ZENSHIN 2012/05/14(No2535 p06)

ホームページへ週刊『前進』月刊『コミューン』季刊『共産主義者』週刊『三里塚』出版物案内販売書店案内連絡先English

第2535号の目次

(写真 全原発を止めた高揚感と廃炉への意欲と決意がみなぎるNAZENの隊列。飛び入りの人や在日フランス人グループも一つになり数倍にふくれあがった【5月5日 東京・港区】)

1面の画像
(1面)
5月反動粉砕し6・10集会へ
闘う労働組合をよみがえらせ全原発廃炉へさらなる闘いを
5・21裁判員制度廃止!全国集会へ
記事を読む  
「原発ゼロの日」
「止めよう」から「なくそう」へ  “廃炉実現まで闘おう”(5月5日)
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
6・10国鉄集会への大結集を訴え  全国各地でメーデーに立つ(5月1日) 記事を読む  
青年A君を奪い返す
ちば合同労組への弾圧を粉砕  職場での闘いも大前進(4月27日)
記事を読む  
国労組合員資格確認訴訟 連合加入狙う本部を弾劾
“被解雇者は本来組合員ではない” 露骨な主張に怒り(5月9日)
記事を読む  
関越道事故 全責任は資本・国交省にある
規制緩和と重層的外注化 新自由主義が事故の元凶
記事を読む  
【要項】鉄道運輸機構訴訟控訴審 記事を読む  
(3面)
橋下の労組つぶし打ち破れ
不起立闘争で団結を拡大し教育の民営化攻撃と対決を  革共同教育労働者委員会
記事を読む  
「君が代」強制反対 広島・東京での不起立 記事を読む  
ショーワ・ジェコー 不当解雇撤回せよ
社前で非正規撤廃を要求(小川撤)(4月27日)
記事を読む  
(4面)
「原発ゼロの日」 “私たちが止めたんだ”
「原発いらない福島の女たち」のアピール(5月5日)
記事を読む  
経産省前で(5月5日) 記事を読む  
“伊方再稼働許さぬ”  伊方―松山アクション 原発廃炉・解雇阻止掲げ(5月6日) 記事を読む  
原発稼働ゼロ集会  広島原爆ドーム前 リレーハンスト完遂(広島H・D)(5月5日) 記事を読む  
7・1に関空反対全国闘争
泉州住民の会が総会  関空-伊丹統合=売却狙う橋下(4月29日)
記事を読む  
2012年日誌 4月24日〜5月7日
アジア太平洋で日米が「動的防衛協力」/自民党が新たな改憲案
記事を読む  
(5面)
法大闘争の勝利を全国へ
反原発・処分撤回を闘い不抜の学生自治会建設を  マルクス主義学生同盟中核派・法大支部
記事を読む  
裁判員制度をいよいよ廃止へ  5・21日比谷公会堂に大結集を(5月1日) 記事を読む  
第3誘導路裁判 成田空港に公共性なし  “5・28千葉地裁デモへ” 記事を読む  
団結街道裁判 裁判所を追及!  “国の手先化許さない”(5月8日) 記事を読む  
5・23狭山闘争に立とう  八尾北・西郡で勝利切り開け 記事を読む  
【要項】5・23狭山闘争(東京、広島、関西) 記事を読む  
(6面)
改憲阻止!原発なくせ!4・28沖縄・憲法集会
“戦争・改憲攻撃と対決”(4月28日)
記事を読む  
5・15-16爆取弾圧控訴審に結集を  4・29東京 4同志を先頭に緊急集会
下獄する福嶋同志 「勝利者として再審闘う」(4月29日)
記事を読む  
追悼・小林正年同志
反戦高協で決起し生涯電通労働者として闘う  革共同長野県委員会
記事を読む  
清水匠さんを偲ぶ会  “寡黙だが芯の強い人柄”(4月25日) 記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  

週刊『前進』(2535号1面1)(2012/05/14 )

 5月反動粉砕し6・10集会へ

 闘う労働組合をよみがえらせ全原発廃炉へさらなる闘いを

 5・21裁判員制度廃止!全国集会へ

 「止まったんじゃない。止めたんだ」「今日のこのつながりをほどくことなく、ひるむことなく、原発いらない日に向かって、また続けていきましょう」。「原発いらない福島の女たち」の椎名千恵子さんは5月5日、東京・芝公園での集会でこう訴えた。同日午後11時3分、国内の稼働原発はついにゼロになり、原発のない社会への歴史の扉をこじ開けた。この日、全国各地で集会・デモが闘われた。芝公園には5500人が大結集し、全体の3割以上を占めた労組隊列を先頭に、「ストップ再稼働こいのぼり」を手にした子ども連れなども多数参加した。会場にはものすごい勝利感、高揚感がみなぎった。「止めよう」から「なくそう」へ、全原発廃炉に向けた新たな不退転の闘いと階級的激突が始まったのだ。
(写真 全原発を止めた高揚感と廃炉への意欲と決意がみなぎるNAZENの隊列。飛び入りの人や在日フランス人グループも一つになり数倍にふくれあがった【5月5日 東京・港区】)

 「稼働ゼロ」世界が注目

 5・5にまで上りつめた1〜4月闘争の勝利は実に巨大だ。この歴史的な地平を、職場・大学・地域での労組拠点建設、学生自治会建設、国鉄闘争全国運動と動労千葉・国労物資販売の前進へと具体的に組織し、打ち固めよう。5・21裁判員制度廃止!全国集会、5・23狭山闘争、5・28市東さん農地裁判・千葉地裁デモに決起しよう。
 そして何よりも、追い詰められた国家権力・資本の「5月反動」を粉砕し、6・10国鉄大集会の画期的な成功をかちとるために闘おう。これが当面する最大の決戦だ。この力でさらに7・16反原発10万人決起を実現し、消費大増税攻撃粉砕と野田政権打倒へ進もう。
 稼働原発をすべて止めた日本の闘いは全世界から注目されている。「最も積極的な原発推進国の一つが驚くべき転換を果たした」(米ウォールストリート・ジャーナル紙)。「稼働原発ゼロ」は支配階級を打ちのめし、世界の労働者人民を勇気づけている。
 時を同じくして5月6日、決選投票にもつれこんだフランス大統領選で、超緊縮政策への怒りがサルコジを打倒した。ギリシャ総選挙でも連立2大与党が過半数を割って敗退した。昨年来、ヨーロッパでは大恐慌下で、ギリシャ、イタリア、スペイン、オランダ、フランスなど9カ国で政権が崩壊した。
 世界大恐慌下で不可避となった欧州債務危機と国債暴落時代への突入は、全欧州で「緊縮政策ノー」の怒りと闘いを生み出し、もはやプロレタリア世界革命の達成以外にいかなる出口も解決もないことを突き出している。問題は革命はいかにして実現できるのかだ。それに応えるものこそ本紙前号で打ち出した「春季特別号アピール」だ。

 革命的な時代認識こそ

 アピールがまず核心的に訴えているのは革命的な時代認識だ。これが闘い方も決める。
 世界大恐慌はまだ序の口で、これから本格的に激化する。しかもブルジョアジーはこの大恐慌から脱出できない。なぜなら大恐慌の基底には過剰資本・過剰生産力の大重圧があり、それはまた労働力の商品化と剰余価値の搾取という資本主義の原理的矛盾から発出しているからだ。さらに今次大恐慌は、新自由主義の破産の帰結であり、資本主義はもはや完全に終わりだということである。
 これに対する実践方針と結論は、新自由主義と徹底的に闘うことであり、そして闘えば勝利できるということだ。これはすでに、この間の動労千葉や東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の闘いを始め、階級的労働運動と職場闘争の実践が指し示している。
 われわれは新自由主義の本質をつかみ直し、労働運動の力でそれを粉砕する決起を開始している。新自由主義とは、帝国主義の最末期の絶望的攻撃であり、労働者階級の団結を徹底的に解体する攻撃だ。この攻撃と総力で闘ったのが80年代の国鉄分割・民営化阻止決戦である。国鉄分割・民営化と25年間闘ってきた動労千葉はJR外注化阻止・非正規職撤廃・偽装請負弾劾の先頭に立って日本労働運動全体を牽引(けんいん)している。
 また新自由主義は戦争・改憲攻撃へと行き着くこと、これを打ち破る力も労働運動の再生にあることを明らかにして闘ってきた。
 新自由主義攻撃の核心である団結破壊と労働組合解体の攻撃を打ち破る闘いは、党の変革と飛躍にかかっていること、それは青年労働者を先頭として各産別、各戦線の闘いと一体化した地区党建設として具体化されることも鮮明にしてきた。
 新自由主義を打ち砕く最大の道は労働組合をよみがえらせることだ。労働組合という基礎的団結形態で権力奪取、共産主義建設に至るまで勝ち抜く。労働組合は党・労働組合・ソビエトの三位一体的展開で決定的な役割を果たす。このことを明確にし、革命への目的意識性を貫いて闘おう。
 そして中央委員会と細胞という革命党の基本的なあり方は、党中央が細胞と現場に肉薄すると同時に、細胞が党中央の立場に立ち、この両者が限りなく融合・一体化して闘うことによって力強く豊かに打ち立てられる。1〜4月の闘いはこの点でも大きく前進した。
(写真 反原発・反失業 東京メーデー 夕方の集会後デモ【5月1日 千代田区】=記事2面)

 国鉄闘争の基軸的位置

 さらには国鉄決戦と反原発決戦の一体的発展をより徹底的に推し進めること、それと同時に2千万青年労働者を獲得する非正規職撤廃闘争を日帝・資本と闘う戦略的な柱に据えて闘うことの意義も鮮明になってきた。この決戦の「扇の要」に位置するのが国鉄決戦だ。今やJR資本は日帝ブルジョアジーの中枢、屋台骨となっている。
 野田政権は、かつての「土光臨調」をモデルとした「行政改革に関する懇談会」のメンバーにJR東海会長・葛西敬之らを据えた。原発輸出や鉄道輸出を日帝延命の命綱として推進しつつ、JR全面外注化を突破口に4大産別などで全員解雇・9割非正規職化を強行しようとしている。連合会長・古賀伸明もこの懇談会の構成員だ。連合指導部は今や完全に政府・資本の手先だ。
 ところが7月国労大会に向け、国労の連合への合流動向が強まっている。国労闘争団員の組合員資格確認訴訟(東京地裁)の第3回弁論に向けた準備書面で、国労本部は「闘争団に結集した組合員は……雇用の回復ができないことが確定すれば組合員でなくなることが予定されていた」「闘争団員は、納入すべき組合費について特別扱いを受け、かつ経済的援助を受ける等して、闘争を継続してきた」などと、歴史を偽造して闘争団員を切り捨てているのだ。
 こんなことが許されるか! 直ちに国鉄労働者に6・10大結集を訴え、反撃しよう。
 原発は新自由主義攻撃そのものだ。さらに被曝労働強制との闘いをマルクス主義的に位置づけ、原発労働者の過酷な非正規の現実を徹底的に暴き、組織していこう。これは廃炉への決定的な闘いだ。「反原発に労組の旗を持ち込むな」などという反動を粉砕し、再稼働阻止から全原発廃炉へ闘いを強めよう。
 学生戦線の拠点化の闘い、青年労働者の組織化、労組青年部建設に挑戦しよう。
 被災地に闘いと心のよりどころとなる拠点を建設しよう。福島診療所建設は原発事故・放射能と闘う決定的なとりでだ。
 新自由主義の最先兵、大阪の橋下反革命の打倒へ、4大産別を先頭に職場に拠点を打ち立て、全員解雇・非正規職化、道州制導入、特区・更地化攻撃に総反撃しよう。

 野田と橋下を打ち倒せ

 4月27日、日米両政府は、在日米軍再編見直しの中間報告・共同文書を発表した。この中で範囲を「アジア太平洋地域」に拡大し、質的にも「動的(ダイナミック)防衛協力」へとエスカレートさせた。4月30日には、民主党政権では初の公式の日米首脳会談が行われ、ここでオバマは「米国が再びアジア太平洋地域を主導する」と強調し、むき出しの対中国、対日帝の争闘戦宣言を発した。その軍事的な「要石」が沖縄米軍基地だ。
 米帝オバマは対中対峙・対決政策のもと日帝を徹底的に取り込み、動員し、日帝・野田は自己の延命をかけて日米安保強化、日米軍事協力に前のめりで突き進んでいる。辺野古新基地建設阻止と、基地労働者の存在と決起があらためて決定的攻防となった。
 大恐慌下、トヨタに1兆円、5大銀行に2兆3千億円のボロもうけをさせておきながら、労働者人民には消費大増税と放射能被曝を押しつける脱落日帝に未来はない。
 危機と凶暴化を深める日帝・野田と新自由主義の最先兵=橋下を国鉄闘争全国運動の発展と6・10国鉄大集会の圧倒的成功で打倒し、革命勝利を切り開こう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号1面2)(2012/05/14 )

 「原発ゼロの日」

 「止めよう」から「なくそう」へ

 “廃炉実現まで闘おう”

