正規労働者が集中的に被曝させられ、使い捨てにされている。財界は「復興特区」の名のもと、残業規制や派遣・有期雇用規制の撤廃を要求し、福島県は雇用創出事業を派遣会社に丸投げするなど、非正規職化に拍車をかけている。
 原発は被曝労働を前提にして初めて成り立ってきた。このことは原発の反労働者性を表している。ところが電力総連をはじめ労働組合は、被曝労働の外注化を要求することをとおして会社ぐるみで原発を推進し、被曝労働を押し隠してきた。これは労働組合と労働運動のあり方の問題性を私たちに突きつけている。
 外注化・非正規職化の波はすでに学校現場にも及んでいる。給食・用務などの現業に始まり、授業まで受験塾に外注化され、総額裁量制や国庫負担金引き下げで非正規教員が激増している。
 橋下・大阪府知事が率いる大阪維新の会が府議会・市議会に提出した教育基本条例案は「3年連続定員割れした学校は統廃合して教職員はクビ」「公立学校を民営化して教職員を選別解雇」「毎年D評価を5%出し、2年連続D評価でクビ」という許すことのできない内容だ。道州制と教育の民営化、大量首切り、労働組合根絶の攻撃との闘いは教育労働運動の最大の課題となっている。
 外注化と非正規職化こそ新自由主義の労働者支配のテコであり、青年労働者をワーキングプアに突き落としてきた元凶だ。ストライキと職場闘争で外注化を阻んでいる動労千葉を先頭に、郵政非正規ユニオンの闘いに続いて、外注化を阻止し、非正規職を撤廃する闘いを学校現場からつくり出そう。
 「新自由主義と闘う労働組合の全国ネットワークを」と呼びかけ、外注化阻止、非正規職撤廃を掲げる11・6集会の成功は決定的だ。

 福島県教組と連帯し闘おう

 訴えたいことは第三に、体制内労組幹部の支配を打ち破って職場の怒りを組織し、職場闘争をつくり出し、その闘いの中で階級的団結を取り戻そうということだ。
 支配体制内部に深々と組み込まれた労組幹部が「財政危機だから仕方がない」「闘っても勝てない」として職場労働者の怒りを抑え込み、さらには「財政危機への協力」と称して労働組合が「国家救済・自治体救済」政策へ組合員を積極的に動員している。しかし教育現場の我慢はすでに限界点を超えている。とりわけ青年教育労働者は怒りと不安にかられ、「どうにかしなければ」「どうしたらいいのか」という思いを募らせながら、闘いの方針を求めている。
 福島県教組の闘いは、「戦争状態」のただ中で「教え子を戦場に送るな」を貫く闘いだ。文科省の殺人的な「20_シーベルト基準」を弾劾し、放射能被害から子どもたちを守るために闘い、反原発闘争の最先頭に立っている。兼務発令や不当な人事異動による教職員の生活破壊への怒りを結集して、県教委に立ち向かっているのだ。
 とりわけ子どもの県外避難による「過員」を理由とした新規採用停止、講師の雇い止めは、絶対に許すことができない。情報隠しと安全デマで子どもたちに被曝を強制したのは誰なのか。家族とも友だちとも別れて避難を余儀なくさせたのは誰なのか。原発事故の張本人たちの責任を徹底的に追及し、雇用を保障させなければならない。
 闘う全国の教育労働者は、「フクシマの現実」を共有し、その怒りをわがものとし、その苦闘にとことん学び、福島県教組と連帯する具体的な闘いに踏み出そう。
 とりわけ、放射能から福島の子どもたちを守るために、臨時任用教員への雇い止め=解雇を絶対に許さないために、全国の教育労働者は団結して闘おう!
 私たちが自分の組合・職場で、行政に除染要求を突きつけ、官製「放射能教育」と闘い、定数改善や正規職化をかちとること。何よりも教育労働者が職場の仲間と団結し、反原発・反失業闘争の最先頭に立つこと。これこそ怒りのフクシマと連帯し、職場に闘う労働組合を取り戻す道だ。
 日教組の運動方針案に「20_シーベルト基準撤回」がない。福島の母親たちの文科省交渉に日教組の旗がない――この現実はなんとも悔しい限りではないか。この現実を変えることができるのはフクシマの怒りを共有する教育労働者だ。野田民主党政権を支える連合・日教組本部を打倒しなければ、教育労働者も生きていけない。福島県教組と団結し、闘う日教組を現場組合員の手に今こそ奪い返そう!

 職場の怒り束ね11・6日比谷へ

 世界大恐慌の本格的爆発過程への突入、大失業と非正規職化、大増税の嵐の中で世界の労働者が立ち上がっている。ヨーロッパでは連日ストやデモが闘われ、アメリカでも「ウォール街を占拠せよ!」の合言葉で始まった青年の闘いが労働組合と合流し、階級的激突が新たな段階に入っている。世界中で新自由主義を打倒する階級的労働組合が台頭している。
 9・19の空前の6万人の怒りをさらに大きくし、すべての原発をなくして資本主義社会を根底的に変革するための次の闘いの方針は何か。フクシマの怒りを体現した武藤類子さんの9・19アピールに応える道は何か!それは新自由主義と対決し、「反原発・反失業! 国鉄1047名解雇撤回!」を掲げて闘う労働者・労働組合の総結集の場、11・6集会に職場から総決起することだ。
 9月23日、「フクシマと全国をむすぶ教育労働者全国交流集会」が福島現地で開催された。呼びかけ人としてあいさつした福島県教組の清野和彦元委員長は「国鉄問題と原発問題は同じです。差別の体系、無責任の体制とも言えるこの社会、資本主義社会を変革する以外にないと思うからです。そのためには労働者階級の闘いが決定的です」と全国の教育労働者に檄(げき)を飛ばした。フクシマの怒りに応え、11・6集会への1万人結集で階級的な力関係を変えよう!
 すべての教育労働者は職場の怒りを束ねて11・6日比谷野音に総結集しよう。すべての闘う教育労働者は今こそ革共同教育労働者委員会に結集してともに闘おう。

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週刊『前進』(2508号3面2)(2011/10/17 )

 橋下・大阪職員基本条例粉砕を

 自治労大阪の平松翼賛許さず「首切り条例案」と徹底対決へ

 巻き返しを狙う橋下と維新の会

 橋下徹・大阪府知事が率いる大阪維新の会が大阪府議会・市議会で「職員基本条例」「教育基本条例」を制定しようとたくらんでいる。
 維新の会が大阪市議会に提出した両条例案は9月30日に否決されたが、橋下と維新の会は巻き返しをかけて11月27日の大阪市長選に臨もうとしている。維新の会は10月6日、大阪府議会に両条例案を提案した。11月27日の大阪府知事選で両条例案を争点化し、12月中旬にも成立させようとしている。
 職員基本条例案は前文で「都市間競争」「『民』主体の社会」を掲げ、▼人事評価でC(10%)、D(5%)に選別、D評価2回で分限免職▼職務命令違反で分限免職▼民営化・統廃合による定員削減で分限免職――などを規定している。これらを柱に「別表」で100項目以上の処分事由を列挙している。一言でいって「首切り条例」だ。
 また維新の会の大阪市長選マニフェストは「全国最貧困都市が全国最多の職員を養っている」として、とりわけ現業を名指しで集中攻撃し、現業労働運動をつぶそうとしている。地下鉄、バス、水道、ゴミ処理、病院、港湾、大学、動物園・図書館・博物館・体育館、保育所・幼稚園の民営化(完全民営化、一部事務組合化、地方独立行政法人化、府立市立統合)を打ち出している。

 道州制・民営化は支配階級の総意

 橋下は大恐慌と原発震災の危機を新自由主義攻撃、労働運動破壊攻撃で突破しようとする日帝ブルジョアジーの先兵だ。
 経団連は、9月16日に「経団連成長戦略2011〜民間活力による成長加速に向けて」、9月20日に「2011年度経団連規制改革要望〜新生日本の創造に向けた基盤整備を」をたてつづけに打ち出した。被災地を突破口に新自由主義を全面貫徹する資本家階級の宣戦布告として経団連が5月に打ち出した「復興・創生マスタープラン」を思い通りに展開できない政治危機・経済危機への焦りといらだちもあらわに、労働法関連の規制撤廃による首切り・賃下げの自由化、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)参加、国際競争、道州制(と関西広域連合)、都市間競争などの推進を前面に押し出している。経団連や橋下はこの成否をかけて公務員―4大産別労働運動をつぶそうとしているのだ。
 連合・民主党、全労連・日本共産党から塩川一派にいたるあらゆる体制内勢力は、橋下のファシスト性やデマゴギーを批判するにとどまり、支配階級が道州制・公務員360万人首切り・総非正規職化の攻撃を全面化し階級決戦に打って出てきたという核心問題を見据えずごまかしている。
 だから府教委や府総務部の幹部らがこの橋下首切り条例案を批判すると、喜んでこれに飛びついているのだ。かつて「国体護持派」と称する分割・民営化反対派国鉄官僚らは「分割・民営化までしなくても赤字は解消できる、国鉄は改革できる、労働組合をつぶすことはできる」と言って1982〜86年の過程で凶悪な労働組合つぶしの先頭に立った。同じように橋下の首切り条例に異を唱える大阪府当局者らは「おれたちのやり方で労働組合をつぶせるんだ」と反動的にわめいているのだ。
 労働組合運動をめぐる攻防という核心点をはずした橋下批判では、階級的団結と反撃をつくり出すことはできない。そればかりか「よりまし」な支配者を求め、すがりつくという最悪の道に転げ落ちていくのだ。

