SANRIZUKA 2003/12/01(No644
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週刊『三里塚』(S644号1面1)(2003/12/01)
“ジェット噴射もうがまんできぬ”
反対同盟市東孝雄さん 防護林植林に立ち上がる
再三の改善要求無視
公団 “叩きだし”意図あらわ
三里塚闘争は空港公団の二〇〇七年の株式上場=完全民営化をめぐる暫定滑走路北側延伸攻撃との三年間の決戦に入った。反撃のたたかいの第一歩として反対同盟は、敷地内天神峰の市東孝雄さん宅へのジェット噴射直撃に対する防護林植林闘争に決起した。市東さんと反対同盟の対策要求を拒否しつづけきた空港公団に対する怒りの反撃である。防護林はジェット噴射の直撃を緩和し市東さんの健康と生活環境を防衛する。三里塚闘争は北延伸攻撃とのたたかいを焦点とする三年間決戦の火ぶたを切って落とした。秋〜冬のたたかいから来春3・28闘争へ前進しよう。
反対同盟は十一月二十三日、市東孝雄さん宅へのジェット噴射を防護する植林闘争に決起した。一年半以上にわたって話し合いに応じることすら拒否してきた公団の農民無視に対するたたかいである。(詳報次号)
市東孝雄さん宅へのジェット噴射被害とは、暫定滑走路・誘導路に隣接する市東さんの畑と家屋に対して、離着陸したり自走したりする航空機から大量の排気ガスが噴射されることで発生している生活・健康被害のことである。
ジェット機の排気ガスに含まれる汚染物質は、一酸化炭素、窒素酸化物、炭化水素、煤塵など。そのまき散らす量は、一九七〇年代初頭の主力航空機であったボーイング727ですら「普通乗用車の千台分」。「B727が一機飛んできて飛び去るまでに空港周辺で出す排気ガス中の煤塵の量は普通乗用車が出す量の二万千八百時間分、同じく炭化水素の量は三百七十五時間分、窒素酸化物は約百二十四時間分、一酸化炭素の量は約十時間分になる」と言われるほどの汚染量だ。(大阪空港騒音訴訟資料より)
しかも現在暫定滑走路を離着陸する航空機はB727よりはるかに重いB767、B777などでそれぞれ二倍から三倍もある。
吐き出される大気汚染物質も上記の数字の二倍から三倍にも達することになる。これらが二〇〇二年四月開港以降、一日の休みもなく市東宅に吹き付けてきた。(写真上)
これに対して反対同盟は開港直後から実施調査に乗り出すと共に、対策を求めてきた。被害の程度を測定するための測定紙を設置、つづいてアサガオを用いた大気調査(五月九日種まき、七月初旬監視台へ移植)を行う対策をとった。
測定紙は数日で茶色に変色し、アサガオは一月足らずで枯れはじめた。
こうした準備をした上で、反対同盟は五月三十日、成田市空港対策部の部長以下三人を現場に呼びつけ抗議した。大気汚染測定紙の変色状態を空港対策部に確認させ、百ホンにせまる甚大な騒音被害について体験させると共に、騒音計の数値で確認した。
そして市の責任で空港公団に騒音、ジェット噴射対策を取らせるよう要求、特に噴射対策塀のかさ上げについて「努力」を約束させた。空港対策部自身「環境被害は想像以上」との感想をもらした。
1年で密生竹林に 3年間決戦へ反撃開始
ところが市空対部を通して行われた空港公団の回答(六月二十八日付け)は「航空機のエンジン高に対して、フェンスの高さは十分」というものであった。
しかし、公団がどのように言い逃れしようとも、被害の事実は動かしがたい。市東さん宅の現場に立てば、すさまじい騒音、臭気、汚染は歴然としている。
