ZENSHIN 2012/02/06(No2522 p08)

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第2522号の目次

原発なくせ! 東電謝れ!
経産省前は「テント撤去」策動への怒りでいっぱいになった。経産省に向けて「再稼働するな!」のシュプレヒコール(1月27日 霞が関)

1面の画像
(1面)
外注化阻止・非正規職撤廃
全産別で団結し総決起しよう
原発を1基たりとも再稼働させるな!全原発を廃炉に!
記事を読む  
1・27経産省前 750人が“撤去すべきは原発”  テントの撤去を阻止(1月27日) 記事を読む  
NAZEN 経産省に申し入れ
テント撤去命令の撤回を(1月31日)
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
【集会要項】2・11全国一斉!さようなら原発1000万人アクション、
   国鉄分割・民営化で不当解雇から25年 2・15労働者集会
記事を読む  
(2面)
4月全面外注化を阻め
動労千葉 京葉・幕張で終日のスト
一部外注化強行に総力で反撃(1月27日)
記事を読む  
動労千葉運転士登用差別事件
“明白な不当労働行為”  最高裁で田中委員長が陳述(2月2日)
記事を読む  
動労水戸 平支部の事務所を開く
いわきに新たな闘いの拠点(1月28日)
記事を読む  
「労使一体」粉砕し12春闘へ
「ベアは論外」「定昇は凍結」大幅賃下げ叫ぶ経労委報告
非正規職撤廃へ職場から闘おう
記事を読む  
(3面)
3・11福島(郡山)集会へ  放射能から命を守れ!3・11福島集会へA
「ふくしま集団疎開裁判」
裁判所が救済の訴えを却下 原発再稼働と被曝強制狙う(北沢隆広)
記事を読む  
教研集会 “福島県教組と連帯”  教育労働者部会が訴え 記事を読む  
この地に生き闘いぬく  福島の労働者と農民の訴え(1月28〜30日) 記事を読む  
【集会要項】2・19ビキニデー58周年東京集会、2・11伊方原発再稼働を許さない!松山アクション 記事を読む  
(4面)

沖縄労働者座談会
「復帰」40年の沖縄に闘う労働運動を甦らせる
5・15へ安保・沖縄決戦の年だ

記事を読む  
(5面)
〈焦点〉 米帝オバマが一般教書演説  「雇用」叫び対中対決も強調 記事を読む  
(6面)
革命軍の2012年アピール
プロレタリア革命の勝利に向け非合法・非公然体制の強化へ闘う  為永正道
記事を読む  
現闘本部収去明け渡し裁判 最高裁の上告棄却弾劾
“国策裁判”の正体むきだし(1月25日)
記事を読む  
2012年日誌 1月24日〜31日  オバマが一般教書演説/アジア除き米軍10万人削減 記事を読む  
(7面)
3・18全国結集大闘争に立とう
八尾北・西郡決戦に総決起し道州制粉砕、橋下-野田打倒を
革共同関西地方委員会
記事を読む  
公務員大攻撃粉砕を  労組交流センター 自治労中央委へ訴え 記事を読む  
都革新旗びらき  野田政権と対決する
非正規職撤廃と反原発で(都政を革新する会・北島邦彦)(1月29日)
記事を読む  
【集会要項】全国各地で2・11〜12行動。NAZENヒロシマ2・11結成集会 記事を読む  
(8面)
民営化・特区化-社会保障解体の「障害者総合福祉法」を葬ろう!
革共同障害者解放闘争組織委員会
記事を読む  
7月「在留カード」導入阻止を
入管法で在日外国人を一元管理
新自由主義的労働力政策許すな
記事を読む  
反戦反核に全情熱を注いだ吉田義久さんの遺志継ぎ闘う 
理論的成果を革命の原動力に(1月29日)
記事を読む  
国際労働運動 3月号  青年は12春闘を闘う 記事を読む  

週刊『前進』(2522号1面1)(2012/02/06 )

 外注化阻止・非正規職撤廃

 全産別で団結し総決起しよう

 原発を1基たりとも再稼働させるな!全原発を廃炉に!

(写真 原発なくせ! 東電謝れ! 〈上〉経産省前は「テント撤去」策動への怒りでいっぱいになった。経産省に向けて「再稼働するな!」のシュプレヒコール〈下〉椎名千恵子さんがマイクを握って訴え【1月27日 霞が関】)

 2012年、大恐慌・大震災下で、国鉄決戦と反原発・反失業闘争、外注化阻止・非正規職撤廃の大決戦が、動労千葉のストを先頭にして、激しく火を噴いている。これに続き全産別で、すべての労働者は団結して総決起しよう。このただ中で労働組合の拠点建設と党の細胞建設を大きく前進させよう。さらにこの国鉄決戦と一体のものとして、「原発を1基たりとも再稼働させるな! すべての原発を廃炉に!」を真っ向から訴え、2〜3月反原発闘争の壮大な爆発をかちとろう。

 危機と反動の野田打倒へ

 大恐慌と3・11大震災情勢下で、1月24日に日米帝とブルジョアジーがそろって彼ら体制側の「2012年方針」を打ち出した。オバマの一般教書演説と野田の施政方針演説、そして日本経団連の「経営労働政策委員会報告」がそれだ。外注化阻止・非正規職撤廃と反原発の大決戦でこれと徹底対決しよう。
 野田は「国政の重要課題を先送りしてきた『決められない政治』からの脱却」を唱え、歴代政権がやれなかった全攻撃を一気にやると宣言した。とりわけ消費大増税と原発再稼動の強行を振りかざし、辺野古新基地建設強行と日米安保同盟強化を押し出した。
 野田は「税と社会保障の一体的改革」を含めて消費大増税に演説の4割を割いた。消費大増税は、一方で輸出型大企業は消費税分の還付でぼろもうけし、他方で大衆収奪の徹底強化により労働者の実質賃金を下げ、失業者や非正規労働者、高齢者などは餓死しようとかまわない、価格転嫁ができない中小の商工業者はどんどんつぶれても仕方がないという、とんでもない攻撃だ。しかも大増税の前提として、自ら引き起こした国家財政破綻の責任を公務員労働者に押し付け、「公務員制度改革」=公務員労働者の大量首切りと外注化・非正規化に本格的に踏み込む攻撃である。
 野田はまた、「失われた原子力安全行政に対する信頼回復とその機能強化」に全力をあげると述べ、原発再稼働の階級意思をあらわにした。だが労働者人民が生き抜くために1基たりとも再稼働を許してはならない。
 これと同時に出された2012年版経労委報告の本質は「危機を乗り越え、労使で成長の道を切り拓(ひら)く」という報告のタイトルが示している。「いまや労使が解決すべき最大の課題はいかに企業を存続させるかであり、2012年は企業にとって生き残りをかけた正念場の年となる」「企業が存続し、発展を続けてこそ、将来の展望が拓け、処遇も改善される」などと言っている。
 そして、そのための「労使パートナーシップ」を深化させる場が「2012年交渉・協議」であり、「ベアは論外」「定期昇給は延期・凍結」だと徹底した賃下げを叫んでいる。賃上げなど問題にならない、「企業の競争力・収益力を高め、企業業績を改善させることに全力をつくくすべきだ」と連合を恫喝し、さらなる屈服を迫っているのだ。「多くの労働者が自発的に非正規雇用を選択している」などというふざけた言辞は粉砕あるのみだ。
 しかもこの経労委報告に対する連合「見解」は絶対に許せない。「『報告』は、日本経済が復活と転落の明暗を分ける崖(がけ)っぷちに立っている危機感に欠ける」「『経営者の確固たる信念と明確なビジョン』を示し、指導力を発揮すべきである」と叫び、資本にはいつくばる連合の奴隷的屈服に労働者階級の怒りを大爆発させよう。
 オバマの一般教書演説は、大統領選を意識した「完全に国内向け」(米シンクタンク)のものであり、国内危機、階級支配の危機が臨界点に達するまでに米帝の没落が進んでいることを示す内容となっている。「中間層」取り込みを狙い「公平な経済」、「雇用」「製造業復活」などを叫びたて、帝国主義間・大国間争闘戦の立場をもむき出しにし、外交・安保面では「アジア太平洋国家」を強調しながら、対中国、対イランの戦争的強硬姿勢を露骨に示した。
 オバマ演説の基底には、青年を先頭としたアメリカ階級闘争の内乱的激化、イラクの石油労働者を先頭にした抵抗と決起によるイラク・アフガニスタン侵略戦争での敗北が横たわっている。それは大恐慌のもとで、新自由主義の破綻と崩壊がプロレタリア革命をもたらすことへの恐怖の表現にほかならない。
 この米帝オバマと日帝・野田の絶望的なあがきに2〜3月決戦をたたきつけ打倒しよう。

 決定的な2・15国鉄集会

 何よりも2・15国鉄集会に大結集して、2012年前半決戦の勝利を切り開こう。
 運転士と車掌を除くすべての部門と駅業務を外注化するJRの攻撃の最大の問題は、安全が徹底的に破壊されることだ。そして、こうした攻撃のすべてが青年労働者に集中するのだ。根底からの怒りをたたきつけよう。
 動労千葉は「外注化のための訓練で速度超過が多発したり、いったん停止しなければいけない場所で前進全ノッチを入れて加速するということまで起きている」「直営に戻さなかったら重大な事故が必ず起こる。4月全面外注化を何がなんでも止めよう」と訴え全力で決起している。動労千葉の闘いで検修外注化を全面的に貫徹できない中で、今やJRは全駅へと攻撃の手を広げてきた。これをJR資本の大破綻と墓穴に転化し勝利を開く時だ。
 JR西日本の尼崎事故判決(山崎正夫前社長が無罪)、動労千葉の運転士登用差別事件の最高裁弁論再開決定(動労千葉勝利判決の転覆を狙う)、「日の丸・君が代」不起立最高裁判決(闘いの分断、不起立闘争の「処分は妥当」)は、いずれも労働組合、労働運動の解体と分断を狙うものである。これは昨年の4・9政治和解による反動的大転換を、さらに凶暴に継続する大攻撃だ。
 いよいよ国鉄決戦は全労働者階級の命運を決める位置を持ってきている。歴代自民党政権がつくった国鉄赤字を”労働者が働かないせいだ”と言い、”資本・当局の言うことをきかない労働組合があるから労働者が働かないのだ”と言って強行した国鉄分割・民営化。これと決着をつける25年目の国鉄闘争に、青年の決起と、労働組合再生の道がある。全産別で外注化阻止・非正規職撤廃に総決起しよう。

 大阪市長・橋下との決戦

 「全国一斉!さようなら原発1000万人アクションin東京」(代々木公園)をはじめ、全国で2・11行動に立ち上がろう。2・19ビキニデー58周年東京集会に結集しよう。そして3・11福島県民大集会(郡山市)へ、原発再稼働絶対阻止と廃炉を掲げて闘おう。
 現在稼働中の原発は3基だ(高浜3号機、柏崎刈羽6号機、泊3号機)。野田政権は4月に稼働原発がゼロとなる前になんとか1基でも再稼働させようとあがいている。それは、ますます拡大し深刻化する放射能汚染と内部被曝の被害をおし隠し、原発事故の責任をとことん居直ることと一体だ。しかし全原発の再稼働阻止と廃炉は、いよいよすべての労働者階級人民の死活的要求だ。2・11と3・11へ怒りも新たに総決起しよう。
 大阪−八尾北・西郡で、新自由主義攻撃を根幹から打ち砕き、労働組合破壊と道州制導入へと突撃する橋下を打倒する闘いが開始された。八尾北・西郡決戦、3・18全国結集闘争で、住宅からの追い出しと診療所廃院、更地化・廃村攻撃を許さず粉砕しよう。
 2・15労働者集会を、国鉄闘争全国運動の全国活動者交流会とともに大成功させ、動労千葉を支援する会を全国の職場に組織し、2000会員の実現へ断固決起しよう。
 米ソを中心とした戦後の大規模核実験は地球全体に深刻な放射能汚染をもたらした。そして日米帝が隠し続けてきたビキニ被爆の恐るべき全貌(ぜんぼう)が新たに明らかになっている。帝国主義とスターリン主義の犯罪を徹底的に弾劾し、2・11「1000万人アクション」と2・19ビキニデー東京集会の大成功から3・11福島現地決戦へ進もう。全国で反原発署名を拡大しよう。
 外注化阻止・非正規職撤廃と再稼働阻止・全原発廃炉の大決戦で、危機と超反動の野田を倒せ!

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週刊『前進』(2522号1面2)(2012/02/06 )

 1・27経産省前 750人が“撤去すべきは原発”

 テントの撤去を阻止

 「テントを守ろう!」「原発いらない!」「再稼働許すな!」「子どもを守ろう!」。コールが絶えることなく続く。
 経済産業省前テント「撤去」期限の1月27日午後5時前。現場は急を聞いて駆けつけた人、人、人で埋まった。コールをリードするNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の富田翔子事務局次長の声がさらに熱を帯びた。唱和する人びとは前へ前へ密集した。「命を守れ!」「古里返せ!」「放射能いらない」「東電謝れ!」。年配の人も若者も、女性も男性も「原発なくせ!」の一点で心が一つになった。
 その直後、司会がマイクを握り「今、午後5時ちょうどです。撤去を阻止しました!」と宣言。経産省のテント破壊策動をうち砕いた勝利感、ともに闘った喜び。人びとの拍手と歓声が広がった。
 3日前の1月24日、経産省は「1月27日17時までにテントの撤去・退去」を求めてきた。原発再稼働のためのテント破壊のたくらみだ。
 1月27日午後4時、750人を超える労働者民衆が経産省前のテント広場に集まった。NAZENの仲間は何本もののぼりを押し立てて参加。全学連も斎藤郁真委員長を先頭に全学連旗を翻らせて駆けつけた。
 午後4時から集会が始まった。「とつきとおかのテント村行動」呼びかけ人で、子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人の椎名千恵子さんは「こんなに集まって下さって感激している」と感謝を表明。ハイロアクション福島の黒田節子さんは「ここは私たちの思う以上に大切なところ。福島の女たちはここでパワーをもらって福島に帰りました。原発をなくすまで絶対に必要です」と断言した。福島第一原発から1・5`の地点で被災した双葉町の女性は「子どもたちを守って下さい! 守って下さい」と何度も声を振り絞った。多くの人が原発への怒りを語った。
 午後5時の勝利確認の後も発言が続いた。浪江町で牧場を営んでいる男性、ふくしま集団疎開裁判を闘っている弁護士などなど。ここで司会が「今、集会はニコニコ動画で生中継され1万人の人が見ている」と報告。真冬の寒さを跳ね返す熱気で予定時間の2時間をオーバーする中、再び富田さんのリードで「再稼働止めよう! テントを守ろう!」とシュプレヒコールを繰り返した。
 1月18日の大飯原発のストレステスト1次評価の「妥当」発表、意見聴取会の強行、除染キャンペーンなど、野田政権は再稼働を狙って激しく動いている。だが、その最大の目玉と位置づけた青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場での稼働試験が24日、準備段階で失敗し中断。翌々日の26日、枝野経産相は「(今夏は)原発がゼロになる可能性がある」と口走ってしまうなど、政府・経産省は何の展望も見いだせずグラグラだ。
 1・27の勝利は政府・東電をさらに揺さぶるものとなった。ここで追い打ちをかければ確実にすべての原発を止められる。2〜3月が最大の勝負だ。全国で2・11〜12反原発行動を全力で闘おう。その力を一つにまとめて3月11日、福島県民集会に大結集しよう。

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週刊『前進』(2522号1面3)(2012/02/06 )

 NAZEN 経産省に申し入れ

 テント撤去命令の撤回を

 1月31日、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)が経産省に対する申し入れ行動を行った。緊急の呼びかけにもかかわらず、NAZEN呼びかけ人で8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会の三角忠さん、全学連・斉藤郁真委員長、青年労働者や多くの市民に加え、鳥取からフリーライターの土井淑平さんも参加した。
 経産省は当初は「広報課は全員出払っています」などと言って対応を拒んだが、抗議して正式な対応を求めるとすぐに原子力安全・保安院原子力安全広報課広報係長が現れ、結局、代表者3人が会議室で申し入れを行った。
 申入書では「@原発の再稼働を認可せず、国内の全原発をすみやかに停止し、廃炉にするよう電力会社各位に命令すること、A福島原発事故の責任を認め、謝罪し、被害に関して全面的な補償を約束すること、B経産省前テントへの撤去命令を撤回し、福島の人びとの訴えに誠意をもって応えること」の3点を求めた。
 人形峠のウラン鉱害裁判に長らく取り組んできた土井さんは、原子力産業から金を受け取っている人間がストレステストの評価委員を務めていることを強く弾劾した。
 経産省前テントを守り抜き、全国各地で署名運動を繰り広げ、原発再稼働を絶対に阻もう。
(写真 NAZENが呼びかけた緊急の申し入れ行動。すべての原発の停止・廃炉などを求めた【1月31日 経済産業省】)

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週刊『前進』(2522号1面4)(2012/02/06 )

前進速報版から 前進速報版から

▼法大「ビラまき禁止」仮処分策動弾劾▼東京下町で反原発の講演会&初デモ▼教研集会で訴え▼動労水戸いわきに平支部事務所開設

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週刊『前進』(2522号1面6)(2012/02/06 )

【集会要項】2・11全国一斉!さようなら原発1000万人アクション、国鉄分割・民営化で不当解雇から25年 2・15労働者集会

 2・11全国一斉!さようなら原発1000万人アクション
〈東京〉
 2月11日(土)午後1時オープニングコンサート
        午後1時半開会、2時半デモ出発
 代々木公園B地区、イベント広場&ケヤキ並木
 主催/さようなら原発1000万人アクション実行委

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国鉄分割・民営化反対! 1047名解雇撤回!
外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負・雇い止めを許すな!
国鉄分割・民営化で不当解雇から25年 2・15労働者集会
 2月15日(水)午後6時半 すみだ産業会館(墨田区江東橋3−9−10丸井共同開発ビル8階/JR錦糸町駅南口すぐ)
 呼びかけ/国鉄闘争全国運動

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週刊『前進』(2522号2面1)(2012/02/06 )

