SANRIZUKA 2013/04/22(No870 p02)

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第870号の目次

7・29農地取り上げ判決阻止に向けて、サニーレタスの収穫作業に力が入る市東孝雄さん(4月18日 成田市天神峰・南台の畑で)

1面の画像
(1面)
7・14全国総決起集会の成功にむけ“緊急3万人署名”を集めよう
7・29農地強奪判決を許すな
実行役員会を開催  「同盟員が先頭に立つ!」
記事を読む
TPP 事前協議での日米合意弾劾
露骨な市場分割戦  犠牲、労農市民に押しつけ
記事を読む
5・13誘導路裁判へ  門前払い要求する成田空港会社を追及へ 記事を読む
支援連、市東さん3万人署名開始 記事を読む
ピンスポット  萩原事務局次長が経産省、官邸前行動へ
「行動で連帯する」  反原発の思いは一つだ
記事を読む
団結街道 記事を読む
【要項】市東さんへの農地強奪判決阻止7・14全国総決起集会 記事を読む
記事を読む
(2面)
全学連三里塚現地行動隊日誌
市東農地決戦の先頭に立つ  学生こそストを
記事を読む
テントは反原発の砦だ  人民の総力を結集し 撤去攻撃を粉砕しよう 記事を読む
耕作権裁判 高裁が一部差し戻し  文書開示抗告で打撃強制 記事を読む
はげ落ちた「公共性」  住民犠牲に金もうけ
「選ばれる空港」茶番だ  オープンスカイと成田空港
記事を読む
“解雇撤回”に決起  三里塚現闘 京成成田駅前で160筆 記事を読む
三里塚営農だより  萩原進さん宅  昔ながらの消毒法 記事を読む
制限緩和許せない  騒音下 下総地区で住民集会 記事を読む
三芝百景 三里塚現地日誌  4月10日(水)〜4月22日(月) 記事を読む

週刊『三里塚』(S870号1面1)(2013/04/22)

 7・14全国総決起集会の成功にむけ “緊急3万人署名”を集めよう

 7・29農地強奪判決を許すな

 実行役員会を開催

 「同盟員が先頭に立つ!」

 反対同盟は4月20日、拡大実行役員会を開催し、市東孝雄さんに対する7月29日の農地取り上げ判決阻止にむけた方針を討議、決定した。2大方針として7・14全国総決起集会(千葉市内)、緊急3万人署名運動の取り組みを改めて確認し、そのための具体的な行動方針を決定した。その核心は反対同盟員自身の決起である。特に署名運動の達成に向けて、地域に入り、各種集会に出かけ、街頭宣伝の先頭に立つことなどを決めた。闘いの精神として「福島・沖縄・三里塚の怒りを一つに」を核心にすえることを確認した。JR外注化阻止・非正規職撤廃を闘う動労千葉などの決戦と一体となって、市東さんの生活と営農を守る2カ月決戦に立とう。
 4月20日、成田市天神峰の市東さん宅離れに、北原鉱治事務局長を先頭に反対同盟員多数と現地支援の代表が集まり、拡大実行役員会を開催した。
 冒頭、事務局長があいさつ。「47年のすべてをかけた2カ月の闘いが始まった。今日は集まった皆さんから忌憚(きたん)のない意見を出してもらい、勝利する方針を形成していきたい」と活発な討論を促した。
 まず、支援の代表からこの間高まっている騒音下地域での住民の怒りの実態と反対運動への期待が報告された。「成田市の中でも一番反発が強い地域にビラ入れで回りましたが、度重なる騒音激化政策の強行に、激しい怒りを表明する人がいる一方、空港という既成事実への無力感をもらす住民も多かった」「それは反対運動への期待につながる気持ちの表れだと理解した」「系統的な働きかけを行えば突破口は開けると確信した」などの報告がなされた。
 市東さんからは「第3誘導路の供用開始など、NAAは勝手に工事をやっている。だけど負けるわけにはいかない。地域の人との間にある『温度差』をいかに打破していくかを考えよう」とのあいさつがされた。
 萩原進事務局次長から詳細な方針の提起が行われた。2大方針として7・14千葉市内での全国総決起集会、さらに緊急3万人署名運動があらためて提起された。そのために、(1)3・24全国集会の成功を実現した力と発想をさらに拡大した意気込みで闘いに取り組むこと。(2)特に署名運動を重視して、同盟員自身が先頭に立つ。(3)騒音下の地域への働きかけを強める。(4)大胆に「外」に出ていく。(5)現地調査、援農、交流会などへの取り組みなどが提案された。
 つづいて、裁判闘争報告、第3誘導路実態調査報告が行われた。
 討論では、資料として配られた騒音下地域説明会での住民の声に関連して、「本当に地域住民の決起が始まっている。こうした人たちとつながっていくことが大切」(伊藤信晴さん)、「ビラを投げ入れるだけじゃなくて一対一の面談を重視しよう。そのための署名運動だと思う」(萩原富夫さん)、「運動でつながった何百人もの人たちがいるから、さっそく2〜300枚の署名用紙を渡したい」(鈴木加代子さん)など活発な意見が出された。
 萩原さんが「外に打って出る」ことに関連して4月12日に、テント撤去提訴に抗議する経済産業省前集会と官邸前金曜日行動に参加した報告をした。「反原発の運動とも具体的に連帯していこう」と提起し、全体で確認した。最後に「7・14集会は単にその日に集まるという集会ではない。7・14に上りつめる過程が大事。それが決戦だ」と強調し、会議を成功裏に終了した。
(写真 7・29農地取り上げ判決阻止に向けて、サニーレタスの収穫作業に力が入る市東孝雄さん【4月18日 成田市天神峰・南台の畑で】)

