ZENSHIN 2013/04/01(No2578 p08)

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第2578号の目次

3・24三里塚 市東さん農地決戦を宣言
1370人が農地死守を誓う

1面の画像
(1面)
安倍政権と体制内指導部の反動うち破り 青年先頭に4月ストを
労働組合の闘いを軸に解雇・賃下げ−外注化・非正規化−原発再稼働阻止へ
解雇撤回・JR復帰10万署名進めよう
記事を読む  
3・24三里塚 市東さん農地決戦を宣言  労農学の団結で必ず勝利する(3月24日) 記事を読む  
前進速報版 記事を読む  
(2面)
動労水戸 被曝労働の強制拒む  勝田車両センターでスト(3月25日) 記事を読む  
動労西日本 “外注体制つぶす闘い”  レールテックで初のスト(関西K)(3月25日) 記事を読む  
解雇撤回・JR復帰! 10万筆署名に総力を 記事を読む  
尼崎事故から8年4・20現地闘争へ
JR青年労働者の大結集で外注化阻止・非正規職撤廃へ
記事を読む  
賃金引き上げ求めスト  日本機械工業労働組合
職場離脱し構内デモ貫徹(投稿/三多摩労組交流センター・HY)(3月26日)
記事を読む  
(3面)
4・26自治労全国ストを  賃金と一時金の削減絶対反対!
労組拠点と青年部の建設へストライキ断固貫徹しよう(大迫達志)
記事を読む  
雇い止め・強制配転阻止へ  郵政春闘集会を開催(3月23日) 記事を読む  
闘いは進む 青年の職場から
自治体 民営化絶対反対で闘った時、団結は生み出される  関西 三田直也
記事を読む  
正規と非正規の団結の力で雇い止めも解雇も粉砕した
〈投稿〉 動労千葉を支援する会・習志野
記事を読む  
(4面)
新入生歓迎特集 全国学生は団結し全原発廃炉・安倍打倒へ
処分撤回-4・25法大闘争に立とう
記事を読む  
(5面)
全国学生は団結し全原発廃炉・安倍打倒へ  各大学の闘う学生からアピール 記事を読む  
経産省前 テント撤去絶対許さぬ  “徹底的に闘う”300人が集会(3月22日) 記事を読む  
(6面)
全国機関紙担当者会議の提起
全職場で階級的労働運動推進し『前進』を6千万の労働者の中へ
革命的共産主義者同盟書記長 天田三紀夫
記事を読む  
2013年日誌 3月19日〜25日
大飯原発、7月停止求めず/辺野古埋め立て申請
記事を読む  
(7面)
市東さんの農地を実力で守りぬこう  三里塚も国鉄も決戦の時 3・24三里塚(3月24日) 記事を読む  
市東さん農地裁判 農地は農民の命だ  3・27千葉 最終弁論が法廷を圧倒(3月27日) 記事を読む  
4・9反核燃の日4・6〜7青森闘争へ
福島の怒りと固く結合し核燃粉砕・大間原発阻止を(革共同青森県委員会)
記事を読む  
(8面)
団結ひろば 投稿コーナー 記事を読む  
迎賓館・横田爆取弾圧裁判 最終弁論で無罪を主張
全面立証を踏まえ 原判決を弾劾し尽くす(3月25日)
記事を読む  
中山崇志同志を奪還
勝利者として意気高く出獄(広島連帯ユニオン執行委員・奥村毅)(3月19日)
記事を読む  
4・14&21東西入管集会へ  労働組合で団結し闘おう
在留カード 新たな入管体制を許すな
記事を読む  
チャーター機 強制送還を弾劾  仮放免者が法務省デモ(3月6日) 記事を読む  

週刊『前進』(2578号1面1)(2013/04/01 )

 安倍政権と体制内指導部の反動うち破り 青年先頭に4月ストを

 労働組合の闘いを軸に解雇・賃下げ−外注化・非正規化−原発再稼働阻止へ

 解雇撤回・JR復帰10万署名進めよう

 職場生産点に深く根づいた労働者の闘いは、階級の怒りのマグマと結んだとき情勢全体をグラリと揺るがす。この1〜3月、日本の労働者階級は、動労千葉・動労水戸のストライキを先頭に歴史的な階級決戦情勢をたぐり寄せた。日帝・安倍とブルジョアジーの「アベノミクス」や「規制緩和」「労働市場の流動化」を旗印に掲げた、戦後史上最悪の解雇・賃下げと外注化・非正規職化の攻撃に対して、労働者は職場闘争とストライキを武器に団結を日々打ち固めて迎え撃った。そしてついにこの4月、地殻変動的なスト決起情勢を生み出した。国鉄、自治体、全逓、教労の4大産別を先頭に全国のすべての職場から4月ストに決起し、極右改憲の安倍政権打倒へ攻め上ろう。このストの嵐の中から5・1メーデーに突き進もう。

 3月決戦の画期的な勝利

 3・11反原発福島行動と3・24三里塚闘争の大高揚のど真ん中に闘う労働組合の赤い組合旗が翻った。日帝・安倍とブルジョアジーは労働者人民の憤怒の激しさに震えながら、しかし労働者や農民に生きていくことすらまったく保証できない。現に年度末の3月31日、解雇と雇い止めで大量の労働者が路頭にほうり出される。問題は労働者階級の怒りにもっと火をつけ、団結してストに立ち上がることだ。団結こそが希望だ。
 自治労の4・26全国統一スト情勢を6千万労働者階級の怒りの決起に転化しよう。4月ストの爆発を国鉄分割・民営化以来26年の闘いと結びつけ、4・9政治解決の大反動を今こそ転覆し、すべてを5・1の闘うメーデーに総結集しよう。解雇撤回・JR復帰の10万筆署名を猛然と推進し、6・9国鉄闘争全国運動集会に突き進もう。『前進』をもって職場・地域、街頭、大学で闘い抜こう。
 動労千葉・動労水戸の3月スト決起は、幕張、木更津、勝田などの拠点職場で激しく闘われた。JR東日本の業務全面外注化に対する新たな反合理化・運転保安闘争の実践は、外注化と偽装請負がもたらすとんでもない安全破壊と、でたらめな違法行為を暴いた。闘わなかったらどんなに違法・不当な資本のやり方もまかり通ってしまう。
 今日、日帝・安倍政権が規制改革会議や産業競争力会議で強引に進めようとしている「解雇の自由」「搾取の自由」や大幅賃下げ攻撃は、JRの外注化・強制出向と公務員労働者の賃下げや非正規職化を最大の突破口にして強行されようとしている。しかもJR資本は特に貨物において「自治体を超えるレベルの賃下げ」を狙っている。
 だが労働者にとって、日々の労働でつかんでいることすべてが闘う武器になる。動労千葉は3月11日、「検修・構内業務外注化に関する申し入れ」を資本に突きつけた(『日刊動労千葉』3月25日付)。
 それは、CTS(千葉鉄道サービス)の争議に際しJR千葉支社が代務要員を送り込んでスト破りを行った件や、委託業務について一つひとつの業務を日々発注する方式、日々の委託発注書を作成している計画担当業務そのものを今年10月に委託する矛盾、信号担当や操車担当が厳格な取り扱い基準で行う列車の入れ替えなどの「指揮命令」を外注では「情報伝達」で良しとするデタラメさ、一括委託したはずの業務をJRがやったり、責任者が作業に従事して責任が不在になる、同一構内で「二つの(列車)誘導」の危険性などなど、敵の矛盾を全面的に追及・弾劾している。
 外注化による労働の分断や偽装請負、JR東資本の究極の無責任が鋭く暴かれている。その責任放棄は原発と同じだ。しかもこの外注化をJR東労組カクマルや国労幹部が資本に屈服し一体となって進めてきた。逆に言えば、現場と労働者に依拠して労働組合が原則的に闘えば、資本のどんな横暴も暴露・弾劾して止められるのだ。

 全公務員に7.8%の賃下げ

 階級的労働運動がしっかり根を張って闘えば、資本と労働者の力関係を大きく変えられる情勢に入った。安倍政権と資本はむき出しの反動攻勢に出ている。彼らは賃金と労働時間、雇用に全面的に手をかけてきた。とりわけ自治体を始めとする公務員労働者に、非正規職化とともに問答無用の大幅賃下げの攻撃をかけてきている。
 360万人の公務員に7・8%の賃下げと一時金削減、多額の退職金削減の攻撃が襲いかかっている。しかもこれを突破口に、民間を含む全労働者に同じ攻撃がかけられようとしている。今こそ国鉄分割・民営化に対する動労千葉などの闘いから学び、総決起する時だ。全産別・職場から4月ストで総反撃しよう。
 特に自治体労働者への全面的な民営化・外注化と賃下げは、地方自治の最後的な破壊と道州制への攻撃だ。それは社会全体を壊して資本=カネの論理を貫き、労働者と住民の生きる権利を奪い、結局は戦争・改憲へとつながる。年金や保育−医療の破壊、増税、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加などすべての攻撃の根底には、労働者を分断し、団結を破壊する策動がある。
 しかし大阪の維新の会・橋下との闘いが示すように、絶対反対派が確信をもって闘えば、情勢を揺るがし、反撃と勝利に転じることができるのである。3月決戦は圧倒的にその扉をこじ開けた。4・26自治労全国スト貫徹へ、権力・資本と体制内指導部の反動を打ち破り、断固として突き進もう。
 この時、国鉄分割・民営化絶対反対を貫く国鉄闘争の26年、とりわけ動労千葉や動労水戸の闘いは、いよいよ輝きを増している。
 今こそ解雇撤回・JR復帰の10万筆署名をもって職場・地域労組と街頭へ猛然と打って出よう。雇い止め・賃下げ阻止、外注化・非正規職撤廃、生きるための賃金をよこせ、8時間労働制の解体を許すな、全原発廃炉へ、をスローガンに掲げ断固決起しよう。労働者の誇りも命も奪う攻撃に、階級性・暴力性をもって闘うことが勝利への道だ。3月決戦勝利に対する反動を粉砕し、4・26を頂点に4月スト攻防へと全職場で打って出よう。そのすべてを集約する一大闘争が5・1メーデーだ。労働運動の原点に立って闘おう。

 資本主義の命脈は尽きた

 資本主義の命脈は尽きている。ブルジョアジーはどうあがこうと、世界大恐慌・大不況と帝国主義間・大国間争闘戦の激化から脱出できない。
 大恐慌下の異常な株高やインチキな金融商品の再度の活況は、世界にあふれる緩和マネー・余剰マネーの流入による新たなバブルの始まりだ。米帝は「財政の崖」からの転落寸前状況が続いている。銀行が取り付け騒ぎで閉鎖され信用がストップしているキプロス問題の爆発は、資本主義の終わりの姿そのものだ。
 「アベノミクス」は労働者階級に解雇・賃下げとインフレをもたらす一方で、株式、債券(国債)、不動産のバブルをまたぞろ生み出している。それは早晩破裂し、円や国債の暴落をも不可避とする。
 大恐慌と大争闘戦時代への突入は、全世界的に大失業と同時に戦争を生み出す。米帝オバマは中東訪問で、イスラエルによるイラン攻撃や入植地拡大の侵略行為の承認を行い、対北朝鮮では「もはや平時ではない」(米国務省高官)と戦争重圧を強めている。
 安倍政権は3月22日、辺野古沖埋め立ての沖縄県に対する申請を強行し、昭和天皇による沖縄売り渡しへの「怒りと屈辱の日」である「4・28」には政府主催の「主権回復の日」式典を開催するなど、沖縄攻撃に突き進んでいる。さらには3・18の停電−冷却装置停止という福島第一原発の重大事故を居直り、経産省前テントの撤去を策動し、原発再稼働へ突き進もうとしている。極右超反動の安倍改憲政権を4月攻勢で打倒しよう。
 3・11反原発福島行動と3・24三里塚闘争の大高揚は、動労千葉・動労水戸・動労西日本、春闘スト決起と一体で、3月決戦の勝利を確定した。いよいよ青年労働者を先頭に4月ストと4月攻勢への突入だ。10万筆署名を全力で推進しよう。『前進』を全労働者の中に持ち込み勝利しよう。

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週刊『前進』(2578号1面2)(2013/04/01 )

 3・24三里塚 市東さん農地決戦を宣言

 労農学の団結で必ず勝利する

 3月24日、三里塚芝山連合空港反対同盟の主催で、成田市天神峰の市東孝雄さんの畑において、三里塚全国総決起集会が開かれた。農地決戦の渦中にふさわしく、参加者・発言者の覚悟と意気込みが鋭い集中性と緊迫感となって終始貫かれた集会となった。
(7面に関連記事など)
 寒風の中を午前から全国の労農学市民が次々と到着し、正午を回り集会が始まった。
 開会宣言に森田恒一さんが立った。「農地を取り上げに執行官が大量の機動隊を伴って現れたときどうするか。答えは実力阻止! 私は96歳だがその先頭に立つ」
 北原鉱治事務局長が主催者あいさつを行った。2月20日に千葉地裁の執行官が「公示書」の看板を市東さんの農地・農業施設などに据えつけたことを弾劾し、「労働者・農民が連帯し一人ひとりが立ち上がる時だ」と呼びかけた。
 萩原進事務局次長が基調報告に立ち、「参加者は1200人を超えた」と明らかにして3点を提起した。@農地法を使って農地を取り上げるという攻撃に対し、反対同盟は全国農民の先頭に立ち、労働者階級と連帯して粉砕する。A「国策・国益」の論理を許さず、福島・沖縄と手を結んで闘う。B反動安倍政権と全面的に対決する。
 そして、目前の3・27農地裁判最終弁論・千葉地裁包囲闘争への決起を熱烈に訴えた。
 市東孝雄さんが一層大きな拍手で迎えられ登壇した。市東さんは成田空港会社(NAA)の悪行を断罪し、「私は天神峰で農業を続ける。父の遺志である“空港廃港”へ向け、皆さんとともに闘う」と農地死守の不動の決意を表し、全参加者の胸を打った。
 続いて反対同盟顧問弁護団が壇上に勢ぞろいし、全員が3・27最終弁論闘争への意気込みを表した。葉山岳夫弁護士は「反動判決によって命に等しい農地を奪うのは殺人行為だ」と弾劾した。
(写真 1370人が農地死守を誓う)

 福島と連帯し

 特別報告の最初に動労千葉の田中康宏委員長と動労水戸の石井真一委員長が並んで立った。
 田中委員長は、全面外注化・非正規職化攻撃と闘いぬいたストライキの意義を確認し、沸騰点に向かう全労働者の怒りを束ね、その力を市東さんの農地を守る一点に集中することを訴えた。
 石井委員長は、放射線に汚染され放置された車両の検修作業の強制に対し、「明日からストに突入する」と力強く報告した。
 関西実行委の永井満さん、山本善偉さんに続き、福島からの特別報告として果樹農家の大内孝さんと、3・11反原発福島行動の呼びかけ人である椎名千恵子さんが立った。椎名さんは「放射能と原発に同意した者たちに対して闘う。命の側に立つ者に勝利がある」と述べ、3・27農地裁判最終弁論の闘いに参加することを表明した。
 沖縄からは「沖縄・市東さんの農地を守る会」の安次富浩さんが特別報告を行った。最後に反対同盟と福島・沖縄の発言者が壇上で固く手を結んで高々と差し上げ、連帯のきずなを示した。
 続いて、市東さんの農地取り上げに反対する会、群馬・市東さんの農地を守る会が、支援運動の強化を呼びかけた。
 そして全国農民会議が緑色ののぼりを林立させて壇上を埋めた。地元千葉を始め、福島、新潟、沖縄など全国から駆けつけた農民が「反原発、反TPP、三里塚連帯」を真っ向から掲げ、労農連帯を担う気概をあふれさせての登場だ。共同代表の小川浩さん、反対同盟の萩原富夫さんらが決意を述べた。
 婦人行動隊・鈴木加代子さんのカンパアピールに続き、全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部の連帯メッセージが代読された。
 続く各団体からの決意表明では、婦人民主クラブ全国協議会、「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」の星野暁子さん、全学連の斎藤郁真委員長などが登壇した。斎藤君は、現地行動隊を先頭に実力で農地を死守する決意を表した。
 ここで、司会の宮本麻子さんが「今日の参加人員は1370人」と発表すると、勝利の手応えをつかんだ歓声と拍手がわいた。野平聰一さんが集会宣言を読み上げ、最後の団結ガンバロー三唱は、周辺一帯を揺るがす地響きとなった。

 誘導路に怒り

 いよいよデモに出発。デモを牽引(けんいん)する4台のトラクターに、先頭から市東さん、萩原富夫さん、野平さん、萩原進さんが乗車。力強いエンジン音を響かせて出発し、長蛇の列がそれに続いた。東峰部落では、暫定滑走路へ着陸するジェット機が頭上40bをすさまじい騒音を伴って通過する。
 デモは天神峰の市東さんの家と畑の前を通り、さらに進むと第3誘導路が目の前に現れた。市東さんを追い出すための巨大な構築物とそれを警護する大量の機動隊を目の当たりにして、デモ隊の怒りは一層高まった。
 最後までトラクターに導かれ、デモは南台の市東さんの畑に到着。この場所を絶対に守る決意を全参加者が打ち固めた。
(写真 反対同盟と全国農民会議ののぼりを掲げ、市東さんを先頭に4台のトラクターがエンジン音を響かせデモの先陣を切った【3月24日 成田市】)

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週刊『前進』(2578号1面3)(2013/04/01 )

 前進速報版

▼仏山の日系・本田で再びストライキ▼広島連帯ユニオン草津病院支部委員長・中山崇志同志を奪還!▼市東さん農地裁判、最終弁論

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週刊『前進』(2578号2面1)(2013/04/01 )

 動労水戸 被曝労働の強制拒む

 勝田車両センターでスト

 動労水戸は3月25日、勝田車両センターで午後4時から1時間の時限ストライキに立った。福島第一原発事故以来、半年間、広野駅に放置され、放射能で汚染された車両(K544編成)にかかわる一切の作業・被曝労働の強制を絶対に許さないためのストライキだ。
 JR東日本は一昨年10月、K544を広野から勝田車両センターに回送したが、動労水戸のストライキと現場労働者の猛反発により車両の運用は阻まれてきた。
 ところがJR水戸支社は3月14日、動労水戸が春闘ストに突入したその日に突然、K544の運行に向けた作業開始を通告してきた。18日には放射線測定を強行。25日にはK544を検修庫の中に移動し、車両メーカーの三菱重工の労働者にメイントランスの冷却装置の交換作業を行わせた。この冷却装置は、1年半前の測定時に0・9マイクロシーベルトという高線量が測定された個所だ。
 同日午後4時前、勝田車両センターの門前に動労水戸の組合員が陣取った。国分勝之副委員長がマイクを握り、「動労水戸との団交で、会社は放射性物質があることは認めた。しかし、車両内の空間放射線量は国の基準値以下だから問題がないと居直っている。検修作業が強制されれば、放射性物質の付着したホコリを吸い込み、内部被曝は避けられない。動労水戸とともに闘おう。一人ひとりが闘えば作業は阻止できる」と車両センターで働く労働者に訴えた。
 午後4時過ぎ、職場で猛烈な抗議闘争をやり抜いてストライキに突入した組合員が庁舎から退出し、門前に展開する組合員に拍手で迎えられた。
 スト当該の辻川慎一副委員長が構内で働く労働者に次のように訴えた。
 「内部被曝の影響は5年後、10年後に明らかになる。その時に、あの作業をしていなければと思っても遅い。外注化もそうだが、会社は安全を一顧だにしていない。K544を使わなくても車両の運用上困らないのに、『財産の効率的運用』のためにK544の検修作業を行わせると会社は言う。人の命と車両1編成と、どちらが大切なのか。絶対に許せない」
 ストに入った青年組合員の照沼靖功さんは「会社は内部被曝の危険性を何も考えていない。ふざけるな! 今回の計画も会社は秘密裏に進めてきた。組合無視、現場無視は許せない」と怒りをほとばしらせた。
 いつもなら動労水戸の行動を監視するため門前に現れる車両センターの管理者たちは、労働者の怒りを恐れて庁舎内に閉じこもったままだ。
 組合員は怒りのシュプレヒコールを繰り返したたきつけた。