反対同盟は第二回の質問状で、誘導路面と市東さんの畑では少なくとも二bの段差が存在することを指摘し、改めてフェンスのかさ上げを要求した。
しかし空港公団には最初から、市東さん宅の被害を軽減しようなどという発想はなかった。ただただ追い出しが目的であり「生活環境は悪ければ悪いほど好都合」という姿勢だった。
したがって、公団が「対策十分」の根拠としてきたフェンスについて、実は誘導路面と市東宅畑面の段差があり、公団の主張によっても高さが不十分であることをつきつけられても、態度は変わらなかった。
いわく「平面的立体的に検討して現在のフェンス高で十分」云々。
反対同盟は第三回質問状(十月十日付け)で実地測量図と写真をもって「段差」の存在を科学的に実証し、公団を追いつめた。反対同盟は「段差は二b」と確定した上で「現状ではエンジン噴射口がフェンスの上に約〇・八b突き出している」「フェンスかさ上げの対策をとれ」と迫った。
逃げ切れなくなった公団は十一月十八日付け回答で、ついに「エンジン噴射口は〇・六b突き出している」と反対同盟側の主張に屈した。ところが肝心の対策については、ガスが「直撃」ではないので「ブラスト対策としては現状で十分」と拒否。それ以後の追及に対しても「対策は十分」との木で鼻をくくった回答をつづけてきた。(表参照)
公団のペテン明白
一年半のやり取りで結局、「市東さんを追い出すためにジェット噴射の直撃や騒音を利用する」という公団の農民無視の実態が改めて浮き彫りになった。
「環境にやさしい成田空港」などのキャンペーンの一方で、空港の間近で営農する農民の健康は破壊するというのが三十八年間変わらぬ公団の姿勢なのだ。反対同盟はここに至って自主的なジェット噴射防護対策の検討を開始し、竹の植林が最も有効と判断、植林闘争に踏み切った。
約百本植えられた竹は、一年もたてば株を次つぎに増やして立派な竹林に成長するであろう。市東さんの健康と生活を防衛すると共に、暫定路閉鎖への道程を推し進めることになる。(2面に論評)
《ジェット噴射塀問題の経緯》
02・5・30 成田市空対部を市東さ ん宅に呼びつけ被害を確認させ、公団に対策を取らせるよう要求。
6・28 公団が回答。「現状で十分」とフェンスかさ上げ拒否。
7・16 反対同盟が誘導路面と市東畑の間の段差を指摘し再度フェンスかさ上げを要求。
8・14 公団回答。「平面的、立体的に対策を取っているので、現状で十分」と再び拒否。
10・10 反対同盟は段差を示す具体的な測量図と写真をもって再び対策を要求。
11・18 公団はエンジン高の突き出しをついに認めたが対策は拒否。
*これ以降今日まで、公団はフェンスかさ上げを拒否し続けている。
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週刊『三里塚』(S644号1面2)(2003/12/01)
悪臭、騒音、振動、地響き…
被害の対策は義務だ!
反対同盟・事務局長 北原鉱治さん
反対同盟のたたかいに追いつめられた空港公団は昨年、メリットのない短い滑走路でむりやり開港したが、その中で市東孝雄さんに対して航空機によるジェット噴射の吹き付けという攻撃を行ってきた。
われわれは敷地内の同志に対して「土地を売らずにがんばれ」というだけでなく、具体的な生活防衛のたたかいに取り組んできた。それがジェット噴射対策フェンスのかさ上げ要求だった。当然の権利として、成田市の空港対策部職員を現場に呼びつけ、被害の実態を確認させ、空港公団に対策を要求した。しかし公団は、再三の要求を拒否し、交渉の席につくことすらなく、ジェット噴射対策を拒みつづけた。