 NAAの「仮執行」要求粉砕

 7・29農地強奪判決をいかに阻止するのか。反対同盟は真剣な討論の中から改めて2大方針を肉付けして全国に檄を発した。
 方針と考え方は鮮明だ。まず何よりも、7・29判決に市東さんの生活と営農、人生がかかっているということをあらためて明確にしよう。
 その上で、緊急3万人署名に全力で決起しよう。全国規模で展開しよう。三里塚闘争支援連絡会議は4月17日、最初の市東さん署名を京成成田駅頭で開始した。支援連はこの頻度を増し、さらに千葉市をはじめ県下各地へ拡大する計画だ。
 そのためのリーフレット3万部も間もなくでき上がる。
 深夜便の飛行制限緩和に怒る騒音下地区への働きかけを重視する。反対同盟は「選挙戦のような考え方で一斉行動日をもうけて踏み込んだ取り組みを行う」と、自ら行動に出ることを宣言している。 
 そして、千葉地裁前での宣伝のみならず署名取りも大々的に行って、「何がなんでも市東さんの農地を守る」との決意を示していく。
 農民団体、労組、住民団体、環境団体、消費者団体などへ訴える。一方、千葉県外へは全国農業会議と一体となった取り組みを行う。各種集会や首相官邸前行動などに出向いて積極的に働きかける。北は北海道から南は沖縄まで、全国の労農学人民にこの2カ月決戦への決起を訴えていく。
 また、一審判決で執行を強行する「仮執行宣言」をNAAが要求していることを粉砕しよう。
 このような闘いを全面展開し、3万人緊急署名を必ず達成しよう。それがすなわち7・14全国集会の成功へ直結する。また、全学連現闘はこの農地決戦と一体で、4月13、18、20日の3日間、解雇撤回・JR復帰10万人署名運動への取り組みを京成成田駅前で行い大きな成果をあげた。(2面に記事)
 戦争と改憲政治、TPP参加をゴリ押しする安倍政権と対決する闘いとして、市東さん農地決戦の爆発を実現しよう。

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週刊『三里塚』(S870号1面2)(2013/04/22)