 作業指示に抗議新段階の闘いに

 25日夜、動労水戸は水戸支社に対し「K544の運用にかかわる作業指示が組合員に出された場合、車両センターの全組合員がストに入る」と通告した。被曝労働に絶対反対し、青年組合員を守りぬく新たな段階に入ったのだ。昨年8月の大子支部での被曝労働強制反対ストと10・1外注化に対する全組合員の闘いの蓄積が、この新たな闘いを生み出した。
 翌26日、JR水戸支社は、厳重な抗議にもかかわらず動労水戸組合員にK544を移動するための誘導作業を指示してきた。昼休み、出勤者全員の職場集会が開かれ、激しい怒りの中で直ちにJRの全組合員の抗議スト突入を決定した。
 K544の運用再開に対する青年労働者の怒りは渦巻いている。動労水戸はさらにMTS(水戸鉄道サービス)との団交を闘いぬき、JRとMTSを貫く被曝労働絶対反対の闘いに進んでいる。
(写真 ストに突入した組合員を先頭に勝田車両センター前で抗議闘争に決起。職場の仲間に「ともに闘おう!」と呼びかけた【3月25日 ひたちなか市】)

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週刊『前進』(2578号2面2)(2013/04/01 )

 動労西日本 “外注体制つぶす闘い”

 レールテックで初のスト

 動労西日本は3月25日、JR西日本大阪支社内にある外注会社「レールテック」の職場で春闘ストライキを打ち抜いた。レールテックに強制出向させられている赤松賢一副委員長が、JR西日本とレールテックの外注体制を転覆する歴史的ストに立ったのだ。
 この決起に応えて、動労西日本組合員と支援の労働者はスト貫徹の1日行動を闘い抜いた。
 正午から午後1時、天王寺駅前にある大阪支社前に結集して門前行動を展開した。山田和広書記長が大阪支社の労働者にスト突入を呼びかけるアジテーションを開始。赤松副委員長もマイクをとって「ストをやりぬく」と宣言を発した。昼休みで出てくる大阪支社の労働者や隣接する鉄道病院の労働者に、スト突入を報じた「動労西日本本部情報号外」と4・20尼崎闘争のビラを配布した。
 午後3時30分、50人を超える仲間が大阪支社前に再度結集した。午後4時、赤松副委員長が大阪支社から出てくる。そこで大江照己委員長が当局にスト突入を通告した。
 圧倒的な盛り上がりの中、スト突入集会が始まった。大江委員長が「JR西日本では故障・事故・労災が続発している。一切はJRの責任だ。尼崎事故の責任もJRにとらせる。4・20尼崎闘争を闘い抜く。JR、レールテックの労働者は動労西日本に結集し、職場を変え社会を変えよう」と訴えた。
 ストに入った赤松副委員長は「外注化は必要ない。労働者はみんなそう思っている。これを認めないのは経営者だけだ。このストは外注化をやめさせる闘いだ。さらに外注化をつぶすストライキを闘いぬく」と訴えた。
 中西剛執行委員は「駅でも外注化と契約社員化で安全が無視され、労働者が切り捨てられ、未来を奪われている」とJRを弾劾、「尼崎事故労災を認めさせる。4月ストを闘う」と表明した。
 続いて国労福知山分会の原田隆司さんは「契約社員だらけで、労働者を使い捨てにするのがJR西日本だ。動労西日本のストに連帯して闘う」と決意を表明した。08〜09年に森精機ストライキを闘った関西合同労組の仲間の連帯アピールに続き、大阪市教組の沼田祐子さんが「組合役選に立候補して500票が集まった。大阪市長・橋下に屈した組合執行部への怒りだ」と闘いの前進を報告。大阪市職の赤田由行さんは「このストは外注化粉砕の始まりだ。自治労4・26スト方針が出ている。JRと大阪市職の闘いでゼネスト情勢をつくりだそう」と呼びかけた。全学連の学生が決意表明、シュプレヒコールをJR西日本にたたきつけて集会を集約した。
 動労西日本の3・25ストは、JR労働者だけでなく、橋下の民営化に怒る大阪市営バス労働者を始め大阪市全体の労働者の圧倒的共感を得る闘いとなった。
 (関西K)
(写真 JR西日本大阪支社前でのスト突入集会で赤松副委員長が外注化粉砕まで闘う決意を表明【3月25日 大阪市】)

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週刊『前進』(2578号2面3)(2013/04/01 )

 解雇撤回・JR復帰! 10万筆署名に総力を

 動労千葉鉄建公団訴訟控訴審での解雇撤回・JR復帰判決を求める10万筆署名に総力で取り組もう。この署名は、広範な労働者を結集できる力を持っている。
 もはや労働者の怒りは我慢の限界を超えている。この中で打ち抜かれた動労千葉・動労水戸・動労西日本の春闘ストライキは、労働者の心を揺さぶった。「自分もストで資本に一矢報いたい」という労働者の切迫した思いを糾合できるのは10万筆署名運動だ。
 労働者階級を襲う雇用破壊・賃金破壊の攻撃はすさまじい。その切っ先にあるのは、公務員労働者全体を対象にした7・8%賃金切り下げの攻撃だ。この攻撃の先頭に、大阪市長・橋下が立っている。
 その橋下が強行した組合活動アンケート調査について、3月25日、大阪府労働委員会はこれを不当労働行為と断じる命令を出した。橋下はひとたびは命令に従う姿勢を示し、「陳謝」までしてみせた。ところが半日後には態度を一変させ、命令の取り消しを求めて争うと表明するとともに、「職員への分限免職の適用を厳格にする」と息巻いた。
 この橋下の豹変(ひょうへん)の裏に、JR資本を始めとする日帝資本総体の意志があることは間違いない。日頃は尊大に振る舞いながら、肝心な局面になるとたちまちもろさをさらけ出す橋下に業を煮やしたブルジョアジーは、労組破壊攻撃を徹底的に貫徹せよと橋下をどやしつけたのだ。
 労組法も労働委員会命令も無視する団結権否定の攻撃は、国鉄分割・民営化に伴う1047名解雇からあからさまな形で始まった。この攻撃の武器になったのが、「国鉄とJRは別法人」という虚構をしつらえた国鉄改革法だ。
 動労千葉鉄建公団訴訟の一審判決は、動労千葉組合員のJR不採用を明確に不法行為と認定しておきながら、国鉄改革法を盾に解雇撤回・JR復帰の訴えを退けた。これに対し、「不当労働行為による解雇は無効。被解雇者を原職復帰させろ」という当たり前の要求を貫くのが10万筆署名だ。
 検修業務の外注化を強行したJR資本は、36協定も結ばずに超勤を命じた外注会社の違法行為について、「JRとは関係がない」と言ってはばからない。また、派遣労働者に対しては、司法や中労委が「派遣先は派遣労働者に対し使用者責任を負わない」と公然と表明するに至っている。そこに貫かれているのは、職場生産点で資本と対抗する労働組合の闘いの根本的否定だ。
 安倍政権は、産業競争力会議や規制改革会議を頻繁に開き、解雇規制の全面撤廃に向けて動いている。年度末を前にした膨大な労働者への雇い止め解雇は、安倍がたくらむ労働法の改悪に先立って、実質的にその中身を貫く攻撃だ。
 この現実への労働者のあふれる怒りを、10万筆署名で組織しよう。

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週刊『前進』(2578号2面4)(2013/04/01 )

 尼崎事故から8年4・20現地闘争へ

 JR青年労働者の大結集で外注化阻止・非正規職撤廃へ

 本格的外注化叫ぶJR西の中期経営計画

 尼崎事故から8年。JR各社は、JR東日本を先頭にして破滅的な新自由主義攻撃の先兵になっている。大恐慌、3・11情勢、大争闘戦時代の到来の中で、資本家階級の延命をかけた全面外注化で「10割非正規化」攻撃を貫こうというのだ。
 2013年の尼崎闘争はJRの全面外注化を粉砕する決戦になった。
 JR東日本の「経営構想X」に続き、JR西日本は3月13日に「中期経営計画2017」を発表した。「めざす未来〜ありたい姿〜」を掲げ「これからの時代の『新しいJR西日本グループ』の実現に向けて、『次の一歩』を踏み出します」と打ち出しているように、鉄道事業の全面外注化宣言だ。安全崩壊をさらに底なしの事態にまで進め、第2、第3の尼崎事故を引き起こすものだ。
 JR西日本は107人の死者を出した05年4・25尼崎事故を全面的に開き直り、08年に「安全基本計画」という中期経営計画をつくった。これは“安全破壊計画”というべきもので、この計画のもとで保線、土木、電気や検修などで、レールテック(保線・土木)、メンテック(駅)、Eテック、ネスコ(電気)、テクノス(検修)など千人を超える外注会社が多数つくられた。
 「安全基本計画」最終年度の12年には、年初から毎月、線路保守の労働者が列車にあわやひき殺されそうになる「待避不良」事故が相次いだ。列車が来ない時間帯に線路閉鎖して傷レールや腐った枕木の交換をするといった基本的な工事は、保守部門の外注化・非正規職化により、もはやJR西日本の責任でできなくなっているのだ。
 JR西日本は「事故は外注会社の責任」と外注先労働者に責任を押しつけてきた。尼崎事故の責任を高見運転士1人に押しつけたのと同じだ。またJR西日本は「安全基本計画の最終年でJR社員の死亡事故だけは出せない」「JR社員は線路に入るな」と叫んだ。外注会社の労働者は死んでも構わないというのか。これが外注化の正体だ。
 このように安全が全面崩壊しているにもかかわらず、JR西日本は“JR東日本に負けるな”と鉄道事業の全面外注化を狙う中期経営計画を打ち出した。その要は、JR東日本と同様に検修部門の全面外注化だ。11年6月に強行した検修部門の組織再編(吹田工場と網干車両センターの二つに近畿圏の車両検修部門を統合)は、そのための準備だった。安全の要である検修部門の外注化を強行したら、すさまじい事故が続発することは火を見るより明らかだ。
 米子支社の後藤総合車両所では、下請け労働者が天井クレーンにはさまれて殺され、JRの所長は無罪放免される一方、現場労働者が書類送検される事態が起きている。
 同時に、外注化は非正規職化だ。JRは、資本家どもの最先頭に立って「10割非正規職化」に突き進んでいるのだ。
 8年目の尼崎闘争を「すべての事故責任は資本にあり!」を貫く闘いにしなければならない。JR資本を先頭とする民営化・外注化・非正規職化粉砕の闘いとして打ち抜き、全産別で襲いかかる新自由主義攻撃をぶっ飛ばす闘いにしよう。

 全国運動関西準備会の闘いが情勢動かす

 新自由主義による破滅的な外注化・非正規職化の攻撃は、腐りきった資本主義・帝国主義を打倒してやまない階級的労働運動の全面的登場と勝利の時代を引き寄せている。
 外注化阻止決戦の第2ラウンドの闘いは、動労千葉・動労水戸―動労総連合を先頭にJR東日本を追いつめ、青年労働者の怒りと決起の拡大となって燃え盛っている。
 4割が非正規職にたたき落とされている青年労働者の怒りは根底的だ。この怒りと結びついた時、第2ラウンドの闘いは労働者階級の総反乱を切り開くものになる。これは同時に、外注化攻撃に屈し、その先兵に成り果ててきた体制内労組の没落と崩壊を促進する。階級的労働運動が、労働運動の主流派として登場する時代が来ている。
 われわれは昨年、JR東日本での検修外注化阻止決戦と一体で闘い抜き、JR労働運動をつくりかえていく画期的地平を打ち立てた。
 第一に、10年10月に全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同を中心に結成した国鉄闘争全国運動関西準備会が、JR攻めを継続的に行い、JR西日本の本丸の近畿統括本部下で、闘う労働組合=動労西日本を登場させたことだ。
 同時に、関西準備会が新自由主義と闘う労働組合拠点をつくりだす運動として発展していることだ。体制内労組が没落する中で、これが関西・全国の労働運動をつくり変えていく拠点になっている。2・24橋下打倒集会の大勝利や、大阪市職・市教組での職場闘争の大前進をつくりだす土台になってきたのだ。
 第二に、今年1月の定期大会で生まれ変わった動労西日本が、JRを揺るがす闘いを実際にやり抜いていることだ。階級的に闘う労働組合の登場はJR労働運動の流れを変え、関西・西日本の労働運動の流れを変える。
 昨年9月7日、四条畷駅で打ち抜かれた近畿統括本部で初の平成採によるストライキは、JRと国家権力に打撃を与え、青年労働者の心をつかんだ。13春闘では3月25日、保線・土木の外注会社であるレールテックに強制出向させられている赤松賢一動労西日本副委員長が外注化粉砕のストに決起した。「稼ぐ」をスローガンにし、尼崎事故を引き起こした大阪支社内からのストだ。レールテックの労働者の決起でレールテックを食い破り、外注化を粉砕する闘いの第1歩だ。
 JR西日本は、動労西日本とレールテックとの直接の労資交渉を阻むために必死になっている。レールテックへの春闘要求もJR西日本が引き取り、スト通告もJR西日本が受けるというのだ。まさに偽装請負そのものではないか。3・25ストは、こうしたJR西日本の悪あがきを粉砕し、レールテックの労働者の決起、JR外注会社の労働者との団結をつくり出す闘いとして打ち抜かれた。
 動労西日本は、さらに4月にもストを打ち抜き、職場での闘いを徹底的に貫いて尼崎闘争を闘い取ろうとしている。

 反合・運転保安闘争押し貫き組織の拡大を

 第三に、反合・運転保安闘争路線での外注化阻止・非正規職撤廃の闘いの前進だ。事故問題・安全問題にこだわり、その核心に外注化・非正規職化があることをつかみ、JRを攻める闘いを貫いてきたのだ。
 JR西日本の「触車事故防止要領」は、JR7社の中でも最低・最悪のものだ。これまでも、外注化とデタラメな安全基準で、多くの外注会社の労働者の命が脅かされてきた。この現実に怒る外注会社の労働者との団結の拡大をめざして闘ってきたのである。
 尼崎闘争を、これらの闘いを大発展させる闘争としてかちとろう。とりわけ組織拡大を実現する尼崎闘争にしよう。JR労働者の大結集、新自由主義と闘う労組の大結集を実現しよう。
 1047名闘争は、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審での東京高裁による5・8結審策動との大激突になっている。解雇撤回・JR復帰の10万筆署名を総力で貫徹しよう。
 なによりも、すべての産別・職場で外注化阻止・非正規職撤廃の闘いをやり抜き、階級的労働運動の拠点建設を前進させよう。4・20尼崎闘争から国鉄闘争全国運動6・9全国集会の大結集に突き進もう。

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週刊『前進』(2578号2面5)(2013/04/01 )

 賃金引き上げ求めスト

 日本機械工業労働組合

 職場離脱し構内デモ貫徹

 「要求!貫徹!」「春闘!勝利!」のデモコールが工場中に響き渡った。日本機械工業労働組合は3月26日に職場の労働者の怒りを背景にストライキに決起した。
 労組解体、春闘圧殺、スト禁圧の13春闘情勢の中、日本機械では資本と労働組合の激突となった。まさに新自由主義と全面的に対峙する関係に入ったのである。
 回答指定日の3月18日、会社の「回答を用意していない」という傲慢(ごうまん)な態度に、日本機械労組は「許せない」と争議行為通告を出した。19日に回答があったものの容認できない低額回答であった。
 資本の低額回答に対して、組合は連日の朝ビラや職場集会を行い、回答促進のために23日から残業拒否と出張拒否の闘いをたたきつけた。
 組合の要求は、4500円の賃上げ、07年から続いている賃金カットの解消、子会社から日本機械への出向禁止(非正規職化阻止)などだ。
 しかし資本は「利益確保」のためと称して賃上げ再回答を拒んだ。だが、職場の労働者は数年間続く低額回答に怒りを爆発させ、屈服しなかった。「残業・出張拒否でダメなら次はストライキだ!」と不屈に闘う方針を現場からつくり上げた。執行部も「交渉から行動へ」と実力行使をたたきつける方針に転換した。
 ついに26日午後、ストライキを背景にした団交を行い、資本の低額回答を打破する闘いを展開。それでも資本は回答前進を拒否した。
 組合はストライキの前倒しを決断、11時から1時間のストを全組合員に指示した。
 この指令に対して組合員は職場を次々に放棄し会社役員室前の広場に結集した。百人近い組合員が怒りのストに主体的に決起したのである。
 ストライキ突入を会社役員室の前で宣言し、職場代表者や執行部がみなぎる決意と怒りを次々と資本にたたきつけ、構内デモを貫徹した。
 職場の労働者は、たとえ長期戦になっても低額回答を打破する決意を固めた。
 この労働者の怒りのストに恐怖した資本は、回答の前進を約束せざるをえなかったのである。
 動労千葉は、外注化反対と大幅賃上げを掲げ、3月14〜17日にかけて春闘第2波の連続ストを闘い抜いた。動労水戸も14日に外注化粉砕の春闘第3波ストを貫徹し、さらに被曝労働拒否の新たな闘いに突入している。ストで春闘を闘い、階級的労働運動の存在と力を示している。
 日本機械労組は、このストと結合し、新自由主義による労働者への団結破壊と雇用破壊に対して、労働者の「ストライキを!」のマグマのような決起で資本主義の支配を揺るがす闘いを展開した。
 (投稿/三多摩労組交流センター・HY)
(写真 ストに突入し工場構内デモを闘う組合員【3月26日 東京都八王子市】)

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週刊『前進』(2578号3面1)(2013/04/01 )

 4・26自治労全国ストを

 賃金と一時金の削減絶対反対!

