ZENSHIN 2011/11/21(No2513 p06)

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第2513号の目次

韓米FTA阻止へ4万人が民主労総大会 動労千葉訪韓団はFTAを巡る攻防渦中のソウルで民主労総大会に合流した(11月13日 ソウル市庁広場)=記事2、3面

1面の画像
(1面)
1047名闘争解体とTPP推進の連合うち破り  外注化阻止・非正規職撤廃を
JR大再編と闘う国鉄全国運動をすべての産別で発展させよう
原発再稼働阻止 12・10―11大闘争へ
記事を読む  
労働者が主人公の社会を建設する圧倒的カンパを 記事を読む  
前進速報版 記事を読む  
(2面)
新自由主義と闘う日韓連帯
動労千葉訪韓団 民主労総の大会に合流  非正規職撤廃は共通の課題(11月12〜14日)
記事を読む  
“労働者の母”イソソンさんの墓へ  労働者の団結に確信(11月13日) 記事を読む  
解雇撤回へ1423日(11月12日) 記事を読む  
(3面)
釜山 韓進重工業争議が勝利  解雇撤回へ高空籠城309日
ジンスク指導委員 笑顔でクレーンを降りる(11月10日)
記事を読む  
大阪 橋下も平松もぶっとばせ  自治体・教育労働者が集会(大阪T)(11月13日) 記事を読む  
動労千葉 運転基地再編阻止へ  指名スト貫徹 総決起集会(11月11日) 記事を読む  
製造業派遣 登録型派遣  法案から禁止規定を削除(11月14日) 記事を読む  
(4面)
12・3もんじゅ闘争(福井県敦賀市)に立とう
核兵器用のプルトニウム製造狙う  高速増殖炉の推進にとどめを(水樹豊)
記事を読む  
崩壊進む原子炉建屋  福島第一原発事故なお深刻 「安定」(吉田所長)は大うそ 記事を読む  
11・13福岡反原発集会 1万5千人が決起
玄海原発再稼働に大反撃(福岡・H)(11月13日)
記事を読む  
2011年日誌 11月8日〜14日
野田首相がTPP参加を表明/米が「エア・シーバトル」部局新設へ
記事を読む  
(5面)
原発再稼働阻止・野田打倒へ
全国キャンパスに自治会と学生共産主義者の党建設を  革共同中央学生組織委員会
記事を読む  
京大 反原発で大衆団交  警察導入と反対派排除 当局の謝罪をかちとる(京都大学/全学連副委員長・大森靖之)(11月10日) 記事を読む  
TPPは絶対阻止あるのみ 野田がAPECで交渉参加表明 対中対決・日米同盟強化と一体 記事を読む  
細野原発担当相を弾劾  福島大学「若者会議」で(11月12日) 記事を読む  
カリフォルニア バークレー校 4千人が大学占拠  銀行による学生収奪に抗議 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
“裁判員制度も原発もいらない”  大運動が呼びかけ 最高裁に怒りのデモ(11月11日) 記事を読む  
愛媛県警のAさん不当逮捕弾劾(11月10日) 記事を読む  
11・27星野全国集会へ  階級の力で星野同志奪還を  弾圧打ち破り「愛媛の会」結成 記事を読む  
三里塚裁判傍聴を! 記事を読む  

週刊『前進』(2513号1面1)(2011/11/21 )

 1047名闘争解体とTPP推進の連合うち破り

 外注化阻止・非正規職撤廃を

 JR大再編と闘う国鉄全国運動をすべての産別で発展させよう

 原発再稼働阻止 12・10―11大闘争へ

(写真 韓米FTA阻止へ4万人が民主労総大会 動労千葉訪韓団はFTAを巡る攻防渦中のソウルで民主労総大会に合流した【11月13日 ソウル市庁広場】=記事2、3面)

 今日の日本と世界の階級闘争は、まったく新たな情勢を迎えている。世界大恐慌の本格的爆発の中で、「われわれ99%に権力をよこせ!」という労働者階級の団結を求める叫びが無限に広がる一方、カンヌG20やハワイAPECを通して帝国主義国・諸大国の矛盾、分裂・ブロック化、争闘戦は深まり、野田政権を始めとして「1%」の支配階級を守ろうとする諸政権の危機と凶暴化が、一層あらわとなっている。日本の11・6労働者集会は、国際連帯の世界的な新地平を開き、韓国・民主労総の11・13労働者大会は大高揚した。さらにギリシャ、イタリアを先頭に全世界で労働者が決起している。労働者は一つだ。労働者に国境はない。今こそ職場生産点に拠点を打ち立て、新自由主義と闘う労働組合の再生をかちとろう。それを土台に、反原発・反失業闘争の発展と、TPP(環太平洋経済連携協定)粉砕、辺野古新基地建設阻止、野田政権打倒へ進もう。

 非正規職化・労組破壊に国際連帯で闘おう!

 11・6労働者集会は、3・11大震災と原発事故で露呈した新自由主義の大破綻、その出発点である国鉄分割・民営化と闘い続けてきた労働組合を先頭に、原発と首切り・非正規職化に絶対反対で闘い、全面破産した資本主義・帝国主義に代わって労働者の権力を打ち立てていく道筋を明らかにした。超反動野田政権に、フクシマの怒りと結ぶ9・19明治公園の6万決起がたたきつけられ、その最先頭で労働組合を甦(よみがえ)らせる闘いは11・6日比谷野音の6千人決起に結実した。
 さらにこれと連なる重大な勝利が韓国でかちとられた。韓進(ハンジン)重工業闘争のキムジンスクさんの85号クレーン高空籠(ろう)城闘争の勝利だ。「弔問に行く時間が残業の次に長かった」と言われてきた韓進重工業での決死の闘いが歴史を大きく変え、イミョンバク政権を揺るがしている。309日間の籠城闘争に「ともに生きて闘おう」と万を超える「希望のバス」が5次にわたって闘われ、11月10日、ついに彼女は勝利者として地上に降り立った。その直後、11・13民主労総大会が米韓FTA批准阻止闘争と一体のものとして4万人で闘いとられた。日本からも動労千葉訪韓団がともに闘った。
 また、米オークランドのゼネストを先頭で闘ったILWU(国際港湾倉庫労組)の闘いは、TPP攻撃をも通した世界の労働者階級人民への搾取・収奪・労組破壊の攻撃との最先端の大攻防である。ここでは何よりも外注化・非正規職化・労組破壊との闘いが、国境を越えて万国の労働者の最大の共通課題となっている。3・11大震災以降の国際階級闘争の壮大な躍動と発展に心躍らせ、さらに11〜12月から冬期決戦へと突き進もう。
(写真 動労千葉、基地再編粉砕へ決起集会 5日から指名ストに入った動労千葉は「基地再編粉砕、外注化阻止」の総決起集会を開催。集会後、千葉支社に抗議行動を行った【11月11日 DC会館】=記事3面)

 労働者の団結と組織の拡大で力関係を変える

 こうした国際連帯闘争の前進の底の底には、「労働者こそが社会を動かし社会を変える主体だ」という思想が脈打っている。それが生きるための抑えがたい欲求となって燃え上がっている。労働者の団結した闘いがある限り、あらゆる所から革命に火がつく。
 何よりも国鉄闘争、1047名解雇撤回闘争は不屈に続けられている。とりわけ動労千葉の外注化阻止闘争の発展と青年部の再建、動労水戸の放射能汚染列車の検修強要に対する実力阻止のストライキと青年の決起が、JR資本を追いつめている。なぜなら今やJR資本は、原発再稼働と原発輸出、高速鉄道輸出に会社の延命をかけているからだ。労働者が団結して闘う時、すごい力を発揮する。これを権力・資本は心底から恐れている。
 動労千葉は、組合破壊のための銚子運転区廃止や京葉車両センターにおける執拗(しつよう)な外注化攻撃に対して、11・6集会前日から連日の指名ストに入り、組織拡大によって力関係を変えようと闘っている。
 動労千葉のような闘いは、労働者なら本来は誰でも闘えるのだ。労働組合はそのような力をつくりだす。労働者は仲間の解雇や死を絶対あいまいにしない。他人の痛みを自分のこととして考えられる存在だ。問題は組合指導部と活動家がその先頭に立って闘えるかどうかだ。野田や経団連の米倉ではなく、自分たちこそがこの社会を変え、生きられる社会をつくる。この確信に立ちきり闘うことだ。
 日帝・中曽根による1980年代の理不尽な国鉄分割・民営化の強行は、今日、外注化・非正規職化の攻撃として社会に蔓延(まんえん)した。だが、今やその嵐の中から非正規労働者の闘いが火を噴き始めた。郵政非正規ユニオンをはじめとした非正規職撤廃の闘いは全労働者の課題であり、動労千葉−国鉄闘争と一つの、今日的実践そのものだ。国鉄闘争全国運動は、闘う労働組合再生の闘いである。@解雇撤回・民営化絶対反対、A全国的陣形の形成、B職場闘争、C解雇者を支える基金運動という基軸を創造的に駆使し闘いを進めよう。
 9・19から11・6の大闘争は、労働者階級人民の反転攻勢の歴史的な合図となった。これを跳躍台として、被災地と大阪での橋下との闘いを先端に、郵政、自治体、教労を始め全産別・職場で外注化・非正規職化との闘いを実践しよう。職場細胞と拠点建設、青年の獲得を具体的にめざし、猛然と労働者の怒りと誇りを奪い返す闘いに立とう。反原発も、TPP粉砕も、辺野古新基地建設阻止も、労働組合の再生と前進こそが絶対負けない闘いを支える。労働者の中へ原則的かつ柔軟に分け入り、11月闘争の地平の拡大として、国鉄闘争全国運動を解雇撤回・物販闘争を水路にさらに発展させよう。

 TPP参加と派遣法で大攻撃を推進する野田

 「99%」の圧倒的な正義が闘いと団結の拡大として進む中で、米帝没落の危機にあえぐオバマは、アジア勢力圏化への強盗的な巻き返しと、対中対峙・対決の戦争政策の強化にのめり込んでいる。ユーロ解体、EU解体が不可避となり、今や帝国主義はたそがれを迎えている。中国を始め新興国のインフレとバブル崩壊の危機も切迫している。この中で脱落帝国主義の日帝・野田政権は、今や経団連の政治委員会そのものと化し、原発の再稼働と輸出、TPP交渉参加、「復興特区」攻撃、大増税、日米安保強化で延命しようとあがいている。
 TPP問題の前面化と日帝の交渉参加は、大恐慌の本格的激化のもとでの、歴史的なブロック化政策と争闘戦の激化を意味している。それは対中対峙・対決の安保=戦争政策と一体のものであると同時に、労働者、農民・漁民、全人民への、輸出大企業・金融独占ブルジョアジーの大攻撃である。とりわけ労働者派遣法改定案から製造業派遣・登録型派遣の「禁止」規定を削除することは、戦後労働法制を解体・一掃し、非正規職化を全面推進するとんでもない攻撃だ。今や野田政権、日帝・資本との非和解的激突に入った。
 世界大恐慌は、ヨーロッパ危機を震源地に底なしの泥沼、奈落へと転落しつつある。この情勢下で労働者階級人民の全世界的な怒りの決起、日本での3・11大震災−原発事故への怒りの爆発は、どこまでも拡大しようとしている。闘いが闘いを呼ぶ革命の時代に入った。労働運動の再生を軸に、大恐慌をプロレタリア世界革命へ転化するための戦略的準備の闘いを推し進める時は今だ。
 11〜12月の闘いが決定的である。11・6の地平から、反原発・反失業のうねりを、新自由主義の30年を根底から覆す労働組合の団結と拠点建設に転化しよう。それは革命的共産主義運動の歴史的到達地平をかけた闘いだ。労働組合を復権する闘いは野田政権打倒の巨大な政治闘争の基礎だ。脱落日帝と野田は、今やボロボロの連合、1047名解雇撤回闘争を解体し原発再稼働・TPPを推進する連合に支えられなければ存立できない。この連合支配を崩せば勝てるのだ。その鍵は国鉄闘争と反原発闘争であり、非正規と正規の労働者の団結と決起、すべての職場での外注化阻止・非正規職撤廃の職場闘争だ。これこそ動労千葉の労働運動である。
 福島第一原発事故と放射能汚染のすさまじさは連日息をのむような状況だ。「冷温停止状態」や「収束」など大うそであり誰も信用していない。「原発再稼働絶対阻止! すべての原発を直ちに止めて廃炉にせよ!」は日々死活的な要求だ。「子どもたちの命を守れ!」は待ったなしだ。経産省前に座り込んだ福島の母親・女性たちの決起に続こう。3・11から9カ月目の12・10は日比谷野音集会、12・11は全国各地での統一行動だ。9・19と11・6を引き継いで総決起しよう。
 『前進』を求め、読みたいと思っている労働者は何万人といる。今こそ闘う労働者の党をつくろう! 職場拠点を建設しよう! 福島医療施設建設を始め、被災地と血の通った団結と連帯をこの冬期カンパ決戦によって示そう。10−11月の大闘争に立ちあがったすべての労働者・学生・人民は、革共同とマル青労同・マル学同に結集し、ともにプロレタリア革命勝利を切り開こう。