 「職員倫理条例」で対抗する平松

 一方、橋下の大阪市政のっとり策動に対抗して平松邦夫・大阪市長が再選を目指している。自民党・公明党に支持を求めた平松に自民党市議団が「關(せき)市政の継承」を突きつけた。關淳一・前大阪市長は04年秋から07年秋まで上山信一や本間正明らウルトラ新自由主義者どもを大阪市政に引っ張り込んで労組破壊のために「ヤミ・カラ」攻撃を展開した(上山は現在、橋下のブレーン、大阪府特別顧問)。
 平松はこれを受け、橋下・維新の会に「対抗」して職員倫理条例案を提出した。同条例案は前文で「不祥事案やモラルの低い職員に対し、より厳格な姿勢で臨むことを明確化する」と明記した上で、▼懲戒処分ルールの明文化▼組織改編による分限免職規定▼重過失への損害賠償▼労働組合を「利害関係者」と規定し対応を厳格化――などを内容としている。
 平松は市長選出馬にあたり「市政改革の断行」をうたい、この4年間、目標以上の経費削減をした実績を挙げた上で、「さらに徹底した削減が必要なのはいうまでもない」「5千人削減し3万人台前半にする」という数値目標を掲げ、「特別自治市」の実現など7項目の政策目標を挙げた。平松の首切り・組合破壊条例案も許せない。

 「生きさせろ!」のストライキを

 自治労大阪府本部の平松翼賛は、平松と5千人削減推進の政策協定を結び、「どの5千人をどんな手法で解雇するのか」を労使一体で協議し推進するということだ。団結や連帯は根底から瓦解し、立ち直れないほどの団結解体、後戻りできないほどの首切り組合への道を突進することになる。
 自治労本部が5月奈良中央委、8月長野大会で踏み込んだ、国家公務員賃下げ受け入れ推進、公務員制度改革受け入れ推進、地方公務員法「57条問題」、現業切り捨てという反動方針に輪をかけて、大阪府本部は11秋闘を平松翼賛運動=処分・5千人削減推進運動の場としようとしている。
 このような当局への屈服・協力、先兵化を絶対に許さず、原則に立ち返り、職場闘争・労働運動・労働組合をよみがえらせる闘いを巻き起こそう。支配階級がしかける階級戦争を断固として迎え撃ち、攻撃の矛盾・弱点を突き、非和解的に闘えば必ず勝機は開ける。労働組合解体の階級戦争にストライキで反撃しよう。労働組合は、個々の攻防に勝つことも負けることもあるが、団結の強化・拡大を総括軸にして闘い、究極的勝利=革命を戦略的に準備する存在だ。解雇攻撃と解雇をとおした民営化・外注化・非正規職化・偽装請負攻撃と全面激突する時だ。
 自治体労働者は、動労千葉の外注化阻止闘争と一体となり、大恐慌と原発震災の突破のための最末期帝国主義の新自由主義攻撃、9割非正規職化を打ち砕き、労働者階級の総反乱の時代を切り開こう。その突破口は11・6労働者集会の成功だ。
 〔川上憲一〕

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週刊『前進』(2508号3面3)(2011/10/17 )

 首都圏青年労働者集会 “労組青年部を甦らせよう”

 反原発・非正規職撤廃を闘い

 首都圏青年労働者集会が10月8日、千葉市で行われ、200人が結集した。「闘う労組青年部をよみがえらせよう」をメインスローガンに「すべての原発をいますぐなくそう! 民営化・外注化反対! 非正規雇用を撤廃しよう! 雇い止め・解雇と闘おう!」を掲げた。9・19反原発6万人決起の歴史的高揚が、動労千葉青年部の結成を突破口とした労組青年部の職場からの反乱と結びつき、正規・非正規労働者が一丸となり新自由主義を具体的に突き崩していく画期的集会となった。
 集会は、3本の特別報告から始まった。被災地から宮城連帯ユニオン東北石けん分会の仲間が発言し、参加者は被災地との連帯を固く決意した。NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)事務局次長の富田翔子さんは「怒りをもつには自分たちこそが時代を動かしていると確信することだ」と反原発・反失業闘争の中でつかんだ確信を述べた。全学連委員長の斎藤郁真さんはキャンパスから反原発を闘うと語った。
 続いて労組交流センター青年部長が渾身(こんしん)の基調提起を行った。まず「3・11以降、『政治休戦』の攻撃を打ち破り、私たちは職場での闘いを一切の基礎に置き、『反原発・反失業、外注化阻止・非正規職撤廃』を闘う青年部をつくり出し、9・19反原発6万人決起を実現した。絶対に2千万青年労働者とつながれる」と、この半年を振り返った。
 そしてアメリカで「1%の強欲と腐敗のために99%の私たちが搾取されている」とウォール街占拠闘争に決起する若者も日本の青年も同じだと指摘し、「搾取の現場である職場で資本と非和解で闘う労組青年部をつくり出そう。外注化阻止をストライキで闘う動労千葉、動労水戸とともに日本の労働運動を変えよう」と11・6労働者集会を熱烈に訴えた。
(写真 反原発闘争と結ぶ労組青年部の職場からの反乱へ正規・非正規が一丸となることを決意した首都圏の青年労働者たち【10月8日 千葉市】)

 動労千葉青年部発足を報告

 各産別から職場の闘いが報告された。
 「動労千葉青年部、9月30日に発足したことを報告に参りました」。拍手の渦の中、動労千葉の青年労働者が発言した。JRの外注化攻撃への怒りを語り、「外注化に反旗を翻し熱く本気で闘う青年労働者はJRの中にいる。彼らを信じて闘う。どんなに頑張っても労働者は労働者だ。資本家にはなれない。『悪の巣くつ』のように言われても動労千葉には平成採が来ている。動労千葉は本物だ。自信もっていい」。労働者魂あふれる発言に会場は拍手喝采だ。さらに動労千葉外注化差し止め訴訟代理人の石田亮弁護士が続いた。
 青年部結成に向けて奮闘中の自治体労働者は、青年による機関紙発行を武器に「『復興・創生マスタープラン』反対の議論を起こし、怒りを職場闘争にして自治労を根底から変える」と語った。
 解雇撤回を闘う郵政非正規ユニオンの斎藤裕介委員長は、反動課長を左遷に追いやったと意気揚々と報告、「原発なくそうと6万人集まったんだから非正規なくそうと6万人集められないことはない」と自信満々だ。
 「医療特区」攻撃と内部被曝問題に最前線で立ち向かう医療労働者2人が発言した。1年で3人の雇い止め撤回をかちとった精研労組青年部は、度重なる雇い止めを「病院全部署を外注化する攻撃」と見据え反撃に立ち上がっている。また別の医療職場では、内部被曝問題はないという病院当局の圧力を増員・安全闘争で培われた職場の団結ではねのけ、原発問題に取り組んでいる。
 建設労働者は、被災地の仮設住宅建設の8割を独占する大手住宅メーカーを弾劾し、産業を越えた団結で大資本の支配を覆そうと呼びかけた。
 偽装請負の職場で現場を見下す管理者に同僚と追及して闘うちば合同労組の仲間は、現場の仲間と向き合う大切さを強調した。東京西部ユニオン青年部の「派遣切り」された青年は「正規職もまきこみ日本のシステムを変えよう」と提起した。
 全逓労働者が「67年10・8羽田闘争は70年安保闘争を準備した。今日の10・8も反原発・反失業、非正規職撤廃の突破口を切り開く日。11・6集会1万人結集で情勢をつくろう」とまとめ、団結がんばろうを行った。

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週刊『前進』(2508号4面1)(2011/10/17 )

 10・9三里塚 “市東さんの農地守りぬくぞ”

