ZENSHIN 2013/01/21(No2568 p06)

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第2568号の目次

“市東さんの農地を守る” 反対同盟と労農学140人は成田空港敷地に食い込む開拓組合道路に結集し安倍打倒・農地決戦勝利への第一声を上げた(1月13日 成田市東峰)

1面の画像
(1面)
2・17国鉄集会に大結集を 外注化阻止・非正規職撤廃と3月大量解雇粉砕へ闘おう!
2・4―18三里塚裁判 千葉地裁大包囲闘争へ
記事を読む  
三里塚新年デモ 3・24現地大結集訴え  半年間の非常臨戦態勢を(1月13日) 記事を読む  
前進速報版から 記事を読む  
(2面)
動労千葉 職場から外注体制粉砕へ  旗開きで新たな戦闘宣言(1月12日) 記事を読む  
動労水戸定期大会 “安倍打倒の先頭に”  組織拡大へ態勢強化(1月12日) 記事を読む  
中四国革共同集会 青年指導部が鮮烈に登場  13年決戦へ総力突入を誓う(1月14日) 記事を読む  
「安倍バブル」早くも危機
公共事業拡大し大資本救済 消費大増税で労働者にツケ
日帝債務危機とインフレの爆発へ
記事を読む  
(3面)
駅業務の外注化阻止へ
一括業務委託の攻撃を許さずGS(グリーンスタッフ)制度撤廃させよう
JR東「経営構想V」と対決をA(北倉和夫)
記事を読む  
安倍打倒・原発廃炉へ  新年最初の官邸前行動(1月11日) 記事を読む  
全国から2・24橋下打倒闘争へ
下水道・バス・地下鉄・教育全面外注化の強行狙う橋下(革共同関西地方委員会)
記事を読む  
【要項】2・24橋下打倒集会 記事を読む  
(4面)
国鉄・反原発・星野闘争の勝利へ 地方委員会から2013年の決意 下 記事を読む  
2013年日誌 1月1日〜14日
釣魚台警備に海保400人専従/経産省の原発回帰鮮明
記事を読む  
(5面)
全国から3・24三里塚現地へ
反対同盟旗開き 今年は農地決戦だ  2〜3月大闘争へ方針提起(1月13日)
記事を読む  
反対同盟 新年の決意(1月13日) 記事を読む  
2013年闘争宣言 記事を読む  
支援・連帯のアピール(1月13日) 記事を読む  
マル学同京大支部アピール
闘う同学会を強化・発展させ松本・葛西打倒の全学ストへ
記事を読む  
(6面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
2・9富山再審集会へ  富山保信同志のアピール 記事を読む  
韓国大統領選と労働者階級  現場労働者の候補押し立て非正規職撤廃めざし闘った 記事を読む  
富士康で再び大規模スト  リストラと賃金めぐり 中国全土に争議拡大(河原善之) 記事を読む  

週刊『前進』(2568号1面1)(2013/01/21 )

 2・17国鉄集会に大結集を

 外注化阻止・非正規職撤廃と3月大量解雇粉砕へ闘おう!

 2・4―18三里塚裁判 千葉地裁大包囲闘争へ

 動労千葉の原点である反合理化・運転保安闘争で外注化をぶっ飛ばす! 動労千葉の田中康宏委員長は1月12日、団結旗開きで力強く宣言した。動労千葉は、新自由主義攻撃が吹き荒れる時代に立ち向かい、新たな反合・運転保安闘争の路線をつくりだし、外注化阻止決戦の第2ラウンドに突入した。外注化阻止・非正規職撤廃へ2013年決戦の火ぶたは切られた。国鉄、自治体、郵政、教労を先頭に、全産別・全職場で外注化阻止決戦を闘い、闘う労働組合を再生しよう。この1〜3月、国鉄決戦、反原発決戦、星野同志奪還の全証拠開示運動を爆発させ、極右超反動の安倍政権を絶対に打倒しよう!

 解雇撤回・JR復帰絶対にかちとるぞ

 2・17労働者集会は、国鉄1047名解雇撤回闘争の新たな発展をかちとり、解雇撤回・JR復帰をかちとるための集会だ。1987年2月16日は、国鉄労働者7628人のJR不採用が決まった日だ。動労千葉は、この国家的不当労働行為を絶対に許さず、解雇撤回・JR復帰を求めて26年間闘ってきた。そして、昨年6月29日の動労千葉鉄建公団訴訟の東京地裁判決において、国鉄当局が動労千葉や国労に対し採用差別を行ったこと、採用差別がなければ動労千葉争議団員はJR東日本に採用されていたことを初めて認めさせた。画期的な勝利だ。
 東京高裁での控訴審闘争で、不当労働行為を完全に認めさせ、解雇撤回・JR復帰をかちとろう! 2月27日の動労千葉鉄建公団訴訟控訴審第2回口頭弁論への大結集を訴える。動労千葉冬季物販にさらに取り組み、動労千葉を支援する会の会員を拡大しよう。
 さらに2・17労働者集会は、外注化阻止・非正規職撤廃の決戦を闘う集会だ。昨年の10・1外注化阻止決戦は、JR東日本全体で青年労働者を先頭にした国鉄労働者の大反乱をつくりだした。そして今や、10・1外注化とは本来の意味での業務委託ですらない、デタラメな実態が次々と明らかになっている。
 JR東日本から千葉鉄道サービス(CTS)に強制出向になった労働者は、どんな委託契約のもとで自分が働いているかも分からず、出勤しないとその日の仕事が分からない。
 仕業検査や構内運転などの業務が一括してCTSに委託されたわけではなく、毎日、JR東日本が一つひとつの業務をCTSに発注している。JR東日本はCTSに対し「指示書兼発注書」なるものを出しているが、本来「指示書」はCTSの管理者がCTSの現場労働者に業務を指示するもので、「発注書」はJR東日本がCTSに業務を委託するものだ。両者の性格はまったく違う。
 だが「指示書兼発注書」という一つの書式で出されている。これが「業務委託」と言えるか。業務委託とは名ばかり、実際はJR東日本がCTSに指揮命令を行っているのだ。違法な偽装請負そのものである。

 経営構想X打ち破る反合闘争へ

 動労千葉は反合理化・運転保安闘争路線で、外注化がもたらす安全破壊・雇用破壊と闘う職場抵抗闘争と、裁判闘争、組織拡大を一体のものとして闘う決戦に突入した。動労千葉や動労水戸と団結して、全産別・全職場で外注化阻止・非正規職撤廃を闘おう! 2月27日には動労総連合の強制出向無効確認訴訟の第1回口頭弁論に大結集をかちとろう。
 2・17労働者集会は同時に、JR東日本の「グループ経営構想X」と全面対決する集会だ。「経営構想X」は、日本帝国主義の延命をかけた戦略的企業、JR東日本が外注化・非正規職化攻撃の先頭に立つことを宣言し実行する大攻撃だ。
 この1月、「JR東日本グループ人事担当者のための非正規雇用に関する法律と実務」なるセミナーがJR東日本本社ビルなどで行われている。中身は「改正労働契約法の内容と実務対応」「改正労働基準法施行規則の内容と実務対応」「改正高年齢者雇用安定法の内容と実務対応」というもので、今やJR東日本は雇用破壊、総非正規職化、団結権否定の最先兵である。JR資本との闘いは全労働者の未来をかけた決戦だ。
 2月ライフサイクル強制配転と対決し、駅業務の全面外注化と闘おう。3月ダイヤ改定を迎え撃ち、4・1外注化阻止へ攻め上ろう!
 2・17労働者集会はまた、年度末に向け吹き荒れる雇用全面破壊に立ち向かう春闘総決起集会でもある。大恐慌の本格化と3・11大震災・原発大事故情勢のもとで大量解雇攻撃が激化している。請負契約打ち切りによる全員解雇、年度末の雇い止め解雇が始まっている。合同労組に多くの労働相談が寄せられ、連日、資本との団交が激しく闘われている。
 解雇は殺人だ。しかも安倍政権は大資本救済に13兆1千億円もの大型補正予算を閣議決定する一方、生活保護費の支給水準引き下げを狙っている。労働者の怒りを2・17集会に総結集し、労働者人民の生存をかけ、安倍打倒へ進もう!

 3・1ビキニデー―3・11福島闘争へ

 安倍は1月16日、初の外遊先としてベトナムを訪問し、ズン首相との会談でベトナムへの原発輸出を推進することで合意した。絶対に許せない! そもそも全国に50基以上の原発を建設し、福島で大事故を起こした最大の責任者は自民党ではないか。この犯罪者どもが誰も監獄にぶち込まれず、再び政権を握り、原発の再稼働や新増設、核燃料サイクルの継続や原発輸出を推進している。こんなことが許せるか!
 安倍政権による福島圧殺と原発推進を絶対許さず、首相官邸前・霞が関行動を闘おう。3・1杉並ビキニデー集会から3・11福島現地闘争へ、全国にNAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議=な全)を組織し、労働組合の力を軸に反原発の100万人決起をつくりだそう。
 さらに星野同志奪還へ全証拠開示大運動を巻き起こそう。『国際労働運動2月号』(「星野文昭さんは無実だ」総特集)の学習会を行おう。ここには70年安保・沖縄闘争を最先頭で闘った政治犯、星野同志の無実が100%証明され、国家権力の反人民的な正体が完全に示されている。今や警察や検察による調書ねつ造などの権力犯罪が次々と暴露されているが、星野同志も警察・検察が少年に国家暴力をふるってウソの供述調書をねつ造して「殺人犯」にデッチあげられた。こんな権力犯罪を絶対に許すな! 全証拠開示運動の爆発で無実の星野同志を奪還しよう。
 市東孝雄さんの農地死守をかけた三里塚決戦は、1月13日の三里塚新年第1波デモと団結旗開きの大成功をもって新たな火ぶたを切った。市東さんの農地をめぐる行政訴訟・農地法裁判は、2月4日に萩原進事務局次長の証人尋問、2月18日に市東孝雄さんの本人尋問が行われ、最大の山場を迎える。裁判闘争に大結集し、千葉地裁を労働者人民の怒りで包囲しよう。市東さんの追い出しを狙う第3誘導路3・7供用開始を粉砕し、3・24三里塚現地集会に全国から大結集しよう。

 国鉄・反原発・星野軸に安倍を倒そう

 世界大恐慌が本格的爆発過程へ進み、戦争と大失業が労働者人民に襲いかかっている。労働者人民の生きる道は、腐りきった資本主義・帝国主義を打倒し、プロレタリア世界革命に勝利することの中にある。安倍政権は大恐慌と3・11大震災・原発事故に絶対的に規定され、帝国主義間・大国間の大争闘戦に追い詰められた超危機的政権だ。帝国主義としての延命と大資本救済をかけた大規模公共事業、2%のインフレターゲット、戦争・改憲、消費大増税、原発推進、社会保障解体など、安倍が行うあらゆる超反動政策は、逆に労働者人民の怒りを極限的に爆発させ、プロレタリア革命への闘いの前進をつくりだす。
 国鉄、反原発、星野同志奪還の3大決戦、三里塚、沖縄、八尾北・西郡、改憲阻止の4大攻防など、あらゆる闘いが安倍打倒に向かって火を噴くのが1〜3月決戦だ。
 2013年の『前進』新年号が発行されるとともに、次々と新たな定期購読者が生まれている。『前進』を労働組合と党の一体的建設のための最高の武器としてしっかり位置づけ、使いきろう。労働者に提起し拡大しよう。いざ2013年決戦勝利へ進もう。

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週刊『前進』(2568号1面2)(2013/01/21 )

 三里塚新年デモ 3・24現地大結集訴え

 半年間の非常臨戦態勢を

(写真 “市東さんの農地を守る” 反対同盟と労農学140人は成田空港敷地に食い込む開拓組合道路に結集し安倍打倒・農地決戦勝利への第一声を上げた【1月13日 成田市東峰】)

 1月13日、三里塚芝山連合空港反対同盟の新年初の敷地内デモと団結旗開きが行われ、正念場を迎えた農地決戦の決意、闘魂、意気込みと具体的方針を鮮明に表した。(関連記事5面)
 午前10時、快晴のもとで反対同盟と支援の労働者・学生はまず東峰神社に集まり、新年恒例の鳥居のしめ縄の付け替えを行った。手際よく作業を進めるその頭上40bを、すさまじい騒音とともにジェット機が次々と離陸していく。この場所は、暫定滑走路の南への延伸を阻む闘いの拠点だ。
 作業を終えて東峰の開拓組合道路へ移動した。すでに大量の機動隊と私服刑事がものものしい警備態勢を敷く中、デモ参加者がさらに続々と駆けつけ、お互いに新年のあいさつを交わす。
 集会が始まり、司会の萩原富夫さんが第一声で「新たな気持ちで決戦に立とう。反対同盟は宣伝カーを新しくしました」と報告すると歓声が起こった。続いて伊藤信晴さんが反対同盟の2013年闘争宣言を読み上げ、「本日をもって半年間の非常臨戦の決戦を宣言する」との力強い結語に大きな拍手がわいた。
 続いて北原鉱治事務局長があいさつに立った。「現闘本部に対して行ったような闇討ちを市東さんに対しても行ってくるだろう。この空港建設は最初から間違っていた。三里塚の闘いは生きる権利の主張だ」と決起を訴えた。
 動労千葉執行委員の越川幸夫さんが連帯発言に立ち、農地決戦と固く結んで検修・構内業務外注化阻止闘争、1047名闘争に全力を尽くすことをアピールした。
 関西実行委の発言に続き、顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が「市東さんの農地と建物に対して一指も触れさせない闘いを必死の覚悟でやりぬく」と決意をたたきつけた。
 シュプレヒコールを上げて140人がデモ行進に出発した。「農地強奪、営農破壊を許さない/第3誘導路供用開始粉砕」と大書した横断幕が高く掲げられ、反対同盟が先頭に立った。旧県道に出ると目の前に天神峰の市東孝雄さんの畑が広がっている。この農地、作業場などをすべて明け渡せと成田空港会社(NAA)は迫っているのだ。
 市東さんの家の前を通り、すでにその姿を現している第3誘導路をにらみながら、デモは市東さんの南台の畑に到着。ここの農地もNAAは奪おうとしている。参加者は怒りを倍増し、豊かな恵みをもたらすこの土地を、労農学連帯の力で絶対に死守することを固く誓い、さらに天神峰までの往復デモをやりぬいた。
 午前11時過ぎ、反対同盟は市東さん宅の離れで記者会見を開いた。萩原進事務局次長が、市東さんの農地を守る闘いに格段の決意と態勢をもって臨むことを強調し、第3誘導路の3・7供用開始前倒しや飛行時間制限緩和などの攻撃を許さず、あらゆる行動に立つことを明らかにした。
 市東さんの農地をめぐる待ったなしの2013年決戦が幕を開けた。2〜3月の攻防を闘い、3・24三里塚全国集会に全力で立ち上がろう。
(写真 「非常臨戦」が宣言され例年を上回る緊張感と高揚感の中、「乾杯」の声が旗開き会場に大きく響き渡った【1月13日 成田市】)