市東さんの畑に立ってみればあの排ガス、騒音のひどさに驚き怒る。現地調査で現場を訪れる全国の仲間も皆が皆「こんな空港見たことがない」と驚く。
ジェット噴射による農民叩き出し攻撃に対して、今回われわれ独自の対策を決断した。いろんな案の中で、竹の植林が手軽で、風通しもよく効果的だろうということで決めた。竹が株を増やして密生し立派な林となるまで三里塚闘争はさらにたたかい続け勝利する。
暫定路を閉鎖させる
敷地内・天神峰 市東孝雄さん
私としては、これだけ被害が出ている以上、公団としても何らかの対策を取るのではないか、と「甘い」予測をしていたが、やはり公団は公団だった。空港反対農家はただただ追い出し、いじめる対象でしかないのだ、と改めて実感した。こちらが交渉を求めているのに、テーブルにすらつかないというのが公団の姿勢だ。
向こうがそういう態度で来るなら、こっちもこっちのやり方でやってやる、ということで、竹林の植林闘争を決意した。来てもらえば分かるが排気ガスによる大気汚染、ひどい騒音そして振動。
特に中型機が離陸するときの地響きがすごい。とてもじゃないけど「環境基準を満たしています」なんていう人を愚弄した言葉で済ませられる状況じゃない。「環境にやさしい空港」が聞いてあきれるよ。
竹を植えると根が畑へ張り出すとか影響があるが、それは工夫で何とかなる。暫定路を閉鎖させるまでこの地で農業を守りたたかう。
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週刊『三里塚』(S644号1面3)(2003/12/01)
自衛隊イラク派兵阻止へ
虐殺に直接加担
人民の抵抗闘争こそ正義
自衛隊のイラク派兵が迫っている。イラク人民による連日五十波にもわたるゲリラ戦の抵抗闘争が米英占領軍に叩きつけられているただ中に日帝・自衛隊が完全武装で乗り込み、軍事占領の一角を担うのである。
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自衛隊のイラク派兵は文字通りの侵略戦争への参戦である。米英軍による三月の開戦から八カ月、イラク戦争が石油資源の略奪と中東支配(再植民地化)のための純然たる侵略戦争であることが完全に明らかになった。表向きの°開戦理由″だった「イラクの大量破壊兵器」なるものも作り話だったことが証明された。「反テロ戦争」をこじつけるために喧伝された「9・11とサダム・フセインとの関係」なるものも、あり得ない言いがかりだった。
この百パーセント不正義の侵略戦争で、米英軍は最新の大量破壊兵器を駆使して二万〜五万人のイラク人民を虐殺したのである(イギリスの医療援助組織「メダクト」の統計)。「戦闘終結」後も「サダム狩り」と称して村々を襲い「容疑者」を次々と拘束、抵抗するものはその場で射殺し、女性の衣服をはぎ取り、土足で民家に乗り込み、金品を強奪するという無法の限りを尽くしている。
これに対してイラク人民の怒りが連日のゲリラ戦となって爆発的に叩きつけられているのである。まったく当然の抵抗闘争だ。
「イラク復興支援」なるものは、この米英の軍事占領を支える作戦の一環である。国連であれNGOであれ、軍事占領を支えるすべての行為がイラク人民の怒りと憎しみの対象になっていることは当然なのだ。
イラク人民の英雄的な反米ゲリラ闘争と連帯し、自衛隊のイラク派兵を阻止しよう! 虐殺者=小泉政権を打倒しよう!