 TPP 事前協議での日米合意弾劾

 露骨な市場分割戦

 犠牲、労農市民に押しつけ

 4月12日、日米両政府はついに、日本のTPP交渉参加に向けた事前協議で合意し、文書を発表した。TPPは日帝が延命するための安保政策そのものであり、むきだしの帝国主義間争闘戦である。この事前協議の合意とその後の経緯を見てもそのことが鮮明となる。
 合意文書は日本による「アメリカの要求の丸のみ」だ。中でも本丸の自動車関税で、これ以上ないほどの譲歩をしている。アメリカの関税自由化を、自動車で5年超、トラックで10年超も猶予する、としている。韓国側に一方的に厳しいとされている米韓FTAですら関税猶予期間はそれぞれ4年、7年だが、それより厳しい内容となっている。
 さらにアメリカUSTR(米通商代表部)が国内向けに作成した「日本との協議事項報告」では、「日本が事前協議で身ぐるみはがされた様子が詳細に報告されている」(4月20日付東京新聞)。合意文書では保険などの非関税措置については「TPP交渉と並行して取り組む」と簡単に触れられているだけだが、USTR文書では「かんぽ生命保険」と名指しされかんぽ生命保険によるがん保険などの新商品販売は事実上認めない内容となっている。
 農産品の「聖域」については言及ゼロ。他方で、「日本政府はすべての産品を(「聖域」も含むということ)交渉のテーブルに載せる」と明記され、農業の「例外」を認めるかのような合意文書の文言はリップサービスに過ぎず、本音は「聖域なき関税撤廃」であることが露骨に示されている。
    *
 さらに、事前協議合意後もアメリカの強欲資本は追及の手を緩めない。米国自動車政策評議会は「事前協議後に示した内容では日本の交渉参加の論拠にならない」との声明を出し、軽自動車規格の撤廃などのさらなる譲歩を暗に要求した。
 ここまで譲歩につぐ譲歩を重ねても日帝・安倍政権にとって、TPPに参加しないという選択肢は最初からなかった。なぜなら、これは日米安保と一体の基軸戦略であり、延命に不可欠な帝国主義間争闘戦への参戦だからだ。どんなに厳しくとも、アメリカとの同盟の形をとりながら、この争闘戦の中で生き延びる道を探る他に方法はない。安倍の戦争と改憲政治はその重大な一環だ。
 返す刀で、犠牲を労働者・農民・市民・学生に押しつけようというのが安倍政権の魂胆だ。雇用、農業、医療保険、食の安全などをすべて破壊し、輸出大企業を中心とした自らの利益をむさぼろうというのだ。
 JR外注化・非正規化阻止のストライキに立ち上がる動労千葉・動労水戸を先頭にした6千万の労働者階級の決起は、日帝による究極の新自由主義攻撃=TPPを許さない。今こそ労農学人民の闘いでTPPを粉砕し、日帝・安倍政権を打倒しよう。TPP参加を実力で阻止しよう。 

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週刊『三里塚』(S870号1面3)(2013/04/22)

 5・13誘導路裁判へ

 門前払い要求する成田空港会社を追及へ

 前回まで原告側(市東孝雄さんほか18名)から、航空機騒音環境基準や成田市公害防止条例にさえ違反することについて被告の国・成田空港会社を追及してきた。これに対して被告側から反論の準備書面が4月19日付で提出された。
 しかしながらこの反論は、「これらは一般的な基準であって成田空港は適用対象ではない」、などと露骨に開き直っている。「航空機騒音に関する総合的な施策を達成することが望ましい値を設定した行政上の目標となる基準であって、規制基準でもない」「昭和48年の環境基準が、直ちに規制基準や受任限度を示すものではない」などとしているのだ。
 「W値75以上の地域に属する場合には、損害の賠償を要する程度に騒音状況が違法である」という問題に対しても、「損害賠償請求における違法性の判断基準と差止請求における違法性の判断基準は異なるから、差止請求は理由がない」などと門前払い的に否定している。
 しかし第3誘導路の供用によって、市東さん宅は2本の誘導路に挟まれ、空港内に取り込まれた形で激しい騒音にさらされているのが現実だ。先日、反対同盟で行った誘導路の使用実態調査からしても、第3誘導路は不必要なものであることが明らかとなった。
 5月13日の弁論で、NAAの許しがたい居直りを徹底追及しよう。
(写真 市東さんの家のすぐ横を自走する航空機【4月15日 市東さん宅庭から撮影】)

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週刊『三里塚』(S870号1面4)(2013/04/22)

 支援連、市東さん3万人署名開始

 三里塚闘争支援連絡会議は4月17日、市東さんの農地取り上げを許さない緊急3万人署名を京成成田駅頭で開始した。まもなくできるリーフレットを武器に、千葉県全体に拡大していく予定だ。

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週刊『三里塚』(S870号1面5)(2013/04/22)

ピンスポット 萩原事務局次長が経産省、官邸前行動へ

 「行動で連帯する」

 反原発の思いは一つだ

(写真 テント前の萩原事務局次長【左】とNAZENの織田陽介事務局長【4月12日】)

