ZENSHIN 2014/01/13(No2615 p06)

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第2615号の目次

鉄道民営化阻止の大ストライキを支持・連帯する10万人がパククネ政権退陣を叫んだ=(12月28日 韓国・ソウル支庁広場)

1面の画像
(1面)
韓国民主労総がゼネスト
パククネ打倒の革命情勢突入  鉄道労組の23日間ストを突破口に
記事を読む  
動労千葉を先頭に 韓国大使館に抗議(12月27日) 記事を読む  
仲井真(安倍と会談し埋め立て承認)に怒り  2千人が沖縄県庁ロビー占拠 記事を読む  
前進速報版 記事を読む  
(2面)
国鉄・反原発を軸に4大決戦で日帝・安倍政権打倒しよう  都知事選に総決起し2014年勝利へ 記事を読む  
12・22革共同政治集会 青年・学生軸に大成功  『50年史』武器に勝利へ団結(12月22日) 記事を読む  
北海道 歴史的な政治集会  国鉄決戦をこの地で闘う 記事を読む  
解雇撤回・外注化粉砕を  1・22総行動から2・16集会へ 記事を読む  
【要項】外注化粉砕・1047名解雇撤回1・22総行動に結集を! 記事を読む  
(3面)
2・2橋下打倒集会へ  現場労働者の階級的団結で民営化・外注化うち破ろう 記事を読む  
羽越線事故8年 JRは責任を取れ!
新津車両製作所の子会社化反対 新潟で集会とデモ(新潟・M)(12月23日)
記事を読む  
郵政職場に闘いの機運  元旦ビラ 例年を上回る反響と共感 記事を読む  
水平同盟とともに闘う  東日本解放共闘 総会開き新たな出発(12月21日) 記事を読む  
闘いは進む 青年の職場から
合同労組 過労死阻止で組合をつくることが私の14春闘  東京 三好朋広
記事を読む  
(4面)
日帝・新自由主義=安倍打倒へ闘う
首都大激動の14年決戦に『50年史』武器に躍り込む  革共同東京都委員会
記事を読む  
「労働組合権力を取る」を合言葉に青年先頭に挑戦  革共同関東地方委員会 記事を読む  
機関紙活動の教訓と課題
『前進』拡大の日常活動を土台に「現代革命への挑戦」を開始する  革共同東京都委員会
記事を読む  
2013年日誌 12月17日〜31日
武器輸出三原則に代わる「新原則」狙う/安倍の靖国参拝に批判噴出
記事を読む  
(5面)
エネルギー基本計画 原発推進が狙いだ
「重要なベース電源」と居直り  3・11福島行動で怒りの反撃を(北沢隆広)
記事を読む  
反原発金曜行動 年末まで不屈の決起(12月20、27日) 記事を読む  
〈焦点〉 安倍の靖国参拝を弾劾する!  国際的孤立化の深刻な危機 記事を読む  
前進社国賠 2同志、権力突く証言  「秘密保護法」先取りと対決(12月26日) 記事を読む  
三里塚裁判傍聴を! 記事を読む  
(6面)
萩原進三里塚反対同盟事務局次長の逝去を悼む
革命的農民闘争を指導した生涯 遺志を継ぎ農地決戦に勝利する
革命的共産主義者同盟
記事を読む  
告別式に全国から400人  市東さん“農地守る”と弔辞(12月28日) 記事を読む  
お別れのあいさつ 弔辞 弔電 記事を読む  
星野再審闘争 写真開示勧告かちとる  殴打の痕跡なく無実明らか(12月25日) 記事を読む  
スチュアート弁護士釈放  全世界の奪還運動の勝利  記事を読む  

週刊『前進』(2615号1面1)(2014/01/13 )

 韓国民主労総がゼネスト

 パククネ打倒の革命情勢突入

 鉄道労組の23日間ストを突破口に

 “鉄道民営化絶対反対。

(写真 鉄道民営化阻止の大ストライキを支持・連帯する10万人がパククネ政権退陣を叫んだ =12月28日 韓国・ソウル支庁広場)

 12月9日に始まった全国鉄道労組(民主労総傘下、組合員2万1千人)の鉄道民営化阻止のストライキは、労働者民衆の大衆的支持を受け、23日にわたって貫徹され、パククネ政権に迫る歴史的な大ストライキとなった。
 震え上がったパククネは、12月22日、鉄道労組幹部逮捕を口実に民主労総本部に対し警察部隊5500人で襲撃を強行、民主労総本部を守る労働者との12時間におよぶ大激突となった。
 12月28日、民主労総はゼネストに決起した。ソウル市庁前で開かれた「民営化阻止!労働弾圧粉砕!鉄道ストライキ勝利!民主労総第1次ゼネスト決意大会」には10万人の労働者人民が詰めかけ、「鉄道民営化阻止!」「パククネ政権退陣!」の怒りのこぶしを突き上げた。シンスンチョル民主労総委員長は「12月22日、われわれは独裁を見た。パククネはわれわれを見誤った。今やわれわれの番だ。民主労総はパククネ政権との全面闘争を宣言する」と声を張り上げ、「政府は、鉄道、医療などすべての公共部門を民営化し、利己的な競争の中に国民を押し込んでいる。1月9日、民営化を阻止して民主労総を死守する第2次ゼネストを組織しよう。そして2月25日のパククネ就任1周年には、国民ゼネストでソウルを覆いつくそう」と呼びかけた。鉄道労組も「年を越えて無期限ストをやり抜こう」と闘志を示した。
 この直後の30日、鉄道労組キムミョンファン委員長が与党セヌリ党、野党・民主党と協議し妥結、一方的に「スト終結」が発表される事態となった。現場からは批判が噴き出したが、「いったん現場に戻り、職場から第2次ストライキを組織しよう」「民主労総の団結と国民の支持があれば絶対に勝てる」とあらためて団結を固め、新たな闘いに踏み出した。
 民主労総は「この闘いはパククネと全労働者の戦争だ」「鉄道労組は持てる力の200%、300%を発揮して闘いぬいた。これからは民主労総が引き継ぐ」(シンスンチョル委員長)と宣言し、あらためてゼネストの号砲を発した。
 年明け1月2日には民主労総歴代委員長など民主労総指導委員10人がパククネ政権との全面戦争を宣言してハンストに突入。3日には全産別・全地域本部の代表者・代議員ら800人がソウル駅前でゼネスト組織化のための決意大会を開いた。ハンスト中のタンビョンホ元委員長は「鉄道闘争の高揚を持続的に拡大し、言葉ではなく行動でパククネ政権を退陣させよう。果敢に堂々と闘おう」と大アジテーションを行った。
(写真 1月9日、民主労総は「パククネ退陣!民営化―年金改悪阻止!労働弾圧中断!」の第2次ゼネストに決起した。全国14地域でゼネスト決意大会を開いた【ソウル市庁広場】)

 東アジア情勢が大激動

 鉄道労組の民営化阻止の大ストライキは、民主労総のパククネ打倒宣言・ゼネスト突入へと発展し、北朝鮮の体制的危機の深まりや日帝・安倍政権の危機と階級激突情勢の進行とも重なり、東アジアを一挙に巨大な革命的激動のまっただ中に引き込むものとなっている。
 しかもこの激突の最基軸に民営化・外注化絶対阻止と非正規職撤廃の闘いが据わっているのだ。つまり、文字どおり新自由主義との全面激突として闘いぬかれている。
 動労千葉の田中康宏委員長は、「鉄道労組の大ストライキをとおして70%が民営化反対という世論を結集した。鉄道労組はまた職場に乗り込んで闘い、しかも民主労総が”今度は民主労総の番だ”と闘いを引き継いでゼネストを組織している。この闘いは、新自由主義攻撃の核心である民営化・外注化と労組破壊攻撃を打ち破る、すなわち資本主義を打ち破る可能性を持った政治的決戦になろうとしている。まさに世界史的に前例のないことが始まっている! この闘いと結合する中に日本の労働者階級の未来がある。だからこそ日本で民主労総ゼネストデモをやろう」と、1・13民主労総ゼネスト連帯行動を呼びかけている。
 日本の国鉄決戦と韓国での鉄道民営化阻止の決戦が、同じ一つの闘いとなって進む中から、世界の労働運動を階級的・革命的に塗り替えていく新たな時代が始まった。
 民主労総は1・9第2次ゼネストから1・18第3次ゼネストを闘い、2・25国民ゼネストの巨万決起を準備している。1・13民主労総ゼネスト連帯行動に集まり、渋谷デモを闘おう!
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【【要項】民営化・外注化阻止! 労組破壊攻撃粉砕!

 韓国民主労総ゼネスト連帯行動

 1月13日(月)午後6時半開会
 集会後、午後7時15分、デモ出発
 東京・代々木公園ケヤキ並木
 主催 全国労働組合交流センター

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週刊『前進』(2615号1面2)(2014/01/13 )

 動労千葉を先頭に 韓国大使館に抗議

 12月27日、動労千葉の呼びかけで韓国大使館への緊急の抗議申し入れ行動が闘われた(写真)。12月22日のパククネ政権による民主労総本部への強制捜索と破壊行為を弾劾し、鉄道労組ストライキと28日の民主労総ゼネストに断固として連帯する行動だ。
 緊急闘争にもかかわらず動労千葉、全国労組交流センター、全学連など60人が午前11時、「KTX民営化反対」「民主労総への弾圧やめよ」のメッセージボードを掲げ、東京・南麻布の韓国大使館前に登場した。警察権力による警備の阻止線を粉砕して申し入れ行動を貫徹し、「パククネ政権の労組破壊を許さないぞ!」と全員が怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。この闘いはインターネットを通じ韓国に届き、10万人が集まった12・28民主労総ゼネスト集会でも世界の闘いの一環として上映された。
 鉄道民営化を進めるパククネ政権と大激突している民主労総と鉄道労組の闘いは、世界の労働者・労働組合の感動と注目を集めている。すでにトルコを始め世界各地で民主労総への連帯行動が闘われている。
 27日の動労千葉の行動と連動して米サンフランシスコではスティーブ・ゼルツァーさんらが韓国領事館に対する抗議行動を闘った。また、昨年11月集会に来日し、訪韓闘争もともに闘ったドイツのクルト・シュナイダーさんらも12月20日、ベルリンのブランデンブルク門前で韓国鉄道労組・民主労総連帯闘争に立った。
 今こそ労働者階級の国際連帯の力で新自由主義を打ち破ろう!

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週刊『前進』(2615号1面3)(2014/01/13 )

 仲井真(安倍と会談し埋め立て承認)に怒り

 2千人が沖縄県庁ロビー占拠

 12月25日の安倍・仲井真会談で仲井真弘多沖縄県知事は「140万沖縄県民を代表して心から感謝し、お礼を申し上げる」と安倍に頭を垂れ、27日には米軍普天間飛行場の移設先として名護市辺野古埋め立て申請を承認するという暴挙に及んだ。
 「知事は県民の代表ではない!」「金で魂を売るのか!」「不承認!」「屈しない!」――安倍政権とそのお先棒を担ぐ仲井真への怒りが沖縄全島に渦巻いた。沖縄労組交流センターは仲井真弾劾にともに決起した。
 25日、1500人が沖縄県庁を包囲、27日には仲井真知事の記者会見に対し、2千人が県庁に詰めかけた。県庁前で開かれた抗議集会の後、県庁ロビーに座り込んで知事を待ち構えたが、仲井真は姿を現すことすらできなかった。
 昼休み時間の県庁前には、職場から駆けつけた労働者が次々と結集してくる。あるいは通りがかった青年労働者がそのまま包囲行動に合流しこぶしを振り上げる。小さな子ども連れの女性たちの姿も目立った。赤ん坊を胸に抱きながら「屈しない」というプラカードを掲げて唇をかみしめる若い女性。さらには学生もキャンパスから駆けつけて包囲行動に合流した。
 「われわれは今(政権の)応援団」(12・25安倍・仲井真会談)、「一方で国際情勢は緊張していると認識しており、沖縄は一定の役割を果たさなければなりません」(12・27知事コメント)。この仲井真の姿こそ、危機に立つ日帝・新自由主義と安倍政権の姿そのものだ。14年の沖縄闘争=安保・沖縄闘争はこれとの非和解的な激突段階に突入した。
 辺野古新基地建設は絶対阻止あるのみだ。普天間飛行場の辺野古移設の破綻性は、新自由主義の破綻と同義だ。96年SACO(日米特別行動委)最終報告以来の17年の闘いの歴史は、沖縄と全国の労働者階級が勝利してきた歴史であり、新自由主義の危機と破綻と崩壊の歴史そのものだ。
 世界大恐慌と「3・11」の時代とは、米帝を基軸帝国主義とする帝国主義の戦後世界体制の最後的な崩壊過程の始まりの時代だ。新自由主義の崩壊が残存スターリン主義の危機の爆発とともに、東アジア全体の革命情勢を急速に成熟させている。東アジアが新たな世界革命の突破口を開く時代が到来した。
 その最先端の攻防が国鉄決戦だ。鉄道民営化と対決する韓国の労働者階級のゼネストであり、辺野古新基地建設と闘う沖縄の労働者階級の闘いだ。沖縄の労働者階級と韓国の労働者階級の国際連帯の闘いが、東アジアを突破口とする世界革命の現実性をたぐり寄せている。「沖縄を『基地の島』から国際連帯の島へ!」の新たな挑戦をさらに前進させていこう。
 一切の鍵は、闘う労働組合が沖縄の階級闘争の最前線に躍り出ることである。新自由主義と闘い、基地労働者を先頭にすべての産別で闘う労働組合をよみがえらせる。また学生自治会の建設に挑戦していく。この闘いにますます確信を持ち、現代革命への新たな挑戦を開始しよう。
(写真 2000人が沖縄県庁ロビーを埋めた【12月27日】)

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週刊『前進』(2615号1面5)(2014/01/13 )

前進速報版

▼1・3民主労総ゼネスト決意大会@movie▼元旦、中国で昭平バス運転手が民営化反対一斉スト▼全国の郵政職場に元旦ビラ配布

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週刊『前進』(2615号2面1)(2014/01/13 )

 国鉄・反原発を軸に4大決戦で日帝・安倍政権打倒しよう

 都知事選に総決起し2014年勝利へ

 「鉄道ストライキはすでに勝利した! 今こそわれわれの出番だ!」。民主労総のシンスンチョル委員長は12月28日、民主労総ゼネスト決起集会に結集した10万人の労働者人民の前で、力強く宣言しました。韓国では鉄道労組による民営化阻止のストが23日間も闘われ、民主労総もゼネストに決起しています。韓国は、パククネ政権打倒からプロレタリア革命に向かう革命的情勢にあります。この大激動情勢下で行われる東京都知事選は、2014年決戦を左右する一大決戦です。革共同は、現代革命への挑戦をかけて都知事選を決戦として闘う決意です。