 4月全面外注化を阻め

 動労千葉 京葉・幕張で終日のスト

 一部外注化強行に総力で反撃

 JR東日本は1月27日、京葉車両センターにおける構内運転業務の一部外注化を強行した。動労千葉は同日、これを徹底的に弾劾するストライキに立ち上がった。京葉車両センター、幕張車両センター、検査派出を含む全検修職場を対象に始業時から終日のストを打ち抜いた。
 厳寒の早朝、京葉車両センター門前に動労千葉組合員と支援の労働者・学生ら100人が集まり突入集会を開いた。
 京葉車両センターで働く繁沢敬一副委員長がマイクを握り「外注化のための訓練の中で、速度超過や、一時停止の場所で前進全ノッチを入れて加速するということまで起きている。こんなデタラメな外注化を絶対に許してはならない」とあらためて戦闘宣言。
 あいさつに立った田中康宏委員長は「こんな外注化は破産に追い込む。絶対に直営に戻す。そうしなかったら重大な事故が必ず起こる。今日から闘いは新たな段階に入った。4月の検修全面外注化を何がなんでも止めよう」と発言した。その上で田中委員長は、東労組が1月25日に会社との間で新人事・賃金制度について大筋妥結したことを怒りをもって報告し「現場の誰がそんなことを認めたのか! 新人事・賃金制度は外注化とひとつの攻撃だ」と弾劾した。
 ストに入った組合員が次々とマイクをとった。幕張支部の青年は京葉車両センターで働く仲間に向かって「もう一回、本気で反対してくれ! みんなが反対したら外注化は止まる。あきらめなければ道は開ける。動労千葉青年部とともに闘おう!」と熱烈に呼びかけた。さらに、運転基地統廃合のための線見訓練に反対して指名ストを継続している銚子支部と千葉運転区支部、さらに貨物支部の代表が発言した。
 続いて郵政非正規ユニオンの斎藤裕介委員長、ちば合同労組青年部、全学連、習志野市職の労働者、動労千葉を支援する会の代表などからともに闘う決意が表明された。
 その後、10時30分からDC会館で「スト突入総決起集会」が開催された。運転職場や貨物職場からも多数の組合員が駆けつけ150人の結集で熱気があふれた。
 この場で田中委員長は、検修業務の全面外注化、この間提案された「駅業務委託のさらなる推進」、さらに26日に修正提案が行われた新人事・賃金制度の問題を取り上げ、新たな段階に入った外注化攻撃の全体像を明らかにした。そして「これは青年の未来を根こそぎ奪う攻撃だ。職場の若い仲間に、いま始まっている攻撃をリアルに訴えて欲しい。動労千葉はこの10年間、いかに激しい攻撃であろうとも原則を貫いて闘えば止められることを示してきた。この2〜3月、腹を据えてありとあらゆる闘いをやりぬこう」と訴えた。まとめを行った長田敏之書記長は「会社にとっても業務の全面外注化は簡単なことではない。十分勝負になる。何よりもこの過程で本格的な組織拡大を実現することが鍵だ」と述べた。
 いよいよ検修、駅業務外注化も含めたJR大再編との激突が火花を散らしながら始まった。
 昨年6月以来の京葉車両センターにおける攻防は、JR東日本をぎりぎりまで追い詰めた。青年組合員を先頭とする動労千葉の渾身(こんしん)の決起が職場全体を揺さぶり、東労組の若い現場組合員や外注会社に出向しているエルダー職員も含めた反乱を巻き起こす画期的地平を切り開いた。JR資本が恐れているのは青年労働者の総反乱だ。京葉車両センターでの8カ月に及ぶ闘いはその現実性をはっきりと示した。JR大再編を必ずやJR資本の墓穴に転化しよう!
(写真上 ストに入った組合員は「外注化阻止!基地再編粉砕!」の横断幕を掲げて京葉車両センター門前で集会を開催。発言者は田中委員長【1月27日 千葉市美浜区】)
(写真下 DC会館でのスト突入総決起集会には150人の組合員が結集、新たな決戦に向けた闘争態勢を固めた)

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週刊『前進』(2522号2面2)(2012/02/06 )

 動労千葉運転士登用差別事件

 “明白な不当労働行為”

 最高裁で田中委員長が陳述

 動労千葉の運転士登用差別事件の口頭弁論が2月2日、最高裁判所第一小法廷(櫻井龍子裁判長)で開かれた。1980〜82年にドライバーコースで国鉄に採用された組合員が、動労千葉に所属していることだけを理由に運転士に登用されなかった不当労働行為事件をめぐる裁判だ。
 傍聴券配布所である最高裁南門前に、正午過ぎから寒風を突いて続々と組合員・支援が駆けつけた。傍聴席を倍する数だ。当該の組合員を先頭に最高裁に力強くシュプレヒコールをたたきつけて裁判に臨んだ。
 法廷では提出書面の確認に続いて組合側代理人の広瀬理夫弁護士が陳述に立ち、JR東日本による日常的な組合差別、組合敵視政策の異常性を指摘した上で、会社側が提出した上告理由を一つひとつ取り上げて全面的に批判した。
 続いて陳述に立った田中康宏委員長は「本件の解決を求めて千葉県労働委員会に申し立ててから20年以上。今さら弁論を再開して何を調べようというのか。これが率直な気持ちだ」と弁論を再開した最高裁の姿勢をあらためて問うた。そして「パイロットの免許を取ったのにパイロットに登用されない。教員免許を取ったのに先生になれない。看護師の資格をとったのに看護師の仕事ができない。本件はこれと同じだ。これほど明確な不当労働行為事件はない」と断じた。
 JR東日本の代理人は一言も発しないまま口頭弁論は終了した。
 終了後、社会文化会館で報告集会が行われた。
 まず広瀬弁護士が20年以上にわたる裁判経過を報告した上で「最高裁が弁論を開くのはなんらかの形で高裁判決を見直すためだ」と述べ、同じく裁判を担当した伊藤さやか弁護士が「こんな形で弁論が再開され悔しい思いでいっぱいだ」と発言した。
 当該の組合員全員が前列に並んであいさつした。関道利執行委員は「会社の上告理由書はまったくのデタラメ。こんなものを許しておいたら会社はますます外注化を始めとする新たな攻撃に突っ走る。こんなものは断固として粉砕する」。幕張支部の内田晃さんは「本当に悔しいです。しかし、二十数年闘ってきて青年部を始め自分たちがやってきた闘いを引き継ぐ若い世代が出てきてくれた。大人たちが屈服してきた現実を若い人たちがひっくり返し、奪われたものを全部取り返していく闘いの礎として今後も闘っていく」と述べた。
 最後に発言に立った田中委員長は「これは勝利が確定した動労水戸の事件と同じ内容の裁判であり、担当しているのも同じ第一小法廷、裁判長も同じ櫻井龍子裁判官だ。高裁判決を見直すことなど本来はあり得ない。今回の弁論再開には、4・9政治和解や尼崎事故をめぐる裁判と一体で、国鉄分割・民営化攻撃とその後に起きたすべてのことにふたをしてしまおうという狙いがある。勝利判決に向け、そして何よりも検修全面外注化阻止に向けた2カ月間の決戦に総力で立ち上がろう」と呼びかけた。
 判決言い渡しは2月23日(木)午後1時30分から最高裁で行われる。
(写真 動輪旗を掲げて最高裁前に結集、意思統一を行って裁判に臨む組合員【2月2日 千代田区】)

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週刊『前進』(2522号2面3)(2012/02/06 )

 動労水戸 平支部の事務所を開く

 いわきに新たな闘いの拠点

 

 動労水戸は福島県いわき市に平(たいら)支部事務所を開設し、1月28日、事務所開きを盛大に行った。動労水戸組合員を先頭に、福島や茨城を始め全国から支援・共闘の仲間が結集した。
 JR全面外注化阻止と原発廃止の闘いの拠点として、福島県の浜通りに位置するいわき市に、動労水戸が事務所を構えたことの意義は限りなく大きい。今や原発再稼働の最先兵として登場しているJR資本に対し、動労水戸は新たな闘いの拠点を築いた。
 石井真一委員長があいさつに立ち、「動労水戸は昨年、広野に放置されていた汚染車両の検修作業の強制を、2波のストライキと青年の決起で阻止した。JRは昨年12月に常磐線の相馬−原ノ町間の運転を再開したが、検修設備がない中で、勝田車両センターの労働者を原ノ町まで行かせて交番検査をやらせようとしている。これを絶対に許さない。政府・東電は『放射能は大したことない。除染すれば大丈夫だ』と言っている。しかし、原発事故は何も解決していない。原発をすべて止めなければならない。われわれはこのいわきで、地元に根ざした反原発の運動をつくっていく。3・11福島県民集会を圧倒的に成功させよう」と訴えた。
 連帯のあいさつをした国労郡山工場支部の橋本光一さんは「郡山工場支部は、組合にも仕事にも誇りを持って闘いを継承してきた。平に動労水戸が事務所を開設したのはこれからの展望を開くもの。郡山と平でともに連帯して闘いたい。3・11に労組の赤旗をなびかせよう」と発言した。
 いわき市内で畜産業を営む農民は、原発事故への怒りを語り、「農民も泣き寝入りせず、国や東電と闘う。平支部開設は心強い。福島の農民と動労水戸との労農連帯をつくり出して闘う」と決意を述べた。
 岡山から駆けつけた動労西日本の山田和広副委員長は、「伊方原発・島根原発の再稼働を許さない」と述べるとともに、JR西日本で相次いで起きている岩国駅構内・車両火災事故や瀬戸大橋線・車両事故は民営化の結果だと弾劾し、「非正規職撤廃へ闘いぬく」と宣言した。
 全学連の斎藤郁真委員長は、「3・11を原発村解体の日にしたい。そのために全国から学生を大量に結集させ、この国を変える闘いをしよう」と熱く訴えた。
 動労水戸平支部の組合員が前列に並び、代表して支部長から、被災支援のお礼と、事務所を拠点に新たな闘いに打って出る固い決意が述べられた。3・11の大高揚へ、動労水戸は決定的な突破口をこじ開けた。
(写真 <左>平支部組合員が並んで決意表明【1月28日】)
(写真 <右>新しく開設された組合事務所【いわき市】)

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週刊『前進』(2522号2面4)(2012/02/06 )

 「労使一体」粉砕し12春闘へ

 「ベアは論外」「定昇は凍結」大幅賃下げ叫ぶ経労委報告

 非正規職撤廃へ職場から闘おう

 日本経団連は1月24日、「2012年版経営労働政策委員会報告」を発表した。「危機を乗り越え、労使で成長の道を切り拓(ひら)く」というサブタイトルがつけられた今年の経労委報告は、大恐慌と大震災情勢下、帝国主義間争闘戦から脱落しつつある日本帝国主義の絶望的な悲鳴に満ちている。その突破策として経団連は「ベースアップは論外」と叫び「定期昇給の延期・凍結」を打ち出した。これは、資本主義の命脈が尽きたことの表れだ。職場から12春闘を闘おう。

 絶望的な危機に立つ日帝の悲鳴

 経労委報告は、資本家が直面している情勢を、「いまや労使が解決すべき最大の課題はいかに企業を存続させるかであり、2012年は企業にとって生き残りをかけた正念場の年になる」と述べている。その他にも「国内事業環境は悪化を続け、他国に大きく劣る状況に陥っている」などの悲鳴が並んでいる。
 昨春闘は、大震災のただ中で「挙国一致」「政治休戦」が唱えられ、連合は春闘をなし崩し的に放棄した。だが、今や経団連は、そのレベルにとどまらず、完全な労資一体化を迫っている。経労委報告は「企業の成長を通じた経済成長によってはじめて、経済社会の諸制度も安定し、新たな雇用も生まれる。重大な岐路に立つ日本経済に、もはや時間は残されていない」と居丈高に叫ぶ。”企業の存続が一切の前提だ。そのために労働者はとことん犠牲になれ”というのである。
 だが、破産した新自由主義の絶望的な貫徹以外に企業が存続できないというのなら、資本主義を打倒することこそ、労働者階級の回答だ。

 「賃金個別化」で非正規化も促進

 経労委報告は、「ベースアップの実施は論外」とした上で、「定期昇給の実施を当然視できなくなっている」と言い放ち「定期昇給の延期・凍結」を打ち出した。文字通り大幅賃下げへの踏み込みだ。それに加え、定昇制度の「持続可能性」すら否定した。一時的措置としてではなく、制度として定昇を解体するということだ。
 これは労働者の団結を根底から解体する攻撃だ。経労委報告は「誰もが毎年、勤続年数や年齢で昇給する仕組みを……抜本的に見直す」とし、「賃金(賃金カーブ)の個別化」を進めると宣言した。労働者を徹底的に分断し、競わせ、低賃金でこき使うというのだ。
 この攻撃の先端にあるものこそ、JR東日本が4月導入を狙う新人事・賃金制度だ。そこでは賃金表は廃止され、個々の労働者の賃金額だけが指定される。もはや「賃金カーブ」とか「賃金体系」という概念すらなくされてしまうのだ。
 JRの新人事・賃金制度の導入が外注化・非正規職化の攻撃と一体であるように、定昇解体の方針は、非正規職化をさらに促進するものになる。
 経労委報告は「正規労働者に限った人材活用で企業競争力を維持することは難しくなっている」「経済のグローバル化が進むなか、正規労働者で終身雇用が当たり前という考え方はあらためる」と述べている。
 許し難いのは、「多くの労働者が自発的に非正規雇用を選択している」として非正規職が4割に迫る現実を労働者のせいにしていることだ。さらに「非正規労働者の処遇だけを取り上げて改善を図ることは、雇用の減少をまねきかねず不適当」と述べて、解雇の恫喝でさらなる非正規職化に突き進もうとしている。
 また、「昨今、労働政策を巡っては、非正規労働のあり方を中心に、規制色の濃い施策の展開が顕著となっている」「企業の『採用の自由』を侵害し、直接雇用や再雇用、無期雇用を強制するような法規制のあり方は、労働市場に大きな混乱をもたらしかねない」と叫んでいる。野田政権が労働者派遣法改定案から製造業派遣と登録型派遣の原則禁止の規定を削除したことに勢いづき、労働時間規制の撤廃に至る全面的な規制緩和を唱えているのだ。
 国鉄決戦を軸とする外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは、資本の戦略的な攻撃と真っ向から対決する一大階級攻防だ。

 連合の「要求」も全面的に拒否

 経労委報告は、連合がおずおずと掲げた「1%を目安とする賃金改善」要求すら、「危機的な経営環境に対する認識が甘い」と拒否し去った。
 そもそも連合自身、「賃金改善」を本気で実現しようとはしていない。それは、基幹労連などの主要単産が早々にベア要求放棄を決めたことからも明らかだ。経労委報告は、こうした屈服を見透かして、「所得水準の上昇をめざすのであれば、まずは企業の競争力・収益力を高め、企業業績を改善させることに全力を尽くすべき」と連合を恫喝している。
 1月25日の経団連会長・米倉弘昌との会談で、連合会長の古賀伸明は「現状認識に大きな差はない」と全面屈服を表明し、「人材への投資を何よりも優先すべき」と頭を垂れた。だが、”賃上げは資本にも利益をもたらす投資です”などという哀願が通用するわけがない。経労委報告は、連合の言い分を逆手にとり、「労働側も……賃上げこそが人への投資であるかのような議論に終始せず……企業活動の活性化が……処遇の改善にもつながるという前向きな姿勢が求められる」と一層の屈服を迫っている。
 経団連はまた、全労連が強調し、連合も同調する「賃上げで内需拡大」論に対しても、「目先の所得だけを増やしても消費拡大につながらない」とはねつけた。
 この間の搾取の強化のすさまじさは、官庁統計にも表れている。1997年から2010年までの14年間で、労働者の年間平均給与は418・3万円から354・7万円に減少した。同期間に完全失業者数は230万人から340万人に跳ね上がり、非正規雇用労働者の割合は23・2%から34・9%に、年収200万円未満の世帯は14・2%から19・4%に増大した。他方で資本家は、日産のカルロス・ゴーンの年俸約9億円を筆頭に、膨大な報酬を手にしているのだ。
 こうした現実への怒りをたたきつけてこそ賃金闘争は成り立つ。ところが連合や全労連の幹部は、”賃上げは内需拡大につながるか否か”に論点をずらし、労働者と資本家の絶対的非和解性を否定している。こうした体制内労働運動の破産を、経団連は資本の側から突きつけたのだ。

 原発の再稼働へ反革命的な号令

 経労委報告は、原発再稼働に向けて反革命的な号令をかけている。原発事故について「震災とそれに伴う原子力発電所の事故などによって電力供給能力が低下し、生産などの経済活動は大きく制約された」と言うのみで、それがもたらした恐るべき被害には無視・抹殺を決め込んでいる。それどころか、「電力安定供給の道筋を早急につける」「エネルギーの安定供給や経済性により力点を置いた政策への転換を図っていく」と叫び、かつて菅が掲げた「脱原発依存」のペテンにさえ敵意を示し、とにかく原発再稼働を強行しろと野田の尻をたたいている。
 経労委報告はまた、消費大増税を柱とする「税と社会保障の一体改革」の強行を叫ぶとともに、一層の法人税減税を求めている。「日本国債に対する不安」は「日本経済全体に極めて深刻な影響」を及ぼすと言い立てながら、負担はすべて労働者が負えというのだ。
 さらに、特区政策を被災地から全国に拡大し、TPP(環太平洋経済連携協定)を推進しろと唱えている。
 国鉄闘争全国運動を先頭とした階級的労働運動だけが、こうした資本の攻撃と非和解的に対決できる。団結を固め、闘争圧殺を粉砕して、職場から12春闘に立とう。

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週刊『前進』(2522号3面1)(2012/02/06 )

 3・11福島(郡山)集会へ

 放射能から命を守れ!3・11福島集会へA

 「ふくしま集団疎開裁判」

 裁判所が救済の訴えを却下 原発再稼働と被曝強制狙う

 1_シーベルトで人の全細胞を直撃

 昨年6月24日、福島第一原発事故によって放射能汚染された福島県郡山市の小中学生14人とその親たちが「子どもたちを安全な場所で教育せよ」と救済(仮処分)を求める裁判を起こした。「ふくしま集団疎開裁判」だ。福島地方裁判所郡山支部は12月16日、救済の必要はないと訴えを却下した。
 1月28日には政府が福島県の子ども(18歳以下)の医療費を無料化しないと県に伝えた。「原発事故と子どもの疾病の因果関係は疑問」と野田首相が決定した。福島の子どもたちが甲状腺がんなどを発症しても「原発事故が原因ではない」と知らぬ顔を決め込むということだ。
 今回の原発事故により、福島県のほとんどの地域はチェルノブイリ事故での「強制避難地域」を超える放射能に汚染されている(図)。子どもたちは被曝によって病魔におかされる「緩やかな殺人」の危機に直面している。だが裁判所は避難の要求をつっぱね、政府も「治療費は出さない」と言い放った。政府も裁判所も、福島県民と子どもたちから生活と古里を奪ったうえに、子どもたちの生きる権利まで奪おうとしている。これが国家の真の姿だ。
 ふくしま集団疎開裁判で裁判所が却下決定した12月16日は、野田が「原発事故の危険は去った。あとは除染と復興だ」と「収束」宣言した日だ。裁判所の決定は野田の「収束」宣言と歩調を合わせたものだ。原発再稼働と原発輸出で大もうけをたくらむ東京電力や東芝・三菱などの悪徳企業を守るのが狙いだ。さらに核武装のためだ。
 放射線はたとえわずかでも人体に有害だ。ICRP(国際放射線防護委員会)は「一般の人が1年間に浴びても良い放射線の限度は1_シーベルト以下」と定めている。だが本紙前号で暴露し徹底的に弾劾したように、ICRP基準はアメリカの核政策と原発政策推進のために政治的に決めたものだ。
 「年間1_シーベルトという値は、人体を貫く放射線が毎秒1万本の被曝状態が1年間持続するという被曝量」「1_シーベルトは、全身すべての細胞に1個ずつの分子切断を与える程の被曝線量」(矢ケ崎克馬・琉球大学名誉教授の「意見書」)という驚くべきものだ。人間の体は60兆個の細胞からなり、その活動で一人ひとりの人間が生きている。放射線は、その細胞を形成している分子を破壊するのだ。たった1本の放射線でも人体に害を及ぼす。とりわけ内部被曝はきわめて有害だ。