 労組拠点と青年部の建設へストライキ断固貫徹しよう

  動労千葉、動労水戸、動労西日本の3月ストライキに続いて、情勢全体を揺るがす4・26自治労ストライキへ、全国の職場で猛然と闘いが始まった。退職手当400万円削減に加え、安倍政権の地方交付税削減を振りかざした月例給平均7・8%、一時金一律1割削減の大攻撃への怒りが爆発している。道州制攻撃の先取りというべき階級戦争との正面激突だ。処分を辞さずあらゆる反動を突き破って歴史的ストを貫徹し、闘う労組拠点建設・青年部建設をかちとろう。

(図 行政職の賃金削減率。新採者は1級)

(図 自民党の政権公約とそのターゲット。2013年度政府予算案【地方財政計画】)

 労組の存亡をかけた決戦

 国家公務員に対する退職手当・月例給・一時金の大幅削減に続いて、安倍政権は全国の地方公務員に対して今年7月から同額の大削減攻撃を強行しようとしている。
 この十数年、公務員人件費削減攻撃が激しくかけられてきた。その上さらに400万円規模の退職手当削減とともに、月例給と一時金を合わせて賃金手取り1カ月分以上を一気に削減するすさまじい攻撃だ(表)。一般行政職の高卒初任給は手取り10万円そこそこに。大学卒も手取り13〜14万円台に切り下げられる。生涯賃金では2千万円に迫る大削減攻撃である。
 攻撃は1年限りでは済まない。自民党は5年間、公務員総人件費を2兆円削減すると宣言している。この攻撃を許すなら、さらに全面的な民営化・外注化・非正規職化、大量解雇が襲う。大阪・橋下の現業丸ごと民営化・全員解雇や「子ども・子育て支援法」下の公立保育所全廃、足立区公共サービス研究会を先端とする行政職を含む全面外注化・株式会社化を一挙に加速させ全国化させることとなるのだ。
 もはや青年の未来など成り立たなくなる。すでに青年労働者を先頭に激しい危機感、闘いを求める声が噴出している。
 「これ以上減らされたらどうやって暮らしていけばいいのか」「全員非正規並みの賃金になる」「絶対とめよう」「このために労働組合がある」「ストライキをやろう」
 現場の怒りに追いつめられて、自治労本部は最大2時間の4・26全国ストライキ方針を打ち出した。打ち抜かれるなら、1984年以来29年ぶりの歴史的な全国ストライキだ。JRを先頭に全産別で始まった春闘ストライキと結合し、自治体労働者が絶対反対の闘いに立つ時が来た。公務員賃金・一時金削減絶対反対のストライキを総力で貫徹しよう。労働組合の団結を固めてストを打ち抜くことで開ける地平の大きさを確信しよう。それこそが公務員360万人首切り攻撃を打ち破る最大の力となるのだ。
●青年を先頭に職場の怒り解き放て
 これ以上、資本主義延命の犠牲とされてたまるか。闘わなかったらすべてを奪われる。労働組合の存亡のかかった階級決戦だ。
 青年を始め毎年3万人が自殺に追い込まれ、過労死が蔓延(まんえん)する社会は労働組合が闘わないことでもたらされた。中曽根政権下で強行された国鉄分割・民営化こそ、労働組合解体の戦略的攻撃だった。今こそ労働組合の闘う団結をよみがえらせ、現場労働者の怒りを解き放つストライキに打って出よう。
 ギリシャを先頭に、世界中で労働者階級のゼネストが新自由主義を揺るがしている。民営化・公務員大量解雇と賃下げ、年金支給年齢引き上げと大幅減額、保険料値上げ、社会保障解体と大増税など搾取と収奪のエスカレーションに対して空前のストライキ闘争が繰り広げられているのだ。
 労働者の労働抜きに社会は一日たりと成り立たない。労働者が誇りを取り戻し、団結して闘えば勝つことができる。それがストライキだ。動労千葉・動労水戸・動労西日本の3月春闘ストはそのことを感動的に示した。労働組合が本来持つ力をたたきつける時である。

 職場の闘う団結つくろう

 安倍政権は、全国一律一斉の地方公務員人件費削減を、13年度政府予算案での地方交付税0・9兆円削減という強権発動で行おうとしている。戦後地方自治を解体し、道州制・改憲攻撃を全面化させる歴史的攻撃だ。
 地方自治体からは激しい反発の声が上がった。これに対し安倍政権は公務員人件費削減分と同額の予算を「防災・減災事業、地域の活性化等の緊急課題への対応」と称してばらまくことで、地方6団体(全国知事会、全国市長会、全国町村会、全国都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会)の反対を抑え込んだ。
 しかし地方公務員の賃金水準と雇用が破壊され団結が解体される時、国鉄分割・民営化以来の地方の荒廃はさらに進み、全労働者・住民に対する搾取と収奪、生活破壊は極限にまで至る。公務員360万人に対する賃下げ攻撃を突破口に、新たな次元の雇用破壊・賃金破壊と地方の崩壊が全面化することとなるのだ。
●道州制攻撃との対決
 安倍政権の一連の閣僚・有識者会議の中で露骨な主張がされている。2月15日の第2回規制改革会議で、株式会社ニチレイ代表取締役会長の浦野光人委員は、”雇用で狙っているのは流動化、柔軟性ですが、大きな問題として公務員の身分保障の問題がある。ここが流動化しないと、民間の中だけの流動化を考えてもうまくいかない。正に岩盤だと思う”と言い放った。資本の延命のための労働規制・解雇規制撤廃へ「公務員制度の岩盤を壊す」ということだ。
 3月14日、日本経団連は「道州制実現に向けた緊急提言」を発表した。「わが国経済が長期低迷状態を脱し、活力を取り戻すためには、活性化を阻害する制度等を抜本的に見直し、有効な経済政策を実行に移すことと併せて……民間活力を十分に発揮できるよう、国・地方の統治制度を根本から転換することが不可欠である」と断じ「改革の先送りはもはや許される状況にない」として18年道州制導入に向けたロードマップを提示した。その核心は、地方分権改革と称する規制撤廃と地方切り捨て、社会保障解体、増税と公務員制度改革=全面民営化である。
 大恐慌下の大争闘戦に追いつめられた日本帝国主義の唯一の延命策にして「成長戦略」の最大の柱こそ、徹底した搾取と収奪、雇用破壊・賃金破壊と社会保障制度解体、団結破壊の階級戦争である。そのための公務員攻撃であり、道州制攻撃だということだ。4・26ストを絶対に貫徹しよう。
●連合路線を粉砕し労組再生かちとろう
 これまで「財政再建」を掲げて公務員人件費削減を率先して進めてきた自治労本部は、2月22日の臨時労働条件担当者会議で「(自分たちは)労使の自律的な交渉・協議のもと独自の人員・給与の削減を行う一方で、……ひっ迫する財政を一人一人の組合員の業務量の増加や臨時・非常勤等職員による対応などの懸命の努力で支えてきました」「国に先駆けた行政改革や給与削減の努力を無視(するな)」と公言した。これが彼らの本音であり、労働組合が自主的に賃下げや人員削減、非正規職化を進めるべきだということだ。公務員連絡会地方公務員部会の討議資料は、月例給7・8%削減と一時金1割削減の数字すら示さず「給与問題だけに特化せず 目指すのは自律的労使関係の確立」とした。御用組合の路線そのものだ。
 文科省とのパートナーシップ路線にしがみついてスト方針すら出さない公務労協・日教組本部はもとより、自治労連や全教も同罪だ。資本主義擁護の立場から「行政改革や給与削減」を進める腐った幹部を打ち倒そう。
 すでに全国で猛然と闘いが始まっている。執行部先頭に処分を辞さず本気でストを構え、討議資料を作り、職場集会と行動を積み上げ、現場の闘う団結の再生へ懸命の闘いが続けられている。
 自治労本部は”ストライキ方針は各単組で対応”のペテンで逃げようとしている。しかし政府の大攻撃に対しては総力を挙げ公務員賃金・一時金削減絶対反対の全国ストで闘うべきなのだ。
 スト方針は現場の怒りに形を与え、求心性と戦闘性を一気によみがえらせる。これこそ攻撃をはね返す力だ。JR外注化阻止・非正規職撤廃のストライキと1047名解雇撤回・鉄建公団訴訟10万筆署名運動は闘う全労働者の心をとらえている。国鉄決戦と一体となり、党と労働組合の一体的建設の飛躍をかけ、全国の職場でスト貫徹へ奮闘しよう。白熱した闘いの中で青年部を再建しよう。
 (大迫達志)

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週刊『前進』(2578号3面2)(2013/04/01 )

 雇い止め・強制配転阻止へ

 郵政春闘集会を開催

 3月23日午後6時半から東京・港区で、郵政非正規ユニオンと全国労組交流センター全逓労働者部会主催の「雇い止め・強制配転絶対反対! もの言える職場をとり戻そう! 3・23郵政春闘集会」が開催され、首都圏の郵政労働者を中心に60人が集まった。青年を先頭に多くの新しい仲間が参加した。
 集会冒頭、郵政非正規ユニオンの齋藤裕介委員長が意気揚々と開会あいさつ。「今求められていることは、僕たち労働者が社会を変革する力を発揮すること。一拠点、一職場の闘いを日本中、世界中の労働者に発信し、労働者の持っている力を証明しよう」と訴え、強制配転阻止と雇い止め解雇粉砕を2本柱として今春闘を闘おうと呼びかけた。
 東京労組交流センター事務局長の小泉義秀さん、動労千葉執行委員の川崎昌浩さんからの連帯あいさつに続いて、JP労組銀座支部の星野勝紀さんが基調提起を行った。星野さんは冒頭、「今日は強制配転攻撃の嵐の中でここにたどり着いた。当局はいまだに私に配転通告を出せないでいる。通告があろうがなかろうが階級的な立場を貫いて職場に立ち続ける」と宣言。「当局はJR東日本の『グループ経営構想X』を手本として『郵政グループビジョン2021』を出してきた。この攻撃は2021年から始まるのではなく、すでに職場で進められている。民営化以前からの強制配転攻撃をあらためてとらえ返したい。人事交流=強制配転が猛威をふるう中で、郵便局の建物から飛び降り自殺をした人や、配転先で体を壊して死んでいく人を自分は見てきた。本当に許せない! なんとしてもこの攻撃を粉砕する闘いを起こしたい」と怒りを込めて訴えた。そして「強制配転阻止と雇い止め解雇粉砕の闘いはひとつの闘い。今日集まった仲間が職場で闘いの方針を出す存在へと飛躍しよう。5・1メーデー、5・15沖縄、そして6・9国鉄集会へ郵政職場から決起しよう」と提起した。
 各職場からの報告に移った。初めに、A局においてスキル評価制度による大幅賃下げ攻撃に絶対反対で立ち上がった青年が、JP労組の支部をも突き動かす激しい職場攻防を報告した。続いて、B局で働く郵政非正規ユニオンの組合員が決意表明。B局は、通勤途中の交通事故でけがを負い、労災休業中だった期間雇用社員の女性労働者に対して、なんと「勤務成績不良」を理由に雇い止めを通告したのだ。彼女は「当局は雇い止めを『会社のルールで決めた』と言うが、憲法無視の違法解雇だと団交で突きつける。私はこれからも、雇い止め解雇撤回へみなさんとともに闘っていく決意です」と発言。さらにC局で雇い止め撤回を闘う非正規労働者、銀座局で闘う仲間からの決意表明が続いた。
 東京中部労組交流センター、なんぶユニオン、西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会から連帯の決意が語られ、最後に全逓部会代表の岩本正治さんがまとめを提起。齋藤委員長の音頭で団結ガンバローを三唱し、集会を締めくくった。
(写真 もの言える職場をとり戻そう! 闘う仲間が声を上げた【3月23日 東京・港区】)

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週刊『前進』(2578号3面3)(2013/04/01 )

 闘いは進む 青年の職場から

 自治体 民営化絶対反対で闘った時、団結は生み出される

 関西 三田直也

 2月24日、全国から720人が結集した橋下打倒集会は、現場労働者の非和解の怒りと結合する感動的な集会となりました。
 今年に入って、大阪市においては、「解雇・転籍」の強要という、本当に許せない攻撃が始まりました。清掃、下水道、交通、保育所・幼稚園の民営化をとおして全員解雇、全員非正規にたたきこむというのです。橋下市長の進める「2015年度大阪都構想」は民営化と大量首切りです! 絶対に許せません!
 奈良県においては、特殊勤務手当全廃や清掃の民間委託、さらには「静脈認証制度」や監視カメラの導入など、徹底した民営化と非正規化、組合つぶしの攻撃がかけられ、毎日必死に闘っています。
 これまでの闘いの中で、組合が非和解で闘うのか、それとも闘うポーズをとりながら当局に協力していくのかで現場の団結は一変することを目の当たりにしてきました。
 現場で「闘う団結」をつくっていくというとき、私たちがとりわけ葛藤(かっとう)してきたことは、「内部通報」「不祥事」に対してどう考えるかということです。現業職場ではよく問題になることです。労働者にとって、職場の人間関係や、職場の人の仕事に対する姿勢、性格、仕事の能力というものはとっても大きなことです。「あの人があんな不祥事を起こすから、民間委託の攻撃がきた。こうなったのはあの人のせいだ」というふうに、「公務員がなまけているから民営化・非正規化・賃下げ攻撃にあっている」という公務員バッシングにとりこまれてしまう主張とどう闘うかです。
 はっきりさせたいのは、当局はどんな理由をつくってでも民営化・非正規化攻撃をかけてくるということです。現場を分断できるなら、「不祥事」でも「赤字」でも「厚遇」でも、どんなことでも言うし、現場を最も分断できる口実をよく知っているということです。
 そして、何より体制内労働組合が闘わない結果、団結が破壊され人間関係がバラバラにされる中で起きているということです。それに対して「質の高い公共サービス」というふうに、「まじめに働いて評価をあげる」運動でよいのでしょうか? いや、まったく違います。私たちが当局の狙いを見抜いて「民営化絶対反対」「解雇絶対反対」で先頭で闘ったときに団結は生み出され、現場労働者も変わるということです。
 これは現業の職場だけではなくて、自治体の一般職も教育労働者も郵政も同じであり、職場や職種の違いではなくて本質を見抜いて「当局と闘う団結」が核心だと思いました。それを絶えず議論して確認していけるのが、地区党です。全国のみなさん、ともに闘いましょう!

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週刊『前進』(2578号3面4)(2013/04/01 )

 正規と非正規の団結の力で雇い止めも解雇も粉砕した

 〈投稿〉 動労千葉を支援する会・習志野

 動労千葉を支援する会・習志野の労働者から、職場の団結を広げる大きな力となった動労千葉物販闘争と勝利感に満ちた職場闘争報告が寄せられましたので掲載します。(編集局)

 物販闘争拡大で職場に団結

 習志野市は千葉県北西部にある人口16万人ほどの市です。市の労働組合は自治労連に所属し、かつて全労連議長を出したこともある組合です。習志野市職の仲間たちは、長年にわたり当局と組合執行部の労使協調体制と対決し、役員選挙でも激突してきました。組合執行部と対決し、職場の団結を広げる際に大きな力になったのが動労千葉の物販です。
 動労千葉の物販を始めたころ、組合執行部は動労千葉から物販要請があったことすら組合員に隠し、職場に下ろしませんでした。「労働者が不当解雇されて闘っているのに資本の立場に立って労働者を見殺しにするのが組合のやることか!」。組合執行部の対応に怒った職場の仲間たちが「自分たちで勝手にやろう」と職場で物販を始めました。
 組合執行部は「物販はゲリラの資金源」などとデタラメな宣伝をやって妨害しましたが、国鉄分割・民営化との闘いは全労働者の問題であることを訴え、「労働者が首を切られて闘っているんだから頼むよ」と人情に訴えたりしながら、物販を拡大していきました。動労千葉の仲間と一緒に職場を回ったり、毎回しぶとく取り組みを積み重ねる中で物販は定着し、今では「注文、まだ始まんないの?」と催促されるようになっています。
 動労千葉物販は、動労千葉の解雇撤回闘争に自分たちの職場で直接連帯できる闘いであり、@誰にでもできる助け合いA買った物が生活の役に立つB退職した人や普段あまり回れない職場の仲間に「物販のおかげであんたの顔を見れる」と喜ばれる。一挙三得! の運動です。職場の仲間のつながりをつくりだし、反動組合執行部とはまったく別の闘う潮流をつくりだすパワーを与えてくれます。

 執行部の敵対を打ち破って

 自治体の非正規労働者の劣悪な労働条件が大問題になっています。習志野市でも10年に、長年勤務してきた非正規労働者の学校給食受取調理員を全員雇い止めにする攻撃が襲いかかってきました。臨時的任用職員という6カ月ごとの勤務延長を何十回も繰り返し、ずっと低賃金で働かせた上に、いきなり雇い止めにするという理不尽な攻撃でした。
 雇い止めを言い渡された当人たちは激しく怒りました。しかも市当局は「汚れたものを扱う学校用務員が受取調理員の仕事を手伝っているのは衛生上問題があるので、受取調理員制度を見直し、短時間のパートに置き換える」などと、雇い止めの口実に用務員さんたちを使ったのです。
 用務員さんたちは「オレたちをダシにして受取調理員さんの首を切るなんて許せない」と怒りました。組合執行部は闘うどころか、逆に市当局に丸めこまれて、「闘ってもムダ」と受取調理員さんたちに敵対しました。
 許せん! 
動労千葉物販を取り組む仲間が中心となり、正規労働者も非正規労働者も一緒になってビラを作って不当な雇い止めを許さない声を上げ、市当局と交渉しました。最終的に「受取調理員制度廃止」は阻止できなかったものの、他の職場で勤務継続することを約束させ、雇い止め攻撃を粉砕することができました。
 こうした職場の闘いの中で「組合執行部に代わる職場の仲間の団結体が必要だ」と10年9月に動労千葉を支援する会・習志野を結成しました。

 被災地の支援で会員を拡大

 3・11東日本大震災と原発大事故が発生し、被災地の大変な状況を伝え聞く中で、仲間から「被災地を応援しに行こう」という意見が出され、手作りのカンパ箱を持って職場を回りました。集まったお金11万円と食べ物、日用品を持って被災地・仙台に行き、仙台市職の仲間に渡すことができました。こうした中で支援する会の会員を拡大し、11年9月には支援する会・習志野のブログを始め、職場新聞『風雲』の発行も始めました。

 不当逮捕での解雇を許さず

 12年4月、職場の仲間Aさんが破廉恥罪の容疑で不当逮捕され、新聞やテレビでも報道される事件がありました。悪辣(あくらつ)な公務員たたきのキャンペーンです。本人は否認したにもかかわらず「検察の言う通りに認めれば早く出してやる」と朝から晩まで脅され、うその調書を無理やりデッチあげられたのです。
 Aさんは組合員であるにもかかわらず、組合執行部はAさんを見捨てました。市当局は、Aさんの懲戒解雇を狙ってきましたが「ウソの調書で仲間の人生が台無しにさせられるなんて許せない」と職場の怒りと義侠(ぎきょう)心が大爆発。1日で正規・非正規を問わず、60人近くが「処分するな!」という「嘆願書」に署名し、市当局に提出。当局は「嘆願書は預かるが、警察の方を信用する」と言いましたが、職場の「義理人情」と団結の力が当局を追いつめ、停職処分は許したものの、懲戒解雇攻撃は完全にはね返すことができました。Aさんは元気に職場復帰して働いています。正規も非正規も一緒になって闘い、かちとった勝利です。
 こうした解雇攻撃を粉砕した底力を生み出したのが動労千葉物販で広がった仲間の団結です。懲戒解雇を粉砕したことでさらに物販は広がりました。物販と職場闘争が結びついて職場に団結をつくりだしています。
 習志野市当局は、施設の老朽化を口実にして、11年12月に「習志野市公共施設再生計画基本方針(案)」を発表し、市が抱える124施設を丸ごと民営化し、市で働く労働者を全員解雇し、非正規職に置き換える攻撃に出てきています。断固粉砕あるのみです。民営化阻止・非正規職撤廃の決戦の時がきました。動労千葉の闘いや福島の怒り、沖縄や三里塚の闘いと固く結び、団結をもっと広げ、職場から闘う労働運動をつくりだしていきたいと思います!
(写真 2・24大阪・橋下打倒集会に参加し御堂筋へデモ)

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週刊『前進』(2578号4面1)(2013/04/01 )

 新入生歓迎特集 全国学生は団結し全原発廃炉・安倍打倒へ

 処分撤回-4・25法大闘争に立とう

 全学連は法政大学を先頭に処分粉砕、反原発、御用学者追放、学生自治会の復権へ闘っている。新入生に向けた全学連からのアピールが発せられました。全国大学の新入生は全学連に結集して闘おう。(編集局)
(写真 昨年の10・19法大包囲デモ。1000人の学内集会を法大生とともにかちとった勝利感にあふれている)

 国境を越えた国際的団結が社会をつくり歴史を動かす

 全学連委員長 斎藤郁真(法政大)

 学生は時代を変える先頭に

 新入生のみなさん、今、世界史は分岐点にあります。3・11大震災−原発事故で資本主義社会の本質があらわになり、福島を中心に全国・全世界で労働者民衆が生き方をかけて闘いに決起しています。
 誰にも明らかなほど危機と矛盾が深まっているからこそ、私たち学生・青年がいかに生きるのかが深く問われています。私たちは生まれる場所や時代を選べませんが、自らの意思で生き方を選ぶことはできます。私たちを縛りつける「常識」なんて投げ捨てて社会の矛盾に立ち向かい、闘って世界を変えよう!
 現代は一方ではすさまじい危機の時代です。08年のリーマン・ショックから本格的に深まった世界大恐慌は、世界中で数百兆円にも上る金融緩和−財政出動をしたにもかかわらず終わる兆しを見せず、むしろその膨大な財政支出によって国家破綻の危機を生み出しました。「財政の崖」に直面するアメリカをはじめ、日本、フランス、イタリア、ギリシャ、スペイン、ポルトガルなどの国家が崩壊しかかっています。中国でも不動産バブルがはじけつつあります。
 だからこそ各国は生き残りをかけて市場・資源・勢力圏をめぐる激しい争闘戦を展開しています。アメリカは10年の「輸出2倍化戦略」に続き12年に「新軍事戦略」を打ち出し、戦争的手段も動員してアジア・中国市場を制圧しようとしています。史上最大規模を更新し続ける日米韓軍事演習の激化、日米安保同盟の強化、沖縄・辺野古への新基地建設、TPP(環太平洋経済連携協定)による経済ブロック化は、すべてこの一環です。中国も対抗し、軍事力拡大に激しく踏み出しています。北朝鮮は核兵器の開発で体制を維持しようとしています。
 「領土」をめぐる対立が激化し、「国民間の対立」があおられ、失業・貧困などへの怒りが愛国主義・排外主義にそらされようとしています。改憲(9条破棄)をめぐる論議が公然となされ、明白に戦争へ向かって進んでいます。これこそ20世紀に二つの世界戦争を引き起こした帝国主義の本質そのものです。
 他方でこの時代は、すごい可能性をもった希望の時代です。国家破綻の危機に陥った一部の支配者(資本家)たちは、財政緊縮策、つまり賃下げ・非正規職化・大量解雇、安全切り捨て、増税・社会保障解体・物価値上げなどで私たちを犠牲にして生き延びようとしています。
 しかしこれに対して、世界中でゼネストとデモが爆発的に闘われ、それは国境を越えた連帯へと拡大しています。昨年11月14日、ヨーロッパで「雇用と連帯」を掲げて7カ国同時ゼネスト・23カ国同時1千万人デモがうち抜かれました。ギリシャ支援策でドイツなどEU(欧州連合)内で「国益」をめぐる激しい衝突が起こる中、労働者は「すべての責任は支配者・政府にある!」と立ち上がったのです。一昨年来、中東・北アフリカで「アラブの春」が巻き起こり、中国でも反動政府や外国資本に対するストやデモ、暴動が巻き起こっています。そこに国境はなく、ともに闘いともに団結して生きていく、人間的な未来社会の「芽」ともいうべきものが創られています。ゼネストで社会は止まり、政治家や企業家ではなく労働者民衆こそが社会の本当の主人公であることが証明されています。
 日本でも一昨年の3・11以降、多くの人びとが反原発の行動に立ち上がっています。昨年6〜7月には首相官邸前で反原発で20万人が決起し、今も毎週金曜日には官邸前で、全国で大規模な抗議行動が続いています。今年の3月11日には、政府の「福島圧殺政策」とも言える弾圧と分断の中、1350人が怒りの福島現地行動を行い、その先頭に青年・学生とりわけ福島の学生が立ちました! 海外から450を超える賛同が寄せられました。またこの日、世界中で共同行動が取り組まれ、ドイツなど欧州だけでなく台湾でも20万人の反原発デモが闘われました。「フクシマの怒り」は世界中に広まり、核・原子力産業はうちのめされています。
 私たち学生・青年の未来には選択肢として「二つの社会」があります。一つは、金もうけのためなら何もかも犠牲にし戦争にまで突き進む腐った社会です。もう一つは、国境を越えた団結と人間的絆(きずな)で創り出される新しい社会です。前者の進む道がどのような悲惨な結末に至るのかを私たちは歴史で知っています。後者はまだ可能性にすぎず、これまでと同じ社会を続けようとする支配者たちの弾圧や「常識」をうち破りながら、今まさに生まれ出ようとしています。
 私たち学生はどちらを選ぶべきでしょうか? 未来社会を先頭で担うのは学生であり、私たちの決断がその社会を決めます。日本の学生は全世界の闘う人びとと団結して社会を変えよう! 歴史を動かそう! 全国大学に闘う学生の団結組織=学生自治会を復権させよう!