 4月12日、反対同盟事務局次長の萩原進さんが、経済産業省前で開かれたテント撤去提訴を弾劾する抗議集会と首相官邸前行動に参加した。経産省前集会では、三里塚集会にかけつけてくれる多数の仲間と交歓、市東さんの農地を守る闘いと反原発闘争との連帯、合流に手応えを感じていた。
 4月20日の拡大実行役員会で思いを述べた。「三里塚がいっそう前進するためには、反原発を闘う現場に出て行くことが必要だと考えていた」「集会の場での発言は、求めればできたがあえてしなかった。連帯の行動を積み重ねる中で、自然に促されるようになった時に発言もできると思っている」「反対同盟も責任をもってかかわっていこう」と訴えた。反対同盟は、反原発行動との連帯にむけ大きな一歩を踏み出した。

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週刊『三里塚』(S870号1面6)(2013/04/22)

 団結街道

 俳優の三国連太郎さんが亡くなり、彼の生涯と出演作品が紹介されている旧制中学時代に軍事教練などに反発し退学、後に徴兵忌避で逮捕。戦争に対して彼は、軍靴の音が高く迫ってくる気がすると指摘し、「孫たちには、同じ思いをさせたくない」と発言している映画出演は180本を超える。筆者が推薦するのは、「襤褸(らんる)の旗」。この映画は、1974年公開で戦前の足尾鉱毒事件による谷中村土地収用を描いている。三国は主人公の田中正造を見事に演じている周知のように、明治政府は鉱毒による被害を拡大させた足尾銅山の営業を続けるため、その対策として谷中村一帯を遊水地として水没させた。日本資本主義にとって、足尾銅山は全国の産出量の1/4であり、資本の延命のため滅亡させられた映画「襤褸の旗」の三国の演技で、特に優れているのが強制執行の場面だ。「谷中村は法律によって、もはやない」という執行官を前に田中正造は、「作物を作る土地を奪うのは泥棒だ」と弾劾し、足元の土を握り食べ始める。田中正造は、土を口に含んだまま「日本は滅んでいる。それを立て直すのが谷中村だ」と反論するこの三国連太郎の田中正造は鬼気迫るものがある。市東さんの土地取り上げは、戦前の谷中村以来の農地収用だ。谷中村をはじめ、資本の延命のための人民圧殺・土地取り上げへの積もり積もった怨念を、市東さん農地決戦の勝利で晴らそうではないか。

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週刊『三里塚』(S870号1面7)(2013/04/22)

【要項】市東さんへの農地強奪判決阻止7・14全国総決起集会

 市東さんへの農地強奪判決阻止
 7・14全国総決起集会
 【日時】7月14日(日) 午後1時
 【場所】千葉市内
 【主催】三里塚芝山連合空港反対同盟
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 《三里塚闘争裁判》
  ●5月13日(月) 第3誘導路裁判 午前10時30分 千葉地裁
  ●5月21日(火) 天神峰ヤグラ裁判 午前10時30分 千葉地裁
  ●6月18日(火) 団結街道裁判 午前10時30分 千葉地裁
  ●7月29日(月) 市東さん農地裁判 午後1時30分 千葉地裁=判決

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週刊『三里塚』(S870号1面8)(2013/04/22)

闘いの言葉
 若い人は日本の未来だ。世の中を変えていきたいという純粋な思いを持った人たちに一番長生きしてほしい。
4月19日 俳優・山本太郎さん

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週刊『三里塚』(S870号2面1)(2013/04/22)