 “集団疎開こそが子どもを救う方法だ”

 放射能汚染から逃れたくても、経済的理由や家庭の事情などで自主避難できない人が多数いる。また自主避難では子どもから友人関係も奪ってしまう。集団疎開はそれらの問題をクリアし、子どもたちを救う最善の方法だ。原告の親たちは「息子をどうか友達と一緒に集団疎開させてください。子どもたちの命を大切にしてあげてください」と裁判所に訴えた。
 全国から、世界中から多くの良心的学者や研究者が意見書や陳述書を提出し、訴えの正当性を証明した。
訴えを起こした14人が通学する小中学校における放射線量の積算値は昨年3月12日から5月25日までの75日間だけで、最小で3・8_シーベルト、最大で6・67_シーベルトだ。現状のまま学校生活を送っていれば、早ければ数年後、あるいは10年、20年後にがんや白血病などを発症する危険性が高い。
 疎開裁判が最終的に目指すのは、すべての子どもたちが安全な場所で教育を受けられるようにすることだ。そこでまず、郡山市の小中学生14人が救済を求める裁判を起こした。この訴えが認められたら、次にすべての子どもたちの救済を対行政交渉を通じて実現するというプランだ。

 チェルノブイリ超える汚染状態

 弁護団は、セシウムの汚染度が郡山市と同程度のウクライナのルギヌイ地区を比較の対象に取り上げた。郡山の子どもたちをこのままにしておくと、チェルノブイリ事故以後、ルギヌイ地区で発生した健康障害が、今後、郡山でも発生する危険性があることを示すためだ。
〈矢ケ崎意見書>
 矢ケ崎意見書は次のように指摘する。
 「爆発事故の5年後ないし6年後から甲状腺疾病と甲状腺腫の双方が急増し、9年後の1995年には子ども10人に1人の割合で甲状腺疾病が現れています。がん等の発症率は甲状腺疾病の10%強の割合で発病していて、9年後には1000人中13人程度となっています。……甲状腺のがん等は通常であれば、10万人当たり数名しか子どもには出ないものですが、異常に高い罹患率を示しています」。1000人中13人とは、10万人当たりに換算すると1300人という驚異的な人数だ。
〈松井意見書>
 岐阜環境医学研究所・松井英介所長は「意見書」で、ベラルーシ共和国の状況について、次のように証言している。
 「セシウム137の高濃度汚染地域で生きて産まれた新生児1000人の中に、事故の前には4・08だった先天障害が事故後の1987年から88年には7・82と倍近くに増え……セシウム137の低濃度汚染地域においても、少し遅れて、事故の前には4・36だったものが1990年から2004年には8・00に増加」
 さらに「甲状腺がん、乳がん」などの「悪性腫瘍の多発」「1型糖尿病の増加」「水晶体混濁、白内障と診断される子どもの増加」。そして「有病率の増加、早すぎる老化、遺伝子異常」「全死亡率の増加」「心臓病の多発」などをあげている。
 これに対し郡山市は、チェルノブイリ事故との対比については「不知」と答え、子どもたちを安全な場所に避難させる義務はないと反論した。

 ごまかしとインチキの判決理由

 裁判所は「疎開の必要なし」と決定した。その理由として、「申し立ては郡山市のすべての小中学生全員の疎開を求めるものだ」「疎開するには被曝線量が年間100_シーベルト以上でなければならない」と述べている。他方で、最も重大な争点である“チェルノブイリ事故との対比”については一切答えず、完全に黙殺した。
 裁判所の「判決理由」は一から十までごまかしとインチキだ。なぜなら、申し立てはあくまで「14人の子どもたち」の避難の要求だ。これをわざと「郡山市のすべての小中学生」とすり替えた。それは、「だから厳格な基準が必要」と「100_シーベルト」基準を持ち出すためだ。
 原告の訴えは「1_シーベルト以上は危険だから避難させよ」だ。訴えを検討し判断するのが裁判だ。だが裁判所はそれを意図的に避けた。代わりに100倍もの基準を持ち出し、卑劣にもそれを「根拠」に「危険ではない」と却下した。
 原告と弁護団は12月27日、仙台高裁に即時抗告を申し立てた。闘いはこれからだ。

 事故と放射能への怒りの圧殺に躍起

 今回の判決は福島第一原発事故以降、原発をめぐって本格的に争われた初めての裁判の判決だ。裁判所はそもそも原発を推進してきた張本人だ。だが事故以後もその姿勢はまったく変わっていない。原発推進のために野田とともに「福島は安全」と言い立てている。特に福島県第二の都市で交通の要、郡山市の「放射能汚染が激しい」とは断じて認めないということだ。福島と全国の人びとの原発への怒りを恐れ、その圧殺を狙って焦りに駆られている。
 裁判所は3・11原発大事故の責任をとらず、「原子力村」の利益を守る犯罪を重ねている。尼崎事故をめぐるJR西日本・前社長の無罪確定、「日の丸・君が代」不起立闘争裁判での最高裁反動判決も同断だ。“命より金”――裁判所は破綻した新自由主義の一層の絶望的な凶暴化の担い手になっているのだ。
 福島の子どもたちは今現在も、深刻な放射能汚染のもとで命と健康の危険にさらされている。国と東電は責任を持って子どもたちを避難させろ! 福島の人たちの心と健康のよりどころとなり、子どもたちを守る診療所を一日も早く建設しよう。
 2月11日、東京・代々木公園で開催される「全国一斉!さようなら原発1000万人アクションin東京」に集まろう。11、12日、全国で闘いを成功させよう。
 そして郡山市で開催される「3・11原発いらない!県民大集会」に全国から結集しよう。裁判に勝つためには労働者・学生・民衆の力が必要だ。会場を埋め尽くし、その力で勝利を実現しよう。国労郡山工場支部の労働者とともに闘おう。
 敵の再稼働攻撃は激しさの一方で、ほころびを見せつつある。再稼働を絶対に阻止し、全原発を廃炉にするために3・11郡山に集まろう。
(北沢隆広)

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週刊『前進』(2522号3面2)(2012/02/06 )

 教研集会 “福島県教組と連帯”

 教育労働者部会が訴え

 日教組第61次教育研究全国集会が1月28〜30日、富山市で開催された。今次教研集会は、野田政権の原発再稼働と対決し、日教組本部の制動を突き破って現場から3・11福島現地闘争への総決起をつくりだしていく決定的な場となった。
 福島県教組は3・11福島集会へ全力だ。昨年12月には、文科省の放射線副読本を「フクシマの苦しみを無視し原発を正当化している」と断罪する見解を表明、教研集会でも各分科会で原発事故に関する報告を行った。
 この決起と連帯して、全国労組交流センター教育労働者部会は富山現地で3・11福島集会への結集を呼びかけた。
 日教組本部は、警察権力とともに全体会場をフェンスで囲み、IDカードを持っていない組合員を排除し反原発のビラもまかせない暴挙に出た。
 だが、こうした本部の妨害をはねのけ28日早朝、吹雪の中、宿舎から全体会場に向かうバス乗り場で、3・11福島集会と橋下打倒を訴えるビラを次々と手渡した。
 午後からの分科会会場前でも、横断幕を掲げビラをまき、反原発の署名を集め、福島県教組の組合員とも交歓、3・11集会での再会を約束した。
 分科会は726本のうち77本が大震災と原発事故関連の報告であった。子どもたちを放射能から守るという思いがほとばしる熱い議論も交わされた。「原発も基地も職場の多忙化攻撃も同じ問題だ」と福島との連帯についても語られた。
 しかし、全体会の中村譲委員長のあいさつには3・11福島集会もなければ、文科省の「放射線安全教育」への批判もない。橋下大阪市長への言及もゼロ。全体会では平野文科相の祝辞も読み上げられ、大雪で到着できなかったが原発推進の古賀連合会長を来賓に呼ぶありさまだ。日教組本部は職場と子どもたちを守るのではなく野田政権と連合を守っているのだ。
 現場から闘う日教組をよみがえらせ、3・11福島集会に総結集しよう。
(写真 「福島県教組と連帯し3・11郡山へ」の横断幕を掲げビラまき【1月28日 富山市】)

 組合員の感想

 「フクシマの子どもたちを放射能から守れ!」が最大のテーマとして押し上げられていた。
 討論を進めていくと、福島原発事故後の教育とはいかにあるべきかという課題にストレートに突き当たってくる。子どもたちにいったい何を教えるのか、子どもたちといかなる関係を築き上げていくのか――教育の根本的な課題が、すべての実践から始まる討議の中で出てくるのだ!
 ある教育労働者が言った。「福島から避難した生徒の前で原発の事故や放射能の危険性を言うのはつらい」。すると別の教育労働者が言う。「本当に子どもたちを守りたい! この数カ月間、そのために頑張ってきた」。さらに発言が続く。「福島県教組とさらに強く団結しよう! 私たち日教組ができることは何だってしよう!」 
 全国から集まった教育労働者が思いを一つにした瞬間だった。団結とはこういうことなのだ!
このような思いを決議・方針化し、運動したい。

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週刊『前進』(2522号3面3)(2012/02/06 )

 この地に生き闘いぬく

 福島の労働者と農民の訴え

 深刻な放射能汚染の現実に加え、「事故収束宣言」と避難区域への帰還強制という大攻撃に立ち向かっている福島の労働者や農民にお話を伺った。3・11集会へともに闘おう。(編集局)

 子どもらを被曝させるな 県立高校で働く教育労働者 Hさん

 今、普通に学校で授業をしているけれど、放射線量は明らかに画然と高い。本当ならこんな場所で授業をやっていてはいけない、子どもたちをこんな場所にいさせてはいけないと思います。
 学校でモニタリング調査もしているけれど、ただ測るだけ。数値が上がったらどうするのか。何もしない。“もっと高線量の学校でも授業をやっているからいいんだ”ということなんです。
 さらに政府は4月に警戒区域と計画的避難区域を見直し、年20_シーベルト未満の地域には住民を帰還させようとしています。そんなことは絶対してはいけない。高齢者が「地元に帰りたい」と思うのはよくわかります。でも放射能が目に見えたら、帰りたいと思う人は誰もいないと思う。
 警戒区域見直しに伴い、4月から小中学校を再開しようとしている市町村もある。「子どもたちは絶対に帰してはいけない」と言いたい。自殺行為です。多くの子どもたちが3・11直後、原発が爆発しているなんてまったく知らず、屋外に何時間も並んで水くみをしていたんです。すでに大変な被曝をしている子どもたちに、これ以上被曝させてはいけない。
 避難区域に指定された相馬・双葉地区の県立高校8校は開校できなくなったため、5月に別の学校の空き教室や体育館を間借りして授業を行うサテライト校(=分校)が県内各地に設置されました。一つの高校が最多で五つのサテライト校に分散されています。
 8校のうち2校は、緊急時避難準備区域の指定解除に伴い10月に学校が再開され、今もサテライト校を設置しているのは6校と2分校。この高校について県教委は4月から基本的に各校1校に集約することを決めた。サテライト校に通っている生徒たちは今、元の高校のサテライト校を集約した移転先の高校に通うのか、それとも今通っている高校に転校するのか、迷っています。
 例えば浪江高校は二本松市の安達高校といわき市の好間(よしま)高校にサテライト校が設置されていましたが、4月からは本宮市の本宮高校に建てた仮設校舎を移転先とすることになった。親元から通うことができない生徒のために、郡山市内の下宿屋・旅館を県が借り上げて用意している。自分が在籍している高校に通うために、親元を離れて一人暮らしせざるを得ない生徒も出てきます。他方、一人暮らしは無理だから転校せざるを得ないという生徒もいる。親から「1校に集約するなら、なぜ最初からそうせずにばらばらに分けたんだ」「なぜ今さら統合するのか」という声も上がっています。避難先でようやく仕事を見つけたばかりの親が、高校の都合で引っ越すなんてこともできない。
 生徒たちは放射能については知識も乏しいし、「大丈夫、安全」と大宣伝されている中で、今いちピンとこなかった感じでした。だけど僕はずっと「危険なんだ」と話して、「家に帰ったら必ずうがいと手洗いをしろ。風呂で洗い流せ。外ではマスクするように」と言い続けた。「これ以上内部被曝をさせてはならない」と、そういうことを一生懸命やっている教員は結構います。
 政府や東電の対応のすべてが許せない。おかしい。だましている。中国で事故を起こした新幹線を埋めたことがあったけど、日本政府がやっているのはそれ以上。「ただちに健康に支障はない」と言いながら、数年先にはどれだけの人数に影響が出てくることか。しかし政府はその時に対応するつもりもない。被曝して何年もたってから病気になる子どもたちを見たくない。
 とにかくやることが遅い。爆発直後に避難させるべきだった。何カ月もたってから子どもたちの体を測定して「あなたは大丈夫」と言い、後から症状が出てきたら「原発事故には関係ありません」と言うなんてことは許されない。
 政府にも東電にも「逃げるのをやめろ」と言いたい。あれは核爆発。そのことをちゃんと認めて、必要な補償も治療もすべてやれと言いたい。
 全国のみなさん、3月11日は郡山で一緒にデモしましょう。

 この子の命は40万円か! いわき市に住む小中学生の母親 Kさん

 中学生の男子と小学生の女子2人、3人の子どもがいる母子家庭です。
 3・11直後は原発のことよりも水でした。12、13日はずっと給水車に水をくみに行ってました。余震が続いて子どもはすごく怖がっていて、とても放っては行けず、下の娘は何時間も一緒に屋外で水くみに並びました。
 そのうち原発で大変なことが起きたことがわかってきたけれど、逃げようと思ってもお金もないし、どこに行けばいいかもわからない。そこに私の父親が電話してきて「お金がなければ出すから、頼むから子どもたちを逃がしてくれ」と言った。とにかく行けるところまで行こうと15日に車で家を出ました。でも行き先が確保できず、「しょうがない。戻るしかないか」と思ったところで知り合いに連絡が取れて「うちにおいで」と言ってくれて、その方の栃木県の家に向かいました。久しぶりにお風呂に入れて本当にうれしかった。
 10日間避難した後、職場から「仕事を再開する」と連絡が入り戻りました。だけど結局、3月末で解雇。そのころはノイローゼっぽくなり、寝ていても涙が出てきてしょうがなかった。職安に行っても順番待ちしているだけで1日終わる。すぐに見つけられた仕事は双葉郡から避難してきた原発関連の会社でした。
 4月に入り子どもの学校が始まった直後、いわきでは11日に震度6の大地震があった。山が崩れて下敷きになって亡くなった人もいたし、3月には崩れなかった建物もいっぱい崩れました。学校は翌日からまた1週間休みになり、子どもは地震を怖がってぎゅーっとしがみついてくる。会社に「子どもを放っておけないから仕事を休みます」と連絡したら「子どもがなんだ」と言われ、その仕事も辞めざるを得ませんでした。
 この10カ月、心配なことばかりです。子どもには水道水は飲ませず、ペットボトルの水を与えています。野菜も地元のものは買っていません。
 学校給食の牛乳は下の娘には飲ませていない。長女にも「飲まないで」と言うけれど、「なんで?」と言って飲み続けている。飲まないと友達から浮いちゃうから。私が放射能の話をすると「うるさい。やめて」。長男も「マスクをつけて」と言っても聞いてくれない。周りの子がつけてないから嫌なんです。「野球やりたいし」と。
 子どもの将来のことが心配です。「チェルノブイリみたいな被害が出る」と言われ、どうしようと思うし、将来は「福島出身の人間とは結婚しない」なんてことが起きてくるに違いない。本当は逃げたいけれど、生活の保障もなく、逃げることもできない。
 県外に行ったら福島のナンバープレートを見て車が傷つけられたり、子どもがいじめにあったりしている。この子らがしたことじゃないのに、なぜこの子らが一生背負っていかなきゃならないのか。避難した人は本当に勇気がいったと思う。
 政府は18歳以下は40万円、それ以外は8万円という賠償方針を決めたけれど、「この子らの命は40万円なのか。私たちの命は8万円なのか。私たちの命はそんなに軽いのか」と思いました。しかもたったの1回限りなんて、お話にならない。
 福島の18歳以下の子どもたちの医療費無料化も見送られました。そもそも18歳までの無料化でもまったく不十分なんです。20代、30代になってから病気になったら、誰が責任を取るのか。
 少なくともできることはやってあげたいと思って、3人をきちんとしたがん保険に入れました。がんになった時に「お金がないから治療できない」ということだけはならないようにと思って。それしかしてあげられないのが悔しいです。
 政府や東京電力には「とにかく本当のことを発表して」と言いたい。子どもを育てている以上、本当のことを知りたい。もう隠しごとはやめてください。後々になって「実は…」なんて発表するのもやめて。うそばっかりで、テレビを見るのも嫌になります。

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週刊『前進』(2522号3面4)(2012/02/06 )

【集会要項】2・19ビキニデー58周年東京集会。2・11伊方原発再稼働を許さない!松山アクション

くり返すなアジア侵略―ヒロシマ・ナガサキ、オキナワ、ビキニ、フクシマを
2・19ビキニデー58周年東京集会
【講演】大石又七(第5福竜丸元乗組員)
「ビキニ事件の真実」
【講演】松井英介(医師、岐阜環境医学研究所)
「内部被曝の特性とその健康影響」
◎特別報告 その1 国鉄水戸動力車労働組合
◎特別報告 その2 中道雅史(青森反戦反核学習会実行委員会)
2月19日(日)午後1時開場 午後1時半開会
千駄ケ谷区民会館(渋谷区神宮前1−1−13)
主催 8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会
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【集会要項】
 2・11伊方原発再稼働を許さない!松山アクション
2月11日(土)午後1時 坊ちゃん広場で署名びらまき
2時集合 2時15分デモ出発
主催 とめよう戦争への道!百万人署名運動・愛媛連絡会

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週刊『前進』(2522号4面1)(2012/02/06 )