 「原発は止まったんじゃない。止めたんだ!」。「そうだ!」の声が一斉に上がった。割れるような拍手と歓声が会場全体から沸き上がった。どの顔も喜びにあふれた表情だ。さらに再稼働を許さず全原発の廃炉まで闘う決意を全員がいっそう強く固めた。
 5月5日のこどもの日、「原発ゼロの日/さようなら原発5・5集会」が東京の芝公園23号地で開催され、労働組合を先頭に5500人が集まった。この日、国内で唯一稼働していた北海道電力泊原発3号機が停止し、50基の原発すべてが止まった(東京電力福島第一原発1〜4号機は今年4月、電気事業法に基づき廃止)。
 勝利を実現したのは、福島や原発立地の地元を始めとした全国の労働者民衆の“原発は絶対許さない”の闘いだ。その最大の力こそ3・11福島県民大集会への労働組合を中心とした1万6千人の大結集だ。
 午後1時からのオープニングコンサートに続き、1時半から集会が始まった。主催者あいさつを3人の呼びかけ人が行い、経済評論家の内橋克人さんは、稼働停止は政府にとっては「新たな原発立国への準備」にすぎないと警鐘を鳴らし、「原発を永久にゼロにしよう」と訴えた。現地報告として、北海道から長田秀樹さんが泊原発の問題点を3点あげて批判、「ともに頑張りましょう」と呼びかけた。
 福島から「原発いらない福島の女たち」が登壇、代表して椎名千恵子さんが「福島では、高線量の中で子どもたちを動員した復興キャンペーン・イベントが進んでいます。しかし、福島原発告訴団や、命の側に立つ診療所建設運動が立ち上がっています」と報告し、原発をなくすまで闘い続けようと訴えた(4面に関連記事)。
 集会のまとめを作家で呼びかけ人の落合恵子さんが行い、「電力不足のうそを蹴っ飛ばし、今日からまた始めの一歩を踏み出していこう」と呼びかけた。
 デモの出発だ。出口で福島の女性たちを中心とした30人近くの人たちが“かんしょ踊り”でデモ隊を激励するなか、労働組合旗やのぼりなどを押し立てた隊列が次々と繰り出した。NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)の隊列には、先頭周辺にも後方周辺にも飛び入りの参加者が続出し、デモ出発時の数倍にふくれあがった。
 デモ終了後のNAZENの総括集会で織田陽介事務局長がアピールした。「これからが正念場だ。『止めよう!』から『なくそう!』の闘いが始まった。これからもっとたくさんの人が立ち上がってくる。その中から廃炉への困難をのりこえていく力が生まれてくる。解雇や被曝労働を許さない。原発労働者と団結しよう。労働組合をよみがえらせよう。労働者が団結すれば原発はなくせる」。福島の青年は「これから原発をなくして平和な地球を守って行きましょう」と発言した。最後に団結ガンバローを三唱して闘いを締めくくった。 

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号1面3)(2012/05/14 )

前進速報版から 前進速報版から

▼反原発・反失業東京メーデーにドイツから連帯あいさつ▼広島大学で肥田舜太郎さん講演会▼星野ビデオ国賠裁判で証拠隠滅を追及

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号2面1)(2012/05/14 )

 6・10国鉄集会への大結集を訴え

 全国各地でメーデーに立つ

 最末期の危機をあらわにする新自由主義との対決が〈国鉄・橋下・反原発・被災地>を焦点に激化し、他方で、国労本部の露骨な連合加入策動があらわになるなど労働運動全体の根底的な大流動が始まる中、国鉄闘争全国運動6・10大集会の大成功に向かって全国各地で闘うメーデー行動が意気高くかちとられた。

 東京 “反原発・反失業”掲げ 日比谷集会軸に1日行動

 東京では連合や全労連が「絆(きずな)」「復興」の名で闘うメーデーをゆがめる中、郵政非正規ユニオンや東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会を先頭に5月1日、全労協系の第83回日比谷メーデーに参加、結集した各現場の組合員に6・10集会への結集を訴えた。デモでは、30本の組合旗を林立させた郵政非正規ユニオンを先頭に霞が関一帯を席巻した。
 日比谷メーデーで主催者あいさつをした国労東京地本委員長は、国鉄闘争に一言も触れず裏切りをあらわにした。だがデモに出た国労組合員は、組合幹部の統制をはねのけ郵政非正規ユニオンらのコールに唱和した。
 文京区民センターで夕方に開かれた「反原発☆反失業/東京メーデー」(主催・実行委員会)には、日中のメーデー行動をそれぞれやりきって250人が結集した。“新自由主義と対決する労働運動ここにあり!”を示す力強い集会となり、労働運動の責任勢力になる決意を固めた。
 東京労組交流センターの岩本正治代表の開会あいさつで始まり、メーデー闘争が各労組から報告された。
 郵政非正規ユニオンの郵政本社弾劾行動、鈴コン分会の社前闘争の報告に続き、精神医学研究所付属東京武蔵野病院労組(精研労組)の組合員らが胸をはって登壇した。精研労組はこの日、賃上げ要求を掲げて22波目となる春闘ストライキに立ったのだ。「ストは非正規の雇い止め、低賃金化、人間扱いしない新自由主義資本への回答だ。春闘で正規と非正規が一体となって闘うことをつくりだし、新自由主義資本に絶対に勝つ。労働運動の責任勢力となり、6・10大集会へ!」と熱烈に呼びかけた。
 国労共闘の仲間は「平成採を獲得し国労を変える」と闘う国労再生への決意をみなぎらせた。
 郵政労働者が「連合メーデーには野田首相が来て増税をやると宣言した。連合こそ最大の『イエスマン』だ」と弾劾、「労働への発言権で管理者・連合幹部の職場支配を覆そう」と訴えた。
 金属労働者が春闘の勝利報告を行い、NAZEN事務局次長の富田翔子さんが、アメリカのオキュパイメーデー呼びかけ文を限りない連帯の意を込めて紹介した。また合同・一般労組全国協議会の小泉義秀事務局長は「1千人の全国協の組織建設をなしとげる」との決意を明らかにした。集会には、ドイツの闘う労働者からも連帯メッセージが寄せられた。
 まとめに労組交流センター青年部長が「6・10集会に集まって新自由主義に大反撃を開始しよう」としめくくり、全体で団結ガンバローとインターナショナルを斉唱。
 集会を終えた参加者は、メーデー1日行動の最後にデモを貫徹した。
(写真 日比谷メーデー終了後、日比谷公園を出発したデモ隊は、福島の女性たちを先頭に経産省前で座り込む人たちと熱いエールを交歓【5月1日】)

 闘う労組の再生へ 仙台と広島で集会・デモ

(写真 〈上〉仙台でのメーデーデモ【5月1日】〈下〉広島市内を元気にデモ【4月30日】)

 宮城と広島でも「反原発・反失業メーデー」がかちとられた。集会を主催したのは、いずれも昨年、「政治休戦」を振りかざした階級闘争圧殺の攻撃を打ち破って「震災解雇反対」「すべての原発を今すぐなくそう」を掲げて闘うメーデーを開催した仲間たちだ。
 被災地・宮城では5月1日、みやぎ連帯ユニオンと東日本大震災現地救援対策本部の主催で集会とデモが仙台市で開かれ、50人が集まった。
 「震災解雇を撤回させたことを誇りに感じている。職場から大きな力をつくりたい」。みやぎ連帯ユニオンの組合員の発言に大きな拍手が送られる。この1年は、震災解雇攻撃や2万人の死と向き合い、闘う労働組合をつくるための悪戦苦闘の連続だった。だがそれは労働者が社会の主人公になっていく誇り高い闘いだ。拍手にはそうした思いが込められていた。
 東北石けん分会の成田勝副分会長の怒りと展望あふれる提起や現地救援対策本部の谷和司さん、福島労組交流センターの丹治満さん、仙台市職労の神保美彦さんもアピールに立った。
 午前中に仙台市で開かれた連合の「絆・メーデー」は、現場の怒りとは裏腹に、資本家と一体となった「復興」を要求、原発については触れることさえなかった。
 広島では4月30日、原爆ドーム前で「原発再稼働・増税・戦争の野田政権打倒!」を掲げた実行委員会主催の集会と市内デモがかちとられた。
 集会では広島県労組交流センター植野定雄事務局長の基調提起を始め広大生協労組、広島連帯ユニオン草津病院支部、広島連帯ユニオン郵政支部、動労西日本、高陽第一診療所労組、広島大の学生が次々とアピール。高陽第一診療所労組は闘いの拠り所となる福島診療所建設の先頭に立つ決意を表明した。
 広島連帯ユニオンの鈴木範雄委員長が「国鉄闘争全国運動は新自由主義と対決する労働運動の結集軸だ」「地域共闘を拡大し、6・10国鉄全国集会から8・6ヒロシマの闘いへ」という「2012年メーデー宣言」を力強く読み上げ、参加者の圧倒的な拍手によって確認された。
 ------------------------

 郵政・鈴コンに社前闘争 解雇撤回へ怒りつきつけ

(写真 郵政当局に「春闘申し入れ要求」をたたきつけ本社前で怒りのシュプレヒコール【千代田区】)

 郵政本社行動

  郵政非正規ユニオンは日比谷メーデーに参加した後、郵政本社への弾劾行動に決起した。「賃金あげろ! こんな低賃金・非正規労働で生きていけるか!」「雇い止めを撤回しろ!」「非正規職撤廃!」。郵政本社は怒りのシュプレヒコールに包囲された。
 その中を斎藤裕介委員長ら3人が本社建物に入り「春闘申し入れ要求」を突きつけた。賃上げを始めとした「雇い止めは不当である」という7項目の要求だ。
 「非正規職は好きでやっているんでしょ」。これが郵政当局の回答だ。ふざけるな! 斎藤委員長は「無権利、低賃金の非正規を好きでやっている人がいるか! 非正規だろうと一生懸命働いているんだ。生活を保障しろ」と当局を1時間30分にわたり追及、郵政本社を圧倒する申し入れ・弾劾行動を貫徹した。

(写真 赤旗を林立させ鈴木コンクリート工業工場前で解雇撤回を求め社前行動【東京都板橋区】)

 鈴コン工場前

 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会も日比谷メーデーに参加した後、鈴木コンクリート工業の工場前で解雇撤回を求める社前闘争に決起した。合同・一般労組全国協議会や地域の労組など70人がかけつけ、社前には赤旗が林立した。
 まず分会員が、工場長に対して団体交渉要求の申し入れ書を読み上げ会社に提出。続いて支援や分会員がマイクを握って鈴木資本を次々に弾劾。
 鈴コン分会闘争支援・連帯共闘会議(準)呼びかけ人の花輪不二男さんは「分会の要求は人間として労働者としてまっとうに扱えと言っているだけだ。よく考えるよう申し渡す! これは『人間宣言』だ」と怒りを込めて訴えた。解雇撤回闘争の当該3人は解雇撤回要求をたたきつけ、同時に、会社の先兵になっている第2組合を見限って鈴コン分会に結集し職場を変えようと熱烈に呼びかけた。多くのミキサー車が工事現場から戻ってくる。社前闘争に目を見張り、当該にあいさつしていくドライバーも多い。後日、「すごい数だったなあ」「次はいつやるんだ」と職場では大反響だったという。
 職場・地域に団結を広げ解雇を撤回させよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号2面2)(2012/05/14 )

 青年A君を奪い返す

 ちば合同労組への弾圧を粉砕

 職場での闘いも大前進

 不当逮捕されていたちば合同労組の青年組合員A君が4月27日夕、釈放をかちとり、仲間に出迎えられた。千葉を中心に多くの仲間が駆けつけ、千葉市内で奪還勝利集会がかちとられた。
 弾圧への怒り冷めやらないA君は、「受けた弾圧は、職場闘争の実践で倍にして返す」と決意を明らかにした。A君は完全黙秘・非転向の闘いの中で一日一日鍛え上げられ、勝利者として、よりたくましくなって仲間の元に戻ってきた。権力の弾圧は完全に墓穴となった。
 今回の弾圧の性格は鮮明だ。2千万青年労働者が、この腐った社会のあり方に対して闘いを開始していることそのものへの弾圧だ。A君は、非正規雇用の現場で原則的に労働組合をつくり、偽装請負を摘発し、解雇を撤回させてきた。この闘いの渦中で分会をつくり、賃上げをかちとり、非正規職闘争の先端的闘いを前進させてきた。 
 だからこそ、A君への弾圧は熾烈(しれつ)を極めた。権力のデッチあげた「電磁的公正証書原本不実記録」を口実とする弾圧は、低賃金ながらも必死に青年が生きようとすることそのものをたたきつぶす弾圧だった。長時間にわたる取り調べ、家族をも恫喝した転向強要など、警察権力はありとあらゆることを行いA君の闘いをつぶそうとしてきた。
 この許しがたい弾圧に対し、全国の青年が自分のことのように怒り、実に多くの仲間から激励のメッセージやカンパが寄せられた。何よりA君とちば合同労組の仲間の揺るぎない団結こそが、奪還をかちとる決定的な力となった。
 特筆すべきは、A君を獄にとらわれながらも、今春闘の団体交渉で「時給10円の引き上げ」や、職場全員の「期限の定めのない雇用契約」をかちとったことだ。
 A君奪還の勝利をもって、「闘えば勝てる!」という新たな青年運動のうねりがつくられた。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号2面3)(2012/05/14 )

