ZENSHIN 2012/09/17(No2552 p06)

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第2552号の目次

宮古・八重山大会を合わせて復帰後最大規模の10万3千人が結集しオスプレイ絶対反対を宣言した9・9沖縄県民大会=記事6面

1面の画像
(1面)
10・1JR外注化実施を阻止しよう
  労働組合が牽引 沖縄の怒り爆発
 動労千葉・動労水戸・国労共闘先頭に出向拒否・偽装請負弾劾!
 橋下打倒闘争から11月集会へ
記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
【要項】10・7三里塚全国総決起集会 記事を読む  
(2面)
全産別で外注化阻止に立とう  強制出向の事前通知に大反撃
JR職場を先頭に総反乱の時だ
記事を読む  
動労西日本 会社は労災認めろ  青年組合員がストに立つ(関西・K)(9月7日) 記事を読む  
“闘う国労の再生を”  国労広島地本大会で訴え(広島・TN)(9月8日) 記事を読む  
(3面)
「橋下新党」打倒しよう  「維新八策」の正体は改憲  労組破壊・首切り・非正規化 記事を読む  
会場使用禁止に怒り  大阪市教組教研集会 橋下打倒署名に列(9月8日) 記事を読む  
「更新3回」と採用通知に  新潟市再任用解雇撤回裁判
自己申告表不提出で解雇は不当(新潟市再任用被解雇者 斎藤実)(9月6日)
記事を読む  
9・7金曜デモ  野田打倒の叫び広がる
“子どもたちを避難させろ!”(9月7日)
記事を読む  
経済産業省前テント1周年  「とつきとおか」達成
拠点を守り全原発廃炉へ(9月11日)
記事を読む  
(4面)
全学連大会“全国の大学に自治会を”
福島と結んで全原発廃炉へ  11月に向け今秋の闘争方針確立(9月5、6日)
記事を読む  
斎藤委員長のまとめと決意  新自由主義がもたらす現実に全力で怒り闘う 記事を読む  
佐藤幸子さんの講演(要旨)
未来の命を傷つけるな 若者と共に日本変える
記事を読む  
2012年日誌 9月4日〜10日
「尖閣」国有化で地権者と合意/オスプレイ、米で緊急着陸
記事を読む  
(5面)
10・7全国から三里塚現地へ  第3誘導路供用開始と対決し市東さんの農地を守りぬこう
反対同盟と全国農民会議を先頭に(松井 剛)
記事を読む  
群馬集会 市東さんとの絆固める  県内の農民が次々と発言(群馬・T)(9月9日) 記事を読む  
市東さん農地裁判  県農地課長を追及  転用手続きの違法性暴く(9月10日) 記事を読む  
産経・読売の「反過激派」キャンペーンに反撃する  革共同の前進を恐れる権力 記事を読む  
訂正 記事を読む  
(6面)
9・9沖縄-岩国-東京 オスプレイ拒否  島ぐるみの10万決起
配備阻止へ新たな出発点(9月9日)
記事を読む  
 9・9沖縄-岩国-東京 オスプレイ拒否(9月9日) 記事を読む  
全証拠開示の大運動で無実の星野さん解放へ(9月2日) 記事を読む  
【要項】9・18迎賓館・横田裁判闘争 記事を読む  

出向事前通知弾劾! 絶対に止める!

(写真 動労千葉は、検修外注化のための出向事前通知強行に怒りを爆発させ、総決起集会を開いた。「まだ何も決まってない! 10月1日実施を絶対に止める!」と燃えるような決意を固めた。壇上は通知を受けた組合員と当該支部の代表【9月14日 千葉市民会館】=記事次号)

週刊『前進』(2552号1面1)(2012/09/17 )

 10・1JR外注化実施を阻止しよう

 労働組合が牽引 沖縄の怒り爆発

 動労千葉・動労水戸・国労共闘先頭に出向拒否・偽装請負弾劾!

 橋下打倒闘争から11月集会へ

(写真 宮古・八重山大会を合わせて復帰後最大規模の10万3千人が結集しオスプレイ絶対反対を宣言した9・9沖縄県民大会=記事6面) 大阪市職と大阪市教組の労働者や、関西生コン支部、港合同を先頭とする9・16橋下打倒闘争の画期的な成功から、10・1外注化阻止決戦と11月労働者集会の歴史的勝利へ、いよいよ真一文字に吶喊(とっかん)しよう。橋下のような無責任で本質的に脆弱(ぜいじゃく)な極右的人物を「改革者」や日帝の「最後の救済者」に仕立て上げ、これに危機突破を託すしかないほど、日帝政治支配は崩壊に瀕(ひん)している。労働者と労働組合が団結して橋下と闘えば絶対に勝てる。外注化阻止・非正規職撤廃と反原発の歴史的な階級決戦に今こそ総決起しよう。

 JR職場は激しい反撃と怒りのるつぼ

 JR東日本の検査修繕部門と構内業務の10・1外注化阻止に向けた闘いは正念場に入った。
 現場では激しい怒りが渦巻き、反撃の闘いが連日爆発している。千葉では9・14総決起集会が闘い取られ、動労千葉組合員の怒りの決起が職場を制圧している。事前説明への徹底した追及と抗議、ストライキなど日々が大決戦だ。
 うそ八百の「報告」で出向と外注化を受け入れその先兵となっている東労組カクマルと、全面屈服して闘わない国労指導部への怒りと反乱が日々拡大する情勢だ。
 脱落日帝の命運を背負ったJR東資本は、この10・1から3段階、1年がかりで外注化を強行し、動労千葉と動労水戸の組織破壊をたくらみ、JRからすべての労働組合とその団結を根絶・一掃することを狙っている。そのために「出向規程があるので、本人の同意は必要ない」(動労千葉との8・23団交)とうそぶき、外注化=出向を強制しようとしている。
 外注化を強行すれば、JRの運転保安は解体され、乗客と乗務員の安全は崩壊する。第2、第3の尼崎事故が発生する。JRを始めすべての産別・職場で総非正規職化が進行し、労働者は生きていけなくなる。
 10・1外注化阻止にすべての労働者の現在と未来がかかっている。「外注先で闘えばいい」というのは永遠に闘わないということだ。しかもJRが外注化としてやっていることすべてが違法で無効だ。就業規則に出向規程があれば会社は何をしてもよいわけではない。今やっている仕事を同じ労働者が同じ職場でやるのだ。業務上の必要性など何もない。このことを追及され当局はまったく説明できない状態だ。
 JR資本は強制出向で職業安定法違反の「労働者供給」をやろうとしている。転籍・非正規職化と偽装請負で人件費を削減し、労働者を直接雇用する場合に負うべき責任やリスクを子会社に全部ほうり投げ、労働組合を解体・一掃しようとしている。労働契約法に照らしても違法なこの犯罪行為を断固粉砕しよう。
 今や日本の非正規労働者は2500万人。その大半が青年だ。さらに外注化の強行で、非正規職を1000万人から2000万人も増やそうとしている。新自由主義はものすごい勢いで失業と非正規化(半失業)と貧困を拡大している。公的年金加入者の3人に1人は年収100万円以下であり、その3分の2がなんと年収50万円以下である。正規職労働者と非正規職労働者の生涯賃金の差は、実に2億円に達すると言われている。
 「多くの労働者が自発的に非正規雇用を選択している」(12年版経労委報告)だと?! ふざけるのもいい加減にしろ!
そればかりか今、契約満期を前に退職を強要し、「雇い止めはしていない。自分の意思で辞めたのだ」という首切りが横行している。非正規になったのも失業したのも、自分の意思=「自己責任」だというのだ。これが新自由主義だ。なめるんじゃない! 労働者は断じて奴隷じゃない!

 非正規職撤廃と解雇撤回・JR復帰へ!

 国鉄分割・民営化攻撃こそが、こんなとんでもない事態をつくり出した。これを根底からひっくり返す闘いが10・1外注化阻止決戦だ。これこそ戦後労働運動がついに迎えた最大の決戦であり、階級的労働運動と革命的共産主義運動の命運をかけた歴史的な大決戦である。
 外注化と非正規職化で労働者を生きていけなくさせ、労働組合をもつぶして延命するのが新自由主義の正体だ。動労千葉がこの12年間、外注化を阻止してきた日常不断の職場闘争を、全産別・全職場に拡大していこう。社会の隅々にまではびこっている外注化・非正規職化と偽装請負こそが、諸悪の根源であることを暴き出し闘おう。
 外注化阻止・非正規職撤廃の闘いと並ぶもうひとつの柱が、国鉄闘争全国運動が軸となって呼びかける解雇撤回・JR復帰の大運動だ。
 動労千葉鉄建公団訴訟の6・29判決は「採用候補者名簿に載せなかったのは不当労働行為」「名簿不記載基準が策定されなければ、JR東日本に採用されたはず」と認定している。したがって、不当労働行為の認定=解雇撤回は、JRへの復帰でなくてはならない。
 国鉄1047名解雇を撤回させる勝利の展望が見えてきた。国鉄改革法23条に基づく「名簿を作ったのは国鉄だが、採用したのはJR」「国鉄とJRは別法人だからJRに責任はない」という大インチキをうち破りつつあることは、決定的な意義を持っている。
 98年「5・28判決」は、国鉄改革法を憲法や労働法より上において、全国の地労委・中労委の不当労働行為認定をひっくり返した。ここで国労指導部ら体制内勢力の転向が始まった。しかし労働委員会制度を解体する5・28反動判決への怒りと危機感は、11月集会と3労組共闘を生み出した。また05年「9・15判決」は「名簿不記載基準自体は合理的」というものだった。6・29判決はこれらの壁を突破した!国鉄改革法自体が不当労働行為なのだ。
 11月労働者集会へ向けて解雇撤回=JR復帰の大運動をつくり出そう。

 福島の怒りと結び反原発の100万人決起を

 国会に提案した原子力規制委員会人事を野田首相は自分の独断で任命することを決めた。この暴挙を絶対に許してはならない。
 「2030年代に原発ゼロを」なる「新エネルギー戦略」は、委員長の田中俊一を筆頭に「原子力ムラ」そのものであるこの委員会を使って原発再稼働を進めるものだ。しかも核燃料サイクル政策も維持する。社民党などの「脱原発基本法」制定の動きをも取り込んで反原発運動を分断し解体するのが野田の目的だ。
 首相官邸や国会前、文科省前で野田政権の原発推進を弾劾する行動が続いている。「福島の子どもは避難先で出身地がわかると診察してもらえない。山下俊一の指示だ。福島県民はモルモットじゃない。人間だ!」「レントゲン技師の妊婦は職場では1_シーベルトまでしか許されていない。ところが家に帰ると20_シーベルトに跳ね上がる。福島県民は被害者なのに人間として扱われていない。福島の現状を知ってください!」
 これほど高い放射線量の地域に長期にわたり住み続けるのはチェルノブイリ事故以来だ。それを日帝は今、福島県民に強制している。反原発闘争は社会のあり方を根本から変える怒りの爆発だ。この福島の、張り裂けんばかりの叫び、怒りを共有し、再稼働撤回・全原発廃炉へ闘おう。野田政権打倒、反原発100万人決起の実現へ、職場からこの10月を闘おう。

 10・7三里塚全国集会に大結集しよう

 JR平成採の青年労働者が動労水戸と動労西日本に加入し、闘いの先頭に立っている。非正規職の青年労働者が次々と決起し雇い止め解雇を阻止している。非正規だからといって資本が勝手に首にできるわけではない。「絶対に辞めません」と言って闘えば勝てる。武器は団結=労働組合だ。
 9・9沖縄県民大会は、オスプレイ配備絶対拒否のマグマのような怒りが爆発し、労働組合の組織的な決起を先頭にして、復帰後最大の10万人が大結集し、日米帝国主義の安保政策、戦争政策に巨大な痛撃を与えた。
 この沖縄の決起、福島の怒りと結びつき、第3誘導路供用開始に反撃し、市東孝雄さんへの農地強奪を絶対に阻止しよう。10・7三里塚全国集会に全力で結集しよう。
 労働者階級には「固有の領土」も「国境」も存在しない。釣魚台(尖閣諸島)の「国有化」を閣議決定した日帝・野田政権の戦争・排外主義攻撃を、日本・韓国・中国の労働者の国際的団結と闘いで断固粉砕しよう。
 「時代は大きく動き出している」(11・4集会呼びかけ文)。『前進』を職場・学園・地域に大胆に持ち込み、9−10月の熱い闘いに勝利して、10・1外注化阻止と11月労働者集会の巨万の大結集へ攻め上ろう。

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週刊『前進』(2552号1面2)(2012/09/17 )

前進速報版から 前進速報版から

▼シカゴ教組が25年ぶりのスト▼徳島で自衛隊の武装行進と対決▼東北石けん闘争、地労委行動▼NAZEN東海が中電と関電に抗議

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週刊『前進』(2552号1面3)(2012/09/17 )

