ZENSHIN 2012/05/21(No2536 p06)

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第2536号の目次

(写真 那覇国際通りを400人のデモが進撃【5月12日 沖縄県那覇市】)

1面の画像
(1面)
6・10国鉄全国運動集会へ  連合化路線粉砕し国労再生を
低線量被曝・がれき広域処理と闘いぬき全原発の廃炉へ進もう
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「復帰」40年5・12-14沖縄
青年の怒り解き放つ  福島と沖縄の怒りが一つに(5月12〜14日)
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前進速報版から 記事を読む  
(2面)
解雇撤回!新自由主義と闘う6・10集会へ
青年の未来奪う国労本部  解雇を容認し資本に忠誠誓う
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動労千葉夏季物販スタート
物販を武器に情勢に切り込み労働運動再生の突破口開こう
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不採用基準に怒り
鉄道運輸機構訴訟 小玉さんが堂々の証言(5月17日)
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(3面)
福島と沖縄を結び新自由主義と対決
「復帰」40年 那覇集会に400人の熱気  解雇撤回・基地撤去へ闘う(5月12日)
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青年交流集会 牧青の闘いが甦る  死すべきは基地と原発(5月13日) 記事を読む  
全国学生交流集会  “全学連と会えてよかった”(5月13日) 記事を読む  
5・14名護 300人が怒りのデモ  “辺野古新基地阻止するぞ”(5月14日) 記事を読む  
宮古島 平和行進にビラ  PAC3配備断固反対(5月12日) 記事を読む  
(4面)
規制緩和と非正規化
元凶は東京電力だった 93年平岩レポート  新自由主義と闘う6・10集会へ(島崎光晴)
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『放射線副読本』拒否を  原発と被曝の危険性を隠し「安全・安心」のデマ振りまく 記事を読む  
日米会談 対中「防衛協力」で前のめり 
TPP3分野で争闘戦深刻原発の研究開発で協力を確認
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2012年日誌 5月8日〜14日
「5・15沖縄県民大会」に3千人/大飯再稼働、町議会が同意
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(5面)
5月自治労中央委(福島)に向け訴える
フクシマの怒りと結合し公務員への攻撃うち破れ
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大阪・維新の会家庭教育条例案 “発達障害は親の愛情不足”  抗議殺到し謝罪・撤回 記事を読む  
緊縮策への怒り全欧州に  ギリシャやフランス9カ国で政権が崩壊 大恐慌下に革命情勢 記事を読む  
子ども子育て新システム 法案に職場から反撃を!(上)
保育公務員全員解雇と非正規化  大資本が保育・幼児教育で利潤追求
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(6面)
5〜6月機関紙拡大アピール
職場全体の獲得・拠点建設へ まず“1人の読者”の拡大を  前進経営局
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5・28千葉地裁デモに立とう  三里塚 市東さん農地裁判が証人調べへ 記事を読む  
沖縄で星野闘争交流会  全証拠開示求める大運動へ(5月13日) 記事を読む  
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
【要項】法大裁判に集まろう、三里塚裁判傍聴を 記事を読む  

週刊『前進』(2536号1面1)(2012/05/21 )

 6・10国鉄全国運動集会へ

 連合化路線粉砕し国労再生を

 低線量被曝・がれき広域処理と闘いぬき全原発の廃炉へ進もう

(写真 那覇国際通りを400人のデモが進撃【5月12日 沖縄県那覇市】)

 大恐慌で破産し絶望的凶暴化を深める新自由主義に、労働運動の力で革命的にトドメをさす時がきた。国鉄闘争全国運動が呼びかける6・10全国大集会は、全国に渦巻く労働者の怒りを束ね、新自由主義と真正面から闘う唯一の集会であり、歴史的な大闘争だ。日本における新自由主義の本格的始まりであった国鉄分割・民営化に、絶対反対のストライキで闘い勝利してきた動労千葉が軸になって、労組破壊・団結破壊の新自由主義に対決し労働運動の再生で勝負するという、これ以上ない鮮明な路線がここにはある。1〜4月決戦と5・15沖縄闘争が切り開いた一切の力と成果を6・10に大結集しよう。

 沖縄は「革命の火薬庫」

 本土「復帰」から40年を迎えた5・15沖縄闘争は、「革命の火薬庫・沖縄」に新たな革命の火をつけた。青年労働者を先頭に「死すべきは基地だ。労働者は死んではならない」というデモコールが国際通りにとどろき、「怒・福島隊」ののぼりが掲げられ、沖縄とフクシマの怒りがひとつになり、沖縄における「動労千葉を支援する会」とその勢力が沖縄闘争のすべてに責任をとるものとして登場した。
 大恐慌下に米新軍事戦略によって対北朝鮮・中国侵略戦争の攻撃が激化し、ますます強化される米軍基地と日米安保のもとで南西拠点化に突き進む自衛隊。さらに全国平均の2倍の失業率と43・1%(全国最高)もの非正規雇用労働者の存在。こうした沖縄の現実の元凶こそ新自由主義だ。これへの怒りが国鉄闘争を水路に福島の怒りとひとつに結合して解き放たれたのだ。
 この5・15の怒りと闘いの対極で、首相・野田は復帰式典で「日米安保の役割は重要だ」と普天間・辺野古新基地問題を傲然(ごうぜん)と居直り、沖縄の労働者人民に敵対した。この野田を今や一時たりとも支配権力の座にのさばらせておくことはできない。日帝支配階級はもはや統治能力を失っている。これに労働者の団結と労働組合再生の力をもって対決し、新自由主義を打ち破り、勝利を切り開こう。

 国労本部の変質・裏切り

 6・10集会は第一に、労働運動の大再編情勢が進む中で、国鉄決戦と国鉄闘争全国運動の歴史的発展をかちとり、民営化・外注化阻止、非正規職撤廃の闘いを軸に新自由主義と闘う労働運動を復権する大集会である。
 4・9反革命は現在的には、国労の連合化路線として新たに激化している。国労組合員資格確認訴訟で、国労本部は闘争団員が組合員資格を失ったのは規約改定によるものではなく、「解雇撤回闘争の終結」を確認し闘争団員の特別組合員としての扱いをやめるとした大会決定によるものだと主張している。4・9政治和解と「闘争終結宣言」で、闘争団員は自動的に組合員資格を失ったという暴論だ。
 さらに国労本部が裁判所に提出した準備書面では、「組合員資格はJR各社等被告の組織対象企業と雇用関係にあることが基本的な前提とされている」とうそぶいている。闘争団組合員はそもそも正当な組合員ではなかったというのだ。このふざけた歴史の偽造と新たな攻撃は、国労本部が国家とJR資本の立場に完全に転向したことを意味する。
 この国労本部の変質・裏切りと一体のものとして、自治労や日教組指導部による解雇撤回や賃金闘争の全面的放棄、新自由主義と橋下反革命への総屈服が起きている。
 だがこの情勢の中で動労千葉は、基地統廃合・組織破壊攻撃とローカル線切り捨てに反撃し、5・19ストライキに決起し、佐倉支部結成とその大拠点化を闘いとろうとしている。全労働者の未来をかけて外注化阻止・非正規職撤廃と組織拡大のために闘っている。
 ここにこそ労働組合の大義と正義がある。4大産別を先頭に国鉄闘争全国運動の大発展を今こそ実現しよう。闘う国労の再生に向け闘おう。

 非正規職撤廃・橋下打倒

 6・10集会は第二に、9割の労働者の非正規職化に向けた公務員360万人の全員解雇=全員非正規職化を狙う日帝ブルジョアジーとその最先兵=大阪維新の会・橋下に対して、国鉄決戦を軸に全国・全産別の労働者が団結して戦闘宣言を発する場である。
 橋下らは「大阪改革は日本最後の望み」(大阪市特別顧問・古賀茂明)と叫び、大阪市の全職員を「4年で半減させる」と新自由主義攻撃を激化させている。7月末の「市政改革プラン」策定に向けた「素案」は、市の106事業を廃止・縮小し、総額488億円を歳出削減するとしている。これらは国民健康保険料引き上げ、敬老パスの有料化、上下水道料金の福祉減免の廃止、保育料の引き上げ、学童保育所廃止、出産一時金の引き下げなど、文字どおり乳幼児や子どもから高齢者まで労働者と労働者家族の生活を破壊するものだ。すでに小学校6校の統廃合も打ち出した。
 しかし国鉄労働者へのバッシングを組織し国鉄分割・民営化を強行し、これと一体で派遣法導入や日米新原子力協定など新自由主義政策を満展開してきた結果が、200万福島県民の棄民化であり、青年労働者を明日をも知れぬ非正規雇用に突き落とし、ついには「原発徴兵」にまで駆り出そうとする資本主義の断末魔の現実ではないのか。
 ところが、あからさまな不当労働行為により労働組合を憎悪し破壊する橋下に対し、自治労や日教組、連合の既成指導部は総屈服し、団結と闘いを何ひとつ呼びかけようとしない。
 5月8日、大阪維新の会の市議団が提出を予定していた「家庭教育支援条例案」が撤回・謝罪に追い込まれた。条例案は「発達障害は親の愛情不足が原因」などとする偏見に満ちた許し難い内容だ。立ち上がった保護者の批判を維新の会議員団は認めざるを得なかった。職員アンケートの撤回・廃棄に続き墓穴を掘ったのだ。今こそ労働組合の団結と決起で橋下の新自由主義攻撃をぶっ飛ばそう。
 労働者と労働組合が、橋下反革命が生み出す大衆的な怒りと結びつき、6・10大結集で全員解雇・非正規職化と徹底対決しよう。

 許すな原発再稼働策動

 6・10集会は第三に、政府と電力資本の原発再稼働策動を粉砕し、全原発廃炉へ7・16の10万人決起をかちとっていく大集会だ。
 5・5の「稼働原発ゼロ」は反原発の闘いがもぎり取った歴史的勝利である。日帝ブルジョアジーは今や、大恐慌と国際争闘戦からの脱落の中で「六重苦」などと全原発停止に絶望的な危機感を表明し、あくまで大飯原発などの再稼働に躍起となっている。
 しかし原発と放射能汚染は労働者階級人民の生命・生活とは非和解だ。汚染がれきの拡散・広域処理反対の闘いや低線量被曝・内部被曝との闘いもいよいよ死活的だ。
 「止めよう」から「なくそう」へ、全原発廃炉への闘いの飛躍は、被曝労働や雇用の問題と一体の、ものすごいイデオロギー的、党派闘争的なテーマであり、「命より金」という腐った資本主義社会の革命的変革の問題とひとつだ。反原発闘争の軸に労働組合がいよいよぶっ立つ時である。
 6・10集会は第四に、国際労働者階級と団結し、一個の軍勢として登場する闘いだ。
 ベルリンのメーデーで動労千葉からのメッセージが読み上げられ、多くの労働者に共感が広がった。新自由主義と闘い、外注化・民営化を阻止する決起は全世界の労働者をひとつに結びつける。今やヨーロッパは、大恐慌下で主客にわたって完全に革命情勢だ。「緊縮策ノー!」の怒りがフランスではサルコジ体制を打倒し、ギリシャ総選挙では連立2大与党を過半数割れの大敗に追い込んだ。昨年来、ヨーロッパの9カ国で政権が崩壊している。
 6・10大集会は、この世界史的な革命的激動情勢と完全にひとつだ。新自由主義と闘う労働組合の再生が一切を決める。5・19動労千葉ストの報告と動労千葉物販、国労物販の拡大に全力をあげ、全国の職場、地区、学園から6・10大結集へ一丸となって闘おう。

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週刊『前進』(2536号1面2)(2012/05/21 )

 「復帰」40年5・12-14沖縄

 青年の怒り解き放つ

 福島と沖縄の怒りが一つに

 「革命の火薬庫、沖縄にようこそ! われわれを非正規に突き落としておいて、子どもたちの未来まで奪うのか! 貧困と非正規、基地と戦争の島・沖縄。この3日間の闘いで沖縄を革命の島に変えよう! 5・15沖縄闘争を国鉄闘争全国運動の6・10大集会につなげよう!」――沖縄の青年労働者の火を噴くような発言で「復帰」40年5・15闘争が幕を開けた。(関連記事3、6面)
 5月12日、那覇市内で臨時拡大全国運営委員会をかちとった全国労組交流センターの労働者、南部戦跡を巡った青年労働者、国際通りで街頭宣伝を行った全学連などが沖縄県庁前に結集し、国際通りデモに打って出た。労働組合旗やのぼりが林立し、「怒・福島隊」の大のぼりが目立つ。
 「解雇撤回! 基地撤去! 労働者は死んではならない! 死すべきは米軍基地! 死すべきは原発だ!」のシュプレヒコールとともにデモが進むと、左右の沿道からこぶしが突き上げられ、拍手喝采! デモ隊と街全体がひとつになった。商店から飛び出してデモ隊と握手する青年労働者たち、高校生や中学生が沿道を一緒に歩き、デモに飛び込んでくる。マイクを握ってデモコールする青年も! 求められているのは団結だ! 与儀公園までのデモはドラマの連続。参加者は400人にふくれ上がった。
 デモ後、那覇市民会館で開催された「『復帰』40年5・12沖縄集会」(実行委員会主催)は、福島県小学校教員の國分俊樹さんの特別報告を受け、大恐慌と3・11情勢下、福島と沖縄を結び新自由主義と対決する労働者総決起集会として意気高くかちとられた。
 13日は「復帰40年5・15平和とくらしを守る県民大会」(沖縄平和運動センター主催)に沖縄労組交流センターを先頭に合流した。「解雇撤回・基地撤去、非正規職を撤廃しよう! 新自由主義と闘い、辺野古新基地建設とめよう!」の横断幕を広げ、平和行進参加の労働者に6・10国鉄大集会のビラを手渡した。NAZEN署名や星野署名も続々集まった。
 県民大会では、平和行進南コースの本土代表を担った國分俊樹福島県平和運動センター事務局長(福島県教組)が「福島と沖縄を苦しめていることの根っこはひとつ。この社会に風穴を開けるために沖縄から基地をなくしましょう。それが社会を変えていく福島の支援になる」と呼びかけた。
 県民大会後、那覇市内で全国青年労働者交流集会、全国学生交流集会などが豊かな内容でかちとられ、団結を育んだ。
 沖縄闘争3日目の14日は名護闘争。辺野古の浜で決起集会を持ち、名護市内を300人がデモ行進し、名護市民とともに「辺野古新基地建設阻止!」を闘いぬいた。
 普天間基地へのオスプレイ配備策動など沖縄で進む基地強化と戦争準備、福島で進む「復興」攻撃。もうがまんの限界だ! 突破の鍵は、新自由主義と闘う労働組合と階級的労働運動の再生だ! 3日間の沖縄闘争の歴史的高揚から6・10国鉄大集会へ!
(写真 「復帰40年5・15」の県民大会には「怒・福島隊」を先頭に労組交流センターの大部隊が合流した【5月13日 沖縄県宜野湾市】)