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週刊『前進』(2568号1面3)(2013/01/21 )

前進速報版から 前進速報版から

▼4・24法大弾圧裁判上告棄却を弾劾する▼富士康でまたストライキ、中国全土で争議が爆発▼三里塚、動労千葉などで団結旗開き

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週刊『前進』(2568号2面1)(2013/01/21 )

 動労千葉 職場から外注体制粉砕へ

 旗開きで新たな戦闘宣言

 動労千葉の団結旗開きが1月12日、DC会館で盛大に開催された。
 冒頭の新年のあいさつで田中康宏委員長は、12年間にわたって阻止してきた検修・構内業務の外注化が強行されたこと、国鉄分割・民営化から25年目にして動労千葉鉄建公団訴訟で画期的前進を切り開いたことの2点を挙げ、「昨年は動労千葉にとって本当に大きな節目の年だった」と1年の闘いを振り返った。
 そして、「2013年は本当の意味で勝負の年になる。われわれが新たに進むべき方向は何か。動労千葉の原点である反合理化・運転保安闘争に返るということだ。安全破壊と雇用破壊という二つの矛盾を突き、新しい時代の反合・運転保安闘争を現場からつくりあげる。そのことを今日、多くの組合員とともに決意したい」と述べた。
 検修外注化が強行され、現場組合員が分断されている状況を踏まえ、結成以来の基軸路線である反合・運転保安闘争を中心に据えた職場抵抗闘争で徹底的に勝負することを打ち出した重要な提起となった(発言要旨別掲)。
 来賓あいさつの冒頭、決戦の三里塚から駆けつけた三里塚芝山連合空港反対同盟の北原鉱治事務局長が、70年代後半のジェット燃料貨車輸送阻止闘争の思い出を振り返りながら動労千葉との変わらぬ労農連帯を表明。顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士は「動労千葉を先頭とした階級的労働運動が全労働者を獲得する時代が来た。弁護団は動労千葉組合員と固く団結して徹底的に闘う決意だ」と熱いエールを送った。
(写真 全員で団結ガンバローを行い意気高く1〜3月闘争への突入を宣言した【1月12日 千葉市】)

 強制出向者を必ず取り戻す

 田中委員長と家族会の山田佐知子会長が鏡開き、参加者全員が2013年の奮闘を誓い乾杯した。杯を傾けながら各支部の組合員同士、組合員と支援が交流を深めた。
 OB会、家族会、動労水戸、ス労自主、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会、星野全国再審連絡会議の星野暁子さん、全学連、婦人民主クラブ全国協など各界から続々と連帯あいさつが行われた。
 動労千葉争議団の中村仁さんが鉄建公団訴訟控訴審勝利への決意を語り、幕張支部の山田護支部長は「長い闘いをやる気はない。絶対に勝って、今年中には出向させられた組合員を必ず原職に取り戻す」と宣言、木更津支部の山中茂夫支部長は久留里線ワンマン運転導入阻止を訴えた。
 青年部からは、津田沼支部の滝厚弘さんが2月で丸3年となるライフサイクル強制配転粉砕―運転士復帰の決意を表明、幕張支部の渡辺剛史さんと、木科雄作さんが外注化を粉砕し組織拡大の先頭に立つ決意を示した。
 恒例のビンゴ大会で会場がひとつになった後、各支部の代表が次々とマイクをとって決意表明を行った。最後に長田敏之書記長が「私も下請け会社に強制出向させられた当該。正月だけど『おめでとう』という気分ではない。職場から新たな闘いに突入し、勝利して、必ずJR本体に戻る。この闘いの過程で組織拡大を実現する。その時に初めておめでとうと言いたい」と団結旗開きをまとめた。参加者はともに闘う決意を込めて大きな拍手で応えた。全員がインターナショナルを大合唱、団結ガンバローを行い1〜3月闘争への総決起を誓い合った。
 動労千葉を先頭とする外注化阻止闘争は昨年、闘う労働運動の復権に向けた画期的な前進を切り開いた。今年の団結旗開きは、この地平を圧倒的な土台にしながら、実際に検修外注化が強行された困難な職場の現実に立ち向かう新たな戦闘宣言を発する場となった。
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 田中委員長の年頭あいさつ

 新自由主義うち破る反合・運転保安闘争をつくり出す

 昨年は動労千葉にとって節目の年でした。第1の理由は、検修・構内業務の外注化が強行されたことです。シニア制度と闘い始めて以降12年間、組織の総力を挙げて闘ってきた課題ですから大きな節目です。もう一つは、国鉄分割・民営化から25年にして、動労千葉鉄建公団訴訟の6・29東京地裁判決であの反動裁判所に不当労働行為を認めさせた。この二つを土台にして2013年、動労千葉は進みます。
 新たな進むべき方向は何か。外注化を強行された現実の中で頭が痛くなるほど考えました。そして、動労千葉の原点である反合・運転保安闘争に返ることだと固く決意しました。
 外注化強行以降、現場は「矛盾だらけ」というよりも、すべてが矛盾です。それは敵の弱点でもある。でも、それに立ち向かうことができなかったら、この矛盾は労働者の団結と労働組合を破壊します。反合・運転保安闘争の出発点がそうでした。運転士に事故責任がないにもかかわらず現場は真っ暗になって展望を失い、それから立ち上がるのは大変でした。「ここに敵の弱点があるんだ。運転士には一切責任はない。すべての責任は国鉄当局にある」と言い切ったのは中野洋前委員長だけでした。
 新自由主義攻撃が吹き荒れる新しい時代の反合・運転保安闘争においては安全破壊と雇用破壊が最大の矛盾です。矛盾は山ほどある。現場と本当にひとつになり「これだけは絶対に譲れない」という課題をつかみとって具体的運動にする。裁判闘争と一体となって闘う。「どんな困難も突き破って絶対に勝ち抜く」という執念で闘うことが求められています。
 今の外注化阻止闘争は一朝一夕でできたものではありません。シニア制度による再雇用を拒否して「職場は絶対に売り渡さない」と自ら首になってくれた三十数人の先輩たち。シニア制度を粉砕した後も、エルダー社員として下請け会社に再雇用された約四十人の組合員は「後輩の仕事を奪うわけにはいかない」と検修・構内業務を拒否し、きつい清掃の仕事に就いてくれた。こういう闘いを見た平成採の若い仲間が人生をかけて動労千葉に来てくれた。僕らはこれを背負って新しい時代の反合・運転保安闘争を職場からつくります。
 今年は安倍政権のもとで改憲・戦争とともに労働者の雇用と権利を破壊するという意味でも戦後史の節目になる年です。JRも大きく変貌(へんぼう)しようとしています。直ちにライフサイクルで駅に飛ばされた津田沼支部の滝君を運転士として奪い返す闘いが始まります。3月春闘過程で「ここから新しい反合・運転保安闘争が始まった」と言えるような戦略的なストライキを構えたい。JRだけでなく全職場での外注化・非正規職化を止める。それは自分の職場の具体的闘いから始まる。そのために明日から立ち上がりたい。

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週刊『前進』(2568号2面2)(2013/01/21 )

 動労水戸定期大会 “安倍打倒の先頭に”

 組織拡大へ態勢強化

 動労水戸の第31回定期大会が1月13日、水戸市内で開催された。動労水戸は昨年、検修外注化阻止、反原発・被曝労働拒否闘争、組織拡大などに総力で決起し大前進を切り開いた。今大会はその勝利を高らかに確認し、2013年を安倍政権打倒、「経営構想X」粉砕で真っ向から闘う方針と態勢を打ち固めた。

 団結守り外注化攻撃に勝利した

 石井真一委員長は冒頭あいさつで「今大会は、これまでにも増して重要な大会だ。昨年、動労水戸は検修・構内業務外注化と全力で闘った。動労水戸10人、動労総連合で55人が強制出向させられる大変な攻撃だった。国鉄分割・民営化の時と同様、労働組合がばらばらにされ団結が解体された時が敗北だ。われわれ動労水戸は検修外注化攻撃に基本的に勝利したと総括したい」と述べた。そして「10・1外注化は始まりに過ぎない。検修職場でのさらなる外注化が狙われ、3月ダイ改時の駅外注化がすでに提案されている。会社は現場業務は全面的に外注化する構えだ。ライフサイクルによる運転士の強制配転も駅外注化と一体だ。反合・運転保安闘争を軸に、さらに団結を固めて新たな闘いに突入しよう」と訴えた。
 大会には地元・茨城の労働組合、学生、首都圏や福島などからも多くの来賓が駆けつけた。国労郡山工場支部の橋本光一さんは「動労水戸の青年獲得の闘い、その本気さに学び若い仲間を郡山の地で獲得する」とあいさつ、動労千葉の繁沢敬一副委員長は「1日も早く外注化をやめさせるために闘う」と表明した。
 経過報告と総括を国分勝之副委員長が、交渉報告を高野安雄副委員長が、運動方針を木村郁夫書記長が提起した。
 討論では「一般組合員と執行部との温度差、認識のギャップがまだまだ大きい。さらに全体が一致して取り組めるよう執行部の努力を」との率直な意見に始まり、外注化で奪われた労働条件を奪い返し業務をJR本体に戻す闘い、昨年1月に開設された平支部事務所のさらなる活用など積極的な意見が続いた。青年組合員は「この間、他労組の人から相談を受けることも増えている。そうした一つひとつの問題を解決しながら職場での団結を広げていく」と組織拡大の先頭に立つ決意を表明した。
 運動方針案と石井委員長を先頭とする役員体制が承認され、勝田・大子・平の各支部長、2人の青年組合員を特別執行委員に加えて闘争態勢を強化することも確認された。また「安倍改憲政権打倒!『全証拠開示大運動』で獄中39年、無実の星野文昭さんを取り戻す決議」、大会宣言が満場一致で採択された。
 閉会あいさつで辻川慎一副委員長は「昨年は闘争費も相当使ったが、外注化は、そうでもしないと勝ちきれない大攻撃だった。動労水戸は被曝労働との闘い、外注化攻撃との闘いに基本的に勝ちきった」と議論をまとめた。そして「1〜3月、安倍政権打倒の先頭に立とう」と呼びかけ、13春闘、3・11福島現地闘争、3・24三里塚現地闘争など当面する重要闘争への組合員の総決起を訴えた。
 大会終了後には、市内の会場に移動して新年旗開きが意気高く行われ、組合員と支援が団結を一層打ち固めた。
(写真 各支部の組合員と家族、県内外から多数の来賓が駆けつけた。発言者は国分副委員長【1月13日 水戸市】)

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週刊『前進』(2568号2面3)(2013/01/21 )

 中四国革共同集会 青年指導部が鮮烈に登場

 13年決戦へ総力突入を誓う

 1月14日、広島市で革共同中四国政治集会が開催され、中四国各地から130人が集まった。2013年階級決戦、安倍打倒の1〜3月決戦へ戦闘宣言が発せられた。
 演壇に新年号のスローガンが掲げられ、マル学同広大支部の学生が開会を告げた。11・4集会のビデオ上映後、革共同中四国地方委員会を代表して労働者同志が開会あいさつを行い、「2012年の闘いで日本革命勝利の環をしっかりつかんだ。国鉄決戦を軸に外注化阻止・非正規職撤廃の闘いで革命を手繰り寄せよう」と訴えた。
 連帯のあいさつとして、反戦被爆者の会の下田礼子さん、動労西日本から発言を受けた後、草津病院労組弾圧で山口刑務所下獄中の中山崇志同志のアピールが、職場の同志により読み上げられた。星野闘争組織委員会の2人の同志が特別報告を行い、「『国際労働運動』2月号の学習に全力で取り組み、三つの事実で星野同志の再審無罪をかちとろう」と、全証拠開示大運動への総決起を訴えた。
 基調報告に立った秋月丈志同志は、大恐慌と争闘戦の果てしない激化と安倍政権の超危機性を暴露し、「すべては階級的労働運動と労働組合を復権させること、この一点にかかっている」と述べ、1・1革共同政治局アピールで打ち出した国鉄決戦を軸とする三大決戦への総決起を訴えた。そして昨年の10・1外注化阻止決戦を通してつかんだ核心を提起し、「第2ラウンドの闘いは、国鉄分割・民営化以来の新自由主義の現実、青年労働者をすりつぶし、社会を崩壊させて生き延びようとする資本の支配そのものの打倒、プロレタリア革命に向かっての闘いだ。動労千葉とともに国鉄決戦=外注化阻止決戦に一切をかけて決起しよう」と呼びかけた。
(写真 青年・学生が登壇、13年決戦勝利の決意をみなぎらせ団結ガンバローを三唱【1月14日 広島市】)

 労働者党建設へ前進始まる

 藤掛守同志が「革共同50年史と階級的労働運動の到達地平」と題して講演を行った。藤掛同志は、昨年の10・1決戦の中に、今日的な到達地平を見ることができると提起した。そして「党と労働組合の一体的建設」という課題について、「労働者階級が革命に勝利していくために、どうしても積極的に解決していかなければならない決定的問題としてここまではっきりさせることができたのは、マルクス主義の歴史を振り返ってもなかったのではないか」と述べ、「この課題に肉薄できたと自信をもって言えるのは、動労千葉労働運動の存在と闘いがあったからだ」と総括した。さらに「党と労働組合の一体的建設」と、労働者階級の党を党として建設していくことの決定的意義についてあらためて明確にし、「50年にわたる革共同の歴史をあえて前史とするような党の根本的変革を成し遂げなければならない」と「革命への気概」を込めて訴えた。
 基調と講演を受けて、国鉄、郵政、教労、自治体、医療・福祉、合同一般の労働者同志が決意を表明した。どの発言も12年決戦の勝利の確信に満ち、階級の指導部として職場に拠点を建設する熱意があふれていた。
 さらにステージに勢ぞろいした若々しいマル青労同、マル学同の青年たちの姿は、そうそうたる階級指導部集団の登場を鮮烈に示した。各地区のマル青労同の決意表明は、第9回大会の地平で決意を固め、地区党建設への猛然たる決起を宣言するものであった。また、新たに革共同に結集した青年労働者の決意表明は、革命的共産主義運動に巡り合ったことの感動と労働者自己解放のために生き抜くというみずみずしくも厳然たる決意にあふれており、その言葉に参加者全員が奮い立たずにはおれなかった。最後にインターナショナル斉唱と団結ガンバローで集会を締めくくった。
 プロレタリア世界革命を引き寄せる13年冒頭にふさわしい熱気と決意みなぎる集会として、中四国地方委員会の全同志の固い団結でかちとられ、新年より真の革命的労働者党建設に向けて大きく踏み出した。
 (革共同中四国地方委員会・OK)