 福島連帯・TPP反対を宣言

 10月9日、三里塚全国総決起集会が成田市東峰で開催された。三里塚芝山連合空港反対同盟は、福島連帯・原発再稼働阻止、農業を壊滅させるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)絶対反対、市東孝雄さんの農地を守る決戦への突入を宣言し、全国から結集した労働者・農民・学生・市民1045人がこれに応えて奮い立った。労農連帯のさらなる発展をかけて、反対同盟とともに闘おう。日帝・成田空港会社(NAA)の農地強奪攻撃を粉砕しよう。
(写真 デモ到着地の市東さんの畑では豊かな土に丹精込められた作物が育っていた。デモ隊は「農地死守」のシュプレヒコールを繰り返した【10月9日 天神峰・南台】

 “意気揚々と迎え撃つ”

 集会会場は反対同盟事務局次長・萩原進さんの畑で、空港の東側の敷地を食い破って存在している。
 萩原富夫さんと宮本麻子さんの司会で正午から集会が開始された。森田恒一さんが開会宣言に立ち、「機動隊を動員して市東さんの畑を奪いに来たときは、体を張って実力阻止する」と決意を表した。
 続いて北原鉱治事務局長が主催者あいさつを行った。「今日の晴れで、勝利が見える」と切り出し参加者の笑顔を誘ったあと、現闘本部破壊の卑劣さを厳しく批判し「こんな攻撃で反対同盟は屈することはない。労働者と農民が手を結び、国際連帯をつくり出し、一人ひとりが立ち上がれば世界が変わる!」と特に学生たちに向かって激しくアピールした。
 萩原進事務局次長が基調報告に立った。冒頭に「市東さんの農地を死守する。福島農民の苦闘に一歩でも近づくような闘いを!」と報告の核心を突き出した。そして放射能をまき散らした原発事故の反人民性を強調し、9・19明治公園の反原発集会・デモで実現した6万人の渦の中に飛び込んで、三里塚との連帯を訴えるよう提起した。さらに「市東さんは農地強奪攻撃を意気揚々と迎え撃っている。これが反原発闘争、反戦闘争、労働者の現場での闘いを限りなく鼓舞激励している。この力が空港の完成を阻んできた。ヘゲモニーはわれわれにある」と勝利性を明らかにした。そして裁判闘争への支援、労農連帯の強化、福島および沖縄との連帯を一層力強く呼びかけた。
 基調報告に応え、動労千葉の田中康宏委員長が特別報告を行った。最初に、動労水戸が放射能汚染労働を強いる当局に抗議してストに立ち上がったことを報告。「とにかくまず原発を止めろ!」と一喝し、今こそ労働者が自らの職場で闘いを開始する時だと激しく訴えた。そして労基法適用除外の経済特区構想を震災に乗じて進めようとする野田政権を断罪し、反原発・反失業を掲げ労農連帯を打ち固める11・6全国労働者総決起集会への大結集を要請した。

 福島の農民が決意表明

 沖縄と関西の特別報告に続き、農民アピールの最初に福島の農民Aさんが登壇した。Aさんは、「初の減反が強行された69年の翌年に記録映画『三里塚の夏』を見て感動し、三里塚闘争の無条件支持を決意し、駒井野砦の闘いに参加した。また動労千葉ジェットスト支援に駆けつけた時は、当時の動労千葉書記長・中野洋さんの“経済闘争だけではなく政治闘争をやらねば労働者は成長しない”との演説に大感激した。こうした経験が今の自分の支えになっている」と、自らの足跡を語った。そして3・11で否応なく被災者の立場に立たされる中で、「反対同盟と市東さんの原則的闘いのすばらしさを再確認した。福島の大地を私たちの主導権で必ず再生する」と、困難を覚悟した並々ならぬ決意を語り、参加者の心を揺さぶった。
 続いて鈴木謙太郎さんをはじめ反対同盟と千葉県内外の農民が壇上に並び、原発とTPP参加に絶対反対し、市東さんの農地を守る決意を表した。
 大きな拍手に迎えられ天神峰の市東孝雄さんが登壇した。「福島農民の苦境を思うと、胸が張り裂ける思いだ。自分の農地を守ることが、私が福島と連帯する道だと思う。団結街道封鎖、第3誘導路建設とうちへの農地取り上げの圧力は日々高まっているが、こんなものには絶対に負けない」と不動の姿勢を表した。続いて、市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会の人びとが壇上に勢ぞろいし、ともに闘う決意を述べた。
 裁判闘争報告として葉山岳夫弁護士をはじめ反対同盟顧問弁護団が壇上に並び全員が発言した。葉山弁護士は現闘本部裁判控訴審での「不退去罪」をデッチあげた50人逮捕を弾劾し、市東さんの農地を守る決戦が法廷において傍聴者と一体で実力闘争として闘われていることを明らかにし、傍聴闘争へこぞって参加することを呼びかけた。
 婦人行動隊・鈴木加代子さんのカンパアピールに続き諸団体が決意表明を行った。
 婦人民主クラブ全国協議会は、日米共同演習に対する10・16北富士闘争に立ち上がることを訴えた。
(写真 反対同盟は「福島連帯」の気概を込めて赤いのぼりを手にデモの先頭を歩いた【成田市東峰】)

 誘導路工事に弾劾デモ

 ひときわ大きな拍手と歓声で、全学連の斎藤郁真委員長が迎えられた。マイクを握った斎藤君は三里塚での敵の攻撃に心底怒りをたたきつけ、ウォール街占拠などの全世界の激動を革命の時代の到来として語り、全国の大学から学生の総決起をつくり出し、11・6大結集の先頭に立つことを明らかにした。
 野平聰一さんが集会宣言を読み上げ、太郎良陽一さんがスローガン採択、デモコースの説明を行い、最後に団結ガンバローの音頭を取った。
 デモの先頭に立つ反対同盟は、手に手に同盟の赤いのぼりを握りしめ林立させた。
 機動隊と対峙しながら、東峰から天神峰へ、空港敷地内外を縦断してデモは進んだ。
 市東さん宅に迫る第3誘導路工事現場に近づくにつれてデモ隊の怒りは高まり、「原発とめろ、福島連帯、農地死守」のコールが北総台地一帯にとどろいた。とりわけ斎藤新委員長率いる全学連の白ヘル部隊は、実力闘争の最先頭に立つ若々しい気概をみなぎらせて行進した。
 到着地である天神峰・南台の市東さんの畑は、空港敷地のフェンスと機動隊の監視に囲まれながら、豊かな作物を実らせていた。ここが誘導路をへの字に曲げている市東さんの「現場」だ。
 デモ隊はこの土地を囲み、自らの職場・キャンパスからの決起をつくり労農連帯の力でこの場所を絶対に守りぬくという気概を込めて、何度もシュプレヒコールを繰り返した。
(写真 労農連帯を一層打ち固め、農地強奪攻撃粉砕の決意も固く行進する動労千葉と反戦共同行動委)

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週刊『前進』(2508号4面2)(2011/10/17 )

 “廃道処分は違法”

 10・11団結街道裁判

 鑑定のデタラメを追求

 10月11日、千葉地裁で団結街道裁判の口頭弁論が開かれ、原告の市東孝雄さんをはじめ三里塚反対同盟と顧問弁護団、傍聴の労働者・学生・市民が、農地強奪攻撃への怒りに燃えて闘いぬいた。
 天神峰の市東孝雄さんは、自分の家と畑を直線で結ぶこの道路を農作業で日に何度も往復してきた。その市東さんに無断で成田市は「廃道」を決定・通告し、昨年6月28日に夜陰に乗じて封鎖・破壊を強行し、NAAに払い下げた。
 廃止処分を取り消して団結街道を元に戻すことを求めて、市東さんら反対同盟の19人が訴えたのがこの裁判だ。
 成田市とNAAは恥知らずにも「原告適格がない」と強弁し、「代わりの道を通って畑まで行ける」「畑に正当な占有権があると認められない」「廃道に際して市東さんの同意を得る必要はない」などと、居直り強盗の論理を主張してきた。「代わりの道」だと?! 市東さんは畑まで行くのに、それまでの3倍もの時間をかけ交通量の多い道を通って行かねばならなくなった。これは営農妨害そのものだ。絶対に許せない。
 団結街道は1920年代から天神峰部落の入会道路として使用されてきた。天神峰の区長である市東さんの同意を得ず強行された道路封鎖こそ、違法のかたまりだ。
 弁護団は準備書面を陳述し、NAAとその手先に成り果てた市当局を弾劾した。そして求釈明として、「成田市に〈用途廃止の要綱>は存在するのか。存在しないならどういう基準で道路の廃止手続きを地元住民との関係で行うのか明らかにせよ」と迫った。
 さらに市が通常の5分の1という破格の安値で道路の土地をNAAに払い下げた件について、市が出してきた無責任でデタラメな不動産鑑定を追及し(「不動産評価基準に則っていない」とあらかじめ自認!)、いかなる鑑定を依頼したのか全面的に明らかにするよう迫り、市とNAAの癒着を追及した。
 次回法廷は来年の1月17日。
 閉廷後、弁護士会館で記者会見と報告集会が開かれた。北原鉱治事務局長が冒頭に、「決戦の時が迫っている。農民の住居・土地が再び国家暴力によって奪われようとしている。日本農民への重大な挑戦と受けとめ、反対同盟は闘う」と強い決意を表した。
 続いて葉山岳夫弁護士はじめ弁護団が裁判を振り返りながら、現地攻防と一体で法廷において市とNAAを今後も容赦なく追いつめることを明らかにした。特に地元住民の同意を得ない道路の廃止など、常識的にもあり得ないことが追及のポイントとして強調された。
 萩原進事務局次長がまとめの発言に立ち、「10・9集会で反対同盟は福島農民との連帯と市東さんの農地を守る決戦への突入を高らかに宣言し決戦態勢に入った。その一環として今日の裁判もある」と述べ、市とNAAの不正を追いつめていく決意を示した。
 司会の鈴木謙太郎さんが最後に「来週の18日午後にも市東さんの農地裁判があります。私たちは出荷を午前中にやり終えてどっしり構えて臨みますので、皆さんも結集を」と呼びかけた。
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三里塚裁判傍聴を!
 ◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
 10月18日(火)午後2時 千葉地裁