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週刊『前進』(2536号1面3)(2012/05/21 )

前進速報版から 前進速報版から

▼無実の福嶋昌男同志が下獄闘争に突入▼迎賓館、横田爆取裁判差し戻し控訴審の初公判開く▼ドイツ機関士労組の労働者から手紙

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週刊『前進』(2536号2面1)(2012/05/21 )

 解雇撤回!新自由主義と闘う6・10集会へ

 青年の未来奪う国労本部

 解雇を容認し資本に忠誠誓う

 国鉄1047名解雇撤回闘争は今なお日本の労働者階級の命運を決する位置にある。国鉄闘争全国運動は、1047名闘争を跡形もなく消し去ろうとして強行された一昨年の4・9政治和解に対し、「国鉄闘争の火を消すな」を合い言葉に結成された。国鉄闘争全国運動の6・10大集会は、1047名闘争をあくまで貫徹しぬくことによって労働者階級が新自由主義の攻撃と全面的に対決する闘いだ。国労本部は、この闘いへの敵対者としての姿を再びむき出しにしてきた。

 被解雇者は組合員ではないとあからさまに暴挙居直る

 6・10大集会と7月26、27日の国労全国大会に至る過程は、JR資本−東労組−国労本部が連動して仕掛けている労働者への攻撃と全面的に対決する決戦になった。
 動労千葉は佐倉運輸区への組合員の強制配転攻撃に対し、5月19日、ストライキに立って佐倉支部の創設を闘い取る方針だ。5−6月、国鉄決戦は新たな激浪に突入する。この中に、国労本部を打倒し国労を階級的に再生させる展望もある。
 4・9政治和解を拒否して解雇撤回闘争を闘う4人の国労組合員を原告とする組合員資格確認請求訴訟で、被告の国労本部は組織として今後一切、解雇撤回闘争を闘わないという姿勢をあらわにした。国労本部の言い分は、詰まるところ“被解雇者は本来は組合員ではない”ということに尽きる。
 4・9政治和解以降、JR資本と国家権力の意を受けた国労本部は、闘争団員を国労からも追放することに躍起となった。10年7月の全国大会で闘争団員は選挙権・被選挙権を持たない特別組合員にされた。11年7月の大会では組合員の範囲を「JR及びその関連会社に雇用された者」に限定する規約改定が強行され、闘争団員は組合員資格を奪われた。
 この暴挙を居直るため、国労本部は、90年4月の国鉄清算事業団による1047名解雇の時点から、被解雇者は本来の組合員資格を失っていたかのように言うとんでもない主張を始めている(別掲)。
 これは国鉄闘争の歴史を偽造するものだ。国労に所属するからこそ資本よって解雇された闘争団員は、国労組合員としてJRに復帰するため、解雇撤回闘争を闘ってきたのだ。
 しかも、原告の4闘争団員は、4・9政治和解を拒否して現在も闘争を継続している。その闘争団員から組合員資格を奪う権限など、国労本部には一切ない。

 解雇撤回闘争の全面抹殺が狙い

 闘争団員からの組合員資格剥奪(はくだつ)はそれ自体、許し難い暴挙だが、そこには単に闘争団員を組合外に排除するというにとどまらず、どんな形であれ解雇された者は国労にはとどまれないとすることに狙いがある。わざわざ国労規約を改定し、「JR及びその関連会社に雇用された者」でなければ組合員ではないとすることによって、国労本部は、今後一切、解雇撤回闘争は闘わないとJR資本に誓ったのだ。
 にもかかわらず国労本部は、組合員資格訴訟で、闘争団員が組合員資格を失ったのは、規約改定によるものではなく、11年7月の大会で4・9政治和解による「闘争終結」を確認し、闘争団員の特別組合員としての扱いをやめると決定したことによるものだと主張している。これは、組合員資格剥奪の対象が、闘争団員だけでなく解雇された組合員全体に及ぶことを隠すためのペテン的言い分だ。
 実際、国労本部は、3月に雇い止め解雇されたグリーンスタッフ(契約社員)からも組合員資格を奪った。これは、青年労働者を踏みにじり、彼らの未来をJR資本に売り渡す許し難い裏切りだ。国労本部は、青年に背を向けることで国労自身の将来展望をも閉ざしたのだ。

 雇い止めされた契約社員に外注業務担わせるJR資本

 JR東日本は駅業務の全面外注化に本格的に着手し始めた。これまでも駅業務の外注化は「定年退職後の労働者の再雇用先確保」を口実に進められてきたが、今始まった外注化が従来と画然と違うのは、外注業務を担うのは青年労働者になっていることだ。
 外注先の「東日本環境アクセス」は、雇い止めされたグリーンスタッフをさらなる低賃金で雇って駅業務を請け負っている。しかも、外注先会社には非正規の労働者もいる。労働者は、JRの正社員・非正規社員、外注先の正社員・非正規社員という形で何重にも分断され、競わされて、低賃金と強労働を強いられている。それは、安全の要である駅の機能を破壊する攻撃でもある。そもそも、一体的に遂行されて初めて成り立つ駅業務の外注化は、偽装請負にほかならない。
 ところが国労本部は、グリーンスタッフの雇い止めとは絶対に闘わないと表明することによって、この構造を容認し、外注化に手を貸したのだ。組合員資格問題は青年労働者の未来がかかった問題だ。
 今や権力と資本は、戦後労働法制を解体し、「首切り自由」へと全面的にかじを切った。その象徴が、日航の解雇有効判決だ。組合員の解雇と闘わない国労本部は、これまで国鉄闘争を支援してきた多くの労働者に背を向けて、全労働者に対する解雇攻撃を推進する側に転じたのだ。

 JR連合にひざを屈するのか!

 国家権力とJR資本が4・9政治和解を強行したのは、大恐慌下での日本帝国主義の延命をかけて、外注化を軸とした首切りと非正規職化を徹底的に推進するためだ。4・9政治和解とJRにおける外注化の強行は、まさに一体の攻撃だ。
 だが、動労千葉争議団と和解を拒否した闘争団員はこの攻撃に真っ向から立ちはだかり、1047名闘争を跡形もなくすという敵の狙いを根本において打ち砕いた。同時に動労千葉・動労水戸・動労総連合と国労共闘の闘いは、JRの外注化攻撃とも立ち向かい、検修業務の外注化4月1日実施を破産に追い込んだ。
 この地平の上に1047名闘争はあらためて新自由主義と対決する基軸的闘いに据えられようとしている。
 その時に、国労本部は全国単一体としての国労を解体し、JR連合に合流するための最後の関門を突破しようとあがいているのだ。だが、分割・民営化に賛成して国労から分裂していったJR連合と一体化することなど、国労組合員にとって認められるわけがない。
 5月には国労本部ビルから全労協が撤退する。他方、東労組は検修業務の外注化提案の妥結に向けて動き出した。
 この中で国労本部はとてつもない裏切りをまたも演じようともくろんでいる。だが、それはきわめて破産的だ。3・11福島県民大集会から5月5日の全原発の稼働停止に至る事態を根底で切り開いてきたのは、福島県教組と並んで国労郡山工場支部の闘いだ。国鉄分割・民営化に対決してきた国労組合員が本来持っている階級性と戦闘性を、国労本部は絶対に解体できない。
 このことを確信し、6・10から国労大会に至る決戦を闘いぬこう。
組合員資格訴訟での国労本部の主張「清算事業団を解雇されて闘争団に結集した組合員……の組合員としての地位は、……雇用の回復ができないことが確定すれば組合員でなくなることが予定されたものであった」
 「被告の組合員資格はJR各社等被告の組織対象企業と雇用関係にあることが基本的な前提とされているのであり、闘争団組合員は……不採用・解雇を争って雇用関係の回復をめざす立場にある者として、組合員としての地位を特に継続したものであるから、その回復ができないことになれば組合員であることの基礎が失われることになる」
 「闘争団員の組合員としての地位は、以上のような点から、一般の組合員のそれとは基本的性格を異にするものであった」
 「『特別組合員』制度は、……労働組合法上均等取扱い(5条2項3号)を要する組合員ではない」

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週刊『前進』(2536号2面2)(2012/05/21 )

 動労千葉夏季物販スタート

 物販を武器に情勢に切り込み労働運動再生の突破口開こう

 動労千葉夏季物販の全国オルグが始まりました。国鉄闘争全国運動の飛躍的な発展に向けて、あらためて物販闘争の位置づけを強め、ありとあらゆる産別・職場に物販をもって分け入ることを熱烈に訴えます。ここから闘う労働運動再生の突破口をこじ開けよう。

 国鉄闘争全国運動の発展は物資販売から

 国鉄分割・民営化で強行されたあらん限りの国家的不当労働行為を、全社会に拡大し、貫徹する攻撃が始まっています。これに対して、一方では〈国鉄・橋下・原発・被災地>を焦点にかつてない憤激と闘いが広がり、他方では、連合・全労連を始めとする既成の労働運動指導部はますます奴隷的屈服を深め、当局・経営陣の手先としての姿をむき出しにしています。国鉄の分割・民営化から25年を経て〈連合型労働運動なのか階級的労働運動なのか>が、あらためて正面から問われる時代が来ています。
 既成労組ダラ幹と、怒りをたぎらせ苦闘する現場労働者との乖離(かいり)はすさまじいものがあります。国鉄闘争全国運動の全国活動者交流会(2月15日)や動労千葉物販・全国担当者会議(3月25日)では、「従来の“党派的色分け”など気にせず、今こそ物販をもって地域の労組に入っていくべきだ」「やはり最大の武器は物販だ」「物販で全国の労働組合を回る中から階級的労働運動の復権は必ずかちとれる」という意見が、実践を経た実感として次々と出されました。

 「赤字」の一切の責任は資本・当局にある!

 国や地方自治体、あるいは民間においても「財政赤字削減」を振りかざして労働者と労働組合を脅迫し、労働者階級が闘いとってきた既得権を根こそぎ奪い去る攻撃が強まっています。解雇規制も含めた戦後労働法体系を根こそぎ解体する攻撃が全面化しています。
 日本経団連は、大震災を「ビジネスチャンス」ととらえ、被災地を労働法適用除外の「特区」化して被災地の労働者さえ食い物にしようとしています。被災地ばかりか全国で、「震災復興」の名目でさらなる非正規職化と賃下げ攻撃が全労働者に襲いかかっています。
 その先兵である橋下大阪市長は、大阪市の正規職員4万人のうち約2万人を2015年10月までに分限免職にする方針を打ち出しました。さらに、大阪市の443事業のうち104事業を見直して公共部門で働く二十数万人の労働者を大量解雇し、それに代わる無権利・超低賃金の「有償ボランティア」の大量導入を打ち出しています。
 郵政職場でも大リストラ攻撃との攻防の中にあります。経営陣が、小包部門を子会社化するJPEX計画を破綻させて1千億円もの赤字を出したツケを、非正規雇用労働者の大量解雇と「基本給3割カット」で現場労働者に押し付けようとしているのです。「赤字」を振りかざして労働者を恫喝するやり方は、25年前の国鉄分割・民営化とまったく同じです。
 橋下は、大阪府知事時代に「大阪府は倒産会社。大阪府職員は倒産会社の社員と同じだ」と言い放ちました。しかし「倒産会社」と言うなら、その責任も負債もすべて経営陣が負うべきです。逆に労働者は、倒産した会社の資産を「労働債権」として真っ先に差し押さえる権利を持っています。労働者が倒産の責任を負う必要など法的にも一切ありません。
 労働者に責任を問うのなら、責任に見合う「権限」を寄こせ。人事権も管理権もすべて寄こせ。だが、公務員労働者には「スト権」も「団交権」もないじゃないか。「日の丸・君が代」で起立・斉唱しないだけで処分。はしの上げ下げ、口の開け閉めまで管理しておいて、赤字は労働者の責任? ふざけるな!!
 いまこそ「公務員=悪者」論という希代の大陰謀をぶっ飛ばし、職場からの闘いで当局・資本、政治家に責任をとらせなければなりません。

 業務外注化を10年以上阻止する動労千葉

 公的資産を食い物にする民営化攻撃は、同時に労働者に対して外注化−非正規職化の攻撃として襲いかかっています。JRでも、いまや駅職員の多くが非正規雇用の契約社員か下請け会社の労働者です。
 こうした外注化−非正規職化もまた、すべて国鉄分割・民営化から始まりました。その極限的な姿が原子力産業にあります。国鉄分割・民営化によって始まった労働運動の解体と変質が外注化と非正規職を生み、その行き着いた果てが福島原発事故です。すべてはつながっているのです。いまこそ国鉄闘争25年の地平を橋頭堡(ほ)に、階級的力関係を覆す反転攻勢に出るべき時です。
 動労千葉は、今年4月1日に予定されていた検査修繕・構内運転業務の全面外注化を阻止する大きな勝利をかちとりました。10年間にわたって職場の外注化を阻止した上に、会社が満を持して提案してきた検修全面外注化を、10年春、11年春に続いて三度止めたのです。その勝利の教訓は三つあります。
 第一に、偽装請負を、労働基準監督署への告発も含めて徹底的に暴露・追及したことです。新自由主義のもとで進められてきた外注化と偽装請負は、実際にはブルジョア法に照らしてもけた外れに違法でデタラメきわまりないものです。とりわけ鉄道においては、運転指令を始めとするJR社員との密接な連携なしに車両一つ安全に動かすことはできません。JR東日本による検修・構内業務外注化は、JR自身が「はたして裁判になったら勝てるのか?」とためらわざるを得ない代物でしかないのです。
 動労千葉は、結成以来の基軸路線である反合理化・運転保安闘争路線を土台に、こうした事実を繰り返し暴き、職場抵抗闘争と幾度ものストに立ってきました。もし裁判で偽装請負が認定されたら、JRがこの10年余りで強行した施設部門の外注化も全部「違法」になってしまう。そのリスクにJR自身、尻込みせざるを得なかったのです。
 第二に、動労千葉が外注化の前提となる外注会社への出向を労働組合として拒否していることです。出向には個人の同意が必要です。しかしこれまでは、労働組合が協約を結んで出向に同意することで本人同意に代えてきました。動労千葉組合員が丸ごと出向を拒否しぬいた場合、それ自身が大変な争いになります。これも日本労働運動史上に例のない闘いです。
 第三に、連合、JR総連などの御用組合が偽装請負や強制出向といった違法行為を受け入れ、率先推進することで初めて業務外注化―非正規職化が成り立ってきたことを闘いを通して暴き、組織拡大闘争を根幹に据えて闘ったことです。実際、動労千葉の闘いによってJR東労組京葉車両センター分会が「外注化反対」の分会決議を上げるに至っています。もし外注化を強行すれば、検修職場の東労組組合員がすべて動労千葉に結集しかねない。その現実性を前に当局は二の足を踏まざるをえませんでした。