 全学連三里塚現地行動隊日誌

 市東農地決戦の先頭に立つ

 学生こそストを

 行動隊に参加して 関西学生 F

 今三里塚ではニンジンの周りに生えてる雑草をとったり、石灰や肥料を混ぜて畑に撒いたり、ビニールシートを新しく張り替えるなど春は結構忙しいです。
 一方、市東さんの農地死守・土地の強制収用を許さないとして3万筆署名を集めています。市東さんの農地を奪う空港会社の思惑を粉砕するものです。47年間闘い抜いてきた農地死守の闘いに恐怖する空港会社が農地を強奪し、成田空港建設をごり押ししようとしてきています。
 今、市東さんの家の周りには第3誘導路が完成し、LCCなどの格安航空機などが早朝から深夜の時間帯で走り、周辺住民は「寝るのに1時間以上かかる」など怒りは爆発しています。ボーイング787のような最悪の事故によって航空機が墜落する可能性があるのに、それでも「命より金」を優先し、資本は市東さんの農地を奪うことで矛盾を開き直っています。
 だからこそ資本主義の砦である裁判所は資本の論理でむきだしの「暴力」として登場し、農地法の精神を踏みにじって反動判決を強行しようとしています。3万筆署名は今安倍政権が行っている戦争・改憲・TPPを打ち破り資本主義を打倒する闘いとしてあります。
   *
 大学における闘争では今、法大が爆発しています。去年の10月19日の法大集会で武田雄飛丸君を先頭に法大生が闘い抜いたことに恐怖した当局は、武田君への無期限停学処分を強行しました。
 去年、全サークルの7割が反対したにも関わらず、全面禁酒を強行し反対する学生を暴力でもってねじ伏せた大学当局に対して、怒りを爆発させた学生が集結して10・19千人集会を実現させました。
 法大当局は現場の学生の怒りに恐怖し新入生とサークル員の団結を破壊するために「新歓の縮小」を行いました。これに怒る学生を弾圧によって抑え込もうとしています。大学当局と闘う学生を「鉄パイプ抗争集団」や「カルト集団」呼ばわりし、休憩時間においても「学外団体に巻き込まれないようにして下さい」など叫んでいます。
 その中で私たちは新入生や法大生、諸大学の学生と結合し、「大学が学生を弾圧しているのはおかしい」と現場では怒りが爆発しています。
 大学は学生が主人公であることを実践による闘いで示していくことです。学生こそストライキを行いこの腐った社会構造そのものを打倒しましょう! 
 自治労本部は4月15日、現場の労働者の怒りによって「上限1時間」のストライキ指令を出しました。
 現場での怒りで裏切ってきた体制内労組、御用組合を打倒し抜きましょう! 法大闘争や東北大での新執行部樹立や京大での同学会再建の地平で広島大学での学生自治会復権を勝ち取りましょう! キャンパス・職場で労働者、学生と団結し、動労千葉を先頭とした階級的労働運動の力で勝利しましょう! 反権力の砦である三里塚と連帯し闘いましょう! ストライキでもって一切の権利を労働者階級に奪い返し、現場の実践でもって労働者階級全体と団結しましょう! 団結の拡大・発展こそ勝利! ともに闘いましょう!
(写真 農地強奪判決阻止・3万人緊急署名を行う全学連三里塚現地行動隊【4月17日 京成成田駅】)

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週刊『三里塚』(S870号2面2)(2013/04/22)

 テントは反原発の砦だ

 人民の総力を結集し 撤去攻撃を粉砕しよう

 3・11反原発福島行動は反動を突き破り、反原発闘争の新たな地平を切り開いた。外注化阻止・春闘勝利のストライキに決起し、4・26自治労スト―5・1メーデー闘争勝利の展望をつかんでいる。労働者階級の職場からの決起と反原発闘争が結合する時代が到来した。6・2反原発行動に決起し、安倍政権の原発再稼動を阻止しよう。
    *
 経産省前テント撤去の策動に対して、4月12日緊急抗議集会が開催された。3月14日、東京地裁は経産省前テントに「占有移転禁止仮処分決定」の告示を行った。翌3月15日には、テントひろば代表の2人に、経産省から「損害金」と称する約1106万納付告知書用紙が送達された。さらに国は、3月29日、「明け渡し請求訴訟」を提訴した。この経産省前テントの撤去攻撃は、原発の再稼働攻撃そのものだ。
 これらの暴挙に怒りの声が全国から集中し、4・12抗議集会は経産省前の歩道を埋め尽くして行われた。反対同盟からは萩原進事務局次長も参加し、椎名千恵子さんは「裁かれるべきは国と経産省だ」と弾劾した。経産省前テントは、福島原発事故から半年後の2011年9月11日夕刻にテント1張りを立てて以降、現在は計3張りのテントで闘いを貫いている。同年12月1日から昨年9月11日までは「原発いらない福島の女たち」による「未来を孕(はら)むとつきとおかのテントひろば行動」が行われ、テントを守りぬいた。大飯原発再稼働阻止のリレーハンストは3月31日から5月5日まで経産省前テントを中心に取り組まれた。経産省前テントは、フクシマを始め全国の原発反対を闘う人びとの交流の場、拠点となっている。テント撤去策動は、原子力規制委員会による「新安全基準」の7月施行、それに基づく再稼働という安倍政権の攻撃の一環だ。
(写真 経済産業省前で行われた、テント撤去を求める提訴への抗議集会【4月12日】)