 ◎市東さん耕作権裁判
 10月24日(月)午前10時半 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)

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週刊『前進』(2508号4面3)(2011/10/17 )

 “6万人の渦の中へ” 反対同盟は訴える

 日本の未来変える 事務局長 北原鉱治さん

 3月11日に大地震と津波が日本を襲った。同時に原発事故によって放射能がまき散らされ、日本列島全体に大きな被害を及ぼしている。
 今の政治家たちの頭の中では、労働者人民の命や生活を守ろうなどとはさらさら考えていない。消耗品として見ている。
 国家権力とNAAは8・6広島の日に夜討ちをかけて、現闘本部を破壊・撤去するという暴挙に出た。現闘本部は三里塚に集う全国の人びとの心のよりどころ、交流の場だった。成田治安法による封鎖から21年たつ。
 あの中には1966年に建てられた木造建物も残っていた。裁判中で判決も確定していないのに彼らは仮執行と称して、マスコミも排除し反対同盟の立ち会いもなく証拠隠滅のために根こそぎ破壊した。
 だが、反対同盟はこんなことではくじけない。勝利を握るまで屈しない。反対同盟は健在だ。日本の未来を変えるために闘っている。だから足かけ46年も「農地死守」の原則を守り闘ってこられた。
 特に、若い労働者、学生の諸君、君たちは自らの未来のために立ち上がらなくてはならない。大学で学ぶのも重要だ。だが同時に君たちは、社会の動き、社会の矛盾に向き合わねばならない。闘う者に年代の差はない。
 三里塚は必ず勝てる。その大きな展望をもち、全世界の労働者・農民と国際連帯を築こう。一人ひとりが立ち上がれば世界が変わる!

 我々にヘゲモニー 事務局次長 萩原進さん

 本集会を、福島をはじめ東北人民との強い連帯を求め、市東さんへの土地強奪の攻撃に対し「農地死守」を高らかに宣言して闘う場としたい。さらに、今回の震災を逆手にとって進められようとするTPP交渉に対し集会の名において反対することを確認したい。
 福島の農民が置かれている今の苦境に一歩でも二歩でも近づく闘いをつくらなければならない。津波と放射線の被害の中に投げ出された農民、漁民、労働者と手を取り合って進もう。原発の存在を続けさせてきたことへの痛恨の思いに立って、これを進めてきた連中すべてに責任を取らせる。三里塚に足繁く通ってくれた六ケ所村の坂井留吉さんの遺志を引き継ぐ。
 原発は国策、成田は国策、沖縄米軍基地は国益だと言って進められてきた。それは現実に破産を遂げ、国策の威信は地に落ちた。
 政府は今度はまた「経済を立て直すためには輸出しかない。TPPだ」とわめいている。TPPは農民だけでなく労働者にかけられた攻撃だ。労農同盟の名をもって断固闘うべき対象である。
 第3誘導路工事によっって、市東さんの家と畑を空港の中に閉じこめ、やがて追い出そうとする攻撃が激しくかけられている。だが市東さん本人は平常心で意気揚々と迎え撃っている。自分はこの地を立ち退かないと宣言し農業を続けている。このことが反原発・反戦の闘いであり労働者人民への鼓舞激励なのだ。この力が空港の完成を阻んできた。ヘゲモニーはわれわれにある。
 市東さんの農地を守り裁判闘争を強化しよう。現地での実力闘争と一体で裁判を闘い、裁判所を大デモで重包囲し反動判決を粉砕しよう。あらたに発足した三里塚裁判支援運動を拡大しよう。市東さんを支える陣形を強化しよう。
 反原発で6万人が明治公園に集まった。この人民の渦の中に飛び込んで「三里塚のように闘えば勝てる」と訴え獲得すること、これが今一番大切な活動ではないか。この力で戦闘的労働運動を甦らせ、全国の農民に勝利の展望を示したい。
 原発は核兵器開発と一体である。「抑止力のために原発再稼働が必要だ」と社説に掲げた新聞があるが、こんなことを許してはならない。原発廃炉へ、今度こそ勝たなくてはならない!
 三里塚は全国の農民・漁民総決起の旗振り役となる。沖縄、福島とともに、怒りを闘いで表し、闘いの喜びを共有して前進しよう。

 被災地に応え闘う 天神峰 市東孝雄さん

 みなさんの力に支えられ、私は自然体でがんばっています。福島の農家からの報告を受け、国策の名のもとに力ずくで農地を取り上げようとする攻撃に対し、私の農地を守ることが被災地に応えることだと固く信じています。
 農家にとって、手塩にかけた作物が消費者のみなさんのもとに届き「おいしい」と言っていただけることが一番の喜びです。しかし福島では今、それができません。
 警戒区域で畜産農家は、泣く泣く家畜を放棄し、餓死や共食いのあげく殺処分。牛肉は出荷停止、果物は半値以下に暴落……。わがことのように胸の張り裂ける思いです。額に汗し誠実に働いてきた農民、漁民、住民のどこに非があったというのか。家を捨て農地を置いてふるさとを去らなければならない無念。子どもたちには被爆の恐怖。
 私は、福島の人びとの怒りと悔しさをわがものとして闘う決意です。
 去年の団結街道封鎖をはじめ、8・6広島の日の現闘本部破壊、第3誘導路工事開始と、うちへの農地取り上げの圧力が日々強まっています。農地裁判では、突然証人を切り捨てて年内に結審に向かう動きがあり、誠意のかけらもないやり方を絶対に許すことはできません。
 空港による農地取り上げと、原発による農業特区の攻撃は違うものでしょうか。TPPによる関税ゼロの市場開放はどうでしょうか。また沖縄における高江のヘリパッド建設、辺野古埋め立て、沖縄基地強化の問題など、私は同じものの別の表れと感じます。
 私は農地を守ることの正義を確信します。福島の怒りと手をつなぎ、動労千葉を先頭とする労働者と連帯し、体を張って闘います。

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週刊『前進』(2508号4面4)(2011/10/17 )