 国労組合員資格確認訴訟 連合加入狙う本部を弾劾

 “被解雇者は本来組合員ではない” 露骨な主張に怒り

 一昨年の4・9政治和解を拒否して闘う4人の国労闘争団員を原告とする組合員資格確認請求訴訟の第3回口頭弁論が5月9日、東京地裁民事第11部(白石哲裁判長)で開かれた。
 国労本部は10年7月の全国大会で、闘争団員を選挙権・被選挙権を持たない特別組合員にし、11年7月の大会では組合員の範囲を「JR及びその関連会社に雇用された者」に限定する規約改定を強行して、闘争団員から組合員資格を奪った。この暴挙に対して起こされたのが、この訴訟だ。
 前回の口頭弁論で国労本部は、闘争団員が組合員資格を失ったのは規約改定ではなく、「解雇撤回闘争の終結」を確認し、闘争団員の特別組合員としての扱いをやめるとした大会決定によるものだと主張した。4・9政治和解と「闘争終結」宣言で、闘争団員は自動的に組合員資格を失ったという暴論だ。
 これに対し原告側は、大会決定であれ規約改定であれ、闘争団員から組合員資格を奪う根拠はまったくないことを鋭く論じた準備書面を、この日の期日前に提出した。
 他方、国労本部も次のように書かれた準備書面を期日前に出してきた。
 「組合員資格はJR各社等被告の組織対象企業と雇用関係にあることが基本的な前提」「清算事業団を解雇されて闘争団に結集した組合員……の地位は……雇用の回復ができないことが確定すれば組合員でなくなることが予定されたもの」「(その)地位は……一般の組合員のそれとは基本的性格を異にする」
 つまり、90年4月の清算事業団による解雇の時点で、闘争団員は組合員ではなくなるはずだったが、恩恵として組合員資格を与えてきたというのだ。国鉄闘争の歴史を偽造し、解雇撤回を闘う者は本来の組合員ではないとするこの主張は、国労本部が今後どんな形であれ解雇撤回闘争はしないと資本に誓ったことを示している。事実、国労本部は雇い止めされたグリーンスタッフからも組合員資格を奪ったのだ。
 法廷では国労本部への激しい怒りが噴出した。原告代理人団は「連合に加入するため解雇撤回闘争をしないという被告の意図があらわになった。被告の主張はペテンであり欺瞞(ぎまん)だ」と声を強めた。早期結審を狙う裁判長の思惑は吹き飛び、国労本部も、その主張の矛盾を突く原告側の求釈明に答えると言わざるをえなかった。
 次回は7月18日。この訴訟は国労大会に向かう決戦攻防の鍵を握る。
 この日の早朝、原告の小玉忠憲さん(秋田闘争団)、羽廣憲さん(小倉闘争団)を先頭に「共に闘う国労の会」は、国労本部にほど近い新橋駅前での宣伝行動に立ち、国労本部を徹底弾劾、6・10国鉄闘争全国運動集会への結集を訴えた。
 同日、国労5・27臨大闘争弾圧被告団は最高裁に上告趣意書を提出し、上告審闘争に突入した。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号2面4)(2012/05/14 )

 関越道事故 全責任は資本・国交省にある

 規制緩和と重層的外注化 新自由主義が事故の元凶

(図1 ウイラーの孫請け会社でのシフト例)

(図2 ツアーの契約の流れ) 

群馬県藤岡市の関越自動車道で4月29日未明に起きたツアーバスの大事故は“高速道路における尼崎事故”そのものだ。
 乗客7人が死亡、39人が重軽傷を負い、運転手が一切の責任を転嫁され逮捕された。他方、ツアーを企画したハーヴェストホールディングス(大阪府豊中市)幹部は「運行はバス会社にまかせていた。居眠りは許せない」と完全に居直り、前田武志国交相は8日の記者会見で、ツアーバス対策の遅れについて陳謝しながらも「規制緩和がいけないわけではない」と平然と言い放った。絶対に許せない。

 運転手に殺人的な勤務を強いる

 事故は起こるべくして起きた。全責任は資本と政府・国土交通省にこそある。最大の事故原因はツアーバス業界での殺人的な勤務実態だ。「明日はわが身だ」「身内には『どんなことがあっても夜行バスには乗るな』と言っている」――ツアーバスに乗務している運転手たちの、切実で怒りに満ちた血叫びが事故を機にあふれ出している。
 図1は、ツアーバス大手のウイラーアライアンスの孫請け会社の勤務シフトの例だ。2人乗務だが東京―大阪間を1週間に3回も往復する。帰社後も会社の仮眠室で休み、家に帰るのは週に1日。それでも「賃金は6割程度に下がった」。こんな殺人的労働条件で「居眠りするな」というほうが無理なのだ。
 現場ドライバーは「事故が起きた時間帯はいつも眠くなる。どれだけ寝ても体のバランスが取れない」「顔に脂汗が出るくらい疲労が出る。そういうことは机上だけで議論していてもわからない」と、深夜の高速運行そのものの危険性を訴えている。
 単独運転「最長9時間・670`」という基準の見直しなどが指摘されているが、それだけでは何も解決しない。資本を野放しにする規制緩和、そのもとでの重層的な下請け・孫請け支配の構造を打ち破らない限り必ず事故は起きる。

 交通運輸産業で一斉に規制緩和

 こうした殺人的な勤務実態を生みだしたのが、政府・国交省による野放図な規制緩和だ。90年代後半以降、トラック、バス、タクシー、鉄道、航空など交通・運輸業で全面的な規制緩和が強行された。業者の参入退出、運賃などが自由化され、価格競争、重層的な業務外注化が進んだ。
 いわゆる「高速バス」(高速乗合バス)には時刻表があり、道路運送法が適用される。他社の車両や運転手は使えず、便数や運賃の変更には30日前の届け出が必要だ。
 これに対してツアーバスは、旅行業法に基づき、旅行業者が観光バスを借り上げて集客する「募集型企画旅行」と呼ばれる。代金は、運賃ではなく旅行代金として収受される。主催する旅行業者は、道路運送法に基づく一切の規制を逃れ、乗客の安全確保にも責任を負わない。00年(貸切バス)と02年(乗合バス)の規制緩和でこうした業態が生まれ、バス会社は10年間で倍増した。事故を起こしたハーヴェストは、オリオンツアー、ウイラーアライアンスなどとともにツアーバス最大手のひとつだ。
 こうした大手業者は、業績の拡大とともに次々と中小のバス会社を吸収・子会社化し、さらに提携する旅行会社のもとにあるバス会社をも動員して、インターネットで集めた客を各バス会社に割り振る。繁忙期には電話1本で増便に次ぐ増便を行う。過当競争の中で下請け、孫請けのバス会社はどんどん委託料金を引き下げられた。「とてもやっていけない」。それでも大手業者に切られないよう、どんな仕事でも請けるしかない。
 今回のツアーでは、ハーヴェストが17万円の委託料で発注、間に二つの業者が入って1万円づつ中抜きし、バスを直接運行した陸援隊は15万円で受注していた(図2)。高速料金と軽油代を引けばほとんど利益は出ない。運転手は人手が足りない時にかり出される日雇い運転手だった。
 国交省は事故前の4月3日に公表した「バス事業のあり方検討会報告」で、高速バスとツアーバスを一本化し「それぞれの長所を生かし、柔軟な供給量調整や価格設定が可能な新たな高速バス規制の導入」を打ち出している。これは、高速バスへの規制さえ取り払い、ツアーバスに一本化する新たな規制緩和そのものだ。「監査体制強化で安全を確保する」と言っているが空論もいいところだ。ツアーバス会社だけで四千数百社、乗合バスが数百社、タクシーが八千社、トラックは六万社もある。これらの監査にあたる国交省職員は300人。最初から監督する気などないのだ。

 職場からの闘いで生命を守ろう

 何よりも、さらなる業務外注化と非正規職化で危機の突破をはかる日本経団連、その先頭に立つJR資本などのブルジョアジー中枢こそ関越道事故を起こした張本人だ。
 反合理化・運転保安闘争路線を武器に10年間外注化を止めてきた動労千葉や、労組が軸になり中小資本も組織して139日間の産業ゼネストで勝利した全日建運輸連帯労組・関西地区生コン支部のような闘いが全職場・産別で今こそ死活的に求められている。6・10集会にすべての怒りを集め、新自由主義と闘う労働運動をつくりだそう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号2面5)(2012/05/14 )

【要項】鉄道運輸機構訴訟控訴審


鉄道運輸機構訴訟控訴審
5月17日(木)午後2時
東京高裁101号法廷 小玉忠憲原告本人尋問

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号3面1)(2012/05/14 )

 橋下の労組つぶし打ち破れ

 不起立闘争で団結を拡大し教育の民営化攻撃と対決を

 革共同教育労働者委員会

 大阪で始まった総反乱

 今春、大阪府・市の卒業式・入学式において、37人の教育労働者が断固として「日の丸・君が代」不起立闘争に立ち上がった。大阪市長・橋下の教育民営化・首切り攻撃と真っ向から対決したこの不起立闘争は、最末期帝国主義の絶望的凶暴化としての新自由主義を打倒する職場からの歴史的反乱の始まりだ。その闘いの先頭に関西労組交流センター・教育労働者部会の仲間が立っている。
 大阪では、昨年6月府議会で「君が代」起立・斉唱条例が成立し、3月府議会では「職務命令違反3回で分限免職」とする職員基本条例が成立、4月1日から施行された。「公務員組合をのさばらせておくと国が破綻する」(12月市議会での施政方針演説)などと公言する橋下は、労働組合破壊と職場支配権解体の突破口として、処分・解雇の脅しで不起立闘争の一掃に乗り出してきたのだ。
 卒業式を前に、職場では不起立をめぐる激論が繰り広げられた。ある教育労働者は3月の卒業式を前にした職員会議で全職員に「職場のみなさんへ」というアピール文を配り、「橋下の教育破壊・労働組合破壊の攻撃に対しての職場からの反撃を開始しましょう」と熱烈に訴えた。校長と分会三役は一体となって「混乱を招く」「攻撃を招き入れる」から「不起立するな」と必死で脅してきた。ほかの職員は「気持ちはわかる」と共感を表明した。
 1人の教育労働者の絶対反対の不起立闘争が職場に分岐を生み出し、攻撃の本質と労組幹部の正体を暴き出す中で、本物の階級的団結をつくり出す闘いが始まった。
 続く入学式当日、市教委はこの教育労働者に「場外待機・職員室業務」を命じる異例の職務命令を発出し、なんと分会役員が教委職員とともに監視。4月19日には卒業式の不起立に対して戒告処分を通知してきた。
 「立てないんだったら公務員を辞めろ」と豪語していた橋下は、「立ちたくなければ欠席という選択をするのが大人の知恵」と、処分・解雇の脅しが打ち破られたことに大打撃を受けている。
 また府立高卒業式に出席した大阪維新の会のある府議会議員は、卒業生へのお祝いの言葉も述べずに不起立した教員を非難し、さらにブログで「残念な卒業式」などと中傷したため、生徒・保護者・PTAからの抗議が殺到して、謝罪に追い込まれた。
 大阪の闘いに連帯して、全国で多くの教育労働者が決起した。2003年「10・23都教委通達」から9年目の東京の卒・入学式では、のべ4人の都立学校教員が不起立を堂々と貫いた。文部省の「是正指導」から14年の広島も5人が処分を辞さず決起した。
 「日の丸・君が代」不起立闘争は、世界大恐慌という資本主義の最末期の危機の中で、教育の民営化攻撃と対決し、現場のあらゆる怒りを解き放ち、糾合し、新自由主義を打ち破っていく歴史的な大闘争へと飛躍・発展しようとしている。

 教育が資本の金もうけの場に

 橋下と大阪維新の会の「大阪都構想」は、大阪府・市の行政事業の丸ごとの民営化であり、公務員労働者の全員解雇攻撃である。現業職場に攻撃を集中し、民営化によって市職員の半分にあたる1万9千人を削減、これと一体で学校統廃合・民営化攻撃を仕掛けてきている。
 「ユーザー視点」と称して、保護者や子どもに「好きな学校を選択できる」「特区で優遇された手厚い教育が受けられる」などとデマ宣伝をしながら、実際にやろうとしていることは、大阪市の公立小中学校429校のうち100校以上を統廃合で廃校にし、「スーパー特進校」以外はすべて民営化することだ。学校跡地を更地にして再開発し、教育のハードからソフトすべてを外注化・民営化し、資本の金もうけの場にする新自由主義の極致だ。「君が代」斉唱も「校長の学校マネジメント」と位置づける橋下は、まさにそのために職場の団結と労働組合を破壊しようとしているのだ。
 引き起こされるのは、貧困家庭の子どもたちの学校と教育からの排除であり、何よりも膨大な教育労働者の首切りだ。これを強行するために分限条例を改悪し、「整理解雇」を合法化し、教育2条例で「指導が不適切な教員」の分限免職を明記した。この条例自体が、戦後教育法制・労働法制を根本的に解体する改憲攻撃というべきものだ。
 教育破壊・労組破壊の橋下教育改革に対して、全労働者の未来をかけて絶対反対を貫いて闘おう。

 狙いは公務員全員解雇

 橋下の新自由主義攻撃の原点は、国鉄分割・民営化による国鉄労働運動解体だ。同様に教育の民営化攻撃も、1980年代の行革・臨調と一体で進められた臨教審による日教組解体攻撃から始まった。日教組本部は「国労のようになりたくない」と、政府・資本の教育政策に対する「対決・抵抗・阻止」を投げ捨てて、1995年の路線転換で文部省の教育改革の「パートナー」に成り下がった。
 臨教審の「教育の自由化」論を「個性重視」の名による多様化路線へと集約した文科省は、90年代にかけて高校多様化や中高一貫校創設など戦後教育制度の転換を進めてきた。エリート教育に重点投資し、公教育をスリム化しようとするそれは、95年に日経連が「新時代の『日本的経営』」報告で打ち出した、9割の労働者の非正規職化・労働力3種化の政策に対応したものだった。89年学習指導要領改訂―指導義務化による「日の丸・君が代」攻撃は、教育労働者の職場支配権の解体を狙う教育改革攻撃の最大の切っ先だったのだ。
 他方、2000年代に入ると「NPM(ニュー・パブリック・マネジメント)改革」の名のもと、学校管理に民間経営手法が持ち込まれ、学校を大きく変貌(へんぼう)させてきた。「主幹」「指導教諭」などの中間管理職の設置、業績評価制度の導入と賃金反映が進み、職場に新たな差別と分断が持ち込まれてきた。協力協働で成り立ってきた教育労働のあり方が破壊され、現場労働者はすさまじい管理強化と労働強化・多忙化にたたき込まれてきた。
 しかし今、大阪から始まった攻撃は、これまでの延長線にあるものではない。大恐慌と原発事故で破産した新自由主義は、その絶望的延命をかけて、「復興特区」と「大阪都構想」を二大焦点に道州制―公務員360万人首切り、全員非正規職化へと破滅的に突進しようとしている。
 公務員労働者を路頭に放り出し、教育も福祉も医療もことごとく破壊する――こんなめちゃくちゃな攻撃は、労働組合が率先協力することなしには成り立たない。労働組合の屈服と協力こそ新自由主義攻撃を可能にしたのだ。だから、これを打ち破り、覆し、労働組合をめぐる攻防に勝ちぬくことに一切がかかっている。職場から団結をつくり出し、闘う労働組合をよみがえらせるチャンスがついに到来したのだ。