 沖縄労働者座談会

 「復帰」40年の沖縄に闘う労働運動を甦らせる

 5・15へ安保・沖縄決戦の年だ

(写真 69年6月5日、2万人が全面24時間スト突入!各ゲートで銃剣を構える米兵とピケ隊が対決)
 今年、沖縄は「復帰」40年を迎える。1952年4月28日に発効したサンフランシスコ講和条約によって沖縄はアメリカ軍政下に置かれた。戦犯天皇ヒロヒトが自らの命乞いのために沖縄を売り渡した結果だ。島ぐるみの復帰闘争から70年安保・沖縄決戦の爆発の中での72年5・15沖縄「返還」は、しかし日米安保体制のもと、米軍基地を存続させたペテン的なものだった。以来「沖縄奪還! 安保粉砕・基地撤去!」をかけた沖縄闘争が闘い継がれてきた。世界大恐慌と原発事故の中で迎える5・15闘争への意気込みを、階級的労働運動再生へと闘う沖縄の労働者に語ってもらった。(編集局)

 被災地・福島の怒りと結合し 闘いの核心をつかむ

●A(NTT労働者)
 世界大恐慌下、反原発・反失業で闘いぬいた昨年を振り返って、一番大きかったのは6・19福島現地行動にBさんと2人で参加したことです。僕が沖縄労組交流センターののぼりを担いでいると、地元の女性から「沖縄からも来てるんですか」と聞かれた。全国から福島に結集して怒りを行動で示した歴史的瞬間に立ち会えたと感動しました。この感動で11月まで上り詰めた。
●B(元基地労働者)
 私は19、20歳から米軍基地の中で働き、40年以上、労働運動をやってきた中で、自分個人としても大きく、いい意味で変わった1年でした。
 ちょうど1年前、朝鮮半島情勢が緊迫する中で、日本の、特に労働運動がどう闘うのか、動労千葉の運動と結びついて闘う組織を沖縄でつくって勝負をするんだと確認をしました。同時に沖縄米軍基地の再編問題がクローズアップされて、沖縄の基地労働者に犠牲を負わすという攻撃が出てくる。基地の中に闘うリーダー、若いリーダーが必要であり、一緒に闘っていける組織づくりが必要だと切実に感じていました。
 そういう中で起こったのが3・11です。福島第一原発が爆発し、放射能を日本中に、世界中にばらまいていく。そこで私が直感的に思ったのは、福島の人たちは今までどうしてきたのか、どうなるのかな、ということでした。なんとしても福島に行きたいと思いました。

 国鉄全国運動が鍵

●B 6・19集会に参加し、交流して分かったんですが、原発はやはり国策として押しつけられたものでした。
 それがきっかけで、沖縄で動労千葉を支援する会の運動を広げたいと思って、基地の中に動労千葉を支援する会の運動を立ち上げたいと提案しました。そしたら、動労千葉を支援する会、大いにいいんじゃないの、やろうとなって立ち上げることができました。そして11月集会にも行きましょうと賛成してくれました。そして複数の現職の沖縄基地労働者と一緒に参加することができました。これが大きな、私の2011年の闘いの締めくくりになりました。
●A 11月集会は沖縄からの参加者も増えて、これまでの壁をぶち破った。これを可能にしたのはなんと言っても3・6「国鉄闘争全国運動・沖縄」の結成でした。呼びかけ人でもある崎浜秀俊さんも参加しました。NTTでも4月26日に「動労千葉支援する会・電通沖縄」を結成したんですが、これが電通職場での動労千葉物販が夏冬20万円を突破するという実績につながった。さらに職場を軸にした動労千葉物販の強化に力を入れていく決意です。
●C(南部合同労組)
 3・11が起こった後、被災地で闘っている交流センターを始め、被災地の労働者が毎日何を考え、何に怒り、何とぶつかりながら闘っているのか、分かるようで分からなかった。昨年5・15闘争で沖縄に来てくれた被災地の同志たちの発言を聞き、実際には心休まることもないだろうに、被曝を覚悟し、地元で踏ん張っていくという気迫、闘いの原点をつかむことができた。世界恐慌と革命情勢が現実化する中、国鉄闘争全国運動で原則的に階級的労働運動を甦(よみがえ)らせようと闘ってきたわれわれは、揺るぎなく闘っていると確信した。
●D(北部合同労組)
 3・11大震災が起きて、津波が襲ってくるのをテレビで見た。NHKには「挙国一致」という文言が出てきて、私たちはどうなるのか、関東大震災の時のように「非国民だ」とつぶされるかもしれないと危機感を持った。数日後、動労千葉の声明が出て生き返った。党の声明を読んで力がわいてきた。党が生きることで自分も生き続けるんだと。
 3・11事態にみんな怒りを持っている。けれどその怒りが形にならない。それを党が被災地の東北でも、東京でも、学生戦線でもやった。国鉄闘争、反原発・反失業の闘いを大きく切り開いて勝ち抜いてきていると実感できる。
●E(専門学校生)
 今、専門学校に通って保育士を目指しています。原発の事故が起こって、反原発署名に取り組んだ。クラスの子たち全員に話して、署名を書いてもらうことができました。みんな高校を出たばかりの18〜19歳です。沖縄の若い人たちはみんな原発に反対だって分かりました。私も頑張っていきたいです。
●F(南部合同労組)
 病気になってから長らく行けなかった11月集会に昨年は参加しました。世界の労働者が注目する中で日本の労働者が反原発・反失業で闘っていることをはっきりと示すことができた歴史的な集会だと、私はものすごく感動しました。
●G(北部合同労組)
 3・11の被災地をカモにして「復興特区」にするという話になっている。結局資本というのは人の弱みにつけ込んで、被災した労働者人民を骨までしゃぶろうということだ。これは沖縄では「経済特区」として強制されている世界だ。

 党の飛躍問われる

●H(北部合同労組)
 この1年間、沖縄の闘いが去年の5・15闘争からどう変わったのかということで総括したい。大きく変わった。一つはNTTの非正規雇用労働者の労働組合の問題。組合が「解散」という事態を前にして、どうやって前に進むのか。そこから必死にもがいてきた。そのもがいてきたことが実はものすごく決定的だった。さらに3・11という衝撃があった。この両方と向き合うことを通して基地建設を止める、職場の闘争を発展させることが求められたんだと思っている。そのために何がなんでも職場の中に入って、なんとか仲間をつくろうとしてきた。
●A NTTの非正規雇用労組の再建も決戦です。プロレタリア革命に向かって労働運動を組織できる党になることが問われていたんだと総括しています。
 昨年10月、当時の労組執行部があまりの重圧で闘えなくなったことは、当然、当局もNTT労組も知っている。元の組合員たちが新しい職場を希望したら全部落とされた。それで行きたくない職場に無理矢理に強制配転されるという攻撃がかかってきている。NTT本隊の労働者にこの悔しさを聞いてもらいたいと。今まで組合があったのがなくなって、一気に攻撃が出てきた。これは動労千葉の中野顧問が言ったように「必要な時にそこに組合がある! 必要な所にそこに組合がある!」という問題だと思います。それと田中委員長が「労働組合は闘うための共同体だ。だけどそれは手段としての闘争組織ではない。労働者が労働組合に団結し、闘うことを通して労働者としての誇りを取り戻していく」と言っている。これを自分たちの血肉として闘うことだと思います。
●H 3・11以後、本当に労働者の意識が変わった。労働組合をやろうと話をすると、なかなかやりたいとならない仲間でも、この原発だけは許せない、ふざけるなという意識を持っている。基地建設だけは許せないとかね。実は根底にあるのは同じ怒りなんだというところで労働組合をつくっていく必要がある。少なくともその中で何人かは労働組合をともにつくろうと言ってくれている。職場に組合をつくるという中に、一つは外注化問題、非正規職問題、総じて大失業攻撃との闘い、もう一つは、労働者の力で基地建設を止めていく、原発を止めていくという闘いがある。そういう内容で職場の仲間をオルグしている。

 70年全軍労闘争の経験を生かす 職場に労働組合を!

●H 職場で組合をつくろうと持ちかけた時に一番初めに議論になったのは基地問題だったんです。労働組合って何のためにつくるのかと言ってくる。当たり前ですけれど、ぴんとこないと。僕らはそれに対して労働組合は次の社会をつくる組織なんだと言い返した。だとしたら次の社会って何なんだ? 非正規職化され、労働組合を知らないという中でものすごい絶望に突き当たってきた。労働組合を見たこともない。
 だから非正規職化との闘いというのが、基地あっての沖縄、会社あっての労働者という考え方そのものとの闘いになる。このイデオロギーと闘うことによってしか沖縄の労働組合はいかないし、基地問題もいかない。沖縄で労働組合を復権していく闘いの中で、沖縄の基地問題も解決していく闘いになっていくんじゃないか。復帰前から続いてきた沖縄の闘いは、闘いを通して、誇りを持った労働者が基地を撤去しろと闘ってきたんだと。それを僕らがもう一度やる、この時代情勢の中でやることに確信を持っている。それは原発を抱えた地域でもそうだし、全国どこでも、みんな同じ意識と闘っている。
 毎日、一見無駄だと思えるようなことをいっぱいやっている。誰かと茶飲み話をして、きょうもなんかつらいねとか、子どもが風邪引いたとか延々と繰り返す。関係性を毎日つくっていく。そういうものとして労働組合がつくられていく。そういうことを地道にやってきたのが動労千葉の闘いだろうと。
●B 日々、弁当食いながら、家庭のこと、子どものことを話しながらつき合う。この活動、すばらしいと思います。歴史は変わってもここが労働組合の軸であり、そこは変わりません。
 全軍労闘争の時代もそうでした。労働者は必ず、なぜと聞く。どうしようかと不安な気持ちが強い。基地労働者も始めから闘えたわけではありません。69年までは労働者は基地の中で意見も言えない状況だった。米軍人や軍属、監督者の言うことを聞かないと排除され、収入を得ることができなくなるからです。
 全軍労で最初に行動を起こした時、歴史的な話ですが、「賃金を上げろ!」と書いた白いハチマキをした。先輩たちが「私はやるが、お前はどうする? 一緒にやるか」と聞くんですよ。アメリカがベトナム戦争で敗退してきてお金もなくなった、軍事予算も削られる。1万人も基地労働者が余った。組合も半分突破されそうになっている。首になるぞと言うんです。基地に反対してどうするか、飯が食えないという話が出て当然でしょう。しかし労働者は労働組合をつくって、そこにリーダーが出た時に一気に動く。一人のリーダーがいるか、いないか。そうすれば、戦術とか取り組みは労働者が生み出すんですよ。
 今年、沖縄米軍基地の再編問題が具体的に動いてくると私は思います。基地の中にもMLC(基本労務契約)と、IHA(諸機関労務契約)という職種でくくられて採用されている労働者がいる。いまHPT(時給制臨時従業員=「必要ある場合に限り、臨時的業務を行うため、又は常用される職員を補助するために1年をこえない期間雇用されている時給の従業員」)という労働者が移動させられている。歴史的に労働者の移動がある時は基地で大きな動きがある。
 特に米軍の動きとして中国を軍事的に封じ込めていくという政策がとられている。米軍基地の再編が進む中で、基地の中から労働組合が行動を起こすとしたら、米軍にしても日本政府にしても許せることじゃない。いろんなことを口実にして賃金カットや権利剥奪、労働組合破壊攻撃が起こってくるだろう。
 しかし、今の全駐労、連合傘下の既成指導部では対応できない。それで自分たちが経験した70年代の牧港支部青年部(牧青)の闘いの教訓を少し話したい。
(写真 宜野湾海浜公園に12万人が集まった07年9・29教科書検定意見撤回を求める県民大会。軸は教労や自治労の組合員)

 青年がリーダーに

●B ベトナム戦争を遂行するためにもっと基地労働者が必要だと採用していったら、そこに青年労働者が入ってきた。その中から、このままでは自分たちの未来と将来がどうなるか、これをなんとかしたいという青年たちが出てきた。基地労働者の中に「全軍労反戦委員会」という組織が立ち上がった。当時の全軍労の役員たちは反戦青年委員会はいいが、全軍労という言葉を使うなとやりとりをしているのを聞きました。まだ青年部はありませんでしたが、この組織が青年労働者に影響を及ぼしているのを気づいていたと思います。
 大量解雇に対して、自分たちが解雇になる。そしたら「軍事基地を撤去しろ!」、だけど「解雇も認めない!」と。よく矛盾していると言われましたが、当時の青年労働者、基地労働者が自分たちの現状と、今後の生活のためにどうしたらいいのかと立ち上がったのが、あの全軍労闘争だったと思います。
 その全軍労闘争、当時5千人の組織だった牧港支部は37日間の長期ストライキをやりました。あの長期ストの中で指導部が全員逃亡した。それにとって代わって時の牧港支部青年部がリーダーとなって牧港支部を運営したという歴史があります。その牧港青年部を組織したのは22〜25歳の青年労働者たちでした。当時22〜23歳の私も含めて多くの青年がリーダーとなって牧港支部を運営したんです。
●I(中部合同労組) 私もかつて全軍労牧港青年部にいて、基地内デモなど実力闘争を闘いました。自分たちがこの世の中を変えようと意気盛んに70年闘争を闘いました。今でもその熱意は変わりません。
 また私は70年12月20日未明に起こったコザ暴動にも参加しました。当時、米軍による事件事故が多発し、ひき殺されたりして沖縄の怒りが爆発したのだと思います。
●B 今後起こるであろう沖縄米軍基地をめぐる闘い、いま沖縄に9千人いるという軍事基地労働者、これをリードする方針と展望、沖縄県民、具体的には基地労働者をどうしていくか。そこに青年労働者の中にリーダーになるべき人をつくりあげたい。それが勝利する道だと思っています。
 「生活を守るために基地は必要だ。米軍が引いたら沖縄はどうなるか」というイデオロギーに対し、全軍労反戦は「違うんだ!」とビラに書いた。この全軍労反戦に、次第に若い人たちが組織されて、あの全軍労ストライキになった。
 白いハチマキが赤いハチマキになり、銃剣にもひるまずに血を流しても引かない姿を見せた。
 銃剣を構えた米軍と対峙した時、先輩が「固まれ!」と叫んだ。自分が前に出るから「固まれ! 固まれ!」「動くな! 固まれ!」ということだったと思いますよ。なぜ引かないで、銃剣の前に立つのか。やはり組合を守るということだったと思います。そこで私はこの先輩たちについて行こうという気持ちになりました。この時のリーダーが革共同の影響を受けた全軍労反戦青年委員会だった。この時のスローガンが「労働者は死んではならない。死すべきは基地だ!」でした。
●J(民間労働者)
 71年の毒ガス移送阻止をストライキで闘った牧青の闘いは、動労千葉の運転保安闘争、動労水戸の被曝列車阻止ストライキにつながる闘いです。1969年7月、知花弾薬庫内に毒ガスが貯蔵されていることが発覚、早期撤去要求は県民ぐるみの闘いとなりました。やっと撤去へと動き出した時、安全・人命無視の強行移送に反対し弾薬庫で働く基地労働者500人がストライキで闘った。このストは全軍労本部と支部指導部の制動を跳ね返して牧青が単独で決行した。労働組合が自らの命と雇用、地域住民の命と生活を守るために闘ったのです。
●G 沖縄の青年労働者の圧倒的多数は非正規の労働者で、この間、ずっと僕も辺野古闘争に関わってきて、振興策と基地建設についていろんな論議があったんですが、実際に働いてみて分かった。
 結局、振興策で名護の労働者、沖縄の労働者が生きていけるのか。この資本主義、新自由主義の世の中で生きていけない。1カ月先には首を切られるのかもしれない。これが振興策の実態だったわけです。そこに労働組合を対置して闘うことでしか、沖縄の現実も変わらない。このことをしっかり据えて今年もがんばっていきたい。

 階級的労働運動の拠点建設へ 動労千葉物販の威力

 解雇撤回貫き25年

●K(NTT労働者)
 大恐慌になって大失業時代になっているが、わが同志たちは全員、職場で元気に闘っている。2012年の沖縄における階級的労働運動の発展という観点からしたら、各職場でいかに細胞を増やすのかということが最大のテーマだと思っています。
 動労千葉の物販を新しい人に増やしていきたいとやったんですね。何を言ったかというと、動労千葉が25年も解雇撤回を闘って、なおかつ、その国鉄分割・民営化から始まった新自由主義攻撃と非正規職化の現実を訴えた。そうしたら労働者は動労千葉の闘いが正しいんじゃないかと物販を注文してくれた。それで圧倒的な労働者が結集するという確信をつかんだんですね。自分の労働組合、職場全体、圧倒的な労働者を獲得する壮大な展望をもって、動労千葉物販運動、国鉄運動を展開するのが2012年の目標じゃないかと思っております。
●J 動労千葉の高石正博さんが年2回、沖縄に来てくれます。宮古にまで一緒に行って労組を回っています。労組ではNTT、自治労とともに高教組(沖縄県高等学校障害児学校教職員組合)にも取り組んでもらっています。教科書問題で9・29沖縄県民大会12万決起を実現した07年、この激闘の過程の中で高教組が動労千葉物販に取り組んでくれた。これが本格的な取り組みの最初。昨年は5年目になるが、この2年くらいは取り組んでくれる分会も注文額も増えてきた。夏冬の2回の動労千葉物販が組合の中に定着してきている。「千葉の組合ね」という反応や、「『とてもおいしかった』と評判です。国鉄動労(ママ)の方へ、頑張って下さい。○○分会」という激励も。あるいは「○○がおいしかった」という口コミで物販に協力してくれる組合員などなど。また、昨年は本部から物販への取り組みの強化という指示が出されたそうで、「自分は動労千葉を支援する会なので、協力して欲しい」という呼びかけがなされた職場では多くの組合員さんが物販を購入してくれました。
(写真 昨年5月14日、「原発なくせ! 基地なくせ!」と那覇国際通りを労働者・学生がデモ)