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週刊『前進』(2568号2面4)(2013/01/21 )

 「安倍バブル」早くも危機

 公共事業拡大し大資本救済 消費大増税で労働者にツケ

 日帝債務危機とインフレの爆発へ

 安倍政権は1月11日、事業規模で総額20・2兆円(うち国費投入分10・3兆円)の緊急経済対策を打ち出し、15日には13・1兆円の12年度補正予算案を閣議決定した。安倍は「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」を「3本の矢」と称して「日本経済を再生させる」とうそぶいている。しかし、そのすべては徹底した大資本救済と労働者人民に対する収奪の強化だ。

 財政破綻招く緊急経済対策

 今回の補正予算による新たな国債発行額は7・8兆円となり、12年度予算での国債発行総額は52兆円に膨らむ。野田政権下で12年度末の国の借金の総額は1085・5兆円に達すると見込まれていたが、これはさらに拡大する。
 国家が抱える累積債務総額の対GDP比は12年末段階ですでに234・5%になっている。財政破綻したギリシャや、「財政の崖」問題で揺れるアメリカよりも、日帝の財政状態ははるかに悪い。にもかかわらず安倍政権は、大恐慌にあえぐ大資本に湯水のような財政資金を注ぎ込もうとしているのだ。
 「国土強靱(きょうじん)化」を掲げる安倍政権は、13・1兆円の補正予算のうち約5兆円を公共事業費に充てるとした。当初予算に匹敵する規模の公共事業費を補正予算にぶち込むやり方は、まさにゼネコンを始めとした大資本へのカネのバラまきだ。
 さらに、設備投資減税、研究開発減税の拡充も打ち出された。
 緊急経済対策には、「イノベーション強化」や「企業の海外展開支援」のための官民一体ファンドの創設など、資本への補助金支出策が並んでいる。「企業の海外展開」の先頭には、「経営構想X」で海外への鉄道輸出を打ち出したJR東日本を始めとするJR各社が立とうとしている。

 原発を推進し福島圧殺狙う

 さらに安倍は、原発推進・福島圧殺の姿勢をむき出しにした。
 12年度補正予算案には、福島県に放射性物質の研究施設などを設けるため、政府が日本原子力研究開発機構へ約800億円を出資することが盛り込まれた。
 緊急経済対策の打ち出しとともに編成が進められている13年度予算案では、原発の海外輸出のための費用も計上される。労働者に被曝を強いつつ資本をもうけさせる除染・がれき処理には、約1兆円が充てられる。
 また安倍は、13年度予算の防衛費は今年度予算より1千億円増とする方針だ。

 復興を口実に所得税増税も

 他方、労働者人民には大増税が襲いかかる。野田政権下で消費税の税率は14年4月から8%に、15年10月に10%に引き上げられることが決められた。安倍は「デフレが強まっていれば消費税は引き上げない」などとも言うが、消費税アップは自公民3党の合意でなされたのだ。安倍がやろうとしている大資本救済のための赤字放漫財政は、日帝の財政危機をさらに激しいものにする。結局、それをのりきる方策は、消費大増税以外にない。
 1月からは震災復興財源の確保を名目とした所得税の引き上げが始まった。資本には大減税、労働者には大増税という新自由主義政策を、安倍はより凶暴なやり方で押し貫こうとしているのだ。
 安倍が掲げる「2%のインフレターゲット」も、日帝の体制的危機を促進する。日銀は安倍にひれ伏す形で、12月の金融政策決定会合で国債などを買い入れる基金の規模を10兆円増額して総額101兆円とする追加金融緩和策を決めた。1月の金融政策決定会合では2%のインフレ率を目標として明示する方針だ。
 リーマンショク後の08年秋以降、日銀は金融緩和策に転じ、10年秋には国債や社債を大々的に買い上げるための基金を設けた。日銀による資金供給量は昨年末段階で138・5兆円に達し、リーマンショック前と比べて約40兆円も増えた。しかし、そのカネは金融市場の中を回って国債バブルを生み出しただけで、消費者物価指数は09年以降、ほぼ一貫してマイナスが続く。

 国債大暴落は避けられない

 「デフレ脱却」と称してインフレを本当に引き起こそうとすれば、財政赤字をとことん拡大するしかない。その赤字を穴埋めするため、安倍は日銀に国債買い入れの拡大を迫り、実質的な国債の日銀引き受けに道を開こうとしている。だがそれは国債の大暴落を引き寄せる。そうなれば日帝の財政は完全にパンクだ。
 しかも、ひとたびインフレに転じれば、それを制御する手段はない。
 安倍政権の成立後、株価は高騰し、ブルジョアジーは景気回復への道が開かれたかのように唱えている。だが、株価高騰の裏には、国債市場から流出した資金が株に向かうという事態があった。金融資本は「危ない国債」から手を引き始めたのだ。こんなことで成り立っている「安倍バブル」など早晩、崩壊する。1月16日には、早くも円高と株価急落への逆転が起きている。
 各国帝国主義は、米帝を先頭に超金融緩和競争・通貨安競争に踏み切った。他帝国主義から市場を奪って生き残りを図る争闘戦はますます激化しつつある。

 首切り・民営化との大決戦へ

 財政赤字のつけは労働者に回される。安倍は自治体労働者の賃金を削減するため、地方交付税交付金を6千億円削減する構えだ。現在、国家公務員の賃金は震災復興財源の捻出を名目に平均7・8%カットされているが、この措置を自治体にも強いようというのだ。
 これは、自治体業務の民営化攻撃に拍車をかけることは間違いない。外注化阻止・非正規職撤廃の闘いはいよいよ重大な攻防になる。
 安倍はまた、生活保護費の大幅削減にも手をつけようとしている。
 安倍は閣僚で構成する日本経済再生会議のもとに産業競争力会議を置き、小泉改革を主導した竹中平蔵らをそのメンバーに加えた。しかし安倍も竹中も、すでに破産を刻印された人物だ。
 階級的労働運動をよみがえらせ、安倍打倒へ総決起しよう。

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週刊『前進』(2568号3面1)(2013/01/21 )

 駅業務の外注化阻止へ

 一括業務委託の攻撃を許さずGS(グリーンスタッフ)制度撤廃させよう

 JR東「経営構想V」と対決をA

 昨年10月1日に強行されたJR東日本の検修・構内業務外注化との激しい攻防が火花を散らすさなか、JR東日本は10月30日、「グループ経営構想X」を発表した。これとの対決こそ外注化阻止決戦の根幹にある闘いだ。「グループ経営構想X」に端的に現れた安倍政権と日帝ブルジョアジー・JR資本の攻撃の方向を全面的に見据え、外注化阻止・非正規職撤廃の第2ラウンドの決戦を、国鉄を先頭に全産別・全職場で全力で推進しよう。

 日帝の戦略企業として延命

 大恐慌と3・11情勢のさらなる進展の中で世界経済は収縮し、保護主義が拡大して帝国主義間・大国間の争闘戦とブロック化・分裂化は果てしなく激化している。過剰資本・過剰生産力を帝国主義は解決できず、大恐慌が真の奈落に転落する重大な情勢がいよいよ到来した。これは大失業と戦争という労働者階級への攻撃をもたらさずにはおかない。同時にそれは、労働者階級人民の怒りの決起を根底から促進するものになる。自民党・安倍政権はここから絶対に逃れられない。
 この情勢の中で、JR東日本は日帝ブルジョアジー全体の生き残りをかけて「グループ経営構想X」を打ち出した。
 経営構想Xの最大の特徴は、その冒頭であらためて二つの「出発点」を明らかにしていることだ。そこでJR東日本は、「国鉄改革は、私たちの変わらぬ『出発点』」であるとし、「国鉄の失敗を繰り返さないために……改革の目標を深く胸に刻み……企業経営の原点としていきます」と言っている。国鉄分割・民営化にかけた日帝ブルジョアジーの総意、すなわち民営化・外注化、非正規職化、労組破壊の攻撃を今後もさらに徹底して進めると宣言しているのだ。「4・9政治和解」があろうと、体制内労組幹部がいかに屈服しようと、JR資本が何にも増して恐怖しているものは階級的労働運動だ。それがここには端的に示されている。
 経営構想Xはさらに、3・11東日本大震災と福島原発事故を「第二の出発点」としている。それは、本紙新年号で鋭く暴露されている通り、震災や原発事故で鉄道が寸断され、大きな被害を受けた社会的損害の回復に全力を挙げるということではまったくない。逆に3・11を奇貨として、JR東日本が日帝の生き残りをかけた最大の戦略的企業・戦略的資本として登場すると内外に宣言しているのである。まさにそれは「ショックドクトリン」そのものだ。
 経営構想Xは、「鉄道という社会インフラを担う企業として、どのような役割を果たし、何をめざして進化を遂げていくのか、もう一度自ら問い直さなければなりません」「私たちの事業の存立基盤である東日本エリア、そして日本を元気にするため、新たなスタートを切ります」と言いきった。「人の命よりカネ」を文字どおり体現する資本として全面登場するということだ。
 日帝の基幹産業のひとつである電機で、パナソニックやシャープという大資本が、韓国や台湾資本との激しい争闘戦に敗北した。この事態は日帝の歴史的陥落を象徴している。こうした危機にあえぐ日帝を救済するため、JR東日本が全労働者の前に登場してきたのだ。10・1外注化阻止決戦で始まった闘いは、JR体制打倒=日帝打倒まで突き進まなければやまない、文字どおりの歴史的決戦なのである。

 事業請け負う子会社を設立

 JR東日本は、検修・構内業務だけでなく、ついに駅業務の外注化に突き進もうとしている。
 2007年にJR東日本は「NF(ニューフロンティア)2008における今後の駅のあり方」を実施に移し、非正規の契約社員(グリーンスタッフ=GS)を導入するとともに、駅業務の一括業務委託に踏み込んだ。
 2009年4月1日には首都圏4支社(東京・横浜・八王子・大宮)と千葉支社・水戸支社・高崎支社で「支社別グループ会社及び清掃整備会社の再編」が行われた。これにより駅業務の委託先は「東日本環境アクセス」に統一された。
 JR東日本は2012年1月、「駅業務委託のさらなる推進について」を提案し、同年4月1日実施を打ち出した。その中身は、外注化の対象を「1日の乗降客が2万人以下の駅」に限定してきたそれまでの制約を外し、全駅で外注化を進めるというものだった。
 2012年10月1日の検修外注化を機に、仙台支社を除く関東圏以外の各支社(長野・新潟・盛岡・秋田)では、グループ会社の社名変更と労働条件の統一が11月1日付けで行われた。
 さらにJR東日本は、首都圏4支社を統括する新たな駅事業会社「JR東日本ステーションサービス(仮称)」を2013年4月1日付で設立する動きを見せている。これはJR東日本が全株を持つ100%子会社だ。
 こうした中で昨年末には、横浜線の業務委託駅で「ステーションサービス」設立の通知がFAXで流された。職場では「7割が委託か(!?)」と大問題になっている。1月12日に新たに業務委託がされた駅では、「この件で研修のプランが出された」と言われる事態も起きている。
 10・1検修外注化以降、JR東日本の外注化攻撃は全職種にわたって急ピッチで進んでいる。JR東日本の最大実体をなす駅業務の外注化、さらには鉄道業務の心臓部と言うべき運転士・車掌業務を含む全面的な丸投げ外注化に、JR資本は総力で突き進もうとしているのである。

 安全破壊するホームドア化

 JR東日本は駅業務の外注化施策を「国鉄採用の営業社員7000名の雇用の場の確保のため」と称している。しかし、現実に進行していることを見れば、その狙いが徹底した非正規職化にあることは明らかだ。
 07年のGS制度導入以来、出札・改札業務はGSに次々と置き換えられてきた。駅業務に携わる契約社員は首都圏5支社(東京・横浜・八王子・大宮・千葉)だけですでに2500人ほどだ。
 JR東日本は2012年3月と8月、採用から5年を迎える計300人ものGSの雇い止め解雇を強行した。しかもJRは、解雇したGSを今度は委託先会社で雇い、駅業務に精通したベテランとして働かせながら、GS以下の労働条件を強いることまでやっている。
 またJRは、駅要員を補充するため、「正社員になれる」をうたい文句に新たなGSを募集し、青年をだまして使い捨てる悪らつなやり方を続けている。
 今年3月には再びGSの雇い止め解雇が強行されようとしている。絶対に許せない。
 それだけではない。経営構想Xは、2015年度までに「山手線全駅」(ひとまずは大規模改良予定駅とされている新宿・渋谷・品川・浜松町・新橋・東京を除く23駅)にホームドアを設置すると打ち出した。
 ホームドアは2010年6月に恵比寿駅、同年8月に目黒駅に設置され、昨年12月22日には大崎駅、今年3月2日には池袋駅にも設置される。大崎、池袋ともに山手線の運輸区があり、山手線の全電車はここで運転士・車掌の交代をする。回送列車の点検・保全も大崎と池袋の運輸区で行われる。運輸区に隣接する大崎、池袋の両駅は、安全確保のための重要拠点だ。ここでのホームドアの設置は、ホームでの仕事の中心を担う国労組合員を直撃し、その一掃を狙う大攻撃だ。JRの宣伝とは裏腹に、ホームドア設置は安全を根本的に解体するものだ。
 2月には、運転士を駅に強制配転するライフサイクル発令も狙われている。非正規職では行えない駅の輸送業務を運転士に担わせ、それ以外の駅業務をさらに外注化・非正規職化することがその狙いだ。しかも、ライフサイクルで配転された運転士に、JRは営業の仕事も強いている。「運輸のプロを育成する」というJRの言い分は大うそだったのだ。
 この中で国労東日本本部は、「『新たな駅事業会社』の発足を契機に、グループ会社との間で『労使間の取扱いに関する労働協約』の締結と対応する機関の整備について、関係する地方本部と連携を図りつつ取り組んでいく」と言っている。彼らは、検修業務だけでなく駅業務の外注化も容認し、それを率先推進しようとしているのだ。
 決戦は開始された。外注化は労働者の団結を破壊し、労働者の生活と切っても切り離せない労働そのものを寸断し、職場を混乱に陥れ、労働者の誇りを徹底的に踏みにじる攻撃だ。
 これに真正面から立ち向かい勝利する道は、動労千葉が船橋事故闘争を契機につくり上げてきた反合理化・運転保安闘争を徹底的に推進することだ。今こそマルクス主義で武装し、階級的団結の力にとことん依拠して闘い抜こう。青年を先頭にすべての国鉄(JR)職場から総反乱の火の手を上げよう。
 (北倉和夫)