 国鉄1047名解雇撤回は労働者の大義

 動労千葉は、国鉄1047名解雇撤回闘争の解体を狙った一昨年の4・9政治和解を拒否し、「国鉄分割・民営化を絶対にあいまいにしない」と訴え、1047名解雇撤回の旗を堅持して闘い続けています。職場における業務外注化阻止の闘いと、「1047名解雇撤回」という階級の大義を固く結合した動労千葉の闘いは、国鉄闘争全国運動として大きく花開こうとしています。
 いま物販をもってあらゆる職場に分け入ることは本当に決定的です。「偽装請負や強制出向と闘うことは可能だ」――動労千葉の闘いは連合支配のもとで苦闘する労働者の怒りを呼び起こし、労組再生の欲求を巨大な規模で生み出していくことは間違いありません。
 全国の職場生産点、とりわけ攻撃の火点となっている4大産別(国鉄、郵政、教労、自治体)に入り、直面する課題を聞き、動労千葉の外注化阻止闘争の教訓を語り合おう。外注化−非正規職化阻止、非正規職撤廃の巨大なうねりをつくり出し、すべての怒りを6・10大集会に集めよう。
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 ◇販売品目◇(円)

1 天津甘栗     450
2 焼カシューナッツ 650
3 種ぬきプルーン  900
4 あずき甘納豆   500
5 たまごやさんのマヨネーズ 500

6 塩こうじ     500
7 グンゼソックス(白4足組) 980
8 ワンピースバスタオル 1600
9 われせんべい   700
10 スティックチーズ 900
11 こんにゃくゼリーシークワーサー 1300
12 ロシアンケーキ 1000
13 フルーツガトーセット 2000
14 水ようかん詰め合せ 1500
15 アップルジュース果汁100% 1100
16 ししゃものくんせい 900
17 どんこ      1000
18 即席みそ汁(20食) 1300
19 野菜たまごスープ1300
20 黒ウーロン茶  1200
21 ブレンドコーヒー 900
22 もつ煮      750
23 さんま丼     600
24 もずくスープ生タイプ 550
25 静岡茶      650
26 もりおか冷麺  1100
27 寒干しラーメン 1300
28 長浜ラーメン  1200
29 北信濃手折りそば1800
30 島原てのべそうめん 1300
31 稲庭うどん   2000
32 博多冷し中華  1200
33 梅にんにく   1300
34 日高昆布    1000
35 ひじき(房総産) 650
36 根昆布しょうゆ  600
37 天然だしパック 1300
38 ナガイの焼のり(5帖箱入り) 1700
39 紀州南高梅   1500
40 ビーフカレー(20食) 3000

申込先/動労千葉協販部
TEL 043(227)7833 FAX 043(227)8125

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週刊『前進』(2536号2面3)(2012/05/21 )

 不採用基準に怒り

 鉄道運輸機構訴訟 小玉さんが堂々の証言

 秋田闘争団の小玉忠憲さんを原告とする鉄道運輸機構訴訟の控訴審が5月17日、東京高裁第14民事部(設楽隆一裁判長)で開かれ、小玉さんへの本人尋問が行われた。
 小玉さんは国鉄分割・民営化当時、国鉄職員局次長だった葛西敬之(現JR東海会長)によって設定された「1983年4月以降、6カ月以上または2回以上の停職処分を受けた者はJR採用候補者名簿に記載しない」との「不採用基準」によってJR不採用とされた。この不採用基準の不当性と、小玉さんに対してなされた停職処分の不当性が、この裁判の最大の争点だ。
 86年12月にはJR各社の定員が閣議決定され、87年1月にはJR各社への採用希望の意思確認書の提出が国鉄職員に求められた。その時点で、本州JR3社が定員割れとなることは明らかになっていた。
 ところが、旧動労や旧鉄労で構成された「国鉄改革推進労組協議会」は、分割・民営化に反対する国労組合員は定員割れであってもJRに採用するなと国鉄当局にねじ込んだ。これを受けて葛西らが急きょ設定したのが「不採用基準」だ。
 87年2月16日、JR採用者に採用通知が渡されたが、JR東日本を希望した小玉さんには何の連絡もなかったという。当局に問い合わせても、「採用通知は来ていない」「(不採用の理由は)JR設立委員会が決めたことなので分からない」という答えが返ってくるだけだった。
 本州JR3社では当初、採用希望者全員が名簿に載せられていたが、不採用基準で小玉さんらの名前が削除された。その事実は、09年12月に動労千葉の訴訟でのJR東日本高崎支社長の伊藤嘉道(分割・民営化当時、国鉄職員局職員課補佐)証言で初めて明らかになった。
 この証言内容を知った時の感想を聞かれた小玉さんは、「本当に許せない。何で自分が解雇されたのか、23年目にようやく明らかになった。この悔しさが分かりますか。不当労働行為は犯罪だ。まだ隠されている事実があるはずだ。絶対に勝つために人生をかけることにした」と述べ、胸に迫る万感の思いに声を詰まらせた。
 また、不採用基準適用の口実とされた停職処分について、分会書記長だった小玉さんを狙い撃ちにした不当労働行為だと怒りを込めて弾劾した。
 4・9政治和解を拒否した理由について証言した小玉さんは、「不当労働行為があったのは事実だ。それを金銭でなかったことにするのは和解でも何でもない」と語気を強めた。
 最後に、国鉄分割・民営化の破産を徹底的に突き出した。そして、被告・鉄道運輸機構の代理人が東京電力の代理人でもあることを暴き、「原発は安全」という判決を繰り返してきた司法を怒りを込めて弾劾した。
 被告の反対尋問は、主尋問での証言内容を確認するだけのものに終始した。時効で一切の責任から逃れたいという彼らの卑劣な願望もむき出しになった。
 原告代理人団は、葛西らの証人採用を裁判長に強く迫った。これに対し裁判長は、「次回で結審もありうる」と述べて、次回期日を7月19日に指定した。小玉さんの迫力ある証言の前に、「証人採用はしない」とその場で明言することはできなかったのだ。だが、裁判長が次回結審を狙っていることも明白だ。
 傍聴者は、あらためて1047名解雇への怒りを燃やし、国鉄闘争全国運動6・10集会に向けた奮闘を心に刻んだ。
(写真 口頭弁論終了後、勝利に向けた決意を語る原告の小玉忠憲さん【5月17日 千代田区】)

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週刊『前進』(2536号3面1)(2012/05/21 )

 福島と沖縄を結び新自由主義と対決

 「復帰」40年 那覇集会に400人の熱気

 解雇撤回・基地撤去へ闘う

 福島からの特別報告

 5月12日夕、今年の5・15闘争のメイン集会として「復帰」40年5・12沖縄集会が実行委員会の主催で那覇市民会館中ホ−ルで開かれた。全国から青年労働者・学生を先頭に400人の仲間が大結集し、福島と沖縄を結び新自由主義と対決する5・15闘争として意気高く闘いぬかれた。
 集会に先立ち写真家の比嘉豊光さんの70年当時の写真映像「沖縄闘争70−72年」が上映された。70年当時の全軍労闘争とそれを最先頭で牽引(けんいん)した全軍労牧港支部青年部の力強い闘いが映し出された。
 集会は、国鉄闘争全国運動・沖縄の呼びかけ人である金城幸男さんの主催者あいさつで始まった。金城さんは「沖縄は『復帰』して40年になるが問題は何一つ解決していない」として、北朝鮮のミサイル発射を口実として沖縄にPAC3と隊員950人の配備が強行され、さらにオスプレイの配備が準備されていることを弾劾し、「解雇撤回・基地撤去の立場で労働者を組織しよう。沖縄から反戦・基地撤去、死すべきは資本であることを高らかに宣言しよう」と訴えた。
 次に連帯あいさつ。「とめよう戦争への道!百万人署名運動」事務局の川添順一さんが「この社会を根底から変えて戦争を阻止するために闘おう」と訴えたのに続き、「星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議」が登壇した。星野暁子さんが獄中の星野文昭さんからのメッセージを読み上げ、3・30再審棄却決定を徹底弾劾した。「すべてのみなさんの闘いとひとつになって証拠の全面開示と文昭の解放を求める全国的全世界的運動を呼びかけます」
 そして「3・11から1年、フクシマからの報告」として、福島県小学校教諭の國分俊樹さんの特別報告が行われた。國分さんは、福島から沖縄に避難してきた人たちへの支援を訴え、さらに福島原発の現状を詳細に語り、原発と核兵器と軍事産業は搾取と分断の象徴だと弾劾した。内部被曝の恐ろしさ、国の基準のでたらめさ、そして戦争も原発も根は一緒であることを語り、最後に「私たちは未来に禍根を残さないために頑張っていきましょう」と締めくくった。
 続いて、福島診療所建設委員会事務局長の渡辺馨さんが、「今福島で起こっているのは、目の前で人が殺されても文句言うな、避難しろ、逃げろと言うあり方、これとの闘いです。この現状を変えたい」と、生きるための闘いの拠点として診療所建設があることを強く訴えた。

 “生きられる社会を”

 基調報告を提起したのは実行委員会の沖縄北部合同労組(うるまユニオン)・富田晋委員長。富田さんは「職場生産点・学園・地域での私たちの闘いと存在が日を追うごとに必要とされてきている。私たち自身が労働者全体の利益を体現して闘う存在に押し上げられた。それがこの1年間の闘いだ。私たちはすべての仲間、労働者、大衆に責任をとる立場で5・15闘争に結集している」と断言。
 さらに「復帰」40年の沖縄闘争の獲得目標として、第一に原発再稼働を阻止し、全原発の廃炉を実現することをあげ、第二に全基地撤去の闘いを訴えた。「70年当時の全軍労牧港支部青年部の闘いが今の世代にも受け継がれている。そこに資本家は心底恐怖している。基地はいらない、労働者が生きられる社会をよこせ!と声をあげていこう」
 そして第三に各職場・各学園で国鉄闘争全国運動の拡大と動労千葉を支援する会の建設を訴え、6・10集会への大結集を呼びかけた。

 6・10国鉄大集会へ!

 6・10国鉄闘争全国運動大集会へのアピールが動労千葉の田中康宏委員長と動労水戸の石井真一委員長、国労小倉地区闘争団の羽廣憲さんの3人から発せられた。田中委員長は国鉄1047名解雇撤回闘争の意義と4・9派による裏切りを真っ向から批判し、「この闘いは労働者の未来をかけた闘いです。奪われてきたすべてを奪い返す闘いです。今も人間が腐りきった政府によって殺され続けている。この現実の中で労働組合が息を吹き返さなければならない。それには国鉄分割・民営化から始まった民営化・労組破壊・非正規化、この攻撃に立ち向かうことです。そのための集会が6月10日の集会です。新自由主義と対決する労働組合をよみがえらせよう」とアピールした。続いて石井委員長が「沖縄の基地撤去の闘いも、福島の反原発の闘いも反合・運転保安闘争という勝利の如意棒をもって絶対反対で闘う」と発言。羽廣さんが「国労は連合に行くために私たちを切り捨てた。全国運動で新しい国労をわれわれの手でつくりあげたい。6・10が勝負だ。待ったなしの闘いだ」と訴えた。
 集会の最後は決意表明だ。沖縄から動労千葉を支援する会・電通沖縄、動労千葉を支援する基地労働者の会、沖縄北部の非正規労働者。さらに全国各地から決意が表明された。全学連の大森靖之副委員長が京大決戦への決意を語り、最後にNAZENの富田翔子事務局次長が全原発の廃炉と診療所建設を訴えた。
 この日の集会カンパは、全額が診療所建設委員会の渡辺事務局長に手渡された。団結ガンバローで集会を締めた。
(写真 国際通りデモの高揚を引き継ぎ、全国から青年労働者を先頭に400人が参加して開かれた「復帰」40年5・12沖縄集会【5月12日 沖縄・那覇市民会館中ホ−ル】)

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週刊『前進』(2536号3面2)(2012/05/21 )

 青年交流集会 牧青の闘いが甦る

 死すべきは基地と原発

 「労働者は死んではならない。死すべきは基地だ、原発だ、資本だ」。今を生きる青年労働者の根底的な怒りが、全軍労牧港支部青年部(牧青)の闘いとつながった。13日夕、那覇市青年会館で「オキナワとヒロシマを結ぶ全国青年労働者交流集会 in Okinawa」が開かれ、沖縄、福島、JR職場など全国の青年労働者が6・10国鉄大集会へ総決起していく場となった。

 基地撤去の闘いは解雇撤回から

 1970年代に牧青で闘った元基地労働者が講演を行った。
 「労働力を売っても命は売らない」。71年、米軍の毒ガス移送作戦に反対してAMMO(知花弾薬庫)の組合員500人が、50日間の独自ストライキに決起した。これは周辺住民の命を労働組合が守る闘いでもあったという。AMMOゲート前の説得活動でストを切り開いたのは牧青だった。組合本部は処分しようとしたが、職場の力関係がこれを許さなかった。「牧青の地平とは闘うための組織を職場でつくったこと」
 現在、米軍再編に伴い基地内では大量解雇、賃金カット、非正規職化の攻撃が吹き荒れている。「職場で闘いは始まっている。解雇撤回で闘うことから基地撤去の闘いは始まる」と強調した。
 これを受けて郵政労働者が基調を提起、「破綻した新自由主義を救済しているのが連合幹部だ。しかし現場は絶対に決起する。民営化反対の闘いは青年の心をとらえる」と職場から6・10集会への全力結集を訴えた。
 沖縄、国鉄、大阪、被災地からの特別報告が続いた。沖縄からは北部合同労組委員長の富田晋さんだ。富田さんは、辺野古新基地建設阻止を現地で体を張って闘ってきた。だが4・9政治和解の中で、体制内指導部は民主党支持路線に転換した。「動労千葉がこれに対する闘い方を示していた。原則的な労働運動の復権こそが辺野古闘争勝利の道」とつかみ、「非正規職撤廃・外注化反対」を掲げ組合を結成した。「沖縄闘争は根底的で具体的な闘争であるほど大衆の心をつかむ。解雇撤回ぬきに非正規職撤廃、基地撤去、原発廃炉はない。解雇撤回をはっきりさせよう」

 社会を変える時6・10集会へ!

