ZENSHIN 2012/10/29(No2558 p06)

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第2558号の目次

(写真 学内集会をかちとり解放感にあふれるデモ。【10月19日 千代田区】)

1面の画像
(1面)
11・4日比谷へ全国大結集を
外注化阻止決戦の第2ステージと11・11反原発100万人占拠へ進もう
11・9裁判員制度廃止・改憲阻止へ
記事を読む  
法大1000人集会かちとる  10・19 キャンパス封鎖うち破り(10月19日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
【要項】11・11反原発1000000人大占拠 記事を読む  
(2面)
青年と共に闘う労働組合つくろう  職場で闘い抜いて11・4へ
動労水戸大子支部のスト報告
記事を読む  
ILWUローカル21 決戦の渦中から訪日  体を張って港湾職場守る 記事を読む  
(3面)
11・4大結集へ全国で闘い進む  職場から労働組合再生を 記事を読む  
全国で労働者集会開く(10月12、13、21日) 記事を読む  
東京労組交流センター 11・4訴え新宿大街宣(10月21日) 記事を読む  
(4面)
福島県庁前で緊急行動  “山下を解任しろ”(10月19日) 記事を読む  
福島駅東口 怒りの先頭で闘う  官邸前と呼応しアピール(10月19日) 記事を読む  
官邸前に全国学生の声響く(10月19日) 記事を読む  
青森 基地も原発もいらない  沖縄・福島とつながり集会(青森S)(10月19日) 記事を読む  
非正規化狙う労働法制改悪  11・4と外注化阻止で反撃を
偽装請負徹底追及が勝利の鍵
記事を読む  
JP労組中央委 全逓部会情宣に立つ  “新人事・給与制度粉砕を”(10月18日) 記事を読む  
2012年日誌 10月16日〜22日
政府とIAEAが福島で除染研究/財務省、生活保護費削減へ
記事を読む  
(5面)
11・4に京大の大隊列登場させ松本総長・橋下・葛西打倒しよう
マル学同中核派・京都大学支部
記事を読む  
三里塚第3誘導路裁判 騒音問題を追及  環境破壊を居直るNAA(10月23日) 記事を読む  
障害者は11・4に決起する  福祉の民営・外注化許さず闘う労組とともに前進を 記事を読む  
【要項】10・31狭山集会、三里塚裁判傍聴を! 記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
爆取弾圧裁判 弁護側立証で無実鮮明  デッチあげの核心が崩壊(10月22日) 記事を読む  
星野同志と面会求め  10・10徳島刑務所行動
齋藤委員長(郵政非正規ユニオン)が猛抗議(10月10日)
記事を読む  
星野再審へ異議申立補充書(中)  第2次再審棄却を批判する
少年を逮捕し自白強要 「Kr供述」の捏造を暴く
記事を読む  
11・23星野再審全国集会 記事を読む  

週刊『前進』(2558号1面1)(2012/10/29 )

 11・4日比谷へ全国大結集を

 外注化阻止決戦の第2ステージと11・11反原発100万人占拠へ進もう

 11・9裁判員制度廃止・改憲阻止へ

 2012年秋、ついに今年最大の決戦の時が来ました。11月4日、日比谷野音に日本全国から、世界から、闘う労働者階級と人民はこぞって総結集しましょう。10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは、動労千葉や動労水戸を先頭に歴史的勝利のうちに打ち抜かれました。外注化阻止決戦はいよいよ第2ステージに突入します。何よりもその出陣式が11・4全国労働者集会です。世界大恐慌と3・11大震災・原発事故情勢、そして新自由主義の絶望的凶暴化のもとで、この資本主義・帝国主義の社会はもうどうしようもないほど破綻し、危機を深めています。これに対し「社会を変えよう!」の声が、職場から、福島から、沖縄から、全国津々浦々から巻き起こっています。その怒りと叫びを形とし、力として打ち固め、勝利の展望を示すのが11・4です。あと1週間、職場、街頭、キャンパスで闘って、闘って、闘い抜いて、11・4日比谷野音に万余の大結集を実現しましょう。

 外注化阻止決戦に勝利

 動労千葉は10月1日の朝から、強制出向となる当該組合員を先頭に職場に乗り込み、他労組の組合員も巻き込んで、1日から5日の明けまでの一大ストライキに入りました。
 初日に工具や制服・備品の一つひとつ、就業規則や内規の1行1行を質問するのは当たり前のことです。ところがCTS(千葉鉄道サービス)の管理者が何も答えられないから検査がすぐにできず、列車の出区が遅れ、ダイヤが乱れました。組合員一人ひとりがどう闘えばいいのかを自分の体でつかんで決起しました。この力があれば元の職場を取り戻すことは絶対に可能です。幕張車両センターなどでは、外注化で指示方法やルールの変更で作業が遅れ、「仕業検査切れ」が発生したにもかかわらず、安全を無視して列車運行を強行しています。動労千葉は出向先の労働者と団結して、外注化撤回へ、攻めの闘いに入っています。
 水戸でも外注化強行で大混乱となり、外注先のMTS(水戸鉄道サービス)の作業責任者は嫌気がさして、1カ月ももたずに退職しようとしています。動労水戸は団交で支社を徹底追及しました。外注化は、JRに残った青年たちにも連日3〜4時間の残業を強制し、青年の反乱を弾圧するために管理職をつけたばかりか、本務の青年を差し置いて、職制ぐるみで1時間半も前から事前超勤を申請するなど、当局と東労組幹部の腐りきった姿も、青年労働者の追及で明らかになりました。さらに、来年2月のライフサイクル発令をめぐる攻防へと闘いは発展。継続されている被曝労働拒否の闘いも重大化しています。
 JR高崎線籠原駅で10月11日夜、ホームから線路に若い女性が転落しました。列車停止ボタンが押され、構内全体の列車が停止しました。混乱したJRは停止している列車に「入区しろ」と直接命令しましたが、当該運転士は動労連帯高崎と一緒に食事当番闘争を闘っている他労組の組合員で、「JRの指令で入区することは偽装請負にあたるからできません」と順法闘争に決起し、10分間にわたり列車が止まる状況が生まれました。
 この過程で、TTS(高崎鉄道サービス)の作業責任者が緊急停止装置の意味さえもわかっていないという、信じがたい実態も明らかとなりました。この日は籠原駅で別の列車故障も発生しましたが、JR側輸送司令がTTSに直接命令し、反撃され、作業が遅れました。すべては外注化が原因です。
 国労郡山工場支部の職場では、外注化されたコンプレッサー部門(車両のドア開閉装置)で、プロパー社員の教育目的で出向に出しておきながら、肝心のプロパー社員は配置されておらず、東労組組合員からも怒りが噴出、本格的な組織拡大闘争に入っています。
 さらに国労東京・横浜・千葉などでも外注化への怒りと反乱が広がっています。始まったこの職場の流動化と決起、新たな団結の芽生えを11・4に総結集しましょう。

 全産別で外注化と闘う

 連合は歴史的に、合理化をむしろ積極的に受け入れてきました。総評労働運動以来の反合理化闘争も、多少の抵抗はしても、いくばくかの見返りと引き換えに、合理化そのものは受け入れてきた歴史でした。その結果が、機械に人間が支配された長時間労働や交代勤務であり、外注化・非正規職化でした。合理化された後の反対闘争もなく、労災や事故に対しても、職場闘争と分断した「裁判」だけなので結局は敗北でした。こうした中で、被曝労働を外注会社の非正規労働者に押し付けることで、原発も運転されてきたのです。
 だが10・1JR外注化阻止闘争は、外注化されても闘いぬくことで攻撃を破綻させ、逆に労働者が自分たちの持っている力、団結の力に目覚めることで、今度は攻撃を押し戻すという、画期的な闘いを展開しています。
 全国の私立高校教員の約37%、公立高校教員の約2割が今や非正規であると報道されました。自治体や郵政も外注化・非正規職化と闘う最先端です。民営化・非正規職化に反撃して大阪で闘われた9・16橋下打倒闘争は、橋下・維新の会を痛撃し、労働者が「団結して闘えば勝てる」ことを鮮やかに示しました。
 1万人超の削減をめざすシャープや30代も希望退職対象とするパナソニックなどの電機をはじめ民間職場でもすさまじいリストラが吹き荒れ、怒りが渦巻いています。これをすべて11・4日比谷野音に結集しましょう。

 労働者国際連帯の大集会

 11・4集会はさらに、労働者国際連帯の大集会です。日米など最末期の帝国主義は大恐慌下に大失業と戦争の攻撃を強めています。特に日帝は新たな領土略奪、排外主義と戦争・改憲の攻撃に踏み出しています。11・4は労働者階級を分断するこれらの攻撃と対決し、韓国・民主労総ソウル本部、アメリカ・ILWUローカル21(国際港湾倉庫労組第21支部)、ドイツなどの労働者との国境を越えた団結で、プロレタリア世界革命の展望を開く大集会です。
 新自由主義は最末期帝国主義の絶望的な延命形態です。大恐慌は大失業と同時に戦争を生み出します。米帝の「アジア太平洋最重視」の新軍事戦略は、対中国・北朝鮮の帝国主義侵略戦争の戦略であり、計画です。
 10月1日から沖縄に配備された12機のオスプレイの訓練飛行は、不安定で巨大な機体で住民の体が振動するほどの低空飛行を行い、それは市街地や小学校上空、夜間へと拡大しています。その配備強行の中で10月16日、米兵の女性暴行事件がまたしても起きました。絶対に許せません。
 全駐労沖縄のスト決起は、基地撤去の現実性を示しました。11・4で労働組合をよみがえらせ、沖縄基地撤去・日米安保体制粉砕を実現しましょう。

 フクシマの怒りに応え

  毎週の反原発金曜日行動が首相官邸・国会前から全国100都市以上へと拡大しています。反原発闘争の本格的な発展が求められています。これに応える闘いこそ11・4日比谷集会です。
 11月集会は昨年、フクシマの怒りと結びつきました。今年はついに原発労働者が参加し登壇します。全原発廃炉への本格的闘いの開始です。子どもたちを放射能から守る闘い、被災現地と寄り添う診療所建設の闘い、復興特区攻撃との闘いなど、反原発のすべての怒りと力を11・4集会に総結集して、日比谷から東電本店デモに打って出ましょう。
 一方で反原発闘争や外注化阻止決戦の爆発に追いつめられ、他方では大恐慌と3・11情勢下で絶望的に破綻・崩壊する日帝の政治支配に危機感を募らせて、極右ファシストの石原が突如、東京都知事を辞任し、新党を結成し国政選挙に出ると言い出しました。この石原もろとも野田、安倍、橋下を、11・4の大結集と労働者階級の力で打ち倒しましょう。
 青年労働者と学生を先頭に、階級的労働運動の組織拡大大会としての11・4の万余の大結集へ最後まで全力で闘い、11・4の大勝利から11・9裁判員制度廃止・最高裁デモ(要項6面)、11・11反原発100万人占拠闘争、11・10〜12訪韓闘争へと突き進みましょう。

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週刊『前進』(2558号1面2)(2012/10/29 )

 法大1000人集会かちとる

 10・19 キャンパス封鎖うち破り

(写真 〈上〉学内集会をかちとり解放感にあふれるデモ。〈下〉法大当局を弾劾する武田君らにキャンパスを埋めた法大生が熱い注目【10月19日 千代田区】)

 ついに「監獄大学」=法政大の中から法大生の歴史的決起が始まった!
 10月19日、文化連盟と法大生の結合を恐れた法大当局は、朝から厳戒態勢を敷き、昼休み直前にキャンパス中央広場を封鎖した。法大当局は最後の手段で法大生を暴力的に学内に閉じ込めようとしたのだ。しかし、これをぶち破る決起がついに学内から始まった!
 12時40分、昼休みのチャイムと同時に学内に文化連盟ののぼりが立ち、当局の処分策動と闘う武田雄飛丸君(国際文化学部3年)が渾身(こんしん)の訴えを行った。
  「みなさん! 法大当局は文化連盟だけでなく、大学に批判的な学生を排除する動きを強めています。『ルール』を掲げる法大当局が今も僕を勝手に盗撮している。この弾圧職員こそが大学を腐らせている! 学祭規制を撤廃させよう!」
 訴えに応え続々と法大生が結集、法大当局を重包囲した。追いつめられた法大当局はメガホンを破壊し、武田君ら文化連盟の学生を暴力的に学外に排除しようとした。
 これに対して学内外で怒りが大爆発! 広場は1千人の法大生で埋めつくされた。当局への積もりに積もった怒りが爆発し、集まった法大生全員が文化連盟を応援、弾圧職員にカラーコーンを投げつける法大生も現れた。門前では全学連の斎藤郁真委員長、被処分者の恩田亮君や増井真琴君、全国から駆けつけた学生が次々とマイクを握り、当局の暴力支配を徹底弾劾、「デモに出よう!」と訴えた。
 午後1時半、デモに出発。「法政大学は学生弾圧をやめろ! 学祭規制粉砕! 武田君への処分を阻止するぞ!」。学内からの感動的決起でデモ隊は大高揚し、警察権力を圧倒! 弾圧を許さず法大生―全国学生が心を一つにデモを貫徹した。
 9月の全学連大会では「『新自由主義大学=原発翼賛大学』にキャンパスから反乱を起こそう」と全国学生が団結を打ち固めた。その実践として闘われた10・19闘争は、文化連盟の学内決起とそれに続く法大生1千人の決起で大爆発した。06年3・14以来の弾圧体制を完全に吹き飛ばして、ついにキャンパスを解放した! さらに、10・19闘争は文化連盟と法大生、文化連盟と全国学生の強固な団結を打ち固めた。学生が団結してキャンパスから闘いに立ち上がった時、新自由主義大学を必ず粉砕できる! 
 この闘いを実現した力の根底にあるのは、規制と処分、そして弾圧職員に象徴される法大当局によるキャンパス暴力支配への怒りだ。動労千葉・―動労水戸の外注化阻止決戦に続いて、新自由主義への青年・学生の反乱が開始された! 