日誌'11 10月4日〜10日

 欧州金融大手デクシアが破綻/秘密保全法案作成に着手

●連合が原発再稼働容認 連合定期大会で古賀会長が「原子力への依存度を低減していく」と表明した。ただし電力の安定供給の観点から短期的には原発の再稼働を認めるとした。(4日)
●嘉手納からグアムへ訓練移転 日米両政府は岩国基地所属の米海兵隊戦闘機が嘉手納基地で行っていた訓練の一部を一時、グアムに移転させることで合意した。嘉手納での訓練を完全に止めるのではなく、騒音負担の軽減策として実施する。(4日)
●玄海原発が停止 玄海原発4号機が復水器の異常で自動停止し、稼働中の原発は10基となった。(4日)
●旧ソ連圏の再統合構想が浮上 ロシアのプーチン首相が、旧ソ連諸国を人・商品・資本の移動を自由化する単一経済圏「ユーラシア連合」に再統合する構想を打ち出した。(4日)
●イタリア国債の格付け引き下げ 米大手格付け会社がイタリア国債の格付けを「Aa2」から「A2」に3段階引き下げた。(4日)
●米国防副長官が財政危機に警告 米のリン国防副長官が、財政危機のため米国防予算が今後10年で総額1兆j以上削減される可能性を指摘し、「米国の防衛は真の危機に瀕する」と警告した。また戦略上、予算増額が必要な領域としてサイバー攻撃対策、遠隔地への攻撃能力、ミサイル防衛、無人攻撃機などを挙げた。(5日)
●ギリシャでゼネスト ギリシャで政府の緊縮策に反対する24時間ゼネストが実施された。(5日)
●NATOの軍事費不足に米が警告 
NATO(北大西洋条約機構)国防相理事会でパネッタ米国防長官が「大幅な国防費削減は62年に及ぶ軍事同盟を空洞化させる」と警告し、欧州側に装備の近代化を要求した。(6日)
●スペインがMD配備受け入れ 米とスペインは欧州MD(ミサイル防衛)計画の一環として、米軍がイージス艦4隻をスペイン南部ロタの米海軍基地に配備することで合意した。(5日)
●被曝線量基準値引き上げへ 国の放射線審議会が、福島第一原発の汚染地域で住民の被曝線量上限を平常時の年1_シーベルトまで下げるには時間がかかるとし、中間目標の設定で合意した。年1〜20_シーベルトの間に設定し、段階的に引き下げる。(6日)
●空自の戦闘機で落下事故 小松基地周辺で訓練中の空自のF15戦闘機から燃料タンクと模擬ミサイルの一部が落下する事故が発生した。(7日)
●秘密保全法案作成に着手 政府は秘密情報を漏らした公務員に罰則を科す秘密保全法案を来年の通常国会に提出する方針を決め、法案作成作業を開始した。違反者に最高10年以下の懲役、政府の発注を請け負った民間企業関係者も処罰の対象にする方向。(7日)
●南スーダンへ第2次調査団 南スーダンPKO(国連平和維持活動)参加のための陸海空3自衛隊による第2次調査団が現地に出発した。(8日)
●欧州の大銀行デクシアが破綻 フランスとベルギーに基盤を置く欧州の金融大手デクシアが経営破綻し、両国政府に支援を要請した。(10日)

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週刊『前進』(2508号5面1)(2011/10/17 )

 10・10福島 NAZENフクシマを結成

 “福島を返せ! 全部補償しろ!”

 再稼働阻止、今すぐ原発とめよ

 10月10日、福島で「すべての原発いますぐなくそう!全国会議(NAZEN)・フクシマ」が結成された。3・11大震災と福島第一原発の爆発事故から7カ月。ついに福島の地に、原発の再稼働を止め、すべての原発をなくすまでやむことのない闘いの核が打ち立てられたのだ。
(写真 結成集会の最後に、福島県労組交流センターの渡辺馨代表の音頭で団結ガンバロー【10月10日 福島市・コラッセふくしま多目的ホール】)

 広島・長崎の闘いと結合

 NAZENフクシマ結成集会が行われた福島市のコラッセふくしま多目的ホールには、地元福島をはじめ各地から実に350人が集まった。
 呼びかけ人の鈴木達夫弁護士が開会あいさつを行い「福島の苦しみ、悔しさ、怒りをともにし、どんな困難にもともに立ち向かう」と述べた。
 次に子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク(=子ども福島)の椎名千恵子さんが「子どもたちの尿から高いセシウムが検出され、甲状腺異常も出ている。私たちはもうこぶしを下げません。のろしを上げたままで突っ走ります。10月27〜29日の経産省前座り込みにご参集を」と呼びかけた。国労郡山工場支部の橋本光一さんは職場での被曝労働強制との闘いを報告した。
 広島から駆けつけた高陽第一診療所の吉田良順医師が「ヒロシマの被爆医療にたずさわって思うこと」と題して講演した。1972年に被爆者医療の拠点として高陽第一診療所をつくった経緯と目的、広島の原爆被害の実態を報告。「フクシマへの提言」として「ヒロシマの教訓は、闘わなければ政府は動かないということ」と述べ、定期的健康診断の実施とその全額公費負担、被曝手帳の交付などを闘ってかちとっていくことの重要性を提起した。さらに「よりどころとなる医療機関が必要。そのために広島からも最大限の力を尽くす」と述べ、「かつて被爆詩人・峠三吉が『にんげんをかえせ』と訴えたように、ヒロシマ、フクシマからともに『すべてを返せ』を共通の言葉に闘おう」と訴えた。
 長崎県教組で闘ってきた被爆者・城臺(じょうだい)美弥子さんは、福島とつながって闘う熱い決意を述べた。

 動労水戸 熱いスト報告

 子ども福島の佐藤幸子さんは、子どもたちを放射能から守るために闘ってきた歩みとともに、9月に訪米して、国連総会に出席した野田首相に直訴したことを報告した。
 松元ヒロさんは「原発への怒りの束を風刺にかえて」と題したコント。「地震や津波はなくならなくても核や戦争はなくすことができるんです。だって、やっているのは人間だもの」と結んだ。
 動労千葉の田中康宏委員長は「生きるための闘いが全世界で始まっている。非正規職労働者、保護者、農民、漁民――すべてが団結できる状況を敵がつくった。11・6日比谷に福島からもぜひ結集を」とアピール。さらに8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会事務局長の三角忠さん、山本志都弁護士、医師、福島県本宮市の酪農家・鈴木光一郎さんの発言が続いた。
 動労水戸の辻川慎一副委員長は、JR常磐線久ノ浜―広野駅間の運転再開と放射能汚染車両の職場への搬入、検修業務外注化に対して10月8日にストに立ったと報告。「屋根上や車両の中、床下に潜り込んでほこりを吸い込みながら交番検査をする労働者の被曝労働を許さない。交番検査をやらされるのは東労組の青年労働者。13日の交番検査を許さずに闘いぬく」という熱い訴えに大きな拍手が寄せられた。
 福島県教組・竹中柳一委員長の連帯メッセージ紹介の後、福島県立高校で働く教育労働者は「今、国の原発推進政策に加担したら、戦争中に教員がやった過ちを繰り返すことになってしまう。それだけは絶対にしたくない」と述べた。
 ふくしま合同労組の市川潤子委員長は「東電の卑劣な賠償切りをまかり通らせてはならない。先日、職場の同僚が子どもの被曝を恐れ、代々続いた土地や建てて間もない自宅を手放して長野に避難した。子どもの被曝の不安を抱えつつも『ローンを返すために福島で働くしかない』と言う人もいる。原発事故による苦しみは労働者一人ひとり、200万の事例がある。ふくしま合同労組は原発のない社会をつくるため闘う」と語った。福島大学の1年生と東北大学の学生が発言した。
(写真 「NAZENフクシマ」結成宣言を参加者全員で採択)

 “怒りを一つに闘おう”

 最後に、福島県労組交流センターの渡辺馨代表が「NAZENフクシマ」結成宣言を提案した。「NAZENフクシマは、@フクシマの怒りを分断しようとするあらゆる動きを許さず、すべての怒りを一つにするために行動します。A子どもの命を守る闘いが急務です。避難や疎開をはじめ、あらゆる方策で子どもたちを守っていかなくてはなりません。Bこうした闘いを勝利させるためにも、全国、全世界にフクシマの怒りを発信し続け、全国の力で、すべての原発を今すぐとめるために闘おう!」という3点を提起。そして「『福島を返せ! 東電と国は全部補償しろ!』フクシマの怒りは全国の怒りです。原発再稼働の野田政権を打倒しよう! NAZENフクシマとともに闘おう」と力強く呼びかけ、参加者は大きな拍手と声援で応えた。
 福島の地に、労働者・労働組合がどっしりと中心に座って、農民、漁民、子どもを持つ親、医師、弁護士、すべての住民の怒りを一つに束ねて闘う運動体が打ち立てられた意義はとてつもなく大きい。この大きな勝利をさらに押し広げよう。反原発・反失業の闘いを全国の職場で広げ、11・6集会に駆けつけよう!

