ZENSHIN 2012/02/27(No2525 p06)

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第2525号の目次

ビキニデー58周年集会
第五福竜丸元乗組員の大石又七さんの訴えに聞き入る(2月19日 渋谷区・千駄ケ谷区民館)

1面の画像
(1面)
原発再稼働阻止・JR全面外注化粉砕 3・11全国から郡山へ
動労千葉ストの地平ひき継ぎ青年労働者の怒りの総反乱を
3・18八尾北・西郡決戦で橋下倒せ
記事を読む  
ビキニデー58周年集会 核・原発の廃絶を宣言  内部被曝の危険性が鮮明に(2月19日) 記事を読む  
三里塚、PKO派兵弾劾に立つ(2月19日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
【要項】 原発いらない!3・11福島県民大集会、国際婦人デー行動(東京 3・3)(関西 3・7) 記事を読む  
(2面)
外注化-非正規職化阻止の大攻防へ  最末期帝国主義の危機と外注化
新自由主義の基軸的な攻撃と全面的に立ち向かう国鉄決戦
記事を読む  
動労千葉運転士登用差別事件 最高裁の反動判決弾劾
“この怒りを職場の闘いに”(2月23日)
記事を読む  
銚子46人減、千葉転27人減 基地統廃合粉砕へ  動労千葉 訓練拒否し長期スト 記事を読む  
(3面)
JR総連に青年の反乱を  JR新人事・賃金制度許すな
団結破壊と賃下げ容認 東労組が裏切って妥結
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鉄道運輸機構訴訟 結審策動を押し返す  次回は小玉さんの証言に(2月21日) 記事を読む  
橋下「維新八策」粉砕せよ
労組破壊「アンケート」凍結の勝利  本部の屈服のりこえ団結し闘おう(川上憲一)
記事を読む  
三里塚3・25全国集会へ  反対同盟が招請状 “原点に立ち農地死守を” 記事を読む  
(4面)
放射線被曝から命を守れ! 3・11福島集会へC
低線量内部被曝の危険性
被曝症例と生物分子学で解明 被曝労働が階級闘争の焦点に(河東耕二)
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“伊方原発再稼働させぬ”  事故前提の避難訓練に抗議(愛媛・H)(2月16日) 記事を読む  
長崎、新潟でNAZEN  3・11福島へ大結集の機運(2月19日) 記事を読む  
2012年日誌 2月14日〜20日
民主党、原発再稼働を容認へ/自衛隊ペルシャ湾派兵を検討
記事を読む  
おことわり 記事を読む  
(5面)
全国学生の3・11アピールA
核・原発なくす歴史的な日に
新自由主義を打ち破った法大闘争(マル学同中核派・法政大学支部)
記事を読む  
南スーダンPKO派兵 三里塚現地で抗議デモ  北原さん“軍事空港許さず”(2月19日) 記事を読む  
法政大入試情宣 受験生と圧倒的合流  当局の妨害を実力で粉砕(法政大学・N) 記事を読む  
『障害者解放』 第3号発行  労働者階級分断を許さず「総合福祉法」制定と対決(AS) 記事を読む  
(6面)
明け渡し絶対許さない  3・18八尾北・西郡集会に結集を 記事を読む  
八尾北裁判 “住民の命と闘いの砦”  医療センター売却許さぬ(2月15、17日) 記事を読む  
星野手紙・面会国賠訴訟
“手紙・面会は人間の権利”  暁子さんら3人が意見表明(2月10日)
記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  

週刊『前進』(2525号1面1)(2012/02/27 )

 原発再稼働阻止・JR全面外注化粉砕 3・11全国から郡山へ

 動労千葉ストの地平ひき継ぎ青年労働者の怒りの総反乱を

 3・18八尾北・西郡決戦で橋下倒せ

 3・11東日本大震災からもうすぐ1年を迎える。歴史は一変した。この1年、どれだけ多くの人が「国と東電(資本)は責任を取れ!」「すべての原発を今すぐなくせ!」と立ち上がったことか。新自由主義は「命よりも金」のために外注化と非正規職化を極限的に進め、青年から未来を奪ってきた。外注化阻止・非正規職撤廃の国鉄決戦と反原発闘争は、プロレタリア革命を切り開く最先端の闘いだ。青年を先頭に、3・11福島県民大集会と4月JR外注化阻止決戦へ総決起しよう。

 組合旗林立させ結集しよう

 3・11から1年、労働者人民は生きるために必死に闘ってきた。被災地の労働者は「静かに怒りを燃やす鬼」になり、闘い、生き抜いてきた。原発は地上に据え付けられた原爆だ。核・原発・放射能と人類は絶対共存できない。国や東電が言うことは全部うそだった。新自由主義のもとでは生きていけないことが3・11で明らかになった。
 3・11の1周年を、国と東電の責任を徹底追及する闘いの日としよう。大衆的な追悼の意思を政治利用し、天皇を使って「政治休戦」にしようとする野田政権を許すな! 3・11福島こそは、すべての原発をなくし、「原子力村」を解体し、新自由主義を打倒していく新たな闘いの出発点だ。労働組合と労働運動をめぐる大決戦だ。今こそ階級的団結の力を示そう。労働組合が中心に座り、青年労働者と学生が闘いの先頭に立ち闘おう。
 重要なことは、3・11福島県民大集会の爆発で原発再稼働を阻止することは絶対にできるということだ。2月20日、関西電力・高浜原発3号機が定期検査で停止し、残る2基も東電柏崎刈羽原発6号機が3月26日に、北海道電力泊原発3号機が4月末に停止する。4月末で稼働原発はついにゼロになるのだ。
 しかし野田は「大飯3、4号機が突破口になる」と再稼働をあくまで策動している。ストレステストでは、地震が起きた際に炉心に制御棒がうまく挿入されるかどうかがチェック項目からはずされ、加圧水型の格納容器内では水素爆発が起こり得るのに、その想定もなされていない。こんなデタラメで保安院は安全評価は「妥当」のお墨付きを与えた。
 最後は野田の政治判断なのだ。階級的力関係で今後のすべてが決まるのだ。3・11の大結集が勝利の決定的な力である。
 福島の国労郡山工場支部から「『原発いらない!3・11福島県民大集会』に2万人の結集を実現しよう」というアピールが発せられた。原発事故は労働組合が新自由主義といかに闘うべきかをはっきりさせた。動労千葉や動労水戸のように「解雇撤回」「外注化反対」の原則を貫く労働組合こそ、反原発の最先頭で闘えるのだ。このアピールに応え、福島県教組と連帯し、分会旗・支部旗を持って職場から大結集しよう。
 福島大学は、原子力マフィアと連携し、福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの山下俊一が副学長を務める福島県立医大とともに、福島の子どもたちと学生を放射線被曝の実験材料にしようとしている。福島大生を先頭に全国学生は3・11に立とう。

 3・4外注阻止・春闘勝利へ

 2・15労働者集会は国鉄闘争全国運動を本格的運動体へと飛躍させる画期点となった。集会で動労千葉の田中康宏委員長は、「すべての出発点が国鉄分割・民営化にあったことを、この情勢の中でもう一度はっきりさせよう。怒りの声は社会全体に満ち満ちている。労働組合が本来の力を取り戻せば、間違いなく時代は動き出す。動労千葉は10年以上にわたって検修外注化を止めてきた。闘えば止められる」と熱く力を込めて訴えた。
 この動労千葉の階級的労働運動とは正反対に、既存の労組幹部は初めから資本との妥協を目的にしてきた。彼らは現場の労働者の力を信頼せず「労働者の弱さ」を理由に決定的なところで闘争を裏切り続けた。しかし労働者は資本との非和解的な闘争の中で自己を変革し、強固な団結をつくり出していくことのできる存在だ。そして、資本との非和解的な対決と団結だけが労働者の勝利に結びつくことを、闘いの中でつかんでいくのだ。
 動労千葉はこのことを身をもって示してきた。正規職の決起こそ非正規職撤廃の展望を切り開く。4大産別の労働者が動労千葉の闘いに続き、さらに郵政非正規ユニオンや鈴木コンクリート工業分会の闘いが、資本との非和解性を貫いて2000万青年労働者と結合する決定的地平を闘い取りつつある。
 JRの検修・構内業務と駅業務の全面外注化を阻む闘いは、戦後労働運動の限界をのりこえ、日本労働運動を再生させるものだ。JR4・1外注化を絶対に阻み、非正規職撤廃に突き進もう。
 外注化攻撃は、平成採の青年労働者が職場から総反乱して闘えば絶対に止められる。だがJR東労組はJR東日本が提案した「新人事・賃金制度」にまったく抵抗もせず、妥結した。そして検修・構内業務の全面外注化も駅業務の全面外注化も丸のみしようとしている。これによって青年労働者は賃金を大幅に減らされ、外注会社への出向を強制され、職場を奪われようとしているのだ。
 このJR総連、東労組こそ青年労働者の未来を奪う張本人だ。彼らは外注化を会社に積極的に提案したばかりか、職場における反乱をカクマルの暴力支配で抑え込んできた。だが、そんな暴力支配などもはや絶対通用しない。
 大恐慌と3・11情勢下で今こそ、青年労働者が生きるため、家族のため、仲間のために命をかけて闘う時だ。すべてのJR平成採の労働者は、動労千葉や動労水戸の青年労働者のように誇り高く闘おう。新自由主義に殺されてたまるか。今こそこの腐った社会を根本から変えるのだ。動労千葉、動労水戸、国労共闘とともに闘おう。
 職場に国鉄闘争全国運動を拡大しよう。「動労千葉を支援する会」は労働組合権力の奪取に向け、職場支配権をめぐる攻防に勝利し、闘わない労組幹部を打倒する武器だ。労働組合の拠点建設に向けて、国鉄闘争全国運動を発展させよう。
 3月4日、「中野前委員長追悼/外注化阻止・12春闘勝利」を掲げて開催される3・4動労千葉総決起集会に集まろう。

 労働者の団結こそ最大の力

 大阪市長・橋下による労使関係の「アンケート調査」に対して、大阪を先頭に全国で労働者の怒りが爆発している。2月13日の労使関係アンケート調査の撤回を求める市労連緊急抗議集会には組合員1000人が集まり、橋下への現場労働者の大反撃が始まった。市労連委員長が90度腰を折って橋下にひれ伏そうとも、現場労働者の怒りは燃え上がっている。
 このアンケートは「組合活動に参加したことがあるか」「組合に加入しているか」「組合加入のメリットをどのように感じているか」「組合にはどのような力があると思うか」「組合費がどのように使われているか知っているか」などの内容で不当労働行為の極みだ。しかも「正確な回答がなされない場合には処分の対象」と脅している。
 このとんでもない攻撃に対し、青年労働者を先頭に「本部は拒否方針を今すぐ出せ!」と立ち上がった。橋下は本質的には、階級闘争の血しぶきを浴びたことのない脆弱(ぜいじゃく)な分子だ。労組幹部が屈服しているから図に乗っているだけだ。橋下・大阪維新の会の衆院選公約である「船中八策」は、野田や日本経団連の反動的政策の列挙である。狙いは徹底的な労組絶滅と改憲であり、新自由主義攻撃の極限的激化だ。この橋下に労働者が団結して大反撃し、グラグラにして打倒しよう。
 3月18日の「八尾北・西郡決戦勝利! 道州制粉砕・橋下打倒! 全国総決起集会」に全国から結集しよう。階級的労働組合と部落解放闘争の拠点に橋下・維新の会を引きずり込み、階級的団結の力でたたきのめそう。
 八尾北医療センターは部落差別を放置し地域医療への責任を果たさない八尾市に代わって、住民が自力で建設・運営してきた生きるための団結の拠点、命の綱、地域コミュニティーの中心だ。絶対に明け渡してなるものか! 更地化攻撃を実力で粉砕しよう。
 3・25三里塚闘争は、南スーダンPKO派兵で軍事利用が進む成田軍事空港粉砕と農地死守の決戦だ。大結集しよう。
 この3月決戦のただ中で革命党建設を目的意識的に進めよう。青年労働者と学生の中に『前進』を拡大し、地区党を強化しよう。青年・学生は革共同に結集して闘おう。

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週刊『前進』(2525号1面2)(2012/02/27 )

 ビキニデー58周年集会 核・原発の廃絶を宣言

 内部被曝の危険性が鮮明に

 1954年3月1日、静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸がアメリカの水爆実験で被爆した「ビキニ事件」。ニュースは世界中に衝撃となって伝わり、全世界的な反核運動の出発点となった。ビキニはヒロシマ・ナガサキとならんで世界の反核運動の原点だ。ビキニ事件の歴史は核と原発が一体であり、帝国主義の打倒によってこそ核も原発も廃絶できることを示している。
 事件から58年。2月19日、「2・19ビキニデー58周年東京集会」が渋谷区の千駄ケ谷区民館で210人の結集で大成功を収めた。今回の集会は福島第一原発事故責任徹底追及、再稼働阻止・全原発廃炉の闘いと完全に一つの闘いとして開催された。
 集会前半にはDVD「空母オリスカニの原爆製造室」の上映を行った。1953年に米帝が北朝鮮に対する核攻撃を準備していたことを暴く内容だ。米帝はヒロシマ・ナガサキからわずか8年後、日本を最前線基地として3度目の原爆投下を計画していた! 帝国主義への怒りがみなぎる集会となった。
 司会を法政大学の倉岡雅美さんが務めた。まず、憲法と人権の日弁連をめざす会代表で弁護士の高山俊吉さんが主催者あいさつ。高山さんは先日の日弁連会長選挙での大健闘を報告し「3・11郡山に集まろう」と呼びかけた。集会呼びかけ人である反戦被爆者の会の下田礼子さんからメッセージが届いていることを司会が報告した。
 DVD上映の後、第五福竜丸元乗組員の大石又七さんが「ビキニ事件の真実」と題して講演を行った。大石さんは「日米政府はビキニ事件を、被爆者や被害者の頭越しに9カ月で政治決着させた。私たちは発病しても死んでも原爆症と認められない。この悔しさ、『忘れられてたまるか』という気持ちで事件の詳細を調べ始めた。それから放射能と内部被曝、核兵器と原爆の怖さを何十年も伝え続けてきた」と憤激をみなぎらせた。さらに「中曽根康弘や正力松太郎などが日本に原発を導入した」と弾劾し、「福島第一原発事故はその結果起こった」と怒りをあらわに語った。
 続いて岐阜環境医学研究所所長で医師の松井英介さんが「内部被曝の特性とその健康影響」と題しスライドを駆使して講演した。松井さんは冒頭「キーワードは『低線量』放射線内部被曝」と核心を提示し、アルファ線、ベータ線による内部被曝が細胞を破壊してさまざまな病気を発症させると指摘。具体例として、チェルノブイリ事故後のウクライナやベラルーシにおける多様な疾病の多発を報告し警鐘を鳴らした。
 後半に移り、特別報告その1を動労水戸書記長の木村郁夫さんが行い「福教組、国労郡山工場の労働者と連帯して闘う」と決意を語った。特別報告その2で青森反戦反核学習会実行委員会の中道雅史さんが「4・9反核燃の日」行動への結集を呼びかけた。
(写真 第五福竜丸元乗組員の大石又七さんの訴えに聞き入る【2月19日 渋谷区・千駄ケ谷区民館】)