 韓国の階級闘争と民主労総ゼネスト

 韓国階級闘争は、民主労総委員長が勝利宣言を発したことに示されるように、パククネ政権打倒の歴史的大闘争へと全面的に発展しています。それは、民営化・外注化と新自由主義を粉砕し、プロレタリア革命に突き進む闘いです。12月ゼネストを闘った民主労総は、14年冒頭から第2波ゼネストに突入しようとしています。パククネ政権は、鉄道の民営化を突破口に公共部門の全面民営化を狙うとともに、鉄道労組の解体と民主労総そのものの解体を狙った攻撃を行っています。
 これはまさに、1980年代の日本の国鉄分割・民営化において、国鉄労働運動をつぶし、総評を解体したこととまったく同じ攻防です。これに対して、韓国鉄道労組は23日間のストライキを闘いぬき、民主労総もゼネストに決起して、パククネ政権の狙いを根本から打ち破り、逆にパククネ政権打倒のプロレタリア革命情勢を切り開いています。
 この闘いは労働者や労働組合がもっている無限の可能性を示しています。今やこの日本で、感動的な韓国労働者人民の闘いとひとつになって闘う時が来ました。動労千葉を先頭にした12・27韓国大使館抗議申し入れ行動に続き、民主労総ゼネスト連帯の1・13渋谷デモに大結集し闘おうではありませんか。
 現在の韓国階級闘争の歴史的な大闘争は、動労千葉と民主労総ソウル本部による10年間にわたる国際連帯闘争がつくりだしてきた地平そのものです。動労千葉が国鉄分割・民営化に2波のストライキで闘いぬき、JR体制移行後も外注化阻止・非正規職撤廃を真っ向から闘いぬいていることが、韓国階級闘争にも巨大な影響を与えています。韓国鉄道労組のストライキでは、「民営化は日本のJR北海道事故と同じことをもたらす」と、攻撃の本質が全面的に暴露されています。
 しかも民営化に対する労働者人民の怒りと結合して、鉄道労組のストを圧倒的に支持する世論が形成されています。韓国のメディアすら「単一労働組合が起こしたストライキによって民営化全般に反対する国民世論が形成されたという点で驚くべき事件だった」と報じているほどです。新自由主義の核心的攻撃である民営化攻撃に対して、絶対反対の闘いが労働組合を軸として闘われることで、全人民的な闘いへと発展し、革命的な大激動情勢を生み出しているのです。
 これは、民営化絶対反対で2波のストを打ち、それ以後、30年間も闘ってきた動労千葉の闘いの決定的意義を示しています。
 現在、世界大恐慌の継続・激化の中で、帝国主義国や新興大国が自己の生き残りをかけて世界市場と資源を奪い合い、特に鉄道・原発・水道・医療などのパッケージ輸出をめぐって大激突し、争闘戦を展開しています。またこれと一体で、国内に対しては全面的な民営化・外注化と非正規職化の攻撃が労働者人民に激しく襲いかかっています。
 これは今や全世界共通の階級的攻防です。韓国階級闘争が示したことは、民営化絶対反対の労働者人民の怒りと闘いが、全世界で必ず爆発するということです。日本でも国鉄決戦を圧倒的基軸に、民営化・外注化阻止、非正規職撤廃の巨大な闘いを爆発させ、プロレタリア革命への道を切り開きましょう!

 猪瀬打倒で首都は大激動情勢に突入

 2014年の闘いの大方針は、〈国鉄・反原発・改憲阻止・星野奪還>の4大決戦を大爆発させ、日帝・新自由主義と安倍政権を打倒することです。その当面する最大の闘いが1月23日告示、2月9日投票日となった東京都知事選挙です。われわれはこれに独自の候補を立てて一大決戦として闘います。
 国鉄決戦を先頭とした13年の労働者人民の怒りと闘いが、新自由主義と金権腐敗の東京都知事・猪瀬を打倒しました。東京都知事は日帝権力中枢の一角そのものであり、猪瀬打倒は安倍政権に巨大な打撃を与え、安倍政権は足元から危機と崩壊を深めています。猪瀬の無様な姿こそ安倍の姿であり、日帝ブルジョアジーの破綻した姿です。
 安倍と自民党は都知事選に公認候補を擁立することもできない破綻した姿をさらしています。日帝ブルジョアジーの統治能力は崩壊に瀕(ひん)し、民主党など他の既成政党も労働者人民への影響力を失っています。今や「首都大激動」の様相であり、日帝権力中枢の足元で革命情勢が急接近しています。
 この中で、安倍政権は特定秘密保護法や国家安全保障会議設置法の強行成立に続いて靖国神社参拝を強行し(安倍政権は逆に国際的孤立を深め墓穴を掘りました)、沖縄辺野古新基地建設、4月消費税8%強行、原発輸出・再稼働、TPP(環太平洋経済連携協定)推進、社会保障解体、民営化・外注化、労働者派遣法改悪、集団的自衛権行使など、大失業と戦争・改憲の攻撃に絶望的に突き進んでいます。
 しかし、こうしたすべての攻撃が労働者人民の怒りを爆発させ、革命情勢をいよいよ成熟させているのです。すでに沖縄辺野古新基地建設に反対して、沖縄県庁ロビーに2千人が座り込む実力闘争が闘われています。
 原発や安倍への激しい怒りが爆発する中で、スターリン主義・日本共産党は労働者人民の怒りと闘いを分断し、資本主義の枠内に押しとどめて圧殺しようとしています。だからこそ東京都知事選で、安倍政権と非和解で対決し、民営化・非正規職化や過労死と絶対反対で闘う候補が必要です。
 東京都知事選を決戦として闘い、国鉄・反原発決戦を軸に安倍政権に対する怒りを大爆発させましょう。1千万都民の怒りと結合し、階級的労働運動の前進をかちとり、労働組合権力を階級的労働運動派が取る時です。都知事選決戦のただ中で、国鉄新10万筆署名と動労千葉など3労組が呼びかける憲法改悪反対労組声明を全産別・労組と全戦線に押し広げ、安倍打倒へ進みましょう。

 労働組合権力奪取に向け革命的挑戦

 革命的大激動下で、国鉄決戦の勝利と職場拠点建設、労働組合権力の奪取にプロレタリア革命の成否がかかっています。韓国階級闘争が示したことは、80万人の組合員を組織する民主労総という階級的労働組合の存在意義です。国鉄・反原発・改憲阻止・星野奪還の勝利は、階級的労働運動の前進にかかっています。労働組合権力を階級的労働運動派が取ることに全力を挙げ、そこからすべての闘いを組み立てていく必要があります。
 労働組合権力を握るために、第一に動労千葉物販や国労原告団物販、国鉄新10万筆署名を武器に、職場に国鉄闘争を真っ向から持ち込むことです。1・22動労総連合の強制出向無効確認訴訟と国鉄新10万筆署名の最高裁への第1回署名提出行動へ、さらに2・16国鉄集会(東京・北海道・九州)へ向け、新10万筆署名を推進しましょう。
 第二に、反合理化・運転保安闘争路線と絶対反対論で、民営化・外注化阻止、非正規職撤廃、過労死・長時間労働粉砕を職場で闘うことです。14年春闘で、職場の怒りを丸ごと組織化する闘いに挑戦しましょう。
 第三に、『前進』と『現代革命への挑戦』を職場で活用し、労組活動家集団と職場細胞をつくりだすことです。職場に無数の『前進』読者会を組織しましょう。
 青年労働者の決起こそ、プロレタリア革命勝利の道です。青年労働者の怒りと闘いこそが体制内労組幹部を打倒し、労働組合権力を奪取する力です。特にJRの青年労働者の総反乱こそ、国鉄分割・民営化に革命的決着をつけ、プロレタリア革命に突き進む最大の力です。JR外注化阻止とライフサイクル粉砕闘争に決起し、動労千葉青年部長の北嶋琢磨君を2月1日に運転士に取り戻すためにともに闘おうではありませんか。
 昨年12月21日に逝去された三里塚反対同盟事務局次長・萩原進氏の遺志を継ぎ三里塚闘争の歴史的勝利へ闘いましょう。
 今こそすべての同志と活動家が労働組合権力に挑戦し、それと一体で革共同を労働者階級の党として強固に建設しましょう。『現代革命への挑戦』で武装し、革命的共産主義運動50年の地平からプロレタリア世界革命に向け驀進(ばくしん)することを訴えます。

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週刊『前進』(2615号2面2)(2014/01/13 )

 12・22革共同政治集会 青年・学生軸に大成功

 『50年史』武器に勝利へ団結

 12月22日、東京・北区赤羽会館で革共同政治集会が開催され、首都圏を中心に750人が結集した。集会冒頭、三里塚芝山連合空港反対同盟事務局次長・萩原進さんの急逝が司会の学生から伝えられ、参加者全員で1分間の黙祷(もくとう)を行った。集会は萩原さんの遺志と不屈の闘魂を断固引き継ぎ、勝利の日までともに闘う決意を参加者全員で打ち固める場となった。
 基調報告は「国鉄・反原発・改憲阻止・星野奪還決戦へ、青年労働者・学生の決起で新自由主義を打倒する!」と題して深田力同志(中央学生組織委員会議長)が提起した。
(写真 マル青労同の同志は「青年の指導部を全地区につくりだそう」と訴えた。最後に参加者全員でインターナショナルを斉唱【12月22日 東京・北区】)

 4大決戦貫き革命やりぬく

 「この11〜12月、安倍政権の戦争・改憲への動きが進み、それに対する数万、数十万の労働者人民の怒りが大爆発した。新自由主義の先兵=猪瀬が打倒され、首都は2月都知事選に向け政治決戦のるつぼになる。沖縄も辺野古新基地をめぐる決戦に入る。この決戦の最先頭で闘い、『国鉄・反原発・改憲阻止・星野同志奪還』の闘いを発展させよう」――革共同を代表した深田同志の訴えに、集会全体が決意をひとつにした。
 続いて深田同志は、集会の獲得目標として、@『改憲阻止・安倍打倒!新自由主義・日帝打倒!』の14年決戦に突き進もう、A獄中39年の星野同志を奪還する14年決戦にしよう、B“革共同50年史”である『現代革命への挑戦』を武器に、革共同を巨大な青年・学生の党として発展させよう――の3点を提起した。深田同志が『現代革命への挑戦』を掲げ、その最初のページに載った1985年11・28動労千葉ストライキの写真を紹介すると、大きな拍手が沸き起こった。
 深田同志は「革共同は〈国鉄決戦の党>であり、国鉄闘争に勝利して日本の労働運動の主流派になる党、国鉄労働者とともに革命をやりぬく党である」と強調し、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審の9・25判決について「国鉄分割・民営化の違法性・不当性を認めさせた。26年間にわたる1047名解雇撤回闘争は正義だったと認めさせた」と提起した。
 そして「世界大恐慌の深化は大失業と戦争、革命を生み出す」ことを確認し、14年決戦を「国鉄・反原発・改憲阻止・星野同志奪還」を四つの柱として闘うこと、革共同を「労働運動をできる党」へ飛躍させることを訴えた。そして当面する国鉄・最高裁決戦、3・11郡山集会、3・23三里塚全国集会(東京・芝公園)への総決起を呼びかけた。
 最後に『革共同50年史』を武器に青年・学生を獲得し、「党と労働組合の一体的建設」「『前進』1万人読者網と非合法・非公然党の建設」をかちとることを訴えて基調提起を締めくくった。

 青年と学生が集会の熱高め

 集会では革共同東京都委員会、関東地方委員会から報告と決意が表明された。東京都委員会の同志は「国鉄闘争を武器に猪瀬・石原・安倍を串刺しにして打倒し、革命的議会主義の真価を発揮して14年7月杉並区議補選を断固闘う」と決意表明。関東地方委員会の同志は「JR平成採の青年の獲得に革命の成否をかけて挑戦し、ライフサイクル粉砕決戦に必ず勝利する。14年決戦で労働組合の権力をとる」と力強く宣言した。
 特別アピールとして3・11郡山へのアピール、国鉄決戦へのアピール、マルクス主義青年労働者同盟とマルクス主義学生同盟・中核派からのアピールが行われた。
 集会の最後に決意表明として、全学連三里塚現地行動隊、闘う弁護士、革共同救援対策本部、自治体労働者委員会、教育労働者委員会、全逓委員会、合同・一般労組委員会、全学連、マル青労同の同志が発言に立った。三里塚現地行動隊の同志は、「萩原さんは最後の最後まで革共同とともにあった」と声をつまらせながら語り、3・23芝公園集会と市東さん裁判勝利への総決起を呼びかけた。マル青労同の同志は第10回大会の成功を報告し、「JRの中に青年労働者の指導部を建設する闘いに踏み出した。今こそ青年の指導部を全地区につくりだそう」と発言した。
 最後に参加者全員でインターナショナルを斉唱し、熱意にあふれた集会を締めくくった。

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週刊『前進』(2615号2面3)(2014/01/13 )

 北海道 歴史的な政治集会

 国鉄決戦をこの地で闘う

 昨年末、革共同北海道地方委員会は政治集会を開催した。国家権力との非妥協的闘いを貫き、反革命カクマルに勝利してきた地平を確認し、2・16国鉄集会を突破口に2014年決戦に総決起することを誓い合った。地方委員会からの基調報告、革共同中央を代表しての天田三紀夫書記長の講演に続き、自治体など各産別・各地区から決意表明を受けて歴史的な成功をかちとった。
 基調報告は、国鉄改革法を打ち破った9・25判決とJR北海道問題が示すように、国鉄決戦を軸に新自由主義攻撃を打ち破る「環」をつかんだと2013年を総括。国鉄決戦の前進で公務員決戦の開始にかみ合い、反原発決戦の爆発と一体で改憲阻止決戦への労働者階級の壮大な決起が開始され、労働組合をめぐる攻防という共通の課題で国際連帯闘争が成長し、沖縄闘争などあらゆる闘いが発展したことを鮮明にして、100万人の労働者人民と結合できる情勢が到来したことを確認した。
 労働組合を軸に発展し始めた国鉄闘争全国運動をさらに発展させ、労働者階級への信頼に立ちきり、党と労働組合の一体的建設へ、不断の自己変革で地方委員会を労働者階級の最高の団結形態としてつくり出そう、星野闘争を労働運動の課題にしようと提起し、圧倒的に承認された。
 天田書記長は「北海道での革共同政治集会の開催は労働者階級全体にとって決定的」とした上で、刊行された『現代革命への挑戦』を貫く核心点を、@日共スターリン主義、反革命カクマル、血債主義との闘いを通して労働者階級がマルクス主義を闘い取ったこと、A戦後日本階級闘争は国鉄を軸に闘われ、ついに国鉄決戦でプロレタリア世界革命を切り開く展望を握ったこと、B労働者階級が自己を支配階級として形成していく決定的武器として、労働組合の意義をつかみ取ったこと――と提起した。
 最後に天田書記長は、国鉄・反原発・改憲阻止・星野同志奪還で2014年決戦に総決起しようと訴え、参加者は確信と決意を深めた。

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週刊『前進』(2615号2面4)(2014/01/13 )

 解雇撤回・外注化粉砕を

 1・22総行動から2・16集会へ

 1月22日、外注化粉砕の動労総連合出向無効確認訴訟と「解雇撤回・JR復帰」最高裁署名の第1回提出行動が行われる。これは、解雇撤回・JR復帰と外注化粉砕をなんとしてもかちとる2014年の闘いの出発点だ。そして、鉄道民営化とゼネストで闘う韓国・民主労総との揺るぎのない連帯を貫く闘いだ。
 1・22総行動に大結集し、万余の署名を最高裁にたたきつけて、裁判所とJRを圧倒しよう。これを跳躍台に、国鉄分割・民営化による不当解雇から27年を迎える2・16集会を民営化・外注化阻止、非正規職撤廃に向けた大集会としてかちとろう。