【要項】10・7三里塚全国総決起集会

第3誘導路粉砕・市東さんの農地を守ろう!
フクシマ連帯・原発再稼働許すな!
TPP(環太平洋経済連携協定)反対!
軍事空港粉砕・改憲阻止!
 10・7三里塚全国総決起集会
10月7日(日)正午
成田市東峰 反対同盟員所有畑
主催/三里塚芝山連合空港反対同盟

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週刊『前進』(2552号2面1)(2012/09/17 )

 全産別で外注化阻止に立とう

 強制出向の事前通知に大反撃

 JR職場を先頭に総反乱の時だ

 JR東日本は9月12日から検修外注化に向けた出向の事前通知を始めた。千葉では検修職場は怒りのるつぼとなり、現場長への徹底追及と抗議の嵐に包まれている。水戸でも9・14ストに決起した動労水戸組合員の代務(スト破り)を他労組組合員が次々と拒否する怒りの大反撃がたたきつけられた。これに先立つ外注化の趣旨説明の場では、外注化と出向の理由を追及された当局は何も答えられず、東労組が「出向から3年で戻れる」という何の根拠もないウソで組合員をだまそうとしていたことも満天下に暴かれた。10月1日まで2週間、外注化絶対阻止の闘いをさらに燃え上がらせよう。JR東日本で働くすべての労働者は今こそ動労千葉・動労水戸―動労総連合に結集しよう。外注化強行を中止に追い込み職場を守ろう。
(写真 東京地裁前での外注化阻止8・28総行動)

 戦後労働運動の限界破った動労千葉の外注化阻止闘争

 2000年以降、十数年間にわたる動労千葉の外注化阻止闘争は、日本の労働運動全体にとっても画期的な地平を切り開いてきた。
 労働運動にとって合理化との闘いは、最も大切で一番本質的な闘争課題であるにもかかわらず、いや、そうであるがゆえに最も不徹底にしか闘われてこなかった。動労千葉は「この現実をいかに突破しのりこえるのか」という強烈な問題意識を貫いてきた。
 田中康宏委員長は、「現場は困難だらけです。その困難の中で、現場の労働者の怒りを結集し、団結をつくり、実践的に前進していけるものでなければ、いくら立派な理屈を並べても何の役にも立たない。反合闘争の路線は、徹底的に実践的なものでなければならない。怒りの声を結集できるものでなければいけない。労働者の怒りを引き出し、具体的な形を与えられるものでなければいけない」と述べている(労働者学習センターブックレット『戦後労働運動と反合・運転保安闘争』)。
 田中委員長は、十数年の外注化反対闘争を振り返る時、必ずシニア制度(再雇用機会提供制度)との闘いから話を始める。「あの4年間があったから今まで闘ってこられた」とまで言い切っている。ここでの闘いに焦点を当て、その普遍性と価値創造性に学びたい。

 「第2の分割・民営化」と対決

 JR東日本で外注化が全面的に始まったのは2000年11月に打ち出された中期経営計画「ニューフロンティア21」からだ。徹底した営利優先と競争原理が打ち出され、安全運行の生命線である施設や検修部門の全面外注化、メンテナンスコストの徹底した圧縮、契約社員制度導入などがどんどん進められた。これは「9割の労働者を非正規雇用に」と呼号した95年日経連報告路線のJR版そのものだった。
 この攻撃は、動労千葉や国労を解体し、国鉄1047名闘争を終結させる攻撃と一体で進んだ。87年4月1日(国鉄分割・民営化)、90年4月1日(清算事業団からの1047名解雇)を越えて闘い抜かれていた国鉄闘争に最後的決着をつけ、日経連報告路線を郵政・自治体・教労を始め全社会に貫徹することを狙ったのだ。
 動労千葉はこれを「第2の分割・民営化攻撃」ととらえ、動労千葉労働運動のすべてをかけて闘い抜いた。

 十数年の闘いの土台固めた「シニア制度」に対する闘い

 具体的焦点となったのはシニア制度との対決だった。60歳定年後の再雇用と、「労資で外注化を推進する」ことをワンセットの協定にして組合にのませ、労働組合の決定的変質を迫る卑劣きわまりない攻撃だった。
 JR東労組は「すばらしい制度」「再雇用が保証されているのは東労組の組合員だけ」と大キャンペーンを展開した。会社と一体となって外注化を推進し、それを他労組切り崩しの武器に使ったのだ。動労千葉以外の労働組合はこうした組織破壊攻撃にすくみあがり、国労も含めて次々とシニア協定に妥結した。
 国労本部の外注化攻撃への屈服・協力は、1047名問題での加速度的屈服と一体で進んだ。国労本部は“和解交渉に悪影響を及ぼすから職場で騒ぐな”とJR本体での闘いを抑制した。「会社との正常な労使関係の構築」に労働組合としての延命の道を求めたのだ。その破産性は明白だ。その結果、国労の拠点中の拠点である保線を始め、施設部門で一気に三千数百人分の業務が外注化され膨大な国労組合員が出向に駆りたてられた。
 協定をのめば、退職した組合員が超低賃金で下請け会社に雇用され、JR本体から外注された業務をやらされる。協定をのまなければ、動労千葉組合員だけは再雇用されず、年金も出ないのに首を切られる。
 動労千葉は協定の締結を拒否した。定年を控えた組合員との厳しい議論が延々と続いた。当初の4年間で、60歳定年を迎える動労千葉組合員は約80人もいた。誤解をおそれず言えば80人の組合員に“首になってくれ”と言うに等しいオルグだ。国鉄分割・民営化反対闘争をともに闘い抜いた先輩たちと、時には大げんかになったり、涙が流れるような議論が繰り返された。苦渋の選択で脱退する組合員も出た。

 労働者の誇りをかけて徹底討論

 しかし、動労千葉が原則を守り抜き、外注化に反対し抜くことで千葉支社での検修外注化は止まった。それだけでなく、検修職場での要員が足りなくなり、売店などに強制配転されていた仲間十数人を奪い返した。さらに重要なことは、こうした直接の成果だけでなく、ここで動労千葉は「外注化攻撃とはいったい何なのか」「労働組合とはいかにあるべきなのか」について、首をかけ、労働者としての誇りをかけた真剣な議論を積み重ね、外注化阻止闘争の揺るぎない土台をつくりきったことだ。
 その後も、検修職場の組合員は主要な仕事から外され、青年労働者と徹底して分断された。幕張支部の役員は次々と強制配転された。動労千葉は、こうした組織破壊攻撃にも耐え抜き、組合員はもとより、他労組も含めてすべての検修労働者を「外注化だけは認めてはいけない」という路線で獲得し、ついにはJR東日本の全社を揺るがしている。JR資本も東労組幹部たちも、この現実をどうすることもできず、のたうち回っているのだ。

 “これだけは絶対譲れない”職場に不動の路線を確立

 重要なことは、まさに地をはうような闘いを通して「これだけは絶対に譲れない」「おれたちの闘いにこそ正義がある」と、現場組合員が心から確信できる路線を職場に打ち立てたことだ。
 業務外注化とは、新自由主義の中軸をなす究極の合理化であり、雇用と安全の徹底的な破壊だ。しかし、言葉で確認するのは簡単だが、外注化とまともに闘い抜けた労働組合はほとんどない。
 資本は、「理論上はこうなる」「最新技術でここまでは省力化できる」と一見、科学的に見える合理化策を現場に押しつける。競争力強化や、行政の場合には財政赤字などを口実に極限的合理化を進める。あらゆる労働組合がこの攻撃に「労働組合の課題にならない」「抗しきれない」とあらかじめ屈してきた。
 郵政、教労、自治体、医療・福祉を始め現場で働く労働者の誰もが、資本・当局による極限的合理化と安全破壊に対し「こんなことを進めていけば大変なことになる」と感じているはずだ。しかし、そうした現場の実感は、具体的闘いへと組織されないならば「自己責任」で必死に職場を成り立たせる個人的努力に一人ひとりを駆りたてるものになる。動労千葉の布施宇一顧問は「資本主義社会の持つ不条理みたいなものに対する怒りは、労働者はみんな持っている。平常な時は沈静化しているけれど、地下のマグマみたいにいつも労働者の気持ちの底にある。問題は、それを正しく自覚させ、解放し、労働者の闘いとして組織化していく路線の確立と実践です」と語っている(『戦後労働運動と反合・運転保安闘争』)。
 動労千葉は、結成以来の基軸である反合理化・運転保安闘争路線を、徹底した議論を重ねて新自由主義と闘い抜く武器として据え直した。そして、尼崎事故(05年)や、大合理化が引き起こした深刻な安全破壊への怒り、さらには新自由主義が生みだした貧困やワーキングプアの現実への憤激をもバネに、「外注化阻止・非正規職撤廃」の不動の路線を職場のど真ん中に打ち立てた。それは、平成採の青年労働者が「ここにこそ人間的な生き方がある」と、あらゆる困難をはねのけて決起することができる闘いとして、その心をとらえていった。
 あらゆる産別で動労千葉と同じ闘いを巻き起こすことが今こそ求められている。新自由主義の生みだした破綻的現実はそれを死活的に求めているし、またそれを全職場で可能にする条件を成熟させている。必ずできる。

 労働運動めぐる党派闘争に決着

 この十数年間の闘いは同時に、労働運動の路線をめぐる党派闘争に最後的決着をつける過程そのものだった。破産をあらわにした民同、協会派、日共=革同に対して、“われわれの階級的労働運動路線とはこれだ!”といえるものを実践的に開示した意味は巨大だ。
 社共を軸とする戦後労働運動は詰まるところ、裁判所や労働委員会に依拠し、あるいは当局とのパイプにすがりつき、駆け引きで条件を引き出すことを軸にした運動だ。「落としどころを見つける」「一定のところで和解する」、そもそも労働運動とはそういうものだという考え方だ。現場の闘いは、既成指導部にとってはせいぜい当局との駆け引きの道具にすぎず最後には「お荷物」「和解の邪魔」とおとしめられてきた。こんな思想は根本的に間違っている。
 現場組合員の団結にとことん依拠した動労千葉の闘いは、最も原則的な闘いこそが最も大衆的であり、労働者が持っている根底的な力を解き放つものであることを現実の闘いをもって証明した。
 動労水戸の辻川慎一副委員長は、8月24日の動労水戸総決起集会で「外注化阻止決戦は、国鉄分割・民営化と、分割・民営化以降の25年間にやられてきたことの一切にリベンジする闘いだ。それはどういうことか。JRの全青年労働者が、われわれの労働運動、われわれの路線を選択するということだ」と喝破した。動労千葉の外注化阻止闘争、動労水戸の被曝労働拒否の闘い、なによりも動労千葉鉄建公団訴訟の6・29判決は、JR職場だけでなく日本の全労働者をわれわれの階級的労働運動路線で獲得する道を大きく開いている。
 JR外注化阻止の闘いは「10・1」を越え、JR体制打倒までやむことのない闘いに入る。動労千葉、動労水戸に断固として続こう。職場から労働組合をよみがえらせ、11・4労働者集会への巨万の結集へ突き進もう。
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国労組合員資格確認訴訟
 9月19日(水)午前10時30分
 東京地裁527号法廷
鉄道運輸機構訴訟控訴審判決
 10月11日(木)午後4時
 東京高裁101号法廷

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週刊『前進』(2552号2面2)(2012/09/17 )

 動労西日本 会社は労災認めろ

 青年組合員がストに立つ

 動労西日本は9月7日、大阪の片町線四条畷(しじょうなわて)駅を拠点に青年労働者のストライキを断固として打ち抜いた。スト通告前から四条畷駅東口に、動労西日本と関西の労働者・学生40人が結集して、感動的で圧倒的なストライキ突入総決起集会をかちとり、ストを貫徹した。
(写真 支援の仲間とともに四条畷駅前でスト突入集会を開催【9月7日 大阪府大東市】)

 労災の事業主認定拒むJR

 このストは、動労西日本に今年4月結集した青年労働者である中西剛組合員の「精神疾患」は05年尼崎事故による労働災害であり、「JR西日本は労働災害の事業主証明を行え!」を掲げた闘いだ。JR西日本は、中西組合員の発病が尼崎事故による異常な職場状況の中で、極度の緊張を強いられたことに起因することが明らかであるにもかかわらず、「業務との関連がない」と労働災害の認定に必要な事業主証明を拒否してきた。そればかりかJR西日本会社は、労働基準監督署の聞き取り調査にも、何事もなかったかのような「ウソの証言」を何人もの労働者に強制してきた。この許しがたい新自由主義そのものの現実をひっくり返す闘いとして、中西組合員自身のスト決起が闘われたのだ。
 まず、動労西日本の大江照己委員長がマイクを取り、このストライキの意義を明らかにして「ただ今からスト通告を行う」と宣言。午後1時、中西組合員が堂々とJR西日本近畿統括本部に対してストを通告。全体が圧倒的拍手と歓声で呼応した。シュプレヒコールが響き渡る。
 ただちにスト突入総決起集会が始まった。司会は山田和広副委員長だ。