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週刊『前進』(2508号5面2)(2011/10/17 )

 “福島と世界のために” 集会の発言から

 国と東電に全責任取らせる 国労郡山工場支部 橋本光一さん

 福島第一原発から西に60`にあるJR郡山総合車両センターで働いています。先週、組合で敷地内約40カ所の放射線を測定した。屋外の舗装してない個所の平均は1・38マイクロシーベルト/時。6月の数値の8・4倍になっていた側溝もあった。
 組合で測定をしているのは、会社が何もしないから。会社は9月の団交で「会社独自に放射線量測定はしない」と言った。労働者の健康への配慮などみじんもない。
 支部として会社に、専門機関による放射線量測定、専門業者による土壌入れ替えや建屋の除染、放射線量の高い場所での作業は行わないこと、全職場への線量計の配置などを要求している。
 東電と国、資本に全責任を取らせなければならない。独り占めしてきた金と人、科学技術、権力を全部使わせて職場を、福島を、私たちの人生を元通りにさせる。

 福島の人たち孤立させない 長崎の被爆者 城臺美弥子さん

 福島の人たちと連帯したい、福島を孤立させてなるものかの思いで福島にやってきました。
 3月の福島は私たちが二度と目にしたくなかった惨状を再現した。「長崎を最後の被爆地に」と叫び続けてきたのに、三度目の原爆を許した。「どうして?」と悩みました。被爆者自身が「平和利用」という言葉にだまされ、それは希望だと思い込んでいたのです。
 長崎の被爆者は年2回の定期検診を行っているが、これも天から降ってきたわけではない。山口仙二さんという青年がケロイドで顔が崩れた姿で国会議事堂前に座り込んで被爆の実情を訴え、全国に原爆禁止運動が広がった。その力で12年もたって被爆者援護法ができた。その間に多くの被爆者が治療を受けられないまま命を落としました。
 福島、広島、長崎の怒りを一つにして、すべての核と原発をなくすために一緒に闘います。

 子どもたちの命を奪うな! 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 佐藤幸子さん

 3・11以降、県内に残っている30万人の子どもたちを一人でも多く救い出そうと活動してきた。
 9月に訪米し、野田首相が国連総会で演説した22日は会場前でスタンディングデモを行い、晩餐会の会場前で野田首相を直撃して「福島の子どもたちを守れないで原発の安全を世界中に言うのはひきょうだ」と訴えた。
 安全な原発なんてない。福島と日本、世界の子どもたちを守るには、原発を止めるしかない。戦場の炎の中にいる福島の子どもたちを救わなければいけない。
 広島、長崎の原爆はアメリカの手で落とされたけれど、福島は日本政府の手で落とされた爆弾です。もう二度と落としてはいけません。もうこれ以上子どもたちの命を奪わないでください。そのために、どんな人とでもつながっていきたい。

 自然の偉大さ人間の愚かさ 本宮市の酪農家 鈴木光一郎さん

 3・11をもって福島のすばらしい農地が放射能で汚染されてしまった。中通りの放射能は8千〜5千ベクレル程度。表土5aに90%のセシウムが舞い降りた。除染するには膨大な労力と財政負担がのしかかる。
 表土の1aは微生物の200年間の産物。5aは1千年の歴史。その上に農業が存在している。3・11で、今さらながら自然の偉大さ、ありがたみ、そして人間の愚かさに気づかされた。
 地震や津波で家が壊れたわけではなく、放射能を理由に「今すぐ避難しろ」と言われることがどれほどつらいものか。
 でも今日からは違う。NAZENフクシマ結成を一番喜んでいるのは福島県民です。NAZENフクシマが本当に福島県民と世界の労働者のためになったと言えるまで、そして今避難している5万人が自分のふるさとに大手を振って帰れるまで徹底的に闘っていこう。

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週刊『前進』(2508号5面3)(2011/10/17 )

 『前進』を青年・学生の隊列に

 階級闘争の責任勢力へ飛躍を 機関紙武器に11・6組織しよう

 前進経営局

 9・19反原発闘争は日本と世界の階級闘争を一変させた。その衝撃は米帝足下での「ウォール街を占拠せよ!」を掲げた青年労働者の、弾圧をものともしない反失業デモの爆発、前進となって波及している。11・6労働者集会は、世界大恐慌のさらなる進展のもとで「激動の10月」の闘いに次ぐ闘いのひとつの「頂点」だ。「原発再稼働絶対阻止・非正規職撤廃・復興特区粉砕・野田政権打倒」の巨大な政治闘争、一個の「蜂起」としてこの3週間、1万人結集に向かって必死に闘い抜こう。激動的闘いの中で、社会の根底的な変革を実現する指導部をつくり出し、「革命の戦略的大準備」をなしとげよう。闘う労働者・学生の新聞『前進』をそのための武器として、徹底的に使い切ろう。
(写真 6万人の9・19反原発デモ【東京】。闘う青年・学生に『前進』を!)

 国鉄・福島の高揚と一体化

 動労千葉と動労水戸を先頭とする国鉄(JR)労働者は、3・11以降日本の労働者階級に襲いかかるあらゆる反動や分断を打ち破り、自らの闘いと反原発闘争を完全に一体化させて敢然と立ち上がった。「野田政権が言う『復興』とは労働者や住民に対する被曝の強制じゃないか! 冗談じゃない! 絶対に許せない!」と猛烈たる怒りを爆発させたのだ。
 JR東日本資本は野田政権の「緊急時避難準備区域」の解除に合わせ、除染もせずに常磐線久ノ浜―広野駅間の営業運転を再開し、労働者や周辺住民に被曝(労働)を強制している。動労水戸はこのJR資本に怒りを爆発させ、連続的なストライキ・抗議闘争を闘い、地域の住民や平成採の青年労働者の怒りと団結をつくり出している。また動労千葉は、10月1日の京葉車両センターの一部業務外注化を阻止した地平から、動労水戸とともに闘うことを呼びかけている。
 福島からは10・10NAZENフクシマ結成の地平の上に、27日から母親たちが東京・霞が関の経済産業省前座り込みに決起する。「政府や東電は労働者人民を守らない」「福島県民は棄てられた」という根底的な怒りの切っ先はまっすぐに資本と国家に向けられている。国鉄闘争と反原発闘争は生きぬくための闘いとして、また破産し、大恐慌を生み出した新自由主義を吹き飛ばす闘いとして相互に高揚しながら、完全にひとつになりつつある。
 11・6集会までの3週間は、フクシマと国鉄・JRの闘いを最先端とし結集軸として、全職場・全地域に労働組合(青年部)と学生自治会をよみがえらせていく過程だ。それは職場・キャンパスでの資本・当局との非和解の激突を繰り返しながら進む。闘いが闘いを生み出し、また闘いが組織=指導部を生み出す過程として闘いぬくならば、11・6集会1万人結集は絶対に可能だ。9〜10月の地平を、自らがつくり出したものとして引き受け、勝利まで全面的に責任を取りきろう。そのために機関紙を軸とした細胞会議、フラクション建設、読者会、機関紙拡大活動など、目的意識的な機関紙活動を不可欠のものとして推し進めていこう。

 先進的地区の闘いを教訓に

 9月闘争の高揚の中でA地区では党建設が圧倒的に前進している。この教訓は機関紙活動においても重要だ。
 「『前進』夏季特別号をうけて、全党あげて党勢拡大決戦に突入した」「重要なことは、全地区で名簿作成が行われたということ。この討論過程そのものが党を変革する過程だった」「夏季特別号での一致に勝利している地区ほど名簿の拡大が進み、拡大する中で自分たちの中にあった『壁』が崩されていく」。とりわけこの地区では、プロレタリア革命と一体となった新たな部落解放闘争の路線的・実践的前進がつくり出されており、実践的な闘いと路線形成、組織建設がきわめて一体的に闘われている。
 また、オルグに入ることで党員と地区党が変革された。「党に入れたら大変」「失敗したら気まずくなる」と思っていたのが、オルグに猛然と突入することを通して「自らが壁をつくっていた」「成功しなかった相手でも、次につながっていくことが分かった」と転換している。全党がこれらの教訓に学び、11・6集会までの3週間を、職場や街頭での激動的な闘いと路線形成、組織建設を一体化させて闘っていこう。
 「労働者階級は最初から革命の側に立っている。労働者は闘う方針を求め、『本当に闘う党はどの党なのか?』と党派選択を開始している」(本紙前号「1047名解雇撤回・動労千葉物販を」のアピール)
 また組織建設とは、「数の拡大」であると同時に、一人ひとりの労働者人民が新自由主義の中で強いられている苦闘と向き合うことでもある。B地方では「相手の話に真剣に耳を傾け、こちらも真剣に提起する中で、話の終わりに、相手が病気を抱えていることを打ち明けられた」という報告がされた。そして真剣な討議の後に「全面的獲得に踏み込むべきだ」という結論に至った。ここで重要なのは、『前進』をめぐる討論の中でこうした議論になっていることだ。
 『前進』の中にある、現在の社会に対する根底的批判が一人ひとりの労働者の全人格的な決起を引き出す。それを党・党細胞が全面的に引き受け、勝利までともに闘っていくことである。

 全原発廃炉の道示す『前進』

 激動・激闘の時代とは『前進』が売れる時代、『前進』で労働者と結びつく時代ということだ。明治公園での9・19反原発闘争では50部の『前進』(反原発特集号)が販売された。『前進』10月3日付2506号では、9・19集会の航空写真が大きく掲載され、6万人結集の歴史的な大きさを実感させるものとなっている。
 定期購読の申し込みがいくつも寄せられている。被災地では震災解雇との闘いの中で、合同労組の組合員に『前進』が拡大した。反原発闘争の中で、新たな出会いが直ちに『前進』拡大へとつながった事例がいくつもある。原発の廃絶を求めて立ち上がった労働者人民は、階級的な見解、立場を求めている。『前進』にはそれがある。
 学生戦線では、前半戦で拡大した読者を維持する闘いで苦闘しつつ、9月の大決戦過程で再び増勢に転じた。情勢とかみあって呼吸しながら『前進』を活用し増やしている。
 機関紙活動について粘り強く討議を重ねてきた地区からは『前進』を読む時の視点について重要な意見が出されている。
 「機関紙拡大を実現しようという視点、具体的には『どの論文・記事を読めば学習会や細胞会議が盛り上がるだろうか』『○○さんにはこの記事がいいかもしれない』などと考えながら読むことが重要だ」
 11・6組織化の柱として、『前進』を据え、労働組合やグループ丸ごとの11・6大結集を実現しよう!