 解雇撤回もぎり取る一歩手前に

 民主労総本部に数千人の機動隊を突入させたパククネ政権の大弾圧をはねのけ、民主労総は第2波、第3波のゼネストを構えて闘いを継続している。その闘いは韓国全土に民営化反対の世論を巻き起こす歴史的な事態を切り開いた。全世界の労働者を鼓舞する民主労総と固く連帯して闘おう。
 国鉄1047名解雇撤回闘争は、ついに国鉄分割・民営化を打ち破る展望をつかみ取った。JR不採用基準を国鉄幹部とJR設立委員会が綿密に打ち合わせて作成した決定的な証拠を見つけ出し、「国鉄とJRは別法人」のうそを暴き出した。そして、東京高裁・難波裁判長を、採用差別を不当労働行為と明確に認定せざるをえないところまで追い込んだのだ。
 労働運動が後退し、2千万人もの労働者が非正規職に突き落とされた。そのすべての出発点が1987年の国鉄分割・民営化だった。いったん全員解雇―選別再雇用方式、看板だけを掛け変えて「採用の自由」の名のもとに強行された得手勝手な解雇。これは、前年に制定された派遣法とともに全労働者への巨大な攻撃だった。それ以降、「国鉄方式」による攻撃で労働者の権利が奪われ、膨大な労働者が生きていくこともできない現実にたたき込まれた。
 この現実すべてをひっくり返すため、動労千葉とともに全力で解雇撤回をかちとろう。この二十数年、労働者が強いられてきた無念や悔しさ、怒り、そのすべてをたたき返す時だ。その闘いは同時に、安倍政権が現在進めようとしている公的部門の全面的な民営化と解雇自由・総非正規職化の攻撃を打ち砕くものでもある。すべての力を傾け、最高裁10万筆署名を集めきろう。1月22日、巨万の署名を最高裁に突きつけよう。

 外注職場の現実暴きJRと対決

 同日に行われる動労総連合出向無効確認訴訟も決戦を迎えている。当初、「反論の必要はない」「早く結審を」という態度だったJR側は、原告による職場の実態の具体的な暴露に対し、反論せざるをえなくなった。今回の裁判は、JR側のうそとペテンに満ちた反論を迎え撃ち、徹底的にJRと裁判所を追い詰めて反転攻勢に打って出る重要な闘いだ。傍聴に大結集しよう。
 JRの主張は許し難いうそとペテンに満ちている。昨年10月8日に幕張車両センターで発生したポイント割り出し事故について、JRは所定の手順に従わなかった労働者個人の責任であり、外注化は関係ないと言う。
 しかし、この事故は外注化が強行されていなければけっして起こらなかったものだ。これまでJRの労働者同士が直接連絡を取り合って行っていた業務が、外注化によりCTS(千葉鉄道サービス)の作業責任者を介して連絡を行わなければならなくなった。その連絡過程でのミスが事故の直接の原因だったのだ。
 密接に連動しながら列車を移動させなくてはならない現場の業務が、外注化によってバラバラにされ、互いに連絡を取り合うこともできない状態にされた。外注化が安全を破壊し、事故を引き起こしたことは明らかだ。しかし、JRは全責任を労働者個人に押しつけている。
 JR東日本はまた、JR北海道の安全崩壊について他社のことだから関係ないと開き直っている。しかし、外注化とコストカットによる安全の崩壊は、JR東日本でこそ起きてきた。2001年から線路の保守点検部門の全面的な外注化を強行し、徹底的に保守部門を切り捨てようとした。その後わずか5年でレールが次々と折れる異常な事態が引き起こされた。これに対し、動労千葉は不当処分を受けながらも闘い、数百キロにわたりレールを交換させた。
 JR東日本が北海道の安全崩壊と無関係を装えるのも、動労千葉の闘いがあったからだ。

 最高裁揺るがす巨万の署名を!

 JR北海道の現実は、外注化の矛盾とともに国鉄分割・民営化そのものの破綻を突き出している。極限的なスピードアップ、徹底した保守部門の切り捨て、全面的な外注化。そのすべては国鉄分割・民営化が元凶だ。そして、JRの外注化攻撃は「第2の分割・民営化」と言うべきものだ。
 動労千葉は国鉄分割・民営化に真正面から立ち向かい、団結を守り抜いて30年を超え闘い続けてきた。外注化攻撃と対決し12年にわたって阻止し抜いた。そして今、外注化が強行された職場から外注化を粉砕する歴史的な闘いを開始し、JR本体と外注先のCTSの双方で猛然と闘いに立ち上がっている。
 正規・非正規の分断を打ち破って組織と団結を拡大して闘うことは、誰もが必要だと分かっていながらできなかったことだ。この新たな挑戦と一体となり、解雇撤回・JR復帰まであと一歩に迫った1047名解雇撤回闘争が闘われている。
 2月16日は7628人の国鉄労働者がJR不採用=解雇を言い渡された、けっして忘れることのできない日だ。JRへの怒りを燃え立たせ、絶対に解雇撤回をかちとる決意を固めて闘いに立ち上がる日だ。1・22総行動から2・16集会へ全力で立ち上がろう。最高裁10万筆署名を貫徹し、解雇撤回・JR復帰をかちとって外注化を粉砕しよう。

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週刊『前進』(2615号2面5)(2014/01/13 )

【要項】外注化粉砕・1047名解雇撤回1・22総行動に結集を!

 外注化粉砕・1047名解雇撤回
 1・22総行動に結集を!

 ◎動労総連合 出向無効確認訴訟
 1月22日(水)午前10時30分から
 東京地裁527号法廷(午前10時集合)

 ◎裁判終了後、「解雇撤回・JR復帰」最高裁
 署名の第1回提出行動

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週刊『前進』(2615号3面1)(2014/01/13 )

 2・2橋下打倒集会へ

 現場労働者の階級的団結で民営化・外注化うち破ろう

 2013年、国鉄決戦が切り開いた闘いは階級情勢を大きく揺り動かし、新自由主義を打ち破って日帝・安倍政権を打倒する歴史的な展望をつかんでいる。動労千葉が「国鉄分割・民営化反対、1047名解雇撤回」を掲げ、反合理化・運転保安闘争路線を貫いてきたことが、不当労働行為を認めざるをえないところに裁判所を追い詰めた! 日本の労働運動のみならず世界の労働運動の歴史を塗り替えるこの地平は、労働者国際連帯とプロレタリア世界革命の巨大な展望を切り開いている。この国鉄闘争をもって全世界の労働者は階級としてひとつになれる!
(写真 昨年の9・29橋下打倒闘争。集会を打ち抜いた労働者が組合旗を押し立て大阪駅前へデモ)

 国鉄決戦を基軸に闘い労組拠点を建設しよう

 公務員決戦は本格的に始まった。橋下の民営化攻撃のみならず、東京・足立区を先端にした自治体業務を丸ごと民営化する攻撃も激化している。だが、これは偽装請負を不可避とするなど、それ自体、決定的な矛盾をはらむ。その矛盾を突いて絶対反対で闘えば、敵の攻撃を打ち砕くことはできるのだ。
 1〜3月国鉄決戦―3・11福島現地闘争を、現実の革命をたぐりよせる階級決戦として闘おう! 東京都知事選への挑戦は、労働者階級の根底的怒りと結合し、100万人の決起を実現する闘いだ。国鉄決戦を基軸に、党と階級の底力で、闘う労働組合の拠点建設と職場細胞建設を一体的にかちとろう。
 2・2橋下打倒集会をこの1〜3月階級決戦そのものとして闘おう。橋下による民営化との闘いは、3波にわたって大阪市役所を包囲する全国闘争として打ち抜かれ、闘う労働組合の旗を大阪市のど真ん中に林立させて民営化・外注化・非正規職化と闘う全国の闘いの最先端攻防として闘い抜かれてきた。「入れ墨調査拒否」「君が代不起立」を口実とした処分攻撃との闘いは、労働組合の団結権をめぐる攻防として闘われ、「一切は橋下市長による丸ごと民営化攻撃だ」と言い切って、現場労働者の団結を拡大しながら前進している。そして昨年の自治労大阪大会においては「大阪市労連の絶対反対で闘う労働者」が登場し、2・2集会の主催者として名乗りをあげている。

 「分限処分」攻撃に現場の反撃は始まっている

 追い詰められた橋下市長は「服務規律刷新プロジェクトチーム」なるものをデッチあげ、民営化に伴う解雇攻撃のリストをつくるために、なんと「半年の間に年次休暇を10日以上とった者」「不適切な休暇取得を行った者」は「分限処分の対象」として、市内のすべての小中学校に調査を行っている。そして大量の「指導研修」対象者を「勤怠不良」「懲戒処分の繰り返し」「低い人事評価」などを口実にしてねつ造し、「研修をやってもなお改善の見られない者は分限処分にする」としている。
 この攻撃を前に、体制内労組幹部は「勤怠不良が理由になっている以上、組合としては反対できない」として完全に屈服し、現場の怒りの炎を消して回っている! いったい何のための労働組合なのか!
 しかし、この攻撃に対して現場労働者はまったく下を向いていない。「指導研修」の現場では逆に怒りの声が公然とたたきつけられ、闘う団結が広がっている。研修現場では「首切りのための指導研修絶対反対」を訴えるビラが配布され、橋下の民営化攻撃への怒りが組織されている。処分攻撃や評価制度と絶対反対で闘い、「これこそが労働組合の闘いだ」として登場してきたことが、情勢を一変させているのだ。

 長時間労働と過労死を強いる体制内幹部倒せ

 今、長時間労働や団結破壊によって労働者を「過労死」させる攻撃が激化している。うつ病の発症や病気休職も「自己責任」とされ、処分や「指導研修」などあらゆる口実を設けて解雇が強行されている。この現実を許しているのが、資本や当局になり代わって「自己責任」を現場労働者に強制している体制内労組幹部だ。
 これまでの「労働運動の常識」ではこの攻撃と闘うことすらできない。
 「労働者には事故やミスの責任は一切ない」「病気に追い込んでいるのは資本による長時間労働であり団結破壊だ」と言い切り、職場で起こるあらゆる攻撃に絶対反対を貫いて闘う労働組合の闘いこそが、青年労働者をはじめ現場に渦巻く根底的な怒りと結びつき、新自由主義のすべてを打ち破ることができるのだ。動労千葉を先頭に国鉄決戦が生み出してきた反合理化・運転保安闘争が、すべての青年労働者の怒りを組織する歴史的地平を切り開いている!
 大阪市をはじめ関西各地での自治体職場や教育現場での民営化との闘い、倒産攻撃と闘う八尾北医療センター労組の闘い、関西合同労組における解雇撤回闘争の前進など、拠点職場における闘いが橋下・維新の会を追い詰め、支配階級を分裂状態にたたき込み、あらゆる民営化攻撃を破綻寸前に追い込んでいる。地下鉄・バス、上下水道、幼稚園などの民営化や、「府市統合」による研究機関の独法化などあらゆる攻撃が完全に暗礁に乗り上げている。
 一見激しいように見えた橋下による民営化攻撃も、その核心が労働組合つぶしであり、団結破壊にあることをつかみ、ここに最大の弱点があると見すえて闘った時、逆に現場の団結を拡大し、この団結の力が橋下の民営化攻撃をボロボロになるところまで追い込むことができるのだ。

 国鉄最高裁決戦を勝利の土台に

 国鉄決戦はまさにこのことを実証している。国家の総力を挙げて強行された国鉄分割・民営化は、闘う労働組合・労働者を国鉄職場から排除することを目的とした。そのために国鉄幹部とJR設立委員は謀議を重ねて動労千葉組合員をJR不採用とするための基準を作った。だが、この不当労働行為を居直りきるためには、あくまで「国鉄とJRは別法人」という虚構を押し通すことが必要だった。
 しかし、動労千葉は鉄建公団訴訟でJR不採用基準が当時の国鉄職員局次長・葛西敬之(現JR東海会長)とJR設立委員長・斎藤英四郎らによって策定された事実を暴いた。9・25東京高裁判決は、ついにその事実を実質的に認めてしまった。ならば、解雇撤回・JR復帰という結論しかないところにまで反動裁判所を追い詰めたのだ。その勝利の上に、国鉄決戦は最高裁に解雇撤回判決を迫る最大最高の攻防に突入した。
 動労千葉は、外注化をめぐっても、敵の最大の弱点は外注化後も団結を維持して闘い抜く動労千葉の存在自身にあることを鮮明にして、外注化粉砕に立ち上がっている。
 絶対反対で闘えば勝てる! この確信をもって2014年前半の階級決戦に打って出よう。2・2橋下打倒集会を、青年労働者を先頭にして新自由主義を打ち砕き、未来をたぐりよせる“勝利集会”として成功させよう!

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週刊『前進』(2615号3面2)(2014/01/13 )

 羽越線事故8年 JRは責任を取れ!

 新津車両製作所の子会社化反対 新潟で集会とデモ

 羽越線事故から8年目の12月23日、みぞれが降る中、約50人の労働者が結集し「JRは羽越線事故の責任を取れ!」「新津車両製作所の子会社化反対!」「『経営構想V』打倒!」「国鉄1047名解雇撤回!」のシュプレヒコールを新潟駅周辺に響かせた。また、動労千葉の鉄建公団訴訟最高裁署名も1時間余りで119筆が集まった。
 午後からは「羽越線事故8周年弾劾!新津車両製作所の子会社化反対!JRは全解雇者と全出向者を戻せ!12・23集会」が開催された。
 冒頭、新潟県労組交流センター顧問であり、国労新潟地本元副委員長、動労千葉鉄建公団訴訟控訴審署名呼びかけ人として活躍された高山克己さんと、三里塚反対同盟事務局次長の萩原進さんの急逝を悼んで黙祷(もくとう)を行った。次に新潟県労組交流センターの青年労働者が、9・25動労千葉鉄建公団訴訟控訴審判決の意義を明らかにした。
 新津車両製作所とグループ企業で働く労働者が登壇し、「子会社化で今の仕事に嫌気がさしている仲間も出ている。これが本当に大変で深刻な事態」「子会社化はほんの少しの会社幹部のためで、私利私欲だ」「徹底的に反旗を翻す」と怒りをあらわにした。
 続いて「郡山総合車両センターにおける外注化と被曝労働との闘い」と題して国労郡山工場支部の橋本光一さんが講演した。橋本さんは「外注化で車両の品質が低下した。外注先の下請け会社は正社員を増やさず、孫請けに出している」と実態を明らかにし、13年6月の倉庫業務の外注化に対して「国労が絶対反対を掲げ、当該の組合員が出向を拒否して阻止した。しかも出向者も戻した」と、労働組合が反対すれば外注化は阻止できることを力強く語った。
 7〜8月の被曝労働との闘いは、国労本部・仙台地本が闘いを放棄する中で、支部が絶対反対を貫き、現場組合員が生き生きと管理職を追及して闘い、青年労働者の期待が集まっていることも明らかにし、外注化・被曝労働絶対反対の闘いで「自分が変わることで組合員も変わり、労働組合も変革することで社会も変革できることをつかんだ」とまとめた。そして「3・11反原発福島行動14」への結集を訴えた。
 決意表明では、国労組合員資格確認訴訟を闘う小玉忠憲さんと成田昭雄さんが登壇し、2・16国鉄集会への結集を訴えた。国労貨物の組合員は年末手当1・3カ月という超低額回答を弾劾し、利潤拡大のために労働組合を無力化しようとする資本と闘うことを明らかにした。またJP労組の青年労働者は「われわれは負けていない! 来年が勝負だ」と発言した。
 最後に星野文男国労新潟県支部執行委員が、「2014年は第2の分割・民営化との決着をかけた決戦だ。新津車両製作所分社化・子会社化反対と1047名解雇撤回へ総決起しよう」とまとめ、坂場信雄動労千葉を支援する会・新潟代表の音頭で団結がんばろうを三唱した。
 (新潟・M)
(写真 集会に先立つデモで新津車両製作所子会社化反対の声を新潟駅周辺に響かせた【12月23日】)