 武田君の無期停学を許すな

 法大闘争は10・19をもって、いよいよ文化連盟の組織拡大をかちとる新段階に入った。法大当局は10・19の先頭で闘った武田君に10・25付で無期停学処分を下した。10・19の爆発への恐怖と反動そのものだ。3万法大生と全国学生の怒りで粉砕しよう。11・4労働者集会への大結集の力で処分を撤回させよう。

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週刊『前進』(2558号1面3)(2012/10/29 )

前進速報版から 前進速報版から

▼大間原発建設再開やめろ!10・10電源開発本社抗議行動@movie▼中国・海南省で火力発電所の建設に反対し、6千人の暴動続く

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週刊『前進』(2558号1面4)(2012/10/29 )

【要項】11・11反原発1000000人大占拠

 首相官邸前、国会議事堂周辺、永田町・霞が関一帯の、超大規模大占拠!
 11・11反原発1000000人大占拠
 11月11日(日)午後/主催 首都圏反原発連合

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週刊『前進』(2558号2面1)(2012/10/29 )

 青年と共に闘う労働組合つくろう

 職場で闘い抜いて11・4へ

 動労水戸大子支部のスト報告

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 動労水戸大子支部座談会

河信昭寛さん 大子支部長/運転士
坂場力男さん 本部執行委員/車両技術係 10・1外注化でMTSに出向
金澤活宏さん 車両技術係
中村洋美さん 車両技術係
大曽根正春さん 車両技術係/運転士登用差別当該
羽部圭介さん 運転士
木村郁夫さん 本部書記長/運転士

※動労水戸大子支部 JR水郡線(すいぐんせん)の運転士4人と、常陸大子駅にある水郡線営業所の検修職4人の8人。8月28日にはJR東労組常陸大子支部青年部長だった羽部さんが東労組を脱退して動労水戸に加入した

(写真 大子支部座談会で。前列右から坂場さん、羽部さん。後列右から木村さん、大曽根さん、河信さん、金澤さん)
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 7月30日から約1カ月、被曝労働を拒否して7波のストを闘いぬいた動労水戸大子(だいご)支部にお話を伺った。河信支部長が「組合員が動労水戸を甦(よみがえ)らせてくれた」と語っているように、動労水戸はこの闘いをとおして組織拡大と外注化阻止闘争の勝利を大きくこじ開けた。この闘いに学んで職場で闘いぬき、そのすべてを結集する“組織拡大大会”である11・4労働者集会に駆けつけよう!(聞き手/本紙・里中亜樹)

 被曝労働を拒否する 葛藤して方針形成

 ――まず、争点となった被曝労働について教えてください。
 河信 そもそも動労水戸は組合として原発に反対してきました。その中で水郡線営業所運輸科でラジエーター清掃作業の問題が起きた。高線量地域を走ってきた水郡線の列車のラジエーターには大量の放射性物質を含むチリが付着しているんです。
 木村 「気吹き作業」では、圧縮空気で吹き飛ばしたチリを労働者が大量に吸い込む。
 大曽根 だけど会社側は「例年どおりの作業を例年どおりやるだけ」と言ってきました。
 河信 そういう中でその作業を担わされる検修職の金澤君、中村君、大曽根君の3人と議論しました。しかし組合の闘争方針はまだはっきりしなかった。
 中村 一番考えたのは、「若い人を守るためのスト」と言っても、自分らが除染作業を拒んだら、代わりに被曝労働をするのは若手になるということ。正直、気が引けたよね。平成採に「どう思う?」と聞いたら、「本当はやりたくない」と言う。そうなると何のためのストだかわからなくなっちゃう。
 大曽根 闘争方針が定まらない間は率直、苦しかったです。
 中村 実は、最初にラジエーターについて「放射能汚染されているんじゃないか」と騒ぎ出したのは東労組でした。
 河信 東労組常陸大子支部・運輸科分会は、6月23日の「2012年政策フォーラム」で「被曝労働はやらない」と意志一致したんです。

 東労組の裏切り

 ――羽部さんはその時、東労組の支部青年部長ですね。
 羽部 はい。僕は「被曝労働はやらない」と確認されてよかったと思ってました。だけどそれが実は条件付きだった。「安全な作業が確認されるまで被曝労働はやらない」。逆に言うと“安全な作業が確認されたらやる”。しかも組合の「対策案」で「水で洗浄する、強力な掃除機で外側から吸い込む」等々、いくつかの提案をした。そこに、大子運輸科長が高圧水洗浄機を買ってきたんです。それで東労組の「対策案」はクリアされて、反対できなくなった。
 坂場 会社側は6月末から清掃作業の説明会を始めました。
 中村 最初の説明会の時は、ただ「反対」としか言えなかった。「とにかく反対しなくちゃいけない」という使命感だけ。
 坂場 2回目に、大曽根君が口火を切って「放射能を吸い込んじゃうべ。それは被曝労働だ」と言った。それでぎりぎりのところで攻防になった。
 羽部 東労組は7月28日の支部大会が近づくと、いつの間にか「外部被曝が1_シーベルトを下回れば作業はやります」と変わってしまった。大会直前に支部長と話しました。僕は「どうして安全は確保できると判断したんですか? 問題は内部被曝なんじゃないですか?」と聞いたんです。でも支部長から回答はありませんでした。
 中村 作業をした結果、ラジエーターの放射線量が下がるとしたら、それは間違いなく除染作業だし被曝労働でしょう?
 大曽根 だけど会社側は「通年と同じ作業。ただ、ほこりをなるべく吸わないよう、高圧水洗浄機にした」と言い張った。
 坂場 現場労働者にやらせる前に、科長と企画助役が自分たちで試験的に作業をしました。その時、最初は雨ガッパとゴーグルをつけていた。だけど暑さに耐えられず、結局、半袖シャツになっちゃった。
 河信 「今まではカッパやマスクやゴーグルは使ってない。それを使うのは除染だからだろ」と追及すると科長も黙っちゃう。でもけっして認めない。
 羽部 支部長は僕に「東労組は除染作業だとは思っていないから、安全が確保されればやる」とはっきり言ってきた。
 中村 でも作業が始まる直前の説明会では、東労組の支部長は「そんな状況ではまだできない」って言っていたぞ。本心はやる気満々のくせに(笑)。

 前例のない指名スト 当日朝に方針決定

 ――7月30日には支部全員でストを決行しました。
 大曽根 当局が「7月30日からラジエーター洗浄作業を始める」と決めたので、27日に、「30日に大子支部全員でストライキを決行する」と決めた。
 木村 30日当日は朝から、水郡線営業所の門前で、職場の仲間たちに「ともに被曝労働を拒否しよう」と呼びかけました。その結果、この日の作業は中止に追い込まれたんです。
 ――羽部さんはこの日、ストライキを見たんですか?
 羽部 門前で訴えているのを庁舎の上から見て、「頑張ってるな。行動を起こすのはすばらしいな」と思いました。若手の乗務員も一緒にこそこそ見ていた。検修職の青年部員は自分の問題だから深刻で「やっぱり不安」と言う人もいた。「だけど決まっちゃったからしょうがないのかな」と。東労組は何も反対行動を起こさなかったから。
 坂場 水戸支社には「31日以降は、ラジエーター除染作業の対象とされた組合員は指名時限ストに入れる」ということも通知した。争点の一つは、一業務を対象にしたストを当局が認めるのか、ということ。今回のストはスト突入時間が当日朝に決まる。国鉄時代も含めて、こんなストはないと思う。でも当局は29日にそれを認めたんです。
 中村 だけど時限ストの具体的な戦術は、30日の時点でもまだ決めきれていなかった。
 坂場 だから30日のスト総決起集会の場でぎりぎり31日からの具体的方針が出されました。 
 中村 大子の検修職場って日常的に打ち合わせも細かい作業指示もない。だから、何時何分から誰が除染作業をやることになるかわからない。それではストに入ることもできない。
 坂場 だから支社に「作業指示を具体的に出せ」と要求したんです。でも、支社はその意味がわからない(笑)。
 中村 そんな職場はほかにないから。31日朝、支社と科長が詰め所に様子を見に来て「作業指示がないというのがよくわかった」と言ってましたよ。
 坂場 それで31日朝から「今日のラジエーター洗浄作業は何時から、誰と誰」と黒板に書かれるようになり、3人がそれぞれ時限ストに突入していった。出勤して、自分が対象となっていれば、自ら通告してストに入るという戦術です。
 河信 組合員一人ひとりが問われる闘いでした。自分でスト通告する時もすごいプレッシャー。ストに入ったら、スト中は構外に出されますしね。
(写真 被曝労働を拒否し7・30第1波ストに立ち上がった大子支部組合員。水郡線営業所運輸科前で怒りの拳をあげた)

 全員で支援態勢

 中村 31日朝、職場に行って「今日は午前も午後も俺だ」とわかった。だけどスト突入時には作業終了時間はわからない。
 坂場 汚れがひどければ時間がかかるし、きれいなら早く終わるから。
 中村 午前の除染作業の開始前に、科長に「今からストに入る」と通告した。それで職場を出て1時間ちょっとしたら、科長が携帯に「終わったから15分後までに復帰を」と電話してきて、職場に戻りました。
 ――スト中はどう過ごしていたんですか?
 中村 午前は車で道の駅に行ってソフトクリームを食った(笑)。午後は電機屋に行って、また道の駅。俺は車通勤だからまだいいけど、金澤さんと大曽根君は電車通勤。それでその日の夜、みんなに「俺はもうストに入るのは嫌だ。ストの間、どこにいればいいの?」ってメールしたんです。
 坂場 当人たちのことを考えず、非常に安易にスト方針を出していた。そのことを中村君のメールが気づかせてくれた。
 大曽根 スト中の居場所がない。駅前には大した店もなく、唯一の喫茶店は朝早い時間は開いてない。しかも猛暑で炎天下。だけど中村君がメールしてくれたから、すぐにスト支援態勢ができて、車で迎えに来てくれることになりました。
 河信 スト突入時の居場所なんて考えてなかったんです。それで支部の運転士3人で急きょ支援態勢を組みました。当日にならなきゃストに入るかどうかわからないから、支援態勢は連日。支部で無理な日は本部に支援を要請した。中村君は動労水戸に入って3年。支部で一番組合員歴が短かったんです。
 坂場 運転士は勤務が午前だけとか、午後からとか、1日空いていたりするから。
 河信 この闘いで、動労水戸がマンネリ化して組合活動が人任せになっていたことを本当に反省した。目を覚まされて「支部の仲間を絶対守りたい」という感情もわぁっとわいた。組合員が動労水戸を甦らせてくれたと本当に思っています。
 木村 その後も指名時限ストを続け、8月3日1人、6日1人、7日2人、14日2人、最終日は23日で2人。7月30日を含め計7波のストになりました。
 金澤 1人でスト通告するのはすごく緊張した。同僚はほとんど「われ関せず」の雰囲気。その中でストに入る重たさがあった。他方、俺たちより支援者の方がえらく盛り上がっていて、全国各地から激励メッセージが届き、正直、ショックを受けた。「まつり上げられちゃってるのかな」みたいな。
 ――除染作業をやる人たちはどんな服装でしたか?
 坂場 上着を着ているのはまだましな方。半袖の人さえいました。ゴーグルもつけてない。
 大曽根 真夏の暑い盛りだから、防じんマスクも息苦しくてつけていられない。
 羽部 僕が東労組の支部長に「あんな薄着で大丈夫なんですか」と言ったら、「カッパは暑いから防護服を要求している。1人あたりの時間を短くするように数人で作業して、若い人にはなるべくやらせないようにしている」と言われた。
 坂場 でも「若い人を外せ」という要求も何もしなかった。
 羽部 東労組は「年間1_シーベルトまでなら協力する」と決めたので、僕は「安全な被曝なんかない。数値は決めてほしくなかった」と言った。すると支部長は「ある程度数値を決めないと何もできない。測ったら数値も下がっているから、今はもう危なくない」って。
 河信 被曝労働に率先協力した東労組幹部の態度は、全国で原発に反対して真剣に頑張っている人に対しても本当に失礼だと思う。しかも東労組の組合員は大変な内部被曝をした。被曝労働との闘いは、目に見えないものとの闘いだから本当に大変です。だけどうちの組合員にはそんなことは絶対やらせない。

 自分の体を守る

 金澤 最後の方は、年齢に関係なくみんな普通に作業していた。その姿を見て正直、「俺らは何やってたのかな?」という疑問符が残ったよね。
 大曽根 自分がストに入るのはいいけど、僕らの分、代わりに若いのがやらされたから。
 金澤 だけど最終的には「自分の体を守るためだ」と自分を奮い立たせてストに入ったんです。「組合員を守れない組合が、若い人を守れるのか」と。
 大曽根 もちろん僕らはいつも青年のことを考えている。だけどその根っこが問われた。
 中村 自分は本部に「若いやつを守るためのスト」と言ってほしくなかった。そうじゃなくて「組合員を守る」。自分は職場で日ごろから付き合っているかわいい後輩たちを守りたい。だけど実際には、東労組にいる限り守れない。
 河信 東労組の青年がみんな動労水戸にきたら、その時、初めて被曝労働そのものが本当に止められるんです。

 “動労水戸が甦った” 現場の力解き放つ

 ――羽部さんはどういう思いで加入を決めたんですか。
 羽部 自分の気持ちにうそをつきたくなかった。最初は「組合って組合員を守るもんだよな」という小さな疑問だった。でもそういう疑問を持つと、被曝労働、外注化、ライフサイクル、みんな東労組はおかしい。東労組の中で散々異論を言ってきましたけれど、常に「羽部の言うことはわかるけど、そうじゃない」と言われてきた。もういい加減、自分の気持ちに素直にやりたいと思ったんです。
 ――検修外注化をめぐる東労組の対応は?
 羽部 当初は「若年出向させる制度なら反対」「技術継承ができなければ反対」「安全が保たれなければ反対」と掲げた。だけど東労組本部がJR東日本と妥結した中身は、「若年出向にも行く」。組合役員に「おかしくないですか?」と言ったら、「青年部長なんだから、組合の討論の経過書を読んで青年部員に説明しなきゃだめだな」と言われる。「いや、そもそもその中身に納得できないんです」と答えましたけど。本部が妥結したら、支部青年部で反対しても覆せないんです。
 東労組を脱退した時は、青年部員に「外注化に納得できないんで動労水戸に行きます」と話した。みんなわかってくれました。動労水戸は言いたいことが言えて、疑問にもきちんと答えてくれる。自分の気持ちに無理なく過ごせる気がしています。
 ――この闘いをとおして、支部としてどのような総括を?
 河信 今回のストで組合員一人ひとりの心が見えた。意見を聞けば相手の痛みもわかる。現場の意見を尊重してこそ運動の幅はもっと広がるし、労働者の最高の力が発揮されるんです。
 ストの意味もとらえ返しました。動労水戸はしょっちゅうストをやっているけれど、やはり漠然と構えたストはだめ。9月以降の外注化阻止のストは、本当に組合員一人ひとりの力が入ったストになった。動労水戸のマンネリ化した体制を突き破り、動労水戸を新たに甦らせる力がつくられたんです。
 とりわけ若い組合員の意見を尊重することが大切です。これからは羽部君の意見もしっかり尊重していく。闘いにはもちろん歴史がありますが、新しい人が歴史をつくり出していくことも可能なんです。
 坂場 自分自身、今回、構えがまだまだ甘いと痛感させられた。一人ひとりの組合員の声を受け止め、それを具体的な運動方針に高めていくことができるのか、と。そこをもう1回はっきりさせて、さらに組織拡大を図っていきたいですね。