 JR職場から動労千葉、動労水戸、動労西日本の青年が、外注化阻止の決意を表明した。動労千葉青年部は「外注化を阻止したのは動労千葉が闘い続け、青年が動労千葉に入ったからだ」と確信をもって語った。動労水戸は「関越道のバス事故は規制緩和のせい。外注化・非正規化はこうした事故をどんどん起こす。それを止めるのが労働組合だ」と訴えた。動労西日本の山田和広副委員長は「尼崎事故でのJR西日本元社長・山崎への無罪判決に怒り新組合員が結集した」と報告。
 大阪の自治体労働者は「橋下は都市間競争に勝つと言う。これは総非正規職化の攻撃だ。ストで闘うことこそ青年に通用する。核になる活動家をつくる」と橋下打倒の戦闘宣言を発した。
 福島から避難してきたみやぎ連帯ユニオンのAさんは、福島の苦しみと怒りを訴えた。Aさんの職場は事故当時、福島第一原発から15`の老人ホームだった。避難もできず被曝しながら利用者への対応に追われた。死ぬなら家族と死にます――。葛藤の末、家族と避難した。利用者の避難は困難を極め、7人の死者が出た。「利用者と家族のように働こうとしたが一瞬で壊された。政府は福島を切り捨てた。誰かを犠牲にする幸せは許せない。今が社会を変えるチャンス」と沖縄とともに闘うことを訴えた。
 職場闘争の報告では、不当弾圧を粉砕したちば合同労組、26波の春闘ストを貫徹した精研労組、郵政非正規ユニオン、解雇撤回・原発廃炉で闘うNAZENが発言。
 広島連帯ユニオンの井上亮青年部長が「6・10で新自由主義と対決する労働組合を大登場させ、8・6広島へ!」と集会をまとめた。
(写真 動労千葉、動労水戸、動労西日本の青年労働者が並んで外注化阻止を訴えた【5月13日 那覇市青年会館】)

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週刊『前進』(2536号3面3)(2012/05/21 )

 全国学生交流集会

 “全学連と会えてよかった”

 5月13日夕、全学連は那覇市内で全国学生交流集会を行った。司会の坂野陽平書記長が沖縄の学生の参加を報告し、全国学生の力で沖縄の地に学生運動をつくり出そうと訴えた。
 斎藤郁真委員長は基調提起の冒頭で、4・19法大デモで不当逮捕された学友A君を5月10日に奪還した大勝利を確認し、「5月5日の全原発停止をかちとりました。『止める』から『なくす』闘いが開始されました。全国学生は6・10国鉄全国集会に大結集を! 京大同学会建設に全国学生の力で勝利しよう!」と訴えた。さらに「今次沖縄闘争の意義は、一つに、全国学生が沖縄現地に集まり、戦争体制の構築に対して声をあげたことです。二つに、福島大生と沖縄の学生が結集し、団結をつくり出したことです」と提起した。「今求められているのは、原発をなくし基地をなくす、つまりこの社会のあり方そのものを根本から変えることです」「『復帰』40周年を迎える沖縄の現実は何一つ変わっていない。辺野古新基地建設と一体で、MV22オスプレイの普天間配備が7月から狙われています。在日米軍の中間報告では『動的防衛力』の概念が打ち出されました。日米安保強化の核心は、侵略戦争であり、そのための沖縄の前線基地化です。5月9日付の琉球新報では、新基地建設に県民の9割が反対と報道されています。沖縄の闘いは、新基地建設を阻止し続けてきました。沖縄の怒りと私たち学生が団結しよう。本土と沖縄の分断をのりこえた時にすべての基地を撤去できる」「大学から反原発の闘いを巻き起こそう! キャンパスで新自由主義と闘ってきた法大闘争の地平を、京大同学会建設の勝利へ!」
 大森全学連副委員長ら京大生3人が登壇し、5・25〜6・8に行われる同学会選挙で「新自由主義大学と闘って勝てる展望を示したい」と勝利への決意を語った。
 続いて、沖縄と福島からのアピール! 沖縄の学生は「多くの人に『隠された沖縄』を知ってほしい。米軍基地に怒りや恐怖をみんな感じている。国は沖縄県民を守らない。今日の国際通りのデモは本当に楽しかった。全学連と出会えてよかった」と語った。この感動的な発言で会場は一つになった。
 さらに、福島大生が全員登壇し、「福島や沖縄の現実を見て『これでいいのか』とあらためて感じた。1%のために99%が犠牲にされる社会。この構造が沖縄と福島にある。基地と原発をすべてなくしたい」と訴えた。
 法大から3年生が発言し、4・19法大デモの勝利をキャンパスに拡大する闘いが、当局―学祭実と激突しながら発展していることを報告した。東北大、広島大、富山大からも決意が語られた。
 最後に、全国の1年生と初参加者全員が決意表明し、会場の盛り上がりは最高潮に達した。
 (法政大・洞口朋子)
(写真 「新自由主義大学と闘う」「大学を革命の砦に!」と初参加者が決意表明【13日 那覇】)

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週刊『前進』(2536号3面4)(2012/05/21 )

 5・14名護 300人が怒りのデモ

 “辺野古新基地阻止するぞ”

 

 沖縄闘争3日目の14日、参加者は早朝から6・10結集を訴えるビラまきに決起。沖縄中部の米軍基地3カ所で「7・8%賃金カット攻撃にストで反撃しよう! 定年後再雇用のパート導入絶対反対!」を訴える沖縄労組交流センターのビラを6・10国鉄集会のビラとともに配布。辺野古現地(辺野古、久志、豊原)でも全戸にビラを入れた。
 午前10時半、辺野古の浜に全体が集まった。早朝行動の報告を行った後、北部合同労組の富田晋委員長が辺野古闘争の歴史と現地情勢を語り、「辺野古はくい一本打たせていない。職場での攻撃、福島の原発も、沖縄の基地もすべて新自由主義の政策の結果だ。全国で階級的労働運動をよみがえらせて闘っていきましょう!」と結んだ。浜での集会中、平和行進に参加した全国の青年労働者たちが次々と訪れ、富田さんの話に聞き入る場面も。最後に「辺野古に基地をつくらせないぞ!」のシュプレヒコールをキャンプ・シュワブにたたきつけた。
(写真 真夏の日差しを浴びて「解雇撤回! 基地撤去! 労働者は怒ってるぞ!」と訴えるデモに名護市民が笑顔で共感を寄せた【14日 名護】)

 公務員たたきを許さない!

 いよいよ名護市内デモだ! 名護市役所の中庭で、マイクを握った北部合同労組の組合員が「歴史的な晴天です! きょうのデモコースは名護に基地問題が持ち上がって以降、何十回も抗議デモをしたコースです。元気よくいきましょう」と呼びかけた。
 仙台市職労の神保美彦さんは「名護市役所で働く皆さん、仕事をやめて聞いてください。公務員バッシング、ふざけるんじゃない! 公務員攻撃の狙いは労働組合を根絶やしにすることだ。被災地を見てくれ! 資本の生き残りが復興だと言って被災地の住民をズタズタにしている。この怒りで安保粉砕! 基地撤去! すべての原発をなくそう!」とアピール。
 沖縄の学生が「僕は一昨日初めてデモに参加しました。デモは楽しい。人間性を取り戻す感じがします。辺野古に基地はいらない!」「名護市民と一緒に辺野古新基地建設を阻止するぞ!」
 正午、300人のデモが出発した。元気なコールが響きわたる。「基地はいらない! 解雇撤回! 基地撤去! 労働者は死んではならない! 死すべきは米軍基地だ! 死すべきは原発だ!」
 北部合同庁舎から手を振る労働者たち。郵便労働者からも「頑張って!」の声。沿道のオバーは「若い人たちがうれしい」と満面の笑み。
 ひんぷんガジュマルまでのデモを終え、最後に富田晋さんが「原発を止めることも、基地を止めることも可能なんだと沖縄は僕らに教えてくれている。3日間の闘いでつかんだ確信を職場、学園、地域に持って帰り、この社会を変えましょう!」と締めくくった。
(写真 キャンプ・シュワブに向かって「辺野古新基地建設を許さないぞ!」【14日 名護市辺野古】)

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週刊『前進』(2536号3面5)(2012/05/21 )

 宮古島 平和行進にビラ

 PAC3配備断固反対

 5月12日、沖縄労組交流センターは宮古島での平和行進にビラ入れを行った。
 平和行進出発地の宮古島市上野の航空自衛隊宮古島分屯基地に隣接する大嶽城址公園に、宮古市職労青年部を始め約200人がそれぞれの労組の旗・のぼりを掲げて結集した(写真)。沖縄労組交流センターは、米軍基地全面撤去と国鉄闘争全国運動6・10全国集会への結集を呼びかけるビラを参加者一人ひとりにもれなく手渡した。
 公園から約9`のデモ行進に出発。自衛隊基地に対しては、「PAC3配備を許さないぞ!」「国境の島を戦場にするな!」との戦闘的なシュプレヒコールを力強くたたきつけた。
 到着地の平良庁舎前で「平和とくらしを守る宮古郡民集会」が開かれ、「平和な島に自衛隊はいらない。武力で平和はつくれない。先島への自衛隊配備に断固として反対し、戦い抜く」とする決議を採択した。
 基地と戦争準備への労働者の怒りが終日島を揺るがした。

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週刊『前進』(2536号4面1)(2012/05/21 )

 規制緩和と非正規化

 元凶は東京電力だった 93年平岩レポート

 新自由主義と闘う6・10集会へ

 5月14日に福井県おおい町議会が大飯原発の再稼働に同意したのを受け、野田政権は5月中にも再稼働へのゴーサインを出そうとしゃにむになっている。しかし、絶対に再稼働は止められる。5月5日に稼働原発をゼロにした運動の地平に確信を持ち、全原発の再稼働を阻止し続けよう。そのためにも6・10国鉄大集会に結集し、国鉄闘争と反原発闘争、そして非正規職撤廃闘争とを一体にしてもっと高揚させよう。特に93年の「平岩レポート」が示すように、福島原発事故を引き起こした東電・電力資本こそが、規制緩和・非正規職化攻撃の張本人でもあることを徹底断罪し、すべての元凶である新自由主義に対して総決起していこう。
(写真 東電の稼働原発が「ゼロ」になった3月26日、新橋アクションは東電本店直撃デモに立った)

 事故居直り再稼働狙う東電を許すな

 再稼働を止め続けるためにも、あらためて福一事故の現状と福島での被曝強制の事実を直視し、怒りを爆発させなければならない。ブルジョア・マスコミが報道管制を強めている中では、なおさらそうだ。
 5月12日に東電は「設備改善計画」を出したが、「2号機の原子炉建屋の排気口」を「年度内に閉じて放射性物質の大気への放出を減らす」としている。「排気口」と称しているが、実際は事故で損壊した場所に違いなく、そこから放射性物質が流出し続けていることを認めたのだ。しかも、それに対する措置が「放出を止める」ではなく「減らす」でしかない(日経5・13付)。
 また、全周4`メートル・全長10`メートル超の塩化ビニール製の冷却用ホースが屋外に置かれ、繰り返し破損しているが、これを「16年度をめどに建屋に収める大きさに改良する」と言う。16年度までということは、ホースが凍結する冬場をあと5回も経過するということだ。急ごしらえの装置がそんなに持ちこたえられるはずがない。さらに、「建屋内は放射線量が高く、設置作業が難航する可能性もある」と、それすら困難と自認している。この冷却水が途絶すればたちまち再臨界となる、という”命綱”ですらこのありさまだ。
 4号機の核燃料プールがいつ崩落するかもしれないだけでなく、福島第一原発すべてが危機的なままなのだ。にもかかわらず野田政権は4月に避難区域を再編し、年間被曝線量50_シーベルト超の「帰還困難区域」以外は「出入り自由」として帰還と被曝を強制している。郡山の小中学校では新年度から屋外活動の制限が解除されたが、26の小中学校・保育所で年間線量20_シーベルト超のホットスポットがあることが5月初めに分かった。政府公認の「緩やかな殺人」が日々行われていることを、絶対に許してはならない。
 東電・政府、電力資本への責任追及の闘いも緩めてはならない。東電は1兆円の追加の公的資金を受けて7月に実質国有化されるが、その一方で「停電」の恐怖をあおって電気料金を値上げし、ここでも労働者人民に犠牲を転嫁しようとしている。さらに、東電は13年4月からの柏崎刈羽原発の再稼働を前提に事業計画を組み、政府も5月9日にそれを承認した。

 平岩レポートから9割非正規職化へ

 そもそも電力資本は、日本の資本家階級の中枢そのものだ。資本家階級の団体である「日本経団連」は、各地方ごとの「経済連合会」を有しているが、その会長は各地方の電力会社会長に独占されている。例えば、大飯再稼働を狙う関西電力会長の森詳介は関西経済連合会の会長、伊方再稼働を狙う四国電力会長の常磐百樹は四国経済連合会の会長である。JR資本とともに電力資本を打倒対象として見据えなければならない。
 中でも、平岩外四(がいし)は76年から東電社長、84年から東電会長、90年から経団連会長を歴任した憎むべき人物だ。東電初の原発である福一1号機が稼働した71年、福二が稼働した82年、柏崎刈羽が稼働した85年の全過程で東電の中枢にいた。いわゆる「原子力村」を70年代からつくり上げたのもこの平岩だ。さらに、74〜75年恐慌から新自由主義の全面的展開にいたる90年代半ばまで、日本の資本家階級の中心で国家政策に携わった人物でもある。
 特に93年末の、平岩を座長にした「経済改革研究会」の報告=「平岩レポート」は、規制緩和・撤廃を日本帝国主義の国策とした文書にほかならない。「経済的規則は『原則自由』に」「社会的規制は『自己責任』を原則に最小限に」を最大テーマにした国家・社会の大改造計画であった。
 雇用・労働分野では、労基法などの全法律が規制緩和の対象として列挙されている。非正規・下請け・使い捨ての原発労働を全社会化しようとするものだ。新自由主義は規制緩和・撤廃を最大の柱とする攻撃であるが、その規制緩和がほかならぬ東電トップだった平岩によって提言され実行されてきたのだ。
 「平岩レポート」からわずか1年強の95年3月には、政府の「規制緩和推進5カ年計画」が閣議決定された。雇用、福祉、医療、教育などあらゆる分野で既存の国家規制が緩和・撤廃され、まさに資本の好き放題の行動が容認されていった。その直後の95年5月には、”正規職は1割、あとの9割は非正規職に”と提言した日経連報告「新時代の『日本的経営』」が発表された。
 雇用面を見ると、96年度には労働者派遣法が改悪され、対象が16業種から26業種まで拡大した。97年には有料職業紹介事業の自由化、女子保護規定の撤廃なども強行されていった。この時期にすでに「偽装請負」「違法派遣」という言葉が多用されるほど、非正規職化が進んでいた。労働組合が対決しなかったため、資本のやりたい放題となったのだ。