 職場の怒り解き放とう

 「日の丸・君が代」闘争は、1985年の文部省の「指導徹底」通知以来、全国で数千人の被処分者を出しながら、今なお継続されている長期強靱(きょうじん)な闘いである。89年の「指導義務化」によっても、99年の「国旗・国歌法」法制化によっても、06年の教育基本法の改悪によっても、闘いがやむことはなかった。
 石原・都教委は、03年「10・23通達」で不起立者に対して停職処分にまでいたる過重処分を加え、退職後の雇用を奪い、「再発防止研修」の名で執拗(しつよう)な転向強要研修を加えてきたが、それでも今なお不起立闘争を一掃できていない。
 「日の丸・君が代」闘争は、”教え子を再び戦場に送るな”という教育労働者の誇りをかけて闘われてきた職場抵抗闘争であり、教育と教育労働のありようをめぐる生命線=「反合・運転保安闘争」である。
 業績評価制度の導入に対しても、「新職・新級」設置に対しても、日教組本部から闘争方針が出されることはついになかった。しかし、勤評闘争・主任制闘争の地平は、「日の丸・君が代」闘争としてランク&ファイル(現場組合員)によって脈々と引き継がれてきたのである。
 この闘いが、支配階級が一貫して追求してきた教育の民営化を核心的に阻む力となってきたのだ。だが、世界大恐慌と大震災・原発事故で大打撃を受けて帝国主義脱落のふちに立つ日帝・支配階級は、橋下をファシスト的な先兵にして、破産した新自由主義の破滅的推進に突進し始めた。
 3・11情勢下の「日の丸・君が代」不起立闘争は、新自由主義の道州制・民営化、大量首切り攻撃と対決し、職場の渦巻く怒りに火をつけ、解き放つ闘いだ。橋下による教育の民営化=教育破壊や労組破壊と徹底的に闘い、「日の丸・君が代」不起立闘争―反処分闘争を、新自由主義と対決する職場の団結拡大闘争として闘いきろう。
 橋下との闘いは、大阪のみならず、全国の労働運動の命運がかかった決戦だ。4大産別、とりわけ自治体労働運動と教育労働運動にとっては、道州制―公務員360万人首切り、非正規職化との攻防の帰趨(きすう)がかかった決戦である。全国で橋下打倒・教育の民営化阻止へ決起しよう。

 国鉄全国運動に合流し6・10へ

 新自由主義とは、労働者階級の団結を徹底的に解体する攻撃である。今日、日帝の新自由主義攻撃と最先端で激突しているのが、動労千葉の外注化阻止・非正規職撤廃・偽装請負弾劾の闘いだ。そして、新自由主義と対決する労働運動をつくり出していくのが国鉄闘争全国運動だ。
 新自由主義がもたらした原発事故、すべてを奪われ被曝を強制され続ける極限的現実の中で、労働者階級はもちろん農民・漁民など全人民が生きるための闘いに立ち上がっている。原発労働者に強いられている過酷な現実と重層的な支配構造は、まさに新自由主義の労働者支配の典型である。その最大の共犯者は連合だ。
 子どもたちが生きていく未来にどんな社会をつくり出すのか。非正規職撤廃闘争は、職場闘争の課題であると同時に、新自由主義攻撃を打ち砕く現代プロレタリア革命の核心的課題となっている。その主体こそ青年労働者だ。問われているのは、階級の普遍的利益のために闘い、社会を変革する主人公としての労働組合の再生だ。
 3・11でかちとられた”再稼働阻止・すべての原発を今すぐ廃炉へ”の全人民的共同綱領のもと、被災地・フクシマとのあらゆる分断攻撃を団結の力で打ち破り、放射能から子どもたちの未来を守りぬく革命的団結の拠点として、福島に診療所建設をかちとろう。福島県教組と固く連帯し、教育労働者こそその最先頭に立とう。
 闘う教育労働者は、全国の職場・分会から6・10全国集会に総結集しよう。革共同教育労働者委員会に結集し、ともに闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号3面2)(2012/05/14 )

 「君が代」強制反対 広島・東京での不起立

 東京 転向強要研修を弾劾 “都教委は処分やめろ”

 東京都教育委員会は4月26日、都立校の入学式において「君が代」斉唱時に不起立を貫いた教育労働者1人に対して戒告処分を下した。この教育労働者は昨年の入学式、今年の卒業式に続いて3回目の不起立処分を受けた。2003年「10・23都教委通達」から9年目の今春、不起立闘争を完全に根絶・収拾しようとする動きを突き破って、大阪の教育労働者と連帯し、処分を受けて立って「日の丸・君が代」強制反対を堂々と貫いたのである。
 都教委は5月7日、被処分者に対して「服務事故再発防止研修」を実施した。当日朝、会場の東京都教職員研修センター前には、研修強行に抗議する教育労働者と支援者が集まり、「不当処分を撤回しろ」「都教委は再発防止研修をやめろ」などとシュプレヒコールを繰り返した。
 3時間半もの研修を受けた後、会場前に出てきた被処分者は、「研修内容は4月に行われた卒業式の不起立に対する再発防止研修と基本的にほぼ同じ。私は毎回申し上げているとおり、不起立という行為はけっして恥じるものではないし、処分を科されるようなものではないと思っています。思想及び良心の自由に基づいたものでありますし、思想や良心に変更を迫られるものではないと考えています」ときっぱり述べた。
 大阪市長・橋下による「君が代」起立・斉唱条例、職員基本条例・教育基本2条例との闘いを最先端の攻防にして、教育の民営化・教育労働者の首切りをめぐる大決戦の時が来ている。大阪の教育労働者と固く団結して闘おう!
(写真 卒業式に続き入学式でも不起立を貫いた教育労働者とともに不当研修を弾劾【5月7日 水道橋】)

 広島 大阪と連帯した闘い 組合幹部の制動つき破る

 大阪市長・橋下の教育民営化攻撃と闘う大阪の教育労働者の決起、そして3・11郡山の大集会と一体で、広島でも教育労働者が「日の丸・君が代」強制に反対して不起立闘争を闘いぬいた(卒業式の処分は3人、入学式は2人)。
 職務命令による「日の丸・君が代」強制・組合破壊攻撃のさきがけとなった広島への98年文部省(当時)「是正指導」から14年。広教組・高教組の本部が闘争を放棄して以後も、現場からの決起は一度もやむことなく不屈に続けられてきた。それは石原・都教委の03年「10・23通達」との闘いと結び、ついに今年は橋下と対決する大阪の決起と結合した。
 大阪の決起の波及におびえる広島県教委は、今春卒業式での「不起立ゼロ」実現に躍起となった。不起立を貫く広教組組合員に対しては校長の職務命令に加えて、市教委の役人、教育長、PTA会長らが入れ替わり立ち替わり職場に来て圧力をかけた。しかし新自由主義による組合破壊、教育破壊に対する労働者の怒りに圧倒され、引き下がるしかなかった。
 許し難いのは体制内労組役員だ。不起立で闘う組合員を守るどころか、「処分を出さないのが組合方針。今回はあなた1人になるかも」と言って、当局と一体で不起立をやめるよう「勧告」してきたのだ。大阪市教組本部とまったく同じだ。
 最高裁の職務命令合憲判決を受け、広高教組本部も不起立処分をめぐる裁判・人事委員会闘争を放棄し、組合員に提訴を取り下げさせた。国鉄闘争を絶滅しようとした「4・9政治和解」と同じ構図だ。広島の教育労働者はこれをはね返し、新自由主義・教育民営化に対する「絶対反対」の階級的怒りを貫いて不起立を闘った。不起立闘争の「絶滅」をけっして許さない闘いは、「国鉄闘争の火を消すな」と全国運動を組織している動労千葉、共に闘う国労の会の闘いと一つだ。
 不起立処分、成果給導入、非正規化と多忙化、学テのための授業、増え続ける精神疾患・病休、そして子どもたちを被曝させた原発――これらすべてをもたらした新自由主義、文科省の教育支配への怒りはあらゆる職場に渦巻いている。怒りを解き放ち、新自由主義を逆包囲する教育労働者の団結をつくり出そう。広島の教育労働者は福島県教組と団結し、8・6に向かって全原発廃炉の闘いの先頭に立つ。
 (広島・教育労働者委員会)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号3面3)(2012/05/14 )

 ショーワ・ジェコー 不当解雇撤回せよ

 社前で非正規撤廃を要求

(写真 ジェコー本社前で被解雇者が全国から駆けつけた支援者とともに非正規職解雇を弾劾した【4月27日 埼玉県行田市】)

 「突然解雇されて、どん底に突き落とされた。『派遣だから交渉に応じる必要もない』なんて許せない。労働者派遣法をなくし、非正規職を撤廃するまで生涯をかけて闘う」
 4月27日、埼玉県行田市にあるホンダ系自動車部品メーカー・ショーワ(ショックアブソーバなどを製造)本社工場の門前に、派遣切りされた元派遣労働者の怒りの声が響きわたった。正門は閉ざされ、増強された警備員が立ち並ぶ。正門の先の本社建屋前には労務担当重役を始め管理職30人あまりが立ち並び、憔悴(しょうすい)した表情で見ている。昼休憩中の工場のあちこちからショーワで働く労働者たちが門前の抗議行動をじっと見ている。
 赤旗を林立した抗議行動では、3年前に派遣切りされた労働者が次々マイクを握り、支援に駆けつけた全国の仲間が怒りの声を上げた。ジェコーで闘う被解雇者もともに怒りの声を上げた。
 ショーワでは、リーマンショック直後の08年末派遣切りで約300人の派遣労働者が次々と職を奪われた。それに対して一般合同労組さいたまユニオンの行田分会を立ち上げ、ピケを張って機械をぶっ止め、ショーワとの団体交渉を求めて闘った。
 それから3年、現在労働委員会で争っているが、非正規職撤廃を目指してどこまでも闘い抜く戦闘宣言を発した門前行動だった。門前行動の後は、工場の外周のデモ行進を行った。あたり一帯の工場で働く労働者の注目を浴びた。
 午後4時からは、昨年も門前行動を闘った行田市のジェコー本社工場前に移動して、JAM神奈川ジェコー労組行田分会を先頭に80人で、ジェコーによる非正規職の解雇を弾劾した。
 3年間の継続した闘いでジェコーの工場内でもさまざまな異変が生まれてきている。「パワハラ・セクハラがひどくなった」という内部からの訴えが届いている。会社の労働者支配は崩れ始めた。新たに導入された20代前半の派遣労働者たちが、門前の抗議行動にびっくりしながらビラを受け取って夜勤に入って行く。ジェコーの被解雇者が全国の支援者に感謝を表しながら、経営者を弾劾した。「常務! ここへ出てこい! 派遣がどんな生活を強いられているかわかっているのか! 絶対に許さない」
 動労千葉や東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会、郵政非正規ユニオン、全金本山労組、全国の合同労組などからも弾劾の声が続いた。
 動労千葉の外注化阻止闘争、動労水戸の被曝労働阻止の闘いとつながって、非正規職撤廃の闘いが大きく前進し本格的全面的に発展し始めたことを実感させるショーワとジェコーの現地門前行動であった。
 (小川撤)
(写真 派遣切りされた当該を先頭にショーワ本社工場前で解雇撤回・非正規職撤廃へシュプレヒコール【4月27日】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号4面1)(2012/05/14 )

 「原発ゼロの日」 “私たちが止めたんだ”

 「原発いらない福島の女たち」のアピール

(写真 「さようなら原発集会」で登壇した「原発いらない福島の女たち」。代表して椎名千恵子さんが発言した【5月5日 芝公園】)

 日本全国の原発がすべて稼働を停止した5月5日、福島から「原発いらない福島の女たち」の呼びかけ人が上京し、集会や経産省前テントでの行動の先頭で闘いぬいた。東京・芝公園で開かれた「原発ゼロの日/さようなら原発5・5集会」での椎名千恵子さんの発言、夕方から経産省前テントひろばで開かれた「原発ゼロを祝うセレモニー」での佐藤幸子さんと黒田節子さんの発言を紹介します。フクシマと連帯し、さらに闘おう。(編集局)