 3・11郡山へ奮闘誓い合う

 NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)事務局長の織田陽介さんが決意表明に立った。織田さんは「3・11を闘いの日にしよう。われわれの闘いで再稼働を止めよう。核も原発もなくし、社会を根本的に変えていく日にしよう」と訴えた。
 主催者で8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争全国統一実行委員会事務局長の三角忠さんがまとめを行った。
 三角さんは、昨年亡くなった坂井留吉さんと吉田義久さんの遺志を継ぎ、この集会の呼びかけ人を全国陣形にして闘い大成功したと表明。そして1960年代以降、全国30カ所以上で住民と労働組合が団結して闘い原発建設を阻止してきたことを明らかにした。「労働組合と地元住民が団結して闘えば再稼働を阻止し、原発をなくすことは絶対に可能だ」と呼びかけて、3・11福島県民大集会への結集を訴えた。
 最後に全員で「団結ガンバロー」を三唱。3・11福島県民大集会の勝利への奮闘を誓い合った。

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週刊『前進』(2525号1面3)(2012/02/27 )

 三里塚、PKO派兵弾劾に立つ

 2月19日、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで、南スーダンへの自衛隊PKO派兵に対し「成田からの出兵阻止!」を掲げた緊急現地闘争が闘われた。写真手前は北原鉱治事務局長=記事5面。反対同盟が発した3・25三里塚全国総決起集会招請状は3面に掲載

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週刊『前進』(2525号1面4)(2012/02/27 )

前進速報版から 前進速報版から

▼動労千葉運転士登用差別事件で最高裁が逆転反動判決▼動労西日本を先頭に岡山市内で12春闘第1波行動、集会とデモをうちぬく

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週刊『前進』(2525号1面5)(2012/02/27 )

 【要項】 原発いらない!3・11福島県民大集会、国際婦人デー行動(東京 3・3)(関西 3・7)

原発いらない! 3・11福島県民大集会

 3月11日(日)午後0時半 開場/午後1時 オープニングコンサート
 午後2時 集会開始/午後3時15分 行進出発
 開成山野球場(福島県郡山市開成1丁目5―12)
 主催/福島県民集会実行委員会

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 3・3国際婦人デー行動(東京)、3・7国際婦人デー集会(関西)

■東京 3・3国際婦人デー行動

女たちの東電デモ&集会「命よりも金もうけの社会を変えよう!」
 ★東電・銀座デモ 3月3日(土)正午 日比谷公園かもめ広場
 ★集 会     3月3日(土)午後2時 京橋プラザ区民館
 主催 3・8行動実行委員会
 連絡先 婦民全国協関東ブロック/東京労組交流センター女性部
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■関西 3・7国際婦人デー集会

革命的大動乱の今 フクシマの怒りと結びつきすべての原発をいますぐとめよう! 労働者民衆に力あり!
 3月7日(水)午後6時開場 エル大阪/大会議室
 主催 婦民全国協関西ブロック/関西労組交流センター女性部

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週刊『前進』(2525号2面1)(2012/02/27 )

 外注化-非正規職化阻止の大攻防へ

 最末期帝国主義の危機と外注化

 新自由主義の基軸的な攻撃と全面的に立ち向かう国鉄決戦

 JRの4・1全面外注化をめぐる国鉄決戦、大阪市長・橋下による労組絶滅型の公務員解雇(非正規雇用化)−民営化攻撃など、日本階級闘争は重大な決戦に入っている。これに対して労働者がいかに団結して闘っていくのか。それをつかみとるためにも「日本の労働者階級は今、どういう時代の中に生きているのか」「労働者の存在は、世界と日本の情勢とどういう関係にあるのか」――すなわち労働者階級の時代認識を階級決戦論の中心に打ち立て、敵の攻撃を見据え、労働者階級の団結と闘争のために全力で決起することを訴えたい。

 分割・民営化から始まった雇用と賃金を破壊する攻撃

 2011年の日本の貿易収支が、1980年以来、31年ぶりに赤字となった。自動車や半導体を中心に輸出で稼ぐ貿易立国だった日本で輸入が輸出を上回る「異常事態」(朝日新聞)である。
 2012年3月期の決算見通しでは、電機産業で過去最大級の赤字見通しが続出している。壊滅的事態である。パナソニックはテレビ事業を中心に巨額赤字に陥り7800億円の赤字(製造業で過去最大規模)、シャープも創業(1912年)以来最大の2900億円の赤字となる見通しだ。
 ソニーの純損益はマイナス2200億円。4年連続の赤字でストリンガー会長が退任に追い込まれた。テレビ事業で8年連続の赤字、株価が急落し、「倒産寸前」との報道もある。日立製作所はテレビ自社生産から完全撤退を今年1月に決定。パナソニックも巨額赤字の原因となったテレビ事業の見直しで兵庫県尼崎市の最新鋭工場を停止する。NECは1万人の雇用を削減、TDKは国内7工場を閉鎖する。
 2011年の自動車大手8社の生産・輸出実績は、前年比13・4%減の797万8541台に落ち込み、2年ぶりに800万台を割り込んだ。4期連続の赤字が続くマツダは、海外生産比率をいまの30%から2016年に50%まで引き上げる計画だ。
 「貿易赤字のかなりの部分は日本の製造業が海外に出ていっていることに起因している。歯止めをかけないと、日本そのものの衰退につながる」(林田英治JFEスチール社長、日本鉄鋼連盟会長)
 こうした危機感を表明しながらも、ブルジョアジーは大恐慌の中での生き残りをかけて、電機産業を中心に、EMSと呼ばれる生産工程の海外企業への全面委託を進めている。これは、生産はすべて海外の受託企業に行わせながら、製品は自社ブランドで売るという方式だ。

 「途上国並みの賃金」を呼号し

 こうした業務の外注化は、1980年代の国鉄分割・民営化を機に全面化した。
 日本経済の「失われた20年の起点」ともいわれる1985年のプラザ合意以降、円高が急速に進み、輸出で利益を稼げなくなった日本企業は海外生産を増やしてきた。多くの製造業が、賃金の安い国へ次々と工場を移転した。
 他方で、品質の高さを武器に国際競争力を形成していた大手製造業は、デジタルカメラや薄型テレビなどの最先端商品は国内で生産を続けることを選んだ。国内生産を継続した企業にとって最大のネックとなったのは人件費と立地コストだ。
 その中で、国鉄分割・民営化と総評解体という階級的力関係の転覆を背景に、日本のブルジョアジーが手を染めたのが偽装請負−アウトソーシング−非正規雇用化であり、それを通して「途上国並みの賃金」へ突き落とす攻撃だった。バブル崩壊後の就職氷河期で困っていた青年労働者は、派遣や請負労働者として数百万人規模で製造業の工場に吸い込まれていった。
 それ以降、労働者派遣法の製造業派遣の解禁(2004年3月施行)など労働法制が次々と規制緩和され、各地の自治体が100億円規模の補助金を出して工場を誘致した。政府の手厚いバックアップのもと、労働基準法も労働安全衛生法も顧みられない非人間的な偽装請負によって、日本の製造業は労働者の生き血を吸って生き延びてきたのだ。
 しかし今、こうした構図さえ丸ごと吹き飛ぶ事態が始まっている。世界大恐慌と大震災は日本経済の心臓部を直撃した。今や日本帝国主義は、他の帝国主義と対抗して争闘戦を展開する力も失いつつある。貿易赤字への転落は一時的なものではない。生産拠点の海外流出は急速に進んでいる。貿易赤字の定着とさらなる拡大は必至だ。

 公務員リストラを突破口に戦後的労資関係の解体狙う

 長い間、日本は大幅な経常黒字(貿易収支・サービス収支・所得収支・経常移転収支の四つで構成される)を続けてきた。1979年と80年に石油価格上昇で一時的に赤字になったことがあるが、それ以降は黒字が続いた。黒字額は国際的にみても巨額で2005年まで世界一だった。多額の貿易黒字が対外投資を増やし、さらに海外収益が増える。日本は雪だるま式に経常収支を増やしてきた。2010年の対外資産は251・5兆円で、第2位の中国の167・7兆円を圧倒的に引き離している。
 だが、製造業の壊滅で、これとは逆のことが起きるといわれている。経常収支が赤字に転落するのは数年後と予測されている。
 これから何が起きるのか。製造業などの輸出型産業では、倒産や海外移転に伴う工場の閉鎖や解雇、海外アウトソーシング攻撃が重大問題となる。鉄道や医療、行政など内需型の産業では、民営化・外注化・非正規職化がさらに加速することは不可避だ。
 製造業の壊滅的危機は雇用情勢に如実に現れている。国内での製造業の就業者数はリーマンショック前後の1年間で約100万人減少した。その後に企業業績が回復しても減少傾向は止まっていない。1991年から約500万人減り、1千万人を割るのも目前だ。
 日本国債の暴落も時間の問題になっている。現在の国の借金は約959兆円。2012年度末に1千兆円を超えるのは確実だ。
 銀行最大手の三菱東京UFJ銀行が日本国債の急落に備えた「危機管理計画」を作ったことが明らかになった。「急落シナリオ」では、貿易赤字や海外収益の目減りで2016年には経常赤字に転落する可能性があると推計、長期国債の金利が今の1%から3・5%に上がる恐れがあるとしている。1千兆円の借金で金利が2・5%も上がれば文字どおり「ジ・エンド」だ。
 ギリシャの政府債務危機から始まった世界的な国債暴落は、イタリア、スペイン、ポルトガルへと広がり、EUの中軸であるフランスやドイツをも脅かしている。これは日本にとっても対岸の火事ではない。日本政府の借金は国内総生産(GDP)の2倍を超す大きさだ。ギリシャやイタリアよりもずっとひどい。
 こうした中で資本と野田政権は、財政危機を逆手にとって、公務員労働者への首切りと大幅賃下げ、労組破壊の攻撃を仕掛けている。その先頭に立っているのが、大阪市長・橋下だ。
 それはまた、正規雇用と年功賃金などの戦後的労資関係を最後的に転覆する一大突破口として位置づけられている。
 もはや日本資本主義は労働者を食わせられない。「復興特区」をもテコに、大失業と非正規雇用化、民営化と外注化、大増税と社会保障の解体――労働者や農民の生活を徹底的に破壊し、使い捨てにする歴史的な攻撃が迫っている。命脈が尽きたブルジョアジーの資本攻勢を、労働者階級が本当に勝利する条件に転化しなければならない。

 “フルアウトソーシング”を叫び転籍強要と非正規職化

 このままでは破局しかないブルジョアジーの中軸的攻撃は、端的に言えば外注化と360万人公務員の首切り攻撃だ。
 元通産官僚の村上世彰(村上ファンドを設立、その後、逮捕)が執筆した『アウトソーシングの時代』(日経BP社、1999年)が核心を突いた指摘をしている。少し古い本だが、この十数年の支配階級の問題意識を知るために引用したい。
 「なぜ今アウトソーシングなのか」「(多くの企業は)あたかも、巨大な体躯(たいく)を持て余し、迫り来る絶滅を前にのたうつ瀕死(ひんし)の恐竜を思わせる」「圧倒的なノウハウや技術力を蓄積し、それによって大量生産した製品やサービス商品に、広告などで付加価値をつけ、広く普及させる自前主義戦略は、いまや過去のものとなりつつある」「かつて『半導体は産業の米』と言われた。これからは『アウトソーシングは産業組織の米』と言えるのではないか」
 村上は、系列会社への受注や派遣労働者への置き換えという次元ではなく「フルアウトソーシング」を提起している。ある部門を丸ごと、労働者も設備も含めて全機能を外注会社に放り投げよ、と言うのだ。村上は、ヒト・モノ・カネ、情報までも流動資産へと変化させ「持たざる経営」となることこそ、株主価値を増加させ新自由主義の時代に企業が生き残る方法だと主張している。
 「現在は雇用慣行などのために、さほど広まってはいないが……その障害をクリアし(新たな外注化の)段階を進めることで、アウトソーシングの持つ真の効用が得られるばかりか、さらに大きなコスト削減効果も期待できる」 
 村上の最大の関心事は”人員の転籍”だ。つまり、部門丸ごと外注化するフルアウトソーシングでこそ、終身雇用や年功賃金などの戦後的慣行を破壊できると提言しているのだ。
 村上の主張は、”全産業・全企業で国鉄分割・民営化型の資本攻勢を行え”ということだ。

 分割・民営化時 超える闘いに

 こうした考え方が、JR東日本の「ニューフロンティア21」など一連の経営計画の要をなしている。今日の日帝ブルジョアジーの資本攻勢の中軸としてある業務外注化攻撃とは、広い意味で、80年代の国鉄分割・民営化攻撃と完全に同質の、階級的力関係を転覆する攻撃そのものだ。
 動労千葉がこの攻撃を「国鉄分割・民営化の完遂を狙った第2の分割・民営化攻撃」と位置づけ、10年にわたり対決してきた意義は大きい。
 もちろん現実の階級社会は実験室とは違う。職場生産点には6千万人のプロレタリアートが人間的な誇りと感情をもって働き、賃金労働によって生活している。そして、戦後60余年の階級闘争の歴史と経験の蓄積がある。外注化攻撃とは、資本が生き延びるために労働者の誇りや技術、責任感も安全も丸ごと投げ捨て、雇用や賃金、労働条件のすべてを破壊し、労働者を使い捨てにする攻撃だ。激しい階級的激突は不可避なのだ。
 では国鉄分割・民営化攻撃の開始以来30年、なぜ外注化や偽装請負がまかり通ってきたのか。それは何よりも、個々の産業・職場の攻防において労働組合が屈服・協力してきたからだ。労働組合が屈服しない限り、敵の外注化−非正規職化攻撃との闘いは、資本主義の息の根を止めるものへと転化する。
 動労千葉は今、外注化−非正規化攻撃に屈服してきた日本労働運動の転換をかけて決戦に決起している。10年間の血のにじむような外注化阻止闘争によって打ち立てた職場支配権を背景に、1人の青年労働者の決起から平成採の一大反乱(JR総連解体闘争)を切り開こうと組織の総力をあげた闘いに入っている。それは、70年代の船橋事故闘争、三里塚ジェット燃料貨車輸送阻止闘争、動労本部からの分離・独立闘争、そして国鉄分割・民営化反対闘争といった歴史的決起とまったく同質の、いやそれを超えるような大闘争として発展していく渦中にある。
 この闘いの勝利は、労働者が団結して闘うことに展望があることを示し、労働運動再建への決定的なインパクトとなる。JRの全面外注化を阻止する決戦に労働者の未来はかかっている。

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週刊『前進』(2525号2面2)(2012/02/27 )

 動労千葉運転士登用差別事件 最高裁の反動判決弾劾

 “この怒りを職場の闘いに”