 強制出向と対決

 ――検修外注化強行後の職場の状況を聞かせてください。
 坂場 大子では動労水戸でMTS(水戸鉄道サービス)に強制出向させられたのは私1人。東労組は4人。MTSの助役が1人来たけど、検修の経験がなくて仕事もわからない。めちゃくちゃです。出向させられた労働者の怒りは半端じゃない。1年でJRに戻さざるを得ない状況になってもおかしくない。
 中村 若い人は「出向に行きたくない」って言うからね。
 河信 東労組の青年にはいつも「自分で声を出し、自分で行動すればいい。組合本部が妥結したって、君まで妥協することはない。妥協したくなければ動労水戸に来ればいいんだ」と話しています。「自分たちの未来のために、照沼君、羽部君に続いて動労水戸に入ってほしい」と心から訴えたいです。
動労水戸大子支部座談会河信昭寛さん 大子支部長/運転士坂場力男さん 本部執行委員/車両技術係10・1外注化でMTSに出向金澤活宏さん 車両技術係中村洋美さん 車両技術係大曽根正春さん 車両技術係運転士登用差別当該羽部圭介さん 運転士木村郁夫さん 本部書記長/運転士
※動労水戸大子支部 JR水郡線(すいぐんせん)の運転士4人と、常陸大子駅にある水郡線営業所の検修職4人の8人。8月28日にはJR東労組常陸大子支部青年部長だった羽部さんが東労組を脱退して動労水戸に加入した

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週刊『前進』(2558号2面2)(2012/10/29 )

 ILWUローカル21 決戦の渦中から訪日

 体を張って港湾職場守る

 TPP締結-労組破壊攻撃に反撃

 アメリカでは現在、TPP(環太平洋経済連携協定)締結を前に、巨大穀物資本がアジア・太平洋地域への穀物大量輸出体制を確立しようと港湾労働者への猛烈な攻撃を仕掛けている。1930年代以来、戦闘的で民主的な伝統をもつILWU(国際港湾倉庫労組)をなんとしても解体しようとしているのだ。
 その突破口が、昨年のローカル21に対する穀物輸出ターミナル社(EGT。オランダ系のブンゲ、日本の伊藤忠、韓国のSTXパン・オーシャンの合弁企業)の組合つぶし攻撃だった。EGTは当初、ILWUを港湾から排除して、非組合員の非正規労働者を雇用しようとした。この試みが組合員の激しい怒りの反撃で失敗すると、今度は他の組合の労働者を雇ってEGTを運営しようとした。これに対してローカル21の労働者は、試験的に運行された穀物運搬列車を阻止するための鉄道線路の占拠や、EGT施設占拠などの激しい実力闘争に打って出た。
 州警察は穀物資本の手先となり、200人以上の労働者を逮捕、ローカル21は罰金と裁判費用、約1億円を請求された。にもかかわらずローカル21の労働者は闘いの矛を収めず、今年2月の最初の穀物運搬船のロングビュー港への入港の際には、オキュパイ・オークランドや各支部の労働者活動家による西海岸の全港湾封鎖と現地への全国動員の呼びかけに呼応して、これを徹底的に阻止する闘いに突入した。オバマ政権は州警察ではもはや対応不能と見て、連邦政府軍の沿岸警備隊とヘリコプター部隊を動員して穀物運搬船防衛の態勢をとった。

 反動協定を強制する本部に抗し

 EGTは、州警察と連邦軍の弾圧態勢に恐怖したILWU本部幹部を恫喝し屈服させ、超反動的協定を押しつけて闘いを収束させようとした。労働者の闘いを裏切った本部官僚は「ILWUの管轄権を守った協定をかちとったので大勝利」と宣伝し、ローカル21の労働者にこの協定の内容を見せることも批准投票をさせることもないまま、本部の一存で受け入れを強制した。
 だが、この協定は実際には、労働者自身が仕事の配分を行うILWUのハイヤリング・ホール制度を解体し、EGTが雇用リストに掲載した労働者の中からEGTが自由に選択して仕事に就かせるというものだった。
 さらにこの協定では、ストライキやピケなどで仕事がストップした場合、EGTが他の組合やスト破りを雇用して仕事を継続できることを認めている。これでは、労働者の武器であるストやピケは威力をそがれ、資本家は何も打撃を受けなくなってしまう。その上、これまでの協定にはあった争議後の報復処分をしないという規定がなく、ローカル21の労働者は現在、裁判取り下げや罰金免除を受けていない。労働者が争議に参加すれば個人的に重大な損害を受けることをこの協定は認めているのだ。

 新自由主義うち破る国際連帯を

 10月24日に米北西部の穀物資本とILWUの協定期限が切れるにあたって、穀物資本はこのEGTとローカル21の協定と同様の反動的協定を強制しようとしている。ILWUの労働者たちは激しい危機感を燃やし、猛烈な反撃を開始している。TPP締結を前に、巨大穀物資本とILWUの労働者の歴史的決戦情勢が到来しているのだ。
 この決戦のただ中からあらゆる困難をのりこえて、11・3労働者国際連帯集会と11・4全国労働者集会に、ILWUローカル21からカイル・マッキーさん(カウリッツ・ワーキアカム郡の労組評議会議長)とブロック・ライルさんが、ローカル34からホアン・デルポソさんが参加する。ILWUの労働者との国際連帯の力で、日米における新自由主義への反撃の闘いを前進させよう。
(写真 昨年7月、穀物運搬列車を阻止するため線路を占拠して実力で闘うILWUの組合員)

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週刊『前進』(2558号3面1)(2012/10/29 )

 11・4大結集へ全国で闘い進む

 職場から労働組合再生を

 11・4労働者集会まであと1週間。全国・全産別・全職場で、労働組合の再生をかけた職場闘争と街頭宣伝戦が猛然と取り組まれ、万余の大結集へ奮闘が続いている。各産別で機関決定による労組参加が拡大し、さらに職場からの根こそぎ結集へ日々の動員オルグが進んでいる。全職場で外注化阻止・非正規職撤廃を闘い抜き、11・4集会の成功をかちとろう! 決戦を闘い抜く大阪市職、仙台市職労での闘いの報告が寄せられたので掲載します。(編集局)

 “労組として闘うべき” 大阪市職大会 入れ墨処分で意見続出

 9・16橋下打倒集会は、10・1JR外注化阻止決戦と完全に一つの闘いとして闘われました。新自由主義攻撃の核心である民営化・外注化=「10割非正規職化」攻撃と全面的に対決し、闘う労働組合をよみがえらせる歴史的転換点に押し上げることができました。
 何より大阪市職において決定的な決起が始まっています。10月13日に行われた大阪市職の定期大会では、いくつもの支部から「入れ墨処分は個人への攻撃ではなく組織への攻撃だ」「支援ではなく組合として闘うべきだ」などの意見が続出。現場の怒りの激しさが市職本部を直撃したのです。
 特に強調したいのは、職場からの決起の重要性です。9・16に向かう1週間の職場・組合での攻防にすべてが凝縮されています。
 職場での9・16の宣伝戦に対する「政治活動規制条例に触れるおそれがある」という「事情聴取」攻撃との対決は、闘いの成否を決する攻防でした。当局の攻撃と体制内労組執行部の「沈黙」の中、いったん職場を「暗雲」が覆うような状況がつくりだされたのです。これに対しては「これは労働組合の闘いだ」「組合活動への不当介入をするつもりか」とすべてはねつけました。ここから職場の雰囲気は解放されました。
 橋下反革命との対決の一切の軸は職場闘争にあり、この職場闘争を路線的に闘うことがすべての労働者の怒りと結びつく、という確信を持つことができました。
 すべての職場における攻撃(要員不足による残業の強制など)を、道州制による民営化=「全員解雇」攻撃、「10割非正規化」攻撃としてとらえ、現場から絶対反対で反撃していくことです。この闘いの中で体制内労組執行部の方針が実は現場の団結を解体するものでしかないことが明らかになり、職場に労働組合の方針を巡っての分岐と流動が巻き起こるのです。この中でこそ階級的団結を組織することができます。それこそが「全体に責任をとりきる」ということにほかなりません。
 職場闘争を貫き、11・4労働者集会の大結集へ突き進みましょう。
 (大阪 O)

 復興特区・非正規粉砕 仙台市職労 “11・4で決戦勝利を”

 私は2人の仲間と8月の仙台市職労中央執行委員会選挙で、「復興特区攻撃を許すな! 過重労働・賃下げ・民営化・非正規職化とたたかおう!」をスローガンに掲げ立候補しました。
 東日本大震災から1年半以上がたっても〈9割がストレスを感じ、5割以上が抑うつの疑い>という仙台市役所の現実は変わっていません。昨年の津波と台風で4人の仲間の命が奪われ、メンタルを理由として病休に入る職員が激増し、耐えきれず自主退職する職員、自殺する職員も出ました。私も震災直後の強制配転によって不慣れな業務と震災対応業務での市民対応に疲れ、うつ状態となり、今年4月から5カ月間職場を休みました。
 職場で起きる問題は仙台市による人員削減・過重労働・民営化・非正規職化がもたらしたものです。その責任は当局にあります。しかし、当局は本人に責任を押しつけます。
 闘う市職労を建設し仲間とともに団結を再生して、この現実をひっくり返したい! この思いで私たちは立候補を決意しました。3人のうち2人は当選できませんでしたが、800人に近い組合員が私たちに投票してくれました。本当にうれしかった。私は負けた気がしません。
 10月9日、仙台市は区役所の税務部門の人員削減・非正規職化・外注化を狙った税務事務一元化攻撃を強行してきました。区役所の税務労働者360人を強制配転し、各区役所には数人だけを残し、大半の200人を市役所に集中する大合理化攻撃です。
 現場は怒りの声にあふれています。区役所支部として税務事務一元化絶対反対のニュースを発行しました。市職労攻防は区役所丸ごと非正規職化と外注化を狙った復興特区攻撃との全面的な攻防に入りました。競争入札や指定管理者制度による受託業者の公募と外郭団体職員への解雇攻撃、非正規職員に対する雇い止め解雇攻撃を絶対に許してはなりません。
 10・1JR外注化阻止に立ち上がった動労千葉のように、市職労の仲間とともに現場から闘う労働組合の団結をつくり、11・4全国労働者集会に参加したいと思います。
 (仙台市職労 H)

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週刊『前進』(2558号3面2)(2012/10/29 )

 全国で労働者集会開く

 全国各地で、闘う労働組合の再生と11・4集会への万余の結集に向けた総決起集会が熱烈に開催された。以下、全国から寄せられた報告を掲載します。(編集局)

 みやぎ 田中動労千葉委員長迎え

 被災地から労組再生を

 10月12日、仙台で11・4労働者集会に向け「10・1JR外注化阻止・非正規職撤廃、原発再稼働反対、復興特区と闘う労働運動をつくろう」を掲げて集会を行い、70人が結集した。
 みやぎ連帯ユニオンの仲間が司会を務め、仙台市職労副委員長の神保美彦さんが基調報告。「3・11から1年7カ月。原発事故の影響が子どもたちに現れはじめた。原発再稼働を止め、廃炉にしなければならない。仙台市職労は自治体丸ごと外注化・非正規職化との攻防に入った。職場の〈9割がストレス、5割以上が抑うつ状態>という状況は何も変わっていない。10・1JR外注化阻止決戦が切り開いた地平を踏まえ、11・4集会に総決起し、職場から復興特区攻撃に立ち向かう労働運動をつくり出し社会を変えよう!」と訴えた。
 国鉄千葉動力車労働組合・田中康宏委員長が講演に立ち、11・4への総結集を訴えた。
 「国鉄分割・民営化から25年。労働組合が外注化・非正規職化を容認してきたために、2千万人が非正規職に突き落とされ、青年の未来が奪われ、権利が奪われ、人間らしい生活をすることもできないほど社会の破壊が進んでしまった」「国鉄分割・民営化攻撃に対し、動労千葉は2波のストライキを闘い、解雇撤回を貫いてきた。しかし民営化の次は外注化だった。数百の子会社、孫会社に分割・外注化し、非正規に突き落とす攻撃だ。これを阻止できずに労働組合の再生と言っても無力だ。だから動労千葉は12年間、総力を挙げて外注化を阻止し続けてきた」「今回、JR東日本は10・1外注化の強行に打って出た。千人の労働者を管理職も含め丸ごと外注化する、事実上の分社化攻撃だ。外注化は強行された。しかし組合員に敗北感はない。徹底的な抵抗闘争を貫き、10月1日から60時間のストライキを打ち抜いた。外注会社に乗り込み、他労組も巻き込んで管理職への追及行動を闘い、ストに突入。そしてまた抵抗闘争を闘いストに入るという創意工夫に満ちた闘いを一人ひとりが貫いた」「動労千葉は外注化・非正規職化を打ち破ることが出来る確信をつかんだ。ガタガタになったのはJRだ。青年労働者の恒常的反乱を抱え込んだ。偽装請負こそ決定的弱点だ。これから外注化をひっくり返す闘いに突入する。そうやって労働組合の再生をかちとっていきたい」「労働運動の戦闘的再生の鍵を握っているのは被災地だ。被災地で起きていることは歴史的事態です。資本と政府が生きるために、被災地の労働者、子どもたちが殺され続けている。資本と労働者は非和解です。被災地で労働者は資本家に譲るものは何もない。だからこそ、力を秘めている」
 仙台市職労、仙台市でごみ収集の委託業務を行っている労働組合、JP労組仙台東南支部、仙教組岡田小分会、みやぎ連帯ユニオン東北石けん分会、全金本山労組、放射能問題に立ち向かう保護者グループの仲間から報告がなされ、11・4全国労働者集会に総決起する決意を打ち固めた。
 (仙台 K)
(写真 職場から復興特区に立ち向かう労働運動をつくりこの社会を変えよう!と決意【10月12日 仙台】)