 中西組合員が怒りの宣言

 ストライキ決起のアピールで中西組合員は、尼崎事故直後から37時間の超過勤務が強制される中で病気に追いやられたことを怒りを込めて訴えた。さらに、会社が当然の労災申請を拒否してきたことを弾劾し、これを打ち破るために動労西日本に結集しストに立ったと、スト宣言をJR西日本にたたきつけた。
 感動的なスト宣言を受けて、岡崎昭夫組合員が「ストは楽しい闘いだ」と初めてストに立った中西君に激励のアピール。支援の連帯のアピールでは冒頭、国労福知山の原田隆司さんが、JR西日本の労務支配を徹底弾劾。関西合同労組からは、森精機闘争をストで闘った当該が連帯のアピールを行った。関西青年労働者集会実行委は9・16橋下打倒集会への総決起と9・29青年労働者集会への結集を呼びかけた。
 司会が動労水戸からのメッセージを読み上げ、10・1外注化阻止決戦をともに闘い、労働運動を塗り替えようと誓い合った。全学連の冨山小太郎君が「このストライキは新自由主義に風穴をあける闘いだ。学生も闘う」と熱烈なあいさつ。最後に国労奈良電車区の橘日出夫さんが「このストライキは10・1外注化を阻止する闘いそのものだ」と提起した。
 全員でシュプレヒコールを再度JR西日本にたたきつけ、大江委員長の団結ガンバローで集会を締めくくった。
(写真 スト通告を行う大江委員長と中西組合員)

 外注化阻止と一体の闘いだ

 中西君と動労西日本はこの闘いを受け、労災認定を求める訴状を大阪地裁に提出した。
 動労西日本の9・7ストライキは、10・1外注化阻止の闘いそのものとして打ち抜かれた。同時に、JR西日本での平成採の初めてのストライキとして新たな歴史をつくった。JR体制打倒の平成採の総反乱の始まりだ。
 この決起におびえるJR西日本と大阪府警は、かつてない圧殺体制をとった。
 JR西日本は、本社、近畿統括本部、大阪支社から20人もの労務担当を派遣、スト通告も駅長ではなく近畿統括本部が受けた。JR西日本は動労西日本に「(組織拡大とストは)いつまで続くのか」と聞いてくる始末だ。大阪府警も数人の私服を派遣した。階級的労働運動、国鉄決戦、外注化阻止決戦の前進に戦々恐々としているのだ。
 新自由主義が生み出す労働者階級の総反乱を恐れる支配階級に10・1外注化阻止決戦をたたきつけよう。 
(関西・K)

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週刊『前進』(2552号2面3)(2012/09/17 )

 “闘う国労の再生を”

 国労広島地本大会で訴え

 「共に闘う国労の会」と動労千葉を支援する会は、先に行われた国労米子地本大会(8月26日)に続き、9月8日の広島地本大会に登場し「JR東日本の10・1外注化絶対阻止、強制出向粉砕、偽装請負・非正規職撤廃、闘う国労を再生しよう」と訴えた。
 早朝から、会場の広島ロードビル(広島国労会館)玄関に「共に闘う国労の会」ののぼりを立て、米子から駆けつけた「共に闘う国労の会」の鷲見貢さんを先頭に代議員・傍聴の組合員にビラを渡した。「職場から闘いを起こし、闘う国労を再生しよう」と訴えるビラを読んで鉄道運輸機構訴訟の署名に応じる人、「外注化阻止ニュース」に注目してうなずく人など国労の現場組合員には闘う意志と意欲が満ちていることが示された。鷲見さんと旧知の人はもちろん、初対面の人も「ああ、あなたが」と言って鷲見さんの米子での偽装請負告発の闘いに共感を示し「頑張りましょう」とあいさつを交わした。
 「革同支配」といわれる国労広島地本の現場にも、外注化阻止へ体を張って闘う動労千葉―動労総連合への共感と連帯が確実に広がっている。動労千葉の10・1外注化阻止の闘いと一体で、西からも外注化・偽装請負粉砕の火の手をあげる時だ。今こそ闘う国労の再生へ全国の現場から立とう。
 (広島・TN)
(写真 元国労米子の鷲見さん【左】とあいさつを交わす大会参加者【9月8日 広島市】)

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週刊『前進』(2552号3面1)(2012/09/17 )

 「橋下新党」打倒しよう

 「維新八策」の正体は改憲

 労組破壊・首切り・非正規化

 橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会は9月10日、新党「日本維新の会」の結党を宣言した。綱領で「憲法改正」を公然と掲げた。国会議員7人が離党し、新党に合流した。他方、元首相の安倍晋三も自民党総裁選に名乗りを上げ、「憲法と教育再生」を公約に掲げた。橋下は安倍とも連携して改憲と戦争への道を開こうとしている。9・16に続き、極右橋下打倒へ闘おう。

 安倍ら極右勢力と連携

 橋下は新党結成に際して「明治以来続いた中央集権体制の統治機構を変える」こと、大阪都構想の完遂、道州制導入を新党設立の理由に挙げた。
 新党綱領「維新八策」の第1項は「統治機構の作り直し」だ。大阪都―道州制、首相公選制、「参議院廃止を視野に入れた衆議院優位の強化」など統治機構の改変には改憲が必要だ。
 実際、今国会で制定された大阪「都」法は、特別区設置を認めているだけで、大阪は「都」を名乗れない。直接にはこの限界を突破するために橋下は新党結成による国政進出を決断したと言う。
 この過程で野田民主党政権の危機、民主党の解体が激しく進行した。橋下はこの危機と流動に付け込み、極右安倍をはじめあらゆる右翼・反動・改憲勢力、橋下人気便乗組との連携・糾合を図った。国会に大きく進出し、大阪都―道州制の実現、改憲・戦争への道を一挙に切り開こうと策動しているのだ。
 維新八策は最後の第8項で「憲法改正」をうたう。だがこれが橋下が国政で最も実現したいことなのだ。憲法改正発議要件(96条)を(国会議員の)3分の2から2分の1に」としている。96条改定で改憲の壁を低くし、次に9条改憲へ進むプランだ。「9条を変えるか否かの国民投票」も改憲への壁を低くするための策略だ。維新八策の究極目標は9条改憲と戦争国家化だ。
 だがけっして橋下の思惑どおりに事は運ばない。橋下は西成特区構想、汚染がれき受け入れの説明会で大衆的反撃を受け、立ち往生し、逃げ帰った。入れ墨調査拒否者を処分したら逆に闘いが燃え広がっている。

 「脱原発依存」のペテン

 維新八策の第6項は「経済政策・雇用政策・税制」だ。この中に「脱原発依存体制の構築」が盛り込まれている。この「脱原発」の正体は再稼動容認、原発推進だ。
 何よりも「脱原発依存体制の構築」は「原発をなくす」ではない。依存度を減らすことしか意味しない。しかも「脱原発依存体制の構築」を何年までに実現するのかが明記されていない。
 確かに橋下は「維新八策」をめぐる9月9日の公開討論会では「2030年までにゼロを目指す」と言った。「脱原発依存体制の構築」ではあまりにも漠然としているから取り繕いを図ったのだ。だが「2030年」では野田政権の「脱原発依存」と変わらない。30年までの間に大事故が起きない保証は何もない。30年まで原発を運転し続ければ日本は超大量のプルトニウムを保有する準核大国になれる。
 期限の定めのない「脱原発依存体制構築」とは原発を最大限長期に保持・運転し続けることと同じだ。原子炉には寿命があるので、新規原発を建設しないかぎり、数十年以内に全原発の廃炉が決まる。期限を明記しない維新八策の「脱原発依存」はまったくのいんちきだ。それは、橋下が今夏、関西財界に「夏の電力不足の可能性」で「脅され」て大飯原発3、4号機の再稼動を認めたことで、すでに明らかだ。

 学校の株式会社化狙う

 維新八策の第4項は「教育改革」だ。公開討論会で橋下らは「教育改革」を第1議題とした。教育委員会を廃止し、首長が教育行政権を握るべきだと語った。教育への行政権力の介入・支配を当然だと考えている。
 また橋下らは教育労働者の首切りが容易にできる体制にしろと要求している。国鉄分割・民営化のように、公立学校を株式会社化すれば、その過程で教育労働者を全員解雇し、非公務員化、非正規職化することが可能になると考えているのだ。
 また橋下らはバウチャーの導入、学力調査テストの実施と学校ごとの結果開示、学校選択制を主張する。選択制のもとでは学力テストの成績(点数)が良い学校に子どもが集まる。成績の悪い学校は子どもが減る。3年連続定員割れの学校は再編・整理され、「倒産」だと橋下は言う。
 維新八策の第3項「公務員制度改革」でも公務員の身分保障廃止による大量首切り、労組解体を狙っている。地方公務員の身分保障も廃止だ。
 橋下は首切りで脅せば労働者を屈服させられると考えているが、そうではない。労働組合をよみがえらせ反撃すれば必ず勝つことができる。
 そのほか維新八策は、第5項「社会保障制度改革」の名で社会保障の大幅削減・民営化、国民総背番号制を進めようとしている。第6項「経済政策・雇用政策・税制」の「基本方針」はTPP参加、FTA拡大だ。農業の壊滅、労働者の低賃金化だ。
 改憲と戦争、公務員首切り、労組解体を狙う橋下新党と維新八策を労組再生の力で打倒しよう。
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 維新八策のポイント

(1)統治機構の作り直し 首相公選制▽参議院廃止を視野に入れた衆議院優位の強化▽都市間競争に対応できる多様な大都市制度=大阪都構想▽道州制が最終形
(2)財政・行政・政治改革 公共事業の復活阻止▽衆院議員数を240人に削減
(3)公務員制度改革 公務員の強固な身分保障の廃止
(4)教育改革 教育委員会制度の廃止
(5)社会保障制度 生活保護世帯と低所得世帯の不公平の是正
(6)経済政策・雇用政策・税制 【基本方針】TPP参加、FTA拡大▽先進国をリードする脱原発依存体制の構築
(7)外交・防衛 【枠組み】日米同盟基軸に自由と民主主義を守る国々との連携強化
(8)憲法改正 憲法改正発議要件(96条)を3分の2から2分の1に▽憲法9条を変えるか否かの国民投票

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週刊『前進』(2552号3面2)(2012/09/17 )

 会場使用禁止に怒り

 大阪市教組教研集会 橋下打倒署名に列

 「橋下をこれ以上のさばらせたらアカン」「橋下に対して『不起立』で闘うのはすごい」
 9月8日、大阪市教組教研集会(会場は「エルおおさか」)で、9・16橋下打倒集会実行委員会がビラまき・署名活動を行った。橋下徹大阪市長に対する教育労働者の激しい怒りが次々と寄せられ、賛同署名には労働者が列をなした。
 教研集会は例年大阪市内の小学校で開かれ、今年も西九条小学校が会場に予定されていた。ところが橋下市長による「大阪市労使関係に関する条例」制定攻撃により「使用禁止」とされた。
 この攻撃に市教組執行部は現場の怒りを組織せず「会場が変更になりました」「条例の施行により、教研集会だけでなく分会会議や支部会議も学校では開催できなくなりました」とのみ通達。日教組・岡本書記長も「教育研究集会は、教育実践の具体的な内容を報告し討議するものであり、教職員の資質向上に多大に貢献している」と言うのみで、橋下の組合つぶしと教育民営化との闘いを抑えつけようとしている。現場の怒りはこの日教組本部や大阪市教組執行部の屈服と裏切りに対しても向けられている。
 「君が代」不起立闘争を貫き、不当処分に対する人事委員会闘争を闘う大阪市教組の沼田祐子さんは訴えている。
 「教研集会のみならず分会会議や支部会議でも職場の使用を認めないというこの暴挙に、現場の組合員は激しく怒っています。橋下=維新の会の狙いは道州制=大民営化攻撃にあり、それは労働組合をたたきつぶすこと抜きには実現できないのです。だから橋下はなりふりかまわず労働組合への団結破壊攻撃をしかけています。あの居丈高な橋下の弱点は実は労働組合の絶対反対の闘いです。『入れ墨調査』を拒否した大阪市職員が、橋下に対する真っ向からの反撃を開始しています。教育労働者の『君が代』不起立の闘いも橋下の団結破壊に対する真っ向からの反撃です」
 「橋下の攻撃の前に『今はおとなしくしていた方が得策』などという考えでは労働組合は絶対に生き残ることはできません。労働者の団結がことごとく破壊された時には公務員全員解雇がまかりとおるということです。逆に今こそ労働組合が本気になって絶対反対で闘えば、橋下の攻撃は根底から打ち破ることが可能なのです」
 9・16橋下打倒集会の大高揚を新たな出発点に闘う労働組合を再生し、労働者の未来をかけてJR10・1外注化阻止−橋下打倒に突き進もう。