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週刊『前進』(2513号1面2)(2011/11/21 )

 労働者が主人公の社会を建設する圧倒的カンパを

 11・6労働者総決起集会は2012年の革命的激動への決定的出発点を築くことに成功しました。資本主義が全世界的にその崩壊を開始した今、世界革命を成し遂げ、労働者が主人公となる社会を建設するために圧倒的なカンパを寄せてください。
 11・6労働者集会とそこに向かう2011年の闘いを通して、「外注化粉砕・非正規職撤廃・偽装請負弾劾」の闘いを、新自由主義と根底的に対決し世界革命を手繰り寄せる路線へと押し上げることに成功しました。米ILWU(国際港湾倉庫労組)の闘い、「ウォール街を占拠せよ」運動、韓国・民主労総の非正規職撤廃闘争、そして検修業務の外注化を10年にわたって阻止し続け全面外注化と決戦的に闘い抜いている動労千葉の闘いは、破綻した新自由主義攻撃を粉砕し、その中から労働運動を世界的に再生させる展望を切り開いています。
 11・6集会は第二に、今や日本革命の決定的火点となった福島・被災地の怒りと固く結合して、全原発の廃炉に向けた闘いの展望を切り開きました。集会での被災地や福島からの訴えは、誰をも奮い立たせるものでした。この結合こそが、いまや福島を革命の拠点とする段階が始まったことを示しています。
 第三に、こうした闘いを現実の勝利に転化する労働組合の拠点建設、組合権力獲得の闘いが必死に闘いとられ、実践的な苦闘が積み重ねられたことです。この実践こそが、労働者の自己解放能力を引き出し、爆発させ、階級的団結に転じて行くマルクス主義にほかなりません。
 こうした一切が、革命の戦略的準備を本格的に開始するものとなっているのです。
 この闘いをさらに決定的に推し進めるためには、労働者、学生、市民のみなさんの圧倒的なカンパが必要です。
 とりわけ、福島現地では、原発事故―放射線被曝と闘っている労働者階級と子どもたちの未来を取り戻すための医療施設建設の闘いが始まりました。青年医師や青年弁護士を先頭とする医師団・弁護団が中心となって、数億円規模の医療施設建設・全国基金運動が準備されています。この冬の一時金カンパ闘争はその突破口を開く闘いです。
 革共同は、階級的労働運動を発展させ、腐りきった帝国主義を打倒し、プロレタリア世界革命を実現するために全力で闘います。絶大なカンパを心より訴えます。

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週刊『前進』(2513号1面3)(2011/11/21 )

 前進速報版

▼京大反原発団交が大勝利▼玄海原発再稼働許すな!福岡で15000人集会▼「橋下も平松もぶっとばせ」関西交流センターが討論集会

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週刊『前進』(2513号2面1)(2011/11/21 )

 新自由主義と闘う日韓連帯

 動労千葉訪韓団 民主労総の大会に合流

 非正規職撤廃は共通の課題

(写真 韓米FTA批准をめぐる攻防の中、怒りに燃えた4万人が集結【11月13日 ソウル市庁前】)

(写真 前夜祭に参加した動労千葉訪韓団【11月12日 ソウル・ヨイド公園】)

 11・6集会を闘った国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さん、金元重さんと動労千葉、全国の労働者・学生など総勢100人近い動労千葉訪韓団は、民主労総ソウル本部に迎えられ、12日の前夜祭から11・13労働者大会、14日の日韓労働者理念交流をともに闘った。関西地区生コン支部、港合同ともソウルで再会し、充実した国際連帯となった。(本紙・室田順子)
(写真 ”非正規職を撤廃し正規職化実施せよ”とデモする公共運輸労組【13日】)

 韓米FTA阻止

 21歳の青年労働者、チョンテイル(全泰壹)が「労働者は機械じゃない! 勤労基準法を守れ!」と叫んで炎に身を焼いた70年11月13日。あれから41年、11月13日午後4時、韓国・ソウル市庁広場で開かれた民主労総の「チョンテイル精神継承2011全国労働者大会」には4万人を超える”この時代のチョンテイル”が集まった。メーンステージに掲げられたスローガンは「1%に抵抗する99%、われわれが代案だ!」「韓米FTA阻止!」。
 大会を前にした10日、「キムジンスクさんが勝利して85号クレーンから自分の足で降りた!」の韓進重工業争議勝利の知らせが全労働者を奮い立たせていた。この勝利に続き、才能教育支部、全北高速支会、双竜自動車支部などの長期闘争事業場でも闘って希望をつくろう!の声が広がった。
 民主労総のキムヨンフン委員長は大会あいさつで「309日間の高空籠城(ろうじょう)を闘い、すべての整理解雇者の苦痛をともにしたキムジンスク釜山本部指導委員の超人的な闘争は、民主労総の誇らしい歴史になった」「資本の悪らつな弾圧と懐柔にもかかわらず、解雇者と非解雇者が一つになって、民主労組を死守し、苦難の道をともにしてくれた韓進支会の仲間は、労働者の義理を私たちに教えてくれた」と強調した。
 さらに「イミョンバク政権が韓米FTAの国会批准を強行するというなら全面戦争は不可避だ」とし、民主労総が組織の総力を挙げてFTA批准阻止闘争に立つことを明らかにした。
 2011年チョンテイル記念賞は、85号クレーンで高空籠城したキムジンスクさんら4人の韓進重工業組合員と、1400日以上闘っている学習誌労組才能教育支部が共同で受賞した。韓進重工業のシンドンスン組合員は、「闘争を続けている間、希望バスと連帯してくれる仲間がいつもありがたかった」と感謝の言葉を述べ、争議1424日目となった才能教育支部のユミョンジャ支部長は「1500日、1600日を迎えるかもしれないが、必ず民主労組を死守し、烈士の前で恥ずかしくないように勝利で闘争を終える」と力強く語った。

 公共部門で激突

 11月12日、田中康宏委員長を先頭とする動労千葉訪韓団は、民主労総ソウル本部とともに民主労総全国労働者大会前夜祭が開かれる韓国国会前のヨイド公園に到着した。
 ソウル本部の案内で「公務員労働者143名全員の原職復職をかちとろう! 国会は特別法を即刻制定せよ!」と国会近くの産業銀行前でテント座り込み闘争中の公務員労組を激励訪問し、闘う公務員労働者と固い握手を交わした。
 新自由主義攻撃を推し進めるイミョンバク政権は、公共部門先進化政策と称する私有化(民営化)攻撃を激化させ、政党への少額カンパを口実に1900人もの公務員・教育労働者に政治弾圧を加えている。
 これに対し、全国公務員労組と公共運輸労組・連盟は、「労組弾圧粉砕! 公共機関先進化政策による強制整理解雇粉砕! 公共部門の非正規職解雇者の原職復職!」を掲げて総力闘争を繰り広げている。公務員労組はいまだに労組設立申告書の受理、団体行動権を認めない公務員労組法の改正、対政府交渉権などを要求して闘っている。イミョンバク政権は水道業務の民営化や国立大学の法人化、さらに医療・健康保険、年金、鉄道、ガスなど全面的な民営化攻撃に打って出ている。韓国の階級闘争は攻防のまっただ中だ。まさに世界の労働者が同じ敵と闘っている。分断を許さず、国際連帯で闘うことが労働者階級の急務なのだ。
 13日午後には全国公務員労組と公共運輸労組・連盟が主催する「社会公共性強化・労働基本権戦取のための公共部門労働者総決起大会」がソウル駅前広場で開催された。2万人の公共部門労働者が集まり、「労働基本権戦取と社会公共性強化のために強力な共同闘争をつくろう! ともに要求し、ともに闘い、ともに勝利しよう!」と決議し、労働者大会会場のソウル市庁前まで力強くデモ行進した。
(写真 解雇撤回を求め座り込み中の公務員労組を訪問した動労千葉【12日 ヨイド】)

 ソウル本部と総括集会 田中委員長“職場から”

 大会後、ソウル市庁広場で動労千葉訪韓団と民主労総ソウル本部の総括集会が開かれた。
 まず動労千葉の田中委員長がソウル本部にお礼を述べ、提起した。
 「僕らは3月の大震災以降、『ここで労働運動の火を消してはいけない』という思いで脇目も振らずに頑張ってきました。福島や宮城の仲間が先頭に立ち、全国の仲間がものすごい決意で立ち上がりました。
 今、歴史をつくる勢力と反動が激しく衝突しています。今こそチャンスです。支配階級の側が崩れ始めて、全世界の労働者が前に進もうとしている。僕らもその戦列の一員になろうじゃないか。
 こういう時に戻らなければならないのは原点です。労働者が社会のすべてを動かしている。だから労働者が団結した力にすべてをかけて、日本の腐りきった労働運動を変えるということです。労働運動は労働者が自らの誇りを自分の力で取り戻す闘いです。その闘いを最も困難な職場から始めよう。職場から労働運動の火をつくり出そう。
 民主労総が非正規職撤廃へ全力で闘っている。日本でも膨大な労働者が民営化・外注化により非正規職に突き落とされている。この外注化・民営化に徹底抗戦を続ける闘いが絶対に必要です。非正規職化を根本から止める闘いをやろう。この闘いをとおして非正規の労働者と連帯しよう。
 来年は民主労総との国際連帯が始まって10年。この1年間、韓国の仲間たちに胸を張って連帯できる闘いを日本の地でつくり出そう。職場からの闘いとNAZENを先頭にした反原発の闘いを結合させて、本当に歴史を動かす闘いをやろう」
 ソウル本部のイジェウン本部長は「各国政府は労働者を弾圧し、韓米FTAを締結しようとしています。そういう中で闘った11月闘争です。モラン公園の烈士の墓を訪問して学んだと思いますが、韓国政府は労働者を踏みにじっています。だから私たちはこの闘争をやめるわけにはいきません。人間の尊厳を踏みにじる資本と政府に立ち向かって闘いましょう。チョンテイル精神を共有して闘いましょう」とアピールした。
 最後に田中委員長の音頭で「団結ガンバロー! トゥジェン!」を唱和した。日韓連帯の11月闘争は、国際連帯を一段上に押し上げる闘いとなった。

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週刊『前進』(2513号2面2)(2011/11/21 )

 “労働者の母”イソソンさんの墓へ

 労働者の団結に確信

(写真 チョンテイル烈士の墓前で開かれた追慕式【13日 南楊州市】)

 11月13日昼、動労千葉訪韓団は、京畿道南楊州市マソクのモラン公園の烈士墓地を訪問した。「人間らしく生きるために逝った烈士たち」を記憶し、その精神を継承しようというマソク烈士墓地には116人の烈士が眠っている。
 今年9月3日に亡くなったチョンテイル烈士の母、イソソン(李小仙)さんもここに眠るチョンテイル烈士の墓の隣に葬られた。(写真上)
 追慕式には民主労総と韓国労総の委員長も出席し追悼の辞を述べ、日本から動労千葉が参加していることも紹介された。
 「労働者の母」と慕われたイソソンさん。旧知の女性は「彼女はいつも労働者は一つだ。一つになって闘えと言っていた」と思い出を語った。
 イソソンさんの最後の願いは、「希望バス」に乗ってキムジンスクさんに会いに行き「死ねば何もできないから必ず降りてきて一緒に闘おう」と伝えることだったという。多くの組合員とともに参列した金属労組韓進重工業支部のチャヘド支部長は「94人の解雇者の原職復職を必ずかちとります」と誓った。
 チョンテイル烈士の弟チョンテサムさんは「今こそチョンテイル精神を発揮して闘おう」と呼びかけた。