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週刊『前進』(2615号3面3)(2014/01/13 )

 郵政職場に闘いの機運

 元旦ビラ 例年を上回る反響と共感

 全国労組交流センターの仲間は、今年も全国の主要郵便局への元旦ビラ配布を行った。“郵政職場に必ず闘う労組拠点をつくろう”と、まだ薄暗い時間から各局の門前や通用口の前に立った。「元日からご苦労様です」と配布したビラは全逓労働者部会・郵政非正規ユニオン・各地区の合同労組のビラなど、東京都内だけでも計1万枚以上だ。
 今年は郵政労働者の反応がこれまでにも増して良くなっている。A郵便局では出勤してきた労働者のうち8〜9割がビラを受け取った。B局では通常配布している枚数の2倍近くのビラが手渡された。ビラが足りなくなった局もあったほどだ。さらに幾人もの労働者との交流が実現した。
 郵政非正規ユニオンの旗を見たアルバイトの青年が近づいて来て、労働組合の話となったのはC局。D局では普段のビラまきで顔見知りになった労働者が「今年もよろしく」と笑顔でビラを手にし、「今年はどう闘っていくんですか?」と質問を寄せ、会話となった。「正月からご苦労様です」と受け取っていく労働者。「寒い中、頑張っていますね」と声をかけてくる女性労働者。バイクを止めて手を差し出す労働者。
 日本郵政の西室泰三社長は株式上場の時期を2015年秋から春に前倒しする方針を明らかにした。そのもとで利益を上げることが一切に優先され、郵政職場は今、人減らし合理化と非正規職化がさらに進んでいる。超勤の常態化、命を奪うほどの深夜勤、悪名高い自爆営業の強制、パワハラ、スキルダウン、雇い止め。その現実の中で、交通事故、誤配が頻発している。郵政資本はその責任を労働者に転嫁し、それをもテコに団結破壊を狙う攻撃を進めている。その結果、メンタル疾患、過労死、自殺に追い込まれている労働者が少なくない。
 郵政労働者の中に怒りがあふれ、“もうこれ以上我慢できない”と、闘いの機運が盛り上がっている。昨年8月のJP労組大会で、「新人事・給与制度」の妥結・承認案に3割近くの反対票が投じられたのはその証しだ。2011年3・11以来の反原発の闘い、昨年の特定秘密保護法反対の闘いの爆発、改憲決戦情勢は郵政労働者の階級意識をも急速に高めている。今年の元旦ビラ配布への反響の大きさは、全逓部会と郵政非正規ユニオンへの期待の大きさを示すものだ。
 職場の仲間に国鉄新10万筆署名への協力を要請し、『前進』を持ち込み、職場から闘いをつくり出そう。郵政非正規ユニオン1千人建設を成し遂げよう。「過労死を許さない!」14春闘を成功させ、全国の郵政職場で労組拠点建設に向かって突き進もう。

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週刊『前進』(2615号3面4)(2014/01/13 )

 水平同盟とともに闘う

 東日本解放共闘 総会開き新たな出発

 12月21日、部落解放東日本共闘会議の総会が東京・杉並産業商工会館で開催された。労働者・学生ら64人が結集した。回を重ねること22回。昨年結成された新自由主義と闘う部落解放の新組織、全国水平同盟とともに闘う共闘会議として新たに出発する歴史的な総会となった。
 司会の婦人民主クラブ全国協議会の仲間が開会を宣言し、主催者あいさつを議長の田中康宏動労千葉委員長が行った。
 田中さんは、解放共闘結成以降に労働運動と部落解放運動に起こった路線的分岐について、「この時代を労働者階級解放のチャンスとして立ち向かうかどうかだった」と総括。そして、国鉄闘争全国運動の立ち上げと昨年7月の全国水平同盟結成の意義を語り、「国家権力・資本に真正面から対決する中から部落完全解放、狭山闘争勝利の道を歩む」と進むべき方向を示した。
 全国水平同盟西郡支部のメッセージが紹介され議案の提案に移った。
 13年の活動報告を岩本正治事務局長が行った。「なんと言っても全国水平同盟の結成、水平同盟杉並支部の結成をともに闘いとり、狭山闘争の前進をかちとった」と勝利感に満ち報告した。
 14年の闘いの方針は大西文夫事務局次長が提起した。大西さんは、まず安倍政権による秘密保護法の強行採決を徹底弾劾、「帝国主義戦争とは賃金奴隷制を強化し延命させるための戦争だ」と断じた。国会前の闘いや鉄道民営化にストで立ち向かう韓国労働者階級、鈴コンや小竹運輸の闘いに触れ、「体制内派の制動をのりこえて労働者階級は決起を開始している。国鉄闘争を軸にすべての闘いを新自由主義に対する闘い、革命の決起として爆発させよう」と呼びかけた。
 全国水平同盟の結成を「資本主義に対して『生きさせろ!』の怒りを解き放ち、労働者階級全体の利害に立って闘う真に階級的な地平を獲得している」ととらえ、共闘していきたいと提起すると、会場から感動と決意を込めた大きな拍手が起こった。演壇に掲げられた真紅の解放共闘旗と水平同盟ののぼりがひときわ鮮やかさを増した。
 狭山第3次再審闘争の勝利に向けた決議案の提案に続き、星野再審全国連絡会議の星野暁子さんが連帯のあいさつに立った。
 質疑と討論では会場から次々と発言が続いた。動労千葉の後藤俊哉さん、2・23いわき現地闘争を呼びかけた動労水戸の石井真一委員長、東京労組交流センターの小泉義秀事務局長、同じく東京東部の労働者、全学連の坂野陽平書記長が闘争報告と決意を述べた。8月に結成された全国水平同盟杉並支部の狩野正幸書記長は、非正規職労働者の闘いと一体で闘うと決意表明した。
 岩本事務局長がまとめ、役員人事案を提案。議案と狭山決議案とともに満場の拍手で採択された。最後に閉会あいさつに立った杉並支部の田中れい子支部長の音頭で団結ガンバローを行った。
 自己解放性にあふれ、階級的労働運動の爆発的発展の扉が押し開かれたことを実感させる総会として大成功を収めた。
(写真 解放感に満ちあふれた総会【12月21日 杉並区】)

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週刊『前進』(2615号3面5)(2014/01/13 )

 闘いは進む 青年の職場から

 合同労組 過労死阻止で組合をつくることが私の14春闘

 東京 三好朋広

 私はいま民間の中小企業で働いています。労働組合はありません。就業規則すら社員に満足に周知されておらず、しかも賃金規定の抜け落ちているでたらめなものです。経営者は「『コンプライアンス』の正しい翻訳は『身の丈に合った道徳』」などと得意げに言い放ち、労働者のことなど、はなから眼中にありません。やりたい放題のふざけた経営者です。
 職場はどの部署も人員不足です。いくらやっても仕事は終わらず、期限に間に合わせようとすればミスや不備が発生し、「自己責任」として恫喝される。当然、人間関係も悪い。「人間関係が悪いのは仕事ができないせいだ。生産性を上げろ」と社長自ら暴言を吐く始末。
 私自身、1日4時間以上は超過勤務をし、それでも仕事は片付きません。その上、「残業代がかさんできている。今の半分にしろ。それでも改善しないなら休日出勤しろ」と先日上司から恫喝を受けました。誇りもヘッタクレもありません。
●1日14時間労働。労働者にも生活があるんだ!
 私は好きこのんで1日14時間以上も職場にいるのでしょうか。仕事中はいつも余裕がない。エレベーター待ち、信号待ちで意識が飛ぶほど疲れ果てている。それは私の責任なのでしょうか。私は仕事のできないポンコツなのでしょうか。冗談じゃない! 断じて否だ。
 仕事が終わらないのは人員・人件費削減を進める資本の責任です。その結果、過重労働が課され、肉体的精神的に消耗させられる。日付が変わる頃に帰宅した労働者に生活なんてあるのか? 生活を崩された対価が数万円の残業代。やつらはこれすら出し渋る。生産性を上げたところで待っているのは退勤ではなく、さらに「効率よく」こき使われる未来だ。怒りに堪えない。
 ストライキ会議(首都圏闘う労働組合「生きさせろ!」会議)の14春闘統一スローガンに「過労死絶対阻止」が結実したことは闘いの前進の必然だと感じています。生活のために働いているのに働いて死ぬ――この矛盾を資本が強制しているのであって、それは200年前からそうだった。1ミリの正義もない。過労死・過労自殺を根絶する力は労働者に、労働組合にこそある。
 全世界の過労死・過労自殺予備軍の状況下にある仲間に、自分もその1人として訴えたい。「労働力商品であることをやめよう! 団結して闘おう!」と。われわれ労働者は資本のために過労死する義理はない。社長の財布をチャージするために働いているんじゃない。生きるために働くことが圧倒的に正義なんだ。
 破綻した新自由主義にとどめをさすのが14春闘です。私の会社の絶望的な姿は安倍をはじめ全資本の姿です。私自身の14春闘は「職場に労働組合をつくる」です。このことに本格的に踏み出す決意です。資本の都合で死んでたまるかよ。これ以上ブルジョアジーの好きにはさせない。ともに闘いましょう!

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週刊『前進』(2615号4面1)(2014/01/13 )

 日帝・新自由主義=安倍打倒へ闘う

 首都大激動の14年決戦に『50年史』武器に躍り込む

 革共同東京都委員会

 東京都委員会より「首都大激動」の2014年を闘う決意を明らかにしたい。

 革命勢力の登場が今こそ必要だ

 東京都委員会は革共同政治局の1・1アピールを全面的に実践し、国鉄・反原発・改憲阻止・星野文昭同志奪還の4大決戦と日本帝国主義・安倍政権打倒闘争の最先頭に立つ。国鉄決戦を軸とする14春闘―3・11反原発福島行動(郡山)に総決起する。首都の階級闘争に責任を取る東京都委員会の闘いは『現代革命への挑戦』―革共同50年史を血肉化する闘いそのものだ。全国の同志、闘う仲間と固く団結して闘っていく。その突破口は2・9東京都知事選決戦だ。都委員会はこの一大階級決戦―首都大激動に躍り込み、闘う。
 12月18日に東京都知事・猪瀬直樹が辞職し、2月9日が都知事選となった。都政史上最高得票を獲得して当選してからわずか1年、首都の最高権力者が辞職した。この事態は日帝・安倍政権を直撃している。首都の権力構造の崩壊は日帝の権力構造そのものの崩壊を突き出している。革命勢力の登場が求められているということだ。
 猪瀬の金権腐敗体質は、国鉄分割・民営化を突破口とする民営化・外注化・非正規職化攻撃が生み出した利権構造が露呈したものだ。それは日帝の危機突破をかけた新自由主義によって醜悪に育成されてきた。猪瀬直樹は前都知事・石原慎太郎自身であり、安倍晋三自身だ。都知事選を石原―安倍と串刺しにして弾劾・打倒する闘いにする。それはまた利権にどっぷりと浸かった新自由主義を根底から批判・打倒する闘いでもある。
 連合東京の政治的求心力と現場支配力は、参院選での山本太郎氏の勝利と民主党候補の敗北、都知事選で支持した猪瀬の辞職が示したとおり、完全に崩壊している。今こそ都労連(東京都労働組合連合会)に結集する労働者とともに闘おう。
 その鍵は国鉄決戦だ。国鉄闘争100万人支援陣形の大結集をかけて、国鉄新10万筆署名―国鉄闘争全国運動をあらゆる職場で推進する。東京都庁に階級的労働運動の拠点を建設し、安倍政権打倒の出撃拠点としよう!
(写真 昨年11・3全国労働者総決起集会の後、青年労働者を先頭に銀座デモに打って出た東京の労働者たちのデモ隊列)

 日共の抑圧と分断を打ち破れ

 首都大激動は安倍政権の危機をますます深めている。秘密保護法制定阻止の闘いは、山本太郎氏の参院選大勝利を引き継ぐ闘いとなり、安倍政権の権力基盤の脆弱(ぜいじゃく)性を明らかにした。連合や社民党などの制動が完全に空洞化・崩壊したことにより、国会前に詰めかけた4万人の労働者民衆には解放感が満ちあふれ、「闘いはこれからだ! 安倍政権打倒だ!」という地響きがとどろいた。
 他方、日本共産党スターリン主義が主導する請願デモに抑え込まれている労働者民衆の数も今なお膨大だ。スターリン主義反革命としての本質をますますあらわにする日共との職場・生産点での党派闘争に勝ちきり、階級的労働運動の拠点を建設しよう。その焦点は国鉄決戦であり反原発闘争だ。スターリン主義打倒なくしてプロレタリア世界革命の勝利なし。2014年は革命的共産主義運動の正念場だ。

 14春闘―3・11福島現地行動へ

 安倍政権の脆弱性を規定しているのは世界大恐慌のさらなる深化だ。超金融緩和政策は超インフレと国債暴落、国家財政の破産へと導く。さらに中国や北朝鮮、東アジアにおける戦争切迫情勢がある。安倍首相の靖国神社参拝強行は絶望的で凶暴な改憲・戦争攻撃であり、14春闘―3・11福島行動と真正面から激突せざるを得ない。さらに4月の消費税率アップ、介護保険制度改悪などの生活破壊攻撃が続き、労働者民衆の怒りの爆発は不可避だ。安倍政権打倒の情勢は煮つまっている。問われているのは都委員会の闘いなのだ。
 都委員会は東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会闘争を先頭に、非正規職労働者の組織化を大前進させてきた。その闘いはSTRIKE(首都圏闘う労働組合「生きさせろ!」会議)の始動に見られるように、青年労働者の組織化の闘いと一体だ。鈴コン闘争の意義は、あらゆる闘いの場面で徹底して『前進』で勝負してきたところにある。青年労働者の組織化とその指導部建設が地区党建設の不可欠の環であることを鮮明にして、都委員会は党勢拡大闘争を全力で闘う。
 都委員会は革共同の先頭で都知事選闘争に総決起する。その中においても、革命的議会主義50年の総括をかけて『前進』拡大と地区党細胞建設で勝利を実現する。自治体関連の非正規職労働者を始めあらゆる職場に国鉄新10万筆署名・物資販売を持ち込み、東京西部ユニオンを始め階級的労働運動の拠点を建設する。また反原発闘争をさらに前進させ、NAZEN(すべての原発いますぐなくそう!全国会議)杉並を戦闘的大衆運動の一大拠点として建設する。
 東京都委員会は、反帝国主義・反スターリン主義、プロレタリア世界革命実現のために全力で闘う。ともに闘おう!