 全党派が没落 時代認識が力

 3・11以降、日本共産党や連合、塩川一派(革共同からの脱落・逃亡分子)などすべての体制内派は見るも無惨に凋落(ちょうらく)した。党派的な大流動が始まっている中で、日本共産党系の組合からも多くの青年が動労千葉や関西地区生コン支部の闘い、『前進』に吸引されてきている。
 プロレタリア革命の目的意識性、組織性、献身性、積極的意欲、自己解放性――。労働者の根源的な力を引き出すのは、世界大恐慌の爆発、3・11情勢、原発事故に対して、帝国主義への猛烈な怒りをばねに「労働者階級の勝利の時代」ととらえきる時代認識である。本紙2506号の清水丈夫議長論文で武装し、職場やキャンパスで具体的闘いを積み重ねて、階級的労働組合の拠点と『前進』読者網を一体的に建設しよう! それこそが命脈尽きた資本家どもを打ち倒す”力”だ。今つくり出せるすべての力を11・6集会の大結集に注ぎ込む「蜂起戦」をともに貫徹し、1万人結集をなんとしても実現しよう。

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週刊『前進』(2508号6面1)(2011/10/17 )

 “原発容認の日弁連変えよう”

 福島と結び弁護士・市民集会

 「原発の番犬」裁判所に怒り

 東京・霞が関の弁護士会館で10月7日、反原発弁護士・市民集会が開催され250人が参加した。主催は「日弁連臨時総会請求運動」。3・11大震災と福島原発事故以降、怒りを燃やし危機感を募らせた全国の60人余りの弁護士が呼びかけ、原発を容認する日弁連執行部と対決し日弁連総体を変革していく、弁護士のランク&ファイルの運動だ。9・19反原発6万人行動の高揚は法曹界をも突き動かし、新たな闘いが始まっている。

 福島から佐藤幸子さんが訴え

 集会は山本志都弁護士の司会で進められた。初めに主催者を代表して藤田城治弁護士が開会のあいさつを行い、日弁連臨時総会請求運動の趣旨について、「原発即時停止・廃炉、再稼働阻止、裁判所の責任追及」の立場に日弁連を立たせることだと鮮明に述べた。
 ビデオレターが上映され、ビキニ水爆実験で被爆した第5福竜丸元乗組員の大石又七さんが、被爆の瞬間とその後の乗組員の発病−死亡を生々しく語り、福島第一原発事故以来デマを流す御用学者を「マーシャルに行って見ろ」と弾劾した。
 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人の佐藤幸子さんが大きな拍手に迎えられて登壇した。佐藤さんは、高校生のとき複合汚染について知ったことを契機に30年間無農薬栽培を続け今日に至った経緯を詳細に語った。国連前で野田首相を弾劾するため訪米し、「どこの国も国民の命を守ろうという気はない。市民が手をつながなくては」とつかんだ確信を述べた。そして、「原発いらない福島の女たち」が10月27日から取り組む経済産業省前での座り込みに参加をと呼びかけた。「原発推進の野田打倒!」の闘いは勢いを増している。
 大石さんと佐藤さんの胸に迫る訴えに応えて、鈴木達夫弁護士の進行でパネルディスカッションが行われた。パネリストは科学ジャーナリストで元NHK解説委員の小出五郎さん、動労水戸委員長の石井真一さん、高山俊吉弁護士の3人。
 小出さんは原子力村の構造に鋭いメスを入れた。政財官の“財”の中に労働組合が含まれているのが特徴だとし、これに学者とメディアを加えて原子力推進体制が形成されていること、その接着剤は巨額の金とポストのやりとり、さまざまな便宜だと腐敗の構造を暴いた。ジャーナリズムの責任を問い、メディアがどうあるべきかを経験を踏まえて提起した。
(写真 60人超の弁護士が呼びかけ開かれた反原発集会。日弁連変革へ決意を新たにした。演壇は福島の佐藤さん【10月7日 東京・弁護士会館】)

 動労水戸がストに立つ決意

 石井さんは「動労水戸は明日8日、被曝労働拒否・検修業務外注化阻止のストライキに決起する」と宣言し、「JR東日本は福島第一原発から20`余りにある広野駅までの営業運転を再開し、広野駅に放置していた車両を除染も線量測定もせずに勝田車両センターに搬入し検修業務をさせようとしている」と怒りを込めて暴いた。「ストが闘いに火をつける」と確信に満ちて決意を述べ、11・6労働者集会への結集を訴えた。職場生産点での反原発闘争がストライキで始まることに全参加者は感動と激励の拍手で応えた。
 高山弁護士は資料「原発を推進してきた司法関係者達」を示し、「住民請求を却下した1992年の伊方原発での最高裁判決が原発推進にお墨付きを与えた」と原発の番犬・裁判所を弾劾した。さらに、これを批判しない弁護士会を変革するために、日弁連総会に向けて闘う抱負を熱く語った。また、裁判員制度と原発に反対する11・11最高裁デモを呼びかけた。
 10月を福島連帯月間とし活動しているNAZEN事務局次長の富田翔子さんと事務局長の織田陽介さんが、10・10NAZEN福島結成集会をアピールした。
 ここで俳優の山本太郎さんが登場し緊急発言した。玄海原発再稼働阻止の7・11佐賀県庁闘争を口実に刑事告発され佐賀地検が受理したことを弾劾し、弁護人に選任した森川文人弁護士と壇上に並んで断固闘う意思を表明した。森川さんはまとめを兼ねて、再稼働阻止へ闘う、そのために弁護士会を変革するとの決意を述べ、11・6労働者集会を成功させようと呼びかけた。
(写真 原発推進構造を暴くパネルディスカッション。右からパネリストの高山弁護士、石井動労水戸委員長、小出五郎さん。進行役の鈴木弁護士)

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週刊『前進』(2508号6面2)(2011/10/17 )

 “被災地は団結し闘う”

 仙台で福島県教組迎え集会

 「500人の在校生が240校に分散して避難。支部組合員260人は兼務辞令で150校に分散勤務。家族はバラバラにされた」「一時帰宅して思うのは、福島は今も災害の真っただ中にあるということ」
 10月7日、仙台市のエルパーク仙台で開催された「すべての原発いますぐなくそう! みやぎ集会」(写真)で、福島県教組双葉支部の仲間が渾身(こんしん)の現地報告をしました。

 災害は今も進行

 次々に語られる福島の現実に、90人の集会参加者は、息をのみながら聞き入りました。
 「みんな次の日には帰れると思って毛布だけを持って避難しました。車のラジオから流れた1号機水素爆発の情報。もう長く帰れないことを知った」「毎日、郡山からいわきまで片道2時間の通勤。100`以上の遠距離通勤の仲間もいます」「7月に防護服を着て一時帰宅。草ボーボーのわが家と、誰もいない街。福島の災害は今も進行中です」「県教委は今年度の教員採用試験を行わなかった。講師には雇い止めの予兆が出ています」
 最後に、バラバラにされた双葉支部の組合員が集まり、皆で「赤い屋根の上」を合唱したことが紹介されました。「赤い屋根の家を建てたい。そこで暮らしたいの……」。テープから流れる組合員の歌声に会場は涙しました。そして、「宮城と福島、同じ被災地としてこれからもがんばっていきたい!」との訴えに、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。