 広島 労組の団結に希望

 青年労働者が集会牽引

 10月13日、広島連帯ユニオン主催の広島労働者総決起集会に60人が参加し大成功をおさめた。司会、基調報告、カンパアピールを連帯ユニオン青年部が行い、青年労働者が牽引(けんいん)する集会としてかちとった。
 広島連帯ユニオン鈴木範雄委員長が「東京西部ユニオン鈴コン分会の闘いに学んで地域共闘・連帯の闘いに取り組んできた。さらにこの闘いを進めよう」とあいさつ。 
 鈴コン分会の闘いと10・7三里塚集会での動労千葉・田中委員長の発言を収録した動画上映に続き、広島連帯ユニオン青年部長の宮原亮さんが基調報告を提起。広島県の外郭団体で非正規職員として働く宮原さんは、職場で支部をつくり、非正規職撤廃・雇い止め解雇阻止の闘いに立ち上がっていることを報告。集会に参加している職場の仲間を紹介し、会場から拍手がわき起こった。「非正規も雇い止めもしょうがない、団結なんてできないと思わされている現実を、『そうじゃないんだ』と示したい。そのために労働組合として職場に登場し、組合に結集して団結すれば絶対に労働者は生きていける、ここにこそ希望があることを具体的な闘いを通じて明らかにしていこう」と訴えた。そして動労千葉の外注化阻止決戦と一つの闘いとして、非正規職撤廃の地域共闘をつくりだし、11・4に総結集しようと呼びかけた。
 特別報告として、動労西日本の山田和広副委員長が、自らの解雇撤回の闘いと組織拡大の勝利を報告し、外注化阻止、非正規職撤廃・契約社員制度廃止へ闘い抜く決意を表明。国鉄闘争全国運動呼びかけ人の李東碩(イ トンソク)さんが「非正規職撤廃は全世界の労働者の課題。大学でもそれは例外ではない。団結してともに闘う」と連帯のあいさつを行った。
 鈴コン闘争支援のカンパアピールに続き、草津病院支部は獄中の中山崇志委員長のメッセージを読み上げ、新自由主義経営で安全崩壊が激しく進行し、火災事故まで発生した草津病院職場から闘いを組織し、組合を拡大していく決意を述べた。全造船三菱広機分会の古参組合員が、非正規化が進んできた工場で団結をよみがえらせ組織をつくってきた教訓を語り、青年の結集に未来があると訴えた。反戦反核、反原発の運動を通して労働組合の意義をつかみ、ユニオンに加入した新組合員の決意に熱烈な拍手が送られた。広島市の自治体で闘う労働者は動労千葉物販で職場交流会を組織していることを報告し、高陽第一診療所労組の森末一義委員長が組合大会の成功を伝え、福島の怒りとともに新自由主義と闘う決意を述べた。最後に広島連帯ユニオン書記長の壹貫田康博広大生協労組委員長が11・4への総決起を訴え、集会は大高揚のうちに終了した。
 10・13広島集会は、階級的労働運動の前進を示した。職場・地域から闘いを起こし、組織を拡大して11・4集会1万人の大結集を実現する! 広島の仲間は確信に燃え、全員が組織者となってさらなる職場での闘いに突入した。(広島 O) 
(写真 “非正規職撤廃の地域共闘をつくりだし、11・4に総結集を”と呼びかけ【10月13日 広島】)

 北海道 外注化・原発と闘う

 闘争団・成田さんが檄

 10月21日、札幌市内で国鉄闘争全国運動・北海道主催の北海道労働者総決起集会が開催され、昨年を上回る結集で大成功しました(写真)
 司会のあいさつに続いて、呼びかけ団体の自交総連北海道地連の労働者が「日航も国鉄と同じ安全を無視した組合つぶし。ひとごとではない。原発事故では国家も裁判所もみんなグル。子どもの未来を大切にしないような国はあってはならない。だから団結して闘おう」と訴えました。
 国労旭川闘争団の成田昭雄さんは、「故郷の地・北海道の国鉄集会で発言するのは感無量」と語った上で、「4・9政治和解」を徹底的に弾劾し、国鉄1047名解雇撤回闘争を、筋を通して闘い抜く決意を明らかにしました。その上で、青年労働者の決起を先頭に10・1外注化阻止の闘いが爆発し、動労千葉の6・29鉄建公団訴訟東京地裁判決が示しているように、国鉄分割・民営化を根底から覆す闘いの展望が切り開かれていることを報告し、11・4日比谷で会いましょうと結びました。
 大阪から駆けつけた教育労働者は、6・19橋下打倒闘争への北海道からの結集に感謝の意を表し、この春の卒業式闘争の経過を中心に闘いの前進を報告してくれました。橋下の攻撃が公務員全員解雇・非正規化による団結破壊・労組破壊であることを見すえ、処分を恐れぬ闘いを打ち抜くことが団結を強化していく道であると強調されました。
 基調提起に立ったタクシー労働者はまず、職場の闘いで団結を拡大し、この集会に同じ職場の組合員が多数参加していると報告しました。そしてタクシーでの急激な賃金の低下が、新自由主義攻撃とその破綻の結果である世界大恐慌によるものであり、今や全世界で新自由主義に対する労働者階級の反乱が燃え広がっていることを明らかにしました。さらに新自由主義のもとでは労働者だけでなく学生も高齢者も、誰もが生きられないことに多くの人が気付き始め、反原発の闘いの爆発が示すように「根本的な体制変革」が始まっていることを強調しました。具体的には、まともに列車を走らせることができなくなったJR北海道の現実も実は外注化が原因であり、動労千葉・動労総連合に続いて外注化阻止の闘いにともに立ち上がろうと訴えました。また、経済界が泊原発再稼働への動きを強めていることに対して、街頭だけでなく、タクシーでの取り組みを紹介して職場から反撃していこうと呼びかけました。
 これを受けて自治体、NTT、電機、非正規職などの仲間が次々と闘う決意を明らかにし、最後に司会の労働者からの11・4集会総結集の提起を受けて集会を終えました。10・1JR外注化阻止決戦の爆発は、情勢を一変させています。労働運動の再生をかけて闘っていきましょう。
 (札幌 J・S)

 東海 “労組隊列増やす”

 鈴コン分会の闘いを学ぶ

 10月21日、東京西部ユニオン・鈴木コンクリート工業分会の鈴木善弘さんを迎えて東海労働者集会が名古屋市教育館で開催された(写真)。呼びかけは東海合同労組、ス労自主中京分会連、愛知労組交流センター、三重労組交流センター、動労千葉を支援する会・東海。
 不当解雇撤回を闘う鈴木善弘さんは鈴コン分会の闘いを熱く訴えた。
 3年前、非正規職の生コンドライバーが組合をつくった。会社は「違法スト・無断欠勤」などと処分を繰り返し、組合執行部全員を含む4人を雇い止め解雇してきた。
 「そこからがすごい。裁判所も不当解雇であることを認める賃金仮払い決定を出し、地域の労働組合や全国からの支援・連帯が拡大している」「俺たちは裁判で勝って職場に戻るためだけに闘っているわけではない。『3カ月雇用』を繰り返し分裂組合をつくって闘争を破壊する鈴木資本は『10割非正規化』をめざす資本家階級の代表だ。だから鈴コン闘争の勝利は『非正規職撤廃』という全労働者の未来をかけた闘いだ」「俺たちが勝利の展望をもってやれるのは、動労千葉がJRの外注化攻撃を12年間も止めてきたからだ」と11・4結集を呼びかけた。
 東海集会は、不当弾圧を粉砕して奪還された三重支部の仲間とともに集会アピールを採択した。
 “全国の仲間とともに鈴コン闘争を支援し勝利のために闘おう! 労働組合が『非正規化』『被曝労働』を容認することで労働者の生き地獄がまかり通っている、この現実をひっくり返そう。資本による解雇がふきあれ労働者が無権利化されるようになった転換点は、国鉄改革法による分割・民営化攻撃だった。この国鉄改革法をうち破り、不当労働行為を謝罪させ、解雇撤回・JR復帰をめざす新たな大運動が呼びかけられている。労働者の未来をかけて、動労千葉を先頭とする外注化阻止の闘いの勝利をともに切り開こう!”
 11月4日、労働組合の隊列を増やして集会で再会することを約束した。
 (東海合同労組 K)

 北陸 労働者の力は無限

 動労千葉と心を一つに

 10月21日、富山市内で11・4集会への総決起を誓う「解雇撤回! 外注化阻止! 非正規職撤廃!」北陸労働者集会が北陸ユニオンの主催で開催された(写真)。元安芸労働基準監督署長で国鉄闘争全国運動呼びかけ人の大野義文さんを講師として招き、これまでともに職場・地域で奮闘してきた仲間たちに加えて新たな労働者の仲間が結集し、闘いの前進を確認するとともに、10・1外注化阻止を全力で闘い抜いた動労千葉と心を一つにして職場・地域で闘う決意を打ち固めた。
 まず北陸ユニオンの委員長が「動労千葉の青年は、職場の主人公は俺たちなんだと堂々と闘っている。この闘いをあらゆる職場・産別で進めて、闘う労働組合をよみがえらせよう」「労働者の力は無限だと示すためにも、11・4労働者集会に結集しよう」とあいさつ。
 大野義文さんが「団結に向けて」と題して講演を行った。大野さんは「おかしいことをおかしいと労働者が言える労働現場をどうやったらつくることができるのか、ともに考えていきたい」と語り、監督官の経験や労働相談の事例なども挙げながら、「有期雇用は団結権の問題。外注化の問題は、非正規雇用をなくすという労働運動全体の問題だ」と訴えた。さらに、資本との「ケンカの仕方」の基本は、あくまで職場の団結にこだわること、仲間を大切にすることだと強調した。
 続いて、A運送会社のアルバイトを解雇された北陸ユニオンの当該組合員3人が登壇し、新組合員が解雇撤回闘争の決意と支援を訴えると参加者は大きな拍手で応えた。
 活発な討論の後は、ス労自主、国労、富山大学学生、NAZEN北陸がアピール。国労の仲間は、「合理化で安全を脅かす、北陸新幹線開業にともなう在来線の第三セクター化に反対して闘う」と発言し、10・19法大集会に参加した富山大学の学生は、「法政大学のような闘いを富山大学でもしたい」と決意表明した。集会のまとめで北陸ユニオンの書記長が11・4集会への結集を訴え、団結がんばろうで締めくくった。
 (北陸ユニオン K)

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週刊『前進』(2558号3面3)(2012/10/29 )

 東京労組交流センター 11・4訴え新宿大街宣

 10月21日、東京労働組合交流センター主催で新宿大街宣が闘われました(写真)。10・21は国際反戦デー。東京労組交流センターは、11・4労働者総決起集会への結集を呼びかける闘いとして取り組みました。
 真夏のような日差しの中で、東京各地区から60人を超える労働者がビラまき・署名活動とアピールを行い、駅前広場は熱気にあふれました。
 解雇撤回を闘う東京西部ユニオン鈴コン分会、郵政非正規ユニオン、医療・福祉の青年労働者、なんぶユニオン、清掃労働者や国労共闘、ス労自主の仲間と10人を超える現場労働者の訴えは、職場での闘いが大きく広がっていることを示すものでした。
 新自由主義が労働者に強制した非正規雇用と貧困、青年の未来を奪う現実と労働者を物のように扱う資本への怒り。しかし労働者が団結して闘えば勝てるという闘いの中から獲得した確信。「あきらめないで闘おう」「労働者の手で社会を変えよう」という熱い訴えに、チケットを買い集会参加を表明する人が25人もいました。
 情勢は動いています。そしてみんなやる気十分。11・4集会まであと2週間、職場・地域で全力で闘おうと誓い合いました。
 (東京 新井)

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週刊『前進』(2558号4面1)(2012/10/29 )

 福島県庁前で緊急行動

 “山下を解任しろ”

 「子どもたちの将来を考えるなら、福島県はこれ以上加害者になってはいけない。情報操作をやめ、きちんと情報を開示してください」「子どもたちの甲状腺をどうしてくれるんですか! 誰が責任を取るんですか!
山下俊一を解任してください! 佐藤雄平知事、県民を守れないなら辞任してください!」
 10月19日午後、福島県庁に向かって怒りの声がたたきつけられた。この日、福島市の椎名千恵子さんが呼びかけた福島県庁前の緊急行動「怒りのひろば」が取り組まれた。東京から参加した青年は、福島第一原発事故を描いた自作の絵に「偽りを、やめろ」の文字を刷り込んだ大バナーを持参した。
 10月3日、毎日新聞が1面で「福島健康調査で秘密会」「本会合シナリオ作る」と報じた驚くべき事実。福島県が全県民を対象に実施中の県民健康管理調査について専門家が議論する検討委員会が出来レースだったのだ。公開で開かれる検討会の前に秘密会を持ち、「がん発生と原発事故に因果関係はない」などと意志一致し、検討会のやりとりなどのシナリオまで決めていたのだ。
 まさに「ウソからはじまり、ウソで終わろうとする国政、原子力ムラ。福島県政も同じだった」(10・19緊急行動を呼びかけるビラより)。
 福島県庁前広場でスタンディングを始めると、県庁職員が警備員とともに規制してくる。参加者に聞けば、福島市内の児童公園などの芝生は「除染」のためにはぎ取られたという。しかし、県庁敷地内の芝生はそのままではないか。参加者が持参した線量計で測ってみると空間線量0・57マイクロシーベルト/時に対し、芝生上の線量は2・0を示していた。県民が訪れる県庁ではないとでもいうのか。
(写真 寒さを吹き飛ばし「佐藤雄平は辞めろ! 山下俊一も辞めろ!」【10月19日 福島県庁前】)