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週刊『前進』(2552号3面3)(2012/09/17 )

 「更新3回」と採用通知に

 新潟市再任用解雇撤回裁判

 自己申告表不提出で解雇は不当

 9月6日、新潟市再任用解雇撤回裁判の第3回口頭弁論が新潟地裁で開かれた。法廷には、労組交流センターや地域の労働者、新潟市職OBなど約30人が傍聴に来てくれた。
 今回は、裁判の流れを決める序盤の重要な法廷となった。裁判長が「被告(新潟市)に再任用の手続きの流れと、再任用採用通知の際の『更新3回の運用を予定している』(との書面での記述)について説明をお願いする」と、異例の訴訟指揮をしたのである。「更新3回の運用を予定している」と採用通知の書面に書いていたにもかかわらず、新潟市当局が更新しなかったのはどういうことなのか。裁判長が被告である新潟市に説明を求めたのだ。この点は裁判で決定的なポイントをなす問題である。 
 私は新潟市職定年退職後の再任用1年目に任期更新が行われず、解雇・雇い止めになった。市側は「任期1年であったのだから処分ではない」「任期更新される期待権はない」と主張。これに対して、再任用制度は定年後の労働者の生活を保障するためのものであり、65歳までの雇用を保障すべきこと、採用通知に「更新3回の運用を予定している」と書いてあることから、当然のこととして任期更新の期待権があった。それを踏みにじって行われた解雇・雇い止めは無効であり、解雇撤回を求めて争っている。裁判長が指摘したことは、私が任期更新されるべきであった理由のひとつである。
 また、市側は答弁書で「新たな人事評価制度は一般職員には試行で、再任用職員には試行ではない」と矛盾した主張を行っている。一般職員は試行だから自己申告表提出の義務もないし、不提出でも処分はない。再任用職員は自己申告表の提出が義務付けられ、不提出で任用打ち切りだと言うのだ。同じ市役所で働く労働者に対する制度が身分の違いで試行であったり、本実施であったりするはずがない。でたらめそのものである。これを聞いた労働者は「再任用や非正規職の人たちへの差別だ」と怒りを表している。
 私の解雇撤回裁判は、これから争点を明らかにし、証人調べに入っていく。公務員の非正規職労働者の雇い止め解雇を粉砕する決定的闘いであると同時に、成果主義の人事評価制度を粉砕する闘いとしていきたい。
 先日、新潟市職の職場に「法廷で新たな人事評価が試行段階であることを認めた市当局」と暴いたチラシをまいたら、現職の労組活動家から「よくやってくれた。試行がハッキリして元気をもらえた」と声をかけてもらった。この裁判を、現場から闘う労働組合をつくっていく運動のひとつにしていきたいとあらためて強く思った。
 次回、第4回口頭弁論は11月15日午後1時半から新潟地裁で行われる。11・4労働者集会の大成功をかちとり、次回の法廷も元気に闘っていく決意である。
(新潟市再任用被解雇者 斎藤実)
(写真 原告の斎藤実さん【右】と代理人の高島章弁護士)

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週刊『前進』(2552号3面4)(2012/09/17 )

 9・7金曜デモ

 野田打倒の叫び広がる

 “子どもたちを避難させろ!”

 文科省と山下俊一に怒り 

 野田内閣は11日の閣議で、原子力規制委員会を19日に発足させ、田中俊一ら5人を委員長・委員に任命することを決めた。福島の怒りを圧殺し、伊方・泊原発の再稼働に突き進もうとの布陣だ。大飯原発が危険な活断層の上に存在するにもかかわらず野田と原子力安全・保安院は大飯原発もこのまま稼働し続けるつもりだ。
 9月7日、首相官邸・国会前、文科省前などの各所で野田を弾劾する行動が大規模に行われた。文科省前では午後5時から、ふくしま集団疎開裁判を闘う人たちが中心となって「福島の子どもたちを今すぐ避難させろ!」と抗議し、周辺の人たちに訴えた。
 ふくしま集団疎開裁判とは、郡山市の14人の小中学生とその親たちが郡山市を相手に「年1_シーベルト以下の安全な場所で教育を実施することを求める仮処分」を申し立てた裁判だ。だが、福島地裁郡山支部は昨年12月16日、訴えを却下した。原告と弁護団は12月27日、仙台高裁に即時抗告を申し立て、来月1日に仙台高裁で審尋が行われる。裁判を闘う人たちは、勝利をめざして毎週文科省前などで行動を展開している。
 7日は、原告弁護団長の柳原敏夫さんや原発いらない福島の女たちの武藤類子さんを軸に、若い人が先頭を担って展開された。怒りにあふれた発言を中心に、かんしょ踊り・紙芝居・寸劇と、福島の子どもたちの置かれた現状を知らせるための工夫をこらした企画が次々と登場。多くの参加者がひとつになって文科省を弾劾した。
 若い女性や男性が次々にマイクを握った。「福島の子どもは避難先で出身地が分かると診察してもらえない。山下俊一の指示で、『診療すると福島医大の研究のじゃまになる』ということだ。福島県民は人間モルモットじゃない。人間だ!」「レントゲン技師の妊婦の女性は職場では1_シーベルトまでしか許されていない。ところが家に帰ると20_シーベルトに跳ね上がる。福島県民は被害者なのに、人間として扱われていない。福島の現状を知って下さい!」と声を振り絞って訴えた。
 紙芝居では、福島の小学校にモニタリングポストが二つ並んで立っていると紹介。国際標準のものが高い数値(毎時0・49マイクロシーベルト)を出したので、日立系の低い数値(毎時0・299マイクロシーベルト)が出るものに替え、低い方を郡山市の値として公表していると弾劾した。柳原さんは「政府は集団疎開をタブーにした。それが行われると、誰もが原発はあってはならないと確信するからだ」と言い切り、今すぐ集団疎開を実行しろと訴えた。
(写真 武藤類子さんが福島の怒りを心から訴え【9月7日 永田町】)

 「脱原発法案」に激しいヤジ

 原子力規制委員会準備室が入る中央合同庁舎4号館前一帯にも多くの人が集まった。「人事案撤回! 人事案撤回!」。のぼりやボードを掲げ、途切れることなくコールを浴びせた。職場から駆けつけた教育労働者を先頭に、NAZENの仲間も必死に叫び続けた。
 首相官邸前では武藤類子さん、森園かずえさんらが発言。武藤さんは「人びとが分断され、人間関係が引き裂かれています。ひたひたと安全キャンペーンが形を変えて広がっています。もう人の命を犠牲にすることをやめてください。この国を変えていくのは私たち一人ひとりです。皆さん、頑張ってこの国を変えましょう」と訴えた。森園さんは「一緒に力を合わせて、原発反対の声を伝えていきましょう」と呼びかけた。
 国会正門前では、福島から初めて参加した若者などが発言。国会議員も何人かマイクを握ったが、「脱原発基本法案を出した。8〜13年後に全廃……」と語ったとたん、「今すぐだ!」「選挙目当てだ!」のヤジの嵐に包まれた。
(写真 紙芝居で測定値のペテンを暴き文科省を弾劾)

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週刊『前進』(2552号3面5)(2012/09/17 )

 経済産業省前テント1周年

 「とつきとおか」達成

 拠点を守り全原発廃炉へ

 9月11日、千代田区の経産省前テントひろばで「9・11テント1周年イベント」が行われた。1年前の9月11日にテントを張り、原発反対の活動拠点がつくられてから367日目。「原発いらない福島の女たち」の椎名千恵子さんらが「未来を孕(はら)むとつきとおかのテントひろば行動」を始めてから「とつきとおか」の記念日だ。この1年間をともに闘ってきた仲間たちが各地から集まり、にぎやかなイベントとなった。
 午後1時過ぎから始まったライブでは「原発いらない」の思いを込めた自作の曲が次々歌われ、大いに盛り上がった。
 続いて恒例となったかんしょ踊り。警察が事前に「歩道で踊りは禁止」と通告してきたが、そんな脅しを軽く吹き飛ばし、初めての生演奏によるかんしょ踊りだ。おそろいの黒の法被(はっぴ)を着た福島の女性を先頭に民衆の力強い踊りが経産省前を席巻した。
 4時半、メイン集会が始まった。「とつきとおか」呼びかけ人の椎名さんが発言すると、10カ月余の奮闘をたたえて鮮やかな花束が贈られた。福島原発告訴団の武藤類子団長の発言が続いた(2人の発言は別掲)。
 その後、1分間メッセージが行われた。福島市の佐藤幸子さんは「とつきとおか、いろんな命がここで生まれ、全国・全世界に飛び立っています」。郡山市の黒田節子さんは「ある人が郡山の状況を『静かで美しい地獄だ』と言いました。子どもたちの命が今も脅かされています。子どもたちを避難させて」。福島市の女性は「福島駅前でも金曜アクションを始めました。子どもたちは日々、見えない銃撃戦の中にいます。福島のことを忘れずに、この世の中を変えていきましょう」。福島で生きぬく女性たちの切実な訴えに、参加者は大きな拍手で応えた。
 最後に、二手に分かれて、再びかんしょ踊りで経産省を包囲した。
 テント封鎖策動や右翼の妨害などすべてを打ち破って貫かれてきたテント行動。この地を拠点に首相官邸前や国会前を取り巻く10万、20万の巨大なデモも実現された。「私たちはけっして譲らない、屈しない」という強い思いと行動は、事故から1年半を経てさらに大きく広がっている。
(写真 全原発の廃炉を目指して設置されたテントの1周年を記念したイベント。発言は「とつきとおかのテントひろば行動」世話人の椎名千恵子さん【9月11日 経産省前テントひろば】)

 次の未来孕もう 椎名千恵子さん

 とつきとおかのテント村行動、いよいよ月が満ちました。12月1日にテントに入った時は、誰も来ないかなという不安もありました。それは美しい誤算でした。すでに多くの人が待っていてくださいました。毎日毎日、胸をいっぱいにして来てくれる人たちが続々と現れました。今も毎日毎日、いろいろな希望が生まれています。若い人たちも次々と集まっています。きょうで『とつきとおか』が終わるわけではありません。きょうをきっかけに、日本と世界の原発をなくす力強いエネルギーを集め、次の未来を孕みましょう。霞が関の地で、ますます多様に豊かに力強く怒りと弾劾の行動を続けましょう。

 事故責任追及を 武藤類子さん

 ここには、武器も権力も持たない普通の市民が暑い日も寒い日もここに身を置き続けるという新しい抵抗があります。原発事故から1年半、「復興」の名のもとで低線量被曝地帯に今も子どもたちが暮らしています。事故の責任を追及するために6月11日、1324人の告訴人で告訴状を提出し、8月1日に正式受理されました。全国で1万人以上の告訴団をつくり、12月に第2次告訴をしたい。原発事故の責任を追及し、間違った道を正したい。このテントがさらに広がっていくことを願ってやみません。

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週刊『前進』(2552号4面1)(2012/09/17 )

 全学連大会“全国の大学に自治会を”

 福島と結んで全原発廃炉へ

 11月に向け今秋の闘争方針確立

 9月5〜6日、全学連第73回定期全国大会が東京都内で行われ、大きな成功を収めた。本大会には全国25大学から学生が結集し、首相官邸前行動参加者の合流もかちとった。白熱的な2日間の討論を通して、「福島とのさらなる連帯で全原発の廃炉をかちとること」「新自由主義大学と対決し学生自治会を建設すること」を確認した。そして、11・4労働者集会大結集に向かう、10・19法大闘争をはじめとする秋の行動方針をうち立てた。
(写真 「秋の行動の夢を語ってほしい」と提起する坂野書記長。大会2日目は今秋決戦の決意と具体的方針を確立する活発な討論が行われた【9月6日 東京都中央区】)

 “福島の怒りに応えよう”