 党と労組の結合を

●C 動労千葉労働運動を軸に沖縄の労働運動の主流派へと言うことですが、現在がその過程にあると思いますし、やっぱり職場の攻防で組合を立ち上げ、あるいは組合結成をめざして闘う中で、『前進』を労働者の仲間に提起し、購読者として維持していく。この闘いは、対象変革と自己変革、常に自分のあり方が問われている。
 特に『前進』については毎週毎週、『前進』を渡して解説するなり、オルグするのは大変なことだ。うまくいくとは限らないが、こちらの本気さが労働者の怒りを引き出していく。特にその心棒として国鉄闘争全国運動があり、動労千葉の闘い、あるいは具体的には物販闘争がある。
●H 党建設問題と労働組合の活動家をつくると言う問題は意識として同じなんじゃないかと思う。それはマルクス主義を学んでいるうちに、マルクスを勉強することは党建設と活動家をつくる、まったく一緒だなと、僕自身も今やっと分かった。
 だからこそ組合をつくろうと話すのと同時に党の話を労働者にした。飛躍しているという話もありますが、あえて提起していく。そこから考えてもらおうと僕自身が踏み込んだ。
 そのためには『前進』を読んで、マルクス主義を勉強する。隣の労働者を信じて闘って、仲間をつくるためにどうしていくのか悩み続ける。人を育てる立場に立って、労働組合をやっていきたい。
●I 今、階級的議会活動を展開しながら、階級的労働運動の復権を目指して頑張っています。
 国鉄闘争全国運動を立ち上げた2010年6月の全国集会に参加して、4・9政治和解という情勢に対決し、全国で沸き上がる国鉄闘争全国運動の高まりを感じました。それで”国鉄闘争の火を消すな!”ということで頑張り、沖縄で「国鉄闘争全国運動・沖縄」を立ち上げ団結しています。労働者が生きるために闘わないとこの世の中は変わらない。
●J 2010年9月の宮城盛光さんの北中城村議会議員選挙は、4・9政治和解との対決の中で保育所民営化反対を掲げて闘い、勝利した。これが決定的だった。盛光さんが呼びかけ人になって沖縄での国鉄闘争全国運動の立ち上げにつながりました。
●I 地域における活動として、今、村長、権力側が保育所の民営化を進めようとしていることを議会で取り上げ、積極的に闘いを展開する中で地域の労働者、現場の保育労働者とともに頑張っています。3月が保育所問題の決戦になっています。
 その中で、『前進』購読の拡大もがんがんやっていく。昨年、新たに『前進』の定期購読者になってくれたのは、私の母親のような年齢の女性ですが、「頑張っているから協力したい」と読者になってくれました。新年号を渡すと「いいね」と感想を話してくれました。この新聞は大事であるから持ち歩いてがんがん広げていきたい。
●L(中部合同労組)
 保育所民営化反対を宮城盛光議員と一緒に闘っています。ついこの間、中部合同労組に労働相談がありました。彼女の相談は12月に仕事に来なくていいと休まされたが、この給料が出るだろうかという相談だった。こちらが構えて会社に乗り込んで行ったら、「金を出す」と。しかし、解雇通知があった。1月31日で不当解雇です。その解雇理由が仕事ができないとか、怠けているとか。絶対に許せません。本人と一緒に闘いを組もうと思っています。
●M(南部合同労組)
 新年号で産別委員会のことが提起されていました。僕は産別は建設、職種ははつり(解体作業など)です。破壊するという意味です。そこで工場細胞をつくって産別委員会を組織していこうと解釈しています。自分の職場には定年退職制度はなくて、最古参が70歳、一番若い新人で24歳という幅広い年齢層です。そこで労働組合を結成したいと思っています。活動方針は、最低賃金保障と一時金の獲得というのが自分の考えです。
●C 彼がやっている業種、はつりは並大抵な職場ではない。本当に骨身を削る職場です。その中でM同志はリーダー格として闘っている。合同労組を含めて、建設労働者の産別建設をどうするのかの議論が必要です。現場は頑張っている。それを後押しする党の力が必要だ。組合の力として結実させたい。

 障害者は労働者だ

●N(自立労組)
 障害者施設にいます。戦後、傷痍(しょうい)軍人の施設として始まり、伝統的な共同体でしたが、今日に至って、自立支援法との絡みでグループホームの移転問題になりました。それで昨年9月に電撃的に労働組合をつくりました。
 組合員の対象は入所している人と職員です。主要な要求は「グループホーム撤廃反対」と「非正規職撤廃」です。グループホーム撤廃は民営化、外注化であるから反対です。支援してくれる職員とともに非正規職撤廃も要求しています。
●J 厚生労働省の通達では彼のような障害者は労働者ではないことになる。
●N 実際に労組結成大会をやろうとしたら圧力をかけられたんです。
 われわれ障害者をも食い物にする新自由主義、生存権を奪う新自由主義に対し、われわれ障害者も労働者であるから労働組合を結成して新自由主義と対決する。まだまだ軌道に乗っているわけでもないですが、労働者階級の一員として新自由主義と闘う勢力として労働組合の団結を固めて頑張っています。力を蓄えて沖縄労組交流センターに加盟し、11月集会に結集したいと思います。
●C 重要なのは、労働者は労働組合という団結形態をもって、すべてを総括できるということです。障害者解放運動は労働者階級の基本的なテーマです。障害者自身が労働者としての自己解放を求めて闘っている。県党の新たな息吹をつくり出しています。

 新自由主義と闘い安保粉砕へ 辺野古新基地を阻む

●O(民間労働者)
 今、辺野古新基地建設をめぐって、既成の政党や労組幹部は県外移設という形で動いていますが、この問題についても労働者階級の問題だと思います。例えば、基地労働者が基地の中から米軍の再編と基地労働者の大量解雇攻撃に対して解雇撤回闘争に立ち上がったら、彼らが言っている基地の県外移設、国外移設だとかの論は、それだけで完全に粉砕されると思うんです。
 だから鍵は労働者階級だ。労働者階級が自らの職場を基盤にして、そこから闘いに立ち上がる。70年安保・沖縄闘争で沖縄の労働者階級が闘い抜いた安保粉砕・基地撤去をもう一度甦らせることができる。
●G 辺野古をめぐっては、年末に野田政権が環境影響評価書を押しつけてくるという形で、辺野古の基地建設をやるんだと、沖縄を踏みにじるぞということを表明してきた。だけどもやっぱり腰が据わっていない。結局ピケを張られて、夜中にこそこそと置いていくという形を強制された。そういうことを見た時に、何が規定しているのか。向こうは基地建設に踏み込んで機動隊から海上保安庁、自衛隊まで動員したが、結局、沖縄の労働者と全国の阻止行動、反対運動によって実力でぶっ止められた。それが彼らをとことんまで追い詰め、日米関係がぶち壊れるところまでいった。
 そういう中で、命を守る会の事務局だった富田晋くんを、権力と非妥協に闘うということをもって辺野古からパージするということが起きた。そこが分岐だった。
 僕らは階級的労働運動の力で辺野古の基地建設を止めるんだという旗を掲げたわけです。その正念場に来ていると思います。僕らも海上のやぐらにしがみついて海上保安庁と闘った。それから自分の職場に戻って、新しく就職した人もいるし、僕ら青年労働者は労働組合の中で新しく闘う道を選択した。そこで辺野古闘争もやるんだと。まだまだ道半ばですが、今後の沖縄闘争の中でどこで責任をとるのかと言えば、沖縄に動労千葉のような闘いを実現する。動労千葉と三里塚のように闘う。
●H 辺野古をめぐる事態は激しく進展しているが、実は何も変わっていない。晋くん解雇問題に対する結論が出ていないというのは最大の矛盾です。そこを前面に出して闘い続けることが求められている。今、僕らの組合で一緒にやろうかという若い人たちが出てきている。闘い続けてきたことが実ってきたと思う。
●C 辺野古の闘いについては、沖縄闘争の脱皮、沖縄闘争の本当の階級的なあり方を一貫してとってきた闘いであると思うし、晋くんの解雇攻撃もその一つの頂点にあると思っています。
 辺野古闘争の中で沖縄の労働運動のあり方が大きく変化してきた。辺野古新基地建設阻止闘争の核心は、労働者階級の階級的決起の一点に尽きる。一番壁になっているのは、その闘いを体制内的に、ある意味でわれわれも反省的に考えればその一翼に組み込まれてきたという要素が多分にあるんですが、そこを打ち破ってきているのが辺野古の闘いの一つの核心だと思います。もう一つは、農地死守、空港粉砕という実力闘争で闘っている三里塚との連帯です。
●I 今はまたTPP(環太平洋経済連携協定)問題とか、農民、漁民が殺されようとする時にともに立ち上がって、頑張っていく決意です。三里塚と連帯し、沖縄で基地撤去を闘う中において、福島とも連帯して闘います。
●D 去年1年、星野さんの闘いがものすごく前進しています。2月5日には全国労組交流センターと星野文昭さんをとり戻そう全国再審連絡会議の共催でデモが闘われる。毎年の5月沖縄闘争のような形の闘いが初めて星野闘争として闘われる。労働組合が軸になる画期的な闘いです。
 先日、19歳の青年が米兵にひき殺された事件の抗議集会で星野署名を集めたんですが、すごい手応えを実感しました。復帰40年という中で辺野古に対する国の強硬なやり方に象徴されるように、沖縄闘争の原点がみんなの中に呼び覚まされています。
●K(NTT労組)
 今年は復帰40年、決戦中の決戦に入っています。3・11NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)沖縄の結成とともに、3・11福島現地闘争への派遣を闘い、5・15闘争を闘う。革命の展望が開ける年になると思います。
 何よりも職場闘争と新たな労組結成、これがNTTの非正規雇用労組の問題をのりこえていく道だと思う。元組合員たちとメールをしながら、労働者をなめきったNTT労組幹部、会社に大きく反撃を開始する。展望開ける沖縄県委員会として、ともに頑張りましょう!
 沖縄県委員会、結構大した人数ですよ。これを2倍、3倍する闘いが激動期には起こる。職場生産点で頑張っていきたい。

 沖縄は世界のへそ

●P(全学連)
 僕は、2012年まず、日米安保粉砕論を甦らせなければいけないと思っています。北朝鮮の金正日が死に、イラク戦争に徹底的に敗北させられた米帝が、東アジアに手をかけてきた。エジプト革命から始まった2011年の革命の嵐が最後、朝鮮半島に及んだ。だからこそ朝鮮半島の南北分断体制をのりこえる闘いが始まる。
 一方では日米安保がアメリカと日本の対立をはらみながら結局、戦争に向かっていく。沖縄の安保粉砕の闘いが、戦争ではなく、東アジアから世界革命へと進む砦(とりで)になろうとしている。
 もう一つ、2012年が安保・沖縄決戦だというのは、2011年に反原発闘争が歴史的に爆発したということだ。日米安保粉砕そのものが原発と核、基地、この総体を覆していく闘いになる。反原発闘争と、辺野古新基地建設阻止を軸にした沖縄の闘いを結合させていこうと思っています。
●H 何が資本と労働組合の違いかって、やつらは、資本も連合もとことん無責任なんですよ。労働組合ってのは必ず責任をとっていく。血を吐いてでも、涙を流してもやりきろうとするのが、僕ら中核派じゃないですか。その人間的な姿こそ、次の社会をつくる闘いなんだ。課題は山積みですが、そこを一つひとつやりながら、今年、どんどん合同労組の拠点をつくっていきましょう。
●O 戦後革命期には1日に何百もの労働組合がつくられていった歴史があります。革命情勢とは労働者階級が立ち上がる時期であり、ちょっとしたきっかけで労働者が団結を求めて労働組合結成に向かって立ち上がる。
 われわれが生き生きと労働者と結びつく。しかし、その結びつくということが難しい。僕も実際には悪戦苦闘の連続ですが、そこしかない。そこで情勢を切り開いていく。
●A 沖縄は世界のへそ、世界の交易の交わるところです。沖縄はインターナショナルなんですよ。今年は沖縄の復帰40年ですが、当時のスローガンは”核も基地もない平和な沖縄を実現しよう”ということだった。2012年、革命をやろう! 頑張りましょう!

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 沖縄労働者の現状

 日本の面積の約0・6%、人口は約1%の140万人の沖縄県には、在日米軍基地の74%が集中している。
 昨年12月の完全失業率は7・1%(全国平均4・6%)、若年者(15〜19歳)では12・7%(全国6・7%)と全国平均のほぼ2倍。普天間基地の移設先とされている名護市の完全失業率は12%を超えている。
 最低賃金は645円と「復帰」以来ずっと全国最低であり、しかも最低賃金以下で雇用される労働者が5%近くいる。非正規雇用の労働者の比率は全国一の43・4%。
 他方で労働組合の組織率は72年「復帰」時に35・0%だったのが昨年は11・3%まで低落し全国最低となっている。
 かつて沖縄の労働者3人に1人(約5万人余り)を占めた基地労働者は現在約9千人で、約7割が全駐労に組織されている。自治労組合員は約1万4千人だが、自治体職場では3割ほどが非正規雇用の労働者だ。
 「復帰」運動の主力部隊だった沖教組・高教組はいずれも3千人前後で組織率は約半分程度。これら教職員会(沖教組・高教組)、全軍労・官公労(自治労)、全逓(全逓・全電通)などの労働者が「復帰」闘争の主力部隊であり、「復帰」以降の反戦反基地闘争も担ってきた。
 辺野古新基地建設阻止闘争を支えてきたのもこれらの労働者だ。07年9・29県民大会の12万人決起は、自治労と教労が自らの職場である「役場と学校」を拠点として歴史的な決起を実現した。
 一方、この十数年で急増したのがコールセンターで働く労働者。その数は2万人を超えると言われ、約8割は非正規雇用の労働者だ。一方的な雇い止めや賃下げが横行していて、毎月のように求人広告を出している企業が多数存在する。働き続けられずに辞めていく労働者がそれだけ多いということ。また1月9日の沖縄タイムスには福島原発の臨時作業員の求人広告。「短期高収入」をエサに被曝労働を強制しようというのだ。
 70年当時、基地労働者1万人(本土労働者100万人に匹敵)規模の解雇攻撃に、全軍労は2波の大ストで闘った。
 「復帰」40年を迎えた沖縄で階級的な労働運動・労働組合を甦らせる歴史的な挑戦が始まったことがこの座談会からも伝わってくるだろう。

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週刊『前進』(2522号5面1)(2012/02/06 )

〈焦点〉 米帝オバマが一般教書演説

 「雇用」叫び対中対決も強調

ビンラディン殺害を誇示
 1月24日、米帝オバマが年頭の一般教書演説を行った。今回のオバマ演説は11月の大統領選を濃厚に意識した、事実上の選挙戦「第一声」の様相を呈した。
 オバマは演説の冒頭と最後でオサマ・ビンラディンの殺害やイラクからの米軍撤退などの「外交成果」を誇った。暗殺、大量殺戮(さつりく)、侵略・抑圧の米帝の血塗られた本性、戦争の自由と搾取の自由を本質とする新自由主義政策をなおも強欲・凶暴に展開しようとする姿をむき出しにしたのだ。それは、世界大恐慌の激化・深化、イラク・アフガニスタン両戦争での敗退、新自由主義政策の破綻の中で、世界の盟主、世界経済の基軸国から没落帝国主義への趨勢(すうせい)を止められない米帝の末期的危機の表れでもある。この巻き返しをかけて、米帝オバマは帝国主義間・大国間争闘戦、侵略戦争、新自由主義政策に絶望的な凶暴性をもって突進しようとしているのだ。
「雇用」「産業立国」の強調
 オバマは演説の最大の力点を経済政策に置き、「雇用」と「産業立国」を強調した。それは差し迫るプロレタリア革命を恐れ未然に阻止しようとしていることを示す。同時に財政赤字、債務問題の解決の展望をまったく示せない点で、破綻性もあらかじめ明らかになっている。
 米労働者階級の怒りは臨界点に達している。民主、共和両党への支持は地に落ち、階級支配の危機はかつてなく激化している。オバマは大統領選をにらんで、あたかもオキュパイ運動を支持するかのごとく「少数だけが潤い、大多数が苦闘する国」にするのか「それとも、誰もが公正な機会、公正な分配を得られる国にするのか」と語った。資本主義のもとで公正な競争をすれば誰もが豊かになれるという米帝特有のイデオロギーだ。そして「働き手」である中間所得層への支援策を列挙し、雇用を回復させると強調した。高失業率、所得格差拡大に怒る労働者階級の取り込みを図ったのだ。実に「雇用」の語を41回も連呼した。
 オバマは雇用のほか、中間所得層への減税、富裕層への増税、教育の機会均等、ウォール街規制などを掲げ、共和党と対決すると強調したが、それらはすべてペテンだ。本質は景気回復=資本救済策なのだ。オバマはさまざまな産業振興策、規制緩和、企業優遇税制を打ち出し、「自由経済」をうたっている。社会保障政策は皆無だ。オバマ政権のもとで大失業と階級闘争の激化は不可避である。
 オバマはリーマンショック後、それぞれ8千億jに及ぶ金融資本救済策、景気回復策を実施した。それで「米自動車産業が復活し、16万人の雇用をつくった」と演説で誇示した。そして雇用数が多い製造業を法人税減税などで振興・優遇し、米国人労働者の技術力や生産性を高め、輸出に打って出るという「製造業立国」「輸出立国」像を描き出した。
 だがオバマは財政赤字について、2兆j以上の歳出削減の合意では追いつかないことを認めた。 製造業振興、企業優遇税制、法人税減税などの景気刺激策で財政赤字の拡大、債務危機の深刻化は不可避であり、これは大恐慌を決定的に促進する。
 ここで留意すべきことは、オバマが「100年近く調達し続けられる天然ガス資源を開発することで10年以内に60万人以上の雇用を支えられる」と強調したことだ。シェールガス開発は地下水を猛毒で汚染し、地層・地盤を崩壊させるため、多くの欧州諸国では禁止されている。このシェールガスに加え、海底油田・ガス田、新規原発建設・原発輸出(演説では原発には言及しなかった)を進めるオバマは「人の命や環境よりカネもうけ」という新自由主義の先兵、資本の吸血鬼なのだ。
 オバマは「雇用」や「公正」イデオロギーで労働者階級を取り込み、支配し、大恐慌と革命の危機から資本を救済することを資本家階級に約束したのだ。
イラン制裁、対中軍事対決
 オバマは中国との対決、イラン核開発阻止の姿勢を強調、「太平洋国家」を掲げ、「国防予算を5千億j近く節約しながらも世界で最も優秀な軍を維持する新軍事戦略を提案した」ことを誇示した。
 中国には「ルールに従わない相手には遠慮しない」と、音楽、映画などの海賊版や「不公正な貿易」が横行しているとして名指しで恫喝し、不公正を調査する新たな組織を設けるとした。
 また「米国はイランによる核兵器の入手を断固として阻止する。私はその目的を達成するためにはいかなる選択肢も排除しない」と戦争的手段の行使がありうることを表明した。すでにホルムズ海峡で米軍とイラン軍が対峙している。EU(欧州連合)のイラン原油禁輸決定で「イランの核計画への対応で分裂していた世界は一つになった」とイラン包囲網の形成を自賛した。イラン原油に大きく依存する日帝や禁輸に反対する中国に対する恫喝だ。
 さらにオバマは「欧州とアジアにおける最も古くからの同盟はかつてない強さだ。米国は世界に欠くことのできない国であり続ける」と述べた。アジア太平洋最重視、対中対峙・対決、エアシーバトルを要とする新軍事戦略を強力に推進し、没落からの巻き返しを力ずくで図ることを宣言したのだ。米帝オバマこそ世界戦争危機の元凶である。
 オバマ一般教書演説に示された大恐慌にあえぐ米帝を、世界の労働者階級の闘いで打倒しよう。

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週刊『前進』(2522号6面1)(2012/02/06 )