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週刊『前進』(2513号2面3)(2011/11/21 )

 解雇撤回へ1423日

 全国学習誌産業労組才能教育支部は07年5月から団体協約原状回復と不当解雇撤回を闘ってきた。
 争議1423日目の12日、長期闘争事業場を回ってきた労働解放先鋒隊を迎え、整理解雇・非正規職撤廃の集会が開かれた。
 東北大学学生自治会の石田真弓委員長らも参加した。

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週刊『前進』(2513号3面1)(2011/11/21 )

 釜山 韓進重工業争議が勝利

 解雇撤回へ高空籠城309日

 ジンスク指導委員 笑顔でクレーンを降りる

 11月10日、韓国・釜山の韓進(ハンジン)重工業で整理解雇撤回を求めて309日間の高空籠城(ろうじょう)闘争を続けた民主労総釜山本部のキムジンスク指導委員が、ついに自分の足で85号クレーンから降りてきた! 満面の笑みで地上に立ったキムジンスクさんは第一声を「皆さん、今日からが新しいスタートです。笑いながら最後までトゥジェン(闘争)!」と結んだ。
(写真 韓進重工業85号クレーンから満面の笑みで降り立った民主労総釜山本部のキムジンスク指導委員。「悔しさに泣いてくたびれた時、希望バスが私に力を与えてくれた」と語った【11月10日 釜山】)

 警察の弾圧破り合意承認

 11月9日午前、韓進重工業労資は8日からの徹夜リレー交渉を経て、本交渉を開き合意案を導き出した後、組合は整理解雇者に説明し、組合員総会での承認を目指して動き出した。ところが午後4時過ぎ、「安全保護のため」と称して警察部隊が影島(ヨンド)造船所内に突入、クレーン上で籠城を続けるキムジンスク民主労総釜山本部指導委員とパクソンホ韓進重工業整理解雇撤回闘争委員会(整闘委)代表ら4人の逮捕を狙ってきた。怒った組合員たちは警察部隊を実力で粉砕、4人を守りきった。
 翌10日午前中、韓進支会、金属労組と整理解雇者、整闘委の組合員との懇談会が行われた。妥結局面での警察投入に組合員の危機感が高まっており、94人の解雇者の1年以内の職場復帰と退職者の退職金が勤続年数により少なくとも1千万ウォン(約70万円)、多い場合は1億ウォン近くも減額される問題など、激しい議論が交わされたが、最後は金属労組と韓進支会に決定を任せることを決定。午後2時、組合員809人中509人が出席し、組合員総会が開かれた。チャヘド支会長は「総会前に整闘委から出された意見を受け止め、守り抜く。合意案を全会一致で通過させてくれ」と提起し、全員の拍手で同意された。組合員ら全員がすぐに85号クレーン下に移動した。

 “今日からが新しい出発点”

 そして午後3時20分、組合員たちが労働歌「鉄の労働者」を歌う中、こぼれるような笑顔のキムジンスクさんが、クレーンの中間層で137日間、座り込んだ3人の死守隊とともに85号クレーンを降りてきた。最後の一段を飛び降りた彼女は、多くの仲間と抱き合って喜びを分かち合い、その場で次のような新たな闘争宣言を発した。
 「皆さん、大変ご苦労様でした。ジュイク氏もこのように歩いて降りてこれたらどんなによかったでしょうか。309日の間、一時も忘れることができなかった名前がキムジュイク、クァクジェギュです。クレーンにいながら(クァクジェギュ氏が身を投げた)4号ドックをまともに見つめることができませんでした。多くの人が『309日をどのように耐えたのか』と尋ねます。85号クレーンで起きたことを知っている人なら、どうしてこの闘いを途中で放棄できるでしょうか。今や解雇者・非解雇者の区別はなくなりました。百パーセント満足はできないけど、私も皆さんも今まで最善を尽くしてきました。今日この時から、先に行った(亡くなった)同志たちの心の重荷、闘争中に生じたお互いの間のわだかまりを洗い流していきましょう。皆さん、今日からが新しいスタートであり、出発点です。笑いながら、最後までトゥジェン!」
(写真 組合員と抱き合い勝利の喜びを分かち合った)

 「希望のバス」で連帯の輪

 85号クレーンは、2003年に当時の労組支会長キムジュイク氏が解雇撤回を求めて129日間の座り込みをし、最後は抗議の自殺をしたクレーンだ。その半月後にはクァクジェギュ組合員が投身自殺。彼らの魂を胸に抱いて85号クレーンに登ったキムジンスクさんは「ジュイク氏がとてもやりたかったのに結局できなかったこと、勝利して自分の足でクレーンを降りていくことを必ずやる」と約束し、ついにその約束を果たした。
 イミョンバク政権と資本は、キムジンスクさんらを建造物侵入と業務妨害で拘束しようとしたが、裁判所は拘束令状を棄却せざるを得なかった。闘う労働者、労働組合の気合いと正義が敵を圧したのだ。
 「整理解雇撤回! 非正規職のない世の中をつくろう!」という彼女の闘いは労働者のみならず老若男女の心をとらえ、韓国全土からキムジンスクさんに会いに行こうという「希望バス」を生み出した。6月から5次にわたった希望バスの参加者は数万人に及んだ。希望バスの提唱者、詩人のソンギョンドンさんは「希望バスは、この十数年間強行されてきた数百万もの労働者の整理解雇と、900万人もの非正規職奴隷労働体制に亀裂を入れる社会的連帯の出発だ」と語っている。
 韓米FTAや海軍基地建設と闘う済州島カンジョンの住民闘争、そして非正規労働者たちの闘い、すべては新自由主義攻撃がもたらした痛みであり、激しい怒りが噴き出している。
 キムジンスクさんを先頭とする韓進重工業労働者の闘いは、この新自由主義攻撃に怒るすべての人民と結びつき、これを打ち破っていく偉大な突破口を切り開いた。ここから94人の職場復帰へ新たな闘いが始まった。

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週刊『前進』(2513号3面2)(2011/11/21 )

 大阪 橋下も平松もぶっとばせ

 自治体・教育労働者が集会

 11月13日、関西労組交流センター自治体労働者部会・教育労働者部会が「橋下も平松もぶっとばせ!討論集会」を大阪市浪速区で開催し、5府県19単組から45人の仲間が参加した。
 奈良市従の仲間が開会を宣言した。まず大阪市教組の仲間がミニ学習会として「橋下・維新の会の2条例案の核心は何か」を提起した。続いて豊中市職の仲間が基調報告を行い、「新自由主義に対して絶対反対で闘う労働組合、ストライキで闘う労働組合をつくり出そう」と提起した。 
 日教組奈良市の労働者は、講師解雇撤回闘争を貫いて11・6労働者集会に組織賛同し登壇・発言するにいたった闘いを報告。八尾北医療センター労組の新自由主義のムラ丸ごと更地化・医療センター明け渡し攻撃と闘う報告を受けて、自治体労働者・教育労働者が次々と発言した。
 「大阪市では『橋下が来たら大変だ』という声もある。平松への怒りも高まっている。具体的な闘争方針をもって職場に登場することによって、労働者のさまざまな怒りと結合できる」「労働者はさまざまな激突の中で階級的非和解性をつかみとっていく」「ストライキという明確な旗を掲げて、単組・支部・分会・職場、どんな単位でも権力を取りに行こう」「具体的攻防の中で議論し闘っていく。ここで自分をはっきりと出すことが大切だ。ストライキ方針を真正面から提起してこそ、職場の仲間の本当の思いや実践的課題も明らかになる」
 この日は大阪市長選の告示日。これから2週間、首切り・賃下げ・組合つぶしを競い合う橋下と平松が市内をわめきまわる。政府・財界が推進する「復興特区」は、労働基準法撤廃、農漁業の株式会社化、法人税ゼロ化など、労働者民衆に犠牲を押しつけて資本家がぼろもうけしようとするものであり、しかもこの攻撃を全国に拡大しようとたくらんでいる。「首切り自由・賃下げ自由」の強要をたくらむ橋下・維新の会の職員基本条例案・教育基本条例案もまったく同じだ。新自由主義で全社会を覆いつくすことこそ、橋下の「大阪都構想」の正体だ。
 連合も全労連も橋下の人格や手法を批判するだけで、支配階級がついに公務員大量首切りの道州制決戦に打って出てきたこと、核心は労働組合をめぐる攻防であることを見据えようとしない。日本共産党や塩川一派は、橋下に「対抗」して「5000人削減」を掲げる平松を支援するありさまだ。
 「絶対反対」で闘ってこそ勝利できる。今こそストライキで反撃しよう。
 (大阪 T)
(写真 45人が参加して活発な討論が行われた「橋下も平松もぶっとばせ!討論集会」【11月13日 大阪市浪速区】)

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週刊『前進』(2513号3面3)(2011/11/21 )

 動労千葉 運転基地再編阻止へ

 指名スト貫徹 総決起集会

 

(写真左 「基地再編粉砕・外注化阻止」を軸に闘いの基調を提起する長田書記長【11月11日 千葉市】)
(写真右 集会終了後、千葉駅の隣にあるJR東日本千葉支社前で抗議行動を貫徹。繰り返し怒りのシュプレヒコールをたたきつけた)
 動労千葉は11月11日夜、「基地再編攻撃粉砕! 京葉構内外注化阻止! 組織拡大!」をスローガンに総決起集会をDC会館で開催した。11・6全国労働者集会の一連の取り組みを終え、翌日からの訪韓闘争を控えたあわただしい中であったが、DC会館の大会議室を埋めつくす組合員が結集し、今秋から来春の課題についてがっちりと意思統一を行った。 
 あいさつに立った田中康宏委員長は「現在、佐倉運輸区新設―運転基地再編攻撃との攻防のただ中にある。当局は、移行のスケジュールも要員数も明らかにしないまま、とにかく線見訓練だけを強行している。こんなことは前代未聞だ。数百人にも及ぶ異動を組織破壊攻撃に使いきろうとしているからだ」と当局の腹黒い狙いを徹底的に断罪した。そして「5日から銚子支部を先頭に線見訓練拒否の指名ストに入った。12月からは千葉運転区でも訓練が予定されている。われわれの要求は一つ、『本人の希望しない配転をするな』ということだ。当局が姿勢を改めない限り、連日1人、2人という指名ストを徹底的にやり抜こう」と組合員に訴えた。
 さらに京葉車両センターでの構内業務外注化についても「10月1日実施を止め、11月1日実施も止めた。ジワジワと会社を追い詰めている。千葉支社は計画を縮小して『12月1日実施は無理だが年内にも実施したい』と言っている。核心は来春の検修業務全面外注化にある。だからなんとしても外注化の実績をつくりたいのだ。京葉車両センターでの業務外注化を絶対阻止し、攻めて攻めて来年4月の決戦に持ち込もう」と述べた。
 そして「基地再編、検修全面外注化、グリーンスタッフ雇い止め、新人事・賃金制度のすべてが来春闘で問題になる。銚子支部・千葉運転区支部の指名スト、検修職場での外注化阻止闘争をやり抜き、来春の闘いになだれ込もう」と今秋から来春にかけての闘いの方向性を示した。
 JR千葉支社との交渉報告を川崎昌浩執行委員が行い、当該支部からの決意表明に移った。
 銚子支部の渡辺靖正支部長は「支部で議論を重ねた末に指名ストに突入した。銚子運転区廃止反対、地方ローカル線切り捨て反対を貫いて闘う」と発言。千葉運転区支部の大野茂支部長は「会社は組合をなめきっている。絶対にまともな形では佐倉運輸区を始められないところまで会社を追い込む」と決意を表明した。幕張支部の代表は「検修職場にも来年4月1日の検修全面外注化という大攻撃が迫っている。団結を固めて闘い抜く」と述べ、京葉支部の青年組合員は「10月実施も11月実施も阻止し、自分自身が『やればできる』と実感した。組織拡大闘争を全力で頑張りたい」と語った。
 基調報告を行った長田敏之書記長は「基地再編をめぐっては会社も後ろを切られている。訓練ができなくて困るのは会社だ。闘いをとおして当局を追い詰め、われわれの土俵に引きずり込もう。線見訓練阻止の闘いをとことん貫くハラを固めてほしい」と訴えた。そして「会社は検修職場についても『ライフサイクル』なんてことを言い始めている。子会社への出向のことだ。これは単なる出向で終わらない。最終的には転籍にまで行き着く攻撃だ。攻防の最大の焦点は組織拡大闘争にある」と攻防の核心点を突きだした。
 動労千葉を支援する会の山本弘行事務局長の連帯あいさつ、各支部の決意表明で総決起集会を締めくくった。
 集会終了後、参加した組合員と動労千葉を支援する会は千葉駅隣にあるJR東日本千葉支社前に移動し、繰り返し怒りのシュプレヒコールをたたきつけて意気高く抗議闘争を貫徹した。