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週刊『前進』(2568号3面2)(2013/01/21 )

 安倍打倒・原発廃炉へ

 新年最初の官邸前行動

 2013年最初の首相官邸・国会前行動が1月11日午後6時から行われた。超反動の極右・安倍政権に労働者人民の怒りは激しさを増している。官邸・国会前行動も青年の姿がさらに増し、午後7時を過ぎても駆けつける労働者が絶えなかった。年頭の官邸・国会前から、安倍を打倒し全原発を廃炉に追い込む闘いの火ぶたが切られた。
 「安倍はやめろ!」「再稼働やめろ!」。首相官邸や国会議事堂に向け大シュプレヒコールの嵐だ。坂野陽平書記長を先頭に全学連の学生も叫び続けた。文科省前―財務省上では、ふくしま集団疎開裁判の会の抗議・宣伝行動も行われた。
 首相官邸前では埼玉県から来た男性が「昨年5月から2カ月間、すべての原発が停止した。今年こそ、期限付きでなく本当の原発ゼロまで頑張る。安部総理、再稼働は絶対に認めない!」と声を張り上げた。
 原発では何十万人もの労働者が被曝労働を強制され、多くの労働者が被曝が原因で殺されている。官邸前では、その一人で、浜岡原発で働き1991年に慢性骨髄性白血病で29歳で亡くなった嶋橋伸之さんのお母さんが発言した(遺族は中部電力の妨害に負けず、裁判で争った末、労災を認めさせた)。
 お母さんは「福島は収束していない。また事故が起こったらどうするんだ。命が大切、経済なんかその後でいい。まず子どもやみんなの命を守りましょう。安部首相は自分の子どもに原発労働者がいないから平気で再稼働なんて言うんだ。この前、何で福島へ行ったんだ。それで再稼働なんてよく言えたもんだ! みんなで再稼働を止めましょう!」と声を振り絞った。
 この日、経産省は2013年度予算の概算要求を提出した。「海外の原発建設に関する人材育成費」14億円、「新型原子炉の研究開発費」32億円だ。許してなるか。
 官邸・国会前に集まろう。昨年をはるかに超える巨万人民の結集を絶対に実現し、安倍を打ち倒そう。3・1ビキニデー杉並集会の成功を実現し、全国から3・11福島現地闘争に集まろう。
(写真 「原発なくせ!」。官邸・国会前の叫びは巨万決起の号砲だ【1月11日 首相官邸前】)

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週刊『前進』(2568号3面3)(2013/01/21 )

 全国から2・24橋下打倒闘争へ

 下水道・バス・地下鉄・教育全面外注化の強行狙う橋下

 国鉄決戦軸に労組の再生へ

 民主党・連合政権を打倒したのは、新自由主義に対する労働者の根底的な怒りだ。外注化阻止決戦の爆発で、極右安倍政権と橋下徹大阪市長を打ち倒そう。
 安倍・橋下には何の自信も成算もない。1月11日に急きょ設定された安倍・橋下会談は、脱落日帝の危機を指し示した。安倍の7月参院選―改憲戦略とは、7月までに階級闘争を平定してしまうことが核心であり、その中心はJR東「経営構想X」を最先端とする全面外注化攻撃である。橋下を引き込んだのは、外注化攻撃を全国、全社会、全産業で推進するためだ。それほどまでに日本資本主義の危機は深い。領土問題で排外主義をあおり、改憲、安保強化、辺野古基地建設に突っ走り、国家間対立の中に労働者を引きずり込んで階級的団結を解体することでしか争闘戦に勝ち抜けないという悲鳴だ。
 労働者にとってこの攻撃は「工場法以前」(エンゲルスが『イギリスにおける労働者階級の状態』で弾劾した資本主義の正体)にたたき込まれることであり、労働者階級が丸ごと絶滅に追い込まれかねない。安倍と橋下がやろうとしていることは、資本の生き残りのために、労働者の生存権などお構いなしに団結をはぎとり地獄に追いやることだ。
 労働者は生きるために団結し、外注化・非正規化、賃下げ・首切り、労組破壊と闘おう。核心は新自由主義との最大の激突点である国鉄決戦で“勝ってみせる”ことである。外注化阻止決戦の第2ラウンドとは、反合理化・運転保安闘争を貫き「動労千葉の団結」を軸にすべてのJR青年労働者を絶対反対で闘う労働組合に組織する決戦である。外注化攻撃がもたらす全矛盾を突きまくり、敵の墓穴に転化しよう。外注化阻止の第2ラウンド決戦を“ひとつの階級決戦”として全階級的爆発をかちとろう。
 連合支配の崩壊は、資本家階級による労働者支配の最後的な崩壊である。国鉄を先頭とした青年労働者の怒りの決起こそ、これまでの労働組合のあり方を根底的に覆し、「資本主義社会を転覆する武器」としての本来の労働組合をつくりだす原動力である。
 全職場に「10・1外注化」攻撃が襲いかかっている。全職場に外注化・非正規職化絶対反対の労働組合をつくり出し、プロレタリア革命の戦闘配置に着こう。
(写真 大阪市職・市教組の組合員先頭に、大阪市庁舎前で橋下打倒の戦闘宣言を発した昨年の9・16集会)

 解雇と転籍を強いる民営化

 橋下は大阪市の「下水道の経営形態の移行」と称して、全面外注化・10割非正規職化攻撃を打ち出した(表参照)。13年度、14年度は既存の都市技術センターに下水道業務を全面的に担わせ、現在の職員をこの都市技術センターに「派遣」(出向のこと)する。そして15年度にはまったく新しい企業体を設立し、下水道業務全体を委託する。その際、全職員に「退職届」を提出させ、これを拒否したら「分限免職もありうる」としている。まさに「NTT型」の全面外注化、全員解雇・10割非正規職化攻撃そのものである。
 バス事業は「赤字路線」を切り捨てた上で今年7月に事業者を決定して民営化、地下鉄も15年度をもって民営化する。それに伴う6100人の首切りを決定した。さらに保育所・幼稚園も15〜16年度をもって全面的に民営化する方針だ。
 「教育の民営化」攻撃もこれと一体で進められようとしている。12月末に出された「大阪市教育振興基本計画」では、15年度までに学校協議会の設置と学校選択制の導入、校長の公募と「校園長によるマネジメント」の強化、人事評価制度への「授業アンケート」の導入などを進め、教員そのものの公募とFA制(フリーエージェント=教員希望転任制)導入にまで踏み込むとしている。さらに教員免許を持たない「社会人の活用」のため「特別免許状制度」を適用し、「民間企業からの人材の採用」や「企業などとの協力による特別授業の実施」などで教科ごとの民営化・外注化も打ち出している。
 処分の乱発や非正規職の解雇など現場ではすでに攻撃が全面的に開始されている。この橋下の攻撃の前に、衆院選での敗北にうなだれる体制内労組執行部は何の方針も出せず、逆に労働者に対して「転職か、任用替えか」の選択を迫っているあり様だ。
 すべては労働組合を巡る攻防にかかっている。職場におけるあらゆる民営化・外注化・非正規職化攻撃に対して絶対反対で闘う労働運動がすべての組合員・労働者の怒りと結びつき、まったく新たな労働組合をつくり出す正念場だ。処分攻撃との闘いは、路線的な闘いの地平を踏まえ、階級的労働運動の決定的な結集軸となった。

 拠点労組建設の八尾北決戦

 橋下打倒の根拠地として八尾北・西郡決戦は決定的な攻防局面に突入している。
 橋下・松井(府知事)は道州制―外注化・非正規職化攻撃の決戦として衆院総選挙に臨み、八尾市では解放同盟本部派幹部=谷畑孝を維新の会候補として当選させた。谷畑が「2年間で解放運動の拠点を一掃する」と宣言している維新の会に転がり込むに至っては、反動・反革命として打倒するしかないところまで来たということだ。これこそ解放同盟本部派のなれの果てであり、国鉄闘争解体の4・9政治和解派そのものとして彼らが行きついた先だ。
 八尾北・西郡決戦は、外注化阻止・非正規職撤廃の切っ先として闘い抜かれてきた。階級的労働運動の拠点としての位置はいよいよ決定的だ。強制執行=国家暴力の発動と繰り返し闘い、階級的団結を拡大してきた。医療の民営化攻撃と最前線で闘い抜いてきた。新自由主義と闘い、勝利してきた存在が今こそ重要だ。拠点労組建設の力が労働者階級人民の根底的怒りと結びつき、これを解き放つ力となる。
 2・24闘争は、新たな部落解放運動の跳躍台でもある。八尾北・西郡決戦が育んだ「非正規職撤廃を正面課題とする部落解放運動」を大発展させ、安倍―橋下・松井を打倒しよう。

 青年労働者の怒りと結合し

 民営化・外注化阻止、非正規職撤廃の階級的労働運動がプロレタリア革命の勝利を開く決定的段階に突入した。今日の情勢を「暗黒の時代の到来」としてしかとらえられない連合や全労連の腐敗した労組幹部の支配を根底的に切り裂き、絶対反対で闘う労働組合を職場からつくりだそう。そこに一切はかかっている。党と労働組合の一体的建設という歴史的な課題に挑戦しよう。
 職場闘争を路線的に闘い抜き、青年労働者の怒りと結びついて階級の指導部建設としてマル青労同1千人建設に猛然と進撃しよう。青年労働者の獲得を地区党の第一級の課題にすえて、2・24橋下打倒闘争の勝利をかちとろう。
 〔革共同関西地方委員会〕
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 大阪市下水道事業 経営形態見直しについてのQ&A

◆新組織が目指すところは?
 下水道トータルシステムの運営能力をもつ水メジャーとして他自治体業務、海外事業を含め、都市成長戦略に資する事業を展開する

◆派遣を拒否した場合は?
 派遣を拒否した場合の人事配置は非常に困難が予想される

◆転籍を拒否した場合は?
 職員基本条例による分限処分についても検討せざるをえない

◆転籍できる確約はあるのか?
 業務は基本的に全て新組織に委託し、技能職員は新組織へ転籍することを予定していますが、転籍できる確約については今のところ未定

◆退職願を提出するのか?
 転籍に伴い本市を退職となりますので退職願を提出していただく

◆法令等に抵触しないか?
 自主退職並びに新組織への就職であるので法律違反ではない

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週刊『前進』(2568号3面4)(2013/01/21 )

【要項】2・24橋下打倒集会

 橋下による処分攻撃に反撃し、今こそ闘う労働組合をつくりだそう!
 民営化・外注化絶対反対!すべての非正規職を撤廃しよう!
 2・24橋下打倒集会
 2月24日(日)午後1時
 大阪中之島公園女神像前(市役所南側) 集会後、難波までデモ行進
 主催 橋下打倒集会実行委員会

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週刊『前進』(2568号4面1)(2013/01/21 )

 国鉄・反原発・星野闘争の勝利へ 地方委員会から2013年の決意 下

(写真 昨年3月11日の「原発いらない福島県民大集会」【郡山市】)

 被災地労働運動の発展へ 3・11福島に結集しよう

 革共同東北地方委員会

 2013年はプロレタリア世界革命を切り開く歴史的な飛躍の年だ。外注化阻止・非正規職撤廃の国鉄決戦、3・11二周年福島現地闘争を頂点とする反原発の闘いに総決起し、1〜3月決戦の爆発で安倍政権を打倒しよう。
 安倍政権は、大資本救済のための大規模公共事業、破滅的なインフレ政策、「成長戦略」=さらなる民営化・外注化・非正規職化と労働組合つぶしに総力をあげ、インドや東南アジアへの原発、鉄道などのパッケージ輸出と「アジア型生産」などの海外戦略で延命しようと躍起になっている。
 しかし、今や大恐慌の激化のもとで帝国主義間・大国間の争闘戦が激化し、日帝は争闘戦からの脱落にあえいでいる。米帝は、一方で新軍事戦略にもとづく中国、北朝鮮への戦争重圧を強め、他方で日帝の敗戦帝国主義としての弱点をえぐりながら、TPP(環太平洋経済連携協定)への屈服を迫っている。この争闘戦の行き着く先は、帝国主義戦後体制の最後的崩壊と世界戦争以外にはない。
 労働者階級の階級的団結と国際連帯の力で、プロレタリア世界革命を切り開く時代が到来した。その先頭に立つ反スターリン主義の革命党の登場こそが求められている。いっさいは、革命的共産主義運動と階級的労働運動の一体的推進、すなわち党と労働組合の一体的建設にかかっているのだ。
 外注化阻止決戦第2ラウンドに総決起しよう。国鉄で、4大産別で外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを組織し、職場支配権を打ち立てよう。労組拠点建設は「動労千葉の団結」の拡大であり、機関紙活動を基軸に〈中央委員会−細胞〉の一体化を体現する地区党の建設と一体だ。とりわけ青年、学生をマルクス主義の思想と理論、実践で獲得し、マル青労同、マル学同1千人建設を実現しよう。
 革共同東北地方委員会は3・11の被災と被曝の現実に立ち向かい、人間としての生存をかけて闘い抜いてきた。国労郡山工場支部の10・1検修外注化阻止の闘いは、昨年3・11郡山集会の地平の上に、4・9反革命を職場生産点から粉砕して国鉄労働運動の再生をかちとる歴史的な反撃の開始であった。仙台市職労では、3・11以降の「9割ストレス、5割抑うつ」という復興特区攻撃の極限的な現実に対し、職場からの外注化阻止・非正規職撤廃の闘いで対決し、正規・非正規をこえた階級的団結を生み出している。東北大学学生自治会で新たな執行部を樹立し、福島大学ではマル学同支部が建設された。
 特筆すべきは、「福島の子どもたちを守ろう」という全国の数千、数万という人々の実に感動的な力で「ふくしま共同診療所」の開設が実現されたことだ。
 2013年は、被災地労働運動をいよいよ本格的に発展させるときだ。とりわけ、福島の怒りはまさに沸点に達している。震災と原発事故で約2万人の生命が奪われ、数十万もの人々が家と職と家族、古里を奪われた。「震災関連死」は政府の発表ですら2300人を超えた。今もなお子どもたちの未来や命が奪われようとしている。だが、東電は賠償・補償を切り捨て、学者は「安全」をくり返し、子どもたちをモルモットのように扱い、政府は放射能汚染のごみを福島に押しつけ、ゼネコンは除染やガレキを巨額の金に替えた上で、口をそろえて原発再稼働と言うのだ。これは帝国主義による虐殺以外の何ものでもない。
 すべての怒りを結集し、3・11二周年を怒りの日として闘おう。福島の地から呼びかけられている総結集の檄(げき)に応え、すべての労働者人民は3・11福島現地に総決起しよう。100万人の反原発決起を実現し、すべての原発をいますぐ廃炉にしよう。六ケ所核燃料サイクル阻止を始め、NAZENを軸に現地闘争を闘おう。
 3・11情勢下の生き抜く闘いは星野同志の闘いと一体だ。全証拠開示大運動を発展させ、階級決戦の力で星野同志を奪還しよう。
 さらに1〜3月は市東さんの農地強奪をめぐる大決戦だ。3・24三里塚全国闘争の大結集をかちとり、労農同盟の力で農地強奪を絶対に阻止しよう。東北地方委員会は全国の同志と固く団結し、13年決戦を最先頭で闘う!