 真実ごまかす知事は辞任を

 マイクを握った椎名千恵子さんは「『放射能のことには触れるな。反対意見は出さないように』とシナリオどおりに運ばれていった検討委員会。真実を隠す、ごまかす、県民には知らせないという行政。3・11以降、その体質が強くなっている。『放射能の影響はない。笑っていれば安全』なんてことはありえないのです」と語りかけ、「黙ってはいられず、ここに立っています。官邸前に10万、20万の人が集まり、17万人のデモが行われました。そのうねりは各地に拡散し、きょう福島駅前でも反原発、脱原発の動きが行われます。声を上げ、みんなでつながって抵抗の行動をやり続けましょう」と呼びかけた。
 リレートークが続いた。伊達市霊山町から来たという女性は「健康調査の結果をもらった母親たちは本当に戸惑っています。子どもの将来への不安が大きければ大きいほど毎日一生懸命働いて、おいしい物を食べさせて、少しでも不安を忘れようとしているような気がします」と静かに語り出し、「東京電力も福島県も被害者のような顔をしています。じゃあ誰が放射能を降らせる大事故の責任を取るのでしょうか。福島県はこれ以上、加害者になってはいけない。私は親の責任、大人の責任として原子力発電を日本からなくすまで闘います」と力強く語った。
 福島ではこの夏、4マイクロシーベルトもある河原で花火大会が催されたという。「今、福島では人の住めないような所に大勢の人が暮らしています。特に前途ある子どもたちが大変心配です。うそやごまかしをやめて真実を伝えましょう」との女性の訴えは、その場に集まったみんなの気持ちだった。
 年休を取って参加した女性労働者が怒りを込めて訴えた。「県庁のみなさん、佐藤雄平知事。子どもたちの甲状腺にこんなに異常が出ているのに県知事の見解はないんでしょうか? SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の情報を隠したのは誰だ! あなたたちは信用できません。雄平知事、辞任してください!」。その声は沸き上がる叫びとなった。
 NAZENフクシマ、ふくしま合同労組の労働者もマイクを握り、「県庁で働いているみなさん、佐藤雄平知事に反旗を翻しましょう! 県民のための行政を取り戻すために私たちと一緒に声を上げ、行動しましょう」と呼びかけ、ともに闘う決意を明らかにした。

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週刊『前進』(2558号4面2)(2012/10/29 )

 福島駅東口 怒りの先頭で闘う

 官邸前と呼応しアピール

 10月19日の金曜日午後6時、「福島駅前で声をあげよう」行動がJR福島駅東口で行われた。首相官邸前と呼応する反原発の金曜日行動はこの日で9回目。郡山駅前などでも取り組まれている。
 「原発事故は収束してない! 再稼働やめろ!」のコールが響く。午後の県庁前緊急行動から引き続き参加する人に加え、仕事帰りの労働者たちが駆けつけた。
 「原発やめて森をつくろ〜」と、梨を作っているという女性がギターを弾きながら歌う。通りがかりの母親たちが「署名をしますよ」と立ち止まり、話しかけてくる。
 非正規職の青年労働者が「福島の労働者はみんな被曝労働。沖縄ではオスプレイ、米兵による女性暴行事件。官邸前とつながり、全国の怒りの先頭に福島が立って闘っていきましょう!」とアピールした(写真上)

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週刊『前進』(2558号4面3)(2012/10/29 )

 官邸前に全国学生の声響く

 10月19日、霞が関一帯で反原発デモが数万人の結集で闘われた。この日、法大解放総決起集会とデモを1千人の法政大生とともに打ち抜いた法政大学文化連盟と全国の闘う学生が、その熱気も冷めやらぬまま大結集した。首相官邸前では同学会を再建した京都大学、そして広島大学や福島大学など全国の大学の旗を林立させ、「再稼働反対!」「キャンパスから原発を止めよう!」「学生自治会をつくろう!」の声をとどろかせた(写真)
 さらに全国の学生は文部科学省前の「ふくしま集団疎開裁判」の抗議行動にも合流し、御用学者の山下俊一(福島県立医大)らによる「秘密会議」を弾劾。「フクシマの怒り」をともにして闘い抜いた。

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週刊『前進』(2558号4面4)(2012/10/29 )

 青森 基地も原発もいらない

 沖縄・福島とつながり集会

 10月19日、青森県八戸市で「基地も原発もいらない!青森・三八労働者集会」が開催され、地域の労働組合を中心に105人が結集した。
 冒頭、集会呼びかけ人の2人があいさつ。南部バス労組・間山正茂委員長は、多数の核施設と基地がある青森の現実を糾弾し、今こそなくそうと訴えた。NAZEN青森共同代表・岩田雅一牧師は「抑圧の最前線としてあるのが六ケ所。労働者は最前線に立つ存在だ。ともに闘う」と決意を述べた。後援団体あいさつを平和労組会議三八地本議長が行った。
 「沖縄、福島、青森をつなげよう」と題して、始めに福島診療所建設委員会の渡辺馨さんが「福島は今、除染、医療特区、避難地域の実験場だ。子どもたちはどこまで耐えられるかを調べるモルモットにされている。この現状を打ち破るために診療所を建設して闘う」と支援を訴えた。
 元沖縄米軍基地労働者の水島満久さんは、まず米兵の女性暴行事件を弾劾した。そして「県民とともにオスプレイ配備反対で闘うと基地労働者が決意を固め、沖縄の闘いは新たな段階に動き出した」と伝え、「沖縄と連帯して戦争と基地、原発をなくそう」と熱く提起。そのためにも必ずぶつかる「雇用と生活」という課題に対し、「労働者として解雇は許さない。人間として基地と戦争はいらない。そして、基地は国策であり、責任は政府にあることをはっきりさせる。その立場に立つことで基地労働者は生きていける」と、基地と核施設が強制され沖縄と同じ状況下にある青森の労働者に呼びかけた。
 外注化阻止決戦を闘い抜いた動労水戸の石井真一委員長は「茨城には東海第一、第二原発があり、JCO臨界事故の時には乗客が逃げる中、JR当局は職員に逃げるなと命令した。JRは今、福島復興キャンペーンの先頭に立ち、広野駅からさらに原発近くへ運行を伸ばそうとしている」と原発推進のJRを弾劾。今夏、被曝労働拒否のストライキで青年が結集したことを報告した。
 まとめを、集会呼びかけ人であり百万人署名運動・青森県連絡会代表の中道雅史さんが行った。「青森は『北の沖縄』であり反戦反核反貧困の闘いの最前線。次回総選挙の結果次第では露骨な核武装論者の政権が誕生する。性根を入れ闘おう」と三沢、六ケ所、大間闘争の方針を提起した。
(写真 地域の労組を中心に105人が結集。全国の力と結びつき反戦反核を闘った【10月19日 八戸市】)

 三沢基地前で兵士に訴え

 20日、NAZEN青森、百万人署名運動・青森県連絡会、8・6広島−8・9長崎反戦反核統一実、ス労自主の仲間は三沢基地ゲート前に結集し、三沢の労働者・兵士にオスプレイ沖縄配備と全国訓練反対をアピールした。
 水島さんは「基地は振興策ではなく戦争のためにある。基地はなくすべきだ」と連帯の思いを込めて訴えた。三角忠さんは日米の朝鮮・中国侵略戦争体制強化を批判し、「核と基地の拠点、青森の闘いを全国の力で闘う」と決意を示した。
 2日間の闘いは基地と原発の集中点に向けて闘う労働者、労組の連帯を生んだ。11・4集会を全力で組織し再会することを誓った。(青森S)
(写真 三沢基地ゲート前で、元沖縄米軍基地労働者の水島さんらが基地をなくそうと訴えた【20日 三沢市】)

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週刊『前進』(2558号4面5)(2012/10/29 )

 非正規化狙う労働法制改悪

 11・4と外注化阻止で反撃を

 偽装請負徹底追及が勝利の鍵

 11・4労働者集会は外注化・非正規職化の攻撃と真っ向から対決する集会だ。動労千葉(動労総連合)を先頭とするJR外注化阻止の闘いは、非正規職化の根源を打ち抜き、労働運動再生の展望をこじ開けている。
 他方、野田を議長とする国家戦略会議は7月、日本再生戦略を打ち出し、その「フロンティア分科会報告書」で40歳定年制を声高に叫び立てた。労働者の10割非正規職化を狙っているのだ。
 この方向に沿って、労働法制の一連の改悪が強行された。11・4集会は、労働者の団結でこれを粉砕する闘いだ。

 製造業・日雇い派遣も“合法”

 10月1日、改定労働者派遣法が施行された。同法は、当初の政府提出法案に盛り込まれていた製造業派遣や登録型派遣の原則禁止規定を、民自公3党の修正案により削除した上で成立した。日雇い派遣についても、「2カ月以内の期間の派遣は禁止」としていた当初案が、民自公の修正で30日以内の派遣だけを禁止すると変えられた。
 同法には、違法派遣の場合、派遣先が派遣労働者に直接雇用の契約を申し込んだものと見なすという規定も新設された。しかし、その施行日は2015年10月1日に先送りされた。「見なし制度」など永遠に実施しないと言うに等しい。
 同法を可決した衆院厚生労働委員会は、労基署は偽装請負を摘発するなという趣旨の付帯決議を行った。偽装請負という概念自体の追放が、その狙いだ。改定労働者派遣法は非正規職化・偽装請負推進法そのものだ。
 改定労働契約法も8月10日から施行された。この改定で、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合、労働者が申し込めば無期労働契約に転換される制度が導入された。

 労働契約法で雇用は細分化

 しかし、現在すでに5年を超えて有期労働契約が反復更新されていても、無期雇用への転換はなされない。法律施行日以降、新たに締結される有期労働契約の初日から数えて5年たった場合に初めて、この規定は適用される。また、この条項の施行日は、他の条項と切り離されて、来年4月1日に先送りされた。
 しかも、この規定には抜け穴がある。雇用に6カ月以上の中断があれば、その前後の契約期間は通算されない。無期契約への転換を妨げるために、資本が意図的に6カ月以上の中断期間(労働者にとっては失業期間だ)を設けることは十分にありうる。
 改定労働契約法により非正規労働者は一層不安定な状態に追い込まれかねない。事実、喫茶店運用会社シャノアールは、3カ月雇用を反復するアルバイト従業員の労働契約の更新回数を15回まで(通算4年まで)に制限すると決めている。

 選別奨励する高齢者雇用法

 改定高齢者雇用安定法も、来年4月1日から施行されることになった。
 この改定は、年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、定年後の労働者の継続雇用制度を整備するとの名目で行われた。
 しかし、内実はまったく違う。同法についても、当初政府案は民自公3党の修正で中身が大きく変えられた。修正の要点は、「心身の故障のため業務の遂行に堪えない者」や「解雇事由のある者」は継続雇用しなくてもいいとされたことだ。まさにこれは不当労働行為を奨励するものだ。
 しかも、この改定で継続雇用先はグループ会社でも構わないとされた。高齢者の雇用確保を口実に、外注化を徹底推進しようとしているのだ。
 支配階級が意識し敵視しているのは、動労千葉の外注化阻止の闘いだ。この闘いは、99年11月に提案された、外注化推進条項と抱き合わせのシニア協定を拒否するところから始まった。JRはシニア協定を結ばない動労千葉組合員を定年後の再雇用から排除した。しかし05年8月、JRは「労資協定の有無にかかわらず希望者全員を再雇用する」というエルダー社員制度への転換を余儀なくされる。その背景には、定年の廃止・引き上げか継続雇用制度の導入を企業に義務づけた04年6月の高齢者雇用安定法の改定があった。だが、それ以上にJRを追い詰めたのは、動労千葉の不屈の闘いが、シニア社員として外注業務に就くことを拒む他労組組合員を広く生み出したことだった。
 今回の高齢者雇用安定法改定は、この地平を覆し、JRが強行している外注化を全社会に押し広げようとするものだ。
 JR外注化阻止決戦はこの反動と激突しつつ発展している。偽装請負の徹底追及こそ勝利の鍵だ。一連の労働法制改悪を賛美する連合幹部を踏みしだき、11・4労働者集会への万余の結集をかちとろう。

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週刊『前進』(2558号4面6)(2012/10/29 )

 JP労組中央委 全逓部会情宣に立つ

 “新人事・給与制度粉砕を”

 10月18〜19日、JP労組第10回中央委員会が東京のガーデンシティ品川で開催された。初日の18日、全国労組交流センター全逓労働者部会と郵政非正規ユニオンの仲間は会場の入り口でのビラ配布・情宣行動に立ち上がり、JP労組本部打倒、新人事・給与制度粉砕、非正規職撤廃を訴えた(写真)
 今中央委員会で最も重大な点は、JP労組本部が郵政資本と一体となり「新人事・給与制度」の導入へ大きく踏み出していることだ。
 本部が5月14日に提出した、「新人事・給与の概要(案)」「各種手当制度の概要(案)」などに対する「見直し要求書(第3次要求書)」に対し、会社は8月10日に回答を出してきた。この中で会社はあらためて「相対評価」で選考を行うと表明している。郵政資本の狙いはあくまで労働者同士を分断し競わせ、団結をズタズタに解体することに据えられている。郵政職場は要員不足で交通事故・郵便事故が多発し、何人もの労働者が殺されている。会社はこの上さらに資本のために身を粉にして働けと要求しているのだ。
 JP労組本部は職場の反乱を抑えつけ、団結を破壊する資本の先兵にますます純化しようとしている。
 また会社は月給制契約社員と正社員の中間程度の賃金で「新一般職」を新設し、現場の労働者のほとんどをこれに置き換えようとしている。郵政総非正規化攻撃との決戦に打って出るときだ。
 JP労組中央本部の支配を覆し、職場に階級的労働運動の拠点を建設しよう。郵政非正規ユニオン1千人建設も待ったなしだ。全国から11・4労働者集会に大結集しよう。

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週刊『前進』(2558号4面7)(2012/10/29 )