 革命軍の2012年アピール

 プロレタリア革命の勝利に向け非合法・非公然体制の強化へ闘う

 為永正道

 大恐慌情勢のさらなる深まりの中で、新自由主義はいまや全世界を覆いつくす労働者階級人民の怒りで包囲されている。歴史の扉は開かれ、壮大なプロレタリア世界革命の時代が始まった。フクシマの怒り、青年労働者の怒り、「99%」の人民の怒りを体現し、押し寄せる革命情勢のなかを突き進もう! この激闘のただなかで労働組合の革命的拠点建設と党の建設を一体的にかちとろう! そして、ついに開始された革命に勝利しぬく党の非合法・非公然体制の本格的建設を決定的に推し進め、国家権力・反革命との激突に勝ち抜こう! 日本革命への扉を開く2012年、革命軍の決意と限りない連帯のアピールを全世界に向けて発します。

 3・11情勢から革命の大道開いた2011年

 日本階級闘争が歴史的激闘となり、絶対非和解として闘い抜かれた昨2011年。11月労働者集会は国鉄決戦と反原発・反失業闘争の一体的推進でプロレタリア世界革命を切り開く路線と方針を鮮明に示した。
 それは主要帝国主義からの脱落にのたうちまわる日帝の打倒を完全に射程にとらえた。被災地の闘いとの結合、国際連帯の飛躍的強化と深化、青年労働者の団結を組織する新たなリーダー創出。これらすべてが、プロレタリア革命勝利に向けて突き進む労働者階級の強固な出撃拠点として圧倒的に確立された。この歴史的大勝利の地平を、わが革命軍も万感の思いで受け止め、労働者階級の一翼として力強く前進する決意をうち固めた。
 何よりも、この勝利は職場生産点で日々資本との階級戦争を貫く青年労働者の、労働組合の拠点建設に向かっての悪戦苦闘が切り開いた巨大な精華である。動労千葉の階級的労働運動に学び、実践を通して自らの力とし、外注化・非正規化攻撃と闘い抜くことで新自由主義を根底から打ち破る力を獲得したのだ。
 国鉄闘争全国運動の力と青年労働者の闘いに牽引(けんいん)され、日本階級闘争は一昨年の4・9反革命(国鉄1047名闘争の政治和解)による階級闘争絶滅攻撃を打ち破り、世界大恐慌と3・11東日本大震災情勢をプロレタリア世界革命に転化する具体的な道筋をつかみ取った。そして反原発・反失業闘争の激闘のなかで鍛えられ生み出された新たな青年指導部の存在は、革命の新時代の到来を決定づけている。
 革命軍はこうした全階級的な激闘のなかでこれと切り結び、また青年労働者の闘いに獲得され、階級的労働運動の一翼を担うものとして非合法・非公然体制の本格的飛躍を実現するために闘い抜いた。3・11反革命が吹き荒れるなか、プロレタリア革命の戦略的準備に資する活動と任務を貫いた。組織と自己を鍛え上げ、11月労働者集会破壊を狙い、党の非合法・非公然体制を壊滅させることに総力をあげた日帝・政治警察の攻撃との闘いにおいて、敵に一指も触れさせず完勝して撃退した。
 そして2011年、われわれは全世界で爆発する労働者階級人民の革命的決起と結合し、世界―日本革命への揺るぎない一歩を踏み出した。

 新自由主義を粉砕する国際階級闘争の新時代

 今や国際階級闘争の新局面、本格的なプロレタリア革命の時代が到来した。破産した新自由主義は帝国主義と残存スターリン主義の体制的危機を加速させ、絶望的延命策としての階級戦争と世界戦争情勢を引き寄せている。帝国主義とスターリン主義の世界支配の崩壊が、まさに「さしせまる破局」として誰の目にも分かる形で迫っているのだ。
 新安保戦略で帝国主義的争闘戦を激化させる没落米帝の姿をみよ! イラク労働者階級の不屈の闘いは侵略軍をたたきだし、米帝の没落を決定的に促進した。国債の大暴落で解体寸前の危機に瀕(ひん)しているEU(欧州連合)をみよ!
 財政危機の労働者への転嫁を許さないゼネストはヨーロッパ全体を席巻している。原発再稼働と復興特区攻撃、大増税、道州制・TPPといった延命策動を凶暴化させる脱落日帝の絶望的あがきをみよ! 中国バブルの崩壊はこれら一切を激化させ、帝国主義間争闘戦に巻き込まれ世界戦争情勢を促進する一方の柱となっている。
 そして階級意識に目覚めた中国労働者人民の決起は、スターリン主義打倒の第二革命へとマグマのようにわき上がっている。すべての情勢が絡み合い促進しあって大爆発する「後のない歴史的大恐慌」だ。それは生きることそのものが革命の欲求となる時代である。
 チェニジア・エジプトに始まる中東革命の嵐がこれを促進し、ついにアメリカから全世界に広がる「99%」の労働者人民の根底的決起が爆発している。すべてを奪われたものの怒りによってすべてを奪い返す闘いだ。それはフクシマの怒りと同じであり、未来を奪われた青年労働者の怒りそのものである。
 こうした新自由主義と対決する全世界の労働者階級の存在と闘いは、あらゆる分断攻撃をのりこえてひとつのものとなった。日本における国鉄・反原発・反失業、フクシマ、沖縄・三里塚、青年――帝国主義・新自由主義によって踏みにじられたあらゆる人びとの怒りが闘いとなってひとつに結びついた。それは人間としての尊厳の回復を求める自己解放的決起だ。この闘いの根底性と一体性こそ、現在の革命的情勢を規定する国際階級闘争の新局面である。それは階級の欲求がわが革共同の闘いとひとつに結合する時代である。
 われわれ革命軍はこの勝利のために闘い抜いてきた。労働者階級のゼネスト・一斉武装蜂起に向けて自らを鍛え上げてきた。いまやプロレタリア革命こそが時代の基調となった。昨年の闘いがエピソードにもならないほどの激動が待っている。想像もつかない未来に胸が躍るではないか! いざ2012年決戦へ!

 革命の成否を決める非合法・非公然の体制

 労働者階級の自己解放的決起が巨大な規模で始まりプロレタリア革命が歴史の日程に上った今、労働組合運動を決定的な主戦場とした闘いの前進は、革命の成否を決する非合法・非公然体制の本格的強化を求めている。

 暴力革命と非合法・非公然

 プロレタリアートの権力奪取は、労働者階級によるブルジョア独裁国家を徹底打倒・解体する暴力革命だ。世界中で爆発する「99%」の決起は、ブルジョアジーの私的財産を社会的所有に転化する闘いの萌芽であるからこそ、非和解的な階級戦争として激化するし、またそのようなものとして貫ぬかれなければ勝利できない。
 そしてその一切の基礎は、職場支配権をめぐる資本との死闘だ。労働組合を組織し、階級的団結の形成と発展に責任をとる闘い。それは権力奪取―プロレタリア独裁を準備する闘いと完全にひとつの闘いである。職場闘争で組織された労働者の内乱勢力の強固な団結こそ、革命の現実的な力なのだ。
 まさに階級的労働運動の推進はプロレタリア革命運動そのものだ。ブルジョアジーに容認された革命運動など存在しない。ゆえに革命党は非合法・非公然体制を前提とし、合法的活動との有機的統一をもって勝利への道を切り開く。一朝一夕にはなしえない、このきわめて目的意識的な闘いを貫くことは、勝利を求める労働者階級にとってわき上がる欲求そのものであり、革命的共産主義者の崇高な任務である。

 非合法42年の闘いの到達点

 1969年破防法弾圧以来の革共同の非合法・非公然体制の歴史は、権力・反革命との二重の対峙を貫きつつ、労働者階級とともに革命の戦略的準備を推し進めてきた勝利の歴史だ。わが革命軍は労働者階級の一部として、その最前線で闘い抜いた。苛烈(かれつ)をきわめた権力やファシスト・カクマルとの内戦は「階級的労働運動の解体」「階級を蔑視する思想」との根底的対決であった。労働者の自己解放的決起を憎み、闘う労働運動の絶滅へ白色テロルで襲いかかった反革命カクマルを粉砕した。三里塚・国鉄をめぐる決戦は階級闘争の帰すうを決する闘いとして、労働者と農民の尊厳をかけて最も激しく闘われた。
 階級的怒りの根底性に貫かれた内戦の無慈悲な展開は、カクマルはおろか日帝国家権力そのものを震撼(しんかん)させた。しかも権力の破防法弾圧や5・7宣言(80年代の革命党絶滅宣言)体制を打ち破って闘い抜かれた。日本階級闘争はこの勝利を通して階級的労働運動の拠点を守り抜き、労農同盟を死守し、新自由主義に破産を強制しつづけた。
 そしてついに「国鉄分割・民営化25年問題」に階級的労働運動の側から革命的決着をつける決戦局面に到達した。「党が階級の前衛であるということは、党が労働者階級の闘いの中にあって、労働者の個々の集団の狭い職業的利益を体現するのではなく、つねに階級全体の利害を代表し、また労働者階級の現在の利益だけでなく将来をも見通して闘うという点にある」(革共同綱領草案・解説)。党の非合法・非公然体制は階級的労働運動の全面的発展をかちとる最深の根拠地である。

 予防反革命を打ち破る闘い 

 革命的情勢の煮つまりは、権力の凶悪な予防反革命の衝動を高めている。戦前の日本共産党への一斉検挙・壊滅攻撃(1928年3・15―29年4・16型弾圧)の例を見据え、絶対に打ち勝つ組織と体制を整えよう。労働者階級の持つ巨大な自己解放の力、労働運動の力で、予防反革命攻撃を打ち破ろう。これは警察・軍隊・監獄によるブルジョア暴力支配に対し、非合法・非公然活動の闘いによってこれを無力化させ、革命党の自由な政治的空間を確保し、敵の支配を本質的に打倒し勝利する闘いだ。
 プロレタリア世界革命を先取りする非合法・非公然体制の本格的強化を実現し、階級的労働運動のさらなる前進を切り開こう。
 労働組合の拠点建設と党組織の一体的建設をかちとり、マルクス主義で武装した革命的労働者党の強大な建設を闘いとろう。

 青年労働者と共に階級闘争の前進へ決起する

 2012年、革命軍は国鉄決戦と反原発・反失業闘争を貫き、新自由主義に引導を渡すためにともに闘う。

 国鉄と反原発 反失業を軸に

 国鉄決戦を主戦場に民営化=外注化・非正規化粉砕の決戦を労働者階級の一翼として闘い、新自由主義と全面的に対決し、労働組合をめぐる階級攻防に勝ちきることが第一の任務だ。その一環として、資本の軍門にくだり労働運動・階級闘争に敵対する反革命分子を許さない。階級的労働運動への敵対を許さない!
 国鉄分割・民営化に協力し、今また外注化と非正規化を率先して推し進める新自由主義労働組合=JR総連カクマルは労働者の敵だ。大恐慌と3・11情勢のなかで資本への忠誠をますます誓う国労の体制内指導部とともに転向を競い合う反革命だ。その行いがどれだけ青年労働者に困難を強い、闘いを踏みにじっていることか! すでに開始された平成採青年労働者の決起と一体となり、階級的労働運動の怒りの業火で焼きつくせ!
 カクマル中央派は労働者階級の自己解放的決起を絶対に認めない反革命だ。野田政権の「原発事故収束」宣言の旗振り役となり、「核の平和利用」を説いた黒田の経典に学べと絶叫している。フクシマの怒りに敵対するカクマル中央派を許すな!
 階級的労働運動を憎悪し革共同から脱落・逃亡した塩川一派は3・11情勢の前に立ちすくみ、何の運動も展開できずに今や完全に無力化した。
 革命の現実性は、労働者階級が立ち向かう資本との職場闘争のなかにこそある。拠点をつくり陣地を拡大することで資本との力関係を変えること。それが革命をたぐり寄せ、国際的団結を促進していく。そうした闘いが真に権力奪取―プロレタリア独裁を準備する闘いであることに学び、革命軍は労働者階級の決起と一体で闘い抜く。
 時代は30年代階級闘争をこえる激動に突入した。脱落日帝の絶望的あがきは大阪市長・橋下反革命を突撃隊とするファシスト的衝動をうみだしている。われわれは労働者階級の闘いの勝利に責任を取りきる党として、「権力奪取のための一斉武装蜂起に向かって、その勝利に必要な一切を意識的・計画的に準備」(綱領草案・第7項)していかなければならない。
 党の非合法・非公然体制の堅持は、ファシスト勢力との激突においても、その勝利の条件を先制的につくり出すものだ。革命軍は青年労働者の怒りを共有し、階級的労働運動の爆発がもたらす権力・ファシストとの激突に勝利するために先頭で闘う。階級の怒りは革命軍の怒りだ!

 無実の星野同志の奪還を!

 70年決戦を先頭で闘い抜いた星野文昭同志は、権力の弾圧を恐れず階級的団結に一切をかけて資本主義・帝国主義打倒を闘った。今や多くの人びとがその決起に続こうという時代となった。
 そして37年もの獄中闘争を不屈に闘い抜く星野同志の闘いは、ついに国境を越えた国際的団結をつくりだし、「FREE HOSHINO」のスローガンが全世界に響き渡った。完全黙秘・非転向を貫く獄中闘争は権力との非和解性を示す階級的表現であり、階級的団結を拡大しようとのこだまとなっている。それは階級闘争と革命党を根幹で支え抜く力となっている。
 革命を求める労働者の闘いに恐れるものなどない。「あと2〜3年で出獄する」という星野同志の決意を共有し、超長期指名手配攻撃を受けている同志とともに革命軍は進撃する。
 最後に、革命軍は非合法・非公然の党の一翼を担い、日帝・政治警察との死闘に勝ち抜き、この闘いの本格的強化の先頭に立つことをあらためて表明する。機関紙を軸に武装し、マルクス主義を学習し、プロレタリア革命に勝利する労働者党として組織と自己を鍛え上げる。労働者階級の自己解放的決起に依拠し、青年労働者とともに歩み、階級的労働運動の発展に一切をかけて闘う。
 プロレタリア世界革命への宣言を発した革共同の綱領草案を実現すべきは今だ!
 万国の労働者、ともに闘わん!

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週刊『前進』(2522号6面2)(2012/02/06 )

 現闘本部収去明け渡し裁判 最高裁の上告棄却弾劾

 “国策裁判”の正体むきだし

 最高裁第2小法廷は1月25日、天神峰現地闘争本部建物の収去・明け渡し裁判の上告を棄却した。われわれは満身の怒りを込めて上告棄却の反動判決を弾劾する。
 これは、昨年5月20日、東京高裁・井上繁規裁判長(第15民事部)が実質的な審理を行わないまま強行した仮執行宣言付きの控訴棄却反動判決に対して、反対同盟が上告していた裁判だ。
 天神峰現闘本部控訴審では、争点の核心である三里塚芝山連合空港反対同盟側の地上権の立証に不可欠な現闘本部建物の実地検証も、虚偽陳述書を提出した最重要証人に対する反対尋問も行わないままに突然審理が打ち切られた。千葉地裁の仲戸川裁判長と同じく、政府・国交省・成田空港会社(NAA)と一体となって反対同盟の主張・立証の核心部分をことごとく排斥して、真実を闇に閉ざしたのだ。
 その上、昨年5月20日、弁護団とともに東京高裁民事部へ強制執行停止の申し立てにおもむいて決定を待っていた反対同盟をはじめ50人もの仲間を「不退去罪」をデッチあげて裁判所建物内で逮捕した。そして、地上権が存在する物的証拠である現闘本部建物そのものを、上告審中であるにもかかわらず、昨年8月6日未明に破壊・撤去したのだ。
 今回の上告棄却の判決は、この控訴審の反動判決をそっくり踏襲した。”国策裁判”の本質をむき出しにした判決だ。
 反対同盟の46年にわたる闘いによって、今なお成田空港の完成は阻まれている。とりわけ天神峰に住む市東孝雄さんの「農地死守」の決意は不動であり、暫定滑走路の誘導路はへの字に曲がったままだ。羽田空港国際化が進められる中で成田は地盤沈下し続け、欠陥空港としての姿をさらしている。昨年1年間の成田空港使用の乗客は前年比で17%減少した。
 この事態にあせりを募らせるNAA・国家権力は、なりふり構わず第3誘導路建設を強行して市東さん宅を空港敷地内に囲い込み、2本の誘導路で挟んで騒音地獄にさらしてなんとか市東さんを追い出し、農地を強奪しようと策動しているのだ。上告棄却判決は、そのための政治的判決として強行されたものにほかならない。
 住民の生活を破壊し、乗客の安全・生命をも無視して強行されている成田空港建設は、今も全国に放射能汚染をまき散らし被曝を強制している原発や、県民の反対の声を踏みにじって進められようとする普天間基地名護移設・沖縄米軍基地強化と同じ国策である。そしてTPP(環太平洋経済連携協定)推進による農業つぶし・農民切り捨てと一体の攻撃である。
 われわれは今回の反動判決への怒りも新たに、福島、沖縄の怒りと固く結合し、労農連帯の力で空港廃港の勝利の日まで徹底的に闘いぬくことを宣言する。
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 反対同盟が呼びかける3・25三里塚全国集会に総決起しよう。
三里塚裁判傍聴を!
◎第3誘導路許可取消裁判 2月7日(火)午前10時30分 千葉地裁
◎市東さん行政訴訟・農地法裁判 2月20日(月)午前10時30分 千葉地裁 (傍聴券抽選のため1時間前に集合)

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週刊『前進』(2522号6面3)(2012/02/06 )