 核燃サイクル優先電力自由化は凍結

  しかし日帝は90年代末、この延長では成り立たなくなる。97〜98年恐慌をへて日本経済は近現代史上で最悪の危機に陥るとともに、従来の方策だけでは”非正規9割化”も不可能な壁に突き当たった。ここから2000年代に入り、一方で郵政民営化と公務員労働者攻撃を切っ先とした小泉「構造改革」攻撃と、他方でのJR、NTTを始めとした外注化・非正規職化の攻撃が全面的に展開されるにいたるのである。この攻防は今日、外注化攻撃を粉砕する動労千葉を先頭にした国鉄闘争と、新自由主義の最先端をなす橋下との激突、全産別での非正規職撤廃闘争の展開、という形で継続し、階級的労働運動をよみがえらせる闘いとして発展している。
 なお、「平岩レポート」では、電気事業もいったん規制緩和の対象とされた。しかし、核武装のための軍事用プルトニウムを確保する核燃料サイクルの推進が最優先され、電気事業での規制緩和はもみ消しにされた。実施されたのは電力の小売りの部分的な自由化だけだ。05年に閣議決定された原子力政策大綱では、明示に自由化凍結となった。
 「電力自由化推進を放置すれば、六ケ所村再処理工場計画は中止または凍結される公算が高い。電力自由化をストップさせることが、六ケ所再処理工場計画の存続の必要条件となった」(吉岡斉著『新版 原子力の社会史』朝日選書)という指摘のとおりだ。東電・平岩は規制緩和の旗を先頭に立って振りながら、核武装と電力資本の利益のためには自分だけ規制緩和から自由に振るまったのだ。
 このように、福島原発事故を引き起こした責任者である東電資本こそ、規制緩和による社会破壊と非正規職化の張本人であり、核武装化の推進者でもある。JR資本と並んで東電・電力資本こそ、日本における新自由主義の最も憎むべき敵にほかならない。その意味で、反原発、非正規職撤廃にかけた思いと希求は、新自由主義との対決基軸をなす国鉄闘争との一体化にこそある。青年労働者こそがここに確信を持って、6・10国鉄大集会に総決起して欲しい。
 (島崎光晴)

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週刊『前進』(2536号4面2)(2012/05/21 )

 『放射線副読本』拒否を

 原発と被曝の危険性を隠し「安全・安心」のデマ振りまく

 文科省は3月、放射線副読本(小学生用、中学生用、高校生用の3種類)1300万部を全国の小中高校に配布した(左は小学生用副読本『放射線について考えてみよう』の表紙)。3・11まで「原発安全」神話を振りまいてきた文科省が、福島の子どもたちにとてつもない被曝を強いた責任を省みることもなく、今度は「放射線安全」神話を振りまいているのだ。徹底弾劾しよう!

 被曝の深刻な実態に触れず

 副読本は福島原発事故がもたらした深刻な放射線被曝にまったく触れていない。小学生用副読本で「原発」という言葉が出てくるのは、「はじめに」の「東北地方太平洋沖地震によって東京電力福島第一原子力発電所で事故が起こり、放射線を出すものが発電所の外に出てしまいました」という1個所のみ。しかも続けて「この副読本では、放射線が身近にあることや色々なことに利用されていること……などについて紹介しています」と記した(以下、注記のない引用は小学生用から)。そもそもが”放射線の有益性を広めるため”のものなのだ。
 それゆえ、「放射線を使って、人体を切らずに骨折や捻挫(ねんざ)などの様子を見ることができることから、病院ではエックス線(レントゲン)撮影を行う」「細菌の付いていないきれいなものにする……病院で使う注射器などに利用」などと、”放射線はいかに有益か”ということをひたすら強調している。

 ICRP基準で「安全」強調

 放射線の人体への影響については、悪名高いICRP(国際放射線防護委員会)基準に準拠して「一度に100_シーベルト以下の放射線を人体が受けた場合、放射線だけを原因としてがんなどの病気になったという明確な証拠はありません」という。さらに「がんの色々な発生原因」という図では「酒」「たばこ」「食事・食習慣」など8項目の一つに「放射線・紫外線など」と記し、”放射線だけが発がん原因ではない”と強調。
 高校生用副読本では、「仮に蓄積で100_シーベルトを1000人が受けたとすると、およそ5人ががんで亡くなる可能性がある……。現在の日本人は、およそ30%の人が生涯でがんにより亡くなっていますから、1000人のうちおよそ300人ですが、100_シーベルトを受けると300人がおよそ5人増えて、305人ががんで亡くなると計算されます」と記した。このデータ自身が被曝の影響を徹底的に軽んじたとんでもないものだが、そのデータを論拠に”5人増えるだけなんだから大したことはない”と主張しているのだ。

 情報隠し被曝強いた文科省

 副読本は最後の「事故の時に身を守るには」の項目では、さすがに「放射性物質から離れる、放射線を受ける時間を短くする、放射線を通しにくい建物の中に入る」と記したが、続く「事故が起こった時の心構え」では「時間がたてば放射性物質は地面に落ちるなどして、空気中に含まれる量が少なくなっていき……マスクをしなくてもよくなります」と被曝の影響を徹底的に小さく描こうとしている。”大したことはないから心配するな”ということなのだ。
 さらに「退避・避難する時の注意点」では、なんと「正確な情報を基に行動する」と記している。ふざけるな! 3・11直後にSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の予測をあえて隠し、住民に高線量の被曝を強制した張本人は文科省ではないか!
 こんな副読本にもとづき「放射線安全」教育を担うわけにはいかない。全国の教育労働者は職場の仲間とともに副読本の配布を拒み、全原発廃炉の闘いの先頭に立とう。
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 「放射線について考えてみよう」 小学生用放射線副読本より

 「この副読本では、放射線が身近にあることや色々なことに利用されていること……などについて紹介しています」
 「一度に100_シーベルト以下の放射線を人体が受けた場合、放射線だけを原因としてがんなどの病気になったという明確な証拠はありません」
 「時間がたてば放射性物質は地面に落ちるなどして、空気中に含まれる量が少なくなっていき……マスクをしなくてもよくなります」

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週刊『前進』(2536号4面3)(2012/05/21 )

 日米会談 対中「防衛協力」で前のめり 

 TPP3分野で争闘戦深刻原発の研究開発で協力を確認

 東アジアで実戦体制強化

 「(東アジア)地域の多様な緊急事態に日米同盟があらゆる能力を駆使して役割と責任を果たす」――5月1日に行われた野田・オバマの日米首脳会談は会談後、「未来に向けた共通のビジョン」を発表した(写真)。06年に小泉・ブッシュ両政権が交わした「世界の中の日米同盟」以来6年ぶりの包括的な日米共同声明だ。
 声明の核心部は、米軍と自衛隊が中国スターリン主義を念頭に、東アジア全域で共同作戦行動に踏み切る「動的防衛協力」の概念を打ち出したことだ。米ウォールストリート・ジャーナル紙は「戦後憲法体制のもとで諸外国での軍事活動を制限してきた日本にとって重大な方針転換となる」と報じた。実戦的な日米共同の対中国侵略戦争体制を構築する決定的な踏み込みである。
 在日米軍再編の見直し計画では、普天間基地の辺野古移設問題を切り離して、沖縄海兵隊のグアムへの一部移転などを先行して合意。中国軍の弾道ミサイル戦力が在日米軍基地を射程内に入れつつあることを認識し、実戦を想定して戦力を分散するもので、北マリアナ諸島で「共同使用」する訓練場の新設や、現地海域での共同訓練を通して米日連携の「警戒監視・偵察活動」を強化することなども明記した。日本側が約2500億円にのぼる巨額の基地移転・新設費用を負担することでも最終的に合意した。

 米帝の危機的新アジア戦略

 日米合意の背景にあるのは、米帝の危機的な新アジア戦略だ。米帝は激しい国内階級矛盾を抱えながらも大国として台頭した中国スターリン主義と軍事的に激しく対峙しつつ、米帝主導によるアジア太平洋地域全体を網羅した経済ブロック(TPP〔環太平洋経済連携協定〕等)に、中国市場も含めて組み敷こうと狙っている。オバマは車・・保険・・牛肉の3分野で野田に改善を迫った。
 米帝は一方では、中国との外交関係の強化を図りつつ、高まるアジアでの地域的な利害衝突(南中国海や釣魚台〔尖閣諸島〕など)や北朝鮮の体制崩壊に乗じた軍事作戦=対北朝鮮侵略戦争に備えて、日帝の軍事力をこれまで以上に動員する対日外交を進めてきた。米帝のアジア戦略の軍事部門の一角に、自衛隊を組み込むということだ。海洋権益で中国と衝突するASEAN諸国への巡視艇(軍用装甲船)の供与など、事実上の軍事援助に日本のODA(政府開発援助)を「戦略的に活用する」という文言が今回の日米合意となったのもその象徴だ。
 このように野田政権は、米帝の新アジア戦略と完全に一体化した日米同盟を、外交政策の柱として明確にしたのである。それはかつて、ベトナム侵略戦争を始めとする米帝の戦争体制に在日米軍基地の無条件的提供という形で加担しつつ、絶えず独自のアジア外交=侵略政策と軍事大国化の道を「9条」の枠に制約されつつ追求してきた旧来の自民党政権のスタンスとも異質の日米一体化である。ましてや”政権交代”後の鳩山・小沢政権(09年)時代に日米が決裂した「東アジア共同体構想」(独自外交による日中接近)は、今回の日米合意によって民主党政権として事実上の撤回に追い込まれた。
 昨年11月に野田政権がTPPの交渉参加をめぐって大混乱していた最中に、米帝は首相官邸に乗り込んで交渉参加を促すなど、猛烈な外交攻勢をかけていた。これは熾烈(しれつ)な日米争闘戦の一局面でもある。

 労働者の国際連帯で反撃を

 米帝はこの過程で、一方で国務長官・財務長官級の「米中戦略・経済対話」(5月4〜5日)で中国市場での権益拡大のための規制緩和を迫り、米中投資協定の締結交渉を進めている。また中国軍トップの梁光烈国防相を米本土に招き米中軍事交流の再開で合意するなど、”戦略としての米中関係の強化”の姿勢は鮮明だ。市場や資源の分割戦で激しく争いつつ、独自の核・ミサイル戦力を整備した中国スターリン主義を包囲し、抑え込もうとあがく米帝の危機的なアジア外交の一面だ。
 一方の日帝は、この過程で5月12日に日中韓首脳会議に参加、同3カ国によるFTA(自由貿易協定)の「年内の交渉入り」で合意、さらにASEANと日中韓、インド、豪州、ニュージーランドの6カ国を加えた「東アジアの包括的経済連携協定」で、「早期の交渉入りのために作業部会を設置する」ことで一致したと報道された。
 しかし野田は胡錦涛国家主席との首脳会談を拒否されるなど、破綻性は浮き彫りだ。いずれも労働者を徹底的に犠牲にする規制緩和や農業破壊の新自由主義を加速する経済ブロック政策だが、問題は大恐慌下で、どこの国の支配階級がアジア経済圏の権益を奪うかの激しい争闘戦なのである。
 今回の日米合意で「民生用原子力協力に関するハイレベルの2国間委員会を設置」と明記されたこともきわめて重大だ。日本国内の原発を再稼働させることは日米の支配階級の死活的な政策だと公言したのだ。再稼働阻止の闘いは日米同盟体制との正面激突となった。
 野田政権の新たな日米同盟政策は、日本とアジアの労働者人民を米日支配階級の利害のために徹底的に犠牲にし、中国との軍事的激突・中国侵略戦争の危機を彼らの思惑をも超えて増幅させている。既成政党や御用労働組合指導部が総崩れで日米安保体制に屈服するなか、階級的労働運動路線とプロレタリア革命の道こそが、日本とアジアの労働者人民の階級的連帯と勝利の道である。

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週刊『前進』(2536号4面4)(2012/05/21 )

日誌'12 5月8日〜14日

 「5・15沖縄県民大会」に3千人/大飯再稼働、町議会が同意

●大飯原発、安全基準了承へ 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向け、安全性を技術面から検証している福井県原子力安全専門委員会は会合を開き、中川英之委員長(福井大名誉教授)が「関電に求めていた回答はだいたい得られた」と述べた。委員会は事実上審議を終え、政府が示した暫定的な安全基準を了承する内容の報告書を西川一誠知事に提出するとみられる。(8日)
●ギリシャ、再選挙へ ギリシャ総選挙で第2党になった急進左翼進歩連合は、連立工作の断念を発表した。選挙で躍進した同党による政権づくりが失敗したことで、6月中の再選挙は避けられない見通しとなった。(9日)
●三菱重工社長が「原子炉供給は責務」 三菱重工業の大宮英明社長は、主力の原子力事業では海外への原発輸出に前向きな姿勢を示すとともに、国内原発の再稼働にも期待する考えを示した。「(原発は)世界的には重要な電力源として存続するだろう。需要に応えて原子炉を供給していく責務がある」と語った。(10日)
●オスプレイ、沖縄に直接配備 日米両政府は、米軍の新型輸送機MV22オスプレイ12機を7月中旬に那覇市内の米軍施設に配備することを決めた。試験飛行や安全点検を実施した上で、10月に米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に実戦配備する方針だ。両政府は当初、沖縄の地元感情に配慮し、本州に一時駐機させた後に普天間に配備することで大筋合意。本州では山口県の米軍岩国基地などを候補としていたが、同県の二井関成知事が反対を表明。本州一時駐機を撤回し、直接配備となった。(11日)
●沖縄県民大会に3千人参加 「5・15平和とくらしを守る県民大会」が沖縄県宜野湾海浜公園屋外劇場で開かれた。福島原発事故に苦しむ福島県の労働者を含め全国各地から約3千人が参加した。今年は「復帰」から40年。米軍基地に苦しめられてきた沖縄の怒りと原発を押し付けられた福島の怒りが一つに結びついて、「反戦・反基地」とともに「反原発」「核兵器廃絶」を訴えた。(13日)
●日中首脳会談、釣魚台(尖閣諸島)で応酬 野田佳彦首相は北京の人民大会堂で中国の温家宝首相と約1時間会談した。温首相は釣魚台や新疆(しんきょう)ウイグル自治区の独立問題を念頭に「中国の核心的利益と重大な関心を尊重することが大事だ」と述べ、日本側を強く牽制(けんせい)した。野田首相は「釣魚台は日本固有の領土である」と反論し、釣魚台問題が再燃した。(13日)
●大飯原発再稼働、町議会が同意 福井県おおい町議会は、3、4号機の再稼働への同意を賛成多数で決めた。町議会は再稼働に同意する意見を時岡忍町長に伝え、早期に原子力規制庁を発足させることや、原発停止中の地域経済・雇用に対する救済措置を国に求めていくことなどを付け加えた。時岡町長は会見し、「今月いっぱいくらいには判断しなければならないと思っている」と発言。(14日)