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週刊『三里塚』(S644号1面4)(2003/12/01)
火炎ビン闘争爆発
民主労総ゼネスト
生存権、派兵阻止を要求
十一月九日、韓国の全国民主労働組合総連盟(民主労総)は、ソウル市庁舎前に五万人の労働者を集めて「全泰壱(チョン・テイル)烈士精神継承全国労働者大会」を開催、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の労働弾圧政策を弾劾しイラク派兵中止を要求する対政府総力闘争を宣言した。
大会後、光化門に向けて行進しようとしたデモ隊に対し、一万人の機動隊が襲いかかったため、労働者と学生二千人が鉄パイプ、火炎ビン七百本で反撃、「憤怒の炎がソウル焦がす」実力闘争が敢行された。重傷者が五十六人に及び、百十三人が連行された。事後弾圧で段炳浩(タン・ビョンホ)委員長ら六人に召喚状が出されている。
しかしこの後も十二日の第二次ゼネストに十五万人が参加、十九日には全国農民大会、十二月の全国民衆大会へとたたかいは拡大している。イラク派兵阻止で連帯しよう。
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週刊『三里塚』(S644号1面5)(2003/12/01)

「修辞」という言葉を辞書で引くと「語句を巧みに飾り立てること」とある。有事三法の国会審議で「万一日本が攻められたらどうする」との論法が再三使われた。「強盗が入ってきて自分の家族が殺されそうになっても、君たちは自衛しないのか」と。古くさいレトリック(修辞)である▼このレトリックに誰一人として反論出来なかったのが、国権の最高機関を任ずる国会だ。彼らの論理は極めて単純だ。「日本も戦う準備が必要だ。銃を持つことも。そして銃を撃てる法律も必要だ」。野党(民主党)は黙って賛成票を投じた▼そこで、ある映画の一コマ。「へぇ、銃を使うことで安全が手にはいるなら、米国は世界一安全な国だ。でも実際は逆だ」。銃社会を告発したこの映画の監督は、イラク戦争開戦後のアカデミー賞授賞式で「ブッシュよ、恥を知れ!」と啖呵を切った▼アル・カーイダ系の組織がアラブ有力紙に声明を送り、自衛隊のイラク派兵強行なら、報復として「東京の心臓部を攻撃する」と宣言した。TVニュースの解説者(朝日新聞)は「真偽は不明。真に受けない方がいい」とコメント。見当違いである▼声明の「真偽」などどうでも良い。米英のイラク侵略戦争と軍事占領に日本が公然と加担している事実こそが問題なのだ。これがイラクを含むアラブ・ムスリム人民の怒りをかき立てている▼「攻められたら」という問題ではない。日帝・小泉政権はすでに立派な攻撃者なのだ。報復されても文句を言える筋合いではない。だから東京株式市場は暴落した。日本帝国主義を打ち倒せ!
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週刊『三里塚』(S644号1面6)(2003/12/01)
闘いの言葉
「世界の労働者団結せよ」との国際主義は、全地球的資本主義の下で今や不可欠の領域であり、その実現でこそ生存権と労働基本権闘争が前進する。
民主労総ソウル本部長コ・ジョンファンさん
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週刊『三里塚』(S644号2面1)(2003/12/01)
「国民保護法制」で指定公共機関化決まる
民間航空機と空港の徴発明記
米軍の大量輸送作戦、一環担う 兵站輸送の大動脈
航空機の動員 “朝鮮開戦”の前提条件
有事法制に関連し、民間航空機関の強制動員や成田空港の軍事空港化の策動がむき出しになっている。政府は十一月五日、来年の通常国会提出を目指す有事の際の「国民保護法制」で、動員できる「指定公共機関」に日航や全日空など民間航空会社を含める方針を決めた。新東京国際空港公団などの空港施設も含まれる。ついに成田空港の軍事基地化が公然たる政府方針となったのである。イラク参戦・成田空港の軍事基地化を許すな! 空港内外から労働者人民の反撃を組織しよう!