 再稼働攻撃激化

 今日、安倍の再稼動に向けた焦りにかられた攻撃は激化している。4月16日、大阪地裁は関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転停止を求めた仮処分の申し立てを却下した。運転を強行中の大飯原発は、活断層の存在が指摘され、ただちに停止されなければならない。「福島第1原発事故の教訓を踏まえた」とされる原子力規制委員会の原発稼動の新規制基準は7月に施行される。これ自体再稼働に道を開こうとするものだが、大飯原発のドロ縄式の緊急対策はこれにすら適合しない。「6月末までに対策を講じる」と言っているものは、きわめてずさんなものだ。
 例えば、新基準で義務づけられる「緊急時対策所」は、免震事務棟などの設置が前提となっているが、大飯原発はそれを欠いている。関西電力は、中央制御室横の会議室を放射性物質が入らないよう一時的に室内を高圧にする空気ボンベなどを配備して代用するとしている。このように安全性を無視し、科学的知見をも欠いた独断で、危険極まりない運転強行を続けようとしている。これに対して、当初、田中俊一委員長は、新基準を基に初めて安全性を評価するので「大飯だけ例外扱いはできない。基準に合わなければ止めていただく」としたが、今日では「9月の定検のときに(最新知見の)バックフィットを求めればいい」と変わった。定期検査に入る9月までの運転継続は、規制委による国内の他の原発再稼働認可のテコになっている。さらにこれは、関電の高浜3、4号機などの他の再稼動の関門を開くものだ。
 福島第一原発は、地下貯蔵池の水漏れ事故を防ぐことも原因を特定することもできず、汚染水処理計画は破綻した。高濃度汚染水の処理の非常事態に備えた移送先タンクの7割はすでに満水で、残っているタンクは1週間分しかカバーできない。冷却停止が不可能になる事態が迫っている。タンク増設に追われる現場では、全ての矛盾が労働者に集中している。
 被爆労働をストで拒否する動労水戸を先頭に、労働者階級の力で大飯原発稼動阻止―全原発即時廃炉を勝ちとろう。
(写真 大阪地裁が「稼働停止仮処分申し立て」を却下した大飯原発)

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週刊『三里塚』(S870号2面3)(2013/04/22)

 耕作権裁判 高裁が一部差し戻し

 文書開示抗告で打撃強制

 市東さんの農地をめぐる3つの裁判のうち、耕作権裁判(民事第2部・白石史子裁判長)で、市東さん側がNAAと裁判長に対して文書の開示を求めていた抗告を、3月26日、東京高等裁判所・第8民事部が却下した。
 しかし、NAAが白石裁判長にすら提出せず、存在そのものを隠し通してきた文書について、市東さん側の主張を認めて「存在するものと一応認められる」と認定、その部分については白石裁判長対して「審理を尽くさせるため」として、差し戻す内容とした。市東さん側弁護団は、NAAによる「境界確認書」「同意書」の偽造問題について、白石裁判長に民事訴訟法220条に基づいて、文書提出命令を出すように再三要求してきた。それに対して、裁判長は「インカメラ」による文書提出をNAAに命じた。「インカメラ」とは「裁判長にだけ開示する」という意味だ。それにしたがってNAAは裁判長に10通の文書を提出した。裁判長はこの内3通だけを市東さん側に開示した。
 これに対して、市東さん側は東京高裁に抗告した。「3通以外の7通全部と、これ以外にも隠している文書があるのは明白だからその文書すべてを開示せよ」という要求だ。高裁の判断は「7通については裁判長が証拠調べするつもりはない、と言っているのだから開示要求の法的根拠はない」と却下した。しかし、もう一方の「隠された文書の存在と開示」については、白石裁判長に「審理を尽くせ」と差し戻す決定を行ったのだ。
 この部分については市東さん側の成果である。高裁はなぜ差し戻さざるをえなかったのか。前記10通は1987年3月23日から88年1月19日までのものだった。ところが、偽造文書そのものである地籍測量図の作成や賃貸借地境界確認書の作成は、その後の88年3月1日と4月11日に行われている。このもっとも重要な時期の文書が白石裁判長にすら提出されていない。NAAは「存在しない」と言い張った。あまりにも不自然で、NAAが文書を隠していることは一目瞭然だった。