 動労千葉の運転士登用差別事件で2月23日、最高裁第一小法廷(櫻井龍子裁判長)は、JRの不当労働行為を認定した高裁判決を破棄する反動判決を出した。
 3年余り前の08年12月には同じ内容の裁判で動労水戸は勝利している。しかも同じ最高裁第一小法廷、同じ櫻井裁判長だ。絶対に許せない。
 判決の主文読み上げはわずか5秒。裁判長は逃げるように退廷した。
 判決後、最高裁前で、はちきれんばかりの怒りが爆発した。
 組合側代理人の広瀬理夫弁護士は「二十数年間闘ってきた当該の思いが一瞬で否定された。判決文はJRの言い分をうのみにして、すべて形式論で切っている。しかも許せないのは、自らが判決を出した動労水戸事件との関係に一言も触れていないことだ。動労水戸の”み”の字も出てこない。最初から結論を決めておいてJR側の言い分をなぞっただけの、本当にふざけた判決だ」と怒りをぶちまけた。
 田中康宏委員長は「ふざけるな最高裁! 三十数年にわたって虐げられてきた労働者の気持ちを分かってんのか! 運転士登用だけじゃなく、当該の仲間は無人駅の掃除やホームでの牛乳販売など、どれだけひどい扱いを受けてきたのか。こんな最高裁みたいなとこでヌクヌクしている連中には、そういうことが分かんないんだよ」と怒りをあらわにした。さらに「判決文はわずか数ページ。おれたちだけじゃなく本当に多くの労働者が苦しめられ、差別され、自殺に追い込まれてきた。それをやった連中が今日の判決を書いたんだよ。決意を新たにしなければならない。こんな間違った国はぶっ倒さないといけない。あらためてそのことを決意しました」と述べた。
 当該の組合員は「本当に悔しいですね。これでも法治国家かと言いたい」「この怒りを外注化阻止に向け、ぶっ倒すまで闘う」「残念でなりません。当該の10人は全員が検査部門で働いています。この怒りを外注化阻止の闘いにぶつける」と次々と発言した。
 動労水戸からもこの日、同じ運転士登用差別事件の当該組合員が支援に駆けつけ「動労水戸となぜ違う判決が出るのか。動労千葉と動労水戸が団結するのがこわいからだ。動労水戸でも裁判には勝利したが、いまだに会社は非を認めようとしない。職場から闘い、力づくで会社に頭を下げさせるしかない。今日、一つの結果が出ましたが”だからなんぼのもんじゃい!”という話です。千葉と水戸で固く団結し、こんな判決はひっくり返そう」と発言した。
 川崎昌浩執行委員は「闘いはこれからだ。判決への回答はただ一つ。職場からの壮大な反乱をつくり、何十人、何百人という若い仲間を獲得することだ。反動判決を出した裁判長に、こんな判決を出したおかげで運動が盛り上がってしまったと後悔させてやろう」と呼びかけた。
 最後に結集した組合員と支援は、最高裁に向かって力いっぱい怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。
(写真 「ふざけんな最高裁! こんな間違った国家はぶっ倒す!」。裁判終了後、烈火のごとく怒りを爆発させて発言する田中委員長【2月23日 最高裁南門前】)

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週刊『前進』(2525号2面3)(2012/02/27 )

 銚子46人減、千葉転27人減 基地統廃合粉砕へ

 動労千葉 訓練拒否し長期スト

 JR千葉支社は2月17日、動労千葉に対して千葉支社管内の運転基地再編に向けた労働条件(要員数、行路など)の提案を行った。運転基地の統廃合をめぐる攻防もきわめて重要な局面に入った。動労千葉の拠点破壊、強制配転―組織破壊攻撃を絶対に許すな! 昨年11月から指名ストライキで闘っている動労千葉と連帯して闘おう!
 提案された内容は左の表の通りだ。

 伝統的拠点に手をかける

 運転士関係では、千葉運転区が27人の減、銚子運転区(86人)が廃止され新設される銚子運輸区は40人、銚子では運転士が46人の大幅減となる。新設される佐倉運輸区の運転士は73人。
 車掌関係では、成田車掌区(82人)は廃止、千葉車掌区が88人減、新設される佐倉運輸区が122人、銚子運輸区43人と提案されている。
 あわせて数百人の運転士・車掌が異動になる。動労千葉の伝統的拠点である千葉運転区、銚子運転区に手をかける大攻撃だ。新運輸区の開設は、当初は3・17ダイヤ改定時とされていたが、昨年末に「準備が整わないから」との理由で「5月実施」が再提案されている。また、今回は要員数(区所ごとの標準数)が提案されただけで「最終的な異動の人数」「異動の人選の基準」は示されていない。また、本人希望を尊重して異動を行うのかどうかについても千葉支社はいまだ回答していない。
 提案に対して動労千葉は、本人の希望を最大限尊重すること、あらためて本人からの希望調査を実施することを求めた。

 “組織破壊絶対に許さない!”

 職場の統廃合は、最大の組織破壊攻撃だ。
 JR千葉支社は昨年11月、新設する運輸区の要員や行路数を明らかにしないまま、一方的に配転のための線見訓練を開始した。今回の基地統廃合を、動労千葉への組織破壊攻撃に最大限使いきるためだ。
 これに対して動労千葉は、銚子支部が11月5日から、千葉運転区支部が12月20日から訓練拒否の指名ストに入った。一糸乱れぬ団結で今日まで4カ月にわたって長期の波状ストを闘い抜いている。これ自身が実に画期的な闘いであり、会社をを追い詰めている。
 2・15国鉄集会で、銚子支部の渡辺靖正支部長は「これは会社の人事権を使った組織破壊攻撃そのものだ。銚子運転区の廃止、成田車掌区の廃止、佐倉運輸区の新設にはなんの合理性もない。行政にも働きかけ反対の声をあげてくれるようお願いしている。支部一丸となって闘う」と決意表明した。千葉運転区支部の大野茂支部長は「組織破壊は絶対に許さない! 強制配転も絶対に許さない! それでも強制配転するというなら、やってやろうじゃないですか。動労千葉の旗を高々と掲げ、佐倉支部を結成します。そして銚子、佐倉、千葉運転区で一大組織拡大闘争を展開することを宣言します。外注化阻止闘争と比べたら小さな闘いかもしれないが、こうした闘いの勝利なくして国鉄闘争の勝利はない」と言い切った。

 地方線を切り捨てるJR東

 運転基地再編はローカル線の切り捨てそのものだ。JR東日本は大震災後の収益が急回復しているにもかかわらず、ローカル線切り捨ての姿勢をさらに強めている。
 津波被害を受けた東北沿岸部の在来線7線区のうち山田線、大船渡線について、2月7日の会見で清野智社長は、当面、鉄路の復旧でなく専用道によるバス高速輸送システム(BRT)を導入する考えを明らかにした。地元は猛反発している。
 首都圏でも、「東京駅から70`圏の直通運転」を増発し、それ以遠の線区については次々と削減を進めている。銚子運転区廃止―佐倉運輸区新設もその一環だ。金もうけのためなら、無慈悲に地方を切り捨てるJR東日本は絶対に許せない。
 3月10日には、銚子運転区の呼びかけで「銚子運転区・成田車掌区廃止反対!ローカル線切り捨て反対!/総武本線・成田線沿線・銚子地域集会」が午後1時からJR銚子駅前で開催される。全力で駆けつけよう。
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 JR千葉支社が提案した要員数(2月17日)

 区所名、運転士、車掌、管理、事務
 千葉運転区、163→136(▲27)、無、13→12(▲1)
 千葉車掌区、無、212→124(▲88)、11、2
 銚子運転区(廃止)、86→0、無、10→0、2→0
 銚子運輸区(新設)、40、43、10、2
 佐倉運輸区(新設)、73、122、12、2
 成田車掌区(廃止)、無、82→0、9→0、2→0

 現改比較、+−0、▲5、+2、+−0

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週刊『前進』(2525号3面1)(2012/02/27 )

 JR総連に青年の反乱を

 JR新人事・賃金制度許すな

 団結破壊と賃下げ容認 東労組が裏切って妥結

 JR東日本が4月1日実施をもくろむ新人事・賃金制度について、JR総連・東労組とJR連合・東日本ユニオンは1月31日、会社の提案をのんで妥結した。2月14日には、国労東日本本部も妥結した。これはまさに、青年労働者を始めJRの全労働者の未来を資本に売り渡し、団結を自ら解体する裏切りだ。

 賃金表廃止し徹底的な分断

 新人事・賃金制度は、国鉄時代のものを大枠で承継してきた今までの賃金体系を抜本的に改悪する攻撃だ。JRは、労働者をとことん分断し、競争を強いて団結を破壊することを狙っている。
 新人事・賃金制度の最大の問題は、等級・号俸という形で定められてきた今までの基本給表を廃止することにある。賃金額は労働者一人ひとりに個別に発令され、資本の恣意(しい)がまかり通ることになる。
 新制度では、初任給と所定昇給額は定められるが、「勤務成績が特に優秀な社員については、所定昇給額以内の金額を特に加算することがある」とされている。労働者を徹底的に競わせ、資本に忠誠を誓った者だけが「特別加給」の対象になるということだ。「特別加給」には、「所定昇給額以内」という上限の基準があるだけで、具体的な金額は資本の裁量に任される。逆に「勤務成績が特に良好でない者」は昇給額が削られる。
 これによって、労働者の間で誰がどのくらいの賃金を得ているのかはまったく分からなくなる。基本給表が廃止されれば、ベースアップという概念もなくなる。賃金闘争そのものを解体・一掃することが、新人事・賃金制度の狙いだ。

 全世代に及ぶ大幅な賃下げ

 新制度では、初任給は引き上げられるが、定期昇給幅は引き下げられる。これにより、現在の青年層が55歳に達した時の賃金は、今より1万円以上も下がる。このため退職金も年金受給額も大幅に減る。JRは「生涯賃金ベースでみれば底上げになる」とうそぶくが、まったくのうそだ。
 現在、JR東日本は、55歳以上の労働者の賃金を9割に、57歳以上の労働者の賃金を8割に引き下げる制度をとっている。新制度でこれは廃止になるとされるが、経過措置がとられるため、すぐには全廃にならない。にもかかわらず、退職特別加算金は半減される。現在は満60歳で定年退職すれば支給される特別加算金100万円が50万円に削られるのだ。
 新制度は真っ先に青年層を直撃するが、大幅賃下げは全世代に及ぶ。
 新制度のもとでは、現在の等級区分も変えられて、「主務職」「技術専任職」という新たな職名が設けられる。

 資本の専一的職場支配狙う

 「主務職」は「人材育成体制の強化・充実」のための「職場のフォアマンクラス」と位置づけられている。東労組カクマルとの結託体制の清算をも視野に入れ、助役の下にフォアマン(職長)層を育成し、資本による専一的な職場支配を確立することがJRの狙いだ。
 さらに主幹職・技術専任職・主務職には、最高6万円の管理手当などが払われる。一般労働者には賃下げを強い、管理職には手厚く報いるのだ。
 昇進については、「係職→指導職→主任職→主務職」が一般的な昇進ルートとされているが、「指導職→主務職」への飛び級試験の制度も設けられる。徹底した競争があおられるのだ。
 新人事・賃金制度は、業務の全面外注化と一体の攻撃だ。JR東日本は、検修業務の全面外注化に加え、駅業務も丸ごと外注化しようとしている。この全面外注化を前提とした賃金体系をつくり出すとともに、労働者の団結を徹底的に破壊して、外注化をさらに進めようと策しているのだ。
 これは、経団連が12年版経営労働政策委員会報告で打ち出した路線を最先端で貫く攻撃だ。経労委報告は、ベアは論外・定昇は凍結とした上で、「賃金(賃金カーブ)の個別化」を挑発的に唱えている。賃金表の廃止というJRのやり方は、その最たるものだ。原発再稼働の突撃隊として登場したJRは、人事・賃金政策においても反革命的突出に踏み込んできた。

 青年を資本に売るカクマル

 新人事・賃金制度の妥結に当たり、東労組は「職場に過度な競争を持ち込まないことを確認」したなどという中央執行委員会声明を出した。
 だが、JR東日本が今年1月に行った修正提案は、新設される職の名称だけを変更し、「飛び級試験」に受験回数の制限をつけ、55歳以上の賃金減額幅をほんのわずか緩めた程度で、制度の根幹をなんら変えるものではない。こんな修正は妥結の理由にならない。
 圧倒的な青年労働者が新人事・賃金制度に反対する中で、東労組カクマルはこの間、「安全を基礎に技術継承できる人事・賃金制度の実現を」と空叫びし、青年の怒りをかわそうと必死になってきた。だが、今回の妥結でその正体は現れた。
 JR東日本は、08年3月に打ち出した「グループ経営ビジョン2020−挑む−」の中で、「人事賃金制度を戦略的に見直す」とうたっていた。資本の攻撃の先兵となる以外に延命の道を失った東労組カクマルにとって、青年の怒りに背を向けて妥結するという方針は、08年以来、あらかじめ決められていたものなのだ。
 そもそも、「職場に過度な競争を持ち込まない」と言うのなら、検修業務の外注化を率先して推進する東労組カクマルの姿は何だ! 外注化こそ、JR直轄業務に残ろうとする競争を極限的に激化させるものだ。
 他方、国労東日本本部は、「公正・公平な試験制度の運用」「透明性ある人事考課」を求めるのみで、制度そのものを根幹で容認する姿勢に終始した。新人事・賃金制度の狙いが徹底した労働者の分断にある以上、こんな哀願が通用するわけがない。この屈服の上に、国労東日本本部は、包括和解以来の経過が議事録確認されたからとして、資本に一層の忠誠を誓って妥結に至ったのだ。
 だが、こうした事態は、JR資本とこれに屈した体制内労組幹部への労働者の怒りをかき立てるだけだ。動労千葉は4月全面外注化阻止へ総力の闘いを展開し、青年労働者の組織化に全力を挙げている。この闘いに全職場から続こう。今こそ青年労働者の怒りを行動に組織し、JR体制と東労組カクマルへの大反乱をつくり出そう。

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週刊『前進』(2525号3面2)(2012/02/27 )

 鉄道運輸機構訴訟 結審策動を押し返す

 次回は小玉さんの証言に

 一昨年の4・9政治和解を拒否して国鉄1047名解雇撤回闘争を闘いぬく国労秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟が2月21日、東京高裁第14民事部(設楽隆一裁判長)で開かれた。
 この日の裁判は、原告側が請求した葛西敬之・現JR東海会長らの証人申請の却下と結審強行を許すのか否かが、最大の焦点となっていた。昨年10月の進行協議で裁判長は、原告・被告の双方に、これまでの主張をまとめた準備書面を出すよう求めていた。これは判決文を書くための準備にほかならず、この日で結審という事態も十分に予想されていた。
 しかし、小玉さんと代理人団は、証人調べの必要性をも突き出す形で、主張を要約した117nに及ぶ書面を裁判所に提出し、結審策動を何としても許さない構えで裁判に臨んだ。
 冒頭、代理人の藤田正人弁護士が、小玉さんの名前はJR採用候補者名簿に載せられていたにもかかわらず、最終段階で名簿から削られた経緯をあらためて暴露した。そして、小玉さんらの名前を採用候補者名簿から削除するよう指示した葛西らの証人尋問は必要不可欠だと論陣を張った。
 これに対し、鉄道運輸機構側の向井千杉弁護士は、「どんな理由であれ小玉さんの名前がJR採用候補者名簿に載らなかった以上、JR採用の余地はなく、国鉄清算事業団から解雇されたことも当然だ」と言い放ち、「いずれの証人も本件の争点と関係なく、証人調べは不要だ」とうそぶいた。国鉄改革法を盾に解雇を居直る言いぐさに、法廷の怒りが渦巻いた。
 設楽裁判長は、「原告の小玉さんの証人調べを行う」と述べ、葛西ら他の証人の扱いについては明言を避けた。結審強行への怒りを恐れた裁判長は、こうした形でひとまずその場をのりきるほかはなかったのだ。
 次回は5月17日。小玉さん自身が証言に立つ。
 裁判後の総括集会で、小玉さんは「2・15集会570人の結集に見られる法廷外の闘いが効いている。国鉄闘争の火を消さないことが敵にダメージを与える」と述べ、藤田弁護士は「われわれの意気込みが結審策動を粉砕した」とこの日の闘いを総括した。
 裁判に先立ち、「共に闘う国労の会」はJR東日本本社への弾劾行動に立ち、解雇撤回と外注化阻止の決意を示した。
 国鉄闘争全国運動を基軸に1047名解雇撤回をあくまで貫き、階級的労働運動の復権へさらに激しく闘いぬこう。
(写真 裁判に先立ち、「葛西証人を採用しろ」と東京高裁にこぶしを挙げた【2月21日】)