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週刊『前進』(2615号4面2)(2014/01/13 )

 「労働組合権力を取る」を合言葉に青年先頭に挑戦

 革共同関東地方委員会

 関東地方委員会の歴史は「革共同50年史」の核心部の歴史そのものです。革共同創成期における神奈川・京浜工業地帯と千葉・京葉の鉄路での三全総路線の実践をもって地区党建設を開始しました。その力が1970年安保・沖縄決戦を準備しました。これは、戦後革命に続いて革共同が本格的にプロレタリア革命に挑んだ闘いでした。
 71年11月14日沖縄返還協定批准阻止闘争は権力の最後の砦(とりで)・機動隊政治を打ち破りました。無実の星野文昭同志に対する獄中39年の攻撃とスパイ荒川碩哉の育成は、革命の現実性に対する日本帝国主義の恐怖の表れです。
 関東地方委員会は、星野同志を始めとして自らが先端で押し開いた70年闘争に対する反動としての反革命カクマルの襲撃、国家権力の弾圧との死闘を闘いぬき、今日の情勢を引き寄せました。13年のスパイ荒川の摘発・粉砕と、階級的労働運動の前進と一体で進む星野奪還闘争の連続決起は、敵の思惑を粉々に打ち砕きました。
 安倍政権の改憲策動と特定秘密保護法制定は革命をめぐる問題です。この時に「護憲」的なものの対置は闘いを敗北に追いやるだけです。昨年11〜12月の秘密保護法制定阻止闘争は旧来の「護憲」的思想の天井をぶち抜き、ここに労働組合の隊列を登場させるという勝利の展望を示しました。関東地方委員会は、日帝・新自由主義と安倍政権打倒へ、国鉄・反原発・改憲阻止・星野奪還の14年決戦の勝利の牽引(けんいん)車となって闘うことを誓います。

 動労千葉・水戸・連帯高崎と共に

 帝国主義は74―75年恐慌をへて新自由主義攻撃を始めます。80年代の国鉄分割・民営化攻撃こそ、改憲を含む彼らの唯一の生き残り策でした。関東地方委員会は国鉄・三里塚決戦の真っただ中ですべての国鉄労働者の中に分け入り、労働者と一体となって動労千葉の渾身(こんしん)の決起を守り、動労水戸・動労連帯高崎を生み出しました。これを可能にしたのは72年船橋事故闘争や79年動労千葉分離独立闘争から始まる労働者自己解放闘争と、現場に根ざして労組権力を取るプロレタリア革命の思想と実践でした。
 13年、ついに9・25判決をかちとり、国鉄改革法をあと一歩で食い破るところまで来ました。労働者派遣法を始め全悪法の根っこが崩壊しようとしています。動労水戸と国労郡山工場支部の外注化阻止・被曝労働拒否の闘いは、原発廃炉の展望をこじ開けています。
 JR東日本会社が、子どもたちを原発まで20`余りの広野駅まで運ぶ「ポケモン列車」を発表しました。福島圧殺攻撃の先兵です。東労組も国労もこれに屈しています。2・23いわき闘争から3・11反原発福島行動(郡山)に攻め上ろう!
 関東地方委員会は昨年12月の革共同政治集会で、14年、「労組権力を取る」を合言葉に闘うと宣言しました。青年労働者を先頭に一層の団結を固め、地区党の正面課題としてこれを必ず実現しよう。そのために職場に『前進』1万人読者網をつくろう。権力と資本から防衛された非合法・非公然の党を建設しよう。
 今、青年労働者が生きていけない現実があります。4月1日消費増税だけではなく、年金や生活保護削減、住民税や保険料の引き上げなど全世代に攻撃がかけられています。安倍の戦争攻撃とどう闘うのか。どう生活を守るのか。どうしたらその責任が取れるのか。求められているのは勝利の実践方針です。それは組合権力を取ることです。
 関東地方委員会は06年の「党の革命」完遂の責任を引き受けて闘ってきました。これが13年、前進社神奈川支社を建設し、現場労働者への弾圧をすべて粉砕し勝利した力の根源です。その自己解放的決起の力を思う存分発揮して、動労千葉・動労水戸に続く労働組合の拠点を建設します。

 韓国鉄道労組・民主労総と連帯

 韓国鉄道労組は民営化阻止ストを12月9日から22日間にわたって闘いぬき、プロレタリア世界革命の現実性を示しました。12月22日の民主労総本部事務所への暴力的襲撃・事務所破壊と組合員130人の不当逮捕、7千人への懲戒処分をはね返して28日にゼネストを貫徹しました。この闘いが韓国の青年・学生の心をつかみ、ストライキの間中、全国各地の駅で「民営化反対・スト支持」1人デモやキャンドル文化祭が行われ、各大学でストを報じ「お元気ですか」と激励する壁新聞が掲示されました。
 朝鮮半島では今日、韓国・パククネ政権も北朝鮮スターリン主義も、戦争の恫喝で労働者を支配しようとしています。長期スト貫徹とその収束、1月再度のゼネストをやる実力を持つ労働組合が全人民を組織してプロレタリア革命に向かう1917年のロシアのような情勢が、14年の東アジアで始まったのです。
 13年の闘いが壮大な展望を切り開いたがゆえに14年、飛躍に次ぐ飛躍が求められています。関東地方委員会はすべての課題を引き受け、全党の同志とともに闘います。

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週刊『前進』(2615号4面3)(2014/01/13 )

 機関紙活動の教訓と課題

 『前進』拡大の日常活動を土台に「現代革命への挑戦」を開始する

 革共同東京都委員会

 『前進』こそ国鉄・反原発闘争の組織者

 昨年末から本年冒頭の東アジアを焦点に世界的な階級的激動が起こっている。『前進』新年号の革共同政治局1・1アピールの提起する時代認識のとおりである。
 わが東京都委員会は昨2013年、年間をとおして、動労千葉との団結の強化、産別を越えた階級的労働運動の匍匐(ほふく)前進とも言うべき闘いにおいて、常に『前進』を土台とした地区党・労働者細胞の日常的な必死の活動を貫いてきた。春闘過程から夏、秋にいたるまで、幾重にも折り重なった多くの職場闘争、国鉄闘争、反原発闘争の最大の組織者は『前進』であった。
 この過程で都委員会は、革共同中央および全国の仲間とともに日帝国家権力中枢のスパイ・荒川を摘発し打倒した。このことを暴いた『前進』は通常をはるかに超える部数が労働者階級人民のもとに配布された。重要なことは、この勝利が労働者細胞の勝利であり、その総括を階級的・路線的に打ち固めて国鉄決戦として貫いたことだ。
 こうして切り開いた階級的時間・空間は、7月参院選における山本太郎氏の決起とその勝利をもテコに、3・11情勢と対決する100万人―1千万人の決起の現実性を示した。
 同時に新たな職場拠点建設の目的意識性を貫く活動に挑戦し、青年を先頭とする労働運動指導部建設への重要な教訓を得てきた。動労水戸と国労郡山工場支部の被曝労働との職場からの対決は、さらに奥底から激震をつくった。7月には『前進』の職場における活用が転換的に強まり、街頭販売・宣伝紙配布の部数は従来のけたを超え、夏の反原発・反戦・反核闘争、4大産別大会闘争へと発展した。
 2013年の闘いは、ついに国鉄1047名解雇撤回闘争をめぐる動労千葉鉄建公団訴訟9・25東京高裁判決の地平をとおして、国家中枢とJR資本を解決不能な危機にたたき込み、11・3全国労働者総決起集会におけるかつてない強力な団結力へと結実した。
 日帝国家権力の治安弾圧を始めとする凶暴な攻撃は逆に敵の危機に転化すること、労働者は職場の階級的団結により敵を追い詰めて必ず勝てること、階級の指導部を生み出し強めることを示した。党と労働組合を一体的に建設する一歩一歩の中に、強大に見える権力中枢の弱点を暴き打倒していく力が育まれた。
 秘密保護法と国家安全保障会議設置法の制定強行を始めとする安倍の暴挙は、根底において打ち砕かれている。改憲阻止決戦への歴史的突入の中でわれわれは、国境を越えた労働者階級の底の底からの怒りの充満と結びつく意欲と限りない展望を手中にした。秘密保護法制定阻止闘争の過程で、『前進』11・3集会報道号、11月訪韓闘争特集号は、闘争現場や労組集会で何度も短時間のうちに数十部が販売された。ある職場では3けたの労働者に『前進』が配布された。
 こうした13年の階級的土台の強化の上にたぐり寄せた国鉄決戦・反原発決戦の質的飛躍が、ついに敵支配階級の危機と分裂を拡大している。小泉・石原・安倍の民営化攻撃の先兵となってきた金権腐敗の都知事・猪瀬の打倒は、日帝・安倍自民党政権の後のない情勢を開いた。この政治的大激動を階級的・集団的に組織する位置に『前進』はある。われわれは激動の火点で、なおかつ労働組合拠点建設、階級の指導部建設、細胞建設の要として『前進』の販売を大胆に拡大する重要な実践とその手応えをつかんでいる。

 労働者先頭に担当者会議を意識的に開催

 東京都委員会はこの1年、新たな体制で機関紙担当者会議を開始してきた。会議を目的意識的に開催し、自ら生み出した激動情勢に分け入って、党と労働組合の一体的建設の核心的闘いとしてある機関紙活動のさらなる実践の分厚いサイクルをつくるためにさらに総決起する。2014年のとりわけ1〜3月は大決戦である。都知事選情勢の中で、全国・全世界の仲間との真の階級的団結の形成と労働組合拠点建設の大前進を導く日常的・土台的活動こそ、『前進』1万読者網を建設する闘いである。
 闘いの教訓と課題を確認したい。
 第一に、機関紙担当者会議の開始、各地区委員会・細胞での機関紙活動をめぐる討議を、これまでとは一変して目的意識的にかちとってきた。拠点政策・職場闘争の現場攻防にとって最も鋭く問われるのは時代認識と路線である。各地区・細胞で実践をめぐる討論が時代認識と路線を一層深めて強力な一致と団結をつくり、機関紙活動の前進、拡大闘争が激烈に始まっている。労働者党員が機関紙担当者になった組織がその先頭に立っている。
 古参の同志も青年同志も今、経験や産別、闘う現場の違いを超えて、より強靱(きょうじん)な団結を求めている。「一人の決起」を守りぬき、団結して闘う力への確信を一層固めていこう。『前進』を使った政治討論の持つ力をますます豊かに発展させていくことが必要だ。今日においては、青年を始め労働者、活動家が時間を決めて集まり、集中して政治討論をすること自身が従来にも増してきわめて目的意識的で創造的な活動であり、闘争である。
 第二に、『前進』を軸につくられる団結こそ、長時間労働・低賃金を強制し過労死や精神疾患にまで追いやる資本と対決する青年労働者を獲得する力を持っているということに確信を持ち、一歩も退かずに資本との闘いを継続・発展させ、力関係を変え、団結を拡大しよう。労働者階級への信頼と確信こそさらなる闘いを展望させ、闘いの総括がさらにマルクス主義を生き生きとよみがえらせる。14春闘に向けて、国鉄闘争新10万筆署名・物資販売を武器に解雇撤回、外注化・非正規職撤廃、長時間労働・過労死粉砕、大幅賃上げの闘いの先頭に立ち、その闘いと『前進』は直接結びつくということに確信をもって突き進もう。

 配布網の確立は組織建設の闘いそのもの

 第三に、月曜配布体制を始めとした配布網確立・再確立は、それ自身が権力・資本から防衛して闘い取る独自の系列づくり、組織建設そのものである。大胆で自己解放的な職場活動の基底には、原則的な機関紙配布活動の継続とその強化がある。
 1万人読者網の建設とは、職場拠点を中心に党と階級が、個々には小さな反復的な活動を縦横無尽の一個の巨大な細胞活動にまで発展させることでもある。それは権力や資本、その先兵たちにうちかっていく豊かな力を党と労働組合、労働者階級の中に必ず生み出す。それはまた団結と組織の必要性、指導部建設、財政闘争もとおして階級の指導部をつくる闘いである。
 第四に、挑戦すべき課題は、細胞の団結力に依拠して猛然と拡大闘争にうって出ていくことである。
 『前進』の大胆な拡大はまったく可能だ。「3・11世代」は全世代にまたがり「戦線復帰」も相次いでいる。11・3集会以降、月々で使われたバラ売り・宣伝紙の部数は定期購読数より多い。街頭で次々販売する同志や、偶然隣り合わせた労働者を定期購読者に獲得した同志の例が、職場で苦闘する青年や4大産別の体制内労組幹部と対峙する同志を励ましている。こうした活動を誰もが職場・地域・街頭でできる闘いにしよう。
 安倍への怒りを燃やし、帝国主義・新自由主義の打倒を求めている膨大な数の労働者が、日々情勢をどう見てどう闘えばよいのかを求め、体制内労組幹部らの無様な反動化や無力化と決別することを求めているのだ。
 わが東京都委員会は、都知事選から始まる闘いにおいて『現代革命への新たな挑戦』を字義どおり開始する。
 新自由主義の崩壊と支配階級の分裂が深いからこそ、真に強靱で不屈の階級的魂をあふれさせて闘う。
 死に瀕(ひん)している帝国主義・新自由主義を葬るため、帝国主義の救済者、革命的激動への鎮圧者と化したスターリン主義や体制内労組幹部を踏みしだき、闘う青年労働者を先頭に、拠点労組と細胞を倍増させる。その核心中の核心として、全国の同志の最先頭で機関紙活動の大飛躍を実現することを誓う。団結!