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週刊『前進』(2536号5面1)(2012/05/21 )

 5月自治労中央委(福島)に向け訴える

 フクシマの怒りと結合し公務員への攻撃うち破れ

 5月24、25日、自治労中央委員会が福島市で開催される。フクシマの怒りと結合し、新自由主義に立ち向かう自治体労働運動の再生をかちとろう。原発再稼働と公務員首切りの野田政権を連合・自治労本部もろとも打倒しよう。6・10国鉄集会に総結集し闘おう。

 「除染現場学習」の暴挙

 「原発事故はなかったかのようにしようという動きが出ている。それが『除染』と『復興』です」(福島診療所建設委員会・渡辺馨事務局長)。今福島では、国や東電の責任を否定し「復興特区」を進める「復興・除染・帰還」運動が全面化している。
 高放射線量ゆえに移転していたいくつかの町村では、何の安全保証もないまま「帰還」のための役場業務が再開された。県内各地で、砂ぼこりの中で子どもたちにマスクをつけさせて運動会やキッズ・パレードが強行されている。子どもまで動員して進められる許し難い「除染・安全」キャンペーンであり、被曝労働の強制だ。
 この時、自治労本部は被曝労働の強制に反対するどころか、中央委員会後の「除染現場学習」を設定した。除染で安全になるなんて大ウソだ。労組自ら被曝労働を推進し「除染・安全」運動を担おうというのか。絶対に許されない。被曝労働強制拒否と再稼働反対、外注化・非正規職化阻止を闘いぬく動労水戸や愛媛県職労の闘いに続こう。

 現場の怒りで橋下倒せ

 今や、国鉄闘争と原発、被災地と大阪を焦点に、新自由主義との大決戦が激しく火を噴いている。フクシマの根底的怒りと結びつき、労働組合の再生かけ闘い抜こう。
 「3・11原発いらない!福島県民大集会」は組合旗が林立する1万6千人の大結集でかちとられた。また、動労千葉は4・1検修・構内業務全面外注化阻止の歴史的勝利を闘いとり、さらに大阪・橋下の公務員全員解雇・総非正規職化、労組絶滅攻撃に対して、現場労働者の反撃が始まった。全国の闘いが「稼働原発ゼロ」という状況をつくりだし、「復帰」40年の沖縄で福島の怒りと一つになって「基地も原発もなくす」新たな闘争宣言が発せられた。
 ウソとペテンと恫喝によるブルジョア独裁の新自由主義攻撃には、何の整合性も正義性もない。原発再稼働の動きを見よ! 社会の存続条件すら顧みることなく利益を求め、労働者を大失業と貧困、絶望と死に追いやる攻撃だ。だが労働者が根底から怒りを爆発させて立ち上がるならもろくも崩れ去る。マスコミ挙げた「公務員バッシング」は、それ自体が労働者の中に分断を持ち込み、現場の誇りを奪い、闘う団結を解体する全労働者への攻撃だ。自治労・自治労連傘下の組織労働者は、福島の怒りと結合して労働組合を再生し、全労働者の先頭で胸を張って闘いぬこう。
 今や被災地を先頭に自治体職場をめぐる生きぬくための激突が始まっている。それは労働組合の再生をかけた闘いだ。
 「復興」「経費削減」を口実に、業務自体を崩壊させかねないような際限ない合理化・人員削減と過重労働、外注化・非正規職化が加速している。現場労働者が犠牲にされ、労災事故と病欠・病休者が続出している。
 仙台市では、当局の調査ですら「9割の職員が心に深い傷を負い、メンタル障害の疑いが5割を超え」ている。昨年9月の水害事故で市職の2人の現場労働者の命が奪われた。この現実は、全労働者の生死にかかわる問題として継続・激化している。都内のある自治体の福祉窓口ではメンタル発症が1割に達し、人員削減と外注化・非正規職化で業務が滞り、窓口に来た住民との緊張が高まっている。それにもかかわらず、首長は「人手がないならゆっくりやればいい」とまで言って現場の訴えを踏みにじり、労働者を退職に追い込むことまで狙っている。これが許せるか! 必要なのは、経費削減や人員不足を口実とする敵の非正規職導入攻撃に屈するのではなく、外注化阻止・非正規職撤廃、正規職増員と労働安全を闘いとして貫くことである。偽装請負を弾劾し、民間委託・非正規職化絶対反対の闘いが職場から始まっている。まさに生きぬくための闘いだ。
 そして橋下反革命との全面激突が、八尾北・西郡決戦として、また市労連本部の屈服をはねのけて橋下の足元の自治体職場、学校職場で猛然と巻き起こっている。全国の職場でこれに続こう。

 民営化反対!6・10へ

 公務員攻撃が全面化し労働組合の真価が問われている。この時、自治労本部は野田政権の支柱となって、「財政再建」のための「税と社会保障の一体改革」と公務員制度改革を掲げ、現業一掃・丸ごと民営化、公務員全員解雇・総非正規職化を先頭で進めようとしている。自治労本部が、09年末の社会保険庁解体による全員解雇・選別採用に協力し、分限免職された社保労働者525人を組合から排除して解雇撤回闘争を圧殺しようとした事実、さらに都市交本部が今年3月末の呉交通の民間譲渡に協力し、多数の労働者を退職に追い込んだ暴挙を絶対に忘れるわけにはいかない。
 すべてが労使一体の新自由主義攻撃である。もはや闘いぬきには仕事を続けることも生きていくこともできない。怒りを爆発させて闘うことで初めて現状を打開できる。絶対反対の闘いこそが団結を取り戻し新自由主義を打ち破る道である。
 国鉄決戦は、新自由主義を打ち倒す戦略的闘いとして発展している。動労千葉に続き、外注化阻止・非正規職撤廃、偽装請負弾劾の闘いが全国で始まっている。国鉄闘争全国運動こそ推進軸だ。被災地、非正規労働者、青年労働者の怒りと一つになって闘おう。6・10国鉄集会に結集し、闘う労働組合を再生しよう。

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週刊『前進』(2536号5面2)(2012/05/21 )

 大阪・維新の会家庭教育条例案 “発達障害は親の愛情不足”

 抗議殺到し謝罪・撤回

 橋下徹が代表を務める大阪維新の会は7日、5月市議会に提出を予定していた「家庭教育支援条例案」について、批判と抗議が殺到する中で提出見送りを決めた。条例案公表から5日後に提出撤回に追い込まれた形だ。
 条例案は怒りなしには読めない代物だ。「乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する」(15条)、「それが虐待、非行、不登校、引きこもり等に深く関与している」(同)、「わが国の伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できる」(18条)と言いなしている。科学的根拠などみじんもない、むしろ明確に否定されている見解を並べ、ひたすら親を責め立てている。全編が〈親の子育て力の衰退〉↓〈発達障害〉↓〈虐待、非行、不登校、引きこもり〉↓〈親を鍛え上げることで解決〉という論理で貫かれている。ふざけるのもいいかげんにしろということだ。
 「発達障害」とは自閉症や注意欠陥多動性障害などの総称であり、脳の機能的な問題が原因で起こると考えられている。言うまでもなく「親の愛着」とは無関係であり、非行、不登校、引きこもりとの因果関係もない。
 しかも条例案には「家庭教育支援」とは名ばかりで、低所得層やシングル世帯への経済的支援、就業支援など行政として子育てを支えようという内容は何ひとつない。
 橋下が打ち出した福祉事業などの全面見直し(3年間で約548億円削減)で結婚、出産、子育てがより困難になることは明らかだ。橋下の福祉切り捨てや教育基本条例案と家庭教育支援条例案は対をなしており、条例案は橋下の思想そのものだ。しかし橋下は、批判が集中するや「市議団がやったこと」「私も反対」などと卑劣な責任逃れに大わらわとなり醜態をさらした。

 元「つくる会」の高橋史郎が関与

 維新の会によると、条例案案文は「親学」を提唱する高橋史郎(明星大教授)から提供を受けたという。高橋史郎は、新しい歴史教科書をつくる会の元役員、『脳科学から見た日本の伝統的子育て――発達障害は予防、改善できる』というトンデモ本を出している。
 国会でも今年4月10日、親学推進議員連盟が超党派で結成され、家庭教育支援法の年内制定、地方自治体での条例制定を方針にしている。会長は安倍晋三(自民)。鳩山由起夫、高木義明、鈴木寛(民主)、町村信孝、伊吹文明、河村建夫、中曽根弘文(自民)、山口那津男 (公明)らがメンバーだ。極右反動どもが橋下・維新の会に群がり、先兵として押し立てている構図が浮き彫りになった。
 また、大阪市の5月定例議会が15日に始まり、継続審議となった教育基本条例案と職員基本条例案が焦点となっている。現場からの闘いで絶対に粉砕しよう。
(写真 抗議に訪れた発達障害の子どもの保護者らの団体に陳謝する維新の会・大阪市議団【5月7日 大阪市】)

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週刊『前進』(2536号5面3)(2012/05/21 )

 緊縮策への怒り全欧州に

 ギリシャやフランス9カ国で政権が崩壊 大恐慌下に革命情勢

 欧州は革命前夜情勢だ。欧州諸国は昨年来、リーマン・ショック並みの金融危機・財政危機に陥っている。緊縮策に対する労働者人民の怒りが爆発している。「もうこれ以上耐えられない」「賃下げ、増税で生活できない」「財政危機の責任は1%の資本家と政府にある。99%の労働者に押しつけるな」。ギリシャではゼネストの波の中で抗議の自殺も起きた。
 5月6日に行われたギリシャの総選挙とフランスの大統領選挙(決選投票)では、政府の緊縮策にノーが突きつけられた。仏では政権が交代し、ギリシャでは内閣が組織できていない。欧州では昨年来、9カ国で政権が崩壊した。歴史的な大激動・大流動情勢だ。
(写真 「5月15日運動」1周年に緊縮政策撤回などを要求し、スペイン全土で22万人がデモに立ち上がった。首都マドリード・プエラデルソル広場に数万人が結集した【5月12日】

 ユーロ離脱も

 ギリシャ総選挙では与党の新民主主義党(ND)が第1党となり、第1党に与えられる50議席を加えて108議席を確保したが、もう一つの与党、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)も41議席にとどまり、第3党に転落した。両党合わせても過半数に達せず、他党を加えた連立政権も組織できなかった。金融支援を受けるために国際通貨基金(IMF)や欧州連合(EU)が課した緊縮策を貫き「ユーロ圏にとどまる」方針が拒否された。
 第2党に躍進したのは反緊縮策を掲げた急進左派連合(SYRIZA)だ。だが反緊縮派を集めても半数に満たない。ギリシャ大統領はイタリアのように有識者を首相に据えた「実務派内閣」を提案したが、急進左派連合は、金融支援受け入れのための緊縮策は「総選挙で示された民意に背く」として連立政権入りを拒否した。
 結局、ギリシャでは6月17日に再度総選挙を実施する。反緊縮策を貫く急進左派連合が第1党になる勢いだ。
 新政権が緊縮策を拒否すれば、EUは金融支援を止める。ギリシャはデフォルト、ユーロ圏離脱に追い込まれる。復活した通貨ドラクマは弱く、対ユーロで暴落する。通貨安で輸入価格が急上昇、インフレが高進し人民の生活を直撃、国内総生産は大きく落ち込む。
 ユーロとEUへの依存を強めた結果、ギリシャには競争力のある産業はほとんどない。経済は自立能力を失い、多くを輸入に頼っている。混乱の中では観光業も成り立たない。労働者人民の生活はますます窮乏化する。
 独仏は大量に保有するギリシャ債権の焦げ付きで巨額の損失をこうむる。独仏の政府と金融機関の損失は計1800億ユーロ(約18兆円)に上ると試算されている。
 スペイン、イタリアも、緊縮策に耐えられなくなってユーロを離脱する可能性が高まる。両国の借金が焦げ付き、両国の国債を大量に抱える英独仏などの金融機関が経営危機に陥る。スペイン、イタリアの経済規模はギリシャに比べてけた違いに大きい。EUやIMFが用意している資金では両国を支えきれず、世界経済は08年リーマン・ショック以上の壊滅的な打撃を受ける。
 急進左派連合のツィプラス党首はユーロ圏に残ったまま緊縮策を改めると主張するが、独仏をはじめEUは公約の緊縮策の貫徹を強く求めている。ギリシャの借金の焦げ付き、ユーロ離脱は独仏にとって認められないことだからだ。
 ユーロ圏を離脱しようがしまいが、ギリシャの資本主義的救済は不可能だ。唯一残された選択肢はプロレタリア社会主義革命―世界革命だ。労働者人民が生きるためには、資本家階級を打倒し、社会を根本からつくり変える以外にない。

 独仏協調終焉

 5月15日にフランス大統領に就任したオランドは、財政規律を守りながら景気を刺激し、失業率を改善すると約束した。週35時間労働の堅持、6万人の教職員増員、原発依存度の引き下げなども公約。しかし財政赤字を3%に抑えて国際競争に勝ち、経済を成長させ、雇用を増やすことなどほとんど実現不可能だ。
 オランドは翌日ドイツのメルケル首相との首脳会談に臨んだ。緊縮政策と成長戦略で中身の不一致が明らかとなった。独仏協調を基軸とするEUは歴史的な解体の危機に突入した。しかしギリシャに対しては独仏とも、ギリシャが緊縮策を継続し、計画を実行しなければ次の融資はない、との立場で一致した。
 サルコジ前大統領との緊密な関係を築いてきたメルケルにとって社会党オランドの勝利は痛手だ。しかもドイツ最大の人口をもつ西部ノルトライン・ウェストファーレン州の議会選挙(13日)で、メルケルの率いるキリスト教民主同盟(CDU)が大敗を喫した。財政赤字縮小のために緊縮策をとり、社会保障の拡充を認めないCDUに人民の批判が集中した。
 スペインでも12日に数万人規模の反緊縮デモが首都マドリードをはじめ全土で闘われた。労働者人民を犠牲にして資本を救済する緊縮策への怒りの反撃が欧州全体で強まっている。欧州危機の深化と革命情勢の成熟は不可避である。