 原発なくす日まで

 原発いらない福島の女たち・未来を孕む女たちのとつきとおかのテントひろば世話人 椎名千恵子さん

 緑がきれいですね。東北も桜の花、桃の花が終わり、若葉がきれいになりました。自然は確かにうつろい進んでいます。しかし福島は3・11のまま止まっています。
 日曜日になると、子どもたちが街頭に駆り出されます。先日は「キッズパレード」と称して、1〜2マイクロシーベルトという高線量の中を子どもたちが歩かされました。復興キャンペーンイベントです。今月は郡山で「子ども夢駅伝」というイベントが行われます。私たちの胸は張り裂けそうです。悔しいです。力が足らないのですが、なんとか阻みたい。
 しかし泣いてばかりいるわけではありません。先日、福島原発告訴団が立ち上がりました。命の側に立つ診療所建設運動も立ち上がっております。まだまだ力不足です。みなさん、つながって応援してください。
 今日は原発いらない女たちが経産省をかんしょ踊りで取り囲みます。かんしょ踊りは、会津地方に古くから残る盆踊りです。民衆が民衆の生を謳歌(おうか)して、178番の歌詞をつけて踊るものです。ところが戦後、GHQが弾圧しました。あまりにも激しい民衆の意志が見えたからです。私たちはそのあらがいの踊りを今日、踊ります。経産省を取り囲みます。みなさんもつながってください。
 今日、全国で原発いらないと長年活動してきたみなさん、そしてまた3・11以降、原発いらない日を目指して頑張ってくれたみなさんとともに原発ゼロを迎え、子どもたちにプレゼントをすることができます。すばらしいと思います。止まったんじゃない、止めたんだということを確認しましょう。
 もう一つ確かめたい。どんな絶望的なことが起きても、子どもを守る、未来を守る、未来をつくっていく大人たちがここに集まっています。これこそ生きる姿勢を見せる、子どもたちへの何よりのプレゼントではないでしょうか。
 さまざまな違いがあります。時にそうした違いに腹を立て、怒りを持ち、情けなくもなり、がっかりもします。しかしそうした時に、いったいそうした事態を誰が喜ぶんだと頭に据えて、今日のこのつながりをほどかず、ひるむことなく、原発いらない日に向かっていきましょう。

 勝利へスタートだ

 原発いらない福島の女たち/子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表 佐藤幸子さん

 五月晴れの中で原発ゼロの日を迎えることができて、本当にうれしいです。みなさんとお祝いしたいです。
 去年の5月5日、みなさんはどこで何をしていましたか? 1年前の混乱期、私たちは何をしていたか思い出すこともできない日が多かった。9月に県民健康管理調査の問診票が配られて「3月の行動を書きなさい」と言われたけれど、ほとんどの方がどこで何をしていたか覚えてない。
 でも私は去年の5月5日を忘れることができません。喜多方で(県放射線健康リスク管理アドバイザーの)山下さんの講演を聞いていました。山下さんは最後に「福島の子どもたちは幸せです。あなたたちにはこれから線量計が配られます。自分で測って計算して、数学に、科学に、原子力に強くなれる。世界一の教育が受けられます」と言ったんです。絶対に許せないと思いました。
 その時に誓いました。「来年の5月5日は本当に子どもたちにプレゼントをしたい」と。子どもたちが本当に幸せになるのは原発を止めること以外にありません。
 まさにその5月5日、政府はわざわざ私の願いをかなえてくれました。思いは必ず通じるものです。今日、みなさんと一緒にお祝いができ、かんしょ踊りも踊れました。
 実は私、数日前にけがをしたんですけど、今日は絶対に行きたいと思って来ました。呼吸するのも痛みがあったけど、かんしょ踊りをやっている間は痛みを忘れました。人間って本当に強い。こういう大人の強さを子どもたちに見せましょう。この日をスタートに、日本の原発を廃炉まで持ち込みましょう。
 ドイツの人には「ドイツは脱原発を決めた。でも日本はそれよりも早く原発を止められるでしょう? 再稼働さえしなければ、今年止まるんですよ」と激励されました。ドイツより早く止めることを誓いましょう。子どもを守ってください。

 子どもが日々被曝

 原発いらない福島の女たち・リレーハンスト呼びかけ人 黒田節子さん

 福島の女たち、またやっちゃいました!
 ことの始まりは、若狭の中嶌哲演さんが3月25日に「ハンストをやります」と宣言されたことでした。聞いた時に私は「本当に福島のことを思っていてくださる。では私たちが立ち上がらないでどうするんだ」と思ったんです。このすばらしい感性!
 福島の女たちは本当にすごい。人数もいっぱいいるけど、粒ぞろい。持てる力を120%ぐらい発揮して、日々頑張っています。原発のめちゃくちゃな状況の中で、全国の多くの人たちが何を考え、何を希望しているか、その上に私たちがぽこっといるからです。
 福島の女たちはいろんなことをやりたいと思っています。みんなの後押しがあるので、必ずや、またやるたびに大成功すると思います。脱原発の最先頭に立ちます。
 福島では体調不良を訴える人も出てきています。若い人たちのことが心配です。
 3月末から始めたリレーハンストの参加者はのべ200人弱。全国各地で自主的にグループや個人でやっているので、正確な数字はわからないといううれしい状況です。200人にとどまらないと思います。全国の人たちの脱原発の思いをひしひし感じています。
 福島は今、大変な状況です。去年1年はいろんなイベントが差し控えられていましたが、今年から、子どもたちのマラソンやお祭りが例年と同じように行われています。3・11の会場となった開成山は線量が高く、芝生なんて2・0マイクロシーベルトがざらです。そういうところで子どもたちのイベントが始められ、子どもたちは日々被曝している。このことをいつも忘れてはいけないと思います。
 洗濯物を外に出したくない、子どもたちが緑に安心して寝転がれない、そういう日々を想像してください。放射能は目に見えない。本当にやっかいです。長い闘いになります。脱原発へ一緒に闘っていきましょう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号4面2)(2012/05/14 )

 経産省前で

 5月5日、経産省前テントひろばでは終日の行動が取り組まれた。
 正午から「集団ハンスト終了式」(写真上)。大飯原発再稼働を阻み「原発ゼロ」を実現するために3月末から続けてきたハンストの最終日。子どもの日についに原発ゼロを実現できた喜びで笑顔がいっぱいだ。
 午後は芝公園の集会に合流。その後、午後5時から、かんしょ踊り(会津磐梯山古式踊り)で経産省を包囲した(写真下)。福島の女たちを先頭に踊りの列が、経産省の周り約900bを取り囲み、民衆のエネルギーを見せつけた。
 6時以降も「原発ゼロを祝うセレモニー」やリレートーク、ライブが続いた。泊原発3号機の出力停止が報じられた11時過ぎまでにぎわい、全原発廃炉へさらに闘いを広げようとみなが誓った。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号4面3)(2012/05/14 )

 “伊方再稼働許さぬ”

 伊方―松山アクション 原発廃炉・解雇阻止掲げ

 北海道電力泊原発3号機が停止し、「全原発を止めた」5月5日の翌6日、全原発の廃炉へ、新たなスタートとして、「大飯・伊方原発の再稼動を許さない! 原発なくせ5・6伊方―松山アクション」を断固やりぬきました。
 朝10時、伊方原発ゲート前に、愛媛県内をはじめ大阪、兵庫、岡山、広島、香川、徳島からも集まり、35人で「伊方原発の再稼動をするな。廃炉にしろ」と伊方原発への申し入れ行動を行いました。瀬戸内海沿岸の各地から次々と四国電力に申し入れをたたきつけました。愛媛県職員労働組合は「原発廃炉」と「廃炉に伴う解雇・雇い止めを許さず職員の生活維持を図ること」を要請。「原発廃炉・解雇阻止」を今後の行動方針としてはっきりさせるものでした。伊方原発広報課の今井部長はこれらの申し入れを受け取らざるを得ませんでした。そして原発を見下ろす丘から、全員で「被曝労働反対・原発廃炉・解雇阻止」の声をあげ、アピールしました。
 午後1時からは松山アクションです。松山市駅前坊ちゃん広場で原発廃炉のビラを配り始め、そうしているうちにどんどん人が集まってきました。1時半には坊ちゃん広場には100人を超える人が集まりました。
 郵便労働者の司会で出発前集会が始まり、大阪、岡山、広島、香川、徳島からの参加者のアピールを受けました。
 福島から高知県へ避難してきた方からは「政治にだまされないで、お金にだまされないで」と心からのメッセージが発せられました。
 愛媛からは、宗教者、反原発の市民運動を続けている方、JP労組組合員、愛媛県職労から発言を受けました。いずれも「原発を止めた」という感動と、「今日から再稼動阻止の新たな闘いの始まりだ」という決意に満ちたものでした。
 青年のコールでデモに出発。松山の繁華街を通り、青年や家族連れも途中からデモに合流し、愛媛県庁前で怒りを込め、「知事は再稼動を認めるな」と力強く声をあげました。
 デモの後の交流会では「ネットを見て初めて参加した」という声や、「労働組合が中心に座っていることに力強さを感じる」といった発言があり、全員で「全部止まったからこそ再稼動阻止・全原発廃炉の正念場が始まった」と確認し、伊方原発の再稼動を絶対に許さない決意をみんなで固めました。
 (愛媛 A)
(写真 再稼動するな! 廃炉にしろ! 伊方原発へ申し入れ行動【5月6日】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号4面4)(2012/05/14 )

 原発稼働ゼロ集会

 広島原爆ドーム前 リレーハンスト完遂

 「やったぞー!」「全部止めたぞ!」――勝利の喜びを爆発させるコールが、「フラワーフェスティバル」で数万の人びとが集まる広島の街に響き渡る。「原発はいらない」「原発なくそう」の文字を貼り付けた大きな鯉のぼり2本が、抜けるような青空の中を泳いでいく。5月5日、広島でもついに「稼働原発ゼロ」に追いこんだ勝利感、解放感に満ちあふれた集会とデモがかちとられた。
 「福島の女たちと連帯するヒロシマ女たちの会」、NAZENヒロシマ、8・6ヒロシマ大行動実行委員会のメンバーを中心に50人が原爆ドーム前に集まり、「原発稼働ゼロ宣言」集会を行った。「ヒロシマ女たちの会」は経産省前でのハンストと連帯し、4月8日から5月5日まで、24時間ハンストをリレーでつないできた。合計35人の女たちが職場や地域で一日も欠かすことなく、福島の女たち、子どもたちに思いをはせながらハンストをやりぬき、ついに稼働原発ゼロの日を迎えた女たちが、次々に勝利の報告を行った。
 NAZENヒロシマよびかけ人の下田禮子さん、吉原美玲子さんら2人の被爆者を先頭に中国電力前までのデモに出発。みんな表情が輝いている。警察はいつになくおとなしい。力関係は劇的に変わり始めている。原発はなくせる。新自由主義は打ち倒すことができる。勝負はこれからだ。6・10国鉄集会大結集を実現し、7・16反原発10万人集会を打ち抜いて、被爆67周年の8・6ヒロシマを「全原発を廃炉へ!」の歴史的大集会としてかちとろう!
 (広島 H・D)
(写真 原爆ドーム前集会終了後、中国電力前までデモ【5月5日 広島】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号4面5)(2012/05/14 )

 7・1に関空反対全国闘争

 泉州住民の会が総会

 関空-伊丹統合=売却狙う橋下

 4月29日、関西新空港絶対反対泉州住民の会は今年度総会を開き、75人の参加で大成功した。
 総会は、関西空港(関空)がものすごい危機を迎えている中で開催された。関空―大阪(伊丹)空港経営統合という危機対策、LCC(格安航空会社)に頼るしかない運営状況、関空赤字を埋めるために「市の名前を売る」泉佐野市。泉州住民の会結成27年、開港から17年、関空はぶざまに破綻している。会員と支持者が確信を深め、盛り上がる総会となった。
 来賓あいさつは、関西労組交流センター事務局長・上村敏行さん、連帯労組関生支部執行委員・武谷新吾さん、部落解放同盟全国連西郡支部長・岡邨洋さんの3人が行った。岡邨さんは、西郡住宅闘争で明け渡し強制執行との決戦に勝利したと報告し、「橋下や資本家は団結の強さを知らない。団結して絶対反対で闘えば橋下に勝てる!」と確信を込めてアピールした。
 国賀祥司代表が活動方針案を提起した。組織を拡大し、関空労働者、自治体労働者、泉州全体の労働者とともに関空反対を闘い、橋下徹大阪市長、千代松大耕泉佐野市長らと対決して、関空反対全国闘争を7月1日(日)に末広公園で開催することを決定した。
 泉佐野市長が「市の命名権を売却する」問題について、活発に意見が出された。国賀代表は「究極の新自由主義で資本主義の末期だと誰もが感じる時代になった」「千代松市長は、橋下と同じ新自由主義者で、金もうけのためなら何でもやる、労働者、住民の敵であることがよくわかった。闘いを拡大する好機が来た」と提起した。参加者は「名を売るというより、恥を売っている」と怒りを表明。上村さんは「関空破綻が行きつくところまで行った」、武谷さんは「資本主義が終焉(しゅうえん)を迎えている。言うだけでなしに、共闘を拡大しよう」と訴えた。
 次に、関空―伊丹経営統合の本質が議論された。関空は国鉄分割・民営化と同時に設立された。中曽根康弘首相(当時)が「民活第1号」と銘打ったが、破綻することは最初からわかっていた。にもかかわらず資本をもうけさせるために税金を投入した。さらに破綻した関空をも「ビジネスチャンス」として伊丹空港とひっつけて売る、正規職を解雇し非正規に換えてもうける、空港の土地を売ってもうけることを狙っているのだ。しかし、そんなことはうまくいくはずがない。
 マスコミがもてはやすLCCで関空が拠点のピーチについても厳しく批判が出された。4月29日早朝、関越道で起きた格安高速バスの悲惨な事故。居眠り運転で7人死亡、39人負傷という大事故はLCCの未来を示している。ピーチは開業1カ月たたない3月28日に長崎空港で事故を起こして修理に3日間かかり、13便が欠航した。安全性を投げ捨て、未経験者を低賃金で雇い運航する中で、起こるべくして起きた事故だ。これが新自由主義の本質なのだ!
 住民の会役員と関西合同労組が決意表明。「橋下・維新の会と闘う」「大飯原発再稼働を絶対に止める」方針を決定し役員の井上敏幸さんが総会の終了を宣言した。
(写真 泉州住民の会総会が75人の参加で大成功【4月29日 泉佐野市】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号4面6)(2012/05/14 )