 国鉄闘争全国運動の発展と星野同志奪還へ先頭で闘う

 革共同北海道地方委員会

 国鉄決戦と反原発決戦を始め労働者階級人民の怒りの爆発によって野田民主党政権が打倒され、登場した安倍政権がむき出しの新自由主義攻撃に打って出ている。
 しかし労働者階級にとって総選挙の結果は絶望ではない。野田政権もろとも連合の支配が崩壊しつつあり、階級的労働運動の力で労働組合を甦(よみがえ)らせる好機が到来した。国鉄決戦と反原発決戦で日本帝国主義の延命の根幹を断ち割り、プロレタリア革命を切り開こう。
 輸出産業が軒並み敗退し、日帝は鉄道や原発のパッケージ輸出に賭ける以外に延命の道はない。JR東日本の「グループ経営構想X」が示すように、JR資本が原発再稼働の先頭に立ち、外注化・非正規職化による労組破壊で労働者階級への攻撃の先兵になるというのだ。
 昨年10・1の外注化攻撃は、動労千葉を始めとする国鉄労働運動を一掃しようとするものであった。だが、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いで青年労働者の反乱が開始され、その中から階級の指導部が生まれつつある。外注化阻止決戦の第2ラウンドへ、国労本部は屈服したが、現場の労働者は絶対に立ち上がる。
 杉並の闘いが示したように、総選挙でも原発への怒りは消滅させられなかった。許しがたいことにいまだに福島県民は高線量地域に釘づけにされている。3・11と、それに続く日帝の仕打ちは絶対に許せない犯罪であり、彼ら支配階級を打倒する以外に決着はない。
 北海道地方委員会は昨年冒頭、国鉄闘争全国運動の全面的登場を実現し、反原発闘争の先頭に立ち、その中で党と労働組合の一体的建設を進める決意を明らかにし、大きな前進をかちとった。
 国鉄闘争全国運動・北海道の10月集会は、タクシー労働者を先頭に大成功した。タクシー産業は新自由主義攻撃の矛盾と破綻の典型だ。そのタクシー労働者が、新自由主義との闘いの先頭に立つのは自分たちだと職場から決起を開始し、国鉄決戦に決起し、職場で圧倒的な支持を獲得した。
 国鉄闘争全国運動・北海道は外注化阻止を闘う国鉄労働者と団結し、1047名解雇撤回と外注化阻止で国鉄闘争が不屈に続いていることを、連合や全労連傘下の労働者、反原発で立ち上がった労働者人民に伝え、圧倒的な共感を生み出した。労働者は、体制内幹部が何と言おうと国鉄闘争が終わったとは思っていないし、闘う軸が登場すれば必ず結集する。
 また、北海道の闘う労働者は、泊原発再稼働阻止・大間原発建設阻止の闘いの先頭に立ち、フクシマとの連帯を訴え、動労水戸のように被曝労働拒否のストライキで闘おうと訴え、福島共同診療所建設運動への支持をつくりだしてきた。全原発廃炉をめざし、原発労働者との連帯を切り開くことのできる路線を、決起した労働者人民は待ち望んでいたのだ。
 新自由主義攻撃への怒りは隅々に充満している。道央圏のある市役所の生活保護の窓口を訪れた青年が職員から「原発の仕事があるでしょ」と言われたと報道された。安倍の攻撃は、青年を先頭にした壮大な反乱を招く。その結集軸は確固として打ち立てられた。
 新自由主義は社会全体も個々の産業も自ら根元から崩壊させている。JRがその典型だ。JR北海道は運休と故障の毎日。最大の問題は外注化と非正規職化にある。外注化阻止と非正規職撤廃で国鉄決戦と反原発決戦の本格的爆発を切り開こう。
 2013年は星野文昭同志奪還への展望を押し広げる決戦の年だ。星野同志は71年11月渋谷暴動闘争において部隊全体のリーダーであり、断じて警察官殺害の実行犯ではない。沖縄の闘いと連帯して渋谷突入を果たしたことへの報復弾圧を許してはおけない。検察の証拠隠しを粉砕する全証拠開示の大運動で、星野同志をとり戻そう。北海道は星野同志の出身地、全国の最先頭で闘う。
 何よりも、革命的共産主義運動と階級的労働運動は一体であるという到達点から労組拠点建設へ、北海道地方委員会は総決起する。

 職場闘争を基礎に闘う労働組合の拠点建設へ挑戦する

 革共同東海地方委員会

 東日本大震災から2年目の3・11が近づいている。いまだに福島第一原発は大量の放射能を放ち続け、被曝労働の強制と「除染作業」に名を借りた資本の搾取、収奪が横行している。フクシマの怒りを踏みにじり、大飯原発再稼働を強行し、核燃料サイクルを維持して核武装化に向かう日帝ブルジョアジーに労働者階級の怒りを束ねて反撃し、プロレタリア革命を切り開く年が2013年だ!
 民主党政権を瓦解させた巨万の反原発の大衆決起は、必ず超反動の極右安倍政権をとらえ打倒に向かっていく。抑えつけられてきた被災地、そして原発労働者の怒りを解き放ち、「全原発廃炉! 被曝労働をなくせ! 復興特区攻撃粉砕!」を掲げる労働者隊列と結びつけ、100万人の大衆行動への扉を開くために、東海地方委員会は全力で闘う!
 大恐慌と3・11に立ち向かう労働者階級は、新自由主義との闘いを通じて、階級的労働運動の拠点を強固に建設してきた。昨年の10・1JR外注化阻止の闘いが火を噴き、国鉄全国運動を推進軸に4大産別での階級的労働運動の拠点建設が力強く進んでいる。東海地方委員会は、労働運動における拠点建設に果敢に挑戦しながら、JR全面外注化粉砕の第2ラウンドの勝利に向かって国鉄労働者、全国の仲間とともに決起する。
 没落する輸出産業に代わって、JRが新幹線輸出で日帝の戦略的な資本の位置を占めている。国鉄決戦は日帝との正面対決に押し上げられた。「グループ経営構想X」を職場からの反乱で打ち砕こう!
 いまや、新自由主義のあくなき労働者収奪が全世界の労働者に襲いかかっている。動労千葉の10・1外注化阻止のストに連帯してソウルの日本大使館前で決起した韓国・民主労総の仲間たち、そして世界中の労働者とともに、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いをもって世界革命を押し開こう。
 東海では、反原発・国鉄決戦と一体で星野再審の画期的な勝利をもぎりとるために、年末年始から街頭と職場にうって出た! 星野闘争は資本家階級と労働者階級の激突の最先端であり、国家権力の階級意志に屈せず38年間獄中で闘う星野同志の存在は、労働者人民を鼓舞激励し続けている。全証拠開示大運動を爆発させ、星野同志を取り戻そう。2013年の激闘の中で、星野同志を奪還する闘いと階級的労働運動の拠点建設、反原発の100万人決起をつくりだす闘い、沖縄闘争・改憲阻止闘争は一体である。
 沖縄のオスプレイ配備反対、新基地建設阻止の闘い、そして三里塚の市東さんの農地強奪阻止の闘いを3月決戦として断固闘い抜く! 戦争と改憲、排外主義攻撃と日米安保強化に向かう安倍政権を1〜3月の進撃で打倒しよう。
 衆議院選の結果は、支配の危機のとてつもない深まりを示すものだ。それは、史上最低の投票率(とりわけ青年労働者の投票率が二十数%)、そして連合支配の崩壊、社民党や共産党の凋落(ちょうらく)に現れている。一方で杉並選挙区での山本太郎氏の鮮明な登場!
 2013年の党建設の課題として、機関紙活動の変革を推進軸として細胞建設と地区党の強化・発展を全国の同志とともに切り開く! 10・8東海弾圧は、党と労働組合の一体的建設の力でうち破った。職場闘争を基礎に、労働者が直面するすべての課題と格闘し、自己解放的な決起を引き出すために、さらに党活動を変革し、原則的に闘い抜く!
 青年労働者の獲得に向けて、その実践的な環として機関紙活動を位置づけ、〈拡大、配布、読了〉の積み重ねで党と労働組合を不断に、深く結びつけ、職場細胞を階級の指導部として建設していく!
 非合法・非公然体制を強固に確立し、国家権力から党と階級を守り抜き闘おう。『革共同50年史』刊行を画期とする理論活動の強化でマルクス主義を復権し、労組活動家、学生活動家を輩出しよう。
 すべての獄中同志と固く連帯し、東海地方委員会は2013年決戦勝利に向けて進撃します。

 国鉄決戦を基軸に前進し北陸の地で反原発を貫く

 革共同北陸地方委員会

 昨年、北陸地方委員会は国鉄決戦と反原発闘争の爆発でプロレタリア革命を切り開くための闘いを一丸となって推進してきた。10・1外注化阻止決戦を動労千葉と一体となって闘いぬき、プロレタリア革命に勝利する路線を手に、全国の同志とともに2013年の劈頭(へきとう)に立っている。
 安倍政権の登場は、体制内勢力が言うような安倍の「強さ」でも絶望の時代の始まりでもなく、いよいよ労働者階級が歴史の前面に登場する階級決戦の到来を示している。労働者階級の怒りの深さは計り知れず、今や革共同の登場が待ったなしの情勢である。党と労働組合の一体的建設をさらに推し進め、地区党の強固な建設と職場における階級的労働運動の前進で1〜3月決戦を爆発させ、安倍政権を打倒しよう。
 2013年は昨年の地平をさらに大きく発展させるために、国鉄決戦の第2ラウンドの先頭で闘う。JR各社が日帝の生き残りのための戦略企業として前面化してくる中で、国鉄決戦は、プロレタリア革命の成否をかけた闘いへと否応なしに押し上げられた。革共同は「国鉄闘争の党」であり、まさに情勢は千載一遇のチャンスが煮詰まってきたといえる。
 北陸においても、2015年新幹線開業に伴い、平行在来線の第3セクター化が強行されようとしている。第3セクター化は労働者には出向・転籍・リストラを伴う攻撃であり、「外注化・非正規職化」攻撃そのものであり、労働組合解体攻撃だ。現場の労働者には怒りが満ちあふれている。何としても2013年は、北陸の地で動労西日本の旗を掲げることを目指して闘い抜く。職場から労働組合を甦らせ、合同労組運動などの先頭で闘う。
 そして、国鉄決戦を基軸にして反原発決戦の大爆発を実現する。唯一稼働している大飯原発や高速増殖炉「もんじゅ」などの廃炉をめざし、現地闘争を闘い抜く。3・11福島現地闘争を始めとして、原発再稼働阻止を軸にして福島とともにどこまでも闘いぬく。
 昨年、NAZEN北陸は放射性ガレキ受け入れ反対の広範な県民の怒りの中心で闘い抜き、福島と断固として団結する立場を貫いてきた。また自治体労働者など被曝労働に従事する労働者との団結を呼びかけて闘い、再稼働阻止を訴え、ガレキ受け入れ反対闘争の階級的高揚の一翼を担ってきた。さらにこの闘いを推し進める。
 とりわけ強調したいのは、全学連運動の歴史的前進の最先頭で富山大学学生が闘う決意だ。昨年は法大闘争の爆発、京大や東北大での自治会建設の前進と、学生戦線の目覚しい闘いが日帝を追い詰めてきた。2013年は、新自由主義と闘う「教育の民営化粉砕」「ひとりの仲間も見捨てない」という革命的なスローガンを、御用学者追放−自治会建設として富大においても結実させるために闘う。富大キャンパスに学生自治会の真紅の旗を再び立てる闘いを、キャンパスにへばりついて闘い抜く決意だ。
 そして、なによりも今年は星野同志奪還を実現する闘いの年にする。全証拠開示大運動の先頭で闘う決意だ。そのためにも、日帝国家権力による星野同志へのデッチあげを職場、街頭、キャンパスで暴露し、国家権力との力関係を変えていく。
 労働組合・学生自治会の建設のためにも、地区党の強化は不可欠だ。地区党の団結なくして闘いの前進はない。そのためには、すべての党員が現場で資本や当局と闘い、労働者や学生と相見え、地区党のもとに勝利も敗北も一切の教訓を集中することだ。そして、地区党が中央委員会そのものとして自己を形成することが、革命党としての生命力となる。中央と地区党、産別委員会の強固な建設と、「党と労働組合の一体的建設」を推し進めよう。そのための鍵をなすのがマルクス主義であり、機関紙である。
 昨年は、党学校を年間を通じて開催し、マルクス主義の学習を行ってきた。今年はさらに、労働学校の開設に向けて闘い抜く。理論闘争こそあらゆる闘いのエネルギーの源泉である。2013年は『革共同50年史』を自らのものとして闘っていきたい。

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週刊『前進』(2568号4面2)(2013/01/21 )