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週刊『前進』(2615号4面4)(2014/01/13 )

 2013年日誌 12月17日〜31日

 武器輸出三原則に代わる「新原則」狙う/安倍の靖国参拝に批判噴出

●武器輸出緩和へ新原則 安倍内閣は外交・安全保障の基本方針となる国家安全保障戦略(NSS)を初めて策定し、これを支える防衛大綱、中期防衛力整備計画とともに閣議決定した。武器輸出を原則禁じた武器輸出三原則に代わる新原則を定める方針を打ち出した。(17日)
●米、量的金融緩和を縮小 米連邦準備制度理事会(FRB)は、量的金融緩和策の規模を14年1月から縮小することを決めた。(18日)
●北朝鮮が韓国に「予告なく報復」
北朝鮮は、韓国の保守系団体が北朝鮮の体制を批判する行事を実施したことに反発し、「予告なく報復する」との通知文を韓国に送付した。(19日)
●再処理工場、来年10月完成予定 日本原燃は青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の完成予定時期を来年10月にすると同県と同村に報告した。(19日)
●政府、復興加速へ方針転換 安倍内閣は、東京電力福島第一原発事故からの復興を進める新たな指針を閣議決定した。避難した住民全員を帰還させる目標をあきらめ、帰還した住民の被曝線量をはかる方法を見直す。東電への資金支援も強める。(20日)
●福井の原発周辺にヘリポート計画
政府は原発事故などの緊急時に自衛隊の部隊が即応できる態勢をつくるため、福井県の原発施設周辺にヘリポートを建設する方針を決めた。(22日)
●南スーダンPKO増派 国連の潘基文事務総長は、内戦突入の危機にある南スーダンで国連平和維持活動(PKO)をする国連南スーダン派遣団に、軍事要員5500人、警察要員423人を増派するよう国連安全保障理事会に勧告した。(23日)
●政府、韓国軍へ弾薬譲渡 安倍内閣は国連の南スーダンでのPKOで、弾薬1万発を韓国軍に無償譲渡したことを報告した。日本の弾薬を他国に譲渡するのは初めて。(24日)
●島根2号機、審査を申請 中国電力は島根原発2号機(松江市)の再稼働に向け、新しい規制基準への適合審査を原子力規制委員会に申請。(25日)
●安倍首相、靖国参拝 安倍晋三首相は、東京・九段北の靖国神社に一昨年の就任後初めて参拝した。現職首相の靖国参拝は06年の小泉純一郎首相(当時)以来、7年ぶり。安倍首相の靖国参拝について、米オバマ政権が「失望」を表明したほか、中韓が強く抗議した。ロシアや欧州連合(EU)からも批判や懸念の声が相次いだ。米欧政府の批判は極めて異例。(26日)
●除染延長を決定 環境省は東電福島第一原発事故で住民が避難した福島県の11市町村で進めている国直轄の除染について、作業期間を最大で3年間延長すると発表した。(26日)
●TPP閣僚会合、2月以降に延期 
林芳正農相は1月に予定していた環太平洋経済連携協定(TPP)の閣僚会合が2月以降に延期になるとの見通しを示した。(26日)
●沖縄知事、辺野古埋め立てを承認 
沖縄県の仲井真弘多知事は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古の埋め立て申請を承認したと発表した。(27日)

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週刊『前進』(2615号5面1)(2014/01/13 )

 エネルギー基本計画 原発推進が狙いだ

 「重要なベース電源」と居直り

 3・11福島行動で怒りの反撃を

 2011年3・11から3年目を前に、福島第一原発事故に対する労働者人民の怒りは激しさを増し、安倍政権を足元から揺るがしている。反原発の闘いは昨年11〜12月、特定秘密保護法反対の怒りと結びつき国会前を頂点とした闘いの大高揚となり、今や安倍の改憲攻撃を粉砕する階級決戦に発展しようとしている。これにおびえ、安倍は福島県民への帰還強要・フクシマ圧殺と原発再稼働の衝動を強めている。3・11郡山集会の大結集で、安倍のもくろみを打ち砕こう。

 反原発闘争に打撃感あらわ

 昨年12月13日、経済産業省の審議会「総合資源エネルギー調査会基本政策分科会」は「エネルギー基本計画に対する意見(案)」を了承した。安倍は1月に閣議決定する予定だ。この「意見」こそ安倍と資本家階級の激しい危機感の表明であり、必死に打開の道を求める反人民的な姿そのものだ。
 「意見」が示すものはは第一に、労働者人民の一切の妥協の余地のない原発への怒りと闘いの前に安倍や資本家階級が震え上がっていることだ。「国民の間には原子力発電に対する不安感や、原子力政策を推進してきた政府・事業者に対する不信感・反発がこれまでになく高まっている」と、異例とも言える表現で危機感を吐露している。
 歴代自民党政権と資本家階級は自分たちの莫大(ばくだい)な利益のために、特に80年代以降、新自由主義のもとで全国に50基以上もの原発を建設し稼働させてきた。それは同時に、敗戦帝国主義・日帝にとって核武装の偽装形態そのものであった。その結果「新自由主義の自爆的事故として福島原発大事故にまで行き着いたのだ」(『現代革命への挑戦』上巻236n)。
 福島原発事故は福島県を始め東北・関東地方を放射能汚染させ、特に福島県の東半分は人が住むことができないほど高濃度に汚染させた。59人の小児が甲状腺がんかその疑いありと診断され、さらに今後、福島などで多種多様な病気の発症が懸念されている。また汚染水問題は深刻の度を増し、収束の展望も見えないのが現実だ。
 福島原発事故はその一方で、原発にしがみつく”1%の資本家や政治家など”と”99%の労働者人民”の対立構造を鮮明にした。この”1%”を倒さない限り原発はなくせないし、労働者人民と子どもたちの未来はないことを示し、労働者人民の意識を一変させた。 
 日帝と労働者人民との間にはあいまいな決着など一切ない。安倍や資本家階級を打ち倒すまで闘いは巨大に発展する。

 安全無視し再稼働・輸出狙う

 「意見」は第二に、労働者人民の怒りと闘いに追い詰められたがゆえに、原発政策を推進し、「再稼働を進める」「原発輸出」も進めると宣言し、さらに高速増殖炉もんじゅの推進まで宣言している。
 「意見」は原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置づけ、繰り返し強調している。石油や天然ガスを「重要なエネルギー源」と位置づけているのと比べても、原発を格段に重要視しているのが明瞭だ。
 「意見」はその理由として、原発の停止によって火力発電のための原油輸入が増加し、貿易赤字が増大しているとわめいている。そもそも「貿易赤字」など資本家階級の損得の問題であり、むしろ資本家が危機に陥ることは歓迎すべきことだ。その上でだが、「原油輸入の増加」自体がまったくのデマである。財務省「貿易統計」で2009年1月から2013年11月までの月ごとの統計を見ても、原油輸入量は、全原発が停止した2012年5月以前も以後も1500万〜2000万`リットルの間を推移しており、変化はないのだ。
 日帝と安倍が原発にしがみつくのは、世界大恐慌と帝国主義・大国間の争闘戦が激しく進展する中で、鉄道輸出とともに原発輸出が死活的となっているからであり、さらに核武装の放棄は帝国主義としての死を意味するからだ。安倍は帝国主義としての死活を賭け原発再稼働と輸出にのめり込もうとしているのだ。
 「意見」は、「中国、東南アジア、インドをはじめとする新興国」などに「原発輸出を含む原子力技術を提供する」と、意図をむき出しにしている。それは、原発事故を世界に輸出することだ。日帝は、原発関連の輸出において、実物の確認や複雑な計算式を使った強度計算などの「安全確認」を行っていない。国内向け機器の場合はまがりなりにも実施しているこれらの調査を行わず、簡単な書面審査や聞き取りだけで輸出している。
 しかも2012年までの10年間に輸出された約1248億円分の機器のうち、少なくとも約4割はその「安全確認」さえ行っていなかった。その中には原子炉圧力容器や制御棒駆動装置など原発の安全に関わる中枢中の中枢の機器まで含まれている。にわかには信じられない事態だ。原発事故で世界中を放射能汚染させ、何千万人の労働者民衆を殺しても資本さえ生き残れば良いという新自由主義の極致だ。ここまで資本主義は腐敗しきっている。
 さらに「意見」は「核燃料サイクルについて……引き続き着実に推進」「もんじゅについては……実施体制を再整備する」と宣言し、核武装への執念を語っている。

 危険承知で福島へ帰還強要

 「意見」は結論として「広報」「教育」を通じて原発への怒りを解体しフクシマを圧殺しようと画策している。「エネルギーの専門家や事業者、行政官……が積極的に教育現場に参加していく」として、御用学者や電力資本の役員、経産省官僚などを総動員し、学校を「原発推進」で染めあげようとの魂胆だ。

 20_シーベルト以下安全と強弁

 さらに「常にリスクが存在することを明示し……リスクに関する正しい理解を得ていく取組を強化する」と提言していることは極めて重大である。危険を百パーセント承知の上で、福島県民に帰還を強要し、原発を推進しようとの極悪な企てだ。昨年11月20日、原子力規制委員会は年間被曝線量が20_シーベルトまでは帰還できるとの方針を決定し、12月20日には閣議決定した。「意見」が出した方針の具体化そのものだ。絶対に許すことはできない。だが、避難している人びとからは、苦渋の思いで帰還を拒否する声が上がっている。フクシマの怒りを圧殺することはできない。
 3・11反原発福島行動の大成功こそ、フクシマの人びととつながり、安倍のフクシマ圧殺と原発再稼働を打ち砕く道だ。全国から会場の郡山市総合体育館に大結集しよう。
 (北沢隆広)
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 福島圧殺と原発推進の「エネルギー基本計画」

■国民の間には原子力発電に対する不安感や、原子力政策を推進してきた政府・事業者に対する不信感・反発がこれまでになく高まっている
■原子力発電は……基盤となる重要なベース電源
■原発輸出を含む原子力技術を提供する
■エネルギーの専門家や事業者、行政官……が積極的に教育現場に参加していく
■常にリスクが存在することを明示し……リスクに関する正しい理解を得ていく取組を強化する

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週刊『前進』(2615号5面2)(2014/01/13 )

 反原発金曜行動 年末まで不屈の決起

 12・20 安倍包囲する怒り

 “黙ってはいられない!”

 12月20日の官邸前金曜行動に参加しました。金曜行動には、これまでチャンスがあれば参加してきましたが、毎回違った様相で、3・11以降の階級の怒りの根底性に心が震えます。この日は、原発再稼働にとどまらず、原発の輸出や子どもの被曝、秘密保護法の強行採決、国家安全保障会議への弾劾など、安倍政権を包囲する怒りが爆発していました。
 午後6時、周りは真っ暗になり、首相官邸前の道路を挟んで参加者と警察権力が向かい合う中で、「再稼働反対!」「輸出をやめろ!」「子どもを守れ!」と、怒りをたぎらせコールが始まりました。
 参加者のアピールでは、初めに男性がマイクを持ち、12月1日の「NO NUKES えひめ集会」が8千人の規模でかちとられたことを報告。次に女性が発言に立って、「福島から避難をした子どもと話す機会があったんですけど、本当にショックを受けました。『SPEEDIの情報が国民に早く公開されていたら放射能に汚染されることもなかっただろうにな』と言うのです。本当に怒りを感じました。子どもたちに二度とこんな思いをさせないために、原発ゼロをめざして頑張るつもりです」と、決意を語りました。
 おばあさんからも、「安倍さん、あなたの頭の中はどうなっているんですか? 本当に私たちは信じられません。どこが純国産なんですか。ウランを採掘するところから世界中に迷惑をかけているじゃありませんか。世界中から怒りの声が聞こえてきてますよ」「どうしてあなたがその首相官邸で頑張っているのかも、まったく信じられません。本当に私たちは情けなくって、またあまりの情けなさに、言葉も失いそうですけど、気を取り直して、こんなおかしなことを黙っているわけにはいかないと、今、みんな命がけで来てるんです!」と、怒りがたたきつけられました。
 この日は首相官邸前だけでなく、文科省前でも朝鮮大学校生を中心に、高校授業料無償化から朝鮮学校を外したことに対して、1500人が建物を包囲して大規模な抗議行動が闘われました。
 全学連は3・11から2年半以上たち、金曜行動が2年近く続いている中で、労働者階級の怒りとともに進み、拠点大学で学生自治会の再建を次々とかちとってきました。
 3・11以降、首相官邸前や国会前、日比谷野音などを埋め尽くす人民の決起が何度も闘われていますが、それらの闘いの土台として金曜行動は不屈に闘い続けられてきました。
 ここに学生自治会の旗とともに学生が登場し、労働組合旗とともに青年労働者が駆けつけたときにもう一段情勢は動く。そのためにも、拠点建設、拠点攻防を闘おう。
 (全学連・U)
(写真 年配者も青年学生もひとつになり、原発や秘密保護法などに怒りを噴出させた【12月20日 官邸前】)

 12・27 “来年も頑張る!” 福島の亀屋さんがアピール

   12月27日、首相官邸前・国会前で2013年最後の金曜行動が行われた。午後6時、官邸前でコールが始まった。「原発やめろ!」「再稼働反対!」「子どもを守れ!」。参加者が一体となった大音量のコールは師走の厳しい寒気を吹き飛ばし、次第に全身が熱くなった。
 スピーチの開始だ。中野区から参加した女性は「これまで多くの人が原発に反対し、仕事も休日も返上して訴えているにもかかわらず、その思いも踏みにじり、安倍首相は原発を日本の基盤電源に位置付けようとしています。『福島の問題が収束した』と世界に向かって大うそをつき、さらに特定秘密保護法を成立させて原発問題をすべて秘密にしようとするあなたは悪の権化です。どうしても原発を推進するなら、ここ首相官邸前に造ってみろ! 私たちは原発をすべてなくすまで絶対にあきらめない!」と声を張り上げた。
 毎回参加している女性は「安倍首相! 早く原発をなくせ! あなたはエネルギー基本計画で原発推進路線にかじを切ろうという魂胆ですか。私たちは絶対に許しません」と怒りを表明した。
 続けて若い女性が、「安倍首相! エネルギー基本計画で原発を基本電源にすることなどナンセンスです。あなたが守りたいのは利権だということはもう分かってるんです。あなたの『美しい日本』も『アベノミクス』ももうネタがばれています。来年はクビを洗って待ってなさい!」と宣言した。
  国会前でもいつものように多くの人がマイクを握り発言に立った。福島県双葉町から東京に避難している亀屋幸子さんは「皆さん、寒い中ご苦労様です。安倍総理は『国が責任を持って収束させる』と言いましたが、福島原発は汚染水も流れっぱなしでますますひどくなっています。あと、石原大臣は地元の意見も聞かないで『双葉町を国有地にします』と言いました。双葉町の住民はそんなこと聞いてないんです。何を勝手に言っているんでしょう。順序が間違っています。これが国のやり方です。皆さんこんなに私たちがいじめられていいんでしょうか。双葉町の住民は絶対に反対します」「正義は必ず勝ちます。私も、皆さんのおかげでここまで頑張ることができました。来年も、もっともっとパワーをつけて頑張ります。私は、事故から逃げる時は地獄でした。双葉町には一生帰れないんです。この苦しみを他の人に味わわせないために、再稼働は絶対に反対です! 皆さん、再稼働だけはさせないで下さい! 来年も頑張ります」と心からの訴えを発した。
  14年の首相官邸前・国会前金曜行動は1月10日から始まった。1、2月は開始時間を遅らせて、午後6時30分〜8時の1時間半となる。今年も全国で「金曜行動」を闘いぬこう。
 (H)
(写真 1年間の健闘をたたえ合い、「来年も頑張ろう」とコールにさらに力が入った【12月27日 官邸前】)

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週刊『前進』(2615号5面3)(2014/01/13 )

焦点 安倍の靖国参拝を弾劾する!