 動労千葉が発言

 鳴り止まない拍手の中、動労千葉の田中康宏委員長が登壇しました。田中委員長は冒頭、「今度こそは絶対に福島を孤立させない。絶対に負けない!」と決意を表明しました。そして、「JRは常磐線の広野駅までの延長運転を計画している。緊急時避難準備区域に放置された車両を除染もしないで勝田車両センターに運ぶと言っている。何のために列車を走らせるのか? 列車が走っているのだから、放射能はもう大丈夫だというキャンペーンで福島の闘いを孤立させるためだ」と弾劾し、「動労水戸とともにストライキで闘う」と宣言しました。 
 最後に、「国鉄分割・民営化から労働者の未来が奪われてきた。国鉄労働者の責任をかけて職場から闘う。11・6労働者集会に大結集を!」と訴えると、会場は再び拍手に包まれました。
 宮城県内からは、呼びかけ人を代表してみやぎ連帯ユニオン東北せっけん分会の成田勝副分会長が、東京・日比谷野音で開催される11・6労働者集会への大結集を訴えました。さらに、津波被災の中で奮闘する仙台市教職員組合の仲間、組合つぶしと闘う仙台市職労の仲間、震災解雇と闘うみやぎ連帯ユニオンのタクシー労働者が発言に立ちました。
 集会の最後に、NAZENみやぎ結成に向けたアピールが発せられました。福島の怒りと職場から結びつき、被災現地から11・6集会大結集へ!
 その号砲が高らかに発せられました。
 (東日本大震災現地救援対策本部・T)

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週刊『前進』(2508号6面3)(2011/10/17 )

 “年内の闘いが勝負だ”

 共謀罪国会提出阻止へ檄

 10月1日、東京・中野勤労福祉会館で「甦(よみがえ)らせるな!共謀罪/“汚い捜査手法”導入反対!総決起集会」(主催/破防法・組対法に反対する共同行動)が開かれ、インターネットなどで知った若者も含め85人が結集した。
 集会では、「新たな捜査手法と一体の共謀罪新設は危険だ」と題して、山下幸夫弁護士が講演を行った。反原発運動の高揚に恐怖した野田民主党政権が、「必ず共謀罪法案を出してくる。そういう準備をしている」と断言し、「国会『総与党』状態の中では、法案を先行的につぶす年内の闘いこそが勝負だ」と檄(げき)を飛ばした。
 共謀罪と並行した新しい捜査手法を導入する動きについても警鐘を鳴らした。すでに携帯電話・メールなどの違法な盗聴や監視が行われているが、その上にDNA採取・通信盗聴・会話盗聴・おとり捜査・司法取引・礼状なし逮捕・黙秘権の否定などを導入しようというのだ。絶対に許せない。
 昨年夏、139日間の歴史的ストライキ(出荷停止)を打ち抜き勝利した全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部の西山直洋さんが闘いの報告をした。組合員13人もの不当逮捕や高額損害賠償請求という労組破壊の弾圧について「私たちの組合を組対法・暴対法の適用団体にする動きが出ている。“こんなに犯罪者(逮捕者)が多い組織は労働組合とは認めない”と、労働組合認定排除の動きなどがある」と語り、「それら一つひとつに対して反撃し、はね返している」と団結を固めて前進していることを報告した。
 1986年の「迎賓館・横田事件」での爆取デッチあげ弾圧と闘う板垣宏さんが発言した。未決勾留16年の末に一審は無罪となったが、差し戻し審では一切証拠がないのに「共謀」推認で逆転重罪判決。裁判所や検察と徹底的に闘い勝利すると宣言し、11・6労働者集会に参加して闘いを広げていこうと訴えた。
 関西生コン支部や港合同、動労千葉などが呼びかける毎年の11月労働者集会は共謀罪新設阻止も掲げてきた。反原発・反失業11・6労働者集会1万人結集が治安弾圧粉砕の道だ。9・19明治公園6万人決起を引き継ぐ反原発運動の大高揚をかちとる中で、4度目の共謀罪国会提出を阻止し、永久廃案に追い込もう。
 (東京・T)
(写真 4度目の共謀罪国会提出阻止を誓う【10月1日 東京・中野区】)

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週刊『前進』(2508号6面4)(2011/10/17 )

新刊紹介 共産主義者170号

 外注化阻止へ国鉄決戦論

 反原発闘争の戦略的論考

 11・6集会結集への絶好の武器

 『共産主義者』170号は11・6労働者集会への大結集運動の絶好の武器である。国鉄闘争と反原発闘争で新自由主義を打ち砕きプロレタリア世界革命に勝利するという基調が、気迫を込めて全論文に貫かれている。
 巻頭の高城和也論文は首都圏活動者会議の基調報告に新たな情勢展開を加えた路線論文である。本年前半の闘いを総括し、9・19反原発6万人決起の歴史的地平に立って今秋決戦の大きな展望を明らかにしている。
 3・11東日本大震災と福島第一原発事故以後の激しい階級攻防をつうじて国鉄決戦と反原発闘争が画期的な前進を遂げたこと、国鉄を始め4大産別の職場生産点に拠点を建設することが勝利の道であることを論じきった。再録の本紙夏季特別号アピールとともに、今秋決戦への革共同の戦闘宣言だ。11・6労働者集会1万人結集への武器としよう。

 国鉄闘争の到達地平を鮮明に

 鷹村大介論文は、国鉄労働者の歴史的な闘いと現在の攻防の火点である外注化阻止決戦の教訓を踏まえ、現場で闘う国鉄労働者と一体となり、平成採獲得に向けた格闘の真っただ中で書かれた現場性豊かな国鉄決戦論だ。動労千葉が呼びかけた8・30集会で打ち出された外注化阻止・偽装請負粉砕の闘いを路線的に整理して提起している。
 新自由主義が破綻し大恐慌に突入しているからこそ、国鉄決戦が日本階級闘争の主戦場となり、革命的共産主義運動を復権し発展させる闘いとなる。「党と労働組合の一体性」をあらためて明らかにし、国鉄産別の中に新たな細胞建設・指導部建設をかちとる決意に燃えている。
 島崎光晴論文は反原発闘争を闘う上で必須の論文である。9・11―19反原発闘争の歴史的高揚は、反原発が日本革命―プロレタリア世界革命の戦略的課題であること、人類史上最大の原発事故・放射能汚染がいかに激しく、深く、労働者人民に根底的な問題を突きつけるかを鮮明にした。あくまでも原発にしがみつき、フクシマを切り捨てる日帝支配階級への労働者階級の根源的な怒りが、原発をなくし新しい社会を切り開く原動力である。反原発闘争は新自由主義攻撃を打ち破る闘いだ。全原発の廃炉が日帝打倒に直結することを明らかにし、基本路線にすえた重要論文だ。

 新自由主義と対決する諸戦線

 06年の「党の革命」と綱領草案を基礎に、諸戦線においても新自由主義との対決を真正面にすえた新たな路線の確立が前進している。本号では障害者解放闘争と部落解放闘争を取り上げた。ともにプロレタリア革命こそ被差別人民の解放を実現するというマルクス主義に立脚し、新自由主義との対決の核心が階級的団結論にあることを鮮明にした論文である。
 朝霧広巳論文は、綱領草案を全面的に主体化し、「労働者階級と切り離されては生きていけない存在」「本質的に単一の労働者階級」と障害者規定を明確にした上で、障害者が労働者階級との団結を軸に「社会の真の主人公性を取り戻す闘い」として障害者解放闘争を明確に位置づけ直した。それは同時に、「糾弾主義・血債主義・救済主義」への決定的批判となっている。
 柏木俊秋論文は、部落解放同盟全国連西郡支部第6回大会で支部1千人建設を打ち出すに至った西郡住宅闘争に焦点を当て、部落民を「階級的団結を求め階級的分断を打ち破る存在」としてとらえきった。新自由主義攻撃としての80年代地対協路線との非妥協的闘いの継続、党の革命と与田一派らとの激烈な党派闘争を総括し、「新自由主義と闘う部落解放闘争論」の路線的確立の意義を掘り下げている。
 丹沢望論文「イスラエルで60万人デモ」「ILWUが大争議に突入」は、大恐慌の激化・深化の中で高揚する国際階級闘争の環を押さえたものとして重要だ。
 本号の全論文が、それぞれに闘いの新たな地平を体現し、理論的前進をかちとる意欲に満ちあふれている。ぜひ学習・主体化し、11月決戦の武器としてほしい。

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週刊『前進』(2508号6面5)(2011/10/17 )

 日程 10・31狭山闘争

寺尾判決37カ年糾弾! 狭山第3次再審闘争勝利! 西郡住宅闘争勝利!
反原発・反失業11・6全国労働者集会へ
10・31狭山闘争

東京 東京高裁要請行動
   10月28日(金)午前11時(10時30分に日比谷公園霞門集合)
   狭山集会
   10月29日(土)午後6時30分 南部労政会館(JR大崎駅前)
   主催 部落解放東日本共闘会議

広島 狭山集会
   10月30日(日)午後2時 広島市西区地域交流センター(旧西隣保館)
   主催 部落解放広島共闘会議

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