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週刊『前進』(2536号5面4)(2012/05/21 )

 子ども子育て新システム 法案に職場から反撃を!(上)

 保育公務員全員解雇と非正規化

 大資本が保育・幼児教育で利潤追求

 5月10日、衆院本会議で子ども・子育て新システム関連3法案(@子ども・子育て支援法案A総合こども園法案B関係整備法案)の審議が始まった。野田民主党政権は新システムを「税と社会保障の一体改革」の「第1の柱」「民主党政権の真骨頂」とし、成立に全力を挙げている。だが新システムは保育公務員労働者を全員解雇=総非正規職化し、保育崩壊をもたらすものだ。労働組合を再生し粉砕しよう。 第1章 公立保育所の民営化で現業労働運動解体
 新システムは、医療、児童・高齢者・障害者福祉、介護などとして進めてきた戦後福祉行政の原理的転換=「措置から契約へ」の仕上げを行い、福祉を全面的に破壊・解体し更地化、市場開放する新自由主義攻撃だ。保育を資本の利潤追求の場に変えてしまう攻撃だ。
 労働者階級が国家や資本と闘い、かちとってきた公立保育所―公的保育制度を最後的につぶし、女性労働力を安価に大量に確保し、労働者の9割を非正規職化することが新システムの狙いだ。そのために、民営化・合理化・外注化、労組破壊の攻撃に最も強力に反撃してきた保育士、用務職員、調理職員、看護師、栄養士など保育公務員労働者数十万人の団結と現業労働運動を破壊しようとしている。

 労働者階級が闘ってかちとってきた保育

 戦前・戦後、女性労働者は生きるために託児施設を要求して闘ってきた。1945年の日帝の敗戦後、児童福祉法や児童福祉施設最低基準がGHQ(連合国軍総司令部)支配下で制定された。だがその内容は劣悪だった。70年代の保育事故や保母の職業病多発を契機に保育労働者は労働組合に結集し、「労働者の権利が守られなければ子どもの命や育ちは保障できない」と立ち上がった。そして自治体に保育の最低基準の引き上げや予算増額を認めさせた。
 そのなかで74〜75年恐慌が戦後の国家独占資本主義政策の破綻を突きつけた。この危機を突破するために80年代に中曽根政権が新自由主義政策を開始した。国鉄分割・民営化を基軸に総評労働運動の壊滅に突進し、男女雇用機会均等法(女性労働力の24時間駆り出しのための女子保護規定撤廃)、労働者派遣法、労働基準法改悪(8時間労働制解体)など、労働者が戦後かちとってきた諸権利を剥奪(はくだつ)した。
 92年、「社会福祉基礎構造改革」で「措置からサービスへ」をキャンペーンし、「保育サービス法」を導入しようとしたが、「保育を金もうけの場にするな!」と婦人民主クラブ全国協議会と保育労働者が闘い、粉砕した。97年に児童福祉法から「保育所への入所の措置」が削られたが、闘いによって市町村による「保育の実施義務」、公立保育所―公的保育制度を残させた。
 しかし民営化攻撃は強まった。00年に保育への営利企業参入が解禁された。01年に小泉政権が「待機児童ゼロ作戦」を打ち出し、規制緩和による入所児童増(詰め込み)や認可外保育施設増設を進めた。03年に東京都で認証保育所ができた。06年に認定こども園法が制定された。全国で「財政難」を理由に民営化攻撃が吹き荒れたが、10年間で企業の参入はそれほど進まなかった。保育労働者と保護者=労働者が団結のとりでとして公立保育所―公的保育制度を守り続けたからだ。
 保育労働は常に資本と国家の労働政策によって規定される。特に新自由主義攻撃下では「利用者のニーズ」として現れる「資本のニーズ」に応えることが強制される。長時間労働のための「延長保育」、裁量労働制のための「休日保育」、短時間雇用のための「一時保育」、公立保育所を建てないために発生した「待機児童」問題の解決を理由とする詰め込み・非正規配置・民営化などだ。
 ところが日本共産党は「困っているお母さんのために」「子どもたちのために」という聖職論、「財政難だから正規職の補充は無理」という資本救済論で現場労働者の怒りを抑えつけ、極限的な労働を強い、資本に応えてきた。だが労働者は、保育を金もうけにさせまいと必死に抵抗してきた。この団結の解体を狙うのが新システムだ。

 消費大増税が財源の幼保一体化は破綻

 新システム3法案では、公立幼稚園・保育所が3年間で総合こども園に移行する費用の財源はゼロだ。運営費1兆円の財源は7千億円が消費増税だが、あとの3千億円のめどは立っていない。
 新システム導入のうたい文句だった「幼保一体化」は完全に破綻した。保育所、幼稚園は大きくは3分割される。細かくみれば8分割だ。
 一体化したのは金の流れだ。企業やNPO(非営利組織)、保護者に直接税金が投入される。
 市町村の保育実施義務がなくなり、公立こども園には国の予算がつかないので(市町村負担10割)、必然的につぶされる。企業が保育所を経営して利益を株式配当に回すことが解禁された(上限設定が条件。これはいつでも取り外せる)。
 時間区分の保育認定制度になるので、子どもの人数に対応した時間刻みの短時間パートのつなぎ化が大規模に進む。民間保育所においても利潤を生み出さないと経営が成り立たなくなる。幼稚園は今まで学校法人しか運営できなかったが、新システム下で企業も幼児教育に参入できる。学校民営化の水路となる。
 給食産業や教育産業、ローン会社とリンクした全国展開の大資本によるチェーンこども園だけが生き残る。「市町村の提供責務」と書かれているが、それは需要調査・量の確保にすぎない。行政は、介護保険のように利用者への時間区分の「保育認定証」発行、あっせん・調整をするだけ。入所希望の「応諾義務」も例外規定で免除され、重度障害児や貧困家庭が排除される。その受け皿としての公立も看板だけで、職員は非正規ばかりになる。「公的契約」とはまったくのペテンで、直接契約そのものだ。「質の確保」とうたっているのは「質」が確保できないからだ。すべては現場保育労働者に責任をかぶせようとしている。

 保育労働者の団結と抵抗を恐れる国・資本

 新システム3法案はすべてあいまいだが、職員の規定だけは詳しい。
 今まで保育士・幼稚園教諭であった資格は「保育教諭」となり、教育公務員特例法が適用される(免許更新制の対象となる)。しかも職員の中に幾層も階級が設けられる(園長・副園長・主任・指導保育教諭・保育教諭・助保育教諭・講師)。「政治活動の制限」や教育公務員法にも存在しない「政治教育禁止」が公民を問わず明記されている。
 「自己評価の義務化」が盛り込まれた。人員の確保や施設の改善の要求は無視され、ものが言えなくなり、すべてが個人の自己責任にされ、評価が低ければ賃下げあるいは解雇だ。これは実は現場労働者の団結や抵抗を恐れている証拠なのだ!
 〔革共同関西自治体労働者委員会〕

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週刊『前進』(2536号6面1)(2012/05/21 )

 5〜6月機関紙拡大アピール

 職場全体の獲得・拠点建設へ まず“1人の読者”の拡大を

 前進経営局

 世界革命へと生き抜く時代

 フランス大統領選挙でオランドが勝利しサルコジが敗北した。ギリシャ総選挙で与党が大敗し、ドイツ最大州のノルトライン・ウェストファーレン州議会選挙ではメルケル首相のキリスト教民主同盟が歴史的に大敗した。EUで緊縮財政を掲げる政権与党が軒並み敗北した。大恐慌下において大銀行救済に湯水のように税金を投入し、そのもたらした財政危機を、民営化・雇用破壊・大増税と福祉切り捨てでのりきろうとする新自由主義攻撃への労働者人民の大反撃だ。
 ギリシャでは、与党は3割の得票しか得ることができなかった。彼らは総選挙前に緊縮策履行の誓約書をEUに提出した。第2党に躍進した急進左派連合の主張は、「EUとの合意を無効に」だ。EUの緊縮政策が行き詰まり、ユーロ危機は激化する。株式は全世界で大暴落だ。
 ギリシャ問題は総選挙では解決しない。大恐慌は始まったばかりだが、命脈つきた帝国主義・資本主義は自ら権力を放棄しない。それは打倒されなければならない。

 誇り持ち時代と党を語ろう

 5月5日に国内の稼働原発をゼロにした日本の労働者人民の闘いは、国際的にも注目されている。動労千葉・動労水戸を中心に、国鉄分割・民営化攻撃に負けずに闘い抜いていることも、世界に誇るべきことである。
 この闘いに学び、励まされて、全学連や4大産別の労働者、青年労働者、非正規労働者の団結を拡大し、拠点建設を総括軸とする闘いが発展してきた。これは、体制内指導部を打倒して階級的労働運動をよみがえらせる闘いと、革命党を真に労働者階級の党へと変革する闘いが一体的に闘い抜かれて初めて実現できたことだ。労働組合と革命党が一体となり、ともに共産主義社会を切り開く主体として生き生きと職場・大学・地域で闘い、青年・学生を結集しているのである。
 労働者階級によるプロレタリア独裁の樹立のための闘いとは、階級的労働運動による団結を一つの職場からほかの職場へ、さらに産業全体へと広めていくことだ。そして党の中央委員会と細胞を機関紙活動を軸に一体的に建設することである。時代認識と路線を常に機関紙で提起し、学習し、実践し、総括して次に向かう。この闘いを50年間、革共同は営々と実践し、新自由主義に打ち勝つ確信をつかみ取ってきた。このような党は世界に革共同以外にない。誇りをもって時代を語り、党を語り、機関紙を広めよう。
 今年1〜4月は、『前進』新年号の「国鉄決戦と反原発・反失業でプロレタリア革命を切り開け」という提起を実践した。労働組合の拠点建設と党組織の一体的建設をめざして闘った。国鉄闘争、反原発闘争、大学闘争、職場闘争で新たな拠点を建設し、拠点を強化し守り抜いてきた。大衆闘争の高揚と党派闘争の激化のなかで、着実に前進することができた。

 拡大のための具体的活動を

 3・11福島県民大集会を中心とする反原発闘争の報道は特筆すべきものであった。5・5「原発ゼロの日」においても、春季特別号とともに3・11集会報道号が参加者から求められた。国鉄闘争と反原発闘争、非正規職撤廃闘争で切り開いた地平を拠点建設・組織建設に結実するためには、目的意識的な機関紙活動がさらに強化されなければならない。
 今春の反原発闘争では、『前進』は常に数十部販売されている。職場でも、大学でも、街頭でも『前進』は売れる。
 しかし、販売しなければ売れない。販売する力もつかない。党勢拡大、機関紙拡大の絶好機を生かすこともできない。失敗を恐れることなく『前進』を大衆に広めるために挑戦することだ。『前進』を宣伝紙として渡すこと、ばら売りすること、読者会に誘うこと、定期購読者にすること、ともに闘う同志として獲得することなどいろいろな活動がある。一番大事なことは、全同志が『前進』を広めるための具体的な活動を開始することだ。挑戦の数だけ、失敗の数だけわれわれは成長し、飛躍し、大衆と結合することができる。
 そのためには、日常的な党活動のなかで、機関紙を活用し、販売する力を培っていくことがなによりも必要である。「毎週の『前進』を読んで討議と一致をかちとり、かつ読者を拡大していくことは、党を党として建設する中心環だ」(本紙春季特別号アピール)
 機関紙拡大は、拠点建設・細胞建設と一体の目的意識的な党建設の闘いとして実現する。とりわけ拠点であればあるほど一人の読者の獲得が職場全体の獲得につながるような大きさと厳しさをもつ。学生戦線が先端的に実践し成功しているように、拠点建設・細胞建設・読者拡大を細胞の闘いとして、計画的、目的意識的に実践しよう。
 この間の拡大の成功は、反原発闘争などの大衆闘争で出会った対象者を読者会・労働学校・フラクションなどの恒常的な活動に組織して読者に獲得している例が多い。反原発闘争で出会った大衆に『前進』を勧めて歓迎された例、一時反発された例などが報告されているが、基本的には反発を恐れることはない。むしろ、恐れるべきは、反発を恐れてまったく提起しないことだ。工夫は大切であるが、成功も失敗も細胞として総括して進めば財産となる。

 紙面の紹介が販売の早道だ

 この間の大衆集会で『前進』を一番多く販売した同志は、論じるのではなく相手の問題意識とかみ合う紙面を紹介したという。紙面が相手を獲得する力をもっているのだ。友人や知人に気軽に『前進』を見せ、紙面を紹介することは誰にでもできる販売活動だ。
 また、他党派の参加する活動者会議で、『前進』の3・11闘争報道号を各党の機関紙とともに並べて紹介し、販売した例がある。『前進』で特集している大衆闘争を紹介する形で『前進』を宣伝するなど、創意に満ちた活動が始まっている。『前進』は労働運動、大衆闘争の武器であり、党派闘争の武器、党建設と理論学習のテキストでもある。
 新たに読者にしようとする人や読者を定期的な読者会(毎週が望ましい)に組織することは、読者を拡大するためにも読者の団結を強めるためにも有効だ。1人の読者の拡大は団結体の拡大として実を結ぶのである。
 機関紙担当者を決めること、担当者会議を行うこと、機関紙拡大のための討議を組織的に行い対象者をリストアップすることが重要である。細胞が対象者をリスト化してはじめて拡大読者として対象化され、拡大闘争が組織活動として取り組まれる。粘り強く宣伝紙を配布している組織からは、一時金闘争のリストを検討するなかで4人の読者を拡大した例が報告されている。真剣な取り組みは必ず結果を生む。
 ここで特に強調したいことは、活動の激化・過密化の中でも機関紙活動のための会議を絶対におろそかにしないことだ。
 革共同は『前進』の党であり、機関紙活動の党である。階級的労働運動と党建設を一体的に闘うとは、いかに大変でも機関紙活動のための会議をやり抜くことである。それは必ず党建設になり党財政の強化になる。

 党財政強化を機関紙活動で

 機関紙販売は同時に党財政の強化である。1部300円、月1400円の紙代回収は団結の拡大であり、革命のための財政闘争だ。機関紙活動を強化し、拠点建設と党財政の強化をかちとろう。プロレタリア革命の時代は革命に人生を賭ける膨大なプロレタリアートの人生選択の時代なのだ。
 5〜6月機関紙拡大闘争に決起し、6・10国鉄全国運動集会の大成功から7・16反原発10万人大闘争を闘い抜こう。