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週刊『前進』(2513号3面4)(2011/11/21 )

 製造業派遣 登録型派遣

 法案から禁止規定を削除

 民自公が合意 非正規化促進

 野田政権は14日、国会に提出されている労働者派遣法改定案から、登録型派遣や製造業派遣の原則禁止の項目を削除することで自民・公明両党と合意した。これは、復興特区の創設やTPP(環太平洋経済連携協定)と並ぶ、労働者人民への大攻撃だ。
 労働者派遣法改定案は2010年4月に国会提出された。この改定案自体、登録型派遣の禁止や製造業派遣の禁止、日雇い派遣の禁止などを掲げながら、その実、抜け穴だらけで、むしろ派遣労働の現実を追認し合法化する許し難いものだった。しかし民主党政権は、その法案を成立させるつもりさえまったくなく、法案は5期の国会会期にわたり継続審議となっていた。
 そしてついに、今回の自公両党との法案「修正」合意で、形ばかりの派遣労働規制はすべて投げ捨てられた。法案は派遣労働に対する規制を緩和するものに純化した。破産した新自由主義にどこまでもしがみつき、労働者を徹底的に非正規職に突き落とそうと策す野田政権の正体は、もはやあからさまになったのだ。
(写真 「外注化阻止・非正規職撤廃」の横断幕を掲げて銀座を進む11・6労働者集会の後のデモ)

 経団連の要求どおりに修正

 今や非正規雇用労働者は全労働者の38・7%に達している(厚生労働省調査)。野田政権は、復興特区とTPPで非正規職化の攻撃をさらに激化させ、「9割を非正規にする」という1995年以来の日経連の路線を一気に押し貫こうともくろんでいる。
 今回の修正内容は、「経団連成長戦略2011」や、「2011年度経団連規制改革要望」でブルジョアジーが要求した中身とぴたりと重なる。こうした形で、野田政権は資本の意思を真っ向から貫き通そうとしているのだ。
 だが、こんなことがやすやすとまかり通ることは絶対にない。11・6全国労働者総決起集会は、「非正規職撤廃」を柱の一つに掲げ、5950人の結集で圧倒的に闘いとられた。動労千葉の外注化阻止闘争は、非正規職をつくり出す新自由主義の根源を撃つ闘いだ。全世界で、低賃金・無権利の非正規労働に突き落とされた青年労働者たちが、怒りの声を上げ、闘いに立ち上がっている。

 非正規職撤廃・派遣法撤廃へ

  今回の修正合意は、連合幹部の大破産を突きつける事態でもある。この間、連合は、政府が提出した法案を派遣法「抜本改正」に向けての第一歩であるかのように描き出し、「法案の早期成立」を唱えてきた。そうすることで連合は、民主党政権に労働者階級をつなぎ止めようと躍起になってきた。このこと自体が、非正規職撤廃を求める労働者階級の叫びに背を向け、派遣や非正規職を容認する大裏切りにほかならない。
 今回の法案修正合意で、こうした連合幹部の言い分がすべてウソだったことは明白になった。野田政権は、資本の意思を徹底的に貫くものとして登場したが、他方で、政権の最大の支え手となっているのは連合だ。その構造を自らぶち壊すようなことに、今回、野田は手を染めた。
 非正規職撤廃・労働者派遣法撤廃を真っ向から掲げぬき、連合支配を覆す階級的労働運動を職場からつくり出そう。原発再稼働に突き進む野田政権を労働者の団結と闘いで打倒しよう。

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 当初に提出された法案の概要と今回の修正合意の内容

 当初に提出された法案の概要

@登録型派遣の原則禁止
ただし「専門26業種」などは除外
A製造業派遣の原則禁止
ただし1年を超えて派遣元に雇用される労働者は除外
B日雇い派遣の原則禁止
ただし、2カ月を超えて派遣元に雇用される労働者の派遣は容認
C違法派遣の場合は、派遣先が派遣労働者に直接雇用の契約を申し込んだものと見なす
D3年を超えて継続して派遣される労働者に対し、派遣先が直接雇用の申し込みをしなければならない義務については、派遣元に期間を定めて雇用される労働者には適用しない

今回の修正合意の内容

@削除
A削除
B「世帯主」以外の労働者の日雇い派遣、1カ月を超えて派遣元に雇用される労働者の派遣は容認
C「見なし」規定の導入は法案成立から3年後に先送り
D維持

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週刊『前進』(2513号4面1)(2011/11/21 )

 12・3もんじゅ闘争(福井県敦賀市)に立とう

 核兵器用のプルトニウム製造狙う

 高速増殖炉の推進にとどめを

 12月3日、「2011もんじゅを廃炉へ!全国集会」が実行委員会の主催で福井県敦賀市で開催される。原発再稼働と輸出へ突き進む野田政権を痛撃し、日帝の原発政策、核燃料サイクル計画と核武装化政策に断を下す決定的な闘争だ。福島の怒りと闘いに固く連帯し、闘う労働組合を先頭に12・3現地闘争に駆けつけ、集会とデモを闘いとろう。11・6集会の地平を引き継ぎ、全原発廃炉へ攻め上ろう。
(写真 高速増殖炉もんじゅ【福井県敦賀市】。発電に使った量以上のプルトニウムを生成する名目で設計された原子炉。冷却材にナトリウムを用いる。危険性は計り知れない)

 事故とトラブルが続き再び停止状態

 高速増殖炉もんじゅは、今すぐ廃炉にしなければならない。その危険性は通常の軽水炉原発とは比較にならず、事故が起きた際の被害規模は想像を絶する。しかも、高速増殖炉は本質的に発電を目的としたものではなく、核兵器に最適な高純度プルトニウムを生成するためのものだ。
 もんじゅは中曽根政権下の85年に着工され、91年から試運転開始、94年には臨界に至ったが、その建設段階から大小無数の事故、故障、設計ミスなどのトラブルが続出していた。もんじゅを管轄していた当時の科学技術庁と動力炉・核燃料開発事業団(動燃)は、「問題ない」と言い張って試験運転を続けた揚げ句、95年12月8日、2次冷却系のナトリウム漏れによる火災発生という大事故を引き起こした。動燃は事故を小さく見せかけようとして、火災現場を写したビデオテープを隠蔽(いんぺい)・偽造する暴挙を働き、後にそれが発覚して大問題となった(動燃はその後「核燃料サイクル開発機構」へと改組され、省庁再編にともない科学技術庁から文部科学省へと移管された後、「日本原子力研究開発機構〔JAEA〕」と名称を変更)。
 この事故以来、もんじゅは14年以上停止されていたが、昨年5月に民主党政権によって運転再開が強行された。だがその結果は、7月までのごく基礎的な試験運転の間だけで936回も警報が鳴り、32個もの不具合が発見されるという惨状で、8月には重さ3・3dの炉内中継装置が炉内に落下する重大事故が起こり、再び停止された。
 もんじゅには建設費だけで2兆4千億円が投じられ、現在も維持費として1日5千万円という法外な税金がつぎ込まれている。こんなものがいまだに存在していること自体が断じて許しがたい。

 試運転さえ大問題 主要国は今や撤退

 高速増殖炉とは、原理的には「高速」の中性子を利用してプルトニウムを「増殖」し、発電に使った量以上のプルトニウムを生成できるよう設計された原子炉のことである。かつては「発電しながら燃料を増殖できる夢の原子炉」などともてはやされたが、今日ではその危険性、技術的困難性、非経済性、大量の放射性廃棄物の生成などの理由から、日本以外の主要な国は基本的に開発から撤退している。
 何より、高速増殖炉は一般的な軽水炉と比較しても、とてつもなく危険である。炉内の反応速度は軽水炉の250倍、単位体積当たりの発熱量は3倍以上にも達し、その制御は困難を極める。また、冷却材の中に「泡」が少しでも入ると出力が一気に上昇する「正のボイド反応」(これは86年のチェルノブイリ4号機の核暴走の原因となった)を起こしやすい特徴を持っている。
 また、冷却材に水ではなくナトリウムを使う。ナトリウムは空気と触れるだけで発火し、水やコンクリートに触れるだけで爆発を起こす。爆薬を冷却材に使っているようなものだ。このナトリウムが、厚さわずか3・5_の配管の中を500度という高温状態で流れ続けているのだ。軽水炉の場合なら300度の水だが、それでも配管の金属疲労や損傷は避けられないのだから、高速増殖炉の危険性は推して知るべしである。その上、高速増殖炉はその構造上、きわめて地震に弱い設計になっている。
 福島第一原発事故のようなケースがもんじゅで起こった場合、配管が破損した瞬間にナトリウムが漏れ出し、空気と反応して瞬く間に火災・爆発へと至る。炉心を冷却するために水をかけても爆発する。炉心がメルトダウンすれば、プルトニウムが瞬時に核暴走・核爆発を起こす。そして、長崎型原爆100個分もの猛毒プルトニウムが放出される。まさに手の打ちようのない大惨事になるのだ。実用化どころか、本来なら試験運転さえ許されない代物である。
 ちなみに、高速増殖炉が「無限のエネルギーを生み出す夢の原子炉」だというのも大ウソだ。京都大学原子炉実験所の小出裕章助教によると、例えば1基の高速増殖炉が実用化されたとして、それが次の1基を動かすのに必要なだけのプルトニウムを「増殖」するまでの時間(倍増時間)は、電力会社の試算でも90年かかるという。しかも、「プルトニウム燃料サイクルが成立するには、40基ほどの実用炉が商業規模で稼働し、専用の再処理工場がなければならない」(鈴木真奈美著『核大国化する日本』平凡社新書)。高速増殖炉の開発状況は、政府の見通しでも「2050年実用化をめざす」というレベルであり、それさえも根拠のない願望にすぎない。要するに何ひとつ現実的な展望はないのである。
(写真 もんじゅナトリウム漏れによる火災事故現場【1995年12月】)

 核武装と核燃料サイクル計画粉砕へ

  これほど危険で破産しきった高速増殖炉に、なぜ日帝はこだわり続けるのか。それはひとことで言って、日帝の核武装化と核関連技術の輸出戦略のためである。
 日帝にとって原発とは、単なる発電手段ではなく、帝国主義間・大国間争闘戦にかちぬくための世界戦略であり、核武装化への切り札である。とりわけ高速増殖炉や再処理工場をはじめとした核燃料サイクル関連技術(機微技術と呼ばれる)の開発で米欧を出し抜き、日帝独自の核武装化へ道を開こうと必死になっているのだ。野田政権の原発輸出は、核燃料サイクルの推進と一体の争闘戦戦略なのだ。
 日本に導入された最初の原発は英国製黒鉛炉で、これは通常運転を通じて核兵器級プルトニウムを生産できるものだった。だが、黒鉛炉原発はこの最初の1基のみで、それ以降は日本の核武装化を懸念する米帝の強力なテコ入れにより、すべて米国製軽水炉を用いることとなった。日帝はあくまで「当面核兵器は保有しない政策をとるが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャル(潜在能力)は常に保持する」(69年外務省文書「わが国の外交政策大綱」)ことを国家戦略とした。すなわち、商業用原子炉として軽水炉の増設を進めつつ、その使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、高速増殖炉で反応させて核兵器級プルトニウムを生産する核燃料サイクル技術を、日帝として独自に開発する道を選んだのである。
 さらに、73年オイル・ショックと74〜75年恐慌は、「石油を確保できない帝国主義」としての脆弱(ぜいじゃく)性を日帝にまざまざと突きつけた。エネルギー戦略で他の帝国主義国の後塵(こうじん)を拝することを恐れた日帝は、とくに80年代の中曽根政権のもとで一気に核燃料サイクル開発に突き進んだ。中曽根は「下北半島を原子力のメッカに」とぶち上げて六ケ所村への核燃料サイクル関連施設の建設を開始した。また、日米原子力協定の改定に踏み込み、当面日本が米国から輸入した核燃料を再処理してプルトニウムを保有することを米側に認めさせた。
 だが、これに対し国鉄分割・民営化反対で立ち上がった動労千葉を先頭とする国鉄労働者の闘い、三里塚闘争を先頭とする労働者人民の反戦闘争=戦争国家化阻止の闘いによって、中曽根のめざした改憲・戦争国家化と核武装化への野望は根底において粉砕された。
 その後、95年もんじゅ事故、99年JCO臨界事故をはじめ度重なる重大事故により、核燃料サイクル計画は次々と破産を突きつけられる。それでも日帝は「力ずくでも進めていくべき」(01年経産省資源エネルギー庁長官)だとして、その推進に固執し続けたのである。
 福島第一原発事故は、まさにこうした日帝の核武装化戦略=新自由主義政策が引き起こした歴史的大犯罪であり、その最後的破産を刻印しているのだ。11・6労働者集会の階級的地平を武器に、今こそ日帝の破産した核戦略に断を下し、決着をつけよう。
 12・3もんじゅ闘争を突破口に、原発再稼働阻止・全原発廃炉へ闘いを切り開こう。原発、TPP(環太平洋経済連携協定)、大増税、非正規職化で延命を図る日帝ブルジョアジーを許さず、闘う労働組合を先頭に野田政権打倒へ攻め上ろう。
 〔水樹豊〕