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週刊『前進』(2525号3面3)(2012/02/27 )

 橋下「維新八策」粉砕せよ

 労組破壊「アンケート」凍結の勝利

 本部の屈服のりこえ団結し闘おう

 団結破壊への職場の怒り

 「団結破壊アンケートを拒否しよう! 市職本部は拒否方針を今すぐ出せ!」――関西労組交流センター自治体労働者部会は2月13日から16日まで大阪市役所本庁・区役所などに、橋下徹大阪市長が処分の脅しと業務命令で強制してきた「労使関係アンケート調査」を拒否しようと訴えるビラ入れを行い、職場の怒りと結合していった。
 1月の市職ユース部選で「橋下をストライキで打倒しよう」と訴えた候補に199票が寄せられ、2月3日には橋下打倒集会への参加を訴える大宣伝隊と本庁労働者の感動的合流が実現した。
 橋下は、市労連委員長を“最敬礼”させても、市労連に結集する現場労働者の怒りと軽蔑(けいべつ)に包囲されていることを自覚している。
 そこで業務命令による「労使関係アンケート調査」なるものを仕掛けてきた。2月9日に「大阪市長・橋下徹」署名で配られた通知は、「回答しなければ処分」、密告すれば「処分を軽減する」と前置きし、質問事項として「市役所の組合が行う組合活動に参加したことがあるか」「組合活動に誘った人、誘われた場所、誘われた時間」等が入っており、「氏名、職員番号、所属部署、職種、職員区分」を記入せよとなっている。組合員の思想調査なのだ。その「報告先」は東京にある弁護士事務所だ。

 わずか1週間で「凍結」表明

 どこまで労働者を愚弄(ぐろう)するのか! だが「圧勝」で市長になったはずの橋下は、就任早々脅しと密告しかすがるものがないという末期的な破綻をさらけだした。そして2月17日、早くも「アンケートの凍結」表明に追い込まれた。「業務命令」からわずか1週間である。
 2月13日、市労連組合員約1千人が緊急抗議集会に結集し、現場労働者の反撃は開始された。集会場は、むき出しの団結権侵害への怒りと熱気で沸騰していた。ところが同日、市職本部は「回答拒否で職務命令に従わなければ、組合員に不利益が生じると想定されるので、アンケートは各自の判断で実施してもらう」なる通達を回した。
 市労連本部は、労働者の怒りに火がつくこと、橋下の新自由主義、道州制攻撃への怒りが闘いを放棄する者たちにも向けられることにすくみあがり、労働委員会に「不当労働行為」の救済を申し立て、緊急抗議集会を行った同じ日に、闘いの鎮静に奔走していたのだ。
 現場の仲間はあらためて自覚した。職場で自らの団結と拠点をつくり出すことこそが、橋下と対決し勝利する道だと。アンケートを凍結に追い込んだ力は、市労連幹部ではなく、怒りに燃える自分たちの存在だと。
 新自由主義は、労働者階級が絶対反対で対決するとき、見かけの凶暴さがはがれ落ち、その本質的もろさを露呈する。団結こそ勝利だ。大恐慌に悶絶(もんぜつ)する新自由主義攻撃を階級的団結の拡大でプロレタリア革命に転化しよう。その最大のチャンスなのだ。
 橋下は「アンケート」を仕掛けて吹き飛ばされるまでの1週間、2月議会に向けた職員基本条例案・教育基本条例案、市政改革基本方針案、予算案などの策定と同時に、2月14日に公表した「維新八策」なるものの策定にのめりこんでいた。(同15日には大阪市教育長名で市立学校長に対し、入学式・卒業式で教職員に「君が代」を起立・斉唱させる職務命令を出すよう通知した)

 「統治機構の改革」で改憲狙う

 この橋下の「維新八策」なるものは8分野90項目。「自己決定、自己責任、自己負担で地域が自立する」という「道州制」を軸に以下の項目を列挙してしる。
 @統治機構改革、地方分権、地方交付税廃止、A行財政改革、人件費3割カット、B公務員制度改革、職員・教育基本条例案の法制化、C教育改革、教育委員会設置の選択制、バウチャー制度導入、D社会保障・年金制度改革、E経済・税制、自由貿易圏の拡大(TPP推進)、法人税と所得税率の引き下げ、資産課税と消費増税、F外交・防衛での日米同盟基軸、日本全土の基地化、領土の自力防衛、G改憲、首相公選制度、参院廃止、首長の議員兼任、改憲に必要な衆参での賛同数を3分の2から2分の1に減らす。
 これは日帝ブルジョアジーの利害をむき出しに表現したもので、消費増税と法人減税、TPP推進などは野田政権と日本経団連の意向そのものだ。ペテン的に言及していた「脱原発」は完全に消えうせた。
 この「維新八策」なるものは、74〜75年恐慌を新自由主義でのりきろうとした日帝ブルジョアジーが、国鉄分割・民営化の強行にもかかわらず、国鉄を先頭とする労働者階級を打ち破れず、「失われた20年」を強制されて脱落帝国主義に転落した悲鳴でしかない。
 東京都知事の石原慎太郎が「僕が昔から言ってきたこと」などと持ち上げるが、右翼分子どもの長年の悲願が何も実現できないことへの悲鳴だ。「国家観がない」(平沼赳夫)「マクロ政策がない」(高橋洋一・小泉元首相のブレーン)「たたき台のたたき台」(中田宏元横浜市長)などと言い訳だらけだ。
 こうした反動施策が手遅れであることは、橋下に群がるブレーンたちも半ば自覚している。前書きの「国の自立、地方の自立、個人の自立」とは、道州制による軍事外交から医療福祉にいたる新自由主義政策の表現だが、自己矛盾に満ちている。ひたすら社会的矛盾、階級的矛盾を激化させ、帝国主義の危機を加速させ、革命的情勢を促進するものだからだ。
 また大阪府や市での橋下・維新の会の攻撃の「スピード感」なるものは、国鉄分割・民営化以来、四半世紀も自治体労働運動や教育労働運動を解体できないことへの焦りの表明だ。

 国鉄決戦先頭に大攻勢を!

 2012年3月、闘う労働者人民は新自由主義への決定的な闘いをたたきつけ、階級的総反撃の火ぶたを切る。
 何よりも支配階級を国鉄分割・民営化25年目の総破産に追い込む、外注化阻止・非正規職撤廃、国鉄1047名解雇撤回の国鉄闘争だ。4・9反革命(国鉄1047名闘争の政治和解)と対決する国鉄決戦が、今まさに新自由主義を打ち倒す労働者階級の最先頭で火を噴いているのだ。
 動労千葉は4・1全面外注化攻撃の粉砕、外注化阻止・非正規職撤廃と日本労働運動の再生へ大号令を発している。
 そして、3・11福島県民大集会は、あくまで原発推進に突き進む日帝・野田政権との大激突である。労働者階級の未来をかけた大決戦だ。天皇をかつぎ出しての「慰霊」を吹き飛ばし、労働組合旗を林立させて福島(郡山)に総結集しよう。
 さらに国鉄、被災地とと固く連帯して新自由主義と激突し勝利する闘いの拠点として、また橋下をひきずり込み打倒する攻勢的闘いとして八尾北・西郡決戦を据えきり、3・18闘争に全国から総決起しよう。
 八尾北・西郡決戦は、資本、政府、行政、議会、裁判所、警察権力を先兵とする新自由主義のあらゆる攻撃をうちかえし、階級的団結の拡大で勝利してきた。すべての労働者は、職場で八尾北・西郡のように闘おう! 大阪市職・大阪市教組をはじめ、全国の職場に闘う団結と拠点をつくり出し、労組破壊と改憲の橋下反革命をひきずり込み打倒しよう!
(川上憲一)
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 「維新八策」の狙い


統治機構改革
 ▽国政は軍事・外交政策に特化
 ▽戦後民主主義的議会制度の廃止
 ▽道州制の導入、地方交付税廃止

財政・行政改革
 ▽公務員の大量削減と賃金削減

公務員制度改革
 ▽公務員の「身分保障」を廃止

教育改革
 ▽首長による「教育の監視」強化
 ▽“競争原理”による教育制度へ

社会保障制度
 ▽保険料は強制徴収(税にする)
 ▽医療保険は「混合診療解禁による市場原理メカニズム」へ

経済政策・税制・雇用政策
 ▽TPP交渉を積極的に推進する
 ▽大企業への規制緩和を徹底する
 ▽労働者の解雇を自由にする
 ▽国民総背番号制、総確定申告制

外交・防衛
 ▽日米同盟で戦略的軍事再配置
 ▽海外派兵を積極的に推進する

憲法
 ▽首相公選制で独裁的権限を強化
 ▽参議院を廃止
 ▽改憲の手続きを簡単にする

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週刊『前進』(2525号3面4)(2012/02/27 )

 三里塚3・25全国集会へ

 反対同盟が招請状 “原点に立ち農地死守を”

 三里塚闘争は市東孝雄さんの農地を死守する決戦過程に突入した。三里塚芝山連合空港反対同盟はきたる3・25全国総決起集会に烈々たる招請のアピールを発した。故・鈴木謙太郎さんの無念と遺志を引き継ぎ全国から総力で結集しよう! 以下、招請状全文を紹介します。(編集局)
 全国の労働者、農民、闘う仲間のみなさん。3・11東日本大震災と原発事故から一周年を前に、反対同盟は被災地の怒りと闘いに連帯する決意を新たにします。原発再稼働と沖縄・辺野古新基地建設、TPP(環太平洋経済連携協定)強行の動きに対して、反対同盟は「国策」=空港建設絶対反対をつらぬいた46年の闘いの原点に立ち、農地死守の決戦をもって闘う決意です。
 三里塚の闘いは、体を張って市東孝雄さんの農地を守る決戦過程に突入しました。第3誘導路の完成期限まであと1年、遅延にあえぐNAA(成田空港会社)は昼夜兼行の突貫工事を強行しています。農地をめぐる裁判は最大の山場を迎えました。反対同盟は現闘本部破壊による闘争つぶしをうち破り、工事と日々対峙して裁判闘争を激しく闘っています。南スーダンPKO(国連平和維持活動)による成田軍事化のエスカレーションに対して、緊急闘争を構えて成田出兵を粉砕しました。農業を営みながら農地と農民の権利を守り、「国策」=空港建設と闘い続けています。
 3・11の未曽有の事態が教えたことは、人の尊厳と命の大切さです。求められているのは、利益のみを追い求める資本の論理の全否定であり、競争原理をもってするこれまでの価値観の転換です。ところが野田内閣はこの深刻な事態を顧みることなく、政治決断で原発事故の「収束」を宣言して子どもたちに低レベル放射能の危険を強制し、大飯原発のストレステストで再稼働を強行しようとしています。大惨事につけこんで資本が被災地を食い物にする「復興特区」の政策が、農漁民から農地と海を奪っています。この現実に心底から怒りがこみ上げます。
 そのさなかのTPP参加表明! 農業壊滅のみならず、金融、保険、医療、教育、雇用から食の安全に至る全産業分野に過激な市場原理をもちこむこの政策は、中小・零細農家切り捨ての「食と農林漁業再生実現会議」や「復興特区」、消費大増税と一体の暴挙です。
 ギリシャの財政破綻に始まるユーロ解体の危機と中東における戦争切迫、米韓軍事演習による北朝鮮への戦争挑発、中国との資源争奪――世界はかつてない危機にあります。原発再稼働は核武装への道であり、沖縄・辺野古の新基地建設、PKO派兵と武器輸出3原則の緩和は、この世界の争いに日本が参戦することにほかなりません。
 なにが「国策」「国益」か! それらに立ち向かい打ち破る闘いこそが正義である――そのように胸を張って言うことのできる情勢が到来しました。いまこそ大胆に、違いをこえて連帯し、巨万の力を生み出そう!
 反対同盟は、なによりも被災地・福島の人々の闘いに連帯します。その福島から全国農民の決起を呼びかける新たな農民運動が動き出しました。国鉄解雇撤回・外注化阻止・非正規職撤廃へストライキで闘う動労千葉と労農連帯の絆(きずな)を強め、沖縄、関西住民と連帯して闘おう。被差別人民と連帯し、あらゆる差別・抑圧を粉砕しよう! 学生の決起こそが未来を切り開く。韓国やアメリカ、そして全世界の労働者・農民と連帯して闘おう。
 3・25全国集会は、市東さんの農地を守る決戦を断固として宣言し、故・鈴木謙太郎さんの遺志を引き継いで闘うことを誓う総決起集会です。3・11反原発福島集会に決起し、3・25三里塚全国集会に総結集することを訴えます。
 2012年2月21日
(写真 農地死守決戦に立ち向かう反対同盟。スーダン派兵阻止闘争に決起【2月19日 成田市】)
 ………………………
 記
【集会名称】第3誘導路粉砕・市東さんの農地を守ろう!フクシマ連帯・原発再稼働許すな!TPP(環太平洋経済連携協定)反対!軍事空港粉砕・改憲阻止!
3・25全国総決起集会
【日時】3月25日(日)正午
【会場】成田市天神峰 反対同盟員所有畑
【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟
(連絡先)事務局長・北原鉱治 成田市三里塚115 TEL0476(35)0062
▼JR成田駅、京成成田駅からタクシーで東峰十字路まで約2500円
▼車は東関道成田インターから国道295号線に入り芝山町(空港)方向へ。日航ホテル手前で小見川県道を左折、天神峰トンネルを通って東峰十字路へ

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週刊『前進』(2525号4面1)(2012/02/27 )

 放射線被曝から命を守れ! 3・11福島集会へC

 低線量内部被曝の危険性

 被曝症例と生物分子学で解明 被曝労働が階級闘争の焦点に

 福島県は2月20日、浪江・川俣・飯舘の住民1万人を対象にした健康管理調査について、これまでの外部被曝線量の推計値が最大23_シーベルトと発表した。御用学者の山下俊一は、なんら根拠のない「年間100_シーベルト=安全」論をもちだし、「健康影響は考えにくい」と持論を繰り返した。福島原発事故による被曝をできるだけ小さくみせかけ、原発再稼働の道筋をつけることを狙っている。どんな量の放射線でもがんを誘発する可能性があることを無視し、内部被曝の問題を完全に蒸発させている点で、悪質きわまりない。