 2013年日誌 1月1日〜14日

 釣魚台警備に海保400人専従/経産省の原発回帰鮮明

●原発新設「時間かけ検討」 安倍晋三首相は原発の新設について「安全技術の進歩の動向を見据え時間をかけて検討していきたい」と発言。(4日)
●手抜き除染横行 東京電力福島第一原発周辺の除染作業で、取り除いた土や枝葉、洗浄に使った水の一部を現場周辺の川などに捨てていることが横行していることがわかった。(4日)
●年内に防衛大綱見直し 安倍政権は民主党政権が10年末に閣議決定した防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画を年内に見直す方針を固めた。(7日)
●「除染適正化推進本部」初会合 環境省は「除染適正化推進本部」の初会合を開き、事実関係の調査、管理の徹底、信頼回復策を検討。(7日)
●経済対策で防衛装備 防衛省は今年度補正予算案の緊急経済対策として1805億円を要求、地対空誘導弾PAC3ミサイル購入やF15戦闘機の性能向上のための改修などを盛り込んだ。補正要求総額2124億円。(8日)
●釣魚台警備に海保400人専従 海上保安庁は、釣魚台(尖閣諸島)周辺での領海警備の強化策として、巡視船12隻態勢で、乗組員400人規模の専従チームを新設する方針。(10日)
●フランス、マリに軍事介入 フランスのオランド大統領は、無政府状態に陥っている西アフリカ・マリに軍事介入したと発表した。(11日)
●緊急経済対策を閣議決定 安倍内閣は「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を閣議決定。国や自治体などを合わせた事業費は20・2兆円で、うち国が10・3兆円を支出。今年度国債発行額は実質52兆円に。(11日)
●経産省の原発回帰鮮明 経済産業省は今年度予算の概算要求に原発の輸出をにらんだ技術者の派遣支援や、高速増殖炉「もんじゅ」の技術を応用した新型炉の研究開発費を盛り込んだ。(11日)
●原発に第2制御室 原子力規制委員会は、地震や津波、テロなどに伴う過酷事故対策の骨子案を示し、特定安全施設の新設、第2制御室の設置などを盛り込んだ。(11日)
●米、アフガン撤退を加速 オバマ米大統領とアフガニスタンのカルザイ大統領が会談、アフガン政府に治安権限の主導権を今春移譲することで合意した。14年末治安権限完全移譲へ日程を前倒しし、米軍撤退を加速。(11日)
●オスプレイ追加沖縄配備検討 米空軍のドンリー長官は米軍の新型輸送機オスプレイの空軍仕様機CV22を沖縄に配備する可能性を認めた。(11日)
●米、48年に核燃処分場 米国の原発から出る使用済み核燃料の処理について、米エネルギー省は2021年までに試験的な中間貯蔵施設をつくり、48年までに地下に埋める最終処分場を建設する方針を公表した。(11日)
●安倍、集団的自衛権行使容認を訪米で説明へ 安倍首相は「集団的自衛権行使の(憲法解釈)見直しをオバマ米大統領と議論したい」と述べた。(13日)
●遠方の米艦船も防護対象に 安倍政権は、集団的自衛権の行使について、遠距離の公海上にいる米艦船が攻撃を受けた場合でも自衛艦が防護できるよう検討する方針を固めた。(14日)

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週刊『前進』(2568号5面1)(2013/01/21 )

 全国から3・24三里塚現地へ

 反対同盟旗開き 今年は農地決戦だ

 2〜3月大闘争へ方針提起

 敷地内デモの熱気を引き継いで1月13日午後、三里塚芝山連合空港反対同盟の団結旗開きが成田市内のレストランで開催された。参加者は160人に増えた。
 萩原富夫さんが司会を務め、冒頭に太郎良陽一さんが「闘争宣言」を読み上げた。
 次に北原鉱治事務局長があいさつを行い、農地死守・実力闘争の原則を守り闘ってきた47年の歴史を踏まえ、闘いへの決起を促した。
 続いて市東孝雄さんが大きな拍手に迎えられて発言に立った。「農地や作業場を取られるということは、農家をやめろ、死ねと言われるのと同じです。まだまだ力が足りません。今年を歴史を変える1年にしましょう!」と、気迫をみなぎらせて農地決戦への意気込みを示し、参加者を奮い立たせた。
 反対同盟が前に並び、野平聰一さんの音頭で盛大に乾杯。
 連帯あいさつの最初に動労千葉の田中康宏委員長がマイクを握った。「階級的労働運動の復権を職場からやりぬき、三里塚反対同盟との労農連帯を貫く。この二つを必ず結実させる」と宣言し、三里塚大結集の力で農地強奪を粉砕することを呼びかけた。
 関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会、全国農民会議が決意を明らかにした。全国農民会議の農民は「市東さんにかけられた攻撃は、農民全体がおかれた現実だ」と強調し、三里塚、反原発、TPP(環太平洋経済連携協定)反対を全力で闘い、農民の運動と組織をつくり、労農連帯を発展させる気概を表した。
 顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が農地裁判の現状を報告し、農地死守・空港絶対反対で徹底的に闘い勝利する決意を明らかにした。
 沖縄と動労水戸からの連帯メッセージが読み上げられ、さらに「星野文昭さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の星野暁子さん、都革新の長谷川英憲さん、婦人民主クラブ全国協議会などの発言が続いた。
 全学連の斎藤郁真委員長は、決戦に備えて全学連現地行動隊を増強したことを報告し、危機にかられた農地強奪攻撃を実力闘争で粉砕する決意を述べた。
 革共同の鎌田雅志同志は「3・24全国集会に1千人の隊列を登場させ、市東さんの農地を守りぬく」と力強くアピールした。
 萩原進事務局次長が2〜3月闘争方針を提起した。「三里塚が勝つために、沖縄、福島、動労千葉と本当に一つになって闘わなくてはならない」と強く訴えた。そして2月4日、同18日の農地裁判では千葉市内一帯を騒然とさせるほどの集会・デモ・宣伝戦を展開し、第3誘導路供用開始予定の3月7日には現地闘争でこれを迎え撃ち、その勢いで3・24三里塚現地集会に1500人の大結集を実現することを宣言した。この攻勢的な大方針は割れんばかりの拍手と歓呼の声をもって迎えられた。
 最後に伊藤信晴さんのリードで団結ガンバローを行い、熱気と高揚の中で旗開きは締めくくられた。反対同盟と労農学人民が打って一丸となって突き進む2013年の幕開けにふさわしい旗開きがかちとられた。
(写真 市東さんの「歴史を変える年に」という決意に旗開きの参加者は奮い立った【1月13日】)

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週刊『前進』(2568号5面2)(2013/01/21 )

 反対同盟 新年の決意

 日本の未来をつくるために

 反対同盟事務局長 北原鉱治さん

 三里塚は47年目の春を迎えて新たな決意をもって闘います。毎年みなさんが元気に参加してくれて心が熱くなります。
 成田空港がいまだに完成しないのはなぜか。それは政治に過ちがあるからです。地元の農民・住民を一切無視して閣議決定し、金と暴力をもってひたすらごり押ししてきた。私たちは生きる権利をかけて闘ってきました。そして今市東さんの農地を奪い取ろうとしていることを許してはなりません。
 日本の未来をつくるために、私たちは闘います。労働者と農民が歴史の主人公です。そうなるために今の政治を変えなければなりません。そしてキャンパスは学生のものです。みなさん、今年も三里塚に力を貸してください。

 歴史を変える1年にしよう

 反対同盟・天神峰 市東孝雄さん

 巳(み)年には歴史が動くと言われています。そういう中で私の農地の問題が正念場を迎え、全力で闘うときが来たと思います。第3誘導路供用開始も3月7日に前倒しになりました。農地裁判も6年間の集大成として進んでいます。
 向こうは私の農地、作業場などをすべて取ろうとしていますが、これは私に対して農家をやめろ、つまり死ねと言っていることだと思います。
 ここに集まられているみなさんは一生懸命頑張ってくれていると思います。でもまだまだ力が足りません。昨年沖縄では10万人、東京で17万人の民衆の大決起がありました。基地、原発に憤りを感じている多くの民衆の最先頭に三里塚勢力が立って、今年を歴史を変えていく1年にしましょう。みなさん、持てる力を今年いっぱい三里塚にぶつけてください!

 1500人の大結集訴える

 反対同盟事務局次長 萩原進さん

 反対同盟は本年、火の玉となって闘います。市東さんの裁判は、安倍政権の反動攻撃の頂点に位置している。反動攻撃があらゆるところで一挙に襲いかかっている。
 勝利するためには本当に、三里塚、福島、沖縄、動労千葉が固く手を結び合って闘わなければならない。大衆的な大統一戦線を目指し、新たな三里塚闘争を展開することが今年の課題です。
 反対同盟は農地決戦を訴えるカラーパンフをつくった。これを全国に広げてください。
 今度の3・24全国集会に1500人の大結集を実現すると、先ほどの記者会見で約束しました。
 そのためには、農地裁判の2月4日、集会・デモをやる。18日にはトラクターを持ち込んで500人の集会・デモをやる。終日宣伝戦で市内を騒然とさせる。3月7日に前倒しされた第3誘導路供用開始には現地闘争をもって迎え撃つ。
 故市東東市さんは「収用法来るなら来い。私は家の屋根に上って闘う」と決意を語った。今三里塚で、農地法を悪用し農民の土地が奪われようとしている。このことを全国全人民に訴えよう。三里塚は闘いの先頭で旗を振ります。安倍をギャフンと言わせる闘いをつくろうじゃないですか。

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週刊『前進』(2568号5面3)(2013/01/21 )

 2013年闘争宣言

 決戦の2013年が明けた。本年は市東さんの農地と生活のすべてを奪おうとする政府・権力と、真っ向から戦う掛け値なしに決戦本番の年である。われわれはこの闘いに、47年間たたかいぬいた思いの全てをかけて決起する。
 何よりも千葉地裁による結審・反動判決策動を打ち砕くために渾身(こんしん)の決起を開始する。2・18市東さん証言は、6年間の裁判闘争の集大成だ。2・4裁判闘争を皮切りに、圧倒的な大衆的デモ、地裁包囲の大行動を必ずや実現する。三里塚に心をよせるすべての人々が、この闘いに馳(は)せ参じられんことを訴える。
 市東さん宅を空港の中に囲い込むための3・7第3誘導路の供用開始を断じて許さない。成田空港は見せかけの「公共性」すら失った。LCCを口実とした飛行時間制限撤廃に象徴されるように、航空会社をはじめとした資本の利益のために、周辺農民・住民の生活と健康を削ることなど、もはや許されない。市東さんの営農と生きがいを奪うことなど言語道断だ。3代100年営々と築き上げた肥沃(ひよく)な農地を奪われてなるものか。市東さんの農地を守る闘いは全ての農民、労働者の尊厳をかけた共同の課題だ。
 先の総選挙で発足した安倍内閣は、改憲と戦争への道をひらく極右反動政権にほかならない。しかし大恐慌の深まりのなかで、この政権を支える財界とそれに連なる者たちには何の展望もない。金を何十兆円つぎ込もうが、「国防軍」と名のろうが矛盾と危機は深まるだけだ。戦後最低の投票率に示されたように労働者民衆は政治に希望をもてず、議会への幻想はもろくも崩れさった。昨年街頭に繰り出した20万100万という人民の直接行動こそがこのくさりきった世の中を変える力に他ならない。
 「3・11」がもたらしたことは、社会の価値観の転換だ。新自由主義のもとで「命より金儲(もう)け」を強制する世の中から、社会を成り立たせている労働者と農民が主人公となる社会へ、今こそ立ち上がり、声を上げ、行動しよう。
 勝利の道は、再稼働と闘う福島、普天間基地撤去・オスプレイ撤去を闘う沖縄と三里塚ががっちりと連帯し、ひとつの力となって反動安倍政権に真正面から立ち向かうことだ。まさに新しい三里塚闘争の幕開けである。TPPに怒る農民・労働者の決起をひとつにして、壮大な闘いをつくりだそう。外注化・非正規化と闘う動労千葉との労農連帯をさらに深め、関西をはじめとした広範な市民と団結して新政権の反動政策を打ち砕こう。
 われわれは本日をもって、半年間の非常臨戦の決戦を宣言する。3・24全国総決起集会を農地取り上げを許さない怒りの総結集として勝ち取ろう。
 2013年1月13日
 三里塚芝山連合空港反対同盟
(写真 反対同盟を先頭に新年第1波の敷地内デモが意気高くかちとられた【1月13日 成田市東峰】)

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週刊『前進』(2568号5面4)(2013/01/21 )

 支援・連帯のアピール

 外注化粉砕し労農連帯貫く

 動労千葉委員長 田中康宏さん

 安倍政権は今、TPPなど農民を根絶するような攻撃をかけています。そして戦争と改憲を進めながら、労働者に対しても雇用・権利・賃金を破壊して生きられない現実に突き落としている。資本・支配階級が生き延びるために何をやってもいいのか! 農民殺しの象徴である市東さんへの農地強奪を絶対に許してはいけない。全国の数十万の人びとが三里塚を固唾(かたず)をのんで見守っています。そういう怒りの声をわれわれの力で再び三里塚に集めよう。
 民営化・外注化攻撃を核心的に打ち破った時、労働運動の復権は可能です。そして反対同盟との三十数年の労農連帯を貫く。この二つを決戦の年頭に固く決意します。

 3・27最終弁論へ全力で闘う

反対同盟顧問弁護団 葉山岳夫さん

 千葉地裁民事第3部・多見谷寿郎裁判長は、行政訴訟・農地明け渡し裁判の審理を何がなんでも本年3月までに終わらせようとしています。しかし重要な争点についての審理は決定的に不十分であり、NAA、千葉県側の立証は不十分かつでたらめです。
 これに対して萩原進さんは証言で「農地は農民の命である」と言い切り、農地強奪の違法性、犯罪性を明確にしました。2月4日は萩原さんの第2回証人調べ、18日には市東さん本人が証言に立ちます。そして3月27日には最終弁論を全面展開します。
 弁護団は現地実力闘争と一体で、NAA、裁判所を追い詰め、裁判闘争勝利への執念を燃やし、必死の覚悟で闘います。

 農地強奪攻撃を実力で阻む

 全学連委員長 斎藤郁真さん

 農地死守決戦を闘う決意の実践的表明として、全学連現地行動隊を4人に増強しました。
 三里塚47年の不屈の闘いは成田軍事空港の完成を阻止し続けています。成田は格安航空の誘致に手を出しているが、その行き着く先は安全の崩壊です。敵はボロボロであるがゆえに、必死で市東さんの農地を強奪するために襲いかかってくるが、全学連は実力をもって絶対に阻止して、敵の最後の意思を打ち砕く。3・11福島現地闘争から3・24三里塚、5月沖縄闘争で安倍政権打倒へ攻め上り、全国大学で自治会建設を進めます。

 すべての怒りを三里塚へ!