 坂野陽平書記長の開会宣言に続き、「福島原発事故から見える教育の間違いと重要性」と題して「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」代表の佐藤幸子さんが記念講演を行った(要旨別掲)。佐藤さんは、福島第一原発事故以降の福島の現状をつぶさに語り、最後に「人類のこれから進むべき道―大学生に望むこと」の項目で、原発と現在の社会を考える上での教育の重要性を切々と語り、講演を締めくくった。
 続く質疑応答では、沖縄の学生の意見に「基地も原発も根っこは同じ。社会を丸ごと変えなければならない」と返答。全参加者が福島の現状と怒りを通して、国家と現代社会の本質をつかんだ。
 執行部からの議案提起は、斎藤郁真委員長の「フクシマの怒りに応えよう」という呼びかけから始まった。
 「私たち学生が生きていく上で求められているのは、福島・被災地の現実と向き合っていくことです。人間らしく生きていくためにも、このようなことを絶対に繰り返させてはならない」
 「時代は人類史の分岐点です。競争に次ぐ競争、蹴落とし合う『自由』を掲げ、一部の人間がやりたい放題の社会を続けるのか、それとも、国境・民族をこえて、すべての人びとが協力しあう人間的社会をつくることに挑戦するのか、そのどちらを若者・学生が選ぶかで、次の社会のあり方が決まる」
 続いて情勢・方針を坂野書記長が提起した。
 「私たちは、どのように社会を変革するのか、今の社会とはどのような社会なのかを解明する必要がある。何より、今の情勢と向き合うことは、今の時代をどう生きるかと一体だ。いかに生きかつ闘うべきか、どのように社会を変革すべきかという問題として、情勢認識がある」
 「領土問題が突き出していることは何か。私たちは現下の改憲・戦争を許さない立場から、国際連帯の立場から、そしてかつての日帝の侵略行為を絶対に許さない立場から、『領土』を呼号しての排外主義宣伝と対決していこう。そして、戦争の危機とは、資本主義体制の終わりと革命の現実性という問題だ」
 「反原発デモ100万人の高揚の中から、学生自治会と労働組合をつくりだそう! 全国大学キャンパスでの攻防に勝ち抜こう。法大生A君への処分阻止、福島大生・沖縄学生を先頭に、キャンパスで闘う仲間の拡大を! 京大総長団交=全学スト体制構築、東北大サークル自治会攻防を全力で闘おう!  11・4全国労働者集会に集まろう! 学生運動を爆発的に拡大していく展望が11月集会の中にある」

 京大同学会の再建闘争総括

 討論では、首相官邸前行動の報告を皮切りに、大会にいたる闘いの総括から始まった。とりわけ京都大学同学会再建の総括では、福島第一原発事故が発生し、大学と御用学者の腐敗が暴き出される中、京大・大学奪還学生行動委員会を中心に学生の団結を甦(よみがえ)らせていった経緯とともに、全国の大学で学生自治会を甦らせることはできるとの確信が語られた。
 さらに、「領土問題を学生にどう訴えるか」(東北大)、「毎日新聞での山下俊一の談話が絶対許せない。山下は放射能被害を認めれば国家が崩壊すると言ったが、子どもたちの命を守れない国家は崩壊するべき」(首都圏A大学)、「同世代と話がしたいと思って大会に参加した。学生がいま立ち上がらなくてはいけない」(首都圏B大学)、「大学当局が『寮生の安全を守るため』を理由に監視カメラを設置しようとしている。寮自治をないがしろにする行為はおかしい」(福島大学)、「国民に犠牲を強いる原発や成田空港とは一体何か」「闘う学生に呼び出しを行った大学当局を絶対に許さない」(東北大学)など活発な討論が行われた。

 時代認識・方針で討論活発

 2日目の討論は、今秋決戦への決意と具体的方針を固める場となった。「秋にどういう行動をやりたいか夢を語ってほしい。反原発行動を100万人に拡大しよう。11・4労働者集会を大成功させよう。10・19法大闘争をはじめ、全国大学の秋の方針を練り上げよう」という坂野書記長の提起に続き、石田真弓副委員長から領土問題の討論への回答をはじめ、全面的な時代認識の提起が行われた。
 全国大学からの発言が相次いだ。「神谷研二追放の闘いをはじめ、広島大は福島とつながって闘う」(広島大)、「学内での闘いに挑戦したい」(富山大)、「沖縄でも万単位で集会・デモをやりたい。オスプレイへのストレートな怒りを組織する」(沖縄・A君)、「沖縄の学生が立ち上がり始めている。日韓米の国際連帯は本当に重要だ」(沖縄・B君)、「自分の大学でも中立を装いながら、JAEA(日本原子力研究開発機構)と提携をしていた。学生の中のあきらめと闘わなくてはならない」(中四国A大学)、「星野再審闘争に勝利したい。日本だけが検察が全証拠を保持し選別できる。司法と全面的に闘う」(中四国B大学)。
 処分策動と闘う法大生と、法大暴処法弾圧裁判の一審無罪判決をかちとった被告団の発言にはひときわ大きな拍手が起こった。法大生A君は「この処分は自分だけの問題ではない。10月19日は学内から一人でも多くの学生を立ち上がらせたい」と決意を語った。暴処法裁判被告団の恩田亮君の圧倒的な勝利宣言に会場は興奮のるつぼとなった。
 同学会を再建した京大生の決意から、午後の討論はクライマックスへと上りつめていった。「新自由主義との対決で、闘って自治会再建の展望をつかんだ」「全国大学で自治会再建はできる」(京大同学会委員長・冨山小太郎君)、「首相官邸前を100万人へ。11・4は社会を根本的に変える集会だ」(首都圏C大学)、「京大の闘いに学び自分の大学でも自治会を甦らせる」(関西A大学)、「沖縄の基地はなくならないと思っていた。しかし3・11で突きつけられた。基地がなくならない現実をあきらめることは、福島の現状をあきらめることになる」(法政大学)、「大会に参加して、あらためてここに来れば人生が変わると思った。秋の行動には仲間を連れて行く」(首都圏D大学)
 2日間で合計56本という活発な討論の最後に、斎藤委員長がまとめを行い、大会宣言を採択した。
 新たな中央執行委員を選出したのち、斎藤委員長が新執行部の決意表明を行った。
 大会には多くの来賓の方々が駆けつけた。三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱冶事務局長は、三里塚闘争における全学連の決定的位置を明らかにし、10・7全国集会への大結集を訴えた。青年労働者を代表して発言した郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長は、青年・学生こそが闘いの先頭に立つことの重要性を熱烈に訴えた。さらに、法大弾圧裁判弁護団の藤田城治弁護士、動労千葉の中村仁執行委員が連帯のあいさつを行った。
(写真 一審無罪をかちとった法大暴処法裁判の被告団【6日】)

 新自由主義と闘う学生運動

 2日間の全学連大会は大成功した。大会は第一に、「フクシマの怒り」と結合し、全原発廃炉へ反原発闘争をさらに発展・拡大させる決意を新たにした。
 第二に、反原発100万決起の鍵は学生自治会建設にあり、新自由主義大学の腐敗の極みとしての原発翼賛大学と御用学者を弾劾し、キャンパスでの大学当局・資本との非和解の闘いをつくり出すことが、学生自治会建設の基礎にあるとはっきりさせた。
 第三に、大恐慌と新自由主義の破産、とりわけ「領土」問題が、帝国主義戦争と改憲、排外主義と学生・労働者民衆の団結破壊としてあることを弾劾し、一方での自国帝国主義・資本との闘いの発展、他方での国際連帯闘争が勝利の道であるとはっきりさせた。
 第四に、昨年の大会以来1年間の闘いを経て、斎藤委員長−坂野書記長をはじめとする指導体制を確立し、大会過程で新たな活動家層を生み出した。
 本大会の地平を踏まえ、ただちに11月集会へ組織し、組織し、組織し抜こう! 300万学生は全学連の旗のもとに結集し、学生自治会を建設しよう!
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 選出された執行部(敬称略)
委員長  斎藤郁真(法政大・法)
副委員長 大森靖之(京都大・薬)
副委員長 石田真弓(東北大・経)
副委員長 鈴木研也(広島大・理)
書記長  坂野陽平(上智大・文)
書記次長 洞口朋子(法政大・経)

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週刊『前進』(2552号4面2)(2012/09/17 )

 斎藤委員長のまとめと決意

 新自由主義がもたらす現実に全力で怒り闘う

 これまでの討論すべてが重要な内容です。その上でまとめとして訴えたいことは、国家権力に対して、福島の現実に対して怒って闘おうということです。新自由主義がもたらす目の前のおかしいことにストレートに「おかしい」と言って闘う、これを大事にしたい。
 法大闘争は「教育の民営化」との闘いだと総括しましたが、その始まりは「人間として当たり前の闘争」をやるということでした。ビラがまけないことに対して「おかしい!」ということから始まる。
 原発もそうです。最初は「段階的な廃炉」と言われていた。しかし昨年9・19の6万人集会で福島の武藤類子さんが「私たちは静かに怒りを燃やす東北の鬼です」と発言した。これを契機に、全原発は今すぐ廃炉だ、この国の政府や官僚たちをここで終わりにしてやるんだ、そして今では多くの人びとが野田を倒して原発止めるとなった。
 今回私が学ばされたのは、「反原発というシングルイシュー(一つの問題)に絞ることが重要」という発言と、沖縄の学生が「小学校のころは基地問題をストレートに言えるけど、中・高と上がっていくうちに言えなくなる」という話です。ストレートな思いとしてみんな基地をなくしたい、原発をなくしたい。でもできそうにないからいったん仕方がないとなる。生活という切実な問題があるから。その課題に応えていくためには、この社会の構造の問題に向き合っていく必要がある。だから始まりはどこまでもストレートに大胆にやるべきです。でも、私たちは勉強していくこと抜きに簡単に勝利はできない関係にある。重要なことは全力で目の前の現実に怒って闘うことです。そうすることで人間としての団結や共同性が生み出されて、私たちの問題意識も広がっていく。
 「この社会、国が腐っているんだから崩壊上等」という発言もありました。私たちが社会をつくっているからこそ、青年・学生が未来を語れない社会なんてぶっ壊していいんです。みんな本当にこの国がダメだと思うから行動している。その原点の怒りを大事にして闘っていく。それで絶対に首相官邸前の100万決起をつくりだす。その先頭に立とう。
 方針のまとめにあたって一番重要なのが、11・4労働者集会です。解雇撤回を貫く中に、人間を人間として扱わない今の社会を変える力があります。領土問題も出ていますが、韓国、アメリカ、ドイツなど世界中の闘う労働組合が集まる。ここには国境なんかない。この運動を広げていった先に国境はなくなる。そしてこの運動を広げていく何万という人をつくりあげ、反原発100万人の決起を実現しよう。
 10・19法大闘争と11・4労働者集会を柱として10・7三里塚に結集しよう。何より、自分のキャンパスで一番許し難いやつに大反撃をしかけて学生自治会をつくり、自分たちの未来を切り開く闘いをやっていこう。

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週刊『前進』(2552号4面3)(2012/09/17 )

 佐藤幸子さんの講演(要旨)

 未来の命を傷つけるな 若者と共に日本変える

 皆さん、おはようございます。全学連の定期大会に呼んでいただいて大変光栄に思っています。
 福島というと雪深いですよねと言われるんですが、実は今回事故があった浜通りは雪は降らないんです。千葉県くらいの気温なんですよね。中通りはものすごく暑くなる。会津地方は雪深いところです。
 3・11以前はごく一般の生活をしていました。百姓を30年間やっていて、無農薬の野菜や米や、平飼いの鶏を飼って卵をつくって、鶏を自分でつぶして食べると。炭焼きをして、まきでご飯を炊いて生活をする。
 福祉関係の仕事もしていました。高齢者や障害者が本当に生き生きと生きられる社会なら他の人たちは生き生きと生きられるはずだと、一番弱い立場の人が幸せに生きていられる社会こそ本当のすばらしい社会ではないかと思っていたものでしたから、障害者・高齢者の方に、日中来ていただいてお昼を一緒につくって食べるという活動と、ヘルパーを派遣する事業をやっていました。
 3月11日、それまでには経験したことのない激しい揺れでこれは大変なことになったと思いました。原発事故が起こっているはずだから、逃げなければいけないという思いがあって、自分の子どもと、事業所の子どもも守らなければいけないと思ったので、13日の朝に呼びかけて避難してもらったんです。
 それから福島にその当時、子どもたちが36万人いたと言われているんですが、地元の議員にすぐに言いにいったんですが「大丈夫だよ」と言われて、もうだめだと思いました。
 健康調査も最初から結論ありきなんだと思いますよ。本当にひどい健康調査なんです。今現在、二十数%しか回収されていないんです。でも200万人の20%と計算したら、福島県立医大には40万人分のデータが集まったんですよ。40万人といったらすごい数字ですよね。それのデータを集めるのが最大の目標だったんだと思います。
 今、問題になっている甲状腺のエコー検査。あれも去年の秋ごろから始まっているんですけども、まだ本当に1割の子どもぐらいしかやってないわけですよね。子どもたち全員やるのに約2年間かかるというんですよ。データのA2(5_以下のしこりや20_以下ののう胞があった)の子どもたちが36%ぐらい出たという発表になったじゃないですか。それでもA2は問題ないんだと説明されました。2年後まで検査する必要がないと、福島県立医大副学長の山下俊一が他のお医者さんにメールを出しているわけですよね。
 家庭、職場、地域で今までのように話ができなくなってしまった状況はひどくなっています。というのは、補償金がもらえた人ともらえない人、自主避難の人の中でも県外に自主避難した人は支援が受けられるが、県内に自主避難した人は何の支援も受けられない。
 保養に行ける人、行けない人の格差もすごい。保養に行っている人は、ネットやってる人とか情報取れる人です。チラシも配ったんですが限界があって、国の責任で保養はやってもらわなければいけないと思います。心がぎすぎすしてしまう。そこがつらいです。
 自分の中には、過去の命が全部つながってきている。自分の命は未来にずっとつなぐための命です。だから未来の命を傷つけたり苦しめたりするようなことは、今生きている私たちはしてはいけないことです。そう考えた時に原発は到底受け入れられるものではないと思います。
 これだけ自殺者がいる、引きこもりがいる、学校に行かなくなっている生徒がいる。そういうことを全部ひっくるめて考えなければいけない。
それをこの機会に日本、世界中の人たちに伝える義務と権利も、福島県民は持ったなと思ってやっています。
 本当に皆さんの若い力でこれからの日本を変えていく、そのための希望を若い人たちに見ていますので、福島の子どもたち、未来の子どもたち、もちろん皆さんの未来でもあるので一緒にやっていきたいと思います。
 今日はどうもありがとうございました。