 20年代に内部被曝で労働者多数死亡

 放射能は目に見えず、においもせず、感覚でその存在を確かめることができない。しかし、それが人体を傷つけ殺す猛毒であることが、おびただしい犠牲をとおして明らかになってきた。
 労働者と被曝の問題を衝撃的に突き出した歴史的事件としては、1920年代の米国のラジウム・ダイヤル・ペインターの内部被曝が有名である。夜光時計を生産する工場を経営していた資本家は、ラジウムが含まれた夜光塗料を時計の文字盤に塗る際に、放射能の危険を知りながら労働者に対しては一切知らせず、筆の先を唇や舌でなめてとがらして作業することを強制した。その結果、ラジウムが体内に取り込まれ、数千人の女性労働者が内部被曝して骨肉腫や白血病などが多発し、命を失う人が続出した。
 原発や核兵器は、ウランやプルトニウムの核分裂のエネルギーを利用する。それは、ウラン採掘から始まって原子炉や再処理工場、そして核廃棄物埋設まで全過程にわたる被曝の問題を発生させる。米帝の核開発(マンハッタン計画)、その後の米ソ核実験競争、さらに原発の開発・稼働は、大量のウランを必要とした。ウラン鉱石が掘り出され、多数の労働者が坑内のラドンガスを吸って、肺がんを発症した。米国のハンフォード工場のプルトニウム製造(長崎の原爆もここで造られた)では、大勢の労働者と周辺住民が被曝した。5千人の風下住民がデュポン社を相手に集団訴訟を起こし、闘っている。
 「ヒロシマ・ナガサキ、ビキニを繰り返すな」と被爆者を先頭に闘われてきた日本の反戦反核闘争は、核と人類は絶対に相いれないことを訴え続けてきた。福島原発事故は、現場労働者の過酷な被曝労働の実態を暴き、原発を推進し被曝を強いる支配階級への労働者民衆の根源的怒りを爆発させている。被曝・内部被曝問題が階級闘争の攻防の焦点にますますなりつつある。

 DNAのらせん鎖を切断する放射線

 福島原発事故で放出されたヨウ素、セシウム、それにストロンチウムとプルトニウムなどが体内に取り込まれると、健康に深刻な影響を与える。ヨウ素131とセシウム137は両者ともβ線とγ線を出し、前者は甲状腺に蓄積して甲状腺がんや甲状腺結節、後者は筋肉や生殖腺に蓄積して乳がんや子宮がんなどの要因となる。β線を出すストロンチウム90は骨に沈着して骨がんや白血病に、α線を出すプルトニウム239は肺やリンパ節や血管そして骨や肝臓などに付着・移行して肺がんや骨がん、肝臓がん、白血病などになるリスクがある。γ線しか計れないホール・ボディー・カウンターでは、ストロンチウムやプルトニウムを計測することができない。
 人間は一つの細胞(受精卵)から始まる。1個が2個の細胞に分裂し、次々と分裂を繰り返し、60兆個もの細胞となり、人間の体が形成される。そして細胞は絶えず再生産を繰り返す。人間の生体の基本であるこのような細胞に対し、放射線は破壊的作用をもたらす。細胞→細胞核→染色体→DNA・二重らせん鎖→分子→原子というミクロの領域に関する研究によって、放射線の人体に対する影響の生物分子学的解明が次第に明らかになってきている。内部被曝・低線量被曝の危険を立証する内容が相次いでいる。
 原発事故で放出された放射性物質は、微粒子の状態で拡散する。呼吸や飲食をとおして体内に取り込まれた場合、α線、β線、γ線のうちα線とβ線が特に危険である。α線は体の中だと0・04_メートル飛んで止まるが、その間420万電子ボルトというエネルギーを放出し、10万個の分子を切断する。β線は体内中では10_メートル飛んで2万5千個の分子を切断する。
 細胞の核にあるDNA(遺伝物質)は、細胞の分化・増殖などに関するすべての情報を持つ生命の設計図であり、2本の巨大分子(二重らせん鎖)から構成されている。DNAの二重鎖が切断されると、それを修復する作用がある。しかし誤って修復される場合もあり、完全ではない。内部被曝では、α線やβ線によって分子切断が大量に行われるので、二重鎖の2本とも切断される可能性が強い(図A)。2本の切断は、1本の切断に比べて修復がむずかしく、また修復に誤りが生じやすく、細胞にとってきわめて危険といわれる。修復できなかった場合は細胞の死をもたらす。間違って再結合して生き延びた場合には、間違って組み替えされた情報が受け継がれたまま新しい細胞がつくられていく。がんや白血病の原因となる。それは被曝後、ただちに明白になるのではない。長期の潜伏期を経て発症する。

 低線量で活性酸素が生じ細胞を破壊

 放射線は遺伝子を傷つけるだけではない。低い線量の放射線は無害ではなく、長時間照射すれば細胞膜をたやすく破壊することが実験で確認されている(ペトカウ効果)。放射線が細胞液の酸素に衝突すると活性酸素が生じ、それが細胞膜を溶かし細胞液が漏れ出て細胞は死ぬ(図B)。1個の活性酸素分子が1個の細胞(体積は約6兆倍)を破壊する力を持っているという。逆に活性酸素の同じ場所での大量発生は互いにぶつかり合って無害な酸素分子となる。低線量放射線によって生じる活性酸素は、免疫系やホルモン系に悪影響を与え、早産、乳児死亡、感染症、がんなどをもたらす原因と考えられる。
 低線量被曝の深刻さは、ゴフマン(本紙2521号参照)が広島・長崎の被爆者の膨大な疫学データを基に証明した。
 さらに、バンダジェフスキー(元ベラルーシ共和国ゴメリ医科大学学長)は、1990年から99年にかけて、チェルノブイリ原発事故で被曝した数千人の大人や子どもの健康についての研究、臨床、遺体解剖などを行った。導き出された結論は、「放射性セシウムがわずかでも生体の臓器に取り込まれると、疾患が悪化したり、他の疾患との合併症を引き起こしたりする危険性が非常に高くなる」というものだった。少しの量の体内セシウムでも、心臓、肝臓、腎臓など生命維持に必要な器官への毒性効果が見られた。幼児の高血圧、発育不良、脳の発達支障、低体重児、糖尿病やすい臓がんなど、さまざまな疾病がもたらされることを裏付けた。
 これらの画期的発見は、低線量・内部被曝を無視・抹殺することでかろうじて成り立つ原発・核燃料サイクル推進に根底的打撃を与えている。
 内部被曝が健康に与える深刻な影響は、今も続いているヒロシマ・ナガサキ、ビキニ、チェルノブイリなどの被曝症例から、さらに生物分子学研究の深化によって、ますます明白になってきているのだ。この結論は、すべての原発・核燃の即時廃絶しかないのである。ところが、野田政権は「100_シーベルト以下は健康に影響はない」と強弁して、福島県民をはじめとした労働者民衆を被曝させながら、原発再稼働・原発輸出をあくまでも策動し、核武装化推進にしがみついている。絶対に許せない! 原発事故の責任を徹底的に追及し、日帝支配階級を打倒し、未来を奪い返そう。フクシマの怒りとともに3・11福島県民大集会を爆発させよう。
 (河東耕二)

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週刊『前進』(2525号4面2)(2012/02/27 )

 “伊方原発再稼働させぬ”

 事故前提の避難訓練に抗議

 2月16日、愛媛労組交流センターとNAZENヒロシマ・徳島・岡山の共同行動として、愛媛県の「原子力防災広域避難訓練」の実施に対する抗議闘争を21人で闘い抜きました。
 この「避難訓練」は「福島第一原発の事故を踏まえ……、伊方発電所の3基の原子炉が全電源喪失する事態」「炉心の損傷の可能性があり、原子炉格納容器からの放射性物質の放出」という過酷事故に備え「30`圏内の住民の安全を確保する」ためと称するものです。”再稼働して、第二のフクシマが起こる”ことを平然と想定しているのです。
 しかも、訓練はヘリ護衛艦「いせ」や輸送艦「ゆら」を始め陸海空自衛隊、行政、警察、消防、通信、病院、学校など60機関を動員した大規模有事訓練です。国・野田政権・電力資本・愛媛県は、「たとえ第二のフクシマを引き起こすことになっても原発を再稼働する」と宣言してきたのです。3・11から1年を前に、「原発をなくせ」「子どもの命を放射能から守れ」と必死に叫んでいる福島の労働者、農民、漁民、お母さんたちに対するこれほどの許し難い挑戦があるでしょうか! いま必要なことは避難訓練などではなく、原発をとめ、なくすことです。本当に怒りが沸き上がります。
 私たちは福島の怒りとひとつになり、再稼働阻止決戦の火ぶたを切るべく、朝7時半に訓練本部である県庁前に登場しました。「伊方原発再稼働をやめろ」「第二のフクシマを想定した訓練を中止せよ」のアジテーションが響き渡り、県の職員は次々とビラを受け取っていきます。
 続いて、松山の原子力安全本部に移動し、のぼりを翻して申し入れ行動。本部前で怒りのシュプレヒコールをたたきつけました。
 11時からは愛媛県庁内で、愛媛労組交流センター、NAZENと婦人民主クラブ全国協の仲間が、「訓練の中止と、再稼働せずに伊方原発を廃炉にすること」を県知事に申し入れ。テレビ、新聞など多数の記者が注目する中で、対応した秘書課職員に申入書を渡して読み上げました。
 その後、記者会見も行い、再稼働阻止へ活動し続けていくことを表明しました。昼休み時間には再び県庁前でビラまき、署名、マイク宣伝。昼食に出かける県職員も次々にビラを受け取り署名に応じてくれます。「庁舎内にもバッチリ聞こえてます」と教えてくれる労働者も。ビラは朝から全部で700枚が受け取られ、半日にわたり訓練本部は怒りの声に包まれました。
 今回の避難訓練は、2月20日に予定されている「伊方原発3号機のストレステスト1次評価の意見聴取会」と軌を一にして行われ、さらに2月末県議会での「再稼働容認」に向けたものです。伊方原発の再稼働をめぐる攻防はこの2月県議会から4月にかけての決戦となりました。3・11福島への大結集運動を軸に、地元で粘り強く闘い、かつ中四国・全国のNAZENの力を総結集して、絶対に伊方原発の再稼働を阻止する決意です。
 (愛媛・H)
(写真 「第二のフクシマを想定した訓練を中止せよ」と訓練本部の愛媛県庁前で訴えた【2月16日 松山市】)

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週刊『前進』(2525号4面3)(2012/02/27 )

 長崎、新潟でNAZEN

 3・11福島へ大結集の機運

 柏崎刈羽の再稼働許さない

 2月19日、新潟でも青年労働者を中心にNAZENが結成された。結成集会は、青年がすべてを準備して開催した。豪雪の中、「脱原発アクション」で知り合った青年労働者をはじめ60人が結集した。
 集会は、運輸職場で働く青年労働者の司会で始まり、代表になった女性労働者が「フクシマの怒りと結び、診療所建設基金を集め、3・11郡山に総結集しよう。柏崎刈羽原発の再稼働を許さない」とあいさつした。
 子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人の佐藤幸子さんが講演した。佐藤さんは、「国・県は町内会を動員して高圧洗浄機で除染しているが、『移染』にすぎない。大企業は除染でもうけている」と暴露。「今の子どもは、安全な食品を食べることができず、免疫力が落ちている。チェルノブイリでは、5年後がピークと言われたが、福島ではそれよりも早いのではないか。福島では、子どもが鼻血を出したり、熱が出たりして病院にかかっても医者は放射能のせいではないとあえて言うし、母親たちは高い線量の中で生活していることに大変なストレスを抱えている」と訴え、「今日の話を聞いて納得できたことを友人に話してほしい」と呼びかけた。
 青年によるリレートークに5人が立った。「命を軽視して金もうけする今の社会は間違っている」「放射線を大したことないという精神論でかたづけようとするのはおかしい。原発はなくすべき」などと怒りを込めて発言した。
 最後に「『原発いらない!3・11福島県民大集会』に新潟からも大勢結集し、福島の怒りと結びつき、原発のない社会を実現するための大きなうねりをつくりだそう」と結成宣言を確認した。
 集会後、沿道に雪がうず高く積みあがる中、青年を先頭に「すべての原発をなくそう」「東北電力は原発の再稼働をやめろ」「柏崎刈羽原発の再稼働阻止」をコールしながらモール街をデモ行進、沿道から手を振る人、車の中から手を振る人も現れた。
 NAZENにいがたは、原発いらない!3・11福島県民大集会への大結集から、柏崎刈羽原発の再稼働を許さない闘いへ、県内の反原発勢力の先頭で闘い抜く決意だ。(新潟・K)
(写真 NAZENにいがたの結成集会。準備のすべてを青年労働者が担った【2月19日 新潟市】)

 福島と連帯し被爆地長崎で

 2月19日、長崎市内で反核学習集会(NAZEN長崎準備会主催)が開催され、「NAZENナガサキ」がこの場で正式に結成されました。
 会場は約40人の参加者で満杯となり、被爆者の城臺(じょうだい)美弥子さんの司会で集会が始まりました。3・111周年の闘いを訴える力強い主催者あいさつの後、藤田祐幸さんが講演しました。
 藤田さんは、自ら調査したチェルノブイリ原発事故現場のデータを踏まえて今の福島・東日本の被曝状況を報告し、奪われる住民の生活と命、使い捨てられる原発労働者の現実、原発政策のうそと破綻と利権、核武装政策との一体性を語りました。そして真実を隠蔽(いんぺい)しうそをばらまく政府と電力会社、マスコミを弾劾しました。「昨年の3月11日以降、日本はひとつの戒厳体制の社会になっている。政府と電力会社によって住民の生活と命が奪われ、マスコミは真実を報道していない」。そして「政府と電力会社を変えるためには、行動するしかない。再稼働を絶対に止めることだ。学習会だけやって満足していてはいけない。3月11日にみんな行動してほしい!」と訴えました。
 質疑応答の後、主催者からNAZENナガサキの結成が提起され、全体で確認されました。正式に会として立ち上げ、福島現地の闘いと連帯して、被爆地・長崎で「すべての原発をいますぐなくす」ために闘っていくことが宣言されました。とりわけ隣県の佐賀県にある玄海原発の再稼働を許さない闘いを進めていくことを確認しました。そして、3月11日、福島と地元・長崎での闘いに決起することを参加者に訴えました。
 3・11福島原発事故1周年を目前にして、長崎でも大きな運動のうねりが開始されています。
 (長崎・K)
(写真 藤田祐幸さんを講師に迎え結成【19日 長崎市】)

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週刊『前進』(2525号4面4)(2012/02/27 )