 革命的共産主義者同盟 鎌田雅志さん

 革共同は反対同盟の非常決戦の宣言を断固支持して、2〜3月を全力で闘います。われわれはすでにその戦闘配置についています。
 3・24三里塚全国集会に1千人の隊列を登場させます。今こそ労働者階級人民の怒りをここに結集し闘おう。動労千葉が最先頭で切り開いている外注化阻止決戦、反原発決戦、星野文昭同志の奪還という三つの決戦に勝利し、その力をすべて3・24に注ぎ込みます。
 三里塚闘争なくして革共同はありません。労農同盟の拠点である三里塚反対同盟と動労千葉を守り抜き、2013年を闘い抜きましょう。

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週刊『前進』(2568号5面5)(2013/01/21 )

 マル学同京大支部アピール

 闘う同学会を強化・発展させ松本・葛西打倒の全学ストへ

 大恐慌と3・11情勢の中で爆発する労働者決起の世界的な高揚を引き継ぎ、2013年、いよいよ血沸き肉躍る革命情勢が到来した。今こそ外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを全戦線で展開し、安倍政権打倒・プロレタリア革命勝利へ突き進もう! 法大処分撤回と文化連盟の組織拡大をかちとり、全国学生自治会建設に打って出よう!
(写真 総長室のある本部棟に突入し「松本総長を出せ!」【昨年12月4日】)

 総長室に突入し「思修館」に反撃

 京大当局は今、松本紘総長の「大学改革」、とりわけ文科省の大学政策「博士過程教育リーディングプログラム」に採用された新大学院「生存学館(思修館)」の来年4月本格開校へ動いている。全寮制や海外留学などをとおして「グローバルリーダー」を育成するというものだ。この構想に対して学内から怒りの声が上がっている。
 中でも新大学院に併設される「合宿型研修施設(学寮)」に対して、熊野寮自治会は2年以上、何度も抗議文や団体交渉要求書を提出してきた。当局は新寮建設の際は寮自治会と団体交渉などを行う確約を結んでいるが、「(新学寮は)寄宿料を納めなくてよいため、学寮とは見なさない。よって団体交渉はしない」と主張。これに対して寮自治会は一歩も引かず追及を続けてきた。
 昨年12月4日には寮祭企画「総長室突入」が全学の周知のもとに敢行された。寮生を先頭に、松本総長の独裁的な暴挙の数々に怒る学生が駆けつけた。職員のバリケードを突破し、総長室のある本部棟1階ロビーに乗り込み、4時間にわたって抗議行動を行った。取り巻く職員の中には学生担当理事(副学長)や思修館の専任教員の姿もあったが、学生の追及の前に何一つ回答することができなかった。松本総長の所業に怒る学生が具体的な勢力としてキャンパスに登場したのである。
 思修館設置の背景には、体制危機の突破を図る政財界の意志がある。昨年7月に野田政権が閣議決定した日本再生戦略では「国際競争の激化や非正規雇用の増加が進む中で、これまでのように企業内教育に依存するだけでは、能力の蓄積の機会を得づらくなってきている」「産学官の連携の下、……多様な人材の育成を実現する」と述べ、文科省が6月に発表した大学改革実行プランは「グローバル化に対応した人材育成」のためとして「『リーディング大学院』の構築」「英語による授業の倍増」「秋入学」などを掲げた。
 「グローバル化に対応した人材育成」とは何か。グローバル人材育成推進会議が昨年6月にまとめたグローバル人材育成戦略は「グローバル人材に対する経済的社会的な需要・期待は……我が国社会のトップ・リーダーとしての期待から、国境を越えた市場の拡大や海外での現地生産の強化等に対応した厚みのある中核的・専門的人材層の需要へと急拡大する様相を呈しており、現在もなおその過渡期と見ることができる」と述べている。行き詰まった日帝資本が国際競争に勝つための人材を育成しようという、資本家階級の利害をむき出しにした政策である。もはや大学は「自由な学問の場」でも「科学的真実の探求の場」でもなく、国家・資本を救済するためだけの機関に成り果てている。
 日帝はパッケージ型インフラ輸出、とりわけ鉄道輸出に一縷(いちる)の望みを見出そうともがき、「成長著しいアジアを重点地域として位置づける」(JR東日本「グループ経営構想X」)とインドネシアやインドで高速鉄道の建設計画を進めている中で、京大当局はこの事業を最先頭で担おうとしている。とりわけ思修館は、この育成戦略の要となっている。
 京大当局は年度途中の昨年10月、定員割れのまま思修館を発足させた。その目玉の一つは財界人や文部官僚が講義を行う「熟議」で、初回は京大経営協議会委員で堀場製作所最高顧問の堀場雅夫が講義を行った。昨年10月に同経営協議会委員に任命されたJR東海会長・葛西敬之の登場も遠くないであろう。国鉄労働者1047名解雇の張本人で、今また全面外注化・非正規職化で延命を図る葛西の「熟議」など絶対に認められない。
 さらに思修館はカリキュラムに国際原子力機関(IAEA)での研修などを盛り込んでいる。外注化・非正規職化と原発を推進する新自由主義のグローバル人材育成路線を粉砕しよう。京都大学はその最大の激突点だ。

 同学会との団交拒否と学生弾圧

 松本総長は同時に、昨年来さまざまな学生自治・大学自治破壊の攻撃を展開してきた。自ら責任者を務める「大学改革特別委員会」を設置し、11月6日の部局長会議では“同学会(旧執行部)など当局公認の学生団体以外からの申入書については原則回答しない”という前代未聞の決議を行い、以降、同学会(現執行部)や学生有志の申し入れに一切の回答を拒んできた。さらに正門前の立て看板の撤去や自転車規制なども強行し、「国際高等教育院」の新設で教養教育の新自由主義的再編と教員・労働者の全面的外注化・非正規職化にも踏み込んでいる。
 だがこれらの攻撃はきわめて脆弱(ぜいじゃく)なものだ。学生は誰一人屈服していない。松本はマスコミには派手に登場するが、学生の前にはほとんど姿を現さず、12・4総長室突入の際も裏口から一人でこそこそ逃げ去った。学生が団結して対決すれば、松本の居丈高な姿勢など、ただちにはがれ落ち破綻をさらけ出すものでしかない。

 大学奪還へ最強の自治会つくる

 社会を根底から破壊する新自由主義への怒りと闘争は、真の責任勢力としての労働者階級の団結を登場させる。すなわち闘う労働組合と学生自治会、そしてマルクス主義の革命党だ。
 思修館の新学寮は、各学年20人の学生がキッチン・バス付きの8畳の個室に住み、「日本では全く新しい試み」「24時間起居を共にして互いに啓発、切磋琢磨(せっさたくま)できる」と吹聴している。しかし熊野寮では1人当たりにすればその半分ほどの広さの相部屋に住む400人余りの寮生が、国籍も性別も所属も思想も問わず、さまざまな人間関係を構築し、文字どおり24時間討論している。そうやって団結した自治会の力で大学当局の攻撃と対決して、寮を必要とする学生の居住を48年間守ってきたのだ。寮生からは「何が思修館だ! おれたちの方がもっとうまくやれる」という声があふれている。
 「破綻した支配者は今すぐ辞めろ。おれたちの方がちゃんと社会を回すことができる。邪魔をするなら力ずくで打ち倒す」という確信を全労働者・学生のものとし、階級的団結を拡大して資本家階級による階級支配を打ち破っていくことが革命だ。革命的共産主義運動の拠点として京大と全国大学において学生自治会を建設・強化しよう。
 新自由主義の破産の時代に、どの大学でも学生の状況は同じで、資本の意思に屈服した教授どもが教育・研究の内容まで引き回している。高い学費のためのアルバイトでこき使われ、労働市場に出れば高失業率と総非正規職化が待っている。
 学生の怒りを爆発させその人生に責任を取る団結体として、学生自治会をよみがえらせよう。
 全京大生の怒りを結集し、松本・葛西打倒の全学ストライキに打って出よう。当局による非公認化・破壊策動を打ち破り、全学自治会同学会を2万3千京大生の意思を結集する最強の自治会へと強化・発展させ、その力で大学を労働者階級の手に奪還しよう。
 マル学同京大支部はこの実践をとおして自らをプロレタリア革命を実現する階級の指導部へ飛躍させる。すべての学生はマル学同に結集しよう。

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週刊『前進』(2568号6面1)(2013/01/21 )

団結ひろば 投稿コーナー 団結ひろば 投稿コーナー

 仕事で殺される日常 仲間作って変えたい 郵政労働者 森 聡美

 この年末繁忙期は、全国どこの局も人員不足と超勤の嵐であったことと思います。私の友人の職場も悲惨なものでした。
 まず交通事故。年賀が始まる前に1件、元旦に1件と、立て続けに起きてしまいました。配達のバイクの追突事故でした。当局が言うには、「車間距離を十分とっていなかったこと」が原因である。事故を起こした仲間の責任だと言うのです。
 事故なんかやりたくて起こす人はいません。なのに、当局は当該労働者に「自転車での配達」と「トレーニングセンター行き」を強制しています。バイクでの配達は局長立ち会いのもとで乗車チェックをして合格してからだと言っています。
 事故を起こした仲間は大量の郵便物を積んで焦っていたと思います。みんなゆとりなんてありません。誰が事故を起こしてもおかしくない状態です。郵政非正規ユニオンの齋藤委員長が言うとおり、「仕事に行ったら殺される」状態が日常化しているのが、民営郵政の実態です。
 年賀が終わったら、また「単年度黒字」に向けた営業活動が強制される。「あれを売ってこい、これを売ってこい」と。悔しさと怒りが充満しています。
 仲間を奪い、ゆとりを奪い、焦りまくって仕事をしなければならない状態にしているのは、会社と御用組合です。仲間を作ってこの現実をひっくり返してやりたい。

 生活保護費引き下げを絶対に阻止しよう 東京 仁科明生

 「新年度から生活保護費引き下げへ」という新聞記事を読み、腹の底から怒りがわいてきました。大恐慌の中で資本家を救うために、安倍政権は何兆円もの大型「公共事業」を起こし、また補助金という形で巨額の国家予算を資本家にばらまいている。資本家は労働者にリストラと賃下げ、非正規職化を押しつけ、搾取と収奪を強めている。そうした攻撃と一体で、安倍は失業や病気で生活に困窮している労働者人民のわずかばかりの生活保護費すら削り落とし、資本家に回そうとしているのだ。
 多くの受給者は、100円ショップとかスーパーの特売に行って支出を切りつめ、「1円でも安く」という生活をしている。そのぎりぎりの生活費すら削りこむというのは、「死ね」と言うに等しい暴挙だ。「最低クラスの労働者の生活費を超えているから削るべきだ」などという社会保障審議会の報告は、労働者の生活水準と生活保護基準を悪無限的に引き下げるものでしかない。
 生活保護費の引き下げは、最低賃金や就学援助、国保の保険料減免や住民税の非課税基準にも連動している。生活保護費(最低生活費)が引き下げられれば、国保保険料や住民税の減免からはずされる人もたくさん出てくる。だからこれは、すべての労働者人民への賃下げ攻撃であり、搾取と収奪をとことん強める暴挙だ。
 労働者階級をなめるな! 労働者の団結の底力を発揮して、安倍政権を春の闘いで絶対に打倒しよう。分断打破! 団結こそ力だ! 強くそう思います。

 女性に7年夜勤だけ「工場法以前」許さぬ さいたまユニオン K

 1月7日、ジェコーに解雇された高橋美和さんと屋代和彦さんが撤回を求めた裁判の一審判決がさいたま地裁熊谷支部であり、傍聴しました。
 判決は「原告の訴えを棄却する」という許せない内容でした。2人はともにJAM神奈川ジェコー労組の役員です。解雇は組合つぶしを狙った不当労働行為であることは明らかです。
 ジェコーは埼玉県行田市に本社工場があるトヨタの孫請けの部品製造会社ですが、そこで派遣社員でありながら請負労働者として働いていたのが高橋さんたちです。高橋さんは、組合員獲得のために川崎からビラまきにきていたジェコー労組の人たちと出会って05年に組合に入りました。分会をつくって、偽装請負を告発、闘いの結果、ほかの派遣労働者とともに期間従業員になりました。
 ジェコーの狙いは、正規職の労働者が非正規職の労働者を組織してできた分会を根こそぎつぶして、絶対に両者を団結させないことです。非正規が権利を主張して正規も一緒に闘ったら、24時間フル回転の生産ができなくなって、資本同士のつぶし合いで負けてしまうからです。
 女性である高橋さんに8時間立ちっぱなしの夜勤だけを7年間もやらせて日勤もできない状態にしたのに、当時の上司は「夜勤は日勤と比べて負荷はない」と言い放ちました。例外はありますが、22時から4時まで、15歳未満と女性の深夜業を禁止した工場法が日本で制定されたのは1911年のことです。「工場法以前」がまかり通ることは許されません。解雇撤回あるのみです。

 「三里塚の夏」を見て農民の戦闘性に感動 東京 高村宏信

 1968年に制作された小川プロダクションの第一作「日本解放戦線 三里塚の夏」が、昨年夏DVD化された。
 成田空港建設で、68年4〜7月、機動隊に守られて行われた条件賛成派農家への空港公団の家屋査定・測量に対する実力阻止闘争の場面が中心だ。私が全学連として初めて三里塚闘争に参加する1年ほど前で、感慨深い。成田空港は、日米安保とベトナム戦争という「戦争の論理」で計画され、地元住民には閣議決定の1週間前に新聞報道で初めて知らされた。
 ドラム缶とサイレンを合図に集合した反対同盟の農民・老人行動隊・婦人行動隊・青年行動隊が、空港公団の測量隊を追いちらす。機動隊に激しいやじと怒号を投げつける。トランシーバーで連絡をとりながら遊撃隊のように動き回る。機動隊の壁をどう破るか議論を交わす。自発的なデモでは、やりと鎌で武装。その中に、若き北原事務局長や当時青年行動隊長の萩原進さんの姿もある。当時の闘いが今につながり生きている!
 最後に先頭で闘う婦人行動隊が「団結の力で機動隊に打ち勝って、何とか世の中をよくしたい」と心から訴える。反対同盟農民の国家暴力に対する怒りの発揚・戦闘性のすばらしさにあらためて感動を覚えた。
 その後、史上空前のスケールで学生・労働者が立ち上がり、「農民は農地を武器に、労働者は鉄路を武器に」という労農同盟の力、階級的団結の力によって47年間も闘い抜かれていることは、あまりにもすごい。
 欠陥誘導路を解消するために市東さんの農地を農地法の悪用で強奪する攻撃が迫っている。労農同盟の真価が問われる闘いに勝ち抜こう。

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週刊『前進』(2568号6面2)(2013/01/21 )

 2・9富山再審集会へ

 富山保信同志のアピール

 1975年のデッチあげ「殺人罪」による不当逮捕・起訴以来、粘り強く闘い抜いてきましたが、いま富山再審闘争は正念場を迎えています。2月9日の富山再審集会に全力で参加されるよう訴えます。