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 もんじゅ略年表

1967年10月 動力炉・核燃料開発事業団(動燃)設立
1983年5月 中曽根首相が原子炉設置を許可
1985年10月 建設工事に着手
1991年5月 試運転開始
1994年4月 初臨界
1995年12月 2次冷却系からのナトリウム漏れ事故。運転停止
1998年10月 動燃解体。核燃料サイクル開発機構が発足
2005年10月 核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が統合、日本原子力研究開発機構として再編
2010年5月 運転再開
   8月 原子炉容器内に炉内中継装置が落下。運転停止
2011年6月 炉内中継装置の回収作業が終了

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  2011もんじゅを廃炉へ!全国集会

12月3日(土)福井県敦賀市
 午前11時 抗議集会と原子力機構申し入れ(白木海岸)
 午後1時30分 もんじゅ廃炉を求める全国集会(プラザ万象)・市内デモ
 主催 全国集会実行委員会

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週刊『前進』(2513号4面2)(2011/11/21 )

 崩壊進む原子炉建屋

 福島第一原発事故なお深刻 「安定」(吉田所長)は大うそ

 

 11月12日に福島第一原発の事故現場が一部メディアにやっと部分的に公開された。
(写真 〈左〉原子炉建屋。左から2号機、3号機、4号機。4号機の格納容器の黄色いふたが見える。〈右〉内側に丸く曲がる3号機上部の鉄骨)

 格納容器が露出

 その報道から言えることは、原発事故は今なお深刻な状況にあるということだ。大事故続発の可能性も依然としてある。再稼働や原発輸出などとんでもない。すべての原発をいますぐとめ、廃炉にする過程に入らなければならない。
 水素爆発が起きた4号機の原子炉建屋は、壁が壊れ、すき間から格納容器の黄色いふたが見える状態だ。傾いている建屋が倒壊すれば、使用済み核燃料保管プールから1535本の使用済みの燃料集合体がぶちまけられ、大汚染となる(1〜3号機には合計1573本の燃料集合体がプールの中にある)。
 3号機の原子炉建屋は屋根も壁もめちゃめちゃに壊れ、上部ではさびた茶色の骨組みがだんだん内側に丸く変形していっている。建屋は今も崩落が続いているのだ。状態は「震災直後より激しい」と東電も認めた。

 アラームが鳴る

 3号機のそばで車内の線量計が毎時1_シーベルトを示してアラームが鳴った。1時間で一般人の年間被曝限度とされる線量に達する強烈な放射線が発せられている。もっと高い放射線量の屋外では防護服を着た労働者が作業している。
 敷地内には処理した汚染水などが入ったタンクが所狭しと並んでいる。地面には冷却注水に使う塩化ビニールのホースが散乱しており、粗製乱造であることが証明された。海側には高さ4bの仮設の防潮堤が築かれているが、石を詰めた袋を積み重ねただけの応急処置にすぎない。再び大地震や大津波が襲ったらひとたまりもない。

 「死ぬと思った」

 吉田昌郎所長は12日、「死ぬだろうと数度思った」と事故の恐ろしさを語りつつも、現状は「安定しているが安全ではない」と述べた。何が「安定」だ。日々綱渡りしているのが実状だ。
 原子炉建屋内にがれきが散乱し、放射線量が高いため、溶融した核燃料が圧力容器の底から格納容器や建屋下部へどのように漏れ出ているのか分からない。11月2日に検出された放射性キセノンは臨界寸前の状態が続いていることを示した。核燃料を冷やすために毎時約10立方bの水を注入しているが、もう満杯だ。
 政府・東電は「冷温停止状態」「ステップ2の年内達成」へと工程が進み、来年から「核燃料取り出し」や「廃炉」の工程さえ可能になるかのように大うそを宣伝している。再稼働阻止へ今秋冬の反原発闘争を闘おう。

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週刊『前進』(2513号4面3)(2011/11/21 )

 11・13福岡反原発集会 1万5千人が決起

 玄海原発再稼働に大反撃

 

 11月13日、「さよなら原発! 福岡1万人集会」が福岡市・舞鶴公園で開かれました。集会は、九州全県を中心に沖縄、韓国からも結集し、1万5千人の大集会になりました。まさに70年闘争以来の大結集です。
 舞鶴公園をいっぱいに埋めた中心は青年や労働組合です。各界・各層の人士たちも立ち、小さな子ども連れの姿も目立ちました。原発廃炉を求める広範な怒りが、9・19明治公園6万人結集を引き継いで福島から離れた九州でも大きく燃え広がりつつあります。
 参加者は、思い思いの旗やのぼり、横断幕を掲げ、さまざまなパフォーマンスを繰り広げました。集会後には、3方向に分かれて天神まで長蛇のデモ行進。天神到着後、デモ隊の一部は九州電力本社前へ抗議に向かい、「玄海原発再稼働弾劾」「やらせメール弾劾」「真部(社長)、松尾(会長)は辞めろ」と怒りのシュプレヒコールを上げました。11月20日に結成を予定している「NAZEN福岡準備会」のピンクの鮮やかなのぼりがデモ行進の先頭に立ちました。
 本集会では、11・13集会の呼びかけ人らが「原発をなくそう」と訴えました。集会の最後に、「二度と悲惨な原発事故を繰り返してはならない。ここに集まった1万5千人余の意志としてすべての原発の廃炉を求めましょう」と集会宣言が読み上げられました。
 集会前段では、反原発のシンポジウムや沖縄エイサー、韓国舞踊などが行われ、会場を大きく囲むように57団体の出店も並びました。合同労組レイバーユニオン福岡、国鉄闘争全国運動・九州、百万人署名運動・福岡県連絡会も出店し、参加者と熱い交流を行いました。
 この日の闘いは、玄海原発4号機再稼働に対する九州の労働者民衆の怒りの反撃です。九電は、第三者委員会(郷原信郎委員長)が指摘する「やらせは古川康佐賀県知事の発言が発端になった」という明白な事実を絶対に認めようとしません。古川さえ生き残れば、12月から九電の全原発が停止しても再稼働はできると踏んでいるのです。まったく許せません。
 闘いはこれからです。11・20NAZEN福岡結成集会は、怒りの高まりをさらに大きなものにしていく闘いの開始です。反原発闘争と国鉄決戦を軸にともに闘いましょう。
 (福岡・H)
(写真 〈左〉九州全県をはじめ沖縄、韓国からも労働者市民が参加。会場はいっぱになった。〈右〉旗やのぼりが林立【11月13日 福岡市】)

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週刊『前進』(2513号4面4)(2011/11/21 )

日誌'11 11月8日〜14日

 野田首相がTPP参加を表明/米が「エア・シーバトル」部局新設へ

●IAEAがイランの核で報告書 国際原子力機関(IAEA)がイランが核兵器開発を続けているとする報告書を提出した。(8日)
●米が対中国の新軍事戦略構築 米国防総省が中国の軍拡に対応して、中国内の拠点に対する空と海からの攻撃能力の大幅な増強を柱とする新たな対中戦略=「エア・シーバトル」戦略の構築と、そのための特別部局の新設を決定したことが判明した。(9日)
●イタリア国債が危機に イタリア国債の利回りが債務危機に陥る危険水準とされる年7%を超え、市場に動揺が広がった。(9日)
●野田首相がTPP参加表明 野田首相が首相官邸で記者会見し、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する方針を正式に表明した。米通商代表部は歓迎声明で、交渉に参加するには「農業、サービス、製造業での特別な障壁にも対処しなければならない」と指摘した。(11日)
●オーストラリアに米海兵隊 中国に対抗するエア・シーバトル構想の一環として、米海兵隊をオーストラリア北部のダーウィンに本格駐留させる方針を米豪首脳が近く発表するとオーストラリア紙が報じた。(11日)
●オスプレイ配備前倒し 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備が当初予定の来年10月から夏に前倒しされる可能性が判明した。(11日)
●ギリシャ新政権発足 ギリシャでパパンドレウ政権に代わり、ルーカス・パパデモス首相の大連立政権が発足した。(11日)
●独で核廃棄物処分場計画撤回 ドイツ政府がゴアレーベンへの使用済み核燃料の最終処分場建設計画を白紙撤回すると発表した。(11日)
●日米首脳会談開く 野田首相がオバマ米大統領と会談し、TPP交渉への参加と米国産牛肉の輸入規制緩和、普天間飛行場の辺野古移設推進を表明した。米政府は会談後、野田首相がTPPで「すべての物品とサービスを貿易自由化のテーブルに載せる」と述べたと発表した。(12日)
●米中が首脳会談で対立 米中首脳会談が開かれ、オバマ大統領が中国に為替政策の変更や知的財産権保護を強く要求、胡錦濤主席は中国製品への輸出規制緩和を求めて対立した。(12日)
●イタリア首相が辞任 イタリアのベルルスコーニ首相が辞任し(12日)、新首相にマリオ・モンティ元欧州委員が指名された。(13日)
●APECが閉幕 アジア太平洋経済協力会議(APEC)が議長国の米国主導のもと、TPP参加9カ国の大枠合意と日本・カナダ・メキシコ3カ国のTPP交渉への新たな参加表明を得て閉幕した。(13日)
●在沖海兵隊移転計画の内容変更 米国が在沖米海兵隊のグアム移転について、移転対象を司令部要員中心としていた従来の方針を変更し、戦闘部隊の一部も移す方針に転じたことが判明した。沖縄にも司令部機能を残して前方展開能力を維持し、米海兵隊の拠点を沖縄とグアムに分散して一極集中の危険を回避する狙い。(13日)

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週刊『前進』(2513号5面1)(2011/11/21 )

 原発再稼働阻止・野田打倒へ

 全国キャンパスに自治会と学生共産主義者の党建設を

 革共同中央学生組織委員会

 11・6労働者集会が示した労働組合の力、フクシマの怒り、国境をこえた国際的団結の中に学生の未来がある。これこそが労働者階級自己解放の思想としてのマルクス主義であり、ここにこそ全世界で爆発する青年・学生の決起とともにプロレタリア世界革命への道を切り開いていく希望と展望がある。全国学生は11・6集会に結集した6千人の熱い息吹を大々的にキャンパスに持ち込み、「再稼働阻止!」を掲げて反原発闘争の一層の爆発をかちとろう。そのただ中から、すべてのキャンパスに学生自治会を建設し、膨大な学生共産主義者を生み出そう。