日誌'12 1月24日〜31日

 オバマが一般教書演説/アジア除き米軍10万人削減

●野田首相が施政方針演説 第180通常国会が召集され、野田首相が施政方針演説を行った。重要課題を先送りしてきた従来の政治からの「脱却」を目指すと宣言し、消費税増税を柱とする「社会保障・税一体改革」などを打ち出した。(24日)
●米大統領が一般教書演説 オバマ米大統領が一般教書演説を行い、今秋大統領選での再選へ向け「社会的公平」を掲げて中間層支援を打ち出すなど共和党との対決姿勢を鮮明にした。米製造業の復活による雇用創出を唱え、中国の「不公正貿易」を名指しで非難、調査・摘発機関を新設するとした。イランの核保有阻止へあらゆる手段をとると述べ、また米国は「太平洋国家」であるとしてアジア重視をあらためて強調した。(24日)
●31年ぶり貿易赤字転落 財務省が、2011年の貿易収支が2兆4927億円の赤字となったと発表した。貿易赤字は第2次石油危機時の1980年以来31年ぶり。(25日)
●12春闘がスタート 経団連と連合のトップ会談が行われ、12春闘がスタートした。経団連は23日に発表した経営労働政策委員会報告で04年以来8年ぶりに「定昇凍結」を打ち出し、定期昇給の扱いが焦点となった(25日)
●石原新党が発足へ動く 東京都の石原慎太郎知事と国民新党の亀井代表、たちあがれ日本の平沼代表が会談し、3月中に石原都知事を党首とする新党結成の方針で合意した。(25日)
●エジプトで数十万人デモ エジプト革命から1年目を迎え、タハリール広場を始め各地で計数十万人が軍最高評議会の即時退陣と民政移管を求めてデモを展開した(25日)
●米軍10万人削減計画を発表 パネッタ米国防長官が国防費を5年間で計2590億j(約20兆円)削減する計画を発表した。地上戦力を計10万人(陸軍8万人、海兵隊2万人)削減し、最新鋭ステルス戦闘機F35の調達を先送りする。だが「アジアと中東への前方展開能力は極めて重要なので投資を増やす」と述べ、現行の空母11隻体制や在韓・在日米軍の兵力は維持し戦闘力をさらに強化するとした。(26日)
●米韓合同演習、2月開始 韓国軍が金正日総書記の死後初めてヨンピョンドでの射撃訓練を実施。また米韓連合軍司令部は合同軍事演習「キーリゾルブ」を2月下旬から開始すると決定した。3月には1989年以来最大規模の合同上陸訓練をする計画。(26日)
●原発の「寿命」法制化を決定 政府は原発の運転期間を原則40年とし、最長60年まで認めるとする、原子力規制法の改正案を閣議決定した。国が原発の「寿命」を法制化するのは初めて。現行の原子力安全・保安院に代わる原子力規制庁設置のための法案も決定。ともに通常国会に提出し、4月1日の施行を目指す。(31日)
●沖縄防衛局長が市長選に介入 普天間飛行場がある宜野湾市の2月市長選へ向け、沖縄防衛局の局長が職員親族の有権者をリストアップし、一堂に集めて市長選に関する講話を行っていたことが判明した。(31日)

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週刊『前進』(2522号7面1)(2012/02/06 )

 3・18全国結集大闘争に立とう

 八尾北・西郡決戦に総決起し道州制粉砕、橋下-野田打倒を

 革共同関西地方委員会

 1月21日、八尾市は西郡地区に住む岡邨(おかむら)洋さんら3家族に対し「30日以内に住宅及び駐車場を明け渡し、玄関等のすべての鍵を返還し、未払い賃料及び損害金を支払え、さもなくば強制執行する」と通告してきた。また、12月八尾市議会は、ともに家賃を供託して闘う11家族を住宅追い出し裁判にかける議案を、前代未聞の傍聴者全員退場の上、強行採決した。岡邨さんら3家族への明け渡し強制執行攻撃と、11家族追い出し攻撃を労働者の団結でうち破ろう。
(写真 岡邨洋支部長を先頭に八尾市を徹底弾劾するデモ【12月21日】)

 住民を問答無用で追い出す「更地化」

 今、八尾市西郡地区で何が起きているのか。八尾市営住宅機能更新計画(2010年4月策定)において、市営住宅の高層集約化が打ち出された。そこに添付されている構想図を見れば、西郡地区の大半が更地(さらち)となってぽっかりと空き地になっている。1996年公営住宅法改悪で応能応益家賃制度が導入され、家賃を一方的につり上げて住宅からの追い出しが開始され、西郡だけでも約1千人が追い出されている。部落解放同盟全国連西郡支部と八尾北医療センター労働組合は、公営住宅の民営化=団結破壊こそ応能応益家賃制度の狙いであり、新自由主義攻撃―道州制攻撃そのものであることを見抜いて、応能応益絶対反対の闘いに立ち上がってきた。
 八尾北医療センターは、天然痘に苦しんできた地域住民の力で建てた「平和診療所」が前身であり、そして現在もかけがえのない「寄る辺」であり、団結の砦(とりで)である。05年に民営化攻撃がしかけられ、現在「自主運営」という形態で完全民営化をくい止めている。八尾市は、一昨年、明け渡し=廃院、全員解雇のための裁判提訴を行ってきた。八尾北医療センター労働組合を先頭に民営化絶対反対で闘い抜かれている。
 同時に、八尾市は、老人センター民営化強行、桂小・中学校統廃合へ踏み込んできており、これらを重ね合わせると、西郡地区から一切を奪い去る「更地化」というすさまじい攻撃の全体像が鮮明となる。しかもそれは、これまで生活してきた住民を問答無用で追い出し、行政・資本のもうけを生みだす事業のみが存在する意志に貫かれている。
 さらに八尾市全域から見てみると、八尾市丸ごと民営化(800事業民営化)攻撃の核心に西郡における更地化攻撃が据えられている。労働組合解体―外注化・非正規化の道州制攻撃である。
 こうした「更地化」=道州制攻撃は、3・11東日本大震災以降、「ショック・ドクトリン」よろしく、経団連は「復興・創生プラン」を打ち出し、被災地を始め全国で全面的に襲いかかっている(宮城県「復興特区」計画や習志野市公共施設再生基本計画など。また、「医療再生特区」など各種の「特区」攻撃)。破綻した新自由主義の絶望的貫徹をかけて、労働者階級からすべてを奪い去る凶暴で許しがたい大攻撃だ。しかし、その攻撃は、「復興」や「再生」などウソとペテンでくるまれており、非妥協・非和解の先鋭な闘いによってのみ攻撃の本質が明らかとなる。まさに、「生きんがため」に労働者階級が団結して資本・国家と闘うことが問われている。
 橋下反革命の登場によって、被災地と関西・大阪を戦略的対決軸として押し上げている。八尾北・西郡闘争は、被災地と固く団結して、全国の労働者階級の先頭で闘い抜く。

 階級的労働運動の拠点めぐる大攻防

 八尾北・西郡決戦は、階級的労働運動の拠点をめぐる大決戦である。八尾北・西郡闘争は、解放運動と「ムラの診療所」の関係を労働組合とプロ独―ソビエト建設のテーマとして据えきって、プロレタリア革命の巨大な原動力へと転換的に発展させてきた。それは、労働組合の無限の可能性を甦(よみがえ)らせる闘いの過程でもあった。
 われわれは、大恐慌情勢のいま、労働組合の拠点建設を革命の準備として据えているが、そのスケールの巨大さ、全階級獲得を、八尾北・西郡闘争は切り開いてきた。このことは被災地・東北における経験とともに、革命―社会主義社会建設のリアルな実践として決定的位置を持っている。「労働者階級の解放は普遍的な人間解放である」というマルクス主義の根底的命題を2011年の闘いを通して開示しているのである。
 新自由主義が資本家階級の意図とは逆に、労働者階級を急速に団結させ、プロレタリア世界革命を成熟させる本質をもっていることを見切って、労働者階級の側から攻勢的に階級的団結を諸階層にいたるまで拡大し、社会主義社会を実際にうちたてる階級的能力を形成することができる地平を八尾北・西郡決戦は獲得しているのだ。
 八尾北・西郡闘争は、国鉄闘争から生まれた。新自由主義との最先端の攻防である国鉄闘争に学ぶことを通して、新自由主義と闘う最前線に自らをつくりかえることができた。同時に、国鉄闘争の無限の可能性を実証した。国鉄闘争が真にプロレタリア革命の中心軸となり、6千万労働者階級・諸階層人民をソビエトに組織する闘いであることを開示した。
 八尾北・西郡決戦を、国鉄決戦と一体で、被災地ソビエト建設と一体の階級決戦へと押し上げていこう。この闘いこそ階級的労働運動の拠点建設の闘いそのものなのだ。

 橋下反革命を打倒する決戦

 橋下反革命とは何か(詳細は、前号川上論文参照)。一切は、道州制攻撃に集約される。これとの闘いは、「4・9反革命」「3・11反革命」を粉砕してきた国鉄決戦の前進の地平で闘うことだ。道州制決戦の突破口、出撃拠点としての位置を八尾北・西郡闘争が持っている。全産別職場の路線的闘いの結集軸として八尾北・西郡闘争が存在するということだ。八尾北・西郡決戦の爆発で橋下との階級的力関係を変えよう。2・3集会を皮切りに2・26青年労働者集会―3・7国際婦人デー集会―3・18西郡大闘争へ総決起しよう。
 一切をそこに据えて、自治労決戦、教労決戦、すべての産別での決戦を全力で爆発させよう。体制内指導部は、国鉄分割・民営化攻撃と地対協路線に屈服してきたがゆえに、道州制攻撃の先兵へと転落している。しかし現場労働者は階級性を曇らされていても、背骨は折られていない。闘う団結を取り戻し、階級性を甦らせる存在だ。ここに圧倒的信頼を据えて、職場闘争を路線的に闘うことのみが八尾北・西郡決戦を結集軸にした道州制粉砕・橋下打倒の闘いに勝利する道である。

 非正規化攻撃に青年の怒り

 八尾北・西郡決戦は、階級的労働運動の拠点建設、西郡支部1千名建設を先頭とした階級的団結の拡大―党勢拡大、何よりも青年労働者獲得の闘いである。
 道州制攻撃とは、360万公務員全員解雇―選別再雇用・非正規職化を起爆剤とする全階級的な非正規化攻撃である。その最大の実体は青年労働者である。非正規職化攻撃で青年労働者はとことん未来と希望を奪われている。階級的労働運動こそ、青年労働者の団結の寄る辺とならなければならない。団結があるところに希望がある。生きる勇気が生まれる。西郡支部青年部は闘いの中で、団結を拡大している。すべての青年労働者は、八尾北・西郡決戦で団結を取り戻そう。

 プロレタリア革命勝利する党建設を

 最後に、八尾北・西郡決戦は、党の部落解放闘争路線をプロレタリア世界革命の路線として再確立していく闘いである。
 第一に、地対協攻撃を「新自由主義の部落解放闘争版」として見るのではなく、国鉄分割・民営化攻撃と一体の労働運動解体攻撃であることをはっきりさせた。地対協路線=「同和事業打ち切り」という狭い理解では、攻撃の本質はとらえられない。本質は、民営化・労組破壊―非正規職化である。したがって、部落解放運動解体攻撃は労働運動解体であり、団結破壊攻撃である。資本・国家権力は、部落差別を階級分断攻撃として展開し、団結破壊の切っ先として駆使している。「同和取りすぎ」キャンペーンは、「国鉄労働者=国賊」キャンペーンと一体である。飛鳥会事件も、奈良市現業バッシングも、「同和加配」講師解雇攻撃も、すべて労働者の団結破壊の攻撃である。橋下ら新自由主義者の手法そのものだ。
 だから、部落解放闘争の路線とは階級的労働運動路線であり、実践的にも労働組合拠点建設を最大の戦略的獲得目標としなければならない。「部落解放運動と労働運動の合流論・団結論」ではなく、労働組合―ソビエト建設を総括軸とする「プロレタリア革命の主体としての部落民」論としてはっきりさせねばならない。それはプロレタリア階級としての一体性である。
 第二に、八尾北・西郡決戦は、革共同をプロレタリア独裁を組織できる党へと変革と飛躍を実現する闘いである。
 一つは、時代認識において新自由主義を真っ正面から見すえ、戦後解放運動の路線的破産を全面的にとらえきった。二つには、戦線主義を組織的にのりこえる根拠を階級的労働運動路線と地区党建設に据えきって闘い取ってきた。三つには、労働者階級の革命性と労働組合の革命戦略上の位置を明確にし、労働組合―ソビエト建設の勝利性を実践的に切り開いてきた。八尾北・西郡闘争の大前進によって、部落解放闘争をプロレタリア革命の中に位置づけ、実際に発展させてきた。
 したがって、その組織的環としての地区党建設を中央―細胞の一体的建設論のもとに全力で推進しなければならない。地区党を労働組合―ソビエトの推進力として一体的に建設していくのだ。
 大恐慌情勢の根底的深化の中で、プロレタリア世界革命を実現すべき時が来た。国鉄決戦、被災地を先頭とした反原発・反失業闘争と完全に一体のものとして八尾北・西郡決戦を爆発させよう。3・18西郡へ、全国から大結集しよう。
 西郡3家族への住宅追い出し強制執行を許さないぞ! 労働者の団結で守り抜くぞ!
 八尾北医療センター明け渡し・廃院攻撃粉砕!西郡更地化攻撃を許さないぞ!
 道州制・「特区」攻撃絶対反対! 労組破壊・公務員360万人首切り−全労働者の非正規職化粉砕! 橋下―野田政権を労働者階級の団結で打倒するぞ!
 国鉄決戦勝利! 外注化・非正規職化粉砕! 4月全面外注化を阻止しよう!
 「収束宣言」、原発再稼働を許さず3・11福島へ総決起しよう!
 プロレタリア革命に勝利する党と労働組合を建設しよう!
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【集会要項】
八尾北・西郡決戦勝利! 道州制粉砕・橋下打倒!
3・18全国総決起集会
3月18日(日)午後1時
幸町五丁目第1公園(最寄り駅・近鉄八尾駅大阪府八尾市幸町5−12−1)

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週刊『前進』(2522号7面2)(2012/02/06 )

 公務員大攻撃粉砕を

 労組交流センター 自治労中央委へ訴え

 1月26日、東京・一ツ橋の日本教育会館で始まった自治労中央委員会参加の全国の自治体労働者に対して、労働組合交流センター自治体労働者部会の仲間が熱烈にアピールしました。橋下「大阪維新の会」を先兵とする公務員大攻撃への怒りを爆発させ、屈服ではなく労働組合の再生をかけて総決起すべき、動労千葉のように民営化・外注化阻止、非正規職撤廃で闘いぬこう、原発再稼働阻止をかけ3・11郡山に全国から総結集しようとの訴えに、ビラが500セットはけるなど多くの参加者が共感を示し、話しかけてくる人も多数出ました。
 橋下大阪市長は12月28日、施政方針演説で「ギリシャのように、公務員と公務員の労働組合をのさばらせておくと国が破綻してしまう」などと叫んで、国家財政破綻の責任を公務員労働者になすりつけ、自治体丸ごと民営化・公務員首切りと労働組合解体に攻撃を集中しています。これに真っ向から対決すべき時に、大阪市労連・中村委員長は、1月4日、橋下市長に最敬礼して許しを請うという姿をさらけ出しました。これは、すべての現場労働者の誇りを踏みにじるに等しい裏切り行為です。
 さらに1月24日、野田首相は施政方針演説で、「税と社会保障の一体改革」による消費大増税と社会保障・年金解体の前提として「公務員制度改革と行革による公務員人件費の削減」をぶち上げ、1月25日の夕刊各紙は国家公務員給与を今春から人勧による削減分を含む8・03%の大幅削減案で民・自・公3党が合意したと報道しました。公務員の生首を切り、大幅賃下げと民営化・非正規職化を進める公務員制度改革の本性が露わになりました。この野田政権に自治労本部は中央委員会議案であらためて協力を誓おうとしています。
 野田首相や橋下市長の進める公務員首切り攻撃への怒りとともに、組合幹部の腐敗への怒り、労働組合を立て直そうという思いが全国で爆発しているのです。現場の怒りに依拠し、職場から国鉄・公務員決戦、反原発・反失業の闘いを猛然と巻き起こそう。(K)
(写真 「公務員攻撃を許さずともに闘おう!」と自治労中央委参加者に熱烈アピール【1月26日 日本教育会館前】)

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週刊『前進』(2522号7面3)(2012/02/06 )

 都革新旗びらき

 野田政権と対決する

 非正規職撤廃と反原発で

 都政を革新する会2012年団結旗びらきが1月29日、95人の結集で開催されました。例年にない厳しい寒さの中、旗びらきにかけつけてくださった多くの仲間のみなさんにお礼申し上げます。
 長谷川英憲代表の主催者あいさつに続いて、北島邦彦より「都政を革新する会は2012年をどう闘うか」と題した提起をしました。昨春杉並区議会議員選挙について、原発絶対反対を掲げて「政治休戦」「自粛」を撃ち破って情勢を切り開いた階級的意義をはっきりさせ、しかし議席を死守できなかった都政を革新する会の組織としての課題をしっかりと見すえることを約束しました。
 国債暴落―国家破産の時代情勢のなか、朝鮮半島・ホルムズ海峡での戦争の現実性はきわめて切迫しており、沖縄・辺野古新基地建設を軸とする日米安保の強化・実戦化もその現れのひとつです。この情勢に対決して世界中で労働者階級の大反撃が始まっていて、都政を革新する会としても国際的団結の一翼を担う闘いが求められていること、その闘いを2本柱として打ち立てる決意を述べました。すなわち、非正規職撤廃を掲げた東京西部ユニオンの闘争と組織強化の先頭に立つこと、NAZEN西部の活動に責任をもって取り組むことによって反原発闘争の先頭に立つこと、この2本柱です。
 そしてその底流を支える闘いとして、動労千葉を支援する会・東京西部とともに国鉄全国運動を推進すること。そのうえで昨春杉並区議会議員選挙の総括をかけて、都政を革新する会をたんなる後援会組織や相互扶助組織ではなく、杉並における強靭(きょうじん)な政治的団結体として建設していくことを結論としました。そして消費税と原発再稼働の野田反動政権に対して、都政を革新する会として真っ向から対決していく決意を明らかにしました。
 乾杯の後、動労千葉からのメッセージ、三里塚現地闘争本部からのアピールと続き、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会からの特別報告です。旗びらきには郵政で働く非正規の青年労働者も初めて参加してくれていたのですが、鈴コン分会の闘いは大きな感動と激励で会場全体を満たしました。さらには地域の医療機関や労働運動をはじめ様々な運動体からの発言が続き、杉並における闘いの豊かさをあらためて実感させられました。
 全学連・斎藤郁真委員長は、福島大を先頭にする次代を担う学生の闘いの前進を語り、文字どおり「老若男女」からの圧倒的な喝采を受けました。
 最後に革命的共産主義者同盟東京西部地区委員会からのまとめの発言を受け、東京西部ユニオン・吉本伸幸委員長の団結がんばろうで大盛況のうちに幕を閉じました。
 地域に階級的労働運動の軸をしっかりと樹立することができれば、広範なあらゆる人民の結集点をつくりだすことができる、それを参加者全体のものにすることのできた旗びらきになったと確信しています。
(都政を革新する会・北島邦彦)
(写真 都政を革新する会を階級的団結の拠点として強化することを誓い合った【1月29日 荻窪】)

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週刊『前進』(2522号7面4)(2012/02/06 )

【集会要項】全国各地で2・11〜12行動。NAZENヒロシマ2・11結成集会

 全国各地で2・11〜12行動
 2月11日(土)〜12日(日)、全国各地で反原発のさまざまな取り組みが予定されています。各地の行動予定を紹介します。(編集局)
■北海道 2月12日午後1時半〜福島からの報告を聞く会/札幌エルプラザ/主催・2・12集会実行委員会
■栃木 2月11日・原発なくそう宇都宮パレード/午後3時〜集会、3時半〜デモ/まちかど広場(東武宇都宮駅前)/主催・実行委員会
■埼玉 2月12日午後1時〜広瀬隆さん講演会/埼玉会館小ホール(JR浦和駅西口徒歩5分)/主催・埼玉反原発アクション
■千葉 2月12日午後2時〜原発なくせ!千葉の水を守ろう!2・12ティーチ・インちば/ホテルプラザ菜の花3階(千葉県庁前)/主催・原発なくせ!ちばアクション
■静岡 2月11日・浜岡廃炉☆原発全廃!福島と連帯するSIZUOKAアピール/午前11時30分〜リレーアピール、12時20分〜デモ/静岡市葵区青葉公園/主催・すべての原発いますぐなくそう!全国会議・静岡(準)
■島根 2月12日午後1時半〜オープニングイベント、2時10分〜今中哲二講演会・各地からのあいさつ、3時半パレード/水・大地・海・空・食・こどもを守ろう!さよなら島根原発大集会/松江市総合体育館大体育室/主催・さよなら島根原発大集会実行委員会

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フクシマとヒロシマを結び反原発の大運動を
すべての原発いますぐなくそう!全国会議
NAZENヒロシマ2・11結成集会
2月11日(土)午後1時 開場12時半
広島平和記念資料館(原爆資料館)地下1階会議室1
福島からのアピール 清野和彦さん(福島県教組元委員長)
3時半からデモ(資料館前→本通り→金座街→原爆ドーム)
主催 すべての原発いますぐなくそう!全国会議ヒロシマ準備会

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週刊『前進』(2522号8面1)(2012/02/06 )

 民営化・特区化-社会保障解体の「障害者総合福祉法」を葬ろう!