 偽造隠し切れず

 「明け渡しを求める場所を示す証拠が偽造文書」――この違法行為の上に、あまりに見え透いた文書の隠蔽を行うNAAを、東京高裁と言えどもかばう事はできなかった、というのが事の真相だ。市東さん側は4月1日、「7通」について、開示要求の却下を行った東京高裁に対し、許可抗告を行った。最高裁への特別抗告への許可を、高等裁判所に対して求めるという民訴法上の手続きだ。この「差し戻し」問題は、現在緊迫化している多見谷裁判長のもとでの行政訴訟・農地法裁判の進行にも影響する内容だ。文書の全面開示むけてさらに闘おう。

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週刊『三里塚』(S870号2面4)(2013/04/22)

 はげ落ちた「公共性」

 住民犠牲に金もうけ

 「選ばれる空港」茶番だ

 オープンスカイと成田空港

 成田空港が3月31日からオープンスカイ化された。オープンスカイとは、今まで国が決めていた各国航空会社の路線や便数を自由化すること。航空会社はNAAとの交渉で路線や便数の増減を決められるようになった。
 国土交通省と成田空港会社は、深夜・早朝便の飛行制限緩和を要求した時に、このオープスカイを口実に使ってきた。国交省航空局は最初は合意期限を「2月15日に」とまで区切ってきた。しかし、騒音下住民たちの説明会での怒りの強さに圧倒されて、「2月15日」は早々に打ち砕かれ、結局、地元自治体の承認を口実に飛行制限緩和を決めたのが期限切れ3月31日ぎりぎりの3月29日だった。
 なぜ、オープンスカイに合わせて深夜便の飛行制限緩和をしなければならないのか。ポイントは「成田からの撤退も自由だ」ということ。つまり、増便、路線増も自由であれば、減便、路線減も自由だということ。空港間の大競争が始まったということだ。
 そのためにNAAが今、大合唱しているのが「選ばれる空港へ」というスローガンだ。そのために「使い勝手のいい空港にしなければならない」と。冗談ではない。成田空港の計画時を振り返ってほしい。1966年に「羽田が手狭だから成田に空港を」として始まったのが成田空港建設だ。口実は「諸外国からの乗り入れに対応できないから」というもの。羽田では受け入れられない需要が先にあって、そのために新空港が必要だ、という建前だった。
 ところが今はどうか。この3月31日から発着枠は27万回に拡大した。しかし、実際に飛んでいるのは20万回前後だ。27万回をうめるための便数集めに必死となっているのが現状だ。
 騒音下はじめ周辺住民からは「需要なんかなくていい。増やすなんてもってのほか」「LCCなんか来なくていい」という怒りの声が上がっている。結局、一部資本、地元利権団体の金もうけのための空港という、成田の正体があらわとなっている。企業城下町と同じ論理であり、「空港の公共性」なるものの虚構が崩れ去りつつあるのだ。
(写真 NAAは「選ばれる空港」を呼号し、「騒音は我慢しろ」と強要している)

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週刊『三里塚』(S870号2面5)(2013/04/22)

 “解雇撤回”に決起

 三里塚現闘 京成成田駅前で160筆

 市東さんの農地を守る決戦と一体で、三里塚現闘は解雇撤回・JR復帰10万人署名運動に決起した。まず4月13日、京成成田駅前で、道行く労働者・農民・市民・学生に署名への協力を呼びかけた。「解雇撤回」と聞くと反応が違う。非正規職が2千万人という現状の厳しさを実感した。のぼりや横断幕などの準備が不十分な中でも2時間の行動で60筆が集まった。
 4月17日も同様に京成成田駅前に登場。やはり60筆を集めた。最後は4月20日。相手から駆け寄ってきて署名してくれる人が目立った。この日は40筆。やはり労働者の怒りは充満している。そしてこの手応えは市東さんの緊急3万人署名にも通じることを実感した。
 一方、4・26公務員ストに向けて4月19日、香取市役所への早朝ビラまきを行った。多くの労働者がビラを受け取る一方で組合役員が「組合を通してもらわなきゃ困る」と言ってきた。それもそもはず、大半の労働者がスト方針自体を知らされていなかった! 三里塚現闘は今後も決起する。
(写真 三里塚現闘は解雇撤回・JR復帰要求署名運動を展開した【4月20日 京成成田駅】)

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週刊『三里塚』(S870号2面6)(2013/04/22)