日誌'12 10月16日〜22日

 政府とIAEAが福島で除染研究/財務省、生活保護費削減へ

●米兵、沖縄で女性暴行容疑 沖縄県警は、沖縄本島内で県内の成人女性に暴行したとして、米海軍兵2人を緊急逮捕した。(16日)
●南スーダンPKO延長 野田内閣は閣議で、南スーダンで「国連平和維持活動」(PKO)にあたる陸上自衛隊の派遣期間を2013年10月末まで1年間延長することを決めた。(16日)
●大間原発沖に活断層 建設中のJパワー大間原発(青森県)から南西40〜50`の津軽半島東海岸の沖合で、これまで知られていなかった海底活断層が見つかった。(18日)
●連合、春闘で1%引き上げ要求へ
連合は都内で中央執行委員会を開き、13春闘で基本給や賞与、手当も含めた給与総額で1%を目安に引き上げるよう求める基本構想をまとめた。1%の引き上げ要求は3年連続。12月に春闘方針を正式決定する。(18日)
●「基地撤去しかない」怒りのデモ行進 米海軍兵による女性暴行事件を糾弾する集会が沖縄県宜野湾市の普天間飛行場野嵩ゲート前で開かれた。集会には約200人が参加。「もう基地撤去でしか問題は解決しない」と怒りのシュプレヒコールを上げながらキャンプ瑞慶覧までデモ行進した。(19日)
●JR北海道、車両3割が検査不備
JR北海道が昨年度に行った延べ約3100車両の検査のうち、約3割で社内の安全規則が守られていなかったことが、会計検査院の調査で分かった。関連会社などに委託した約50契約の整備でも不適切な点があった。(19日)
●政府とIAEA連携へ、福島で除染研究 東京電力福島第一原発事故に対処するため、日本政府が国際原子力機関(IAEA)との共同プロジェクトの拠点を福島県内に設置し、来年1月に除染や廃棄物処理の研究、助言を始める検討をしていることが分かった。放射性物質に汚染された地域の復興や避難住民の早期帰還を目指すというのが理由。(20日)
●「尖閣諸島」警備、他県警から応援
 警察庁は尖閣諸島(釣魚台)の警備のため、神奈川県警と大阪府警に応援の警察官を沖縄県に派遣するよう指示した。警視庁からの派遣も検討している。(20日)
●生活保護カット、財務省提案 財務省は来年度政府予算で生活保護費削減を求める方針を打ち出した。食料品や光熱費などの「生活扶助費」を減らしたり、今は無料の医療費の一部をいったん負担させたりする案。(22日)
●インド海軍との連携強化で合意 日本とインドの両政府は外務・防衛次官級対話(2プラス2)を東京都内で開き、自衛隊とインド海軍との共同訓練拡充や連携強化などで協力を進める方針で一致。11月にある首脳会談での共同声明の柱のひとつとなる。(22日)
●貿易赤字、最大の3・2兆円 財務省が発表した2012年度上半期(4〜9月)の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は3兆2190億円の赤字になり、前年同期の倍近く(90%増)まで増えた。半期(6カ月間)ごとの額では過去最大。(22日)

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週刊『前進』(2558号5面1)(2012/10/29 )

 11・4に京大の大隊列登場させ松本総長・橋下・葛西打倒しよう

 マル学同中核派・京都大学支部

 11月4日、東京・日比谷野音へ全国の学友は総結集しよう。闘えば新自由主義をうち破ることはできる! 動労千葉を先頭とする階級的労働運動の実践は、そのことを明らかにしている。JR外注化阻止決戦の激闘から生み出された青年労働者の総反乱は、まさにその典型だ。10・19法大集会の大高揚と、文化連盟の飛躍的拡大への挑戦は、新自由主義に対する300万学生丸ごとの反撃を手繰り寄せている。京都大学でも、今年6月の全学自治会同学会再建の力が藤洋作(関西電力元社長)を経営協議会から追放する歴史的勝利を切り開き、攻防は橋下・維新の会、JR東海会長・葛西と結託した松本総長打倒の決戦へとせり上がった。11・4労働者集会に闘う京大生の大隊列を登場させ、〈松本×橋下×葛西〉を打倒しよう!
(写真 自治破壊許さず京大キャンパスで学生集会【7月6日】)

 関電元社長・藤を学生の力で追放! 

 10月1日、関西電力元社長・藤洋作は京都大学経営協議会から解任され追放された! この事態は、3千人の決起(全学選挙)で再建された全学自治会同学会による、京大経営協議会と藤に対する徹底追及がもたらしたものだ。京大生の闘いは、ついに法人化以降、大学を牛耳ってきた帝国主義資本の中枢=関西電力をたたき出す大勝利をかちとった。
 京大・松本総長は、09年就任直後に京大を関西経済連合会に加盟させ、同時に任期付職員180人を解雇した。国立大学法人化=「教育の民営化」を徹底的に推進するために登場したのが松本だ。そして、関経連会長は関西電力が務めており、関電から京大に送り込まれた藤は、まさに松本体制の要だった。
 なお許し難いことに、この藤洋作は配管破断による高温ガス噴出で11人の労働者が死傷した美浜原発事故(04年)当時の社長であり、この事故で引責辞任に追い込まれた人物である。「コスト削減」を掲げ、15年以上も保守点検を怠った末に必然的に生み出されたこの事故は、まさに資本の「合理化」の名による殺人そのものだ。藤の経営協議会への起用は、資本による殺人を免罪し、藤の経営手法を京大に導入し、京大を原発推進の先兵とすることを狙ったものだった。実際に、昨年夏の「節電」攻撃の中で、労働者に対して「人が倒れても節電は続ける」という訓示が垂れ流された。
 これに対して闘う京大生は徹底的な反撃に立ち上がり、松本・藤の原発推進策動を粉砕していった。最初はエアコンの温度設定を制限させないところから始まり、次には原子炉実験所の御用学者講演を弾劾。会場から暴力的に排除されるも、キャンパスで怒りを倍加してたたきつけ、団体交渉で副学長、原子炉実験所所長らの全面謝罪をかちとった。そして、この団交で転換した力関係は、大飯原発再稼働にお墨付きを与えた東大教授・岡本孝司を徹底弾劾し、京大からたたき出すという決定的情勢を生み出した。
 これらの闘いを通して「京大から藤洋作を追放しよう!」が最大の攻防点となり、「再稼働反対、藤追放」のクラス決議、全学自治会同学会による藤起用を追及する申入書が繰り返したたきつけられ、京大当局を徹底的に追いつめていった。そしてこの夏、野田政権の再稼働強行に数十万人の怒りが爆発している中で、この怒りとキャンパスの闘いが結合することに恐れをなし、当局はついに藤洋作を解任せざるをえないところに追い込まれていったのだ。
 松本総長は学生の追及に最後まで回答できず、逃げ回り、結局は藤を切り捨てた。松本が答えたことはただ一点、「(藤は)人的つながりで起用した」ということだけだ。まさに、教育・大学を資本家どもが「私物化」することが「教育の民営化」=法人化体制の正体だ。新自由主義は「原子力ムラ」の極限的腐敗を生みだし、教育にも社会にも一切責任をとれないほど破綻しているということが満天下に暴き出された。その対極で学生は新自由主義の現実に屈服しないことを自らの実践によって示している。
 法大闘争を先頭とする学生運動の前進は法大文化連盟、京大同学会など、新自由主義に対する学生の怒りを解き放つ団結体を続々と生みだし、ついに国立大学法人化の要となってきた経営協議会に風穴をあけた。10月25日付で下された、闘う法大生・武田雄飛丸君への「無期停学」処分への激しい怒りは、急速に全国に拡大している。
 団結して立ち向かえば、新自由主義をうち破ることは必ずできる!

 首切り・原発推進の葛西起用を許すな

 同学会再建と藤追放に追いつめられた松本総長は、藤に代わる経営協議会委員にJR東海会長・葛西敬之を起用した。葛西こそ、国鉄分割・民営化を動労カクマルの裏切りに支えられて遂行した最悪の下手人だ。20万人が職を追われ、200人が自殺に追い込まれた分割・民営化を契機に、外注化・非正規職化が全産業に波及し、1500万人を超える非正規職が生み出された。新自由主義が青年・学生の未来を奪う現実をもたらした張本人こそ、葛西敬之だ。
 そして葛西は行革懇談会などの委員も務め、道州制を軸とする360万公務員首切りと労組破壊を「全員解雇・選別再雇用」の「国鉄改革型」で行えと主張している輩である。福島原発事故後には、誰よりも早く原発政策維持・再稼働強行を主張した。葛西こそ「フクシマの怒り」を圧殺する帝国主義中枢だ。
 松本総長の掲げる入試改革やカリキュラム再編、28億円の人件費削減などの「大学改革」は、激化する国際争闘戦に勝ち抜く「グローバル人材」=帝国主義資本の先兵を育成するために、究極的にはアンブレラ経営(複数大学を経営統合して一法人化する)方式で大学丸ごとの再編を狙ったものだ。この攻撃は大学のみで完結せず、国家丸ごとの再編である道州制が前提であり、現実にも「道州制が最終目標」と掲げる橋下・維新の会の設置したエリート校との提携が行われている。この中で道州制と一体の大学改革を遂行し、京大学生運動をつぶし、京大を原発推進・再稼働の最悪の旗振り役とするために登場したのが葛西だ。京大の闘いは国鉄闘争−反原発闘争−橋下打倒の全人民的うねりと一体化しながら、日帝の新自由主義攻撃の「大本命」をキャンパスで迎え撃つ決戦に突入している。

 労組復権と一体で学生自治会建設を

 葛西は、階級的労働運動の前進ですでにガタガタになっている。動労千葉の鉄建公団訴訟における6・29東京地裁判決は、87年時点における動労カクマルと結託した葛西の「職員不採用基準」作成を不当労働行為であると明確に認定した。国鉄労働者の不屈の闘いは、新自由主義の立役者として持ち上げられてきた葛西をその出発点から粉砕する地平を切り開いている。葛西を起用した松本総長も、国鉄決戦と結びつく京大生の怒りに絶えずさらされるのだ。
 そして、橋下・維新の会は9・16橋下打倒関西集会と現場からの反撃にうち砕かれ、支持率が急落している。松本総長は全学自治会同学会の再建に追いつめられ、関西電力を経営協議会から外すという前代未聞の敗北を強制されている。
 葛西の登場は、学生・労働者の闘いを解体できず、追いつめられたことに対する巻き返しを狙ったものだ。京大生は自らの闘いで葛西をキャンパスに引きずり込んだ。情勢の主導権は、現場で絶対反対を貫く階級的労働運動が完全に握っている。闘う労働組合の復権と一体で新自由主義をうち破る学生自治会を建設し、一つの敵を一つの闘いで粉砕しよう。〈松本×橋下×葛西〉打倒の闘いを通して、京大を新自由主義と闘う全階層が結集する拠点にしていこう。青年・学生の「階級の指導部」への飛躍を生みだし、京大をプロレタリア独裁権力の拠点へと転化しよう!
 11・4集会に京大生の大隊列を登場させ、その力で松本、橋下そして葛西にトドメを刺す京大生の総決起をキャンパスから巻き起こそう!

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週刊『前進』(2558号5面2)(2012/10/29 )

 三里塚第3誘導路裁判 騒音問題を追及

 環境破壊を居直るNAA

 10月23日、千葉地裁民事3部(多見谷寿郎裁判長)で第3誘導路建設許可処分取消裁判が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟は、市東孝雄さんを天神峰から追い出すために建設が進められる第3誘導路に怒りをたぎらせ、顧問弁護団、傍聴席の労働者・学生・市民とともに闘った。
 弁護団は準備書面で成田空港の騒音問題を取り上げ、航空機騒音環境基準違反、さらに成田市公害防止条例違反であることを突きつけた。
 1973年に告示された環境庁の告示「航空機騒音に係る環境基準について」では、飛行場の周辺で「もっぱら住居の用に供される地域」におけるWECPNL(うるささ指数)の基準を70以下としている。成田空港周辺の騒音はこの基準を明白に超えているにもかかわらず、NAA(成田空港会社)はこれを無視している。
 また成田市公害防止条例は、騒音規制基準を朝夕で55デシベル、昼間で60、夜間で50と定め、これを超えた場合「市長は改善・変更を命じる」としている。
 8月に弁護団と反対同盟が東峰、天神峰、取香など暫定滑走路敷地境界周辺の6カ所で行った騒音測定調査では、基準をはるかに超える違法状態が明らかになった。
 こうして環境破壊の横暴を積み重ねながら、被告の国・NAAは「生活を著しく破壊するものとまでは言えない」「周辺地域の環境が明らかに激変することが見込まれるとも言えない」と言葉をもてあそび、居直りの態度を文書上であからさまに示してきた。だがこの日もやはり被告の代理人たちは、法廷では卑劣な沈黙を決め込んだ。
 次回期日を来年の2月19日として閉廷した。
 弁護士会館で報告集会が開かれた。伊藤信晴さんが司会を務め、最初に北原鉱治事務局長があいさつに立った。「市東さんの住居は空港の騒音のために夜間安眠できないほどだ。来年の春には第3誘導路を完成させ、さらに農地を囲い込む攻撃が具体的に襲ってくるだろう。日本農業を壊滅させるTPPを許さない。未来をつくるのは農民であり労働者だ」と、一同の奮起を促した。
 続いて葉山岳夫弁護士を始め弁護団全員が裁判を振り返りながら発言し、すべての裁判を毎回真剣勝負として闘う決意を表した。
 動労千葉、関実、市東さんの農地取り上げに反対する会が連帯発言を行った。動労千葉の宮内正志さんは「私は70年3月から動労千葉青年部として闘いに参加し、71年9月の三里塚第2次代執行にも逮捕覚悟で臨み闘った。動労千葉は今、外注化攻撃と全力で闘っている。11・4に1万人を結集できれば、市東さんへの攻撃に対する大反撃の力になる」と訴えた。
 最後に萩原進事務局次長がまとめの発言で、05年に北側一雄国交相が東峰地区の人びとにあてて出した書簡を紹介した。それは暫定滑走路延長の必要性を強調し「話し合いによる用地交渉」を懇願しながら、「理解を得られなければ、本来計画を断念し北延伸をする。そうなったら交渉は終わりだ」と最後通告を突きつけ、農地を売れと威迫するものだ。「国益、国策の正体がこれだ」と萩原さんは怒りを込めて弾劾した。さらに「日本の三大小作争議」の一つとして知られる戦前の新潟県木崎村の争議を紹介し、「権力の圧政、暴力的弾圧に対して果敢に闘った歴史に学び三里塚は一本に団結して闘おう」と訴え、参加者は大きな拍手で応えた。
(写真 NAAの居直りを弾劾し裁判報告集会【10月23日 千葉市】)