 デッチあげ弾圧絶対に許さない

 「富山事件」は74年10月3日の全逓潜入反革命カクマル山崎完全せん滅戦闘に対するデッチあげ「殺人罪」弾圧です。私はまったく関与しておらず、無実です。
 弁護団は当初から一貫して証拠開示を求めてきました。とりわけ、目撃者全員の供述調書および捜査報告書等の開示を強く求めました。二審において捜査責任者の警察官が「約40人の目撃者を取り調べ、34人分の目撃調書を作った」と証言していますが、公判で開示されたのは7人の目撃者の調書であり、残り27人を検察官は明らかにしませんでした。弁護団はすべての目撃者が明らかになれば私の無実が裏付けられると考えたのです。
 2010年1月21日、東京高裁第4刑事部は検察に対して公判未提出証拠を開示するよう勧告しました。
 開示勧告の出た証拠は、再審請求人・富山保信(とみやまやすのぶ)の本件逮捕写真、目撃者5人の供述調書と取り調べに関する捜査報告書、その他の目撃者の供述調書、取り調べに関する捜査報告書であり、捜査報告書には写真面割り、面通しに関するものを含むとされています。
 この開示勧告にもとづき、同年6月21日、逮捕写真、目撃者の供述調書、面通し報告書等60点の証拠が開示され、追加して11年3月に8点の調書が開示されました。

 無実示す証拠の開示かちとろう

 開示された証拠を見ると、当初は私とは違う犯人像を供述した目撃者に私に似た犯人像を供述させたり、1回目の写真選別では私の写真を選ばなかった目撃者に2回目の取り調べでは私の写真を選ばせたりしています。
 しかし、検察官は私の写真を見て「犯人ではない」とした目撃者の捜査記録については、以前は「ある」と認めていたにもかかわらず、「不見当」と称して開示していません。検察官は、現在に至っても重要な証拠は隠し続けているのです。
 検察官の証拠ねつ造・隠蔽(いんぺい)によって冤罪が繰り返し起きています。多くの冤罪事件で、証拠開示が無罪の決め手となってきました。この間の一連の冤罪事件での無罪判決によって、特捜部の実態――事件のデッチあげ、検事による証拠改ざん・ねつ造の発覚、組織ぐるみのもみ消し工作――が白日のもとにさらされました。
 「足利事件」「布川事件」と「東電OL殺人事件」(いずれも再審無罪確定)は、国家権力が総力を挙げて収集した証拠が警察・検察によって独占・隠蔽・改ざん・ねつ造されて国家権力の恣意(しい)で悪用され、日本の刑事裁判の課題・証拠開示問題の死活性をあらためて衝撃的に突き出しました。
 私は無実です。星野文昭同志もそうであるように、国家権力による弾圧の基本はデッチあげです。デッチあげという弾圧の破綻点を、証拠開示が突き崩し始めています。証拠は真実究明のためにあり、真実を求めるすべての人民のものです。無実を証明する証拠をこれ以上隠蔽・隠滅することは許されません。
 いまこそ検察官が隠し続けている証拠の開示をかちとり、再審開始・無罪を実現するために、2・9集会への結集を訴えます。
 富山再審闘争 1974年10月3日の全逓潜入・反革命カクマル山崎完全せん滅戦闘に対して、国家権力は75年1月13日、富山保信同志をデッチあげ「殺人罪」で不当逮捕。81年3月5日、一審で無罪判決。85年6月26日、二審で逆転有罪判決(懲役10年)。87年11月10日、上告棄却決定により下獄。94年6月20日、再審請求。95年12月19日、満期で出獄。2004年3月30日の再審請求棄却決定に対し直ちに異議申し立てを行い、現在東京高裁第4刑事部で異議審闘争中。
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【要項】 2・9富山再審集会
 2・9富山再審集会
 2月9日(土)午後6時30分
 きゅりあん第4講習室(5階)(JR京浜東北線・東急大井町線・りんかい線/大井町駅下車)
 主催 無実の富山保信さんの再審無罪をかちとる会

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週刊『前進』(2568号6面3)(2013/01/21 )

 韓国大統領選と労働者階級

 現場労働者の候補押し立て非正規職撤廃めざし闘った

 パククネの当選は「最悪」が「次悪」に勝ったということ

 昨年12月19日投票の韓国大統領選挙で、与党セヌリ党のパククネ候補が1577万票(51・6%)で、野党民主統合党のムンジェイン候補(1469万票、48・0%)を破って次期大統領に当選した。投票率は75・8%で前回を12・8%上回る高率だった。ソウルと光州、全羅南北道を除いてパククネ候補が獲得票で上回ったが、インターネットでは”「最悪」が「次悪」に勝った”と評された。つまり、どちらの候補が当選しても労働者にとって何ひとつよいことはない、ということだ。非正規職労働者をどのように量産するかの違いだけだからだ。それが僅差(きんさ)になって現われたのだ。
 当選後、早くもパククネは選挙公約を次々と反故(ほご)にする発言を行っている。65歳以上への基礎年金の支給を毎月20万ウォンずつ行うとテレビ演説で言ったことを変更したりしている。
 また大統領選と同時に行われたソウル市教育監選挙や慶尚北道知事選挙でも、民主労総推薦の野党候補が敗れた。そして旧民主労働党出身の統合進歩党のイジョンヒと進歩正義党のシムサンジョンは、投票数日前にそれぞれ立候補を辞退して大統領選から脱落した。
 パククネが当選した数日後には、現代重工業非正規職支会の労働者と韓進重工業の労働者が自殺した。一方でパククネの当選に絶望的になり、また他方で抗議の意思を表明した自殺だった。パククネ当選に関連して5人の労働者が死んでいる。
 韓進重工業の場合、キムジンスク民主労総指導委員の85号クレーンでの309日間のろう城闘争で会社側は整理解雇を撤回したが、158億ウォンに及ぶ巨額の損害賠償請求を行っている。労働者にとって一生かかっても支払うことなどできない金額だ。損害賠償仮差し押さえ攻撃は実際、労働者を殺す攻撃だ。何人もの労働者がこの攻撃の中で自殺している。
(写真 「労働者大統領」候補として非正規職撤廃を闘い抜いたキムソヨン候補【中央】=2012年11月11日)

 危機を感じた保守勢力が分裂回避し労働者候補を妨害

 12年、サムスン電子は史上最高益を出し、同じく現代自動車は史上最高の自動車生産をしたと報道されている。はたして韓国資本主義は順風満帆なのか。そうではない。韓国資本主義は米帝危機と欧州危機、また中国のバブル経済崩壊の中で、世界大恐慌の大波にもまれてあえいでいるのだ。
 為替戦争という帝国主義間・大国間争闘戦、ウォン高攻勢に対して、なすすべもなくもがいている。対米、対欧州、対中国貿易で生きるしかない韓国にとって通貨高は決定的打撃だ。自動車も中国との領土問題の緊張で大幅に落ち込んだ日本の自動車販売のすき間をぬって荒稼ぎしたものだ。
 巨大資本、韓国の財閥系の資本は非正規職の存在を絶対不可欠としている。非正規職を量産することで生き延びてきたし、巨額の利潤を上げてきた。新自由主義の極みといえるのがサムスン電子や現代自動車などだ。
 世界大恐慌の深まりに危機を感じとった韓国の保守勢力は、今次大統領選ではこれまでと違い、分裂することなく必死で選挙を行った。なりふり構わなかった。労働者候補のキムソヨン・キリュン電子前分会長の遊説に警察や資本のごろつきどもが襲いかかり、妨害を続けたりした。

 旧民主労働党系や民主労総の支配的な勢力は凋落した

 今次大統領選挙の最大の攻防は左派の統一候補、キムソヨンさんらの闘いだ。彼女たちは韓国全土で労働者のために闘った。大統領選を戦場として非正規職撤廃を闘い抜いた。済州島カンジョン村の海軍基地反対闘争に連帯し、建設派の襲撃をはね返して闘い、サムスン電子の本社に最初に登場して会社側の妨害をものともせずに闘い、果ては警察が妨害した際には警察車両の上に上がって演説をした。
 パククネの父親パクチョンヒ軍事独裁政権などの時代を除けば、大統領選でこうした妨害が公然と行われたのは前代未聞だ。しかし、それは実際にキムソヨンさんたちの闘いが韓国労働者の未来を開き、財閥資本にとどめを刺す勢力であることを恐れてのことだった。
 こうして、今回の韓国大統領選は資本家や保守政治家らの思惑をはるかに超えて、非正規職撤廃の大運動が席巻した。歴史的情勢が到来したということだ。
 12年労働者政治勢力化のスローガンを掲げてきた民主労総内の主流勢力と旧民主労働党などは、議会主義的に労働者の力を押さえ込むことで自己の勢力を維持してきたが、今次大統領選では立候補を辞退し、自己の議会主義的あり方からもずり落ちてしまった。
 そればかりではない。民主労総の委員長が委員長選出を組合員の直接選挙で行うという決定を守れず辞任し、総選挙に推薦候補すら出せず、幹部らは四分五裂して選挙に臨んだ。議会主義の幻想を振りまき労働者階級の闘いを欺いてきた勢力が歴史的破産を鮮明にさせて自壊したのだ。それは新自由主義に屈服し、非正規職撤廃は口先だけで実際には闘わなかったからだ。そして米帝の対中国・北朝鮮政策に対し米帝や北朝鮮スターリン主義を批判できなかったからだ。
 1987年の労働者大闘争の成果を簒奪(さんだつ)してきた勢力、いわゆるNL系列(注)が牛耳ってきた労働運動の勢力図が劇的に転換を開始したことが事の本質だ。長きにわたる血の文字で書かれた非正規職撤廃の闘いが、ついに労働運動の主勢力となる時代が到来したのだ。いまだ民主労総内ではNL系が多数派だが、そのすう勢は転換した。
 09年のサンヨン自動車労組の77日間の実力ストライキ、10年の現代自動車非正規職労働者の25日間の工場占拠ストライキ、韓進重工業のクレーンろう城占拠の309日の闘いなどを受け継ぎ、劇的転換点をつくりだしたのがキムソヨンさんを始めとする非正規職撤廃を闘う現場労働者らだ。
(写真 「希望のバス」参加者が現代車非正規職支会の高空ろう城中の鉄塔の下で決起集会を行った【1月5日 ウルサン】)

 米帝東アジア戦略と対決している非正規職撤廃闘争

 世界大恐慌の危機の中で基軸帝国主義アメリカは対中国、東アジア戦略にのめりこんでいる。対中国・北朝鮮戦争戦略であり、沖縄基地へのオスプレイ配備などを進めている。中国スターリン主義も軍事力を拡大し領土拡張に走っている。北朝鮮スターリン主義は反人民的なロケット発射を行い、戦争情勢を一層あおっている。
 こうした情勢に真に対決しているのが韓国の労働者の非正規職撤廃の闘いだ。ここでの勝利なしには南北の分断を打破することはできない。同時に、破産した旧民主労働党などに代わって労働者階級の闘う政党を非正規職撤廃の荒々しい労働運動の前進と一体的に建設していく展望をつかむ必要がある。
 新年冒頭の1月5日から現代自動車非正規職の闘いに連帯する希望バスが出発し、2500人に上る労働者らが闘いの火ぶたを切った。彼らはその足で韓進重工業の労働者の追悼式に向けてプサンへ行き、闘いと団結を誓った。同日、サンヨン自動車労働者の連帯の希望行進が才能労組のろう城場から出発した。非正規職撤廃の闘いは、学校非正規職労働者のストライキや金属労組のスト方針、金属労働者の争議事業場の労働者の上京闘争などが相次いでいる。
 いまや世界の労働者は新自由主義粉砕、外注化阻止、非正規職撤廃、整理解雇粉砕のひとつの闘いを国境を越えて闘っている。動労千葉・動労水戸―動労総連合などを先頭にした外注化阻止・非正規職撤廃の闘いは、韓国労働者をはじめ世界の労働者と連帯した国際的闘いだ。外注化阻止の第2ラウンドの闘いに勝利し、韓国労働者の非正規職撤廃の闘いとひとつとなって団結し闘おう。
 〔山中 豪〕

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週刊『前進』(2568号6面4)(2013/01/21 )

 富士康で再び大規模スト

 リストラと賃金めぐり 中国全土に争議拡大

 1月10日、江西省宜春市豊城市にある富士康(フォクスコン)の新海洋精密部品工場(労働者8千人)で、賃上げと労働条件の改善を要求する大規模ストライキが昨年に続き爆発した。
 富士康は台湾の鴻海精密工業の中国子会社で、中国全土で100万人を雇用する世界的な電子機器受託生産請負企業だ。アップルのアイフォーン、アイパッドのほとんどを組み立てる。この工場は富士康の主要な生産拠点だ。
 ここの労働者の平均賃金は月額1300元(約1万8千円)といわれ、住居費や食費が天引きされると手元にはほとんど残らない。溶接工のマスクは外科用で、交換は2日ごと、ひどいときは1週間ごとだ。冬は気温3度になるが、宿舎では週1回シャワーを浴びるだけという過酷な状況だ。
 要求を受け入れられなかったために、11日には労働者数千人が街頭に飛び出し、道路を封鎖した。動員された数百人の武装警官を押し返し、放水車による有害な水の噴射で負傷し逮捕者を出しながらも徹底的に闘った。14日現在もストが継続している。
(写真 ストに決起し道路を封鎖して闘う富士康・新海洋工場の労働者たち【1月11日 江西省豊城市】)

 中学教員も決起

 中国では2013年に入ってから嵐のような労働者の暴動的決起が相次いでいる。
 3日からは広東省深セン(センは「土」へんに「川」)にある米系資本の崇光電器製品工場で、工場の建て直しに伴うリストラに反対してストが連日続いている。6日には四川省成都市で、賃金未払いに対して清掃労働者がストに立ち、ごみ回収車で道路を封鎖、二つの街はごみだらけになっている。7日から湖北省孝感市ではタクシー労働者が連日のストに入ったが、労働者の代表がやくざに殺されたことから怒りが爆発。11日からストが全市に拡大した。10日には広東省のほかの市、河北省、四川省にストが拡大。広東省広州市では、清掃労働者が富士康と同じ1300元という超低賃金に対し、連日のストに突入した。さらに、河北省石家荘市、四川省重慶市・宜賓市では、中学校の教員が低賃金などに抗議してストに決起した。また、深センでは印刷労働者5千人が工場の上場と改名に伴う賃金制度改悪に抗議のストを行った。
 欧州危機と世界恐慌が進行、対日関係のあつれきが激化し、中国経済は一挙に崩壊過程に入ろうとしている。その中での労働争議の爆発に対し、習近平政権はインターネットの全面実名登録制など徹底した弾圧で臨もうとしている。しかし、検閲と記事の差し替えに抗議して立ち上がった『南方週末』などの闘いは、習政権のそうした弾圧体制をも根底的に打ち破る闘いが始まっていることを示している。
 外注化阻止・非正規職撤廃は、この中国労働者階級に連帯していく闘いだ。全力で決起しよう。
 (河原善之)

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