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週刊『前進』(2552号4面4)(2012/09/17 )

日誌'12 9月4日〜10日

 「尖閣」国有化で地権者と合意/オスプレイ、米で緊急着陸

●在沖米総領事、普天間の危険性否定 アルフレッド・マグルビー在沖米総領事が就任記者会見で、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の危険性を「認識していない」と述べた。(4日)
●米、南沙近くに海兵隊拠点 南沙(スプラトリー)諸島に近いフィリピン西部パラワン島の複数の同国軍基地を、米海兵隊の巡回配備先として共同使用することで両国が合意したことが分かった。(4日)
●「尖閣」国有化で合意 野田政権が「尖閣諸島(釣魚台)」を約20億5千万円で購入することで地権者と合意したことが分かった。中国外務省は定例記者会見で対抗処置を示唆。(5日)
●オスプレイ、米で緊急着陸 沖縄県に配備予定の米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイが、米ノースカロライナ州ジャクソンビルの海兵隊基地に近い市街地に緊急着陸。機体から煙が出ているのを住民が目撃した。(6日)
●欧州中央銀行、南欧国債購入を表明 欧州中央銀行(ECB)は、スペインやイタリアなどを対象に、ユーロ圏救済基金への支援要請と構造改革を条件に、返済期間1〜3年の国債を無制限に購入することを明らかにした。(6日)
●法案成立率57% 今国会で政府提出106法案のうち61法案が成立。成立率57%で戦後3番目の低さ。(6日)
●特例公債法案が廃案 今国会で、消費増税法の成立後、自民党が政府提出法案の審議を拒否。赤字国債発行に必要な特例公債法案は成立せず、廃案となった。(7日)
●サイバー防衛隊新設で指針 防衛省はインターネットなどを通じたサイバー攻撃に対処する初の指針をまとめ、サイバー空間防衛隊(仮称)の来年度新設も打ち出した。(7日)
●独島周辺で韓国が軍事訓練 韓国軍と韓国海洋警察隊は、日韓が領有権を主張する独島(竹島)周辺で防衛訓練を開始。予定の海兵隊上陸作戦は中止したが、日本政府は韓国側に抗議した。(7日)
●米海兵隊員を起訴 那覇地検は、強制わいせつ致傷容疑で逮捕、送検されていた容疑者(在沖米海兵隊キャンプ・バトラー所属の伍長)を同罪で起訴したと発表した。(7日)
●維新、国政進出を決定 大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)は、新党「日本維新の会」を設立して次期衆院選で国政に進出する方針を決めた。(8日)
●TPP参加表明せず ロシアで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議で、野田首相は、TPP(環太平洋経済連携協定)について、「関係国との協議を続ける」と述べるにとどまり、APECでの交渉参加表明を見送った。(8日)
●TPP年内妥結断念 米通商代表部(USTR)は、米国など9カ国によるTPPの年内の交渉妥結の目標を正式に断念した。(9日)
●オスプレイ反対で沖縄県民大会 宜野湾市で、米軍普天間飛行場へのオスプレイ配備反対の県民大会が開催され、10万1千人が集まった。(9日)

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週刊『前進』(2552号5面1)(2012/09/17 )

 10・7全国から三里塚現地へ

 第3誘導路供用開始と対決し市東さんの農地を守りぬこう

 反対同盟と全国農民会議を先頭に

 外注化阻止、反原発の闘いと、オスプレイ反対の沖縄での島ぐるみの決起――日帝の新自由主義攻撃と対決するこれらの闘いと一体で、三里塚は決戦に入った。野田政権は、国策を阻んで46年闘い続ける三里塚闘争が巨万の民衆決起と結びつくことを恐れている。市東孝雄さんの農地を奪い営農を破壊することで、三里塚芝山連合空港反対同盟と労農学人民が築き上げてきた三里塚をたたきつぶそうとしている。市東さんの農地を守りぬこう! 10・1JR外注化阻止決戦と一体で、反対同盟と全国農民会議を先頭に、10・7三里塚全国総決起集会に結集しよう。

 国鉄・反原発・沖縄闘争と結んで歴史を動かす

 首相官邸前から国会、霞が関一帯で、「原発再稼働阻止、今すぐ廃炉に」「福島の怒りとつながろう」と膨大な人民の決起が続いている。
 再稼働は絶対に許されない。「命を脅かす原発の廃止」は人間としての根源的要求だ。命と生活より資本の利益を優先させる資本主義社会の根本的な転覆を求めるものだ。それは「核武装能力の保持」を狙う日本帝国主義の核安保政策を許さない闘いだ。ここに反原発闘争のラディカルさがある。
 JRの構内業務をすべて外注化し全員を非正規職化する攻撃と闘う10・1外注化阻止決戦は、労働者階級人民と新自由主義攻撃との激突の最先端の闘いだ。動労千葉、動労水戸、動労連帯高崎は8月28日、強制出向を差し止める、労働運動史上初めての集団提訴を行った。この国鉄労働者の闘いこそ、労組を解体し労働運動を始め労働者人民のあらゆる闘いを絶滅する資本主義の最後の延命策・新自由主義を打ち破る闘いだ。外注化阻止決戦は、労働者人民の未来がかかった闘いだ。
 沖縄・宜野湾市で9月9日、オスプレイ配備に反対する県民大会が、島ぐるみの10万人決起として実現した。命と生活を守り、日米帝による朝鮮・中国への侵略戦争と正面から激突する決起だ。東京では、これに呼応して国会を1万1千人が包囲して抗議の声を上げた。さらに、オスプレイ低空飛行訓練が予定されている本土の六つの飛行ルート直下でも闘いが巻き起こっている。
 国鉄・反原発・沖縄と三里塚46年の闘いが結びついた時、歴史は動き世界は変わる。日帝・野田政権はそれを心底恐れ、三里塚闘争の解体へと乗り出しているのだ。

 労農連帯を打ち固めた三里塚実力闘争の地平

 政府と成田空港会社(NAA)は今、決定的に追いつめられている。
 1966年7月、地元に一片の通知もなく千葉県成田市三里塚に国際空港の建設が閣議決定された。農民はただちに反対同盟を結成し、警察権力を投入した農地強奪という国家による農民殺しに対して、実力闘争で立ち向かった。71年の強制代執行阻止決戦、78年の開港阻止決戦をへて、空港はA滑走路1本での開港を強いられた。この激闘の中で、反対同盟と動労千葉のかけがえのない労農連帯が打ち固められた。そして89年、ついに土地収用法に基づく空港事業認定を失効させるところへ追い込んだ。B滑走路は計画を縮小した「暫定滑走路」として供用開始を強行したが、開港から34年たっても成田は未完成の欠陥空港のままだ。
 この取り戻しをかけた攻撃こそ、農地法を悪用しての市東孝雄さんへの農地強奪攻撃だ。NAAが「明け渡し」を迫っているのは、現闘本部北側の天神峰南台の畑だけではなく、市東さんの自宅の団結街道向かい側、すなわち250eの畑、作業場、農機具置き場、離れ、二つの監視台、さらに管制塔からの視界をさえぎって、高さ6bにも伸びた南北に広がる竹林だ。要するに自宅前の土地全部、営農手段のすべてを奪い取り、自宅を空港の中に囲い込む、前代未聞の農民殺しの攻撃なのだ。
 そして、千葉地裁は市東さんの裁判を「国策裁判」と位置づけ、民事第3部・多見谷寿郎裁判長(行訴・農地法裁判)が来春の反動判決を狙い、民事第2部の白石史子裁判長(耕作権裁判)がこれに続こうとしている。
 第3部の裁判ではこの間、証人尋問を通して、農地強奪攻撃のすべてが違法・不当であり、無効であることを徹底的に暴き出してきた。これに追いつめられ、9月10日の裁判で多見谷裁判長は、次回10月15日に予定されている元国交省成田空港課長の尋問を、あくまでビデオリンク(テレビ会議)方式で行うと言い放った。市東さんと顧問弁護団はその場で裁判官忌避をたたきつけた。まさに裁判が白熱した戦場となっている。
 この「国策裁判」の違法性・不当性と、反動判決・強制執行策動に対して、労働者人民の怒りを組織し打ち破ろう。

 新自由主義による農民切り捨て打ち破る闘い

 三里塚闘争が決戦化している根本には、市東さんの農地死守の闘いの普遍性がある。2006年、市東さんへの農地強奪策動が具体化した当時は、安倍晋三内閣によるアジアゲートウェイ構想が現実化し、アジア侵略と一体の「攻めの農業」、そのための農地法改悪攻撃が開始されていた。農地法による市東さんへの農地強奪攻撃は、安倍内閣による農民・農業切り捨て政策の先端としてあったのだ。
 この攻撃は今、TPP(環太平洋経済連携協定)参加の策動として全面化している。復興特区攻撃への怒りともあいまって、TPP推進に対する農民の怒りが全国で噴出している。8月21日からは首相官邸前の反TPP火曜日行動が開始された。
 市東さんの闘いは、新自由主義による農業・農民切り捨てと真っ向から対決し打ち破る闘いだ。それが世界大恐慌下で崩壊の危機にある日帝・野田政権の根幹を揺さぶっているのだ。市東さんは「1億8千万円の離作補償があるのに何が不満か」とのNAAや千葉県の暴言に、日々怒りをかき立てて闘っている。
 新自由主義による営農破壊に直面している260万農民の怒りは、必ず市東さんの農地を守る決戦と結合する。この決戦は、日帝支配を転覆し、資本主義の息の根を止める闘いとして発展しようとしている。三里塚反対同盟と全国農民会議を先頭に、全国農民の決起を闘いとろう。
 他方、この市東さんの農地を守る闘いを頂点に、三里塚闘争は、日帝の空港・航空政策に決定的な打撃を与えている。日帝・国交省、NAAは、この強靭(きょうじん)な空港反対闘争を根絶することなどできない。成田空港は、農民・労働者・学生・市民の激しい怒りに包囲され、完全に立ち往生している。この不正義の空港に未来があるはずもなく、計画以来46年たっても完成しない欠陥空港なのだ。
 NAAはアジアのハブ空港競争からも陥落し、羽田空港の国際線の拡大に危機感を募らせている。激化する資本の航空競争の果てに、延命のためについに格安航空(LCC)の誘致にすがるありさまだ。
 そのLCC誘致でも関西空港や中部空港(どちらも24時間空港)との競争に後れを取った結果、「LCCに逃げられるから飛行時間制限緩和を」などと言い出している。
 成田市の小泉一成市長は8月29日の記者会見で、成田空港の午後11時以降の飛行制限について、「遅れた便にペナルティーを与えるなどの方法で、容認する(飛行時間を深夜に延長する)ことも考えられる」と述べた。内陸空港という根本的欠陥を居直り、周辺住民にさらなる騒音を強制し、その生活の犠牲の上に空港・航空利権をむさぼる一切の策動を許さない。周辺住民をはじめ、全国の闘う労農学人民と連帯して、成田の24時間空港化を阻止しよう。

 裁判闘争と現地攻防に勝ちぬき営農支えよう

 国鉄闘争、反原発闘争、沖縄闘争と一体で三里塚農地決戦を闘おう。
 第一に、10・7全国総決起集会にかつてない大結集を実現することだ。
 第3誘導路を粉砕し、市東さんの農地を全国の労農学人民の実力で守り抜くことを宣言する場として、10・7集会を闘いとろう。農地を守る陣形をさらに拡大し打ち固めよう。そして福島の人びとと連帯し、反原発闘争の先頭に三里塚闘争が立つことを明らかにし、さらにTPP参加反対、軍事空港粉砕、改憲阻止の決意を示そう。
 第二は、市東さんの農地裁判の勝利へ全力を挙げることだ。
 毎回傍聴席を埋め、さらに千葉地裁を包囲する大衆的決起の陣形をさらに拡大しよう。現地闘争と結びついた法廷内外の闘争を圧倒的に強化しよう。ビデオリンク方式を押し通そうとする多見谷裁判長を徹底的に弾劾しよう。そして「市東さんの農地を守れ」の声を全国各地に広げ、「強制執行実力阻止」の決意をともに打ち固めよう。
 第三は、現地攻防に勝ちぬくことだ。来春3月供用開始に向けて進められている第3誘導路工事に怒りをたたきつけよう。三里塚現地を訪れる労農学の勢いと密度を高め、現地調査・交流会などを計画しよう。三里塚反対同盟と連帯しよう。
 第四に全力で援農に入ろう。福島原発事故は反対同盟の営農にも影響を与えている。市東さんをはじめ反対同盟の生活と営農を支援し、守り抜く闘いを強めよう。
 10・7全国集会の成功へ総力で決起しよう。
 〔松井 剛〕
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 三里塚裁判傍聴を!
◎団結街道裁判
 9月18日(火)午前10時30分 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)