日誌'12 2月14日〜20日

 民主党、原発再稼働を容認へ/自衛隊ペルシャ湾派兵を検討

●原発再稼働、民主容認へ 民主党は、定期検査で停止中の原発の再稼働を容認する方向で調整を始めた。夏前の再稼働をめざす野田内閣を後押しする狙いがある。党エネルギープロジェクトチーム(PT)は3月をめどに、「原発再稼働なしには今夏、電力不足に陥る可能性がある」との趣旨の報告書をまとめる方針。前原誠司政調会長ら党幹部は再稼働を唱えており、政府が夏までに策定するエネルギー基本計画への反映をめざす。(15日)
●イラン、ウラン増産態勢 イランのアフマディネジャド大統領は国営テレビを通じて演説し、同国の核開発に進展があったと発表した。ウラン濃縮施設の増強や新型遠心分離器の開発に加え、核燃料の国産化を成し遂げたと強調。(15日)
●周辺より高線量27カ所 放射性物質で汚染されたコンクリートなどが福島県内の工事に使われた問題で、福島県と経済産業省は、これまでに約150カ所を調べ、うち27カ所で周辺より高い放射線量が測定されたと発表した。県などは今年度中にさらに約950カ所を調査する。(15日)
●掃海艇派兵の検討に着手 政府は、イランが米欧の制裁強化に反発してホルムズ海峡を封鎖する事態を想定し、ペルシャ湾への自衛隊派兵の検討に着手した。イランが海峡に機雷を敷設する事態を念頭に、掃海艇の派兵などを想定している。政府が主要な検討対象としているのは、自衛隊による機雷除去と、ホルムズ海峡封鎖時にタンカーなどの護衛や機雷除去にあたる艦船への給油などの「後方支援」活動だ。(17日)
●原発稼働、西日本ゼロ 関西電力の原発で1基だけ運転していた高浜3号機(福井県、87万`ワット)が定期検査のため、発電を停止した。関電の原発11基がすべて止まり、西日本で稼働中の原発はなくなった。東日本では、東京電力の柏崎刈羽原発6号機が3月26日、北海道電力の泊原発3号機が4月下旬に停止する。再稼働する原発がなければ、国内の原発がすべて止まる。(20日)
●外部被曝、住民最高23_シーベルト
 東京電力福島第一原発の事故による福島県民の外部被曝線量について、福島県は、県民約1万500人のうち原発作業員らを除く一般住民約9750人の最高が事故後4カ月で23・0_シーベルトで、20_シーベルトを超えた人が2人いたと発表した。(20日)
●韓国、黄海で射撃訓練 韓国軍は朝鮮半島西側の黄海で射撃訓練を行った。場所は、海上の軍事境界線である北方限界線(NLL)に近い島々の周辺で、北朝鮮側は強く反発。島の住民は不測の事態に備え、防空壕(ごう)に退避した。(20日)
●PKO主力部隊、南スーダン到着
南スーダンでの「国連平和維持活動(PKO)」にあたる陸上自衛隊の1次隊主力約120人が、航空自衛隊のC130輸送機で首都ジュバの空港に到着した。約50人の施設隊と合流し、プレハブの宿営地づくりを本格化させる。(20日)

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週刊『前進』(2525号4面5)(2012/02/27 )

 おことわり

「この地に生き闘いぬく」は今週は休みます。

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週刊『前進』(2525号5面1)(2012/02/27 )

 全国学生の3・11アピールA

 核・原発なくす歴史的な日に

 新自由主義を打ち破った法大闘争

 大結集の力が再稼働とめる

 「原発事故を二度と繰り返させない」「フクシマを風化させない」という私たちのあふれる思い、政府と東電に対するはち切れるほどの怒りがあの日からかき消されることは一度もなかった。「原発安全宣言」(6月18日)や「原発事故収束宣言」(12月16日)を発表しようとも「原発いらない」の声と行動は収まるどころか、ますます高まっている。原発を止める力を持つのは、経産省役人でも政治家でもなく、私たち自身だ。原発を止め、社会を変革する主体として青年・学生が先頭に立って郡山市開成山球場に大登場しよう!
 2012年の3・11に向かって、原発再稼働か停止・廃炉か、この社会のあり方を問うものとしてすべてが激しくかつ力強く進んでいる。3・11をめぐる焦点は三つ。
 一つに、最大の攻防点は原発再稼働だ。今、稼働しているのはたったの2基。54基中52基が停止。すべての原発の停止が私たちの目の前に迫ってきている。野田政権は、日帝の原発政策始まって以来、初の原発稼働ゼロ化(4月下旬)を何としても阻止すべく、大飯原発3、4号機(関西電力)と伊方原発3号機(四国電力)の再稼働に躍起になっている。さらに、原発政策を「安全保障」の観点から必要と言明し(1月24日施政方針演説)、「原子力の平和利用」の名のもとに推進されてきた原発政策が、核保有とその抑止力=軍事力のための政策であることを私たちに突きつけている。3・11を、再稼働を止め「すべての核と原発をなくそう」と世界に向かって発信する日にしよう!
 二つに、資本と闘う労働組合をよみがえらせることだ。政府主催「追悼式典」は福島の声を圧殺し、資本家と労働者の階級対立のごまかしを狙っている。3・11集会を労働組合が先頭に立って大成功させるということは、政府や東電の責任を徹底的に追及する集会にするということだ。
 三つに、学生のキャンパスからの決起が情勢を一変させる力だ。ヒロシマ、ナガサキ、ビキニに続き、「四度目の原爆投下」=フクシマを体験した日本の学生が何を思い、どんな行動をとるか、世界中が注目している。3・11を原発と核をなくす歴史を画する日にするために、学生が大挙参加することが必要だ。
 福島大生を先頭に法大生と全国学友は、郡山に全力で駆けつけよう。
 日本の学生は常に階級闘争の最先頭で闘い抜いてきた。学生運動が先端で切り開いた70年安保・沖縄闘争の爆発とそこで突き出された「革命の現実性」への反動として新自由主義攻撃があった。
 30年以上全世界で繰り広げられてきた新自由主義政策の核心は、街頭や大学、工場(職場)から一切の階級闘争と階級的団結、社会的紐帯(ちゅうたい)を根絶することであり、労働者・学生の社会変革の主体としての登場を許さないということだ。
 70年安保・沖縄闘争の爆発を受けて、“学生をキャンパスから行動させない”ことに日帝は全体重をかけてきた。キャンパス丸ごと郊外移転などの物理的な分断に加えて、学生自治会や自治寮の解体、サークル活動や学祭破壊が強行されてきた。今日、学生から学生自治や団結という発想そのものが奪われてきている現実は、こうした攻撃の上に成り立っているのだ。日本における新自由主義攻撃は、大学から学生運動を一掃し、大学を日帝統治機構の一角とすることに狙いがあった。これを先頭で打ち砕いてきた闘いが法大学生運動だ。
(写真 2・11反原発デモの真ん中に法大文連の横断幕【代々木公園】)

 学生自治破壊に怒る法大生

 2月18日に開催されたCSK(文化連盟を解体して当局がつくったサークル団体)総会では、これまで抑えつけられてきたサークル員の怒りの声がついに噴き出した。
 当局は飲酒問題を口実に学祭をがんじがらめにする七つの要求を学生につきつけてきた。狙いは学祭つぶしと学生の団結破壊だ。この攻撃に対し、文連の呼びかけに応えて、多くのサークル員から「今度こそ規制を止めたい」という強烈な思いがあふれ出した。それは、学生同士のいがみ合いも、あきらめて当局の規制をうのみにする執行部のやり方も、もう終わりにしたいというサークル員の叫びだ。今まで分断されてきた法大生が当局や執行部への怒りの中から一つに団結しようとしている。文化連盟の闘いがいよいよ3万法大生と結びつくときだ。
 階級的団結がある限り、新自由主義を貫徹することはできない。だからこそ、法大闘争は当局と真正面から立ち向かう中から学生の団結を築き上げることに一切をかけてきた。その根幹に文化連盟と全学連の闘いがある。どんな弾圧の中でもおかしいと思うことに真っ向から行動する姿、徹底した競争にさらされた中でも仲間のために立ち上がる決断――これこそ学生のもつ階級性である。人間としての生き方を対置して闘ったときに新自由主義の限界と破産があらわになることを法大闘争は示してきた。
 昨年の3・11を受けて、学生の中にわき起こった「何か行動したい」「原発に対して声を上げたい」という思いとはまったく逆に、法大当局が行ったことは、キャンパス封鎖と倉岡雅美さん(人環3年)への処分であった。そして1周年の3・11に向かっては、大学の「営業権の保全」を掲げて、裁判所に入試期間中の法大から半径200b以内での情宣活動禁止を申し立て、憲法停止の戒厳令状態で学生の行動を禁圧した(違反したら罰金百万円)。このように司法・警察・法大当局が一体となった攻撃の本質は、法大闘争のような闘いが3・11を契機に300万学生の中に飛び火していく現実性への恐怖と反動だ。反原発行動を通して私たちはキャンパスの中から新自由主義を打ち破っている。

 学生は社会を変革する主体

 法大闘争は、目の前にいる法大生自身の存在と力に依拠して闘ってきた闘争だ。理事会ではなく学生こそがキャンパスの主人公であり、教授ではなく、あるがままの学生自身に現状を変革する力がある。学生が団結して立ち上がることにかけきって闘ってきた。このような闘いを通して、革命主体である自らの存在を回復してきた。
 3・11集会に向かって、“再稼働を止め、全原発を廃炉に追い込む力はどこにあるのか”“3・11集会を大成功させる力はどこにあるのか”が問われている。3・11集会呼びかけ人代表である清水修二福島大学副学長の「『闘う自治会を建設しよう』と言っている人には協力しない」「『すべての原発いますぐなくそう』は無理だ」の言葉(本紙前号参照)の意味は、学生は大学管理下で動け、福島大学は資本と原子力ムラに依拠する、ということだ。さらに、「3者自治制度」(教授・職員・学生)の名のもとで自治寮破壊やサークル規制を率先してやってきたのも、原発事故以降、当局への怒りをトコトン押しつぶしてきたのも清水副学長だ。3・11集会の大高揚と全原発が停止する情勢を目の前にして、「脱原発」を唱えてきた清水副学長の本性とペテンがあらわになっている。
 「原発いらない!3・11福島県民大集会」に学生が大挙して登場することこそ、こういった大学の学生支配のあり方をキャンパスの中から突き崩していく道だ。求められていることは、法大闘争のように学生の団結にかけきって闘うことだ。私たち学生の持つエネルギーと可能性は無限である。3・11へ福島大生と強く熱くスクラムを組み、残り2週間を全力で駆け抜けよう!
 マル学同中核派・法政大学支部

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週刊『前進』(2525号5面2)(2012/02/27 )

 南スーダンPKO派兵 三里塚現地で抗議デモ

 北原さん“軍事空港許さず”

 2月19日、三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけで、自衛隊南スーダンPKO派兵に対する緊急抗議デモが三里塚現地で闘われた。
 快晴のもと午後1時半、天神峰・市東孝雄さん宅の南側に位置する東峰の開拓組合道路に、反対同盟と支援の労働者・学生50人が軍事空港への怒りも新たに結集した。
 萩原富夫さんがマイクを握り、侵略派兵弾劾の第一声を上げた。「陸上自衛隊の南スーダン派兵の第1次隊本隊が成田から出発するということで本日の緊急闘争が組まれた。しかし先ほどのニュースでは“羽田から出発する”との報道があり、ひとまず成田からの出兵・軍事使用を粉砕した。今日は意気高くデモをかちとろう」
 続いて北原鉱治事務局長があいさつを行った。「1966年、私は労働組合の案内で羽田空港内を視察した。滑走路の片隅には弾痕の生々しい米軍のチャーター機が止まっていた。ベトナム戦争がもっとも激しい時代、まさに物資や戦死者の遺体を運び戦地と行き来する飛行機だった。国際空港は有事の際に軍事利用される現実を見た。本日自衛隊は迷彩服を着て、すでに南スーダンに飛び立ったかもしれない。軍事空港を許さず闘おう」と激しく訴えた。
 これを受けて、全学連の斎藤郁真委員長がアピールした。「PKO派兵は、帝国主義間争闘戦が繰り広げられる中で、南スーダンの石油・レアメタルなどの資源利権をめぐって行われる侵略だ。また中国・朝鮮に対する侵略戦争を狙う日帝の戦争国家化政策だ。PKO派兵と一体で野田政権は原発再稼働を進めようとしている。日帝打倒・プロレタリア革命勝利へ向け、侵略派兵に対する怒りをたたきつけよう」
 さらに三里塚現闘の同志が、「1月11日から先遣隊第1陣が迷彩服姿で成田から出発し、13日には自衛隊車両など軍事物資を満載した大型輸送機アントノフが成田から飛び立った。核保有をも狙う野田政権の戦争政策と真っ向から対決しよう。反戦反核を46年貫く反対同盟とともに、市東さんの農地を奪う攻撃を粉砕しよう。3・11福島、3・25三里塚に大結集を!」と決起を呼びかけた。
 シュプレヒコールを意気高く行い、寒風を突いてデモに出発。警察・機動隊の弾圧態勢を打ち破り、デモ隊は東峰部落を行進した。反対同盟宣伝カーからは婦人行動隊・宮本麻子さんの声で、野田政権のPKO派兵、消費税増税、TPP推進・農業破壊、第3誘導路建設と農地取り上げ攻撃を厳しく弾劾するシュプレヒコールが鳴り響いた。
 さらにデモは東峰十字路から暫定滑走路東側の開拓組合道路へ到着。日帝の侵略戦争に対し、三里塚が先頭で反戦闘争を切り開いた手応えを確認した。
 成田の軍事空港花を許さず、市東さんの農地をめぐる現地攻防と裁判闘争に勝ち抜き、3・25三里塚全国総決起集会に大結集しよう。
(写真 侵略派兵と農地強奪への怒りをみなぎらせ寒風を突いてデモに出発【2月19日 東峰】)
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 戦闘車両搬入を現認

 三里塚反対同盟のブログによれば、2月19日の現地デモが行われたその日の夕刻午後5時、空港北側に位置する野毛平工業団地で、車体にUN(国連)と書かれた真新しい戦闘車両など計8台が大型トラックで搬送され、「成田空港第三物流センター」に運び込まれたことが確認された。その一部始終を撮影した動画が公開されている(写真)
 これらの車両が南スーダンに送られるものであることは疑いない。まさに成田が軍事空港であることの動かぬ証拠だ。
 三里塚の怒りを恐れて、PKO派兵主力部隊の出発は「羽田から」と報道されたが、その一方で成田がこうした戦闘車両を始め、さまざまな軍事物資を送り届ける基地としてフル稼働しているのである。日帝の侵略戦争に怒りを燃やし、3・25三里塚から反戦反核の声を全国にとどろかせよう。
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 市東さん農地裁判 NAAの違法を追及 尋問妨害策動許さない