米軍支援の最焦点
「国民保護法制」と銘打ったこの法律の趣旨は、「国が国民を保護する」というものではない。実態は国民を統制し戦争に動員する法律だ。具体的には民間の施設や物資、人員の強制徴用・徴発権を国と自治体に与えるものである。
航空機を強制動員する場合も、現行の航空法などが定める機長権限を国家が取り上げる必要がある。そのための「指定公共機関」化なのである。【国民保護法制には、この他にも戦前の「隣組」のような住民監視組織をつくることや「社会秩序の維持」と称して反戦派の集会・デモを禁止すること、外出禁止令、労働者のサボタージュ・ストライキの禁止等も目指されている。総じて国家総動員と治安維持のための法律だ】
(写真 ベトナム侵略戦争当時、サイゴンのタンソンニュット空港は日本の羽田空港を経由して飛来する米軍チャーターの民間機であふれかえった。帰路の貨物室は死体袋の山だ)
大規模戦争の成否握る兵站
今回政府が、国民保護法制に関連して明らかにした民間航空会社の「指定公共機関」化は、有事関連法のなかでも実践的な緊急性が高い問題だ。イラクへの自衛隊参戦に続いて想定されている朝鮮侵略戦争での米軍活動で、日本に求められている最大の支援作戦の一つが航空輸送支援なのである。
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米軍が朝鮮半島で軍事行動を行う場合、日本列島全体が兵站基地として機能することが前提となる。とりわけ空港施設と航空機の強制動員が米軍の大規模な活動にとって絶対的な意味を持つ。一九五〇年の朝鮮戦争も、空港施設をはじめ日本全土のあらゆる機能を動員して強行された。
アメリカが典型だが、現代の帝国主義戦争において航空機と空港の果たす役割は極めて大きい。九一年の湾岸戦争や九九年コソボ空爆で、近隣諸国の空港施設が軒並み出撃と兵站の基地となった。とくに湾岸戦争やイラク戦争型の大規模な兵員を投入する侵略戦争では、兵員の九〇%以上が民間航空機の動員によって空輸される体制となっている。
兵員のみならず様々な軍事物資も同様だ。五〇年朝鮮戦争、六〇年代のベトナム侵略戦争も含め、近隣の大空港は米軍のチャーター機が連日大量に飛来し、膨大な軍需物資を戦場に送り込むための中継基地となった。
湾岸戦争はどうだったか。投入された米軍兵士の数は五十万人を超えたが、その後方支援(兵站)の規模は想像を絶するものとなった。五十万人といえば成田市の人口の五倍以上だ。これを家財道具を含めて全部、地球の裏側まで短時間で移動するような大作戦が組まれた。
いくつかの例を紹介すると、食事の手配と運搬は一億二千万食を超えた。燃料補給は五十億リットル。これはアメリカの首都ワシントンの燃料消費量の七年分に相当する。郵便物だけで三万トン。これは東京ドーム十個分の面積を二メートルの高さで郵便物が埋め尽くす量だ。これらは湾岸戦争の兵站作戦全体の一部に過ぎない。
戦車など大型兵器も航空で
重要なことは、これらの兵站作戦のかなりの部分が、現代では航空輸送によって行われる事である。最近の米軍は、戦車や大型車両など通常は船舶による輸送に頼っている重量物でさえ、その一部を空輸で迅速に戦域に送り込む作戦も実施している。航空機と空港施設が侵略戦争で果たす役割は飛躍的に高まっているのである。
強制動員、罰則も 鉄道、道路、港湾など 暗黒の戦時国家に
有事関連法でなぜ民間航空会社が強制動員の対象になるのか。
成立した有事三法が想定する具体的な戦争は北朝鮮への侵略戦争である。日本が外国から攻撃されて「国民を守る」ために航空機を動員するのではない。五十万人規模の米軍が日本を経由して朝鮮半島に投入されることが想定されているのだ。その膨大な兵站を支えるために民間航空会社や空港施設の「指定公共機関」化が必要なのである。
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九七年に締結された日米新安保ガイドラインに基づく「周辺事態法」(九九年五月)では、民間に対して米軍や自衛隊関連の軍事輸送の依頼があった場合、それに応じるかどうかは建前上、民間の判断にゆだねられていた(「協力依頼」条項)。たとえ航空会社が武器弾薬の輸送を依頼され受け入れたとしても、機長が搭載を拒んだり運行を拒否する権限を法律上は阻止できない問題があった。
これに強制の枠をはめるために有事三法の武力攻撃事態法で「指定公共機関」が定義され(第二条)、強制的動員に応じる「責務を有する」(第六条)と定められた。
今回、国民保護法制で民間航空会社が指定公共機関に定められ、機長権限も国に剥奪される。戦前の船舶保護法で、軍事動員のかかった民間船舶の船長権限が官権の指揮下に置かれたのと同じだ。同法では「職務の遂行を妨げた」船長は「六カ月以下の懲役に処す」となっていた。今回の国民保護法制も同様の罰則を用意している。こうして戦前型の国家総動員体制が着々と準備されている。
(写真 1950年の朝鮮戦争では日本国内の基地で多くの労働者が秘密裏に徴用された【横田基地で爆弾の整備】)
空港労働者も全員動員対象
民間航空会社の軍事動員は、成田空港の施設全体が軍事基地化することを意味する。空港で働く各種の労働者全員が、軍事動員=徴用の対象になる。空港と接続するJR線も「指定公共機関」となる。大手の民間輸送会社も同様だ。これが「国民保護」と銘打った法律の具体的な中身だ。
空港内外から、一切の戦時協力を拒否する闘いを始めなければならない。成田空港を米軍の受け入れ基地としてはならない。
あらゆる軍事関連物資の積み卸しを拒否しよう! 成田空港をイラク派兵の基地とするな! たたかう朝鮮人民と連帯し、成田空港の軍事基地化阻止へ!