 革共同障害者解放闘争組織委員会

 階級的労働運動の復権へ

 革共同は2011年、大恐慌と3・11情勢のもとで完全に生まれ変わった。2012年1・1アピールの冒頭で「われわれは人類がこれまで経験したことのない巨大な歴史的試練の真っただ中にいる」という時代認識に立ち、底なしの大恐慌と福島原発大事故で完全に破綻をさらけ出した日帝とその新自由主義を打倒し粉砕すべきことを提起した。プロレタリア革命が歴史の日程に上ったことを明確にしたのだ。
 この歴史的使命を実践する道は階級的労働運動を復権することにある。そのためには革命に勝利することのできるマルクス主義の党、中央委員会と細胞を基本組織とし、職場細胞に根ざした労働者革命党を本格的に建設することだ。そしてその鍵は労働組合と党の一体的建設にある。障害者解放闘争の勝利も労働者階級の階級的団結をかちとるこの闘いを前進させる中にあることをはっきりさせなければならない。
 資本主義社会の支配階級であるブルジョアジーは、自然と労働を彼らの富の源泉とする。自然をことごとく奪い、労働者を商品化して搾取する。諸階層人民も収奪の対象とする。しかし、最末期資本主義の最後の延命政策である新自由主義は破産した。にもかかわらず彼らは新自由主義をさらに徹底的に絶望的に推進し、社会を破壊する以外にない。

 労働者家族の崩壊が激増

 過剰資本・過剰生産力という帝国主義の基本矛盾の爆発である大恐慌は、1930年代をもはるかに超える規模で労働者階級人民に襲いかかっている。大失業や貧困、障害者や高齢者を含む労働者家族の崩壊、半失業状態に等しい非正規職化が蔓延(まんえん)し、労働者階級全体が「食うこともできない」現実にたたき込まれている。とりわけ青年労働者は生き長らえることすらままならない。これは労働者階級を絶滅に追いやる攻撃だ。
 だが、こんなことは絶対に通用しない。世界で労働組合が中軸となり、全人間の存亡をかけた革命的闘いが前進している。「99%」である労働者階級が青年のリーダーを押し立てて、「生きぬくこと」を革命のスローガンとして闘い始めている。これにブルジョアジーは悲鳴を上げている。「大恐慌を革命へ!」はまさに新自由主義との徹底対決の中から革命の扉をこじ開ける闘いだ。
 世界大恐慌の深まりは国家財政の破綻をもたらし、国債を投げ売りする「国債暴落時代」に突入した。世界大恐慌はまさに後がない。独仏を軸に通貨統合による調和めざしたEU(欧州連合)は分裂と抗争で崩壊寸前だ。世界革命を放棄し資本主義に屈服した中国スターリン主義の改革開放路線が生んだ「世界の工場」も、ついにバブルが瓦解(がかい)しようとしている。未曽有の財政投入というカンフル剤も底をつき、基軸国・米帝の没落でいよいよ世界経済は収縮し、ドル大暴落が切迫している。
 この中で、GDP世界1、2位の米中の激突を軸にした帝国主義間・大国間の争闘戦−相互絶滅戦が激化している。そして、米帝は北朝鮮・イラン・中東への新たな侵略戦争に向かっている。今こそ国家の枠を越えた労働者階級の国際的団結が求められている。
 資本家階級は、全世界で膨大な労働者人民を路頭に放り出しながら、なおも外注化、非正規職化、解雇・リストラ、増税と賃下げを進め、大失業を強い、食料・住宅・年金・医療・福祉など一切の生活の糧をはぎ取ろうとしている。新自由主義の極限的激化が侵略戦争と労働者階級への全面的階級戦争として襲いかかっている。
 だが労働者人民は世界各地で革命とゼネスト、第2革命に立ち上がっている。人類が生き延びるためには資本家的私的所有を廃絶するプロレタリア革命しか出口がない時代が到来したのだ。このとき、3・11に直撃された日帝は、アジア勢力圏を形成できないまま帝国主義間争闘戦から脱落している。
 日帝・野田政権は、国鉄闘争圧殺による労働運動絶滅を狙った4・9反革命にしがみつき、「原発大国」護持とTPP・復興特区をてこに道州制−360万公務員首切りと9割非正規職化、外注化・民営化で労働者を徹底的に分断し、一切の闘いを鎮圧しようとしている。
 だが、外注化阻止・非正規職撤廃を闘いぬくならば、新自由主義を完全に粉砕できるのだ。4・1JR東日本駅業務、構内検修業務全面外注化阻止の決戦に突入した国鉄決戦は、野田政権打倒の本番の闘いだ。

 「生きさせろ!」の闘いを

 2011年の激闘の教訓から2012年決戦への決意を述べたい。
 第一に、1982年以来の国鉄分割・民営化攻撃と闘い続ける動労千葉を先頭とする国鉄闘争は、新自由主義との激闘の最前線での勝利を切り開いた。そして、4・9反革命を粉砕する国鉄闘争全国運動を一大反撃拠点として登場させた。労働組合の国際連帯も画期的に前進している。動労千葉の10年来の外注化阻止闘争と昨年の偽装請負告発の闘いは、反合・運転保安闘争路線と並ぶ今ひとつの戦後労働運動の限界をのりこえる路線として非正規職撤廃闘争を確立した。
 そしてそのもとで郵政非正規ユニオンや東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会が全労働者の団結回復を呼びかける闘いを開始した。非正規職労働者を「ボロクズ」と呼ぶ資本への怒りが解き放たれた。雇い止め解雇された非正規の郵政労働者や3カ月雇用の非正規労働者が結成した労働組合は、人間解放の砦(とりで)だ。外注化阻止・非正規職撤廃の国鉄決戦こそ新自由主義との闘いの基軸だ。
 第二に、被災地との団結をかちとる中で、反原発闘争を大恐慌下での労働組合再生をかけて闘った。放射能被曝から子どもや労働者人民の命を守り医療を取り戻す闘い、被曝労働と「事故収束」のペテンを暴き責任追及する闘いを推し進め、その中でNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)を先頭に全人民の大統一行動をかちとる闘いを真剣に闘いぬいた。国鉄決戦と反原発闘争は完全に一体であり、「生きさせろ!」の闘いそのものだ。
 これらの闘いは国鉄決戦それ自身の戦略的前進をも大きく切り開き、ソビエト建設からプロレタリア独裁をたぐり寄せる地区党建設と諸戦線の課題を鮮明にした。障害者解放闘争の綱領的・路線的深化と組織的大前進をなんとしてもかちとらなければならない。
 第三に3・11反革命とも言うべき「政治休戦」や復興特区との闘いが新自由主義との壮絶な死闘であることを徹底的にはっきりさせた。被災地への特区攻撃は憲法停止の宣言であり、更地化や丸ごと民営化、「アジア並み超低賃金」による「国内植民地化」を労働者階級を徹底して分断して貫こうとする、外注化・非正規職化攻撃そのものだ。大阪市長・橋下の道州制攻撃、JRの全面外注化、沖縄や三里塚の土地取り上げ、改憲攻撃とまったく同じだ。
 とりわけ橋下打倒の最前線に立つ八尾北・西郡決戦は、特区攻撃=更地化攻撃との決戦であり、階級的労働運動が新自由主義との闘いの中から押し上げてきた決戦としても絶対に負けられない。生きさせろ!の叫びを上げる障害者解放闘争と一体だ。

 公的福祉解体は障害者抹殺

 第四に、野田政権の障害者総合福祉法をはじめとする新自由主義攻撃と闘いぬいた。一切の障害者施策は、経団連の「成長戦略」や「税と社会保障一体改革」による上限知らずの消費増税、非正規雇用拡大、福祉・保育の株式会社化、社会保障の全面解体と一体だ。
 日帝は日本国債暴落の危機におびえ、「社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成」などと財政赤字の責任の労働者人民への転嫁を公言してはばからない。社会保障番号制も「インフラ整備」と称し導入を言明した。しかしこれは、労働者階級の根底的怒りを呼び起こす。絶対に粉砕できる。
 障害者総合福祉法は障害者版の民営化、特区攻撃の姿を現している。医療行為のヘルパー委託、介助の個人請負化、障害者の超低賃金就労動員、ヘルパーの総非正規職化。公的福祉そのものを解体し、医療中止・福祉停止の中から障害者抹殺に行き着く攻撃だ。絶対に葬り去らなければならない。障害者解放戦線は「生きさせろ! 障害者総合福祉法絶対反対全国運動」の旗を立て、国鉄外注化阻止決戦、反原発闘争、橋下打倒の八尾北・西郡決戦、復興特区粉砕決戦を闘い、新自由主義を粉砕しプロレタリア革命をたぐり寄せる闘いを最先頭で闘おう。
(写真 昨年の10・28障害者福祉法集会【日比谷野音】で11・6集会参加を呼び かける「生きさせろ!全国運動」)

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週刊『前進』(2522号8面2)(2012/02/06 )

 7月「在留カード」導入阻止を

 入管法で在日外国人を一元管理

 新自由主義的労働力政策許すな

 昨年12月20日、野田政権は「在留カード」を含む新たな在留管理制度を7月9日から開始することを閣議決定した。これは、在日・滞日外国人に対する分断と抑圧を強め、新自由主義のもとで外国人を労働力として徹底的に動員し搾取しようとするものだ。階級的労働運動の力で在留カードを粉砕しよう!
 「在留カード」を含む新たな在留管理制度は、日本に在日・滞日する外国人を、@特別永住者(日帝の侵略の結果、日本に在住を余儀なくされた朝鮮人・中国人とその子孫、約40万人)A3カ月以上在留する中長期在留外国人(約150万人)Bその他(非正規滞在者および難民申請者、約8万人)――の三つのカテゴリーに分断し、入管法で一元的に管理するというものだ。
 @の特別永住者には「特別永住者証明書」というICチップ付きのカードを交付。加えて住民基本台帳法によって市町村で「外国人住民票」が作成される。Aの中長期滞在者に交付されるのが「在留カード」。
 Bの非正規滞在者や難民申請者は、これまで市町村窓口で交付されていた外国人登録証がなくなり(外登法廃止)、一切の公的証明を奪われてしまう。教育や医療、各種資格申請もできなくなってしまう。
 また、Aの中長期滞在者も、細分化された在留資格によっていつでもBに追いやられてしまう可能性がある。例えば不当解雇によって職場を失った場合、2週間以内に次の職場を見つけるか、在留資格の変更をしなければ、非正規滞在になってしまう。摘発されれば入管法違反で退去強制への道だ。不当労働行為と闘う権利など問題外だ。
 新在留管理制度は、外国人のすべての情報を法務省入管局が一元的に握ることで「テロ対策」=外国人治安管理体制を強化した上で、「我が国社会に活力をもたらす外国人の円滑な受け入れ」(10年3月策定「第4次出入国管理基本計画」)を推し進めようとするものだ。
 それは、道州制構想で入管行政を国家専行業務として位置づけていることからも、戦時労働力の国家管理を狙ったものであることは明らかだ。
 日帝は、第4次入管基本計画とほぼ同時に閣議決定した「新成長戦略」で高度人材の導入と活用、観光立国として外国人旅行者の増加、外国人のための高度医療などを掲げ、国益に見合う外国人の積極的な入国を促進する立場を明らかにしてきた。
 3・11大震災と原発事故の中で、日帝はこの新成長戦略を被災地復興計画の中に貫き、さらに極限的な新自由主義を展開しようとしている。
 アジアを新植民地主義のもとで搾取・収奪してきた日帝は、「震災復興」を旗印に被災地を「復興特区」=国内植民地として搾取・収奪することで延命しようとあがいている。「復興特区」に安価な使い捨て労働力として外国人労働者を呼び込み、日本の労働者全体をより劣悪な状況に追い込もうとしている。
 この間、日帝・法務省は、タイの洪水で工場閉鎖となった日本企業が日本に撤退するにあたって、特別措置によってタイ人労働者の入国を認めた。またベトナムへの原発輸出とセットでベトナムから原発研修生6千人を迎え入れようと狙っている。さらに「高度人材活用」のためとして学歴、財産などを基準とするポイント制を導入、ポイントが高い外国人には永住権を与える方針まで明らかにしている。
 89年以降、入管基本計画の策定で、国会審議が必要な入管法上の改変を政令一本で実現できるようにした。これこそ新自由主義のやり口だ。
 だが新自由主義はすでに破産している。在日・滞日外国人は「闘って入管を変えよう!」と団結して闘っている。国鉄闘争勝利、反原発・反失業を掲げた11月労働者集会をともに闘った在日外国人労働者とともに「在留カード」を粉砕しよう! 闘って闘って勝つ! これが2012年の入管闘争だ。

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週刊『前進』(2522号8面3)(2012/02/06 )

 反戦反核に全情熱を注いだ吉田義久さんの遺志継ぎ闘う

 理論的成果を革命の原動力に

 しのぶ会盛大に

 1月29日、相模原市で、12月19日に逝去された吉田義久さんを偲(しの)ぶ会が、ご家族も参加され盛大に行われました(写真)。神奈川を始め首都圏から多くの労働者・学生・市民が集い、吉田さんの遺影に献花。その後、革命―反戦・反核に全情熱をかけた吉田さんの闘いをこもごも語り合い、思い出をともにし、遺志を引き継ぐことを固く誓い合いました。
 2度の大手術を受け自宅療養中だった吉田さんが、福島第一原発の核爆発に対し、革命への牽引(けんいん)車・動労千葉の闘いと一体となって反戦反核の闘いを大きく生み出し反撃していこうと呼びかけているビデオレターが上映されました。
 偲ぶ会にはJR外注化絶対阻止へストライキで決起した動労千葉の仲間も駆けつけました。また、被曝労働強制にストで反撃した動労水戸からは反核・反原発闘争に奮闘するというメッセージが寄せられました。
 がんで入院される直前に吉田さんは、若い力への期待を込め、新入生歓迎会で反核講演を行いました。これを主催し今は反原発の最先頭で闘う全学連の学生が、悲しみをのりこえて勝利まで闘う決意を表明しました。さらに三里塚現闘や沖縄民権の会、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判被告団などから、これらの闘いに協力を惜しまなかった吉田さんへの謝意と称賛が相次ぎました。

 核武装を許さず

 吉田さんは革命運動と時代認識での核問題の決定的重要性をいつも熱っぽく語っていました。その主張は著書『アメリカの核支配と日本の核武装』に凝縮されています。最新の資料を駆使しながら世界金融資本から解き明かし、経済と軍事と核を結びつけて労働者階級と絶対非和解の現代帝国主義の全体像を具体的に浮き彫りにさせる。その理論的成果は、杉並など都内で恒常的に行われてきた反戦反核講座で磨き上げられ、私たちの反戦反核闘争の原動力となってきました。
 吉田さんは「日帝の核武装を絶対に許さない」ことを不動の信条とし、ヒロシマ・ナガサキ、六ケ所・もんじゅなど、反戦反核闘争の現場には常にその姿がありました。2010年4月27日、もんじゅの運転再開の中止を求める文部科学省への申し入れ行動では、「もんじゅのブランケット部では発電に適さない98%高純度のプルトニウムがつくられる」と核軍用炉としての正体を徹底的に追及・弾劾しました。
 3・11原発事故の深刻さにいち早く警鐘を鳴らし、反原発への奮起を促したのも吉田さんでした。今日の反原発闘争の前進は吉田さんの闘いを抜きに語れません。
 核によってしか延命できない帝国主義(スターリン主義)への怒りを燃やし続け、一貫して核の廃絶と資本主義の根底的転覆を密接不可分のものとして訴えてこられた吉田さん。「筋を通した」とご家族が言われたように、私たちも吉田さんを誇りに思います。今も吉田さんは闘う隊列の中にいます。2・11から3・11郡山へ。ともに原発再稼働阻止、核燃サイクル解体、核廃絶、革命勝利へ突き進もう。(W)

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週刊『前進』(2522号8面4)(2012/02/06 )

 国際労働運動 3月号

 青年は12春闘を闘う

 世界大恐慌の深化、3・11大震災と福島原発事故による新自由主義の大破綻は、国際争闘戦の戦列からの日帝の脱落を決定づけた。労働者階級は国鉄決戦と反原発・反失業闘争、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いで日帝との非和解的な大激突に入った。青年労働者が先頭に立ち、職場から12春闘を復権させ、この大決戦を闘おう。
 第1章は、開始されたJR全面外注化阻止決戦の先頭に立つ動労千葉青年部を生き生きと紹介し、ここに勝利の展望があると提起している。
 第2章は、2011年の闘いの総括。全世界の青年労働者が革命を求め決起した。それとともに日本の青年労働者が国鉄・反原発・反失業の闘いを牽引(けんいん)したことを明らかにしている。
 第3章は、新自由主義のもとで生存に必要なすべてを奪われた青年労働者が外注化・非正規職化と被曝の強制との闘いを通じて、生きるために革命へ決起していく必然性を明らかにしている。
 翻訳資料は「アメリカの新軍事戦略と軍=警察国家化」。1月5日に発表されたオバマ新軍事戦略(抄)とその際のオバマ演説、発効した国防権限法とその際のオバマ演説を紹介。新軍事戦略が実は軍拡の継続であり、国防権限法が大統領権限の無制限強化(軍事独裁と警察国家化)である。

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