日誌'12 4月24日〜5月7日

 アジア太平洋で日米が「動的防衛協力」/自民党が新たな改憲案

●在日米軍再編中間報告発表 日米両政府は、在日米軍再編見直しの中間報告を発表。アジア太平洋地域に自衛隊と米軍が連携して展開する「動的防衛協力」を打ち出した。「動的防衛協力」は、日米の共同文書で今回初めて盛り込まれた概念。自衛隊と米軍が日本のみならず、その範囲をアジア太平洋地域に広げ、「動的(ダイナミック)」に協力することを意味する。また、フィリピンを念頭に、貿易管理上の武器にあたる巡視艇の「(アジア太平洋)沿岸国への提供」を明記した。(4月27日)
●自民党が改憲案 自民党は、2005年に策定した党新憲法草案を踏まえ、新たな憲法改正案を決定した。自衛隊を「国防軍」に改め、天皇を「日本国の元首」、国旗は日章旗、国歌は君が代と明記。衆参両院で3分の2以上の賛成が必要な憲法改正の発議要件は過半数に緩和。(27日)
●バス衝突で7人死亡 群馬県藤岡市の関越自動車道上り線で、金沢発東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)行きの高速ツアーバスが道路左側の防音壁に衝突した。乗員乗客46人のうち7人が死亡、3人が重体、12人が重傷、24人が軽傷を負った。(29日)
●日米共同声明、アジア太平洋「防衛強化」 野田佳彦首相はホワイトハウスでオバマ米大統領と会談した。両首脳は「日米同盟はアジア太平洋地域の平和と安定の礎」「防衛協力の強化をめざす。日本の動的防衛力の構築と米国のアジア太平洋重視の戦略を実行する」「環太平洋経済連携協定(TPP)の二国間協議を引き続き前進させる」などとする共同声明を発表した。(5月1日)
●米F15また墜落 米アイダホ州マウンテンホーム空軍基地所属のF15戦闘機1機が通常訓練中にアラブ首長国連邦(UAE)で墜落した。同基地所属のF15は3月にも墜落事故を起こしている。同基地所属のF15E型機の部隊は、過去に米空軍嘉手納基地にも飛来。嘉手納基地には現在、F15のC型とD型が約50機配備されている。(3日)
●原発42年ぶり稼働ゼロ 北海道電力泊原発3号機が定期検査のため発電を止めた。これで国内の原発50基すべての発電が停止した。全原発が止まるのは1970年以来42年ぶりで、原発が国内の電力を担う「基幹電源」と位置づけられるようになってからは初めて。(5日)
●仏大統領にオランド氏 フランス大統領選は、決選投票で社会党のフランソワ・オランド氏が現職のニコラ・サルコジ氏を破り初当選した。(6日)
●ギリシャ総選挙で連立与党過半数割れ ギリシャの総選挙は、大連立を組む2大政党が惨敗し、過半数割れが確実となった。(6日)
●最大規模で米韓演習 韓国国防省は米韓空軍が7〜18日に韓国西部などで空中戦闘訓練「マックスサンダー」を実施すると発表した。年2回の定期訓練だが、今回は過去最大規模の60機が参加するという。北朝鮮との戦争初期の状況を想定している。(7日) 

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号5面1)(2012/05/14 )

 法大闘争の勝利を全国へ

 反原発・処分撤回を闘い不抜の学生自治会建設を

 マルクス主義学生同盟中核派・法大支部

 はじめに

 全国学生は、3・11福島県民大集会の歴史的高揚をキャンパスに持ち込み、4〜5月新歓闘争を前進させてきた。そして、4・19法政大−文科省闘争の成功を経て、5月冒頭に三つの偉大な勝利を実現した。
 一つに、5月5日に「稼働原発ゼロ化」をかちとったことだ。野田政権はいったんは4月13日の「妥当判断」をもって再稼働強行へ”蜂起”したものの、福島を先頭とした全人民的な怒りを前にしてあえなく敗北した。原発推進(海外輸出)があらゆる意味で脱落帝国主義・日帝の生命線である以上、この「ゼロ化」は支配階級にとてつもないダメージを与えている。そして、闘う勢力はものすごい勝利感に満ちみちている。
 二つに、5月10日に、4・19法大デモにおいて不当逮捕された学友A君の不起訴奪還をかちとった。国家権力(警視庁公安部、東京地検)の転向強要攻撃を完璧にはね返し、A君は完全黙秘の闘いを貫徹した。首都圏を中心にした全国的な支援がそれを支えた。デッチあげ逮捕で4・19闘争の勝利に傷をつけようとした権力のもくろみは大破産した。
 三つに、5月12〜14日の沖縄現地闘争を、沖縄大生の合流でもって大成功をかちとっていることだ。それは、直面する辺野古新基地建設と原発再稼働攻撃に反撃する「フクシマ−オキナワ」の固い団結を生み出すとともに、沖縄の青年労働者運動と並んで、ついに沖縄学生運動が沖縄闘争の主人公としての雄姿を登場させた。全学連運動の新たな歴史的一歩を踏み出す闘いとなった。
 以上三つの勝利を謳歌(おうか)し、全国学友はただちに法大闘争のさらなる発展、6〜7月京都大学同学会(全学自治会)権力樹立、そして6・10国鉄集会の大結集に向かって進撃しよう。
(写真 法大正門前でデモへの参加を呼びかけ【4月19日】)

 新自由主義粉砕へ学生反乱の拡大を

 われわれは4・19法大闘争をうち抜き、さらに不当弾圧粉砕でその勝利を確定させた。4・19法大デモは、原発再稼働攻防が最も緊迫する中で全国学生が首都中枢で野田政権にたたきつけた渾身(こんしん)の反撃であるとともに、何より闘う法大生が集団的にキャンパス内からデモに合流し、戦闘宣言を発したことが決定的だ。
 デモ出発前に門前で発言した法大生は、「デモを中核派や文化連盟だけのものにすべきではありません。法大の中には原発の議論がありません。それは、大学が学生の自由な意見を抑えつけているからです。こんなのは大学ではありません。原発について討論し、社会を批判的に見る、これが大学です。法大の中からおれたちが大学をつくろう!」と訴えた。「3・11情勢」の中での新自由主義大学・法政のあまりの腐敗を前に、原発再稼働への怒りとキャンパスでの学生支配への怒りが結合し、本格的に法大生を獲得し始めた。法大闘争は3万法大生の総決起へ力強く前進している。

 4・19弾圧を粉砕したぞ!

 A君への不当弾圧粉砕闘争は、この地平を守り発展させるためのものとしてあった。学生の団結と行動をたたきつぶし新自由主義に組み敷くために国家暴力を発動する、この法大弾圧を「119人目の逮捕者」であるA君は完全に粉砕した。A君の強烈な戦闘精神と大衆的反撃の広がりが、国家権力に惨敗・消耗を強制した。弾圧と処分を団結の力ではね返す、これが法大闘争の神髄だ。
 4・19闘争には首都圏の各大学から多くの学生が決起した。新自由主義と絶対反対で闘い、キャンパスで仲間を拡大する、組織をつくる、この法大闘争6年間の求心力が反原発闘争の高揚の中でさらに加速され強まっている。処分・弾圧と非和解で闘い仲間を守る、団結を原動力に闘う、この地平が法大を中心にして巨大な首都圏の学生運動をつくり出す展望を生み出している。今年、われわれは法大から首都圏学生の全面的獲得へ断固挑戦する。

 御用学生団体との対決にかちぬこう

 この4・19闘争の圧倒的高揚こそ、新自由主義大学・法政を根底から引っくり返す法大生の決起の号砲だった。それは、逮捕−処分−学内治安部隊によるキャンパス暴力支配の根底的破産を突きつけ、3万法大生の団結による学内権力樹立と増田総長−理事会体制による過疎支配の完全な破産を突きつけた。4・19闘争に震撼(しんかん)し追いつめられ、自己の存立の危機を感じた法大当局は、もはや学生の前に公然と登場することすらできずに、御用学生団体を使ってあらゆる権利も自由も奪い去るという何の成算もない攻撃に手を染め始めたのだ。
 4・19直後の4月27日、自主法政祭実行委員会(学祭実)が呼びかけた「学祭に関する8項目についての説明会」に文化連盟・社会科学研究会の学生2人が参加しようとしたところ、学祭実メンバーが参加学生全員の学生証をチェックし、阻止線をはって社研部員を意図的に排除した。これのどこが「自主法政祭」か!
 この「説明会」では、今年度学祭からの全面禁酒導入が発表されようとしていた。これに対するキャンパス内の怒りは高まっていた。この怒りと文化連盟との結合を恐れたのだ。当局に屈服する学祭実がついに本性をあらわにした。学祭実が当局に代わって学生支配に踏み出したことを絶対に許すことはできない。
 事態の本質は、4・19闘争で明々と示された法大生の団結と怒りが、学祭全面禁酒への法大生の怒りと一体となり、増田総長−理事会−御用学生団体による支配を打ち破り、法大に真の学生権力が打ち立てられる現実性に、敵が心底から恐怖していることだ。4・27の事態に、4・19闘争が切り開いたものすごい勝利性があるのだ。
 世界大恐慌の深化と「3・11情勢」のもとで、新自由主義大学の学生支配は日々破産している。原発への怒りで立ち上がる学生のうねりに支配の危機を感じる当局と御用団体は腐敗を深めて反動化するが、それを突き破る300万学生の怒りの決起を押しとどめることはできない。それは、法大闘争6年間と4・19闘争の地平をめぐる死闘戦としてキャンパス内でギリギリと闘われている。
 反原発闘争と処分撤回の闘いを一体化し、新自由主義の支配を覆す文化連盟の組織拡大−学生自治会建設として発展させよう。その中核に法大支部の屹立(きつりつ)がある。06年以来のあらゆる不当処分を撤回させる闘いを全法大生の団結の軸として押し上げよう。反原発闘争−6・10国鉄集会−京大自治会決戦−8・6ヒロシマのすべてが大決戦だ。そのうねりの一切をキャンパス内に還流させ法大闘争の前進をかちとろう。

 京大同学会権力を打ち立て6・10へ

 全国学友と法大生は、当面する京大自治会建設と6・10国鉄集会に全力を傾注しよう。
 「3・11情勢」のもとで新自由主義大学は、一方で「教育の民営化」と学生の団結破壊に突き進んだ。法大は、連合会長らを講師に招いて労組幹部を養成する「連合大学院コース」を再来年度から設置する。最悪の労働代官を法大で育成しようというのだ。そして新自由主義大学は他方で、原発翼賛大学および御用学者の跋扈(ばっこ)として、全人民の怒りの的となっている。しかし逆にその中から、福島との連帯と人間的団結の復権を求める学生の声がわき上がっている。その実践こそ、反原発闘争の爆発で学生自治会を建設することだ。
 京大で不抜の自治会権力を6〜7月にうち立てよう。法大闘争に勝ち抜き、福島大学生運動を創成してきた地平の一切を一点京大に集中し全国の力で勝利しよう。2万京大生と固く団結しよう。さらに、新自由主義攻撃に対する青年・学生の総反乱としての6・10国鉄集会に結集しよう。
 最後に、5月31日に09年法大暴処法弾圧裁判の判決が行われる。労働運動・学生運動弾圧法であり、団結禁止法である暴処法(暴力行為等処罰に関する法律)をはね返し、誇り高い学生群像をうち立ててきたことこそ法大闘争の金字塔だ。われわれは敵の反動判決の策動を粉砕し、より一層の法大生の決起をかちとっていく決意だ。大激動の5〜7月決戦へ、全国の学友はともに闘おう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号5面2)(2012/05/14 )

 裁判員制度をいよいよ廃止へ

 5・21日比谷公会堂に大結集を

  「5・21裁判員制度廃止!全国集会」に大結集しよう(要項別掲)。裁判員制度は人民に「人を裁くこと」を強制する〈現代の徴兵制〉だ。改憲攻撃そのものであり、戦争への国民動員攻撃である。裁判員制度に対する私たちの怒りと〈絶対拒否〉の意志を、日比谷公会堂を満杯にする大結集で示そう。その力で裁判員制度廃止へ、大きく突き進もう。
 裁判員制度は間もなく施行後3年を迎える。最高裁の昨秋の自作自演「制度=合憲」判決や、竹ア最高裁長官の「比較的順調」(5・3談話)発言にもかかわらず、裁判員制度は今や崩壊寸前だ。
 何よりも「人を裁きたくない」という人びとの意志は、3年前よりも一層広がっている。昨年の最高裁の調査(1〜2月)でも「参加したい」がわずか5%に対し、「参加したくない」は実に84%という高率に上昇している。その後は調査結果すら公表されない。
 それを反映して各地の裁判員裁判で、裁判員候補者から辞退者が続出している。今年1〜3月、さいたま、広島、東京、鹿児島の各地裁の裁判で呼び出した候補者のなんと9割の辞退が認められた。また呼び出し不出頭者には罰則を科すと脅しているにもかかわらず、処罰することもできない。人びとの拒否の意志、「拒否は正義だ」という確信と闘いが、制度をこれほどの崩壊状況にたたき込んでいる。
 一体、このどこが、「比較的順調」なのか!? 日弁連執行部とマスコミは、こうした裁判員制度の真実をおし隠し、最高裁に加担している。絶対に許せない。このような策動を打ち破るために、真実を武器に、5・21で新たな闘いに入ろう!
 5月5日に日本のすべての原発が停止した。反原発闘争の決定的な勝利の地平だ。原発へののめり込みも裁判員制度―司法改革も、新自由主義の攻撃だ。全人民の団結した闘いで「裁判員制度の廃止」「全原発の廃炉」をともにかちとろう!
 5・21集会は、宮本弘典さんの講演と、インコライダーが活躍する寸劇を中心に、多彩なプログラムで裁判員制度をとことん、「攻撃」する。明るく団結をうち固め、闘うエネルギーを与えてくれる集会になることだろう。
 5・21集会に職場から大学から地域から、日比谷公会堂に集まろう。