 三里塚営農だより

 萩原進さん宅

 昔ながらの消毒法

 今日お昼のメインは里芋の煮物です、里芋の作付け用の種芋を選別して残り少なくなった芋を名残惜しく頂きます! 今年は貯蔵穴に乗せる土をいつもの2倍かけたので貯蔵状態も良く掘りたての味わいを楽しめました。
 昨年作柄が良かったサツマイモ(品種、紅あずま、紅はるか)も残り少なくなっていますが、順調な要因の一つとして、自家製種芋の熱湯消毒が有ります。昔ながらの消毒方法は、昔使っていた五右衛門風呂を利用し薪の調整で温度を48度に保ちながら30分消毒します。
写真は萩原静江さんがお湯を沸かし、進さんが点検をかねて見守っているところ)
 種芋は苗床(なえどこ)と言って、畑にきれいに並べられ、土を3〜4aかけ、ビニールで保温され芋苗を育てます。種の管理と共に土作りも相まって今年も美味しいサツマイモが食べられそうです! 反対同盟は、農地裁判判決日にむかって、4月20日、久しぶりに拡大実行役員会を開き決意を固めました。現地の地熱は高まっています。

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週刊『三里塚』(S870号2面7)(2013/04/22)

 制限緩和許せない

 騒音下 下総地区で住民集会

 成田空港をめぐる離着陸の飛行制限緩和提案について、説明会も拒否してきた成田市下総地区で住民集会が4月12日開かれた。下総地区空港対策委員会の会長は「もし下総地区が2月に成田市からの説明会を受け入れていたら、深夜だけでなく早朝の飛行制限も緩和されていたと思う」と、説明会拒否の成果を強調した上で「小泉一成市長の姿勢は経済優先だ」と批判した。60人ほど参加した住民からは「緩和に賛成したのは騒音下に住んでいない人たちばかりだ」「睡眠時間が短くなる」などの怒りの声。会長は「国と市を呼びつけて説明させる。朝の飛行制限時間内は永遠に離着陸させない、との約束を取り付けよう」と話した。
 下総地区は暫定滑走路の飛行直下だが、4000メートル滑走路の直下でもある久住地区などでも怒りが拡大している。特に、「いったん緩和を認めれば24時間空港にされてしまう」などの懸念が強い。それこそ2014年に予定される「発着枠30万回化」と同時にNAAが狙っていることだ。騒音下住民と連帯しよう。

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週刊『三里塚』(S870号2面8)(2013/04/22)

 三芝百景 三里塚現地日誌

 4月10日(水)〜4月22日(月)

●日本のTPP交渉への参加をめぐって、日米が合意し、合意文書を発表した。(12日)
●騒音下、成田市下総地区で住民集会が開かれた。開いたのは「下総地区空港対策員会」。住民約60人が出席、会長は「深夜緩和に同意した小泉市長は経済優先」と批判した。(12日=2面に記事)
●関西空港を拠点にした全日空系の格安航空・ピーチが、仙台線に就航した。成田空港を拠点にしているため「飛行制限」で苦戦するジェットスターやエアアジアとの生き残り競争が激化する。(12日)
●全学連現闘は京成成田駅前で解雇撤回・JR復帰10万人署名活動を行い、約60筆を集めた。(13日)
●成田空港会社は新たな就航を呼び込むための専門部署「NAAエアライン事業部」を7月に新設することを決めた。(13日=2面に記事)
●TPPに参加する政府方針に対して東北、四国、九州を中心に23道府県議会が、国内農業への影響回避や情報開示を求める意見書や決議などを可決していることが分った。(13日)
●神奈川県横浜市鶴見公会堂で開かれた「4・14外登法・入管法と民族差別を撃つ全国交流集会」に三里塚現闘、全学連行動隊が参加した。(14日)
●三里塚闘争支援連絡会議は京成成田駅頭で、「農地取り上げに反対する緊急3万人署名」の街宣行動を行った。(17日)
●全学連現闘は京成成田駅前で解雇撤回・JR復帰の署名活動を行い、この日も約60筆を集めた。(18日)
●山本太郎さんを講師に呼んで行われた首都圏新入生歓迎集会に全学連三里塚現地行動隊が参加した。(19日=写真)
●反対同盟は拡大実行役員会を開催して7・29市東さんへの農地強奪判決を阻止する行動方針を討議・決定した。(20日=1面記事)
●全学連現闘は3回目の解雇撤回・JR復帰署名運動を成田駅前で行い40筆集めた。(21日=2面に記事)

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