n指定公共機関n 国が法律に基づいて強制的に業務や施設を徴発・徴用できる公共機関を定めるもの。法律ごとに政令などで決定される。
有事法制にもつながる災害対策基本法(00年5月改訂)では日銀や日赤、NHK、道路公団、新東京国際公団(成田空港)、関空会社、核燃、JR各社、電力各社、NTTなど60の公共機関、準公共機関が指定されている。有事法制での公共機関の指定もこの災害法に準じるとされてきたが、今回、有事法体系の柱となる「国民保護法制」のなかで明記されることになった。
成田空港については97年に締結された日米新安保ガイドラインのなかで、米軍側が空港施設の使用を強く要求していた。
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週刊『三里塚』(S644号2面2)(2003/12/01)
公団、無意味な“北延伸”なお策動
暫定路2500メートル化阻止、3年決戦
三里塚闘争は二〇〇四年民営化スタート〜二〇〇七年完全民営化(株式上場)をにらんだ暫定滑走路北側延伸攻撃との三年間の決戦に入った。
来年四月に民営化され設立される「成田国際空港会社」の中期総合経営計画草案(04年度〜06年度)が十月三十日発表されたが、その記者会見に臨んだ黒野匡彦公団総裁(写真左)は、暫定滑走路の二五〇〇b化について「中期計画中の三年の間に建設のめどが確実につくか、建設に着手していることを実現したい」と明言し、暫定滑走路の二五〇〇b化をめざす方針を改めて表明した。
暫定路の二五〇〇b化は空港民営化のための譲れない大前提だからだ。空港反対闘争を解体して二五〇〇b化し、ジャンボ機が飛ばせ欧米便が乗り入れられる滑走路にしないかぎり、民営会社の経営が立ち行かないからだ。国土交通省は昨年「二五〇〇b化しないかぎり民営化は認めない」と公団に通告している。
しかし、二五〇〇b化を実現する現実的展望はきわめて厳しい。本来計画である南側への延伸は、東峰部落が用地買収を拒んで立ちはだかっている。二〇〇二年四月開港で「頭の上にジェット機を飛ばせば農家は落ちる」としてきた公団のもくろみは、「あくまでこの地で農業をつづけ、国家犯罪を告発する」道を選んだ東峰区住民のたたかいで完全に粉砕された。
法律で用地を取り上げる土地収用法の事業認定も失効した。
公団に残された道は、唯一、北側に暫定滑走路を延伸して、「今度はジャンボ機を飛ばして本当に住んでいられなくしてやるぞ」と脅しをエスカレートさせることだけである。
「謝罪の手紙」を総裁名で送りつけたり(今年三月)、東峰神社裁判の和解交渉で見せかけだけの譲歩をしたりしているが、最後に依拠するのは有無を言わせぬ暴力的闘争破壊である。
黒野総裁は二〇〇二年七月就任直後から、トーンの強弱を経つつも、暫定滑走路の北側延伸攻撃を一貫して唱えてきた。さる九月の前記東峰神社裁判における和解問題の過程でも公団は「和解に応じなければ北側に延伸する」旨すごんで見せた。
しかし、暫定滑走路を北側に延伸してもジャンボ機は飛ばせないという現実は変わらない。狭く湾曲した誘導路問題が解決せず、滑走路を延ばしてもジャンボ機はその滑走路に入ることすらできないからだ。したがって便数も増えない。北延伸は空港運用上まったく意味がないのである。
公団の黒野総裁自身、北延伸計画自体に意味があるとは考えていない。二五〇〇b化のためには、東峰区住民を切り崩し、南側に延長するしかないのだ。