 2月20日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で、市東孝雄さんの農地裁判(行政訴訟と農地法裁判を併合)の弁論が行われ、市東さんを先頭に三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、傍聴の労働者・学生が全力で闘いぬいた。
 重要な争点で、成田空港会社(NAA)と千葉県の違法がいよいよ明らかになってきた。
 @「同意書」「境界確認書」に書かれた市東東市さん(孝雄さんの父・故人)の署名が偽造であると暴いた弁護団の鑑定書に対し、NAAは対抗する鑑定書を提出した。ところがその鑑定人は警察官OBで現職は警備会社社員。鑑定書の中身は、専門家としての知見や客観性を欠いて「同一だ」と強引に主張するだけのデタラメだ。
 ANAAが証人尋問についてとんでもない「意見書」を出してきた。すでに証人採用されている石指雅啓(当時の国交省成田空港課長)について「神戸地裁での尋問か、ビデオリンク方式を求める」とし、これが認められなければ「代わりの証人を申請する用意がある」と言う。理由は、「海上保安庁第5管区海上保安本部長の要職にあるから」だと。ふざけるな! 裁判所の証人採用そのものを覆そうとする暴論を許さない。
 B明け渡し対象の市東さんの畑(南台41−8)は空港敷地の内外にまたがっている。したがって「農地法5条の適用外」とはならない農地であり、88年の旧地主・藤ア政吉からの買収は違法。06年7月の賃貸借解約申請自体も違法。県知事の解約許可処分は取り消されなくてはならない。
 ところがNAAはこの敷地外にはみ出た部分について「車両機材やコンテナの置き場にする計画だった。空港に必要な土地だ」と強弁し、しかも今回「空港の敷地は告示区域に限る必要はない。一体的に運用するものだから違法ではない」という主張を前面に掲げてきた。土地泥棒の居直りの極致だ! 空港に必要な土地は違法と承知で巻き上げる、と言うのだ。
 C旧地主・藤アの証人尋問をかちとらなければならない。NAAの偽造文書に「自分は関与していない」と言う藤アを法廷に呼んで、NAA=空港公団の土地略取の犯罪を暴く必要がある。
 ところがこれだけ違法、デタラメ、居直りを並べるNAAと県に対し、多見谷裁判長はこれらをただすのではなく容認し、自分が決めた証人尋問のスケジュールを予定通り進めることに腐心するのだ。このもたれ合いに対し弁護団は怒りをたぎらせ、証人尋問への妨害を容認する裁判長を鋭く弾劾した。また敷地内外の別なく農地の強奪をはかる暴論を厳しく追及し、藤アの証人採用をあらためて強く求めた。
 傍聴席の怒りの声も一層高まり、通常の閉廷時間を超えて最後まで裁判所とNAA・千葉県を追いつめた。次回期日は3月26日(月)。
 近くの会場で記者会見と報告会が、伊藤信晴さんの司会で開かれた。冒頭に市東さんが「NAAは自分たちの起こした裁判なのに法廷では答えもせず、ずるずるやって裁判所に判決をゆだねる。そんなやり方をぶっつぶしてやりましょう!」と語気鋭く訴え、大きな拍手で迎えられた。
 続いて葉山岳夫弁護士を始め弁護団一人ひとりが法廷を振り返り、一層の追及の決意を語った。
 北原鉱治事務局長は、筆跡偽造の大罪に強い怒りを表し、3・25三里塚への大結集を訴えた。
 さらに群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さん、動労千葉の滝口誠さん、関実が連帯発言を行った。
 最後に萩原進事務局次長がまとめの発言に立った。「なにが国策・国益か! それらを打ち破り闘ってきたわれわれこそ正しかった。そう胸を張って言える時代に、今まで以上の人びとを結集することが必要じゃないか。3・11福島から3・25三里塚全国総決起集会を大高揚させよう」と情熱を込めて訴えた。
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三里塚裁判傍聴を!

 市東さん行訴・農地法裁判

 3月26日(月)午前10時30分 千葉地裁(傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)

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週刊『前進』(2525号5面3)(2012/02/27 )

 法政大入試情宣 受験生と圧倒的合流

 当局の妨害を実力で粉砕

 法大入試情宣で、法大当局による情宣妨害を打ち破って受験生との結合をかちとる画期的な勝利がかちとられました。
 法大当局はこの間、「営業権を守るため」と称して「半径200b以内ビラまき禁止、違反したら100万円の罰金」の仮処分を裁判所に申し立て、全学連と法政大学文化連盟による受験生への訴えを禁圧してきました。さらに許しがたいことにJR飯田橋駅前での情宣活動に対しても監視・盗撮行為を繰り返してきたのです。反原発の署名をする受験生にカメラを向け、「原発に反対するな」「文化連盟に関わるな」と恫喝を加える許しがたい弾圧です。
 怒りに燃えた全学連と文化連盟は法大受験の最終日である2月16日、法大当局・弾圧職員に対して申し入れ行動を行いました。要求項目は、@盗撮の理由と根拠を明らかにせよ、A情宣禁止仮処分を取り下げよ、B盗撮は誰の指示か明らかにせよ、C盗撮をただちにやめ謝罪せよ、の4点。
 弾圧職員連中はこの申し入れに対して顔面蒼白(そうはく)で「答える必要はない」とつぶやくのみ。斎藤郁真・全学連委員長を先頭に「申入書を受け取れ」「盗撮するな」と徹底弾劾すると、当局は駆けつけた公安警察に助けを求める始末。追いつめられた法大当局は申入書を一度は受け取ったが、公安警察が「受け取るな」と指図すると突き返すという腐敗した癒着関係も明らかとなりました。まさに原子力ムラと同じ構造です。
 「公安警察は帰れ」「原発反対の訴えを弾圧するのか」という追及の前に、最後は法大当局・公安警察ともどもなすすべなく潰走(かいそう)するという醜態をさらしました。逃げまどう法大当局と公安警察を尻目に全学連と文化連盟は情宣活動を行い、受験生と圧倒的に合流しました。
 重要なのはこの勝利を突破口に、文化連盟がCSK総会に乗り込み、学祭つぶし・サークル規制絶対反対と全学生の団結を訴え、多くのサークルから「文化連盟の言うとおりだ」という意見が出されたことです。
 再稼働情勢の中、学生の怒りは日に日に高まっています。全学生は3・11福島県民大集会へ!
 (法政大学・N)
(写真 法大職員の情宣妨害を徹底追及する斎藤全学連委員長【2月16日 飯田橋駅前】)

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週刊『前進』(2525号5面4)(2012/02/27 )

 『障害者解放』 第3号発行

 労働者階級分断を許さず「総合福祉法」制定と対決

 日帝・野田政権と対決し、新自由主義攻撃を階級的労働運動の力で打ち破る障害者解放闘争の路線を提起したパンフが完成しました。すべての同志、労働者、障害者にぜひ読んでいただきたい!
 冒頭の障害者解放編集委員会論文は、労働者階級を分断して階級支配を貫こうとする新自由主義を批判しています。2011年の障害者解放闘争は、3・11情勢のもとで、福島・被災地と連帯し、国鉄決戦と結合し、外注化・民営化、非正規職化反対と一体で闘われました。その総括を踏まえ、2012年決戦を闘う路線的論文として重要です。改憲阻止、社会保障解体阻止を始めあらゆる闘いのなかで、「障害者総合福祉法絶対反対」を貫く障害者解放運動の主流派として断固登場しましょう。
 林直行論文は「障害者と労働者はさらに団結を深めよう!」をキーワードに、資本と体制内勢力との闘いに勝ちぬくことを訴え、昨年の11月労働者集会の成功と動労千葉、動労水戸の闘いの実践を学んで総括を提起しています。
 大林郁恵論文では、「障害者総合福祉法制定」を求める御用幹部連中が主催した昨年10月28日の日比谷集会に「生きさせろ! 障害者総合福祉法絶対反対!」を掲げて登場し、障害者、介護労働者らにビラを手渡し、感動的に合流したことを述べています。
 朝霧広巳論文は、障害者のプロレタリア革命と共産主義社会に向けた壮大な階級的な力を引き出すのはプロ独をめざす労働者革命党であること、コミューン=ソビエトを生み出す基盤の地区党建設の重要性を鮮明にさせています。「労働者階級としての障害者」の解放をかちとる立場をあらためて明確にしました。
 川尻哲也論文では、社会保障制度切り捨て攻撃との闘いを、道州制・民営化粉砕の闘いと一体で闘うことを訴え、自治体労働者との団結を求める運動を紹介しています。大阪市長・橋下に対する障害者の決起も、特区制度=更地化攻撃と対決する八尾北・西郡決戦で始まっています。
 仏田史歩論文は、介護を必要とする障害者の立場から「生きるために障害者は労働者と団結しよう」と呼びかけ、全人間解放に至る障害者解放の神髄を伝えています。
 なお、日帝・野田政権による公的福祉解体・丸ごと民営化へ向けた障害者総合福祉法制定攻撃が激化しています。「障がい者制度改革会議」を消費増税の民主党政権のもとに完全に取り込むためにも、悪名高い障害者自立支援法の骨格を存続させたままで「改定」を装い、ますます民営化を強める障害者総合福祉法制定へ向かっています(2月8日に厚労省が原案を公表)。
 民主党政権への幻想をあおってきた共産党を含む体制内障害者団体は「裏切られた、ハシゴをはずされた」と抗議しています。しかし、彼らは障害者総合福祉法自体が「障害者の地位向上」を隠れみのに「増税容認、医療規制・障害者治療規制の緩和、公務員労働者の完全民営化、ヘルパー総非正規職化・個人請負化、障害者の超低賃金就労動員」などで福祉の民営化、成長産業化を推し進める攻撃であることに立ち向かえていません。
 原発再稼働阻止闘争と一体で、障害者総合福祉法制定攻撃粉砕へ、この第3号を読み活用されるよう訴えます。
 (AS)
(写真 発行/障害者解放編集委員会 東京都杉並区上高井戸1―32―40 頒価200円)

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週刊『前進』(2525号6面1)(2012/02/27 )

 明け渡し絶対許さない

 3・18八尾北・西郡集会に結集を

 八尾市は西郡住宅の3家族に対し明け渡しの強制執行に踏み切ろうとしている。八尾北医療センターの明け渡し・廃院攻撃も激化している。断じて許さない。大恐慌と3・11で破綻した新自由主義を絶望的に推進する日帝ブルジョアジーの先兵・橋下徹大阪市長を八尾北・西郡決戦に引きずり込み、たたきのめそう。3月18日に八尾市西郡で開催される全国総決起集会に向けたアピールをいただいた。呼びかけに応え大結集をかちとろう。(編集局)

 橋下・道州制と闘う拠点 八尾北医療センター労働組合委員長 藤木好枝さん

 西郡平和診療所、幸生診療所を引き継ぎ、八尾市は1982年、八尾北医療センターを開設しました。しかし97年、大阪府の「自立支援事業」のもと八尾北の民営化を打ち出しました。
 これに対して私たちは2000年、八尾北医療センター労働組合を立ち上げ、部落解放同盟全国連西郡支部、八尾北命と健康を守る会と団結して大病院への売り渡しを打ち破り、05年、「自主運営」という形態で完全民営化を阻止しています。
 八尾市は08年3月議会で 「八尾北の売却方針」を打ち出し、売却のための鑑定攻撃をかけてきましたが、絶対反対で闘い、これを粉砕しました。追いつめられた八尾市は10年、「八尾北明け渡せ」と提訴。以来、裁判では常に大法廷を埋めつくし、八尾市を弾劾する場にしています。
 労組員でもある岡邨洋さんたち3人の住宅追い出しの強制執行、八尾北明け渡し裁判の早期結審との決戦が煮つまっています。八尾市は10年4月、「市営住宅機能更新事業計画」で西郡を更地化する狙いを打ち出しました。桂小・中学校の統廃合、保育所の民営化、八尾北の廃院攻撃です。
 橋下や田中八尾市長らの道州制攻撃は公務員360万人首切り、労組破壊、団結破壊、更地化です。八尾市の職員は3分の1が非正規。大幅賃下げ・首切りが始まり現場には怒りが充満。大阪市労連幹部、共産党の八尾市職労幹部の屈服を弾劾し、現場から労働組合を変えるチャンスです。
 八尾北労組は動労千葉の階級的労働運動に学び、時代認識をもち、絶対反対を貫いて闘ってきました。国鉄分割・民営化と地対協攻撃は労働運動つぶし、団結破壊の攻撃です。09年、花屋の森本政二さんに対する強制執行を、道州制の始まり、6千万労働者への攻撃ととらえ、ストライキで決起し、ともに現場で闘いました。
 八尾北以外の府下の26の同和診療所・病院はすべて廃院・民営化されています。差別・分断を打ち破って労働者階級としてひとつに団結する拠点が労働組合です。橋下の道州制と闘う出撃拠点としてソビエトを展望するところまできました。
 3・18全国総決起集会を大成功させ、力関係を変えましょう。

 医療と全てを奪い返す 八尾北医療センター院長 八尾市議会議員 末光道正さん

 八尾北医療センターの前身は、1951年に村の人たちが資材を出し合い自力でつくった西郡平和診療所です。66年に名前が変わり幸生診療所になりました。
 46年から47年にかけて大阪で天然痘(てんねんとう)が流行したとき、ここが被差別部落だからと一般地区に感染が拡大しないよう八尾市と保健所が住民を村の外へ出さず隔離しました。ほとんど治療も受けられずに200人が亡くなりました。大半は子どもたちでした。本当に悔しい思いをし、こんなことは二度と繰り返したくないと診療所をつくり医者も捜してきたんです。
 69年に同和対策特別措置法が成立して事業が始まり、あちこちに診療所ができましたが、自力でつくって医者も捜して運営してきた例は全国どこにもないでしょう。学生と青年医師がバリケードを築いてストライキをやっている大学にも医者を捜しに来られました。私はそこで出会って74年から常勤医になりました。
 八尾北医療センターの売り渡しと公営住宅からの14家族追い出しは、団結を破壊し、公共の土地と建物からすべての人を追い出して更地にし、医療と住宅を保障してきた八尾市や国の責任を放り投げるものです。そして大企業や銀行に売り渡す新自由主義攻撃です。橋下が登場し、よりはっきりしましたが、道州制は行政や国家を丸ごと民営化する攻撃です。
 3月11日で時代は完全に変わりました。安全と言っていた原発が世界に災厄をもたらし、福島の地で更地化、特区攻撃が進み、いまだに子どもたちは放射能の危険にさらされています。被災地で医療の拠点をつくる運動が始まっていますが、単に医療にとどまらないと思います。
 西郡では一番切実だった医療から闘いが始まりましたが、そこから仕事や住宅、保育や教育と、あらゆるもの、奪われたものを取り返してきたんです。それをつぶさないと資本が生き延びれない時代がきている。八尾北・西郡の闘いは、そういう時代に労働者階級の手にすべてを取り戻す拠点をつくる闘いです。何もかも奪われたところから奪い返す闘いの拠点を一緒につくりましょう。