 真理の大学を取り戻そう!

 「こんな思いをするのは僕らで最後にしたい」――3・11反原発福島行動での福島の高校生の発言です。「フクシマの怒り」を踏みにじり、安倍政権のもとで原発再稼働・輸出への動きが強まっています。「原子力ムラ」は何も反省せず利権にしがみついていますが、原発事故はまだ何も終わっていません。ネズミが触れた程度で再びの大事故につながりかねないことを、3月18日から29時間の福島第一原発の停電は示しました。放射性廃棄物を処理する方法すらなく、原子炉の中を確認することすらできない。いまだに連日3千人を超える労働者が被曝しながら事故収束作業に従事せざるをえず、16万人を超える福島県民が避難生活を送らざるをえないのです。
 膨大な人びとが財産、仕事、生きがい、故郷を奪われてからまだ2年しかたっていません。にもかかわらず「被曝基準の緩和」が公然と言われ、自主避難者への補助を打ち切る、ほとんど誰も住んでいない土地への列車の運行を再開するなど、露骨な「帰還キャンペーン」が行われています。まるで“原発事故なんてなかった”“原発事故は終わった”かのように宣伝されています。
 これを支えているのが「放射能安全キャンペーン」であり、その担い手は大学と原発御用学者です。福島県民健康管理調査で0歳〜18歳の子どもたちの43%に甲状腺異常が確認され、3人が甲状腺がんであることが分かりましたが、それでもなお福島県立医大を中心とする学者どもは「原発事故との因果関係はない」などと平気で言っています。しかもその結論は、長崎大学教授・山下俊一をはじめとする御用学者によって「事前の準備会=秘密会議」であらかじめ決められていたのです。絶対に許せない! 「原発安全神話」を捏造(ねつぞう)し原発建設に協力してきた大学が、今度は「放射能安全キャンペーン」で「福島棄民政策」の先頭に立っているのです。大学が「科学」を騙(かた)って殺人をやっている!
 同時に、今の大学は政治や社会について考え討論する場ではないかのようにされています。大学が就職予備校のように扱われ、規制ばかりが増え続け、学生の自由はますます制限されています。学生生活そのものも資本の食い物にされています。毎年のように引き上げられる学費は、今や30年前の3倍以上。学生や保護者が高い学費を払えないことをあてこんで、この10年で有利子奨学金は人数比で7倍、総額で12倍にも膨らんでいます。金融資本は世界大恐慌の中で学生の将来を心配する保護者につけこみ、奨学金でビジネスをやっているのです。そして、法政大学に典型的なように、この現実に抗議して闘いを呼びかければ、処分や逮捕をちらつかせた恫喝が学生にかけられます。
 社会を批判的に見て行動する勇気を学生から奪う一方、学問を金もうけの道具にし学生を「優秀な労働力商品」にしようとする「大学」。若者を使い捨てにする「ブラック企業」も「福島棄民政策」の先頭に立つ御用学者も、こうした大学「教育」が基礎になっています。
 そもそも原発は被曝労働が前提であり、原発労働者が被曝による労災を申請すればまともに成り立たない産業です。何重もの下請け構造で賃金のピンハネがまかり通り、労働者が何も言えない状況にあるからこそ、つまり「労働者の命が安く扱われている」からこそ「原発は低コストのエネルギー源」なのです。それは戦争のために存在する基地の問題とも一体です。
 私たち学生は「商品」ではなく人間です。大学を変える闘いは原発と基地をなくす闘いとも一体です。学生は自らと社会の未来をかけ、人間の生活を無視して数字をもてあそぶ「科学」を粉砕し、大学を社会変革の砦(とりで)にしよう! その闘いの中から、いかなる力にも屈せず真実を全社会に明らかにできる「真理の大学」がよみがえります。

 教育の民営化を粉砕しよう

 2001年、文部省は核技術開発の中心だった科学技術庁と統合され、文部科学省となりました。04年には国立大学が法人化されます。国立大の運営費交付金が減らされ、大学と企業の癒着が進み、私立大学も巻き込んだ大学間の商業競争が激化しました。国立大には「経営協議会」が新設され、地域の大企業が入り込み、大学運営を牛耳っています。「産学連携」で学問は買収され、学生寮をはじめ大学生活のあらゆる分野が金もうけの道具となり、学生生活はそれに従属させられました。
 全学連は、この「教育の民営化」と闘ってきました。最大の戦場は法政大学です。06年3月以来7年にわたって闘い抜かれてきた法大闘争は、学生がこの現実と対決できる存在であることを証明し続けてきました。法大当局の「ビラまき・立て看板規制」に反対してデモに立ち上がった29人の学生全員が逮捕され、5人の法大生が停学・退学処分となったことに対し、「処分撤回」を掲げて始まった法大闘争は、延べ119人の逮捕者と2けたを超える停学・退学処分者を出しながら不屈に闘われてきました。そしてその中で「一人の仲間も見捨てない!」「教育の民営化粉砕!」のスローガンを生み出しました。
 「教育の民営化」は、学生の抵抗を抑え込んで分断し、学生運動をつぶすことでしか成り立ちません。00〜01年を境に闘われた多くの大学闘争を引き継いだ法大闘争は、「本当の敵は国家・資本である」ことを見据え、学生の団結と誇りに依拠して闘われてきました。新たな世代を生み出しながら、現在は武田雄飛丸君(国際文化学部)への「無期停学処分」撤回を求めて闘っています。
 この社会を変えるために学生自治会が必要です。学生が弾圧や個々の事情をのりこえて闘うために学生自治会が必要です。一人の学生の人生をかけた決起がつぶされないために、キャンパスの中に闘う学生の組織=学生自治会が必要です。
 私は07年に法政大に入学し、大学と社会の腐敗に気づいて法大闘争に立ち上がり、退学処分を受けた今も全学連委員長として全国学生の先頭で闘っています。私たちは自らの組織をつくることで大きな力を発揮できます。昨年、ついに再建された京都大学全学自治会同学会は、経営協議会から関西電力元社長で現顧問・藤洋作を追放し、原子力ムラに巨大な一撃を加えました。学生自治会をつくりキャンパスを学生の手に取り戻そう!
 学生は大学を変える闘いに立ち上がりながら、福島−沖縄−三里塚、闘う労働運動をはじめ世界中の闘いと結びつこう。社会を動かしているのは労働者民衆であって金じゃない。ゼネストで社会が止まることはそのことを証明しています。すべての矛盾は闘いの発展、団結の拡大で解決できる。世界は君の勇気ある一歩を待っている!
 4・25法大闘争に全国学生は立ち上がり、武田君への処分を撤回させ、大学・社会を変える突破口を切り開こう! そして5月沖縄闘争へ! 戦争−基地−原発は一体の問題です。日米安保と核をうち砕く闘いに立ち上がろう! 私は全国300万学友の先頭で闘います。
 新入生のみなさん、ともに社会の変革へ闘おう!

 全学連に結集し学生運動の力で新自由主義粉砕しよう

 全学連書記長 坂野陽平(上智大)

 マルクス主義を行動原理に

 新入生のみなさん、ともに学生運動をやろう! 学生の団結した力で世界を変えよう! 全学連は熱烈にアピールします。
 「私はそれまで原発に対し無知・無関心であったことを悔やみました。しかし後悔してばかりでも原発は止まってくれません。福島に生きる学生として、原発反対の声を上げていこうと考えました」「福島原発事故の責任は、地震でも津波でもなく、自民党、電力会社、御用学者にあります。福島から彼らの責任を追及しなくてはなりません」「3月11日は福島から声を上げる日。あの事故を忘れてはいけない。忘れさせてはいけない」 (3・11反原発福島行動での福島大生の発言)
 「3・11」から2年目の福島に1350人の結集。会場の熱気。一つひとつの発言と原発事故当時の情景をとらえ返しながら私は新たな飛躍を誓いました。
 私は入学して全学連と出会って以来、一貫して革命を目指し闘ってきました。その契機は、戦争を生みだす社会への怒りです。「憲法9条=平和な国」と称しながら、戦後一貫して沖縄に米軍基地を置き、戦争に加担し、貧困・差別が蔓延(まんえん)するこの国。「正義」の名で遂行される戦争が市場・資源・領土をめぐる帝国主義同士の争いだと分かった時、「こんなことで人間の命がないがしろにされていいのか」という怒りとともに、「どうすれば戦争を止め、社会を変えられるか?」との疑問がわいてきました。
 この中でマルクス主義を学びました。それは「学生はいかに生きるべきか」という疑問への回答でもありました。マルクス主義をつかみとることですべてが氷解し世界が開け、力がみなぎる感覚を覚えました。「これまでのあらゆる社会の歴史は階級闘争の歴史である」「プロレタリアは、この革命において鉄鎖以外に失うものは何もない。プロレタリアが獲得すべきは全世界である。万国のプロレタリア、団結せよ!」(『共産党宣言』)。社会の全生産を担う労働者の団結が戦争を止め、社会を変える! 希望に胸がうち震えました。
 この思想の実践=「生きたマルクス主義」としての動労千葉労働運動にめぐりあいました。労働組合に結集し団結して資本と闘うことの素晴らしさです。学生も労働者階級の闘いと一体になって必ず勝てると確信しました。旧ソ連など「社会主義」=スターリン主義の腐敗は、労働者の力への絶望に端を発し、プロレタリア世界革命を否定することで生み出されました。これをのりこえ、労働者自己解放の思想を行動原理として国際連帯を拡大し、国鉄分割・民営化を先端とする新自由主義攻撃をうち破っている動労千葉が日本に存在する。ここに「革命の現実性」をつかみとりました。

 世界大恐慌が爆発している

 「3・11」は巨大な転換です。時代はさらなる激動期へ突入し国家と資本の本質がむき出しになっています。現代世界をとらえ尽くすことが重要です。
 第一に、「戦争と大失業」=国家暴力のむき出しの発動の時代です。
 一つに、TPPとはアメリカ帝国主義によるブロック化政策であり、国家間衝突を呼び起こします。同時に、「規制撤廃」を旗印に労働法制や農業保護政策など、人間として生きる最低条件すら撤廃し、すべてを資本の生き残りの道具にしていく攻撃です。
 二つに、沖縄・名護市(辺野古)への新基地建設が進められています。アメリカは「新軍事戦略」をうち出し、アジア太平洋の支配をもくろんで中国・北朝鮮への激しい軍事的重圧をかけています。安倍政権は「日米同盟強化」を掲げて9条改憲の道をひた走っています。1952年サンフランシスコ講和条約発効で米軍の日本占領は終わりましたが、沖縄の民衆からすれば沖縄を本土と切り離して米軍占領(と基地の存在)を継続させるものでした。沖縄にとって「4・28」とは「屈辱の日」だった。安倍政権は「4・28=主権回復の日」とすることで沖縄米軍基地の存在を正当化し、辺野古新基地建設へ突き進むことを宣言しようとしています。
 三つに、今年は「雇用破壊元年」です。「アベノミクスによる景気回復」なるキャンペーンとは裏腹に大量首切り、民営化・外注化・非正規職化が巨大な規模で始まっています。非正規職をはじめ多くの労働者が路頭にほうり出されています。青年労働者の約半数が非正規職です。明日を知れぬ中で自ら命を絶つ青年が相次ぎ、20代、30代の死因のトップは自殺です!
「雇用・賃金破壊」への青年労働者の怒りの声が世界を埋め尽くし、闘いを生み出していく!
 四つに、政府はむき出しの暴力で怒りを抑え込もうとしています。経産省前の「脱原発テント」を暴力的に撤去する動きが強まっています。反原発デモへの度重なる弾圧と逮捕。昨年11月にはデモ禁止処分まで行われました。これと「戦争と大失業」への怒りが真っ向からぶつかり合う時代です。
 第二に、資本主義の終わりの到来、世界大恐慌の本格的爆発です。2度の世界戦争を繰り返しながらなぜ資本主義は延命しているのか? 「戦後」は平和な社会ではなかった。それはスターリン主義の世界革命への裏切りをテコにかろうじて延命した脆弱(ぜいじゃく)な世界体制であり、そこには恒常的戦争と新植民地主義支配、労働者民衆への搾取・抑圧がありました。そして今日、「最後の延命策」としての新自由主義の崩壊が世界大恐慌を生み出し、「戦争と大失業」という事態をつくり出しています。
 第三に、労働者階級の闘いが荒々しく開始され、革命が現実のものとなっています。昨年11月のヨーロッパでのゼネスト! 中東での政権打倒の怒涛(どとう)のような闘い! 朝鮮半島や中国でストライキ・暴動が巻き起こり、日本では「原発」と「雇用破壊」への退路を断った闘いが始まっています。

 学生・青年の力で革命を!

  学生・青年の力で革命を起こそう! 第一に、労働者階級の最高の団結形態としての革命党をつくろう。世界革命に思いをはせた先達たちの営々たる闘いと苦闘は革命的共産主義者同盟という労働者党を生み出しました。「これこそ俺たちの党だ」と誇れる党をつくり上げよう!
 第二に、革命において学生の持つ位置はいかなるものか。学生は「学問の担い手」として森羅万象に探究心を持ち、「真と偽」「正と邪」を見抜く能力を兼ね備えています。学生の持つ若き情熱とエネルギーは、たとえ未熟であっても社会への警世の鐘となり、時代を切り開く力となります。学生は歴史の帰趨(きすう)を双肩に担っている。未来を体現している。学生の闘いが全人民の決起をも促していきます。
 第三に、全学連と学生自治会を復権させ、学生が一つの政治勢力として登場しよう。全学連は1948年、大学の戦争加担への反省と学徒動員への怒りを基礎に、「学費値上げの3倍化」などに反対する嵐のようなストライキの中で誕生しました。当時の学生たちは、あくまでも日本革命を成し遂げる立場から学生運動を展開しました。そして、ストライキで大学問題を全社会化させ、全学連という政治勢力として登場させることに成功したのです。日本の学生は、戦後革命期の労働者の闘いを目の当たりにし、労働者・労働組合の無限のエネルギーに獲得されて学生自治会を創設していきました。労働者階級の闘いに学ぶことで学生運動を力あるものに転化できるのです。
 さらに日本の学生運動に革命的息吹を吹き込んだものこそ、反スターリン主義・革命的共産主義の思想でした。スターリン主義の裏切りをのりこえ帝国主義と真っ向から激突する思想と勢力の登場、これが60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争の空前の爆発を可能にしました。日本学生運動は、歴史を切り開く主体となった輝かしい歴史を持っています。
 たしかに現在、新自由主義によって各大学の学生自治会は解体され尽くしています。しかし、原発事故への共通の怒りを持ち、新自由主義による大学・教育の荒廃に対してストライキとデモをたたきつけ学生の団結を復権するなら、必ず学生自治会は不死鳥のようによみがえる。その時、日本革命は指呼の間にある! 福島でも沖縄でも、新たな学生が続々と闘いに立ち上がっています。
 新入生のみなさん、自らの歴史的使命に情熱をたぎらせ、全学連とともに闘おう!
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【要項】不当処分撤回! 大学の主人公は学生だ!

 4・25法大会報総決起集会

 4月25日(木)正午 法大正門前に集合/午後1時30分
 法大包囲デモ(新入生歓迎デモ)に出発
 呼びかけ 法政大学文化連盟

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週刊『前進』(2578号5面1)(2013/04/01 )

 全国学生は団結し全原発廃炉・安倍打倒へ

 各大学の闘う学生からアピール

 法政大 4・25法大解放総決起へ 文化連盟委員長 武田雄飛丸

 新入生のみなさんに、4月25日の法大解放総決起集会への参加を呼びかけます。ともに大学を取り戻す闘いをやろう!
  僕は学祭規制撤回と原発反対を訴えたことで、昨年「無期停学」処分を受けました。現在は文化連盟委員長として、法大を変えるために闘っています。
 僕が2010年に入学した時は、自分が学生運動に参加して処分されるとは思ってもいませんでした。学生運動は”時代遅れ”なイメージで、キャンパスで闘う文連の先輩たちの主張も「大げさだなあ」と思っていました。しかしその年の夏、休み時間に学祭規制反対のクラス討論を行った先輩が、「授業妨害」で処分されました。僕もその授業にいましたが、普段は面白い授業の”リベラル”教授が、先輩を教室から暴力的にたたき出しました。法大当局はクラス討論を「迷惑」「授業妨害」と主張しましたが、学生は誰もそんなこと言っていません。それで無期停学処分です。  
 一番驚いたのは、その教授が先輩をたたき出した後に、平然とナチスの言論弾圧の授業を始めたことです。休み時間のクラス討論すら許さず、学生を処分させて何が「言論弾圧」か!
 闘う学生を弾圧職員がストーキングしても、ビラをまいただけの学生が逮捕・処分されても教授は何も言わない。揚げ句に3万円の手当金と引き替えに学生の監視・弾圧に動員される始末。遠い国や時代については偉そうに講釈を垂れる一方、大学や社会のあり方には無関心かつ無批判。「3・11」直後ですら、教授たちは震災・原発にほとんど触れなかった。まるで大学や学問が、現実から切り離されたものであるかのように。
 これは自然に生まれたのではありません。大学を批判したり、政治や社会について考え行動する学生を弾圧し、学生の主体性をおとしめることで、教授の無責任な言動や強引な規制、学生支配がまかり通るのです。
 06年3月14日に、法大当局は「ビラまき・立て看板規制」反対のデモを行った学生を逮捕させ、連続的な停学、退学処分を開始しました。規制も一体で強化され、学生の圧倒的な反対にもかかわらず、昨年からは学祭全面禁酒が強行されました。
 僕はその過程で自分も学生運動をやるしかないと思いました。より良い社会にするために学問があるのに、授業で人権や自由を語る教授が目の前の現実に見て見ぬふり。こうした大学の存在が御用学者−ブラック企業−若者の非正規職化−雇用破壊の現実を生み出しています。法大はもはや大学の体をなしていない。だけど闘いはある!
 大学や社会に関心がないと思われている学生も、話せばみんな意見を持っています。去年の学祭規制反対10・19法大集会への1千人結集のように、「この指止まれ」のかけ声を多くの学生が待っています。この集会は、ひとたび学生が集まって声をあげれば暴力的な学生支配は粉砕できることを示しました。学生には行動して現実を変える力がある。だから、10・19集会を呼びかけた僕を見せしめに処分したのです。これが一つ目の処分理由です。
 二つ目の理由は、昨年10月6日に法大で行われた御用学者・大久保利晃放射線影響研究所理事長の授業への「妨害」です。学生の反原発運動を弾圧し、御用学者を招き入れ、反対言論を封殺して行われる「授業」。これこそ、国策と資本に従属した大学の姿そのものです。
 敵の攻撃も激しいですが、処分を恐れず何度でもキャンパス集会をうち抜き、運動の力で処分を撤回させ、大学を学生の手に取り戻しましょう。処分撤回を求める署名と裁判も始めました。4月25日の法大集会−デモにぜひ集まってください!