 国際的孤立化の深刻な危機

●靖国参拝で墓穴を掘った安倍
 昨年12月26日、首相・安倍晋三は突如、靖国神社への参拝を強行した。アジアをはじめとする全世界の労働者人民に対する日帝・安倍の戦争宣言であり、断じて許すことはできない。
 この暴挙に対し、ただちに中国外務省が「(参拝は)戦後国際秩序への挑戦」「強烈に憤っている」とする談話を発表し、韓国も閣僚声明で「悲嘆と憤怒を禁じえない」と表明。さらに、在日米大使館が「近隣諸国との緊張を悪化させる行動に失望している」と非難するきわめて異例の声明を発表し、30日には米国務省報道官が同趣旨を重ねて表明した。ロシア、EU、シンガポールなども相次いで参拝を批判する声明を発表し、欧米などの主要なマスメディアも「批判一色」となった。
 事態は完全に安倍の想定を超えて進み、脱落日帝と安倍政権の国際的孤立化が決定的となっている。とりわけ、日米安保体制の強化のもとで独自の戦争国家化を狙う安倍にとって、日米対立の顕在化は致命的だ。ここに敗戦帝国主義としての日帝の解決できないジレンマがある。本質的には反米右翼である安倍の突出はこの危機をさらに深め、支配階級の分裂と労働者人民の怒りのさらなる爆発を不可避に生み出す。
●集団的自衛権の容認と一体
 そもそも安倍の言う「不戦の誓い」など完全なペテンだ。靖国神社は明治維新期以来、一貫して日帝の戦争と対外侵略の支柱であり、断じて一般的な「戦争の犠牲者追悼」の施設ではない。それは「国家・天皇のために戦って死んだ者」のみを「護国の神」「英霊」として祀(まつ)り、過去に日帝が行った侵略戦争を正当化するとともに、そうした戦争で殺し殺されることを徹底的に美化し絶賛することで、新たな戦争(国のために喜んで死ぬこと)へと労働者人民を駆り立てることを狙うイデオロギー装置である。
 それゆえ安倍の靖国参拝は、改憲と戦争国家化、とりわけ集団的自衛権の行使容認に向けた策動と完全に一体である。安倍は集団的自衛権の発動による戦争行為で大量の戦死者が出ることを、現実問題として強烈に意識しているのだ。実際、03年に米帝ブッシュ政権が強行したイラク侵略戦争では、米軍が撤退した11年末までにイギリス兵179人をはじめ総計317人もの死者が米軍以外で出ている(AP通信の集計による)。日本は「復興支援」と称して自衛隊をイラクに派兵し、米兵や武器・弾薬の輸送を担うことでこの侵略戦争に加担した。だが集団的自衛権の発動が可能となれば、イラク戦争時のイギリス軍と同様に自衛隊が直接戦闘行為に加わり、相手国の人民を殺害し、自衛隊員にもおびただしい数の死者が出ることが不可避となる。安倍はそれを明確に意識して靖国に参拝したのだ。
●大恐慌下の戦争危機を革命へ
 安倍の靖国参拝は、小泉時代の参拝の単なる延長ではない。重要なのは、「日帝・安倍の戦争・改憲攻撃への突進は、大恐慌・長期大不況の果てしない深まりと帝国主義間・大国間の争闘戦の全面的爆発という、歴史的事態の中で起きている」(2014年1・1アピール「はじめに」)ということだ。この情勢下で「支配階級は革命への恐怖のもとで排外主義・愛国主義を必死にあおる。支配階級による戦争・改憲の衝動はここからも激化する。しかし同時に他方では、……帝国主義間・大国間の争奪戦・分割戦・争闘戦は市場を丸ごと制圧して勢力圏化していくような動きを強めており、それは必ず現地の労働者人民の革命的反乱を生み出す。これに対し帝国主義は、……革命的反乱を鎮圧する反革命的戦争体制の強化を不可避とすることをよく自覚している」(同U章)。まさに、こうした戦争衝動が安倍の突出の背景にあるのだ。
 東アジアは今や中東と並ぶ世界危機の発火点であり、同時にプロレタリア世界革命の根拠地だ。今こそ階級的労働運動の前進を軸に安倍打倒の闘いを巻き起こそう。「憲法改悪反対労組声明」を全国の職場に持ち込もう。歴史的な階級決戦に突入した韓国・民主労総をはじめ、全世界の労働者人民との国際連帯を拡大し、戦争の危機をプロレタリア革命へ転化しよう。

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週刊『前進』(2615号5面4)(2014/01/13 )

 前進社国賠 2同志、権力突く証言

 「秘密保護法」先取りと対決

 12月26日、前進社国賠の第18回裁判が東京地裁民事第1部(後藤健裁判長)で行われた。
 前進社国賠裁判は、警視庁が09年10月16日の法大闘争に公安条例違反容疑をデッチあげて2学生を逮捕し、それを口実に同月23日に革共同の本部である前進社の家宅捜索を強行して電磁的記録媒体1223点を含む1418点を押収したことに対して、警視庁と捜索令状を発付した裁判所を弾劾する闘いである。
 この日の裁判では、前進社の捜索に立ち会った2同志が警視庁の違法・不当な捜索と押収に対する怒りをたたきつけた。
 捜索に立ち会ったA同志の区域は、商業新聞や雑誌、労働運動や原発などの市販の出版物と、革共同の出版物が保管されているフロアである。闘争写真なども、時系列でキチンと整理されて保管されている。捜索の容疑である公安条例違反容疑と関係のあるものは一つもない。
 A同志が証言に立ち、警視庁の公安警察官の市橋耕一郎が2001年頃からの膨大な闘争写真のファイルと1枚のビラを、公安条例違反容疑とまったく関係のないことを知りながら中身も見ずに暴力的に押収した経緯を証言した。そして、権力側の主張の矛盾とペテンを突き出しながら、この違法・不当な押収は革共同の組織壊滅を狙った破防法型弾圧であると弾劾した。
 昨年末に成立した特定秘密保護法は現代の治安維持法であり、新たな戦争法、治安弾圧法である。この法律を作ったのは内閣官房内閣情報調査室(内調)であり、その主軸をなしたのは公安警察を中心とする約50人の警察庁(警視庁)の出身者だ。国賠の法廷に被告として座っていて、原告が対決しているのはそれと同じ勢力である。
 この国賠裁判は、秘密保護法を強行して改憲・戦争に突進する安倍政権・日帝中枢と、その実力部隊である警視庁公安警察と直接対決する闘いそのものである。前進社に対する捜索・押収は、まさに秘密保護法の先取りである。A同志はこれらのことを暴き弾劾し、この国賠裁判を悪法の廃止と安倍政権打倒の闘いそのものとして闘う決意を述べた。
 B同志は、マルクス・エンゲルス・レーニンの研究資料が記録されているフロッピーディスク106枚や携帯電話、暴処法裁判の資料として東大ポポロ事件に関するウィキペディアをプリントアウトした物、さらには音楽CDなどを含めて117点を押収したフロアの捜索に立ち会った。捜索の口実となった公安条例違反容疑とまったく関係のない物を押収しようとする警視庁公安警部補・奥広樹に抗議する立会人の一人を、機動隊の暴力で圧殺して押収したことを怒りをもって証言した。
 しかも、押収されたフロッピーディスクにはそれぞれラベルに表題が記載されているにもかかわらず、押収品目録の品名欄に「フロッピーディスク プラスチックケース入り」という品名を羅列しただけのもので、どのようなフロッピーディスクが押収されたか特定できないというデタラメなやり方を弾劾した。
 B同志は、このような捜索・押収が思想弾圧であり、革命党つぶしにこそ真の狙いがあることを暴露し、秘密保護法もろとも粉砕する決意を明らかにした。
 前進社国賠が徹底弾劾して闘っている09年10・23家宅捜索は、法大闘争が同年5月の暴処法弾圧をはねのけて不屈に前進していることに恐怖した日帝権力中枢の政治弾圧であると同時に、07年パリバ・ショック―08年リーマン・ショックをもって始まった世界大恐慌の本格的爆発の中で、革命への恐怖にかられた日帝による革共同の組織壊滅を狙った破防法型弾圧である。さらに傍聴闘争を強化して闘おう。
 次回裁判は1月24日(金)午前10時30分からの1日法廷である。捜索に立ち会った2同志と警視庁公安の長谷山忠男が証人として出廷する。全力で駆けつけて傍聴し徹底弾劾して闘おう。

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週刊『前進』(2615号5面5)(2014/01/13 )

 三里塚裁判傍聴を!

 ◎天神峰やぐら裁判
 1月22日(水)午前10時30分 千葉地裁
 (傍聴券抽選のため開廷1時間前に集合)

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週刊『前進』(2615号6面1)(2014/01/13 )

 萩原進三里塚反対同盟事務局次長の逝去を悼む

 革命的農民闘争を指導した生涯 遺志を継ぎ農地決戦に勝利する

 革命的共産主義者同盟

 (一)

 三里塚芝山連合空港反対同盟事務局次長の萩原進氏が12月21日、心筋梗塞(こうそく)で逝去された。享年70。あまりにも突然の訃報に言葉がない。成田空港を寸断する成田市東峰部落の一角、竹林で囲まれた墓地の土饅頭(どまんじゅう)の墓標の前に立っても、氏の死は信じられない。
 あなたが生涯をかけて闘った日帝国家権力は新自由主義の破局の中で絶望のあがきを続けている。革命情勢が到来し、それを革命へと転化する現実性が日に日に明らかとなっている。氏が生涯の友としてきた動労千葉は、労働組合の階級的復権を成し遂げ、労働者自己解放の道を切り開き、その影響は国内外に波及している。三里塚闘争の不屈の担い手であり続けた学生運動は、歴史的前進をかちとっている。そして氏が先頭に立つ全国農民会議は、TPP攻撃下で日本農民の怒りの組織者として闘っている。何よりもあなたが市東孝雄さんと固く連帯し、大衆闘争と裁判闘争のすべてに責任を取ってきた市東さんの農地の強奪阻止闘争は今春、大きく発展しようとしている。
 この時に氏を失ったことは、痛恨の極みだ。

 (二)

 萩原氏は三里塚闘争の若きリーダーとして闘いを開始した。
 1967年11月12日、あなたが千葉県反戦とともに佐藤首相の訪米阻止闘争(第2次羽田闘争)に決起し、京浜蒲田駅から機動隊の壁と羽田空港に向け進撃する反戦・全学連のデモ隊を身を乗り出して凝視しながら、一緒に闘った姿を忘れることはできない。すでに10・8羽田闘争は三里塚農民に激しい影響を与えていた。同年の11・3千葉県反戦三里塚現地集会で、反対同盟青年行動隊と動労千葉青年部と全学連・中核派は、歴史的合流を実現した。氏は三里塚勝利の路線がここにあると確信した。闘争開始2年目のことだった。
 こうして翌1968年から70年代にかけて、三里塚闘争の革命的農民闘争としての発展がかちとられていった。そこにおいて萩原氏(当時の青年行動隊長)の果たした役割は決定的だった。
 三里塚闘争は類まれな指導者群と闘いの路線を生み出しながら発展していった。故戸村一作委員長は「三里塚闘争は階級闘争に発展したとき勝利する」と喝破し、階級闘争論を唱えた。そして「農民は農地を武器に、労働者は鉄路を武器に闘う」と労農同盟論を発展させた。北原鉱治事務局長は「(他人依存を廃し)自らが立ち上がるとき、必ず勝利はついてくる」と述べ、「三里塚闘争は全人民の共有物」「反戦の砦」論を展開し、労農学共闘路線を推進した。萩原事務局次長はそれらを受けて、三里塚勝利論を徹底して展開した。いかなる時にも、執念をもって勝利論を追求した。その主張は反対同盟農民を心底から激励し、全国支援を奮い立たせた。
 周囲を延々と続く鉄製波板で囲まれた中での敷地内生活と営農を強いられながら、日本帝国主義のアジア・ハブ空港建設を破綻させ、成田空港の未完成を強制している三里塚闘争の勝利の現実性を説いてやまなかった。この勝利への執念こそ氏の真骨頂であった。
 朝星夜星の開拓農民の子として生まれた氏は、若くして家長格で国策シルクコンビナート計画に参加、一転して空港建設による計画廃棄と膨大な借金地獄に直面した。そこに帝国主義のどこまでも理不尽な農民殺しの本質をつかんだ。ここに発する怒りと農民魂が根底にあった。「敵を打倒してやまない」戸村精神こそ萩原精神だった。
 萩原氏は誠実そのものの農民組織者であった。原則的に闘いを貫くことを後に脱落する青行隊から非難されながら、驚くべき忍耐力で空港公団・会社の切り崩し工作と闘い、敷地内農民の脱落を防ぐために、自己犠牲をいとわず長期の組織戦をやり抜き、敵の攻撃を幾度も粉砕した。
 反対同盟を丸ごと解体することを狙った3・8分裂(1983年)では、敷地内を軸に絶対反対論で再武装し、同盟内路線闘争に勝利した。さらに分裂派が主力の芝山地区にも絶対反対派を組織できたのは、氏の偉大な功績だった。この時、氏は事務局次長に推挙され、以後闘争企画と実務の中心を担っていった。
 釣りなどしたこともなかった氏は、釣り場が同盟の親交とオルグの場だとみるや、熱心に通った。反対派農民の組織者としての氏のそうした闘いは、最期まで一瞬の休みもなく続いてきた。

 (三)

  2011年の「3・11」直後、萩原氏は直ちに福島現地を訪れ、農民同志を歴訪し、苦しみと怒りを共にした。原発事故は労農人民の抹殺であり、帝国主義・新自由主義の打倒以外に解決はなく、今こそ連帯をつくりだす時であることを氏は瞬時に見据えていた。こうして福島の怒りと三里塚は固く結びついた。
 革命的共産主義運動は三里塚闘争の中で多くのものを得た。また多くの課題を突き付けられ、自らを変革した。70年闘争の地平は、反革命カクマルとの内戦の中で、三里塚の大地で維持、堅持、発展させられた。萩原氏がこの過程で革共同の正義と勝利に確信を持ち、断固として激励してくれたことを絶対忘れない。
 動労千葉はジェット燃料輸送阻止闘争を、空港阻止の労農連帯闘争として、運転保安闘争として、さらに組織解体攻撃を許さない闘いとして、三里塚と一体で闘い、国鉄分割・民営化粉砕の闘いの原形を形成した。階級的労働運動は三里塚を揺籃(ようらん)の地として自らをつくり上げたが、それは萩原氏を先頭とする敷地内反対同盟の熱烈な支援があってこそ成功した。さらに氏は動労水戸の結成を前後して水戸を訪問し、動労千葉に続けと熱烈に訴えた。
 80年代の国鉄分割・民営化との激闘の渦中、反対同盟は敷地内農家に当時の中野洋動労千葉委員長を招き、あらためて労農同盟の杯を交わした。事務局次長就任直後の氏はその一切を取り仕切った。こうして三里塚への攻撃をも跳ね返した。
 何よりも三里塚現闘の存在は、革命的共産主義運動が三里塚闘争で生み出した歴史的地平である。だがそれは反対同盟、中でも敷地内と萩原氏の熱い支持と叱咤(しった)激励なしにはあり得なかった。

 (四)

 萩原氏の葬儀で民主労総ソウル本部の弔電が紹介された。11月集会に訪日する韓国代表団との恒例の交流会は、日韓労働者と三里塚農民の熱烈な交歓と国際連帯の、感動的な場となった。09年には萩原事務局次長自らが動労千葉訪韓団に同行し、ソウルの労働者大会に参加、民主労総との交流を深めた。三里塚が動労千葉とともに、日韓連帯を打ち固めてきた意義は限りなく大きい。
 田中康宏委員長を先頭とする動労千葉、動労水戸の労働者、全学連の学生、革共同の同志たちをはじめのべ700人の葬儀参列は、萩原氏の存在の大きさを指し示した。
 萩原氏の逝去に、不埓(ふらち)にも反対同盟解体の時などと色めき立つ日帝・空港会社を断じて許すな! 市東さんへの農地収奪攻撃を絶対阻止しよう! 危機にあえぎ凶暴化する日帝・新自由主義と安倍政権を、国鉄・反原発決戦と三里塚闘争で打ち倒そう。
 東峰墓地に埋葬された氏の墓前に、革共同は三里塚闘争勝利を誓う。
 そして残された遺族の皆さんに、心から哀悼の意を表します。萩原家は三里塚闘争の特徴でもある家族ぐるみの闘いの典型でした。1970年の激闘の渦中で結婚し、以後闘いを共にした静江さんの心中を思うとき、言葉がありません。進氏はあと数年で50年になる闘いを、一瞬も休むことなく闘い続け、勝利を追求し、巨大な基盤を築き上げました。われわれは氏の遺志を引き継ぎ、勝利の道を突き進みます。
 合掌
 2014年1月5日