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週刊『前進』(2558号5面3)(2012/10/29 )

 障害者は11・4に決起する

 福祉の民営・外注化許さず闘う労組とともに前進を

 障害者のみなさん!  
労働者のみなさん! 増税、原発再稼働に走り首切り・賃下げ自由、外注化強行で10割非正規職を生みだす民主党・野田政権を一刻も早く打倒して、労働者階級とともに社会の生産を直接担って団結し、労働組合再生の中でともに生きられる社会をめざして、11・4日比谷労働者集会に総決起しましょう。
 大恐慌を加速させ大失業と戦争に引きずり込む資本主義・新自由主義のもとでは労働者階級は生きられません。世界保健機関(WHO)は「世界で3億5千万人のうつ病患者とその半数が未治療状態」であることを発表しました。日本の年間自殺者3万人超えも1998年のバブル崩壊や福祉解体を告げる介護保険法制定以来15年も繰り返されてきたことです。支配階級によって占有されている一切の生産手段を労働者の手に奪い返し、階級社会をただちに終わらせなければなりません。

 新自由主義に絶対負けない

 新自由主義は労働者をこき使って死ぬまで働かせながら一個の部品に追いたてます。障害者も例外ではありません。無権利・低賃金労働者に徹底的に落とし込めます。資本家は障害者を大量に生み出しながら「労働能力」を競わせて障害者差別をあおり、失業や半失業を意図的につくりだして労働者階級を分断し、なおも人間的共同性を破壊する中でさらに利潤を追求します。資本家は生身の労働者の生き血を吸っているのです。命より金もうけの新自由主義に労働者階級は絶対に負けるわけにはいきません。
 11・4への障害者の総決起を訴える第一は、10・1外注化強行でますます明らかになった〈総資本対総労働〉の階級決戦として開始されたJRの外注化阻止決戦に、「あと2、3年以内に外注化されたすべての業務をJRに戻す」という動労千葉はじめ国鉄労働者の鮮烈な決意をともにして、絶対阻止で総決起しようということです。
 村上ファンド事件の村上世彰が「アウトソーシングは産業組織の米だ」と絶賛したように、外注化は資本主義救済の決定打のように叫ばれてきました。外注化は「丸ごと転籍」が本音です。正規職をむりやり引きはがして非正規にします。まさに「外注革命」です。労働組合をつぶすためなら会社を数百に分割し、偽装請負、情報流出、安全切り捨ては日常茶飯事と化します。事故が起きても下請け業者と現場労働者に責任をなすりつけます。JRは鉄道輸出といった「国策」も背負い、全面外注化の主戦場です。自治体・教育現場はじめ全産業での定年制廃止−公務員首切り拡大の突破口です。
 国家戦略会議は7月の「フロンティア分科会報告」で「総非正規職化のための40歳定年制導入」をかかげ、「解雇・転職が怖くない社会を学び直しによって実現していく」(繁栄部会報告−JR東日本からも委員参加)とあけすけに語っています。
 だが、公共事業の民営化自体が自殺・事故を多発させ労働者の怒りを噴出させています。第二の国鉄分割・民営化にも等しい外注化との闘いに、障害者はその最先頭で決起しましょう。
 第二に外注化阻止・非正規職撤廃決戦は障害者解放闘争にとっても現下の大テーマです。

 「骨格提言」は福祉の産業化

 福祉の民営化・株式会社化の元凶である06年施行の障害者自立支援法(13年4月からは障害者総合支援法に移行)撤廃の闘い、あるいは体制内障害者団体が要望する、民営化・外注化にさらに輪をかけた障害者総合福祉法(「骨格提言」と言われる)との闘い、来年上程をめざす障害者差別禁止法制定反対の闘いとして開始されています。
 障害者自立支援法は介護保険法と同様、公務員ヘルパーの削減をはじめ公的責任を踏みつぶし株式会社を参入させ、ヘルパー登録で一挙に非正規職化を増大させた民営化法です。その撤廃の闘いは「利用者の1割応益負担」反対を焦点に1万人を超える続年の闘いとして展開されてきました。そして、09年民主党政権の誕生で強まる政策参加路線への障害者団体の取り込み策と、共産党系弁護団による10年自立支援法違憲訴訟の取り下げ和解(「基本合意」と呼ばれる)の中で、完全に福祉の民営化・外注化・非正規職化をめぐる路線的・実態的対決になりました。
 取り込まれた「障がい者制度改革推進会議」は首相を本部長に経団連、連合同席のもと、政労使一体となって「障害者総合福祉法」(骨格提言)を11年に提案しました。「障害者の選択と決定」を名目に障害者の就労動員、医療の規制緩和(たん吸引や胃ろうのヘルパー作業化)、パーソナルアシスタントなるヘルパー雇用の規制緩和(解雇の自由化)、相談事業や支給決定、学校補助員などの民間委託など、障害者福祉の市場化をことごとく取り入れてきました。関西でも自治体民営化の下請け先が新たな障害者雇用として始まっています。
 この「骨格提言」は障害者基本法の再改定と一体でした。「障害者の消費者としての保護」が条文で掲げられ、公然と障害者福祉の産業化が始まります。
 今年6月には御用障害者団体の幹部連中は内閣府「障害者政策委員会」への30人登用と引き替えに「障害者総合支援法」への移行を容認し、毎年行ってきた10月末の日比谷野音フォーラムも今年は政府に忠誠を誓い中止しています。
 しかし、今ひとつの政労使の取引材料が「障害者差別禁止法」制定運動です。この法の核心は「私人」(個人と小規模業者)の差別を認定して法的に対処すると掲げたことです。「個人の差別」を民法の賠償や検討次第では刑事罰にまで拡大できるとしています。「障害者が差別と感じたら、労働者は差別者として罰を受ける」ということが裁判員裁判のような裁定で始まろうとしているのです。労働者階級分断の極致であり、労働組合の破壊をもたらします。
 しかし御用幹部連中や障害者大衆をつなぎとめられなかった政府と障害者大衆とのかい離はますます拡大していくでしょう。障害者総合支援法と差別禁止法制定反対を掲げて闘いましょう。

 労働者党建設が闘いの武器

 第三は11・4は「新自由主義と闘う労働組合のネットワーク作り」がその原動力です。労働組合の力をよみがえらせること、職場闘争の中に労働者自己解放闘争が貫かれていることに確信を深め、労働組合の組織拡大を総括軸に断固、障害者解放闘争発展の先頭に立ちましょう。労働組合を中軸とする地域闘争・地域ソビエト建設と一体となって階級的労働運動は発展していきます。
 とりわけ労働者党建設はそうした闘いの武器であり拠点です。党・労働組合・ソビエトの一体的建設にとっても、大恐慌に立ち向かう労働運動の爆発的高揚を闘いとるためにも地区党建設・細胞建設を土台に、どんな権力の介入、陰謀政治とも闘える団結の最高の形態を創造していきましょう。機関紙を拡大し、党勢を倍増して11・4日比谷野音に万余の結集を実現しましょう。
 〔革共同障害者解放闘争組織委員会〕

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週刊『前進』(2558号5面4)(2012/10/29 )

【要項】10・31狭山集会、三里塚裁判傍聴を!


寺尾差別判決38カ年糾弾! 狭山第3次再審
闘争勝利! 八尾北・西郡闘争勝利!
 10・31狭山集会

関西 10月31日(水)午後7時
 西郡第三集会所(八尾市幸町5−44)
 主催 部落解放同盟全国連合会西郡支部
    八尾北医療センター労働組合
    関西労働組合交流センター

広島 10月31日(水)午後7時
 広島市西地域交流センター
 主催 部落解放広島共闘会議

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三里塚裁判傍聴を!
◎市東さん耕作権裁判
10月29日(月)午前10時30分 千葉地裁

◎市東さん行政訴訟・農地法裁判
 ★萩原進事務局次長の証人尋問
 11月12日(月)午後1時30分 千葉地裁
(傍聴券抽選のため1時間前に集合)

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週刊『前進』(2558号6面1)(2012/10/29 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 石原や橋下のがれき広域処理と闘おう 北川海翔

 東京都では、災害廃棄物(がれき)焼却中にアスベストが検出され、体内深くに入り込む浮遊粒子状物質や微小粒子状物質は以前から基準超え状態で、ここに放射性物質が加わっています。ダイオキシン問題も解決していません。環境省はバグフィルターでも放射性セシウムが4%程度漏れることを認めており、清掃工場周辺の線量は0・02マイクロシーベルト/毎時も上昇しました。
 核施設外への放射性物質漏れを想定していない関係法令(原子力基本法、放射線障害防止法、廃棄物処理法など)を改正せずに、放射性物質汚染対処特措法で実体法(廃棄物処理法)を「読み替え」るという脱法を行っています。
 長浜環境相は、がれきの100倍以上も汚染された除染土壌の「福島県外処分(広域処理)」を検討中です(毎日新聞10・2付)。東京、大阪は最終処分場建設を決定済みで大変危険です。
 自治体にしかできないはずのごみ・がれき処理を「国が行う」としたがれき特措法は、憲法第8章・地方自治法違反で(「国立ごみ焼却場」なんてありませんよね)、広域処理には根拠法がありません! 「1`グラム当たり8千ベクレル基準」は、もともと福島県内限定のものです。
 健康被害が起きているはずですから、清掃労働者と風下の住民からアンケートを取り、労働者には内部告発をしてもらい、当該を守り抜きましょう。石原都知事や橋下大阪市長が実行している以上、労働運動をよみがえらせる闘いとして取り組むべきです。北九州市ではただちに子ども6人が鼻血を出し、「被害」が続いています。(写真はがれき輸送コンテナ)

 ふくしま疎開裁判で10・1仙台アクション 東北大学 石田真弓

 「ふくしま集団疎開裁判10・1仙台アクション」は、「原発をなくしたい」「子どもたちを放射能から守りたい」という思いで立ち上がった人たちの主体的な行動によって成り立った闘いです。市民一人ひとりが力を合わせた時に、非常に力のある行動を実現できることを実感しました。
 私は同様の印象を宮城の金曜デモにも感じています。金曜デモの実行委員会では、トラメガがそろわないとか、コールやデモ指揮が成り立たないといった課題がたくさん出るのですが、それでも一回一回の金曜デモを成功させ、なんとか参加者を増やして運動を大きくしていきたいというスタッフ全員の思いから意見や解決策が出され、回を重ねる度に金曜デモが豊かになっています。
 9月末の金曜デモの実行委員会で「10・1はスタッフが足りていないようだから、可能な人は早めに行って手伝ってあげてほしい」という声があったので、私も東北大学学生自治会の仲間とともにトラメガや鳴り物を持って参加し、受付を手伝うなどして一緒に行動を担うことができました。反原発闘争の高揚の中で、明確に新たな連帯が生まれてきています。
 また参加者から口々に語られたことは、山下俊一に対する怒りでした。大学、御用学者がいかに多くの人民の怒りの的になっているのかを再確認しました。
 そうであるからこそ私たち学生に対する期待は明確に高まっています。もっと多くの学生とともにデモに参加し、大学を変えていく闘いを発展させなければと決意を新たにしました。

 動労千葉の滝口さんと物販で労組オルグ 医療福祉労働者 S

 昨日、動労千葉の滝口誠さんと一緒に、冬季物販の労組オルグをしました。反応は笑顔の人から冷ややかな人までさまざまでした。
 自分が一番感動したのは、元NTTの労働者に話をした時です。その人は、親御さんの介護に集中したいと、「労働運動から身を引きたい」と言っていた方でした。
 その人が、滝口さんやわれわれの話を聞いているうちに、NTTが民営化された時の話を、自ら語ってくれました。
 僕は、その姿に自己解放を見ました。動労千葉や、われわれがやってきた闘いが、確実に実を結んでいる。絶対反対・解雇撤回の路線こそ、労働者を自己解放に導くんだ、という確信を持ちました。
 4・9政治和解で、政府とJRが企てた労働運動の根絶は、僕らの街でも阻まれている。この感動と確信を武器に、自らの職場での組織拡大を実現していきたいと思います。みなさん、11・4集会でお会いしましょう。

 地域交流会に初参加若返った労働者の話 東京 落合律子

 私たちの職場では、週に1回、「地域交流会」を開催しています。今日もこの会を楽しみにしている労働者が仕事帰りに続々と集まってきます。
 そこへ、杖をついた高齢の男性が通りかかりました。「楽しそうにみんなでご飯を食べているねぇ」「一緒にいかがですか?」。ふかし立てのジャガイモにおいしいバターや、たらこ、塩辛をのせて。ほかにもごちそうがたくさんあります。
 「みんなで食べるとおいしいね。このちゃんこなべも実にうまい!」
 話しこむうちに、この人は今年の春まで”ベテランの生コン運転の労働者”だった、と分かりました。「じゃあ、鈴木コンクリートって知ってます?」「よ〜く知っているよ、地元だもん。僕はこの業界、長いしさ。この地域で働く生コン労働者たくさん知ってるよ」
 聞けば、生コンで十数年働き続けたが、ずっと”アルバイト”だったという。病気で現役を退いたけど、妻も体調が悪く、子どももいなくて、最近は引きこもりがちだったらしい。
 「ここへ来て、生コンの労働のこと、いろいろ聞かせてくださいよ。長年、アルバイトで働いているという、仲間の生コン運転の労働者のことを話してください」と頼むと、がぜん、この労働者が生き生きしてきた! 「わぁ〜〜、楽しそうだね 。喜んで! 本当に来ていいの?」
 この労働者が一気に10歳くらい(見た目が)若返った! 来た時は丸まってしょんぼりしていた背中が、帰りはシャンと伸びています。持ってきた杖を忘れそうになるほどです。また来ると日取りまで決めて、生き生きと帰って行きました。