 福島大生との団結が実る

 全国学生運動の11月労働者集会における最大の勝利は、「3・11」以来のあらゆる闘いを「福島大学からの学生運動の創成」に絞り上げ、ついに福島大生の合流をかちとったことだ。今年6月19日の福島現地デモの高揚は、10月21日の福島大キャンパス集会へ発展し、福島大生も参加しての10・28法大包囲デモと対文部科学省行動を経て、動労千葉労働運動および全世界の階級的労働組合との結合へ上りつめていった。
 11月集会に参加した福島大生が「革命」を誓い、福島大学での学生自治会建設を決意した。大震災と福島原発事故に対する労働者人民の怒りにおびえる野田政権と日帝支配階級は、「フクシマの怒り」をたたきつぶし分断することで延命しようとしている。しかし、そのもくろみは決定的に破産し、「革命の根拠地=フクシマ」から青年・学生の決起が次々と生み出されている。法大闘争と並んで福島大学生運動の中に全学連運動を大爆発に導く突破口がある。
 11月集会のうねりは、何よりも福島大学における運動・組織建設へ発展させられなければならない。11月12日、福島大学「若者会議」で全学連の坂野陽平書記長が原発担当相の細野を徹底弾劾し闘いの火ぶたを切った。野田政権と東電資本、そして御用学者によるあらゆる「収束」デマ宣伝、原発再稼働のための福島の取り込み策動を粉砕し、全原発の廃止と資本の廃絶までやむことのない強固な学生隊列を福島大からつくり出そう。全国の学生は福島・被災地との連帯を貫こう。

 新自由主義-大恐慌と対決

 11月集会が示した「反原発・反失業・国際連帯」スローガンは、新自由主義攻撃と真っ向から激突し、労働者・学生の団結した力でそれを粉砕するということだ。
 歴史的に蓄積された過剰資本・過剰生産力の重圧のもと、自立的成長の可能性を失った資本主義の最後の延命策として80年代以降に全世界に吹き荒れた新自由主義政策。その大破産として今進行する世界大恐慌。資本主義の歴史的な限界が日々突き出されている。この現実と対決し世界革命へ団結と組織をよみがえらせることが、21世紀学生運動の課題だ。
 「1%」と「99%」の対立は単なる富める者と貧者の対立ではない。絶対に和解できない資本家階級と労働者階級の対立、「賃労働と資本」の対立がある。新自由主義攻撃を開始した米帝レーガン、英帝サッチャー、そして日帝・中曽根は、労働者階級からの搾取を極限化して資本の最大利潤を生み出すために労働者の団結に憎悪を集中し、労働組合を徹底的に解体した。その結果が原発事故、民営化と非正規職化、侵略戦争の現実だ。新自由主義30年が生み出したものは「1%」と「99%」の階級対立だ。エジプト、イギリス、ギリシャ、イタリア、アメリカ、そして日本と福島から始まった世界革命までやむことのない青年・学生の反乱だ。
 「ブルジョアジーはなにより自分たち自身の墓掘り人を生みだす」(共産党宣言)。11月集会を成功させたわれわれの回答は、新自由主義で若者の未来を奪うことでしか延命できないブルジョア支配を打倒する組織と運動をキャンパスにつくり出すことだ。

 野田の「国益」論粉砕せよ

 とりわけ全国の学生は野田政権打倒の大政治決戦に立ち上がろう。野田政権は、その登場から2カ月で資本家階級の突撃隊、新自由主義攻撃の先兵たる正体をますますあらわにしている。原発再稼働と海外輸出、消費税10%への引き上げと大増税、復興特区と非正規職化、沖縄米軍新基地建設、TPP(環太平洋経済連携協定)参加、南スーダンPKO派兵、そして労働者派遣法改定案での「製造業派遣」「登録型派遣」禁止条項の削除。史上最悪の反動政権である。
 野田政権のイデオロギーは、「国益」を掲げた日帝ブルジョアジーの延命・救済策を労働者からの徹底的な搾取でやり抜くものだ。野田は11日のTPP参加表明の会見で「国益の実現」を強調し、資本家どもは「決定を歓迎する」(日本経団連会長・米倉)、「決断に敬意を表する」(経済同友会代表幹事・長谷川)などと喝采を送った。野田はこの「国益」論で、TPPも沖縄基地建設も正面突破を狙っている。
 しかし「国益」こそブルジョアジーの利益そのものだ。「1%の利益」に「99%」をねじ伏せるための使い古されたデマゴギーだ。こんな「国益」は怒りを込めて粉砕しよう。小泉政権登場以降の10年で支配階級が何を行ったか。「自己責任」を振りかざした新自由主義攻撃の全面化の中で、青年・学生から職を奪い非正規職化し、2001〜11年で正規職は500万人減少し、非正規職は370万人増加した。労働者の労働によって生み出され、本来なら労働者階級が受け取るべき巨大な富が資本家にまき上げられ、ブルジョアジーは「繁栄」をおう歌した。「企業の利益」が最大の価値基準とされ、大学は学生を食い物にする金もうけの場と化し、「国家・国益」イデオロギーの前に既成の労働運動潮流は屈服を深めた。
 それと並行して労働者人民の安全や命は徹底的に軽んじられ、青年・学生の未来は破壊された。
 この結果が福島原発事故であり、腐敗した大学と御用教授であり、大失業と非正規職化で食っていけない現実なのだ。野田と日本経団連は大恐慌と原発事故の直撃の中で開き直り、より激しく「国益」を叫び新自由主義を貫こうとしている。
 われわれは空々しい「国益」宣伝にだまされない。「日本経済のために原発再稼働を」というスローガンの後ろに、大独占資本の利潤への衝動と核武装策動があることに多くの労働者・学生が気づき、行動を始めている。原発再稼働と基地建設、労働者の非正規職化によってしか延命できない日本資本主義は滅びるべきだ。明日からでも労働者階級は生産を管理し、新たな社会を運営していくことができる。
 帝国主義間争闘戦の重圧の中で、国内の闘いを鎮圧できずグラグラの野田政権はすぐにも打倒できる。ギリシャやイタリアの闘いに続き、日本の労働者・学生は「原発再稼働阻止! TPP粉砕! 新基地建設阻止!」を合言葉に野田打倒へ進撃しよう。むき出しの「資本の論理」に対し、生きるための「労働者・学生の論理」をたたきつけよう。

 学生は世界革命の先頭に

 最後に、11〜12月決戦を闘い抜き、2012年の日本学生運動の大爆発をかちとるための全国学生戦線の実践方針を提起したい。
 一つに、反原発闘争の大衆的発展の中で学生自治会の建設へ本格的に挑戦することだ。
 現代における「自治の復権」とは、いったんは新自由主義によって破壊されつくした学生の団結と誇りを、腐敗した大学・教育を糾弾する反原発闘争のただ中からよみがえらせることだ。「学生による社会変革」や「学生がキャンパスで闘う」という考え方そのものが奪われている現実の中で、それを復権し実現していく組織をつくり出していくことだ。職場に労働組合を、キャンパスに学生自治会をつくり出していくことこそが、新自由主義攻撃に対する最大の反撃である。
 二つに、12・10反原発集会(日比谷野音)とデモに総決起しよう。9・19明治公園6万人集会と11・6労働者集会をさらに発展させ、都心を揺るがす戦闘的デモで原発再稼働策動を粉砕し、野田政権にとどめをさそう。
 三つに、9月の大会でうち立てた全学連新執行部を、300万学生の革命的リーダーとして押し上げていこう。斎藤郁真委員長と坂野陽平書記長を中核とする新執行部による2カ月の闘いは、全学連運動の新たな展望を着実に切り開いている。
 四つに、法政大と福島大を先頭に、全国拠点大学での闘いに勝ち抜こう。とりわけ京都大学原子炉実験所抗議闘争とそれに続く大衆団交の大勝利が決定的だ。12月に予定される東北大学学生自治会執行部選挙を全学連運動の飛躍点として重視しよう。
 五つに『共産党宣言』と『革共同綱領草案』で武装した学生共産主義者を大量に生み出し、マルクス主義学生同盟・中核派の爆発的拡大を実現しよう。すでに11・6集会に開示されたプロレタリア世界革命の可能性・現実性に獲得され、首都圏・被災地を先頭にマル学同への結集が続々と始まっている。ブルジョアジーへの怒りと戦闘性、階級的団結を最も強烈に体現する党の存在こそが革命の勝利を保証する。
 これまでの闘いと組織、発想の枠を大胆にうち破り、2012年決戦の大爆発へ、全国学生戦線は労働者人民の最先頭で闘おう!

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週刊『前進』(2513号5面2)(2011/11/21 )

 京大 反原発で大衆団交

 警察導入と反対派排除 当局の謝罪をかちとる

 大学奪還、御用学者追放の巨大な一歩がかちとられました。京都大学で大学奪還学生行動などの呼びかけによる11・10京大反原発団交が打ち抜かれたのです。10月1日に強行された京大原子炉実験所での御用学者講演会で、反対する学生や市民を警察権力を動員して排除したことを弾劾する団交に40人の学生が参加、赤松副学長、森山原子炉実験所所長、高橋副所長を追及し、6時間にも及ぶ団交の末に大学当局の全面謝罪をかちとりました。今後、大学自治を守るために構内への警察権力の導入をしないこと、講演会での反対派排除は思想弾圧であることを認め謝罪したのです。
 原子力ムラの一角を打ち破った学生の団結の意義は大きい。これは連日のクラス討論の組織化でかちとられました。学生を団結させるのはラジカルな怒りです。
 「関電から金もらって原発推進の研究を行い子どもたちを殺す。これが大学か!」「何のための大学自治だ!」「大学を根底から変革すべき!」この思いが学生を団結させ、居丈高な大学当局を追いつめたのです。
 御用学者のウソを暴いたことも決定的です。キャンパスでの大学奪還=御用学者追放こそ“福島連帯”の中身であることを鮮明にしたのです。
 今後の闘争方針は闘う自治会の復権です。これが、いかにして腐敗した大学当局に代わる大学権力を打ち立てるかの回答です。12・3もんじゅ闘争から12・10東京日比谷反原発集会へ闘いましょう。
 (京都大学/全学連副委員長・大森靖之)
(写真 団交で大学当局を追及する京大生。警察導入などでの全面謝罪をかちとった【11月10日】)

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週刊『前進』(2513号5面3)(2011/11/21 )

 TPPは絶対阻止あるのみ

 野田がAPECで交渉参加表明 対中対決・日米同盟強化と一体

 大恐慌下のブロック化と争闘戦

 米ハワイで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議は、TPP(環太平洋経済連携協定)への日本帝国主義の参加表明が最大の焦点となった。農産物を含む貿易完全自由化はもとより、公共投資や医療、金融などの「非関税障壁(政府機関による保護)」を撤廃し「全分野を例外なく」外資に解放することをうたった「経済連携」の枠組みに、日米が参加し、カナダとメキシコも参加方針を表明するに至った。
 この中で、TPPはアジア太平洋地域における米帝主導の排他的経済ブロックたる性格を鮮明にした。APEC首脳会議そのものは、WTO(世界貿易機関)の多角的貿易交渉(ドーハラウンド)の破綻を認める「ホノルル宣言」が採択され、米帝が中国スターリン主義の「保護主義」を一方的に攻撃するなどの異様な場となった。
 第一に、日帝・野田政権は、国内向けの説明とは百八十度食い違う二枚舌を使ってまで「牛肉(BSE検査の撤廃)」「農業」「自動車」「日本郵政(ゆうちょ・かんぽ資金の「開放」)などをはじめ、「全分野を自由化交渉にのせる」ことを米帝に公約した。国連(9月)やG20(10月)の場で原発再稼働や消費増税(税率の10%化)を「国際公約」したことに続く、労働者人民に対する階級戦争の宣言だ。
 これまで自民党政権下では踏み切れなかった農漁業の全面的な切り捨てや戦後的労働政策の規制緩和(全面的な非正規雇用化と賃下げなど)を強行し、文字通り労働者人民の犠牲の上に「アジア太平洋」全域を舞台にした人民の収奪と利益争奪戦に日帝資本が参入する意思表示なのである。
 TPPの締結と国会批准阻止をめぐる闘いが労働者階級を先頭とする全人民的な階級決戦となることは完全に明らかだ。