 強制執行、来るなら来い 部落解放同盟全国連合会西郡支部長 岡邨 洋さん

 西郡住宅に住み応能応益家賃制度絶対反対で闘っている私と辻西幸子さん、田中由加さんの3人に、八尾市が「鍵を返せ。さもなければ強制執行する」と通告した期限の2月20日が過ぎました。また、市議会は昨年12月、私たちとともに家賃を供託して闘う11家族を住宅から追い出す裁判にかける議案を強行採決しました。断じて許しません。3人に対しては、強制執行した上で、近傍近隣の最高家賃の倍を取り立てる攻撃もかけられています。支援基金なしには闘えません。
 96年以来15年にわたって住宅闘争を闘ってきましたが、八尾市は私たちをつぶさない限り800事業の民営化ができない。橋下も道州制を進められない。切羽つまっているんです。
 今、村では解同本部派・地区協の吉村派が、「八尾北労組や西郡支部と一緒にやれば運動ばかり」と分断を振りまいています。でも青年交流会では「生きさせろ!」という声が上がり、住民懇談会では今までとは違う、みんなが闘う部落解放運動を求めていると感じます。それは労働者とともにこの世の中を変えていく解放運動です。昨年7月の支部大会で1千名組織建設を打ち出してから村の中に入り、それを痛感しました。八尾北・西郡の闘いが全国、全世界からみて決定的な位置にあることをあらためて確信しています。
 住宅明け渡しの強制執行と闘った森本さんは、当日、朝焼けの中で赤い労組旗を見た瞬間「勝った!」と思ったと言います。労働者が階級としてよみがえったのです。強制執行、来るなら来い。この運動をさらに拡大していきます。
 ここには闘う労組と支部、労働運動と部落解放運動、両方があります。人のぬくもりとか、いろんなものが凝縮し、団結がある。新自由主義の攻撃、差別・分断を打ち破る拠点がここにあります。それをつぶすための更地化攻撃です。西郡の地に闘う労働者、怒る住民、市民が集まり、ともに声を上げましょう。

 労組と共に地域一体で 部落解放同盟全国連合会西郡支部青年部長 佃 文弘さん

 応能応益家賃制度に反対して家族が家賃を供託してきましたが、貯金を差し押さえられて「やろう!」と決めました。部落解放運動にかけられた地対協路線と中曽根の攻撃、国鉄分割・民営化が一緒だったと聞いて「そうだったのか! よし、もっと頑張ろう」と思いました。
 こう言えるのは08年、森精機での派遣労働者のストライキに有休を取って朝から参加し、構内に入ってビラをまいたりしたことがきっかけです。差別も何もない、正規・非正規もない、これが団結なんだと衝撃を受けました。部落民は差別されるものと思っていたので、あそこまで一緒にできるとは思いませんでした。現場で闘うと吸収するもの、つかむものが違います。
 09年2・26の森本さんへの強制執行のとき高熱で点滴を打って参加しましたが、駆けつけてくれた青年たちに囲まれてとても幸せでした。西郡では少しずつですが青年が集まってきています。でも村から応能応益家賃のために1千人も出て行っている状況で、出ていけない人、働けない人が孤立していく。解同本部派・地区協がそうし向けてきたと思います。
 八尾市は昨年暮れ、新たに私の家族を含む11家族を追い出すため裁判に訴えることを決めました。西郡の闘い、住宅の闘いは労働者全体の問題です。労働者階級が団結してそこを拠点にして、みんなと一緒に今の社会をひっくり返そうと思います。八尾北労組と一緒にできるのはすごいし、やれてよかった。地域一体、一緒の闘いです。
 65年前、天然痘で亡くなった200人の子どもたちのためにも絶対西郡を守りたい。3・18全国集会の会場は平和診療所、幸生診療所があった場所。昔の闘いの場、闘いの原点に戻りました。みんなが集まり団結した当時の情景が浮かびます。3・18をそういう闘いにしたいと思います。

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週刊『前進』(2525号6面2)(2012/02/27 )

 八尾北裁判 “住民の命と闘いの砦”

 医療センター売却許さぬ

 2月15日、17日、八尾北医療センター労組、部落解放同盟全国連西郡支部、八尾北命と健康を守る会、関西各地の労組員が連続闘争に決起した。
 15日は大阪地裁民事12部(高橋文清裁判長)で八尾北医療センター・健進会に八尾市が明け渡しを求めた裁判が行われ、100人近くが傍聴席を埋めた。住宅明け渡し強制執行の対象となっている八尾北労組員でもある岡邨洋西郡支部長と辻西幸子支部書記長も先頭で闘った。
 医療センター・健進会を代表して理事長の重松信子医師が証言に立ち、市北部地域における唯一最大の医療機関である医療センターの責任は、2005年の健進会への経営譲渡後も一貫して八尾市にあったことを、財政措置など具体的事例を列挙して突き出した。
 そして、医療センターが「部落差別を放置し地域医療への責任を果たさない八尾市に代わって、住民が自力で建設し運営してきた西郡平和診療所(1951年〜)と幸生診療所(1966年〜)を引き継ぐ、生きんがための団結の拠点、命の綱、地域コミュニティーの中心だ」と確信を込めて語った。歴史の重みに裏打ちされた証言が法廷を圧倒した。
 さらに「売却を前提にした土地・建物(市が無償で貸与)の鑑定評価実施や協議には応じられない」ときっぱりと言い切った。怒りと決意が傍聴席に充満する。八尾市側は青ざめ、裁判長に促されても一言も発することができない。正義がどちらにあるかは鮮明だ。参加者はみな勝利感に満ちて法廷を後にした。
 この日は何人もの住民が初めて参加し、帰りの車内では、“命と闘いの砦(とりで)”医療センターに寄せる思いが口々に語られ、感動を呼んだ。これは西郡をはじめ北部地域住民全体の思いだ。地域に根付いた階級的労働運動のかけがえのない拠点をつぶす民営化・廃院を許さない決意が一層固まった。

 八尾市への抗議闘争を打ち抜く

  2月17日午後、寒風をついて八尾市役所前に50人が集まり、抗議闘争を闘った。この日は八尾市が西郡支部の岡邨支部長ら3家族に「30日以内に住宅の鍵を返さなければ強制執行だ」と通告してきてから28日目だ。
 岡邨支部長、八尾北労組の藤木委員長と灰垣美佐子書記長、末光八尾市議が次々とマイクを握り、八尾市を徹底弾劾、橋下をたたきのめし未来を開く戦闘宣言を発した。市の労働者には「強制執行に手を貸すな。分断を打ち破りともに闘おう」と3・18集会への参加を呼びかけた。
 職員や通行人がビラを受け取り注目する中で、守る会の会員は「市は人間らしい考えを持て!」と迫り、新たな住宅追い出し提訴と闘う11家族は、「鍵を返す必要はない。絶対出ていかない」と宣言した。強制執行と闘った森本政二さんも「取られた店と住まいは必ず取り戻す。団結すれば世の中を変えられる」と、闘う決意を表明した。3・18集会の成功に向けた闘志が市庁舎を包囲した。
(写真 八尾北労組、西郡支部など50人が八尾市抗議闘争に決起【2月17日 八尾市役所前】)

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八尾北・西郡決戦勝利! 道州制粉砕・橋下打倒!

 3・18全国総決起集会

3月18日(日)午後1時〜
幸町五丁目第1公園(大阪府八尾市幸町5―12―1/最寄り駅・近鉄八尾駅)
主催/八尾北医療センター労働組合
   部落解放同盟全国連合会西郡支部

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週刊『前進』(2525号6面3)(2012/02/27 )

 星野手紙・面会国賠訴訟

 “手紙・面会は人間の権利”

 暁子さんら3人が意見表明

 2月10日、東京地裁民事38部(定塚誠裁判長)で、星野面会・手紙国賠訴訟の第1回裁判が開かれた。
 徳島刑務所は、2010年5月から8月にかけて連続5回、星野文昭同志と7人の友人面会を不許可にし、9月には星野暁子さんの面会まで不許可、さらには、暁子さんが送った手紙5通の墨塗りを行った。06年から94人の友人が星野同志と面会し、獄壁が打ち破られていることに恐怖した徳島刑務所が突然、暴力的に友人面会を不許可にしてきたのだ。面会・手紙国賠訴訟は徳島刑務所による星野同志との分断、権利の侵害を徹底的に弾劾し、星野同志との自由な友人面会をかちとるための闘いである。
 許せないことに、なんと定塚裁判長は裁判が始まる前から、「原告の意見表明を認めない」と通告してきた。原告の怒りに恐怖した裁判長は、原告の意見を封殺し、形式的な手続きのみで裁判を終了させてしまおうと画策したのだ。
 星野・全国再審連絡会議の20人は、裁判所前でビラまきを行った後、裁判の傍聴に臨んだ。原告3人、西村正治・鈴木達夫弁護士、傍聴者が一体となり、裁判長の不当な訴訟指揮に抗議をたたきつけた。裁判長の発言圧殺攻撃を打ち破り、原告3人が堂々とした意見表明をかちとった。
 最初に星野暁子さんが、面会を不許可にされたのは「24回目の結婚記念日にあたる特別な日」であり、「許すことができない」と訴えた。5通の手紙の墨塗りは「夫婦のきずなを土足で踏みにじる行為」と、心底からの怒りで弾劾した。
 「布川事件」で再審無罪をかちとった桜井昌司さんは、「受刑者といえども人間としての権利は同じはず。いや、受刑者であるからこそ、国家としてその自由を認めるべきであって、受刑以外の規制を行わないこともまた、近代国家としての最低限の義務である」と、満身の怒りを込めて訴えた。
 金山克巳同志は、「原告の意見表明は当然の権利だ」と裁判所の姿勢を弾劾した後、2月6日の新たな面会不許可を「請求原因に追加する」と表明した。一昨年の面会不許可を打ち破って、昨年8月1日に星野同志と面会している金山同志への新たな面会不許可は、2・5徳島刑務所包囲デモに対する直接の反動であり、断じて許せない。
 2月徳島闘争が切り開いた地平の上で、星野同志との分断を打ち破るために、国家権力と非妥協的に闘おう。沖縄闘争を闘ったがゆえに、「殺人罪」をデッチあげられ無期懲役で37年もの獄中生活を強制されている星野文昭同志を、今こそ労働者階級の力で取り戻そう。
 次回裁判は4月20日午前11時、705号法廷だ。全力で結集しよう。

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週刊『前進』(2525号6面4)(2012/02/27 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 署名集めで意思表示の素晴らしさ感じた 福島 小金沢幹子

 街頭での署名集めになるべく出るようにしています。「私、原発反対だから署名します」と素朴に応じる人が心に残りました。仕事と家事に追われて自分の意思を表示する機会も時間も見いだせず、この時ばかりと署名に思いを込めているように思えました。
 40代半ばの男性に再稼働に向けた政府・電力会社のやり口を話すと「困るね」と言って、私の知らないことを教えてくれました。ゆっくりとていねいに「どうぞよろしくお願いします」と深々とお辞儀をしていく人もいます。
 一人ひとりの署名は人類がこれまで経験したことのない福島原発事故に対する怒り、悔しさ、不安の意思表示で、すごく貴重で素晴らしいものだと最近気付きました。この意思表示を求めて署名集めをしたいと思いました。さらに、その意思表示は労働運動の復権と相まって必ず原発を止める実力行動に行きつくように思え、職場生産点で労働運動の復権をめざして苦闘している労働者がいることを思いながら街頭に立とうと思いました。
 ある学習会の分科会で「原発いらない!3・11福島県民大集会」の話になり、「去年9月、東京で6万人が集まった集会のように、沖縄で開かれている(10万人規模の)集会のように、実力でやらないとだめでないですか」と、その場としては意外な意見が出され、驚くやらうれしいやらでした。3月11日、郡山市開成山野球場を埋めつくしましょう。私も結集を呼びかけながら署名集めをしています。

 「命の水を守れ!」と千葉県に申し入れ 千葉 林田尚美

 いま千葉県の水源地にある産廃処理場に放射性物質を含んだ汚泥・焼却灰が埋め立てられています。私は、「原発なくせ!ちばアクション」による千葉県への申し入れ行動に参加しました。
 千葉県の回答は「8000ベクレル/s以下のごみは、国の基準を守っているから安全」「被災地がれき受け入れについて、千葉県知事自らが県民に直接説明することはない」という驚くべきものでした。本当にビックリしました。
 3・11以前は、100ベクレル/s以上は原子炉等規制法によって放射性廃棄物質として管理するように定められていたそうです。しかし、国はこの基準を根拠もなく一気に緩くし、無理やりごみ処理に使っているのです。
 福島原発事故が「想定外」の事故であり、ごみ処理の基準値に法的根拠はまったくありません。高濃度の放射性汚泥や焼却灰は、東電や国が責任をもって、放射性廃棄物質として、しっかりと管理するしかないのです。
 この間、千葉県の最大の産廃処理場から「水漏れ」したことが明らかになりました。原因は明らかになっていません。「もし地下水に漏れたら?」「もし地震や台風で土砂崩れなどが起きたら?」と思うと本当に心配です。
 2月12日、ちばアクションは、「ティーチインちば」を行い、みんなでこの問題の学習をしました。「命より金」という千葉県の姿勢が本当にイヤになりましたが、水源地にある産廃処理場への搬入をやめさせ、子どもたちの未来を守るために活動していきたいです。

 労組交流センターが星野救う会の拡大を 愛媛・星野文昭さんを取り戻す会 日野 亮

 徳島刑務所に初めて行った。立地を見たら、湯たんぽ、暖房が要求に入るのがよくわかった。だから、星野さんを一日も早く奪還したい。
 今回、星野闘争での転換があった。本気でやろうということ。星野さんも2、3年で出ると言っている。労組交流センターが動くこと。労組交流センターが動かんかったら、そうなっていない。数の力が参加者の奪還への気持ちに火をつけた。プラスの相乗効果があった。(交流センターが担って)星野救う会を全国に拡大することが重要。自分たちも未結成の時は「外在的」だった。今回、内在的にやれて良かった。
 渋谷闘争に学ぶこと。25歳の星野青年が渋谷で沖縄闘争のすべてを担って労働者部隊を登場させる責任を貫徹した。それがすごい。
 そういう活動家集団を青年の中につくった革共同への攻撃として、渋谷闘争への弾圧も、12・4からのカクマルの襲撃も見るべきだ。
 星野奪還のためにも職場で闘って活動家集団をつくる。荒々しい、人生をかけ命をかけてやる主体、青年をつくり出す。今、その情勢だと集会で言いたかった。星野救援運動を愛媛でつくる中でそこを学んできた。対カクマル戦をのりこえた中で、豊かに70年を引き継ぐ。自分の中ではそう思っている。
 今回のことで星野さんも飛ばされるのでは、ということもあった。星野闘争も突き抜けよう。突き抜けたら強い。ワシが強制配転されんのも、そういうこと。配転先の引き受け手がないところまでやろう。

 革命軍の闘いの勝利へカンパします! F・N

 『前進』第2522号(2月6日付)に掲載された「革命軍の2012年アピール」に感動しています。
 『前進』が訴えているように、現在の情勢はまさに革命に向かっていると思います。労働者の怒りが地に満ちているこのとき、労働組合を中心として、すべての労働者が団結すれば革命は必ず成功するでしょう。
 それを阻んでいるのは、みせかけの民主主義の中での体制内労働運動・既成政党、そして国家権力・政治警察です。これらの攻撃・弾圧に負けず打ち破るためにも、革命軍の非合法・非公然の確立が重要だと思います。革命軍の闘いを先頭にして、本格的な党の建設を成功させましょう。
 革命軍の闘いの勝利のためにわずかですがカンパします。
 (3万円が同封されていました。ありがとうございます。――編集局)

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