 東北大 大学の主人公は学生だ! 学生自治会委員長 青野弘明

 東北大学、そして全国の新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます。被災地・仙台の東北大学からアピールします。
 私は、昨年12月の東北大学学生自治会執行部選挙において、総投票数981票、うち信任592票で信任され、現在、東北大学学生自治会の委員長を務めています。私が執行部選挙で訴えたことは「大学の主人公は学生だ!」ということです。この思いが多くの東北大生に伝わったと思います。東北大や全国大学で学生の存在や可能性をおとしめている現実があり、これを絶対に変えたかったのです。
 「3・11」大震災−福島第一原発事故以降、私たち東北大学学生自治会は「キャンパスから反原発を!」を掲げ、再稼働阻止、女川原発(宮城県)をはじめ全原発の廃炉を訴えて行動してきました。今年3月11日の福島現地での反原発行動に全力で参加し、また全国各地から講師を招いて講演会を開催し、市民と連帯して仙台市中心部でのデモを連続的に行ってきました。
 ところが、原発反対の行動の先頭に立っている学生自治会の仲間に対して、東北大当局は彼が住んでいる寮からの退寮を強要し、教授が呼び出して「学生自治会と関わるな」と恫喝してきました。「原発を止めたい!」と行動する学生を弾圧する、これが私の通う東北大学の姿であり、それは原子力ムラそのものでした。
 しかし、呼び出された仲間が退寮強要をはね返し、「こんな大学と教授に絶望した」と、自治会執行部選挙に立候補して屹立(きつりつ)したことで、私たちは勝利しています。
 東北大学の経営協議会にはいまだに東北電力会長の高橋宏明が入っており、「女川原発の再稼働をしたい」と開き直っています。東北大学が11年度までの5年間に電力・原子力業界から4億1700万円を受け取っていたことも新聞で暴露されました。こうした原発推進大学と御用学者にこそ福島原発事故を引き起こした責任を取らせなければならない!
 また、私たち学生自治会はサークル規制の問題にも取り組んできました。昨年7月、大学当局は全サークル員を集めて「全学説明会」なるものをゲリラ的に開催しました。サークル員が抗議の声をあげる中、学生を完全に無視し、これまで学生が自主的に管理・運営してきたサークル部室配分権を剥奪(はくだつ)すると一方的に「宣言」しました。部室配分権は、かつて東北大の先輩たちが大学当局と激しく闘い、当局の「大学がひっくり返っても1サークル1部室は認めない」という方針をひっくり返し、かちとった学生の権利です。
 原発問題やサークル問題など、多くの学生がおかしいと思っています。大学当局はその思いを抑えつけるのに必死になっています。予算や部室などさまざまな権利をエサにして学生に声を上げさせないようにしている中で、学生・サークル員の団結をつくることは簡単ではありません。しかし、一人が決起しただけでグラグラになるほど大学当局の支配は脆弱(ぜいじゃく)です。この思いをかたちにし、団結をつくることです。
 「大学の主人公は学生だ!」――私が学生自治会執行部選挙で掲げたスローガンは、これまでの学生自治会運動が築いてきた大切な理念です。学生が団結すれば絶対に負けることはありません。一人ひとりの学生には大学をひっくり返す力があるし、千人の学生が決起したら社会だって変えられる!  私が立ち上がったこと、そしてあなたが立ち上がることは大きな意味を持っている!  新入生のみなさん、学生自治会とともに楽しく闘おう!

 京都大 全学ストライキへ闘おう 全学自治会同学会中央執行委員 作部羊平

 同学会中執の一員として、新入生のみなさんに2013年度の同学会決戦に向けた意気込みを語らせて頂きます。
 国立大法人化以降、大学は新自由主義政策の要として位置付けられてきました。特に3・11福島原発事故以降は、原発御用学者が先頭に立ってフクシマ切り捨てを行ってきました。また、文部科学省は『大学改革実行プラン』で「日本の危機」をあおり、日本の労働者を搾取し、海外の市場をぶんどるための「グローバル人材の育成」を「大学の果たすべき役割」としています。京大においては、その拠点としての「思修館プログラム」が松本紘総長の独断により強行されました。
 こうした「大学改革」に対して私たちは、学生が団結し、自らの決定権を奪い返す拠点として昨年6月に3千人の投票をもって同学会を再建しました。追い詰められた大学当局はすぐに「告知第5号」を出して同学会を非公認化し、10年以上もなんら活動していなかった同学会旧役員のみを”学生の代表”として祭り上げ、学生の声を圧殺する大反動に出ました。
 しかし、私たちはクラスに入って学生の意見を集約し、運営会議で徹底討論する自治会の基礎的運動を誠実に続けることで、学生の前に姿すら現さず声明に自らの連絡先も載せられない旧役員に内容的に勝利してきました。私たちは討論に基づき、立て看板規制や駐輪場規制に反対する申入書を提出したり、藤洋作(関西電力元会長。安全無視の合理化で美浜原発事故を引き起こし、労働者を殺した張本人)が経営協議会にいることを問題化したり、他自治会や学内団体と結びつく活動を行ってきました。このことは大学当局を追い詰め、実際に藤洋作が京大から逃亡するなどの勝利を切り開いてきました。
 全学的な議論を行うことで、学生の主体的な運動がいくつも生まれています。中でも、チェルノブイリ原発事故の実態を暴く論文の翻訳を進めていた翻訳部会は、学外のプロジェクトに参加し、出版段階まで来ています。これは「フクシマの怒り」と結びつく重大な前進です。
 一方、松本総長がつくった思修館は定員割れし、学生にまったく支持されていないことが明らかになりました。全学生に新自由主義思想をたたき込むための国際高等教育院構想によるカリキュラム再編も出されましたが、その内容は英語教師を100人ほど雇って英語で授業させるというお粗末な内容です。
 今年度は本格的に実力闘争に入っていきます。すでに昨年12月4日には、熊野寮自治会有志が総長室に突入する実力行動にうって出て、学生と職員、警備員が100人レベルで激突するすさまじい攻防になりました。重要なのはこの行動がものすごい支持を集め、何十人もの学生が合流し、ともに怒りの声を上げている事実です。
 今こそ全学自治会である同学会が、学生の決定権を取り戻す闘いとして全学ストライキが求められています。歴史的にも、同学会は何度も非公認化され、そのたびに全学ストや全学投票によって実力で認めさせてきました。全学ストライキを行うにあたって何が重要か。それは時代認識の共有です。学生が感じているさまざまな問題、これらがこの新自由主義の社会情勢に起因するという点で全員が一致することです。そうなって初めて全構成員が自らの決定権を取り戻すことの意義を確信し、主体的に同学会運動に関わることが可能になります。
 この新歓は、同学会運動を本当に全学のものにする最大の決戦過程です。私も同学会中執の一員として、この攻防を全力で闘い抜く所存です。全国の闘う仲間のみなさん、新入生のみなさん、ともに頑張りましょう!

 広島大 学生自治会を建設するぞ 学生自治会準備会代表 百武拓

 私は今年、広島大に学生自治会をつくろうと思っています。福島原発事故で故郷・家族・未来を奪われた人々の悔しさ・怒り・悲しみとつながり、反原発運動を拡大するためです。学生自治会は、学生の生活・権利を守る団結体です。さらに8・6ヒロシマ反戦反核行動では、広大生が先頭で全世界に「反原発」を呼びかけ、安倍政権の再稼働阻止へ闘います。
 新入生の皆さんは大学の中に「原発御用学者」と呼ばれる人たちがいることを知っていますか? 彼らは原子力企業から金を受け取り、原子力政策に都合よく振る舞い、「原発安全神話」をつくり出してきました。原発事故後は、責任逃れのために「放射能の安全性」を語り回っています。彼らの責任を追及し、自分たちで考え行動し、それに代わる勢力になり、福島の現実に責任をとる中で私たちの未来を創っていきたいのです。
 自治会建設へ昨年から取り組んできたことが二つあります。まずひとつは、「No Nukes HIRODAI」というサークルを立ち上げ、大学内で御用学者追放を呼びかけ、御用学者を生み出した大学のあり方を変えようと訴えてきました。広大は、原発事故後に神谷研二教授を福島へ派遣しましたが、彼は「100_シーベルト以下の被曝による健康影響を示す科学的根拠はない」、今の福島での汚染は「健康に影響を与えるレベルではない」と語り、「子どもにマスクなしで外遊びさせても健康被害は出ない」と言ってきました。
 しかし実際には被曝の影響が疑われる症状が続発し、子どもに甲状腺がんが見つかっています。昨年6月に福島県民から原発事故の責任者33人が刑事告発されましたが、神谷教授もその中に入っています。「No Nukes HIRODAI」は神谷教授を福島の要職から解任するよう要求してきました。しかし浅原利正学長は「神谷教授は福島の人びとのためになっている」と居直り、実際は原発事故の影響を過小評価して原発再稼働に協力している状況です。
 広大の経営方針を決定する「経営協議会」には、原発をつくって原子力マネーを大学に送り、原発を海外輸出する三菱重工会長・佃和夫が入っています。莫大(ばくだい)な資産を持つ企業の会長を大学経営に関わらせることで研究室はその意向に左右され、企業に都合のよい「科学者」として御用学者がつくられるわけです。
 もうひとつはサークルです。学生が自由に創意工夫して行うサークル活動は、最大限保障されるべきです。しかしそれを、全国でも広大でも大学側が制限してきています。広大のサークル自治組織は活動の自由のために団結して闘い、規制などをはね返しています。ここ最近では入学式会場でのビラまき規制が問題になりましたが、今年もサークル自治会として反対の立場をとり、結局大学は規制できなくなりました。かつては「大学への協力度」「実績」「部員数」など大学側のつくった評価に基づき、各サークルへの支給物品に差別を設けることでサークル全体を大学管理下に置こうとしましたが、サークル員全体の利益のためにと団結し撤回させました。私はサークル自治を守る立場で闘ってきましたが、今度は全学生が参加する学生自治会建設に取り組む決意です。
 最後に、闘う自治組織こそ新たな社会の萌芽です。大学の経営を握る一握りの人びとが、大学をいいように動かし原発再稼働も狙い、学生を管理しようとしています。私たちは学生自治会をつくり、大学当局−経営者と闘い、大学を反原発の拠点にします。ともに闘いましょう! 
 トゥジェン(闘争)!

 三里塚 反戦・反権力の砦に来たれ 全学連三里塚現地行動隊

 私たちは全国から集まった学生で結成され、三里塚(千葉県成田市)の地で三里塚芝山連合空港反対同盟の方々とともに成田空港建設のための農地取り上げ攻撃と闘っています。
 三里塚闘争は、国や成田空港会社の「札束と暴力」による地元住民無視の空港建設に対し、47年間闘っています。激しい闘いの結果、強制的な土地取り上げを認める事業認定は失効して土地収用法は適用できなくなり、いまだ成田空港は完成していません。「国策と闘っても勝てない」という”神話”を打ち砕く「反戦・反権力の砦(とりで)」が三里塚闘争です。その魂は沖縄闘争−反原発闘争とも通じます。闘いを根底で支えた力は、動労千葉と反対同盟を両輪とした「労農連帯」です。
 今、国と空港会社は新たな攻撃をかけてきています。おじいさんの代から100年近く耕してきた市東孝雄さんの農地を農地法で奪おうという攻撃です。農地法は農民の権利を守るためのものであり、耕作者の同意のない農地の売買・転用を禁じています。土地収用法で奪えない土地をどうして農地法で奪えるというのでしょうか。
 犯罪行為を繰り返しているのは秘密「買収」や私文書偽造などを行う空港会社であり、それを追認する裁判所です。福島原発事故の責任を居直る政府・電力会社と同じです。市東さんの農地の強奪を阻む闘いは安倍政権との最先端の攻防であり、この決戦にすべての人民の未来がかかっています。国家と非和解で闘う福島−沖縄−三里塚を貫く実力闘争で「命よりも金もうけ」の社会を変えよう!
 全学連は反対同盟の「不屈の精神」に学び、三里塚を自らの闘いの原点として血の通った団結をつくってきました。学生が三里塚闘争に立ち上がるのを国家権力は恐れています。闘う学生自治会をつくり、三里塚に自治会旗を翻らせよう! 新入生の皆さん。ぜひ三里塚の大地に立ってください! 全学連現地行動隊は心から歓迎します。
(写真 3・24三里塚闘争を闘う全学連)

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週刊『前進』(2578号5面2)(2013/04/01 )

 経産省前 テント撤去絶対許さぬ

 “徹底的に闘う”300人が集会

 3月22日午後5時過ぎから、経産省前テントの撤去攻撃に抗議する集会がテントひろばで行われた。集会には福島の女性や避難者を始め約300人の労働者学生、民衆が駆けつけ、安倍政権と経産省への激しい怒りをたたき付けた。
 3月14日朝、東京地方裁判所の執行官がテントを訪れ、東京地裁の「仮処分決定」についての掲示を行った。さらに3月15日には、テントひろば代表の淵上太郎さんと正清太一さんの自宅に、テントの使用料として合計1100万円以上を要求する経産省の書類が送られてきた。
 今回の仮処分は、国が今年2月18日に提出した「占有移転禁止仮処分申立書」を東京地裁が認めたものだ。申立書の末尾に「明渡請求訴訟の準備中」とあるように、これはテント撤去の準備であり、破壊攻撃そのものにほかならない。原発再稼働のために、労働者民衆の反原発運動の拠点の破壊を狙うものだ。
 集会で淵上太郎さんは仮処分の意味と狙いについて説明したのち、「経産省や国はテントからわれわれを追い出すことをもくろんでいるが、私たちは皆さんとともに闘う」と決意を語った。作家の落合恵子さんは「国と東電こそ福島第一原発事故の責任を取れ。嵐が来るなら来てよ。私たちははね返していこう」と呼びかけた。テントひろばの江田忠雄さんは「真っ向から堂々と勝負をしていく」と表明した。
 さらに福島の女性、避難者、原発反対を闘う人たちが次つぎにマイクを握り「テントは大切な場所」「徹底的に闘う」などの怒りと決意あふれる発言。最後に全員で「テントを守ろう!」「仮処分反対!」のコールをたたき付けた。
 経産省テントへの撤去攻撃を粉砕し、原発再稼働を絶対に阻止しよう。
(写真 テントへの仮処分・撤去攻撃を弾劾し、阻止を訴える発言が続いた【3月22日 経産省前】)
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 フクシマからの訴え

■郡山市在住・黒田節子さん 子どもたちに甲状腺がんが発見されても「原発事故とは関係ない」と言われ、はらわたが煮えくりかえる思いで日々を過ごしています。福島第一原発の電源停止という危機的な事態が起きてからここ数日間は、「車のガソリンを満タンにしよう」と連絡を取り合い、全身が緊張して、胃が痛くなる思いで過ごしてきました。私たちはこのテントで全国・全世界のいろいろな人たちと出会い、「福島は福島だけではない」と実感してきました。ここは福島の私たちにとって希望の砦です。テントをつぶすことには全身で反撃し、全身で守っていきます。

■田村市在住の女性 私は田村市で有機農業を約30年やってきましたが、原発事故は私たちの穏やかな営みを暴力的に奪っていきました。福島では今も、いろいろなところでいろいろな悲しみが渦巻いています。放射能の影響はまだこれからです。なのに自民党政権は原発の再稼働や輸出を行おうとしている。後戻りさせてはなりません。私たちが求めるのは原発に頼らない社会です。このテントは私たちの運動のシンボルであり、よりどころです。絶対ここを壊させてはいけないと思います。どうかみなさん、いつまでもいつまでも福島を支えて、一緒に闘ってください。

■福島市在住・椎名千恵子さん 「このテントをつぶさせてはならない」という思いで「未来を孕(はら)むとつきとおかのテント行動」を呼びかけたのは11年12月1日。それ以来、福島の女たちも一緒にこのテントを守ってきました。このテントは3・11フクシマを問い、フクシマを発信し、そしてここで学びつながる、大事な大事な場所です。全国と全世界の人びとにとって、けっして奪われてはならない場所です。原点に戻りましょう。バラバラにされてはなりません。より力強くつながって、ここをのりこえましょう。勝利は私たちにあります。

■双葉町から東京に避難している女性 私は第一原発から1・2`の場所に住んでいました。着の身着のまま、何も持たず逃げてきました。地獄の苦しみでした。テントひろばの人たちと出会わなければ立ち直ることはできませんでした。あの苦しみをほかの人には味わわせたくない。だから再稼働は絶対にしてはならない。この国は古里を奪い、今度はテントひろばを奪おうとしています。だけどその前にやることがある。福島第一原発の撤去です。私はこのテント広場に救われたんです。みなさん、テントひろばを守るために一緒に頑張りましょう。

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 官邸前で“再稼働やめろ”

(写真  3月22日午後6時から首相官邸・国会前で金曜行動が行われた。テント前集会を終えた人たちも加わり、「すべての原発をなくせ!」「再稼働やめろ!」の発言と安倍政権を揺るがすコールが続いた。)

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週刊『前進』(2578号6面1)(2013/04/01 )

 全国機関紙担当者会議の提起

 全職場で階級的労働運動推進し『前進』を6千万の労働者の中へ

 革命的共産主義者同盟書記長 天田三紀夫

 革共同の機関紙『前進』をより多くの労働者人民に広めるため、今春、第2回全国機関紙担当者会議が開かれ、天田三紀夫革共同書記長が基調報告を行った。昨秋以来、半年間の機関紙『前進』拡大闘争の総括・教訓を踏まえ、機関紙闘争の革命論的意義と拡大闘争を前進させる六つの課題が熱烈に提起された。機関紙拡大闘争に総決起しよう。