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週刊『前進』(2552号5面2)(2012/09/17 )

 群馬集会 市東さんとの絆固める

 県内の農民が次々と発言

 9月9日、実行委主催の「農民は訴える!9・9群馬集会」が高崎市労使会館で開かれました。
 始めに足尾鉱毒反対運動の資料映像と、三里塚闘争記録映画「三里塚・大地の乱」が上映されました。「足尾」は、渡良瀬川(わたらせがわ)上流の足尾銅山のこと。映像は、1907年、谷中(やなか)村(現・栃木県藤岡町)廃村攻撃と闘う農民と、軍隊まで引きずり出した足尾鉱山労働者の闘いの記録です。「大地の乱」では、そういう明治以来の農民と労働者の闘いを引き継いで、三里塚反対同盟と全学連、動労千葉の「労農学同盟」が不死鳥のようによみがえった様子がダイナミックに描かれていました。
 司会の石川眞男玉村町議から紹介された、群馬・市東さんの農地を守る会の高階ミチさんが主催者あいさつをした後、各界からあいさつがありました。「夫も農業」という、原発とめよう群馬呼びかけ人の若いお母さんが赤ちゃんを抱いて登壇し、市東さんとともに闘う決意を述べました。群馬合同労組・清水彰二書記長が、この間の地労委闘争を報告。JR職場の現場労働者の生の声を紹介し、JR検修業務外注化阻止への訴えを行いました。8月28日の動労連帯高崎も加わっての集団提訴の報告は、「闘えば勝てる」と実感させました。最後に、県内の医師が福島医療施設建設運動と三里塚への思いを語りました。
 続いて「農民は訴える」に移りました。渡良瀬川鉱毒根絶太田期成同盟(1500戸)の板橋明治会長(91歳)がドクターストップを押してつづってくれた、三里塚闘争への心のこもったメッセージが代読されました。さらに、八ッ場(やんば)ダム建設反対運動に取り組む方や、原発とめよう群馬の呼びかけ人でもある田村貞重さんがアピールしました。
 いよいよ市東孝雄さんの登場です。「毎年、群馬に来るたびに参加者が広がっていてうれしいです。群馬のみなさんとは絆(きずな)でつながっていると思っています」「NAAのやっていることは全部でたらめです。にもかかわらず毎日、工事が進んでいる。本当に憎い。私は絶対に負けません。いざとなったら体を張る覚悟です」「明日も裁判があります。私の農地を奪う許可を与えた張本人である、元の千葉県農地課長の渡辺の証人尋問です。私は絶対に許しません」「来月の7日、現地で全国集会をやります。ぜひ来てください」の訴えに、会場全体が拍手で応えました。
 閉会のあいさつで青柳晃玄さんが、支配階級の末期的な危機と社会を丸ごと変える労働者農民の根底的決起が始まったことを明らかにし、10・7三里塚−11月労働者集会へと熱烈に訴えました。
 三里塚と動労千葉の闘いは、今の時代だからすべての労農学に感動を与え広がる力がある、みんな不正と闘いたいと思っていることを実感させる集会でした。
 (群馬・T)
(写真 市東さんの訴えに聴き入る参加者。農地を守るためともに闘う決意を固めた【9月9日】)

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週刊『前進』(2552号5面3)(2012/09/17 )

 市東さん農地裁判

 県農地課長を追及

 転用手続きの違法性暴く

 9月10日、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で、市東孝雄さんの農地裁判が開かれ、元千葉県農地課長・渡辺清一の証人尋問が行われた。
 2006年、渡辺は成田市農業委員会から送られてきた「転用相当」(耕作地を空港に転用してよい)との進達書を審査し、県の農業会議に諮問した。9月14日に開かれた農業会議の場では、市東さんや萩原進事務局次長の必死の訴えを無視抹殺し、結論を「転用相当」へと導き、農地解約手続きにお墨付きを与えたのだ。
 だが、反対同盟顧問弁護団による反対尋問で、およそまともな「審査」すら行われなかったことが浮き彫りになった。
 渡辺は「NAAの資料で対象地の特定がなされたと判断した」と繰り返し、自分は基本的要件を審査しただけとの責任逃れに終始した。
(写真 裁判終了後の報告集会で市東さんが県と裁判所を弾劾【9月10日 千葉市】)

 市東さん、怒りあらわに尋問

 明け渡し請求の畑の一部が空港敷地外まで及んでいること、耕作者の同意のない転用手続きは違法であることを指摘されると、「NAAから具体的な転用計画が出された。空港の用に供する土地だから(妥当だ)」と言い張った。冗談じゃない! NAAが要求すれば土地を取れるのか!
 許しがたいのは「離作補償として1億8千万円が提示された」ことを最大限持ち上げたことだ。金をつかんで出ていけとは、仮にも農業担当者だった者の言うセリフか!
 市東さん自身も尋問に立ち、「農地を取るということは私の命を奪うことだ。それを承知で言っているのか」と怒りをあらわに返答を迫った。渡辺は内心震えながら、「農地法20条にしたがって判断・審査しただけ」と繰り返した。NAAの手先に成り下がった渡辺の正体を暴き、3時間を超す尋問が終了した。

 裁判官全員の忌避申し立て

 法廷の闘いはただちに多見谷裁判長との直接対決に移った。次回10月15日の石指雅啓・元運輸省成田空港課長の証人尋問をテレビ会議(ビデオリンク)方式で強行しようとしていることに対し、弁護団は猛然と反対をたたきつけた。証人が千葉地裁まで来られない理由などない。だが裁判長は弁護団の異議申し立てをすべて却下した。
 葉山岳夫弁護士が立ち上がり、多見谷裁判長以下3人の裁判官に対し、忌避を申し立てた。ここで裁判の手続きは一切停止し、閉廷した。
 近くの会場に移り、萩原富夫さんの司会で報告集会が開かれた。
 冒頭に市東さんが立ち「行政は書類さえ整えれば空港のために何でも許可するのか! ビデオリンク方式も許せない。徹底的に追及します」と、力強くあいさつした。
 続いて長時間の尋問をやりぬいた弁護団一人ひとりが、解説と今後の闘いの見通しを語った。
 北原鉱治事務局長の10・7大結集の訴えに続き、動労千葉の滝口誠さん、関実、群馬・市東さんの農地を守る会の青柳晃玄さんが連帯発言を行った。
 最後に萩原進事務局次長が立った。「渡辺は06年の農業会議の場で、離策補償の1億8千万円について、『市東さんの年収150年分だ』とぬけぬけと言い放った。この責任は必ず取らせる! 
10・7三里塚に全力で結集しよう」との呼びかけに、全参加者は熱い共感の拍手で応えた。

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週刊『前進』(2552号5面4)(2012/09/17 )

 産経・読売の「反過激派」キャンペーンに反撃する

 革共同の前進を恐れる権力

 日本帝国主義・支配階級は大恐慌のもとで未曽有の危機を深めている。新自由主義攻撃は社会の荒廃・亀裂を極限的に推し進めた。労働者階級は「このままでは生きていけない」と怒りを爆発させている。この中で日帝権力は、革共同が新自由主義と真っ向から対決し、プロレタリア革命を闘いとる道に本格的に進み始めたことに震え上がり、またぞろ、浅はかな反過激派キャンペーンを開始した。

 教労を始め職場闘争の前進恐れ

 一つは産経新聞9月2日付の「教育現場にも中核派の脅威」なる記事だ。この記事は、闘う労働者に対する権力の不当弾圧(完全に粉砕した)を記事の発端にして、後半で滋賀県の教育労働者の闘いや、東京や大阪での卒業式不起立闘争に言及し、「(中核派は)教職員に組織拡大をはかっている」と悲鳴を上げている。すべて警察情報だ。いわく「今春の卒業式シーズンには都立高校の13校で、25人の活動家がビラ配布を行うのが確認された」「橋下徹大阪市長らが進める教育改革へも抗議行動を中核派の活動家があおるのも確認されている」「教育現場は見えない過激派の脅威にさらされている」。
 この記事は、教労、自治体など4大産別を先頭に全産別で戦闘的労働者が革共同に新たに結集して闘いを始めていることへの、敵階級の危機感と恐怖の表明である。

 対カクマル戦争の歴史的な意義

 もう一つは読売新聞9月1日付の「昭和時代」シリーズだ。「過激派」を取り上げ、反革命カクマルとの闘いについて「内ゲバ死者100人超」などと、おどろおどろしく取り上げている。
 革共同は反革命カクマルとの長きにわたる内戦を闘いぬき、勝利してきた革命党だ。1971年以来の二重対峙・対カクマル戦争は、日本の階級闘争がどうしてもくぐり抜けなければならない白色テロ集団との対決だった。現代のナチス=カクマルは、70年安保・沖縄闘争の高揚とそれを切り開いた革共同に憎悪を募らせ、国家権力の破壊活動防止法(現代の治安維持法)発動と一体となって71年秋から革共同に対する武装襲撃を一斉に開始した。政治局員が襲撃され、大学ストを闘う2学生が虐殺された71年12・4反革命に対して、わが革共同は労働者階級と党組織を防衛し70年闘争の地平を守り抜くために、反革命カクマル打倒の戦争に踏み切ることを決断し、その闘いに突入した。そして勝利した。
 この過程で動労カクマル(現JR総連カクマル)は80年代の国鉄分割・民営化の手先となり、国鉄労働者20万人の首切りに加担した。カクマルは追い詰められて「労働者階級の敵」の正体を完全に現したのだ。

 階級的労働運動で革命的反撃を

 いまこの時期に、革共同に対する反動的キャンペーンが相次いで行われていることは、けっして偶然ではない。日帝・支配階級は、革共同がプロレタリア革命の綱領を真っ向から掲げ、職場闘争を全国で開始し、6千万労働者階級と固く結合してプロレタリア革命を準備し始めたことに重大な危機感を抱き、党と労働者階級の結合を妨害するために必死の策動を開始したのだ。
 革共同は今、階級的労働運動路線を軸に据えた労働者党に自己変革し、21世紀革命の勝利に向かって進撃している。19世紀に共産主義が「妖怪(ようかい)」と資本家から恐れられたように(『共産党宣言』)、またロシア革命の時にはボルシェビキが「過激派」と恐れられたように、権力の反過激派キャンペーンは、プロレタリアートの闘いの前進に対する帝国主義者の悲鳴である。
 JR外注化阻止・非正規職撤廃と反原発、三里塚闘争を大高揚させ、11月労働者集会へ進撃しよう。青年労働者を先頭に職場で階級的労働運動を推し進め、連合の労働者支配をひっくり返して、労働者階級自己解放の闘いを思いっきり発展させよう。それこそが国家権力・支配階級の反過激派宣伝に対する労働者階級の最大の反撃である。

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週刊『前進』(2552号5面5)(2012/09/17 )

 訂正

 前号5面のシリア論文3段45行目の「サダト」は「アサド」の誤りでした。

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週刊『前進』(2552号6面1)(2012/09/17 )

 9・9沖縄-岩国-東京 オスプレイ拒否

 島ぐるみの10万決起

 配備阻止へ新たな出発点

(写真 〈上〉オスプレイ配備計画の即時撤回と米軍普天間基地閉鎖・撤去を決議した9・9沖縄県民大会【9月9日】)

 9月9日、「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」(主催実行委、宜野湾海浜公園)が宮古・八重山大会を合わせて、復帰後最大規模の10万3千人で開催された。同時刻に東京では1万1千人が国会を包囲し、オスプレイが搬入された岩国基地(山口県)でも怒りのデモが闘われた。オスプレイ絶対反対の闘いがフクシマの怒り、反原発20万人決起と結合し、全国闘争として広がった。「もう政治家なんかに任せておけない」「未来は私たちの手で切り開く」のだ。
(写真 国会前の「9・9沖縄県民大会と同時アクション」【9月9日】)