しかし工事に着工すれば「ひょっとして空港反対農民が動揺するかもしれない」と期待する一方、対外的には「二五〇〇b化が始まった」とのポーズを示す意図で、むだな工事をあえて強行しようとしている。
しかしわれわれは、どんなに成算がなくとも、北側延伸攻撃しか手段がない以上、二〇〇四年の遅くない段階で、空港公団が、本格的に北側延伸攻撃に着手してくることを見すえなければならない。反対同盟の宣言した「三年間決戦」の含意は、この北側延伸攻撃との対決である。
三里塚闘争を支援する全国の労農学は、この北側延伸攻撃と対決する陣形を準備しよう。反対同盟の「三年間決戦」の呼びかけに断固応えよう。
十一月二十三日のジェット噴射防止植林闘争は、こうしたたたかいにむけた反撃と決起の第一歩である。三十八年間の長きに渡って権力の暴虐を告発しつづけてきた反対同盟は「さらに長きたたかいを覚悟している。最後の勝利するのはわれわれだ」(北原事務局長)と新たな決意を燃やしている。秋〜冬のたたかいを展開し、来春3・28全国闘争に集まろう。反対同盟への支援・激励を強めよう。
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週刊『三里塚』(S644号2面3)(2003/12/01)
三芝百景 三里塚現地日誌 2003
11月5日(水)〜11月19日(水)
●航空会社も指定公共機関に 政府は有事法制で、航空会社も指定公共機関に定める方針を明らかにした。指定公共機関とは、「有事」の際に政府が強制的に戦争支援に軍事動員できるよう「指定」された機関のこと。空港はすでに災害対策基本法で指定公共機関に定められているが、政府は航空会社も指定公共機関に含める方針を固めた。(6日)
●労働者集会に反対同盟が参加 11・9国際連帯労働者集会に反対同盟から市東孝雄さんをはじめ6人が参加して共に闘った。反対同盟各氏は日米韓労働者の間で始まった本格的な国際連帯の闘いを目の当たりにして感激の面持ちだった。(9日)
●植林闘争を準備 反対同盟は、ジェット噴射被害対策として、11月23日に市東さん宅の空港に隣接した畑に防護林植林闘争を行うことを決めたが、その準備として12日に現地支援が整地作業、15日に穴の掘削作業を行った。
●ヤツガシラの貯蔵作業 敷地内東峰の萩原進さん宅ではこの日、ヤツガシラとサツマイモの貯蔵、サツマイモを掘った跡地の耕運、ネギ苗畑の草取り作業を行った。(13日)
●JALが中間決算で赤字
日本航空システム(JAL)が9月中間決算を発表した。それによると国際線では旅客数で前年比34%減という大幅なマイナス。最終損益で575億円の赤字となった。世界的な航空不況、新型肺炎による需要減が打撃となった。(14日)
●高温・多雨気候で野菜に被害 冷夏の次は温かい天気と長雨。このため三里塚農家ではブロッコリーの表面が溶ける被害が目立ち、大根は育ちすぎて中にスが入り、ニンジンには線虫による被害が出ている。(14日)
●市東さん宅で耕運作業 敷地内天神峰の市東さん宅では、ミニトマトを収穫した跡地、ナス畑跡地の耕運作業を行った。(14日)
●関西実・安藤さん、現地調査 関西実行委員会・事務局長の安藤真一さんが三里塚を訪れ、芝山町菱田周辺の廃村状況を現地調査をし、3・28三里塚全国集会に向けて、来年2月に予定されている関西集会用のビデオ撮影を行った。その後中郷部落の鈴木幸司さん宅を訪ね、村中移転した中で営農しつづける闘いを称賛し激励した。(19日=写真)
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