 職場細胞建設と機関紙拡大こそが情勢を切り開く基礎

 まず初めに大情勢・階級情勢が激変していることをはっきりさせたい。最末期帝国主義の絶望的延命形態である新自由主義は最後的崩壊に向かってのたうち回っている。労働者階級人民は、反原発闘争の日常的経験をもって国家・資本に対する一切の幻想と決別し、根本的思想的なレベルで巨大な階級意識の大変動が起きている。この階級意識の大変動は、労働者階級を総非正規職化し、生きる希望をすべて奪うブルジョアジーへの限りない怒りとして爆発している。連合などの体制内労働運動は、労働者階級の階級的な怒りで打倒される寸前である。
 そういう中でわれわれは動労千葉を先頭に資本と非和解的に闘い、外注化阻止・非正規職撤廃・解雇撤回を闘う労働運動として、闘う合同労組運動として、労農連帯の勢力として、反原発を闘う一大勢力として、国際連帯闘争を発展させる運動体として、青年労働者・学生の階級的な希望として、労働者階級の怒りを体現する勢力として登場してきた。革命的共産主義運動を体現する鋭い力ある勢力として階級的労働運動を登場させてきた。
 大恐慌下の新自由主義は、労働者階級の生きるすべを奪う攻撃だ。3・11は200万福島県民の生きる希望を奪い、復興特区攻撃で労働運動を解体する大攻撃である。これに対する全面的な反撃が始まった。
 3・11はわれわれの闘いの原点である。情勢はプロレタリア世界革命の白熱的な発展期へ突入している。この情勢に対して「プロレタリアートがプロレタリア革命を闘いぬくこれ以上のチャンスはない」とわれわれが構え切ることが鍵だ。その基礎中の基礎こそ、労働者階級自己解放闘争を体現する職場細胞の建設と機関紙拡大闘争である。このことをしっかりと厳格に確認しよう。

 機関紙活動のあり方を変革

 昨秋以来半年間の機関紙活動が切り開いた地平を全体で確認したい。
 第一に、全党が機関紙活動を正面課題として、今までの機関紙活動のあり方を変革する闘いに突入したことだ。
 全国の地方委員会・地区委員会で、新たな決意で機関紙担当者会議が闘いとられた。その中から機関紙拡大闘争を階級的使命とする大量の階級の指導部が生み出された。ここに集まった同志たちは、まさに階級闘争が生み出した『前進』拡大闘争の責任者だ。
 さらに配布体制の抜本的な確立と変革への挑戦が開始された。日曜・月曜で配布する機関紙活動をとおして、地区委員会の躍動的な討論が可能になった。担当者が先頭になって『前進』を持参・配布し、職場の現状を聞く、機関紙の代金を回収するなど、短時間でも労働者同志と事前に討論することが、その週の地区委員会の内容を豊かにする。そうした闘いが必死に始められている。
 配布網の建設は労働者細胞建設の闘いである。労働運動の力で革命をやる闘いは国家権力との死闘であり、体制内労働運動を打倒する闘いである。このことを考えれば考えるほど、配布網を建設することに熱が入ってきた。日曜・月曜に機関紙を配布することが完全に党のリズムになった。
 こうした機関紙担当者会議の開催と配布網建設の闘いは、『前進』が労働者階級と最も本質的なところで結合することを可能にした。このことをとおして機関紙拡大闘争が全党の正面課題になったのである。
 第二に、『前進』を6千万労働者階級に通用する機関紙へと変革する闘いを強めたことである。大恐慌、新自由主義の時代に通用する機関紙を毎週毎週作成することは並大抵のことではない。しかしこの挑戦はきわめて価値創造的であり、6千万労働者階級と結びつき、労働者階級に叱咤(しった)激励されながら闘うことで絶対に実現可能である。
 その点で決定的なことは、労働者同志が『前進』を自ら作る立場に立つという転換が始まったことである。労働者同志が企画者・発案者・投稿者になることで、『前進』が労働者新聞としてものすごい意識性を体現できるものになった。
 紙面改革も意識性が問われている。マルクス主義の新聞として、プロレタリア革命勝利への戦略的な指針を提起するために、常なる紙面改革を実現することが求められている。
 第三に、『革共同の機関紙活動』パンフレットの発刊である。階級的労働運動が爆発的に前進する時代を迎えている。それは全党が闘いとった対カクマル戦争の勝利の到達地平である。
 二重対峙・対カクマル戦争は、中央派カクマルとJR総連カクマルの大分裂を強制した。JR資本とカクマルの結託体制の崩壊のもとで、昨年の10・1外注化阻止決戦が闘いとられた。東労組カクマルが国鉄(JR)で生きていく道を完全に寸断し、東労組カクマルの組織的な危機を強制している。資本との闘いで激突し勝利し、機関紙拡大闘争が爆発的に発展する時代を迎えた。
 パンフレットの発刊は、機関紙拡大闘争がプロレタリア革命勝利に向けた意識的活動であることをはっきりさせた。全党があらためて機関紙活動を組織活動の基軸に据える役割を果たしたのである。

 〈国鉄・反原発・星野闘争〉の13年3大決戦を鮮明に闘う

 2013年1〜2月、『前進』新年号の学習運動を全力で闘いとった。今年の新年号は画期的なものとして作られた。それは動労千葉を先頭に階級的労働運動の実践が開始されていたからである。生き生きとした資本との激突、職場闘争の日常的決起が基礎にあったからである。その最高の到達地平が10・1外注化阻止決戦であった。
 われわれは新年号討論をとおして、3大決戦(国鉄、反原発、星野同志奪還)、4大攻防(三里塚、沖縄、八尾北・西郡、改憲阻止)、組織的前進のための五大任務(@『グループ経営構想X』と対決する階級的労働運動の前進、A青年労働者と学生の決起、B非合法・非公然体制の建設、C機関紙活動の変革と飛躍、Dマルクス主義の復権)という、13年の決戦方針を確立した。3月決戦が一大階級決戦となることをはっきりさせた。
 すなわちJRの3月ダイヤ「改正」や4月外注化との闘い、橋下反革命や3月大量雇い止め解雇との闘い、原発再稼働との闘い、三里塚農地死守の闘い、戦争・改憲攻撃との闘いを統一的に進める、安倍打倒3月決戦方針を確立した。
 2・17国鉄集会は完全にその闘いの突破口になった。動労千葉は年末年始に連日の職場集会を行い、新たな反合理化・運転保安闘争路線を確立した。安全問題と雇用問題を統一し、「JR体制打倒」を掲げ、連日のストライキ闘争に立ち上がっている。
 1〜2月における重要な前進は、日帝ブルジョアジーの攻撃の全面的な暴露である。JR東日本『グループ経営構想X』を核心的攻撃としてとらえ、それを毎回の『前進』で暴露してきた。さらに「経労委報告」「経済財政諮問会議」など、日帝の攻撃の内容を分析した。日帝ブルジョアジーは全産別労働者への全面的な攻撃を開始したのだ。
 首都東京でも都知事・猪瀬が地下鉄や水道の全面的な外注化・民営化と公務員労組解体の大攻撃をかけてきている。大阪市長・橋下も安倍政権の先兵として全員解雇・民営化・10割非正規職化、労組破壊、賃金破壊の攻撃を激化させている。日本階級闘争全体が資本家階級対労働者階級の根底的な激闘期に突入しているのである。
 2013年、国鉄委員会における国鉄決戦・外注化阻止決戦論の強固な路線的一致を土台に、党全体の路線的一致がかちとられたことで、われわれは満を持して党と労働組合の一体的建設をかちとる歴史的挑戦に突入することができた。この間『前進』において労働運動の記事、労働運動の分析が着実に充実してきている。それは、われわれが労働組合運動を闘いぬく中で培ってきた力の表れである。党と労働組合の一体的建設の武器として『前進』は目を見張るような変革を遂げている。

 新自由主義との全面対決を

 今こそ動労千葉労働運動を本格的に発展させよう。大恐慌がもたらす大争闘戦時代への突入は、大失業と戦争攻撃を激化させる。今起こっていることは、新自由主義の全面的な攻撃の激化とその破綻である。
 新自由主義とは、労働者階級が生きることそのものを否定する、資本の無政府的な価値増殖運動である。資本が労働者階級を正規・非正規に分断すること自身が許せない。非正規と正規の分断による支配、団結破壊は労働組合解体攻撃だ。この攻撃と徹底的に闘うことだ。
 青年労働者の多くが職場で殺されかねない状態にたたき込まれている。しかし、青年労働者は階級的共同性を取り戻し、生きるため、労働者階級の自己解放のために闘う時代に突入している。
 動労千葉労働運動が切り開いた国際連帯闘争を全面的に発展させよう。米帝オバマの対中国の新軍事戦略のもとでの領土問題の爆発、あるいは北朝鮮スターリン主義の3回目の核実験の強行、米軍オスプレイの飛行訓練と辺野古への新基地建設攻撃の激化などにも明らかなように、朝鮮半島・中国情勢は一触即発の戦争情勢になっている。米日帝国主義はイランにも攻撃を加えようとしている。「パンと平和」「戦争と革命」の問題が本当に指呼の間にある。こうした情勢の中で3・11反原発福島行動13は、アメリカ・韓国・ドイツなど世界中から国際連帯のアピールが寄せられる中で、福島の怒りの圧殺を許すのか否かをめぐる一大党派闘争となっている。
 労働者階級が動き出している中で、われわれが今やるべきことは、自らの力で労働組合を結成し、資本との非和解的な闘いに勝利し、労働者階級が生きる時代に向かうことである。
 2・17国鉄集会で提起された「『解雇撤回・JR復帰』の東京高裁判決を求める 署名運動」が決定的だ。10万筆の署名をなんとしても実現しよう。それは1047名解雇撤回闘争の解体を狙った10年4・9政治和解を根底的に超える100万国鉄支援陣形を獲得する闘いだ。同時に物販闘争は職場闘争の開始の合図だ。4大産別を先頭に全産別で闘いが始まり、合同労組運動が力強い前進をかちとっている。この道を断固進もう。
 3・11の大成功をかちとり、3月決戦から4月ストライキ、5・15沖縄闘争を闘い、国鉄闘争全国運動6・9集会に全国から大結集しよう。

 機関紙は党と労働組合の一体的前進かちとる武器だ

 機関紙拡大闘争の革命論的意義は何か。
 一つに、『前進』は党と労働組合の一体的前進をかちとる最大の武器である。今ほど毎週の『前進』発行が待たれている時期はない。青年労働者・学生が『前進』を待ちわび、むさぼるように『前進』を読み始めている。それは、日本革命勝利に向かって新たな雷鳴がとどろいていることを意味している。世界革命に向かっての黎明(れいめい)期が到来している。
 『前進』は、階級的労働運動を前進させるために日夜血のにじむ努力をしている。階級的労働運動派(動労千葉労働運動実践派)が労働組合権力を握ること、それは献身的な活動家集団の存在があって初めて可能となる。この活動家集団が全員『前進』読者になる情勢が急速に成熟している。日本革命に向けて、動労千葉労働運動を尊敬して一緒にやっていく活動家集団が日本に大量に生まれることが必要だ。それは可能である。『前進』が一にも二にも労働運動の直面している全課題を報じているからだ。
 労働者階級は、労働組合に結集して自己の階級的使命を自覚して、プロレタリア革命に向かう。労働組合に結集する巨万の労働者階級の組織化に成功せずして、革命の勝利はないのである。
 二つに、新自由主義と闘う学生運動の全国的発展の武器が『前進』である。革命的共産主義運動は、自己の未来を学生運動の発展にかけてきた。学生運動は、スターリン主義・社会民主主義と全面的に闘い、労働者階級解放闘争のために闘ってきた。腐敗した新自由主義大学を学生の手に奪還する闘いの発展の鍵は、機関紙が3けたも4けたも網の目のように、砂地に水が吸い込まれるように各大学・寮・サークルへ渡ることである。
 それは、機関紙で学生共産主義者を大量に輩出する学生運動論を構築していくことで可能となる。2006年3・14法大弾圧以来の闘いの中で、大恐慌情勢と新自由主義攻撃の中で、あるいは3・11情勢の中で闘う新たな学生運動論をものすごい勢いで創出しながら闘いぬいていく。
 2013年決戦の本当の爆発は、学生運動の爆発にかかっている。今春から秋にかけて、全国の主要大学で闘う自治会権力を打ち立てる闘いをガンガン進めていく。2013年を学生運動の本格的前進の年にしよう。

 宣伝・扇動で団結組織する

 三つに、『前進』は階級的団結・国際連帯闘争を組織する集団的組織者である。労働運動を力強く発展させる宣伝・扇動の武器である。機関紙が闘争を準備し発展させる基礎となる。2・17国鉄集会や2・18三里塚闘争、3・11福島闘争などは、このことが全面的に開花する可能性を示した。『前進』でアジれば組織できるということに、われわれがもっと確信を持つことが重要だ。
 四つに、権力との死闘に勝ちぬき職場に機関紙配布網を建設する闘いは、非合法・非公然体制建設の始まりである。毎週毎週、資本の攻撃の網をかいくぐり職場で配布される機関紙は、労働者階級の闘いに密着し、労働者階級の新聞として蜂起に向かって労働者を組織している。そうした機関紙の発行が権力にとって脅威となる情勢をつくり出すことは、プロレタリア革命を引き寄せる決定的な闘いである。その基礎となる闘いが、権力から秘匿された配布網の建設なのである。
 五つに、機関紙は、新自由主義、帝国主義の世界をたたき壊す、労働者階級の腕で打ち下ろす巨大なハンマーである。このハンマーはマルクス主義の塊である。
 『綱領草案』をもって登場した革共同の前進が求められている。マルクス主義の時代認識、マルクス主義で武装した階級的労働運動の破竹の前進、それは巨大な流動をすでに引き起こしている。そういう点でも、機関紙がマルクス主義の実践の巨大な姿を示す闘いへと急速に成長していかなければならない。

 担当者会議を定期開催し労働運動のただ中で拡大を

 以上を踏まえ、機関紙拡大闘争を前進させる六つの課題を提起したい。
 第一に、機関紙拡大闘争の出発点は機関紙担当者会議の定期的開催である。地方委員会・地区委員会における担当者会議の開催がきわめて重要である。そこには、労働者同志と呼吸している生きた実践があるからだ。したがって、そこでは機関紙担当者自身が階級の指導部として飛躍することが求められる。担当者自身が時代認識と路線の体現者として登場することである。それは、機関紙拡大闘争の提起を含めて、現場の同志が挑戦し苦闘している壁に目線を合わせて一緒に格闘することである。この苦闘をとおして、配布網の変革の課題も見えてくる。
 さらに機関紙担当者は、会議の開催とともにその定期的な報告活動を行ってほしい。そのことで担当者自身が路線的に課題を整理し、自己の階級性を高め、革命家として自己の成長をかちとっていくのである。報告活動は党中央を獲得し党全体の路線的一致をかちとる労働者党建設の闘いそのものである。そのような目的意識性のもと、地方委員会・地区委員会の機関紙担当者会議の定期的開催を断固としてかちとろう。
 第二に、機関紙拡大闘争は、労働運動を徹底的に闘う、資本と全面的に闘う中で拡大の展望が出てくる。職場で資本と闘う姿を見せること、資本との非和解的な闘いに決起することは、並大抵のことではない。今ここで労働者同志が突き抜けるために日々格闘し、苦闘しもがいている。しかも労働者階級の階級意識の巨大な流動は、職場で機関紙を拡大していける絶好の条件を生み出している。今こそ反合理化・運転保安闘争路線を全産別で実践することだ。労働者階級が闘いでもぎ取ったすべてが剥奪(はくだつ)され破壊されている現実に対して、団結し反撃し闘おう。この闘いの中から機関紙拡大をかちとろう。
 第三に、機関紙拡大闘争は、高度に意識的な行為であり、一大党派闘争である。労働運動がまったく後退を強いられている中で、労働者階級の思想・階級性が完全に曇らされている。だからわれわれが打倒すべき敵をはっきりさせ、真に団結を求め、階級の存在をはっきりさせて闘うならば、必ず獲得できる。職場の労働者全員を対象にして獲得していく一方で、政治意識が高く党派の経験を持つような人格を獲得して共産主義者にしていくことは、巨大な展望を一挙に開く。労働者階級の中にあるスターリン主義的、社会民主主義的、反動的イデオロギーと論争し、路線的に論破して獲得していくことである。
 この課題への挑戦は、優れて価値創造的な闘いであり、われわれ一人ひとりのプロレタリア革命理論の再獲得・再武装と一体である。「絶対反対論・階級的団結論・国際連帯論」をもって、時代認識と路線で武装して、混濁したイデオロギー(それは敗北主義)と闘って闘って、読者を獲得しよう。
 第四に、地域の拠点建設に向かって機関紙拡大闘争で接近することだ。全労働者を対象に設定し、労働運動の政治地図とオルグ地図を作成することだ。しかしこれはわれわれの力だけではできない。オルグには壮大な苦労を伴う。本当に多くの労働運動の先達の闘いと一体化して初めて成し得る闘いである。国鉄闘争全国運動の呼びかけ人の人びとはその力を持っている不屈の活動家である。彼らの力も借りながら、プロレタリア革命の拠点建設に向かって地域を見直していこう。すべての労働者が機関紙拡大の対象だ。

 全同志の力で紙面の改革へ

 第五に、紙面改革の最初の課題は編集局の建設に勝利することである。
 編集局とは、プロレタリア世界革命を荒々しく闘いとる階級意識の最高形態を体現する最も戦闘的で、献身的で、組織的で、限りなく深く固く団結し、マルクス主義で徹頭徹尾武装された集団である。さらに全面的に労働者階級の闘いと一体化し、未来を展望し、勝利を確信して闘う部局である。なぜならプロレタリア独裁、共産主義社会建設から逆規定されて、壮大な課題を求められているからである。
 他方、紙面改革の鍵を握るのは、労働者同志の決起である。全国津々浦々、すべての労働者同志が参加する闘いである。機関紙責任者は、地方委員会で、産別委員会論文、職場細胞の活動報告、党派闘争の闘いの報告、機関紙拡大闘争の諸教訓、マルクス主義の党学校・労働学校の活動報告などを、3カ月くらいの期間で投稿者を決定し、討議して推進する中心を担う。紙面改革への全同志の参加は必ず機関紙拡大闘争に結びつく。さらに学生運動論文の路線的な牽引(けんいん)性と各大学支部の闘争報告は、労働者階級全体を鼓舞激励する。全党の機関紙改革への総決起が鍵である。
 第六に、機関紙活動と財政闘争である。革共同の財政闘争は、第一は基本財政(同盟費財政と一時金財政)、第二は機関紙・誌財政、第三は特別財政(カンパなど)の闘いである。このように機関紙財政は、革共同の財政の中軸を占めている。機関紙が毎号毎号5けたの部数で発行できる党組織の建設に成功するならば、それは階級情勢全体を揺るがす力になる。しかもそれは無数の職場における強固な職場細胞の建設を基礎とした地域の拠点建設と一体である。大恐慌、新自由主義、3・11に澎湃(ほうはい)と決起する労働者階級の現実という中で、この荒々しい労働者階級の頭脳と心臓に機関紙が生きるための血液として作用した時、財政闘争は一挙に前進する。
 その闘いはすでに各地方委員会の論議で始まっている。地区の機関紙財政の不足をすべての同志が補い、その熱意で機関紙拡大闘争を大いに推進している。プロレタリア独裁の現在的闘いが開始されているのだ。機関紙財政の問題を突破していくために、労働者同志を心から信頼して現状を正確に提起し、踏み込んだ討論を行い、具体的方針を確立していこう。これは地区における組織建設方針そのものだ。
 この半年間に全国から出された同志の経験、これを本当に3年間続けたら、絶対に勝利できる。
 日々の激動情勢にもっと食らいついて、相手を獲得することにもっと情熱を燃やして、2013年春〜夏の決戦を闘って闘いぬいて、勝利しよう。

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週刊『前進』(2578号6面2)(2013/04/01 )