 普天間即時閉鎖

 「オスプレイ断固反対!」「オスプレイ断固拒否!」の沖縄県民の強固な意志が10万人を超える大結集となった県民大会に結実した。
 9日午前11時に始まった沖縄県民大会のシンボルカラーは、オスプレイ配備を進める日米両政府への「レッドカード」の赤。思い思いの赤をまとった参加者で埋め尽くされた会場は、沖縄の強い日差しを受けて赤く燃え上がった。
 再雇用パート導入撤回を求めて7・13ストライキを闘った全駐労沖縄地本が組織参加したのを始め、自治体労働者や教育労働者、民間労働者など労働組合の旗やのぼりが林立、会場の半分は労組隊列で埋まった。
 採択された大会決議は、「沖縄県民はこれ以上の基地負担を断固として拒否する。そして県民の声を政府が無視するのであれば、我々は、基地反対の県民の総意をまとめ上げていくことを表明するものである。日米両政府は、我々県民のオスプレイ配備反対の不退転の決意を真摯(しんし)に受け止め、オスプレイ配備計画を直ちに撤回し、同時に米軍普天間基地を閉鎖・撤去するよう強く要求する」と結ばれた。

 「仲井真やめろ」

 沖縄県議会議長など5人の共同代表がそれぞれ強い言葉で危険なオスプレイ配備反対を表明する中、大会を欠席した仲井真弘多知事のメッセージが代読されると、会場全体から強烈なブーイングが起きた。「仲井真やめろ!」「県民を無視するな!」「知事はいらん!」。怒声と指笛が知事のメッセージをかき消した。「県民大会に賛同するなんて言ってるけど、参加しないってことはやっぱり反対なのよね」と語り合う母親たち。今回の県民大会は、小さな子どもたちを連れた家族連れが圧倒的に多い。オスプレイ拒否は、沖縄の未来がかかった譲れない闘いなのだ。
 沖縄国際大学3年の加治工(かじく)綾美さんが「野田総理! 森本防衛大臣!」「オスプレイが墜落したら誰が責任を取るのでしょうか!」と問いかけた。そして「基地は若者に明るい希望の未来を与えません。私は若者として勇気と自信がわいてきました。もう何の迷いもありません。沖縄の空にオスプレイを飛ばせない。基地もないすばらしい沖縄の未来を切り開くために、私は若者の一人として、その実現の日まで頑張ることをここに決意します」と未来へのメッセージを発信した。
 「怒りに満ちた県民の意志が示されました。きょうの大会を出発点にしてオスプレイ配備を止めるまで島ぐるみで闘っていこう」と実行委員会から行動方針が提起され、団結ガンバローを三唱。
 閉会あいさつは「沖縄の民衆には力がある。沖縄の未来をつくっていくのはあなたであり、私であり、私たち自身だ。オスプレイは宜野湾にも嘉手納にも、そして高江にも、どこにも絶対に飛ばしてはならない。この声を上げ続けよう!」と結ばれた。宮古、八重山での闘いを含め、オスプレイ拒否の島ぐるみの闘いが始まった。

 福島に共感の声

 開会に先立ち、会場入り口に陣取った全学連は、沖縄の学生を先頭に「福島の怒り、反原発20万人決起とつながり、オスプレイ配備を絶対に阻止しよう!」と訴えるビラをまいたが、用意したビラは瞬く間になくなった。沖縄労組交流センターも「闘う労働組合をよみがえらせ〈基地撤去、オスプレイ配備阻止、辺野古新基地建設阻止〉の闘いをつくりだそう!」と11・4労働者集会への結集を呼びかけた。福島診療所建設の呼びかけにも熱い共感が寄せられた。百万人署名運動や星野救援会、全国農民会議も新たな出会いを求めて闘った。
 未来を切り開く新たな闘いが始まった。
(写真 県民大会参加者にビラをまく全学連、沖縄労組交流センターなど【宜野湾海浜公園】)
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 私たちが未来を切り開く 沖縄国際大学3年 加治工綾美さん

 2004年8月13日、私たちの大学に普天間基地所属のCH53Dヘリコプターが墜落、炎上しました。野田総理! 森本防衛大臣! 私たちは静かなキャンパスで勉強したいのです。
 今でさえ世界一危険と言われている普天間基地に、危険なMV22オスプレイが配備されようとしているのです。墜落したら誰が責任を取るのでしょうか。沖縄の民意を無視し、危険なオスプレイを配備することは沖縄差別ではないでしょうか。
 若者の基地に対する認識が薄くなっている現状を変え、一丸となって危険なオスプレイ配備への反対、米軍基地の早期撤去の思いを県外、国外に発信していかなければなりません。みんなが力を合わせれば、危険な基地を平和でのどかな街に変えることができます。
 未来を考える上でオスプレイは到底受け入れがたく、幼い子どもたちが危険な思いをしながら生活する未来など考えたくもありません。
 この沖縄の青い空はアメリカのものでもなく、日本政府のものでもなく、私たち沖縄県民のものです。
 基地は若者に明るい希望の未来を与えません。私はますます勇気と自信がわいてきました。もう何の迷いもありません。沖縄の空にオスプレイを飛ばせない。基地もない、すばらしい沖縄の未来を切り開くために、私は若者の一人として、若者の立場からその実現の日まで頑張ることを決意します!

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週刊『前進』(2552号6面2)(2012/09/17 )

 9・9沖縄-岩国-東京 オスプレイ拒否

 国会 1万1千人が包囲

 沖縄県民大会に呼応して、東京では1万1千人が国会を包囲した。主催は「9・9沖縄県民大会と同時アクション」。
 国会周辺に色とりどりののぼりやメッセージボードを持った人びとがつめかけ、歩道を埋めた。
 午前11時、正門前で集会が始まった。発言者が次々と配備は許さないとの怒りと決意を述べた。
 「6日にノースカロライナでオスプレイが市街地に緊急着陸した」「住宅地が密集し(米国防長官だった)ラムズフェルドが世界で一番危険な飛行場と言った普天間に世界で一番危険なオスプレイが配備される」「年間330回もの低空飛行訓練が七つの空域で実施される」「配備を絶対阻止する」
 途中、司会が「宜野湾公園が参加者であふれた。10万人を超えた」と告げると、拍手と歓声が起こった。沖縄現地との一体感をかみしめながら、国会に向けて、くり返しシュプレヒコールがたたきつけられた。「原発はいらない! オスプレイもいらない!」「野田は出てこい! 森本は出てこい!」。原発への怒りと、沖縄の怒りがついにひとつになり、野田政権を直撃した。
 「基地はいらない! 普天間返せ!」「安保はいらない! 殺しをやめろ!」。日米両政府の軍事同盟と朝鮮−中国への侵略戦争の策動を弾劾し、基地撤去を迫る。
 「与那国島に、石垣島に自衛隊いらない!」「ミサイル配備は二度とするな!」「南西諸島を支配するな!」
 正午になった。いよいよ国会包囲だ。正門前の参加者がどんどん移動していく。「とめよう戦争への道!百万人署名運動」の緑色ののぼり、「星野さんをとり戻そう全国再審連絡会議」の黄色いのぼりも見える。NAZENの仲間が太鼓のリズムを響かせてリードする。そして、つながった。「やった! 包囲したぞ!」。あちこちで手をたたいて喜びあう参加者たち。全学連の旗が大きく振られる。
 「国会包囲はこれが出発点。配備阻止のスタート」という主催者の言葉どおり、毎週金曜日の首相官邸前の反原発行動をやりぬき、オスプレイ配備阻止へ闘おう。

 岩国 沖縄と連帯しデモ

 9月9日、「9・9沖縄連帯 艦載機もオスプレイもいらない!岩国集会」(実行委員会主催)が、会場からあふれる300人以上の結集で闘いとられた。この日は、オスプレイ反対の運動を地元で取り組んできた市民や労働組合が結集し、特に日貨労などJRの青年労働者が数多く結集した。岩国の市民代表が沖縄の怒りと一体となってオスプレイ配備を絶対に許さないという決意を表明した。
 集会後、すでにオスプレイが搬入されている米軍岩国基地前まで500人近くがデモを行い、「オスプレイは出ていけ!」「米軍基地を撤去しろ!」と怒りのシュプレヒコールを上げた。 
 百万人署名運動・広島連絡会とNAZENヒロシマ、広島労組交流センター、広島大学の仲間は、デモ隊の中でもひときわ元気に声を上げ、大いに全体を盛り上げた。
 終了後にJRの青年が「広大の学生がけん引してくれた。ありがとう」と声をかけてきたり、11・4労働者集会への参加を呼びかけるビラが次々と受け取られるなど、大いに交流を広げることができた。
 10・1外注化阻止決戦、反原発闘争と一体のものとして本土―沖縄を貫く階級的労働運動の力で新たな安保・沖縄闘争の巨大な爆発をかちとろう! 野田政権を打倒しよう! (広島大 N)
(写真 オスプレイが搬入されている米軍岩国基地前まで500人近くが沖縄と連帯し「オスプレイは出ていけ!」と怒りのデモ行進【9月9日 山口県岩国市】)

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週刊『前進』(2552号6面3)(2012/09/17 )

 全証拠開示の大運動で無実の星野さん解放へ

 二本松市で福島の会第4回総会かちとる 福島・星野文昭さんを取り戻す会 S・K

 9月2日、「福島・星野文昭さんを取り戻す会」は、第4回総会を二本松市で開きました。反原発闘争の高まりと10・1外注化阻止闘争の中で星野闘争も一体的に闘おうとする人で、会場は熱気にあふれました。
 開会のあいさつで、呼びかけ人の佐々木信夫さんは「星野裁判を突破口にして司法を改めよう」と決意を述べました。
 続いて、再審弁護団の酒井健雄弁護士による「再審棄却と全証拠開示運動について」の講演に移りました。東京高裁の棄却決定について詳しく分かりやすい解説があり、「捜査官の収集した全証拠を開示させれば、星野さんの無実は証明される」と提起されました。講演を受けて、「国家権力の意向で裁判が動くことに強い怒りを覚えた。全証拠開示・再審開始の運動に積極的に参加したい」という意見が出され、大きな拍手。
 総会には「みやぎ救う会」の青柳葉子さんも参加し、「今の情勢のように危機が進む時代、司法は権力の最後の砦(とりで)になる。お隣同士、これからも連携して闘いを強化拡大しよう」と、連帯の発言をしました。
 事務局から活動報告・方針が提起されました。「福島駅前広場では毎週日曜日の1時間、反原発勢力が活動している。そこに星野闘争も合流し、今後も力強く署名を集め、賛同人・会員を組織していこう」などと確認されました。
 初めて参加した人も多くいました。講演と討論から、70年安保・沖縄闘争を闘い、38年間不屈・非転向で闘い続けている星野さんの闘い、そして星野さんを獄中から取り戻す闘いは、被曝地フクシマの人びとの心に響き、その心を大きくとらえることができると、参加者全員が確信を持った総会になりました。

 越谷で8・31〜9・2に星野絵画展と集会 越谷実行委 足立光

 8月31日から9月2日の「獄中38年星野文昭絵画展」、1日の「星野集会 命が大事 NO NUKES 無実の星野さんの全証拠開示を」の集会に越谷実行委員会の一員として参加した。
 絵画展ではさまざまな思いを持った人との出会いがあった。絵画展に来た60歳くらいの女性は、冤罪事件や不当な人権侵害に関心が高く、星野さんの絵を見て心を動かされ、星野集会にも参加した。集会後、星野さんの証拠開示署名運動の呼びかけ文と署名用紙を持ち帰った。
 また、全共闘世代という越谷市内の二人連れの女性たちとは、熱心に絵画を見た後で討論になった。「自分たちも集会やデモには参加したことがある。沖縄の闘いを弾圧するために冤罪をデッチあげるのは許せない」と署名し、カンパを5千円してくれた。
 いわき市から避難して越谷市に住んでいる夫婦の方は本当に原発に怒っていて、国会包囲デモにも共感していた。「こんな優しい絵を描く人は無実に間違いない」と、署名とカンパをしてくれた。
 集会では、「内部被曝を生き抜く」(鎌仲ひとみ監督)の映画の後で長崎原爆被爆者が被爆体験と内部被曝問題が生み出す苦しみを語り、そこから福島の人びとの苦闘に身を重ね、福島診療所建設を訴えていたことは強く心に響いた。
 市内の労組も訪問して、絵画展と集会への参加を呼びかけたが、委員長が駆けつけて熱心に話を聞いてくれた。星野さんの無実の証拠を開示させる署名運動は多くの人の共感を獲得できると実感した3日間だった。
星野文昭同志 再審闘争
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異議申立「補充書」提出一日行動
9・28東京高裁包囲デモ
9月28日(金)
正午 日比谷公園霞門集合
12時30分 デモ出発
★「補充書」提出報告集会
午後2時
新橋生涯学習センターばるーん(305学習室)

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週刊『前進』(2552号6面4)(2012/09/17 )

【要項】9・18迎賓館・横田裁判闘争

9・18迎賓館・横田裁判闘争
9月18日(火)
★東京高裁包囲デモ
午前11時 日比谷公園霞門集合
11時20分 デモ出発予定
◎午後1時 高裁傍聴券配布所集合
公判開廷 午後1時30分(429号法廷)

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