 アジア支配狙う米帝と戦争政策

 日帝・野田政権のTPP参加の第二の重大な意味は、日米同盟と軍事外交政策上の決定的なエスカレートである。野田は支配階級内の利害対立をも押し切ってTPPへの無条件参加に踏み切った。そうすることで日帝の軍事外交政策の中心軸である日米同盟を、米帝の対中国対峙・対決政策と一体化させる意志を公然と表明したのだ。それは沖縄・辺野古新基地建設の強行も含め、09年の鳩山・小沢民主党政権成立時に米帝が激しく反発した日中主導の「東アジア共同体構想」など、日米安保体制の動揺を一掃する意思表示でもある。
 米オバマ政権は、今回のAPECやTPP交渉開始をめぐって、世界恐慌情勢下でアジアを「唯一の成長市場」と位置づけるなど、新たなアジア支配の意志をむき出しにしていた。APECを受けて17日からインドネシア・バリ島で始まったASEAN(東南アジア諸国連合)関連の首脳会議の中で、同地域の軍事問題フォーラムとなってきた「東アジアサミット」にも米帝は今回初めて乗り込む。東アジアの勢力圏化と中国スターリン主義への“包囲網”づくりの姿勢はむき出しだ。
 日帝はここ十数年にわたり、自らが主導して中国を巻き込むASEANプラス6(日中韓と豪、NZ、インド)などの広域FTA(自由貿易協定)を軸とするアジア経済ブロック化を追求し、米帝のアジア政策と対立してきた。野田政権のTPP参加の「決断」は、この米帝との激しい争闘戦をはらみつつも、軍事外交政策での日米一体化をテコに新たなアジア侵略政策に延命を託そうという、経済・政治・軍事政策全般にわたる決断なのだ。3・11東日本大震災「救援」にかこつけた空前の規模の日米3軍の統合作戦となった「トモダチ作戦」と、「復興特区」が示す新自由主義の決定的なエスカレートが、野田政権の政策転換の大きな契機となった。

 アジア海域での軍事行動も開始

 野田は17日からのASEAN首脳会議に出席し、「海洋ASEAN経済回廊構想(仮称)」なる軍事的協力関係の構築を提案する予定だ。驚くべきことに、海洋権益をめぐる中国とASAEN諸国との軍事的衝突が絶えない南中国海を含む東アジア海域の「海上輸送網の強化」に、日帝が自ら関与する内容だ。海上保安庁の専門家の派遣、高性能レーダーの使用方法の指導など、事実上の軍事顧問の役割を担うことが検討されている(日経10・25付)。
 TPP粉砕と野田政権の打倒は、アジアと世界の労働者農民との連帯と団結をかけた闘いだ。11・6労働者集会の成功を引き継ぎTPP締結粉砕へ進撃しよう!

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週刊『前進』(2513号5面4)(2011/11/21 )

 細野原発担当相を弾劾

 福島大学「若者会議」で

 福島市で開催された「ふくしま会議」(共同代表は清水修二福島大副学長ら)の分科会として福島大学構内で11月12日に開かれた「若者会議」において、福島大生と坂野陽平全学連書記長が環境大臣・原子力行政担当大臣の細野豪志に原発絶対反対の怒りをたたきつけました。(写真)
 予告もなく突然細野が現れ、会場に報道陣が押し寄せました。福島大生A君が追及。「毎日学生は勉強をしながら放射能を浴びている。原発に反対する大学は予算が削減されることを知っているか」「福島出身という理由で結婚が破談になる現実をどう思うか!」
 他の参加者も「紙切れ一枚の健康調査なんてやめて欲しい」などの声をあげました。
 細野は「議論はあっていい。デモをやったらダメということはない」などと返答、追及を逃れるため護衛で周りを固め、「長い目で福島を見て欲しい」なる軽薄な発言に終始。これに対し坂野全学連書記長が「再稼働の問題に答えろ!」と追及。細野は茫然自失に陥り、会場から拍手が起こりました。細野は会場の外に逃げました。
 福大生と全学連は、福大を不抜の拠点に打ち固め反原発闘争に総決起する決意です。
 (S)

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週刊『前進』(2513号5面5)(2011/11/21 )

 カリフォルニア バークレー校 4千人が大学占拠

 銀行による学生収奪に抗議

 金融資本から未来奪還せよ 

 11月2日、オークランド市で1946年以来アメリカで初のゼネストが決行された。帝国主義世界体制の基軸であるアメリカ本土で、困難を突き破って、ついに新たな労働者の時代が切り開かれたのだ。
 隣町、バークレーの学生、労働者も11・2にかけつけた。失業、非正規職化、借金地獄の中で奪われた未来を奪還しよう、すべてを占拠しようという思いは、皆に共通だからだ。特に学生たちの怒りは激しい。
 全米で学費ローンの総額は1兆j(約77兆円)にもおよぶ。クレジットカードの負債総額より多い。
 その学費ローンでぼろもうけしている大銀行の取締役が「公立」大学の理事となり、学費を決定しているのだ。
 カリフォルニア大学理事会は11月16日にサンフランシスコ校で会合を開き、昨年に続き学費値上げを決定するという。
 この中で学生たちは、全力で理事会との闘いを組織した。
(写真 警察機動隊の襲撃をはね返した夜間の学生集会【11月15日 カリフォルニア大バークレー校】)

 プラザ占拠と「総会」の決議

 11月9日、キャンパス内のスプロール・プラザに3千人の学生、大学職員の労働組合が結集した。昨年、全学連訪米団が参加した3月4日教育ゼネストのデモと同じくらいの規模だ。
 デモ隊は、近くのバンク・オブ・アメリカ支店までデモをし、閉店に追い込んだ。
 「教育は学費ローン地獄だ」「授業料なくせ。教育を無料化せよ」「われわれは“99%”だ。  理事会は“1%”だ」
 その後、「総会」を開き「16日の理事会の会合を封鎖する」「スプロール・プラザにキャンプを設営し、民営化と教育予算カットを覆す」「全米的な『占拠運動』と連帯する」ことを決議した。

 スクラムで機動隊押し返す

 警棒と催涙銃で武装した大学警察と郡の警察機動隊がキャンプ設営の現場を襲撃した。しかし学生たちは堅いスクラムを組んでこれを跳ね返し、設営予定地を守りぬいた。
 警察は夜間、学生たちの人数が減ったところを狙って再び襲撃してきたが、たちまち数千の学生が結集し押し返した。
 そして連日の攻防の中で、理事会は16日の会合延期を発表した。ごう慢な理事会が初めて動揺を見せたのだ。
 15日、授業を放棄した学生たちと労働者約4千人がスプロール・プラザに結集した。昼間の集会、学内デモ、市内デモ、銀行封鎖は警官隊の弾圧を寄せ付けない圧倒的な迫力で闘われた。 
 夜間のティーチアウト(99%を貧困化する新自由主義についての屋外授業)や集会にはさらに多数が集まり、11時を過ぎても集会はさらに膨れ上がった。
 30年代や戦後革命期をこえる闘いとなった。世界で連帯行動を!

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週刊『前進』(2513号6面1)(2011/11/21 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 11・6労働者集会に参加して 福島大学を包囲する集会・デモをやりたい 福島大 F

 たくさんの同志・労働者・学生が集い、反原発・反失業・反TPPなど今の政府や社会に対して怒りが結集していた。動労千葉が今回の原発事故のことを語っていたとき、隣の人は涙を流していた。また、私たちが登壇し福島県教組元委員長が発言していたときも、ある家族は泣いていた。今回の原発事故は絶対に許してはいけない!
 玄海原発の再稼働や原発の輸出を強硬に推し進めようとする現政権の野田は日本国の恥さらし的な存在であり、被災地の住民を家畜かモルモットのようにしかとらえていないようだ。増税といい国民生活がひっ迫していく中で、貧乏人はより貧乏に金持ちはより金持ちになる構図だ。「こんな社会・政治体制はもうたくさんだ。労働者の力で日本が変わる。変えていける」と思っている同志が集まりデモを行った。
 参加して分かったことは、同じ思想を抱く労働者、学生が組合・自治会をつくり団結すれば、この日本に「革命」の渦を引き起こし、よりよい日本をつくれることだ。私が生きている間にこの「革命」を起こしてやると心に誓った。
 私は10月21日のような集会を開きたい。皆さんの力を貸してほしい。1千〜2千人規模で、同じ思想・考えをもつ市民団体や一般市民を巻き込み、福島大を包囲し集会・デモをやりたい。福島大として反原発なのか、脱原発なのか、原発推進なのかをはっきりさせたい。大学の学生、職員にもう一度、一個人としての考えを聞きたい。福島大の入戸野学長、清水副学長が腰を抜かす顔を見てみたい。学生には大学を変える力があると思い知らせたい。恐れさせ、原発推進をあらためさせたい。

 11・6労働者集会に参加して 社会を変えるエネルギーがあふれる福島 富山大2年 S

 私は今年が初参加でした。日本全国から労働者・学生が集まり、その怒りのパワーを肌で感じることができました。
 また、今年は被災地、福島から集まった労働者、学生、母親たちとの連帯、団結が最大のカギになったと思います。
 福島の人びとは怒りのエネルギーはもちろん、この腐りきった社会を根本から変えるエネルギー、オーラであふれていました。私はこの集会で被災地、福島からパワーをもらいっぱなしでした。
 私たち学生が自分のキャンパスから行動を起こすときです。現在、まだまだ福島と他の地域とに気持ちの温度差があります。しかし、私たち一人ひとりが自覚を持って、根本的な問題解決に立ち向かう覚悟を持てば、温度差なんてすぐ克服できるのです。
 「私たち一人ひとりがカリスマ」と国際連帯で発言されたように、私たちには社会を変える能力があるのです。11・6は私にとって、モチベーションを急上昇させる集会でした。
 私たちの怒りは日本全国にとどまらず、全世界の人びとと共有できるものです。全世界の労働者、学生が総決起して、人間が本来持つ共同性あふれる社会をめざして闘い続けましょう。

 11・6労働者集会に参加して 日本でも1%による搾取は同じだと実感 東北大 H

 今年度初参加の大学1年です。
 今、世界の情勢はものすごいと思います。今までデモや座り込み等とは無関係だった人びとが、次々と立ち上がり始めている。立場や身分がどうであれ、1%の富裕層に搾取されていることに変わりはないことを実感し、団結ができつつある。そしてそのことは日本でもまったく同じなのだということを感じとれる、そんな集会でした。
 とりわけ日本は原発問題や震災解雇を通して人びとの怒りが頂点に達していることもあり、発言の一つひとつが力強く感動的でした。今回の集会からさらに闘いが高揚していくことを確信しています。

 11・6労働者集会に参加して 奴隷をつくる教育に団結して立ち向かう 首都圏私立A大 H

 前半の熱い若者大会から始まり、後半の全国労働者集会では全国各地、韓国、アメリカ、ドイツから労働者が集まり、原発や雇用の問題について意識を共有しました。
 壇上に上がる方の立場はさまざまでも、訴えた内容は奥で一つにつながっていると感じました。また、反原発・反失業のテーマが国境を越えてみんなのテーマになっていたのが印象的でした。
 私たちは今まで奴隷をつくるための教育を受け続けたのかもしれません。誰か主人のような上の存在に従って何でも素直に受け入れ、けっして集団をつくってそれに逆らうことがない。逆らうことはできないと思っている。しかしそうではなかったのです。たとえ国家や会社や先生など上の立場にいる人でも、判断を誤ることがある。生活や暮らしを顧みず、自分たちの利益に突っ走ってしまうことだってある。そんなときには、私たち学生、そして労働者が問題を共有し、団結し立ち上がっていいんだということを、この集会ではっきりと感じました。
 デモのとき歩道から手を振ってくれる人が何人かいました。野音に集まるまでには至らなくても、同じ問題意識を持っている人が確かにいるとわかりました。潜在的にいると思うし、今後呼びかけていくことによってもっと広がっていくと思います。その先駆けとしても、11・6に6千人集ったことは大きな意味を持つのだと感じました。

 11・6労働者集会に参加して 同じ敵に向かう仲間が世界規模でいた! 首都圏私立A大 うな

 去年初参加だった私が今年は組織する側として学生の隊列にいた。
 今の世界大恐慌、首切り・賃下げ、そしてTPPも、御用学者が福島を医療特区にして切り捨てるやり方、東北の経済特区も、みな新自由主義。同じ敵に立ち向かう仲間が世界規模でここにはいっぱいいた。再確認できて別の意味で泣けた。何より集会に来た福島大生がめちゃくちゃ元気だったのが本当にうれしかった。
 時代の激動期に生まれたことを誇りに思いゾクゾクする。座して被曝し搾取され死を待つより、若者のパワーで体制をぶっ倒すまでひと暴れしましょうよ。99%が本気でつながれば、1%を食うなんて余裕ですよね!