 2013年日誌 3月19日〜25日

 大飯原発、7月停止求めず/辺野古埋め立て申請

●大飯原発、7月停止求めず 稼働中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県)について、原子力規制委員会は、策定中の原発の新安全基準が施行される7月には、審査のために停止を求めないとする方針を決めた。(19日)
●貿易赤字、8カ月連続 2月の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、7775億円の赤字だった。2月としては過去最大。8カ月連続。(21日)
●日米の防衛指針、「尖閣有事」も想定 小野寺五典防衛相は、釣魚台(尖閣諸島)の有事を想定した日米共同作戦計画の策定について「日米防衛協力ガイドラインの見直しの中で検討する」と述べた。(22日)
●東電、除染費105億円未払い 福島第一原発事故に伴う除染をめぐり、環境省が2月までに東電に支払いを求めた除染費用149億円のうち、東電が105億5千万円分の支払いに応じていないことが分かった。(22日)
●辺野古埋め立て申請 防衛省は、米軍普天間飛行場の移設先となっている名護市辺野古沿岸の公有水面埋め立て承認申請書を沖縄県に提出した。申請書類は約8400n、埋め立て工事の期間を5年、埋め立て面積を約160fとしている。(22日)
●競争力会議「風邪なら7割負担」 
産業競争力会議は健康・医療分野のテーマ別会合を開いた。民間議員は原則3割の自己負担割合に関し、疾病の種類で差を付け、「風邪なら7割負担」などとすることを求めた。(22日)
●中ロ首脳会談「領土問題で互いを支援」 中国の習近平国家主席はロシアを公式訪問し、プーチン大統領と会談した。共同声明は「領土の保全や主権の保障など重要な問題について、断固互いを支援する」とした。(22日)
●汚染水流出が継続か 福島第一原発事故で、汚染水の流出が止まったとされる11年6月から約1年4カ月の間に、計約17兆ベクレルの放射性セシウムを含む汚染水が海に流れ込んだ恐れがあるとの試算を、東京海洋大学の神田穣太(じょうた)教授がまとめた。教授は「現在も流出が続いている可能性がある」と指摘している。(24日)
●「局地挑発」も米軍関与 韓国軍は北朝鮮の「局地的な軍事挑発」に対処する米韓の共同作戦計画に、両軍が署名したことを明らかにした。計画には在日米軍の戦力投入も含む。(24日)
●衆院選、初の無効判決 「一票の格差」が最大で2・43倍となった昨年12月の衆院選をめぐり、弁護士グループが選挙の無効(やり直し)を求めた訴訟で、広島高裁(筏津順子裁判長)は広島1、2区について「違憲で無効」とする判決を言い渡した。(25日)
●日・EUがEPA初交渉で合意 安倍首相は、欧州連合(EU)の首脳と電話で協議し、日本とEUの経済連携協定(EPA)の第1回交渉を4月に開催することで合意した。(25日)
●キプロスへの支援合意 キプロスとEUは、EUが100億ユー ロ (約1兆2300億円)規模の金融支援をすることで合意した。EU側は条件として、大手2銀行を事実上、破綻処理し、肥大化した「金融ビジネス」国家から転換することを迫った。(25日)

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週刊『前進』(2578号7面1)(2013/04/01 )

 市東さんの農地を実力で守りぬこう

 三里塚も国鉄も決戦の時 3・24三里塚

(写真 春闘の真っ直中、動労千葉、動労水戸を先頭に全国の労働者・労働組合が三里塚の地に駆けつけた【3月224日】)

(写真 全国農民会議の闘う農民が登壇し「反原発、反TPP、三里塚闘争勝利」を掲げて闘う断固たる決意を表明した)

 農地死守の決戦突入を宣言した3・24三里塚全国総決起集会から、反対同盟3氏と動労千葉の発言要旨を紹介します。(編集局)

 未来のため闘おう 反対同盟事務局長 北原鉱治さん

 今から36年前の3月、福田内閣は遅れに遅れていた成田空港の開港を「多少の犠牲が出てもやむを得ない」と言いつつ強行しようとした。これに対し、全国の人びとが三里塚に結集し、実力をもって開港阻止の闘いに立ち上がり、管制塔が占拠され、3月開港を見事に粉砕し、福田の命運を断った。今日はそういう日です。寒い中を本当に多くの人びとが本日集まってくれました。
 住民を無視した一方的暴力的なやり方で、第3誘導路の供用が始まりました。だがこの空港は50年近くたった今も完成にはいたっておりません。それは不正義に対する私たちの闘いがあるからです。
 市東さんの農地裁判は、いよいよ27日が最終弁論です。彼らは反動判決で、市東さんの農地・住居を奪おうとしている。労働者・農民が連帯し、一人ひとりが立ち上がる時です。未来をつくるために、今日一日がんばりましょう。

 ここで農家続ける 反対同盟天神峰 市東孝雄さん

 私の裁判も足かけ6年。27日が最終弁論です。NAA(成田空港会社)は最終準備書面で「仮執行」を要求しました。怒りに堪えません。
 裁判を通してNAAや成田市、千葉県のデタラメがよくわかりました。耕作者が知らないうちに畑が買収されていた。向こうの唯一の証拠である「同意書」「確認書」は偽造、おやじの署名も偽造。旧地主は15年間も地代をだまし取っていた。私は「違法耕作をしている」と新聞に書かれ、裁判に訴えられた。正義はどこにあるのか! 私の畑は100年近く耕し続け、本来なら農地法で守るべき土地です。それを農地法を悪用して取るなど絶対に許せない。
 千葉地裁の執行官が2月20日朝に来て、畑、育苗ハウス、離れ、トイレにまで公示書を貼った。なんでそんなことをされなければならないのか。
 東峰の森を切り崩して造った東側誘導路は使わないまま放置され、今度は第3誘導路供用です。空港を造るためには何をやってもいいのか!
 安倍内閣が進めるTPPは農業をつぶします。私はこの裁判は「耕す者に権利あり」の裁判だと確信しています。
 私は天神峰でこれからも農家を続けていきます。親父の遺志でもある”空港廃港”へ、闘い続けます。福島、沖縄、動労千葉をはじめ労働者の皆さんとともにひとつになって闘います。

 闘いの陣形拡大を 反対同盟事務局次長 萩原進さん

 第一に、市東さんにかけられている農地強奪の攻撃について。耕作面積の66lを奪おうとしている。農作業を行う作業場、ビニールハウス、農機具置き場など一切を取り壊し収奪しようとしている。こんな事態は土地収用法においても今までなかった。それを農地法でやろうとしている。こんなあくどいやり方があるか! 戦争直後、農民の6割は小作人でした。その血と汗と涙で闘いとった農地解放、そこで生まれたのが農地法です。
 安倍はTPP参加を表明しながら「農業を守る」とうそをついている。マスコミはTPPに賛成し、労働者と農民を分断しようとしている。
 市東さんの農地の取り上げは、全国の農民・農村の縮図なんです。われわれは全国農民の先頭に立ち、労働者階級と連帯して闘います。
 第二に、「国益」「国策」と言われた空港の正体がはっきりしました。
 成田は地域住民への敵対を強めている。第3誘導路を造り、深夜早朝の飛行制限をはずし、東西南北全方向に拡張しようとしている。格安航空を誘致し、ショッピングセンターなどの副業で運営を支えざるを得ない。何が公共性か。地元の人びとに「空港に反対しともに立ち上がろう」と胸を張って訴える時だ。
 三里塚は沖縄、福島と固く手をたずさえ、先頭に立って旗を振る使命があります。
 第三に安倍に対してどう闘うか。原発は推進。4・28を「主権回復の日」として祝う。オスプレイや、辺野古への基地の強制。怒りは積もりに積もっています。6千万労働者と農漁民、市民、あらゆる戦線が手をたずさえて大きな団結、共同闘争をつくることです。
 3・27農地裁判最終弁論を全力で闘い、「次は10月」ではなく、明日にもあるかもしれぬ攻撃を現地において迎え撃ち、あるいは千葉にも打って出る。そういう闘いの陣形を積極的に組んでいこう。そしてこの三里塚に1500人の結集を、なんとしても実現しよう。

 労農連帯し決戦へ 動労千葉委員長 田中康宏さん

 国鉄分割・民営化に反対する85年11月のストライキを前にした10・20集会、国家権力と激しい衝突になったあの集会を思い出します。国鉄闘争が決戦を迎える時、必ず三里塚も決戦を迎えます。今もそうです。
 市東さんの農地を強奪しようと手をかけたら、その時はこの国の政府・支配階級の支配の崩壊だと示してやろう。
 動労千葉、動労水戸、動労西日本は、この春闘で3月1日から17日まで民営化・外注化、労働者の非正規職化に反対して断続的にストライキを打ちぬいてきました。動労水戸の仲間たちは明日、放射線に汚染された列車の運行を阻止するストに立ち上がります。
 今回の春闘ストは、昨年10月1日、JR当局の検修構内業務外注化の強行に対する、私たちの新たな決意を示すものでした。団結と雇用を奪い安全を破壊する攻撃を粉砕する闘いでした。
 安倍政権が進めるTPP参加は、農民と農業を破壊し、医療・医療保険制度を破壊して人びとの生活を崩壊させる。そして労働者全員を新自由主義的な競争にたたき込み、団結を破壊する攻撃であり、資本主義の最後の危機の表れです。これに対し労働者と農民が連帯して立ち上がれば、新しい社会への第一歩が踏み出されます。
 労働者のすべての怒りの声が団結を求めています。これを全部一点に集中し、まず市東さんへの農地強奪を粉砕しよう。そして、国鉄分割・民営化から始まった新自由主義攻撃を突き崩すことに動労千葉は全力を尽くします。これができれば必ず日本の労働運動は復権します。1047名解雇撤回、外注化阻止・民営化体制粉砕、非正規職化攻撃粉砕へ全力をあげて闘います。

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週刊『前進』(2578号7面2)(2013/04/01 )

 市東さん農地裁判 農地は農民の命だ

 3・27千葉 最終弁論が法廷を圧倒

 3月27日、市東孝雄さんの農地裁判の最終弁論が、千葉地裁民事第3部(多見谷寿郎裁判長)で行われた。3・24闘争の高揚を引き継ぎ、「農地を守れ」の一心で183人の労農学人民が駆けつけ、闘いぬいた。
 開廷に先立つ午前10時、雨の千葉中央公園で総決起集会が、萩原富夫さんの司会で始まった。
 最初に北原鉱治事務局長が発言に立ち、「闘わなければ、労働者・農民の生きる権利がなくなる。頑張りましょう!」と一同を鼓舞した。
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が「市東さんの固い決意をわがものとして闘う。労農の力で安倍政権の極限的な新自由主義・外注化攻撃を粉砕しよう」と訴えた。関実と沖縄の発言に続き、斎藤郁真全学連委員長が、「偉大な労農同盟の地平を、今日の行動で守りぬこう」と決意を表した。
 千葉市内デモに出発。最先頭に市東さんが立った。雨をものともせずデモは力強く進み、農地収奪と闘う農民の存在をアピールした。デモが千葉地裁に到着すると、参加者は地裁建物を「人間の鎖」で包囲して「農地を守れ!」のコールを一帯に響かせ、「反対同盟の歌」を大合唱した。
 午後1時30分開廷。まず市東さんが立ち、陳述を行った。「NAAが農地明け渡しの仮執行を求めていることに対し、強く抗議し撤回を求める。農地は農民の命だ。空港が公共だというなら、農業の公共性はそれにまさる。違法を積み重ねたNAAの明け渡し請求を断じて認めない。私はこの地で農民として生きる。耕す者に権利あり。裁判長に農民の声が届くよう念じる。私の闘いは、沖縄、福島、そして労働者との連帯の証しだ」。この誇り高い宣言に、法廷は感動で満たされた。
 続いて反対同盟顧問弁護団が、心血注いで作り上げた193nの最終弁論を読み上げた。
 この裁判は、事業認定が失効し土地収用法による強制収用が不可能になり、農地法を悪用して民事裁判で土地を奪うものだ。対象地は市東さんの農地の66l、実に9260平方b!
 空港公団=NAAのやり口は違法に満ちている。市東家に秘密裏に底地を買収し、転用もせずに十数年も放置し、突然賃貸借契約の解除を迫り裁判に訴えた。だが土地の位置特定に使われた「同意書」「確認書」は、市東東市さん(孝雄さんの父)の署名が偽造された偽造文書だった。また、南台の農地は空港敷地外にもわたっており、NAAはその土地の転用計画を「資材・特殊車両の置き場だ」と急きょデッチあげたのだ。
 千葉県知事の解約許可決定は無効である。NAAには明け渡しを求める資格がない。千葉地裁は「国策」の名で進められるこの農地収奪の手先に成り果てるのか!
 多見谷裁判長は無表情を装っていたが、この最終弁論の迫力に完全に圧倒された。NAAと千葉県の代理人弁護士は悪行を逐一暴かれ、終始うつむいたままだった。
 最後に判決を7月29日(月)として閉廷した。
 近くの会場で報告集会が開かれた。市東さんは「みなさんとともに6年間の裁判をがんばりぬけた」とあいさつし、大きな拍手を浴びた。北原事務局長は弁護団の奮闘を心からねぎらった。
 4時間にも及ぶ弁論をやりぬいた弁護団が一人ひとりあいさつした。葉山岳夫弁護士は「内容では負けることはありえない。だが裁判所は無理やり不当判決を書こうとするだろう。山場を一つ越えたが闘いは続く」と、支援を要請した。
 萩原進事務局次長がまとめの発言を行った。「7月の判決までに、例えば毎週日曜日に成田駅前から市東さんの所へ現地ツアーのバスが出るような状況をつくれないか。人を集める努力をしてこそ、反動判決粉砕の展望も開ける。これからが勝負だ」と提起した。
 最後に司会の伊藤信晴さんのリードで団結ガンバローを三唱し、一日の激闘を締めくくった。
(写真 雨をついて、市東さん【右】を先頭に千葉市内を意気高くデモ【3月27日】)

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週刊『前進』(2578号7面3)(2013/04/01 )

 4・9反核燃の日4・6〜7青森闘争へ

 福島の怒りと固く結合し核燃粉砕・大間原発阻止を

 3・11福島の感動的な勝利

 4月6、7日の2日間にわたり青森の地で開催される「4・9反核燃の日」闘争に向けて、革共同青森県委員会は全国の仲間に結集を呼びかけるとともに、闘いの決意をアピールする。
 2011年3・11は、死者およそ1万5千人、行方不明者2500人という犠牲者を出し、いまだ30万人もの人びとが避難生活を続けている。震災と原発事故は、すべての被災者にとってまだ継続中だ。多くの人びとが家族や仲間を失い、人生をかけてつくりあげた生活の糧をすべて奪われた。仕事もない中で、うつになる人や仮設住宅で亡くなる人が増えている。人間として生きる基本的な部分がすべて奪われ続けている。
 こんな現実は絶対に認められない! すべてを変えるために人生をかけて闘おう。
 3・11反原発福島行動は、福島の怒り、被災地の怒りを中心に、青年労働者の怒り、学生の怒り、労働者・農民・漁民の怒りを解き放ち、世界の闘いとも結合して巨大な団結をつくり出した。
 この闘いは、3月11日という日を8・6広島や8・9長崎と同じ「闘いの日」としたいという福島からの提起で始まった。この福島の決意と、国鉄闘争を先頭に外注化阻止・非正規職撤廃の闘いを前進させてきた階級的労働運動、大学キャンパスで御用学者と対決してきた学生運動が結合し、3・11福島行動は感動的な成功をおさめた。
 福島の声を圧殺しようとするいっさいの勢力−−原発推進に突き進む安倍政権、放射能安全論を振りまく御用学者、さらには「自民党でも県内であれば一緒にやれる」「政治的決起集会にならないようにしたい」と言って〈3・11〉の闘いから逃亡した福島大学教授・清水修二など、あらゆる勢力の敵対を打ち破って、福島の怒りは全国の労働者人民とひとつになった。
(写真 昨年の4・7反核燃闘争。NAZEN青森結成をかちとり、雪の残る青森市内を元気にデモ)

 核燃サイクルは破綻的政策

 革共同青森県委員会は、全国の闘う仲間とともに3・11福島行動に結集し、福島の怒りと思いをひとつにした。このことは、青森の地において長年にわたり核燃サイクルと絶対反対で闘ってきた者としての誇りであり、圧倒的な勝利感である。われわれは、この団結した力を青森の地で代表し、闘い抜く決意だ。
 この間、日本原燃はガラス固化体の製造試験を5月にも終了し、六ケ所核燃料再処理工場を10月に完成させ、1〜2カ月後の稼働を目指していると報道されている。しかし、原子力規制委員会が稼働のための「安全基準」をつくるのが12月で、その後「安全審査」が必要となる。また電気事業連合会は13年度プルトニウム使用計画作成を断念した。再処理して出たプルトニウムを原発で燃やすプルサーマルもストップし、何のために核燃料を再処理してプルトニウムを取り出すのか、その目的を示せない状態だ。
 今や日帝は、核武装のためのプルトニウム抽出という以外に核燃サイクルの目的を説明できないところに追い詰められている。東電柏崎原発の使用済み核燃料を貯蔵するむつ市の中間貯蔵施設も、いざ核燃料搬入となれば全国の怒りが集中することは不可避だ。原発再稼働と核燃サイクル政策推進は、超反動安倍政権にとっても簡単には進まない、きわめて危機的で破綻的な政策だ。今や追い詰められているのは敵の側である。
 青森県や下北半島の8市町村の行政当局は、昨年の過程で核燃料サイクル政策の堅持を求める国への要請を必死に行った。原発マネーに支配され、住民の命に責任を取らない行政や国の姿。それは、かつて六ケ所村村長としてむつ小川原開発計画に反対して闘った寺下力三郎さんや、漁民として体を張って核燃に立ち向かい続けた坂井留吉さんの姿と対照的だ。
 青森の反原発・反核燃闘争には、住民の未来を考え、一人でも信念を貫いて国家と対峙した人間の姿があった。大間原発反対を貫いた故・熊谷あさ子さんもその一人だ。その遺志を受け継ぎ「あさこはうす」を守り抜いている娘の小笠原厚子さんが、3・11福島現地行動に駆けつけ、「私は福島とともに歩み、大間原発建設を止める」と決意を語って下さった。長年にわたる青森・下北半島の闘いは、3・11の場で福島の闘いとひとつにつながり、全国の闘う労働者人民とつながった。

 労働組合こそ闘いの先頭に

 中曽根が国鉄分割・民営化と一体で推進した核燃サイクル導入は、新自由主義攻撃の一環としてあった。現在の県、事業者、市町村行政の姿は、この新自由主義がもたらしたものだ。原子力マネーによる地域の共同性の破壊、命と生活に対する破壊は、今「ブラック企業」と呼ばれるあらゆる職場で青年労働者が強制されている非人間的な現実と同じではないか。
 われわれはこの現実をこれ以上黙って許すことはできない。3・11反原発福島行動を闘いとった地平に自信を持って突き進もう。勝利の展望は階級的団結の拡大にある。
 昨年12月に開院したふくしま共同診療所は、3・11集会で佐藤幸子さんが訴えたように「希望の診療所」だ。この命の拠点を守り抜き、本格的に建設していくために、労働組合こそが先頭に立とう。
 すべての職場と地域の仲間に国鉄闘争全国運動を持ち込み、新自由主義とその国家に立ち向かう階級的労働運動をよみがえらせよう。
 3・11福島集会で多くの参加者が感動し涙を流した。本当に人びとの団結をつくる力は何なのか。絶対反対の階級的怒りであり、体をはって闘う姿であり、それを共同の意志として大切につくりあげた団結体にやどる人間としての信頼感だ。
 われわれはそうした団結をつくりあげるために「4・9反核燃の日」闘争への結集を全国の仲間に呼びかける。1985年4月9日、青森県は核燃サイクル基地受け入れを決定した。それ以来、4月9日は「反核燃の日」として闘われてきた。われわれは職場で資本・当局と闘い、現地の苦闘を労働組合として共有して体を張って闘う、そういう議論を職場や組合でやり抜いて六ケ所現地闘争、6月大間闘争を反核燃を闘う仲間とともに切り開く。
 (革共同青森県委員会)
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【要項】「4・9反核燃の日」一連の闘争予定

●「4・9反核燃の日」全国市民集会
 4月6日【土】午前11時/青森市文化会館4階小会議室【1】
 主催/集会実行委員会

●第28回「4・9反核燃の日」全国集会
 6日【土】午後2時/青森市青い森公園【県庁隣り】。ゲスト/山本太郎さん。集会後デモ。
 主催/4・9反核燃の日全国集会実行委員会

●六ケ所再処理工場門前抗議行動
 7日【日】午前10時30分
 主催/全国集会実行委

●六ケ所村内デモ
 7日【日】正午
 (六ケ所村尾鉉スワニー前〜村役場前)
 主催/みらいアクション青森

 NAZEN青森結成1周年闘争

●結成1周年集会
 6日(土)午後5時/青森市文化会館4階小会議室(1)
 講演/長谷川健一さん(飯舘村前田区長)
 原発に『ふるさと』を奪われて〜福島県飯舘村・酪農家の叫び」