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週刊『前進』(2536号6面2)(2012/05/21 )

 5・28千葉地裁デモに立とう

 三里塚 市東さん農地裁判が証人調べへ

 三里塚芝山連合空港反対同盟は重大な決意を込めて、5月28日千葉地裁の市東孝雄さん農地裁判の傍聴と、開廷に先立つ千葉市内デモへの決起を訴えている。これに応えて全力で立ち上がろう。
 千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で続いている農地裁判(行政訴訟と農地法裁判が併合)はいよいよ証人調べの段階を迎えた。
 成田空港会社(NAA・旧空港公団)は、市東家が祖父の代から丹精込めて耕してきた農地を奪い取るために、裁判所を新たな「収用機関」として使いながら、市東さんに「明け渡し」を迫ろうとしている。だが法廷で明らかになったことは、NAAが積み重ねてきたあくどい違法・無法の数々であり、その最たるものが孝雄さんの父・東市さん(故人)の署名の偽造だ。やつらに「土地を寄こせ」などという資格は一片もない。
 この裁判で多見谷裁判長は早期結審の意図をむき出しにしている。市東さん側が証人申請した24人のうち裁判所が採用したのは、NAA、国土交通省、千葉県農地課、成田市農業委員会の各1人だけで、旧地主の藤ア政吉、文書偽造の責任者であるNAA用地部長など不可欠の重要証人の採用を拒んでいる。そしてこれに反対同盟の萩原進事務局次長と市東さん本人を加えた今年いっぱいの証人尋問スケジュールを早々と打ち出し、「とにかく予定通り消化する」という態度をかたくなにしているのである。
 5月28日の法廷では最初の証人として、現NAA用地部長で2006年に土地の解約許可申請の担当者だった戸井健司の尋問が行われる。戸井は、賃貸借契約解除のための転用事業計画をまとめ、成田市農業委員会と千葉県農業会議への工作を行った張本人だ。この尋問で藤アからの土地買収の過程を逐一全面的に明らかにして、その違法・無効を徹底的に暴きださなければならない。
 三里塚現地では天神峰・市東さん宅の目と鼻の先で、第3誘導路工事が昼夜を分かたず急ピッチで続けられている。来年3月が完成予定とされている。市東さんの家宅と畑を空港施設で包囲し、ジェット機走行の騒音を倍加し、その重圧で追い出すことだけが目的の、絶対に許すことができない工事だ。
 この三里塚の重大事態にあたり、反対同盟は5月28日の開廷を前に、正午に千葉市の葭川(よしかわ)公園に集合して市内デモを行い、千葉の労働者・農民・市民に「農地取り上げ許すな!」の断固たるアピールを行う方針を決定した。さらに7月前半に三里塚現地において第3誘導路粉砕の集会・デモを行うことを明らかにした。
 誰よりも市東孝雄さんはこの三里塚闘争の正念場に立ち、敵の攻撃を最先頭で迎え撃ち粉砕する気概に燃えている。
 野田政権の原発推進、TPP推進=農業切り捨て攻撃に対し、全国の農民の怒りが沸騰している。労農連帯・三里塚農地死守の闘いが反撃の突破口を切りひらく。5・28千葉に全力で駆けつけ、反対同盟とともに闘おう。市東さんの農地を絶対に守りぬこう!
(写真 200億円を投じ、危険を顧みぬ夜間の突貫工事が続く第3誘導路【反対同盟のブログより】)

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週刊『前進』(2536号6面3)(2012/05/21 )

 沖縄で星野闘争交流会

 全証拠開示求める大運動へ

 「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」は、「復帰」40年の沖縄闘争を全国の労働者・学生とともに闘った。13日夜には那覇市内で「星野闘争勝利全国交流集会」を開催し、星野文昭同志を労働者階級人民の手に取り戻すために、すべての証拠開示を求める大運動に総決起することを確認した。13日の闘いは県庁前での街頭宣伝から始まり、午後には宜野湾市で開かれた県民大会に参加し、ビラまきと署名集めを行った。
 交流集会は全国から35人が参加した。開会のあいさつに立った星野暁子さんは、「2・5徳島刑務所包囲デモは感動的な成功をおさめました。私たちは、文昭は必ず取り戻せるという確信を得ました」と語り始めた。徳島刑務所の面会禁止・手紙の墨塗りなどの攻撃と東京高裁による3・30再審請求棄却決定を怒りを込めて弾劾し、「このやり合いに勝利して文昭を取り戻すために、全証拠の開示を求める全人民的な大運動を推し進めましょう」と訴えた。
 沖縄を代表して北中城村議で元全軍労労働者の宮城盛光さんがあいさつした。憲法記念日のビラまき・署名活動を紹介し、「1971年には、沖縄でも機動隊とぶつかった。どこにでも紹介できる運動をしていきたい」と決意を語った。
 同時刻に開かれている集会に参加している「沖縄万人(うまんちゅ)の会」代表の真喜志康彦さんのメッセージが読み上げられた。真喜志さんは、「3・11でトモダチ作戦が強行され、沖縄は今も侵略戦争の最前線だ。星野再審棄却決定はむき出しの国家意思を示した。勝利するために全証拠の開示、労働運動の復権、国際連帯を進めよう」と呼びかけた。
 参加者全員が自己紹介し、星野同志奪還への思いと決意を語った。今回新たに沖縄で会員になった初参加者に熱い拍手が送られた。
 再審弁護団事務局が再審棄却決定の許しがたい内容を解説し、全国事務局が全証拠開示運動へ向けた提起を行った。
 まとめで共同代表の平良修さんが「全証拠開示運動の内容が良く分かった。各自が納得して運動を進めよう」と述べた。
 再審連絡会議が呼びかける7・1東京高裁包囲デモに全力で参加し、星野同志奪還に向かって突き進もう。
(写真 沖縄の新会員も参加し全証拠開示へ大運動を展開することを確認した【5月13日 那覇市】)

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週刊『前進』(2536号6面4)(2012/05/21 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 派遣会社はA組合員に不払い賃金を払え 大阪北部ユニオン

 大阪北部ユニオンは4月8日、京都市内の阪急四条河原町高島屋前で、派遣会社ヒロ・スタッフエージェンシーによるA組合員に対する賃金不払いと暴言を弾劾する街頭宣伝とヒロ本社に対する申し入れ行動をやりました。当該夫妻を先頭に関西合同労組、京都ユニオン自立、北摂労働組合交流センターの仲間20人が参加しました。
 ヒロはAさんに対して昨年10、11、12月分の賃金を支払わず居直り続けています。夫妻が再三、「賃金を支払ってほしい」と訴えると、「勝手に働いたん違うか?」と居直りました。怒ったAさんは大阪北部ユニオンに加盟し、賃金の支払いと暴言への謝罪を求めて団体交渉を行いました。
 1カ月も引き延ばしたあげくの回答は、労基署からも指摘されている残業代1日分約4000円の支払いを渋々認めただけ。それどころか今度は派遣先会社と口裏を合わせて、Aさんが「働いていない(のに働いたとうそを言っている)」と開き直ったのです。追い詰められ、うその上塗りでタダ働きを強制しようとしているのです。
 不払い賃金約20万円はAさんが寒い中、現場に出かけ、汗を流して稼いだ金です。Aさんの人生そのものです。ヒロは時給を日払いなら100円、週払いなら50円下げる。Aさんは収入がすぐに入らない月払いを我慢してきました。生きるため家族の生活のために。
 労働者は弱くない。労働組合の団結の力で闘えば勝てるのです。ヒロは不払い賃金を払え! 暴言を謝罪しろ!

 許せない!赤字理由の雇い止め・人員削減 東京F郵便局 森内一郎

 4月になって新年度が始まったが、全国の郵政の現場ではとんでもないことが起こっている。赤字を理由にして人員が次々と削られ、非正規の労働者が次々と雇い止め解雇されている。しかも、その補充がないから、残った正規職の仕事はどんどんきつくなる。正規、非正規を問わず、絶対に許せない。
 私の職場では郵便課の正規職の人員が2年連続で2人ずつ合計4人削減された。まったくナンセンスだ。昨年も仕事がものすごくきつくなったのに、今年2人減ったのでなおさらひどくなった。
 4月1日の日曜日、管理者から「人が減ったので実質的に今までの倍の仕事をするように」と言われた。管理者は「自分も少しの分はやるけど」と言ったが、実際は休憩時間もまともに取れない。まとめて取れず、分けて取るような状況なのだ。本当に許せない。
 このような労働強化を見て見ぬふりをしているのはJP労組である。これもまた本当に許せない。職場に団結をとりもどし、このようなひどい職場環境を打ち破っていかなければならない。労働者が主役の職場と社会をつくっていきたい。

 北朝鮮人工衛星への迎撃態勢反対で情宣 岡山マスカットユニオン 物理重久

 とめよう戦争への道!百万人署名運動・岡山県連絡会は4月8日と12日、岡山駅前で北朝鮮の人工衛星迎撃=破壊措置命令に反対する街頭宣伝を行った。12日には新聞、テレビ局が取材にきたが、反戦運動をつぶすために警察権力が介入してきた。許せない! 
 今回の人工衛星打ち上げは、2・29米朝合意の際に北朝鮮側が通告していたことであり、その場では米側も問題にしていなかったのに、米日が後から政治問題化させたのだ。国際法では人工衛星の打ち上げはどの国にも認められている。「ミサイル」と言うのであれば、これまで日本が行った数多くの人工衛星打ち上げも、すべてミサイル発射になる。北朝鮮のものは「ミサイル」で、日本のものは「人工衛星」だというのは二枚舌だ。
 軍事技術と一体のロケット、宇宙開発に反対というのなら、まず「自」国=日本(や米国)こそ放棄するべきだ。「国連安保理決議違反だ」と日米両政府は北朝鮮を非難しているが、4月19日、核実験を居直り核不拡散条約にも入ってないインドが核弾頭搭載可能な弾道ミサイルの発射をしても、安保理からはおとがめなしではないか!
 労働者人民にとって本当の「脅威」とは、今も収束していない原発事故の放射能漏れ、沖縄の米軍基地による被害、軍事費のための消費大増税、非正規職化、大失業だ。
 人工衛星騒動で民衆の目をそらしつつ、野田政権は大飯原発を再稼働させようとしている。反原発闘争、労働運動と一体で反戦運動の再建をかちとろう!

 稼働原発ゼロの日本に心からおめでとう ドイツ・ゴアレーベン核廃棄物処分場建設反対同盟前委員長 ケアスティン・ルーディック

 5月5日というお祝いの日に、私たちはみなさんに心からの祝辞を述べます。日本の原発はすべて止まりましたね。これはすばらしいことです。もちろん、日本政府が「自発的に」このような方向に踏み出したわけではありません。あなた方の闘いが強制したのです。もちろん、この状態を維持したり、再稼働されてもまたそれを止めたり、今後とも多くの闘いが必要でしょう。
 4月末、私は反対同盟の委員長を降りました。若い新執行部に代わってもらったのです。私が今考えていることは、来年1月に行われるニーダーザクセン州の州議会選挙に無所属で立候補することです。私にとってのメインテーマは、引き続き全世界の核施設の即時停止です。それと並んで、州議会を通じてそのほかの環境保護的テーマや農業問題に取り組んでいきたいと思います。
 それと、今年中にまた日本に行きたいと考えています。それが8・6ヒロシマの頃になるか、いつになるかまだ分かりません。また、今、私の知り合いが「被爆者」というタイトルのノンフィクション映画を制作しようとしており、そのチームが日本訪問を計画しているのですが、それに同行する考えです。
 私たちは日本のみなさんを喜んでドイツに招待したいと思います。旅費は出せませんが、宿泊・食事・移動などすべて私たちの側で組織しますから大丈夫です。
 私たちはこの1月、横浜の脱原発世界会議に参加するために日本を初めて訪問しました。その際の動労千葉労働者国際連帯委員会やNAZENのみなさんの手厚いおもてなしは、実にすばらしい思い出となっています。ですから、今度は私たちがドイツであなた方をお迎えしたいと思います。
 それでは、偉大な政治的成果を上げた5月5日という日を思いきり味わってください。
 原発反対! また近いうちに。心からのあいさつを送ります。
【注】ゴアレーベンはドイツ北部のニーダーザクセン州にある小村。高レベル核廃棄物の最終処分場が建設されてきたが、反対運動の力で供用を阻止してきた。ケアスティンさんは反対運動の委員長を5年間、務めた。

 あらゆる職場・地域に本音で語れる場を 青森 J

 「4・9反核燃の日」連続闘争の後日、正規・非正規の仲間と飲み会を行いました。闘争過程で南部バス労組元委員長が「飲む時は労働組合の話をしたもんだ」と言っていたのを思い出し、思いを語り合いました。
 「非正規は不満がかなりある。毎年職場から誰かがいなくなる。契約更新の日に『来年3月末までだから』と言われながら仕事をするのはどうかと思う」「1年契約をあなたが選んでいる。それで良くて働いているし、10万円の給料でもありがたい。試験を受けて正規になればいいし、嫌なら辞めればいい」。ここまで激しい会話は初めてで自分の構えに対する激しさもあったと思います。それでも自分の思いを繰り返し伝え、一人から「言いたいことはよく分かる。おかげで今日はいろいろしゃべったなあ」と言われました。本音で言い合える出発点となりました。
 NAZEN青森結成準備会をかちとる中であらためて反原発・反核燃も新自由主義攻撃と対決する闘いだと感じました。六ケ所村の漁民・故坂井留吉さんの「核燃を止めるために生まれ、生きてきた。何も恐いことはない。自分たちは生きるために闘っている」という思いを引き継ぎ、形にすることです。集会での椎名千恵子さんの「ひるまず、豊かに99%の怒涛(どとう)を!」がじわじわ効きました。時には悩み、ひるむ。でも全体の力と仲間との団結があればのりこえていける。
 原発を止める闘いを職場からつくることを軸にともに闘いましょう。本音で語れる場をあらゆる職場・地域につくろう。

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週刊『前進』(2536号6面5)(2012/05/21 )

【要項】法大裁判に集まろう、三里塚裁判傍聴を


法大裁判に集まろう!
★暴処法弾圧裁判(判決公判)
5月31日(木)午後1時30分
東京地裁429号法廷(午後1時に傍聴券配布所に集合)

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 三里塚裁判傍聴を!

市東さん行政訴訟・農地法裁判
5月28日(月)
★正午、葭川(よしかわ)公園集合(千葉市中央区中央・モノレール葭川公園駅前)
午後1時30分開廷 千葉地裁601号法廷

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