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週刊『前進』(2615号6面2)(2014/01/13 )

 告別式に全国から400人

 市東さん“農地守る”と弔辞

 萩原進さんの告別式は、12月28日に八富成田斎場で行われた。遺族・親類縁者を始め全国から400人を超す人びとが参加し、早すぎる逝去を悼んだ。
 会場のロビーでは、集会発言など生前の活動が写真とビデオで紹介され、喜怒哀楽豊かな表情と力強いメッセージが見る者の心に響き、悲しみをかき立てた。
 式は午前10時30分に始まり、読経の後、天神峰の市東孝雄さんが弔辞(別掲)を読み上げた。市東さんは時に涙で声を詰まらせながら遺影に向かい、「進さんの遺志を受け継ぎ、身体を張って農地を守る」と誓った。
 さらに動労千葉・田中康宏委員長、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部・武建一委員長、反戦被爆者の会、全国被爆者青年同盟、韓国民主労総ソウル本部などからの弔電が紹介された。
 参列者の焼香がすみ、「お礼の言葉」として喪主の萩原富夫さんが、家族思いの進さんの思い出を一つひとつかみしめるように語った。
 出棺時には参列者は全員で「反対同盟の歌」を歌い送り出した。「誇りも高き農地死守」と、進さんが身をもって示した生き方が、歌声となって晴れた空に広がった。
 前日の通夜には300人が集まり、北原鉱治事務局長が「お別れのあいさつ」(別掲)を述べた。
(写真 萩原さんの遺影に向かい市東孝雄さんが「農地を守る」と弔辞を読みあげた【12月28日 成田市】)

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週刊『前進』(2615号6面3)(2014/01/13 )

 三里塚反対同盟の北原さん、市東さんと民主労総ソウル本部の、萩原進さんの急逝に対する追悼のことばを紹介します。(編集局)

 お別れのあいさつ

 三里塚芝山連合空港反対同盟 事務局長 北原鉱治さん

 萩原進君、あまりにも突然の訃報を聞いたとき、とても信じられませんでした。まさか私より先にあなたが逝くなどということは、考えもしませんでした。かえすがえすも残念でなりません。
 あなたは、反対同盟結成以来、青年行動隊長として闘いの先頭に立ち、その後も事務局次長として47年にわたる今日まで、一貫して空港絶対反対の闘いを貫いてきました。あなたは、本当に闘い一筋の生涯を全うしました。それは、誰もが認めることであり、誇れる人生だったと思います。
 思えばあなたは、高校卒業後、農民として生きることを決断し、政府のシルクコンビナート計画を信じて、農地を養蚕業のため桑畑に変えました。ところが、成田空港建設計画によって、突然計画は中止され、あなたが農民として生きようとした道は国策によって阻まれました。このことが、空港絶対反対闘争に決起したあなたの原点になったと聞いています。
 それ以来あなたは国家権力によるたび重なる逮捕にも屈せず、たえず反対同盟を牽引して先頭で闘ってきました。あなたの強靭(きょうじん)な意志と闘いは全国の農民や労働者の魂をとらえ、三里塚闘争の全国的発展を切り開いてきました。
 そして47年たった今、市東さんに対する理不尽な農地取り上げに対して、これを打ち破るためにあなたは誰よりも必死になって三里塚闘争の拡大・発展を考えてきました。農地裁判の控訴審に向け「霞が関に攻めのぼろう」という訴えも、勝利に向けたあなたの執念から提起されたものだと思います。私たちは、反原発や反TPP、沖縄など国策と対決して闘っている、全国の人民と一体となって霞が関を埋めて闘いぬきます。志なかばでたおれたあなたの遺志を必ずや実現します。
 残された家族の皆さんの心情を思うと、言葉がありません。萩原家は親子三代家族ぐるみの闘いでした。妻の静江さんのご苦労に心から感謝の意を表したいと思います。
 萩原進さん、重大な決戦情勢の中、三里塚闘争の柱として闘ってきたあなたがいないことは大変なことです。しかし、残された者で力を振り絞って、勝利を勝ち取るため闘います。どうか、安らかに眠ってください。

 弔辞

 三里塚芝山連合空港反対同盟 天神峰 市東孝雄さん

 萩原進さん、あまりに突然のことで、私は今もあなたが亡くなったことが信じられません。あの日、おだやかな表情で産直の忘年会を楽しんでいたあなたは、帰りの車の中で急に具合が悪くなって、懸命の手当てもむなしくあっというまに旅立たれてしまいました。まるで夢の中の出来事のようで実感がわきません。
 闘争と農業で無理を重ねてきたことが命を縮めたのかと思うと、まわりで支えて、もっと進さんを楽にさせてやれなかったかと、ほんとうに悔やまれてなりません。
 年末最後の出荷に追われて、進さんを今日まで待たせてしまいました。
 でも進さん、あなたとお別れするために、可愛い孫たちや親族のみなさん、東峰部落の人々、そして全国各地から多くの仲間が、悲しみをこらえて集まっています。私もつらい気持ちをこらえて、弔辞を述べさせていただきます。
 私は進さんからほんとうに多くのことを教えられました。いずれ家を継ぐことを決意していましたが、農業を続けることを決断できたのは、強制収用では土地を取れなくなったことと、「一緒にやろう」「一から教えるから」と言って農業をすすめる進さんの後押しがあったからでした。
 自然相手の農業は経験を重ねないと、一人前にはなれません。産直の共同生産者としての私の“今”があるのは、有機農業を続けてきた進さんの経験と指導のおかげです。私は毎日自分の畑で有機野菜を作ることに無上の喜びを感じています。
 しかし、その私に対して、空港会社は、「農地法で農地を取り上げる」という暴挙に出てきました。
 この時にも、進さんは私と共に農業委員会に出向き、「小作人の知らないうちに解除申請が出たことが、これまでにあったのか」と激しく問いつめ、「前例がない」ことを認めさせました。
 「市東さん、こんな理不尽なことは通用しないぞ。小作人に黙って農地を売れば、地主は村八分だ。農民の権利に直(じか)に係わるこの問題は、すべての農家の問題だ」と熱をこめて話してくれました。それから私は進さんと一緒に産直を広げ、空港会社による農地取り上げと、懸命に闘い続けてきました。
 新聞の訃報に「空港絶対反対を最後まで貫いた」と紹介されていましたが、それは進さんの生き方そのものです。
 東峰は戦後入植の開拓部落です。朝星、夕星を見ながら月明かりを頼りに、地をはうようにして作った畑が、国の一方的な決定でコンクリートに埋められる、カネと暴力で村を割り、仲間を引き裂き、大騒音と衝突の恐怖で追い出そうとするやり方には、ほんとうに怒りを抑えることができません。進さんはシルクコンビナートの夢を砕かれ、反対闘争に身を投じて以後、さまざまな困難を乗り越えて、信念を貫きとおしたのです。
 3・11からのこの数年間、進さんは「福島・沖縄・三里塚をひとつにして闘う」とさまざまな場面で訴えてきました。そして「三里塚は過去の歴史を乗り越えて、勝利するためにあらゆる人々と連帯するのだ」と話していました。「霞が関に攻めのぼる」というのはその強い想いからでした。進さんの遺言だと私は思っています。
 私は富夫さんと静江さん、ご家族のみなさん、そして産直消費者のみなさんとともに地道にこの地で農業を続けます。そして農地を守ります。
 誠実に農業に生きようとする者の尊厳を踏みにじり、力で押しつぶしてきたのが成田空港の歴史です。だから、47年前にあれほどの闘いが起こり、今も負けることなく闘いつがれているのです。
 ご参列いただいた動労千葉を始めとする労働者のみなさん、関西実行委など全国の住民運動、反基地闘争、そして学生のみなさん、私の農地を守る運動に力を注いでくれる市民のみなさん。私は「空港絶対反対」の進さんの遺志を受け継ぎ、身体を張って農地を守ります。
 進さん、来月には5人めの孫が生まれることを嬉しそうに語っていましたね。進さんは本当に家族のみなさんを愛していたのです。先立たれることはどれほど心残りだったことでしょう。どうか天上からご家族をやさしく見守ってください。そしてこれからの私たちの闘いをしっかりと叱咤激励してください。あなたの遺志が必ず報われる時が来ることを信じ、そのために頑張ることを心に誓ってお別れの言葉とします。

 弔電

 民主労総ソウル地域本部

 謹んで故人の冥福をお祈りします。
 日本政府との闘いを長い間続けてこられた同志が亡くなられてとても心が痛みます。
 韓国では鉄道労働者のストライキを支持連帯するために連日ストライキ闘争を続けており、民主労総組合員と社会団体、政党、市民が加勢して鉄道闘争を持続的に掩護(えんご)しています。
 三里塚の同志たちの闘争を支持し同志の志を引き継ぎ、韓国でも政権と資本に屈せず闘います。

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週刊『前進』(2615号6面4)(2014/01/13 )

 星野再審闘争 写真開示勧告かちとる

 殴打の痕跡なく無実明らか

  昨年12月25日に行われた三者協議(弁護団、裁判所、検察官の協議)で星野文昭同志と弁護団が開示を求めていた証拠のうち「一郎丸写真」を含む写真33枚のネガについて、東京高裁は検察官に対して開示を勧告した。検察官は受け入れざるをえなかった。星野闘争の昨年の飛躍的前進がもぎ取った大勝利だ。
 2014年、星野同志奪還へ、この勝利を突破口に全証拠開示へさらに闘いを推し進めよう。
 1971年11月14日、沖縄返還協定批准阻止闘争で、星野同志率いるデモ隊が機動隊員「殴打現場」を通過した後、公安刑事・一郎丸角治に隠し撮りされた写真の中に、鉄パイプを手に持つ星野同志の写真があった。白い紙が巻かれた鉄パイプは真っ白で、汚れも破損もまったくない。殴打の痕跡など一切ない鉄パイプの写真は、星野同志の無実を示す「物証」だ。
 この「一郎丸写真」は、第2次再審請求における闘いで証拠開示させた159枚の写真の中から探し出したものだ。「一郎丸写真」の出現に驚いた東京高裁は、「不鮮明ながら損傷らしき痕跡が確認される」などと言いなし、再審棄却を強行した。許せない!
 写真ネガの開示勧告は、何よりもこの不正義を打ち砕き、鉄パイプには「殴打」の痕跡など一切ないことを、有無を言わせぬ形で突きつけることを可能にした。再審闘争の新たな段階を切り開くものである。
 写真に見られる鉄パイプを一周するような1本の「線」は、断じて殴打の痕跡ではない。星野同志、弁護団を先頭に全労働者人民の力でこれを徹底的に解明し、突きつけよう。
 さらにまた写真ネガの開示勧告は、証拠開示の闘いを、民間人現場目撃者の供述調書の開示から全証拠開示へ、東京高裁・東京高検をさらにグイグイ追いつめる突破口をこじ開けた。
 星野同志の機動隊員殴打の核心的証拠とされた鉉供述は、「きつね色の服の殴打者と、星野同志の服の色が同じ」と、服の色を根拠に星野同志を特定していた。ところが、星野同志の服は実際には薄青色であった。鉉供述調書の核心的供述が誤っていたのである。他方で、事件後間もなく取られた11人の民間人現場目撃者の供述調書が隠されている。なぜ、検察官はこれを隠すのか。直ちに開示せよ!
 星野同志への無期懲役刑は、デモ参加学生6人のデッチあげ供述調書を唯一の証拠にして下された。国家権力は6人に長時間の取り調べを強制し、脅迫とウソとペテンで誘導して、デッチあげの虚偽供述を強制した。この許しがたい取り調べの実態を示す証拠を含め、全証拠の開示に突き進もう。
 獄中39年、星野同志の非転向の闘いは、新自由主義の核心的攻撃である団結破壊を打ち砕き、獄壁をこえて星野暁子さんとの愛と信頼関係を固く築き上げてきた。
 この感動的な星野文昭・暁子闘争は、再審闘争の勝利的前進の中で、新自由主義攻撃のもとで怒りをたぎらせている青年労働者の希望となり、「絶対反対」の闘いへと決起を促すであろう。
 昨年、全国再審連絡会議と全国労組交流センターは共催で、9・8徳島刑務所包囲デモと3度の東京高裁包囲デモをたたきつけた。
 星野同志を取り戻す力は、再審闘争の前進と一体で、職場で絶対反対を貫く労働者の組合的団結を軸に、広範な人民が星野同志奪還のデモに立ち上がることだ。2・9星野さん解放・渋谷大デモに総決起しよう。

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2・9星野さん解放・渋谷大デモ

 2月9日(日)午後2時〜集会 午後3時20分 デモ出発
 代々木公園けやき並木集合
 共催 全国労組交流センター/星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議

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週刊『前進』(2615号6面5)(2014/01/13 )

 スチュアート弁護士釈放

 全世界の奪還運動の勝利 

 「テロリストを支援した」として10年の禁固刑でテキサス州カースウェルの連邦メディカルセンター(医療刑務所)で服役していたリン・スチュアート弁護士が、ついに釈放をかちとり、1日に地元ニューヨークの空港に詰めかけた家族、支持者たちと歓喜の合流をした。
 スチュアート弁護士は2005年に自分が弁護していた被告が「有罪」とされ、その獄中からの発言を記者に伝えただけで、「テロリストへの物質的支援」と認定され、28カ月の判決を受けた。
 01年「9・11」後の戒厳令的状況の中で作られた米愛国者法は、民主主義の建前さえ破壊する悪法で、その「物質的支援」条項は際限なく拡大解釈できるものだった。
 09年、オバマが大統領に就任すると、判事に圧力をかけて連邦地裁に差し戻し、10年の判決にさせた。すでにスチュアート弁護士は乳がんにかかっていた。労働者人民とともに闘う弁護士として有名なスチュアートさんへの虐殺行為であり、見せしめ攻撃だ。
 13年には、連邦メディカルセンターで「ステージ4(肺と骨にがんが移転)」と診断され、刑務所長までが「重病による特別釈放」を勧告したにもかかわらず、オバマ政権は6月、釈放を拒否する通告をした。
 スチュアート弁護士は獄中から新自由主義と闘い、未来への希望を切り開く連帯を全米、全世界に呼びかけ続けた。
 11年、星野闘争訪米団による具体的な連帯の開始とともに、人間らしく生きられる社会を求めて同じ闘いを貫く同志として星野闘争と固く結びついていった。同年8・6ヒロシマ大行動には彼女から「愛と闘い」の熱いメッセージが送られた。
 13年、彼女の病状が悪化し、「抗がん剤治療のための病棟に行く時も、腰に鎖を付け、5`の足かせをはめたまま」という拷問そのものの処遇が続く中で、夫のラルフ・ポインター氏を先頭に全世界で釈放要求運動が行われた。
 星野弁護団は、13年3月、米司法省長官、連邦刑務局長あてに抗議と釈放要求の書簡を送った。9月8日の徳島刑務所包囲デモで星野再審全国連絡会が同弁護士の写真と釈放を求める大きなボードを掲げた場面は、スチュアート奪還運動のサイトにも掲載された。さらに駐日米大使への申し入れや署名活動などが、年末まで続けられた。
 オバマ政権への怒りが沸騰し、全米全世界から45万の署名が寄せられる中で、12月31日に釈放が決定され、出獄をかちとった。この勝利に続き、星野同志奪還へ闘おう。
(写真 花束で迎えられたスチュアートさん【1月1日】)

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