●NAZEN青森の六ケ所・再処理工場門前抗議集会
 7日(日)午前10時(その後、全体に合流)

●六ケ所村内デモ参加

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週刊『前進』(2578号8面1)(2013/04/01 )

団結ひろば 投稿コーナー

 団結ひろば 投稿コーナー

 生活保護削減と対決団結し攻撃うち破る 関西 染井太郎

 私は、堺市で生活保護を受けている。堺市は私の障害加算を削減する攻撃に手をかけてきた。しかし、この攻撃を私は仲間との団結で5カ月にわたって打ち破っている。
 00年に制定された「社会福祉法」は、生存権保障という理念に基づき実施されてきた従来の社会福祉制度を、福祉サービス提供事業者と利用者間の「契約」により実施される制度に転換させた。
 この中で、堺市は私への障害加算削減に手をかけてきた。しかし、この攻撃の破綻性は、私たちの行った請願行動・市当局への追及を通して明らかになった。
 第一に、堺市は障害加算削減の前例も知らず、先行研究すらしていなかったことだ。第二に、法律上の根拠もない恫喝で生活保護の削減に踏み込もうとしていることを担当者自身が自覚していたことだ。その点を追及された担当者は、自分の白々しさに絶句した。第三に、部署としてケース会議すら開かずに削減を強行するつもりだったことが暴かれた。
 要するに、受給者を個別バラバラに分断し、窓口での恫喝で保護費を削減することを狙っていたのだ。堺市の窓口では、高齢者の生活保護申請も「特養に行け」などと門前払いされている。
 だがこれは、現場での攻防なしに攻撃は貫徹されないことを示している。削減絶対反対を貫いた私に堺市は追い詰められ対応できなくなった。すでに5カ月も、削減攻撃は粉砕されている。
 この勝利は、仲間たちと討論を重ね、生活保護削減は新自由主義攻撃であるという時代認識と、これに団結を対置することで徹底一致したことを基底に生み出された。
 新自由主義の福祉切り捨ての攻撃は、死活のかかった闘いに立つ主体を必ず生み出す。私の闘いは、こうした人びとを獲得し、革命をもって決着をつける闘いの先例となった。1回の請願行動で5カ月間も敵の攻撃を粉砕できるのだ。
 これからは、この闘いの地平の上に団結をどうつくり、団結を拡大するために私がどう飛躍するのかが問われている。

 岡山で解雇撤回訴訟を提訴し春闘総行動 動労西日本書記長 山田和広

 動労西日本は、3・15広島ストに続き、13春闘第2波行動として3・20岡山春闘総行動に立ち上がった。
 小雨の降る中、JR岡山駅前に結集した組合員と支援の仲間は、大江照己委員長を先頭に、私や赤松賢一副委員長、岡崎昭夫組合員がかわるがわるマイクを握り、外注化阻止・非正規職撤廃へ13春闘を闘う決意を明らかにした。私は前日、岡山地裁にJR西日本を相手取って「解雇撤回地位確認訴訟」を起こしたことを報告し、解雇撤回まで闘う決意を表明した。
 リレートークの後、JR岡山支社へ向けてデモに出発。JR岡山駅の中央改札まで肉薄して、JR西日本への怒りをたたきつけた。「JRは山田くんの解雇を撤回しろ!」「契約社員制度を廃止しろ!」「ストライキで闘おう!」とシュプレヒコール。
 デモ終了後、岡山国際交流センターで岡山春闘集会を開催した。集会には岡山マスカットユニオン、岡山労組交流センターの仲間が多く駆けつけ熱気にあふれた。
 岡山大学医学部職員組合の矢田範夫さんが基調報告を行った。「6・9国鉄全国集会に向かって第一に、1047名解雇撤回・原職復帰の10万人署名運動を総力を挙げて取り組もう。第二に、いよいよ開始される山田書記長解雇撤回裁判闘争を、正規・非正規の分断を打ち破り、すべての非正規職労働者の怒りをひとつに束ねる闘いとして絶対に勝利させよう」
 集会の特別報告として動労西日本の組合員と、共に闘う国労の会の仲間が外注化阻止・非正規職撤廃の決意を明らかにした。そして4月26日にストライキを構える自治労倉敷の百本委員長を始め、地域の闘う仲間がともに闘う決意を述べた。
 集会のまとめを岡山マスカットユニオンの清水久美子委員長が行い地域の仲間の団結を固めた。
 青年が人間として生きられない現実が、ますます深刻なものになっている。今こそ全身に怒りを沸き立たせて、この腐った社会をひっくり返し、労働者階級の社会を建設していこうではないか。世界中の労働者との固い国際連帯のもとで、青年の未来かけて13春闘を闘おう!
(写真 JR岡山駅の中央改札に肉薄するデモ【3月20日】)
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 第13期党学校で 刺激に満ちた党学校若い人はぜひ参加を 松岡良一

 1年間党学校に通って何がよかったかと言えば、まず毎回すごい刺激を受けたことです。そして回を重ねるごとに、それが自分の骨身にずっしりたまってくる実感です。自分ではいっぱしの活動家(?)だと思っていたし、理論的なものもある程度入っていると過信していたので、それが見事に打ち砕かれて、いつも帰途はため息と、マルクス主義の思想の奥深さ、豊かさに感激しながらでした。
 戦前からの連綿と続く共産主義の思想や闘争、そして革共同の創成からの50年史は、とても興味深かった。私の浅い畑は、講師の熱の入ったレジュメで深く鋤(すき)を入れられ、討論の時間でのみんなでの話により広く耕されました。学校を了(お)えた今、ボリュームが少しずつ宿ってきた感覚があり、本当に頑張って通ってよかったと思います。また、党の『革共同50年史』の事業に参加できた感激も。
 スターリン主義も深くよく分かった。対カクマル戦の勝利までの歴史にも感動した。席を並べた同志たちからの迫力の発言にも感動。『資本論』の原点、党と労働組合の一体的な推進のイメージ、戦後革命期をまざまざと想像しソビエトということのイメージをふくらませ……1年間は長くて短かった。燃えるような情熱の講師陣には深く感謝。
 そして、カンパで送り出してくれた県党の同志たちには、この党学校での学習をオルグの力に変えて、必ずや1人でも多く組織して恩返しをしたいと思います。機会があったらまた学びたい。忘れられない党学校でした。若い人たちにぜひ行ってもらいたいです。

 第13期党学校で 「革共同50年史」学び同志との団結深めた 長井伸行

  今回の13期党学校の「革共同50年史」をテーマとした講義で、さまざまなことを学ぶことができました。
 例えば、障害者も労働者の一員であり資本による搾取の対象であること。分断支配をのりこえた階級的団結が唯一のプロレタリア革命の土台であること。賃金が労働者の分断支配に使われていること。この学校に参加した同志と従来になく話をできたこと、これこそが団結であり、私自身の一大飛躍でした。
 私も駅ビラ等々の実践を開始できたのは、今回の党学校のおかげです。マルクス主義・レーニン主義の内容、特に外注化、新自由主義については、今までよりハッキリとしました。
 今後とも、「自分自身の変革」が「党」の変革に直結するという強い思いで、革共同同盟員として闘い抜きます。
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 あて先は、〒132−0025 東京都江戸川区松江1−12−7 前進編集局「団結ひろば」係。『前進』ホームページの「安心メール」でも受け付けます。

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週刊『前進』(2578号8面2)(2013/04/01 )

 迎賓館・横田爆取弾圧裁判 最終弁論で無罪を主張

 全面立証を踏まえ 原判決を弾劾し尽くす

 3月25日、迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧裁判の差し戻し控訴審第6回公判が、東京高裁第6刑事部(山崎学裁判長)で行われ、被告・弁護団が満を持して最終弁論と最終意見陳述に立った。
 家族・友人・支援者が傍聴席を埋め尽くす中、須賀武敏、十亀弘史、板垣宏3同志の無実を完膚なきまでに論じ尽くした最終弁論を、弁護団が力強く陳述した。また、デッチあげへの根底からの怒りを解き放ち、26年間も裁判を強制してきた裁判所を徹底弾劾する被告団の意見陳述を、弁護人が心を込めて代読した。陳述が終了すると傍聴席から大きな拍手が巻き起こり、6月27日の判決で無罪を必ずかちとる決意と戦闘意思が、法廷に横溢(おういつ)した。
 3同志はこの日の公判を動労千葉のストライキ、3・11福島現地での反原発闘争の大高揚、3・24三里塚闘争と固く連帯し、3月決戦そのものとして闘いぬいた。

 一審の事実認定は皆デッチあげ

 最終弁論に先立ち、十亀同志の被告人質問が行われた。3同志を逆転有罪にした差し戻し一審判決が「1985年8月頃、須賀と十亀がAU信管を金沢借家で製造した」とデッチあげていることに対し、「1986年10月に岩手借家で製造したもので、完成直後外に持ち出した」事実をつきつけ、判決の虚偽を暴いた。
 その後、最終弁論の陳述に進んだ。
 差し戻し控訴審では、即時結審・問答無用の控訴棄却をもくろむ裁判所に対し、3同志自身が証言に立ち、差し戻し一審の事実認定がすべてデッチあげであることを弾劾した。また、それを裏付ける2人の証人の証言を裁判所の早期結審策動を打ち破ってかちとった。
 最終弁論の第1章では、最大の争点である「岩手借家押収メモ」は、1986年の6月以降に「岩手借家での鍋爆弾の開発・製造のために書き写された非オリジナルメモ」であること、これを裏付けるコンピュータ解析の専門家であるT氏の「メモが書き写された可能性がある」という証言が明らかにされた。
 第2章では、軍事問題の研究家であるO氏の証言で「本件飛翔弾と鍋爆弾には共通性があり、メモを書き写す可能性もあり、資材や資料等の利用も可能である」ことを明確にした。
 第3章では差し戻し一審判決の「金沢借家」認定の誤り、第4章では「3人1班」認定がデッチあげであることが根底から明らかにされた。第5章は差し戻し一審判決は裁判所が「有罪」の立場から勝手な決めつけや憶測をしているにすぎず、裁判の判決とはとうてい言えないことを鋭く批判した。そして「被告人3名は無実・無罪であり、原判決を破棄し無罪の判断が出されるべきである」と力強く結ばれた。
 公判終了後、弁護団全員と傍聴者との懇談会で、「絶対に無罪判決をかちとる」と全員が決意を打ち固めた。
 1986年の迎賓館・横田戦闘を口実にした弾圧は、国鉄分割・民営化と一体で強行された新自由主義の革共同破壊攻撃そのものであった。国家権力は、何の証拠もなく3同志と福嶋昌男同志を爆取1条でデッチあげた。それは、中曽根首相(当時)らの国鉄分割・民営化と原発推進の新自由主義攻撃の出発点をなす東京サミットが、労働者人民の闘いと同時に中核派のロケット弾で蹂躙(じゅうりん)されたことに対する、国家権力の憎悪を込めた政治的デッチあげであった。
 それから26年、3同志は16年間の未決勾留にも屈せず、幾多の困難をのりこえ、国家権力との絶対反対闘争を貫徹し、党と階級と一体となって闘ってきた。今や弾圧の狙いを完全に粉砕しており、圧倒的な勝利の地平を築きあげてきたと確信をもって言える。その地平をさらに前進させて、6月27日の判決公判で無罪を絶対にかちとろう。

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週刊『前進』(2578号8面3)(2013/04/01 )

 中山崇志同志を奪還

 勝利者として意気高く出獄

 3月19日、団結破壊・闘う労働組合つぶしの治安弾圧で獄中に捕らわれていた中山崇志広島連帯ユニオン草津病院支部委員長が、不屈の完黙・非転向を貫き、ついに勝利者として出獄した。
 午前8時30分過ぎ、家族と同志あわせて12人が見守る中、中山同志は山口刑務所から笑顔で現れた。獄中で厳しい闘いを貫いて精悍(せいかん)な姿になって仲間のもとに帰ってきたのだ。「ごくろうさん」「おかえりなさい」の声が刑務所表門周辺に広がった。下獄闘争をやり抜いた中山同志の顔は本当に晴れやかだった。そこには新しい労働組合の指導部としての自覚と決意が感じられた。
 ただちに広島市西部にある小西のぶ子記念館へ移動。草津病院支部とユニオン青年部の闘う同志が中山同志の帰還を今か今かと待ち構えていた。
 獄中闘争貫徹の慰労会冒頭で、中山同志は感動的なあいさつを述べた。
 「拘置所・刑務所在監中に広島・中四・全国から、あわせて601通の手紙、ハガキでの激励がありました。『無実の中山さんと共に闘う会』への加入など、数多くの支援をいただき、大きな勇気をもらいました。この力で獄中闘争を闘うことができました。本当にありがとうございました。私は獄中では、この団結があるから一度も1人で闘っているとは思いませんでした。とりわけ星野奪還闘争と迎賓館・横田爆取弾圧と闘う同志たち、福嶋同志の闘いと一体でした。獄中では階級闘争の指導部となるために、転向を狙う刑務所・権力と不屈に闘いました。今後、職場復帰を果たしていく”第2ステージ・第2幕”が始まりますが、まずは休養して力を蓄えて闘いに復帰します」
 草津病院支部と青年部の仲間がこれに応えた。
 「中山さんへの組合つぶしの弾圧と闘ってきたからこそ組合員として頑張れました。中山さんを取り戻せて、今日は本当にうれしい」「草津病院支部は、中山支部委員長のもとに、ゆらぎなく強固な闘う団結をつくってきました。今、中山さんを奪い返すことができた。本当に闘えば勝利できると実感できました。これからともに草津病院支部を大きくしていきましょう」
 不当弾圧と対決し獄中闘争を闘い抜いて、組合員と青年が指導部として大きく飛躍しつつある。本当に感動的だった。
 草津病院支部弾圧は、2010年国鉄闘争全国運動の立ち上げと青年労働者の決起に対する権力・資本の焦りにかられた治安弾圧であった。だがこの弾圧を完全に粉砕して青年労働者を先頭に組織を拡大し、権力・資本に致命的な打撃を強制した。この勝利をテコに広島の闘う労組はさらなる組織拡大に打って出る決意だ。
 (広島連帯ユニオン執行委員・奥村毅)
(写真 家族と仲間が見守る中、中山同志【中央】が晴れやかな顔で出獄【3月19日 山口刑務所前】)

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週刊『前進』(2578号8面4)(2013/04/01 )

 4・14&21東西入管集会へ

 労働組合で団結し闘おう

 在留カード 新たな入管体制を許すな

 国際連帯が威力を発揮する時が来た! 3・11反原発福島行動は、「僕らで最後にしたい」と立ち上がった福島の人びとに共感し、結びつこうと全世界から430もの国際賛同が寄せられた。在日朝鮮人を始め、ビルマ、イラン、韓国、イギリス、フランス、オーストラリア、トルコ、アゼルバイジャンなど10カ国・地域を超える人びとが参加する反原発国際行動となった。領土問題で排外主義をあおり、北朝鮮侵略戦争へと突き進む極右超反動安倍政権を、4月ストライキの嵐で打倒しよう。4月東西入管集会に結集し、国際主義の発展で新自由主義を打ち破ろう!

 「技能実習」の名で強搾取

 3月14日夕、広島県・江田島にあるカキ養殖加工「川口水産」で中国人技能実習生が社長ら8人を殺傷し、自殺を図るという事件が起きた。
 川口水産で働く外国人は陳双喜容疑者(30)1人だけで、勤務時間は午前5時半〜午後5時、休みは日曜日だけ。最近は沖に出て、養殖いかだのカキを採り、水産所へ持ち帰る作業をしていたという。社長には日ごろから仕事が遅いと怒られ、「自由がなかった」と供述しているという。 
 06年8月にも千葉県木更津市の養豚場で社団法人「千葉県農業協会」が受け入れた中国人研修生 (26) が男女3人を殺傷する事件が起きている。研修生の残業は禁止されていたが、この男性は時給450円で月50時間前後の残業をさせられていた。養豚場主は「残業を隠すために預金通帳を二つ作り、残業代を別に入金するように協会幹部に言われた」と証言した。
 80年代、実態が先行する中、89年入管法改定で在留資格に「研修」が加わる。91年には法務省告示により企業単独に加え「団体監理型」の受け入れが可能となった。事業協同組合や商工会議所などの受け入れ団体が外国の送り出し機関と協定を結んで傘下の中小企業に研修生を受け入れるのである。団体監理型が外国人研修生受け入れの9割を占めるようになり、対象業種は建設業から繊維・衣料、農漁業など、10年末現在、66業種123作業に及んでいる。
 この「研修・技能実習」の実態は、地方の中小零細企業の労働力不足を補う非熟練労働だった。1年目は労働関係諸法令が適用されない「研修生」への研修手当、2〜3年目は労働法令は適用されるとはいえ、最安価な労働力であることは変わらなかった。
 09年には日本に在留する外国人研修生・技能実習生は約20万人に至ったが、長時間労働や低賃金に加え、恐るべき人権侵害がまん延した。旅券や通帳などの強制保管や強制貯金、パワハラ、セクハラ・性的暴行、そして労働災害、過労死……。08年に急性心不全で亡くなり、遺族の労災申請で過労死が認められた茨城県潮来市の中国人技能実習生の場合、死亡直前3〜5カ月の時間外労働は93〜109時間だった。
 しかも、このような現状に怒って裁判所やマスコミ、労働組合に訴えたり、ストライキをした場合、保証金没収、違約金請求、さらに母国の親元にまで巨額の請求が行く契約を送り出し機関と結んで日本に来ている。労災を負っても、労災申請をするどころか、本人の意に反して帰国させられる事態も起きている。

 3年に限った使い捨て策

 09年入管法改悪は新自由主義攻撃と対応し、日本の外国人労働力政策を抜本的に変えたものだ。研修・技能実習を「技能実習」の在留資格に一本化(10年実施)し、この技能実習生を在留カード制度で新設した「中長期在留者」の軸に据えて管理・掌握し、コントロール可能な低賃金労働力確保を狙ったのだ。
 これで技能実習生は、入国後1〜2カ月の講習を受けた後は1年目から「労働者」として労働関係法令が適用されることになった。しかし「技能実習」という在留資格は、受け入れ機関を特定した在留資格であり、職業選択や移動の自由もない。家族を呼び寄せて日本に定住することすら認められていない。あくまで3年間に限った安価・使い捨ての単純労働力であり、送り出しと受け入れ双方にブローカーなどが介在する中間搾取の構造も温存されたままだ。
 国から技能実習制度推進事業を委託されている国際研修協力機構(JITCO)は、受け入れ機関を指導・監督すると同時に受け入れ機関からの会費や取り次ぎ業務を収入源としている、いわば総元締めだ。
 今も労働時間や割増賃金不払い、さらにアーク溶接作業中の爆発事故や安全装置故障のまま放置されたプレス機械での死亡事件など命まで奪われる事故が多発している。技能実習制度は即刻廃止されなければならない。
 川口水産で起きた事件は、人間としての尊厳を踏みにじられた技能実習生の「生きさせろ!」の血叫びだ。殺されてたまるか!
 13春闘――動労千葉、動労水戸、動労西日本と続々とストライキが打ち抜かれ、外注化阻止・非正規職撤廃の闘いがうなりを上げて進んでいる。
 3月6日には仮放免者350人が「在留カードやめろ」「チャーター機で強制送還するな」「団結した労働者は負けないぞ」と叫んで法務省デモを闘った。
 国際連帯を豊かに力強く推し進め、新自由主義を打ち破ろう! 在日・滞日外国人労働者との団結を阻む新たな入管法・入管体制=在留カード制度を粉砕しよう! 在日・滞日外国人労働者と労働組合で団結しよう!
 外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会が呼びかける4月東西入管集会に集まろう!

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週刊『前進』(2578号8面5)(2013/04/01 )

 チャーター機 強制送還を弾劾

 仮放免者が法務省デモ

 「チャーター機で強制送還をするな」「仮放免者にビザを出せ」「再収容・長期収容をやめろ」。3月6日、東京・霞が関の日比谷公園から法務省へ、仮放免者の会のデモ隊は怒りの声を上げながら進んだ。関西、東海からも仮放免者が駆けつけ350人の大デモとなった。牛久の会、全国実、動労千葉もともに声を上げた。
 (K)

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