   ---------------------------------  

 5・21裁判員制度廃止!全国集会in日比谷

 5月21日(月)午後6時開場 6時30分開会
 日比谷公会堂(東京メトロ日比谷線・千代田線 日比谷駅A14、都営三田線 内幸町駅A7下車)
■5・21版「インコのアルバム日記 上映

第1部 講演 宮本弘典さん 関東学院大学教授(刑法、刑法史)
 「東西古今裁判物語/易く+速く+重く=?」
■3D寸劇
「インコライダー、怪人サイコウサイの野望をうち砕け!」

第2部 みんなの声

ビデオレター/各地から/裁判員候補者から

 主催/裁判員制度はいらない!大運動

 

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号5面3)(2012/05/14 )

 第3誘導路裁判 成田空港に公共性なし

 “5・28千葉地裁デモへ”

 5月1日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で、第3誘導路許可処分取消裁判の弁論が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟を先頭に、労働者・学生・市民が法廷を埋めて闘った。
 冒頭に陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして、反対同盟顧問弁護団が意見陳述を行った。
 「今現に昼夜ぶっ通しで工事が進められている第3誘導路は、天神峰に住み営農している原告・市東孝雄さんの人格権、健康に生きる権利を侵害する違憲・違法なものだ。市東さんの家と畑を空港敷地で囲い込み、ジェット機の排ガスと騒音を浴びせ、三里塚から追い出すことを目的とした攻撃だ。今、成田空港自体の〈公共性〉が根本から問われなければならない。世界経済の低迷と福島原発事故の中で、旅客・貨物は減少し、成田空港は地盤沈下の一途をたどり、公共性などまったくない。さらに軍事使用までされるなど、反人民的・反公共的である。許可処分を取り消し、工事を中止せよ」
 被告席に並ぶ十数人の国と成田空港会社(NAA)の代理人はうなだれるばかりだ。
 NAAは「調査を行った結果、環境に影響はない」などと主張しているが、「調査」自体がそういう結論をひねり出すためのもので、実際の基礎データについては明らかにしないという許しがたい態度だ。弁護団はさらに追及を強め、成田の「公共性」の虚構を根本から暴く姿勢を示した。
 次回期日は7月17日。
 閉廷後、弁護士会館で総括集会が開かれた。司会は伊藤信晴さん。
 最初に北原鉱治事務局長があいさつに立ち、「正義は一つしかない。この裁判は、国の不正をただす闘いだ」と裁判闘争の意義を強調した。
 続いて葉山岳夫弁護士を始め弁護団が発言し、空港の存在を土台から揺るがす裁判闘争として闘う決意を述べた。
 最後に萩原進事務局次長がまとめの発言に立ち、5月28日の市東さん農地裁判で最初の証人調べが行われることで、開廷に先立って正午に葭川(よしかわ)公園に結集し千葉市内デモを行うこと、さらに第3誘導路工事を弾劾する三里塚現地闘争として7月に集会・デモを行うことを明らかにした。
(写真 報告集会で「正義は一つ」と語る北原鉱治事務局長【左】と葉山岳夫弁護士【5月1日 千葉市】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号5面4)(2012/05/14 )

 団結街道裁判 裁判所を追及!

 “国の手先化許さない”

 5月8日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で団結街道裁判が開かれた。
 最初に顧問弁護団が更新意見を陳述した。「第3誘導路建設へ向け市とNAAが結託して行った団結街道の封鎖は、違憲・違法だ。天神峰で農業を営む市東孝雄さんにとってこの道は、自宅と畑とを一日に何度も往復する生活道路だった。これを奪われた市東さんは重大な損害を被った。市は、入会権があるこの道を地元住民の承諾を得ることなく封鎖を強行し、しかも驚くべき低価格でNAAに売り渡した」
 弁護団はさらに裁判所への根底的批判を突きつけた。「裁判所は”成田は国策”という重圧に屈し、不当判決を出し続けてきた。原発でも国鉄でも裁判所は国と癒着し、手先となって、住民・労働者側敗訴の判決を下してきた。この裁判でもそれを繰り返すのか!」
 弁護団は、市とNAAを追及する準備書面を提出した。市は「道路廃止処分は適正だった」と称し、「路線廃止処分」を勝手に@〜Eに類型化して、本件は「D公共事業などの公益上の目的のため必要な土地で路線を廃止しても支障ないと判断できる場合」にあたると主張している。ならば過去の事例を具体的に挙げてみよ、と弁護団が釈明を求めると、「事例はあるが明らかにしない」と居直っている。
 この日も弁護団が、「すべての事例を示すことは大前提だ!」と追及すると、市の代理人たちは不安げな表情でヒソヒソ話を始め、結局「厳密に整理してから回答する……」と蚊の鳴くような声で言うのが精一杯という有様だ。自らの主張に自信も確信もないのに、農地強奪の大罪に手を染める無責任な連中に、怒りが高まった。次回期日は9月18日として閉廷。
 報告集会では、5・28農地裁判傍聴とそれに先立つ千葉市内デモの闘争方針が再確認された。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号5面5)(2012/05/14 )

 5・23狭山闘争に立とう

 八尾北・西郡で勝利切り開け

 3月18日、西郡(大阪府八尾市)において、道州制粉砕・橋下打倒の全国集会を600人でかちとった。この集会では、西郡住宅闘争15年、八尾北診療所民営化反対闘争11年の地平の上に、「橋下打倒!」が宣言され、「団結の拡大で勝利する! 診療所労組を基礎に地域ソビエトを建設していこう」と画期的な呼びかけが発せられた。
 この闘いによって、岡邨(おかむら)洋部落解放同盟全国連西郡支部長宅への明け渡し強制執行攻撃は団結の拡大に転化し、敵のもくろみは破綻した。実際、3月14日、強制執行に登場した執行官は、岡邨さんを先頭とする地域住民・労働者の怒りの抗議行動に恐れをなして、まったく手をつけられなかった。27日に再度やってきても、住民に徹底弾劾され、帰った。4月19日、ついに事前通告もせず、機動隊を導入し、留守宅を狙って強制執行した。この暴挙に対して住民の怒りと団結はますます固まっている。新自由主義と対決する部落解放運動が前進している。
 1963年5月23日の石川一雄さんデッチあげ逮捕−狭山差別裁判強行は、1960年代初頭の高揚する安保・国鉄闘争への反動だった。労働者階級に分断を持ち込むものだった。

 石川さんは無実

 その後、石川一雄さんの「無実を訴える」たった一人の闘いは、70年代の安保・沖縄闘争と結びつき、とりわけ職場で闘う青年労働者、労組青年部の決起によって11万人が東京高裁を包囲する闘いへ上りつめた。74年東京高裁寺尾正二裁判長による無期懲役判決は、74〜75年恐慌にふるえた支配階級が下した労働者階級分断攻撃だ。さらに、80年代、第二臨調による行政改革=労働運動解体攻撃の一環として地域改善対策協議会路線が敷かれた。地対協路線は、それまでの同和対策審議会答申に基づく特措法による同和対策を廃止し、部落民労働者を徹底的に失業・非正規にたたき込み、階級に分断を持ち込み、労働運動・労働組合運動をたたきつぶそうとするものだった。
 しかし、狭山闘争はこうした攻撃の前に屹立し、国家による部落差別を暴き糾弾し続けてきた。狭山再審闘争は今や、新自由主義による労働運動解体攻撃との闘いなのだ。
 2006年5月23日の第3次再審請求から6年になる。民主党・連合政権のもとで狭山闘争解体攻撃としてかけられた3者協議路線を打ち破って狭山闘争は闘われている。石川さん自ら東京高裁の前に立ち、連続的訴えを行い、全国各地で自治労・教労などの労働者を主体に23デー(街頭宣伝)が取り組まれている。「殺害現場のルミノール反応報告書」などは未開示だが、この間70を超える証拠が開示されている。石川さんが逮捕当日警察署内で書いた「上申書」は、内容、筆跡など無実を示す決定的証拠だ。追いつめられた検察は3月30日に反論のための意見書を提出せざるをえなくなっている。
 石川さんに対する有罪の「論拠」はすでに崩れている。問題は、狭山闘争が国家権力と非和解の闘いであるがゆえに、民主党・連合政権が労働者階級の闘いを恐れて3者協議への幻想をあおり先延ばしにしていることだ(ちなみに第2次再審闘争は18年)。階級的団結の力で事実調べ・再審ををかちとり、狭山闘争の歴史的な勝利をもぎとろう。5・23闘争を打ち抜き国鉄闘争全国運動6・10大集会に結集しよう。

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号5面6)(2012/05/14 )

【要項】5・23狭山闘争(東京、広島、関西)

八尾北・西郡闘争勝利!
民営化・更地化許さないぞ!
石川一雄さん不当逮捕49カ年糾弾!
狭山第3次再審闘争勝利!

5・23狭山闘争

■東京
5月19日(土)午後6時30分開会
南部労政会館(品川区大崎1-11-1)
主催 部落解放東日本共闘会議

■広島
5月20日(日)午後4時
広島市西地域交流センター3階第3研修室(広島市西区福島町12/元西隣保館)
主催 部落解放広島共闘会議

■関西
5月23日(水)午後7時
西郡第3集会所(八尾市幸町5-44)
主催 部落開放同盟全国連合回西郡支部/八尾北医療センター労働組合/関西労働組合交流センター
 ----------------------
八尾北医療センターの明け渡し、廃院・全員解雇攻撃を許すな!
八尾北明け渡し弾劾裁判判決
5月24日(木)午後2時半
大阪地裁202号大法廷

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号6面1)(2012/05/14 )

 改憲阻止!原発なくせ!4・28沖縄・憲法集会

 “戦争・改憲攻撃と対決”

 4月28日に都内北区王子の「北とぴあ」で「とめよう戦争への道!百万人署名運動」が主催する「改憲阻止!原発なくせ!4・28沖縄・憲法集会」が220人の参加で開催された。すでに憲法審査会が始動し、この日は自民党などが新たな改憲案を発表する中、新自由主義・日帝の改憲・戦争攻撃と真っ向から対決する集会としてかちとられた。
 連帯あいさつとして「裁判員制度はいらない!大運動」から武内更一弁護士と「沖縄民権の会」の座覇光子さんが登壇した。武内さんは「裁判員制度廃止は改憲・戦争国家化阻止の闘い。制度の破綻があらわになった。5月21日には日比谷公会堂で大集会を開く。ともに闘おう」と訴えた。座覇さんは「きょう4月28日は『屈辱の日』。しかし沖縄の基地労働者は基地撤去、ベトナム反戦で立ち上がった。この闘いをよみがえらせたい。自衛隊PAC3の沖縄配備は、沖縄が再び戦場になることをあらわにした。今年の5・15闘争を全力で闘おう」と呼びかけた。
 続いて、琉球新報記者の滝本匠さんが「アメリカの新軍事戦略と普天間基地」と題して講演した。まず、日米安保協議委が4月27日に発表した米軍再編に関する「日米共同文書」に触れ、「『沖縄における米軍のプレゼンスの長期的な持続可能性を強化する』と書いてある。つまり、在沖米軍基地の強化の宣言だ」と批判した。また、普天間基地に隣接する沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した時(2004年8月)のスクープ映像を上映し、米軍支配のリアルな現状を伝えた。
 さらに、新たな米軍再編、自衛隊PAC3の配備などを暴露し、「沖縄県民は今、普天間基地の固定化・強化に強い懸念と怒りを抱いている」とまとめた。
 「原発いらない!福島の女たち」世話人で、再稼働阻止ハンストの先頭に立った黒田節子さんが訴えた。「福島市や郡山市の子どもたちの積算被曝量は年換算で10_シーベルトになっている。これはチェルノブイリでは移住の義務の値。これが福島の現実です」「私たちはこれ以上分断されたくない。大飯原発再稼働は絶対阻止。人間らしい信頼関係を丁寧に築きながら、変革に向かって一緒に努力しましょう」
 続いて”闘う憲法学者”清水雅彦さんの講演。「日本国憲法は、国家緊急権、共通番号制、秘密保全法を認めない!」という重厚な内容を軽快なテンポで鋭く提起した。「そもそも民主党は、財界の要求で、自民党と競い合うためにつくられた政党。小沢も橋下も、みんなの党も、財界の要求通り新自由主義政策を打ち出している」と批判し、「この中で、改憲が動いている」と指摘し、「マイナンバー法案と秘密保全法案はセット。共通番号制は、新自由主義改革の、社会保障制度を抑制するために必要なもの。国家と警察による国民支配の道具。そして秘密保全法は、国家公務員を秘密保全の担い手にする」「たとえ国会で改憲派が多数でも、労働者民衆の力で阻止できる」と訴えた。
 そして、事務局長の西川重則さんが「自民党の新改憲案と憲法審査会」と題して基調講演した。西川さんは、憲法審査会とは、改憲案を発議する機関であり、絶対に軽視してはならないこと、改憲論議と発議をさせないためにすべての改憲手続きに反対し、怒りの行動に立ち上がることを訴えた。また、自民党の新改憲案を批判し、侵略戦争の歴史を踏まえ、天皇の元首化は絶対に許せないこと、狙いの中心は9条の解体にあることを弾劾した。原発も基地も安保もなくす、改憲を絶対に阻止する、そのために力を合わせようと訴えた。
 被災地の宮城県連絡会から復興攻撃の現実と闘いが生々しく語られた。東京北部連絡会からは憲法審査会の傍聴闘争が訴えられた。
 最後に百万人署名運動事務局が「4・28集会を皮切りに改憲阻止を軸にして全原発廃炉、沖縄基地撤去を一緒にやろう。学習と討論と実践でこの新自由主義攻撃を打ち砕こう」と6・10国鉄全国運動大集会、7・16原発なくせ大集会への結集を呼びかけた。
(写真 被災地・福島、宮城から報告を受け、怒りも新たに改憲攻撃と闘う決意を固めた4・28集会【4月28日 東京】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号6面2)(2012/05/14 )