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週刊『前進』(2513号6面2)(2011/11/21 )

 “裁判員制度も原発もいらない”

 大運動が呼びかけ 最高裁に怒りのデモ

(写真 「裁判員制度はいらない!大運動」のデモ隊。日比谷公園を出発し、日弁連、東京地裁・高裁、経産省、文科省の前、首相官邸下を通り、最高裁前にさしかかる。先頭は日独の弁護士ら【11月11日】)
 「裁判員制度も原発もいらない!」「最高裁は呼び出し状を送るな!」。11月11日昼、「裁判員制度はいらない!大運動」が呼びかけ、弁護士を先頭に労働者・市民ら220人が最高裁への怒りのデモに立った。
 最高裁はこの日、2012年用の「裁判員候補者名簿記載通知」を28万5496人に発送する作業を開始した。しかも最高裁は、人びとが3・11東日本大震災と福島第一原発事故による放射能汚染の中で生き抜くために格闘している被災地でも、裁判員裁判を強行しているばかりか、福島市や伊達市は「被災地ではない」として候補者を選定し、呼び出そうとしている。断じて許せない。
 そもそも、最高裁が行った調査ですら、「やりたくない」と答えた人は、5年前は65%だったが、現在では84%に上っている。昨年、呼び出し通知を受け取った人のうち、出頭した人は38・3%に過ぎない。罰則の適用はこれまで1例もない(最高裁自らの発表)。すでに破綻し労働者人民の怒りの的となっている「現代の赤紙(軍隊への召集令状)」裁判員制度を、これ以上ごり押しすることは許さない!
 デモ前日の10日、大運動はデモに向けて記者会見を行った。主要な報道機関の記者12人が取材し、注目度の高さを示した。
 いよいよ当日、怒りに燃えたデモ参加者が日比谷公園の霞門に続々と集まってきた。大運動呼びかけ人の高山俊吉弁護士が、朝から降りしきる冷たい雨を吹き飛ばそうと檄(げき)を飛ばし、武内更一弁護士は、全国にアピールをとどろかせようと呼びかけた。そして、正午を期して最高裁に向けてデモに出発。11・6労働者集会にドイツから参加し発言した、労働者のディーター・エルケンさんと弁護士のラーベン・ブロンシュタインさんも一緒だ。
 デモ隊は弁護士会館前で、「日弁連は裁判員制度に反対しろ!」と拳を突き上げた。許せないことに、日弁連執行部は最高裁・法務省と一体となり裁判員制度を推進している。また、福島の女たちが座り込んだ経産省前では、テントを守りながら手を振る反原発を闘う人びとにコールを返した。そして、文科省、首相官邸下を行進し、沿道の人びとに「最高裁が推進する裁判員制度も原発もいらないと声を上げよう」と呼びかけた。手を振り駆け寄って握手を求める男性、デモコールに笑顔で応える青年労働者たち、そろってカメラのシャッターを押す学生3人組など、注目度と共感度は最高だ。
 最高裁が近づいてくると、前方で待ち構えていたマスコミのクルーの動きがあわただしくなった。裁判員制度・原発を推進する側と廃止に追い込む側とが直接激突する瞬間をとらえようとしている。しかも、この日は3・11からちょうど8カ月だ。
 最高裁は1992年の伊方原発訴訟判決以来20年間、ことごとく住民の訴えを切り捨て、電力資本と国の原発推進にお墨付きを与え、原発「安全神話」を支え続けてきた。そして今日、野田政権の原発再稼働策動を支える”原発の番犬”そのものだ。フクシマの怒りを思い知れ! 時折激しくなる風雨も最高裁への怒りをかきたてるものでしかない。
 「最高裁は裁判員制度を廃止しろ!」「原発推進判決の責任をとれ!」。デモ隊は声を限りに怒りのシュプレヒコールを次々とたたきつけ、闘いを貫徹した。
(写真 裁判員制度も原発もいらない! デモは時折激しくなる風雨をはね返して進んだ)

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週刊『前進』(2513号6面3)(2011/11/21 )

 愛媛県警のAさん不当逮捕弾劾

 11月10日、愛媛県警は愛媛労組交流センター事務局のAさんを「免状不実記載」容疑をデッチあげて不当逮捕した。11・6労働者集会の大高揚に追いつめられた野田政権による労働運動、伊方原発闘争、星野闘争の破壊を狙った反動だ。徹底弾劾しよう(Aさんは18日に奪還された)。愛媛労組交流センターの声明を紹介します。(編集局)

反原発運動・労働運動への弾圧をやめよ!
無実のAさんをただちに釈放せよ
 愛媛労働組合交流センター
 愛媛労働組合交流センターの事務局として愛媛県内の労働運動や伊方原発反対運動をになっていたAさんが、「免状不実記載」というデッチあげ、冤罪で11月10日に不当逮捕されました。許し難いことに、松山簡裁は、デッチあげを行った愛媛県警公安課と松山地方検察庁の言いなりで勾留を延長し、Aさんは今も松山東署に留置されています。労働運動、反原発運動をつぶすことのみを目的とした政治弾圧を絶対に許すことはできません。
 これは、全世界に広がる労働者の格差社会への怒りに対する警察権力の恐怖の表れであり、伊方をはじめとする全国の原発の再稼動と輸出政策に向けての予防弾圧です。フクシマの怒りをも押しつぶそうとする権力犯罪です。一刻も早くAさんを取り返しましょう。

 公安警察・裁判所こそ犯罪者だ!

 逮捕状まで準備したこの「免状不実記載」とは、運転免許証に書かれている住所と住んでいるところが違うから「犯罪」だとする言いがかりそのものです。Aさんは20年以上住み、家族もいる広島と出身地の愛媛を行き来しつつ、国鉄1047名解雇撤回の闘いや反原発運動の先頭に立って闘ってきました。いったいこのどこが「犯罪」なのか! 福島で放射能をばらまき、子どもたちをはじめ何百万何千万人を被曝させ、これに抗議する人びとを監視し、弾圧する公安警察やそれに手を貸す裁判所(「原発は安全」と大ウソをついてきた張本人!)こそ人類史上最悪の犯罪者です。
 放射能をばらまいてたくさんの人びとに犠牲を強いている政治家・官僚・警察・東電など財界には何のおとがめもなく、逆に彼らに抗議するものはデッチあげで逮捕する、これが今回の弾圧の本質です。県警公安課・松山地検・松山簡裁に抗議の声を集中してください。

 弾圧で労働者の怒りはおさえられない!

 県警公安課は今回の弾圧で、原発に反対し、今の社会のあり方を変えようと行動を開始している人が一人でも減ってくれはしないかと、甘い期待をしています。とんでもないことです。ウソとデタラメだらけの原発事故はまったく収束もせず、だれも責任をとらない。1%の金持ちと99%の労働者、民衆の生活格差はますます広がり、本当に生きていけない。「もうがまんできない」と、世界中で青年を先頭にデモやストライキ、様々な行動が巻き起こっています。愛媛県警の今回の弾圧はこの怒りの炎に油を注ぐだけです。
 伊方原発再稼働を絶対許すな! すべての原発を廃炉に! 非正規職撤廃! TPP粉砕! 放射能から福島の子どもの命を守ろう! 
 無実・正義のAさんをただちに釈放せよ!
 2011年11月14日
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〈抗議先〉
愛媛県警察本部警備部公安課
 松山市南堀端町2―2 電話089(934)0110
松山簡易裁判所
 松山市一番町3―3―8 電話089(941)4151

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週刊『前進』(2513号6面4)(2011/11/21 )

 11・27星野全国集会へ

 階級の力で星野同志奪還を

 弾圧打ち破り「愛媛の会」結成

 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」が呼びかける11・27星野全国集会に大結集しよう。獄中37年を打ち破り、無実の星野文昭同志を奪還する熱烈で不退転の決意を打ち固め、労働者、学生、全人民を組織し、組織しよう。
 星野同志の奪還闘争は、大恐慌と3・11情勢下、国家権力との激しい攻防を闘いぬいて大きな前進をかちとってきた。
 11月16日、「愛媛・星野文昭さんを取り戻す会」が結成をかちとった。全国24番目の救援会だ。愛媛県警はその直前の10日、「愛媛の会」の結成へ先頭で闘っていた愛媛労働組合交流センターのAさんを「免状不実記載」をデッチあげて逮捕し、集会の妨害を策動した。この不当な弾圧を労働者の団結で打ち破っての堂々たる結成である。
(写真 11・6全国労働者集会をかちとり星野暁子さんを先頭に銀座をデモする全国再審連絡会議)

 国際連帯が前進

 国際連帯の闘いも前進している。8日には、7月のサンフランシスコでのレイバーフェスタを主催したスティーブ・ゼルツァー夫妻が、星野同志との面会のために徳島刑務所を訪れた。徳島刑務所はまったく不当にも2人の面会を妨害した。ゼルツァーさんは「このように過酷な刑務所で37年間も闘うブラザー星野はすごい。星野解放を世界に発信して闘う」と全身の怒りと決意を表した。
 組合絶滅攻撃と不屈に闘うILWU(国際港湾倉庫労組)ローカル21のダン・コフマン委員長は、11・6全国労働者総決起集会で「フリー・ホシノ」とアピールした。
 12日から14日の訪韓闘争では、民主労総の労働者から、星野同志の解放を求める署名が次から次へと寄せられた。
 一方、労働者階級との分断を策す徳島刑務所の獄中弾圧の激化を断じて許すことができない。
 友人面会の不許可、日常的な動作を口実にした懲罰と「指導票」の乱発、処遇区分の降格、面会回数の削減、手紙の字数制限と書き直し、星野暁子さんの手紙の墨塗りなど、星野同志が生きかつ闘うことへの抑圧・弾圧だ。
 11月14日、徳島刑務所に面会を妨害された7人の友人・支援者と暁子さんは、怒りに燃えて国家賠償請求を提訴し、星野同志との分断攻撃を打ち破る闘いに決起した。
 再審闘争においても、本年3月に出された東京高検の「再審請求を速やかに棄却せよ」という「意見書」への怒りをばねに、デッチあげを暴く闘いを繰り広げている。
 裁判の重要な「証拠」であるビデオテープの保管を、東京高裁は警視庁公安部に委託し、警視庁公安部はそれを「紛失」した。これは裁判所と警視庁の結託による証拠隠滅行為だ。星野同志と弁護団は徹底的に弾劾して、国賠訴訟を闘いぬいている。

 徳島刑の包囲へ

 11・6集会は、日帝の未曽有の危機の中で新自由主義攻撃と真っ向から闘う労働者階級人民が被災地の人びとを先頭に大挙して結集し、プロレタリア革命の時代の到来を高らかに宣言した。フクシマの根底からの怒りと完全に一体となった。反原発、外注化阻止、非正規職撤廃を闘う動労千葉、動労水戸を中心に世界の闘う労働者階級が結集した。労働者階級の団結で星野同志を奪還する情勢を押し開いた。
 この地平を打ち固め、さらにさらに力強く闘い進もう。階級的労働運動を大発展させることこそ、大恐慌をプロレタリア革命へ転化する道だ。
 全国労組交流センターは来年2月、徳島において第19回定期総会を開き、徳島刑務所包囲闘争を闘うことを決定した。労働組合・労働運動をよみがえらせることを最大基軸にすえて、不屈に前進することだ。その力で徳島刑務所へ攻め上り、理不尽きわまりない獄中弾圧への怒りをたたきつけよう。37年も星野同志を閉じ込めている獄壁を、労働者階級人民の力でぶち破ろう。
 11・27星野全国集会はその決定的跳躍台だ。星野同志との団結を打ち固め、全力で結集し、星野同志を奪還しよう。
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獄中37年を打ち破ろう
 11・27星野全国集会

 −−2月徳島刑務所闘争へ
 11月27日(日)12時開場/午後1時開会
 すみだ産業会館8階・サンライズホール(JR錦糸町駅南口から1分「丸井」上)
 主催/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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週刊『前進』(2513号6面5)(2011/11/21 )

 三里塚裁判傍聴を!

 ◎第3誘導路裁判
 11月29日(火)午前10時半 千葉地裁

 ◎市東さん農地法裁判
 12月6日(火)午前10時半 千葉地裁
 傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合を

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