 共謀罪・秘密保全法新設策動に警鐘乱打 東京 A

 10月19日、東京・日本橋公会堂で「共謀罪国会上程阻止!一切の治安立法を許すな!総決起集会」(主催/破防法・組対法に反対する共同行動)が開かれ、70人が結集した。
 臨時国会開会を目前にした本集会は、上程の危険水域に突入した共謀罪、秘密保全法新設策動を労働者民衆の団結した力でたたきつぶすことを宣言する場となった。
 基調報告は、共同行動事務局が「原発を推進し、オスプレイ配備を強行し、増税と復興予算を食い物にする国家や社会のあり方に対して、権利と生存をかけた運動現場の闘いは、戦争と治安管理国家化との攻防そのもの」「そのただ中で、治安弾圧と監視社会に抗する現場の力を治安立法反対に結集し、秘密保全法案とダーティー捜査導入でモンスター化する共謀罪を葬り去る」「臨時国会に向けた運動の陣形と構えをつくろう」と提起した。
 連帯あいさつは共通番号制に粘り強く反対してきた反住基ネット連絡会、インターネット管理・支配に反対の論陣を貫いてきた山下幸夫弁護士などが行った。カンパアピールのあと、労働争議の現場、反原発運動の進展と治安動向、自衛隊の区役所展開に見られる戦時体制づくりの現況、保安処分や心神喪失者等医療観察法との闘いなど、さまざまな戦線からの報告とアピールが続いた。
 最後に関東学院大学教授の足立昌勝さんが「今回の秘密保全法の特徴は、外交秘密、防衛秘密に加えて、警察秘密を加えたこと」「処罰の早期化を狙い、共謀段階での処罰を求めている」と喝破し、「共謀罪導入阻止のためにも、秘密保全法の制定を許してはならない」と強く訴えた。 
 共謀罪の主ターゲットは階級的労働運動、そして反原発闘争に据えられている。11月労働者集会は、共謀罪新設阻止の決定的に重要な闘いでもある。
 10・29臨時国会開会日に再開される4度目の共謀罪提出阻止の国会行動を断固として闘おう。

 市東さん裁判傍聴し農地強奪攻撃に怒り 東京 高村宏信

 市東さんの農地強奪攻撃が迫る中、10月15日、その市東さんの裁判の傍聴闘争に参加した。
 市東さんに関わる裁判は、全部で五つもある。普通でも農作業で忙しいのに、今月は市東さんの裁判は3回もあった。
 市東さんの家と畑の周囲直近に巨大な空港設備を建設し、四六時中の騒音と振動、排気ガスを強制し、市東さんの家を機動隊が24時間監視下に置いている。農作業という生活に必要な日常の時間までも裁判で奪おうとしている。「農地を奪うことは私の命を奪うこと」と闘っている市東さんだが、この怒りをどう表していいかわからない。
 この日の裁判の証人は、元国交省成田空港課長・石指。石指は、今神戸で海上保安庁の要職にあり、現場を離れられないから神戸地裁から千葉地裁にテレビ中継するという原則破りの裁判運営だ。弁護団先頭に抗議。傍聴席からも「ビデオリンクやめろ、証人をここへ連れてこい」と言うと、裁判長は「発言禁止」「退廷」の連発だ。
 石指は「話し合いを基本として進めてきた」と、歴代の空港推進者が使ってきた「話し合い」を連呼したが、では今裁判で市東さんの農地を取り上げようとしていることについて何か言ってみろ、と言いたくなる。
 市東さんの闘いに応え、労農学全人民の力で農地強奪を絶対粉砕しようと決意を固めた。

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週刊『前進』(2558号6面2)(2012/10/29 )

 爆取弾圧裁判 弁護側立証で無実鮮明

 デッチあげの核心が崩壊

 無実訴え26年闘う3同志

 10月22日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し控訴審第5回公判が、東京高裁第6刑事部(山崎学裁判長)で開かれ、物理学とコンピューター数値解析の専門家T教授が証言した。
 須賀武敏、十亀弘史、板垣宏の3同志は、1986年の東京サミットを直撃した迎賓館・横田の両戦闘に一切関与していない。青天白日無実である。3同志は、国家権力の革共同破壊を狙ったデッチあげ弾圧に不屈に立ち向かい、26年間、労働者階級と一体となって闘い続けてきた。
 一審無罪判決を覆した、2010年に出された差し戻し一審有罪判決は、岩手借家から押収されたメモ類を恣意(しい)的・捏造(ねつぞう)的に解釈したもので、国家権力のむき出しの暴力であると同時に、ペテン性・脆弱(ぜいじゃく)性が露骨なデッチあげ判決であった。
 5月から始まった差し戻し控訴審で3同志は、「岩手押収メモは、鍋爆弾のために、元になるメモを書き写した非オリジナルメモである」事実を鮮明に明らかにした。今回のT氏の証言は、その事実を客観的に明らかにするもので、差し戻し一審判決のデッチあげを打ち砕く決定的なものであった。
 T氏は自身が作成した検証結果報告書や「証拠」とされたメモなどをプロジェクターで示しながら、メモに記載されたプログラムや記号の意味について、正確にしかも分かりやすく解説し、差し戻し一審判決の誤りを完璧に、的確に指摘した。
 差し戻し一審判決は「甲361メモ」と「弁52〜56メモ」について、「両者の関係性が証拠上不明であり、甲361メモは迎賓館と横田基地事件のために書かれたオリジナルメモだ」と認定している。これに対して、T証人は「両者は、空気抵抗が速度の2乗に比例する場合の放物運動体の飛距離や高度の数値計算を行うプログラムに関係するメモであり、互いに密接な関連性を有している」ことを証言し、その認定の誤りを明らかにした。
 さらに、「甲361メモには、記載されているアルファベットや記号・数字・コマンドなどをまったく理解していない者が書き写したと思われる痕跡が多数存在する」ことを指摘し、「甲361メモは書き写された可能性が高い」ことを客観的に明らかにした。
 T氏の証言に打撃を受けた検察官が、反対尋問を試みたが、逆に、両メモがお互いに密接な関連性を有するメモであることを一層証明することになり、自ら墓穴を掘る醜態をさらした。
 裁判官の尋問も、「甲361プログラムメモの有する汎用性」を確認するものとなり、「同メモが、迎賓館と横田事件という特定の事件のために作成された」とする認定の誤りを明らかにするものとなった。
 窮地に立たされた山崎裁判長は、この日の公判で、被告・弁護側が取り調べを求めていた、残る3人の証人とその意見書、鑑定書等の採用を却下し、事実調べを終了する反動的決定を強行した。
 この許しがたい決定に対し、弁護人が異議を申し立てた。続いて3同志が、控訴審で陳述権が奪われている現実を打ち破って、怒りの発言を闘い取った。

 3月最終弁論に結集しよう

 T氏も参加した裁判終了後の報告集会では、第3回公判でのO氏の証言に続くT氏の証言が3同志の無実を完全に証明したこと、控訴審裁判官がいかなる詭弁(きべん)を弄(ろう)しても真実を葬ることはできず、無罪判決に向けて決定的地平が切り開かれたことを確認した。
 その上で、来年3月25日の控訴審第6回の最終弁論公判に向けて、全力で最終弁論を準備すると同時に、裁判所を包囲する大衆的運動を圧倒的に拡大し、その力で無罪判決を実力でかちとることをともに確認した。
 11・4全国労働者総決起集会を巨万の労働者・人民の結集で成功させよう。闘う労働組合を甦(よみがえ)らせる団結を組織して、〈国鉄1047名解雇撤回! 外注化阻止・非正規職撤廃! 反原発・反失業を闘う国際統一行動〉の爆発をかちとろう。その階級的な底力と、情勢の激動こそが、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧を根底的に打ち砕く。
(写真 公判後、T証人を囲んで報告集会。大衆運動を拡大して3・25最終弁論を闘い無罪判決へ!【10月22日 東京】)

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週刊『前進』(2558号6面3)(2012/10/29 )

 星野同志と面会求め

 10・10徳島刑務所行動

 齋藤委員長(郵政非正規ユニオン)が猛抗議

 10月10日に星野文昭さん面会行動が徳島刑務所で行われました。東京から妻の星野暁子さんと、郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長が面会に臨みました。
 齋藤委員長の思いは、「自分たち労働者、とりわけ非正規職と星野さんは一体です」「青年労働者が非人間的な現実に立ち上がったら、そのリーダーをデッチあげて弾圧する、この構図を許しておいては、僕も含めて闘うことができない!」「だから自分の解放の課題として、絶対に星野さんへの無期懲役を打ち破る」ということでした。
 岡山救う会、広島救う会、徳島救う会から集まった10人も「差し入れ」と刑務所包囲ウォークをしました。
 この行動の中心を担ったのは郵政非正規ユニオン・齋藤委員長、動労西日本・山田和広副委員長ら労組の青年役員です。
 暁子さんは面会できましたが、齋藤委員長は面会できませんでした。刑務所側の不当妨害には怒り心頭です。刑務所に対して10人が一致団結して1時間にわたり猛然と抗議しました。
 刑務所側は「面会の必要性がない」と繰り返すのみでした。「面会の必要性」とは何なのか! 
 齋藤委員長が「1万回手紙を書いても面会できないのか」「自分が宇宙から来た宇宙人なら面会させるのか」と理路整然と追及しました。
 面会した暁子さんによると、文昭さんはこの待ち時間を「今日は、齋藤君やりあってるなあ。がんばってるなあ」と思っていたとうれしそうに話されたそうです。
 夜には、地域連帯集会を開催し、齋藤委員長と暁子さんと固く団結しました。この獄壁を打ち破る力は、11・4労働者集会への階級的労働組合の結集にこそあります。全力で奮闘します。
 (徳島 指原博)
(写真 徳島刑務所前で星野暁子さんを囲んで【10月10日】)

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週刊『前進』(2558号6面4)(2012/10/29 )

 星野再審へ異議申立補充書(中)

 第2次再審棄却を批判する

 少年を逮捕し自白強要 「Kr供述」の捏造を暴く

 異議審の「補充書」は、第3章でKr供述はまったく信用できないことを明らかにしている。
 Kr供述は、星野文昭同志を「機動隊員を殴打し死亡させた実行犯」とデッチあげた核心に位置している。Kr供述は、星野同志と弁護団の闘いで、すでに根底から崩壊しているにもかかわらず、裁判所は何がなんでもKr供述を維持しようとしている。
 1971年11・14沖縄闘争に大打撃を受けた国家権力は総力を挙げて、デッチあげに走った。最初は、闘争の主力を担った青年労働者を次々に逮捕した。ここでのデッチあげが粉砕されると、次に星野同志を犯人にデッチあげることを目的に、群馬の学生を次から次へと事後逮捕した。Krはそのうちの一人で、当時18歳の少年であった。

 強引な取り調べ

 警視庁の公安刑事と、東京地検の公安検事は、Krに対する強引な取り調べを開始する。少年であることにつけ込み、約3カ月間、毎日10時間前後という不当な長期・長時間の取り調べを続けたのである。
 蓄膿症だったKrに「治療を受けたければ言うことを聞け」と脅し、父親を呼び出して「説得」させ、「殺人罪」の恫喝を浴びせ続けた。Kr供述は、自白↓自白撤回・否認↓再自白↓家庭裁判所での否認↓検察官の調べで再々自白↓控訴審での否認と変転し、自らも「殺人罪」をデッチあげられた。結局28通もの調書が捏造(ねつぞう)され、見てもいないのに「星野さんが殴打していた」と供述させられたのである。
 11月14日当日、Krは星野同志とは初対面で名前も知らなかった。後に法廷で星野同志を間近に見ても分からなかった。
 Krが現場で見ているのは、「きつね色の背広上下を着た人が鉄パイプを持って殴っていた」ということだけなのだ。しかし、警察官や検察官に追及されて「現場ではほとんど初めて会った人たちばかりなので、人物として特定し難かったが、じゃあお前、記憶の範囲で名前を知っている見たことのある人間を挙げろと言われて、星野さんの名を挙げた」。
 Krは、「捜査官からほかの人間も言っていると言われて、それは間違いないだろうということで調書に記載されていった」と、公判で証言している。Krは、殴打行為者は「星野」ではないかと捜査官から問い詰められ、それに迎合せざるを得なかったのだ。
 第1次再審闘争で、星野同志の着衣の色がKr供述とは違うことが明らかになり、Kr供述が崩壊するや、第2次再審棄却決定では、「Krが中野駅から神山派出所前付近まで星野の防衛隊の一員として星野の身辺で星野と行動をともにし、その声も間近で何回も聞いていること、そのようなKrにおいて、星野を他の者と取り違えるとは考え難い」などと勝手に決めつけている。

 遠隔操作事件も

 「防衛隊」というのは捜査側がつくり上げたもので、あたかも終始、星野同志の周りにいるはずだと決め付けているが、事実はまったく違う。「声で分かった」と言うに及んでは、あきれてものが言えない。声による判別は、目撃よりもはるかにあいまいで誤認が多い。しかも、Krは星野同志の声は当日の演説で初めて聞いたのだ。
 少年への強引な取り調べと、デッチあげ「自白」の強要は、警察・検察の一貫した常套(じょうとう)手段であることは、パソコン遠隔操作ウィルス事件でも明らかになった。
 誤認逮捕された19歳の少年が「検察官に『否認したら長くなる』と言われて」デタラメな自白調書を書かされ、保護観察処分にまでなっている。少年は「本当はやっていないが、勾留期限直前に警察官から『認めないと少年院に行くことになる』とも言われた」と言っている。
 星野同志は無実だ。Kr供述は虚偽であり、星野同志をデッチあげるために、権力によって捏造されたものだ。
 全証拠開示大運動を全人民的に発展させ、必ず、星野同志を獄中から取り戻そう。11・4全国労働者総決起集会に結集し、闘う労働者、労働組合とともに新自由主義と闘おう。11・23星野再審全国集会を闘い取ろう。

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週刊『前進』(2558号6面5)(2012/10/29 )

 11・23星野再審全国集会

 11月23日(金)正午開場、午後1時開会
 赤羽会館(JR京浜東北線赤羽駅東口)
 主催/星野さんをとり戻そう! 全国再審連絡会議

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