 5・15-16爆取弾圧控訴審に結集を

 4・29東京 4同志を先頭に緊急集会

 下獄する福嶋同志 「勝利者として再審闘う」

 4月29日、「迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会」主催の緊急総決起集会が、千駄ケ谷区民会館において100人の結集でかちとられた。
 下獄を5月17日に控え、最高裁による上告棄却決定を弾劾し再審を決意した福嶋昌男同志と、差し戻し控訴審の公判開始を前にした須賀武敏同志、十亀弘史同志、板垣宏同志の3同志を先頭に、家族、支援者、同志・友人たちが会場を満席にして、熱気あふれる集会となった。
 開会あいさつを共同代表の桜井善作さんが行い、「今日の集会を司法の違法・無法に鉄槌(てっつい)を食らわす新たな闘い、出発のゴングに」と力強く宣言した。 
 須賀・十亀・板垣3同志の弁護団を代表して山本志都弁護士から、「差し戻し控訴審では当然事実調べをやるべき。15、16日の公判が非常に重要です。ぜひ傍聴していただきたい」とのアピールが発せられた。
 続いて、福嶋裁判を担当した青木秀樹弁護士から、「こんな判決に屈してはならない」と、弁護団4人全員の一致で新たに再審弁護団となって闘いぬく決断をしたことが報告され、全体が熱烈な拍手で応えた。
 被告団の発言では、4人が一体となり、再審勝利と差し戻し控訴審勝利を新自由主義と対決して全力で闘いぬく決意が表明された。最初に立った福嶋同志は、「最高裁の棄却はまったく許せない。やむを得ず下獄するが、私は裁判闘争の勝利者だ。その力のもとに、再審をやります。そして逆転無罪をかちとる決意です」と新たな闘いへの決意を述べた。
 板垣同志は「こんな社会は根本から変えなくてはダメだ。怒りが足りない!」と檄(げき)を飛ばし、「私たちの闘いは新自由主義攻撃と闘い抜く全世界の労働者の闘いと一体。みなさん絶対に勝利しましょう」と激しく訴えた。
 十亀同志は裁判員制度への批判と被告団の団結を4枚の絵を使って示しつつ、「私たち4人は団結し、階級的労働運動と一体で、無罪を必ず確定させます」と断固たる決意を述べた。
 最後に立った須賀同志は「私たちに対する国家権力の有罪宣告に対し、私たちは今や、次のように回答しよう」と、原発再稼働に突き進む政府や資本、御用学者らこそ監獄にぶち込むべきだとの激烈なアジテーションを行った。被告団の決意に、ひときわ大きな拍手が鳴り響いた。
 この高揚を引き継ぎ、被告団の家族、そして会場からの発言が続いた。星野暁子さんを始め、救援連絡センター、東京北部ユニオン、全学連などが連帯しともに闘う決意を語った。
 最後に閉会あいさつを呼びかけ人の三角忠さんが行った。「4人は、帝国主義の墓掘り人夫として、すでにスコップを握りしめている。それを振りかざして、帝国主義の断末魔を迎え撃って、闘いの絶好のチャンスとしていこう」と結んだ。新たな決戦を闘いぬく決意を全体で打ち固めた感動的集会となった。
 5月15、16日の3同志の公判闘争、17日の福嶋同志激励・見送り闘争を連続闘争として闘おう。全党と労働者人民の総力で闘い、勝利しよう。
(写真 再審闘争への決意を語る福嶋同志【4月29日】)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号6面3)(2012/05/14 )

 追悼・小林正年同志

 反戦高協で決起し生涯電通労働者として闘う

 革共同長野県委員会

 4月6日、革共同長野県委員会の電通労働者・小林正年同志が、不慮の事故で無念にも急逝された。享年64歳。
 小林同志は、この1〜3月、ふくしま合同労組を囲む長野市の2・11反原発集会に全力をあげ、「原発いらない! 3・11福島県民大集会」への結集運動を先頭で牽引(けんいん)した。さらに国鉄闘争全国運動6・10全国集会に向け、また4・15長野労組交流センター第20回総会の成功に向け取り組んでいる最中であった。
 突然の訃報に長野の仲間はもちろん、全国の電通委員会の全員が信じられなかった。5・12〜13沖縄闘争に参加する準備も進めていたから、壮烈な文字通り「戦死」と言うほかない。
 小林正年同志は、1947年、長野県中野市で社会党員の息子として生まれ、県立須坂高校で反戦高協に参加した。須坂高校は当時、日本共産党の拠点校と目されていたが、小林同志は共産党系の教師たちと激突しつつ、生徒会新聞にストレートに『前進』の内容を反映させた。県内では他に諏訪清陵高校や諏訪双葉高校が反戦高協の拠点校であり、高校生だけで3けたの『前進』読者を持っていた時もあった。
 65年時点で反戦高協があったのは大阪、京都、長野だけというのが、小林同志の原点であり、終生の誇りであった。
 66年、飯山市平滝郵便局に入り、労働者としての歩みを開始した小林同志は、70年安保・沖縄闘争の号砲となった67年10・8羽田闘争に反戦青年委員会として決起した。68年、電電公社飯山電報電話局に転職。全電通飯山分会の書記長や分会長などを歴任し、電通労働運動の左翼部分を担い続けた。
 県委員会の創成期以来の古参同志であり、生涯の電通労働者であったが、85年電電公社民営化−NTT発足が巨大な転機となった。この新自由主義攻撃は、国鉄分割・民営化の先陣をなし、闘う労働運動の根こそぎの解体・一掃が直接の狙いであった。
 協会派を始め全潮流が屈服する中で、全電通飯山分会も解体され、小林同志もNTT長野に配転され、大きな困難を強いられたが、彼の真骨頂はむしろ、これ以降の地をはうような不屈の反撃戦に発揮された。
 小林同志は国鉄決戦を基軸にすえて新自由主義に立ち向かい、21世紀革命を切り開くという戦略的闘いを体現して、動労千葉物販などに取り組み、96年から長野労組交流センターの第2代代表を担いつつ、電通部会の確立に心血を注いだ。2010年から「動労千葉を支援する会・長野」の共同代表を引き受けてきたのだった。
 小林同志のかけがえのない存在こそが、県委員会を血債主義・糾弾主義への変質から守り抜き、非正規労働者と青年労働者の決起を生み出してきた。4・15長野労組交流センター総会は新しい青年労働者を含めて小林同志の遺志を引き継ぐことを誓い合った。
 小林同志! あなたは永遠に私たちとともにある。行く手を見守っていてください!

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号6面4)(2012/05/14 )

 清水匠さんを偲ぶ会

 “寡黙だが芯の強い人柄”

 動労千葉の故清水匠さんを偲(しの)ぶ会が4月25日、千葉機関区支部主催、動労千葉本部と貨物協議会共催で開かれました。「性格温厚にして寡黙ながら本当に芯の強い人」「いつもこつこつと嫌な顔をせず縁の下の力持ちの役割を果たしてくれていた」――そんな清水さんの人柄を偲び、DC会館には本部執行委員を始め、仕事を終えて駆けつけた組合員、OB、動労千葉を支援する会、労組交流センターの仲間や、古くから共闘関係にあった東京東部地区の労働者などが結集しました。(写真)
 清水さんが倒れたのは2月26日夜。大動脈瘤(りゅう)破裂によって急逝されました。その日は動労千葉定期委員会の日で、前夜まで議案準備をしていたと聞きます。56歳。あまりに突然訪れた訃報でした。闘いはこれから、という時に清水さんを失ったことは本当に悔やまれてなりません。
 清水さんは法政大学在学中から第一文化連盟、カメラ研究会で活躍し、学生会館自主管理運動に携わり、1977年に国鉄に就職。新小岩機関区、佐倉機関区、千葉機関区と貨物職場の事務係一筋の道を歩みました。79年の動労千葉の分離・独立、80年代の国鉄分割・民営化攻撃との激闘を経て90年に本部執行委員に就任。以降、一貫して財政部長という重責を担ってきました。また、2009年からは全国労組交流センターの常任運営委員になり、階級的労働運動の全国展開に力を尽くしてきた方です。
 偲ぶ会では、組合員の発言から、清水さんが本当に動労千葉にはなくてはならない存在であったことが伝わってきました。主催者あいさつに立った千葉機関区支部の斉藤隆男支部長は「清水さんなしでは労働者としての生き方、考え方はできなかった」と語りました。「自分は入社当時は組合に非協力的だった。それを粘り強く指導してくれたのが清水さんだった」と述べ、最後に「清水さんの思いを継承し、もっと労働運動を発展させるために頑張っていく」と決意していたのが印象に残りました。
 また、「悩んだ時は清水さんに相談すると笑顔で接してくれた」「彼の笑顔と性格が闘いの厳しさを和らげてくれた」という反面、当局との団体交渉や、権力、カクマルと対峙するときは厳しく力強かったとのこと。「動労千葉」とひとくくりにできず、それぞれに強烈な個性があり、光り輝き、その力が全部集まって動労千葉が形成されている、あらためてそのことを実感しました。
 動労千葉はやはり「強い」。それはあらかじめの強さではなく、困難や弱さをのりこえて強くなっていくことのできる労働組合というべきでしょうか。表面的な強さではなく、あらゆる攻撃、事象に対して団結を固めてのりこえていくことのできる強さです。目先の金や利己主義的な利害よりも、階級の利害に立ち、仲間とともに闘うことを誇りとする生き方を「動労千葉組合員」として選択し、結局最後は「動労千葉の組合員でよかったな」と笑いあえる強さだと思います。
 志なかばで倒れた清水さんの思いを引き継ぎ闘います。安らかにお眠りください。
 (投稿/全国労組交流センター事務局長 飯田英貴)

------------------------TOPへ---------------------------

週刊『前進』(2535号6面5)(2012/05/14 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 伊方原発を廃炉に!労働者解雇するな! 四国・青年 MY

 5月5日にすべての原発が止まりました。よし、やったー!
 翌6日には、伊方原発を再稼働しないように、廃炉にするように申し入れをしました。私も生まれて初めての申し入れをしました。ドキドキでした。
 とくに印象に残ったのは、廃炉は誰もが言えるけれど、愛媛の労組の方が言われた一言です。「原発は廃炉にしても、原発労働者は解雇するな」。これに感動しました。「死すべきは基地だ。労働者は死んではならない」の沖縄の全軍労の闘いとまったく同じ階級的労働運動の信念が、ここにも貫かれていました。
 初めて見た伊方原発は、真っ青な瀬戸内の海と、まぶしいほどの新緑の中で、一層異様でした。無理やり整備された太いトンネル。建設中の高架道路。一体どれほどの金で住民を黙らせてきたのか。そして現地に行って、初めてこの原発の真下に断層があることも知りました。
 松山アクションのデモは、大勢で迫力があって良かったです(写真)。もう少し、みんなの声が大きければもっと良かったです。チェルノブイリ級の事故が起きれば周りの街も大変なことになります。これ以上、福島を繰り返すな。福島のみなさんと一緒に廃炉に向けて行動していきます。

 札幌メーデー参加者に6・10大集会訴え 北海道 JS

 5月1日、国鉄闘争全国運動・北海道は、札幌市大通公園で開催された連合メーデーに参加する労働者に6・10大集会への結集を訴えるビラ配りを行いました。
 国鉄1047名解雇撤回のノボリを立て、今回は四つの入り口全部を押さえて、用意したビラを全部配りきりました。ビラを手にしたある労働者は「国鉄闘争をずっと支援してきた」と言いました。全国運動の会員は、4・9政治解決が労働組合を解体する攻撃であることを説明し、「動労千葉とともに闘いましょう」と訴えると、その労働者は深くうなずいていました。
 JR北海道では、先の冬以降4回の脱線事故が起き、それ以外にも連日のように事故やミスが報じられています。関越自動車道の高速バス事故も新自由主義による規制緩和が、労働条件とともに公共交通の安全を根底から破壊したのです。
 国鉄闘争と反原発闘争の一体的展開で6・10国鉄大集会の成功へ攻め上りましょう。

 仙谷らにNAZEN徳島で抗議申し入れ 徳島 T

 3・11郡山集会で転換した情勢をダイレクトに四国で団結するぞ!と4月11日、ドキュメンタリー「FUKUSHIMA NEVER AGAIN」上映会に取り組みました。 サンフランシスコのカズミ・トリイさん制作の映像は、人びとの切実な思いが、国際的で階級的な鋭い切り口で描かれています。
 福島のお母さんたちが、文部官僚に詰め寄るシーンなど、3・11県民大集会の気迫そのままでした。参加者たちが会場から発言し、「がれき拒否はエゴか?」「再稼働の絶対阻止」について意見交換がされました。
 翌日、NAZENで地元選出の民主党国会議員の事務所に抗議申し入れしました。小さな地方都市のこと、地元事務所のスタッフはみな旧知の人ばかり。しかし、絶対にあいまいにはできません。郡山で朗読された詩「決意」で言われた「福島はあなたです」を胸の中で繰り返しながら、フクシマの仲間と一つになる思いでドアを開けました。
 今や仙谷由人議員は、自治労や教組の現場の票で当選しておきながら、まるで財界のための「再稼働参謀長」になっています。
 さらに、文科副大臣についた高井美穂議員は、自ら母親であることを押し出しつつ、一方では福島県の子どもたちに20_シーベルト基準で被曝させる政策を強行している。こんな、労働者階級をあざむくことが許されるわけがありません。
 まず自らが階級的立場をハッキリさせて、原発再稼働阻止を全力で闘います。

------------------------TOPへ---------------------------